04/09/06 厚生科学審議会第5回医薬品販売制度改正検討部会                  厚生科学審議会             第5回医薬品販売制度改正検討部会         日時 : 平成16年9月6日(月)16:00〜18:00         場所 : KKRホテル東京11階「孔雀の間」         出席者: 青井 倫一 委員  井村 伸正 委員              上原 明  委員  大山 永昭 委員              鎌田伊佐雄 委員  神田 敏子 委員              児玉 孝  委員  高橋 孝雄 委員              田島 知行 委員  谷川原祐介 委員              堀井 秀之 委員  増山ゆかり 委員              松本 恒雄 委員  溝口 秀昭 委員              宗像 守  委員  望月 眞弓 委員              森  由子 委員  安田 博  委員         議題 : 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等について  井村部会長  定刻となりましたので、ただ今から第5回の厚生科学審議会「医薬品販売制度改正検 討部会」を開催させていただきます。  本日はお忙しいところをお集まりいただきまして誠にありがとうございました。それ では議事に入ります前に、医薬食品局のほうで最近人事異動がございましたので、まず 新任の方のご紹介をいただきたいと思います。それが終わりましたら、本日の委員の出 欠状況等についてご報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。  事務局  それでは事務局のほうで7月23日付けで人事異動がございましたのでご紹介させて いただきます。  まず、大臣官房審議官・医薬担当の黒川でございます。続きまして、医薬食品局総務 課長の石井でございます。続きまして、審査管理課長の川原でございます。続きまして 監視指導室長の植村でございます。  続きまして、委員の出欠状況でございますが、現在委員20名のうち16名のご出席をい ただいております。厚生科学審議会令の規定によりまして定足数に達しており、会議が 成立しますことをご報告します。なお、吉川委員、三村委員の2名の委員からは欠席と のご連絡をいただいております。また、大山委員、神田委員につきましては出席との連 絡をいただいておりますので、まもなくお見えになるものと思われます。以上でござい ます。  井村部会長  ありがとうございました。本日は前回、つまり第4回の部会で皆様にご了承いただい ておりますとおり、前回の部会で整理されましたこの部会で検討していくべき論点、そ の中でも特に医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容につきまして具体的議論を 進めていきたいと思います。まずそこで、前回の部会における各委員からの指摘を踏ま えまして、私と事務局のほうで整理しました論点、それから医薬品のリスクの程度の評 価、及び情報提供の内容の議論を行うにあたりまして、必要な資料として各委員から要 請のあった資料がございます。そういうものにつきましてこちらのほうで用意しました ので、その資料につきまして、まず事務局から説明をしていただきまして、その後で議 論を行っていきたいと思います。  それでは事務局から本日の配布資料の確認をまずお願いします。  事務局  それでは資料を確認させていただきます。失礼して着席させていただきます。  お手元にお配りしております本日の資料でございますが、一枚目に議事次第をお配り しております。次に資料1としまして、医薬品販売制度改正検討部会委員名簿。資料2 としまして、医薬品販売制度改正に関する論点の整理。資料3としまして、医療用医薬 品と一般用医薬品の比較について。資料4としまして、一般用医薬品の製品群と主な製 品。資料5としまして、一般用医薬品のうち指定医薬品であるもの。資料6としまし て、配置販売品目の製品群と主な製品。資料7としまして、特例販売業者が取扱う品目 について。資料8としまして、一般用医薬品に関するリスクについて。資料9-1とし まして、リスクの程度に応じた情報提供について議論する際に考慮すべき事項(案)。 そして資料9-2としまして、情報提供の内容及びその方法の例。資料10としまして、 一般用医薬品の添付文書について。資料11としまして、リスクの程度に基づく作業のイ メージ図をお付けしております。また、参考資料としまして「医薬品のインターネット による通信販売について」というタイトルの通知を配布させていただいております。こ の通知につきましては先週末に発出したばかりということでありまして、事前に各委員 に送付できませんでしたが、医薬品のインターネット販売のあり方もこの部会の論点整 理の中に挙がっておりますので、これに関連する資料としましてこの場でご報告させて いただきたいと考えております。以上ですが、資料に落丁等ございましたら事務局まで お申し出ください。  井村部会長  いかがでしょうか。資料のほうはちゃんとお手元に揃っておりますでしょうか。よろ しゅうございますか。  では、これから議事に入ります。まず参考資料に関しまして事務局のほうからご報告 いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  植村監視指導室長  それではお手元に別途配布させていただいております9月3日付けの「医薬品のイン ターネットによる通信販売について」というタイトルの通知でございます。医薬品の通 信販売につきましてはそこの文面にございますが、昭和63年の3月に監視指導課長通知 というものを発出しておりまして、対面販売の趣旨が確保されないおそれがあるため、 最小限遵守されなければならない事項というものを示した上で、インターネットによる 通信販売においても同様の取扱いというようにさせていただいております。  これは8月に、最近の事例でございますが、この通知で示しております最小限遵守さ れなければならない事項を逸脱した事例というものがございまして、都道府県のほうで 指導が行われたというようなこともございまして、9月3日にこの通知を発出させてい ただいておりますが、この同通知に基づく取り扱いについて改めて周知をするというこ とで出しました通知の内容でございます。  一枚お捲りいただきまして、昭和63年の通知というものについて簡単にこの場での議 論の論点整理の点にも関連しますのでご紹介させていただければと思います。「医薬品 の販売方法について」ということで昭和63年に通知でお示ししておりますが、薬局開設 者あるいは一般販売業者等、店舗による医薬品の販売を行う者が、カタログやチラシな どをあらかじめ配布をしまして注文書により契約の申込みを受け医薬品を配送するとい う、いわゆる通信販売の方法で行う事例というものがこの当時見られてきたということ から、その考え方としてその責任の所在が明確でなければならないということ。消費者 に対して医薬品に対する情報が十分に伝達されなければならないこと。医薬品の品質管 理が適切に行われなければならないこと等が要請されているということから、従来より 一般消費者に対して薬剤師等が直接に効能・効果、副作用、使用取扱い上の注意という ことを対面で販売するように指導してきたという趣旨でございまして、この対面販売の 趣旨が確保されないおそれがあるということから、一般的には好ましくないということ でこの通知に書かせていただいております。ただ、具体的なカタログ販売等の形態の当 否につきましては個々のケースごとに判断するということでございますが、当面最小限 重視されなければならない事項ということで、具体的に1番から挙げてあるものでござ います。  それで1番としましては、カタログ・チラシ等で情報提供ということがまず行われる わけでございますが、一般消費者に明示されている事項としまして、(1)の販売店舗 の名称、所在地、許可番号、年月日、開設者・販売業者の氏名、薬局等の管理者氏名な どが示されていること。複数の店舗の場合には一つの店舗に特定されるということが必 要である。それから(2)として、剤型、有効成分、効能・効果、包装単位、使用にあ たっての注意、販売価格、製造業者または輸入業者の名称、こういう内容が記載される こと。(3)としては、使用上の注意を読んで適切に使用することと、一般的な注意事 項が表示されること。(4)としては、問い合わせに応じるための電話番号が表示され ること。  次の頁を捲っていただきまして、2番としては、電話あるいは人員が必要数配置され ていること。3番として、医薬品以外の他の商品との混同防止、あるいは防湿、破損防 止、散乱防止、あるいは輸送過程におきます措置、品質保護の措置とか、誤送防止の措 置が講じられていること。4番として、取扱いの医薬品の範囲でございますが、容器・ 被包が破損しやすくないということ。それから経時変化が起こりにくいこと。副作用の おそれが少ないもので、一般消費者の自主的判断に基づいて服用されても安全性から見 て比較的問題が少ないことということで、当面としましてガーゼ・ばん創膏以外に薬効 群として下にあります表の薬効群の範囲のものを示し、これらについてカタログ販売の 形態でも構わないという限定的な取扱いをしております。  なお、薬効群の表でございますが、当初昭和63年のときに示しました薬効群に、平成 7年に薬効群を歯痛・歯槽膿漏薬とコンタクトレンズ装着液につきましては、範囲を拡 大して平成7年に拡大した内容で現在に至っているという内容でございまして、これら の範囲のものにつきましてカタログ販売等を可能にして、インターネット販売において も同様の取扱いということで指導してきているものでございます。今後のご議論のご参 考にしていただければということでご紹介させていただきました。失礼します。  井村部会長  ありがとうございました。今、参考資料についてのご説明がございましたが、あまり 時間を取りたくないんですが、特にここで何かご質問はございますか。  神田委員  すみません、逸脱した事例が最近あったということで、今は指導しているところだと 最初にご説明がありましたが、その逸脱した事例というのは今、その後説明があったと ころからどの点が逸脱していて、指導というのはきちんとされているのでしょうか。そ れを教えてください。  植村監視指導室長  具体的には都道府県で先月末に指導した事例として、風邪薬を標榜してインターネッ トのホームページ上、風邪薬の注文を受ける形をとっていたということでございまし て、それはインターネットの画面上から注文を受ける形から落とすようにということで 指導をさせていただいているところでございます。あくまでも行政指導ということで指 導しているところでございます。  井村部会長  よろしゅうございますか。それでは続きまして、この部会で検討していくべき論点整 理の修正点についてでございますが、これは前回の部会でその修正箇所につきましては ご了承いただいておりまして、その具体的な表現につきまして事務局のほうにお任せい ただいていたものでございます。それでは事務局のほうからご報告をお願いします。  事務局  はい、事務局から論点整理の修正部分についてご報告させていただきます。資料2を お開きください。  修正点の第一点目でございますが、論点の表にしておるところの前の文章の部分でご ざいまして、一番最初の書き出しの「近年、」というところから始まりまして、3つ目 の段落の最後、「一層高まることとなる」という部分、この3段落を追加させていただ いております。これは前回の部会で、第1回の部会のときに出ていた資料の中に記載が あった、この部会の設置趣旨を記載すべきだというご意見がございましたので、これに 対応する修正でございます。  また同じ文章の部分の、下から2行目でございますが、「今後、現在の薬局、一般販 売業、薬種商販売業、配置販売業及び特例販売業の各業態に関し」という記述を追加し ております。これは各業態ごとに制度の内容が異なっていることを踏まえて検討すべき だ、というご趣旨のご意見がございましたので追加したものでございます。  