04/02/24 独立行政委員会国立病院部会第2回議事録        独立行政法人評価委員会 国立病院部会(第2回)議事録                           平成16年2月24日(火)                             15:00〜17:00                           厚生労働省専用第21会議室 出席者:井伊委員、大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、夏目委員、     山田委員、渡辺委員 1.開会 ○黒川部会長  時間もまいりましたので始めさせていただきます。前回は欠席だった井伊委員から一 言どうぞ。 ○井伊委員  社会保障の研究、特に医療経済に関する研究を行っております。よろしくお願いいた します。 ○黒川部会長  横浜国立大学から、今度一橋大学に移られたのね。よろしくお願いします。 2.議事  独立行政法人国立病院機構の中期目標及び中期計画について ○黒川部会長  それでは、今回は2度目ですが、いわゆる中期目標と中期計画(案)が策定されてきて おりますので、どうやって進めるかという話を事務方のほうからお願いいたします。 ○川尻政策評価官  政策評価官でございます。それでは、きょうの議事の進め方について御説明をさせて いただきます。  お話がありましたように、本日は、中期目標(案)それから中期計画(案)を中心に御審 議をいただくということでございますけれども、結構ボリュームがありますので、2つ に分けまして、前半が国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する事 項。それから後半が、業務の運営の効率に関する事項など、という形で、2つに分けま して事務局から御説明をし、それぞれについて御審議をいただきたいというふうに思っ ております。  それで、審議の観点ということでございますけれども、法人がスタートしますと、き ょう御審議をいただきます中期目標、あるいは中期計画に沿って実績評価をしていただ くというようなかたちになりますので、その実績評価をするときに、きょう御議論いた だく目標あるいは計画が、その尺度になるかどうかというような観点も含めて御吟味を いただければというふうに思っております。それではよろしくお願いいたします。 ○黒川部会長  きょうは、全員出席ということですのでいろいろ議論していただければと思います が、国立病院機構の中期目標と中期計画についてまず説明お願いします。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長 国立病院・診療所組織再編推進室長の古都でございます。どうぞよろしくお願いいた します。  私のほうから、本日の独立行政法人国立病院機構の中期目標及び中期計画(案)に関係 いたします資料の御説明をさせていただきます。先ほど政策評価官からありましたよう に、中身を2つに分けてということでございますので、適宜なかでわけて、前半・後半 というかたちで説明をさせていただきます。  最初に、資料の確認をさせていただきますが、3ーIで運営方針という全体をまとめ た1枚紙。  それから3−IIといたしまして、独立行政法人国立病院機構の概要というもの。  それから3−IIIといたしまして、中期目標(案)の概要。  3−IV、計画(案)の概要というかたちでサマリーをつけさせていただいております。  そのあとに、3−Vで中期目標(案)。  それから3−VI、中期計画(案)。  それから横表でございますけれども、目標と計画の対象関係を整理したもの  それから中期計画の考え方ということで、いろいろ指数、指標なども取り入れまして 整理したもの。  それから最後に、中期計画の考え方を説明する際にでてまいりますが、患者さんへの アンケート調査をやりまして、実際その様式、お配りしたものもつけております。以上 がきょうお手元に配付をさせていただきました資料でございますが、過不足ございます でしょうか。それでは、説明に入らさせていただきたいと存じます。  そこで、若干前回の復習も兼ねてお話をさせていただきますが、第1回目では、国立 病院・療養所の歴史あるいは現状、それから独立行政法人化への経過ですとか独立行政 法人化後の運営の基本的考え方、あるいは準備の状況を御説明をさせていただきまし た。  本日の中期目標(案)・中期計画(案)では、そもそも労働条件に係わるような事項は避 けるべきとの独立行政法人化を進める役所の本部のほうからも指示がありますので、前 回は、そういった事項も逆に取り込んで運営に係わるとこと全体を御説明させていただ いたところであります。  そういうなかで、今後、国立病院機構は非常に高い責任といいますか使命を頂いてお るわけですが、一方で医療というものが国民の需要の変化に非常に密接な対応が求めら れるということでありますので、あるいは他の医療機関との共同・連携が求められる、 あるいは、実は私どもの法人は、経営の9割以上が診療報酬での自前の収入でやるんだ ということ、そういう意味では他の独立行政法人とは異なる事業型の法人ですよという ことを御説明いたしたかと思います。そんなことも含めて、計画(案)をまた見ていただ ければと思っています。  そこできょうの目標と計画(案)の全体構成でありますが、いま言いましたように、中 期目標、中期計画(案)では他の法人と異なりまして、まず私どもは良質な医療をきちっ と提供しようということをスタートに置くべきであると。その良質な医療を実施するた めに、しっかりとした基盤を持つべきであると。こういう考え方を持っておりまして、 一応、独立行政法人が評価委員会にお諮りするときの計画(案)では、まず業務の効率化 をやりなさいと、次に質の向上を重ねなさいというような項目立てになっておるわけで すが、私どもはこの項目立てをあえてとりませんで、まさに「質の向上に関する事項」 を最初に提示して、それを支える「経営基盤の強化」という姿勢を明らかにするため に、順番を変えておる点が1点異なるところであります。  それから私どもが思っていることでありますが、業務を縮小していくということが第 一義の目的ではなくて、やはり国民が求めるであろう「良質で安心・安全な医療の提供 」ということが使命でありますので、それが継続的にできるようにということでありま すから、逆にいいますと、業務の運営は、他の独法とは違って機械的な縮小は馴染まな いということはみていただかなければいかんのかなと思っております。  それから中期目標はある意味で、大臣から法人に対する問いかけでありまして、計画 は答えであると。できるだけその数値目標を入れることが望ましいというふうに法人全 体いわれておりますが、医療の特性から、必ずしも数値目標に馴染まないものと、つま り数値は取ることができるのですがそれで全体を推し量ることが出来ないと、こういっ たものもあるものでございますから、多少定性的な目標とした事項もございます。  それから独立行政法人制度そのものが、予算の単年度主義には囚われないという制度 でありますので、中期目標の期間の5年間でどのような成果を上げるかということで目 標の数値なり予算等の経営指標をとりまとめております。  それからスタート時点をどこにとるかということですが、平成16年にスタートして20 年まで5年間といたしますと、この間の努力、16年からの努力ということが具体的な努 力内容になるかと思いますが、そうするとどこと比較するのかといいますと、平成15年 度、国の時代を比較の対象にするのだろうといことですので、ベースは15年度に基本的 には置かせていただいて、最後の20年度で、どれだけ努力をしたかというような目標設 定をさせていただいております。  それから中に一部白抜きのところもございますが、若干数値の精査が続いておったり 関係各省との調整等もある内容もございまして、数値が入っていないところもあります が、そういうところは、ぎりぎりまで数値は詰めていきたいというふうに思っておりま す。また他にも若干変わる数値もございます。いずれにしても今日時点での内容という ことで、逆に数値が入っていないところについては、その考え方というものがこういう 方向だということを御理解していただければと思っております。  最初にこの横表にございますように、私どもの法人は、「臨床研究事業」と「診療事 業」と「教育研修事業」の3本柱。特に、診療事業を中心としながらスパイラル的な発 展といいましょうか、だんだん良くなっていくような構造に是非したいというのが希望 でございます。  診療事業につきましては、やはり地域に信頼される医療の提供というものが重要であ るということと、それからその地域に信頼される医療を基盤としながらも、その上に政 策医療というもの、あるいは小児救急といったものを着実に実施していくということを ポイントにしたいと考えています。その他、患者の目線に立った医療ということで、セ カンドオピニオンの導入ですとか、質の高い医療の提供ということでクリティカルパス の活用といったさまざまなことを診療事業については実施をしていきたいと。  それから臨床研究事業につきましては、この154病院というネットワークをぜひ活か したいということで、EBMといいましょうか、できるだけ根拠のあるような医療の発展 を支援していきたいというふうに考えておりますし、教育研修事業ではやはり質の高い 医療従事者の養成ということを柱にしたいと考えております。  こういったことを進めていくためには、効率・効果的な運営は同時に求められる、ま た安定的な経営を持たなければいかんということで、管理部門の縮小ですとか養成所の 再編成といった形の業務運営のスリム化。一方で、事業運営コストの削減、本部ブロッ クの経費の節減であります。一方、材料費とか人件費率、医療といいますと医療の利用 される方が増えれば、これは不可避的に材料費だとか医療費が増えるわけでありますけ れども、そういうのでできるだけ安く買い入れるだとか、あるいはうまく業務委託を活 用して人件費率が増えないようにして、むしろそれを質の高い、上にございますような 3つの柱に注ぎ込めるような体質に変えていきたいということでございます。  5年間の累計損益で5年で評価ということでありますので、経常収支率100%以上を目 指したいということが、これから御説明をいたします目標計画(案)の太宗でございま す。あと、この横表とそれから3−VIII、中期計画の考え方、この2つの資料を参考に しながら御説明を進めさせていただきたいと思います。  最初に、その中期目標(案)の比較表をご覧をいただきますと、この目標(案)は大臣か ら法人に指示をするということでございまして、前文がつけてございます。この前文の 趣旨は、我が国医療の評価をまずし、その上で国立病院・療養所の足跡を辿り、しかし ながらいままで確かな足跡を残したものの新しい課題が生じておると。この新しい課題 に向かって独法化という仕組みを利用しながら、積極的に国民の医療の向上に貢献して いくべきであるということが、この中期目標(案)の前文の1、2、3、4、5のパラグ ラフに書かれております。最後に、大臣の中期目標の前文といたしましては、2ページ 目の目標期間の上のほうに書いてございますが、独法への移行が、国時代の制約、慣習 ・旧弊から離れて、変革を実行する絶好の機会であって、独自性、自主性を発揮し、経 営効率を上げ、政策医療の確実かつ効果的な実施、患者サービスの向上ができるよう最 大限努力せよ。ということが大臣の問いかけになってございます。  これにお答えするかたちで、法人の計画のほう、これは法人の理事長から大臣にお答 えをするというかたちでございます。日付のほうは、とりあえず仮置きで入れてござい ます。法人の計画のほうでは、大臣の指示する前文でございますような、歴史認識を共 通にした上で、2つ目のパラグラフにありますように、やはり国立病院機構そのものが 国民の財産であるということがございますので、国民から付託をされたというこの財産 を活用して、全国で医療の向上に貢献をすることを使命とするんだというふうに謳って ございます。その上で改革については、将来を見据えて進め、中期目標の達成を図ると いうことが3つ目のパラグラフで示したことでございます。  具体的には、すなわち以下でございまして、ここでひとつは課題を的確に捉えなが ら、ひとつは患者の目線に立った国民に満足される安心で質の高い医療の提供。それか らネットワークを活かしたエビデンスの形成、それから良質な医療人の育成。そしてそ れを支える、効率的かつ効果的な業務運営ということを達成するんだということを総論 として申しておるわけでございます。  そうした観点からも、この中期計画は作られており、なによりも職員一丸となって当 たりたいという決意を表明しております。これが、大臣の問いに対するある意味で前文 でのお答えという(案)でございます。  目標に返っていただきまして、2ページ目にございますが、これは目標のみにでてく る事項でありまして中期目標の期間というものを定めなければならないと。3年から5 年の期間をもって定めるということでございますので、これにつきましては、私ども5 年というタームで考えております。確かに、今後平成16年、で2年に1回診療報酬が改 訂されるとすれば、20年までに3回ぐらいは見込まれるわけですけれども、一定程度い ままでの官庁会計で業務運営をやってきた世界から企業会計の世界になるにつれては、 やはり一定程度時間が必要であろうということもあり、5年ということにさせていただ いておりますし、このことは国会でも答弁申し上げた内容であります。  そこで16年4月から21年3月まで5年間でございます。これを受けまして、先ほど申 しましたように目標のほう、第2 国民に対して提供するサービスその他業務の質の向 上に関する事項、これを受けまして計画のほうでは、国民に対して提供するサービスそ の他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置というかたちで、質の 問題からまず入っていこうということであります。  目標の柱書きにございますように、国立病院機構は、国民の健康に重大な影響のある 疾病に関する医療と、それから3ページにございますが、地域の中で信頼される医療を 行うことを基盤としつつと。やはりこの2つの医療、こういったものを分けるのではな くて一体としてやはりやっていくということが求められるのであろうと。その上で、じ ゃあどういう政策医療分野をやるのかというのは、別記という形で「国の医療政策とし て担うべき医療の分野」ということで、がん、循環器病、精神疾患、神経・筋疾患等、 総て合わせますと19分野をこれまでやってまいりましたし、やはり引き続きこれはまず スタート時点ではやっていくべきことではなかろうかというふうに感じております。  