04/01/27 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会議事録         薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会議事録 【日時】 平成16年1月27日(火) 午後1時00分〜午後2時00分 【場所】 三田共用会議所 【出席委員】(敬称略)       長尾美奈子(添加物部会長)、小沢理恵子、工藤一郎、棚元憲一、中澤裕之、       成田弘子、米谷民雄、山川隆、山添康、四方田千佳子 【事務局】 遠藤食品安全部長、中垣基準審査課長、蛭田課長補佐 【議題】      (1)タール色素の成分規格の改正の可否について      (2)既存添加物の消除について      (3)その他 ○事務局  それでは、定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 添加 物部会」を開催させていただきます。  本日は、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。  本日は、添加物部会の委員13名中11名の出席を予定しております。現在9名の先生方 に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたしま す。それでは、まず初めに食品安全部長からごあいさつ申し上げます。 ○遠藤食品安全部長  食品安全部長の遠藤でございます。  本日はお忙しい中、先生方に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。  また、平素より添加物を含みます食品衛生行政に多大なる御指導を賜っておりますこ とを、心から感謝申し上げます。  昨年は食品安全基本法の制定、あるいは食品衛生法等の改正がございました。食品保 健部も、食品安全部に改組をされるというふうなことで、食品安全行政にとりまして大 きな変動の年となったところでございます。  特に、内閣府に食品安全委員会が設置をされまして、政府全体として新しい食品安全 確保の体制が整備をされ、厚生労働省の中でリスク管理を行う機関として役割を果たし ているところでございます。  今日は、昨年7月以降、新しい体制になりまして初めての添加物部会の開催でござい ます。  本日の最初の議題は「タール色素の成分規格の改正の可否について」でございまし て、昨年5月に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会におきまし て、一度、御審議を賜ったところでございます。  改正案をまとめていただきまして、パブリックコメントを実施したところ、意見が提 出をされまして、それに対応するために追加試験を実施したところでございます。本日 は、その結果も踏まえまして、再度、御審議を賜りたいと思っているところでございま す。  また、もう一つは、昨年の食品衛生法改正により、既存添加物の消除規定が設けられ ました。今後の手続等について、御報告をさせていただこうと思っているところでござ います。  どうぞ、よろしくお願いを申し上げます。 ○事務局  さて、前添加物部会長の井村先生が薬事・食品衛生審議会長に就任されるとともに、 添加物部会から離れられました。  添加物部会といたしましては、正委員の互選ということで、共立薬科大学客員教授の 長尾美奈子先生に部会長に就任いただいております。どうぞ、よろしくお願いいたしま す。それでは、今後の議事の進行をお願いいたします。 ○長尾部会長  添加物部会長を拝命いたしました長尾でございます。いろいろ至らぬ点があるかと存 じますが、御協力のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、議事に入ります前に、部会長の代理を指名させていただきます。  これまで、添加物の仕事を長年務めてこられました中澤委員にお願いしたいと思うの ですが、いかがでしょうか。 一同賛同の拍手  それでは、よろしくお願いいたします。  それでは、次に配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○事務局  本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料につきまして御説明させていた だきます。  まず、議事次第となっているものがございます。「薬事・食品衛生審議会食品衛生分 科会添加物部会」ということで、一つの冊子ということで配布させていただいておりま す。そちらを基に御説明させていただきます。  1枚めくっていただきますと、委員名簿でございます。  資料一覧、3ページでございます。  「議題(1)タール色素の成分規格の改正の可否について」に係る資料といたしまし て、資料1、諮問書でございますが、「食品添加物の成分規格改正の可否に関する薬事 ・食品衛生審議会への諮問について」でございます。  続きまして、7ページでございますが、資料2といたしまして、「厚生労働省発食安 第0701023 号に係る食品健康影響評価の結果の通知について」でございます。  資料3でございますが、8ページでございます。「食品添加物の指定等に関する薬事 ・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会報告について」でございます。  