02/07/25 第7回独立行政法人評価委員会議事録            第7回 独立行政法人評価委員会議事録                            平成14年7月25日(木)                            9:00−11:00                            厚生労働省 省議室 出席者:黒川委員長、五十嵐委員、井原委員、大久保委員、開原委員、坂本委員、     篠原委員、田村委員、中窪委員、堀田委員、安井委員、渡辺委員 1.開会 ○ 黒川委員長  皆さん、おはようございます。昨日は、長丁場をありがとうございました。今日は三 つ目ですが、昨日は開原先生はご欠席でいらしたけれど、他の委員は手続上慣れてきま したので、スムーズに進行するのではないかという気がします。  今日は、井伊委員、岸委員、中窪委員、古郡委員がご欠席ですが、これから始めたい と思います。  そこで個別項目の評価ですが、昨日と同じような基本的な問題、それぞれの研究所の 特異的問題というか個別的な問題、両方ありますので、共通の問題はかなり昨日で議論 が進みましたので、今日もそれを踏まえてやらせていただいて、予定としては、できれ ば10時半までに産業安全研究所が終わりまして、その後、いろいろな総合的な議論があ れば、時間を30分ほどとらせていただいて、11時には終了とさせていただきたいと思っ ております。  まず、産業安全研究所からよろしくお願いします。 2.審議 ○ 尾添理事長  産業安全研究所の理事長をしております尾添でございます。よろしくお願いします。  私どもの研究所からは、後ほど評価シート等の資料に基づきまして鈴木研究企画調整 部長からご説明を申し上げますが、その前に数分間だけ時間をいただきまして、私から お話をさせていただきたいと思います。  私どもは産業安全研究所でございますが、名称につきましては、通称・安研と呼んで おりますし、これまで古いおつき合いをしていただいている所はみな安研ということで 通っておりますので、委員の先生方も安研ということで言っていただければいいと思い ます。  お話し申し上げたいのは、あたりまえで基本的なことではございますが、独法という ことで組織のありようが激変したということで、私ども研究所として基本的に踏まえて おくというか、ここのところだけはきちんと整理しておく必要があるかなということが ございまして、それに基づいて業務を進めているところでございます。それは3点ほど ございますが、それについて若干ご説明いたしたいと思います。  私どもの研究所は、さきの大戦が始まって1月半たった昭和17年の1月に、民間の一 中小企業の経営者の方の非常な熱意と多額の寄付、それを受けた当時の主だった業種の 企業から寄付をいただきまして、国のカネを使わないで建設を進め、開設をしました。 以来60年間、国直轄の研究所として業務を進めてきたということでございます。  その間、工場、事業場における災害の防止というものの調査研究において、わが国唯 一の機関ということでずっとやってまいりまして、労働災害防止という観点からの産業 災害の防止につきましては、相当大きな役割を果してきたと思っております。  そこで今回、独立行政法人ということで国直轄から大きく組織のありようが変わって きまして、基本的にどういうことを踏まえておけばいいのかということで整理したもの でございます。  まず第1点は、産業安全研究所の役割と使命。私どもは、その役割と使命をどのよう に理解しているかといいますと、わが国の産業災害の防止と安全水準の向上に、産業安 全の行政機関と密接な連携を保ちながら調査研究という立場で関与して貢献をする、と いうことで進めてまいりました。これにつきましては独立行政法人化されたといって も、いささかも変更はない。役割、使命は変わらないということでございます。  2点目は、役割と使命に変更がないといっても、業務運営については国直轄であった これまでより、より柔軟な仕事のやり方で、国民の皆さまに結果としてより質の高い行 政サービスを提供するという、独立行政法人制度導入の趣旨に沿って行わなければなら ないということでございます。別の言い方をすれば、業務を効率的に効果的に進めて、 その結果として提供するサービスその他の業務の質の向上を図るということでございま す。  3番目は、独立行政法人制度はわが国で初めての制度でだれも経験をしていないとい うことで、相談する人もいないということがございまして、試行錯誤でやるのはやむを 得ないということを念頭におきまして、これを積み重ねざるを得ない。しかし、全ての ことに前向きにいこう、もっと前にという積極的な姿勢で臨むということで取り組んだ 結果、問題が出たとかだめだったというものが出れば、それはその場で変えていけばい いのではないか。  この3点を基本的に押さえようということで、それを踏まえて、実際の1年目の業務 の運営につきましては、大臣から指示のありました中期目標を受けて当所が作成した中 期計画、それから中期計画に基づいて年度ごとの業務運営について作成いたしました13 年度の年度計画、さらに業務方法書、こういうものに従って実施をしてきたわけでござ います。  効率的に効果的に業務を進めるということにつきましては、それぞれ中期計画、年度 計画等に具体的に盛り込んでおりますので、それを着実に実施をしていけば、最終的に は中期目標を達成できるであろうという姿勢でやりました。  しかし現実には、13年度は初年度ということがございましたので、とにかく前向きに いこうという観点から、できることは何でも取り組んでいこうということで、業務量的 には相当無理なところまで突っ込んで実際に職員の方に取り組んでいただいたというの が現状でございます。  そういう3点の方針でありましたが、あとは職員の意識改革ということが非常に重要 になってくるわけであります。これについては、研究討論会その他各種会合がございま すので、そういった機会をとらえて、先に述べました3点の基本方針と、あと、独法制 度の趣旨、目的、その下での業務運営の考え方等については、再三再四説明しながら意 識改革をはかって、職員の皆さんにはそのように取り組んでいただいたと考えておりま す。  私からは以上で、あと個別には評価シート等に基づいて説明を申し上げます。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。それでは、昨日と同じですが、最初に1ページから4ペー ジまでについてご説明をお願いします。 ○ 鈴木研究企画調整部長  昨日、終わりしなに補足説明資料ということで用意いたしましたスライドのコピー を、先生方のお手元にお配りしていると思います。この補足資料なのですが、6月28日 に説明申し上げた際に使わせていただいたOHPが一部入っております。基本的に評価 シート1ページに1枚ないし2枚のスライドで構成しておりますので、ご了解いただき たいと思います。スライドの右下に数字が書いてありますが、その番号でいきます。  まず評価シートの1ページ関係、スライドの1は、効率的な業務運営態勢の確立とい うことで、これは28日にも説明申し上げましたので、簡単に紹介させていただきます。 独法化を機に、非常にシンプルで柔軟な組織に変えた。独法化に際して早急な対応をは かったということで、1課2部の形で組織を編成いたしました。  評価シートの1ページ、スライドの2番目で、人の採用ということでございます。一 般公募によりまして研究員を選考採用、3名の方に新しく入ってきていただきまして、 中期計画に基づいたプロジェクト研究、あるいは基盤的研究、そういったことに対応し ていただいております。  以上が評価シート1ページ関係でございます。  補足資料の2ページ目、スライドでいいますと3番、内部進行管理の充実ということ でございます。真ん中あたりに縦の方向に理事会、運営会議、管理会議とありますが、 これは私どもの所内の運営のための会議でございますが、関係する規程類を整備し、あ るいは所内で業務ごとに必要となってくるような管理のための会議もございます。下の 大きな四角の中に、災害調査、あるいは施設の貸与、特許といろいろな業務がございま すので、そういったものに対応した所内会議を作って実際に対応した。  右側の内部研究評価会議というのは、研究業務の進捗管理に絡んでくるものでござい ますが、計画どおり開催をして課題ごとに評価を行っていくという役割を担ってもらっ ております。内部研究評価会議については、ナンバー4のスライドで、評価結果をどう 業務へ反映させていくか、それから、内部研究評価会議はどういう役割と方法で行って いるかということで説明をいたしております。  左側の流れでございますが、13年度は10月、14年の1月と2回開催しております。そ の会議に参席をする人間は、役員、全部長、課題担当者ということで、ヒアリングをし ます。基本的には下の四角に書いておりますが、評価項目としては五つほどございます 。学術的な意義、社会的な意義、目標と計画が適切か、成果、その価値はどうか、そう いった成果を外へどれだけ発表しているか、という五つほどの評価項目で評価をいたし ております。  これは、評価者が評価項目ごとに4、3、2の3段階評価をしております。特に担当 、関係する部長の評価点は2倍ほど重みづけをしております。それをまとめたものを総 合評価点ということで結果を出しております。  実は、6月28日に報告いたしましたときに私どもに宿題がいくつか課せられておりま して、その資料ということで評価シートと一緒にお手元にデータが行っているかと思い ますので、そちらに触れさせていただきたいと思います。  A4の縦長の、いきなり評価点の一覧表みたいのが出ている生々しい資料でございま すが、これは私どものすべての課題について年2回やった各課題の総合評価点でござい ます。先ほども申しましたように3段階評価でございますので、最高で4点、最低で2 点という中にばらついているものでございます。  それを見ていただくとわかると思うのですが、もちろん評価点の高い課題、あるいは 低い課題とありますが、基本的には計画よりちょっと進捗が遅れているもの、あるいは 外部に対して学会発表その他が少ないのではないか、そういった課題については低い評 価点がついている。内部のピアレビューでそういう形になりました。高い評価点をがつ いているものはどういう内容かといいますと、研究の内容に新規性がある、あるいは規 格などに直接反映できる内容でやっている、そういった評価を得ているものでございま す。 ○ 唐澤政策評価官  内部研究評価は、独法に伴って新しく始めたんですか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  内部評価自体は、独法化になる前から続けております。ただ、こういった評点をつけ るというやり方は独法化を機に行っておりまして、中身も固まっているわけではござい ませんで、試行錯誤的にどういう評点のつけ方をしていったらいいかということは、今 も検討しながら進めている状況でございます。  