03/10/03厚生科学審議会生活衛生適正化分科会第6回議事録                    第6回             厚生科学審議会生活衛生適正化分科会                    議事録               厚生労働省健康局生活衛生課           厚生科学審議会生活衛生適正化分科会議事次第           日時:平成15年10月3日(金)14:00〜16:00           場所:厚生労働省5F専用13会議室 1.開会 2.議事  (1)諮問及び審議     興行場営業、飲食店営業(すし店)、理容業、美容業及びクリーニング業の指    針の振興指針の全部改正について  (2)その他 3.閉会        [事務局]厚生労働省健康局生活衛生課 皆尾・松野                 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2                 TEL 03(3595)2301[ダイヤルイン]                 FAX 03(3501)9554 ○皆尾補佐  定刻になりましたので、ただいまから第6回「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 」を開催いたします。  なお、本日は片岡委員、小原委員、田山委員、柳澤委員から御欠席の連絡をいただい ております。ただいま、委員総数23名中、19名の委員の方が出席で過半数に達しており ますので、厚生科学審議会令第7条第1項の規定により、本日の会議は成立いたします ことを御報告いたします。  まず、初めに今回委員の方に異動がありましたので御報告させていただきます。  升本前委員の後任に、日本生活協同組合連合会理事の増田レア様でございます。 ○増田委員  よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  また、本日は振興指針の見直し検討会に委員として御参加いただきました各業界の代 表の方にも御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。  全国興行生活衛生同業組合連合会の大蔵会長です。 ○大蔵全興連会長  大蔵でございます。よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  全国すし商生活衛生同業組合連合会の森会長です。 ○森全すし連会長  森でございます。どうもお世話になります。よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  全国理容生活衛生同業組合連合会の竹中副理事長です。 ○竹中全理連副理事長  竹中です。よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  全日本美容業生活衛生同業組合連合会の吉井副理事長です。 ○吉井全美連副理事長  吉井でございます。よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の柴田専務理事です。 ○柴田全ク連専務理事  柴田でございます。よろしくお願いいたします。 ○皆尾補佐  続きまして、8月29日付で厚生労働省に異動がありましたので、お知らせいたしま す。高原健康局長の後任に田中健康局長が就任いたしました。議事に先立ちまして、田 中健康局長よりごあいさついたすところでございますが、所用のために遅れております ので、到着次第間に合えばごあいさつさせていただくということで、御了承願いたいと 思います。  次に、本日の会議資料の確認を申し上げます。資料の欠落等ございましたら御指摘く ださい。  次第の次に委員名簿と本日の座席表、配布資料一覧表がございます。  資料1は、厚生労働大臣から厚生科学審議会会長へ生衛法に基づきます「諮問書」で ございます。  資料2は、厚生科学審議会会長から、この分科会に対して審議願いたいという「付議 書」でございます。  資料3は、「振興指針及び振興計画のあらまし」でございます。  資料4は、平成14年度に御審議いただきました、振興指針見直しの考え方でございま す。 資料5は、本日御審議いただきます「5業種の振興指針の構造と共通点等」とい う概要ペーパーでございます。  資料6から資料10でございますが、本日審議をしていただく予定の5業種のそれぞれ の振興指針の案でございます。  資料11から資料15は、現行の5業種の振興指針でございます。  資料16から資料25は、各業種ごとの生活衛生関係営業経営実態調査報告と、その調査 報告を基に作成いたしました、実態と経営改善の方策でございます。  資料26は、参考として「平成16年度生活衛生関係営業予算案等の概要」を添付させて いただいております。  最後に「分科会の資料について」という、1枚もののペーパーがございますが、本日 の資料が多いため、御希望される場合には後日郵送にて送らせていただく予定にしてお りますので、よろしくお願いいたします。  それでは、以降の議事の進行を、会長、よろしくお願いいたします。 ○井原分科会長  私の方で進行役を務めさせていただきます。  それでは、審議に入りたいと思います。本日の議題でございますけれども、厚生科学 審議会の会長に対しまして、厚生労働大臣から興行場営業、飲食店営業(すし店)、理 容業、美容業、クリーニング業の5業種の振興指針の改正について諮問されておりま す。  会長より、当分科会に諮問の付議がなされておりますので、まず事務局より諮問の説 明をお願いしたいと思います。 ○芝田課長  それでは、私の方から御説明をしたいと思います。局長は、今日、例のSARS対策 で感染症予防法を今国会どうしても通すということで、衆議院を無事通ったわけでござ いますが、その後始末といいますか、参議院等へ行っておりまして、ちょっと遅れおり ます。場合によっては、誠に申し訳ございませんが失礼をさせていただくということに なるかもしれません。ということでございました。  私の方からは、指針の内容について御説明いたします。5つあるわけございますが、 資料5をごらんいただきたいと思います。  まず資料5で、振興指針の構造と共通点につきまして御説明をしたいと思っておりま す。共通する構造として「第1 経営振興の目標に関する事項」というふうになってお ります。「1 各営業を取り巻く環境」でございますが、いずれも共通点としてはやは り景気低迷による需要減、客単価の減少、あるいはサービス業であれば利用頻度の減少 等があるわけでございます。また、その中で他業種との競争、また同業種内でのチェー ン店等々、大・中規模店との競争というのがあるわけでございます。  他方、消費者の情報開示等の要望があるわけでございまして、それに対する積極的な 対応が求められているということ。  また、高齢化、環境問題等のこともほぼ5業種に共通する課題でございます。  そういう中で「2 今後5年間における営業振興の目標」ということを書いておりま す。大体共通するものとしましては、衛生水準の維持向上というものは、いずれにして もこの生活衛生業というのは衛生法の規制を受けているわけでございますので、その内 容については後ほど違う点を御説明いたしますが、それぞれではございますが、その維 持向上というのは1つの柱であろうと思っております。  2つ目が、業の振興としては、やはり消費者、利用者ニーズにあった付加価値増等に よる経営改善ということであります。また、業の中においては、これを更に2、3に分 けて目標と掲げている振興指針もございます。  「第2 振興の目標達成に必要な事項」でございます。  「1 営業者が取り組むべき事項」としましては、(1)で「衛生水準の向上に関す る事項」でございます。これもいずれも衛生管理や消費者への情報提供ということでご ざいます。また、その衛生関係の施設・設備の保持改善ということ。  (2)では「経営課題への対処に関する事項」でございます。いずれも項目としては ほぼ共通しておりまして、やはり経営方針の明確化なり独自性を発揮する必要があると いうこと。その中で、小規模点も見直しの努力が必要であるということが、それぞれの 指針でうたわれているところでございます。  さっきの付加価値ということから、サービスの見直し、メニューの開発が必要である ということ。  その経営方針にあった施設・設備の改善、店の特色や快適、あるいはバリアフリーと いうことが、それぞれにおいてキーワードとされております。  人材育成、従業員の資質の向上、技能向上や、他方魅力ある職場としての適正な労働 条件の確保ということが掲げられているところでございます。  消費者からの要望に対応するものとして、表示の適正化や積極的な情報提供というこ とが挙げられております。  ITの活用、それから経営診断の活用等がそれぞれに挙げられているところでござい ます。  また、このようなものに対しまして、「2 営業者に対する支援に関する事項」とい うことでございます。  (1)が「組合及び連合会による支援」でございまして、衛生知識・意識の向上のた めの研究や講習会。  施設・設備の改善の指導。  消費者利益増進、商品提供方法という意味からは、適正表示の在り方や苦情処理、接 客マニュアルなどを、組合連合会レベルでつくるということ。  経営の近代化・合理化、事業の共同化・協業化ということでございます。この辺につ いては、各事業で異なる部分もございますので、また御説明をしたいと思います。  取引関係の改善ということがございます。  営業者・従業者の技能の改善向上、これはそれぞれに共通するところではございます が、研修会、講習会、特に理美容、すし、クリーニングも技能コンテスト、技能資格等 の向上ということがございます。  従業員の福祉の充実として、労働条件整備と共済制度の整備が挙げられております。  後継者問題というものが、それぞれにおいて大きな課題でございますので、事業の承 継、後継者の支援ということがございます。  行政及び政策金融による支援といたしましては、都道府県指導センターレベルでは、 いろいろな利用者からの苦情をまとめて伝達する。また、保健所と連携して組合加入を 促進するということがございます。  全国指導センターレベルでは、やはり調査をし、そういう利用者等の要望、あるいは 業界の取り巻く環境等の情報提供をする。あるいは、苦情マニュアルを作成する等のこ とがございます。  国、都道府県としては、法令の施行、指導、情報提供ということでございます。  国民生活金融公庫は、政策融資でございます。  「第3 営業の振興に関し配慮すべき事項」として、いずれも環境問題、及び少子高 齢化、地域との共生ということが問題になります。ただ、その中身については、それぞ れの業種において特色のあるころでございます。  引き続きまして、1つ目の興行場営業の振興指針について、資料6を御説明したいと 思います。先ほど言いました、ほぼ共通するところは飛ばさせていただきまして、既に 検討会に御参加いただいた各委員の皆様には勿論のこと、それ以外の方々にも検討会の たびごとに、指針の案及びその意見がとりまとめられている状況については、送らさせ ていただきまして、また2、3の委員の方からも積極的に御意見をいただいているとこ ろでございます。  そういうことから、先ほど申しました共通点でない、特色的なところを取り上げて簡 単に御説明したいと思っております。  資料6の1ページ目、「興行場営業を取り巻く環境」のところでは、興行場について は、昭和35年の映画黄金期から平成7、8年ぐらいまでは、テレビ、パソコン、ゲー ム、衛生放送等の不況により、映画館数、入場者数とも長期減少傾向にあったわけでご ざいますが、2段落目にあるように、それ以降話題作の増加、シネコンの発達等により まして、映画館数、入場者数は、総数としては漸増回復、更に最近では横ばいという感 じになっているところでございます。  