04/08/11 独立行政法人評価委員会第11回調査研究部会議事録             独立行政法人評価委員会調査研究部会                  第11回議事録           日時:平成16年8月11日(水)10:00〜11:30           場所:厚生労働省専用第22会議室 出席委員 五十嵐委員、岩渕委員、岸委員、大久保委員、黒澤委員、酒井委員、      清水委員、武見委員、田村委員、政安委員 1.開会 ○大久保部会長  おはようございます。それでは今、事務局の方からご連絡がありまして全委員の方が お揃いでございます。お一人だけ、安井先生、今日はご欠席になっていらっしゃいます けれども、ただいまから第11回の独立行政法人評価委員会の調査研究部会を開催させて いただきます。皆様方には暑い中を、また、ご多忙の中をお集まりいただきましてあり がとうございました。座らせていただきます。  それでは事務局の方から本日の議題についてのご説明をよろしくお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  はい。本日の議事でございますが、議事の第1は財務内容に関する審議でございま す。第2が総合的評価のためのフリートーキングでございます。資料でございますが、 議事次第の下のところに配付資料のリストがつけてございます。この資料を置かせてい ただいています。その他、これまでそれぞれの法人から提出のあった15年度の実績に係 る報告書、財務関係資料などをファイルの形にして机の上に置いておりますのでよろし くお願いいたします。本日、総合的評価を行っていく際のご参考としていただければと 思います。以上でございます。 2.財務内容に関する審議 ○大久保部会長  ありがとうございました。それではさっそくですけれども、議事に入らせていただき ます。はじめに財務内容に関する審議を始めます。財務内容につきましては過日の8月 3日になりますけれども、岩渕委員と清水委員が各法人からヒアリングを行っていらっ しゃいます。ということではじめに清水委員からヒアリングの内容を含めて各法人の財 務内容等につきましてご報告いただきたいというふうに思います。その後、各法人から の補足説明を受けました後で質疑等を行いたいと思います。よろしくそれではお願いい たします。 ○清水委員  それでは私の方から財務内容についてのヒアリングの結果等をご報告させていただき たいと思います。  一応、させていただきました手続き、限られたものではございますが、どういった内 容を行ったかということを簡単に、まず、ご説明いたしますと、7月中に各法人さんか ら財務諸表をいただきまして、それを見せていただいたということで、7月の後半ぐら いに質問、項目に対する質問を送らせていただきました。それに対する回答を各法人さ んの方でまとめていただきました。それが本日はクリップ留めでお配りいただいている のだと思うのですけれども、これは各法人さん、順番に並べてありまして、例えば栄養 研さんですと一番最初にある清水委員質問事項への回答というものが私がさせていただ いた質問です。それに対する回答を事前に書面でいただいたと、そういうような状況で ございます。  8月3日のヒアリングの際にはもう事前にこの回答をいただいておりまして、この中 でさらに確認したい事項をご確認させていただいたということと、その後、自己収入に 関するデータが若干、比較可能性が損なわれている部分がございましたので、自己収入 を中心に追加的な説明資料ということで、例えば栄養研さんですと2−4の別添という ことでつけていただいていますが、人数とか、あと、自己収入の項目別にこの3か年の 推移というものをまとめていただいたものをお出しいただいております。これは各法人 さん共通でございまして、同じような順序で並んでいるかと思います。やらせていただ きました手続きは以上のようなことでございます。  まず、トータルで30分程度ということでご説明させていただきたいと思います。今、 お配りいただている資料、2−4から始まる資料以外にA4の横で簡単に3法人を横に 並べたものがございます。ちょっと法人さんの名前がきっちり入ってなくて恐縮です が、一番左が栄養研さん、真ん中が産業安全研究所さん、右が産業医学総合研究所さん でございます。  まず、栄養研さんの方からご説明させていただきたいと思います。まず、自己収入に ついてでございますが、別紙参照ということでさきほど申しました別添資料の方をご覧 いただきたいと思います。プレゼンテーションのご説明の中ではいろいろ項目のご説明 があったのですが、では、3か年並べてみたときにどうなのかということで件数と金額 をお出しいただいたのがこの追加資料でございます。これはざっとご覧いただきますと 今期、平成15年度、増加が見られたのは手数料収入、寄付金収入、NR事業収入と、そ ういったところが増加しています。  資料がおわかりでしょうか。おそらく資料2−4の別添ということでお付けいただい ている分だと思います。それに反しまして受託研究、この方は政府・民間の合計が昨年 よりも若干、減少していると。科研費についても件数、金額について減っている。その ような状況でございます。  あと、純損益の内訳ということで、これは私の質問表の中に入っている項目でござい ますが、3,500千円の純利益ということで、こちらのご説明は受託研究収益からの利益 というふうなご説明でございます。今、申しましたように総額としてはこの収益の金額 としては減っている状況にあるわけですが、今年のご説明としては厚生労働省さんから の受託研究があったということだったのですけれども、その部分の利幅があったのかと いうふうに推測されるわけなのですけれども、いずれにしましてもそういった受託研究 収益からの利益が出ていると、そういったご説明でございます。  あと、目的積立金、こちらの方はございません。  あと、経費面につきましてご説明申し上げますが、まず、職員の人数でございますけ れども、期末時点の人数が52名ということでお伺いしております。こちらにつきまして は中期計画の終了時点では47名の予定というふうなことで伺っております。それから損 益計算書ベースでの人件費の推移ということを3期比較で並べてみましたところ、若干 の増加傾向が見られるような状況でございます。  その他の物件費の節減状況ということで、これもプレゼンの中でご説明がございまし たけれども、改めて会計数値等を照らし合わせて拝見したところ、光熱水料の状況とい うことなのですが、これはご説明にありましたように配賦計算によっているということ でございまして、今期、配賦率が変わったということでございました。それはその建物 全体を使用している人数が減ったために負担率が上昇したということで、こちらの方を 昨年と同負担率としたときの節約率を求めていらっしゃいます。こういうご説明を受け ました。  このご説明も追加の説明資料の方で入っていると思います。さきほどの別添の3期比 較の質問事項の多分、最後の方だと思います。