04/11/15 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の 第3回議事録 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会 第3回 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会      日時 : 平成16年11月15日(月)16:00〜18:00      場所 : 航空会館7階 702,703会議室      出席者: 安部 好弘 委員  井村 伸正 委員           荻原 幸夫 委員  埜中 征哉 委員           林  正弘 委員  細谷 龍男 委員           松本 恒雄 委員  望月 眞弓 委員      議題 : 1.医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する             作業について           2.医薬品販売制度改正検討部会への報告について           3.その他 事務局  定刻になりましたので、ただいまから第3回の専門委員会を開催させていただきま す。  先生方におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきましてありがとうございま す。  本日は、前回ご議論いただいた内容について確認も含めての作業になりますが、リス クの程度の評価を行っていく上で必要な情報の集め方について考え方を確認・整理する とともに、基礎情報を集めた上で行われるリスクの程度の評価について、集めた情報を どのように取り扱っていくかなどについてご検討いただくことになろうかと思います。  それでは委員長、よろしくお願いいたします。 埜中委員長  まず最初に、委員とオブザーバーの出欠状況について事務局から報告をお願いしま す。 事務局  専門委員会の先生方につきましては、高橋委員と溝口委員からご欠席という連絡をい ただいております。荻原委員は若干遅れるということでございます。  オブザーバーの先生方につきましては、鎌田委員、安田委員がおみえです。増山委員 は少し遅れるという連絡が入っております。出席予定でした宗像委員につきましては、 急遽都合が悪くなったので欠席という連絡をいただいております。 埜中委員長  それでは、本日の配付資料の確認をお願いします。 事務局  お手元の資料を確認させていただきます。一番上に議事次第がございます。その下に 資料1から8までご用意させていただいております。  資料1、委員名簿がございます。  資料2、一般用医薬品の製品群という2枚紙です。  資料3、医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する留意事項という横 長のものです。  資料4、「リスクの程度の評価」の作業のもとになる情報源です。  ここまでは前回お配りした資料と同じでございます。  前回、参考資料としていたものを今回は資料5としております。  次に、資料5−1、カロナール錠の添付文書のコピーです。  資料5−2、ブスコパン錠の添付文書のコピーです。  資料6は前回ご議論いただきましたワークシートですが、2つございます。  資料6−1、解熱鎮痛薬の例です。  資料6−2、胃腸鎮痛鎮けい薬の例です。  資料7は新しい資料ですが、専門委員会における作業の状況について(案)という3 枚紙です。  資料8も新しい資料ですが、抽出された基礎情報に基づく相対的リスク評価の考え方 (たたき台)という1枚紙です。  資料は以上ですが、不足等がございましたら事務局までお申し出ください。 埜中委員長  それでは、まず第1番目の検討項目ですが、医薬品のリスクの程度と情報提供の内容 等に関する作業について、ご検討いただきたいと思います。  前回の委員会では、リスクの程度の評価について、その基礎資料をワークシートにし ようことで資料をお渡ししたと思います。その代表的なものとして解熱鎮痛薬と胃腸鎮 痛鎮けい薬を出して、それに沿って、ほかの85品目についても検討を進めていこうとい うことでご検討いただいて、皆様方からご意見をいただき、ご了承を得たというところ です。  その時に問題点がいろいろありましたので、それについての考え方を後で事務局から お話しいただくことにしたいと思います。  基礎情報を集めた後にリスクの程度を評価する上で、集めた情報をどのように処理し ていくかということについて今日ご検討いただきたいと思います。それが終わります と、後は流れ作業的に実際的な作業に入っていくと思いますので、今日はそこまでご検 討いただきたいと思います。  それでは、資料に沿って事務局から説明をお願いします。 事務局  まず資料1から資料4ですが、ご覧のとおり、前回の委員会でお配りした資料と同じ です。本日ご用意しました趣旨は、専門委員会での議論の経過を部会に報告する際に資 料1から4も使ってはどうかと思いまして、お付けしたということです。内容について は前回ご説明しましたので省略させていただきます。本日のご議論の中でも、これらの 資料を参考にしていただければと思います。  前回の委員会で望月委員から、ワークシートにあるAからHまでの項目について、添 付文書からどこの項目を抽出してくるかというお話がありましたので、それに従いまし て、資料5−1、5−2の添付文書の該当項目にA〜Hの文字を記入しております。  例えば資料5−1の1ページの左上にあります「禁忌」の項目については、リスクの 評価に関する項目の中のEに当たるということで、Eに関する情報としてワークシート の中で抽出してはどうかというお話がありましたので、「禁忌」の横にEというマーク を付けております。  