22ページでございますが、資料4といたしまして、「『食品添加物の基準の設定及び 成分規格の改正について』に対して寄せられたご意見について」でございます。  関連する資料といたしまして、参考1「比較試験(食用黄色5号アルミニウムレーキ 中の副成色素の測定)」でございます。  併せまして、参考2といたしまして「タール色素の一般試験法、成分規格改正案」で ございます。  引き続きまして、39ページでございますが、資料5といたしまして、「WTO通報 (衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)第7条に基づく通報G/SPS /N/JPN/106 )に対して寄せられたご意見について」でございます。  続きまして、41ページでございますが、資料6といたしまして、「食品衛生分科会に おける確認事項」でございます。  議題2でございますが、「既存添加物の消除について」に係る資料といたしまして、 資料7でございますが、「既存添加物の消除について」でございます。  関連する資料といたしまして、参考3でございますが、「関連法令(抜粋)」を添付 させていただいております。  議題3、「その他」に係る資料といたしまして、報告資料として、「第8版食品添加 物公定書の作成について」でございます。  本日もう一つ、資料を配布させていただいておりまして、「食品安全委員会に食品健 康影響評価を依頼している添加物」でございます。  本日、お手元にお配りしている資料は、以上でございます。もし不足等がございまし たら、お申し出いただけたらと思っております。 ○長尾部会長  お手元にそろっておりますでしょうか。  それでは、よろしければ審議に入りたいと思います。  まず最初に、議題1の「タール色素の成分規格の改正の可否について」に関わる審議 でございますが、本件につきまして、まず事務局から関係資料の説明をお願いいたしま す。 ○事務局  御説明いたします。  関連する資料は、資料1〜6でございます。順を追って御説明させていただきます。  まず、資料1でございますが、本年1月15日付で厚生労働大臣より薬事・食品衛生審 議会に対して、タール色素の成分規格の可否について諮問がなされたものでございま す。  1枚めくっていただきまして、5ページでございますけれども、本件につきましては 昭和34年12月に告示された食品添加物等の規格基準中のタール色素の成分規格の一部に ついて改正することの可否について諮問を行ったものでございます。  具体的な品目は、後ほど御説明いたしますが、まず「2.背景」のところでございま すが、今回諮問する品目につきましては、昨年6月でございますけれども、一度、御審 議をいただきまして、部会報告までとりまとめていただいたものでございます。  昨年6月、この部会報告がとりまとめられた後に、食品安全委員会が発足したことか ら、薬事・食品衛生審議会の諮問を取り下げまして、食品安全委員会に意見を求めたも のでございます。  昨年9月に、食品安全委員会における食品健康影響評価が終了いたしまして、かつ、 パブリックコメントに対応するための検討につきましても終了いたしましたことから、 再度、諮問をしたものでございます。  「3.改正の内容」でございますが、後ほど御説明いたしますが、6ページをごらん になっていただけますでしょうか。「(参考)」に記載させていただいておりますが、 本日、「タール色素の一般試験法及び成分規格の改正」ということで、ABに記載する品 目について御検討をいただければと考えております。  資料2でございます。7ページでございます。  こちらにつきましては、昨年9月に食品安全委員会より厚生労働大臣宛てに食品健康 影響評価の結果の通知がなされたものでございます。「タール色素の規格の改正につい ては、特に安全上の問題はないものと考える」というものでございます。  次に、資料3でございます。  昨年6月27日付でとりまとめいただきました、当時の薬事・食品衛生審議会食品衛生 分科会毒性・添加物合同部会で御検討をいただいたものでございますが、「別添のとお りとりまとめたのでこれを報告する」というように報告がまとめられております。  中身でございますが、11ページをごらんになっていただけますでしょうか。  タール色素につきましては、いわゆる原色素と言われるものが12種類、アルミニウム レーキと言われるものが現在8種類ということで、我が国では指定されておりますけれ ども、そのうちの「2.改正の概要」のところでございますが、今回、食用赤色40号ア ルミニウムレーキに関する改正につきましては、現行の食用赤色40号アルミニウムレー キの確認試験の極大吸収波長及び純度試験の副成色素の試験の実施に当たって、試験液 に存在する高濃度のアルミニウムが極大吸収波長、HPLCの再現性及びカラムの劣化 等精度に悪影響を及ぼすことが判明したことから、試料をアルカリ性溶液で煮沸して、 アルミニウムを沈殿除去する分析法へ改正するという、大まかなものでございます。  更に抽出溶媒等をクロロホルムから酢酸エチル等へ変更するというようなことで、試 験溶液の調整方法の適正化が図られております。  また、食用黄色5号アルミニウムレーキに関する改正につきましては、食用黄色5号 の純度試験の(5)副成色素の試験法におきまして、HPLC法が既に採用をされてお りますけれども、黄色5号のアルミニウムレーキにおきましては、ろ紙クロマトグラフ ィーが現在、採用されているところでございます。