一番最後のペーパーかと思いますけれど も、経費の効率化、光熱水料の効率化から始まるペーパーでございますけれども、こち らの方が一応、ご説明となっておりますが、使用人数が減っているということによって 全体的には金額も減少しているわけでして、昨年と同負担比率としたときの節約金額と いうのを求められて、これが節約額というふうなことでお示しはいただいているのです か、ちょっとこの説明では説得力に乏しいのではないかというふうに思っております。  プレゼンの中でもご説明がありましたように若干、やはり按分方法が不適切というふ うなことも、ご発言もございましたけれども、もし、本当にこれが不適切なのであれば 何か他の方策によるべきだというふうに思いますので、そこのところはご検討をお願い できたらなというふうに思っております。  あと、同じペーパーの経費節減のペーパーの2から4に関する事項でございます。物 品の一括購入による節減額ですとか、ペーパーレスに伴う効率化額、人材派遣利用によ る効率化といったことでございますが、いろいろ努力はされているということで単価の 低いものを採用されているということでございますが、ここでは単価の減少はわかるの ですが、実際にではトータルでどの程度、実績として効果があったのかという点につい てはちょっとご説明がなかなかいただけない状況でございました。  単純にここのところは損益計算書を並べてみた場合にはちょっとこれは比較できない 部分がございまして、と申しますのは昨年、ご記憶にもあったかと思いますが、科研費 の会計処理がすべて研究所の経費、あるいは収入として計上されているような会計処理 をとられておりましたために、業務委託費、消耗品費というものが昨年のベース、その 前の年度というのと膨らんだベースになっておりまして、今期と比較してみますと表面 的には減っているように思うのですが、実質的にはそこが減っているのかどうかという のはそこの部分を除いてみないとわからない部分がございまして、必ずしもこの総額を 比べただけでは経費の節減というのがちょっと読み取れない状況でございます。  では、今度は、これはご参考までなのですけれども、中期計画のその期間で2%の効 率化という大命題があるわけなのですけれども、こちらの方で損益計算書ベースで経常 費用がどのような推移をとっているかというふうなことを見ましたのが、A4横の方の 2頁目の上の方に書いてあることでございますけれども、栄養研さんに関して言います といろいろ新規事業が増えていると思われます。そうしますとやはりそこの拡充ですと か、新規部分というものを除いた部分での経費の効率化というところを示す必要がある わけでございまして、ここのところはそういった分析が中期計画終了後では必要になっ てこようかと思います。  もちろん今年度はそういった時期ではございませんので、ここのところは今年度の評 価とは関係ないことですが、そういった方針、中期計画後の期間後の在り方についても 前倒しでこの後、検討されるということですので、この辺のところはやはり毎年、毎 年、そういった目標と照らし合わせてチェックしていく必要があろうというふうに思い ます。  その他、特記すべき事項ということで昨年のフォロー等も含めまして書かせていただ いているわけなのですが、昨年の正式な報告書のところでは「国際産学協同研究センタ ーの経費、研究所セミナー事業費は、明示的に予算計画に反映させるべき」というふう に指摘させていただいております。これについては法人さんの方もご了承ということで したけれども、残念ながら時間的な制約から、平成15年度ということではこの予算等は そこの部分は訂正されていない状況でございます。したがいまして、今年もまた同じよ うな状況が続いている、見られるわけでございます。  この委員会の席でも話題になりましたNR認証制度事業費でございますけれども、こ ういった新しい制度の創設ということは、議論はあるところですが、本来ですと中期計 画の変更の手続きをとるようなレベルのものであったろうというふうに解釈されるので すけれども、そこのところもやはり時間の制約等のことで一応、中期計画の中の事業と いうふうなご判断で実施されているわけでございます。こちらについてもやはり中期計 画の範囲だとしましても、という解釈に基づいたとしましても予算計画上はやはり明示 的に反映させるべきであったかと思いますけれども、平成15年度の計画書上では「受託 経費」の中に合算されているというふうなことで明示的には示されていない状況でござ います。  そういった点で国民に対してどういった事業を行うのか、それに対して実績はどうで あったのかというふうなことについて若干のやはり説明責任上の問題があるのではない かというふうに思うわけでございます。もちろんそれは民間企業ですと当然、何をやろ うと自由なわけですけれども、やはりこれは独立行政法人の制度でございまして、当 然、事前、この独立行政法人制度の趣旨というものも事前統制から事後チェック、統制 へとシフトということが課題、ひとつの目的なわけですけれども、そうは言ってもやは り運営費交付金がほとんどの財源を占めるような状況で事業を行うわけですので、そこ はやはり中期目標なり、中期計画といったものがそこで歯止めとして存在するものだと 思いますので、そこのところはやはり説明責任上は充分果していく必要があるのではな いかというふうに思っております。  あと、会計処理の問題ということで、これも3日の日にお話をしたことでございます けれども、受託研究収益という、これは損益計算書上の科目のことでございますけれど も、こちらがいろいろな科目が入っているということで、受託研究ではないものも入っ ている、自己収入が計上されている点が今回、わかりました。昨年はこの中に科研費が 入っていたということで、この部分が非常に大きかったので、そこの部分は今期は訂正 していただいているのですか、よく見ると他にも自己収入が入っていたということでか なりの金額がここに入ってございます。こちらはやはり自己収入として計上すべきもの であるというふうに思いますのでここの点はご留意いただきたいと思います。  もうひとつの、これは細かい点ではございますけれども、受託研究収入で計上されて いる、これは自己収入も含めてなのですけれども、固定資産を購入したときの会計処理 ということで、こちらの方が現在、見返り勘定を使っての償却となっております。この 点につきましては今の会計基準は補助金ですとか、運営費交付金を原資として購入した 場合は見返り勘定を立てまして減価償却費と両立てで取り崩して損益、ニュートラルの ような形をとるように、するように決められているのですが、ここのところは自己収入 ということですとまた会計処理が違ってまいります。  法人さんからのご説明は従来、国研時代からこういったものは実質、補助金なのだと いうことで補助金としての扱いをしたというふうなご説明でございますけれども、確か に実質に注目して会計を処理することは非常に重要なことだと思います。ただ、もし、 実質が補助金ということであればやはり統一して補助金収入ということにすべきです し、そこのところ不整合があってはいけないと思うわけですね。