04/06/28 薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会 平成16年6月28日議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品再評価部会 議事録 1.日時及び場所   平成16年6月28日(月) 14:00〜   航空会館501会議室 2.出席委員(13名)五十音順    安 達 知 子、 伊 賀 立 二、◎石 橋 康 正、 岩 田   敏、   ○河 盛 隆 三、 北 村 唯 一、 高 橋 孝 喜、 田 島 知 行、    椿   広 計、 西 野 瑞 穂、 堀 江 孝 至、 松 木 則 夫、    渡 辺 繁 紀   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(5名)五十音順    小 嶋 茂 雄、 西 條 長 宏、 寺 澤 捷 年、 永 井 良 三、    山 口 武 典 3.行政機関出席者    鶴 田 康 則(大臣官房審議官)、    岸 田 修 一(審査管理課長) 、    豊 島   聰(医薬品医療機器総合機構審査センター長)、    古 澤 康 秀(医薬品医療機器総合機構審議役)  他 4.備考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○事務局 まだ若干お見えでない先生もいらっしゃいますが、定刻を過ぎておりますの で、これから部会を始めさせていただきたいと思います。  本日は平成16年度第1回医薬品再評価部会ということで開催させていただきたいと 思います。各委員の先生方におかれましては大変お忙しい中御出席いただきまして、あ りがとうございます。本日の部会は前回平成14年に開催して以来となりますので、その 間委員の改選等がありました関係で8名ほどの先生が交替になっております。その関係 で部会長でおられました溝口委員も交替されておりますので、後ほど部会長の選出をさ せていただきたいと思っております。それまでの間事務局の方で進行役を務めさせてい ただきます。  それではまず委員の先生方を御紹介させていただきます。お手元に本日の配付資料の 一枚紙で、議事次第の下に重ねて本医薬品再評価部会の委員名簿及び座席表がございま すので、この順に沿いまして委員を御紹介させていただきたいと思います。まず安達委 員でございます。続きまして伊賀委員でございます。石橋委員でございます。岩田委員 でございます。河盛委員でございます。北村委員でございます。その隣の高橋委員は若 干遅れて参りますので、後ほど御紹介させていただきます。続きまして田島委員でござ います。椿委員でございます。西野委員でございます。堀江委員でございます。そのお 隣の松木委員におかれましては、先ほど急に御欠席という御連絡を頂いております。そ れから渡辺委員でございます。  本日御出席の委員は以上でございまして、この部会の全体の委員18名のうち現時点に おいて11名の御出席を頂いておりますので、審議会規程に沿いまして定足数に達してお りますことを御報告させていただきたいと思います。なお、本日御欠席の委員を確認さ せていただきますが、小嶋委員、西條委員、寺澤委員、永井委員、山口委員、それから ただいま御連絡のありました松木委員の以上6名でございます。  続きまして事務局の方も御紹介させていただきたいと思います。座席順に御紹介させ ていただきます。まず鶴田大臣官房審議官でございます。医薬品医療機器総合機構の豊 島審査センター長でございます。続きまして厚生労働省側になりますが、岸田審査管理 課長でございます。医薬品医療機器総合機構の古澤審議役でございます。同じく新薬審 査第一部の森部長でございます。同じく一般薬等審査部の池田部長でございます。同じ く信頼性保証部の西村部長でございます。以上でございます。本日の配付資料の確認を させていただいた後若干お時間を頂きまして、医薬品医療機器総合機構について御説明 させていただきたいと思っております。 ○事務局 続きまして本日の資料を確認させていただきます。委員の先生方には事前に、 資料1-1〜資料1-5としまして再評価に係る資料を送付させていただいております。資 料1-1は「諮問書」でございます。資料1-2は「再評価結果通知書」でございます。資 料1-3は三分冊になっておりますが、「添付文書1」でございます。 ○事務局 事前にお送りしました資料を本日お持ちでない先生がいらっしゃいました ら、今お手を挙げていただければその場で配付させていただきます。その上ですべての 資料確認をさせていただいた方が漏れがないかと思いますので、お持ちでない方がいら っしゃいましたらお示しいただければと思います。 ○事務局 続きまして資料1-4は「専門協議 委員名簿」でございます。それから資料 1-5は「抗菌薬臨床評価のガイドライン」でございます。資料1につきましては以上で ございます。続きまして資料2の方ですが、資料2-1は「再評価結果に基づき適応菌種 の読替えを行う成分について」でございます。資料2-2は「効能・効果、用法・用量対 比表(再評価指定成分以外)」でございます。資料2-3は「添付文書2」でございます。 それから資料3といたしまして、「内服固形製剤の品質再評価実施状況等について」で ございます。以上が事前に送付させていただきました資料でございます。  それから当日配付資料がございます。まず議事次第、座席表、それから先ほど出まし た医薬品再評価部会の名簿でございます。そのほかに「医薬品医療機器総合組織図」と いうカラー刷りの一枚紙がございます。