05/01/25 社会保障審議会障害者部会第24回議事録             第24回社会保障審議会障害者部会  日時  :平成17年1月25日(火)10:00〜12:30  場所  :厚生労働省9階 省議室  出席委員:京極部会長、嵐谷委員、安藤委員、猪俣委員、江上委員、大濱委員、岡田委員       岡谷委員、亀井委員、北岡委員、君塚委員、小板委員、古畑委員、       斎藤委員、笹川委員、末安委員、高橋(清)委員、高橋(紘)委員、武田委員、       丹下委員、長尾委員、野中委員、広田委員、福島委員、松友委員 ○京極部会長  定刻となりましたので、ただ今から第24回社会保障審議会障害者部会を開催させてい ただきます。  委員の皆様方におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありが とうございます。本日は12時までの2時間の予定で進めさせていただきます。各委員に いろいろお忙しい中、参加されておりますが、ちょっと時間が短いものですから欲求不 満の方も多いと思いますので、なるべく全員が喋れるようにしたいと思います。  それでは事務局から委員の出欠、並びに資料について説明をお願いします。   ○企画課長補佐  はい、まず委員の出欠状況ですが、本日は小林委員、新保委員、堂本委員、徳川委 員、永井委員、町野委員から欠席とのご連絡をいただいております。  また君塚委員、そして小板委員から少し遅れるというご連絡をいただいておるところ でございます。  続きまして傍聴の関係ですが、多数のご応募をいただいておりまして、今回もやむな く抽選とさせていただいておりますことをご報告申し上げます。  続きまして資料のご確認をお願いします。お手元に配布させていただいております資 料は、まず資料番号1番、「障害者自立支援給付法(仮称)について」という厚手の資 料がございます。それから、資料番号2番としまして、「障害者自立支援給付法要綱」 をお配りしてございます。それから資料番号3番、今度は横の資料でございますが、 「精神保健福祉法の改正について」という資料を用意してございます。このほか、広田 委員、そして大濱委員から資料の配布がございますが、併せて用意させていただいてお ります。  これらの資料と併せまして、委員の皆様の机の上には前回の議事録を配布させていた だいておりますので、ご発言内容に誤りなどがございましたら2月8日、火曜日までに 事務局までお知らせください。また、資料の不足等がございましたらご指摘をいただき たいと存じます。以上でございます。 ○京極部会長  それでは議事に入ります。  障害者部会ではさまざまな議論を行ってまいりましたが、詰めるべき点は多いかと思 います。この度の法改正によって、支援費制度をはじめ障害者施策の問題点の解決が現 実化しつつあるということだと思います。前回、障害者自立支援給付法、平成17年度予 算案や改革のグランドデザイン案を具体化するための新たな法律の骨格について事務局 からご報告いただきました。  そこで本日の議論の進め方ですが、障害者自立支援給付法案の骨格と要綱について現 在の検討状況を事務局からご説明いただきたいと思います。法案提出前の最後の機会に なると思いますので、それについてこれまであまり発言されてこなかった委員の方も含 めて、できるだけ多くの方に発言いただきたいと思います。なお、以前の審議会と異な りまして、ご案内のように省庁再編成以降は審議会の役割が整理されて、法案について 諮問答申という形をとっていないことについてご理解いただきたいと思います。しか し、ここで議論されたことは国会等で反映されると、また事務局がこの具体化について 参考にさせていただくということでございますので、よろしくお願いします。  それでは資料について事務局から報告していただけますか。時間をなるべく議論の時 間を長くとるために、手短かにお願いします。 ○伊原企画官  障害保健福祉部の企画官をしております伊原でございます。  お手元の資料に基づきましてご説明させていただきたいと思いますが、私からのご説 明はこの資料1という黄色い版と、それから法案要綱の資料2、これに基づいてお話を させていただきたいと思います。  基本的には黄色い方の資料1につきましては、12月27日のときに一度ご説明させてい ただいておりますので、今日は縦書きの要綱の方でご説明させていただきたいと思いま す。ただ、法律の要綱というのはあまり一般の方には見慣れぬものでございまして、ち ょっと読みにくいかと思いますがご容赦いただきたいと思います。できるだけ簡潔な説 明に心がけたいと思います。  資料2でございますが、「障害者自立支援給付法案要綱」ということで、現在まだ政 府部内で調整を行っている段階でございまして、まだ流動的な部分もございます。現段 階のものをご説明させていただきたいと思います。  まず「総則」ということで、目的でございます。この法律は、他の法律と相まって障 害者及び障害児がその有する能力を活用し、自立した日常生活又は社会生活を営むこと ができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付等に関して必要な事項を定め、もっ て障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互 に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目 的とすること。このように定めております。  それから2番目以降に市町村、都道府県、国の責務ということが定められておりま す。特にこの部分に関しては、特に市町村の責務がポイントとなっておりまして、障害 者が自ら選択した場所に居住するという点と、それから公共職業安定所その他の関係機 関との緊密な連携を図りつつ、必要な自立支援給付などの総合的かつ計画的な支給を行 っていくという点で、この審議会でもご議論いただいた点を盛り込んだつもりでござい ます。  それから都道府県におきましては、次の頁になりますが、特に市町村に対する支援と いう観点から、市町村と協力して障害者等の権利擁護のための必要な援助を行っていく ということを責務として明確にしたいと、このように思っております。  それから国民の責務ということでございまして、すべての国民は障害の有無にかかわ らず、障害者等がその有する能力を活用し、自立した日常生活又は社会生活を営めるよ うな地域社会の実現に協力するよう努めなければならないこと、とこのようにしており ます。  それから4番目からは定義でございまして、一つ々申し上げることはいたしません が、障害者の定義、これはそれぞれの法律にある定義を引っ張ってきております。それ から、障害程度区分ということで、障害程度区分につきましては障害者等に対する障害 福祉サービスの必要性を明らかにするために、その心身の状態を総合的に明らかにする ものとして厚生労働省令で定める区分を言うと、このようにしております。  それから、障害福祉サービスということで、ここにズラズラと書いておりますが、全 部で14のサービスがございます。これは審議会でご説明してきた内容でございます。そ れから、これらの事業の中でいわゆる施設サービスを除いた部分を「障害福祉サービス 事業」と、このようにしております。  それから5番目に、自立支援医療となっておりますが、これは従来の公費負担医療全 体を「自立支援医療」と呼びまして、位置付けております。  それから6番目に、補装具の定義を置いております。  それで、第二ということで、自立支援給付ということでございます。ここに全部で12 の給付が並んでおりますが、これは資料1の9頁をごらんいただけますでしょうか。  この資料1の9頁に「総合的な自立支援システムの構築」ということで、「自立支援 給付」という言葉が入っておりますが、ここに「介護給付」「訓練等給付」「自立支援 医療」「補装具」とございます。ここの給付をこのまま書きますと12になります。それ で12というのは、なぜこんなに増えるかと申しますと、一つは基準該当サービスと申し まして、都道府県知事の指定を受けていないような、しかし厚生労働大臣の基準を満た したような事業者、例えば法人格がないような場合ですが、こうした事業者がサービス を行った場合に、特例的に市町村が給付する場合がございますので、それを「特例介護 給付費」とか「特例訓練等給付費」と呼んでおります。  それから「高額障害福祉サービス費」と申しまして、世帯内に複数の障害者の方がい らっしゃって、結果として自己負担額が家計全体でトータルで高くなった場合、高くな った部分を補填する給付を行う必要があるためにこういう規定が入っております。それ から、施設入所されている方々の食費とか居住費の負担が非常に過重な場合、特に低所 得の場合ですが、そうした方々に対する補足給付について、この法案では「特定障害者 特別給付費」という名称で呼んでおります。こうした関連した給付がございますので、 全部で12の給付を定めております。  それから、資料2に戻っていただきまして、5頁をごらんいただけますでしょうか。 まず「障害者給付審査会」というものを市町村に設置するという旨を書いてございま す。それから支給決定に関しましては、まず支給決定を受けるために障害者又は障害児 の保護者は市町村の支給決定を受けるために申請を行うということ。それから「イ」の ところにございますが、障害者支援施設等に入所する障害者に係る支給決定は、入所前 の居住地の市町村が実施するということで、いわゆる居住地特例という規定を設けてお ります。それから併せまして、附則の方で、当分の間でございますが、いわゆる従来の グループホームに関しましても居住地特例を設ける。併せて生活保護法、あるいは国民 健康保険法でも同じような扱いをするということが附則の改正事項として盛り込まれて おります。  それから5頁、続きまして申請、調査ということでございますが、具体的に支給決定 の申請がなされた場合には、市町村はその職員をして調査をさせると書いてございま す。ただ、この場合は市町村はその調査を指定相談支援事業者等に委託することができ ると、このような扱いにしております。  以降、6頁からは具体的な認定とか支給決定のプロセスが書いておりますが、これは 従前ご説明したとおりの内容が書かれております。  それで7頁にまいりまして、これは実際にどういう給付費が個々人に払われるかとい う規定が書かれております。3番の(2)の「ア」のところでございますが、市町村は 支給決定を受けた障害者の方が都道府県知事が指定する事業者からサービスを受けたと きは、介護給付費又は訓練等給付費を支給すると、このようになっております。それで 「イ」のところで、その給付費の額が書かれておりまして、障害福祉サービスの種類ご とに厚生労働大臣が定めた基準により算定した費用の額の90/100、いわゆる9割給付、 逆に言いますと1割負担となりますが、このような給付を行うと。それから「ウ」のと ころに、これはまた長たらしく難しく書いておりますが、簡単に申しますと一月の上限 額を定めまして、その上限額を超える場合にはさらに上乗せして給付を行うという規定 を設けております。それから「エ」のところは、その給付費は市町村から本人に払うと いう形式上の仕組みになっておりますが、実態上は事業者の方が代わって受け取ると、 こういう仕組みになっておりますので、その規定を設けてございます。  それから9頁にまいりまして、先ほどもご説明しました内容になるわけですが、(1 )のところに「サービス利用計画作成費」とございます。これはいわゆるケアマネジメ ントに相当する給付でございまして、市町村は複数の種類の障害福祉サービスを利用し た障害者などで、市町村が必要と認めた人に対してこうしたサービス利用計画作成費用 を支給すると、こういう規定を設けております。(2)は先ほど申し上げました高額障 害福祉サービス費、つまり世帯全体の負担が高まってしまった場合、あるいは介護保険 の利用者負担と障害福祉サービスの利用者負担、両方を足した部分が高額になった場 合、そうした場合に支給するという給付を書いております。(3)はいわゆる施設入所 された方に対する食費や居住費の補足給付の規定でございます。  それから10頁にまいりまして、10頁は指定障害福祉サービス事業者等の指定に関する 規定でございます。基本的には事業者の指定は都道府県知事が行うと、こういうことに してございます。それで5の(1)(2)(3)とそれぞれの事業者について指定を都 道府県知事が行うとしております。それから(4)は、こうした事業者、あるいは施設 は、市町村その他の関係機関と緊密な連携を図りながらサービスについて、障害者など の意向その他の事情に応じ効果的に行うように努めなければならないこと等の責務を有 しているということを明らかにしています。それから(5)でございますが、こうした 事業者に対する人員、設備、運営に関する基準を厚生労働大臣が定める。それぞれの事 業者はそれを守らなければいけない、こうした規定がございます。  それから12頁、その他になりますが、併せまして障害者支援施設の入所定員総数、こ れは都道府県単位で、都道府県障害福祉計画で定めることになっておりますが、ここが 必要数を上回っている場合などにおいて都道府県知事は指定をしないことができるとい うような規定、あるいは先ほど申し上げました人員、設備及び運営に関する基準を満た していないというような場合につきまして、指定の取消しを行えるという規定を設けて おります。 それから自立支援医療費等の規定でございます。12頁でございますが、自 立支援医療費に関しましても支給認定ということで、市町村又は都道府県の認定を受け るということが基本に置かれます。それで、(2)のところにございますが、市町村等 はその障害者等の心身の障害の状態からみて、自立支援医療を受ける必要があると認め る場合には、その世帯全体の所得が政令で定める基準以上であるときを除き、支給認定 を行うと。このようにしております。それから、それ以外の有効期間、認定の変更、取 消しなどについて必要な事項を定めております。  13頁からは、先ほどの障害福祉サービスと同じような規定が自立支援医療に関しまし ても設けられております。  それから13頁の5番目のところですが、療養支援医療費というところになります。こ れは先ほどの介護給付の中で療養支援ということで、これは医療施設において行われま すが、そうしたところからサービスを受けた場合には、療養支援に要する中の医療に要 する費用について療養支援医療費ということを支給すると、こういう規定が設けられて おります。  