続きまして2頁ほど捲っていただいて、「5.消費者への周知等」というところでご ざいますが、これの(5)の部分ですが、前回は「消費者の責務」という表現についてご 議論をいただいたところでございますが、前回の部会で委員からご提案いただいた表現 に修正させていただきました。それで読み上げさせていただきますと、「消費者の適正 使用を促すためのその他の方策について、どう考えるか」ということでございまして、 消費者が添付文書を読むことでありますとか、情報提供のために専門家が消費者の状態 を教えてもらうことなど、情報の利用という点で消費者にご留意いただく点等について ご議論いただけるものというように考えております。修正点は以上でございます。  井村部会長  ありがとうございました。それでは議事次第に書いてありますように、医薬品のリス クの程度の評価及び情報提供の内容を審議するために、資料3〜11まで、大変たくさん 資料がありますが、これを一括してまず事務局から説明していただきまして、その後で 意見交換を行いたいと思います。では、事務局のほうから3〜11までの資料の説明をお 願いします。  事務局  はい、審査管理課の関野でございます。どうぞよろしくお願いします。  お手元の資料の資料3〜11番まで使いまして、本日ご議論いただく点に絡めました事 項につきましてご説明させていただきたいと思います。  まず、こういう資料を使いまして説明させていただきます内容につきまして、まず資 料3〜7までを使いまして一つの目的に沿った説明をさせていただければと思っており ます。それは一般用医薬品と言いますのはこういうものですということで、少しイメー ジを持っていただくという意味で、制度的なところも含めました一般論から始まりまし て、個別の製品ごとにどういう薬効を持つものが認められているか。さらには販売に関 係しまして一部制限がかかっているような品目、指定医薬品というようなものですと か、あるいは配置販売業者が扱える品目、それと特例販売業者が取扱えるような品目、 そういういろいろな制度に絡めました中で一般用医薬品というものにはどういうものが あるかというところをまず資料3〜7に沿いまして説明させていただきます。その後、 資料8〜11に沿いまして、本日先ほど説明がありました論点整理ペーパーにおきます各 論ということで、その部分的なところを少しメリハリをつけた形で各論ということでご 議論いただこうという目的で用意させていただきました資料でございます。順を追って 説明をさせていただきます。とりあえず後ほど質問あるいはご意見をいただくとしまし て、資料のほうは通して説明させていただきます。そういう意味で少しお時間をいただ くことをご了承いただきたいと思います。  まず資料3をご覧いただきたいと思いますが、こちらに示しましたのは医療用医薬品 と一般用医薬品の比較ということで、この部会の主なテーマであります一般用医薬品と いうものはこういうものだということを示したものでございますが、最初の1頁目の表 の定義のところ、右側でございますが、一般用医薬品のところをご覧いただきますと、 冒頭に書いてございますとおり、医療用医薬品として取扱われる医薬品以外の医薬品を 言うと。こういう一種の定義になっておりますので、どうしても医療用医薬品というも のに触れなければならないということで、左側に医療用医薬品につきましても少し情報 をこの資料の中に入れさせていただいてございます。  まず、そういう意味で医療用医薬品の定義のところをご覧いただきますと、「医師若 しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者による処方せん等により使用されるこ とを目的として供給される医薬品」となっておりまして、いわゆる供給サイド、いわゆ る製薬企業等から見た観点での定義付けになってございます。そういうもの以外のもの を「一般用医薬品」と呼ぶ形になってございまして、具体的にはということで、「すな わち」のところから書いてございますが、「通常一般の人が薬局等で購入し、自らの判 断で使用する医薬品」、そういうものというような位置付けがなされるのではないかと いうように考えております。  続きまして、そういう品目を承認審査上どういう形で取り扱っているかというのがそ の下の欄になるわけでございまして、医療用の場合ですと、疾病の治療・予防に使用さ れることを前提に審査が行われております。一方で一般用医薬品に関しましては、直接 薬局等で購入するようなケースを想定しまして、特に安全性の確保という点に重視した 形で審査が行われております。  その内容につきましても下に書いてございますとおり、医療用医薬品と一般用医薬品 では違いがございまして、まず効能・効果に関しましては医科向けの表現の仕方になっ ております。主に傷病名を記載したのが医療用であるのに対しまして、一般用につきま しては症状、自らの体に起こる症状という形で書いてございまして、ここに書いてござ いますのは胃薬の例でございますが、胃痛とか、胸焼け、もたれ、むかつき、こういう ものが一般用医薬品の効能・効果というようになってございます。  用法・用量、剤型、あるいは使用上の注意に関しましても同じような観点での整理が されてございまして、一般用医薬品の場合ですと剤型というのは一般の人が使いやすい ようなもの、飲み薬、貼り薬、塗り薬といったものが中心かと思います。それと使用上 の注意に関しましては後ほどまた少し説明の中で触れたいと思いますが、一般用医薬品 の場合ですと一般の方に理解しやすい記載になってございまして、症状の改善が見られ ないような場合には使用を中止して、専門家であります医師、歯科医師や薬剤師に相談 すると。こういう記載も必ず書くようにしているわけでございます。  その次の頁をご覧いただきたいと思いますが、そういう理屈の上での整理がなされて いる両者に関して、実際に使われる方から見たときにどういう使い分けがなされている かということを少しイメージとして示したものがこのチャートでございます。右側が一 般用医薬品を使うようなケース、左側が医療用医薬品を使うようなケースを想定した流 れでございます。まず最初の一番上のボックスになりますが、それぞれ右側から申し上 げますと、喉がいがらっぽいとか熱があるようだと。いわゆる症状としての訴えがどう いうものかというところが、まず使われる方自らが感じる部分になります。一方で左側 のほうも同じようでありまして、喉が腫れているとか、熱がある。単なる風邪ではなさ そうと。この2つのボックスに関しましてはいずれも使われる方の自己判断がある意味 働く部分ということで見ていただければと思います。  ここでまず一旦判断がなされまして、その後の行動パターンが変わってくるわけでご ざいまして、右側のケースの場合ですと、この程度であれば放っておいても治りそうだ が、症状を楽にするために薬局で薬を買ってもらおうという判断が一つなされる場合。 あるいはかかりつけのドクターに診てもらおうという判断がなされた場合には、左側の 上から下に矢印が向く形の流れに沿って行動がなされるというように思われます。  そして右側のほうをご覧いただきたいと思いますが、3段目のボックスになります が、薬局に実際に行って薬や症状に関して相談をしたところ、総合感冒薬を勧められた というケースでございます。そして、その下に矢印が向いておりまして、その総合感冒 薬を買って服用したということでございます。  それで、3つ目のボックスのところで薬局に相談して総合感冒薬を買う場合のほか に、ここに矢印では書いてございませんが、相談した段階で一般用医薬品の使用ではな く、やはり医療機関を受診することが望ましいということであれば、矢印が右から左に 向きまして医師の診断、あるいは診察という方向に流れていくということも一つパター ンとしてはあるかもしれません。そういう形で一般用医薬品というのは医療用と違うあ る意味使い分けがなされているということがモデルとして示せるのではないかというこ とで、ご参考までに示したものでございます。  それで資料3の最後の頁に関しまして、いわゆる定義ということで通知等に書いてご ざいます一般的な定義を示してございまして、先ほど一枚目で説明しました内容とほぼ 同じでございますので、適宜ご参照いただければと思います。  続きまして資料4をご覧いただきたいと思います。こちらに関しましては一般用医薬 品と言われるものがどういう種類のものがあるかということを一通り示したものでござ います。最初の2頁目までがそれぞれ大分類、小分類という書き方をしてございます が、真ん中あたりにナンバーが振ってございまして、2頁目の最後に「85」とございま す。いわゆるカテゴリーとしまして薬効に基づけば85種類のタイプのものがあるという ことでご覧いただけるかと思います。それからその85につきまして具体的にどういう成 分があるか、例示でございますが、あるいはどういう効能・効果を持っているか、ある いはどういう商品があるかというのが3頁目以降に書いてございます。それぞれ番号で お示ししました1〜85に従いまして、それぞれ成分、効能・効果、主な品目ということ でお示ししたものでございます。  いわゆるこの部分が今日ご議論いただく中で、一般用医薬品というものは非常に多種 多様なものがあるということを見ていただくための資料でございまして、3頁目から始 まりますところから少しかいつまんでご説明しますと、風邪薬、飲み薬のタイプもあれ ば外用もある。ただ、外用に関しては先般部外品に移行したという経緯もございます。 その他、3番で言いますと解熱鎮痛薬というものもございますし、4番のような催眠鎮 静薬のようなものもございます。それから一方で眠気を防止するような薬もあります し、乗り物酔いを和らげるような薬も6番に示してあるようにございます。その下には 消化器官の関係の薬ということで、ヒスタミンH2受容体というものに作用します胃薬 とか、あるいは胃酸を中和するような働きを持つ制酸薬こういうものもあり、胃を元気 付けるような健胃薬というものもございます。あとは腸を整える薬とか、次の頁にもあ りますが消化を助けるような薬、それからそういうようなものの組み合わせになってご ざいますような、14番のような薬効になるようなものとか、いくつかございます。それ から下痢止め、あるいは便秘のときに使うお薬もこういう範疇に入ってございます。16 番、17番、このあたりでございます。  それから4頁目の下のほうにございますが、循環器・血液の関係も一部ございまし て、少し心臓の作用を強めるようなタイプの薬もございます。その他、5頁目にまいり まして、貧血のときに用いるような薬もございます。  続きまして呼吸器官の薬ということで、咳を静めたり、痰を除いたりするような薬、 これが26番のところに当たります。それからうがい用の薬も27番に書いてございます。 その他、痔の薬もありますし、5頁目の下のほうがビタミン系でございまして、A・D ・Eと始まりまして、次の6頁目にはビタミンB1、B2、B6、あるいはビタミンC とか、さまざまなビタミン類が続いてございます。こういうものが7頁目のNo.43まで 続いておりまして、43番がいわゆるいろいろなビタミンが含まれているものがここに属 するわけでございます。その他、カルシウムとかタンパク・アミノ酸製剤、それから生 薬が中心となった滋養強壮薬が46番になります。  それから8頁目にまいりまして、薬用酒の類とかもこういう滋養強壮薬に含まれてご ざいます。その他、49番にありますような婦人用のお薬もございます。50番には避妊薬 というものもございます。その他、アレルギーの薬が52番、53番に。54番以降は外皮、 いわゆる外用薬ということで殺菌消毒を目的として皮膚に塗布するものとか、しもやけ ・あかぎれに使うもの、あるいは化膿した皮膚に塗るもの、あるいは筋肉の痛み等に用 いるようなもの、これが57番になります。その他、水虫の薬とか、皮膚がちょっと硬く なってしまったようなところを軟らかくするようなものが59番です。その他、毛髪に使 うようなフケを抑える薬や発毛を促すような薬もございます。  次に9頁にまいりまして、眼の関係の眼科用の薬になりますが、眼の疲れとか充血を 抑えるような一般点眼薬に始まりまして、ものもらいというような少し抗菌作用が必要 なものもございます。