04/11/18 第14回障害者雇用分科会議事録


　　　　　　第14回　労働政策審議会障害者雇用分科会　議事録

１　日時
　　平成１６年１１月１８日（木）　１０：００～１２：００

２　場所
　　厚生労働省共用第７会議室（５階）
　　東京都千代田区霞が関１－２－２　中央合同庁舎第５号館

３　出席者
　　○　委員
　　（公益代表）　諏訪会長、佐藤（）委員、佐藤（博）委員、寺山委員、
　　　　　　　　　松矢委員、村田委員、渡辺委員
　　（労働者代表）添田委員、長谷川委員、原委員
　　（使用者代表）畠山委員、輪島委員
　　（障害者代表）笹川委員、舘委員、藤原委員、松井委員
　　○　事務局
　　　　金子高齢・障害者雇用対策部長、宮川企画課長、土屋障害者雇用対策課長、
　　　　今井障害者雇用対策課調査官

４　議題
　　(1) 障害者の在宅就業に対する支援について
　　(2) 特例子会社に係る障害者雇用調整金・報奨金の支給方法について
　　(3) その他

５　配布資料
　　資料１－１　障害者の在宅就業に対する支援について
　　　　１－２　発注奨励策の基本的な仕組みについて
　　　　１－３　(1)在宅就業支援団体について
　　　　　　　　(2)在宅就業支援団体の育成について
　　資料２　　　障害者の在宅勤務に対する支援策について
　　資料３　　　特例子会社に係る障害者雇用調整金・報奨金の支給方法について

　　参考資料　　「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のための
　　　　　　　　ガイドライン」の策定について（平成１６年３月５日厚生労働省労働
　　　　　　　　基準局勤労者生活部企画課）


○会長
　定刻になりましたので、第14回労働政策審議会障害者雇用分科会を開きたいと思いま
す。本日の出欠状況でございますが、労働者代表の小栗委員、使用者代表の辻井委員、
西嶋委員、公益代表の都村委員が欠席となっております。
　それでは議事に入らせていただきます。本日の主な議題は障害者の在宅就業に対する
支援について、それから二番目として、特例子会社に係る障害者雇用調整金、報奨金の
支給方法についてでございます。
　そこで、まず議題の１の障害者の在宅就業に対する支援について事務局からご説明を
お願いいたします。

