04/12/24 薬事・食品衛生審議会薬事分科会 平成16年12月24日議事録 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 1.日時及び場所   平成16年12月24日(金) 15:00〜   法曹会館高砂の間 2.出席委員(21名)五十音順   伊 賀 立 二、 池 田 康 夫、 板 倉 ゆか子、 井 部 俊 子、  ◎井 村 伸 正、 岩  田   誠、○上 田 慶 二、 神 山 美智子、   河 盛 隆 造、 桜 井 靖 久、 杉 村 民 子、 土 屋 利 江、   長 尾   拓、 早 川 堯 夫、 広 津 千 尋、 松 尾 宣 武、   松 本 和 則、 溝 口 昌 子、 宮 崎 秀 樹、 望 月 眞 弓、 吉 田 仁 夫 (注) ◎分科会長 ○分科会長代理   欠席委員(2名) 永 井 良 三、 南 部 鶴 彦 3.行政機関出席者   阿曽沼 慎 司(医薬食品局長)、 黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、   石 井 博 史(総務課長)、 小 出 顕 生(医薬品副作用被害対策室長)、   川  原   章(審査管理課長)、 山 本 弘 史(医療機器審査管理室長)、 成 田 昌 稔(化学物質安全対策室長)、平 山 佳 伸(安全対策課長)、 森  口   裕(安全使用推進室長)、  南  野   肇(監視指導・麻薬対策課長)、 植 村 展 生(監視指導室長)、 金 井 雅 利(血液対策課長)、 浦 山 隆 雄(血液対策企画官)、 境   政  人(農林水産省消費・安全局薬事・飼料安全室長) 他 4.備  考   本分科会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○井村分科会長 それでは定刻になりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会 薬事分科会を開催させていただきます。審議に入ります前に、この間に3名の委員の交 替がございましたのでここで御紹介いたします。まず初めに順天堂大学医学部内科学教 授の河盛隆造委員でございます。 ○河盛委員 河盛です。よろしくお願いします。 ○井村分科会長 続きまして、国立成育医療センター名誉総長の松尾宣武委員でござい ます。 ○松尾委員 松尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○井村分科会長 それからもうお一方、本日御欠席でございますが、東京大学医学部附 属病院病院長の永井良三先生が委員に就任されております。以上、御報告申し上げます。  それから医薬品第一部会長については、河村委員が御退任されました関係で空席とな っておりましたが、10月にこの部会に所属の永井委員と長尾委員の間で互選がございま して、永井委員が部会長となられました。それから一般用医薬品部会長につきましては、 石橋先生が御退任されました関係でこれもまた空席になっていたのですが、こちらにつ いては12月にこの部会に所属の板倉委員、長尾委員、松尾委員、望月委員の間で互選が ございまして、松尾委員が部会長となられましたので併せて御報告させていただきます。  では事務局の方から資料の御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは資料の確認をさせていただきます。審議事項については事前に送付 いたしました資料1-1〜1-3、それから本日配付しております資料1-4となっております。 資料1-1〜1-3については本日差し替えのものをお手元に配付させていただいておりま す。それから報告事項につきましては資料2〜33となっております。そのほか議事次第、 座席表、名簿を本日お配りしております。御確認のほどよろしくお願いいたします。な お、本日は審議事項が1件、報告事項が32件予定されております。 ○井村分科会長 ありがとうございました。資料の方はそろっておりますでしょうか。 よろしゅうございますか。どうぞ。 ○事務局 それから今追加でお配りさせていただきました資料がございます。「抗がん 剤併用療法の適応拡大の新スキーム」というタイトルの付きましたA4横の一枚紙でご ざいます。 ○井村分科会長 それでは審議に入らせていただきます。まず議題1、資料1でござい ますが、「医療機器の一般的名称の追加、そのクラス分類及び特定保守管理医療機器等 の指定案について」でございまして、この議題については医療機器・体外診断薬部会と 医療材料部会で合同審議をしております。そこで医療機器・体外診断薬部会長の桜井先 生から御説明いただきたいと存じますが、桜井先生よろしくお願いいたします。 ○桜井委員 今般薬事法の改定に伴いまして、医療機器のクラス別の分類をするという ことでございます。お手元の資料1-2にございますように、クラスI〜IVとそれぞれの リスクに応じたクラス分類がされているところでございます。それらのクラス分類に基 づき、いろいろな承認の仕組みが変わってきたということでございまして、その説明が そこに記載されております。資料1-3はそれぞれの機器についてのクラス分類、それか ら「GHTF」というのは「Global Harmonization Task Force」の略で、国際整合化会 議のルールでは何番に当たるかということ、現行のクラス分類、あるいは特定保守、修 理、その他がずらりと並んでおります。こういったクラス分類をいたしまして、各医療 機器についてはリスクのクラスに応じた審査の方法があって、その説明は後であると思 いますが、第三者認証機関というものに一部を任せるということでございまして、それ ぞれの機器についての適合性基準というものが定められております。その案に基づいて 第三者機関が認証するというような運びで、これは認証の効率性を高めるという意味、 それから国際的なハーモナイゼーションを高めるという意味、いろいろな意味があると 思うのですが、細かいことはまた事務局から御説明願いたいと思います。 ○井村分科会長 ありがとうございました。それでは事務局の方から御追加ございます か。 ○事務局 それではこのクラス分類について説明させていただきます。まず資料1-2を 開いていただきたいと思います。1ページでございますけれども、平成17年4月1日か ら改正薬事法が施行されますが、その薬事法の施行におきまして医療機器は抜本的な改 正を行っております。その中の一つとして国際的な整合化を図ることを目的としており まして、まずは国際的に合意されている医療機器のリスク分類、それからその分類ごと に応じた国際的な名称、国際医療機器の名称等ありますが、そちらを受け入れることと しております。1ページでございますが、この図の中にクラスI〜IVとございます。こ ちらが国際的な医療機器のリスク分類でございまして、このリスク分類の中でクラスIII とIVの人体へのリスクが比較的高い、あるいは生命の危険に直結するおそれがあると言 われているものを今度4月から「高度管理医療機器」として定義いたします。それから クラスIIの人体へのリスクが比較的低いと考えられるものについては、「管理医療機器」 と定義いたしております。クラスIは人体へのリスクが極めて低いと言われているもの でございまして、これを「一般医療機器」と定義しております。このそれぞれの分類に 応じて医療機器の規制を行っていくものでございます。  2ページを開いていただきたいのですが、医療機器の分類でございますけれども、一 つは先ほど言いましたとおりリスクに応じた分類というものがございます。それからも う一つはリスクとは別に、小さな字で申し訳ございませんが、医療機器のうち保守点検、 修理、そのほかの管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が 行われなければ重大な影響を与えるおそれがあるものがございまして、そうしたものを 一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器とは別に特定保守管理医療機器と定義 いたします。そしてこの特定保守管理医療機器の中でも特に例えば機械ものなどで設置 に当たり組立てが必要であって、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要だとい うものについては、設置管理医療機器と設定し公示させていただくものと考えておりま す。  3ページを開いていただきたいのですが、こうした中でまず先ほど言いましたクラス I、II、IIIでございますが、制度といたしましては一番低いクラスIについては元売の 承認が不要だとか、あるいは販売にあっては販売業の届出が不要。それからクラスIIに ついては、従来は大臣承認に係るものであったものを第三者認証基準というものを作り まして、第三者認証機関による認証という行為に移っていくという制度を作っておりま す。  こういう制度を作っていくに当たりまして一番重要なのは、どの医療機器がどの分類 に入るのかということでございまして、そこで一般的な名称を定めることが必要になっ てきております。5ページを開いていただきたいのですけれども、一般的名称について は昨年の夏に行われました薬事分科会におきまして、医療機器の分類と一般的な名称と いうことで既に審議を行っていただいております。そのときの結果に応じまして、本年 の7月20日付けで厚生労働省告示第298号といたしましてこの名称を定めさせていただ き、全部で3,086の名称を告示させていただいたところでございます。一つは国際的な 名称を受け入れるということでございますが、昨年の審議が終わってから今現在までに おいて国際的な名称が増加してございまして、そうしたものの中で今現在の薬事法の中 で読み込めない部分についての名称の追加。それからこの7月20日の段階で告示したも のについて、ここの中では定義として読み込めないものがございます。そうしたものを またすべて集め、審議させていただくのが本日の審議事項でございます。  6ページを開いていただきたいのですが、前回の3,086の名称に今回更に追加分とし て合計で958の名称について御審議いただきたいと思っております。それを今回御審議 いただきますと、合計数が7ページにございます4,044という名称数になりまして、こ ちらの方を来年4月から施行される薬事法の医療機器の名称数として使わせていただき たいと思っております。  この資料1-2が説明資料でございますが、資料1-3がすべての名称を記載させていた だいた概要表でございます。資料1-3を開いていただきたいのですが、例えばここの中 の上から二番目に「移動型アナログ式汎用一体型X線診断装置」とございますけれども、 このグレーに塗っているところが今回新たに追加したところでございます。この表の中 のクラス分類案で「II」と書いてあるのが、先ほどございましたクラス分類表の中でど こに当たるのか。それからGHTFルールというのは国際的な医療機器の分類を定めて いるところでございまして、そうした中で資料1-2の後ろの方にございます分類表のど の分類に従ってこのリスク分類を考えたのか。それから今現在特定保守管理医療機器に 該当するか、該当しないか。一番右側にございますのが、今までの医療機器の名称とし てどこにあったのかということを記載しているものでございます。  それから医療機器の名称はたくさんございますが、それぞれの名称にあった定義が必 要でございまして、資料1-4はこの定義を書かせていただいている詳細版でございます。 以上医療機器の名称といたしまして、既に御審議いただいた3,086名称に958名称を追 加させていただいて、そちらで来年4月からの施行に向けさせていただきたいと思って おります。