04/08/11独立行政法人評価委員会第11回医療・福祉部会議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第11回議事録 日時: 平成16年8月11日(水)13:40〜16:13 場所: 厚生労働省省議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、小林委員、岡田委員、川原委員、      白石委員、宗林委員、山崎委員、山村委員                   (開会) ○部会長  遅くなりましたが、ただいまから、第11回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会を 開催させていただきます。  委員の皆様、そのほかの方々におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまし て、まことにありがとうございます。  今回は、橋本委員がご欠席でございます。  それでは、まず事務局から本日の議事につきまして簡単にご説明をいただきたいと思 います。よろしくお願いいたします。 ○政策評価官  それでは、本日の議事でございますが、まず初めに、福祉医療機構が年金資金運用基 金から承継する業務についてご報告をさせていただきます。  続きまして、第9回部会においてご提示させていただきました起草委員の名簿案につ きまして、その後、割振りなどについてご意見はございませんでしたので、本日、改め てご了解いただきたいと存じます。  次に、財務内容についての審議に移りまして、各法人から財務諸表の概要についてご 説明いただきまして、これに対して財務諸表及び剰余金の使途に関する意見担当の起草 委員となる予定の石井委員から講評を加えていただきます。  そして、最後に、総合的評価のためのフリートーキングに移りまして、事務局で用意 させていただきました各法人の骨子案などの、これはたたき台でございますが、こうい ったものを材料にご議論をいただき、また、必要に応じまして個別評価シートを修正し て確定していただくということをお願いしたいと存じます。 ○部会長  ありがとうございました。本日は、以上の4つの柱を予定してご審議をお願いいたし ます。  それでは、議事に入らせていただきます。先ほどの起草委員の問題でございますが、 第9回の部会におきまして事務局からご提示いただきました起草委員名簿の案につい て、特にその後ご意見はいただいていないということでございますので、その原案どお り、本部会として了承することといたしたいと思いますが、いかがでしょうか。 (「異議なし」の声あり)  それでは、特に石井委員、後でまたご相談申し上げますが、よろしくお願いいたしま す。  それでは、原案どおりということで決めさせていただきました。  次に、財務内容についての問題に移りたいと思いますので、2つの法人からのご報告 をいただきながらご審議をいただきたいと思います。  では、福祉医療機構、そしてのぞみの園の順にそれぞれ15分程度ご説明をいただきま して、それに対して石井委員からはご講評を10分程度いただきまして、さらにそれに対 して10分程度質疑をいただきたいと思います。  まず、福祉医療機構からご説明をいただきたいと思います。お願いいたします。 ○福祉医療機構経理部長  それでは、資料2−1と資料2−2と資料2−3を用意してございます。まず、資料 2−1と資料2−2を使って説明をさせていただきます。  資料2−1の1〜4ページまでは全体の財務諸表でございますので、5ページから説 明させていただきます。  まず、一般勘定でございます。貸借対照表ですが、資産が3兆 492億円で、これはほ とんどが貸付金でございまして、一部87億円の貸倒引当金を計上しております。右側の 負債勘定でございますが、3兆 443億円でございます。これは貸付金の財源としての借 入金と機構債券がほとんどでございます。結果、当期損失金として4億 4,300万円を計 上しております。  次の6ページに損益計算書がございます。経常費用が 422億円、経常収益が 417億 円、差引き4億 4,300万円の損失を計上しております。これにつきましては、資料2− 2「財務内容及び剰余金の使途について」の1ページをごらんいただきたいと思います が、そこに書いてございますように、この4億 4,300万円の要因につきましては、4行 目に○が2つございますが、貸倒引当金繰入の増によるものが3億 6,000万円、その他 の繰上償還等による利息収入の減が 8,300万円ございまして、合計は4億 4,300万円で ございます。  次に、資料2−1の8ページですが、長寿・子育て・障害者基金勘定でございます。 下の資産合計は 2,824億円でございます。これは国から出資された 2,800億円の基金資 産と利益剰余金に見合う現預金等が主なものでございます。  右側の負債でございますが、中ほどに4億円ということで上げております。これは退 職手当引当金がほとんどでございます。  資本金でございますが、そのうち積立金が約19億円ございますけれど、これは機構法 によりまして、金利低下に伴う損失金の見込額、各種引当金の財源等を積立金として承 継を認められたものでございます。  負債と資本の合計でこれも 2,824億円でございます。  次の9ページの損益計算書でございますが、経常費用と経常収益の差、当期利益が 9,200万円ございます。これについては退職給付引当金の臨時利益として上がっていま すが、これと費用と収益の差によるものでございます。なお、この 9,200万円につきま しては、経営努力により生じたものとして、助成業務積立金として整理したいというこ とでございまして、次の10ページの利益の処分に関する書類というところに書いてござ いますように、今回、 9,200万円を助成業務積立金として整理したいということでござ います。  これにつきましては、資料2−2の2ページをごらんいただきたいと思います。この 9,200万円を積立金として整理するためには、主務大臣の承認と、そのための財務省協 議と、評価委員会の意見が必要ということになっております。そういう意味で、金額は まだ固まっていないということでございまして、今回の評価委員の意見を受けて関係省 庁と正式に協議をするという段取りになってございます。それで、現在は厚労省と財務 省で調整中というところでございます。  続きまして、資料2−1の11ページをごらんいただきたいと思います。共済勘定の財 務諸表でございます。資産合計が6億円ございます。これは退職手当給付費の支払資金 見合いの現預金でございます。それから、流動負債として50億円上げております。これ は退職職員の増加によります補正予算を組みました、しかし、都道府県の補助金が用意 できなかったということもありまして、機構におきまして短期借入をいたしました。こ の結果、同額が当期損失金として計上されたものでございます。  次に、12ページの損益計算書をごらんいただきたいと思います。経常費用が 236億 円、経常収益が94億円、臨時利益が93億円ございまして、左側の臨時損益が約1億円で 、差引きしまして当期損失が49億円でございます。この損失金につきましては16年度に 都道府県からの収入により相殺されるということでございます。  財務内容につきましては、資料2−2の3ページに、当期損失が49億円発生しました ということが中ほどに書いてございます。これは右側に平成16年度の都道府県補助金に 上乗せして受け入れて補てんするということでございます。  次に、資料2−1の14ページ、保険勘定でございます。資産の合計が 429億円でござ います。金銭の信託が 429億円でございまして、扶養保険事業財源の運用に充てており ます。負債でございますが、 798億円でございます。法令に基づきます責任準備金もこ こで計上しております。結果、資本の欄に当期未処理損失として約 369億円の損失を上 げております。  次に、15ページの損益計算書でございます。経常費用として 117億円、経常収益とし て 163億円でございまして、結果、経常損益では46億円の利益が上がるはずでございま す。しかし、臨時損失として60億円計上していますために、当期損失として14億円の当 期純損失が発生しております。  資料2−2の4ページをごらんいただきますと、一番下の◎に書いてございますが、 読ませていただきますと、「責任準備金に対応する資産の積立不足に基づく欠損金につ いては、予定利率等と実態の乖離等により発生したものであり、今後、中期目標におい て定められている事業の見直しにより対応することとされており、制度のあり方を含め て幅広く検討されることになっている」ということでございます。  次に、資料2−1の17ページでございますが、年金担保貸付勘定でございます。貸借 対照表の一番左側の下の資産合計は 2,238億円でございます。これは上にありますよう に、貸付金がほとんどでございます。貸倒引当金として2億円が計上されております。 それから、右側の負債でございますが、 2,239億円を計上しておりまして、ほとんどが 貸付金の財源としての長期借入金と機構債券でございます。資本として1億円の繰越欠 損金がございます。  次の18ページでございますが、損益計算書でございまして、左側の経常費用が合計12 億円、経常収益が11億円で、当期損失として 4,000万円を上げております。これは15年 度に入りまして金利低下が著しくなりまして、オンコスト分の金利差額が困難というこ とになりまして、結果として損失金が発生したということでございます。これにつきま しては、16年度において解消する予定ということでございます。  以上が、財務諸表と財務内容でございます。  次に、資料2−3でございます。これは事前に石井委員からの質問がございました項 目についてここでまとめてございます。  1番目に、情報開示のあり方に関しての質問がございました。情報開示につきまして は、ここに書いてございますように、官報と事務所に備え、ホームページにおいて勘定 ごとにこれを開示することとしております。  2番目に、自己資本比率に関する事項ということと、補足情報ということで、(1)〜 (6)についての質問がございました。  自己資本につきましては、設立時と決算の両方を並べてございますが、自己資本につ きましては、先ほどの資料2−1の1ページをごらんいただくとわかると思いますが、 ここに法人全体の貸借対照表が書いてございまして、右下に資本ということで、資本金 が 2,855億円あります。資本剰余金と繰越欠損金を除きますと一番下の資本計というこ とで、現在の資本が 2,448億 7,500万円でございますが、これが今申し上げた資料2− 3の右側に数字が書いてございます。政府出資金から繰越欠損金等を除いたものが自己 資本ということでございます。それを総資本で割りまして、自己資本比率が今度の決算 では 6.804ということでございます。  補足情報といたしましては、(1)〜(6)まで書いてございます。(6)運営費交付金の収 益の計上基準といたしましては、当期につきましては、費用進行基準を使っておりま す。  3番目に、一般管理費等の経費削減に関する事項で、その計算過程を明らかにしてく れということでございました。一般管理費の削減につきましては、中期計画期間中に13 %の削減をするという目標を立てておりまして、これは目安として書いておりますが、 各年度ごとに約 2.7%ずつ削減をしていきたいということでございます。対象は、一般 管理費、福祉保健医療情報サービス事業費ということで、各年度約 2.7ぐらいを目安に 段階的に削減していくという目標を立てております。  以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対する石井委員からの講評 をちょうだいして、ご質問をいただきたいと思いますので、石井さん、よろしくお願い いたします。 ○石井委員  今ご説明のありました資料2−3をごらんいただきたいと思います。基本的には、財 務諸表はもう既に当該独立行政法人の監事並びに外部監査人たる監査法人等の財務諸表 に対する監査証明が出ておりますから、それについての議論は必要ないだろうと。第1 期6カ月という変則でありますが、経営の実態をザクッと見るというスタンスからこう いうデータをまとめていただきまして、最初は情報開示ですが、効率性の向上、質の向 上、透明性の確保という視点から、情報の開示のあり方に関して、特に財務諸表との絡 みで確認をした点で、基本的には開示義務がある、だれでも財務情報を見ることができ るというのが独立行政法人であると。  2番目以下が実は具体的数値で、少し補足をさせていただきますが、5事業のうち最 も大きな事業が一般勘定でございますが、すべての事業を合計して、2番目の総資本が 3兆 5,000億円あると。その中で、自己資本というものが 2,517億 9,100万円ございま すので、いわゆる自己資本の比率というものが 7.1%程度でございましょうと。よく国 際取引をやる為替決済銀行で自己資本比率8%という議論が新聞等であるかと思います が、いってみれば、設立段階においてはまさにこれがそのイメージで、概ね8%程度の 自己資本であるというニュアンスになっています。法人全体でありますが。  