それから14頁になりますが、もう一つの自立支援給付ということで補装具費を設ける こととしておりまして、補装具に関しましても市町村が費用を支給すると、こういう規 定が設けられております。  それから地域生活支援事業ということで、市町村と都道府県の地域生活支援事業が設 けられております。市町村の事業としましては、障害者や障害児の保護者などからの相 談に応じた必要な情報の提供及び助言等を供与するとともに、障害者等の権利の擁護の ために必要な援助を行う事業、こうした事業を制度化する。あるいは移動支援する事 業、日常生活用具の給付又は貸与する事業、手話通訳者等の派遣事業等を定めることと しております。  それから都道府県の地域生活支援事業につきましては、15頁になりますが、障害福祉 サービス又は相談支援の質の向上のために、こうしたサービスを提供する人や、これら の方を指導する人を育成する事業、こうした事業を行っていただくことを規定しており ます。  それから15頁の第四になりますが、こちらは今まで申し上げましたサービスを提供す る事業者とか施設に対する規制でございまして、例えば厚生労働大臣が地域活動支援セ ンター、福祉ホーム等の設備運営に関して基準を定めたり、あるいはその届出等の規 制、例えば事業停止命令ができるとか、そうしたことを規定しております。  それから16頁をごらんいただけますか。まず障害福祉計画に関しましては厚生労働大 臣が基本指針ということを定めることとしております。この基本指針に基づきまして、 市町村と都道府県がそれぞれ障害福祉計画というものを定めることとしております。市 町村は基本指針に則しまして障害福祉サービス、相談支援、市町村の地域生活支援事業 の提供体制の確保に関する計画を定めることとしております。その際、各年度における 指定障害福祉サービスごとの種類ごとの必要な量の見込みを定めていただくこととして おります、ちょうど支援費につきまして各自治体ごと、あるいは国全体でもどれだけ伸 びていくかということがなかなか明確になっていない中で、こうした計画を定める中で そうした量の把握ということをやっていただけないかというように思っております。  それから都道府県の障害福祉計画でございますが、都道府県の計画は市町村の障害福 祉計画の達成に資するために、各市町村を通ずる広域的な見地から計画を定めるとして おります。それで、その際、都道府県の区域ごとの指定障害福祉サービスの種類ごとの 必要な量の見込みと、それからもう一つが、17頁になりますが、各年度の障害者支援施 設の必要入所定員総数と、こうしたことを定めていただくことを考えております。  それで第六の費用でございますが、基本的には市町村が今回実施主体になりますが、 そこに対しまして都道府県と国がそれぞれ負担をしていくということとしております。 まず、都道府県のところでございますが、都道府県は市町村が支弁する費用について次 に掲げるものを負担するということで、市町村が実際に使った費用のうち、国及び都道 府県が負担すべきものとして、その自治体において、給付を受けた障害者等の障害程度 区分ごとの人数、その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算定した額、その 25/100を負担するということを規定しております。以前からグランドデザインでもご説 明しておりますが、障害程度区分ごとに標準的な費用を定めまして、それを上限として 国・都道府県が負担すると、こういう構成をここの法律の中で盛り込みたいと、このよ うに思っております。それから自立支援医療費、補装具費につきましては25/100を負担 する。それから都道府県は市町村が行う地域生活支援事業に要する費用について補助が できると、こういう規定を設けたいと思っております。それから国の負担につきまして は、同じような考え方ですが、負担割合が50/100と、いわゆる1/2でございますが、 これを負担するという規定を設けております。  18頁にまいりまして、審査請求ということで、市町村が行いました介護給付等に関す る処分に不服がある障害者又は障害児の保護者は、都道府県に対して審査請求をするこ とができると、このように規定したいと思っております。  それで、施行期日でございますが、今回の法律は複数段階施行をなっていることか ら、1頁以上に亘る分量となっています。こちらの方は資料1の最後の頁をごらんいた だけますでしょうか。ここに障害者自立支援給付法の施行スケジュール案というのが書 かれております。法律上はここに書かれているようなことを法律に盛り込んでいくとい うことにしております。  まず17年の10月に公費負担医療の見直し、具体的に申しますと利用者負担を見直して いく、あるいは医療機関の指定制度というものを導入していくということとしておりま す。それから18年の1月になりますと、新しい支給決定手続を、福祉サービスなどにつ いて導入していく、障害程度区分や審査会というものを導入してまいります。それから 併せまして、利用者負担の見直しということで、いわゆる定率負担、あるいは食費の負 担というものをお願いしていく。それと同時に、国庫負担、あるいは都道府県の負担を 義務負担化していくというのも18年の1月から実施してまいりたい。それから18年の10 月になりますと、障害福祉計画がスタートします。また、施設事業の段階的な移行が5 年ほどかけてスタートしていく。それから、後で申し上げます児童の入所施設の契約制 度への移行と利用者負担の見直しということも、18年の10月から実施していくというこ とにしております。  それで20頁をごらんいただけますか。20頁は経過措置が書かれております。ちょっと 長いので簡単に説明させていただきますと、一番のところは、実際に法律が施行された 段階で古い身体障害者福祉法などで支給決定を既に受けている方につきましては、その 支給決定を新たな支給認定、あるいは支給決定とみなすということをしております。  それから二番目でございますが、旧法施設に関する経過措置ということで、現在存在 しております身体障害者の更生援護施設、あるいは知的障害者の援護施設につきまし て、平成24年の3月31日までの日で政令で定める日の前日まで、簡単に言いますと5年 間ですが、約5年間はここで行われるサービスをこの法律に基づく新しい法律のサービ スとみなしていくというような扱いにしていく。あるいは指定を受けたものとみなして いくと。その次にございますが、ただこの報酬水準については別途厚生労働大臣が定め ていくということが定められております。  それから21頁の三番目でございますが、今申し上げました旧身体障害者更生援護施 設、あるいは知的障害者の援護施設に入所されている方につきましての経過措置も併せ て定めたいと思っております。  それから実は経過措置というのはすべて法律で書き込むことはなかなか難しゅうござ います。実際にスタートするまでの間にいろいろ判明してくることがございますので、 具体的な内容につきましては21頁の真ん中にありますが、これ以上に必要な経過措置に つきましては政令で、いわゆる下位法令で定めたいと、このように思っております。  それから十番からは、各法の改正でございます。それで21頁のところは児童福祉法の 改正ということで、具体的に申し上げますと22頁の三番のところが内容的な部分でござ います。これは先ほど申し上げましたように、18年の10月から都道府県が実施しており ます児童施設の入所の部分につきまして、契約制度に移行していくということに伴う新 しい給付を創設するということでございます。基本的には、障害児施設給付費というも のを支給すると同時に、(2)のところにございますが、高額な場合の高額障害児施設 給付費、あるいは食費等の負担を支援していくということを規定しております。あとは 類似の改正が続いてまいりまして、23頁は飛ばさせていただきます。  それで24頁でございますが、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正と いうことでございます。こちらの方は後刻、精神保健福祉課長の方からご説明させてい ただきますので省略させていただきますが、去年のビジョンなどを踏まえました改正事 項を盛り込んでおります。  それから26頁は、知的障害者福祉法の改正。これも新しい法律が施行されるに伴う関 連する見直しでございます。それで第十四番、関係法律の一部改正に関する事項という ことでございますが、社会福祉法の改正というものがございまして、社会福祉事業に今 回新たに制度化されます障害者支援施設、それから地域活動支援センター、ここは「生 活」となっておりますが誤字でございまして、地域活動支援センター等の事業を新たに 社会福祉事業として定めるということを考えております。  それから27頁、最後になりますが、居住地の特例制度を、国民健康保険法や生活保護 法においても制度化するといこで、そのための改正も併せて行うということとしたいと 考えております。  以上、15分ほどでございますがご説明させていただきました。 ○精神保健福祉課長  引き続きましてお手元の資料3に基づきまして精神保健福祉法の改正についてご説明 をさせていただきます。  一枚おめくりいただきたいと思います。まず最初に、精神病院等に対します指導監査 体制の見直しであります。一番目としまして、医療内容に係りますチェック体制の見直 しということで、精神医療審査会の委員構成の見直し、これは法改正が必要でございま すが、退院請求等を審査するために都道府県に置かれております精神医療審査会につき まして、都道府県の裁量を拡大する観点から5名の委員の一定条件の範囲内で定めるこ とができるものとするということで、現在精神保健指定医が3名、法律家が1名、その 他が1名、これは学識経験者でございますが、それの見直しを精神保健指定医を2名以 上、法律家1名以上、その他、これは学識経験者が1名以上という形に変えたいと考え ております。  その他、措置入院を抱えます定期病状報告の頻度の見直しとか、医療保護入院患者さ んの定期病状報告の様式の見直し、それから隔離及び身体拘束等の行動制限についての 一覧性のある台帳の整備を考えております。それから改善命令に従わない精神病院に関 しましての公表制度の導入でございますが、これは厚生労働大臣又は都道府県知事は精 神病院の管理者が改善命令に従わない場合において、現行の入院医療の提供に関する制 限措置に加え、当該精神病院の名称等の情報を公表することができるものとするという ように法律改正をしたいと思っております。また、その後入院医療の制限を命じた場合 には、その旨を公示しなければならないものとする、というような法改正を考えており ます。  次の頁をお願いします。2番目でございますが、精神障害者の適切な地域医療等の確 保ということで、救急医療体制、それから退院促進でございますが、まず最初に精神科 の救急医療体制の確保に向けた法的整備でございまして、まず緊急時における入院等に 係る診察の特例措置の導入でございます。精神科救急医療体制の精神センター的機能を 都道府県単位で整備するということは、来年度の予算ということで今予算の内示をいた だきまして、ここで予算をご審議いただくということで準備を進めているところでござ いますが、これに併せまして緊急時における運営面でのルールを明確化するということ によりまして、救急体制の早期の整備に資することを目的として一定の要件を、例えば その病院に倫理会議による事後評価システムがちゃんとあるというような、そういうよ うな一定の厳しい要件を満たす医療機関におきまして医療法入院、応急入院等に係る診 察につきまして、緊急やむを得ない場合において精神保健指定医以外の一定の要件を満 たす医師の診察によりその適否を判断し、一定期間、おおむね12時間でございますが、 限り入院等をさせることができる枠組みを考えております。「入院等」という「等」は 72時間以内の継続入院の場合がございますので、そのようなものも含めて考えるという ことでございます。  それから措置入院の指定病院に係る指定に関する基準の見直しということで、例えば 看護基準、指定病院に関します入院する患者さんがおられる措置入院の病棟の看護体制 を3:1にするとか、そういうような基準の見直しを考えております。  それから任意入院患者さんの適切な処置の確保ということで、任意入院患者さんに関 します病状報告制度を導入するということでございまして、都道府県知事が条例で定め るところにより一定の要件を満たす任意入院患者さんを、これは特に長期ですとか、閉 鎖処遇等を考えて想定しておりますが、入院させている精神病院の管理者に対する病状 等の報告を求めることができるものとするという規定でございます。それから任意入院 の患者さんにおきましても、現在は入院時における同意書の提出が義務付けられている んですが、入院の後も一定期間ごとに同意書を提出させる仕組みというものの導入を考 えております。 それから市町村におけます相談体制でございますが、現在市町村にお けます相談体制は努力規定でございますが、今回の法律改正に併せまして義務規定化す るというものでございますし、それから精神保健福祉相談員を置くことができるものと するということを考えております。  その他の改正事項でございますが、精神保健指定医関係の見直しでございますが、精 神保健指定医の指定に関する政令委任事務をこれの明確化をさせていただきます。それ から、指定医の要件に係るケースレポートの対象症例の見直しについても行いたいと考 えております。  それから地方精神保健福祉審議会の必置規制の見直しでございまして、これは各都道 府県に必置を義務付けております地方精神保健福祉審議会につきまして、その設置を都 道府県の裁量に委ねるとともに、指定医の取消し等の際の意見聴取機関について、同審 議会が置かれていない場合には医療法に規定する都道府県医療審議会が担当するものと する、などの規定を行うことを考えております。  その他、精神分裂病の名称を「統合失調症」へ呼称の変更を行うこととか、それから 精神障害者保健福祉手帳への写真の貼付でございますが、これを行うことを考えており ます。  それから最後でございますが、精神保健福祉法、これは名称はこのままでございます が、それから削除される主な項目としましては、通院医療に関する項目、32条関係、こ れは新法で自立支援医療として規定をすることになっております。それから、精神障害 者居宅生活支援事業に関する事項ですとか、地方精神保健福祉審議会に関する事項、こ れにつきましては新法での規定がございますし、先ほどご説明をさせていただきました が、都道府県の任意設置に転換するということでございます。