04/07/28 薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会 平成16年7月28日議事録 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会 議事録 1.日時及び場所   平成16年7月28日(水) 10:00〜   レベル21東京會舘 シルバールーム 2.出席委員(13名)五十音順    青 柳 伸 男、◎石 橋 康 正、 板 倉 ゆか子、 岩 月   進、    太 田   宏、 荻 原 幸 夫、 小宮山 貴 子、 長 尾   拓、    松 尾 宣 武、 松 木 則 夫、 桃 井 真理子、 山 本 信 夫、    山 元   弘 (注) ◎部会長   欠席委員(3名)五十音順    武 政 文 彦、 野 中   博、 望 月 眞 弓 3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、    岸 田 修 一(審査管理課長)、   豊 島   聰(医薬品医療機器総合機構審査センター長) 、   揚 松 龍 治(医薬品医療機器総合機構審議役)  他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点から非公開で開催された。 ○事務局 定刻になりましたので、ただいまから一般用医薬品部会を開催させていただ きます。現在のところ当部会委員数16名のうち11名の御出席を頂いておりますので、 定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。本日は委員の先生方におかれまし ては、大変お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。  7月23日付けで事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。黒川審議 官でございます。川原審査管理課長でございます。また、総合機構でも人事異動がござ いました。揚松審議役でございます。まず最初に黒川審議官よりごあいさつさせていた だきます。 ○審議官 平成16年7月23日より医薬担当審議官に着任いたしました黒川でございま す。本日は先生方には大変お忙しい中一般用医薬品部会に御出席いただきまして、誠に ありがとうございます。委員の皆様には日ごろより医薬安全行政に御理解とお力添えを 頂いておりまして、重ねて厚く御礼申し上げます。  御案内のとおり、近年国民の健康に対する意識の高まりを背景に、一般用医薬品の安 全性などに対する国民の関心はますます大きなものとなっております。同時に科学技術 の進歩、国際流通の進展など、医薬安全行政を取り巻く環境も大きく変化しつつありま す。このような医薬品を取り巻く状況の変化に適切にタイムリーに対応し、更なる医薬 安全行政の充実のため、薬事法改正、この施行については薬事法施行規則が本年7月9 日に公布されまして、来年4月1日に施行することとしております。また、平成15年6 月27日でございますが、閣議決定、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」 を受けまして、同年9月に「医薬品のうち安全上特に問題がないものの選定に関する検 討会」が設置され、一般用医薬品のうち安全性上特に問題がないものの選定結果が取り まとめられました。今般これらの一般用医薬品を医薬部外品へ移行することといたしま して関係法令を整備し、本年7月30日より施行することとしております。  一般用医薬品は国民にとりまして大変身近なものであります。安全性や品質の面でも 国民の関心が高いということでございまして、技術開発の進展、安全性確保への関心の 高まり、企業構造の多様化、行政改革や規制緩和に向けました社会的な要請、こういっ たものを踏まえまして私どもも更に迅速に努力してまいりたいと思っております。  本日は審議事項1議題、報告事項2議題となっておりますが、委員の皆様におかれま しては、薬事・食品衛生審議会に対する国民の厚い信頼に応えるべく、それぞれの御専 門分野における最新の科学的知見や豊かな御経験、御見識を基に厳正な御意見を頂きま すようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。どうぞよろしくお願いい たします。 ○事務局 ありがとうございました。委員の交替がございましたので、御紹介いたしま す。社団法人日本医師会の西島英利先生に替わりまして、社団法人日本医師会の野中博 先生でございますが、本日は御欠席でございます。なお、東和薬局の武政文彦先生、自 治医科大学小児科学教授の桃井真理子先生、それと先ほどの野中先生におかれましては、 御欠席の御連絡を頂いております。また、北里大学の望月眞弓先生におかれましては、 少し遅れるとの御連絡を頂いております。それでは石橋部会長、以後の議事進行をよろ しくお願いいたします。 ○石橋部会長 それでは本日の議題に入りたいと思います。まずは事務局から配付資料 の確認をお願いいたします。事務局、よろしくお願いします。 ○事務局 本日の資料といたしましては、事前に先生方に資料1〜3を送付させていた だいておりますが、当日配付資料についてはお手元に御用意させていただきました。ま ずは議事次第、座席表、委員名簿。これに続きまして審議事項として資料1の医薬品等 の製造承認の可否及び劇薬の指定についてですが、資料1-1がパンダック、資料1-2が ダニキンチョールB、資料1-3がアースくん蒸剤M、資料1-4がダニアースレッドM、 資料1-5がダニアースMでございます。次に報告事項といたしまして、資料2の配置販 売品目指定基準の一部を改訂する件についてでございます。次に資料3の一般用医薬品 承認状況の報告、医薬品アルガードCT鼻炎内服薬ほか4品目の製造承認の可否につい てでございます。当日配付資料といたしまして、資料1-0の「アミドフルメト原体及び 製剤の概要」という二枚紙でございます。それから資料4でございますが、「『安全上 特に問題がない』ものの一般小売店での販売について」でございます。以上が本日の資 料でございます。資料に不足等がございましたら、事務局の方にお申し付けください。 よろしいでしょうか。それでは部会長、進行の方をよろしくお願いいたします。 ○石橋部会長 それでは議事に入りたいと思いますが、本日はお手元の議事次第にもあ りますように審議事項が一つと報告事項が二つ、その他となっております。まずは審議 事項の議題1、医薬品等の製造承認の可否及び劇薬の指定について、事務局から御説明 をお願いいたします。 ○機構 それでは本日の議題1に関しまして、総合機構から審査の概要について御報告 いたします。議題1では議事次第に掲げておりますとおり医薬品パンダック以下5品目 の審議をお願いいたします。いずれも殺虫剤でございます。最初にこの5品目について 簡単に御説明させていただきたいと思いますので、資料1-0を御覧願います。いずれの 品目もその表の有効成分欄にございますアミドフルメトという成分を配合しております が、このアミドフルメトというのが新規の有効成分でございます。一番上の段の販売名 パンダックというのがアミドフルメトの原体でございます。二番目のアースくん蒸剤M 以下2ページにわたりまして4品目がアミドフルメトを配合する製剤でございます。そ れぞれの特徴としましては、アースくん蒸剤Mというのが霧状に部屋全体に蒸散させる ものでございます。三番目のダニアースレッドMはくん煙剤でございまして、煙により 部屋全体に殺虫成分を適用させるものです。これらの製剤は一気に大量の薬剤を噴出す ることから医薬品として申請されております。次のページでございますが、四番目のダ ニキンチョールB、五番目のダニアースMはいずれも害虫あるいは畳やカーペットなど に適量を噴霧するエアゾール剤でございまして、これらは二番目、三番目と異なり適量 を噴霧することから医薬部外品として申請されております。これらの医薬品、医薬部外 品の取扱いについては従来どおりとなっております。  アミドフルメトはダニ専用の殺虫成分として開発されたものでございまして、製剤で あるアースくん蒸剤M以下の4品目はいずれも効能・効果にダニの駆除が掲げられてお ります。また、アースくん蒸剤M、ダニアースレッドM、ダニアースMについてはアミ ドフルメトのほかに、ゴキブリ、ノミ、ハエ、蚊などに効力の認められているフェノト リン、メトキサジアゾンを配合した製剤でございます。毒性量のところを御覧いただき たいのですが、ラットの経口投与で比較しますとアミドフルメトは概略の致死量が雄で 100〜200mg/kg、雌で100〜140mg/kgでございまして、劇薬に該当するものと判断してお ります。製剤については、アミドフルメトが噴射剤等で希釈されるということもござい まして、LD50又は概略の致死量はこの表にお示ししたとおりになっております。安全 性試験及び有効性試験については、審査報告書に即して御報告したいと思います。  それでは資料1-1のパンダックについて審査報告書に沿って御説明いたします。2ペ ージでございます。販売名パンダック、一般名アミドフルメト、申請者名セントラル硝 子株式会社で、殺虫剤の原体であることから、効能・効果、用法・用量共に、「殺虫剤 の製剤原料として使用する。」となっております。本品目については専門協議における 専門委員の御意見を踏まえ、審査センター及び本年度からは総合機構において審査がな されております。  まず「イ.起原又は発見の経緯及び外国における使用状況等に関する資料」についてで ございますが、アミドフルメトは安息香酸にスルホンアミド基が結合したもので、従来 の殺虫剤にない化学構造でございまして、トリフルオロメタンスルホンアミド系の新規 の殺虫剤原体でございます。