それで、3兆 5,000億円の総資産を持ち、 2,500億円の自己資本の中で、基本的には すべて政府で出資をしているという形になっている。  補足情報にございますが、機構のイメージとしては、経常費用全体で5事業すべてで 807億円の費用が発生すると。この中には金利等も入っている。それに対して運営費交 付金というものが24億 8,000万円ありますと。この運営費交付金といいますのが実は独 立行政法人の非常に特殊な事項でありまして、国が本来支弁すべきコスト−−資金のた めのコストではなく、キャッシュフローベースで負担すべきコストという話になりま す。端的にいえば、独立行政法人福祉医療機構さんは6カ月間で25億 8,500万円の運営 費交付金収益を立てたということになりまして、その部分は当然見返りでお金をもらっ ているということであります。そして、損失が出まして、67億円であると。  運営費交付金は、実は一般的に3つほど収益計上基準がありますが、そのうちの1つ の費用進行基準をとっていると。会計学的にいうとあまり望ましくないという議論にな っていますが、実は多くの独法がこれを採用しているので、実務的にはOKが出てしま っているという形であります。  その下が一般管理費等の経費削減に関する事項ですが、全く同じイメージのデータを のぞみの園でもお作りいただいておりますので、文章をここだけ読みます。「中期目標 の策定において、平成19年度までの一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の 削減・効率化目標については、基準年度の当該経費の総額に対して、次のとおり段階的 に削減する」ということで、14年度は独法移行前の基準年度、15年度の下期から独法に 移行しまして、16年以降、19年の中期目標期間まで一応予想を出していただいていま す。したがいまして、削減対象経費は変化をもちろんしていきます。  そして、最終的に、平成14年度基準年度に対して、19年度では13%相当の経費削減が 行われる。ということは、逆にいうと、その部分、運営費交付金が減るはずであるとい うことでよろしいわけでしょうか。今、半期で24億円、年間で約50億円ほどある運営費 交付金がその分減っていく、つまり、国の負担は減るという形でございます。ここがあ る意味において経営の効率化議論の主体であります。 800億円もの費用があって、なぜ たったその程度の金額、つまり50億円程度の金額しか運営費交付金の対象にならないの かといいますと、まさにこの機構は金融機関でありまして、金利がメインの費用収益に なっておりますから、この部分はちょっと異なるものであります。  具体的な数値をごらんいただくと、資料2−1の財務諸表の概要版の6ページでござ います。これ一般勘定、つまり通常の貸付行為に係るところの損益計算書が出ておりま すが、こちらで上の損益計算書の右側の経常収益の、今申し上げましたように、この一 般勘定に関しては、一番上ですが、運営費交付金が20億円ございます。ところが、そこ から3行下に補助金収益というものがございまして、74億円ございます。これは利子の 補給ということでございまして、調達金利と貸出金利の間に政策金融をやっていますか ら差があるのだと。この部分は当然支弁しなければいけないので、前にも申し上げまし たように、これは努力によって対応することは基本的にできません。財投資金を借りて きて、外へ政策で貸し出している金利差ですから、両方とも契約的に決まっていますの で、企業努力によって短期的に達成できないだろうということで、別扱いになっている と。  したがいまして、左側の経常費用のほうでいうと、人件費や業務経費というのが概ね 運営費交付金対象の部分ということになるわけであります。それに関して毎年3%弱の 削減をしていくと。こういういってみれば義務づけのようなものがあるということでよ ろしいのでしょうか。 ○福祉医療機構経理部長  これは目安でございまして。 ○石井委員  目標。 ○福祉医療機構経理部長  はい、目標でございます。 ○石井委員  目標があるという形になっていますと。この辺のところはご理解いただかなければい けないだろうと。  もう一つ、非常に説明がしづらいので出てこないのですが、資料2−1の7ページの 真ん中に、一般的にはあまり聞きなれない財務諸表が出ています。行政サービス実施コ スト計算書というもので、行コスと我々は言ってしまうのですが、これは一般の企業で は全くありえない計算で、経済学でいうと機会費用まで織り込んでしまっているという 極めて変わったものですが、端的に申し上げると、この表の中で一番わかりやすいの は、2番目に損益外減価償却相当額というちょっと変わった科目があります。1億 6,300万円上がっています。これは何かといいますと、政府が出資した資産にかかわる ところの減価償却費相当ということになりまして、運営費交付金でもって支弁する必要 のないものということなものですから、損益計算書には減価償却は上げていないんで す。そのあたりがのぞみの園にいきますともっと顕著になって見える形になります。  これで何を表示しているかというと、行政的なコストとしては、運営費交付金で上げ る以外に、ここに書いてあるように、 101億 200万円実際はかかっているよということ であります。現実にお金として補てんをしてあげなければいけない運営費交付金とは別 に、減価償却やその他のコストがかかっていますよと。全部入れると、行政サービスの ためのコストというのは機構の場合は半期で 100億円かかっていますと。こういう判断 資料であります。  少しわかりづらくて申しわけありませんが、説明をさせていただきました。  それから、長寿・子育て・障害者基金勘定に関して1点だけ申し上げますと、資料2 −1の9ページに同じように損益計算書が出ていますが、実はこの機構の5事業の中の 1つの事業だけ、つまり、この長寿・子育て・障害者基金勘定だけ経常収益に運営費交 付金という収益がございません。つまり、運営費交付金はないということでありまし て、運営費交付金があって利益が出るのであれば、これは積立てがあるわけがないわけ であります。運営費交付金は全くない。つまり、助けてもらっていない。その結果、 9,000万円の利益が出た。ですから、これは経営努力だ、したがって目的積立金だと、 こういう考え方になります。にもかかわらず、ほかの4事業が赤字が出ているけれどい う議論はまた別にあるのですが、一応そういう整理をしています。ですから、運営費交 付金はこの勘定だけはないわけであります。  次に、またページをめくっていただいて、保険勘定というのが14ページにございま す。これはちょっと特殊な勘定でわかりづらいので、ご説明をいたします。  これは心身障害者の扶養保険のための制度でありまして、すばらしい制度ではあるの ですが、持っている預金が 428億円という数字に対して、右側の負債のところに法令に 基づく引当金等と書いて、心身障害者扶養保険責任準備金が約 800億円ございまして、 準備金が 800億円なければいけないけれど、持っているのは 428億円しかないという話 になっています。したがって、簡単に言うと 370億円ほど積立ての不足が出ておりま す。  この積立ての不足がなぜ出てきたかということに関して、先ほど部長がご説明をされ ましたが、資料2−2の4ページの一番下の◎の3行です。責任準備金 370億円相当の 資産の積立不足に基づく欠損については、予定利率等と実態の乖離等により発生したも のであると。したがって、今後、中期目標において定められている事業の見直しによっ て対応することとされており、制度のあり方についてこれから幅広く検討すると。実 は、場合によっては給付を下げるという議論もせざるをえないという認識でよろしいの でしょうか。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  そこは、給付の問題、掛け金の問題等を含めまして、制度全体を今回見直す必要があ ると考えておりまして、現在、いろいろ検討に必要となる基礎資料ですとか損益計算で すとか、そういうことを事務的にやっているところでありまして、今後これに沿って検 討していきたいと考えております。 ○石井委員  少し皮肉を込めた言い方をすると、どこかの国の年金財源と同じような問題があると いうことだと理解をしています。  以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、福祉医療機構のほうからのご説明と、それに対 する石井委員の講評という形で、ご説明をちょうだいしました。委員のほうからのご質 疑をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○遠藤委員  ただいま石井委員から丁寧なご説明がありましたが、保険勘定の予定利率と実際の運 用利率の差ということが欠損の理由だということですけれど、どのくらいの予定利率で やっていたのでしょうか。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  現在の制度は予定利率 4.5%でございます。 ○遠藤委員  そして、実際はどのくらいで回っていますか。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  実際は1%でございます。 ○遠藤委員  そうですよね。それで、これは当然予定利率を下げなければ、いつまでたっても毎年 こういうことが起きるわけですね。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  はい。したがいまして、中期目標にありますように、できるだけ早くその辺も含めて 見直しをしたいと考えております。 ○遠藤委員  それから、ちょっと関連しますが、同じく石井委員の回答書の中にあります自己資本 比率ですけれど、設立時と比べると若干低下しているわけですが、これは端的に言って どういう理由だったと考えられますか。 ○福祉医療機構経理部長  これは貸倒引当金等、当期の損失金が増えた分だけ、その分は落ちているということ でございます。 ○遠藤委員  もう少しわかりやすく教えていただけますか。 ○福祉医療機構経理部長  自己資本が約 2,518億円から 2,448億円に減っておりますが、この差額は15年度の下 期の損失金が出ている分だけこの分が減っているということで下がっているということ でございます。その損失金の原因は、貸倒引当金の積み増しなどでございます。 ○遠藤委員  わかりました。 ○部会長  ほかにいかがでしょうか。先ほど石井委員がおっしゃいましたのは、自己資本比率8 %前後がほぼスタンダードだということでしょうか。 ○石井委員  いや、スタンダードかどうかは難しいところがあるのですが。といいますのは、この 機構は一般勘定としての通常の金融事業以外に、長寿・子育て・障害者基金共済保険年 金担保というように異なる事業も全部やっていますから、たまたま法人全体での自己資 本比率を見るとそうなったということで、非常に明確に勘定が分けられているという性 格の違いがございますので、たまたま、 一つの言い方として、他の金融機関の例を出 すとという程度の認識だとご理解いただいて、根拠とかエビデンスであるとは思ってお りませんので。 ○部会長  はい、ありがとうございました。大変内容が膨大ですので、短期間にこれを理解する のは難しいところがございます。特に我々のような非専門の立場におりますと、非常に 理解するのが苦労するという程度でありまして、なかなか質問までには至らないという のが正直なところでありますが、ほかにご質問やご意見はいかがでしょうか。 ○宗林委員  運営費交付金に関係する一般管理費等の経費削減の13%というのを私たちは見ていか なければいけない部分だろうと、石井先生に書いていただいたものを見ているのです が、そうすると、16年度当初予算の56億円であるとか59億円がベースになってというと ころの数字は、きょう見せていただいたこの財務諸表では、どことどこを足した数字に なると見ればよろしいのでしょうか。どなたにお聞きしたらいいのかわからないのです が。 ○福祉医療機構経理部長  先ほど、例えば資料2−1の6ページの上のところで、一般勘定で人件費とか業務経 費とございます。こういうのを全部足していくとなります。各勘定の人件費、業務経費 等を足しますと59億円になります。これは一般管理費だけですが、そのほかに各勘定が ございます。 ○宗林委員  人件費、業務経費、一般管理費のあたりですか。 ○福祉医療機構経理部長  はい。ただ、この59億円は予算額でございますから、例えば、今申し上げた損益計算 書を足しても59億円にはぴったりなりません。例えば6ページの人件費・業務経費等の 数字を足すとここに積み上がるような感じになっております。この額は14年の額なもの ですから、ここには出ていません。中身は、人件費とか物件費などでございます。 ○石井委員  非常に大きくざっくりと見ると、この6ページの損益計算書の左側の経常費用はぴっ ちり合わないのですが、借入金利息等というのがございますね。 400億 9,400万円。こ れ以外の部分、つまりそれぞれの人件費・業務経費がさまざまな業務について出ており ますね。それを全部足してくると概ね21億円ぐらいです。それが運営費交付金の対象の コストになります。