それから18年10月施行に つきましては、社会復帰施設に関する事項につきましては、新法では障害福祉サービス 等ということで規定することとしておりますので削除するということになります。  以上でございます。 ○京極部会長  事務局の方、大変手短かなご説明をしていただきましてありがとうございました。た だ今の事務局からのご報告についてご質問やご意見がありましたら順次ご発言いただき たいと思います。なお、先ほど申し上げましたように、できるだけ多くの委員にご発言 いただきたいと考えておりますので、一人の発言を短めに一つお願いしたいと思いま す。それから事務局のお答えもある程度まとめて、Q&Aで質問が出たらそれに対して 答えるということではなく、ある程度適宜質問や意見が終ったところで少し話していた だくという形をとらないと、毎回Q&Aでやっていきますと時間がなくなってしまいま すので、よろしくお願いします。では最初に福島委員、お願いします。 ○福島委員  まず全体的な感想なんですが、この法案に向けての部会での対応についてですが、や はりちょっと議論の時間が不足しているような気がします。今日も私は点字の資料をち ょうだいしたんですが、今日いただいたんでは当然読めなくて非常に困っています。そ れで2週間後に閣議決定というお話も伺っておりますし、ちょっと議論の時間が不十分 ではないかというのが基本的な感想です。  その上で要望を申していきます。既に申し上げていることと重複する面があるんです が、改めて要望をしたいと思います。要望に対する対応がどうなっているかという意味 では、要望=質問でもあるんですが、一つ目が従来からお願いしていることで、私自身 は本来応益負担ということ自体には賛成できないんですが、もし導入するということに なった場合に個別給付のところで、特に所得に応じた負担を求める場合であっても、同 一生計者を組み込むんではなくて障害者本人の所得のみの基準ということをお願いした いということを従来から申し上げていますが、このへんの対応が現時点ではどうなりそ うかということ。  2つ目としましては、個別給付ではなく、今度は地域生活支援の方ですが、こちらの 地域生活支援事業に入っているものは義務的経費ではないということもあって、不安定 になるのではないかという心配がございます。あるいは、ほかの事業種目との安易な流 用がなされたりしないかという心配もありますので、これも従来から申し上げています が、特に重要な3つのニーズ、基本的なニーズ、すなわちコミュニケーションと、情報 の入手と、移動というこの3つのニーズについては、地域生活の支援の方に入っている ものにつきましてはしっかり確保いただきたいというのが要望ですが、このあたりへの 対応がどうなっているのか。  3点目としまして、全体的にサービス利用の水準が現状より悪くなってしまう人が出 ないように配慮していただきたいと思っていますが、このあたりの手当はどうか。  最後に4つ目ですが、最終的に法案が提出されて成立した後も、制度の実施運用の中 では地域の自治体とか利用する障害者当事者とか、あるいは家族の方々の声を十分に反 映しながら制度の充実や改革を継続的に今後も図っていただきたいと思っております が、そのあたりの取り組みについてどういうお考えか。以上、4点について要望、兼質 問のようなものです。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。なにか関連するものでご質問はありますか。 ○笹川委員  私もまだ要綱をいただいておりませんので、はっきり申し上げられないことは大変残 念です。おそらく詳細に目を通せばいろいろ問題点があると思いますが、それらにつき ましては十分に内容を検討した上、後日意見なり質問なりをしたいと思います。  それで今日はこの法律の基本的な問題についてお訊ねしたいと思います。今、福島委 員が言われたように、もし同一世帯の収入が対象になるということになれば、これはま さに障害者本人の権利が犯されることになります。つまり、家族の同意がなければサー ビス提供が受けられない。いったいこの法律は障害者のためのものなのか、そのへんに 甚だ疑問を感じます。障害者の権利が本当に保障されているかどうか。もし保障される ということであれば、障害者本人の意思でサービスを選択でき提供が受けられる、そう でなければおかしいと思いますが、この点についてどのようにお考えなのかお訊ねしま す。 ○古畑委員  今ご説明にありました法案の概要の中で、権利擁護の部分が記載されているんです が、市町村と協力して都道府県が権利擁護のための必要な援助等を行うということです が、これについてはかなりの権限を与えていただかないとできないんじゃないかなと。 それから、今お話があった権利擁護の部分として、平成12年に後見人制度が改正され て、まだ実態としてほとんど契約がきちんとされていないというところですので、今度 の改定の段階で絶対に後見人がいない契約は無効であるというぐらいに強い形で準備し ていただかないと、12年から始まって今度18年ですので、6年経ってまだ後見人がいな い知的障害とか判断能力のない方が契約をしているという問題が解決されないし、最後 のチャンスかなと思いますので、このへんを強く強調していただければと思います。以 上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。ではこのへんでまとめて事務局にお訊ねになったことに対 して、あるいは内容的なことに関して。お一方だけでなく、どこかでもお答えいただけ ればと思います。 ○企画課長  まず私の方から審議そのもののプロセスその他についてご意見がありましたので、そ の部分について申し上げたいと思います。  まず一つは、ぜひご理解いただきたいと思いますのは、グランドデザインが10月に出 まして、それから法案の形をある程度のスタイルを12月にお示ししました。そういう意 味で、それからこれまでの間、審議時間というのは短かったというのは事実でございま す。ただ、ぜひご理解いただきたいのは、この審議会は新しいメンバーになりましてか ら、去年の初めからずっと議論を重ねて、この審議会の中でご議論いただいたものを中 間取りまとめとし、それからまたグランドデザインに反映をし、そしてまた法律の形に 反映させていくという努力を一生懸命に私どもはやってまいったつもりでございます。 そういう意味では、この間の何回も積み重ねてきたこの審議会での議論を私どもはこう いう施策の形にする努力をしてきたと。その点はぜひご理解いただきたいと思います。  それから点字の資料が非常に間に合っていないということ、これはもう本当にお詫び を申し上げたいと思います。この後、また詳しいご説明とか、それからご意見を伺うと いう作業をきちんとやりたいと思っております。  それから、部長からも何度も、前のときにも申し上げたかもしれませんが、法律とい うのは非常に骨組み・骨格の部分でございます。当然、今日ご意見をお伺いし法案の中 身にこのご意見を反映するとともに、あとその後も法律の運用・中身・肉付けのところ につきましては引き続き皆様方のご意見を十分に伺いながらやってまいりたいというこ とを最初にご説明させていただきます。 ○京極部会長  ありがとうございました。補足で、その他の質問がたくさん出ておりますが。 ○障害保健福祉課長  それから予算の確保ということで、配布資料にありますように9頁を見ていただくと わかるように、総合的な自立支援システム。 ○京極部会長  どの資料ですか。 ○障害保健福祉課長  黄色いこういう資料の9頁を見ていただくとわかると思いますが、そこまで細かくと いうことではないんですが、介護給付、それから訓練等給付、それから福島委員からご 質問があったように、地域生活支援事業と、大きくはようするに3つの形態になろうか と思います。まずは一つは個人給付、一つは市町村等が行う地域生活事業、ここによう するにコミュニケーションなどの意思伝達とかそういう日常生活等々の事業が入ってお って、予算の確保は大丈夫かという質問でございますが、いずれにしろ個人給付にし ろ、地域生活支援事業にしろ、私どもの方は義務的経費、それから裁量的経費であろう が、いくら義務的経費になったと言っても予算は一定額は確保に努めなければならな い。義務的経費だから何でも予算は取れますよという時代ではございません。ましてや 今度は市町村事業ということであれば、それなりにまた確保を私どもの方もいくら裁量 的経費であっても予算確保をしておかなければ、全国約3,200の市町村で実施している にも係らず、そこに予算が確保できませんでしたと言うわけにもまたこれは行かない と、こういうように思っておりますので義務だ、裁量だということに係らず必要な予算 は取るように努力していかなければならないと、こう思っております。以上でございま す。 ○京極部会長  そのほか。 ○伊原企画官  その他の質問についてお答えさせていただきますが、一つは生計同一の範囲のお話で ございますが、今回の改革は基本的に従来の扶養義務者の負担を廃止するという意味に おいて本人主義というか、そういうところに基本を置いております。ただ、実際に負担 能力が乏しい方の判定の範囲をどうするかという中で、今の日本の場合には税の制度に しても、医療保険、介護保険においても世帯全体の負担能力を見るという形で対応され ております。例えば健康保険の場合には負担能力のない人は被扶養者という扱いで、保 険料を負担しないというような位置付けになっていると。こういう意味では、やはり家 計の所得を見るときにある意味でその世帯の負担能力を見るというのは、今日において は我が国においては一般的な認識ではないかと思っております。  そういう中で障害の場合には今までいろいろな議論があり、経緯があることは、承知 しております。ただ、その中で本人のみの所得だけで判定すべきというお話になります と、例えば配偶者の方は本当に負担はしないのか等々いろいろと検討しなければいけな い問題もあるのではないかと思っております。いずれにつきましても、この生計同一範 囲をどの範囲にするかというのはこの法律ではなくて、下位法令の段階で決する問題で ございますので法の施行までの間に検討させていただきたいというように思っておりま す。  それから、もう一つ権利擁護のお話がございましたが、今回先ほども法案要綱のとこ ろでもご説明をさせていただきましたように、今回の都道府県あるいは市町村の責務と してそうしたことをはっきりと書かせていただいて、相談支援事業者等々が支援してい くということをはっきりさせたいというように思っておりまして、できる限りご指摘の ような実態が解決されるような努力をしたいと、そのように思っております。 ○京極部会長  ほかになければ、福島委員、笹川委員、小畑委員、3人からそれぞれ追加質問はござ いますか。よろしいですか。では、ほかの方にご質問していただきたいと思います。と ころで今日は広田委員と大濱委員が資料を提出されていますので、まずそれを終らせて いただいた上でまたお回ししていきますので。まず順次、全員が発言できるようにした いと思いますので、よろしくお願いします。では広田委員、よろしくお願いします。 ○広田委員  広田です。A4のカラーの写真が入っている資料を出していますが、ここに来てお話 を伺っていても、障害者が地域で暮らす状態が見えないということで、これは地域の中 で私がいろいろなことを支えていただきながら生きているということを出させていただ きました。それで、今日事務局から出てきた資料の方の最後の、障害者自立支援給付法 の要綱の最後でも、「生活保護法など関係法律について所要の改正を行うこと」と出て いますが、私自身が生活保護の制度を使っているコンシューマーです。それで、この委 員会にいて良かったなと思うのは、国がお金がないということで初めて、どのサービス がどのぐらいかかっていたかということを初めて知ったんですね。それでラーメン屋や すし屋ではありませんが、私が町の中で精神障害者として生きていて地域の人がサポー トしてくれるのは、それはただ単に精神障害者ではなくて、その町の中で消費してい る。だから商店の人から見れば、私は消費者ということで、非常にありがとうございま す、という言葉づかいで生活しています。そういう中で、デイケアにしろ、作業所のお 金にしろいろいろ聞いています。私はアメリカのサンフランシスコにいたときに精神科 のクリニックで「あなたは治療を受ける権利がある。あなたは治療の説明を受ける権利 がある。あなたは治療を拒否する権利がある」というのが掲げられていてとても感動し たんですが、日本はまだ治療の説明を受ける権利もそれも保障されていない現状がある と思います。そういう中でぜひ、たぶんこれは仲間たちからひんしゅくを受けますし、 関係の職員団体から特に大ひんしゅくを受けると思いますが、デイケアであれ、作業所 であれ、生活支援センターであれ、援護寮であれ、グループホームであれ、あなたのサ ービスはどのぐらいお金がかかっているということを掲げていただきたいと思います。 そうすると自分がいくらのサービスを使っているかとわかりますので。  例えば私が前にお話したように、フィットネスクラブに行っている。そうするとデイ ケアの一日分にもならないお金で1ヶ月毎日朝10時から夜の10時まで使えるということ です。そういう中で私の資料にでているこういう大きな家を横浜市の精神障害者住替え 住宅制度というのを使って、住んでいます。そこで相談活動をやっていく中で感じてい るのは、実は精神障害者の犯罪は少ないけど残念ながら殺人が多い。そして、その被害 者・加害者は家族である。こういう実態を見たときに、家族から世帯分離するときに生 活保護ではにっちもさっちも行かないんですね。そこで一旦家から出て、お金がないと いう形のいわゆる申告が生活保護制度のスタートであり、どこがその人が一人で暮らし ていくための保障をするかということはとても大きなことです。そこで一回入院しても らって医療機関から生活保護を開始してもらい地域に出てくるというような、まさに入 院治療が必要でない人が入院しなければならないようなことが全国的に起こっていま す。  そういうことがあるので、ぜひ生活保護のいろいろな委員会が開かれているところに 生活保護制度のコンシューマーを参画させていただきたい。しかも、だれか一人入れる のではなく、ご当地ソングで、私のように横浜に住んでいて、バスが乗れて、電車が乗 れるというようなところとは違って、地方では作業所に行くにも車でなければ行けない というようなそういう実態があります。