例えばこのごろのSARSといった問題にいたしましても、国際感染症といったようなと ころで当面読み込めるわけでありますし、しかし今後いろいろ医療内容等が変わってま いりますと将来的にはまた見直すことがあるかもしれませんが、今回のスタート時点で は、この別記の19分野を中心として政策医療という範囲にしたいというふうに目標(案) では規定いたしております。  その他、調査研究及び質の高い医療従事者の養成ということでありまして、こういっ た内容をほぼ中期計画の柱書きのほうでも受け止めてございます。  その上で、目標の診療事業というところでありますけれども、ここで患者の目線に立 った安心で質の高い医療が受けられるようにするということで、ひとつは(1)患者の目 線に立った医療の提供という目標のところでは、若干定性的な部分が多いわけですが、 やはり患者自身が医療の内容を理解し治療の選択を自己決定できるように説明・相談体 制の充実。あるいは患者満足度を測定せよ。あるいはそれらの分析・検討、これに基づ いたサービスの内容の見直しや向上という定性的な目標が1点掲げられております。そ れからセカンドオピニオン制度の導入といったこともここで掲げております。これが患 者の目線に立った医療の提供ということであります。  これを受けまして、右側のほうで3つの分野を計画いたしております。1つは、分か りやすい説明と相談しやすい環境づくり。それから2つ目に、セカンドオピニオン制度 の実施。3つ目に、患者の価値観の尊重ということでございます。  最初の相談しやすい体制のところでは、体制を整えると同時に、患者満足度調査を実 施いたしまして、平均値以上の評価を全体で受けられるように改善を図るといったよう なことがまず書いてございます。  それからセカンドオピニオンにつきましては、患者が主治医以外の専門医のアドバイ スを求めた場合に適切に対応できるような制度を全国で、中期目標の一環として、この 5年間で全国で受けられるように整備をする。これが計画になっております。  それから患者の価値観の尊重につきましても、患者満足度調査で平均値以上の評価を 受けられるように改善を図る。これにつきましては、この言葉だけではわかりませんの で、3−VIIIの国立病院機構中期計画の考え方というものを開いていただきまして、こ れを横に置いて御参考にしていただきたいと思います。この資料、患者満足度調査とい うものは一体どういうものなのかということです。  先ほど、2枚の患者さまへのアンケートということで外来版と入院患者版、この2種 類をお示ししております。これはこの横表の資料の1ページにありますように、国立保 健医療科学院の協力を得まして、いろいろな患者の属性に基づくデータ補正が可能な構 成で調査票を作ったものでございます。これはまだまだ作ったばかりで実施したばかり ですが、だんだん進化をさせていきたいというふうに考えております。これにつきまし ては、いわゆる退院前に封筒に入れて患者さんにお渡しいたしまして、回収は大きな箱 を設けてそこに適宜入れていただいたというかたちで、あいだで医療従事者が係わると いうようなことがないようにしてアンケート調査を行ったということでございます。  その結果が平成15年度にやりまして、一定の入院の方は退院を予定されている方にお 渡ししたりいたしておりますが、だいたい2万枚強、それから外来で5万枚弱というこ とで、回収率はそれぞれ77%、75%ということでございますから、まずまずの、結構たく さん書かなければならない内容にしてはよくお答えいただいたのではないかというふう に思っています。  これについては、仮集計をさらに改善をするために、いま現在も作業を進めておりま して、近々15年度の結果では思慮しますが、2ページを御覧ください、先ほどのこの横 表の資料の2ページで、○分かりやすい説明と相談しやすい環境づくり。例えば、先ほ どの項目のなかでみますと、入院の方々の例えば説明に係わる項目を抽出しますと、平 均点が4.6点。5点満点で4.6と。私の経験でもあちこちで満足度調査をしますと、意外 に高い点数がでる。高齢者の日本では介護保険などでも自治体のアンケートをみます と、「満足・やや満足」でだいたい90%というような結果もでますので、むしろ満足し ていないところに注目すべきだろうという意見もございます。私どもも、この平均点を どうこうというよりも、そこに書いてあります平均点以下のところがあるのだというと ころに着目しまして、全体の底上げを図っていくほうが現実的ではないかというふうに 考えておりまして、いろいろ研修等を充実させまして中期目標期間中に例えばスタート の平均点を超えられるようにと、近づくようにというかたちにしていきたいと。  3ページにございますように、例えばわかりやすい説明と相談しやすい環境づくりで 入院の場合ですと、平均4.6に対して、この左に3.6というかなり外れたところもあるわ けでありますので、こういったところができるだけ右側に寄っていってもらうように努 力をしていきたいと。それは毎年度、調査をしながら図っていきたい。  その次のページは外来でございまして、これもやはり平均点以下のところを上がるよ うにしていきたいというふうに考えてございます。  それからセカンドオピニオン制度、こういうものを大々的に個々の病院ではいろいろ あるかと思いますが、制度とするのは初めてではないかなというふうに思っておりま す。そのこころは、真ん中の目的に書きましたように、やはり患者の治療の選択に対す る自己決定の支援ということではないだろうかと。そういう意味では、患者の治療法の 選択、疾患への理解に貢献できるようなかたちにしていきたいと。内容としましては、 これ3つパラグラフがございますが、要するに国立病院機構内の病院で治療を受けてい る患者の方が他の国立病院のドクターの話を聞きたいと、そういったためにはちゃんと 情報提供をして「どうしますか」ということです。それから2つ目のパラグラフは、国 立病院機構以外の方でも受け入れますよと、我々は門戸は開放いたします。3つ目が逆 に、国立病院機構で治療を受けている患者の方が他の専門病院なり、つまり余所の医療 法人なり公立病院なりにお話を聞きたいといえば当然協力いたしますよというかたち で、開かれたかたちのオピニオン制度にしたいと考えております。  もう少し具体的にいいますと、セカンドオピニオンといいましても情報提供が重要で ありますので、今後私どもEBMでいろいろデータを重ねてまいりますので、それに基づ いた基本情報データベースをできるだけ多くの人が利用できるように整備をしていきた いと。したがって主治医も患者家族もあるいはセカンドオピニオン医師もそういう情報 提供を得ることができると、そういう一般的な情報を得つつ、ファーストオピニオンの ときにはインフォームドコンセントできちっとできるようにし、なおかつセカンドオピ ニオンが利用できるようにすると。私ども、北海道の方がいきなり九州というのもなか なか大変でしょうから、それぞれブロック内で一定の準備ができるようにスタート時点 では体制を整えていきたいというかたちにしております。これも初めてやることであり ますので、今後体制を順次整えていくということで考えてございます。  そういう意味では、ここは全国で対応できるようにということを目標にさせていただ いておりますが、第1期としては、整えることをことが先ということであります。  それから○患者の価値観の尊重。これも最初の相談体制のところと同じでございまし て、今度は患者満足度調査全体の平均点というものに着目いたしました。これを引き上 げるように努力をしていこうと。例えば、7ページにありますように、入院の待ち時間 が長いといったような不満が多いといった結果がでております。平均点以下のところに ついては、原因分析なりサービス改善を求めていきたいというふうに考えております。  8ページ、9ページはそれらの、先ほどと同じように平均点以下のものは、これだけ ばらついているということを示したものでございます。  次に横表の(2)患者が安心できる医療の提供というところでございます。こちらのほ うは、やはり国立病院機構で安心して医療を受けられるように医療倫理の確立あるいは 医療安全対策の充実、それから地域医療に貢献するために救急小児医療に積極的に取り 組むべしと。そこで目標数値として、ここは初めて、いままでどちらかというと定性的 あるいは体制の整備ということが中心でございましたが、思い切ってここでは救急患者 ・小児救急患者につきまして受入数を5年間で10%の増加を図るということを目標で示 しております。  これは、すぐにできるのではなくて、体制も整備しなければなりませんし当然医師だ とかの確保、あるいは勤務体制の工夫だとかいろいろやらなければならないということ でございます。  この(2)の項目につきまして対応する計画(案)としては、その比較表の4ページ右に ございます。3つの項目に分けております。医療倫理の確立ということにつきまして は、ひとつは現在私ども臨床研究をする場合には、倫理委員会を設けてきちっとやって いこうというふうにしておりますが、まだまだ十分でない活動をしている病院もござい ますので、これについては、すべての病院に臨床研究の場合は倫理委員会を設けてもら う。それから治験を実施するすべての病院には、治験審査委員会を設置するというかた にしたいと思いますし、小規模病院にはそういうことがよりしやすくするための合同開 催といったようなシステム的な支援もしていきたいと考えてございます。  それから当然、委員会を開けばいいというのではなくて、今後はやはり委員会の組織 ・運営状況を本部で適切に把握いたしまして、各病院で委員会の指摘事項を医療に適切 に反映していただけるようにしていきたいというふうに考えてございます。このあたり は若干定性的な目標にさせていただいております。  それから医療安全対策につきましては、リスクマネジャーを中心に、ヒヤリハット事 例の適正な分析をやっていかなければならない。あるいは院内サーベランスの充実に取 り組む、それから医療安全対策の充実。日本の医療安全対策の充実に貢献する観点か ら、新たな医療事故報告制度の実施に協力する、あるいはすべての病院において医療 品、医薬品等の安全情報の報告を徹底するといったことを目標に掲げております。  それから救急・小児医療につきましては、先ほど申しました10%以上ということです が、これにつきましては、またこの横表の10ページをみていただきたいと思います。  ○医療安全対策の充実ということで、いま申し上げたような柱、3つの柱で推進をす ると。特に「リスク管理」については、ある意味で量から質の時代と。ヒヤリハットと いうものが認識された時代には、ヒヤリハットの事例をたくさん引き出すということが どちらかというとまず優先された。しかし今後はその内容を分析して、それを適用して いくということが求められるということであろうと思いますので、むしろ分析に力を入 れていかなければならないとうふうに考えております。  それから院内サーベイランス、1枚繰っていただきますと、医療安全管理者というそ ういうのを支えるマネージャーも、あと僅かまだ未設置でございますので、これは中期 目標期間の早々に配置をしていきたいと考えております。それから12ページをご覧いた だきますと、先ほどちょっとでておりました○サーベイランスの実施状況でございま す。正直申しまして、ここにございますように、サーベイランス要するに担当者が必ず 巡回をして課題を把握して対応を練るということでありますけれども、例えば全施設集 計でみますと「最低値 0」とでておりますようにゼロ回というところもありまして、 お恥ずかしいことでありますが、こういったところも引き続き引き上げに努めていかな ければいけないと。それからICU、CCUというところもまだ手が回らないかどうかわから ないですが、これも「0」というところがありますので、もう少し問題意識を持ってき ちっとやっていただかなければ遺憾と考えております。  それから○医薬品安全情報、もちろんこれは数が多ければいいという議論ではないわ けですが、問題があればきちっと提供していくということで本当に全国304件というも のかどうかと、こういったあたりは意識を徹底させていきたいと考えております。  それから13ページの表を見ていただきますと、○救急医療・小児救急であります。私 ども病院群輪番、あるいは小児救急医療等いろいろ地域医療にできるだけ貢献をしてい こうという努力をいたしておりますが、毎年少しずつ増やしておると。今度も独法化に 当たって是非努力をしていきたいというふうに考えておりますが、いろいろ小児科医の 確保とかまだまだ努力をせなければならんことがありまして、もう少し時間をいただく のかなということは考えておりますが是非充実させたいと思っております。  そこで受入数は、これはある意味時間外にお越しになった方の総数でございます。救 急隊が搬送したかどうかというところは細かく取っておりませんが、いわゆる時間外と いうことでやっぱり国民の不安のあるところでありますので、そこで受け入れるかどう かと。そういう意味でいきますと、年間で小児も含めて50万件ほど受け入れをしており ます。この内数ですが、小児については14万件弱という実績が推計されております。概 ねこういった数字はじょじょに伸びてきておるわけですが、今後やはりできるだけ施設 に対しまして研修とかいろいろやりまして積極的に支援をし、中期目標期間中に10% 以 上ですね、目標は10%ということですが、我々は10%をさらに超えるということを目標に したいというふうに考えております。  なお、14ページ、15ページでは、救急患者あるいは小児救急患者、種々いろいろばら つきがあると、例えば小児でいいますと香川小児病院といって「小児」という名が付く ところは当然のように集まってまいりますので、若干同じように比較できないところも ありますが、できるだけ底上げを図っていきたいと考えております。  それでは引き続き目標に戻りまして、目標、次の5ページでございます。(3)質の高 い医療ということでございまして、この質の高い医療の幾つかの論点は、やはり医療の 標準化を支援していくためにクリティカルパスの活用ですとか、エビデンスに基づく医 療、こういった情報の共有化を図る。それから長期療養者、重身の方、筋ジストロフィ ーの方々のQOLの向上や在宅支援をむしろ積極的にやるべしと。これは福祉がどんどん 在宅ということになっておりますので、施設収容という世界から在宅に貢献するのがや はり役回りだろうと。