02/10/08 第3回労働政策審議会勤労者生活分科会議事録           第3回労働政策審議会勤労者生活分科会                              日時 平成14年10月8日(火)                      10:00〜                   場所 厚生労働省共用第7会議室 ○分科会長(齋藤)  第3回目の勤労者生活分科会を開会したいと思います。開会の前に、委員の異動がご ざいましたので、御紹介させていただきます。労働者側の委員でありました杉浦幸夫さ んが、9月9日付けで辞任されて、後任に荻原保夫さんが就任されています。同じく労 働側で10月2日付けで西山元章委員が辞任されて、新たに宮野弘毅委員が就任されてい ます。  今日は日高委員、吉澤委員、渡辺委員、南雲委員が御欠席になっておられます。  それでは、最初に、これも新任になりました松崎労働基準局長からご挨拶をお願いし ます。 ○労働基準局長(松崎)  ただいまご紹介いただきました労働基準局長の松崎でございます。8月30日付けで労 働基準局にまいりました。思い返しますと、この財形については、また労働基準局の所 管に戻ってきたわけですが、3年ほど前まで、私は省庁統合前ですが、労政局の勤労者 福祉部長をやっておりました関係上、中退、財形といったことを担当しており、また、 現委員の皆様方の中にも当時からいろいろお教えいただいた先生方もおられるので、懐 しいような気がしております。  財形については、非常にいままで勤労者の財産形成というものに大きな役割を果たし てまいりまして、私も個人的にも活用したりしております。特に住宅財形については使 いやすくなっております一方、企業の中ではいろいろ構造改革とか、解雇ではない、い わゆる広い意味ではリストラという中で、いろいろな意味で福利厚生部分といったもの の外注化なり縮小といったものも進んでいるやに聞いているわけです。そういった中で 、やはり勤労者の福祉というものを、国民の大多数が占める勤労者ですので、そういっ たものは国民全体の向上というものにも資するわけですので、こういった苦しい時代、 そういう中でどういうふうに基本的な福利厚生というものを含めて、勤労者の福祉とい うものを考えていくかといったことが、これから大きな課題になっていくのではないか と考えています。ちょっと時間はかかるかもしれませんが、財形を中心としまして、勤 労者福祉、特にいま申し上げた企業内福利厚生と公のあり方とのかかわり方、そういっ たものを含めて、是非ご審議をいただきまして、その方向性なりを出していただけたら と考えております。皆様方、お忙しい中を、ご迷惑かもしれませんが、是非その点をい ま申し上げたような視点からも御検討いただければありがたいということで、どうぞよ ろしくお願い申し上げます。 ○分科会長  それでは、事務局のメンバーというか、課長クラスにもいろいろ異動があったようで すので、それをご紹介いただきます。 ○勤労者生活課長(蒲原)  8月30日付けで新しく勤労者生活課長を拝命いたしました蒲原と申します。よろしく 御願いいたします。 ○分科会長  それでは議題に入りたいと思います。議題は御手元に御配りしてある資料のとおり、 3つありますが、1番目と2番目は似たようなところがありますので、一括してご説明 をいただき、その後で、少し議論をしていきたいと思います。それでは御願いします。 ○企画課長(伊岐)  本日の議題が3点ある中の2点を一括して御説明を申し上げます。まず、資料No.1で す。本勤労者生活分科会においては、今年度、去る5月20日に第1回の会合を開かせて いただいたところですが、その際、労使各側の委員の先生方より、勤労者財産形成制度 についての各般のご意見を賜ったところです。この場で繰り返しませんが、それぞれ時 代に合った内容にするべきであるというようなご発言が相次いだこと、財産形成制度1 つを議論するのでは不十分であり、先ほど基準局長からも申し上げたように、財産形成 制度を取り巻いている経済環境、あるいは企業の中の福利厚生のあり方、そういうもの の変化を、全体でとらえて議論すべきであるというようなご意見をいただいたところで す。  そういうご意見を受けまして、今般、この問題の論点を掘り下げて御議論いただくた めの研究会を立ち上げましたので、そのことについてまずご報告を申し上げたいと思い ます。この資料No.1の表題、「雇用の流動化、自己責任時代における企業内福利厚生の あり方に関する調査研究」。これが先ほどお話した分科会での御発言を受けた研究の題 として、私どもが付けさせていただいた題名です。研究の内容ですが、1枚目の1の( 1)目的にあるように、まさに経済構造改革、国際化、その他さまざまな変化の中で、 勤労者の意識も多様化し、変化してきている。こうした構造変化の中で、一層の自己責 任原則の徹底が図られ、雇用の流動化が進展していくものと見込まれる。そうした中で 、長期雇用を前提としてきた企業内福利厚生の体系や運営のあり方についても見直しを 進める企業がみられる。そのようなことを認識した上で、こうした変化の中における企 業内福利厚生のあり方や企業内福利厚生の1つである財形制度のあり方について検討す るとともに、それらに対する国の支援のあり方についても検討を行うことにいたしてお ります。  この目的は、かなり福利厚生の部分を強めに書いていますが、私どもといたしまして は、この研究の発端が当勤労者生活分科会の議論であったことを踏まえますと、全体の 勤労者福祉、あるいは福利厚生の御議論をいただくとともに、財形制度の意義、あるい はその内容について、十分御議論いただけるものと期待しているところです。  なお、研究会の内容ですが、メンバーについて2枚目の別紙1というところで紹介し ます。いま申し上げたような経緯で立ち上げる研究会ということから、本勤労者生活分 科会とも関連をもって、議論いただきたいと思い、事務局において、公益、使用者側、 労働側各お一人ずつ、勤労者生活分科会の委員をお願いしてこの研究会に入っていただ くような形にしています。奥村先生は当分科会の委員でいらっしゃいます。小澤先生は 日本経団連の中での福利厚生の問題についてのプロジェクトチームの責任をお持ちの方 だと聞いております。斎藤獨協大学教授におかれましては、金融問題が御専門で、財形 にまつわる金融関係の御議論に貢献をいただくものと考えております。さらに園田先生 は福利厚生の専門家で、これまた全般の福利厚生の変化についての御貢献を頂戴するこ とを期待しております。中山先生は労働組合の御立場で、比較的企業内福利厚生が進ん だ産別のご出身ですので、この部分のご議論をしていただけるかと思っています。西久 保先生においても福利厚生の専門家であります。藤田先生は当分科会の公益委員で座長 をお願いしています。山口先生においては当分科会の委員ということで御参画をいただ いています。連合の立場でさまざまな問題にご発言を期待しています。以上のようなメ ンバーでこの研究会を立ち上げることとしましたが、当研究会発足についての本日の御 報告に先だち、すでに2回ほど実施しております。  別紙2で、私どもの予定している研究会のスケジュールとしては、今年度末までに7 回の会合を開き、精力的に論点を整理し、御議論をご提出していただこうと考えている ところです。9月5日に第1回を開催し、さらに24日には企業内福利厚生の問題、さら に財形の問題にまで入り、議論を進めてきているところです。今後の予定としては今月 末にももう1回財形問題を議論するとともに、この問題については国民の意識、あるい は企業の認識というものの変化を的確にとらえることが必要ということから、アンケー ト調査の実施についてのご議論を賜り、これは年内にアンケート調査を実施したいと考 えています。  