ただ、その中でシネマコンプレックスと呼ばれる、郊外に複数のスクリーンを持つ映 画館が、スクリーン数で約半数を占めるまでの増加を示しているところでございます。 勿論、シネマコンプレックスも組合員でございますので、それはそれでいいわけでござ いますが、そういう中で単独館と呼ばれる映画館が競争に負けて閉館が相次ぐという状 況にあるわけでございます。  2ページ目の「また」で書いてありますが、邦画に対しまして、最近でいいますとア メリカ映画の観客の人気が相対的に高い中、洋画系配給会社と個々の興行場との間で、 配給利益の割合等の交渉力に差が拡大しているということ。  あるいは、デジタル技術の発達によりまして、デジタルで行うシステムの導入も始め られておりますが、まだ規格が統一されていないというような状況もあるわけでござい ます。 2は、今後5年間の振興の目標としましては、先ほど出ましたように、第一に 衛生面、第二が飲食等の付加価値を高めるという意味でいろいろ書いているところでご ざいます。第三にデジタル及び少子高齢化への対応ということがございます。  第2の「1 営業者が取り組むべき事項」としまして、(1)衛生水準でございます が、興行場における衛生水準としては、シックハウス等の建造物の中の衛生ということ が問題になっております。  また、3ページ目に(2)の前の「さらに」でございますが、防災・避難対策という ようなことも課題になっているところでございます。  経営課題への対処としては、経営方針の明確化・独自性といろいろあるわけでござい ますが、(イ)の2段落目にありますように、特に、シネコンとの競合を強いられてい る単独館においては、その地域の観客をとらえるための会員割引の制度、あるいは地域 の他業種との提携などによって対抗していくことを考慮すべきではないかというような 提言でございます。  大体、あとは施設・設備の改善、経営管理の近代化・効率化というようなことでござ います。  4ページ目、「2 営業者に対する支援の関する事項」につきましては、4ページの 一番下にありますように、デジタルシネマといいまして、いわゆるDVDの映画館版と いうようなものでございます。そういうものがありますと、画質が劣化しないというよ うないい面があるわけでございますが、まだ規格が統一されてない部分もございますの で、統一化されていき次第、こういうものも普及していくのだろうというふうに考えて いるところでございます。  5ページ目、特徴的なところだけ取り上げますと、(リ)でございますが、先ほども 環境のところで申しましたように、映画配給会社との競争力の差というのがございま す、今、実はそういう面については、公取の調査等も映画館側、及び配給会社側両方に 入っているところでございますが、そういう意味で小規模な映画館が、配給制度、割引 制度等について、配給会社と良好な関係になるように、今後組合連合会レベルでも調整 を支援していく必要があるということでございます。  行政の施策等については、ほぼ共通でございますので飛ばさせていただきまして、6 ページ「1 環境の保全の推進」という点では、興行場については広い意味での環境と いう意味で、青少年に悪影響を及さないような風紀面というような面の配慮が必要であ るということが書いているところでございます。  「2 少子高齢社会への対応」という意味では、バリアフリー化、及び少子高齢化と いう意味では、一番最後の「また」のところにございますように、若い世代の映画ファ ンを育てるような工夫が必要であるということがございます。  「3 地域との共生」ということで、映画館を中心とした一帯をどれだけ魅力のある 地域にできるかということが、集客の勝負にもなっている部分がございますので、業種 を越えた協力というものの配慮の必要があるということでございます。  以上、簡単でございますが御説明とさせていただきます。 ○井原分科会長  それでは、今日は5つの業種がございます。これをまとめてくださいまして、大変御 苦労いただいたんですが、それの座長でございます、原田委員の方から何かお話ありま したら、よろしくお願いいたします。 ○原田分科会長代理  今、課長さんが言っていただいた、まさにそのとおりなんですが、特にこの興行場業 界におきまして話題になったのは、御指摘のあった3つのポイントだったと思います。  1つは、シネコンの影響が非常に大きいということで、単独館が明らかに衰退化の傾 向がある。でも、シネコンも一つの新業態の開発ですから、これを規制してしまうとい うことではなくて、これを一つの競争要因として、単独館の方も力を付けてもらいたい と。そのために、サービスだとか、その他付加価値を開発すると同時に、他業種との他 員の対応によっていく道も、この指針の中に軽く盛り込んだ方がいいんじゃないかとい う形で、ちょっと記載されております。  それから、もう一つ話題になりましたのは、配給に関して明らかにちょっと独占的な 傾向が配給側の方に見られる。その結果、映画館側は交渉力において明らかに差がある ということで、特に洋物についてそのような傾向がありますので、やはり交渉力を高め ていくように、そしていい映画が回ってくるような形にしていく必要性がある。そのた めの事業要件が必要になるという形も盛り込んでございます。  もう一つ、デジタル化の問題は、先ほど御説明がありましたけれども、へたりがなく なりまして、従来ですと新しく映画を取ってきて、そこで会場にやって、しばらくロー ドショー等をやりますと、あとはもうほとんど傷だらけになってしまうという傾向があ ったんですが、デジタル化をしますと、そういうことがありませんので、それと同時に ずっと人間を張り付けておかなければならない、そういう特別な技術的な対応というも のが非常に簡略化されるということで、将来この方向へ行くだろうと。  この方向に行くでしょうけれども、まだ残念ながら規格が統一されてないと、まさに ばらばらで、統治としてはまだまだ不安定要因が大き過ぎる。でも、将来恐らくそうい う方向に行くだろうということで、今のうちから少し検討しておいてもらうというよう な意思も含めて、このデジタル化のことがここに記載されているということでございま す。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、この興行場営業につきまして、御意見をいただ きたいと思います。どうぞ御自由に御発言いただければと思います。  どうぞ。 ○大蔵全興連会長  興行場組合の大蔵と申します。いろいろ御配慮いただいて、新しい指針をつくってい ただいたことを、まず感謝申し上げます。大変私どもの意見をよく聞いていただいてつ くられた。先ほどから話が出ておりますけれども、ちょっと触れてなかった、興行場、 劇場側が例えば災害等に関して、どういう協力をするかということにつきましては、東 京都の場合ですと東京都の災害対策委員会というのがございまして、そことお話し合い をしまして、例えば簡単に言いますと銀座地区ですと、銀座地区にある映画館は、もし 大きな災害が起きて、人が動けないような状態、電車等交通機関がクローズしたような 場合は、劇場は開放して、そこで休んでもらって帰宅なりする。そういう方法等につい て、劇場が協力するということは約束して、消防庁、行政と一緒になって、そういう研 究はしておりますし、現状では話が会合を何回か持ちまして進んでおります。  ただ、劇場は御存じのように人が少ないですから、何かをサービスするということは できないけれども、その場所を提供して休んでもらって、そこから次の行動に移っても らうということは現在東京の場合は進めております。やがてはこれが全国的なものにな ると思いますので、そういう点の利用度は劇場としてあると思います。  もう一つ、今、簡単に御説明申し上げますが、平成7年ごろ映画館が1,700 ほどござ いまして、現在2,600 以上になって、そのうちの大体六十%近くがシネマコンプレック スでございます。ということはあと残りは単独館ということになりますと、半分にして も1,300 幾つ、ということは平成7年から既に単独館は270 ぐらい減っているというの が現状でございます。単独館が減るということは、単独館というのは大体駅の周辺と か、盛り場にあると、それが結局シネコンの影響で閉まってしまう。私たちも今日のこ の指針を得て、他業種といったら失礼ですけれども、同じ生衛業の中で近所のいろいろ なところとタイアップするということが出ておりますので、それは推進していきたいと 思うんですが、先ほど原田先生が言われたように、配給側の力が非常に強いので、そこ ら辺のところのバックアップを是非いただかないと、地域として映画館が1軒なくなる と、隣にあるおそば屋さんもなくなってしまう、中華料理屋さんもなくなってしまう、 どんどんそのブロックが寂れていくということがあるので、そういう面を含めて、いろ いろな生衛業の方と相談しながら、私たちも頑張っていくようにやりますが、ひとつそ の面の配給側が非常に強いということを御認識いただいて、バックアップをいただきた いと。  この指針の中にも、そういうことまで触れられておりますので、私たちはこれを早速 報告して、一般会員とともにやっていきたいと思います。  大変ありがとうございました。 ○井原分科会長  実情は非常によくわかりました。  あとは何か御意見ございますでしょうか。  もしなければ、この興行場営業につきましても、振興指針、これはこの会で諮問案ど おり了承するということにしてよろしゅうございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○井原分科会長  それでは、そうさせていただきたいと思います。  次に進みたいと思います。今度は2番目の「飲食店営業(すし店)の振興指針(案) 」でございます。説明の方、よろしくお願いいたします。 ○芝田課長  それでは、すし店営業についてでございます。資料7でございます。資料7の1ペー ジ「1 すし店営業を取り巻く環境」についてでございますが、2段落目にございます ように、長引く景気の低迷、また最近におけるそういう意味での法人等の交際費需要の 減少、消費者の食生活の多様化、また回転寿司に代表されるようなチェーン店の増加等 々ございまして、経営環境は大きく変化しているところでございます。基本的には、競 争が激化しているというところでございます。  また、近年の食品の偽装表示、食品の安全性等、産地、栄養素を含めた情報開示にお ける消費者の関心というものが大変高まっているということがございます。  他方、一番下にございますように、欧米ではヘルシーメニューとして、国内でもヘル シーし好層から歓迎される面があるという点でございます。  2ページの2の第一のところで、すしの衛生で言えば食中毒の防止ということでござ います。  第二、衛生という意味を2つに分けまして、最近では単なる衛生ということではなく て、安心、安全で信頼できる商品の提供という意味で、食材の産地等の消費者からの要 望のある情報提供に努めることを目標とすべきであるということを書いているところで ございます。  第三、基本的にイメージアップといいますか、すし店といいますとかなり高級的なイ メージがあるので、一見さんが入りにくいという部分があるということで、店のイメー ジや明朗会計等のこと。  第四、新規メニューの開発等々で、そういう意味での消費者、利用者に対するニーズ に合った付加価値を高めていくということが、三、四で分けて書いているところでござ います。  