04/01/19 第2回労働政策審議会勤労者生活分科会基本問題懇談会議事録         第2回労働政策審議会勤労者生活分科会基本問題懇談会                       日時 平成16年1月19日(月)                          13:00〜                       場所 経済産業省別館825号会議室 ○日高座長  ただいまから、第2回労働政策審議会勤労者生活分科会基本問題懇談会を開催したい と思います。本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。開催に 先立ち、労働政策審議会勤労者生活分科会基本問題懇談会運営規程第4条により、「懇 談会は、原則として公開する」とされております。非公開とする特段の事情はありませ んので、本日の懇談会は公開としたいと考えております。  基本問題懇談会の労働者代表委員である大賀康幸委員が9月8日付で辞任されて、後 任として労働者代表委員である宮野弘毅委員が就任されましたので、ご紹介いたしま す。 ○宮野委員  生保労連で書記長を務めております宮野と申します。勤労者生活分科会自体も委員に なって1年弱というところですが、今般基本問題懇談会の委員ということですので、一 生懸命頑張りますので、ひとつよろしくお願いいたします。 ○日高座長  次に事務局を代表して、昨年8月29日付で奥田前部長に代わりまして、厚生労働省労 働基準局勤労者生活部長に就任された松井部長からご挨拶をお願いいたします。 ○松井勤労者生活部長  ただいまご紹介いただきました松井でございます。労働政策審議会勤労者生活分科会 基本問題懇談会の委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にかかわらずご出席いただ き、ありがとうございます。現在、我が国の経済構造変化や少子化の進展に対応して、 持続成長ができるような経済社会を構築するという考え方が非常に強まっております し、その必要性も高まっていく中で、国民の一人一人の働き方と、それを取り巻く環境 を再構築するということ、そして、来たるべき経済社会と整合性をとることが極めて重 要かつ近々の課題になっているという認識を持っております。  このような状況認識の下に、昭和46年発足の財形制度が今年で33年目を迎える、とい う状況になっているわけです。運用実績は、最近の契約件数、貯蓄残高、いずれも逓減 傾向にあります。また、本制度をめぐる税制につきましても、貯蓄から投資へという政 策要請を反映して、従来からの優遇税制を見直すべきではないかという議論が巻き起こ っているということも、十分承知しております。  このように、我が国の経済構造の変化をある程度見通した上で、今後とも勤労者の自 助努力による計画的な財産形成を促進する施策を堅持する必要があるのか否かといった 視点、さらには、仮に政策を堅持するとした場合に、その他の新たな政策、例えば公的 年金、企業年金といったもののあり方との整合性に配慮する必要があるのか、ないのか といったように、財形制度の基本に立ち返った議論をやっていただくべき時期に来てい るのではないか、と感じております。  基本問題懇談会という名の下に、ややもすれば制度の部分的な手直しの議論に時間を かけることもあったのではないかと認識しておりますが、私としては是非とも、「基本 問題懇談会」という名前に値するような議論を早急に展開していただければと思ってい るわけです。この懇談会でのいま言ったような視点を踏まえていただき、さらには、こ れが企業内の福利厚生制度ということで位置づけが堪えられないとするならば、そうい ったもののあり方そのものも視野に置きながら、制度の今後のあり様を幅広くご検討い ただき、忌憚のないご意見を賜われればと思っております。  出していただいたご意見を踏まえて、制度の存否そのものに立ち返って、十分検討さ せていただきたいと思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 私からの挨拶は以上です。また議論の中で追い追い感想などを述べさせていただきたい と思います。よろしくお願いいたします。 ○日高座長  どうもありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。議題1「平 成16年度税制改正について」、議題2「総合規制改革会議の動向について」、議題3 「平成16年度予算(政府原案)について」はいずれも報告案件ですので、事務当局より 一括して説明をお願いしたいと思います。 ○鈴木企画課長補佐  議題(1)の「平成16年度税制改正について」は資料2です。今年度さまざまな税制 改正要望をいたしました。大きなものとして、「退職等した場合における財形非課税貯 蓄の転職継続措置の適用要件の緩和」を要望していたところです。それについては、現 在、勤労者財産形成住宅、または年金などの非課税制度については、非課税継続適用期 間が現行1年であったものが2年に延長することが認められたところです。  税制については、参考資料の○の2つ目、「政府税制調査会中期答申」で「少子・高 齢社会における税制のあり方」ということで、「財形貯蓄といった残された貯蓄優遇税 制についても、他の様々な貯蓄手段との税負担の公平性確保の要請等を踏まえ、見直し を行うべきである」という提言もなされており、かなり厳しい中、転職継続の期間を1 年から2年に延長することが認められたところです。離職者については、現在離職して いる人ではなく、平成16年4月1日以後に離職した方という限定がつけられているとこ ろです。  このような要望が認められたということで、該当するのは財形法の施行令および租税 特別措置法の施行令、政令になりますが、この改正作業を進めていきたいと考えていま す。施行は平成16年4月1日になろうかと思います。これに関連する制度の説明です が、資料7の1頁目の転職継続制度については、その他さまざまな波及する制度があり ます。本体自体として、目的に書いてありますが、勤労者財産形成貯蓄契約、これは一 般財形、年金財形、住宅財形ということで、税に絡むのは年金と住宅で、それ以外に税 に絡まない一般財形もあります。「勤労者財形貯蓄契約を締結している勤労者が、転職 等をした場合に、転職等の前後で勤務先の財形取扱金融機関が異なっても、財形貯蓄契 約等を継続できるようにすることを目的として」、この期間が1年から2年に延びるも のです。税制改正で認められた年金財形、住宅財形と、併せて、一般財形等の整理もさ せていただきたいと考えています。  もう1つ、これに関連する制度として、特例自己積立制度があります。転職した際 に、転職先の企業で財形をやっていない。しかし、事業主が構成員となっている団体が 事務代行団体となっている場合、そこで一定期間、代わりに財形を継続してやっていた だくことができる。この一旦辞めてから次の新しい所に採用されるまでの期間も1年と なっていますので、このような諸制度の整理も併せて勘案して、要望が認められた税改 と調整しながら、事務的作業を進めてまいりたいと思いますので、ご理解とご協力をお 願いいたします。  次に議題(2)の「総合規制改革会議の動向について」は資料3です。これは当方の 局長から知事宛に通知を出させていただいたことに関係することです。本年9月19日付 で内閣府より「規制改革集中受付月間において提出された全国規模の規制改革要望への 対応方針」が公表されました。その規制改革事項として、「勤労者財産形成制度におけ る事務代行の趣旨の明確化」を取り上げられたということで、規模の大きな事業主の財 形法上の事務代行を制約するものではないかという理解の下に提出された要望でした が、これについては「財形法上、事業主が金融機関等に対して行うこととされている事 務の代行については、事業主の規模にかかわらず、委託することができる旨を明確化 し、周知する」ということで、そういうことを内容とするものを通知させていただきま した。