ですから、そういうようなことも含めて論議さ れるときに、ぜひいろいろな地域で住んでいる人が生活保護制度、この国の税負担の中 でおそらく世界でも有数の社会保障制度だと思います。私自身は今、内科、眼科、歯 科、皮膚科、精神科とかかっていますが、すべて医療保護の中で行われている。  もう一つは、世帯分離の話が先ほど出ていましたが、同一世帯の中でぜひ障害者を医 療保護を受けられるようにしていただきたい。なにも精神障害者は精神の病気になって 困るだけではなくていろいろな病気にもなるわけですから、ぜひそういうような形で医 療保護を取れるような形にすることが、家族に依存しないで家族関係が明るくなってい いんじゃないかということです。  それで、私の資料は後で読んでいただくとよくわかっていただけますが、町の人はだ いたい地域サポーターです。それで町の人に私が精神障害者の体験を語ることはありま せん。私が朝起きられないとか、私が疲れやすいとか、そういうようなことを知っても らえばいいのであって、私がどういう病気で、どういう体験をしたということは町の人 は知らないと。そういうような中で近隣との関係が一番いいことが、その人が暮らしや すいんじゃないかなと思います。  それで、ついでですから質問させていただきますが、精神保健福祉法の方です。精神 保健福祉法の精神科の救急医のことはとてもいいと思いますが、「医療保護入院、応急 入院等に係る診察について緊急やむを得ない場合において精神保健指定医以外の一定の 要件を満たす医の診察によりその適否を判断する」。これはとてもいいと思います。そ れで、「等」にして、任意入院が入っていないのかなというのが一点と、ここには警察 官通報は入ってこないんですよねということの確認をしたいのと。  それからもう一点は、地方精神保健福祉審議会のところで、「都道府県」と付いてい ますが、政令市でもこれはやっているんですね。ですから、それを変えて今まで政令市 がやっていたものを都道府県に吸収してしまうのかということを伺いたいのと。  それから前回、北川企画官が、県が1/4、市町村が1/4、国が1/2で、大都市特 例はとらないと言ったんですが、神奈川のように神奈川県の中に横浜市と川崎市がいる と、全体から見ると横浜市の人口の方が多いんですね。川崎、横浜から除いたところか ら見ると。そういうような中で、私は横浜がある程度福祉を引っ張ってきた先進都市だ と自負していますが、そういう中でお金がやれるのかなと。やれなかったらどうするの かと。ぜひそれに係る府県と政令都市と決め細やかに厚生労働省は話し合いをしていた だきたいと思います。以上です。 ○京極部会長  では次に大濱委員。 ○大濱委員  時間がないと思いますので、簡単に。私の言いたいことは後段で言わせていただきま す。この審査会は前回厚生労働省案が出たと思いますが、この案は前回の内容、介護保 険と比較して、アセスメントの位置付けは、市町村で行うべきだと思っています。相談 支援事業者がアセスメントをやるというのは位置づけが違う。まず相談支援事業者が一 番上に来ていますが、障害者の場合は利用者本人自らが申請して、利用計画に基づく場 合というのがまず第一段目に来るべきであって、相談支援事業者はサブ的な役割にする べきではないか。そういう表を出し今日ペーパーとして提案しております。この位置づ けは今回の法律案の中にはこれは含まれていないと思いますが、ここは法律の部分では ないですよね、この書き込みは。 ○伊原企画官  利用者本人からも相談支援事業者からも、どちらでも選択できるように。 ○大濱委員  具体的な書き込みは、今回の法案の中に書き込まれていませんね。 ○伊原企画官  どちらも選択できるということになっています。本人からの場合でも、あるいは相談 支援事業者からも。 ○大濱委員  アセスメントの位置付けはどうですか。 ○伊原企画官  アセスメントの位置付けは先ほど要綱でご説明しましたが、基本的には市町村が行う か、市町村が相談支援事業者に委託できると。 ○大濱委員  ということは、前回出した絵とは違って、私が出したようにアセスメントの位置付け は市町村のところに入っていると。伊原さんとの話が前回と違うので、この絵がだいぶ 違っていると思います。ここは、私のポイントではありませんので、これで終らせてい ただきます。 ○京極部会長  では今出た広田さんと大濱さんのについて、事務局からお答えをお願いします。 ○高橋(紘)委員  一言だけ。「都道府県」と書いてございますが、指定都市中核市の取扱がどのように なるかについて、これは入るのか、入らないのか。そこらへんの整理をご説明いただけ たらと思います。 ○北川企画官  では私から。まず精神関係のご質問がございましたので、私の方からご説明をさせて いただきます。  資料3の3頁目の応急入院等の「等」でございますが、ここは任意入院中に退院をし たいと、特に深夜の場合に、そのときに入院を継続するという判断を医師ができて退院 を止めることができるという規定が精神福祉法上ございます。その規定のことを「等」 として書いているわけでございまして、警察官通報等にございます措置入院や診察につ いては対象としては考えていないということでございます。  それから大都市特例の関係でございますが、福祉関係については費用負担という面に ついては大都市特例については今回考えないでおこうと思っておりますが、公費負担医 療等については従来どおり、例えば精神の通院公費、自立支援医療ということになりま すが、都道府県が行えば都道府県の負担と、あるいは政令指定都市が行えば政令指定都 市の負担という形で現状の形は維持していこうと。現状と同じようにしていきたいとい うように、公費負担医療についてはそのようにしたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○伊原企画官  今、大濱委員と高橋先生からお話があったんですが、まず高橋先生のお話に関しては 今、北川の方から申し上げましたとおりですが、障害福祉サービス費の方は、これは全 部都道府県と市町村の関係になりますので、大都市特例はございません。  それから先ほど大濱委員のお話にありましたようなことでございますが、前回お示し した、あるいは今回もお示ししておりますが、資料1の14頁をごらんいただけますか。 たぶん大濱委員がご説明になったのとどこが違うかというと、利用者本人が自ら申請し アセスメントをやる場合という、場所が上か下かということなんですが。実態面ではど ちらも変わりはありません。ただ、法律上の構成からしますと、もともとこのアセスメ ントする事務というのは市町村の事務でございますので、基本的に市町村が行うと。た だ、その市町村はいわゆるケアマネジメントの観点からその事務を相談支援事業者に任 せた方がいいと判断される場合には、その業務を委託できるというこういう構成です。 ですから、まず誰が行うかといえば、それは基本的には、一義的には市町村が権限を持 っているということです。 ○大濱委員  そうですね。そうしたら、この市町村のところに私が描いたように、アセスメントの 部分は「市町村」と書いてよろしいわけですね。 ○伊原企画官  アセスメントは市町村が実施するんですが、それを自治体が委託できるということで す。 ○大濱委員  ですから、まず第一義的なアセスメントは市町村という絵が描いてありますが、それ でよろしいわけですね。 ○伊原企画官  ちょっと手元に絵がないんですが。 ○京極部会長  大濱委員のこの絵ですね。 ○高橋(紘)委員  大濱さん、アセスメントというのは障害区分の一次判定という概念はどのように考え ておられますか。 ○大濱委員  アセスメントというのは、ですから市町村がまずやるということが基本的になってい るわけですね。 ○高橋(紘)委員  障害区分の一次判定、それから障害区分の程度の認定があって、それからサービス利 用計画作成のためのアセスメントというそういう段階を踏むはずですが、今、大濱さん が言っていらっしゃるアセスメントはどういう意味でお使いですかと、ちょっと確認さ せていただきたいと思います。 ○大濱委員  今言っている「アセスメント」というのは、高齢者の介護認定のようにチェックシー トがあってそれをつくる予定になっているわけでしょう。 ○高橋(紘)委員  だからそれは障害区分の一次判定の認定の話ですよね。 ○大濱委員  そうですね、その前段の段階でアセスメントをやるわけですね。なぜ、それを高橋さ んがお答えになっているんですか。それは伊原さんが答える話でしょう。 ○高橋(紘)委員  大濱さんがおっしゃっている意味を私が確認したかったんです。 ○京極部会長  障害者の審議会は割りと事務局と委員の質疑応答というのが多いんですが、本来審議 会は我々の中で議論するのが本質的なところなので、それに対して反論されて議論する のは大いに結構だと思います。ディベートというのが流行っているようですが、それも 含めて今出た議論を踏まえて事務局からお願いします。 ○伊原企画官  ちょっと追加で、大濱委員の問題意識を私が正確に認識しているかどうか分らないの でお答えがあれかもしれませんが。まず、今回の障害程度区分の判定とか支給決定の場 合に、まずはご本人の心身の状況を調べる必要があると。これは誰の権能かと申します と、それは市町村の権能です。したがって、市町村が行えるということになります。た だ、申し上げますように、その事務は市町村の福祉部の職員が直接やる方がいいのか、 それとも相談支援事業者に委ねた方がいいのかという判断は市町村に委ねるということ になるんではないかと思います。ただ、権能は市町村にあると。  それから利用計画案の話でございますが、当然ご本人がこういうサービスを利用した いという希望をお持ちですので、それを相談支援事業者と利用者が相談してつくる場合 もあれば、あるいは自ら申請する場合には自らその案をつくる、あるいは自分だけでつ くれない場合はそれを市町村の窓口の職員と一緒になって考えていくというようなこと もあるのではないかと思っております。 ○京極部会長  障害程度区分のアセスメント以外のアセスメントということで話が出ているんです ね。 ○大濱委員  ですから一番最初のアセスメントの部分の伊原企画官の説明のあったアセスメントと いうのは、市町村ということでよろしいわけですね。基本的には市町村ということです ね。それができない場合は相談支援事業者という、そういう意味合いに捉えてよろしい わけですね。 ○伊原企画官  ちょっと意図がよくわからないのですが。 ○大濱委員  これからアセスメント表をつくられるわけでしょう。 ○伊原企画官  まず法案の要綱をごらんいただきたいと思いますが、5頁をごらんいただけますか。 5頁の2の支給決定等の(2)のところに「申請」というのがございます。それで今考 えておりますのは、「市町村は、障害程度区分の認定及び支給決定を行うため、当該職 員をして、その申請に係る障害者と又は保護者に面接させ、その心身の状況、その置か れている環境その他、厚生労働省令で定める事項について調査させるものとすること」 とあります。そういう意味では市町村が調査をするということになります。ただ、「こ の場合に市町村はその調査を指定相談支援事業者等に委託することができるものとする こと」とありますので、ですから市町村が判断しその事務を指定相談支援事業者に委ね ることがあるということでございます。 ○大濱委員  そういうことですね。そうしたらアセスメントの部分は最初の厚生省の書いてあった 部分にあるような形ではなくて、私が書いたようにアセスメントは市町村のところにあ ってよろしいわけですね。 ○京極部会長  ちょっと議論が混乱していると思いますが、アセスメントというのは広い意味で使う といろいろ使われてしまうので、カタカナでいろいろ表現するのはいいときもあるんで すが、基本的には企画官がおっしゃったようなことで、障害程度区分に係ることの権能 がそういう意味のアセスメントが市町村にある。それを一部、市町村の判断でいろいろ 事業者を使ってもよろしいということで、事業者が実際にサービス計画を立てるときに どういうニーズの判定をしていろいろしますね。 ○大濱委員  私はその部分は言っていません。 ○京極部会長  そういう部分のアセスメントは当然事業者ということなので。前者については市町村 ですね。それで一つ議論を進めていきたいと思いますが、あまりこれ以上時間をとると ほかの議論ができなくなってしまいますので。  よろしいですか。それでは先ほど手を挙げられた岡田委員に話していただきまして、 後は順次、ちょっと申し訳ないんですがいちいち質疑応答になりますと時間がなくなっ てしまいますので、松友委員、野中委員、長尾委員という形で、できるだけ1分以内を 原則としてお話いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○岡田委員  私からもいくつかご質問を申し上げたいんですが、それは時間がないと思いますの で、私は知的障害関係者の一人としてお願いをさせていただきたいと思います。  それはグランドデザインの今まで示された説明資料の冒頭に、我が国の障害者の人数 と施設入所の率が示されています。このうち知的障害者に関する数値には重大な誤りが ありますので、ご訂正いただきたいと思います。知的障害者の総数が「45万9千人」と いうのは明らかに誤りだと思います。その根拠は、5年ごとに実施されております知的 障害児・者実態基礎調査が統計調査ではないからであります。調査の実態を想像してい ただければわかりますが、この調査は調査員が各世帯を訪問して家族全員の知能検査並 びに日常生活能力水準を測定することなどしておりませんし、できるはずもありません し、許されるはずもありません。この調査はあくまでも予め行政当局が知的障害児・者 と認定している人を対象として、その人がどのような状況にあるかを把握しているもの でありますから、人数の調査にはなっていません。  我が国の45万9千人というのは、我が国の人口の0.36%に当たります。世界中のいわ ゆる先進国における知的障害児・者の一般人口に対する存在率、これは正しく言うと英 語では「プレバレンス・レート」、日本語では「有病率」という言葉でありますが、そ れは0.5〜2.5%となっています。我が国だけが0.36%という比較にならないほど少ない のはあまりにも不自然であります。我が国の場合、先進国の中でもその率は最も高いと 考える方が正しいと思います。なぜなら、我が国の新生児死亡率、乳児死亡率は世界中 で最も低く、また平均寿命は最も高いからであります。我が国の場合、残念ながら諸外 国のように正確な数値を確かめる方法は現存しません。