02/08/06 血漿分画製剤の安全性確保対策の検討小委員会議事録 血漿分画製剤の安全性確保対策の検討小委員会 議事録 1.日時及び場所 平成14年8月6日(火) 14:00〜15:25   航空会館 601会議室 2.出席委員(4名)五十音順   岡田義昭、小室勝利、三代俊治、○山口照英   (注)○座長 3.出席参考人(10名)五十音順   今井光信、金子健二、田中利明、伴野丞計、速水照一、平子一郎、三上貢一、   水澤左衛子、宮本誠二、吉原なみ子 4.行政機関出席者   鈴木英明(血液対策課長)、西田道弘、丈達泰史、小池創一 ○山口座長  定刻になりましたので、ただいまから血漿分画製剤の安全性確保対策の検討小委員会 を開催いたします。  本日は小委員会にご参集いただきましてありがとうございます。  まず、血液対策課長からご挨拶をお願いいたします。 ○鈴木課長  血液対策課長の鈴木でございます。  先生方には大変お暑い中、また、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがと うございます。  ご承知かと思いますが、長年の懸案でございました「採血及び供血あつせん業取締法 」の改正法案につきましては、先般、国会を通過いたしまして、7月31日に公布されま した。関係する皆様方のご協力をいただきまして大変ありがとうございました。  血漿分画製剤の安全性確保対策の検討小委員会ですが、平成11年3月に設置されて以 来、HCV、HIVについてNATの標準品の決定をお願いしてきたところでございま す。これまでHCVの標準品につきましては完成いたしまして、現在、埼玉県の赤十字 血液センターで保管していただいているところでございます。また、HBV、HIVの 標準品につきましても候補品を決定いたしまして、多施設共同試験が実施されていると ころでございます。今般、多施設共同実験の結果がまとまりましたので、本日はその結 果を発表していただき、標準品の決定について検討をお願いしたいということでござい ます。  この小委員会での議論を踏まえまして、今後、安全技術調査会において標準品の保管、 配布方法につきまして検討していただきたいと考えております。  また、NATのガイドラインにつきましても、今後、安全技術調査会で議論、決定し ていただこうと思っておりますが、標準品の問題とも密接に関係するところでございま して、本日は山口委員から提出された原案を説明していただき、小委員会としても専門 的な観点からご議論いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○山口座長  それでは、事務局から資料説明をお願いいたします。 ○事務局  本日お出ししております資料の確認をさせていただきます。  議題1関係としまして、資料1「HBV DNA国内標準品候補品(HBV-129)の評 価」、資料2「HIV RNA国内標準品候補品(HIV-00047)の評価」がございます。  議題2の関係としまして、資料3「血液製剤のウイルス安全性確保を目的とした核酸 増幅法のバリデーションに関するガイドライン」がございます。  参考資料1は、標準品の交付申請様式です。  参考資料2から4は英文の長い題名の資料ですが、山口先生から議題2に関連して提 出されたものです。以上でございます。 ○山口座長  それでは、本日の議論の本題に入りたいと思います。  まず議題1「HBV及びHIVの国内標準品の選定について」ですが、これに関する 資料について事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局  議題1の資料に関する説明ですが、平成12年12月にHBV、HCV、HIVの3種の ウイルスに関するNATの義務づけを含む生物学的製剤基準の一部改正が行われました。 NATに関するガイドラインを作成していただいているところでありますが、NATの 検査法の標準化を図るためには国内標準品が必要であるということです。  HCVの標準品については既に決定されまして、埼玉県赤十字血液センターに保管さ れております。  HBV、HIVの標準品については、候補品に関する多施設共同試験の結果が出され ておりますので、本日はその結果について評価し、それを踏まえて、候補品を標準品と することについて議論していただき、標準品の保管・配布方法についてもご意見をいた だきたいということでございます。 ○山口座長  ただいま事務局からご説明がありましたように、昨年、HBV、HIVの候補品を選 びまして、それを多施設で共同検定しましたが、その結果を感染研でとりまとめていた だきました。そのデータが資料1、資料2という形で出ております。どういう結果が得 られて、どういう評価を感染研でされたかということを説明していただいて議論を進め ていきたいと思いますが、水澤先生から説明をお願いいたします。 ○水澤参考人  まず資料1「HBV DNA国内標準品候補品(HBV-129) の評価」についてご説 明申し上げます。  国内標準品・候補品の性状というのは、プラズマがHBV-129、抗原が陽性で、サブ タイプがadr、ジェノタイプがC。これを、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、HI V抗体陰性の脱クリオプール血漿で希釈して分注し、−80℃で凍結保存したものです。  標準品としては、WHO国際標準品(97/746) を使いました。これが100万国際単位 /mLです。  測定法は、協力してくださった機関にお配りした実験法に従って、7段階の100.5倍 希釈系列を日を変えて4回エンドポイント法で測定していただきました。  