これらの調査結果を踏まえ、第5回、第6回、第7回で論点をきっちりと整理すると いうようなスケジュールで進めていきたいと思っております。本席にご出席いただいて おります研究会関係の先生方には、大変勤労者生活分科会と二重の御負担をおかけする ことになって恐縮ですが、是非よろしくお願いしたいと思います。この研究会の報告を おまとめいただいた後は、それを1つの題材として、当分科会でも御議論を賜ることに なろうかと思います。以上が資料No.1ですが、このようなご議論をいただくだけではな くて、当然勤労者生活分科会においても、折々にご意見を頂戴するというようなことは 、前回にも事務局から申し上げたところです。  しかしながら、前回私どもが、勤労者財産形成制度について、さまざまなデータを御 示してご説明したわけですが、十分生データの分析というか、背景にあるさまざまな変 化についての読み取りが、不十分であったかと思います。本日、試みに財形制度の実施 状況、あるいは財形制度を取り巻く情勢についてデータをお出しし、私どもなりの若干 の分析をお話申し上げるとともに、本席に御出席いただいております委員の先生方のご 意見を頂戴したいと思います。それが資料No.2です。  資料No.2は2枚目以降が図表、データになっています。まず、前回、5月20日に私ど もでお出しした財形制度のデータを思い起こしていただきますと、財形貯蓄残高も伸び 悩んでいる。あるいは契約件数が減っているというようなことを、私どもからデータで ご紹介しました。もちろん財形制度について、さまざまな制度上の課題があることは認 識した上で、その財形貯蓄問題について、国民経済との関係でどういう位置付けになる のかということについて、図表1を付けさせていただきました。  これは名目GDPと財形貯蓄残高の推移を、同じ表の中で比べたものです。棒グラフ が財形貯蓄残高、名目GDPが折れ線グラフです。スケールの取り方その他で、このグ ラフの高さ、あるいは傾きについては、必ずしもこれと同じような傾きとはならないか もしれませんが、ある程度言えると思われることは、平成5、6年度以降現在に至るま で、やはり名目GDPの停滞と財形貯蓄残高の停滞が同じような形で起こっていること です。  図表2です。これは同じく財形貯蓄残高を棒グラフで表し、勤労者の世帯の貯蓄残高 を折れ線グラフで表した表です。勤労者世帯の貯蓄残高について、停滞の後の若干の伸 びというようなものが見られますが、概して言えば、先ほどのGDPとの関係と同じよ うに、財形貯蓄の問題と、そもそもの財形以外のすべての貯蓄の問題というのは、ある 程度パラレルに変化が起こっているのではないかと考えられます。  図表3です。前回も財形貯蓄をなかなか活用できない非正規労働者の問題が御発言の 中に出てきましたが、財形貯蓄の契約件数が低迷している、あるいは低減している話と 、正規雇用者数の変化とはどのような関係にあるのかというようなものを分析したもの で、制度創設期、あるいは正規雇用者が非常に伸びている時期については、あまりその 説得力がないわけですが、近年正規雇用者が非常に減ってきているというようなことも 、財形の問題との関連が、ある程度可能性として出てくるのかなということで、この表 を付けさせていただきました。  以上が財形貯蓄の問題での私どもの試みの分析ですが、次に財形融資のほうを御覧い ただきたいと思います。  図表4です。財形融資貸付決定件数については棒グラフで表しています。四角のドッ トが付いている折れ線グラフが市中金利で、これは単純な市中金利ではなくて、いわゆ る民間金融機関の住宅ローンの金利の中央値です。三角のドットでつないでいる折れ線 グラフが財形貸付けの金利です。スプレッドというか、差のところを横線のドットで示 していますが、いわば財形貸付金利と、いわゆる銀行の住宅ローンの金利が逆転したと ころ、平成9年、10年辺りが、まさに財形融資の低迷期であったということで、やはり ご利用いただくには、それなりに融資の有利性というようなものが必要となってくるの かなという感じを受けています。  以上が財形にかかるさまざまなデータですが、少し財形を取り巻く国民の貯蓄の動向 についても、御紹介をさせていただきたいと思います。  図表5です。これは金融広報中央委員会の「家計の金融資産に関する世論調査」です 。貯金で世帯主年齢別、階層別の貯蓄保有額については、13年の一番下のラインの数字 のとおり、予想と違わず、20歳代、30歳代は、非常に貯蓄保有額が少なくなっています 。40歳代でやっと1,000万を超え、50歳代になり急激に増えていくというような感じです 。  図表6は職業別の貯蓄保有額です。自営業主であるとか、管理職、農林漁業者に比べ 、事務系の職員、あるいは労務系の職員の貯蓄保有額というのは相対的に少ない状況で すが、その状況はこの10年ほどほとんど変わっていないということが御覧になれるかと 思います。  図表7です。住宅貯蓄との関係で問題になる持家状況です。就業者の持家状況ですが 、財形制度ができた昭和46年の直後、自営業主世帯と勤労者世帯の持家の比率について は、79.9%に対して50.1%という、約30%分のかい離があったわけです。平成10年の時 点で20%にかい離は縮まっていますが、依然としてそれなりに大きなかい離を示してい るということが、ここで見て取れるかと思います。これは図表8にも付けておりますが 、同じ数字です。  図9です。貯蓄の目的ですが、先ほどの金融中央委員会の調査ですが、平成13年の貯 金のデータで見ていただきますと、病気、災害への備え、あるいは老後の生活資金とい ったところは非常に大きなものを占めていますが、住宅取得、増改築資金というような ものについても、貯蓄の目的としている割合が20歳代、30歳代、40歳代辺りまで非常に 高くなっているということが言えると思います。  図表10では、貯蓄をする原因としての国民の悩みや不安の内容ということを紹介して います。これまた老後の生活設計、あるいは自分の健康、家族の健康、今後の収入や資 産の見通し等々について、大変高い不安を抱いている状況が明らかです。  次に、中小企業にとって財形制度がなかなか進んでいないという状況について、正直 、時系列データがあまり取れていなくて恐縮ですが、とりあえず規模別の平成11年の数 字がとれるものを出しています。厚生労働省の「就労条件総合調査」から取ったもので す。財形制度については1,000人以上の企業が91.7%導入いただいているのに対し、30人 から99人の中小企業については、56.2%という導入状況です。正直なところ、さらに財 形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の導入率が中小企業に相対的に低いというようなことが、問 題としてこの数字から出てくるかと思います。  次に勤労者世帯の世帯主年齢別貯蓄残高、貯蓄年収比ですが、これは先ほどの話と大 体相対的に関係するわけですが、24歳以下、あるいは30歳未満の層については、実際の 実額が低いと同時に、年収比についても低くなっているということです。次の表と合わ せて見ていただきたいと思いますが、勤労者財産形成制度については比較的老年者の貯 蓄優遇と同じような座表でご批判を頂戴するケースが多かったわけですが、勤労者財産 形成貯蓄に期待している層はどんな層なのかということを見ていただくための表です。  図表13で、保有率については30歳未満は確かに低いわけですが、これは先ほど図表12 で見ていただきました貯蓄の年収比との関係で見れば、年齢特有の問題であり、財形の 問題というよりも、貯蓄全体の年齢階層別の問題かと思われます。  