04/08/26 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成16年8月26日議事録                ┌――――――――――――――――――――――┐                | 照会先                  |                |  厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課|                |           担当 蛭田 加藤 坂西|                |      Tel.03-5253-1111 内線2453,2444|                └――――――――――――――――――――――┘         薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会議事録 【日時】 平成16年8月26日(木) 午前9時58分〜午前11時7分 【場所】 中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室 【出席委員】(敬称略)      小沢 理恵子、鈴木 久乃、棚元 憲一、長尾美奈子(部会長)、      中澤 裕之、米谷 民雄、山添 康、吉池 信男、四方田 千佳子 【事務局】外口食品安全部長、中垣基準審査課長、宇津課長補佐、蛭田課長補佐 【議題】(1)プロパノールの新規指定の可否について      (2) その他 ○事務局  定刻にまだなっておりませんが、先生方お揃いでございますので、薬事・食品衛生審 議会食品衛生分科会添加物部会を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ御 参集いただき誠にありがとうございます。  本日は、工藤委員、成田委員、西島委員、山川委員より欠席との御連絡を事前に受け てございます。現在、添加物部会の委員13名中、9名の委員の先生方に御出席いただいて おりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。  それでは、まず初めに7月23日付けにて食品安全部長となりました外口部長から御挨 拶を申し上げます。 ○外口食品安全部長  おはようございます。平素より食品添加物行政に御協力をいただきましてありがとう ございます。食品安全部長の外口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、新規指定に向けて御審議をいただくプロパノールについてでございますけれ ども、国際的に安全性が確認され、かつ汎用されているものとして国が主体的に指定に 向けた検討を進めた品目といたしまして、平成15年11月21日に食品安全委員会に評価を 依頼したものであります。  現在、食品安全委員会の添加物専門調査会におきまして食品健康影響評価が行われ、 その審議結果案についてのパブリックコメントが実施されているところでございます。 食品安全委員会における最終的な評価はもう少々時間がかかりますが、本日はこの審議 結果案を基にいたしまして御審議いただければと思っております。  さらに、本日は平成15年度に実施いたしましたマーケットバスケット方式による保存 料等の摂取量調査の結果、また、本年7月に既存添加物名簿から消除いたしましたアカ ネ色素のパブリックコメントの結果、本年2月に公示した販売等がなされていない既存 添加物の消除に関する訂正の申出の結果についても御報告させていただく予定でござい ます。  先生方には活発な御議論を賜りますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうご ざいました。 ○事務局  人事異動がございましたので、御報告をさせていただきます。  ただいま御挨拶いたしました食品安全部長、参事官、企画情報課長が異動をしており ます。  また、基準審査課内におきましても、前任の植村補佐に替わりまして宇津補佐が着任 しているところでございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいた します。 ○長尾部会長  それでは、配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○事務局  御説明いたします。本日、先生方のお手許に置かせていただきました資料でございま す。  座席表がございまして、そのほかに冊子でございますが、添加物部会の議事次第、1 枚めくっていただきまして委員名簿、更にめくっていただきまして資料一覧でございま す。 そのほか、本日御審議いただきます議題1の「プロパノールの新規指定の可否に ついて」にかかる資料といたしまして、資料1でございますが、プロパノールの新規指 定の可否に関する薬事・食品衛生審議会への諮問についてという諮問書の写しでござい ます。  資料2は2ページでございますが、食品安全委員会における食品健康影響評価に関す る審議結果(案)ということで、現在パブリックコメントが実施されているものでござ います。  更にめくっていただきまして7ページでございます。資料3でございますけれども、 プロパノールの新規指定に関する添加物部会報告書(案)でございます。  更にめくっていただきまして13ページでございます。参考資料でございますけれど も、「プロパノールのガスクロマトグラム」でございます。  その他に関係する資料でございますが、報告資料1でございますけれども、「平成15 年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、パラオキ シ安息香酸エステル、亜硫酸、アナトー色素、タール色素の摂取量調査」についてでご ざいます。厚生労働省におきましては、毎年食品添加物の摂取量を把握するための調査 を行っております。本日は、平成15年度に実施された調査の結果について御報告いたし ます。  2枚めくっていただきまして報告資料の2でございますけれども、「食品添加物「ア カネ色素」を既存添加物名簿から消除することについて(パブリックコメントの結果) 」でございます。