今期は6カ月だということですから、年間ベースでいくと、それが 掛ける2プラスアルファみたいな形になるのでしょうか、50億円といった話になるとい うことであります。  逆に、費用で出ている利息、 400億 9,400万円に対応する収入側の貸し付けた、もら った利息というのでしょうか、それが右側にある 322億 3,300万円ですが、足りないの で、金利差に関しては補助金で74億 1,600万円別途もらうと。これは運営費交付金では ないということで、この部分は機構としての自己責任では果たしようがないということ ですから、補助金として処理がされているというイメージになります。 ○部会長  ほかにいかがでしょうか。 ○部会長代理  全く素人の質問で、もしピント外れだったら失礼しますけれど、要するに、経常経費 というのを13%減らすわけですよね。難しい会計のことはよくわかりませんけれど、物 をそうやって減らすという基準には、我々の企業体として考えた場合には、例えば家賃 を減らすとか、人の給料を減らすとか、いろいろな方法があるのですが、ここでは家賃 というのはどういうことであれしていらっしゃるんですか。ここには、土地を持ってい て、何か云々と書いてあるようなんですけれど。建物等というのが1ページに書いてあ りますね。これはこれでそのくらいあるのでしょうけれど、家賃というのはどこで見れ ばいいのですか。 ○福祉医療機構経理部長  今本部が入っている秀和の神谷町ビルは賃貸でございます。 ○部会長代理  まがった見方をすれば、ああいう高いビルにいる必要はないんじゃないかと。それは 大変失礼な言葉なんですよ。でも、私は無知だからあえて申し上げているんですが。 今、一般の企業も、借りているところは、家賃の高いところはだんだん低いところへ移 ろうという努力はかなりやっていると聞いていますけれど、それによって13%ぐらい減 らせるんじゃないですか。難しい会計のことはわかりませんが。そういうことの視点で 物を見てはいけないんですか。 ○福祉医療機構経理部長  13%につきましては、人件費・物件費を含めてということになっていまして、現在、 15年度につきましては、ここに書いてございますように、今、2%ぐらいの削減をして おりまして、これはほとんど物件費で削減しているのですが、16年度からは家賃を交渉 しまして、それを引き下げるということになっております。  そして、16年度以降については、まだはっきりした何を下げるというのは決まってい ないのですが、当然、19年度までには13%削減しなければいけないということがありま すので、それは今後の検討ということで、今は具体的なことは決まっていませんが、そ れは下げていくということでございます。 ○部会長代理  雑音と思って聞いてくださっても結構ですが、そういう声も一般的な議論としてある ということですので。 ○川原委員  今、ご説明いただきまして、何となくわかったような、わからないような、漠然とし た気持ちなんですけれど。今ご説明を伺ったのは、あくまでも前期の数字だけでござい ます。したがって、私どもが判断する場合に、前期1年間の数字だけを判断して、これ がいいのか悪いのかという局所的な判断で果たしていいのか。と申しますのは、先ほど 来、経営の効率化ということで、13%の経費の減少を図るのだということが先行して話 されているわけですが、それ以前に、私はちょっと疑問に感じたのは、当期損失がこの ような状態で、法人全体、並びに一般勘定。一般勘定というのは基幹業務だと思います が、それがこのような状態を生じていると。15年度のこの当期損失額が、14年度、13年 度と比較して多いのか少ないのか、そういうことすら我々はわからないわけです。15年 度の数字しか出てきていないわけですから。  したがって、過去の推移から見て、当期損失が多いのか少ないのか。将来、これがど んどん自己損失が増えていく可能性があるのかどうか。そういう点についてお聞きでき ればありがたいと思います。そうでなければ、15年度だけでというのはとても私自身は 個人的には評価の出しようがないと思いますので。いいのか悪いのかという、いわゆる 判断材料がないものですから。 ○福祉医療機構経理部長  先ほど5勘定を説明させていただきまして、当期損失が出たものがいくつかありまし た。中には、先ほどの50億円のように、都道府県が一時的に予算をとっていなかったた めに50億円の欠損を出しているという、それは来年は解消しますよということがありま す。それから、年担勘定のように、オンコストについて、今年はオンコスト分が不足し たのでそれを来年にコストにオンしますというのは、来年解消しますということで。そ れ以外にしますと、貸倒引当金の繰入、いわゆる貸金のための繰入がどのようになるか とか、繰上償還は全くわからないのですが、繰上償還があったために利息収入が減にな るとか、そういう先の見通せない分の損失というのが出てくる可能性は若干あると思い ます。  ですから、損失がかなり増えていくというのは、個人的にはそんなにはないと思って います。 ○部会長  ただ、川原先生がおっしゃったように、今期、15年度の後半ですよね、下半期を評価 する上で、例えば13年度とか14年度の内容までも詳しく我々が評価しなければ、評価し にくいものなのかどうか、私は心配になったのですが、そのあたりはどうでしょうか。 ○福祉医療機構経理部長  比較ですか。 ○部会長  はい。 ○川原委員   よろしいですか。今の座長の発言と、私の先ほどの質問に対する補足ですが、例え ば、今期はこれだけの損失が出ましたというご説明は今いただいているんです。そうす ると、損失の多い少ないは一たん置いておきましょう。多い少ないは置いておくという よりも、前期に比べて損失は出ているけれど、損失額が少なくなっているというのであ れば、私は非常に評価すべき問題だと思います。しかしながら、前期に比べて、逆に損 失額が増えているということであれば、ほかで経営努力をしているとしても、やはり評 価の時点では減殺項目になってくると思います。そういう意味で、前期との比較、前々 期との比較で見て、今期の損失状況というのはどういう状況なのかということをお聞き したいと、そういう意味で質問させていただきました。 ○福祉医療機構経理部長  それから、先ほど申し上げたことに一つだけつけ加えさせていただきますが、保険勘 定につきましては、先ほど 4.5%で回しているということを前提にやっていまして、そ れがかなり低いというお話もありました。あるいは、責任準備金として機械的に出てく るものがある。 ○福祉医療機構  平成15年度上期と15年度下期の決算でございますが、そもそも決算の仕方が全部変わ っておりまして、単純比較ができません。それで、利子補給金、いわゆる補助金をいた だいているわけですが、その計算方式も変わっております。ですから、単純に比較とい うことはできませんで、貸倒引当金の計上方法につきましても、今回、独法になりまし て新たに金融検査マニュアルに基づいてきちんと個別に積んでおりますが、従来は予算 で組んだ貸倒引当金を積みまして、それを毎年余った分を積んで、洗替方式という形で やっておりますが、今回は必要な分だけ積んでいると。それで、会計処理は全く変わっ ております。そういうことで、単純に比較は非常に困難な状況になっております。 ○部会長  ありがとうございました。ということは、今期は今期でその内容を評価して、それに 妥当性があるかどうかということを我々が判断をするしか、一応、比較すべき材料はな いと、こう理解してよろしいでしょうか。 ○福祉医療機構  はい。 ○部会長  ありがとうございました。ついでに、素人が質問をするのですが、13%を19年度まで に削減をするという目標そのものは、何か条件がついているのでしょうか。例えば、事 業の規模は絶対変えてはならないとか。事業規模を落とせばこういう数値目標というの は結構簡単に操作できてしまう部分があるのではないかと思うのですが、事業そのもの の規模については、この機構について何か制約のようなものを我々は持っているのでし ょうか。 ○福祉医療機構経理部長  特に条件はついていなくて、14年度の予算と比較してですから、その間の事業規模等 については条件はついていません。 ○部会長  そうすると、事業規模で操作をすることは可能ですか。 ○石井委員  会計的には議論があって、本来、独立行政法人はもともと国の機関で、国がやるべき ことを独法にやらせていると。つまり、完全に民営化すべきものではないという性格が ありますから、業務の質や量を維持しなければいけないわけですが、作為的にそれを削 減することによって自動的に実は利益が出てくるんです。コストを削減しますから。そ れでもし利益を出した場合に、その利益を出したものを目的積立金化をしてなんていう 議論もあるわけですが、望ましくないという議論は会計的にはよくします。つまり、作 為でそういう処理をしていくのは、本来の独法のスタンスではないということで。多 分、独法の方たちもそんなつもりはないということだと思います。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、事業の性質とかその量については、国の方針に 従ったものをちゃんと維持するという中での13%の削減という、こういうことで理解す ればよろしいですね。 ○山崎委員  私もあまりよくわからないことをお尋ねして申しわけないのですが、5事業のうちの 4事業は、いわゆる業績として検討すべき課題がございますね。マイナスになってしま っているわけですから。そうすると、その事業についての見通しと、その事業は独立行 政法人として国に代わって行う事業として、中身はこれから先、存続することが財務上 難しいと判断されるのか、あるいは、その効率性なり質の向上なりを図っていけば変革 の可能性があると判断しておられるのか。その辺はどのにように考えていらっしゃいま すか。 ○部会長  今おっしゃったことはなかなか難しいかもしれませんね。4つの事業が赤字を持って いる、それは今後ともに継続すべき性格のものかどうかという、方針めいたものをお聞 きになったと思いますが。 ○山崎委員  効率性を図ったり質の向上を図ったりするような手直しでもってできるという見通し が、この財務上の判断でできるものなのか。あるいは、もっと構造的な問題をはらんで いると判断すべきことなのか。 ○部会長  そういう点については、財務担当としては難しいかもしれませんね。 ○福祉医療機構総務部長  私は直接の担当ではないので、ちょっとあやふやな言い方になるかもわかりません が、一般論になりますけれど、私ども機構のほうでやっております仕事は国の仕事と非 常に密接につながっておりまして、基本の輪郭はすべて国のほうでセッティングしてい ただいて、そして収入・支出を見積もっていただいた上で、これをこういう形でやりな さいということで、私どもは仕事をやらせていただいております。  したがって、制度面については、国を抜きに我々がああするこうするということはあ りません。先ほども扶養保険の話が出ておりましたが、厚生労働省のほうからお答えを いただいていたということでございます。我々は、その決められた方針の中で、その事 業は必ず赤字になってもならなくてもやらなければいけませんから、そういう中で効率 的にサービスができるだけ向上するようにということで仕事をやるというのが、我々の 基本的な立場だと理解をしております。 ○白石委員  質問が2つあって、まず1つ目は石井先生にお伺いしたいのですが、一般管理費等の 経費削減に関する事項ということで数字が資料2−3に載っていますけれど、これは先 ほど宗林先生のご質問に対して、5勘定のうち、人件費、業務経費、一般管理費を抽出 してくるとこの数字になるのだと、そういうふうに理解させていただいたのですが、先 ほどの川原委員のご質問で、前期と比較することができなくて、15年度の下期の数字が 出ているわけですが、今後評価する際に15年度がベンチマークになるような気がするの ですけれど、質問は、この削減対象経費の 60億からどんどん下がっていくわけですが、 これを5勘定別に見る意味というのはあるかどうか。5勘定を足したものがここに出て いるわけですが、これを別々に見たほうがいいのか、それともそれは帳簿上のあくまで 数字であって、それを別々に見る必要はないのかどうかということなのですが。 ○石井委員  別々に見る必要があります。なぜかというと、先ほど申し上げましたが、長寿・子育 て・障害者基金勘定には運営費交付金自体がありませんので、それにかかわる一般管理 費等はもともとその対象になっていませんから、関係ないわけでありまして、したがっ て、あくまでも5事業別々の認識をしなければいけないのだと私は理解しております。 ○福祉医療機構基金事業部長  運営費交付金については、確かに長寿・子育て・障害者基金の勘定にはないのです が、13%の削減の対象にはなっております。 ○石井委員  なっているんですか。失礼しました。ということは、全体でいいみたいですね。 ○白石委員  この合計された数字を見ていけばよろしいということですね。 ○石井委員  あくまでもざっくりとしたベンチとしてこれを見ていただきたいと思います。それが 知りたかったので、私は実はこの回答をいただいたという流れがあります。 ○白石委員  わかりました。