後でお読みいただければと思いますが、通知の別紙ということで、事務代行団体 以外の所に財形事務を委託する場合に、何ができて何ができないか、○×表で整理させ ていただきました。  次に議題(3)の「平成16年度予算(政府原案)について」は資料4です。これは毎 回、勤労者生活分科会等で出している様式に基づいて出させていただきました。平成16 年度の予定額は、政府原案では15億305万2,000円となっています。一般会計では、一部 単価の見直し等で減となっています。特別会計ですが、今年3月1日に財形の助成金お よび融資等をお願いしている雇用・能力開発機構が独立行政法人化するのに伴い、会計 上の問題ですが、今までは雇用・能力開発機構交付金でやっていたものを、今度は勤労 者財産形成促進事業費補助金になるということで、足すという形に変えております。全 般的には、事業の実績を踏まえたもの、また業務の効率的な見直しを図りながら予算を 組み立てています。  先ほど申し上げた会計上の整理の関係で、ハの「管理費」について、役職給与等が別 の整理となっていますので、その分が減となって、ほぼこのマイナスに相当する分だけ 減っています。全体として、平成15年度と平成16年度を比較すると大きく減っています が、必要な予算は確保できているのではないかと考えています。このように、業務の見 直しを図りつつ、また必要な予算は、確保した予算となっているのではないかと考えて います。  以上、平成16年度税制改正、総合規制改革会議の動向、政府予算の原案について、報 告および内容を説明させていただきました。 ○日高座長  どうもありがとうございました。ただいまの説明について、ご意見、ご質問があれ ば、よろしくお願いいたします。 ○山口委員  基本問題懇談会での報告というのですが、基本的には生活分科会に対する報告がきち んとされなければいけないのではないか、という気がします。もう1点、平成16年度税 制改正で、1年が2年に延びたことについては評価できるかもしれませんが、ポータビ リティーや中小企業への普及という面からいくと、ほとんど影響がない。そういう点で は、これからここで議論するようなことについて、もっとやっていかなければいけない のではないかと思うのです。  その中で1つ質問したいのですが、我々は大変重要な国会の付帯決議があると認識し ていて、あそこで付帯決議にされたぐらいですから、それについて何らかの対応はされ ているのだろうと想像します。今回、要望の中に入れたのか、入れなかったのか、入れ たけれども、どうなったのか、その辺りのご説明をいただきたいと思います。 ○伊岐企画課長  まず、勤労者生活分科会への報告については、別途、分科会長と相談して分科会の日 程もセットして、基本問題懇談会に報告したから、よしということではなく、きちんと 報告の手筈は整えたいと思っています。  もう1つの付帯決議ですが、雇用保険法の改正を国会に上程したときに、採決の際に 衆参両院で付帯決議がなされました。特に財形制度のポータビリティーと言っては何で すが、それに近いような引き出しやすさなどについての改善を図る、という付帯決議を いただいたところです。これも既に勤労者生活分科会なり基本問題懇談会の席上でお話 する機会があったかと思いますが、私どもとしては、財形年金貯蓄について、失業によ って積立が中断してしまう場合の特別の引き出しの措置などもできないかということ で、非自発的失業をした労働者に対して、財形貯蓄が転職継続措置をとっても、どうし ても再就職が難しいといった場合の無理からぬ事情による財形の取崩しについては、非 課税措置の特例を設けるという税改要望をしたところです。しかし、先ほど課長補佐か ら説明した転職継続の税制改正要望は認められましたが、いま申し上げた引き出しの特 例については、最終的な税調等の議論の中で認められなかったということで、ご理解を 賜りたいと思います。 ○山口委員  あとはまた別の機会に対応させていただきます。 ○松井委員  資料3の規制改革要望に対する対応は、もう少し広い範囲でできるというご説明があ りましたが、なかなか財形の普及が進んでおらず、かなり減っていると部長のご挨拶の 中にもありました。これをやることで、例えば中小企業などでの制度導入がより進むと いうイメージをお持ちなのかどうか、あるいは最近の減っている要因の中で、本当に解 約だけが増えているのか、若干でも中小などで普及しているような状況があるのか。そ の実態と、これをやることの効果についてどのようなお考えがあるのか、もしあればお 聞かせ願いたいのです。 ○伊岐企画課長  まず、こういうことを周知して、別に中小企業団体でなくともアウトソーシングでき る部分があるのだということをお知らせすることによって、普及を図る努力を行政当局 がしてこなかったことは、本当に遺憾だと思っております。  一方で、逆にそういうご指摘をきっかけとして、中小企業に限らず、例えば企業グル ープなり、何らかのアウトソーシングを既に進めているような、財形未導入企業で、こ ういうことができるのだったら導入しようかと思ってくださる所があるのであれば、そ れはまさに我々のこういう通達を作る本旨に沿っているものです。当面はこの通達をよ り広く皆さんに知っていただくということで、導入促進の1つの努力をしていきたいと 思っています。  正直なところ、いま中小企業団体の事務代行制度についても、私どものほうから助成 金を差し上げることによって、ようようその代行団体は運営しているという所もあるわ けです。規制緩和ではありませんが、「代行はできますよ」とか「アウトソーシングで きますよ」と言っただけで、飛躍的に「やりましょう。お金をかけて外に出しましょう 」とか「只で引き受けてそういうのをやってあげましょう」という所が増えるかどう か、それはなかなか厳しい状況だと思います。ただ、いま申し上げたような、もう既に アウトソーシングの気運にあるとか、グループ企業でやっているということであれば、 役に立つ部分もあるかと考えています。  ちなみに、労働部局内にとどまらず、広く地域々々にこのことを知っていただきたい ということで、あえて知事宛通達にしたわけです。また、折りに触れて私どもの幹部の ほうからも地方公共団体などに周知する努力をしたいと考えています。 ○奥村委員  アウトソーシングと言うのか、業務委託と言うのか、事務の委託と言うのか、名称は いいのですが、財形に関する業務を委託することに関して言うと、特にいまは連結経営 ということが言われていて、グループで運営している企業などは、こういうことにかか わらず、業務委託でおのずとやっている。大事なことは、財形という制度が、大企業は 利用できるのですが、中小企業は利用できないとか、中小企業の勤労者が財形の制度の 恩恵を受けないところが問題だ、ということをずっと言っているところであります。こ ういった解釈を明らかにすることで、現実に財形をあまねく勤労者の方々が利用できる ようになるかというと、そうではないのではないかと思うのです。  もう1つ、転職者等の非課税継続適用期間が1年伸びたことは、良いことであろうと 思うのですが、これも同じような意味で、実際に中小企業に財形制度が浸透しなけれ ば、転職に関して取扱いが多少変わることによって、財形の加入は促進できないのでは ないかと思います。  それから、資料4に実績として付けていただいて非常にありがたいのですが、財形の 契約件数や貯蓄残高の推移というマクロの数値ではわかるのです。今日からもいろいろ な議論が始まるし、実際に事務代行に関しての運用を明確にすることがどのぐらい効果 を上げるかということで言うと、こういったことの実績という場合には、いわゆる大企 業、中小企業別の実績として出していただかないと実態は分からないし、問題として、 いま分社化や労働力の流動化等で継続したくてもでき得ない人がかなり出てきているこ とを指摘しているわけです。