両者の規格の整合性を図るという観 点から、食用黄色5号アルミニウムレーキの純度試験(5)他の色素レーキという部分 に、HPLC法による試験法へ変更を図ろうというものでございます。  そのほか、液体クロマトグラフィーで試験が行われておりますタール色素試験法の 「8.副成色素」、「9.未反応原料及び反応中間体」及び「10.非スルホン化芳香族 第一級アミン」、これらにおきましては、調製方法を明確にしたというものでございま す。  その他、各条におきましても、標準原液の調製法を明確にするなどの改正が検討され たものでございます。  具体的な内容でございますが、13ページをごらんになっていただきますでしょうか。  食品衛生法第7条第1項の規定に基づきまして定められた規格基準におきましては、 先ほど触れましたとおり、食品添加物等の規格基準ということで、当時、厚生省から告 示されておりますけれども、その中の「一般試験法」というものがございまして、その 中に「22.タール色素試験法」として、正確には1〜11の試験法が定められておりま す。今回その中の8、9、10につきまして、改正を検討したというものでございます。  具体的内容でございますが、参考2の30ページをごらんになっていただきますでしょ うか。  こちらが新旧を反映した資料でございまして、二重線のアンダーラインが引いてある 部分が今回変更したものであり、中央に線が入っている部分が今回削除したところでご ざいます。  8、9、10、こちらが一般試験法の中の操作内容について、変更が図られておりま す。 31ページの下の方からでございますが、「各条」ということで、それぞれのター ル色素について規格基準、成分規格が定められているわけでございますが、その中の「 食用赤色2号」については、純度試験の(6)についての変更のための検討が進められ たということ。  32ページで言いますと、32ページの「食用赤色40号」においては(6)低スルホン化 副成色素と。(7)(8)(9)(10)ということで、それぞれ変更のための検討がな されたものでございます。  このように、食用赤色40号アルミニウムレーキ、食用赤色102 号、食用黄色4号、食 用黄色5号ということで、最後の方まで行きまして、最後の方でございますが、37ペー ジでございますけれども、「C 試薬・試液等」というところにつきましても、一部改 正が検討されたものでございます。  大まかな改正検討内容でございますが、そのようなことになっております。  資料4でございますけれども、「『食品添加物の基準の設定及び成分規格の改正につ いて』に対して寄せられたご意見について」ということでございまして、こちらは、い わゆるパブリックコメントでございます。  このパブリックコメントを行いましたところ、募集期間の6月23日〜7月22日に意見 が1件提出されました。その主な御意見の内容、それに対する回答案ということでとり まとめさせていただきました。  23ページをごらんになっていただきますでしょうか。  23ページでございますが、まず大きな意見といたしまして、「先ずは試験法のバリデ ーションを実施すべき」というものでございます。  失礼しました。「(回答案)」というのが上に出てしまっておりますが、この意見の 下に「(回答案)」というところでございます。すみません、誤植でございます。  「(回答案)」でございますが、食用黄色5号アルミニウムレーキの「純度試験の (5)副成色素 スルファニルアゾG塩色素、スルファニル酸アゾR塩色素、スルファ ニル酸アゾβ‐ナフトール色素及びアニリンアゾシェファー塩色素」を原色素と同様に HPLC法による試験とし、総量として5%以下と規定する旨の改正案に対しまして、 根拠としております参照論文におきましては、アルミニウムレーキ化した副成色素を用 いた添加回収試験が未実施であること、疑似試料、アルミニウムレーキ化いたしました 副成色素でございますが、これを用いて改正案に従った追試験を行ったところ、測定結 果にばらつきが見られたということ。従来の確認試験法に採用されている試料溶液の調 製法を応用することにより、より良好な測定結果が得られたということから、まずは試 験法のバリデーションの実施をすべきとの御指摘をいただきました。  この御意見に基づきまして、国立医薬品食品衛生研究所を含む3機関において、改正 案等を御提案いただいた調製法について、比較試験を実施いたしました。  参考1をごらんになっていただけますでしょうか。24ページでございます。  比較試験におけるHPLC試験溶液の調製ということで、第1法というものと第2法 というものがございます。  この第1法でございますが、こちらは厚生労働省の方からパブリックコメントをいた しました改正案でございます。  一方、第2法については、パブリックコメントにおいて御提案いただいた試験方法で ございます。  25ページに、その試験結果が記載されているわけでございますが、こちらの試験結果 につきまして、26ページをごらんになっていただきますでしょうか。  いずれも添加回収試験が行われているわけでございますが、この試験結果につきまし て、グラフのような形で図式化したものでございます。  この傾向を見ますと、まず上の図の方が第1法でございますけれども、比較的その3 機関において同じような試験結果が得られているということ。  第2法でございますけれども、こちらの方は、特に一番右側のところの点線のマルが 書いてございますけれども、3機関でばらつきが認められていること。  