04/02/03 厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会第6回議事録          厚生労働省独立行政法人評価委員会医療・福祉部会                  第6回議事録 日時: 平成16年2月3日(火)14:00〜17:02 場所: 厚生労働省 専用第21会議室 出席委員 浅野委員、石井委員、遠藤委員、大石委員、岡田委員、川原委員、      白石委員、宗林委員、山崎委員、山村委員 1.開会 ○岡田部会長  それでは定刻となりましたので、ただ今から第6回目の独立行政法人評価委員会医療 ・福祉部会を開催したいと思います。  委員の先生方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうご ざいます。年が明けたと思っておりましたら瞬く間に1ヶ月が過ぎまして、今日は節分 でございます。どうか今年もよろしくお願いします。今日は委員の方々のうち、小林委 員と橋本委員が御欠席でございますので、御案内申し上げます。  それでは、はじめに事務局から本日の議事につきまして簡単な御説明を頂戴したいと 思いますので、よろしくお願いします。 ○川尻政策評価官  それでは議事次第にも書いておりますが、本日の議事としましては大きく言って4点 ほど予定をさせていただいております。まず最初は、昨年10月に設立されました2つの 法人、のぞみの園、それから福祉医療機構の実績評価をしていただく際の評価基準細 則、それから評価の視点、それぞれの案につきまして前回いろいろと御議論をいただき ましたので、それを踏まえた修正案、これについて御審議をいただきたいと考えており ます。  それから2番目としまして、同じく2法人の役員の退職金の規程につきまして、後で 御説明をしますような修正がありますので、それについて御審議をいただきたいと考え ております。  そして3点目が、福祉医療機構についてでございますが、労災年金の担保融資、これ も新たに業務として追加されることになりますので、その関係の中期目標の修正等の審 議がございます。以上3点が前半というようなことでございます。  そして、最後に予定しておりますのが、この4月に設立を予定しております医薬品医 療機器総合機構の中期目標案、あるいは中期計画案の御審議ということでございます。 なお、そういう意味で前半と後半は事務局でだいぶ交替がございますので、本当の小休 憩でございますが、間に休みを取らせていただきたいと考えております。それが審議事 項でございます。  それから資料の関係で一つだけお詫びと御了承をいただきたいと思いますが、前回の 部会におきまして御要望がありましたのぞみの園、それから福祉医療機構の開始貸借対 照表の関係でございますが、当初1月中に資産評価委員会が開催されるのではないかと 想定しておりましたので、本日の部会に間に合うかなと思っておったんですが、資産評 価委員会が明日2月4日開催になったため本日はちょっと間に合わないというような形 になりました。したがいまして、次回の部会には必ず提出させていただくことを考えて おりますので、御了承をお願いします。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。それではただ今の御説明に従いまして4つの項目について の御審議をお願いしたいんですが、都合3時間の御審議でございますが、前半のほうは 1時間程度議論をしまして、新しい問題については2時間程度御議論いただきたいと、 こう考えております。  まず、そうしますと1番目の問題でございますが、評価基準細則案及び評価の視点案 につきまして御説明を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いします。 2.議事(第1部) (1)医療・福祉部会における評価基準細則(案)(修正案)について ○川尻政策評価官  それではまず私のほうからは資料1、評価基準細則の案でございますが、これについ て御説明申し上げます。前回、いろいろな御意見をいただいたんですが、評価基準細則 の文言の関係で修正意見があったのは、石井先生のほうからこの資料1の1頁目の真ん 中下あたりでございますが、(1)の「独立行政法人が効率性、有効性等の観点から」云々 という言葉がございまして、この「等」は何かという御質問があって、先生のほうか ら、透明性という観点も重要ではないか、という御指摘もございました。そういう関係 でアンダーラインのところを追加させていただいておりまして、「独立行政法人が効率 性、有効性、透明性等の観点から適正に業務を実施したかどうか」という大きな観点を 入れまして、それで「透明性」という言葉を入れたものですから、「・」としてそこに 書いておりますように追加しております。「独立行政法人の業務運営の透明化が図られ ているか」というようなことを追加させていただいております。  その他いろいろ御意見をいただいた中には、実際に評価をする際にどういう評点付け をすればよいかというような御意見もいただきましたが、それは前回も若干申し上げま したが、いずれ実績があがってまいりまして各委員に評価をしていただく際に調査研究 部会の前例等もございますので御説明をさせていただこうと思っております。したがっ て、細則案の修正はこの1つの事項でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。宗林委員から御指摘があったことでございますが、そのよ うな御理解を頂戴して進めさせていただきますので、どうかよろしくお願いします。  そうしましたらその次の2つの法人の評価の視点案、これも御説明を頂戴してから御 審議をいただきたいと思います。まず、のぞみの園の評価の視点修正案につきまして御 説明をお願い申し上げます。 (2)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園及び福祉医療機構にかかる評価の視点   (案)(修正案)について ○高原障害福祉課長  障害福祉課長でございます。それでは私のほうから、前回いただいた御意見を踏まえ て修正させていただいた点を中心に御説明を申し上げます。  お手元の資料3-1を御覧いただきたいと思います。まず4頁目のところでございま す。前回、浅野委員から、業務運営上のリスクマネジメントをきちんと評価の視点で書 き込むべきではないかという御意見をいただきました。これを踏まえまして、4頁目に アンダーラインを引かせていただいておりますが、「リスクマネジメントの観点から、 感染症等の発生を予防するための対策、利用者の施設内における事故を防止するための 対策が講じられているか。」等々の項目を盛り込ませていただいております。  それから同じく4頁目の次の○のところでございますが、前回、山村委員と白石委員 から苦情処理システムの機能、こういう視点が非常に大事なのではないかという御指摘 をいただきました。これを踏まえまして、苦情解決のためのシステムは「社会福祉事業 の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について」に則して、適 切に機能しているかという視点を追加させていただいております。この通知でございま すが、平成12年度の社会福祉事業法の一部改正に伴ったものでございまして、福祉サー ビスを提供する事業者の皆さんが自ら積極的に取り組んでいただく際の参考としてお示 しをしておるガイドラインでございます。  それから次に、6頁目の一番右上のところでございます。川原委員からの御指摘でご ざいますが、一般管理費、事業費等について、特殊法人のときと比べてどの程度節減が 図られているかということを明記すべきだという御意見でしたので、その旨文言を修正 させていただいております。  それから(参考)のところでございますが、山村委員から、経費節減の箇所につい て、のぞみの園は人件費が総事業費の約8割を占めるということで、具体的に現在の人 件費を明記したほうがいいのではないかという御指摘をいただいておりますので、参考 のところでございますが、平成15年度の予算の内訳を各項目ごとに明記させていただい ております。それから同じく6頁目でございますが、宗林委員から、のぞみの園の診療 所を御見学いただいて、非常に立派なもので有効な活用を考えたらどうかという御指摘 をいただいております。これにつきましては前回の本会でも御説明申し上げたかと思い ますが、のぞみの園の診療所のあり方そのものにつきまして今後の検討課題ということ で受け止めさせていただいております。これは次期の中期目標の検討の過程で十分に議 論していきたいと思っております。そういうことで、今回の評価の視点には盛り込ませ ていただいておりません。  それから次に、10頁目を御覧いただきたいと思います。10頁目の上の2つの○でござ います。川原委員から、どの程度地域生活移行が図られているかという視点と、それか らその下の地域生活移行に向けて計画的かつ積極的な取組みが行われているかという、 これが同じ意味ではないかという御指摘をいただいております。この点につきまして は、私ども最初の○につきましては3〜4割程度という具体的な、地域生活移行の目標 の進捗についてのある意味で定量的な評価ということで、それで2番目の「○」は、 ちゃんと中期計画等に沿った取組みが行われているかという、いわば定性的な評価とい うようなことで理解しております。その両面から評価するということを敢えて明記させ ていただきたいということで、原案のままで御了解をお願いできればと考えております。  それから10頁目から12頁目にかけましてアンダーラインをいくつか引かせていただい ております。これにつきましては前回、山村委員から、地域移行は人数重視ではなく取 組み状況をきちんと見るということであれば、そういう評価の視点に修正すべきではな いかという御意見。それから山崎委員から、地域移行について外に出すという視点だけ が重視されていて、地域に出た後のネットワークとか連携とかそういうことをきちんと 評価すべきではないか。在宅福祉と結び付くような連続的な取組みがきちんとなされる ような評価の視点に記述すべきではないかという御指摘。それから宗林委員から、地域 移行の取組みについてもう少し詳細に具体的に中身が分かるようにしないと評価が困難 ではないかという、これらの一連の御指摘をいただいております。  これらの一連の御意見を踏まえまして、10頁でございますがアンダーラインを引かせ ていただいておりますような項目について修正をいたしております。基本方針は策定さ れているかどうか。あるいは全国会議等の場において入所者の地域移行についての考え 方や進め方を説明し、どの程度協力要請を行っているか等々。あるいは本人及び保護者 等家族への説明はどの程度行われているか。また同意は確保されているのか。入所者一 人々の施設支援計画の内容は自活訓練等の段階的移行メニューを盛り込んだものになっ ているかどうか。また、一人々のライフプランの作成がきちんとサービスメニューと家 計負担に基づいて作成されているかどうか。また、サービスメニューが地域のフォーマ ル、インフォーマルな資源と連携し、かつ地域生活を安定的・継続的に営む上で十分な ものとなっているかどうか。等々の視点を追加させていただいたところでございます。  12頁の最後の「○」のところでございますが、分野別の調査研究の結果が重度知的障 害者の地域への移行に関する技術の開発や事例の蓄積に関連し、効果的な内容になって いるかどうか。こういうようなところを具体的に修正をさせていただいたということで ございます。  それから、もう一つの資料、参考資料の3-1を御覧いただきたいと思います。一枚 紙の資料でございますが、前回、石井委員から非常勤職員数についてのお訊ねがござい ましたので、非常勤職員数を平成15年10月1日現在の数字をお示しいたしております。 以上が修正の内容でございます。どうぞよろしく御審議をお願いします。 ○岡田部会長  ありがとうございました。引き続きまして、福祉医療機構の評価の視点の修正案につ いての御説明をよろしくお願いします。 ○椋野福祉基盤課長  それでは福祉医療機構評価の視点の修正案について、資料4-1で御説明をさせてい ただきます。福祉医療機構につきましては、前回、遠藤委員から、福祉医療機構の中で は福祉医療貸付事業が中心となる事業だが、その中で事業費の削減項目に占める割合は 支払利息が大きいと。それでこの支払利息というのは貸付残高の変動や金利変動の影響 が大きく、法人の自助努力で解決できない部分があると。それで抽象的にはなお書きの 形で、そういうことは評価にあたって考慮する、というような書きぶりを前回お示した 案にも入れさせていただいておりましたが、できるだけ明確に書いておくべきである と。それで御指摘いただいたのは1点でございましたが、そこだけではなく全体に見直 して具体的に書けるものはできるだけ書かないと評価のときに評価が難しくなってしま うのではないかというような御意見をいただきました。そういう御指摘を踏まえて見直 してみまして、2点もう少し具体的に書き込んだ修正案を本日お示しさせていただいて おります。  それで1点目は5頁でございますが、先ほどの資料4-1の5頁、6頁のところでご ざいます。これは法人全体の業務運営の改善に関する事項の中の、(2)の業務管理の 充実、その中で中期計画、年度計画のところを見通していただきますと、その2つ目の 欄に、業務運営におけるリスク管理の徹底について記しているところがございます。そ れで中期計画の中で、(5)の欄の下のほうでございますが、「貸付残高に対するリス ク管理債券の額の比率が中期目標期間中2.0%を上回らないように努める」、こういう 中期計画を定めております。それで右の6頁を見ていただきますと、その評価の視点の ところで、「なお」として、「介護報酬及び診療報酬の大幅改定等に伴う福祉施設及び 医療施設の経営環境の著しい悪化や、それから機構の貸付残高の著しい変動が生じた場 合等はその事情を考慮する」というのが前回お示ししておりましたが、下線をつけてい る部分を、「貸付残高の著しい変動という理由として、特に大きいと思われます貸付先 からの繰上償還等…」。  ちょっと見ているのが違いますか。すみません、見ていた資料が古いかもしれませ ん。申し訳ございません。  大変失礼しました。26頁を御覧いただけますでしょうか。26頁の評価の視点の真ん中 の枠の部分でございます。ここがリスク管理についての評価の視点について書いている ところでございまして、なにを評価するかというと、ここにはちょっと見やすい形でお 示しできていませんが、リスク管理債権の比率が中期目標期間中2.0%を上回らないよ うにと。それを評価するに当たって、一つは経営環境の悪化、それからもう一つ「貸付 残高の著しい変動が生じた場合等はその事情を考慮する」となお書きで入っておりま す。それで、その貸付残高の著しい変動というのにより具体的に最も想定される「貸付 先からの繰上償還等により」という具体的な内容を付け加えさせていただきました。経 営環境の著しい悪化のほうは「診療報酬の大幅改定等」と具体的なものが入っておりま したが、貸付残高の変動のほうにも具体的なものを、想定できるものを入れましたとい うのが一つ目でございます。  それから2点目は27頁です。ここは中期目標の業務運営の効率化に伴う経費節減につ いて評価をする部分でございます。評価の視点の27頁の枠の上から2つ目ですが、それ で中期目標の中に福祉医療貸付事業については、中期目標の期間の最終の事業年度にお いて、平成14年度と比べて5%程度の削減を目指すこと、というような目標を入れてお りました。それで、この評価に当たって2番目の枠の○の2つ目の下のほうに、なお書 きが入っておりますが、なお書きとして、「社会経済情勢の変化等を踏まえた政策的要 請や金融情勢の変化」というような抽象的な書きぶりをしておりましたが、より具体的 に「政策的要請による貸付残高の変動や金融情勢の変化に伴う金利変動による影響を考 慮する」という形で、より具体的に想定されるものを書き込む修正案をつくらせていた だきました。  資料が違いまして大変失礼しました。  それから私どもに対しましても石井委員のほうから非常勤職員の数をというような御 質問が前回ございまして、参考資料4-1というものでお配りしております。それで、 のぞみの園と同じく15年の10月1日現在でみますと、常勤職員が264人です。それで非 常勤職員は3人おります。合計で267名になります。以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。それぞれ3つの問題について御説明を頂戴しましたので、 細則の見直し案、それから評価の視点の修正案の2つの問題、それぞれについて御意 見、あるいは御指摘をいただければありがたいと思いますが、いかがでしょうか。  