アカネ色素につきましては、前回の添加物部会において食品安全委員 会へ健康影響評価を依頼した旨、御報告させていただいたところでございます。また、 7月5日に開催されました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会には御都合のつく先生 方に御同席いただいたところでございます。厚生労働省といたしましては、薬事・食品 衛生審議会の答申を踏まえまして、7月9日にアカネ色素を既存添加物名簿から消除い たしました。また、併せて同日よりパブリックコメントを募集したところ、コメントが 寄せられましたことから、事務局より御報告させていただくものでございます。  次に、報告資料の3でございます。2枚めくっていただきますと、「販売等がなされ ていない既存添加物に関する消除予定添加物名簿に寄せられた申出について」でござい ます。これにつきましては、昨日をもちまして訂正のための申出期間が終了いたしまし たことから、訂正の申出結果について御報告させていただきたいと思っております。  本日、お手元にお配りしております資料は以上でございます。もし不足等がございま したらお申し出いただければと思います。 ○長尾部会長  皆さん、資料はそろっていますでしょうか。よろしければ審議に入りたいと思いま す。  それでは、まず最初に議題1の「プロパノールの新規指定の可否について」の審議を 行いたいと思います。事務局より、資料について御説明をお願いします。 ○事務局  御説明いたします。まず背景から御説明させていただければと思っております。  プロパノールにつきましては、平成14年7月に食品衛生分科会におきまして了承され ました「国際的に安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物としての香料の 取扱い」に従いまして、厚生労働省において資料を取りまとめ、平成15年11月21日でご ざいますが、香料として食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼いたしました5品目 の香料のうちの1品目でございます。  食品安全委員会におきましては、平成16年7月28日の添加物専門調査会におきまして 審議が行われ、その審議を踏まえた報告書案が取りまとめられまして、平成16年8月5 日より食品安全委員会においてパブリックコメントが実施されているところでございま す。そのパブリックコメントの案を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会の方で御審議 をお願いしたいというものでございます。  まず資料1でございますが、先ほどのとおり諮問書でございます。  資料2から御説明いたしたいと思います。2ページでございます。こちらは先ほど御 説明いたしましたとおり、食品安全委員会における評価結果についてのパブリックコメ ントが実施されている案でございます。  まずプロパノールでございますが、フルーツ様の香気を有しておりまして、果実等の 食品に天然に含まれている成分であります。欧米においては清涼飲料、キャンディ等の さまざまな加工食品に香りを再現するために添加されているところでございます。  背景につきましては先ほど御説明したとおりでございまして、厚生労働省で資料等を まとめ、リスク評価を依頼したところでございます。  3の「名称等」のところでございますが、炭素は3つ、それに水素と酸素という構造 でございまして、この評価結果案にもございますけれども、速やかに生体内成分の二酸 化炭素と水に分解して尿中に排泄されるものでございます。  「安全性」でございますけれども、遺伝毒性、いわゆるエイムス試験でありますと か、ハムスター培養細胞を用いました試験でありますとか、ラットの骨髄細胞を用いま した試験等が実施されているところでございますけれども、生体にとって特段問題とな るような遺伝毒性はないという評価がなされております。  また「反復投与」でございますが、NOAELは、3,000mg/kgと評価されているとこ ろでございます。  「発がん性」につきましても、現時点で発がん性の懸念を惹起するものではないとさ れていること、JECFAにおいてもデータが限られており、発がん性の評価は用いる ことができないとの評価がなされております。また内分泌かく乱を疑わせるような報告 はないということでございます。  「摂取量の推定」がなされておりまして、年間使用量の全量を人口の10%が消費して いるというふうに仮定するPTCC法というものがJECFAでございますけれども、 それに従ったところ、米国、欧州における1日1人当たりの推定摂取量が549μg、更に 360μgというふうに推定されております。我が国と欧米の推定摂取量が同程度という情 報もございますので、我が国での使用が認められますと本物質の推定摂取量はおよそ 360から549 μgという範囲に入るものと推定がされております。  次は「安全マージンの算出」ということで、NOAELで3,000mgというものが出て おりますけれども、これと推定摂取量を比較いたしまして安全マージンが27万以上とい うことでございます。  「構造クラスに基づく評価」では、先ほどのように代謝成分が生体成分ということで 二酸化炭素と水に代謝されるということでございます。  国際的な安全性を評価する「JECFAにおける評価」でございますけれども、香料 としての安全性の問題はないということでございます。  このようなデータを基に、食品安全委員会での評価結果案でございますが、プロパノ ールを食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられるとの評価が なされております。  次に7ページでございますが、それを踏まえまして添加物部会の報告書案でございま す。品目名、構造式、用途、更に諸外国での使用状況は先ほどの食品安全委員会の審議 結果案と同様の記載でございます。  5.で「食品安全委員会における評価結果(案)」でございますが、食品の着香の目 的で使用する場合、安全性に懸念がないと考えられるというものでございます。  続いて「摂取量の推定」でございますが、こちらにつきましては食品安全委員会と同 等の記載でございます。  