従来のダニの殺虫剤は主としてハエ、蚊、ゴキブリ用に効 果を有するものをダニに適用されておりましたが、本品はダニ専用の殺虫剤原体として 開発されたものであり、既存の殺虫剤と比較し高い殺ダニ効果を有することが示唆され た成分でございます。本品の主要な作用機序は酸化的リン酸化の脱共役作用による呼吸 阻害と申請者により推定されております。なお、本品の海外における使用実績はござい ません。  「ロ.物理的化学的性質並びに規格及び試験方法等に関する資料」については特に問題 はありませんが、規格の記載に整備が必要な箇所がございましたので記載の整備を求め、 申請者により適切に整備されたことを確認しております。  続きまして「ハ.安定性に関する資料」でございますが、提出された資料から温度、湿 度及び光に対する苛酷試験、加速試験及び長期保存試験が実施され、その結果36か月安 定であることが確認されております。  3ページの「ニ.毒性に関する資料」でございますが、本成分の安全性についてはそこ に掲げておりますとおり単回投与毒性試験としてはラット(経口・経皮・吸入)、イヌ(経 口)、反復投与毒性試験としてラット経口(1か月)、ラット吸入(28日)、イヌ経口(90 日)、ラット経口(6か月)、生殖発生毒性試験としてラットでの受胎能及び着床までの初 期胚に関する試験、ラット・ウサギを用いた胚・胎児への影響に関する試験、ラットで の出生前及び出生後の発生並びに母動物の機能に関する試験が行われております。抗原 性試験としてはモルモットによる全身アナフィラキシー、皮膚感作性試験が行われてお ります。刺激性試験としてはウサギを用いた皮膚及び眼刺激性試験が、遺伝毒性試験と しては復帰変異、染色体異常、小核試験が実施されております。そのほかコイを用いた 魚毒性試験が行われております。これらの毒性試験の結果については特段の問題はござ いませんでしたが、審査センターからはラットとイヌの反復投与毒性試験で認められた 血球系に対する影響、またイヌの反復投与毒性試験で第II度房室ブロックが認められた ことについて申請者に考察を求め、提出されました回答について了承しております。  4ページの「ホ.薬理作用に関する資料」でございます。屋内塵性ダニに対して基礎効 力試験として、残渣接触試験(クリップ法)、培地混入試験、エアゾールによる直撃噴霧 試験及び噴霧降下試験、チャンバー内噴霧試験及びくん煙試験、カーペットを用いたシ ート試験が実施されております。また、準実地効力試験としてエアゾール剤の畳及びカ ーペットを用いた試験が実施されております。また、チャバネゴキブリ、イエバエ及び アカイエカに対して微量滴下試験(局所施用法)、ネコノミに対して残渣接触試験(ろ紙接 触法)が実施されておりますが、これらの試験の対照薬剤としては殺ダニ効力を有する製 剤に使用されている既承認の成分でございますフェノトリン又はフェニトロチオンが用 いられており、これらについてはチャバネゴキブリ、イエバエ、アカイエカ、ネコノミ の致死効力に対してはネコノミ以外は既承認品であるフェノトリンよりも劣っており、 逆に本成分がダニあるいはノミに選択された効果を有することが示されております。  5ページの中ほどの二段目ですが、審査センターは専門協議の結果を踏まえ、申請者 が本薬の作用機序として酸化的リン酸化の脱共役作用と推察しております作用につい て、その根拠及び本薬には脱共役作用以外の殺虫機序がないか説明を求めておりまして、 提出された回答について了承しております。  次に「へ.吸収・分布・代謝・排泄に関する資料」でございますが、これに関しては特 に問題はございませんでした。  6ページの「◎効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案)及びその設定根拠」でご ざいますが、本品目については殺虫剤の原料専用として製造されるものであるため、効 能・効果及び用法・用量についてはいずれも「殺虫剤の製剤原料として使用する。」と され、また使用上の注意(案)に関しては特に作成されておりません。  続きまして、製剤の4品目について御説明いたします。これらについてもいずれも専 門協議における専門委員の御意見を踏まえ、審査センター及び総合機構において審査が なされたものでございます。各製剤の大まかな特徴は先ほど御説明いたしましたので、 審査センター又は総合機構から指摘した事項について中心に御説明させていただきま す。  それでは資料1-2、販売名ダニキンチョールB、申請者名大日本除蟲菊株式会社の審 査結果について御説明いたします。審査報告書の3ページをお願いいたします。「ニ. 毒性に関する資料」でございますが、一番下の行からになります。審査センターはラッ トの単回強制経口投与試験において、脱毛が雌で3,460mg/kg、雄で4,500mg/kgから用 量に則して発生していることから、本製剤投与との関連性及び発生機序について考察を 求めました。申請者は、灯油を溶剤として配合していることから、本試験における脱毛 の発生はアミドフルメト原体ではなく、体内で吸収されずに排泄された灯油に起因する ものと考えられること。それと灯油については配合したエアゾール製剤はいずれも長年 の販売実績といいますか、既承認品も多数ございますので、安全性に関して何ら問題が 生じていないことから、本試験における脱毛症状の発現、本製剤の使用において安全性 上問題を生じるものではないという回答を得ておりまして、審査センターは申請者の回 答を了承しております。  6ページの「◎効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案)及びその設定根拠」に関 してでございますが、効力試験の結果及び同種同効品の記載を参考にして設定されてお りまして、いずれも妥当であろうと判断しております。 それでは次の品目に移らせていただきます。資料1-3、販売名アースくん蒸剤M、申 請者名アース製薬株式会社でございます。審査報告書の3ページをお願いいたします。 これもそれほどの問題ではございませんが、「ロ.物理的化学的性質並びに規格及び試験 方法等に関する資料」については特に問題はございませんでしたけれども、性状におい て淡黄色〜褐色と設定されておりまして、褐色を呈する場合に分解物が混入しているこ とも想定されたことから、褐色を呈する原因について説明を求めております。これにつ いても申請者から提出されました回答について了承いたしております。  続きまして4ページの「ニ.毒性に関する資料」でございます。これについては、全 体的に申し上げまして指摘した事項については確認のために行ったものと、それから今 後の申請も含めもう少し充実した試験を実施してほしいという指導を含めた照会を出し ております。こちらは指導に該当するものでございますが、吸入毒性試験における気中 濃度が実使用の範囲に設定されていたことから、実使用時の安全性は評価できるものの、 吸入毒性試験としては有害性が惹起される条件、実使用よりも高い濃度での毒性所見の 発現傾向を検討した実験が望ましいと考える旨を指導しております。その他は特段の問 題はございませんでした。  次に「ホ.薬理作用に関する資料」でございます。5ページの中ほどですが、審査セ ンターは専門協議の議論を踏まえ、本剤についてはダニの種類により殺虫効力に差が見 られ、イエダニに対する効力は基礎試験では既承認の成分のフェニトロチオンよりも劣 る結果が示されておりました。イエダニに対する効力を証明するために実地効力試験の 実施を求めましたところ、申請者側は実施してまいりまして、イエダニについては既承 認のアースくん蒸剤KJCと比較した試験をやっておりまして、同等以上の効果を示し ております。また、屋内塵性ダニ類に対する実地効力試験として、カーペット等を用い た試験についても実施するよう求めております。これについてもカーペット等を用いた 試験についてはヤケヒョウヒダニにおいて97.0%の致死率が得られ、実用場面において 有効性が示唆される結果であったとの回答を得ております。また、ピレスロイド抵抗性 チャバネゴキブリに対する効力について評価するよう求めました。申請者から、ピレス ロイド抵抗性チャバネゴキブリを用いた基礎効力試験を実施し、これについても既承認 のアースくん蒸剤KJCを対照薬剤としまして、同等の致死効力を有するという報告を 得ております。審査センターはこれらの回答を了承いたしております。  そのページの一番下の方になりますが、「◎効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案) 及びその設定根拠」に関してでございますけれども、効力試験の結果及び同種同効品の 記載を参考にして設定されておりまして、いずれも妥当であろうと判断しております。  続きまして次の品目でございます。資料1-4、販売名ダニアースレッドM、申請者名 アース製薬株式会社について御説明いたします。審査報告書の4ページをお願いいたし ます。「ニ.毒性に関する資料」でございますが、これについても先ほどの品目と同じア ース製薬が申請者ということがございまして、吸入毒性試験について実使用の範囲で行 われていたということから、実使用時の安全性は評価できるものでございますが、吸入 毒性試験としては有害性が惹起される条件を検討した実験が望ましいということで指導 しております。そのほかは特段の問題はございませんでした。  「ホ.薬理作用に関する資料」でございますが、5ページをお願いいたします。中ほど でございますが、アースくん蒸剤Mと同様に、審査センターは専門協議の議論を踏まえ、 ダニの種類により殺虫効力に差が見られ、イエダニに対する効力は基礎試験では既承認 のフェニトロチオンよりも劣る結果が示されていることから、イエダニに対する実地効 力試験の実施を求めております。これについても申請者は既承認のダニアースレッドa と比較しまして同等の効力が認められる報告を提出しております。