04/05/31 社会保障審議会障害者部会(第11回)の議事録            第11回社会保障審議会障害者部会議事録       日時  :平成16年5月31日(月)14:00〜18:00       場所  :厚生労働省9階省議室       出席委員:京極部会長、安藤委員、江上委員、岡田委員、岡谷委員、            加藤委員、北岡委員、君塚委員、古畑委員、小林委員、            斎藤委員、笹川委員、新保委員、末安委員、高橋(紘)委員、            武田委員、丹下委員、長尾委員、妻屋委員、徳川委員、            広田委員、福島委員、町野委員、松友委員 ○京極部会長  ただいまから第11回社会保障審議会障害者部会を開催させていただきます。本日はお 忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。それでは事務局 から委員の出欠状況及び資料についての御説明をお願いします。 ○間企画課長補佐  委員の出欠状況ですが、本日は嵐谷委員、猪俣委員、亀井委員、高橋清久委員、堂本 委員、永井委員、西島委員から欠席との御連絡をいただいております。長尾委員と町野 委員は少し遅れておられるようでございます。  続きまして資料の御確認をお願いいたします。お手元に配布させていただいておりま す資料は、資料番号1としまして論点整理、資料2としまして前回までの議事概要で す。それから資料3としまして本日意見発表をいただきます君塚委員から提出いただき ました資料がございます。それから資料4としまして「障害者の就労支援に関する今後 の施策の方向性」と題し田茂のがございます。続きまして資料5としまして「障害者の 地域生活支援の在り方に関する検討会における3作業班の報告について」と題しました ペーパーが用意されてございます。続きまして資料6としまして「精神病床等に関する 検討会と精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会の報告について」と題しま したやや厚めの資料がございます。  それから資料7としまして「支援費制度等の現状と見直し等に係る議論」という資料 がございます。続きまして資料8としまして「日本労働組合総連合会の意見(抜粋)」 という資料を御用意させていただいております。そして資料9としまして「全国身体障 害者施設協議会からの提言」と題された資料を用意させていただいております。それか ら資料10としまして、委員から御要望のありました資料のうち今回御用意できたものに つきまして資料10としてまとめさせていただいております。  そして資料11としまして「今後の進め方(案)」という1枚の資料が用意してござい ます。そして最後に、資料番号はついておりませんが、斎藤委員から御提出いただきま した資料を御用意させていただいているところでございます。さらに前回の議事録を机 の上に置かせていただいているかと思います。御発言内容に誤り等がございましたら、 6月18日(金)までに事務局までお知らせいただきたいと存じます。また資料の不足が ございましたら御指摘をいただきたいと存じます。以上でございます。 ○京極部会長  それでは議事に入ります。前回は全国知事会、全国町村会からのヒアリングのあと、 全国市長会からの報告の聴取を行ない、あわせて資料1の論点のうちサービスの計画的 な整備と財源の在り方について御議論をいただき、論点について議論が一巡したところ でございます。そこで今回は就労支援など、委員の皆様からさらに議論を求める御意見 をいただきたい点について、追加的な議論をしていただくことを中心に進めたいと思い ます。最後に今後の進め方について御相談したいと思いますのでよろしくお願いいたし ます。  本日の進め方ですが、最初に君塚委員からの意見発表のお申し出がありましたので、 お話をいただきまして、その後就労支援、住まいの確保を含めた障害保健福祉施策の在 り方について、これまでの議論をふまえながら御議論をいただきたいと思います。長丁 場になりますので、本日は4時30分をメドに10分ほど休憩を挟んだ後、引き続いて財源 の在り方も含めた障害保健福祉施策の在り方について御議論ください。最後に今後の進 め方について御相談をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたしま す。  それではまず君塚委員に御意見を発表していただきたいと思います。御発表は15分程 度でお願いいたします。それでは君塚委員よろしくお願いいたします。 ○君塚委員  全国肢体不自由児運営協議会の君塚です。この御報告をさせていただきありがとうご ざいます。早速ですが資料3にそって説明をさせていただきます。特に医療の現状につ いてということで進めさせていただきます。  最初に設置あるいは運営形態並びに併設施設について、続いて入所機能について、措 置と一般入所の二つに分けて、次に外来について、それから在宅並びに家族支援につい て、そして被虐待児の入所例について、最後に医療と福祉の両機能を備えています重症 心身障害児施設の比較という形で報告させていただきます。数字が多かったり時間が不 足した場合にはあとでゆっくり御覧になっていただくということで、要点に触れながら 話を進めさせていただきます。  最初の1頁の設置、運営形態ですが、公立公営、公立民営、民立民営の三つに分かれ ていて、現在63施設、各県にほぼ一つずつあります。二番目の併設施設は下の表を御覧 になっていただくと、併設無しが13ということで、50は併設をしております。次の4段 が通園関係で、31施設が種々の通園を行なっています。その通園としてまた別個に重症 身心障害児通園というものも行なっています。各種通園が31、重症身心障害児通園が25 併設しています。それから重症身心障害児施設を併設してきた63のうち24が現在併設し ております。 その他の施設としては、身体障害者更生/援護施設6、身体障害者療護 施設10、特別養護老人ホーム2、訪問看護ステーション1、乳児院1など、20の施設を 併設しています。 次の頁で措置入所についてでは、平成14年度には58施設中3,818名 が利用されています。11月1日付では61施設で2,527人が在籍しています。このうち大 島の分類1〜4、あるいは5〜9、1〜4ですと身体障害1級2級IQが35以下、両方 を兼ねている1〜4が34%、それからIQが50以下で1〜2級が17%となっています。 それから超重症児、診療報酬の用語ですが、呼吸機能のスコアが6カ月以上25点をオー バーしている例が超重症児という定義で3%在籍しています。  それからまたあとで細かく出ますが、これは平成14年11月で1年未満が3分の1、1 〜3年が約2割、3年以上が約半数です。その頁の一番下を御覧になっていただくと、 さらに新しい今年の3月の入所期間が書いてあります。左側の1年間ですと約35%、3 年以内が20%、3年以上が44%となっています。  入所時の疾病ですが、脳性マヒが約半数を占めています。脳炎とか痙攣重積後遺症と か様々な脳原性疾患が16%、二分脊椎、ペルテスなどの整形外科、あるいは麻痺疾患が 9%ぐらいあります。  それから三番目に年齢分布ですが、就学前16%、小学生44%、中学生20%、16才以上 20%で、いわゆる18才以上の加齢児が一定程度います。  次は3頁の1962年から約40年間の主な疾病の推移です。一番左側に入所児童数が書い てありますが、1974年の6,849名をピークに現在も漸減しています。脳性マヒが現在70 %を占めていて、以前の30%に比べると倍以上になっています。先天股脱が減っており ますし二分脊椎が少しずつ増えていったりしています。筋ジスから先天奇形、それから 外傷後遺症の様々な疾患が推移しております。  1984年の年間総退所児数が4,298人です。入所児数が6,180名で、そのうち4,298名と いう形で約3分の2近くが年間に退所していました。一方、2001年は入所数が3,216名 に対して、この3,216名というのは3月1日付の在園数ですが、この在園数に対して年 間に4,446名退院していて、9カ月ほどの平均で退所しております。追加型の形となっ ています。  それから入所目的ですが、訓練が3分の2、これはお母さんの訓練を含めた母子入園 も入りますが65%、整形外科的な手術で変形あるいは機能向上のための手術が14%、虐 待に対する社会的入院、あるいは家庭の崩壊、これには家庭崩壊等で離島とか山奥で、 近くに社会資源がないために入所して隣接の養護学校に通っているという形の社会的入 所があります。家庭の崩壊の中では最近は父子家庭が増えてきたり、お母さんの精神疾 患ということが増えています。  次は4頁目に今月3月1日付の措置入所している人たちの子どもたちの日常生活、自 立、部分介助、全介助、手術後という形で実数とパーセントを書いてあります。それか ら次の段には知能指数が書いてあります。測定不能なり、35以下、あるいは50以下のそ の三つでは50%を越えています。  それから右の5頁に進んでいただいて、措置ではない一般入院という形で、育成ある いは更生医療で入院していますが、成人も含めて入所しています。3)のところで 約7,000人が入退所していて、措置が6割、一般入院、児童、育成医療30%、更生医療、 成人、半数は脳性マヒですが、10%となっています。それから外来についてですが、月 に延べ11万人ほどが来ていますが、整形外科、小児科、リハ科、その他の科という形で 診察をしています。  次の頁をめくっていただきますと、外来のリハビリテーションという形で施設のオー プン化でやっております。この外来のリハビリテーションの形では7頁の左上に診療報 酬の体系の中でリハビリテーション総合承認施設、理学療法承認施設、作業療法承認施 設という形で重複していますが、そういうふうになっています。  次に外来ですが、表としては今年の3月の分は7頁の右の下、あるいは中に成人別で 書いてあります。次の8頁では外来の病名ですが、脳性マヒ、あるいは染色体異常、脳 炎後遺症などの形となっていますが、私たちのところで新感染名の30%が自閉症スペク トロムのゴサン(?)ですし、北九州総合療育センター、高松先生のいらっしゃったと ころでは45%が自閉症群です。  それから三番目に在宅及び家族支援という形で、まず巡回相談、施設からチームを組 んで年間8,000件ほど行なっておりますし、地域療育等支援施設事業という形で半数が 受けていますが、訪問検診、あるいは在宅支援相談2万件、地域生活支援事業1万件と いう形でやっております。拠点施設事業という形では他の施設への支援2,400件、ある いはセミナーなどの指導130件をやっています。ホームヘルプ、デイサービスをやって いるのですが、数が総体的に少ないです。ミニツミエ(?)で8施設ほど行なっていま す。ただ、おもちゃ図書館、障害児学童保育、ボランティア派遣事業、グループホーム 等が19施設で行なわれています。  次に9頁ですが、被虐待児の実態調査を2000年と2003年に2回行なっています。その 数が9頁以降3頁にわたって書いてあります。2000年の時には140名ほど入っていまし て、83名がそのまま3年間入所していて、57名が退所しています。その内訳としては、 年齢別、小さい子が多いとか、虐待の種類、その障害という形とか、実母が実際には虐 待の主であるとか、次の10頁では離婚歴は母親に多いということとか、虐待をする人が その虐待しているかどうかの認識がかなり薄いということがあります。それから退所し た57名はなぜ退所できたかということがずっと書かれています。  その後、入所した数を含めますと昨年の10月で161名という形で、入所時の6%ぐら いを占めています。この6名の方についてはいろいろな形で、例えば11頁の退所できる 条件というのを強いてあげてもらったところでは、(1)のような条件があれば施設から 出られる、49名はその次の下の(2)ではもう不可能であるという形で、例えば行方不明 であるとか、音信不通という形でであります。他施設の手続きをしているということも 書いてありますが、重身施設の転出などなかなか難しいという状況です。  そして最後の12頁目ですが、医療と福祉の両方を兼ねている施設というとこの他に第 一種の自閉症施設がありますが、主にはこの二つ、もう一つは肢体不自由児の通園施設 がありますが、入所施設は二つです。64と105というところでは国立療養所の重身病棟 を除いています。入所児数が2,890に対して約1万人、3分の1弱になっています。1 施設あたり45名、94名、それから15年度の年間退所数は6,000弱、一方500弱、そして死 亡が8名と133名という形です。  それから入所児年齢という形で下の図があります。横軸の棒グラフで、上の肢体不自 由児施設では80%以上が18歳以下であり、十数%が18歳以下という形で、重度心身障害 児施設の平均年齢は40才ぐらいと思われます。  それから両方の施設の職員の配置ですが、こういう形で常勤だけをあげてあります。 非常勤もかなりいますが、医師、訓練士、心理療法士、ソーシャルワーカー、看護師も 含めてその他ですが、入所児1人あたりで計算すると肢体不自由児施設の方が多くなっ ています。看護助手とか保育士、指導員は重身の方が多いですが、その他では医師が 2.3倍になり、訓練士が3〜5倍という形で、配置が肢体不自由児の方が多くなってい ます。  そういう形でライフステージにそって予防とか早期発見、早期診断、障害の受容、親 子の愛着関係の確立、発達保障の総合リハビリテーション、ソーシャルスキルなど、さ らには親離れ、子離れ、教育、社会性の獲得、自立社会参加、就労、二次障害、親なき 後という形で様々な機能をしておりますし、短期入所でもレスピット入所で多くの方が 利用されています。ただ、居宅支援が今のところ相対的に肢体不自由児施設の仕事量が 少ないということがあげられています。  とりあえずそういう資料の中では以前から厚労省の研究班では肢体不自由児施設の課 題として経営上の問題点、長期入所児の処遇内容の問題、施設の一層のオープン化、公 費価格是正などがあげられていますし、実際に現場では児者の一本化が進んでいます し、重度化、大島分類でいわゆる広義の重身児が半数を占めており、超重症児も増えて きております。そして自閉症の方も増えておりますし、現場ではその障害の統合という ことが進んでおります。以上です。 ○京極部会長  時間がもっとたくさん必要かと思いますが、今日の日程の関係で端折ってお話をいた だきました。大変厳しい現実が御報告されたと思いますが、何か御質問がございました らどうぞ。 ○徳川委員  二点伺いたいのですが、8頁ですが、職員の数の推移というところで、看護師が平成 3年から14年までで1,000人ぐらい減っているのですが、これはどういう理由なのかと いうことをお尋ねします。  それともう一点は10頁ですが、3)のところですが、施設の変更というのが66.7%と 結構多いんですね。これは私どもの療護施設にも相当重症身心の方から移って来る方が いらっしゃるのですが、これはやむを得ないという理由で移って来られるのでしょう か。それともどういう理由があって他施設に変わってくるか、そのことを伺いたいので すが。 ○君塚委員  最初の看護師の減少ですが、この間、入所児の重度化に伴って肢体不自由児病棟が重 身病棟に大体1,500ベッドくらい変わりました。それにつれて現場の看護師の職員が重 身病棟に移行しましたので、カウントされずになってきているということで減っていま す。  もう一つの他施設への転出という形では、リハビリテーションとか、私たちのところ では通過型の機能としては一応一段落して、家には帰れないけれども他の施設へ転出届 けをしていて、結果的に受け入れられたということで、家に帰れずに重身施設として障 害施設などに移っています。細かな数字は今はわかりませんが。 ○京極部会長  君塚委員どうもありがとうございました。それでは時間の関係で就労支援と住まいの 確保を含めた障害保健福祉施策の在り方について議論を進めてまいりたいと思います。 君塚委員どうもありがとうございました。就労支援など、行政の方で他の検討会等でも 具体的な検討が進んでいるようですので、まず事務局よりその報告をしていただいて、 その上で合わせて比較検討及び進捗状況について御報告をさせていただきます。それで は事務局より資料4から6までを御説明をお願いいたします。 ○村木課長  それでは順次説明をさせていただきます。最初に資料4の障害者の就労支援に関する 今後の施策の方向性というものをお開きいただきたいと思います。この資料は、省内で 厚生労働審議官をトップに関係部局が集いまして障害者の就労問題について検討をして おりますが、その現在のところの検討状況をまとめたものでございます。  1頁に基本的な考え方ということで整理をしております。○が五つありまして、最初 の二つが大きな考え方です。障害者の地域生活を支えるという大きな目標のもとで就労 支援が非常に重要な柱であるというふうに位置づけております。その上で現在施設を御 利用いただいている方や新しく養護学校等々を御卒業される方、あるいは事故や疾病で 障害を持つ状況になった方々について、その方々の働く意欲や能力を育てながら、その 意欲と能力に応じて働けるようにしていくということを非常に大きな課題として進めて いこうという考え方です。  具体的には下の三つの○ですが、大きな施策の柱を書いてございます。一つ目に、こ れまでややもすると縦割りになっておりました福祉と雇用の分野の施策を連続性を確保 して福祉的な就労から一般就労への支援を行なうこと、そして関係者が力を合わせて障 害者の方が自ら職業生活を設計選択をし、キャリア形成を図ることを応援するというこ とを一つの課題としております。  二つ目には、そういった観点から福祉の施設体系も含めまして、機能に着目した見直 しが必要だろうということで、機能は大きく三つに分けております。一般就労に向けた 支援を行なうタイプ、企業での雇用が困難な人が一定の支援のもとで就労をするタイ プ、そして就労が困難な方々が日中活動を行なうタイプ、この三つの類型機能が必要だ ろうというふうに整理をしております。  そして最後の○ですが、労働市場におけるミスマッチの解消、それから就職後のフォ ローアップ、そして離職した場合の再挑戦を可能とする仕組み、こういったことが大事 な課題になるということで課題を整理をしたところです。  2頁に先程申し上げたことを図表にしております。障害者の方々は、いろんなところ に就業を望んでいらっしゃるわけです。その職業設計を助けるということ、その上で就 労への意向を支援する場、この機能をきちんと強めて、一般就労できる方は一般の就労 へ、それが難しい方はもう少しハードルが低い就労の場を作る。これは在宅就労等も含 むと思いますが、そういった新しい働く場を作っていく。そしてそういった就労という 切り口ではなかなか日中活動が難しい方には、また違った形の日中活動の場を作るとい う流れになっております。  次の頁ですが、これは企業へ行かれる方の簡単な流れ図を書いております。学校を卒 業するというような、あるいは中途障害になったところで、その方々の職業能力の評 価、相談、そしてどういったコースを歩むかという調整というプロセスがあるだろう。 その上で必要な方には訓練を受けていただく。そして就業へ移行する前に職場実習とか トライアル雇用とか、こういった準備のステップがある。そしてその上で就職をする。 就職をしたあと、きちんと、企業側も、そして働く障害者の方も両方をサポートする仕 組みを作ろう。そして失業した場合にはもう一回再挑戦をする仕組みを作ろうという、 こういう概念図です。 4頁には、そういった意味でこの雇用政策、それから福祉の分 野で就労に関わる様々な施設、機関等がございます。