○事務局(今井調査官)
　では、お手元の議事次第をご覧いただきたいと思います。本日の議題に沿って、配布
資料を準備してございます。議題の１の関係が資料の１及び２でございます。資料の１
は、１-１から１-３までございます。それから、議題の２の関係は資料の３でございま
す。なお、参考資料としまして、これは議題の１の関係でございますが、「情報通信機
器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」を配布してござい
ます。
　それでは、資料の１の１をご覧いただきたいと思います。在宅就業に対する支援の基
本的な考え方でございます。点線で囲まれている部分が雇用問題研究会報告の指摘事項
でございます。障害者についての多様な働き方の選択肢を用意し、就業機会の拡大を図
っていく必要がある。障害者の在宅就業について、支援策を講ずることは重要である。
雇用支援策を基本とし、これに多様な働き方に対する支援策を組み合わせる形をとるこ
とが適当であるということ。
　在宅就業の支援策の具体的な内容としては仕事の安定的な確保が大切である。仕事を
発注する側に、障害者の在宅就業への発注の動機づけを与えることが必要である。
　具体的な形として、雇用に準ずる根幹的な仕組みである経済的負担の調整の中で位置
づける。納付金の減額、調整金、報奨金の加算という形を採ることが適当であると考え
るというようなご指摘をいただいております。
　これを受けまして、事務局として、さらにある程度考え方を整理をしたものが矢印の
下でございます。一番の、障害者雇用促進法における位置づけでございますが、障害者
雇用促進法は障害者が職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に
講じ、もって障害者の職業の安定を図ることを目的としている。
　雇用問題研究会でも整理していただきましたように、在宅就業というのは、障害者の
就業機会拡大の選択肢として、あるいは、企業への就職を目指す過程における一つの就
業機会の確保の方策としてという意味で、この職業生活において自立することを促進す
るための措置を総合的に講じる施策の一環として、障害者雇用促進法に位置づけること
とするということでございます。
　次のページをご覧いただきたいと思います。納付金制度による発注奨励の考え方とい
うことでございます。まず、(1)で発注奨励の考え方があります。なぜ奨励するかとい
うと、在宅就業に当たっても、雇用の場合と同様に、障害者についていえば、特別のコ
ストが発生するということが考えられるからでございます。例えば、障害者用の機材で
ありますとか、介助者の必要等です。これは、雇用であっても、請負の形態であって
も、同じように発生することが考えられる。そして、こうしたコストというのは、理屈
の上では発注元の企業に価格転嫁される性格のものであるのだけれども、そうした在宅
就業障害者に発注することに伴って、発注元企業が負うと考えられる特別な経済的負担
を補填してやるということが考えられる。そうすることによって企業の在宅就業障害者
に対する発注を促すことが考えられるということでございます。
　具体的な方法としては、既に雇用で、経済的な負担調整のメカニズムがあるわけでご
ざいますので、これを活用する。納めるべき納付金の減額または受け取る調整金または
報奨金の加算という形で、発注元企業の経済的負担を補填するというものでございま
す。
　次のページの横の絵を見ていただきたいのですが、在宅就業支援全体の見取り図でご
ざいます。左の端が在宅就業者でございまして、右側が企業ということでございます。
同じ在宅でありましても、上の方は企業に雇用されて働く、いわゆる在宅勤務の形態で
す。下の方は企業から仕事を請け負って働く請負の形ということになります。上の方は
在宅であっても雇用されておりますので、一番右端のところを見ていただくと分かりま
すように、ここは雇用率の適用があります。下の方ですが、請負の場合ですと、先ほど
の研究会報告の指摘にもありますように、納付金の減額、調整金等の加算で企業が障害
者に対して発注することについて動機づけを与えてやる必要があるのではないかという
ことでございます。
　企業から在宅就業者についても発注という矢印が伸びております。その形は、直接在
宅就業障害者に行く場合もあれば、間に、在宅就業の支援団体が介在していくという形
もあるわけでございます。この黒い四角の支援団体というものを法律上位置づけていく
ということです。これは後ほど、資料でご説明申し上げます。
　それから、支援団体を育成していくということでございます。
　上の方の在宅勤務につきましても、その普及を図るために、在宅勤務への支援が必要
ということでございます。
　次のページをご覧いただきたいと思いますが、発注奨励の対象となるものということ
でございます。ここでは、対象障害者、対象業務、就業場所ということで整理をしてご
ざいます。対象障害者につきましては、雇用率制度、納付金制度の対象者である身体障
害者、知的障害者、それから、今回の制度改正により実現したならば、雇用率適用の対
象となる精神障害者が考えられるということでございます。
　対象の業務は、まずITの普及によって障害者の在宅就業が注目されてきたわけでござ
いまして、その意味では、ITを活用した業務がその典型と考えられるわけですが、一方
で、伝統的には物品の製造加工等の家内労働、あるいは、例えば、あんま・はり・きゅ
う・マッサージのような役務の提供といったようなものも対象業務として考えられると
いうことから、特段限定をしないことが適当ではないかと考えられます。
　就業場所については、これは一つの考え方の軸とすれば、障害特性を踏まえた就労環
境を念頭に、自宅または障害者の就労に配慮された場所とする。ただし、発注元企業自
ら雇用して業務を行うようなケースまで請負形態を奨励する必要はないので、これは除
外されるであろうということでございます。この点につきましては、例えば、営業活動
により移動する場合等について、今後もう少し詰めていく必要があるのではないかと考
えております。
　次に、資料の１の２をご覧をいただきたいと思います。発注奨励策の基本的な仕組み
ということでございます。点線で囲まれた四角の中の雇用問題研究会報告書は、具体的
な奨励効果額の設定は、一人分の稼得を生み出すに足ると考えられる金額を設定し、納
付金の減額、調整金、報奨金の加算を行うことが考えられるということでございます。
それから、発注奨励の運用に当たっては、申請手続きが企業にとって過度の事務負担と
ならないよう留意するということについてご指摘をいただいております。
　これを踏まえて、一番として、発注奨励の具体的な仕組みでございます。まず、一人
分の稼得を生み出すに足ると考えられる金額ということでございますが、これは評価基
準額の設定ということで、前々回の分科会で障害者雇用実態調査をご説明申し上げまし
た。その中で、障害者の平均賃金月額というのが出てございます。この（　）の中に書
いてある分数式の分子の方でございますが、月額22万円という金額に12をかけますと、
250万円という額が出てくるわけでございます。そして、在宅就業にともなって諸経費
が発生するわけでございまして、それをいろいろと仮定をして推計し、４割ぐらいとい
うことといたしまして、これを割り戻すと、400万円実額で発注すればこの250万円ぐら
いが障害者の手元に残るということで、400万というのが一つの評価基準額として考え
られるということになっております。企業単位で年間400万発注すればいいということ
でございまして、一人の障害者にある一企業がということではございません。
　次のページをご覧いただきたいと思います。減額、加算額算定の当てはめということ
でございまして、この評価基準額というものを元にいたしまして、これを納付金の減
額、調整金の加算に当てはめていくわけでございます。左側に、ある企業が年間に在宅
就業障害者ないしは支援団体に対して発注した金額の総額がありますが、これを評価基
準額で割る。これをN個と書いてございますが、このNが単位数になるわけで、この単位
数に納付金の減額の場合ですと、納付金の減額単価をかけ、調整金の場合ですと、その
加算の単価をかけて、本来払うべき納付金を減額し、受け取るべき調整金等に加算をす
るということでございます。
　下の概念図がありますが、法定雇用率の未達成企業の場合、これは左側の方ですが、
これはこの黒色の部分だけが払うべき額が引っ込んでおります。それから、法定雇用率
の達成企業でございますが、これは黒塗りの部分だけ、本来もらうべき額が加算される
ということでございます。右端の方は、ちょうど黒い部分だけが飛び出した形になって
いますが、これは、雇用義務障害者数をちょうど雇っている企業というのは、納付金の
払い側にも回らないし、調整金のもらい手にも回らないということで、ちょうど払いも
もらいもしないんですけれども、対象になるということでございます。
　次のページをご覧いただきたいと思います。具体的な数字を当てはめているというこ
とでございます。先ほどの評価基準額400万、それから、納付金の減額単価、それから、
調整金の加算の単価というのを雇用率達成企業、未達成企業もそろえるという意味で、
調整金の月額単価27,000円の半分の14,000円で設定してございます。それから、報奨金
の場合は、報奨金の月額が21,000円ですので、その半分の11,000円ということでござい
ます。
　(2)は算定式でございますが、納付金の納付企業の場合でありますと、Aとして本来払
うべき納付金額というものがございまして、そこから発注による減額幅を引くわけです
が、その考え方というのは、先ほど発注の総額を評価基準額で除した数のNという数が
ございますが、そのNにこの16.8万円をかける。16.8万円というのは何かというと、納
付金の減額単価14,000円に12をかけたものでございます。そして、Cの減額後の実際に
払う納付金額が出てくるという姿でございます。ここで、減額にはやはりある程度何ら
かの限度額を設ける必要がある。例えば、雇用促進との関係に配慮して、何らかのもら
うべき金額や限度額を設けるということが考えられると思います。
　また、納付金の納付企業がこの発注奨励措置を受けることによりまして、結果的にも
らい手に回るというケースも考えられます。雇用義務障害者数にわずかに達していない
企業の場合であると、発注奨励の適用を受けた結果、もらう側に回るというケースも考
えられるということでございます。
　二番目が、調整金の受給の場合でございます。これも同様でございまして、本来受け
取るべき調整金額に発注による加算幅を足すということでございます。同じように、
14,000かける12ヶ月の額に単位数Nをかけて、それを足すということで、加算後の調整
金額を求めるということでございます。やはり、加算幅Bについても、何らかの限度額
を設けるということが考えられるということでございます。
　それから、先ほども申し上げましたように、ちょうど雇用義務障害者数と同数の障害
者を雇っている場合は、払いもしないし、もらいもしないけれども、この場合も発注奨
励の対象になるということでございます。
　次の４ページは報奨金の受給企業の例でございますが、これも同様でございますの
で、省略いたします。
　資料の１の３の(1)をご覧いただきたいと思います。在宅就業支援団体ということで
ございます。支援団体の意義につきましては、やはり雇用問題研究会報告書でその役割
を整理していただいております。障害者に代わる営業活動も含めた仕事の受注と分配、
それから、技術の進展等に応じた最新の知識技能習得機会の提供、基本的な労働習慣の
付与やトラブルへの相談支援、健康面での相談支援等の役割を障害者に対して担ってい
く。一方、企業にとっては、直接障害者に発注する場合と比べると、やはり納期や品質
の面で安心感がある。担保責任を負うというような役割を果たしているということでご
ざいます。
　こうした在宅就業支援団体を法律上位置づける必要があるのではないかということ
で、下の四角でございますが、事業内容や人員等一定の要件等を満たし、障害者の在宅
就業支援を適正に行っていると認められる支援団体については障害者雇用促進法上の位
置づけを行うことによって、企業が当該支援団体に仕事を発注した場合には、障害者に
直接発注したものと同様に取り扱うこととし、発注奨励策の対象とする。つまり、先ほ
どの年間の企業の発注総額の中に、障害者に直接発注した金額とともに、この支援団体
に対して発注した金額も加えて考えるということでございます。
　次のページをご覧いただきたいと思います。支援団体の考え方でございます。以下の
要件を満たすものとして、厚生労働大臣が認める者ということが考えられると思いま
す。大きく、目的、主体、業務体制等というような項目が考えられると思います。特に
業務体制につきましては、具体的には、法令の形式とすれば、省令に委任される事項と
いうことも出てくるかとは思いますが、就業機会の提供、職業講習、情報提供、その他
援助の業務を適切にかつ確実に遂行する上で必要な経理的及び技術的な基礎があるこ
と。あるいは、業務の運営が適正、確実に行われ、在宅就業障害者の職業の安定に資す
るものと認められるものであるというような観点が考えられるわけでございます。具体
的には、例えば専従の職員を置くこととか、支援の実績があることとか、というような
条件が考えられるわけであります。
　それから、(3)ということで、義務を課するということも必要になってくるわけでご
ざいます。この支援団体が他の事業を行っている場合は当然区分経理が必要になってく
ると思いますし、これは雇用問題研究会報告でもご指摘いただいておりますように、発
注元企業へ受注証明書を発行する。それによって、その証明書を元に企業が納付金の減
額、加算の申請を行う。それ以上、仲介機関を介して具体的に障害者にいくらいったか
ということは企業は証明する必要はないということでございます。その他、配慮義務や
定期報告といったような事項が考えられると思われます。
　こういう要件を満たすところを支援団体として認可し、発注奨励の対象にしていくと
いうことでございます。
　次に、資料１の３の(2)でございます。雇用問題研究会報告においては、この支援団
体というものを全国各地で育成していくことが重要であるというご指摘をいただいてお
ります。二番は現状でございますが、私どもの方から高齢・障害者雇用支援機構を介し
まして、重度障害者在宅就労推進事業というものを実施しております。全国９カ所の支
援団体に委託をして実施しているわけでございます。ご覧をいただいておりますよう
に、一カ所当たりの単価も平成15年度から16年度にかけて、大幅に増額をして、充実を
図っております。
　三番ということで、今後の方向性でございます。来年度の概算要求の内容でございま
すが、まずこれは、下の丸のところのバーチャル工房の創設というところからご覧をい
ただきたいと思います。これは新たに雇用と福祉の連携事業というような意味合いもあ
るかと思いますが、障害保健福祉部においてバーチャル工房を支援事業の補助事業とし
て創設する。支援団体を全国各地で育成していくために、各都道府県単位程度を念頭に
支援事業を創設するということでございます。そういう要求を新しく概算要求してござ
います。
　また、それを受けまして、上の丸の方ですが、私どもの重度障害者在宅就労推進事業
においても、このような新しくできてくるバーチャル工房に対して技術指導を行うとい
うようなことで、そういった内容も概算要求に盛り込んでおります。
　二枚目の図を見ていただきますと、その関係でございますが、中央の四角い重度在宅
推進事業の９団体がありますが、これは既存のある程度実績を積んだ団体でございま
す。それが、楕円形の概算要求で新しく創設を要求しているバーチャル工房に対して、
いろいろな技術指導等の支援を行うことによって、全国各地で支援団体を育成していく
というイメージでございます。
　続きまして、資料の２をご覧いただきたいと思います。請負の形態の支援策というの
は以上のような形でございますが、企業にはなるべく在宅勤務制度というものを導入し
ていっていただきたいわけでございます。在宅勤務の支援策も非常に重要であるという
ことを雇用問題研究会報告が指摘をしております。特に、在宅勤務の場合であっても、
事業場と離れた場所に勤務していることに伴う雇用管理上の負担というのがある。これ
は、ちょうど請負の形態の在宅就業支援団体が負っている手間と同じようなことを、企
業内においても在宅勤務者に対して同じような手間が生じているというようなことが、
在宅就業研究会のヒアリング等でも明らかになっております。
　そこで、そういう企業内において在宅勤務の障害者の雇用管理、業務管理を行うコー
ディネーターを配置することに対して支援を行う必要があるという指摘をいただいてお
ります。下の方に書いてありますが、在宅支援コーディネーターのイメージということ
ですが、これは納付金制度に基づく助成金を用いて、配置をすることに対して助成を行
っていくということを考えております。また、在宅勤務の場合の労働関係法令の、労働
基準法の適用を周知していくということから、本日参考資料で配布しております「情報
通信機器を活用した在宅勤務の適正な導入及び実施のためのガイドライン」というもの
の周知も図っていくということでございます。
　事業所等での労務管理を前提とした労働基準関係法令の適用関係を改めて整理し直し
て、在宅の場合でも適切な労務管理が行われるように、法令の適用関係を示したものと
いうことでございまして、例えば、労働時間について「みなし」労働時間制を適用する
ことができるとか、在宅の場合であっても、必要な健康診断や安全衛生教育を行う必要
があるとか、労災の適用については、業務が原因である災害については業務上の災害と
して、保険給付の対象になる等々、あるいは、遠隔に伴う通信費、あるいは自宅におけ
る機器の配備の費用負担の関係については、予め取り決めをしておく方が望ましいとい
ったような内容となっております。こうしたガイドラインの周知も図っていく必要があ
るということでございます。
　資料の説明は以上でございます。

