04/03/19 薬事・食品衛生審議会平成16年3月19日(金)血液事業部会議事録           薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録 1.日時及び場所   平成16年3月19日(金) 10:00〜   厚生労働省専用第18〜20会議室 2.出席委員(17名)五十音順   池田 康夫、 大平 勝美、 岡田 義昭、 小幡 純子、   川西  徹、 清水  勝、 白幡  聡、 田中  滋、   中村 雅美、 花井 十伍、 比留間 潔、 幕内 雅敏、  ◎溝口 秀昭、 三星  勲、 宮崎 久義、 森 眞由美、   吉澤 浩司   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(5名)五十音順   倉田  毅、 櫻井 秀也、 高橋 孝喜、 平澤 博之、  ○水柿 道直  他参考人2名 3.行政機関出席者   阿曽沼 慎司(医薬食品局長)、鶴田 康則(大臣官房審議官)、   吉岡 荘太郎(総務課長)、  小出 顕生(医薬品副作用被害対策室長)、   平山 佳伸(安全対策課長)、 金井 雅利(血液対策課長)、   浦山 隆雄(血液対策企画官)、藤井  充(疾病対策課長)  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○血液対策課長  それでは委員全員おそろいになりましたので、ただいまから平成15年度第5回血液事 業部会を開催いたします。本日は公開で行うことになっておりますので、よろしくお願 いいたします。本日は委員22名中17名の御出席を頂き定足数に達しましたので、薬事・ 食品衛生審議会令第九条第1項及び第3項により本部会が成立したことを御報告申し上 げます。この後の進行につきましては溝口部会長、よろしくお願い申し上げます。 ○溝口部会長  それでは議事に入りたいと思います。今日の議題はその他を含めて六つございます が、まず議題1は「平成16年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)について」でご ざいます。これは血液法の規定によりまして、厚生労働大臣の諮問を受けて策定される ものでございます。2月24日に開催された需給調査会で了承されたものがこの部会に上 程されてきております。皆様の御意見を頂き、この部会としての意見をまとめていきた いと思います。それでは事務局から御説明願いたいと思います。 ○事務局  それではお手元の資料B、「平成16年度の血液製剤の安定供給に関する計画(案)につ いて」で御説明させていただきたいと思います。まず1ページを御覧いただきたいので すが、今溝口部会長よりお話のありましたように、本件に関しては審議会の方に大臣か らの諮問、答申を受けて行うということになっておりますので、その諮問書でございま す。  3ページを御覧いただきたいと思います。こちらが本日お諮りいたします需給計画 (案)でございます。まず「前文」といたしまして本計画の位置付け、そして「第1 平 成16年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量」でございます。こちらについては 後ろの方のページに「別紙表1」というところがございますので、後ほど御覧いただき たいと思います。  続きまして、「第2 平成16年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液 製剤の種類及び量の目標」については、「別紙表2」というところにまとめてございま す。こちらの方も御覧いただきたいと思います。  「第3 平成16年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」については、実は前回こ の部会で平成16年度は108万リットル確保するということで御了解いただいたところで ございますけれども、こちらについては本日下方修正ということでお諮りさせていただ きたいと考えております。この件につきましては11ページを御覧いただきたいと思いま す。先ほど御説明いたしましたように、平成15年10月の時点では平成16年度の目標量は 108万リットルということでお諮りさせていただいたわけでございますけれども、「1. 変更の理由」を御覧いただきたいのですが、基本的に昨年の需給の見込みを基に各メー カーの方から平成16年度はどういう形でそれぞれ原料血漿が必要かということに基づい て、この108万リットルという数を設定したところでございます。しかし、その後メー カーサイドから予想される血液製剤、血漿分画製剤の製造量について下方修正したい と。こちらの方に理由がありますけれども、現在相当の在庫があるということでござい まして、基本的にはこの血漿分画製剤の使用量そのものが前回希望を聞いた時点で予想 したものよりも少ない量になってきているという現象が起こっているということでござ います。  ただ、この現象につきましてはいろいろと原因は考えられております。例えば昨年7 月30日の血液法の施行等を受けまして、現在医療機関においては血液製剤を使う際に、 各患者さんに対してインフォームド・コンセントをしていただいている状況でございま す。また、昨年来いろいろと血液に関する報道が相次ぎまして、そういったことも少な からぬ影響を与えるのではないかと予想されているところでございます。ただ、やはり この現象が一過性のものなのか、あるいはこれから経年的に傾向として現れてくるもの か、現時点においては多少判断材料がないという状況でございます。ただ、現在の状況 におけるこの原料血漿の確保目標量については、メーカーサイドで予想されている108 万リットルを製造しても在庫になるという見込みになっておりまして、そういった点を 勘案いたしましてこの需給計画における確保目標量については94万リットルということ で下方修正したいと。この差引きの14万リットル分につきましては、現在いろいろと輸 血用製剤の安全対策を行う上で、日本赤十字社の方においてFFPの貯留保管を実施し ているという状況にございます。ただ、こちらの方も出と入りを調整してその差をため ているという状況で、本年1月の段階で2か月、日本赤十字社の目標としては平成17年 度中に6か月間の貯留保管に向かって現在努力しているという状況でございます。した がいまして、主にその際の貯留保管に回すFFPという形で、この14万リットル分の差 を吸収していただくということで考えております。  特にこの確保目標量につきましては各都道府県に対してもその目標量を示し、来年1 年また集めていただくことになるわけでございますので、傾向ということで下がってい ればいいのですけれども、一過性の現象という場合はいったん下げた目標量をまた上げ ていかなければいけないということで、地方においても大変混乱を起こす可能性があり ます。したがいまして、この需給計画上の確保量は94万リットルなのですけれども、全 体の確保そのものは108万リットルそのままにさせていただきたいということで、本日 お諮りさせていただきます。一応これが確保目標量の設定の件でございます。  そして「第4 平成16年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目 標」につきましても、ただいまの94万リットルをベースに計算しているという状況でご ざいます。  それから「第5 その他原料血漿の有効利用に関する重要事項」の「1.原料血漿の配 分」については、まず平成14年度、15年度の配分見込量を勘案いたしまして、51万リッ トルという量を各メーカーに対して提供するような形で計算していきたいと考えており ます。最終的に来年度の原料血漿の引渡価格については、その二つ下の「・」でござい ますけれども、原料血漿の標準価格といたしまして凝固因子製剤用が13,150円/L、そ の他の分画用が11,970円/L、PII+IIIペーストが50,580円/kg、PIV-1ペーストが 15,200円/kg、PIV-4ペーストが15,900円/kgという価格、そして製造業者に渡す血漿 の量についてはそこに記載してあるとおりでございます。  この原料血漿の価格を決めた経緯についても御説明させていただきたいと思います。 19ページを御覧いただきたいと思います。まず原料血漿そのものの標準価格の考え方で すけれども、来年引き渡す配分量については先ほど申し上げたように、平成14年度の配 分実績と平成15年度の配分見込量の平均値51万リットルをベースに考えさせていただい ております。価格の算定方法でございますけれども、日本赤十字社においてこの51万リ ットルを各社に配分するために必要な経費を積み上げまして、この経費の総額を51万リ ットルで割り算をし、なおかつこれに5%の消費税を加え1リットルの単価とするとい う形をとらせていただいております。  この算定の根拠となる必要経費の総額をどういう形で出していくかということです が、入手可能な最新のデータを使用することといたしまして、基本的には採血時に必要 な採血バッグ、針、その他キットといったものの材料費、そしてNAT等の検査費用も 積み上げます。そして日本赤十字社から各メーカーの方に配分するために必要な輸送 費、また原料血漿についてはマイナス2℃以下で保管しておりますのでその保管経費 等、こういったもろもろを足し合わせたものを使うということで、基本的には日本赤十 字社の方から入手したデータで行っております。  ただ問題となりますのは、我が国においては原料血漿用と輸血用の血液を分けて採取 しておりません。一応現場ではどちらにも使える形で採血を行っておりますので、その 部分の原価をどういった形で切り分けていくかというところで多少難しい点がございま す。そういうことで、私ども今回考えさせていただいたのは最終的に出来上がった製 品、例えば400mLの全血採血をした場合に2単位のMAPと240mLの原料血漿が採れるわ けで、これを現在の薬価あるいは標準価格によりまして価格を出して、その割合で掛か った費用を案分させていただくという手を採らせていただいております。そこに案分の 例ということでお示ししておりますけれども、今申し上げたように全血400mL採血から はMAPと血漿が採れるわけで、それぞれ薬価に直すと11,504円がMAP、そして240 mLの血漿の値段は3,161円ということになります。ですから、薬価で見ると全体に占め る血漿の割合が21.6%になりますので、日本赤十字社の方で出していただいた材料費の 単価の21.6%を原価として考えるということでございます。  それから、これは材料費ばかりではございません。日本赤十字社の方では一定の数の 職員を確保して作業等をやっていただいているということ、あるいは各センターの運営 費、光熱費といった点も勘案いたしまして、考え得る必要経費を使って、計算式の上で は「Σ」という形をとっておりますけれども、各経費を足し合わせたものを51万リット ル(A)で割り算して1.05を掛けるというものになっております。  そして細かい計算表については、お手元に「読後回収」という赤い表紙の資料がござ いますが、こちらは先日開催いたしました需給調査会の方に提出した資料をそのまま提 示させていただいております。1ページをめくっていただきますと、この原料血漿配分 標準価格の算定根拠となった数値を記載しております。あと2ページを御覧いただきた いのですが、細かい計算表で恐縮でございますけれども、まず「I 材料費に占める原料 血漿分の割合」ということで、それぞれ材料費ごとの案分をどのようにして決めたかと いう計算表でございまして、一番上の「全血」のところを見ていただければ、先ほど申 し上げたような形で計算した21.6%という数値が出ております。したがいまして、「P C」ということで血小板の場合はこの割合が4.2%、また「PPP」と書いております 成分採血の血漿については、基本的にすべて原料血漿に使えるということで100%材料 費の積み上げをしているという状況です。  これに対して材料費のもともとの細かい積み上げについては、後ほどの「内部検討用 資料」ということで日本赤十字社の方から3ページ以降に何枚か、それぞれの採血方法 別に頂いておりますので、それをベースにやっております。ただ、NAT費用について は一律に積んであるのですが、採る血漿の量によって変わってくるということで、mL当 たりの単価が別途日本赤十字社より提示されておりますので、そちらの値を使っており ます。  材料費の方に話が戻りますが、これで材料費と通信費を足してNATを除き、(1)の 数値を掛けて原料分の材料費になっております。それぞれ採られている血漿量を基に1 リットル当たりの単価に割り返しまして、そして「配分割合」というところなのです が、今申し上げたように採血の方法によって単価が全く変わってまいります。したがい まして、どういう形でこの51万リットル分の行き先を決めるかということが問題になっ てくるわけですけれども、これについては前のページに戻っていただいて恐縮なのです が、「採血件数」ということで日本赤十字社の方でそれぞれ200mLの全血、400mLの全 血、そしてPC由来のもの、PPP由来のものということで件数が判明しておりますの で、この件数の割合で配分量を決めさせていただいております。