次、27ページでございますが、こちらも検体の調製法を変えたものでございますが、 もう一つ試験を行っておりますが、こちらの試験結果が28ページでございます。  28ページをごらんになっていただきますと、第1法というところで、こちらは先ほど と同じようにパブリックコメントで提案した方法でございますが、比較的、3機関とも 同じような結果が得られているということ。  更に、第2法のところで言いますと、こちらも一番右側の部分において変わった挙動 を示す結果があったということ、このような結果が得られております。  29ページをごらんになっていただけますでしょうか。  こちらは、実際に測定を行った際のピークの図でございますけれども、一番上のAが 第1法、改正案でございます。それで、Bが第2法、パブリックコメントで提案頂いた 方法でございます。  いずれも、これは最初のピークは同等なものでございますが、第2法ではCのように 30回程度測定いたしますと、このようにピークが下がってくるということで、カラムの 劣化ということが認められたわけでございます。  このような結果を踏まえまして、23ページに戻っていただきまして、パブリックコメ ントに対する回答案でございます。  「その結果、今回の改正案の方が再現性が高く、試験実施機関による結果の差も少な いこと、ご提案いただいた調製法を用いた試験では30回程度の分析によりカラムが劣化 することなどから、原案どおり成分規格を改正することが適当であると考えています」 という回答案でございます。  もう一つ、主な意見といたしまして、下段の方に示させていただいておりますけれど も、米国においては、検定後の色素でアルミニウムレーキを合成することもあって、食 用黄色5号の規格には副成色素の規格があるけれども、食用黄色5号アルミニウムレー キの規格には副成色素の規格はないということで、例えば輸入食品に使用されたタール 色素については、日本国内での限度規格が設定されても規制されることはないのではな いかと、明らかなダブルスタンダードではないかというような御意見でございます。  これに対する回答案でございますけれども、食品衛生法における規制につきまして は、内外無差別という形で適用されるものでございます。  なお、米国におけるタール色素アルミニウムレーキの規制については、我が国におい て採用できるのか否か議論をしていく必要があると考えております。  現在、第8版食品添加物公定書の作成に向けた検討を進めていることから、御指摘の 件についても、その中で専門家の御意見を伺いながら検討してまいりたいと考えており ます。  次でございますけれども、資料5でございます。39ページでございます。 こちらは、日本国内の規格の改正を行いますので、WTO通報を行ったところ、1件、 コメントをいただいたところでございます。  40ページをごらんになっていただきますでしょうか。  意見、大きく言いますと、要は記述が明確ではない、詳細に記載すべきであるという ようなコメントが主なコメントの一つでございます。そちらにつきましては、我が国の 成分規格の設定におきましては、一部の諸外国で認められるような詳細な記載を行って いないということもあって、現状におきましては、例えば通知のようなもので詳細を記 載して対応していきたいというような回答を既にいたしております。  もう一つ、検量線の範囲が高過ぎるのではないかという御指摘をいただいたところで ございますが、そのような傾向があるのも御指摘のとおりでございますが、既にバリデ ーション等に時間がかかってしまうということで、検量線の範囲については今後、検討 していきたいというものでございます。  また、一部、誤解をされたようなコメントもございましたので、そちらにつきまして は、こちらの方から訂正を指摘しているところでございます。  その他、英文翻訳上の修正意見等につきましても、いただいたところでございます。  41ページでございますが、資料6でございます。  「食品衛生分科会における確認事項」ということで、こちらにつきましては、食品衛 生分科会運営規定というものがございまして、そちらの方からわかりやすく添加物の部 分のみ抜粋したものでございます。  「部会は、審議終了後、分科会における審議又は報告の扱いの案を作成し、分科会長 の承認を得るものとする」ということでございますが、要は、本件の取扱いにつきまし ては、昨年12月に食品衛生分科会が開催されました折に、いわゆるタール色素の成分規 格の改正については、その結果について分科会長の了承を得た後に、部会の審議結果を もって答申とし、分科会には後日、報告するという取扱いを行うことについて、差し支 えないとの確認を得ておるところでございます。 以上、大まかではございますが、関 連資料の御説明でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  繰り返しになりますけれども、今、事務局の説明がありましたように、本来であれ ば、この部会の次に分科会において審議していただくところでございます。  しかし、先日、開催されました分科会におきまして、本件のように内容が技術的で軽 微なものについては部会の評価をもって答申とし、後日、分科会に報告するとの御判断 をいただいておりますことを繰り返しお伝えいたします。  