05/02/28 第10回厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会議事録                   第10回           厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会                    議事録         日時:  平成17年2月28日(月) 16:00〜17:52         場所:  厚生労働省(17F)専用第19・第20会議室         出席者: 青井 倫一 委員  井村 伸正 委員              上原 明  委員  大山 永昭 委員              鎌田伊佐緒 委員  児玉 孝  委員              増山ゆかり 委員  松本 恒雄 委員              溝口 秀昭 委員  三村優美子 委員              宗像 守  委員  望月 眞弓 委員              森  由子 委員  安田 博  委員         議題:  1.消費者アンケート調査等の結果について              2.医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関                する専門委員会における検討状況の報告・審議              3.医薬品販売制度改正に関する論点について  井村部会長  定刻になりましたので、ただいまから第10回の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検 討部会を開催させていただきます。  本日は、本当にお忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうござい ます。  いつものとおりでございますけれども、議事に入ります前に事務局から委員の出席状 況の報告をお願いしたいと思います。  事務局  委員の出欠状況でございますが、現在、委員20名のうち12名の御出席をいただいてお ります。厚生科学審議会令の規定によりまして定足数に達しており、会議が成立いたし ますことを御報告いたします。  なお、神田委員、吉川委員、高橋委員、田島委員、谷川原委員、堀井委員の6人の委 員からは、ご欠席との連絡をいただいております。また、大山委員からは少し遅れて御 出席との連絡をいただいております。その他の委員も出席との連絡をいただいておりま すので、間もなく到着されるものと思います。  なお、本日は専門委員会から埜中委員長に御出席いただくとともに、消費者アンケー ト等の御報告のため調査を実施いただきました日本大学薬学部の白神教授にも御出席い ただいておるところでございます。  以上です。  井村部会長  ありがとうございました。  それでは、まず今日の大体の予定を私から申し上げます。本日は、医薬品のリスクの 程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会という専門委員会がございますが、 これにおける作業状況を、ただいま紹介がございましたように専門委員会の埜中委員 長、それから担当の事務局からまず説明をしていただきます。  それから消費者アンケート調査。消費者、薬局、一般販売業、薬種商、配置販売業、 こういう方々についてのアンケート調査をやっておりまして、それについては御担当い ただきました、これもただいま御紹介がございました白神先生から調査の結果について 御報告をいただきます。  その次に、事務局から特例販売業に関する調査結果について説明をしていただきま す。  最後に、今後の具体的な審議の予定について事務局から説明をしていただく、そうい う順序になっております。  では、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。  事務局  配付資料を確認させていただきます。  1枚目に議事次第をお配りしております  次に資料1は、医薬品販売制度改正検討部会委員名簿  資料2は、制度改正に関する論点の整理  資料3は、専門委員会の委員名簿  資料4、これは複数の資料が入っておりますが、「専門委員会における検討の状況に ついて」と題しまして6種類の資料を用意しております。御確認いただきたいと思いま す。  資料5は「消費者アンケート調査等の結果」ということで、「消費者アンケート調査 の結果」が5−1、「販売店・配置販売業アンケート調査の結果」が5−2になってお ります。  資料6は、特例販売業に関する調査結果について  資料7は、今後の医薬品販売制度改正検討部会の論点審議予定となっております。  なお、5番の消費者アンケート調査等の結果に関係してでございますが、現在は調査 票も合わせて配付しておりませんが、委員の方の参考に配付させていただきたいと思い ますので、調査票については後ほど委員のお手元に配付されるように取りはからいたい と思います。  以上でございます。  井村部会長  お手元に資料は揃っておりますでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、まず医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会 の作業状況でございますけれども、相対的なリスクの評価に関する基本的なルールと情 報提供の内容がある程度整理されたようでございますので、専門委員会の埜中委員長か らご報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。  埜中専門委員会委員長  埜中でございます。座ったままで失礼いたします。  前回の第9回のこの部会にも一応御報告いたしましたけれども、我々のところは、一 般医薬品の相対的リスクについて医学的あるいは薬学的な見地から評価をしていこうと いうことで作業を進めてまいりました。前回、こういう方法で評価をしているというこ とをお話ししましたが、そのあとで少し進展がございますので、それについてもお話し をしたいと思います。  前回、第9回の部会が2月10日に行われましたけれど、そのあとまた2回、さらに専 門委員会を開いております。いま、部会長がお話しになりましたように基本的なルール をつくることに至っております。その専門委員会は、非常にありがたいことにこの部会 の委員の方もたくさんオブザーバーとして参加していただきまして、いろいろご意見を いただいております。それについて深く感謝いたします。  検討状況につきましては、本日、資料4−1から4−6として配られております。詳 しくはあとで事務局からお話をしていただきますけれども、簡単にどんなことをやって いるかということをお話ししますと、資料4−2にいろいろな評価、リスクファクター とか、AAとかBBとかいろいろ書いた紙がございます。  これはどういう基準によって行われたかというと、例えば資料4−4にありますよう なワークシート、これは医療用の添付文書から抜き出したものでございます。それで、 例えばBの「相互作用」というところで網かけをしているところには何も書いてありま せん。これは重大なことはないのだけれども、その横の「併用注意」というほうにいろ いろと情報があります。ですから、こういう相互作用はBの評価をしております。  その次の「重篤な副作用のおそれ」というところには、例えばアナフィラキシーショ ックとかあるいは再生不良性貧血とか、かなり重い症状かがありますので、以前はAと して評価をいたしました。しかし、そういうものはただAとして評価するのではなく て、あとの2回の委員会では、これをAAとして、AとAAで重症度に差をつけようと いうところが新しくなっております。  Eの「患者背景」などというところも、この前の9回の部会のときにはただA、B、 Cの3段階の評価でしたが、ここをみますと、出産予定12週以内の妊婦とか、あるいは インフルエンザなどのときにはインフルエンザ脳症が起こるような危険性があるという ことで、これは単なるAではなくてAAと評価をしようということになりました。  そういうことで、今までA、B、Cだったのが、AA、A、B、Cという4段階にし て評価をしていこうということになったわけです。  さらに、資料4−2に書いてありますアスピリンですと、症状の悪化につながるおそ れとかそういうことで重篤なところが出そうなものは、前は単なるPでした。何も記載 がないのがQで、何かちょっと危険性のあるものがPでしたが、そのPにも少し格差を つけてPPというものをつくろうということで、PP、P、Qと3段階に分かれ、それ で評価をしていこうというふうになりました。  この詳しいことは、後ほど事務局からお話しをしていただくことにしています。  情報提供につきましても、とりあえず主立った成分について提供が必要と思われる情 報を洗い出しをしております。それが資料4−3になっております。この洗い出した情 報は、いずれも一般用医薬品の添付文書に記載されているものでございます。今後も提 供する必要は十分にあると思っています。  ということで、専門委員会では主に医療用の添付文書から拾いあげた医学・薬学の面 でのリスク分けを行うとともに、今、情報提供の書類をつくって、それを何らかの形で 役立てようと考えています。  今、情報提供に書いてありますものをどのような形で提供するのかということにつき ましては、情報提供の重要性とその方法は密接に関係すると思うわけで、これは部会で のいろいろな討議と、部会の方がたのご意見などを入れて、今後、検討していく必要が あるのではないかと考えております。  専門委員会からは、以上のようなワークシートでリスク評価をしていくということ と、情報提供については部会とこれからいろいろと相談をして情報提供していこうとい うところまで至っております。細かい具体的なことにつきましては、これから事務局か らお話しをしていただきたい。では、お願いします。  井村部会長  ありがとうございました。では事務局のほう、すみませんが細かな説明をお願いいた します。  事務局  審査管理課の関野でございます。専門委員会の御報告を引き続きさせていただきたい と思います。お手元の資料の4の関係で4−1から4−6までございますので、それを お手元に置いていただきたいと思います。