その他、眼の痒みに用いるようなアレルギー用の点眼薬もござい ますし、眼が乾いたときに用いるような人工涙液のようなものもございます。その他、 眼を洗うようなタイプの薬もいくつかこのカテゴリーに入ってまいります。9頁目の下 になりますが、耳鼻科用薬ということで、主に鼻炎を静めるようなそういうタイプのも のが鼻炎用内服液、あるいはそれを鼻に点鼻するようなタイプが次の10頁目の70番にな ります。  それから歯科口腔用薬と書いてございますが、いわゆる口の中に適用するお薬がここ に含まれてございまして、トローチ剤のようなものが73番、あるいは口の中で少し炎症 を起したときのうがいをするようなタイプ、「ポピドンヨード」と書いてございます が、こういうものがここに含まれます。あとは口内炎の薬とか、歯痛、歯茎の炎症とか そういうものを抑えるようなタイプもこの範疇に入ります。あとは禁煙補助剤、ニコチ ンガムのようなもの、これがここに入りまして、その他漢方製剤、生薬製剤というもの が以下続いてございます。  その他、若干性格を異にしますが、直接体内に用いるものではございませんが、公衆 衛生用薬ということで消毒薬、主にプールなどに使うものもございます。殺虫薬なども 最後の方に書いてございますし、一般検査薬のようなものも一般用として一部ございま す。それら非常に多種多様なものが85のカテゴリーに分かれまして一般用医薬品として 存在しているということでございます。そのご紹介をさせていただきました。  続きまして資料5をご覧いただきたいと思います、今申し上げましたような一般用医 薬品の中で一部販売に当たって制限がかかっているもの、制度的な適用がされているも のがございますので、このあたりを説明させていただきます。  まず資料5でございますが、「一般用医薬品であって指定医薬品であるもの」という タイトルが付いてございますが、ここに掲げました品目に関しましては薬事法の規定に 基づきまして薬種商販売業の方が取扱うことができない品目ということで、指定医薬品 と俗に呼ばれてございます。制度的なものは一番最後の3頁目に書いてございまして、 薬事法の規定に基づきまして大臣が指定するようなものについては販売等をしてはなら ないという、第29条の規定がございます。それを受けまして施行規則の段階で指定医薬 品というものを定めているわけでございまして、その具体例が1〜2頁目に書いた品目 になります。  ここで一つ訂正をさせていただきたいと思いますが、1頁目の最初に出てきます「ゲ ファルナート等」と言われる製品、具体的な品目名で言いますと「住友胃腸薬GF」と いうものでございますが、これは平成7年の段階で実は指定薬ではなくなってございま すので、この表から削除させていただきたいと思います。申し訳ございません。それか ら以前、こういう指定薬に関しまして資料としてお配りした中で、44品目ということで 資料をお配りしておりましたが、その中から今の1品目を削るということと、あとはイ ンドメタシンの外用薬、貼り薬でございますが、これが9品目が以前お示しした資料に は含まれてございましたが、これらも指定薬から解除されてございますので、合計44か ら10減るということでこの表の中には、最初に訂正させていただきましたものも併せて 除きますと、残りましたのは34ということになるかと思います。申し訳ございませんで した。それで1番の販売に絡む規制の中で、こういうものが薬種商では取扱えない品目 という形で決められているものでございます。  次が資料6でございますが、これはここに掲げました品目を配置販売業者の方が取扱 えるという形の資料でございます。品目の種類で申し上げますと、先ほど資料4でご説 明しましたような非常に広い範囲ということでこれもご覧いただけるのではないかと思 いますが、最初の4頁目までが薬効群ごとの効能・効果と具体的な品目を示したもので ございまして、そのうち1頁目と2頁目、それと3頁目の途中までが「1.」というこ とで、製品分類と製品例の(1)ということでございまして、カテゴリーとして書いた ものでございます。その中にどういう成分が含まれているかということを少し表を分け まして5頁目以降に示しているということでこの資料を見ていただければと思います。 例えば、1頁目にございますような解熱鎮痛薬でありますと、頭痛、歯痛、そういうも のを効能・効果としているものでございますが、その成分としてどういうものが含まれ ているかという場合ですと、5頁目をご覧いただきまして最初の「1」のところに書い てございますアスピリンとかそういうものがいずれか入っているという形で、成分のほ うをご確認いただくときにこの5頁目以降を見ていただければと思っております。  最後の11頁目には、制度的なものとしまして薬事法の規定、それを受けました厚生省 の告示ということで、今お示ししました10頁目までのものが配置販売業者が扱える品目 という形で、そういうことを規定した関連のルールでございます。指定基準等におきま しては、否定の否定のような書き方になっておりまして、少し読みにくいところもござ いますが、10頁目までに示したものが配置販売業者が取扱える品目ということでお読み いただければよろしいかと思います。  少し急ぎ足で申し訳ございませんが、資料7をご覧いただきたいと思います。こちら の資料に関しましては特例販売業者が取扱うことができる品目ということでございまし て、1頁目に内用薬、飲み薬の関係が書いてございます。2頁目、3頁目が外用薬とい うことでございまして、これらの品目に関しましては最後の4頁目をご覧いただきたい と思いますが、薬事法の36条で特例販売品目の制限という形になってございまして、い わゆる個別の業者に対しまして一応都道府県知事が指定するような形で、先ほどの3頁 目までに書きましたような品目のうち個々に指定した形で許可が与えられているという ものでございます。品目に関しましては1〜3頁目をご覧いただければと思いますが、 胃腸薬その他、解熱鎮痛薬も含めていろいろなものがございます。以上でございます。  ここまでが一般用医薬品というものの、いわゆる現行制度に基づきまして取扱ってい る品目、あるいはその全体ということでお示ししましたが、次に資料8〜11を使いまし て少し本日の議論に関係しますものを資料として説明したいと思います。  まず資料8でございますが、以前、委員の先生方からもご議論がありましたとおり、 リスクというものをどう捉えていくかということでございましたので、その関連の資料 ということで用意いたしました。まず最初の1枚目に関しましては、各先生方から出さ れました発言の中で、リスクそのものではないかと思いますが、そのリスクを測り知る 上で何らかのファクターになるであろうと思われるものを少し類型化しまして、1〜3 までに分けた形でお示ししてございます。  まず、医薬品の物性に関するリスクファクターということで申し上げますと、薬理作 用とか副作用、あるいはその副作用が重篤化する、しないといったようなファクター、 そういう諸々のものがあるかと思います。2に関しては、消費者の状態に関連するファ クターということで、小児や妊婦など扱う側の状態というものによっていろいろ変わっ て来るだろうという意味で、こういうものがファクターになるのではないかというご意 見もあったかと思います。その他ということで、3のところにいくつか書きましたが、 こういうものもそれぞれ、リスクというものを捉える意味で一つのファクターというこ とで、意見がございましたものをここに挙げたわけでございます。  次の頁にまいりますと、いろいろと各分野におきましてリスクというものをどう捉え ているかということで、少し本日の議論の参考になればということで用意したものでご ざいまして、まず2頁目の上のほうがISOというもので、国際標準化機構が使ってお りますリスクの定義でございます。定義としましては、「組織の活動の遂行を阻害する 事象の発生の可能性」という表現になってございますが、いわゆるあまり良い意味で使 っているというわけではございませんで、枠の中の備考の1にも書いてございますが、 一般に少なくとも好ましくない結果を得る可能性がある場合にだけ使われるという、そ ういう認識をここで示しております。それで、そのリスクとはということでアンダーラ インが引いてございますが、事象の発生確率とその事象の結果の組み合わせではないか ということで書かれてございました。  続きまして、その下に書いてございますのではコーデックス委員会とありまして、い わゆる食品の分野での一つの定義の例でございます。ここに書いてございますのは、 「健康への悪影響の起こる確率とその程度の関数である」と、そういう位置付けをして ございます。  続きまして3頁目に、厚生労働省の中の検討会でございました医療安全の関係の検討 会ですが、医療事故をいろいろ議論するような会議でございますが、その中で報告書が まとめられている中で関連の記載がございまして、アンダーラインが引いてございます が、リスクとは「損害の発生頻度とその損害の重大さという2つの要素によって定義付 けられている」という記載がございました。その他、経済産業省の研究会の中では、企 業としてのリスクという中で狭い意味と広い意味に捉えているわけでございますが、悪 い結果の発生可能性という捉え方を主にしているようですが、場合によっては広く捉え て「良い結果と悪い結果の双方の発生可能性を含む不確実性」というように捉えること もあるという、そういう記載がございます。それで近年ではより広く、「企業が将来生 み出す収益に対して影響を与えると考えられる事象発生の不確実性」という捉え方をし ておりまして、なかなかこのあたりを理解するのは難しい部分もございますが、こうい う形にも使われているということでございます。その他、4頁目には広辞苑の中に出て くるものを、あるいはリスク学辞典というものもございまして、こういう中にも「損失 の発生する確率の総和」という形で示してございます。  これらいくつか例を引っ張ってみますと、主に「頻度」と「危害」という2つの切り 口、そういうファクターから成っているということが一つ言えるのかもしれませんが、 最後の5頁目にモデルということで調べた結果を踏まえたものをご参考までに示してご ざいます。リスクに関する指標としましては、発生する事象の程度、これを「危害」と します。それで事象の発生確率というものを「頻度」としますと、その捉え方というの はいくつかいろいろなケースがあって、頻度が低くても危害的に見たときに大きいよう な場合が例1、その逆で頻度がかなり多くて、一つの危害自体はそんなに多くないと言 えるようなケースは例3、その間のケースが例2と。こういう縦・横の関係で定義付け ているようなケースが調べてみた結果が、結果としては多かったということでございま す。  これはあくまでもご参考ですから、この部会で捉えるべきリスクというものをどのよ うな形で考えていくかということは、これは本日ご議論いただきましていろいろな形 で、定義はなかなか難しいと思いますが、ある程度今後作業をしていく中で一つのいろ いろな指標という形で捉えることもできるかもしれませんので、1頁目にございますよ うな先生方のご意見に基づきまして何らかの整理ができればというように考えておりま す。  それから続きまして資料9-1でございます。この資料に関しましては資料9-2と少 し並べて見ていただければと思います。資料9-1と9-2を並べて見ていただきたいと 思いますが、資料9-1に示しましたのが本日整理されました論点の中の各論というこ とで、ご議論いただく部分を少し噛み砕いた形で示したものでございます。まず項目の 1〜4まで示してございますが、まず項目1として、市販されている一般薬に関しまし て、消費者が使用するときに必要なものとして、販売の際に提供すべき情報。提供すべ き情報にはどのようなものがあるかということで、それに関しまして先生方からご意見 をいただきたいと思います。  その次に項目2としまして、いくつか出てくると思われます提供すべき情報というも のを消費者に伝えるときにどういう方法があるかということで項目を立てておりまし て、これに関しましてもその伝え方についてどのような方法があるかということについ てのご意見をいただければと思います。  