「新規指定について」ということでございますが、本物質を食品衛生法第10条の規定 に基づく添加物として指定することは差し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定 に基づき、次のとおり使用基準と成分規格を定めることが適当であるとしております。 8ページの「使用基準(案)」でございますが、食品安全委員会のリスク評価自体が香 料として使用されるということに限定されて行われておりますので、使用基準は着香の 目的以外に使用してはならないとすることが適当であるとしております。  更に「成分規格(案)」でございますけれども、別紙のとおり設定することが適当で あると規定しておりまして、9ページでございます。プロパノールの成分規格案でござ いますが、含量、性状、確認試験、純度試験として屈折率、比重、定量法でございま す。このような記載になっております。  更に確認試験でございますが、赤外吸収スペクトル法というものを用いまして、その 参照スペクトルと比較するときに同一波数のところに同様の強度の吸収を認めるという ような記載となっております。  その参照スペクトルでございますが、10ページに記載させていただいているところで ございます。この成分規格案の設定の根拠でございますが、11ページを御覧になってい ただけますか。基本的にはJECFA、FCCということで、JECFAにつきまして は国際規格でございますし、FCCは米国の規格を参照しているものでございます。  まず含量でございますが、こちらはJECFA、FCCとも規格値を99.0%以上とし ております。我が国の本規格案につきましても、プロパノールの含量を99.0%以上と規 定しているところでございます。  「性状」でございますけれども、JECFA、FCC、いずれも無色透明な液体と規 格されているところでございます。本品は特有の香気を持つということもございますの で、本規格案につきましては無色透明な液体で特有なにおいがあるというふうに規定を 提案させていただいているところでございます。  「確認試験」でございますけれども、JECFA、FCC、いずれも確認試験をIR ということでございますので、IRでございます。  「純度試験」でございますけれども、こちらも屈折率、比重、いずれもJECFA、 FCCの規格に従った規定でございます。  「定量法」でございますけれども、こちらにつきましてもJECFA、FCCを根拠 にガスクロ法を提案させていただいているところでございます。  なお、「溶状」、「沸点」というものがございますけれども、いずれもガスクロ法に おいて官能検査、品質管理等を既に実施されているということでございまして、あまり 重要ではないということで、規格の中にこれらについては設定しないとの提案をさせて いただいているところでございます。  最後に13ページでございますけれども、「プロパノールのガスクロマトグラム」とい うことでございまして、このガスクロの測定条件においてこのようなガスクロマトグラ ムが得られるというものでございます。以上でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。ただいま事務局から御説明がございましたけれど も、今回の成分規格を取りまとめられましたのが国衛研の食品添加物部ですが、先生方 から何か追加、補足事項はございますか。よろしいですか。  それでは、審議に入りたいと思います。何か御意見ございますか。 ○米谷委員  幾つかございますけれども、まず1つは食品安全委員会の方の評価で3ページの「摂 取量の推定」の3行目のところに、「既に認可されている香料物質の我が国と欧米の推 定摂取量が同程度との情報がある」ということでレファレンス、引用文献は15になって おります。これは平成14年度厚生労働科学研究報告書で、日本香料工業会さんに委託し てやっていただいたものですが、これは私が主任をしていまして、かつここの使用量実 態調査は私が分担研究者も兼ねておりました。  そのときの報告書の中では、これは別表第2の78品目について世界と国内の摂取量を 比較した結果ですけれども、大体一致するものが多かったかもしれませんが、結論のと ころに書いてありますようにかなり違うものもあるということで、それは食文化の違い を大きく反映しているというようなことも書かせていただいています。その報告書をこ こで我が国と欧米のものは大体一緒だということで引いてこられるのは、今回はこれで 結構なのですが、これから数十品目も出てくるときに同じくこれを根拠にしていただく と、ちょっと違うのではないかと考えていますけれども、いかがでしょうか。 ○長尾部会長  先生がおっしゃるのは、その品目によってほぼ同じ場合にはこれでよろしいと。 ○米谷委員  もちろん同じようなものも多いのですが、まるっきり違うものもあります。それは当 然ながら食文化の違いを反映しているということでそういう結論になるわけですが、ま だプロパノールのように許可されていないものの摂取量を見積もるときに、欧米でこれ だから日本もこれくらいだろうというふうに類推といいますか、推定していくのはどう なのかということです。  ですから、最終的にはその前段に書いてありますように、正確には許可後の追跡調査 が必要だということで、そちらをやっていただければと思いますけれども、多分これか ら香料がここに関わってくるときに同じような文章が残っているとちょっと困るなと思 いました。 ○長尾部会長  事務局から何かございますか。 ○中垣基準審査課長  詳細を調べないと何とも言えないのですが、香料の場合には国立医薬品食品衛生研究 所の井上センター長を中心とします検討班を厚生労働省として開催させていただきまし て、その中でまず議論をお願いしたところでございます。その検討班の報告書に恐らく これと同じような文章があるのだろうと思いますし、米谷委員もその委員ではなかった かと思うわけでございます。  確かにいろいろなケースがあるのだろうと思いますし、一つの大きな目安としてこう いうことが言えるのだろうと思います。また、確かにアメリカとEUの間にあるという ことはいかがかとは思いますが、一つの目安とするとすれば、その辺りなのかなという ことではないかと思います。安全マージンを算定していくために、こういった手法を取 ろうとするとどうしても摂取量の目安を設けないと安全マージンが算定されないわけで ございますし、一つの目安という意味と解しています。  