基本的には資料4−1に全体の作業の状況を 記してございますが、適宜、ほかの資料も合わせて横に置いていただきながら説明をさ せていただきます。なお、説明にあたりましてAとかBとかCといった言葉がだいぶ出 てきますので、その際、それぞれがリスクファクターを示す言葉としてAからHまで使 っている部分がございますので、その点に関しては資料4−5の紙を脇に置いていただ いて、その一番左側の「リスクの評価の程度」の欄にAからHまでのアルファベットを 振ってございますので、説明の中でA欄、B欄といった言葉が出てきた場合には、資料 4−5に示しましたそれぞれの項目に当たるということでごらんいただきたいと思いま す。  また、具体的なイメージに関しましては、少し厚い資料4−4にワークシートという 形で整理しました情報をひと通り用意してございますので、その資料4−4で申し上げ ますと、小さくて見づらいかもしれませんが、一番上の欄のそれぞれリスクの程度の評 価ということで目を左から右に移していただきますとAからHまで出てきますので、こ れが今申し上げていますAからHそれぞれの項目ということで、このシートの中でもそ ういう取り扱いになっていることをあらかじめ申し上げておきます。  それでは、資料4−1に沿いまして説明をいたします。  まず、「相対的リスクの評価方法について」ということで、検討にあたりまして、評 価するための基礎情報の抽出作業から始めております。これまでも販売部会には随時ご 説明しているところでございますが、ワークシートの作成ということで、そのできあが りのものが資料4−4になります。  これらのワークシートに関しては一般用医薬品85の製品群に分けまして、それぞれ配 合されます主たる成分に着目して行っております。結果として、ワークシートの数でい いますと47にわたって整理がされておりまして、一部、製品群の中には部外品にすべて 移行してしまったがために、今回、検討の対象になっていないものとか、あるいは相対 的リスク評価が適当でない製品群、例えば一般用の検査薬とか公衆衛生の関係のお薬、 そういったものに関してはワークシートという形で整理してございません。それと、生 薬を含みます製剤に関しては、ワークシートという形での情報の抽出という方法をとら ないで、また各製品群にかなり横断的に含まれているということもございますので、別 な扱いをして評価していこうということになっております。そういったところで一部の 製品群を取り扱っていない場合等がございますので、ワークシートの数は47となってお ります。  そのほか、ビタミンの関係等については、それぞれ一つひとつワークシートをつくる ことはあまり適切ではないということで、85の製品群でいいますとそれぞれ一つずつカ ウントをしておりましたが、それらをワークシートの中ではまとめて一つと数えており ますので、そういったところも85と47の違いに出てきております。  (3)でございますが、情報源に関しては、情報量の多い医療用の添付文書を用いてお ります。  一部の成分に関しては、一般用で使われているものでも医療用でないようなケース等 がございますので、できる限り同一成分、同一剤型のものを用いて作業を行っておりま すが、やむを得ず異なる剤型のものを用いているものも一部ございました。  それぞれに関しまして、ワークシートはごらんのとおり横軸でとっておりますAから H、各項目ごとに抽出を行っている状況でございます。  なお、このワークシート作成にあたります留意点が1ページの下に書いてございま す。部会でもご意見がございましたとおり、参考となるような情報ということで、効能 効果、用法用量の情報を付記しております。  また、一般用の添付文書に立ち返った作業は、「提供する情報」の検討の際にその記 載内容を踏まえた作業を行うという整理がされておりまして、また頻度についても、可 能な限りワークシートに記載するという方針で進めてきております。  2ページにまいります。今申し上げました情報を抽出したワークシートをもとにいた しまして、どのような形でリスク評価の方法を検討してきたかということで、その結果 をここに記してございます。評価の対象としては、リスクファクターとして部会で整理 いただきましたAからHまでの項目すべてについて評価の対象としております。  ただ、AあるいはD、これは資料4−5でいいますと、Aが「薬理作用」、Dが「濫 用のおそれ」という項目になりますが、これらに関してはBとかC、E、F、Gといっ たほかのファクターの中で考慮されているという取り扱いをしておりまして、A単独あ るいはD単独での評価は行なわないという整理でございます。  評価は2段階に分けて行うということで、ここは資料4−4を見ていただければよろ しいのですが、網かけをしてある部分を含めましてBの欄、Cの欄、Eの欄といったと ころを各成分の特性に着目した作業ということで評価の対象としております。それとF の欄、Gの欄といったところを、誤使用とか過剰使用といったおそれということを前提 とした対象項目といたしております。そういった2段構えの作業を行っているというこ とでございます。  そして、評価の方法は、ワークシートのB欄、C欄、E欄それぞれを4区分に分類し ております。それからF、Gそれぞれの欄に関して3区分に分類し、また、H欄を2区 分に分類するということでございます。  その具体的な内容を(2)から以下書いてございますが、まずB欄について御説明いたし ます。B欄を、「併用禁忌」という欄と「併用注意」という欄に分けてワークシートを 整理してございます。これも、資料4−4を参照していただければおわかりのとおりか と思います。B欄の中で黒くなっていますのが「併用禁忌」、白いままのが「併用注意 」というそれぞれの欄でございます。それぞれの欄をみまして、「併用禁忌」の欄に情 報がある場合はAという扱い、「併用注意」に情報がある場合はBという扱い、記載が なければC、そういった扱いでの評価の方法でございます。  両方に記載がある場合は、AとBを比較してAが優先されるという扱いをしておりま す。  「併用禁忌」の記載があるもののうち、特に注意を要するような情報があれば、それ を通常のAではなくてAAという形に評価するということで、A、B、Cに加えてAA という評価がございますので、合計4区分になるわけでございます。  同様にC欄に関しても、ワークシート上、薬理毒性に基づくものと特異体質、アレル ギーに基づくもの、二つに欄を分けてワークシートができておりますが、それぞれ記載 があるかないかというところをみたうえで、薬理毒性に基づく副作用があればそれを A、特異体質、アレルギーの関係に情報があればそれをBという扱いにし、同じような 考え方で、A、B両方ある場合にはAを優先する、記載がない場合はCとする、そうい う中で方法を検討してまいりました。  そして、C欄のうち、薬理毒性に基づくものの中で特に注意を要するものをやはりA Aという評価をしまして、合計4区分に整理しているということでございます。AAに 該当する主な例としましては、これまで個別具体的なシミュレーションを行ってきた中 で浮かび上がってきたものとして、資料のAAの例ということで付記いたしておりま す。  またE欄についても同様な考え方でおりまして、「適応禁忌」に情報があればA、 「慎重投与」に記載があればBという評価で、記載がなければCということで、その中 で、Aがついた場合で特に注意を要するような適応対象、例えば小児、妊産婦、高齢 者、こういった方に関する注意を「適応禁忌」の中でうたっている場合であれば、それ をAAとするという扱いでございます。  FとGに関しては、情報がある場合をP、ない場合をQという扱いにしておりまし て、特に注意を要する過量使用に関するような情報がある場合にはそれをPPというこ とで、PとQに加えてPPということで、合計3区分に分けた評価という整理でござい ます。  一般用医薬品の添付文書に記載されている情報で特に注意を要すると考えられる情報 があった場合には、各リスクファクター、AからHの欄でございますが、それぞれの評 価に反映するということで、ここは基本的な考え方をまとめるにとどまっておりまし て、個別の評価を行っていく中で一つひとつ見ていくことになるかと思います。  これらの評価を行ううえでの留意点を、その下に書いてございます。先ほど申し上げ たとおり、情報を集める際に剤型が異なるようなケースがございますので、こういった 場合には剤型の異なるものを使うのがいいのか、あるいは剤型が同じで他の類似の成分 のものを使うのがいいのか、それは薬学的にみて考えていくということ。それから、使 用量の違いによって情報量に格差が出る場合がございますが、こういったものを違いと してとらえるのか、あるいは薬学的にみて同等であればそれを同程度とみなすことも個 別には出て来るであろうといったところで、留意点として整理しております。  4ページにまいりまして、情報が得られなかった成分。これは、具体的に情報を抽出 しようと思ってもなかなか情報源としてものがなかったということにもなるかもしれま せんが、そういった場合であっても、他の類似の成分のものを使えるものがあればそれ と同等に扱うということも、一つの留意事項としてまとめております。  (4)に関しては、ワークシートには主立った成分が書いてございますが、各製品群ご とに整理しておりますので、若干、成分としてみた場合に重複する部分がございます。 そういったところは、すべてについて一つ評価を行うか、あるいはその配合されている 成分の中で主立ったものとして整理をすれば、その製品としての評価全体に影響を与え ないような成分であるならば、それらについては個々の評価を行う必要はないのではな いかということで、作業の効率化の観点から、こういった留意点も記してございます。  今申し上げていますのは成分ごとの評価の方法でございますので、最終的には製品と しての評価を行うことになりますので、ここの場合、配合されている成分それぞれの評 価の結果を足すのか掛けるのか、いろいろな理論上の考え方はありますが、ここでは成 分ごとにみた最も上位の評価結果を製品の評価としてはどうかという考え方で整理して おります。  以上、早足でございましたが、リスク評価に関するルールといいましょうか考え方を 御紹介いたしました。  