05/03/02 第18回雇用対策基本問題部会議事録            第18回雇用対策基本問題部会 議事録 1 日時  平成17年3月2日(水)16:00〜17:30 2 場所  厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者 委員 (公益代表)           諏訪部会長、大橋委員、椎谷委員          (雇用主代表)           奥田委員、郷農委員、成宮委員、樋渡委員          (労働者代表)           池田委員、高村委員、寺澤委員、成瀬委員、長谷川委員、           目取眞委員       事務局 大石職業安定局次長、大槻審議官、金子高齢・障害者雇用対策部長、           岡崎総務課長、宮川企画課長、石田高齢者雇用対策課長、           坂口需給調整事業課長、千葉企画官、吉永建設・港湾対策室長、           森下建設・港湾対策室長補佐、小宅建設・港湾対策室長補佐、           下出建設・港湾対策室長補佐 4 議題  (1) 高年齢者等職業安定対策基本方針(第4次)の策定について  (2) 「介護雇用管理改善等計画」の改正について 5 議事内容 ○諏訪部会長  皆様こんにちは。お忙しいところご参集いただきましてありがとうございます。定刻 となりましたので開会をさせていただきます。                 (出欠状況報告) ○諏訪部会長  それでは議事に入ります。まず、第4次高齢者等職業安定対策基本方針の策定につい てです。これは、1月21日の労働政策審議会職業安定分科会において、具体的内容につ いては、諮問案も含め当部会において議論することとされています。  そこで、この問題について、皆さんにご審議いただきたいと思いますが、最初に事務 局から資料をまとめて説明していただき、その後ご議論いただきたいと思います。 ○企画課長補佐  高年齢者と職業安定対策基本方針に関しては、資料No.1-1から3までの3点を準備し ています。  このうち、まず資料No.1-1が、1月21日の職業安定分科会の際の提出資料です。1 頁、高年齢者等職業安定対策基本方針については、現行の計画が平成16年度末で期限切 れとなること、また高年齢者雇用安定法の改正法が平成16年に成立しましたので、内容 に変更を要すること、それから平成17年度からの新たな基本方針を策定していただきた いということです。2番の検討スケジュールは、本日部会において検討していただいた あと、今年度中に平成17年度からの新たな基本方針を官報に登載したいと考えていま す。次の頁は、高年齢者等の雇用安定法第6条関係規定の参照条文です。  また、3頁以降に現行の基本方針がありますが、こちらは資料No.1-2で、今回提案す る案と現行の基本方針を新旧対照表として準備していますので、以後こちらをご覧くだ さい。1頁、変更点は主として2点です。基本方針の対象期間は、過去3回は5年間で したが、今回は8年間で提案しています。もう1点は、平成16年に改正された高年齢者 雇用安定法の内容を反映しています。まず、1頁の2番をご覧ください。今回平成17年 の基本方針の対象期間は、平成24年度までの8年間としています。これは、高年齢者雇 用確保措置は順次上限年齢を引き上げていくこととされていますが、平成25年4月から 65歳までということになっています。対象期間もこれに併せて平成24年度まで、つまり 段階的に引き上げる途中においては、平成17年の基本方針で一貫して取り扱うこととし てはどうかということから、8年間で提案しています。ただし書きとして、状況に変化 があれば当然のことながら必要な改正を行うということです。次に2頁をご覧くださ い。第1として、就業の動向に関する部分です。この頁では、人口、労働力人口、また 完全失業率、有効求人倍率について数字を更新しています。次に2頁から3頁にかけて 高齢者の就業の状況として、短時間勤務者の割合について、また同じく3頁の3番以 降、定年制継続雇用制度の状況について数字を更新しています。4頁は、こちらも継続 雇用制度の状況について更新しています。また(2)以降賃金の状況について、調査に 基づいて数字を更新しています。5頁の(3)、求人における年齢制限の状況について は、雇用対策法の努力義務規定が設けられて以降、ハローワークの年齢不問求人の割合 がわかるようになりましたので、その数字を入れています。6頁の4番に、労働災害の 状況があります。現行の計画では年齢階層別の数字が掲げられていましたが、平成12年 度以降こういった数字を統計上公表していないことになっていますので、今般この数字 は削除しています。次に、同じく6頁の第2番ですが、これがこの基本方針における目 標の部分です。平成16年改正法に基づいて、高年齢者雇用確保措置が義務となりますの で、今回の基本方針(案)においてはそこにありますように、平成25年3月末までにす べての企業において措置が講じられることを目標にしています。7頁の再就職促進対 策、また多様な雇用就業機会の確保については、従来どおり目標として維持していま す。次に3番からは、こちらは事業主の方々に向けての指針の内容です。(1)、雇用 対策法第7条、また高年齢者雇用安定法第18条の2の規定を反映して、新たに追加して います。8頁の(3)の変更部分については、高年齢者等雇用安定センターが、独立行 政法人高齢障害者雇用支援機構に移管されましたので修正をしています。また、以下同 じように、高齢障害者雇用支援機構に関する変更を、必要な箇所について行っていま す。次に9頁をご覧ください。(1)が平成16年改正法に基づき、大きく変わっていま す。第1は、改正高年齢者雇用安定法の義務に則しています。また第2段落は、改正高 年齢者雇用安定法の附則第4条第2項の努力義務に則して改めています。法の趣旨を踏 まえ、可能な限り早い時期に雇用の確保が図れるよう必要な措置を講ずるよう努めると いう努力義務を反映しています。12頁、現行の基本方針では、(2)として再就職援助 計画の作成が掲げられています。これは廃止になりまして、求職活動支援書の作成・交 付が新設されましたので、今回の案では(3)として求職活動支援書の作成に係る規定 を追加しています。14頁の下のほうですが、第4として、ここからは行政の施策に関す る部分です。