先回、御意見を頂戴したものに従って修正をしていただいたもの、あるいはいただい たけれども、それは別扱いにしたいというもの、あるいは敢えてそれを説明の上で修正 をしなかった部分、そういうものがいろいろございましたが、だいたい中身において先 回の御指摘、あるいはお考えを反映しているものと考えられますが、いかがでしょう か。  特に御意見をいただかなければ、これで一応、先回の審議の過程で出てきた意見につ いての修正案などを含めて、だいたい御承認いただけるということでよろしいでしょう か。 ○全員  異議なし。 ○岡田部会長  それでは、次に進みたいと思います。次は、御説明がございましたように、独立行政 法人の役員の退職金に関する閣議決定が昨年の暮れに出されまして、それを受けた役員 退職手当支給規程の見直しについてというこういう課題が登場してきておりますので、 これにつきまして御説明を頂戴したいと思います。資料はお手元にあると思いますが、 御説明の中でお示しください。 (3)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園及び福祉医療機構にかかる役員退職手当 支給規程について ○川尻政策評価官  今から御説明する資料は袋に入っていない資料2というものでございます。なお、今 御了承いただいた福祉医療機構の「評価の視点」でございますが、ちょっと資料が見難 かったので、後日4段表の形にして皆様にお送りさせていただきたいと思います。不十 分な形のまま御了承いただいたことをお礼申し上げます。  それでは資料2でございますが、昨年の暮れ、12月19日に独立行政法人あるいは特殊 法人、認可法人共通でございますが、役員の退職金について大きく言えばその水準を引 き下げる旨の閣議決定がございました。その関係でこの評価委員会のほうにも新しい業 務が追加されるということでございますので、御説明をさせていただきます。  資料2の1の(1)を御覧いただきたいと思いますが、現在独立行政法人の役員の退 職金というものにつきましては、概ね在職期間1月につき俸給月額の28/100を掛けて 退職金を計算するというのが12月までの規程でございましたが、これを12.5/100とい うことで、半分以下に引き下げるという考え方が示されると同時に、3行目、4行目が 一番関係があるところでございますが、このものにさらに各府省の独立行政法人評価委 員会が0.0〜2.0の範囲内で業績に応じて決定する業績勘案率を乗じたものとするという ことでございます。基本は「1」ということでございますが、非常に業績があがってい るという場合には1以上2まで、そして業績が悪いという場合には1を下回って0.0ま での率でもって役員の退職金の倍率を決めるというものがこの閣議決定で示され、各府 省はそういうような規程にするように独立行政法人に要請するというのがこの(1)の 関係でございます。  それから(2)は若干細かなプロセスが書いてございまして、そういうように各府省 の独立行政法人評価委員会が業績勘案率を決定するわけですが、その際には予め総務省 の独法評価委員会のほうに通知をするというような形になっておりまして、総務省のほ うの委員会のほうは意見を述べることができるというような流れになっております。  それから段が変わりまして、業績勘案率が1.5を超え、あるいは0.5を下回るような場 合には、各主務大臣に通知をすると共に内閣官房長官に報告するというような書き方で ございます。したがって、いわば1.5を超える、あるいは0.5を下回るというのは、いわ ば相当異常値ということですから、基本的には0.5以上、1.5以下の範囲内というような ことが目安として示されているわけでございます。  あとは(3)はその退職金の支給額の公表のことを書いてございます。  このような各府省からの要請、要するに厚生労働省の担当課から2法人に要請した結 果、細かく今日は御覧いただきませんが、それぞれのぞみの園、福祉医療機構の退職手 当支給規程のほうが改正されております。内容的にはこの(1)を反映した改正という 形になっております。御説明は省略させていただこうと思っております。  では、具体的にこの業績勘案率をどのように決定していくかということなんですが、 ある役員が退職される度にその役員の業績を表をつくって、その採点をするというよう な形になりますとこれは大変な作業でございますし、退職金をできるだけ速やかに支給 するということも考えますと、その都度部会を開いていただくというのもあまり現実的 ではないのかなと思っておりまして、現在各府省がどういう形でこれを運営するかとい うのは私どものほうも情報収集をしております。基本的な方向としては、現在、評価 は、各年度ごとにまさにこの部会で各項目ごとの5段階評価をいただく形になっており ます。省によっては3段階評価のところもございますが、そういう各年度の法人の実績 評価の平均点、要するにその役員が在職した期間の法人の業績の5段階評価なり3段階 評価の平均点をとるような形で、そしてこの業績勘案率を決めてはどうかということで だいたい収斂してきておるようでございますが、どのぐらいの刻みにするのかとか、細 かなことにつきましてはもうちょっと整理をさせていただく時間がほしいと思っていま す。  そして、このような業務は厚生労働省の各部会に課せられるという形になるわけです が、各部会毎に考え方が違うというのもなんでございますので、できましたら3月の末 にこの親委員会を、総会を予定させていただいておりますので、この役員の業績勘案率 という新しい業務も付け加わったこともありますので、総会でまず大どころをお決めい ただいて、そして総会で示される考え方に沿って各部会で具体的な業績勘案率を決定い ただくと。こういうような流れを事務局としては考えているところでございます。 し たがいまして、いろいろ御意見がありましたら頂戴をした上で、もう少しお時間をいた だいてまたより具体的な基準、あるいはプロセスそういうものを御説明させていただく 機会を別途持たせていただこうと思っております。以上でございます。 ○岡田部会長  お手元にはこの閣議決定の内容を反映させたのぞみの園、福祉医療機構の改正案を示 してございます。この閣議決定に伴う問題、あるいはその後の処理の仕方などにつきま して御意見、あるいは何らかの形の御指摘をいただければ大変ありがたいと思いますの で御発言をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  特に業績勘案率の取扱い方、形ではそれぞれの部会などがこれを定めるということを 原則としているようですが、必ずしもそれでうまく行くとは思えないので、もうちょっ といろいろ検討しながら一つの考え方に集約していきたいということでございますの で、その成り行きをちょっと我々も眺めてみたいなと思いますが、なにか御意見ござい ませんか。 ○白石委員  質問なんですが、この業績勘案率を0〜2の範囲内で設定するということなんです が、例えばこの0〜2を0.5刻みにすると、0、0.5、1、1.5、2で5つできるわけで すね。それで5段階評価とこの業績勘案率を連動させるような考え方があると。ただ、 1.5以上と0.5を下回る場合はなにか報告をしなければいけないということなんですが、 それと5段階評価との関連なんですが、例えばのぞみの園が非常に良いお仕事をなさっ たら、躊躇いもなく一番良い評価をしたいと考えているんですが、その5段階評価にお いても1.5とか0.5とかそういうものを5段階評価に関して付けるということは躊躇うべ きことなんでしょうか。 ○岡田部会長  いかがでしょうか。 ○川尻政策評価官  もちろん各委員の客観的かつ専門的な御知見でもって評価をしていただければ、業績 評価のところを5にしてはいけないとかいうのは、もちろん私が申すまでもなく、ござ いません。ただ、若干御説明させていただきますと、各法人の各年度の評価というのは およそ20項目ぐらいの項目ごとに5段階評価をしていただくというような形になってお りまして、したがって各年度の平均点を各項目ごとに平均しますと、なかなかすべて5 ということはありません。だいたい調査研究部会で見てみますと、3.なにがしとか、 そういう値が多くなっております。そして各法人の役員というのは、理事長でありまし たら4年というのが任期でございますので、その値について、さらに4年間の平均を取 るというような形になってまいりますので、どこまで細かく小数点以下何々を出すとい うことはありますが、そうやって平均点を取っていきますと、あまり極端な数字にはな らないのかなと思っております。いずれにしましても、実績が良いものでありましたら 高い評点をしていただくのは法人のほうもありがたいわけですし、この退職金規程の見 直しもやはり良いことをやればちゃんとリターンがあると。それでダメな場合はペナル ティがあるという形でメリハリをつけようということでございますので、評点のほうは 先生方のお心次第でお付けいただくということでございます。 ○岡田部会長  はい、白石先生、よろしいですか。なにか枠を特に設定して大臣に報告事項にしたと いうその意図というか、狙いというか、それは何へんにあるんでしょうか。 ○川尻政策評価官  このへんはトップダウンでまさに年末に決まりましたので、公務員制度改革ですと か、特殊法人改革ですとか、そういう行政改革の流れの中でいろいろと御批判という か、御意見の多い退職金規程については基本的には下げるのだと。ただ、やはり例えば 「0」にするというのも、退職金の性格からしますといろいろと、私は専門外でござい ますが、賃金の後払いとか、役員になりますと賃金ではありませんが、そういう性格も あるので、やはり一定の範囲内に収めることが基本的には望ましい。ただ、いずれにし ても評価が極端に悪い、あるいはすごく良いという場合には、別に「0」になること も、「1.5」以上になることもあり得るというような考え方ではないかなと推測してお ります。 ○岡田部会長  ありがとうございました。この退職金の閣議決定に伴う問題で他に御意見はございま せんでしょうか。どうぞ。 ○宗林委員  先ほどの御説明について、まだ決まってないところもあるというお話も含めて、確認 だけなんですが、具体的には年度ごとに各法人の業績評価を、各項目においての、3段 階あるいは5段階の平均点を出すと。それによって決定していくということと、その他 に各役員の在職中の年度ごと平均するというようなお話でしたでしょうか。詳細が分ら なかったんですが。 ○川尻政策評価官  だんだんこのへんになりますと、おそらく紙を出して説明したほうがいいと思います が、もう一回申し上げますと、各法人ごとの実績評価というのは先ほども申し上げまし たように20項目ほど出てまいりますので、「S」を5として、それでA・B・C・Dの 「D」を1というような形で点数化して平均してまいりますと、先ほど申し上げました ようにだいたい他の部会というか、調査研究部会では3.なにがしぐらいの仮の数字が あるわけでございます。それは例えば平成15年度、のぞみの園でありますと、これは半 年分ということでございますが、6ヶ月の在任期間ということでございます。それが決 まると。それから次の年にまた1年分の評価があって、それは別の点数が決まる。2年 目には別の点数が決まるというような形でございますので、それぞれの年度の点数をそ の役員が実際に在職されていた期間を通算して加重平均するような形で出してまいりま すと、やはり3.なにがしとか、2.なにがしがあるかもしれませんが、そういう数字 が決まるということでございます。  いずれにしましても退職金は最後に退職されるときにまとめて払いますので、業績勘 案率も各年度の業績勘案率ということではなくて、退職につき一つの業績勘案率が決ま るということでございますので、そういう意味で各年度ごとの評点をさらにその役員が 実際に在職された月というか、年月を通じまして平均点を取るのがいいのではないかと いうことで御説明をさせていただきました。いずれちょっとキッチリした書き物にして また御説明をさせていただこうと思いますが、説明が拙くて申し訳ありません。 ○岡田部会長  よろしいですか。では、まだ確定的なことははっきりできませんので、諸般の動きな どを勘案しながら一つのレベルに落ち着くという、こういう見方でよろしいですね。  いかがでしょうか。他に、特に御発言がなければ次の問題に移りたいと思いますが。  はい、それでは先ほどちょっと御紹介しましたように、福祉医療機構のほうに労災年 金関係の業務が付与されるということに伴う中期目標、それから中期計画、業務方法書 のそれらの変更についての御審議をいただきたいと思いますので、この問題についての 御説明をよろしくお願いします。 (4)福祉医療機構の中期目標改正案、中期計画課医政案、業務方法書改正案について ○杉浦労災管理課長  労働基準局の労災管理課長の杉浦でございます。それでは私のほうから労災の年金担 保の貸付事業の追加に係わる中期目標等の改正について御説明をさせていただきます。 資料は4-3から4-7まででございます。資料4-3が中期目標改正案の概要でござい ます。4-4が中期計画のほうの改正案の概要、それから資料4-5は中期目標、中期計 画改正案の対比表でありまして、改正部分にアンダーラインを引いてございます。それ から4-6が改正案の目標設定のポイントということでございます。  まず概略は資料4-3、4-4で御説明をさせていただきたいと思いますが、ちょっと ここには書いてないんですが、平成13年の12月に特殊法人の整理合理化計画によりまし て、労働福祉事業団でこれまでやっておりました労災の年金担保貸付につきまして、当 時の名称でございますと社会福祉医療事業団の業務を承継する法人に移管するというこ とで指摘がなされまして、閣議決定をされたわけでございます。それに基づきまして、 今回16年の4月1日をもちまして労働福祉事業団のほうが独立行政法人のほうに移管す るということで廃止をされますものですから、このタイミングによりまして従来労働福 祉事業団でやっておりましたこの年金担保貸付関係を、同様のと申しますか、もともと こちらのほうでやっておられます年金担保貸付の制度に、スキームとしてはほとんど同 じものでございますので、併せてやるほうが効果、効率的であるということで、こちら のほうで併せてやっていただくという趣旨のものでございます。  それで、今申し上げましたように、そこの事業目標のところにも書いてございます が、労働災害によりまして一定の、重度の方が多いんですが、障害ですとか、疾病を受 けられた方には年金が出ることになっております。そういう年金の受給者の受給権を担 保としまして、低利で小口の資金を貸し付けるという仕組みでございます。これまでの 実績的には、昭和56年度からやっておりますが、だいたい年間ここ近年では3,000件〜 3,100件程度の実績でございまして、もともと福祉医療機構のほうでやっておられます 年金の担保貸付がだいたい20万近く、十数万件の実績でございますので、規模的には数 十分の一というオーダーでございますが、そういう形でやっております。それで、貸付 額とか償還期間とかそういうものは同じスキームでやらせていただいてきております。  そこで、こちらの福祉医療機構のほうで併せてこの労災の関係の貸付制度もやるとい うことでございますが、それに当たりましての目標としましては、まず(2)にござい ますように、業務の効率化のための目標としまして、事業開始年度でございます平成16 年度の予算と相当する額と比べて9%程度の額の節減ということに設定しております。 それから業務運営効率化のための目標としましては、業務運営コストを分析し貸付金利 の水準に適切に反映することにより、安定的で効率的な業務運営を行うということでご ざいます。  それから(4)の業務の質の向上のための目標としましては、事務処理方法の見直し 等により申し込みから貸付実行までの期間を、平成15年度概ね4週間に対して1週間事 務処理日数5日間の短縮をするというものでございます。それから財務内容改善のため の目標としまして、信用保証制度等の活用により貸倒れリスクの抑制に努めるといった ことが内容としております。  それから、4-4が中期計画改正案の概要でございまして、書いてある内容としまして はただ今中期目標のほうで御説明したこととほぼ同様でございます。若干、詳細につい てはまた後ほど御説明をさせていただきます。  それから資料4-5が中期目標、中期計画の改正部分をアンダーラインで引きました 対比表でございまして、ただ今申し上げましたようなものが縷縷述べられております が、特にこの中で具体的なポイントとしまして、資料4-6のほうをちょっと御覧いた だきたいと思います。まず、2枚目でございますが、第2の(3)というところで、業 務運営の効率化に伴う経費節減というものでございます。