ですので、ここのとこ ろはやはりどちらで会計処理するのかということを、まず、きっちりさせた上で統一し た会計処理をお願いしたいというふうに思っております。  (3)は、これは若干の補足ですがヒアリングの過程でわかったことなのでちょっと書 かせていただいておりますけれども、前回の委員会の席で設備の購入計画の若干の変更 ということで細胞自動解析システムの代わりに倒立電動の画像解析システムを購入され たと、これによってかなり安い費用で抑えられたというようなご説明があったかと思い ますが、こちらの方はお聞きしますと15年度の執行ではなくて執行は16年度にずれ込ん だというふうなことでしたので、前回の委員会の席ではそこが明確ではございませんで したので、一応、ここで補足的にご説明させていただこうと思いまして書かせていただ いております。以上が栄養研さんでございます。  次に産安研さんの方にまいりたいと思いますけれども、同様に自己収入の方からご説 明申し上げたいと思います。こちらの方も最初の質問事項の後の方に追加資料というこ とで3−4別添ということでお付けいただいていると思います。  こちらの方をご覧いただきますと、知的財産権というものが、これは件数も金額も大 きくはございませんけれども、増えているところが評価できるところで、あと、謝金収 入も増えている。そういった状況でございます。施設賃貸収入、こちらの方が減ってお ります。この理由としましては従来、国研時代に直接、事業の目的と関係ない法人さん に対して貸しておったということで、それは本来、事業目的に使うべきだというふうな ことから、ここはむしろ減らしているというふうな、方針として減らしているというふ うなことでございました。その他、受託研究の金額はかなり減っている状況でございま す。  次に純損益の内訳についてまいらせていただきたいたと思いますが、法人さんのご説 明ではトータルとして4,462千円という当期純利益が出ておりますけれども、一般勘定 の方での利益が主な内容でございまして、それは今、お話しました財産賃貸収入ですと か、それぞれの事業収入、これが主な原因となっておりまして、この約4,000千円の純 利益が生まれているということでございます。  こちらの方は目的積立金、研究環境の整備積立金というふうなものが8,000千円計上 されておりますけれども、当期に関しましては取り崩しも積立もない状況でございま す。  続きまして経費の側面でございますが、人数は期末時点で53名というふうにお聞きし ております。この人数は中期計画終了後の時点では48というふうに予定されておりまし て、まだ、5名多いような状況でございます。  人件費の推移、損益計算書ベースでございますが、人件費と申しましたのはA4横の ペーパーの一番最後に欄外に書かせていただいておりますけれども、研究一般部門の合 計の役員報酬から職員給与、法定福利費、あとあまりございませんでしたが、非常勤職 員手当、雑給というふうな科目で計上されているものを足しました金額でございます。 申し遅れましたがご説明を加えさせていただきます。これにつきましてはほぼ横ばいで 推移しているというふうな状況でございます。  次にA4横の方の2頁に移らせていただきまして、光熱水費でございますけれども、 一般研究部門の合計が昨年に比べて5.9%減ったというふうなご説明でございます。そ の他、一般競争入札によって総合管理業務というものが節減、初年度は節減されたので すか、今年度に関しましては若干の業務内容の上乗せに基づきましてそれを原因としま して若干、増えているというふうな状況でございます。ちょっとこの科目が何で処理さ れているのかというのは、損益計算書上、わからなかったのですが、あとから補足して いただければと思います。以上の2項目につきまして14年度と15年度の差額はあまりそ れほどの節約というのは表面上はないわけですが、13年度から比べますとかなりは減っ ているというふうな状況が見られます。  その他、ペーパーレスというふうなこともプレゼンテーションの中でご説明がありま して、では、備品とか消耗品費につきましてはどのような節減状況であったのかという ことでございますが、法人さんの方からいろいろ分析していただいた結果を先週いただ いたわけなのですが、内容的に資産計上したものも昨年はあったということで、それを 資産計上したものを足せば減ったというふうなご説明ではあったのですが、資産計上す るものは複数年に使えるということでの価値があるための資産計上でございますので、 必ずしもこれは比較としては適切ではないのかなというふうに思っておりまして、本当 に節減があったのかどうかということは数字上は明確ではないような状況でございま す。  あと、中期計画の期間に関する経費の推移でございますが、A4横の方の3頁目をご 覧いただきたいのですが、損益計算書ベースでの推移と決算報告書のベースでの推移と いうことで、これは2つ書かせていただいておりますのは法人さんの方から決算報告書 のベースでの減少というものが説明資料にございましたので、敢えてこちちの方、載せ させていただいているのですが、この決算報告書の数値の推移を見ますと確かに13年度 が大きく減っている状況が伺われはいたします。  ただ、13年度のご説明にございましたように、これは移行時の支出、かなりの部分が あった「通信運搬費」ですとか「施設補修費」が非常に多かったということで予算と実 績との比較のところでそういうご説明を受けておりまして、そういった経常的なものだ けで比較した場合にどうなのかといった点がちょっと疑問として残るわけでございま す。そういうことで総額ではなかなかそういった傾向としては判断できない部分がござ います。  もちろん法人さんの方からいろいろ運営費交付金の要求する段階で算定根拠として2 %の節減ということは折り込んでいるというご説明はよく受けるわけなのですが、当 然、それはよく理解できることなのですが、やはり結果として決算の数字がどうであっ たのかといったところを実績して出していただかないとなかなかここのところは判断が 難しい部分がございますので、次年度以降、よろしくお願いしたいというふうに思って いる次第でございます。  最後に特記すべき事項ということで特段のことはなかったのですが、一応、委員会の ところで、前、議題、話題となりましたところで災害調査ということであったかと思い ます。これにつきましては今期、いろいろ調査費で不測のものが発生したということを 決算報告書のところのご説明で聞いておりまして、その理由としてやはり災害調査とい うものが労働災害が多かったということで、それによって命令を受けて災害調査に着手 するものが左右されるというふうなことでございまして、そういったことからこの研究 所さんはそういった不測の事態と言いますか、予期せぬ労働災害等によって業務量が変 化する可能性があるというふうに思われます。そうすればなおさら、やはり効率化2% というのはそういった変動部分を除いたところでやはり判定していかなければいけない というふうに思いますので、そこのところはよろしくお願いしたいというふうに思って おります。  