参加施設の9機関に試料を配布しまして、8研究機関から測定結果が返されてきまし た。結果をお送りいただいた機関は、日本製薬株式会社、バクスター株式会社、財団法 人化血研、ウェルファイド株式会社、バイエル薬品株式会社、アベンティスファーマ株 式会社、東芝病院の研究所、国立感染症研究所の8研究機関です。  1つの研究機関で2組のセットを送ってくださったところがありましたので、9組の 測定結果が返されてきました。  この結果は次のページに書いてあります。全くランダムなのですが、8つの研究機関 を1から8のコード番号で表してあります。研究機関5からは測定法の異なる2組の測 定結果が返送されてきました。研究機関の1番と3番と4番はデュープリケートで測定 を行っていました。研究機関の8番は候補品のみ2回測定してありました。この8番は 解析には含めませんでした。よって、研究機関1から7の8組の測定結果のエンドポイ ントを分析しました。二重測定してある1番、3番、4番の研究機関については、独立 した8回の測定結果として分析しました。  1ページの下のところに書きましたように、測定結果が(1)から(3)のように不連続な 陽性が得られた場合、どのようにするかということですが、例えば5番の2のデータセ ットの標準品の1回目のように陽性が続いていって、1回陰性になって、次が陽性にな るという場合、2つのケースに分けて計算しました。低いほうの6.5 乗希釈をとった場 合には解析結果のLow 、高いほうの7.5 乗希釈をとった場合にはHighと分けて、計算 を2通りしました。  (2)番のような例は該当がなかったんですが、(3)番のように陽性があって陰性があっ て、その次に続いて陽性があって陰性があるというデータがありました。例えば6番の 候補品の4回目の測定のような場合ですが、陰性、陰性、陽性、陽性で、そのあと陰性 という場合があります。最初の2つの陰性については無視するというか、2つ続いた陽 性の次から陰性になるということで判断しました。  その結果が別紙2になります。高いほうのエンドホイントを使って計算した結果です が、この結果は国際標準品に対する相対値として計算してあります。エンドポイントの 平均値は0.444になります。これをLog で表すと−0.352 です。標準品が106/mLですか ら、一番下の表ですが、国際単位で表すと105.65/mLということで、これを真数に直す と4.4×105 国際単位/mLという値が得られます。  上のグラフでは点線のところに平均値が入ってるんですが、どの測定値も誤差の範囲 内で平均値にうまく一致しているということで、いい結果が出ました。  別紙3ですが、次に低いほうのエンドポイントを使って同様の計算をしました。標準 品に対する数値ですが、平均値が−0.352 。標準品のほうも測定値のほうも両方飛んで いてLow のほうをとったりすることがありますので、偶然なんですが、同じ数値になり ました。国際標準品が106 ですので、国際単位に直すと105.65国際単位/mL、真数をと ると4.4×105 国際単位/mLとなります。  Low の測定値をとってもHighのエンドポイントをとっても同じ平均値が得られて、い ずれの場合も誤差の範囲でどこの測定値もうまく入っていると思いますが、この時の数 値は、計算上は4.4 ×105 国際単位/mLということになります。 ○山口座長  ありがとうございました。  まずHBVのほうから先に議論していただきたいと思います。いま水澤先生からご説 明いただきましたように複数の計算方法をとって計算したんですが、両方の計算方法を 用いても、国際標準単位に直して4.4 ×105 国際単位/mLという結果が得られたとい うことです。これについて三代先生からコメントをいただけますでしょうか。 ○三代委員  うちも参加したんですが、カウントされませんでした。8番というのがうちの数値で す。職人みたいな人に頼んでやってもらったんですが、彼はこれだけでいいということ でした。それと合っていたからいいというのはちょっとずうずうしい言い方なんですが、 最終的に平均値から算出された105.65というのは妥当であろうと思います。  別紙1の塗りつぶしてあるやつを見ると、例えば5番の施設の場合、WHOの標準品 のほうが、この129よりもエンドタイターがやや伸びているように見えたりするのは、 設定されたプライマーのところに1個ないし2個ぐらい、129のほうにミスマッチが あった可能性もありますので、できれば候補品の全塩基配列が決めてあると、あとで何 かあった時に説明がしやすいのかなと思います。 ○山口座長  三代先生のご意見としては、タイターとして表すとすると、丸めるというよりも、 4.4 ×105 であれば105 で、ただ、将来的には、後々のために塩基配列を全部解析し ておいたほうがいいのではないかということですね。 ○三代委員  そうです。 ○山口座長  これにつきまして皆さんのご意見、コメント等がありましたらお願いしたいと思いま す。 ○小室委員  今のシークエンスの問題は今後の問題として、三代先生とご相談させていただいて、 どういう形にするか検討させていただけますでしょうか。 ○山口座長  三代先生、これはシークエンスが終わるまでは決定できないというのではなくて、将 来のために全塩基配列を解析しておいたほうがいいということですね。 ○三代委員  はい。ダイレクトシークエンスになると思うんですが、その場合でもクローニングす る場合でもタイターの高いサンプルからスタートしたほうがいいので、希釈する前のや つがあれば、それをいただければ、あっという間にできちゃいます。 ○岡田委員  これはプラスミドにいったん落としてシークエンスをやったんですが、何ベースか違 うんですよね。ですからPCRで増やすと、どうなのかなというところが…。 ○三代委員  そういう場合、ダイレクトシークエンスのほうがいいですね。全体が見えるから。 ○山口座長  伴野先生、原液というか原材料というか、三代先生がおっしゃったような形でシーク エンスしていこうと思いますと、希釈する前のやつが少しあるでしょうか。 ○伴野参考人  原液は1,000cc くらいはあると思いますが、確認してみます。 ○山口座長  そのくらいあれば大丈夫ですね。シークエンスについては今のような形で進めていき たいと思いますが、それ以外に今回の測定結果についてコメント等がありましたらお願 いいたします。ないようでしたら、水澤先生からご説明いただきましたように、今回測 定しましたHBV国内標準品につきましては、その単位を4.4 ×105 国際単位/mLに存 在するという形で決めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。将来の ためにシークエンスのほうはご検討いただくということで。 ○水澤参考人  精度からいって、4.4 というのは少し細かいのではないかと思うんですが。 ○三代委員  これをどっちかに動かす理由はないんです。丸める理由がないんですよ。 ○水澤参考人  このままのほうがよろしいんですか。 ○三代委員  そのほうがいいと思います。 ○山口座長  この表示について、ラベリングを張るわけにはいかないんですが、添付資料みたいな 形で、そこに印刷するやつをつけるということを前に議論したような気がするんですが。 ○小室委員  申請があった場合、これはこういう性状ですよという文書を一緒につけるわけですよ ね。そのことですか。 ○山口座長  それとは別です。バイアルは分注されていますので、バイアルの表面には書けないの で、そこのところにタイターを書いておかなくてはいけないというだけです。 ○岡田委員  データシートですか。 ○山口座長  データシートはまた別に作ることになるかと思うんですが。よろしいでしょうか。H BVの標準品につきましては、4.4 ×105 国際単位/mLということで表示させていただ きたいと思います。どうもありがとうございました。  次に、HIVの標準品のほうに移らせていただきたいと思います。水澤先生に説明を お願いいたします。 ○水澤参考人  資料2ですが、HIV RNA国際標準品についてご報告します。  候補品は、HIV-00047;HIV-1 genotype B。これを、HBs抗原陰性、HC V抗体陰性、HIV抗体陰性の脱クリオプール血漿で希釈して分注、−80℃で凍結保存 してあるものです。  標準品は、WHO国際標準品の97/656、HIV-1 genotype B、10万国際単位/mL です。  測定法は、先ほどのBと同じようなストラテジーなんですが、2つの方法に分かれま す。1つはエンドポイント法、もう1つは定量的核酸増幅法です。  エンドポイント法は、定性的核酸増幅法を用いて日を変えて5回測定を実施しました。 これは今までのBやCと異なりまして、候補品が1つでしたので、1回目で予備的な10 倍希釈系列で測定をお願いして、2回目以降、エンドポイントを挟んで7段階の10-0.5 倍希釈系列で4回の測定をお願いしました。  定量的核酸増幅法は、予備的な増幅を行った上で、標準品と候補品をそれぞれ3倍希 釈した試料を用いて、日を変えて3回測定しました。日によってデュープリケートで測 った場合もあれば、5重測定で行った場合もありました。  参加施設の9つの研究機関に試料を配布して、7つの研究機関から測定結果が返送さ れました。測定結果を送ってくださった研究機関は、神奈川県衛生研究所、日本製薬株 式会社、バクスター株式会社、ウェルファイド株式会社、バイエル薬品株式会社、財団 法人化血研、国立感染症研究所です。  次のページにあるように、この7つの研究機関のコード番号を1から8にしましたが、 4番は欠番となっています。8番の研究機関は定量的核酸増幅法を行いましたので、こ の表には出ていません。1番と3番はデュープリケートで測定して、5番の研究機関は 異なる方法で2組の測定値を返却してきました。  分析法は、エンドポイントについては先ほどのBと全く同じように行いました。飛ん でいるところがある1のような例の時には、エンドポイントがLow とHighの場合に分け て計算しました。  まとめた結果が別紙2になります。  上のグラフは「エンドポイント法による」と書いてあるんですが、8番の定量的測定 法によるデータも書き加えてあります。国際標準品に対する相対値で表してありまして、 平均値は0.1357。点線が平均値ですが、8番のデータは測定法も定量法ということで異 なりますのと、測定回数が非常に多かったので誤差が小さくなっていますので、平均値 を出す時の計算には加えませんでした。誤差としては平均値に重なってないんですが、 平均値に近いところにデータが落ちていると思います。  7番も加えて最初に計算した結果がここにないので口頭で申し上げますと、平均値が 0.20です。7番の誤差範囲が0.36から1.04ですので、7番を加えた場合でも誤差範囲が 外れているということで、計算上は1番から6番で計算して、平均値0.1375というのを 出しました。  一番下の表になりますが、標準品が105/mLですので、国際単位で表すと105.14/mLで、 真数にすると1.4 ×105/mLになります。  低いほうのエンドポイントをとって同様の計算を行いました。点線が平均値ですが、 7番と5番は○になっています。これを加えて平均値を出すと0.207 になります。 