それから項目3は少し事象が違いまして、販売後の状況でございます。販売した後に 副作用等が発生したようなケース、そういうときの対応としてどのような方法が取り得 るのかということで、これに関しましてもいろいろなやり方があると思いますので、そ のあたりのご意見をいただければと思います。  まず項目の1〜3に関しまして、いくつかこれまで出されました意見、あるいは想定 されるようなものを少し例示として抜き書きしましたのが9-2でございます。少し順 番が入れ替わってございますが、資料9-2にございます「情報提供の内容及びその方 法の例」ということで、まず販売時の情報提供、あるいはもう少し広く捉えれば対応と いうことになるかもしれませんが、それが1のところに書いてございまして、これはま さしく資料9-1で申し上げますと、項目1に該当する部分かと思います。項目1につ いていろいろご議論いただいた中で、資料9-2の1に出てくるようなものがそういう 提供すべき情報に当たるのかどうか。あるいはここに書ききれないものもあるかと思い ますので、このあたりを広く肉付けしていただくということと、あとはここに書いてあ るものが妥当かどうかということで幅広いご意見をいただければと思っております。  それで次に9-2の2のところに、販売後の情報提供あるいは対応ということが書い てございますが、これも9-1で申し上げますと項目1に少し関係するところもあるか と思います。その他、項目3ということで、販売後の問題としましてまさに副作用等の 相談を始めましていろいろな対応があるかもしれませんので、このあたりを少し肉付け をするなり書いてあることについてのいろいろなご意見をいただければというように考 えております。  それから9-2の3のところでございますが、提供の方法ということで書いてござい ます。これが9-1としましては項目2に当たる部分でございまして、提供すべき情報 の伝え方ということで積極的に提供するようなもの、あるいは求めに応じて受け身でい いもの、いろいろと何通りかパターンがあるかと思いますが、こういうあくまでも方法 としてどういうものがあるかということで何通りかの対応があると思いますので、この あたりのご意見をいただければと思います。こういう中で提供すべき情報というのはど ういうものがあるか。それとはまた別に、今の段階では切り離された関係になるかもし れませんが、それらの情報をどのように伝えていくかというところの何通りかというの を洗い出していただくということでお願いできればと思っております。  次は9-1の項目4でございますが、仮にそういう形でいろいろな情報の種類、ある いは伝え方というものが出てきました段階で、それをどの品目にどういう形でそれを当 てはめていくかということになるかと思います。そのときにすべて製品の種類に関わら ず同じような対応をとるのか、あるいは製品の種類に応じてそのへん伝えるべき情報、 あるいはその伝え方というものに何通りかメリハリがついてくるのか、こういうところ でのご議論につながってくるわけでございますが、その最初の段階としましてそれを 「リスクの違い」ということで表現させていただければ、そのリスクの程度というのは 何を基準として評価していくのかというところで、このあたりのご意見もいただければ と考えてございます。  それでこの項目に少し関連したものとしましては、先ほどリスクの定義のところでご 説明しました資料8に掲げましたようなリスクファクター、先生方からいただきました ようなリスクファクターに挙がっているようなものがこの項目4と関連した事項かと思 いますので、このあたりを資料8〜9-2という中で見ていただきながらご意見をいた だければと思っております。  次が資料10でございますが、ここはそういう情報提供の一つの典型例でございます添 付文書の見本を示したものでございます。全部を示すわけには行きませんので、最初は 風邪薬の例を示してございます。それが4頁目まで続いておりまして、その後5頁目に はビタミンCの薬に関して示してございます。ここは2種類ということで提示してござ いますが、こういう例ということでご覧いただければと思います。1頁目に戻ります が、風邪薬の場合ですと、服用してはいけないような場合もいくつかございます。それ から相談する内容としまして1頁目の下に書いてございますが、治療を受けているよう な人、あるいは授乳中の人、そういう方々に対しまして個々に含まれる成分の種類に応 じた形での注意事項を求めているということでございます。こういうところで情報を求 めるか否かというところで、販売時に注意を要するものかどうかということが見えてく るのではないかと思います。一応、参考になるかと思いましてご用意させていただきま した。  それで最後に資料11でございますが、こちらの資料が今後いろいろな形で品目ごとの 販売時の情報提供、あるいは販売時の対応という中で捉えていくときの作業のイメージ を示したものでございます。上のほうにあります一般用医薬品という形で括ってある部 分に関しましては、最初の資料4などでお示ししましたように多岐にわたるいろいろな 品目があるということで、それらを何らかの物差しをあてましてリスクの小さいほう、 あるいは大きいほうと、相対的に並び替えができないものだろうかという考え方であり ます。  ただ、それは立ち返れば、一番下に書いてあります矢印にありますような販売時の情 報提供及び販売後の対応に関しまして、どういう情報をどういう方法で提供すればいい のかというところに関係してきますので、資料9-1、9-2でお示ししたような中で今 日ご意見をいただければ、こういう中でいくつかのバリエーションが出てきて、そのや り方に関しましてどういう品目にどれを適用させていくかというところでの専門的な作 業が行われるようになってくるのではないかというように考えております。  その先にあります今後の議論としましては、個々の品目に関しましてそういう情報提 供の方法をとった場合に、情報提供するにはどういう方々を通じて行われていくのか、 こういう議論が論点整理の中で全体で議論した中では出てくるかもしれませんが、まず 今日の各論ということで申し上げれば、販売時の情報提供と販売後の対応ということに 関しましていくつかのやり方があるという中で、いく通りかのパターンというものをま とめていければと思っておりますので、そのあたりのご意見をいただければと考えてい る次第でございます。長くなりまして恐縮でございますが、説明は以上でございます。  井村部会長  詳しい説明をありがとうございました。それでは今の資料の3〜7に関しましては、 これは一般用医薬品の品目あるいは種類といったようなものについての解説でございま した。その中で3〜7に関して、ここのところが分らなかったというようなことがござ いましたら、ここでご質問があってもよろしいかと思いますが。いくつかありますでし ょうか。どうぞ。  森委員  1回目のときにもお訊ねしたんですが、ここに資料3で、医療用医薬品と一般用医薬 品の比較についてということになってございますが、薬事法では特段医療用の医薬品と 一般用医薬品というのを定義していないと思うんですね。それで、今回の薬事法改正で 来年の4月に向けて要処方せん薬、医療用医薬品はすべて要処方せん薬になるんだとい うようなお話を伺ったんですが、それでよろしいんでしょうか。  と言いますのは、現在、医療用医薬品が医師の処方せんによらずに小売店で販売され ているという実態がございますので、そのへんのところをどうしていくのかということ なしでは、ちょっとこの先、この定義の真ん中にグレーゾーンがあるということなんで すが。  井村部会長  はい、非常に重要な点だと思いますが、事務局どうぞお願いします。  事務局  この部会でご議論いただく範囲というのは、資料4に挙げましたような、いわゆる薬 事法の定義とはちょっと異なりまして、通知で示した定義でございます。供給サイドか ら見た、主に直接消費者が買うことを念頭において製品化されました製品であります。 資料4に掲げました製品を対象とした中で、どういう販売時の情報提供があるのか、あ るいは情報提供するためにはどういう体制、仕組みが必要なのかということでご議論い ただければと思っておりまして。以前も確か事務局の説明の中にあったかと思います が、いわゆる医療用医薬品と言われるようなものはとりあえず議論の中心とはちょっと 違うところにあるんじゃないかと考えております。  井村部会長  何回か同じような議論が行き交ったような気がしますが、森委員は今の説明はいかが ですか。  森委員  一般用医薬品というのは消費者の方に分りやすい添付文書になっているということで すね。それで医療用医薬品で一般に売られているものというのは、別に大包装を小分け しているということではなくて10錠、20錠単位で、場合によるとメーカーさんが一般の 小売店で売ることを意識して商品化していらっしゃるものもあるわけですね。その医薬 品の添付文書は医療用なんですね。ですから、こういうものが流通しているということ 自体がおかしいことなんですが、薬事法上は一般小売店で医療用医薬品を消費者に直接 お売りになっても、今のところは違反ではないという現状があります。部会の中で一般 消費者向けの添付文書を前提として、さらにどういう情報提供をしていくかという議論 をしていくわけですから、当然医療用医薬品を消費者に売っているという現状自体、今 の薬事法上の矛盾点として一つありますので、薬事法改正を念頭に置かれるのであれ ば、そこの部分のところもきちんとしてほしい。医療従事者向けの添付文書を見ながら 消費者の方が薬を使っている現状があるということだけはハッキリしておきたいと思い ます。  井村部会長  ありがとうございました。今の医療用医薬品の一部が小売りをされているという点に つきましては、事務局のほうで今ご説明がありましたように、この検討部会ではまずさ し当たってはちょっと除外させていただいて、それはそれでまたどこかで議論をしなけ ればならないことかと思いますので、その際に議論を深めるということで如何でござい ましょうか。もしそれでよろしければ、そうさせていただきたいと思います。  児玉委員  今のような話が私も出るだろうと思っていたんですが、これは基本的に「定義」と書 くから私はおかしくなるのかなと。これは先ほどおっしゃったように、定義となればこ れはやはり裏づけがあって、薬事法上のいろいろなものがあって定義ですね。ですから ここはそうじゃなくて、概念と。先ほどおっしゃった説明で、イメージだとおっしゃっ た。だから私はそこで今のような話になっていくわけですから、そこは住み分けをした ほうがいいのかな。これは定義ではないと思います。定義となれば私たちもいろいろ意 見がありますから、それは概念でしょうね。  井村部会長  はい、事務局はいかがでございましょうか。  事務局  説明にも少し加えましたが、この資料3にございますような表のつくりに関しまして は言葉がちょっと不適切な部分もあるかもしれませんが、見ていただきたかった部分は 最初のボックスで言いますと、「すなわち…」以下のところでございまして、一般用医 薬品というのはこういう類のものですよという認識を持っていただければいいのではな いかと思っております。  井村部会長  それでは概念と考えてよろしゅうございますか。どちらでもイメージを持つという意 味ではいいかもしれませんね。  児玉委員  ちょっとよろしいですか。しつこいようですが、これはやはり3頁も含めて定義を概 念とここで替えていただかないと、こういうものが一人歩きしてまた議論がおかしくな るのではないかという心配をするから私は申し上げているわけでありますから、そのへ んはご理解をお願いします。  井村部会長  さて、川原さんはいかがですか。  川原審査管理課長  はい、今説明させていただきましたような形、それから3頁にあるような形で現在通 知等でこういう位置付けをしているということでございます。そういう意味では位置付 け、概念といったような見方もできるのかなと思います。  