また、屋内塵性ダニ 類に対する実地効力試験として、カーペット等を用いた試験の実施について求めており ます。これについても既承認のダニアースレッドaと比較しまして、ヤケヒョウヒダニ において試験を実施しておりまして、97.9%の致死率が得られております。審査センタ ーは実用場面における有効性を示唆する結果としてこれらの回答を了承しております。  「◎効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案)及びその設定根拠」に関してでござ いますが、効力試験の結果及び同種同効品の記載を参考にして設定されておりまして、 いずれも妥当であろうと判断しております。  それでは最後の品目でございます。資料1-5、販売名ダニアースM、申請者名アース 製薬株式会社について御説明いたします。これについても審査報告書の3ページをお願 いいたします。下の方になりますが、「ニ.毒性に関する資料」でございます。本剤は先 ほど御説明いたしました同時申請品目のアースくん蒸剤Mの6〜8畳用の66.7mL缶と1 缶中の有効成分含量が同一の製剤でございます。また液ガス比の組成から本製剤の原液 100mL中の有効成分濃度はアースくん蒸剤Mと比べ15分の1になっておりますので、製 剤の毒性もアースくん蒸剤Mの毒性試験成績から評価可能とし、本製剤での新たな試験 は実施されず、試験成績は提出されておりません。さらに、本製剤は一度に全量噴射す るアースくん蒸剤Mと違いまして、その都度適量を噴霧するエアゾール製剤でございま すので、また空間に散布するものではなく床面などに使用される製剤であることから、 ヒトが吸入し得る量は全量噴射製剤であるアースくん蒸剤Mより大幅に少ないと考えら れます。総合機構は、本剤に関する安全性については特に問題ないものと判断いたしま した。  次に4ページでございます。「ホ.薬理作用に関する資料」についてでございますが、 効力を裏付ける試験については既承認のダニアースJを対照製剤とし、屋内塵性ダニ類、 イエダニ及びネコノミに対する基礎効力試験並びに屋内塵性ダニ類に対する準実地効力 試験が実施されております。本品の効力はいずれの試験においても既承認のものと同等 又はそれ以上の効力が認められており、総合機構は特段の問題はないと判断いたしてお ります。  5ページをお願いいたします。「◎効能・効果、用法・用量、使用上の注意(案)及び その設定根拠」に関してでございますが、これについても効力試験の結果及び同種同効 品の記載を参考にして設定されておりまして、いずれも妥当であろうと判断しておりま す。  以上、提出された資料を踏まえまして、総合機構では原体であるパンダック、くん蒸 剤であるアースくん蒸剤M、くん煙剤であるダニアースレッドMの3品目については医 薬品として、また適量噴霧のエアゾール剤であるダニキンチョールB、ダニアースMの 2品目を医薬部外品として承認して差し支えないものと判断いたしております。なお、 原体であるアミドフルメトについては劇薬の指定が必要であり、また製剤の4品目につ いては劇薬には該当しないと考えられますので、アミドフルメトの劇薬の指定と同時に これらの製剤は劇薬の指定除外が必要と考えております。以上でございます。御審議の ほどよろしくお願いいたします。 ── 説明中、望月委員着席 ── ○石橋部会長 どうもありがとうございました。ただいま細かく御説明がございました が、何かございますか。どうぞ、長尾先生。 ○長尾委員 原体についてですが、資料1-1の審査報告書のイのところに「殺ダニ効果 を有することが示唆された」と書いてありますけれども、要するにこのものがきちんと 効くということが断言されていない表現になっていてちょっと気になるのです。ここの 申請資料にも効力のところは「示唆され」になっていて、引用している薬の方の別の資 料に「卓効を示す」とか断定して書いてあるのです。そこの辺はどういうことですか。 要するに効くのなら効くときちんと言ってほしいのですが。 ○石橋部会長 いかがでしょうか。 ○機構 審査報告書の表現が適当でなかったかもしれませんが、製剤についても効力試 験が実施されておりまして、有効性は認められると考えております。 ○長尾委員 要するに効くという前提で議論していいということでよろしいですね。分 かりました。 ○石橋部会長 そのほかにどなたか御意見ございますか。板倉委員、どうぞ。 ○板倉委員 用量表示になっている製品が幾つかありますけれども、その成分の割合を 見ますと「□□□□□□□□□□□mL」と書いてあります。□□□□□□□□のように 揮発性のものは圧力と温度によって用量が全然違うと思うのですが、これは一定の用量 というか、温度とか圧力に基準はあるわけですか。ガス化されていますから売られてい る状態ではその用量いっぱいになるわけですけれども、私どもが以前テストしたときも その用量ではないという企業からの説明がありました。ということになりますと、重さ と違いまして実際にどの程度の量が入っているかというのはその製品を造っているとこ ろでなければ分からないということになると思うのですけれども、その辺はいかがでご ざいましょうか。 ○石橋部会長 いかがですか。 ○機構 確認いたしたいのですが、今の御質問は一番最後のダニアースMに噴射剤とし て□□□□□□□□が□□□mL含まれているということに関して、この1缶中の有効成 分の量が市販された場合に承認内容のとおりにちゃんと配合されているのかというお話 でしょうか、それとも噴霧される量の中に定められたとおり一定の量で配合されている のかということでしょうか。 ○板倉委員 いろいろなものを調べるときに、例えば毒性試験などでも原体として調べ られているのかどうかよく分からないのですけれども、揮発して飛んでいく部分は一体 どのような形になって毒性試験の兼ね合いでつながっているのかよく分からないという ことが一点あります。それからほかの商品などでもそういう揮発タイプの場合等につい ては、ガス化する溶剤が入っていれば当然それについてはなかなかミリリットルでは表 示が難しいのではないかと思います。例えばグラム表示であれば、差引きのところでど の程度中に入っていたのかということをある程度消費者自体も確認することができるの ですけれども、ミリリットル表示でしかもガス化剤も含めて用量として書いてあるもの であると、実際にその量が入っていたのかどうか自体も消費者にとってはなかなか分か らない状況になっておりますので、そこら辺についてもう少し…。意外にガス化剤が多 くて使いでがなかった感じがする商品も最近はございますので、実際に事実と反するよ うな商品が出ているとは思いませんけれども、やはり消費者自身が自分で確かに入って いたということが確認できるようになっている方がいいのではないかと思うのです。グ ラムで表示されているものなどでしたら、最初に量っておいて空き瓶になったときに引 き算をすれば、確かに入っているなというのが確認できるので納得できるのですけれど も、割合とミリリットル表示のものが多いので、そういう意味で一体どのように確認し たらいいのかというのがちょっと分かりませんので、その辺について教えていただけれ ばと思います。 ○石橋部会長 いかがでしょうか。確かに揮発性の噴霧剤ですから、同じ時間噴霧して も、使い始めごろの噴霧実量(ミリグラム)と、使い終わりごろの噴霧実量(ミリグラム) では異なるかもしれないという不安は起こるでしょうね。その辺のグラフといいますか、 データがあれば、消費者も理解しやすいのではないかという御意見だと思いますけれど も、いかがですか。実際にはなかなか難しいでしょうね。どうぞ。 ○機構 御質問の意味をはっきりと把握していないかもしれませんけれども、今の御質 問では適量噴霧するものについて、通常このくらいの使用の仕方をすると何グラム排出 されるかといった話と、用法・用量も含めまして、あるいは成分・分量欄の記載につい ても、ミリリットルよりもグラムの方がいいのではないかという御指摘と考えてよろし いでしょうか。 ○板倉委員 そうですね。やはり実態のないミリリットル表示というのは、特にガス化 剤のようなものを入れて造るような製剤の場合には余り意味がないのではないかと思う のです。ですから、できればグラム表示のような形で入れていただいた方が消費者にと っては分かりやすい。例えば今回何社か出ていますけれども、片方はグラム表示になっ ていて片方はミリリットル表示になっていると、一体どの程度一度にまかれるのかとか 比べようと思っても比べられない。  それから一体この成分がどのくらいまかれて、全体的にどの程度散らばっているかと いうのがある程度計算できるようになっているのかどうか、今日頂いている資料を十分 読みこなしていないせいもあるかもしれませんが、分かりません。例えば割合こういう ものというのは屋内でくん蒸した後しばらくしてから入ると。今回の試験方法によれば そのままふかずに置いておかないと、ダニが死なないかもしれない。そういうことはな いかもしれませんが、一応塗布されたところを歩き回ることによっても殺虫効果が増し ていくような製剤だろうと思います。例えば赤ちゃんなどがはいずるようなお家などで すと、やはりどの程度まかれているのかとか、後はふいておいた方がいいのかとか、そ ういうことがいろいろ気になると思うのです。それから量としてどのような有効成分が 使われていて、それがどの程度なのかと。医薬品の場合には安全性が確保されて出され ていると思いますけれども、化学物質に対しては消費者の方は割合ナイーブといいます か、非常に気にされますので、そういう意味でも商品を比較して選ぶということが今の 表示では難しいのではないかと。ですからできればミリリットルというよりはグラム表 示に統一していただいた方が、一つは選びやすいだろうと思います。  