デイの機関、小規模作業所、授産 施設、小規模通所授産、更生施設、あるいは福祉工場、こういったものがございます。 現在はこれらの施設はみんな三障害縦割りになっておりますし、いろんな場所にいろん な障害の程度の方が混在をしていて、それぞれの場所も日中活動の場であったり、訓練 の場であったり、あるいは働く場であったりということで、機能も混在をしているとい う状況にございますので、先程のような考え方に基づいて三つの必要な機能、一般就労 へ移行する、あるいはそういったものを支援するタイプのところと、それから実際の企 業雇用よりももう少しハードルの低い継続的な就労の場、それから就労ではなくてもう ちょっと多様な日中活動の場と、この三つのタイプに施設や様々な機関も機能別の再編 ができるのではないかということで、こういった機能に応じた施設の再編ということも 考えていこうということで整理をしたところです。  5頁にその辺の課題ごとに項目をまとめております。これはあとで御覧をいただけれ ばと思います。就労の関係は以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。引き続きまして資料5の御説明をお願いいたします。 ○高原課長  それでは引き続きまして資料5について御説明をさせていただきます。障害者(児) の地域生活支援の在り方に関する検討会、昨年の5月から開催をいたしておりますが、 特に今年の2月から3月にかけましては障害種別ごとに具体的なサービス論の在り方を ニーズにそって議論を深めたらどうかということで、三つの作業班を作りまして、それ ぞれ3回にわたり議論を深めていただきました。その議論の概要としてまとめたものが お手元の資料5です。かいつまんで御報告を申し上げます。  1頁ですが、知的障害者・障害児に関する作業班におきましては、いくつか出た意見 ですが、主なものを拾いますと、1のところですが、知的障害者が地域で暮らす上での ニーズというのは、住まいの確保、日中活動、就労支援、生活支援や社会参加、権利擁 護等、非常に広範な領域にわたるものであって、これらのニーズを総合的にとらえるこ とが非常に大事だというふうな御意見がございました。  それから3の(1)のところでは、障害種別を越えて総合的にいろんな相談支援を行な う機能が全ての市町村に整備されることが望ましいといった御意見でありますとか、あ るいは住まいの確保や居住支援では、公営住宅のグループホーム利用の拡大や、知的障 害者の単身入居を可能にするなどの入居支援が必要だというふうな御意見が出されてお ります。  2頁の(5)のところでは、知的障害者本人の活動を奨励することが大事だということ で、例えば知的障害者本人にもホームヘルパーの資格をとりやすくするようなことを考 えたらどうかというふうな御意見、あるいは(7)では、ケアマネジメントに関連しまし て、知的障害者や障害児が地域で暮らす上での様々なニーズと、これと各種サービスを 調整し、結びつけるための仕組みが極めて重要であって、制度化に向けた検討が必要で あるというふうな御意見をいただいております。  次は3頁目ですが、視覚障害者・聴覚障害者に関する作業班の議論のポイントです。 サービスの利用手続きに関連しまして、相談やいろんな情報提供からサービス利用に至 るまで、点訳、音訳、代筆、代読などのきめ細かな利用支援が講じられることが必要で あるといった御意見や、先進的な自治体の取組を紹介するようなことも必要ではないか という御意見がありました。  それから4頁目のところに移っていただきますと、外出の際の移動の支援、ガイドヘ ルプにつきましては、運用の問題として、例えば障害者団体の大会や研修会等に参加す る場合の宿泊を伴う外出のガイドヘルプについてはこれを認めるべきではないかという ふうな運用に係る具体的な御意見ですとか、あるいは利用者のニーズを十分把握するケ アマネジメントの制度化とともに、病気や災害等の緊急時には事後承認を含むような柔 軟な取り扱いをすべきではないかといった御意見、あるいは利用者負担の在り方としま して、とりわけ成人障害者の利用にあたっては応能負担、応益負担に関わらず、現行の 生計中心者を中心とするものから利用者本人を中心とする視点に変更すべきではないか といった御意見をいただいております。  あとは情報コミュニケーション支援につきましては、福祉施策だけの取組ではなく て、あらゆる行政分野、司法・立法、民間も含めた取組が必要であるというふうな御意 見、あるいは5頁目のところですが、情報化、電子化の進展にともなって技術革新とい ったものへの対応ですとか、ユーザー自身の力を育てることが大切ではないかといった 御意見をいただいております。  そして最後は三つ目の作業班です。これは全身性障害者等長時間介護が必要な方に対 する支援の在り方を議論した作業班です。そもそも長時間介護が必要な方の範囲をどう いうふうにとらえるかということについては、日常生活において多くの場面で人的支援 を必要とするような障害の重い全身性障害者等ということで、その主なニーズについて は、医療的ケアやコミュニケーション支援、見守り等に関することが大きいといった御 意見、あるいは全ての全身性障害者が24時間の支援が必要とは限らない一方で、知的障 害者、例えば強度の行動障害をもった方の中にも長時間の支援が必要な方がいるという ふうな御意見、あるいは施設利用者の現状についてのところでは、療護施設の入所者は 高度な医療や手厚い看護を必要とする方か、地域での生活支援体制が整っていないため に仕方なく入所している方ではないか、市町村の受け入れ体制ができていない等の不安 要因のアンケート調査の結果もあるというふうな御意見がありました。  7頁目のところを御覧いただきますと、地域での生活支援に関連しましては、家族か ら独立して生活をする支援体制が不十分ではないかという御指摘があったり、あるいは 例えば日中活動、緊急サービスや、緊急時以外にも必要な時に呼べる待機ヘルパーを用 意するなどの仕組みを考えてはどうかというふうな御意見がありました。  それから施設利用者の地域生活移行については、施設の役割については、これまでの サービスを充実させる役割と、地域移行をサポートする役割の二つの柱があるのではな いかといった御意見があり、それから8頁のところでは、制度の工夫についてというこ とでいいますと、地域生活を送る上で自立生活プログラムやピアカウンセリングといっ た当事者による支援、ノウハウの支援やセルフヘルプなどの支援を制度に組み込めない だろうかというふうな御意見がありました。  それからサービス利用にあたっての諸課題についてということで、ケアマネジメント は一般論としては必要だけれど云々ということで、ケアマネの内容を十分吟味し、セル フマネジドケアをふまえた生活支援の目的を確立するケアマネジメントの検討が必要で はないかといった御意見がありました。  それから支援の在り方、サービスの在り方論は重要である一方、資源は有効であるの で、どういう支援が障害者には必要で、そのためにはどのくらい費用が必要なのかにつ いて、国民一人一人が納得し得る社会的な合意が必要ではないかというふうな御意見を いただいております。  この三つの作業班の意見は在り方検討会の全体会に御報告し、当面、今後はこの検討 会の具体的な宿題事項でありますホームヘルプサービスの国庫補助基準の在り方につい て御議論をいただく予定になっております。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。続きまして資料6について御説明をお願いいたします。 ○矢島課長  それでは資料6に基づきまして説明をさせていただきます。1頁をお開きください。 今後の精神保健福祉対策の基本的な考え方として、将来ビジョンの枠組みというものが 最初にあるかと思います。これは昨年9月以降、精神病床等に関する検討会と、もう一 つは精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会、この二つの検討会においてそ れぞれ議論されてきた内容によりまして、もちろんそれぞれ関連する部分ですとか、そ ういうものがあるわけでして、それぞれの検討会の議論を一つにまとめたものがこの将 来ビジョンの枠組みでして、この考え方を整理をいたしますと大きく次の三点に集約さ れるという形でまとめさせていただきます。  まず最初の一点は、良質な医療を効率的に提供し退院を促進する体制づくりというこ とです。これは主に精神病床検討会での議論を中心にまとめてございます。それから2 頁にありますのが退院後等における地域生活を継続する体制づくりということで、これ は主に地域生活支援での検討会での議論をまとめた部分です。それから3頁のところで は両検討会でまさに重なる部分ですが、新たな仕組みを支える基盤づくりという形でま とめさせていただきます。  1頁に戻って簡単に説明をさせていただきますと、最初の良質な医療を効率的に提供 し退院を促進する体制づくりは、ここも三点ありまして、まず(1)として患者の病態に 応じた病院・病床の機能分化を進めるというふうな考え方で、代表的なものを御説明さ せていただきますと、入院患者の早期退院を促進するため、精神病床の機能分化を促進 し、患者の病状等に応じた適切な医療を提供できる体制を整備することが必要であると いうふうな考え方です。  それから(2)として、入院形態ごとの入院期間短縮ということで、措置入院や医療保 護入院等で入院した患者さんについては、適切な医療を提供し、早期に退院や任意入院 の形態に移行していく地域的な取組も重要であるとか、任意入院で入院している患者さ んについても、適切に病状を確認し、早期の退院を促すような仕組みが重要であるとい うふうな考え方です。  それから(3)として処遇内容の改善ということで、身体的拘束や隔離などの患者に対 する行動制限については、病状等に応じて必要最小限の範囲内で適正に行なわれること が必要である。また、任意入院については、原則として開放処遇を受けることが必要で あり、その制度の適切な運用を確認できるようにすることが必要であるというふうな考 え方です。 それから2として、これは地域生活支援検討会での議論になりますが、最 初にライフステージに応じた住、生活、活動等の支援体制の再編ということで、現行の 支援体制について障害者の状態等と社会資源とをどのように結びつけるのか、自立に向 けて必要な能力を向上するためにはどのような機能が必要なのかといった観点から再検 討し、システムの再編を図ることが必要であるということで、これは後ほど御説明しま すが、18頁に各種イメージについての図を載せてございます。  (2)ですが、ケアマネジメント体制の確立ということでして、地域生活を総合的に支 援するケアマネジメント体制を制度化することが必要ではないかというふうな御意見が ございました。そして(3)として国・都道府県・市町村の役割分担というふうなことで、 それぞれについての役割分担を進めていくべきだということです。  3としては、新たな仕組みを支える基盤づくりということで、これは両検討会での共 通のテーマになりますが、まず評価・チェック体制といったものの評価をする仕組みが 必要ではないかという考え方、それからこの新たな仕組みを支える人材の育成確保とい う考え方、それから財源配分の在り方という形でまとめてございます。  次は4頁ですが、ここでは精神病床等に関する検討会における中間まとめとして、先 程御説明をさせていただきましたものについて少し掘り下げて記述させていただいてい るのですが、時間の関係でここは内容は省かせていただきます。ここのところは後ほど 御覧をいただければと思います。  次は10頁を御覧いただければと思いますが、ただいま御説明をさせていただきました 病床の機能分化のイメージというものを図表で示させていただいております。ここにあ りますような形で、まず1番目に急性期医療(専門分化)の体制整備に伴う早期退院を 促進をする。そして2番目として、集中的な社会復帰リハビリによる社会的入院予備軍 の退院を促進する。そして3として、適切な人員配置の確保など、入院医療の質の向上 を図るというふうな考え方、これは病室単位、病床単位で分化の促進及び評価を進めて いくべきであるというふうな考え方という意見がございます。  11頁には現在の長期入院群の将来イメージとして、歴史的に長期に在院されている患 者さんですとか、重度の療養の方々、痴呆の方々に対しては、それぞれイメージとしま して精神療養病床、介護力を強化したような病床の利用群ですとか、それから痴呆療養 群、こういうふうなものを整備を図っていくような考え方はどうかということでまとめ をさせていただいております。  12頁では包括的に地域生活を支える仕組みというふうな形で、このような手法を使う ことによって地域において包括的に在宅の方を支える仕組みというものを考えられない かということで、ケアマネジメント機能を有している事業者が24時間の連携で連絡対応 の体制を作っていく。自ら必要なサービス提供をできる体制が整っている事業者により ます、多職種による、看護師、作業療法士、精神保健福祉士等による訪問看護等が提供 できることによって、包括的に地域生活を支えるような仕組みというものが考えられな いだろうかということで、一つの考え方です。  13頁からは地域生活支援検討会の中間まとめでして、ここは若干御説明をさせていた だければと思っております。この中間まとめは、退院後における地域生活を継続する体 制づくりで、最初にまず基本的な考え方、ライフステージに応じた住・生活・活動等の 支援体系の再編成の中で、基本的な考え方というものがありますが、一番下のところが すごく大事な点だと思っておりますが、身体、知的、精神の三障害それぞれの特性をふ まえつつも、三障害に共通した問題については障害の枠をこえた支援を行なっていくべ きではないかというふうな御指摘がございます。これはすごく大事な点だというふうに 思っております。三障害に共通した問題については、障害の枠を超えた支援を行なって いくべきではないかというふうな考え方です。  それから住居支援につきましては、施設やグループホーム等を経て自宅またはアパー トで生活できるような取組を進めるべきである。それから貸主等からは緊急時の連絡先 等を求める声が強く、当事者の単身入居を推進していくためには、こうした支援体制を 構築することが必要である、また、公営住宅への精神障害者の単身入居を進めることは できないかといったような御意見がございました。それからグループホームについて は、重度の精神障害者にも対応できるような機能の強化を図るべきではないかというふ うな考え方、それから入所型の社会復帰施設についても、地域での生活に送り出す機能 を強化することが必要ではないかといった御意見がございます。  それから就労支援・活動の支援のところですが、これは精神障害者の雇用を促進する というふうな観点から、やはり雇用確保をするための法的な手続きが必要ではないか、 それから例えばワークシェアリングというふうな考え方なんでしょうか、精神障害者が 例えば健常の方1人分の業務を3人の方で分担して行なうような、そういう多様な就労 形態が可能となるような方法、こういうものも検討すべきではないかというふうな御意 見がございます。  それから就業生活支援センターが担っている活動支援に関する機能を精神障害者が積 極的に活用できるような取組が必要ではないか。また、施設外授産をうまく活用するこ とで、一般雇用への移行を図るべきではないかというふうな御意見、それから現在の 「福祉的就労」を就労なのか、訓練なのか、生活支援なのかを明らかにし、より一般雇 用に結びつけていくという観点から、それぞれの機能を明確に区分していくべきではな いかというふうな御意見がございます。それから生活支援や憩える場の在り方を検討し ていくべきではないかという御議論と、あわせて医療としてのデイケアの機能を患者の 症状やニーズに応じて分化していく必要があるのではないかというふうな御議論もごさ いました。  それから居宅生活支援に関しましては、例えば訪問サービスやショートステイです が、これらについての御意見として、各種医療サービスを自宅等で受けられる仕組みを 重視する必要があるのではないか。それから現行のショートステイはあくまでも介護者 の都合によってしか利用できませんが、本人の心身の状況等に応じて多様な利用形態を 認めていくべきではないかという御議論、それから精神障害者の活動の場を広げていく ためには、精神障害者保健福祉手帳に係るサービスの充実を図っていくべきであり、そ のためには手帳の信頼性向上の観点から、現行の様式を見直し、写真を貼付する必要が あるのではないかといった御議論もございました。  それから重度の精神障害者を包括的に地域で支える仕組みといたしまして、医療と福 祉を合わせた総合的・包括的な支援を提供する仕組みが必要ではないかというようなこ ともございます。それから夜間の連絡体制、支援体制があれば重度精神障害者であって もグループホーム等において、地域で生活が可能ではないかといったことの御議論もご ざいました。  あとは重複しますので簡単にしますが、例えばこれは危機介入的な相談支援体制の在 り方を含めまして、これらのケアマネジメント体制の確立が必要であるということと、 国の役割、都道府県の役割、市町村の役割というものを明確にしていく必要がある。そ れから新たな仕組みを支える基盤づくりということで、評価チェック体制、新たな仕組 みを支える人材の育成・確保、財源の配分の在り方、特に福祉への配分の重点化を図る べきであるというような御意見もございました。そして今御説明をさせていただいたこ とをまとめさせていただいたものがこの18頁の各種イメージということになります。以 上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。それぞれの検討で大変深まった議論がされたと思います が、これから概ね4時半をメドに議論を進めてまいりたいと思います。ただいまの事務 局からの説明に対する質問も含めて御意見があれば順次御発言いただきたいと思います が、本日は斎藤委員は資料も用意されているようでございますので、まず斎藤委員から いかがでございましょうか。 ○斎藤委員  ナンバーのふっていない資料の1頁目をお開きいただきたいと思います。これは私ど もの団体セルプ協がまとめました授産施設の将来図です。先程、資料4、5、6の説明 を受けたわけですが、私たちの授産施設にはこの図の一番上に四つの四角がございます が、一般の就労がなかなか困難な人たち、例えば一番左に黒い枠の中に127,000人とい う数字が出ていますが、これは11頁にその内訳が出ておりますが、これは障害者の求職 登録状況ですが、平成15年で155,000人の求職者があり、また新規だけで86,000人登録 されているけれども、実際に就職についたものは18.3%しかいない。これが平成8年で すと31.1%が就職についていた。  ついてない人がどこへ行ったかというようなことなんですが、10頁の一番上ですが、 平成8年から13年の間に我が国の事業所数が約37万カ所減少して、それに伴って従事者 数が270万人ほど失職をしている。それを5で割った平均数値が525,000です。それでこ の間、11頁の3のところに障害者の解雇者数という数字を出しておりますが、14年度で 約3,000人解雇されております。この他に養護学校卒業生が毎年7,000人前後就職できず に授産等に来ております。こういう人たちの受け皿が今後大前提になっていくのだろう と思います。ですから雇用の場を安心して確保できるのかどうかということが、この資 料4等に深く関わってくるのではないだろうか。  もう一つこの下に人形さんの絵がありますが、今欠けております機関で判定・調整を する機関が実はないわけです。