それから、先ほどちょっと説明させていただきましたが、医療用の医薬品の極めて例 外的な部分だと思いますが、一般でどうこうという部分がございますので、そこにつき ましては先ほどお話がございましたような形、それから部会長が整理させていただいた ような形で、別のところで議論をしてまとめていただければと考えております。  井村部会長  言葉にあまりこだわっておりますと話が進まなくなるんですが、「定義」ということ と、「位置付け」ということと、「概念」という言葉がいろいろ出てまいりましたが、 ここではこういうものだというように皆が理解して話を進めるということでいかがでご ざいましょうか、児玉委員。はい、溝口委員、どうぞ。  溝口委員  森委員のおっしゃったことは私はまったくよく分らないんですが、そういう薬がある ということを。指定医薬品とは別にまたそういう医療用医薬品が店舗で売られていると いうことですか。それはどういう薬があるのかも、ちょっと概念としては想像がつかな いんですよ。ガスターを指定医薬品にするときに大騒ぎしたのに、そういうものが別に あるというのはご説明いただかないと、なんとなく話が進まないような気がする。  森委員  私は今日、小売店の店頭で確認をしてまいりました。メフェナム酸、ナリジクス酸、 パモ酸ピランテル、モビラート軟膏、ヒルドイド軟膏、副腎皮質ホルモン軟膏、まだあ るのかもしれませんが、メーカーによってはこれは医療用ルートではなく薬粧ルート (一般用医薬品の卸ルート)で流しているものもございます。  井村部会長  それは医療用医薬品として通常は扱われているものであってというように考えてよろ しいんですね。  森委員  はい、まだ一般用として承認は取ってないことも確認してまいりました。  井村部会長  ありがとうございました。溝口委員、いかがですか。  川原審査管理課長  すみません、今申し上げましたようなもので医療用医薬品でございますが、実際問題 として現在要指示薬という形になっていないと。したがいまして、そこで販売の制限の 部分が必ずしもかかっていないということで、実際に医療用医薬品と一般用医薬品とい う形で我々は分けておりますので、こういう形で販売においての指導はやっておるわけ でございますが、今お話があったような部分でぎりぎり法律上どうこうという話になり ますと難しいところがあるということで、今回「要処方せん薬」といったような概念を 持ってきて、こことは別のところで、再度この医療用医薬品の部分についての整理をお 願いしようというようにしておるということでございますので、ご理解いただければと 思います。  井村部会長  森委員が指摘されました問題点としては、さしあたってはそういうような医薬品が消 費者にとっては分りにくい添付文書で売られているというところを指摘されたんだろう と思います。  では、これにつきましては今、審査管理課長のほうから説明がありましたように、別 なところでも動いているようでございますので、この部会でもまたどこかでこのことに ついて議論しなければならないことが起こるかもしれませんが、そこでやらせていただ きたいと思います。  それでは3〜7につきましてはそのへんでよろしいということにさせていただきまし て、8〜11につきまして。  谷川原委員  すみません、3〜7について質問をよろしいでしょうか。  井村部会長  はい、どうぞ。  谷川原委員  ちょっと資料を理解するためにご説明をお願いしたいんですが、例えば指定医薬品と いうのがありますね。これは薬事法上、薬種商販売業の許可を受けた者は販売してはな らないということは、薬剤師による対面販売というものを想定して比較的リスクが高い 薬剤というように考えられるんですが、ところが一方、配置販売品目の中に指定医薬品 が入っているんですが。そういうあたりは、配置販売業は必ずしも薬剤師という販売資 格がないわけですが、現実としてそういうことなんですね、これは事実として。  井村部会長  いかがでしょうか。  事務局  今のご指摘は薬種商と配置販売業との違いというか、並びというとちょっと言い方が 悪いんですが、その関係を少しご説明したほうがいいのかもしれませんが。  いわゆる通常の一般用医薬品の範疇で申し上げますと、薬剤師がいる場合といない場 合とで扱う品目に差異があるということで申し上げましたが、それは明確には分りやす く言った場合の表現でございまして、ルール上は薬種商販売業として扱えないというも のが指定医薬品という整理になるかと思います。したがって、薬局・一般販売業と薬種 商との間では取扱う品目によって指定されるか、されないかで変わってくるという関係 が成り立ってございますが、通常薬局・一般販売業、薬種商という言い方をしてきてい る中で、その次に配置販売業がきますのでどうしても薬種商と配置販売業を比べたくな ってしまうんですが、どちらかと言いますと配置販売業というのは切り口が違う、販売 形態が違うものとして見ていただいたほうがいいのではないかと思っております。した がって、扱う品目に関しましてグレードというかそういうもので配置販売業者と薬種商 との間があるのではなくて、あくまで配置販売業というまったく違う切り口での形態と して成り立っている業態というように見るほうが制度的には正しいのではないかと思っ ています。  井村部会長  多少苦しい説明だったと思いますが、なにかもう少し説明の仕方がございますか。谷 川原委員のご心配は、もし指定薬というものがリスクによって分けられたものであると すれば、それが配置業で販売が可能だというのはおかしいじゃないかという、そういう 非常に単純な。  谷川原委員  そう、単純な医薬品のリスクによって分類されている部分と、販売の形態として分類 されている部分、そして販売時の情報提供もしくは販売者の資格要件というものがあま り整理されていないような気がするんですね。例えば、配置販売業の6頁で、今ちょっ と気がついたのは、呼吸器で、鎮咳去痰薬の中に入っていますが、ノスカピンというの が入っているんですが、ノスカピンというのは指定医薬品の1頁目の一番下に入ってい ますし、これでなぜかなと思ったのと。あとはテオフィリンというのは一般薬にありま したか。ちょっと私は確かではないんですが、配置販売業というところで。これは結構 用量を注意しなければいけない薬剤なんですが、例えば血中濃度を測って非常に精密に 管理しなければ有効性と安全性で安全域が狭い薬剤ですが、これがこういう形態で売ら れているのか、それが実態なのかというのを今知ってちょっと驚いた部分もあるんです が。  事務局  ちょっと説明が一般論というか、制度的な話しかしなかったので申し訳なかったんで すが、指定薬の中に含まれております具体例で先生からご指摘をいただいたので今気づ いたんですが、ノスカピンの場合ですと、ノスカピンという成分すべてに関しまして指 定されているわけではございませんで、ここに資料5の1頁目の一番下に書いてござい ますが、一番右側の欄の品目名、タイワケシノール末というこの品目が指定薬になって ございまして、ノスカピン自体が含まれることがすべて指定の範囲というか、制限のか かる範囲ではございませんので、配置販売業者が取扱える品目の中にノスカピンという 成分が入っているからといってすべてが否定されるものではないということになろうか と思います。  井村部会長  よろしゅうございますか。  谷川原委員  これからこの部会でいろいろご議論していただく課題ではないかと思います。  井村部会長  そうですね。どうせそこは議論になってくるかと思います。どうぞ。  児玉委員  今のに関連して、谷川原委員のおっしゃるのはもっともでありまして、この指定薬そ のものの概念というか、それがやはりもう少しきちんとやっていかないと今のような混 乱になっていくわけですね。指定薬の解除にしても、私はもう少しいろいろと慎重にや っていかなければいけない。これはリスクの問題とも絡んでまいりますので。そうする と供給者に安全に提供するという意味にも全部絡んでまいりますので、そういう意味を 含んだご発言と私は思いました。  増山委員  すみません、私も今の話に関連してですが、前々回の6月23日のときの資料を見る と、ちょっとその資料のグラフがあまりよくなかったんじゃないかと思いますが、「各 医薬品販売業の取扱う医薬品の範囲等」という表があって、そこで見ると薬局、一般販 売業、薬種商さん、あとは配置販売業というように段々になっていて、それがだんだん と下に行くにつれてリスクが少ないような錯覚を起すような表になっているんだと思う んです。そこがちょっと私も前回6月のときにかなり分らなくて何度も質問をさせてい ただいたんですが、今の関野さんのご説明では、あくまでもこれは医薬品のリスクによ る区分で販売形態がそれに応じてなっているというのではなく、販売業がもともと例え ば配置は販売の環境とか、必要性に応じて配置販売を認めているという形になっている ので、薬自体の強いとか弱いというのはあまり、同じ一般用医薬品ということでリスク の差はそんなには販売形態によって異ならないという理解でよろしいでしょうか。  井村部会長  そういうことなんでしょうね。どうぞ。  事務局  今、増山委員からご指摘いただいた点は資料6をご覧いただきたいと思いますが、一 番最後の頁にございます。11頁の下のほうに書いてございますとおり、配置販売品目指 定基準というのがございまして、少し文章が分りにくいんですが、要は先ほどの繰り返 しになりますが、10頁までに書いた品目が扱えますということが書いてございまして、 それらの品目というのは最後の4つに、こういうものに該当するという中で個別に該当 する品目という形で整理されてきたものでございます。  薬理作用が緩和であり、蓄積性、習慣性がないこと。あるいは経時変化が起こりやす くないこと。あるいは剤型等から見まして使用方法が簡易というもの。それと容器・被 包が壊れやすく破れやすいものでないこと。こういうものに該当するものを、こういう 視点に立ちまして配置販売業者として実際に取扱うことができるものという中で、10頁 目までに整理された品目がなされてきてございますので、ある程度相対的な中でなかな か指定薬との比較というのは難しい部分がございますが、配置販売品目に関しましては ここに示しましたような視点に立って一つ一つ判断されてきているということで見てい ただければよろしいかと思います。  井村部会長  分りました。それでは今の問題になっておりますような点については、いずれ専門委 員会ができて、この医薬品のリスクの程度というのはいったいどのように考えられる か、というようなことを議論していくことになると思います。そのときにもう一回現行 の制度で医薬品がある程度分けられているということにつきましても、そこでやはり再 検討していただくということが当然起こるんではないかと思いますので、そこでやって いただくということにして、今この議論はこのぐらいにさせていただいてよろしいで しょうか。  宗像委員  今の議論で今の方法でよろしいかと思いますが、その中に冒頭にお話がございました インターネット及びカタログ販売も含めて基準というか、これをぜひやっていただきた いと思います。  井村部会長  はい、分りました。それでは8番〜11番の資料でございますが、事務局のほうからか なり詳細な説明がございましたが、それを踏まえまして医薬品のリスクというのはいっ たいどのようなものであるとか、それをどのように評価していくとか、あるいはまたリ スクの程度に応じた具体的な情報提供のやり方というようなものにつきましてご議論を いただきたいと思います。  それで一応、論点の整理というのもかなり進んでおりますし、今後は各委員の間での 議論、これを深めていきたいと思っております。積極的なご発言をいただきまして、各 委員の発言に対して他の委員から意見が出てくるというようなディスカッションをここ でやっていただければありがたいと思っております。いかがでございましょうか、8〜 11の資料につきまして、リスクの程度と、どういうように評価したらいいか、それから 程度に応じた情報提供というのはどのようにすべきかということについて、これは今日 の本題でございます。ご意見を賜りたいと思います。どうぞ。  高橋委員  資料8で、参考2という最後の頁にリスクの捉え方のモデルというのが参考というこ とで載せてありますが、私はこの考え方は非常に正しいと考えます。