そういう意味から申し上げますと、この文章というのは食品安全委員会の専門調査会 のレポートなのですが、先ほど申し上げましたように私どもで設けました検討会のレポ ートを参考としたところがございまして、ここも恐らくそのとおりになっていると私は 思っておるわけでございます。私の記憶が違っていたら申し訳ないのですが、そういう 意味では検討会の中でももう少し議論をしていただきたいと思いますが、大きな目安と してこういった数字を用いること自体は米谷委員を含め、先生方の御同意を得られるの ではないかと思っているところでございます。 ○棚元委員  1つ追加ですが、前回部会を通ったイソブタノールでもすでに同じ表現を使っている はずだと思います。 ○米谷委員  毎回同じような文章のままではちょっと問題かなということで問題提起させていただ きました。 ○中垣基準審査課長  あくまでも目安なのだということを先ほどの米谷委員の御発言も踏まえ、検討会の中 でも更に整理をさせていただきたいと思っております。 ○長尾部会長  また検討会の方でも検討していただくということにいたしまして、ほかにございます か。 ○米谷委員  かなり飛びますけれども、9ページのところに規格がございますけれども、今回は赤 外吸収スペクトルで参照スペクトルと比較するということで10ページにきれいな参照ス ペクトルが載っております。これまで従来、参照スペクトルが載っているものは全部 400カイザーまで測ってあったのですが、今回は600カイザーまでで、以前から私は600 から400の間も含めて参照スペクトルとして載せた場合に、そこにおいて同一波数のと ころに同様の強度の吸収を認めるというのは非常に大変だということを感じていたので す。それで、今回は600で切っておられるので非常に合理的だなとは感じていますけれ ども、今後第8版の参照スペクトルなどは全部600カイザーまでで止められるのでしょ うか。 ○棚元委員  第8版に向けてここのところは一つ議論になっておりまして、現在まだ検討委員会に はかけていないのですが、作業部会レベルでは400から600の間は従来のものから削って 600以上という形にしようというふうに現在の段階では決めています。今回はその一つ の結果ではないかと思います。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。ほかにはよろしいでしょうか。 ○米谷委員  安全マージンのところなのですが、実は香料はほとんど天然にもあるということで、 この化合物につきましても3ページの「摂取量の推定」の最後だったと思いますけれど も、「本物質の摂取量は、意図的に添加された本物質の1,500倍であるとの報告もある 」ということで、もともと食品中に1,500倍も入っているということでございますが、 この安全マージンのディスカッションというのは香料化合物としてのディスカッション なのでしょうか。それとも、それの1,500 倍高い量を摂取している可能性が米国ではあ るということなのですけれども、そちらの話なのでしょうか。 ○中垣基準審査課長  いろいろな見方があるのだろうとは思います。今は香料として新たにプロパノールを 認める際のリスク評価をしているわけですから、バックグラウンドと申しますか、通常 の食品から摂取するものがものすごく大きくて、香料を新たに認めたところでその量と いうものがあまり変わらないのであればというリスク評価も当然あるのだろうと思いま すし、また香料だけでここは安全マージンを比べておりますけれども、バックグラウン ドも比べて安全マージンも勘案する考え方もあるのだろうと思います。そこは、リスク 評価をする方がいろいろな立場からいろいろなことを検討されるのだろうと思います。 ○長尾部会長  これは食品安全委員会のマージンの出し方ですけれども。 ○吉池委員  食品安全委員会の専門委員として審議に関わったので、少し補足の説明をさせていた だきます。  先ほど5番の「摂取量の推定」の表現についての話もありましたが、「360〜549の範 囲にある」という言葉も、当初の事務局案から比べるとかなり“目安的”な意味合いの 表現に審議の結果、変わったと思います。なぜこの「範囲」という言葉を最終的に使っ たかというと、マージンとして数値の幅を出さないとその後の議論ができないからで、 必ずしもその範囲の中間的な数値であるという訳ではありません。一つのよりどころと する数字を出さなければいけないので、こういう表現になっているということがありま す。  そうしたときに、安全マージンの「27万から41万」というのは、この「360から549」 という数字を用いて出していますので、香料として添加されたものに対するマージンで す。従って、バックグラウンドについてはこのマージンには考慮されていません。考え 方としては、天然中の食品にかなり含まれているので、それにプラスして添加された部 分の割合というのは少ないということが、安全性の評価の議論の中で出てきたように記 憶しております。 ○長尾部会長  よろしいですか。  ほかにどうぞ。 ○中澤委員  大変細かいことで恐縮なのですが、1つお伺いしたいのは10ページのIRのスペクト ル、いわゆる参照スペクトル法でいくというところです。これは全くそのとおりで結構 だと思いますが、先ほど400カイザーのところは外して600から取るということで、これ も大変結構ではないかと思うのですが、これは添加物の公定書などをつくられるときに は特徴的な官能基に関してのファンクショナルなアサイアメントといいますか、波数な どは将来的には掲載されるのでしょうか。多分、実際に測定する人にとっては何カイザ ーのところに特徴的なものがあるかということは非常に参考になるのかと思います。  それが1点と、私は分析屋なものですから細かくて申し訳ないのですが、13ページの カラムのところに「被服剤」と書いてあるのですが、これは字が違うのではないか。 「被服」ではなくて多分「被覆」だと思うのですけれども、御確認いただきたいと思い ます。以上です。 ○長尾部会長  では、最初の波数の件を御説明いただけますか。 ○棚元委員  赤外吸収スペクトルですが、ここでは参照スペクトルという形になっていますが、公 定書に載る場合には2つあると思います。