それで、今回追加されますも のは、第2段落の「なお、」というところから始まるところでございますが、労災年金 担保貸付に係る経費については、先ほど申し上げましたように、16年度予算の相当する 額と比べて9%削減というようにしております。それで、この9%という数字の設定に つきまして、右のほうに書いてございますが、目標設定の考え方としてありますが、一 つは16年度を基準年度とするということと、それから期間を3年間ということでござい ます。それで、通常ですとこれまでやっておりました特殊法人時代の実績と申します か、それをベースにして目標数字を設定することになるわけでございますが、今回新し くこちらの法人で事業を実施していただくということになりますので、まず最初の16年 度を基準年度としまして、それを基に後の3年間で9%削減させていただきたいと思っ ておるところでございます。  実はいろいろな経費の算定の仕方が従来の労働福祉事業団と、それとこちらのほうの 福祉医療機構のほうの経費の積み上げの仕方が異なっておりまして、単純に労働福祉事 業団のほうの経費をそのままもってきてベースにするということがちょっと技術的に難 しいところがございますので、こういう基礎年度を16年度とさせていただきたいという のが一点ございます。  それから、なぜ9%かというところにつきましては、「また、」以下の段落の下のほ うに書いてございますが、いろいろな先行されます法人の一般的な目標につきまして、 3.5年という目標期間で定められている法人につきましては、削減目標10%でやるとい うようなことが行革事務局のほうから一般的な基準として出てきております。それで、 3.5年で10%でございますので、こちらのほうが17年度からの3年間でございますので、 3/3.5年ということを掛けまして、約9%というような目標の設定にさせていただい たというのがこの数字の根拠でございます。  それから、もう一枚お捲りいただきまして、3枚目でございますが、一番左下のほう に業務の質の向上に関する事項というところで、先ほどもちょっと触れましたが、事務 処理方法の見直し等により借入申込みから貸付実行までの期間を平成15年度、概ね4週 間に対して1週間事務処理日数5日短縮することを目指すというようにしております。 これにつきましては、もともとの年金担保融資と同じ書き方に合わせさせていただいて おりますが、こちらのほうも同様に事務の効率化を目指しまして1週間短縮するという 目標設定をさせていただいておるところでございます。  大きな目標設定に当たってのポイントは以上でございますが、もう一点恐縮ですが、 資料4-5に戻っていただきまして、一番最後の6頁をお開きいただきたいと思います が。資料4-5の6頁の右側、中ほどでございますが、(2)の人員に係る指標という のがございます。これにつきまして参考1のところにありますが、期初の常勤職員数が 264人でございました。これに対しまして、今回この労災の年金担保貸付事業につきま して業務が増えるということで、常勤職員の数を1名増員させていただきまして、期末 の常勤職員数の数を265人ということで1名増加をさせていただいておるところも一つ の変更点でございます。以上が中期目標、中期計画に係る追加の部分でございます。  それからもう一つ、資料4-7を御覧いただきたいと思いますが、こちらのほうはこ の業務の追加に伴います業務方法書の改正でございます。それで、改正部分のみの新旧 対照表をつけてございます。改正される部分につきましてはアンダーラインをつけてお りますが、労災の年金担保に係る部分につきましては、一つは1頁目の左の第3条第2 項のところの、労働者災害補償保険制度というのを書き加えたという部分と、それから 4頁の第8章でございます。44条から47条のところでございますが、ここの部分につき まして従来からやっております年金担保貸付に加えまして、この労災の年金担保貸付事 業に係る部分を記述をさせていただいておるところでございます。内容はただ今申し上 げました内容をほぼ記載しておるところでございます。44条、45条、47条ということ で、主に第2項をそれぞれ追加するような形での改正でございます。  それからもう一つ、資料番号はないんですが、その後ろに改正を反映させた業務方法 書案の全体版を参考として添付させていただいております。私のほうの説明は以上でご ざいます。よろしくお願いします。 ○岡田部会長  ありがとうございました。以上の説明でお分りいただけたと思いますが、労災年金担 保貸付事業を福祉医療機構のほうに移すということから生じた中期目標、中期計画の案 でございました。御説明に伴いまして御意見、御質問はございませんか。 ○椋野福祉基盤課長  申し訳ございません。業務方法書で福祉医療貸付に係る変更部分もございますので、 もしよろしければ説明を先にさせていただいて、併せて御質問いただければと思います が。 ○岡田部会長  そうですね。どうぞ、お願いします。 ○椋野福祉基盤課長  資料4-7でございます。業務方法書でございますが、今の労災の担保融資に係ると ころだけ御説明をしましたが、16年度の予算に伴う政策変更を踏まえた業務方法書の変 更がございます。それで、新旧対照表を見ていただきまして、まず13条でございます が、13条を削除する案になっております。この13条は大部屋解消に係る貸付を無利子と するものでございましたが、この「無利子」という貸付けを廃止するものでございま す。利子をいただいて貸付けをする、無利子ということは廃止ということでございま す。  それから2頁目にまいりまして、14条でございますが、これは被虐待児童の受け入れ 体制整備のための改築の無利子貸付の特例について、「旧」のほうを見ていただきます と、15年度までというものでございました。この特例措置が16年度まで延長されるとい うことで、15を16に変えております。  それからその下の第15条でございますが、ここで第8条、9条、13条、前条、つまり 14条と旧の形でありまして、これについては貸付金の一部償還免除という規程でござい ますが、13条または前条、つまり14条が削除されております。それで、13条と言います のは、先ほどの大部屋解消のもの、それから14条は被虐待児童受け入れに伴う改築のも のでございます。これらにつきましては貸付金の一部償還免除というのも廃止する形に なります。それから、17条の第2号でございますが、一般有料老人ホームについて所要 資金の70/100という、これはいわゆる融資比率、貸付金の限度額ですが、これを 30/100に引き下げる改正でございます。  以上が福祉貸付でございまして、その下の23条からが医療貸付の部分でございます が、まず23条は機械器具の購入に必要な資金で、新設に伴い必要なもの、機能充実のた めに必要なもの、いずれも「新」のほうを見ていただきますと、( )書きが付いてお ります。つまり助産所、歯科技工所等々については、これは実績も少ないということも ございまして、融資の必要性が薄れたということで、機械器具の購入については貸付け を行わないという改正でございます。  それから3頁にまいりまして、(2)の今の続きで、長期運転資金。これも新設に伴 い必要な長期運転資金で、従来、薬局、歯科技工所及び衛生検査所を除くということで したが、さらに疾病予防運動施設及び温泉療養施設も除く、つまり、貸付けないという 形になっております。  それから26条、貸付金の限度額。いわゆる融資比率でございます。それでまず(1) のアでございますが、これは融資比率80を90に優遇するものでございますが、従来は病 院で療養病床を整備するものについても90としていたものを、病院の部分は削除してい ますので80に戻る、つまり、優遇がなくなるという形でございます。それからエのとこ ろでございまして、右側で見ていただいて、一定の疾病予防運動施設についても優遇し ておりましたが、これもなくなりましたので80に下がると。それで左の「新」のほうを 見ていただきます。右のオがエになっていますが、「新」のほうでオとして加わったも のは、臨床研修を行う病院でございますが、これを優遇して80から90に融資比率を上げ るという改正でございます。  以上、政策変更に伴って融資率、それから無利子貸付、それから償還金の一部免除に ついての変更でございます。以上でございます。  それから、先ほど大変分りにくい資料で説明をしてしまいましたが、評価の視点、中 期目標、中期計画、年度計画、評価の視点という見やすい形になった資料が今揃いまし たので、審議に間に合わなくて大変申し訳ございませんでしたが、お配りさせていただ きますので後ほど御覧いただければと存じます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。今の御説明を含めまして御意見、御質問はありませんでし ょうか。私自身はこの労災年金担保貸付事業というものについてはまったく知らないん ですが、具体的にはどういう効果があるんですか。 ○杉浦労災管理課長  これは先ほど申し上げましたように、一般のこれまで福祉医療機構でやっております 年金を担保とした貸付けと同じでございまして、身近なところでの資金が足りなくなっ た場合の小口のものを短期的に借りたいという方のためのものでございまして、趣旨・ 目的はほとんどそちらと同じでございます。ただ、原資が労災保険から出ておりまし て、それで労災を受けた方が、年金をもらっている方が、その受給権を担保にやるとい うことでございますので、使い道はほとんどそういう身近な当面の資金繰りが困った 方々に貸付をするというものでございます。額的にも限度額が250万円で、償還期間が 4年でございまして、これも福祉医療機構が従来からやっております年金担保貸付とま ったく同じものでございます。 ○岡田部会長  そうですか。年間9千件ぐらいのとおっしゃいましたね。 ○杉浦労災管理課長  3千件ぐらいですね。 ○岡田部会長  それはこの事業についてはほとんど一般には理解されていて、その中での3千件とい うことですか。 ○杉浦労災管理課長  そうですね、ここ10年近くはだいたい3千件台の前半ぐらいでずっと推移してきてお りますので、だいたい定着しておるというか、同じぐらいのペースで使われているもの でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。なにか他にございませんか。もし、よろしければ今御説明 をいただいたものを内容を御承認いただくという形を取りたいと思いますが、よろしゅ うございますか。 ○全員  異議なし。 ○岡田部会長  はい、ありがとうございました。それではここでちょっと事務局の入替えというか、 準備をしますので、数分お休みをいただきますので、どうぞよろしくお願いします。                   (休憩) ○岡田部会長  それではお待たせしました。ただ今から再開させていただきますが、これからは私ど もは初めて係わることになります新しい独立行政法人の問題でございます。「医薬品医 療機器総合機構」という新しい法人でございますが、その中期目標案、中期計画案の御 審議をお願いしたいと思います。  審議の順序としましては、これまで審議してまいりました2法人と同じように、まず 法人の概要の御説明をいただいて、その上で1番目、業務運営の効率化に関する事項。 2つ目、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事柄。そして 3つ目に、財務内容の改善に関する事項。こういう3つの項目に分けてそれぞれ御説明 をいただいてから御審議をお願いしたいと思っております。  それではまず、医薬品医療機器総合機構の概要について御説明をお願いします。よろ しくお願いします。 (5)医薬品医療機器総合機構の中期目標案、中期計画案について ○吉岡総務課長  担当の医薬食品局総務課長の吉岡でございます。どうぞよろしくお願いします。  御指示に基づきましてお手元の資料で本独立法人の概要をまず御説明したいと思いま す。何点か資料がございますが、まずこの総合機構の組織立てを御理解いただくため に、順序が逆になりますが、参考資料5-1をお開けいただきたいと思います。医薬品 医療機器総合機構の概要ということで、4枚綴じのものがございます。  まず、横の資料でございますが、お開けいただきまして、これは平成13年の特殊法人 等整理合理化計画に書いてありますとおり、これは医薬品副作用被害救済・研究振興調 査機構についてのコメントが書いてございまして、これを廃止した上で国立医薬食品衛 生研究所医薬品医療機器審査センター等と統合し、新たに医薬品等に係る研究開発業 務、医薬品調査等業務及び救済業務を行う独立行政法人を設置すると。おそらく他の法 人と違う一つの特徴としまして、この独立法人化するに際して、その下の左側に書いて ございますが、3つの国の機関、あるいは認可法人、あるいは財団法人、この3つのも のが統合するのを機会に独立行政法人化するという点に一つの特徴がございます。  ここで現の今年度末まで存続します3つの組織、先ほど申し上げました国の機関とし ての医薬品医療機器審査センター、これは研究所の中にございます。それから認可法 人、これまで被害救済・研究調査などをやっておりました認可法人の機構、医療機器セ ンター、ここで3つを足し合わせまして我が国の医薬品医療機器等の新規の承認、ある いは一部変更等、年間数千件に亘る審査業務をこの3つで分担しながら現在までやって きたという状況が現状でございます。  少し具体的に申し上げますと、一番上の左側でございますが、この国の医薬品医療機 器審査センターにおきましては、これはズバリ医薬品医療機器の審査業務をやってきた わけでございます。それから真ん中の救済・調査機構につきましては、医薬品に係る申 請前のいわゆる治験の相談業務をやってきておりました。あるいは具体的な承認・申請 の資料の信頼性、同一性などを調査すると。そして一番下の財団法人医療機器センター では、これは医療機器に特化しておりますが、これに係ります申請資料の調査業務をや ってきたと。  3つのところがそれぞれ業務を分かち合いながらやってきたということでございます が、昨今の医薬品の開発、あるいは承認をめぐる、後ほど申し上げますが、国際的な非 常に競争の激化もございますし、ともすると我が国はこの最先端部門の医薬品につきま して、外国に比べて審査・承認までに時間が掛かるということから、患者さんあたりに いち早くお届けすべき安全で有効な医薬品が外国に比べてなかなか届きにくいという大 変憂慮すべき現状があるということで、審査・安全を確保しながら医薬品医療機器につ いて統合的に迅速に審査するということ。併せまして、関連の安全対策、あるいは被害 救済業務と有機的にやっていくということで、こういう契機で3つのそれぞれ法的性格 は異なりますが、3つの団体を統合しまして新たに、右でございますが、一貫して、か つ効率的にこれらの業務を実施するということから、新たに独立行政法人という枠組み で設立をしたいと。この16年4月1日の設立を目指していると、こういうことでござい ます。  その2頁目はもう少し具体的に今申し上げましたことを整理しております。説明は割 愛させていただきます。  それから次の3枚目の表でございますが、ここは国との関わりを整理させていただい ております。これはこの(3)の表は、この4月1日以降の姿を整理したものでございま す。網掛けの部分が新しくできあがります、先ほど申し上げましたような3つの団体を 統合した後の総合機構の業務でございます。一番上に書いてありますように、医薬品医 療機器につきましては承認審査という段階、それから市販後、いわゆるポストマーケ ティング、売られ始めて国民が使用開始した後の安全対策という面がございます。それ から、あってはならないことですが、万が一健康被害が起きた場合の救済業務というこ とでございまして、それぞれ各段階とも下に書いてございます厚生労働省、具体的には 医薬食品局の業務とつながっております。  例えば、承認審査につきましては、自主的な資料の収集、治験も含めまして書類の審 査とか、信頼性とか、こういうことは総合機構で迅速に実施する。この結果、最終的に 行政として新しい医薬品なり医療機器の承認ということは、関係の審議会で、薬事・食 品衛生審議会で諮問・答申の上決定するということで、最終的な行政判断につなげる最 初の自主的な重要な仕事を行うということでございます。  同様に、安全対策業務につきましても、なにか問題ができたときには、最終的には一 番下に書いてありますように、国が、あるいは都道府県が具体的な行政措置としての安 全対策を講じるわけですが、これに至りますごく初期の副作用の報告・収拾・受理、こ れを分析・評価し、あるいは情報提供する。こういう中で取るべき安全対策についての 基礎的な資料収集・分析をこの機構が行うということでございます。  