「第2 すし店営業の振興の目標に達成するために必要な事項」でございます。3ペ ージにありますように、先ほども言いましたように、食中毒防止のための消毒と、(ロ )の前の「そして」にありますように、食材の産地、鮮度等への情報の提供ということ でございます。  (2)の「(イ)経営方針の明確化・独自性の発揮」。勿論、技術や食材にこだわっ た高級店もあっていいでしょうし、ファミリー層を相手にする店等、多様な店があって いいわけでございますが、そういう経営方針を明確にする必要があると。ただ、その際 通常の地域に根差した小規模店であっても、ニーズに変化がないか、入りにくい雰囲気 がないか等々、自らの立場に立ってどのような付加価値を付けられるかということを、 改めて検討する必要があるということを書いているところでございます。  また「サービスの見直し、メニューの開発」というようなところで、下から3行目な いし次のページにありますように、栄養表示、あるいはランチタイム、何も健康だけに かかわらず、いろんなニーズに合った、量を多くする場合もあるでしょうし、子ども向 け、高齢者向け、いろいろなメニューを開発する必要があるということでございます。  (ニ)で、すしで特に言われておりますのは、表示という意味で時価というような表 現を改めて、その日その日で時価は変わるわけでしょうが、そういう値段を表示するこ ととか。あるいは、よく1かん200 円とか300 円という1かんの値段は書いてあって も、それぞれ注文したら2かんずつ出すというような場合、トラブルがある場合もある ので、すしの提供個数と単価表示の内容に誤解と不信を招かないようなことが必要であ るということ。 その次の「なお」で、品質区分、上ずし、中ずしというような区分を 用いている場合の内容がわかるようにするというようなことが書いてあるところでござ います。  また、人材育成という意味では、まさに職人芸を継承する技能向上を図るとともに、 適正な労働条件の確保を図るということが書いてあるところでございます。  「2 営業者に対する支援に関する事項」につきましても、基本的にはそれぞれのと ころと共通するようないろいろな、衛生水準の向上、あるいは消費者に対応するような マニュアルの整備、近代化、合理化というようなことが書いているところでございま す。  6ページに移りまして、先ほど言いましたように技能というものが非常に重要でござ いますので、研修会、講習会等、技能コンテスト等もする必要がある。  一つ特徴的なものとして、(ヘ)にございますように、すし業界における事業の共同 化として、すし券事業等の推進を図るということが書いているところでございます。  「(2)行政施策及び政策金融による営業者の支援、消費者の信頼性の向上」のとこ ろは割合に共通する部分でございます。  7ページ目「第3 営業の振興に際し配慮すべき事項」でございます。環境面につき ましては、特にすしに関しましては、一番最後のパラグラフにございますように、食品 リサイクルの実施を、平成18年までに20%に向上させるという法律に基づく努力義務が ございますので、そういう意味での再生利用、廃棄物の抑制ということに努める必要が あるということでございます。  「2 高齢社会への対応」という意味では、勿論バリアフリーというのは共通するわ けでございますが、すしに関して言えば、なかなか出歩けない高齢者に対する出前サー ビスへの対応とか、あるいは高齢者が食べやすい食材をつくったメニュー開発というこ とが留意点として挙げられているところでございます。  最後の8ページ目「3 地域との共生」という意味では、やはり商店街の重要な一員 としての地域のまちづくりに積極的に参加し、先ほどの興行と同様、地域との共生とい うことが求められているということを書いているところでございます。  以上、簡単ではございますが、御説明とさせていただきます。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、また原田先生から一言お願いいたします。 ○原田分科会長代理  今、御説明いただきました、まさにそのとおりなんですが、どういう姿勢でこの指針 を決めるに当たって、委員会として対応したかと申しますと、3つぐらいございまし て、1つはまずおすし屋さんというのは金額的に見たときに、非常に多岐に分かれてい る業界だろうと、特に大衆店から超高級店にいたるまで多岐に分かれた業界であります が、特に価格等も含めて消費者が選択できて納得できるならば問題ないでしょうし、衛 生面の確保もきちっとされているならば、いろいろなタイプの業態があってもいいこと であろうと、むしろ競争が活発になることでいいことであろうということで、回転寿司 の問題も含めて取り扱うという姿勢を取りました。  それから、1かんの問題なんかもございましたけれども、お年寄りなんかがおすし屋 さんに行かれるときには、それほどたくさん食べられないんだけれども、いろいろなも のを少しでもいいから食べたい、そういうふうな需要にもきちっと合うような形にし て、信頼性を確保していく必要性があるだろうというふうな側面も言葉の中にどこかに 入れようという姿勢を取りました。  もう一つ、ごみの対応の問題は、これは生物を扱いますから、食べる前における衛生 の管理と同時に、食べた後のごみの衛生の管理の問題が非常に大切だろうと。しかも、 リサイクルの問題、例えばさえにするとか、あるいは肥料にするという形で有効利用す る。それ以外にも、ごみの段階でいろんな形でトラブルを起こしてはまずいということ で、その辺もこの環境対応の中に盛り込んでいこうと。  もう一つ、IT関係の形では、消費者の声をきちっと、企業側からの宣伝だけではな くて、消費者も声もそれに反映できるような形でのITを考えてほしいという要望を出 しました。例えば、掲示版の中に消費者の声、あるいはその地域のおすし屋さんのラン キングですとか、そんなようなことも場合によっては検討してもらったらどうだろう と、そうしたら快く業界の方も受け入れてくれたという背景がございました。  以上です。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして御審議をお願い したいと思います。どうぞ御自由に御発言いただければと思います。  どうぞ。 ○森全すし連会長  かぜ声で申し訳ございません。お許しをいただきたいと思います。  先ほど興行さんおやりになりましたけれども、本当に皆様が御協力をされて、こんな すばらしい指針をつくっていただいて、本当に心から感謝いたしております。5年に1 度ということでございますが、時代が非常に早く変わり過ぎている。そういったことも 気になりながら、今まで5年前にこんな問題があったのかというようなことまで出てま いりまして、先生方に随分御苦心をいただいたと心からうれしく思っております。  私どもとしては、現在はおすし屋さんは非常に入りにくいというのが多ございまし て、これを申し上げるのは先生方ともお話の中にも出ましたが、すし屋は怖くて入れな いというお言葉がありましたように、やはり組合員が全店ではないんです。残念ながら 全国平均の3分の1しか組合員はいないわけで、組合員でない方々の行事が非常に雑な ことが多いというのは非常に残念でございます。私どもは業界を通じては、1万6,000 人あった業界で現在1万4,000 人ぐらいでございますが、全国大会を毎年開きますし、 あらゆる機会に経営講習会を開きまして、また今はすし業ルネッサンスの振興というこ とで、大塚先生にお願いを申し上げまして、全国8か所、東京6か所の12か所のところ で、それぞれ店がつぶれたら大変だというような会合を開いて、皆様とお話をし、どう かお客様が入っていただいて信頼できる店にならなければいけないということを申し上 げながらくるんですけれども、やはりアウトの方々とはどうしても相入れないものがあ って、非常に困っております。  こういうすばらしい指針をいただきましたので、どうかこれを組合員に入っておられ ない方々が、もっと真剣に入っていただけるようになれば、すばらしい会員だと思って います。  1かんの問題が出ましたけれども、御承知だと思いますが、これは1かんというの は、昔5かんちゃんちきというおすしが、1827年、今から百七十何年前なんですが、江 戸時代に行われまして、そのときにおすしが5かんに巻き物を1本という形なんです。 巻き物というのは18センチ長さがございまして、それを半分に切って9センチを丁寧に 重ねたところから、これをちゃんちきと言ったんですが、そのちゃんちきの1切れを3 つに切ってしまおうというのが、3切りにいたしますと6センチになります、その6セ ンチがおすしの長さと同じだということで、1かんというのは1巻と書くのが本当なん ですが、どうもいろんな字を書いて、これが1かんだということがあるんですが、私ど もは1かんを是非皆さんに進めていただこうということで、全国的に皆様方にどうか召 し上がっていただきたい。会員の中にはマージャンの好きな方がいて、一気通貫でいこ うなんていうお言葉を出されるというようなこともございまして、大変業界としては真 剣に取り組んでいるつもりでございますが、この振興指針をいただきまして、ますます 勉強していきたいと思っております。  本当にありがとうございました。 ○井原分科会長  どうもありがとうございました。この振興指針に関しまして、何か御意見ございます か。  どうぞ。 ○高橋(公)委員  連合の高橋と申します。私もすしが大好きで、毎月何回かすし屋には足を運んでいる んですけれども、すしは魚ですね、その魚を取り巻く情勢が非常に悪化しているんで す。この水産国日本の魚の受給率が、60%ぐらいになっているんですか。それがもっと もっと減っていくんではないかということを言われております。5年に一遍の指針で、 どこまで触れられるのかわかりませんけれども、そういうこともちょっとこの水産国日 本の現況、魚を大事にしよう、魚をもっと増やすようにしよう、それから魚が育つ環境 にもちょっと目配りをしながら、すし店経営者の方々も御一緒に水産国日本の現状を何 とか克服することが、ニュアンスとしてちょっとどこかに入ると、何か楽しい未来が開 けてくるんではないかというふうに思いますので、その辺のことは是非何かあったら面 白いなと。  ですから、漁協とすし屋の方々が協力してイベントを組むということもひとつ考えな がら、もう一回この水産国日本を見直すみたいなことも、ちょっとニュアンスとしてあ った方がいいのかなということを、今、話を伺いながら思いましたので、もしよろしけ ればその辺のこともと思います。  以上であります。 ○井原分科会長  その点、うまく入るかどうか、ちょっと検討させていただきます。 ○高橋(公)委員  このまま進んでいくのも、またもったいないような気がしますので、是非一言入れて いただきたいと思います。 ○井原分科会長  あと何かございますか。  どうぞ。 ○安田委員  検討会では、いろいろな機会を与えていただきながら、細かいことを2点申させてく ださい。  3ページ(2)「(イ)経営方針の明確化・独自性の発揮」、こちらの上から3行目 に「女性やファミリー層を相手とする店」という表現があるんですが、もう少し早く私 も気づくべきだったので、申し訳ありません。お客様というのは、さすがに国の指針で すから不適切かとは思いますが、せめて顧客などに変えてはいかがかかと。これは一つ 申し上げたい点です。  更に次のページにまいりまして、4ページ「(ニ)表示の適正化と積極的な情報提供 」、この第2パラグラフの「立ち」のところの文章でございます。