具体的な記述については、次の15頁になります。高年齢者雇用確保措置に ついて、行政が講ずる施策として、(1)指針の周知徹底、(2)周知と指導等につい て行う旨記述しています。(3)は、独立行政法人高齢障害者雇用支援機構との連継に 関する規定です。16頁、(4)助成制度について、継続雇用制度の導入については現在 努力義務であるということを前提に助成制度があります。現在は必要な見直しに努める という規定ですが、これが義務になることを踏まえて必要な見直しを行う、と言い切り の形にしています。同じく16頁の2の(2)ですが、これも高年齢者雇用安定法の改正 に則するもので、再就職援助計画の廃止と求職活動支援書の創設に伴って整理をしてい ます。18頁、改正案(5)の最後の第6条ですが、年齢制限をする求人についての理由 提示義務に関する助言、指導、勧告の記述を追加しています。その次の3の(1)「高 齢期雇用就業支援コーナー」の件は、機構に移管されたことに伴う修正を行ったもので す。19頁、最下段(5)ですが、これは現在労働時間等の設定に関する改正法案を労働 基準局で準備中ですので、それを踏まえて修正したものです。20頁は、右側の(7)と して企業年金制度等の普及促進の項があります。この基本方針は、そもそも職業安定対 策であるということから、関係が薄いということも勘案して、今回削除しています。改 正案の(7)のロ、シルバー人材センターの部分で修正があります。最後の2行、NP Oやボランティア活動に関する相談、情報提供は、現行の基本方針、21頁をご覧くださ い。(11)に、NPOやボランティア活動への参加を促進するとあります。具体的な施 策としては、シルバー人材センター等の情報提供ですので、(11)の記述を(7)のロ に統合しました。最後に、現行のハ「高年齢者職業経験活用センターの活用」ですが、 これは法改正によりこのセンターが廃止になりましたので記述を削除しています。以上 が、資料No.1-2の説明でした。  そのほかに資料No.1-3として、平成17年度予算、また助成金の要件、支給実績といっ たものをまとめていますので、参考までにご覧ください。説明は以上です。 ○諏訪部会長  どうもありがとうございました。では、以上の点についてご質問、ご意見はあります でしょうか。 ○高村委員  資料No.1-2の16頁(4)の関係で、これまでは65歳までの雇用確保について努力義務 ということを前提に出されていた助成制度ですが、65歳までの雇用確保措置の義務付け に伴う見直しということで、現在どのような方向で行おうとしているか、お考えをお聞 かせいただきたいと思います。 ○企画課長  現行の助成金については、資料No.1-3の5頁をご覧いただければ、概要を記載させて いただいています。継続雇用定着促進助成金と申しまして、61歳以上の年齢への定年延 長、あるいは65歳までの希望者全員の継続雇用制度というものを行った事業主を主な対 象としまして、助成措置を取っているということです。したがって、平成18年4月以降 は、このような措置自身が義務化されるわけですので、義務を行ったことに対しての助 成としてはありえないと思っています。また、その中で今後高年齢者雇用をさまざまな 形で進めていく中で、何が必要か。具体的にいえば、平成18年度の義務化を踏まえてそ のような内容を現在検討し、平成18年度をどのようにやっていくかを考えているところ です。 ○郷農委員  いまの答に関して、義務に対しては助成を行う必要がないとのことですが、義務を果 すためには私ども企業側はかなり余分な出費も迫られるわけです。それに対して助成が ないというのは、矛盾はしていないのでしょうか。 ○企画課長  この、いわば助成という具体的な給付を伴うことによって義務を果していただくとい うのは、やはり義務化した意味とは矛盾する形になるのではなかろうかと思います。そ の義務を果すために、さまざまな阻害要因やそういうものを除いていくための支援やツ ールといったものは絶対に必要だと思いますので、具体的に助成金を支給することによ ってこれをやっていただくという形のものはできませんが、そのほかのさまざまな支援 についての施策は十分やっていきたいと思っています。 ○樋渡委員  資料No.1-1の6頁と15頁に関して確認なのですが、6頁の第2の下のほうに「これに より、平成25年3月末までに、すべての企業において、高年齢者雇用確保措置のいずれ かの措置が講じられ」とあります。今回法改正の中で、確かに平成25年3月末までに65 歳にするというようなことが決められていると思っていますが、すべての企業において というところが、どのような法の関連でこのような表現が出てきているのかなというこ とが、1つです。それからもう1つは、15頁の(2)のところでこれも関連があるとこ ろなのですが、「すべての企業において高年齢者雇用確保措置が講じられるよう、周知 の徹底や企業の実情に応じた指導等」とあります。すべての企業がこのような措置を講 じるということに対して、どのような形で把握するのかを確認したいと思います。 ○企画課長  今回、高齢法においては第9条が改正され、「定年の定めをしている事業主はその雇 用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置とし て(3つの措置ですが)、高年齢者雇用確保措置のいずれかを講じなければならない」 と規定されたわけです。これは、いわゆる企業の規模や業種といったものには一切関わ りなく、すべての事業主、正確に申し上げれば定年の定めをしていなければいいわけな のですが、定年の定めをしている事業主の方々については、65歳未満の定年を定めてい る事業主の方々についての義務が課せられています。そういう形で、すべての事業主の 方にこれを守っていただきたいという意味で書かせていただいています。また把握措置 ですが、基本的にはいろいろな方法があろうかと思います。私どもの行政、ハローワー クを通じてということもありますが、現在60歳定年制がどれだけ守られているのかとい うことについては、例えば雇用管理調査という形で統計的に取る方法もあります。それ から把握の方法としては、ハローワークで常日ごろの、例えば求人を受け付けるとかさ まざまな情報提供の中で、こういう企業がすべて守っていただくような形での把握はし たいかなと思っています。