それからやはり国立病院機構が持っている人的、物的支援はかな り膨大なものになっておりますので、これをもっと有効活用すべきであると。それがや はり地域医療への貢献に繋がるということでございます。それから政策医療そのもの も、やはり我々自身がどれだけ効果を上げているのか評価をすべきであろうということ で、そういう指標を開発したいということで、目標といたしましてはクリティカルパス の実施件数を5割、高額医療機器の共同利用を4割の増加を図っていきたいということ を目標として定めております。  これに対しまして計画(案)では、5ページ、6ページで、ひとつはクリティカルパス の活用、EBMの推進、長期療養者のQOLの向上、病診連携の推進、政策医療の適切な実施 という5つの項目を定性的、定量的に挙げてこの目標を果たしていきたいというふうに 考えております。  そこで16ページの表をご覧いただきますと、○クリティカルパスの活用ということで ございます。やはりこのクリティカルパスといいますと、なかなか適切な訳がございま せんが、いわゆる工程管理の手法を臨床に入れたものということでありまして、例えば 一定の疾病とか疾患をお持ちの患者さんにつきまして、入院の指導がどのくらい、検査 は何日、投薬がどのぐらい、理学療法あるいは退院指導、ですからいつ入ってだいたい 何日後にどういうことを受けて、どういう状態になって、どのくらいで退院が見込める ということを言って明らかにするということです。これは疾病ごとにあるいは患者ごと に作っていかなければいけないという面がございますが、これはぜひ努力をしていきた い。これをやることでチーム医療、つまり多職種が係わる中でひとつの目標を患者ごと に持つということにもなりますし、患者家族にもわかりやすい医療を提供できるという ことになります。ある意味では、いろいろな医療をだんだん標準化をしていくという効 果もあろうかと思いますので、これについてはぜひ積極的に研修会などを実施して増や してきて、期間中に5割以上の増を目標にしたいと。  次のページ17ページでございますが、クリティカルパスの実施の患者数ということ で、非常に実施患者はたくさんやっておられる病院とほとんどやっておられない病院と いうふうに分かれておりますけれども、これも私どもの病院いろんな種類がございま す。急性期の病院から慢性期の病院まで非常に幅が広うございますし、そういうことも あって一概には比較できないのですが全体としては引き上げの方向にやはり図っていく ことができるだろうと。それからじゃあ適用はどのくらいか、作っただけかということ になりますので18ページにございますように、新しく入ってこられた患者さんにどのく らい適用しているか、平均では2割ぐらいということでありますが、こういったことも 件数を増やしていくなかで引き上げていきたいと思っております。  それからEBMにつきましては、ネットワークを使いましていろいろ臨床例を集めたり、 臨床評価指標、後ほど御説明します臨床評価指標の開発をしたりして情報を蓄積して いきたいと考えております。  長期療養者のQOLにつきまして、19ページにございますように、やはり長期療養者ひ とつは面談室というものを設置していって、だいぶ増えておりますが、もう一息であり ますのでぜひいろんな部屋を活用しながら、すでにある部屋を活用しながら全施設に設 置をしていきたいと。それからよく堀田力さんなんかもおっしゃるように、ボランティ アが入っている施設というのは非常に透明性が高いという御意見もございますので、ボ ランティアの受け入れをぜひ積極的に進めていきたいと考えております。それから重症 心身障害児(者)などへの在宅療養への支援、支援事業は積極的に増やしていきたい と。受託をしていきたいと思っております。それから、重身・筋ジスを受け入れている 病院が81病院ございます。非常にたくさん受け入れているところもあれば1病棟だけと いうようなもの、いろいろ幅がございますが全体としては81と。こういったときに、や はり患者家族の方々が、ちょっと宿泊して一緒にいたいということの要望があるわけで ありまして、現在自治体に建てていただいたりあるいは関係団体の「親の会」などが作 られたものが52施設ほどございますが、中期目標期間中に5〜6箇所、10%以上の増を 目指して整備をしていきたいと考えております。  それから病診連携でございます。やはり先ほどもいいましたように、地域の医療機関 と連携を図っていくことが地域に信頼される医療にもなりますし、また政策医療を的確 に進めていく上でも必要でございます。そこで20ページの絵にございますように、地域 医療連携室という内部組織を現在おる人員の中から生み出しまして、全施設にやってい って連携というものをまず大切にして進めていこうと。しかし連携といっても連携、連 携とかけ声だけかけてもどうしようもございませんので、それを実質化させるものが必 要であるということでありますので、ここの真ん中にありますようにCTとかMRIなど、 やはり地域の診療所ではなかなか持てないような機械もいろいろ持っておるわけでござ いますので、こういったものをぜひ共同利用するなかで連携を図っていきたい。  あるいは紹介率、逆紹介率。紹介率を増やしていただくために、やはり信頼されると 同時に逆紹介をきちっとしなければならない、こういったところを整備していきたいと 考えております。この高額医療機器はあくまでも何個かの機械に限るのではなくて、基 本的にはすべての機械が共同利用できるものは、この4つのほどの高額医療機器に限ら ず増やしていきたいというふうに考えております。23ページを先に開いていただきます と、高額医療機器の共同利用件数ということででてございますが、私どものなかで結構 いろいろ整備をされておると。それから使用頻度が高かったり、病診連携に役立つとい うことで特にCT、MRI、SPECT、シンチグラフィーとこの4つをとりあえず選んでみたい と。これがどれだけ利用されるようになったかということをぜひ委員会では評価の指標 にしていただいたらどうかと。ただ、繰り返しますが私どもこの4つに限って共同利用 するだけでなくて、もっと幅広く持っているものは利用していただきたいというふうに 考えております。  それから2ページほど前に戻っていただきまして、例えば21ページでは紹介率、現在 平均では36でございます。もちろん非常に急性期の病院で高く紹介をしているところも あれば、やはりどうしても慢性医療のところは低い場合もございます。しかし必ずしも そういった言い方が一概に当てはまらないものもございます。いずれにしても、この全 体をぜひ5%ぐらい伸ばしていきたいと。上にいったところはなかなか伸びにくいもの ですから、下を上げていくことが重要かと思っております。  それから22ページにございますように、逆紹介というものもこれも本来は紹介率が上 がれば逆紹介も当然同じように不即不離で増えていくということであろうかと思います が、これもぜひ増やしていきたいと考えております。  24ページをお開きいただきますと、政策医療を実施するためにはやはり政策医療とい うふうにネットワークが19あるんだということにはとどまらないだろうと。24にござい ますように、実施の状況の把握及び評価、こういったものが必要でありまして、絵にご ざいますように臨床評価指標の開発が重要となってございます。  臨床評価指標といいますのは、例えばがんであれば胃がんを切ってから5年生存率は どのぐらい、循環器であれば外科手術どのくらいといったようなもの、こういったもの をさまざま評価をするわけです。一方で紹介率がクリティカルパスを実施しているかと いう共通の部分もございまして、これを基本にしながら、その上に個々のグループの違 いがあるということでございます。  次のページを御覧ください、これにつきましては昨年からいろいろ開発に取り組んで まだまだ試行段階でございます。国立病院機構におきましても中期目標期間中にぜひ開 発、改善をしていきたいと。ただ課題といたしましては、例えば国立病院機構が担う使 命とどう整合性がとれているのか、なんでもかんでも広くやればいいというものではな いということがございますし、測定可能性、比較可能性、改善可能性あるいはコストや 手間のかからないデータ集積、こういったいろいろ改善を図っていって臨床評価指標と いうものを実質化をさせていきたいと考えてございます。  それでは比較表に戻っていただきまして、ちょっと時間伸びておりますが急ぎたいと 思いますが、比較表7ページでございます。臨床研究につきましては、やはり目標とい たしましては、ネットワークを活用して、データを集積しエビデンスを形成してもらい たいということが1点と。それからそういったところで開発された高度先端医療技術や あるいはそういったものの臨床導入を推進していく。それから治験につきましても、ぜ ひ質の高い治験を、わが国ではなかなか治験がやりにくい環境だというふうに製薬メー カーからも聞こえてまいりますが、ぜひ質の高い治験をこの機構の組織を活かして実証 し、治験実施症例数の20%増を図りなさい。こういったことを目標にしたいと考えてお ります。  これを受けまして計画のほうでは、ひとつ臨床研究につきましては、(1)ネットワー クを活用したEBMのためのエビデンスづくりの推進ということと、診療ガイドラインの 作成、改善を計画に掲げております。これにつきましては、7ページの右側(1)、(2)と ございますように、やはり一般の臨床に役立つような広い意味での臨床研究を推進しま す。16年度中には計画を作りまして、これに基づいて疾患の標準的な診療指針の作成・ 改善。一説によれば7割ぐらいは一定のガイドラインができておるけれども、そういう ものの改善が必要だろうと。あるいはそれ以外の部分について、さらに作っていくとい うことも必要だろうといわれておりますので、こういった取り組み。さらに(2)にござ いますように、政策医療ネットにつきましては、これはまさに自分達いろいろやってお りますので、これの臨床研究計画を作って今後指針の策定をしていきたいというかたち で考えております。  それから8ページをご覧いただきますと、私ども臨床研究センター及び研究部をかな りたくさんこれまで設置してまいりましたが、16年度中にはこういうエビデンスを作る ための貢献などを指標に作りまして、まさに臨床研究成果そのものの評価、あるいは臨 床研究センターあるいは研究部の評価というところまでグッと踏み込んで、これまで数 の整備をやってまいりましたので臨床研究の質の向上といったものもぜひ図っていきた いと考えてございます。  それから(2)治験の推進ということでございます。治験の推進につきましては、まず ネットワークを活用しようと。それから2つ目は、本部に窓口を設置して多施設間共 同、大規模治験ということも制度化されるわけでありますので、こういったものの受け 皿を作っていこうと。それからやはり治験いろいろ頼まれたときに優先すべきは何かと いうガイドラインをやはり作って、全体として日本の医療、必要なものから優先という かたちで貢献をしていきたいと。それからすべての臨床研究センター、研究部に治験管 理部門を設置して積極的に治験を実施し14年度実績で2,800件ほどの治験症例がありま すが、これを目標期間中に20%以上は増やせるようにしていきたいと考えております。 その他、高度先端医療とはこれはできるだけ定性的に導入していきたい。  それから教育研修につきましては、ひとつはやはり人を育てるということは重要でご ざいまして、独自の育成プログラムの開発、それから臨床研修医等の受入数の20%の増 加、それから政策医療に関してそれを普及促進するための研修等の参加人数の増加と、 こういったことを教育研修事業では求めております。これに対しまして29ページの表を 御覧いただきますと、○質の高い臨床研修医やレジデントの養成ということでありまし て、レジデントと申しますのは私どもが臨床研究を終わった方独自にいろいろ専門医と しての研修、修練をやっていただいている部分でございます。こういったものについて やはり臨床研修で新年度から新しい臨床研修の仕組みになるわけでありますので、この 機会に非常に独自性のある質の高いプログラムを作って研修を実施していくことを柱と したいということと、もう1点は、ここにも書いてありますがレジデントと私どもが呼 んでおります専門医の研修につきましても、近年では総合医療といったようなかたち、 ジェネラルギジュツシャンのようなものもだんだんある意味ではひとつの分野であると いうこともいわれてきているというように聞いておりますので、そういった方が育てら れることも含めて養成プログラムを見直していきたいと、その上で全体として20%以上 の増を目指したい。  それからその次に医師のキャリアパス制度の構築、看護師のキャリアパス制度の構築 というものがございます。これは30ページの横の表を御覧いただきますと、国立病院機 構におきますキャリアパスのイメージということでありまして、やはりいままで医局か ら配属されるというスタイルから、この国立病院機構のなかで若手から医師を育ててい くということをぜひやっていきたい。そのなかでナショナルセンターというところとも 人事交流を行ったり、国立病院機構のなかで慢性期から急性期まで、神経難病からはじ まって小児まで多々ありますので、そういったものをぐるぐる回れるようにしていって 将来の幹部候補生なり優秀な医療人材を作っていく、まさに病院機構が人を育てていく というかたちでこの制度を長い目で実質化させていきたいというふうに考えておりま す。  それから看護師につきましても、31ページにございますように管理者になる、あるい は教員になる、あるいは専門看護師になる。このいずれにしましても多様な経験がやっ ぱり大切になりますので、いろいろなところの病院を回っていただいて経験を積んでい ただくということを独自のシステムとしてやりたいと思っております。  それから32ページでございますけれども、EBMというもので我々がデータを積み重ね ていろいろやってきた場合は、これを普及するための研修が必要でございますので、ま ず政策医療ネットワーク内での医師とか放射線技師、看護師こういったものに対する研 修を実施して、これらについては25%以上増やしてまいりたいと思いますし、このほか これから作っていくわけですが治験コーディネーターなどの養成に係る研修なども導入 していきたいと考えております。  それから33ページの表を見ていただきますと、地域医療にもやはりこれを普及してい かなければいけないと、現在もいろいろな医学知識等について研修会をやっておりま す。まさにこういうことが社会貢献として、あるいは国立の施設で求められるというわ けでありますが、研修会を現在12万人というものを14万人以上の参加が得られるように 目指していきたい。