04/04/28 社会保障審議会障害者部会(第9回)の議事録            第9回社会保障審議会障害者部会議事録 日時  :平成16年4月28日(水)午後13:00〜17:00 場所  :霞が関ビル33F東海大学校友会館 出席委員:京極部会長、嵐谷委員、安藤委員、猪俣委員、江上委員、岡田委員、岡谷委員、      加藤委員、亀井委員、北岡委員、君塚委員、古畑委員、小林委員、斎藤委員、      笹川委員、新保委員、末安委員、高橋(清)委員、高橋(紘)委員、武田委員、      丹下委員、長尾委員、妻屋委員、堂本委員、徳川委員、 広田委員、福島委員、      町野委員、松友委員 ○京極部会長  ただいまから第9回社会保障審議会障害者部会を開催させていただきます。委員の皆 様におかれましてはお忙しい中をお集まりいただき誠にありがとうございます。今日は 二つのテーマで長丁場の会議になりますので、3時少し前に休憩を取りたいと思いま す。なお、一昨日介護保険部会で障害者部会の議論の進み方について若干御報告しまし た。まだ検討中ということでお話をしておきました。それでは事務局から委員の交替と 出席状況及び資料についての御説明を、まずお願いいたします。 ○間企画課長補佐  まず委員の交替につきましては、日本精神科病院協会の津久江委員が協会役員の改選 に伴いまして委員を御辞退されました。その後任者といたしまして4月28日付で日本精 神科病院協会副会長の長尾卓夫様が社会保障審議会臨時委員となられました。また、委 員の出欠状況でございますが、本日は永井委員、西島委員から御欠席との御連絡をいた だいております。また岡谷委員、新保委員、高橋紘士委員、町野委員が遅れておられる ようでございます。  続きまして資料のご確認をお願いいたします。お手元に配布させていただいておりま す資料は、まず資料1としまして論点整理という1枚の資料です。それから資料2とし まして前回までの議事概要、これまでもお出ししているものに前回の議論を追加したも のでございます。それから資料3としましてケアマネジメントについて、資料4としま して権利擁護について、資料5としまして財源配分、財源構成について、資料6としま して制度の比較について、資料7としまして前回第8回の障害者部会の追加資料です。 そして前回の議事録を机の上に置かせていただいております。御発言内容に誤り等がご ざいましたら5月17日(月)までに事務局までお知らせいただきますようよろしくお願 いいたします。また、資料の不足がございましたら御指摘をいただければと思います。 以上でございます。 ○京極部会長  それでは議事に入ります。前回は障害者の自立支援のための保健福祉施策の体系の在 り方のうち、就労支援と住まいの確保について御議論をいただいたところです。論点整 理の1を御覧ください。もっと議論をしたいとの御意見もございましたので、改めてま た議論をする時間を確保したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  今回は論点整理のメモのアンダーラインのあるところ、ケアマネジメント等の在り方 とサービスの計画的な整理と財源(配分)の在り方を中心に御議論をいただきたいと思 います。まず、ケアマネジメントの在り方について議論を進めてまいりたいと思いま す。それでは事務局より資料1から4までの御説明をお願いいたします。 ○間企画課長補佐  それではお手元の資料に従いまして順次御説明を申し上げます。まず資料1ですが、 これは論点整理ということで、今、部会長からお話がございましたように、本日は3の ケアマネジメントなどの在り方、そして4としてサービスの計画的な整備と財源(配分 )の在り方につきまして御議論をいただければと考えております。資料1は以上でござ います。  資料2につきましては、これまで同様、前回までの議事概要を事務局として整理をさ せていただきました。そしてこれもこれまでと同様、前回の御議論、主な御意見につき ましては太い字で書かせていただいております。そういったところが新しいところとい うことです。御活用をいただければと存じます。  それでは今回のまず最初のテーマの、ケアマネジメント等の在り方についてございま すが、まず資料3の1頁をお開きください。障害者ケアマネジメントの概要と書いてご ざいます。障害者ケアマネジメントにつきましては、障害者あるいは障害者の方に対し て、基本的に市町村が実施をする、あるいは市町村がケアマネジメントを委託した機関 が実施するということになっておりまして、それは支援費制度や精神障害者福祉制度と いうものに関して実施することを想定するものでございます。  そうしましてそのケアマネジメントの過程につきましては、こちらの表にございます ように、まず御相談を受けた場合に、そもそもケアマネジメントの希望の確認をし、そ してアセスメントをする、ニーズがどんなものであるのか、あるいはニーズを充足する 方法はどうしたらいいのか、社会資源はどんなものがあるだろうか、こういったものを アセスメントした上で、ケアの計画を作成し、ケアの計画を実施して、そしてそれがど うであったかというのをチェックをいたしまして、そして定期的にまた再度アセスメン トはどうなのかというのを確認していくというようなプロセスを経るものでございま す。  これは委員御案内の通りかと思いますが、ただ、この障害者ケアマネジメントにつき ましては、多くの方から御指摘がありますように、実は制度として位置づけられている わけではございませんで、いわばその手法、ケアマネジメントという手法なのであると いうふうなことで今まで扱われているということでございます。この点につきまして は、では障害者ケアマネジメントとは何なのかということにつきましては2頁をお開き いただきたいと存じます。  2頁の資料そのものは、実は国で行なっております障害者ケアマネジメント体制支援 事業という事業の説明でございますが、この1番の事業の趣旨の最初の○のところを御 覧いただきたいと思います。『障害者ケアマネジメントは、地域で暮らす障害者が、地 域に散在する多くのサービスを有効に活用できるように支援するため、障害者本人の意 向を尊重し、福祉、保健、医療、教育、就労等の幅広いニーズと様々な地域の社会資源 の間に立って、障害者のエンパワメントを高める視点から総合的かつ継続的なサービス の供給を確保するための重要な援助方法(手法)である。』  ここで非常に重要なポイントは、一つは福祉、保健、医療、教育、就労等、障害者の 生活に関わる様々な要素全体についてコーディネートしていくという発想があるという ことと、そして障害者の方自身の力を高めていく、エンパワメントという考え方がある ということ、そしてもう一つは、実は地域資源の開発という、全ての地域においてあら ゆるサービスが整っているということが現実にはなかなか難しいものですから、あるな らあるなりに、ないならないなりに、そしてない中でどういうふうにしたら地域の社会 資源を新たに生み出していくことができるだろうか、そういった地域資源の開発といっ たものもこの考え方の中に入っているというところに特徴を持っております。そして国 におきましては、この障害者ケアマネジメント体制支援事業等を通じまして、障害者の ケアマネジメントの推進というものを図ろうとしているということでございます。  では、実際にケアマネジメントに従事する方、ケアマネジメント従事者と呼んでおり ますが、その方の養成状況ということですが、3頁を御覧ください。この障害者ケアマ ネジメント研修事業の中で、一つは国が実施している研修、これは指導者研修、ケアマ ネジメント従事者の指導者の研修を国が行なっておりまして、そして都道府県や指定都 市におきましてケアマネジメント従事者の養成研修をするという二段階の構成になって おります。 そしてその数ですが、国において実施しております指導者研修につきまし ては、平成15年度までの総合計としまして1,620人の方の研修が終了しているという状 況でございます。一応この中では3障害合同で平成14年度から研修を実施しております が、あえて中身を、主に何を担当されている方かを申し上げますと、その1,620人のう ち身体障害の関係の方が566人、知的障害の関係の方が519人、精神障害の関係の方が 535人ということでございます。さらにこれが全国的に普及するようにということで、 国の研修におきましては、各都道府県などにつきまして、毎年受講人数を指定して派遣 を依頼しているところでございます。  もう一つ、下の表ですが、都道府県・指定都市が実施している養成研修事業の就労者 ということですが、14年度までの総合計ということで申し上げますと、27,311人という ような状況になっております。15年度につきましてはまだ最終的なデータがあがってき ておりませんのでお許しいただきたいと思います。こういった状況でございます。  それではこういう方々がどこで働いておられるかということなのですが、もちろん公 的なセクター、市町村やあるいは県の機関というところもありますが、実際にはかなり 社会福祉法人,あるいは病院などの方々も行なわれております。そしてこの方々の活躍 のメインステージとしましては、相談支援事業所というのが考えられるわけですが、そ の状況を示したのが4頁です。相談支援事業の実施箇所数の推移というふうに書いてあ ります。三つございます。  一つは市町村障害者生活支援事業、このグラフの一番下になっておりますが、これは 平成15年度で数字が入っておりませんが、374カ所という状況でございます。そして二 番目に障害児(者)地域療育等支援事業、知的障害の方々を主にやってこられました が、ここが平成15年度におきましては536カ所という状況でございます。そして最後に 精神障害者地域生活支援センターが415カ所ということで、いずれもグラフを見ていた だいておわかりの通り、一応伸びているという状況でございます。なお、御案内のよう に平成15年度におきまして市町村障害者生活支援事業、あるいは障害者地域療育等支援 事業を一般財源化するに至りましたが、これは16年度におきましても箇所数は伸びる予 定であるというふうに承知しているところでございます。  5頁以下につきましては、それぞれの事業の説明でございますので、お時間がありま す時にお読みいただきたいと存じます。  そしてこのケアマネジメントにつきましては、こういったものを手法という形でやる のか、あるいは市町村から多くの要望がございますように制度化を目指していくのか、 そしてその制度化をするとするならばどういった範囲で、どういった人たちがやるのか といったことがいろんな課題があるというふうに承知しているところでございます。ケ アマネジメントの資料に関係しましては以上でございます。  続きまして資料4、権利擁護についてというかなり大部な資料がございますが、こち らについて御説明を申し上げます。障害者をはじめとする方々の権利擁護の仕組みにつ きましてはいくつか大きな制度がございます。それについて順次その状況について御説 明を申し上げます。1頁をお開きいただきたいと存じます。まず成年後見制度でござい ます。この成年後見制度そのものは民法上の仕組みでございますが、判断能力の不十分 な方々、成年の方々を保護するための制度ということで、平成12年4月から施行された ものでございます。  大きく申し上げますと、その1頁の下の図にありますが、成年後見、法定後見という ものと任意後見というものがございます。任意後見は御本人が、私が判断能力が十分で なくなった時にはこういうふうにしてくださいねというふうに予め対応するための制度 でございまして、法定後見はそれ以外にもうすでに判断能力がだんだん自信がないとい う方のための制度という形になります。法定後見につきましては、ここにありますよう に補助、保佐、後見というふうに三つに分かれておりますが、それぞれ判断能力のその 時点での程度が重い方が後見、比較的判断はできるんだけれどもちょっと不十分だよと いう方が一番軽い補助というものをお使いになるということでございます。  そしてこの後見などにつきましては、保護者という方がいらっしゃって、補助人、保 佐人、成年後見人というふうになりますが、この保護者につきましては複数を選任する こともできますし、法人を選任することも可能になっているところでございます。さら に2頁の(4)をご覧いただきたいのですが、ではきちっと申し立てを、この方について 後見人をつけて欲しいよという申し立てをする方がいらっしゃる場合にはよいのです が、身寄りがない方の場合はどうなるかということですが、身寄りがない方の場合には 市町村長にその法定後見の開始の審判を申し立てる権能が与えられているところでござ います。ちなみにこういったものを申し立てますと、大体鑑定料としまして一回あたり 5万から10万円ぐらいの費用がかかるというふうに承知しているところでございます。  3頁をお開きいただきたいと存じます。実際にその成年後見がどれぐらい申し立てら れているか、これは累積ではなくて単年です。平成7年、12年、13年と比較してござい ます。平成7年度の段階では成年後見という仕組みはございませんでしたので、禁治産 と準禁治産の申し立て件数をお示ししているところでございます。  後見に関して申し上げますと、平成7年度の、この時は禁治産ということになります が、1年間の申し立て件数は2,963件ということになっておりました。これが成年後見 の仕組みが入りまして、平成12年度になりますと7,451件、そして翌年平成13年度にお きましては9,297件と伸びているところでございます。先程申し上げました、それより やや軽い保佐、あるいは補助などにつきましても、件数が伸びているという状況にある ことがご覧いただけるかと思います。  では実際どんな方々について申し立てがなされているのかというのをお示ししたのが 次の4頁の資料です。これは平成13年度におきます成年後見の関係の本人の男女別、年 齢別の割合をお示ししたものでございます。残念ながらこのうち、例えば障害をお持ち の方なのかなど、どういった方なのかということについては公表のデータがございませ んので承知しておりませんが、年齢で申し上げますと、あえて65才で切らせていただく ならば、男性の場合には65才未満の方が54%、逆に言えば65才以上の方が46%いらっし ゃいますが、女性の場合には大きく変わっておりまして、65才未満の方が26%、そして 65才以上の高齢者の方が74%という状況になっているところでございます。  これにつきましては、その5頁6頁は12年度、7年度の数字を書かせていただいてい るところですが、総じて申し上げますと、高齢者の割合が多くなっているというふうな 状況になっております。件数そのものは伸びておりますので、若年の方の件数も伸びて いるかと思いますが、割合としては高齢者の割合が今増えつつあるという状況にござい ます。  次は7頁を御覧いただきたいと思います。7頁は成年後見関係事件における本人の生 活状況についてということで、どこにお暮らしになっているかという状況を示したもの です。これを見ていただきますと、平成13年度におきましては、家族と同居が25%、一 人暮らしが6%ということで、31%の方が在宅といってよろしいかと思います。その他 に病院、あるいは老人ホームの方が非常に多くございまして、病院と老人ホームを合わ せますと62%という状況です。  ではどういう理由で申し立てをしたのかということを御覧いただきたいと思います。 8頁です。平成13年度のものを見ますと、ここで経年的に申し上げますと、二つのもの が伸びております。一つは財産管理処分です。この財産管理処分につきましては平成7 年度がその申し立て理由のうちの54%を占めていたものが、平成12年度には62%、平成 13年度には63%と伸びております。それからもう一つは、身上監護、この権利擁護の最 たるものかもしれませんが、こういったものが平成7年は7%であったものが、平成12 年には16%、平成13年度には17%と、このように増えているところでございます。  続きまして、ではどなたが申し立てているかということにつきましては次の9頁でご ざいます。この中では経年的に申し上げますと、総じてお子さんが申し立てる、あるい は弁護士が申し立てるというものが増えているのがこの図から見てとれます。成年後見 制度本体の説明は以上ですが、この成年後見制度につきましてかなり費用的なものが大 変なのだ、市町村長が申し立てるといってもなかなか費用がというお話もございまし て、国におきましては成年後見制度利用支援事業というものを用意しているところでご ざいます。  これにつきましては現在のところ、痴呆性高齢者の方と知的障害者の方について市町 村長が申し立てをして、そしていろんなサービスを利用するためにこういった成年後見 の仕組みを使おうといった場合に、様々な経費、登記手数料とか鑑定費用とか、あるい は後見人の方の報酬の一部等を市町村が支出した場合に補助する仕組みというものを用 意しているところでございます。事業実施状況は平成15年4月1日現在で551の市町村、 市町村全体から見ますと17.1%の市町村が利用されているというところでございます。  続きまして13頁です。先程の成年後見とはまた違った形でいろいろな権利擁護をする 仕組みがございます。それが地域福祉権利擁護事業というものでございます。先程の成 年後見の場合には基本的に契約をすること自体が難しいという方を念頭に作られた制度 でございまして、保護者に代理権なども与えられているところでございます。  この地域福祉権利養護事業はこの13頁の対象者というところにございますように、い くつかの条件に該当する方に御利用いただくということでございます。少し読ませてい ただきますと、一つは判断能力が不十分な方、例えば痴呆性の高齢者の方とか、知的障 害者の方、精神障害者の方などであって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用す るための情報の入手、理解、判断、意思表示をご本人のみでは適切に行なうことが難し い方ということであります。  そしてもう一つの条件がございます。この条件が大事でして、本事業の契約の内容に ついて判断し得る能力を有していると認められる方、つまりそういう応援をさせていた だきますよ、そういう契約をしますよということ自体は御理解いただけるかということ でございます。こういった方々に対しまして次の援助内容にございますように、福祉サ ービスの利用援助などの事業を実施するということでございます。実施主体は都道府県 の社会福祉協議会、あるいは指定都市の社会福祉協議会ということになってございま す。窓口は市区町村の社会福祉協議会なども窓口になっているというふうに承知してお ります。  次にその手続き的なものを若干御説明させていただきますと、14頁です。手続きの流 れとありますが、利用希望者は実施主体に対して申請を行ないまして、実施主体は利用 希望者の生活状況や希望する援助内容を確認する、何を応援したらいいのかということ を確認した上で、本事業の契約の内容について判断し得るのかどうか、先程の最低限の 契約を結べるのかどうかということの判定を行なうことになっております。  そして、そこの中の下の方に※がございますが、そういう契約内容とか本人の判断能 力などの確認を行なうための契約締結審査会、あるいは適正な運営を確保するための監 督を行なう第三者的機関として運営適正化委員会ということも設置してちゃんと行なわ れているかどうかの確認をする形になっているところです。  この地域福祉権利擁護事業の実施状況について御説明を申し上げます。16頁です。相 談件数、あるいは利用契約件数というのがございます。平成12年度には42,504件であっ たものが、平成15年、これは4月から12月までの9カ月間ですが、167,007件と非常に 大きく伸びております。それに伴いまして利用契約件数も12年度は1,687件であったも のが、これは15年度、これは9カ月だけですが、4,834件と利用が伸びている状況であ ることを御覧いただけるかと思います。  ではどんな方が契約されているかというのがその下の表でして、全体の15.9%の方が 知的障害者の方、そして13.6%が精神障害者の方という状況になっているところでござ います。そして実際にどんな援助内容になっているかということですが、17頁を御覧く ださい。これはどんな表になっているかと申しますと、上が知的障害者のグラフ、下が 精神障害者のグラフということです。そしてまずその17頁は福祉サービスの利用に関し て具体的にどんな内容、援助をしたかということが書かれております。  最初に申し上げますが、総じて知的障害者の方と精神障害者の方で援助の内容は違わ ない、ほぼ似たような傾向にあるという状況がございます。具体的に申し上げますと、 福祉サービスの利用に関しましては、一つは介護保険や支援費など福祉制度の説明とい うものが非常に多くなっております。そして同じように多いものとしては在宅サービス や施設サービスの内容や事業所の紹介、情報提供といったもの、こんなサービスがあり ますよ、こんな事業所がありますよという情報提供をするというもの、それから真ん中 あたりですが、福祉サービスに関する要望や苦情の聞き取り、あるいはサービス事業者 との調整と、こういったものが上位の三つの項目ということです。これは知的障害者、 精神障害者ほぼ共通というふうになっております。  