もう一つは、保険勘定のところで、一般的にいう年金の積立不足の状 況が生じていると。資料2−2で、これから幅広く検討されるということですが、質問 は、中期目標において定められている事業の見直しにより対応することという、その中 期目標に定められている事業というのは何だったかという確認と、先ほど、もう少し前 の事務局側からのご返事の中に、積立不足の対応も中期目標の評価項目の中に入ってい るといったご発言があったような気がしたので、細かい点ですが、確認をさせていただ ければと思います。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  できるだけ早い時期に事業が見直されるものとするという、その事業といいますのは 扶養保険制度事業のことを指しているわけでありまして、それを現在、こういった数字 が上がってきておりますので、今言った利率の乖離も含めて全体的に見直そうというこ とでありまして、掛け金の話ですとか給付の話ですとか、そういったところを含めて全 体的に見直す必要があると思っておりまして、そういうことをこの中期目標に書いてあ るようなできるだけ早い時期に検討が行われるように、今、準備をしているところでご ざいます。そういう状況ではありますけれど、お答えになっているでしょうか。 ○部会長  これは実は心身障害者関係者のほうがよく知っていると思うのですが、この保険制度 ができたときには、障害児・者が長生きをすることは少なかったんですね。そして、親 が亡くなってからその子供の扶養をどうするかということからこれができて、その当時 は、保険金を受給する人の数も非常に少ないというのが前提だったのですが、その後、 我が国は医療が進みまして、障害者が皆長生きをするようになって、保険自体がもうパ ンク状態になった。と同時に、実は障害者基礎年金が制度化されることによって、その 保険の意味も急速に減ってきたというか、実効性を失ってきたということがあるわけで す。ですから、現に加入者も少ないわけですね。そういうことで、制度そのものの存続 を検討する必要があるというのも一方にあると我々は理解しておりますが。 ○障害保健福祉部企画課長補佐  おっしゃるとおりでございまして、その収益のところの問題だけではありませんで、 死亡率も年々改善されておりますので、そういったところを全部含めて今回見直しの対 象とすべきではなかろうかと思っております。  また、これに加入している方は、年金を受けておられる方と今掛けておられる方をあ わせて10万人程度ですので、全体の障害者の中の率でいいますと非常に少のうございま す。そういったことも含めまして、全般的な見直しが行われるべきではなかろうかと思 っております。 ○部会長  ですから、そういう内容からすれば、福祉医療機構そのものの問題というよりは、政 府の政策的な問題としてこれは大きく検討されるべきなのでしょうね。ありがとうござ いました。  さて、大分時間が延長しましたので、このあたりで一つのテーマは終わりたいと思い ますが、年金資金運用基金のほうはご報告いただける状況でしょうか。それでは、よろ しくお願いいたします。 ○年金局資金管理課長補佐  年金局資金管理課でございます。お手元の参考資料2−1「年金資金運用基金から承 継する業務について」をごらんいただきたいと思います。  年金資金運用基金と申しますのは、厚生労働省所管の特殊法人でございまして、今回 の年金制度改革と特殊法人改革の一環としまして、年金資金運用基金という組織が見直 しをされるということになりました。これに伴いまして、この基金が行っておりました 業務の一部につきまして、独立行政法人福祉医療機構に承継するということになりまし て、そのあたりの経緯なり承継される業務の概要についてご説明をさせていただきたい と思います。  1ページですが、年金資金運用基金の概要でございます。  これはかつて年金福祉事業団という特殊法人がございましたが、この特殊法人が見直 しをされて、平成13年に年金資金運用基金として設立されたというものでございます。  どういう事業をやっているかということでございますが、一番下の事業の概要という ところでございますが、主たる業務は、厚生労働大臣から寄託をされた年金資金の管理 運用、市場運用を行う業務でございます。あわせまして、年金福祉事業団が行っており ました業務を一部承継をして引き続き行っている業務というのが、(2)に書かれている 部分でございます。  1つ目が、年金福祉事業団時代に行っておりました資金運用の関係を引き続き年金資 金運用基金で行うということ。  2つ目が、大規模年金保養基地−−グリーンピアと呼ばれておりますが、こういった 施設の譲渡なり運営管理を行うという業務。  3つ目が、年金被保険者を対象にいたしました住宅融資の業務。  4つ目が、国民生活金融公庫等が行っております教育資金貸付を年金資金運用基金が あっせんをするという業務。  こういった業務を行っている特殊法人でございます。  そして、平成13年4月に設立されたわけでございますが、2ページでございますけれ ど、年金資金運用基金自体が、特殊法人等整理合理化計画という平成13年12月の閣議決 定の中で、事業なり組織形態について見直しをするという方向が閣議決定されたわけで ございます。  それぞれの業務については、例えば真ん中にありますグリーンピアについては17年度 までに廃止をする等、事業についての講ずべき措置が位置づけられまして、また、一番 下に組織形態についてとございますが、次期財政再計算時(平成16年度)までに、年金 資金運用方針に則して、廃止を含め組織の在り方を検討し、決定するということが閣議 決定されたわけでございます。  この閣議決定を受けまして、年金資金運用基金の組織の見直しの在り方を検討しまし て、3ページ目でございますが、タイトルのところに書いておりますけれど、年金積立 金管理運用独立行政法人という独立行政法人を設立するという法律を先の通常国会に提 出して、成立した次第でございます。  この年金積立金管理運用独立行政法人の組織の概要でございますが、上のところに書 いてございますとおり、文字どおり、年金積立金の管理運用を行うための独立行政法人 として創設をして、年金資金運用基金は廃止をするということになってございます。  以下、その運用体制の在り方についていろいろ見直しを行っているわけでございます が、4ページの真ん中の2.年金資金運用基金の業務廃止等のところでございます。こ こで先ほどの閣議決定でもありましたような年金資金運用以外の業務についての見直し ということが、この法律の中でもあわせてされるということになってございます。そし て、グリーンピアは17年度までに廃止をするということでございますが、住宅融資につ きましても17年度までに廃止をするということで、平成18年度以降は新規の住宅融資は 行わないということになりました。  ただ、既に貸付を行っておりまして、貸付先からこれから長期にわたって回収が続く わけですが、そういった既往の住宅融資債権の管理回収業務というのはどうしても残っ てしまうということでございまして、この業務につきましては、独立行政法人福祉医療 機構が承継をして行うということとさせていただいております。  あわせまして、教育資金貸付あっせん業務ですが、これは国民生活金融公庫等からの 年金被保険者に対する教育資金貸付をあっせんをするという業務でございますが、これ につきましても独立行政法人福祉医療機構が承継して行うという方向となっておりま す。  これらの取扱いについては、下に書いてございますとおり、平成18年4月1日施行、 運用に関する独立行政法人を18年4月に設立をして、福祉医療機構への業務の承継をそ れにあわせて18年4月に行うという法律の内容でございます。  続きまして、5ページでございますが、では、福祉医療機構に承継される業務とはど ういうものかということでございますけれど、5ページは年金住宅融資の概要でござい ます。これは一番上にございますとおり、年金の被保険者の福祉の向上を図ることを目 的として年金福祉事業団当時から開始されたというものでございまして、その貸付原資 は、財政融資資金−−かつての大蔵省に資金運用部という組織がございましたが、そこ から資金を借り入れて貸付を行う。その借入金の元本・利息の償還については利用者か らの回収金で賄っていくという仕組みでやっております。  融資債権につきましては、金融機関による債務保証ですとか、担保権設定、連帯保証 等により、その回収に関しては遺漏なきよう債権保全がされているということでござい ます。  住宅融資の種類については、大きく分けて2種類ほどございまして、厚生年金なり国 民年金の被保険者を対象としました被保険者住宅融資と、もう一つは、一番下にござい ます被保険者のための分譲住宅の設置に必要な資金を事業主等に貸し付けるといった分 譲住宅融資、こういったものが住宅融資の概要でございます。  続きまして、6ページですが、融資の貸付残高です。これは平成14年度末時点の数字 でございますが、年金住宅融資については、金額の合計でいきますと約6兆 1,612億円 という規模でございます。右端に年金担保融資と書いてございますが、これは年金福祉 事業団が年金資金運用基金になるときに新規の年金担保融資事業が当時の社会福祉・医 療事業団に承継されたわけでございますが、年金福祉事業団時代に行っていた年金担保 融資の債権、平成12年度までに年金福祉事業団が行ったものの残高が若干残っておりま して、約30億円でございますが、こういったものもあるということでございます。  これらの債権の管理回収業務を福祉医療機構で行っていくことになったわけでござい ます。ただ、平成17年度なり18年度の承継時点では、残高が減少するなり変動すること になろうかと思いますが、14年度の時点ではこういったスケールになっているというこ とでございます。  続きまして、7ページでございますが、教育資金貸付あっせん業務でございます。下 の図にもございますとおり、これは被保険者に対しまして国民生活金融公庫が教育費等 のために融資を行う、その間に入って、年金資金運用基金が被保険者からの申込みを受 けて、貸付条件などの審査を行って、適当なものについて国民生活金融公庫にあっせん をして、それを受けて国民生活金融公庫は被保険者に貸付を行うといった業務でござい ます。  これについては、一番下の事業実績にございますとおり、平成14年度の例で申します と、あっせんの件数は約 4,500件、金額でいうと約 40億円といった業務でございまし て、これも先ほど申し上げましたとおり、独立行政法人福祉医療機構のほうで平成18年 4月以降お願いするということにさせていただいております。  以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。今のご説明について、ご質問はございませんでしょうか。 ○石井委員  年金の住宅融資と教育資金貸付の事業が、この独立行政法人福祉医療機構に承継され るということですね。 ○年金局資金管理課長補佐  はい、そうです。 ○石井委員  何年からですか。 ○年金局資金管理課長補佐  平成18年4月からです。 ○石井委員  再来年ですね。 ○年金局資金管理課長補佐  はい。 ○部会長  機構として、これについての何かコメントはございませんか。 ○福祉医療機構総務部長  法律も成立をいたしまして、決められた方針でございますので、支障のないようにと いうことで、十分打合せをする体制をとっているところでございます。 ○部会長  それでは、特にご質問がなければ次の問題に移りたいと思いますが、よろしゅうござ いますか。ありがとうございました。  それでは、次はのぞみの園の財務諸表のご説明をちょうだいし、また、石井委員の講 評をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○のぞみの園総合施設長  それでは、資料3−1、3−2、3−3についてご説明させていただきます。  資料3−1の財務諸表概要でございます。  まず、どの表に経理上区分されたかですが、注1に中期目標に掲げた業務内容に基づ き、6つの業務に区分いたしました。それと、法人共通経費ということで7つに経理を させていただきました。  それから、業務の内容でございますが、注2にそれぞれの業務内容を明記してござい ます。  例えば、「施設運営業務」につきましては、当法人で利用されている重度の知識障害 者に対して、通常、日中の業務に対する支援、いわゆる施設訓練等をしている業務でご ざいます。  「知的障害者自立支援等調査・研究」につきましては、障害者の自立と社会経済活動 への参加を促進するための効果的な支援の方法に関する調査・研究業務。  「知的障害者自立支援等情報提供」につきましても、自立と社会経済活動への参加を 促進するための効果的な支援の方法に関する情報の提供業務。  「知的障害者支援関係職員等養成研修」につきましては、知的障害者の支援の業務に 従事する者の養成及び研修業務。  「知的障害者支援関係施設援助・助言」につきましては、知的障害者の援護施設の求 めに応じて、援助及び助言を行う業務。  そのほかに「附帯業務」といたしまして、居宅生活支援業務ですが、これは例えばデ イサービス事業であるとかショートステイ、そして当法人の中に診療所がございますの でその診療業務、そのほか実習生等受入れ業務。  