○会長
　どうもご苦労様でした。それでは、ただ今の事務局の説明に関しまして、ご意見ご質
問等ありましたら、どうぞ挙手をされてご発言ください。藤原委員どうぞ。

○藤原委員
　支援団体には、公益法人、社会福祉法人等になっていますが、「等」の中にNPO法人
なんかも入るかどうかです。いわゆる「等」の中にどれぐらいまで広げていくか、それ
をお聞きしたいと思います。

○事務局(今井調査官)
　例えば、私どもが実施している就業・生活支援センターなどは、この「等」の中に、
例えば医療法人といったようなものも含まれております。それから、NPO法人について
は、また具体的に検討していくことが必要になってくるかと思います。NPOというと、
要件が緩く、いろいろな形態があることが考えられます。例えば、障害保健福祉部の方
で検討しております福祉施設の機能分化の中で、就労移行支援事業を実施するというよ
うな場合がありますが、例えばそうしたものは、NPOという法人格についてもこういっ
たところに当てはまるということが想定されるのではないかと思います。

○会長
　他にいかがでしょうか。輪島委員、どうぞ。

○輪島委員
　障害者雇用問題研究会から私どもの基本的な考え方を申し上げてまいりましたけれど
も、再度ベーシックなところだけ申し上げておきたいと思います。まず、障害者雇用促
進法ということを審議しているこの場で、雇用というエリアでない請負の話を障害者雇
用促進法上に位置づけるということについての大きな方針の転換といいますか、プラス
アルファーで議論していくということについて、非常に戸惑いを感じているということ
でございます。そういう観点からいうと、まず資料の２の在宅勤務というものをどうい
うふうに位置づけるのか。また、基準局でやっている労基法38条の「みなし」というと
ころの周知だけでするのかということになると、やはり、一義的には雇用でありますの
で、在宅雇用をこれからどういうふうに促進していくのかという位置づけが必要である
と思いますので、報告書の方にも位置づけとしてそちらをきちんと書いた上で、この請
負の方の議論をするというようなものではないだろうか。本来的にそういうものではな
いかと思っています。要は、納付金、調整金で調整をしていくということでありますけ
れども、本当にそれがいいことなのかどうか、皆さんに議論をしていただきたいと思っ
ています。
　具体的には、資料１の２でありますけれども、障害者雇用問題研究会でお願いをした
のは、箱の中の二つ目の丸ですけれども、過度の事務負担とならないように留意をす
る、つまり、制度上複雑なものをつくっていただきたくないということです。分かりや
すいものをつくっていただきたいと、当初からお願いをしておりますけれども、その観
点からいくと、資料１の２でご説明をいただくのは、思想としてはよく分かるんですけ
れども、制度としてはたいへん複雑なのではないかということであります。
　それから、第二点目は、１ページ目にあります400万円という評価基準額という設定
でありますけれども、多分その出し方としてはたいへんリーズナブルな出し方で、400
万という一つの一定の基準なんだろうと思いますけれども、障害者雇用問題研究会やそ
の前の在宅就業の研究会で実態調査をされていて、現状の企業からいろいろなITを活用
したところに発注をしている額からすると、400万円という額は上限も上限でありまし
て、上から0.何％の範囲だと思いますので、そうしますと、まず評価基準額そのものが
高すぎるのではないか。実際に発注をしてNを出すわけですけれども、Nが0.0いくつと
かといって、そこで納付金等々の調整をするというのは、発注奨励策というふうに言い
ますけれども、実態としては難しいのではないかと思います。
　それから、３ページ目にあります算定式のところの納付金の減額のところですが、減
額幅に何らかの限度額を設けると書いてありますけれども、これはどういう趣旨なのか
ということをお聞かせ願えればと思います。実態として雇用率未達成の企業はたくさん
あるわけですけれども、一人、二人という未達成企業が結構たくさんあるわけですね。
そういう関係からいうと、ここに納付金というところで調整をするのはあまり問題ない
のかも知れませんけれども、そこら辺の限度額があるということ自身もどうなのかと思
うものですから、その点の考え方をお聞かせ願えればと思います。

○会長
　それでは、今ご意見とご質問をいただきましたので、質問にわたる部分についてお願
いします。

○障害者雇用対策課長
　それではまず、在宅就業ということでご説明しました中に、在宅勤務、在宅雇用と、
それと、いわゆる在宅就業と二つあるわけですが、その位置づけですが、今日お出しし
ている資料では、特に在宅就業の発注奨励に関する部分が、いわば制度的な議論として
は大きいところなので、そこを先にお出しをして、在宅勤務の方は資料の２というよう
な形でお出しをしました。そういう順番になっておりますけれども、今、輪島委員から
お話がございましたように、確かに雇用促進法という中においては、在宅雇用の位置づ
けというのをまずしっかり考えた上で在宅就業というように、法の趣旨に則った整理を
考えていくべきだろうと思っておりますので、今後、例えば意見書の整理をするとか、
そういう時には、そうした部分を意識しながら整理をさせていただきたいと思っており
ます。
　それから、この在宅就業の発注奨励の仕組みをつくるに当たっての事務負担ですが、
企業にとっての事務負担をできる限り小さい形でお願いしたいという話は、研究会の時
からいただいている話でありまして、今お示しした資料の限りでは、なかなか細かいと
ころまではお示しできていないわけでございます。こういった基本的な考え方の下で、
できる限り利用しやすい仕組みになるように具体的な部分も考えていきたいと思ってお
りますので、またご意見を頂戴できればと思っております。
　それから、400万という設定の仕方が実態との兼ね合いで考えると高すぎるのではな
いかという点につきましては、一方で、研究会の時にもご議論いただきましたように、
一つの単位をどう考えるかという時、やはり一人分の稼得というところに着目する。納
付金や雇用義務の方では、障害者の雇用一人当たりという形で考えているわけでござい
ますので、そことのバランスを考えますと、やはり一人分というところをまず基準にし
ていくという考え方を踏まえて、今回のような例えば400万という額をお示ししている
ところでございます。実態との関係でいうと、確かにここまでの発注をしていただいて
いるところはまだ少ないという状況にはあろうかと思いますが、この制度を使いなが
ら、そういったところが少しでも増えていくような形になっていく。そういった方向を
目指していくということで考えていきたいと思っております。
　それから、納付金減額の限度額の趣旨ですが、これは、納付金の制度自体、その趣旨
としては雇用にかかる特別な費用の負担の調整ということで本来セットされている制度
なので、この在宅就業の仕組みを入れる際にも、本来の雇用という意味での制度の趣旨
に反しないというか、その趣旨に添わなくなってしまうことのないように、やはりある
程度、限度額を設けて、一定のところまで減額を認めるけれども、発注量が非常に多大
にわたる時でも、それをそのまま評価してしまうということではなくて、一定の歯止め
をかけようということで限度額を考えているというところでございます。それで、その
場合、一人不足、二人不足というような、あと一歩というような企業のところについて
は、今日の資料の１の２の３ページ目のところにも注記いたしましたように、本来なら
納付金納付になる企業においても発注奨励があって、それを評価した結果、納付金の納
付についてはゼロで、なおかつ調整金の支給対象になってくるというような、いわばそ
この線をまたぐようなケースも出てくるという前提で、今考えさせていただいていると
ころでございます。

○輪島委員
　そこはよく分かりますけれども、その雇用率制度上の納付金制度の手当であって、雇
用率のいわば職業安定所からの指導とか、そこら辺は全く別の話でありますので、本
来、限度額を設けてということでは、結局は、要は発注して、納付金のところだけは押
さえられるけれども、そういうことにだけなるというのは、やはり少し足りないのでは
ないか。奨励にはならないのではないかと思いますので、限度額を設けることといえ
ば、少し議論があるというのが、私の一つの意見です。
　それから、400万ではありますけれども、納付金の相殺なので、少し清水の舞台から
飛び降りて、60万という金額はどうなのか。400万というのは実態の稼得ということに
なれば、400万という数字はあると思いますけれども、今の納付金が月額５万、年間12
ヶ月で60万円でありますから、60万円を評価の基準額にしてはどうかというふうに私は
個人的には思っています。
　それから、もう一つ質問ですが、今、企業でいわゆる社会貢献という観点から、社会
福祉法人等に仕事を発注しているケースがあります。それは、何百万とか、何千万とい
うようなケースがありますが、そこのところとの兼ね合いはどのように整理をするのか
を教えていただきたいと思います。

○会長
　はい。土屋課長どうぞ。

○障害者雇用対策課長
　今の社会福祉法人の件ですが、先ほどの支援団体のところでもちょっと申し上げまし
たように、支援団体としての要件を満たしていただいているところについては、社会福
祉法人も対象としてこれを認定するという考え方でおります。したがって、現行の制度
でいえば、授産施設などを持っている社会福祉法人において、こういった在宅就業につ
いても支援をするというような形になっているところについては、現にそういうところ
がございますが、そういうところについては認定を受けていただいた上で、そこに発注
をした分については、この制度の評価に該当するという形を採りたいと思っておりま
す。

○輪島委員
　言葉が足りませんで、今申し上げているのは、一般的に社会福祉法人に業務を発注し
ているというのは、昼間通ってきていて、そこの施設で仕事をして、また帰るというふ
うなことで、在宅就業とは少し様子が違った場合、そういう時にはどういうふうになる
んでしょうか。

○会長
　はい。今井調査官。

○事務局(今井調査官)
　多分ご指摘の向きは、施設外授産のようなことなのかなと思うのですが、これは現行
の制度で申し上げますと、これは授産活動ということで、当該仕事を法人たる授産施設
が請け負って、授産施設と利用者たる障害者は利用関係に基づいて就労するという形態
でございます。一方、今回の発注奨励というのは障害者個々人に注目した請負形態とい
うことですので、そこは、授産活動としての授産施設としての社会福祉法人が仕事を請
け負うという形態とは切り離すべきであると考えております。