次は、スライドの5番、業務運営の効率化に伴う経費削減ということでございます。  一つは省資源・省エネルギーということで、私どもでは13年度、省エネ月間というも のを設けまして、職員の意識の喚起に努めました。  もう1点、総合管理業務、これは清掃とか警備でございますが、これの見直しをしま した。13年度に一般競争入札を行いまして、実績としては13年度は全く数字は挙がって いないのですが、14年度からはかなり大幅な経費削減が期待できるのではないかと考え ております。  それから所内のLANを使いまして、私どものいろいろな共有の書類とかデータを所 内のどこからでも見られるようにというシステムを立ち上げております。  競争的資金については、私どもは最先端の技術の開発ということには縁遠い研究所で ございますので難しい点がございますが、科学技術振興事業団の重点研究支援協力員制 度のプログラムに応募いたしまして、現在、11年度5名、13年度3名、合計8名の 支援員に来ていただいており、マンパワーということで充実できたのではないかと思っ ております。  3番目、刊行物の一部有償頒布という表現にしてございますが、これは私どもの刊行 物、研究報告書のたぐいを印刷・頒布の実施を一部させたということで、少額ではあり ますがいくらかお金が入ってきたという形になっております。  受託研究、施設の有償貸与ということで、これは、私ども独法になって初めて民間の 企業の方からの受託研究、5課題ほどございました。それから、私どもでは非常に特殊 な研究施設がございますが、そういったものを民間の企業に使っていただいたというこ とがございます。  スライドの6、評価シートの4ページの関係でございます。効率的な研究施設・設備 の利用ということで、これは一部、先ほどと重複いたしますが、まだ共同研究というこ とでございますので、ただやみくもにやるということではありませんで、私どもの所内 の関係の規程類を整備して、それに基づいて共同研究を実施するものです。  具体的には、13年度、国内で9課題、海外との共同研究1課題、合計10課題を共同研 究として実施いたしております。  ホームページでの広報ということで、施設とか共同研究の呼びかけその他はホームペ ージで当然PRをし、あるいは私どもが開催をするイベント、技術講演会その他、そう いったところでPRしております。その結果として、共同研究なり施設貸与ということ が実現をしたということで、これも私どもが独法になって初めての経験であったわけで すが、かなり新しい分野に足を突っ込んだなと思っております。  評価シートの4ページまでは以上でございます。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。これについて何かご質問、コメントその他ございますでし ょうか。 ○ 開原委員  始めて民間から受託研究をなさったというのは大変興味あることなのでございますが 、こういうのは積極的に受け入れるということを何かおっしゃって、そういう受託研究 が来たのですか、それともそうではなくて、独法化になったことを聞きつけてひとりで に来たというのか、その辺はどんな感じなのでございますか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  見方によって非常に難しいのですが、私どもは、民間から受託研究の依頼があったか らといって、すべてに対応するというわけではございませんで、あくまでも労働者の災 害を防止するという大きな枠の中でやっていくことが基本でございます。実際にはいろ いろなつながり、民間から、例えばこういう問題で困っているのだけれどどうだろうと いう相談がございます。そういう問題の中で、これぐらいのお金でこれぐらいの中身だ ったらうちでもお手伝いできますよ、そういう過程の下でお引き受けをしているのが実 情でございます。 ○ 開原委員  これまでもたぶん相談はあったのではないかと思うのですが。 ○ 鈴木研究企画調整部長  ただ、国の機関でございましたので、ある一民間企業の手助けをそのまま右から左に 受けるわけになかなかいかなかったという事情がございます。 ○ 尾添理事長  この受託研究につきましては、独法化に伴っての一つの大きな目玉ととらえまして、 宣伝、広報、PR活動は積極的にやろうということで、大きく分けて三つやっていま す。一つはホームページの中で、これをやりますよということを積極的にやる。もう一 つは、うちの研究員はいろいろな委員会出席とか講演などに頼まれて行く機会が非常に 多いので、そういうときには積極的に宣伝をしてほしいと。三つ目は個人的なつながり で、安全の関係は過去もいろいろな企業とずっとつながりがありますから、そういった 中で宣伝をして、うちでできますよ、ということで入ってくる。  現実問題としては、今説明しましたように、最後のケースでくるケースが多かったと いう状況でございます。 ○ 堀田委員  2点ほど聞かせてください。  1ページの上の表の組織の編成替えの関係について、これは研究部をまとめられてグ ループ化されたということで、その効果、たとえば相互の横の連絡がよくなったとか、 そういう点が見受けられれば教えてほしい。  第2点目は、今日の説明資料の2ページ、上の表で評価システムですか、内部評価は しっかりおやりになっていることはわかるのですが、外部の第三者の評価はお考えにな っているのか、なっていないのか、そして内部評価について外部の目を入れる、たとえ ば外部の有識者、知識のある方を呼んでアドバイスを受けるとか、そういうこともされ ているのかどうか。  以上の2点。 ○ 鈴木研究企画調整部長  2点目からお答えします。外部評価は、また後ほど出てくるのですが、実際にやって おります。  それから組織の編成替えに基づいてのことですが、私どもは独法化になる前から、あ る程度は各研究部同士、あるいは複数の研究部の人間が集まって一つの課題に取り組む ということはやってきていたことも事実でございますが、こういったグループ制にしま して、それは一層進展したと思っております。なかなか説明しにくいところなのです が、実際に13年度に行ったプロジェクト研究の中に生産施工、これはほとんど全研究グ ループの人間が参画をしてやっております。  そういった形で、内部の意思疎通というのでしょうか流動化というのでしょうか、そ れはだいぶ進んだのではないかと思っております。 ○ 安井委員  評価シートの3枚目でございますが、刊行物等有償頒布について検討し、一部を行っ たということでございますが、これは一般的感想なのですが、日本の今までの政府機関 は、刊行物をインターネットなどで自由に配布するという方向性がなさすぎた。アメリ カなどに行きますと、EPA(環境庁)などもいやというぐらいあるのです。ああいっ た方向性と逆行しているのではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  私どもの研究レポートのたぐい、これは世の中の人にあまねく見ていただきたいので すが、そのための広報のタスクというのは非常に重いということもございます。そこ で、宣伝を兼ねて広めていただくという意味で、希望のあったところに実施権を使用し ていただいたという形で進めております。  先ほどお話があったように、これもあとでチャンスがあれば申し述べたいと思うので すが、私どもの刊行物はすべて今、一生懸命電子化をして、ホームページに載るような 形にはしております。 ○ 黒川委員長  昨日も出たのですが、こういう報告書有償領布の可能性というより、学会などもそう ですが、だんだんオンライン化して、有力な学会誌であれば学会誌の販売がけっこう有 力な財源になっていたのだけれど、もうそういうことはなくなってきてしまったのです ね。必要なところだけダウンロードするというふうになってきたので、むしろ有償でや るよりは、いかにこれを使ってもらえるかということの方が大事なのではないかという 気がします。  もう一つ、外部評価は、中期目標についてはいつかは外部研究評価会議をやるぞと、 2ページの右の欄の下から12〜13行目に書いてありますから、それは来年から再来年に やるわけですね。 ○ 鈴木研究企画調整部長  外部評価は毎年やっております。 ○ 黒川委員長  わかりました。そうすると、外部評価の結果は、来年に伺えることになりますか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  基本的にその年度内で反映できるものと、次の年度でないと反映できないものとあり ます。 ○ 黒川委員長  それはそうですね。わかりました。  もう一つは、先ほど民間からの受託研究みたいなもの、それはそれで利用ができるよ うなのは非常にいいと思うのですが、普段からやっているミッションがいろいろありま すよね。それから、ここにしかないユニークないろいろな設備とか特殊技術があって、 それを民間とのいろいろな共同研究や協力に活用したいという話は、両方にメリットが あるときにやるわけですね、当然。両方のメリットというのは、両方の研究のプロジェ クトのメリットが社会的に非常に意味があるということでやるわけだから、それぞれの プライオリティがありますから、その辺の選択する・しないという話、いくらぐらいお 金がかかるのかという話で積算して予算が必要ですね。その辺はどのようにやるかとい うのは、いずれ決まってくるのですか、今もうできているのですか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  それも今、実は試行錯誤、ある程度のものはもちろん作っております。それはスライ ドの3ページにちょっと書いてあるのですが、受託研究あるいは施設対応の案件が出て きたときにどういうふうに対応しようかということで、所内で検討をする場を設けてお ります。そこで論議をして決めていくということです。 ○ 黒川委員長  そうだと思います。先生方も、自分が研究者としてやっている場合には、共同研究を やることはいくらでもあるわけですが、お互いにメリットがなければ共同研究はやらな いわけで、うんとお金をくれるからやるというメリットもあるし、サイエンティフィッ クな内容だから一緒にやってプラスになるという場合もあるし、ていねいに断るという のも難しいところがあるのだけれど、そういうことではないですか。  共同研究、受託研究した場合には、もう一つ、これはほかのところにも当たることな のだけれど、共同研究をした人たちから、その成果についてどのぐらい満足なのかとい う話の評価みたいなのを、そちらにはたぶん言いにくいので、こちらの委員会の方に別 にもらうというのはどうかなと思っているのだけど、どうですかね。これだけ払ってあ れだけ約束してくれたのに、全然期待に沿っていないとか、だけど昔の国の機関だから 文句が言いにくいとか、いろいろなことがあるのではないかと思うので、評価官のとこ ろにも出してもらったらどうでしょうか。