03/06/03 食品規格・乳肉水産食品・毒性合同部会議事録             薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会            食品規格・乳肉水産食品・毒性合同部会                    議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格・乳肉水産食品・毒性合同部会議事次第 1.日時:平成15年6月3日(火) 13:00〜14:05 2.場所:厚生労働省専用第18会議室 3.議題   (1) 審議事項      農産物、水産物等に含まれるカドミウムに関する安全確保について   (2) その他 出席委員 井上達、小川益男、小沢理恵子、香山不二雄、熊谷進、佐藤洋、塩見一雄、      清水誠、品川邦汎、鈴木勝士、鈴木久乃、寺本昭二、長尾美奈子、中澤裕之、      成田弘子、西尾治、林眞、廣瀬雅雄、福島昭治、伏谷伸宏、米谷民雄、      丸山務、三森国敏、山本茂貴(敬称略) 参考人  吉池信男((独)国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹) 事務局  遠藤食品保健部長、中垣基準課長、小出企画官、植村補佐、太田補佐 他 ○事務局  それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食品衛生分科 会 食品規格部会、乳肉水産食品部会、毒性部会の合同部会を開催いたします。本日は 御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。  本日は、食品規格部会が12名中8名、乳肉水産食品部会が11名中9名、毒性部会が12 名中9名の委員に出席いただいておりますので、当合同部会は成立しておりますことを 御報告申し上げます。何人かの先生方は少し遅れてみえられる予定になっております。  また、参考人として、国民栄養調査にかかわっておられます独立行政法人の国立健康 栄養研究所の吉池先生にお越しいただいております。  それでは、開催に先立ちまして遠藤食品保健部長よりごあいさつ申し上げます。 ○食品保健部長  食品保健部長の遠藤でございます。本日はお忙しい中をお集まりいただきましてあり がとうございます。薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 食品規格・乳肉水産食 品・毒性合同部会の開催に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。  一昨年のBSE問題等を契機といたしまして、食の安全に対する国民の関心が非常に 高まっている中で、政府として国会に食品安全基本法、私どもの食品衛生法等の改正案 などを提出をいたしておりましたけれども、食品安全基本法が去る5月16日に、また食 品衛生法等の一部改正法案につきましても5月23日に成立いたしました。7月からは内 閣府に食品安全委員会が設けられて、客観的かつ中立公正な科学的リスク評価を実施す るというふうなことで、既に7名の委員の名簿なども新聞に報道されているところでご ざいます。  厚生労働省はリスク管理を担う機関ということで、この審議会の役割もリスク管理の ための意見をお聞きする場という形に性格を変える予定でございますけれども、今後と も引き続き、先生方にはこれまで以上の御指導、御協力を賜ればと思っている次第でご ざいます。  今日の部会の議題は「農作物、水産物等に含まれるカドミウムに関する安全確保につ いて」でございます。カドミウムに関する審議につきましては、5月23日に毒性部会を 開催し検討いただいたところでございますけれども、本日は水産庁が実施いたしました 水産物に含まれるカドミウムの実態調査結果において、一部にカドミウム濃度の比較的 高いものが認められましたことから、消費者への情報提供等について御審議を賜りたい と考えております。  各委員におかれましては、忌憚のない御意見、御提案を賜ればと思っております。開 会に当たりまして、一言ごあいさつに代えさせていただきます。 ○事務局  本日は、農作物、水産物に含まれるカドミウムについて御議論いただく予定ですが、 議論が食品全般に及びますので、食品規格部会の部会長である丸山先生に座長をお願い したいというふうに考えておりますが、よろしゅうございましょうか。  それでは、座長は食品規格部会長の丸山先生にお願いしたいと思います。丸山先生、 よろしくお願いいたします。 ○丸山部会長  丸山でございます。本日の合同部会の座長を務めさせていただきますので、よろしく お願い申し上げます。1時間という短い時間でございますので、審議の御協力をよろし くお願い申し上げる次第です。  それでは、まず最初に事務局のほうから配付資料の確認をお願いしたいと思います が、事務局、よろしくお願いいたします。 ○事務局  配付資料について確認させていただきます。まず、1枚目が議事次第と書かれたもの でございます。その次に資料に参りますが、資料1は部会委員名簿でございます。資料 2が、「部会におけるこれまでの検討状況」でございます。資料3が、「コーデックス 委員会等における検討状況」でございます。資料4が、「農作物等に含まれるカドミウ ムの実態調査結果の提出について」というものでございます。資料5が、「水産物に含 まれるカドミウムの実態調査結果について」でございます。資料6が、「我が国におけ る食品からのカドミウム摂取量の年次推移」です。資料7が、「水産物からのカドミウ ム摂取量の試算」でございます。資料8が、「イカ塩辛等からの1日当たりのカドミウ ム摂取量の試算(詳細)」になってございます。資料はございますでしょうか。 ○丸山部会長  委員の先生方、よろしゅうございましょうか。  それでは、ただいまの資料を踏まえまして議事に入りたいと思います。本日の議題で ございます「農作物、水産物等に含まれるカドミウムに関する安全確保」について、御 審議をお願いしたいと思います。  それでは、事務局からこの資料の説明を順次いただきたいと思います。よろしくお願 いいたします。 ○事務局  それでは、資料1から資料8までについて説明させていただきます。  まず最初に資料1でございますが、合同部会の委員名簿ということでございます。  その次に、資料2ですが、「部会におけるこれまでの検討経緯等」ということでござ います。これは、カドミに関する部会における検討経緯というものをまとめたものでご ざいます。平成14年、昨年の7月10日になりますが、薬事・食品衛生審議会に対して、 「米に係るカドミウムに関する規格基準の改正の可否について」という形で諮問させて いただいております。  それを受けまして同日に検討が行われまして、その結果では、現時点で緊急に規格基 準を改正する必要はないとされて、現在実施中の疫学調査研究の最終的な報告を待って 再度審議を行うことという具合にされております。  その際に、今後の審議はまず毒性評価を重点的に行うべきということで、毒性部会を 中心に議論を行うということになっております。毒性評価がある程度まとまった段階 で、食品規格・毒性合同部会において米の基準値等について検討を行うというようなこ とがまとめられたということでございます。  その後、11月29日にJECFAの方に疫学調査結果及び農産物等の実態調査の結果を 提出しております。12月25日に食品規格・毒性合同部会で、JECFAへ提出した農産 物等の実態調査の結果を報告させていただいております。  また、5月2日には、水産庁の方で水産物に含まれるカドミウムの実態調査結果につ いて公表されております。  その後、先週になりますが、5月23日に毒性部会が開催され、研究成果の報告を受け て、カドミウムの毒性評価に関する議論が開始されたということでございます。  その際に、本日お諮りする予定にしております水産物に含まれるカドミウムの実態調 査結果というものも報告しておりまして、それにつきましてはこの3部会合同部会にお いて検討を行うことという具合にされたということでございます。  こういった経緯を踏まえまして、本日、3部会合同で農作物のカドミウムの実態調査 データと水産物に関する調査結果というものについて御審議いただきたいという具合に 考えております。  次に資料3に参ります。「コーデックス委員会等における検討状況」ということでし て、国内的には資料2に書かれているような形でカドミウムについては検討が進んでい るわけですが、国際的には資料3に書かれているような形で、コーデックス委員会を中 心として議論が進められているということでございます。  コーデックス委員会におきましては、カドミウムの食品の基準値という形で、かなり のものについて基準値の原案が提案され、それについて議論が行われているということ でございます。Stepにつきましては、精米、大豆、軟体動物、ピーナッツについては Step3という形になっておりますが、ほかのものについてはStep5として総会に諮るこ とというのが、今年3月に行われましたCCFACというコーデックスの部会において 決定されております。このStep5として採択するかどうかというのは、今後総会で議論 が行われることになるということでございます。  次のページに参りますが、これまでの検討状況ということでして、コーデックス委員 会の方でもカドミウムに関してはかなり議論を行っておりまして、1998年に最初に議論 を開始しております。ただ、コーデックス委員会におきましてもカドミウムに関するリ スク評価がまだ十分でないということでして、JECFAにそのリスク評価を依頼した ということです。それは2000年に行われたわけですが、そのJECFAにおきましても まだデータが十分でないということで、疫学調査が勧告されたということです。我が国 はそれを受けまして疫学調査を実施し、その疫学調査結果を昨年11月29日にJECFA の方に提出したというのが流れになっております。  次のページに参りますが、カドミウムの基準につきましては、先ほど説明いたしまし たが、CCFACの方で今議論が行われておりまして、Step3、Step5というような形 で総会の方へ上げていくというような流れになっております。  今後の予定のところですが、今月6月にJECFAが開催される予定になっておりま す。そのJECFAにおきましては、2000年の議論を更に引き継ぐような形で、我が国 から提出された疫学調査データ等について評価を行い、カドミウムに関するリスク評価 を行っていくというような形になっております。また、コーデックス総会が 6月末から 7月上旬にかけて開催される予定になっているということでございます。  資料4に参ります。こういった形で国内的、国際的にカドミウムについては議論が行 われているということでございますが、我が国の農作物や水産物が実際はどのような実 態になっているかということで農水省の方で調査を行った結果が資料4、資料5という ものでございます。  資料4について説明させていただきます。これは農作物に関するものでございます。 3、4ページめくっていただけると結果の概要というものがございます。もう1ページ めくっていただきまして、要はどういったものを測りましたかという品目の一覧表がご ざいます。これを見ますと、コメ、小麦、その他穀類、大豆、野菜、果実、ツリーナッ ツ、肉類、軟体動物という形で、73品目、42,219 試料という膨大な量について調査が 行われているということでございます。その結果について簡単に御説明申し上げます。  