したがって、国際的な資料から 類推するしかありませんが、知的障害児・者の数は200万人〜250万人と見るのが正しい と思います。したがって、18歳以上の知的障害者の3人の一人は施設入所しているとい うような指摘なまったくの誤りと言わねばなりません。もしこれが250万人としますと、 入所児・者は13万人でありますから、それは全体の5%の入所率となります。ほとんど 身体障害者と同じような入所率となります。  こういう誤りは今まで歴史的に長く続けられておりまして、現在では全国で使用され ている教科書のすべてが46万人という数字を採用しておりますが、この度の改革により ましてさまざまな将来計画や地方における必要の数値を算出しなければならないような ことが捧呈されてまいりますと、こういう問題について重大な誤りを犯しますので、ど うかこの点については改められることを強く希望します。以上であります。 ○京極部会長  貴重なご意見をありがとうございます。それでは松友委員、お願いします。 ○松友委員  育成会の松友ですが、今、岡田委員から大変重要な提起をいただきましてありがとう ございます。私はそれを引き継ぐ形になるわけですが、従来から私たちもそれに関して 強い提案をしておりました。その一つは、今回の法の中で云々はともかくとして、もと もと知的障害の定義が明確ではないと。それがすべての過ちというか、手帳制度におい ても国の制度ではない。もともとのデータそのものが間違っている。それらすべて議論 のときのネックになるというのは、やはりこれは修正いただきたいということと。  今回の給付法には関係ないんでしょうが、やはりこの名称問題がまた議論が出てくる かもしれませんが、ようするにほかの雇用はもちろんですが、さまざまな法体系の中に おいて総合的に対応していかないと、特に地域で生活する人は支えきれないということ も念頭に置きながら、いわゆる実態についての正確な把握をいただきたい。そういう意 味においては、これはまさに来年度事業になるんですが、5年おきの調査が予定されて いるようでありますので、今度こそきちんとしたそういう調査を、科学的なデータを出 す調査を出すことによってこの議論が続いていけると。特に知的障害の場合は年齢で切 っているという、もともと身体とは違う決定的なスタートの異なりがありまして、その 部分についても定義上の議論の中においてもう一回議論いただきたいと思います。  そういう意味で、最後にこの自立給付法においては13のところに、知的障害者福祉法 の一部改正というところで書かれておるんですが、具体的な中身がこれから付き合わせ で議論することになるかと思いますが、これで見ると本当に一部改正だろうか。知的障 害者福祉法は何が残るんだろうかというぐらいに、つまり知的障害者福祉法そのものの 検討もこれから逆算する形で議論していけば、常に言っておりますがいわゆる3法その ものの統合ということが、もう残りを考えた場合にスケジュールの中に入れていかない と、この給付法そのものも何か浮かんでこないというか、位置付けがはっきりしないと いうことがあろうかと思います。その2点について、どちらかというと要望でございま すので、ご回答は結構でございます。 ○京極部会長  ありがとうございます。では野中委員。 ○野中委員  先ほど議論になった資料1の14頁の部分が一番私としては興味がありますが、この本 来の目的を達成するにはやはりアセスメントとサービス利用計画案の作成というのが一 番の鍵であります。この障害者の給付審査会で利用限度額を決めることだけが先に行っ て、そして中身がつくられないということは本来の目的が実際に達せられないというこ とになります。それで現状として、本当にこのアセスメントとサービス利用計画案がき ちんと適切に提供されているかどうか、その検証もなしにこの案がまとめられること は、サービスを受けられる方々に対して限度額をただ単に押し付けることになる、この ことが一番危惧しておりますので、このことに対する検証を十分にしっかりしてこの案 を適切に実行していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ○長尾委員  先ほどから出ておりますように、同一世帯の問題はこれは非常に大きな問題ですの で、今後十分に検討していただきたいと思います。特に精神も非常にいろいろな面で大 きな係りがありますので、よろしくお願いします。  それと、精神保健福祉法の見直しについてはいろいろ問題が出ておりますが、一つ若 干お願いしたいことは、いろいろ報告書の見直し、頻度を見直すとか、任意入院の報告 を求めるとかいうようなこと、これはやむを得ない部分があるかと思いますが、医療保 護入院の報告書につきましても、これは補助金で出て行った部分が一般財源化してほと んどがカットされてきていると。非常にこういう業務が煩雑で多くなっている反面、そ ういうものが逆にカットされていくというようなこと、この補助金がなくなる中でここ に盛り込むというのは難しいかもしれませんが、なんらかのそういうことも考えていた だけたらと思います。以上です。 ○京極部会長  では丹下委員、経済人の一人として少しなにかお願いします。 ○丹下委員  前回、私がご質問させていただきましたことにお答えいただいたというか、この法案 要綱の1頁目でございますが、市町村の責務に関係機関との緊密な連携というようなこ とを記していただいたということは大変ありがたいと思っております。  ただ、私はもう一つ申し上げたいと思っておりますのは、実は都道府県レベルについ てはここでは特にそのことは触れておられないんですが、以前に都道府県が福祉行政と 職業安定行政とともに抱えておられた時代に、私どもはよくその両機能間の連携があま り十分に行ってないんじゃないかというお話を伺っておったわけです。それがさらに昨 今、職業安定機能が労働局に独立されましてからは、なおその連携の悪さという傾向が あるように私どもは感じておるんですが、そのへんの厚生労働省ご自身の見解はどうな のかというのをお伺いしたい。そして、もし必要であるならこの大きな2の都道府県の ところに、そのことをご記載いただくべきではないだろうかということでございます。 以上です。 ○斎藤委員  先ほど岡田委員が障害者の数のことについてご発言がありましたが、今回のこのグラ ンドデザインをつくるに当たりまして一番大切なことは、やはり実態数値をどう捉える かということではなかったかと思います。  そこで企画課長にちょっとお訊ねしますが、今回資料1の9頁に「自立支援システム の構築」という表がありますが、現行の授産施設の利用者がこのいろいろな事業体系の どこに何人ほど行かれるのかということをお訊ねします。 ○京極部会長  では、武田委員と高橋委員のところでちょっと打ち切って事務局からお答えをお願い したいと思います。 ○武田委員  私は事業者としてこの市町村に降りてくるということ、精神障害者のことがやっと市 町村に降りてくること自体とても、本当に暮らしたい地域の中できちんと実態を把握し ていただけるということで歓迎するところなんですが、今日の施行スケジュールを見た ときに、この法案の中にも書き込まれているんですが、18年の1月に施行される。そし て精神保健法の方は50条関係がすべてこの精神保健福祉法の方から抜けて新法案の方に 移るというところで、とても大きな期待と同時にこれまで市町村には、大きな都市では そうではないと思いますが、島根のような本当に田舎の小さな市町村しか抱えていない ところで、市町村に移行するときの経過措置はもちろん書いてあるんですが、1年ちょ っとしかない。そして施設体系そのものも18年10月と書いてある。こういうときにもち ろん混乱はあるだろうと思いますが、どれだけ都道府県であったり市町村にこの法の移 行を速やかに伝えて、できるだけトラブルなく伝えることをお願いしたいと同時に、ど のようにお考えになっているかということをお聞きしたいということが一点。  それから障害程度区分、これは私たちが長年現場にいながら私たち自身が提案してこ なかったという大きな反省もあるんですが、法がスタートする以上このところはまずな いといろいろと判定ができないと思います。対象基準も明確にならないと思いますが、 つくったものを少しでも実態に合うように、より良くするために今後当事者、事業者と 一緒に研究なり、より好いものをつくり上げるということをやっていただきたいなとい う要望、この2点です。よろしくお願いします。 ○高橋(紘)委員  一つは、先ほどから出ていますが、やはり障害者の概念をどうするか。私は障害福祉 サービス法が「障害者自立支援給付法」になったことについて若干残念だったと思って おります。やはり「障害」という概念で、障害を云々する個人にどういう支援給付を与 えるかと、障害者という認定してそこにどう線を引くかというそういう議論が常に付き まとってくる。これが先ほど岡田先生がおっしゃったように、非常に障害を持って生活 している人々と、法で定義する障害者の概念の相違、これは長らく発達障害の場合も障 害に繰入れられてこなかったということも含めて、そこらへんの問題がある。これはそ ういう意味では統計をどういうようにつくるかということまで、実は支援費の失敗はま さにそこにあったわけですから、きちんとした統計とニード調査なしのまま出発したと いうそういうことがあるわけで、そこらへんの問題が一つある。  もう一つは、この法律事項の世界と、先ほどから事務局が再三強調されておられるよ うに、政令で定めるそういう事項の話と、それからさらに政令で定める以前に、例えば 権利擁護の問題がそうだと思いますが、その中身をどういうものとして権利擁護に関す る支援であるかということを考える。私は単に成年後見制度を適用すればいいというだ けの話ではなくて、先ほどのことで言えば所帯に属しているものの代弁権をどうつくり 出すかということも含めて、家族に支配されてしまうことによって、これはまさに権利 擁護の問題ですが、そういうことで言えばそういう法令政令事項と同時に、権利擁護な ら権利擁護の中に障害を持っている人々との関係でどう考えるかという、そういう議論 のプロジェクトみたいなものはこれから絶対に必要だと思います。  そういう意味では全体として工程表をつくる必要があるのではないか。ようするに、 制度改革に係る法律事項、省令、そういう事項をつくるというそういう部分と、この改 革によってもたらされるさまざまな課題が私は出てくると思っておりまして、その課題 を解決するために、ようするに支援費の場合に先ほどの議論で言えば、代理契約を認め てしまったわけですね。これは大変な課題であったんです。そういう意味でのそこらへ んの議論で。 それから、私は「応益負担」という言葉は使わないほうがいいと思って いて、「定率負担」というように使うべきだと思っておりますが、定率負担がもたらす 障害の負担の構造がどうなっていくかということについて、きちんとデータを基に検証 していく必要があるとか、そういういくつかのこの改革が導入されてそれがつくり出す であろうさまざまな新しい状況、それを予測し、その問題点をきちんとモニターするよ うなそういうプロジェクトを。これはむしろ当局のお仕事というよりは、審議会の役割 がまさにそういうことにあるというように考えておりますが、そういう議論を含めて少 し全体の作業工程を整理したものをぜひおつくりいただく必要があるのではないかと理 解しております。 ○京極部会長  では、ここで一段落しまして、事務局からお答えできるところはお答えしていただき たいと思います。 ○企画課長  まず私の方からお答えさせていただきたいと思います。  一つは、関係機関との連携ということで、県レベルのところがどうなっているかとい うことでございます。それで、確かにご指摘のように地方事務官法の廃止ということ で、都道府県から職業安定行政が抜け出て労働局という国の機関に移ったことによりま して、一般論ではなかなか申し上げられないかもしれませんが、私どももやはり連携が 取りにくくなったという、個別の都道府県からのお話を伺うことがよくございます。そ れから、職業安定行政が抜け出た後の県の中の就労の支援の部分が非常に弱くなってい るというお話も伺っているところでございます。今度の法律は福祉サービスを提供する 主体ということでかなり市町村にウエイトが置かれておりますので、連携規定もそこに 入っておりますが、その主役たる市町村をバックアップするための県の機能ということ で県の位置付けをやっているわけでございますので、そこのところで当然県のところで も、他の行政との連携というのは必要になってくるだろうと思っております。それで法 律に書き込めるかどうかは別としまして、そこの仕掛けのところは少し私ども意識して 工夫をしたいと思っております。  それから、今ある授産がどこにどれだけ行くかということでございますが、事務的に は少し後で補足してもらおうと思いますが、これは少し青い議論かもしれませんが、こ れがどこにどれだけ行くかというのは今の授産や、あるいはその他の施設、あるいは小 規模作業所にいらっしゃる障害者の方々のニーズというのがどのへんにあって、どうい うニーズを持った障害者の方がどのぐらいいらっしゃるか。それを市町村がどれだけニ ーズ把握ができて、そしてそれに合った形の市町村の数字の入った計画をつくり、それ を見ながらそれぞれ施設関係が事業を選択していくというプロセスになるんだろうと思 います。ただ、現実的なところではそれぞれの事業のいろいろな基準とかそういうもの がどうなるかということに影響されてくるわけでございますので、そこのニーズをしっ かりと見極めながらそれから条件設定を関係者の方としっかり議論しながら数字的な把 握をしていきたいと思っております。 ○障害福祉課長  それから岡田委員、松友委員等々から知的障害者の定義等のご意見が出たわけでござ いますが、はっきり申し上げて私どもの方はそこも手をつけなければならないと、こう は思っております。思っておりますが、まずは今回の改正ということについては、そこ まで手をつけたら非常にアメリカ方式、日本は今IQで切っておるというのが実態でご ざいます。それで実態調査の方法、それから定義そのもののやり方というのも変えてい かなければならないというのはおっしゃるとおりだと思います。それで実際にそこまで 手をつけたら今回の改正に時間がないと。次に手帳の問題も同じ問題が言えると思いま す。まずは今回は制度の改正の財政の明確化とか、公平化とか、こういう部分をまずは やらせていただけないだろうかと。  それから武田委員の方から、やるのはいいよと。いったい時間が間に合うのと。