それから最後になりましたが、医薬品に係る、今回は副作用の他に感染症被害という ことで、これは独立行政法人医薬品医療機器総合機構法を4月1日から施行しまして、 生物由来製品等による感染被害救済も新たに業務に加わるということでございます。業 務がさらに拡充するわけですが、これにつきましても下に書いてありますように、最終 的な個々のケースについての支給・不支給の決定は、機構が、国における薬事・食品衛 生審議会の審議を経て決めますが、これに至る請求の受理、内容の調査などもこの機構 が担うということで、医薬品、医療機器に共通するものもございますが、この3段階の 業務をそれぞれ行政の判断につなげるということで、公的な性格は極めて高いというこ とで御理解を頂戴したいと思います。  それから恐縮ですが、資料の5-1に戻っていただきまして御説明をいたしたいと思 います。医薬品医療機器総合機構の役割ということで整理をしております。細かい説明 は省略させていただきますが、先ほど言いましたように、一つは現在の我が国の医薬品 医療機器の審査体制、欧米に比べると脆弱であると言わざるを得ません。したがいまし て、新しい先端的な医薬品、国民が待ち望む医薬品が残念ながら欧米に比べて、もっと 言いますと外国で使われているものが日本でまだ使えないという状況が現に招来してお ります。これはとりもなおさず、これは産業界ということよりも、むしろ国民の医療に ある意味では不利益が生じているという現状でございます。  一例を申し上げますと、真ん中のあたりに欧米の審査体制なり、審査の期間を整理し ておりますが、例えばアメリカのFDAではこの新医薬品、医療機器を除く医薬品のみ に2千人以上のスタッフが申請の事務に、あるいは審査の事務に関わっていると。こう いう申請から承認までの審査総期間は平均12ヶ月、平均しますとある医薬品が申請され てから実際に承認を受けてお手元に届くまでに1年で済んでいると。ところが、現在の 我が国の場合ですが、現状では国の機関が中心にやっておりまして、定員法の下、医薬 品医療機器を含めて200人強という体制でございまして、審査総期間は平均16ヶ月とい うことで、3割以上時間が掛かっていると。この部分が日本国民にとっての不利益にな っているということでございます。  したがいまして、2番ですが、より有効で、より安全な医薬品等をより早く提供する と、こういう国民的な要請からこれから御説明します中期目標・計画の一つのポイント は、新薬の申請から承認までの時間の短縮ということ、これがこの法人の担っておりま すまさに一番大きな使命だというように御理解いただきたいと思います。ただ、審査は 早ければいいということではありません。当然、どの薬もリスクが伴うということでご ざいまして、特に流通してから後の国民による適正使用ということは当然考慮すべきも のでございまして、リスクをいかに削減するか、削減した上で審査を迅速にするという ことでございまして、先ほど言いましたように、この機構では安全対策も同じ組織で行 うということから、このメリットを生かしまして、特に副作用情報の収集ということが キーになりますが、こういうことによりまして審査と平行しまして積極的な情報の収 集、あるいは市場に出た後の医療現場の適正使用の徹底を行っていきたいと考えていま す。  特に医薬品を承認する段階では、もちろんこれは人に投与するのを前提にしますか ら、いわゆる治験等はやりますが、やはりそれは数百人の規模に限定されていると。し かし、一旦市場に出ますと一気に数万人の規模で使われますので、当然使用者によって はリスク、ハイリスクとかいろいろございますので、予想もしない副作用が一挙に出て しまうということは大変懸念されるわけでございます。  こういうことを念頭に置きまして新しい機構では、後ほど詳しく言いますが、特に 「・」の2つ目に書いてありますように、複数の企業がいろいろ出てくる情報を統計的 に解析しまして、どういうところにポイントを置いてさらに調査すればいいかという、 データマイニング手法、欧米で使われている方法なども活用しまして副作用の防止を、 安全面の担保をしながら、かつ審査の迅速化を図っていきたいと考えています。  また、これから申請される薬はいわゆる先端技術を用いたものが大変多くなると考え ております。特に未知の分野の技術は治験相談が大変重要でございまして、この機構に おきまして治験相談から審査まで一貫した、かつそういう技術を資質している職員によ りまして適切に指導審査を行うことが重要でございます。  それから次の頁にまいりまして、こういうことからこうした国民のニーズ、安全でよ い薬を早くということでございますが、こういうことで特に審査体制を、並行しまして 安全部門の充実強化が必要であるということから、特に優秀な人材の採用ということは この法人の目的の成否のポイントでございます。また、審査の期間をこれから短縮する ということでございますから、当然先ほどFDAの例を紹介しましたが、あのレベルで はなくても、審査の迅速化ということには当然優秀なスタッフが、頭数からいっても相 当数のスタッフの確保が必要であるということで、計画的な増員も不可欠であるという ことでございます。  それから、この機構では審査と安全対策と並んで健康被害救済業務を、先ほど申し上 げましたが、この4月から生物由来製品による感染被害も救済の対象とするところでご ざいます。これまでケミカルの薬の救済制度は確立しておりますので、この業務のノウ ハウを生かしましてこの生物由来製品についても迅速に感染被害に対応していきたいと いうように考えております。  それで、こういう3部門の3組織が統合したことによって統合のプラスのメリットを 生かした業務の効率化を推進したいと考えております。これがとりもなおさず国民の保 健衛生の向上につながるというように考えております。  最後になりましたが、本日は中期計画の一部としては御説明しますが、一昨年の医薬 品機構の関係法の成立の際の国会決議を踏まえまして、いわゆる振興と規制の分離とい う観点から、現在、被害調査機構が受け持っております研究開発振興業務、これは独立 法人発足後1年間はこの法人で業務を行いますが、再来年度の17年度からはこの新機構 からは分離するということを予定しております。  以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。この新しい機構についての御説明をいただきました。これ についてなにか御質問はございませんか。ずいぶん大きな組織のようにお見受けします し、場所はどこになるんですか。 ○吉岡総務課長  新霞ヶ関ビルです。霞ヶ関ビルの横にあります、そこを予定しております。現在、医 薬品機構のある場所でございます。 ○岡田部会長  そうですか。なにか御質問はありませんか。どうぞ。 ○大石委員  ちょっと細かくなってしまうんですが、最初に御説明がありました我が国が米国と比 べて審査体制が遅れているというようなことで例が挙がっていたんですが、米国のFD Aでは2千人以上の人員が関わっているんですが、日本では200人ぐらいだということ だったんですが、この場合に申請件数の比較などはなさっていらっしゃるんでしょう か。やっぱり事務の量ということを考えますと、審査数に対する人員ということが。 ○医薬食品局総務課長  アメリカの一人あたりの処理件数を言いますと、審査担当者一人あたりの年間の審査 件数はこれは統計上は2.8件です。対しまして日本の場合には10.8件ということでござ いますので、もちろん件数はアメリカのほうが多いでしょうが、こういう形の数字が出 ております。一人当たりの負担が大変重くなっているというのが現状でございます。 ○岡田部会長  よろしいですか。では、概要につきましては、またいろいろ教えていただかなければ よく分らない点があると思いますが、その都度また御質問をさせていただくことにしま して、今日の具体的な私どもの役割として業務運営の効率化に関する事項に関する中期 目標、計画案の御説明を頂戴したいと思いますが、よろしゅうございますか。 ○吉岡総務課長  それでは引き続き資料5-4に基づきまして本機構に係わります中期目標案、中期計 画案のポイントを御説明させていただきます。  それで本日は今からこの5-4をメインに御説明しますが、その概要版を5-2という 形で整理しております。全体像につきましてはこれを御参照いただきながら、いろいろ な部門に業務が及んでおりますので、よろしくお願いします。  それで、この横長の5-4に基づきまして、まず1番の業務運営につきましての改善 事項、それから国民に対するサービスその他の業務の質の向上、このパートにつきまし て5頁までのところですが御説明をさせていただきます。  この場面は先ほど言いました3部門に共通するテーマということでございまして、中 期目標としましては一番左に書いてございますが、効率的かつ機動的な業務運営という ことが求められると考えております。そのために業務管理のあり方、あるいは実施方法 について、外部評価も含めたその段階々の確認が必要であるというように考えておりま す。  中期計画の内容としましては、一つは各部門の業務のそれぞれの目標、審査、安全、 救済とございますが、目標とその責任を明確にするということと、進捗状況の管理を日 常的に行うということがございます。それから業務全般に亘りまして、これはルーチン 業務というよりは戦略的な考え方を、もともとこの法人が目指すところは明確でござい ますので、それに向けた戦略的な立案機能ということ、あるいはリスク管理、チェック 機能、こういう意味の業務管理体制が必要でございまして、特に責任を有します理事長 もマネジメントの判断が迅速が行われるということがこの独法のメリットではないかと 考えておりまして、これが反映できる組織体制の構築が必要だと考えております。  また、大変先端的な分野の仕事でございますので、幅広い学識経験者との意見交換の 場所も必要ですし、この法人自身の業務の中身とか運営のあり方につきまして、現在検 討しておりますのは外部委員によります審議機関というようなものも現在検討している わけでございます。かつ、その上で業務を効率化するということで、外部の意見も十分 に取り入れたいと考えております。もちろん、部門ごとに分かれておりますが、弾力的 なその資質に応じた人事配置を、場合によってはスタッフ自身に外部の専門家を導入す るということでございまして、今、法人の設立に向けまして外部の優秀な職員のリクル ートというか、採用の事務も前広に現在行っているところでございます。  設定の考え方ですが、一つ付言しますと、一つはトップマネジメントに基づく目標、 誘導型の管理手法が必要である。これを徹底したいと考えております。また、医薬品と いう人体に大変影響が大きいことですから、例えば副作用など大きなものが発生した場 合の緊急時の対応ということも必要でございます。それから、各部門ごとにもう少し年 次計画をさらに細分化した進捗表、業務計画表などの取り入れも考えています。審議機 関の設置につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。  次の頁に移らせていただきます。ちょっと前後しますが、危機管理の徹底のためのマ ニュアルの作成、これにも対応していきたいというように考えております。  それから次に業務の効率化の一つの方策で、業務の電子化ということがございまし て、各業務プロセスを標準化するということで、できる限り常勤職員の数は必要以上に は増加しない、抑制する方向で非常勤職員を活用していきたいと。文書情報も時代の趨 勢でございますので、可能な限り電子媒体を用いてデータベース化を促進したいと考え ております。このためには右の欄にございますように、業務マニュアルがきちんと整備 されて、職員が行うべき業務、非常勤が行うべき業務、これはきちんと分けて効率化を 図っていきたいと考えております。  それから次に(2)でございますが、具体的な業務運営の効率化に伴う経費節減の目 標でございます。なお、ここで記述していることにつきましては、関係省庁との並行的 な調整ということでございまして、書いてあるところを御説明させていただきますが、 調整中ということで御理解いただきたいと思います。  まず、定量的目標としまして、一般管理費、この人件費を除くと。ここはおそらく他 法人の目標と書き方が変わっていると思いますが、これは冒頭に申し上げましたよう に、他の独立行政法人とおそらく一番特徴的なことは、3法人が合体するのを機会に独 立行政法人化するということでございまして、そういう意味では新しい業務目的を担っ て、特に審査の迅速化という大きな目的を担って3つの法人が合体すると。したがっ て、そこから先の大きな目標がございまして、この業務が達成することが独立法人の設 立の一つの大きな目的でございますので、そういう意味では先ほど申し上げましたよう に、特に審査部門を中心にこの法人の発足以降、人員的な体制の強化も不可欠であると 考えております。そういう意味で、ここは「人件費を除く」という書き方にした点が、 一般管理費から人件費を除くという形の目標設定にしておりますが、こういう考え方で は16年度発足当初と比べて中期目標の終期には15%程度の額の節減を目指したいという ように考えております。 ただ、人件費、一般管理費から除いておりますが、その後段 の次の「・」で、常勤職員一人あたりの人件費につきましては、これは可能な限り節減 を図っていきたいと。スタッフを増員する中でも、一人あたりの人件費については5年 間で5%の額の節減を目標として運営していきたいというように考えております。  右のこの、やや他法人と異なります設定の考え方、先ほど申し上げましたとおりでご ざいまして、3法人が合体して新たに設立する法人であるということで、目標設定の考 え方も15年現体制の末というよりも、新体制の当初、16年当初との比較が適当ではない かと考えております。  また次の頁でございますが、人件費を除く考え方も先ほど申し上げましたとおりです が、その人件費を除いた上で、電子化の推進等によりまして一般管理費のコストは十分 削減に努力したいというように考えております。また、一人あたりの人件費という形で お示しした考え方は先ほども申し上げましたとおりでございまして、総額での節減は困 難であると考えておりますことから、こういう形での御提示をさせていただいたところ でございます。  なお、人件費を除く一般管理費の節減目標の考え方は、昨年10月に設立されました法 人の目標を参考にして、それに劣らない節減目標を設定させていただいているところで ございます。  次に4頁に進ませていただきます。「イ」としまして、人件費、一般管理費、事業費 についての節減ということでございます。これにつきましては、まず医薬品の副作用被 害救済業務、これは製薬企業から給付のための拠出金を徴収しないといけないというこ とで、この4月から独法発足と同時に生物由来製品、従来はこの救済業務が対象になっ ていなかった生物由来の製品による感染につきましても対象にするということから、新 たに拠出金を徴収する必要があるわけですが、これにつきましては右に書いてございま すように、新規業務ではございますが、これまで使ってまいりました従来の業務に係り ますデータとの一元管理を行うということで、業務が増える中でも効率化を図っていき たいということで、5年後5%の節減を目標にしております。  また、次にこれは開発振興関係でございますが、希少疾病医薬品等に係る研究業務で ございますが、これも単位研究費あたり、例えば1億円あたりこれに掛かります事業費 につきましては10%の節減を目標にしたいと考えております。  それから次に、これは先ほど触れた点でございますが、「ウ」でございますが、副作 用被害についての新しい業務が加わりますが、これについても従来のシステムとの一元 的管理を行うということで、業務の費用を増やさないということを目標にしておりま す。真ん中に書いておりますように、各種の情報をデータベース化するという形で新規 の業務にも備えていきたい。かつ、従来これまで副作用の拠出金は過去5年間の平均収 納率99%を担っております。こういう高い水準は新しい業務開始後も維持したいという ように考えております。  それから4頁の一番下ですが、生物由来の新しい拠出金と併せまして、安全対策のた めの拠出金も各医薬品メーカーからいただくということになっております。これにつき ましても効率的な管理・徴収義務を行いまして、99%の収納を目標にしたいと、このよ うに考えております。  それからこのパートの最後でございますが、国民に対するサービスの向上と。定性目 標でございますが、医薬品の安全対策、あるいは承認を行うということで、現在でもい ろいろな形で一般国民からの相談、あるいは苦情が寄せられております。これをきちん とお聞きして情報提供するのが本法人の重要な役割の一つと考えております。