この契約件数の中に、解約と新規の申込みがどのようにあ るのかを見ておかないと、実際に我々がこれからいろいろな制度、仕組みを作って、広 く勤労者が財形制度を利用できるようにということで議論して、検討していくわけです が、そういうことが見えないのではないか。だから、そういった形での実績を、今まで の経緯を一度出していただいて、この事務代行団体もそうなのですが、このようなこと をみんなが知ることによって、どのぐらい中小企業の勤労者にそういうものが浸透して きて、利用が促進されるのかどうかを見るようにしたいと思うのです。是非それをよろ しくお願いします。 ○伊岐企画課長  制度の改変については、当初、基本懇の議論が全部終わらなければ何も改善はしない ということではなく、できることはその都度やっていきますというお約束の下に、勤労 者生活分科会に基本懇を立ち上げた経緯があります。それぞれの改変は、委員の先生に とって必ずしも100%合格点ではないかもしれませんが、少なくとも後ろ向きではなく て前に一歩でも進む努力をしたということで、よしとしていただくわけにいかないかも しれませんが、私どもはそういう方向での税制改正なり、通達を発出したということを ご理解いただきたいと思います。  それから、財形制度について、特に個々の運用面での細かいデータがないと、例えば 中小企業にどの程度浸透しているか、政策評価もなかなかできないではないか、という 奥村委員からのご指摘は誠にそのとおりです。これまでの基本懇なり、勤労者生活分科 会のご意見を踏まえて、財形貯蓄に関して、いままで以上に貯蓄している労働者の方の 属性や解約の要因のようなものを、個々に統計調査できないか、昨年の夏ごろ実施金融 機関に対し打診をしたところです。しかし、正直なところ、そういうことを捕捉するこ とについて、各金融機関の手間やコストがかなりかかるということで、私どもが要望し た時点においては、細かい属性なり解約要因についてのデータの分析に応じることは難 しい、という返事をいただいていたところです。  それに代わるものとして、昨年度「企業内福利厚生のあり方と今後の勤労者財産形成 促進制度の課題について」という研究会をやった際に、これは個別の金融機関になって しまいますが、労働金庫にご協力を賜って、ごく一部ではありますが、解約要因などの 調査に応じていただいて、それを報告書に登載したという経緯があります。100%の 「はい」という回答がしづらい部分もありますが、そういう個々のヒアリングとか、統 計的に全数的な私どもへのクエスチョネアに対応することが、仮に金融機関が難しくと も、ピックアップをして調査するなり、私どもが政策検討に要するデータをなるべくい ろいろな形で取ることは努力したいと思います。 ○松井委員  非常に細かいことで確認だけをしたいのですが、資料4の2の(2)のイ「支払利息 」の所は、労災勘定と比べると雇用勘定が多いのです。まず教えていただきたいのは、 ほとんど折半だというのは聞いていたのですが、何でここだけだいぶ違うのか。ほかは マルメを除けば大体同じなのですが、特別な事情でもあったのでしょうか。 ○伊岐企画課長  これは、特に雇用失業情勢が厳しくなったときに、補正予算まで持続的雇用対策をう った関係で雇用勘定の利子補給制度ができております。いまはほとんど動いておりませ んが、一定期間失業しているような方々に少し猶予してあげたりという部分の利息補助 のようなものが、雇用対策だということで雇用勘定だけから出ている部分があって、そ の部分だけ少し上乗せしているということです。 ○松井委員  そうすると、それは平成16年度だけでなくて、大体ずっとそうだったという理解でよ ろしいのでしょうか。 ○伊岐企画課長  はい。 ○山口委員  あとの議論にもつながるのですが、いまの総合規制改革の関係で、アウトソーシング ができるとか、第三者には事務代行できるというのです。しかし、これを読んでいて も、中小企業の場合には中小企業事業主団体、そうでなくても、全体的にも「事業主団 体」という表現があります。アウトソーシングするといったときに、それが事業主団体 というグループだけにというのが。そういう意味では、何かすっきりしない説明という か。 ○奥村委員  それは、たぶん助成金絡みの話だと思うのです。個々の業務で、これは委託できます ということの説明だけであって、要するに助成金対象の事務代行団体の要件とは基本的 に関係ない話だと。理解は、そういう説明でいいですよね。 ○山口委員  私もそれはわかるのです。助成金と絡むときに、いろいろなことがあるでしょうし、 中小企業に普及するためには、我々は違うスキームでという要望も持っているのです が、助成金と絡めるか絡めないかは、絡まないとしたらどうするのかという対応もある と思うのです。ただ、表現なり内容は、助成金と絡めた上の制度だという認識の中で出 来上がってきたり、理解があるのですが、その辺りは明確に。 ○奥村委員  話を途中で取る形で申し訳ないのですが、先ほど私が言った意味は、こういうことを やっても、いま財形を導入しない中小企業に財形が進むことには決してならないでしょ う、ということを言っているだけなのです。業務委託できる範囲のことというのは、グ ループ企業で給与等にまつわる事務を代行して親会社がやるとか、別の会社組織を作っ て、そこがグループ間の何らかの事務を全部まとめてやってしまって、効率化を図ると いうことと考えたら、これが財形制度の浸透につながることにならないでしょう、とい うのが先ほど言った意見です。  だから、まさに事務代行団体とどういう関係があるのかというと、こういった議論は 直接は関係ないと思っているのです。そこで知りたいのは、こういったことをやって、 どんな効果が出るかというのを見るためには、こういった財形の実績の資料の中に、中 小企業はどうなのだということとか、そういう所で新しく中小企業が制度を導入したと か、そこの勤労者が何人増えて入るようになったということを見ない限りは、本当に効 果があったかどうかわからないでしょう、ということを先ほど申し上げたのです。  残念だったのは、「そういう実績はわかりません。金融機関の協力が得られません」 というお答えだったので、我々が財形の議論をいっぱいする中で、実際、効果があった かどうか、さっぱりわかりませんということを事務局に言われたら、逆にあまり議論し てもしょうがないのではないかと思います。 ○伊岐企画課長  すみません。少し説明が足りなかったかもしれませんが、当然、導入率等は、融資貯 蓄の取扱機関からのデータ以外に、一般的な事業主に対するアンケート調査などは、私 どもの勤労者生活部でも委託調査などでやっておりますし、残念ながらピックアップ調 査ではありますが、そのほかに就労条件総合実態調査といったもので把握はしているわ けです。そのほかに、私どもが実績としてお出ししているのは、基本的には金融機関の 協力を得て全数調査して出しているものですから、これが同じパラレルに正確に出てく れば最もいいということで、私どもとしてもそれをしたかったのですが、それには協力 が要るということでした。  助成金等は、今日お出しした中に十分入っていないかもしれませんが、元データに入 れば、私どもが出しているものについては中小企業と別に分けて出せますので、それは 時を改めて提供したいと思います。 ○奥村委員  また追加して言いますと、かつて事務代行団体への財形助成金給付金制度を導入する ときに、これは中小企業に普及するためのものだということを事務当局はおっしゃっ た。それに対して、少なくとも我々は、これは財形の普及・導入にあまり役立つはずが ないということを申し上げた。結果、蓋を開けてみると、それはやはり普及・導入・浸 透にあまり効果はなかったという認識でよろしいですね。