それから「再評価の流れ」という一枚紙がござ います。これまでが資料番号が付いていない5枚でございます。あとは正誤表等がござ いまして、まず資料1-1-Aとして「資料1-1 正誤表」という一枚紙がございます。続き まして資料1-2-Aとして「資料1-2 正誤表」という二枚紙がございます。資料1-4-Aと して「専門協議 委員名簿」がございます。それから差し替え資料の箇所といたしまして、 資料2-1-Aとして「再評価結果に基づき適応菌種の読替えを行う成分について」の差し 替え版が一部ございます。また資料2-1-Bといたしまして、その資料の差し替え箇所を 一覧で示したものが二枚紙でございます。続きまして資料3-1、「品質に係る再評価の プロセス概要」という二枚紙がございます。資料については以上ですが、お持ちでない 方、落丁等がございましたらお申し付けください。この場で配付させていただきます。 あとこれとは別に医療用医薬品品質情報集、オレンジ色のオレンジブックでございます が、これの平成16年6月版を進呈させていただいております。以上です。 ── 高橋委員着席 ── ○事務局 ただいま配付資料の確認をさせていただきましたが、その間高橋委員がお見 えでございます。実はこの部会は2年ちょっと間が空いておりまして、先ほど御出席の 委員の先生方を御紹介させていただいたところでございまして、高橋先生も御紹介させ ていただければと思います。高橋先生でございます。よろしくお願いいたします。  続きまして、医薬品医療機器総合機構について少し御説明させていただきたいと思い ます。お手元にあります本日の配付資料、カラー刷りで横長の一枚紙を御覧いただけま すでしょうか。右側に組織図、体系図が書いてございまして、左側の上の方に円グラフ のような丸い絵が書いてある資料でございます。この医薬品医療機器総合機構といいま すのはこの4月に新しくできた組織でございまして、独立行政法人になります。業務の 内容でございますが、左上の円グラフに書いてございますとおり、大きく4種類ござい ます。上の青いところから右回りに申し上げますと、副作用の関係の救済、審査の関係、 それと赤い部分の安全対策、そして緑の部分の研究振興、こういった大きな業務を行う 組織でございます。昨年度までは国立の機関、あるいは財団法人、認可法人とそれぞれ 分かれて業務を行っていましたが、この4月からこの三つの組織を束ねまして、医薬品 医療機器総合機構という形でこれらの業務を一括して行う組織として新しく設立された ものでございます。  本日の医薬品再評価部会の関係で申し上げますと、その右側の組織図の方になります が、黄色で示した真ん中に「審査センター長」という記載があるかと思いますが、こち らの方の審査業務の一環で再評価を取り扱っておりまして、その関係で本日も審査セン ター長に御出席いただいております。関係の部署といいますと、審査センター長の下に 同じく黄色で書いてございます審議役、更に青い部分で幾つか部の名前が書いてござい ますが、その中の上から二つ目の新薬審査第一部、それと少し飛びまして青い部分の下 から三つ目の一般薬等審査部、それから青い部分の一番下にございます信頼性保証部、 こういったところがそれぞれこの部会の再評価の業務に関係するところでございます。 そのほか安全の関係や研究振興については、ここに色分けをして示しました組織でそれ ぞれが運営されているという状況でございます。ごく簡単でございますが、この部会と の関連も含めまして御説明させていただきました。以上でございます。 ○審査管理課長 ちょっと補足いたしますと、一番下に書いてあります研究振興部につ いては、この国会において成立しました独立行政法人の医薬基盤研究所が来年4月に大 阪の方に設立されるわけですが、そちらの方にこの研究振興部門が移行いたします。し たがって、来年4月以降は救済と審査、安全対策の三つの業務を管轄するということに なります。それから新薬審査一部、二部、三部と分かれておりますけれども、一部は抗 悪性、抗菌剤、二部の方は循環器など、三部は消化器科などを担当するということでご ざいます。本日は抗菌薬の再評価でございますので、新薬審査第一部が主に担当してい るということでございます。  それでは最初の議題でございますが、部会長の選任でございます。薬事・食品衛生審 議会令において、部会長は委員の互選によって選出することとなっております。部会長 について、どなたか御推薦がございましたらお願いしたいと思います。 ○北村委員 東京逓信病院名誉院長の石橋先生はいかがでしょうか。 ○審査管理課長 今北村委員から石橋委員の御推薦がございましたけれども、よろしゅ うございましょうか。それでは異議なしということでございましたので、石橋委員には 部会長をお願いいたしたいと思います。正面の部会長席の方へお移りいただければと思 います。 ── 石橋委員、部会長席へ移動 ── ○審査管理課長 部会長には一言ごあいさついただければ幸いでございます。 ○石橋部会長 ただいま選出いただきました石橋でございます。この再評価部会はかな り長い間委員として務めさせていただきました。未熟ではございますが、会が円滑に運 営されることを期待しております。微力ながら全力を尽くしたいと思いますので、どう ぞよろしくお願いいたします。 ○審査管理課長 この先の議事の進行については部会長にお願いしたいと思いますが、 始めは部会長代理の選出ということでございまして、部会長代理は部会長が指名すると いうのが審議会令になっておりますので、よろしくお願いいたします。 ○石橋部会長 薬事・食品衛生審議会令におきまして、部会長代理は部会長により指名 することになっているようでございますので、私の方から河盛委員を指名させていただ きたいと思いますが、委員の皆様いかがでございましょうか。 ── 拍手 ── ○石橋部会長 それでは河盛委員、こちらの方へお移りください。 ── 河盛委員、部会長代理席へ移動 ── ○石橋部会長 それでは議事を進めたいと思います。まず審議事項でございますが、本 日の議題は「医療用医薬品(抗菌薬)の再評価結果について」、報告事項として「医療用 医薬品の品質再評価結果について」となっております。まずは審議事項に関する資料の 説明を事務局の方から受けたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○事務局 事務局から御説明させていただきます。審議事項に関連する資料の説明をさ せていただく前に、簡単ではございますが、本日配付いたしました「再評価の流れ」と いう一枚紙を御用意いただきまして、この再評価について簡単に御説明させていただき ます。よろしいでしょうか。この表を御覧になりながらお聞きいただければと思います が、厚生労働省は再評価成分及び項目を選定いたしまして、再評価指定に対する対象成 分を薬事・食品衛生審議会の方へ諮問いたします。薬事・食品衛生審議会の医薬品再評 価部会は再評価対象成分について審議して薬事分科会へ報告を行い、薬事・食品衛生審 議会は答申を行うということで、この答申を受けていわゆる再評価の指定の告示を行う という流れでございます。再評価の対象に指定された医薬品の製造業者等は、公示で定 められた期限までに再評価申請書と関連する申請資料等を提出いたします。厚生労働省 は提出されました申請書や資料、内容等の確認・調査を医薬品医療機器総合機構の方に 依頼いたします。こちらの図でいきますと右の方に矢印が流れていくところでございま す。医薬品医療機器総合機構は調査結果に基づく確認、適合性調査を行い、その結果を 厚生労働省へ再評価結果通知書として報告いたします。薬事・食品衛生審議会医薬品再 評価部会は再評価結果について審議して、薬事分科会へ報告し答申を行うということに なっております。その結果を厚生労働省は再評価結果として公表するという流れになっ ております。本日の医薬品再評価部会はこの流れで言いますと、下から三つ目の枠で書 かれている「薬事・食品衛生審議会への諮問と審議(又は報告)」というところに当たり ます。   続きまして、審議事項であります抗菌薬再評価の経緯について御説明させていただき ます。この抗菌薬の再評価の経緯と再評価結果報告については、恐れ入りますが少々時 間を掛けて御説明させていただきます。資料1-2の「再評価結果通知書」の5ページを 御覧になりながらお聞きいただければと思います。こちらにいわゆる抗菌薬の再評価指 定に係る経緯が書いてあります。抗菌薬については、承認時期により菌種名及び適応症 などの記載方法に相違が生じており、従来医療関係団体からその是正が求められていた ところでございます。これは抗菌薬の対象疾患である感染症の変貌、感染症を起因とす る病原菌の分類学上の位置付けの改定、それから菌属、菌種等の名称の改定などの理由 によるものであります。そのため事前に送付いたしました資料1-5の抗菌薬臨床評価ガ イドラインが平成10年8月に作成されまして、それによって適応菌種名、適応疾患の整 理等を実施し、記載の菌種名に統一するなどの一定の方針で見直しをすることが可能と なりました。  このため厚生労働省は、平成11年及び13年に再評価情報の依頼事業として社団法人 日本化学療法学会に既存の抗菌薬の適応症・適応菌種の記載における問題点の抽出を依 頼しております。日本化学療法学会は診療領域別に五つの委員会、呼吸器領域、上気道 ・耳鼻科領域、小児科領域、泌尿器領域、及び外科領域を組織いたしまして、抗菌薬全 般に係る適応症の名称の見直し案及び有効菌種表示法の見直し案を作成し、平成12年及 び平成14年にその報告書が提出されました。平成14年4月に再評価指定情報収集事業 報告書の提出を受けまして、平成14年7月に医薬品医療機器審査センターにおいて、審 査担当官の審査と専門委員との協議を行い、改定の基本方針及び変更案一覧を作成いた しました。厚生労働省は審査センターにより読替えが必要とされた抗菌薬のうち、承認 事項の変更に当たり承認時の添付資料や既存の文献等の成績の結果の確認が必要になる ものについて、平成14年9月6日の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会に諮問し答 申を受け、薬事分科会への報告を経て平成15年3月31日に107成分に9処方を合わせ て116成分の再評価指定告示を行いました。今般医薬品医療機器総合機構より再評価指 定に伴う再評価の審議結果が報告されましたので、再評価判定について薬事・食品衛生 審議会に諮問し、医薬品再評価部会において審議をお願いするものでございます。  恐れ入りますが、資料1-1の諮問書の方を御覧いただけますでしょうか。諮問書を1 枚めくって1ページに再評価指定を行った医療用医薬品の成分が書いてございます。1 ページから単味剤107成分、めくっていただきまして3ページに配合剤9処方、合計で 116成分処方名が記載されております。これらについて、5ページから適応菌種の現行 の記載方法と新しく読み替える記載方法が表で載せてあります。また、13ページから適 応症の現行の記載方法と新しく読み替える記載方法が表で載せてあります。