02/01/18 第11回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録    第11回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録 1 日時  平成14年1月18日(金)10:00〜10:45 2 場所  中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室 3 出席者 [委員]  奥平委員、刀谷委員、勝委員、菅野委員、齋藤委員、            笹川委員、桜井委員、辻村委員、都村委員、中山委員、            長谷川委員、堀越委員       [事務局] 奥田勤労者生活部長、南野勤労者生活課長 4 議題  (1) 平成14年度予算案の概要  (2) 建議案 5 議事内容 ○部会長  ただいまから第11回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会を始 めたいと思います。  今日の議題はお手元にあるとおりですが、「平成14年度予算案の概要」から始めた いと思います。では、説明をお願いします。 ○勤労者生活課長  それでは御説明いたします。本日は資料1から資料4まで御用意していますが、資料 3と4についてはすでにこれまで本部会で御説明しているものであり、本日説明は省か せていただきます。  まず議題1は、「平成14年度予算案の概要」です。昨年末に平成14年度予算の政 府原案が決定されたわけですが、そのうち勤労者退職金共済機構に係る予算について御 説明いたします。平成13年度の予算額が(1)です。それから平成14年度については2 つの数字があり、昨年8月段階で厚生労働省から財務省への要求額である(2)と、政府原 案である(3)の予定額です。勤労者退職金共済機構の予算については、一般会計から事務 費、人件費の補助がされています。また、労働保険特別会計から掛金助成についての補 助がされています。  まず、一般会計については、平成14年度の要求額が合計で44億4,800万円と なっています。内訳としては職員設置費、いわゆる人件費が26億3,700万円で、 前年度予算に比べると約3,000万円増の要求をしています。また、事務費について は18億1,100万円でして、これは以前この部会でも説明申し上げましたが、特殊 法人関係の予算を全体的に削減するという要請がなされたことから、前年度比で1割カ ットで要求したものです。これらを合わせて44億4,800万円となります。平成1 4年度の政府原案では職員設置費、つまり人件費が26億2,400万円で、要求額に 比べると1,300万円の減となっています。事務費については17億9,700万円 で、これも1,300万円の減です。合わせて一般会計については、44億2,100 万の予算が政府原案で認められています。  次に、掛金助成についての補助です。内訳は細かくなっていますが、合計で107億 9,600万円で、ほぼ前年度と同額を要求したところですが、政府原案では107億 7,900万円で、要求額よりも1,600万円減となっています。平成14年度の要 求額の合計は152億4,400万円で、政府原案に盛り込まれた予算額は、152億 100万円です。要求額に比べると4,300万円ほどの減、割合にすると0.3%の 減となります。平成13年度比で見ると2億2,300万円の減、割合にして1.4% の減です。こういう形で勤労者退職金共済機構に係る平成14年度予算額の政府原案が 決まっております。  財務省の特殊法人関係の予算額の査定については、今回は例年になく非常に厳しい状 況でした。特殊法人関係の予算総額が約5兆円のところを、政府全体の方針もあり、こ のうちの1兆円、約2割を削減するという前提のもとでの予算の査定でありました。勤 労者退職金共済機構関係の予算については、平成14年度に関しては合計で1.4%の 減に留めることができたという状況です。 ○部会長  この予算案について何か御質問、御意見はございますか。特段の御質問がなければ、 次の議題に移らせていただきます。  前回に引き続いて建議案について議論をしたいと思います。前回の御意見を踏まえて 、手直しをしたものを御用意しております。