4頁で※で書かせていただいているところは、これは直接、財務の話ではないのです が、今の話に関連して会計上は自主事業としての会計処理がされているのですが、実際 は事実上は受託に近い性質に近いものだということで、成果物とかも研究所さんの自由 にはならないと、守秘義務があるというようなご説明があったかと思います。  これについて若干、お話をお聞きすることができましたので、それについての補足を 書かせていただいているのですが、これは私も専門ではございませんけれども、研究所 さんの方から独自でそういった報告書として出すようなことも方策としてあるというふ うなこともお伺いいたしました。既存のそういった国と研究所さんとの関係を縛る契 約、あるいは覚書の範囲内でどういったことをすれば国民に対して提供するサービスそ の他の業務の質の向上といった命題がより良く達成していけるのかどうかといったこと について長期的な課題としてご検討をお願いしたいなというふうに思いました。  最後になりますが、産業医学総合研究所さんでございます。こちらにつきましても、 まず、自己収入の状況をご覧いただきたいと思います。残念ながら数字的には受託研究 については減少している状況、科研費についても減少している状況が見受けられます。  あと、当期純利益が118,524千円出ております。これにつきましての内容のご説明で ございますが、大きかったのが14,000千円程度の影響があったのが受託業務による利益 ということで、こちらが昨年も若干、話題になりましたけれども、国からの受託研究に よって購入した資産の会計処理を、これは国とも了解の上で会計処理を変更したと、耐 用年数を長くしたということなのですけれども、これによって利益が出たというふうな ご説明でございます。この変更につきましてはいろいろ受託、委託者側とも話し合いが なされているというふうに判断されましたので、これは正当な理由による変更であろう というふうに判断しております。その他、講習料等研究収入が6,000千万あるというふ うなことがございます。  あと、経費の増大ということで、この経費というのは後で目的積立金を取り崩すとい うことで今期、使った部分がございまして、これを充当する経費の部分が2,000千万あ るということで差し引き18,000千円の利益ということでご説明を受けております。こち ら、今もお話しましたように目的積立金は研究支援対策積立金ということでございまし て、積んでございまして、当期の積立はございませんが、取り崩しが2,000千円程あっ たということでございまして、取り崩しは資質向上のための研修等に使うという当初の 目的に従って使ったというふうにご説明を受けております。  経費面に移らせていただきますが、経費の節減の部分、人数でございますけれども、 15年度の期末人員が74名ということで、中期計画の期間終了時点では73名のご予定とい うふうに伺っておりますが、既に16年度の期初においてこの73名ということは達成して いるというふうなご説明を受けております。  あと、人件費の推移でございますが、3か年並べてみますとやや横ばいからやや減少 の方に向かっているかというふうに読み取れます。  物件費の節減でございますけれども、昨年も比較的数値を用いてご説明いただいたの ですが、光熱水料に関しましては一般研究部門の合計で−5%達成していらっしゃると いうことでございます。その他、一般競争入札によって施設維持費、維持管理費ですと か、受変電設備定期点検ということ、こういった項目が節減されているというふうなご 説明でございます。  委託による効率化ということで、こちらについてペーパーをご用意いただいておりま して、おそらく後ろ、A4縦の方の資料の束の後ろから3頁目かと思います。外部委託 費ということで合算されているものにつきまして内訳をお示しいただいたものがこの資 料でございます。この内容でございますけれども、派遣職員の増加と、あと、動物管理 業務の委託費が増加というふうなことでございまして、こちらの要因として職員が1名 退職されたということでの増加というふうにお話を伺っております。  これがもし、効率化ということ、経費の節減ということでご説明いただくのであれ ば、やはり辞められた方の人件費と、では、この増えた分との比較でどうなのかといっ たことをご説明いただくべきであったかなというふうに思っております。また、外部委 託が必ずしも効率化のためだけに行われるものではないというのは重々承知しておりま して、質とか内容の部分もあるかと思いますが、もし、そういうことでプラス効果があ ったならばやはりそういったこともご説明いただけたら良かったのかなというふうには 思っております。  あと、A4横の方の3頁目でございますが、中期計画の期間の経常費用の推移を並べ たものでございますけれども、損益計算書ベースでかなり圧縮はされてきている状況は わかります。15年度は退職金が90百万入っておりまして、この部分が膨らんでいます が、ここのところは純粋な経費と違いますので、この部分を差し引いて考えますとかな り13年度から比べても減っているというふうに推測はされます。  あと、最後にこれは昨年もちょっと話題になったことでございますけれども、保守、 あるいは修繕の計画というふうなことの中期的な計画というものが必要なのではないか ということを書かせていただいた次第なのですが、昨年もやはりそういった補修費、修 繕費というものが若干の増加傾向にあった理由として、建物が古いということで不測の 修繕費が発生したというふうなこともご説明として伺っております。  その時点でも施設計画が中期的なものとしてはないということで、今回、8月3日に お伺いしましたところ、やはりそういうものの必要性はよく認識されていて、専門家を 入れたところでそういった計画を立案中であるというふうにお伺いしておりますが、や はり主たる業務である研究に支障がないような形で環境整備していくことが重要だと思 いますので、そこのところは早急にそういった計画を立てられることが重要ではないか というふうに考えております。私の方は以上でございますが、岩渕委員に。   ○大久保部会長  わかりました。岩渕先生、何か補足的にございましたらよろしくお願いします。 ○岩渕委員  ありません。 ○大久保部会長  それでは国立健康・栄養研究所から補足説明ございましたらよろしくお願いします。 なお、時間は5分以内ということでお願いいたします。 ○国立健康・栄養研究所  国立健康・栄養研究所でございます。今、清水先生からご説明いただいたことにつき まして特段ございませんけれども、一言だけ付け加えさせていただきますと、説明責任 上の問題点、(1)、(2)の事業につきまして16年度からは必ず明示させていただくという ことをご報告させていただきたいと思います。   ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは次、産業安全研究所、よろしくお願いいたしま す。 ○産業安全研究所  産業安全研究所でございます。補足説明で、まず、参考資料の横の方、資料を見てい ただけますでしょうか。