ですからたまたまそこに授産があったから授産に入る、 療護があったら療護に入るというような状況になっておりますので、今後障害者の就労 移行などの施策をたてる場合には、ぜひこの判定・調整機関の整備をしてもらいたい。  授産施設は平成4年に厚労省の在り方検討委員会で名前を変えなさいというようなこ とで、我々は社会就労センターという名前を使っているわけですが、現在この社会就労 センターは先程の御説明にありましたように何の場所かよくわからない。訓練の場所な のか、就労の場所なのかよくわからない。全くおっしゃる通りなんですね。私が会長に 就任させていただいたのは10年で、もう6年ぐらい経っておりまして、課長さんが5名 変わっておりまして、4名の課長さんは訓練の場だと、こう言われてきましたが、最近 この資料を見ると福祉的就労の場だとなっていますので、ちょっと戸惑っているのです が、いずれにしても障害者の方々に労働者性という担保をしていきたい、またそうして 欲しいと思っておりますので、我々としては社会的雇用の場、もちろん企業の就職とい うものを第一義的にとらえて、そこへつながらない上の失職した方とか、または養護学 校から出てきた方々でもやはり労働者性というものを一応担保してもらいたいというこ とで、これは現行の福祉工場を少し改善をしていただきたいという提案でございます。  それからもう一つ、そこまでもなかなかつながらないという方に対しては、障害者活 動センター、これは前の高松先生の委員会で提案されたものですが、非医療、非雇用で すが、ここで気をつけなければならないのは単なるデイサービスになりますと、今まで 2万程度貰っていた賃金も貰えなくなる恐れがあるのではないかということで、一応賃 金を支払うという条件の障害者活動センターを位置づけていただきたい。これらにつき ましては三障害が共通で利用できる、または小規模複合型も場合によっては利用できる という形にしていただきたい。そしてたえず労働施策と連携をとって、双方向性という ものを作っていきたいなというふうに思っています。  それから現在入所授産施設というのがあるのですが、これは働く施設と住まいは明確 に分けるべきであろうということで、下の生活支援のところにケアつき集合住宅(継続 的支援型)とありますが、これは現在ありますので、これをいきなり廃止というわけに はいきませんので、とりあえず現在ある入所型は授産から独立させた一つの制度にして いただく、そして将来的には右の方へ順次移行してもらって、最終的には一般住宅等に 住むことができる体制にしていただきたいという提案でございます。  それから最後に、今の授産施設がなぜ2万円ぐらいしか給料が払えないのかというこ となんですが、たくさんの理由があります。経営者の能力の問題、職員の考え方もある でしょう。ただ、根本的に制度上、営業マンが例えば賃金を払いなさいというと仕事を 持って来ないといけないわけですが、営業マンの配置が措置時代で1名しかないんです ね。身障通所はちょうどその制度を作った間でして、これも配置されてない状況で来た わけです。営業がいなくてどうやって仕事を持って来るのか。そうなると必然的に企業 からの下請け等に頼らざるを得なくなる。  それで今回御提案の継続的就労の場、ここにはぜひともそのような配慮をしていただ きたい。これは一般企業でも仕事がないとつぶれてしまいますので、ぜひともそういう 配慮をしていただきたい。それが優先発注、みなし雇用、税制優遇制度等であります。 この優先発注につきましては、身障福祉法の25条に一応あるのですが、ほうき、はた き、雑巾などという、今ではなかなか対応できないものですので、この辺を少し見直し ていただくか、新しいものを作っていただき、また知的・精神の方にも適用できる状況 にしていただきたい。  それからみなし雇用につきましては、いろいろ御意見もあるようですが、企業に対す る一つのメリットというようなことで考えております。それから税制優遇制度は働く場 合に一般雇用が一番理想的ですが、そこにつながらない人たちの社会的雇用の場にどう 仕事を流し込むかといった場合に、例えば企業が500万そういうところに仕事を出すと、 それが税制上損金で処理できるとか、何かそういうような新しい形のものをぜひとも作 っていただきたいということであります。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは他の委員の方の御発言も求めたいと思いますの で、いかがでしょうか。 ○笹川委員  村木課長の報告の中で、雇用就労ということですが、自営業に関しては全く触れられ ていないんですが、検討の対象にならないんでしょうか。重度障害者はかなり在宅で自 営で仕事をしているものが多い、そういう方々に対するサポートはないんでしょうか。  それからもう一点は、職場で失明をした、あるいは他の障害を負った、いわゆる中途 障害者に対する対策が全く出ていませんが、現職復帰というようなことがかなり言われ ております。そういうことに対してどう取り組むのか、この二点をお尋ねいたします。 ○村木課長  二つ御指摘がございました。一つは在宅の問題ですとか自営の問題です。もう一つは 企業にお勤めになっていて中途で障害を負った方の問題、これは二つとも非常に重要な 問題というふうに思っております。在宅就労については、職業安定局の方で研究会報告 も出て、少し在宅就労を支援することを制度としてやっと取り入れられるような方向に 来たかというふうに思います。その問題と、それから自営業の問題もあわせて、障害の 重い方も働ける、企業就労が難しい方も働ける、多様な就業の場の確保ということで、 大事な検討課題として検討していきたいとういうふうに思っております。  それから中途障害のところは、基本的に企業でそのまま継続的に就業していただける ような方策ということで、これは身体障害ももちろんですが、特に精神についてはこう いったケースが非常に多いと思いますので、その辺りもあわせて大事な検討課題として さらに検討をしていきたいというふうに思っております。 ○京極部会長  就労支援の中には雇用というのもあるし、自営というのもあるし、あるいは会社を作 って障害者自ら、特に障害者基本計画の中では経済産業省との調整でそういう項目も入 っておりますので、幅広く考えていくべきだと思います。他にどうでしょうか。 ○加藤委員  資料5についてお尋ねしたいと思います。高原課長に御説明をいただいた資料です が、障害者(児)の地域生活の在り方に関する検討会における3作業班の報告について ということでまとめが出ているのですが、これの4頁のところで視覚障害の方たちの地 域生活支援というところでの情報コミュニケーション支援についてというところで、コ ミュニケーションが保障されるためには福祉施設での取組にとどまらず、あらゆる行政 分野をはじめ云々、取組が期待されるということが指摘されております。  これについては実は私がプロパーでやっております知的障害の関係でも、視覚障害の 方たちの場合にはこの非常にこの問題がティピカルでわかりやすいわけですが、知的障 害の方たちの場合には、もちろん視覚的な問題がないわけですが、問題は提供されてい る情報がどこまで理解できるかということに課題があるわけで、そういう意味では彼ら が地域の中で自立的に主体的に生活を営むといった時に、日常必要な様々な情報が彼ら の理解度に合わせた形で情報が提供できているかということについては、非常に心細い ものがあるんじゃないかと思います。そういう意味では、これは知的障害の場合も全く 同じ問題がここにあるんじゃないかと思うんですね。  ですからそういう意味では、この三つの作業班に分かれてというところで、知的障害 の作業班があったわけですが、そこではそういう問題というのはどういう扱いをされて いるのか、もしされてないようでしたら、彼らが地域の中で自立的に生活を営むといっ た時に情報のバリアをどうクリアするかということは現実的に非常に大きな問題ではな いかと思いますので、ぜひ取り組んでいただけたらというふうに思います。 ○京極部会長  高原課長お願いします。 ○高原課長  御指摘の点は非常に大切な点だと思っております。ちなみに知的障害者・障害児の作 業班におきましても、例えば相談支援、権利擁護、金銭管理等について、地域生活を支 える総合相談窓口やサービス利用手続き支援、あるいは権利擁護等に関する仕組みが必 要であるという、こういう御意見をいただいております。今、加藤委員のおっしゃった 点と、先程申し上げました権利擁護なりの点というのは非常に重複する部分もあろうか と思いますので、そういう中で今後問題意識をもって対応を考えていきたいというふう に思います。 ○加藤委員  ありがとうございました。例えば自分で料理を作りたい、それでスーパーで買い物を してきて、裏に書いてあるレシピ通りにその料理を作ろうと思っても、そのレシピに書 いてある記述の意味が理解できないとかというようなことがあったりするわけですね。 そういうことになりますと、多分ここにもありますような福祉施策だけの問題ではなく て、やはりもっと他の通商産業、そういうようなレベルのところにもかなり関与が必要 かと思うんですが、そういう意味合いでもぜひ取り組んでいただけたらと思います。 ○京極部会長  ずいぶん昔の話ですが、やっぱり電子機器の活用など、知的障害児者にももう少し活 かせるようにしたらどうかという議論もあったんですが、手続き的なものとか、そうい うことじゃなくて、やはり携帯電話とか、僕は機械音痴なんですが、そういうものも知 的障害者児でも覚えればちゃんとできる仕事もたくさんあると思いますので、在宅なん かで北岡さんもいろいろとやっておられるようなので、そういうのもむしろそういう情 報機器から阻害されているという状況をどう埋めるかということも大きな課題だという ふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 ○高橋(紘)委員  実は総務省の情報通信政策局で障害者をターゲットにしたITの利活用の議論かつい 先日に第1回が開かれまして、障害の当事者の皆さんに御参加をいただいて検討が始ま っております。ただ、知的障害の場合はまだ必ずしも十分意識にのっておりませんの で、私はたまたまそちらの方の検討会の座長をしておりますので、IT等を中心にした 議論ではございますが、今の御発言をふまえてそちらの方にもぜひフィードバックをさ せていただきたいと思います。 ○京極部会長  ありがとうございました。他にどうでしょうか。 ○安藤委員  資料5の3頁の3のはじめの○ですが、これについては生活支援の在り方検討会の中 でも手話とか要約が漏れているのではないかと指摘がありまして、あとで手話とか要約 介護について入れられたと記憶しているのですが、入っていないんですが、この内容で は例えば点訳とか音訳とか代筆、代読、視覚障害者とか聴覚障害者が全く抜けているの ですが、どうでしょうか。 ○高原課長  今の安藤委員の御指摘の点ですが、これは作業班における議論をたまたまこういう形 で各作業班の委員に御出席の皆様との相談も含めて整理したものでございますが、今の 安藤委員の御指摘については、おそらくその趣旨がこういう議論の中で否定されている ということではないと思いますので、そのあたりは議論の整理は整理として、また今後 考えていく上で今の御指摘も十分参考にさせていただきたいというふうに思います。 ○京極部会長  次は末安委員お願いします。 ○末安委員  今までお話を聞いておりまして、今後、意欲と能力に応じて働き方を考えていくとい うのはよくわかりましたし、それから機能別の再編をしていくんだということも理解で きたんですが、最もやっていただきたいことが言語化されてないのではないかと思いま す。  というのは先程精神の方の検討会の報告の中に少し言葉として出てきましたが、ワー クシェリングという考え方なんです。こちらの省でもすでに雇用均等と児童家庭局で多 様な就業型のワークシェリングの制度の導入の実務の検討会というのをやられていまし て、これはもちろんわかります。ここと重なってないことは理解できますが、例えばパ ート就業の方の身分保障の問題とか、それから育児時間をとってらっしゃる方の身分の 保障とかという観点でやられたということは理解できます。基本的な考え方は、雇用が 大きくなろうが小さくなろうが、その中で仕事をどうやって社会でみんな分け持ってい くか。先程お話があったように、意欲と能力のある人たちに雇用機会をできるだけ均等 に提供していくかということだったと思うんですね。そのことについての考え方という か、今後労働政策とは連携するといっているのですが、その先にある企業とは具体的に どういうイメージでつながっていくのかということがなかなかはがゆいような表現にな っているのではないかなと思います。私はもっとストレートに出していただけるのでは ないかなと思います。  私がNPO法人の理事長をやっています雇用支援グループでも、一般企業さんとおつ きあいをしていますが、どの会社をとっても別に国の方から補助金はいただいてないん です。その方たちの社会貢献の意義というのは、自分たちは企業で利益をあげて雇用を 促進することが社会貢献だとおっしゃっるんです。だから何か施すというのではなく て、うちの会社の中の仕事が、障害者の方でできるものがあるということを、例えば外 部のあなた達が見つけてくれればそれは協力するという、こういう言い方なんです。  このビルのすぐそばにも、今もこの時間に働いている、自分は精神障害者だと言って 仕事を割り当てられて、先程矢島課長の言った1日3人の方で分業するという形で雇用 されている人がおります。やはり障害者の方たちが守られる存在として常にあったとい うことは経過としてよくわかるんですが、そのために働く場所がなかったからそれを公 的に保障してきたということもわかるんですが、これらも同じでいいのか。私はそのこ とだけでは対応できない、もしくはその企業に理解していただくことがすごく難しい、 このままの体制でいくと障害者の雇用の促進は難しいのではないかと考えております。 そこの点もやはり今回の取組の中でははっきり明示していくべきではないかというふう に思います。  ちなみに私たちのところでは最賃法をクリアして採用して欲しいということをお願い して、今のところそれは可能になっております。ですから企業全体も冷え込んだり、そ れから言い方は悪いですが、冷たい企業さんもあるかもしれませんが、企業が自分のと ころの何が提供できるのかということがこちらから明示できれば、それについては考え るということを、対等の立場で考えようと言ってくださるところはたくさんあるのでは ないかと私は思っております。 ○京極部会長  貴重な御意見をありがとうございました。それでは関連で広田委員お願いします。 ○広田委員  今の関連ではないのですが、そのワークシェアリングというのがわからないので、 今、精神保健福祉課から英和辞典を借りて来ているのですが、出て来ないんですよ。お 隣の徳川委員に聞いてもわからないというので、この前も申し上げたように、日本語で 話していただきたい。ここはアメリカの会議場でも国際会議場でもありませんから、日 本の言葉でわかりやすく、義務教育程度でお話ししていただきたい。ぜひわかりやすい 単語でお話ししていただきたいと思います。それと地域の検討会で所得保障の方で生活 保護で暮らす話が出ていますか。 ○矢島課長  特に生活保護ということではないのですが、地域で生活していく方のためのいろんな 支援の在り方というのでしょうか、そういうふうな議論というのはあるわけでございま すので、当然その中にも御指摘をいただいた観点が入っているというふうには認識して おりますが、生活保護ということで特出しして議論しているということではありませ ん。 ○広田委員  これはインターネットにのりますからぜひ発言させていただきたいのですか、私は生 活保護を使って暮らしています。つまり生活保護制度のコンシューマーですが、福祉事 務所の方から生活保護ではなくて自分の講演で食べていくようにというふうに再三言わ れていましたが、タレントでもなければ評論家でもないよというふうに話をしていたん ですが、4月に厚生労働省から86,000円もの振込がありまして、6月は1円も生活保護 課から貰わないでもよくて、いいことだなというふうに思っております。  ところで私は十数年前に作業所に行っていたのですが、それは現在も続いているとこ ろもあると思いますが、精神の作業所、いろんな作業所の例がありますが、今いわゆる 生活保護の中で働いて8,000円以上の収入があると、8,000円までが基礎控除で、8,001 円以上は収入申告をする義務があるわけですよ。ところが本人が収入申告をしないで、 作業所がお金をプールしたりしている形の処理をしているところがあるんですね。これ は本人の社会性を一つには奪ってしまうということにもなると思っています。  それからもう一つは生活保護というのは、何回か前に高橋紘士先生がインカムとか言 って、インカムだから中に入って来るのかなと思って私の親しい通訳の人に聞いたら、 いやそれは収入だよという話だったんですが、その時にたしか生活保護のお金に住宅補 助がついているのを、何か全部マゼコゼにしちゃった方がいいんじゃないかというお話 があったんです。それを私はいろんな生活保護で暮らしている仲間に話したら、それは やっぱり住宅費は住宅費としてもらった方がいい、そうしないとじゃあ市営住宅に単身 で入れてもらいたいと思っても入れないという現状の中で、そんな安い家賃で探せない で、やっぱりそこはきちんと住宅費を分けておいてもらった方がいいという話なんです ね。  お願いがあるんですが、例えばグループホームに入っている人が、生活保護というの は住居費の他に1類と2類というふうに分かれています。1類というのは、お洋服を買 ったり食事をする、個人に対して出ているお金なんですね。そして2類というのは電 気、水道、ガス、光熱費のような、トイレットペーパーまで入ります、いわゆる世帯に 入ってくるお金です。この世帯に入って来るお金といわゆる個人に入ってくるお金があ るのですが、グループホームが個人で生活を全て賄っている、サテライト方式のグルー プホームもありますが、そうじゃなくて例えば5〜6人で住んでいる場合に、この2類 の方が1万円未満ぐらいのところがあるんですね。それで食費もいわゆるグループホー ムが作って、朝と夜で800円ぐらいで、一類二類を昼食抜きで4万円未満でまかなえる ところがあります。  一方、結果的に単身で1人で本当に大変な思いをして暮らして、もうつぶれそうなん だけど、なかなか障害者加算がとれない人が片方でいるかと思えば、そういうふうない ろんなサポートをされているからこそ障害者加算がつきやすいということで、昔調べた 時にグループホームに入っている人が7万円ぐらいのお小遣いが出たわけです。  そういうことを見ますと、生活保護課から厳しくやるのではなくて、精神保健福祉課 の方からそういうふうなグループホームとか作業所とか、授産施設とかいうところに対 して、作業所やグループホームや、いわゆる授産施設側が管理しちゃうのではなくて、 きちんと本人に生活保護の福祉事務所に収入申告をすることをぜひアドバイスしていた だきたい。それが社会性が身につくことですし、こうしておくと、パートで勤めたとき など自然に収入申告出来る様になります。自分で選んで自分で決めて自分で責任を持っ て暮らすことが自立ということです。ぜひそれをお願いしたいということで、よろしく お願いいたします。以上です。 ○京極部会長  事務局の方で何かお答えはありますか。生活保護そのものは社会保障審議会障害者部 会のもとにあります研究会を今やられている最中でありまして、いろいろ細かい議論も しておりまして、特に救護施設においては精神障害者の方は大変多く入居をされていま すので、その問題も含めて議論をしているところですが。 ○矢島課長  大変重要な御指摘だと思いますので、関係のところとも連携をとって、私どもの中で もいろいろと勉強をさせていただきたいと思います。 ○京極部会長  具体的な問題は秋以降かなり細かい論点をつめると思います。 ○高橋(紘)委員  私の名前が出たので、誤解を招いているような気がいたしますので発言いたします。 前に私も資料請求をした時に、所得保障の仕組みの中に、障害者はどういうふうになっ ているのか、もう少しきちんと資料を出して欲しいということをたしか前にお願いをし て、そしてこれは大変難しいということを承知で申し上げたんですが、そしてその問題 の論点は、住宅扶助をマゼコゼにしようとか、そういうことを申し上げたのではなく て、やっぱり住宅保障の機能として住宅扶助がどういうふうに機能しているのかという ことを少し整理する必要がある。  日本の場合はやっぱりどうしても基礎年金と生活保護の間の様々な、そこを調整する ような多くの所得保障だと手当の仕組みがうまくきちんと入って、住宅手当という仕組 みがあるので、住宅保障のニーズが必要な人に住めるような仕組みがあるが、日本は残 念ながらそれはほとんどなくて、公務員の公的住宅かあるいは住宅扶助で入るよりしょ うがない。そうすると実はそこらへんのことは所得保障の仕組みだからどう位置づける のかという、そういう問題として少しデータに基づいた議論をして欲しい。  一方で、私もこの間横浜でびっくりしたんですが、20年障害児の施設に入っていた人 が1,000万円のお金がたまっていて地域移行をするんですね。それで成年後見をかけると いう、そうすると逆に言うとそれは全部年金なんですね。ということは施設へ入ってい ると年金が使われないまま、要するに所得保障であるのに全然所得保障の機能を果たさ ないで、これは有名な事例で、相当いろんなところで起こっているわけで、福祉のそう いう所得保障の制度が実はその人の福祉の充実に使われないで、お金が蓄積していくよ うな矛盾が一方であって、在宅になった途端にそれをどういう形で守るかという、いろ んな齟齬があって、やっぱりきちんとした所得保障の仕組みと施設入居、在宅、住宅の 保障、そこらへんをもう一度きちんと絵を書く必要があってという、そういう意味の発 言です。  ぜひその場合に生活保護の様々な扶助の仕組み、もちろん他人介護加算等もいろいろ あるわけですが、そういうことをどう考えるのかという議論は、もう生活保護そのもの の検討と同時に障害者施策の視点から見た所得保障の在り方、そして生活保護制度がど う機能しているのかという、そういう論点は一度どこかでやっていただきたいテーマで あるという、そういうことで申し上げたつもりです。 ○京極部会長  それでは徳川委員お願いします。 ○徳川委員  まず最初に雇用のことを伺いたかったんですが、今、高橋先生の方で施設に入ってい る人はお金がたまる。これは本当にその通りであります。ただ、ちょっとここで考えて いただきたいのは、彼らは使うチャンスがないということと、そしてもし自分たちが病 気になった時に非常にお金がかかるんだ、そういう将来のことを考えてためている人も いるということだけ念頭においていただきたいと思います。  もう一つは雇用のことなんですが、一般雇用するということは僕は非常に大事だと思 いますし、ノーマライゼーションの精神にあたりますので、これはぜひ進めていただき たいのですが、私も重い障害を持った方の授産施設を持っているのですが、なかなかこ れが実現できない。ということは例え雇用してもすぐに辞めちゃうというケースが多い ですね。この障害者の方は雇用が長く続かないというところに一つの大きな問題は、や はり通勤の問題とか、通勤が難しいとか、特に働く職場での人間関係が難しくてなかな か居つかないという意見があるんですね。今日は労働組合の方がいらっしゃるかどうか わかりませんが、こういうことについて労働組合としてはどういうふうにこの障害者を 受け止めるかという、人間関係の面から一つ見解を伺いたいということが一点です。  それからもう一つは、一般雇用ということは非常にいいんだけれども、何も全て一般 雇用が必要なんだろうか。やはりノーマライゼーションの思想を考えますと一般の方へ 組み込むことだけがノーマライゼーションじゃなくて、やはりその人が持っている特性 を活かして仕事ができるということが必要なことでありまして、やはり障害者は障害を 持っているけれども、特別障害を持っているからこそできる何か特性があると思う。そ ういうところをどうやって活かしていくかということも就労の問題に非常に重要ではな いか。  ということは将来考えていくと、一体労働って何なんだろう、ただ、どこかへ勤めて お金を貰うだけが労働なんだろうかという、労働そのものの定義まで入っていかない と、ただ就労していくら稼いだということだけで終ってしまうと思いますので、これは 今日は私は意見として、今後はそういう非常に重い方がどういうふうに仕事をしていく のか、また障害者だから持っている特性をどう活かすかというところにも論点を絞って 当てていきたいというふうに思っております。以上です。 ○村木課長  就労の関係の御質問はいくつか出ましたので、今事務局でお答えできることだけお答 えをしたいと思います。ワークシェリングというと怒られますので、仕事の分かち合い ができるような、何人かで一つのポストを分けるような働き方でございますとか、在宅 就労ですとか、それから非常に短い時間の就労だとか、そういう柔軟な形の働き方とい うのがこれから障害のある方の問題を考えると非常に大事になって来ると思います。障 害のある方だけではなくて、多分世の中全体の雇用就労の形がそういうふうになってお りますので、その流れの中でいろんな形の働き方の実現というのを御指摘の通り少し課 題として検討をしていきたいというふうに思います。  その中で私ども省内での勉強会をやっている中で、先生がおっしゃられた形の企業と の連携の話は非常に大きな課題として、福祉のサイドと企業サイドの連携ということが 出てきておりまして、そういったところも少し企業の側と福祉の側とがお互いにノウハ ウの交換ができたり、障害者が働く場づくりに協力ができるような、そういった議論が できる場を作れないかということも今検討をしているところですので、今日の御意見の 御趣旨を活かしてそういった検討を進めてまいりたいと思います。  それから労働組合の方の最近の障害者雇用に関するスタンスのところは、また関係者 のお話を伺いまして何かの形で御報告ができればというふうに思います。ただ、障害者 の特性を活かした形で働く、あるいは働くことの意味合いの根源まで戻ってこの問題を 考えていくということは非常に大事なことだろうと思います。そこまで検討ができてい るわけではありませんが、先程申し上げましたように、省内で検討をしている時もお一 人お一人が自分の働くことのプランをたてる意味合いをまず検討するというところを出 発点にという点では、省内の議論もそういうところは大事にというふうに考えておりま すし、そこに関係者がサポートをするというような仕組みが組めれば非常にいい形にな るのではというふうに思っておりますので、今日御指摘いただいた点もよくふまえてさ らに検討を進めてまいりたいと思います。 ○京極部会長  他にどうでしょうか。 ○小林委員  本審議会で自分で手を挙げて初めて発言をさせていただきます。資料6の13頁のとこ ろに触れて少しお話をしたいと思います。そこの中段に身体・知的・精神の三障害それ ぞれの特性にふまえつつ云々という文章が書いてありますが、私はここにこれが書かれ ているので大変嬉しく思いました。ところでこれを一歩具体的に何かこの検討会では出 ませんでしたかということなんです。  多分そこはなかっただろうと思うので、私の意見もついでに言いますが、私は障害 者、特に精神障害者の方々が地域で暮らしていくためには、逆に地域の中の人々にも、 先程徳川さんがおっしゃられたように、ノーマライゼーションに対する考え方、もちろ ん人権もですが、ノーマライゼーションに対する考え方を御理解いただかなくちゃあい けない。特に理解してもらう一番大事な人は、私は地域社会にいる開業医の先生方、そ ういう先生方が実は精神医学について正しい理解を持っておること、そして何かちょっ と状態が悪くなればすぐに他の医療機関に連絡をしていただけるような人、そういうふ うに地域社会の方の人々に対して障害者に対する理解を深めていただくことが実は私は 非常に大事だと思うんですよ。そういう話はなかったような気がいたしまして、私はぜ ひともこのノーマライゼーションに対する住民教育ということを、これは厚生省ではな くて文部省さんのお知恵も借りなくてはいけないとは思いますが、そういうことが障害 者が地域で暮らしていく上に非常に私は大事だと思うので、一言発言をさせていただき ました。 ○京極部会長  私の記憶ではそういう発言もあったと思いますが、これは重要な御指摘だと思います ので事務局の方でお願いします。 ○矢島課長  ただいまの御指摘でございますが、普及啓発につきましては今回の資料には入ってな いのですが、3月25日に普及啓発の検討会の報告書をとりまとめました中に、「こころ のバリアフリー宣言」という形で、精神疾患は誰でもがかかる疾患であるということ、 それをやはり地域の中でそれぞれの立場で、もちろん行政は行政、それから医療従事者 というんでしょうか、そういう方々はそういう中で普及啓発をしていただきたいという 形での報告書をまとめさせていただきまして、これも関係の機関に配らせていただいて おります。そういう意味ではまだ普及のところは十分ではないというふうな点もあるか と思いますが、今後そういうものを活用させていただきまして、普及啓発に努めていき たいというふうに考えております。  それからこの三障害に共通した問題については、障害の枠を越えた支援を行なってい くべきではないかという中で、先程ちょっと簡単に御説明をしましたが18頁の資料をま た御覧いただければと思いますが、こういうふうなものというのは多分いろんな意味 で、もちろんこれは精神の切り口では書いてはありますが、ここで出てますいろんな手 法、いろんなメニュー、機能、そういうものは三障害に共通したものがあるのではない だろうかということでして、こういうふうなものを障害者の状態等いろんな観点から見 ていただければ、この辺のところのメニューというものも、多分精神だけの問題ではな く、三障害共通のものとして活用できるのではないだろうか、またこういうふうなとこ ろをもう少し内容を検討していくべきではないだろうかというふうな御議論があったと いうふうに記憶しております。 ○新保委員  今、小林委員の方からも三障害のいわば共通した枠組みについての評価がありました し、斎藤委員の御報告の中でも三障害共通で利用していけるような枠組みを考えたいと いう御報告がありました。その意味では就労支援についての基盤が三障害合同でいける という考え方については大変いいことだというふうに思っております。  そしてその枠組みの中で斎藤委員が、ことにこの活動が多くなった時に、いわゆるデ イサービスになってしまうと報酬や賃金が貰えなくなってしまう心配があるというよう なお話もございました。その後、賃金を貰うことだけが課題ではないのではないかとい うような議論もございまして、この辺で様々な整理をしなければいけない課題があるの だろうなとういうふうに思えたわけです。  いずれにしましても資料4の3頁で示されておりますが、いわゆる評価・相談・調整 といったものを通して職業生活を設計選択していくんだというふうに書かれているわけ ですが、この評価・相談・調整というのは極めてそういう意味では重要な意味を持つん だろうというふうに思うんですね。例えば活動、すなわちどんな重篤な障害を持ってい ても、それなりの役割を担っているという役割意識をきちんと御本人に御理解いただき ながら活動の場の提供をしていかなくてはいけませんし、雇用に結びつけていくのであ れば、当然それなりの力量や技能というものを相手に必要なんですよということをまた 理解していただかなければいけないわけですから、そのことを評価していく時に御本人 のいわば意識の問題も含めて、すなわち御本人の力量以上の就労意欲を持っている方と いうのはたくさんおられるわけですから、そのことを大切にしながらも、なお評価・相 談というのをきちんとしなければいけない。  そうするとそのシステムがこの3頁で見ていきますと、何となくADLとその改善の 目標にそって評価をしていくのかなというふうに見えてしまうところがあるわけです ね。ですからADLとその改善の目標にそってのもちろん相談・評価・調整ということ も大事なんですが、資料6の18頁に示されている事柄、イメージ図で見ていきますと、 これは斎藤委員の示した、あるいは資料4で示した図式とは若干違って、活動と雇用と いうことに分けるということではなくて、まさにこれは総体として活動支援と括って、 例えば例にあげればマズローのニーズの階層ではないのですが、充足されたニーズが新 たなニーズを生んでそしてさらにその人の活動の広がりが見えてくるのではなかろうか というふうな図の書き方になっています。  もちろんこうした図の方が理想ではあるのですが、これだと今度は評価という点での 尺度が見えないという部分がございます。そういった私にしてみますと思いがございま すので、もしよろしければ障害福祉課ないしは企画課長の方でこの資料4の3における 評価・相談・調整というものについてどのようにお考えなのかをお話いただければと思 います。 ○村木課長  資料4の3頁のお話が出ましたが、その一つ手前の2頁を御覧いただければというふ うに思います。この絵で見ていただきますと、一番右側のところに三つありまして、こ れが先程の精神の方の資料6の絵とかなり似てきているかと思います。日中の活動の場 として、もちろん一般雇用もあるでしょうが、もう少しハードルの低い、あるいは柔軟 な多様な働く場ということが一番上の継続的就労の場という言葉で書いてございます し、それから三つある一番下のところに日中活動の場ということで、多様な活動プログ ラムを提供するというふうに書いてございます。そこへ行くにあたって、評価ですとか 選択・調整ということをやっていきたいというふうに考えております。  特にこの点、私どもはまだうまく絵が書けておりませんが、一回意欲や能力で輪切り にしてしまって、どこか行ってしまったらそれで終わりということではなくて、何回も 節目節目で能力が上がったり、あるいは体力が下がってきたところでまたこういう能力 評価なり調整を受けて、また違う場所に移っていけるというような絵が書けないかとい うことでございます。  それからここを誰が担うかは中でも議論がありまして、外の方々ともまた私どものた たき台を出して議論をしていかなければいけないというふうに思っておりますが、一つ は職業につくための能力評価をするためのプロフェッショナルを育てなければいけない んじゃないかという意見がある一方で、もう一つは、働くにしても日中活動にしても、 住まいのことや通勤のことや、それから先程もお話が出ましたが近隣の住民の方の理解 とかいろんな問題があるので、関係者が集まってチームを組んでケースマネジメントの ような形でやった方がいいのではないかというような議論もあります。  そういう意味で福祉サイドと雇用対策のサイドのハローワークを代表とするようなと ころと集まって御本人の選択をサポートできる仕組みがいいのかなというような議論を 今しております。少したたき台が出ましたら、また外に姿をお見せして御意見をいただ くような形で、いい形にしてまいりたいと思っております。 ○京極部会長  ありがとうございました。福島委員から手が挙がっております。よろしくお願いいた します。 ○福島委員  もしかすると若干論点がずれるかもしれないんですが、就労支援という場合に、三つ の障害においてはそれぞれ特徴があると思います。支援の場面について先程やはり三つ の形態がある、福祉的就労と一般就職が難しい方の支援、さらに一般就職の支援という 三つの形態というお話もありました。さらに在宅就労という形や、最初から雇用される ことを規定するのではなく、自営で仕事をしていくというパターン等、様々なことがあ ると思うんですが、以前から気になっていることで、福祉サイドと仕事、労働という問 題の兼ね合いがどのように整理されていくべきかということですね。  例えば、おそらく様々な障害に共通する問題として、お金であるとか、あるいは器具 であるとかといった、そういった支援ではカバーできない、人によらなければカバーで きない支援というものが必ずあって、程度の差こそあっても、いくら本人が訓練を受け ていくら頑張っても必ずどこかで人の助けは必要とするというケースは出てくるだろう と思っています。私のような視覚と聴覚に障害を持っている盲ろう者などは一つの典型 的なケースで、本人がいくら頑張っても、そして本人がどれだけ意欲や能力があったと しても、やはり支援者がニードをすることはできない。  だけれども仕事をするという場面になると、福祉制度は利用できない。それは雇用主 なり、その労働側での事業主での手当に任される。しかしながらそれは十分になされな い。具体的には通訳者をどのように確保するのかとか、その費用は誰が持つのかという ことです。ですから極端に言うと遊んでいれば、あるいはレクリエーションのためにど こか行くとか、買い物に行く時であれば通訳者は確保できるけれども、仕事をしようと 思った瞬間に福祉制度は使えないというねじれ現象がおこってきます。  もちろん個人の収入に関わるところに税金を使うのは適切ではないという議論は、そ れはそれで筋は通っているのですが、では仕事の場面でその事業主なり雇用側なり、あ るいは自営業の場合もどこか適切な機関がそういった支援者の配置を責任を持つのかと いうと、現状では非常に心許ない、あるいはそもそも回って来ない場合もあるわけです ね。こういう問題をどのように今後整理していくのか、そういう展望がないと福祉制度 と労働行政の谷間におかれてしまって、本人がどう頑張ってもいつまでたっても仕事に つけないということが出て来るのではないか、このあたりを危惧しております。以上で す。 ○京極部会長  貴重な御意見をありがとうございました。、やはり就労支援と言った場合、定型的な 介護サービス的なものも、またその他労働の施策もあるかもしれませんが、社会活動支 援みたいなものがかなりバックにあって、それが多様な形で展開されないと、どうも福 祉サービスと労働行政だけで、この二つを足せば何とかなるという感じでもなさそうな ものが多々あるような気がいたしますので、このあたりは検討会でもいろんな議論がさ れたような気がいたしますが。 ○村木課長  御指摘の点は非常に悩ましい問題というふうに思っております。それで一つは雇用の 方は職場介助者ですとか、いろんな人的なサポートがあるのですが、それは今10年間の 有期限になっているというようなことで、そこに収益を生み出すことを目的にしている 企業の中での活動にどれだけ公的なサポートができるかという問題がございましょう し、それから、今検討課題になっております企業就労よりはもう少しハードルの低い継 続的な就労の場というところに、どれだけ、どういう形のサポートをつけられるかとい うこともございましょうし、その辺も含めて非常に難しい問題だと思いますが、少し勉 強してまいりたいというふうに思っております。 ○京極部会長  聴覚・視覚障害者のいろんな支援については、定型的な介護サービスのみならず、様 々な柔軟な施策をもう少し手厚くする必要があるのではないかと私はかねがね思ってお りますが、この辺はこれからの障害者施策をどう考えるかという大きなポイントになる かと思います。 ○安藤委員  確認ですが、この就労支援に関する今後の施策の方向性ですが、一回読んでみますと 施設等から地域生活への移行ということが頭にあるわけですね。