そう思っているのですが、そ のときも実際どうやって効果を計るのだということが、あらかじめプログラムとして組 み込まれている必要があると思うのです。今回の業務委託をできる範囲はどういうこと だということを明確にするファクターが、どのようなことで実際効果が出るのかという ことも、あらかじめ考えておいていただいたほうがよろしいかと思うのです。いま実績 把握はいろいろな形でやりますとおっしゃったから、それならこういうファクターがど のように財形制度の浸透なり、利用促進につながっているかわかる実態調査をするよう に、是非お願いします。 ○伊岐企画課長  はい、努力したいと思います。 ○日高座長  その方向で頑張っていただきます。 ○宮野委員  税の関係で2点ほど要望させていただければと思うのですが、資料2の中で、転職継 続措置について、1年から2年というお話がありました。一方で、資料集の166頁の退 職のタイミングで「辞めた理由」で、「転職継続制度を利用したかったが、この制度を 知らなかった」が23%ということで、非常に高いパーセンテージがあります。ですか ら、1年から2年に伸びたというタイミングで、まずはこの制度に対する周知徹底を厚 生労働省としてしっかりやっていただく、というのが1点です。  資料2にあるように、昨年6月に出た政府税調の中期答申の中で、見直しという非常 に強い書きぶりもあります。既に今年、政府税調が立ち上がって、金融税制の一体化の ようなものも議論されているということです。その中で、勤労者の立場からすれば、給 与天引きというものと並んで、非課税措置というものが財形制度のメリットであるとい うアンケートも、資料6の6頁にあります。ここに対してのしっかりとした理論構築と 早めの働きかけについて、厚生労働省としてもしっかり取り組んでいただきたいと考え ております。 ○山口委員  基本的なことで、部長の挨拶にもあって少し気になるのですが、規制改革会議絡みの 関係で、別の所ですが、今回も産業別最賃の廃止論のようなものがありました。これは 見直しなのですが、経営者側の意見の引用をそのまま2つ出して、「見直しだから」と いう表現で出されているのは如何なものか。我々としては労働組合側として、いろいろ な議論の中で、税制について言えばはっきり言って貯蓄から投資へというのも、本当に いまそうなのか。貯蓄率の話をみてもそうだし、低所得者層の現状をみてもそうだろう し、貯蓄ゼロ世帯の増加など、この2、3年ものすごく変化があるわけです。  その点で、部長の挨拶を受けて言いたいのですが、私自身が委員になってからは、い まの制度がどうであるにしろ、中小企業に限りませんが、低所得者層にとっての財産形 成は大事なのだ。その制度は、基本的に国が枠組みを備えてやるべきなのだ。貯蓄から 投資へということだから、いまの制度の中の話だけではなくて、きちんとそういう所を 出してもらわないと、そこだけに流されるというのは大変危惧されますので、よろしく お願いします。 ○松井勤労者生活部長  いままでの議論を聞いていて、初回なので差し控えようと思ったのですが、自分なり に、いただいたものを今後の展開で整理していきます。奥村委員の言われた求められる 資料については、分析可能な資料を集める努力をいたします。課長の説明は、私が以前 この制度にかかわったころは、相当、関係者から報告書という形でいろいろな実績分析 を行っていたのです。ところが、規制改革会議のような話で、事業主や関係者にいろい ろな負担をかけないということで、報告書をどんどん削って、いちばん最後の締め括り だけの資料に絞り込んできたという経過があって、分析的なものは十分取れていない。 それは出す側に負荷がかかるという思想できましたが、制度の存否を抜本的に考えると いうのであれば、分析するだけの資料がなければ、確かに皆さんの議論が成立しないわ けですから、いろいろな努力をして議論に耐え得るだけの資料を集めることはやりたい と思います。それが前提です。  その上で、個別の議論ですが、いま断片的にお願いしてやってきた議論は、いまある 制度を前提として、いわば我々のほうから改良型の議論をお願いするようなところがあ って、かえって混乱しているのかという気がしてまいりました。財形制度が出来上が り、伸びるときの社会的背景と、それがだいぶ変わってきた中での制度のあり様につい ては、制度本来の狙いなど、先ほど言われた数字等を分析して、いろいろ制度改正を加 えてきたことが、まさに当初の目的どおり評価を上げているかどうか。それを見て大胆 に整理することが要ると思うのです。  その上で、真に勤労者の自助努力による財産形成というものを、政府の政策として、 引き続き維持するかどうか。そのときの維持する政策は、いまの政策をそのままでいい のか、どういった所を手直しするか。これを実際にやりたいと思いますし、やらざるを 得ない状況にあると思っています。  私が昔かかわったときに、山口委員が言われたようなことは、政府当局として主張し て、やってきたことなのです。そのときに、常に痛みというか、議論として負けている と思ったのは、働く者、低所得者層の財産形成だというと、反論を食いました。「本当 の低所得者層は貯蓄しようがないではないか。貯蓄する余裕すらない者を低所得者層と いうのか」という1つの切り口があったのです。  もう1つは、中小企業対策と大企業対策ということの比較で申しますと、こういった 使用者への負荷がかかる制度は、大企業として導入しやすい。福利厚生を充実しようと いう流れの中では、大企業は簡単に取り込むのですが、それをカバーするために、中小 企業向けに相当のインセンティブを与える工夫をしてくれ、それが全体に広がる可能性 をたかめるという議論がありました。それは、我が国には大企業と中小企業のギャップ があるので、それを中小企業対策として縮めるのだと。つまり、大企業との企業間格差 を縮めるのが中小企業対策だというコンセプトがある中で、そういう議論展開をしてい たのですが、近時の政府全体の中小企業対策は、やる気のある中小企業を支援しよう、 大企業との格差是正を飛び越えて、やる気のあるものをどうするかという視点で、いろ いろな政策の見直しをしよう、という議論が一方で出ております。いま言ったように、 制度発足時の背景とだいぶ変わってきている中で、この制度をどうするか、ということ を是非議論していただきたいと思っているということです。  いますぐに結論ということにはなりませんが、いずれにしても、いまある制度を改良 型で部分、部分手直しするという議論は、こちらから提示してお願いしてきた話ですか ら、その部分もやります。申し訳ないのですが、より基本的に本制度のあり方に立ち返 った議論を、同時に、あるいはそちらに少しウエイトを置いてやっていただくと、個別 の議論の整理がもう少しできるのではないかと感じています。そのためにも、資料はも う少し精緻なものをお出しして、議論していただくように努めます。次回以降の個別の 議論のときには、そういったものも可能な限りお見せして、意見を賜るようにしたいと 思っています。よろしくお願いします。 ○松井委員  是非そのように進めていただければと思いますし、根本的な議論をきちんとやってい ければと思っております。山口委員がご懸念の向きがありますので、私の意見は、以前 この勤労者生活分科会でも申し上げたと思うのですが、貯蓄から投資だからということ はマクロ的に見たときはそうかもしれませんが、個々の勤労者等を見た場合、あるいは 勤労者でなくても、自営業者であったとしても、ライフサイクルの中である程度貯蓄を していかなくてはいけない、ということはあり得ると思っています。それが財形貯蓄な のかどうかは、また別の議論があり得るかと思いますが、決してすべて貯蓄から投資だ ということを私どもは考えていないと。まず、そういうことだけはご理解の上、議論を 進められればと思っております。 ○日高座長  とりあえず議題(3)まではワンラウンドと、議論が終わったというか、これから始 まったというか、一応本日のところはこれで打ち切ることにいたします。