05/03/11 第29回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録    第29回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会 議事録 1 日時  平成17年3月11日(金)10:30〜11:00 2 場所  厚生労働省共用第8会議室 3 出席者 [委員]  奥平委員、勝委員、小山委員、齋藤委員、佐藤委員、            讃井委員、下永吉委員、菅井委員、鈴木委員、田村委員、            都村委員、中山委員、成宮委員、堀越委員、山路委員       [事務局] 松井勤労者生活部長、宮本勤労者生活課長 4 議題 (1)中小企業退職金共済部会意見書(案)について (2)中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問) (3)中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部   を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の   支給率を定める件について(諮問) 5 議事内容 ○齋藤部会長  時間になりましたので、ただ今から第29回中小企業退職金共済部会を開催いたしま す。今日の議題は、お手元の次第にありますように、当部会の意見書(案)について、 施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)、いわゆる付加退職金の支給率 を定める件について(諮問)、この3件です。まず議題1の「当部会の意見書(案)に ついて」に入りたいと思います。前回の部会でいろいろご議論をいただきまして、大筋 ではご了解いただいていると思いますが、原案に皆様方のご意見をいただき若干の手直 しをし、適当と考えましたものを資料として事務局に用意していただきました。それで は事務局から説明をお願いします。 ○宮本勤労者生活課長  それでは資料1の説明をいたしますが、その前に資料の確認をさせていただきます。 本日は、資料1、2、3と、3つの資料を綴じたものをご用意しています。資料1に は、枝番で1−1、1−2とありますが、通し番号で頁を打ってあり、最終頁は13頁に なります。資料2は最終頁が6頁、資料3は最終頁が13頁になります。それぞれの資料 で乱丁落丁などありましたら事務局にお申し出ください。  それでは早速資料1の説明をさせていただきます。資料1の2頁をお開きください。 先ほど部会長からもご発言がありましたように、一昨日9日に開催された部会のご議論 を踏まえまして、部会長のご了承をいただいた案を、一昨日、すべての委員の方にお送 りしました。その結果、何点かのご意見をいただきましたので、本日お手元に用意した 資料は、そのいただいたご意見を入れ込んだ案をご用意しております。修正した所につ いてはアンダーラインを引いておりますので、順次そのアンダーラインを引きました所 についての説明をさせていただきます。なお、アンダーラインのない所については、当 然のことながら、一切手を加えておりません。まず表題ですが、これについては、一番 初めに、各委員に一昨日お目通しをお願いしたときの表題は、「資産運用の効率化に関 する意見書」という表題になっていましたが、これを、そこにありますように、「中小 企業退職金共済制度の運営改善に関する意見書」と改めるというご意見がありましたの で、それを取り入れております。これは2.の段落など何カ所かにありますが、資産運 用の効率以外についてもいろいろと改善策について言及もありますので、本文に合わせ て表題を改めたらいかがかというご指摘がありましたので、それを踏まえてこのように 変えさせていただいたらどうかということです。  2点目ですが、表題と1.の間に、下線部が3行ほど入った前文が入っております。 これは、これまで非常に長い時間非常に厳しいご議論をいろいろしていただきました が、それらについて着眼点、観点、熱意といったものをこういった所にきちんと書いて おくということで、文書全体としても、平たい言葉で申しますと、座りがいいといいま すか、いい資料になるのではないかというご指摘がありましたので、それを踏まえて、 ご指摘いただいた先生のご趣旨に沿った文章を用意させていただいております。  3点目は、2.の段落ですが、「付加退職金の支給率の決定に当たっては」で始まる 段落の下のほうですが、「、経費節減」という一言を入れております。これは「経費節 減」についても重要な問題点であるということを部会として議論がありましたので、そ れが漏れないようにということで付け加えております。もう1つは、ここについては一 昨日の原案では「退職金原資となる資産の効率的な運用のためのさらなる努力」という 文章になっておりまして、今回「、経費節減」という言葉を加えるとともに、日本語と してもう少し読みやすい文章にしたほうがいいのではないかというご指摘もありました ので、ちょっと文章の表現を変えております。  最後は、3.の所ですが、柱書き「厚生労働大臣及び機構は」で始まるこの段落の文 章ですが、その2行目、「次のような制度運用」、「制度」という言葉を付け加えてお ります。これは単に「運用」という言葉にしてしまうと、「資産運用」、資金を運用す る、株式に投資するとか債券に投資する、そういった運用の意味に捉えられてしまうの ではないかと。その下の(1)(2)に書かれていることは、必ずしも資金の運用に関 することではないので、ちょっと、この「運用」という言葉だと誤解を招くおそれがあ るので、下の(1)(2)を表すために、ここの「運用」という言葉は改め、「制度運 用」という言葉にきちんと書き改めるべきであるというご指摘です。それ以外の点につ いては一切手を加えておりません。  