○会長
　はい。藤原委員。

○藤原委員
　この400万円のことでございますが、これは0.6で割るということは、４割の材料費が
かかっているというふうに私は理解したんですが、発注の場合は、ITにしろほとんどが
加工賃ではないかと思うのです。だから、その収入は即発注額がイコール収入になるん
だったら、この400万は250万あるいは0.9で割ったぐらいの数字が的確ではないかと思
いました。以上です。

○会長
　今の点はご意見であると同時に、0.6という数字の根拠についてのご質問が含まれて
いるだろうと思いますので、その点だけちょっとご説明お願いします。

○事務局(今井調査官)
　元は個人企業経済調査という総務省統計局のデータで出しました。業種は個人企業の
製造業、サービス業で、多分これまた大きな法人であるとまた全然変わってくるとは思
うのですが、個人企業ということで、特に業務に縛りはないということではあります
が、製造業、サービス業を取り出して、それぞれ要素、割り切り方はあるんですが、諸
経費率を出してみたということでございます。これも、かなり比率は少ない方ではない
かなと思いますが、個人企業の場合でもかなり少ない方ではないかとは思います。

○藤原委員
　私どもの場合は、材料をメーカーから提供してもらって、加工賃でいただいていると
いうのが、かなり製造業でも多いと思うのです。そうしますと、やはり所得はそのまま
収入になるのではないかと思ったわけです。それから、ITとか、そういうものは案外材
料費は最初のパソコンとか、いろいろな設備投資的なものが要るかも分かりませんが、
ランニングではほとんど受注額イコール所得になるのではないかと思ったわけですか
ら、質問しました。だから、やはり家内工業的な全部の売り上げをして、材料費が４割
かかって、６割が所得であるというのは時代的に古いのではないかと私は思うのです
が、以上です。

○事務局(今井調査官)
　加工賃の形ですと、多分、そもそもこの金額の外側になるというようなこともあり得
るのだろうと思います。

○会長
　それでは、畠山委員、それから舘委員の順にご発言ください。

○畠山委員
　私からは、先ほど輪島委員が冒頭におっしゃったことなんですが、やはり雇用促進法
との関係は今一つ整理しておくべきであろうと思います。特に、この資料１の１のとこ
ろにもありますけれども、下段のところに、障害者が職業生活において自立することを
促進するための措置を総合的に講じ、もって障害者の職業の安定を図るというふうに表
現しているんですが、雇用の関係と請負の関係ということになりますと、雇用の方は正
式な対象となっているんですが、請負については、現実の場所を想定した時に、果たし
てそれが職業という位置づけになるのかどうか。例えば、請け負った先ですが、支援団
体が間に入って、現場で仕事をする人が何十人かいるとし、数字を具体的に40名なら40
名としますと、その40名全員にあまねく仕事がいくような発注をするのかどうか。それ
から、実際には発注した仕事は40名のうちの10名だけがやりますということなのか。む
しろ、その方の形態の方が多いのかなという気がします。それと、10名を特定をして完
結するものではなくて、その40名が適宜交代してやるのかも知れない。ですから、実際
の仕事をする現場のイメージが今一つ分からないですね。特に、この制度を運用してい
く時に、発注する企業サイドにとっても、あまりにも働き方の多様化ということが優先
されて、その結果として、管理実務の方が極めて煩雑になってくるというのは、かねて
から申し上げていることで、できれば簡潔にということなんですが、もう一つは、発注
を受ける支援団体の方ですが、こちらが逆にその事務負担に耐えられるのかどうかとい
う不安もあります。これは、もともと限られた人数で、限られた費用の中で、皆さん一
生懸命やっているわけですから、そこに発注企業に対しては単に証明書を一枚出せば済
むということであっても、それを出す方は、逆にエビデンスをちゃんと用意する必要が
あるわけですね。そういったところで、極めて事務負担が増えてくる。そうすると、こ
の制度は必ずしもうまく運用されないのではないか。逆に言いますと、それに耐えられ
る支援団体というのはどれぐらいあるのだろうかというところが、もうちょっと見極め
る必要があるのではないか。その点の考えをお聞きしたいということが一つです。
　それからもう一つは、企業が直接雇用するのがベストなわけですけれども、この在宅
就業という制度ができて、どの辺に具体的な条件を設定するかによるんですが、企業が
直接雇用を止めて、在宅の方にいってしまうというようなリスクはないか。そこのとこ
ろをお聞きしたいと思います。以上二点ですが、よろしくお願いします。

○会長
　舘委員も関係していますでしょうか。それでは、続けてご質問を受けて、あとにまと
めてお答えいただきます。よろしくお願いいたします。

○舘委員
　一つは関係している方なんですけれども、雇用問題研究会でこの在宅就業の位置づけ
のことの話が若干あったんですね。ただ、日本では、障害者の雇用促進では雇用率と雇
用納付金制度の二本柱になっているわけですが、私はこの在宅就業のこういうやり方も
その中のバリエーションの一つと考えていいのではないかと思っています。前回の雇用
問題研究会の時は、雇用率に結び付けてという意見もありましたけれども、それはあま
りにも過激すぎるというか、授産にシフトし過ぎるということで、ここに落ち着いたん
だと思うのですね。だから、どの範囲まで許容できるかという問題だと思うんです。私
は積極的に、厳密に考えるよりは、多少バリエーションを設けて、障害者の働く機会を
増やすという方に与したいと思っています。
　もう一つは、この在宅就業支援団体の要件なんですけれども、従来、例えば授産など
でも、例えば授産の機能と職業能力開発を行って外に出していくという機能の両方が混
在していたために、なかなか外に出す圧力が高まらない。結局、有能な人を出してしま
うと授産機能が低下するということがあって、下手をすると、これはまた二の舞になる
んではないかということを、私はすごく恐れております。例えば、今後、施設機能の機
能分化という中で就労移行支援事業というのがありますが、その中で、こういう在宅就
業支援事業に飛びつく社会福祉法人というのはたいていは授産をやっているところだと
思うんですね。そうすると、その移行支援機能と在宅就業支援機能をどううまく調整し
て、同一法人の中で維持していくかということをきちんとやらないと、また同じことの
繰り返しになってしまうということで、私の提案なんですが、例えばスタッフとか、継
続して支援する利用者を登録制にするとか、あと、業務ですね。例えば健康管理です
ね。在宅就業の場合、オーバーワークの問題が出てくるかも知れないので、そういうと
ころをきちんと明文化したらいいのではないかと思うのです。できれば、そういうこと
に具体的に携わっていらっしゃる専門家の方々でそういう問題をディスカッションして
いただけるといいのではないかと思います。以上です。

○会長
　松矢委員も関連してでしょうか。それでは、よろしくお願いします。

○松矢委員
　今日は理念的なところで少し意見を申し上げたいと思います。この納付金を使ってい
くという点で、これが今回法改正していくと、一つ新しい段階に移行しつつあるだろう
と思うのです。つまり、これは、これからの授産関係の能力開発の問題と、雇用対策の
問題と、これからドッキングしていかなければいけないという段階なんですね。ですか
ら、かなりいろんなことを整理していかないといけない。厚生労働省となって、本格的
に厚生労働省の意味が問われていると思うのです。そういう、いろんな困難な問題とい
うのは、例えば、大分県の太陽の家ですね。ここは、特例子会社から福祉工場から授産
まで、全部入っているんですね。それが、お互いに関連した社会福祉法人がやっている
ということで、そこは本当に旧労働省と旧厚生省のいろんなシステムがあって、どうや
って整理したらいいんだろうかという難しい問題がたくさんあって、そういうものが整
理されていく段階なんだろうと思います。制度的に能力開発に移行していくということ
が、両者側にとってうまくいくことを、これから研究していく段階に入っていくのでは
ないかと思っています。 　そういう中で、日本の制度とヨーロッパの制度は違うんで
すけれども、ヨーロッパの場合、雇用率はフランスもドイツも6%、イタリアは7%となっ
ていて、非常に包括的な障害概念なんですね。そこでの納付金というのは、雇用率を達
成しているかいないかに拘わらず、それは共通の基金なんですね。ですから、能力開発
ということでは、雇用率を達成していないところでも活用しているわけです。そういう
意味では、今回初めて達成していない企業が、これによって報奨金をもらえるという形
になってくる。ですから、納付金は罰則というようなことではなくて、企業が共通して
雇用促進をしていくための基金なんだという考え方が、より明確になってくる。そうい
うことなんだろうとも思っているんですね。そうすると、これからの雇用率制度はどん
どん変わっていくわけです。これから精神障害者が入ります。そうすると、1.8%から何
%になるか分かりません。それから、次に発達障害者支援法が出てきますから、これは
就学しているお子さんたちの割合というのは6%と言われているわけですね。それが、こ
こでいう障害者、継続的なそういう支援が必要な方々ということになってくると、その
問題もやがて雇用対策の問題として出てくるわけです。そして、雇用率に関係してく
る。そうすると、そんなに雇用率が上がって、企業は対応できるか。企業の負担感はど
んどん上がっていくと思いますね。その時に、この納付金というものが、全体の、つま
り、能力開発から雇用までを繋げていく基金だということを考えていくと、例えば精神
障害者を入れた時に何%になっていく時の、そこの負担感は多少軽減されていくべきだ
ろうと思うわけですが、そうすると、この納付金をうまく活用していくという時代にな
っていくんではないか。発達障害者が入ると、おそらくヨーロッパ型の6%ということに
なる。ですから、日本の納付金制度がどうなっていくのか。割当制度がどうなっていく
のか。今その入り口に立っていると僕は思っております。
　そういう意味で、400万円が妥当か、60万円が妥当かという、そういうこともしっか
り議論しながら整理して、うまく活用していくということですね。そして、既に竹中参
考人から意見が述べられましたけれども、そういうことをやっているパイオニアですよ
ね。その人たちが、そういう障害者の就業から雇用までうまく繋げる実験をやってい
る。そこにこれが生きてくるだろうと思うので、やはり、そういう努力を法律で奨励し
ていくということも重要なんだろうと思っております。ですから、基本的には進めなけ
ればいけないし、しかし、仕組みとしては将来に生きるような、やはり、かなり細かい
検討をしていただくというようなことになるんではないかと思います。