名称につきまして御審議よろしくお願いいたします。 ○井村分科会長 ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして御質問がござ いましたらどうぞ。いかがでございましょうか。宮崎委員、どうぞ。 ○宮崎委員 一つお尋ねしたいのですが、最初の資料1-2の3ページに「第三者認証制 度」と書かれております。この第三者認証制度という組織、制度の内容等についてお分 かりでしたらお教えいただきたいと思います。 ○井村分科会長 事務局、いかがでしょうか。 ○事務局 第三者認証制度と言われているものは、この認証行為を行いたいという事業 者が必要要件を整えた後に厚生労働大臣に登録して作業できるものになっております。 この第三者認証制度は今回の薬事法のみならず、実はもう既に製品安全法などでも実施 されているものでございます。この認証機関がある程度基準を定めまして、その基準に 適合しているかどうかを確認することによって、その製品の必要な要件を満たしている かどうかということを確認する機関でございます。 ○井村分科会長 事務局から追加がございますか。どうぞ。 ○医療機器審査管理室長 この第三者認証制度というものは、EUにおいてはすべての医療 機器の許認可をこの認証制度の下で行っているという制度でございます。一方、米国に おきましては原則は承認でございまして、一部のものについてこれに類した制度を導入 しているという国際的な状況になっておりまして、日本はその中間的なところの新たな 制度に移行させるという位置付けになっております。以上、補足させていただきます。 ○井村分科会長 どうもありがとうございました。どうぞ、宮崎委員。 ○宮崎委員 総論的なお話で、では具体的に我が国ではどういう人がどこの場所でどう やっているのか、そういうことが分かったらちょっと教えてください。 ○井村分科会長 例を挙げてということでございます。 ○事務局 今現在この薬事法上の第三者認証を行いたいという事業者が既に約17〜18 ぐらいございまして、そちらの方に第三者認証機関として満たすべき要件と言われてい る書類を既に出していただいています。この方たちに重要なのは、まず認証行為を行う に当たっての国際的なガイドというものがございまして、そちらのガイドを満たしてい ることが一つ。それからこの組織自身が企業との間でべたべたしているとおかしな話に なりますので、独立性があることという形でそれぞれ要件を定めさせていただきまして、 その要件を満たしていると判断されたところについて来年の4月1日の段階で厚生労働 省から官報にその第三者認証機関の名前を公示することになっております。先ほど説明 しましたとおり、今現在の段階で第三者認証機関として行いたいという企業が17〜18 ございます。この企業は日本国内系のところもございますし、先ほど室長の方から説明 しましたとおりヨーロッパ、あるいはアメリカでも既に認証機関と言われている制度が ありますので、実際にはヨーロッパあるいはアメリカで既に認証行為を行っている会社 も手を挙げていただいているところでございます。 ○井村分科会長 どうぞ、宮崎委員。 ○宮崎委員 余り時間をとるので個別で御説明願えればいいのですが、今「企業」とお っしゃいましたね。そうすると、自分のところで作ったものを自分の企業の中で第三者 認証のそういう組織を作って、そこで手前みそでやるというようなことでよろしいので すか。 ○井村分科会長 先ほどの事務局の説明ではそういうことがないようにチェックをする ということを言っておられましたが。どうぞ。 ○医療機器審査管理室長 補足させていただきます。これは企業であっても特定の医療機器 製造業あるいは輸入販売業のようなところからの独立性を要件として要求いたしており ますので、もし仮に自社製造したものを認証するということであればそれは自己認証と いう制度でございますが、自己ではなくてあくまでも第三者でなければいけないという ことを制度の骨子といたしております。 ○井村分科会長 宮崎委員、いかがでございましょうか。 ○宮崎委員 その趣旨は分かるのですが、具体的なものが頭に浮かんでこないので、具 体例を一つまた個別でお聞きします。 ○井村分科会長 よろしくお願いします。恐らく4月にならないとはっきりとは決まら ないのだろうと思います。今の宮崎委員の御心配もこの第三者認証機関をチェックする のは一体何者なのだということだと思うのですが、これは厚生労働省がおやりになると 思ってよろしいですね。 ○事務局 はい。 ○井村分科会長 分かりました。ほかに御意見、御質問ございますか。どうぞ、井部委 員。 ○井部委員 資料1-2で御説明いただきましたが、3ページの「医療機器に係る『カテ ゴリー』と『安全対策』の見直し」を見ますと、このカテゴリーを再分類したというこ とは安全対策に非常に影響があるというふうに考えることができるのですけれども、そ うしますと「改正後」のところを見ると販売規制と元売規制、この二つのことで安全対 策をコントロールしようと考えているのか。つまり私がお伺いしたいのは、どのような 内容を含んで医療機器の管理が考えられているのか教えていただきたいと思います。 ○井村分科会長 事務局、よろしゅうございますか。 ○事務局 今の御質問にお答えさせていただきます。今までは一律に医療用具としての 対策を行ってきましたが、今後はこの規制制度を作ってそれぞれカテゴリーを分けて必 要な規制を行っていくこととしております。この規制の中身は今回こちらの資料の中に は十分入れてはいなかったのですが、御指摘のとおり販売業及び元売、「元売」という のは製造販売業の人たちでございますが、それぞれのカテゴリーごとに安全対策に必要 な項目を定めまして、そうした人たちにそれを守っていただくこととしております。例 えば記帳の義務だったらその期間を何年間置くとか、実際に販売を行うのであれば、例 えば高度管理医療機器なら販売業の許可制を導入することによって管理者の継続研修を 求めるとか、あるいは表示等の安全対策、記帳義務をきちんと定めるとか、そういうと ころでそれぞれのカテゴリーに応じた対策を行うこととしております。 ○井村分科会長 よろしゅうございますでしょうか。続けてどうぞ。 ○井部委員 そういたしますと、私は看護の立場から見ますと、例えば水銀血圧計の管 理すらも必ずしも精度管理は行われていなくて、一回購入してしまえばそれきりで病院 任せというところがあるのです。血圧計は大したリスクではないと思いますけれども、 安全あるいは制度という点でもそのようなことがきちんと定期的に管理されるようにな ると期待してよろしいのでしょうか。 ○事務局 お答えいたします。まず薬事法という法律は業規制でございまして、業規制 とともに流通についての規制を行っています。例えば今例に挙がりました血圧計でござ いますけれども、これが一度使用者又は病院等に納入されますと、使用に当たる必要な 管理については病院あるいは使用者の方に行っていただくこととなります。ただそうは 言いましても、管理を行うに当たって必要な情報等については事前に提供させていただ くということでございます。 ○井村分科会長 ということでよろしゅうございますか。ほかに御質問あるいは御意見 はございますか。板倉委員、どうぞ。 ○板倉委員 こういうものでトラブルが起きたらいけないのですけれども、万一機械の せいかどちらか分からないようなことでトラブルが起きたときの体制というのはどのよ うになっているものなのでしょうか。 ○井村分科会長 いかがでございましょうか。トラブルが起きたときの対応はどのよう になるかという御質問でございます。 ○事務局 お答えさせていただきます。この医療機器で起きるトラブルが機械によるも のなのか、実際に使用しているその使用者によるものなのか、そちらの方はその瞬間に は一義的には分かり得ないものでございます。しかしながら、こういうもので何か問題 があった、あるいは不具合があったという場合にはそれぞれ不具合等についての報告制 度がございますので、そちらの方で必要に応じて対処できるのではないかと思っており ます。 ○井村分科会長 それでよろしゅうございますか。板倉委員の言われているのは実際に 起こってしまったときの話ですね。 ○板倉委員 そうですね。第三者認証というのがそんなにいい加減なものではないと思 っているのですが、ただ以前にどこかで聞いた話では、機械そのものに問題があるのに もかかわらず、メーカーが物を引き上げてしまって内容が分からなかったということが あったといううわさを聞きました。これが事実かどうか分かりませんけれども、そうい ったこととの関係で認証責任やメーカーの責任というのがどのように分かれるのかとい うことがちょっと見えませんでしたのでお聞きしました。 ○事務局 お答えさせていただきます。第三者認証と言っておりますが、認証行為とい うのは従来国が行ってきた承認と言われているものに替わるものでございます。ですの でその認証機関におきましては、ただ単に基準があってその基準に認証しているという もののみならず、実際にそのものがきちんと作られているかどうか、あるいは販売等の 管理がきちんと行われているかどうかという毎年のフォローアップが必要となっており ます。そうした中で認証した品目についての安全性、あるいは妥当性は管理できるもの と思っております。  それから今御指摘がございましたある程度時間がたってしまうと引き上げてしまうと いう話でございますが、例えば医療機器の世界はある程度の寿命といいますか、機械の 発達に伴って古い機械が次第に使えなくなってくる、きちんと供給できなくなってくる という現状もございます。そうしたことについては、この認証あるいは承認とは別に厚 生労働省の方では実際に機械を提供している工業会等と調整をいたしまして、ある程度 の期間は部品の供給などをきちんと行って、それから使っている者に対してもきちんと 呈示していくような制度を行うことを考えています。 ○井村分科会長 よろしゅうございますか。どうぞ、池田委員。 ○池田委員 この分類に関しては問題ないのですが、カテゴリー別の安全対策という視 点から見ると、医療機関の方に何らかの安全対策の役割を担わせるというのは、医薬品 だったら当然そういうことがあるわけですけれども、その辺についてのお考えは何かご ざいますでしょうか。全く視点が変わって申し訳ありませんが、ある意味で非常に重要 だと私は認識します。 ○井村分科会長 平山課長、どうぞ。 ○安全対策課長 安全対策課長の平山でございますが、医療機器についても医薬品と同 様、必要であれば不具合報告を医療機関の方に直接あるいはメーカーを通じて報告して いただくという制度がございます。それにのっとりまして、医療機器についてもかなり の頻度で安全対策を採っております。特に医療機器というのは国際的な流通に乗ってい るものもかなりございまして、海外からの情報やそういうものも鋭意集めるという体制 を組んでおります。ただ、医療機関の中においてまだ医薬品ほどうまく報告をとらえ切 れるかどうかというところもございますし、それともう一つは医療事故との関係で混在 する可能性もあります。医療事故の方はまた別のルートからそういう情報が上がってき たりしますので、我々の方としては医療事故由来の報告にしても本来の不具合報告にし ても、同じレベルで内容を見ながらその中身を吟味するという体制を採っております。 ○井村分科会長 よろしゅうございますか。 ○池田委員 医療施設においては医用工学士のようなものを置いて、やはり使用すると きにその機械がどういうふうに安全性を担保できるかということをチェックするという 仕組みを採っているところもございますね。我々もそうしているわけですが、ですから そういうものを記録として保存するとか…。