それについて説明をお願いします。 ○勤労者生活課長  資料2を御覧ください。前回の建議素案に対する部会での御議論を踏まえて修正した ものです。前回は、建議素案という形でしたが、今回は、建議案としております。まず 前回からの修正点について簡単に御説明した後、全文を読み上げさせていただきたいと 思います。  まず、改正に当たっての基本的な考え方です。総論部分では上から3行目の「また」 から2行下の「ところである」までを新たに付け加えています。前回の部会での、新し い企業年金制度が創設されたことや、退職給与引当金制度が将来的に廃止されることに ついても言及すべきではないかとの御意見を踏まえての修正です。  次が、総論の部分の一番最後のパラグラフの「このようなことから」の後に「基本退 職金に係る」という所から「影響が大きいが、」までの1行を付け加えております。こ の点については、予定運用利回りが下がることによって労働者の退職金の給付水準が下 がるという意味での労働者の痛みについても盛り込むべきではないかという御意見を踏 まえての修文です。  次に2の退職金額等に係る規定の政令事項化についての部分です。最後のパラグラフ ですが、前回の建議素案では、「なお、退職金額等を見直す際には、必ず当審議会にお いて調査審議を行うこと等により十分に議論の透明性を確保すべきである。」となって いたものを、よりその論旨を明確にするために一旦文章を切るべきであるという御意見 を踏まえて、御覧のような修文になっております。  3の資産運用の充実についてですが、下から2行目の勤労者退職金共済機構の責任の 部分について、法律上責任を明確化し、規定を盛り込むということであれば、「法律上 」という文言を加えてはどうかという御指摘を踏まえての修正で、「法律上」という言 葉を新たに付け加えています。  続いて、4の勤労者退職金共済機構の業務の見直しです。最後の行ですが、前回の素 案で「見直すべきである」としていたものを、特殊法人の整理、合理化計画の中で融資 業務については廃止という方針が示されましたので、「廃止すべきである」に変えてい ます。  6のその他についてです。(2)加入促進対策の充実については、前回の素案には盛 り込まれていなかった部分ですが、部会とは別の場で複数の委員の方より、加入促進に ついてもこの建議の中に盛り込むべきではないかという御意見をいただいたことを踏ま えて、今回新たに付け加えたものです。その関係で(1)の「見直しの実施時期」とい う表題を新たに付け加えています。  以上が、前回からの修正点です。それでは、全文を読み上げさせていただきます。  I 改正に当たっての基本的な考え方    我が国において、退職金制度は、労働条件の一つとして大企業では広く導入され   ているが、中小企業では大企業に比べると十分に導入されているとは言い難く、そ   の支給水準も低いなど、大企業と中小企業との間でいまだ大きな格差がある。また   、新しい企業年金制度が創設された他、将来的には退職給与引当金制度が廃止され   ることとなる等、退職金・企業年金制度の見直しの動きもみられるところである。    こうした中で、中小企業退職金共済制度(以下「中退制度」という。)は、国が   簡便かつ加入が容易な退職金共済制度を提供することにより、単独では退職金制度   を設けることが困難な中小事業において、退職金制度を確保するために重要な制度   であり、今後とも、その果たすべき役割は大きい。特に、厳しい経済情勢が続く昨   今においては、社外積立として保全され、確実に支払いが行われる中退制度の退職   金は、中小企業で働く勤労者の退職後の生活資金として、その役割はますます大き   くなっている。    一方、我が国においては、景気の低迷が長引き、金利や株価が極めて低い水準で   推移している。このため、一般の中退制度においては実際の運用利回りが予定運用   利回りを下回ることにより、責任準備の積立金不足が増大し、平成12年度末現在   で2,000億円を超える累積欠損金が存在する等厳しい財政状況になっている。    累積欠損金の存在は、本来得られるべき運用収入が得られないことにより積立不   足が一層拡大し、制度の財政の健全性を大きく損なうことになるとともに、制度運   営に対する信頼を損ね、ひいては加入者の減少を招くおそれもあることから、その   解消を図る必要がある。    