評価というのは両方に出すのが必要だと思う のですが、どうでしょうか。それはこちらの委員会で決めればいいので、それが本当の 評価になるのではないかという気がします。それもちょっと考えましょう。 ○ 開原委員  もう一つ伺ってよろしいでしょうか。この研究所は、たとえば災害というのは突然起 こることがあるのではないかと思うのです。そういうときに、よく国が調査委員会みた いなのをお作りになって、必要になるといろいろな調査をなさったりするのだと思うの ですが、そういうことに対してはこの研究所は役割を果たすことが、過去においてかな り期待されていたのかどうなのか、今後もそういうことがあるのかどうなのか。もし仮 にそういうことがあるとすると、かなり中の組織とかプロジェクトの受け方とかとそう いうのも、突然いろいろなものが入ってくることに対して柔軟に対応しておかなければ いけないのではないかと思うのですが、そのようなところについてはある程度配慮され ているのかどうか。 ○鈴木研究企画調整部長  これも、災害調査が私どもの主要な業務の一つでございまして、次のパーツでご説明 しようと思ったのですが、その意味でフレキシブルに対応しなければならないし、業務 がそのために集中してしまうという事実も確かにございます。その辺は、少なくとも13 年度はうまく対応できたなと考えております。 ○ 黒川委員長  今度は、実際にやっている内容ということで進めてよろしいでしょうか。では5ペー ジから10ページぐらいまで、お願いします。 ○ 鈴木研究企画調整部長  では、評価シートの5ページの関係、スライドの7で、労働現場のニーズの把握とい うことでございます。  私どもは、13年度に初めて産業安全に関する情報交換会という場を設けて10月に実施 をいたしました。そこには、安全コンサルタントの方、あるいは企業の安全管理を担当 されている第一線の方々にお集まりいただきまして、パネルディスカッションの形式で 開催いたしました。  それに関する報告書は、お手元のファイルの中に参考資料10ということで綴じ込んで あるはずでございますので、時間があったらお目通しいただきたいと思います。  所内に、ちょっとネーミングは悪いのですが所内研究討論会という場を設けて、ここ では民間の有識者の方、あるいは外国から私どもの研究所へ来られた先生、そういった 方々に、国内・国外を問わず、今どんなニーズが世の中にあるのかというお話をしてい ただき、研究員を含めて討議をする場を設けております。  先ほども触れましたが、私どもの研究所には電話あるいはメールのホームページにア クセスということで技術相談がございます。実際にそれは非常にお困りの方がアクセス をしてこられます。それに答えられるものにはもちろん答えていますし、研究課題のヒ ントがそういった相談の中に隠されているということで、そういうことをくみ上げて課 題を設定しておるということで、ニーズの把握に努めております。  スライドの8番、プロジェクト研究です。これも28日に概略ご説明いたしましたの で、重複するところは避けたいと思います。私どもの中期目標の5年の期間に、四つの 重点研究領域で10課題のプロジェクト研究をするというふうに決められております。13 年度は、三つの重点研究領域で四つの研究課題を実施いたしました。年度計画どおりで ございます。  この辺のプロジェクト研究の課題については、あとから申し上げます外部評価会議で 課題評価をいただいた結果に基づいて課題を挙げております。  スライドの9番から、それぞれのプロジェクト研究についてのスライドがあるのです が、一言だけずつ申し述べさせていただきます。  スライドの9番、生産施工システムの総合的安全制御技術の開発に関する研究。これ は、世の中で制御技術に関する研究はあちこちでやっているのですが、その制御の安全 を考慮した研究というのは私どもだけではないのだろうかと思っております。制御がお かしくなったときには事故につながるのですが、もしその装置自体が故障したときに暴 走してしまわないように安全側に壊れるという内容の研究でございます。これは、論文 発表その他、あるいは特許ということで成果が大いに上がったと思っております。  スライドの10番は、建設機械の保守管理システムの高度化のための損傷評価技術。こ れは、規制緩和とも絡む問題でございまして、クレーンなどの建設機械はリースで使わ れます。もちろん保守点検、安全を確保するというシステムがあるわけですが、放って おくと危険なまま使われてしまうという問題が世の中にありまして、それに対応するた めの課題でございます。  スライドの11番、化学プロセスにおける爆発災害防止技術に関する総合的研究。ご存 じかと思いますが、平成12年、平成13年に比較的大きな化学工場の爆発が続きまして、 こういったことに関してこのプロジェクト研究、あるいはあとから申し上げます災害調 査、私どものやった成果、そういったものを合わせて「安全ガイド」というものを発刊 をいたしまして、そういった形で成果が得られたと思っております。  スライドの12番、建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラー防止。ヒューマ ンエラーというのは非常に大きな問題、あるいは難しい問題なのですが、例えば掘削機 械のオペレーターがどこを見て運転しているのだ、そういったことがプロジェクト研究 の中の実験を通して具体的なデータとして得られつつあるということでございます。  次に評価シートの7ページの関係で、基盤的研究に移らせていただきます。私どもの 基盤的研究の位置づけでございますが、一つは、研究所の研究基盤を充実させるために 行う基礎的な研究、それから、将来のプロジェクト研究の種になるような萌芽的な研 究、もう一つ、これは私どもの研究所の特徴といってもいいのかもしれませんが、研究 所に蓄積をされたノウハウなり研究能力というものを継承していくものがあります。こ れは、その技術で国民に対して還元を図っていくという継承的研究という名前で呼んで おりますが、そういった三つの位置づけで基盤的研究を実施しております。  計画ですと研究領域として目標に13件示されておるのですが、13年度の計画として は、12の研究領域でそれぞれ基盤的研究を行うこととしています。これも年度計画どお り28課題でスタートいたしまして、年度途中に2課題、共同研究ということで新しい課 題を立ち上げて、合計30課題を実施いたしております。  スライドの14番から19番までずらずらといくつか、それぞれの基盤的研究の領域につ いてのメモをお出ししているのですが、時間の関係で省略いたします。  評価シート8ページ、スライドの20番でございます。これは、先ほどからお話の出て いた労働災害の原因に関する調査研究で、所内に産業災害調査検討委員会というもっと もらしい名称の所内委員会を設けております。そこで、いろいろ災害調査に対応する・ しない、あるいは出てきた成果、報告書の中を審議するという形でやっております。  それに基づきまして、13年度はそこに挙げてあります14件の災害調査に携わりまし た。実際には本省の担当課と連絡調整をして、必要な場合には即刻現地へ向かうという ことで対応しております。実際に現地に入りますと、現地の局なり監督署の方々と連 携、協調をとりながら原因調査に協力をさせていただいているということでございま す。 必要な場合には、いろいろな材料をそこから持ち帰り、あるいは送っていただき、検証 実験ということも含めて考察調査をしております。  その結果は、もちろん報告書としてお出しをするわけですが、それをもうちょっと普 遍的に私どもの刊行物として一般的な話として、安全ガイドとか資料という形でまとめ させていただいております。こういった成果をもとに、13年度は安全衛生規則の改正で ありますとか法律に基づく技術上の指針ということに非常に大きく貢献できたと考えて おります。  それの関係もありますので、スライドの21番に移らせていただきますが、評価シート の9ページ、10ページ関係でございます。  スライドでピンクの四角で囲った部分が、基準の制改訂の科学技術的貢献ということ に関連する部分でございます。先ほどの災害調査、あるいはプロジェクト研究の結果に 基づいた例としまして、ヒドロキシルアミン関係の結果がございます。これは私どもは 初めて、産業安全研究所の安全ガイドというものにまとめさせていただいています。こ れの成果は、そこに細かい字でずらずらと書いてありますが、安全衛生規則の改正、あ るいは法に基づく技術指針の策定に使っていただきました。  基盤的研究あるいは委員会活動ということを通しまして、安全帯の規格とか土止め先 行工法の指針とかいったことに成果を活用していただいております。  国際規格ということでは、ISO関係の国際会議があります。そこにメモがあります が、TC96というのはクレーン関係、TC184というのは機械の制御の関係でございま す。そういったところに日本代表として職員を派遣しております。国内委員会にも、多 数出席をさせていただいております。  科学技術情報資料の収集ということでございますが、これは安全衛生部から要請がご ざいまして、昨年、フランスで、硝酸アンモニウムの関係の非常に大きな化学爆発があ りました。事故自体は比較的古くからある現象なのですが、そういったことで私どもの できる範囲の情報を集めてご提供いたしております。  もう一つ、モンゴルの産業安全衛生の現状という要請に基づいて、職員を派遣をいた しております。  以上、10ページまで。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。いろいろな研究活動、業務その他についてご説明がありま したが、いかがでしょうか。 ○ 田村委員  先ほどご説明がございました研究の概要について、ちょっとコメントをさせていただ きたいと思います。安研が対象とされておる研究は産業安全ということでございますが 、非常に広範な分野にわたっております。例えば、先ほどご説明がございましたが建設 分野とか機械システムとか、あるいは物理工学とか、化学安全とか、境界領域とか、人 間科学とか、そういった非常に幅広い分野を対象としておられまして、一つ力を入れて おられるのは、厚生労働省等の要請に基づいておやりになるわけでございますが、労働 災害の原因調査がございます。これはまさに調査をやりながら、そして原因究明のため の研究をおやりになる。その成果が「安全ガイド」等に現れているということでござい まして、それが行政の通達あるいは規則改正等に直結しているという意味では、行政ニ ーズあるいは国民ニーズにも対応する研究をやっておられるのではないかという気がい たします。  