それから今回頂いている毒性のデータは安全性が非常に高いものと低いものがあるの ですが、これは一体ガスも入った用量で、量っているのはミリグラムだろうかとか、こ れはどういう意味で見ていいのかちょっとよく分からなかったのです。片方でミリリッ トルでまいていて、ラットに対する毒性が一体どのような出し方でこのミリグラムとな っているのかというのが読めなかったものですから。そういうものも含めて、ガスの部 分を入れた数値として換算し直してこの量を出しているのかどうかすら分からない状況 でしたので、やはり一方でミリリットルを使っておいて、一方でグラム単位で出てくる ことになりますと、数字をどう読んでいいのかも分からない状況にもなりますので、き ちんと統一していただいた方がいいのではないかと思いました。 ○石橋部会長 いかがですか。御検討いただけますでしょうか。 ○機構 まず成分・分量欄の表示でございますが、製剤が液状のものはミリリットルで 表すことになっておりまして、ダニアースレッドMについてはくん煙剤で煙を出すとい うことでございまして、液状でないということから「100g中」という表現になっており ます。それと毒性量のところでの表現ですが、毒性量については致死量を比較する上で ミリリットルではなく重量に換算して出しております。  それとこれは御質問にそぐわない話かもしれませんが、安全性についてはそれぞれの 試験で製剤を使ったときに部屋の成分の濃度がどのくらいになるかを時間を追って確認 する気中濃度試験をやっております。それと動物でございますが、吸入毒性試験をやっ ておりますので、安全性のデータとしては安全であるということが確認されております。 あとは使用者の方にどう分かりやすい表現にするかという御質問でございますね。 ○板倉委員 例えばアースくん蒸剤Mの場合なども、「製品中原液の約□倍の噴射剤を 含有する」ということでミリリットル数が出ているわです。私たち一般の消費者の場合、 常温で飛んでなくなるものについてまでミリリットルに含まれているという感じは受け ていないのですが、結局そういう噴射剤も含めてとなりますと、液剤だからミリリット ルで表示するというけれども、液剤の中以外に常温では空気になって飛んでいってしま うものまでミリリットルの中に入っていることがどうも消費者の方からはしっくりしな い部分があるのです。それでお聞きしたのと、あと例えばアースくん蒸剤Mのラット経 口の場合1,098mg/kgというのは、この製剤の中に入っているもののミリグラムというこ とですか。噴射剤も含めてのミリグラムということですよね、そうではないのですか。 ○機構 ここの有効成分欄に書いております原液100mLあるいは製品100gというのは、 包装の中に含まれている製剤といいますか、有効成分などのほかにも添加物とかありま すが、それを合計した量でございます。 ○板倉委員 ですから当然この中に書いてあるように□倍の噴射剤が入っているという ことですね。噴射剤というのはガスになるものですね。 ○機構 噴射剤は添加物という位置付けでございますので、この表の中ではそういう量 を具体的には記載しておりませんでした。 ○板倉委員 しかし100mLの中の□倍ということは実際には□□□□しか液体として入 っていなくて、あとの□□□mLというのは噴射剤に当たるわけですよね、違いますか。 ○石橋部会長 どうぞ。 ○審議官 ありがとうございます。板倉先生の御指摘は大きく二つあって、一つは消費 者がお使いになった印象として本当に書いてある量かどうか、鉄の缶に入っていたりし て分かりにくいと。それが重さであれば一応消費者のところでも確かめられますし、言 われているような懸念も払拭できるのではないだろうかというお話と、それともう一つ は毒性に絡んだ問題もちょっとあって、かなりの量の噴射剤が入っていると。その毒性 も見ているのか見ていないのか、消費者としてはどう理解したらいいのかと。併せて消 費者の視点から言ってみれば、もう少し親切に表示等に工夫の余地があるのではないだ ろうかということだと理解いたしました。  また一方では製剤の問題としては、例えば液体の場合には事務局から申し上げました ように、製品の品質管理上あるいは製造上、また慣用的にも用量で量ることが多かった りするのですが、一般用医薬品でございますので今後そのような形でもう少し工夫の余 地がないか。今日は御指摘を頂くことといたしまして、また幸いこちらには毒性とか有 効性についての専門家の先生もおられますので、部外品等も含めましてこの医薬品がト ータルとして消費者に利便をもたらすものとしてお勧めできるかどうかということで、 短期的に見ていただくという二つに分けてみたらいかがでしょうか。あとこの部会の間 に事務局の方で更にちょっと精査しまして、御報告できるようなことがあればその都度 御報告するということで進めさせていただくことも一法かと思いますけれども、いかが でしょうか。 ○板倉委員 今すぐにこれをどうこうできる話ではないと思うのですけれども、殺虫剤 については以前から私どもの方の組織でも問題にしておりましたので、そういった面も 含めて考えていただきたいと思います。実際に私は毒性の部分は専門ではございません ので、ほかの先生方にそういうことも含めて御覧いただいて御異議がなければ、特にこ れについて否定するものではございません。 ○石橋部会長 ありがとうございました。どうぞ、松尾先生。 ○松尾委員 二つ教えていただきたいのですが、結局最終的にはこれは環境に拡散され るわけですけれども、エンドクライン・ディスラプターとしての構造を持っているとし てもおかしくないと思うのですが、一体これは何トンぐらいの物質が日本で造られて、 この後フォローアップできるかどうかというのが第一点の質問です。 ○石橋部会長 いかがでしょうか。資料はございますか。 ○機構 御指摘の件についてはデータをまだ入手しておりませんので、それにつきまし ては今後確認して、また御連絡したいと思います。 ○松尾委員 外国ではまだ使われていなくて、我が国で初めて使うという御説明を頂い たわけですけれども、これは従来の動物実験でエンドクライン・ディスラプターの害を 正しく評価できないことは大体みんなが理解していることだと思うのですが、特に妊産 婦あるいは妊娠しているかどうか分からない時期の女性がこの薬剤を使用した後の環境 に入って大丈夫なのかというのが一番気になるのです。何らかの方法でフォローアップ が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○機構 今の御指摘の件については、基礎のデータに関しては動物を使った生殖発生毒 性試験を実施されておりますので、安全性は確認されていると考えております。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。 ○松尾委員 非常に難しいお願いをしているということは自覚しておりますけれども、 やはり単独では毒性がなくても相乗的に問題になるというのがエンドクライン・ディス ラプターの特徴だと思いますので、市販後調査というのが何かの形でできるといいかと 思います。 ○石橋部会長 市販後調査等はいかがかという御質問ですが、いかがですか。どうぞ。 ○審議官 度々恐れ入ります。松尾先生の御指摘は、極めて微量で生殖発生のある時期 に作用することによって例えば次世代等の生殖発生能力に大きい影響を与える、いわゆ る内分泌攪乱化学物質としてのものの見方で本品について見たことがあるのかという部 分も含むお話だと思います。それについては例えばこの医薬品だけでなくて、様々な薬 理作用を持つ医薬品全般にも指摘されているような部分もございますし、それからクエ ルセチン等の天然物由来、あるいは大豆のイソフラボン等、我々はそういった化学物質 に囲まれているという実態もあるわけでありまして、ただ単純に従来の疫学的な手法で この薬のフォローアップをすることが、果たしてそういった問題に対しての国民全体へ 一番お勧めできる方法なのかどうか、多少議論が残るところだと思います。もちろん私 どもも審査でそういった内分泌攪乱化学物質の観点から見ることは重要だと思いますけ れども、本品で直ちに例えば市販後にかくかくしかじかで出産後の生殖能力を見ろとい っても、人の生殖のジェネレーションの問題などもありましてなかなか難しいと。それ からほかのベースラインとか様々な因子も入ってくると思いますので、今後もリスクと してよく踏まえて審査、安全性等を検討しろという御指摘だと理解いたしてよろしいで しょうか。 ○松尾委員 先生の御意見と余り違いませんが、例えば生産量を記録して残していくと いうことはそれほど難しいことではないのではないでしょうか。 ○事務局 審査管理課でございますが、今先生から頂いております御意見はこれからの 殺虫剤の分野全般の話だと受け止めておりまして、実際に本件は今日の御意見を踏まえ 会社の方には一度お伝えして、そういった生産量の辺りは実際に製造することになれば 日ごろ会社の方で大体把握できると思います。ですので、その辺りと絡めた形で、環境 への評価あるいは妊産婦等への影響の評価をどのような形で行っていけるかというとこ ろを今日の御意見を踏まえて、言われてからやるような話ではないのかもしれませんが、 これからちょっと我々の方で検討させていただければと考えておりますので、どうかよ ろしくお願いいたします。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。そのほかにありますか。どうぞ。 ○荻原委員 今こういう議論が出たのでちょっとだけ。私は専門として漢方薬の研究を 行っておりますので、物質の相乗作用、相加作用の重要性は非常に意識しております。 今日のものを見ても基本的には問題ないと思うのですけれども、新しくできたこのアミ ドフルメトは今までと違った構造式を持って、フッ素とか塩素とか入って、構造式自体 を見るとちょっと怖いなという気がするのですが、それはいろいろ専門家が検討して問 題ないということになっているのだと思います。