効能・効果の関係ですとF、用法・用量ですとGという形で、ワークシートの中に出 てくるAからHまでの項目のどれに当たるかということがわかるようにして、今回、改 めてお配しりしております。後ほど議論の際に適宜お使いいただければと思います。  資料6−1と6−2については、前回お配りした資料の中を太線で囲ったり、一部に 網掛けをしたりした形で再度お配りしたものですが、後ほど説明いたします資料7、資 料8についてご議論いただく際に見やすいようにということで工夫をさせていただきま した。  資料7から説明させていただきたいと思います。「専門委員会における作業の状況に ついて(案)」というタイトルですが、専門委員会での議論を現時点でまとめてみたも のです。これを一つのたたき台として、どのような形で部会に報告するかということに ついてご議論いただければと思っております。  まず冒頭に前文があります。専門委員会では、部会における議論を踏まえ、以下の1 に示すとおり専門委員会を開催し、リスクの評価の程度と情報提供の内容等について、 主に作業の進め方を中心に、具体例をもとに検討を行ってきました。  その結果、現時点において、以下の2に記す考え方にそって、今後の作業を行うこと にしてはどうかと考えておりますので、その内容を報告します。  あくまでも案文ですが、このような内容で専門委員会から部会に報告してはどうかと いうことで、本日ご議論いただきたいと思います。  1.開催状況ですが、10月22日に第1回専門委員会を開催し、11月に第2回専門部会 を開催しております。本日は3回目ですが、検討項目を事務局で整理させていただいて おります。  2ページの2.作業の進捗状況のところで具体的な中身を記しています。前回ご議論 いただいた中で確認された事項を文章にしてみたものですが、大きく3つに分けていま す。  まず(1)リスクの相対的評価を行うための基礎情報の集め方についてです。  1つ目の○ですが、作業は、製品群ごとに行うことを原則とし、各製品群に属する製 品に配合される主たる成分に着目して、順次、基礎情報を整理する。  具体的には解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛鎮けい薬を例として、製品群に属する成分という形 の切り出し方をする。そういう整理の仕方をしているということを記した部分です。  2つ目の○ですが、化学構造や薬理作用からみて、薬学的に同種同効と考えられる成 分については、各成分ごとに基礎情報を抽出した後にグルーピングする。これは、情報 の抽出が困難な成分については、グルーピングされた成分の基礎情報を当該成分の基礎 情報として取り扱うということも含みます。  資料6−1をご覧いただきますと、左側に成分名が並んでいますが、その左側にどう いう成分かということで括りを入れてあります。アスピリンからエテンザミドまで5つ の成分が縦に並んでいますが、それらに関して解熱鎮痛成分と括り方をしています。  同じようにアリルイソプロピルアセチル尿素とブロムワリル尿素は鎮静催眠成分とし て括りました。その下の3成分については制酸成分としています。薬理作用に基づく括 りとして、大きく3つに分けております。  これらに関して太枠で括った形で表が整理されていますが、薬学的に同種同効と考え た場合、記載の内容いかんにかかわらす同等と見なしていいかどうか。このあたりを太 線の枠の範囲内でご議論いただくことになろうかと思います。括ることが可能であれ ば、異なる成分であっても同じような形でグルーピングして、基礎情報を抽出した後に 同じように扱うことができるのではないかという意味です。これについても本日、改め てご確認とご議論いただければと思います。  資料7のカッコの中に書いてあります「情報の抽出が困難な成分」について資料6− 1で申し上げますと、鎮静催眠成分としてアリルイソプロピルアセチル尿素とブロムワ レリル尿素と2種類書いてありますが、このうちブロムワレリル尿素については○印が ついていますので、なんらかの情報が集められているということです。  アリルイソプロピルアセチル尿素については情報が集まらないということですが、こ こでいうところのグルーピングが可能であれば、アリルイソプロピルアセチル尿素に関 して直接の情報がなくても、ブロムワレリル尿素の情報をもって、その両者が同じよう なものとして扱えるのではないか。こういうことを意味しています。このあたりは程度 の部分があるかと思いますが、同種と見なすことができるものに関して、今のような扱 いができるかどうかということをご確認いただければと思います。  資料7の2ページに戻りまして、3つ目の○を読ませていただきます。基礎情報の整 理は、幅広く情報を集めるという考え方にたって、相対的に情報量が多い医療用医薬品 の添付文書の記載内容を、「リスクの程度の評価」に係る項目ごとに抽出し、ワークシ ートとして整理する。また、必要に応じて文献情報等を用いることとする。  資料6にありますように、情報をワークシートに整理するわけですが、その際、医療 用医薬品の添付文書の記載内容をもとに情報を抽出してくるということです。前回もご 議論がありましたとおり、必要に応じて文献情報も用いるということも付け加えてあり ます。  4つ目の○ですが、もともと一般用医薬品に関する議論ですので、一般用医薬品の添 付文書に関する取り扱いについて記しています。一般用医薬品の添付文書については、 基礎情報を抽出する作業の次の段階として、「提供する情報」の検討を行う際に、その 記載内容を踏まえた作業を行うという整理です。これについても改めて本日ご議論いた だければと思います。  5つ目の○です。抽出された情報に基づく検討にあたり、医療用医薬品及び一般用医 薬品それぞれの効能効果、用法用量等の違いを把握できるよう、医療用医薬品及び一般 用医薬品の効能効果、用法用量、1日あたりの上限量等の情報をワークシートに付記す る。  