こういう形で区分を経理し行っております。  それでは、数字的なものに入りたいと思います。  まず、事業の費用でございますが、合計といたしまして23億 4,000万円となっており ます。そのうち、人件費につきましては、19億 3,500万円、その他の費用といたしまし て、これは物件費であるとか一般経費もろもろでございますが、これが4億 500万円ほ どになっております。  業務別に説明させていただきたいと思います。  例えば、「施設運営業務」でございますが、合計といたしまして16億 2,800万円ほど でございますけれど、このうちの人件費が13億 4,900万円。これは先ほど業務内容でご 説明いたしましたけれど、利用者に対して直接に支援をする業務を担当する職員の人件 費でございます。その他の費用といたしましては、先ほど申し上げたとおり、物件費、 日常に必要な諸経費、日用品、利用者が毎日食事をする材料費、共通的な光熱料、そう いったものを計上させていただきました。  次に、「知的障害者自立支援等調査・研究」でございますが、これについては調査・ 研究に係る部門、あるいは知的治療訓練に関係する部門、作業活動に関連する部門をこ こで計上させていただいております。金額的には、全体の費用として1億 9,200万円ほ どになっております。  次に、「知的障害者自立支援等情報提供」でございますが、事業費用としては 300万 円強でございます。特にここで人件費計上が0でございますけれど、これについては一 部調査・研究の職員が併任しておりますので、人件費を計上しておりません。  それから、「知的障害者支援関係職員等養成研修」でございますが、これもやはり企 画研究を担当する部門の職員がこの業務を行っております。  同じく、「知的障害者支援関係施設援助・助言」でございますが、これも企画研究を 担当する職員がこの業務を担当しております。  「附帯業務」でございますが、先ほどご説明しましたとおり、在宅の障害者に対する 居宅支援、デイサービス事業、ショートステイ、診療所に係る職員の人件費、その他の 費用についてはそれに係る物件費でございます。  それから、法人の共通経費というのは、当法人の役員、管理部門−−管理部門と申し ますのは、総務部門、事務部門の職員でございます。  その他の費用につきましては、それに係る日常的な経費、例えば光熱料であるとか、 一般的な事務経費でございます。  次に、事業の収益でございますが、1つだけ例としてご説明させていただきますけれ ど、施設運営業務の中で、例えば16億 2,800万円ほど計上しておりますが、このうち、 我々は自己収入と呼んでおりますけれど、例えば施設訓練等支援費収入は8億 100万円 ほどございます。その他の収入としてはそのほかに約 100万円ほど計上しております が、その事業を行う上で、16億 2,800万円に不足する部分、この経費について運営費交 付金も収益がわかり、充当しております。  その調査・研究につきましても、自己収入がその他の収入、いわゆる作業生産物、作 業支援に係ると思われる費用、収入だけでございますので、ほとんど運営費交付金の収 益で賄っております。  それから、情報提供につきまして、養成研修、援助・助言につきましても、自己収入 がございませんので、運営費交付金の収益化を図っております。  附帯業務につきましては、先ほどご説明したとおり、居宅支援におきまして、デイサ ービス、ショートステイである居宅生活支援費という収入がございます。それから、診 療収入等がございます。その差について、運営費交付金の収益化を図り、2億 8,700万 円の費用収益を上げております。  それから、法人共通経費につきましては、その他の収入ということで一部あります が、ほとんどは運営費交付金の収益化を図り、この費用に応じて事業収益を図っている ところでございます。  したがいまして、事業費用と事業収益につきましては、同額の23億 4,000万円ほど計 上させていただいております。  事業損益につきましては、0という形で計上させていただきました。  総資産でございますが、その中の流動資産は約2億 6,000万円ほどございますけれ ど、この中身については、預貯金、未収金、その他一部の収入をここで計上させていた だいております。  それから、土地・建物等でございますが、 148億 5,200万円ほど計上させていただい ておりますけれど、この中身については、土地と建物、特に施設運営業務につきまして は、利用者が生活する建物が非常に多うございますので、その建面積をセグメントの業 務内容で区分させていただいております。そして、それぞれの自立支援関係でございま す調査・研究につきましても、その対応する部門の建物をベースに、建面積をもとに計 上させていただいております。情報提供についても同様で、養成研修、援助・助言につ いても同様でございます。  また、附帯業務につきましても、先ほど申し上げた診療所、居宅支援に係る建物を抱 えておりますので、その建面積をベースにセグメントさせていただいております。  法人共通経費は98億 8,000万円ほどになっておりますが、当法人は非常に広大な敷地 を抱えておりまして、ここにほとんどの土地を計上いたしますので、非常に多くなって いると思います。  それから、工具器具備品、車両と申しますのは、先ほどと同様に区分整理をさせてい ただいております。  その他としては、一部、前払い費用等がございますので、この中で整理させていただ いております。  総資産といたしまして、 154億 3,500万円ほど計上させていただいております。  以上、財務諸表の概要でございます。  次に、資料3−2の平成15年事業年度の収支状況でございます。これは損益計算書の 中でご説明させていただきたいと思います。  まず、経常費用についてですが、これは先ほど財務諸表でご説明させていただきまし たけれど、業務経費というのは、先ほどの中の共通経費以外をこの業務経費で経常させ ていただいております。  一般管理費ですが、これは共通経費で、先ほどの役員であるとか法人の管理部門であ るとか、そういう経費をここで計上させていただいております。  そのうち、まず経常経費でございますが、人件費と物件費がございます。人件費のう ち、運営費交付金の収益対応分は12億 7,900万円ほどございます。事業収入対応分は、 先ほど財務諸表でご説明いたしましたように約8億 5,400万円ほどありますが、その一 部の4億 9,800万円ほどがこの人件費に対応しております。物件費も事業収入対応分 で、これは先ほど申しました事業収入の施設支援費であるとか、居宅生活支援費である とか、そういう経費をここで対応分として計上させていただいております。  それから、資産見返戻入の1というのは、減価償却費相当額をここで対応として計上 させていただいております。  一般管理費については、人件費が1億 5,700万円ほどございますが、ほとんど運営費 交付金の収益で賄っている現状でございます。  一般管理費ですが、これも運営費交付金の収益分が 4,400万円ほどございます。それ から、事業収入対応分として 100万円ほど計上させていただいております。  財務費用として、支払利息ということで 100万円計上しておりますが、経常費用の合 計として23億 4,000万円ございますが、これに係る経常収益でございますけれど、一番 大きいところで運営費交付金といたしまして14億 8,100万円ほど、事業収入として8億 5,400万円計上しております。資産見返戻入は、減価償却費相当額でございます。それ から、財務収益と科目上計上してありますから0計上になっております。  経常収益の合計と経常費用の合計で23億 4,000万円ほどになっております。  この中で収支状況でございますが、いずれにしても、運営費交付金の収益が経常費用 の人件費、あるいは一般管理費のやはり人件費及び一般管理費に対応している、補って いるという現状でございます。  続きまして、キャッシュフローでございます。キャッシュフローにつきましては、こ の10月から3月31日までの資金の流れでございますので、それを業務活動、投資活動、 財務活動等に区分させていただいております。業務活動と申しますのは、先ほど財務諸 表の中でもご説明いたしましたが、支出面では人件費であるとか物件費、収入面では交 付金の収益であるとか事業収入、これを相殺した金額がここに 7,200万円の計上となっ ております。  そのほか、投資活動といたしまして、運営費交付金の中で固定資産の取得がございま した。これをマイナス 100万円と計上させていただいております。  財務活動によるキャッシュフローといたしまして、一部医療機器のリースを行ってお りますので、その返済に充てる資金として 600万円ほど計上させていただいておりま す。  このキャッシュフローの流れの中で、資金の期首残高として 3,800万円ほどございま すが、これは当法人が設立した10月1日現在の預金の残高を示しております。その結 果、当期、この6カ月間の間に、資金増加額といたしまして、 6,400万円ほどございま した。これが今回の16年3月31日現在、残高といたしましては1億 200万円ほどになっ ております。以上がキャッシュフローでございます。  次に、資料3−3でございますが、これは石井委員からの質問に対する回答について でございます。  1番目の情報開示の在り方に関する依頼事項に対する回答ですが、当法人の財務諸表 の開示方法につきましては、官報による公告、事務所の備え置き、ホームページに掲載 の3点でございます。  2点目の自己資本比率に関する依頼事項に対する回答ですが、ここに上げている自己 資本につきましては、当法人については、政府出資金を受けておりますので、その金額 を自己資本としております。それから、設立時と今次の決算時で約1億 9,400万円ほど の階差がありますが、これについてはこの6カ月間における損益外の固定資産の除却 損、いわゆる資本剰余金等がございますので、その金額を減額しております。  総資本につきましては、設立時に比較しまして一部決算時が増えておりますが、これ は流動負債等一部増えておりますので、その関係で増額になっております。自己資本の 比率でございますが、設立時は 97.93%、決算時におきましては 96.59%ということ で、少し自己資本の比率が減額になっているのは、先ほど申し上げたとおり、資本剰余 金で欠損を出しているということになっております。  補足情報につきましては、経常費用として23億 400万円、運営費交付金といたしまし て、交付金の収益を14億 8,100万円ほど計上しております。  総資産といたしまして、これは総資本も同額でございますが、 154億 3,500万円、政 府出資金といたしまして 150億 200万円を計上させていただいております。  運営費交付金収益の計上基準でございますが、これは費用進行基準を採用しておりま す。  3点目の一般管理費等の経費削減に関する依頼事項に対する回答でございますが、一 般管理費等というのはほとんど運営費交付金でございますので、14年度を基準にいたし まして、15年度は決算ベース、16年度は予算ベース、17年度以降につきましては見込み ということで計上させていただいております。実際に14年度と比較しますと、19年度末 におきましては、13%以上の経費の削減になっております。  以上、雑駁ですが、とり急ぎご説明申し上げました。 ○部会長  ありがとうございました。ただいまのご説明に関しまして、石井委員のほうからご発 言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○石井委員  お手元の資料で私からの質問に対する回答書をごらんいただくわけですが、先ほどの 福祉医療機構と同じフォーマットで記載をしていただきました。数値情報ですと、真ん 中の自己資本比率に関する依頼事項ほかになりますが、福祉医療機構の自己資本が7% 程度に対して、のぞみの園はほぼ 100%に近い数字の自己資本比率であると。保有して いる財産の総額は 150億円ほどで、その 150億円のほとんどがあの広大な土地及びその 設備であるということになっております。そういう意味では、いわゆる借金のない経営 であろうと。当然、そうあるべきだと思いますが。  そして、この 150億円というのは政府が出資をしておりますから、 150億円の中の建 物部分について減価償却を行うわけですが、その減価償却費は、先ほどちょっと申し上 げたのですけれど、運営費の交付金の交付対象外でありますから、損益計算書において は減価償却費として出てきません。そういうちょっと特殊な処理を独法の場合はいたし ます。  もう一つ、補足情報の(6)に運営費交付金の収益の計上基準が費用進行基準というこ とで、これは福祉医療機構と同じ基準ですが、括弧書きで「運営費交付金債務を業務の ための支出額を限度として収益化する方法」ということなものですから、実はのぞみの 園の場合は最終損益が0になっています。現実にはそれ以上の額の運営費交付金を受け ているのですが、この費用進行基準をとっていますから、こういう数字になると。最終 損益が0になるというのは一般的には奇異な感じがするのですが、この計上基準によっ てそうならざるをえないという流れになるかと思います。  