一方で、30歳代になり保有率が高まるわけですが、その保有率が一定、あるいは若干 の低減で、必ずしも年齢が高くなるに連れて保有率が高くなるというようなことではな く、むしろ若年中年層でこの財形貯蓄に出会って、それなりに財産形成をしていただい ているということが、このグラフから見ていただけるのではないかと思います。  図表14、15、16は、前回ご説明をしなかった財形貯蓄にかかわっている金融機関の種 類についての紹介です。特定の金融機関がこの財形貯蓄を支えているのではないか、あ るいはあまり十分に活用がなされていない金融機関があるのではないかと、さまざまな 意見なり疑問が出てまいりますので、この際御説明をしておきたいと思っております。  1番目の一般財形ですが、労働金庫、都市銀行、信託銀行、地方銀行、それぞれそれ なりの割合でかなり頑張ってやっていただいていると認識しています。  財形年金は労働金庫が最もシェアが高いわけですが、信託銀行、生命保険会社といっ たような年金という制度に、比較的馴染みの多そうな金融機関が、比較的シェアが高い 状況で参画をいただいていると認識しています。さらに、財形住宅貯蓄残高で見ますと 、圧倒的に信託銀行のシェアが高くなってきており、まさにこれもそれぞれの金融の業 体に比較的フィットした商品をご提供いただいているのかと思っています。以上前回の 5月20日に十分御説明し切れなかったところ、あるいは御出ししておりません資料を、 本日御出しして、皆さんの御意見を賜ろうということです。 ○分科会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明について、何か御議論なり御質問 なりがございましたら、ご自由にどうぞ。 ○山口委員  1点目の研究会のアンケートの件ですが、既存の企業なり、いま加入している人たち のアンケートというのが従来あって、今回も多分その流れだと思いますが、財形の中で ひとつ、この会全体の問題でも認識はあると思うのですが、ポータビリティの問題が重 要だという認識があると思います。そういう点では、いまの入っている人に聞いても、 ポータビリティというのは、なかなかアンケートでは出てきません。そういう点では少 し工夫をして、不幸にして失業したりした人たちの財形が、その後継続されたのか、さ れなかったのか、そういう点について、是非工夫をして調査をお願いしたいと思ってお ります。 ○松井委員  まず、質問をさせていただきたいと思います。図表4ですが、通常は勤労者が住宅等 を取得するときに、財形の金利がどうかということよりも、住宅金融公庫との問題で、 どっちが有利とか、そういうことのほうが多いのではないかと思います。都市銀行の平 均値でどうのこうのというのは、あまり意味がないのではないかと思いますので、そこ との差と、もう1つあったのが、住宅金融公庫は、最初のほうは固定であったことと、 財形も後から変わって変動が、短い期間ですが固定になったりしました。そういうとこ ろの制度が大きかったのではないかと思っていますので、これだけで説明するというの は、ちょっと難しいのではないかと思います。  それから、図表7のところの持家の状況で、質問なのですが、勤労者世帯という時に 、ここはいわゆる標準世帯だけなのか、独身の人まで入っているのかどうか、そこら辺 がデータの取り方としてどうなっているのか、教えてもらえればと思います。 ○企画課長  1点目は確かに松井委員がおっしゃるとおりでして、ここに住宅金融公庫の金利であ るとか、年金の金利であるとかを書くと、大変複雑になりますのであえて省略し、分析 的には少し意味がある数字が出るなと思った、この市中金利についてだけ御紹介してお ります。逆に住宅金融公庫の融資はいまお話がありましたように、金利の設定の方法が 違うということと、かつては完全に住宅金融公庫がまず第一順位であり、それの補完と して財形の融資を御活用いただいていたということがありますので、そこをどのように 私どもが表現できるかということもございました。いずれにしても競争関係というより も、住宅金融公庫は、いま財形制度においても協力関係ですので、ここを私どものほう からどうこう言うようなことは少し控えさせていただきます。  なお、住宅については、この金利の問題ではなくて、住宅着工意欲というか、景気の 問題も非常に大きく絡んできていますので、先ほど御説明を端折りましたが、例えばバ ブル期に大変融資貸付決定件数が多いのは、利率の問題だけではなくて、やはり景気が よくて家を建てようと思われた方が多かったというようなことが、かなり効いているか と思います。持家比率は、後ほど確認をしてお話したいと思います。 ○奥村委員  いまの件で言いますと、図表12、13にも勤労者世帯というのがありますから、同じよ うな意味で明らかにしていただきたいと思います。それから図表11というのを皆さん御 覧いただきたいのですが、貯蓄制度を企業として導入している率というのがあります。 例えば中小企業30〜99人の所でも、財形貯蓄としては56.2%ということで導入していま すというのがあるのですが、雇用の流動化、ポータビリティとの関係が当然あると思う のですが、制度があることと、利用しているというのは違う。だから、現実に貯蓄制度 があって、ここの中小企業の方たちがどのくらい利用しているかという数字を確認しな いと、本当に利用が進んでいるかどうかというのは、多分言えないだろうと思います。  それから財形貯蓄の件数のデータというのが前に出てくるのですが、同じような関連 の質問になりますが、例えば一般財形貯蓄は、2件の契約も認めるとか、そういった企 業ごとにいろいろなルールがあるということがあって、特に大企業の場合には、かなり そういった一般財形貯蓄の場合でいうと何件も持てるとか、もしくは住宅財形の枠外の ところを、ある意味で残高の確認というか、残高を持ってもらうために、いろいろな形 で一般財形的なのを付けてやるとかという運用をしているのですが、特に大企業の場合 などはそういうことをしているので、単なる件数ということだけを言いますと、1人で 何件もやっているケースが当然ありますということで、本当に労働者がどのくらい活用 しているかという意味では、名寄せをして、何千万人の労働者のうち、どのくらいが実 質利用しているかということも見ておかないと、担に件数だけだと単なる積上げになっ ていて、わりに多いのではないかというような誤解につながるのではないかと思います 。ですから、その辺りのところはもう少し分析していただいたほうが、データとしての 分析のための制度としてはいいのではないかと思います。 ○前田委員  いまの図表11で、30〜99人のところで、財形制度は持っていても、やはり財形年金だ とか財形住宅だとか、こういう制度ということになると、大企業のほうの一般と、年金 住宅を比べたのより相当差が大きく少ないということだと思います。この研究会のほう でも雇用の流動化ということでやっていただいていると思いますが、有期の契約社員だ とか、パートタイマーというのがいま非常にクローズアップされていて、数も非常に多 くなっている中で、ポータビリティというときに、いわゆる男性の雇用の流動化という 視点だけでなく、パートだとか、そういう人たちの福利厚生ということも視野に入れた 形で、是非検討をしていただきたいと思います。 ○企画課長  先ほどの図表11についてのさらなる分析の必要性のご指摘ですが、奥村委員と前田委 員と異なる視点ですが、この図表11に関していろいろご指摘をいただいたところですが 、確かにこれは企業の制度として企業に聞いている調査ですので、そういう意味ではど のくらいの人が活用しているかという保有率を示した図表13のほうが少し意味があるか と思います。