まずリスクをどの ように考えているかということを、一応同意をもって議論を進めることが大変重要だと 思います。もう一つは、大変たくさんの資料を出されまして、こういうものをリスクで レベル分けをしていくというのは大変な作業になると思うんです。それで時間もかかり ますし、私は今この時点で発言するのはどうかと思いますが、ぜひ専門の委員会をつく っていただいてこういう議論と平行して、リスクの程度に応じた薬剤の分類という議論 を進めていくべきだというように思います。  それで、いろいろなリスクの定義があるというご紹介をいただきましたが、リスクの 捉え方のモデルにありますようにやはり頻度と危害の大きさの積で捉えるというのは非 常に重要な考え方だと思います。  それからもう一つ、前のほうの資料にございましたが、すべての行為にはリスクが伴 うと。安全性というのはリスクを許容範囲内に抑えるんだと、非常に重要な考え方だと 思いまして、大変重要な資料を提示していただいたと思います。その中で、例えば私は 年齢のことを申し上げましたし、それから個人個人でも例えば遺伝子的な背景によって 副作用の発現の仕方も違ってくるとか、そういう細かい議論も出てくると思います。年 齢やあるいは個人個人、あるいは薬剤、そういうものの因子はそれぞれ縦軸と横軸の大 きさを修飾する因子であるというように考えられます。まず危害の頻度と程度というも のの積をリスクとして捉えるということについて、委員の先生方の同意があるのか、あ るいはまた異なった見方があるのかをはっきりさせて、そしてそれを決めた時点で早い 時期にリスクの分類を行う委員会を立ち上げていただくことが先決問題だというように 感じます。  井村部会長  ありがとうございました。つまり、医薬品のリスクについての考え方をある程度定量 的にするためには、今先生がおっしゃったように何らかの指標を取らなければいけない んですが、それには危害の程度と、それから起こってくる頻度の積を一応定量的な指標 として取ったらどうだという、そういうご提言だと思ってよろしゅうございますか。他 にいかがでございましょうか。  青井委員  今の危害の程度と頻度、こういう形のリスクマップをまずつくってみるというのが重 要だろうと思います。それで、専門の人がリスクマップをつくって、それが専門の人で ある程度合意があるという前提条件で次に動くんだろうと思います。ビジネスの世界で はそこのリスクマップをつくるときに専門家によってはぜんぜん違うリスクマップが出 てくるので、先に進むべきときに問題が残るということもありますが。その場合には先 ほどの議論で出ましたプロダクトを、つまりプロダクトというのは医薬品ですと危害と 頻度というところである程度できるんでしょうが、これに個人の特性を絡ませたプロダ クトと患者の相互図をどうつくっていくかが重要になるだろうと思います。だから、こ のステップを専門部会でどういう形でやっていくのか、法にして出てくるのは、ことに 薬学の専門家はプロダクトについてはプロかもしれませんが、今度は人間という要素を どう入れていくのか。そういう意味ではやり方によってはこれは座長にお任せします が、一段階でいいのか、二段階でやっていくのか、そのへんには若干の工夫が必要か と。  井村部会長  先生、段階とおっしゃるのは。  青井委員  一つはプロダクトで、医学や薬学の人で危害の程度と頻度というところのマップが一 つはできるんだろうと思います。ただ、この場合には一つのプロダクトが出て、先ほど 言われた人に応じて、年齢に応じて、云々とかいろいろな分け方が人間の場合にはあり ますが、それをまずはやってみて、次に今度は人の要素を。使用する人の要素を入れて どうやるか。こういうように二段階に分けたほうがやりやすい。最初から人の要素を入 れてやるとまたいろいろな議論が出てくるので、そのへんはちょっとやり方について工 夫が必要だろうと思います。  井村部会長  そうですね。ありがとうございました。つまり、専門委員会をもしつくったら、そこ での作業の仕方をどういうようにしたらいいかというそういうご提言だということでご ざいます。もちろん今2ステップのご提言があったんですが、それ以上にまた何かファ クターが掛かってくることはあり得るだろうと思います。  青井委員  ついでに言いますと、先ほど座長が言われました販売形態の形というのはそこで出た 議論にベースを置いて、たぶん販売形態が今まで通りのやり方でやるべきかどうかとい うのをたぶん検討の対象になるんだろうと思います。  井村部会長  ありがとうございました。上原委員、どうぞ。  上原委員  私はメーカーの立場で発言したいと思います。大衆薬のメーカーの世界大会というの があり、1999年の大会で世界医師会の諮問委員会のお医者様、スウェーデンのドクター ミルトンが発言された内容が非常に印象深いものでした。今、時代の流れは生活者のレ ベルアップも含め、セルフメディケーションの時代に移ってきている。そこでお医者様 の役割は、やはり救命医療をはじめとする重篤な医療と、生活者のライフコンサルタン ト、つまりどのように生活習慣病とともに過ごすかといった相談役とに重点を置くべき である。そして生活者が自己責任をもってセルフメディケーションに取り組むのが時代 の流れである。こういった内容のお話でした。  ただし、ここに付け加えることとして、今の状況では生活者が自己責任のもとにセル フメディケーションを行うことができないとも発言されました。ではどうしたらいい か。第一に、メーカーが医薬品に関する効能から副作用から、すべての情報を明らかに すべきである。第二に、それらの情報に関しては、ふつうの生活者がわかるような言 葉、理解し、納得できるような言葉で開示しなければならない。第三に、生活者がそれ らの情報を必要になったとき、いつでもアクセスし、情報を引っ張ってこられるように すべきである。つまり、薬を買う前とか、実際に飲む前とか、あるいは飲んでしまった 後、必要な情報を得られるように開示されなければならない。第四に、すべての情報を 与えればそれで良いのではなく、その情報をどのように理解して使うかというところに 至らなければ本当の意味のセルフメディケーションはでない、こう言われたのが非常に 印象的でした。  今までの方法はどちらかというと、専門家が生活者を守ってあげるという立場からの 情報、あるいはリスクの選択であったと思いますが、これは今後も絶対的に必要です。 しかし、もう一つ翻ってみると、それらの情報を生活者がどれだけ正しく理解できてい るのか、こういう観点も必要になると思います。例えば能書などに関しても、これまで 変更内容は全部供給者サイドでいろいろ決めている訳です。しかし、直ぐには難しいに しても、実際に読んだ方が正しく理解できているのか、伝えたい内容が伝達されている か、といった観点で生活者も交えた体制で考えていくことが今後は必要なのではないか と思っています。  オーストラリアの例なのですが、能書についての書き方を、業界として共同体制でい ろいろ検討しているそうです。その際に目指したレベルは、12歳の児童が読んで適切に 理解できるかどうか、つまりどんな方でも理解できるような文章になっているかという ことだったそうです。またヨーロッパでは、薬の瓶などに書いてある内容を、お年を召 した方が実際どのように理解していらっしゃるかなど、生活者の行動をかなり細かく把 握する事も行われています。例えば「食間」という言葉でも、食事の間に食べるのか、 食事と食事の間に食べるのか、そういう独り言をカメラで追っているわけですね。  つまり、情報というのは今まで供給者が専門的な立場で発信してきたけれど、今後は 翻って生活者の視点からみること、つまり本当に生活者が欲している情報が、わかりや すい言葉で入っているかどうかを見直し、工夫することが非常に必要なのではないかと 思っています。以上です。  井村部会長  ありがとうございました。誠にごもっともなご意見だと思います。他に。  大山委員  医薬品のリスクという考え方で今日この資料が出ているんだと思いますが、ちょっと 見ていて気になるのは、参考2でこれから考えようとなさっているのかというところな んですが、これは私の誤解だったら申し訳ないんですが。  発生する事象の程度、危害と事象の発生確率、頻度でだいたい掛け算すると、ここの 割合の大きいのはより危ないですね、リスクが大きいですねと、こういう考え方で言っ ているのではないかと思います。これは資料8の最後の頁の参考2ですが。それで、前 のほうに同じリスクでも言葉の定義の話があって、参考までにですが、情報システム系 だと普通は情報資産という考え方がありまして、ある情報が何らかの形で漏れる、ある いはそれが破壊される。そのときに受ける損害というのが出るんですね。それを最初に 見積もると。その見積に対して確率がどれぐらいというので取るんですが、そういう意 味で言うと、こちらの他のところにも経済産業省さんのほうでも出ていますが、厚生労 働省さんでも「損害の発生頻度」と書いてあって、ところがこっちは「危害」となって いるんですね。それで「危害」と「損害」というのは結構違うんじゃないかなと。言葉 の定義というか、受け取り方があると思いますが。  だからここでちょっと注意しなければいけないのは、発生確率というのも同じで、同 じ人にとっては発生する確率は、例えばアレルギーなら確実に1になる可能性があるわ けですね。ところが一般の人に対して、では千人いたときに何人発生するのかというの は、またこれは違うというそういう面がありますので、そこのところを考えておかない と。大まかな捉え方はこれでいいと思いますが、したがって青井委員の言われた話かも しれませんが、一つのこういう尺度だけでリスクを見るというのは、ちょっとこれでは まだ不十分で、なにかここに加わるものがあるのかなという気がします。特に、発生確 率がある程度高いのが分っている、ある特定のグループ、ハイリスクグループ、そうい う人たちに対してそのリスクを下げるために未然に伝えるのがそもそもの目的で、医薬 品でお医者さんや薬剤師さんがいて云々というのもあるわけですから、もっとどちらか と言うと一般的にはリスクの低いものについてというところから見るのかで、またそこ はちょっと考え方は見方が2つに分かれてしまうような気がするんですね。ですから、 そこのところはやはり専門知識というのはハイリスクグループを見つけられて、その人 たちの程度を下げるからであって、一般論としての発生確率ではないと思うんです。そ こをちょっとご配慮いただく必要があるのかなという気がします。  井村部会長  ありがとうございました。他にご意見はございませんか。  児玉委員  おっしゃっているのとだいたい同じだと思いますが、要は医薬品の特性の話だと思う んです。つまり、物性によるリスク分類、これは絶対的リスクという言い方でもいいで しょう。これはやはりこれだけですと物性だけですと当然、例えば100あれば1〜2とか ずっと順番に並べることができるでしょうね、単純に。ところがそこにやはり医薬品と しての特性、そして体に入るわけでありますから、そこで固体差というものがあるわけ でありまして、例えば0.1%の確率と言っても、その人にとっては100%ですよね。した がって、そういう患者さんから見た場合のリスク、いわゆる相対性リスクというか、そ のへんと絶対性リスクとの両方を論じないと、今おっしゃるような単純なリスクという のはならない。つまり、患者さんの視点でこのリスクというのをよくよく見ないと誤る のではないかなと。  これは一つの例でありますが、私どもは昨年に「薬と健康の週間」で約4万件の相談 を受けたと。その一部の解析をしたんですが、それを今申し上げましたような物性から 分類したときのA・B・C・D・Eというリスクの順番と、今度は相談された患者さん の内容から分類したのとではずいぶん違うんですね。これは明らかにそのような数字が 出てまいりますから、そういう意味で今後はそのような観点でぜひ患者さんの視点から 見たリスクもぜひ入れていただきたいと思います。  井村部会長  はい、他にございませんか。  