どこに基準を置くかは難しいと思うのです けれども、カテゴリーIIIやIVの人体へのリスクが非常に高いものに関しては、このよう な記録の保存を心掛けるように指導するということもある意味では必要かなと思ったも のですから。 ○井村分科会長 どうぞ。 ○監視指導室長 監視指導室長の植村でございますが、追加で御説明させていただきま す。ただいま申し上げたように国内外から不具合あるいは不良品ということで報告があ りましたときには、必ずしもその健康被害が実際に起きていない段階であっても健康被 害が予想されると、そのおそれがあるような段階では、まず企業の方で素早く迅速な対 応を採るようにと。製品の自主回収も指導いたしておりますし、その報告を実際に受け て…。例えば心臓ペースメーカのように非常に生命の危険ということ、あるいは一般の 方にも呼び掛けて対応を採らなければいけないというようなことでフォローが必要なケ ースについては社告を出したり、そういった一般の方へのPRも迅速にさせていただい た上でその対応を採るということをしております。医療機器の不良品といっても内容は 千差万別でございますが、リスクの程度に応じた対応を採らせていただいているという のが現状でございます。 ○井村分科会長 よろしゅうございますでしょうか。ほかにもし御質問がなければ大分 時間をとりましたので先に進ませていただきたいと思いますが、よろしゅうございます でしょうか。  審議事項はこの議題1だけでございます。次は報告事項に入らせていただきます。ま ず議題1から簡単に説明をお願いしたいと思いますが、議題1と2を続けて御説明くだ さい。お願いいたします。 ○事務局 それではまず報告事項の議題1、第十四改正日本薬局方第二追補(案)につい てでございます。資料2がお手元にあると思いますけれども、大きなクリップを外して いただきますと資料が三つございます。資料2という分厚いものの後ろに参考1、参考 2がございます。こちらの参考1の方に概要をお示ししておりますので、そちらを御覧 いただければと思います。よろしいでしょうか。1枚おめくりいただきますと全体概要 が上の方に記載してございます。日本薬局方については5年ごとに大改正を行っており ますけれども、その間に国際調和などの観点から部分改正を行っております。今回は第 十四改正の第二追補ということで2回目の部分改正でございます。内容はこちらの全体 概要にございますとおり変更点としましては、一般試験法の中では新規1項目、改正6 項目、医薬品各条の第一部では新規27品目、改正53品目、削除1品目、医薬品各条第 二部では新規12品目、改正22品目、削除9品目、生薬総則では改正1項目、それから 参考情報として新規7項目、改正1項目がございます。これらの詳細については参考2 の方に新旧対照表がございますので、また後ほどでも御覧いただければと思います。先 ほどの概要の下の方にございますけれども、これらの改正についての今後の予定としま して本年12月末に告示を予定しております。ただしこの医薬品各条第二部の中で削除の 項目としてガーゼ類と脱脂綿類がございますけれども、この二つは今後は医療用具とす ることとして、今回薬局方の中から削除することとしております。このガーゼ類と脱脂 綿類については医療用具としての基準を今後4月をめどに制定する予定としておりまし て、その間移行期間となりまして、基準ができたところで施行するという予定になって おります。以上でございます。 ○井村分科会長 ありがとうございました。次は副作用・感染等被害判定部会の方から 御説明お願いします。 ○事務局 それでは議題2の「副作用被害判定状況について」、資料3を御覧ください。 前回の薬事分科会以降に3回の副作用・感染等被害判定部会が開催されました。資料に は開催ごとの資料と、その表紙に3回の件数を合計したものが付いております。それで は3回の副作用・感染等被害判定部会の結果について、まとめて御報告させていただき ます。部会開催日は第3回が平成16年10月5日、第4回が11月4日、第5回が12月 9日に開催されました。3回の合計の申請の内訳については、新規198件、継続5件、 現況33件の計236件であり、調査結果においては支給決定することが適当と考えられる ものが186件あり、その内訳は請求どおり支給決定するものが75件、請求期間の一部に ついて支給決定するものが108件、請求内容の一部について支給決定するものが3件と なっております。また、不支給決定することが適当と考えられるものが46件あり、その 内訳は不適正目的が7件、不適正使用が10件、なお両方が重複しているものが5件、医 薬品以外の原因によるものが21件、副作用による疾病が入院治療を必要とする程度でな い場合が9件、また副作用による障害が日常生活が著しく制限される程度の状態でない 場合が6件、そのうち他の項目との重複が2件となっております。更に追加情報を得て 再度審議することが適当と考えられたものが4件ございました。以上で平成16年度第3 〜5回までの副作用・感染等被害判定部会の結果報告を終わります。 ○井村分科会長 ありがとうございました。ちなみにこの198件の中で一般用医薬品に よって引き起こされたものが8件あるそうでございます。ただいま議題1と2について 説明がございましたが、何か御質問がございましたらどうぞ。どうぞ、神山委員。 ○神山委員 副作用被害の方でちょっと伺いたいのですが、原因医薬品名のところに幾 つか医薬品が載っているものがあります。この医薬品を何種類か全部一遍に投与してこ ういう副作用が出たということなのか。例えば「躁うつ病」というところを見ますとた くさんあって悪性症候群となっていますが、何が原因で悪性症候群になったかというこ とが分からないからたくさん並べているのか、その辺の意味がちょっと分からないので 御説明いただきたいと思います。 ○井村分科会長 どうぞ。 ○事務局 被害救済の申請については今おっしゃったとおり飲んでいる薬をすべて診断 書の中に書いていただくわけでございますけれども、各医薬品ごとにこの副作用の記載 が添付文書にあるかどうかをチェックいたしまして、同時に服用している薬でその副作 用があるものについては原因薬の可能性があるということでこちらの原因医薬品の方に 載せさせていただいております。ですので、その中におきましてどれが本当の原因かと いうことは追求せずに、この薬のどれかが原因であるという形でこちらの方に記載させ ていただいております。 ○井村分科会長 よろしゅうございますでしょうか。ほかに御質問ございますでしょう か。この二つの議題についてよろしゅうございますか。それでは先に進ませていただき ます。  議題3〜12は医療用の医薬品、それから議題13は希少疾病用医薬品、いずれも医薬 品第一、第二部会の御担当でございます。続けて御説明ください。 ○審査管理課長 それでは事務局の方から新薬関係の報告事項についてまとめて御報告 させていただきます。本日御報告させていただきますのは、後ほど担当の方から個別に 説明させますが、議題3と4が10月18日開催の医薬品第一部会、議題5と6が11月 22日開催の医薬品第一部会においてそれぞれ御了承いただいたものでございます。それ から議題7と8が10月8日開催、議題9と10が11月26日開催の医薬品第二部会にお いてそれぞれ御審議いただき、いずれも承認して差し支えないとされたもの計8件でご ざいます。その後引き続き再審査関係も説明させていただきます。 ○事務局 それでは説明させていただきます。まず資料4を御覧いただきたいと思いま す。議題3、クレストール錠2.5mg、同5mg、同10mgについてでございます。一般名は ロスバスタチンカルシウム、申請者はアストラゼネカ株式会社です。この薬はHMG-CoA 還元酵素阻害作用を有しておりまして、高コレステロール血症、家族性高コレステロー ル血症に用いられる新有効成分含有医薬品でございます。本薬に関しては医薬品第一部 会で御審議いただきまして、実行性のある市販後調査計画の内容が確定してから承認す べきとされておりますが、現在その内容を確認中でございます。そのためこのものにつ いては市販後調査の実施計画書等が確認された後に承認の手続を進めさせていただく予 定でございます。再審査期間は6年とされておりまして、原体・製剤ともに毒薬・劇薬 には該当しないこととされております。また生物由来製品、特定生物由来製品のいずれ にも該当しないとされております。  続きまして資料5を御覧いただけますでしょうか。議題4、アレジオンドライシロッ プ1%でございます。一般名は塩酸エピナスチン、申請者は日本ベーリンガーインゲル ハイム株式会社でございます。本薬はアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患等に伴うそ う痒を効能・効果とする小児用製剤でございます。再審査期間は4年とされておりまし て、当該製剤は毒薬・劇薬には該当しない、また生物由来製品、特定生物由来製品のい ずれにも該当しないとされております。  次は資料6、議題5のエンブレル皮下注用25mgでございます。一般名はエタネルセプ ト(遺伝子組換え)、申請者は日本ワイスレダリー株式会社(現 ワイス株式会社)でござい ます。本薬は腫瘍壊死因子(TNF)受容体への結合阻害作用を有しておりまして、関節 リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果とする新有効成分含有医薬 品でございます。再審査期間は6年、原体、製剤ともに劇薬とされております。また、 生物由来製品に該当するとされております。  資料7、議題6のキュバール50エアゾール、同100エアゾールについてでございます。 一般名はプロピオン酸ベクロメタゾン、申請者は大日本製薬株式会社でございます。本 薬は気管支喘息に対する小児用量の追加を行う輸入承認事項一部変更承認申請がされた ものでございます。再審査期間は4年とされております。  続きまして資料8をお願いいたします。議題7、アレディア注15mg、同30mgについ てでございます。これについては議題の下のところに「(抗がん剤併用療法検討会関係/ 乳癌の骨転移)」と書かせていただいております。この抗がん剤併用療法検討会について、 ここで簡単に説明させていただきたいと思います。本日お配りいたしましたA4横の一 枚紙、「抗がん剤併用療法の適応拡大の新スキーム」という表題の資料を御覧いただけ ますでしょうか。この抗がん剤併用療法でございますけれども、国際的に評価を受けて 確立している治療法を使用する場合に、その抗がん剤の使用法が薬事法の承認の範囲内 かどうかということが問題となってまいります。承認の範囲に入っていない場合には適 応外という扱いになりまして、医療保険でも償還を受けられないという問題がございま した。そこで併用療法に係る抗がん剤の適応拡大を促進するために、今年1月に抗がん 剤併用療法に関する検討会というものを設置させていただいております。  この一枚紙の下半分にその流れ図がございますので、そちらを御覧いただきたいと思 います。一番左端に「抗がん剤併用療法に関する検討会」というのがございまして、こ の検討会ではまず適応拡大すべきものの優先順位を付けていただきまして、その優先順 位に従い薬事審査のための有効性・安全性のエビデンスの収集を行っていただいており ます。このエビデンスとしては例えばその適応に対して無作為化比較試験があるかどう か、国際的に標準的とされている教科書に記載があるかどうか、peer-review journal の総説、メタ・アナリシスがあるかどうか、あるいは国際的な診療ガイドラインに記載 されているかどうかといったようなことが対象になっております。そういうエビデンス を収集されたものについては改めて臨床試験を行うことなく、検討会の方で報告書を作 成していただきまして、その報告書を次のステップでございます薬事・食品衛生審議会 の事前評価、これは池田先生の医薬品第二部会で御覧いただいておりますけれども、そ こにお諮りしております。