それに関しまして、いくつかこの方法が妥当かどうかを専門委員会ではシミュレーシ ョンする形で検証しておりまして、その関係のものが資料4−2でございます。説明は 省略いたしますが、それぞれここに挙げました成分が実際のワークシートのどこに書か れているかというところだけ御紹介いたします。ワークシートの資料4−4の何ページ に書いてあるかというところを、少し御紹介いたします。  まず、アスピリンに関しては9ページに具体的に出てきます。1ページにも出てまい りますが、ここでは解熱鎮痛薬としてのアスピリンという形での評価をしておりますの で、重複してまぎらわしいのですが、資料4−4でいいますと9ページのアスピリンを 検討の対象にしております。  アセトアミノフェンについても9ページにワークシートがございます。  イソプロピルアンチピリンも9ページでございます。  アリルイソプロピルアセチル尿素に関しては10ページにございます。  ブロムワレリル尿素は11ページにございます。  ビタミンにまいりまして、ビタミンAに関しては88ページにございます。  抗ヒスタミン成分のメキタジンに関しては121ページにございます。  みずむし・たむし用薬の塩酸ブテナフィンは174ページにございます。  塩酸ジブカインが182ページにございます。  また、先ほどのルールに照らし合わせてAなのかBなのか、そういったところで必要 あらば説明をつけ加えさせていただきますが、最初の説明ではそこは省略いたします。  今のがリスクの評価方法に関する説明でございますが、次に提供情報に関する説明に 移ります。資料4−3をごらんいただきたいと思います。  こちらに整理いたしましたのが、一般用医薬品として使われております成分に着目い たしまして、その主立ったものを実際の一般用医薬品の添付文書を基本とした形での情 報を表に整理したものでございます。表の一番右側には、参考情報として用法用量と効 能というものも書いてございます。この資料に関しては、委員長からも御説明がありま したとおり、今、現に提供されている情報でございますので、販売時に提供する必要が ある情報としては今後も必要ではないかという意見だったかと思いますが、この中で、 その方法と絡めたうえでどういったものを重要なものとしてとらえていくかというとこ ろは、部会と並行の議論の中で考えていくことになるかと思います。  したがいましてきょうの段階では、主立った成分に関しては、資料4−3「提供する 情報」といったものがとりあえず全体を網羅する形であるというところでまとめられた ものを御紹介いたしております。  最後の資料4−6、こちらは、これまでの専門委員会の開催状況を1枚の紙にまとめ たものでございます。昨年の10月22日に1回目の委員会を開催しまして、先週、2月22 日まで8回開きまして、今、御説明いたしました資料4−1から4−4までの資料とい うことで検討を進めてきたという状況でございます。  以上でございます。  井村部会長  どうも御苦労さまでございました。大変詳しい説明がございましたが、ただいまの埜 中委員長と事務局からの説明に関しまして、何か御質問がありましたら、どうぞこの場 でしていただきたいと思います。具体的な細かい点でももちろん結構でございます。い まの時点で完全にわかっていないと後ほどの議論に影響するかもしれませんので、今の 説明について何か御質問がございましたらどうぞ。あるいは、作業の状況についてのコ メントでも結構でございますが、いかがでございましょうか。望月委員、この作業の中 心になって大変御苦労さまでございましたけれども、何か追加することはございません でしょうか……。よろしゅうございますか。  溝口委員  一般用医薬品としてもう既に決まっているものが検討されたのだと思うのですが、こ れが一般的医薬品として適否、つまり適であるかという議論はないわけですね。  埜中専門委員会委員長  それはしていないと思います。  溝口委員  例えばPP、AAがついたようなものは、将来、そういうことが考慮されるというこ とでしょう。例えば、びっくりしたことに私の専門の鉄剤が一般用医薬品に入っていた のですが、この薬は鉄欠乏性貧血という診断が確実についていないと投与すべきでない と私は考えているのですが、その理由は鉄欠乏でない人が飲んだ場合には鉄過剰症とい う非常に重篤な問題が起こるからです。このようなものが一般用医薬品にあることは、 今ちょっとながめていて気になったものですから、こういうものは長期連用のPPとい う問題で出てくるのだとは思うのですけども、その辺のところももう一回見直す必要も あるかなという気がしているのですけど。  井村部会長  埜中委員長、何か御発言ありますか。  埜中専門委員会委員長  個々の製品については、まだ検討しておりません。今はこういうワークシートをつく って、これでこれから検討していこうというところでございますので、今の溝口委員の ご意見は十分にこれから取り入れてやっていくつもりでおります。  井村部会長  ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか……。  それでは、現時点での専門委員会の作業状況は部会で了承したということでよろしゅ うございますでしょうか。  児玉委員  現時点というのは今おっしゃったとおりでありますから、これは本当に大変な御苦労 があってこういうものが出たと思います。このあとのことはまたあとであるわけですか ね。例えば、この委員会では、最初は提供する情報はどうするのか、リスクとの関連で どうするのかとか、そういう議論がどうのこうのと以前ありましたですね。それから、 評価のこういう数字的なものは出てきておりますけども、大きな分類などもお考えなの かなという気がするのです。その辺はどうなのでしょうか。  井村部会長  私より埜中委員長のお考えを伺ったほうがよろしいかもしれませんが、専門委員会で は、現時点でこれだけ集積されてきたデータを、これから先、どういうふうに使うとお 考えですか。そこまで専門委員会でやろうというお考えでしょうか、それとも、それは 部会に任せるというお考えでしょうか。  埜中専門委員会委員長  まず、個々のものについてワークシートで検討して、一応評価をつけましたものは、 資料4−1の5ページにイメージがあると思います。ここの中にかなりリスクによって の分類ができてくるだろうと考えています。そのリスクの評価というものと、今、実際 に販売されている添付文書を突き合わせて、どのような情報提供をしていくかというこ との検討になるのではないかと考えております。  井村部会長  一応リスクでクラス分けをしていくといいますか評価をして、そのデータが出るとい うところまでが専門委員会の仕事、評価については専門委員会の仕事はそこまで。それ から、それに従ってもう一つ、情報提供の内容ですが、これはまだ完全には終わってい るわけではないということだろうと思います。それでよろしゅうございますか。  児玉委員  ということは、今おっしゃった4−1の5ページにイメージが出ていますね。非常に 単純なお話ですが、これを見ると四つの大きな分類になりますよね。こういう四つの大 きな分類というのは今後の一つの考え方の整理になっていくのだ、こういうことです ね。  井村部会長  そうです。  児玉委員  それともう1点は、先ほどおっしゃった今後の作業の中ではリスク分類を一生懸命評 価をしていただいて、そのあと、例えばこういうふうに四つの区分が出てまいります と、それに対する情報提供とリンクしていきますよね。当然そうですね。こういうリス クがあるから、そのリスクをできるだけ防ぐために情報提供があるわけでありますか ら、そこのところの作業もこれから専門委員会でされるのですか。  埜中専門委員会委員長  専門委員会では情報提供の必要があるとかそういうことは判断しますけど、どのよう な方法で情報提供するかとかそれはこの部会にはかって、部会の方がたの御意見による ことだろうと思います。  井村部会長  その辺はみんなで議論しておかなければいけないことなのだろうと思いますが、専門 委員会はリスク分類をした。そして、これはまだ全部やったわけではないですから、作 業としては全部やるというところまでやっていただけるのだろうと思うのですけど、そ れができあがった時点で、そのリスク分類に応じた情報提供というのはどんな内容のも のでなければならないかということについては、専門委員会で考えていただけるのだろ うと思います。そこまでたしかお願いしたはずなのですが。ただ、それを具体的にだれ がどこでどういうふうにやるかということについては、部会の議論になるのではないか と私は思っておりますが、いかがでしょうか。事務局、何かありますか。  医薬食品局長  とりあえず専門委員会で医薬品のリスクの程度の分類の大体の合意ができたので、少 なくとも医薬品については、ひと固まりではなくてリスクに程度の違いがあるよという ところまでは大体合意ができたわけですね。問題は、これから先、情報提供の内容をど うしていくか、また、どういう形での情報提供をすべきかについては、専門委員会で当 然御議論いただきますけども、やはり部会でも御議論いただきながら、専門委員会は専 門委員会でまたそれを参考にしながらご議論いただくということになると思うのです。 したがいまして、きょう最後の議題で出てまいりますけれども、今後の進め方のところ で、部会としてもひと通り検討事項をワンラウンドやっていただく過程で、また専門委 員会にもおろすべきものはおろす、そういう総合的な形でやっていくのがいいのではな いかというのが、今のところの私どもの考え方であります。  井村部会長  ありがとうございました。何か今の点について。  児玉委員  今までもそのように作業をしていますよね。専門委員会と並行してこちらでやってき ておる、そういう作業工程になるということですね。わかりました。  井村部会長  事務局は、具体的にはそれでよろしゅうございますか。はい、ありがとうございまし た。  それでは、もう一度確認いたしますけれども、専門委員会からの報告については部会 でご了解いただいたと思ってよろしゅうございますか。ありがとうございます。