このようなことから、基本退職金に係る予定運用利回りを見直すことは、中退制   度の加入企業労働者にとっては影響が大きいが、今後とも、中退制度を維持し、そ   の安定的な運営を図るため、早期に基本退職金に係る予定運用利回りを見直すとと   もに、経済社会情勢の変化に的確に対応できる仕組みに改め、長期的に安定した制   度とする必要がある。  II 具体的な改正の内容  1 予定運用利回りの見直し    基本退職金の予定運用利回りについては、確実に累積欠損金の解消を図り、制度   の財政の安定化を図る観点から、現行の3.0%を引き下げ、  %とすることが   適当である。    なお、予定運用利回りを上回る運用実績を上げ、剰余金が生じた場合、それを累   積欠損金の解消にも充てるべきである。その際には、被共済者間の公平性等を勘案   して、剰余金の2分の1を累積欠損金の解消に、残りの2分の1を付加退職金の支   給に充てることを基本として、各年度ごとに当審議会の意見を聴くこととするべき   である。  2 退職金額等に係る規定の政令事項化    最近の激しい経済・金融情勢の変化に的確に対応し、予定運用利回りを見直すこ   とが可能となるよう、現在法律に規定されている予定運用利回りを前提とした退職   金額等について、政令事項に変更するべきである。    なお、退職金額等を見直す際には、必ず当審議会において調査審議を行うことと   し、十分に議論の透明性を確保すべきである。  3 勤労者退職金共済機構による資産運用の充実    厳しい経済金融情勢が続き、勤労者退職金共済機構における運用方法等が資産運   用結果に与える影響が大きくなっている中で、勤労者退職金共済機構による資産運   用の重要性が一層高まっている。    このため、資産運用に当たり、運用目標を明確化し、外部の専門家も含めた事後   評価を行い、運用管理・チェック体制を整備するとともに、情報公開について一層   の充実を図るべきである。また、資産運用の主体としての勤労者退職金共済機構の   責任を法律上明確にするとともに、より効果的な資産運用を行うため、規制の見直   しや資産運用の対象の拡大を図るべきである。  4 勤労者退職金共済機構の業務の見直し    勤労者退職金共済機構の業務のうち、最近の実績が減少している融資及びこれま   で実績がない保健施設等の設置については、特殊法人等改革の動向や社会経済情勢   の変化を踏まえ、廃止すべきである。  5 掛金日額の範囲の引き上げ等    特定業種退職金共済制度における掛金日額について、関係業界等の意見も踏まえ   た上で、今後、必要に応じて引上げが可能となるよう、賃金の上昇等を勘案して、   掛金日額の範囲を見直すことを検討するべきである。    また、過去勤務通算月額の上限額について、これまでの掛金月額の推移等にかん   がみ、引き上げるべきである。  6 その他   (1) 見直しの実施時期     予定運用利回りの見直しについては、責任準備金の積立不足の増大を可能な限    り抑える観点から、周知期間等を考慮しつつ、できるだけ早期に実施すべきであ    る。   (2) 加入促進対策の充実     中退制度を一層普及させることが必要であることから、関係機関等との連携を    強化するなど加入促進対策の充実を図るべきである。  以上です。 ○部会長  何か御意見ございますか。 ○委員  勤労者退職金共済機構の予算のほうですが、予算では対前年度比2億5,700万円 減っていると。それで建議案の4の業務の見直しという所ですが、予算と関係ないまで も、例えば事務の合理化や人員の削減とか、こういうようなことは計画の中には入って こないのでしょうか。2億いくら減った部分をどういうふうにリカバーしていくのかと いう問題が1つあると思うのですが、それがちょっと何かここに一言あっていいんじゃ ないかという気がするのですが、いかがでしょうか。役員数の定数とか何とかも含めて ですね。 ○部会長  それは特殊法人の見直しで何か言われていることはないのですか。 ○勤労者生活課長  特殊法人改革の中で、これは前回説明いたしましたが、勤労者退職金共済機構につい ては独立行政法人化という方針が示されておりますので、今後近いうちに、現在の特殊 法人から独立行政法人に変えるための法律を出すことになろうかと思ういます。