こちらは総務省の貯蓄動向調査で、恐縮ながら担当省である厚生労働省で コントロールした調査ではありませんので、どの程度の精度でお聞きいただいているか について、私どもも十分に勉強しておりません。そういうところで、先ほどご紹介しま したように、企業なり労働者に対して今度研究会でアンケート調査などをすることにし ていますが、それで少し補完できる部分があれば、是非してみたいと思っております。 前田委員がおっしゃられているような非正規労働者、パートタイム労働者についての問 題であるとか、先ほど山口委員がおっしゃられたポータビリティの問題であるとか、そ ういうものがうまくつかめるような調査が設計できればと思っています。調査表につい ては研究会で各委員のご意見を頂戴している最中ですので、今日いただいたことも含め 、できる限り有効な調査をしたいと思っております。 ○松井委員  ようやくこのような研究会を進めてくださったことをとりあえず感謝申し上げたいと 思います。松崎労働基準局長は退席されてしまったのですが、使用者側、事業主側とし ては前回の改正以降も、前の財形審、あるいはこの勤労者生活分科会になってからも、 いまの財形制度が勤労者にとって、さらには企業が運用していくにあたって、なかなか 魅力のあるものとなっていないのではないか。それは金融情勢がこれだけ変わる中で、 それに追い付いていけないのではないか。そして、さらには今回のこの研究会のテーマ にもありますが、事業再編がいろいろな形で進む中で、事業が変化していく中にうまく 財形が取り込まれて移行していくシステムにはなっていないと思います。その意味で、 まず研究会できちんと問題点を明らかにして、時代に合ったもの、魅力ある財形になっ ていくような形での検討をお願いできればと思います。さらには研究会にのみ任せてお くのではなくて、もう1つ、運用の問題でいろいろな形で、よりよくなるものならば、 事務局なりに考えてもいただきたいと思いますし、この場も使って検討していっていた だければと思います。藤田座長、大変だとは思いますがよろしくお願いします。 ○大賀委員  いま松井委員がおっしゃった点は同感できる部分、十分私自身も感じているのですが 、金融情勢に追い付かない等々、いま金融情勢が非常に不安定の中で、財形制度を見直 す必要性なりというのはあると、私どもも感じています。ただ、財形制度というものを 雇用の流動化等々という問題がある中において、セーフティネットとして位置付けるの であれば、金融情勢に合わせる必要が果たしてあるのかどうかという問題についても、 労働者の立場としてはそこは固定的なもので、それが硬直的だと言われればそれまでな のですが、そういう意義も財形の中にあるのではないかということを感じます。昨今、4 01Kができた等々の問題で、年金、確定拠出年金と財形年金の関係等々ということもい ろいろ議論に出ていますが、果たしていま自己責任ということで、そういった問題を労 働者に全部自己責任だといって言い切れるのか。小泉内閣の流れからいけばそうなので しょうけれども、そういうように日本の社会全体がオーソライズされているかといった ら、私はまだまだそこまではいっていないというように思うのです。将来的にはそうな るかもしれません。ただ、過渡期といった意味において、財形年金の意義というものは 、労働者の立場でいえば認めつつ検討もしていただきたいということを申し上げておき たいと思います。 ○新村委員  抜本的に見直しをされるということを大変高く評価したいと思います。雇用を中心に ものすごく世の中は変わっていますので、是非実効あるものにしていただきたいという ことで、ご検討をよろしくお願いします。その中で、やはり一般的な貯蓄奨励、持家奨 励ということ自体がいま問われている時代だと思うのです。勤労者だけといってもいま 労働力の中で8割程度でしょうか、ほとんどの国民ですので、そこに一般的に貯蓄奨励 をし、持家を持つことの奨励をするということから、ちょっと問い直していただきたい と思います。特に国が支援するということであれば、ターゲッティングというか、誰が 最もこれを必要とし、そこにどうやって最も効率的に支援ができるかというような視点 で、是非ご検討をいただきたいと思います。したがって、先ほどのアンケート調査につ いても、本当に誰がこの制度を必要としているのかというような視点で、設計をしてい ただけたらいいなと思います。そして、特に、やや個人的な意見としては、マクロ的な 状況、どこにターゲットするか。もともと中小企業というようなことがずっと議論とし ては出てきましたが、現実には中小企業のほうが採用率も低いし利用者も低い。それは 一体なぜなのだというようなところの原因までさかのぼって、本当に必要としている人 に使い勝手のいいような制度を設計していただくことを期待したいと思います。 ○翁委員  私も新村先生とほとんど一緒のことを申し上げようと思っているのですが、この財形 に9年ぐらいかかわっており、この間非常に大きく経済情勢やら社会情勢が変わってき ていると思います。いま新村委員がまさにおっしゃったように、貯蓄奨励という一般的 な意味での時代というのは終わってきていて、しかも持家政策も国土交通省のほうも実 際に見直しを始めていて、これから大きく少子化が進んでいく中で、住宅金融公庫の廃 止などに象徴されるように、やはり持家政策自体の見直しというのも進んできていると いう意味で、大きく改革の方向が出てきていると思います。  雇用の流動化ということで、企業に勤めている人の意識というものも、大きく就社と いうことから就職という方向に大きく変化をしてきているということも、変化が伺える ところだと思います。また、年金に関しても今後確定拠出型年金も入ってきていますし 、公的年金についても例えばパートタイマーについても厚生年金を適用していくという ような動きが、今回の年金改正などで出てくるかと思います。その意味においても、大 きな社会の経済構造の変化ということをよくウォッチした上で、財形制度をどのように 位置付けていくのかという視点から、この研究会で抜本的な見直しということを是非検 討していただきたいと思っております。 ○山口委員  いま新村委員の話も含めて、結論的には合っているようで、家庭の意識がどうなのか というのが少し議論してみないと分かりませんが、先ほど労働側委員からも申しました ように、確かに経済状況なり経営環境が変わっていますし、そういう点では生活環境と いう中で大きな変化があるということも事実です。特に企業に福利厚生を依存してきた という大きな流れが変わっている。これは経済環境も一緒だという認識もありますが、 それともう1点、やはり国民、勤労者と言い換えたとしても、確かに全体が家を持つの だとか、そういう時代ではなくなってきたと。そういう中で何があるかというと、やは りそこには持家が必要な人もいれば、建て替えが必要な人もいる。この中の資料にもあ りましたが、やはり所得格差がある中で、中小の人たちというのは長期安定雇用が大変 難しい現実がある。それと賃金自体が低いから貯蓄に回すことも少ない。こういう中で セーフティネットなり福利厚生という面では、ターゲットを絞るということに関して、 私は当然そうあるべきだと思いますが、一般的な流れよりも、そこをまずどうきちっと していくのかという、こういう視点の中で、是非抜本改革をしていただきたいと要望し ておきたいと思います。 ○野澤委員  ちょっと遅れた関係で、どこで言えばいいのか分からないのですが、一連の研究会を すると。そして、要は来年の3月31日までに何回か開いて、アンケートも取ってやって いこうということなのですが、これですべてが解決できる話ではないと思うのです。現 にいまこれだけ雇用が流動化している。