このため に、まずこの独立行政法人自身の業務運営、あるいはその内容の透明化を図るというこ とがポイントでございまして、これに基づきまして相談や苦情に対する体制の充実強化 を図りたいということで、そのために業務全般に亘りましてこの新しい法人の業務の内 容、それとパフォーマンスにつきましてホームページにおいて適宜公表していきたい と。また、外部の監査も重要であり、内部監査も計画的に会計監査等も含めてやってい きたいというように考えております。それから拠出金の出入りと支出・収入の仕事もご ざいますので、この透明性がいっそう重要だろうということから、メーカーから頂戴し ます審査手数料、あるいは拠出金の使途、財務状況についても十分な情報公開を行って いきたいと考えております。  このパートは以上です。 ○岡田部会長  ありがとうございました。今の御説明につきまして御質問、御意見をいただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。 ○宗林委員  大変基本的な質問で申し訳ないんですが、この16年4月時の基本ベースになるものと いうのは、3法人というお言葉がありましたが、具体的には先ほど説明があった一部の ものと、それから2法人を統合してというような言葉だったと思いますが、そこのとこ ろをもう少し、例えば人数であるとか、予算規模はそこを単純に足し合わせたものがこ の16年4月のベースになっているんでしょうか。 ○吉岡総務課長  この法人は発足当初から、とにかく審査の迅速化という大きな使命を担っております ので、現在3法人を足し合わせた人数よりもさらに増強した上で、4月からの業務に備 えたいというように考えております。具体的な数字はちょっと今日はまだ、どの程度ま で達成できるかどうかわかりませんが、単に3法人の現員を足し合わせただけではおそ らくは4月からのこの法人に対する要請にお応えするのは難しいのではないかというこ とで、4月を目標にして体制の充実を図っていきたいというように考えております。 ○宗林委員  そうしますと、この4月をベースにしてこの5年間で効率化であるとかいろいろなお 言葉が入っておりますが、この4月ベースのものがまだ今の段階では不確定の部分があ るという御説明でしょうか。 ○事務局  予算規模はちょっと今まだ財務省と調整している部分がございますが、人数につきま しては今説明した資料の一番後ろのところに、31頁になりますが、31頁の真ん中のとこ ろに期初の常勤職員数で300人というようになっておりますが、今現在、平成15年度で 3法人を足し合わせますと235人でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。ということはこの法人に関しては従来の独立行政法人に対 する基本的な理解とはちょっと異なる視点が必要だということになると思いますが、そ の点についてちょっと教えていただけますか。 ○吉岡総務課長  先ほど言いました法人の役割として、独立行政法人としてスタートされている行政的 な狙いは、とにかく審査、医薬品の安全を確保した上で、より早くより良い医薬品が国 民の手元に届くと。国際的に見ても現在はやや遅れをとっている状況を改善するとい う、そういうプラスポジティブな行政目的というか、この独立行政法人にお願いしたい という目的がございますので、他法人のことは十羽一からげには言えませんが、ある時 点を出発点にして同じ業務の水準で、同じ業務のパフォーマンスを目指しながらそれを できるだけ効率的にやるというよりは、ハッキリ申し上げてこれから高いところを狙っ ていこうと。それはとりもなおさず国民の利益につながる部分でございますので、法人 の出発時点においてさらに逐次体制の強化を図っていく必要があると思います。申し上 げましたように、審査担当者一人当たりの処理件数はアメリカとの比較では歴然として おりますので、同じに至らなくても、とにかく特に審査承認期間というものの短縮とい うことが至上命題でございますので、安全に対することを兼ね備えながらこれからの業 務の充実を図ることによって、この法人から得る国民のメリットをさらに増強していき たいという考え方でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。そういう独立行政法人という形で御理解をいただきたいん ですが、いかがでしょうか。御質問はありませんでしょうか。どうぞ。 ○浅野委員  この業務の効率化の計画なんですが、先ほど概要のところで研究開発振興業務が17年 度に分離されるということをお伺いしました。これは分離を前提とされて計画をおつく りになられているんですか。 ○吉岡総務課長  さようでございます。 ○浅野委員  それに伴う実際の業務の変化を前提としているのですね。 ○事務局  申し訳ございません。今の段階の案は分離を前提としておりません。あくまでも4業 務入った段階で5年間ということを考えております。 ○浅野委員  そうすると、想定外のことになりますが、その部分が分離された場合に、それ自体だ けでも相当削減効果があるということですか。 ○事務局  また1部門分離した場合は中期目標、中期計画をその部分は修正するという形になる と思います。 ○浅野委員  分りました。 ○岡田部会長  ということは、今の段階でははっきりしたことは言えないんでしょうね。他にどうで しょうか。 ○大石委員  将来の仕事に対する分担の割合とか人数の割合とかはこれから考えて決められるんだ と思いますが、現時点で3法人をひっくるめた場合の人員のそれぞれの仕事の割合とい うか、審査業務以外のこともありますので、それの分担の割合というのはどの程度にな っているんでしょうか。 ○吉岡総務課長  各部門の配置人員の見通しですね。 ○大石委員  そうです。それが今度変えるように考えていくわけですね、5年間の予定で。ですか ら、最初はどういうようで、これからどのように変えていくかというのを、将来のほう は今はまだ考えていらっしゃる段階だと思いますが、現時点ではどうかということで す。 ○事務局  現在が先ほど申し上げましたように、3部門併せまして235名でございます。それで、 審査安全系でございますが、ここでだいたい160名弱ぐらいの人数がおります。あとそ れから健康被害救済の関係ですが、現在は15名でございます。それから研究振興部門で すと11名となっておりまして、その他は総務管理部門で40名程度でございます。 ○岡田部会長  大石先生、よろしいですか。 ○大石委員  はい。 ○川原委員  2頁目をちょっと見ていただきたいんですが、業務運営の効率化に伴う経費節減につ いて、一般管理費(人件費を除く)ということで16年度発足当初に比べて15%の額の 節減が表示されております。また、常勤職員一人あたりの人件費を5%程度節減すると されており、人件費の総額については触れておりません。それと先ほどの31頁のところ の、人事に係る指標のところで、期初300人、期末387人見込みということで、現在3法 人の合算すると235人だという説明を受けました。一人あたりの人件費を5%節減した 一方で、増員をしなければならないとすると将来的な人件費の総額の動向というのはど ういうように見ておられるんでしょうか。現在の総額よりも増加すると理解していいん でしょうか。あるいは節減という方向で見ればいいのか、そこをちょっと調べてくださ い。 ○事務局  人員が増えますので、やはりそこは総額として節減することは非常に困難だというよ うに考えております。その観点から、一人当たり人件費という形で節減目標を置いてお ります。 ○岡田部会長  他に、どうぞ。 ○遠藤委員  この承認をする段階ではメーカーから料金というか、費用を徴収するわけですね。そ うすると、この事業の運営自体の原資というか、それは現状はどうであって、それにつ いては何がしか今後考えがあるんでしょうか。例えば、それを増やしていくとか、そう いうようなことについてお聞きしたいんですが。 ○事務局  だいたい現状は手数料の収入という形で審査業務をいただいているのが総額で34億円 ございます。これは先ほど申し上げました審査のスピードアップという部分で、増員を する部分に比例しまして、今後手数料収入についても増額していきたいというように考 えております。 ○遠藤委員  そうすると全体の費用というか、運営費の中で34億というのはどのぐらいの位置付け になるんですか。 ○事務局  現状の組織ベースで申し上げますと、全体の総予算3法人分の部分でだいたい85億円 ぐらいございます。そのうちの審査に係る部分の手数料が34億というそういう計算でご ざいます。 ○遠藤委員  分りました。ありがとうございました。 ○宗林委員  前の質問に関係するかもしれませんが、この事業費についての節減ということが5% ということが書いてありますが、国家予算の事業費が節減されるけれども、先ほどの収 入の全体のアップがあるということで、総額予算は最終的には増えるというような感じ の理解でよろしいんでしょうか。 ○岡田部会長   そうですね、それでよろしいんですね。効率的な運営をして部分的な削減があったと しても、総額的にはかなり大幅に膨れ上がるような感じですよね。他にいかがですか。 ○石井委員  少し意地悪な質問になるかもしれませんが、一人あたり人件費を引き下げるという意 味をもう少し御説明いただきたいんです。例えば、現在2人の従業員がいて、月に100 円ずつ給料をもらっていると、一人あたり人件費は100円になります。そこに3人目の 従業員は70円の給料で雇うと、一人当たり人件費は90円になってしまいまして、総額と しての給料は、あるいは一人当たり人件費は下がることになってしまう。これからとて つもなくスタッフ数を上げていくという前提で、5%の削減というのは一人あたり人件 費の5%の削減というのか、どういう意味があるのかちょっとよく分らないんですが。 ○岡田部会長  ちょっと意地の悪い質問かもしれませんが、お答えいただけますか。 ○事務局  今の資料の3頁目の右の欄を見ていただきたいんですが、まだ(P)にはなっていま すが、下のほうで「人件費は現法人の給与水準を国並みに見直す方向」ということで、 実際に今、医薬品機構の給与水準が若干国レベルよりも高くなっておりますので、実際 に給与水準を引き下げる、見直しを行うということで5%の節減を図りたいというよう に思っております。 ○岡田部会長  主たる理由はそこにあるわけですか。 ○事務局  はい、そうです。 ○岡田部会長  そういうことで、石井先生よろしいでしょうか。はい。その他いかがでしょうか。 ○山崎委員  業務のプロセスの標準化、あるいは情報の電子化やデータベース化により常勤職員の 必要以上に増加することを抑制する、というように2頁のところになっていると思いま すが、今までの情報管理、あるいは情報に関しますシステムを大幅に改革しようと考え ていらっしゃるのか、あるいは手直しで行こうと考えていらっしゃるのか。もし、変え るとするならば今、薬品の問題についてはかなり皆さん消費者の側がホームページ等で 情報を取るというような慣習が広がってきておりますし、それから先ほどいろいろな情 報をかなりきちんと処理して、それを効率的に早く情報を収集し広く提供するというよ うなアカウンタビリティを上げていく手法を考えようとしていらっしゃるように受け止 められるんですが、かなりそのへんの環境を変えられるとすると、かなり費用を特化す るなり、システムを変えるなり、あるいはユーザーとの関係をかなり変えていくという 方向を考えていらっしゃるのかどうか、ちょっとこれだけでは分らない。 ○岡田部会長  なるほど、お答えできますか。どうでしょうか。 ○事務局  この後にそれぞれの業務ごとに詳しく課長から御説明しますが、その中でさまざまな データベース化とか情報のシステム化というような話が出てくると思います。 ○事務局  一例で申し上げますと、例えば副作用報告のようなものが年間だいたい現状で2万5 千件〜3万件ぐらいいただいておりますが、そういうものを今は紙でいただいておりま す。こういう情報もすべて最初から電子的にいただくようなシステムをつくりまして、 そのいただいた情報をいただいてから公表するまでの時間をできるだけ早くするとか、 そういう工夫というのも行っていくようなそういうイメージで捉えていただければと思 っています。 ○岡田部会長  山崎先生、よろしいでしょうか。またどうせ今後、継続してまたその問題についての 御質問が出るかもしれません。他にいかがですか。 ○川原委員  先ほどから聞いていますと、業務の効率化を進める上において一番中心的な課題は、 いわゆるIT化と理解したんですが、そのためにかなりの新たな投資というのが見込ま れてくると思います。そこで総経費の中にその投資したIT機器に対する減価償却費を 含めているのかどうか、その点はどうでしょうか。 ○岡田部会長  いかがでしょうか。正式なお答えでなくても結構ですから。 ○事務局  御指摘のシステム整備につきましても、全部総予算の中に組み入れた形で考えており ます。 ○岡田部会長  ちょっと私のほうから質的な御質問なんですが、今まで3つの法人でそれぞれ行って いた事柄を統合するということになりますと、なにか飛躍的に新しい一つの機能が発揮 されるというように信じていいと思いますが、それに対する関係者として重大ななにか 隘路のようなもの、混乱性のようなものをお感じになっているかどうか、そのへんにつ いてはいかがですか。統合して目標は掲げたけど、それを実現するためにいろいろな障 壁があってなかなかそれに困難を感じているというようなものはないかどうか。 ○吉岡総務課長  総合のメリットということで、一つ例えば医薬品の承認でも、最初の段階というのは 申請書類が出てきまして、治験という大きな乗り越えるべきハードルがあるわけです ね。それも併せまして結局申請から承認までの時間をいかに短縮できるかということ で、これは現在2つの法人に分かれております治験の相談というのを今は調査機構がや っておりまして、審査は別のところがやっております。そこの円滑化を図ることによっ て、これは非常に円滑に行く、ある意味では算段をしております。特段のバリア、隘路 はないと考えております。  それともう一つは、もちろん医薬品の承認と合わせまして、安全性確保のための副作 用情報の収集でございますが、これは後ほど説明しますが、それも今国のほうで、医薬 食品局で進めております行政的な事業と併せまして、それは機構として独法として支え ていくということがございまして、これは行政と相まってその目的は達成されるんじゃ ないかと思っております。  それともう一つは、救済業務と、それと救済業務で出たいろいろな給付事例などを安 全部門でぜひ活用すべきだと。これは特に薬害被害者の方から強い御要請がございます が、そういうものも統合によって大きなメリットが発揮できると思っておりまして、そ れぞれ程度問題から行けば目指すところが100%かどうか分りませんが、私どもはこう いう法人を立てるに当たっての大きなメリットは、必ず目標達成できるということで、 それなりの確実性をもって取り組んでいくつもりでございます。 ○岡田部会長  どうでしょうか。そうしたら続いての御説明を頂戴してまた御意見をいただくという 形を取りたいと思いますが。では、次の課題についての御説明を。先ほど、先にやって いただいた部分もありますが、残りの説明をお願いします。 ○吉岡総務課長  それでは引き続き6頁以降の御説明をさせていただきます。  まず、健康被害救済業務についての目標・計画でございます。一つは、新しく制度が 拡充、生物由来製品を拡充するということを踏まえまして、この業務についての目標を 立てました。一つは、定性的には情報提供、この制度は国民に活用していただくという のが本来の姿でございますので、情報提供の内容を充実させると。具体的には、新年度 の初年度中にこの法人のホームページにおいて給付の事例でありますとか、業務統計な どの充実をさらに図っていきたいと。次に、この請求書類の不備によって処理に時間が 掛かると。申請者としては十分に書いたつもりだけど、審査する側でなかなかデータや 情報等が埋まっていないという場合に、そういうことで時間をロスすることがございま すので、そういうことがないように具体的にパンフレットや請求手引きを、どういう形 で申請したらいいかということを改善したり、あるいはインターネットを通じて事前に どういう情報をいただくことによってより迅速に審査ができるかということを、この情 報提供の実施方法についても見直しを行いたいと考えております。  それで次の頁の冒頭に書いてありますように、来年度中にこの請求書の書式そのもの を、これは具体的には患者さんが入手されて医療機関等で記載いただきますが、その様 式そのものを各パソコンからダウンロードできるという形にすれば、いっそうの時間の 短縮ができるのではないかと、利便がより高まるのではないかと考えておりまして、こ れを現在検討しているわけでございます。