具体的には先ほど申しましたように、60歳定年制がどれだけ 守られているかという数字が1つの目安になるのではなかろうかなと思っています。 ○長谷川委員  まず、9頁の(7)「同一産業や同一地域の事業主が高齢者の雇用に関する様々な経 験を共有しつつ、労働者の今後の仕組みの整備、共同の取組を推進する」ということな のですが、例えばこのイメージは障害者雇用のときにも出てきました。工業団地なら工 業団地のようなところで企業がお互いに協力し高齢者の雇用を行うというイメージなの か、そうだとすると、やはり少し事例を出してほしいし、そういうことをもっと積極的 に進めるというような活動をしないと、なかなかこの話は見えてこないのではないかな と思いました。 ○企画課長  事業主の共同の取組の推進は、実は従来から掲げているところなのですが、なかなか こういう形でのものが具体例も含めて、私どももあまり進んでないというのが正直なと ころです。一方、障害者の中でも例えば共同で事業共同組合を作って、そこで障害者を 雇うというような取組が現実に行われているという実例があります。そのように、今後 高年齢者の方についても、さまざまな形で地域なり産業なりの事業主が集まった形での ものを、我々としても是非進めていきたいと考えています。いま長谷川委員がおっしゃ ったような事例の収集や提供、事例の把握も含めて、取り組んでいきたいと思っていま す。 ○成瀬委員  先ほど樋渡委員が質問された箇所に絡むわけですが、6頁の平成25年3月末までにと いうのは、この文章の中で高年齢者がその意欲と能力に応じて65歳まで働くこと云々と いうところにかかると理解するわけなのですが、この平成25年3月末までにというもの が先頭にあると、ちょっと誤解を生じやすいと思います。ですから、「平成25年3月末 までに」というものを「措置が講じられ」の次にもってきたほうがよろしいのではない でしょうか。 ○企画課長  この原案を作った立場から説明させていただきます。これは、成瀬委員がおっしゃる ように、全体にかかるものです。この間に入れてしまうと、いずれかの措置が講じられ るのがいつまでなのかというものも含めて、これは全体として措置が講じられて環境の 整備を図るのが65歳というのは、実は平成25年3月末ですので、現在のような案で一応 やらせていただいています。ただ、意図はそういうことだということをまず説明させて いただきます。どちらがよろしいのかという意見もあると思いますが、意図としては全 体として平成25年3月末までにというふうに考えています。 ○成瀬委員  ただ、65歳というのは別にして、高年齢者雇用確保措置のいずれかの措置を講じる義 務が発生するのは、平成18年4月からですよね。 ○企画課長  ただ、その措置というのは、いわばご承知のように65歳というところにはかかりませ んので、これは65歳というものを含めた高齢者雇用確保措置というふうに理解していま す。 ○成瀬委員  まあ、そういう意図だというのが明確になれば、いいのですが。ただ、そういう前提 知識がないと、誤読を生じやすいのではないかと思いました。 ○長谷川委員  15頁の(1)から(3)に絡むのですが、この周知の徹底は(2)で「好事例やその 他の情報の収集及びその効果的な提供に努める」と書いてあります。いまは高齢者雇用 の勉強会が非常に活発でどこも盛況なのです。なぜかというと、継続雇用にするのか再 雇用にするのかどちらかを選ぶのでしょうが、そのときに労働条件の変更が伴うことが あるわけですね。おそらく皆の関心事が非常にそこにあるのだろうと思いますが、ここ がなかなかわかりにくいのだと思います。アドバイザーと密接な連携を取るとなってい るのですが、もっとそういうところをわかりやすくしていただきたいと思います。それ と、前々から気になっているのですが、この高年齢者雇用の場合の相談はハローワーク なのですが、労働条件の不利益変更の相談などがあったときに、ハローワークで対応で きるのかどうなのかがすごく心配です。そういうグレーなところがあるので、次にリー フレットなどを作るときにはその辺もきちんとしていただきたいですね。 ○企画課長  この問題については、労働条件の変更もいろいろ議論の中で企業として取り組まなけ ればならない、あるいは労使間で議論しなければならないという中で、私どもとして高 年齢者雇用アドバイザーは国やハローワークという立場を離れた形で、いろいろなアド バイスをする方を機構のほうでお願いしています。そういう専門的、技術的な支援とい う内容の中で、労働条件の問題なども含めていろいろ相談なり支援なりということで、 1つの選択肢なりさまざまなアドバイスをしていきます。ハローワークとしては、高年 齢者雇用確保措置を義務化されているものについて、現時点では義務化を控えてきちん とやっていきます。義務化後については、これは義務であるということに基づいた指導 という形で、いわば高年齢者雇用アドバイザーと役割分担をしていくという形になると 考えています。その中で、さまざまな好事例などを高障機構でも集めていますので、そ ういうものが具体的にわかりやすいような形で、提供できる手法を高障機構によく考え ていただきたいということをお願いしていこうと思っています。 ○長谷川委員  あと、16頁の2の(1)ですが、前回は指針の周知徹底で定年、解雇等により離職す ることになっている高年齢者等というものが、今回の場合離職予定高年齢者等となって います。ここは、この表がこんなふうに変わるという読み方と意味合いを教えてほしい のですが。 ○企画課長  ここの規定は、もともと高年齢者の再就職の促進の中で、従来は再就職援助計画とい う法律制度の中で具体的に定年、解雇等により離職することとなっている高年齢者等の 中で、ハローワークのほうからその作成が指示された、要請された場合に、この再就職 援助計画の作成という形になっていくわけです。それに関わらず、自主的に取り組んで くださいというのがいままででした。今回、離職予定高年齢者等に直していますのは、 趣旨としては同じですが、求職活動支援書の具体的な交付が義務づけられていること は、使用者からの発意によるもの、いわゆる解雇が中心ですので、その用語を一応使い つつこの指針のところは整理されています。 ○長谷川委員  あともう1つ、19頁の(5)、従来は労働時間の短縮、弾力化を促進するとなってい たのが、今回労働時間対策を促進するとなっています。