とりわけ失業率が高いという中で、もっと現状 の中でも財形契約について失業中なり転職した場合も、継続できるようにもっと弾力性 を持つべきではないかというようなことを、私どもの場合はかねてから改善要求を出し ているのです。これらについて、どういうお考えなのか。だからこういうアンケートを 取るなりやって、1年間の中でいろいろ書かれているような目的がありますが、厚労省 の立場でいえば、本当にいまの財形の問題の中で、こういう雇用の流動化、とりわけ失 業の大変高い中で、真面目にコツコツやっていたけれども、非自発的に退職せざるを得 ないというような場合に、財形契約を解除せざるを得ないとか、1年というのはやはり 問題があるのではないかと思います。こういうことだけでも、改善できるものは改善す るなり、暫定措置を取るということをしないと、何か1年かけてやって、アンケートを 取った結果、またそれから1年かけてどうしましょうという議論では、時代のテンポに 合わないのではないかと思います。そこで私がお聞きしたいのは、過去96年から2001年 までの間でも、約280万件くらい解約というか、件数が減ってきているのです。2002年度 はまだ期の途中なのですが、最近の雇用の出入りで見ると、700万人を超える人が出たり 入ったりという繰り返しをやっている中で、本当にこの財形の契約そのものが、いまど んな動向にあるのか、変わっていないというのか、やはりこのスパンで見ても、かなり の失業問題で継続ができないというような件数がどのくらいあるのか、この辺について 、まず現状をつかんでおられると思うのでお願いしたいということと、繰り返しになり ますが目的でいろいろ書かれているけれども、ズバリ言って、所管の省庁としてどうい うところを、アンケートなり委員の皆さんの意見もありますが、どういうところを変え たいか、また変えなければいけない、手を加えたいというように思っておられるのか、 単刀直入にポイントを説明いただければと思います。 ○企画課長  いろいろご意見を賜ったのですが、順を追って申し上げますと、すぐできるものはす ぐやれというご意見はまさにごもっともで、私どももやれることは是非すぐやりたいの ですが、何が障害になっているかというと、まさに税制の問題であれば、いま新村委員 なり翁委員もおっしゃられたように、貯蓄優遇から投資優遇にという流れの中で、税制 面でのハードルが非常に高くなっている。私どもが過去やってきた税制改正要望を全部 ご紹介はできないのですが、かなりトライしては断わられるというようなことがありま した。したがって、税制面での要望を単純に繰り返すということでは、多分最終的には 結果が得られないだろうという問題意識の下に、むしろコンセプトもきちんと見直して 、本当に財形の意義付けを国民の皆さんに分かっていただけるような形に提示した上で 、新しい制度を考えていかないと、多分無駄なトライになるだろうということで、今回 研究会を設けさせていただいたような次第です。  財形契約件数の状況についての認識等ですが、実はその財形制度について幾つか私ど もが状況認識をするのに、残念ながら十分な情報というか、データが取れない面があり ます。それは金融機関からそれぞれ契約件数についても残高についても、ご報告を頂戴 して分析することにしているわけですが、これまであらかじめ各金融機関にお願いをし ていただいていた数字が、必ずしも分析には十分でない。例えば契約件数等について、 大企業と中小企業別の件数をいただくようにはなっていないというようなことがあり、 例えば先ほどの導入率も他の省庁さんのデータをいただいたり、あるいは私どもの他の 部局の統計調査を用いなければ現状が把握できないというような、残念ながらそういう 状況にあります。これ自体は少し改善をしたいと思って、これから関係金融機関の皆さ んにご協力を賜りながら、もう少し現状分析ができるようなデータの取り方を考えてい きたいとは思っておりますが、そういったことを踏まえた上で、本来、政策を取るべき であるということは、まさにごもっともなところです。現状それができないことを、い かにクリアするかということについても、先ほど言いましたようなアンケート調査を、 なるべく多角的多目的に使えるように工夫をして、とりあえず政策の充実につなげられ るようにしたいと思っております。  それからいま何をやりたいのだという、非常にストレートな、かつ非常に頭の痛いご 照会ですが、私どもは今日それぞれの皆さんがおっしゃられた企業内のさまざまな変化 、あるいは金融の変化それぞれに対応した制度として、まさに国民の方に支持いただけ る制度にしたいという大きな概括的な目標は抱いています。ただ、それがどういう制度 が最もいいのかについては、今日ご議論いただいた中でも、それぞれ労使の中でご意見 の相違がありますし、私どもも定見を持つには残念ながら現状では至っておりません。 その辺りも含めて、諸外国にもさまざまな制度がありますし、そういうことも勉強しつ つ論点を整理して、私どもの行政としての方向性も固めていきたいと思っているところ です。 ○奥村委員  野澤委員も指摘されたのですが、補足的に見通しを、考えていることを申し上げます と、例えば私のいる企業グループがあるのですが、いまや企業グループではなくて、ラ イバルメーカーといろいろな合弁提携をしている。そして、実にいろいろな所と合弁会 社を作って、社員はそこに転籍していく。我々の企業はかつて5万人いたわけですが、 どんどん転籍して新しい会社に変わっていくと、社員数がどんどん減ってくるのです。 実は資本系列、銀行さんとの関係等があって、ライバルメーカーとどんな福利厚生制度 を作るかというのはテーマの中には当然あるのですが、そんなのは合弁の主たる議論で も何でもないのですが、作り方次第によって、いま入っている人たちは転籍してしまう ことによって、まさにポータビリティがなくなってしまって、やめてしまうということ 自体があるのです。ここ数年で300万ほど件数が減っているという話があるのですが、こ れはひょっとすると、かなりの勢いでこのまま放っておくと加速されるのではないか。 会社分割法だとか、いろいろな新しい形の事業展開がどんどんできるように、社会の仕 組みが整備されているというか、改革されているわけですが、そういったことへの対応 を考えていかないと、これが圧倒的に件数が急に減ってしまうということが、すぐ予想 されるのです。ですから、そういう意味で早く手を打たないと、財形制度自身が一部の 人だけにしか利用できない制度と社会的に認知されてしまうのではないかと心配してい ます。  それから大賀委員がなんでもかんでも金融市場に追随すればいいというのはおかしい とおっしゃったのですが、実は松井委員がおっしゃった意味は、いまのことを含めて、 例えば金融機関を選ぶ場合に自由度がないとか、預替えが非常に不便であるということ があって、そういった会社分割、合弁でいろいろな所で新しいものができて、そこでま た新しい仕組みができていくわけですが、そこで、例えば財形制度で自分なりの将来へ の年金に対する投資とか、住宅取得のための資金を作るとか、そういうことが続いてで きるようにしておかないといけないだろう。世の中にはさまざまな金融商品ができてい るわけですが、企業ごとにいま財形制度を一生懸命真面目に作っているので、お互いの 企業間の通る所がない。だから企業間を渡ろうとすると、それは要件を違反して解約に なって、場合によってはペナルティを取られて解約に至ってしまうというところがある ので、そういったことを少なくともなくすべきであろうと、こういうことが趣旨なので 、そのことまでも否定されているおつもりではないと思うので、ちょっと確認をさせて ください。 ○大賀委員  それはそうです。そのことまでも否定しているつもりは毛頭ないです。 ○松井委員  奥村委員がおっしゃったことに付け加えて言いますと、今回の説明に、おそらく恥ず かしくて出せなかったというのは、前回の改正で設けられた中小企業団体を通じての事 務代行の制度の御報告が、私はあると信じていたのですがないのです。それで、なぜか というと、例えばいま奥村委員が指摘された点なのですが、もう少し中小企業団体でな くても、企業グループ、あるいは企業がいま福利厚生分野でもアウトソーシングして、 別会社化して行うと。いまの仕組みですと財形はそこが請負ってやるということはまず できないと思うのです。そういう賃金控除の問題だとか、あるいは事業主が責任を持っ て天引きをする。そこがネックになっていると思うのです。要するに企業が動いていく 中、そして最終的には折角入っていた人が続けられない問題は、やはりどうするのか。  もう1つ申し上げるならば、厚生労働省としては例えば雇用延長をさまざまな施策で 行うことを求めている中で、例えば財形年金、住宅財形などについても、55歳未満でな いと加入できないとすると、仮に最後のほうでもっと積み立てていきたいということで も前の段階でやっていないとできなかったりとか、いまの段階に合っていない部分がさ まざま相当あると思うのです。それで、厚生労働省が行っている施策の中でも整合性が 取れていないということも、もう1つ私は指摘をしておきたいと思います。  それから先ほど新村委員がおっしゃったことで、私はマクロ的にいま貯蓄奨励ではな いということはおっしゃるとおりであると思います。もう1つ考えなくてはいけないの は、これから起こる国の年金制度に対する国民全体の、ここでいうと、あまり信頼性が 持たれていない中であって、やはり個人が貯蓄をしていく部分は十分必要で、それは自 助努力という言葉で我々は表現できると思うのですが、ライフサイクルで見たときに、 若い時代から積み立てるということは、おそらく否定されるべきではなくて、マクロ的 にいまお金を相当持って、貯蓄も持っていてと、そういう人が使っていない部分が一方 問題があるのではないかと思いますから、それは新村委員とか翁委員は御専門のところ だと思いますので、その点も含めた形で、財形制度が一概に悪いということでなくて、 そういう人たちがもっと使える社会づくりという問題もあるのではないかと思います。 もちろんこの場でそれがいけないとかいうことではなくて、幅広に議論していく、それ で制度を考えていくべきだと思っています。以上です。 ○野澤委員  いま奥村委員、松井委員から出たように、また先ほど税制の問題が出ましたが、税制 抜きで、例えば私は労働金庫の関係でも2001年で約8%が退職によって解約になってい るのです。だから、言われるように失業とか転職とか、今後一生に2度3度と変わって いくわけですから、そういう面でいうと私は真面目にコツコツしてきた人が非自発的に 辞めざるを得ない、1年以内にあるところに行かないと駄目ということではなく、少し これについては経過措置なり、弾力的なものを一定期間設けるとか、これは銭金の問題 ではなくてできることではないかと思います。  いま出たように、普及のための窓口をいままでのものにこだわらず、少し弾力的にど うするかとかということは、これは予算が付いて回るかどうかの話ではなくて、労使の 知恵を絞らないといけない部分だと思うのです。私は具体的にこういうものを継続する ためにどうすればいいか、前向きに継続するためにどうしたらいいかという切り口で、 当委員会で議論しないままで要求要求といっても困るから私もあえてここで申し上げて いるのですが、やはりそういうことについて少し前向きに一歩転がすと。これは従業員 だったら従業員でもいいと思うのです。1つの成案が皆さんの合意の中でできれば、そ のときにもう一遍見直すということで見直せばいいのですが、1年間に新しく入る人と 出ていく人が、延べで700万人ぐらい行き来している中で、いままでの縛りだけでやって いくのはいかがなものかと思います。むしろ風穴を開けて、それは加入者から喜ばれる 方向だし、財産形成という考え方からいってもこれは正論だと思うので、是非出たよう な退職なり転職によって継続が不可能になるという者に対する弾力性とか、財形の取扱 いの窓口については、税制その他と無関係でもやっていけるし、私はある面でいうと時 限立法とか、踏み込みすぎてもいかがなものかと言われるかもしれませんが、結局中小 企業の関係も含めて言えば、財形をやれば企業への負担が出るからできないということ であれば、それに代わるものとして何か知恵が出ないかとか、さまざまなものを時限的 にどうするかを検討すべきではないかと思います。当然この委員会でも議論があって然 るべきではないかと思うのですが、その辺についてはどうなのでしょうか。 ○企画課長  いまある制度というのは、事業主の方の手をわずらわし、金融機関の手をわずらわし 、税や予算的な行政の手を掛けて実施している制度です。一見税に関係ないように見え るところも、それを前提に税制の恩典が与えられているケースもあって、本当に私ども もぜひやりたいことも多いのですが、見た目より自由度の確保されていない制度です。 だからこそ少し基本に立ち返って制度を検討しないといけないと考えております。  特にポータビリティなどに関しては、金融機関も1つの当事者としていろいろと利害 が関係していて、我々はこういう風にやりたいからどうぞやってくださいということだ けでは、実際にやってくださる金融機関のご理解を頂戴できないことになるかと思って います。やりたくない理由で言っているのではなく、そういうことを総合的に検討する ための場として研究会を設置させていただきました。だからといって全部お預けするつ もりではなく、当然ここでいただいた議論は、できる限り研究会でも意識してご議論い ただくように事務局は努めたいと思いますし、まさに研究会のご報告の後の議論は、こ ちらの勤労者生活分科会が中心になっていくわけなので、そこはさらに深めていただき たいと思っております。  いまの財形制度は企業はいわゆる天引きをして払込代行をするというのが、1つの核 になる制度として構築されております。それ自体を見直すことはどういうことなのかを 含めて、きちんと議論をしておかないと、制度自体がそういう前提で骨組みが出来てい るので、これを簡単に見直せることを前提にどんどん議論を進めても、それは法制上も 確認を取りつつやっていかなければいけない分野ですので、まさに使いにくい原因はそ こにあるとするならかなり骨の折れる議論になるかと思いますが、それは当然大きな課 題として議論をさせていただきたいと思っています。不十分かと思いますが概括的にお 答えいたしました。 ○勤労者生活部長(奥田)  いろいろな御意見をいただいて、私どもが今日の議論に期待をしていたことが、大体 皆様から出てきたという感じでおります。ちょっといくつか補足をさせていただきます が、まず財形制度が国の制度であるポイントが何かということですが、私は2つあると 思っております。1つは税制上、現在は年金と住宅貯蓄についてはそこから生じる利子 には課税をしないという特典があります。これはまさに国の制度としてそういう特典が 与えられています。もう1点は、財形貯蓄残高の3分の1までは、金融機関は財形住宅 融資の資金として国が調達することに対して、それに応じなければならない金融機関の 義務があります。これによって財形住宅融資制度が維持されています。突き詰めるとこ の2点になるのかと思います。  この2つがあるがためにと言うと変なのですが、いろいろな制約がかかってきます。 特に貯蓄については、先ほどの住宅、年金について。