これに関しても前回の委員会でご議論がありましたとおり、医療用と一般用では量も 違う、適用も違いますので、そのあたりを比べた上で作業していくべきだろうというこ とでしたので、このあたりもワークシートの中にも併せて整理するという意味合いで、 作業の考え方として記載させていただいております。  (2)相対的リスクの評価方法についてです。前回ご出席の高橋委員から、情報の集め 方だけについて部会に報告するのではなくて、それぞれの項目の取り扱いとか評価の方 法についても検討した上で、それを報告したほうがいいのではないかというご意見ごあ りましたので、議論の内容をこの中に盛り込んではどうかということで、とりあえず枠 組みだけ設けております。これについては後ほど資料8で少し説明させていただきま す。  3ページですが、(3)今後の進め方についてです。読ませていただきます。  まず、具体例として検討された基礎情報の抽出方法に基づき、全ての製品群に属する 主な成分の基礎情報を抽出し、検討に用いた具体例(資料6−1、6−2)と同様に、 ワークシートとして整理する。  部会の場では、検討に用いた2つのワークシートも提示した上でご報告ということに なるかと思いますので、こういった書き方をしております。  次に、基礎情報を抽出した後、それらをもとにリスクの程度の相対的評価に関する作 業を開始する。  まずは基礎情報をひと通り抽出した後に、評価に関する検討をこの委員会で行ってい くという意味です。  資料7に書かれている内容の確認、部会報告に対する資料の作り方、そのほかいろい ろな角度で今日ご議論いただきたいと思っております。  次に資料8に移らせていただきます。いま資料7で申し上げました相対的リスクの評 価方法に関する部分として、論点として何かあったほうがいいのではないかということ で、たたき台として用意させていただいたものです。  1.抽出された基礎情報に基づき、リスクの相対的評価を行うにあたり、「リスクの 程度の評価」に関するAからHの項目のうち、「B.相互作用」の「併用禁忌」、「C .重篤な副作用のおそれ」、「E.患者背景」の「適応禁忌」の3つの項目について は、他の項目に比べて重要なファクターとして取り扱ってはどうか、です。  資料6−1をご覧いただきますと、いま申しましたB、C、Eの項目に網掛けがして あります。一番上の横軸にAからHまで並べてありますが、その8つの項目に関して、 どういった項目を重要なものとして捉えるかということを議論していただきたいと思っ ておりまして、議論のたたき台になるようにということで、B、C、Eを重要なファク ターとして扱ってはどうかということで提案させていただいております。  資料8の2つ目の項目です。各項目において、各成分ごとに抽出された基礎情報に違 いがある場合であっても、同様の取り扱いとできるものがあるのではないか、です。  イメージとして資料6−1をご覧いただきたいと思います。先ほど成分でグルーピン グできるのではないかという話をいたしましたが、例えば解熱鎮痛成分ということで括 った5つの各成分は、○のついているところが違いますし、記載の「ある」「ない」が 各項目によって違いがあります。○印だけでは判断がつきにくいかと思いますが、具体 的に書かれている情報を一つ一つ見た上で、多少の違いはあっても、同じものとしてい いのかどうかということで、そういった検討も必要ではないかという意味で、項目とし てあげております。  その関連として、先ほどご紹介しましたアリルイソプロピルアセチル尿素とプロムワ レリル尿素の情報があるものとないものとの関係も同じような形で、この部分でご議論 いただければと思っております。  資料8の3番です。抽出された基礎情報の多少は、必ずしもリスクの高低にはつなが らないことに留意する必要があるのではないか。  ワークシートの1枚目に情報の「ある」「ない」を○で示していますが、○の多い少 ないでリスクの高低は言えないのではないか。2枚目以降にある具体的な記載、注意す べき事項を見た上でリスクを評価すべきではないかという意味です。このへんの考え方 についても今日、いろいろご意見をいただければと思います。  以上、事前にご議論いただくポイントを3つほど資料8であげましたが、そのほかに もいろいろな観点での考え方、あるいは今後作業をしていく上でクリアすべき点等いろ いろあるかと思いますので、それらも含めて、リスク評価に関する意見交換が行われれ ばと思っております。その中から可能なものに関して部会への報告事項として資料7に 盛り込ませていただきたいと思っております。以上です。 埜中委員長  ありがとうございました。ただいまの説明について何かご質問はございますか。よろ しいですか。  資料7の2枚目の作業の進捗状況にありますように、情報を集めて、それをグルーピ ングして、6−1と6−2の表にしてあるわけです。そういうやり方でこれから作業を 進めていきたいと思っていますが、こういうものを入れたほうがいいのではないかと か、こういうところを検討したほうがいいのではないかとか、そういうご意見を取り入 れてやっていきたいと思います。6−1、6−2の表をご覧になって、いかがでしょう か。  作業の進捗状況の(1)に○が5つありますが、今までの進め方に沿って、いろいろな 項目に広げていくということでよろしいですか。 望月委員  (1)の5つ目の○の下線の引いてあるところですが、前回、医療用医薬品と一般用で は効能・効果や用法・用量に違いがあるということで、この点を入れてほしいというご 意見が出たわけです。一般用医薬品の場合は各種の成分が配合された上での効能・効果 という形になっていますので、効能・効果のところの整理の仕方が難しいんですね。  例えば資料6−1の場合、左端の枠は解熱鎮痛成分、鎮痛催眠成分、制酸成分と分か れていまして、これらが合わさった形で解熱鎮痛の効能みたいな形になったり、単一成 分ですと、ここの領域では解熱鎮痛成分に該当するものが解熱鎮痛薬として売られたり しているものもありますが、多くは、この3つが配合された形になっています。