○会長
　それでは、よろしいでしょうか。はい。関係して松井委員、お願いします。

○松井委員
　障害者の雇用について、皆さんがいろいろと熱心にお考えをしていただいていること
について、当事者としてたいへん嬉しく思っているところです。一つは、思いなんです
が、例えば、企業に対してと同じように、在宅就業に対してもいろいろな面で今お考え
をいただいているわけですけれども、問題は、先ほどの400万とかいろいろと議論もあ
りましたけれども、要支援障害者の雇用をする事業に対してどのような奨励や、あるい
は後押しをしてもらえるかということが、障害者全体の雇用の中では非常に大切なこと
だと思うのです。例えば、コーディネーターとかジョブコーチ等につきましても、支援
団体と同じように、企業についても、そういう存在については、一定の評価なり支援を
していこうということなんですけれども、そういった場合も同じように、要支援障害者
の雇用事業所にも当てはめてもらえるようなことを是非検討していただきたいというこ
とをお願いしておきたいと思います。
　それから、私のちょっと乱暴な思いかも分かりませんが、ここでは、どちらかという
と、障害者雇用をどういう角度で、どういうふうにして捉えるのかという数字を伴った
議論が非常に多いわけですね。それはそれとして必要なんでしょうけれども、私は、要
は日本のどこにいる障害を持った人たちも、それなりに仕事、就業ということを通じて
生きているということを実感できるような社会が本当に望ましいわけでありまして、私
どもの地域でも、例えば、ここには数字で現れてこないような、本当に零細な企業と
か、中小企業の中で、事業主や周りの皆さんの理解をいただきながら頑張っていらっし
ゃる人たちが結構いるわけですけれども、そういう人たちがそれなりに、いわゆる雇用
していらっしゃる側も、そこで頑張っている人たちも、報奨金とか納付金とかに関係な
く、頑張りが評価されるような社会というか、仕組みというのができてくると、本当に
嬉しいなという、素朴な思いを抱かせていただきました。

○会長
　ありがとうございました。村田委員、どうぞ。

○村田委員
　関連といいますか、在宅就業に関して、ITを活用した在宅支援という観点から、ちょ
っと関係しているかなと思いまして、意見を申し上げたいんですけれども、この在宅就
業支援団体の役割というのは、大きくいえば仕事の受注と、障害者をプロとして仕事を
できるように人材育成するということで、非常に大きな役割になると思うんですね。そ
のことを考えると、もう今までのように、例えば、ITならITの技術を習得する時に集団
的に研修をしたり、通り一遍の研修をしたりすることではあまり意義がない。もっと個
別の能力が開発できるような、個別の支援策が必要であって、それにはやはり、個々を
支援する支援者、サポーターといっていいかどうか分かりませんが、そういう人たちが
非常に必要になってくると思うのですね。今までのようなパソコンボランティアのよう
なものでは、やはり本当の職業人を育成する支援団体にはなり得ないと思うんです。そ
のために、サポーターというものをどう位置づけていくか。また、その人たちをどう育
成していくか、ということを、この支援団体の役割にきちんと位置づけていく必要があ
るのではないかと思います。そして、人材育成をして、きっちりと仕事をできる能力の
ある人がいたら、それをまた雇用に結び付けていく。請負ではなくて働けるようにする
という、そういう繋げるお役目もあっていいのではないかなと思います。以上です。

○会長
　かなりたくさん出ましたので、ここら辺で、ちょっと私が数えてみましたら七つほど
の質問がありますので、数え方によるとは思いますが、まずまとめてお答えいただい
て、まだ足りないよとか、補足的な質問がありましたらお願いをしたいと思います。そ
れでは、今井調査官どうぞ。

○事務局(今井調査官)
　ご質問に当たる部分についてお答えをしたいと思います。畠山委員の方からご指摘が
ございましたけれども、支援団体の実態ということでは、今まで在宅就業研究会等でも
実態調査をし、あるいはヒアリングをするというような形で、この分科会においても竹
中参考人をお呼びしたりしてきているわけですが、確かに、かなり支援団体というの
も、在宅就業研究会の実態調査をしてみますと、大体33ぐらいの団体がアンケートに回
答をしてきているわけですが、規模等についても、本当にいろいろでございます。法人
格のないところも非常に多い。ただ、最近の傾向とすれば、自治体等からてこ入れを受
けて、具体的には委託費や補助金などを受けて、支援を受けながら立ち上がってきてい
るところが多いという実態にあるようでございます。実際の登録障害者のレベルという
のも非常に様々でありまして、さっき40人ぐらい登録していて、実際に仕事を受けられ
るのが何人ぐらいなのかというようなこともあるというな話もありましたが、そのよう
なことで、本当に能力の水準等も様々であって、実際に発注を受ける方、仕事のできる
方もまちまちであるというふうなことはお聞きしております。
　村田委員のご指摘とも非常に関連するんですが、その意味では、働いた経験のない方
が在宅就業にいきなり移行した場合等においては、基礎的な労働習慣の問題から始まっ
て、相当その人材育成とか、あとは、その技術の面での能力開発とか、それ以前の問題
も含めて、かなり個別的な支援が、しかも継続的な支援が必要であるというようなこと
で、そういう意味では、手間のかかるものだというふうに聞いております。
　例えば、先ほどの証明書の関連でいいますと、在宅就業支援団体が個々の障害者の具
体的な発注金額をも把握しておく必要があるというようなことについての事務負担とい
うことがございましたが、これも人材育成の手間等々、ある意味では同じような意味合
いで考えていく必要があると思うのです。やはり、こういう発注奨励の対象というよう
な優越的な地位を与えるという関係で考えれば、これは、やはり個別的にその障害者に
どれぐらい渡ったかということを確認しておくということは、これは個別の障害者への
具体的な支援、具体的な一人ひとりの能力・評価に応じた支援をきちっとやっていくこ
とと合わせて、やはり支援団体として求めていくべき条件ではないかと思います。そう
いう意味では、専任のスタッフの要件とか、そういったものの具体的認定の要件として
見ていく必要があるのではないかと思います。
　実態調査では、数字の把握の仕方はいろいろありますが、平均的には二、三人ぐらい
のスタッフを置いてやっているところもあります。もう少し大きなところもあります。
例えば、プロップ・ステーションや東京コロニーといったようなところはもっと大きい
ところでありますが、平均をとると、大体そのような実態があります。何れにしろ、具
体的に企業に仲介団体が支援をしている障害者の個別の状況を、発注金額を含めて把握
をしていただくということは、こういった手当をする以上は必要なことであり、やはり
それに必要な条件を課す必要があるのではないかと思います。
　あと、雇用の代替となるという懸念につきましては、研究会報告の考え方でも、やは
り雇用への支援策を基本としつつ、雇用の道を閉ざすことなくというふうに言われてお
りまして、例えば、具体的には、まさにこの発注奨励の案の中でも、加算や減額の単価
というものについて、例えば、割り切りでございますが、半分にしているというような
形でございます。あるいは、これはご意見もありましたけれども、例えば、限度額とい
うような考え方もあり得るというような形で、その意味では雇用が基本であるというこ
とを押さえて、実際の制度設計上も差をつけるという形で、明確にしていく必要がある
のかなと考えられると思います。
　あと、松井委員からの要支援障害者雇用事業の関係でございますが、これはまさに雇
用関係でございますので、支援団体、在宅就業以上に手厚いものがあります。具体的に
申し上げますと、雇用関係にありますから、そもそも雇用率の適用もあり、助成金や納
付金制度の対象にもなるという領域に入ってまいります。したがって、障害者雇用の一
般的に受ける助成金はもちろん全て対象になりますし、さらに、中小企業でございます
と、報奨金や、あるいは301人以上の企業であれば、調整金が出ます。しかも、多分、
要支援障害者雇用事業ということでございますと、雇用障害者も相当の数でございます
ので、そういった報奨金、調整金もかなりの額であります。それから、そういう重度障
害者を多数雇用する事業に対しては、特別に助成金のメニューというのもございますの
で、そうしたものの適用は、もちろん雇用している場ですから、企業という扱いで適用
になりますが、これは雇用の領域ではかなり厚い支援の対象になることが考えられると
思います。在宅就業支援のコーデイネーターを仮に置くようなケースがあるとすれば、
それは当然助成金でございますので、対象になってくると考えられると思います。以上
です。