これはその目的を達成するまで、 たとえ途中で転職、失業しても継続できるようにというニーズが非常に強いことはわか るのですが、そのためには課税の管理をし続けなければならないということがあって、 一旦中断をすると非課税制度の恩典を受ける貯蓄としては一定の制約を受けるという中 で、制度が運用されているということです。仮にいまほとんど利子がつかないのでこの 恩典は要りませんとなってしまえば、労使の間で非常に自由な運用ができると思うので すが、ささやかでもそういう恩典がついている中で、言わば硬直的な運用がされている 面があります。  これからの議論として、ポイントとして1つは、雇用の流動性が非常に高まってきて いるということで、財形制度そのものが学校卒業後企業に就職し、定年まで勤めるとい うことを当たり前としてできている制度の中で、これをどのようにいまの実際の雇用制 度に合わせたものにしていくのか。その中でパートタイマーについても、もともとパー トタイマーは任期1年の契約とかの契約で雇われているので、そういった方には当たり 前のように財形は適用対象ではなかったわけです。しかしそうではなくて、だんだん「 短時間の正社員」という言葉が出てきましたが、労働時間は短いけれども雇用について の期間は限定されていないという働き方も出てきましたし、派遣労働についても、100万 人を超えるような人数になってきました。ですから、そういう就業形態の多様化なり、 雇用が途中で中断するという、これは失業もあるでしょうし、今後は育児、介護、自分 の再訓練のための休業というものが、大変に増えていく社会になると思うのですが、そ ういうものに対応できるような財形制度は一体何なのかということ、そういう大きな流 れが1つあると思っております。  それから企業の側の行動も相当大きく変化をしてきています。これは企業が競争の中 で企業の存立のためにはいろいろな見直しが必要になってきているわけです。その中で 福利厚生については、言わばできるだけ身軽にしたいという意向が強くなってきていま す。それが単なる福利厚生の制度だけではなくて、賃金制度の上でもこれまでは年功賃 金が当たり前だったわけですから、そうなると年齢が高くなれば給料が上がっていくと いう形で、生活費はその中で賄えるというのが自動的にビルドインされていたと思うの です。しかし、そうではなく、職務によって給料が決まってくるということになると、 私は逆にそういう時代は若い頃からきちんと自分で貯蓄をする。40、50になったときに 必要になるお金については20代30代で自ら蓄えることがなくなってしまうと、これは大 変なことになるという危機感を個人的にはもっております。このように企業の賃金制度 が大きく変化をしてきているということがあります。  3点目は、金融制度が激変をしましたが、この激変に対して財形制度は対応が遅れた と率直に思っています。財形の商品はいまも一般財形貯蓄と、年金、住宅、またそれも 運用についてはほとんど定期性預金になるわけです。数年前に株式を対象にした財形商 品も入れましたが、そういった言わば商品の多様化という観点が遅れています。  それから、商品が多様化しているとともに金融機関自体の垣根がなくなってきている ので、いまはいろいろなかつてなかった金融商品が、いろいろな金融機関から提供され るようになってきているので、そういうものに対して勤労者がアプローチできるような 仕組みを財形の中に取り込む必要もあるのではないかと思っています。  このように大きくいろいろな面が変わってきている中で、まさしくこれからの時代に 相応しい財形制度をどうしたらいいかという議論になるので、いろいろなご意見が出て きているということは十分わかりまして、それを総合的に考えて、財形は制度ができて から30年経ったわけですが、これからまた30年寿命のある財形制度を組み立てるために はどうしたらいいのかという大議論をしなければいけないという感じでいるわけです。 そういう意味では、皆さんから出ている議論は全部手を着けなければいけないと思って いるのですが、手の着け方の順番についていま研究会の中で整理をしていきたいと思っ ているわけです。 ○分科会長  この議題はこのくらいにします。この研究会で少し論点整理をしていただいて、また こちらでも必要があれば、この期間にご意見を求める機会を作ったりします。何かあり ますか。 ○藤田委員  研究会に関して一言申し上げます。いま部長からも大変大きな責任を伴う課題が提示 されましたし、各委員からいろいろな意見を拝聴いたしました。研究会としては気が重 くなってきているのが実情です。できるだけここに出された意見を集約しながら、新し い時代に相応しい財形制度をつくるために頑張りたいと思っております。  研究会は全部で7回開催される予定になっていますが、すでに2回行いまして、あと 5回、アンケートなども行いながら議論していくということです。いちばん大きな問題 は皆様がおっしゃったように、現在の環境の変化です。これはどういうものであるのか 。つまり、いまはデフレですから、循環的な側面が非常に強いのか、あるいはもっと構 造的な変化であるのか、そのパラダイムの変化まで起こしているような大きな変化なの か、その辺の認識を共有したいと考えています。  その中で福利厚生のあり方、これも実は法定福利と法定外にわかれますが、社会保障 のほうも非常に変化をしてきています。したがって法定外についても、当然それを補完 しながら同じように変化していかざるを得ないような状況の中で、環境の変化を睨みな がら議論を進めていきたいと考えています。  3番目には、そういう総合的な福利厚生、これは財形を含みながらもっとマクロ的に 、例えばいま部長がお話になった、福利厚生の賃金化といったような側面も指摘される わけですが、そういうものを行いながら当面の財形制度をどう見直していくかという議 論に入りたいと思っています。ただ、財形制度の大きな変化の中で単に貯蓄制度だけで はなく、もっと大きな視点から財形のあり方を考えてみたいと思っています。  かつまた、抜本的な改革を期待されている意見が出ましたが、あと5回でどこまで迫 れるかわかりませんが、ともかくもっと広い視野で検討を進めていくことが必要だと思 います。また、ご指摘の制度内で急いで改革しなければならない点については、当然こ れは報告書の中でも各委員から出された問題点を整理して提示したいと考えています。  ともあれ回数も少なく、時間も余裕がないということですので、この中から3人の委 員が研究会に参加していただいているわけですから、そういう方のパイプを通じて、是 非ご協力をお願いしたい、いろいろな意見を是非お伝えいただきたいとお願いをいたし まして終わります。 ○奥村委員  研究会のメンバーということで指定していただいているのですが、山口委員がいらっ しゃらないので残念なのですが、今日の議論のニュアンスはできるだけ伝えたいと思い ます。正直言うと研究会のメンバーで、財形をあまり御存じない方がいらっしゃるとい うことで、どうも議論が噛み合わないところがあります。ですから事務局にお願いした いのですが、まずこういった財形の実態に関しての、こういったことまで見ておかない と本当の分析にならないと申し上げましたが、そういったものをきちんと一度研究会メ ンバーにはお伝えいただきたいと思います。それは当然にこの勤労者生活分科会のメン バーの方にもご説明を1度いただくことが必要だと思っています。  それから、実は認識がかなり違うのかなということがあって、研究会の事務局という ことでお願いしているのは、いままで財形審等から通じてきたいろいろなことがあって 、財形の問題点が何かを1度整理をしてくださいと、それに対してどう対応できている のか、していないのかということも含めて、きちんとした共通認識がないと議論できな いということを申し上げています。