市町 村の事務が間に合うのというご質問でございますが、そこについて私どもの方、別名 「準備室」とも言いましょうか、訓練室というものを立ち上げまして現に法律もこのよ うな形で準備を進めております。これから市町村との関係というのは非常に重要な関係 になってくるということで、2ヶ月に一回、私どもの方の情報を常に市町村等に、これ で行けますかとか、または市町村の意見を汲み取って進めていくというような形で、市 町村との事務、または制度設計というものを図っていきたいと、このように思っており ます。  それから、私が答えるべきではないかと思いますが、斎藤委員のご質問でございます が、はっきり申し上げて障害者の授産にいる方々がどのような形で新しい事業に配置さ れるかというのは、これから状況を見てみないと、今は(こうであろう)としか私ども の方では思っていないというのがはっきり言って現実でございます。これから実態調査 をやって、それでやっていくと。それから障害認定区分も、心身障害認定区分というの も併せて今つくりつつありますが、市町村等と、または障害者の皆さんと相談して進め てまいりたいと、このように思っております。以上でございます。 ○京極部会長  ほかに追加はございますか。 ○斎藤委員  なぜ企画課長に質問したかと申しますと、先ほど説明した法律でいろいろな事業体系 を示されたわけですね。それで授産の場合、就労移行支援と継続支援とが2つ訓練等給 付の中に含まれておりまして、このほかにはたぶん介護給付の生活支援のところに若干 流れ込むんだろうと。大方のところはこの地域生活支援事業の裁量的経費と言われてい るところの地域活動支援に流れ込まざるを得ないんだろうと。それで我々の今研究実態 調査でも40%ぐらいがこの体系ですと行き場所がないと、こういう答えの実態調査が返 ってきておりますので、この行き場所がなくならないように事業体系を組み込んでいた だきたいというのが一点。  それから、この審議会の4月だったと思いますが、2月に厚労審をトップにして厚生 労働省の一番上の方々が就労問題について委員会をつくりまして、それであのときに3 本の柱ということで審議会にもたぶん提示されたと思うんです。あれからここに行く過 程の話が一切ここでされていないんですが、その点もちょっと疑問に思ったわけであり ます。ですから私が言いたいのは、どこに何人障害者の人が行くのかというような数値 もつかまないでこれをやった場合に、第二の支援費制度の崩壊につながるんじゃないか と。おおよそのところ、ここにはこのぐらい流れるんだろうという、そこをつかまない でどうやって予算編成をするのかという、そういう心配があったわけです。それでお訊 ねしました。 ○京極部会長  当面の問題と長期の問題とあると思いますが。 ○企画課長  現に施設にいらっしゃる方がどういうようになるかということ、それから現に施設に いらっしゃる方がどうしたいと思っていらっしゃるかということを踏まえて、その体系 をつくっていくんだろうというように思っています。それで、そういう意味では、実際 にはニーズ調査とか、実際に障害認定区分でどこにそれぞれの方が区分されるかという ようなことを見ながらやっていかなければいけないと思います。  それで事業体系、機能としてはグランドデザインで省内の検討会の結果を踏まえて、 それを反映した形で新しいグランドデザインをつくり、それをまた法律に落としていき たいと思います。そこのところは大変高い位置をしているんだろうと思います。その上 で、斎藤委員がおっしゃるように、では現実問題として皆さんの行き場がなくならない ようにということで、そこの具体的な条件づくりというのをこれから関係者の方と一緒 にやっていきたいというように思っております。 ○障害福祉課長  今、斎藤委員からご質問があったように、いわゆる授産施設とかの方々、多くの方々 が市町村のこの地域活動センターの方に行ってしまうんではないかという希望があっ て、またドロップアウトしてきた人たちがそこに行くのは偲び難いとか、いろいろとご 意見はあろうかと思います。私どもの方は今検討しておりますのは、非雇用型の就労継 続事業を検討しております。そちらの方に主に行けるような事業形態を一つ考えなけれ ばならないなということで、就労継続事業の中の雇用型と非雇用型ということで、非雇 用型で今言ったような形である程度就労を目標にしたり、それから工賃等を目標にした 一つの雇用にはつながらないけど、そういうドロップアウトした人たちが一定の期間そ こでまた訓練をしてもらって雇用に結び付けていただくような非雇用型の事業形態がつ くれないかなということで、今現在検討中でございます。継続就労事業の中を2つに分 けるという形でできないかということで検討中ということでございます。 ○京極部会長  それではここでまだ発言されていない委員の方がたくさんおりますので、順次、高橋 清久委員からお願いしたいと思います。 ○高橋(清)委員  それでは簡単に2つの要望と、一つの質問をさせていただきます。  最初の要望は、資料1の35頁、「制度改正案の概要」の一番下に、対象者として精神 の3つの疾患が挙げられておりますが、将来的にはやはり障害の概念とか、あるいは認 定ということに関係すると思いますが、こういう病名ではなくて、やはり生活障害、生 活のしづらさ、そういうもので障害を認定していただきたい、そういう方向を検討して いただきたいと。これが第一の要望です。  第二の要望は、今度の法改正で精神障害者の保健福祉手帳の写真の貼付ということに なるということですが、非常に好ましいことだと思います。せっかくここまで来たんで すから、将来的には精神障害者手帳というようなことで、これは3障害一体となる象徴 にもなると思いますので、ぜひその方向性を検討していただきたいと思います。  また質問は、精神保健福祉の将来ビジョンの中で、各都道府県がいわゆる残留率、あ るいは1年後の退院率、その%を努力目標として示すと。それが今度の法改正のどの部 分に関連するのか、そのへんを教えていただきたいと思います。以上です。  末安委員 要望と、それから資料を一点提供していただきたいことをお願いします。  一つは、この法律は今日この要綱を初めて拝見して、「障害の有無に係らず国民が相 互に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現」という、「地 域社会の実現」ということまで踏み込んで言っていただきましたことをすごくうれしく 思います。であると同時に、ここで今ずっとこの23回、今日で24回論議されてきたこと の中にあまり触れられてこなかったことなんですが、障害を持っていても個人の努力と かその負担をなるべく公的なものに負わないで生きていらっしゃる方たちもたくさんい らっしゃる。そのような人たちの希望になるものになるものでなければいけないのでは ないか、新しい法律である以上は、私はそう考えております。  その点で一点、どうしても特に都道府県の計画の中に入れていただきたいんですが、 障害が理由で、あるいは疾病が理由で就学を、勉強していることを断念されたり、もし くは断念させられたりしていらっしゃる方たちがいらっしゃる。そういう方たちの復権 をぜひ入れていただきたい。法律本文に書き込めない、他省庁との関係もあるかと思い ますが、この就学復帰ということは非常に当事者の方たちを勇気付けるものであると思 います。やはり新法である以上、現状何が問題かというのも大事かと思いますが、未来 に何をつないでいくかということをぜひ検討いただきたい。その点では精神障害の関係 では、先進諸国は予防医療にかなり強い力点を置いている現状があります。かなり大き な調査をやっていらっしゃる。日本は残念ながらそういう調査はまだありません。です から、予防に関することも精神保健法の改正の中で、今改正で難しければ次回の重要な 事項にしていただきたい。  なぜ先のことまで言うかと言いますと、今回の精神保健法の改正の中では保護者のこ とが、前回は保護義務者から保護者になって、これは先ほど扶養義務者の問題とも関係 するということを理解しております。しかし、やはり個人の責任ということを言うので あれば、医療の部分では個人の責任が奪われた状態であるということを認めたままにな っているということに関しては、今回の改正でできないのであれば次の改正ではどのよ うにやるかという道筋をつけていただきたいと思います。  それから一点、資料請求として、この審議会と平行して「精神障害者の社会復帰の明 日を語る会」というのが政府の所管でやられているようなんですが、そこでも重要なこ とが決められていると思いますが、残念ながらぜんぜん報告がなくて、この法案に直接 関与するということではないのかもしれませんが、そういう重要事項はぜひ報告してほ しいと思います。以上です。 ○小坂委員  今回の法改正と言いますか、それについては地域との共生という大目標があるわけで すが、実は私は知的の施設をやっているんですが、大学生が実習に来るわけなんです ね。それで、そのときに最初のレポートを書いてくるわけですが、そこのところに「怖 い」と。つまり、施設が怖いという、そういう言葉をいつも書いてくるわけなんです ね。それで私どもが考えてみて怖いということはまったく考えないんですが、そういう ことが出てきていると。  それからもう一つは、現実の問題として施設を建設するということとか、あるいはグ ループホームを設置するということ、そういうときには必ずその地域の人たちから何ら かの形の反対が起きてきていると。つまり、総論は賛成ですが、実際には俺の軒下に来 ることは困るという実態はずっと続いているわけなんですね。これはいったい何なのか ということを常に考えているわけなんですが、あまりにも障害の人たちが地域の中で別 の暮らしをしてきているということが一番の問題ではないのかなと思います。例えば、 小さな生まれたての子たちについてもやはりそういうことがありますし、学校も特殊学 級から、あるいは養護学校の方へとだんだんと流れていってしまう。そして、まったく 大きくなってしまってからホイと地元に帰ってくる、これは何だ、ということになって しまう。その実態が一般の国民の人たちにはまったくわからないんじゃないかと。  それで今、この法律を施行するに当たって、やはりその部分の中身というか、どうし ていったら共生がうまくいくのか。かつて25年前には平等の理念が謳われてきたわけで すね。でも今ここに来て25年経ってもまだこのような状況が続くのかということを思っ ているわけですね。ぜひともこの法律が名実ともに障害者のための、障害者が地域で暮 らすための法律となるためには、そのへんのところも何か手を打っていただきたいと思 います。 ○君塚委員  障害児の分野ではこれからということもありますが、国際的に見て恥ずかしくないレ ベルを目指してほしいというのがまず第一です。それから、今日の関係してくる利用者 負担の件で、補装具を例にとって2点ほど問題提起をしたいと思います。  現在、高額所得者は補装具をつくる場合に福祉制度を利用せずに全額自己負担、自分 で全額払っています。というのは、そちらの理由であるからという形であるんですが、 例えば車いす20万円を全額払っているのに、今回の改訂により2万円の負担になると。 そういう面が現実としてあるんですが、このような高額所得者が今後ほかの利用料につ いても今までより大きく少なくなるということがあるか、ないかということを、従来の 福祉の理念に反するという点からちょっと検討していただきたい。  もう一つは、補装具に絡んだときに全額立替払いを最初にやります。その車いす20万 円を準備できないために、つくりたいけどつくれないという方がいます。そういう意味 で、今回1割負担になるんですが、1割を利用当初に払うという形にしながら、補装具 も1割を負担するという形に、全額負担ではなく1割にするという形に、利用者のサイ ドに立った負担のあり方というのを考えていただきたいと思います。以上です。 ○北岡委員  法律改正の説明の後にこういう話は少し細かくて、少しは違う話かもしれませんが、 いくつかご質問と意見を申し上げたいと思います。  この地域生活支援事業についての市町村への補助のあり方というか、予算の配分とい うかそういうことの考え方の中に、例えば人口規模であるとか、手帳数などとかそうい う機械的なお話だけで配られるんではなくて、その市町村の福祉計画みたいなものを十 分勘案されて、ぜひそういう配分についてはご検討いただければなと思います。  それから、これはちょっと多くの関係者からこういう場でぜひ聞いてくれということ で、私もそこはちょっとわからなかったものですから聞かせていただきますと、訓練等 給付で就労移行支援とか就労継続支援に関することなんですが、費用負担に対する考え 方はどうなのかとか。それとか20名定員を満たせばNPOなどでもこれらの事業が展開 できるというように理解しているわけですが、現在の社会福祉法人格をお持ちの小規模 授産施設の扱いはどうなってくるのかということがよくわからないなと思っています。  それから、これはたぶん斎藤委員のお話と重複することかもしれませんが、現在実施 されているデイサービス事業みたいなものが介護給付の成果支援なのか、地域生活支援 事業の地域活動支援の部分に、現段階でどういうイメージなのかが少しあればお話をい ただきたいということと。共同生活介護に関することなんですが、これは巷では10人か ら20人を厚生労働省は想定されているらしいというお話が結構ございまして、そういう ことのもしイメージがあるとしたらお話をいただきたいと思います。  それから先ほども各委員の方からお話がありましたが、費用負担の問題についてはや はり障害のある人本人に限定すべきではないかなと私も思っておりまして、日ごろから 地域生活を支援する立場の仕事をしている者からしますと、もし家族というようなこと になっていけば家族の同意ということが条件のようになってきますし、障害のある人が 地域で自立する生活云々ということにはなかなか結び付いていかないのではないかと。 確かに他の制度との整合性みたいなことがあるということはわかるんですが、なんとか ここは障害者ご本人に限定すべきあり方というのは考える術がないのかどうか。これは ご検討いただきたいということであります。  それから最後に、介護給付・訓練等給付の利用手続についてということで、10月12日 については障害者給付審査会においては意見紹介ということだったんですが、前回出さ れた資料の中に介護給付の場合は必ずここで二次判定を受けるということになっており まして、関係者の中にはこの給付審査会のあり方について懸念をされている方もいらっ しゃると思いますので、ぜひ市町村にこの内容をお伝えする際に障害のあるご本人のニ ーズが中心であるということがしっかりと浸透できるようなあり方をお願いしたいと思 います。