この他、看護師養成につきましては、カリキュラムの評価を第三者 評価をすべてやるとか、地域に開かれた公開講座をやると、こういったようなことをこ の教育研修事業のなかではやろうと思っております。  それから災害、これはまさに大臣からも指示された事項でありますが、34ページにあ りますように、すでに海外にも種々派遣しておりますし災害医療研修をやっている。こ れはむしろ中身の充実を今後図っていきたいと。非常に時間を過ぎてしまいましたが、 以上が医療に関係する部分の御説明であります。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。大変な、聞いているとすべてがなんかうまく行くよ うな感じですけれども、さて、提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 ということで、いろんな到達目標と計画を説明していただいたわけですがいかがでしょ うか。 ○住田委員  中期目標の「中期」ということですけれど、さっき御説明のなかで3年でもいいし5 年でもとおっしゃいましたね、だけど5年を取ったとおっしゃいましたね。だけど今日 の経営という、こういう独立行政法人がそれも参考というか模範にしなければいけない と思うのですが、今日のビッグビジネス、経営のあり方ではもう5年だと長期になるん です。ですから、やっぱり中期計画となるともうちょっと3年とか短いレンジの計画が 必要じゃないかと。それから、もしよしんば5年ととっても、この中期計画はやっぱり 5年というのは非常に長いですから何が起こるかわかりませんから、ですから計画の変 更というのはできるのかということです。それから3番目は、例えば最後のアットグラ ンス一覧表の損益計算は5年間で収支合うようになっていますけれども、こういうのは 5年間でもう収支合うというのはとても僕らには考えられないのです。やっぱり1年目 はこう、2年目はこう、3年目はこう。というのは5年間で収支が合うということは、 42ページの財務のイメージを見ても最初は赤字ですね。ですからそういうものをはっき りと1年目はこう、2年目はこう、3年目はこうというふうに出したそういう全体の計 画を作ったほうがいいのではないかと思うのですがいかがですか。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  中期目標というのは、種々法人によっていろいろな事業形態がありますので、3〜5 というのが制度でいわれていることでありまして、そのなかで選ぶということでありま す。ただ、私どもはすでに例えば企業会計が適用されておるような特殊法人等のよう に、わりと移行のしやすいスタイルとまったく違っておりまして、まさに官庁会計しか も収支差がだいたい1割ぐらい入った特別会計制度の下であったということもございま して、やはり一定期間これに慣れて経営していく必要がある。  それから154の病院があるものですから、それらを一つの法人にまとめておるという こともありまして、これを統合してうまくやっていくには一定程度適用の時間も必要で はないかなということで、国会審議のときから何年でやるんだということございまし て、法案の時点でも5年と。その後の点検しても、やはり一定期間離陸の時間が必要で はないかということで、第1期は5年というふうに設定をさせてもらった。  もちろん制度的には大幅な変更等ございましたら、当然変更の認可ということが制度 的に認められておりますので、これはその時点で考えていきたいというふうに思ってい ます。  それから評価につきましては、やはり制度的にはいろんな例を見ても一応5年なら5 年ということでみております。もちろん、ただ私ども毎年毎年計画は当然作っていかな ければいけない、年度計画は制度的に厚生労働大臣にあとで届け出るということになっ ております。ただ、そういう意味ではいま例えば年度年度作って、それがカチッとこれ でなければいけないといわれても、またそれは逆に御質問にもございましたように変更 にも頼らなければいかんということです。むしろそこは、少しその枠をまず認めていた だいて、そのなかで我々が年度年度の変動をどれだけ、その年度の計画を作るのか、飲 み込んでいけるかとそういうところで努力をさせていただきたいなというふうに考えて おります。 ○清水企画課長  ちょっと追加でございますが、これから御説明する財務の関係の資料で35ページ、36 ページの特に36ページのところを見ていただきたいわけでございますけれども、[資金 等]というところで、毎月の棚卸しを含め月次決算を行う。あるいは病院ごとに資金繰 りを計画して実施する。というふうに書いてございますように、日常運営では、このよ うに月次あるいは場合によりますと毎日の日次でいろいろとモノを考えていく。あくま で計画は5年間でございますけれども、日常の運営はきわめてショートレンジで考えて いくということでございます。また診療報酬改定も2年ごとにあったりとかいう状況の 変化がございます。また、いろいろと計画の変更をお願いする時期も来るかなというふ うに思っております。 ○渡辺委員  この中期計画なかなかいい盛りだくさんだと思うのですが、特に患者本位の患者の目 線に立ったところで、私自身の感想として2点ほどちょっと足りないところがあるので はないかと思います。  1つは、先ほどちょっとあったと思うのですが、病院に対して患者が一番不満に思っ ている、どんなアンケートをとったって待ち時間の長さです。これはしかし病院であれ ばあるほど解消しないんだけれども、それに対する工夫。例えていいますと、それこそ 東大病院の外来が非常に評判いいのは、ボランティアもいるけれども、受付を済ませる とポケベルを渡してくれて診察時間の5分か10分前に呼び出すと。1時間待っても、2 時間待っても患者は非常に満足している。特に東大外来新病棟オープンになってからず っと、いまもなさっていると思うのです。例えばああいう工夫ですね、つまり待ち時間 の解消ということはなかなか難しいことだと、それは避けられないと思うのですが、な んらかの工夫によって例えば長く時間を待っても患者は満足できるという現象、他の病 院にも東京の多摩のほうにもそういったケースがあります。そういった工夫というもの をもっと盛り込んでほしいな。これが第1点。  もう1点は、患者の目線に立った場合は、やはり診療時間ですね。いま国立病院はだ いたい週休2日ですね、たしか。これは民間病院、あるいは患者にとってもはっきりい って非常に評判悪い点でありまして、国立病院だけ週休2日で大変結構だなと。むしろ 逆に、これまた自治体病院なんかのレベルだと、却って診察時間を15分、30分繰り上げ て患者が来やすいようにするといった工夫をしているところもある。これいろいろと確 かに人員の問題難しいこともありますが、やっぱりここも目標として何か掲げていただ かないと、これをいわば欠落したまま患者の目線に立った医療をやるといっても、ちょ っと説得ないのではないかと思います。以上です。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  いまのお話まさに受け止めて、具体的にこれというのはなかなか書きにくいわけです が、ぜひその工夫を促進するようなことでやっていきたいと思いますし、案外調べてみ るといい工夫をやっているところもあるかもしれませんので、それを広がるような方法 をとっていきたいと。  それから、確かに診療時間等につきましては、いままでかなり硬直的な仕組みだった です。これから就業規則等でいまいろいろと事前に交渉しているわけですけれども、あ る程度早出・遅出いろいろ弾力化できるようにしていくなかで、これは職員団体も当然 理解も必要なわけでありますけれども、できるだけ弾力的にやっていくなかで、いまお っしゃられたような工夫、例えばお客さん来たら早くできないかとか、じゃあ土日はど ういうローテーションするかとかということが現場レベルでできるように弾力運営を図 っていきたいと考えています。 ○夏目委員  今回できる国立病院機構の最大のミッションといいますか、存在意義は、やはり19分 野といわれている政策医療の確実な実施というところが根幹だと思うのです。そういう 意味で、中期目標、中期計画をみて政策医療の適切な実施ということは書いてあり、そ の評価の指標を作るんだというところまでは書いてあるのですが、5年間でどうするの か。評価指標のイメージというのはでておるのですが、5年間経って評価指標をそれな りのものを作るというのが目標になるのか、それともその5年間のなかに指標をある程 度つくり、その指標に基づいて評価も実施していくんだというところまで踏み込んでい くのか、やはり一番の目的である政策医療についての確実な実施というのをどういうか たちで担保する、そのへんもうちょっと目標なり計画に折り込んだほうがいいのではな いかなと思うのですが。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  まさに臨床評価指標というように、やっている医療内容を適切に評価し、外からみて もわかるようにするというのがなかなか今までなかった。これをまず開発する。まさに それはおっしゃったとおりでぜひ、後段でいわれましたそれをただ5年かけて作るとい うよりも、当然作ったら適用していかなければいけないわけでありますので、それはも う途中段階でもいろいろあてはめていって精度を高めていって、むしろそれで5年の間 にはできるだけ早い時期に、臨床評価指標でこれだけ成果が上がっていますよというよ うな御報告ができるような、ところまで持っていきたいなというふうに考えておりま す。 ○夏目委員  毎年毎年トレースができるような書き方をしておいていただいたほうがいいんじゃな いかなと思うのですけれど。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  わかりました。 ○辻本委員  国の目標としてこういうふうに変えていきます。それは、いまここで御説明していた だいて非常にイメージもわいてワクワクするんですけれど、そのことがやっぱり国民も っといえば国立病院を利用する患者さん、その人たちに通じなかったら意味がないと思 うのです。10%とか20%とか、それはすなわち患者さんが動くことによってその数値とい うものが完成していくわけですから、もっともっと患者さんに理解してもらえる働きか け、それを国がするのか各国立病院、地域でその病院が地域の人たちに働きかけていく のかそのへんがまったく見えてきていないんです。やはり、いままで足りなかったの は、国が医療を施し、与えるということで患者もそこのところを勉強する機会がなかっ た。例えば、クリティカルパスでも入院したら、なんだかもうその日に退院が決まって いたみたいなんですという被害者意識なんです。それはクリティカルパスというもの で、情報を共有しながら説明を受けるものだ、とお話しすると「えっ、そんなことは病 院はなにも説明してくれませんでした」と。やはり患者教育ということ、啓発というこ と、そういったこともあわせてこの計画を推進していく。そのなかには、患者さんをむ しろ巻き込んでいくという方向性をぜひ具体的にとり組んで欲しいと思います。 ○開原委員  この目標と計画の対象表でいきますと、4ページの患者が安心できる医療の提供のと ころですが、目標のところに、「患者が安心して医療を受けることができるよう、国立 病院機構における医療倫理の確立を図る」ということが書いてあるのですが、この医療 倫理を受けて、計画のところで、倫理委員会という話になんかすぐ飛んでしまっている ような感じもするのです。私はその医療倫理ということの一番基本というのは、例えば 診療情報の公開であるとか、患者のプライバシーの保護であるとか、特にこれから個人 情報法もいよいよ来年からは完全施行になりますから、やっぱりちょっとそのへんがこ の医療倫理を受けてこちらの計画のほうに、そういう言葉がどこかに入っていてもいい んじゃないかなとそんな感じがいたしました。 ○山田委員  ここにでてきておりますいろいろな評価の基準というのは、大変私はいいものだと思 うのですけれども、ただこれから毎年毎年評価をしていくなかで、ここにでてきている 実際の何パーセント達成するという、増加させるというその数字の算定根拠みたいなも のがあまりはっきりしないと思うのです。そのへんもし説明できるようなものがござい ましたら教えていただきたいと思います。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  いま、いくつか辻本委員、開原委員からございましたように、やはり患者の方にどう 理解をしていっていただくかと。最初にまさにどう説明していくかというあたりから基 礎的にかなり修練を積んでいかなければいけないなということがございますので、ぜひ そういうことは最初の、まさに冒頭に持ってきたとおりの話なんですが、わかりやすい 説明とかその中身を実質化させていくという努力を、これから各病院といろいろ話なが らやっていきたいなと。まさに具体化させていかなければいけないと思っています。そ のなかでまず患者さんにも理解をしていただくということだと思っております。  それから、確かにそういう意味では、情報をどんどんだしていくようなかたちという ものもこれから必要だろうと。透明性という意味ではどうやってアウトプットを出して いくか、アウトカムをだしていくかということについても、実施の段階でいろいろ工夫 をしていきたいというふうに考えております。  それからいろいろ数値がでておりますということでありますが、これらはやはり各病 院が、ここにはでていないのですが山田委員からの御質問の点については、一定程度こ ういう項目をどれだけ各病院として意欲を持ってやるのかということを夏以来いろいろ やり取りをしているなかで、このぐらいできるだろうというようなことを一応でておる わけであります。それを積み重ねて、それをぴったりイコールというわけにはまいらな いわけでありますので、一定程度若干幅をみて、じゃあ全体でどのくらいという目標を ここで数値として、例えば20%とか50%とかということを作っております。もちろん私ど も全体で判断するときは、個々の病院の単純な積み上げにはいかないというふうに思っ ています。政策的な目標も考えていかなければいけなし、意気込みだけでパーセントが 上がるわけではありませんので、若干そういう実施可能性ということも全体として評価 をした上で、各病院の提案を基礎にしながらまとめた数字はだいたいこの20%だとか50% だとかという数字であるということでございます。 ○大道委員  お聞かせいただいた内容につきましては、診療、臨床研究、それから教育研修の3本 とひとわたり必ずしも総花的でなく、それなりのメリハリがあって、この計画どおり実 施されることだけでもかなり評価はされるのですが、敢えてこれは意見として申し上げ ます。診療についていくつかお示しいただいた指標ないしは評価の視点というのは、ス タートのレファレンスは15年度のいまの国立病院としての現状だということなんです が、わが国の医療のしかも国立病院が期待されているような基幹的な役割を担っている 他の病院では、もしかしたらよほど先を行っている可能性が強うございます。現実にか なりの病院が例えばクリティカルパスとかさまざまの個別の課題は、国立病院より先行 して、よほど行くべきところ行っているのです。むしろ国立病院以外の病院の視点が、 今日の御説明には敢えて入れ込まなかったのかなという気もするのです。さまざまな取 り組みが他の病院というのは行っているわけなので、このあたりはぜひ比較検証の対象 とすべきなのかなという気がいたします。  そういうなかでも、例えばセカンドオピニオンなどは非常に特異な形で国立病院のネ ットワークを活かして独法化のなかでもやっていくんだということですが、これなども 非常に大事なこと、あるいは新しい非常に意義のあることと思いますけれど実際にやる と大変なんです。東京などでネットワークを組んでやろうとしているのですけれども、 費用の問題など、現場の負担はかなりのものです。専門医が30分対応したってコスト的 には1万円を超えるという話の世界ですから、患者さんに負担をかけないでセカンドオ ピニオンをやるというのはかなり大変なことなのかなというふうにも思います。他にも いくつかありますが、そういうことが一つです。  それからやはり、臨床研究とそれから教育研修については国立病院の従来の蓄積を活 かした大事な事業だと思うので、正直ここのところをしっかりやっていただくことが先 ほどの政策医療と同時に極めて重要だと思うのですが、きょうの計画の御説明では、特 に例えば臨床研究のネットワークを活かしたEBMの推進とか、あるいは診療ガイドライ ンの作成というのはまだ作文の範囲でして、これまでも国の取り組みで診療ガイドライ ンというのは10いくつかできていて、これの情報提供事業もやっているのです。委託を してやっているわけですけれども、そのへんが萌芽期にあるなかで、それらの先行する わが国のEBMないしは診療ガイドラインの提供事業などとの関わりがあってしかるべき だと思うのです。そのあたりが必ずしも本日の資料のなかに書き込みがないので、むこ う5年間では対応すべきなのかなと。  それから教育研修についても、医師の新医師臨床研修制度の流れを受けた今度の独法 のネットワークのなかでのキャリアパスの提案というのはきわめて重要だと思うし、最 も大きなネットワーク病院単位になるわけですので、イメージ図はわかるのですけれ ど、現実には国立病院というのは従来国立大学を中心としたネットが非常に強いですよ ね、そういうところでこういう図はいいんだけど、リアリティがどこまであるか少し不 安です。この5年間というのはアッという間に過ぎる可能性もあるんですけれども、今 後、なにがしか実績を見せていただいた上で期待をさせていただきたいと思っておりま す。幾つか他にもあるのですけれど、以上きょうのところの意見を述べさせていただき ました。 ○井伊委員  先ほどの数値目標のことに関連しているのですが、病診連携等の推進のところでMRI などの高額医療機器の共同利用について40%以上の増加とあるのですが、最初にこれを 聞いたときから、無駄な検査を増やすインセンティブにかえってなるんじゃないかなと いう気が非常にしています。地域の自治体病院ですとか民間病院など他の競合、協力す る相手との役割分担をもう少し明らかにしていただきたいと思いました。  あとブロックという言葉が何度かでてきたのですけれども、何か目標を立てるときに 国立病院機構ひとつとして目標を立てると千差万別な病院が集まっていると思います し、個々の病院の比較というのもなかなか難しいところがあると思いますので、そのブ ロックというのをうまく活用して何か目標を立てるとか、そいうようなことは可能なの かまた考えていらっしゃるのかということを2点お伺いしたいと思います。 ○清水企画課長  最後の点だけちょっと申し上げますが、ブロックには効率化するというふうに全体最 初のときに御説明申し上げましたように、人数も相当減らしたりいたします。したがい まして基本的には頭脳部分はあまりございませんで、医薬品の共同購入でございますと か、バックオフィス部門を受け持つようなかたちを中心にしたいと思っております。  ただ、いろんな各病院の特色をもっていろいろと展開するためには、いろんな委員 会、別に物理的に人が集まらなくてもいいんですが、IT等も含めてやるというふうなこ とで各病院あるいは地域ごとの特色がでるように、それは運営において様々工夫してま いりたいというふうに思っております。 ○黒川部会長  いろいろあると思うのですが、実は時間が押しているということで議論を切るのはち ょっと気に入らないんだけど、もう1回運営のほうにも話をいただくとして、皆さんの 意見をちょっといただいてますし、まだ言いたいことたくさんあると思うのです。セカ ンドオピニオンの話なんていったらファーストオピニオンに時間をかけていないからセ カンドオピニオンを作るわけで、ファーストオピニオンに時間をとれるかといったら今 の医療制度でそんなことなかなかできるわけない。それをどうするのかという話が問題 です。それは国立病院だけの問題でなくて、地域で役割が全然違うところがたくさんあ る。近所に大きな例えば自治体病院とか、それから国立大学の付属病院とか、労災病院 とか厚生年金がなんてあるときには、だいたい重複を削るほうが大事なわけで、公立病 院の連合ばかり生き残って、みんなが廃墟みたになりますからそんなことでいいのかと いうのをむしろ厚労省が担当しているわけだから。やっぱり全体を見るというメリハリ が大事なんじゃないかなと思います。  それから、ネットワークづくりもここのなかだけでネットワークしているよりは、地 域連携もあるんだけど、国立病院の全体とその地域全体の医療と健康がどうなるかとい う視点のほうがより大事なんじゃないかなと思います。そのへんもここだけ生き延びれ ばあとは野となれ山となれというわけじゃあおかしい。それからアンケート調査も悪く はないんだけれど、よその病院よりはうちのほうが気に入ってくれたかというほうが大 事という気がする。入院は1回してもうそれっきりなんていう人もなくはない。外来だ とこっちのほうがいいとか悪いとかいう話もあるし、さっき東大のポケベルの話は開原 先生が入れたシステムなんですけれど、最近だとみんな携帯を持っているから少しは変 わるかもしれない。しかしペースメーカーがあるからとかいろんな工夫はあり得るけれ どコストはどうするかなという話もある。  いろんなことがありますので、またぜひ、1回決まってしまうとこれで行くぞなんて いう話になると、また医療政策そのものがだんだんガタガタとなっちゃうんじゃないか なと思いますので、ぜひ厚労省としては、全体とそれぞれの地域特性と政策医療とか療 養とかいろいろありますので、そのへんを十分、矢崎先生よくご存じだけれど、そのへ ん考えないと、医者の確保も研修医からなにから全部国立のなかで回すのでなくて、出 たり入ったりといろんな魅力あるプログラムを、医師全体を育てるというほうが社会に 対しては大事じゃないかなと思う。それを考えていただいてワンラウンド目は終わりと して、次に運営というところにいきましょう。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  それでは引き続きまして、じゃあこういうことを支える業務運営をどうしていくのか ということの効率化の話をやっていきたいと思います。  いま申し上げたような質なりをきちっと整えていくためには、やはり業務運営の効率 化というのは避けては通れないし、むしろ効率化を図ることによってもっとその生み出 された余力を他の部分に使うという、振り向けるということでより効果を上げていくと いうことが必要ではないかというふうに考えております。  そこで資料といたしましては10ページを御覧いただきますと、業務運営の効率化に関 する事項ということでありまして、基本的な目標といたしましては、やはり企業会計原 則の下、制度そのものが収支相償というものを求めているわけでおりますので、病院機 構全体として収支相償の経営を目指して業務の効率化を一層図れということにいたして ございます。  もちろんこれを受けて先ほど企画課長からすでにでておりますが、計画といたしまし ては会計ルールの見直し、あるいは部門別決算、月次決算こういったものを入れて業務 の効率化をさらに図っていくということでございます。  最初にその効率的な運営体制の確立ということでございまして、効率的な業務運営体 制になるようにはやはり組織の役割分担の明確化、管理体制の再編成それから弾力的な 組織の構築、人員配置の見直し、それから養成施設などの再編成、こういったことを柱 として挙げておりまして、計画のほうで受けておりますのは、ひとつは効率的な業務運 営ということで、本部・ブロック組織の役割分担。それから弾力的な組織の構築、それ から職員配置あるいは業績評価、外部評価の活用、養成所の再編成といったような項目 で表しております。  じゃあ財務運営の効率化というのはどういうことを目指しているのかということを少 し御説明をさせていただきたいと考えます。  35ページにございますように、本部・ブロックの役割分担。先ほど井伊先生からも御 質問がございましたが、私ども厚生労働省本省とそれから地方厚生局という2つの組織 が病院をいろいろ管理してございましたが、従来から地方厚生局の役割が本省と同じよ うな役割になっているのではないかということで、いろいろ批判もありました。今回、 先ほどいいましたように組織をスリム化するなかで、やはり直接相対するのは本部と病 院と、それで地域でやったほうがいいといったような業務についてはブロックが行うと いうふうに整理をして、全体をスリム化しつつ、指揮命令系統がわかりやすくするとい うかたちに組織を改めたいと考えております。そういう意味で管理組織は、現在8ヶ 所、7局、1支局ございますが、これを北海道・東北それから中国・四国を一つにまと めまして、全体として8ヶ所から6ヶ所に集約をし、組織人は388人体制から291人体制 にするということで管理部門については組織を見直していき、ブロックは、病院の事務 処理等を支援をするということを明確にしていきたいと考えてございます。  では病院の組織内をどのようにしていくかと。例えば効率化のひとつとしては、やは り非効率な病棟をずっと持っているよりもむしろ集約をして、より高い看護体制を確立 ほうがより効果的だということも言えると思います。それから業務全体を見直しまし て、前回御説明をいたしたように、国の時代の制度の賃金職員制度というものはもう改 めまして、常勤職員とパート職員の効率的な配置でより事務処理ができるようにしてい くということにしております。  それから業務委託の活用ということで、特に今回は16年4月から給食の全面委託とい うものが新たに4病院で導入されますし、臨床検査のブランチラボといったものも新た に1病院で導入し、業務の質を確保しつつ効率化を図っていくということを進めていき たいと考えています。  それから従来、療養所と病院と2類型に分けておったわけですが、やはり療養所につ いても病院機能を持たせるということで、療養所を病院に転換ということでいわゆる病 院・療養所の区分はやめるということになります。そういう意味で、今回療養所職員に かかる療養所だからという理由で給与の増額措置をもっておったわけですが、これは効 率化の一環として廃止をする。  それから民間よりも水準が高い職員の給与年齢カーブ、年功序列非常に色濃く出てお ったところについても下方修正をして、むしろ職務職能給というのに近づけていく。3 年間はそうはいっても現給保障をしたいというようなかたちでの効率化。  医薬品等の調達価格については、共同購入を徹底して低減をさせるというものを徹底 してやっていきたい。  それから病院の附属の看護師等養成校につきましては、平成15年度で80校、看護師あ るいはPT、OT、助産師等ございますが、これを従来学校がない時代は国全体の看護師養 成ということがございました。先ほど部会長からもありましたように、国全体等の役割 分担がまたどうなるんだということがありますので、現在こういう養成校が充実されさ らにより高学歴化している時代にあっては、むしろそこは私どもも再編成をいたしまし て、これからは国立病院機構の看護師の確保ということに重点を置き、一方で、現在専 任職員の足りない部分については確保できるようにしてより質の高い養成を重ねていく ということで、49校、おおむね全国すべてあるわけではありませんが49校に集約して確 保していきたいと。それから授業料等につきましても受益者負担ということもございま すので、一定程度適正化を図るということにしていきたいと考えております。  これらに対応する部分といたしまして、本部・ブロックの組織、役割分担はただいま 御説明をしましたので省略をいたしまして、院内組織の効率的・弾力的な構築というこ とで、例えば先ほど救急をやるにしてもあるいは各病院で患者の受け入れをどうするか という工夫をするにしても、ある程度病院でできるように組織の弾力化を図る。それか ら、12ページにございますように、副院長の複数制を導入してある程度副院長に明確に 役割を持たせて、より効率的に事業ができるようにしていく。地域医療連携室、医療安 全管理室これは当然すべて設置をしていく。看護部門についても病棟と外来の連携をも ちろん進めていかなければいけない。事務部門につきましては、従来の管理業務主体の 組織からやはり経営企画を重視していくというかたちで、むしろ管理をして現状のまま でいいというようなことではなくて、新しいニーズに対応し、より経済力もつけていく という行動にしていきたいと考えております。  職員配置につきましても、いままでのように定員がそれぞれあって足りるところ足り ないところあったものを、できるだけそういう定員制度、総定員法みたいなかたちでな くなるわけですので、業務の変化に応じて足りないところには余っているところからサ ッと行けるような柔軟な配置をしていきたいということで、いまおる人数のなかででき るだけ柔軟な対応ができるようにしたい。