その場 合の効能・効果という読み替えのところをどのように捉えたらいいのか、そのあたりを お聞きしたいのですが。 埜中委員長  合剤になった場合と単品の場合の効能・効果の違いをどのように入れていくかという のはなかなか難しいですね。事務局として何か考えはありますか。 事務局  解熱鎮痛薬にしても、一般用の場合は配合剤ですので、必ずしもアスピリンの効能が イコール一般用医薬品としての効能・効果ではない可能性はあると思いますが、比較を する上で、アスピリンを主たる成分とする一般用医薬品という意味で、一般用医薬品の 効能・効果を表のわきに書いておいて、医療用のアスピリンの効能・効果も併せて書い ておく。配合剤であるということを前提とした中で、両方の記載を見ていかなくてはい けないと思うのですが、アスピリンに着目した中で一般用医薬品では効能・効果はこう なっているということを情報として付記しておくことぐらいはできるのではないかと思 いました。ケース・バイ・ケースで難しい部分が出てくるかもしれませんが、全体を見 た上でということではありませんので、そのあたりまではなんとも言えませんが、一つ の例としては、いま言ったようなイメージではないかと考えています。 望月委員  主薬というか、その目的に到達するために、ぜひこれはなくてはならないという成分 のところで効能・効果は整理をしていくという形で、用法・用量に関しては、配合され ている含量から見ていくということでよろしいんでしょうか。 埜中委員長  そうなりますよね。それしか仕方がないと思いますね。 望月委員  同じ成分でも、一般用医薬品の配合量というのはかなりばらつきがあるような気がし ます。どなたがどういうふうに集約するのかというあたりはご検討いただきたいと思い ます。 石井総務課長  いま望月先生からご指摘のあった点は、この専門委員会の作業をしていただく上で非 常に重要な課題ですが、配合剤の捉え方、評価の仕方について事務局として一つの明確 な考え方があるかというと、必ずしもそういうことではございません。関野から申し上 げましたように、主たる成分に着目して整理をする方法はあるのだろうと、そこまでは 事務局とての考え方は共通しておりますが、いろいろな配合がありますので、ケースに よってどのように扱ったらいいのか、そこのところは先生方にお知恵を絞っていただき たい。相乗効果等があるはずですが、その点については十分な情報がない薬も多く、大 変な作業ではあります。私どももない知恵を出しながら進めていきたいと思っておりま すが、基本的には先生方のお考えをもとに私どもも作業をやっていきたいと思っており ますので、よろしくお願いいたします。 埜中委員長  個々のケースによってずいぶん違うと思うので、実際にやってみて、その都度、問題 になるところを整理して、方向づけをしていくより方法はないじゃないでしょうかね。 望月委員  前回、高橋委員が、この作業をどのくらいの時期まてに仕上げたいのか、どの時点で 結論を出していきたいのか、スピードの問題もあるでしょう、どれだけのスピードを要 求されるかによって、整理していく範囲もここまでというラインがあるでしょうという お話をされていました。用法・用量というのは重要な情報ではあるとは思うんですが、 一般用で販売できる中には、用法・用量が医療用の70%ぐらいであるとか、そのあたり もセルフメディケーションで使えるという因子の中に入っていると思いますから、重要 な情報だとは思います。  医薬品そのもののリスクの程度の評価という場合、用法・用量の概念をどこまで取り 入れる必要があるのかなというのがありまして、情報的にも非常に時間のかかる作業に なると思いましたので、どういう形で整理をするかというアイディアが先生方におあり でしたら、お聞きしてみたいと思います。 事務局  参考となる情報として、承認基準の設定されているものがあります。ないものについ ては既存の製品から情報を取り出して、承認基準のあるものについては承認基準の中の 情報を取り出して比較していただくというのが現実的な情報の整理の仕方かなと考えて おります。かぜ薬であれば、この成分を入れた時に記載していい効能・効果というのが 承認基準にありますし、その成分の最大分量というのも承認基準上設定されています し、既存の製品であれば既存の製品の情報を取り出す。このような情報の整理の仕方が 考えられるのではないかと思います。 埜中委員長  それでも実際になると難しいでしょうね。実際に作業に入ってみないと、わからない ところがありますね。作業の進め方にあるように、あとは機械的にいけるように思いま すけど、実際には望月先生が指摘されたように問題点がたくさん出てくると思いますの で、その都度、解決策を見つけていくということしかないと思います。ということは、 これからの作業は非常に大変だということになると思います。  進め方としては、資料7に沿って進めていくということでよろしゅうございますね。 それでは、この委員会では、資料7の(2)(3)に従って進めていくということにさせてい ただきたいと思います。  前回、高橋委員から相対的リスクの評価方法について考えて作業を進めたほうがいい というご指摘をいただきました。事務局と相談して、資料8に書いてあるような考えを もって、資料6−1、6−2に網掛けがしてある項目を重点的にこれから見ていこうと 考えていますが、これについてご意見をいただければありがたいと思います。  重点項目としては、Bの相互作用の併用禁忌、Cの重篤な副作用のおそれ、Eの患者 背景、基礎疾患を持っている人はその薬を使用しないほうがいいとか、そういう情報で すね。この3つを重点項目として評価していきたいと考えています。これについて何か ご意見はございませんでしょうか。  