そこで検討会から上がってきた報告書を見ていただきまして、 有効性・安全性の事前評価を行っていただいて、これは承認の見込みがあるだろうとさ れますと、次は私どもの方からその抗がん剤の製造あるいは輸入に関係している製薬メ ーカーに対して、一部変更の承認申請を行ってもらうように働き掛けをいたします。会 社から申請が上がってきましたらそれを医薬品機構の方で迅速審査ということで4か月 程度で処理をして、再度薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会の方にお諮りしまして 承認という段取りになっております。この図の右下の方に「※重点的市販後安全対策」 と書いてございますけれども、抗がん剤によっては非常に毒性の強いものもございます ので、個別の患者さんの状態に合わせて用量調節をしたりとかそういうことで、適切に 使用されるようがん化学療法に知識あるいは経験を十分持たれているお医者さんに使っ ていただく、あるいは緊急時に適切な対応ができるような医療機関で使っていただくと いうことで、学会等の協力も得まして、安全性確保のために必要な手だてを講じていく ということでございます。  資料8にお戻りいただきたいのですが、今回ここで報告させていただくアレディア注 15mg、同30mgはこのスキームで御検討いただきました抗がん剤、厳密にはアレディア自 身は抗がん剤ではないのですけれども、この検討会にかかりました第一号でございます。 一般名はパミドロン酸二ナトリウム、申請者は日本チバガイギー株式会社でございまし て、今申し上げました抗がん剤併用療法に関する検討会で作成していただいた報告書に 基づいて医薬品第二部会の方で事前評価を行っていただき、その後チバガイギーから申 請があって審査が行われ、承認して差し支えないということになりました。対象となる 適応は乳癌の溶骨性骨転移ということで、その効能・効果、用法・用量の追加を行う輸 入承認事項一部変更承認申請がなされたものでございます。再審査期間は4年とされて おります。議題7は以上です。  次は議題8、資料9でございますが、バリキサ錠450mgでございます。一般名はバル ガンシクロビル塩酸塩、申請者は田辺製薬株式会社でございます。本薬は既存のガンシ クロビルのL-バリンエステル誘導体で、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者さんに おけるサイトメガロウイルス網膜炎の治療を効能・効果とする新有効成分含有医薬品で ございまして、希少疾病用医薬品でもございます。希少疾病用医薬品でございますので 再審査期間は10年とされております。原体、製剤ともに毒薬、生物由来製品、特定生物 由来製品にはいずれも該当しないとされております。  次は議題9、資料10の医薬品レクシヴァ錠700でございます。一般名はホスアンプレ ナビルカルシウム水和物、申請者はグラクソ・スミスクライン株式会社でございます。 本薬は既に承認されておりますプロテアーゼ阻害剤のアンプレナビル、キッセイ医薬品 工業株式会社が発売しておりますプローゼカプセルのリン酸エステル誘導体でございま して、HIV感染症を効能・効果とする新有効成分医薬品でございます。またこれも希 少疾病用医薬品です。再審査期間は10年、原体、製剤ともに劇薬、生物由来製品、特定 生物由来製品にはいずれも該当しないとされております。  次は議題10、資料11のエプジコム錠でございます。本薬は既に承認を受けておりま すラミブジンと硫酸アバカビルの配合剤でございまして、申請者はグラクソ・スミスク ライン株式会社です。本薬もHIV感染症を効能・効果とする新配合医薬品でございま して、希少疾病用医薬品でもございます。ただしこれは既承認のものの組合せでござい ますので、再審査期間は6年、製剤は劇薬とされております。また生物由来製品、特定 生物由来製品のいずれにも該当しないとされております。  次に議題11、資料12の医薬品ルボックス錠25、同50、デプロメール錠25、同50の 再審査期間の延長についてでございます。本薬については平成11年4月にうつ病及びう つ状態、強迫性障害の効能で既に成人の用法・用量が承認されておりますが、今回小児 を対象とした市販後臨床試験としてプラセボ対照二重盲検比較試験を計画していること から、それに伴いまして再審査期間を4年間延長して平成21年までとすることについて 医薬品第一部会で御議論いただき、妥当との御結論を頂いたものでございます。  次に議題12、資料13の医薬品アレグラ錠60mgの再審査期間の延長についてでござい ます。本薬については平成12年9月にアレルギー性鼻炎等の効能で成人の用法・用量が 承認されております。現在小児使用に係る承認事項一部変更承認申請がなされておりま して、それとともに市販後臨床試験として母集団薬物動態試験、それから有効性・安全 性に関するレトロスペクティブな調査を行うとしていることから、こちらは再審査期間 を2年間延長して平成20年までとすることについて医薬品第二部会で御議論いただき、 妥当との結論を頂いたものでございます。  それから最後に議題13、資料14でございますけれども、希少疾病用医薬品の指定に ついて御報告させていただきます。今回希少疾病用医薬品として新たに指定させていた だく品目は二つございまして、一つはノーベルファーマ株式会社から申請されました NPC-02というものでございます。これは治験のコード番号でございまして、物としては 酢酸亜鉛です。それともう一つは日本シェーリング株式会社から申請されました、イブ リツモマブティウキセタンでございます。この酢酸亜鉛のNPC-02の方はウィルソン病を 予定効能としたものでございまして、資料にございますように日本における対象患者数 は年間約3,400人と推定されております。本件は平成16年10月18日に開催されました 医薬品第一部会において御審議いただきまして、希少疾病用医薬品として指定して差し 支えないとの結論を頂いたものでございます。  それからイブリツモマブティウキセタンはCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ 腫を予定効能とした薬でございまして、日本における対象患者数は年間約20,700〜 23,900人と推定されております。本件は平成16年11月26日に開催されました医薬品 第二部会において御審議いただき、希少疾病用医薬品として指定して差し支えないとの 御結論を頂いたものでございます。以上、希少疾病用医薬品の指定について御報告申し 上げました。以上でございます。 ○井村分科会長 ありがとうございました。それでは議題3〜13までの説明がございま したが、これについて御質問がございましたらどうぞ。御意見はございませんでしょう か。吉田委員、どうぞ。 ○吉田委員 どれでもいいのですが、効能・効果のところに病名又は症状名だけしか載 っていないのですね。例えば資料9ですと、「網膜炎の治療」と治療ということがはっ きり書いてあります。ところがほかのものは抑制なのか治療なのか、これだけを見ます とどの目的で使うのか効能・効果のことは何も出ていないわけです。これは習慣かもし れませんが、いま少し具体的な表現を一言加えるべきではないでしょうか。 ○井村分科会長 私もおっしゃるとおりだと思いまして、かねてからお願いはしている のですけれども、事務局この辺はどうなさいますか。 ○審査管理課長 ヒト用の医薬品の効能・効果については、別名適応症でございますと かいろいろな言い方がございまして、もちろん添付文書の方では臨床試験のデータとか いろいろなもので詳しく情報提供しておりますけれども、適応症については物によりま しては適応症の数が非常に多くなるようなものもあったりいたします。ですので、今の ところはこういう形でやってきたということでございますけれども、今の御指摘も踏ま えつつ、またこれまでとの整合性もございますので、ちょっと検討させていただければ と考えます。 ○吉田委員 おっしゃることはよく分かります。役所ですから、そう簡単に長年の習慣 が変わらないことはよく分かります。しかし、こういう御時世にこういう抽象的なもの ばかりをいつまでも続けるのではなくて、もっとしっかりした目的、これは端的な表現 ができるはずです。「考えます」ではなくて、是非積極的な御一考をお願いしたいと思 います。 ○井村分科会長 例えば何々の治療とかですね。 ○吉田委員 例えば治療であるとか、あるいは症状の抑制であるとか、その程度のこと はそう難しい言葉ではないと思います。この行間に十分入ります。 ○井村分科会長 よろしく御検討ください。お願いいたします。ほかにございませんで しょうか。神山委員、どうぞ。 ○神山委員 議題6の小児用のエアゾールなのですが、この薬がどれくらいのものなの かよく分からないのですけれども、以前に同じような小児用エアゾールで子供が学校に 持っていって苦しくなると吸入するということから、死亡事故があった例もあると思い ます。こういう小児用で1日2回口腔内に噴霧吸入するというようなものは、例えば子 供には持たせるなというようなことを書くことはできないものなのかどうか。例えば2 回だったら朝晩家でやればいいのかとか、小児が自分できちんと管理ができるのかとい う心配があると思います。  それからついでに一つ、これは質問ですけれども、議題11は小児のうつ病が書いてあ るのですけれども、小児のうつ病というものが今世の中で増えているものなのでしょう か。 ○審査管理課長 資料7のプロピオン酸ベクロメタゾンの吸入剤でございますが、先生 御指摘の小児が突然亡くなってしまったという事故のものは、恐らく急激な気管支の拡 張剤で別の製品であろうと思います。こちらの方はステロイド剤でございまして、気管 支の炎症を抑えるということで、今喘息の治療の先生方からは小児用の薬剤として必要 性が高いということで御了承いただいて、ここに御報告させていただいているものでご ざいます。それから実際に子供が吸入したりする場合の治療やそういう指導については、 恐らく医療機関の中できちんと適切に指導が行われて、その上でやれるということでご ざいますので、そこはまず問題ないというふうに私どもは考えております。物を一律に 子供に持たせるなという話ではないと考えております。  それから小児のうつ病の薬の再審査期間の延長の関係でございますが、確かに御指摘 のようにうつ病の関係は日本でも小児のうつを薬物で治療したいと考えるけれども、実 際にどの薬物が安全なものなのかどうかという点で、小児の適応を持っているものがな いということもございまして、一部の先生方の中ではこういうきちんとした臨床試験を 行って評価したものを使えるような形にする方がいいのではないかと。企業の方もその ためには少し長めの再審査期間の延長で、その中で慎重に治験を進めて、こういう形で 日本における小児のうつ病に対するこういう薬の評価を安全性を含めてきちんと確かめ たいということでございます。 ○井村分科会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見ございますか。望月 委員、どうぞ。 ○望月委員 今再審査期間延長の品目が最後の方に二つありましたが、それについての 質問です。この小児のデータをとるために再審査期間を延長するというのはある程度理 解できるのですけれども、まずはこれは大人で承認を取っていて、大人の再審査のデー タというのは6年後にはもう既に集まっていてしかるべきですね。そちらを中間解析報 告のような形でお出しいただくような形が採れないのかどうかということです。小児ま で全部集まらなければ出せないのか。