これも大変議論にな って、私もいろいろ勉強させていただいて、失礼なおすし屋さんに入るのは怖いなどと いうことを申し上げたりしてしまって、大変恐縮しておりますが、この「立ち」のパラ グラフの「相違するかのごとき印象を与え、」のこの「、」はお取りになるべきではな いかと。結局は、印象を与えないようにわかりやすい単価表示に努めるというのが趣旨 でございますので、こちらの「、」があるのは誤解を招くと思います。  以上でございます。 ○井原分科会長  もっともな御指摘でございますので、これは是非修正させていただきたいと思いま す。  ほかにございますか。それでは、あとのところは、この振興指針がよろしゅうござい ますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○井原分科会長  それでは、この点につきましては、少々今、御指摘のあったところを修正、または検 討をこちらでいただいて了承すると。その点に関しましては、私の方に御一任いただき たいと思います。 ○森全すし連会長  どうもありがとうございました。 ○井原分科会長  それでは、3番目の理容業の説明をお願いいたします。 ○芝田課長  それでは、資料8をごらんいただきたいと思います。理容業の振興指針でございま す。  まず、1ページ目の「1 理容業を取り巻く環境」でございます。理容所につきまし ては、昭和61年をピークに漸減傾向にあるわけでございます。この背景には、ヘアモー ドに対する需要の多様化、あるいは若い層の美容所志向等もあるわけでございますが、 景気の低迷による利用頻度の低下、あるいはQBハウスというような1,000円チェーン店 のようなものの増加による競争の激化ということがございます。  また、衛生面については、後ほども出てきますが、肝炎、エイズ等に対する衛生面の 対処ということもあるわけでございます。  また、少子高齢化というようなこともございます。  そういう意味で、2で今後5年間における目標でございますが、第一がやはり衛生面 の観点。  第二が、先ほどと共通する部分でございますが、やはり消費者のニーズに合った付加 価値を高めるという意味で、メニューやサービスを見直し、経営方針を確立した上での 個性ある店づくりということが重要であろうということで、それを目指すべきであると いうことを目標の2つ目にしているところでございます。  第2の1が「営業者が取り組むべき事項」でございます。まず、衛生水準に関しまし ては、床屋におきます特色のある衛生課題として、一番下のパラグラフにございますよ うに、やはりかみそりを扱うということから、肝炎、エイズ防止のためのかみそり等の 消毒。これは、美容にも共通するところでございますが、SARS等の新たな感染症が 蔓延するような場合においては、うがい、消毒及びマスク等の衛生対策を徹底する必要 があるということでございます。  次の3ページ、そういう意味で衛生面における施設・設備の改善としては、消毒器材 等の整備というようなことがございます。  (2)の(イ)経営方針の明確化・独自性という意味では、やはり中高年、ファミリ ー層を相手とする家族的な店とするのか。あるいは、若者等を対象に、ファッションの 先端をいく、あるいは多様なメニューを提供する店とするのかというような経営方針の 明確化が必要である。その際、圧倒的に多い地域に根差した家族的な店であっても、や はり周辺の客層の変化、及びニーズの変化はないか等を調べまして、他店とのサービス と比べて顧客の立場に立ってどのような付加価値を提供できるのかということを検討す る必要があるというところでございます。  そういう意味で、サービスの見直しメニューという意味では、2行目にありますよう に、いやし、リラクゼーションということが理容店においては重要であろうということ でございます。  ただ、4ページにございますように、そういう中でもニューヘア、メンズネイルケア というような、先端的な部分もございますし、またさっきも言いましたようなリラクゼ ーションにおいても、シャンプー、頭皮ケア等の新たなリラクゼーションメニュー、あ るいは中高年向けの毛髪相談等のメニュー、あるいは高齢者を対象としたケア理容等の メニューの見直しなり、追加ということも検討する必要があるのではないかということ でございます。  飛ばしまして、(ヘ)にございますように、やはり若手技術者の育成指導というこ と、あるいは若者にとって魅力のある職場づくりということが重要であるということで ございます。特に理容、美容とも高卒者の就職機会として重要な部分があるわけでござ いますので、そういう意味での魅力ある職場づくりということが挙げられているところ でございます。  次のページの「2 営業者に対する支援に関する事項」という意味では、(イ)の衛 生講習会等についても熱心にやられているところでございますし、マニュアルの作成等 もございます。  また、特に(ホ)、5ページから6ページにかけまして、従業員の新たな技術の習得 という意味での、ニューヘア、ヘアカウンセラー、ケア理容等の新しいメニュー・サー ビスの講習会、技能コンテスト、あるいは連合会独自の技能資格制度の整備などという ことが求められているところであります。  そういうところもございますし、(リ)でございますが、若手や女性経営者の発想を 取り言れるための青年部や女性部等の活動の活性化ということにも取り組んでおられる ということでございます。  次の7ページをごらんいただきますと、配慮すべき事項といたしましては、まず高齢 化、勿論バリアフリーというのは共通する部分がございますが、高齢者の社交場をかね た理容サロン的な経営モデルの構築もあるということ。  また、ケア理容という形で出張ケア理容施設、あるいは在宅の体の不自由な老人の 方、あるいは障害者の方へのケア理容にも力を言れる必要もあるのではないかというこ とでございます。  環境の保全という意味では、毛髪、廃棄物、薬品、化粧品等の廃棄物の適正な処理と いうこと。また、地域との共生は、それぞれ共通するところで、町内会や商店街とのま ちづくりの協力ということがあるわけでございますが、特に理容業界については、最近 不幸なことに頻発しております、児童の誘拐等に対するため、「理容こども110番の 店」というような表示をされて、積極的な緊急避難場所としての参加をされるような取 り組みもされているということでございます。  以上、雑駁ではございますが、説明とさせていただきます。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、また原田先生、お願いいたします。 ○原田分科会長代理  今の御説明、まさにそのとおりなんです。やはり理容業は直接かみそり等を素肌に添 えるような形で業務をしますので、その形で従来もずっとそういう面での衛生面は十分 なぐらいやってこられましたけれども、今後未知数のそういう感染症に対しての対応も 考えておく必要性があるということで、新たな感染症への云々という記述がそこに入っ てございます。  それから、若者の技術の育成にかなりインターン制度を含めて御努力されております ので、その辺もこの文面の中に入れ込んでございます。  特に御老人の方、毛の少し薄くなったような方に対してのさまざまなケアの問題、そ ういうところも新しいサービスの展開として付け加えていこうという姿勢も入れさせて いただきました。  地域に関しまして、特にこの理容業に関しましては、コードの駆け込み寺のような形 での110番対応、これは非常にすばらしいことをされていますので、それをあえて明確 な形で指針の中に付け加える形で、地域への貢献度に協力していただきたいというよう な方向を盛り込んでございます。  このときちょっと話題になったのは、顔そりの問題なんですけれども、特に女性が床 屋さんに顔をそってもらうときに、入りやすくしてほしいということが要望として出 て、それは業界の方も快く受け入れていただきました。  以上でございます。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関しまして、御審議をお願い したいと思います。 ○竹中全理連副理事長  理容の竹中でございます。このたび、理容美容の進行指針ということでつくっていた だいて、読ませていただきました、本当にありがとうございます。  私たちの希望をおおむね御理解をいただいて、すばらしい案だなというふうに感謝を 申し上げている次第でございます。  ただいま、原田先生の方から、消毒、ケアの問題、110番、あるいはタイアップの問 題ということでお話をいただきました。確かに、従来の伝染病、そういったものと非常 に大きく異なってまいりました。昔でありましたら、法定伝染病に対応するような勉強 だけすれば、私たちはおおむねそれで成功していたわけです。しかし、最近は法定伝染 病以外に、全く私たちが予期しないような病気が発生するわけです。最近でありました らSARSなんかがその問題です。あるいは、ちょっと前でしたら肝炎もいろいろな肝 炎が出てきた。ああいうようなことで、私も本当に消毒については非常に神経を使って いるところでございます。  今、私たち理容組合と申しますのは、全国で9万5,000軒、組合員加入してないお店 を含めると、14万軒になりますから、約八十%が組合員ということになっております。 したがいまして、その八十%、9万5,000軒の人たちに対しまして、年に1回でござい ますが、衛生実施運動という事業をつくりまして、これは厚生労働省の御指導をいただ いて実施しているわけでございますが、年に1回、どのような地域でも必ず衛生につい ての講習会を開きなさいということで、連合会が今、指導をいたしております。  これは、例えば地元で申し上げますと東京都の組合は約七千軒の組合がございますけ れども、支部が72支部ございます。その72支部が全部、どの支部も漏らさずに衛生講習 会を開いております。その衛生講習会の内容はどんなことを開くのかということでござ いますが、そのときにいつも緊急に問題になっているものを、できるだけ取り上げて、 広く知識と対応を広めなさいということで、今までやっております。  また、皆さんに直接触りますレーザー、いわゆるかみそりですね。あるいは、ハサ ミ、バリカン、そういったものにつきましても、もう徹底した消毒を今、実施しており ますし、特にかみそりにつきまして、いろんな消毒の方法が新たに入ってきておりま す。従来の薬品のほかに、今は物理的な消毒方法としまして、一つすばらしい器具がご ざいまして、そこへレーザーを5本なら5本、あるいは10本なら10本を入れておきます と、自動的に消毒、煮沸と蒸気を組み合わせたような消毒器具がございまして、それで 自動的にスイッチが入って、一定の温度になって、そして完全にいろいろな細菌が死滅 するという時間設定まで自動的にできているんです。だから、絶えず使ってそこに収入 すれば、自動的にもう消毒をされるというような、いろんな消毒器具も今、開発されて おります。  また、先ほど110番の話、本当にありがとうございました。私たちは地域の皆さんに お世話になりながら、こうして生活をし、また現在まで理容業界というのが残っておっ たわけでございますので、皆さんのお世話になっている限り、皆さんに何か地域にお返 ししなければいけないんじゃないかと。地域の皆さんと一緒に共生するのには、地域に 貢献しなければ共生はしてもらえないんだと、認めていただけないんだというようなこ とで、約一年半前になりますけれども、北海道から沖縄まで、組合に介入している9万 5,000軒全部にこども110番というような名称でお子さん、これは子どもに限りません。 お子さんばかりではなくて、女性でも、お年寄りでも、どんな人でも何かあったら理容 店に駆け込んでくださいと。