6−1を見ていただきますと、解熱鎮痛成分としてアスピリンとかアセトアミノフェ ンとか括ってありますが、その中でもリスクの差がありますので、ひと括りにしてバッ と一気にやってしまうわけにはいかない。この中で高低をつけなくてはいけないという ことになると思います。そのへんのところを作業としてこれから進めなくてはいけない と思うんですが、そのような作業の仕方でいいのかどうか、何かご意見があれば伺いた いと思います。  もう一つ指摘された点ですが、○の差では評価にはならない。それは当然のことです ので、そういうことを考慮して評価をしていきたいと思っています。 井村委員  資料6−1のFの効能・効果のところにカッコして症状の悪化につながるおそれと書 いてあるんですが、具体的にどういうことなのでしょうか。 望月委員  それぞれの薬物群によって異なると思うのですが、6−1の2ページの一番最初にア スピリンという薬物が出てきます。そのFの項目を見ていただきますと、感染症の不顕 性化とあります。発熱性の疾患の場合、感染症があることがままあって、その場合、解 熱薬でとりあえず熱が下がって症状はよくなったように見えるけれども、感染のほうは 進行している可能性がある。もともとの疾患自体は感染症という疾患で、それの悪化に つながるおそれという意味になります。効能・効果としての症状とはちょっと違うかも しれないのですが、ここで、そのことは整理をしておいたほうがいいだろうということ で入れてあります。 井村委員  先ほど望月先生が問題にされた効能・効果は、一つ一つの成分について見るのか、そ れとも一般薬全体を配合剤として見るのかという話なのですが、そういうふうに考える のだったら、成分として見ればいいことなのですよね。 望月委員  解熱鎮痛薬は主薬が解熱鎮痛成分ということで、そこで効能・効果を整理していただ ければ大丈夫だと思います。 井村委員  そういうふうにはいかないものがあるとお考えですか。 望月委員  そういう意味ではなくて、それを確認させていただきたかったんですね。解熱鎮痛薬 には解熱鎮痛成分と鎮静催眠成分と制酸成分を使っていますので、この中の一つ一つに 効能・効果を振っていくのは無理でしょう。振るとしたら、解熱鎮痛薬という括りの中 では解熱鎮痛成分に振るという形になるのではないか、それを確認させていただきたか ったのです。 埜中委員長  6−1の1ページのブルフェンは併用禁忌のところに○が付いていますけど、これが 絶対的に危険なものかというと、その次のページにあるジドブジンはHIVの感染症に 効く薬で、出血傾向の増強がある。しかしそれは極めてまれなことなので、だからとい ってブルフェンが非常に危険な薬というランク付けにはならない。そういうことを一つ 一つ検討していかなくてはいけないということです。 井村委員 網掛けの部分の項目を見ていくという考え方でいくのだとすると、スコアを 考えるのでしょうか。 埜中委員長  スコア付けというのは難しいんじゃないでしょうか。非常に危険なものは二重丸を付 けることぐらいはできるのじゃないかという考えなのですけど。 事務局  部会でもちょっと議論があったと思うのですが、スコアにしてしまった時に、数字の マジックのような形で、かえって大事なところが薄まってしまうようなケースもあるか もしれないので、評価の方法については試行錯誤しながら先生方とご議論していく部分 ではないかと思っております。 埜中委員長  スコアというのは付けにくいと思うんですね。総合的に判断していくより仕方がない と思います。  資料の収集方法とか、相対的リスク評価の考え方とか、そういうことが前回問題にな って、それに対して我々のほうでいろいろと考えた結果を今日お話ししたのですが、そ れについてご意見がないようでしたら、これに沿って作業を進めさせていただくという ことでご了承いただくことになると思います。よろしいでしょうか。 事務局  BとCとEの項目を重要なファクターとして取り扱うということですが、Dの濫用の おそれとか、薬理に基づく習慣性という項目があります。資料6−1の3ページを見る と、ブロワレリ尿素はD.濫用のおそれ、薬理に基づく習慣性が「あり」となっていま すが、「あり」があったとしても、C.重篤な副作用のおそれ、依存性といった重篤な 副作用のものが出てきて、そちらのほうで評価が可能であるから、これは重要なファク ターとして取り扱う項目としなくてもいいと考えてよろしいでしょうか。 埜中委員長  この3つを選んだのは、これを重点的に見ていくということで、ほかのところは無視 するというわけでは決してなわけです。なるべくB、C、Eで評価して、ほかの項目で も危険度のあるものは、それを取り入れていこうという考えでやっていきたいと思って います。 事務局  いくつかの項目にまたがって、習慣性を一つの根拠として、重篤な副作用のほうにも 依存性というのが書かれているケースもあるかと思いますので、それはCで捉えるし、 AからHまで全部見ますので、その中でもDの関連でCがあるのでは、ということを一 つ一つ確認していくことで、漏れなくきちんと見ていくことが必要だと思います。その ためには、まずは情報の抽出というものをこのワークシートの中にきちんと書き込んで いくことが第一段階として必要ではないかと思います。 増山部会委員  医薬品のリスクというのは販売方法によってもリスクの程度が変わってくる場合があ るんじゃないかと思うんですね。服用する人が専門家からその医薬品について直接アド バイスを受けられるかどうかとか。お父さんが買ってきて、子どもたちが飲むとか、そ ういうことも日常生活の中では往々にしてあるわけです。  リスクの程度を評価する場合、現状での薬の販売が前提で考えていくんだと思うんで すが、薬事法上でこう販売しなければならないという法律上の決まりと現実に売られて いる様子というのはかなり乖離があるのではないかということは、検討部会の中でもず っと指摘されてきたことだと思うんですね。  