30ページを 御覧ください。こちらからは各成分、処方の剤形ごとの効能・効果、用法・用量の現行 の記載、改正案の具体的な例を載せてあります。委員の先生方におかれましては資料1-1 の諮問書を念頭に、資料1-2の再評価結果通知書について御審議、御検討いただければ と考えております。なお、本日配付いたしました資料1-4-Aの専門協議委員の名簿でご ざいますが、これはこれまで再評価指定前後、計3回行いました専門協議に御参加いた だき御議論いただきました委員の先生方でございます。今回の改定の審査の結果内容等 の資料1-2の説明については、医薬品医療機器総合機構の審査官の方から御説明させて いただきます。 ○石橋部会長 どうもありがとうございました。再評価の流れの説明、それから抗菌薬 の再評価の経緯について御説明いただきました。 ○事務局 部会長、御審議いただく前に審査報告書に基づきまして少し詳しく御説明を させていただければと思います。 ○機構 医薬品医療機器総合機構より再評価結果通知書について御説明申し上げます。 資料1-2を御覧いただければと存じます。  まず記載方法について御説明申し上げます。今までは抗菌薬の効能・効果は菌種名の 羅列がございまして、それらによる下記の感染症といったように一続きの文章とされて おりました。しかしこの記載ですと、サルモネラ菌による肺炎といったような起炎菌と してあり得ない菌による感染症が表記上読めてしまいますことから、今回の改定におい ては「適応菌種」と「適応症」として別記することにいたしました。  また、適応菌種、適応症の記載順序につきましても、これまでは統一されておりませ んでしたが、これらについても統一することとし、別添3及び4の順で記載することと いたしました。この順序は現行の抗菌薬臨床評価ガイドラインも参考にいたしまして、 好気性グラム陽性球菌、同グラム陰性球菌、好気性グラム陽性桿菌、好気性グラム陰性 桿菌といったような順になっております。この順序の原則については資料1-5の21ペー ジに記載がございますので、こちらを御参照いただければと存じます。  まず始めに適応菌種についてでございますが、読替えの結果、同属に属する菌種が2 種類以上適応菌種として存在する場合には、個別の菌名による記載ではなく、属名記載 といたしました。ただし、緑膿菌、肺炎球菌など、その特性から個別菌種として記載し た方がよい菌種については、各々シュードモナス属、ストレプトコッカス属に属する菌 が存在しても属名としての記載には含めず、緑膿菌、肺炎球菌と個別の菌種名を記載す ることといたしました。  また、菌名の記載については、アルファベット表記となっているものもございました ので、今回の統一に伴いカタカナないしは漢字による記載といたしました。  細菌の学名については、分類学などの進歩により変化いたしました結果、属名が変更 されているものがございます。例えば従前プロテウス属とされていた菌種が現在ではプ ロテウス属のほか、モルガネラ属、プロビデンシア属などに分類されるようになってお ります。このような事例について今回の改定においては、承認時にプロテウス属という 記載として承認された菌種がいずれの菌種であったかについて確認を行い、各々の菌種 について現在の名称へと読み替えました。読み替えた結果、同属に属する菌種が2種類 以上存在する場合には属名記載といたしました。  また、最新の菌名を追求し過ぎまして現場の先生方がどの菌か分からなくなるような ことになってはなりませんので、菌名が変更されたものの変更後時間が余り経過してい ないもの、診療科によっては従前の菌名の方がいまだ浸透しているものなどについては、 従前の菌名を括弧書きで併記することといたしました。  次に適応症名でございますが、適応症名については承認された時期などにより一つの 疾患が異なる幾つかの名称で記載されているものがございました。今回これらを統一し、 現在日常的に使用されている疾患名へと変更いたしました。また、従前の疾患名の記載 については括弧書き、例えば「慢性呼吸器疾患(慢性気管支炎、気管支拡張症)」という ような記載があり、括弧書きについては従前より括弧の意味が明確でないという御指摘 を受けておりました。今回これについても改善を行いまして、今の例で申し上げますと、 慢性呼吸器疾患のうちこの薬剤の適応を慢性気管支炎、気管支拡張症に限定するという 意味なのか、それとも慢性呼吸器疾患の例示としてこの2疾患を挙げているだけなのか よく分からないといった御意見を頂いておりました。したがいまして、今回の改定にお いては括弧書きの使用はできる限り避け、やむを得ず使用する場合はその括弧の意味が 明確になるように、例えば「何々に限る」といったような形に変更いたしました。  また、従来は経口抗菌薬に化膿性髄膜炎、敗血症などといった経口薬では十分な効果 が期待できない疾患の適応がございましたが、これらについては経口剤の適応症より削 除することといたしました。  麦粒腫など注射剤を投与する必要がないとされる疾患については、注射剤の適応症よ り削除することといたしました。  皮膚科領域感染症については、せつ、ようなど個別の細かい疾患名が羅列されており ましたが、今回の改定においては「表在性皮膚感染症」、「深在性皮膚感染症」、「慢 性膿皮症」の三つに分類いたしました。また、リンパ管炎、リンパ節炎については、上 記3疾患とは異なる病態であるとされましたことから、「リンパ管・リンパ節炎」とし て別記することといたしました。  