次の頁をお開きください。今は福祉サービスの利用に関してでした。今度は金銭管理 に関して見ますと、これもやはり知的障害者と精神障害者の方で大きくは変わらないの ですが、多いものを申し上げますと、一つは預金の払い戻し、預金の解約、そしてその 次の入院医療費、福祉サービス利用料、日用品、その他代金の支払い手続き、それから 重要な書類の預かりというのも多いのですが、もう一つ、計画的な支出、家計のやりく りのための相談・援助と、こういったものが多くなってございます。  それから19頁のその他ということです。19頁が知的障害者、20頁が精神障害者です が、ほぼ一緒です。多いものを申し上げますと、上から四つ目の郵便物などの内容確 認、整理、いろいろ役所等から送られてきた書類がどういうものであるのかというのを 確認して整理するという援助、あるいはその三つ下ですが、日用品の購入の相談・援助 といったものも多くなってございます。さらに三つ下ですが、これは知的障害者にやや 特色がございますが、就労に関する相談援助というものもございます。そして最後に家 族関係の調整といったものも援助内容としては多くなってございます。精神障害者の方 もほぼ郵便物の内容確認とか日用品の購入相談とか、家族関係の調整といったものがそ の上位三項目となっているところでございます。  この権利擁護関係の最後ですが、21頁をお開きください。先程、地域福祉権利擁護の ところで一言だけ申し上げましたが、運営適正化委員会というものがございます。これ はこの一番の目的にございますように、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保 するとともに、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するために都道 府県社会福祉協議会に置くもの、都道府県社協におかれている福祉サービスの適正な運 営を確保するための仕組みということでございます。これにつきましては福祉、あるい は法律、医療に関して学識経験を有する方で構成をされているところです。  では実際にどんな状況にあるのかというのが次の22頁以降の資料です。運営適正化委 員会におけます苦情解決事業、利用者等からの苦情に応じまして斡旋なども含めまして 対応をされているわけですが、これは月別の相談の件数ですが、年末は少し減るような 傾向にありますが、総じて右肩上がりで伸びております。平成15年度におきましては 440件ぐらいから550件ぐらいの間で推移をしている。月間それぐらいの相談件数がある という状況でございます。  ではどなたが相談を申し出られているのかということにつきましては次の23頁です。 申し出た方につきましては、ある意味では当然ですが御本人や御家族ということでござ いまして、家族が48%、利用者が33%申し出られています。その他職員の方や代理人と いう方もいらっしゃるところです。  そして苦情の内容です。次の24頁をお開きください。これは運営適正化委員会の相談 件数全体です。高齢者も障害者も子どもの件数も全部合わせてですが、一番多いのは職 員の接遇で26%、次にサービスの質や量で19%、説明・情報提供で15%、権利侵害で8 %、被害・損害等で7%、利用料で3%、このような状況になっております。このうち 障害者についてデータを取り出したものが次の25頁です。特徴を申し上げます。その頁 以降に高齢者とか児童のデータもおつけしておりますが、それらと比較しますと職員の 接遇についての苦情が若干多くなってございます。1位と2位が高齢者と比べると逆転 しているところです。それから悲しいことですが、この権利侵害に関する申し立てが高 齢者の場合は4%ですが、障害者の場合には11%とやや多くなっているという状況で す。  それでは一番最後の頁をお開きください。ではそうやって出てきた苦情解決に対して はどういうふうに対応したかということですが、相談・助言が54%、あるいは適切なも のを紹介するなど、あるいはちゃんと伝えるといったことが18%、継続しているものも ありますが、意見要望などに類するものが5%、通知が1%、斡旋は3件ございまし て、パーセンテージとしては0%ということになっているところでございます。権利擁 護につきましては以上でございます。 ○京極部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局からの御報告につきまして御意見等をい ただきたいと思いますが、前々回で北岡委員からケアマネジメントについての御意見を いただくことにしておりましたので、まず北岡委員、いかがでしょうか。 ○北岡委員  ケアマネジメントの内容については委員の方におかれましても御存知の通りだと思い ますし、また今事務局より説明もございましたので、私はせっかくお時間を頂戴できる ということを座長の方からお話をいただきましたので、私が活動してきた地域、滋賀県 の甲賀郡というエリアで取り組んでまいりましたことについて、少しそこから思うこと をお話をさせていただけたらと思います。  私は実は平成7年の時に、当時はまだ障害の人のケアマネジメントという言葉もあま り聞くこともなく、一人の障害の方が地域の中で生きていくという時に、やはり一つの サービスを提供している機関であるとか相談の機関だけの力では支えることが困難だろ うということで、一人の不安を地域の不安にして解決していく必要があるだろうという ことから、平成7年から障害のある人のサービスを調整していく仕組み、サービス調整 会議というものをスタートして今年で8年目が終りました。  そこで私は障害者ケアマネジメントを地域で活かしていくためのポイントといいます か、またそのケアマネジメントという手法を使いながら地域づくりをどう進めていくの かという視点について五つのポイントを我々のこの8年の中で感じましたので、そのこ とをお話をしたいと思います。  一つは、今からお話しすることは当たり前と言えば当たり前なんですが、まず一つは 利用者のニーズがやはり中心になければいけないということを改めて指摘をしておく必 要があるだろう。障害者のケアマネジメントでは制度の枠やサービスの整備状況に利用 者を合わせていくということではなくて、利用者のニーズに制度やサービスを充当して いくというのでしょうか、利用していくように整備していく、そういうことで利用者の ニーズが中心であるということを改めて指摘しておかなければいけないんだろうと思い ますし、介護という枠組みでマネジメントされるだけではなくて、暮らし全般にわたる 自立に向けたケアプランの必要性がここではポイントだろうというふうに思っておりま す。  次は二つ目なんですが、個別ケアプランの作成を通して地域の中で課題を共有するこ とがポイントの二つ目にあるんじゃないか。そのためには二つの会議といいますか、議 論できる場を用意する必要があるだろうというように思っています。一つは、お一人お 一人の方のニーズ、個別のニーズを調整をする。そしてケアプランを立てれば、あえて 言えば個別の調整会議というふうに言ってもいいかと思いますが、この会議の必要性が ある。それともう一つは定期的に定例的に調整やその地域の中でどういうマネジメント が行なわれたかを整理して確認をしていく場ということで、定期的な調整会議というこ とが、この二つが必要になるだろうと思います。  前者の方については、構成委員は課題に対応できる関係者、つまり福祉分野だけでは なくて、医療・保健・教育、就労分野などのやはり他分野の関係者が招集されるだろ う。定例的な集まりではなくて、この会議においては迅速に即応性が求められていると いうことがあるんだろう。ですから必要な方々が随時集まって開催をしていく。ちなみ に私どもの地域では昨年この個別の調整会議というのが年間に100回を越えております。  それから二つ目に定例的に調整や報告を行なう場の定例会議についてなんですが、地 域の課題に対する整理と解決へのプロセスということで、地域関係者かそのことを共有 していくということに意義があるんじゃないか。一人のニーズに向かい合った時にはじ めて具体的に求められているサービスというイメージが明らかになってくると思うんで すが、それぞれが対応している、ある人やある機関が対応していることは、その人たち にしか見えないことも多いわけでして、そのことの解決への事例がたとえ失敗したこと であっても、その実態を地域の中で知っておくということは地域の福祉力みたいなもの を高める学習効果というようなことが言えるのではないか。そんなことを通してこうい う定例会議を積み上げていくということと、個別の調整会議でのできごとを共有化して いく場としてこれは非常に必要になってくるというように思いました。これが二つ目の ポイントです。  三つは、ケアマネジメントを担う人はどういう人がいいのか、これは前々回の中でも 私はお話をしましたが、障害のある人のケアマネジメントを行なう際にキーパーソンは 課題や対象に応じて変化すべきではないか、私は変わって当たり前だろうというふうに 思っています。コーディネーターを初めとする相談職種に限らず、本人との関係性と か、日常的な見守りをされる人とか、課題に対応できる関係者、本人の自己決定をされ る力といいますか、そういうことであるとか、本人や家族も含め様々な視点からキーパ ーソンはその都度やはり考えられるべきではないか、このことを地域の中で理解をとっ ていくということが必要なのではないか。  四つ目は誰が招集をするのかということが非常にポイントでないかと思っておりまし て、マネジメントの機能の定着であるとか、マネジメントの考え方の一つに新しい資源 を開発するということがございますので、その施策に向かうプロセスを考えると、基本 は福祉行政がその任にあたることが適当ではないかという感じが私はしております。資 源開発を含む地域ケアシステムの要として、地域においてオーソライズされている立場 と権限において行政がいいのではないか、これは誰が議長をするかとか、進行をするか という話とはまた別でして、招集をするということです。  これは民間の例えば何々社会福祉法人が、例えば行政にこういうことで調整会議をや るので来て欲しいということでもなかなかお出でいただけなかったということが経験と してございまして、ところが行政が招集するとみんな寄って来るというような経験か ら、やはりそういう視点というのは大事なんじゃないかというふうに思っております。 利用者の方のニーズは市町村行政が知ってこそその地域で認められるニーズという現実 感を感じてまいりましたので、行政がどう関与していくのか、市町村行政がこのことに どう関与するのかというのが非常にポイントになるだろう。  それから最後の五つ目は、このケアマネジメントの会議を継続していくためにはどう いう留意点が必要なのか、これは私ども8年間のケアマネジメントの会議をやっていく 中で、本当に勉強したことということでいった方がいいと思います。それからひょっと したらこの場でこういう発言をすることは不適切かもしれませんが、実は会議は利用者 ニーズを中心にして課題解決にどう前向きに向かい合うかがポイントとなるわけなんで すが、多様な職種の方々がそれぞれの立場で発言をするわけですが、そのことだけだと なかなか収拾がつかなくなるという経験がございまして、また課題を解決できることが 不可能だと、できないことの理由を例えば財源のみにして行政にその責任を押しつけた り、それから課題が解決しないことを特定の福祉資源、何々施設とか何々作業所という ところの責任として批難しないことが重要ではないかという感じがしています。  あくまでも一人一人の方のニーズをみんなで考えて、地域の中でこの方がどう暮らし ていくかということで、みんなで知恵を出し合うということでありますので、その場が いつの間にか市町村がお金さえ出せばこのことは解決するんだと、ややもするとそうい うふうな論調になりがちなことも私どもは経験してまいりまして、そういうこととはま た別にやはり議論を長く続けていくには誰かのせいにしないような視点というのが必要 なんだなということを思ってきました。個々の課題をみんなの課題として、解決に向か わないと会議から離れてしまって、結局ケアマネジメントが地域の中で機能しなくなる なということを実感として持ちました。これが五つのポイントです。  感想としてはそのチームアプローチの必要性も本当に感じてまいりましたし、それか ら資源開発が必要だということも、本当に今あるサービスではとても量的にも足りない し、また新しいサービスメニューの開発が必要だなということもこの8年の中で感じて きました。  最後に昨年から支援費制度が始まったわけですが、その支援費制度が始まって、その ことで私どもが知り得る範囲での出来事というか、課題として指摘しておいた方がいい と思うんですが、障害のある人たちのケアマネジメントの特徴は、幼児期から児童期の 子育てを含む介護の課題から、成人期の自立支援、また就労や活動における支援、そし て高齢期においての介護支援まで、まさに幅広い範囲に及んでいる。  そういうことにおいて求められる暮らしのあり方に対して機能するものとしてケアマ ネジメントが位置づけられているわけですが、そういうことでサービスの必要量を決め る尺度をなかなか持ちにくいという部分があって、財源のみの視点から特にこの間、ケ アマネジメントの指標を使うという力学がややもすると働いてしまうということになり がちですので、やはりケアマネジメントという問題を考えた時に、やっぱり本質的な議 論、利用者が中心であるというようなことから出発をしていって、質的にも量的もにど ういう暮らしがいいのかということを懲りずに議論していく場として考えていかなけれ ばいけないんじゃないかというように思っております。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。北岡委員の御発言についても御質問をいただきたいと思い ますが、時間の関係でこの議論の中でもしありましたらお願いしたいと思います。ケア マネジメントを行なう範囲とケアマネジメントを担う者のあり方、権利擁護の在り方と いった観点から議論を深めていきたいと思います。委員の皆様御意見等いかがでござい ましょうか。 ○古畑委員  先程、後見制度について御報告をいただいたのですが、私は日本社会福祉士会の方の 成年後見人の研修担当の理事をやらせていただいておりまして、現在まで2,200人ほど の社会福祉士の成年後見の研修を実施してまいりました。終了したのが今1,800人ぐら いなんですが、そのうち今300人ぐらいが受任をしてまして、今全国で約500件の後見を 受任させていただいています。  そのうち、市町村長申し立てというのが先程ありましたが、154件で32%が市町村長 申し立てで、我々の方でお受けするのは親族で適切な後見人がいない方の第三者後見を 入れますので、どうしても市町村長申し立てが多くなって来る。その中で25%が知的障 害の当事者で、17%が精神障害ということで、成年後見制度自体が理想的なんですが、 高齢者のためじゃなくて、障害者のバックアップに今重要な役割を果たしている。  その後見人がついて、今お話にあったケアマネジメントとか、その辺を受けていくと いうことが理想なんですが、残念ながら今支援費で契約がほとんど後見人じゃない人が やっている、親であっても後見人の審判も受けないでやっているという大きな問題があ りますし、身寄りのない方の場合にはやはりきちんと第三者がつかなきゃあいけないの ですけれども知的障害で身寄りがないとどうしてもお金がないということになりますの で、この辺については生活保護の中で後見扶助のような制度を確立していかないと知的 障害の方の権利擁護をしてケアマネジメントがきちんとできていくということにならな いのではないかと思いますので、この辺を御検討をお願いしたいと思います。 ○京極部会長  ありがとうございました。他にどうでしょうか。 ○高橋(清)委員  ケアマネジメントの在り方ということですが、現在、精神障害者の地域生活支援の検 討会でも、あるいは精神病床の機能の検討会でもやはりケアマネジメントを制度として しっかり位置づけていただきたい、そういう議論が強く出ているように思います。  精神障害者72,000人、これはシンボリックな数ですが、その社会復帰を促す意味で も、また医療を提供する急性期の段階でも、回復期、慢性期を通じても、やはりこのケ アマネジメントというシステムを活用していくということがその地域移行を早める、医 療を促進するということになるだろう、そういう意見が強く出されています。ですから 単なる手法ということではなくて、制度として早く位置づけていただきたい。  おそらくこのケアマネジメントについては、精神障害者関係でも平成8年から10年11 年まで検討会を作って検討いたしました。その時の期待はやっぱり制度化だったと思う んですが、それがならなかった、手法になってしまった。なぜそうなったのかというこ とを知りたいと思いますし、また今後制度化していくためには、その時の問題が何であ ったかということをクリアすることも大事だと思います。私自身はその財源の問題が大 きかったのではないかと思いますが、もしそうでしたらやはり今後財源を確保して、そ してケアマネジメントをぜひ制度化して、特に私どもの関係している精神障害者の福祉 のみならず医療にも大いに役立てたいというふうに思っております。  それからケアマネジメントを担う者の在り方ということで、精神障害者の検討会でか つて議論したことがありますが、それは市町村が責任をもって、そして地域生活支援セ ンターに委託できるというようなシステムであったのですが、その際に出た議論として は、やはり多様な職種がそれに関わるべきではないか、医療関係者でも社会福祉施設の 関係者でも、多様な方々がその透明性というものを確保する意味では市町村の委託を受 けるという、そういうプロセスが必要だろうと思いますが、いろいろな職種でいろいろ な場面で活躍している人の力を活用すべき、その理由はやはりケアマネジメントを適切 に行なうにはかなりの経験もいるし、ノウハウも必要になってまいりますので、そうい う経験を持ったベテランの人たちはかなり民間にも多いわけですね。ですからそういう ところの人も広く担えるような、そういう制度にしていただきたいという、そういう議 論が出ておりました。以上です。 ○京極部会長  次は安藤委員お願いします。 ○安藤委員  ケアマネジメントについてちょっとお伺いしたいのですが、事業の収支についてはよ くわかります。手法であるということもよくわかるのですが、この数字になる理念とい うものが実際に機能しているかどうかを調べてみる必要があるのではないかと思うんで す。研修事業を行なってきて、全国で27,311名が終了されていますが、この27,000人の 方々がきちんと支援費制度に関係してケアマネジメントの役割を果たしているかどう か、研修事業としては成功していますが、そういう人たちはこの理念というものをどう 地域で具現しているかどうか、そういう面の調査をやっているのでしょうか。  それともう一つは、今地方自治体から制度化を急いで欲しいという要望が出ていま す。支援費制度の対象者は非常に重度の障害者なんです。聴覚障害者の場合でも重複障 害者であって、自己判断とか自己決定もできない人です。契約制度になっていますが、 サービス事業者などはそこまで配慮ができないし、ましてや市町村でもそうです。同じ 重度の障害者をきちんとそのニーズにそってサポートするにはケアマネジメントを制度 化する以外に方法はないのではないかと思うんです。  もう一つ、支援費制度の中での一番の大きな問題は地域格差が大きいということで す。地域的な格差が大きいということです。あるいは申し込みとか支援決定など、いろ いろなものが地域的な差があるのではないかと実際に支援費制度を成功させるために は、まずその地域的な格差というものをどう改善するかということを考えなくてはなら ないし、そのためにもケアマネジメントの役割は大きいのではないかと思うんです。事 務局としてもこのケアマネジメントの制度化の要望は受け止めていますし、この制度化 する場合の一つのネックというものはどのようなものなのか、それは検討しているので すが、それを出していただいて検討する必要があるのではないかと思います。以上で す。 ○京極部会長  これは事務局でいくつか答えられるところがあったらお願いします。 ○間企画課長補佐  ただいま安藤委員、高橋委員から制度化すべきだということの他、御質問なども頂戴 しているところでございます。この障害者ケアマネジメントにつきましては、現在身体 障害者の分野、知的障害者の分野、障害児の分野、精神障害者の分野、それぞれについ て制度化、いわゆるシステムとしてきちっと、これは必ずやるのだというふうな仕組み には今のところなっていない状況でございます。  これについてはいろんな議論があったように聞いております。もちろん財源的なもの もあったかもしれませんが、そういったケアマネジメントに従事する方の資格の問題を どう考えるのかとか、それを義務化するのかどうかといったようなことについて様々な 議論があったというふうに聞いております。しかしながら先程来お二方の委員からござ いましたように、この制度化につきましては当事者の方々の中からも、あるいは実際の 方々の中からも、事業者の方々の中からも非常に強い御要望をいただいているところで ございまして、今後の様々な制度の見直しをしていく中で真剣に取り組んでいきたいと いうふうに考えているところでございます。  