続きまして、 議題(4)の「企業内福利厚生のあり方と今後の勤労者財産形成促進制度の課題につい て」ですが、第1回目の会合の際に、本懇談会においては、「企業内福利厚生のあり方 と今後の勤労者財産形成促進制度の課題について」における諸課題を中心に検討してい くこととされたところです。本日はその諸課題のうちの最初の2項目、1つは、企業の 関与を基本としつつ、企業形態の変化や労働慣行の変化を受けての制度の構築。2番目 に、より多くの勤労者が財形制度のメリットを享受できるようにするための改善策を中 心に議論をお願いしたいと思います。ある程度関連する事項については、松井部長から もお話がありましたが、そのお話も含めて、事務当局から説明をしていただき、皆さん 方のご議論をお願いしたいと思います。 ○大塚企画官 座長からご紹介がありましたように、基本的には委託研究報告書に掲げ られたテーマに沿って議論していただきたいということです。先ほど来からいろいろ議 論がありますように、社会経済情勢等の大きな変化があり、この制度自体がミスマッチ を生じているような部分もありますので、今後、必要に応じて制度の基本にかかわるよ うな新たな重要テーマがあれば、逐一、課題として追加させていただきたいと思ってお ります。議論のスタート時点が当初の予定よりずれ込んで、本日がスタートとなった関 係もありまして、今後2、3カ月に1回ぐらいのペースで、4、5回ぐらい議論をして いただきたいと思います。おそらく本年の秋以降までかかると思いますが、十分に制度 についての議論を尽くしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  本日のテーマについて、簡単に説明させていただきます。資料5が研究報告書で掲げ られた課題の主なものです。最初に、企業形態の変化や労働慣行の変化を受けての制度 の構築が必要ではないかという点です。その中心となるのは、まず「雇用の流動化への 対応」があり、厳しい雇用情勢、雇用の流動化の促進という状況があって、転職、長期 失業への対応が求められている。特にこの部分ではポータビリティーの確保が重要にな ってきているということで、イからトまで掲げられております。そのうちロは、今回、 厳しい状況の中で、承継可能期間が1年から2年に延ばせた、という報告もさせていた だいています。ハの「適格払出要件の拡充」は、先ほど議論がありましたが、年金貯蓄 において、途中で失業した場合に非課税で取り崩せるようにという要望があったわけで す。税務当局の貯蓄優遇へのチェックが厳しく、本来の目的である年金のための貯蓄か ら外れたものについては、原則として認められないということがあります。本来の目的 から逸脱したような部分での税の優遇措置というのは、いまの状況では厳しい状況にな っているということです。  財形年金の据置期間の延長、年齢制限の撤廃あるいは延長などの要望も掲げられてい ます。これについては、いまのところ年金貯蓄と住宅貯蓄は1人1契約という厳しい要 件があります。しかも、1人について二重に非課税措置というのが許されない状況があ ります。いまの課税管理システムの状況では、年齢要件と据置期間の延長によって、例 えば、一旦据置期間を適用した人が再度財形に入って、二重の恩恵を受けるというの も、なかなかチェックしづらいという状況があります。いま、納税者番号制など、税務 当局で検討はされていますが、そのようなものが進んで、チェックが容易にできるよう になったら、その環境も変わってきて、もしかしたらこのような対応も前に進むのかと いう希望も一部にはあるということです。財形教育融資の拡充などは、転職が容易にな るように、能力開発の関係でもっと利用しやすくできないか、というご指摘があるとい うことです。  一方、厳しい経営状況の中で、負担が重いのでだんだん堪え切れなくなって、事業主 の福利厚生が縮小傾向にある。なるべく事業主の負担を軽減してほしいという要望があ って、そういうものの中でいろいろ提言されているわけです。  イで、給与天引き自体をもう少し見直してもらいたい、という提言もあります。これ も財形の基本にかかる問題ですので、慎重な対応が必要だと思います。それ以外に融資 の関係で、事業主が利子補給を行ったり、融資の低利率を設定したりと、特別に事業主 が恩恵を与えなければ利用できないというのも大変なので撤廃してほしいということが あります。また、事業主の非課税管理が非常に負担なので、もっと管理しやすい方式に 変えてほしいということで、元本だけで上限を定めて、いくらまでは上限で、それまで は許されるというような、いまの生命保険方式のようなものに一本化できないかという 要望があります。また、年金貯蓄と住宅貯蓄を統合して、その統合したもので上限を見 てほしいという要望もあります。  2頁目ですが、財形給付金の見直し、福利厚生会社への出資要件の見直し等がありま す。企業のIT化への更なる対応もあります。これについては、電子政府構築計画で、 なるべく電子申請を進めるということが行われています。財形関係でも、財形給付金・ 基金、あるいは事業主代行制度の大臣指定の申請など、本省宛に来るものについては本 年3月末から、つまり、厚生労働省への申告書については電子申請が可能になります。 税に関しても、それと並んで税務署への申請等が電子化されるという状況があります。 税務署への申請、例えば非課税申告書なども、これは前の話なのですが、平成14年4月 に、色の付いた申告書はOCR等で読み取りにくいということで、色付きを廃止して、 一括してOCR等で読み取りやすくしたということがなされております。徐々に電子化 への対応ということで、政府内でも進んでおりますし、我々のほうでも少しずつ電子化 できるものはする、ということで対応していきたいと思っています。  (2)ですが、「より多くの勤労者が財形制度のメリットを享受できるようにするため の改善策」ということで、先ほどから議論していただいている中小企業への普及促進な どがあります。一方では、パートや派遣等非正規の労働者が増えてきたということで、 そうしたものへの対応が求められているということです。その関連で、aとして事務代 行制度を拡充してほしい、という要望があります。これは今般、一部通達によって明確 化した部分があります。それ以上に、要件の緩和、範囲の拡大なども要望されていま す。  「非正規社員の増加への対応」としては、非正規社員に普及・啓発をもっとしてほし いということ。短期間で転職等をするので、財形貯蓄は一般で3年、住宅と年金で5年 は預け入れる必要があるのですが、もう少し柔軟にできないかという要望がありまし た。あるいは、事務代行団体を通じて、労働者個人で直接加入できる制度は考えられな いか、ということも指摘されています。以上のものがこのテーマでの研究報告書で掲げ られた課題です。  それに関連して、統計データ等を集めたものが資料6です。1頁目は雇用失業情勢の 関係ですが、有効求人倍率も1倍を切って久しいということで、平成15年については多 少上がってはいるものの0.74という状況です。完全失業率についても、5%台をずっと 続けているという状況です。  2頁は、そういった中で転職の状況はどうなのかということです。一貫して、転職希 望の率は右肩上がりになってきて、平成14年において、雇用失業情勢が非常に厳しいと いうことで、やや下がったということもあります。「年代別の転職者比率の推移」で は、やはり若年層で転職者比率が上がってきているという状況があります。  3頁の「労働移動の推移」ですが、マクロ的に見ますと、そう大きな変化はなく一定 しています。特徴としては、転職に際して、離職率が入職率を上回った状況が6年間続 いています。これは非常に注目すべき点です。しかも、離職率が入職率を2.1ポイント 上回っているというのは、過去のデータで最大だという状況があります。