そして、一般管理費等の経費削減は、23億 4,000万円という経常費用に対して、簡単 に言うとほとんどすべてが対象になるような形になります。そこが福祉医療機構と非常 に大きく違う点でありまして、それはなぜかというと、逆に自己収入がほとんどないか らでありまして、先ほど損益計算書をご説明いただきましたように、23億 4,000万円の 中の15億円というのが運営費交付金で成り立っていますから、運営費交付金に対する依 存度が非常に高い。業務の性格からいって当然そうなるということでございます。  それから、セグメント情報というものをおつけいただきました。横表であります。こ れをごらんいただきますと、1つの例で申し上げると、左から2つ目の「知的障害者自 立支援等調査・研究」や、その右側の「知的障害者自立支援等情報提供」や「知的障害 者支援関係職員等養成研修」や「知的障害者支援関係施設援助・助言」といった業務に 関しては、ほとんど自己収入は存在していません。つまり、当然ですけれど、税金でや っていかざるをえない事業ということになります。  左側の施設運営に関しましては、支援費の収入がほぼ半分ぐらいの感じになっており ます。支援費に関する基準というのは、今回、参考資料3−2でいただきました。支援 費制度によるところの収入があると。それに対して附帯業務というものがございまし て、附帯業務は診療収入がございます。クリニックの部分のようであります。それに関 しては、参考資料3−1で診療部門の利用状況というデータもいただきました。附帯業 務に関しましては、診療収入が 3,890万円に対しまして、総額としてのコストが2億 8,700万円ということですので、残念ながら、ほとんど診療収入では賄えていないとい う状態になっていると。  それとは別に、約2億円ほどの法人としての共通コストがかかっていると。  こんな情勢がのぞみの園の状態でございます。  福祉医療機構と違いまして、のぞみの園は、規模的にもとても手づくりの規模で、金 額ベースでごらんいただいても目に入りやすい数字ということは、逆に言うと、読み込 みはしやすいので、いろいろな形でもって細かく議論をし始めるといろいろな議論があ るかと思うのですが、先ほどからお話のように、のぞみの園はもともと非常にいろいろ な問題を抱えているところで、たった半年の年度から経費の削減ですとか、そういうこ とをあまり細かくギシギシと議論していいのかどうかというのは、私自身もよくわかり ませんので、そういう観点からのコメントはとりあえず今年はあまりしないというスタ ンスで、状況の全体像だけを見ていただこうということで、資料を作っていただきまし た。 ○部会長  ありがとうございました。福祉医療機構とは全く違った性格のものでございますし、 規模も違います。そういう意味で、我々のほうも頭を切り替えて理解をしなければいけ ない部分が多いと思いますが、いみじくも今、石井委員がおっしゃいましたように、の ぞみの園の場合には、財務というよりは、むしろ業務そのものの内容の評価が重要にな ってくる分野ではなかろうかという気がいたします。  それにいたしましても、この財務に関しましてご質問やご意見がございましたらちょ うだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○宗林委員  基本的なことですが、この期間中に13%削減となってくるわけですが、その13%がか かるもともとの母数というのは、一般管理費なのか、その中の運営交付金に対してかか っているのか、どちらだったのでしょうか。というのは、先ほどの法人の場合ですと、 一般管理費等の経費削減に関する事項というのはみんな運営交付金だということで、運 営交付金の削減のことが書いてあったわけですが、のぞみの園のほうは、私の読み方が もし正しければ、人件費をすべて運営交付金で賄っていなくて、削減の対象になってい るのが人件費トータルではなく運営交付金の部分に対しての削減になっているような感 じがするのですが。  それから、石井先生の書かれたところの削減の数値に該当するところが、例えば資料 3−1ですと、14億 8,000万円という数字が来るのかなと思ったのですが、そこも削減 対象経費が15年度は15億 6,500万円というふうにも読めるのですが、その数値の関係を 教えていただけますでしょうか。 ○石井委員  まず、これは私が作ったのではなくて、私の質問に対する皆さんの回答ということで ありまして、まさにこういう議論をしていただくためにこの回答がどうしても必要だろ うと。見えないというのがありますので。それで、来年度からは、可能であれば、前回 やりましたこの評価の際に一緒にこれも出していただけないだろうかと。そうしない と、経費の削減率云々の議論をされたときに、財務数値が全く見えないところであの作 業をするのはしんどいなという観点から、今、資料3−3を見ていただいていますが、 その次の資料が私がお願いした依頼メモでありまして、それに対する回答をいただいた ということで。ですから、これは私が作ったものではありませんので。  それから、今お話がありました点との関連で、のぞみの園について一つだけ申し上げ るとすれば、先ほど座長もおっしゃったのですが、福祉医療機構は既存の事業を基本的 に継続することを前提のイメージでいろいろなことをされているのではないかと。した がって、事業をしなかったことによって結果的に経費が下がって、結果、赤字が減った ということに対する評価の議論があったのですが、のぞみの園は逆に、向こう何年間か の間に何十人かの方を削減という議論がありまして、規模の縮小がほとんど前提になっ ていて、この経費削減率の13.2%を評価するのか、福祉医療機構も同じように13%にな っていますが、これは同じ基準なのか。そして、先ほど宗林委員がおっしゃったよう に、もう一つの医薬品医療機器総合機構のほうは、逆に規模が拡大していく前提にある と。  そういう中で、全く同じようなイメージで客観的にやっているようだけれども、それ が確かに客観的基準なのかどうか。こういうあたりを見ていただきたくて両方に同じデ ータを作っていただいた、というのが私の意図でございます。 ○部会長  ありがとうございました。その点をよくわきまえながらご理解を進めていきたいと思 いますが、一番初めに宗林委員がおっしゃった点についてはいかがでしうか。13%の中 身についての考え方ですが。 ○のぞみの園理事  最初のご質問だけ私からお答え申し上げます。石井先生からもご指摘がありましたよ うに、私どもの財政の仕組みといいますのは、基本的にいわゆる収支差補助ということ であります。したがって、事業費、支出額から収入額を引いた分を交付金の対象とする という構造になっていることをまずご理解いただきたいと思います。  そして、削減対象経費はどのように決められているかということでありますが、石井 先生の資料を見ていただきたいと思いますけれど、一番下に一般管理費等の経費削減に 関する依頼事項という表がありますが、削減対象経費はすべて交付金の額であります。 先ほどちょっとご指摘がありましたけれど、地域移行を進める中で、収入のほうは減っ ていく。事業費、支出のほうは職員の人件費などがあるわけでして、それを簡単に例え ばリストラしてしまえばいいとか、そういう話にはならないわけでして、そこに節減努 力という要素が働いてくるかと思います。  そういう中で、ここの表の節減計画、シミュレーションというのは、地域移行をして いく人数をある程度頭に描きながら、収入も減させながら、支出の面でいえば給与水準 の見直しとかそういうことを考慮しながら、結果的に交付金を減らすと、こういう構図 で計算したものであります。 ○のぞみの園総合施設長  もう一点のご質問ですが、運営費交付金が、石井委員の資料ですと15億 6,500万円 で、財務諸表の中では14億 8,100万で、この階差ですが、これは実際に事業をやってい る上では、債務の中から収益化を図った運営費交付金については14億 8,100万円でござ います。15億 6,500万円というのは予算で交付決定された金額ですので、この差の 約 8,400万円ほどについては、流動負債の債務という形で残っております。そういうこ とでございます。 ○部会長  ありがとうございました。この問題について、事務局として何か述べておく必要はあ りませんか。例えば、13%の対象となるものが、ニュアンスとしてはそれぞれの独立行 政法人によって少しずつ違うような理解も可能なのですが、そのようなことについて何 かコメントはありませんか。 ○政策評価官  お手元の資料1−2(2)と資料1−3(2)に、それぞれの法人の「個別評価シート集約 版」というものがございます。その中での中期目標の中で今問題の部分が書かれており ますので、その表現を比較してみますと確かにちょっと違うのですが、まず、のぞみの 園について見ますと、5ページの一番左の中期目標の欄を見ていただきますと、業務運 営の効率化に伴う経費節減で、「一般管理費及び事業費等の経費(運営費交付金を充当 するもの)について、中期目標期間の最終年度(平成19年度)の額を、特殊法人の時 (平成14年度)に比べて13%以上節減すること」という表現になっております。  福祉医療機構につきましては、15ページですが、業務運営の効率化に伴う経費節減 で、「一般管理費、福祉保健医療情報サービス事業費等の経費においては、効率的な利 用に努め、平成16年度において追加される労災年金担保貸付事業にかかる部分を除き、 中期目標の期間の最終の事業年度において、平成14年度と比べて13%程度の額を節減す ること」という表現になっておりまして、中期計画上もそのような記述になっていて、 これに対しての進捗状況ということでの評価と理解しております。 ○部会長  ありがとうございました。ということで、宗林委員、おわかりいただけましたでしょ うか。 ○宗林委員  説明自体はわかったのですが、例えば、人件費とか一般管理費が大量にかかっていて も、運営交付金をその中でどのくらい充当するかによって、その部分だけを削減してい けばいいというイメージなのか、それとも、一般管理費等の部分について全体に対して 削減をしていくことが、独立行政法人の今回の削減ということなのか、よくわからなか ったものですから。 ○部会長  なるほど。この点については、石井委員、あるいは管理運営のご専門でいらっしゃる 先生方、どのようにご理解なさいますか。 ○石井委員  私もそこがよくわからないので、今回、こういう質問書を出させていただいて回答を いただいたというのが本音でありまして、確かにこのシートの集約版を拝見すると、13 %という言葉は同じなのですが、ベースになっているものはどうも微妙に異なるという のがありまして。ただ、それもどうも独立行政法人によって全く同じにすること自体も できないという要素があるのかなという感じはいたします。だからこそ、この評価委員 会がそれを見ていくということになるのかなとも考えております。 ○浅野委員  そのように考えますと、例えば、縮小していくところの金額と、これから医薬品医療 機器総合機構のように拡大していくようなところの金額とを、絶対額で同じ13%という 考え方にするよりも、減価の部分なので、一般管理費の率、管理比率ということで、比 率は削減していっているけれども、絶対額は増えている、そういう構造の組織もあるで しょうし、逆に絶対額が縮小しながら、ただし、その比率が一定に推移しているという ことなので、もしそうだとすると、3つの機関を同等に扱うとなると、絶対額ではなく て、比率という考え方を入れなければいけないのかなとも思うのですが。 ○部会長  確かに13%というのは、数ある独立行政法人に対して外から強制的に課せられてしま った数字ということになって、その対象となる内容については必ずしも一致していない だろうという気がいたしますけれど、このあたりは今後の大きな課題になるのでしょう ね。 ○のぞみの園理事  ちょっと補足させていただきたいのですが、縮小していく法人というご発言がありま したけれど、その縮小していくという部分は、自立支援の取組みを行いまして、入所機 能を縮小していくということについてはお説のとおりですが、ただし、私どももこれか らいろいろやるべき仕事がたくさんあります。調査・研究の部分とか養成研修、あるい は地域生活への支援とか、そういったことがありますので、総事業費自体は地域移行に 伴って大幅に縮小するとかという話ではありませんで、ほかにシフトしていくとか、そ ういうことを考えておりますので、ちょっと補足させていただきました。 ○部会長  そうですね。ただ、石井委員がそれを感じられたのは、今、運営費交付金の大部分が 施設運営に充当されていまして、その施設そのものの規模はこれから縮小していくとい うところを考えると、どうしてもああいう表現にならざるをえなかった部分もご理解い ただきたいと思います。しかし、あくまでものぞみの園全体を縮小するというふうに一 律に考えることは誤りですから、それは我々もよく理解したいと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○浅野委員  そうすると、例えば、今、一般管理費の経費を削減していくわけですけれど、事業は 推移していくということになると、現状で、こういう費用を縮小していくと、サービス の質が落ちてくるとか、あるいは外注業者さんの値段の安いところを選んだのだけれ ど、いまひとつ満足がいかないとか、あるいは若干リスクが増えてくるとか、逆に絶対 額を減らすこと自体がむしろ無理があって、サービスの質を維持するというところで限 界があるよといったことは、現状として起こりうるような兆しはないのでしょうか。