そして先程安藤委員の御質問の中に、機能しているかどうかというお話がございまし た。これについしては大変厳しい御質問だというふうに受け止めております。と申しま すのは、実際に市町村がこの障害者ケアマネジメントをやるのだという、そしてあるい はその委託を受けたところがやるのだということになっておりますが、この研修を受け ている方々の中にはそうやって委託を受けていない、例えば施設の方々なども多く研修 を受けておられていて、なかなか機能してないんじゃないかというような御指摘も現場 からはいただいております。機能しているところと機能してないところの差があるとい った方がより正確かもしれません。  これについては結局のところ、その制度としてきちっと位置づけられていないから真 剣に取り組もうというようなインセンティブが働かないんだというような御指摘を、こ ういうようなケアマネジメント従事者の養成研修を受けた方からもいただいているとこ ろでございまして、これを機能させていくということと制度化をするということはイコ ールでありませんが、かなり関係がある問題だというふうに受け止めているところでご ざいます。 ○京極部会長  ありがとうございました。次は加藤委員、お願いします。 ○加藤委員  ケアマネジメントのことに関していくつかの質問と私なりの意見を述べさせていただ きたいと思います。一つはケアマネジメントの存在そのものはもう現場ではこれは必要 であることは誰しもが認めるところで、むしろこの議論は遅きに失しているというふう に私自身は捉えております。そういう意味で一刻も早くこのケアマネージャーの存在を 制度化するということについては私も高橋委員や安藤委員と全く同じ思いでおります。  ただ、今日的な状況を考えた場合に、利用者の多様化するニーズと、まさに多様に錯 綜するサービスとをうまくつなげる役割といいますか、橋渡しをする役割がケアマネー ジャーだろうというふうに思います。そういう意味ではそのケアマネージャーがあるど こかの機関に所属してというよりは、ひたすらそのサービス提供者側からも利用者側か らも信頼をされる立場であるという意味での独立性といいますか、中立性というものが 確保されないといけないだろうというふうに思います。  そういう意味でも身分的な保障をきちっとするということとか、その方たちの報酬と いいますか、そういうものによって成り立つところの生活の保障というものをどうする かということをきちっと議論していかないといけないだろうというふうに思います。そ ういう意味ではぜひしっかりとした位置づけをしていただきたいというふうに思いま す。  それに先立って今説明がありましたように、過去に遡ってケアマネジメントの従事 者、指導者研修ということが過去何年間にわたって行なわれて、大変な数の養成が行な われているという数字が出たわけですが、これは一体どういうカリキュラムで、どれぐ らいの時間をかけた研修なのかということをお聞きしたいということと、それによって ここで議論されているようなケアマネジメント、あるいはケアマネージャーというもの がそれだけの研修ボリュームで十分と考えておられるのかどうか、その辺についてお尋 ねしたいというふうに思います。  それとあともう一つは、北岡さんの御意見は全く同感するところでありますが、私は 少し聞き違えているかもしれませんが、ケアマネジメントを担う人、ケアマネージャー というものが特定の人ではなくという話がありましたが、要するに個々のケースケース のキーパーソンの方がというようなお話があったように聞き取ったわけですが、私はそ れは多分難しいんじゃないか、むしろやっぱり一定のエリアの中にそういう中立性、効 率性をもった人がきちっと位置づけられて、やはりその方々が様々な利用提供者側から も利用者からも告知を受け、評価をされ、信頼されというような位置づけで定着するこ とがよりもっと機能することにつながっていくのではないかなというふうに、私自身は ちょっと考えました。  それから継続性のところのチームアプローチが必要だということで、これも全く同感 です。また、それをうまく継続的に維持していくためには、責任転嫁をしないと、課題 をお互いに共有しあうという意見がありましたが、そういうことと同じことなのかもし れませんが、やっぱりチームアプローチの場合に、要するにいろんな職種とかいろんな 機関が当然絡んで来るわけで、その時に官尊民卑的なそういう視点があったりとか、あ るいは職種によって上下関係が生じてしまっていたりということが現場ではよくあるん ですね。やっぱりそういうことがあったのではどんなに職種が集まり、どんなに多様な 機関が集まってきて議論をしても、最終的にはデシジョンメーカーはそういう職種の人 になってしまうというようなところが往々にしてあるんですね。  ですからそういう意味ではやはり一つのケースを前にした時にはいかなる機関も、い かなる職種も、まさに平等といいますか、エクイバレントと言いますか、その発言は平 等であるという、そういう大前提がないと多様な職種、多様な機関が集まって議論をす る、あるいは検討するということには形としては成り得たとしても、実質的には意味を 持たないという、そういうことが私もよく経験してきました。そういう意味ではその辺 についてもちょっと配慮する必要があるのではないかというふうに思いました。以上で す。 ○京極部会長  今、研修のことで質問がありましたので、事務局の方で、カリキュラムその他時間が 十分かどうかや内容については、これで一つの大きなテーマですが、今日は全体的なこ となので、何かコメントすることがございましたらお願いいたします。 ○大塚専門官 それでは障害者ケアマネジメント従事者の研修のシステムについて御説 明をさせていただきます。国の方で障害者ケアマネジメント従事者の指導者の養成研修 をしています。この研修は5日間、そしてその研修内容につきましては、今の障害者福 祉の現状と課題、それからケアマネジメントの概論、それから障害者の特性、それから 障害者のニーズ、いわばこういう理論編とともに実際編として障害者のニーズの把握の 仕方、いわゆるアセスメント、そして障害者のケアプランの作成、こういう実践編、こ の二つからなって5日間の計画で行なっております。  5日間で充実しているかどうかということは、いろいろ御議論があるところですが、 都道府県やあるいは施設の職員と現場の方が参加しているということから、そう長くは できないということも含めて今のところ1週間ということです。それからこれだけ多く の方が従事者として研修に参加していただいておりますので、それを含めてもう少し高 度な上級者のための研修も行なっているところです。このような国の研修に準じて都道 府県でも行なわれているところというところです。以上です。 ○京極部会長  ありがとうございました。それでは次は徳川委員お願いします。 ○徳川委員  障害者ケアマネジメントは非常に重要なことで、これからの本当に中心的な仕事と思 っておりますし、今いろんな御説明やら御意見非常に参考になりました。ただ私はこの 資料だけで申し上げてはいけないかもしれないが、何かこれを読んでもケアマネジメン トって一体何なんだということがはっきり出てないんですね。ですからこれは問い方に よってはピンからキリまであって、ただ地域にあるいろんな資源をコーディネートする だけのことに終ってしまうということも考えられるし、本当を言うとケアマネジメント というのは一人一人の個性に従って個別の生活をどう支援するかという、極めて難し い、極めて専門的なお仕事だと思うんですね。  ですからこれをあまり軽々に扱ってしまって、一定の研修を終えたからあなたは専門 者ですよとなってしまうと、これはそれに対象の障害者の方の生活というか、さらに言 えば人生を決定する大きな問題だと思うんです。ですから私はやはりこれはさっき加藤 委員のおっしゃったように中立で、しかも極めて専門性の高い人を養成していくという ことが必要だと思っております。  そしてもう一つ気になることは、この資料の中で地域に暮らす障害者がと書いてある のですが、これはケアマネジメントというのはもちろん地域に暮らす方を中心とするで しょうけれども、地域に暮らせない方もいらっしゃる、むしろそういう方にこそ個別的 な支援というものが必要であって、これを施設と書くかどうかは別にしても、地域に生 活する方だけでない、全ての障害者の方の個別生活を支援するというような視点からこ れを考えていただきたいと思っているわけです。  私たち施設協議会の方でももう2年ぐらいこの面についての中心的な方としての大阪 市立大学の白澤先生を中心にケアマネジメントの本を作って、そして徹底的に研究して やっていますが、まだまだ足りません。本当に私が申し上げたいことは、全ての障害者 に対する、その方の個別のニーズをどう高めるかという、非常に専門的な高い仕事をこ れからやっていくという、その意味でのケアマネジメントの定義からしっかりとしてい ただきたいなと思っております。以上です。 ○高橋(紘)委員  今の徳川委員の意見に大変共感をしながら少し発言をさせていただきたいのですが、 私は基本的にケアマネジメントという言葉を使用禁止にすべきだと思っています。とい うのは教養としてのケアマネジメント、これはいろんなところで看護師さんも勉強する し、施設の職員も勉強する、それはいいでしょう。しかしその5日間の研修だったら、 教養としてのケアマネジメントは断片は身につくかもしれないけれども、方法としての ケアマネジメントまでは私はいかないんだろうと思います。それが制度としてのケアマ ネジメントになるというと、これはいわゆるケアマネジメント職員の問題ではなくて、 システムをどう作るかという、そういう問題であって、そこに中立性の問題とかいろん な問題が出て来る。  それからもう一つ、多分事務局はケアマネジメントと権利擁護を二つ出しておられま す。ここが実はポイントで、ケアマネジメントもケアマネジメントとして、権利擁護も 権利擁護として語ることは実は間違いです。私はそういう意味で支援費で最大の問題は 第三者契約を非常にルーズな形で認めてしまったということがあるのではないか。そう いう意味で言えばケアマネジメントの出発点はやっぱりアドボカシーだと思いますね。  そこらへんのことが従来の扶養関係をグジャグジャとして、成年後見制度ができたに も関わらず、しかしそれを使いやすくするということを厚生省はせずに、極めて曖昧な 地域福祉権利擁護事業というものを作ってしまって、成年後見制度とのきちっとした接 続が実は非常に曖昧な形になった。  私は横浜の生活安心センターの創設に関わりながら、この問題をずっと考えて、やは り地域福祉権利擁護事業と成年後見制度がきちっとつながる仕組みなしには、そしてそ こに多分当事者性というものをきちんと認めていく、そういうアプローチから出て来る ケアマネジメント権利擁護という道筋がある。  そしてもう一つはサービスの事業者サイドから見て、それからサービス提供としてそ れをどうやって最適のサービス提供を行なうか。これはしばしば非常に危険な側面では ある。それは先程ちょっと北岡さんがおっしゃった、裏腹にサービス利用抑制に関わる ようなものとしてケアマネジメントが見られて来るような危険な側面が実は現実問題と してあるんだろうと思いますね。そういう側面をやっぱりきちんと見ておかないといけ ない。  要するにそれは実は行政という問題と非常に深く関わっていて、北岡さんのフィルー ドは私もちょっと伺わせていただいた経験がありますが、そういう意味で言えば行政の フィールドできちんとそういう視点が獲得されている行政と、それから私は賽の河原現 象と呼んでいるのですが、2年か3年ごとにリセットされて、はっきり言えば援助のノ ウハウが蓄積されないまま管理型行政がという、そこでケアマネジメントっていくら騒 いでも話がうまくいかないわけです。  そういう意味で言えば行政のケアマネジメント、先程責任を持つべきだとういうふう におっしゃった時に、日本の一般行政職中心の福祉行政では私はにわかにケアマネジメ ントというのは成り立つとはとても思えない。例えば横浜の場合はそれなりに福祉専門 職というものを育成してきて、そこと実は生活安心センターがパートナーを組むという ようなことが組み立てられますが、そっちはそれができない。  としたらそれはどうしたらいいか、それが先程の中立的な機関として、システムとし てどう作るかということだろうと私は理解しておりますが、それとやはり権利擁護、こ れはやっぱり基本はアドボカシーですから、その問題とをどう接合するかという非常に 大きな課題があるのだから、いつもケアマネジメントはケアマネジメント、権利擁護は 権利擁護、成年後見は成年後見というふうに分かれて議論されてきて、それが非常に議 論を分からなくさせている。  だからぜひケアマネジメントとは言わずに、機能を少し分解させていただいて、サー ビスの調整の部門の話がある、それから本人の生活を実現させるための援助、この場合 に援助の根拠は何かということが、私は契約に移行したために問われるわけですよね。 措置の場合は公的責任ということで援助・ケアマネジメントというのは援助の主体と客 体の関係は割とはっきりしていましたが、契約関係になった時にそれが非常に曖昧にな って、そこにケアマネジメントという言葉がズルズルと入ってきた。  そこらへんがパターナリズムからの決別をきちんとせずにケアマネジメントから流布 してしまったということに、大変な私はケアマネジメントのインフレーションが起こっ たのではないかというふうに評価していて、そこらへんのことをきちんとやっぱり制度 的根拠という場合と、それから方法的な場合と、そこらへんのこととケアマネジメント のプロセス、それから先程の障害者ケアマネジメントの冒頭に書かれたものもきちんと 分解して、そこで何が必要かという、そこらへんの議論をぜひしていただかないといけ ない。  その場合に地域でそれをどう実現するか、それからケアマネ機関の話とケアマネジメ ントのエリアの話と、それから個々の生活者としての障害を持っている方々の支援の話 をきちんと分けて、そこでは私はやはり当事者組織の果たす役割は非常に大きいという ふうに、それだけの活動をされてきた、そこも十分視野に入れたサービス供給側の視点 ではない議論をぜひしながら整理をしていく必要があるのではないかと思います。やや 長い時間を頂戴して恐縮でございます。 ○京極部会長  それでは次は妻屋委員、広田委員にお願いします。 ○妻屋委員  私は幸か不幸か神奈川県でこのケアマネージャー養成研修を受けたものです。昨年か ら今年の1月にかけて6回か7回、追加されたというふうに聞きましたが、受けたもの です。なぜ受けたかという、市町村のケースワーカー等だとか、そういう人たちもいい んですが、私は障害者団体として10年以上訓練してきたという実績があった人は受けら れるということで受けられたわけです。  私たちの団体もそうですが、自分達が自分たちの仲間をケアしていく、サポートして いくというシステムを今構築しようとしているわけでして、それはどこの障害者団体も 同じですが、ピアサポート、ピアカウンセリングということをやっているわけですが、 その一環として私はこのケアマネージャーの養成研修を受けたわけです。5日間を受け てだいぶその手法は少し頭に入ったように思います。  そして私はだから10年以上、30年ぐらいやってきたわけですから、仲間の障害者のケ アもいろいろやってきた中でやってきたわけですから、これを受けて、例えばケアマネ ージャーとしてやっていこうと考えた場合に、少し頑張ればできるのかなというところ までいったという、終了した時にそういうふうに思いましたが、問題がいろいろあると 思うのですが、私はそうやって長年障害者と関わり合ってきた当事者でありましたら、 いろいろサービスを利用する立場から受けたという反面もあるわけですね。だからそう いう人と研修を受けに来た人はケースワーカー、サービスを提供する側の人もいたわけ ですね。そういう人とグループを組んで演習をやるわけですが、その時にやっぱりそう いうケースワーカーだと私と意見が違っていましたね。完全に違っていました。何でそ んなことを言うんだというような感じ方をしました。  そして利用者の立場とサービスを提供する立場は本当に違うんだなということを改め てこんなところで感心したわけですが、このケアマネージャーでは何が一番ポイントだ というと、利用者からやはり信頼されなければならない、全面的な信頼されなければな らない。なぜならばその利用者が全てのプライバシーをさらけ出すわけですね。恥ずか しいところだとか、いいところ、悪いところ、すべてさらけ出して、足りないところを どんどん訴えるわけですから、これほどプライバシーの固まりはないわけですね。それ を訴えるわけですから、相当信頼性が高くなければ私はケアマネージャーはできないと 思っています。その信頼をかち取るにはなかなか難しいけれども、実績を積んだらそう いうふうになると思いますが、一番いいのは、ケアマネのプロセスの中でケア計画会議 というのがあるんですね。これで全てが公平になると思うんです。  現在のケアマネージャーが今ないところの支援費を私は利用していますが、そこでは 福祉事務所のケースワーカーが妻屋さんに何時間与えます、それはどういうことで何時 間与えます、私はどういう生活をしていますかといろいろ聞かれます。そしてそれの上 にじゃあ何時間差し上げましょうということで、私は自分でセルフマネージメントをや っているわけですが、今はそんな状況なんです。  ケアマネージャーなんか全然入ってないわけです。私は横浜ですが、全然入っていま せん。それではもうそれは措置制度と一緒ですよね。新しい利用制度では何でもない。 措置制度と一緒です。時間を貰って私はこなしているだけですから、措置制度と一緒で す。ケアマネージャーも入らないということで、私はそれでいいんです。私はセルフマ ネジメントができるからいいわけです。だから今後もセルフマネジメントができる人は 自分でやればいいわけですが、できない方たちがいるかと思います。知的障害者だと か、あるいは20才以前の障害者等はなかなかできない、そういったことに対してケアマ ネが必要になると思います。  そして今新しく障害者になったばかりの人もケアマネージャーは何とか必要ではない かというふうに思いますが、このケア会議でいろんな職種の人と本人を交えて、そのニ ーズの調査をやるわけですね。ここで独断的なことは絶対にできなくなるんですね。例 えば6人で会議を開くと、みんなそのことが公平に情報はいくわけですから、本人もい るわけですから、本人が主訴することを聞いて、じゃあこうしましょう、ああしましょ うということになるわけですから、これは独断にならなくて、ここが一番ポイントにな るんです。  ここがないと独断的になったり、何か上下関係になったり、ケアマネージャーを信頼 できないような状況になるけれども、ここで全てが公になって民主的に進められるとい う点では、このサービス調整会議、これが重要なことになると思うんですね。先程北岡 さんが100回ほど地元でおやりになったと言うんですが、これが一番民主的で独断的に ならない、これがなければダメなんです。このケアマネージャーのプロセスは。  これをやるにはそのケアマネージャーが招集しなければならないけれども、私は前回 のこの会議で言いましたが、一挙に何月何日の何時に集まってくださいという、こうい う重要な人たちがなかなか集まりにくいのではないかということで、先程は福祉事務所 の人が言えば集まるんじゃないか、私もそういうふうに思いますが、いずれにしてもそ ういう人がたくさん集まって、そのケアマネージャーのサービスの調整会議をやるとい うことで非常にここは民主的になっていて、公になっていて、これがなければ私は独断 的になるというふうに思いますし、今の介護保険制度でケアマネージャーが事業所に入 ってやってますね。  そういうこともこれではないわけですから、このケアマネージャーをやる場合にで も、制度としてやる場合でも絶対に事業所に入らない、中立性を守らなければならない というふうに思っていますが、そういったふうにサービス調整会議をすぐに招集できる 権限を何か持たなければケアマネージャーはプロセスとしては成り立たないというふう に思います。その他の点については本当に優れた仕組み、手法だというふうに思ってお ります。以上です。 ○京極部会長  皆さん話がだんだん長くなってまいりましたので、できるだけ手短にお願いいたしま す。 ○広田委員  私はここの委員会に出てきて、前回も生活保護のインカムとかミンズハントとか言っ て、聞いているうちにわからなくなるんですね。ぜひ委員の皆様にお願いしたいんです が、私は定時制高校卒業で英語がよくわからないんです。ですからなるべく日本語で言 っていただきたい。義務教育程度の日本語でわかりやすく言っていただくことが私が理 解できることと同時に、いわゆる傍聴されている方もわかるということで、国会のよう にわかりづらい論議になってしまうと、どんな素敵な論議も勿体ないというのが一点で す。それでぜひ日本語でお願いしますということです。  