○会長
　それでは、佐藤委員どうぞ。

○佐藤(徳)委員
　松井委員から出た点とも関係するんですが、元の厚生省などで考えている今の授産施
設の移行として、就業移行支援という形と、それから今出た要支援障害者雇用型事業と
いうふうにあるようですけれども、そういうふうなものに、もし授産が仕事の場と訓練
の場というふうに棲み分けされていく時に、両方とも、ここにある地域障害者支援のネ
ットの中に含めると考えてよろしいんでしょうか。この在宅就業支援のところに含まれ
るかどうかということなんですが、ちょっと確認しておきたいなと思います。

○事務局(今井調査官)
　先ほど課長の方からも答えがありましたように、現在授産施設や福祉工場等を運営し
ている社会福祉法人が別途専任のスタッフを設けて、こういう在宅就業の支援を本格的
に手がけている実例が現にございます。そして、在宅での就職に結びつけている相当の
実績を上げているところもございます。新しい機能分化がなされていく過程において、
同じ法人が別途支援団体の要件を満たしていただいて、就労移行のいろいろなノウハウ
を生かして在宅就業の支援をやっていただくというのは想定し得ることだと考えており
ます。

○会長
　では、寺山委員どうぞ。それから、藤原委員、佐藤博樹委員、この順番でお願いいた
します。

○寺山委員
　確認が二つございますが、一つは、私も重度の障害者が多様な形で働く場を提供する
というのは、まさに、これまでは旧厚生省の側のお仕事だけに偏って、非常に縦割りの
時代だということで、これからいよいよだなということで期待をしております。その時
に、在宅という言葉ですけれども、住まい方、障害者当事者からみると、要するに企業
に通わないというスタイルというだけの規定だけでいいのでしょうか。是非、そこのと
ころは広やかに考えていただいた方がいいのではないかということです。今、重度の障
害者も非常に住まい方が多様で、自宅をお持ちの方はもちろんあるんですけれど、非常
に小さいスモールグループで共同生活をしていたり、あるいは、療護施設という施設を
利用しながら、その中にここまで到達できるような人がいるかも知れないというような
ことで、いろいろだろうと思います。ですから、在宅勤務の方はいいんでしょうけれど
も、在宅就業といった場合に、住まい方による規定というか、そこのところは研究会な
んかでも議論があったのでしょうかということが一つです。
　それから、もう一つは、在宅勤務のコーディネーターはたいへん結構だと思います。
これは質の問題があって、研修をされるということですが、実務経験があって、かなり
難しいお仕事だろうと思いますが、その研修プログラムみたいなものが議論されたのか
どうか気になりますことと、それから、何人ぐらい養成されるのか。二つ確認をさせて
いただきたいと思います。

○会長
　藤原委員は関連しますでしょうか。

○藤原委員
　在宅に関しては関連します。

○会長
　では、また少しまとめてお答えいただくことにしまして、お願いします。

○藤原委員
　今、在宅の概念が出ておるんですが、支援団体に社会福祉法人なんかがありまして、
ちょっと考え方が混乱しているのではないかと思うのですが、私は結局在宅就労は個人
だと思うんですね。そうであるのに、ここで支援団体が出たもんですから、社会福祉法
人に、授産施設に発注しているというようなことやら、いろんなことが議論されている
んですが、そこら辺りですが、個人に仕事を発注するのか、あるいは、そうした組織と
いうのですか、グループに発注するのかということですが、ちょっと割り切った方がい
いのではないかと思います。今その辺が混乱しているのではないかと思います。要する
に社会福祉法人が出たものですから、そこら辺りで混乱をしているのではないかと思い
ましたので、ちょっと確認をしたいと思います。

○佐藤（博）委員
　まず基本的な考え方としては障害者の方の雇用を促進するということだけではなく
て、やはり就業機会、働く機会を拡大するというふうにシフトしていくというのはすご
く大事だと思います。ただ、いろいろ、その上で細かいことを詰めないといけないと思
うのですけれども、基本的には大賛成だということです。
　質問は、今のこととも関わるんですけれども、支援団体の議論の方にずっといってい
て、これは基本的には発注奨励策は個人に発注したものも入るわけですよね。当然。そ
うした時に、４ページの就業場所とか、４ページの下の方に関わるんですが、研究会で
ヒアリングした時に、ある企業が雇用していて在宅勤務でやっていたんですね。でも、
その人が力をつけてきて、自分で独立したいということでしたが、企業にすると、独立
されてしまうと雇用率に入らない。だけど、本人はそれで頑張ってきたので、サポート
はしたいんだけれども、独立すると雇用率に入らないというような話がありました。今
回のような仕組みができれば、発注という形で、それなりの発注奨励の枠組みの中で企
業にもそれなりのプラスになるし、働く人も自立ということについて、以前の企業との
関係も良好になるわけですね。しかし、ここの、自ら雇用して行う業務までとあって、
在宅勤務から、あるいは独立して就業に移るとすると、当面は特定の企業の仕事だけか
も知れない。あるいは、支援団体が受けて、どこかで自立するといった時に、これは難
しいとは思うのですが、どこまでが発注奨励の対象になるのか、ならないのかというと
ころは、少し詰めてもらう方がいいのかなと思います。つまり、発注元企業が自ら雇用
して行う業務までは対象でないといった時に、今のように、従来在宅勤務でやっていた
人が独立したとすると、それは対象になるのか、ならないのかなんて議論は出てくるか
も知れないので、ちょっとその辺はあまり厳密にやってしまうと、難しいかなというこ
とです。

○会長
　それでは、いくつか出ましたので、まとめてお願いします。

○事務局(今井調査官)
　寺山委員からのご質問ですが、住まい方というのは居所のこと、住居との関係でしょ
うか。そこは、特に雇用問題研究会で大きく議論になったことはございません。働く場
所ということについては、確かに、これを個人単位として考えた時に、いろいろな就業
場所はあり得るであろうと思われますし、また、少し移動するような形の働き方という
ものもあるであろうと思われますので、その辺は典型を押さえて考え方を整理していく
必要があるかとは思っています。住まいについては、特に、例えばグループで住んでい
る時にはどうかというようなことについては特段の議論はありませんでした。ただ、あ
くまで在宅就業というのは個人の単位で、請負で考えていくということでございますの
で、仮にグループであったとしても、それは一人ひとりに対して発注するという扱いを
していくということになるわけです。
　コーディネーターに関しましては、特に研修とかの要件について具体的な議論はあり
ませんでしたが、今考えている構想をこのまま実現するとしますと、障害者雇用納付金
に基づく助成金制度でございますので、個別にそういった企業からの申請を受けて助成
金を下ろすということになろうかと思います。研修のプログラム等ということについて
は、要件はまだこれからの検討ということになりますが、求められる趣旨とすれば、や
はり労務管理、業務管理、あとは、障害特性に関する指導の経験等を要する者ではない
かと思われます。
　藤原委員の方からありました件ですが、授産を経営する社会福祉法人が支援団体の要
件を満たしてやることはできるかどうかということについては、そうだと思っていま
す。ただ、ここで取り上げています在宅就業というのは、ご指摘のように、あくまで個
々人でありまして、原則は企業から個人に対して仕事がいく。たまたま支援団体が介在
する場合も認めるということでございます。ですから、授産活動そのものに対して発注
をするということを対象にしているというわけではありません。たまたま同じ法人が別
途支援団体として要件を満たして、事業をやる、活動をすることはあるという意味でご
ざいまして、在宅就業というのは、その企業と個人の関係という構成になっているとい
うことでございます。
　そういうことで、独立をした場合とか、そういう個別のケースをみていく必要がある
と思っております。

○会長
　輪島委員どうぞ。

○輪島委員
　技術的な質問を二つさせていただきますが、先ほどの事務局からのご説明で、支援団
体には専任スタッフの専任設置を要件とするというふうにおっしゃいましたけれども、
それは、つまり別途新しき人を雇わなければいけないというふうな意味合いに理解をす
るのでしょうか。実態として、今のやっているところから、その支援団体の認定を受け
ても、その業務をするということはできるのかも知れませんが、新しい専任スタッフの
設置が義務づけられると、実態としては難しいのではないかと思いますが、その点いか
がかと思います。
　それから、今の少し前の話ですけれども、仮に400万円とした時に、企業が個人に発
注をした400万円と、支援団体に発注した400万円はベースとしては同じものなのでしょ
うか。つまり、支援団体については、管理費が、管理費というかオペレーションフィー
がかかるわけで、それの控除といいますか、その額をどういうふうにみるのかというの
は、企業の発注側としては同じ額を出していた時、どういうふうにみるのかということ
をお聞きしたいのです。

○会長
　それでは、二点の質問にお答えください。

○事務局(今井調査官)
　このスタッフの要件というのは、何人がいいのかということがありますけれども、今
現に活動している支援団体でそういうことをやっているのであれば、それは当然そうい
う方がいらっしゃるという扱いをすることで、そういったところまで特に新しく何か追
加的にというようなことではないと思われます。
　それから、支援団体に発注した場合の金額の算定ですが、元々は基本的には、とにか
く企業から障害者に発注した金額が、これは複数の場合も含めてですが、年間合計で評
価基準額に達しているかということが基本でございまして、支援団体を介した場合に、
当然そういう中間のものが発生するわけでございますが、押さえておくべきは、最終的
に障害者に対して手元に渡った額ということで、そうしたものは差し引いた形で評価基
準額を算定をしていただくという考え方になろうかと思います。その点については、ま
さに支援団体において一人ひとりにいくらいったか把握をしておいていただいて、企業
に対して証明書を出していただくという形になろうかと思います。それが雇用問題研究
会でいう一人分の稼得を生み出すに足る金額を発注したかどうかという目安ということ
になろうかと思います。