転職・離職す る理由においても、非自発的な離職が増えて、平成14年度はついに自発的な離職と逆転 したところが、非常に特徴的な点です。  4頁ですが、失業期間も長期化しているということで、平成6年当時、1年未満の失 業期間が83%あったわけですが、これが平成14年になると67%まで落ちています。今 回、転職継続期間を1年から2年に広げたことで、このデータでいうと、81.6%までカ バーできるようになったということです。  5頁は、そういった中で「1つの会社に勤め続けたいか」という人がどうなっている かということです。20歳から29歳までは、それは「あてはまらない」と答えた人のほう が「あてはまる」と答えた人よりも多いということで、若年においては転職の可能性の ある人が多くなっているということです。  6頁は、「事業主の負担の軽減」の関係です。財形制度を利用している理由として、 これは個人に聞いたもので、どういう理由が挙げられるかと言いますと、「給与天引に よって簡単に貯蓄ができるから」が圧倒的に多いということです。あと、非課税措置が あるとか、他の商品に比べれば若干利回りが良いというところもあります。ただ、勤め 先が採用しているから、勤め先から勧められているから、という理由がございます。  7頁では、企業側に、導入していない理由を聞いてみたところ、従業員からニーズが ない、制度がわからない、金融機関から特に勧められていないといった理由もかなりあ ります。それ以外の実質的な理由としては、事務負担が重いとか、最近、従業員がどん どん転職してしまうので、すぐに転職してしまうような人に対して制度の必要性を感じ ないということです。  8頁では、それを利用しない理由を勤労者個人に聞いたところ、裏腹ですが、勤め先 に制度がないから利用しない、勤め先から勧められていない、こういった制度を知らな いということがありますが、実質的な理由として、貯蓄をする余裕がなくなってきてい る、自由に預け替えができないことがネックになっているということです。  9頁は、実際に企業において資産形成支援ということで、どういうものが導入されて いるかを規模別に見たものです。さすがに大企業と中小企業には格差があるのですが、 全体的に見た場合、財形貯蓄関係は他の制度に比べてやや普及はしている。比較した場 合、確定拠出年金などは、まだまだ普及されていない状況があるということです。  10頁は、非正規社員の状況です。平成14年の結果において、初めて男女計で50%を超 えた状況で、だんだん右肩上がりに非正規社員は増えている状況です。  11頁では、そういった非正規社員に「自分にとって必要性の高い項目」は何かを企業 内の福利厚生に絡めて聞いたところ、やはり老後生活のための資産形成、病気や事故な どのための金銭準備、健康維持・増進のための措置といった希望が高い。これは非正 規、正規に限らず高いということです。特に老後の資産形成とか、病気・事故のための 準備、健康増進については、活用助成金なども含めて、財形の中に対応できる措置があ るということです。参考になればと思います。これが統計データです。  そういったものに対応した現行制度はどうなっているか、というのが資料7です。す でに説明した部分もありますが、1頁は「転職継続制度等の概要」です。いままで1年 だったのが2年に延長されたということです。そもそも転職先に財形がなければどうに もならないのではないか、というご指摘もございます。そういったものに対しては、特 例自己積立というのがあります。1つここで問題なのは、一般財形しか認められていな い。住宅・年金については認められない。これは個人が預ける制度なので、そもそも賃 金から出たものなのか出所がわからない、といった税務当局からの指摘もありまして、 なかなか一般以外は認められていない状況です。  2頁は、「財形年金(住宅)貯蓄の契約要件」です。これも年齢要件は55歳未満、年 金におきまして据置期間は5年というものがあるが、もう少し柔軟にできないかという ご指摘ですが、なかなか税務当局のチェックが厳しいというところがございます。これ はもう少し慎重に対応する必要があります。  年齢要件を緩和して、例えば55歳から60歳まで引き上げてしまうと、今度は税務当局 側から、「65歳から財形年金を支給したらどうか」と逆に言われる可能性がありますの で、そういった場合の60歳代の前半の雇用状況は、継続雇用制度の普及など、努力はし ておりますが、いまひとつまだ定着していない状況もありますので、60歳代前半の雇用 の情勢等も見極める必要があると考えております。  3頁は、財形融資の関係です。財形融資の簡単な仕組みが書いてありますが、これは 委員の皆さん方はご存じだと思いますので、ご参考にしていただければと思います。  その関係で、4頁は事業主から転貸融資をする場合、事業主が、より有利な負担軽減 措置を講じなければ、融資は扱えないということです。その要件をざっと挙げたもので す。低利子、事業主が能開機構から借り入れる利率よりも1%以上低く、低利融資でや らなくてはならないとか、住居手当を出さなければならないということがあります。い ちばん簡単な制度としては、(8)の福利厚生会社に出資して、あとは全部福利厚生会社 に融資関係はお任せすることもあるということで、これはかなり利用率が高くなってい ます。  5頁は、事務代行の状況です。先ほどいろいろご指摘がありましたが、代行の指定実 績を見ますと、少しずつながら着実に増えており、現在72団体に指定がなされていま す。今回、通達によって事務委託の明確化などを行いましたが、こういった状況を知っ ておく必要があるのではないかということです。あと、委託契約も手続が煩雑であると か、代行団体が金銭を振り込むときに振込み手数料がかかってしまうことから、それを 会員企業から徴収できないという意味で、財政的にもあまり委託を多く受け過ぎると、 代行団体としても困るという声も一部から聞かれますので、そういった問題点を今後考 えていく必要があると思います。簡単ですが以上です。 ○日高座長  どうもありがとうございました。ただいまのご説明に対してご意見、ご質問はござい ますか。 ○勝委員  質問と言いますか意見ですが、これから各論ということで、細かい検討事項に入ると 思いますが、その前に財形の理念というか、基本方針を共有しておく必要があるのでは ないか。  勤労者の財産形成は非常に重要であり、いま特に公的年金が非常に厳しい状況にあ る。そういう中で、老後の生活に不安を抱く人が非常に増えている中で、自助努力や自 己防衛は非常に重要になっている。その中で財形というのは、政策的にも行政の面から も、あるいは雇用者側からも、勤労者側からも非常に重要であることを共有しておく必 要があるのではないか。先ほど、この普及状況があまり芳しくないというお話もありま したが、やはりこれを普及していくことをここで強く示していく必要があるのではない か。それを共有することによって、やはりいろいろな問題はおのずと解決の糸口が見え てくるのではないか。というのは、いままでの財形を改善するということで話し合って も、やはり整合的な制度はできないのではないか。むしろ、誰が、どこで、どのように 働いていても財産形成ができるような仕組を作っていくことが重要です。その中でも年 金財形は重要だと思います。  先ほど貯蓄から投資へというのは疑問視されるという話もありましたが、社会全体か ら言えば、貯蓄から投資へというのは非常に重要であるわけです。その中において、例 えば年金財形に関しては、証券投資であるとか、そういったものに関しては全く非課税 にしてしまうのがよい。これはイギリス等でも、個人の財産形成において、1人年額い くらまでは非課税にするという制度を、すべての国民が共有している、こういう制度に 持っていく必要があるのではないか。その基本となるのは財形制度であるという認識を 強く持っていくべきなのではないかと強く感じます。  