それと次に三番目です が、福祉部門と雇用部門の連続性の確保があるわけですね。その次に三つの類型という ふうに整理されていますね。これを全体的に読んでみると施設に入っている障害者が対 象であって、施設外の障害者は対象でないわけですか。施設外の障害者については福祉 とか雇用とか連続というよりも、雇用場面そのものの抜本的な改善が必要になるわけで すね。だけどこれを読むと施設に入っている障害者が対象であるというように受け止め ていいいわけでしょうか。 ○村木課長  これは文章が若干言葉足らずかもしれませんが、2頁の絵を見ていただきますと、2 頁の絵の一番左側にお人形さんマークがありますが、そこにありますように、これで今 考えております対象者というのは学校を卒業された方、中途で障害になった方、それか ら今在宅にいらっしゃる方、それから施設にいらっしゃる方、そういうふうにこれから 仕事を持ちたいと思う方全部を対象にして考えております。  福祉と雇用の連携と申し上げたのは、今までは一般の企業に働きますと、もうこの人 は働ける人だから福祉のサポートは要らないねというふうに福祉政策の対象ではなくな って、雇用政策で全部面倒を見てくださいよというふうに非常に制度が縦割りになって おりましたので、これからはやはり、働く人について福祉サイドのサポートがいるだろ うというようなことで、そこで両方が連携をして働くということをサポートをしていこ うという、こういう発想でございます。 ○安藤委員  発想そのものは素晴らしいけれど、大変ですね。様々な人に合わせたサポート体制が 必要ですし、ハローワークそのものの見直しも必要になっていきますよ。 ○村木課長  ハローワークの方も今、障害者雇用を伸ばすために、数値目標も立てて雇用を支援し ていくという方針でやっているというふうに承知をしておりますので、そこのところを さらに雇用政策の方でも頑張っていただくことになろうと思います。 ○安藤委員  私たちの手話通訳問題といいますと、福祉面の通訳保障というものは非常に伸びてい るのですが、労働面の通訳というものはほとんど伸びがないわけなんですね。従って福 祉労働というような連続性というものがきちんとなされることは非常に素晴らしいこと だと思うんですが、国の制度そのものが一つの部門に偏るのではなくて、広い様々な分 野に公平に行き渡るというか、制度的にきちんと整理されるようにする必要があるので はないかと思うんですが。 ○村木課長  御指摘の通りだと思います。 ○京極部会長  先程、君塚委員は時間が足りなかったと思いますので、特に重度の障害児・者には医 療的なケアが非常に重要で、今日本の社会福祉制度は医療制度と福祉制度が完全に分か れているようなところがあって、重い障害もお持ちの方で医療的なケアの必要な方に対 してはなかなか施設から外へ出ることができにくいということで、他の施設へ移るにし ても医療的なケアを付属して伴っていかないとなかなかやれない。介護保険と医療保険 と完全にシュブレーンしちゃっていますが、少し重なり合う場といいますか、在宅で生 活する場合に特にそこを重ねてやっていかないとなかなか難しいじゃないかという問題 も一部君塚委員の御報告に入っていたような気もいたしますが、これは勝手な解釈です が、何か補足があればお伺いいたします。 ○君塚委員  その前に就労との関係で二点ほど、肢体不自由児養護学校の卒業の時にあたって知的 にも体力的もいいけれど、寝たきりの精神的に問題のない子を更生訓練所の受験資格は 撥ねられちゃうんですね。障害の谷間的に本当に諦めざるを得ないということが一つあ ります。  それから養護学校は今文部科学省の指導のもとに、学校はセンター化機能を持とうと いうことになってきていて、今まで以上に医療機関、あるいは行政、あるいは企業との 連携というふうな形で進めていく方向になっているのですが、在校の時に短期間に企業 実習というのがあるのですが、その前よりは長期にわたってソーシャルスキルの一つと して企業で働くための人間関係なり、日本では就労してからその企業で技術を身につけ るということもあるのですが、そういう面から学校でやるのですね。文部科学省と連携 しながら見直すのがいいかなというふうに感じていました。  それから今の話ですと、重度化の方の医療的ケアというのは実際に重身の3分の2の 方は在宅です。3分の1の人たちが昔から入ってずっと出て来ない。それで65才以上の 人が就学6才以下のお子さんより数は多いという状況で、だんだん様変わりしているの ですが、一方で在宅あるいは養護学校にいる子どもたちの中で5%近くが毎年亡くなっ ている。それは先程超重症児というような形での呼吸の話をしましたが、肺炎とか呼吸 のために亡くなっていくという形で、肢体不自由児施設あるいは重身施設でショートス テイ、あるいは緊急医療入院という形でやっていかないと在宅はやっていけないという 状況があります。  そういう形の中で施設の方では障害児の救急車が私たちにも来るのですが、現在でも 例えば肢体不自由児施設だけでも、私たちはレスピレーターは5台使っていて、その時 に悪くなったら対応しているのですが、その辺の機能が満杯になってきていて、なかな か大変であるというのがあって、在宅の医療のためにも今はアップアップ状況で、そし てやはり大病院での小児科が減っています。たとえばこの近くの虎ノ門の小児科の先生 は一時常勤は1名だけになりました。そしてやっと今2名になったとか、そういう形で 小児科は、厚労省としても問題だということでテコ入れしたり、小児の緊急医療を図っ ているのですが、まだまだ改善はほど遠くて難しい面があって、現場ではいろんな形で のしわ寄せが来ているなと思います。 ○京極部会長  それでは次は丹下委員お願いします。 ○丹下委員  前回たしか福島委員の御意見だったと思いますが、そろそろスケルトンを示して検討 に入る時期ではないか、私も実はそう思っておりまして、今日拝見するこの資料でその スケルトンが事務局から提出されましたので、これで議論が進められるなという感じを 持たせていただいております。ただ、こういうまとめ方で私は基本的に異存はないので すが、やはり文字通りスケルトンではなくて、多少肉のついた、多少はそのスキームの はっきりするようなものであっていただきたいなという感じがいたしますので、そこの ところをどうしたらいいか。  これはお願いですが、私は常日頃思いますが、お役所は何かプロジェクトをお始めに なる時に必ずこういう絵をお書きになる。これはこうなるとか、あるいはこうしたいと いう願望、あるいは目標の絵でして、これは結構なんですが、この手法を使いまして、 現状の制度的なところにどういう問題点がある、どういう欠陥があるのかという絵を一 つ書いて見ていただけないでしょうか。  そしてさらに先般お示しいただいた福祉の各施設の機能別分類、これは大変重要な概 念だと思いますが、現状、例えば機能と三障害とを縦軸、横軸にマトリックスにでも作 っていただいて、現状はこうだ、そしてこの際事務局で今検討してらっしゃる考え方か らすると、ここをこのように手直しをして、今ここでお示しいただいた継続的就労の場 あるいは一般雇用、日中活動の場と、大きくはこの三分類でよろしいかと思いますが、 それをもう少しブレークダウンするとどういう形になるのかということをぜひ私は教え ていただきたい、聞かせていただきたいと思います。  それからことのついでに申し上げますが、福祉的就労という言葉がございますが、こ れはかねてから私はどうもあまり適切な表現ではないんじゃないだろうかと思います。 やや恩恵的な押しつけがましいニュアンスがどうもその中に入っている。いつぞや村木 課長もちょっとおっしゃっていましたが、我が国にまだ成熟していない保護雇用という 概念をぜひこの際確立すべきじゃないだろうか、そういうことも含めまして今申し上げ たようなこれからの制度のデザインをどうしたらいいのかということを一つ考えていた だきたいと、このように思います。  それからもう一つ嫌な言葉としましては、更生という言葉が長く使われております。 これはまことに語感が悪くて、私の個人的な感覚かもしれませんが、大嫌いな言葉の一 つです。もう少し何か工夫をしていただきたい、これだけ申し上げておきます。 ○京極部会長  これについては事務局で何かお答えはありますか。 ○村木課長  さらに検討を進めて、まずやはり目指すべき方向をきちんと絵を書くということが一 つ大事な点と思いますので、それを書いた上で現状からどの部分をどういうふうに変え ていくのか、現状ではどこに問題があるのかというあたりも整理をしてまいりたいとい うふうに思っております。  それから福祉的就労、あるいは、お話には出ませんでしたが、雇用とか就業ですとか 就労という言葉の使い分け、それから保護雇用という概念、なかなか言葉の整理が難し いところだと思いますが、少し雇用政策の担当のところも議論をしながら概念整理がで きれば非常にいいなというふうには今思っているところです。  それから更生という言葉も、先生方からのいろんな御意見をいただければ、授産も更 生も時々そのように私どもは聞かされますので、その辺もどういったことかお聞かせを いただければというふうに思います。 ○京極部会長  スケルトンの話は後でまた議題にいたしたいと思います。それでは古畑さん、お願い します。 ○古畑委員  資料5のところで、今作業班の方でまとめられたので、基本的には私も大賛成でこの 辺を検討していただきたいと思うのですが、特にホームヘルパーのところなんですが、 4頁の移動介護のところですが、この辺は私の立場上いろいろな申し出がありまして、 その中から今ちょっと問題点として出てきているのは、この中でまとめていただいた中 にも扶養義務者の問題があると思いますが、例えば視覚障害の女性で娘さん夫婦と同居 しているという場合、娘さん夫婦は日中働いて出かけていて、その女性がヘルパーさん を外出で利用するという場合に内緒で使いたいというか、息子さんとかにはわからずに 外出したいんだけれども、最終的に扶養義務者のところに話がわかっちゃうということ で、やはり障害を持った方の日中の行動というのを権利擁護というか、自由を守るとい う、この辺からもこの扶養義務者問題というのは考えていただかなければいけないのか なということです。  それから残念ながらヘルパー事業者が移動介護じゃなくて身体介護もいかがですかと いうような御質問というか、やられている場合が結構あるというところで、この身体介 護と、特に視覚障害の場合の移動介護との区分といいますか、この辺をはっきりさせて いただいた方がいいのではないか。  それともう一つ大きなヘルパー問題なんですが、今日本ではボランティアの方が視覚 障害の誘導をほぼ中心となってやってきた。これが支援費になりまして、自治体によっ てはボランティアグループホームにNPOをとって事業者になってくれないかという形 が結構動いているのですが、関係者の不安としては、本当に将来支援費で視覚障害者の 誘導を保障しきれるのか、いずれまたボランティアの人にお願いしなければいけない事 態が来るんじゃないか。  それには今の段階でヘルパー事業者とボランティア団体の棲み分けといいますか、こ このところをきちんとしておかないと、もうこれからは事業者がやるからボランティア さんはいいよと言われちゃって活動をやめちゃいますと、足りないからやって、また作 ってみたいなことはなかなか後戻りはできないと思うんですね。ですからこの辺を今の 段階でもきちんと棲み分けを明確にしておいた方が私はいいんじゃないかなということ で、この作業班で得られたところに今の点も加味して御検討をいただければと思いま す。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。では笹川委員お願いします。 ○笹川委員  今日は日身連の嵐谷委員が欠席していますので変わって発言します。今、丹下委員か らよくない表現だと言われた、その福祉的就労ですが、重度障害者の場合はやはりこれ に頼る方が非常に多いわけです。日身連でも重度障害者を中心とした小規模作業所、今 980カ所ぐらいやっているわけですが、年々その小規模作業所に対する助成金が削減さ れている。将来的に厚生労働省の方でこの小規模作業所をどうしようとしておられるの か。これまでに福祉法人に移行するようにという指導もありましたが、1,000万の資金 がいる、場所もいる、条件を整備するのは容易じゃないんです。  それからもう一つ、やはり通所のことを考えますと、できるだけ小規模で数が多い方 がいい。ところが今厚生労働省で打ち出している方針は全く逆の方向を打ち出していま す。それではたして福祉的就労が推進できるのかどうか、その辺のところを聞かせてい ただきたいと思います。 ○高原課長  それでは古畑委員から御指摘のありましたホームヘルパーの関係ですが、これは先程 在り方検討会の作業班の御報告を申し上げましたが、今後在り方検討会の全体会議の方 でホームヘルパーの国庫補助基準の議論をする予定にしております。それに先立ちまし ていろいろ自治体の皆さんの御意見なども聞く中で、やはり先程御指摘のあったような ボランティアとその事業者との関係をどういうふうにしていくのか、いろいろ私どもも お伺いしておりますので、引き続きそういう御指摘もふえまて在り方検討会で議論を深 めて整理をしていきたい。  扶養義務者の扱い等につきましては、応益負担で考えるのか、応能負担で考えるの か、いろんな難しい議論もあろうかと思いますが、やはり成人障害者の場合についての 御指摘については視覚・聴覚の作業班でいただいている御指摘などもちゃんと私どもな りに受け止めて、今後の議論の中で深めていきたいというふうに思っております。  それから笹川委員の御指摘ですが、小規模作業所をどういうふうに考えていくのかと いうことでございますが、小規模作業所の問題につきましては、15、16年度と民間団体 への補助金、政府全体の方針として1割削減という、こういう方針に従って削減せざる を得なかったということが事実としてあるわけでございますが、今後小規模作業所の問 題、それから小規模通所授産の在り方をどう考えるのかということにつきましては、こ の2月3月と関係8団体の皆様方と勉強会も懇談会もし、もう少し小規模作業所なり、 小規模通所授産施設のどういう機能を果たしているかということをふまえて、先程来私 ども省内で就労の在り方に関する検討会で議論をし、就労の施策の在り方について大括 りな議論を進めているわけでございますが、そういう議論の中にきちんと反映させてい くことが必要ではないかという懇談会の議論の整理もいたしましたので、今後そういう ことをふまえまして基本的に小規模作業所、小規模通所授産施設などが果たしている機 能に応じた制度上の位置づけなり、評価という方向でぜひとも議論を深めていきたいと いうふうに思っております。 ○君塚委員  先程、養護学校の生徒の死亡率が間違いました。50人の1人で2%です。5%を2% に直していただきたい。私たちの施設に毎日2人ほど点滴で平均で来ます。月に10名ほ ど救急入院、本当にすぐに濃厚な医療ケアをしないと危ないというお子さん達が入院し ています。以上です。 ○京極部会長  訂正でございます。次は妻屋委員、お願いいたします。 ○妻屋委員  就労のことについて話が進んでいますが、私は就労のことについて一番大事な点をど こかに載せていただきたいと思っておりますが、障害当事者が、重い障害があっても仕 事をする時に一番必要なのはその人の役割が認められるということが一番大切なんです ね。十把一からげに扱われるのではなくて、それぞれの障害者の持っている特徴で、あ なたはこういう役割ですよということを担われるというか、その人に託すというか、そ ういった一つのことがなければ、なかなか就労する意欲が盛り上がって来ないんです ね。あなたはそれほど必要ないよというふうな態度をしていましたら、それはもう意欲 は消えてしまって、その人はやがて辞めていくと思います。どんな重要な、どんなたく さん金を稼いでいても、その人は辞めていくと思います。そういう一人一人の役割、障 害者についての一人一人の役割についてもう少しどこかにきちんと押さえるところが欲 しいなと私は思っているところなんです。  それからもう一つ、一般雇用についてですが、これは資料4の4頁で一番最終目標は 一般雇用になっているわけですね。ここまでいける人といけない人が出て来るわけです が、このいけなかった人が、その人がどこかの小さな作業所でどういう役割をするのか ということもはっきり書いておく必要があるのではないかと思いますよ。例えば一般雇 用にまで上がった人が、どれぐらい定着率があるのかという資料もまた欲しいなと思っ ているんですね。  私はずっと一般雇用された人が一生そこで働くという人はあまり少ないと思うんです ね。それは途中で勿体ない、何で職場を去っていかなければならないのかという問題も 大きな問題として考えなければならないのではないかと思っているところなんです。そ して雇用率が現在なかなか目標まで達成しないですよね。ここ数十年というか。これは 何でそうなっているのかという原因もやっぱりどこかに述べておかなけれはいけないの ではないかと私は思っております。  これを無視して,またぞろと言っては失礼かもしれませんが、こういう新しい施策を 考えだした、これは私は見ているのですが、これを今までいろいろバラバラに点在して いたやつをきちっとまとめたというか、並べたというだけのことであって、一体それで 今後どう改善されるのかというのがあまり見えて来ないんですね。これじゃああまり変 わらないんじゃないか。現状でも多分これぐらいのことはやられていると私は思ってい ますよ。障害者が就労するにあたって。  たださっき言ったようにそれが続いたり、次のステップへ上がったり、なかなか一般 雇用に結びつかないのは、やっぱり一人一人の役割を軽視されてきた証拠だと私は思っ ています。その一人一人の役割をもっと大きく見てあげないと、なかなか仕事の意欲は 出ないということをもうちょっと考えていただきたい。  それからここに現行ということで、施設から一般就労への移行率が1%とあります が、これは一体この施策で何%に目標を置いているのかということも最終的には私は必 要になると思います。  それからもう一つは工賃ですね。1カ月18,000円ですよ。これは基礎年金を7〜8万 貰っている人が18,000円ですよ。まあその上に追加されるんですが、それはお金のこと を言ったらあまり価値はないと思いますが、やはりそこでなぜ働いているかという意味 をもうちょっと強調しなければならないと思いますよ。そんな安くたって私はここで役 に立っているんだという意識を持たないと安い工賃で働けないはずですよ。  私だって昔福祉施設で働いてくれませんかというお誘いがありました。そこは私の家 から40キロぐらい先の場所なんですよ。そして給料をいくら出しますかと言ったら、1 カ月8,000円ということです。それじゃあ行けませんよ。こういう現状があるわけです から、お金に換算するのではなく、その人の価値をもうちょっと高めないと、何の資源 もないんですから、人間の資源しかないわけですから、その資源をぐっと高めないと、 それはあまり値打ちはなくなりますよ。お前は18,000円の値打ちしかないんだというこ とになりますからね。私はずっと前からそのことを考えております。  またこの1万円未満が55%あるというのは、これでこのままいっても障害基礎年金が 7〜8万貰っていますよね。1万未満でどうしてここで働かなければならないんだとい う理由が私にはわからないんです。私はもう大人になってすれちゃっているから、そう いうふうに言うのかもしれませんが、よく考えてみるとそういうふうに思うわけです ね。だからもうちょっと人的資源の価値を上げるような施策が必要ではないか。