それから職員の業績評価を適切にやっていく 人事評価制度を導入したり、それからきょうもいろいろ御意見をいただいております が、いただいた意見を業務運営に反映させたり、会計監査人が入りますので、むしろき め細かな会計監査というものを活用していきたいなというふうに考えております。それ から看護師養成所の再編成、ただいま申し上げたとおりでございます。  こういったようなことをやっていくと同時に、内部的な財務の処理といたしまして は、やはり部門あるいは時期ごとの運営、先ほど住田委員からもございましたけれど も、やはりリアルタイムに変化に対応していかなければいけないだろうと、そういう意 味でも病院ごとに責任や努力の姿が明らかになる経理処理をしていかなければいけない ということで、病院ごとに区分経理をし、法律にもありますように財務諸表を作ってい かなければいかん。それから院内でも診療、臨床研究、看護師養成という部門で区分経 理をしていきたい。それから運営費交付金につきましては、その努力が明確になるため には収支差補てんというのは馴染まないということがありますので、運営費交付金につ いては、原則診療部門には算定しませんが、ただ結核病棟のように病床を空床保障せな いかんような部分ですとか、それから救急のように、他の一般の補助金がでているよう なものについては場合が特定されますので、そういったものについてだけ入れる。あと はやはり自助努力をしていくというかたちにしたいと。  それから一方、毎月棚卸しをちゃんとこれからやっていく。しかも棚卸しの台帳もい ままでは医薬品と給食材料だけだったのですが、医療材料とかその他物品について実は きちっとやれておられない。こういうのは国のうちはそれで良かったのですが、今後は 棚卸しなどをしていくということ。それから一方で、法人全体のリスクを回避するため には、やはり154の病院がうまく回るようにルールを本部が定めて、助成をしたり貸付 をしたりという負担調整は当面すべてが軌道に乗るまではやっていかなければならない ということであります。早く、先ほど部会長からありましたように、国全体に貢献する ためにもまず体力をつけるということをなんとか優先をしていきたいと考えてございま す。  37ページ、これは部門を3つに分けますよということで、それぞれ明確に努力は反映 されるようにしていきたいということでございます。  38ページ、これも細かな話でありますが日次、月次の棚卸しあるいは月次決算書をき ちっと作りまして、毎月25日ごろには各病院で、自分達のやってきたことを数値で評価 をするということをし、よりリアルに迅速に対応していただこうと。こういうことをや ることにしたがって、あらゆる職員の意識啓発にも繋がるし、実際の行動にも繋がると 考えてございます。  それから先ほどいいましたブロックの合理化ということで、本省と7局、1支局であ りましたものを、本部と6ブロック事務所というかたちにしまして、組織、職員数、経 費といったものを大幅に15年度に比べたら削減したかたちでスタートをしたいというこ とで、ぎりぎりのところでやっていきたいというふうに考えております。  それから40ページでございます。本部と病院、先ほどの資金調整ということでありま すが、交付金、施設整備費、補助金といったような国からのお金に加えてやはり本部助 成、機構内での共助の仕組みはやっぱり必要であろうということで、看護師の養成につ いては全体でその職員を活用していくんだということもございますし、過去非常にバブ ルの時期建設単価の高くかかった時期に投資した病院につきましては、病院の責任に負 わせられないような投資になっているところ、あるいは土地が国からの出資なわけです けれども、一部土地を借りて経営をしているところも実際まだ残っておりまして、こう いったものについてはやはり共助の仕組みが必要だろうと。それからスタート時点、法 人の稼いだお金というのは4月、診療分は6月に入ってまいりますので、4・5月分に つきましては、国から引き継ぐ資金等で給与補てんをしていかなければならない、こう いうことを本部からの助成として考えております。  一方、共助の仕組みを支える仕組みとして、41ページにございますように病院からは 拠出金と、いわゆる経常収益の3%というものをだしていただくと。それから本部が窓 口となって支払ったほうがよいもの、税金ですとかネットの経費こういったもの、ある いは不測の自体に備えて火災保険あるいは医療賠償といったものについては、これは少 しずつプールをしていただく。そして、各病院で内部留保できたものについては、将来 の建替整備の頭金として本部へ預託をしていただくと。今までは名宛人なしでお金を本 部が本省で集めておったものを、これからはそれぞれ名宛てを残していくというかたち で、各病院の努力ははっきり見えて報われるというかたちにしていきたい。こういうか たちで全体の活力を上げていきたいわけであります。  比較表の13ページに戻っていただきまして、いま言ったようなさまざまな仕組みのな かで、業務運営の見直しとか効率化というかたちで収支改善を図っていきたいと考えて おります。基本的には、組織再編あるいは適正配置で収入増、経費節減を図って各病院 の収支改善を推進するというのが目標でございます。  そのひとつとして業務運営コストということで、材料費等の経費の節減に努める。そ れからこれは他の独立行政法人、特殊法人から独立行政法人化したところについてはす べて中期目標の期間中に1割ないし2割の経費の節減ということが、現総理あるいは前 行革大臣というところから、昨年に閣議での指示もございまして、本来私ども特殊法人 からなるわけではないわけですけれども、また運営費交付金100%で経営しているわけで もないわけでありますけれども、一応なんらかのかたちでこれに倣いなさいという指導 もあるものですから、ぎりぎり一般管理費、特に本部ブロックの事務経費などについて 15年度に比べて10%程度節減を図れるようにすべきということの目標に達しておりま す。  それから14ページの中程に(2)医療資源の有効活用、それから15ページの(3)診療事業 以外の費用の節減、(4)IT化の推進、こういったことを効率化として求めております。  そこで計画といたしましては、ひとつは13ページの比較表の計画にございますよう に、院内の効率、効果的な配置や新しい上位基準の取得などに努め、一方コスト削減に 努めて、個々の病院でも収支相償以上を目指すということを目標にしたいと。それから やはり収支相償超えた病院については、前回も申し上げましたが実績が評価されるよう な仕組みをぜひ導入させていただきたいと。前回申し上げた年度末賞与、こういったよ うな仕組みを導入するのも一例でございます。  それから業務運営コストの節減ということで、種々共同購入あるいは業務委託をやり ながら費用の節減に努めてまいりたいと考えておりますが、材料費、包括評価とかもだ んだん診療報酬改定で定着しつつあるようでございますが、やはりまずなんと言っても 後発医薬品の採用の促進とか、同種同効の医薬品の整理あるいは共同購入、こういった ことあるいは品目の見直し、共同化といったことで、薬品費や消耗品費などの材料比率 を抑制したい。これは冒頭にも述べましたが、利用される方が増えれば必然的に増えま すのでこれは比率の削減ということにしたい。それから棚卸しを適正にやって、過剰な 在庫はぜひ削減をしたいというふうに考えております。  それから人件費、これにつきましては次に説明する人事に関する計画に基づいて適正 な配置をするわけですが、やはり業務委託などを活用しまして人件費率、委託費率これ はトレードオフの関係がございますので、これについてはやはり他の公立病院等がかな り低い割合で押さえておるということもあります。もっとできるだろうということで抑 制を図るというふうにしたい。それから建設コストにつきましては、コストの削減に結 びつくような購入方法の導入ですとか単価を見直すというかたちで投資効率を高めた い。  それからいろいろ院内売店等、患者さんのアメニティの係る部分については、契約内 容などを見直して費用節減を努め、そして一般管理費につきましては先ほどありました が、目標を受けまして、最終年度においては10%以上の節減を図られた状態にしたいと いうふうに考えております。  なお、退職の給付とかこういったものは、削ることが実際に困難なわけでありますの で機械的な削減には馴染まないということで、こういったことについては関係各省、協 議対象の財務省等も理解をしておりますので、そういったものを除いた経費という趣旨 でございます。  それから医療資源の有効活用、先ほど全体を目配せする必要が厚生労働省で当然ある だろうということもございまして、やはり医療資源の有効活用というものは当然そうい ったことも目配せしながらやっていくのかと考えておりますが、やはり地域に病院のな いようなところで十分稼働していないといったようなところも多々ございますので、効 率・効果的な稼働に高めていきたいと考えておりますし、他の医療機関との共同利用と いったものを推進をしていきたい。決して40%高めるので、要らない検査をやりたいと いう趣旨では全くございませんので、むしろ必要であれば当然やっていくということで ございます。  それから病床の効率的な利用ということも図っていかなければならないと。それから 診療事業以外の事業につきましては、やはり新規事業の導入として自己収入の確保ある いは費用節減の努力は必要でありまして、運営費交付金や共助金の割合は全体として低 下をさせていきたい、一方で内容の効率化を図っていきたいということであります。  臨床研究事業につきましては、外部資金の獲得にぜひ努めていきたいということとと もに研究に効率化を図っていきたい。  それから研究研修につきましては、経費の削減あるいは授業料等の改訂をやりまし て、収支率を20%以上改善を図っていきたいと。  それからIT化につきましたは、いま財務会計システムをもうほぼ試験導入しておるわ けでございますが、これらを使って先ほどの日次、月次ができるように、それを活用し て経営改善を図れるようなIT化にしていきたいと考えております。  次にこういったことをやる効率化をやることによって、財務内容をどう改善をするの かということでございますが、やはり経営改善の目標は15ページにありますように5年 間累計で経常収支率を100%程度とせよと、これ私ども現時点においても退職手当を引き 当てているわけでもない、それから減価償却費を引き当てているわけでもないと、それ から独法化いたしますと新たに種々いろんな経費が発生するということから考えます と、かなり厳しいスタートを迫られるわけでございます。そういう意味では、若干5年 間幅をちょっといただいて、その間に収支改善を高めていくよう努力をしたいと考えて おります。そこで5年間で、経常収支率を100%程度、ある意味法律が独立行政法人通則 法が求めておりますような、収支相償ということを目指していきたいと考えておりまし て、計画としては100%以上としたいと考えております。  それから固定負債の割合の改善も図っていきたいということでございまして、別紙の 今度は計画のほうの中期計画の12ページ以降を御覧いただきますでしょうか。一応数値 が入れてございます。12ページ以降に、中期計画期間中の予算総額、収支計画いわゆる 損益計算が別紙2、別紙3が資金計画、これはキャッシュフロー。別紙4が医療機器・ 施設設備に関する投資計画ということでつけております。  中期計画の予算、いわゆるこのなかで減価償却そういうものは積んでおりませんが、 運営費交付金それから補助金、長期借入、業務収益、その他国から受け入れるお金で33 兆9千億ほど収入があって、支出は3兆8千億ということが見込まれてございます。な かでも大きいのはやはり借入金の償還といったもの、支払利息これが結構大きな額にな っております。  注記しておりますのでいくつか拾いますと、診療報酬改定は、おおざっぱな公表値を 参考にしておりますので、個々詳細な積み上げではないということでございますし、17 年度以降の改訂はもちろん考慮できません。それから給与改定等も考慮してございませ ん。このほか、今後、国が決算を打ったあとでの権利・義務に係る収入支出がございま す。それから医療賠償、これは過去3年間平均で565百万円ほど起こっておりますが、 これらも5年すれば2,800百万円ぐらいということになるのですが、これはどう起こる かわかりませんのでちょっと計画の枠外とさせていただいております。  それから人件費は、以下期間中一応1,600,000百万円を見込んでおります。それから 交付金の算定ということで、毎事業年度の交付金について措置をするというふうに書か ないと、退職金下降部分について負債認識せないかんということでございますので、こ のように書いておりますし、正直申し上げまして私ども交付金、実際自由度のあるのは 8,000百万弱でございますので、ここにつきましては毎年の予算で決まるということで ございます。  13ページ、そういいまして5年間、収支一生懸命やって減価償却なり退職手当引当を 積んだ上で、各セグメントごとの事業計画でておりますが結論といたしましては、総利 益4,472百万ということが見込まれますと、これは先ほどの横の表42ページにでてござ いますようにスタート時点はアカでスタートをするけれども、スタート時にはマイナス ですが、5年間でなんとか取り返すべく費用の節減と収入の確保に努めていきたいとい う図でございます。一方、人件費率、委託費率は適正に委託などを活用しながらできる だけ下げていきたいということ。それから材料比率は利用が増えたとしても、できるだ け効率よくやって率を増やさないように努力をしていきたいというふうに考えておりま す。  いずれにしても初年度、次年度、3年度どのような状態になるか、その時点にならな ければわかりませんので、これはトータルなイメージということで御理解いただきたい と思いますが、なんとかこの縦表の13ページの下にありますように、4,400百万という ことでなんとか収支相償に持っていきたいと考えております。  それから資金計画上は業務活動、投資活動、財務活動に区分をして数値をもう1回置 き換えたものであります。なお、繰越金70,500百万円ということでございますが、これ は最初に国から引き継ぐお金があるということで一見膨らんでおるということでござい ます。  あと残ったところを御説明いたします。もう1回、比較表に戻っていただきまして、 比較表の16ページ、固定負債の割合の改善は先ほど申したとおりでありまして、短期借 入に限度額は一応診療収益のだいたい2ヶ月分ということを枠取りをいたしておりま す。それから重要な財産の譲渡、土地を売り払うと、大きな土地を売り払うといったこ とは最初の5年間は特にいまのところ計画してございません。  