それで は、今も局長さんからの話にございましたけれども、専門委員会が作業をするときにど んなことを考えて行ったかというその考え方を、我々部会の委員は念頭に置きながら、 これまで部会で整理されてまいりました論点というのがありますが、その論点に掲げら れております事項につきまして、部会で検討を進めていくという過程になろうかと思い ます。  次に、きょうの議題でございますけれども、アンケート調査の結果について御報告を 受けたいと思います。  まず、消費者アンケート調査。消費者のみならず薬局、一般販売業、薬種商、配置販 売業、こういったところに対してのアンケート調査が実施されておりまして、その結果 について、実際にご担当くださった日本大学の白神教授から御報告をいただきたいと思 います。白神先生、よろしくお願いします。  白神日本大学教授  日本大学薬学部の白神と申します。よろしくお願いをいたします。  アンケート調査につきましては、回収が終わったばかりでございますので、きょうの ところは中間のまとめということで単純集計結果と、それから簡単なクロス集計のみの 御報告とさせていただきます。よろしくお願いをいたします。また、時間に限りがござ いますので、かいつまんだ御説明にさせていただきたいと思います。  今、委員長からお話がございましたようにアンケートは2種類ございまして、消費者 アンケートと薬局・販売店とに分かれております。初めに、消費者アンケートについて 御説明をいたします。お手元の資料ですと5−1です。  1ページおめくりいただきます。今回、私どもに依頼がございました時期が非常に押 し迫ってでございまして、短期間で回収・集計する必要があるということで、民間業者 の消費者モニターを利用してアンケートをいたしております。  3600人に送付をいたしました。そして2710人からの回答ということで、回収率75.3% でございました。  消費者モニターを使います利点でございますけれども、あらかじめ性別とか年齢、あ るいは地域について、人口比を反映させる形でアンケートを送付することができるとい うことでございましたので、結果としてそれにほぼ沿った形で回答が得られたのではな いかと思っております。  2ページでございます。2と大きく分類いたしました質問は、回答者の属性をお尋ね したものでございます。  例えば2.1では、年齢層をみていただきますと、60歳以上の方が28%という結果でご ざいます。  また、2.3に職業がございますけれども、サラリーマンと主婦がそれぞれ1/3とい う結果でございました。  また、2.4に世帯構成がございます。1人暮らしの方が8%、それ以外の方は同居人 がいるということでございますけれども、次のページを見ていただきますと、乳幼児の いる方が比率でいいますと22%、65歳以上の同居人がいるという方が17%ということで ございます。  その下に年収がございます。世帯の年収ということでお聞きをいたしましたが、300 万から500万という方が最も多く、32%でございました。500万円未満の家庭が全体で50 %という数字になっております。  次に4ページの3の質問は、消費者が大衆薬に関連した制度をどの程度ご存じかとい うことをお聞きする趣旨で設けたものでございます。回答は、「知っていた」「聞いた ことがあるが詳しくは知らなかった」あるいは「知らなかった」、この三つで選択をし ていただいております。  まず上から三つの質問で市販薬を販売できる店舗の問題でございますけれども、薬 局、一般販売業、薬種商販売業の順で認知度というのでしょうか、それが下がっている というのがおわかりいただけると思います。特に薬種商については、「知っている」と する人は23%でございました。逆に配置販売業につきましてはご存じの方が非常に多く て、83%という数値になります。  その次の、薬局・一般販売業等で取り扱える品目に違いがあるということについて は、「聞いたことがある」という方まで含めても58%という数字でございました。  下から二つ目、薬局や一般販売業の店舗に薬剤師がいつもいなければならないことに なっていることについては、93%の方が「知っていた」または「聞いたことがある」と 答えておられます。これは逆に申し上げますと、その93%の方は薬局や一般販売業には いつも薬剤師がいるはずだと思っている、ということになると思います。  4の御質問ですけど、これは4の標題が抜けておりまして、「市販薬の購入方法」と いう標題のもとにまとめられるものでございます。この質問は、大衆薬の購入の仕方に ついてお尋ねしたものでございます。  まず4.1でございますが、ここでの質問は、「常備(買い置き)している」、あるい は「継続的に使用しており定期的に買う」、あるいは「症状があれば買う」、あるいは 「市販薬を買うことはない」の中から選んでいただきました。ごらんいただきますとお わかりのように、総合感冒薬、あるいは胃腸薬、整腸薬・下痢止め、あるいは解熱鎮痛 剤、塗り薬のうちのかゆみ止め・虫刺され用などについては常備している率が非常に多 いことがおわかりいただけるかと思います。  逆にビタミン剤やドリンク剤、疲れ目用の目薬、これらは、「継続的に使用している 」という部分がほかのものに比べると多いことがおわかりいただけると思います。  一方、その次の「症状があれば買う」が多いものとしては、咳止め薬、あるいは鼻炎 薬、炎症用の目薬などということがおわかりいただけると思います。  申しおくれましたが、項目などが多くておわかりにくいところがあるかと思いますけ ども、棒グラフについては左から順番、円グラフについては12時のところから時計回り で項目順になっておりますので、それでごらんいただければと思います。  次に6ページでございますが、4.2は、種類ごとに購入時にどのように薬を買うかと いうことをお尋ねをいたしました。選択肢として、「店舗で症状や目的をいって勧めて もらう」「パッケージや店頭の案内などを見て自分で選ぶ」「名前を指定して買う」 「市販薬を買うことはない」という中から選んでいただいております。  これでみますと、総合感冒薬や咳止め薬あるいは鼻炎薬などは、「店舗で症状や目的 をいって勧めてもらう」という部分が多くなっているのかがごらんいただけるかと思い ます。  それから「自分で選ぶ」が多くなりますのは、ドリンク剤、あるいは貼り薬、疲れ目 用の目薬、あるいはかゆみ止めの塗り薬などが挙げられるのではないかと思います。  「名前をいって買う」が目立つのは、胃腸薬、あるいは整腸・下痢止め薬、解熱鎮痛 薬ぐらいで、あまり目立ったものはございませんでした。  8ページは、そういったものを総合して、主にどういう買い方をするのが多いのかお 聞きしたのが4.3でございます。「勧めてもらう」というのが42%で一番多くございま して、それにほぼ並ぶものとして「パッケージ等からみて自分で選ぶ」というものが39 %ございました。  下に年代別のものがございますが、60歳以上になると「勧めてもらう」という方が非 常に目立つというのが、見てすぐに気がつくところではないかと思います。  9ページ、5番目の「副作用の経験と市販薬についての意識」でございます。これ は、大衆薬をどのようにとらえているかをお尋ねしたものでございます。  5.1は、副作用の経験をお聞きをいたしました。「自分自身経験がある」、「身の回 りで経験者がいる」、それから「自分自身も経験があるし、身の回りでも経験者がいる 」、この三つと「経験者はいない」でございます。  71%の方は経験者がいないという回答でございましたけれども、自分自身で経験があ る方が11%、身の回りで経験者がいる人が13.3%、両方というのが4.3%でございます。 したがいまして、15%の方はご自身が副作用を経験していることになりますし、身近な 方も合わせると28%となります。  下の折れ線グラフを見ていただきますと、20歳代の女性は30%を超える方が経験をし ているということになるわけでございます。  10ページ、5.2は、医療用の医薬品と比較した場合の認識でございます。医療用の医 薬品に比べて副作用を生ずることはほとんどないという一つの言い方に対して、「そう 思う」あるいは「そう思わない」ということでお聞きしましたけれども、「そう思う」 という方が18%おりました。  その下は、同じように、医療用医薬品に比べて大衆薬の場合は多少用法用量を守らな くても危険はないという言い方に対して、そう思うかどうかをお聞きしたものでござい まして、13%の方は危険がないと思っているという回答でございました。  11ページ、6の質問は、販売の実態についてお尋ねをしたものです。  まず6.1で、主にどういうお店で買うのかというのをお聞きいたしました。薬局、一 般販売業、薬種商販売業とお聞きしたのですが、その結果では薬局が47%と一番多くな っておりますが、その下の四角で囲みましたところをごらんいただけますでしょうか。 私どもは、若干、消費者が薬局、一般販売業の区別がつかない、あるいは薬種商の区別 がつかないおそれがあるのではないかと思いまして、具体的にお店の名前を書いていた だける方には書いていただきました。それを全部精査しておりませんけれども、ざっと 見たところ、どうも間違いがあるようであるという感じがいたします。特に薬店を薬局 と思っておられる方が目立つようでありました。  したがいまして、今回、消費者の分類に基づいた薬局、一般販売業、薬種商販売業の 分類はできるだけ避けております。若干ございますけれども、それについても、一部、 注意がいるのかなというところでございます。そういう意味で消費者の認識が必ずしも 正しくないのではないかというところをぜひご留意をいただければと思っております。  12ページに移りまして、6.3は陳列方法でございます。実際によく利用するお店でど ういうふうに商品が陳列されているかということをお聞きをいたしました。ここにござ いますように、「手に触れられる場所と触れられない場所の両方」に陳列されているも のと、「直接手に取ってみることができる場所」というのが45%、41%と多くなってい るところでございました。  その下に店舗の種類別がございますが、先ほど申し上げましたように、これは参考程 度に見ていただければと思います。  13ページは説明についてでございます。薬剤師等からの説明でございますけれども、 まず初めの頻度でございますが、「必ず説明がある」とした方は14%、「ときどき説明 がある」と回答した方は49%でありました。