先ほどアウトソーシングの話がありましたが、このアンケート調査を見ても、事業主 がなぜ財形をあまり利用しないのか。導入していない一番の理由としては、事務負担が 重くなるためということがありましたが、これは先ほどから出てきていますが、例えば 企業年金等、あるいは厚生年金は企業の負担がまさに大きいわけですが、それに比べる とそれほど大きくないのではないかという気がします。その辺のコストはどの程度のも のであって、もしこれがネックになっているとすれば、それを解消するために税制や助 成制度がシステム化されているわけで、どの程度までコストの削減ができるかを考えて いく必要があると思います。言いたかったのは、最初の基本理念を懇談会では明確に共 有しておく必要があるのではないかということです。 ○新村委員  私も勝委員と同じで、そもそもこの制度についての基本的なということで、先ほど部 長が議論してほしいというのはやはり正しいことだと思うのです。かなり社会環境も変 わっておりますし、財政事情も変わっている中で、果たして一般的に、しかも勤労者の みをターゲットとした政策の妥当性というところまで遡って考えなければいけないと以 前から言わせていただいています。  そういう意味では、この報告書はどちらかというと、すでに財形制度ありきという中 で議論されているので、この前文に当たる部分を最初に議論したいと思います。  財政事情が厳しい中で、一般的にあらゆる勤労者に、ある意味での財政優遇をするこ とがだんだんできない時代になってきているので、ターゲッティングということを、一 体誰が政府の支援を必要としているのかを明確にし、そこに手厚くしたいと思うので す。  先ほどの普及率の話をみても、大企業だから安定しているとは言えませんが、相対的 に年金制度等が充実している所で普及率が高い。そういう方たちに税制優遇までして、 一方で全くそういう制度の恩恵を被らない低所得者がいる状況は、どうも厳しい財政状 況の中で有効な資源の使い方とは思えないのです。その辺の考え方の整理を最初にし て、そしてそれでもなお、こういうことでやりたいという大きなフレームワークができ てから中身の議論をしたい。いま確定拠出などの年金もまだ不十分ですが、個人型など いろいろできてきまして、そういうものとの相対関係、位置づけなども要ります。今 度、厚生省と労働省が一緒になったものですから勤労者のみという政策、先ほどご説明 になった流動化というのは、雇用者が、あるときに起業してまた雇用者に戻ることが、 昔から女性については十分あったわけです。一度家庭に入って、それから就職する。そ れがたまたま非正規雇用であると。そういうようなことがいま決して女性だけではな く、かなり広く広がってきている中で、一体どういう人が、どういう優遇措置を必要と しているのかを整理してからでないと、やはりびほう的な改正になってしまうような気 がしますので、是非その辺の整理から始めていただけたら幸せでございます。 ○奥村委員  いまのことに関連して申し上げます。自助努力による財産形成という、財形制度スタ ートの理念がありましたと。経済環境や企業を取り巻く環境などが変化してきている中 でどうあるべきかという、最初に松井部長から話がありまして、全くそのとおりだと思 います。  資料5、6、7の説明を聞いていてさっぱりわからなかったのですが、個別のいろい ろなアイテムが並べられていますが、まさにいま2人の方がおっしゃったように、こう いった個別の議論だけをやってしまうと、その辺の大事なところが埋没してしまうので はないかと思います。  また、ニッセイ基礎研のレポートにもいろいろなことが書かれていますが、そこに出 されている問題は非常に相互に関係しているところがあるので、今日は1回目、それで 2、3カ月に1回、3回ぐらいで議論は終わりというのは納得し得ないのです。企業側 にいまして、財形のことをいろいろ担当してきて考えるわけです。中小企業、いろいろ な勤労者の方にあまねく普及するように制度を作りましょう、運用しましょうと言って いる意味は、まさに大企業だけがそういう制度を利用していたら、そんな制度は世の中 には認められない。本当に勤労者のための制度にしなければ、大企業もその制度の恩恵 を受けるようにならないだろうから、もう少し真面目に考えましょうということを、実 は財形審議会の委員になってからもう何年か経ちますがずっと言い続けているのです。  いまもご説明の中であったのですが、例えば財形教育融資の拡充に関して言うと、実 はニッセイ基礎研の委員会の中でも申し上げましたし、他の場でも言っていますが、例 えば教育融資というのがいかにも低利で利用できます、財形に加入していれば利用でき ますという言い方が一般的にあるのですが、実は教育融資の仕組自体が、どのようなス キームでやられているかというと、世の中にいろいろな金融商品がある中で、トータル の運営費用はどうなっているのかさっぱりわからないのです。こういった複雑な仕組の 中でやっている教育融資というのは、コストがかかる、手間暇のかかる事業になってい るのです。こういったものを保険料や国の財政などをベースに運用していることが、国 のレベルで見て許されるかと思うわけです。ここには「拡充」と書いてあって、それが ただ問題だけみたいになっているので、非常におかしいではないか。  企業のIT化に関して言いますと、非課税貯蓄管理に関して、確かに事務は大変なの ですが、これは年末調整や扶養控除申告、諸々の手続がありますが、それに比べたら、 企業側から言うと大したことはありません。こんなのやれと言われたら、やるだけの話 なのです。むしろ大事なことは、いままで何回も言っているのですが、金融機関と企業 側と同じ業務を重複してやっている。それも金融機関の協力さえあればもっとシステム 的にできるものを、手作業のままで非常な非効率を企業側に強いていることが問題なの です。こういうことでは、中小企業はこんな制度は導入したくもない、ということを言 ってきているわけです。  今日のお話を聞いて、ある意味では今後の方向性、基本がはっきりしていると思いま すが、それを踏まえた上で、そういう理念を、いまどうあるべきかということを議論し つつ、トータルな仕組として、勤労者が利用できるような、場合によっては自営業の方 とのバランスも考えて議論するとか、そういうことで制度を議論するべきだと思いま す。こういう資料5、6、7のようなもので、「あと3回で終わりです」みたいな言い 方はやめていただきたいと思います。  その他にも、ここに書いてある課題に関しても、個別にはいろいろ言いたいのです が、今後、議論の場が与えられると思うので、そこで申し上げたいと思います。何回も 何回も、何年間にわたって言っているのですが、財形のいちばんの問題点は、非常に手 間がかかって非効率なことだと思うのです。大企業ならばある程度その負担は応じるこ とができるのですが、特に中小企業等に関して言うと、非常に導入しにくい制度だと思 います。ですから、今日も事務代行云々に関していろいろご説明がありまして、申し上 げたことは何かというと、このことだけをこうすれば、中小企業に普及できるし、中小 企業の勤労者が利用できる、ということは決してないですよということを言っているわ けです。そういったことを何回も何回も、実は委員会にもレポートを出しながら申し上 げてきて、いまだにこういう議論をしなければいけないのは悲しいのですが、今度こう いう機会が得られると思うので、そういった形で、お二人がまさにおっしゃったとおり なので、前向きに議論をしていきたいと思います。  企業の立場から言うと、実は財形制度はどういうことかというと、行政のお力添え で、いわば社員からのチェックオフで、金融機関とダイレクトに結んで、資金をある程 度動かせるという、使い方によっては非常に有効で効率的な制度だと思います。