05/02/03 労働条件分科会労災保険部会第14回議事録         第14回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会 1 日時 平成17年2月3日(木)17:00〜 2 場所 厚生労働省 共用第7会議室(5階) 3 出席者  〔委員〕    公益代表  保原委員(会長)、石岡委員、稲葉委員、岩村委員、          金城委員    労働者代表 佐藤委員、須賀委員、高松委員、寺田委員、内藤委員、          真島委員    使用者代表 川合委員、紀陸委員、杏委員、下永吉委員 4 議題  労働安全衛生法等の一部を改正する法律案要綱(労働者災害補償保険法及び労働保険 の保険料の徴収等に関する法律の一部改正関係)について 5 議事 ○部会長(保原)  ただいまから労災保険部会を開催いたします。本日は、岸委員、早川委員がご欠席で す。  それでは議事に入ります。本日の議題は前回に引き続き、「労働安全衛生法等の一部 を改正する法律案要綱(労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する 法律の一部改正関係)について」です。本件については、前回の議論を踏まえて、私と 事務局で報告の原案を作成しましたので、まず事務局からご説明をお願いします。 ○労災管理課長  それでは、資料1が報告の(案)です。読み上げさせていただきます。 ○労災管理課長補佐  それでは報告(案)の内容に係る部分について読み上げをさせていただきます。  「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案要綱」について。平成17年1月24日付け 厚生労働省発基勤第0124001号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、 本部会は、下記のとおり報告する。記。「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案要 綱」のうち、労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部 改正関係については、妥当と考える。なお、有期事業に係るメリット制の改正に伴い、 建設業における労災かくしの増加を懸念する意見があったことを踏まえ、厚生労働省に おいては、関係者の協議の場を設けるなど労災かくし対策の一層の推進が図られるよ う、適切に対処すること。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。ただいま事務局から読み上げていただきました報告原案に ついて、ご議論をお願いいたします。 ○須賀委員  内容についてというよりも、解釈について事務方のお考えをお聞かせいただきたいと 思います。本日は法案要綱の内容について、この部会で検討するということですが、こ の改正を「妥当と考える」ということと、いろいろな部会や分科会のまとめに「概ね妥 当と考える」という、2つのまとめをしているケースをいろいろなところで見かけるわ けです。この使い分けをされている意味が、どういうところにあるのかというのを1つ お伺いしたいということと、「なお」書き以降の取扱いが今後法案の形でどういう具体 的な内容になっていくか、一応資料等にも入っておりますが、その2点についてお尋ね したいと思います。  実はこういうことをお尋ねしているのは、今回は安全衛生法等の一部改正ということ で、いくつもの法案が複数の形で絡まって、そして国会の中で審議をされていくことに なります。そうしますと、「概ね妥当」とか、あるいは「妥当」というようなことで、 それぞれの分科会や部会等々の報告に微妙に違いがあり、その他すでに法案要綱が上が っている内容については、国会議員への説明が始まっているようです。その際に、意図 的にそういうことをしているとは思えないのですが、全会一致でこのことが決まったと いうような制度説明のための概略表、あるいは概略図を作ってご説明なさっているとき に、いかにもこのそれぞれの審議会なり委員会なり部会の中で、労使それぞれの立場で の争点がなかったような、そういう表現を議員に向かってされているような節を私ども では把握しております。  したがって、ここでこういう議論があったとか、あるいはこういうことが大きな課題 になったということについては、所管部署の責任において、法案の事前説明の際にきち っとしていただきたい。それを作っていくための部会の議論だと私どもは考えておりま すので、本日の法案要綱のまとめに当たって、先ほど紹介させていただきました2つの 点について、事務局としての考え方あるいは、整理というものがありましたらお聞かせ いただきたいと思います。 ○労災管理課長  ご質問がありました「妥当である」という整理についてですが、法案要綱について前 回までご議論いただいてきた中で、法案要綱の方向については「妥当である」という形 で整理がなされたということで受け止めまして、今回の報告ではそのような表現にさせ ていただきました。「概ね妥当」というような表現を取るケースもありますが、多岐に わたる法案要綱の論点の中で、全体として「概ね妥当」であったというように集約され るケースもあるということだと承知しています。今回の労災保険部会において、法案要 綱に関する議論の中では、妥当という形での集約が、前回までの議論の中でなされたも のと理解して、部会長と相談させていただいて、こういった形のものになっています。 