なお、表現上の問題についてもう少しわかりやすい文章にしたほうがいいというご意 見を使用者側委員の方からいただきましたが、それ以外の点についてはすべて公益側の 委員からいただいた内容を盛り込みまして部会長にご了解いただき、部会長から、適当 かなという範囲について盛り込んだものをここにご用意しております。 ○齋藤部会長  ありがとうございました。ただ今の点についてご意見やご質問がありましたらどうぞ お願いします。特段ご発言ありませんか。それでは、この意見書により、本部会として 取りまとめをさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。                   (異議なし) ○齋藤部会長  それではこの案で取りまとめて厚生労働大臣に提出することにいたします。続きまし て、議題2の「省令案要綱について」ですが、これは厚生労働大臣から労働政策審議会 あてに諮問がなされておりますので、事務局から説明をお願いいたします。 ○宮本勤労者生活課長  資料2の2頁、3頁をご覧ください。厚生労働大臣から労働政策審議会会長あてに発 出しました諮問書の写しをその資料に用意させていただいております。これは、これま での審議会でのご議論との関係で申しますと、昨年の12月に特に集中的にご審議をお願 いしました点についての諮問であります。その資料の5頁に、法令の関連する部分の抜 粋を用意しております。その下に、中小企業退職金共済法施行規則があります。ここに 17条2項という条文があって、これまでは付加退職金に充てるべき額を算定する場合に は、一般に公正妥当と認められる企業会計原則ではなく、その簿価を基準として行うと いうことになっております。今回第2項の傍線を付しました所、ここを削除することに より、その削除する2項のすぐ右側の所にありますが、独立行政法人勤労者退職金共済 機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令第10条の規定が働きますので、この計 算については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準、すなわち、時価会計基準 で、この付加退職金を算定するときの利益計算に用いることになるということです。諮 問案文は、そういう意味で17条2項を改め、3頁にありますように省令を改正させてい ただきたいという諮問をさせていただいております。 ○齋藤部会長  これは公布日はいつごろですか。 ○宮本勤労者生活課長  今の予定では、遅くても3月31日の官報に間に合いますし、もう少し早めの30日くら いの官報になろうかと思います。 ○齋藤部会長  そうですか。ただ今の諮問について何かご意見やご質問ありますか。特にご意見がな ければ当部会としては省令案要綱を適当と認めて答申することにしたいと思いますが、 よろしいですか。                  (異議なし) ○齋藤部会長  それでは答申の文案を配付していただけますか。                 (答申文案配付) ○齋藤部会長  こういう形で共済部会から勤労者生活分科会に報告がいって、さらに親審議会の労働 政策審議会にいって、労働政策審議会の会長の名前で大臣には同じものがいく。こうい う手続きになるのですね。 ○宮本勤労者生活課長  資料2の後ろのほうに関連規則を付けておりますが、審議会の運営上、当中小企業退 職金共済部会が本来専権的に審議するべき事項について議決をしていただいたときに は、その議決は内部手続きにより、そのまま労働政策審議会の議決にすることができま すので、本日これをいただきますと、あとは労働政策審議会会長の名前で厚生労働大臣 に答申をする手続が自動的にできるようになっております。 ○齋藤部会長  それではこの文案により、大臣あてに答申することにしたいと思いますが、よろしい ですか。                  (異議なし) ○齋藤部会長  それではそのようにいたします。次に議題3の「付加退職金の支給率」について説明 をお願いいたします。これも諮問ですね。 ○宮本勤労者生活課長  はい。資料3をご覧ください。その2頁ですが、これが諮問の文書です。内容は、来 年度支給する付加退職金の支給率を0.00602にするということです。2頁にこれまでい ろいろご覧いただいた法令以外のちょっと変わった法令がいくつか掲げられております が、これは、中小企業退職金共済制度は、ご案内のとおり、これまでやむを得ない事情 で予定運用利回りを過去数次にわたりまして引き下げております。その改正を行いまし たときに、改正前に納付された掛金については、納めた当時適用されていた法律によっ て退職金カーブを計算する、適用するという仕組みになっておりましたので、過去分に ついていろいろ手当をする必要がありますので、こういった法令上の所まで、あまりこ れまでご説明しなかったような法律の条文が出てきております。4頁の図で、先ほどご 決定いただいた意見書のケースでいきますと、今年度の分として年度ごとに解消すべき 額としては、その参考図のAの欄の所が180億円ということになります。一方5頁の前 回ご説明しました今年度一般中退制度で見込まれます利益が377億円ということですの で、先ほどの意見書の中では、3の(2)の(1)の場合、これまでの2分の1ルールを そのまま適用できるだけの利益が上がったケースということになります。4頁の上のほ うに支給率の計算式がありますが、法律の仕組み、そのまま計算すればいいことになり ますので、分子に利益の2分の1、それから、分母を来年度の仮定退職金額、すなわ ち、すべての被共済者が平成17年度中の特定の月に退職すると仮定した場合に見込まれ る退職金額の合計ですが、これでわり算をした数字をもって支給率とするということに なっております。