それから剰余金が仮に5年間でました場合は、ぜひ将来の投資に充てられるように目 的積立というかたちで御理解いただきたい。  17ページ、人事に関する計画でございます。私どもその他業務運営に関する重要事項 で、人事に関する計画につきましては、やはり医療需要、環境の変化に応えていく必要 があるということでありまして、医療従事者についてはできるだけ柔軟適切に対応し、 技能職についてはアウトソーシングに努めるというのを目標とし、一方人材の育成を図 るということを目標といたしております。これを受けまして、法人の計画といたしまし ては良質な医療を効率的に提供するためにも医師・看護師等の医療従事者については柔 軟に対応する。逆に技能職については、簡素化・迅速化・アウトソーシングを徹底す る。そのほか、良質な人材の確保等を行うということでございます。  人員に係る指標、ここはまだ数値は入りません。これについては現在精査中でござい ますが、基本的な考え方は医師・看護師等の医療従事者はやはりニーズに適切に対応す るために、変動が見込まれるということで人権比率の抑制というところで評価をいただ き、技能職については中期目標の期間中、期首の2割程度の純減を図っていきたいとい うふうに考えてございます。  最後18ページでございます。医療機器・施設整備、これは先ほど固定負債をできるだ け減らしていくという方向もございましたように、別紙4、病院機構の収入の9割は自 己財源でありますのでやはり医療機器、施設の設備の投資は当然入出を図るといいます か、収益力で左右されざるをえないところがございます。したがいまして本計画期間中 は、やはり最初は長期借入残が7,500億円を超え、1年間の診療収入の6,800億円を超え ている状態にあるわけですので、まず5年間かけてできるだけ長期借入残高を縮減をす るという方向にしたいと考えております。  一方で、担うべき医療を適正に実施するためにも柔軟な投資を送っていきたいという ことで、なかなかカチッと決めてそのとおりということにはなりません。したがいまし て、総投資額は、過去5年間の総投資額の5割程度の1,900億円程度を一応見込みます。 ただこれは収益性が上がれば若干増やしてもよいかなと思いますが、上がらなければや らないということもございますので、200億程度の増減があり得るというかたちで医療 機器の整備で500億円プラス・マイナス。それから施設整備費で1,400億円プラス・マイ ナスというかたちで財源も補助金あるいは長期借入金、財政出資金などを検討の対象に 考えてございます。  その他、再編業務のはこれは国に従ってやるということと、それから承継した債務の うちの特に元利償還をきちっとやっていくということで実施をしていきたい。以上でご ざいます。 ○黒川部会長  そちらは毎日話をしているからスラスラいっちゃうのだけれど、聞いているほうは大 変なんじゃないの。それじゃあワンラウンド、だけどこれ結構難しい。いまいったよう に、労災病院の話がでてきて、両方でCTも抱え込んで両方でやるぞやるぞなんていうの はどうするの。そちら全体を厚労省としてやる。それはどうか。そういう話でないと、 国立病院機構は生き残って他の周りがバタバタとそれでいいわけではない。そういう話 はどうなのか。 ○矢崎理事長予定者  すみません、大変国立病院機構高く評価していただいて心から感謝、私としてはいつ 潰れるかわからない、ですから意識改革をしてやっぱり病院全体が活気のあるものを持 っていかなければいけない。で、先ほどその機器の御指摘を受けましたが、これをやっ ぱり9時−3時でもう終えちゃうということは少なくともなくして、稼働率を上げると いうのはそういう意味でありまして、それともうひとつはやはり地域の医療に貢献する ということでオープンシステムにしたいと思うのです。  いま私どもの国際医療センターでやろうとしているのは、ともかく診療所からの紹介 の患者さんを優先してCTとかMRIをやると。その前にいろんな診察とかそういうのでは なくて、そういうサービスを取り入れることによって稼働率も上げるしフルに活動する と。ですから決してたくさんいろんな検査をやって稼働率を上げるという意味ではあり ませんので、そういうシステムをうまく、地域の病診連携は単にその地域、連絡室とか 推進室というのを作るだけではなくて、実際に検査とかそういう機器が診療所の先生方 に自由に使えるようにというふうに思っています。  それから医療について本当に私遅れて申し訳ありませんが、大道委員からいろいろ御 指摘、また部会長から御指摘受けました。私個人は、セカンドオピニオンというのは、 医療に対する不安感とかこういうことでけしからんというのは、なんとか相談口でやっ てもらいたい。私のセカンドオピニオンというのは、患者さんが自分の意思で治療を選 択するときに必要な意見を差し上げると、ですからドクターショッピングとかホスピタ ルショッピングの患者さんをセカンドオピニオンというのではなく、本当に困った方に 我々は責任者が対応していきたい。それはやはり民間のところでは難しいので、我々は 低料金でしかも責任ある実力のある方が対応するようなシステムにしていきたいと思っ ていますので、我々がどんどんなんかしようというそういうことではなくて、やはりレ ベルの高い対応をしていきたい。  それから大学、いま私来てみますと、もう地方の病院は大学の医局の人事で回ってい るようなところがあります。これはいまの日本の地域医療で、どうしても重要な部門で あります。しかし、我々としては人材の育成は大学の医局に頼るだけではなくて、だけ ではなくなんです。我々だけでやるというのではなくて、お互いにうまく交流しながら 質のいい医療人を教育していきたいと。それはもちろん我々のなかでどうのこうのとい うよりは、例えばナショナルセンターあるいは大学病院と人事の交流をしながらやって いきたい、のなかでキャリアパスを作っていきたいと思っています。  それから臨床研究はびっくりしたのは、臨床研究の費用というのはほとんど運営交付 金でないんです。ですから研究費は、もう自分で獲得していかないといけない。しかし 幸いなことに各病院に臨床研究部というものができていますので、それを活用してEBM をわが国で作っていきたい。  これは本当に、例えば診療でピロリ菌を除菌して胃酸が高くなると逆流性食道炎とい うのが起こってくるわけです。そういうのがどのくらいの頻度で起こるのかというこ と、それから欧米ではもうある程度の高齢になると、ピロリ菌がないですから胃酸が高 いために逆流性食道炎というのが非常にコモンディズィーズで、プロトインヒビターっ て胃酸を止めるクスリが日本のカルシウム拮抗薬と同じぐらいにものすごく売上が高い のです。ですから、そういう意味で、我々が診断基準を作ってどうのこうのということ ではなくて、これから大事なことはどういうエビデンスを作っていくかということ、十 分検討して選んでそれで少ない予算のなかで、いままでの治験とか臨床研究というのは 大学の医局と関連病院でやっていたのですが、これはもう少しオープンにして本当に 154の病院がひとつの目的を持ってある診療データで研究するということはやはりいま までなかったことだと思うんです。ですから、私としてはぜひ思い入れがあって、少な くとも臨床研究は世界に冠たるものをぜひつくって、これをバックボーンにして、そう しますとやはり医療に対する考え方とかそういうものが変わっていくので、やはり意識 改革も起こるし漫然と日常の医療をしているのではなくて、新しい目で医療を見ていけ るのではないかということでそういう思いで書いております。  クリティカルパスも、私は、政策医療のなかでいろんな分野でぜんぜん顧みられてい ないところがあります。例えば精神疾患とか結核とかそういうものでもあります。そう いうところをなんとかしっかりした基準を作って、患者さんに、この疾患だったらこう いう予後で我々はこういうことができるということをお示ししていきたいというふうな ことでありまして、そのへん本当にできるかどうかは5年後ではなくて、1年、2年経 って私たちの「データを積み重ねてエビデンスとしてお見せできればと思ってますの で、今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。 ○黒川部会長  これ室長、時間どうする。今年度一応もう1回やらなくちゃいけないのだけれども、 時間がなくてみんな欲求不満になっていると思う。そっちはみんなわかっているからな んだけど、矢崎理事長が言われることはもっともで、矢崎先生両側をよく知っておられ るから。いまの国立病院部で問題がないなんて誰も言ってないわけでなくて、こうやれ ば少しよくなるかなということがあるんだけれど、しかし医療政策全体の枠組みという のがないと、それぞれが労災も独法になりこっちも独法になりなんて、それで医療その ものは非常に限定的になってきて、壊滅するんじゃないかなという気がしないでもな い。政策的には非常に大事なものだから、いま言ったクリティカルパスなんかもいまま でなかったことがおかしいわけです。厚生科研の科研費の使い方が悪かったということ かもしれない。そういう意味でこれからやるというのはいいんだけど、これから良くな る部分は良くなるようにしてもらうとして、もうちょっと全体を見届けるというのが行 政としては非常に大事な視点だと思うのですけれど、皆さん一言ずつ言って、一言で本 当は済んではいけないのだけれど。いかがですか。 ○開原委員  運営のところの話なんですけれど、実は民間病院とそれから国立病院と一番違うとこ ろはどこかというと、土曜に診療しているかしていないかという話なんです。それでこ れが独法になったときに、やっぱり土曜の診療というのをお考えになることが一番患者 のサービスになるのではないかと思うのです。そこはさっき人員配置の効率化とかそう いう話がいろいろあるんだけれど、あれの中期計画のほうでそのへんまで書けないです かね。最終で5年後にはそこまで持っていくとか、それは私のコメントです。 ○黒川部会長  そうですね。どうぞ。 ○住田委員  人件費率ね、結局は人件費率をどうやって抑えるかということが最終的な収支の改善 になると思うのです。ただ、この文章非常に上手に書いてあって、文章からはなんのあ れもないのです。僕が最初に心配していたのは、委託に回す、委託に回すと書いてあり ますけれど委託も人件費率の変形のひとつなんです。ですから、それも合わせて改善し ようと書いてあるし非常に文章だけみたら文句のつけようがないのですが、いずれにし ても人件費率はドラスティックに減らさないと、これは私は絶対収支の改善にならない と思うのです。医療のことはちょっと僕にはよくわかりませんけれど。  この参考資料の35ページの下から2行目というのは、要するに賃下げをするというこ とですか、当面の間は。そういうような感じをしないと、人件費率の抑制にはならない しそれからちょこっと管理費を10%以内削っても圧倒的な効果が違うと思うのです。そう いう面で、ちょっと人件費率を下げるというのは非常に嫌なことですし、憎まれるし誰 もやりたくないことなんですけれども、そのへんの本当の覚悟を決めた、大げさですけ れどドラスティックな方法、計画をしていかないと、ちょっと収支の改善にはおぼつか ないと思います。 ○渡辺委員  さっきから黒川部会長がおっしゃったことはもっともだと思う点は、まさにみんな独 法になって経営基盤が安定し効率的にやっていったら、本当にそれは国立病院あるいは 国立大学病院だって独法化になるわけで激しい競争になるわけです。民間が圧迫される ということは十分考えられるんだけれども、とりあえず独法化になった以上は、私は個 人的に当面は競争するしかないんであって、例えがちょっとおかしいかもしれませんが たまたまきょうの朝刊各紙一斉に書いているのは、例えば厚生年金の施設、赤字続きで 全部やめろという話です。あれも年金加入者に対して極めて安い料金で、厚生年金会館 にしても何にしてもやっていったら非常に赤字になったと。民営を圧迫という批判もあ って、結局結果として90何パーセントの赤字で、小泉内閣でも潰せという話になってい る。しょうがないですね、これははっきりいって。そうなりますと、独法になったあと 国立病院が赤字をだすとまた潰せになりますよ、現実問題として。そういった意味では 自治体病院だってこれから独法化になるかもしれないのだけども、当面は一部の政策医 療、民間がやらない医療をやれば話は別だと思うのですが、やっぱりそうはいかないと なったら言葉を悪くいえば仁義なき戦いみたいなことにならざるを得ないんで、そこで しかしさっきからお話しているように、さわさりながらどこかで協力しあわなければい けない部分が当然あるのでしょうから、それは当然考えなければいけないと思うのだけ れども、あまり遠慮しているとこれは赤字になっちゃうと思うし、それが確かに難しい のですけれどね。私は当面は全力を尽くして効率化、患者のために徹底的にやってもら いたいなという考えです。 ○夏目委員  今回の国立病院機構は、職員の地位が公務員ということになっているわけですね。官 の経営公務員の運営となるとやはり一番危惧されるのが悪平等に陥りがちだということ で、そこをどう悪平等にならないようにしていくか、それが組織の活性化、活力に繋が るのではないかとこう思ったときに、やはりその一人当たりの生産性みたいなものを、 先生一人当たりの患者数とかそういうのでみるのがいいのかどうかわからないのだけれ ども、なんらかのかたちで頑張っている先生、看護師そういうところがきちんと評価さ れる、悪平等にならない、ずるしている人たちはきちんとペナルティが来るんだという ような、なんらかのそういう仕組みを考えないと、いまおっしゃられているような人件 費率を下げるといったところで、なかなかそうはならないし、結果的には悪平等になっ ていってしまう可能性があるので、なかなか難しいと思うのですが、また、組合との問 題もあるんだろうと思いますけれども、やはりボーナス制度だとか昇級制度だとかいろ んなものを適宜上手に使うことによって頑張っている先生、頑張っている看護師がきち んと報われると、それが当たり前だというかたちに意識改革をしていただくということ が必要じゃないかと思います。 ○山田委員  一般論は先ほどから先生方皆さんおっしゃられていますのであれですが、この今回の 収支計画その他を全体的にみますと、やはり診療収入の見込みが非常に低いのではない かというふうに思うのです。これはもちろんその病院の規模が一般病院59、療養所100 というおそらく療養所を抱えているということで非常に診療単価が低いんだろうと思い ますので、ただそのなかで先ほどのお話のなかで、療養所をできるだけ病院化していき たいというかたちのなかで、それでもこの収益はやはり非常に低すぎるのではないか。  