ホームセンターみたいなところで食料品も売っているし日用雑貨も売っていて、その 片隅で医薬品の販売もしているようなところがあるとします。私の家は郊外なので、そ ういう形態で医薬品が売られていることが多いのですが、レジが10個あって、「医薬品 のカウンターは薬剤師不在のため中央レシをご利用ください」という札が出ていたりす るんですね。専門家のアドバイスが受けられるということを前提に医薬品のリスクの評 価をしてしまうと、現状に乖離があるということが問題になっているので、○、◎、△ か、わからないですが、何分類かにするにあたっても、そういった現状をどう反映して いくのかというのを確認させていただきたいと思います。 埜中委員長  そこまで配慮するかどうかですね。過剰に摂取した場合はどうなるかというのは、そ ういうことを配慮したことにはなると思うのですが、個々の薬ではどうですかね。 松本委員  今のお話は次のステップで議論すべきことかなという気がするんですね。それぞれの 医薬品ごとに典型的なリスクを割り出して、できれば重みづけをする。その上で、それ ぞれのリスクとか重みに見合った販売方法や情報提供の方法はどうあるべきかというこ との中で、ほかの商品と一緒にレジに持っていって、「はい、いくら」というような売 り方はだめですよということで、それを厳しく禁止すべきものと、そうではないものが 分かれてくるかもしれない。その段階で議論すべきで、薬の危険性のところで、今は販 売方法がルーズなところもあれば厳密なところもあるので、ルーズなところを前提にし てリスクを分けましょうというと、どの薬も危険だという話になってしまうかもしれな いですから、それを念頭に置きながら、次を議論したほうがよろしいかと思うのです が。 増山部会委員  私自身は、どの薬も危険だと思っているんですね。たとえそれが1000分の1の確率だ ろうとなんだろうと、何か重篤な副作用が出た場合は、その人が用法・用量を守らなか ったためであっても、勘違いとか、添付文書を見間違ったとか、いろんなケースがある と思うんですね。落ち度については、計り知れない部分はあると思うんです。  私がずっと気になっているのは、検討部会の中で現状乖離ということがあるじゃない かということはたくさんの方から指摘されていたにもかかわらず、どう乖離しているの かということが把握できないでいる。これまでの話し合いの中で、そこがまだクリアさ れていないと思うんです。そのために国民へのアンケートを厚生労働省で用意されてい るかと思うんですが、国民のアンケートというのがどのように行われるかというのがお わかりであれば、教えていただきたいんですけど。 石井総務課長  いま増山委員からご指摘のあった点は、そもそも制度と実態の乖離の問題ですけど、 本体の検討部会が立ち上がった時点で、私どもの局長の阿曽沼からもお話をさせていた だいたし、その後も数回にわたりまして検討部会のいろいろなやりとりの中で委員の皆 さん相互に確認してきたことだろうと思います。要点として申し上げれば、制度と実態 の間に乖離があることは確かである。問題状況に対するアプローチの仕方としては、制 度を実態のほうに近づけるとか、逆に実態そのものを制度の求める水準にまで高めると いう行き方もあるわけです。  そもそも論になって恐縮ですが、一般用医薬品に関する販売のあり方というのは、昭 和35年に薬事法ができて以来、世の中いろいろ変わっている、国民の意識も変わってい る、情報提供についても、テレビ電話などが現れるとは想定していなかったような大き な変化がある。そういう中で、どちらかを一方に近づけるという方法論もあるかもしれ ないけど、そういうアプローチとは別の、より実効性が担保されるような販売のあり方 を考えるべきではないかということが出発点だったと思うんですね。  実態の問題を放置するというのでは決してなくて、それはそれで私どもはきちんと対 処しなければいけないと思っています。それはやるとして、この検討部会においては、 もう一つの、あるべき実効性がきちんと備わった制度づくりについて議論していこうと いうことだったと思うんですね。その一つのアプローチの仕方が、医薬品というのは他 の商品と違って、そこにはリスクがある。そのリスクをいかに抑えるかということで、 リスクの大きさに見合った情報提供のあり方を考えようじゃないか。適切な情報提供の 仕方をきちんと考えることによって、医薬品が本来もっているリスクを抑えて、安全性 を確保していこう。リスクというのは薬そのものの属性だけではなくて、おっしゃった ように販売のあり方とか、それを利用する消費者の様々な状況というものも勘案すべき は勘案して、そして情報提供のあり方という方向に収斂していこうじゃないか。こうい う理解で進んでいると思うんですね。  先ほど松本部会長代理がおっしゃったとおり、増山委員から指摘があった点は次のス テップのことだろう。具体的にいうと、資料3という横長のものがありますが、今やっ ているのは一番左側のリスクの程度の評価のところの作業である。この作業が終わりま すと、それに見合って、提供すべき情報はどうなんだろうかというところに進んで、そ して右側の情報提供の方法、その他への対応へと進んでいく。今はそのステップには至 っていない、手前のところの作業をしている、このような理解をしていただければよろ しいのではないかと思います。  実態を正確に把握する必要があるということで、国内のアンケート調査をきちんと進 めようということで作業をしております。今日はそれをご報告するような準備はしてお りませんが、近々、機会があればきちんとまとめてお話をしようかと思っております。 作業状況だけでもということであれば、口頭になりますが、担当のほうからご説明させ ていただきたいと思います。 事務局  消費者へのアンケート調査の状況ですが、消費者へのアンケート調査等を行いまし て、これを部会の議論の参考にしていただくことになっております。