ただ、 財形制度がなくなったとしても、実際に財産形成を、企業とすれば自助努力ということ で社員の方に勧めていくことは何らか考えなければいけないだけの話なので、財形制度 があるから、それだけしかないから。財形制度が必ずしもなければできないかという と、企業の責任は当然あるわけで、それを果たさなければいけないと思います。ある時 期マル優が一般財形には適用されなくなったときには、一般財形をやめようかなという 議論を社内ではいたしました。おそらくそのときなくなっても、あまり仕組としては変 わらなかったと思うのですが、そういったことも議論したいなと思います。 ○松井勤労者生活部長  奥村委員から、財形に対する熱い思いをありがとうございました。いま言われた話 は、財形制度の基本から手続きまで、非常に広範多岐にわたっていますので、勝委員が 言われたように、まず制度としての政策の要、不要の議論を先行するようにします。  今日提示したのは、前回、立ち上げたときにこんな方向でということで、ある程度説 明させていただいたので、それで滑り出したわけです。皆様の制度に対する熱い思いは わかりますし、制度の存否そのものを議論しない限り、個別の議論は到底間に合わない こともわかりましたので、多少議論の仕方は基本をやることを中心にしながら置き換え ますし、審議会の回数もあまり何年もやるのはおかしいと思いますので、年内をめどに ということで言いましたが、必要であれば回数もそれに応じて調整いたします。その辺 は議論の進捗状況に応じてやりますので、ご安心していただきたいと思います。  その上で、折角のご議論ですので、多少自分なりに整理しますと、公益委員のお二人 の言われた議論は、財形制度の基本にかかわることで、国がいろいろな政策を講ずる上 で、「なぜ労働者だけか」についての答えをまず用意しないと、これからの財形制度は もたないと思っております。制度ができたときには、労働省という労働者のための政策 を論ずる組織でしたから、ある程度それが力になって、事業主、事業所得者等について の配慮はいいではないかということがまずあり、かつその頃の資料としては、事業主等 がいろいろな資産形成をされているのと比較すると、間違いなく給与所得者の預貯金が 低いという統計があったのです。今それはだいぶ変わっているはずなのです。そうする と、論的根拠が薄いのではないかということ。それから厚生労働省となって国民全体の 資産形成を視野に置いて、本当にバランスを欠くことはないかといった議論にまず応え なければいけないと思います。  自助努力という点に関しても、当時作ったときには自助努力をする癖を付けるという のが第一で、癖を付けるための具体的な措置として天引預入、それに対する刺激、イン センティブという位置づけだったのです。一般財形が課税化された後にも、給与天引の システムが残っていることは、ある程度癖が付いたという評価ができるという議論もあ り得ると思います。そんな中で、真に非課税ということで政府として優遇策をとってい るのが年金財形であり、住宅財形です。これらについてまだ需要があると仮に認めると すると、それを両方ともやるのか、今後の5年、10年のスパンを見て、これらに対する インセンティブを効率的にすることが要るかどうか、これも是非やりたいと思います。  財形制度は貯蓄に対する刺激のみならず、還元融資ということで制度を一巡していま すが、還元融資制度なるものも、どこまでコストをかけて政府運用するか。単に預貯金 を扱う金融機関、ここは以前は商品化していない住宅融資を始めた、あるいは公的年金 を補完する意味での私的年金を商業ベースで始めたということを踏まえて、どの程度の インセンティブがあるのがいいのか、補うべきかといった議論をやらないと、これはも たないと思います。  特に年金財形については、ここで企業年金と比較されていますが、自分の整理として は、自らが一旦給与所得でもらったものを積み立てるという行為と、企業が給与として 支給する前の段階で、福利厚生費として別途賃金の別枠で積み立てるという制度は少し 区別したいと思います。そういった枠組み、つまり公的年金、企業の多大なる支援によ る年金の準備、それから私事で給与から日々の消費を抑えて積み立てるという行為、失 業したときにでもその貯蓄は残すというふうにするか、あるいは苦しい方はそれを生活 資金に当てる。そこまで優遇するかどうか。そういったことを整理しない限り、非課税 の継続があるとか、目的外貯蓄の取崩しの非課税が要るということを整理できないので す。そうしなければ、何でも優遇してくれということになりますと、結局何のための制 度かわからなくなっているのが現状だと思います。  中小企業に関しては、中小企業の福利厚生を高めるというコンセプトではなく、私か らすれば、今後、もしこの制度を残すとすれば、あらゆる所で、いろいろな機会を通じ て自らの資産形成ができるという視点でやると、たまさか大企業も中小企業も導入しや すいようにするとか、そういったコンセプト替えをして、もう少し体系整理をしない と、いまある政策そのものを前提に、いろいろな部分修正というのはほとんど用をなさ なくなっていると言いたいのです。  そういったことで、問題ばかり提起しましたが、制度の根本にかかわる問題ですの で、もう一回問題を整理し提供して、皆さんに議論をお願いしたいと思います。間違い なく、国民の需要というか、利用実績等もあるわけですから、この考え方も反映したも のにしなければいけませんし、政府としての財政事情、あるいは政策整合性といったこ とも調整する。白地に絵を描くわけではないので、非常に困難な面はありますが、可能 な限り調整した、あるいは調整する気持で十分議論していきたいと思います。今日のご 議論、今後の基本懇に是非生かしていただければと思います。 ○日高座長  座長としての立場を考えますと、1回目の議論もそうだったと思いますが、基本論か ら入っていくという考え方は、誰もがみんな当然だと思っているわけです。ただし、そ れをどういうふうに切り分けていくかとなると、例えば勝委員が言われた年金との関係 は、これから政府内で大きな議論がさらに進んでいく。そういう過程の中で、この審議 会あるいは懇談会に与えられた使命というのは、そういった政府全体の中での議論とど ういう整合性を持って進めるべきなのか、ということを考えない限り、私どもだけで、 こうあるべきだという結論を出すのは、簡単ではありますが、おそらくそういう方向で 進むとなれば、事務当局の方々も非常に困ってしまうことになると思います。  ですから、議論の進め方は、みんなが思っているところは基本的には変わりないと思 いますので、そういう方向で進みながら、その辺の兼合いをどのようにつけていくか。 その辺については使用者側も労働者側もそれぞれの立場に立ちながらも、やはりそうい う難しさがあるんだという理解はしていただかなければいけないかなと思います。  これからの進め方、基本的な考え方は松井部長からお話がありましたので、その辺を 念頭に置きながら、なおかつ個々の問題の議論も進めていかなければいけないと思って いますので、その辺も含めて事務局と相談し、次回はいつごろ、どういうテーマで、ど ういう進め方をするかは改めてご連絡いたします。それでよろしいですか。  まだご議論はあるかと思いますが、本日はこれで終わりにしたいと思います。議事録 については、座長の私と、私の指名するお二人の方が署名することになっています。こ れまでと同様に、労働者を代表する方から1名、使用者を代表する方から1名にしたい と思います。今回は奥村委員と宮野委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお 願いします。 ○鈴木企画課長補佐  次回の日程については、後日ご連絡させていただきます。 ○日高座長  どうもありがとうございました。              照会先 厚生労働省労働基準局勤労者生活部企画課企画係                    03−5253−1111(内線5353)