その金額は、その下の所に、少し長い金額が載っておりますが、利益 の見込額である376億8,602万1,893円の2分の1を仮定退職金3兆1,292億4,199万4,958 円で割り算すると、得られます数字が0.00602ということになります。そこで、この資 料2頁の諮問書にありますように、来年度の付加退職金の支給率を0.00602とするとい うことで、諮問をさせていただきます。 ○齋藤部会長  今の説明について何かご質問やご意見ありますか。よろしければ、支給率を適当と認 めて大臣あてに答申することにしたいと思いますが、よろしいですか。                  (異議なし) ○齋藤部会長  それではまた答申の文案を配付していただけますか。                 (答申文案配付) ○齋藤部会長  これも、よろしければこういう形で答申をさせていただきたいと思いますが、よろし いでしょうか。                  (異議なし) ○齋藤部会長  それではそういう形で厚生労働大臣あてに答申をすることにしたいと思います。この 場で答申が部長あてに2つあります。 ○宮本勤労者生活課長  正式なものは今お配りした案を取りまして、部会長の印をきちんと据えたものとし、 それを施行することにします。 ○齋藤部会長  正式な答申の手続が終わりますまで少し時間がありますので、ここで事務的な連絡を 先に申しますが、今日の議事録署名委員は、菅井委員と中山委員にお願いします。よろ しくお願いします。             (答申書の手続のため、一時中断) ○齋藤部会長  それでは答申ができましたので、私から部長にお渡しします。           (齋藤部会長が勤労者生活部長に答申を手交) ○齋藤部会長  今日の議事はこれで終わりですが、何か部長からありますか。 ○松井勤労者生活部長  では、一言ご挨拶申し上げます。ただ今、規則の一部改正と平成17年度の付加退職金 の支給率について答申をいただき、本当にありがとうございました。昨年の11月下旬か ら6回にわたって議論をしていただきました。今回の審議は、実に制度の基本に立ち戻 った論点にまで及びまして、ここで皆様方の真摯かつ活発なご議論をいただき、非常に 私自身、有意義な議論であったのではないかと思っております。今日こういう形で答申 を受けましたが、むしろこの結果より、ここでご議論いただいた、いわば制度の基本に 立ち戻った考え方を、またある意味で反省させていただきましたので、私どもとして は、ここであったご議論をしっかり受け止めまして、それを踏まえた制度の運営改善、 これに向けて役所と機構のそれぞれの役割分担をしっかり心得て、ある意味でまた連携 を取りながら、まさにこのタイトル、先ほどいただいた意見書に沿った改善に努めてま いりたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございま した。 ○齋藤部会長  委員の皆様から何かありますか。 ○山路委員  今のお話の中で、制度の基本という話がありましたが、私はこの間議論に参加してい て、やはりちょっと、内心忸怩たるものを感じたのは、今の制度の基本からいうと、ど うもあまりにも、ちょっと言い方は乱暴な言い方になりますが、ちまちました議論が多 すぎたと。つまり、今の国の事情、制度の前提からすると、やむを得ない本日の答申に なったわけですが、やはり制度の基本ということから考えると、中小企業の労働者の労 働条件の改善、そのために、やはり中小企業の退職金共済というこれの担う役割という のは何かということを考えると、非常に役割は重要になっていると思うのです。ご承知 のように、大手と中小との労働条件の格差というのは広がる一方なわけです。賃金格差 もそうですし、退職金を含めた福利厚生というのはますます広がっているわけです。そ ういう中で、運用利率が1%程度の退職金制度でいいのかという議論をもう少しきちっ とやるべきだと。つまり、今の制度の仕組みを前提にするだけではなくて、やはり中小 企業のおかれた労働者の労働条件をどうしていくべきなのかという、もう少し大括りの 議論をしないと、本当の意味での制度の基本にならないのではないかと。そこの所の議 論を改めてこれからもう少し広い角度でやってもらいたい。それが中小企業退職金共済 審議会の役割ではないかということを最後に申し上げたいと思います。私は委員を本日 で終わりになりますので。 ○齋藤部会長  ほかに何かありましたらどうぞ。特段のご発言もないようですので、本日はこれで終 わらせていただきます。どうもありがとうございました。 6 配付資料 (1)中小企業退職金共済部会意見書(案)について  (1−1)中小企業退職金共済制度の運営改善に関する意見書(案)  (1−2)総務省政策評価・独立行政法人評価委員会及び財政制度等審議会の指摘      (抄)  (1−3)参照条文  (1−4)独立行政法人勤労者退職金共済機構の中期目標・中期計画(抄)  (1−5)建議(平成14年1月24日)(抄) (2)中小企業退職金共済法施行規則の改正について  (2−1)中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について      (諮問)  (2−2)参照条文 (3)平成17年度に係る付加退職金の支給率について  (3−1)中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法      の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3      号ロ(1)の支給率を定める件について(諮問)  (3−2)平成17年度に係る付加退職金の支給率の算定について  (3−3)参照条文  (3−4)中小企業退職金共済事業の収支状況の推移及び付加退職金支給率の状況 照会先:厚生労働省 労働基準局 勤労者生活部 勤労者生活課 調査係(内線5373)