青井委員  今、言われたのとたぶん同じだと思いますが、表現は適切でないですが、ゲテもの食 いが何かを食おうとして、それで当たる確率が云々という議論と違って、基本的には医 薬品というのは本当は買いたくないものを買うわけですから、ここは危害と損害という のは、受けるほうか与えるほうかという議論で言葉を適切に選ばなければいけません。 そのへんのところも普通の商品と違うんだろうと思います。ことに上原さんがおっしゃ ったように情報が重要だというのは、本来は例えば車とか好きな人、買いたい人はその ための情報は普段から集めますが、医薬品については普通の人が普段から集めるかどう かは別にして、実際に頭が痛くなって頭痛のときに買いに出て、そこで読んで分るので しょうか。そういう意味ではちょっと財の性格からしても違ってきますから、そのへん で情報をどう提供するかという議論は必須でしょう。  それと同時に、今は国民も敏感ですから、こういう医薬品の情報についてのいろいろ な議論が本当かなという議論で、あれは情報になっているのか雑音になっているのか分 かりませんから、場合によってはこれは本当ですかというのを聞きに行くのに誰に聞き に行けばいいのかと。それでメディカルドクターの友だちに聞いても、バカか!と言っ て相手にしませんしね。ある意味では普通の人間が情報を探索に行った時にだれがどう 受けるのか、基本的にメーカーは受けるんでしょうが、メーカーは自分のところの製品 についての議論になってきますし、先ほどの患者というか、こっちのほうは個人の立場 になってくるので、やっぱりこのうまい橋渡しが何らかのシステムとして私は今は重要 になっているんだろうと思います。以上です。  井村部会長  ありがとうございました。情報提供のあり方ということについての議論だと思いま す。いかがでございましょうか。他に。  田島委員  先ほど上原委員がおっしゃったように、確かに患者さんにどのように説明するか。こ れは私たちも日々患者さんといろいろお話をしていると、大変難しい話なんだというこ とはよく分るわけです。ただ、もう一つの問題として、この資料10の一つのモデルとし て使用上の注意、添付文書、これだけの文字を患者さんが読むかというと、私はかなり 疑問なんですね。だから、このところで本当に大事なところが目につくような、そうい うようなやり方というのは、一工夫も二工夫も必要だと私は思っています。  それからもう一つ間違ってはいけないのは、患者さんというのはなかなか我々がこう いうように飲んでくださいとお願いしても、想像もできないような飲み方をする場合が あるわけですね。だから、そこらへんのところをどうするのか、これは非常に悩ましい 問題だと思って、いつも私自身にとっては解決のつかない非常に難しい問題だと考えて おります。そこらへんのところをお知恵を使っていただきたいと思います。  井村部会長  ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思います。他にいかがでしょうか。  増山委員  これまでの議論の中で何度か言っている話ですが、やはりちょっと最後に念を押した いので。若干重複するかと思いますが、一つ本当にお願いしたいのは、今まで出てきた ように医薬品の危険性というのを定量化するというのはかなり難しいところだと思うん ですね。その場合に、やはり本当にいろいろなことを考慮してここに挙げられているも のではなくて、議論していく中で、やはりこういう薬はリスクが高いというか、割と副 作用が多いとか、あるいは間違いやすいとか、そういうものも特によく見ていただいて 検討していただきたいということと。  それからこだわるようですが、私は今回初めてこの検討会でいろいろ議論していく中 でよく分ったのは、販売形態によってかなり情報提供のされ方が違うということだと思 うんですね。それで、医薬品の販売の中で情報提供のあり方というのが安全性を保つた めのかなりキーワードになっていくかと思いますが、実際は例えば薬剤師さんが関与し ない販売形態があったり、あるいは飲む時点で本当に患者さんがきちんと正しく飲んで いるかどうかという確認ができないような、つまり副作用情報の収集システムがきちん とできていないとか、そういう形態の販売方法もあるかと思うんですね。例えば、はじ めに今日出していただいたインターネットの販売とか、カタログ販売とか、そういう最 近の販売形態の中で本当にそれが情報提供されているかどうかというのはすごく疑問 で、今回この9-2のところに「情報提供の内容及びその方法の例」というようにいろ いろ書いてございますが、例えばこの情報提供がどのような形で、誰によって行われる かということもきちんと考慮した上で、同じ情報をこういうように情報提供したと言っ ても、それがただ添付資料を渡したものだけなのか、やはりそれも違ってくるかと思う んですね。そのへんも十分に考慮していただいて情報提供については考えていただきた いと思います。  井村部会長  はい、他に。  堀井委員  今、リスクをどう取扱うかという話と、情報提供をどのようにするかという話を2つ 並行してやっているわけで、確かに両者は表裏一体の関係にあるわけですが、やはりど ちらから先に整理をしていくかということを考えたときには、やはりリスクの程度をど う表現するかというほうがまず先にあって、さまざまな薬のリスクの全体像というのを 把握できたところでそれぞれの特性をもったリスクに対してどういう情報提供がなされ るべきかというのが次に来るのかなと考えています。  それで、資料8ですが、参考2のところ、先ほどいくつか議論がありましたが、ここ は「リスクの捉え方のモデル」と書いてあって、これは私は非常にいい書き方だなと。 これはあくまでも捉え方なんだと。実際にリスクマネジメントという世界でさまざま な、例えば地震防災であるとか、交通事故であるとか、そういういろいろなリスクを取 扱おうとしたときに、当然リスクを特徴づける因子というのはさまざまあって、その中 で基本的な主要なものを2つ取り上げると、それがここで言う「発生する事象の程度」 と「発生確率」の2つになるということで、それが一つの表現の仕方でありますが、し かしではこの図にある面積が等しければ同じように扱えばいいかというとそうではなく て、面積が同じであっても危害が高くて頻度が少ないものと頻度が多くて危害が少ない ものは当然対処の仕方が違うわけですね。それで実際にリスクマネジメントを行うとき には、例えば人がそれを回避することが可能かどうかとか、あるいは危害の対象が限定 的なのか、広域なのかとか、さまざまなファクターによってリスクの取り扱いというの は変わってくるということであります。ですから、あまり「リスク」という言葉に、あ るいは「定義」に捉われることなく、薬に最もふさわしいリスクの特徴付けの方法とい うのを専門部会で探っていただくのがよろしいかと思います。  そういう意味では、資料8の一枚目のところにリスクファクターというものが整理さ れていますが、実際に危害の発生に係る因子はさまざまあると思いますが、まずこうい うものをこのようにリストアップするということ。それで、それぞれの薬について、そ れぞれの因子について、その薬がどの程度のものなのか。先ほど定量化することは非常 に難しいというご指摘がありましたが、確かにそのとおりなのであまり定量化には拘ら ずに、例えば5段階に分けたとしたときに5段階のどのレベルにあるのかというような ことをそれぞれの因子について整理していくということをするだけでも、薬の持った特 性というのがずいぶんうまく表現できて分類することができるようになるのかなと。詳 細については専門部会で決めていただくことだと思いますが、そういう作業をすること が今後のこの部会の活動の基本的な情報になるのかなと思います。  井村部会長  ありがとうございました。他に。  松本部会長代理 リスクを考える場合に、薬の場合に、適正に使用しても確率的に起 こり得るリスク、あるいは先ほども議論がありましたが、個人の体質によって起こるア レルギーによって起こるリスクがある一方で、むしろこちらのほうが大きいんでしょう が、いわゆる誤使用から起こるリスクがある。供給者サイドからみれば、それは誤使用 ですよということで片付けたらいいんでしょうが、実際の使う側から見れば誤使用から 生じるさまざまなリスクのほうがむしろ大きいんだとすると、予期せぬ使用、誤使用系 のリスクも薬のリスクの中にどのようにうまく組み込めるのかと。これはおそらく実験 データで数字がこうだからという単純な数字は出てこないんじゃないかなと思うんです が。他方で、誤使用してもあまり重大な症状が出ないようなものでないとやはりだめな んじゃないかという、フェールセーフというような発想、そういうのも一般用医薬品と しては既に入っているだろうと思いますが、そのへん適正使用のリスクと不適正使用の リスクをトータルしてうまくリスクのクラス分けを専門委員会のほうでやっていただき たいなと思います。  井村部会長  ありがとうございました。  田島委員  よろしいでしょうか。確かに誤使用というのは我々日常で考えもしない誤使用という のがあるんですね。それでかなり以前ですが、私のところである患者さんがお腹が痛い ということで痛み止めを飲んだと。それで何を飲んだと聞いたら、手持ちのロキソニン の系統を服用したのです。それは同じ痛み止めではないかと。素人の方はおっしゃるわ けですよ。しかし、もともとロキソニンは腹痛には効かず、かえって胃を悪くするよう なお薬ですから、そういうような誤使用というのは非常に危険だと思います。それは確 かにセルフメディケーションも、ある面では大切なことだと思いますが、それにも自ず から限界があるというように私たちは考えています。その意味でのリスクも十分に留意 すべきであると考えます。  井村部会長  ありがとうございました。他に、どうぞ。  大山委員  今までの話を伺っていてちょっと一つだけ気になったんですが。これは今この話は国 内対象だと思いますが、医薬品販売の方も含めてですが。インターネットの話が出てく ると海外も当然あると。これについて情報提供が何らかの形で情報を提供するというこ とを必須にするでも何でもいいんですが、何らかの制度的な対応をするときに、海外に 対しては今の状況はどうなっているのか。それから今回の話が何らかの形で動いたとき にどういうような考え方をお持ちなのか。それは発注する人、あるいは消費者の自分の 自己責任ですよという話でお考えになっているのか、どこかで輸入をストップする方法 まで、あるいは海外に対して同じような策を広げるようなことを考えられているのかと いう。よく言うんですが、自分の庭だけきれいにしたけど周りは酷いというのが出てし まうような気がしないでもないので、ちょっとそこを全体像を見たときにそこが抜けて しまうのかなと思ったものですから。  井村部会長  いかがでしょうか、事務局のほうでは。  事務局  ご質問が医薬品の個人輸入、今は海外のインターネットサイト、日本国内で個人が。  大山委員  販売については規制がかかっているのは分るのでそこはいいんですが、個人輸入です ね。  事務局  当然のことですが薬事法が国内法ということで、国内で行う事業につきまして販売の 観点、製造の観点で規制をしているということになっておりますので、完全に個人的に 輸入されている方というのはこれは薬事法の規制の枠外にあるという考え方でございま す。  井村部会長  大山委員、さし当たってはいたしかたないですね。  大山委員  そういう判断だというのは分っていたんですが、それでも国内で例えば販売の状態を 変えようということで情報提供を含めてセットで議論しているときに、海外からの人た ちに対して例えばウォーニングを出すのか、あるいは医薬品の販売についてはフィルタ ーをかけるとか、有害コンテンツというのは御存じだと思いますが、そういう方法をと っているわけですね。それでもおやりになる方はそれなりの当然最終的には自己責任と いうようになるんですが、なにか一方では文章がよく、例えば用法の話にしてもよく分 らないことがあるのでいろいろと心配する話をしていながら、海外に対してはもっと自 由にそんな説明がたぶんなく、この薬は安いですよというのが出てくると思うんです よ。そこがちょっと気になったものですから、せっかくなので少なくとも自主規制の フィルタリングのような話はお考えになる方法もあるんじゃないかなと思ったものです から。  