参照スペクトルの場合と波数規定の場合で、 それぞれの品目によって個別に考慮することになっていくと思います。 ○米谷委員  赤外の方では従来はかなり波数で規定していたのですが、波数で規定しますとその辺 りにそのものはなくても吸収が見えるときがありますのと、あるいは結晶多形ができま すとどうしても波数だけでは対応できないということで、厳密にやるためには参照スペ クトルで、同一波数のところに同一強度のものを認めるというふうに規定した方が、か なり厳しくなるということで多分参照スペクトルの方に移行するのだと考えておりま す。 ○事務局  「被服」のところでございますが、そこはおかしいと思いますので修正させていただ きたいと思います。 ○長尾部会長  よろしいでしょうか。ほかにございますか。  それでは、御審議を十分いただいたと思います。どうもありがとうございました。そ れでは、「プロパノールの新規指定の可否について」は可ということで、その次の手続 きを取っていただきたいと思います。今後のスケジュールとしましては、どうなります か。 ○事務局  本日の審議結果に基づきまして、食品衛生分科会での御審議のほかにパブリックコメ ント、WTO通報等の所定の事務手続きを開始したいと思っているところでございま す。 ○長尾部会長  それでは報告事項ですが、平成15年度に実施されましたマーケットバスケット法によ る添加物の摂取量調査について事務局から報告をお願いします。 ○事務局  御報告申し上げます。14ページでございます。マーケットバスケット方式による摂取 量調査ということでございまして、その「目的」でございますが、我が国における食品 添加物の摂取実態を明らかにするというものでございまして、先ほど御説明のとおり毎 年実施させていただいているところでございます。平成15年度におきましては、保存料 等の22種類の食品添加物について加工食品による摂取量調査を実施したところでござい ます。  調査方法でございますけれども、調査に参加いたしました地方衛生研究所6機関にお きまして食品群を調製いたしまして、国立医薬品食品衛生研究所を含みます7機関にお いて天然には存在しないソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル5種、アナトー色 素、タール色素12種、天然にも存在いたします亜硫酸、安息香酸、プロピオン酸、これ らの合計22種の食品添加物について食品群ごとの含有量を測定いたしまして、喫食量を かけることによりまして添加物の一日摂取量を算出しているところでございます。  その結果でございますけれども、22品目の食品添加物についての7機関の平均一日摂 取量を食品群別に表に表しているところでございます。この下半分に記載されているも のでございます。  更に平成14年度の調査でも行われたところでございますが、購入した食品の中で添加 物の名前が表示してあったものにつきましては、各々の食品中の含有量を測定し、足し 合わせたものということで、これを表示群というふうに総称させていただきますが、こ れと表示の有無にかかわらず各食品群ごとに混合して分析したもの、これがこのマーケ ットバスケット方式における調査のデータの数字でございますが、これらを混合群とい うことで総称させていただきます。これらの比較検討も実施したところでございます。  まずソルビン酸でございますけれども、ソルビン酸の摂取量、いわゆる混合群という ことでございますが、13.56mgということでデータが出ておりますが、これは表示され ていたものを測定したものと同程度の値であったということでございます。  更にパラオキシ安息香酸エステルでございますが、これにつきましては個別の食品で 表示のあったものはブチルエステルという1検体のみであったということですが、混合 群ということで、これは検出されませんでした。表示群は0.001mgということで、市販 食品にはあまり使用されていないということが記載されております。  また、亜硫酸塩類でございますけれども、ワイン、魚介類、甘納豆の寄与によりまし て、表示群におきましては混合群の約3倍の値を示したという結果が得られておりま す。食品群の試料調製時に減少したのではないかというような考察がなされています。  安息香酸、プロピオン酸の摂取量でございますけれども、これは混合群がそれぞれ表 示群の1.3倍、2.55倍という値を示しておりまして、天然に由来するものがその値に寄 与しているのではないかということが示唆されております。  また、着色料でございますけれども、アナトー色素等々、食用赤色40号及び食用赤色 106号等と記載されておりますが、多種の食品を混合いたしました食品群を検体といた しました場合に、食品の成分による影響が測定結果に大きく影響する場合があるという ことが示唆されております。  これらの考察がなされているところでございますが、15ページでございますけれど も、参考といたしまして、いわゆるADIの定められている添加物につきましては今回 の一日摂取量との比較をさせていただいているところでございます。いずれも1%台の ものが最もADIに占める割合が高かったというものでございますので、このような結 果が得られているところでございます。以上でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。今回の調査を取りまとめられました御経験の食品添 加物部から何か補足はないですか。  では、御質問等がございますでしょうか。 ○米谷委員  今回の項目の中にアナトー色素というものがございまして、その「方法」の中で天然 に存在しないというところにアナトー色素というものがございますけれども、アナトー 色素は天然添加物、既存添加物なので、一体これは何を測られたのかと思いまして、水 溶性アナトーの方も入っての話なのでしょうか。 ○四方田委員  摂取量調査では以前からノルビキシンだけを測定しております。それで、日本のアナ トー色素はビキシンの含量がほとんどないので、実際上はノルビキシンのものが大半で す。それで、水溶性アナトーもノルビキシンであるということで、表示として本当はノ ルビキシンと書いた方がいいのかなと思いつつなのですが、日本の場合はほとんど等価 であるということで、表示がほとんどアナトーなのです。