これと従来の化合物を比較して明らか に異なる特長を有する化合物であるならば問題ないと思うのですが、大差ないときに新 しい化合物を加えて新製品と称し売ること自体、本当にいいことかどうか私はいつも気 になるのです。明らかに差があるということを証明していただければいいかなと思うの ですが、内服薬だとかなり問題ですけれども、これは外用剤ですから、判断は甘くなり ます。こういう点についても将来少し気を配って審査をしていただきたいと思います。 ○石橋部会長 貴重な御意見をちょうだいしましたが、いかがですか。板倉先生、どう ぞ。 ○板倉委員 多分やっていらっしゃると思いますけれども、これはトリフルオロ体です が、オゾン層か何かでまた成分的に問題になることのないものなのでしょうか。要する に、この分解物等がまた環境へ影響する心配はないと考えてよろしいのでしょうか。 ○石橋部会長 その辺はいかがでしょうか。 ○機構 今の件については審査中には確認しておりませんが、このもの自体の揮発性は ありませんので、そういうオゾン層に対する影響はないと考えてよろしいのではないか と思っております。 ○石橋部会長 ほかには…。どうぞ、青柳委員。 ○青柳委員 本質には関係ないのですけれども、データが出ている以上ちょっと教えて いただきたいのですが、この医薬品は雄と雌との差が出ていまして、それについてはコ メントされているのですけれども、もう一つは用量に対する血中濃度が上がらない、非 線形性の体内動態を示しているのです。それについて何も説明がないのですけれども、 あったら教えていただきたいと思うのですが。具体的には資料1-1の資料概要の100ペ ージに「表ヘ-2」がございます。これは5mgと100mgを表示していますが、雄雌共に 5mgと100mgの間のAUCが比例していないということで、片一方だけだったらばらつ きの問題かなと思いますけれども、両方ともそういうふうになっていると、要するに用 量とAUCが比例していないということで、非線形性の体内動態を示すということにな るのです。普通こういうものがあると説明を加えるのですけれども、何も説明がないと これは何なのだろうと思いますので、一応その説明が欲しいのですが。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。 ○機構 確認をしましてお答えしたいと思います。 ○石橋部会長 それではその辺については確認をしていただきたいと思います。そのほ かございますか。どうぞ、長尾委員。 ○長尾委員 使用上の注意ですが、どこでもいいのですけれども、例えば資料1-3で要 するに異常が起きたら「ピレスロイド系、オキサジアゾール系及びトリフルオロメタン スルホンアミド系殺虫剤の混合剤であることを医師に告げて、診療を受けること」とい うのですけれども、これは実際具体的には缶かラベルを持っていけということなのでし ょうか。 ○機構 使用上の注意の記載でございますけれども、御指摘のとおり成分名をそのまま 書いているものと、こういうふうに系統で書いているものがございます。一つは表示の 問題がありまして、医薬部外品の場合は必ずしも有効成分の表示が義務付けられていな いということもございまして、ここの段階では特に成分名あるいはこういう系統での記 載ということは申請者の方に任せているような形でございます。そこで御指摘があれば、 成分名とこういう系統を併記する方向も考えたいとは思います。 ○長尾委員 そういう難しい話ではなくて、実際に患者さんはどうするのかと。何とか 系でございますと言っても、聞かれた医者も分からないですよね。 ○審査管理課長 先ほど長尾先生がおっしゃったような形で、実際には缶とかそういう ものを持っていくのが一番いいのですが、ただこの使用上の注意を紙で書かせる場合に、 実際にこういうものを書いて医師もどういうものかすぐにピンとくるかどうかというの はありますけれども、何が入っているのかということを確認できればこの後いろいろな フォローはできるということで、取りあえずこういったものはきちんと系統を書くよう にしようという形に一応昔からなっていると理解しております。 ○石橋部会長 どうぞ。 ○太田委員 今の問題なのですが、医療機関の現場では恐らくそういうはっきりとした 副作用があるものであれば、今救急の現場では毒物に対する処置ということでいろいろ なマニュアルが出ていますので、その中を索引するといろいろな処置が出てきます。で すから、確かにこういうものが分かればそれによって治療をするというのは簡単にでき るのですが、患者さん自身が本当にこれが原因なのかどうか分からないということがた くさんあるのだろうと思うのです。そういうところで缶を持ってきてくれて、それを顔 面にかけられたら発疹が出たのでこれを持ってきましたと言われれば医療機関で分かる だろうと思うのですけれども、患者さんが分からないで来た場合に、現場の医療機関で はさて何だろうということだと困ると思うのです。ですからはっきり分かれば持ってき てもらうのが一番いいですけれども、極めて微妙なところだと現場では思います。 ○石橋部会長 そのほかにございますか。どうぞ、望月委員。 ○望月委員 使用上の注意の書き方にお話が行きましたので、全体の製品を通じてなの ですが、医薬品と医薬部外品で記述の仕方が違うかもしれないので統一がうんぬんとい う話はできないかもしれないのですが、一応「してはいけないこと」と「相談すること」 と「その他の注意事項」と「保管及び取扱上の注意」という項目で分けて記述されてい るのですけれども、同じ内容なのだけれども製品ごとに入っている項目が違うという書 き方になっているところが散見されるので、その辺はこれから消費者が自ら説明を見な がら使っていくというときに、きちんと整理をして書いていただいた方がいいだろうと 思います。 ○石橋部会長 ほかにはございませんでしょうか。いろいろと貴重な御意見をちょうだ いいたしましたが、もし御質問、コメント等ございませんようでしたら、このものを本 部会で承認して差し支えないということでよろしゅうございますでしょうか。それでは 了承が得られたということで、薬事分科会の方に報告させていただくことにいたします。  それでは次に報告事項の議題1に入りたいと思いますが、配置販売品目の指定基準の 一部を改正する件について、事務局の方から御説明をいただきます。よろしくお願いい たします。  ○事務局 それでは資料2の「新たに配置販売品目指定基準の一部に収載を行う成分等 について」に沿いまして御報告させていただきます。これは別途発送させていただきま したので、若干遅れて先生方のお手元に届いたかもしれません。「1.制度の概要」でご ざいますが、配置販売業の許可は配置しようとする区域を含む都道府県ごとに、都道府 県知事が厚生労働大臣の定める基準、いわゆる配置販売品目指定基準というものがござ いまして、これに従って品目を指定して与えることになっております。またこの当該許 可、いわゆる配置販売の許可を受けた者は都道府県知事が指定した品目以外の医薬品の 販売等をしてはならないとされているものでございます。これについては3ページの方 に「配置販売品目指定基準の一部を改正する件 参照条文」ということで、薬事法第三十 条と第三十一条の条文を付けさせていただいております。  これに沿いまして配置販売業者が配置販売を行っているところでございますが、今回 新たにこの配置販売品目指定基準を改正するということでございまして、1ページに 「2.過去5年間の実績」ということで、どのような配置販売品目基準を改正していった かという実績を書かせていただいております。昨年の例でございますけれども、一番下 の「○平成15年8月28日」というところで、成分としては塩酸フェニルプロパノール アミンを削除したということと、外用薬といたしましてインドメタシンの1.0%に改訂 を行ったというのが昨年の実績でございまして、当部会の方にも御報告させていただい たところでございます。  1枚めくっていただきまして、「3.今回の追加成分等に関する事務局案」でございま す。(1)と(2)でございますが、実はこれは塩酸フェニルプロパノールアミンを耳鼻剤とし ては平成15年8月に削除したところでございますが、鎮咳去痰薬と滋養強壮増血剤及び 解毒剤については改正漏れがございましたので、この塩酸フェニルプロパノールアミン を削除する改正を行いたいと考えているところでございます。そして(3)でございますが、 外用殺菌消毒剤及び外用鎮痛鎮痒収瞼消炎剤について、有効成分であるインドメタシン を含有する割合が0.375%以下である貼付剤を加えるという基準の改正を今回行いたい ということで事務局案をまとめているところでございます。これについては4ページで ございますが、「別添 配置販売品目指定基準の一部を改正する件(案)」ということで、 このような改正を行いたいということでこちらの方に御報告させていただいたところで ございます。  以下5ページ以降については、配置販売品目基準の今回の新旧を付けさせていただい ております。報告の方は以上でございます。 ○石橋部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか。今回の追加成分等に関す る事務局案でございますけれども、どなたか御意見等ございましたらお伺いしたいと思 いますが、よろしゅうございますでしょうか。御了承いただいたこととさせていただけ ればと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございま した。それではこの件は了承されたものとさせていただきます。  それでは次に報告事項の議題2になりますが、一般用医薬品の承認状況の報告を事務 局の方からお願いいたします。 ○機構 続きまして総合機構から御説明いたします。資料3でございますが、先生方の お手元にございますでしょうか。