また「なお」書きは、付記意見という形で付けさせていただいておりますが、これにつ いてはその法案要綱を議論するまでに至る中で、メリット増減幅の拡大についてはそう いうような方向で整理するとしても、労災かくしの懸念があるということを踏まえて、 行政において適切な対応をする必要があるということが、その部会としての整理であっ たというように認識して、そういったことを踏まえて書いているということです。  したがって、今後その法案審議等に入っていく場合においては、当部会における議論 の経過はこうだったということを踏まえてご審議いただくということになるものと承知 しております。 ○須賀委員  すみません、「妥当」と「概ね妥当」というのは幅があるように私どもは感じている のですが、その使い分けを行政用語的にされているのかどうかお聞かせください。 ○労災補償部長  行政用語的にそれを使い分けているということは、これはいままでのそれぞれの分科 会、その内容、そのときのまさにこの表現で皆様方がご同意できたかどうかということ で決めており、どういうものであれば「妥当」、どういうものであれば「概ね妥当」と いう、行政用語としての区別はありません。それは、その審議会あるいは部会で、こう いう表現で妥当と認められたということです。ですから、形としてはいろいろなものが あります。例えば今回の場合、いろいろな法案をまとめてありますが、これはその全部 の部会また、安全衛生分科会とか労働条件部会ももう出しておりますが、その報告書を 併せて全体の労働政策審議会の答申になるということです。要するに、例えばこの「な お」書きの付いたこの文章がまさに、このとおりもしご納得いただければ、これが労災 保険部会の合意ですということでご説明して回ることになります。ですから、それを別 な形の言葉に変えるということではなく、その全部を併せたものをご説明させていただ くということになります。 ○須賀委員  1つ要望ですが、やはり事前に法案が出来上がるまでに、この審議会を中心としたい ろいろな組織の中で、部会、分科会それぞれのレベルであるいは、専門委員会等まで含 めまして、実際の当事者そして公益委員の皆様方にも入っていただいて、幅広い視点で 検討していただくというのは、ある意味、法を作る事前審査のようなものだと私どもは 考えております。したがって、非常に重要視させていただき、この場での議論を精一杯 やらせていただいているつもりなのですが、実際に法律として国会に法案として上程を されたときに、議論をしていただくのは国会議員の皆様方です。その国会議員の皆様方 に説明をするのは、私どもではなく、それぞれの所管の部署の方が法案の説明をなさ る。たくさんの法案を扱いますから、要領良く短時間でやらなくてはならないという制 約があることは十分理解をしますが、しかし部会やあるいは分科会の中で、どんな議論 があって、どこに争点があったとか、あるいはその妥協の結果としてこういうふうにな っているというようなことについては、是非丁寧に説明をしていただくようにお願いを しておきたいと思います。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。そのほかありませんでしょうか。それでは、報告文案につ いては原案どおりとし、労働政策審議会労働条件分科会会長あてに報告を行うこととし たいと考えますが、よろしいでしょうか。                  (異議なし) ○部会長  それでは、そのようにさせていただきます。本日の議題は以上です。労災補償部長よ りご挨拶をお願いします。 ○労災補償部長  ただいまご報告をいただきまして、感謝申し上げる次第でございます。今回のご報告 だけではなく、いままでご議論いただきましたご意見を踏まえて、今後この労災補償行 政の運営に当たってまいりたいと考えております。今後の予定でございますが、本日と りまとめていただきました本部会のご報告と、すでに行われております労働条件分科 会、それから、安全衛生分科会におけるご報告を併せまして、労働政策審議会としてご 答申をいただき、安全衛生法等の一部を改正する法律案をとりまとめまして、早急に政 府部内での調整を行った上で、現在開会中の国会にこの法案を出させていただきたいと 考えているところです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○部会長  続きまして、次回の日程について、事務局から説明をお願いします。 ○労災管理課長  次回の第15回労災保険部会は3月11日(金)の16時から開催させていただきます。場 所については決まり次第ご連絡をさせていただきます。次回の労災保険部会では、「平 成17年度予算案について」と「労働福祉事業について」と「労災保険料率の設定に関す る基本方針案について」のご議論をいただきたいと考えておりますので、よろしくお願 いいたします。以上です。 ○部会長  それでは本日の部会はこれをもちまして終了いたします。なお、本日の議事録の署名 委員は、労働者側委員が内藤委員、使用者側委員が川合委員です。よろしくお願いいた します。皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。                照会先:労働基準局労災補償部労災管理課企画調整係                    電話03-5253-1111(内線5436)