いろいろな話のなかで費用を抑制するという話がでてきていますが、もう少しその収 益を上げるほうの話がでてもいいのではないかなという気がします。  それから職員の問題も、職員数、逆に職員数は我々の常識からいうと少し少ないので はないかと思っています。ただそれにも係わらず人件費が高いということは、これは先 ほども御説明がありましたように高給化しているんだろうと思いますけれども、人件費 とそれから委託費を合わせて60%というこの42ページの表ですか、それを5年後に何パ ーセントに下げるのか、目標値がこれはちょっと推定できないですけれどもやはり常識 的には50%、委託費を入れても55%ぐらいのところが病院経営のすれすれのところだろう と思いますので、そのへんで当然収入が上がればこの人件費のパーセンテージは下がる わけですから、そちらのほうの努力をもう少しするべきではないかなというふうに思い ます。  それから拠出金3%というのも、ちょっと全体の収益からいうと高すぎるんじゃない かなというふうに思いますけれど。以上でございます。 ○辻本委員  先ほど矢崎理事長のお話のなかで、セカンドオピニオン、国立病院だからレベルの高 い対応ができるというお話があったりとか、それから臨床研究でEBMを作っていく154病 院が一つに目的を持って研究していくことで医療者の意識改革にも繋がるというお話が ありました。レベルの高い対応がなんであるのか、ということの中身の問題とか研究と いうことで医療者の意識改革だけ図っても、いまの患者さんのニーズには応えられない のではないかなという気がしながら拝聴しておりました。  問題は、やっぱり患者さんに選ばれる病院にならなければいけない。それはサービス という言葉がいいのか私はホスピタリティということをいつも使わせていただくのです が、なによりスタッフの意識だと思います。患者と向き合うときのスタッフの意識改革 ということが、効率化という数値だけを目標にしていくときに本当に繋がっていくのか な、現状としてはいわゆる公にあぐらをかいているようなスタッフも非常に目に付く病 院もあるような気もしておりますだけに、危機感ということが、どういまスタッフの人 たちにあるのかなということが少し私は疑問を感じます。  先ほどの東大の患者さんを呼び出すというシステム、例えば私がかかっている大阪に あります国立病院も実はあるんです。あるんだけれどナースが「そんなことをしていた ら仕事ができない、手がかかるから患者さんに説明していないんです」と、これが現状 なんです。ですから、そのへんで本当に患者さんに選ばれる病院になっていく、そのス タッフの意識改革をこうした問題、非常に難しい問題と合わせながら忘れないでやって いく、その手法を国立病院だからこそということで私は期待したいなと思っています。  余談なんですけれど、まだ活動して4ヶ月ですのでたいした実績ということが御報告 できない状況ではありますが、国立大阪病院が私どもNPOに50平米のスペースを提供し てくださって、患者情報室を昨年の10月末にオープンしました。いま1,200冊ぐらいの 医学書が集まって常勤スタッフ、コムルから1名、ボランティアの募集をかけたら30人 ほどのボランティアの応募があって、常時2〜3人がそこに詰めて利用者の方の後に回 って背中を支えるという自立の支援をしているのです。そこで隔月で病院のドクターを お招きして、土曜日の午後ボランティアをしていただいているのですが、病気の勉強会 を始めました。もう病院の患者さん、御家族が本当に熱心に2時間、先週は3時間にな ってしまったのですけれどそういうサロンが開かれました。ぜひ一度視察をしていただ きたいなと思っていることと、そういう地域とのコラボレーション、ボランティアとの 協働作業というようなそういう試みもぜひ、すでに大阪で始まっておりますのでひとつ のモデルケースということで私たちも頑張りたいと思いますので、御覧いただきたいな と思います。長くなりました。 ○黒川部会長  それはここに限ったことではないですね。 ○辻本委員  はい。 ○黒川部会長  だから渡辺さんにお願いするとか、いろんなことが。いいモデルは自分達で考えてや るというわけで、みんな考えているのだけれどサクセスモデルがないとなかなか考えつ かない。ほうぼうでいろんないいことをやっているので、それは別にここに限ったこと ではないなと思いますから、ぜひよろしくお願いします。 ○大道委員  何度も申し上げた経緯があるので、繰り返しを恐れるのですが、やはりきょう改めて お聞かせいただいて、体質だとかなんとかということよりも、矢崎先生のお話を承って いるとやはり人材ですね。外から人材はなかなか難しいところはあるのではないでしょ うかと前回申し上げたのですけれど、内部において思い切った人材の登用とそれからス タフィングを行って本来お役に立っていただける方がきっちりしかるべきところに行く といようなことを思い切ってやっていただくことが必要かなと思います。  いま国立病院の実情というのは、申し上げにくいですけれど、きょうも質の話がでま したが、病院機能評価の申請率で一番低いのは国立病院系列です。そのあたりはおそら く質が悪いとかそういうことではないと思うのです。そういうことに係わろうという意 欲だとかポテンシャルがとてもそういう気になれないような状況、たぶん独法化でいろ いろお忙しいのだろうなと思うのです。思うのですけれども、あまりにも現場の閉塞感 が強かったり、それから繰り返しになって恐縮ですが、やはり診療行為の生産性を高め る話がでましたが、医療行為を的確に本当の意味で効率的にやるのはやっぱり医師で す。医師を厚遇しろという意味ではありません、本当の意味で的確な診療をやっていく 医師はやはり適切に処遇すべきです。そこをしっかりやることによって組織が活性化す るのであって、例えば副院長を2人、複数設けるというのであればいろんなやり方があ ると思うのですが、例えば看護職を副院長に本当にするのかしないのか、するのだった ら本当の意味でちゃんとやるべきですし、2人場合によっては3人でもこれは構わない といったらやったらどうですかとか。  それからもうひとつだけ、医師の配置で医療法の標準を満たしえない国立病院もある といろいろ聞かされているわけです。地域医療の関わりとか周辺との競合など問題があ りますから難しいところがありますが、人事がブロック全体で行われ、調整できるとい うのだったら、よほど人の行きたがらないようなところへ今度の独法の病院からは医師 を派遣するんだというようなことをやられたらいかがですか。いずれにしれも時代が変 わったということを当事者である職員の皆さんにもご認識いただくような、いわばトッ プの矢崎理事長以下の勇断、決断がかなり大事なんじゃないかなと、そんな思いできょ う改めて承りました。 ○黒川部会長  ちょっと伺いたいのですが、今年度内に総会を1回やるわけですね。全部のね。だか らここで発言したのも一切何も直せない、で、これをやると毎年見て5年の計画でこれ に沿ってできているかなというだけを評価するわけかしら。  そうなると、計画を作るときのほうがよっぽど大事なんだけれどね、それはどうです か。 ○川尻政策評価官  中期目標、中期計画については、きょういただいた御意見を踏まえて見直すべきとこ ろは見直し、次回取りまとめをしていただきたいというふうに思っております。ただ、 たぶん、いただいた意見のなかには、中期目標自体を変えるとかいうことではなくて、 中期目標を達成する過程でどういう工夫をしていくかということもあると思いますし、 先ほど若干話がでましたけれども、各年度ごとの計画も立てて、そしてそれをまたどう いうかたちで評価するかということもこの部会で、中期目標が固まりました以降にやっ ていただくような流れになっております。  ですから、引き続きあるべき方向というのは、この部会で御議論いただく。ただ、中 期目標、中期計画というのは4月1日にスタートするときには固まっていないといけな いので、次回には固めていただきたい、こういう流れで事務方として考えております。 ○黒川部会長  そうすると実際に5年という話があっても、1年とか2年最初のところは厳しいとこ ろがいろいろあって、普段から仕事をしているのがコロッと変わるわけではないんだけ れど、ある程度そういうふうにやりながら最終的に毎年見ながら、少しずつ実際のイン プリメントする方策みたいなことはまた議論して変えていくというか、出していってい いわけね。 ○川尻政策評価官  ですから、評価の視点を議論していただく。それからそれに従ってまず最初の年の実 績を評価していただく。そのときにまた御意見もいただくというかたちで、その年ごと に御議論いただいて運営に活かしていくということだと思います。 ○黒川部会長  いかがですか、それについて。きょういろんな御意見いただいたので、それを考えて いただいて、私と開原先生と相談させていただければという気はします。その他に、何 かあれば言っていただいたほうがいいと思いますので、事務方に金曜日の例えば夕方6 時ぐらいまで、コメントがあればいただくというのはどうですか。  きょうのプレゼンテーションにかなり圧倒されたところがあって、時間も超過された ところもあるけれど、一生懸命勉強をしているからそれだけ気合いが入っているのは大 変よくて、理事長補佐という感じだ。そういうふうな気合いと現場の人たちのモチベー ションをどう上げていくかというのはすごく大事なんだけれど、もうひとつは渡辺さん もおっしゃったように、日本のこれからの医療政策全体がどうなっていくかという視点 がすごく大事です。例えばいま卒後研修の必修化になったと、これ矢崎先生は御存知だ と思うけれど、なった途端にみんなが知ってて言わなかったこと、例えば北海道や東北 でお金をだしてお医者さん派遣してくださいなんていう話になっていたんだけど、みん なが知っていたけれど言わなかったことが突然でてくる。みんな知っていたでしょう。 それをどうするかという話のほうがよっぽど大事なんで、あれだけ問題になるとやっと 何かしなくちゃならないなという話になってくるわけで、渡辺さん言ったようにそれぞ れが独法化されて、労災が、厚生年金がとなって、国立がこうなって、みんな破滅状態 になってそのうちとんでもないことが起こってから、ようやっとまた舵取りをするなん ていうのは非常に賢くないやり方です。ぜひいまのうちからどんどん書いていただけれ ばそういう意味ではメディアに期待している。これもなかなか難しい問題を抱えている というところも確かにないわけじゃないなと思います。  開原先生どうですか、今週の金曜日の夕方6時まで、何かあればメールとかファック スでくださいと、それで修正するところは修正、まあ考えてみて、それで私と開原先生 のところにいただければそれで最後のところまで持っていくと。 ○開原委員  要するに、この目標と計画はまだ文章はいじれるわけですか。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長 いただいた御意見が整理をさせていただいて、さっき言われたように途中の実行段階 の話なのか、目標に加える話なのかということで整理をさせていただいて、もちろんい ただいた意見は全部大事に受け止めて、じゃあこれは実施段階で配慮しましょうとかい うようなかたちで整理をさせていきたいなと。入れるものは入れるというかたちにした いと思います。 ○渡辺委員  これ、まとまったら記者発表を当然するんでしょ。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  正式には4月1日に目標をいただいて、それでお答えを返してというかたちだと思う のですけれども、他はどうやっているかわからないのですが、かたちの上では4月1日 以降かなと思います。 ○川尻政策評価官  目標については大臣が定めるということで、まず官報告示をするというかたちになっ ています。 ○渡辺委員  まさにそういうことは、どんどんなさったほうがいいと思います。どうせ4月1日か ら、例えば新聞的にいうと「いよいよさあ、明日から国病は独法化になる」と例えば ね、そのときにこういう目標で計画を作っているよみたいなことは当然だすべきだし、 あるいは書かれるべきだし、テレビでもやるべきだと思うから、積極的にプレスリリー スなさったほうがいいと思いますけれどね。 ○古都国立病院・療養所組織編成推進室長  いろいろ工夫させていただきたいと思います。 3.閉会 ○黒川部長  この委員会はそれでは何をしているのかというと、何もウォッチしているだけでなく て、さっき言ったみたいに、全体が建設的によい医療を提供していくためにはどういう 方策があるかという話をしているわけなので、矢崎理事長は大学のほうもよく、しかも 国立センターも知っている。国立病院全体を今度見られる。もうひとつ国立療養所のい ろんな難病のああいう施設をどうするかというのは、一律の評価だとまずくなってしま うので本当に悲惨な世界にならないような工夫はもちろん考えておられると思います。 そのへんを地域での他の半分公的な病院とのあり方とか、救急はどっちがカバーすると かそういう話も全体としてぜひ考えていただければと思います。それは厚労省全体の社 会的責任と思いますのでそのへんぜひ考えていただければと思います。  国立も公立もみんな独法化でメタメタとだめになって、私立ももちろんだめになって 医療費が上がって消費税も10%になって、みんな潰れるというふうになっちゃ困るわけ なのでよろしくお願いいたします。  そんなことでよろしいですか。みんな燃焼不足という感じがあるんだけれど、本当に ありがとうございました。これから5年間よろしくお願いします。スタートということ で、ぜひ矢崎理事長の剛腕でいろいろやっていただきたいと思いますが、ぜひ現場の人 たちのスピリットが上がるような方策をいろいろ考えていただければと思います。時間 が来ましたのでありがとうございました。これからまたよろしくお願いします。 ○事務局  それでは次回の予定につきまして、事務局より御案内申し上げます。次回につきまし ては、3月8日、月曜日13時から15時まで、当方9階の省議室にて開催を予定しており ます。  議事につきましては、本日に引き続きまして中期目標等の御審議を賜りたいと思いま す。  なお、先ほど部会長より御提案いただきまして、皆様からの御意見につきまして、事 前に事務局のほうにいただければ幸いでございますのでよろしくお願いいたします。以 上でございます。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係  電話:03−5253−1111(内線7784)