したがいまして、その 「配分量」というところを見ますと、例えば「全血200」のところは配分量51万リット ル分のうちの10.5万リットルがここに由来するだろうという予想を立てております。こ れで単価と配分量が決まりましたので、掛け算をして足し合わせると一応材料費の費用 ということになるわけです。そしてNAT費用はそれぞれ採れる量が決まっております ので、単純に掛け算をして足し合わせるということになります。  そして「IV 人件費」のところを御覧いただきたいと思います。まず日本赤十字社内 部での事務経費に係る人件費でございますが、これは日本赤十字社の方から「管理供給 分」ということで人件費の報告を頂いております。ただ、これは必ずしも原料血漿ばか りではなく、他の事業あるいは輸血用製剤についてもこの方たちは働いているわけです ので、これからどの部分を見込むかというところが問題となるわけでございます。この 点については、現在日本赤十字社の方で原料血漿の引渡しによりまして何がしかの収入 を得ておりますが、全収入に占める原料血漿の引渡価格の割合が5.9%ということで報 告を頂いております。ですので、今のところの考え方といたしましては、その5.9%の 収入を上げるためにこの方たちが働いているということで、今回人件費のうちの5.9% を原価として積むという形をとらせていただいておりまして、この原料血漿分の値がこ こに書いてある管理供給分の5.9%になるようにしてございます。  ただ、あくまでもこれは血液センター以外の職員の話でございますので、採血ルーム 等における職員の人件費をどのように考えているかということでございます。日本赤十 字社の方からルームの費用ということで私どもに報告を頂いておりますけれども、人件 費については直接頂いておりません。そこでこのルームに掛かる費用のうちから材料費 と通信費、そして間接経費等を引き算したものを人件費という形で考えようということ で出しましたのが「採血関連」と。したがいまして、この費用には医師、看護師といっ た方々の人件費また事務経費等を含んだ価格がこちらに来るだろうと考えております。 これを足し合わせたものを「IV 人件費」のところに積み上げさせていただいていると いうものです。  そして「V その他費用」ということで、日本赤十字社の方においてはまず献血者受入 れのための様々な広報啓発にかかわる費用、あとセンターそのものを管理運営する費 用、研究費、又はこういったものに係らないその他の費用を使っているわけでございま す。先ほど申し上げたように、やはりこれらの費用についてはなかなか材料費のように きれいに切るわけにいきませんので、5.9%の収入を上げるのに必要だという考え方に 立ちまして、こちらも5.9を上げさせていただいているという状況でございます。  1ページに戻っていただきますと、こういった費用を積み上げて材料費総計、NAT 費用総計、人件費総計、その他費用総計ということで必要費用合計が出てまいりまし て、こちらを51万で割り1.05を掛けたものが先頭に載っている「平成16年度原料血漿価 格」になっているわけでございます。こちらを読み上げさせていただきますと13,144円 /リットルという値になります。ただ、10円未満については従前端数ということで切上 げで取り扱ってきましたので、今年も切上げで13,150円ということで、今回需給調査会 の方での御承認を頂いた数値でございます。今申し上げたのはあくまでも原料血漿の価 格です。  続きまして、その他の製剤については資料Bの22ページを御覧いただきたいと思いま す。まずその他分画用については、第VIII因子製剤を除いた後日本赤十字社の方から供 給されているということで、いわゆるそういった製剤ができないので多少安くなってい るというものでございます。これは現在平成15年度の価格が13,170円、その他分画が 11,980円ということですので、現時点においては先ほど申し上げた13,150円/リットル に現在の価格を掛けて割り返したもので11,961円になるわけです。  また中間原料については、以下の要素から標準価格を試算させていただきました。ま ずこの中間原料から製品がどの程度の収率でとれるかということ、そして製造量に占め る薬価の割合が何パーセントになるかということです。そしてこの製品の薬価に占める 原料血漿購入費の割合がどうなるかということ。最終的に引渡しにつきましてはリット ル換算ではなくてkg換算でお渡ししておりますので、単価を1リットルの単価からkgの 方へ換算するという形をとっております。  例えばということで、II+IIIの価格を見ていただきたいと思います。黒塗りになっ ている部分については「読後回収」の資料に付けておりまして、7ページを御覧いただ きたいと思います。それぞれどの程度の製品の収率が出るかということについては、各 社のいわゆるノウハウといいますか、企業秘密に属するということで、数値の読み上げ はいたしませんので目で追っていただきたいと思います。まずII+IIIから製品が1リ ットル当たりここに書いてあるグラム数とれるわけでございまして、これに現在の2.5 gの薬価が25,147円ということになっております。そして原料血漿購入費が大体ここに 書いてあるパーセンテージを占めておりまして、これはどれだけの予想生産量を売り上 げれば薬価になるかということと、これに必要な原料血漿の購入費が今幾ら掛かってい るかという現状でございまして、これを掛け合わせると。そして最後に原料血漿からリ ットル当たりどの程度とれるかを割り返したものを1,000で割って、これによってgか らkgへの換算を行っていると。こういった計算をいたしますと、ここにある50,573円と いう値になります。これと同様にIV-1の価格は15,191円という値になります。  そしてIV-4の原料価格につきましては、現状実はペーストとして供給していないの で価格が付いておりません。したがいまして、どういう方法を採るかということなので すが、まず日本赤十字社の方に一体幾らにしたいかという希望を聞いた値が15,894円に なります。仮にIV-4について同じ計算式で行いますと25,033円という値になるわけで、 やはりできるだけ国内自給の観点に立ちまして安い方の価格を採りたいということで、 こちらの価格については15,894円という日本赤十字社側の提示価格を採用してはどうか と考えております。したがいまして、これらを計算したものを先ほどの需給計画の中に 書き込ませていただいたという状況でございます。ですので、昨年との価格の比較をし ていただきますと、各価格とも10円あるいは数百円のレベルなのですけれども、平成16 年度については多少安い価格での配分でやっていただくということでいかがかと考えて おります。一応私の方からは雑駁ですが、以上で説明を終わらせていただきたいと思い ます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ただいま原料血漿の確保目標量あるいは配分、価格 について、いわゆる需給調査会で了承された案の御報告があったのですけれども、委員 の方々から何か御質問、御意見はございますでしょうか。特に確保量を108万リットル から94万リットルに減らすと。その14万リットル分を貯留保管の方に回していこうとい う考えであります。いかがでしょうか。どうぞ、幕内先生。 ○幕内委員  細かい計算法は非常に速く説明されたので全然よく分からないのですが、それはとも かくといたしまして、全血の値段、FFPの値段、濃厚赤血球の値段、それから原料血 漿の値段の算定法の基本的な概念というものが全くないのではないかと。今その御説明 はなかったわけですよね。費用が幾ら要るから係数を掛けて幾らという細かい御説明が あって、余りの早さに付いていけませんけれども、その辺の基本的な考えというのは最 も重要なところで、厚生労働省のフィロソフィーはどうなっているのかと思います。大 体普通血液を患者さんに売るときは100cc単位で計算されている値が書いてあって、業 者に売る原料血漿はリットル単位ですよね。いかにも値段が釣り合っているようですけ れども、それだけの差があるということを認識されますと、血液の値段そのものが全部 同じようにしてとっているわけですから、それをどのように国民に還元していくかとい う基本的なところの考え方が抜けていると思うのです。そこは非常に重要なところで、 ここではっきり血液の価格の付け方の基本的考え方を明らかにしていただきたい。費用 が幾ら掛かるからというのは結果の話であって、要するに最初にこういう施策で値段を 決めていくのだというところがなければいけないのではないかと思います。 ○溝口部会長  事務局、何かございますか。 ○血液対策課長  基本的にはいわゆる輸血用血液製剤については薬価の方で算定されておりますので、 その算定ルールに基づいて価格が決まっていると理解しております。ただ、ここでは日 本赤十字社から各製造メーカーの方に原料血漿等をお渡しする場合の標準価格を定める ということでございまして、この場合必ずしも輸血用にどの程度費用が掛かっている、 あるいは原料血漿の製造にどの程度掛かっているというのは、確かにまだ明らかではな い部分がございます。そういったものを今後日本赤十字社とも十分詰めながら、より精 度の高い計算方法にしなければいけないと考えておりますが、今回はできる限り得られ た情報に基づいて標準価格をお示ししたものでございますので、御理解をお願いいたし ます。 ○溝口部会長  幕内先生、どうぞ。 ○幕内委員  国民から見れば、厚生労働省の行政そのものが部署がいろいろ違うから値段の決め方 が違うのだということはよく分かるわけですけれども、それにいたしましても、原料血 漿と普通の輸血用血液との値段が6倍も7倍も値段が違うのでは非常に問題があるわけ です。これはだれがお考えになっても分かると思うのです。ですからその辺の値段が、 保険で幾らと決まっているからそれでいいのだと言うのであれば、輸血用血液に見合っ た原料血漿の値段の付け方をすべきであります。そんなに原料血漿を安くするなら、な ぜ輸血用製剤の保険の点数をもっと下げないのかというところが非常に疑問なのです。 各部署としては何々課、何々課のレシピではそれでいいのかもしれないけれども、血液 行政全体の中から保険も含めて考えますと、非常にアンバランスな値段の付け方だと思 います。あと幾らお金が必要だから幾らにするという考え方は、昔のソビエト連邦の毛 皮やキャビアの値段の付け方と全く同じではないかと思うわけです。原料血漿は廃棄品 ではありませんからその辺の基本的な料金の考え方が分かりません。国民のためを考え るのでしたら輸血を必要とする患者さんはたくさんいらっしゃるわけですから、輸血用 製剤の保険の点数をもっと下げるべきであると思います。そういう議論は省内ではどの ようにされているのでしょうか。 ○溝口部会長  事務局、何かございますか。 ○血液対策課長  基本的には先ほど申しましたように薬価の算定の考え方がいろいろありますので、そ れに基づいて保険局の方で適切にやられていると考えておりまして、大変恐縮なのです が、ここでは今度原料血漿の価格がどうかということでお諮りしているわけでございま す。この価格の決め方につきましては血液法に基づく基本方針の中に、掛かった費用あ るいは国際価格を参考にしながら定めるということで、例えば先ほど御説明しませんで したが、資料Bの32ページに「原料血漿価格(日米)の推移」ということで米国との比較 を載せております。平成14年まででございますが、ちょっと為替レートでいろいろ変動 するのは当然でございますけれども、例えば平成14年で見ますと米国の方が14,000円、 我が国の方が13,000円ということで、それほど大きな差はないと…。 ○幕内委員  それは全然説明になっていなくて、日本とアメリカの医療費は大体10倍違うわけで す。それでここに原価の値段だけを持ってきてこれで正当だという言い方は違うと思う のです。全然スタンダードが違うわけで、医療費そのものの値段が例えば一つの検査を やるのでも10倍違うわけです。ですからもしそれで比例計算するのでしたら10分の1で なければならないということになるわけです。 ○血液対策課長  いろいろ考え方があると思いますが、ここではあくまでも基本方針に基づきまして掛 かった費用をどうやって算定していくかをお示ししたわけでございます。その中に国際 価格との比較も当然考えなければいけないということがありまして、お示ししたわけで ございます。 ○溝口部会長  ほかの委員の御意見は何かありますか。この幕内委員の御発言も事務局の御答弁もす べてインターネットに公開されますから、その後国民の判断を仰ぐことにはなると思い ますけれども、ほかに何か考え方がいろいろあると思うのですが。どうぞ、清水委員。 ○清水委員  今の議論は大変根の深い話で、ここで議論しても結論が出る話ではないと。私自身が 承知しているのは、そもそも献血というのは一体どのくらい金を掛けてやるべきものか というところから始まってくるような議論はなかったと思うのです。献血というのはほ かのものに比べればかなり割高につくというのが、やはり一般的な我々の共通認識では ないかと思うのです。だからといって幾ら金を掛けてもいいというわけにいかないので す。ただ、今までの経緯を見ていますと、昭和40年ごろから始まった献血に一体どのぐ らい金が掛かるのかということは多分当初あったのではないかと思うのです。