1頁にある、まず、一番上の枠の下の方でファイナンス・リー スによる損失というのがございます。△1,168千円、これにつきましては昨年度も同様 の説明があったと思いますが、ファイナンス・リースによる帳簿上の記載方法と言いま すか、帳簿上の損失でありまして、リース期間において初年度は△になるけれども、後 年度においてはプラスになって、リース契約期間においては最終的には利益損失ともに ゼロになるというようなもので、帳簿上の損失であるということを付け加えさせていた だきます。  次にその下に経費の節減として人数が書いてございます。職員数でございますが、期 末人数は53名とありますが、中期計画の中で言っておりますのは常勤職員数ということ で49名、それで括弧内の中期計画終了時点では48名ということで、53を49に訂正させて いただきたいと思います。  続きまして2頁目でございますが、さきほど先生の方から科目が不明のことについて のご説明ということですが、損益計算書の中の一般管理費、保守・修繕費の中に総合管 理業務が入っております。  続きまして3頁目になりますが、3頁目の上の方でございますが、平成13、14、15年 の損益計算書の経常費用が記載されております。平成15年度において1,146百万円、前 年比+2.8%でございますが、この中には産医研さんの説明の中に退職金が含まれてい るという話がございましたが、当安研の中にも退職金7千万円程がこの中に含まれてお ります。したがいまして、その分を見ますと前年度より若干、落ちるような格好になっ ておりますので、産医研さんと同じ表現をすればかなり削減されているとも言えるかと 思います。  さらに付け加えますと、平成14年度から15年度においてはプロジェクト研究等におき まして平成14年度においては50万円以上の資産、つまり資産計上になるものの購入をか なりしております。プロジェクト研究の初年度においては資産になるものをかなり買う わけですが、その資産計上のものが14年度にありますので、逆にそういうものを買った 年については損益計算書上の費用については少なく出るということです。結果的に対前 年比では15年度プラスに働くということが言えます。資産計上は14年、15年度で約4千 万円程、15年度で減っております。その分と言いますか、プロジェクトの進行において は15年度においては資産計上が減った分、備品消耗品の方の購入が増えているところで ございます。したがいまして、前に戻りまして2頁のところで備品・消耗品について触 れてございますが、これについてはそういう影響で備品・消耗品は15年度については若 干、増えているという形になっております。  最後、4頁のところで前頁から続いておりますが、労働災害の具合によって増減す る、そういう変動部分を除いた研究管理部門について節減の効果を説明ということでご ざいますが、これ、変動部分ということでは多分、我々のレクのときの説明にはプロ ジェクト研究が今、言ったように資産の購入とか、そういうことで進行状況によって変 わりますので、その変動部分を除いた部分について説明したいというような趣旨でござ いまして、災害調査でいきますと予算上でいきますと2千万をちょっと年間超える程度 でございますので、多分、プロジェクト研究を除いた部分ということではないかなと思 っております。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは最後に産業医学総合研究所、よろしくお願いいた します。 ○産業医学総合研究所  産業医学総合研究所でございます。清水先生のご指摘を踏まえまして研究所といたし ましては前向きに経費の節減に努めてまいりたいと思います。先生のご指摘についての 補足説明はございませんが、効率的、効果的な運営に努めてまいりたいと思います。以 上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは一応、補足説明終わりましたので、各委員の先生 から何かご質問等ございましたらよろしくお願いいたします。  特にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それではこの後、まだ、議題も ございますので、ひとまず、財務に関する審議はこれで終了させていただくということ でよろしゅうございますか。  それではただいまの審議を踏まえまして個別評定を修正させていただきますけれど も、最終に時間が取ってございますので、このまま議事を進めさせていただきます。  なお、清水委員、岩渕委員には本審議を踏まえまして財務諸表等に関する意見につき ましてご起草いただきまして、次回にまたそれをもとに審議をさせていただきますので よろしくお願いいたします。 3.総合的評価のためのフリートーキング ○大久保部会長  それでは次の審議に移らせていただきます。総合評価のためのフリートーキングの進 め方につきましては事務局からご説明をいただきますのでよろしくお願いいたします。 ○岩渕政策評価官  それでは総合評価に向けてのフリートーキングの進め方につきまして申し上げます。  まず、お手元の資料についてご説明いたします。前回までの個別評価、個別項目に関 する評価の際にご記入いただきました個別評価シートの写しが各委員の机の上に、ま ず、置いてございます。本日のただいまの財務内容に関する審議、これからのフリート ーキングの結果、個別評定等で修正が必要になった場合にはお手元の資料に赤鉛筆で修 正をしていただきたいと存じます。  各委員からご提出いただきましたシートに基づきましてお手元に資料5−1というこ とで集計表をお配りしております。ちょっと字が細かくて恐縮ですが、マトリックスで 点数が入っている資料でございます。これは各委員の評点を順番を入れ換えて集計した ものでございます。お名前のところは空欄にしております。ご覧いただきますと各委員 の評価結果が法人毎に左の方に各項目に対応する評価結果が並んでおりまして、その平 均値が1、2、3、4、5で出てまいりますので、それを四捨五入いたしましてSなら 5、Bなら3ということで考えておりまして、その結果をS、A、B、Cに置き換えま すと評価結果ということでここに並んでいるような評価結果になるわけでございまし て、さらにそれを全部平均いたしますと一番下のところに、この段階での評価結果の値 が出てまいります。  参考までに各法人による自己評価がその隣に書いてございます。標準偏差、各委員の 評価のばらつき具合と言いますか、わかるようにということでつけております。さらに は13年度、14年度の評価結果ということが並べておりまして、これが各法人毎について いるというものでございます。  本日はこういった資料に基づきましてフリートーキングをこの後、していただきまし て、それを踏まえまして起草委員に総合的評価書(案)の作成をお願いしたいと思いま す。本日、特にこういった評価を踏まえまして総合的評価にどういうことを盛り込んだ らいいかという観点からご自由にご発言をいただければと思います。  