その中 で機構の組織や、もちろん役員の数についても、政府全体の方針の中で、全体的な見直 しが行われることになるのではないかと思います。今後、行政改革推進事務局、財務省 等との折衝を経た上での具体的な見直し案の策定ということになろうかと思います。そ ういう意味では、現段階でどこまで勤労者退職金共済機構の役員等の数を削減するのか ということについてはまだはっきりしない段階です。 ○部会長  それはここではなくて、独立行政法人になるときの話として処理すればいいのではな いでしょうか。 ○委員  若干自己努力というのも必要な気がしますが、内部努力というかね。一応検討を。 ○部会長  ほかに何かありますか。 ○勤労者生活部長  いま課長が読み上げました建議案の中で、いちばん大事な所が空欄にしてございます 。予定運用利回りをいくつにするかということについて、私のほうから事務局の考え方 を説明させていただきたいと思います。  「現行の3.0%を引き下げ、  %」ということになっていますが、そこまでに至 る論旨として、総論の部分で、我が国の景気の現状について、景気の低迷が長引いてい る、また金利や株価が極めて低い水準で推移しているという景気の現状認識を述べてい ます。それから制度がいま置かれている状況が次にありますが、責任準備金の積立不足 が増大をしているということで、この金額が相当な額に達しているとこともあり、現状 からしますと、長期に安定した制度としていくことが大事であるという考え方が、強く 出ていると思うわけです。そういうようなことを勘案しますと、ここにもございますが 、確実に累積欠損金の解消を図り、制度の財政の安定化を図ることを今回の改正におい ては主眼に置く必要があると考えています。  それからここにはございませんが、そうは言いましても中退制度が他の制度に比べて 著しく魅力を欠くということになりますと、加入者が減ってしまうということになりま すので、そういった点も当然考慮しなければならないと思うわけです。他制度と比べた 場合の魅力の有無という観点を加えて考えたときに、改正時期は平成14年度中という ことで考えておりますが、その時点で考えるとしても、現段階で判断をする限り、制度 加入者にとっては非常に影響が大きいという事実はございますが、現行3.0%の予定 運用利回りを、思い切って1.0%まで下げるということが必要ではないかというふう に考えているところです。本日、ここは空欄のままではございますが、できましたら建 議としては1.0%という数字を入れて、おまとめいただけたらというふうに思ってお りますので、そのことも含め御議論いただけたらと思います。よろしくお願いいたしま す。 ○部会長  この辺もいろいろ議論したところですが、何かございますか。 ○委員  この間ずっと利回りについて議論してきたわけですが、本日1.0%というのを事務 局から提案されたわけでありまして、労働側としてはいままで予定しなかった数字であ りまして、本日突然の提起でございますので、このまま持ち帰らせていただきまして、 労働側で検討してお答えをしたいというふうに思います。 ○委員  新聞記事でも、中小企業退職金共済制度の予定運用利回りが1.0%になるという見 込みが出されているわけですね。これは一体どこから出るのですか。我々は箝口令を敷 かれていたわけなのですが、日本経済新聞に出てくるということは、ニュースソースが どこなのかということは別にあえてあれなのでしょうけれども。そうすると1.0%と いう数字は知れわたっているわけですから、この点どうなんですか。こういう審議会は 、私は初めてなのですが、審議会というのはこの程度のものなのかなという、非常に疑 義を感じるわけなのですが。責任追及はできないでしょうけれども。 ○部会長  ただ議事録や資料が公開されているわけですからね。ある程度、この前の御議論では 1.0%の主張の方が多かったということもあるし、記事の内容自体は1.5%という 話も出てきましたし、その辺は公平に書いてあるのではないかという気はしましたね。 ○委員  建議の今日の案ですが、この中で、改正に当たっての基本的な考え方ですが、本日欠 席している委員も前回までに何度か労働者の痛みの話をしていたと思うのです。