そのころ のことは私は全く知らないのですけれども、その後の歴史的な経緯を見ておりますと、 日本赤十字社の血液センターを中心とした血液事業の運営で、赤字が出るとそれを補て んするために血液の保険薬価を上げていったということで、今先生が言われるようにい ろいろな原価計算等をして幾らぐらい金が掛かるのかという議論は多分なかったのでは ないかと思うのです。したがって、その結果としてこういうことになっておりますの で、これからコスト計算等をいろいろきちんとやっていくということになるならば、今 先生の言われたような根本的な問題を踏まえた議論をすべきかということになろうかと は思うのですが、今この議論をしていたら恐らくこれから24時間通して1か月議論して も多分結論は出ないのではないかと思いますので、私はこの辺でやめておいた方がいい のではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○溝口部会長  経済の専門家も何人か委員にいらっしゃるので、最後にその辺のコメントを伺いたい と思うのですが、いかがでしょうか。 ○田中委員  幕内先生は二つの問題を提起されました。そもそも総費用を補てんする考え方がいい のか、ソビエトではないかと、正にそのとおりであります総費用を補てんする方式には コストを引き下げるインセンティブはないわけです。ですから総費用補てん方式の場合 には、別途コスト引下げのインセンティブを何か設計するのが今の普通の公益料金の決 め方です。電力などの公益料金は全部費用積み上げ方式で決めるとどうしても高止まり してしまうし、過剰な品質といいますか、いろいろ過剰な人員を置いたりして、それが 全部費用だから価格を上げる理由になりますので、最近ではそういう独占価格の決め方 のときにコストを下げるインセンティブを別途入れる方が普通ですが、この世界ではま だそこまでは行っていないようです。  それから二番目の問題点は総費用の案分方式で、一部人件費等は売上高比で使い、材 料費については薬価比を使っている。本当は材料費のところも薬価の比率ではなくて、 費用がそれぞれどういう具合で、輸血の場合と原料血漿の場合でどのぐらい手間が掛か っているかとする方がまだいいのですけれども、薬価という人為的なもので分けてしま っているからおかしい点があります。しかし、これはどちらが正しいか、どちらがコス トパフォーマンスがいいかと、いろいろな視点で見なければなりません。何かが間違っ ていて何かが正しい配分基準がこの世にあるわけではなくて、どちらの方が相対的に私 たちが納得できるかです。したがって、もしこの点を本当に研究するならば、やはりこ こで出された一つの案だけではなく、別の案によればこうなると、では皆さんどちらを 選びますかという決め方をしないといけない。これは絶対違っている、これは絶対合っ ている案分方法は経済の世界にはありません。ですから、これをひっくり返す議論では ないですが、より妥当な方法は例えば委員会の前に二つの案が出ていて、こちらの配分 方法を使うとこうなります、薬価比を使うとこうなります、どちらの方が社会的に納得 できるでしょうかのようにするのが正しい議論です。今回今からしろと言っても無理な ので…。 ○溝口部会長  大変大きな問題で、幕内先生のおっしゃる意味もよく分かりますが、需給調査会でこ こをもっと徹底的に検討していただいたり、あるいはもう一つ血液製剤の供給体制の委 員会がございますが、そこでもやはり価格の問題をどうするかということを含めて議論 していただいて、今後上げていただくことが必要なのではないかと思います。ここで議 論してもなかなか、決を採るのもどうかと思いますが。どうぞ。 ○大平委員  今のお話と少し違うことなのですけれども、原料血漿の配分のところでは各国内メー カーに対して配分量とか見込量がここに出ております。それでは血漿分画製剤も造って いる日本赤十字社では、中での配分はどうなのでしょうか。そういうものがここに表示 されて、日本全体で原料血漿がどのように使われて、血漿分画製剤分にどういう割合で 使われているかということがより分かりやすくなると思います。多分日赤は日赤の中で 対処されているような感じに見えてしまうので、ここは原料血漿分の問題として内部の 配分についてもクリアにしていただきたい。日本赤十字社の献血血液を業者に配分する ということですが、多分日赤は日赤で中で流れているような感じに見えてしまうので、 ここはきちんと原料血漿分の問題として、日本赤十字社の内部でも多分原料血漿の売渡 しが行われているのではないかなとは、ちょっと分からないですけれども、そういうこ とをしないとやはり合理的ではないのではないかと。日本赤十字社の献血血液をこの業 者に配分するということですけれども、日本赤十字社でも中で工場として血漿分画製剤 を造っているわけなので、そこでのきちんとした区分けなどが明示されてしかるべきで はないかと。今日の資料を見ますとそこがよく見えていないということがあります。 ○溝口部会長  分配のことなどもここで議論されることになって、今までよりは大分変わったと思う のですが、先生のおっしゃるのは日本赤十字社内のことです。事務局、これは何かお話 がありますか。これはちょっと今後の問題ですが。 ○事務局  基本的には後ほどまた御議論いただくことになるかと思いますが、今の血液事業でい ろいろと見えにくいものがあるということで、今後様々な情報を表に出していきたいと いう中で今言ったようなお話も併せて、採血したものがどこにどう流れていっているの かについても検討させていただきたいと思います。 ○溝口部会長  幕内先生、どうぞ。 ○幕内委員  これはやはり局長クラスとか審議官その他、要するにトップレベルが集まって調整を していただかないといけない問題ではないのでしょうか。この問題は厚生労働省全体の 問題としてとらえていただいて、清水先生がおっしゃったように非常に長い歴史があっ て、ここでやると多勢に無勢で私が負けてしまうのはよく分かりますけれども、国民か ら見て不公平感がないかというのは非常に重要だと思うのです。普通の患者さんが血液 を輸血される場合には、200ccや400ccで11,000何百円取られていて、業者さんに売ると きは1リットルで13,000円であると。これではどう見てもソビエトの値段の付け方です よね。業者保護では非常に困るのです。こういう事実は国民の献血意欲をそぐと思うの です。国民感情をよくお考えになって、やはりトップレベルでよく対策を立てていただ きたいと思います。以上です。 ○医薬食品局長  御指摘のとおりだと思います。血液事業の中で安全対策が一番重要なのですけれど も、その次に重要なのがやはり価格や数量という事業そのものの永続性をどう保てるか という部分だと思うのです。その部分については、やはりもっと根本に立ち返って議論 していかなければいけないのではないかと思っています。今までもお話がございました ように、輸血用血液製剤の価格については過去の長い経緯があって今の価格になってい るわけですけれども、それぞれ血液製剤の価格が本来はどういう水準であるべきかとい うのは、原点に立ち返って議論をすべき時期に来ているので、厚生労働省としても全体 の血液事業を見直す中で真剣に検討していきたいと思います。 ○溝口部会長  以上局長のコメントで何か結論を得たような気がしますが、それでは今の需給調査会 からの案をお認めいただけますでしょうか。ではそういうことでありがとうございまし た。今後需給計画を大臣が告示するに当たりまして、法令的な観点から審査を経ること になります。そこでの修正につきましては私部会長に御一任いただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。  それでは議題2、「平成16年度の献血の受入れに関する計画(案)の認可について」に 移らせていただきます。資料Cでございます。これは血液法の規定によりまして採血事 業者が作成し、厚生労働大臣が認可するものですが、許可をするに当たってはこの審議 会に諮問することとされています。皆様の御意見を伺い部会としての意見をまとめ、答 申したいと思います。なお本日は日本赤十字社から参考人として、事業局血液事業部次 長の沼田芳彰さん、それから事業局血液事業部次長の山中烈次さんをお呼びしておりま す。参考人の皆様、発言席へお移りいただきたいと思います。                ── 参考人着席 ── ○溝口部会長  それでは参考人から御説明願いたいと思います。よろしくお願いいたします。資料C でございます。 ○参考人  日本赤十字社血液事業部の沼田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委 員の皆様方には日ごろより血液事業の推進、運営につきまして御指導を賜り、誠にあり がとうございます。この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。  平成16年度献血受入計画でございますが、お手元の資料Cによって御説明させていた だきます。まず平成16年度献血受入計画の概要について、4ページをお開きいただきた いと思います。この平成16年度献血受入計画は、「安全な血液製剤の安定供給の確保等 に関する法律」第11条第1項に基づき、採血事業者としての日本赤十字社が作成したも ので、その作成に当たっては同法第11条第2項の規定に従い、あらかじめ各都道府県の 意見を聴いて作成したものでございます。  目標量については必要とする血液を過不足なく安定的に供給するために、全血献血で 136万2,000リットル、血小板成分献血で31万2,000リットル、血漿成分献血で51万3,000 リットル、合計218万7,000リットルとなっております。都道府県及び市町村におかれま しては同法第11条第4項の規定に基づき、当該地域における献血受入計画の円滑な実施 を確保するため、必要な御協力をお願いいたしたく、よろしくお願い申し上げます。  次に平成16年度の広報活動の重点項目について御説明いたします。日本赤十字社が行 う平成16年度広報活動の具体的な取組としては、(1)国内の献血血液による「国内自給 」に向けての広報、(2)健全な献血者確保のための広報、(3)1年間を通して安定的に血 液を確保するための献血者確保のための広報、(4)若年層への献血思想及び普及啓発広 報の四つを重点項目として、年間を通した全国キャンペーンの実施及び地域に即した地 域別の広報を展開していく計画としております。なお、テレビ、ラジオ等を活用した全 国的な献血推進キャンペーンとしては、7月の愛の血液助け合い運動月間、12月の全国 学生クリスマス献血キャンペーン、平成17年1〜2月のはたちの献血キャンペーン、平 成17年3〜4月の献血者が減少する時期の広報としての春の献血キャンペーンを実施い たします。  さらに、輸血用血液製剤の安全性向上を図るため、8項目の安全対策を実施すること としておりますが、特に安全な献血の受入れを確保するため、検査目的の献血防止対策 の一環として献血受付時の本人確認の実施を行う予定としております。これは、「安全 で責任のある献血」の思想を御理解していただくために行うものでございます。実施に 当たっての方法や問題点を把握するために、今春を目途に大都市圏及び地方の血液セン ターで試行的に行い、全国展開を図ることとしております。  次に、「別紙1」の平成16年度に献血により受け入れる血液の目標量について御説明 いたします。5ページでございます。これは国並びに各都道府県の献血推進計画に基づ き作成したものであります。先ほど述べましたように目標量については全血献血で136 万2,000リットル、血小板成分献血で31万2,000リットル、血漿成分献血で51万3,000リ ットルの合計218万7,000リットルとなっております。これを献血者に換算いたします と、全血献血では390万人、血小板成分献血は78万人、血漿成分献血は113万人となり、 合計で581万人の受入れを予定しております。なお、この表の19の山梨県の血小板成分 献血量が「0」となっておりますが、これは下段の注釈に記載してございますけれど も、山梨県で必要とされる血小板製剤を採血の効率性を考慮して東京都での成分献血で 確保しているため、「0」と計上しております。ちなみに山梨県で必要とされる血小板 成分献血の目標量は約1,700リットルでございます。  次に6ページの「別紙2-1」を御覧いただきたいと思います。これは、平成16年度に 献血により受け入れる血液の目標量を確保するための各採血所ごとの目標量及び稼働数 についてでございます。この表の一番下の欄の合計に記載のとおり、血液センターの稼 働数は12,097、献血ルームの稼働数は37,864、移動採血車の稼働数は55,239、オープン 献血が2,050稼働であり、合計で107,250稼働と計画いたしました。年間の献血者数581 万人をこの107,250稼働で割りますと、1稼働当たり54人の献血を受け入れる計画とな っております。  次に7ページの「別紙2-2」は、平成16年4月1日現在の献血受入施設数等及び平成 16年度の献血受入施設整備予定についての資料でございます。平成16年4月1日現在の 献血受入施設数については、全国で75施設ある血液センターのうち45か所で献血受入れ を行っております。