ですから、アナトー色素の方 がわかりやすいかということもあって表示はこのままにさせていただいています。 ○米谷委員  アナトー色素は既存添加物名なので、「アナトー」ならば「アナトー」とされて「色 素」は抜かれた方がいいのかなと思いますし、今のお話ではノルビキシンを測られて結 果をビキシン含量として表されたということだろうと思いますが……。 ○四方田委員  ノルビキシンのままになっております。 ○米谷委員  そうだとしますと、合成添加物の水溶性アナトーも入っています。それから、既存添 加物の中のビキシン、ノルビキシンの入ったものと、それから加水分解して本当はそれ をアルカリ分解してそのまま出してしまえば水溶性アナトーなのですが、それを中和し てさっきおっしゃるようにほとんどがノルビキシンの天然添加物という変なものがある のですが、それを主に測られたということですね。  日本でビシキンが入っていないアナトー色素が流通しているというのは、分解のもの を入れているからそうなるのではないかと思っているのです。ですから、ほとんど流通 していないビキシンを含むものを除いてノルビキシンだけを測っている。 ○四方田委員  JECFAの方ではビキシンを多量に含んだものが出されているようなのですが、日 本の流通実態をつくられたところがあるのですけれども、どうもビキシンはほとんど出 てこない。非常に少ないということなので。 ○米谷委員  JECFAの方は普通の天然添加物だと思うのです。日本は特殊な方法で加水分解し たものが中にあるので、JECFAの規格と日本の規格はなかなか合致させられないの で、最近JECFAの方で通ったかどうか知りませんけれども、JECFAのものをそ のまま日本へ持ってくると日本の規格としては採用できないようで、食品添加物公定書 には入れなかったという非常に問題がある難しい色素なので、今回も分析の方で何を測 られたかをきちんとされておいた方がいいと思います。  ですから、ノルビキシンを測ったということですね。 ○四方田委員  そうです。JECFAの方は今、6種類の関連色素が出されていまして非常に複雑な ことになっています。それで、毒性評価も非常に複雑でそのままの製剤でやっているも のですから、ここはADIは設定されていないに一応変更させていただいています。以 前はビキシンとしてという数値が書かれていたのですけれども、日本の規格をJECF Aに出されたものがその6種類の中で非常に変わったものであるというような背景もい ろいろややこしい状況にあるということです。 ○長尾部会長  今おっしゃったことが十分理解できなかったのですが、アナトー色素としてはADI が設定されていないということですか。 ○四方田委員  JECFAは今、検討中になっていまして、6種類のアナトー関連色素が大部分がビ キシンのものだとか、大部分がノルビキシンのものだとか、いろいろな色素があるので す。それで、その色素そのものを投与したときのADIというものを設定しているので すが、成分に対しては設定されていないのです。ですので、ここではノルビキシンとし て測っていますので、ADIとしてここに数値を載せるとか引用するということができ なかったという背景がございます。 ○長尾部会長  よろしいでしょうか。 ○中垣基準審査課長  私もよく理解していないのではないかと思うのですが、御議論を聞いていますと、 「方法」のところの3行目の末尾の「アナトー色素」のところを、「ノルビキシン(水 溶性アナトー、アナトー色素等に由来)」にすれば正確かなと思いますがいかがでしょ うか。  それで、表のところの「アナトー色素」も「ノルビキシン」に変えて、その次のペー ジの参考の表は「アナトー色素(ノルビキシンとして)」ではなくて、「ノルビキシン (水溶性アナトー、アナトー色素等に由来)」という形にすれば、米谷委員の御指摘も 四方田委員の御回答もクリアできるのかなと思っておるのですが、いかがでございまし ょうか。 ○長尾部会長  私も、ノルビキシンにしてADIの設定をされていないという形になればクリアだと 思います。  それで、私からの質問は亜硫酸塩なのですが、これは分解しましていろいろなものに なって、そこに次亜硫酸とか二酸化硫黄とかいろいろになりますね。それのトータルが 測られているのですか。それで、試料調整時に減少するという、この減少はそれ以外の ものになるということなのですか。ちょっとわかりにくいのですが。 ○四方田委員  亜硫酸はワインの量と、それからカンピョウの量が多いのです。それで、1群にワイ ンが入っておりまして、ワインそのものを持ってきて測るとかなり量が多く検出されま す。  ところが、1群はいろいろなサンプルを採取して混合してから測定するのですけれど も、混合したものを測定すると亜硫酸は全く出てこなくなります。検出ができない量で はないので、いろいろ混合した時点で亜硫酸がサンプルの中で分解してしまうことが起 こり得るということが、前から想像はしておりましたが、明確になりましたということ です。 ○長尾部会長  それで、参考のテーブルの下の*2でいろいろ亜硫酸が分解していますよね。測定す るときは亜硫酸として測定しているのですか。 ○四方田委員  これは食品添加物として許可されていて、亜硫酸として測定される可能性のあるもの をすべて並べてあるということです。 ○長尾部会長  ほかのものも全部亜硫酸としてということですか。わかりました。  それで、カンピョウとワインとを混ぜたときに亜硫酸はここに並べてあるものにはな らないで、測定にかからないものになるということなのですね。 ○四方田委員  ワインとカンピョウは混ざりませんで、ワインは1群にございまして、カンピョウは 7群に入ることになりますので……。  食品群と混合した場合ですね。カンピョウの方はもっとたくさん検出されているので す。実は天然のカンピョウだけを測定して計算しますともっともっと高い値になるので すが、カンピョウの場合はそのまま混合しているものですから中に含まれた状態のもの は分解されませんので、それがここには反映されるというふうに考えています。 ○長尾部会長  すみません。間違えました。ワインをほかのものと混ぜたときに分解するとおっしゃ いましたね。その分解するものはここに並べてあるようなもの以外のものになるので測 定にかからないのですね。 ○四方田委員  亜硫酸の状態にはない。