夏に部会でまとめ ていただきました論点を踏まえて調査票の作成をしているところですが、でき次第、部 会の先生方にお送りして意見をいただくことになっておりますので、もうしばらくお待 ちいただければと思います。 増山部会委員  確認なんですが、アンケートの回答を得ることで、現状の販売がどうなっているかと いうことがある程度わかるようになっているという理解でよろしいんでしょうか。 石井総務課長  新しいものを構築する上で必要な基礎的な情報の一つとして、これを収集させていた だこうと思っております。そういうものも当然その中に入ってこなければいけないと思 っています。 増山部会委員  先ほどの私の質問の内容というのは、いま皆さんからご説明いただいたように次のス テップの話になるのかなというのは私自身も理解しておりました。この検討会のもとも との趣旨というのが、専門部会のほうはリスクの程度の評価ということになるかと思う んですが、最終的にはそれをどう評価したかという結果を見ながら情報提供のあり方を 考えるというか、大きくいえば一般用医薬品の販売のあり方を考えるということをやっ ていく、その詰めの作業をしていくんだと思うんですね。  その中で、通信簿に例えると、評価するたびに評価が違ってしまうようなことではな らないと思うんですね。昭和35年に薬事法が制定されて、今日までのギャップを埋める というのは一足飛びにはいかないというのは重々承知しているんですけど、ぜひリスク 評価にあたって、少なくとも10年、20年、こういう評価は正しかったというような評価 のあり方が適切に行われるよう、できるだけ慎重にやっていただきたいという気持ちが あります。  販売方法とリスクというのはリンクしてくることだと思うんですね。リスク評価の考 え方は、この3点でよろしいというか、これぐらいしか私も考えつかないので、こうい うことを変えてほしいということはないんですが、最終的に評価の詰めをする時に、こ れも考慮する必要があるといったことが出てきて、それが本当に重要だということがあ れば、そこは柔軟に対応していただきたいと思います。 埜中委員長  わかりました。リスク評価の時には増山委員のご意見を十分考慮したいと思います が、実際には難しいところもたくさんあると思うんですね。副作用というのは思わぬと ころから出てきて、わっと変わるというのはよくあることなので、10年間変わらないよ うな評価というのは無理かもしれません。10年間変わらないような評価をしたいと思い ますけど、実際の作業では難しい点はあると思いますね。今回は限られた時間でやると いうことで、委員の先生方にはご苦労をかけることになると思います。 安部委員  資料6−1にあるような作業を進める上で今まで打ち合わせは何回かさせていただい ているわけですが、その中で医療用医薬品の情報を使おうということになったんです ね。一般用医薬品よりも使用する条件が厳しい医療用医薬品の添付文書上の適用禁忌と か相互作用の禁忌とか、そういったものを情報源として使うことによって、従来の一般 用医薬品の情報よりも厳しい範囲でリスク分類をする。  明らかに用量によって副作用が起きるので、ここまでは一般用医薬品では見なくても いいだろうということがあれば、それはリスクが低くなるということもあろうかと思い ます。今回は打ち合わせ会でも厳しめな意見が多いということもありますし、増山さん がおっしゃった販売のほうはこの委員会では話をするべきかというのは難しいところな んですが、打ち合わせ等の中ではそういう話も出ながら、リスクについての話し合いを しておりますので、そのへんはきちんとやっていきたいと思っております。 事務局  作業の考え方をクリアにしたいと思いまして、具体的な例示をもってご相談させても らいたいんですが、資料6−1の2ページをご覧いただきますと、解熱鎮痛成分として アスピリンからアセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェンまで 4つ並んでいます。それぞれAからHまで情報が集まった段階で成分間の違いを見てい くことになると思うんですが、網掛けのところでいうと、C.重篤な副作用のおそれの 項目で、薬理・毒性に基づくものという欄があります。アスピリンからイブプロフェン まで4種類のものについて同じ記載もあれば違う記載もあります。アスピリンですと喘 息発作の誘発、肝障害、黄疸、出血というのがあって、アセトアミノフェンですと喘息 発作の誘発、肝障害、黄疸というのがあって、イソプロピルアンチプリンですと黄疸と いうのがあって、イブプロフェンですと消化性潰瘍に始まっていろいろ書かれていま す。  情報源が添付文書ですので、それぞれの根拠となる症例情報があって、書いてあるも の、書いてないものがありますから、そこは使用実態と照らし合わせてみて記載ぶりが 若干違うことは当然あると思うんです。各成分ごとの薬理作用に着目して、同じように 考えうるもの、そうじゃないものを一つ一つ見ていく中で、成分間の違いがあると捉え るのか、ないと見ていいのか。いま言ったような形で見ていくことが、これから専門の 先生方に行っていただくような作業のイメージかなと思った次第です。  そのあたりを各先生方はどのようにイメージされているか、今の段階でわかれば議論 できると思いますし、そうではなくとも評価の方法は今後いろいろ議論していくと思い ますので、その際にでもいろいろクリアにしていきたいと思っています。まずは情報を 集めるところの話で、それを集めてみた上で全体を見てみないとわからない部分も多い と思うんですが、表を見ながらイメージづくりをしていきたいと思った次第です。 埜中委員長  前回と今回の議論で、この委員会ではどういう方針で進めていくかというイメージが 皆さんおわかりになったと思います。