それから地域で暮らす精神障害者って徳川委員がおっしゃったんですが、そうすると さっき高橋清久先生のおっしゃった医療とか福祉のいわゆるケアマネージャーという言 い方をされたんですが、精神科病床に今345,000人入院されていて、やはり日本の精神 医療は取り込み過ぎていた、または引き取り手がなかったといういろんな論議があるの ですが、その場合の地域に暮らすという話の中でのケアマネジメントの中で、その 345,000人が入っているのか、又医療がケアマネジメントに手を出すのかということを お聞きしたいんですが、よろしいでしょうか。 ○高橋(清)委員  ケアマネジメントの議論は捉え方がたくさんあるのですが、精神障害者部会でケアマ ネジメントを最初に議論した時に対象をどこに絞るか、すなわち地域で生活している人 だけにするかという議論があったのですが、その時にやはり地域に戻ろうとしている人 も入るべきだということで、ケアマネジメントを病棟の中にも入りこむ、そういう議論 がかなり出ました。  私もその方が正しいと思うし、また一度地域に戻った方が再入院した場合も、そこで ケアマネジメントがストップするのではなくて、また病床の中に入っていろいろ退院後 の生活を考える、そういうシステムがあるとより地域に戻りやすくなるだろう、そうい うことも含めて、やはりもっと病棟の中でケアマネジメントをやれる意味があるし、そ れが適正じゃないか、そういう考えが委員の一般的な考えです。  ですから地域生活だけには限らない、むしろ中に入った方が退院の促進にはつながる ということです。よろしいですか。医療のケアマネジメントというのはそういうことで はなくて、医療の場におけるケアマネジメントという言い方をした方がいいかもしれま せん。それからケアマネジメントの中においてはあくまでも医療はサービスの一つであ る、いろんなサービスの中の一つである、そういう位置づけです。 ○京極部会長  では次は猪俣委員お願いします。 ○猪俣委員  介護保険でいう高齢者のケアマネジメントと比較した場合なんですが、精神障害者の 場合は地域資源の数と量が少ないということもあるんだと思うんですが、ケアマネージ ャーが単に利用者とサービス提供者の橋渡しをするとか、仲介的な役割をするというだ けではあまり効果がないだろうというふうに、これは経験的に思います。  それはなぜかと言いますと、アセスメントをする最初の出会いの段階から、もうそれ は治療的な関わりであり、生活支援の関わりがスタートするからです。従ってこのケア マネジメントの1頁目にアセスメントからモニタリングまで5項目、このケアマネジメ ントの基本的な機能が書いてございますが、実は障害者のケアマネジメントに関しては こういう基本的な機能だけではなくて、これに付加すべき機能、つまり何を言いたいか というと、直接的な対人サービス機能がないといけない、それは例えば訪問指導であっ たりカウンセリングであったり、あるいは権利擁護、アドボカシーの問題であったり、 それから精神障害者の場合はさらにそれに付け加えて危機対応という、24時間の相談と いう機能も、これは非常に大切なケアマネジメントの機能だろうと私は考えています  従ってこれはおそらく精神だけではなくて、障害者のケアマネを考えた場合には、ケ アマネージャーという一人の専門職がアセスメントをして利用業者に情報を提供すると いう機能だけではなくて、むしろ中心的にはケアマネージャーが中心になって、そこに たくさんの専門職、あるいは職種が参加して、個別の調整会議が行なわれる、そして直 接対人サービスができるということが非常に大切な機能だろうと思います。それから同 じケアマネージャーという言葉を使うわけですが、さらに障害者のケアマネージャーの 場合はそういう直接サービスとどう結びつくかということをやはり検討していかないと いけないというふうに考えます。以上です。 ○京極部会長  座長は発言してはよくないのですが、介護保険で定められた介護支援専門員とこの障 害者ケアマネと言われている分野、表現をどうするかは別としまして、一ついろんな議 論の中で出てきたことは、障害者の多様なニーズに対して、地域生活をしていく上での 多様なニーズに対して対応できるものということで、職種はいろんな方々が集まってい る、特に当事者の参加ということを非常に重視するというのはかなり共通した御議論じ ゃないかと思いますし、それから地域も市町村単位でやるかどうかは別として、広域と いうことを含めて市町村が連合してかなり対応できるとか、大きな市は独自でやると か、そういう基礎自治体の責任というものがないとなかなかやれない、後押しがないと できない。  よくケアマネジメントという機能と、それからケアマネージャーという個人と、ある いはケアマネジメント機関という、その辺の区別が実は介護保険法を作る最初の時も曖 昧だったので、当初は在宅介護支援センターをケアマネジメント機関にしようという意 見もあったのですが、そうするとさっき妻屋委員がおっしゃったように、かなり細かい 措置機関みたいになってしまうということもあって、思い切って自由化してケアマネー ジャーという個人に権限を委ねることにしたわけですが、その弊害もありまして、今ち ょうど介護保険部会でもそのあたりをどうするかという議論をしているところなので、 ただ少なくとも障害者に関してはある程度幅広に考えていく。  ここにある、例えば地域生活支援センターをもうちょっと三障害乗り入れて、これが ケアマネージャーの機関だ、それは市町村がバックアップするとか、財政的にも制度化 して、きちっとやらないと研修ばかりしてどうするんだという話もさっき出ていました が、いい研修だとは思うんですが、しかしその人たちが帰ってきて地域で放り出され て、やれる人はやれるかもしれないが、それではやっぱりまずいので、そういう受け皿 があって、そこに関わる人はどんどん研修で次々に入っていくということであればいい んじゃないか。だから甲賀郡でやられているようなことが、全国の市町村津々浦々でや ればかなり障害者福祉は進むんじゃないかという印象を持ちました。では次は岡田委員 お願いします。 ○岡田委員  私は障害者ケアマネジメント検討委員会のメンバーの一人でありましたし、それから 知的障害に関するケアマネジメントの座長という立場で仕事をさせていただいたわけで あります。そして今日提示されました政府案といいましょうか、一つの考え方を作った 側の人間の一人であります。そういう中で私なりの理解の仕方としてお伝えしておかな いといけないと思いますのは、障害者ケアマネジメントを担う者をなぜ障害者ケアマネ ジメント従事者としたかということでありますが、それは介護保険でいうところのケア マネージャーとは違うということを意識した言葉でございました。  それからもう一つ大切な欠点は、ケアマネジメントというものは欧米で育ったソーシ ャルワークと言われるものの一領域であるという考え方でした。少なくとも現在の欧米 におけるソーシャルワークというものは、整理の仕方として大きく三つ分けられると思 います。一つはカウンセリング、もう一つがケアマネジメント、そして三つ目が地域ソ ーシャルワーク、この地域ソーシャルワークというものの考え方はかなり多様であり、 必ずしも確定的になってはいないと思いますが、先程来指摘がありましたように、様々 な社会資源や地域の発展を含めた活動をも含むような私は理解をしておりました。少な くとも知的障害者のケアマネジメントにおいては私たちはソーシャルワークの一領域と してのケアマネジメントという考え方をとったわけであります。  従ってその結果として、先程北岡さんがおっしゃったように、このケアマネジメント はあくまでも利用者ニーズ中心主義である、決して制度の枠やあるいは現存するサービ スの中で選ぶという形のものではなくて、本人が何を必要としている、本人にとって何 が最も効果的なやり方かを考える、これの仕組みとしてケアマネジメントがあるという ことを確認したと思います。  その限りにおいて、私たちが作りました障害者ケアマネジメントは、決して今の段階 では制度とか仕組みということではなくて、その援助の手法という位置づけを作ってお りました。その点ではむしろこれから本質論議をしていただかなければならないと思い ます。なぜならば、このケアマネジメントを担う人についていろいろな意見が出ており ます。しかし私はやはり欧米的なソーシャルワークを前提にするならば、特定の専門性 のある、資格のもったものがこれに携わるのが当然ではないかと、このように考えま す。  そして同時に、今日国が定めました社会福祉士というものは一体どういう位置づけで 我々は理解したらいいのか。むしろ私どもとしてはケアマネジメントを担う人、あるい はソーシャルワークを担う人ととして社会福祉士といわれる資格のものがこれからぜひ 成長して、これを担っていくべきではないのかというふうに思っておりますけれども、 議論は一向に社会福祉士の存在はほとんど登場いたしておりません。  こういう中で私たちは今本質的に何を考えたらいいのか、日本の社会は将来どういう 福祉社会を作ろうとしているのか、それが大変混乱しているように思います。そういう 意味でぜひこのテーマとは直接関係ないかもしれませんが、こういう新しい言葉や、あ るいは概念をぜひ共通の理解のもとに我々が使うような努力というのが必要ではないか と思います。  例えば一つ地域と言いましても、地域という定義は一体どこにあるのでしょうか。地 域生活といいますが、どういう実態を獲得したらそれを地域生活と言うのでしょうか。 それからまた私たち普通の人間が地域生活なんていう言葉を使うでしょうか。自分の息 子はこの度地域生活をすることになりましたなんていう話題は出てきません。地域生活 というのは障害者は当たり前のように施設で生活するんだからという前提があって成り 立つ言葉ではないのか。そういうことを考えます時に、今私たちは本当に言葉や概念を ちゃんとふまえて使っていくべきではないかと痛感しております。以上です。 ○亀井委員  実際のフィールドを有する基礎的自治体の者として、現実の問題として福祉サービス というのは将来的にずっと一元化されていかなければならないというふうに思っている わけです。それは高齢者でケアを必要とされる方も、40才で病気でケアが必要となった 方も、あるいはまた20才で交通事故等でケアが必要となった方も、我々からすれば同じ であり、そしてまた利用者という面においても、それだけの対応を基礎的自治体として していかなければならない、こんなふうに思うわけです。そういうことを考えます時 に、障害の場合も公正中立のための制度化というのはぜひやっていかなければならない というふうに思います。  北岡委員がおっしゃた、その制度については私も参考にさせていただかなければなら ないというふうに思うわけですが、その時にポイントはケアマネージャーとか、マンパ ワーの養成ですね。そして資格認定、こういうことをきちっとやっぱり制度化をしてお かなければならないのではないかなというふうに思います。障害は高齢者と比較をいた しますとかなり幅が広うございますから、大変なことはわかります。自立一つにしまし ても高齢者とは全く違うものですから、社会参加として、そして納税者になっていくと いうのは、そのためのケアというのは非常に幅が広いし、大変なことですが、こういう ことについての制度化はきっちりしていかなければならない。  その場合、今いろんなお話を聞かせていただいてますが、理想というのは大体見えて きた感じがしますが、即スタートから理想ということは非常に困難だなというふうに思 うんです。ですからそれは進化をさせていけばいいのではないかというふうに思います が、制度化というのはぜひともスタートの時点できちっとしていかなければならないと いうふうに思います。 ○笹川委員  座長にお願いしますが発言時間を制限してもらいたいと思います。これだけ多くの委 員が発言をする、平等に発言ができるように計らってください。お願いします。それか ら私は目が見えませんからいつ手を挙げていいかわからないんです。そのこともやはり 頭に入れておいていただきたい。おそらくピントがはずれたところで手を挙げていると 思うんですが、全然タイミングがわかりません。お願いします。  もうすでに今までに何人もの方が発言された、ケアマネジメントは制度化しなければ ならないということですが、私は全くその通りだと思います。もう速やかに制度化して もらいたい。そして資格の問題、質の問題、専門性の問題、こうしたことをきちっと決 めて、ただ単に数を増やすというだけではなくて、実質的に十分対応ができるような、 そういうケアマネジメントにしていただきたい。  実は一つ、一昨日私どもの方に問い合わせがありました。それはどういうことかとい うと、移動介護を事業者に申し込んでいたけれども、体調が悪くて利用できなくなっ た。キャンセルを申し入れたらキャンセル料をとりますと言われたということでした。 ですから私が、じゃあ契約書はどうなってますかと聞いたら、いや契約書は見えないか らわからないんですというようなことでした。こういうことは当然起こり得ることで す。ですからきちっと制度化して、そしてケアマネジメントに従事する方は、例えば視 覚障害者が契約をするような場合には立ち会って確認をするというぐらいのこともきち っとできるような、そういう身分にしていただきたい。  それから北岡委員にお尋ねしますが、おっしゃった通り大変に実績をあげておられ る。その場合に当然経費が伴うと思うんですが、その経費負担はどうなさっているの か。まさか皆さん無報酬でなさっているとは思えないので、その辺をちょっと聞かせて いただきたいと思います。 ○北岡委員  経費の負担については、この調整会議を中心となって行ないますのは、知的障害分野 でいいますと、今はもう一般財源化されましたが、地域療育等支援事業のコーディネー ターの人が日々のニーズを掘り起こして、この調整会議に持ち込むということにおいて は、そこで人件費が担保されているということになります。  それからその他関係の機関の方や、皆さんお出でになるのはそれぞれの施設や機関の 出張の旅費の範囲で集まって来るというようなことで、特別この会議を設置する際に、 もちろんそういう意味では費用はかかっているわけですが、特段その会議の中に予算が あるというわけではありません。  それで先程中立とか公正とかいう言い方をいろいろされましたが、これはたしかに大 事なポイントだとは思うんですが、しかしこれを実際に仕組みに落とすというのは、相 当僕は何かをやはりパーフェクトはないんだろうという感じがしておりまして、事業所 と事業所との間の中立なのか、それとも支援費の支給決定をやる側のいわば市町村と利 用者との間の中立性ということが実際にあるのかとか、そういうことを考えていきます と、やはり先程から申し上げましたチームアプローチの中でどうやって地域の中でその 人の課題を共有して、何かの権限を持ってケアプランを決めるということではなくて、 地域の中で積み上げた議論をしていくということが、この中立性、独立性とやはり重な って来るんじゃないかというふうに思います。以上です。 ○末安委員  いろいろ聞きたいことがあるのですが一点だけ、ここまでいろんな議論が出て厚生労 働省総体としては答えようがないと思うんですが、厚生労働省の担当部局としては障害 者におけるケアマネジメントを制度化できない一番大きなハードルは何だ、このあと財 源論をやりますので、今の時点でその財源論以外では何か問題があるのか、もしあると したらそれをぜひ共有しておきたいので、言える範囲でいいですから言っていただきた いと思います。 ○京極部会長  先程の岡田先生の発言に加えて何かもしありましたらお願いします。 ○間企画課長補佐  ケアマネジメントの概念そのものも今いろんなものがあるのだというお話でしたが、 障害者の場合にマネジメントしなければいけない範囲が大変広い。それが一体どんなメ ンバーが入って、どんなふうにやらなきゃいけないのか、考え方としては整理をされま したが、それを要するに制度化ということをいわば義務付けを市町村あるいは関係機関 にしていく時に、どんな形でしたらいいのかというようなもの、それから報酬の問題と いうのは、たしかに大きなハードルというふうに言ったらいいのかどうかわかりません が、よくよく考えなければいけないところなんだろうというふうに思います。  つまり例えばの話ですが、今身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉 法、あるいは児童福祉法といろいろあるわけですが、そういったものに仮りに位置づけ るとするならば、そこで行なわれているケアマネジメントの範囲というのは一体何なん だろうか、どういうふうに考えたらいいのだろうかといったようなことも、実は真面目 に考えますと、制度的には難しい部分もございます。そして例えば市町村の支援費の支 給決定とケアマネジメントとの関係をどういうふうに考えるのか、こういった問題につ いて検討すべき課題は多々あるとは思っておりますが、そういった問題を乗り越えて、 いきなり素晴らしい最高にいい形になるかどうかは別として、その制度化という問題に ついて真剣に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。 ○京極部会長  それではお約束した3時5分前になりましたが10分ほど休憩いたしたいと思います。                   (休憩) ○京極部会長  それでは再開したいと思います。松友委員からお願いいたします。 ○松友委員  ケアマネジメントについての議論だったのですが、私は岡田先生の整理が極めて正し いというか、基本じゃないだろうかという思いがしました。いろんな議論が百出したの ですが、特に社会福祉士の制度、これは京極先生が中心にお作りになったという記憶が あるのですが、その資格を持った方々の利用が全然できてない。人材的にもできてな い。介護福祉とか1級ヘルパーとか、いろんな形でヘルパーの派遣事業とか何かの責任 者とかになれるのですが、社会福祉士しかなれないとか、社会福祉士をおくべきだとか いう制度的なものがほとんどないんですね。  みんな一生懸命勉強して、優秀な人材として養成されていると思うんですが、そうい う意味でやはり社会福祉士をベースにおいたソーシャルワークという視点からのケアマ ネジメントをおさえた中で議論していく、その中でいわゆるセルフマネジメントとか云 々の部分はどうするかという形で整理していかないと、何か軸がないところで議論ばか り飛び交っているという感じがしましたので発言させていただきました。ありがとうご ざいました。 ○堂本委員  最後にありがとうございます。北岡委員の方から滋賀県での実践をお聞かせいただき まして、ずっと実がおありになると思いますが、千葉県はまだ本当にヨチヨチです。た だ相当学ばせていただいて、今始めましたことというのは、今2カ所でもって中核地域 生活支援センターというのを作って、これは民間ですが、滋賀県と違いますことは、障 害者高齢者そして児童というあらゆる福祉の分野での相談に対応するのを大所横断的に 始めました。この10月から2カ所を14の圏域に1カ所ずつということで広げることにな っております。大変難しいことを、今までのお話を伺えば伺うほどいろいろ難しいとは 思うんですが、私たちにとってまだ袖ヶ浦には知的障害の方が500人近くの施設がある ので、その方たちが本当に地域で生活できるためには、やはり始めるよりしょうがない ということで、こういう形で大所横断的に始めていること、そしてケアマネージャーと は言っておりませんが、地域総合コーディネーターという名前で今地域の中でそういう 形でスタートをしたということをまず御報告だけさせていただきたいと思います。財政 的な問題も大変難しいんですが、県単で今までの一般財源化された地域療育等の支援事 業を大体倍ずつ県で補助してやり始めました。以上です。 ○京極部会長  ケアマネージャーと資格制度の関係については、いろいろ議論があって、ちょっとだ け補足しますと、介護保険の時は結局まだ社会福祉士が成立して間がなかったものです から、5年という実務経験者がいなかった。しかし大量に養成が必要であったというこ とで、全て何でもありみたいな形にしてしまったきらいがややあって、社会福祉士が中 軸に座るべきところが必ずしもそうではなかった。むしろ看護の世界で活躍している方 が中心になったということがあります。  ただ、これから三障害統合した場合に、社会福祉士を持っていればいいとか、精神保 健福祉士を持っていればいいということではないけれども、そういう方々がやはり軸と して座る必要性は十分あると私は思っております。ただし、その人以外を排除する論理 はなかなか見つからないというか、それぞれの分野で御活躍の方がいらっしゃいますの で、そういう方々と一緒にできるような例示規定とか、メンバーの例示できちっとさせ るとか、そういうことで岡田委員会にでもそういうのは載っていたような気がいたしま すし、そのあたりをもうちょっと詰めて議論したらどうかと思っております。  それでは時間の関係で今一番焦点になっております財源配分、財源構成について、大 変分厚い資料が出ておりまして、今後の財政状況も参議院選挙が終ってからまた一般財 源化の問題も絡んで、総務省と財務省の綱引きもあるようですし、非常に厳しい状況で ございますが、しかし障害者福祉にとっては方向性を考える上で財源抜きにはできない ということで、先程理想に走ってはいけないという御指摘もございましたが、やはり財 源確保ということでいかなる道が現実的かということもやはり一つおさえていかなくち ゃあいけないと思いますので、資料の御説明を事務方からお願いいたします。 ○間企画課長補佐  それではお手元の資料の5、財源配分、財源構成についてという資料に基づきまして 御説明を申し上げます。この財源の関係では、3月2日に行なわれました第5回の障害 者部会におきまして、かなり関連の資料を御提出し御説明申し上げたところでございま す。その中での一つのポイントは、障害者サービスの現状を見た場合に現状では非常に 地域差がある、そしてなおかつ今後もサービスの利用が伸びていく可能性が高いといっ たようなことを御説明したところでございます。本日の資料におきましては、その一点 目の論点につきましてさらに補足的にご用意させていただきましたので、これに従って 御説明を申し上げます。  まず1頁をお開きいただきたいと思います。先だって資料をお出ししました際には、 支援費のホームヘルプ全体についてどんなような状況になっているかという資料を出し たところでございます。今回は障害種別ごとに中身を少し個別に見ていただきたいとい うことで御用意させていただきました。引き続き資料が15年4月のデータに止まってい る点はお許しいただきたいと思いますが、まずその人口10万人あたりの身体障害者ホー ムヘルプサービスの利用者数というようなものがございます。  これを見ますと、御覧の通り、大阪府をトップといたしまして、各県相当格差がござ いますが、この差が、利用者数といういわば裾野の広がりで見ますと5.5倍という差が ございます。ちなみにこれはもちろん身体障害者の方の人口に占める割合というのが、 特に高齢化率に比例しまして若干違うわけですが、参考までにこれを補正してみました ところ、大体6倍ぐらいということで、大きな差はございませんでしたので、この人口 10万人あたりということで御説明を申し上げたいと思います。  次の頁をお開きください。今度は知的障害者のホームヘルプサービスの利用者数で す。人口10万人あたりで、この地域間の差が最大で23.7倍ということで、この4月の時 点では大きくなってございます。  次の頁です。障害児のホームヘルプサービスにつきましても最大で27.7倍の差がある というのが現状です。  さらに精神障害者のホームヘルプサービスですが、こちらにつきましては11.5倍で す。この棒グラフは前の頁などと少しスケールが違っておりますので高くなっていると ころです。差としては11.5倍ということです。  そして次の5頁ですが、これは第5回の3月2日の時にも御提出申し上げた資料です が、支援費全体でホームヘルプサービスの利用者数につきましては6.2倍という状況に なってございます。  これを、今度はもう少し、サービスの利用時間につきまして中身で見たものが6頁以 下です。先程まで御覧いただきましたのは利用人数ですので、いわばサービスの裾野の 広がりということですが、今度は一人当たりの平均利用時間ということですので、サー ビスの深さと言いましょうか、高さといいましょうか、そういったものでございます。  これで見ていただきますと、オールトータルでは東京都を一番としまして、その都道 府県間、市町村ではもっと大きくなるわけですが、都道府県間で5.0倍ということです。 これにつきましてはサービスの中身で色分けをさせていただいております。身体介護、 家事援助というグループと移動介護と日常生活支援というものでして、特にこれを見て いただければ日常生活支援、東京都の場合は大変高い割合を占めている、ここでかなり 他の都道府県を引き離しているというところがおわかりいただけるかと思います。また 移動介護などにつきましても、例えば大阪府や埼玉県等におきましては相当程度他県よ りも多く提供されているということが御覧いただけるかと思います。  次は7頁です。今度は知的障害者のホームヘルプサービスの平均利用時間、知的障害 者につきましては、現在、身体介護、家事援助の他、移動介護、移動介護も、身体介護 つき、あるいは身体介護なしという区分がございますが、移動介護をまとめさせていた だいております。こういうもので見ますとオールトータルでは都道府県間で最大5.1倍 の地域格差がございます。その中で移動介護のところを見ていただきますと、これは大 阪府あるいは埼玉県を筆頭としまして、あとは地域によって提供のされ方がだいぶ違う ということが御覧いただけるかと思います。  今度は8頁の障害児です。障害児も同様でございまして、最大で7.0倍というような 状況になってございます。  9頁は精神障害者です。精神障害者の場合には先程申し上げたような区分を特に設け ておりませんので、一本で示しておりますが、これについては利用は7.5倍というよう な状況です。これをまとめましたのが10頁以下ですが、特に支援費につきまして、これ は身体障害、知的障害、障害児合わせたものがこの10、11、12、13頁というものです。 これにつきましては以前お出ししたものと基本的には同じでございますので、説明は省 略をさせていただきたいと思います。  14頁をお開きください。14頁の資料は、今し方サービスの裾野の広がり、ホームヘル プに限った話ですが、サービスの裾野の広がりというものと、サービスの深さ、あるい は高さという両面から御説明をしたところですが、これを縦横のグラフに落とし込んだ ものがこちらです。かつ、これは以前お示した資料と違いますのは、割合と左下によっ ておりますピンク色の四角い点ですが、この点の一つ一つは都道府県の位置を表してお ります。この四角い点は利用の実績です。そして◇の青いものがございます。どちらか というと右上の方に寄っているかと思いますが、これが支給決定した各都道府県の水準 です。その間をいくつか緑色の矢印でつないでいるかと思いますが、これは何を意味し ているかといいますと、この矢印でつながれた都道府県は同一の都道府県です。つま り、支給決定と利用の実態においてこういう乖離が今のところある。つまり各市町村に おきましてこれぐらい利用していいですよ、ここまでいいですよという決定をしている ものと、そして実際に御利用になったものとの差がこれだけあるということですので、 今後伸びていく可能性は非常にあるということです。  ちなみにこの図の中で赤い点線と青い点線がございます。そのいずれもそれは各都道 府県の中央値、真ん中の値を示したものです。これで真ん中が右上にシフトしていると ころが見ていただけるかと思いますが、これを仮に面積で計算した場合に、その赤い交 差点の□ですが、それと青い□と比較した場合に面積的には2.3倍ぐらいあるというこ とです。これは非常に雑駁に申し上げますと、事業費ベースで、支給決定と利用の実績 の間に2.3倍ぐらいの差があるということになります。  次の頁をお開きください。いつまでも15年4月のデータだけで語るわけにはいきませ んので、少し4月以降どんなふうにサービスが伸びているかという状況を示したものが この資料です。いくつも線があって見にくく大変申し訳ありません。全国平均でちょう どその11月分のところで申しますと1.3と1.4の間にあるような赤い□が全国平均です が、つまり全国で申し上げますと、4月を1とした場合に、11月までの間に35%、もう 年度の間で利用が増えているということです。  そして他に折れ線がいくつもございますが、これは上位5県、それから下位5県、伸 びたところの上位と下位を並べたものがこれです。多いところでは4月と11月を比較い たしますと1.8倍ほど、80%ほど増えているというような様子を御覧いただけるかと思 います。そして一番低いところでも約10%程度伸びているというような状況です。  続きまして今度はホームヘルプだけではなくてグループホームの話もさせていただき たいと思います。特に支援費につきましては、ホームヘルプサービスとグループホーム の利用が大きく伸びていたものですから、それを代表させていただいております。たま たまこれは図の作成上、知的障害者のグループホームと精神障害者のグループホームを 並べております。これは単純に比較すべきものではありませんが、並べた場合に、知的 障害者のグループホームにつきましては15.4倍、人口10万あたりのグループホームの利 用者数の地域差は15.4倍です。精神障害者につきましては8.3倍といったような差があ るわけです。  続きまして17頁です。今度はもう一つ重要なポイントは、地域差だけではなくて、身 近なところでサービスを利用するんだ、そういうふうにできるようにしたいというのは 多くの方の願いだと思いますが、そういう意味では特に日中活動の支援の場というのは 大変重要かと思います。そういう意味ではこれは三障害を足し合わせておりますが、そ れがどういうふうに推移してきたかというところをお示ししたのがこちらです。  一番高いところにある6,000カ所を越えているものが実は小規模作業所ということで、 実態としてかなりいろんな方々を受け止めておられるということがこれでおわかりいた だけるかと思います。80,000人を越える方が御利用になられております。そしてその他 にデイサービス等、デイサービス等の中には精神障害者の地域生活支援センターのいわ ば通いの部分、そこも含んでいるところです。その他、通所授産施設や通所更生施設に ついても御覧のような状況になっているところです。こういったところで障害者の方々 の日中活動が担われているということです。  次の頁です。今回は介護保険との関係も御議論いただくことになっておるわけです が、じゃあ高齢者のサービスを見た時に、介護保険前後で一体どんなことが起きている だろうかというものを見るために参考にお示ししたのが18頁と19頁の資料です。65才以 上高齢者100人あたりのホームヘルプサービス年間利用回数と出ておりますが、実はも とになっているデータが制度も変わっておりまして一緒ではございませんので、単純比 較はできません。単純比較はできませんが、総じて申し上げられるのは、18頁で御覧い ただけるように介護保険施行直前、平成11年度のデータにおいてホームヘルプサービス の地域間格差は3.9倍ございました。  19頁を御覧いただきますと、回数は総じて伸びております。ただ、これの中にはそれ まで一回2時間というような提供が当たり前だったものが、一回30分といったものも一 回とカウントするので多くなっている部分も入っているかと思いますが,少なくとも全 体としては伸びておる。そしてその地域間格差は2.3倍になったというようなことです。 これは一つの例として御参考までに御覧いただきたいと思います。その地域差という問 題につきましては、補足的な資料は以上です。  そして今度は財源の配分といいましょうか、全体としてどんなところにお金が使われ ているかというファクトの話です。20頁を御覧いただきたいと思います。これは非常に 大きな単位で、兆円単位ですが、主な障害関係の給付費、どんなところにお金を使って いるかということを示したものです。まず所得保障の関係では、障害年金に約1.6兆円 給付をしているという状況です。それぞれ国民年金や厚生年金でそれぞれの額が書いて ございますように、1級で0.7兆円、2級で0.6兆円、厚生年金で0.3兆円というふうに なってございます。それから手当につきましては0.1兆円、予算ベースでは1,200億円な んですが、0.1兆円程度使われている。これには特別障害者手当や特別児童扶養手当な どが入っているところです。  それから医療ということでは、障害者の方が利用されている医療全体を出すことが非 常に困難でして、ここでは主として精神医療、それに更生医療や育成医療なども足し込 んだものですが、ここで見ていただきますと、精神の入院の方に約1.3兆円、通院では 0.4兆円というような状況になってございます。  そして福祉サービスということですが、これは3障害合わせてということですが、大 体0.9兆円程度給付がなされている。この内訳につきましては在宅0.2兆円、施設が0.7 兆円とございます。もう少し補足をいたしますと、この施設の中には通所施設も入って ございますので、在宅系統のサービスという意味で通所系を移しますとどうなるかとい うと、この0.2、0.7というものが0.3、0.6というふうにそれぞれ比重が変わるところで す。  次は21頁をお開きください。平成16年度の障害保健福祉部の予算ということで、今度 は予算面から見たものです。年金は入っておりません。部の費用に限られております が、総額6,942億円という部の予算の中で、いわゆる入所系のサービスにつきまして 3,127億円です。この中にはもちろん支援費の入所のものも含めてトータルとして3,127 億円です。それから在宅系サービスということでは1,864億円、27%使っている。そ して手当が1,200億円余りということです。このうち支援費を取り出しますと、支援費 総額3,473億円ですが、入所系のところに65%使い、通所に18%、そして居宅のところ に17%という費用の配分に今のところはなっているというのが実情です。  次は22頁をお開きください。今度は福祉と医療でどんなふうになっているかというこ とですが、この箱の大きさはそれぞれ例えば手当なり支援費なり、措置費なり、精神障 害の関係であるとか、それぞれを100とした場合でして、実際には箱の大きさはそれぞ れ違っているということをお許しいただきたいと存じます。そういった中では特に措置 費といっている部分については、重身の施設などもございますので、医療的なケアも必 要でございますので、このように使われている。そして精神の場合には医療の方で68 %、約7割弱このように予算が投じられているという状況です。  今こういった資源配分になっているわけですが、オールトータルをどうしていくかと いうものもありますし、それと同時に、こういう社会資源の重点的な配分というものを どう考えたらいいのかということも一つの大きな課題だというふうに認識しているとこ ろです。次は23頁を御覧ください。この資料は障害者の地域生活支援の在り方に関する 検討会第15回の時に提出された資料です。これは支援費制度に関連しまして、事業運営 上どんな工夫をしていったらいいだろうということにつきましては、都道府県指定都 市、中核市、あるいはいろいろなことについて協力をいただいております定点自治体と いうのがございます。そういった自治体に御意見を聞いたところいただいた御意見が、 この23頁以下の3頁にいろいろ出てございます。これは複数の自治体から出たものを全 て掲載しておりますので、いろいろなものかございます。  この中で特に上位に来ているものとしては、例えば一番目として支援費の支給決定に あたって支給量やサービス類型の適用などにかかる詳細な基準や専門機関を設けるべき という御意見がございまして、つまり支給決定がはたして公平にできるか、できている かどうかというようなことも含めて、何かそのスタンダートがいるんじゃないかという ような御意見が非常に多かったということです。  それから二番目に利用者負担の応益化、あるいは負担額の引き上げ、負担額の上限廃 止といったものも考えなければいけないんじゃないかというような自治体もその二番目 に多かったところです。三番目は計算の仕方ですが、四番目はいろいろ評価があろかと 思いますが、ケアマネジメントの制度化というのをいろんな意味でやっていくべきでは ないかというような御意見も大変多かったということです。  続きましてその利用者負担の部分について、過去どういう議論だったのか。特に支援 費制度の関係ではどうなんだろうかということの議論の経過を御報告をさせていただき たいと思います。資料の26頁です。以前にもうすでに御説明をした資料も一部入ってお りますことをお許しいただきたいと思いますが、まず平成9年12月の三審議会の合同企 画分科会におきまして、このアンダーラインのところですが、障害者施策においては障 害者プランにより、介護保険制度による給付と比較して遜色のないサービスを提供する こととしているが、介護保険との関係でサービスの提供方法や費用負担のあり方につい ても検討が必要であるというようなことが中間報告をされております。  そしてさらに平成10年6月の中央社会福祉審議会の社会福祉構造改革分科会の社会福 祉基礎構造改革について(中間まとめ)という中につきましては、これも下線ですが、こ のサービスの利用者についても、介護保険制度における負担の考え方との整合性や低所 得者に十分配慮した費用負担を求めるが、契約制度への移行により公費負担が後退する ようなことがあってはならない。そしてまた公的助成の対象となるサービスと合わせて より快適な関係や付加的なサービスを利用者自身の負担により購入できる仕組みとする 必要がある。このような中間まとめが過去なされているところでございます。  そして次の27頁ですが、平成11年1月のところでは、基本的な考え方はこの(2)のと ころです。左側のアンダーライン部分ですが、利用者の費用負担については、障害者が 福祉サービスを利用するという観点や、福祉サービスを利用するものと利用しないもの との間の公平という観点に立ち、現行の負担能力に応じた負担方式からは,同一のサー ビスには原則として同一の負担を求めるとして応益負担の仕組みに変更することも含 め、障害者の所得の保障等も勘案しつつ、具体的に検討を進めていく必要があるという 基本的な考え方を示した上で、利用者負担のあり方については、同じ頁の右側の(3)で すが、その具体的に考えられる方法として二つ提示されています。  一つは、応能負担の考え方に基づき本人の所得等に応じた利用者負担額とするという やり方、これは結果として現在のやり方になっております。それからもう一つは、応益 負担の考え方に基づき、サービスの内容などに応じた定率の利用者負担とし、低所得者 については減免措置を講じる。そういった二つの方法が考えられるよということが議論 されております。  じゃあその結果どうなったかということですが、(4)ですが、いろいろ検討を行なっ た結果、この段階におきましては利用料助成に移行する場合の利用者負担について、利 用する者と利用しない者との公平の観点から、応益的な考え方の導入を求める意見もあ ったが、新しい利用制度への円滑な移行、障害者の所得の状況等を勘案し、引き続き(1) で記述した現行の利用者負担の考え方にそって具体的な利用者負担を設定していくこと が適当である。これが支援費制度を導入する際の議論の結論でした。  そういった一方で、先程御覧いただいたような自治体からの意見もある、あるいはこ ういった議論の経過もあるということです。こういった問題をどう考えるかというの も、支援費制度、あるいは精神障害者のサービスを考える時に検討すべきポイントでは ないかと考えております。  続きまして29頁です。またぞろ前々回と同じような資料ですが、三位一体の話がある ということでございまして、これは繰り返しになりますので詳細は省かせていただきま すが、この三位一体の改革の中で自治体のサイドから、全国知事会あるいは全国市長会 の御立場から障害者のサービスは自分たちでやっていくよ、税源をちゃんと移譲して、 そして権限を我々に任せよと、こういうような考え方だと思いますが、こういった補助 金や負担金を廃止しなさいという御提言をいただいたところでございます。  次の30頁ですが、じゃあそうやってやっていく場合に市町村でどんなプランニングを 持っているのだろうかということが問題になるわけです。これも以前お出しした資料で す。市町村の障害者計画の策定状況を見た場合に、計画を策定しているところは91.4% である。そのうち数値目標を定めてこういうふうにしたいというところが36.7%という ような状況です。そしてこれも先だって委員からも御指摘がありましたが、精神障害者 の施策の記述があるところは9割を切っている。89.5%というような状況です。  なぜこういうような状況なのかというのは、詳細な理由については、はっきり全て網 羅的に聞いてないようですが、聞き及ぶところによりますと、計画策定をしないという 理由については、やはり市町村合併が控えているので、それをやってからやりたいのだ というような御意見があるようです。それから数値目標につきましては、これはいろい ろあるようですが、小規模な町村の話を伺いますと、わが町にはサービスを利用する方 が1人ないし2人ということなのだ、そうだとするとその方に対するケア計画を作れば それで足りるのだ、だから数値目標は特に作る必要はないのだ、こういうような議論も あると聞いております。  じゃあその市町村の規模でどうなっているかということです。31頁です。今申し上げ たもののもう少し詳細なデータです。市町村障害者計画の策定状況で、市におきまして は98.7%が策定済みです。さすがに高い。そして町村は89.5%という状況です。このう ち、数値目標を記述している市は57%、町村は30.7%、精神障害者に関する記述のある 市は96.2%、町村は87.5%という状況になっております。  こういった状況もふまえながら各地域においていろいろな市町村におきまして障害者 福祉向上のための取組もなされておりますが、そういった身近なところでサービスを提 供していく、あるいは市町村を中心にサービスを提供していくというようなことを考え た場合に、どのような財源の在り方がいいのかということについて御議論をお願いした いと考えているところです。  続きまして資料6です。制度の比較についてという資料がございます。これは介護保 険との関係が議論になるということですので、議論の御参考までにある程度主だったと ころをまとめたものです。制度の比較、これは全て説明をしていると時間がなくなりま すので簡単に申し上げたいと思いますが、まず1頁です。