また、献血ルームは全国で117か所、移動採血車は313台ございま す。また、成分採血を行うための装置については2,351台保有しております。次に平成 16年度の献血受入施設整備予定でございますが、血液センターの新設及び休廃止の予定 はございませんけれども、献血ルームは新設3か所、休廃止3か所を予定しておりま す。また移動採血車につきましては1台を減車し、24台を新車に入れ替える予定にして おります。さらに、成分採血装置は献血ルームの拡張工事等に伴い、28台を増やし182 台を新たな装置に入れ替える予定にしております。  次に8ページからの「別紙3」でございますけれども、平成16年度に献血により受け 入れる血液の目標量を確保するために必要と思われる具体的措置についての資料でござ います。各センターの具体的措置については時間の関係で割愛させていただきますが、 各センターで計画している措置として比較的多いのは、年末年始等の献血者が減少する 時期には定休日を設けないで献血ルームを開く、それから献血バスの増車、受付時間を 延長する、各種キャンペーンを広く展開する、献血者登録制度の活用、また400mL献血 ・成分献血の推進等で献血者の確保に努めることを考えております。  少子高齢化が進んでいる中ではございますが、今後とも委員の先生方を始めとして 国、都道府県や献血協力団体、ボランティアの方々の理解と協力を頂き、年間を通じた 安定的な献血者の確保に努めていく所存でございますので、今後とも御指導のほどよろ しくお願い申し上げます。以上をもちまして平成16年度における献血の受入計画につい ての御説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明について御意見、御質問はござい ますでしょうか。どうぞ、花井委員。 ○花井委員  以前にも申し上げたと思うのですが、今の御説明だと目標量を確保するために必要と 思われる具体的措置についての資料は各センターが作ってきたもので、大体このような 施策が多いようだというお話だったと思うのです。献血というのは地域性も非常に影響 しますので、それぞれの地域に必要な施策はあると思うのですが、やはりどの施策がよ かったのか、どの施策は問題があるのかなどという評価を中央でした上で、いい施策は 今度全体化していくという仕組みが必要だと思うのです。現在のところ日本赤十字社の 本部の方で、このような各センターが上げてきた様々な施策を評価し、いい施策は全体 化する、若しくは問題のある施策はやめるという機能はあるのでしょうか。 ○溝口部会長  いかがでしょうか。 ○参考人  おっしゃるとおり献血の推進につきましては各地域の特性がございます。例えば東京 都内では、新宿の献血ルームで年間平均すると献血者が1日200人いらっしゃいます。 北海道の帯広にある献血ルームでは平均1日20人の献血者でございます。ですから地域 によって特性がございます。それでは本社として全国的にどのような指示を出している かということでございますけれども、例えば厚生労働省で開かれている献血推進運動中 央連絡協議会、又は各ブロックで開催されている献血担当者の会議、これらのときに各 地域がこのような献血推進施策をしてこのような結果になったという成功例を出してい ただいておりますので、それを全国に通知いたしまして、このような特性のあるところ はこういうことをやっていますと広く周知して、そのようなことを行うように指導して おります。また、健全な献血者を確保することが非常に重要でございますので、献血者 登録制の活用については毎年度指示をしております。また、去年のときもお話しさせて いただきましたけれども、全国の所長会議というものが年2回ございますので、そのと きに今年度はこういう方針で進むという基本的な活動方針を明示しまして、献血者の確 保に努めるということをしております。ですから、おっしゃるように今後もう少し指導 を強化して、一番成功的な献血推進施策を全国的に広める方法があれば広めていきたい と思っております。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。どうぞ、池田委員。 ○池田委員  花井委員のおっしゃることは非常にもっともだと思います。血液事業はナショナルプ ログラムですから、やはり国としてどういう方針を立てるかということで、日本赤十字 社の本社が事業者としてもう少しはっきり方針を明示すべきだと思うのです。今のいろ いろなデータを見て驚いたのですけれども、例えば山梨県の血小板は全くゼロで東京に ディペンドしていると。それは恐らく何らかの理由があって非常に有利だからだと思う のです。そうだとすれば、ほかのところにももっとうまく仕組みを作れば、日本全体と してはもっといい仕組みができるのではないかと。言ってみれば日本赤十字社の献血体 制の構造改革をすれば、恐らくもっと合理的に安い費用で献血量が確保できるようにな るのではないかと。  先ほど清水先生がおっしゃったように、我々は素人と言っては語弊があるのですけれ ども、献血は無償で頂くわけですから安く手に入るだろうと思います。ところが、一方 では献血は費用が掛かるのだと言っている方もたくさんいらっしゃるわけです。しかし それは非常に理解しにくいことであって、もし費用が掛かるのならばどういう仕組みだ から費用が掛かるのか、それをもう少し構造改革をすることによって、費用を掛けない で善意の献血を利用できるようにならないかということを、やはり日本赤十字社全体と して本社がリーダーシップをとって推進していくべきだと思います。今日はかなり詳し いデータを見せていただきましたけれども、例えば全く成分採血装置を持っていないよ うな県もある、あるいは本当に血小板を採っていない県もある、それでもある程度そこ でうまくいっているのでしたら、各県単位で任せるのではなくて構造を変えることによ って、この献血制度をもっと合理的にできるのではないかと非常に思ったわけで、是非 そういう方向で努力していただきたいと思います。 ○血液対策課長  ただいまの件につきましては、次の議題の総合対策の中に日本赤十字社の血液事業の 充実、強化ということがございます。組織を決めるのはあくまでも日本赤十字社でござ いますが、部会としての御意見があればまた我々としても伝えなければいけないとは考 えております。 ○溝口部会長  ほかにございますか。清水先生、どうぞ。 ○清水委員  今の御意見は私はもっともだと思うのですが、経済的な観点で一つ具体的なことを申 し上げますと、400mL採血が導入されて17〜18年たちますでしょうか、200cc1本と400cc 1本の採血に掛かる費用というのは余り変わらないのです。しかし、量からいきますと 200ccの2人分に相当しますので、むしろコストは半減するということがございます。 したがいまして、いろいろな問題があることは承知しているのですけれども、例えば福 岡県の200と400の比率を見てみますと、これは全国平均をかなり上回って400にシフト していると。一つの例として挙げますと、200cc採血を400ccの方にぐっとシフトするこ とによって、経費の節減はできるのだということがございます。そのような観点から、 将来の献血確保目標量をどのような採血によって確保していくのかということについて は、もちろんそういうコスト計算的なことも考えていることだとは思いますけれども、 もっと明確に打ち出した採血目標量を積極的に考えていくことが望ましい姿であろうと は思っております。 ○溝口部会長  非常に貴重な御意見ですが、あと議題が大分たまっておりまして、次の議題は非常に 重要であります。今のことを踏まえて事務局もこの意見を入れて、本計画の認可の手続 を進めていただきたいと思いますし、日本赤十字社におかれてはこうやって情報公開し て評価を受けて、それを基に改善あるいは教育していくということが必要なのではない かと思いますが、是非受入計画に基づく献血の受入れをよろしくお願いしたいと思いま す。よろしゅうございますか。どうぞ。 ○大平委員  後の議題になるのかもしれないのですが、花井委員がおっしゃったように適切に答え られていないのではないかと思うのです。それというのは、やはり各センターで積み重 ねたいろいろな問題点を中央ではどのように評価して…、ここに出てきているのはいい ことばかりなのです。それに対してのマイナス面などについての評価が出てきていな い。これは献血受入計画の目標量を定めるにおいてもいろいろな、例えば不的確な血液 があったとか、そういう採用されなかった血液の量ですとか、それが献血の全体量の中 でどのくらいの割合で起きているかとか、そういうことも明示して、ではそこで全体と してこの受入計画をどのように立てていくかという、リスク的なマイナス面でのいろい ろな要素がここには全然反映されていないのです。将来の問題かもしれませんけれど も、やはりそういうものもきちんと評価の対象にしていただきたいと思います。 ○溝口部会長  この新法ができてこういうことが明らかになったわけですから、今後の問題が大きい かと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。それではよろしゅうございます か。これをお認めいただいたこととして、まとめさせていただきます。  次に議題3ですが、「輸血医療の安全性確保に関する総合対策について」でありま す。これにつきましては事務局から本部会に対策全体のフレームワークが示されること になっておりますので、事務局から御説明願いたいと思います。 ○事務局  それでは資料Dを御覧いただきたいと思います。先日部会の方でも御案内いたしまし たとおり、今回坂口厚生労働大臣より輸血医療そのものの安全性を確保するために、又 は単に製品としての安全性を高める以外にもやはりこの血液製剤の特性を考えて、健康 な献血者の確保の推進、あるいは検査目的献血の防止、また医療機関においては血液製 剤の適正使用の推進、そして輸血後感染症対策の推進、こういったものを血液製剤の検 査製造体制等の充実に加えまして、いわゆる上流から下流に向かっての各施策を充実さ せるということ、またこれに対して総合対策として今後積極的に推進していく、これに 必要なフレームワークを今年度中にまとめるということで事務局の方に指示があったも のでございます。前回部会から安全技術調査会、適正使用調査会といったところの御意 見と各種団体からの御意見を踏まえまして、事務局の方で本日フレームワークとしてこ の部会の方にお諮りしたいと考えております。  まず、このフレームワークの考え方でございますけれども、輸血医療の安全性を確保 ・向上するため、健康な献血者の確保から輸血後感染症対策の推進に至るまで、各段階 における対策をフレームワークとして取りまとめたものでありまして、今後このフレー ムワークに従い総合対策を講ずるものとするということでございます。なお、一応施策 については短期間に実施するもの、また中長期の計画をもって対応しなければいけない もの、様々ございますけれども、「※」を付けた方策については、やはり直ちに実行に 向けた対応や検討に着手すべき項目であるということで、特出しをさせていただいてお ります。  まず「1.健康な献血者の確保の推進」でございますが、目的といたしまして、献血 者がAIDSやウイルス肝炎等の感染症に罹患しないような社会環境の整備を関係機関 等の連携の下推進するとともに、健康な献血者の確保に努め、献血血液へのウイルス等 の病原体(以下「病原体」という)が混入する頻度を軽減するということでございます。 主要な方策といたしまして、献血者に対する健康管理サービスの充実については献血受 入計画の方にも同様の記載がございますが、そういったことを充実させる。また、献血 制度の仕組みについての普及啓発を図る。それから先ほど大平委員の方からも御指摘が ありましたが、我が国における血液事業の現状に関する年報の発行ということで、様々 な血液事業に関する情報を分かりやすく年報として発行したいと考えております。ま た、継続的な献血制度の在り方を検討するにおいて、少子高齢化への対応も盛り込ませ ていただいたところでございます。  「2.検査目的献血の防止」は、感染直後のウインドウ期にある可能性のある者が検 査目的で献血することを防止することにより、病原体を有する血液の検査のすり抜けを 防ぐというものでございます。主要な方策といたしましては無料匿名の検査体制の充 実、また現在献血手帳を紙で行っておりますけれども、このIT化の推進、それから採 血時の問診を実施する医師の一層の資質向上、こういったことを図ってはいかがかと考 えております。  「3.血液製剤の検査・製造体制等の充実」ということで、採血時における病原体の 混入防止対策を充実するとともに、検査による排除や製造工程における不活化等の充実 により、安全性を確保するというものでございます。主要な方策といたしましては、日 本赤十字社における7項目の対策に現在身元確認をプラス1として8項目ですが、そう いったものを確実に実施していただくということ。また、現在安全技術調査会の方でパ ルボウイルス等の安全対策の検討をお願いしているところでございますが、こういった SE処理の効かないnon-エンベロープタイプのウイルスに対する安全対策を充実さ せていく必要があると考えております。  「4.