どうしてかといいますと、デプロメールの方は副 作用の発現率も含めて市販後臨床試験を実施して再審査資料として提出することという のが承認条件になっていて、今の話ですと小児のデータをとるために更に4年間延長す るというような形になるので、それによって大人の方のデータの公表が遅れるようなこ とにならない方がいいのではないかと思いました。 ○井村分科会長 どうぞ、川原課長。 ○審査管理課長 説明がちょっと足りませんで失礼いたしました。こちらの小児の臨床 試験のスタートにおきましては、大人での安全性・有効性に関する市販後のデータにつ いては十分検討した上で始めることになりますので、望月先生御指摘のような部分の中 間解析といいますか、始める時点での大人での有効性・安全性は十分見た上で進めても らうという形になると思います。 ○井村分科会長 よろしゅうございますか。松尾委員、どうぞ。 ○松尾委員 小児科医として一つ付け加えさせていただきたいのですが、今事務局から 御説明がありましたとおりでございます。喘息のスタンダードの薬が日本の子供だけ使 えないという現状がございますので、是非こういう方向性でやっていただきたいと思い ます。  それから子供のうつ病は確実に増えておりまして、子供のうつ病というのは大人のう つ病と症状が違いますので、治験も非常に難しいですし、それからうつ病というラベル を付けることが子供にとって果たして妥当かという問題がありまして、治療の主体はあ くまでも非薬物的な治療ですが、薬物も必要であるということで御理解いただきたいと 思います。 ○井村分科会長 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。望月委 員、どうぞ。 ○望月委員 もう一点だけですが、資料8のアレディアのときに抗がん剤の併用療法の 適応拡大の御説明があったのですけれども、薬事・食品衛生審議会の事前評価というと ころで有効性・安全性の事前評価が行われて、そこで検討会がまとめたデータを評価す るという形になっています。その際に集めるエビデンスというところで、事務局の方の 御説明では無作為化比較臨床試験があるか、それを基にしたメタ・アナリシスがあるか うんぬんということで、御説明の中では諸外国の承認された効能効果の状況、承認状況 は入っていなかったものですから、諸外国で承認していないものでもガイドラインに載 っている、あるいは臨床試験である程度の質が担保されるものがあるという段階で、諸 外国ではまだ効能・効果として認められていないものが、日本で認めていくということ があり得るのかどうかというところを確認させていただきたいと思います。 ○井村分科会長 諸外国でそういうことが全然ないという場合ですか。 ○望月委員 国として承認していない、FDAなどでもかなりたってから承認効能に入 れていくということがありますので、そこを調査するという話が先ほどなかったので、 その辺を踏まえた御検討になっているのかどうか。 ○井村分科会長 事務局、どうぞ。 ○審査管理課長 基本的には諸外国でも承認されている事例が多いと思います。個別の 部分はちょっとはっきりしないのですが、ただ少なくとも抗がん剤の併用療法という中 で欧米においていわゆる標準療法となっているものについては、先ほど言いましたよう なスキームの中で検討していただいて、薬事法上の効能を追加していただくと。それに よって医療現場での混乱といいますか、不都合がないようにしていくという流れでござ います。個別にはちょっと確認させていただいて御報告させていただければと思います。 ○井村分科会長 どうぞ、事務局。 ○事務局 今の話にちょっと追加させていただきますと、基本的にはこの話は欧米で承 認されているのに日本では未承認なので使えないではないかというところに問題がある ということで始まったものでございますので、今諸外国でどうかということも調査いた しまして、もちろん承認されているものを基本に日本への導入を早めていくということ でございます。 ○井村分科会長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは先に進 ませていただきます。次は議題14〜18まで御説明いただきたいと思います。 ○医療機器審査管理室長 まず議題14〜18までの概要について簡単に御説明申し上げた 後、更に個別の説明に移りたいと思います。  議題14の「医療機器の適合性認証基準案について」は資料15-1と15-2がございます。 これは先ほど審議事項の中で御議論いただきました第三者認証制度において、個別に医 療機器を認証するための基準案について、医療機器・体外診断薬部会及び医療材料部会 の合同部会において12月6日までの間に御審議いただいたものについて今回御報告申 し上げるものでございます。それから議題15の「体外診断用医薬品の適合性認証基準案 について」、資料16-1及び16-2でございますが、これはやはり同様のスキームの第三 者認証制度を体外診断薬の一部のものについても適用することを来年の4月から予定し ておりまして、そのための第三者認証機関の適合性基準の認証基準案でございます。そ れから議題16〜18までは新医療機器でございまして、議題16については医療機器・体 外診断薬部会において、議題17〜18については医療材料部会においてそれぞれ12月6 日に御審議いただき、承認して差し支えないとしていただいたものでございまして、そ れについて御報告するものでございます。以下それぞれの議題について個別に説明申し 上げます。 ○事務局 それではまず医療機器の適合性認証基準案について御説明させていただきま す。資料15-1の1ページをお開きください。先ほど御説明させていただきましたとおり 医療機器は今後国際的なリスク分類を受け入れまして、そしてそのリスクに応じてそれ ぞれ規制を設ける形としております。その中でもクラスIIの不具合が生じた場合でも人 体へのリスクが比較的低いものについては来年4月から第三者認証基準を設けまして、 第三者認証機関が認証行為を行うということでございます。  2ページを開いていただきたいのですが、それでは第三者認証制度においてどのよう な形で認証を行うのかということがこちらに記載されております。少しかいつまんで説 明させていただきますと、まず厚生労働大臣による登録を受けた第三者認証機関は申請 者から品目の認証申請があった後、医療機器基本要件基準への適合性と個別の製品ごと に作られます適合性認証基準への適合性、そして品質保証基準への適合性をそれぞれ評 価して、これに合致している場合には申請者に対して認証を行うことになっています。 この後第三者認証機関は自分たちが行った認証品目について厚生労働大臣に報告するこ とになっております。これは毎月ごとに報告を行うという形を採ることを検討しており ます。その第三者認証機関ですが、この業許可は5年間でございまして、この5年間毎 年実際に認証したものが適切に行われているかどうかをフォローアップということで監 査を行う形を採っております。こうした流れで行っていくことを考えています。そうし た場合、第三者認証機関の中で重要となってきますのは、医療機器であれば満たすべき である基本要件基準への適合性、それからそれぞれの医療機器ごとに必要とされる適合 性認証基準を作る必要性がございます。  3ページをお願いいたします。ここに記載させていただいていますのが第三者認証基 準をどういうふうに行うのかというイメージでございまして、左側のすべての医療機器 に当てはまる基本要件については1本の基準、告示でございます。そして今現在たくさ ん整備していく必要性があるのが右側の適合性認証基準と言われている個別製品ごとの 認証基準でございます。この基準については基本的にJIS、日本工業規格でそれぞれ の製品ごとの基準を作っていきまして、そしてこのJISに使用目的、効能又は効果を 加えたものを告示していく形を採らせていただいております。4〜6ページはその具体 的なところでございますので、こちらははしょらせていただきたいと思います。  資料15-2を開いていただきたいと思います。医療機器の適合性認証基準案でございま す。今回全部で122の基準を準備させていただこうと思っておりまして、一つ一つ条文 と併せて出させていただきますとかなり大部な資料になってしまいますので、こちらは その要点だけで資料構成させていただいております。1ページを開いていただきたいの ですが、出していく基準についての考え方といたしましては、まず先ほど御審議いただ いた一般的名称に該当するものについて、どの製品規格を使うのかというところをこの 別表に記載しているJISを引っ張ってきまして、そしてこちらの方にどういう認めら れるべき使用目的、効能又は効果であるのかということを記載させていただいているも のでございます。例示させていただきますと、2ページの1に記載しています「磁気共 鳴画像診断装置基準」でございましたら、新一般的名称といたしましてどの医療機器に 対してこの基準をかけるのかということでここの「超電導磁石式全身用MR装置」から 下の「常電導磁石式乳房用MR装置」まで列記させていただきました。そして引用する ものといたしましては、JIS Z 4951の磁気共鳴画像診断装置-安全と言われている基準、 そして効能・効果としては患者に関する磁気共鳴信号をコンピュータ処理し、再構成画 像を診療のために提供することということで、こういう形のものを基準として整備させ ていただこうと考えております。ただしこの認証基準でございますが、重要なのは名前 は一緒でございますが、実際中身は違うと言われているものがございます。ですから基 準に適合するものであっても、構造、使用方法、性能等が既存の医療機器と明らかに異 なるものについては認証とはせずに、承認という形を採らせていただくこととしており ます。現在こちらは全部で122の基準、品目数としては296品目ございます。こちらは 12月6日に開催されました医療機器・体外診断薬部会及び医療材料部会の合同部会の方 で了解されております。  次に資料16-1をお願いいたします。体外診断用医薬品の基準に関するものでございま す。体外診断薬は今現在薬事法においては医薬品の部類に入るわけでございますが、諸 外国におきましては医療用具としての扱いを受けております。体外診断薬の規制方法と いたしましては、医療用具と同様にその性能を基にした評価が効果的ということもござ いまして、平成17年4月からは体外診断薬においても医療用具と同様の規制措置を講じ ていく予定でございます。1ページを開いていただきたいのですが、体外診断薬のカテ ゴリーは医療用具とは違いまして、低リスクという分類の横に定義がございますが、そ こに「診断情報リスク」とございます。この診断情報リスクは確定診断に与える寄与で ございまして、確定診断を行うときにこの診断が間違った場合にどれだけ重篤度がある かというところから考えられるリスクでございまして、リスクが低いものと高いものに 分けられます。そのリスクが高いものについては現状どおり大臣承認を考えておりまし て、診断情報リスクが低いもののうち一部のものについては第三者認証制度に移行して いくわけでございます。これが右の方に記載されている第三者認証に移っていくという ことでございます。  2ページを開いていただきたいのですが、体外診断薬においても医療機器と同じよう に第三者認証基準のイメージと言われているものは、まず体外診断用医薬品として満た すべき基本要件を知らされまして、そして適合性認証基準として技術基準を設けるとこ ろとなっております。ただ、体外診断薬の場合は従来から相関性基準というものがあり まして、その性能が既に承認されているものの90〜110%の中に入っているものについ ては認めてきておりまして、この相関性基準を体外診断薬の適合性認証基準としていく ことを考えております。  3ページは体外診断用医薬品の認証のフローでございますが、これは先ほどの医療用 具の認証と同じでございます。  