大 丈夫なのでしょうか。 ○のぞみの園理事  非常に難しいご質問ですが、私どもの職員の大部分が入所機能を担当している指導員 であります。入所機能を縮小していくと、その人たちは地域における障害者たちの地域 生活を支援するためのサービス等に移っていくであろうと私どもは予測しているわけで すが、入所と通所という違いはあろうかと思いますが、ただし、知的障害者に対するサ ービスの内容については根本的に違うものではないと思いますので、質の低下は落ちる ものではないと私は思っております。 ○部会長  ありがとうございました。きょうはスタートから時間の使い方に無理がありまして、 時間を大分食い込んでおりますので、財務関係につきまして特に大きなご質問なりご意 見がなければ、次の問題に移りたいと思いますが、いかがでしょうか。  それでは、以上をもちまして、一応財務内容についての審議を終了させていただきた いと思います。なお、石井委員には、本日の審議を踏まえまして、両法人の財務諸表に 関する意見の案及び福祉医療機構の剰余金の使途に関する意見案についてご起草いただ きまして、次回はそれをもとにして審議をするという一応の予定を立てさせていただき ます。なお、これにつきましても、事務局には、起草作業に関しまして必要なご協力を ぜひお願いしておきたいと思います。  それでは、きょうは10分以上遅れて始まりましたので、申しわけありませんが、10分 程度は予定が食い込むかもしれませんが、おつき合いいただきたいと思います。  それでは、総合評価のためのフリートーキングという形で時間をとっておりますが、 このフリートーキングを進めるに当たりまして、事務局から一応の考え方をご説明いた だきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○政策評価官  それでは、お手元の資料についてご説明いたします。前回までにご記入いただきまし た個別の評価シート、ご自身で記入されたものの写しが、A3版でお手元にあると思い ます。本日のご議論を踏まえて修正が必要とご判断の場合には、赤鉛筆でそこに記入し ていただきたいと存じます。  それから、資料1−1として、マトリックスになっている資料がございます。これは 各委員の評価結果の集計表でございます。委員のお名前につきましては、ほかの委員の どなたがお書きになったかがわからない形で名前を消しているものをそれぞれの委員に はお配りしてございます。本日はこの集計結果に基づいてフリートーキングをお願いし て、そこでの論点を踏まえて起草委員に総合的評価書の案の作成に入っていただきたい と考えております。  また、事務局におきまして、総合的評価書案の作成に資するものとして、今まで委員 の皆様に個別項目の中でコメントしていただいた事項の中から、論点と思われる点を整 理いたしまして、総合的評価の骨子案ということで、各法人につきまして資料1−2 (1)、資料1−3(1)ということで、縦長の資料を用意しております。特にこれにこだわ っていただく必要はありませんが、このご議論の一助となればということで、たたき台 として用意したものでございます。  資料につきましては以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。そういたしますと、事務的なお話になりますが、本日のこ の会議で、作業としては、修正すべきものがあったら修正をお願いしたいというのが事 務局の希望でございますが、そのような作業をおやりいただけるかどうか、先生方、い かがでしょうか。 ○川原委員  できれば修正をさせていただければと思います。 ○部会長  それでは、時間の許す限りご修正をいただくということで進めさせていただきます。 なお、この骨子案につきましては、総合的な評価に当たっての一つの考え方を事務局と して今までの議論を整理してくださったということですね。 ○政策評価官  はい、さようでございます。個別評価シートの右下の欄に委員の皆様のコメントを書 いていただきました。それを整理したものでございます。 ○部会長  では、これについて今ここで議論をするというよりは、事務局としての予定は、フリ ートーキングをして、もう一つは修正すべきものを修正していただいて、きょうは終わ るという形をとってよろしいですね。 ○政策評価官  はい、それでお願いいたします。 ○部会長  それでは、フリートーキングをする間にも修正する作業をお進めいただいて結構です が、何でも結構ですので、今までの議論の中でぜひこういった場で議論をしておきたい ものがございましたら、お願いしたいと思います。それはこの会議が始まる前に私ども が非公式にいろいろ打ち合わせた点に関係するものも多いと思いますが、そういったこ とを踏まえて、ご質問なりご意見をいただければありがたいと思います。 ○遠藤委員  質問になるかと思いますが、私の理解が不十分なところがありまして。財務の報告を いただいたわけですけれど、この財務についてどういう視点で評価をするのでしょう か。つまり、個別に何か財務の項目を評価するという作業があるのか、そうではなく、 総合評価の中で財務も交えて評価をしようとすることなのか。本日の財務のご説明をど う評価に反映していいか、私の理解が足りないところがあったものですから、そこを確 認したいと思います。 ○政策評価官  総合的評価の中のフリートーキングですので本日の財務に関する議論も含めて総合的 評価をしていただくということでございます。 ○遠藤委員  わかりました。 ○部会長  なかなか難しい課題になりますが、そのようにご理解をいただきたいと思います。 ○宗林委員  この個別評価の修正はきょうこの時間のみという理解でよろしいでしょうか。 ○部会長  いかがでしょう。今回の個別な評価については、今回をもって一応それぞれの委員の 意見としてそちらがお受けとめになるかどうかということですが。 ○政策評価官  事務局といたしましては、本日できるものであればお願いしたいと思いますけれど、 これからのご議論や先生方のご判断によっては後日ということでも結構でございます が。 ○部会長  場合によると、修正するチャンスをもう一回設けるかもしれないということですが、 ぜひそのあたりのフリートーキングをお願いしたいと思います。評価の仕方について 我々は非常に難しさを感じ、そして責任を感じておりますので、可能な限り客観性のあ る、あるいは正当性の高い評価をしたいと皆さんが思っておられますので、そのために 何かご提案があればお出しいただきたいと思います。 ○遠藤委員  この自己評価のときに、のぞみの園の自己評価の際に、客観的なデータがないものに ついてはかなりいいと自己評価をされていても、あえて低い自己評価をつけられたとい うことが印象に残っているわけでありますが、福祉医療機構の場合は、定性的なもので あっても高い評価を自己評価としてつけているというところがありまして、定量的に測 れるのか測れないのかというところで、一つの評価の基準を考えるということも重要か なと思います。つまり、定性的なものだけで非常に高い評価をつけるというのは、外部 からはなかなか判断できない話ですから、難しいのかなという感じがいたします。 ○部会長  そうですね。それと、宗林委員がおっしゃいましたが、基準というのは、通常、望ま しい運営だったというのはどこなのかというのを、Bではないかというご意見がありま したね。そのあたりについてはいかがでしょうか。 ○宗林委員  私自身の考えというよりも、評価官室のほうから出ている記号と言葉の意味を単純に 受け取りますと、そのようにしか読めないのではないと私は理解したんです。もしそれ が大きく違うようであれば修正していただきたいのですが、もしそのままであれば、概 ね達成している場合にBということであれば、それをベースに持ってこの評価の基準の 記号を変えたほうがいいかなと改めて思ったものですから。その辺はいかがでしょう か。私自身の考えというわけではありません。 ○部会長  そんなご意見があって、これについては一度事務局と私の間でも協議をしなければい けませんし、また、場合によると経営という問題から見て、これから我々は3つの独立 行政法人を評価させていただくわけですが、それらを同じ物差しでやっていいのか、あ るいはむしろ別々にして、お互いにほかの法人との比較はせずにそれぞれやって、総合 評価ではできるだけ法人の特殊性を強調し、そして素直に評価をした形をとったほうが いいのか。そのあたりも今後の課題ではあろうかと思います。  皆さんの先ほどのご意見を聞いておりますと、3つの法人を全部横並びで同じような 物差しを当ててやるのは無理ではないかと。あまりにも違う性格のものであり、事情が 違うのではないかということもおっしゃったように思います。そのあたりについて、い かがでしょう。 ○部会長代理  全くそのとおりだと思います。この3つは全く違うわけですから、今、部会長がおっ しゃったように、3つの法人がお互いにセパレートした視野から評価されるべき問題だ と思います。ですから、単なる収益の問題とか、そういうこともそれぞれ全部違うわけ ですし、私はそれしかむしろ評価方法がないのではないかと。この3つの法人を同じ目 で見ているということ自体がそもそも不可能ではないかと思います。ましてや、その結 果を横並びで、Aの法人はよかったよ、BはAに比べて悪いよと、そういう比較論には 走らないほうがよろしいだろうと私は思います。 ○部会長  ありがとうございます。それぞれの委員のお気持ちとしては、いかがでしょうか。 ○川原委員  私も今の小林先生のおっしゃったことに全く同感です。というのは、それぞれの独立 行政法人の特性というものがまずあるということですね。したがって、それぞれの特性 を踏まえた上でそれぞれが評価していく。ですから、私はあえて修正させていただきま すと言ったのは、今こうやっていろいろお話を伺ってみると、前回評価したことが、無 理して合わせてしまったがゆえに正当な評価がされなかったという反省点から、実は私 はそう申し上げたわけです。したがって、個々の独立行政法人については、それぞれの 個別の理由というものを考慮しながら評価する、それ以外に方法がないというのは私も 同じ意見です。 ○浅野委員  私も、ほとんど小林先生並びに川原先生のご意見と同感でございまして、個別ベース で評価、議論するしかないということと、今回はたまたま一時点のデータが2つそろう わけですが、それによってどうしても2つの議論が一緒になってしまうということです が、それぞれの評価の出発点を定めただけだと。むしろ今後、回を重ねることによっ て、経時的な変化を我々のほうで評価していこうというほうが妥当なのではないかなと 思います。  それから、例えば、さっき言った一般管理費のお金についても、削減目標が出ていま すから、額として削減できているのか、場合によっては、もしかすると規模が拡大して 事業費が大きくなりますから、そうすると一般管理費は絶対額が増えてくるわけです ね。そうすると、比率は増えていなければ問題ないとか、そういう議論になるべきなの かなと感じております。 ○部会長  お三人の方はそういうふうにおっしゃっていただきましたが、ほかの委員の方で、そ れとは異なる立場でご意見はございましょうか。 ○山崎委員  異なるというのではないのですが、それぞれの特性があって評価をされていると思う のですけれど、例えばやはり気になりますのは、この場合ではないのですが、組織に対 して非常に自己防衛的な方々の集団が割と多ければ、総得点の自己評価が上がりぎみに なりますし、非常に抑制的というところになると自己評価が低くなると、定性的な評価 の場合にはどうしてもそういうことが起こりがちになりますね。それを私たちはなかな か見抜けないといいますか、どこをスタンダードにしながらそれをなさっているのかと いうのがわかりにくい。  評価の基準はここに定められたような中長期的な計画を一つの基準にして、それを上 回っているか下回っているかという判断基準だけなんですよね。そうすると、そこのと ころの質の解析をしなければいけないのですが、そこに入っていくときの入り方が非常 にわかりにくいといいますか、これを今後どのようにして客観的な評価に向けられるの かとかというのがやはり残りまして、非常に迷います。  一つの例で言いますと、のぞみの園の場合、入所型の施設は縮小の方向に向かいなが ら、知的障害者の地域の生活を支援していくとか、現場の方々の研修を強化していくと いうように、シフトが根本的に変わっていこうとする業務の場合ですと、例えば、実習 生の受入れの負担金収入というところが 117万円ぐらいと非常に少額なんですね。しか も、それらはほかのこの項目の中からではなくて、附帯業務の中に入れられてしまって いて、そちらのほうにシフトしようとしていれば、そういう目の立て方をしておいて、 そこが例えば評価の判断基準になるとか、それから、福祉医療機構ですと、法人全体の 中での人事の評価をなさるときに、これは厚生労働省関係では初めての導入でしたとい うご発言を賜ったと思いますが、そうすると、パイオニア的な役割をとられるとそれは 高くなるとか、そういう非常に判断のしにくい要素がたくさん入ってきてしまうんです ね。  