一方、「説明を受けたことはほとんどない 」あるいは「全くない」とする方が36%おられたということでございました。  次の14ページは、ときどき説明を受けたという方についてお聞きをいたしました。と きどきというのはいったいどういうときなのかというのをお聞きしたのが6.5でござい ます。「製品によって説明があったりなかったりする」という方が52%でございます。 それから、「人によって説明があったりなかったりする」と答えた方が44%でございま した。これは複数回答でございますので、回答した方のうちの52%、44%がそういうこ とを答えておられるということでございます。  15ページは、それではいったいどのような説明を受けたのかということをお聞きをし ました。説明を受けた内容としては、効能効果、飲み方(用法用量)が非常に多いとい うことでございます。  16ページは、当審議会の委員から御要望があったとお聞きしておりますけれども、医 師への受診勧告があるかということでございます。「ある」と答えた方は13%でござい ました。  17ページは、今度は6.8ですけれども、薬剤師や薬種商が区別できるか、専門家が区 別できるかということをお尋ねしました。「区別できる」とした方は34%、「できない 」という方は40%でありましたけれども、同時に「専門家というのを意識したことがな い」という方が24%おられたということでございます。  6.9は、よく利用するお店で専門家がいると思うか、ということをお尋ねをいたしま した。「いると思う」と答えた方が54%でございます。「ときどきいると思う」と答え た方が21%でございましたが、一方で「ほとんどいないと思う」という方も5%いたと いう結果でございました。  18ページは、まず、現在、そのお店を選んでいる理由をお聞きしたものでございま す。多いもので申し上げますと、「品揃えが豊富である」「自宅や勤務先から近い」「 価格が安い」というのがトップ3でございます。なお、これは上位三つまで選んでいた だいております。  20ページは、今度は逆に消費者の方が医薬品販売店が備えているべきことは何だと思 うかということで、やはり上位三つでお聞きしたものでございます。一番多かったの は、先ほどとは違いまして「気軽に質問・相談ができる」というものでございました。 「薬の説明が十分でわかりやすい」というものも、先ほどとは違う結果でございます。 先ほどございましたような「品揃えが豊富である」というのはその次に入ってまいりま す。ですから、消費者の方が実際に備えているべきだと考えているお店を選んで買って いるわけではないということになるかと思います。  次に、22ページからは配置薬についての質問でございます。配置薬はどの程度使われ ているかということを8.1でお聞きしております。実際に利用されている方は19%でご ざいます。そして、家にあるけれどもあまり利用していないという方が13%ということ で、配置薬については非常に人数が少なくなっておりますので、参考程度の分析になら ざるを得ないかもしれません。  23ページの8.3にその説明の問題がございます。配置員からの「説明が必ずある」と したものが23%、「ときどき説明がある」とした方が49%ということであります。「ほ とんど説明がない」とした方も23%いたということでございます。  24ページは、説明についてどういう希望をもっているかということをお聞きをいたし ました。  まず9.1は、「説明を必ず受けたい」という方は16%でございました。そして、「店 のほうで注意が必要だと考えるものについては受けたい」という方が42%でございし た。したがいまして、この二つを合わせました58%の方は、いわば受け身の形で説明を 希望するということでございます。逆に、「こちらから希望する場合にのみ受けたい」 という方が38%おられました。「説明はいらない」という方もおられまして、3%でご ざいます。  その下に年代別を示してございますけれども、40歳代とか50歳代になると、どういう わけか受け身ですね、お店のほうからの説明をあまり期待していない、希望しないとい う結果になっております。  「説明は不要」という方が3%いると申し上げましたけれども、これが一番目立ちま すのが20歳代の男性の方でございました。  25ページ、9.3ですが、先ほど、受け身ではなくて、消費者のほうから希望するとき だけ受けたいという方に、どういう場合に希望をするのかということをお聞きをしたも のでございます。最も多うございましたのは、「その製品を初めて買う場合」に説明を 受けたいということでございましたし、「他の薬を飲んでいる場合」に説明を受けたい というのが次でございました。また「家族のために買う場合」、この三つが多い順でご ざいます。  26ページ、9.4では、どのようなことについて説明を希望するかということです。 「効能効果」が多うございましたけれども、それ以外に「副作用」、あるいはその相互 作用でしょうか、「併用についての注意」というのが目立っております。実際に消費者 の方が受けている注意は「効能効果」と「用法用量」が多くて、あとのものは非常に少 なかったわけでございますけれども、消費者としては「副作用」あるいは「併用につい ての注意」を受けたいと希望しているということでございました。  27ページ、9.5は、これまでに副作用を経験したり、あるいは効能効果等で疑問があ った場合に、もちろん家族で解決できる場合もあると思いますけれども、困った場合に だれに相談したのかというのをお聞きをしました。最も多かったのは「医師」でござい ますけれども、「購入した販売店」で聞くというのがそれに次いで多い結果になってお ります。医師に相談する方は41%という数字でございます。  次に28ページから29ページにかけまして、10という質問がございます。これは、外箱 あるいは添付文書が情報伝達の手段となり得るかどうかを調べたい、そういう意図で設 けました質問でございます。  それぞれいろいろなことを細かくお聞きしておりますけども、ほぼどの項目でも90% 前後は「一度は読む」という結果でございました。「全く読まない」という方は10%未 満でございました。そういう意味で申し上げますと、外箱とか添付文書というのは情報 伝達の手段として有力なものと判断できるかと思います。  30から32ページにかけましての11という質問は、消費者の方が大衆薬を適正に使用す るために必要と思われるような基本的な知識をもっておられるかどうかを知りたいとい うことで設けました。  下のほうから申し上げますけれど、妊娠中の服用、あるいは授乳中の服用につきまし ては、「知っていた」と回答される方が、それぞれ86%、あるいは78%と非常に多くな っております。特に下のほうを見ていただきますと、女性ではその比率が高いというこ とでございます。93%の方が妊娠中の服用について、85%の方が授乳中の服用について 「知っていた」と回答しておられます。  医薬品の相互作用に関しては、「知っている」とした方は64%でございました。大衆 薬でもまれに重大な副作用が発生することがあるということに関して、「知っている」 とした方は46%にとどまっております。さらに、アレルギー体質があるということにつ きましては、「知っていた」という方は27%でありまして、「知らなかった」という方 が34%と、知っていた方を上回っているという結果でございました。  以上が消費者アンケートの結果でございます。  続きまして、薬局、販売業者へのアンケート調査について御説明をいたします。資料 5−2になります。  1ページにつきましては、名簿がございましたので、そこから所在地に偏りがないよ うにして抽出をしております。発送件数等は1ページに書いてございます。残念なが ら、回収率はあまり高くございません。全体としては18.4、有効回答率では17%でござ います。特に一般販売業からは6.5%しか回答がいただけなかったということでござい ます。  薬局の場合には名簿から送っておりますので、場合によっては調剤専門の薬局もござ います。その場合には回答をいただかなくて結構ですというお話をいたしておりますの で、有効回答数がかなり減っているのはその理由でございます。したがいまして、集計 からも調剤専用、一般用医薬品を扱っていない薬局は除外しております。  2は、販売店等の属性をお尋ねしたものでございます。これはごらんいただければと 思います。先ほど申し上げましたように項目が多くなっておりますので円グラフが見に くくなっておりますけれども、12時のところから時計回りで凡例に書きました順番でご らんいただければと思います。  1点だけ御説明をしておきますが、2ページのa、1月当たりの一般用医薬品売上高 がゼロという方が2%ございました。ただ、この方々は、取り扱い品目があると回答し ていただいておりますので、一応ここの集計には加えております。  4ページ、2.2.5は「営業日」、2.2.6は「通常の時間帯」ということでございます。 後ほどアンケート用紙をごらんいただきますと、時間帯については、実際に営業されて いる時間を線で示していただいておりますので、それを早朝、日中、夜間、深夜と分け て、その時間帯に30分でも営業していれば1件と数えておりますので、これはそのよう にごらんいただければと思います。  なお、24時間営業というところは、今回の回答の中では1件もありませんでした。  7ページ、2.3は「販売方法等」でございます。「手に触れられる場所と触れられな い場所の両方」とするものが48%ということで、約半数を占めております。  8ページで、それを業種別にみますと、次の横棒グラフになります。薬局、薬種商に 比べて一般販売業の様子が少し違うことがごらんいただけるのではないかと思います。  10ページから11ページでは、従業員の状況をお聞きいたしました。  11ページの2.4.5は、薬剤師や薬種商であることを区別をしているか、消費者からわ かるようにしているかという質問でございます。「着衣で区別をしている」というとこ ろが12%、「名札等を着用している」というところが50%ですので、合わせて62%は何 らかの方法で薬剤師等々、一般の従業員と区別できるようにしていたということでござ います。逆に、「区別していない」というところは13%ございました。  先ほど御紹介をした消費者アンケートでは、専門家が区別できるといっておられた方 は34%でしたので、この62%という数字とどうみるかというのが今後の問題かと思いま す。