法の目的ということです。こ の各福祉法におきましては、やはり自立した社会経済活動への参加を促進するというこ とが非常に意義な異議とされているところです。そして高齢者保健施策の方では、介護 保険法の中では、この介護を要する方々が、その有する能力に応じ自立した日常生活を 営むことができるよう適切なサービスを提供していくのだというようなことを目的とし ているところです。  じゃあ具体的に、それを支えていくために、そういった目的を達成するために制度が どうなっているかということです。2頁を御覧ください。今度は措置制度から始まりま して、精神障害者の施策がどうなっているか、支援費制度がどうなっているか、介護保 険制度がどうなっているということを比較したものです。サービスの対象者というよう な部分につきましては、これについては既存の制度ですので説明は省きたいと思います が、サービスの対象者の決定という意味では、どの制度におきましても何らかの決定行 為があるということです。  措置の場合には市町村の措置決定がある。精神障害者福祉施策につきましても特に手 続きは法律上は定められておりませんが、実際には市町村が決めていく。そして支援費 制度も市町村の支給決定という行為があり、介護保険制度におきましては市町村の要介 護認定などの決定行為があるわけです。むしろこれは保険者たる市町村と申し上げる方 が正しいかもしれません。  この決定の手続きに関しましては、措置制度の場合には法律上は行政が必要に応じて 決定することになっているわけです。しかし支援費制度の場合には支援費の支給を受け ようとする方が市町村に申請をする。そして介護保険につきましても要介護認定を受け ようとする被保険者が市町村に申請をするというようなことで、アプローチを具体的に 権利として手を挙げていくというようなことになっているわけです。その他の手続き的 なものの比較がございますが、ここは割愛をさせていただきたいと思います。  次は3頁です。ではそうやってその申請が上がってきた時に判断基準がどうなってい るかということです。措置制度におきましては、総合的な判断、ただ個々のサービスの 種類とか量について決定するための基準が必ずしも定められているわけではないという のが実情でした。精神障害者福祉施策につきましては空欄になっておりますが、ここも 特にこうでならねばならないというものが定められているわけでは実際にはない。必要 に応じてということです。  支援費制度におきましては、勘案事項といういくつかサービスの利用状況であります とか、心身の状況でありますとか、家族の状況でありますとか、そういったいくつかの 勘案事項による総合的な判断をするということでございます。ただ、じゃあ具体的にど のサービスをどれだけということに対するルールを国が決めているわけではない。市町 村では決めているところもあるというようなことだろうと思います。介護保険につきま しては、これは介護の手間という時間で測った要介護認定基準というものに基づいて判 断をしていく、そして御案内のように要支援でありますとか、要介護の1から要介護5 というような形でその方のサービスの必要量というものを出していくということになっ ているわけであります。  そして何を行政は決定するのかということですが、措置制度におきましては、これも 御案内のように、どんなサービスをどれだけ、どんな方からどんな事業者から提供をす るのかというのを決定していく。しかし支援費制度におきましては、どんな事業者を利 用したいのかということについては、利用者に主体性がある、特にここは利用者が決め るという形になっているわけであります。  介護保険の場合につきましては、先程の利用の上限額、サービスの上限、区分支給限 度基準額というのがあるわけですが、何万円までというような、こういう大枠は決めて おりますが、その範囲内においてはどんなサービスをどれだけ、そしてどんな事業者か ら利用するかというのは利用者が基本的に決めるというような仕組みになっているわけ であります。そういう意味では利用者の主体性の程度、あるいは自由の程度というのは 若干制度によって違うということであります。  そしてケアマネジメントの話ですが、ここはかなり狭い意味のケアマネジメントの実 情になっているかと思いますが、しかし制度として見た場合に、措置制度ではもちろん 制度化というものはされておりません。精神の支援費におきましても、制度化というも のがされていない。ただ、先程来いろいろな御意見がありましたように、ものの考え 方、あるいは手法としてはこういうものなのだというのは明確に打ち出されている。そ して同時に先程も御指摘がありましたように、じゃあそれの実態がどうなっているのか というところに問題点を一つ抱えているわけです。  介護保険につきましては、御案内のように介護支援専門員、通称ケアマネージャーと 呼ばれておりますが、介護支援専門員として資格を制度化し、そしてその費用について は制度的に位置づけられているという状況です。そしてあくまで制度上期待されている という意味なのですが、介護保険のサービス以外のサービスも含めてマネジメントをす るということが実は介護支援専門員にも求められている。実際にできているかどうかと いうのはまた別の話です。  続きまして4頁です。先程出てまいりました計画的な対応ということです。障害者保 健福祉施策につきましても、高齢者保健福祉施策につきましても、基本的に計画という ものがございます。根拠法が若干違います。障害者の場合には障害者基本法に基づく障 害者計画というものを作成することになっておりまして、市町村は市町村の障害者計画 を、都道府県は都道府県の障害者計画を、国は障害者基本計画を策定することになって おります。ちなみに高齢者の場合には、御案内のように、市町村の場合には市町村老人 福祉計画と市町村老人保健計画と、そして市町村介護保険事業計画というものを一体的 に作っていくという形になっているわけです。都道府県も同様です。  そしてこれにつきましても、じゃあ策定の義務的なものなのかどうかということが次 の欄ですが、市町村障害者計画につきましては、現在これは努力義務、努めなければな らないというような規定になっております。都道府県障害者計画につきましても同じよ うな規定になっております。実態的には先程御説明申し上げましたように、市町村の計 画は9割ちょっと、91%強策定されております。都道府県は100%策定されております。  しかし、これを現在国会におきまして超党派の中でこの障害者基本法を改正しようと いう動きがありまして、その中で義務化する、計画の策定は義務にするのだというよう な動きがあると承知しているところです。ちなみに高齢者保健福祉施策におきまして は、この計画の策定というのはいずれも義務化されております。ちゃんとその調査をし て、そしてどんなサービスがどれだけいるのかというのを明らかにして、それで進めて いくというような形になっているわけです。  次は5頁をお開きください。この計画の内容ですが、ここでは先程来しつこく申し上 げております数値目標の関係で、少し着目点にアンダーラインを引かせていただいてお ります。この障害者計画、基本計画上は法的には何を書かなければいけないのかという のは、これを書かなきゃあいけないということを定められているわけではございませ ん。例えば市町村障害者計画におきましては、国が作る障害者基本計画及び都道府県障 害者計画を基本とすると共に、当該市町村における障害者の状況等をふまえ、当該市町 村における障害者のための施策に関する基本的な計画を策定することが定められている ということです。  他方、これは基本法だという性格もあると思います。他方、高齢者の施策の場合に は、右側ですが、ところどころにアンダーラインを引いているかと思います。例えば市 町村介護保険事業計画というところを見ていただきますと、各年度における介護給付と 対象サービスの種類ごとの量の見込みというのを記述することになっていて、どれぐら い必要になるだろうかというのをきちっと出していこうというようなことがここに定め られているわけです。そういったものが保険料などにも反映されて、計画的に進めてい くというような仕組みに介護保険はなっているということです。これは都道府県なども 一緒です。  次は7頁です。サービスにかかる費用の負担ということです。お金の関係、費用の支 出者、最終的に費用を誰が負担するかということにつきましては御覧の通りですが、こ れに対し、みんなでお金を負担しあうというのがどうなっているかということです。措 置制度におきましては、居宅の部分については市町村が最終的に負担するのですが、都 道府県は4分の1以内、国は2分の1以内で補助をするという仕掛けになっておりま す。施設につきましては都道府県4分の1、国は2分の1を負担するとこうなっている わけです。  精神障害者につきましては、居宅の場合、これは細かく分かれているのですが、仮 に、例えば市町村が実施するとした場合には、都道府県が4分の1以内、国が2分の1 以内を補助をする。社会復帰施設につきましては、実は市町村の負担はございません で、都道府県は2分の1、国は2分の1というような形になっております。  支援費制度におきましては、実は措置と同様の財源構造になっておりまして、在宅に つきまてしは都道府県が4分の1で国が2分の1、施設につきましては都道府県が4分 の1で国は2分の1、施設につきましては都道府県が4分の1で国は2分の1と、それ ぞれ補助負担というような形になってございます。  介護保険につきましては、これは実はより多くのいろんなお金を持ち寄る仕組みにな っておりまして、これも御案内かと思いますが、税金で2分の1、保険料で2分の1と いう仕掛けになっております。そしてその税金の2分の1を国が4分の1、都道府県が 8分の1、市町村が8分の1という形になっております。保険料の2分の1につきまし ては40才以上の国民が、広くお金を持ち寄って賄うという仕掛けになっているわけで す。  次は8頁を御覧ください。利用者負担ということです。措置制度や支援費制度、精神 障害者の制度の一部がそうなのですが、御本人の他に扶養義務者の負担があるというよ うなことです。他方、介護保険につきましては利用者である被保険者の負担ということ でございまして、扶養義務者の負担はないところです。じゃあその負担の基準はどうな っているかというのが次の問題です。  これにつきましては、措置制度は応能負担でして、そして利用者と扶養義務者それぞ れに費用徴集をさせていただくということになっております。限度額もあります。精神 障害者につきましては、ホームヘルプは応能負担ですが、その他は実は応益負担、実費 負担というような仕組みになっておりまして、同じサービスの中でも違っているという ことです。支援費制度につきましては、先程審議会の議論を御説明しましたように応能 負担というふうになっておりまして、利用者と扶養義務者それぞれの費用徴集の表があ るという状況です。限度額もございます。  介護保険につきましては、応益負担ということで1割負担で限度額があるという状況 ですが、それぞれ実際には負担の軽減の措置が設けられておりまして、1カ月の負担の 限度額などが措置制度や支援費制度には定められているところです。介護保険につきま しては、1カ月あたりの負担の限度額がある他、制度導入時に例えばホームヘルプにつ いて、1割負担に関しましては、当初は今まで使っていた方は3%負担でいいですよと いうような経過措置がございました。  その他にも生活保護で介護扶助のみを適用する仕組みでありますとか、社会福祉法人 などが利用者負担を減免した場合に行政がその費用の一部を補填する仕組みといったも のが設けられているところです。以上、最後の頁は介護保険の概要ですので、御参考ま でにおつけしてございます。  最後に財源の話とは直接は関係ないのですが、資料7ということで、前回笹川委員か ら御要望のございました資料につきまして御説明をさせていただきたいと思います。前 回、就労の議論をしている際に、もう少し身体障害者という大括りをするのではなく て、障害の種類ごとに違う状況をもっとちゃんと出しなさいというお話でございまし た。その1頁を見ていただきますと、視覚障害者、聴覚言語障害者、肢体不自由者、内 部障害者ごとにどんな職業に従事されていますかというのを示したのがこの資料です。  これで一見してはっきりしておりますのは、視覚障害者の方の場合には、あんま・は り灸の方が33%いらっしゃるというところが非常に特徴的だということです。その他の 障害の方々の場合には、もちろん多少違いますが、農林水産業、事務、それから管理的 職業といった、あるいは販売、専門的・技術、こういったものが一定程度いらっしゃる ということで、あんま・はり灸というのが視覚障害者の方にとって特徴的なお仕事であ るということがこれで御覧いただけるかと思います。資料につきましては以上でござい ます。 ○京極部会長  ありがとうございました。これまで障害者の自立支援のための施策体系や、あるいは 病院、施設からの地域移行のあり方、一般就労への移行も含めまして、様々な議論がな されてきました。こういった議論をふまえて施策体系を見直していく必要があるかと思 いますが、いかんせんそれを進めるエンジンとしての財源のあり方等を少し深めて議論 したいと思います。  ただいまの資料に関しましては、ニーズを把握して計画的なサービスを整備する仕組 み、障害者施策に関する財源配分や財源構成の在り方、支援の必要度等に応じた効率的 な財源配分の在り方といった観点から議論を深める必要があると思います。それではい ろいろ御議論をする点がありましょうし、私も少し言いたいこともありますので、事務 局の報告につきましても御意見等がありますれば御発言をお願いいたします。なお、先 に申し上げますが、この議論につきましても押せ押せになっておりますので、十分議論 する必要がありますが、今回で終らないということで次回も時間をとりたいと考えてお りますので、よろしくお願いいたします。それでは江上委員、どうぞ。 ○江上委員  議事の進行方法の提案ですが、笹川委員から言われましたが、やはり一人3分という 時間内で、多くの方の意見が必要だと思いますので、その辺の提案をしたいと思いま す。  それから資料5の17頁ですが、これは財源とは関係ないのですが、日中活動支援の場 の推移ということで、小規模作業所が6,000カ所を越えているということで、精神の部 分も1,800カ所今越えています。そういう中で国庫補助が、これは財源論とは関係なく て報告なのですが、4月22日に小規模作業所の明日を開く全国集会ということで日比谷 公会堂等で身体・知的、精神、松友委員のおられる育成会も来られまして、5,000人の ところに7,000人の方が集まって、47都道府県全ての県の障害者の関係者及び当事者が 来られて作業所の問題について問題提起をしたということの報告をしたいと思います。 以上です。 ○斎藤委員  この審議会の基本的なことをちょっとお伺いしたいんですが、介護保険部会との関わ りの問題であります。実は一昨日介護保険部会が開催された折りに、被保険者の範囲関 連資料というものが提出された。その中にはほとんど障害者に関するものであったとい うことで、数人の委員からいろいろ異論が出されたと聞いております。その議事録もこ こにありますが、こちらにはそういう資料は今一切出されてないんですね。そうすると この審議会はアリバイづくりなんでしょうかね。介護保険部会に障害者問題が持ち出さ れて、ここに介護保険の被保険者の範囲等の資料が今まで一回出されてない。これはな ぜなんですか。 ○村木課長  介護保険と障害者の施策の関係でございますが、この審議会でも何度か事務局から御 説明を申し上げたかもしれませんが、この障害者部会は障害者施策を原点にして、それ を検討する中で仕組みとして財源の問題も議論しますし、そことの関わりで介護保険等 の問題を議論をする。  それから介護保険の制度を議論をする介護保険の部会は、また介護保険という制度の 枠組みの中で当然被保険者の年齢でございますとか、それからサービスを提供する対象 者の範囲でございますとか、それを議論をするということでございます。そして当然そ この重なりが出てまいりますから、それぞれの部会で御議論をいただきながら、それを またそれぞれの部会の結論を見ながら、議論を見ながら、必要であれば共通の議論の場 を設けていくという、こういうやり方で審議を進めていくということでございます。  一昨日、介護保険の部会として対象範囲とか被保険者の範囲を議論をしていただくた めに障害の資料もお出しをしましたし、それから京極部会長から、こちらの審議会で議 論をしている内容についても御報告をいただいたということでございます。記憶を辿っ ていただきましたら、こちらの審議会でも介護保険の状況等担当の部局にも出て来ても らって説明をしておりますし、その資料もご提出をした、そういう形で双方の審議会の 議論を進めていくということになろうかと思います。  ただ、事務局が気がつかなくて大変申し訳ございませんでしたが、介護保険の部会に 提出をされた資料を、御参考としてこの部会にもお出しをすべきところでございまし た。気がつきませんで、大変申し訳ございませんでした。 ○京極部会長  それでは私の方から、両方の部会の部会のメンバーになっているということで補足い たします。貝塚座長から介護保険部会において、今の障害者部会の議論はどうなってい るかを聞かれまして、進行状況を御説明しました。これは客観的に事実を述べたままで ございます。ただ、全体としては介護保険部会は雰囲気的には障害者関係は議論として は荷が重たいというか、そういう雰囲気の中で、どうしても被保険者の範囲を議論しま すと、たとえば20歳から保険料をとるとかいうことになりますと、そこには障害者はも ちろんですが、難病者とか母子家庭とかいろいろ入って来るわけですね。そういうふう にどうしても障害者問題を避けて通れないので、そういう資料が入っているのですが、 なんと言うか、やや介護保険部会としてはいきなり唐突なんじゃないかという意見が多 くて、全体としてはこの障害者部会の意見をよく拝聴して、ここが固まった段階でもう 一度承りましょうということと、これはどうなるかわかりませんが、両部会の合同にな るのか、企画委員会になるのか、あるいは社会保障審議会の中に両方招請するような委 員会を作るのかわかりませんが、いずれにしてもそういうこともいずれはやらなくちゃ あいけない。  ただ、問題は障害者部会での議論をふまえて、それを受けてやりましょうということ で、多くの空気は、これは人によってはがっかりする方もいらっしゃるかもわかりませ んが、あまり障害者の問題は介護保険では議論したくないという人もいらっしゃいまし て、かなり消極的な方も多いわけでございます。特に経済界は、若い人、これは障害者 を入れるか入れないかに関わらず、20歳からの被保険者の延長拡大しますと、その半分 は企業は負担しなくちゃあいけないということで、社会保険料負担については厳しい抵 抗をされていますので、そういった意見とか、あるいは市長会、町村会についても従来 通り税金でやったらどうかという意見がありますが、そんなことで介護保険部会として 障害者施策をどう取り組むかという議論はまだしているわけではなくて、事務局として 資料を出したので、予め入れるつもりじゃないかという議論でちょっと紛糾したという ことなんです。  ただ、その議論の後には、この部会で議論されたことを受けて私たちも議論しますと いうことになってスタンスは元に戻りましたので、向うの部会で何か具体的な提案が出 て来るということはまず100%ないと思います。従ってこの障害者部会でどういう障害 者施策の方向性を決めるのか、それが鍵でありまして、それがなくて例えば財政的な理 由から20歳まで伸ばして、ついでに障害者もちょっと入れてあげるよというようなこと では決してないということを確認いたしました。多少紛糾いたしましたが、最終的には 本部会を尊重するということでまとまったような気がいたします。いずれ議事録も全部 公開でございますので、いろんなことが発言されていますが、流れから言いますとそう いうことでございます。よろしいですか。 ○斎藤委員  私の言いたいことは、介護保険へ流れ込むということに反対とか賛成とかいうことを 言っているのではないんです。順番があるんじゃないかということなんです。そのこと だけは今後十分気をつけていただきたい。言われたから資料を作成し直して5月14日に また提出するというような話も出たようでございますが、いずれにしてもこちらは障害 者部会でございますので、やはりきちっと両部会の整合性をとって進めるべきだろうと いうふうに思います。 ○村木課長  私の申し上げた趣旨がよく伝わらなかった部分もあるかもしれませんので、もう一回 補足させていただきます。障害者施策として、財源も含めた在り方というのを検討して いくのがこの審議会でございます。ここで十分に御議論をいただいて、その結論を関連 のところにきちんとボールを投げていくということをいたしたいと思います。  それから資料のことを申し上げましたのは、関連の部会等で出た資料、あるいは先程 お話が出ました関連のある部会の議事録など、この審議会のメンバーの御参考になるよ うなものは事務局としてもう少し気をつかせて資料テイクをするように努力をするとい うことでございます。 ○京極部会長  それではこの審議の進め方について限定したいと思いますが、もう議題に入ってよろ しいですか。では安藤委員お願いします。 ○安藤委員  私はずっと気になっていることがあるんですが、第5回の障害者部会の時に塩田部長 が6月までに大枠を決めたいというお話がありました。その大枠が具体的に何を意味す るものか、私は考えてみたんですが、それは介護保険と障害者福祉の統合に関する大枠 であろうというふうなイメージを受けたわけなんです。とすると障害者福祉は幅が広い ので細かな分析が必要だし、6月までというのは困難ではないかと私は言ったわけで す。  ただ、6月に大枠を決める中で、介護保険部会でもそれなりに障害者にどう対応する かの議論も並行して進むのだろう。その並行的な審議の中で方向が決まるのではないか とイメージしていたのですが、今のお話ではどっちも及び腰になっていますが、議論の ための議論に終ってしまって、6月まで結論が出ないということになるでしょう。それ は部長さん、どう考えるんでしょうか。最初のお話の中で部長さんのイメージというも のが出されたし、私たちはそれに合わせた審議が必要ではないかと思ってきたわけなん ですが、どうでしょうか。 ○塩田部長  審議の再開の際に私からお願い申し上げましたように、6月でなければいけないとい うことはないのですが、6月頃にはこれからの障害者福祉の全体の大きな方向性、特に 介護保険との関連についての大きな方向性については、この部会の方の考え方をまとめ ていただきたいということに変わりはございません。  先程から議論になっておりますように、この部会でこれからの障害者施策の方向性を どうするかということが最も重要なことでありまして、その議論をふまえて、京極部会 長のお話だと尊重してくれるということでありますので、この部会で検討していただい た大きな方向性を介護保険部会にも投げて、介護保険部会でも検討していただくという ことで、介護保険部会の方は当初の予定より若干遅れてとりまとめは8月とか9月とか いうことになっておりますので、この部会で大きな方向性を出していただいたものを、 十分尊重して介護保険部会で検討していただき、さらにその上で京極先生もおっしゃい ましたように何らかの形で両者をつなぐ合同の部会になるのか、あるいは特別の委員会 になるのかわかりませんが、さらに両者の意見を持ち寄って大きな方向性を検討した上 で、来年の介護保険改正、あるいは障害保健福祉の方も就労の問題とか住まいの問題と か精神保健福祉法の改正とか、いろいろ制度改正をしなければいけない部分がたくさん ございますので、そういった意味で当初私が申し上げた方針には変わりはありませんの で、ぜひ精力的にいろんな立場から御論議をしていただきたいと思っております。 ○安藤委員  この財源配分とか財源構成の問題ですが、これは障害者福祉だけではなくて、介護保 険そのものにも財源的な大きな問題があるべきなんです。もう介護保険も行き詰まって いますし、被保険者を繰り上げ等の問題も出ているわけですね。従ってこの財源配分と か財源構成については、介護保険等の審議と並行したトータル的な検討が必要だと私は 思うわけです。したがって今部長さんのお話のような、例えば介護保険に障害者福祉を 統合していくというようなことを、この障害者部会で決めて介護保険部会に持っていく ということは物理的に不可能ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○塩田部長  先程御説明したように、時間的に不可能ということは全くないと思います。事務的に も老健局と障害保健福祉部、省内のプロジェクトで内部的にすり合わせをしております し、介護保険部会の議論とこの障害者部会の議論は並行していろんな形で進んでおりま すし、大きな方向性が出れば、それは市長会とか町村会とか経済界とか障害者団体と か、いろんな方のコンセンサスを得ることは必要でありますが、大きな方向性であれば 時間は十分あると私は思っております。 ○京極部会長  危惧される点も多々あると思いますが、今日の議題でございます財源配分、財源構成 について、あるいは制度の比較について、少し立ち入った議論をしたいと思いますの で、よろしくお願いいたします。  それでは私の方から議論のきっかけになるので申し上げたいのですが、今日の資料で いろいろ感じるところはそれぞれ皆さんあると思うのですが、私も支援費制度の立ち上 げには座長として関わってきた関係もありまして、それからマスコミ等でも、あるいは 福祉関係者の中でもそうなんですが、私は支援費制度というのは措置制度の変形だとい う点があまり認識されてない気がいたします。  たしかに利用者の選択権を認めましたが、この議事録にいろんな経緯がありますよう に、応能負担の原則とか、基本的には措置制度をひっぱっていって、それを変形してき たという経過で、財源的なことから言っても社会保険方式等は相当もう溝があるわけで すね。それで実は高齢者介護の方は措置制度のもとでゴールドプランをやり、そして福 祉関係8法の改正の中で老人保健福祉計画を義務づけて、いわば蝶がサナギになる前の サナギ段階の孵化期間が結構長いんですね。それでパッと介護保険制度になったわけで すが、支援費制度はサナギ期間がちょっと短い感じもしますが、しかし基本的には措置 制度の延長という点で来ていて、幸いにも利用者の伸びが非常に増えたとか、自治体も 力をつけたところが非常に出てきましたし、いい面もある、しかし地域格差が非常にあ る。しかも一般財源化の波が来た場合にこの地域格差の是正はほとんど不可能だという ような状況の中で、どうしたらいいか。  それから先程ケアマネジメントのこともありましたが、そういうものを制度化する時 の予算はどこにあるか。いろんなことを考えていきますと、どうも措置制度の延長の支 援費制度では限界があるのではないかというのが私の率直な意見でありまして、結論ま では出しているわけではありませんが、何となくネーミングが措置制度と支援費制度は うんと違うから違っているんだという印象で捉える方も多いと思うのですが、私は、そ れは若干不正確で、あくまでも措置制度のいいところは残すし、それから介護保険制度 でメニューがあって障害者にないものは増やすという形で、なるべく措置制度の延長線 上でやったというのが正直なところで、ただし市町村の権限ももっと持たせるとか、障 害者自身の選択を認めるとか、そういう点で一歩前進ということだと思いますので、ス タートにあたっては慎重に考えてスタートしたということであります。  その点、財源配分その他から、この資料からだけではちょっとわからないところもあ りますが。そして支援費に行く時も実は簡単に決まったわけではなくて、結構疑問視し たり危惧された方も多かったのですが、まあとりあえずスタートしてみようじゃないか ということでスタートしたら、意外に利用者の方からも喜ばれた、特に知的障害者の方 は非常に利用が増えまして、そういうこともあって、ただ精神障害者の方がちょっと置 いてけぼりを食ったというようなこともあったり、いろんなことがありましたので、ち ょっと長く喋り過ぎましたが、財源配分については少し根本的な議論もしてみたいと思 っております。 ○新保委員  今、座長から精神障害者は置いてけぼりを食ったというふうなお話もございました が、私もそのように思っております。私自身は精神障害者の社会復帰施設を代表してこ こにおるわけでありますが、基礎構造改革の流れの中で支援費を一緒に検討していくは ずだったのですが、置いてけぼりというよりもはずされたというふうに私自身は考えて おります。  ともあれその流れの中で、資料の5の27頁の平成11年の在り方についての中で、先程 事務局の方から御説明がありましたように、その結果として応能負担の方向で動くよう になってきた、本来ならば基礎構造改革というと措置制度の改変であったはずでありま す。措置制度というのは応能負担、そのうち応能負担を見直そうという話だったはずな んです。私どもがはずされたのは、精神障害者は応能負担じゃないでしょう、措置制度 じゃないでしょう、契約施設でしょう、だからあなた達は支援費等の検討の枠組みに入 らないんですよと言われたんです。  こう考えますと、これが結果として応能負担、今座長が言われたように措置制度を改 変した程度のものであったとすれば、これはやっぱり問題があるんだろうと思います。 私どもがはずされた理由はどこにあったのかとさえも思うわけであります。いずれにし ましても精神障害者の福祉施策というよりも、精神障害者施策というのはもともと応益 負担の枠組みしかなかったという言い方をしてもいいのかなと思っています。なぜかと 言えば、それは医療機関で一定限度の割合の自己負担を払うという形においてまさに応 益負担だった。そしてできた施策も契約に基づくところの応益負担が原則として形づけ られて来たわけであります。  そう考えてくると、実はこの基礎構造改革の流れの中での措置制度の改変はまさに契 約への移行なんですから、原則的には応益負担をきちんと検討しなければいけなかった はずですし、そこに忘れてはいけないことは、最も困難な状況にある人たちに対する公 的責任性をどう担保するかという課題なんだろうというふうに思うんですね。  私はそういうことを考えていけば、応益負担を真剣に検討すべきだというふうに思っ ています。これまでの基礎構造改革の流れはそうだったわけですから、そして私たち精 神障害者の施策についても、ここで改めて他障害施策と一緒にこの応益負担、そしてそ こに担保すべき公的責任性は何かということをきちんと考えていくことが大事なことだ というふうにも思っています。  そういうふうに考えていきますと、当然のように介護保険という検討はせざるを得な いんだろうと思っているわけです。そしてそこで介護保険の事柄についてどのようにそ の整合性を図っていくのかというのは大きな課題ではありますが、いずれにしましても 安藤委員が指摘されるように障害者福祉はたしかに幅が広いです。幅が広いから精神障 害者施策については論議のいわば他障害と合同の論議の枠組みからはずれてしまったの かもしれませんが、しかしこの間長い間基礎構造改革の流れの中でも、例えば少なから ず授産施設の在り方検討委員会等で三障害合同等が語られてきたわけですから、そうし た視点の枠組みを改めて見直す、ないしは踏まえながら議論を進めていただければ有り 難いというふうに思っています。 ○君塚委員  現実の財源論の前で事務局には申し訳ないのですが、理念についてあえて二点話をし たいと思います。一つは以前徳川委員が障害者の福祉に関する理念の確立をというふう な御意見を出されましたし、本日、岡田委員には今後の社会福祉のあるべき基本的なテ ーマに取り組んでいくべきだというお話がありました。我が国では奈良時代の律令制に おいても優れた福祉制度がありました。貧しい奈良時代です。それから七福神の中には 神様が複数います。御存知のように恵比須様は脳性マヒのアテトーゼ型です。そういう 形では日本では障害者を宝にするという歴史があります。これからも今後財源を考える 時に障害者を泣かせないようにしたいということが一つです。  もう一つは、私の方ではよくわかりませんが、京極先生のお考えなどで福祉産業はペ イする、日本は豊かな国ですので、国税の配分の仕方をもう一度見直して、福祉産業は 国にとっていいものであるというものの中身をもう少し、この部会の前言として歌い上 げてアピールするということを望みたいと思います。釈迦に説法みたいですみません。 ○長尾委員  今日初めて出させていただいて、今までどの程度の論議があったのかというのがあま りわからないままで発言させていただきたいのですが、一つは精神障害のことについて は先程新保委員が言われたのが大きいのですが、精神障害者の場合に、特にこの精神障 害者福祉においてのこの介護保険が財源論として取り沙汰されているわけですが、これ が介護保険にいってしまった場合に、実際に国の責任としての障害者福祉の中の精神障 害者福祉、これがどこまで国が責任を持たれようとしているのか、その辺がちょっとわ からない。  もう一つは先程言われたように、障害者の中でも精神障害者の部分というのは非常に 遅れている。特に施設整備等につきましても、これは質量ともに格段の差がある。こう いったものがかりに介護保険が財源の中でいったとして、それが本当にきちっとできる のか、そういうふうなことが全然見えて来ない。そういうふうなことがどのように担保 されていくのかということを知りたいというふうに思います。  それから精神障害の場合には配分云々ということが中で語られるかもしれませんが、 精神の場合はどうしても疾病と障害というのが併せ持っている部分がありますので、医 療を絶対に切り離せない部分がありますので、その辺をやはり医療の質を向上させると いう部分ももちろん今までも歌われているわけなので、そういったものも含めてきちっ と語られなければいけない部分がありますので、その辺もぜひ教えていただきたいと思 います。 ○京極部会長  今の御質問で、もし仮に介護保険になったとしますと、国の役割というか、財政面と か行政指導面とか、いろんな側面からどうなるのかということなんですが、いくつか言 えることがあると思うので、これは事務局の方でお答えいただけますか。 ○間企画課長補佐  障害者福祉に限らず、高齢者の福祉も子どもの福祉もそうですが、基本的には市町村 を中心に、住民にとって一番身近な基礎的自治体である市町村中心にそのサービスの提 供をしていく仕組みを作っていこう、これが平成2年の福祉8法改正以降の大きな流れ であったかと思います。  こういった中で、今お話のありました、例えば精神障害者福祉につきましても、御案 内のように平成14年から、例えばホームヘルプサービスを法定化しまして、基本的に市 町村の事業とするような形になり、そして今多くの市町村がそれに取り組み始めている という状況でございます。しかしそれに対しての財源面も含めたサポートというのが、 一生懸命予算を確保しているつもりでございますか、それが今後どうなのか、精神障害 者の方のニーズに対応できるのかどうかというのも非常に心配しているところでござい ます。  介護保険の仕組みは、これも釈迦に説法で恐縮でございますが、御案内のように、市 町村が我が町にサービスが必要な人がどれぐらいいて、そしてそういう方々のサービス の必要量はどれぐらいで、そのためにどれぐらいの費用がかかって、向う3年間にわた ってこれぐらいかかります、伸びていくとしたらこれぐらいかかります、それを税金と 保険料でもってみんなで分かち合う、出し合って賄っていくというような仕掛けになっ ているわけでございます。  ですからそういう意味では、ある意味では今以上に、これは介護保険に行っても行か なくてもやらなきゃあいけないことであるとは本来思いますが、そのニーズをきちっと 捕まえて、そしてそれを数字化して、そしてそのサービスをきちっと提供していく、こ ういう仕組みを市町村中心に作っていくというのが介護保険の考え方だと思います。そ してその時に国や都道府県も財源的なものも含めてきちっとサポートをする、ちゃんと 出す、負担金として出すということに加えて、様々な技術的な助言も含めて方向性をお 示しをしていくというのが国の在り方なんだろうというふうに思っております。  そして先程、疾病と障害の関係の話、医療の質もということでしたが、それはおっし ゃる通りだと思います。これにつきましては別途、例えば精神病床の検討会というのが 立ち上がっておりまして、こういったところで、精神医療の質をさらに良くしていくた めに病床の機能分化をどうしていったらいいのかということも含めて、御議論をいただ いているところです。最終的には、実はこの審議会を再開をさせていただいた時に御説 明を申し上げたことですが、そういう個別の各障害種別ごとに独特な部分のある項目に ついては、秋にそういった検討会の議論をふまえて御議論をいただきたいというふうに 考えております。  加えて申し上げるならば、介護保険を導入する時の議論の一つの視点に、保健・医療 ・福祉を総合化していくのだ、それまでバラバラに提供されていた様々なサービスを、 その方のニーズを中心にいろいろ連携をさせていくというふうな発想があったのは御案 内の通りです。この障害者福祉施策におきましても、とりわけ精神障害の場合には医療 の関係も切り離せないわけでして、そういったものの連携といったものも前進させるた めのツールというふうにして考えられるのではないかというふうに考えております。 ○京極部会長  では長尾委員どうぞ。 ○長尾委員  わかりました。ただ、精神障害の場合には秋からの個別の論議ということですが、現 在でも非常に整備が遅れているわけですね。それが確かに市町村がそれぞれが全部い く、そうなることはそれはそれでいいのですが、今遅れている分もそのままいってしま って、はたして市町村にいった場合に本当にそれが整備できるのかということが非常に 不透明なんですね。かえって地域格差を余計に招いてしまう可能性が出てくるのではな いかというようなことも思いますので、ある程度のレベルまでは国がやっぱり責任を持 つということも必要ではないかというようなことを考えるわけなんです。 ○間企画課長補佐  基本的な基盤整備の部分の必要性については、委員御指摘の通りだというふうに考え ます。その上で先程資料の中で御覧いただきましたように、介護保険前後で、これはた またま高齢者のホームヘルプだけを例にとっておりまして恐縮ですが、そういった形で 地域間格差が小さくなっていくというような実例もございまして、こういったものもど う評価するのかというのを御議論いただければ有り難いというふうに思っております。 ○徳川委員  今日の議論から少しはずれるかもしれません。申し訳ないんですが、教えていただき たいのですが、先程も最初にお話があったように、今、障害者基本法が新たに改正され るということで、去年確かにそれは出たんですが廃案になりました。そしてまた今出る わけで、全党一致ということで通るだろうという話でありますが、1年前に議論があっ たかもしれませんが、あれから1年の間に福祉は非常に変わってきた。再度また出る時 に、これは議員立法ですから全く私たちと関係ないことなのか、それともやはり審議会 でもある程度これについてもの申していいのかということを伺いたいのです。  と言いますのは、今の基本法の中には、例えば11条では自立が非常に困難な人たちに 対する国と地方公共団体の責務ということが書いてあったのですが、それが完全に抹消 されているというようなことを考えますと、本当に今のセーフティネットというものが どこまで守られて来るのかな。やはり基本法があって、その上に他の法律が出るわけで ありますから、やはり私たちはその基本の一番困難な方たち、口幅ったい言葉ですが、 声なき方の声という、一番重い方に対する私たちの眼がなければ、やはりこれからの福 祉はさっきも君塚さんがおっしゃった通りだと私は思うんです。  これが私たちの分野で討議できることかどうかわかりませんが、やはり私たちはこう いった福祉法の基本法の改正の中で、そういったさっきもこちらでもおっしゃった、国 の責務ということが何か曖昧になっているというふうに感じざるを得ないので、つい先 だっても八代英太さんのところへ行ってこれについて話をしたのですが、これは理念法 だから含まれているよというお考えだったのですが、理念法だからこそこういったセー フティネットの問題をきっちりと整理していかなければいけない。  その上に立ってやはりこれからの私たちの取組、または介護保険の取組も出てくるん じゃないかと思うんですが、これについて我々は議論の場からはずされているのかどう か、それを伺いたいと思います。もし必要ならばこれについても考えていかなきゃあな らないと私は思っておりますが、いかがでしょうか。 ○村木課長  基本法については議員立法という形で昨年来からいろんな議論が進んでおります。そ ういう意味ではもう国会提出の場面まで行っておりますので、実務的に申し上げれば、 もう立法府へ直接働きかけるという形でやっていくしかないのだろうと、今これからこ の場で基本法の議論をして、それがうまく立法に反映できるかというと、タイミング的 には非常に難しいと思います。  ただ、私どもが聞き及んでいる限りでは、今度の基本法の改正の中で、国ですとか地 方公共団体の障害者問題に関する責務の基本的な考え方を変更するという意図があって その条文を変えているというふうには聞いておりません。私どもも関わりの深い問題で ございますので、そこはよく確認をしてみますし、それからこれからの実際の動きとし ては、やはりこの段階では立法府との関係で、ということになろうかと思います。当然 事務局として一生懸命お手伝いさせていただきます。 ○京極部会長  先程の国の責務という話で、これは事務局から説明がありましたが、介護保険という のがどういう仕掛けか、釈迦に説法とおっしゃっていたのですが、まず4分の1の国の 負担は確実に確保するということなんですね。一般財源化は一切タッチしないというこ とですね。各市町村がどうぞ勝手におやりくださいということですので、それは大きな 差があるということが一つと、それから介護保険法そのものは市町村が主体になってや るんですが、枠組みは国が法律で作っているわけですから、それがちゃんとできるかど うかというのは、これも国の責務ですし、それから実際に基盤整備等は国の財源が出て います。