井村部会長  それはおそらく厚労省のほうの課題だろうと思います。  事務局  当部会でも論点として整理していただいた論点の中にも個人輸入の取扱うというもの も、専門家の情報提供という観点からどうなのかというのは論点として挙げていただい ておりますので、ぜひともこの部会でご議論いただきましてあるべき姿というのを検討 していきたいと思っております。  井村部会長  ありがとうございます。今までいろいろなご意見が出てまいりましたが、要するにリ スクというものの考え方にもいろいろあるということが皆様方のお話の根幹にあるんだ ろうと思います。それで、さし当たってリスクの程度をどういうように考えていくか、 それによってリスクの程度をどのように評価していくか。それがまず最初だろうと思い ます。堀井委員の言われたとおりだと思います。  それに対して、それでは情報提供というのをどういうやり方でやったらいいかという のは、最初からのこのプロジェクトの説明のとおりだったと思います。それで何人かの 委員からご意見がありましたように、それでは実際にどんな考え方があるのかというこ とについて具体的に作業を進めていく必要があるかなと思います。それで最初の部会か らの説明で、秋以降に専門委員会を設けてそのことについて作業を進めていきたいとい う話がございましたが、いかがでございましょうか。今までのご議論もだいたいそうい う方向に収斂していくのではないかというような感じが私はしておりますが、もしよろ しければ10月ぐらいにそういう専門委員会を立てて具体的な議論をしていただくと。そ の具体的な議論は専門委員会でどんどん突っ走ってしまうのではなくて、そこでどんな 議論がされているのかということについてはこの部会を頻回に開きますので、その部会 に出していただいてその部会で常にそれについてはウォッチングしているという形にさ せていただくというようにすれば、ここの委員が知らないうちになにかリスクの評価の 仕方が決まってしまっていたりというようなことはあり得ないだろうと思います。  したがいまして、そういう意味でまず具体的な作業を進めないとこの議論も進んでい かないだろうと思いますので、この10月ぐらいに専門委員会を立ち上げさせていただく ということにつきまして皆様方のご意見をいただきたいと思いますが、いかがでござい ましょうか。そういう方向でよろしゅうございますか。  谷川原委員  まずはやはり科学的にかつ客観的にデータに基づいて整理するというのが基本だと思 います。ですから専門委員会ではそこでぜひそういう形で整理していただきたいんです が、ある意味一つ懸念されるのは、同じレベルでエビデンスがあるかどうかということ なんですね。薬剤ごとによって。それで今日は非常に多くの有効成分を提示されました が、例えばその中で医療用医薬品というのはかなり安全性のデータというのはきちんと したデータベースがありますが、そこから一般用医薬品にスイッチされたものはベース となるデータはかなりしっかりしていますが、ちょっと拝見してみて歴史的に古いとい うか、そういうものの中で果たしてそのリスクを同じレベルで評価されるだけのエビデ ンスがあるのかどうか、そういう場合に結構取扱いにおそらく苦労されるんではないか なと思います。専門委員会のほうでは。またそういうこともおそらくそういう状況が、 例えばデータのあるグループの中でそういうクラス分けはできると思いますが、まった くそういうエビデンスがないものに対してどう考えるかというのは、またこの部会でい ろいろ方針をご議論していただく必要があると思います。  井村部会長  そうですね。そういうものを拾い出していただくという作業もおそらく専門委員会の 作業の中に入ってくるだろうと思いますが。他に。  宗像委員  進め方に関しては先ほど部会長からお話があった形で私は賛成でございます。ただ、 一点お伺いしておきたいことがございます。それは確か第1回目のこの部会でお隣の溝 口先生のほうからご質問があったかと思いますが、昨年から論議されております深夜・ 早朝に向けての医薬品の販売、テレビ電話を使った医薬品の販売、あるいは情報提供と いうことについてでありますが、6ヵ月後に見直すと、運用の部分を。それが今月に当 たるわけでありまして、そのへんがどうなっているのかということも併せて、既に論点 整理の中でもテレビ電話も含めたITの活用、及び深夜・早朝の一般用医薬品の情報提 供、及び販売について考慮された論議がされるのかどうかについてお伺いしたいと思い ます。  井村部会長  今日の議論の進行とはちょっと関係がないかもしれませんが、具体的な事例でござい ますので事務局のほうでなにかお考えがありましたらお答えいただきたいと思います。  事務局  第1回目の部会で少し話が出たところだと思いますが、本年4月に施行されました深 夜・早朝における医薬品のテレビ電話販売の要件の見直しにつきましては、省令上制度 施行後6ヶ月をめどに見直しを検討するという形になっておりまして、これは別途作業 に着手しているところでございます。  もう一つご質問がございました、この部会で検討の対象になっているのかどうかとい う点でございますが、制度施行後6ヶ月の見直しは現行法の枠内でやるという整理でご ざいまして、それを超えた現行法の見直しも含めてテレビ電話の位置付け、あり方をど うするかということに関しましては、これはこの部会で整理していただいた論点に情報 通信技術の活用というのがございますので、この中に含まれているものだと考えており ますので、関連する事項として必要に応じてこの部会にも見直しの検討につきましては 報告させていただきたいと思っております。  溝口委員  基本的には専門部会をつくることは賛成ですが、またもう一回繰り返しになります が、森委員ご指摘の例の医療用医薬品が一般用医薬品として、いわゆる指定医薬品の指 定を受けないで売られているということは私はぜんぜん知らなかったことです。やはり それは添付文書の問題だけではなくて、薬剤師が指導するかどうかということにも絡み ますので、やはり専門委員会でそれを含めて検討していただきたいと思います。  神田委員  私も専門部会をつくって進めていくという形についてそれでいいと思いますが、その ときにリスクファクター、これが資料8に出ておりますが、これでいいのかどうかとい うことがあると思います。それで私は例えば資料8の【1】の最後に医療用医薬品や食 品との関係が書いてありますが、一般の食品もあるかと思いますが、今意識しなければ ならないのはいわゆる健康食品とかサプリメントということで、これと医薬品との関係 がどうなのかというのはかなり意識してやってほしいと思います。  児玉委員  いわゆる専門委員会のお話も出ておりますが、その中でいろいろ議論していただくの は結構でありますが、ぜひこの当部会との連携をとっていただきたいと思います。と言 いますのは、先ほど谷川原委員がおっしゃったことは大事でして、いわゆる一般用医薬 品の特性を踏まえた議論が必要なんですね。エビデンスの問題などは特にそうなんです ね。それからもう一つは、いわゆるセルフメディケーションの部分が結構一般用医薬品 の場合はありますね。患者さんの判断というのが。これは要素に入るんですね。なぜか と言うと、今回リスクのほうからおやりになると。今後その後情報提供との絡みで議論 される。それでもともとリスクと情報提供の相関的なものを考えるということ自体は、 私は反対だと思っています。なぜかと言うと、情報提供のあり方をどんどん検討しなけ ればいけないし、それからもちろん販売形態と情報提供のあり方のほうがむしろ皆様方 は問題提起されているわけですよ。  何が言いたいかというと、一般用医薬品の特性を考えるとリスクだけでは分離と情報 提供との相関性というのはなかなか難しいんですね。分りやすく言いますと、例えば一 般的に言うリスク要素の少ない胃腸薬の相談があったと。ところがそこで情報提供をす る場合に、ではそれに応じて少ない情報提供でいいかというと、決してそうではない。 それでいろいろお話をしていくと、いろいろな情報提供をしていく上でどうもこれはお かしいと。ご本人は自分で判断されて、そう言われているけどどうもおかしいと。そこ で受診勧告したら、これは潰瘍であったと。そういう例はいくらでもあるんですね。で すからそうなると相関性というか、リスクが少ないから情報提供の量が少ないとは言え ないわけですね。だからそのへんも今後は大きな議論になってきますので、その段階に 入るときにはもう一度ここでしっかりと議論していただきたいと思います。  井村部会長  おそらくそれにはどういうファクターをリスクとして捉えるかということが関わって くると思いますので、先ほど言いましたようにこの部会で常に専門委員会の審議の状況 というのをご報告いただいて、ここでそれについて審議できるというそういう形をぜひ とっていきたいと思っておりますので、それでよろしゅうございますか。  他にご意見はございませんでしょうか。だいたい出揃ったと思ってよろしゅうござい ますか。それでは専門委員会での議論をしていただく際に、その委員会で留意していた だかなければならないという内容がかなりあると思います。それで今日の議題に関する いろいろな先生方からの意見を資料として整理しまして次回に提出したいと思います。  それで次回につきましては既にご案内したところだと思いますが、9月27日を予定し ているところでございます。今日は検討項目の1と2の(1)ということについて主に 議論していただきましたが、それ以外の項目につきましての議論に今日の議題について の議論というのは非常に重要な前提になると思います。ですから専門委員会でこれにつ いて議論していただいて話が進んでいくということで、その他の検討事項についての議 論も進んでいくというようになるだろうと思います。  したがいまして、専門委員会の作業というのは非常に重要になってくるわけでござい ますが、その専門委員会の設置に必要な委員の選び方でありますとか、あるいはまた事 務手続きがございますが、かなり時間がかかることだろうと予想されますので、この専 門委員会の設置の時期につきましては次の部会の終了後、先ほどから言っておりますよ うに10月に、しかもそれが早めの時期に設置をさせていただくということでご了承いた だければ大変ありがたいんですが、そういう方向で進んでよろしゅうございますか。  全員  異議なし。  井村部会長  ありがとうございます。それでは特に異論がないようでございますので、専門委員会 の委員の選定でありますとか事務手続きを進めていくこととします。  それで次回の9月27日は先ほど述べましたとおり今日の議題に関する各位の意見を整 理した資料を出します。それから、それについて議論をしていただきます。それから今 後の議論の具体的な進め方について審議していただきたいと思っております。それから またその席上では専門委員会の委員の案でありますとか、あるいはまた委員会の運営規 則の案が出てくるだろうと思いますので、それについて事務局のほうから説明していた だいて議論していただくという形になるだろうと思います。そういう方向で進ませてい ただきます。 それでは、予定の時間がまいりましたので、よろしければ本日の質疑は このぐらいにさせていただきまして、次回の日程につきまして一応確認のために事務局 のほうからお願いします。  事務局  先ほど部会長からも言っていただきましたが、既に予定ということで各委員に連絡さ せていただいておりますとおり、日時は9月27日(月)、16時から18時という形で、場 所は決まり次第追ってまたご連絡させていただきます。  井村部会長  ということでございます。それではご協力によりまして時間通りに進行することがで きました。どうもありがとうございました。本日はこれで閉会とさせていただきます。                   ―終了―                    (照会先)                      厚生労働省医薬食品局総務課                       TEL: 03-5253-1111(代表)                       担当: 樋口(2710)、目黒(2725)