亜硫酸ではなくなっているということです。 ○長尾部会長  そうではなくて、亜硫酸ではなくてもここに並べてあるものにはならないのですね。 ○四方田委員  そうです。 ○長尾部会長  ほかにはいかがですか。 ○鈴木委員  今のお話を伺っていてますますわからないのですが、先ほどの御説明で聞き漏らした のかもしれませんが、この測定した元の食品のサンプルはどのようにして取られたので しょうか。種類とか、量とかですね。 ○四方田委員  これは20年来実施されている調査でして、国民栄養調査ですとか、それではっきりし ない部分はいろいろな統計値を持ってきまして、1日にどのぐらいの量を食べるという ことをまず算出します。それで、その中でこういう食品、こういう食品をサンプリング しましょうというリストをつくりまして、それを買ってきて、決められた採取量を取っ て混合するということです。 ○鈴木委員  あくまでも食品のレベルでそれをサンプリングしていらっしゃるのですね。というこ とは、例えば加工食品というようなものはその中には入っていないということですか。 ○四方田委員  これはすべて市販されている加工食品でつくられています。 ○鈴木委員  市販されている加工食品で、例えばカレーという加工食品があったとすると、その中 のカレーを取ってきて、あるいはその中のイモとタマネギといったようなもので分解し てしまうのですか。例えば、カレーそのものの中にこういったようなものがどのぐらい 入っているかという発想はこの中には入っていないということですか。いわゆる加工食 品丸ごとといったようなものが今は消費量がどのくらいの比率になっているかわかりま せんが、いわゆる加工食品、ラーメンだとか、サラダとか、菓子類だとか、飲料だとか といったようなものの消費量があるわけですが、それらのものを丸ごと取ってきてこれ のサンプルとしてやっているのではないということですか。  というのは、結果的に出てきたものが全部食品群に置き換わっているものですから。 ○中垣基準審査課長  私の理解が違っていたらまた四方田委員から御説明いただきたいと思うのですが、ま ず最初の段の調味嗜好飲料のところを見ていただきたいと思います。この調味嗜好飲料 の中には、先ほどから問題となっているワインであるとか、ビールであるとか、ジュー スであるとか、炭酸飲料であるとか、そういった飲料がたくさん入っているわけでござ います。これを国民栄養調査の結果を基本として、全くわかりませんが、例えばワイン を10g、ジュースを5g、何かを5gという形でセットするわけでございます。それで、 セットしたものを市場から買ってくるわけですね。ところが、ワインだと何千種類も何 万種類も恐らくある。そこから幾つかのワインを取ってきてワインの代表格にするわけ でございますから、ここはサンプリングになっている。  要は、ワインをそのまま測った場合と、ワインをジュースなり炭酸飲料などと混ぜて 測った場合で差が出るのです。それは、混ぜることによって分解などによって数値がか わっておりますということを言おうとしているわけです。 ○鈴木委員  それは測定上の問題ですね。 ○中垣基準審査課長  はい。それで、そのワインを10g、ジュースを20g、日本酒を5g、ビールを30gという のを足した数字がここに出てきているということだろうと思います。 ○鈴木委員  わかりました。では、穀類というものを例に取りましたときに、これは米なのです か、飯として売られているものなのですかという意味です。 ○中垣基準審査課長  ここは四方田委員に言っていただいた方がいいのかもしれませんが、これは基本的に 加工食品でございますから、米自体を測っているわけではなくて調理されたもの、冷凍 御飯とかそんなものを測っておられるのではないかと私は思っておりますが。 ○四方田委員  そうです。調理されたものですね。 ○鈴木委員  それで、それは冷凍も入るし、レトルトも入るといったようなものですか。 ○四方田委員  はい。それで、以前に天然食品群というものをやっていたことがありますが、その場 合には生の米が入っていました。 ○長尾部会長  よろしいでしょうか。何か御意見はありませんか。  では、どうもいろいろな御意見をありがとうございました。これらのことを今後にも 反映させていただきたいと思います。  それでは、次の報告をお願いいたします。 ○事務局  それでは、報告事項の2番目でございますが、報告資料2ということで16ページを御 覧になっていただけますでしょうか。先ほどもお話がございましたアカネ色素の関係で ございますが、7月9日付で官報に告示をいたしまして、既存添加物名簿からアカネ色 素を削除したところでございますが、同日付で8月8日までホームページを通じまして パブリックコメントの募集をいたしました。そうしましたところ、1件の御意見をいた だきましたので、それについて御説明させていただきます。また、WTO通報も実施し ているところでございますが、現時点で諸外国から御意見はいただいておりません。  まず17ページでございますけれども、御意見の内容でございますが、「ADIを設定 できないという理由によりアカネ色素を既存添加物名簿から除くことに異論はありませ ん。しかしながら、一方でアカネにつきましては薬効のある茜草根という漢方薬の原料 として使用されていると思いますが、漢方生薬の安全性はどうでしょうか。」という御 意見でございます。  厚生労働省の考え方でございますけれども、今回の食品衛生法に基づく措置はセイヨ ウアカネの根に由来する食品添加物であるアカネ色素に発がん性が認められたというこ とからとられたものでございますので、御照会の茜草根に対するものではないというこ とがまずございます。  医薬品を所管いたします医薬食品局の担当課によりますと、茜草根はセイヨウアカネ ではなく、アカミノアカネという植物を基原植物としているものであって、現時点にお いて直ちに製造・販売等の中止等の措置が必要とは判断されておらず、今後も引き続き 情報収集に努めることとなっておりますということでございます。  なお、食衛法に基づき販売等が禁止されました食品添加物、アカネ色素を含有してい る食品等については製造・販売等を中止することとし、7月26日付で関係業者に周知し たところである。しかしながら、現時点でこれに該当する医薬品等は確認されておりま せんというものでございます。  