それでは資料3に基づきまして簡単に御説明させてい ただきます。本品目はロート製薬株式会社より申請されまして、販売名アルガードCT 鼻炎内服薬ほか3名称でございます。本品は一般用医薬品鼻炎用内服薬承認基準に収載 されていない抗ヒスタミン作用を有するメキタジンを1日量4.0mg配合し、併せてその ほかにこの鼻炎用内服基準に収載されているベラドンナ総アルカロイド、塩化リゾチー ム、グリチルリチン酸二カリウム、及び無水カフェインを配合した鼻炎用の内服薬でご ざいます。本品の承認申請時には塩酸フェニルプロパノールアミン(以下PPA)を1日 量81mg配合しておりましたが、申請後にこのPPAに関する安全性情報が発出されたこ とに基づきまして、本製剤よりPPAを除外するという形で処方の変更がなされており ます。本品の用法・用量及び効能・効果は資料3の4及び5の欄に示すとおりでござい ます。  本品の承認申請時提出の一般臨床試験の内容は対象疾患をこの二つの鼻炎とし、本薬 の投与開始日にくしゃみ発作、鼻汁若しくは鼻閉のうちいずれか一つ以上の自覚症状が ある合計65例について実施されておりまして、有効性解析対象例が60例、安全性解析 対象例が65例でございました。有効性についてはそれぞれ73.5%及び90.9%と報告さ れております。また副作用について最も多く認められたものが口渇、そのほかに眠気、 あとこの資料に記載しておりますような若干の副作用がそれぞれ1例ずつ認められてお ります。  以上の内容について、旧医薬品医療機器審査センターにおいて専門協議での御議論も 踏まえ承認して差し支えないと判断し、平成15年12月に承認させていただいた品目で ございます。御参考までに資料の2、3枚目に本品の使用上の注意を添付させていただ いております。以上でございます。 ○石橋部会長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問、御意 見等がございましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、板倉委員。 ○板倉委員 塩酸フェニルプロパノールアミンを入れて臨床試験を評価していて、それ を除いても効果があるというように考えていいわけですか。逆に言うとこの塩酸フェニ ルプロパノールアミンというのは何だったのだろうという素朴な疑問も出てくるのです けれども、いかがでしょうか。 ○石橋部会長 いかがでしょうか。 ○機構 総合機構の方から御説明いたします。確かに先生のおっしゃるようにPPAは 削除されておりまして、当初平成15年8月にPPAを含有する製剤についてはできるだ けPPAを削除するような方向で申請の内容を検討することという通知を出させていた だきまして、その通知に基づき申請者の方がこのPPAを削除するということで、ある 意味特別な措置といいますか、そういう措置が昨年の8月に通知として発出されており ます。  もう一つは、これはあくまで傍証というところですが、以前の承認基準でこのPPA が配合されておりまして、その承認基準の配合量は90mgということで本品の場合は若干 少ないのですが、その承認基準でもPPAを配合しなくても取りあえず効能・効果を設 定することができると。いわゆる承認基準でいうところの主薬、佐薬ではPPAが佐薬 に当たるということがありまして、その辺のところも考慮して本品についてはPPAを 削除してもメキタジンの作用から一応これらの効能・効果が設定できるのではないかと いうことで、専門協議の議論も踏まえまして承認させていただいております。 ○石橋部会長 よろしゅうございますでしょうか。それでは望月委員、どうぞ。 ○望月委員 効能・効果のところで質問させていただきたいのですが、一応PPAの有 無は今の御説明で納得したということにいたしまして、今回この一般臨床試験をした対 象疾患というのはアレルギー性鼻炎と急性鼻炎で、そのときにどのような症状があった かというと、くしゃみ発作と鼻汁と鼻閉のうちのいずれか一つということになっていま すね。それらに対する改善効果を見ているということになっているのですが、実際効能 ・効果の中にはくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、涙目、のどの痛み、頭重というのが入って います。涙目と頭重というのは鼻炎のときに合併してくる症状で、鼻炎自体がよくなれ ばそれも改善するとは思うのですけれども、適応症としてこの「のどの痛み」というの がよく分からなかったのです。実際にそういう症例が一般臨床試験の中であったのか、 それで実際に改善していたのかという点についてお聞きしたいのですが。 ○石橋部会長 いかがでしょうか。 ○機構 事務局よりお答えいたします。臨床試験の観察項目で自覚症状として見ており ますのが、くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、頭重、のどの痛み、涙目でございまして、それ ぞれの改善度でございますが、くしゃみ発作が改善率で69%、鼻汁が80%、鼻閉が61 %、涙目が61%、頭重が89%程度となっております。それらを総合的に判断しましてこ の効能・効果が設定できるという説明になってございます。多角所見としてのどの痛み が83%でございます。 ○望月委員 何例やられたのですか。 ○機構 6例中改善以上が5例で83%となってございます。 ○望月委員 6例中5例の改善ということで、この製品が65例を使って臨床試験をした 結果で効能・効果を認めるという場合に、グリチルリチンとか塩化リゾチームが入って いますから多少ののどの痛みは改善できると思うのですけれども、鼻炎内服薬の効能・ 効果にたまたまのどの痛みが書いてあるということで、患者さんがそれを余り主目的に 使わないような表現をしないと、ここは誤解を招いてしまうかなと思います。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。御意見をちょうだいして…。どうぞ。 ○審査管理課長 この一般薬の場合にはいろいろな配合のルールでございますとか、そ れに伴って大体どういう症状に効くかといったことをやや包括的に基準で決めておりま す。この場合はそれに基準外の成分を入れたということで、一応そういう場合にも発現 頻度が非常に高い症状とそれほどでもないものが混じってきたりとか、それとまた成分 との関連などもあるのですけれども、やや包括的にそういうルール決めをしているとい うこともございます。薬によって効能の書きぶりが余りばらばらになりますと非常に分 かりにくい面もあるかということで、基準作りの段階でそういう形になっているという ことも背景としてはあるかと思いますので、そこも御理解いただければと思います。 ○石橋部会長 そのほかよろしゅうございますでしょうか。それでは報告事項としてこ れは了承されたということにさせていただきます。  それでは最後にその他というところがございますが、これは事務局の方から御説明を していただきます。 ○事務局 御報告させていただきます。当日配付資料ということで資料4が先生方のお 手元の方にございますでしょうか。 ○石橋部会長 よろしゅうございますでしょうか。資料4はございますでしょうか。 ○事務局 それでは資料4、「『安全上特に問題がない』ものの一般小売店での販売に ついて」につきまして御説明させていただきます。本件については昨年より話題になっ ていたものでございますけれども、一般小売店での医薬部外品に移行しての販売が本年 7月30日より施行されますので、本件について簡単に御報告させていただきたいと思い ます。1ページの「1.関係政省令等の公布・施行」でございますが、関係政令について は本年7月9日に公布いたしまして、省令及び告示を7月16日に公布させていただき、 施行を7月30日とさせていただいたところでございます。  次の「2.これまでの経緯及び医薬部外品への移行に伴う承認・許可の取扱い」でござ いますが、御承知のようにこの件については昨年6月27日の閣議決定、いわゆる骨太基 本方針2003を受けまして、医学・薬学の専門家の先生方により「医薬品のうち安全上特 に問題がないものの選定に関する検討会」において、「安全上特に問題がないもの」と して選定された一般用医薬品を医薬部外品に移行させることによりまして、一般小売店、 コンビニ等での販売を可能としたものでございます。  今年7月16日時点で関係省令及び告示を打ちましたときに、専門家の先生方の検討結 果を踏まえ、これまで一般用医薬品として薬局薬店で販売されていた371品目数が確定 され、これを医薬部外品に移行することにより一般小売店での販売を可能としたもので ございます。  1ページおめくりいただきまして2ページでございますが、今回医薬部外品に移行す る品目の範囲については、次のア〜ウにございますような措置を講ずることによりその 明確化を図ったところでございます。アでございますけれども、4ページに「(別紙1) 新たに医薬部外品とされた15区分とその範囲」ということで記載しておりますが、この 別紙1に掲げるものであって人体に対する作用が緩和なものを新たに医薬部外品として 指定したものでございます。移行品目の例については5ページでございますが、別紙2 として先ほど申し上げた371品目の例を区分ごとに記載させていただいているところで ございます。これらのものについては平成15年度において製造実績があることが確認さ れた371品目をリスト化したものでございます。今後医薬部外品の範囲に該当するもの として新たに製造を開始しようとするものについては、事前に厚生労働省の方に届出を 行っていただくということにしたところでございます。  (4)の新たに医薬部外品を指定したことに伴う経過措置でございますが、今年の7月 30日の施行日において現に許可、いわゆる製造なり輸入の許可を受けているものについ ては、これらの移行品目に係る医薬部外品の製造又は輸入等の許可を受けたものとみな すということでございます。