そのためにポスターも内外的に、いわゆる表に出すポスタ ー、あるいはお店の中に掲示するポスター、また一つの標識と申しますと、そういった ものをつくって、お店の表にどなたでもわかるように、子どもたちの身長で見られるよ うにという高さの制限まで指導しましてやっております。  もう既に、東京都の中でもそうですし、全国で3軒ほどこの問題で地元の警察署長か ら、そういう事故を未然に防いだということで実績ができまして、3軒ほど表彰をいた だいております。  また、広島県の小学6年生の教科書の中には、理容110番でこういうことをしていま すよというようなことまで、教科書としてまで取り入れていただいております。私たち は、これで終わりではなくて、更に別な方法も含めて、地域の皆さんに少しでもお返し をできれば、何かできるものがあればということで、まだまだ検討したいと考えており ます。  以上のようなことが、おおむね私たちの今、課題としているところでございます。ど うぞよろしくお願いいたします。 ○井原分科会長  どうもありがとうございました。  どうぞ。 ○増田委員  交代の要員ということで、今までの審議の中で、十分にお話されたかと思うのですけ れども、言葉として伺いたいんですけれども、3ページの下から5行目のところにあり ます、「癒し」という日本語の対応がリラクゼーションというふうになっておりますけ れども、これは次の美容業のところにもそのように同じような言葉として、いやしがリ ラクゼーションというふうになっておりますけれども、リラクゼーションというものを つくろぐというような意味で使っているのではないかと思いますけれども、いやしとい う日本語自体は、病気とかけがの状態に対して手当てするとか、そういうような内容で あるかと思うんですけれども、今、社会全体にいやしという言葉が蔓延しておりますけ れども、いやしに対する対応がリラクゼーションで正しいのかどうか、私のところでは 判断しかねます。 ○井原分科会長  だから、今、世の中で日常的に使われている言葉とリラクゼーションというのはあっ ているんですけれども、日常的に使われている意味が本来の意味とは違っておりますと いうことですね。  どうしましょうか。  どうぞ。 ○加藤委員  私も語意について、正確に、学問的に答えることはできないんですが、たまたま検討 の中におりましたので、この言葉が入ってきたいきさつを御報告申し上げますと、床屋 さんに毛が伸びてもいないのに、毎週毎週行くという人がいるんです。それはなぜかと いうと、会社なんかで非常にストレスがたまってしまって、ではうちにいて土日に十分 いやされるかというと、そうでもないので、とにかく床屋さんに行って、そこにかかっ ている軽い音楽を聴いて頭をいじってもらうことと、ほとんど伸びてないのに最小限の ケアをしてもらうことが、その人にとって生活のいやしになっていると。  そんなような討議の過程があってこの言葉が出てきたというふうに私は認識しており ます。 ○芝田課長  まさにそこは、例えば精神的いやし(リラクゼーション)ではなくて「リラクゼーシ ョン」とか、一般に使われているというのがわかるような工夫はすべきかどうか、ちょ っと法令の方と相談したいと思います。 ○井原分科会長  そういうことで、ちょっと検討させていただきたいと思います。 ○増田委員  わかりました。 ○井原分科会長  あとは何かございますでしょうか。  どうぞ。 ○高橋(公)委員  7ページにあります「理容こども110 番の店」というのは、実は私の自宅のそばにも 床屋さんがあって、これがあるので、何なのかなと思ったんです。こども110 番ならわ かるんですけれども、頭に理容が付いていると、これは何なんだろうと、よくわからな かったんです。今、説明を伺って、非常に頑張って地域のために貢献されていると、す ごくすてきなことだと思うんですけれども、わかるようにした方がよろしいと思うんで す。頭に理容を付けずに、こども110 番ということだけでもいいんではないかと、あと はやはり理容業界としては、こども100 番ということをやって、地域のために安全、防 犯のために努力していますみたいなことを脇に付けろとか、そんなことでやっていただ かないと「理容こども110 番の店」はよくわからなかったということなんで、是非その 辺はひと工夫要るのかななんてことを思いました。恐縮です。 ○原田分科会長代理  これは業界の方はよろしいですか。 ○芝田課長  今、そういう形で進めておりますので、一層普及啓発に工夫を図るような形で御相談 をしていきたいとは思っております。 ○原田分科会長代理  では、検討していただくということで、とりあえずは、この名称、今、現にこれで動 いていますね。 ○竹中全理事連副理事長  ここの表現は「理容こども110 番の店」というふうに記載されてございますけれど も、今、申し上げましていましたように、北海道から沖縄まで47都道府県がこれをやっ ておりまして、組合員により、いわゆる県によりまして、この名称はばらばらです。理 容というふうに理容組合が実施するんですから、こうしましょうねということで、発想 的には連合会が発信したんですが、この表現については、組合、各県いろいろ出ていま す。  したがいまして「理容こども110 番の店」で統一されているものではないんです。も っといろいろあります。だけども、あくまでも組合が主宰しているんだということを強 調するために、理容という表現は何らかの形で入っていると思いますが、必ずしも日本 全国がこれで統一されているという表現ではございません。 ○井原分科会長  指針の場合は、この表現でいいですか。 ○竹中全理事連副理事長  はっきり申し上げて、その内容が理解できる、できないは別にして、非常に私たちは これがわかりいいんではないかということで、連合会では使用しております。 ○井原分科会長  どうぞ。 ○加藤委員  商店街はともかくとして、住宅街などの近くでは、本当にこどもが飛び込めるうちと いうのがない中で、床屋さんというのは、大体おうちでお仕事をしていらっしゃるの で、駆け込み寺としては、大変役に立っていただけると。そういうことで、自主的に活 動をするということで、仲間うちでの励ましのために理容こども110 番頑張ろうねと、 組合さん同士ではそういう気持ちがあって、この表示をしているんだと思うんです。  そうすると、本当に高橋委員のおっしゃったように、何だろうと思った人もいるかも しれない。そこは結局、宣伝不足なんだろうと思うんです。だから、それを検番の新聞 の通信部の記者の人とか、それからテレビ局や何かに、事あるごとにこういうことでお 役に立ちたいと思っているという志を情報提供していただくことで、その名称が地域全 体の中のこども110 番の中の1つのグループとしてもあるかもしれないし、ほかにはこ ども110 番のない地域では、理容組合さんがやっている理容こども110 番しかないかも しれないので、どっちの名前にしても、駆け込みを受け入れる気持ちを持っているんだ ということを、もう少し宣伝していただけたらいいんではないかなと思ってお聞きして おりました。 ○井原分科会長  あとは何かございますでしょうか。  では、理容業の振興指針、これはこれで御了承いただけますでしょうか、先ほどのい やしのところは、ちょっと検討させていただきたいと思います。  それでは、この分科会では、これを了承したということにさせていただきたいと思い ます。  それでは、次に美容業に移りたいと思います。まず、それの説明をお願いいたしま す。 ○芝田課長  それでは、資料9「美容業の振興指針(案)」をごらんいただきたいと思います。  第1の「1 美容業を取り巻く環境」でございますが、美容施設については、1段落 目にありますように、美と健康に対する需要の高まりというようなこともありまして、 施設数、従事者数とも増加傾向にあるわけでございます。  ただ、2段落目の中ほどにありますように、他方、そういう意味での過当気味での競 争の激化ということがあるわけでございまして、1ページ目の一番下の2行目にありま すように、業界の中でも住宅地に立地して、中高年の経営者による小規模個人経営の店 が苦戦し、商業地や交通の便のいいところに立地する新しい店等の中規模・大規模店が 発展するというような傾向があるということがございます。  サービスの内容としましても、昔風のパーマ屋さんという意味でのパーマネントへの 支出が低下傾向にある中で、カット、ヘアカラー、フェイシャル、メイク、エステ、ネ イルケア等々その他の美容への支出が増加するということがあるわけでございます。  目標としては、第1が、やはり衛生面での課題でございます。  第2が、そういう意味での高度化している消費者ニーズへの対応をし、いろいろな意 味での付加価値を高めていく、あるいは高齢化に対応したケア美容等のサービスの改革 を図る等々、個々の店の方針に沿った消費者ニーズに対応する、激しい競争の中で生き 残るための付加価値をつくることを目標とすべきであるということでございます。  3ページからが、営業者が取り組むべき事項でございまして、衛生水準の関係では、 美容業に関しましては、2段落目にありますように、特にパーマ用剤、化粧品等を多く 使いますので、そういう意味での肌に合わないというようなこと、あるいはアレルギー 等の健康被害への対応。  あるいは、SARSという意味では、理容と共通でございますが、うがい、手指の消 毒や、マスク、それが不幸にして蔓延した場合でのマスクの着用ということがございま す。 経営課題への対処としましては、共通ではございますが、(イ)で経営方針の明 確化という意味で、中高年齢層や、ここも恐縮でございますが、ファミリー層を顧客と すると修正させていただく必要があると思いますが、そのような家族的な店にするか、 ファッションの最先端をいくような店にするかと、そういう方針を明確にしていくと。  4ページにいきまして、そういう意味で地域に根差した家族的な店であっても、顧客 のニーズの動向及び周囲の競合点の状況を収集して、どのような付加価値を持って勝負 に出るかということを検討する必要があるということでございます。  (ロ)のメニューという意味では、非常に多様なメニューを取り込まれているわけで ありまして、新しいヘアスタイル、痛んだ髪のトリートメント、カラーリング、ネイル ケア、ネイルアート、新しい手法を採り込んだメイクコース、フェイシャルエステ、あ るいは日本髪の髪結・着付、中高年のリラクゼーション、あるいはケア美容等々あるわ けでございますが、勿論それぞれの店がすべて採り込むということではないわけでござ いますので、その店の経営方針に合ったメニューの見直しや追加を検討するという必要 があるということでございます。  ITの活用や、表示の適正化というようなことも進めるべき課題でございます。  5ページの(ヘ)に関しましては、理容と同様、特に高卒者の若手技術者の育成指導 という意味で、若者に魅力のある職場づくりと。  最近ではカリスマ美容師というようなこともあって、新たに試験を受ける人も男性が 半分近くになってきているようでありますが、そういう意味での職場づくりということ も必要かということでございます。  次に、連合会等の支援については、ほぼ共通するところがございますが、6ページ に、理容でもございましたが、(ホ)でございますが、新しいヘアスタイル、ネイルケ ア、エステ、ケア美容等いろいろな新規サービスに基づく講習会、技能コンテストの開 催等々が必要ということでございます。  最後に7ページ、配慮すべき事項、少子高齢化への対応という意味で、高齢者の社交 場を兼ねた美容サロンということは、ケア美容というのと共通する部分がございます が、顧客として、子ども連れの女性も多いということから、少子化対応としての子ども 連れの客が理容しやすいような店内施設、あるいは従業員の育児サービス、理容支援と いうようなことも重要かということでございます。  