総合的評価書(案)の作成をこれからお願いするわけでございますが、それに資する ものとして各委員の個別評価の中で特に論点になっていると思われる事項を取り上げ て、総合的評価の骨子案という形でお手元に資料をお配りしております。資料、たくさ んあって申し訳ございませんが、例えば国立健康・栄養研究所でございますと資料5− 2−2ということで骨子案ということでお配りしております。それぞれ各委員が出され たコメントを議論のたたき台といたしまして整理したものでございますけれども、特に これにこだわっていただく必要はないわけでございますけれども、議論の一助になれば ということで用意させていただきました。  さきほど申し上げましたけれども、個別評定につきまして修正の必要がある場合には 本日、最後に時間を取っておりますので、その際にまたよろしくお願いしたいと存じま す。以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは今の評価官のご説明どおり、フリートーキングを 進めさせていただきたいと思います。はじめに個別評価の集計結果につきまして事務局 からご報告をお願いします。 ○岩渕政策評価官  すみません。それではもう一度、この資料5−1のマトリックスをご覧いただきたい と思います。  それぞれの法人の評価結果について申しますと、栄養研につきましては全部で23の項 目がありまして、Sが3、Aが18、Bが2ということでございました。産業安全研究所 につきましては21項目ございまして、Aが15、Bが6ということです。産業医学総合研 究所につきましてはAが19でBが3という結果になっております。  今、申し上げたのはいずれも平均点ということでございますけれども、各委員につけ ていただきました評点のばらつき具合に着目いたしますと、標準偏差のところで数字が 大きい程、各委員のばらつきが大きくなるというふうに理解しておりますけれども、栄 養研でいきますと上の方、6番の項目で「国民の健康の保持及び増進に関する調査及び 研究」というものがございますけれども、ここの部分が0.7862ということで各委員の評 価が分かれたようでございます。同じく栄養研のずっと下の方にまいりまして20番の 「運営費交付金以外の収入の確保」の部分がやはり0.7を上回るということで各委員の 評価が分かれたようでございます。  産業安全研究所にまいりますと、9番の「国内外の基準制改定への科学技術的貢献」 という部分が0.7508、12番の「学会発表等の促進」が0.7862、17番の「研究協力の促進 」が0.9439ということで大変評価が分かれたようでございます。  産業医学研究所にまいりますと、5番の「労働現場のニーズの把握と業務への積極的 な反映」という部分で0.8090、7番の「基盤的研究」のところで0.7006ということでご ざいました。以上がこの集計の概況でございます。  この集計表以外に厚い評価シートを各法人毎につけています。栄養研でいきますと資 料5−2−1という横長の厚いものでございます。これは集約版の資料でございまし て、これにつきましては例えば2頁をめくっていただきますと2頁の右のところに評定 のところは今、ご説明をした集計結果の平均した評価結果を書いておりまして、この場 合はSということです。  その下に理由及び特記事項とございますけれども、各委員にご記入いただきましたコ メントをここに列記をしております。順番は上の方が割と比較的ポジティブな評価があ るものが上で、厳しい評価があるものは下の方という、そういうことで並べておりま す。重複しているように思われましたコメントは表現をこちらで整理させていただいて おります。 この評価シートの集約版につきましても最終的に総合的評価がまとまりま した際には別添資料ということで公表することになります。何か特に修正の必要などご ざいましたらば、また、その点もご意見をいただければと思います。以上でございま す。よろしくお願いいたします。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは委員の先生方からご自由にご発言をいただきたい と思いますけれども、その前にさきほどの評価官の説明のありました集計結果の報告に つきまして各法人から補足的な説明が、もし、ございましたらよろしくお願いをいたし ます。まず、国立健康・栄養研究所さん、いかがでございましょうか。 ○田中国立健康・栄養研究所理事長  特にございませんが、Bを2つ、22番と23番、いただきましたので、ここについては この16年度にもう一度よく検討をして、なお一層の向上を図りたいと、このように考え ております。 ○部会長  ありがとうございました。産業安全研究所さん、いかがでございましょうか。 ○尾添産業安全研究所理事長  安研の平成15年度の業務の実績につきましてはご理解いただいて評価をいただいたと ころでございまして感謝を申し上げる次第でございます。  ただ、さきほど集計結果の表のご説明があったのですけれども、全体的に考えてちょ っと安研の活動の実態ですとか、外部関係者からのいろいろな期待と、それに対する我 々の対応等の実績等を考えるとちょっと他と比べて相対的に少し評価が厳しめになって いるのかなというふうなことをちょっと考えた次第でございます。  そういうことでせっかく時間を与えられましたので若干、簡単に申し述べさせていた だきたいと思いますけれども、それでさらにご理解を賜ればありがたいと思います。  まず、最初に述べさせていただきたいのですが、それは安研は組織が非常に小さい中 で研究職は38名ということでございまして、それでもってあらゆる産業分野ですとか、 あらゆる産業技術を対象に産業安全のすべてのことに対して、産業安全の範疇のすべて に対して対応が期待されているというところでございます。これは我々にとっては大変 嬉しいことでもありますし、非常にやりがいもあるということでありますし、ありがた いことであります。  しかし、限られた安研の人的資源ですとか、資金、研究施設等の研究資源では現実に はすべてには対応できないということは当然あるわけでして、そうした条件下で安研と してはできるだけ前向きに積極的に幅広いニーズに対応しようという姿勢を打ち出して いろいろと工夫を重ねながら進めてきたところでございます。  その結果、本委員会でも再三に渡って委員の方から指摘もありましたけれども、いろ いろなことに取り組んで研究員の負担超過の問題も現実として出ているというところで ございまして、そういうことで安研としては限られた中で我が国全体の産業安全のため に今、何が重点で、何を優先させなければいけないのかということを常に考えて、創意 工夫を凝らしながらより効率的に、効果的にそういった研究資源を活用していくと、活 用してきたというところでございます。  