当然のことながらこの施行日以降医薬部外品として製造又 は輸入されることになりますので、医薬品としての製造又は輸入はできなくなるという ことでございます。しかしながら、経過措置でございますので、来年の7月29日までに 医薬品として製造又は輸入に着手していたものについては、医薬品として出荷すること はできるということでございます。  次の(5)でございますが、そうはいいながら今まで医薬品だったものが医薬部外品に なりますので、例えば製造業に関するところについては責任技術者は今までどおり薬剤 師にやっていただくというようなことにいたしますし、3ページでございますが、製造 管理及び品質管理の方法、いわゆるGMPについてもこれまでどおりかけていくと。つ まり今回医薬部外品に移行されたものについては、これまでどおりGMPをかけていた だくというような措置も講じたところでございます。  次に「3.移行品目の表示等」については、これは今後薬剤師等の専門家がいないいわ ゆる一般小売店で販売がなされるようなことになりますので、消費者にもきちんと分か るような表示が求められるところでございます。(1)のところでございますが、まずは 購入者が「医薬部外品」の文字を販売名の表示と併せ見ることが可能となるように販売 名と同一面に記載するというようなこと。(2)にございますようにいわゆる外箱表示で ございますが、外箱等に対して一般用医薬品として表示されている事項に加えまして、 次のア〜オにあるような必要な事項の表示を行うということでございます。これについ ては化粧品・医薬部外品部会の方にも御報告させていただく予定でございます。資料の 説明については以上でございます。 ○石橋部会長 どうもありがとうございました。何か御質問、御意見等ございましたら どうぞ。 ○荻原委員 先ほどの配置販売のことと今度の小売販売と二つの形が出てきて、私個人 としてはちょっと気になっている部分があります。まずこの医薬部外品になったときに、 こんなことは当然今までに議論されていると思うのですけれども、「3.移行品目の表示 等」の(2)にいろいろ書いてありますが、正にこういうことが非常に問題になり得ると 思っております。例えば特異体質の人が小売で医薬部外品を気軽に買って飲んでしまっ て、何か問題が起こったときの責任というのは結局どこにあるのですか。問題が起きた ときに…。 ○事務局 審査管理課でございます。今頂きました御質問に関しては検討会の方でも御 議論いただいた部分でございますけれども、正に今まで医薬品として売られていたもの を一般小売店で売るということは、言い換えれば専門家の介在なしにその製品が消費者 の元に渡ると、端的に言ってしまえばそういうことになります。その場合どういう形で できるだけの安全確保といいましょうか、注意を促すかということで、専門家が介在し た中で行われていると思われる大きな事柄の一つとして情報提供というものがありま す。その最低限のものを表示という形で、専門家を介さずに直接消費者の方に外箱等を 御覧いただいてその中で御判断いただくということを踏まえた形で、ある程度の品目の 選定という作業を行ってまいりました。実際副作用等がどのぐらいの頻度で起こるかは 個別製品、あるいはそれぞれの使われる消費者の体質等によって違いますけれども、基 本的には表示を見ていただいた中で消費者の方にしっかり注意していただくことになろ うかと思います。  ただ一方で、ここには資料として書いてございませんが、一般小売店での販売に当た って留意すべき事項ということも検討会の方でまとめていただいております。一般小売 店に対する検討会から与えられたメッセージの一つといたしまして、仮に消費者がその 店で買われた場合、何か訴えをしてきた場合には、適切に専門家の方に速やかに相談を するようにというような対応をするとか、あるいは日ごろから副作用又は健康被害、有 害事象といった訴えが消費者の方からあった場合には、製造メーカーの方にも伝えるよ うな形での連絡体制を両者の間で整えてくれということもお願いしております。この辺 りは個別のそれぞれの関係団体の方に具体的な取組を今現在検討していただいている最 中でございます。 ○荻原委員 ありがとうございます。今おっしゃったように基本的には食品と紙一重で 自己責任ということになるわけですね。それで問題が起こった、あるいは神経質な対応 をされる方がおられる場合、それなりに対応できる体制は作ってあるわけですね。 ○事務局 一応そう考えております。 ○荻原委員 分かりました。それからもう一ついいですか。ちょっと先ほどの配置販売 に関係しますが、OTCの医薬品は無資格者でも取り扱え、ユーザーも自分の責任で対 応できる非常に安全なもの。次に配置販売の許可を得た人の責任で売る医薬品、その上 に薬剤師という専門知識を持った者のみが取り扱える三つの分野があると思うのです。 薬事法を見たところ、配置販売の許可というところで、大学等において薬学に関する専 門の課程を修了した者等と政令で決められています。これに関してこの審議会で言うべ きことではないのかもしれませんけれども、監督官庁の医薬系のトップがそろっておら れるので一言感想を言いますと、今一番問題になっているのは皆さん御承知のように薬 剤師の6年制という問題があります。すなわち、6年間きちんと勉学し薬剤師の免許を 取れば問題ないのですけれども、一部では4+2という制度も認可されます。私などの 感覚では薬学科学科卒業のような感じで薬剤師の免許を取れるチャンスが少ない人たち が出てくる可能性があると。そういうときに、今の配置販売の薬学に関する専門の課程 を修了した者に4+2の人たちが該当するのかどうかというのは、将来的な問題として ちょっと興味の対象です。何か感想はありますか。 ○審議官 私は23日に着任したばかりでございまして、目下周辺の状況も含めて勉強し ておりますので、今日そういったお話があったことも踏まえまして勉強を進めてまいり たいと思います。又の機会でお許しいただければと思います。 ○荻原委員 要するに、一般的な感覚として4+2の出口が今ないのです。何らかの形 で全部薬剤師免許を取るチャンスがあれば問題ないのですけれども、私は個人的にはゼ ロに近いと思っているので。 ○石橋部会長 貴重な御意見をちょうだいしましたが、よろしゅうございますでしょう か。どうぞ、板倉委員。 ○板倉委員 これを拝見していまして、規制緩和が先に目的としてあって、国民の安全 性はその後にあるような感じを受けるのです。例えば別紙1ですが、「(8)生薬を主たる 有効成分とする保健薬」と言いますけれども、生薬といってもいろいろなものがあって 危険性のあるものもあるわけですし、保健薬とは何ぞやということもこれからは読み取 れないのです。何でも自由に使える方がいいということでいいのかどうかも気になるの ですけれども、緩和ということについてもどういうルールで横断的にこういうものが認 められ、その範囲に入ったのかというのを私たちがだれでも分かるようにもう少し明確 にしていただかないと、なぜこのようにどんどん増えていっているのか、薬剤師の資格 を持つということは意味がないことなのではないかというような感じも受けます。一つ はこの別紙1をルール化されたときの緩和という条件。例えば成分的にどういう判断を して緩和されたのかとか、だれでも許可された範囲を納得というか、説明できるような 形の横断的なルールを明確にしていただきたいと思います。もう決まったことなのでこ こで駄目ですと言えるものではないような形で報告だけいただいているので、私はちょ っと何とも言えないのですが。  例えば「(5)瀉下薬」といったものなどでも非常にトラブルは大きいと思いますし、ど うしてこういうものまでが医薬部外品になっているのかということがどうも納得できな いということ。それからこの中で例えば医薬品にとどまっているものがあるのかどうか とか、この中に入るものは全部そういうものになるのか。それから今までは健胃清涼剤 まではたしか医薬部外品扱いだったと思うのですが、健胃整腸剤までがもう一般の商品 というふうに売られるのだろうと思いますと、一体薬局でないと買えないものが具体的 に何なのかというのも逆に教えていただきたいと思っております。 ○石橋部会長 ちょっと誤解があるのではないかと思いますけれども、事務局の方から 説明をしていただきましょう。 ○事務局 事務局より御説明いたします。一応昨年行われました検討会の経緯を一通り 御説明する必要があるのかもしれませんが、時間の関係でそれは省略させていただきま す。実際検討会の方では300ページ弱にわたります報告書をまとめておりまして、また 個別に先生の方に時間がございますればそこで説明させていただきますが、今回選ばれ ました371品目といいますのは極めて限定的なものと考えております。今日お示しした 資料の中ではどちらかというと今度こういったものが部外品となるというような説明で したので、ほかの部分が見えてこない状態でございましたけれども、実際に検討会の報 告書の中では成分とその上限を設けるような形で、そういった領域に入るものが医薬部 外品に移行しても差し支えないのではないかという形での整理の仕方をしてございま す。この辺りは今回品目として371品目を明示するだけにとどまらず、今申し上げまし たような成分の組合せ、あるいは上限があるものに関しては1日当たりの上限量という ものも付記した形で一通り公文書の形で発出しておりまして、そこに該当するもののみ が移行するということになろうかと思います。  我々の当初の作業の中では、一応市販されております医薬品集を基に作業したわけで ございますが、その中で一般用医薬品というものが約13,000品目収載されておりまし て、その中の371品目が今回厳選された形で移行するという取扱いになろうかと思いま す。