それでは、事務局からの御説明で、パブリックコメントに対する追加試験を実施した ということですが、国立医薬品食品衛生研究所の添加物部の棚元委員、それから、四方 田委員はまだ見えていませんので、何か追加がございましたら、お願いいたします。 ○棚元委員  ただいま、事務局の方から御説明ございましたように、3ケ所における客観的な評価 を行ったということでございます。  実際担当しました四方田委員が今日、アクシデントがあったのかちょっと遅れており まして、具体的なところ、詳細のところは説明ができないと思いますが、このデータ は、先ほど事務局の御説明がございましたように、3か所の評価におきまして機関間の 誤差がないものということで評価がなされたということで、先ほどの御説明で御理解い ただけたのではないかと思いますが、特に何か御質問等ございましたら、また。 ○長尾部会長  それでは、何か御質問ありますでしょうか。  ちょっと、私から一つお伺いしたいんですが、WTOからのコメントで、検量線が少 し高濃度の方に寄っているということでしたが、その点について、ちょっと御説明いた だけますか。四方田委員ですか。 ○棚元委員  具体的な答えにはなるかどうか、この答えのところに書いてございますように、確か にそういった指摘は当たっているということでございます。  ただ、それを客観的に、バリデートするには時間を要するということで、それは後ほ ど、こういった検討は重ねていきますという形の答えになっていると思います。 ○長尾部会長  標準線の範囲には入るんですけれども、その濃度の下の方を使うことになっていると いうことで、実際には問題はないということでしょうか。 ○棚元委員  その範囲でカバーできるというところで、理解しております。 ○事務局  事務局から補足でございますけれども、試験法の記載から想定いたしますと、0.1 〜 1%という検量線の範囲になるのですが、WTO通報のコメントといたしましては、せ いぜい0.5 %が上限になるのではないかというようなコメントをいただいたものでござ います。  ただし、その検量線の範囲には入っているということでございます。 ○長尾部会長  どうぞ、米谷委員。 ○米谷委員  28ページの分析結果のところなんですが、3機関でやられて、値がそろっているとこ ろと、そろっていないようなところもあるんですが、これは試料の方に原因するとお考 えでしょうか。それとも、分析機関に何か、それぐらいの差があったということなんで しょうか。 ○棚元委員  今、おっしゃられたのは29ページとおっしゃいましたか。 ○米谷委員  28ページです。 ○棚元委員  28ページのですか。 ○米谷委員  はい。 ○棚元委員  試料は、同じものを使っております。 ○米谷委員  全く均一なものを使って、その結果、こういう結果が出てきたということなんです ね。わかりました。 ○長尾部会長  29ページ、確認ですが、第2法で使用経過のカラムを使った場合には、こういうふう にピークが非常に低く出て、劣化しているということだと思いますが、ここの使用経過 のカラムに関して、第1法のデータはここには出ていませんが、これは。 ○棚元委員  これは同じデータ、再現性はあるということです。 ○長尾部会長  あるということですね。ほかには。 ○成田委員  24ページのところの第1法と第2法を見ますと、決定的な違いはアンモニア水を加え ているものと、硫酸を加えているのかなと思うんですけれども、これはどういうふうな 意味があるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。 ○棚元委員  この第1法と第2法の大きな違いは、アルミニウムレーキの場合ですと、硫酸で処理 しましてアルミニウムが出てくるわけですが、そういったものが、こういった分析の場 合には非常に大きな問題になってくるということで、第1法ではそれを除いた形での方 法を使っているというところが大きな違いです。  赤色40号のところにも書いてございますが、レーキの場合に、そのアルミニウムの処 理というところが一番大きな問題でして、それによりまして、先ほど示しました30回ぐ らいやりますと劣化してくるというところの原因も、多分そこにあるというふうに考え ております。 ○成田委員  それでは、従来は硫酸を使っていたと。 ○棚元委員  いや、従来の確認試験においては、そういったものを使っていたということで、今回 は、ろ紙クロマトグラフィーで従来やっていた純度試験をHPLCに移行するというと ころが改正だったわけですね。それに対しまして、その改正HPLC法案以外に、こう いったHPLC方法もありますよという形での提案がございまして、これはパブリック コメントで出てきたものですが、そういったことを今回ではバリデートしたということ になっております。 ○成田委員  ありがとうございました。 ○長尾部会長  ほかには、よろしいでしょうか。  もしよろしいようでしたらば、タール色素の成分規格の改正につきましては、資料3 の別添のとおりとするということにいたします。部会としては、分科会には後日、報告 することとして、分科会長の了承を得たいと思います。  それでは、御了解いただいたものとさせていただきます。  この件につきまして、今後のスケジュールは、どのようになっていますでしょうか。 ○事務局  御説明いたします。  分科会長の承認を得まして、答申をいただいた後、タール色素の検定検査が登録検査 機関へ移行いたします2月27日までに告示、改正等の手続を行いたいと考えているとこ ろでございます。 ○長尾部会長  それでは、次の議題に移ります。  議題2としましては、「既存添加物の消除について」ということになっております。  事務局から、関係資料の御説明をお願いします。 ○事務局  それでは、御説明いたします。  資料7でございます。42ページでございます。  まず、背景でございますけれども、食品衛生法等の一部を改正する法律ということ で、昨年8月29日に施行されております。  これによりまして、新たに厚生労働大臣は、その販売、製造、輸入、加工、使用、貯 蔵及び陳列、これを「販売等」というふうに略しますけれども、この状況から見まし て、現に販売の用に供されていないと認める既存添加物、これを含む製剤、食品につき まして、消除予定添加物名簿を作成の上、公示いたしまして、必要な手続を経まして、 既存添加物名簿から消除することができることとなりました。  既存添加物名簿でございますけれども、御承知のとおり、平成7年の法改正によりま して、指定制がすべての添加物に課せられるという際に、いわゆる、当時、天然添加物 と言われておりましたもの、既に流通しているものにつきましては、既存添加物名簿と いうものを作成いたしまして、指定制度の対象外ということで規定されてきたものでご ざいます。現在、489 品目が収載されているところでございます。  これにつきまして、厚生科学研究でありますとか、検疫所におきます輸入食品の届け 出等に添加物の名称が記載されておりますので、そのような情報等を基に、消除予定添 加物名簿の原案につきまして事務局で検討いたしましたところ、販売等の実態の確認が できない添加物といたしまして74品目、そのような添加物が確認されました。  これらの品目につきまして、消除予定添加物名簿を公示するに先立ち、添加物の販売 等の実態調査を実施いたしました。  調査期間は、昨年の年末の2か月でございまして、調査対象は添加物の製造メーカ ー、販売等を行う営業者ということでございます。  調査結果でございますけれども、43ページをごらんになっていただけますでしょう か。 別紙1ということで、「既存添加物販売等調査結果」として36品目につきまして 報告をいただいております。申し出数は、右の欄に掲載しております。  そのような結果を踏まえまして、どのような手段を用いても確認できなかったものと して、44ページ、別紙2でございますけれども、38品目を収載しました「消除予定添加 物名簿(案)」をお示しさせていただいております。事務局といたしましては平成16年 2月を目途に消除予定添加物名簿を公示し、法律の規定に基づきまして消除の手続を進 めたいというふうに考えております。  別紙3でございますが、45ページをごらんになっていただけますでしょうか。  「使用実態のない既存添加物の消除の流れについて」ということでございまして、昨 年10月より、都道府県等を通じた営業者に対する調査を行っておりまして、平成16年2 月を目途に消除予定添加物名簿を公示する予定でございます。法律の規定では、消除予 定添加物名簿を公示した後、一年以内に既存添加物名簿の改正をしなければならないと 規定をされておりますので、遅くとも平成17年2月には改正という運びになるわけでご ざいます。  もう一つ、法律の規定により、6か月間、訂正の申出期間を設けなければいけないと 規定されております。仮に、申出がなければ、この平成16年8月にも改正という話にな りますけれども、申し出をいただきますと、お申出内容の確認でありますとか、再調査 ということで、6か月以内の作業を行うということになるわけでございます。  以上、消除予定添加物名簿に係る資料の御説明でございます。 ○長尾部会長  どうもありがとうございました。  販売実態のないものが38品目あり、これを消除したいということですけれども、御意 見ございましたら、お願いします。 ○米谷委員  今回、案としまして38品目が挙がってきたわけですけれども、実は、この既存添加物 名簿ができ上がるときに、その前に化学的合成品以外の添加物のリストがありまして、 それから既存添加物名簿に移す作業を、研究者サイドでは私の方が担当してやらせてい ただいたんですが、そのときでも実際に、こういうものを使っているかどうかという疑 問がある品目もたくさんございまして、結局、日本食品添加物協会さんに聞いても、そ れ以外のところでも使っている可能性もあるということで、かなり既存添加物名簿自体 に、実際は使われていないのではないかと思われるものが残ってきたわけですけれど も、今回、こういうふうに38品目は少なくとも削除できるのではないかということで挙 がってきたわけですが、私の感じでは、もっとあるような気がしております。  ただ、今回、多分、第一次的にこういう38品目が挙がってきたものだと私なりには解 釈しております。  以上でございます。 ○長尾部会長  事務局から、何かありますか。 ○事務局  事務局といたしましては、引き続き、定期的にこのような見直しを行ってまいりたい というふうに考えております。 ○長尾部会長  ほかに、御意見はございませんでしょうか。  それでは、引き続きこの38品目の消除のプロセスの続きを進めていただきたいと思い ます。  そのほか、議題として、事務局から何かございますでしょうか。 ○事務局  そのほかといたしまして、とじ込みの資料といたしまして、「第8版食品添加物公定 書の作成について」ということで、49ページでございます。  