資料16-2を開いていただきたいのですが、今回体外診断薬の適合性認証基準といたし ましてはそこに記載されておりますとおり、「別紙1による」と言っていますが、まず 試験方法を定めまして、その試験方法の中で約50品目検体数を定めます。そして必要な 適正に行うべきこと、試験方法を定めまして、それからこの基準をどういう体外診断薬 にかけるかということを5ページ以降に記載させていただいております。そしてその統 計処理を行ったときの一致率が90%以上、ですから従来からの相関性基準として認めて いる90〜110%の中に入り込むようなものを認証基準と定めるものでございます。ただ し、この体外診断薬におきましても医療用具の場合と同じように、この基準に合致する ものであっても例えば測定原理が違ったり、検出感度等が従来の体外診断薬と明らかに 異なるものがございますので、そうしたものについては本基準には適合しないと。です からこれについては第三者認証に落とさずに大臣承認という形を継続していくものでご ざいます。この基準案については12月6日に開催されました医療機器・体外診断薬部会 及び医療材料部会の合同部会において了承されております。以上です。それから個別品 目についてはこの後説明させていただきます。 ○事務局 続きまして個別品目ですが、お手元の資料17〜19を御覧いただきたいと思い ます。まず資料17、議題16ですが、「医療用粒子線治療装置(炭素イオン/陽子タイプ) の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造承認事項一部変更承認の可否 及び再審査期間の指定について」でございます。本品目は三菱電機株式会社から製造承 認事項一部変更承認申請がありました粒子線治療装置でございます。今回粒子線として 既承認の陽子線に炭素イオン線を追加するものであり、固形癌及び脳腫瘍に対する粒子 線治療を使用目的とするものでございます。再審査期間は4年、生物由来製品、特定生 物由来製品のいずれにも該当しません。  続きまして資料18、議題17、「医療用具ジェルパートの生物由来製品又は特定生物由 来製品の指定の要否、製造承認の可否及び再審査期間の指定について」でございます。 本品目は山之内製薬株式会社から製造承認申請がありました粒径1mm及び2mmの多孔 性ゼラチン粒の動脈塞栓材であり、肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法を使用目的と するもの、すなわち肝細胞癌の栄養血管となっている肝動脈を塞栓し、阻血効果により 腫瘍を壊死させる肝動脈塞栓療法に使用するものでございます。再審査期間は3年、生 物由来製品、特定生物由来製品のいずれにも該当しません。  続きまして資料19、議題18、「医療用具MULTI-LINKピクセルステントの生物由来製 品又は特定生物由来製品の指定の要否、輸入承認の可否及び再審査期間の指定について」 でございます。本品目は日本ガイダント株式会社から輸入承認申請がありました径 2.25mm及び2.5mmの冠動脈用ステントシステムで、冠動脈インターベンション治療の不 成功に伴う急性及び切迫閉塞を使用目的とするものでございます。再審査期間は3年、 生物由来製品、特定生物由来製品のいずれにも該当しません。いずれも12月6日の医療 機器・体外診断薬部会、医療材料部会において承認して差し支えないとされたものでご ざいます。以上です。 ── 池田委員退席 ── ○井村分科会長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、御質問又は御 意見を頂きたいと思いますが、いかがでございましょうか。 ○広津委員 資料16-2ですが、まず検出用試薬に関して「一致率が90%以上」という 言葉があるのですが、検出の有無のバイナリーデータなら一致率というのは分かるよう な気がするのですけれども、別紙3の説明だと「(m×n分割表など)に記載し、両者の 一致率を算出すること」とあるのですが、m×nという特にアシンメトリーな分割表で の一致率というのはウェルディファインドな概念なのでしょうか。少なくとも私は知ら ないのですが。  もう一つは測定用試薬の方ですけれども、回帰直線式の傾き0.9ないし1.1とありま すけれども、これは信頼区間ではなくて単純に点推定値がこの範囲ということなのでし ょうか。通常生物学的同等性などでは信頼区間できちんとディファインしていると思う のですけれども、ちょっとその点をお聞きしたいと思います。 ○井村分科会長 いかがでございましょうか。 ○事務局 お答えさせていただきます。まず検出用試薬の適切な表に記載というところ の話でございますが、新たに作るというよりも従来から体外診断用医薬品において承認 を行ってきた中身の観点からこの処理方法のものを引っ張ってきております。そのとき には検出結果をこの適切な表に記載して両者の一致率を算出することという形にしてお りまして、それを使わせていただいているものでございます。  それから測定用試薬のところの信頼区間でございますが、先生のおっしゃるとおりで ございますけれども、こちらの方は「測定値(X、Y)の相関係数及び直線回帰式を求め ること」となっていますが、ここの中に入ればいいというわけではございませんで、デ ータについてはそれぞれ適切な分布の下こちらの方に入ることを求めているものでござ います。そうした中で先生の御懸念のところは解消できるのではないかと思っておりま す。 ○井村分科会長 広津委員、いかがでございますか。 ○広津委員 前半の方の説明はよく分からなかったのですが、要するにm×n分割表に 整理した後一致率をどう定義しているのかという質問なのですが。 ○井村分科会長 ここにはそう書いてありますか。 ○広津委員 別紙3はそう読めますけれども、「同一検体の検出結果を適切な表(m×n 分割表など)に記載し、両者の一致率を算出すること」、この意味がよく分からないの です。 ○井村分科会長 いかがでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 今ここでは御回答できる用意がないものですから、調べまして後 日説明させていただきます。 ○井村分科会長 それでは広津委員の方へよろしくお願いします。ほかにございません でしょうか。よろしゅうございますか。  それでは大分時間も押してまいりましたので、議題19〜24までの一般用医薬品部会で 取り扱ったもの、それから同時に議題25の毒物劇物部会が取り扱いましたものを続けて お願いします。 ○審査管理課長 議題19〜25までは今分科会長がおっしゃいましたとおり一般用医薬 品、一部殺虫剤、殺そ剤等も入っております。それから毒物劇物取締法、別の法律に基 づく部分の劇物からの除外等が入っております。これから担当より個別に説明させてい ただきます。 ○事務局 それではまず資料20〜25、こちらは12月10日に開催されました一般用医薬 品部会で御審議いただいたものについて御報告させていただきます。  まず資料20、医薬品アルタットAほかでございます。こちらはH2ブロッカーであり ます塩酸ロキサチジンアセタートを有効成分とするスイッチOTCでございます。医療 用としてはアルタットカプセル75などで使われているものでございます。こちらはスイ ッチOTCということで、3年間の安全性等に関する市販後調査を承認条件として承認 について御了承いただいております。なお後ろから2枚目を御覧いただければと思いま すけれども、添付文書等の注意喚起の記載のところで、H2ブロッカーについては重篤 な消化器疾患、例えば胃癌などをマスクするおそれがあるのでその点の注意喚起を十分 にした方がよいという御意見を部会の方で頂いております。こちらの例として添付文書 で説明させていただきますけれども、添付文書の一番頭のところの用法・用量の中で注 意すべきこととして2項目、3日間服用しても症状の改善が見られない場合は服用をや めて相談してください、もう一つは1週間を超えて続けて使用しないでくださいという ものを特出ししております。この2項目について、「重篤な消化器疾患を見過ごすおそ れがありますので、医師の診療を受けてください」という注意喚起を特に記載している ということでございます。こちらは外箱にもこの表記を入れるということで現在検討し ているところでございます。  資料21に移らせていただきます。こちらは医薬品ゼリア胃腸薬H2ブロッカーほかで ございます。H2ブロッカーであるニザチジンを有効成分とするスイッチOTCでござ います。こちらも同様にスイッチOTCということで、3年間の安全性等に関する市販 後調査を承認条件として承認を御了承いただいております。医療用ではアシノンカプセ ルという名前で用いられているものでございます。こちらの添付文書についても先ほど と同じように注意喚起を十分にするという御指摘を頂いておりますので、その対応を行 っております。  資料22に移らせていただきます。医薬品アゼナ鼻炎スプレーほかでございます。こち らは抗アレルギー薬でありますフマル酸ケトチフェンを有効成分とするスイッチOTC でございます。鼻炎スプレーになっておりまして、医療用の方ではザジテン点鼻液とし て用いられているものでございます。こちらもスイッチOTCということで3年間の安 全性等に関する市販後調査を承認条件として承認を御了承いただいております。  資料23に移らせていただきます。こちらは医薬品リアップレディほかでございます。 女性用の発毛剤として申請されたものでございます。製剤の組成、中身の方は既承認の 男性用のリアップと同じものでございますけれども、使用上の注意に男性用とは若干異 なる部分があることなどから、別品目として申請されたものでございます。男性用のリ アップの方がダイレクトOTCとして平成11年に承認されておりますので、こちらも効 能が変わるということで再審査期間は4年ということで承認を御了承いただいておりま す。  資料24に移らせていただきます。医薬品ジフェチアロン原体ほかでございます。こち らは新有効成分になりますジフェチアロールを有効成分とする殺そ剤でございます。現 在クマリン系の殺そ剤がございますけれども、こちらのジフェチアロールは第二世代ク マリン系殺そ剤と呼ばれるものでございます。原体は毒薬、製造用の中間原体は劇薬に 該当し、製剤は毒薬・劇薬に該当しないということで承認を御了承いただいております。  最後に資料25ですけれども、医薬品エミネンスほかでございます。こちらは新有効成 分でありますメトフルトリンを有効成分とする殺虫剤でございます。ピレスロイド系で 既存の殺虫剤がございますけれども、それと同系列の新有効成分でございます。こちら の方も承認を御了承いただいております。以上でございます。 ○事務局 続きまして議題が変わりますが、議題25の毒物及び劇物取締法に基づく劇薬 からの除外等について、資料26により御報告させていただきます。今回御報告させてい ただきますのは10月5日に開催されました毒物劇物部会での審議結果でございます。資 料26の表紙にございますように8物質について劇物からの解除、それから別になります が、毒物劇物の判定基準の改正について審議が行われました。資料の表紙を御覧いただ ければと思いますが、それぞれの物質1〜5までは有機シアンの化合物、6はアンチモ ン化合物、7は昨年劇物に指定されたものでございます。8は無機亜鉛化合物というこ とで、現在すべて劇物に指定されていますが、個別にデータを審査いたしました結果、 1〜6と8については原体と製剤を劇物から除外すること、7については6.8%以下の 製剤のみを劇物から除外することが適当であるという御意見を頂いております。