具体的に申し上げますと、先生の方からも幾つか御指摘がございましたように、瀉 下薬について何から何まで、いろいろな薬理作用を持つものすべてが医薬部外品になる というわけではございませんで、その個別の成分表を後で御覧いただくような形でこち らの方を説明したいと思いますけれども、どちらかといいますとプランタゴ・オバタと いったいわゆる健康食品にもあるような成分のものだけがここでいう瀉下薬に該当しま す。したがって、今日お配りしました資料4の別紙2に書いてございます具体的な商品 名に関しても、そういった限定的な成分を含むものということで例示させていただいて いる次第でございます。また補足等が必要であればお申し付けいただければと思います。 以上でございます。 ○板倉委員 300ページというか、そういうものが出されていることは一応聞いていま す。ただ、それがどこかに行かないともらえないというような形ではなくて、もう少し エッセンス的にでもどういうような観点でやったかという考え方のようなものがきちん と示されることが必要ではないかと思うのです。個々の300のものについて全部見られ るというのは、よほど時間がある方でないと無理だと思いますので。それと例えばイン ターネットとか何かの形で、そこに行かなくてもだれでもそのことについて調べられる という形になっていないと、なかなかチェックが難しいのではないかと思いますので、 そういうことについてお願いできればと思っております。実は私も自分の組織のところ で検討会に出ていますのでその300あるという話は聞いていますけれども、見ようとい う気にもなれなかったというのが実態です。やはりそもそも論としての考え方みたいな ものがないと、先ほどわざと言ったというと変ですが、例えばこういうものに関して健 胃整腸剤については認められるようになりましたというように書くと、試験問題を出す ときを考えますと、健胃整腸剤も医薬部外品ですよと説明してしまわざるを得なくなる わけです。そうすると消費者の方に誤解を招くわけです。ですから、どういうような形 でそこら辺の違いを明らかにするかというところが、説明としてもう少し必要なのでは ないかと思いました。 ○石橋部会長 ちょっと誤解があるようですが、私の理解では安全だというものをたく さんの医薬品の中から選び出してみたところ、こういったものの範疇に入るものが幾つ か残っているということ。ですから健胃薬のすべてではなくて、まず安全と言っていい というものの中で分類をしてみたらそれが健胃薬の範疇に入るもので残ったものが幾つ かあったという、それがここに書いてあるということです。 ○板倉委員 ただし、言葉としては例えば整腸剤とかそういうことが残るわけですよね。 ですから、そこら辺が非常に分かりにくい。これを何とかというのではなくて、こうい う書き方で示されることによって、私が言っているような誤解を招くようなことがない ように何かしていただけると有り難いという意味でお話ししたつもりなのですが。個々 の部分が何とかということではなくて、例えば前の何とか清涼剤というと、「清涼剤」 という言葉は医薬品にはありませんので分かるのですが、例えば健胃整腸剤というのも 入っていますよというと…。 ○石橋部会長 結局一般用医薬品の中から選び出しますと、その医薬品の中でこういう 範疇に入っているものになっていますから、その範疇の中に入った医薬品を医薬部外品 に移したという区分けのところを説明しているのだろうと思うのですが、誤解されやす いので、その辺をもう少しきちんと説明された方がいいかもしれませんね。 ○板倉委員 私自身が誤解しているというよりは、これを見たらそういうふうに誤解し てしまうだろうというところで、どう説明したらいいのかということについてお聞きし ているつもりですので、誤解なさらないようにお願いしたいと思います。 ○石橋部会長 よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。 ○審査管理課長 今部会長の方から説明していただきましたように、この議論をずっと 経時的に聞いていれば、恐らくそういう薬効群の中からごく一部が部外品に移行しても いいという形になってきたということは御理解いただけるのだろうと思いますけれど も、確かにちょっとこういうペーパーでこのまま出ますと、その薬効群全体が移行して しまうのかという誤解を招くおそれがございますので、今後そういう点はちょっと注意 してリリースしたりするときに心掛けたいと思います。どうもありがとうございました。 ○石橋部会長 どうぞ。 ○山本委員 板倉先生の尻馬に乗るわけではないのですが、お願いを一つしておきたい と思います。この問題とは離れて、実はせんだって指定薬の解除の議論がたしか一部あ ったと思います。そのときにH2が俎上に乗ったはずですが、結果的には外れないでそ のまま残っているという状況です。例えばH2ブロッカーに限って言えば、この部会の 中でかなり大きな議論があってスイッチをして、かなり長い市販後調査の期間を付けて 売られているという状況にある中で、結果として医療安全上の問題はきちんと整理され ているということで理解はしているのですけれども、もともとそれはこういう条件で売 ってもいいよと言ったこうした部会なりに何も報告がなく、事後報告の形ですっと進ん でしまうのはちょっと納得できないというか…。そういうルールであれば仕方ないので すが、少なくともここでも何度か外そうという議論がありながら、更にそれを継続する のだ調査を続けるのだということで二、三度議論があったという記憶があるのです。そ うした中で医療安全の部会の方で別途議論されてということになりますと、一体どこが 基本的な議論をしてどこで整理をするのかというのが分からなくなってしまうと私は思 いますので、できましたらその経過なりあるいはもともと最初にいいよと言ったところ に何かお話があっても、そうしたルールができてもいいのではないかという気がいたし ます。今すぐとは申しませんけれども、何か機会があればそのようなことを事務局の方 でお考えいただけないかと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○石橋部会長 事務局の方、いかがでしょうか。承りましたということでございますね。 そのほかございませんでしょうか。どうぞ、望月委員。 ○望月委員 板倉委員の御質問に少し関連するのですが、この通知を一般の方にも分か るように公表していただくということは非常に大切なことだと思います。それとは別に、 今度医薬部外品に移行した製品にどういう商品名が付いていくのかということですけれ ども、このまま「何とか薬」という形で「薬」が付いてしまうのでしょうか。結局医薬 品にしておかなくても医薬品ほど作用が劇ではない、あるいは副作用もないということ で医薬部外品として医薬品ではないという形に移行したわけなので、「薬」という言葉 が商品名の中などに登場してしまいますと一般の方に誤解を招くのかなと思います。先 ほど荻原委員がこれで自己責任の世界に移るのですねということをおっしゃっていたの ですが、食品に近い形の狭間のところで御自身できちんと扱っていかなければいけない のだということも認識していただけるような名称も必要なのかなと思いました。 ○石橋部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。 ○事務局 今回の移行に伴う措置の中では、もともと一般用医薬品として承認という形 で与えられていた販売名を手続上そのまま医薬部外品にしてございますので、もともと 一般用医薬品の時代に販売名として「薬」という文字があるものに関しましては、その まま販売名としては「薬」という言葉が残ってまいります。そういった部分に関しまし ては、医薬部外品になりますと「医薬部外品」という5文字をしっかり書いていただく ような形での法的な義務を負うことになりますので、むしろその表示をしっかりしてい ただくと。なおかつ今回製造メーカーの方に求めようと思っておりますのは、販売名と 同一面に「医薬部外品」という文字を表示させることによって、品目によっては裏側で ないと「医薬部外品」という文字が出てこなかったりするケースがございますので、そ ういうことがないように、この商品は販売名の中に「薬」という文字があったとしても、 あくまで医薬部外品ですよということが分かるような表示の対応を求めております。そ ういった形で今回は対応させていただいている状況でございます。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。まだ何か納得いかない…。よろしいですか。 どうぞ忌憚のない意見を。 ○望月委員 やはり一般の消費者の方にとっては非常に分かりづらい表示になると思う のです。「薬」というものがイメージとして薬局・薬店とかそういう専門家がいるとこ ろ以外でもどんどん買えるのだというイメージにつながっていってしまう…。多分医薬 部外品と医薬品は消費者の方はそんなにはっきり区別もつかないだろうと思うので、こ こで議論する話ではないのかもしれませんが、本来でしたら名称はもう少し御考慮いた だいた方がよかったのではないかと私は思います。 ○石橋部会長 貴重な御意見をちょうだいしたと思いますが、事務局の方でもどうぞお 考えいただければと思います。ほかに何かございませんでしょうか。もしなければこれ をもって本日の審議、報告事項を終了したことにさせていただきますが、よろしゅうご ざいますでしょうか。どうもありがとうございました。それでは次回の日程等について は品目審議状況等を見てまた事務局の方で調整していただいて、改めて御連絡いただき たいと思います。それでは本日の一般用医薬品部会をこれで閉会といたします。どうも 御協力ありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 上野(内線2738) - 1 -