したがいまして、ある面から言ってこれを実施すればいいというふうに考えられて も、取り組み得ないことも当然出てくるわけでして、ほんの一例ですけれども、例えば この評価表の10番の「産業安全に関する国内外の科学技術情報、資料等の調査」という ものがありますけれども、具体的にどういう指摘がなされているか私もわかりません が、普通に考えればもっと積極的に計画的に収集して整理して外部に提供すべきである ということが当然意見として出てきますけれども、現実問題としてこれを体系的に組織 的に行うということは安研規模の研究所では他にやっている他の業務への影響が大きす ぎるということになってしまうところがあるわけでございます。  したがって、この件につきましては例えば中期計画においても行政からの要請ですと か、または研究所の判断に基づいて調査を行って、それを行政へ報告するということに 限定して中期計画も記述されているところでありまして、その限りにおいて業務の実績 として書かせていただいていたところでございます。  また、9番の「国内外の基準制改定への科学技術的貢献」についてというところでご ざいますが、これは偏差値が高いという指摘があったのでしたか。これは、ばらつきが 多いいうことですね。これにつきましては例えばISOとかJISの原案作成機関とし て活動をしたらどうだという意見も当然出てくると思いますけれども、これも例えば委 員である研究員が実際には原案作成を引き受けてうちのガイドラインを活用しながらい ろいろと引き受けてはいても、実際に事務局としてこの活動まで行うということはこれ はとてもでないですけれども、これはできる話ではないというふうなことにもなるとい うことでございます。  このように与えられた研究資源、条件の中で我が国全体の災害防止ですとか、安全水 準の向上のためにいかに効率的に効果的にできるかということを創意工夫して知恵を出 して新たなことに取り組んで活動をしてきていると、してきたということでございまし て、したがって、そういう実態の中での安研の活動ということでございまして、我々と しては非常に、その活動自体については実績については自信と自負は持っているという ことを、ぜひ、ご理解いただきたいなと思います。  もうひとつ、次、自己評価のことについて述べさせていただきたいと思うのですけれ ども、多分、自己評価は私ども、他機関と比べてあまり自分自身も高くつけてないとこ ろがあったのではないかというふうに思いますけれども、この自己評価についても、こ れは昨年も一昨年もこの会議のときに簡単に同じような発言をしたと思いますけれど も、評価委員会で決められた評価基準というものがありますけれども、これは性格上、 やむを得ずこのように決められた表現になっているというふうに考えておりますけれど も、我々は実際に自己評価する当事者でございますので、これにさらにブレークダウン した判断基準を作って、我々としては厳しく考えて自己評価を出したというところでご ざいます。  どういうふうな格好で考えているかと言いますと、簡単に言いますと、まず、第1に 働く人々の安全にいかに貢献できるものか、できたものであったということを踏まえつ つ、これを原点に最初に置いておいて、定められた中期目標、中期計画に対してどうだ ったか、画期的な事業に新たに取り組んだか、その質はどうだったかとか、国研時代よ りも同じ業務をやっていても質の向上を図られたかというふうな視点の下に、数字で判 断できなるものは数字で判断しますし、数的に明確に判断できないものは具体的な業務 実績、質ですとか、量ですとか、業務の内容等を総合的に斟酌して判断して、しかも、 厳しめにつけた自己評価というふうに考えております。私どもの自己評価より高い点の ついているところはないわけですけれども、私たちは自己評価自身も相当厳しめにつけ てきているということでございます。  あと、業務の実績として、その成果については安研としていろいろと考えて知恵を出 して困難ことにも個々具体的に取り組んできたということでございまして、その取り組 んできたことをご報告させていただきましたけれども、困難なことに取り組めば100% 成果は出ないことはありまして、60%、70%でもそれより取り組みやすい事業の100% よりも産業安全にとっては効果があるというふうに思います。その絶対的な効果ですと か、取り組みへの意欲ですとか、努力、前向きな姿勢ですとか、その経過、その成果と いうものをご理解していただければというふうに思います。  困難な状況はいろいろあるわけですけれども、これは克服して知恵を出して苦労しな がら対応して実施して、それなりの成果を上げているというものにつきましては、今後 の職員のインセンティブ、または組織全体のインセンティブのこともありますので、そ の辺のところも、ぜひ、ご理解をいただければと、前向きな評価についてご理解いただ ければと思います。以上のことをできましたらご理解をいただきまして、私どもの評価 で自己評価でSをつけたものですとか、私どもの自己評価で下がってBになっているも の、結構ありますけれども、こういったものについて、もし、再評価していただけるの であればよろしくお願いをしたいと思います。 ○大久保部会長  どうもありがとうございました。それでは最後になりましたけれども、産業医学総合 研究所さん、よろしくお願いいたします。 ○荒記産業医学総合研究所理事長   ご評価をいただきありがとうございました。今回の評点はほとんど私どもの研究所は Aをいただきまして全項目22項目中、Aが19個でした。なかでもその中で私どもはSを つけた項目が4項目ありまして、その番号で言いますと1番目の「効率的な業務運営体 制の確立」、5番目の「労働現場のニーズの把握と業務への積極的な反映」、9番目の 「労働衛生に関する国際基準、国内基準の制改定等への科学技術的貢献」、14番目の 「国内の労働衛生研究の状況の把握及び労働衛生研究機関への情報の提供」、この4項 目がAの中でも特に点数が高い項目でございまして、私どもが予めつけさせていただき ました自己評価のSと一致しております。  そういう意味で全体の傾向としましては、この委員会の評点と私どもの自己評価、相 対的に合っていると思うのですが、ただ、やはりAの中でも特に私ども、非常に努力し ました今、申し上げました1番目と5番目と9番目と14番目、この4項目はやはり私ど もは努力も限りなくSに近いAをいただいたと理解しております。  昨年は実はSをいただいたのが1項目だけでしたのですが、今年はSも1つもなかっ たということは反省点でありまして、できるだけ点数が上がるように努力を今後したい と思います。基本的には業務の効率化と質の向上及び財務の改善でございます。  一方、点数の悪かった項目、これはBでございますが、3項目だけありまして、これ は項目から言いますと4番目の「効率的な研究施設・設備の利用」と20番目の「予算、 収支及び資金計画」と22番目の「施設・設備に関する計画」、この3項目でございまし て、これがBでございまして、ここの3項目とも、私ども、確かに他の項目と比べると 全体に努力が足りないということで、この1年間、非常に集中的に努力を続けました が、結果的には他の項目がAにほとんどいったのにも関わらず、この3項目がBでござ いまして、自己評価の自分たちの努力はいたしましたということでAをつけたことほど までいかなかったということ、反省しております。