それからホームページも掲載してもアクセス されなければ意味がございませんので、内容を非常に関心を惹くものにした上で、16年 度アクセス件数のベースで2割程度のアップを図りたいというように考えております。  それから7頁の中段でございますが、この救済制度はかなり歴史は古いんですが、ま だ十分には周知されていない恐れもございます。制度自身についての効果的な広報、新 聞媒体等を通じまして、これは薬害被害の迅速な救済のある意味では切り札でございま すので、医療関係者も含めて普及・理解を図っていきたいというように考えておりま す。  それから、この救済業務に係ります相談窓口は、現在の旧機構におきましては専任職 員が配置されていない状況でございますが、機構をお訪ねになって相談をされるお立場 に立って専任の職員をこれから配置したいというように考えております。相談件数も、 先ほどの8頁でございますが、受付件数も広げていきたいと考えております。  それから8頁の(4)でございますが、救済業務に係ります情報のデータベース化と いうことをさらに推進していきたいと考えております。特にどんな薬で被害が発生した か、被害の内容等の情報は大変重要なことでございますので、より使いやすいものに改 修していきたいと考えております。縷縷申し上げております新たに始まります生物由来 製品によります感染給付業務につきましても、当初からこのデータベースを活用してい きたいと考えております。  それから(5)でございますが、具体的な先ほど言いました迅速な請求事案の処理と いうことで、定量的な目的も設定したいと考えております。先ほど申し上げましたよう に、請求から、実際に不支給の場合も当然あるわけでございますが、最終的な行政判断 のところまで視野に入れた厚労省におけます医学的・薬学的判定、この期間を含めた標 準的な事務処理期間を、これを目標期間を8ヶ月という形で設定しまして、先ほど申し 上げました請求書のダウンロードなどの方法を活用しまして、この8ヶ月内に終了でき る件数を次の9頁に書いてありますように、これは中期目標終了期までに8ヶ月内の処 理というものを全請求件数の6割ということに目標を置いて改善を図っていきたいとい うように考えております。なお、9頁の一番右の<参考>に書いてございますように、 本制度についての請求件数、これは制度の周知がまだ引き続き行われている段階でござ いますが、請求件数も増えておる状況でございます。こういうことからも業務がこれか ら増えるわけですが、6割という迅速な目標を立ててこれを達成していきたいというよ うに考えております。  それから9頁の(6)、これは先ほど申し上げましたような統合によるメリットが生 きる部分でございますが、新しい独法の部門間の連携を通じた適切な情報伝達と。具体 的にはこれは救済部門で業務としてやっております給付事例を、どういう場合に、どう いう薬で、どういう被害が生じたかということは、当然これは個人情報は極めて個人の 秘匿性が高いわけですが、これに配慮しながら同じ法人内の安全対策部門に適切に情報 提供すると。個々の被害の具体的事例ということで大変情報として貴重なものでござい ますから、これは患者さんの団体からも強い要望がございますので対応していきたいと いうように考えております。  それから実際に給付を受けられた方などを医薬品からの健康被害の実態に関します調 査を近々実施したいと。(7)でございますが、給付の受給者の被害実態に関する調 査。16年度中にその対象者、方法につきまして検討を行い、それを踏まえまして17年度 中に調査を実施したいということでございまして、今後の制度の改善に役立てたいとい うように考えております。  それから10頁の(8)、これは本来の救済業務ではございませんが、機構法に基づき ましてスモン訴訟、あるいはHIV訴訟に基づきます被害者の方への介護給付など、こ れは国あるいは各企業から健康管理手当・介護費用の支払等を受託しておりますので、 これにつきましても引き続き個人情報に配慮して委託の趣旨に基づいて適正に実施して いきたいと考えております。以上が救済給付関係でございます。  引き続きまして11頁以降、「審査等業務及び安全対策業務についての目標と計画」に ついて御説明申し上げます。  真ん中の(1)でございますが、考え方は先ほど申し上げましたとおり、安全で質の 高いより良い医薬品を早くお届けするということが大きな目標でございます。特に(1 )にありますように、先端的な医薬品あるいは医療機器に対するアクセス、アクセスと いうのは国民と医療機関双方でございます。これを迅速化するというのが、まず定性的 な目標でございます。  まず、どういう医療機器あるいは医薬品のニーズがあるかということをまず適正に把 握する。これはいろいろな各種先端的な分野の学会とか医療関係者との対話、コミュニ ケーションをさらに進めていきたい。またニーズ調査も実施したいと考えております。 これに基づきまして、具体的にはこの法人で治験の相談や、あるいは審査の迅速化、質 の向上という目的を担うわけですが、これは繰り返しになりますが、計画的な増員がま ず必要であるということを御理解いただきたいと思っております。  次の頁に亘りまして、この治験相談、治験から審査、承認まで一貫性が望ましいわけ ですが、治験相談に当たった人は基本的に審査も担当する、同じチームの中で担当する ということで、人事移動等による業務の停滞がないようにやっていきたいと。もともと 法人統合のメリットが「治験から審査までの一貫」ということでございますので、この 一貫の趣旨を新法人においてもぜひ実現したいと考えております。  それから12頁に亘りまして、ここは定量的な目標に亘る部分でございます。以上のよ うなことからこの法人設立後、4月1日以降の申請に係ります審査事務処理期間、これ はその年に承認された品目についての実際に遡って、どれだけ審査機関側で処理時間を 要したかということの短縮目標を掲げております。具体的には12頁の後段に書いてあり ますが、一つの目標は欧米並みということでございまして、先ほど御紹介したような数 字を頭に入れながら目標を、到達可能な目標を設定しております。  まず、新医薬品、これは従来の医薬品の一部改変等ではなく、新たに申請される、承 認を求める医薬品につきましての目標は「・」の1に書いてあるとおりでございます。 まず、中期目標の期間中を通じまして事務処理期間、これはあくまでも審査機関側の処 理時間という前提でございますが、これは12ヶ月という設定目標の7割について達成す るということを確保した上で、5年後の中期目標期間終了時にはこれを8割にアップさ せるということで、審査の迅速化を図りたいと考えています。それから同様に医療機器 につきましても、審査事務処理期間12ヶ月を、16年度においてはまず70%、それから17 ・18年度はさらに10%アップの80%、最終年を含む19・20年度につきましては90%とい うことで、同じく迅速化していきたいというように考えております。  それから、各々につきまして新医薬品、あるいは医療機器につきましていわゆる優先 審査という考え方がございまして、これは国民にとってより有効な質の高い医薬品ある いは医療機器につきましては、順番待ちではなくて、その内容をよく吟味した上で選定 し、これを特に優先的に処理をすると。これは欧米でも既に導入された考え方でござい ます。こういうものにつきましては13頁の一番上でございますが、医薬品については先 ほど申し上げました12ヶ月を軸にした目標ではなく、その半分の6ヶ月を標準タームに しまして、これの5割について中期目標期間終了までに達成すると。これは医薬品の目 標でございます。また医療機器につきましては、同様に優先すべきものについては9ヶ 月という目標を設定し、これを期間中に7割に引き上げるということを目標にしており ます。いずれにしても新しい有効な医薬品、医療機器へのアクセスという観点ですの で、より有効なものはより早くという観点で取組み、また目標を設定しているところで ございます。  それから13頁ですが、先ほど申し上げました審査事務処理期間ともう一つの処理期間 の概念がございまして、「ウ」でございますが、これは総審査期間でございます。先ほ ど申し上げましたのは審査機関側の、申請をいただいてこちら側で処理している時間を 標準にした目標でございますが、欧米では基本的に国際標準として総審査期間、向こう 側の申請者側の期間も含めて、こちらの審査側も含めて、トータルで計る。これはある 意味では実質的に承認に要した期間ということになろうかと思います。こういう国際的 標準である総審査期間につきまして、今回の中期目標では残念ながら目標の設定まで至 りませんでしたが、その次の次期の中期目標の期間におきましては、この総審査期間を 申請者側の要した時間も含めた時間で目標を達成すべく、その準備に入っていきたいと いうように考えております。したがいまして、この5年間も次期の目標設定に備えまし て今後5年間の期間中も総審査期間についてどの程度掛かっているかということを毎年 度確認しながら、その効率化を模索していきたいというように考えております。  それから13頁の下でございますが、医薬品や医療機器の審査前の相談体制を充実した いと。先ほど言いましたように優先審査の制度を有効に生かすためにも、優先的に審査 ・治験相談を実施することによって、さらに承認に至る期間を短縮したいというように 考えております。定性的には優先治験相談制度というものを創設しまして、優先的なも のであるかどうか、これは企業側の主張もよくお聞きした上で事前資料等の確認等を行 うということで、指導をする機会を増やしていきたいというように考えております。そ れから具体的には治験相談の新法人への申込みから、実際に対面でお話を伺う期間まで を短縮する等、トータルとしての手続の迅速化を図っていきたいというように考えてお ります。  それから次の14頁でございますが、特にこれから期待されます医薬品の中でもバイオ ・ゲノムなど先端技術を取り入れた医薬品、これは未知の安全性という部分もございま すが、それを上回る有効性がこれからあるのではないかというように考えておりまし て、こういうものに係る新医薬品の承認がこれから増えるであろうということで、これ はとりもなおさず審査する側の評価の能力というものが問われるわけでございまして、 この5年間の期間を通じてこういう方面に高度な知見をもたれる外部の専門家の活用と いうことを考えております。並行しまして国のほう、厚生労働省の評価指針を作成する にあたって、新法人として十分に協力したいということでございます。  それから14頁の(2)でございますが、審査業務あるいは安全対策業務の信頼性の向 上ということで、定性目標を置いております。とりもなおさず法人の運営のどういう人 が集まってどういう審査をしているかということが日々問われるわけでございまして、 定性目標に書いてありますように、国際的に見ても遜色のない技術者集団を構築すると いうことで、さらに職員自身の技能の向上に努めたいと考えております。定性的目標の ほうは、専門性の高い職員の計画的な採用ということ。それから、新法人の中におきま しても系統的な研修の機会を確保するということでございます。それから先ほども触れ ましたが、それぞれの大変専門性の高い分野の職員でございますので、短期間にいろい ろな分野を経験させるようなことを、ロスのないように人事政策上も配慮し、また外部 の専門家も活用していきたいというように考えております。また、こういう職員にイン プットします情報の集約という観点から、業務円滑化のための情報支援システム、これ を18年度までに内部に構築したいというように考えております。  また、先ほどもFDAを御紹介しましたが、審査に当たっては諸外国の規制当局の状 況等を十分に考慮することもございます。またアジア方面の関係部局との連携もさらに 推進してまいりたいというように考えております。  それから15頁に移ります。これも定性的目標でございますが、薬を使われます患者さ んのそれぞれの特性に着目した最も有効な医療の提供という観点から、真ん中の定性目 標にございますように、国のこういうゲノムなどを採用しました国の評価指針の作成、 新技術を応用したものに十分に協力をすると。それから中期目標の期間を通じまして、 薬の安全性の確保のポイントでございます治験の質的な向上を行うということでござい ます。我が国においてはなかなか国内での治験の体制が欧米に比べて不十分だというこ とで、今の傾向としてどんどん外国で日本の承認に係る医薬品の治験が行われると。こ れも大変憂慮すべき状況でございますが、こうした機構の業務を通じて適正な治験の国 内普及ということも目指したいと考えております。このためには、右に書いてあります ように、この法人自身が各医療機関等に実地に調査する、この結果を各医療機関におき ます治験の改善指導に活用したいというように考えております。  それから15頁の次の「ウ」でございますが、業務の透明化ということでございまし て、国と厚労省と協力した上で、先ほど言いました優先審査も、これは本当に優先すべ きものかどうかということで、これは審査の順番に関わりますので、その結果も含めた 各種審査報告書などの情報を速やかに提供したい、インターネットを通じて提供したい と考えております。  その他、定性目標として、これは医療機器でございますが、一定の欠陥とは言えない 程度の不具合等につきましての情報のデータベースの構築、情報の提供を行っていきた いと考えております。  それから16頁の(3)以降は安全対策に主として関わる部分でございます。新法人に おきます情報管理、あるいは危機管理体制の強化ということでございます。特にいろい ろな形で集まってまいります副作用の情報を、できるだけ早く収集し分析して安全対策 につなげるというのが審査と並んで大きな使命でございます。特に定性目標の「ア」に 書いてありますように、いろいろなルートで入ってきます複数の副作用情報をいかに分 析して、さらにデータにすべきものを抽出していくというような、真ん中に書いてあり ますが、欧米等で活用されておりますデータマイニング手法という手法がございます。 企業や医療機関から報告を受けた情報を統計的に解析しまして、その段階では明らかで なくてもいろいろな要因のうち、どの要因についてかを特化してさらに詳細に検討すべ きかという、そういう手法をやると。これによりまして副作用の基になる医薬品等をで きるだけ早くそこに到達するという手法も研究しまして、18年度までに確立したいとい うように考えております。これにつきましては適宜公表していきたいと考えておりま す。  さらに、同様に16頁の下以降でございますが、拠点医療機関のネットワークの構築を 考えております。17頁に書いてありますように、これは実は厚生労働省もこういう副作 用に関します情報を一定期間内に集中的に収集する、そういう情報収集拠点となる医療 機関、協力機関のネットワークを構築しまして、機構としましてもこれによりまして実 際に市場に置かれた後の薬の薬効等についてのフォローをきちんとやっていきたいとい うように考えております。  それから17頁、先ほど御質問がございましたIT技術の活用によります安全性の情報 の収集ということでございます。副作用、不具合情報等の報告の電子化ということは当 然でございまして、定量的には中期目標期間中に副作用・感染情報等についての8割以 上の伝送化率を達成したいというように考えております。また、厚生労働省との間で情 報処理のオンライン化を進めていきたいというように考えております。  それから17頁の「エ」としてございますが、これは情報のフィードバックという点が ございます。これは特に患者さんから副作用の情報が例えば医療機関に届く場合がござ います。往々にして数種類の薬を使用されているということがありますが、その中の例 えば非常に疑わしいと思われるあるA・B・C・D・Eの5つの薬がございますと、例 えばA社に対しまして例えば医療機関から情報があった場合に、そのA社のほうから調 査に行くわけですが、そのときに並行して使われております他社の薬につきましても、 これは副作用の原因になっている可能性もあるわけでございまして、そういう当初に調 査された以外の薬、他社の薬についても他社からのアクセスができるということが原因 究明において大変重要なことではないかというように考えておりまして、こういう他社 からの情報へのアクセスのシステムを構築したいというように考えております。  その他、18頁、(1)〜(5)まで並んでおりますが、特に市販された直後の調査、あるい は拠点病院等におきます情報の活用、あるいは企業に対します相談業務を実施したいと いうように考えております。  