次のページに参りますが、まず、玄米というのがここに書いてございます。その調査 結果は、最小値が0.01未満で、最大値が1.2ppmまでのものがあったということでござい ます。分布については、右のほうに棒グラフで書かれているということでございます。 平均をとると、0.1 を切るぐらいの濃度になっているということでございます。  b)のところで、「想定基準値に対する超過率」というのが書かれておりますが、こ れはJECFAに提出したということでつけているわけですが、コーデックスで現在検 討が行われています基準値案と比較してどういった形になるかということで、ただ、こ のコーデックスの基準値原案というものがまだJECFAにおいても実際リスク評価中 ですし、そういったJECFAのリスク評価を受けて今後変わり得るものなので、そう いった意味では比較というのがどこまで意味があるかというのは議論のあるところだと 思いますが、参考までという形でそこに書いております。それを見ますと、今は基準値 案0.2ppmというものが提案されておりますが、この調査結果からいくと、3.3 %ぐらい が0.2ppmを超えるというような形になるということでございます。  その次のページに参りますが、小麦について書かれてございます。小麦は最大0.47ppm であったということで、平均をとると、この棒グラフから見ますと0.1 以下ぐらいのと ころに収まるのではないかという具合に思われます。コーデックスの現在の基準値案と 比較すると、3.1 %が超過という形になってございます。  その次に行きますが、その他穀類ということで、最大値0.06という形になってござい ます。  その次に参りますが、大豆でございます。最小値が0.01未満のものから最大値0.66ま でということで、平均値が書かれていないので何とも言えないんですが、0.1 、0.2ppm ぐらいのあたりにくるのかなということでございます。これにつきましては、コーデッ クスの基準値原案と比較しますと、16.7%という量が超過するというようなことになっ ているようでございます。  その次に小豆に参りますが、最大値0.03ppm という程度のものであったということで ございます。  この後平均値が書かれておりませんで、最大値を読ませていただきますと、えだまめ が0.05であった。さやえんどうが0.02、その次のページに参りますが、さやいんげんの 最大値が0.01以下、未成熟空豆0.01、グリーンピース0.05、ほうれんそう0.49、次のペ ージに参りますが、キャベツ0.01、白菜0.056 、次のページに参りますが、チンゲンサ イ0.04、その他アブラナ科葉菜(こまつな、みずな)は0.09、しゅんぎく0.12、レタス 0.08、みつば0.02、セルリ0.08、ふき0.07、ねぎ0.16、にら0.16、たまねぎ0.07、百合 根0.17、にんにく0.20、馬鈴薯0.06、甘藷0.012 、さといも0.33、やまのいも0.18、ご ぼう0.23、人参0.04、大根0.05、れんこん0.02、しょうが0.04、空芯菜0.031 、アスパ ラガス0.08、なす0.17、トマト0.05、ピーマン0.04、オクラ0.22、きゅうり0.02、かぼ ちゃ0.011 、すいか0.01未満、メロン0.02、ブロッコリ0.04、カリフラワー0.04、スイ ートコーン0.03、いちご0.04。  果実に参りますが、なし0.03、栗0.02。  肉類に参りますが、牛肉0.05、鶏肉0.03、豚肉0.07、馬肉0.03。  軟体動物以下は、この後の水産物のデータと重複していますので割愛させていただき ます。このような結果になっているということでございます。  資料5につきましては、水産庁の方からよろしくお願いします。 ○水産庁  それでは、資料5の5月2日に公表いたしました水産物に含まれるカドミウムの実態 調査結果について、御説明申し上げます。  まず、全体的なことですが、1枚目の裏をごらんいただきますと、調査対象品目は魚 類、甲殻類、軟体動物、棘皮動物、軟体動物・甲殻類の内臓、及び塩辛類ということ で、合計1,336 検体になっております。  資料4に軟体動物は含まれておりますけれども、これはCCFACの方で軟体動物の 基準値原案が検討されているということを踏まえまして、昨年の11月にデータ提供した 際に軟体動物だけは提供をいたしております。それをこの資料5の中に含めて、その他 の水産物も合計して、5月2日にトータルで発表したということでございます。  まず、このような調査をした趣旨は、コーデックス委員会で基準値検討が行われてい ることを踏まえて、我が国で生産・消費される主な魚介類等に含まれるカドミウムの実 態調査を実施してきたということでございます。  検体につきましては先ほど申し上げたとおりで、調査期間は平成7年度から14年度、 分析機関は財団法人日本冷凍食品検査協会で、 1枚目の裏のところに調査結果の概要と いうものを書いてございますが、先ほど調査対象品目を御説明申し上げましたけれど も、魚類、甲殻類、軟体動物について大体の傾向をマスコミの方にも消費者の方にも御 理解していただくということで、品目中の種類毎の平均値があります。例えば魚類では 38種類ありますけれども、その種類ごとの平均値を加算して種類の数で除したというも のでございまして、大体の傾向というふうにごらんいただければいいかと思います。  軟体動物は多少高いものがございますけれども、大体において低い傾向です。それか ら棘皮動物の可食部も低い傾向です。ところが、軟体動物及び甲殻類の内臓については 比較的高い。また、その内臓は塩辛類として一番利用されるということで、これを調査 したわけでございますが、これも比較的高いということでございます。  その次に、個別のものについて御説明を申し上げます。