医療現場における適正使用等の推進」に関しては、やはり輸血によるリスクの 存在を医療機関における関係者や患者等が正しく認識し、真に必要な場合にのみ投与す ることを徹底できるよう、医療機関の体制整備等の充実を図るということを目的として おります。主要な方策といたしまして、医療機関の血液製剤の適正使用及び安全管理に 必要な体制整備といったものについては、早期に対応に着手するということ。また、血 液製剤の標準的使用量の調査、適正使用ガイドラインの見直し、医療機関におけるこう いった輸血療法に関する管理を行っていただくことを目的といたしまして輸血療法委員 会の設置推進及び、現在その委員会がどういうことをすると明確に示しておりません が、その具体的活動内容等に関するマネジメント・ガイドラインといったものの策定に 着手するということでございます。  「5.輸血後感染症対策の推進」として、万が一輸血による感染症等が発生した場合、 早期に発見し早期治療に結び付けることにより、健康被害の発生を最小限に食い止める というものでございます。この主要な方策といたしましては、感染事故発生時の迅速な 情報収集と予防対策、また、輸血前後における感染症マーカー検査の在り方の検討とい ったことについて、早急に着手するということでございます。  今それぞれ概要を申し上げたわけでございますが、4ページを御覧いただきたいと思 います。それぞれの項目ごとに実施する内容と、こういった施策を充実させていく際の 関連部局を調整させていただいたものでございます。なお、一部字が読めないところが ございますけれども、これについてはまたインターネットに資料を掲載する際に調整さ せていただきたいと思いますが、その部分については先ほど御説明いたしました「4. 医療現場における適正使用等の推進」の部分、また「5.輸血後感染症対策の推進」と いうことになっておりますので、併せて御覧いただきたいと思います。  なお、本日私どもの方から具体的な施策としてどういうものが考えられるかというこ とで、まず5ページにございますが、先ほど来情報公開ということでおっしゃっていた だいている「血液事業報告」の作成についての案を添付させていただいております。基 本的にはこちらにございますように、血液に関するいろいろな安全性及び供給状況等に 関するデータを簡潔的かつ網羅的に掲載し、解説等も付けてこういったものを報告書と してまとめていきたい。できるだけ分かりやすい形、またインターネット等を活用して 広く御覧いただきたいと考えております。  また、日本赤十字社における取組については7〜8ページにございますので、参考に していただきたいと思います。  それから前回の部会で大平委員、花井委員からこの総合対策に関連してペーパーを頂 きましたので、本日も参考のため9〜10ページに掲載させていただいております。  また、日本輸血学会より坂口厚生労働大臣あてにこの輸血学会の見解ということで、 11〜13ページまで頂いたペーパーを掲載しております。それから当課課長あてに日本輸 血学会より、この医療機関における輸血管理体制の整備・強化に関して、医政局に対し て申入れを行ったという御報告を頂きましたので、その報告書を添付させていただいて いるところでございます。  また、検査目的の献血の防止ということで、現在私どもが取り組んでおります広報啓 発活動について29ページ以下、これはウイルス肝炎の検診に関係して政府広報を行って いるところでございます。この中においても、検診を受ける目的での献血は絶対にしな いでいただきたいということを併せて掲示いたしまして、現在検査目的の献血の防止に 向けて広報啓発を行っている現状について、資料を添付させていただいたところでござ います。一応私の方からは以上でございます。              ── 医薬食品局長退席 ── ○溝口部会長  どうもありがとうございました。続きまして今お話があった日本赤十字社の取組につ いて、参考人から御説明を願いたいと思います。できれば10分程度でよろしくお願い申 し上げます。 ○参考人  日本赤十字社の取組は8項目になりますけれども、この資料Dの7ページからになり ます。ただ、今回7〜8ページを見ますと落丁というのですか、ちょっと途中から印刷 が違いますので、そこは私の方から口頭で御説明させていただきます。では7ページを 御覧いただけますか。8項目の取組のうち、まず「1.遡及調査自主ガイドライン作成」 は既に安全技術調査会で2回お出ししております。そこで今議論をしていただいており ますので、その結果を待って進めていきたいと考えております。  それから「2.新鮮凍結血漿(FFP)の貯留保管」、1月30日から既に2か月間(60日) 保管したもののみを出しております。これを来年の10月には6か月間保管したもののみ を出そうということで進んでいるところです。  「3.輸血用血液の感染性因子の不活化技術の導入」も、今一社のメーカーのそうい う不活化剤を手に入れて評価、検討を行っております。結果が出るにはもう少し時間が 掛かるかと思っております。  「4.NATの精度向上」については、今プールサイズを50でやっておりますけれど も、20に縮小するということを決めております。  それから裏の8ページから印刷の方が抜けておりますが、「7.保存前白血球除去の 開始」も進めていくということで、今年の7月からは成分採血由来の血小板はすべて保 存前白血球除去、それもバリデーションの済んだものが出せます。現在もかなりフィル ターが付いたものの血小板が出ておりますし、そうでないものも出ておりますけれど も、バリデーションが取れておりません。ですから今度7月からは、どのバッグを取っ ても10の6乗以下であるというバリデーションデータの取れたものが供給できるという ことで進めております。  それから8ページの一番下の「8.献血受付時の本人確認の実施について」というこ とで、これも今のところ3月30日から東京、北海道、大阪で一部実施していこうと考え ております。試行しながらいろいろな問題点を洗い出して、それを全国に広めていきた いと考えているところです。  そのほかここの印刷で抜けていますのが、「5.医療機関での輸血後感染症に関する 全数調査」ということで、輸血を受けられて2〜3か月後に検査を実施すると。そして 陽性になった場合、輸血前の検体もその医療機関にとっておいていただいて、そこの因 果関係を調査していくということで、今三つの都道府県で実施しております。データは 少しずつ出ておりますけれども、まだ公表できるほどには至っておりません。  それからもう一つ、「6.E型肝炎ウイルス(HEV)の疫学調査について」というこ とで、ALTの高い血漿について厚生労働省の研究班と共にRNAと抗体の測定をして おります。その結果を見て、これを輸血用血液の検査として行うかどうかも含めて、こ れから評価が進んでいくという予定にしております。そこまでが八つの対応策になりま す。 ○溝口部会長  前回の部会でも日赤からそこまでの御説明を頂いていたので大体分かっております が、更にその後の進捗状況をお話しいただいたわけです。ただいまの事務局及び日本赤 十字社からの御説明につきまして何か御意見、御質問はございますでしょうか。森委 員。 ○森委員  医者の目から明らかに輸血で起きただろうと見られるような例があって、その輸血前 と輸血後の検体を調査に出して、また日本赤十字社の方でも調べてくださったのです が、恐らくそれは全例を調べたわけではなくて、その間に出した症例だけを調べてそこ にはなかったという結果で、これはこの方がもともと持っていたものがほかの治療で顕 在化したのだろうという御説明を病院には頂いているのです。ただ、私たちの立場から はどう考えてもこれは輸血としか思えないような例があるわけです。それは今後本人確 認ということで、ある程度より明らかになるのだろうとは思いますが、そういうことが あった場合に日本赤十字社ではなくて、より詳しい調査を依頼するとか調べてもらえる ような組織というのはできないのでしょうか。 ○溝口部会長  その辺はシステムとしてどうですか。日本赤十字社の問題なのか…。 ○血液対策課長  基本的にはやはり製造事業者自らが感染の実態を把握して、それをまた厚生労働省の 方にも感染症報告等あるいは副作用情報として上げていただくということになると思い ますので、輸血用血液製剤については日本赤十字社の方で努力していただく必要がある と考えております。 ○溝口部会長  そういう場合は戻っていって個別NATは陰性なのだと思うのです。それ以上更に感 度を上げてできるかという問題ですね。 ○森委員  そういうことと、恐らくその間にもう1回検査に来ていればそこで献血者が陽性にな って、来ていない方に関しては分からないということなのだろうと思うのです。しかし そういうことで終わってしまうというのは、こういうことをやっていただいてもすり抜 けがものすごく多いのではないかと思うので、その辺をどうにかする方法はないでしょ うか。 ○血液対策課長  4ページのフレームワークの一覧表でございますが、一番下から四つ目の「輸血前後 の感染症マーカー検査の在り方についての検討」について、我が局だけではなくて保険 局も検討いただいて、何かできないかということをこれから鋭意詰めたいとは考えてお ります。こういうものが制度化されれば、御指摘の点についても緩和されるのではない かという感じはいたします。 ○溝口部会長  個別NAT以上のものは今のところなかなか難しいと。吉澤先生、何か御意見はあり ますか。 ○吉澤委員  個別NATで捕まらなくても感染早期の血液は感染源になります。ですから献血者の 保管検体で個別にNATをしても見付からないということがあります。ウイルス学的に はB型の場合は10倍に増える時間が大体分かってきておりますので、各血液センターの 協力で、その献血者に追跡検査用の採血に協力を頂くような体制を作るということが考 えられないか、これは将来の問題だと思います。  それからもう一つは受血者が輸血で感染したと思われる症例の解析なのですが、解析 それ自体は腕が確かであれば大丈夫なのです。問題は診断と言いますか、解析結果の解 釈です。ウイルス肝炎の内科、及び肝炎の感染論が分かる外部の人たちのアドバイスを 受ける機構を作るということによって、大部分の問題は解消できるのではないだろうか と思います。  それから具体的な問題についてもう一つ言いますと、受血者に肝炎が起こったと思わ れる場合の採血の時期なのですが、かつては血清学的な診断をしていましたので、採血 の時期がばらばらだったりペア血清がなかったりといろいろなことがありましたが、今 は幸い核酸増幅検査で分かりますので、輸血後何か月目にチェックをすればBもCもI も必ずかかる時期というのが大体分かってきております。ただ、その辺ももう少しデー タを積み上げた上で採血時期をフィックスして、将来的には輸血を受けた人全数につい て一定期間後に核酸増幅検査で調べて、99.9%大丈夫なわけですから、あなたは大丈夫 でしたと。それからもし万が一感染していたときには、該当するドナーの方のフォロー も含めた解析のシステムを作っていけば、今の問題も解消に向かうのではないかと思い ます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。その問題は後でお話しになる保償の問題にも絡みま すので、やはり診断ということが大事になってきます。金井課長のおっしゃったよう に、新しいマーカーあるいは検査法を改善して診断を的確にできるようにしたいという ことが、このフレームワークにも入っているわけです。どうぞ。 ○中村委員  前回御説明があったかと思いますけれども、このフレームワークの中で一つ確認した いことがあります。二番目の最後の方に問診をする医師のより一層の資質向上、それか ら学会から幾つか要望が出ていますが、各医療機関に輸血療法委員会等を設けるとあり ます。これは具体的にどういう状況になっているのか、あるいはより一層推進するよう なアクションを何か起こされているのか、御説明いただけますでしょうか。 ○溝口部会長  どうぞ、事務局から。 ○事務局  まず問診医の方につきましては、現在日本赤十字社において専属の医師が実施する場 合もあれば、非常勤といういわゆるアルバイト的な形で集めておられるような 状況と聞いております。ただアルバイトという際にも、一応基本的には血液センター所 長の方を通じて一定の講習等は実施していると聞いておりますので、そういった点も含 めて今後一層の資質向上に向けてと。特に臨床研修指定制度が今後必修化されるという 中で、実は血液センターにおける研修も実施できるという形になっておりますので、そ ういった面で今後臨床研修を受け入れる際の研修プログラムなどを充実させていくとい うことも考えられるのではないかと思います。  それから現在医療機関における輸血部の設定状況につきましては、日本輸血学会の方 で調査された結果が資料Dの24ページにございます。こちらを御覧いただくと特定機能 病院の数値しか来ておりませんけれども、独立した輸血専門の部門で専任の責任医師が 配置されているのはトータルで30%。また独立部門の中で専任医師がいるというところ まで広げますと78%ということで、特定機能病院においても現在必ずしもこういった100 %の体制がとれていないという状況でございます。 ○溝口部会長  よろしいですか。このデータ…。まだ十分でないということでありますか。 ○中村委員  十分ではないということが挙げられますけれども、同じ質問を日本赤十字社の方に差 し上げたいのですが、実際問題どういう形で例えば問診医をトレーニングされているの か、その辺を伺いたいのです。 ○参考人  問診については、まずドクターの意見を同じようにするために統一したマニュアルを 作っています。それはかなりのページになりまして、定期的に変えております。それか ら本社が全国的に研修するときには、やはりそこの都道府県から全員来ていただけませ んけれども、核となる問診の先生に来ていただいて講習をした、あるいはそれをビデオ に撮って配布するということを今までしております。ただ、個々のセンターではその方 たちが主になって、来ていただいたお医者さんに研修していくという方法を採っている ところです。それが現実でございます。 ○溝口部会長  よろしいですか。やはり問診票の中身はここで審議した覚えがありますけれども、問 診のやり方までは審議した覚えがありません。ただ、問診のやり方というのはかなり大 事で、問診票の在り方の研究班も見たことがありますし、かなり日本赤十字社が中心に なって一生懸命やっているようですが、やはりどうも医師主導でありまして、相手の気 持ちになっていろいろ質問する必要があるのではないかと。そのためにはやはり心理学 者とか人文系の方々の協力が必要なのではないかと思います。是非その辺も考慮して、 日本赤十字社の方でよろしく御配慮願いたいと思います。清水先生、どうぞ。 ○清水委員  今の問診医というのは昔から大きな問題でございまして、現実問題として本社が把握 していることはそれで結構なのですけれども、やはり各血液センターごとの実態はかな りばらつきがあると思うのです。したがいまして、現在どのような状況になっているの かと。例えば一人の新しい問診医が来られたといったときに、カリキュラムとして具体 的にどのような内容のことをどのようなスケジュールでやっているのかという、各セン ターごとのデータを一度集めていただきたいと思うのです。それに対して本社がこうい う対応を採っているとか、まずそういうデータを出していただいて、1年後にどれだけ 改善されたのかという形の議論を今後進めていきたいと思っておりますので、その点は 是非積極的に御検討いただきたいということです。  それからもう一つ、特に特定機能病院というのは非常に高度な医療をやるわけですか ら、やはり輸血医療というのは非常に問題が多いところですので、輸血学会の会長名で の意見書も出されていますが、全くそのとおりでこれ以上付け加えることは何もござい ません。特定機能病院が輸血部を持っていない、しかも専任の医師もいないという状況 では、とても高度先端医療を任せられる医療機関とは言えないだろうと私は思いますの で、これは是非必須事項にしていただきまして、これがなかったら特定機能病院の評価 を与えないというぐらいの強い決意で臨んでもらいたいということを切望したいと思い ます。 ○溝口部会長  今度の総合対策は部局を超えてということです。今のことは医政局の話だと思うの で、そちらも含めていろいろ御検討願いたいと思います。白幡委員。 ○白幡委員  一言だけなのですけれども、今の清水委員のおっしゃった問診はかなりテクニカルに もいろいろ難しいところがありまして、そういった専門家がおりますので、いわゆるマ ニュアルを作って済むというよりも、各地区でそういうトレーニングを受ける機会を作 っていただくといいのではないかと思います。 ○溝口部会長  大平委員、どうぞ。 ○大平委員  今回のフレームワーク、総合対策については、やはりこれまで医薬食品局の中だけの 問題でとどまっていたのが省を超えて、それから省の中でもいろいろ局を超えて作られ ているわけなので、この意気込みを是非社会に早く伝えていただきたい。特に「健康な 献血者の確保の推進」というところでは日本赤十字社の方でいろいろなリクルート活 動、それからまた地域社会の方たちが様々な協力をされていると思いますけれども、献 血の問題と、やはり献血における献血者の在り方が大きな課題になってきているのだろ うと思うのです。ですからその点について日本赤十字社といいますか、地域の献血のボ ランティア活動として行っている中で、地域の保健所などで現在の献血者だけではなく て、その地域に住んでいる方たちのいろいろな健康面なども踏まえ、血液の安全を考慮 してもらえる献血者を集めるにはどうしたらいいかを、献血サイドだけではなくその地 域の保健所や福祉センターなどの人たちとの交流で情報交換もきちんとして、いろいろ な取組を社会の中で積極的に進めていただきたいという点では、今回これは期待してい るのですけれども、その点いかがでしょうか。 ○溝口部会長  恐らく健康局のことですが、疾病対策課長から何かありますか。保健所の話が出まし たけれども、直接は関係ないですか。何しろほかの部局の方も参加するということにな っていますが。 ○大平委員  ただ、献血者の動向というのはこの献血制度だけの問題ではなく国民全体の問題で、 健康管理の在り方はやはり保健所などの取組とかなり深いところがあると思うのです。 ですからそこで、地域の保健所の人たちと献血のボランティアの方たちとのいろいろな 連携があって、もっとこのように変えていきましょうとか、呼び掛けの仕方もどのよう にしていったらいいのかを積極的に情報提供していくことは、やはり大切な問題なので はないかという提案なのです。 ○血液対策課長  全く御指摘のとおりだと思いまして、やはり厚生労働省内部だけではなくて地域の連 携、県庁で言えば当然健康担当部局あるいは薬務担当部局の枠を超えて、また日本赤十 字社あるいはボランティアの方々と連携をとるというのは非常に重要なことだと考えて おります。そういった努力を積み重ねることによりまして、やはり検査目的の献血の防 止ができるとか、いろいろな効果もあるのではないかと考えております。そういった面 でまた疾病対策課とも相談しつつ、地域でどういう連携をとっていただくのかというこ とも検討する必要があると考えております。検査目的の献血の防止というのは言うのは やすくてなかなか難しい面もあると思いますが、やはりどういう体制を敷くのか、ある いはここにも書いてございますとおりウイルス検査の結果の取扱いをどうするとか、非 常に重たい問題がございますが、こういうものをセットでいろいろ考えて、どのように 持っていくのかということをこれから努力したいと考えます。 ○大平委員  それは総括的な話なのですが、やはりそこが検査目的の献血の防止の問題につながる と思うのです。やはり検査目的で行っている危険性を地域の方たちに知っていただく、 そしてなるべく地域の保健所の検査体制を利用していただくということも献血のキャン ペーンの中で一緒にやっていかないと、やはり献血に来るということで…。これは保健 所の在り方の問題かもしれませんけれども、なかなか行きにくいという地域の側面もあ りますし、献血で検査をしてみようという方たちの動きは残念ながら増えているわけで すよね。ですから、そういった点での周知徹底をするにはいろいろなツールを使うべき ではないかと思いまして提案しました。 ○血液対策課長  例えば保健所の中ですと薬務担当部署もございますので、それは我が方から連絡する と。ただ、保健所内の健康担当部局まで我が方の意志が通じるかどうかということもご ざいますし、そういう面でやはり厚生労働省内部でも調整が必要かなと考えていますの で、先ほど申し上げたように我が方としても地域の連携の在り方についてもう少し考え たいと思います。それがひいては検査目的の献血の防止にもつながると思います。 ○溝口部会長  健康局疾病対策課長、お願いできますか。 ○疾病対策課長  疾病対策課は御存じのようにエイズ対策という観点から、現在保健所で無料匿名の血 液検査を実施しております。この部会の中でも、検査を受けたい人がなかなか保健所で 受けられないために、検査目的の献血につながっているのではないかという御議論があ ったということもお聞きいたしました。現在、すべての保健所で無料匿名検査を実施し ておりますが、確かに週の中で曜日や時間が限られたり、又は夜間や土日に実施してい ない等によりまして、物理的にもまた心理的にもなかなか保健所に行きづらい点がある のだろうということは、私どもとしても認識しております。それをどのようにしたら、 より検査を受けたい方に受けていただくことができるのかということについては、十分 評価をして検討させていただきたいと思っております。  ちなみに、土日中心にということになりますが、東京で南新宿に保健所以外で検査が できるところを1か所モデル的に実施しておりましたら、かなり若い方が利用されると いうことも分かってまいりました。平成16年度につきましてはほかの大都市、名古屋と 大阪にもそういう保健所以外の窓口をモデル的に作りまして、その評価を見ながら必要 ならばもう少し増やしていけないかということも思っております。  また、確かに献血は健康な人のために、そして保健所の無料匿名検査は不安がある人 のためにということで、地域でも余り連携がなかったのかもしれないということを改め て感じております。地域で献血推進協議会というものもできているようでありますか ら、是非そういうところにも保健所から感染症対策の担当者が関与していただいたり、 また逆に私どもの方でエイズ対策推進協議会というものが各都道府県にございますか ら、そういうところに日本赤十字社関係の方にお入りいただくということも、地域とし てはしていただけるのではないかと思っております。また、各保健所でこういう曜日、 時間帯に無料匿名検査をしていますということを、献血ルームの分かりやすいところに 掲示していただくとか、そういう工夫も当然やっていただいているところはあるのだと は思いますが、連携をとりながらやっていくことはできるのではないかと思います。私 どもがHIV、エイズ対策という観点でやっていることを充実させるだけではなくて、 もう少し一歩踏み込んだ形で地域で連携がとれるような工夫ができないかなと思ってい るところでございます。 ○溝口部会長  大変貴重な御意見をどうもありがとうございました。花井委員、どうぞ。 ○花井委員  今回のフレームワークですが、今他局から課長さんに来ていただいて、貴重なお話を 頂いてとてもよかったと思うのですけれども、ここは監視指導行政で薬食審ですので、 日本赤十字社の施策の進行状況についてはできたのかとぎりぎりやるわけです。ところ が、実は国の方が連携とか言い出しますと、非常にあいまいで雲散霧消するということ がありがちでございます。したがいまして、このフレームワークという各局若しくは各 課に行政がされる施策、例えば保険点数の問題とか医政局の話などがあるわけです。こ れをモニタリングして到達点をどこかで評価しないと、これは単なる表になってしまい ます。  ということなので、できますればこのフレームワークの中で各局が国として責任を持 つ部分…、あえて言わなくても日本赤十字社に対しては監視指導するわけですけれど も、やはり国の方も各局、各部署が今回の問題点をどのように進行して改善できたか、 若しくは例えば医薬食品局が何か言ってきているけれども、うちではこれは対応できな いとしているのかということをこの場に出していただいて評価するということが大事だ と思うのです。今回はこのフレームワークを作ったところですので、時期はまた検討し ていただいたらいいのですが、やはりこの中で総合対策の進捗状況を報告する場を持っ ていただきたい。今日は健康局の方に非常に協力していただいているわけですが、ほか にも本当は来ていただきたい局とか、どうなっているのだと言いたい部分があるわけで すけれども、なかなかそこが難しいということだと思うのです。ですから、縦割りは国 の勝手な都合でありまして、国民の目から見れば国の責任は国の責任ということですの で、やはりこれを機会にこのモニタリングをする、きちんと国の連携がとれたかどう か、その中身をチェックするということを是非提案したいと思います。 ○溝口部会長  輸血は国民の大関心事でありますし、この血液事業部会はその中心にあるわけです が、必ずすべてが公開されていきますし、先生方常に発言をし続けていただくこともひ とつ大事なことだと思います。小幡委員、どうぞ。 ○小幡委員  今のお話は私も正にそう思います。ちょっと法律的な面で違う角度から申し上げます と、このフレームワーク自身は確かにいろいろな関係部局の縦割りを廃した形で出して いただいていますが、それから今は政策評価の時代ですから、それが具体的にどのぐら い効果が上がっているかというのは是非検証する機会が欲しいなと思います。  ちょっと気になりますのは、当然血液法に基づく採血事業者は日本赤十字社だけです ので、この関係部局の中で今日いらしている日本赤十字社が至るところに登場してい て、正に日本赤十字社の協力といいますか、責務としてやっていただかないと駄目とい うフレームワークになっているのですが、法的に言いますとこのフレームワークはどの ように位置付けられますか。ちょっと細かい話になりますが、つまり日本赤十字社への 法的な義務という形では課さないことになりますか。 ○溝口部会長  どうぞ、事務局から。 ○血液対策課長  この総合対策については基本的に血液の安全性確保をいかに図るかということで、血 液法の趣旨を酌んでいるというのは当然でございますが、この中でそれを実行するとい うことについては特に法的な根拠は今のところないかと。