御参考 までにこれらの物質の主な用途を申し上げますと、1〜3は液晶素子、4と7は農薬、 5はフォトレジスト剤、6は液晶などの保護膜、8は難燃剤となっております。  また、資料をめくっていただきまして18ページを御覧いただきたいのですが、こちら に毒物劇物の判定基準の改正についての資料がございます。この判定については二つの 観点からの改正を行っております。概略を申し上げますと、一つは国際基準との整合を 図ること、それからもう一つといたしまして動物を使用しない代替試験を受け入れると いうことでございます。詳細についてはそれぞれ19ページ、22ページにございます別 添の資料9-1と9-2に記載してございます。毒物劇物部会についての報告は以上でござ います。 ○井村分科会長 ありがとうございました。それではただいまの議題19〜25までの説明 について御質問がありましたらどうぞ。伊賀委員、どうぞ。 ○伊賀委員 資料20と21で、アルタットとアシノンの添付文書の説明で重大な情報と して最初に書かれている中に、それぞれの使用期間がアルタットの場合は1週間、アシ ノンは2週間、どうしてこういう整合性のとれない表記になっているのか。何かエビデ ンスがあるのですか。 ○事務局 アルタットの方はそれぞれの有効性から見て1週間で大体めどがつくだろう ということで若干違っているものでございます。ちなみに既存の3種類のH2ブロッカ ーでは後ろのアシノンと同じように2週間という記載になっております。また、H2ブ ロッカーに関しては既存の3製剤、それから本日の資料21のアシノンについては1日2 回が医療用の用法になっておりまして、今回一般用の方もまず1日1回使っていただい て、もし症状が治まらない場合には服用後何時間かたってからもう一回、1日2回まで という用法になっております。資料20のアルタットの方は徐放性製剤になっておりまし て、医療用もOTCも同じですが1日1回という用量になっておりまして、ほかのH2 ブロッカーとは若干異なるという感じになっております。 ○井村分科会長 よろしゅうございますか。 ○伊賀委員 ただ、これはOTCというか一般用医薬品なので、実際の消費者の方、患 者さんというか飲まれる方にとっても、この辺に関しては結構判断しにくい部分がある のではないかということです。今の説明は医療用ですと特に専門的なきちんとした形で 理解できるのですが、1週間の幅がありますのでこの辺に関してはやはりできればどち らかというと変なのですが、アルタットの方が1週間に限定されているという今の話だ と、ほかのものについてはほぼ2週間の横並びと理解してよろしいですね。 ○井村分科会長 よろしいですか。ありがとうございました。ほかに御質問ございます か。溝口委員、どうぞ。 ○溝口委員 同じく今の二つのH2ブロッカーの一般薬について伺いたいのですが、議 題2のときに分科会長が副作用被害で判定されたものの中に一般用医薬品がかなり入っ てきているということをおっしゃっていたと思います。今この一般薬のリスク分類が急 いで行われているところだと思いますが、この二つの副作用を見ますと被害で救済され たスティーブンス・ジョンソン症候群とかTENが入っています。今、リスク分類が行 われているのに、これは今日承認するとすぐ売り出されてしまうのかどうかということ を伺いたいのです。ただ、H2ブロッカーは一般薬としてもう既に売られているものが ありますので、これだけ待てというのはちょっと不公平かなとは思います。  もう一つは外箱に書くとおっしゃっていましたが、これはそのリスクの委員会で申し 上げるべきことかと思いますけれども、一般の人が買った場合瓶だけ置いておいて説明 書も箱も全部捨ててしまって、しばらくたってから飲むということは十分あり得ると思 いますので、そこら辺もちょっと御考慮いただけたらと思います。 ○井村分科会長 ありがとうございます。その辺はちょっと考慮に入れていただいて、 瓶にも付けるということができればいいのですが。 ○事務局 例えば資料20のアルタットですけれども、これは1日1回で3日間になって おりまして、1箱の中に3個しか入っていないのです。箱ぐらいに書けて、中のシート にはさすがに細かいところまでは十分書けないところもあるかと思いますけれども、そ の辺りも踏まえまして記載等、注意喚起については検討したいと思います。 ○井村分科会長 よろしくお願いします。ほかに御質問ございますか。神山委員、どう ぞ。 ○神山委員 資料25のファン式殺虫剤ですが、「してはいけないこと」というところに、 「閉め切った部屋で、長時間換気をせずに使用しないこと」とアースの方もフマキラー の方も書いてありまして、フマキラーの方は「1日の使用時間は8〜12時間にとどめそ れ以上は使用しないこと」と書いてあります。しかし「長時間換気をせず」と言っても、 普通の人が使うときにその長時間というのは何時間なのかということがこういう書き方 で分かるのかなと。12時間以上使うと言ったらそれは長時間でしょうけれども、では6 時間だったら長時間なのかどうか。その辺がどのくらいを目安として長時間とお考えな のか伺いたいと思います。 ○井村分科会長 事務局、お答えになれますか。 ○事務局 「長時間」と書いているぐらいですので、1〜2時間ではなくてそれ以上で、 1日よりは短いぐらいという程度かとは思いますけれども、既存の殺虫剤とかの記載ぶ りもございますので、もう少し分かりやすい記載ができるのであれば提供したいとは思 います。 ○井村分科会長 どうぞ、川原課長。 ○審査管理課長 ただ、数字的に根拠があるかどうかという話になりますと、ここのリ スクを数字で出すというのが非常に難しいわけでございます。この場合もピレスロイド ということで安全率自体はかなり高いということで濃度的には幅がございまして、そこ は審議のときにも御確認いただいているわけでございますけれども、強いて言えばとい う形では通常4〜5時間から8時間ぐらいの数字だろうとは思っております。そこは先 ほどちょっと説明しましたように、正式に聞かれるとそんなに短い時間ではなくて、ま た1日までは行かないというぐらいで考えているというところになってしまいます。申 し訳ございません。 ○井村分科会長 今までの殺虫剤もみんな同じような表記だったような気がしますが、 もし何か手が打てればもう少し素人が分かりやすいような…。 ○審査管理課長 御指摘を受けましてもう少し工夫できないか検討させていただきま す。 ○井村分科会長 どうぞよろしくお願いします。ほかによろしゅうございますか。  それでは先に進ませていただきます。議題26〜32は動物用医薬品等部会でございま す。どうぞ、御説明ください。 ○事務局 農林水産省でございます。動物用医薬品等部会関係について、議題26〜32 まで御報告させていただきます。まず議題26、資料27でございますが、日本バイオロ ジカルズ株式会社より輸入承認申請されましたAI不活化ワクチン(NBI)という鳥イ ンフルエンザの不活化ワクチンでございます。本剤は不活化のH5N2亜型の低病原性 鳥インフルエンザウイルスを主剤とするものです。用法及び用量は10日齢以上の鶏に1 羽当たり0.5mLを頸部中央又はそれより下部の皮下に5〜10週の間隔で2回注射すると いうもので、効能又は効果は鳥インフルエンザの発症予防及びウイルス排泄の抑制でご ざいます。平成16年11月10日に開催されました動物用医薬品等部会で御審議いただき、 承認を可とし薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は新有効成分含有動 物用医薬品ということで6年とされたものでございます。  なお鳥インフルエンザワクチンの使用については、5の「用法及び用量」の欄の3行 目にありますように、「家畜伝染病予防法第3条の2に基づき規定される高病原性鳥イ ンフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針に従い使用すること」となっております。 この防疫指針の中では、本病の防疫は早期の発見と感染家禽の迅速な殺処分により短期 間のうちに蔓延を防止することが最も効果的な方法であるとしながらも、万一複数の農 場で本病が続発し、発生農場の飼養家禽の迅速な淘汰が困難と判断される場合にはワク チンの使用を検討するとされておりまして、その使用に当たっては計画的な接種を行う ことが必要であるとされているものでございます。  続きまして議題27、資料28でございます。これも同じ鳥インフルエンザワクチンで ございますが、株式会社シーエーエフラボラトリーズより輸入承認申請されましたレイ ヤーミューンAIVでございます。本剤は不活化のH5N9亜型の低病原性鳥インフル エンザウイルスを主剤とするもので、用法及び用量は3週齢以上の種鶏及び採卵鶏に1 羽当たり0.5mLずつ4週間隔で2回頸部皮下に注射するというものです。効能又は効果 は鳥インフルエンザの発症予防及びウイルス排泄の抑制でございます。次のページに動 物用医薬品等部会の審議結果がございますが、同日11月10日に開催されました動物用 医薬品等部会で御審議いただき、こちらに示します記載の整備を条件に承認を可とし、 薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は新有効成分含有動物用医薬品と いうことで6年とするとされたものでございます。  続きまして議題28、資料29でございます。これも鳥インフルエンザワクチンでござ います。株式会社インターベットより輸入承認申請されましたノビリス IA inacでござ います。本剤は不活化のH5N2亜型の低病原性鳥インフルエンザウイルスを主剤とす るもので、用法及び用量は8日齢以上の鶏の頸部中央部皮下に1羽当たり0.5mLを注射 する、採卵用鶏及び種鶏ではその後6〜10週目に0.5mLを頸部中央部皮下に追加注射す るというものでございます。効能又は効果は同じように鳥インフルエンザの発症予防及 びウイルス排泄の抑制でございます。次のページに部会の審議結果がありますが、11月 10日に開催されました動物用医薬品等部会で御審議いただき、こちらに示しますような 記載の整備を条件に承認を可として薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期 間は新有効成分含有動物用医薬品ということで6年とされたものでございます。  続きまして議題29、資料30でございます。ファイザー製薬株式会社より輸入承認申 請されましたリターガードLT-Cでございます。本剤は5種類の大腸菌の線毛抗原及び エンテロトキシンBサブユニット、それからクロストリジウム・パーフリンゲンスのβ 毒素トキソイドを主剤とする豚用の不活化ワクチンでございます。用法及び用量は、妊 娠豚の頸部筋肉内に2mLを注射し、分娩の約6週間前に初回の接種を行い、3週間後に 2回目の注射を行うと。次の妊娠からは分娩の約3週間前に1回注射を行うというもの で、効能又は効果はその注射を打った母豚から生まれてきました哺乳豚のK88、K99、 987P、F41線毛抗原、及び易熱性エンテロトシキシン産生大腸菌による下痢及びクロ ストリジウム・パーフリンゲンスC型菌による壊死性腸炎の予防ということで、親豚を 免疫することで乳汁免疫を介して子豚に免疫を付与するというものでございます。次の ページの下の方に動物用医薬品等部会の御審議でございますが、11月10日の当部会で 御審議いただきまして、(1)及び(2)に示しますような記載の整備を条件に承認を可とし薬 事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は新有効成分含有動物用医薬品及び 新動物用配合剤ということで6年とされたものでございます。  続きまして議題30、資料31でございます。明治製菓株式会社より製造承認申請され ましたベトルファールでございます。