私は高齢者の雇用というのは、 ある意味では、おそらく審議会でも議論されたのだと思いますが、いろいろな組合せが あるわけですよね。ですから、そのまま8時間フルでいくのか、時間を短く7時間、6 時間にするのか、あと4時間4時間でやるのか、1週間のうちに3日だけにするのか、 というものがあるわけですね。労働時間対策といえば全部入ってしまうといえばそれま でなのですが、例えば労働時間の短縮や弾力化というのは非常によく見えてわかりま す。労働時間対策ってなに言ってるのかなと思うのですが、短縮という言葉が嫌で取っ たのかどうなのかと思いました。労働時間の短縮は非常に重要だと思いますが、もう少 しワークシェアリングをするとか、特に高齢者のところはそういう視点が重要なので、 本当はここはいままでの書き方のほうがいいのではないかと思います。  ついでにもう1つ、20頁の6、高齢者の安全衛生対策ですが、コンパクトに書いてあ って事細かに書かなくてもという配慮なのですが、ある意味ではこういうものは書いて あると気付くということもありますので、本当はこのように書いておいていただきたか ったなと思いました。 ○企画課長  原案を作った立場から説明させていただきます。今回、基準局で時短促進法に変わる 新しい法律を作ることも含めて、従来からの手法、即ち何を重点にという形での所定外 労働時間の削減や年金の取得促進、フレックスタイム制等の普及促進という重点事項は 当然のこととしながら、その表現として何が適切かということで、私どもも基準局とよ く相談のうえ、今回こういう労働時間対策という用語が適切なのではなかろうかなと思 って書いた次第です。  それから、(6)はご明察のようにここは比較的コンパクトに書いたほうが逆にわか りやすいのではなかろうかということで、そのようにさせていただいたところです。一 応、原案を作った意図は説明させていただきました。 ○長谷川委員  こだわるようですが、今回の時短促進法の改正の管理というか設定は、それはそれで あるのですが、例えば高齢者、特に60から65歳までの方の継続雇用をするときに、いろ いろなやり方があるわけです。たくさんパターンがあり、どうせ好事例でも出てくると 思いますが、労働時間の短縮というのはやはりいま言ったように、6時間勤務だとか、 7時間勤務だとか、4時間の組合せだとか、4日勤務だとか、そういう時間を短縮し て、もう1つはワークシェアリングというようなものを入れていくと。私は、計画です から皆がこういうものを見ていろいろなことを考えるのでしょうから、むしろそういう ものはあったほうがいいと思っています。 ○企画課長  先ほどの繰返しになりますが、私どもの意図もそういうワークシェアリングやさまざ まな労働時間に絡む手法が、諸々あるのだろうと思いますので、そういうものも含めて 全体のワーディングとして、労働時間対策という言葉を使わせていただきました。 ○諏訪部会長  ただいまの件について、ほかにありますでしょうか。 ○池田委員  長谷川委員の言われたことに関連して質問をさせていただきたいと思います。13頁、 公共職業安定所、機構等による支援の積極的な活用という形で、コンサルタントの相談 援助、そしてそれを公共職業安定所と機構が連携、協力に努めると書かれています。そ れから15頁(3)の中には、アドバイザーのことが書かれていて、やはりそれについて も機構と密接な連携を図るというふうになっているわけです。そこで第1に質問したい のは、機構でコンサルタント及びアドバイザーというのは、どのような資格、職歴を持 っている人が当たっているのか。第2は、No.1-3の資料を見ると、平成12年から15年ま での実績が書いてあります。アドバイザーが28,711件、47都道府県にあるということを 聞いていますので、平らにして割ると600件です。そしてそれを1カ月に直すと約50件 ぐらいです。それからコンサルタントについては、5,540件、47都道府県で平らに割り ますと、110件、1カ月に直すと少ないわけですね。これだけの活字が積極的な活用、 連携、協力を努めるという形になっています。活字だけが躍ってしまい、実績がないよ うに思えてなりません。強化するのであれば、もっとアドバイザーあるいはコンサルタ ントもきちんと増やして、そして第2の人生に対する進路のためのアドバイスをきちん とすることが必要なのではないかと思っています。したがって、このような点を事務局 としてどのようにお考えになっているのか、1つお聞かせ願いたいと思います。 ○企画課長  まとめて答えさせていただきますと、雇用アドバイザーにしてもコンサルタントにし ても、これは基本的には事業主への助言、指導、援助というものを役割る立場です。し たがって1件当たりの件数というよりは、その中身が重要で、例えばかなり濃密な訪問 指導も含めて実際に事業場に行って事業主の方々からお話を聞き、その企業の中で例え ば定年を延長し高年齢者雇用継続措置を取るとした場合に、どのようなところを改善し たらいいのだろうかというものを、かなり綿密に相談のうえアドバイスしていくという 形ですので、相談件数そのものはこの程度のものでも、私どもとしてはかなり評価でき る数字ではなかろうかなと考えています。例えば具体的に社会保険労務士の経験を持た れる方や、具体的に企業の中でこのような問題について取りかかっていただいていた方 々、経験者も含めてアドバイザーあるいはコンサルタントをお願いしているという状況 です。私どもとしてはそれなりの実績を上げているとは思いますが、より一層積極的な 活用あるいは連携については意を尽していきたいと思っています。 ○諏訪部会長  ほかにいかがでしょうか。それでは特にないようでしたら当部会としましては本件に ついてこれを妥当と認め、その旨を私より職業安定分科会に報告するという処理の仕方 でよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○諏訪部会長  ありがとうございました。それでは、そのように取り計らわせていただきます。  次の議題に移ります。議題(2)「介護雇用管理改善等計画」の改正についてです。 この議題については、1月21日の労働政策審議会職業安定分科会において、具体的内容 については諮問案も含めて当部会において議論することとされていたところです。そこ で以下議論をお願いしたいのですが、まずは事務局から資料についてまとめて説明をし ていただきます。 ○需給調整事業課長補佐  資料はNo.2-1からNo.2-6です。No.2-1〜5については改正内容を説明する関連の資料 で、本日事務局から示す改正案の内容は資料No.2-6の新旧対照表となっています。資料 1により基本問題部会で検討を依頼する趣旨、経緯等について説明します。  資料1の1頁、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律第6条の規定により、厚 生労働大臣が、介護労働者の雇用管理改善、あるいは能力開発の向上の施策に関する計 画を定めるとされています。この計画についてはこの3月末をもって計画期間が満了し ます。すでにご案内のように、介護保険制度の見直し、あるいは介護労働者の資格要件 についても見直しの必要性が指摘されている状況ですが、この3月で計画が満了するこ とに対応するために、現時点で必要な改正の検討をお願いするものです。  2頁は参照条文です。3頁には参考資料1として、介護労働者雇用管理改善法の法律 のスキーム図を示しています。介護労働センター等における助成金の支給、あるいは相 談援助、情報収集の提供などの取組について書いています。4頁の参考資料2は、現行 の計画を示すもので、これは資料6の新旧対照表とともに説明します。  資料2は、現在の介護労働者の数の規模等について、さまざまな統計関係をまとめて 示すものです。大まかに説明すると、1頁、介護福祉士等の資格取得者数です。主な担 い手の方の資格取得者数等の統計で、ホームヘルパー2級の方が担い手の中心です。2 頁以降、各種施設関連の従事者等の資料を付けており、こういう従事者の増加の傾向を 示しています。4頁には、特に介護関係ということで、訪問介護事業所、介護保険の対 象になっている訪問介護事業所のヘルパーの方の数を示しています。これを見ても増加 傾向であること、ホームヘルパー2級の方が担い手の中心になっていることがわかりま す。  資料3は、申し上げたとおり現在介護保険制度等々の見直しについてで、主要改正点 を説明します。1頁、今国会に提出している介護保険法の改正法案の概要です。1つ目 の1の(1)は、今回予防重視型のシステムへの転換ということで、従前軽度者といわ れる要支援・要介護1という方については、今後家事援助的なサービスというものか ら、要介護状態の軽減あるいは悪化防止につながるような給付に持っていくということ で、給付内容の変更について今回検討されています。  さらに3の(1)は、地域密着型サービスの創設ということで、身近な地域で各市町 村単位等でそれぞれの地域の実情に応じて必要なサービスが提供できるように、柔軟な サービスを提供するということで、夜間対応型の訪問介護、小規模な施設等々について 柔軟な給付を設けるものです。こういう予防あるいは地域密着型のサービスということ で、新たな給付が設けられる改正です。2頁以降も改正の内容等々を示していますが、 主要な改正については施行日が平成18年4月1日が本格施行です。  3頁、介護保険法案の高齢者介護に加え、障害者関連についても今国会で主要な改正 法案を提示しています。主要な点は、3頁の下に図があり、今回の改正のねらいとして は、従前身体障害者、知的障害者等々の各障害の種別ごとにそれぞれ給付を行っていま したが、今後は障害の種別にかかわりのない共通の福祉的なサービスについて一元化、 再編するのがこの法案の内容です。これも4頁の下、施行期日は段階的にありますが、 本格的な施行は平成18年度以降です。  5頁、先ほど来の介護保険、障害者関連のサービス制度の内容に加え、今回介護保険 制度の改正の見直しを検討する際の社会保障審議会での議論です。介護労働者の資格要 件の見直しの必要性に関する指摘です。具体的には線を引いている所で、介護関連の職 種の方については、今後「専門性の確立」を重視していく必要があり、今後の資格要件 あるいは研修のあり方についても見直しを行っていく必要があるということです。具体 的にはホームヘルパー2級の方が現在は中心ですが、今後介護労働者の方の資格要件等 について、介護福祉士へと移行していくべきであるという趣旨の指摘です。  現在こうしたご指摘等も踏まえ、6頁、具体的にどういう方法で介護福祉士へのレベ ルの引き上げ等を図っていくかについて検討しています。これは老健局で取るものです が、まだ補助研究という位置付けで行われておりますが、7頁に具体的なイメージ図を 示しています。左の現行からですが、現在ヘルパー1級、2級の方が中心ですが、これ は当面ということで、この方々について介護職員基礎研修を設け、レベルの引き上げを 図りつつ、近い将来介護福祉士に一本化するというイメージです。いずれにしてもい つ、どのような方法あるいはカリキュラムでこういう形に持っていくのかは、今後の検 討になっています。  こうした制度見直しの動向もあり、今回計画改正ということですが、介護労働者を巡 っては、将来的にどのような資質を持った介護労働力が今後どの程度必要になってくる のかについては、現時点では非常に不透明な状況です。このため今回資料6により改正 案を示しておりますが、この3月までに行う改正としては、介護制度、資格要件等の議 論の動向を踏まえながら、改めて必要な見直しも行うことを明記し、現在記載されてい るデータの修正、施策の事実関係に関する修正を行うという考え方でまとめました。  資料6新旧対照表については改めて説明しますが、その前に今回の計画案、改正案の 中にも記載されている現行の各種施策等について、資料4で説明します。介護労働者の 雇用管理改善等に関する施策として、現在行っているものを大まかにまとめたもので す。内容は今回の計画案等にも記述しています。  1点目、介護労働者の雇用管理改善等の施策で、助成金の支給です。介護基盤人材確 保助成金ということで、介護事業者が高い資格ということで特定労働者としています が、訪問介護員1級あるいは医師・介護福祉士といった方々等の高次の資格を持つ方を 新たに雇い入れた場合の助成、あるいは能力開発給付金ということで、教育訓練あるい は今年度からキャリア・コンサルティングなども追加していますが、教育訓練等を行っ た場合の費用、あるいは賃金の助成。雇用管理改善等に向けた就業規則の整備という諸 種の取組に対する各種費用の助成についての支援を行っています。  