そして そのために工賃をもうちょっと上げるんだととか、1万未満じゃなくて1万以上にする とかという目標も私は必要ではないかと思うわけです。  そして就労支援ということで、企業側も障害者も継続的に支援する仕組みと3頁にあ ります。現在、支援費制度でこういう制度になっているんですよ。その人が独居生活を しています。仕事を持っています。貴重な仕事を持っています。この仕事をその人は続 けたいと思っています。一生懸命になってやっていると思うんですね。だけれどもあな たは毎日いないから家事援助はできませんという制度に今はなっているんですよ。支援 費制度はそういう制度になっているんですね。  そうするとこの人は朝仕事に行きます。帰ってきて6時7時8時になって、何の食事 もありません。自分でインスタントラーメンとか、その辺のものを調理して食べる。そ れでまた明くる日は続く。そんな生活をしていたらその人は病気になってしまいます よ。そういう人はここで支援するというのは支援費でちゃんと支援してもらいたいと私 は思います。何らかの役職についている人、あるいは仕事をしている人については留守 中でも家事援助を行ないますよという制度に改めて初めて就労支援ということになるん ではないでしょうか。私はそう思います。  今の制度では、あなたは在宅していませんね、じゃあ支援費のサービスは受けられま せんよ、家事援助もいけませんよということになっています。これはもう即改めてもら いたいと思います。それは何らかの基準で仕事をしている証明があったり、どこかの役 職についている証明があったらそれでいいと私は思っていますが、現在の支援費制度の 中ではそういうふうな支援が必要ではないかというふうに考えます。いかがでしょう か。 ○京極部会長  ありがとうございました。今のことに関連して江上委員にお願いします。 ○江上委員  精神障害者の就労ですが、私が平成13年11月まで東芝で勤めておったのですが、精神 障害者の人たちが今の一般の企業の中でも5%から6%が何らかの形で治療を受けなが ら仕事をしている。その人たち自身というのはやはり我々が10としたら彼らは5とか6 ぐらいしか仕事ができないということで、やはり国としてこのような人たちがどういう 形で元気な人たちの10ぐらいの仕事にもっていくためにどうしたらいいのかというよう な具体的な施策なり、私は数年前にある精神科の先生がそういう病状が不安定な人を土 日病院に入院して、また金曜日の夜から入院して月曜日からまた働くとか、そういうの を聞いたことがあるのですが、そのようなことをやはり働いているんだから、そういう のは一般の企業やら一般の方々にわかるような仕組みを、本当に国の広報で教えていく とか、そういうことをしながら今精神障害者の手帳を持っている人たちがどういう形で 雇用をしていくのかという二段構えでやっていかないと精神障害者の雇用というのは非 常に厳しいのではないか。  またぜひ国の方にお願いしたいのは、そのように具体的にある企業なりがそういう精 神障害者施策をしているところがあると思うので、そういうのを調べていただいて、ち ゃんと国民の皆さんにわかるようにしていく、そういうことが精神障害者の雇用がもっ と広がるのではないか。  それと今妻屋議員が言われたように全家連でも精神障害者の当事者で薬を飲んでいま すが、本当に気分も不安定で月に1回ないし2回は休んだりする。だけれども彼はパソ コンでウイルスやらが入った部分についての修理ができる。我々以上のことができる。 だからそういう形を今なぜそういう障害者が働いているのかというようなものをきちっ と明確にしながらやっていけば、金でない部分の働きがいのある社会というか、そうい うのができてくるのでないかというふうに考えました。以上です。 ○京極部会長  座長が発言してはいけないのですが、一員として発言します。障害者の一般雇用は雇 用促進法があって、これは一部では雇用を促進しているのですが、一部では雇用促進さ せていない法律なので、というのは、行政は2%とか、精神の問題はおいておいて、知 的障害、身体障害、それから企業の場合は1.8%というふうになっていますと、課徴金 を払えばあとはもう勘弁してもらう、だから勘弁してもらう企業が多いから要するに雇 用は促進されていかないんですね。  そういう矛盾をもっているので、まあ厚生労働省になって雇用促進法を批判するとい うのは大変大それた意見で、おそらくこの障害者部会でもそこまではいかない権限外の ことだと思うんですが、はたして本当にそういうやり方でいいかどうか。海外を見て も、企業として役立つ人であれば別に2%であろうと3%であろうと、もう国によって は5%ぐらいやっているところもありますから、そういうことで実際にやる方がいいの か、それとも課徴金で御勘弁というのがいいのか、これは大きな問題じゃないかな。  それから先程丹下委員から出ましたが、保護雇用というのは厚生労働省の場合は福祉 工場と間違って使っていますので、一般企業でも保護して雇用した場合は保護雇用なん ですね。だからその辺の概念が非常に混乱しているということです。  それから賃金ということも先程出ましたが、もともと授産施設は社会事業授産とい う、本当に職業のない人に就職をつけている、一般人のための、だから相当お金が入っ たわけで、これを障害者に適用した時に生活訓練とか職業訓練をする時に授産施設とい う名前をつけまして、社会事業と同じようにお金を出せ、工賃を出せといったところに ちょっとボタンのかけ違いがあったのではないか。  これはあくまでもお小遣いであって、将来的に賃金とか工賃を貰うのはもっと先の話 で、ただ出す楽しみというのはありますからね。それでいろんなものを買えたりする。 だからそういうことはいわゆる賃金とはちょっと違うということで体系化して、そして 力を蓄えて正当な最低賃金をとるようなシステムを開発するというところまではいかな かったという問題があって、いろいろ歴史的な経緯の中から今の体系ができてしまいま すが、せっかくの障害者部会なので抜本的なところを見直していく必要があるし、特に 授産施設とか福祉工場とかそういう作業も伴う、経済活動をするところと生活支援をす るところと若干同じ、かつては措置費ですが、今は支援費で一緒くたになっているので すが、前回事務局から出していただいたように施設の機能を分けるといろんな要素があ って、経済活動的な部分がある。これは企業会計から何から別会計にして、儲かったら どんどん障害者に還元する、こちらの生活支援的な機能はこれは一定の負担で勘弁して もらうとか、何かしないと一生懸命働いただけ全部もっていかれてしまうという、斎藤 公正委員はいつも発言されていますが、多分そういった矛盾がいつも出て来るんです ね。だからそのあたりの整理をいずれきちっとしたいと思っております。  この障害者部会では6月までは三障害共通の枠組みに関わる大きな方向性を御議論し ていただくということで、3月2日にも確認してまいりましたが、個別に関わる審議の 事項は秋以降かなり細かく議論をしたいと思っております。ということで集中的に議論 をしましたので10分間の休憩にいたします。                   (休憩) ○京極部会長  それでは再開いたします。先程説明のなかった資料7から10までを事務局より御説明 をお願いいたします。 ○間企画課長補佐  それではまず資料7の支援費制度等の現状と見直し等に係る議論と題しましたものを お開きいただきたいと存じます。この資料につきましては、これまでも障害保健福祉の 主な制度であります支援費制度、あるいは精神保健福祉の制度につきまして、現状であ りますとか、課題とか、あるいは様々な方から御指摘をいただいている問題、要望、そ ういったものをお出ししてきているところでございます。  この資料におきましては、特に制度の骨格に関わる部分につきまして現状と、そして その見直し等に係る議論と、そしていろいろと議論になっておりますが介護保険との関 係も含めましてコンパクトに整理したものでございます。今までの資料と重複する部分 もございますが、順次御説明をさせていただきたいと存じます。  まず施策の目的、現状ということですが、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精 神保健福祉法、それぞれにおきまして障害者の方の「自立と社会経済活動への参加を促 進するため」ということを目的に謳っているわけでございます。これに関しまして見直 しというわけではありませんが、さらに強めるものとして、障害者基本計画におきまし ては「障害者は、社会の対等な構成員として人権を尊重され、自己選択と自己決定のも とに社会のあらゆる活動に参画するとともに、社会の一員としてその責任を分担する。 」こういうふうに方向づけをされているわけです。  では高齢者の方のサービスの中核になっている介護保険はどうであるかということで すが、その介護保険法の第1条におきまして「その有する能力に応じ自立した日常生活 ができるよう」というふうに規定されておりまして、高齢者の方の持てる力を活かすと いうような視点があるところです。その意味においては自立ということを、その方々の 能力を活かしてやっていくという意味で共通する部分もあろうかと思います。  そして二番目に、そのサービスの対象者及び支給の決定というような項目です。これ についても御案内のように現状におきましては、支援費制度におきましても、精神障害 者の福祉施策につきましても、市町村が定められた勘案事項に基づき、利用者毎にサー ビスの種類・量を決定するという仕組みになっておりまして、そして現状は大変地域差 が大きいというような状況にあることは再三御説明しているところでございます。これ は単に支給決定者の比率が違うというだけではなくて、障害種別毎にも大きく、そのサ ービス内容も含めて異なっているという現状にございます。  これに対してその運営にあたる地方自治体からは、特に支援費につきまして、支援費 の支給決定にあたって支給量やサービス類型の適用などに係る詳細な基準や専門機関を 設けるべきといったような提案もいただいているところでございます。  他方、介護保険ですが、市町村が全国一律の要介護認定基準に基づき、サービスの対 象者を決定しているということです。御案内のように介護保険を走りながら考えていっ てスタートしたものですが、この要介護認定につきましては平成15年度におきまして実 態調査等に基づく調査項目でありますとか、認定基準等の見直し等の改定が実施されて おります。直っているということでございます。その中で、例えば運動能力の低下して いない痴呆性の高齢者の方の評価を含めて、一次判定の精度を高めたということでござ います。  次にケアマネジメントです。ケアマネジメントにつきましては、現状におきまして手 法として整理されており、その制度化はされていないという現状にございます。この見 直しなどに係る議論としましては、ケアマネジメントを速やかに制度化すべきというこ とで、この部会におきましても多くの委員から御意見をいただき、また地方自治体から も御意見をいただいているところです。他方、介護保険におきましてはケアマネジメン トが制度化され、保険給付の対象とされているところでございます。このプロセスにつ いては書いてございますが、お読みいただければと思います。  2頁をお開きください。今はサービスの利用の仕組みの部分でしたが、サービスをき ちっと確保していくという意味では計画的な整備という要素も大変重要かと思います。 現状では、障害者の制度におきましては市町村の障害者計画は策定は努力義務というこ とになっております。そしてすでに何度も御案内しておりますように数値目標のある計 画を策定している市町村は少ない、具体的には計画策定市町村のうち36.7%ということ でございました。  これに対して、見直しなどの動きという意味では、今国会におきまして計画策定を義 務化する障害者基本法の改正案が国会で成立したばかりでございます。これによって平 成19年であったかと思いますが、それから以降は策定をしなければならないということ になったところでございます。そして合わせてこの部会におきましても数値目標という のを市町村に義務づけることが必要ではないかという御意見もいただいているところで ございます。 これに対しまして介護保険におきましては、これも御案内のように、市 町村の介護保険事業計画というのを、保険料の策定もございますので、3年毎に策定を するということを義務づけられておりまして、その中で介護サービスの種類ごとの量の 見込みでありますとか、見込み量の確保のための方策はどうしたらいいかということを 記述することが義務づけられているわけであります。  続きまして今度は利用者負担ということです。現行の制度におきましてはサービスご とに若干異なっておりますが、基本的には障害者またはその扶養義務者の負担能力に応 じた負担、いわゆる応能負担ということに現行の障害者施策はなっております。これに つきましては、そもそもこの支援費制度を作る時の議論の中においては、利用者の費用 負担については同一のサービスには原則として同一の負担とする応益負担の仕組みに変 更することも含め、障害者の所得の保障等も勘案しつつ、具体的に検討を進めていく必 要があるというような考え方もある中で、最終的には措置制度との継続性を優先した仕 組みになっているということでございます。  これに対して実際に支援費制度を運転している地方自治体からは、利用者負担の応益 化や負担額の引き上げ、負担額の上限廃止をすべきというような御意見をいただいてい るところでございます。なお、先程の審議会の中におきましては、応益負担にした場合 でも所得の少ない方への配慮というのはする必要があるというような考え方を示されて いるところでございます。  これに対していわゆる介護保険制度におきましては、利用者のサービス利用に応じた 負担ということになっています。サービスを購入したらそれに応じて御負担いただく、 いわゆる応益負担というものでございます。現在、その利用者本人が原則として介護サ ービスについては1割相当額を、施設サービスにおきましては在宅とのバランスもあっ て、食事にかかる費用については定額の標準負担額をそれぞれ負担していくという仕組 みになっておりますし、また、低所得者対策という形で軽減措置も設けられているとこ ろでございます。これもすでに御説明したものでございます。  そして財政方式ですが、御案内のように障害者の施策は全て税方式ということでござ いまして、単純化して申し上げますと、居宅サービス、在宅サービスにつきましては国 2分の1以内、都道府県4分1以内、市町村が4分の1というような負担の構成になっ ております。施設の場合には同じように国2分の1、都道府県4分の1、市町村4分の 1というのを負担するという仕組みになっているわけであります。  これに対しましては、支援費制度施行後の新たな動きとして、三位一体改革というの が議論されているということでございます。平成18年度までにおいて、国庫補助負担金 については概ね4兆円程度を目途に廃止縮減等の改革を行なうということが昨年の骨太 方針で決まりまして、そしてそういった中で何を削減するのかというのが今後の議論と いうことになるわけですが、全国知事会、あるいは全国市長会の御提言として、廃止し て税源移譲すべき主な補助金としては支援費に係る補助金、あるいは負担金が掲げられ ている、これは精神の補助金負担金も知事会の方には掲げられているという、こういう 状況でございます。  これに対しまして介護保険の方は社会保険方式ということでございますが、財源を見 てみますと、いわゆる単純な社会保険ではございませんで、保険料2分の1、そして税 金、公費が2分の1というふうになっています。そしてその2分の1の内訳が国が4分 の1、都道府県が8分の1、市町村が8分の1、この公費の内訳については福祉の仕組 みと同じような比率で国、都道府県、市町村が負担しているということでございます。  そしてもう1枚おめくりいただきたいと思いますが、今支援費制度などの障害者の施 策が変わっていかなきゃあいけない、変わる必要があるのではないかという議論を御紹 介したわけですが、他方、介護保険につきましても施行後最初の見直しの時期を迎えて おりまして、介護保険部会におきまして様々な議論がなされております。特にただいま 御紹介しましたようなところに関連する部分を抜粋してこの3頁以降で御紹介をしてい るところでございます。若干障害者の施策と関係ある部分を中心に御紹介をしたいと思 います。  まず3頁のIIの給付のあり方の4ですが、サービスの質の確保の中でケアマネジメン トの話が出てまいります。このケアマネジメントの在り方と題されたところの二つ目の ○をお読みいただきたいと思います。痴呆ケアや重度者への対応、施設の個別的・継続 的なケアの推進、介護以外の生活支援の充実などの観点から、総合的なマネジメント体 制を整備していくことが必要ではないか。このような指摘もなされているわけでござい ます。こういったものをどうしていくかということが介護保険部会でもケアマネジメン トの在り方として議論がなされているということでございます。  それから次の頁のIIIの負担の在り方ということです。この負担の在り方というところ の負担の水準というところに二つの○がございます。一つは大きな考え方として、負担 の在り方を考えるにあたっては、将来の給付と負担の見通しを踏まえ、社会経済との調 和にも配慮しつつ、その水準を考えていく必要があるのではないか。こうした上で介護 保険のみならず、年金、医療、雇用等を含めた社会保障全体としての負担水準を国民の 視点に立って検討することが必要ではないか、総論的にはこういった議論がなされてい るわけです。 これに対して個別の話ですが、保険料というところの最初の○を御覧い ただきたいと存じます。1号保険料については、被保険者の負担能力をよりきめ細かく 反映したものとなるよう、設定の在り方を見直すことが必要ではないか。特に現行の第 2段階の中でより負担能力の低い層について、保険料負担を軽減する方向での見直しが 必要ではないか、こういった低所得の方への配慮というものが議論されているというこ とでございます。  それから大きな括りで利用者負担というところがございます。この利用者負担の中で は一つ目の○として、サービスに対する利用者負担の在り方を考えるにあたっては、在 宅と施設の間の負担の公平性という視点が重要ではないかという指摘がございます。さ らに三つ目の○を見ていただきますと、こういう居住費用や食費負担の在り方の見直し にあたっては、施設における居住環境の見直しや低所得者への配慮にも留意が必要では ないか。こういった議論もなされております。  以上、特に関係の深いところを御紹介いたしましたが、今は障害者施策の大きな転換 期にあり、介護保険も見直しの時期にあって、これがそれぞれどういう道になるのかと いうことを御議論いただきたいと考えているところでございます。  続きまして資料8でございます。資料8は日本労働組合総連合会の介護保険の見直し に関する意見を抜粋させていただいております。これは5月20日に連合として機関決定 をしたものというふうに聞いております。全体としては介護保険制度全般に関してのい ろいろな御意見が出されているわけでありますが、中身につきまして、特に障害者関係 に関係する部分について御紹介をしたいと思います。3頁をお開きいただけますでしょ うか。  大きなIIIで連合の対応方針ということで、連合の御意見を書かれているわけですが、 1の見直しの基本的視点というところで、基本的な考え方を書かれています。読ませて いただきます。介護保険法施行後初の制度見直しは、介護保険制度への信頼を確実なも のとし、制度を社会に定着させるものでなければならない。そのため、介護保険制度創 設の理念・目的を再確認し、法施行時に残された課題、制度実施後の新たな課題に対応 することが必要である。