これの後に、本日、追加で配付させていただきました食品安全委員会に依頼を行って いる品目について、御説明させていただきたいと思います。  まず、「第8版食品添加物公定書の作成について」でございますけれども、こちらに つきましては食品衛生法の規定、第13条でございますけれども、これに基づき作成する こととされているものでございます。  従来から、およそ5年に1回ということで、食品添加物に関する製造、もしくは品質 管理技術、もしくは試験法の発達等の状況に対応するために見直しを行っているところ でございます。  この公定書の内容につきましては、複雑多岐にわたり、高度かつ専門的ということで ございまして、検討には時間を要するということでございまして、従来から学識経験者 による検討会を設置いたしまして、公定書に記載するべき事項についてとりまとめをい ただいた上、部会にお諮りするという手続を取っているところでございます。  昨年の夏でございますけれども、第8版食品添加物公定書作成検討会というものを設 置いたしまして、目標といたしまして、平成17年3月を目途に一定の成果を出していた だくということで、既に検討をお願いしているところでございます。  第8版食品添加物公定書作成における基本方針でございますけれども、例えばCでござ いますが「JECFA及び日本薬局方などの他規格との整合性を図ること」。更に「既 存添加物の規格を積極的に収載すること」「IRチャートを充実すること」。こちらの IRチャートにつきましては、局方などにおいても積極的に収載されているということ でございまして、そういった面からも整合性を図るというものでございます。  今後の予定でございますけれども、平成16年度において公定書に収載するべき具体的 な内容をとりまとめて、審議会に意見をお伺いすると。平成17年度には、告示というこ とを予定しているところでございます。  50ページでございますけれども、公定書作成検討会の構成員について、参考までに添 付をさせていただいておるところでございます。  以上でございます。 ○長尾部会長  この公定書の作成に関しまして、何か御意見ございますでしょうか。 ○中澤委員  今日のこのデータを見ていても理解に苦しむ部分というのは確かにあるわけですね。 先ほどの3機関の同じサンプルの分析においても、だんだんピークが出てこなくなると いうような。  それで、チャートを見ますと、これはいっぺんにはかっていろいろなピークが全部、 同時に減っていっているんですね。そういう現象というのは、なかなかクロマトグラ フィーをやっている人から見ると理解に苦しいところで、単純にカラムが劣化している というような評価だけでいいのかどうかというのは、今後もっと検討していただいて、 第8版の、添加物公定書作成のときに、このことも含めて、新しい知見、あるいは新し い手法というものをどんどん取り入れていただいたらいいのかなというふうに思いま す。 ○長尾部会長  このような御意見は、この公定書の作成の際に反映されるようにお願いいたしたいと 思います。  ほかには、よろしいでしょうか。  それでは、公定書の件は、以上で御意見は出尽くしたと思います。  ほかに何か、ありますでしょうか。 ○事務局  もう一つ、資料をお配りしております。  「食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼している添加物」ということで、お手元 にあるかと思います。そちらについて、御説明をしたいと思います。  先ほど来、お話が出ておりますけれども、食品安全委員会に、通常、食品添加物の指 定でありますとか、使用基準の改正を行う際には、昨年7月以降、食品安全委員会での リスク評価、いわゆる食品健康影響評価と称しておりますけれども、食品健康影響評価 をいただきまして、その評価をいただいた上でリスク管理機関として厚生労働省が指定 の可否でありますとか、使用基準の設定等について、薬事・食品衛生審議会での審議を いただいた上、厚生労働大臣が指定等を行うという形になるわけでございます。昨年、 食品安全委員会が設置されて以降、現在、13品目、この1ページの一番上でございます が、ポリソルベートからイソプロパノールにわたる13品目につきまして、現在、食品安 全委員会の方で食品健康影響評価を行っているということでございます。  ちなみに、こちらの13品目の添加物につきまして、食品安全委員会の評価が定まりま すと、その結果が厚生労働省に通知されまして、その結果を基に薬事・食品衛生審議会 の方で御審議いただく形になっているわけでございます。  現在、13品目ございまして、それぞれ事務局の方から簡単に御説明をさせていただき たいと考えております。  2ページでございます。  順番に参りますけれども、昨年10月にポリソルベートの20、60、65、80ということ で、構造がポリソルベートという一群の構造式が、分子量が若干違うもの、4種類につ きまして、食品衛生法第6条に基づく指定及び同法第7条第1項に基づく使用基準であ りますとか、成分規格の設定につきまして、食品安全委員会に評価をお願いしていると いうものでございます。  ちなみに、既に意見を求めております13品目の大部分につきましては、いわゆる国際 的に汎用をされている添加物と言われる一群でございまして、2ページの2・でござい ますけれども、厚生労働省におきましては、平成14年7月でございますけれども、食品 衛生分科会の了承事項に従いまして、JECFAにおいて国際的に安全性の評価が終了 して、一定の範囲で安全性が確認されていると。