以上です。 ○京極部会長  個人と家族と世帯ということも含めて事務局から説明をお願いします。  全体としてちょっと10分間延長させていただきたいと思いますが、そこまで回りませ んので、よろしいですか。 ○亀井委員  もう多くは申しません。感想だけ申し上げるわけですが、現法の改正、そしてまた新 法の制定をもって、いよいよこれからの福祉サービスは基礎的自治体である市町村が担 っていくということが明確化されてきたわけです。そこで私どもはこれから人材の育成 を含む体制の整備に努めてまいらなければならないわけですが、法の制定から施行まで の間がかなり短いと、こういうことがございます。よって、この県が担う役割というの はここ2〜3年はかなり大きなものがあるのではないかなと、こんなふうに思わせてい ただくわけでございます。それは市町村の力量によってサービスに凸凹ができてくるわ けです。そういう中で広域連合も含めての県が果たしていく役割が非常に大きいもので はないかなと思います。  そして、障害者福祉計画にしましても、うちはこういうことを見込んだ中で去年から 計画の改正について議論してこの3月にまとめ上げることにしておりますし、地域福祉 計画も平行してやっておりまして、この3月に挙げることになっているわけでございま すが、数値目標がきちんと入れられたそういうような計画というものを県とともに共同 してつくっていく必要があるのではないかと。こんなふうに思っているわけです。  それと内容につきましては、これは当初から完璧なものはできないわけです。20年間 議論に議論を重ねてできたドイツの介護保険ですらいろいろな問題があるわけですか ら、これまた走りながら考えてその時代、その利用者に合ったそういうようなものに進 化させていけばいいと、このように思ってございます。以上です。 ○京極部会長  このへんで事務局からお答えをお願いします。ポイントを絞ってお答え願います。 ○伊原企画官  すべてにお答えするのは難しいかもしれませんが、いただいた中でいくつかご回答申 し上げたいと思います。  一つは、都道府県計画の中に就学復帰という規定を入れられないかというお話がござ いましたが、実はこの法律は目的のところをお読みいただいてもおわかりのように、障 害福祉サービスに関する給付を定めていくことが目的でして、結果として先ほど言われ ましたような国民が相互に人格と個性を尊重して豊かに暮らせる地域社会を進めてい く、こういうことでございます。したがって、技術的なことを申し上げますと、この法 律の目的はあくまで福祉サービスの法律なものですから、やはり就学復帰とかそういう 他制度についてここに書き込むというのはちょっとなかなか難しくて、それは障害者基 本法とかそちらの方にならざるを得ないのではないかと思っております。  それから、北岡委員の方からございました地域生活支援事業の補助のあり方とか、あ るいは具体的な報酬の話とか、定員をどうするかというような話がございましたが、こ れらは今後施行までの間に詰めていく話でございまして、事務局の方に具体的な腹案が あるわけではございませんので、今後はさらに検討していきたいと、このように思って おります。  ただ一点、その中で、例えば小規模通所授産施設はどうなのか、デイサービスはどう なのかという話がございましたが、これは先ほどの斎藤委員に対するご回答とも関連す るわけですが、今回の施設体系の見直しというのは既存の施設をどこに移すということ が目的ではなくて、今、障害者としていろいろなサービスを受けておられる、あるいは 地域におられる方の状況に合わせて、その方にふさわしいサービスをどう実現していく かということが基本だと考えておりまして、今ある事業がそのままどこかに移るという ことを想定しているわけではございません。したがって、今後具体的な新しい事業の基 準をつくっていく中で、それぞれの事業所の方が自らにふさわしいものを選んでいただ くということが基本だろうと思います。あくまでも、今あるものがそのままどこかに行 くという考え方ではないのではないかというように思っています。 ○北川企画官  それでは精神関係は私の方から。  まず、公費負担医療関係の重度かつ継続的な話の問題でございますが、やはり施行 後、検討しさらに基礎的な話をしていきたいというように考えております。ただ、公費 負担医療で今までの歴史的な沿革から見て、病名を中心にやってきたという経過もござ いますので、2年以内に見直しをするというのはなかなか現実には難しいと思っており ますので、それとは別の問題として医療という面でみるということについてはよく考え てみたいと思っております。  それから、退院率等の目標の話がございました。この要綱には出てございませんが、 都道府県が立てられる障害福祉計画については、医療計画と連携をちゃんと図って精神 障害者の退院を促進するようなものとなるようにというような規定にしたいということ で、精神障害に限ってみれば、この法律に基づく都道府県の当該福祉計画と医療計画の 連携の下に実現を図っていくというように考えているところでございます。具体的にそ ういう数値目標をどちらに位置付けていくのかということについては、改法令等で考え ていこうと思っておりますが、現時点においては病床数の関係する目標ということがベ ースになるのではないかということで、ちょうど今この裏の時間帯で医療計画の検討会 をやっておりますが、そういう中で少し検討できないかということも平行して進めてい きたいと考えているところでございます。  それから保護者の概念等のご指摘がありました。これは前回の規定でも課題になって いるところだというように理解してございますが、今回の全体の議論の中で福祉サービ スをどう充実させていくか、地域の受け皿をどうつくっていくかというところで、物理 的に相当大きな改正を行っておりますので、次回に引き続く課題として理解しておりま すので、どういうように考えていくかということについてはこの法律の施行と平行して 次期改正を目途として考えていきたいと思っております。 ○京極部会長  それではまたご意見をいただきたいと思います。岡谷委員から順次お願いします。 ○岡谷委員  私は要望を2点お話したいと思います。一つは、今回の障害者自立支援給付法という 法律の中で、障害者が自ら選択した場所に居住しということで、施設ですとか、医療機 関ですとかそういうところではなく、自分たちが望むところで地域の中で生活していく ということを推進していくような、そういうことが進むということについては非常に期 待をしているものです。ただ、現在でも、特に難病ですとか、あるいは遷延性の意識障 害の方とか、あるいは合併症のリスクの高い重度の障害の方ですとか、そういう日常的 に医療的な管理が必要な人、病状のモニターとかそういうことが必要な人、そういう人 たちがいろいろな制度の谷間の中でなかなか十分なサービスが受けられなくて非常に困 っているという課題があると思うんですね。ですから、今回この法律が、先ほど福祉サ ービスの給付のための法律ですので、なかなか法律の中にそういうことを盛り込んでい くのは難しいというのはわかりますが、私はやはりいろいろな制度の中で、制度の谷間 に陥ってきちんとしたサービスが受けられないようなことがないように、全体的ないろ いろな個別性等を考えて全体的なサービスのあり方というのをきちんと議論していくべ きではないかなと思っております。  それから精神保健福祉法の改正の中で、精神科救急医療体制の確立に向けた法的な整 備ということで、これは非常に良いと思いますが、先ほど措置入院の指定病院に係る基 準の見直しというところで、看護基準の見直し等を3:1にするというようなことをお っしゃったんですが、これは前からもずっと申し上げているんですが、やはり3:1と いう基準ではこういう救急の措置入院の患者さんたちのケアをしていくというのは非常 に質・量ともに不足しているということがありますので、ぜひこういうところはせっか くの改正ですので思い切ってきちんと必要な人員配置の改正をしていただきたいなと思 っております。 ○江上委員  高橋委員が言われたように、手帳の一本化ということに関してぜひ今後どう考えて具 体的にいつまでにすべての障害者がそういう一本化の道になっていくのか、ぜひ期日を 明確にしていただきたいと思います。  それと、精神障害を有するというだけでハンディキャップが今無視されております。 そのような中で応益負担により実質的なサービス利用制限とならないような精神障害者 への配慮もしていただきたい。  それから市町村への一元化ということで、まだまだ精神障害者施策は市町村の中でも なじみが薄く、専門職員も十分に育成されていない状況の中で、3障害統一というサー ビス支援がスタートすると、またそういうような中で障害者の格差が生じてくることが 危惧されますので、専門職員の養成をしていただきたい。  それから障害特性を有したサービス支給の中で、認定審査会の役割を明確にしていた だいて、医療モデルからの評価でない、特に精神障害者の場合には社会生活機能の視点 からもいろいろな形で考えていただいて、そのような審査会には障害者当事者等も含め た構成をお願いしたいと思います。以上です。 ○猪俣委員  簡単に感想とご要望をお話します。一つ、感想ですが、応益負担の問題が一番長時間 ここでは議論されたと思いますが、例えば公費医療の見直しということ一つ取っても、 事務局の試算によるとその財政的な効果は2〜3年しかもたないというグラフが出てい たと思います。そうしますと、これは早晩支援費制度と同じ道筋を辿っていく可能性が あるわけです。ですから、本人の費用負担の問題だけなく、広く国民の社会保障に関す る費用負担をどうするのか、あるいは介護保険との統合の問題もそうでしたが、こうい う問題を検討する時間というのは決して長い時間をかけられない。早急にこれは連動し た形で開始しないと、非常に理念だけは揃って、お金がありませんでした、ということ になり兼ねないという印象を持ちました。  それから要望の方ですが、この精神保健福祉法の方で、これは改革のビジョンで出て こなかったところでは救急医療での特例措置の問題なんです。これは現実の問題として はこういう措置が取られているということは、救急に携わろうとするまじめな医療機関 ほど法令遵守しますから、一つのインパクトになって普及していくだろうと思います。 ただし、ここに一定の要件、「倫理会議等による事後評価等」と書いてありますが、こ この歯止めをきちんとしていただきたいんですね。例えば行動制限最小化委員会という のを各病院がつくるようにと、つくっていますが、それに対するマニュアルであるとか ガイドラインもないわけです。それが客観的に外部評価の対象にもなっていないわけで すね。ですから、こういうところがきちんと外部の評価に耐えられる、監査の対象にな るきちんとした歯止めがあるということが保障されないと、これはヘタをすると逆効果 になる可能性があるということを心しておいていただきたいと思います。  それから、それと関連して救急が非常に進みにくいのは、精神科医の確保なんです。 医療の現場では。そういう点で言いますと、精神保健医指定医の要件に関するケースレ ポートの対象症例の見直しのところで、例えば措置入院に「統合失調症」という病名規 定は不要でしょうし、どんな病名でも措置であればいいでしょうし、私ども自治体病院 の医師の多くは、このケースレポートの中に救急の症例をぜひ入れてほしいということ を強くお願いしておりますので、ぜひご検討いただきたいと思います。以上です。 ○安藤委員  私が昨年の3月にこの障害者部会が始まったときからずっと指摘しなければならなか ったことは、国の財政問題です。この障害者手帳の作成とか、また一般予算編成も40% を公債に頼らなければならないような財政状態の中で障害者保障をどう進めていくか、 それが大きな課題であったと思うんです。こういう状態の中で応益負担には反対したん ですが、結局やむを得なかったというような指摘が出てきたと思うんです。ただ、この ような法律ですが、障害を持つ当事者や家族の皆さんにこの財政状態とかを全部きちん と説明して、障害者の皆さんに納得してもらうというような努力が必要です。それを行 っていただきたいということです。  またこの障害者部会の日程は非常にきついものでした。非常にいろいろな問題が次か ら次と出てきて、財政問題もありますので、答弁は当事者から政府に意見が出せないと いうような面もあったわけなんですね。法律が成立するとこれは市町村とか県レベルの 非常に過酷な日程になると思いますが、この中で混乱が起こるのではないかと非常に心 配しているんですが、これについてきちんと対応してもらいたいと思います。特に市町 村の環境整備というのも予算的にも対応してもらいたいと思います。  3つ目が、障害者自立支援を法律にきちんと位置付けられたことについては一定の前 進と評価しています。ただ、手話については今国連でも障害者権利条約の中で言語とし て認める方向で審議されているわけなんです。この法律の中でも、例えば自己選択とか 自己決定のできない聾唖障害者の皆さんにもそういう通訳の内容と、そうではなくて社 会に参加して自分で自己選択して決定して、通訳を要する場合にも手話の言語の活用と いろいろな活用の違いがあると思うんです。それを今後事務局としても検討をお願いし たいと思います。以上です。 ○嵐谷委員  では最後ということでございます。私は一番懸念しておるのが、これだけ忙しく進ん でくれば一番事業主体となる市町村がおそらくこれは準備できないのではないかなとい う感じを持っています。グランドデザインからスタートして、私もこれはいろいろとま だ十分に消化できていない部分がありますが、行政にしても18年1月から、今、裁量的 負担という部分が義務的負担になると。「なんでこんな時期になるの?」と聞かれたん ですが、1月なんて行政としてはおかしいわけですね。だいたい年度末まではそのまま の制度でいって、新しい年度から制度的に替わるというなら理解できるけど、私もこれ は質問もらったけどどうにも答えがわかりませんでした。  ただ、これを急いで法制化して各市町村へ流した場合に、各市町村がそれだけの財政 力、行政能力があるところはいいけど、ないところは十分におそらく障害者の福祉とし てできないんじゃないかなという懸念を一番持っております。特に広域でやればいいん だというような話もあるけど、そんなに隣の町・村ではおそらくできないんじゃないか なということで、とにかく一応は評価はしますが、結局我々障害者としては利用者負担 は本人のみということをお願い申し上げて終ります。