プロジェクト研究、基盤研究でございますが、これも労働災害の防止に直結したとい う観点から重要課題を選ばれてプロセス研究をやっておられますが、基盤的な研究につ きましては、もう少し萌芽的なもの、あるいはプロジェクト研究のベースになるもの、 あるいは将来をにらんだ研究のポテンシャルを上げるための研究、そういったことでお やりになっているということでございます。中には、先ほどもご紹介がございましたが 、例えば静電気の関係とか、静電気の関係は私も近い分野なので存じあげておりますが 、まさに日本の中心的な研究の役割をしておられるのではないかという気がしておりま す。  もう一つは、非常にたくさんの委員会に関わっておられます。これは、役割上やむを 得ないということがあるかもしれませんが、確か108ぐらいの委員会に関わっておられる ということであります。これは産安研でやっておられる研究成果をもとに、あるいはそ の知識等々をもとに貢献されているわけであります。  そういった意味では国民ニーズ、行政ニーズに対応しているということでございまし て、これはすばらしいことなのでありますが、一つ心配しておりますのは、冒頭、理事 長も、かなり負担をかけて今年はやってみたということをおっしゃっておられましたが 、将来をにらんだ研究展開というあたりにもぜひ力を注いで、そういったゆとりを持て るような研究の仕組みあたりもお考えいただけるとなお良いのではないか、という印象 はしております。以上でございます。 ○ 大久保委員  専門のほうから少しコメントさせていただきます。  先ほど田村先生がおっしゃいましたように、プロジェクトの内容ですが、全体的に見 まして現場のニーズ、労働災害の実情といったものを十分分析をされながら、かつ行政 ニーズに沿った研究課題をピックアップしていらっしゃるところは、大変評価してよい ということです。  プロジェクト研究に関しては4課題出していらっしゃいますが、ハード、ソフトにつ きまして今日的な課題であり、かつ緊急に解決しなければいけない問題について集中的 にやっていらっしゃる点は、評価をしていいのではないかと思っております。  基盤研究でございますが、これは電気工学、機械工学、土木、建設、化学、人間工学 等を含めまして非常に多領域に、工学のほとんど全域をカバーしていらっしゃるという ことです。多岐にわたる研究課題の開発で、労働災害といった点をベースにされまして 、少ない研究員体制でより高くオリジナリティを大切にして取り組んでいらっしゃると いうところであろうかと思います。  特にかなりの安全制御技術の開発といったこととか、あるいは4番のわが国の地理的 な条件において頻発するような土石流災害等、あるいは高齢者とドッキングをさせた墜 落、転落といった関係、それから11番の作業環境の安全といったようなものは、現場に おいて早急に改善をするべき、かつ対策を立てるべきテーマで、そのあたりも非常に重 要なテーマだろうと思います。機械設備の進捗に伴います自立移動型のロボットといっ たものが産業界でどんどん導入されていますので、人間と機械を統合する作業現場が非 常に多くなるといったこともございまして、そのあたりでの研究もこの中にはたくさん ございます。  高齢者につきましては、先ほど申し上げましたように大変今日的でもありますし、未 来型での研究であります。ヨーロッパでも大変注目されている研究テーマでございます 。このあたりも、手さぐり状態の中を研究していらっしゃるということだろうと思いま す。  特に人間工学的なといいますか、総合的な視点に立って、これは生理学、心理学面と いったことも含んでおりますが、そういった面も大変重要だと思っております。  5番の仮設構造物、7番の化学物質の爆発危険性の解明、10番の静電気障害・災害の 防止、こういった研究は安研が古くからデータベースの蓄積がございまして、それには わが国がほんとうにリーダー的な役割を果たしていらっしゃる。それがうまく若手に研 究が引き継がれていくように、そういった成果物をうまく教育とかデータベースとして いろいろなところに提供していらっしゃるところも、大変評価をしていいと思います。  研究領域全体をながめてみますと非常に多岐にわたっておりますが、ハード、ソフト 面という観点からみますと非常にほどよく分散されていますが、かなり高度情報化に伴 う労働形態の変化とか情報化そのものの安全の問題といったものが最近は問題になって おります。また、労働者意識の変化とか労働環境の変化、それからもう既に一部取り組 んでいらっしゃいますがジェネレーションギャップといったものに関わる不安全の問題 、それから人間のエルゴノミックス、ヒューマンファクターに関わる課題、特にこの中 では作業時の人体計測に関わる問題はなかなか日本からISOに発信することができな いような分野でございまして、これも産安研でもぜひ、一時、取り上げていらっしゃい ましたが、スペシャリストがいなくなられたということで中断をしていらっしゃいます 。こういった面は、国の支援が大変必要でございますが、早急に取り上げていただくよ うな課題であろうと思います。そのあたりも非常に重要だと思います。  もう一つ、推進すべき課題と考えます最後の部分でございますが、一つは、女子作業 者の安全の問題です。これも最近、どんどん建設現場等にも女子が入っておりまして、 そういう意味では女子の研究員も入れていただくといったことも一つ重要かと思います が、そういう面での今後の積極的な取組みを期待しております。  最後になりますが、医学、薬学でいわゆる医師、薬剤師、看護婦、看護師といった人 たちの安全に絡めた疲労、ストレス、作業負荷・負担といった研究が非常に少ない現状 でございます。実は少し調べてみたのでございますが、これは世界的なデータベースで 、メドラインというアメリカのものが一つございます。医学文献ファイルでございます が、1972年から年間約40万件登録されているということで、この中で基礎医学、臨床医 学、環境衛生医学、歯科学、医療工学、薬学、看護学、生体工学といったところで先ほ どのキーワードで調べてみますと、約20件しかございません。  では日本ではどうかといいますと、同じキーワードで調べたもので、これはジクスト に載っておりまして、これはメドラインより10年ぐらい遅くなっているのですが、やは り年間30万件ぐらい登録をされております。その中で先ほど申し上げましたような文献 等については3件でございます。そのうちの医師の疲労といったものにつきましては、 これは中国の労災病院のものが載っていらっしゃるのがたった1件ということです。  この原因はいろいろとあろうかと思いますが、いずれにしましてもこういった分野で の業務も労働の一環でございまして、ヒューマンエラーが、たとえば薬剤・調剤エラー などが非常に多くなっている中で、根本的に取り上げていただく非常に重要な部分であ ろうと思いますので、そのあたりについてもぜひ今後の課題ということでお取り上げい ただきたいということでございます。以上でございます。 ○ 渡辺委員  海外の例で、先ほどフランスとモンゴルの話がありました。モンゴルは、現地調査を 委託でいらっしゃったようですが、フランスのは国内においての情報収集ということで した。併せて海外のいろいろな産業事故というのですか労災事故が起きていると思うの だけれど、それに対する対応はどうなっているのですか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  今は海外のということで……。 ○ 渡辺委員  たまたまフランスのトゥールーズの化学工場爆発というのが挙がっていますが、他に もいろいろあると思うのですが。 ○ 鈴木研究企画調整部長  私どもの研究員が研究を進めていく上での海外の情報というのは、個人的に日頃から 集めております。ただ、たまたまこれは要請がありましたものですから、トゥールーズ の情報に関してはまとめてご報告させていただいたということです。日頃から行ってい るものの整理が必要でございますが、まとめてご報告をするという形にまでは至ってい なかったということです。お答えになっていないのかもしれませんが。 ○ 黒川委員長  つまり問題は、こういうユニークな研究をしている基盤を作るというのは、将来の産 業災害も大事なのだけれど、災害はどこで何が起こるかわからないですね、国内だけで なくて。そのときに、ここはユニークな機能をするのであれば、それをどのように蓄積 していくかという話も大事だし、分析するのも大事なのだけれど、それを学術的にやる という人は、大学でそういう人はいるのかもしれないけれど、そうなるといろいろなも のがあったときにどういうふうにプライオリティをセットするのかという問題がある。 それから、緊急性とか社会的な重篤性とか重要性とかいろいろなファクターがあるわけ で、全部に対応するわけにはいかない。  その辺をどう決めるのかというのは、今までは労働省から、これをやるべきという話 があればやるのかもしれないけれど、今度は独立するわけだから、もちろん、厚労省が 是非といえばやると思うのだけれど、ただ縦割り行政を超えるような大もとのこともあ りますからどうなるでしょうか。依然として縦割りの構造でかなり影響を受けるかなと も思うので、その辺をどういうふうに開かれたところでプライオリティをセットしなが ら対応するかということは大事だと思うので、その辺について何かお考えがあったらと 思ったのですが。 ○ 鈴木研究企画調整部長  私どもの研究所は日頃から、例えば経済産業省の産総研の方、あるいは自治省の消防 研の方、いろいろな研究所と安全ということでつながりのある、例えば縦糸と横糸の関 係だと思うのです。私どもが横糸だとすれば、そこでつながりのあるそれぞれのポジ ション、機関の方と日頃から、個人的なレベルにはなりますが関係をもって情報交換そ の他をしております。そういった関係で将来、大きな形でのプロジェクトがもしあるの であれば、そういうところへ参画をさせていただくという形も考えております。 ○ 黒川委員長  個人的というのは、大学の研究のように競争的な資金にしても、研究者が面白いとい うことを提言して審査されてお金をもらってやるという方法と、ある程度の課題を作っ てこれをやりましょう、という話と両方あるわけです。その辺を研究者の個人的な要望 というのは、あくまでも個人がやりたいというからやっているわけだから、それを組織 としてどのようにセットしていくかという部分が大事なので、その辺の塩梅はどうなの かと思ったのですが。 ○ 尾添理事長  研究にあたっての実際に起きている災害の情報の把握は非常に重要でございまして、 我々は災害の防止が目的でございますので、どんな災害が起きているのか、今後、どん な災害が起きるのか、産業技術がどうなっているのか、今後、どのような方向に向かう のか、今後、どのような科学技術が発展していくのかということは非常に重要でござい ます。  特に災害の状況は非常に重要でございまして、これについて膨大な数の災害の事例、 わが国のものは私どもは既に研究所の中に持っておりまして、研究テーマを設定するに あたっては必ずそれを調べて、その中で分析をして研究の方向なり内容を決めていくと いう方向でやっていきます。  