0.207だとして、5−1と7が誤差を考えても外れているということで、1、2、3、 5−2、6をとって計算した平均値が0.2857になります。国際単位に戻すと105.29/mL で、真数は1.9×105 ということになります。  8番の定量法は除いて、1から7までのすべてのデータを採用して平均値をとったと すると1.8 ×105/mLになります。  別紙1に戻りまして、Highのエンドポイントをとった場合、1から7番までのすべて のデータを採用してとった平均値に基づいて計算しますと、1.6 ×105/mLになります。  どういうふうに高いほうの値をとるのか低いほうの値をとるのかということで、ちょ っと難しかったです。 ○山口座長  ありがとうございました。  これにつきまして今井先生からコメントをお願いできますでしょうか。 ○今井委員  HBVのほうに比べると、HIVでは平均値のところでばらつきが大きくて、値が外 れたのが1つか2つあるんですが、いろんなやり方で値が出てきていて、どの値を平均 として採用するかというところで、Bよりちょっと難しい問題があります。  1.4 ×105 というのも、あたかも1.4 という細かいところに意味があるように見え て、細かいところをきちっと入れた値をとるのがどうかなという気もするんですね。丸 めていくつをという時に、もともとは105 ぐらいのものを作ろうと思ったんですが、こ のデータから105 というのもなかなか言いづらいし、どの値をというところが難しいん ですね。  いずれにしても多少のずれは出てくるので、Bの時と同じ基準でいくということで、 HIVの2ページの1.4 ×105 の値をということにしても、そう大きなずれではない のではないか。その根拠は何かと言われると、苦しいところも出てくるんですが。 ○吉原参考人  質問なんですが、これはRNAのとり方とかプライマーとかは同一のものをやったの でしょうか。5番と7番が外れているというのは、他のところと違うプライマーを使っ たとか、RNAの抽出法が違ったとか、PCRの回数が違ったとか、そういう違いはあ るのでしょうか。 ○岡田委員  HIVのほうの別紙1に書いてありますが、方法に関しては各ラボがやってる方法で すので、ばらばらです。抽出に用いる血漿の量も書いてありますが、多いところは400 マイクロ、少ないところは50マイクロですので、そういう面ではばらつくのは、ある程 度は仕方ないかなと思います。WHOの標準品を決める時も各ラボで方法はばらばらの 方法です。 ○吉原参考人  プライマーがマッチングしてないところで、こうなったのかなという…。ちょっとマ ッチングするけど、1つ2つ合わなかったからかなと思ったんですけど。 ○山口座長  物理スケールというか、抽出方法などが違ったとしても、相対的評価ができないとい けない。参照品というのはそういう意味ですので、抽出方法が違うからどうだこうだと いうことは今から議論はできないなという気はしてはいるんですね。複数の測定方法を 使ったとしても、ある単位として表示せざるをえないということではないかなという気 はしてるんですが。  ほかにコメント等はございませんか。これだけ日本の中のHIVの専門家がいらっし ゃって、どの単位というのは非常に難しいというのはよくわかりますので、先ほど今井 先生がおっしゃったような形で1.4 というのをとるのも、この会の方針としてはリーズ ナブルかなという気がしてはいるんですが。 ○今井委員  国内参照品であって、絶対的な値そのものがそれほど意味を持つものではないと解釈 すれば、それでいいのかなと思います。 ○吉原参考人  努力目標じゃないですけど、そこに合わせるということで何かシンボルが欲しいとい うことなんで。 ○今井委員  あとはガイドラインとの関連で、この参照品をもとにして、何倍希釈のところまで、 あるいは何単位までは検出できるという、そのための一つの基準ですよね。その意味で は、値そのものが絶対的に正しいかどうかということは、あまり…。そこは多少ずれて いてもいいと考えれば、1.4 という値をとってもいいかなと思います。WHOの標準品 もサブタイプはBですね。 ○山口委員  たしか同じだったと思います。  ほかにご意見がないようでしたら、HIVの日本参照品につきましては1.4 ×105国 際単位/mLを含んでいるという表示をして、配布していくということでお願いしたいと 思います。どうもありがとうございました。  今回2つ決まりまして、前に決めましたHCVと合わせて、HIV、HCV、HBV の3つの国内標準品が策定されたことになりますが、皆さんいろいろとご協力ありがと うございました。  作りました以上は、これを使って血液の安全性を確保していくことになります。最終 的には調査会のほうで議論していくべきことかと思っておりますが、せっかく参加して いただいた各ラボの方もいらっしゃいますので、どういう形で配布していけばいいかと いうことについて議論していただきたいと思います。まず、事務局からご提案等があり ましたらお願いします。 ○事務局  これまでの小委員会の議論の中で、いくつかポイントがありました。標準品の使用目 的をどうするのか、すなわち配布対象者をどうするのか、どこで保管をするのか、保管 の費用はどうするのか、輸送にかかる費用はどうするのかといった点が論点となってお ります。  参考資料1として、平成12年8月の当小委員会に小室先生から出していただいたもの ですが、標準品の交付申請書式の案をつけております。こういう一つの書式が例として 提示されているということです。  この小委員会においてはご意見を交換していただきまして、これを踏まえて安全技術 調査会において今後の保管、配布について決定していきたいということでございます。 ○山口座長  今のご説明にありましたような形で進めていくわけですが、皆様からご意見をいただ ければと思います。 ○小室委員  注意しておかなくてはいけないのは、まず1点は、今後、国際的にいろんな標準品の 交換作業があるだろうという点です。もう1点は、不活化してないものですから、バイ オハザード的な管理をどうするか。その2点がメインポイントになると思うんですが、 特に保管なり輸送に関しては十分考える必要があるだろうと思います。 ○山口座長  バイオハザードに関しては、私がおります研究所でもそうなんですが、去年の秋以降、 ウイルスとか感染性物質に関する保管について調査がされまして、それなりの厳しい目 があるかと思うので、そのへんは注意していかなくてはいけないなという気がしており ます。輸送とか保管を含めて、バイオハザードに関してきちんとやっていくことが大事 だということですね。  ほかにございませんでしょうか。今の小室先生のご意見も含めて調査会に上げさせて いただいて、そこで配布方法についてはさらに決めていっていただくわけですが、最終 的には事務処理的なところもありますので、事務局のお考えもあるかと思いますので、 そのへんについては調査会あるいは事務局にお任せいただくということでよろしいでし ょうか。配布方法についてはそういうことにしていきたいと思いますので、よろしくお 願いいたします。  次に、NATガイドラインの議論に移りたいと思います。  調査会から小委員会にNATのガイドラインを作成するようにという指示がありまし て、私が原案を考えさせていただきました。それが資料3です。全く私が考えたわけで はなくて、参考資料2、3、4はEMEAあるいはFDAから出されているNATのガ イドラインですが、血液製剤にNAT法を導入するにあたって、どういう形でNATを 行っていくべきかということが書かれていますので、これを参考にしました。  資料3の最初のページ、コンセプトのところで基本的な考え方を書かせていただきま した。FDAでいえば、NAT法を導入した間の1年半あるいは2年間を治験期間とい う形でとらえて、その間に解析されたデータ、要するにNAT法を導入することによっ てどれだけウイルス感染が低減できたか、その状態を維持する。そのために導入したN AT法の品質あるいはバリデーション評価を行っておく。そうすれば、将来、そのNA T法のプライマーの設計を変更するとか抽出法を変える時にも、それと同一の感度を保 証できる。それがNATを導入した時の規格、試験方法の恒常性を担保するということ で、そういうことのためにガイドラインを作っているというふうに私なりに理解したつ もりです。  次の1ページですが、昨年10月に血液対策課に案として提出しましたので、その日付 になっております。  いくつか書かれておりますが、適応の範囲としては、メインに考えているのはスクリ ーニングです。NAT法をスクリーニングとして導入する場合、C、B、Iを想定して スクリーニング試験での適応ということを念頭にガイドライン案を作らせていただきま した。NATの試験というのは定性試験として、要するに検出されてはいけないわけで、 検出されるかされないかということで書かれています。  もう一つは、NAT法をそれぞれ設定するにあたって一番重要なのは、プライマーの 設定、増幅系の設定など試験法そのものの全体的な構築を各メーカーあるいは日赤など で行っておられると思うんですが、それの評価ということが行われている。  こういう標準品を策定した時に、その標準品をどういうふうに使うかということが各 国とも書かれておりまして、ヨーロッパとアメリカで少し表現が違うんですが、あげて いる中身については同じだと思います。一つの方法は、95%の信頼限界で、標準品が検 出できるような感度、その感度の3倍の標準品をスパイクした時に必ずNATの試験法 が成立するというルーティンのアッセイ法の感度の設定です。  もう一つは、違う表現方法でいきますと、定性的限界と定量的限界。定量的限界につ いてはかなり高濃度のやつをやっていまして、定性的限界は先ほど水澤先生から説明し ていただいたようにプラスになるかマイナスになるかという、そういうところの定性的 検出限界の、それの3倍のスパイクを行う。そういう時に必ず試験が成立してないとい けない。そういうことのために標準品というものは使わないといけない。  あとはNAT法を導入するにあたりということなんですが、実際に日赤ではNAT法 が導入されておりますし、その間には検出感度とか検出精度の検討は行われていると思 うんです。日内変動、日差変動をどのように考えるべきかということが書かれておりま したので、そういうことを含めて全体を書かせていただきました。  これにつきましては、NATをやっておられる何人かの参考人の方にもご意見を伺い まして、こういう形でまとめさせていただきました。  つい最近送られたばかりかと思いますので、すぐには意見が出てこないかもしれませ んが、前もって配付されている資料ですので、これについてご意見等がありましたら、 いただければありがたいと思います。 ○小室委員  これは最終案ではなくて、これから詰めていくということですよね。記載そのものは こういう順序なりこういう構成でいいのかなと思ってるんですが、もう少し具体的に書 いたほうがいいのか、そのへんで若干気になるところがいくつかありました。流れとし てはこれでいいのではないかと思います。 ○山口座長  ここでは原案を作って、それを調査会に出して、さらに調査会で議論していただくこ とになりますので、いろいろ意見を出していただいて、修正すべき点があれば修正して、 調査会での議論の土台を作らせていただくということでよろしいかと思います。 ○岡田委員  診断薬として認可されたキットを用いる場合と、自分のところで立ち上げたインハウ スを用いる場合がありますね。インハウスの場合はこれをとってやらなくてはいけない と思うんですが、キットの場合は、キットを製造している会社でプライマーなどの特許 も絡んできて、なかなか情報が得られないところもあるんじゃないかと思うんです。 ○山口座長  これは一般に公開する時の必要性というよりも、申請書の中に含まれるというか、申 請書の中ではプライマーを公表されないんですか。 ○小室委員  申請書にはプライマーの構造をちゃんと書いてありますよね。 ○吉原参考人  要求しています。 ○岡田委員  僕が言っているのは申請書じゃなくて、各血液メーカーがそれを使う時に、作ってい る診断薬のメーカーに中身を申請しても、それに対して答えてくれるかどうかというこ とです。 ○山口座長  最近、医薬品の審査のシステムがICHの関係で変わってきたので、ブラックボック スに入れているものについてはメーカーは見られないんだけど、レギュレーターは見ら れる。そういうことになりつつありますので、そういう意味ではそれは見えるというこ とになりますね。プライマーなどを作っているメーカーが申請者には見せないんだけど、 レギュレーターにだけは見せるという、そういう扱いになるんじゃないかという気がし ています。  ほかにございませんでしょうか。疑問点でも結構ですし。 ○小室委員  数字を決めるにあたって標準品をいかに使用するかというところはどの程度明記すべ きかという点は議論しておいたほうが、まとめていく上でいいんじゃないかと思うんで すけどね。 ○山口座長  それについては、事務局と議論させていただいた時に、私自身が考えているのは、ア ペンディックスみたいなところで…。検出限界を一度決めてしまって、変えられないと 困るわけですね。こういう非常に進歩の激しいところで、簡単に変えられないと困るよ うな気がしますので。あるいは先ほど言いましたように、検出限界の考え方を、例えば 標準品を使って95%信頼限界の3倍とか、そういう形で出していくとしたら、これは別 の書き方だと思うんです。あるいは最低ラインを定めるといった場合には、アペンディ ックスみたいな形で記載していくのが望ましいのかなと私自身は思ってるんですが、記 載すること自体についてご意見がいろいろあるかと思うので、検出限界等の記載につい て、現場でそういうことに携わっておられるメーカーの方でご意見はございませんか。 宮本さんは何かございますか。 ○宮本参考人  特にないんですけど、一度決めて変えられなくなると技術の進歩に合わなくなってき ますので、いまおっしゃったようにアペンディックスみたいな形で記載して、技術の進 歩に伴って見直していくのがいいかと思います。細かい点についてはよく考えてみたい と思います。 ○山口座長  伴野さんは何かございますか。 ○伴野参考人  同じような意見です。このガイドライン案を見ると、骨格としては非常によくできて いると思います。先ほどお話がありましたように、具体的に検出限界をどこに設定する か、そういった問題は議論して決定しなくてはいけないので、そのへんが残されている 部分じゃないですか。 ○小室委員  WHOのこの手の会議で一番問題になっておりますのは肝炎の問題で、IUでいくか コピーでいくか。今のインターフェロンの治療効果のものなんかはコピー数で皆さん表 現されているペーパーが多い。そこらへんをどうするかという議論がありました。IU とコピーとの関係をどのようにという点は、ある程度触れといたほうがいいのかなと思 います。 ○三代委員  臨床家がインターフェロンの治療効果を見るのにモニタリングで使っているHCVの 定量系もbranched DNA法とかアンプリコア法とかあって、それぞれユニットが違うん ですね。同じ検体を両方の方法で測って、換算式を作ろう。カーブを描いてみるんだけ ど、そこから外れる検体もあって、なかなか一概にはいかないんですよ。国際単位に翻 訳するとどうなるかというカーブも、いずれは描かなくてはいけないんです。4種類の 異なる定量系があったら、その4種類の間の換算式とか、いずれは作ることになると思 うんです。そうするうちにまた新しい方法が出てくる。そうすると、またそれをやらな くてはいけない。その作業はこれからずっと続いていくと思うんです。  もう一つは、NAT検査の方法のパフォーマンスをバリデートする時に、検出しよう と思っている検体の中に標準品と同じものがあるわけではないんですね。僕がちょっと 関与しているインターナショナル・コンソーシアム・フォー・ブラッド・セーフティと いうプリンスが始めた機関では、例えばHCVの検出方法をバリデートするためには1 型から6型まですべてのジェノタイプを相手にするので、それぞれ20種類ぐらいのもの を取り込んだ形のパネルが必要であろう。そのパネルを、あなたの系がどのくらい平等 に押さえるかという形のバリデートをしなければ意味がないということで、いまICB Sは一生懸命そのパネルを組もうとしています。そういうことも、このガインドライン の中にちょっと書いてあるといいかなと思います。 ○岡田委員  結局は絶対量というのがわからないところがあるので、みんな苦労している点なんで す。Cの場合だったらRNAでジェノタイプをそろえて、コピー数を出して、それで感 度を検討しようという動きがあって、血漿由来の国際標準品とは別に、リファレンスと いう形になると思うんですが、そういう形でリコンビナントを作る予定はあります。そ れは小室先生も同じですね。 ○小室委員  今年の初めごろだったと思いますが、うちの会員で、この3つのニーズに対してリコ ンビナントの標準品を作ろうという…。 ○三代委員  シークエンスを用意するわけですね。 ○小室委員  はい。暮れには候補品ができると思います。 ○岡田委員  ディテクションユニットにしてしまうと、プライマーとかいろんな方法で変化があっ てもわからない。もとの絶対量がわからないというのがありますので、リンビナントを 使えば構成できるのではないかということで。 ○三代委員  それはフルサイズですか。 ○岡田委員  フルまではいかないんじゃないかと思います。 ○小室委員  診断薬のメーカーさんに作っていただこうということで依頼してるんですね。それが 12月ごろまでにはできるだろうということなんですが、正確な長さとかはまだわからな いんです。 ○吉原参考人  それはHCVだけですか。HIVとか全部を作るんですか。 ○小室委員  3つをやる予定だといっています。何々はどこどこのメーカーさんとか相談していた みたいですから、おそらく作るんだろうと思うんです。 ○山口座長  いくつかの向こうのガイドラインを見比べた時に、小室先生がおっしゃったのと同じ なんですが、サブタイプをいろいろランダムに並べて、かつネガティブも並べて、ネガ ティブはネガティブ、ポジティブはポジティブにきちんとなるような、それを日差変動 とかそういうのできちんと一つのバリデートにしろということが記載されていましたの で、そういうことを書かせていただいたんですけど。 ○小室委員  市販のキットの場合は、申請の段階でそういうデータはあるんですか。 ○吉原参考人  キットを承認するにあたっては、そういうものを全部要求はしていますが、公開はさ れなくて、委員の人たちのディスカッションの参考等は要求しています。 ○小室委員  インハウスの場合、どう扱うかというところが一つのポイントですよね。 ○山口座長  ガイドラインというのは、そういうものを評価するためのものであるという面もある と思うんです。  いろいろ意見をいただいたんですが、ほかにございますでしょうか。もう一度ぐらい 意見をいただいたほうがいいような気がします。お持ち帰りいただいて、おかしなとこ ろ、疑義等がありましたら事務局に集める形でよろしいですか。意見をいただいて、意 見が多いようであれば、もう一度議論をさせていただいて、調査会に上げるような形に もっていく。マイナーな意見だけですむようでしたらマイナーな修正ということで調査 会に上げていくということもあるかと思うんですが。 ○小室委員  調査会のほうから考えますと、このガイドラインがどのように実際上使われるかとい うところの議論が調査会では難しいだろうと思うので、そのへんをやっておいていただ いたほうがいいと思うんです。このガイドラインが、各事業所なり研究所で使っている 方法をどの範囲までエバリュエートするのか。こういう方法では、おたくの方法はだめ ですよというオーソリティが言うところまでいっちゃうのか。こういう基本をもってガ イドラインを作ったというのを小委員会で議論して、調査会に上げていただいたほうが いいような気がするんですが。 ○山口座長  ずいぶん前にガイドラインをどういうふうに作っていくかということを議論させてい ただいた時に、いわばハウツーNATですよね。どのようにNATを行っていくかとい うガイダンスですので、これに当てはまってないからだめですよという性格のものでは ないと私自身は理解しております。血液製剤を作っているメーカーにおいてNATガイ ドラインに沿った形でNATを導入されているわけですが、そこのところを再評価して いただくことが主目的かなという気がしています。 ○小室委員  昨年11月の段階で各社が行ったNAT方法を前提にしたウイルスの除去云々のデータ が提出されているわけですよね。もしこういうガイドラインができた段階で、これをも とにああいうデータをどうするかという問題が出てくる可能性があった時に、特にオー ソリティの先生方にお聞きしたいんですが、どのようにその範囲を決めていくかという のは皆さん方は気にされていると思うんですよ。それは調査会でやるかここでやるかと いうことなんですが、ある程度、ご意見を聞いておいたほうがいいと思うんです。ガイ ドラインの前書きなり後書きなりの問題かもしれませんけど。 ○山口座長  このガイドラインの適応範囲としてはドナースクリーニングとか、対象としてはそう いうところを書いています。 ○小室委員  私がご意見を聞いといたほうがいいと思うのは、この文が走りますと、オーソリティ のほうがこれをどのように扱うか、どのような見方をして実際に運用するかというとこ ろに問題点が出てくる可能性があるだろうと思うんですよ。 ○山口座長  オーソリティというのはレギュレーターという意味でしょうか。 ○小室委員  いや、ラボラトリーじゃなくてオーソリティですよ。厚生労働省の方々の使い方とい うか、これは皆さん方、かなり気になっているところだろうと思うんですよ。将来的に NAT方法でできた原料血漿はマイナスでした、それが、かくかくしかじかに不活化さ れましたという評価に使われてくるだろう。したがってガイドラインなり検出限界なり というものをオーソリティがどういう形で使っていくべきか、使う方向であるのかとい うところをお考えいただくなり、あるいはこの小委員会で実際にやっておられる人たち がこういうふうに考えているということを議論していただいたほうが…。調査会のほう のメンバーにはそういう方々は入っておりませんのでね。 ○山口座長  そのへんについて事務局としては方針みたいなものはございますか。私は先ほど申し ましたように、適応の範囲はそういうふうに考えてはいるんですが。 ○事務局  国としてこれをどういうふうに使うかというのはまだ十分見えてないところがありま すので、この場で、実際にNATをやっておられる皆様方のご意見を集約していただく ということのほうがまずは必要ではないかと思います。 ○山口座長  書いている途中でいろいろ意見を聞かせていただいたのは、現場と離脱したようなガ イドラインを作っても仕方がないと思いまして、実際に現場で使っておられる方の何人 かに意見を聞かせていただきました。お話を聞かせていただいた限りにおいては、実際 に現場でやっておられるNATとガイドラインはそう離反しているものではないんじゃ ないかと私自身は思っております。NATガイドラインというのは、実際にメーカーで 採用されている手法を評価するとしたら、どういう評価の仕方があるかという、そうい うことが書かれているものだと理解してるんですが、小室先生からのご提案についてメ ーカーの方からご意見はございませんか。 ○小室委員  先ほどの標準品を作ったデータを見ると、そんなに大きな違いはないと思うんです。 ただし、それはいま参加されている方だけであってね。そうでない方が何かの形で加わ った時に形が変わってくる可能性がある。したがって、法的に、あるいはオーソリティ はどの程度の比重をもってこのガイドラインを使うのかという点についてご意見を承っ たほうがいいのではないかという趣旨なんです。 ○山口座長  今の小室先生のご意見に関連して、あるいは直接関連しなくても結構ですが、ご意見、 コメント等がありましたらお願いいたします。すぐには出てこないようでしたら、持ち 帰っていただいてコメントを出していただくなりして、もう一度議論させていただくか もしれないということで、どうでしょうか。 ○小室委員  調査会のほうでその議論をしろというのであれば、するのは大いにいいと思います。 ○伴野参考人  小室先生のおっしゃっているのは、NATのガイドラインができて、しかもウイルス プロセスバリデーションがある。参照品もできている。この3つの関係をきちっとして おく必要があるということですね。ガイドラインにのっとって試験をして、プロセスバ リデーションをした。そういうデータであれば大丈夫だなと、そういうことを認めてい ただけるというふうに考えるのか。 ○小室委員  私はそういう方向だろうと個人的には考えてるんですが、それが実際に動くのか動か ないのか。そのためにはガイドラインをどのように運用するかという点で問題点が出る か出ないか、そのへんの議論をしておいたほうがいいかなと思ってるんです。 ○山口座長  最初に作りました血液の安全性を確保するためのガイドラインの中にNAT法が一つ の大きな目玉として入ってきて、その時にはNAT法についてはアペンディックスにす るということで、その時点では決めてなかったということだと思うんです。将来的にこ の案がどんなふうに変わるにせよ、NATガイドラインとして、あるいは安全性のガイ ドラインに対するアペンディックスでもいいと思うんですが、そういうものとして成立 した時に、血液の安全性に関するプロセスバリデーションについて、それが一つの完成 品になっていく。バリデーションも含めた評価のところが完成品になっていく。その時 に先ほどの3つの標準品を使ってやっていく。そういうストーリーで考えているわけで す。 ○小室委員  具体的な例で心配していますのはね。こういう標準を作っているところに参加されて いる方は技術はそんなに違わないというのはわかってきた。新規に申請を出した段階で、 具体的にこういうガイドラインなり標準品なりにのっとったデータが要求されるかされ ないかとか、そこまで云々するガイドラインであるのかないのか、そこらへんが気にな るわけです。 ○山口座長  これが成立していけば、そういう形の評価をしてくださいということになるのではな いかと僕は理解してるんですが。 ○小室委員  そこまで踏み込むのか踏み込まないのかというところがかなり大きな問題になる可能 性があると思うんですよ。 ○山口座長  逆にいえば、そういうふうに使わなければあまり意味がないような気がします。申請 書を作成するにしても、製法の中のスクリーニング法として、こういうプライマーある いはプローブの設計でNAT法を採用してスクリーニングを行っていく時には、その基 準としてNATガイドラインを使って評価をしたとか、そういう記載が要求されてくる のだと僕は理解してるんですが。  ほかにご意見はございませんでしょうか。NATガイドランの案についてご意見等が ありましたら事務局のほうに2〜3週間でご意見をいただければ、それをもとに、どう するか考えたいと思います。もう一度ここで議論させていただくような方向で考えたい と思いますが。 ○田中参考人  私どもは外資系メーカーなんですけど、もう少し時間的な余裕をいただけませんか。 製造元のほうに意見を求める必要があると思いますので。 ○山口座長  どのくらい必要ですか。 ○田中参考人  1カ月ぐらいいただければ。 ○山口座長  わかりました。それでは1カ月ぐらいを目途に意見を聴取させていただいて、それを 踏まえて対応していきたいと思います。  ほかに事務局から何かございますか。 ○事務局  特にございません。1カ月後ですから、来月の6日あたりをめどにご意見をお送りい ただくということで、よろしくお願いいたします。 ○山口座長  それでは、以上をもちまして本日の検討小委員会を終了させていただきます。どうも ありがとうございました。                                     (了) 照会先 医薬局血液対策課 課長補佐   芹川(内線2902)              血液安全係長 林 (内線2908)