別添の1の裏をごらんくださ い。ここに先ほどの品目が番号で1から6までございます。魚類は、先ほど38種類で405 検体と申し上げましたけれども、名前をあいうえお順に示してございます。魚類405検 体、甲殻類191検体、軟体動物396検体、棘皮動物60検体、魚介類内臓とあり、軟体動物 と甲殻類でございますが、これが233検体、塩辛類は51検体ということでございます。  その右側に個別種類の状況をまとめてございます。これは1枚でまとめてございます が、基本的にはJECFAに提出した様式を用いてございます。ただ、一番上のところ に全試料数、それから最小値、最大値、参考までに平均値をつけてございます。全部読 み上げた方がいいのかどうかわかりませんけれども、平均値だけを読み上げさせていた だきます。  アユが平均値0.02、イシガレイだと0.01未満、イシモチ0.01未満、ウグイ0.01未満、 ウナギ0.01未満、カツオ0.01、キハダ0.01未満、クロカジキ0.04、クロダイ0.01未満、 クロマグロ0.01未満、コイ0.01未満、コイチ0.01未満、コノシロ0.01未満、シロザケ 0.01未満、スケソウダラ0.01未満、スズキ0.01未満、タチウオ0.01未満、ニジマス0.01 未満、バショウカジキ0.14、ハタハタ0.02、ヒラメが0.01未満、ビンナガ0.01、フナ 0.01、ブリが0.01未満、マアジ0.01未満、マアナゴ0.02、マイワシ0.01、マコガレイ 0.01未満、マサバ0.01未満、マダイ0.01未満、マハゼ0.01未満、ミナミマグロ0.03、メ カジキ0.03、メバチ0.02、メバル0.01未満、ヤツメウナギ0.1 、ヨシキリザメ0.03、ワ カサギ0.01未満。  次は甲殻類、軟体動物でございますが、ガザミ0.07、クルマエビ0.04、ケガニ0.08、 スジエビ0.05、テナガエビ0.01未満、ベニズワイガニ0.16、ホッコクアカエビ0.11、ア カガイ0.64、アサリ0.06、アワビ0.04、イイダコ0.04、コウイカ0.01未満、サザエ 0.05、シジミ0.37、スルメイカ0.29、ハマグリ0.07、ホタテ貝柱0.12、マガキ0.30、マ ダコ0.01。  棘皮動物でございます。ウニが0.17、ナマコ0.01未満。  魚介類の内臓でございます。アカニシは内臓を含む可食部ということで2.53、アワビ 内臓が3.11、ガザミのみそが0.69、ケガニのみそが1.99、サザエ内臓が4.65、スルメイ カ肝臟が33.90 、ベニズワイガニ内臓が11.74 、ホタテのうろが5.80、ホタテの卵と生 殖腺、これは食べるところがございますけれども、1.78。  イカの塩辛でございます。通常のイカの塩辛で2.63、イカ塩辛(黒づくり)はイカス ミを混ぜたものでございますが、3.26、ウニの塩辛0.09、カツオ塩辛0.64。  こういう状況でございます。概要は以上でございます。 ○事務局  次に資料6を説明させていただきます。農作物と水産物については、資料4、資料5 のような結果であったわけでございますが、資料6は、国立医薬品食品衛生研究所で行 われておりますトータルダイエットスタディ、1日摂取量調査の結果をまとめたもので ございます。1981年から2001年までという形でまとめておりまして、大体1日当たり、 1人当たり30マイクログラムくらいのカドミを摂取しているというような形でございま す。その中で米が15と書かれておりますので、大体半分ぐらいは米が寄与しているとい うことでございます。  その次のページに参りますが、平均的なカドミウムの摂取量の年次推移という形で見 ますとこういうふうな形になっているということで、少し下降傾向にあるのかなという ようなことでございます。  その次のページでございますが、食品群別の摂取割合というもので、米が49%という ことで一番寄与が大きいということです。あと、こういった形になっているということ で、魚介類が11%、有色野菜5%、野菜・海草15%という具合になっているところでご ざいます。  その次のページでございますが、現在、JECFAの方で暫定的な週間耐容摂取量と いうのを定めておりまして、それをベースに50キロ体重で1日当たりを換算しますと、 50マイクログラムというのが一つの数値として出てくるということでございます。JE CFAの定めている暫定的週間耐容摂取量とトータルダイエットスタディを比較します とこのような形になるということでございまして、JECFAの場合は50マイクログラ ム、我が国のトータルダイエットスタディの結果は29.3ということでございますので、 約6割程度摂取している。ですので、あと1日1人当たり20マイクログラムぐらい平均 的に摂取されているということであれば余裕があるというようなことになっているとい うものです。  次に資料7に参りますが、先ほど資料4の中で農作物等について説明させていただき ましたが、最高値をざっと読み上げましたけれども、最高値で1ppm を超えていたのは 米だったということでございます。平均的に見ると0.1 を切るものがほとんどでして、 ちょっと見ても0.2 までも行かない程度ということなので、かなり大量に摂取しない と、なかなか先ほどのまだ余裕がある20マイクログラムを超えるような形にはならない のではないかなという具合に考えております。  ですが、資料5 に説明いたしました水産物に関するものは一部に数ppm 程度のものも ございますので、そういった観点から、JECFAで定めている週間耐容摂取量と比較 をしてみたら実際どれぐらいになるか。それで、国民栄養調査の特別集計をお願いしま して、実際にわかる範囲でこういった細かいそれぞれの魚介類についてどれぐらい摂取 しているかというデータを特別集計でいただきまして、それを基に試算したのが資料7 でございます。  