2の環境保全のところは、理容と共通する部分もございますが、薬品・化粧品、毛髪 等の廃棄物の処理ということがございます。  また、地域との共生という意味では、やはりまちづくりへの協力というようなこと、 あるいは先ほど、ここは理容でもあるわけでございますが、ケア美容等を福祉活動等、 地域の社会活動への一翼を担うというようなことも期待されるというところでございま す。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、原田先生お願いします。 ○原田分科会長代理  今の御説明のまさにそのとおりでございます。そして、やはり若手の技術者を育成し ていこうと、そして魅力ある産業づくりをしようということから、研究体制並びに教育 体制、そしてコンテストなんかもきちんと充実していこう、この辺はちゃんと文章とし て出てきていると思います。  このときちょっと話題になったのは、要するに日本髪の問題です。日本髪の技術を、 あるいは日本の着物の着付けの技術、そうした日本文化の伝承という形で、この辺もや はり技術という中にそれとなく振り込んで、そういう形の日本文化の伝承に結び付くよ うな技術の伝導みたいなものを盛り込もうという話がございました。  やはり、どんどんいろんな形で付加価値を高めて、差別化力を高めるということか ら、エステの分野だとか、ファッションの分野だとか、そういうところにどんどん業態 開発をしていくわけですが、そのときにおいて、やはり技術的な裏づけと衛生上の管理 の裏づけ、それに伴う、安全、信頼性の確保という問題は譲れないということで、それ はこの文面の中にきちんと入っているというふうに自負してございます。  もう一つ、やはり中高年化がどんどん進むというか、特に高齢化が進むということ で、福祉への対応ということで、バリアフリーと同時に、ケア美容の問題、この辺のと ころも将来を交えて論じていく。  それと同時に、こういう形で、どうしても薬剤を使いますので、アレルギーの問題、 これは要するに実際に美容業務を携わっていく上でのアレルギーの問題。それから、あ とは美容業務が終わった段階での捨てる段階においての環境への問題、非常に重要な側 面がございますので、両方とも文面の中に入れさせていただいております。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に関しまして、御審議をお願い したいと思います。 ○吉田全美連副理事長  要するに振興指針を美容の方でお出しいただきまして、まずありがとうございます。  組合の組織率からいいますと、9万弱ぐらいで、全体の50%程度になっているわけで すけれども、この指針ができ上がったことをもちまして、やはり組合非加入の方々に も、これを十分御理解して、業界全体のものとしていくように、アウトサイダーの方々 の加入を進めたいのと同時に、こういったものをやっているんだというPRを組合自体 がやっていきたいと、こういうふうに考えております。  以上です。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、御意見をいただきたいと思います。 どうぞ。 ○加藤委員  2ページですけれども、先ほど増田委員がおっしゃった真ん中辺の2の上から8行目 に「癒し(リラクゼーション)」の問題については、理容と一緒に調整をするというこ とを確認させてください。  それから、私は、つい最近聞いてびっくりしたりんですが、吉井さんにお伺いしたい んですけれども、これを検討したときは、4ページの表示の適正化と苦情の適切な処理 の中で、いわゆる料金をできるだけ、できればお店の外、例えばレストランなんかだ と、お昼のメニューを並べて、何が幾らだなんて、それからどんな材料を使っているま で最近のレストランなんかアピールするというような時代に、結構5,000 〜6,000 円以 上の支払いをするのに、その費用が表に出ていないのは、消費者としては、やはり非常 に心もとないので、できるだけ外に入る前から価格がわかるようなことを書いてくださ いとお願いをしたわけで、それはここに書いてあるわけです。  そして、一番下のところで、客にとって初めてのメニューの施術に関しては、十分な 事前の説明を行うべきであるということ、これも入れていただいたと。  そうしましたら、ごく最近私はびっくりしたんですけれども、この夏とても暑くてし ょうがないので、疲れてお風呂入ったらお年寄りの方が頭なんか洗う気力がなくなって しまうというわけ、それで美容院に行って洗ってもらうのが楽しみなわけですね。ただ シャンプーしてもらって、簡単にブローするだけで、ブロー代なんかも取らないので、 それを喜んでいたところ、たまたま恐らくアウトサイダーだと思うんですが、駅の向こ う側のお店がちょうど買い物がてらよかったので、初めてのところだけれども、きれい だったからそこへ入ったんですって、そうしたら機械で洗われてしまったというんで す。それで、丸で自分は車の洗車みたいなものだったと、すごく疲れてしまったという んです。恐怖心を持ってしまっていると。  それでびっくりしまして、そういうことを私は聞きまして、私の行っている美容院の 人に、そういう体験苦情を聞いたんですけれども、こういうお店は出ているんですかと いったら、実際にありますよというんです。  それで、こういう場合は、手で洗うのか、機械で洗うのかというのは、ものすごく大 きなことで、いやしを求めて病院に行くよりは美容院に行こうというぐらいで、みんな 楽しみで行くに、丸で洗車並みの扱い、こういうのは絶対にメニューとして別に機械洗 い、手洗いと書いていただきたい。クリーニングだってそうですよ、手洗いのと、機械 と違うんです。そこはすごく大きな、これは大変なことだと思います。  そして、私は厚労省にもお願いしたいんですけれども、やたらに予算を付けて、国民 金融公庫のお金でもって皆さんに御融資なさるということをやりますが、その対象にこ んな洗髪機具なんかを対象にされていったら、本来の美容院に求めている私たちの人間 味のある人の手のぬくもりのある業であるという本質をなくしていくので、私はこんな ものに融資なんかしないでほしいと思っております。  ちょっと、その普及具合はいかがなもんでございますか。 ○吉井全美連副理事長  自動洗髪機で指摘されたのは、それだと思うんです。勿論、メーカーによって、それ ぞれ名前は違うわけですけれども、一般的に言うと自動洗髪機。機械で頭を洗うという もの。料金につきましては、ほとんど手洗いと機械で洗う場合は別料金になっていると 思います。まず、一緒ではないということです。大抵の場合はそういうふうになってい る。  それから普及の状態というふうに言われましたけれども、これは正確な数字はないで すけれども、感じとしましては、100 件あって2〜3件あるかなという程度です。です から、どこにでもかしこにでもあるというふうなものではないと、こういうふうに思い ます。  もう一つは、そのお店において、ほとんど自動洗髪機をお使いになっているケース は、1つは美容師さんが非常に手荒れがひどいというケースがありまして、それを若干 でも押さえていこうというふうな目的の中でそれを取り入れていくというケースが1つ あろうかと思います。  もう一つは、逆に高齢の方が多くなられますと、首に負担がかかってくるということ で、バックシャンプーといったものと同じように合わせまして、そういう機械を洗髪も 既に利用されていると。  ただ、委員が御指摘のように、非常にいやしという点からしますと、これは我々業界 の中でも手で洗う方が当然その方にあったことができるということで、技術という点か らしますと、要するに技術者が洗髪するのがすばらしいことなんだろうと、こういうふ うに考えておりますけれども。  以上でございます。 ○井原分科会長  あとは何かございますでしょうか。 ○米窪委員  理容のところで言えばよかったんですけれども、まだ、私の聞いた範囲では、シャン プーしてもらうのに機械どころの話ではなくて、前にこうして下を向いて洗髪してくだ さる床屋さんとかあったりして、胸が苦しいんだけれども、洗ってもらわなければいけ ないので我慢しているというような話があって、私は、さっき加藤委員さんが言われた ように、公金を補助していくというか、出していくときには、余りどんどん機械の方ま でいかなくてもという話があったんですけれども、私はそのもっと下のレベルで、本当 にどのテーブルもこんなにして洗わなければいけないところは、早く後ろで気楽に洗え るような、そういうところにお金を出してほしいと思っていましたので、その辺の現実 を見ていましたので、ちょっとびっくりしたんですけれども、そういうところには、多 分ここの中に入っていることで対応はできると思うんですけれども、床屋さんでも美容 院でもそうなんですけれども、いろんなレベルの違ったお店があるということの中で、 できたら底辺を上げるための、どんどん先に行くんではなくて、そういうところという のは、よけい悪循環でお店がはやらなくなってきますね、そうするとそこが落ちてい く、さっきこちらで言われたように、お店の中心の中で、そういう業者のどれかが落ち ていくことによって、町がさびれていくというか、そういうところを見ているものです から、そういうことを考えたときに、組合の皆さんで是非そういうところをフォローし ていくということも考えていただきたいと思います。  これは、ここに関係ないけれども、要望なので、気がついて申し上げました。  以上です。 ○井原分科会長  あとは何かございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。 今のお二人 の委員の御意見は、文章を直すという話ではないですね。 ○加藤委員  要するに、これは非常に高校卒業してお若い方の職場として大事な職場だという認識 を持って、労働市場の問題としても、やはりできるだけ人を生かすという職業で、労働 集約的だという見方もあるけれども、それだからこそ、人と人のつながりによって、や ってもらう人もまさにいやされるというか、人間関係が町の中でよくなっていくという 1つの大事な業種なんだという、何しろとにかく機械がいいことのように走ること、何 ていうんでしょうか、人間関係のところに本質があるんだということだけは、見据えて いっていただきたいというお願いです。  だから、融資のことでも米窪さんおっしゃるのは私はよくわかります。必要に応じた 融資をするべきで、今、長見さんと小声でお話ししたんですけれども、ビジネス街や何 かでは、オートマチックシャンプーをやって、自分でブローをさっとすれば済むような ところがあれば、昼間ビジネスマンの人や何かはそれで済むわけですから、そういうと ころにはそういう機械があって、お金を貸してもいいかなとは思いますものの、それが 主流になられると、やはりこの業の本質は失われるんではないかというふうに思ったわ けです。人間は、やはり車とは違うと思います。 ○井原分科会長  それでは、よろしゅうございましょうか。美容のところは、理容と並行的に、いやし のところと、相手を顧客に直すというところ、この2点が修正点になると思います。  それでは、美容の振興指針に関しましては、この分科会では了承するという形にした いと思います。  それでは、次にクリーニングの説明をお願いしたいと思います。 ○芝田課長  それでは、最後にクリーニングでございますが、資料10をごらんいただきたいと思い ます。  クリーニングを巡る環境でございます。