点眼薬における「術後感染症」の適応症については、臨床試験において検証されてい るのは術後に発症した術後感染症に対する有効性ではなく、眼科周術期における外眼部 の無菌化の効果でありましたことから、「眼科周術期の無菌化療法」という適応症名と することといたしました。  クラミジア肺炎、淋菌性尿道炎のようにこれまでは疾患名に菌名が附帯されているも のがございました。これらについては菌名は菌種名の方に記載することといたしまして、 適応症については疾患名のみを記載することといたしました。今申し上げました例です と、各々クラミジア肺炎については肺炎、淋菌性尿道炎については尿道炎となります。  気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎などといった疾患名を持った抗菌薬がございま したが、これらのようにその疾患の本態自体が感染症でないものについては今回検討い たしました。その結果、今例として挙げました気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎と いったものについては、これらの背景を有する患者における呼吸器感染症に対する有効 性が確認されている場合については「慢性呼吸器病変の二次感染」とすることとし、そ れ以外の場合においては削除することといたしました。  腸炎でございますが、カンピロバクター腸炎、赤痢などについては、今回「感染性腸 炎」に統一いたしました。なお、腸チフスについては抗菌薬投与期間など他の感染性腸 炎と異なりますことから、「感染性腸炎」には統合せず、「腸チフス」として記載する ことといたしました。  また、従前はマイコプラズマ、クラミジア、レジオネラは分離同定が困難でありまし たことから、「異型肺炎」、「非定型肺炎」などの名称により細菌性肺炎と区別して記 載されておりました。しかし、今日ではこれらの病原微生物についても分離同定・抗体 検査などが可能となりましたことから、抗菌スペクトル、臨床成績などを確認した上、 「肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)」、「肺炎クラミジア(クラミジ ア・ニューモニエ)」、「肺炎レジオネラ(レジオネラ・ニューモフィラ)」などを適応菌 種に加えることといたしました。なお、疾患名についてはこれまで「異型肺炎」、「非 定型肺炎」とされておりましたものを「肺炎」とすることといたしました。  歯科・口腔外科領域についてはこれまで種々の疾患名が使用されてまいりましたが、 今回の改定におきましては「歯周組織炎」、「歯冠周囲炎」、「顎骨周辺の蜂巣炎」、 「顎炎」、「歯髄壊死」に統合することといたしました。  外傷創感染、手術創感染、熱傷感染などについては、「外傷・熱傷・手術創等の二次 感染」という言葉に統一することといたしました。ただし、「びらん・潰瘍の二次感染」、 「感染性褥瘡」についてはその病態が異なることから、これらには含めないことといた しました。  それから削除対象となりました疾患といたしましては急性膵炎がございます。急性膵 炎については多くの場合が感染症ではないという御意見を頂きまして、今回適応から削 除することといたしました。  尿道炎については、その起因菌がクラミジア・トラコマティス(トラコーマ・クラミジ ア)若しくは淋菌でありますことから、これらの菌種が適応菌種に含まれない薬剤につい ては適応症より尿道炎を削除することといたしました。なお、淋菌が適応菌種に含まれ、 クラミジア・トラコマティスが適応菌種に含まれず、かつ適応症に「淋菌感染症」が含 まれる場合には、尿道炎は「淋菌感染症」に統合されるために適応症の表記上は削除さ れております。  子宮頸管炎については、現在その大部分が性感染症によるものであることから、適応 菌種に淋菌若しくはクラミジア・トラコマティスが含まれる場合のみ「子宮頸管炎」と することといたしました。淋菌若しくはクラミジア・トラコマティスが含まれない場合 におきましては、子宮内感染に読み替えることとなっております。以上が今回の抗菌薬 の効能・効果読替えの大きな変更点でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上 げます。 ○石橋部会長 ありがとうございました。何かございますでしょうか。適応症名の改定 等が説明されましたが、何か御質問等ございますでしょうか。 ○事務局 できますれば、専門協議の中で御審議いただいた岩田先生の方から少しコメ ントを頂ければと思います。 ○石橋部会長 では岩田先生、よろしくお願いいたします。 ○岩田委員 専門協議に参加していた委員が私一人ということで、一つ二つコメントさ せていただきたいと思います。今機構の方から御説明がございましたように、細菌の菌 種名は昔と今とではかなり変わってきておりまして、その部分を薬剤側に極端に有利に ならないように読み替えるというのは非常に御苦労されたと思います。私も全部資料を 見させていただきましたが、基本的に菌種名の読替えというのは現場の方で余り混乱が あってもいけませんので、全部が全部最新の菌種名に統一されているわけではありませ んが、臨床現場で実際に使われている菌種名に即した、かつ一番新しい内容で読み替え ていただいたということで、大筋では余り問題はないのではないかと考えております。  ただ、最後の専門協議が書面での協議で実際にディスカッションがなかったので、一、 二点疑問に思ったことを質問させていただきたいと思います。化膿連鎖球菌とか溶血性 連鎖球菌の取扱いですが、これは全部連鎖球菌属に含められています。