ただ、消費者アンケートでは、専門家かどうかを意識してみたことがないという方 が24%ありましたので、それと合わせると近い数字なのかもしれません。  次に12ページ、2.4.7は、医薬品を販売している営業時間全体に占める薬剤師または 薬種商の配置時間の割合を尋ねたものであります。72%の店舗では10割、つまり絶えず そういう専門家がいるというご回答でございました。円グラフでいいますと、8割以上 はいるという三つ目まで合わせますと90%という高い数値になっております。  これを販売業の種類ごとにみたのが、その下の棒グラフでございますけれども、薬局 ですと82%が常時いる、薬種商では62%というのに対しまして、一般販売業は35%とい う数字になりますが、ちょっと差が目立つという結果でございます。  2.5は情報提供でございますけれども、「必ず説明をする」としたところが41%。と ころが消費者のアンケートでは、先ほど御説明しましたけれども、「必ず説明がある」 とした人は14%でございました。ですから、若干差があるかなというところでございま す。「製品に応じて必要があれば行う」としたところが31%、「消費者の状態をみて必 要があれば行う」としたものが12%ですから、ここまでの三つを合わせますと94%で、 積極的に説明を行っているというふうにみれば、94%のお店が説明をしていることにな るかと思います。  「消費者が求めた場合に行う」としたものが4%ございまして、「特に説明を行って いない」というものは数値としては1件でございました。  13ページは、「ときどき説明をする」とお答えいただいたところに対して、いったい ときどきというのはどれくらいの割合かというのを尋ねたものでございます。5割以上 というところをみますと69%になります。5割以上というのは三つ目、8割以上という のが四つ目になります。これを合わせますと69%となります。  2.5.3の「説明をだれが行うか」ということでは、必ず薬剤師、薬種商が行うという ものが78%でございました。  14ページの2.5.4、説明の内容でございますが、効能効果、用法用量について説明を するというのが非常に多くなっております。併用の話がその次にあるというところがご らんいただけると思います。  医療用医薬品でありますと、一般には行われると思われます副作用についての説明が 1/3程度であったというところがごらんいただけます。消費者のアンケートでも、副 作用について説明があったとしたのは9%でございましたので、そのあたりについては 非常に少ないということかと思います。  15ページ、消費者から販売したものについて事後に相談があったか、ということにつ いて、「ほとんどない」と答えた方が48%ございました。「月5件以下」という次のと ころまで合わせますと86%にのぼります。  16ページは、今度は売る側として消費者への説明はどうあるべきだと思うかというこ とをお聞きしました。そうしますと、「必ず説明すべき」という方が43%、「製品に応 じて必要があれば説明をする」というのが26%でございました。これは、ほぼ実際にお やりになっている数字と近いので、それを実践されているということなのかもしれませ ん。  17ページは、では製品に応じて必要があれば説明をするべきだとされた方に対して、 どういう製品ですかということをお聞きしたものでございます。総合感冒約、あるいは 解熱鎮痛薬、あるいは咳止め薬、鼻炎薬については説明をする。これは主なものを五つ まで挙げていただきましたけれども、そういう回答でございます。中にはドリンク剤や ビタミン剤を挙げておられる方もいたということでございます。  18ページは医師への勧告でございますけれども、過去1年間に勧告をした方はどれく らいあるかということをお尋ねしました。78%の方が「勧告をした」と答えておりま す。  20ページ、2.6.7では、夜間10時以降の市販薬の販売の対応をお聞きしました。「夜 間も営業している」というところは1.4%でございました。「地域の輪番制に参加」と いうのが2.4%で、非常に少ない数字でございます。「夜間に販売できる体制をとって いる」というところは27%でございます。  21ページに、種類別でそれをみております。薬種商販売業の一番左、あるいは薬局の 3番目が同じものなのですが、「夜間に販売できる体制をとっている」というところ で、一般販売業に比べて多くなっております。これは、もしかすると自宅兼店舗という 場合が多いからかなとも思っておりますが、詳細はわかりません。  3以下は、配置販売業のアンケートでございます。25ページでご経験をお尋ねしてお りまして、配置販売業の方は非常に経験が長いということで私もびっくりいたしました けれども、下を見ていただきますと、50年以上という方が33%、30年から49年という方 が33%、それぞれ1/3ずつおられました。  情報提供についてお聞きしたのは27ページの3.4です。配置販売業者について「必ず 説明をする」とした方が31%ということでした。消費者のアンケートでは23%でしたか ら、それほど差のない結果かと思います。  なお、「製品に応じて必要があれば行う」とした方が19%、「消費者の状態をみて」 という方が15%ですから、積極的な説明は合計すると65%。一方、「説明はほとんどな い」という方は2%。消費者のアンケートではそれが23%おられましたので、ここは大 きく違っているということでございます。  「ときどき説明をする」という方に対して、どういうときに説明をするのか、どれく らいの割合で説明を行ったのかというのをお尋ねしたのが、3.4.2のその下の図でござ います。販売店と違いまして、「5割以上説明をする」という方が45%にとどまってい るというのがごらんいただけると思います。  28ページは、説明の内容でございます。やはり効能効果、用法用量、併用ということ ですので、先ほどの店舗販売業者の回答と同じような様子を示しております。  3.4.4で、服薬履歴とか健康状態についての記録をつくっておられるかということを お聞きをいたしました。「すべての家庭について行っている」という方が24%、「多く の家庭について行っている」という方が27%、「一部の家庭について行っている」とい う方が34%ということですから、非常に多くの方がそういった記録をつけておられるこ とがわかるかと思います。  30ページは、消費者への医薬品の説明はどうあるべきかということを配置業者の方に お尋ねをいたしました。33%の方は「必ず説明をすべき」。「製品に応じて」が23%、 「消費者の健康状態をみて」というのが11%でございました。  31ページ、3.4.8は、「製品に応じて必要があれば行う」といった方に対してどうい った製品ですか、というのをお尋ねしました。そして、やはり五つ選んでいただきまし たけれども、先ほどの店舗でのケースと同じように、総合感冒薬、咳止め薬、鼻炎薬、 あるいは解熱鎮痛薬というものが選ばれております。  以上が御説明でございます。最初に申し上げましたように、今回、御報告をいたしま したのは中間的なまとめでありますので、今後さらに詳細なクロス集計等を行う予定で ございます。本日、先生方からアドバイスをいただければ、それも参考にさせていただ きたいと思います。以上でございます。どうもありがとうございました。  井村部会長  大変な調査と、それからわかりやすい御説明をありがとうございました。ただいまの 白神先生の御報告につきまして、何か御意見、御質問がありましたらどうぞ。  青井委員  一番最初はきわめてテクニカルなソフト上の問題ですけど、無回答というのは全部色 が違いますよね。このソフトは順番で色が出てくるので、無回答が何番目に出てくるか によって色が全部違いますけど、無回答は同じ色にしてもらったほうが、見ているほう はわかりやすい。これはソフトウエアの問題です。  そして、消費者のほうの6ページの「店舗で症状や目的を言って勧めてもらう」とい うのと「パッケージングや店頭の案内などで自分で選ぶ」というのは、これは白神先生 からみられると、基本的に陳列の仕方に結構依存している、レジの後ろにある薬とそう でない薬によって顧客の対応が変わっているという解釈はどうかと。  白神日本大学教授  その可能性はあるかと思います。  青井委員  ですから、ひょっとしたら総合感冒薬とか咳止め、解熱鎮痛剤も、もうちょっとオー プンの場所にあれば、顧客の○○行動はどうかはわからない。ここはほかのデータとク ロスしなければだめだろうと思います。  ただ、パッと見ただけで間違っているかもしれませんが、ここでみると「説明を求め る」というのは40%までに出ているわりには、その次の8ページの4.3で42%の人が 「勧めてもらう」と出ている。この辺は、単純ですけど集計をやっていくときにどう解 釈するかという問題がたぶん出てくるのだろうと思います。  井村部会長  先生、番号を言っておられますが、それはどちらの議論ですか。  青井委員  消費者のほうの8ページの4.3が、市販薬全般の主な選択方法。これが、説明を受け るか受けないかという議論。それと、その前の6ページの4.2、これは薬ごとにという か、それを部分的に分けたときのどちらかの議論ですけど、どちらかというと6ページ の4.2は、アドバイスを求めるというのが、たぶん数字の頻度に応じてのあれはこれで は出ていないですけど、マックスで40%。次のものは基本的に42といいますか、こうい うデータをどう解釈するかというのはまだ中間ですから、その辺で白神先生のいろいろ なアドバイスをまた後日、聞ければと思っています。  井村部会長  ありがとうございました。ほかに御質問はございませんでしょうか。  三村委員  大変わかりやすいデータであると感じました。消費者調査の18ページのところと20ペ ージの解釈が、先ほどの白神先生もこの点はご指摘があったということで、現在、選択 している店舗の選択理由と望んでいる点が違うということなのですが、これは白神先生 のまさに分析の一つの考え方として、非常にそれについて問題が大きいから、これにつ いてはむしろ重点化するという反応が消費者にあるのか、むしろ、もうすでに品揃えと か、あるいは一般的な店舗のあり方はほぼ充足されているので、もしさらにこれにつけ 加えるならば、丁寧な説明とか、それからこういった対応というニュアンスのほうが強 いのか、このアンケート調査の読み方なのでしょうけれど、どのような感じでございま しょうか。  