1ページ第1の1でございますが、やはり景 気の低迷、あるいは家庭用洗濯機、最近は乾燥機まで大分普及してきているというよう な状況、あるいはコインランドリーの普及、形状安定素材のワイシャツ等によりまし て、クリーニング支出の減少があると、大規模チェーン店の展開や、最近では車だけで 無店舗で営業する取次サービスの発生などによる過当競争の激化があると。  他方、輸入品の増加等、衣料品の多様化に伴う洗濯事故への苦情の増加、あるいはク リーニング店で使いますドライクリーニング溶剤等の環境規制の強化や、臭気、騒音等 環境面における配慮の必要性等、さまざまな問題があって、大変厳しい状況があるとい うことでございます。  2ページにいきまして、今後5年間の目標といたしまして、第一は、勿論衛生という 面でございます。  第二が、そういう意味で、非常に一般的なこととして消費者に受け入れられる付加価 値をつくるためのサービスの見直しということ。  第三に、さっきも言いましたように、クリーニング事故や苦情の多い業界でございま すので、従業員の説明水準を上げるとともに、苦情処理の適正化を図る必要があるとい うこと。  第四が、さっきも出てきました環境保全の対策に取り組む必要があるということでご ざいます。  第2の「1 営業者が取り組むべき事項」として、衛生水準の中で、クリーニングが 関わる問題で、特色といたしましては、病原性大腸菌O157 のときなどに、そういう意 味での汚物が付いていた場合での感染症への不安への対応と。あるいは、石油系ドライ クリーニング溶剤が乾き切っていない場合ににおける化学やけどの防止をチェックする ためのドライチェッカーの励行等が特色のある部分ではないかと思います。  3ページの経営課題に対して、(イ)は、方針の明確化・独自性という意味で、やは り、その中でも2段落目にありますように、地域で根差した家族的な店であっても、ど のような付加価値を提供できるのかということが検討する必要があるということでござ います。 そういう意味で、(ロ)では、最近、集配、配達サービス、あるいは毛皮、 オーバー等の冬物等の有料保管、あるいはリフォーム、和服の洗濯、染み抜き等々、す べてを提供するというわけではありませんが、その方針に合ったメニューの見直し、追 加を検討する必要があるんではないかということでございます。  一番下のところから、次のページにかけての従業員の資質の向上という意味で、技術 的な面もございますが、4ページ目の2段落目にございますように、先ほどもありまし たが、従業者が受け取り時に行う、素材、色、デザイン、クリーニング等の結果につい ての事前説明の徹底が必要ではないかということでございます。  また、(ホ)は、最初に述べましたような非常に厳しい経営環境、あるいは住宅密集 地域における環境問題等におけますクリーニング工場への立地の困難性というものも出 てきておりますし、営業者の高齢化が進む中で、組合が経営方針を同じくする営業者の 中でのクリーニング工場を共同化して、自店では取次業なり、得意な分野に徹するとい うようなマシーン・リングと、業界の方でそういう方式を進めようとしているというこ とでございます。  また、表示の適正や、消費者の情報提供、苦情という意味では、先ほども述べました ように、利用者への十分な説明及び賠償保険の活用ということが重要かと思われるわけ でございます。  5ページ目の組合連合会については、先ほど言いましたような、(ハ)でございます が、いろんな意味での衛生水準の向上の講習及び消費者利益のためのクリーニング事故 防止システムや、賠償責任保険への加入の促進というようなこと。  また、(ニ)にありますように、クリーニング工場の共同事業化、マシーン・リング 方式の企画指導というようなことがあるわけでございます。  次の6ページから、7ページにかけまして、環境という意味では、最初に申し上げま したように、水質あるいは臭気の問題、土壌汚染の問題等々に対する公害防止対策とい うものは、次のページにかけまして、そういう最新の機械に変えていく等々による対策 を講じていく必要があるということ。  また、クリーニング品についています金属性のハンガーをリサイクルする等のハンガ ーリサイクルの実施というようなことも配慮すべきであるということでございます。  また、2で少子高齢化という意味では、足腰の弱い高齢者の方が、寝具、カーテンな どの大物から衣類などを店まで運ばれるというのが大変だという部分もございますの で、そういう意味での集荷・配達サービスを進めると、それを契機としたふれあい等の 新しいジャンルのサービスということも配慮すべきではないかということでございま す。  また、3は地域との共生という意味で、共通することとしての商店街とまちづくりへ の協力及び先ほど言いましたような、リサイクルとか、福祉面等におけます地域活動へ の協力ということが配慮すべきことであろうということでございます。  以上でございます。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、原田先生よりコメントをお願いいたします。 ○原田分科会長代理  まさしく、ちょっと補足させていただく程度で十分だと思いますが、確かにこの業界 は、苦情が非常に出てている業界の1つであることも事実であります。  その結果、店頭での説明をきちんとするということを、あえて文面の中に明記しまし た。ですから、クリーニングを預かった段階で、さまざまな色の問題だとか、素材の問 題だとか云々に関して、きちんとした説明をしておくということが非常に大切なんです が、どうもそこがアルバイトによって適当に受け取って後でトラブルになってしまうと いうケースが非常に多いように思いますので、店頭での説明をきちんとすると、事前説 明の項目をあえて明記いたしました。  和服に関しましても、和服の洗濯、染み抜き、あるいは洗い張りですとか、そういう 技術ですが、こういう技術もきちんとクリーニング業界の中に位置づけていこうという ことで、この項目もあえて付け加えさせていただきました。  それから、サービスの拡大の中で、高齢者に対する大きな品物の集荷並びに配送サー ビス、これも今後の高齢社会の中における弱者と言っては申し訳ないのかもしれません が、どうしても物理的に運ぶことができないという方に対しての要望にきちんと応える と、これも明記する形で文面の中に入れました。  もう一つは、規制緩和に伴いまして、先ほどもちょっとお話があったんですが、いわ ゆる隙間産業が出てきまして、単なる取次で、まさに無責任の取次の業者が結構出てき ております。  ですから、先ほど後半の部分で御説明がありましたような、共用化を前提にするマシ ーン・リング方式で、むしろサービスの特化という形で集配業務に専念して、その代わ りきちんとした工場を持っているというんなら話は別なんですが、そうじゃなくて、下 手すればコインランドリーで洗っておいて、お金だけ取ってしまうというようなものも 結構いるようなんですね。ですから、そういうものは望ましくない。でも、そういうも のをどういうような形で文面の中に入れるかというのは、なかなか難しかったものです から、表示の適正化並びに苦情処理の適正化を強化するというふうな形で、そういうも のに対しての対応を少し入れていこうかなというふうに工夫してございます。  それから、やはり環境問題というのは、これは非常に大きな問題で、臭い、音並びに 廃棄物なんかの問題。こういう問題は、かなり大量のものが出ますし、扱うのは薬品で ございますし、揮発性の非常に高いものですから、きちんとやっていただく。  同時に、ハンガー、その他のリサイクル品が相当数出ますので、その辺のところも環 境対応という形で入れるというふうな形で対応させていただいております。  以上でございます。 ○井原分科会長  ありがとうございました。それでは、クリーニング業につきまして御審議をお願いし たいと思います。  どうぞ、よろしいですか。 ○柴田全ク連専務理事  よろしいです、まず、お話を聞いてからあれば話します。 ○井原分科会長  何か御意見ございますでしょうか。 ○米窪委員  余り初歩的なことを伺うと恥をかくから黙っていた方がいいかなと思ったんですけれ ども、大物という中で、お布団だとか、相当大きなお布団でもいい按配に洗い張りしな くても洗濯してもらえるということはわかっているんですけれども、ただ高齢化の中で お年寄りが一番辛がっているのは、じゅうたんなんです。だから、今、じゅうたんはこ のクリーニングの中に入りますかと聞いたんですけれども、私もわからないんですが、 じゅうたんがいろいろこぼしたりして汚れてしまって、洗ってほしいんだけれども、近 所では洗えないとか、どこか遠くまでいかなければとか、いろいろあって、都会はどう か知りませんけれども、田舎の町なんかは、じゅうたんが大きければ大きいほどなお困 るしということをお年寄りの方から伺ったものですから、その辺もちょっと、ここにじ ゅうたんという言葉が一言もなかったものですから入らないのかなと、教えていただき たいんですが。 ○柴田全ク連専務理事  じゅうたんもクリーニングすることはできます。ただ、敷き詰めで、ビルとか何とか というものは、ほかの商売の方がいるので、ビル関連はまた別にあるかと思います。家 庭のものはできます。  ただ、普通のクリーニング屋さんではやっていないと思います。じゅうたんをやるた めにはホールセールという形で専門にやっているところへ出してやりますから、確かに 地域によってはすぐにというのはないかもしれませんけれども、小さなクリーニング屋 さんがそこで洗うと大変なことになりますので、専門のところがありますので、大体そ ういうのはインテリアクリーニングというような表現の仕方で、じゅうたん洗いとかあ りますので、大丈夫です。 ○加藤委員  だから、米窪さんの御近所の方がそういうことで困っていて、そこに出入するクリー ニング屋さんでできなければ、そのクリーニング屋さんは、やはりそのための組合に入 っているわけだから、仲間の業者さんを紹介してあげるとか、やはりそういうリンクを お願いしたいんです。  そこの地区はないですから、ではそこの地域のじゅうたんはみんないつも染みっぱな しかというのは、やはりちょっと寂しいですね。 ○米窪委員  焼却で出すのは切っていかないといけなかったと、辛いと言っていましたよ。 ○柴田全ク連専務理事  多分それも言えば、案内してもらえると思います。ただ、高いんですよ、皆さんが考 えている以上にね。  一番怖いのは、クリーニング屋さんに出しておいて、クリーニング代を払わないうち に新しいのを買ったから要らないといって、ごみ捨て場にされるのが一番困るんです。 それがよくあるんです。今、結構安く手に入るでしょう。  そうすると、今おっしゃったように、捨てるよりはクリーニング屋さんに取りに来さ せて、そして持っている間に新しいのを買ったから、もう2枚は要らないという話が1 つ。  それから、クリーニング屋さんが一番嫌がるのはかゆいんです。大体敷き詰めで汚し ているものはダニがいるし、イヌは飼っているし何とかと、そういうものを抱えて持っ て帰れと言われるのが一番大変みたいです。ですから、なるべくそういうのも汚しまく らずに使っていただくのが一番いいと思うんです。 ○芝田課長  そういう意味でも、マシーン・リングという形で、リンケージをしていくということ を勧められるんだと思いますし、私も白洋舎の工場を見させていただいたんですけれど も、大体じゅうたんですと、水洗いをばっとやっておられましたけれども、そういうこ との専門業者もあるようですし、白洋舎でなくても大きなところはやっておられるんだ と思いますので、そういうリンクというのも重要なんだろうと思っております。 ○加藤委員  今の柴田委員のお話を伺っていて私は思ったんですが、業者泣かせの消費者もいない わけではないということはわかりましたけれども、結局クリーニングというものをお預 けしたときに、契約が成立するわけですね。