できるだけ、特に悪い点はどんどん 改善する必要がありますのもので、この3点、4番と20番と22番の改善を努力を、特に 集中的にこの1年間実施したいと思っております。  以上でございますが、どうもいろいろ皆様、非常に難しい評価をしていただきまして ありがたく感謝いたしております。ありがとうございました。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは各委員の先生方、よろしく、何かございましたら ご発言いただきたいと思います。何かございますでしょうか。どうぞ。 ○五十嵐部会長代理  今、3研究所からお話があったのですが、私ども、Bというのが別に悪いという意味 でつけておりませんで、計画どおり順調に進んでいるという程度であればBという判断 をして、それ以下ではないという判断をしておりますので、その点はご理解をいただき たいと思うのですが、Bというのは悪い評価だということでしておりませんので、一般 にはS、A、BとなりますとBがあると悪いようにご印象をお持ちかもしれませんけれ ども、ある程度のバランスでつけますので、どうしてもそういうのが出てくるのは止む を得ないだろうと、僕は代理をやっておりますが、別にBがだめですよという意味で、 これ、皆さんがつけておられるわけではございませんので、そういうふうにご理解をい ただきたいと思います。 ○荒記産業医学総合研究所理事長   ご指摘受けましたことに異論はありません。そのとおりでございまして、Bをいただ いたことを非常に安心しております。それは昨年、一昨年も同じなのですが、こういう 意味ではとにかくCを取らないように、全部Bを取るということが第一目標でございま して、その努力を昨年、一昨年、やりまして、それは達成、ほぼしてまいりましたもの で、これはやはり独法の全体の目的、あるいは趣旨からしてやはり業務をどんどん改善 する必要がありますものですから、最初がBなら次はやはりAにしなければいかんとい う、しなければいけない半ば義務感、半ば目標として考えております。Bをいただいた ことは本当ありがたく思っております。 ○大久保部会長  その他にどなたかご発言ございますでしょうか。どうぞ、田村委員。 ○田村委員  さきほど自己評価についてのお話がございましたけれども、自己評価の結果も各研究 機関でレベルにだいぶばらつきがあるように思います。私どもはやはり自己評価につい てはそれなりに尊重して考えたいというふうに思っていますし、そういった意味である 種のレベルのバランスのためのガイドラインがあっていいのかなという感じがしまし た。以上です。 ○大久保部会長  ありがとうございました。その他に、はい、どうぞ。 ○黒澤委員  全般的なことで私もこの5段階評価自体がこういう研究機関の評価対象に馴染むかな といつも疑問に思っているのですね。5段階評価しますと結局、統計的に処理されまし てこうなっちゃうのです。ですが、これは本来、母集団、昨年もお話をしたのですけれ ども、母集団から考えてあまり統計的に精度が良くないのですよ。あまり意味がないと 言った方が極端に言えばそうなのですけれどもね。極めて主観的評価が入っているのだ と。そういう意味で結果として良識的判断が入っているのだからこれでいいと思いま す。そういう意味合いで捉えていただいた方がいいのではないかと思います。  よく総務省からいろいろ数値目標という要求が出てくるのですけれども、こういう公 益研究における数値目標というのは下手するとマイナスなことが起こるのですね。数値 評価というのは、「去年より今年が何人来た」とか、そういう数字評価になっちゃうの ですね。ですから、そういう数字はあまり気にする必要はない。むしろ質的な意味合い を評価しているということで、妥当なところにきているのではないかと思います。 ○大久保部会長  ありがとうございました。他にございますでしょうか。特にございませんですか。よ ろしゅうございますか。それではひとまずフリートーキングにつきましては終わりたい と思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。はい。  それでは個別評価、もし、さきほどのご説明等をお伺いになって修正がある方は部会 が終了しましたあと、しばらく時間がございますので、それをご記入の上、机の上に置 いて返していただきますようにお願いをいたします。  なお、起草委員の方々、お忙しい中、大変恐縮ですけれども、今日のいろいろなご発 言、あるいは審議等、個別項目に関する結果を踏まえまして総合的な評価書の案を作成 していただくようにお願いします。次回の評価部会はそれをベースにしまして総合的な 評価に関する審議を行わせていただくということにしますけれども、よろしゅうござい ますでしょうか。ありがとうございました。それでは特にご意見がないようでございま すので、ご記入の程、修正がございましたらよろしくお願いいたします。 (各委員 評価シートに記入) ○大久保部会長  ご修正いただいたかと思いますけれども、そろそろよろしゅうございますでしょう か。よろしゅうございますか。ありがとうございます。  それでは最後に事務局の方からよろしくお願いをいたします。 ○岩渕政策評価官  どうもありがとうございました。総合評価書案の起草委員の皆様には事務局の方から また取りまとめの仕方につきましてご相談させていただきたいと思います。よろしくお 願いいたします。それぞれのご担当は国立健康・栄養研究所につきましては五十嵐委 員、武見委員、政安委員、産業安全研究所につきましては大久保委員、黒澤委員、田村 委員、産業医学総合研究所につきましては岸委員、酒井委員、ご欠席ですが、安井委 員、財務諸表及び剰余金の使途に関する意見につきましては岩渕委員、清水委員という ことでお願いをしておりますので、また、ご連絡を申し上げたいと存じます。 ○課長補佐  続きまして次回につきましてご案内申し上げます。次回、第12回でございますが、総 合評価等にかかりますご審議をお願いしたいと存じます。なお、本日、修正等をいただ きました個別項目に関します評価結果並びにシートにつきましては、また、先生方にご 送付をさせていただく予定となっております。  なお、大変恐縮なお願いでございます。本日、ご修正を赤書きでしていただいておる と存じますが、修正をしたという先生方におかれましては、よろしければ表紙のところ に丸でも、チェック点でも結構でございます。修正をしたというマークをつけておいて いただけると事務局として非常に有り難く存じますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○大久保部会長  ありがとうございました。それでは一応、今日の予定はすべて終わりました。本当に 長時間、効率良くご議論をいただきましてありがとうございました。本日の部会、終了 させていただきます。ご苦労様でした。                                    (閉会) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)