それは 考慮して、最後の所で「中退制度の加入企業労働者にとっては影響が大きい」と書いて あるわけですが、もっとこの辺ですね、労働者の痛みですね、もう少しこの辺は強調し ていただければというふうに思います。  それからもう1つ、この間の扱い方ですが、今日の新聞のニュースも1.0%という 話もそうですけれども、例えば、年が明けてから1.5%話が出たりとか、それから生 保の予定運用利回りの話が出されたり、そういう意味では何かちょっとマスコミにとて も誘導された面があるように思います。どこがどう言ったかはわかりませんが、もう少 しそういう扱い方についても注意していただきたいということを申し添えておきます。 ○部会長  痛みのところはどうですか。 ○勤労者生活課長  ここはちょっと検討させていただきます。 ○部会長  いま読んでいて気になったのは、最初の基本的な考え方のところの付け加えた所で、 「将来的には退職給与引当金制度が廃止されることとなる」と、もうこれは決まってい るんでしたか。 ○勤労者生活課長  これは、年末の税制改正大綱の中で廃止という方針が打ち出されたと理解しておりま すが、いまちょっと資料を持ってないのですが、正確にいいますと、4年間でしたでし ょうか。 ○部会長  断定してしまっていいのかな。もう決まって、それで4年間で廃止と。 ○勤労者生活課長  廃止される方針が示されたと言うほうが適当かもしれません。税法の改正が必要にな ってきますので、確かにそれはおっしゃるとおりです。 ○委員  いまの関連で、先ほど全文を読んでいただいてちょっと気づいたのですが、直された 所ですね。3行目の「また」という接続詞がこれでいいのかどうか。「新しい企業年金 制度が創設された」とありますが、もう確定拠出年金法は去年の10月から実施されて いますね。だけど、これはその前の所には「大企業と中小企業との間でいまだ大きな格 差がある」ということで、それで「また」ということで並列的に書いて、こうした中で 、中退制度の制度が果たすべき役割が大きいというつながりになっている所に、これが 入ったのですけれども、新しい企業年金制度については、いままでは大企業中心であっ たのが、中小企業にとっても確定拠出年金のほうは導入しやすいとか、あるいはポータ ビリティーがあって、特に中小企業の場合10年とか7年で会社を変わると思うのです が、その場合持っていくことができるとか、中小企業の労働者にとってはメリットがあ るわけで、それを「また」とつないでいることによって、何か大企業と中小企業との間 の格差というか、問題はさらにあるのですよというような感じになってしまうように感 じるのです。ちょっと論旨として、この「また」が適当なのかどうなのかと。 ○部会長  切る場所が悪いのかな、それとも、 ○委員  「また」ではなくて、新しい企業年金制度が創設されたことについての文章と、将来 的に退職給与引当金が廃止されるとか、退職金とか企業年金制度を取り巻く環境が変わ りつつあるというふうに書いたほうがいいのだろうと思います。何か格差があって、さ らにまた並列的に書くということは、これも何か中小企業にとってマイナスなのかとい うような印象を、いまお聞きしていてちょっと受けてしまうのです。それで「こうした 中で」というふうにつながっていくので、この入れた部分のつながりが論理的に悪いな という気がしたのですが、いかがでしょうか。 ○部会長  そうですね。もうちょっとよく、つながればね。ほかに何かありますか。 ○委員  最後のその他の所の(1)の表題を見直しの実施時期とつけられたのですが、見直し の実施時期というと、見直しを早くすべきだというふうに、文章のほうも何か逆にいう と誤解されるみたいな感じになってしまいます。見直し後の予定運用利回りの実施時期 だと思います。だから文章のほう、「予定運用利回りの見直し結果については」とか何 とか。見直しを早くしろという意味ではなくて、その結果の施行を早くということかも しれません。ちょっと細かい話ですが。 ○委員  いまの1.0%という所ですが、この前お示しいただいた10年加入モデルで見ます と、1.0%にすると、総額として約7%減額されるわけですね、計算しますと。7% 減額されるということは、やはりいろいろな意味で大企業に比べて働く人の条件がよく ない中小企業に加入している労働者にとっては、かなり痛いことだと思うのです。