そうした一環で外国ではどうなっているかということについては、それぞれそういう 研究テーマを立ち上げるときに外国の状況も調べていくという格好でやってきていると いうことでございます。  ここにたまたま挙がっているのは、計画の中で行政の要請に応じて報告をするという ことが入っておりますので、特に13年度はこういうことがありました、という単なる一 例として挙がっているというふうにご理解いただきたいと思います。 ○ 黒川委員長  そのほかに……。よろしければ、11ページからお願いいたします。 ○ 鈴木研究企画調整部長  では、スライドのナンバー22番、外部評価の実施及び評価結果の公表ということで、 簡単なポンチ絵をお示ししております。私どもでは外部研究評価会議と称しておりま す。簡単なプロセスを絵にしております。左の四角の流れですが、評価委員は黒田先生 を始め、全員で15名の方にお願いをしております。私どものOBは参画しておりませ ん。  産業安全に関わる有識者、研究者ということでお願いをしております。先ほども話に 出ましたが、非常に広範な学問分野にわたりますので、いろいろな分野から参画をいた だいています。それから、大学の先生はもちろんですが、産業界の代表の方も入ってい ただいていますし、地方自治体の方にも参画をしていただいています。  そういったことで外部評価会議を実施するわけですが、先ほども申しましたようにプ ロジェクト研究などの事前評価、事後評価、中間評価ということをお願いをしておりま す。それ以外に内部研究評価会議の役割とか機能とかということも、13年度の外部評価 会議ではチェックをしていただきました。  実際には、学術的な意義、社会的な意義、目標と計画、あるいは成果と価値、成果の 公開という項目で具体的に評価をいただいております。ここでは5段階評価をしていた だいております。  その結果は、外部評価会議の報告書にとりまとめてございます。これもお手元のファ イルに参考資料3ということで綴じ込んでございますので、ご覧いただければと思いま す。結果についてはホームページに掲載することはもとよりでございますし、私どもは どうしても予算要求というプロセスの中で生きていますが、こういった事前評価をいた だいた課題について予算要求をいたしているという流れでずっときております。  具体的に13年度の反映の例ということで、楕円の中でお示しをしております。これは 12年度に評価をいただいた結果でございますが、基盤的研究の研究分野の整理を少しし たらどうかというご意見をいただきまして、それに基づいて年度計画に反映させて、先 ほどご説明いたしましたが、研究領域を13ということで、その中で効率よくやっていこ うということで対応させていただきました。  もう1点、PRが下手だということをいろいろな所からいわれて、外部評価の先生方 からも言われました。もうちょっと情報発信に力を入れたらどうかということで、それ なりに13年度は努力をしたつもりでございます。  次はシートの12ページの関係でございます。これも28日に事業報告書、あるいはそれ の添付の資料がありまして、その中に表で一覧でお示しをして提出をいたしたものなの ですが、少しわかりにくいかと思いまして、それをスライドのようにまとめました。  論文発表、国際研究集会、研究所の報告、災害調査報告と上の四角でくくったもの が、私どもでは論文発表ということで位置づけております。それから、学会の発表で一 つくくりをつけております。  先ほどらい、いろいろお話が出ていたと思いますが、そのスライドの下半分が、私ど もがどういう場で成果としての論文なり学会発表を行っているかということをざっとメ モ書きにしてあります。非常に広範な範囲であるということだろうと思います。  論文については、私どもでは質の高い論文を発表していると自負をしております。  スライドの24番、評価シート13ページでは、成果の発信と広報ということで、緑色で くくった四角がいくつかございますが、これは年度計画のほうにも記載をされているも ので、年報、安研ニュース、研究報告、特別研究報告、二つ目の四角で安全資料、こう いったものは、年度計画どおり発行いたしております。  この辺の資料もお手元のファイルに全部綴じ込んでありますので、確認いただければ と思います。  これは私どもとしては初めてのケースなのですが、新しい事業場向けの技術ガイドラ インということで、「安全ガイド」の第1号を、先ほども話がありましたが、災害調 査、あるいはプロジェクト研究の結果としてのヒドロキシルアミン関係のものを、「安 全ガイド」ということでまとめさせていただいております。  ホームページの成果公表ということで、これは10年度以降のものを私どもの刊行物、 特に研究報告、特別研究報告、それからニュース性ということで安研ニュース、こうい ったものはすべてホームページでたどれるようにセットをいたしております。  昨日、アクセス数の話がちょっと出たと思いますので、私どもも慌てて確認をいたし まして、今年、1月から6月までの半年なのですが、月平均2万8000件ということでご ざいました。  右側の四角い黄色でくくった部分ですが、積極的に広報をしていかなければいけない ということもありまして、テレビの取材などにはなるべく対応させていただいたという ことがございます。ただ、テレビ局からは産業安全とか労働災害防止に無関係なご依頼 も多々ありまして、そういうことに関しては丁重にお断りをしております。  14ページは、講演会、研究所の一般公開です。私どもは独法になる前から、安全技術 講演会という講演会を私どもの主催で東京と大阪の2回やってきております。独法化を 機に、初めて地方都市でも開催をしようということで、13年度は北九州で開かせていた だきました。地方の都市の方は、私どもの存在を知らなかったということもございます が、非常に好評を得たと思っております。安全技術講演会では、私どもは参加していた だいた方に必ずアンケートを配ってご要望を取るようにしております。そのアンケート を見ましても、比較的好評をいただいたなと思っております。  研究所の一般公開ですが、4月の半ばに必ず科学技術週間の一環ということで開催を いたしております。それ以外に、随時、研究所を見学させてくれないかというご要望も ありまして、これも本来業務に支障のない範囲でなるべく対応させていただいたという ことでございます。  いちばん下の楕円でくくってあるのは、私どもの安全技術講演会なり一般公開なりは リピーターが多いようだと思われます。数が多いか少ないかは判断しかねますが、毎年 新しい私どもの成果を期待して来られる方が多いので、そういった顧客を大事にするの も一つの方針かなとは思っております。  15ページは特許の関係でございます。13年度は出願9件、登録されたものが1件、実 施に移ったものが2件ございます。これも6月28日に宿題となっておりましたので、評 価シートのほかにダブルクリップでとめてある資料の3枚目ぐらいに、私どもの研究所 の特許の出願あるいは登録、実施についてお示しをした表をお出ししております。  平成12年度ぐらいから独法になるというので職員の意識がだいぶ変わってまいりまし て、研究成果の一つの形としての特許出願ということでぐっと増えてきた経緯がござい ます。  実施に移ったのは、13年で実は初めてのケースでございます。この特許自体は、平成 5年あるいは6年ぐらいの仕事の成果でございまして、10年近く経ってやっと日の目を みたかなということでございます。  もう1点、特許の出願に関しては13年度に初めて国際特許の出願もトライをしており ます。  16ページ、スライドで27、この辺も、私どもが6月28日に出した事業報告書の添付資 料でいろいろな表でまとめてあるのですが、評価の対象ということからいうと整理が悪 かった点がございましておわびしたいのですが、スライドで整理をし直した数値をそこ に書き込んでございますので、そういった意味で見ていただければと思います。  若手研究者の受入れは、上に書きましたような方がたを受け入れました。下の方は、 他の機関への講義、講演、技術指導ということで、そこに書きましたような形で実施を いたしました。  27ページのスライドの下の四角の3行目に、「労働研修所・安全衛生教育機関」とい う表示になっておりますが、「労働研修所」というのは消してください。これはワープ ロミスです。  スライドの28、国内外の産業安全関係機関との協力の推進ということで、13年度、ほ かの機関から研究者を受け入れ、あるいは交流をしたということでいいますと、私ども の研究所にあります流動研究員の制度で、大学の方、民間の研究所の方に1人ずつ来て いただいて、いろいろ討議をしていただいた。  外国人の研究者招聘ということでは、フランスのブールジュ大学から1名、これは短 期でございますがきていただき、共同研究を行いました。  あとは国際協力協定に関係して、13年度、私どもは4件のケースがございます。1件 は英国のHSLと従来から協力協定を結んでいたのですが、これの更新の時期というこ とで行き来をしておりますし、韓国の産業安全保健研究院ともずっと協力協定を結んで おりましたので、それの関係で職員を派遣しています。それから、13年度に新たに韓国 の釜慶大学というところと国際研究協力協定の締結をいたしました。  13年度は、実質、進展しなかったのですが、フランスのINRSという国立研究所と 将来的な協力をしていこうということで、その準備で行き来をしました。  一番下の緑色の四角は、平成13年度の共同研究ということでまとめていまして、先ほ どの外国人招聘研究者との共同研究1課題、国内では9課題ということで、10課題、共 同研究の形で実施をさせていただきました。  評価シートの17ページまでは以上でございます。 ○ 黒川委員長  どうもありがとうございました。何かご質問その他、ございますでしょうか。 ○ 田村委員  若干、コメントをさせていただきたいと思います。  先ほどご説明がございましたが、学会発表等につきましては、数の上でも、数が問題 ではないのですが、かなりたくさんの論文を出しておられますし、質的にもなかなか掲 載基準が厳しいところにも出しておられるという意味では、非常に高いポテンシャルを 持っておられるかなという感じがしております。  研究成果の発信と広報ということでは、先ほど広報が下手だということをおっしゃっ ておられましたが、確かにあまり派手ではない、地味な感じはいたしますが、着実な広 報活動をやっておられるのではないかと思います。出版物等々を見ましてもそんな感じ がいたしますし、内容的にもそれなりに立派なものをお出しになっているのではないか という気がいたします。  講演会などは、安全技術講演会などがありますと、今は3か所でやっておられます が、大変好評で、先ほどリピーターということをおっしゃっておられましたが、そう いった意味では皆さんが関心をもって参加されている、そういった講演会をおやりに なっているということで、これは是非、今後とも活発な活動として続けていただきたい と思っております。  