○輪島委員
　すみません。確認ですが、個人に発注したのが400万円だけれども、支援団体を通し
て100万円のオペレーションフィーが支援団体にかかって、300万円が実際に発注をされ
たら、300万円が企業の控除額の基礎になるという意味合いですか。

○事務局(今井調査官)
　はい。そういうことでございます。

○輪島委員
　それも、なかなかまた制度が難しくて、一つ一つによって支援団体は違うわけです
ね。そうすると、発注元としては一つひとつ把握しておかなければいけないということ
で、それは企業としては当然だということですか。

○障害者雇用対策課長
　今ご説明しましたように、支援団体を通じての場合については、最終的に障害者に分
配された額で把握をし、押さえるということが適当だろうと考えているんですが、これ
は、まず、そもそも発注奨励自体が先ほどもご議論ありましたように、企業対個人の関
係が原則の中で、その障害者個人の方にどのぐらい発注しているかということをみると
いう制度のつくりが適当だろうということがあるのと、もう一つは、支援団体の役割の
中で、例えば納期とかの問題で安定的な受注ができるようにというような機能を果た
す。そういった中で、現に今そういう事業をやっておられる中でも、健常者の方が混ざ
って全体の仕事をこなしているというような場合があると伺っています。それをもうち
ょっと敷衍して考えると、健常者の割合が非常に高い場合、その400万なら400万を受注
した時に、その中で、健常者が分担をし、分配を受けた額が非常に高い場合でも、それ
を全て障害者への発注とみなして評価をすべきかどうかというところが議論になり得る
かと思っております。制度的にはやや複雑になるわけですけれども、支援団体が障害者
に分配をした額というところで押さえようかということでございます。

○輪島委員
　たいへん複雑になると思います。

○会長
　畠山委員、どうぞ。

○畠山委員
　今のと関連いたしますけれども、発注企業と最終的な障害を持っている人たちと、そ
の間の支援団体という関係は、一直線ではないんですね。つまり、特定の企業からしか
受注しないというわけではありませんので、ABCという企業があって、こっちにイロハ
という支援団体があり、そこに障害者が何十人もおられるというような関係を考えます
と、絵としては分かるんですけれども、現実の運用としては非常に難しいというのが実
感だと思うのです。特に企業がそれだけこの制度ができたことによって、それではどん
どん発注しようというぐらいに仕事がある世の中であれば、既に障害を持った人をもっ
と雇用しているはずなんですね。ところが、雇用したいんだけれども、やっていただけ
る仕事が、実はうちの会社にはこれ以上ないということで、各社それぞれ適正人員を計
算して、雇用率も気にしながらということで、そして、その結果、なかなか達成できな
い企業も多いというのが現実だと思いますので、そういうことからいきますと、この制
度ができて、働き方の多様化という点ではたいへん結構なんですけれども、現実の姿と
いうのを想像しますと、そんなに発注がにぎわってくるわけではない。それに対して、
非常に仕組みが複雑過ぎるということになりますと、結局、発注する方も、発注を受け
る方も、これはかなわんなということになりかねないと思うのです。ですから、仕組み
は仕組みとして分かるんですが、現実を想定しながら何度も申し上げることですが、極
力簡潔な仕組みにしていかないと、効果が出てこないというふうな感想を申し上げたい
と思います。

○会長
　佐藤委員、どうぞ。

○佐藤（博)委員
　企業側からすれば、発注した時に、何割がこれはみなされる部分だと、事後的に分か
るというのは無理ですよ。どっちにしても。後からですね。だから、ある程度ラフにい
くしかないと思いますよ。ある団体は８割、ある団体は６割というように、１年ぐらい
はそれでいくというふうに決めてしまうしかないと思います。だから、あの団体に発注
したら、何割分は障害者分だというような形でみなせるようにしないと、企業はそれを
みて発注するわけだから。僕は多少ラフなところはあるけれども、３ヶ月経ってから５
割分でしたなんていうと、企業は発注しないと思います。だから、その辺はある程度割
り切りだと思います。あとは、運用上、前年度の実績か何かで、翌年その団体は、おた
くの団体は７割ぐらいはやっていますねというようなところにゆくしかないだろうと思
います。

○会長
　はい。土屋課長。

○障害者雇用対策課長
　確かに予め障害者にどれぐらい分配されるかということが分からないと、企業として
はそれがどの程度評価されるか分かりませんので、非常にためらってしまうというとこ
ろはあるだろうと、それはその通りだと思います。そこで、ただ一方で、実際、発注し
た仕事に対する契約金額といいますか、それはどのように分配されて、どの程度障害者
に渡ったかというようなところは、そこはある程度きちんと押さえないと、ここで何を
評価しているのか分からなくなってしまうということになりかねないと思っています。
そこで、私どもとしては、今先生がお話になったような、みなすということも考え方と
してはあるかと思うのですが、なかなか「みなし」ですと、「みなし」と実態のずれを
私どもがどう考えるかということが非常に難しくなろうかと思っておりますので、でき
れば、モデル的に考えますと、その団体と企業で契約をしていただく時に、一定程度そ
の契約の段階で、この仕事については８割を障害者の方に分配しますとか、そういう約
束を予めしていただいた上で、実際に分配をして確定をしていただくというようなやり
方をしていただければ、ある程度見通しがきくようになるのではないかと思っておりま
す。

○会長
　いろいろとまたご議論いただきますと、いつも毎回申し上げますが、これ以降は第一
議題だけをやると、それ以下は全部次回送りになりかねません。そこで、まだいくつか
詰めるべき点があることははっきりと出てきたと思いますが、方向としては、皆様の中
ではっきりと、障害者も自分自身の職業キャリアというのを発展させたい、発展するこ
とが社会全体、もっと大きく言えば、憲法などの理念であるわけでございまして、こう
した職業人生についての基本理念を雇用対策法第３条は言っております。この職業人生
は当然障害者に関しても保障されるべきものであり、それを実現していくものが我々の
分科会の課題なんだろうと思います。そのように考えますと、そうした理念に沿って、
時代変化等を考えて、少しでも現実的でかつ前へ一歩でも踏み出すような措置をとりた
いということで、在宅就業あるいは在宅勤務などについても今ご議論いただいたわけで
ございます。今日の議論を踏まえて、最終的に我々がどのような方向へいくかについて
は、十分よく事務局の方で詰めていただければと思います。よろしくお願いします。
　では、そのようなわけで、次の議題に進ませていただきます。議題の２は特例子会社
に係る障害者雇用調整金、奨励金の支給方法についてでございます。では、事務局から
ご説明をお願いいたします。

○事務局(今井調査官)
　資料の３の一枚紙をご覧いただきたいと思います。特例子会社に係る障害者雇用調整
金、報奨金の支給方法についてでございます。
　まず、現行制度でございますが、特例子会社制度が設けられ、雇用率が包括適用をさ
れている場合の調整金、報奨金の受け取り手の扱いでございますが、これは現行制度で
は親会社、親事業所が受給することとなっております。ただ、これにつきましては、特
例子会社があって、そこで障害者を多数雇用しているからこそ、この企業グループは本
来なら納付金を払わなければいけないところを、それを払わずに済んで、調整金の受け
取りに回っているというようなこともございまして、また、実際に、雇用管理等に伴う
経済負担が発生しているのは特例子会社でございますので、そこが調整金、報奨金を直
接受け取ることができないのは合理的ではないとの指摘がございます。具体的にいいま
すと、例えば、親会社が受け取った調整金を特例子会社の方へ移そうとすると、課税の
対象になるというような不便さもございます。そこで、規制改革民間開放推進三カ年計
画でも、これについては受け取り方法の拡大という指摘がなされておりまして、親会社
が調整金等の支給を受けるために申告書を提出する際に、調整金の受け取りをグループ
内の会社の一つとすることを可能とするべきであるという計画を立てております。
　今回、制度改正に伴って手当をしたいと考えておりますのは、一番下の四角にある通
りでございます。親会社が予め選択することにより、親事業主もしくは特例子会社の何
れかが調整金及び報奨金を受け取ることができるように制度的な手当をしたいというこ
とでございます。これは、国税当局とも調整を図りながら、こうした不便を解消したい
という内容でございます。以上です。

○会長
　それでは、ただ今の説明につきまして、ご質問ご意見をお願いしたいと思います。な
お、念のため申し添えておきますと、この特例子会社に関する議題を我々が議論し終わ
りますと、９月21日の分科会で整理をいたしました検討事項について、ひとわたり一巡
したということになります。
　そこで、本日の議題として、３にその他と挙げてありますので、これまでの分科会の
議題全体に関しましても、この際ご議論を補足的にいただければと思っておりますの
で、まずは特例子会社を中心にご議論をいただきたいと思いますが、関連して、あるい
は、これまでの議論の点で、十分言い足りなかったというような部分につきましても、
残る時間の中でご発言をいただければと思います。それでは、よろしくお願いします。
はい。畠山委員、どうぞ。