それと18頁の下あたりから、医療機関へのフィードバックということで、具体的には 医療用の医薬品とか医療機器の添付文書の改定、これは随時新しい情報に基づいて企業 が添付文書を改定しますのは、必ずしもリアルタイムでその内容を医療機関が周知され ない場合があるということで、具体的になぜこの文書が改定されたかと、新たな症例を 基に改定されたかという情報をインターネットを通じて提供していきたいと考えており ます。  それから19頁ですが、医療機関と並んで患者さんへの情報提供ということも大事な点 でございまして、一般的には国民からの相談業務を引き続き対応しますが、特に患者さ んは自己注射薬など患者さんが自宅で使用されます医薬品等についての重篤な副作用の 発生の恐れ等につきまして、患者さんに対しまして情報提供を、説明文書の内容等につ いての情報提供を行うと。あるいは初期症状についてどういう点に留意すべきかと、患 者さんとして自己点検すべき、それに役立つ自己点検法の作成も行ってまいりたいと考 えております。  それから、最後に20頁でございますが、定性的目標としまして、これは先ほど申し上 げました法人の中の被害救済部門と安全、あるいは審査等との連携ということでござい まして、承認から救済までの一貫性のある評価を実施したいというように考えておりま す。 21頁以降、研究開発につきましては担当の課長からご説明をさせていただきま す。 ○石塚研究開発振興課長  それでは21頁から、私は医政局の研究開発振興課長でございますが、研究開発振興業 務につきまして御説明申し上げます。  これは所管が分かれておりますのは歴史的な経緯がございまして、特にこの医薬品機 構の前身であります副作用救済基金というのは昭和54年に設置されまして、その後研究 開発を行うセクションを昭和62年に併設されました。これは副作用の少ない画期的な、 しかも有効性の高い医薬品を開発するということでこの研究開発振興業務がスタートし たわけですが、その後、治験相談ですとか調査指導といった業務が加わりまして現在の 医薬品機構という形になったところでございます。  その間、薬害事件の頻発を受けまして、本省組織も分離しまして、それに伴いまして この医薬品機構の所管のほうも規制を担当する医薬食品局と、それから研究振興担当し ます医政局というように分かれた所管をすると。良い意味での縦割り行政であろうかと 思いますが、対外的にも不審を招かないようにということで、そういう組織等の形態を 行ってきたところでございます。  ただ、先ほど総務課長が申し上げましたように、新しい独立法人の法案を一昨年の12 月に御審議いただいた際に、国会のほうからは審査センターが加わることによってさら に規制部門が強化されるということで、新しい独立法人については規制、安全対策に特 化した組織にすべきであるという御指摘を受けまして、これは国会決議という形でござ いますが、その関係でこの研究開発振興部門につきましては切り離すということで、現 在受け皿となります新しい独立法人を設置すべく現在関係法案をこの国会に提出する予 定で、順調に行きますと来年の4月に分離するという予定で現在は作業を進めていると いうところでございます。  それでは内容の御説明に移らせていただきますが、研究開発振興業務につきましては ここに記載してございますように、副作用の少ない、なおかつ有効で安全な画期的な医 薬品を国民に提供していくということで、国民保健の向上を目指すということをその任 務としております。それで、昭和62年にこの産業投資特別会計という予算を頂戴しまし て、それで主にバイオベンチャーの育成業務というものをスタートしたわけでございま す。その後、平成8年には科学技術基本計画に基づきまして国が研究費を配分するだけ でなくて、こうした特殊法人に類する外郭組織を活用して多様な研究費の供給を、研究 機関、大学であるとか国立の研究機関等に行うという趣旨でこの研究業務というものが スタートしたわけでございます。  その中身としまして、どういうものをいったい行ってきたのかということにつきまし ては、お手元に別添のパンフレットをお配りしてあると思いますが、これは平成8年か らスタートとしております基礎研究業務でございます。それで、この中身につきまして はパンフレットを御覧いただきたいと思いますが、最先端のゲノム研究でありますと か、さまざまな研究を手掛けてきたわけでございます。それで、併せまして新聞記事の コピーをお付けしていると思いますが、実際にこれはマスコミに取り上げられたもので ございますが、こうしたものが社会的にも評価を受けているということでございます。 アルツハイマーの治療薬の開発でありますとか、それと新聞記事の2頁でありますが、 今問題になっております、これは狂牛病の検査と書いてありますが、実際にはプリオン によるヤコブ病の検査法でございます。これは屠殺する際でなければ調べられない現在 のプリオンでございますが、既に製品になったものでもプリオンを検出できる方法とい うことで現在開発を進めているということでございますが、このような基礎研究事業。 それから、新聞には3枚目に、出資事業、それと4枚目も出資事業について記載してご ざいます。こうしたバイオベンチャーに対する出資を行いまして、このようなかなり社 会的にも評価されるような成果というものを挙げてきたというところでございます。  それでは資料5-4の21頁に戻りまして、これからの中期目標、中期計画につきまし てご説明申し上げます。先ほど御指摘がございましたように、平成16年度1年間だけこ の研究開発振興業務というものは総合機構に同居しているわけでございますが、その後 法案が順調に成立しますと17年度からは分離独立するわけでございます。ただ、この中 期目標の考え方につきましては分離後も基本的には変わらないというように御理解いた だければと思います。  まず(1)の国民の治療ニーズに即した研究開発ということでございますが、同じ医 薬品医療機器の研究開発を振興するという観点でも、例えば文部科学省のように基礎的 な研究、あるいは研究のための研究、ノーベル賞を目指すような研究というよりは、よ り国民の医療のニーズに合致するもの。ようするに臨床現場のニーズというものに即し た研究テーマを追求していこうということを基本的な考え方に置いております。また、 有望案件の発掘ということにつきましても、実際に臨床現場にどのような研究テーマが 求められているかということを詳細に分析しまして、それに即したテーマ設定をしてい きたいというように考えております。それが21頁でございます。  22頁も定性目標の「イ」と書いてありますが、ここでも同じことを記載しておりま す。研究プロジェクトのテーマにつきましては、実際に臨床応用が近いものというもの にできるだけ特化していきたいということで考えております。この中では、これは中期 計画でございますが、この中にございますように社会還元できるようなもの、社会的ニ ーズに合致したものをできるだけ発掘して、それによって質の高い研究テーマを選んで いきたいと考えております。  それから目標の「ウ」のところでございますが、そうした一般的な発掘を行うのと併 せまして、国家政策上重要な課題についても取り組むということで、具体的にはミレニ アム・プロジェクト、これはゲノム解析であります。現在は薬をつくる場合には遺伝子 のレベルまで追及しまして、それによって分子標的医薬なり、新しい画期的な新薬とい うものをつくります際にはゲノム創薬と称しまして、ゲノム分析が欠かせない研究テー マになっております。こういうものは製薬メーカーだけに任せておけないような国家的 な取組みが必要だということで、例えばそういう疾患ゲノムプロジェクトとか、あるい はメディカル・フロンティアといったような国家的なプロジェクトというものをここで 担っていくということで研究費の供給をこの機構のほうで行っているというところでご ざいます。  次に23頁にまいりまして、左の冒頭にございますように、研究者の経験や名声に捉わ れないで真に優れた研究を選んでいくということで、そのためのいわば目利きというも のが必要になってきますので、そのためのスタッフというのを揃えていきたいと。  それと(2)としては、知的財産権、これは特許でございますが、そういうものをで きるだけ形成するということで、それに基づきまして具体的な成果を国民に還元できる ような体制を強化していきたい。具体的には「ア」にございますように、プログラムオ フィサー、あるいはプログラムディレクターといったようなもの、これは総合科学技術 会議のほうから指摘されている事業でございますが、単に研究費を配分するというだけ でなく、その研究が的確に実施されているかということを、研究組織まで出向いてこれ をチェックする。進捗状況というものを的確に専門的な目で見て把握するといったよう なことが必要になってまいりますので、そのためのスタッフを揃えまして研究の進捗と いうものを厳重に管理する。さらにはベンチャーの育成ということにつきましては、そ のベンチャーの研究開発の動向というものも専門家の意見を聞きながら指導するという ようなことが必要かと考えております。  それから24頁にまいりまして、評価手法でございます。これはただ今申し上げました ことと重複しますが、研究開発の資金の配分、それから進捗というものを厳格にチェッ クしまして、効果が挙がらないような研究というものについては中止を命じるというこ とも必要でありますし、それから採択の際にも十分な事前評価を、これは外部評価とい うことをそこに書いてありますが、「ウ」のほうで公平な採択評価を行うための外部評 価ということで、外部の専門の先生方による十分な審査体制というものを確立しまし て、それによって適正な研究テーマの設定を行っていきたいと考えております。  それから25頁でございますが、バイ・ドール方式による研究成果の活用というのがご ざいます。バイ・ドールと言いますのは、これはアメリカの上院議員のバイさんとドー ルさんが連盟で提出した法案でございまして、要はアメリカの場合ではNIHのように 研究費を供給する機関が特許権などすべて持っていたわけでございます。実際に研究の 配分を受ける大学とか企業というものは、開発した研究の特許というものが国のほうで 管理されていたわけでありますが、このバイ・ドール法を出すことによってそれまで国 に所属していた特許権というものを、研究費の委託を受ける大学や民間企業のほうがす べて100%所属できるという法案でございます。それで、我が国におきましても旧通産 省のほうでこれに類する産業活力再生特別措置法というものを平成11年に成立させまし て、国からの委託研究費というものが委託を受ける機関、つまり大学であるとか企業側 に特許権がすべて所属するということになったところでございます。現在、研究補助金 につきましては、このバイ・ドール方式をすべて取るように総合科学技術会議のほうか ら勧告が出されておりますので、それに準じて行っていくということを考えております し、また産業投資特別会計の経費につきましては、従来はこのバイ・ドール方式を取っ ておりますのがNEDOだけであったわけでございますが、今般の法改正によりまして 総合機構、新しいこの独立法人におきましてもこの産業投資特別会計資金についてもバ イ・ドール方式が取れるように今回法改正を行いましたので、これからベンチャー育成 に当たりましても特許権というものが資金の供給を受けるベンチャー企業のほうに属す るということで、研究開発のインセンティブが高まるということを考えております。こ れによる効率的な資金の運用というものを行っていきたいと考えているところでござい ます。  それから次に26頁にまいりまして、実用化の成果の活用ということで、先ほどの基礎 研究事業についても行う。それから、この実用化研究と書いてありますが、この真ん中 の欄の実用化研究、これは先ほど申し上げましたベンチャー企業を育成するための産業 投資特別会計、これについてもバイ・ドール方式を採用することによってインセンティ ブを高めるという方式をとることにしているところでございます。  それから「オ」の成果等の公表でございますが、これは総合機構のホームページとい うものを活用しまして、研究成果について積極的に公表していきたいと考えているとこ ろでございます。  それから27頁にまいりまして、利用しやすい資金の提供ということで、公募研究につ きましては大学、国の機関の研究者、あるいは企業の研究者の方々にできるだけこの研 究公募の状況というものをお示しするためにインターネットを利用したり、ホームペー ジを活用したいと考えておりますし、さらには利便性を向上させるという観点から、で きるだけ応募の書式につきましてはホームページに掲載しまして、いちいち資料を取り 寄せなくても応募できるようにしたい。さらには、現行ではそのフォーマットというの をダウンロードしまして紙に落として書いた後にこの用紙を応募資料として出している わけですが、そうした紙を使わなくても応募できるように、できるだけ電子化というこ とで便宜を図っていきたいと考えております。  それから左の欄の「イ」のところに、審査の迅速化とありますが、研究費の採択とい うものを審査する際には、現行では過去5年間の平均でだいたい4ヶ月要していたわけ ですが、平均しまして1/2ヶ月程度短縮して迅速な応募の採否というものを決定して いきたいと考えております。そのためには非常に幅広い研究分野の応募がございますの で、それに適用する外部の専門家というものを増やさなければなりませんが、できるだ け人件費の面も一方では勘案しつつ、的確な迅速審査というものに対応していきたいと 考えているところでございます。  それから28頁にまいりまして、「エ」としまして、弾力的な研究費の交付ということ でございますが、研究費は単年度周期で現在やっておりますが、その繰越というもの を、現在は国の研究費のほうでもこの方式をとるように現在は作業しておりますが、こ ちらのほうでもそういう弾力的な研究費の活用というものをもって研究の進捗というも のに適確に対応した研究費の供給というものが行われるように考えていきたいと思って いるところでございます。研究開発振興業務は以上でございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。どうでしょうか。だいぶ時間が詰まってまいりましたの で、最後まで説明をいただきますか、それともここでちょっと御議論をいただきます か。 ○川尻政策評価官  できれば、全部説明を今日聞いていただいたほうがいいかもしれませんね。財務内容 の関係は若干未確定のところがありまして、次回に追加説明をさせていただく部分があ るかもしれませんが。では、続けさせていただくということで。 ○岡田部会長  では、もうちょっと聞いていただく時間が長くなるんですが、申し訳ありませんが、 説明を先にいただきましょう。 ○吉岡総務課長  それでは続きまして財務内容について、今度は資料5-3を、2段表のほうをお開け いただきます。それの17頁でございます。  第4、財務内容の改善に関する事項でございますが、この部分は現在関係省庁、財務 省と今調整中の部分でございます。次の次の頁に亘ります予算収支計画、資金計画、短 期借入額の限度額、重要財産の譲渡・担保、剰余金の使途等、現在まだ今日は御提示で きない部分でございますので、次回の機会に御説明させていただきたいと考えておりま す。  それからもう一度資料の元の3段表のほうに戻っていただきます。29頁以降の、その 他業務運営に関する重要事項について御説明申し上げます。これまでの説明と重複する 部分が多いわけですが、(1)は人事に関する事項でございまして、審査、とりわけ審 査部門等、職員の専門性を要する仕事でございますので、適正な能力開発を行うと。ま た、職員の仕事に対します人事評価をきちんと行うということでございます。  目標としましては、系統的な研修の機会、それぞれの業務の中身に応じまして機会を 提供します。また職員の意欲向上につながります評価制度がございますし、また職員の 専門性が、あるいは業務の継続性が損なわれることがないような適正な人事配置を目指 したいと考えております。具体的な考え方は右に書いてありますように、とりわけ先端 的な分野につきましては計画的な研修が必要であると考えております。また、少し下で ございますが、治験相談から審査にあたります継続性のある業務運営が望まれますの で、チームによります業務の実施等に意を配りたいというように考えております。  それから一番下の頁でございますが、これは先ほどちょっと御議論いただきました部 分でございますが、この本法人の目標からして不可避的に業務の拡充という部分は避け られないところでして、「イ」でございますが、これに向けた計画的な職員の増員とい うことでございます。その際に人材を求める先は、どうしても民間会社も含めて広く人 材の活用ということがあり得ますので、これは後ほども言いますが、この法人の中立性 に十分配慮した上でそういう人材の活用を行いたいと考えております。  