特許関係でございますが、これは昨日も議論になりましたが、この分野は簡単には出 せない分野ではないかと思っております。特に官的な側面とかあるいは人的な問題と か、技術開発型の研究所と違ったところでございますので、そういった意味では特許に しにくい点がございますが、特許にできるものについては積極的な展開をされることが 必要ではないかと思いますが、それなりの努力をされているのではないかという感じが いたしました。  一番大きな安研の成果は、産業安全に関する知識・技術の普及に相当力を入れておら れるところではないかという気がしております。例えば講演活動とか技術指導とか、あ るいは技術試験等の協力支援ということでございますが、これについては、労働研修所 とか安全衛生教育機関とか、あるいは災害防止団体における研修講師等、安研の方々の 力で非常にいい活動をやっておられるのではないかという気がしております。  国際的な研究協力については、今いろいろな努力をされておりますが、これについて は、より一層組織的な活動に展開できればということで期待をしております。以上でご ざいます。 ○ 大久保委員  先ほど田村先生のおっしゃいましたことと別なことだけ、発言させていただきます。  まず成果の積極的な普及・活用について、これは数え方によって違いますし、数が多 いからいいということではございませんが、目標を大幅ににクリアしていらっしゃると いうことで、モチベーションが非常に高いということを高く評価をさせていただこうと 思います。やはり論文数が増加をすることはインセンティブにもなると考えますので、 そこのあたりも非常にいいことです。  学会誌の内容も、これも見せていただきましたが、たとえばジャーナル・ブロスプリ メーション・アンド・プロセスインダストリーズ、インターナショナル・ジャーナル・ オブ・インダストリアゴノミスク、日本機械学会論文集、安全工学、人間工学といった ところに投稿していらっしゃいますが、品質の非常に高い、また掲載が難しい一流の国 際誌、学会誌に投稿していらっゃるということで、全体的な割合でいきますと国際誌の 掲載が、やや少ない。もちろん国内の問題を中心にしていらっしゃいますので、当然国 内誌の方に多くということになるとは思いますが、やや少ない感じがします。労働災害 防止という観点からは重要な成果物について途上国が関心を持っているという意味で は、ぜひ今後、国際誌にも大いにご投稿をしていただきたい。なお、それが学会賞等に 結びつけば、学会賞を取ればいいというわけではございませんが、なお好ましいといっ たことだろうと思います。  したがって、今後、国際誌への投稿を通して国際的な評価を受けることも一つ、非常 に重要だと思いますし、ISOなどが直接、間接に絡んでくる研究所でございますの で、そういう意味でわが国の水準の高さといいますか、この分野における高い水準を是 非、国際的に示してほしいと期待しております。  学会発表につきましては、内容が多岐にわたっており、いろいろなところにご発表に なっています。土石流関連、ロボット関連、マンマシン・インタフェイス、建設工事、 それぞれに最適な学会にご発表になっているということで、学際的な領域、たとえば産 業組織心理学会といったような従来の工学では取り上げなかったようなところ、集団と しての心理面とか経済面、例えば建設マネジメントですとかリスクアナリシスの研究会 といったところが含まれているのも、大変評価をさせていただきました。  国際研究集会での口頭発表は30件ございまして、そのうち、欧米が開催地の場合には 6件、東南アジアが6件、これは中国、韓国、シンガポール、日本での国際会議は18件 ということでございます。日本でやるから悪い、ヨーロッパでやられるからいいという ことはございませんが、産安研も非常に英語の堪能な方が多いですから、そういう意味 では、これは予算の関係もありますので、是非たくさん出してあげていただきたいと思 いますが、研究発表をヨーロッパ、あるいは東南アジア等でより多くしていただくこと も非常に重要なのかなと思います。それと同時に、教育マニュアルですとかデータの共 有化、共通化といった面についても、かなりやっていらっしゃいますが、今後ともやっ ていただきたいと思います。  講演会、講師等につきましては、先ほど田村委員がおっしゃったとおりでございま す。以上でございます。 ○ 安井委員  評価シートの11ページの評価について、外部評価について伺いたいのです。これを読 みますと、評価の内容が事後評価と内部研究評価会議の評価だけのようにみえるのです が、実態はそういうことでよろしいのでしょうか。 ○ 鈴木研究企画調整部長  外部評価でお願いしているのは、まずプロジェクト研究課題については必ず事前、中 間、事後といった評価をしていただくことが一つ。それから、私どもの機関評価に相当 すると思うのですが、そういったこともお願いをするという形にはなっております。  13年度に関しては、その位置づけでいいのかどうかわかりませんが、私どもでやって いる内部研究評価会議の役割とか機能、それについてチェックをいただいたということ でございます。 ○ 安井委員  伺いたいことはそういうことだったのですが、要するに機関評価みたいなものをもっ と徹底的にやるか、あるいは場合によると個人評価まで踏み込む気があるのかどうかと いうことを伺いたかったのです。 ○ 鈴木研究企画調整部長  個人評価はなかなか難しい点がございまして、実際、私どもの研究所の中で今、その 論議を詰めているところです。それを内部研究評価会議の中で、あるいはその関連でや ることになると思いますが、それを外部評価会議にかけるかどうかというのは、いろい ろ進め方が難しい点もあるかと思いますし、検討している段階です。 ○ 安井委員  蛇足ですが、もう1点。ホームページ上に公表してあると書いてあるのですが、せめ て外部評価委員名ぐらいまでは入れていただいた方がいいのではないかと思いますが。 ○ 鈴木研究企画調整部長  申し訳ございません、報告書には載っております。参考資料の確か3番でございます 。その辺は改めていきたいと思います。 ○ 黒川委員長  そのほかにどうぞ……。先ほどいろいろ講演会などをやっておられて、人が参加して 、それはいろいろ評価をしてもらって、評判が良かったという話があったのですが、こ の辺も前向きで非常にいいと思うのです。アメリカの学会などに呼ばれて特別講演など をしにいくと、何をするかというと、座る椅子に全部評価のカードが置いてあるのです 。だから、入ってきた人がそれを取りますと、それに書くことができるのです。内容は 何とかかんとかと数項目あって、1から5まで書いてあって、最後に何かコメントがあ ればという話です。全員が返すわけではないけれど、出るときにボックスがあって、そ れに入れる。  毎年、学会で、私はそれをやっているのかは知らなかったので、やっているなと思っ ていたのだけれど、それで1か月半ぐらいしたら、あなたのレクチャーはこうでした、 というのがバーッと数字が出てくるわけです。それで評価しているのですが、実はこの あいだ、国際内科学会があって、アメリカの生涯教育のクレジット何単位というのをプ ログラムがこうだからというので認定してもらったら、アメリカから150人ぐらい聴きに 来て、スピーカーもいるのですが、サーッと終わったら、そういう評価はこれとこれと これで、これは何点でときましたので、そういう評価がすごく大事なのではないかなと 思います。  これはすごく前向きなので、他のところでもやられるといいと思うのですが、来た人 のニーズによってどういう話をするかにもよるのだけれど、そうすると評価の項目が、 どこでもそんなことをやっているから、数項目、どういう話という確認をして、そのほ かのコメントをつけさせてフィードバックさせていると、だんだん自分たちも良くなる し、相手も良くなりますので、是非そういうのを考えてもらったほうがいいのではない かと思います。調査票も工夫するためにはたくさん今は例がありますから。  今、大学で教育の評価をしているというのは、方々で苦労していますので、この辺、 頑張られるといいのではないかなと思います。他のところでも是非そうやったらいいの ではないかと思いました。  それから、昨日も話が出ましたが、何人か研究員が来たといって共同研究をしている のも、実際にこちらでやっているのが何%ぐらい、つまり、その人が1年間で何%の時 間をこちらで過ごしているか、週1日来て50週だと50日分ぐらいしかまだやっていない わけだから、それが1人というわけにもいかないので、マンマンスかフルタイム・エク イバレントとしてどのぐらいになるのかということを、頭数と内容を書かれた方がいい のではないかと思いました。  以上ですが、そのほかに何かありますか。 ○ 坂本委員  14ページの一般公開のところで、対象が安全技術講習会が各地で何回とか、あるいは 研究所を一般公開して参加者が168名でしたというような数値があります。これは、三つ の研究機関で同じような形で発表がありました。この三つの研究機関は非常にユニーク な分野のことをやっておられて、非常に専門性の高いところですので、研究所を一般公 開して168名お入りになりました、私たちはこういうことをやっています、ということを わからせるのに、いったい公開の目的、的確な対象を選んであるのか、あるいは公開の 内容が来た対象に対して明確に活動を理解していただけるようなことなのかというのは 、この報告書に出てこないのでよくわからないのです。こういう特異な研究機関はそれ なりに理解していただく方法がもっと他にあるのではないかという気がしてしょうがな いのです。  全然わけのわからないところへ、何人の人がお集まりになりましたという数値だけで は、なかなか評価しにくいという感想を持っています。 ○ 尾添理事長  技術講演会とか研究所一般公開のPRの仕方なのですが、これはまずホームページで す。あと、産業安全関係のいろいろな関係団体が全国多数あるのですが、そういうとこ ろでのPR。それから、もちろん「安研ニュース」でのPRということで、産業安全に 関係する人たちのところにそういう情報が届くようにということを工夫をしながらやっ てきている。  あと行政機関、労働基準局、今は労働局ですが、監督署などにポスターを作成してお りますので、そういったところに一般の方がいっぱいお見えになりますから、PRをす るという格好でやっている。来られている方は、ほとんどが企業の安全の担当者の方で す。一部、地元の住民の方とか地方自治体の方などで、それなりにこういうことに関心 のある方が来ているという格好になっております。 ○ 黒川委員長  今のところはそうだけど、その目的によって少しずつ変わって、たとえば中学生を相 手にしてやることもあるかもしれないし、それはこれからいろいろ工夫が必要だと思い ます。  