○畠山委員
　ただ今の特例子会社に関する件なんですが、私はこの方向で是非実現していただきた
いと思っております。特例子会社は現在160社ぐらいありますけれども、はっきり申し
上げて、収支面では特例子会社というのは基本的にみな厳しいですね。黒字で悠々とい
う会社はめったになくて、たいていはそれなりに苦労をしているというのが現実ですの
で、その時に、この従来のやり方ですと、親事業主の方へいきまして、それじゃあ子会
社の収支は最終的にどうなっているんだといいますと、総合的に親会社が見て、そこを
若干調整して、最終的には収支とんとんぐらいに収めるといったようなパターンがよく
あるわけですけれども、やはり経営努力に対するものではないですね。障害を持ってい
る人を実際に雇用して、苦労している現場というのは特例子会社なわけですから、そこ
でこういう調整金、報奨金等がきちんと受け取れるということで、どっちに入るかとい
うのは親事業主が決めるということにはなっていますが、そういう選択肢を設けるとい
うことは、やはり特例子会社の経営上は非常に意味があると思いますので、是非この方
向で実現していただければと思います。

○会長
　他にご質問ご意見ございますか。それでは、これは大体皆様の中間的な合意として
は、そういう線でということでよろしゅうございますね。
　では、残った時間をその他の議題に当てたいと思います。これまで議論してきました
点を通して言い足りなかったこと、あるいは、それ以外でも少しこの際発言をしておき
たいということも是非お願いしたいと思います。吉原委員、どうぞ。

○吉原委員
　公務職場における雇用促進についてお願いをしておきたいと思います。なかなか公務
のところが進んでいないというのが現状だと思います。特に教育委員会の関係、文部科
学省の方ですね。そこが進まないという現状があると思います。学校はノーマライゼー
ションとか、共学共生とかいいながら、実は非常に進んでいないところだと思いますの
で、現状のままで促進をしていくというのは非常に難しいところもあると思いますけれ
ども、検討していく必要があるのではないかと思いますので、お願いいたします。

○会長
　笹川委員からも手が挙がりました。お願いします。

○笹川委員
　ご承知の通り10月12日に厚生労働省の方から、今後の障害者福祉施策についてのグラ
ンドデザインの提案がございました。私どもはこれまで介護保険と支援費制度の統合と
いうことでいろいろ検討してきたわけなんですけれども、あの計画によりますと、地域
生活を安定的に保障するということで、就労問題も含まれていました。法律の立案は大
体年内ということになっておりますし、この分科会も年内に意見書を出すということに
なっております。同じ厚生労働省の中で出す意見がバラバラではたいへん困りますの
で、あと一ヶ月間ぐらいしかない限られた期間ではありますけれども、厚生労働省内で
の調整を十分やっていただきたいと思います。現在どのような状況にあるか伺えれば、
なお有り難いのですが、何れにしても限られた時間の中で方向づけを一致するようにし
ていただきたいと思います。特に重度の障害者の場合は、この在宅就労というのは非常
に大きなポイントになりますので、ここら辺のご配慮を是非お願いしたいと思います。

○会長
　それでは、今ちょっとご質問にわたったところがありました。現在どのような調整状
況なのかということですが、お願いします。

○障害者雇用対策課長
　それでは、グランドデザインの関係でございます。私どもは、抽象的な言い方です
が、常日頃から障害保健福祉部の方といろいろ議論をしながら調整をしているところで
ございますけれども、最終的には今笹川委員からもお話がございましたように、同じよ
うなタイミングで集約をしていって、来年の通常国会に改正の法律案を出していくとい
うところも同じようなスケジュールで進めていくという形で考えておりまして、その中
では、先日ご議論いただきました雇用と福祉の地域での連携という部分を意識した法律
の規定をそれぞれに規定をしていくというようなことなどを中心として、それぞれの内
容がかみ合うように内容を調整していきたいと思っており、いまそれを進めているとこ
ろでございます。ちなみに、向こうの方の障害者部会は今度26日に部会が予定をされて
いるわけですが、先方からのご要望もございまして、私どもの施策を今度の26日に障害
者部会で説明させていただいて、向こうでも一定のご議論を頂戴するというような形も
とることにしてございます。何れにしましても、内容も含めてきちんと調整を図らせて
いただきたいと思っております。

○会長
　はい。舘委員、どうぞ。

○舘委員
　全家連の立場からいいますと、雇用率は特例適用ではあっても、実現しそうだという
ことで、たいへん喜んでおります。皆様方のご協力に非常に感謝しております。ただ、
例えば、「社適」が精神保健福祉課であるとか、委託訓練が能開局であるとか、あるい
はメンタルヘルスが基準局であるとか、この問題に関わるいろいろなものが省内のいろ
いろなところにまたがっております。やはり総合的にやっていかないと、多分雇用率が
適用になっても、雇用促進の実は上がらないのではないかと、私は非常に危惧している
ものですから、是非省内で早急にそういうことについて合同で協議するような場を設定
していただけたら有り難いと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○会長
　それでは、渡辺委員、お手が挙がっておりました。どうぞ。

○渡辺委員
　抽象的で当たり前のことなんですけれども、なかなか話題に出てこないのでちょっと
述べさせていただきたいと思います。ただ今、先ほど会長がおっしゃられたところなん
ですけれども、こういう新しいいろいろな施策に取り組んでいく時というのは、非常に
従来の流れの中で危惧することも多くなると思いますけれども、この在宅就業支援団体
などは、私はたいへん賛成しております。ただ、そういうことを考えて、新たなことに
動く時に、障害者の問題というのはまさに障害者の職業キャリアをつくるという視点を
きちんと置かないと、乗り越えられない問題がいっぱいあるような気がいたします。
今、舘委員がおっしゃったこともそういう点にあると思うんですが、やはり何のためか
というと、自立というのはどういう意味かということ、それはまさに職業キャリアを彼
らが、みんなが誰でも同じように歩んでいくということで、その問題をもう一度明確に
する必要があるし、そのためにコーディネータやジョブコーチなりも、働き方がもうち
ょっと違ってくる可能性があるので、そういう専門家の教育というのを、ただ職業能力
の開発とか、技術の習得とか、職場の確保ではなくて、キャリアを確保していくために
はどうあったらいいかという、もうちょっと教育的な発想も指導者の中に加えていく必
要もあるのではないかと思っています。

○会長
　はい。松矢委員。

○松矢委員
　これは前に藤原委員からも出たのだと思うのですが、まさにそういうグランドデザイ
ンを全体の障害者が働くということで考えますと、障害者基本計画の懇談会の時に、知
的障害のある三人の方が意見陳述しましたけれども、要するに企業で働いている方々は
大体最低賃金で働いておりますので、一ヶ月10万円程度なんですね。あまり昇給もあり
ません。そういう方々が親から離れて、自立したいというのは、これは当然自立の基本
的なことですね。ところが、10万円でグループホームを利用するということはできませ
ん。例えば、東京都の４度の、軽度の知的障害の方々は東京都でグループホームを利用
しますと、ほとんど残りはありません。生き甲斐のある地域生活をするお金がないわけ
ですね。そこに今、年金やお金がありませんから、あなたは軽度ですということでは、
全部親元で暮らしなさいということになってしまうわけです。だから、そういったとこ
ろを、知的障害者の４度、軽度の、要するに療育手帳のEの方々ですね。やはり社会生
活をする上では非常に困難を持っている方々です。だから、そこはいろいろな三種類の
障害がありますけれども、やはり知的障害の方々が地域で豊かな生活、つまり自立して
いくという時に、年金の対象になる必要があるということは、本人の方々がおっしゃ
り、そして、その時は副大臣が参加しておりまして、非常に重要な提起であるので、し
っかり考えたいということをおっしゃっておりました。そういうことも含めて今回のグ
ランドデザインということを考えると、働くというキーワードのところで生活保障の問
題があるわけですから、そこでそれが全部賃金で賄えないということは明らかなんです
ね。また、多様な就業形態ということが出ておりますので、やはり年金の問題は不可欠
であるということをしっかり、省内の総合的な議論の場で検討していただきたいと思い
ます。

○会長
　他にいかがでしょうか。よろしゅうございますですか。それでは、そろそろ時間がま
いりましたので、本日はこの辺りで一応議論を閉じたいと思います。
　そこで、次回以降でございますが、次回の分科会におきましては当分科会としていろ
いろ意見の取りまとめに向けての議論を行っていただきたいと存じます。そこで、先ほ
どもお願いをしたところでございますが、事務局におかれましては、これまでの議論を
よく整理していただきまして、当分科会としての意見書案を叩き台として作成していた
だきたいと思います。それを軸に次回は皆様とさらに議論を深めていきたいと考えてお
ります。
　そこで、次回の日程などでございますが、事務局の方からご説明をお願いいたしま
す。

○事務局(今井調査官)
　次回の第15回障害者雇用分科会でございますが、12月７日(水)、9:00から11:00でご
ざいます。厚生労働省６階共用第８会議室で開催いたします。なお、お手元に次回の出
欠確認についての用紙を配付しております。できましたら今ご記入いただきまして、お
帰りの際に机の上に残して置いていただけたらと思います。また、当日ご出席できない
方につきましては、資料送付という形で対応させていただきたいと考えておりますの
で、ご了承願います。
　それから、お手元に第11回分科会の議事録が配付されておりますのでご査収くださ
い。以上でございます。

○会長
　それでは、特に言い忘れたというようなことはございませんですか。でしたら、今日
は珍しく時間より早く進行させていただきました。ご協力ありがとうございました。
　そこで、本日の議事録の署名でございますが、労働者代表は長谷川委員に、使用者代
表は畠山委員に、障害者代表は松井委員にそれぞれお願いをいたしたく存じます。どう
ぞよろしくお願いいたします。それでは、本日はお忙しい中をご出席いただきまして、
今日もたいへん建設的なご意見をたくさん賜りましてどうもありがとうございました。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。


照会先：職業安定局障害者雇用対策課調整係
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