29頁の真ん中以降、定量的目標ということでは、次の30頁に亘りまして書いてあると おりでございますが、欧米諸国と比較しまして審査・安全対策の現在の弱い点、これを 補うべく体制を構築していきたいということで、特に一番「・」の最後にありますが、 公募を中心にしまして産官学それぞれから専門性の高い有能な人材を計画的に採用した いというように考えております。右のほうは冒頭述べました日米等の比較でございま す。御参考までに供していただきたいと思っております。  それから30頁の下のほう、これも縷縷申し上げましたが、被害救済につきまして新し い業務が加わるということでございまして、新設されました感染被害救済業務も含めま して実際に被害を受けられた方に対します適正な、かつ迅速な救済など、本制度の目的 が発揮されるような体制の整備を行いたいというように考えております。  それから31頁に亘りまして、これは先ほど御議論いただいた部分でございますが、ペ ンディングではございますが、人事に係る目標ということでそういう数字を、現在に比 べますと3割近いアップというものを法人の設立当初の目標として置いているところで ございます。それから、先ほど申し上げました広く人材を募るに当たって、この本法人 の業務が特定の製薬企業といろいろ不適切な関係が疑われること、これは機構の業務全 体に影響を及ぼすことでございまして、こういうことがないように定性目標としまして はそういうところから役職員を採用する、あるいは配置、あるいは退職後の再就職等に 関しまして、就業規則等によりまして一定の制約を設けるということで、本法人の中立 性の担保を行いたいと考えております。  最後に32頁でございますが、この機構が扱います情報の性格上、個人あるいは法人の 情報保護の徹底が必要でございまして、昼夜を問わずセキュリティの確保を行ってまい りたいということでございます。以上でございます。 ○岡田部会長  はい、ありがとうございました。以上、大変短い間に膨大な内容についての御説明を いただきました。健康被害の救済問題とか、あるいは医薬品、あるいは医療機器の実用 化に伴う申請の問題、あるいは研究開発の振興、そして財務、そしてその他運営上の諸 問題ということで、大変膨大な範囲を御説明いただいたわけでございます。一回の説明 で十分イメージアップをすることはできないかもしれませんので、今日はこういうもの についてお気づきの点、あるいは要望すべき事柄、参考意見など自由な立場で御発言い ただければありがたいと思いますが。いかがでしょうか。なにかお気づきのこと、それ ぞれの御専門から見てなにか御指摘いただければありがたいと思いますが、どうでしょ うか。 ○遠藤委員  いろいろございますが、承認のところのみお話させていただこうと思います。基本的 に承認のこの審査の期間を短縮するということは非常に重要なことでありますので、方 向性としては非常に良い方向だというように私は思います。ただ、先程の議論では、現 在16ヶ月、それが目標としては7割を12ヶ月にもっていきたいという話ですが、この戦 略というのは基本的に優秀な人の数を増やすという形でその問題をクリアしていこうと お考えになっているのかどうかということの確認が一つです。それに伴いまして、御説 明の中でもございましたが、それなりの有能な方を採用するということが必要であろう というお話であったと思いますが、ということになりますと、それなりの報酬を用意し なければいけないと思うわけです。そうなったときに、一人当たり人件費を5%引き下 げるということが一つの目標になっているというわけでありますが、それとの整合性は どう考えたらいいのかという問題。この承認の問題は先ほどは35億と具体的な金額が出 ましたが、ようするにメーカーから手数料を取っているわけでありますので、むしろそ このところはメーカーからの収入にかなり依存して弾力的な報酬を設定できる。メーカ ー側にしてみれば、基礎研究をあれだけお金を掛けてやってきて、最後の承認の期間を 少し早くしてもらうために少しぐらいの手数料が増えてもほとんど問題にならないよう な話で、アメリカでは早く審査をしてもらうためにお金払うというケースが確かにある わけですね。ですから、そういうことは無理だとしても、手数料を引き上げてそれなり の人を確保するということをやるほうが、社会的な目標を達成するためにはいいような 気がします。なんとなく独法ですから人件費抑制というようなところが前面に出ている という感じがするんですが、そのへんのところが若干気になったところです。  もう一つ加えますと、審査を早くするというのは見えるし、努力も分るんですが、そ の前段階の国内の治験についての対策があまり書かれていないと。病院から調査してヒ アリングする云々という話ですが、治験ができなければ審査もへったくれもないという ところがあるわけですから、そのへんのところはどのようにお考えなのかということ、 そのへんが2点気づいたところであります。以上でございます。 ○岡田部会長  では4点ほど御指摘があったと思いますが、お答えできるものからどうぞ。 ○吉岡総務課長  治験につきましては後ほど担当から御説明申し上げますが、今御指摘がありましたよ うに、審査の迅速化ということは、まず優秀な職員の確保ということが第一義だと考え ております。ただ、そういう優秀な職員の能力、専門性が発揮できるように、縷縷申し 上げましたいろいろな情報システムによるバックアップということも職員のパフォーマ ンスを上げるための有効なツールであるというように考えております。ただ、いずれに しましても御指摘のように、優秀な職員を取るためには、これはある意味では他の企業 と競争という形になりますので、単に給与だけではございませんが、いろいろ待遇面で 働きやすい環境をつくっていくということが大事でございまして、その点で例えば審査 手数料を企業の御理解の得られる範囲内できちんとしたこちらのパフォーマンスを示し た上で協力していただくということが大事ではないかと考えております。法人全体の業 務、例えば感染被害救済業務は、例えば事務費の半分程度を国費で払いますとか、もっ ぱら行政に係るような仕事もやっておりますが、それにつきましては一定の負担金等が ございますが、基本的には審査等企業にフィードバックできる部分につきましては審査 手数料でカバーするのが基本であると考えております。ただ、いずれにしてもそういう 財源の国費ではないというメリットを生かしながら、ただ全体としてはやはりそれでも 効率的な運用を可能な限り目指したいということで考えておりまして、単に給与の問題 だけではないと思いますが、いろいろなバックアップをしながらよりリーズナブルな賃 金で良い人を雇っていきたいということを考えております。 ○事務局  済みません、先ほどの一人あたり人件費の御説明でちょっと足りなかった部分がござ いまして、審査官等の研究職相当については人件費は引き上げることを考えております が、総合部門とか総務部門そこについては引き下げるということで、全体として一人あ たり5%程度節減するということでございます。 ○岡田部会長  一番最初に遠藤先生がおっしゃった事柄に関連するんですが、承認期間を16ヶ月から かなり短縮したいと。その短縮要因として、人を増やすことによって短縮できるのか、 その他の要因もあるのかと、こういう御質問でしたね。それについてはいかがですか。 ○事務局  では補足をさせていただきます。基本的に審査の業務というのは、実際に審査する時 間と人に比例して早くなるものでございますので、人員を増やしていくということは必 須だと考えておりますが、冒頭申し上げましたように2つの法人、現在の医薬品機構と 審査センターそれぞれ別々に業務をやっている部分がございまして、この2つの業務を 統合することによりまして申請する前の相談から審査までを一貫して業務を行うと。そ ういう部分での業務の効率化というものも当然審査の速度の向上には寄与するだろうと いうことを考えてございます。  それと、あとは最後に御指摘いただきました治験の問題でございますが、日本の治験 は言ってみれば遅い、質が悪い、高いという御指摘をいただいてございまして、そうい う点を改善するということが一つの目標でございます。ただ、医薬品医療機器総合機構 は直接治験をやっている機関ではございませんので、直接的にはそういう医療機関が行 う部分について質的な向上等を図ることは難しいわけでございますが、この現在の医薬 品機構もそうなんですが、医療機関に対して医薬品の承認申請を受けるごとに、臨床試 験が適切に行われたかどうかということで調査に伺っております。そういう調査をやっ ていく中で、やはり医療機関に対して、こういう点を改善したらいいんじゃないか、と いったような事項が当然あるわけでございまして、そういうところからより高い、質が 悪い、遅いというそういう質的な部分だけでも全体的に改善できることにお手伝いでき るのではないかというように考えているところでございます。 ○岡田部会長  ありがとうございました。関連してさらに疑問があると思いますが、他にどなたか御 指摘の事柄はないでしょうか。どうぞ。 ○宗林委員  先ほど現行の体制のところで、審査業務に160名というような人数の内訳のお話が若 干あったかと思いますが、235人から将来の展開のところでのことを少し教えていただ けますか。今御説明があった内容ですと、審査・承認ということはよく分ったんです が、その他に例えば健康被害救済業務の中の新たな感染症対策の部分であるとか、ある いは審査業務のところでも安全対策業務というようにたくさんの新規事業を導入という 言葉が見られるような気がします。それを踏まえてどういう感じに全体像がなるのか、 少し教えていただきたい。というのは、審査業務は現状でも主要な業務であり、それを さらにそこに人員を投入してそこだけを膨らませるというイメージであるのか、今の御 説明ですと他のところも大変大事な業務を新規拡充というようなイメージを持ちました し、また私自身もそういう安全対策というところにはこれから力を入れていただきたい という想いが強いわけですが、そのへんはいかがでしょうか。 ○吉岡総務課長  今の御指摘の点、今日は十分な資料を御用意できなくて大変申し訳ないと思っており ますが、他の質問と併せまして次回に機会を頂戴できればそこを整理して資料を活用し まして御説明させていただきます。 ○岡田部会長  そうですか。なにか追加は。よろしいですか。では、そういうことでちょっと宿題と いう形をとらせていただきましょうか。他にいかがでしょうか。ぜひいろいろおっしゃ っていただきたいと思います。どうぞ。 ○浅野委員  何点かあるんですが、時間も限られているので一点だけお訊ねしたいと思います。今 までの副作用情報の収集というのはだいたい医療機関を通じてということがメインで、 主には事故が発生していますのは医科向けの医薬品というのが多かったと思います。今 後大衆薬の分野でこういうようなことなども思わぬいろいろなことが発生する可能性が ありますが、いわゆる薬店と言われるものを通じた情報収集について、今後どうお考え になっていらっしゃいます。もしなにか想定があれば御意見を賜ればと思います。 ○事務局  いわゆる薬局からの報告の収集というものにつきましては、これは昨年薬事法が改正 されまして、医療機関あるいは薬局からの直接の国への副作用報告というのが薬事法上 制度化されまして、それでそういう副作用情報というのが法的に直接国に集まるという ことが新規になったということで、そういう制度前でも一般薬につきましても企業のほ うが副作用情報を集めまして国へ企業経由で情報が収集されるというようなことがこれ までも行われてきているところでございます。 ○岡田部会長  その他、どうぞ。 ○山崎委員   研究開発シンポジウムに関しましては第三者評価を入れて、その業務の透明性を上げ るという報告があったと思いますが、こちらのほうにつきましては透明性の確保、ある いは国民に対するサービスの向上というお話がありましたし、それから相談体制は前任 の方を配置するということがあったんですが、この業務全体の研究倫理、あるいは第三 者評価のことについては「評価する」というお話はあったんですが、その機構について の御説明がなかったのでお話をいただきたいと思ったんです。  というのは、特に医療機器関連ですとかなり独占企業化しておりまして、御承知のよ うに私ども大学でたくさん数十億の医療機器を買いましたときに競争相手がない状態 で、これは本当に適切かどうかと判断基準が分らないような、つまり議論が分かれるよ うなものが結構ございます。そういうときの第三者評価、あるいは社会学的な観点から の評価基準というのはどのように御配慮されておられるのか。 ○岡田部会長  いかがでしょうか、今のような視点からの御指摘というか、問題が、なかなか答えに くいかもしれませんが。 ○石塚研究開発振興課長  実は価格面についてはこちらの研究開発の部分では担当しておりませんので、ちょっ と所管が残念ながら違っております。それで、第三者評価と申しますのは、この研究費 の公募について審査する際に外部の専門家を集めて公平に審査するというシステムを取 っているということでございます。その際に、医薬品機構は自ら研究するということで はございませんので、倫理委員会などはそれぞれの研究機関において設置されていて、 適正な議論がそこで行われているかどうかということはチェックしますが、その倫理委 員会の中にこの機構が介入していくということではございません。あくまでもそれは研 究費を申請してくる研究機関のほうで適正な倫理体制であるとか、研究開発の体制が取 られているかということを外から見てチェックして、これは多額の研究費を提供するに ふさわしい組織であるかどうかということを審査するわけでございます。億単位の研究 費が行くのが通常でございますので、その点は厳重にチェックしているということでご ざいます。 ○岡田部会長  そうしますと、先ほどちょっと別の観点から山崎先生がおっしゃったのは、医療機器 の社会的な評価というか、価格を含めたり、あるいは機種、機材その他の問題も含めて そういうものについての情報はという、こういうことですね。 ○山崎委員  はい、研究部門はありますが、医薬品医療機器総合機構の中では第三者評価は別にな さらないのかと。 ○岡田部会長  第三者評価を全体として、この機構そのものの、これについてはいかがですか。機構 の業務についての第三者評価は。 ○吉岡総務課長  冒頭のほうで申し上げましたように、審議機関というものを、ようするに機構の業務 全体を客観的にみていただいたり、担うべき役割とか、あるいは業務効率の運営等につ きまして幅広い方々を入れた機関の設立は現在検討しているところでございます。 ○岡田部会長  そうですか。では、その検討された姿をもう一度御覧いただいて論評していただけれ ばと思います。その他いかがでしょうか。  大変関心の高いものでございまして、特に私などのように障害者問題をずっとやって きた人間からみますと、救済問題、これ一つ取り上げても大変いろいろ聞いてみたいこ とがたくさんございますが、これは今後追々この機構の姿を理解するに従ってまた教え ていただくようにしたいと思います。他にどうでしょうか、この機会にぜひ一言という 方がいらっしゃいましたら御発言をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは今日は本当に初めて私どもはこの新しい独立行政法人の事柄について情報を 得まして、我々もこれから勉強していきたいと思いますし、建設的ないろいろな観点か らの御提言をいただきたいと思いますので、その今日は初日ということで御理解いただ きたいと思います。それでは、今日はこれで審議事項は終りまして、今後の予定につい ての御説明をちょっとお願いしたいと思います。 3. 閉会 ○事務局  事務局より御案内申し上げます。次回でございますが、本日に引き続きまして医薬品 医療機器総合機構の中期目標案等につきまして御審議をお願いします。日程につきまし ては、2月26日(木)の午後を予定しております。詳細につきましては後日文書にて御 連絡を申し上げます。  なお、本日は時間があまりございませんでしたので、もし事前になにか資料要求その 他御意見等がございましたら事務局のほうに予めお送りいただければ幸に存じます。よ ろしくお願いします。 ○岡田部会長  ありがとうございました。そういうことでございますので、今月の26日の午後という ことでまたお集まりいただきたいと思います。そして、またもし何か要望事項や必要資 料などがございましたら事務局のほうに御一報いただきたいと思いますので、よろしく お願いします。  今日はどうも長い間御苦労様でございました。ありがとうございました。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)