水産庁の調査結果ということで、平均値を使っております。食品名というところは、 国民栄養調査で使われている食品名ということでございます。この辺の一致のさせ方と いうのは非常に難しいところがあるので、物によっては過大評価しているようなものも あるのではないかという具合に思います。  次に摂取者数と書かれておりますが、国民栄養調査結果で平成10年から平成12年度ま でということで、約3万9,000 人になりますが、そのデータを集計いただきまして、そ の中の摂取者がこのぐらいの人数があったというのが摂取者人数でございます。全体平 均は 3万9,000 人で平均をとるとこれぐらいの摂取量になるということでございます。  次の摂取者平均というのは、摂取者の摂取された人の平均値がこれぐらいだったと。 摂取者90%tileは、摂取している人の90%tileというのがこれぐらいであったという結 果になっております。  次に、その横にカドミウム摂取量というのが書かれておりますが、全体平均といいま すのは、水産庁の調査結果に全体の平均摂取量を掛けたものということです。摂取者平 均というのが、摂取者の平均摂取量を水産庁の調査結果に掛けたということです。摂取 者90%というのは、摂取者の90%の摂取量を掛けているということでございます。  これで見ていただきまして、カドミウムの摂取量というところでございますが、これ は1日の食品から摂取するカドミの量ということになりまして、先ほどの資料6で申し 上げましたJECFAで定めている週間耐容摂取量、それからトータルダイエットスタ ディの結果からいきますと、まだ20マイクログラム余裕があったということですので、 その20マイクログラムをこういった食品のみの摂取で超えることがあるのかどうかとい うのを見てみたということです。  これで見ますと、全体平均のところは非常に低い値になっているということです。摂 取者平均、摂取者90%tileを見ますと、次のページに参りますが、甲殻類のアカガイの ところで、こういうものがあるということで網かけをしております。ただ、そのデータ を見ますと、摂取人数というのは33人、アカガイの味付け缶詰で14人という極めて少な い人数であったということです。ただ、その際に、摂取者平均の摂取量でとると20を超 えるような形になっておりますので、一時期的にではあれ、週間耐容摂取量をその日1 日だけは少し超えた可能性があるということでございます。  その次のページを見ますとマガキに網かけがありますが、これは摂取者平均では11.1 ということでございますが、摂取者90%tileで30ということで、摂取者の中でもかなり 多く摂る人は一時的に超える可能性があるということでございます。  その次に、魚介類の内臓ですが、国民栄養調査の方では拾いきれておりません。とい うのも、かなり特殊な摂取の仕方をするものが多いということと、摂取量が極めて少な いということが考えられているので、これについてはデータがないということでありま す。  次に、塩辛類のところですが、イカの塩辛のところで網かけがかかっておりまして、 平均摂取で49.4ということで、20と比較すると倍程度超えているということでございま す。摂取者数を見ますと、3万9,000 人のうちの343 人くらいが摂取していたというこ とになっております。  次は資料8でございますが、先ほど網かけがかかっておりましたアカガイ、マガキ、 イカの塩辛について、より詳細に摂取量の試算を行ったというものです。摂取者平均、 摂取者90%tileという形で平均値を使って計算しますと、アカガイの場合、先ほど資料 7にもありましたけれども、摂取者数が33人ということで非常に少ない人数だったとい うことがあるんですが、仮に毎日そういった形で摂取されていればどうなるか、またそ れを週に1回、週に2回、週に3回と増やしていくとどのようになるかということを試 算したものです。  それを見ますと、アカガイの場合、平均摂取量であれば週に6回ぐらいで20マイクロ グラムに達するというような形になっております。ですので、ほぼ毎日食べ続けないと 超えないというような形になります。90%tileだと、週に4回で21.9ということで超え 始めるというような形になっております。  次にマガキに参りますけれども、同じように計算しますと、摂取者平均の場合、毎日 食べても問題ないということですが、摂取者90%tileという形で摂取しますと、週に5 回で20マイクログラムを超えるような計算になるということでございます。カキにつき ましては、摂取者の人数が2,110 人という形でまあまあの人数が摂取されていたという ことですが、ただ、この国民栄養調査が11月に実施されているというようなこととか、 季節的な影響もあるのではないかということでございます。  次にイカの塩辛に参りますが、イカの塩辛の場合、摂取者平均ですと週に3回で20マ イクログラムに達するということです。90%tileですと、大体1.5回ぐらいで達すると いうことになっています。イカの塩辛は摂取者数が先ほど343 人という形になっている ということでございます。  資料1から8までは以上でございます。 ○丸山部会長  どうもありがとうございました。膨大な資料を一気に説明をいただいたわけですが、 ただいまの説明の中で御質問、あるいは御疑問のところがありましたらお受けしたいと 思いますが、いかがでございましょうか。伏谷先生、どうぞ。 ○伏谷委員  今の分析結果なのですが、地域としてはどのくらいの地域からサンプリングをしてい らっしゃるんですか。地域差というのはかなりあるのではないかと思いますけれども。 ○丸山部会長  先生、水産物ですか。 ○伏谷委員  水産物です。 ○丸山部会長  水産庁の方、お答えいただけますか。 ○水産庁  水産物については地域別に集計はしてございませんで、例えばイカの内臓などでは高 い数値が得られておりますけれども、イカは回遊するものでございますので、地域的な 差というよりは一般的に生物学的な特性としてカドミを含んでいるというふうな理解を しております。 ○伏谷委員  そういう回遊するものはいいのですが、例えばアカガイなんかは非常に高い値が出て いますよね。アカガイなんかですと、かなり多分地域差があるのではないかと思うので すが、この辺はいかがですか。 ○水産庁  産地による違いの分析というものは今実施しておりません。 ○丸山部会長  伏谷先生、よろしいですか。 ○伏谷委員  やっていないのでしたら仕方がないです。 ○丸山部会長  佐藤先生、どうぞ。 ○佐藤委員  資料6についてお伺いしたいのですけれども、米の摂取量が年によって大分ばらつき が大きいような気がするのですけれども、これはサンプル数としてはどれくらいあるの でしょうか。隣に何か機関数というのが書いてあるのですが、これは何を意味している のでしょうか。 ○丸山部会長  事務局の方からお願いします。 ○事務局  トータルダイエットスタディは全国約10地域の地方衛研と協力してやっておりまし て、全国の地域でそこに売られているような食品を買ってきて、それを分析するという 形になっております。米についてのサンプリング数は・・・ ○丸山部会長  米谷先生の方でお答えいただけるのでしょうか。 ○米谷委員  各衛研が購入したそのものを若干調理して測っていますが、たくさんの種類のお米を 集めてということではないと思います。ただ、全国の各ブロック、北から南まで大体10 機関ぐらいにお願いしておりますので、それの平均としては出てくるということです。 ○丸山部会長  ほかに何か御質問はございましょうか。西尾先生、どうぞ。 ○西尾委員  アカガイは内臓を取った値ですか、含めた値ですか。 ○水産庁  アカガイは内臓を含めております。 ○西尾委員  缶詰の場合には内臓はないですね。あるのですか。 ○水産庁  あります。丸のままですから。 ○丸山部会長  西尾先生、よろしいですか。では、小川先生、どうぞ。 ○小川委員  さっきの地域差の御質問で、アカガイ等の地域名を挙げることに、現時点で問題があ るというのであれば、せめてこのデータに標準偏差をつけてもらうと参考になると思う ので、今後ご検討をお願いいたします。 ○丸山部会長  それは御注文ということで承っておきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。  では、まだ質問をいただいて結構なのですが、今の御説明のように、資料7、8とい うところから、イカの塩辛など、この3つの水産物が特に高いということで御説明が あったわけですけれども、これをどういうふうに消費者に情報を提供していくかという ことについての御論議をお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。い ずれも、高いといっても、一部の方は日常的にイカの塩辛なんかは召し上がるのだと思 うのですが、でも一般的にはそんなに毎日食べるという食品ではないということも含め て御論議をいただければと思うのですが、いかがでございましょうか。 ○香山委員  吸収率の調査を我々がしたときに、若い人の方がかなり吸収率が高いという事実があ るので、このような食品をお子さんのときからたくさん食べているようなところは何か 対策をした方がよろしいのでないかと私は個人的に思っているのですが、いかがでしょ うか。 ○丸山部会長  事務局、何かお考えはございますか。年齢ということを加味してということなのです が。 ○基準課長  先生方の間で御議論願えれば、事務局はそれに従いたいというふうに思いますけれど も、香山先生の今の御発言だけを考えてみると、先ほど資料6でお示ししましたとお り、カドミウムの摂取量の半分は米からきているということから見ると、それは非常に 難しいだろうと思います。また、農作物、あるいは水産物の調査結果から見ると、特に 濃度が高いというのはアカガイ、イカの塩辛、マガキでございますから、あまり子供と は縁がないのだろうというふうに考えておりますが、議論を深めていただければ幸いで ございます。 ○丸山部会長  香山先生、今のそういう御発言があったのですが、いかがですか。 ○香山委員  水産物に関しては特にこれでよろしいかと思います。 ○丸山部会長  ありがとうございます。ほかに何かございますか。 ○井上委員  今のような議論というのは、我々もそうですけれども、もっと全般的に研究してみて いただくか、リスクマネジメントの立場から研究していただくといいのかなと思いま す。個票の方を見ると、例えばマグロなんかは割合高いし、その脂身なんかは高いわけ ですけれども、実際の摂取の量とかそういったものは多くない関係で評価の対象では マークがついたりしなくなるわけですけれども、今の塩辛等をお子さんが召し上がるこ とは余りないだろうというのも、お子さんがトロを食って一杯やるということもないの で、やはりそういうリスクマネジメントのようなことを深めていただくことが恐らく生 活の参考になるのではないかと思って素人ながら拝見いたしました。 ○丸山部会長  ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。小沢委員、どうぞ。 ○小沢委員  こうした問題の消費者への情報の提供の仕方の問題なのですが、一般的にはバランス のとれた食生活をしましょうという言い方をしますよね。消費者などに、「あなたが日 常的に食生活上で気をつけていることは何ですか」というふうに質問いたしますと、大 方の方が「バランスのとれた食生活」というところに○をつけるという実態があって、 一方でバランスのとれた食生活はどういうことかということと日常行動していること、 つまり意識と行動のぶれというのは相当あるような気がいたします。  