白神日本大学教授  そこは両方の可能性があると思いますので、クロス集計をしてみないとわからないと 思います。それともう一つは、これはいろいろな地域のをとっておりますので、そもそ も消費者にとってお店を選択できる余地があるのかというところも影響するかと思いま すので、そういったことも含めて少し分析をいたしたいと思っております。  上原委員  販売に携わっている方の調査なのですが、この中で回答された方は、要するに質問上 は所在地にいっているわけですね。ということは、答えられている方がどなたなのか。 例えば店長さんが答えられているのか、あるいは薬剤師の方なのか、あるいは店長さん で薬剤師でない方なのか、あるいは例えば配置の方は配置の経営者なのか実際に売って おられる方なのか、その辺の回答を記入された方がどういう方かとかそういう調査とい うか何かはあるのでしょうか。  白神日本大学教授  完全なものはございませんが、6ページをごらんをいただきますと、回答者ご自身に ついて一応お尋ねをしております。今のご指摘ですと、専門性からいいますとほぼ 3/4の方が薬剤師の方がお答えになっているということでございます。それから、右 側のページのCで経験を見ていただくと、そのお店の経験が0年という方もおられます ので、そういう意味では店長さんではなくて管理薬剤師さんが答えたということもあり 得るかなと思っております。  それから配置業者につきましては、先ほど御紹介しましたが、経験年数でお聞きする とかなりの経験のおもちの方ということですので、配置員の方ではないというふうに。 アンケート自体は配置業者にお送りいたしております。  井村部会長  よろしゅうございますか。ほかに御質問はございますか。  松本部会長代理  業者アンケートの配置の28ページの3.4.4で、消費者の服薬履歴、健康状態について 記録を作成していますか、ということで半分ほどが、すべてないし多くでやっていると いうことなのですが、これは結局、配置販売業という業態の関係で、どういう薬をだれ だれさん宅に幾つ置いていって、次回行ったら幾つ消費されていたということを計算し ないと請求ができないということで、必然的にこうならざるを得ないというだけの話で はないかと思うのですが、そういう請求書を管理するための記録とは別に、より積極的 に何か健康状態等についてきちんと、しかも、何月何日にお飲みになりましたかという ところまでとっているということなのか、それとも、前回訪問から今回訪問までの間に 何袋減っていたということで、これは服薬されたのだなという記録が残っているだけな のか、どちらなのでしょうか。  白神日本大学教授  申し訳ございませんが、このアンケートでは把握できておりません。  安田委員  配置のほうの安田でございます。このデータを見ましたときに、これはやはり期間を 得たものであって、日にちは指定したものではありません。配置が訪問して預けまし て、それから次に訪問したときまでの間のデータだと思います。  松本部会長代理  そうしますと逆に疑問になってくるのは、一部の家庭について行っているとか、ほと んど行っていないということだと、請求をどうやってやっているのかというのがよくわ からなくなってくるのですが、どうも答えられている方がおそらくその辺を混同して答 えられているのでしょうか。  井村部会長  そうですね。この質問の意味を人によって別に解釈している可能性がかなりあるかな と。  白神日本大学教授  確かに回答からいたしますと、例えば今、先生がご指摘のように、一部の家庭につい て行っていると答えた方は、健康状態についての記録ととらえている可能性はございま すね。  井村部会長  ほかに御意見なり御質問はございませんでしょうか。よろしゅうございますか……。  白神先生、大変詳細な御説明をいただきましてどうもありがとうございました。これ で先生の御報告を終わらせていただきますが、そのままどうぞ傍聴していただいても結 構でございます。  続きまして、「特例販売業に関する調査結果」については事務局から御報告をお願い します。  事務局  それでは、資料6について事務局から御説明いたします。「特例販売業に関する調査 結果」ということでありますが、平成15年3月末現在で各自治体に対する調査をいたし まして、回答をとりまとめたものでございます。  総数でいいますと9905店舗、直近のデータでいいますと平成15年度末では9405軒と 500店舗減っておりますが、15年3月末時点では約9900店舗となっております。  大まかに分けまして、一般用医薬品を取り扱う店舗が小計(1)でございますが、 4759店舗です。特殊品目を販売する店舗といいますのは、注意書きで※3に書いており ますが、店舗数でいいますと5000店舗を超える数がある。半数以上がこういったもので ございまして、医療用ガスや歯科用医薬品等を、特に多くの部分は卸売業を行っている 業態になっているということで、両者、位置づけが異なるのかなというところでござい ます。  一般用医薬品を取り扱う店舗ですが、上から見ていきますと、許可の要件はもとも と、周辺に薬局、薬店がない地域の店舗、もしくは特に必要があると都道府県知事が考 えられた場合に許可が行われるわけですが、上から離島・山間・僻地等にあるのが1200 店舗程度、その他、空港、旅客船内、JRの駅の中とか高速道路のパーキングエリア内 というところがいくつかあるということでございます。  その他のところでございますが、これはどういった理由なのか詳細は把握できており ませんけれども、2000店舗以上あるということで、下に※2に書いておりますように、 相当程度、農協で許可がされているということでございます。離島・山間・僻地等には あたらないけれども、周辺に薬局・薬店がないということなのか、特に必要があるとい うことなのかはっきりしませんが、このようなケースになっております。  その下に、かつては周辺に薬局・薬店はなかったのだけれども、現在はある。特例販 売業の許可は更新が行われていくわけですけれども、ずっと更新が行われ続けていると ころが1194店舗あるということでございます。  最後に※4ですけれども、特殊品目を販売する店舗の中にガーゼ、脱脂綿、絆創膏の みを取り扱う店舗というのが800店舗以上ありますが、これはことしの4月から医薬品 ではなくて医療用具等として規制の対象になってまいりますので、自然に特例販売業か らは落ちていくかと考えております。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。今の特例販売業についての説明でございますけれども、何 か御質問はございますでしょうか。なかなか雑多な感じのするところでございますけれ ども。  増山委員  この特例販売は空港とかJR、私鉄の駅構内での販売も入っているのですが、これは 販売するにあたって専門家というのは関与しているのでしょうか。  井村部会長  事務局、どうぞ。  事務局  特例販売業でございますので、専門家の関与はなくても許可が行われておりますの で、実態は特に専門家の関与はないと思います。  増山委員  最近では、駅の中とか空港でも薬局・薬店があるところが多いと思うのですが、これ は例えば1回、特例販売業の許可を得たあとに状況が変化したので、これが本当に販売 業として認定を受けるのが適切かどうかという判定みたいな見直しというか、そういう のはされているのでしょうか。  井村部会長  先ほどもちょっとそれについて触れられたようですけど、更新のことだと思います が。  事務局  特例販売業制度は昭和35年からございますけれども、その当時は全国に10万店舗あり まして、取り扱いとしてできるだけ抑制していく、状況が変わっていけば特例販売業は 減らしていくという方針でございまして、これに基づきまして、現在、合計約1万店舗 という形になっておりますけれども、その判断につきましては、地方公共団体に更新の 許可をやってもらっているというのもありまして、減っていっているとは思うのですけ れども、具体的にどのように取り扱うべきかというところまでは言っていないというと ころでございます。  森委員  その点を東京の実情で申し上げますと、一般用医薬品を取り扱うほうの店舗について は、周辺に薬局・薬店がもう既にあるようなところはなるべく更新をしないようにとい う指導をかなり徹底をしております。ただ、フェリーの中とかそういったところで乗り 物酔いの薬というふうなものは、最近も許可しているケースがあると思います。  それから、特殊品目を販売する店舗については、これは今も、資格を有しているかど うかという試験をしながら許可を与えておりますので、一般用医薬品を取り扱う部分と 特殊品目のほうは全く扱いが違います。  井村部会長  今のお話の中の資格というのは。  森委員  医療用ガスあるいは歯科用医薬品を取り扱うのに必要な知識・経験があるかどうかと いうことを、都道府県知事が試験をしております。  井村部会長  ありがとうございました。  望月委員  今の森委員の関係のことでちょっと教えていただきたいのですが、歯科用医薬品とい うのが、過去のこちらの資料をみますと例がキシロカインのカートリッジが挙がってい るのですね。これは、普通は歯医者さんが抜歯をするときに注射をしていくようなもの だと思うのですけれども、特例販売業がそれを扱っているというのは、どういう理由で 扱っているのですか。  森委員  もともと歯科診療所あるいは医療機関に卸す卸売業者さんで、小売をしているという ことではないのです。ただ、御商売のルートが普通の医療用医薬品と違うものですか ら、そういった関係で国のほうから認定基準のようなものが出ておりまして、それに基 づいて品目の許可も業も許可しているという形になっております。劇薬が入っておりま すので、私も個人的には特別でよいのかと感じていますが。  望月委員  直接、一般の消費者に売るわけではないのですね。  森委員  ええ、ないです。  井村部会長  そういうことだそうでございます。ほかに御質問はございませんでしょうか。  児玉委員  1点は、先ほど、10万ぐらいだったのが、今は9900というのがありました。