ただ、薬事法や血液法に基づ いてやはり安全なものを供給するという責務について、例えばこの7項目の話とか、あ るいはパルボウイルス、non-エンベロープ、ウイルス対策、そういうものを自ら進 めるという法的な責務はあるはずです。それをこの中で担保しているということはある と思いますが、やはり一義的には日本赤十字社の方で努力していただいて、それを報告 していただくというのが趣旨ではないかと考えております。概要を言うとそのような感 じだと思います。  なお、先ほど定期的に報告なり評価という話がございました。当然血液事業部会の方 には進捗状況の報告と、それに基づいていろいろと御意見を伺うというふうには考えて おります。定期的に運営委員会も開催しますので、運営委員会の方でどのようにするか というのはまた別途考えたいと思います。 ○事務局  一点だけ補足ですが、法律そのものは今課長から説明いたしましたとおり、国あるい は医療関係者の責務ということでいろいろと記載してありますけれども、もう少し具体 化ということになりますと、昨年御意見を頂いて告示という形で出させていただいた基 本方針をある意味具象化していくという形での位置付けというようには考えられるかと 思っております。 ○小幡委員  ですから今新法に基づいて採血事業者はともかく一社、日本赤十字社だけでございま すが、もちろん国の機関ではない一つの事業者という立場にあることは確かです。た だ、今説明がございましたように、国民にとって非常に大事なお仕事をなさっている採 血事業者であることから、我々もここでいろいろ献血のコストも含めて、どうやれば価 格を下げられるかということを具体的に提示してくださいとか、国民に対して自分たち がどうやっているかという情報をできるだけ開示してくださいとお願いしているわけで ございます。正に新法に基づいて日本赤十字社が大変重要なファクターを果たしている ということになりますので、是非そこの責務をよくお考えになってよろしくお願いした いと思います。 ○溝口部会長  一つだけ簡潔にお願いします。 ○中村委員  一つだけ確認させてください。今の小幡委員の御指摘とも重なるのですが、安全とコ ストというのは余りトレードオフしたくない、すべきではないと思いますし、万全の安 全を確保するためには公的な資金を投入するのはもちろんだと思います。ただ、このフ レームワークを拝見しますと、日本赤十字社がしなければならないことでコストが発生 する項目が結構多いような気がするのです。そうしますと、先ほどもコストの問題があ ったのですけれども、全部積み上げ方式で行かれると、またそれが製品のコストに反映 する可能性、危険性もなきにしもあらずと考えます。安全の確保のためにはどれだけコ ストが掛かってもいい、それだけある程度資金を投入するのは構わないのですけれど も、それを理由にされるおそれがあります。と言いますのは、メーカーの中には安全の 確保のためにとても費用が掛かって、それが事業を圧迫しているのだという理由を挙げ られるところが結構おられるわけです。是非そういうことがないようにしたいのです が、このフレームワークを実行する際に発生するコストは日本赤十字社の企業努力で吸 収されるものだけですか。それとも新たにいろいろな形での支援などが必要なものなの でしょうか。現段階で結構なのですが。 ○溝口部会長  事務局から何かありますか。 ○血液対策課長  基本的には特に安全対策の推進については、7項目を進めるに当たっても当然日本赤 十字社の方でまずは立ち上げていただく、その費用は負担していただくのだろうと。ま た、先ほどの話に戻って恐縮でございますけれども、その掛かった費用については薬価 で吸収して見るのかどうかというのは、別の議論があるとは考えております。なお、厚 生労働省として必要な予算があれば、製造業者としての日本赤十字社に補助というのは なかなか難しいと思いますが、このフレームワークを推進する上で必要なものは、やは り予算を考えていかなければいけないとは思っております。 ○溝口部会長  よろしゅうございますか。簡潔にお願いします。 ○吉澤委員  このフレームワークができたのは大変いいことだと思うのですが、これ自体の妥当性 もその都度検証する必要があるだろうと思います。一つだけちょっと申し上げますと、 この日本赤十字社が出した4のNATのプールサイズを50本から20本に減らすことによ って安全性がどれだけ増すのか。先ほど400cc、200ccの採血によるコストの問題が出ま した。同じことでして、先ほどの価格表を見れば当然NATの費用は倍掛かるわけで す。ですからコストとベネフィットの両者をよく考えた上で、一方的にどこかが何かを 背負うという形になりますと、いたずらに血液代金の高騰を招き、内外の価格の格差を 招くという大きな問題に突き当たるだろうと思います。これを実施していくに当たって は、やはりその一つ一つのプロセスについてその都度妥当性の検証をしていくことも必 要だろうと思います。 ○溝口部会長  そのとおりでありまして、この部会は最初から幕内先生のコストの話で始まりまし て、またコストの話につながりましたが。比留間先生、何かございますか。 ○比留間委員  その話ともかかわるのですけれども、このフレームワークの医療現場における適正使 用の推進という観点でちょっと意見が少なかったので、追加させていただきたいと思う のです。恐らく最近の遡及調査の結果から日本赤十字社が出されたデータからいうと、 既知のウイルス感染の発症率はもはや100万分の1から1,000万分の1まで下がっていま す。今までずっと、これを半分にするためにはどうしようかという議論がたくさん出さ れていると思うのです。そのために費用がどのくらい掛かるか。しかし、本来患者さん に輸血をするのは医療現場です。その現状を見ると、それどころではない危険性をたく さんはらんでいるということがあると思います。  一つは適正使用という観点に関しても、輸血療法委員会がある病院であればあるほど FFPがたくさん使われている現状があります。新鮮凍結血漿をただ半分に減らせば、 間違いなく1,000万分の1のリスクが2,000万分の1に減るわけです。これはコストは全 く掛からないわけです。こういうところを最優先事項とすれば、6か月の貯留保管など はほとんど意味がないと思うのです。どうせそれに数十億円掛けるでしょう。そのよう なことはやめる。あるいは50プールを20プールにする、これもリスクは半分に下げられ ないでしょう。そういうことから考えると、やはりこの適正使用は非常に大事だと思い ます。適正使用は何も減らすという問題ではなくて、適正保管あるいは適正検査に基づ いて輸血を行う。これが医療現場でどのぐらいできているか。大規模病院から、あるい はこの法律の施行すら知らない中小病院で輸血が行われているという現状があります。 そういうことを解決していかなければいけないだろうと。  その中では例えば輸血療法委員会というのが常に出てくるのですけれども、東京都の 調査でも輸血療法委員会は現時点では無効であろうというデータが出ております。例え ばフランスがいいというわけではないのですけれども、非常にチェック体制が進んでい るフランスでは何を作ったかというと、ヘモビジランス・コレスポンデンスを各医療機 関に付けたわけです。すなわち日常のルーチン業務で輸血一つ一つをチェックするとい うことをしなければこれは解決しないだろうし、現在での非常に優先する事項であろう と。これは輸血療法委員会を作っても、忙しい委員が集まって毎日の輸血などをチェッ クできるわけがないのです。ですから結論的に申すならば、やはり医療機関の輸血の全 責任を負えるような権限を持つ部門を法的に確保して、ヘモビジランス体制に近いもの を築いていくということが、コストの低下にもつながる最重要課題であろうという意見 を、医療現場から申させていただきます。 ○溝口部会長  企画・制度改正特別部会で医師の責務を主張した一人としては先生の御意見はよく分 かりますので、その方向で是非御検討願いたいと思います。それでは事務局は今の多く の御意見を十分念頭に置きながら、総合対策のフレームワークを更に具体化していただ きまして、先ほどもだれか繰り返しおっしゃっていましたけれども、その状況を適宜報 告していただきたいと思います。また、参考人の日本赤十字社の方々におきましては安 全対策に関する取組を進めまして、やはりその実施状況を適宜この部会に御報告願いた いと思います。よろしくお願いします。  大分時間がなくなりましたけれども、次の議題4以降は報告事項でございますので、 お聞きいただきたいと思います。これまで部会に報告された血液製剤に関する報告事項 でありますが、その後の状況と遡及調査の進捗状況について事務局から御説明願いたい と思います。 ○事務局  それでは資料E-1を御覧いただきたいと思います。まず、昨年10月22日G型肝炎ウ イルスの感染が疑われる症例についてという報告を頂きました。この件については4ペ ージを御覧いただきたいと思うのですけれども、「第2」というところで日本赤十字社 から現状について報告を頂いております。これを御覧いただきますと、平成15年9月下 旬のところでトランスアミナーゼ値が30〜60台に下降したことまでは確認されているの ですが、その後転院されてしまったということで、現状においてはチェイスできないと いう状況でございます。  また、2ページを御覧いただきたいのですけれども、輸血用血液製剤でHIV感染が 疑われる事例、感染があった事例は12月に報告させていただきましたが、その前に9月 5日のところで輸血後にHIV感染が認められた方という報告を頂いたところでござい ます。この方については8人の供血者から採血されたMAPが8本入っていたというこ と。ただ、保管検体の方についてはすべて個別NATが陰性であったということで、現 在もその調査が続けられているところでございます。現在まで供血者の方々8名のうち 3名はその後来所されたということで確認しましたが、いずれもHIVについてはネガ ティブでありまして、現在その後の5人の方の調査をどうするかということで、安全技 術調査会の方でも議題として取り上げていただいているという状況でございます。  それから血漿分画製剤のウイルス対策について御議論いただきまして、50プールNA Tの陰性、ただし個別NAT陽性となったものの血漿分画製剤を材料とした場合の取扱 いについて御議論いただきまして、少なくともバリデーション値が9未満のものについ ては今後も一定の対策が必要だろうと。逆に9以上のものについては特段安全性につい て問題がないのではないかということで、現在取り扱っているところでございますけれ ども、9未満の製品について各社の方からその後のバリデーション、あるいは製造の状 況について御報告いただいたものでございます。  詳しい資料は「血液製剤に関する報告事項について(委員限り)」ということで、お手 元の方に配付しております。まず総論として申し上げますと、現在各社においてバリデ ーションのやり直し等をやっていただき、古い製品が多く過去の技術では検出できな い、閾値が高かったので最終的に9をクリアしていなかったものがほとんどでございま して、新しい技術で測り直しをするということで閾値が下がったと。このことによっ て、ほとんどのものが9以上をクリアしつつあるという状況でございます。また総体的 なものについては安全技術調査会の方に御報告させていただきまして、最終的な御議論 をさせていただきたいと考えております。  それから資料E-2は昨年6月から現在日本赤十字社に依頼して行っております、供 血者に依頼をする遡及調査の進捗状況でございます。1ページめくっていただきまし て、本日提出していただく資料を事務連絡で日本赤十字社に求めたものでございまし て、2ページに日本赤十字社側からの回答を頂いております。現在調査対象となってい る血液製剤の本数が、平成16年1月31日現在25,155本でございます。このうち同日付け で個別NATを実施した件数が15,474本。ちょっと日付が異なっておりますが、現在日 本赤十字社の方で作業の途中でございますので、ある程度縦横の値が合わないところが ありますけれども、現在中間報告ということで御了承いただきたいと思います。このう ち陽性が判明した本数192本、内訳についてはHBVが189本、HCVが2本、HIVが 1本という状況でございます。医療機関の方にこの情報提供を行うなどいたしまして、 受血者の陽転又は非陽転が判明した本数ですが、陽転事例が6件確認されたという状況 でございます。本件に関しては引き続き日本赤十字社の方で調査しておりますので、そ の結果を逐次安全技術調査会、運営委員会、血液事業部会の方に御報告させていただき たいと考えております。以上です。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。参考人の方で何か補足する点はございますでしょう か。 ○参考人  特にございません。 ○溝口部会長  ただいまの説明に関して何か御意見、御質問はございますか。清水委員。 ○清水委員  二点だけよろしいですか。まず、資料E-1の4ページの「第1」ですが、「その後 の献血はありません」、これはやむを得ないことだと思うのですけれども、一つ提案し たいのは問診項目の中に遡及調査への協力依頼をすることがあるといいますか、そうい う項目を盛り込んでおくとやりやすいという面もあるかなという感じがするのが一点。 