そうすると例え ば口腔内連鎖球菌などと薬剤感受性が若干違ってくるので、その辺のところはどのよう に扱うかということが一つ。  それから感染性腸炎としてカンピロバクター腸炎等の一連の腸炎が統一されているの ですが、付表ではサルモネラ腸炎だけがそのままサルモネラ腸炎と記載されております。 この点についても御意見を伺いたいと思います。ほかの点については特にございません。 ○石橋部会長 ありがとうございました。どうぞ。 ○事務局 ただいま御指摘がありましたサルモネラ腸炎がサルモネラ腸炎のままになっ ているというのは、本日配付いたしました正誤表で感染性腸炎の方に訂正させていただ いております。申し訳ございませんでした。 ○岩田委員 分かりました。 ○石橋部会長 訂正していただきたいということでございますが、いかがでございまし ょうか。今までの事務局からの御説明、それから岩田委員の専門協議での結果のコメン トを頂きましたが、大体の流れはお分かりいただけたのではないかと思います。個別に 細かいところが改定になっておりますので、何か御意見、御質問等ございましたら、ど うぞ遠慮なく御発言いただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。それ ではもし御意見がないようでございましたら、抗菌薬の菌種及び適応症の読替えについ てはおおむね今事務局が説明されました案のとおりとするということで、御了承いただ けたと考えてよろしゅうございますでしょうか。それでは案のとおりに御了承いただい たものとさせていただきます。なお、本件については薬事分科会に報告することとさせ ていただきますので、どうぞ御了承いただきたいと思います。  それでは引き続き、再評価結果に基づき適応菌種の読替えを行う成分についての説明 を事務局の方からお願いしたいと思います。 ○事務局 事務局から御説明いたします。本日差し替え資料として配付させていただき ました、資料2-1-Aを御覧ください。再評価指定に載っていなかった成分についても適 応菌種の読替えに当たり確認する資料が必要な成分や、確認資料の必要のない成分がご ざいます。これらはさきに御審議いただいた読替えの方針、結果に従って事務的に適応 菌種と適応症の記載を読み替えても可能な成分と考えたものです。では資料2-1-Aの1 ページを御覧ください。こちらには適応菌種の読替えに当たり、確認の資料が必要な成 分として24成分を挙げさせていただいております。これらは再評価指定後に承認された 成分等が含まれておりまして、事前に確認の資料等の提出を受けております。昨年11 月までに資料の提出を受けておりまして、それに基づいて確認資料の必要な成分となっ ております。  続きまして2ページですが、こちらは適応菌種の読替えに当たり確認資料の要らない 成分を55品目載せております。こちらは抗結核薬等を主にしておりまして、いわゆる一 対一の読替えで特に確認の資料は必要ないという成分でございます。  続きまして4ページを御覧ください。こちらは適応菌種の表示記載方法について示し ております。この表は先ほど御審議いただいた諮問書等に付いている表に何品目か追加 したものでございますが、機械的な読替えが可能な成分がほとんどでございまして、1 項目だけ新規に追加されたものがあります。11ページを御覧ください。上から二つ目に 「レジオネラ属」とあります。こちらを記載方法の変更に伴ってレジオネラ属、変わり はございませんが、このレジオネラ属が1項目新しく加わっているものでございます。 これの該当成分はテリスロマイシンという錠剤でございます。  続きまして14ページを御覧ください。こちらは適応症の表示記載方法について示させ ていただいております。この表の下から13行目にサルモネラ症とございます。今までの 読替えの中にはサルモネラ症というのは出てきませんで、サルモネラ腸炎を感染性腸炎 と読み替えると同様に、サルモネラ症を感染性腸炎と読み替えるというのが1項目加わ っているところでございます。この該当成分はプルリフロキサシンでございます。  以上御説明いたしましたレジオネラとサルモネラ症の二点が、再評価結果に基づいた 表示記載方法の読替えの追加部分でございます。先ほども申し上げましたが、これらの 適応菌種の読替えに当たり確認資料が必要な成分については、平成15年8月にこの取扱 いについて通知いたしまして、平成15年11月末まで資料の提出を受けております。以 上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○石橋部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか。先生方、御質問等ござい ましたら、よろしくお願いいたします。 ○岩田委員 ただいま御説明のございましたサルモネラ症を感染性腸炎と読み替えるこ とに関して、サルモネラ症の中にはチフス性の疾患は含まれていなかったのでしょうか。 その点を確認したいと思います。 ○機構 適応菌種にはチフスが入っていないことを確認いたしました。 ○岩田委員 パラチフスも入っていないと。 ○機構 はい。 ○岩田委員 分かりました。 ○石橋部会長 ほかにはいかがでしょうか。資料2に挙げられております成分について は、先ほどの資料1に関連した再評価結果に沿って菌種と適応症をほぼ事務的に読み替 えるものがほとんどだと思いますので、さほど問題はないかと考えますが、いかがでし ょうか。忌憚のない御意見をちょうだいしたい思います。よろしゅうございますでしょ うか。御意見がないようでございますので、よろしければ事務局案を了承したことにさ せていただきたいと思います。