そういうときには、何か特記したような形の編成があるとわかりやすくなるのではな いかなと思いながら、非常に迷います。 ○部会長  今、山崎先生がおっしゃったのは、それだからこそ、それぞれの法人を個別化して評 価をするように持っていったほうがいいだろうということと、もう一つは、いみじくも おっしゃいましたが、我々委員のほうは、自己評価にかなり誘導される危険を持ってい るという事柄もあるんですね。殊によると、自己評価のほうにもある一定の考え方のよ うなものを持ってもらったほうがいいのではないかという可能性も示唆したような気が いたします。  それから、今ご指摘ののぞみの園のように、本来の機能を大きく変えながら評価を受 けようとするときには、その内容をちゃんと見極めないと、例えば、施設入所のほうに 対する金額は非常に高いものがありますが、地域生活支援のほうのお金は決して高くは ない。しかし、金額で評価してはならないものを持っている。こういう部分について忘 れてはいけないということをおっしゃったと思います。  そういうことを今後考えていきますと、こういう本式の会議とは別に、事務局サイド と私どもがいろいろ意見交換をしながら、一定の方向を一生懸命準備をしてはこういう 会議に臨まないと、なかなか事が進まないような気がいたしますので、これからまた事 務局ともいろいろご相談をさせていただきたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○部会長代理  今、先生がおっしゃったことはまさにそのとおりなのですが、その延長線上でもっと 具体的にわかりやすく申しますと、今、のぞみの園のお話が出ていましたから、資料で 評価の項目を見ると、例えば5番目に合理化の推進、外部委託の拡大、競争入札の実施 という項目がございますね。そして、我々の経験もそうなのですが、ああいう特殊の施 設に競争入札とか外部委託とかと、一般の会社や病院のようにはいかないことがよくあ るわけです。そういうことを裏に置いて評価しないと、これはできない問題だろうと思 います。例えば、仮に福祉医療機構が食事をするのに外部委託を推進するのとはわけが 違うと思います。  それから、6番目でもそのとおりですが、自立支援のための取組みなんて、こんなの は難しい半永久的な問題だろうと私は思います。要するに、重症心身児の方を社会に出 して、地域のいろいろなところに預けてということでしょうけれど、これも1年や2年 では絶対できないことだろうと私は思います。しかし、今回、のぞみの園の報告書を見 てみれば、かなりこの点に力を入れているわけですね。ところが、成果は数値としては 上がっていない。けれど、やはり力の入れ方ということをものすごい努力をして、1人 行くか、2人行くかということだろうと思います。だから、 500人いれば何十年もかか る事業だと思いますが、そういう個々の背景をよく考えて評価するべきだろうと思いま す。  だから、この項目だってそれぞれ違うけれど、その課せられた施設の背景というもの を考えないと、一様にはいかない。それがさらに独立した評価でなければならないとい う点になろうかと私は思います。もう個々に上げればきりがないんですが。 ○部会長  そういう意味では、福祉医療機構についても、あるいはのぞみの園についても、私ど もがそれぞれの独立行政法人を善意を持って、そして肯定的にとらえながら厳しく評価 をする、そういうものが要求されるのだろうと思います。 ○部会長代理  いえ、厳しくなくてもいいんです(笑)。正当にでいいんです。 ○部会長  ただ、独立行政法人としては、将来の姿も一つは求められているものですから、そう いう点は確かにおっしゃるとおりだと思います。  いずれにしても、そういうご意見が強いようですので、私どもとしては、事務局とよ く相談をしながら、それぞれの法人について独自な理解と評価をするような、そういう 前提を持ちたいと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○浅野委員  福祉医療機構の理念といいますか、今後の方向性にかかわることをお伺いしたいので すが。といいますのは、一つには、金融機関という性格を持つとすると、今後、財務安 全性を高めていくという方向があると思います。そうすると、自己資本を高めていった り、あるいは一般勘定である融資業務で収益を上げるように、言ってみれば融資先を優 良なところとか事業採算性がとれるところに持っていくといった方向性をとるというこ とも考えられると思います。  ところが、福祉医療機構の性格を考えれば、政策融資であるとか、厚労省の医療政策 ということから、平等あるいは公平性の医療を推進するという立場からすると、経営的 に難しい面は抱えているけれども、地域医療の面では重要だとか、そういったことで融 資という面では非常に不利になる場合もあるところにも融資していくと。  そうすると、財務安全性を優先するということになると、そういうところにはできな い。公共性を優先した金融機関ということを優先するとするならば、財務安全性は犠牲 になっていくこともやむをえないと考えるべきなのか。その辺のバランスというのはど のように考えていったらいいのか。それに対して我々はどういう評価をすべきなのかな というところでちょっと悩むところがあるので、その辺について参考になるような意見 をいただければなと思います。 ○福祉医療機構企画指導部長  難しい問題でございますけれど、私どもは福祉医療機構の存在意義というものを考え ますと、やはりそれは政策との絡みであり、政策金融機関であるということが本質だろ うと思います。したがいまして、財務の安全性も見なければいけませんけれど、特に中 小の福祉施設なり病院というものがメインでございますので、それの発展、福祉、幸福 の向上を図るということを基本にしつつ、とは言いながら、交付金も入っておりますの で、そこはリスク管理をきめ細かくしていくということも、今やっておりますけれど、 やりながら、財務の安全性にも配慮していくということになっていくのではないかなと 思っております。 ○浅野委員  ですから、どちらに偏るということではなく、バランスのとれた配分ということにな るのでしょうね。そういう方向性で評価していただきたいと思います。わかりました。 ○部会長  ほかにいかがでしょうか。修正作業を進めながらのフリートーキングはなかなか厳し いかもしれませんが。 ○遠藤委員  総合評価というのはどのようにしてやっていくことになるのでしょうか。 ○部会長  起草委員が中心になって案を作って、ここに提出させていただくという形をとりま す。 ○部会長代理  起草委員の書かれたものは、ここで一回討議されるわけですね。そして、全体として まとまったものにするということですね。 ○部会長  はい、そういうことになります。そういうことでよろしゅうございますか。 ○白石委員  その総合評価をするのは、来週のこの部会までに考えて、作業を終了させておくとい うことでしょうか。 ○政策評価官  はい、来週の部会のときに各起草委員からの案という形で出していただいて、それを そこで議論して決めていただきたいという考え方でございます。 ○部会長  事務局と起草委員はかなりしんどい作業になりますね。 ○大石委員  起草委員の方同士のディスカッションの場というのはないのですか。 ○部会長  それは作ったほうがいいでしょうね。かなり議論をしないと。 ○部会長代理  それは絶対に作るべきですよ。 ○遠藤委員  これだけまとまっていない段階で、突然、起草委員といっても、その打合せすらして いない段階で決めるというのは非常に危険ですね。 ○白石委員  あわせて、総合評価はどのくらいの分量を……。 ○部会長  取り扱いの細かさがどの程度なのか、それも事務局として腹案がありましたら教えて ください。 ○政策評価官  例えば、今、手元にございますのは、ある独立行政法人の評価結果ですが、総合的評 価ということで、A4版で4枚半ぐらいの分量の文章が評価結果となっておりまして、 その後ろに、本日お手元にお配りしております評価シートが添付されるといった形態の ものでございます。 ○部会長  そうしますと、今、期せずして多くの方がおっしゃいましたが、いわゆる起草委員の 会合を開いたほうがいいと思うのですけれど、これは時間的あるいは物理的な環境があ りますか。 ○政策評価官  午前中の調査研究部会でも、何人かの先生方からはそういう必要があるというお話で したが、結局、皆様ご予定もいろいろ詰まっておられて、実際上、1カ所に集まるのが 難しいということで、午前中の調査研究部会はメールでのやりとりでご相談いただくと いうことになっております。それで、大変短時間で無理なお願いをしているとは思いま すが、もしご都合がつけば当然結構でございます。 ○部会長  私も含めてですが、この2つの独立行政法人についてはかなりディスカッションをし ながら評価を下すべき、あるいは一応の方向性を出すべき部分が多いように思います。 そのことを皆さんおっしゃったために、ちょっとディスカッションをしたいということ でございましたが。 ○政策評価官  それでは、いずれにしましても、こちらで皆様方の日程をお伺いいたしまして、もし セットできるものであれば、時間と場所を調整させていただいて、その結果を見てとい うことでもよろしゅうございますでしょうか。 ○部会長  来週の会議はいつでしたか。 ○政策評価官  18日でございます。 ○部会長  そうすると、その前にとれる日にちと時間を見つけてもらわなければいけませんね。 2つに分かれてやっていいんですね。 ○政策評価官  はい、そうでございます。 ○部会長  起草委員の割振りを披露いただけますか。 ○政策評価官  福祉医療機構のご担当が、遠藤委員、川原委員、橋本委員、山崎委員の4人でいらっ しゃいます。のぞみの園のご担当が、岡田委員、白石委員、山村委員の3人でいらっし ゃいます。 ○部会長  それでは、その4人と3人は後でご相談させてください。そして、日時がとれたらと っていただくように、これは部会長から改めてお願いいたします。  そのほかにいかがでしょうか。 ○浅野委員  分量は今ご説明がありましたが、総合評価書の様式というのは、このいただいており ます各事業年度の総合評価の骨子案という、そこにある題目がほぼその様式に当たるわ けでしょうか。例えば、15年度の業務実績について法人の沿革、目的とか、業務実績全 般の評価、具体的な評価内容など、箇条書きで項目が出ていますが、こんな流れを想定 すればよろしいということでしょうか。あるいはもっとフリーにというか。 ○政策評価官  きょうお配りしているものでも項目がちょっと違っておりますし、今手元にある昨年 のものですと、まず評価の視点がございまして、その上で14年度の業務全般の評価とい うことで、具体的な効率化について、あるいはサービスの向上について、財務内容の改 善についての3点について文章を起こしていただいているということですので、その辺 はある程度幅があるものと思っております。 ○部会長  ほかにどうでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、目前に具体的な作業が迫ってきておりますので、議論は尽きないかもしれ ませんが、本日の予定時間が過ぎておりますので、これで終わりたいと思いますけれ ど、事務局サイドからのご説明は何かありますか。評価官としてのご説明をいただきま しょうか。 ○政策評価官  本日たくさんご指摘やご意見を賜りまして、ありがとうございました。事務局として 準備不十分で申しわけないと思っておりますが、部会長とご相談させていただきまし て、よい評価ができますように、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。 ○部会長  それで、きょう修正していただいたものを出していただきますが、その取扱いについ てはまた相談をしながら進めさせていただきます。もう一回評価のチャンスを与えるべ きかもしれませんので、その可能性も含めて、後で事務局とも打合せをさせていただき たいと思います。  それでは、起草作業については後で関係者の日程を定めますが、きょうの議論はこれ で終わりたいと思います。  次回について、何かご説明はございますか。 ○事務局  それでは、次回についてご案内を申し上げます。次回、第12回の医療・福祉部会でご ざいますが、8月18日・水曜日、13時30分から、本日と同様この会議室で開催させてい ただきます。ただいまご案内を配付させていただいておりますので、よろしくお願いい たします。なお、その封筒の中でございますが、ご出欠等の確認についての用紙が入っ てございますので、ご記入をいただければ幸いでございます。 ○部会長  それでは、本日は大変長時間、そして時間も遅くなりましてご迷惑をおかけいたしま したが、これをもちまして今回の11回の会議を終わりたいと思います。来週またお目に かかることになります。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。                                     −了− 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)