そのほかに。 ○ 五十嵐委員  一つお聞きしたいのは、研究所を一度拝見させていただいて、大変よくやられている と思ったのですが、安全という観点ではこの研究所は非常に重要だと思いますが、同じ ような基本的な研究所というのは、今は変わりましたが国土交通省にあったり、あるい は他のところにあったりしているわけです。そういった省庁を超えた研究所間の交流と かそういうのはどういうふうになっているのでしょうか。私もわからないのでお聞きす るのですが。 ○ 鈴木研究企画調整部長  これから、私どもの研究所は、戦略としてそういうことを進めていかなければいけな いとは考えております。ただ現状では、先ほども話が出ましたが、研究者の個人レベル でのつながりで組織の方は何とか持っているというのが正直なところでございます。 ○ 黒川委員長  これは昨日も出たけれど、日本の場合は今までは、組織があって、そこに人がはまっ てそれをやるという格好でしたが、それがだんだん変わってくるのだと思うので、これ は是非、期待したいと思います。  一つコメントなのですが、ガイドラインみたいなのを作られますよね。もちろんそこ の専門家だからいろいろ出てくるのだけれど、結局、ガイドラインをどうオーソライズ するかということが問題で、今までだと、例えば行政機関がガイドラインを作れば、そ れは一応従っていればいいかなという話になっているのだけれど、それは本当はおかし いのです。今まではお国のお墨付きということでみんなひれ伏していたのですが、今 度、独法になればなおさらそうなのですが、それがまずいぞという話になってきている わけだから、むしろガイドラインも、できれば今いったような横断的なその分野の学会 のコミッティでも作ってもらって、学会と独法の両方で検討して、両方でガイドライン をオーゾライズするという格好がたぶん一番いいのではないかという気がするので、こ の独法のガイドラインにしても、無視してもどうということないという話になるので、 学会とのオーソライゼーションはすごく大事なのではないかと思います。  その辺も、他のところも工夫されるとよい。パブリックに対してクオリティをどうア シュアするかというのが大事なのではないかなと思います。内容は良いに決まっている のだけれど、プロセスとして学会の人たちの英知をそこに取り込んでいるというのが大 事なのではないかと思います。  では、18ページから29ページまでよろしくお願いします。 ○ 鈴木研究企画調整部長  では、評価シートの18ページ、スライドの29番、経費の削減のことでございます。  まず、競争的研究資金ということで、そこに挙げましたような競争的研究資金を獲得 することができました、という報告になります。これはお金的にはあまりメリットはな かったのですが、私どものような研究所ですとマンパワーの方が非常に貴重だという意 味で、かなり助かりましたということです。  受託研究でございますが、政府等の受託研究、これは競争的資金でもあるのですが、 民間からの受託研究、それから刊行物の有償頒布、施設の有償貸与、講師などの謝金の 機関収入ということで、緑色で下に矢印が四つほどついてございますが、これは独法化 になって私どもとしては初めてこういうことをやって経費節減に努力したという形にな ろうかと思います。  19ページ関係はスライドは用意してございませんが、年度計画に基づいて予算の範囲 内で仕事をさせていただいた、この一言に尽きます。6月28日に財務の関係で宿題が三 つほどございましたが、たぶんここで言わなければいけないのかなと思いますので、事 業報告書と一緒に宿題の資料ということでついているかと思います。  債務の関係は、人件費、退職手当がほとんどでございます。後ろから3枚目が債務の 内訳でございます。  後ろから2枚目に、13年度の損益計算書におけるその他の事業の収入、これの内訳と いうことで200万円ほどあるのですが、講師の謝金、刊行物の有償頒布の分でございま す。  期首の貸借対照表もお出しをしております。ご覧いただければと思います。  スライドの最後の30番ですが、評価シートでは20ページの関係です。ずらずらと書い てありますが、人員は年度計画どおり、これも前に出てきましたが、公募によって選考 採用が3人です。  人件費の総額は、年度計画の範囲内です。  職員の給与規程に基づいて昇格、昇任をしているということになります。  あと、余分ですが、下にメモを書かせていただきました。我々は計画達成に向けて、 ある意味ではインセンティブ付与ということになるかと思いますが、業務を進めていく 上でどうしても必要な資格を所内の管理会議で検討しまして、計画的にそれぞれ職員に 資格を取得していただくということで、研修機関へ派遣をしたり、実際に試験を受けて もらったりということを進めました。以上でございます。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。どうぞご質問、コメントを。 ○ 堀田委員  20ページの人事の関係についてですが、業務内容を伺っていますと、非常に多様な分 野の知識を持った人たちが、しかもプロジェクトに応じていろいろ違う組み合わせで必 要とされるように思うのです。そういう業務だとすると、人事は非常に柔軟に、例えば むしろ非常勤、あるいは特別に依頼した講師、あるいは共同研究の関係でそれに適した 人を受け入れるとか、いろいろな人事対応が必要ではないかと思うのですが、このシー トを見ますと、比較的ピラミッド型の、いったん採用したらずっとそこで昇進等で上が っていくというような、やや硬直した感じもするのですが、柔軟性を確保するためにど のような配慮をしておられるのか、伺いたいと思います。 ○ 尾添理事長  人事は個人評価と絡むのですが、これは非常に難しい問題で、今まで国研の時代は、 国の基準、人事院規則等に基づいてなされてきているということでございますが、独法 になったときにどういう格好で個人を評価、どう昇格をもっていこうかということにつ きましては、前向きにいろいろなことに取り組んだといいましたが、この評価の問題に ついては、これは早急にはなかなか難しいということで、少し時間をかけて検討しよう と考えています。他の独法の様子とかそういうことを見ながらやっていかないと、私ど ものところでやっていくにはノウハウも不足している面もあるのですが、よく見ながら やっていかないといけない。  一方で、職員は一般職の国家公務員で変わりませんので、そういう面では人事院規則 の適用を受ける部分も相当数残っているという問題があります。  研究計画の中で職員云々の問題につきましては、先ほど鈴木も言いましたように、グ ループ制をとって、柔軟に一つの研究テーマについて専門家を集めてきて協力しながら やろうという観点、あと、共同研究を積極的にやっていこうということです。うちでも っている例えばプロジェクト研究などについても、積極的に民間企業等の知識というか 研究者も活用していこうという呼びかけをして、そういった人を共同研究者に選んで実 際にやることで対応してきているということでございます。  今いる職員の昇任、昇格という問題についてはどうするのかということで、これは直 接には人事院規則の適用がなくなりましたので、職員給与規程を作って、労働基準法の 適用もあるので、監督署に届け出をしたものはあるのですが、実際の昇格については、 個別的な評価は役員のところで総合的に、先ほどの内部研究評価会議の結果とか、それ プラス、研究だけではなくて周辺のいろいろな社会的な貢献みたいな役割のところをど う取り組んでいるかということも含めながら総合的に判断してやってきているというこ とで、個人評価に絡めた話は今後の重要な課題だと思っています。 ○ 篠原委員  評価シートの20ページの(3)の人件費の状況で「年度初の人件費総額の予定額は4億 8900万円で、支出総額は4億4800万円。」人員は49人で同じということは、この差は主 に何の費用ですか。 ○ 尾添理事長  これはあるとすれば、人件費は当初に例えば退職者などが出てきますと、高い人が辞 めて若い人が入ってくるという問題もありますし、それから一般職の給与はとりあえず 今、国に準拠してやっていますので、人事院勧告との絡みでこれぐらい上げるだろうと 想定したのが、実際は上がっていなかったという問題ですとか、そういったところで変 わってきていると思います。 ○ 黒川委員長  そのほかに……。よろしいでしょうか。皆さん、評定をしていただいたので、一応こ れで産業安全研究所の方を終わらせていただきまして、全体としての議論を残りの時間 でしたいと思います。 ○ 唐澤政策評価官  では、三つの研究所を通じて多少のご質問なりがあると思いますので、それをしてい ただくとともに、3研究所の自己評価の資料を1枚紙でまとめたものでお配りいたしま すので、それも見ていただきながら全体の評価の点数をもう一度チェックする必要があ る場合には、それをしていただければと思います。 ○ 黒川委員長  これはまた、昨日お約束したように、先生方のそれぞれの項目の3研究所についての 評価を一覧としてまとめて、先生方の採点がどのくらいバラツキがあるかという話もわ かるようにさせていただければと思います。 ○ 堀田委員  これは質問ではなくて意見で、この自己評価に絡むのですが、この評価をやって、こ れは大きくいえば国民のため、あるいは国会、あるいは行政のための業務評価というこ とになるのですが、正直いって、この評価自体を評価しますとCかDであって、とても 良心的に評価できたとは思えない。この2日間はきわめて良心の痛む時間を過ごしたと 思っています。ですから、こういう評価を受けられる方々も大変につらいといいます か、不本意ではなかろうかと思うのです。  なぜそういうふうに感じるのか、もう少しいえば、どういう評価があるべき評価かと いえば、例えば今日の案件ですと、大久保委員とか田村委員とかのように、しっかりそ ういう研究をされる分野あるいはそういう研究を使う分野に広く平素からおられて、そ の平素の活動状況、その意味など、他の同種の活動状況などについても承知しておられ て、そういう知識を持った方がさらにしっかりした調査に基づいて評価をされるという ことが、本来ならあるべき評価であって、またそういう評価でないと、おそらく評価を 受ける側も納得されないのではなかろうか。評価というのは納得されることが非常に大 切なことでありますので。  そういう意味では、この評価システムも始まったばかりですので、最初から 100点を とれるはずがないのですが、それにしても相当点数は低い。Dしかつけられないぐらい の評価ではないかと私は感じます。  しかしながら、そういう理想的な評価をやるには、大変な方々を集めて大変な手間を かけて、コストも非常に高くかかるということで、そこが大変難しいところなのです が、では我々のやった評価が意味がないのかということになると、やはりそれだけ手間 ひまをかけた意味はあるだろう。