かつ、米国及びEU諸国等で使用が広 く認められている、国際的に必要性が高いと考えられる添加物46品目については、企業 等からの要請を待つことなく、指定に向けた検討を開始するという方針を示していると ころでございます。  このポリソルベート類の20、60、65、80については、この46品目の中の4品目という ことでございまして、これについて意見を求めたというものでございます。現在、食品 安全委員会の方で審議がされているというものでございます。  3ページでございますけれども、ポリソルベートは、諸外国ではかなり広く使われて いる食品添加物ということでございまして、いわゆる乳化剤ということで、ここに挙げ られておりますパンでありますとか、ケーキミックスでありますとか、幅広く使われて いるというものでございます。  次でございますが、4ページをごらんになっていただけますでしょうか。  昨年10月20日でございますけれども、ナタマイシン、ナイシン、亜酸化窒素、この3 品目について、添加物の指定等についての食品健康影響評価と、更に、亜塩素酸ナトリ ウムの使用基準の改正について、食品安全委員会に意見を求めております。  このナタマイシン、ナイシン、亜酸化窒素については、先ほどの国際的に汎用されて いる添加物の46品目の中の3品目でございますが、こちらの3品目につきましては、関 係企業から資料が提出されたことから、その資料を基に食品安全委員会に意見を求めて いるところでございます。  一方、亜塩素酸ナトリウムでございますけれども、こちらにつきましては、対象食品 にカズノコを追加したいという関係企業からの要請がございましたので、併せて食品健 康影響評価をお願いしております。  5ページでございますけれども、ナタマイシン、ナイシンにつきましては、いわゆる 抗生物質の一種類ということでございまして、欧米等においてチーズ等に広く使われて いる保存料でございます。  一方、亜酸化窒素でございますけれども、こちらにつきましては気体でありまして、 容器中の噴射剤ということで使われております。諸外国においては缶入りホイップクリ ームみたいなものに使われているというものでございます。  亜塩素酸ナトリウムについては、御承知のとおり、塩素系殺菌剤の一種類でございま して、我が国においては使用基準が厳格につくられておりまして、そちらの使用基準に カズノコを追加したいという要請を受けてのものでございます。  6ページをごらんになっていただけますでしょうか。  こちらは、11月21日でございますけれども、香料でございます。  香料につきましても、いわゆる2・の国際的に汎用をされているものについては企業 からの要請を待つことなく、指定に向けた検討を開始するという対象に当たるわけでご ざいますけれども、今般、この5品目、アセトアルデヒド、イソブタノールから始まり まして、プロパノールということで、5つの香料について資料がまとまったということ でございまして、意見を求めているところでございます。  7ページをごらんになっていただけますでしょうか。  こちらの香料成分でございますですけれども、いずれも天然に存在するという成分で ございまして、フルーツの香りでありますとか、果物、野菜、アーモンド様、ロースト ナッツ様というような香りを醸し出す成分の一つでございます。  8ページをごらんになっていただけますでしょうか。  グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅ということで、こちらにつきましては、先ほどの国際 汎用性というものではなくて、関係企業からの必要な資料をそろえた要請があったとい うことで、それを受けての検討でございます。こちらにつきましては、既に指定がなさ れておりまして、9ページをごらんになっていただけますでしょうか。  現在、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、いずれにおきましても母乳代替食品について の使用が認められているということでございまして、今般、グルコン酸亜鉛、グルコン 酸銅、いずれも栄養機能食品に使用したいとの要請を受けての検討でございます。  10ページをごらんになっていただけますでしょうか。  13品目の最後でございますけれども、イソプロパノール、香料でございます。  こちらも国際汎用添加物の一つということでございますが、こちらにつきましては、 アルコール様の香気を有し、天然に広く含有されている成分ということでございます。  以上、この13品目について、現在、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼してい るところでございます。  以上でございます。 ○長尾部会長  ありがとうございました。  何か、御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、これで本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。                                     −了− 照会先 厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課添加物係 蛭田、加藤、中村(内線2453, 2444) TEL: 03-5253-1111(代表)