本剤は酒石酸ブトルファノールを主剤とする犬・ 猫用の注射剤で、用法及び用量はこちらの欄に示しますように、通常体重1kg当たりこ の表の中に示す量を筋肉内注射するというもので、効能又は効果は犬・猫の術後の鎮痛 でございます。3ページに部会の審議結果が載っておりますが、11月10日に開催され ました動物用医薬品等部会で御審議いただき承認を可とし、薬事分科会に報告して差し 支えない、なお再審査期間は新有効成分含有動物用医薬品ということで6年とし、劇薬 に指定するというものでございます。  続きまして議題31、資料32でございます。三共株式会社及びアルプス薬品工業株式 会社より製造承認申請されましたライフナール及びラチデクチンでございます。ラチデ クチンはライフナールの製造原料としての承認で、ライフナールが製剤となります。ラ イフナールはラチデクチンを1mL中に100mg含有するという液剤でございます。用法及 び用量は犬の体重1kg当たりにラチデクチン5mg(0.05mL)を基準量とし、本剤を1か月 ごとに1回こちらの表に示します投与量を犬の肩甲骨前方の背面部の被毛を分け、皮膚 上に直接滴下するという、いわゆるスポットオンの製剤でございます。効能及び効果は 犬糸状虫の寄生予防、それからノミ、イヌセンコウヒゼンダニ、犬回虫及び犬鉤虫の駆 除でございます。2枚ほどめくっていただきますと部会の審議結果がございます。11月 10日に開催されました動物用医薬品等部会で御審議いただき、(1)、(2)に示します記載の 整備を条件に承認を可とし、薬事分科会に報告して差し支えない、なお再審査期間は新 有効成分含有動物用医薬品であるため6年ということで、原薬でありますラチデクチン の方は劇薬に指定するという結果でございました。  最後に議題32、資料33でございます。動物用生物学的製剤基準の一部改正というこ とでございます。先ほど御説明させていただきました鳥インフルエンザワクチンの承認 に伴いまして、今般それの製剤基準の各条を新たに定めさせていただきたいと。それか らゾロ品の承認に伴いまして、日本脳炎不活化ワクチン、猫ウイルス性鼻気管炎・猫カ リシウイルス感染症・猫汎白血球減少症混合ワクチンの各条をそれぞれ一部改正すると いうものでございます。1枚めくっていただきますと横長の新旧対照表がございます。 まず鳥インフルエンザワクチンでございますが、タイトルは「鳥インフルエンザ(油性ア ジュバント加)不活化ワクチン」でございます。「1 定義」といたしまして、「低病原 性鳥インフルエンザウイルスを発育鶏卵で増殖させて得たウイルス液を不活化し、油性 アジュバントを添加したワクチンである」というものでございます。本基準の特徴とい たしましては、製造用株を「2.1.1 名称」のところに書いてありますように「別に定め る鳥インフルエンザウイルスA型株」といたしまして、今後は承認されたもの以外に国 が配布するウイルスを用いても製造できるようにとしているところでございます。ヒト 用のワクチンと同様になっているところでございます。製造方法は古典的な方法でござ いまして、ウイルスを発育鶏卵で培養し、尿膜腔液を採取し不活化しましてアジュバン トを添加し小分け分注するというものでございます。次のページからは各製造段階にお ける試験方法が記載されています。それから2枚めくっていただきまして最後の3ペー ジになりますが、一番下のところに「5 その他」とございまして、「5.1 添付文書等記 載事項」といたしまして、肉用鶏(種鶏を除く)には使用しない旨、それから採卵鶏又は 種鶏を廃鶏として食鳥処理場へ出荷する前の所定の期間は使用しない旨が規定されてお ります。  続きまして次のページでございます。日本脳炎不活化ワクチンの一部改正でございま す。今般承認になりますゾロ品が従来品とウイルスの培養が若干異なるというところで、 その点を一部改正したいというものでございます。改正部分はアンダーラインのところ ですが、具体的には「2.3.2.2 培養細胞を用いた培養」のところで「濃縮したもの」と いうものが加わっております。それから次のページの一番上の行になりますが、「ファ ーメンター培養の場合は」とファーメンターを使った培養の話が出ますので、この部分 も加えさせていただいております。  2枚めくっていただきますと今度は猫のワクチンでございます。猫ウイルス性鼻気管 炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症混合ワクチンの一部改正でございます。 これもゾロ品の承認に伴うものです。主な改正ポイントはアンダーラインで示すところ でございますが、まず原種ウイルスの継代数を3代以内としていたものを削除いたしま して、種ウイルスの継代を原種ウイルスから2代だったものを原株から5代以内としま した。それから原株及び原種ウイルスの保存温度を凍結して−30℃以下、又は凍結乾燥 して7℃以下というふうに改正させていただいております。それから2枚めくっていた だきますとちょうど中ほどになりますが、「3.2 猫汎白血球減少症ウイルス浮遊液の試 験」ということで、従来は赤血球凝集反応試験のみを規定させていただきましたが、今 般それに蛍光抗体法による試験を加えさせていただきました。「3.2.1.2 蛍光抗体法に よる試験」ということで新たに試験方法を一つ加えさせていただいているところでござ います。以上でございます。 ○井村分科会長 どうもありがとうございました。それでは動物用医薬品等部会が扱い ました議題について御質問ございますでしょうか。吉田委員、何か御追加ございますか。 ○吉田委員 特に追加はございませんけれども、例えばスポットオンですか、背中に滴 下するものはもう既にたくさん出ておりますのでこれも問題ないと思いますし、それか ら鳥インフルエンザも御存じのように何としても防御しなければならないと。先ほども 事務局から話がありましたように、万が一大量発生した場合にはその周辺で言うなれば バリアを作って、それより拡散するのを何とか防ぎたいと。ですからこれは最終的には 全部が無駄になる、貯蔵したまま1本も使わないというのが理想だということ、これを 是非認識していただきたいと思います。 ○井村分科会長 ありがとうございました。御質問、御意見ございますでしょうか。よ ろしゅうございますか。ありがとうございました。御意見がないようでございますので、 それでは今日の報告事項すべてについて御確認いただいたというふうにさせていただき ますが、よろしゅうございますでしょうか。事務局の方からそのほか特にございますか。 よろしゅうございますか。 ○審査管理課長 特にございません。 ○井村分科会長 なければこれで議事は終わりですが、今年最後の薬事分科会となりま すので、阿曽沼医薬食品局長からごあいさつがございます。 ○医薬食品局長 医薬食品局長の阿曽沼でございます。本年最後の薬事分科会でござい ますので、終わりに当たりまして一言お礼のあいさつを申し上げたいと思います。年末 の大変お忙しい時期にもかかわらず、長時間にわたり御審議いただきまして誠にありが とうございます。改めて心からお礼を申し上げたいと思います。  今年1年を振り返りますと、私ども厚生労働省、社会保険庁については社会的に指導 されるような事件が次々に発生いたしました。その一員として大変申し訳なく思ってお りますし、来年に向けて自ら反省し新しい出発をしたいと思っております。また、中医 協をめぐる大変不幸な事件もございました。私どもも反省すべきことが多々あるわけで ございますけれども、いわゆる審議会の委員の先生方も国家公務員ということでござい ますので、この薬事・食品衛生審議会についても十分御注意いただきたいと思っており ます。  それから今年1年を振り返りますと、薬学教育の6年制もスタートすることが決まり ましたし、医薬品医療機器総合機構というのも4月からスタートいたしました。それか ら薬事法の改正も今日御説明いたしました医療機器の分野も含めまして、必ずしも御説 明が十分であったかどうかとは思いますが、前進はしておりますので御理解いただきた いと思います。ただ一方において、年末近くになりまして規制改革会議等から中医協の 在り方、あるいは混合診療の在り方について議論が提起をされまして、例えば混合診療 の問題などを突き詰めていきますと医薬品の承認制度というのはどうあるべきか、ある いは医療機器の承認制度というのはどうあるべきか、さらには治験の在り方をどうすべ きかというかなり根元的な問いに発展するものでございます。そういう意味では今日薬 事分科会で御審議いただいたわけでございますけれども、個別の事項について御議論い ただく、あるいは御報告いただくことも大変大事なことでございますが、もう少し大き なフレームについて忌憚のない御意見を頂くことも必要ではないかと私は個人的に考え ております。医薬品、医療機器をめぐる環境というのは大きく変化しておりまして、国 民の関心も非常に高うございます。したがいまして、私ども事務局もしっかりしなけれ ばならないと思っておりますけれども、委員の先生方におかれましても日ごろから御見 識をお持ちなわけでございますから、どうぞ忌憚のない御意見を頂きまして、我々事務 局を御叱責いただきまして、国民のためによりよき方向に持っていっていただけますよ う重ねてお願い申し上げまして、来年もまた新しい御審議をお諮りすることをお願い申 し上げまして、簡単ではございますけれども、私の年末のあいさつに代えさせていただ きます。どうも1年間ありがとうございました。 ○井村分科会長 ありがとうございました。宮崎委員、どうぞ。 ○宮崎委員 阿曽沼局長は大変に反省ということをおっしゃったのですが、それよりは 前へ進むという意味で、ここでいろいろ議論が出て、この前私も指摘したのですが、化 学療法学会からいわゆる深在性皮膚感染症だとかああいうことを勝手に出してきて、こ れはやはり保険局との話合いをきちんとやってくれという話をしたのですが、正式にそ れを報告しなければ私はこの審議会は意味がないと思います。  それから先ほど吉田委員からも御指摘がありましたけれども、検討するというのであ れば、検討した結果こうでしたということをやはりここに報告しなければ、この薬事・ 食品衛生審議会は一体何だという話になると思うので、やはりそこら辺をきちんと処理 してください。お願いいたします。 ○医薬食品局長 前回宮崎委員から御指摘いただいたこともありますので、今日御報告 できなかったのは大変残念だと思っておりますけれども、関係部局とも相談してその結 果を御報告するようにしたいと思います。それからこれは分科会の権能にもかかわるこ とですが、基本的には御審議いただく事項と報告をする事項と二つございまして、御報 告いただく事項についてはそれぞれの部会でまた議論していただかなければならないケ ースもありますので、その辺は適宜整理いたしまして、どちらにしても検討すると申し 上げたことについては事務局として整理してまた御報告いたしたいと思います。 ○井村分科会長 ありがとうございました。ほかにもしなければ次の薬事分科会の日程 でございますけれども、来年の1月23日に薬事・食品衛生審議会委員の改選がございま す。その後1月31日に分科会を開催するという予定になっています。この分科会では医 薬品等の審議は行われませんけれども、分科会長の選出、各部会の部会長の選出等が行 われることになっております。定例の分科会は恐らく3月中旬に予定されております。 当然日程は委員の方々の御都合を伺ってから決めることになると思います。それではこ れで薬事分科会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。どうぞ良 いお年を。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714) - 1 -