こちらも単に言うばかりではなく、自分としてまと めた資料等もお渡ししています。基本的にはそういったことがベースになるのかと思い ます。  例えばこの業態別一般財形貯蓄残高を見ると、いわゆる世の中一般の金融商品のシェ ア割りとはまったく違うような、異常にいびつな世の中の実態、金融市場に合わないも のが出てきているわけですが、こういったことを本当にどう考えるかという問題も1つ あると思います。  もう1つは、すぐにやりたいけれども基本的な仕組み等があってなかなかそうはいか ないという議論がありましたが、もう1つ事務局にお願いしているのは、法の改正まで 伴うような問題と、そうではなく運用を改善することで解決できる問題があると思いま す。この辺をわけて示していただきたいと、ご専門の担当の立場でということでお願い をしています。そういったことが財形制度をできるところから改善していくということ につながる議論のスタート地点だと思います。そういうことをなしに研究会で感覚的な 議論ばかりしてもしょうがないと思っているのです。  30日にアンケートを審議するわけですが、実は今日の議論はかなり幅広い意見をいた だいたと思うのですが、どうもあのアンケートの原案だけではそのところを確認するこ とにはならないと思っているので、もう1回本腰を入れてアンケートの内容については 意見を申し述べていきたいと思っています。 ○分科会長  この議論は切りがないのでこの辺にします。論点を整理していただいて、こちらでも 必要があれば議論をすることにしたいと思います。  もう1つの議題についてご説明をお願いいたします。 ○企画課長  最後の資料です。資料No.3をご覧ください。来年度の予算についてはこの夏に概算要 求を取りまとめ、財務省に提出しているところです。春の分科会においては平成14年度 予算の御紹介であったかと思うので、平成15年度予算の要求状況を御紹介するというこ とで御出ししました。  政策的な大きな変更はありません。個々のご説明は時間の関係で端折らせていただき ます。平成15年度要求額の一般会計は、1,149万9,000円ということで、これは行政経費 ですので、例えばこの分科会の開催経費とか、あるいは行政側がさまざまな実態調査を する経費ということで、本当に僅かです。主たる経費としては、労働保険特別会計にお いて、特に最も大きいものは雇用・能力開発機構に対して主として融資業務を行ってい ただいていることについて、これまでは交付金でその費用を支弁していました。前回の 分科会でご報告したように、雇用・能力開発機構は今般近々開かれる臨時国会に提出予 定の法案によって、独立行政法人化されることとなっています。その関係でこの資料No. 3の2(2)のところに、雇用・能力開発機構交付金+勤労者財産形成促進事業費補助 金(仮称)となっているように、再編後の独法法人に対しては交付金でなく補助金とし て支弁しますのでこれら二つを併せて計上したものということでご紹介いたします。  春にご覧いただいた数字をご記憶の方は、数字の連続性に疑問があるかと思いますが 、実はこれまで事務的な整理としてご紹介していた数字に、役職員の人件費を入れずに ご紹介していましたが、今回は人件費を入れて政策評価に耐え得るような形でご紹介を しようということで出しています。したがって、主として正規職員の人件費及び補助職 員の人件費、さらにさまざまな事務経費を含めた管理費がここにある5億3,639万円です 。それを含めて18億6800万円を雇用・能力開発機構、勤労者財産形成促進制度の中での 主として融資業務を実施するのに要する費用として、要求をしているのだとお考えいた だきたいと思っております。  この融資業務については、ここにあるお金だけでものが動いているわけではなくて、 還元融資という形で、勤労者財産形成貯蓄の中の最大限3分の1ということで、債券発 行して金融機関から資金を調達したもので融資をするという繰回しの中で、さまざまな 支出を行っているところです。それに加えて国から出しているこの18億が、まさに事務 的経費及び一部促進的な助成金制度等々の経費であるということです。今日は時間の関 係で細かいご説明を省かせていただきますが、いま申し上げた形で独法化をされた後も 、なるべく行政評価に耐え得るような効率的な経営をするように行政としても努めてい きたいと思っているところです。以上です。 ○分科会長  いまの説明で何かありますか。 ○松井委員  最後の2の(2)のところで、さまざまなところに管理費以外にも業務費と書いてあ って、ヌのところには財形給付金助成金というのは昔からあったものだと思うのですが 、ワのところの貯蓄活用助成金など、それぞれのところの最後に業務費と付いています が、ここに書いてあるのは助成金そのものを支払われた額なのか、ここを管理していく ような行政経費、管理費みたいなものが含まれているのかどうか教えていただけますか 。 ○企画課長  支払う助成金の他に、例えばさまざまな支払いマニュアルの印刷とか、指導のための 旅費とか、そういうものがここに入っています。 ○分科会長  よろしゅうございますか。それでは今日はこのぐらいにしたいと思います。 ○野澤委員  この分科会はこれで来年4月までは開かれないのですか。むしろ私の要望としては、 研究会は大変だと思うのですが、中間的に12月ぐらいまでで大まかな外郭は出るわけで すから、その中間的なものを我々委員にも1回ぐらいは状況報告をしていただいてもい いのかという思いはあるのです。それは報告書をまとめるのを阻害しようとか、そうい う思いではないので、それはそれとしてやられればいいと思うのですが、どういう議論 でどういう方向なのかということは、年内に1度検討いただければありがたいと思いま す。要望です。 ○企画課長  研究会のスケジュールを御覧いただければわかるように、ある程度大きな課題を精力 的にご議論いただく関係と、アンケート調査の結果をある程度踏まえた御議論をいただ くことを考えると、野澤委員の御要望の年内というのは大変難しい気がしています。た だ、私どもとしてはこの勤労者生活分科会もちょうど省庁再編の1月に発足したので、 来年1月でちょうど2年ということで、委員の改選時期というか更新時期に当たります 。したがって、来年1月以降新しく選出された委員、当然継続でご選出の委員の方もた くさん見えられると思いますが、新しい委員が御選出された状況で、通常であれば顔合 わせ及び諸手続のための分科会を持つのが通例ですので、改選の進捗と研究会の進捗と をうまくタイミングが合えば、アンケート調査の結果などを含めて、事務局の責任で研 究会の座長とご相談しながら、そういう場を持つことも考えさせていただきたいと思っ ています。  ただ、いまの状態でそういうふうなタイミングを年内に持つというのは、正直言って 事務局としても非常に不安があるので、いま申し上げたような努力目標で御理解いただ ければありがたく思っております。 ○分科会長  そうですね。予定表で見るとアンケートの調査結果がまとまるのが年内ぐらいの感じ ですから、ちょっと年内というのはあまり藤田先生のところをせかしても申し訳ないで すから、適当な時期に事務局とご相談して、完全に終わる前に1回ぐらいは我々の意見 を聞いていただく場をつくりたいと思います。  それでは本日の議事はこれで終わりにいたします。最後に議事録ですが、議事録には 会長の私と指名する御二人の方が署名をすることになっています。これまでと同じよう に労使それぞれ各1名ずつお願いしたいと思います。大賀委員と伊藤委員に御願いした いと思います。よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。 照会先 労働基準局勤労者生活部企画課企画係  内線5352