こういうことで進めていきたいと思っております が、ほかに何かご意見はございますか。  委員会を3回開いて、ここのところまで来たわけですが、部会に報告しなければなり ません。ここまでのことを踏まえたことを部会に報告したいと思うんですが、付け加え ることとか、何かご希望がありましたらお聞きしておきたいと思います。 望月委員  今の事務局のお話に関連してなんですが、解熱鎮痛成分のリスクを評価していく時 に、縦軸をずっと見ていった時の内容を並べてみて、これはほぼ同じと見るべきかどう か、ほぼ同じ内容を網羅すればいいかとか、そのあたりのお話だったと思います。解熱 鎮痛成分を薬理学的に見ただけでも、この中を同じ括りにしていいものと、別の括りに すべきものというのがあるような気がします。アスピリンとアセトアミノフェンを同列 に扱うのはちょっと違うかなという、このあたりを整理した上で、縦の中の並びを同じ と見なすべきかどうかというのは議論していったほうが順番としてはいいのかなという 感じがします。 埜中委員長  一つに括ってはあっても、作用の問題とか副作用の問題とかリスクは違ってくるの で、それは検討しなくてはいけないというご指摘だと思います。 安部委員  この表のように情報を整理していくことはよろしいと思うんですが、望月先生がおっ しゃったようにアスピリンとアセトアミノフェンは明らかに違う薬として見なくてはい けないだろう。その2つの薬については情報が様々あって、対比すべきものではない し、してもしょうがないと思います。この委員会でアスピリンならアスピリンのリスク は何かという評価をした時に、リスクは大きいのか中くらいなのか小さいのかといって も、はかりもありませんし、意味もないわけです。  先ほど用量の問題がありましたが、アセトアミノフェンでしたら、ある一定の量を超 えるとリスクが非常に大きくなるということがわかっているものについては、それなり の対応もあると思います。リスクの大きさを評価するのではなくて、一定情報によって リスクを分析して、その結果、どういうことでそのリスクを最小限にできるか。この委 員会は情報提供の内容に関する専門委員会ということですので、それを踏まえながらリ スクを評価していかなくてはいけないのではないかと思います。スコア化をしても意味 はないと思います。 細谷委員  リスクとおっしゃっておられますが、リスクというのは大雑把な概念で、用法・用量 をきちっと守った場合のリスクと、そうでない場合のリスクとは全く異質のものではな いかと思うんです。先ほどの販売方法にもかかわってくる問題かもしれないんですが、 どこのリスクを評価しようとしているかによってかなり違ってくるんじゃないかと思い ますが、そのへんを教えていただけませんでしょうか。 埜中委員長  私は用法・用量を守った上でのリスクだと思います。過量に使った場合の危険は考慮 しなくてはいけないと思いますが、用法・用法の中のリスクだと私は考えています。 事務局  そうでないと評価はできないだろうと思います。この専門委員会では科学的な根拠に 基づいて物性に着目して評価をしていこうということでありまして、そのあと情報の伝 え方、販売の仕方ということが絡んできた時には、誤使用も含めた中で、それをいかに 回避していくかということも念頭に置いて形態なり方法なりを考えていこうということ だったと思います。両方を見るんですが、この委員会では、変動要素をなるべくなくす という意味で、まずは科学的なところから始めようということかと思います。 埜中委員長  他にはございませんか、だいたい意見が出そろったと思いますので、本日の議論を終 えて、それをまとめて部会に報告し、その後の作業を進めたいと思います。部会へは私 も出て報告いたしますけど、望月委員にはリスク評価について中心になってやっていた だきましたので、報告についてもお手伝いいただきたいと思います。  それでは、次回の予定について事務局からお願いします。 事務局  その前に、報告の関係で確認をさせていただきます。部会への報告のベースになるの は資料7になるかと思います。2ページの(2)相対的リスクの評価方法についてのとこ ろは、今日いただいた意見を書きおこしてみまして、委員長とご相談させていただけれ ばと思っています。そのほかの記載についても、表現を見直しまして、わかりにくい点 があれば、報告の時までには整理をしてみたいと思いますが、そこも委員長とご相談さ せていただきたいと思っております。  作業の進捗状況の中の(1)から(3)までに委員会としての考え方をまとめてあります が、部会への報告の際には、それぞれタイトルの後ろに(案)と付けて、部会に対して 案を提示するという資料の作り方にして説明をするということではどうかと思っており ます。資料の作り方についてもご相談させていただきたいと思います。  次回以降の日程につきましては、当初26日を押さえさせていただきましたが、部会へ の報告を行った直後ということもあり、ワークシートの作成のために基礎情報を幅広く 集めるために一定程度の時間が必要かと思いますので、26日はスキップさせていただき たいと思います。作業の状況等に合わせまして、専門委員会を開くタイミングがまいり ましたら、先生方のご都合を確認させていただいた上で、委員長とご相談の上、改めて ご案内させていただきたいと思っております。以上です。 埜中委員長  それでは、以上をもちまして本日の委員会は閉会とさせていただきます。どうもあり がとうございました。                                     (了)                         (照会先)                         厚生労働省医薬食品局審査管理課                            TEL:03-5253-1111(代表)                           担当:紀平、山脇(2743)