こういう考え方でいろいろな御提言をされています。  その中で3番の被保険者・利用者についてということで、(1)の被保険者の範囲とい う部分です。介護とは、高齢者特有のニーズではなく、疾病や交通事故などによる後遺 症でも必要となるものであり、本来は年齢や事由を問うものではない。  支援費制度の実施により、障害者のサービス需要は高まり、年度末に税財源が不足す る事態が発生するなど、従来の税による障害者施策の実施が困難になっている。さら に、施設や精神病院など、家族や地域と隔絶した場での生活を余儀なくされている障害 者も少なくない。  障害者(児)の自立支援においても介護サービスが重要な役割を担うため、介護保険 制度の見直しに当たっては、介護ニーズを社会全体で支え、あらゆる人の地域生活と社 会参加を保障するという、社会連帯に基づいた改革でなければならない。これは負担と 給付の関係が高齢者に矮小化された介護保険制度を、真の社会保険制度に変革すること を目指すものである。  そのため、医療保険加入者及びその被扶養者は、すべて介護保険の被保険者とする。 なお、医療保険に加入していない生活保護受給者も国民健康保険に加入できるように し、介護保険被保険者とする。  被保険者及び給付対象の範囲の障害者等への拡大にあたっては、障害者当事者の意向 を十分に尊重する。また、給付体系の再編を行なっても、各障害者に提供されるサービ スが現行の施策、財政水準から低下しないようにするとともに、法施行までにサービス 体系の在り方、内容、人材育成、財政見通しや負担の在り方、水準などについての検討 を行なうため、十分な準備期間を設ける。また、国の責任で、十分な低所得者対策を行 なう。ちょっと長くなりましたが、連合の御意見がこのような形で出されているわけで ございます。  続きまして資料9をお手元に御用意いただけますでしょうか。資料9は徳川委員が会 長をお務めになられております全国身体障害者施設協議会からの御提言でございまし て、僣越でございますが事務局の方から御説明をさせていただきたいと思います。  1頁では障害者施策と介護保険制度との統合にあたって、そして全国身体障害者施設 協議会からの提言、第一回の提言という位置づけでございます。そしてこの中ではその 提言の背景でありますとか、協議会としての御決意というものが書かれておりますが、 若干御説明をさせていただきますと、この決意の中で2頁の一番上のところを読ませて いただきます。  協議会を構成する施設の持つ諸機能の中には、現行の介護保険ではカバーできない 様々な機能をもち、「介護」保険という範疇では収まらないものもあり、協議会を構成 する施設が新たな保険の拠点機能を担い、制度発展の牽引役を果たし得ると考える。ま た、施設対在宅という枠組みではなく、協議会を構成する施設は入所による利用者のみ ではなく、地域の障害者を支援することが求められている。こういった御決意の中で提 言が出されております。  そして新たな保険制度への提言というところで、こうした基本的な協議会が明らかに した機能と役割をふまえ、介護保険統合に向けた議論では、協議会を構成する施設の位 置づけとあるべき姿をより鮮明にし、介護保険に新たな機能とその拠点施設として積極 的に役割を果たす決意である。その上で介護保険制度全体の見直しに積極的にアプロー チする必要があると考える。このように提言をされています。  そして具体的な内容としまして、基本方針というところで、利用者の主体性と自立生 活の理念をより明確にするのだ、そして安定的な新しい保険制度の創設を目指すこと、 あるいは高齢者支援と障害者支援の特性の相違を明確にするとともに、理念にふさわし い支援認定項目でありますとか、認定手法、あるいはサービスメニュー、負担の在り 方、給付基準及び指定基準等を確保すること。そして協議会を構成する施設を新しい保 険施設の対象施設として位置づけること、このような基本方針をお立てになりまして、 次の3頁ですが、大きな項目、支援認定について、この障害特性をふまえたものにして いくべきである、こういったようなことをまずお書きになっています。  サービスメニューにつきましては、ハビリテーション、あるいはエンパワメントを重 視したサービスを取り入れたサービスメニューにするべきではないか。それから現在使 われているサービスも引き続き利用できるように確保するべきじゃないか。あるいはき ちんとした量的・質的相違をふまえたサービス提供システム、あるいはサービス基盤を 整備するべきではないか、こういったことも提言されております。  そして4のケアマネジメント体制についてということでは、介護保険理念と支援費の 理念にふさわしいケアマネジメント体制の確立を図ること。そして5の費用負担につき ましては、障害者の収入の現状の実態を把握した上で、保険料及び利用者負担の水準を 設定すること。それから支援費で網羅されたサービスについては、利用者の負担能力を 考慮した費用負担とすること。そして6では他施策との連携、こういったことが御提言 されているわけでございます。以上、この三つの資料が、特に介護保険との関係を含め ました今回お出ししている資料でございます。  この他に最後に資料10としまして、以前の部会におきまして委員の皆様から御要望い ただいた資料のうち、まだお出ししておらず、かつ今回御用意できたものを用意してご ざいます。簡単に御説明をさせていただきたいと思います。資料10の1頁をお開きくだ さい。  これは高橋紘委員の方から地方財政の状況がどうなっているのかということを、厳し いという話も聞いているけれどもそれがわかるような資料をという御要望がございまし た。これは平成16年度の地方財政の概要でございますが、どうやって見ていただくかと いいますと、地方財政規模の規模、地方財政全体、全部足し上げますと、実に84兆6,669 億円というふうになりますが、総枠において1.8%の減、対前年度減というふうに、全 体的な財政規模が縮小しております。その中で地方一般歳出につきましても68兆1,049 億円ということで、2.3%の減ということになっております。こういった中で全体的な 財政規模が小さくなっております。  この中で、では歳出はどうなっているかということですが、これは一般行政経費、そ して給与関係経費、投資的経費、公共事業などですが、それから公債費、借金の部分で すが、こういったものを分けてみますと、その一般行政経費のみ4.1%と伸びておりま すが、その他の給与、それから公共事業、あるいは公債費といったものは減になってお るという状況でございます。その中でも一般行政経費の中でも国庫補助負担金などを伴 うものというものが10兆1,183億円でございまして、ここだけ対前年比2.8%と伸びてお ります。  では一体これは何が伸びたのかということですが、次の頁をお開きください。一点お 詫びでございますが、この2頁の資料の右上の数字ですが、対前年度合計のところで2.7 %とありますが、これは四捨五入の関係で前の頁とずれております。前の頁と整合させ ますと2.8%でございます。お許しいただきたいと存じます。  この中で各省別で出ておりますが、一番下のその他を除きますと厚生労働関係のみが 対前年比で伸びている、3.5%でございます。これは公立保育所の運営費を一般財源化 している費用も含めて3.5%伸びたということでございまして、主にこの厚生労働の中 で大きな金額を占めているのは、一つは生活保護であり、一つは介護給付費の負担金、 介護保険の負担金であり、それから老人医療の負担金といったことであります。金額的 には少ないですが、障害者のサービスも率としてはかなり高い伸びを示しているところ でございます。こういった状況の中で三位一体改革が行なわれるようとしている。全体 的に財政がシュリンクしていく中で三位一体改革が行なわれようとしているということ でございます。  続きまして今度は猪俣委員からいただいた御要望の中で、今後の精神障害者の対策を 考える時に一体どれぐらいの人数が対象になっていくんだろうか、その大台を知りたい というお話でございました。これについては今現在検討をしているところですが、一つ 参考としてお出ししましたのがこの3頁のGAFのスコアでございます。  これは以前も御紹介いたしましたが、精神疾患につきまして機能の全体的な評定とい うものを行なうような一つの物差しでございますが、これを入院患者の方、社会復帰施 設の利用者の方、外来患者の方、全患者の方でこういうふうに分布をしております。こ のうち大体どのあたりがそのサービスの対象者となってくるのか、どのあたりが一時的 で医療保険の対象者になっていくのかというあたりは今後の検討ということでございま す。  ちなみにこのGAFのスコア1〜10というのから、91〜100までというのがあります が、それがどんなものを意味するのかというのは次の4頁に記述しているところでござ います。例えば、かなり重い方という意味で行くと、例えば20〜11といったような方が いらっしゃった場合にどれぐらいかというと、全体としての評価でございますが、自己 または他者を傷つける危険がかなりあるか、時には最低限の身辺の清潔維持ができな い、または意思伝達に粗大な欠陥があるというような状況におかれている方がこのよう なクラスになってまいります。  ところが例えばもっとずっと上の61〜70といったようなスコアになりますと、いくつ かの軽い症状がある、例えば抑鬱気分と軽い不眠、または社会的、職業的または学校の 機能にいくらかの困難はあるが、全般的には機能はかなり良好であって、有意義な対人 関係もかなりある。こういったいろんな状態である方がいらっしゃいまして、それらの 方をどこまでどの制度でカバーしていくのかというふうな整理を今後行なっていきたい というふうに考えております。資料の説明につきましては以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局からの御報告につきまして御意見等を承 りたいと思いますが、まずは提言をされている全国身体障害者施設協議会の御立場から 徳川委員、いかがでしょうか。 ○徳川委員  今、事務局から詳しく御説明があったので、簡単に補足的にお話をしたいと思います が、私どもの協議会としては社会保障は二つの方式、税方式か保険方式というふうに考 えまして、どちらがいいとかどちらが悪いということではなくて、もう2年ぐらいの間 メリット・デメリットを比較してきたけれども、ほとんど大差はないということであり ました。したがいまして統合の問題についてはするべきか、するべきでないかという是 非については触れませんでした。  非常に現実的な財政的な面から、もし支援費のままでいけば、先程も他でもあったよ うに、税財政の不足ということで問題が起こってくるんじゃないか。しかも三位一体の 改革の中で一般化、財源化する傾向がある。そうなれば地域における格差がさらに大き くなるのではないか。障害者の生活について地域格差は許されないという考えから、よ り安定的な方式としてこの保険方式への統合という問題を考えてまいりました。  ただ,私たちの考えはここにありましたように、新しい保険制度を構築するというこ とが重要であります。いわゆる今までの高齢者の保険に吸収されるとか、またはそれに 二階建てにしていくというものではなくて、高齢者を含む障害者の問題全てを含んだ新 しい保険制度の構築を目指すべきではないかということを考えております。  その統合の中にはもちろんいくつかの条件がございまして、先程も御説明があったよ うに、現サービスを決して低下させるものであってはいけないということと、それから 高齢者と障害者の違いというものを明確にすべきではないかというふうに考えておりま す。高齢者の介護保険の場合は、どちらかというと全てがそうとは言いませんが、生活 補助というところに力点があるのですが、障害者の場合はずっと生れてから障害を持っ た方にとっては新しい人生の構築である、または中途障害の方は人生の再構築である、 そういう意味からの保険制度を考えるべきである。したがって障害者の特性を考慮した サービスの必要の量、または必要の時間というものを的確に評価して保険制度の中に入 れるべきではないかというふうに考えておるわけであります。  したがいまして障害者福祉の理念にふさわしい制度としていくつかのことがここに書 いてございますが、例えば支援認定項目の在り方、または支援の手法、またはリハビリ テーションとかエンパワメントを含んだサービスメニューの在り方、そして負担の在り 方でありますが、やはり私たちは応益ということも考えますが、障害者の方々の所得の 問題を考えると応能負担でいっていただきたいというふうに考えておるわけでありま す。  その他、給付基準とか指定基準の明確化とか、さらにはケアマネジメントの部分も高 齢者のケアマネジメントとは今の段階ではどちらかというと保険の内容を決めるための ケアマネでありますが、障害者の場合は人生を設計するケアマネであって欲しい。先程 も書いてあったように総合的なケアマネジメントを主張しているところであります。  今回のこの提言は私ども相当時間をかけて全会員の了解を得て作ったものでありまし て、全会一致の意見でありますが、今回だけに終わらせないで、今後当事者、いわゆる 施設におられる障害者の方々、または在宅の方々の意見も聞きながら第二の提言という ものをこれから作っていきたいというふうに思っております。やはり私たちとしては一 番重い障害者の方々でなかなか自分の意見が発言できないという、そういう方々の声な き声をいかに吸収するか、それを調査し分析しながら第二の提案を作っていきたいと今 検討に入っているところでございます。以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは御意見等があれば順次御発言をお願いいたしま す。 ○武田委員  今の徳川委員の発言の概ねのところは本当に賛成するところなんですが、障害者とか 介護保険に関して、最近記事とか解説が見かけられるようになりました。それは多くの 人の目に触れて国民的課題となっていくことではとても喜ばしいことだと感じていま す。しかし少々残念だなと思うのは、不安な部分がちょっと強調されているようで、前 向きな方向性とか検討課題が少ないなというふうに感じています。十分な情報が伝わら ない中で、現行の介護保険の認定基準では知的精神障害者は非該当になるとか、横出し 二階建てが本当に担保されるのかという不安がとても先行しているように感じておりま す。  私も精神障害者の地域生活が保障されるのか、一昨年あたりからすごく不安になりま して研究会を持ちました。そういった状況の中で、少ない数ではあるのですが、精神障 害者を地域の中で支援していくためのサービスの量と質ということを調査したり、もう 一つ現行の介護保険でどうなるんだろうか、本当に全部非該当になるんだろうかという ようなことをちょっと疑問が生じたものですから、一次判定にあてはめてみたんです。  その結果、多くの人が要介護1という結果だったんです。ただ、支援の量としてはと ても足りないなというふうに感じて、課題はいっぱいあるように感じています。そこを 研究していきたいなとは考えていますが、そういった意味で全国身体障害者の療護施設 協議会の報告書にあるように、入所者への認定のあてはめの結果はとても重要な資料だ と思っています。  これは事務局へのお願いなんですが、身体障害だけでなくて、例えば精神障害者では 現行の介護保険にあてはめるとどのような状況になるのか調査を行なって、これはとて も難しい問題も含んでいるかもしれないんですが、ただ、現行のところを見据えて次へ 動かないとなかなか動けないのかなという感じも持っています。  しかし議論するにはやはりデータがないと議論ができないのではないかなと思ってい ますし、私たちもできるところはやって、身体障害者の団体でこういうふうにやってら っしゃる、じゃあ私たちもやっていかなきゃあいけない、いろんなデータを持ち寄って それに基づいてもっともっと具体的な議論に進めていかなきゃあいけないのかなと思い ますので、事務局のところでできるところをぜひやっていただけないかなというお願い です。 ○京極部会長  貴重な御意見をありがとうございました。これにつきましてはやはり障害者に要介護 認定を適用した場合どのようになるのか、障害程度区分を今市町村でやっております が、それとは違ってくることになるかと思いますので、部会長としても今後議論を具体 的に深めていく場合に必要な情報だと思いますので、ぜひ事務局で調査していただけれ ばと思います。 ○村木課長  そのようにさせていただきます。 ○京極部会長  それで私も支援費制度の時には支援費、ともかく措置制度から一歩抜け出すために障 害程度区分については基本的に賛成をしたんですが、ただ要介護認定と違いまして、障 害者の場合二つ問題点がある。一つは障害程度区分というのは要介護性といっていいの かどうかわかりませんが、それを二つの部分に分かれて、いわゆる身辺的な日常的な生 活介護の部分と、それから社会参加的な部分とあって、その両方をカウントして計算す るというふうにしたわけですが、社会参加性が強い障害者の方がたくさんサービスがい るわけですね。ところが高齢者の場合、そういう方は介護度が低いとみなすわけです ね。そこに矛盾があるということ。  それから二点目に、障害者程度区分というのは心身の状況だけでは必ずしもなくて、 全体を見ますので、市町村で簡単にできるという点ではメリットなんですが、やっぱり 高齢者の要介護認定とのすり合わせは必ずしも十分できてない、しかし何らかの基準を 作らないと支援費制度はスタートしませんので、見切り発車というと言い過ぎかもしれ ませんが、とりあえず最大限できる限りのことで区分を作ったという経緯がございま す。  だからもし介護保険との整合性を考えるならば、そこは相当研究して必要なデータを 出して、おそらく事務局の方でも、現在の障害程度区分が日常生活支援の部分と社会参 加的な部分はどういう点数の割合になっているか、これは全国データは難しいかもしれ ませんが、定点観測のところは全て集まると思いますので、そんなこともあれば議論が しやすくなるのではないかと思っております。 ○北岡委員  前回は私は七つの論点を提示しながら、介護保険というスキームを使ってできるもの は検討していってはどうかというような視点でお話をしましたが、その時に他の多くの 委員の方から、やはり理念とか考え方はOKだとしても、何かスケルトンが出て来ない となかなか議論が前に進まないんじゃないかという御意見が多かったと思うんですが、 その辺について、まだ方向性がこの審議会の中で出てないのではないかと思いますが、 何か座長ないし事務局で、今後の進め方ということと絡んで来るのかもしれませんが、 その実態の調査に合わせて何かそういう案についての具体的な作業を誰かがやるという ようなことはいかがなんですか。 ○京極部会長  実は先程冒頭に申し上げたように、今後の進め方についてちょっと御提案をしたいこ とがございまして、それまで積み残した議論といいますか、特に全般的な在り方、三障 害共通の枠組みに関わる問題で計画的な整備と財源配分の在り方について、もうちょっ と御議論をいただくということで、後で時間を設けてその点は御議論をさせていただき たいと思っております。 ○笹川委員  実はここ1週間ほど日本盲人会連合と日本身体障害者連合会の全国大会がございまし た。そういう中で5月20日の朝日新聞にもう統合は決まったような報道がなされまし た。これは本当なのかどうか、この辺をまず明確にしていただきたいと思います。  そしてその反対の一番の理由は、中身がさっぱりわからない、統合した場合にどうい うことになるのか、障害者の社会参加が本当に保障されるのか、この辺が全くわからな いで方向だけ決める、これでは賛成はできないというのが身体障害者全体の意見でし た。