これはこれからどうなるかわかりませんが、一般財源化の問題で公共事業の問 題とかいろいろありますのでわかりませんが、しかしそういう点でかなり市町村のガイ ドラインも作られておりますので、介護保険は市町村主義でやられているけれども、そ れなりの国の責務というのはしっかりしているというのが私なりの評価でありまして、 一般財源化したら、おそらく高齢者の介護サービスも、市町村ごとにうんとやるところ はやるしやらないところはやらないということが、措置制度以上に今度は大きくなって しまう、そういう危険があるわけなので、そういうわけでこれから介護保険にそのまま の形で乗っかるということよりも、介護保険制度をより拡充して豊かなものにして障害 者施策がそれに乗るのかどうか。  そうすると例えば小規模作業所なんて今まで補助金がちょっとしか出てないけれど も、今度は堂々と支給限度額の中で、個人がそれを使った場合にお金が出るということ になりますし、例え療護施設なんか高くてなかなか作れない、ランニングコストもすご く高いけど、これは増やしていくのかどうかという大きな問題がありまして、徳川先生 が御専門なのでちょっと言いにくいのですが、ただそういう財源も保険財政で見ていく ということはできますから非常に有利になるし、特に精神障害者の問題は介護保険のメ ンバーとして堂々と、どんどん社会福祉施設であろうと在宅サービスであろうと、使え るようになりますので、財源の面でははるかに有利になると思います。  ただ、その時に痛みを伴うということで、保険の加入者にならなくちゃあいけない、 保険料を払わなくちゃあいけない、それから企業の方がOKしてくれないといけない。 ドイツの場合は20歳から介護保険に入れたために、結局有給休暇を1日減らしたのです が、日本はそんなことで労働組合もイエスと言ってくれないから、もっと違った考え方 で企業負担をどこかで考えなくちゃあいけないこともあるかもしれませんが、しかしい ずれにしても企業の賛同がなければこれはできないのであります。  市長村にとっても今までは支援費制度で出しているよりも、4分の1じゃなくて8分 の1減りますので、負担はずいぶん楽になる、そして権限は増えるということで、比較 的国の責任を果たしつつも市町村主義を貫いたり、あるいは障害者の方々が自分の権利 として選択し、しかも支給限度額の範囲で自分たちがサービスを購入する、ただし1割 負担の問題をどうするかということがありますが、その点は非常にわかりやすい制度だ と私は思っていますが、まあ言い過ぎましてもいけないので、次は松友委員お願いしま す。 ○松友委員  先程座長のお話の中にありました、少し前に戻るような気がするのですが、介護保険 部会とのやりとりの中で結論的な話として、結局この部会から話を持ち込まない限りは 介護保険部会が障害の方いらっしゃいということはないだろうとはっきり申されました よね。ということは、もう別の視点から見ると、十何年前に介護保険制度を導入しよう という最初の議論の時を思い出すんですね。その時は多分スケルトン案か何かで出て、 あの時には被保険者は20歳からであって、そして障害福祉もこれに入れるという話で議 論がスタートして、私たちも全社協等で、じゃあそれをどうするかということで学習会 をやり始めてすぐに障害は入れないということになったんですね。  私は今回も介護保険がいいとか、あるいは支援費がいいとか,あるいは児童の場合は 措置がまだ残っていますから、それがいいとかいろんな議論があろうかと思うんです が、一番気になるのは、いわゆる介護保険から、別の見方から見ると十何年前に障害者 福祉は排除されたのではないか、そして現在も排除され続けているんじゃないかという 見方も見れると思うんです。何か話を聞くとみんな来ないでくれとか、費用が増えるか ら云々と言ってるけど、本当にそうだろうか。結局老人だったら我々は年をとるんだか ら面倒を見るけど、障害者だったら嫌だみたいな、そういう差別意識的なものも率直に あるんじゃないかみたいな感じもするんですね。  そこで私たちとしてはやはり本当に介護がいい、介護でやっていけというのであれ ば、ある面では権利として主張してないといかんという面も起こるかもしれない。私が 今日お聞きしたいのは、一体あの十何年前に突如として議論もしないうちに障害福祉が ポッとはずされた、あの経緯は何だったんでしょうか。私は十分よくわからないうち に、そこをちょっと分析しないと、守るも攻めるも、引くも攻めるも、どう考えていい かわからない。つまり我々だけで独りよがりしているような感じもしないわけでもない ので、ちょっとその意味でもし教えていただけるのだったら、当時の関係者の中でお話 いただけるのだったら教えていただきたい。以上です。 ○京極部会長  まず高齢者介護自立支援システム研究会の報告の中では、かなり議論をしたんです ね。しかし時期尚早である、慎重に検討しようという形で、しかし将来課題としては考 えるということで、文章をまとめました。これは委員会報告ですので、これがすぐにた たき台になって国の審議会の原案になったことではありません。特に医師会の方からの 強い意見で審議会は審議会独自でゼロからきちっと議論をしていきましょうということ がありやってきましたが、やはり当面急がれる高齢者介護に焦点をあてて制度設計をし ようということになって、高齢化に伴う介護ということに限定した関係で、そうすると 20歳から加入者になるのもおかしいですし、交通事故とか障害に伴う介護を入れない限 りは20歳から払っても権利が生じるまで65才まで待たなくちゃあいけないみたいなこと になっちゃいますので、社会保険の原理としてはおかしいということで、その限定があ ったために20歳からの保険料の負担は困難である。  従って自分がそろそろ高齢化を考え、また自分の親御さん達が老人になってくるとい うことを考えて20歳からは被保険者として認めましょうということになって、特定疾病 についてのみ40才からの介護給付を認めるという制度設計になって、しかし障害者介護 は否定したのではなくて検討課題として残されたということであります。だから切り捨 てたということでは必ずしもないので、障害者介護についてはいろんな、例えば障害程 度区分を今やっていますが、これは要介護度とは違いますし、障害等級ともまた違う。 障害は多岐にわたっていますし、非常に技術的な専門的な判定というのはものすごく難 しいことでありますので、これだけでも1年2年かかると思います。だから方向性が出 ても実際に実行までは相当かかるわけであります。  それから松友委員がおっしゃったように積極的に受け止める障害者団体もありました が、逆にネガティブに、1割負担とかそういうふうになってしまえば、今まではほとん ど負担しなくてサービスが使えたのに使えなくなったということもあって、かなり反対 する団体も多かった。そういうことで、障害者の中で意見がまとまるまで待っていたら 高齢者介護保険もスタートしないということがあったり、その他いろんな政治状況の中 でとりあえず検討課題として残されたというのが正直なところだと思います。  だから残されて何年も経っていますからどうなのか、確かに支援費制度は始まったば かりなんですが、介護保険の議論の中では実はずっと十年以上残された課題としてある んですね。ただ、その当時委員としていたのは私ども少ししかいませんので、今新しい 介護保険部会の方々は皆さんその介護保険制度ができてから入られた方ですので、難問 がふりかかってきたという気持ちで受け止める介護保険部会の審議会のメンバーもいら っしゃるかもしれません。  しかしこれはこれで一つ、在り方論としても、とにかく社会全体で介護サービスを支 えよう、年齢や障害の区別なく支えよう、しかも地域で支えようという考え方が介護保 険のベースにあるわけですから、その論理で本当はもうちょっと幅広に見直してもいい のですが、しかし今のところはまだこちら側の意見を十分伺ってから我々も議論しまし ょうというスタンスであるということでございます。 ○広田委員  厚労省の事務方にお願いがあります。一点は、いわゆる地方自治体の中の障害者計 画、精神障害者の施策が入ってないということは、とりもなおさず精神障害者本人の委 員が入ってない。これを入れるように行政指導をしていただきたい。先日も岡山県に行 ってまいりましたが、施設を配置するにあたって利用者の声を聞いてないという現実が あるんですね。それは日頃からいわゆる障害者本人を施策策定のさいの中に入れてない 姿勢ではないかと思います。  それから二点目は、今日出ている資料なんですが、ここに医療1.7兆円、精神入院1.3 兆円と、これは345,000人の入院費だなということはわかるのですが、この精神通院 4,000億円というのは私はわかります。精神保健福祉法の通院公費負担とか、いわゆる そういうものだということを、でもこれをわかりやすく書いておいていただきたい。こ の中でどれだけが通院のお金で、どれだけがデイケアなどのお金かということを分けて おいていただきたいということと、今度はいわゆる障害保健福祉部予算の医療とか福祉 とか、いろんなものが出てきますから、これがどういう形でつながって、どのお金がど うなっているのかということをわかりやすくだしていただきたい。  それかとさっき江上さんが4月22日のお話をされていましたが、私はこの国の委員に 入るまで厚生省は何をやってるんだということをこの国の精神医療の被害者としてずっ と神奈川で考えておりました。でもここのところの厚生労働省の障害保健福祉部は本当 に寝ているのかしらと思うぐらい一生懸命やっていることはマスコミも了解していて、 この間の4.22をかなり好意的に国も何とかしたいという形で書いてくれたり報道して ますから、ぜひ私たちも激励したいと思います。 ○京極部会長  それでは次は笹川委員お願いします。 ○笹川委員  この財源問題はこれからの障害者福祉にとっては最も重要な問題だと思います。今ま での議論を伺ってますと、介護保険部会はあまり歓迎はしない、財界は反対、そしてご く最近は市長会も今の段階で介護保険と統合することには反対ということでございま す。そういうことからすれば、今ここで介護保険に統合するということは非常に問題が ある、難しいというふうに私は判断しています。  そこで支援費制度をどうするかということになるわけですが、私は今回のこの100億 円以上の赤字、これは本当に部長さんはじめ担当の皆さんも死ぬ思いで確保されたと思 います。その点については感謝を申し上げますが、前任者が立てた計画、それが極めて 杜撰だった、その結果がこういうことになったわけです。国の予算全体から見て100億 円というのがそれほどに大きな問題か。たしかに集められるのは大変だったと思います が、正確な計画できちっとした予算をとっていれば、そんな大きな騒ぎにはならなかっ たと思います。  ですから私はせめてここ1〜2年、あるいは3年、支援費制度というものを現状のま ま維持することを考えていただきたい。ただ、財源という問題がありますから、今のま まの形で継続するということは、これはかなり難しいと思います。ですから支援費制度 の中の経費の見直し、特に単価の問題などはもう少し検討する必要があるのではないか というふうに思います。  聞くところによりますと事業者によっては大変収益を上げているところもあるという ふうに聞いております。福祉の事業をやって儲かること自体がおかしいのです。ですか らその辺は厚生労働省は思い切って正確な判断をしていただきたい。そして本当に我々 障害者が安心してこの制度が利用できるような方向へぜひもっていっていただきたいと いうふうに思います。いずれにしても今の段階で統合ということは私は非常に難しいと いうふうに思います。以上です。 ○福島委員  議論をお聞きしていて少し違和感を持っております。これまでの議論の経緯は伺って おりますので、それぞれの御発言はごもっともだと思うんですが、やはり一方で皆さん もどこかで違和感をお持ちの方もいらっしゃるのではないかなと思うんですね。それは 税か保険か、介護保険か支援費かということを考えた時に、確かに一つには理念的な問 題、すなわち障害者の基本的人権を尊重するのは税でやって、保険の論理には馴染まな いという議論がまずあるのですが、そんな原則論的な議論は横に置いておいたとして も、私たちがここにいるのは本来は一人一人の障害者の幸せ、自立と社会参加に代表さ れる様々な生活上の機能を発揮していく、生活をエンジョイしていくということを実現 することが私たちの目指す目的だと思うのですが、その時に財源問題でありますとか、 あるいは制度を走らせるためのエンジンがない、ガソリンがないといった議論に何かど こかそぐわないものを感じるわけです。  もちろんガソリンがないと車は走らないし、お金がないと制度が動かないということ は確かなんですが、そもそも私たちがこの部会で託されている役割とは何なのか。私た ちは財政当局でもなければ、税に関する法律も含めた立法府に属するものでもない。私 たちの役割は一人一人の声なき声を含めて生きている全国の障害者、あるいはその関係 者の声を代弁するためにいるだろうと思うんですね。  そういう時にAとBという二つの制度がある、Aという制度を使っていると将来がな い、財源が怪しい、だからBという制度にした方がいいよという議論はそもそもおかし いのではないか。そうではなくてどんな制度、どんな仕組みが一人一人の障害者にとっ て意味があって、使い勝手がよくて,そして生活の中で無理なくその制度を利用できる のか、それをギリギリ考えるのが私たちの役割であって、その制度を運用するためのガ ソリンをどこからとってくるかというのは、私たちが考えるべきことではないのではな いか。  だけどそういう論理のレベル、次元の異なる問題が導入されて、そして最終的にはお 金がないと何もできないんですよ。お金がないということはサービスの量が減っていい んですかという議論になってしまって、最終的には沈黙せざるを得ないという構図はや はりおかしいだろうと思うので、たしかにお金がないと何もできないことはわかっては いるのですが、だけどもあえて私たちはギリギリいっぱい、一人一人の障害者や家族や 関係者にとって使いやすい制度、仕組み、生きていて良かったと思えるような、そうい った生活を実現するための仕組み、それを考えることが大事であって、そのために必要 なお金がないという問題はとりあえず分離して考える、その上で最終的にはどう統合す るかということも考えるのは第一義的には私たちの役割ではないのではないかと思って います。そのあたりをやはり切り離しながら考えないと、お金の問題がちらついてしま って及び腰になってしまうというのは本来おかしいだろうと私は思っています。以上で す。 ○京極部会長  今日は財源構成の問題なので、特にその議論が強く出たのは否めないと思いますが、 今まで議論したのは金の問題で議論していたわけではなくて、障害者施策を全体として 考えて、就労支援とか住まいの在り方等も含めて、障害者が地域社会でどう生きていく のかということで政策全体を見直そうということで、その一環の中に介護サービスがあ るということですので、今日は財源構成についてということであえて御意見をいただい ております。  確かに介護保険をどうするかとなった時には、もちろんお金の問題だけではなくて、 理念ですね、この介護保険の理念について、どういう理念のもとで作られたか、原点の 話を松友委員がされましたが、原点の中には障害者介護は当然入っていたわけですか ら、実際上それを実現する段階でちょっと時期尚早であるということの結論が出たとい うことです。 ○高橋(紘)委員  これはちょっと難しい注文かもしれませんが、三点ほど資料をお願いしたいなと思っ ていることがございます。一つは、自治体で財源がどうなっいるかということについ て、これはいくつかのモデルがあろうかと思うんですが、急速に伸びているところとそ うでないところ、これはもちろん都道府県もそうですし、市町村もそうですが、いくつ かモデルで少し財源状況がどうなっているか、要するに国の話ばかり出ているのです が、実は自治体がある意味では一番直面して問題になっているので、そこらへんの状況 がわかるような資料が、どういう形で作れるかは決算が終ってないので難しいとは思い ますが、例えばいませめぎ合いが財政当局とあるという話はいろいろな自治体で聞いて るんですね。全部15%カットにしよう、それで支援費だけ15%10%伸ばすのは何事だと いう議論で、本当に苦労している苦衷をいろんな自治体から聞いてますので、そこらへ んの状況がわかるような資料があればいただきたい。どういう形で作れるかはわかりま せんが。  もう一つは、障害者の、ここで給付費ベースの話が出ていますが、やっぱり整備費ベ ースの議論、要するに施策基盤整備ベースの議論でお金がどうなっているかというの は、まだ議論がきちんと出てないなという感じがしますので、それは出せるのか出せな いかわかりませんが、そこらへんの議論が欲しい。  それからもう一つは、ここには障害年金は入っていますが、生活保護関係の話は入っ てますか、入っていませんか。入ってないように見えるんですが、実は障害者の経済的 な、当然負担増の問題があると、今までは平均でいろいろ議論されていますよね。要す るにそういう意味では分布も含めてどういう生活、これもはっきり言えば障害者の所得 調査というのは残念ながらきちんとしたものを私は見たことがないというので、厚生省 もないんだろうと思うんですが、そういうことを含めた資料はあるのかないのか、そこ らへんのことをぜひ、生活保護等も含めた資料をお出しいただけるかどうかのお願いで ございます。以上です。 ○京極部会長  時間が来ましたが、関連して基礎自治体の唯一の委員でございます亀井委員の方から お願いします。 ○亀井委員  時間がございませんので簡潔に申し上げます。ただ、ちょっと誤解がないようにとい うことで、先程笹川委員から市長会が統合に反対だということをおっしゃいましたが、 部長、どうですか? これは反対の要請を出したという事実はありますか。 ○塩田部長  先般、市長会から要望書をいただきましたが、その中では、慎重に検討する必要があ るという表現でございます。 ○亀井委員  そうですね。頑張っている自治体からしますと、この支援費制度をあと7年間継続さ せていくということは非常に難しいなという部分もあるわけですね。我々はサービスを 低下させたくないという思いがありますから、その中で財源をどうしていくかというこ とを議論していくべきだというふうに思っているんです。 ○京極部会長  それでは県の立場で堂本委員、お願いします。 ○堂本委員  先程からもっとデータが欲しいとおっしゃいましたが、私はやはりきちっとニーズを 把握する必要があるというふうに考えています。それがないと今のところではどういう 形でやるのがいいのかということがわかっていないという気がするので、ぜひそのその ニーズをきちっと把握する作業を市町村がやるべきだろう。なぜならばやはりこれから 地域という言葉にこだわっておられた方もおられましたが、いろいろな形で高齢者も障 害のある方たちもできるだけ地域で、それぞれの方らしく生きていく場づくりをしてい くためには、市町村がそのためにはどのような形でどういうニーズがそれぞれの地域に あるかということを把握する必要があるんだというふうに思います。  それから私はちょうど介護保険が決まる時には与党の国会にいたのですが、この時に やはり障害者団体の方でも大変慎重でいらっしゃいました。今やっとこういう時期にな って、本当に介護ということで高齢者と障害者の介護は全く違うということはもちろん で、高齢者の介護の中に障害者が入っていくということではないと思いますが、財源と いうことだけで考えた場合には、やはりこれから障害者の方たちが財源が足りなくなる ようなシステムにならないように十分に考えていく必要があると、当時のことを考えて も今もう一度思っております。それは若い時からきちっと保険をみんなが納めるという 形で実現が可能なのだろうというふうにも思っております。以上です。 ○京極部会長  時間が来ましたので、積み残しの議論は次回も引き続き行ないたいと思いますので、 今日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。最後に次回の日程について事 務局より御説明をお願いいたします。 ○間企画課長補佐  次回は、ただいま自治体の御立場からの御発言もありましたが、全国知事会、全国市 長会と全国町村会から、財源の在り方も含めた施策の在り方につきまして意見陳述をし ていただき、また質疑を行なっていただきたいというふうに考えております。あわせて 君塚委員からの御意見の発表のお申し出がございますので、お願いをしたいと思いま す。そして今回の続きの議論をお願いしたいと考えております。  次回は5月17日(月)午後から、おそらく今日と同じような1時からというのを予定 してございますが、厚生労働省18Fの第22会議室において開催をさせていただきたいと 考えております。現時点での出欠状況がおわかりでしたらお手元にございます出欠表に 御記入をいただきたいと思います。なお、詳細につきましてはいつも通り、後日事務局 より連絡をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 ○京極部会長  以上で本日の部会を終了いたします。どうもご協力ありがとうございました。   (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3017)