それで、一般論としてはバランスのとれた食生活をしていきましょうということより も、カドミウムもそうですが、水銀の場合などでも、アメリカなどでは特に妊婦さんと 子どもは気をつけましょうといったような情報の提供もされていますし、やはりこうい った例えば魚の内臓だとか、食品の名前の出し方というのは難しいとは思うのですが、 毎日食べるようなことはしないとか、ある程度の目安、20マイクログラムが基本的な目 安になると思うんですが、そのくらいの物差しはやはり提示していく必要があるのでは ないかというふうに思います。 ○丸山部会長  ありがとうございました。今、情報の提供の仕方ということで貴重な御意見をいただ いたと思います。ほかの先生方、何かございますか。清水委員どうぞ。 ○清水委員  先ほどからカドミウムの濃度の数字ばかりが問題にされているような気がするんです けれども、例えば水産物は非常に多いというわけですけれども、そういったものの中で どういう形をとっていて、それが生体に入ったときに塩化カドミウムのような無機のよ うなものと同じような評価ができるのかどうか、そこら辺についてももう少し知見がこ れからあった方がいいのではないかなと思っていますけれども、どれぐらいのレベルで そこら辺のデータがあるというふうに考えるのでしょうか。 ○丸山部会長  その辺の検討は毒性部会の方に主にゆだねられるのだろうと思うのですが、事務局の 方で何かお答えできることがありましたら。香山先生どうぞ。 ○香山委員  私がお答えさせていただきます。勿論、塩化カドミウムと同じような毒性ということ はあり得ませんで、特に魚介類などは軟体動物にもメタロチオネイン様の物質があると いうことが多く報告されておりまして、食べたときの毒性に関しては調査研究が現在進 んでいるところでありますから、そういう情報をすべて評価した上で基準等の議論に役 立つような資料をそろえたいと思っております。 ○丸山部会長  清水先生、よろしゅうございますか。ほかにございますでしょうか。そうしますと、 この対応としては、大変危険だというような話ではなくて、しっかりと正確なものを消 費者に情報提供していくということが当然求められるのだろうというふうに思います が、これについては厚労省のホームページのようなところを通じて、検討の概要とか、 あるいはこちらでもって今日御論議いただいたようなことについて、資料を公表してい くということが求められると思うのですが、そういうことでの事務局の方の対応という のはいかがなのでしょうか。 ○基準課長  先ほど小沢委員あるいは香山委員の方から情報提供、あるいはそれぞれの物質の持つ ハザードと申しますか、危害のターゲットと申しますか、そういうものを考えて対策を 講じていくべきだと、また、小沢委員の方からは、余りに抽象的なバランスのよい食生 活みたいなものでは消費者にはなかなか届かないというような御指摘を賜ったと考えて おります。  勿論我々も、既に新聞報道されましたので先生方は御存じだと思いますけれども、高 裁でカイワレ訴訟の発表の仕方をめぐって負けたということもあるわけでございます し、そういう意味から申し上げますと、蓋然性がある場合においては具体的かつターゲ ットを絞った形でやっていくというふうに考えておりますが、どうもこのカドミにつき まして、今日御論議いただいたところを見ると、まだそこまでには至っていないという ような状況ではなかろうかというふうに考えておりますので、本日の御議論の概要等を まとめて、更には資料8とかこういうものも含めてホームページに掲載し、周知させて いただきたいというふうに考えております。ありがとうございました。 ○丸山部会長  今、ホームページ等でというお話がありましたが、具体的にはホームページにいつご ろこういうものを載せていくという具体的なものがあったら、そこまでお話しいただけ ればありがたいのですが。 ○基準課長  まず、本日の議論の議事録というのをホームページに載せます。これには先生方の チェック等を入れますと、1か月まではかかりませんが、2、3週間程度かかります。 ですから、その議事録と同時にこういった資料を掲載していきたいというふうに考えて おります。 ○丸山部会長  ありがとうございました。今、事務局の方でお答えいただいたような対応をしていき たいということですので、そのようにしたいと思います。  そのほかに何か特に御発言はございますか。よろしいでしょうか。 ○吉池参考人  委員ではございませんが、資料7、8の情報の提供の仕方いついて、一言コメントさ せていただきたいと思います。  今回、マーケットバスケットでのバックグラウンド、プラス20ということで、20のと ころをこのように示していただいたことは非常に有用な情報ではないかと思っていま す。  そのときの情報の提供の方法ですが、分布の中での偏った人をどう示していくのか。 この場合、マーケットバスケットのバックグラウンドも平均値的な値を用いております ので、その考え方に立てば、例えばアカガイとか塩辛等も、90%tileの場合はという数 値が出ていますが、そういう食品を食べるときの1回当たりの標準的な量というのは、 摂取者の平均値あるいは50%tileとなるであろうと思われます。要するに、極端にたく さん食べる人の数値を用いてしまうと、そもそもバックグラウンドでもかなり幅がある でしょうし、食品そのもの中の含有量の分布の幅もあるだろう。このような分布の幅に ついては、今のところ十分に考慮をし得ないということを考えると、プラス20の部分に ついても、90%tileよりは平均値的なもので示していく方がいいのではないかという印 象を受けました。 ○丸山部会長  ありがとうございました。今、吉池先生の方からは、やはり情報の提供の仕方という ことに配慮いただいた方がいいのではないかという趣旨の御発言だと承りましたが、ほ かに特に何かございますか。 ○基準課長  今の吉池先生の御指摘というのは非常に貴重なものだと思います。と申しますのも、 一方ではカドミの含有率というのも分布を描いている、食品摂取量も分布を描いてい る、この分布と分布の掛け合わせの問題がございますから、こういった象徴的に90% tileに平均値を掛けるというのは、目安としてはいいのかもしれませんが、これが一人 歩きする心配というのもまたあるというような御指摘なのだろうと思います。  確かに、摂取量の分布と含有量の分布と、分布の掛け合わせを確率論的に、モンテカ ルロ法というのですか、私もそちらの方の専門ではございませんから、今実は書物を読 んで勉強しているところなのですが、かなり学問も進んできているようなので、厚生労 働省としても研究班を組むとか、少しそちらの方の研究に入りたいとは思っております けれども、そういった現状の中で、また風評被害的な面も気にしないといけませんか ら、今の御指摘をそのまま踏まえますと、資料7、資料8から少なくとも90%tileの数 字というのはホームページ等に掲載する際には削除させていただこうかと考えますが、 先生方の御意見はいかがでございましょうか。 ○丸山部会長  今の事務局の方の御提案について、皆さんの御意見をいただきたいということなので すが、いかがでしょうか。伏谷先生、どうぞ。 ○伏谷委員  今の90%tileの話もそうなのですが、アカガイがこのようにかなり高い値が出ている のを見ますと、アカガイの試料件数は3検体しか載っていないのですね。これからは何 がわかったとかこうだとか言えませんので、これだけの値が出たということをもう少し しっかりと分析する必要があるのではないか。それを基にして何とかしないといけない のではないかと思うんですね。 ○丸山部会長  水産庁さんの方では、今の御質問に関連して、更にこういうnの数の少ないもの、し かもその中には値が高く出てくるものがある、そういうものについて今後の調査を続け ていくという予定はあるのでしょうか。 ○水産庁  分析点数が少ない、あるいは計数値が高いというふうなものについて、できる限り資 料収集をしてまいりたいと考えております。 ○丸山部会長  ありがとうございました。課長、どうぞ。 ○基準課長  西尾先生に御指摘いただくまで、私、実はアカガイの検査件数を見落としておりまし て、誠にありがたかったんですが、3件ということでございますと、それこそホームペ ージに載せるときにはこのアカガイはやはり削除しておいた方がよろしいですね。更に 水産庁も調べていただくということですから、そのデータがそろった段階でまた御議論 願うという形にさせていただければと思います。ご了解いただければ、そのような形に させていただきたいと思います。 ○小沢委員  ちょっと質問なのですが、今回は3検体ということなのですが、私はどこで身につい たのか記憶がないのですが、アカガイは昔からカドミウムが多いというのでなるべく食 べるのをやめようと自分で思っていたのがありますので、過去のデータの積み重ねでそ ういった傾向というのはどこかでおわかりにならないでしょうか。 ○丸山部会長  事務局の方で、今までのそういうデータは何かあるのでしょうか。あるいは水産庁の 方で。今回のこの調査以外にそういうものもあるのでしょうか。 ○水産庁  この調査以外に水産物の化学物質を調べた研究報告から数値だけを取り出してまとめ たような書物もございますので、そういうところを少し調べれば何らかの数値が収集で きる可能性がございます。 ○丸山部会長  そうですか。先ほどの約束と只今の御発言がありましたので、もう少しこのデータは 数を増やしてしっかりしたものにした上での情報提供ということが適切かというふうに 考えてよろしいかと思います。ありがとうございました。  そのほか、特に何かございますか。香山先生、どうぞ。 ○香山委員  我々が吸収率の調査をしたときに、食事の中にホタテの貝柱があるかないかで全然変 わったのですが、実際に貝柱だけはそう大したことはないのですが、内臓つきのホタテ を入れますと非常に高いというのがわかっておりますので、内臓がついた状態で我々は よく食べますので、そちらもできれば測っていただけませんでしょうか。 ○水産庁  内臓つきのものという御指摘でございますけれども、先ほどの資料の68ページにホタ テの卵・生殖腺というところがございますが、これを見ていただきますと、全試料数27 で平均値が1.78ということでございます。それから、うろというのはいわゆるホタテ貝 の中腸腺でございまして、この中腸腺は加工段階でほとんど取り除かれております。と いいますのは、皆さんよく御存じのことでございますが、貝毒の関係で、大概無害の時 期もありまして、殻つきで流通する場合もございますけれども、中腸腺にその貝毒がた まりやすいということが知識として一般化しておりまして、大体は中腸腺は除去されて いるというふうな状況と認識しております。  以上でございます。 ○丸山部会長  ありがとうございました。  それでは、消費者に対する情報提供を適切にしていただくということと、それから若 干まだ調査を続けてほしいという御注文が出たんですが、そのほかに特に御意見がなけ れば、農産物・水産物に含まれるカドミウムに関する安全確保の合同部会をこれで終わ らせていただきます。どうも御協力、ありがとうございました。                                     (了) 照会先 :医薬食品局食品安全部基準審査課 太田・横田 電話  :5253−1111(内線2484・4280) ファックス:3501−4868