です から、先ほど委員からもありましたが、今度直された「基本退職金に係る予定運用利回 りを見直すことは、中退制度の加入企業労働者にとっては影響が大きいが」というふう に、非常にあっさりと書かれているのですが、ここはもう少し工夫をしてほしい。やは り基本モデルでいってもそれだけ減額されるし、財政上やむを得ないことなんですが、 働いている人にとっては痛みなのだということをもう少しここで強調というか、文章を 書き加えるか、それをしたほうがいいのではないかと思います。  それで、1.0%については、やはり制度の財政の安定維持ということは大事で、こ れは崩壊してしまったらどうしようもないわけですから。非常に大きな役割を果たす制 度であるだけに、なおさら安定的に運営されるということが大事ですから、この1.0 %は労働者にとっては痛いと思うのですけれども、私は10年加入モデルとか具体的な 数字を見ますと、やはり今回やむを得ない線ではないかというふうに思っております。 以上です。 ○部会長  さっきの委員の御意見もありますから、少し文章も考えておいてください。ほかに何 か文章自体の整理について。 ○委員  文章ではないのですが。先ほども質問に出ていた見直しの実施時期ですが、もちろん 何パーセントに引き下げるかということも重要だと思うのですけれども、むしろなるべ く早く実施するというほうが実は重要なのではないでしょうか。1.5%から1.0% の間のいずれに決まるにしても、やはり早く実施するということが財政赤字、累損を拡 大させないためにも重要であるわけで、できるだけ早期に実施すべきであると6の(1 )で書いてあるわけですが、このプロセスといいますか、今度の通常国会でこの法案が 出たとして、いつごろ実施されるのか、どういう形で決まって、いつごろになるのかと いう見通しをちょっとお聞かせいただきたいのです。 ○勤労者生活課長  これは国会の審議次第という面もございます。通常国会は1月21日に始まって15 0日あるわけですが、その国会の会期中のどの段階でこの中小企業退職金共済法の改正 案が審議され、いつ成立するかということにもよるわけです。いずれにしても法律が通 った後、今度は退職金額については政令で規定するという方針ですので、新たに政令を 定める必要が出てきます。政令を定めた後、一定の周知期間を置いて、その周知期間の 間に予定運用利回りの引下げと今回の改正の内容について国民の方々にできるだけ周知 を図ることと、併せて勤労者退職金共済機構のコンピュータシステムの見直しが必要に なってきます。これにまた相当程度時間を要する関係もあり、一体いつになったら施行 できるのかという点については、いまの段階では明確に申し上げることは困難な状況で す。しかし、当部会の御意見を踏まえ、14年度中のできるだけ早期に新しい予定運用 利回りに基づく制度が実施できるように努めていきたいと思っています。 ○部会長  先ほどの委員の御意見もありましたので、次回もう1度やることにして、できるだけ 次回はこの空欄の中も入れて、建議として正式にまとめてお出しすることにしたいと思 いますので、どうかよろしく御協力をお願いしたいと思います。 ○勤労者生活課長  次回は、1月24日の10時からで、場所は経済産業省の会議室になります。 ○部会長  では、今日はこれで終わります。どうも御苦労さまでした。ありがとうございました 。 6 配布資料  (1) 平成14年度予算案の概要  (2) 建議案  (3) 一般の中小企業退職金共済事業の将来推計(剰余金の配分ルールを考慮したもの    )  (4) 剰余金の配分について考慮した場合の退職金額モデルケース (注)配付資料については多量のため省略しておりますが、厚生労働省(大臣官房総務    課広報室又は労働基準局勤労者生活部勤労者生活課)において供覧しております    。    ┌───────────────────────────────┐    │照会先 厚生労働省労働基準局勤労者生活部勤労者生活課     │    │    担当:河野・武村                   │    │    03(5253)1111(内線5376)       │    └───────────────────────────────┘