それで今北岡委員が言われたように、ある程度中身が出て来ないと我々としてはさ っぱりわからないまま賛成とは言えない、これが実情です。  昨日でしたか、NHKの報道で介護保険制度の現状の中で170ほどの自治体が赤字に なっているという報道がございました。介護保険そのものがそういう状況であるのに、 そこへさらにこの支援費で大赤字を抱えている制度を持ち込んではたして本当の意味で の障害者の社会参加が保障できるのか、この辺がさっぱり我々としては検討がつかな い。  4月30日に厚生労働省の塩田部長をはじめ課長さんに出ていただいて、障害者との対 話集会をやりました。その時に塩田部長が、例えば移動介護のように介護保険に馴染ま ないものについては、別に考えたいというような御意見がございました。これだけでも 私たちはものすごく中身がわかるわけです。その辺をぜひ一つ明確にしていただきた い。介護保険と支援費制度を統合した場合に馴染まない科目はいくつかあります。そう いったものをどうするのか、その辺から一つ具体的に示していただきたいというふうに 思います。以上です。 ○京極部会長  今、北岡委員、笹川委員から出ましたことについては後で私の方から少し提案をさせ ていただきたいと思います。ただ、朝日新聞の件に関しては私もびっくりいたしました が、これは厚労省の方もびっくりしていたようでございますので、何かこれについては 事実関係をちょっと確認していただきたい。どなたかが喋ったことを記者がまとめたの だと思うんですが、その事情について御説明をいただければと思います。 ○村木課長  特定のお名前は申し上げませんが、某新聞に5月20日に大きな記事が載っておりまし て、正直私どももびっくりをいたしました。いずれにしましてもこの審議会できちんと 障害者施策の観点で議論をしているという状況でございまして、今、私どものスタンス がどういう状況になっているかということは、特にこの委員会に御参加の皆様方は一番 よくわかっていただいている状況と思いますので、あれは役所のスタンスとか、役所が 何か公式に申し上げたことを書いたものではないということを御理解をいただきたいと 思います。 ○長尾委員  実は日精協の方でもある程度の論議はしておるのですが、ただ、はっきりまだ乗る乗 らないという、その是非論にまではいっておりません。というのは一つはやはり十分な 介護保険の内容がきちっとわからないという中で、財政論で三位一体改革が進んで、い わゆる障害者福祉というものが十分語られてないという面、それから精神障害について は他の障害と比べて、これも前にも言いましたが、やはり施設整備というものが十分行 なわれてない、それがこの介護保険にいく中でそれが十分に果たされるのかどうか、そ の辺が全然見えて来ない。  それからもう一点は、精神というのは、先程重身も触れられていましたが、やはり障 害と医療というものが必ず不可分でなければいけない、その辺をきちっとふまえて論議 されなければいけない、そういう三つの点で総論的には言っております。  それから各論的にはいろいろな面で論議していますが、我々の方でもいわゆる要介護 認定にパイロットスタディ的にやってみました。その中では日精協で調査を行ないまし た精神症状と能力障害という二軸の評価でやった部分で、現行の社会復帰施設におられ る方で、入院しておられる方も含めてですが、若干症状の軽い能力障害の軽い人たちに ついての要介護認定をパイロット的にやってみました。  細かい数字は今は覚えておりませんが、約3割近くが非該当、そのあと25%ぐらいが 要支援程度で、非常に低い状態に出たということがありますので、実際に先程地域の方 で要介護1が出たということでしたが、我々のパイロットではもっと低かったというこ とがありますので、十分こういった面も論議されなければいけないということをお話し しておきたいと思います。 ○京極部会長  この点はちょっと専門的な議論が必要だと思いますので、ここの場で決めるというこ とではなくて、貴重な問題提起ということで受け止めたいと思います。特に高齢者の介 護につきましても、痴呆のカウントが非常に低かった時代がありまして、見直したわけ ですが、それと同じように障害特性のカウントをきちっとしないと、身体介護のだけを 見ましても、非常に軽い方ばかりに見えちゃって、本当は大変お世話しなくちゃあいけ ない、見守りも含めてあるわけで、そこは十分特性を考慮しないと、何か、全部軽い介 護者になっちゃうということになってしまうと財政的にも大変なことになりますので、 そういうことのないようにやりたいと思います。  今いろいろと御議論が出てきましたので、時間の関係ですが、ただいまの議論も含め て今後の進め方について御相談をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうござい ますか。 ○岡谷委員  今のことでちょっとお聞きしておきたいのですが、介護保険制度が始まる時にはかな り要介護認定につきましては、いろいろ研究ベースでその認定の基準等をきちっと作っ ていったと思うんですが、統合するかしないかということを考えていく時に、財政とか 提供されるサービスの内容とか、そういうものから考えて、その認定の基準というのを どういうふうに作っていくのかということについては、どこがどういう形で検討されて いくのでしょうか。  介護保険の基準に合わせると今おっしゃったような問題は必ず出て来ると思います が、そうすると本当に障害者の方にとって重要なきちんと認定基準を設けて認定しても らいたい、正確にその支援の必要度がどうなのかということをきちんと出してもらいた いと思っているその部分は、どこでどういうふうに検討されていくのかということにつ いて、見通し等は立っているのでしょうか。 ○京極部会長  それは事務局の方でお願いします。 ○大島企画官  省内が老健局、障害保健部両方またがる話になりますので,どちらがどう担当するか はこれからまた相談していきたいと思っておりますが,いずれにしても今日御指摘があ りましたように、まず現行の基準であてはめた場合どうなるかというのがそもそもの基 本になるんじゃないかと思うんですね。それを見た上でどういう項目がどうきいている かという分析をしないといけないんじゃないかと思っておりますので、まずそういった 調査を最初にやるのが順番ではないかなと思っております。そういう意味ではちょうど 介護制度改革事務局という両方またがった部署もありますのが、そういったところでま ずはやっていくことを考えていきたいと思っております。 ○京極部会長  国の調査等もいくつか散見されると思いますが。では広田委員どうぞ。 ○広田委員  一点だけお伺いします。連合さんから出している3頁目なんですが、被保険者の範囲 のところで、介護とは高齢者特有のニーズではなく、疾病や交通事故などによる後遺障 害でも必要になるものでありという書き方をされているのですね。精神障害が入ってい るのか入ってないのかよくわからないのですが、精神障害を常に一緒に入れて考えてい ただくとすれば、疾病や交通事故などによ後遺障害による生活障害、精神障害というの は何も後遺症ではなくて、精神の病から来る生活障害ですから、そういうふうな意見が 委員から出たということを連合さんにお伝えしていただきたいと思います。 ○京極部会長  わかりました。では次は加藤委員お願いします。 ○加藤委員  今後の審議の方向を検討されるという前に、少し今まで議論されたことに関連して、 実は介護保険と障害福祉の統合化の問題については今議論されている通りで、私たちも 非常に関心をもっているわけですが、私どもの知的障害者福祉協会もこの問題について は委員会を設けまして検討を加えてきております。  これについては基本的には財源的にも統合化ということについてはある程度やむをえ なしというような方向で議論はしているところですが、しかしそれについては知的障害 者福祉という視点からいきまして、いくつかの条件つきでということで実は要望書をと りまとめて機関決定をほぼしたところであります。今日は間に合わなかったのですが、 実はぜひ次回この内容について提出をさせていただきたいと思いますので、ぜひここの 予定に繰り込んでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします ○京極部会長  前回の部会においても各委員から今後議論を深めていくには介護保険との関係を含め た制度の在り方について何らかの案、たたき台がないと議論ができないということの御 意見がございました。詳細な制度設計についてはこの審議会での議論をふまえてさらに 事務局が作成することになって、具体的にまた秋以降の議論にもつながっていくわけで すが、私としましては学識の委員のお知恵を借りまして制度の在り方についての基本的 な考え方を整理していただきたく思っております。  いわば考え方のたたき台になるわけですが、これについてはいろんな代表の方がいら っしゃいますが、公益的な委員の中から作成にあたっていただく委員を指名させていた だくという方向で考えております。三障害とのバランスも考えて、時間的な制約もあり ますので、次の3名の委員、高橋清久委員、高橋紘委員、岡田喜篤委員を御指名させて いただければと思います。高橋清久委員は本日御欠席ですが、事前にお話をしてそのよ うな結論になればお引き受けいただけるという御本人の御了承も内々にいただいており ます。  この3名でたたき台を作っていただき、それをまた皆様方で議論する。それも各団体 に持ち帰っていただいてやっていただかないといけないと思うんですが、当初私の方か らと思ったのですが、私が部会長として作りますとこれは最終的な意見になってしまっ て、これが否決されるともう次はないということで、それからもう一つは私が作ると何 となく厚生省と取引をして原案が出てくるというふうに考えられちゃいますとまずいの で、やはり介護保険の制度創設の時も、実はあの時は10人の委員でやりまして作ったの であります。行政の方はあの原案は必ずしも賛成ではなかったんですね。  ですからそういう形で学識の委員に書いていただくのが非常によろしいかと思いま す。そしてもしお引き受けいただければ3人の方にやっていただく。それからあとは 次々回には福島委員の御提案もありまして、障害者団体の方からの御意見も伺うことに したいと思っております。中間的なとりまとめの議論についてはいかがでしょうか。3 名の方にお願いしてよろしゅうございますか。 ○全員  異議無し ○京極部会長  では大変御苦労でございますが、時間がないので短期決戦ということで集中的な議論 をお三方にしていただきまして、たたき台を作っていただく、そしてそれをできれば次 回お示しをして議論をいただき、またそれを各団体等でお持ち帰りいただき、それをふ まえてまた修正もすることも十分ありますので、議論を深めていくという段取りにさせ ていただきたいと思います。もちろん細かい制度設計で詰めなくちゃあいけないこと は、これからずっと秋以降もしますので、基本的に終わりということではございません が。では安藤委員どうぞ。 ○安藤委員  今の意見についてお伺いしたいのですが、私はこの障害部会の立場というか、位置づ けがよくわからないんです。今まで議論を重ねる中で、三位一体の改革ありきとか、地 方自治体の財源がこうだということで、介護保険との統合やむなしというような意見に なっているわけですね。  しかしこの障害者部会としては財政的な問題はありますが、我が国の障害者福祉の理 念というか、在り方というものをきちんと整理して、三位一体とかこの財源はこうある けれど、このような計画を出すべきだというような障害者部会としての集大成という か、検討の場では当然だと思うんですね。それが学識経験者3人でたたき台を作ること は、統合ありきを前提で出されてきたら、もう選択肢がなくなるという問題が出るので はないかと思うんですが、そうするとどうなんでしょうか。 ○京極部会長  これは財政的な議論だけしているわけではありませんので、今までやってきたことを まとめて、その中から今後の方向づけをしていただくということで、どういう案になる かは、ここで私はお願いしているわけでありますのでわかりませんけれども、ただ一応 方向づけだけは出さないと議論のしようがないので、検討検討とずっとやってきました ので、ある程度3人にお任せしてそれを皆さんで議論する、そしてみんなの意見として 了解を得られればそれを外に出していくというふうにしたいと思うんですね。  したがってここでの議論も必ずしも三位一体とか一般財源化だから云々かんぬんとい う議論ではなくて、障害者福祉の全体の在り方、今後の在り方、住まいや住宅の、今日 は就労の話が出ましたが、そういうものをどうするかというのも含めて、介護保険との 関係だけじゃなくて、それも含めて出していただいた方がいいかなという気もいたしま す。ただ、今安藤委員から御意見をいただいた点は3人の委員の方が受け止めていただ いて、一つ御配慮をいただければと思います。もし御発言があれば高橋委員と岡田委 員、一言ずつお願いします。 ○高橋(紘)委員  これからの作業で大変な大役でございます。私自身の今までの発言でどういう立場か というのは御理解をいただいているかと思いますが、私は一つはやっぱり社会福祉法の 理念というのをもう一度考えたいというふうに思っております。そして介護保険の議論 が出ておりましたけれども、今日の議論も含めて障害者施策というのは全体的なもので ある、そしてその中でどのような方式で、どこがどういう方式で組み合わさるかとい う、そんな議論の中で介護保険という議論を考えてみよう、それから今の支援費のアり 方を考えてみようという、そういうことになるのかなというふうに思っております。  それから統合に対して大変慎重な御意見、これは私は身体障害者の生活支援の検討会 では安藤委員とも御一緒させていただいておりますし、それから様々な当事者の団体の 皆様といろいろお話し合いをした経験もふまえまして、しかし私なりの考えを3人の先 生と調整しながらということになろうかというふうに思っております。 ○岡田委員  私も指名を受けた以上は全力をあげて案を作ってみたいと思いますが、決して私自身 予め答を前提とした作業をやるつもりはございまん。特に安藤委員やあるいは福島委員 は、かねてより今回のこの支援費制度の今後については非常に懸念を示されておりまし た。そういったものを私自身もぜひ自分の中に消化しながら、しかし全体としてこれか らの障害者福祉がどうあるべきかということを自分なりに知的障害者、あるいは重症身 心障害、あるいは子どもたちの発達障害という分野から私が関わってきた事柄をぜひ反 映させていただくように努力をしてみたいと思いますので、結果についてはぜひ忌憚の ない判定をここで受けたいと思っております。どうかそういうおつもりで御理解を賜り たいと思います。 ○京極部会長  よろしいでしょうか。他に御意見はございませんか。それではお三方には本当に御苦 労をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。最後に次回を含めて今後の日程 について事務局から御説明をいただけませんか。秋以降のことも含めてお願いいたしま す。 ○間企画課長補佐  それではお手元に資料11を御用意いただきたいと存じます。今後の進め方(案)と題 されたものでございます。ただいまの御議論もふまえまして、すでに委員の皆様方には 日程を数多く頂戴してございます。6月4日、6月18日、6月25日にすでに御案内をさ せていただいているかと思います。それぞれどのような形にさせていただくかというこ とでございますが、6月4日、今週の金曜日でございますが、月曜日に開かせていただ いてなお金曜日ということで大変短い間隔で恐縮でございますが、第12回の障害者部会 を開催させていただきたいと存じます。  そこにおきましては、一つは積み残しになっておりました全国市長会からヒアリング をするというようなものがございます。先般、坂出市長さんが御家族の都合で御欠席に なりまして事務局から報告をいただいたところでございます。御意見ということで今回 ヒアリングをさせていただきたいと思っております。  そしてただいま御議論のありました3人の委員の方々の共同によるたたき台という か、考え方を整理していただいたものをもとに、今後の障害保健福祉にかかる制度の在 り方というものについて御議論をいただきたいというふうに考えております。  そしてそれもふまえまして6月18日(金)におきましては、各本障害者部会にも数多 くの障害者団体の代表の方が委員となっておられますが、その6つの団体というのに加 えて日本障害者協議会、あるいはDPI日本会議といったようなところからもヒアリン グをさせていただきたい、御意見の陳述をお願いしたいというふうに考えております。 この6月18日の障害者部会におきましては、6月4日で議論されたものをベースにいろ いろと御意見をお伺いしたいというふうに考えております。それについてどう思われる かということも含めて御意見を頂戴できればというふうに思っております。  それもふまえた上で6月25日(金)の第14回障害者部会におきましては、ただいま御 指摘のありましたように介護保険との関係だけではなくて、就労でありますとか、住ま いでありますとか、ライフステージに合わせた支援の在り方といったことも含めまし て、これまで御意見をいただいたこと諸々の大きな方向性といったものについて中間と りまとめの案というものを御議論いただければと思っております。そしてここでまとま るかまとまらないか、それもふまえてさらに議論をいただきたいと思っております。  なお、介護保険部会との関係でございますが、介護保険部会は次回6月28日(月)に 開かれるというふうに聞いております。介護保険部会の方もそろそろとりまとめの議論 に入っているというふうに聞いておりまして、介護保険部会から見ますと障害者の問 題、一つの切り口として被保険者範囲をどう考えるか、受給者の範囲をどう考えるかと いう問題でございますが、そういったものも議論の俎上に上るというふうに聞いており ます。障害者部会の意見を介護保険部会の方に示していくといったことも必要になるの かなというふうに思っております。  そして本日も具体的にどうしていくのかという施策の話が御議論になっております が、そういったものはまた事務局の方でさらにこの大きな方向性に従いまして具体的に 精査し、そして案を作り、また秋にそういった個々具体的なものについて御議論をいた だきたいと、このように考えておるところでございます。  次回でございますが、6月4日は午後3時から厚生労働省9階の省議室、この部屋に おいて開催をさせていただきたいと考えております。現時点での出欠状況がおわかりで したらばお手元にございます出欠表に御記入をいただきたいと存じます。なお、詳細に つきましてはいつも通り事務局より御連絡をさせていただきたいと思います。どうぞよ ろしくお願い申し上げます。 ○京極部会長  あとは介護保険部会に、こちらの中間まとめがもしまとまれば、それを報告する。そ れを受けて介護保険部会の方も独自にまた検討しなくちゃあいけないわけでして、その 後、介護保険部会ではすでに今やっている高齢者介護についても見直しをするわけなん ですが、それも含めていつ頃大体予定ではなっているか、もしわかればお願いしたい。 ○大島企画官  介護保険部会の方のスケジュールは7月末をメドに部会としてのとりまとめを行なう という方向で今作業が進んでおります。今まで各論の議論を行なっておりましたので、 6月7月とかけまして、全体的なとりまとめに向けた議論に入るという段取りになって おります。 ○京極部会長  これで終りたいと思います。長時間どうもありがとうございました。   (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017)