ありがとうございました。それではそのようにさせてい ただきます。  それでは次に報告事項の議題1ですが、まずは事務局から資料3について説明をお願 いいたします。 ○事務局 事務局より資料3について御説明いたします。本日お手元に配付させていた だきました資料3-1、「品質に係る再評価のプロセス概要」を御用意いただき、御覧い ただければと思います。品質に係る再評価のプロセスを資料3-1の1ページに載せてご ざいます。こちらはいわゆる薬効の再評価の方とプロセスがちょっと異なっておりまし て、資料3-1の2ページに「具体的手順とステップ」が記載されております。品質再評 価の流れについては、ステップ1からステップ5の順で実施しております。  ステップ1は品質再評価候補の選択でございます。この品質再評価候補の選択につい ては、薬事・食品衛生審議会に対象成分を諮問し、指定成分について答申を頂いており ます。前回平成14年9月6日の再評価部会において対象とする857全成分について諮問 し、答申を受けております。ですので、ステップ1に係ることについては現在これ以上 増えないと言いますか、すべて終わっているという状況でございます。  続きましてステップ2、予試験の実施に移ります。予試験と言いますと、いわゆる先 発企業が成分の特性に応じ「標準的な溶出試験条件案」を作成いたします。この「標準 的な溶出試験条件案」で後発医薬品の溶出性が測定されるというわけでございます。得 られました先発・後発医薬品の溶出パターンを比較いたしまして、国立医薬品食品衛生 研究所を始め、全国10都府県の地方衛生研究所に依頼いたしまして、試験実施等の簡便 性を考慮し、標準的な溶出試験条件を決定いたします。これら予試験に伴って標準的な 溶出試験条件が設定できた場合に、ステップ3の再評価指定の告示へと移っていくわけ でございます。  ステップ3は、指定を行った先発企業は基準液性において公的溶出試験案を作成いた しまして、後発企業は標準的な溶出試験条件において試験成績を提出いたします。  続きましてステップ4は公的溶出試験案を通知することでございます。厚生労働省は 医薬品医療機器総合機構に依頼し、書面により「公的溶出試験案」を評価し、適当と認 められれば「公的溶出試験案」として通知いたします。この際も国立医薬品食品衛生研 究所を始め、全国10都府県の地方衛生研究所の方々によって、実際に試験案に基づきそ の試験案の妥当性を検証しております。  ステップ5として、それで検証されたものについて品質再評価の結果を通知いたしま す。同時に公的溶出試験法を公表いたしまして、日本薬局方外医薬品規格第三部の一部 を改正し、追加収載を行います。簡単ですが、品質の再評価の流れについては以上のと おりです。  それでは資料3にお戻りください。「内服固形製剤の品質再評価実施状況等について」 でございます。1枚めくっていただきまして1ページの既答申分における品質再評価各 指定薬効群及び成分数でございます。こちらは1〜3ページの上段にございますように、 これまで第1次から第27次まで既にそれぞれの薬効群について対象成分の選定を行い 終わっているところでございます。先ほど申し上げましたとおり指定対象成分は全部で 857成分となり、平成15年8月5日の先発予試験通知ですべて通知済みでございます。  続きまして4ページを御覧ください。こちらは薬効群ごとに品質再評価指定状況を並 べたものでございます。先ほどの1の表と同じ内容になっております。  8ページを御覧ください。こちらは平成16年5月17日までに承認整理された成分に ついて載せてございます。品質再評価の指定がなされた後に現在まで承認整理として報 告を受けたものを年次別に載せてございます。当該成分の品質再評価対象製剤の指定の 対象から今後削除を行う予定でございます。  一番最後でございますが、11ページを御覧ください。こちらは品質再評価結果通知状 況を載せてございます。前回平成14年9月に開催されました医薬品再評価部会以降、平 成14年10月10日の第14回から平成16年5月17日の第20回までの再評価結果通知を 行っております。これまで全合計で372成分、840規格、品目数の総数は再評価申請後 の承認整理294品目を合わせて3,226品目の再評価が終了いたしました。成分数比で約 44%が終了した結果となっております。当該の結果のたびごとに医療用医薬品品質情報 集、日本版のオレンジブックを出版いたしておりまして、前回の医薬品再評価部会以降 の6回分のオレンジブックは既に委員の先生方に送付させていただいたとおりでござい ます。本日は平成16年5月17日の第20回の再評価結果を載せましたオレンジブック、 平成16年6月版を配付させていただいております。報告事項は以上でございます。 ○石橋部会長 どうもありがとうございました。ただいまの御説明にどなたか御意見等 ございますでしょうか。内服固形製剤の品質再評価の実施状況を詳しく説明していただ きました。5月17日までに整理されたもの等が記載されておりますが、よろしゅうござ いますでしょうか。御意見がございませんようでしたら、次に移らせていただきます。 これで品質再評価の議論を終了させていただきまして、その他に移りたいと思いますが、 よろしゅうございますでしょうか。 ○事務局 事務局で用意しておりますその他の事項はございません。 ○石橋部会長 それではこれで再評価の議論を終了いたしたいと思いますが、何か全体 について御意見等ございましたらちょうだいしたいと思います。岩田先生、どうぞ。 ○岩田委員 今回抗菌薬の適応菌種、適応症を読み替えたわけですが、これからまた細 菌やウイルスの分類名称が変更されることが十分予想されます。今後そのようなときに はどのように対応されていくつもりなのかという点について、もし御意見がございまし たらお聴きしたいのですが。 ○審査管理課長 新薬の審査の過程でいろいろと新しい菌種等の問題も出てまいりまし ょうし、それから適応症も出てくると思いますので、やはり今後とも生じる問題かなと 思います。その際には、既存のものについて適宜変更することは可能でございますので、 そういった対応をしてまいりたいと思っております。 ○岩田委員 ありがとうございました。 ○石橋部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。どうぞ。 ○渡辺委員 今回は添付文書が全部付いていました。私は添付文書に興味がありました のでかなり読ませていただきました。この添付文書についてはどれくらいの内容を書い ていればよろしいとかといった指針はあるのですか。こういうものは当該製薬会社の全 責任で書いていると理解してよろしいのですか。 ○石橋部会長 事務局の方、いかがでしょうか。そのように理解してよろしいのでしょ うか。 ○審査管理課長 新薬については部会の際にも添付文書案を御提出いただきまして、そ れについては御審議いただいております。あと例えば市販後の安全性情報に基づいて使 用上の注意を改訂しなければならない場合には、行政側の指示の場合もありましょうし、 それから企業側の方で独自に使用上の注意を改訂する場合もございます。そういった企 業が自主的に改訂する場合にも医薬品医療機器総合機構の方に相談をして、整合性のと れた内容にしていくという体制で一応臨んでおります。 ○石橋部会長 よろしゅうございますか。ほかにはどうですか。 ○渡辺委員 そのことをお聞きしたのは、この添付文書を見てみますとごく当たり前の ことも大分書いてあります。例えば腎臓の悪い人には注意しろとか、高齢者は消化器系、 あるいは全臓器の機能が低下しているから注意しろとかです。こういうふうにごく一般 的な注意事項なども書くものというか、逆に書いていなかったら使う側にとって全然責 任がないということになるのかということです。私は初めてじっくり読ませていただい て、その辺のガイドラインのようなものはあるのかなと聞いているのです。 ○審査管理課長 添付文書の記載要領についても審議会の御審議の下に通知を致してお りまして、記載順番としましてはやはり一番重要なもの、警告すべき事項とかそういっ たものを最初の方に持ってくると。後の方にそれぞれの部位ごとに、あるいは今先生の おっしゃっていた高齢者、それから小児とかいったような情報は一応項目を設けまして、 その項目に該当する内容があればそれを書いていただくと。そういうことで、一応項目 が余り抜けることのないような記載要領にはなっております。 ○石橋部会長 よろしゅうございますでしょうか。注意事項のところによく妊婦に飲ま せてはいけないなどということが書いてあって禁忌になっていますね。大抵の薬はそう なっていると思うのですが、遺漏のないようにということだと思います。では妊婦が飲 んだときにどのくらい障害があるのかという細かいデータは多分ないのではないかと思 いますけれども、やはり用心のためにこういった記載がされるのではないかという気が します。これは私の受け止めているところですが。 ○渡辺委員 私が心配しますのは、これを投与したり管理するのは専門家なので、その 専門家は当然そのくらいは知っておかなければいけないことでも、もし仮に書いていな かったら責任がないと、そういうふうなとられ方をすると困るのではないかなと思った ものですから。専門家としては当然それぐらいのことは知っておく責任があるという前 提に立つべきなのだと思いますが、全部書いてあると書いていなければ責任がないとい うふうに専門家にとられたら、消費者としてはかえって困るのではないかなという感じ がいたしまして、どこまで書かなければいけないのかなと思い聞いてみました。 ○石橋部会長 ありがとうございました。それに対していかがですか。 ○審査管理課長 御意見も二通りありまして、余り書いてほしくないといいますか、重 要なことだけ書いてほしいということもありますけれども、今の先生の御指摘のところ は、これは一般的な表現で大した情報ではないのではなかろうかと、こういう項目につ いての御意見かと思います。それについてもやはり市販後の調査に基づいて集まってき た具体的な情報を順次添付文書に反映させていくということで、お医者さんにとっては いろいろ判断できる材料を豊富にしていくと、こういった方針で臨んでいきたいという ことで今作業を進めております。 ○石橋部会長 よろしゅうございますでしょうか。それでは本日予定した議題はすべて 終了いたしましたのでこれで終わりといたしますが、次回の日程等はどうなっているの でしょうか。これは事務局の方で整理して改めて連絡するということでよろしゅうござ いますか。 ○事務局 また議題が整いましたらお声を掛けさせていただきまして、日程調整の上、 開催の御案内をさせていただきたいと思います。 ○石橋部会長 それでは以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。不慣 れなもので皆様に御迷惑をお掛けいたしましたけれども、御協力どうもありがとうござ いました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 オーファン専門官 谷地(内線2745)