この評価の基本は自己評価であろうと思います。業務 目的を定めて、それをどれだけ達成したかについて、そのこと自体が業務の進め方で大 変意味があることであり、しかも自分たちがどれだけやったかということをしっかり自 己評価する、その自己評価に大いに意味があるだろう。それによって業務がさらに系統 的に、さらに意味あるものとして行われることになるだろうと思います。  ですから、この委員会は、いってみれば自己評価が適正かどうか、先ほど黒川委員長 も、自己評価は自己満足とおっしゃいましたが、そこまではいかない、厳正にやってお られるとは思うのですが、どうしても自己評価には一定の限界がありますので、それを もう少し客観的に広い目で見ても適正であるかどうか、自己満足になっていないかどう か、そういう点をチェックするのがむしろこちらの委員会の実質的な意味ではなかろう かと思います。  そういう意味では、あとからこうして配ってもらうのもいいのですが、最初から配っ てもらって、なぜそういう自己評価になったのか、この自己評価をするにあたってこう いう点は考慮されているのかどうか等をいろいろと質問をし、チェックしながら評価を していくという仕組みにしたほうが、私はこの委員会の役割がより適切に果たせるのか なと思います。 ○ 田村委員  今、堀田委員のおっしゃったことは私も全く同感でございます。最近、いろいろなと ころで評価、評価ということが行われていくわけでありますが、本当にその評価という のはどういう意味があるのだろうということを考えますと、おっしゃるように外から見 ていてすべてが把握できて、そして評価ができているかというと、必ずしも現実にはそ うではない。そういった意味で、なかなか難しい面がある。  おそらくやっておられるところは一番よく知っておられるわけでありますが、今おっ しゃったように外から見たいろいろな意見は聞いた上でいろいろな判断をしていくこと は非常に大事なので、そういったところで評価の意味はあるのではないかと思っており ます。  そういう点で、昨日、今日と評価をしたわけでありますが、昨日も意見が出ておりま したが、我々がわかることといいますと、研究の背景はいったいどうなのだ、何を狙っ てやろうとしているのか、あるいはどういう方向でやろうとしているのか、その結果に 対してどういう成果が得られて、それが社会的にどういう貢献ができるのだろうか、そ ういう大枠のところが我々としては評価できるところではないかという気がします。し かし、内部の詳細については、自分たちの知っている分野であれば、確かにある程度の 理解はできるのですが、そうでないとなかなかわからないというのが実情ではないかと いう気がいたします。  むしろ研究の特質等も考えますと、研究の計画があって、そしてそれに対する成果が 出るわけでありますが、計画と成果があまりぎしぎし詰められていくと、研究本来の特 質である将来に向けての展開とかそういったゆとり、余裕がなくなってくるというのが 一つ、心配な点ではないかという気がするわけです。そういった意味で、研究のフレキ シビリティを尊重しながら評価を有効に活用していくためには、外枠の評価をさせてい ただいて、中についてはむしろ研究機関自体がモラルをもってやっていくことに期待す るというのが、あるべき姿かなという感じが私はしております。 ○ 篠原委員  私も公認会計士で、全然苦手な分野でパスしたいということもありまして、今回、評 価結果に非常に自信がないのですが、どういう視点からやったかというと、独法化して 新しいことに積極的に取り組んだのか、与えられた場でそれなりに取り組んだかという ことが視点で、昨日から今日にかけて皆さんも言っているように、成果とかどういう効 果があったかということはあまり書いていないし、それはやむを得ないのかなと思いま す。初年度としては、取り組みだけで評価して、技術関係はぼくらは中身はわからない ものですから、こういう場で与えられてこう工夫したなとか、違う面からみて評価して いるので、他の人たちとはちょっと違うのかなという気もしているのですが、それでも いいということで私は評価させていただきます。 ○ 安井委員  私も評価はなかなか難しいなと思いつつも、確かに研究などは自己評価が一番だろう と思うのですが、こういうところに出てくることによって、世の中、それ以外の評価を する人もいるのかなというのが、おそらく我々の評価票をお持ち帰りになってそれで検 討されると、若干気がつくこともあって、結果的に自らの組織がより強力なものになり、 より社会的認知が高まれば結果的にいいのではないかという程度の理解でございます。  先ほど田村先生がおっしゃっていた、研究というものがあまり即時的な評価という か、今わかるように評価するのはよろしくないというのはまさにそのとおりで、これか ら国立大学の評価をどうやってやるかよくわからないのですが、実際、15年とか20年と か経って、ちゃんとした組織が継続的にその成果をずっと続けられていく、そういった 非常に長期的な目を持ちつつ研究プロジェクトというのは評価しなければいけないな と、常々考えている次第です。以上です。 ○ 五十嵐委員  3研究所でかなりモチベーションが違うところがございまして、結果が早く出ること を求められているプロジェクトもあれば、10年とかそのように長くやらなければいけな いのも全部入っておりますので、その辺でこの分野はどのように評価していくのかとい うのは非常に苦労いたしますので、そういう観点で私どももしたのだということをご理 解いただければと思います。 ○ 黒川委員長  三つとも実績があるわけですから、新しく始めるといっているわけではないので、運 営とリーダーシップが発揮しやすくなったことは確かですね。 ○ 開原委員  私もいろいろ評価をさせていただいて、いつも悩むところではあるのですが、私の感 想を一つ申し上げさせていただくと、私はプロセスがいちばん大事なのかなという感じ がしております。私自身もかつては研究者であったのですが、自分だけでやっている と、どうしても井の中の蛙になってみたり、また自分で穴を掘ってその中に閉じこもっ てしまったりということもありますので、そういう意味では外部の人と交流をする中で 何か違った視点を見ていく、そのプロセスがいちばん価値があるのではないかという感 じがしております。  また逆に研究所の立場に立つと、こういう評価委員会を介してご自分のなさっておら れることをむしろPRされる、そんな感じも一つ意義があるのではないかという気がし ておりまして、私自身もいろいろと勉強をさせていただいたので、例えば将来、別な機 関に行って、産業安全研究所というのはこんなすばらしいことをなさっておられるのだ ということを、私がまた話すような機会もあるかもしれない。そういう意味で、むしろ これはPRのためにお使いになるということもいいのではないかと思います。 ○ 黒川委員長  そのほかに……。また何かありましたらメモその他でいただき、これについては ちょっと考えが変わったということもあってもよろしいと思いますが、今日までの3機 関、理事長先生、説明に来ていただいた方、本当にありがとうございました。これをや ることによって、どういう視点で見ているのかなと、そちらもどういう視点でやってい るのかなと、お互いに建設的な意見の交換ができたのではないかと思います。  こういうことの一番難しいのは、研究者のフレキシビリティもさることながら、それ は理事長先生が研究者だったら、ある程度、こうやったらいいぞというのはわかるわけ で、むしろやりやすくはなっていると思うのですが、事務方がどう対応するか。今まで は省庁に直属ですから、上からのいうことを聞いていればいいやという話で、研究者も それを言われると何もできなくなるというのが大体のパターンでした。  実は私は心配しているのは国立大学で、先生の方はまだいいかもしれないけれど、事 務方をどうするのかというのは非常に悩ましいことではないかと思っています。大きな 大学だと、文科省から出向で来ている課長さんとか部長さんとかいろいろいますから、 本省から話がきて、裏の話とかいろいろやり方があって、先生たちがこうやりたいと 言っても、だめだというのが普通なのです(笑い) 。しかし、これが独法化されると、 そこの事務方がみんな自分たちでやれるかというと、これが非常に心もとないところが 多いので、私はちょっと心配しているのですけれど、その辺は独法化されたところの研 究所の難しさかなと思っています。  その辺は、3研究所でも非常に頑張っておられまして、むしろ研究のスキームとかそ ういう話よりは、事務方のサポートがどのようにやるかというのがけっこう難しくなっ ているのではないかなという気もしました。こういう場を通じてお互いに、この評価委 員もその応援団としてより機能的になっていく、ということは大切な役割なのではない かなと思います。最終的には、堀田委員もおっしゃいましたが、この評価委員が評価し たことはいったい何のためになるのだという話が大事なわけで、そういうことで是非や りたいと思っております。  さて、閉会にあたりまして、評価官から今後のことその他について。 3.閉会 ○ 唐澤政策評価官  では、最後に三つほど、ご確認のために申し上げます。  まず、ご欠席で評価が記入できなかった先生につきましては、連絡をとらせていただ きまして、簡易なご説明をする機会を設けさせていただきたいと思います。  二つ目は、評価シートを持ち帰って、もう一度よく考えてつけたいという先生もい らっしゃると思いますので、どの資料を送る必要があるかということは、帰りぎわに事 務局にお申しつけいただければ、事務局で資料をお送りいたします。  最後に次回の日程でございますが、今、調整をさせていただいておりますが、8月の 下旬、20日から29日の間くらいに設定をさせていただきたいと思いますので、よろしく お願いいたします。以上でございます。 ○ 黒川委員長  評価の欄が、評定のところは小さいのだけれど、理由及び特記事項というのがやたら と広いのですね 。だから、何か書かなくてはいけないのではないかとプレッシャーがか かるので、メモを少し書かれているところもあると思うのです。SとDの場合ではなく てもかかれていると思います。それは、誰が書いたかわからないようにしてランダムに つけて各委員に資料として差し上げた方がいいのではないかと思います。 ○ 唐澤政策評価官  次回は、この集計をしたものとコメントをわかるようにいたしまして、そして個別項 目の最終的な議論をしていただきます。それから総合的評価の議論にも少し入っていた だく。以上でございます。 ○ 黒川委員長  以上でよろしいでしょうか。どうもお忙しいところをありがとうございました。これ からもよろしくお願いします。                                     −了− 照会先 政策統括官付政策評価官室 政策評価第1係・第2係 代)03-5253-1111(内線7784・7780) ダ)03-3595-2160