また、生薬原料として用いられてきたセイヨウアカネの根、またはセイヨウアカネの 根から抽出したアカネ色素と類似の製品を使用した医薬品等については、新たな製造輸 入を自粛するよう、関係業者等に指導しているものでございます。以上でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。何か御意見等はございますか。 ○山添委員  今、御説明があった茜草根で、アカミノアカネというのは確かにそうだと思うのです が、実際に生薬の本を見てみますと成分的には同じなのです。量比は多分違うと思いま す。したがって、このコメントを寄せられた方も多分そういうことを懸念されているの ではないかと思うのです。それで、引き続き情報に努めるというふうにおっしゃってい ますが、そこのところをきちんと今後ははっきりさせないとやはり疑念が残るのではな いかと思います。 ○米谷委員  私の方も同じ意見でございまして、私が前の部のときにセイヨウアカネを使っていろ いろ実験をしておりましたけれども、そのときに当然セイヨウアカネですのでルシジン とか、ルベリトリン酸というものが多分、今回発がんの方に関与しているんだと思いま すが、山添先生がおっしゃったようにアカミノアカネの方の成分を調べてもそんなに離 れていないというふうに思いますし、当然ながらちょっと代謝が変わってくるところが あると思うので、きちんと成分分析をしないと植物が違うからOKですよという話にす ぐにはならないのではないかと思います。ですから、同じ意見ですけれども、情報収集 に努めていただきたいということです。 ○中垣基準審査課長  先生方御承知のとおり、このアカネ色素の発がん性試験の結果、あるいはいろいろな 変異原性試験の結果など、食品安全委員会で評価をしていただいたところでございます が、アカネ色素についての発がん性というのはあるだろうという評価でございますが、 その発がんの本体と申しますか、原因物質が特定されたわけではないということが1つ あるのだろうと思います。  先生方の御意見は当然のことながら担当部局の方に伝えたいと考えております。 ○長尾部会長  その点をよろしくお願いいたします。ほかには御意見よろしいですか。  それでは、次の報告をお願いいたします。 ○事務局  報告事項の3点目でございます。報告資料3、18ページの「販売等がなされていない 既存添加物に関する消除予定添加物名簿に寄せられた申出について」ということでござ います。  昨年の食品衛生法の改正に基づきまして、販売実態等のない既存添加物については消 除予定添加物名簿を作成の上、既存添加物名簿から消除できるという規定が設けられま したことから、昨年の秋口より都道府県等を通じまして実態調査等を行いました。その 結果、ここに記載されております38品目については、その実態等が確認されませんでし たことから、本年の2月26日付で官報に消除予定添加物名簿ということで告示させてい ただきまして、半年間の御意見、訂正のお申出を受け付けていたところでございまし た。昨日付で訂正の申出を終了したところでございますが、訂正のお申出はございませ んでした。また、WTO通報に基づく諸外国からの御意見も募集したところでございま すが、諸外国からの御意見はございませんでした。  したがいまして、20ページでございますけれども、「販売等がなされていない既存添 加物の消除について」ということで、今後のスケジュールでございますが、8月25日付 で訂正の申出期限ということで終了したわけでございますが、御意見がございますれば 申出内容の確認であるとか、再調査、申出者への通知といったような事務手続きが発生 いたしまして、最終的に6か月以内に既存添加物名簿を改正しなければいけないという 規定になっておるわけでございますが、今般、訂正の申出はございませんでしたので、 この事務手続きにすぐに入ることが可能となります。  したがいまして、この既存添加物名簿の改正、消除予定添加物名簿の確定ということ で丸が記載されているところでございますけれども、遅くとも平成17年2月に実施する こととしておりましたこの改正につきましては早まるということでございまして、事務 局といたしましては本年の10月をめどに既存添加物名簿の改正を行いたいと考えている ところでございます。以上でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。この点につきまして、何か御質問、御意見ございま すか。 ○米谷委員  今回のスケジュールは理解できたのですが、この法律ですともう一度消除の名簿をつ くれば更に第2次の消除というか、既存添加物名簿の改正はできるということでよろし いですか。 ○事務局  今後も引き続き既存添加物名簿の整理については行っていこうと考えております。 ○中垣基準審査課長  申し訳ございません。今、確認しているのですが、20ページの図は削除してくださ い。  この図で言おうとしていますのは、消除予定添加物名簿の公示から既存添加物名簿の 改正まで1年以内というのは法的に決まっておるわけでございますが、それ以外にいろ いろなことが書かれておりますので、20ページのポンチ絵自体を取り消してください。 報告したいのは、2月に予定名簿を公示し、6か月間の訂正の申出を受け付けたけれど も、意見が1件もなかったので、今後速やかに既存添加物名簿の改正に入りたいという ことで御了解願いたいと思います。 ○長尾部会長  では、そういうことでよろしいですか。ほかにはございませんか。  もしなければ今後の手続きをお進めいただきまして、事務局から次の議題はございま すか。 ○事務局  ございません。 ○長尾部会長  それでは、次回についてお願いします。 ○事務局  次回の添加物部会でございますけれども、定例とさせていただいております第4木曜 日が休日ということになっておりまして、先日、日程調整をさせていただきました結 果、10月7日木曜日午前10時よりということで予定をさせていただいております。  開催及び議題につきましては、食品安全委員会の審議結果を受けて改めて御案内させ ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長  それでは、本日はどうもありがとうございました。