今、事前にお金を払うところが多いです ね。それで地方によっては、お金を事前に払わないで、大福帳をつくっておいて、そし て月末に払うというようなところもあるんだろうと思います。  その辺で、業者も泣かせてはいけないけれども、消費者も、この間、検討会の席上で 私話したことがあるんですが、店頭のパートの方が、とりあえずの金額を取っておい て、後でもって不足だと言われた金額の方が2.5 倍だったというようなこともあるの で、その辺の標準約款の用意と、消費者への周知、勿論事業者もそうですね。  それで、検討において取次をしてもらう、あるいは承っていただくといったときに、 どういう約束ごとがそこに成立したのかという共通の認識が、もっと普及する必要があ るんではないかなと、私は今お話を伺っていて思いました。 ○柴田全ク連専務理事  今の話も含めまして、最初の受付のときにどういう形の処理をするとか、値段をどう するかという話を十分説明するということが1点。  それから、苦情があったときに、だれがちゃんとするかということも含めて、どこに 苦情を持ち込めばいいかという形も含めて、今度そういうことも全部検討していくんで はなくて、現実にやっていこうということで、動いているのが現実です。  それから、契約の話については、賠償基準とかで長見先生とか、いろいろ入っていた だいておるんですけれども、両方とも契約の意識というのは非常に稀薄でございまし て、会議をやるたびに、判子を持ってきて調印しろとか何とかというんですけれども、 現実にクリーニング屋さんに持ってきたときに、そんなことをするよりも先に置いてい くことが100 で、ちょっと買い物のついでとかに置いていくんだからちゃんとやってお いてという話が9割なので、いつも染みもあります、確認しましょうというのがすごく 出るんですけれども、現実に買い物に行った人がぱっと置いてきたり、今度は、でき上 がってきれいになったものを自転車の荷台にぐるぐると結わえて持って帰ったりとか、 いろいろあったり、その辺のところはおっしゃることも含めて変えていかなければなら ぬことだろうと思います。  今、この中で、うちの業種だけがお客様と接点はあるんだけれども、クリーニング品 というのは、ほかのところと違って金が払われて動いてしまうということが出てくるの で、その辺で信頼と、信頼の裏返しのギャップが出てきたりすることが一番難しいんだ ろうと思うんです。  ですから、自分でおすし屋さんでおかしければ文句言うだろうし、いろんなことがで きるんだけれども、うちの業界の場合は、預けてできるまでの間に一回戻ってそれから 来るという話がありますから、両方で十分なコミュニケーションを取ることが必要なの で、いろんなことで何回も委員会とかやるんですけれども、この問題については、やは り説明不足だとか、いろんなのがありますけれども、やはりこの間もお話があったよう に、どこかでクリーニングということに対する教育もしないと、うちの娘も主婦になっ たら使いますし、よく知っても、ほとんど知らなくてもお客さんですから、そういうこ とも含めて、これからそういうところをやっていかないと、契約世界だとか言っても、 なかなか日本人の場合契約というのは認識としてないものですから、それは店頭で賠償 基準の云々とかやっていますけれども、長見さんが言うにはちゃんと判子を取りなさい というけれども、判子を持って来てクリーニング屋さんに来た人はいないものですか ら、そういうこともあって、いろいろと複雑なのは複雑だと思いますけれども、順にこ れから直っていくんだろうと思います。 ○皆尾補佐  申し訳ないです。議事の途中でございますが、田中健康局長がまいりましたので、あ いさつをさせていただきたいと思います。 ○田中局長  健康局長の田中でございます。8月の末に局長を拝命いたしました。よろしく御指導 のほどお願いしたいと思います。  ただいま感染症法の改正案、衆議院を通ったばかりなんですけれども、ちょっと走り 回っておりまして大変失礼いたしました。遅参いたしまして申し訳ありません。  委員の皆様方には、生活衛生要素の円滑な推進に関しまして、いろいろと御協力いた だきまして、この場を借りまして厚く御礼を申し上げます。  本年度は、美容と理容と、それから興行場営業、クリーニング、飲食店営業の計5種 に関する振興指針の改定について御審議をお願いするという予定だというふうに聞いて おります。  いずれも、各都道府県で生活衛生同業組合が振興計画を策定する際に、その基本とな るものということでございますので、よろしく御審議のほどお願いしたいと思います。  皆様方が御関与いただきます生活衛生関係営業というのは、国民の生活に密着した営 業ということでございまして、しかし、同時に非常に小規模で零細な事業が多いという ことで、これからの時代にどういうふうにかじ取りをしていくのかというところがいろ いろ難しい問題が多々あるというふうに承知しておりますけれども、厚生労働省といた しましても、非常に財政状況が厳しいというような制約もございますけれども、生活衛 生関係営業の振興というのを非常に重視してやっていきたいといふうに考えておりま す。予算、融資、税制の面から、今後とも最大限の努力をしていきたいというふうに考 えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  簡単ですけれども、ごあいさつに代えさせていただきます。よろしくお願いいたしま す。 ○皆尾補佐  どうもありがとうございました。申し訳ございませんが、田中健康局長は所用のた め、ここで退席させていただきますが、御了承のほどよろしくお願いいたします。 ○井原分科会長  それでは、また審議を続けたいと思います。あと何かございますでしょうか。  ただいま柴田専務理事さんからのお話の中で、クリーニングだけはサービスの中で異 質なんですね。物に対価するサービスという表現をするんですが、あとは大体需要者と 供給者がその場で消えてしまうというのが普通なんですが、これだけが物に対価して、 そのものが需要者と供給者の間の距離的、時間的ギャップを埋めているという性質を持 ってしまうために、ちょっと異質なんです。  あと何かございますでしょうか。もし、なければクリーニング業の振興指針は、これ で御了承いただくということでよろしゅうございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○井原分科会長  それでは、5業種ともに幾つかの点を除きまして、了承されたということになりま す。それでは、御意見が出た部分、少し積み残しになった部分は、少し検討させていた だきまして、私に御一任いただき、その詳細を私と事務局の間で調整させていただく と、それでよろしゅうございますでしょうか。                (「はい」と声あり) ○井原分科会長  それでは、これで了承されて、議決をすることといたしたいと思います。 あとは、 事務局より今後の段取りについての御説明をお願いしたいと思います。 ○井元委員  その前に、5業種の御意見を聞いていまして、私どもも仲間の一人なんですが、本当 に生活と密着しているんだなということを再認識をしたというようなことでございま す。  実は、私は、大阪の方でこの審議会の問題のいろいろな話をしておりますときに、あ る先輩から、高齢化社会で配慮するというような言葉が最近富に出てくるけれども、実 は、この文章を見ましても、カタカナの横文字が出てくると。75歳、80歳の人で、これ がわかる人が何人おると思うかと、これを是非とも委員会があったら出ていって、その ことを配慮してもらうようにお願いしたいなというような言葉がございますので、ちょ っとお伝えを申し上げておきたいということが1点。  もう一つは、最近非常に言葉が乱れておるというのか、短縮された言葉がございま す。デパートの地下街をデパ地下だとか、ニューヨークデリというんですが、一体ニュ ーヨークデリというのは何なのかと、私も恥をあれして、知らぬ方がよほど恥だと思う ものですから、聞きましたところ、デリというのは、デリカテッセンのことをデリで止 めているらしいんですが、デリカテッセンということになると、ドイツ語になる。ニュ ーヨークで総菜店が非常に繁盛しているらしいというようなことから、今、日本へ入っ てきて、日本でもやるというようなことで、そこで切ってしまっている。自由奔放にな って、例えば道を歩いておっても、道にある看板にしても、そういう傾向になっておる と。せめてこういう文章で出されるものについては、十分配慮してやってもらいたい。  もう一つだけなんですが、これは大阪系の話なんですが、交番所が老朽化したりして 建て直しをやっておるんですが、交番所とローマ字で書きまして、そして下にポリスボ ックスと書いてあるんです。どういう考え方なのかなと。そのお年寄りが中に巡査が座 っておったらああ交番所だなとわかると、だけど交番所とローマ字で書いてある。そう して、下にポリスボックスと、日本の治安を守るところがそういうばかな書き方をして おると、これはようく見ておいて、何かの機会があったらと、こういうような忠告を受 けたございますがございますので、どうぞ、これは事務局の方に申し上げておきますけ れども、文章をつくるときに、御配慮できるところがあったら配慮してほしいと。  以上でございます。 ○芝田課長  それでは、今、言われまして、確かにちらちら見ていて、いろいろ気になる表現はあ るんですけれども、それぞれに日本語で併記したらいいのか、かえってややこしくなる のか、ちょっとその辺はいろいろ中でも相談し、また座長とも御相談させていただきた いなと思っているところであります。  今後の段取りといたしましては、厚生科学審議会運営規定第4条によりまして、分科 会の議決は、厚生科学審議会長の同意を得て審議会議決とすることができるとされてお りますので、ただいま大筋お認めいただくという議決をもちまして、細かいワーディン グ等につきましては、また分科会長と御相談をさせていただきながらかためまして、厚 生科学審議会長の同意を得た上で答申の手続をさせていただきたいと思います。  また、当然、今日いろいろ御指摘をいただいたところも含めまして、まとめましたも のは後ほど委員の先生方へ御送付させていただきたいと思います。  そういうことで、本当に熱心な御議論をありがとうございました。私どもとしまして も、このような指針を基に、または生衛業会の発展のために微力ながら力を尽くしてい きたいと思っているところでございます。どうも本当にありがとうございました。 ○井原分科会長  それでは、これですべての議事が終了いたしました。あと何か、どうぞ。 ○柴田全ク連専務理事  今の関係で、振興計画をつくらなければいかぬと各地で言っておりますので、具体的 な指針がいつごろ出て、計画がいつできるかという話は、3月末で切れる話になってい るんですね。都道府県の振興計画ですけれども。それを今日はちょっとよく聞いてきて くれという話でございますので、それがないとできても意味がないと、期ずれが起きて しまいますので。 ○芝田課長  年内目途を目指して、今後いろいろ内容を詰めた上で、告示となりますと、先ほどの ワーディングも含めまして、またいろいろ審査部局がございますので、そういうことで 年内を目途に、計画のこともございますので、早目につくっていきたいというふうに考 えている次第でございます。 ○井原分科会長  よろしゅうございますか。事務局の方であとはいいですか。 ○芝田課長  はい、特にございません。 ○井原分科会長  それでは、これをもちまして、本日の厚生科学審議会生活衛生適正化分科会を終了さ せていただきます。  ありがとうございました。