ありがとうございます。 ○京極部会長  どうもありがとうございました。時間がお約束した10分を超えたので、あとはこれに 対するお答えとか、あるいはもう一巡ということを考えていたんですが、一人々の方が 時間がかかったので。大濱委員が先ほど報告だけだったので、それだけお聞きして、あ とは事務局の方へお答えいただきます。 ○大濱委員  私のは先ほどはアセスメントの位置付けについてですが、一次審査会の前のアセスメ ントの位置付けが違うのではないかという、単にそれだけの意見です。まとめて今回の 全体の話をさせていただきたいと思います。  まず、社会保障審議会、今日の24回目、まず部長が出席していないし、あまりにも社 会保障審議会のあり方が軽視されているのではないかと。  それから今回、8日頃閣議決定ということで法律に出ることになっていますが、その 場合にパブリックコメントはどうなるのかと。ようするにパブリックコメントは予定し ていないのかということが第一点。それから、今までの委員会をふりかえりますと、委 員会の中で発言時間が非常に少ないわけです。私たちとしては本当にこんな形では委員 として責任をもてない。しっかりともっと発言する時間をいただきたいということが第 2点目です。  それから、これは大事なことなのですが、今度の法律に書き込まれております法の目 的、この中に「自立した日常生活又は社会生活を営む」ということとか、「能力を活用 し」という言葉がありますが、この能力を活用するという意味合いがよくわかりませ ん。この法の目的でこれは違うのではないかと。自立支援ということであれば、自立す るということは社会に参加するということでありますから、行動支援を含めて「社会参 加」という概念をもっとしっかりと法の目的の中に書き込んでいただきたいというのが 第3点目です。  それから第4点目としましては、国民的な合意とかコンセンサスの問題ということ で、月に約2000万円程度の費用が重度障害者の介護に要する、年間2,400万円程度とか、 それについては社会的な合意が得られないというような意見がありますが、この考え方 は厚生労働省側としては変わってないのかというのが第4点目です。  それから前回の資料と違った調整交付金のこの部分ですが、この調整交付金が前々回 と前回の資料を比較すると調整交付金の部分がなくなっています。ここで、個別給付の 中で重度訪問介護ということで日常生活支援給付の部分が入ってますが、調整交付金が なくなった場合に非常に問題になるのが、例えば実際に市町村で一人の障害者が出た場 合に、これは調整交付金がないとやっていけないという実態が生まれる可能性がありま す。この対策をどのように考えられているのか。以上、5点になりますが、これにお答 えいただきたいと思います。 ○京極部会長  それではこれを全部答えると、これまた1時間ぐらいかかってしまうかもしれないけ ど、とりあえずポイントを絞ってお答えいただきたいと思います。それと今日出た意見 はきちんと議事録に書かれますし、また国会等でもさらに詰めた議論が出ると思いま す。塩田部長は国会関係で既に審議会レベルから国会レベルに場所が大きく移りつつあ るため、それで在席されていないんだと思います。よろしくお願いします。 ○伊原企画官  時間が限られておりますので、私の方から手短にお答えさせていただきます。  先ほど補装具の話が出ましたが、補装具に関しましては基本的に今後具体的な内容を 決めてまいりますが、例えば全額を一回全部自分で払わなければいけないんじゃないか というような手続の話がございましたが、代理受領ができるように配慮したいと思って おります。  それからもう一つは、先ほど自立支援医療のご説明をしましたが、補装具の場合にも 一定以上の方は対象外とするという扱いを引き続き今後ともやっていくことにしており ます。  それから江川委員から、あるいはほかの方々から障害程度区分とか審査会に関してご 意見をいただきました。これらの規定は、来年の1月施行ということでございまして、 来年の1月の施行を一つ念頭に置きながら作業を進めたいと思っておりますが、併せま して今後はあるべき障害程度区分という作業も必要だと思っておりまして、来年の1月 から施行しましても2年、3年かけまして詳細なデータを集めてエビデンスに基づく障 害程度区分というのを決めていきたいと思っております。  審査会に関しましては、前回にもちょっとお話をしましたが、今日の資料1の14頁に ございます。その役割につきましては、ずいぶん自治体とも議論いたしました。審査会 では具体的には本人の心身の状況に基づいた障害程度区分という判定を行いまして、そ の上具体的なサービスの支給決定案を市町村においてつくり、その案が非定型的な場合 に審査会にかけていくというような形としております。したがって審査会の役割としま しては非常に中立公正な役割が求められていくというように思っております。それか ら、ある意味では学術的な判断を行う場というように思っておりまして、委員の構成に つきましてもこちらの審議会のように政策決定する場とはやや位置づけが違うと思って おりまして、障害当事者の方だから直ちに委員になるというような形ではなく、あくま でも障害者の保健とか福祉の有識者という方を委員に据えるべきではないかというよう に思っております。  それから実際の対応ができないじゃないかというお話がございました。我々も非常に タイトなスケジュールであるということは重々承知しておりまして、従来以上に自治体 の方とキャッチボールをしながら施行の事務の進めをするようにやっていきたいと思っ ておりまして、そういうやり取りの場というのを設けていきたいと思っておりますし、 県の課長会議等も2月に一回は話し合いをして、なんとかこの厳しいタイトなスケジュ ールに間に合うように努力していきたいと思っております。  それから大濱委員の方からパブリックコメントの話がございましたが、法律というの は基本的に国会の場で国民に選挙された国会議員がつくるものですから、法律自身をパ ブリックコメントにかけるというのはないと思います。むしろ、法律で決まった後、新 たな規制のルールをつくるというような場合に政省令案などパブリックコメントにかけ ることが想定されます。したがいまして、今回も仮に法律が通過した場合にそういう必 要な規定についてはパブリックコメントをかけるということになります。  それから法の目的に関しましては、今日お示ししましたように、「自立した日常生活 または社会生活を営むことができるように」という文言の中に、大濱委員のご指摘の趣 旨は当然入っているというように考えております。  それから調整交付金の話に件ですが、グランドデザインの段階では国が負担する五十 分の一の一部を使って自治体間の調整を行うというご提案をさせていただいておりまし た。しかし、関係省庁と調整している中で、地方交付税という制度との関係が議論とな りました。交付税は当然のことながら自治体の一般財源、ようするに税の部分の財政調 整を行っておりますが、今回の新制度の下では当然地方負担分に関しては自動的に交付 税で補填されるということになります。となると、厚生労働省として調整交付金を制度 化することは、交付税制度の上に屋上屋を重ねることになるのではないかというご議論 がございまして、最終的に、今回は調整交付金の創設は断念しました。しかしながら、 今回の新制度では新たに障害認定区分を設定し、その区分に国庫負担基準を設定すると いう仕組みになっています。したがいまして、先ほど大濱委員からご指摘いただきまし たように、障害程度の重い方、こうした方についてはどんな地域にありましても他の区 分と比べて高い水準の国の負担が投入されるということになります。そういう意味で は、そういう調整はできるものと思っております。以上です。 ○北川企画官  あと簡単に精神関係でいくつかお話をします。  それで救急関係の特例措置、指定病院の基準規定の決定等のご指摘がございました。 今の現状等をよく見つつ、間で安易に流れないように、また確実に現状が改善されるよ うな形で具体的な基準をまたこういう場でお示しして議論していただければと思ってお ります。  それから、手帳の一本化の話がございましたが、定義をどういうように全体をしてい くのかという話と表裏一体の話だろうと思っております。定義、障害がそれぞれバラバ ラの中で手帳が一本化されるというのは、なかなか現実的には難しいという話だと思い ますので、一本化ということであれば先ほど知的の定義の話もございましたが、定義を 障害全体でどうしていくかという話と併せて検討していきたいと考えております。 ○企画課長  いくつか大きい宿題をいただきましたので、最後に私の方から若干コメントさせてい ただきたいと思います。  まず、財政面でございます。今度の制度改革、非常に財政的に脆弱であった支援費の 仕組みを、財政的により安定的にするということが一つの大きな目的でございました。 そういう仕組みをある程度組み入れられたかなと思いますが、大変厳しい財政事情の中 で障害福祉にきちんとした安定的な財源を獲得するということはこれからも大変厳しい 問題だと思っております。社会保障全体のいろいろな制度見直し、議論も始まっている ところでございます。そういう議論の動向をよく踏まえながら障害福祉の必要性につい て広くご理解をいただいて、きちんとした財源を持ってこられるようなことを私どもは 皆様方のご協力を得てさらにやっていきたいと思っておりますので、ぜひそこはご協力 をお願いしたいと思います。  それから、この制度改正につきまして当事者をはじめとする関係者の方々にきちんと した情報が伝達されるよう、これは本当に大事なことでございますので、これから私ど もは一生懸命に努力していきたいと思います。その際には特に自治体の皆様方とか、そ れから団体の皆様方のご協力をいただくことも大変多くなると思いますので、ぜひその 点協力をよろしくお願いします。  それから、サービス提供の主体になっていきます市町村の方々にこれが無理なく施行 できるような形でやっていくというのは大変難しいことで、ご苦労をお願いするところ もたくさんあろうかと思っております。自治体との連携を密にして、できるだけ施行し やすい形でのいろいろな工夫をしながらやっていきたいと思っております。そこは私ど ももこれから努力をしていきたいと思っております。  それから冒頭にも申し上げましたような、法律は非常に大きな骨格の部分でございま す。これからその肉付けをしていくというところで、またこの審議会でいろいろなご議 論をいただきたいと思いますし、それから福島委員でございましょうか、あるいはほか の委員からもありましたが、いっぺんに理想的な制度はつくれないところでございま す。この制度改正はそれなりに大きなものと思いますが、これで終わりということでは なくて、これからも継続的にいろいろな見直しをしていくということでございますの で、ぜひよろしくご指導をお願いしたいと思います。 ○京極部会長  それでは10分延長ということでございますが、30分になりました。それも座長の不手 際ということになるので申し訳ないと思っております。途中で退席の方もいらっしゃい ます。  まことに多様なさまざまなご意見をありがとうございました。今日いただいた意見の 中では、法の内容に反映されるレベルの議論、そして付帯決議での議論、それから施行 に向けて運営に関する議論というように、3種類の議論が同時に出されましたので、い ろいろ提言等、行政に反映させていただければと思っております。  今回、私もいろいろ発言したいと思いますが、私は座長であるから発言できないんで すが、ちょっと発言させていただきますと、皆様方は介護保険に引き続いて今度は障害 者の大改革ということで、皆さん勤王・左幕の志士の方々が委員会委員として参加され ておりますので非常に多様な意見が出たと思っております。しかし、まだ昭和の戦後改 革はこれからまだあるということで、特にあれだけ議論した介護保険については、附則 などで介護保険の活用をどう謳うかとか、法律的な問題がいろいろあると思いますの で、財政的にそれがないと果たして本当に行けるかというようなことも十分詰めなけれ ばいけない。残念ながら私どもの議論が介護保険部会に十分に反映されないで、障害者 のこの審議会のメンバーにもうちょっと発言させてほしいと、介護保険部会に申し上げ たんですが、幕を切られてしまったものですから残念なことでございます。  特に経済界の方々が大変厳しいご意見をもっていらっしゃるわけですが、私はよく言 うんですが、本当に社会保障全体の中で経済界の方も考えているかどうかというと怪し いと。行政もまた怪しいということでございまして、なぜかと言うと企業負担は年金に ついては13兆も企業が負担しているんですね。それで医療保険は7兆円、併せて20兆が 企業負担です。それから労働災害とか雇用保険、労働関係が2兆円で、22兆円を企業が 負担しているということで、これは大変重いわけですね。それで介護保険は0.5兆円、 5千億ですから、倍にしても1兆円にしかならない。こういう現状の中で企業はもう倒 れると言っているが、本当にどうなのかということを申し上げたんですが、一応公費に 引かれてしまいました。皆さん方の意見を十分に介護保険部会に反映できなかったこと は残念で、申し訳なく思っております。  ただし、新しい障害者基本計画をつくった座長の立場から申しますと、あそこで述べ られたことがかなり豊かに具現化されておりまして、この10年間でさらに今日出た議論 の中で「障害」という概念などももう少し見直して広がっていくと思いますし、変わっ ていくんじゃないかと思います。いずれにしても今日これで終わりということではな く、まだ法律はあくまでも骨格ですから、働く場所の確保や障害程度区分などさまざま な論点を残しつつ、これをまた議論していきたいと思っております。  また本部会におきましても、新法の施行に向けてさまざまな基準等もご議論いただか なければならないと思っております。また、心神喪失者等、医療監察法関係の事項につ いてはこれもご議論いただくことになろうかと思いますので、委員の各位におかれまし ては引き続きご協力を賜りますよう、よろしくお願いします。  なお、日程等については後日事務局よりご相談させていただきますので、よろしくお 願いします。  以上で本日の部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。                                     (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017)