それからもう一点は資料E-2の方で、これは遡及調査を延々とやっておられて大変御 苦労なことであると思うのですが、大体いつごろ終了する見込みでおりますか。ただこ れは新しい事実が出てきますと、また日本赤十字社がやったのかということで古い話が 蒸し返されて、あたかも新しい事実がごとくに新聞報道されたりするというのは、血液 事業全体にとって余り得策な状況ではないと思うのです。できれば速やかに終了してほ しいと思うのですけれども、いろいろ事情もあろうかと思うのですが、そういう点を勘 案して大体いつごろ終了することを見込んでおられますでしょうか。 ○参考人  特にこの中の6,419本は動く数字ではございませんから確定していきたいということ で、今ここは最優先で動いております。それからウのところはこれからもどんどん増え ていきますからここはそのままということで、こちらも今新しいガイドラインを安全技 術調査会にかけていただいています。それに伴って国から通知いただいているガイドラ インではないですけれども、遡及調査の仕方が多分消えるのだろうと思いますから、そ この兼ね合いでここはできるだけ早く進めたいと思いますが、いつ終了できるかという のは現時点ではまだ申すことはできません。 ○溝口部会長  よろしいですか。ほかに何かありますか。なければ事務局と日本赤十字社におかれま しては、この事例について引き続き調査と安全対策を進めていただきたい。また、その 進捗状況を適宜御報告いただくようお願いしたいと思います。  次に議題5、「血液製剤のウイルスに対する安全性確保を目的とした核酸増幅検査 (NAT)の実施に関するガイドラインについて」は、3月8日に行われた安全技術調査 会において取りまとめられて今回部会に上程されたものであります。事務局から御説明 願いたいと思います。 ○事務局  本件につきましては、以前に部会の方にも骨子案ということで提示させていただいた と思います。その後安全技術調査会の方で御議論いただきまして、本日調査会案という 形でお手元に配付させていただいたものでございます。基本的には骨子に沿ってそれぞ れ肉付けをして、日本赤十字社等の各製造業者等において今後NATを実施する際の精 度管理に役立てていただくということで考えているものでございます。なお本件に関し まして、本文の中にところどころ「*」マークを付けて「*1」、「*2」と書いてご ざいますが、これは今後Q&Aを作成してその中で解釈を示していきたいという部分で ございます。また、内部的には非常に専門用語が多いということでございますので、そ ういった点に関しては用語集を付録として付けることを考えております。ただ、本日は 議論の時間も大変短いかと思いますので、また御覧いただいた上で事務局の方に御意見 を寄せていただきまして、次回以降また部会で内容を御審議いただければと考えており ます。 ○溝口部会長  資料Hでありましてちょっとアルファベットが飛んでおりますが、今のお話について 審議の時間を十分にとることができませんので、委員の皆様におかれましては本案をお 持ち帰りいただきまして、また御意見がありましたら3月26日金曜日までに事務局あて に御提出願いたいと思います。事務局としましては提出された御意見を踏まえて案を修 正し、次回の部会に提出させていただきたいと申しておりますので、よろしくお願いし ます。  それでは議題6の「その他」ですが、結構量があります。事務局から報告事項をよろ しくお願いします。 ○事務局  審査管理課でございます。報告事項のBSE関係として本日資料F-1〜F-4までお 配りさせていただいております。お時間もございませんので、簡潔にお話を申し上げま す。昨年12月に米国でBSE発生の確認を受けまして、こちらの部会ではございません が、薬事・食品衛生審議会の生物由来技術部会及び伝達性海綿状脳症対策調査会におい て、そういった米国産ウシの原料を使っている医薬品等の安全確保対策について、御検 討いただいた部分を本部会に報告させていただくものでございます。  資料を全部は読み上げませんが、米国でのBSEの発生を受けまして、これは予防的 な措置という形でございますけれども、基本的に米国産の原材料を使っている製品の製 造工程からそういった原材料を抜いて、ほかの国の原材料に切り替えていただくという 対策を採らせていただいております。本日資料F-3に局長通知が示されておりますけ れども、そういう形で2月18日に各製造メーカー等に対して指示を行っているというこ とでございます。  血液製剤関連の部分では資料F-2がございますけれども、実際にこの切替えの対策 を考える中でこれら調査会において製品ごとのBSEのリスク評価を行ってきておりま す。中でも血液製剤関連のものでございますと、例えば第VIII因子において遺伝子組換 えの細胞培養の過程でウシの血清等を使用しているケースがございます。それから最終 的な製品の精製をする際のアフィニティークロマトグラフィーの中で、そういったウシ 原料を使っているものがございまして、そういう部分についても評価をしております。 この資料F-2については数字のものですので細かくは申し上げませんが、基本的には こういった製剤においても製造プロセスの中での処理工程等がございます。そういった ものがプリオンの除去に一定の効果を示しているということが、データとしても製造メ ーカーから示されておりまして、切替えを進めていくという部分がございますけれど も、基本的に安全性において大きな問題があるということではないという点は御報告さ せていただきます。  資料F-4でございますけれども、そういった形で今後切替えをしていく形になりま すが、こういったウシ原料を使用している血液製剤関連の製品の今後の切替えスケジュ ールについては、ここに書いてあるように本年の秋以降ぐらいから順次製品ごとに切替 えが進められていくように、行政としても現在指導を進めているという状況でございま す。以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。もう一つ、続けて救済制度についてお願いします。 ○事務局  医薬品副作用被害対策室と申します。資料Gの「生物由来製品による感染被害の救済 制度の創設について」を御覧ください。こちらの方を簡単に御説明させていただきま す。「1)制度創設の経緯」についてでございますけれども、ヒトの細胞組織等に由来 する医薬品・医療機器等(生物由来製品)は、一昨年の薬事法改正において安全対策の強 化を図ってきているところでございます。ただ、生物由来製品については安全対策を講 じたといたしましても、感染症を伝播するおそれを完全には否定できないということも ございまして、研究会の方の報告も踏まえ独立行政法人医薬品医療機器総合機構法にお いて、生物由来製品による感染等の健康被害について救済制度を創設するということに なっております。こちらの制度の運営でございますが、独立行政法人医薬品医療機器総 合機構で行うこととされております。  「2)機構の行う業務」は飛ばさせていただきまして、「3)制度の概要」でございま すが、基本的には医薬品副作用被害救済制度に準ずる形になるのですが、「(1)救済給 付の種類」といたしまして医療費、医療手当、障害年金といった項目がございます。ま た判定の方法でございますけれども、「(2)厚生労働大臣への判定の申出」ということ でございまして、機構は厚生労働大臣に対して救済給付請求者の健康被害が生物由来製 品を介した感染被害であるかどうか、医学的薬学的判定を要する事項について判定の申 出を行うと。この場合厚生労働大臣は薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて判定を行 い、その結果を機構に通知するという形になっております。  「(3)拠出金」に関しても医薬品の制度の方と同じでございますが、一般拠出金と付 加拠出金がございまして、そちらの方を基にこの制度が成り立つことになっておりま す。また、「(4)救済対象」でございますが、救済給付の支給業務を平成16年4月1日 から開始するということでございまして、開始日以降に使用された生物由来製品を介し た感染等による疾病、障害、死亡について行われるということになっております。以上 でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。この救済制度は前回でしたか、櫻井委員が強く主張 された点でありますが、それがこのように実現したことは大変うれしく思っておりま す。また、もう一つのBSEの問題も凝固因子製剤にも関係あるようでありまして、凝 固因子製剤はリコンビナントでも特定生物由来製品として記録の保存やICが求められ ておりますので、その点ではかなり対処できてきているのではないかと思っております が、これは今後運営委員会などでも大きな問題になるのではないかと思います。何か御 意見、御質問はありますか。どうぞ。 ○川西委員  私は運営委員会の方で意見として申し上げたことが一点あります。BSEの方なので すけれども、こういう対策をタイムリーにやることは非常に重要だとは思うのですが、 実は私は組換え医薬品の実際の審査をアドバイスする立場で、今こういうことで今度は 逆にウシではない、今まで余り見たことがないような材料に切り替えているという例が どんどん出てきているのです。私自身の感覚としては、もちろんこちらにはある一定の リスクはあるけれども、非常に未知のリスクがまた発生しているような気がしておりま す。ですから、ちょっとその辺をどうしたらいいかというのは非常に難しい問題なので すけれども、小さな危険性に余りとらわれていると、未知の危険がまた出てきているよ うな気がしないでもありません。ちょっとその点は意見として申し上げています。た だ、これをしなくていいとか、していいとかという話ではなくて、そういうことが私が 実際に審査しているものの中に出ているということだけは申し上げておきます。 ○溝口部会長  分かりました。ほかにございますか。清水委員、どうぞ。 ○清水委員  先ほど森先生からお話があった、要するにこの救済制度の一つのポイントは、既知の 感染症ですけれども、やはり輸血前後の検査をやって情報を得ておきませんと、角度の 高い話にならないのではないかと。これについて医療現場がかなり混乱していますの で、明確な指示といいますか、要するに何が問題かといいますと、輸血前後の検査料を 保険で面倒を見ているか見ていないかということなのですが、できればこれはやるとい う方向で出してほしいと思うのですけれども、その辺を一度指示という形で出して明確 にしていただきたいと。そうでないと医療現場が混乱して、なかなかきちんとした対応 がとれない部分があるということを御承知おきいただきたいということです。 ○溝口部会長  前に申し上げましたけれども、保障制度が絡んでくると診断の精度をもっと高めると いうことが必要なので、先生のおっしゃった遡及調査といいますか、ドナーの方の検査 をする、それが森先生あるいは吉澤先生のおっしゃった問題の解決にもなるのではない かと考えております。花井委員、どうぞ。 ○花井委員  救済制度についてこの血液法が成立するときに、献血者の救済制度もセットで論じて おりましたので、今回スタートの4月1日に献血者の救済制度も同時にできなかったの は誠に残念でございますけれども、こちらの方も速やかに実現するように努力いただけ たらと思います。 ○溝口部会長  事務局よろしくお願いします。よろしゅうございますか。一応時間が10分過ぎました が、本日の部会はこれで閉会したいと思います。  最後に私からちょっとごあいさつさせていただきます。私は今年で勤め先が定年にな りますので、この際辞任させていただきたいと考えております。私はまず企画・制度改 正特別部会に出て、非常に活発な議論があったことに驚いたわけです。そのときに血液 新法ができるかと思いましたけれども、中間取りまとめで終わりまして、その後こちら の部会長を仰せつかりまして、中島課長、鈴木課長、橋爪課長、そして今度の金井課長 と、血液対策課長は4人替わられたわけです。私も含め委員はほとんど同じではないか と思いますが、なかなかこれは責任が重いし定年を機会に辞任させていただきたいと思 います。先生方のおかげで何とか昨年7月に血液新法が施行になりました。また、それ を4人の課長たちがうまく連携して施行されるまでこぎ着けたわけですが、大変いい経 験をさせていただけたことを感謝しております。  今後この血液新法の精神を踏まえまして、安全な血液を安定的に供給するという、国 民に対する大きな責務を果たしていく必要があるのではないかと思いますが、それを根 本から支えていくのはこの血液事業部会ではないかと思います。今後の先生方の御健勝 と御活躍、またこの部会がそういう目的に大きく貢献することを期待いたしまして、ご あいさつとさせていただきます。長いことどうもありがとうございました。  次回の日程は追って御連絡するそうであります。本日はどうもありがとうございまし た。                                    ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 血液対策課 課長補佐 中山(内線2905)