10万から 1/10になったのですが、ここに書いていますように、一般用医薬品を取り扱う店舗と 特殊品目を扱う店舗と分けていますね。それが、もともとがそれぞれが10万の中に何が 4759になって何が5000なんぼになったのか、その10万の内訳をまずお教え願いたいな と。  もう1点は、これは感想みたいなものでありますけども、こういうふうに見てまいり ますと、この前の外国の調査をみていましても、これに当たるものは唯一オーストラリ アにありましたね。あれはまさに25キロ以内に薬局・薬店等がない場合という条件つき であったと思うのです。そうするとここでみる限りは、離島・山間部・僻地の1210、そ れから旅客船内の67、あと、特にその他の2144、それからかつてはなかったが現在はあ る地域の店舗ですか、1194、このようにみると、本当に一般用医薬品を取り扱うべき特 例販売業の存在性はなんなのかなと思わざるを得ないわけであります。  以上であります。あとは感想みたいなものですけども。  井村部会長  では、その10万の内訳を。  事務局  10万店舗の内訳につきましては、もともとこういった形での統計をとっていなかった 関係で、わかりません。当時を振り返ることも、たぶん不可能ではないかなと思いま す。  井村部会長  そういうことです。ほかに御意見あるいは御質問はございますか。  望月委員  この調査では、結果的にはどの地域にどういう店舗が何店舗あるかという整理だけが 出てきた形になっています。ここでは一般用医薬品がどういう形で販売をされたらよい のかという検討をする会なので、具体的にどういった一般用医薬品がどうしても売るお 店がないので特例販売で取り扱っているという内容が実は知りたいのですけれども、そ この調査というのは実際にはできたのでしょうか。あるいは、特例販売を許可する時点 でもう枠組みが決まっていて、売れる一般用医薬品の範囲はこれですよということであ れば話は違うのですが、過去の資料を見たのですが、そこが具体的にあまり明示されて いなかったので、教えていただきたいのですが。  井村部会長  事務局、いかがでしょう。これは、そういうことについても地方の自治体に任されて いることなのですかね。  事務局  品目について国で通知で指定しておりまして、この範囲内で都道府県知事のほうで、 その店舗について必要最小限の品目を指定して許可するという形になっております。具 体的な品目は、実際の実態がどうなのかちょっと検討させていただきたいと思いますけ れども、もともと範囲は決まっているということでございます。  井村部会長  よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか……。よろしゅうございま すか。それでは、だいぶ時間もたちましたので、調査報告につきましてはその程度にさ せていただきます。  次は、最後になりますが、今後、どのように審議を進めていくかという予定でござい ますが、その資料を用意いたしましたので、事務局から御説明をお願いします。  事務局  事務局から、資料7について御説明いたします。  「今後の医薬品販売制度改正検討部会の論点審議予定」というタイトルの資料でござ います。一番左側の欄に、既にこの部会で整理いただきました論点の大項目を記載して おります。まん中の欄は、この項目をいくつかまとめまして、具体的には五つ、(1)か ら(5)の項目に審議テーマをまとめまして、これについて、現在、(1)のリスクの評価、 情報提供の内容については審議を行っていただいておりますが、(2)以降について部会 でそれぞれ1、2回程度議論していただきたいと考えております。  6月までに意見を整理いただくということですが、合計で部会を6回程度開催すると いうことで、具体的には、例えば次回の部会でございましたら(2)についてご議論いた だきたいと考えておりますが、(2)について一度議論いただいて、その次の第12回の部 会で、第11回の部会での議論を踏まえて意見のございます委員におかれましては文書で 意見を提出いただきまして、第12回の前半で引き続き(2)についてご議論いただく。そ して、同じ12回の部会で(3)のテーマにも進んでいただく。こういったものを繰り返し ていただいて、例えば13回目は、12回で議論いただいた(3)のテーマについて意見を提 出いただきまして、(4)のテーマにも進んでいただく、こういった形で進めさせていた だきたいということでございます。  最後に、論点の項目の8番でございますが、これは審議テーマは(4)とあわせてご検 討いただくことを予定いたしております。  以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。今のようなこれからの審議の進め方につきまして、御意見 はございますでしょうか。  増山委員  二つあります。  一つは、前回の専門部会でもお願いしたのですが、審議するにあたって、もし可能で あれば専門委員会の方にこちらの部会で、オブザーバーという形でもかまわないのです が、リスク区分をされたいろいろな経緯というか、どうしてこういうリスク区分になっ たかということをよく知っていらっしゃるということもあって、審議に参加していただ けないだろうかということをお願いしたいということ。  それから、この予定表の中のどこにそれを落とし込んだらいいかわからないのです が、たぶんこの情報提供のあり方の中で一番難しいのは、いろいろ決めたものをどう実 践していただくかということだと思うのです。だから、実効性のある情報提供のあり方 をするのにはどのような仕組みが必要かというか、その方法ではなくて、情報提供がき ちんと適正に決められたとおりに行うことができるかどうかということをどう管理する かということについて、どこで議論していったらいいのかということをお伺いしたいの ですが。  井村部会長  今のご提案は、専門委員会の委員のメンバーがこの部会にオブザーバーとして出席を して、専門委員会にもこの部会の委員が出席しておりましたし……。  増山委員  希望していただければということでかまわないのですが。  井村部会長  出席しておりましたし、オブザーバーとしても出席しておられました。ですから、そ の逆のケースでございまして、オブザーバーとして出席していただくことは、もし部会 長の裁量で決めさせていただいてよろしければ、それはかまわないとは思うのです。た だ、この部会の委員にも専門委員会の委員が何人か出席をしておりましたから、大体の ことはわかっているだろうと思います。だけど、実際に作業をなさった方でここにオブ ザーバーとして出席したいという方を決して拒否する必要はないので、ご希望があれば オブザーバーとして出席していただくのはよろしいかと思います。  ただ、この部会は、今整理されました論点を一つずつ審議していきまして、これから 先、項目を整理していくわけですね。それは部会の責任だと思うのです。それから大事 な報告書の作成というのがありますが、これも部会の責任でやることになると思います ので、オブザーバーとしての意見は部会の参考にさせていただくことで承るという形に なると思います。そんなことでよろしければ、オブザーバーとして参加していただくこ とはよろしいかなと思うのですが、事務局のほうはどのようにお考えでしょうか。そう いうことでよろしいでしょうか。  では、もし先生方のご同意をいただければ、オブザーバーとして参加していただくこ とはかまわないということでよろしいでしょうか。  増山委員  ありがとうございます。  井村部会長  では、そうさせていただきます。  進め方については、それでよろしいでしょうか。委員の方々から何かご意見はありま すか。  医薬食品局長  オブザーバーの件は、私どももぜひ入っていただいたほうがいいと思っています。た だ、委員の正式なメンバーではないので、御発言するときなどは部会長の了承を得てと いう形になると思います。  後段のお話ですが、大変重要な論点だと思うのですけれども、おそらくそれぞれの項 目それぞれで議論していただくことになると思います。特にどうやって確保するかとい うことになれば、法令上の措置の問題もございますし、それから4の責任論のところも ございますし、その場面、場面で、どういう形でそれを確保するか、あるいは担保する か、そういうことを含めて御議論いただければいいのではないかと思っています。  井村部会長  これからはそんなに時間がないと思いますので、効率よく議論を進めていく必要があ ると思いますから、我々はあらかじめかなり勉強をしてくる必要があるかなと思いま す。資料等もできるだけあらかじめ送っていただくということで。  ほかに御意見はございませんか。  望月委員  (2)の販売業務の内容、それから方法、こちらを検討していく場合に、きょう、白神 教授がご提出してくださった資料はとても参考になると思うのですが、大変お忙しいの で、こんなことを申し上げると申し訳ないのですが、いろいろな項目立てをクロスさせ てしていただくというお話も出ていましたので、その結果をぜひこの検討のときに参考 にさせていただくといいのかなと思いまして、できればご発表いただければと。  井村部会長  お願いをしたいと。  望月委員  はい。なにとぞよろしくお願いいたします。  井村部会長  白神先生、いかがでございましょうか。  白神日本大学教授  できる限り。  井村部会長  申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。ほかにいかがでございましょう。 特にございませんでしょうか。  次の部会の予定を、事務局からお願いできますか。  事務局  次回の部会でございますが、3月24日、木曜日の午後4時から開催する予定としてお ります。場所等の詳細は、決まり次第、事務局から追って文書で連絡いたします。  井村部会長  ということでございます。  それでは、よろしければこれで第10回の医薬品販売制度改正検討部会を閉じさせてい ただきます。どうもありがとうございました。(了)                   (照会先)                   厚生労働省医薬食品局総務課                     TEL:03-5253-1111(代表)                    担当:金子(2725)、目黒(2710)、石井(2713)