2点目は、介護労働センターでの相談、援助事業ということで、先ほどの助成金等の 対象にならない事業所も含め、雇用管理改善に取り組もうとしている事業所に対する各 種の相談、援助等を行うものです。3点目はその他で、雇用管理改善に関する設備等に 関する債務補償制度あるいは介護労働者の雇用環境の改善に関する調査・研究の取組で す。家政婦等のケアワーカーに対する健康診断費用の助成も講じています。  大きな2つ目、能力の開発及び向上で、介護労働センターあるいは公共職業能力開発 施設等においても、介護労働者の養成を行うものです。  3点目が介護分野における需給調整機能の整備ということで、公共職業安定所の中で も、福祉重点ハローワークを設け、社会福祉関連の求人・求職のマッチングの推進を図 っていきます。さらにシルバー人材センターにおける高齢者生活援助サービスというこ とで、高齢者による高齢者介護の取組支援という措置も講じています。現在こうした施 策により、介護労働者の雇用管理改善の施策を行っています。以上が介護労働者を巡る 数的な規模と状況、あるいは施策の概要です。  次は資料5と6により、改正の内容について説明しますが、資料5は、今回の計画案 に記載されている各種データあるいは施策の内容、助成金等々の支給実績等々を参考と して示すものです。改正案の内容は、先ほど申し上げたとおり、介護保険制度あるいは 資格要件の見直しという動向の中で、今後どのような介護労働力が必要となってくるの かという点等について、非常に不透明な状況ですので、今回この3月までに行う改正と しては、こうした介護制度あるいは資格要件などの議論の動向を踏まえながら、改めて 必要な見直しを行うことを明記し、現在書いているデータあるいは施策の内容等につい ての所要の整備、改定を図るという内容で、今回事務局案をまとめました。  資料6の新旧対照表ですが、細かい修正点等は説明を省略しますが、主要な点のみ説 明します。まず、2頁の計画の期間です。ここに先ほど申し上げた必要な見直しも改め て行うという諸種の文言をなお書きで付けています。第2にある雇用の動向ということ で、1つ目の事業の見通しの点については、基本的にはデータのディバイスを行ってい ます。関連資料は資料5の1〜3頁までに示していますのでご参照ください。なお第2 の(1)の部分の改正点について補足すると、従前あった寝たきり老人の統計は、現在 寝たきりという概念での統計、推計がないので、この部分に関する記述は削除していま す。(2)のゴールドプラン21の部分は、これも今年度末で計画が満了するということ で、平成17年度以降の新たな計画はないので、ゴールドプラン関係の記述についても削 除しています。  また従前、項目立てとして(1)(2)で人口の高齢化と要介護老人の増加という傾 向と国としての整備目標であるゴールドプランあるいは障害者プランの2点から、需要 の見通しについて記述していましたが、先ほど申し上げたように、(2)ゴールドプラ ン21の部分についてはなくなりますので、項目立てとしては(1)は高齢者等に対する 介護事業、(2)は障害者に対する介護事業という形で整理をしています。  次に4頁の2番、供給の見通しです。これも新しい数字に改正したものです。特に状 況の変化等はありませんので、記述としては基本的にはこのままです。資料は4、5頁 に関連のデータ等を記載しています。第3以降は各種施策等について記述するもので す。こちらも先ほど紹介した施策の内容で、大きな変更等は加えていません。若干変更 しているのが、6頁の助成金の部分です。1つは名称変更です。(1)の(1)にある人 材確保助成金の部分は、従前雇い入れ助成に関する特に資格要件等は設けていませんで したが、今回基盤となる人材のみの雇い入れに対してのみ助成するということで、制度 改正をしているので、その関連の修正を加えています。  7頁の(2)、能力開発給付金についても、今年度よりキャリア・コンサルティングの 関連についても、助成対象として加えるという改正をしているので、この点の追加をし ています。(4)の介護雇用環境整備奨励金は、設備整備等の助成ということで、合理化 で廃止しているので、この関連の記述は削除しています。(2)(3)の相談援助事業 あるいはその他の施策については、特段主要な改正等は加えておりません。資料は8〜 11頁に示しています。新旧対照表の9頁の2番目は、能力開発の向上の施策です。これ も特段変更等は加えていません。資料は12頁に示しています。  3点目、労働力需給調整機能整備強化は、大きな修正は加えていません。引き続きこ れらの施策等を講じていくということです。資料は13、14頁です。最後の12頁ですが、 関係機関の連携についても、省庁再編ということで、厚生労働省の設置がすでに図られ ているので、新しい記述に直しました。以上、介護雇用管理改善等計画の改正内容につ いて主要な点を説明いたしました。事務局からの説明は以上です。 ○諏訪部会長  それでは多々資料も出ていますので、いろいろご質問、ご意見もあろうかと思いま す。ご自由にお出しください。 ○郷農委員  こういう場で質問するのではないのかもしれないですが、私の友人が介護サービスの 関係のビジネスを始めて、大儲けをしています。こういう助成金制度がしばしば正しく ない方向に使われているのではないかという恐れをときどき抱くのですが、実際に介護 に関する保険制度が、保険会社あるいは介護ビジネスの業者だけを潤して、本当に老人 のため、障害者のためになっているのかどうかが危うい部分があると思うので、その辺 への厚生労働省の気配り、チェックなどをよろしくお願いしたいと思います。 ○需給調整事業課長  いまご指摘がありましたように、この雇用保険3事業あるいはいろいろな予算も含 め、事業主方の3事業保険料等々の貴重な財源を持って事業を行っているということで すので、ご指摘があった助成金についても、いま資料で説明しましたように、例えば雇 い入れにかかる助成金についても、基盤となるような人材に限るとしております。従前 の設備の設置等にかかる助成金を廃止するというようなことも含め、必要な施策を十分 吟味した上で行っていきたいと思っています。今後運用に当たっても、そういう点につ いては介護労働者の雇用の改善につながるような施策ということで、きっちりウォッチ して行っていきたいと思っています。 ○高村委員  先ほどの郷農委員の発言に関係するかもしれませんが、老人福祉施設における痛まし い事件が相次いでいます。最近、石川で起こった事件でも、そこにいらした職員がかな り過重な労働実態であったという報道もされています。厚生労働省として介護労働者 が、どのような実態で働いているかという調査はされているのでしょうか。その点をお 聞きします。 ○需給調整事業課長  いまお話にありました実態に基づく問題が発生しているのも承知しておりますが、私 どもとしては介護労働安定センターで介護労働者に関わる労働条件、あるいは雇用形態 等にかかる調査を行っており、そういうものをまとめた上で施策に反映させていきたい と考えています。いまありましたような現場での案件については、私ども労働サイドと しても法定労働条件の遵守の問題、あるいは雇用管理の改善というもので解決し得るも のについては、そういう所からのアプローチをやっていきたいと思っています。介護保 険の関係でもいろいろと設置基準等々の問題もあろうかと思いますので、全体で連携し ながら対応していきたいと思っています。 ○長谷川委員  まず2頁の2、計画の期間です。設明でも聞きましたが、確認です。いまホームヘル パー2級を介護福祉士にするという話が出ていますが、もしそのようになった場合に は、ここの所は見直しを行うことが必要になってくると思いますが、そういうことは含 まれるのかどうなのかをお聞きしたいです。特に2級ヘルパーはとても多いです。介護 保険制度ができたときには、女性はみんな2級ヘルパーを取って、「ヘルパーで働きま しょう」のようなことがあり、結構地域でもみんな2級を取ったわけです。今度は高度 化と言われて、医療行為なども行うということで、福祉士ということになるのだと思い ますが、そのときはおそらく研修が必要だと思います。そのときにこの見直しが必要な のではないかと思いますが、それを確認したいのです。 ○需給調整事業課長  いまのご質問ですが、ご指摘にもありましたし、先ほど資料の中でも説明しましたよ うに、いま大半を占めているホームヘルパー2級の方を近い将来という表現でしたが、 介護福祉士に持っていくことがいま検討されているということです。ご指摘の中にあり ましたように、現実に2級ヘルパーの方が大半を占めている状況の中で、どういう形で 1級あるいは介護福祉士に質の向上を図っていくための、いろいろな研修等を受けてい ただくかが大きな課題です。現実には先ほど申し上げたとおり、介護保険法の施行は法 案として平成18年4月を予定していますが、具体的にどういうスパンでどういうカリキ ュラムをしながら、そういう対応をしていくかというような具体的な所がまだ不透明な 部分があるので、そういう所の検討結果等を踏まえながら、実際に施策の見直しであっ たり、この計画も含めた必要な見直しを行っていくということです。 ○長谷川委員  先日、私ども連合で介護労働者の会がありました。いつもは私が窓口で厚生労働省に 対する文句は言われるのですが、基準局の「訪問介護労働者の法定労働条件の確保のた めに」というリーフレットは非常に高く評価され、珍しい例でした。そのときに出され たのが、2級のヘルパーたちが自分たちは2級しか持っていないので失業してしまうの ではないかということでした。あなたたちは2級しか持っていないからと言われてしま うのではないかという不安を持っているわけです。だからそれは何らかの形で能力開 発、訓練しながらスキルアップをすることを考えると思います。そのときは私どももい ろいろな関係機関に要請したりしたいと思っていますので、是非そこは注意して、速や かな対応をしていただきたいと思います。これは要望です。  7頁の(2)(3)は書いてあることはそのとおりなのですが、このリーフレットの 中にも労働契約はどのようにしなければいけないかとあり、ヘルパーの人たちの労働時 間はこことここは自宅と介護サービス利用者との間の通勤時間で、利用者の所からは移 動時間などと総労働時間がきめ細かに書かれていたりします。介護サービスのキャンセ ルがあったときの給与補償などもきちんと書いてありますが、これはなかなか実行され ていないという話も聞きます。意外とそこは守られていないという話もあります。きっ と事業主が知らないということもあると思います。先ほど使用者側の委員も言っていま したが、介護ビジネスは一気にどっと広がったわけですから、知らない事業者もいると 思います。厚生労働省がいろいろとセンターを通して研修をやっているようですが、是 非介護労働者の雇用管理について、事業者への周知徹底、どのように賃金、処遇を作る のかを指導徹底していただきたいと思います。労働基準局が監督するところなのか、ど うなのかもよくわからないのですが、もう少し介護労働者の雇用管理について、行政が 積極的に周知させることが必要なのではないかと思います。  9頁2、介護労働者の能力の開発及び向上、(1)「教育訓練の内容については、介 護保険制度の下で中心的な役割を果たすホームヘルパー2級の養成を中心とするととも に」というのが中身の書き換えが必要だという認識を持ってよろしいですか。以上で す。 ○需給調整事業課長  いまご紹介されたリーフレットは、労働基準局の「訪問介護労働者の方の法定労働条 件の確保のために」というリーフレットだと思います。いまのご指摘のように訪問介護 のヘルパーさんの場合は、直行・直帰だったりといういろいろな雇用形態の特殊性もあ るのでということもあり、法定労働条件の遵守のために労働基準局で通知を発出してリ ーフレットで遵守の周知を図っています。さらに事業主の理解を深めるために、現場で も指導が行われると思っていますが、先ほど紹介した介護センターでもいろいろな事業 主の方等からの雇用管理相談を受けています。そうした一環で、労働条件の関係の質問 あるいは相談ということもありますし、私どもでもこのリーフレット等はそういう所で も配付をしており、相談を通じて適切に指導・対応をしたいと思っています。  2点目はまさしく、先ほどの計画の見直しの所でもお話があったとおり、あるいはご 説明したとおりで、いま能力開発について介護資格の見直しにともない、どういう所に ポイントを置き直した施策をするかが必要になってくると思うので、施策等に合わせて 必要な見直しを検討したいと思っています。 ○長谷川委員  11頁の(2)の「民間の労働力需給調整機能の整備、強化」で、介護保険制度の開始 後は、請負事業、労働者派遣というのが書かれていますが、請負、派遣という所での雇 用管理の調査を是非やっていただき、どのような条件にあるのかを把握しておいていた だければいいなという要望です。 ○樋渡委員  資料No.2-4は介護労働者雇用管理改善の管理施策の中に、1の(2)に、雇用管理改 善のための相談、援助事業があります。これを詳しく見ると、雇用管理責任者講習会が あり、これは多分介護関係のビジネスをやっている人たちの雇用管理責任者を対象とし た講習会だと思います。いろいろな労働条件の管理のあり方などだけではなく、先ほど も高村委員からお話がありましたが、いろいろな福祉施設等で事件があったりして、メ ンタルの部分もやはり事業主が、気付くような内容の講習会、事業主が相談できるとい うような体制を整備していただくといいのではないかと思いました。 ○需給調整事業課長  いまの点については、相談、援助のやり方であったり、講習会のメニュー、あるいは 講師をどのような方にというようなことも含め、いまのご指摘も含め介護センターとも 相談して、対応していきたいと思います。 ○奥田委員  勉強不足で申し訳ない、基本的な質問になると思います。いま介護保険法が改正され て予防重視型システム等で、要介護1は地域でやろうというような動き、自前でやりな さいということだと思います。介護福祉士に一本化すると理解していますが、それとの 関係はあるのですか。 ○需給調整事業課長  介護保険制度全体の中で、要介護者の中で要介護1であったり、要支援という段階の 方については、早期から予防対策をすることにより、介護状態が先に進まないようにし ようというようなことに、ターゲットを当てた給付をしようという改正をしようとして いるのが1点です。もう1つは、いままでは寝たきり老人計画があったというようなこ ともお話をしましたが、これからも増えていくのは要介護者ですが、それに伴いマンパ ワー、数でどれくらいの人間が必要なのかを中心にした施策が多かったのですが、実際 には予防給付にはそこの部分は限らないとは思いますが、予防給付に限らず介護をする 対応施策として、いろいろな介護の対応に質の高い介護業務を提供していく必要がある だろうということです。そういう観点から介護労働者について、資格あるいは質の向上 を図っていこうということです。予防の関係の対応ということで、いろいろ予防のため の対応ができる人も育てるということは包含はされてきますが、全くオーバーラップす るということではないと思います。 ○奥田委員  2級ヘルパーの人もそういう程度の人もいるのではないかと、私がそれぐらいでいい と思う人、そういうサービスをして欲しい人もいるのではないかと思ったわけです。介 護士だけでかなりのハイレベルの人よりも、私が独りになって、手も足も動かないから 食事を作ってという人でも、そのサービスをやる人もいるのではないかと。自分の家で はできない。そういう人たちは将来的には存在するのですか。 ○需給調整事業課長  全体としては例えばホームヘルパー2級の方を中心にして、家事支援などという軽度 な支援というものが必要にならないということではもちろんないわけで、どこにウエイ トを置いた介護をするかということが、今後の介護保険制度の見直しのポイントだろう と思います。 ○奥田委員  そういう人たちが世の中に法的に将来的に存在し得るのかどうか。そのように手伝っ てくれる人が、法的にきちんと位置付けられて、どこかに行けばいるのだという仕組み は残るのですか、残らないのですか。 ○需給調整事業課長  それは家事援助サービスそのものが、なくなるというものではありません。 ○奥田委員  地域に密着した中で、何らかのそのような資格を持った人がきちんとやってくれると いうことですね。それは名前が変わっても存在するということなのですね。 ○諏訪部会長  ほかにいかがですか。 ○池田委員  8頁、この法案が5年前に発足したときに、労災保険の特別加入制度に大変苦労され たと聞いています。そういう意味で、特別加入者の5年間の実績がどのくらいあるの か、わかれば教えていただきたいです。  2つ目には、労災保険というのは私も建設業でやってきたのですが、強制的適用、今 回は特別加入ですから任意加入になりますが、なかなか普及しないわけです。どのよう な形で特別加入の普及がなされていたのか。さらに今後、どのような形で普及を図るの かをお聞きしたいと思います。 ○需給調整事業課長  労災保険の特別加入の関係は、どれだけの状況かはいまは把握はできていないのです が、資料No.2-5の10頁で、この制度はいわば家政婦紹介所経由で、個人家庭で介護作業 を行われる方が、通常の労災保険の適用とならないということで、いま池田委員がご指 摘のように、当時そういうところでは不安な労働になるのではないかということで、こ の労災保険に特別加入できるような仕組みを作ったわけです。そういうことで私どもと してもこの家政婦の紹介所を通じて、周知を行ったり、実際に労災保険の特別加入の保 険料を納めていただくツールは紹介所経由という形にして、全体として紹介所経由で家 庭で介護労働作業を行う方については、ほぼ全体として入っていただけるような仕組み にいま努めてやっています。 ○諏訪部会長  ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。他に何かございませんようでしたら、当 部会としては本件についてこれを妥当と認め、その旨、私より職業安定分科会に報告す る処置でよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○諏訪部会長  ありがとうございました。それではそのように取り計らわせていただきます。以上が 本日予定した案件ですが、これ以外に何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。特 にございませんようでしたら、本日の部会は以上をもちまして終了します。                 (署名委員の指名) ○諏訪部会長  本日は大変ありがとうございました。                      (照会窓口)                        厚生労働省職業安定局総務課総務係                          TEL 03(5253)1111 内線(5711)