03/09/18 第1回政策評価に関する有識者会議議事録             第1回政策評価に関する有識者会議 日時:平成15年9月18日(木) 17:00〜19:00 場所:厚生労働省 社会保障担当参事官室会議室 ○川尻政策評価官  それでは定刻になりましたので、第1回政策評価に関する有識者会議を開催させていた だきます。初めに水田政策統括官から御挨拶を申し上げます。 ○水田政策統括官  政策評価の事務を所管しております政策統括官の水田でございます。委員の皆様方に おかれましては、御多忙のところ、この政策評価に関する有識者会議の委員をお引き受 けくださいまして誠にありがとうございます。御案内のとおり、この政策評価も新しい 事務でございまして、昨年4月に施行されました政策評価法によりまして、行政機関の 行う政策を厳正に評価して、それをまた次の政策形成に役立てていく。あわせまして、 そういう評価の結果を公表することによって、説明責任というものを全うしていく、こ ういう大変高邁な理念が働いているわけでありますが、そういう制度が導入されたわけ であります。  昨年1年間、私どもも基本計画をつくることでありますとか、評価を実施する、それ から結果を公表するということを様々やってまいりました。しかしながら、やってみま すとなかなかこれは難しいことでございまして、厚生労働省は大変守備範囲が広いとい うこともございますし、また事柄の性格上、どういう目標を立てればいいのか。さらに その目標をどうやって次の政策形成に役立てていくか。これはまさにこの会議のメーン のことでございますので、後ほど紹介させていただきますが、様々な困難な事例という ものに直面してまいりました。これが率直な感想でございます。  そういった状況を受け、この会議においては政策評価につきまして、その手法であり ますとか体制づくりにつきまして、幅広い観点から節目節目でアドバイスをいただきた い。そうすることによって政策評価をより実りあるものにしていきたいと、こういうふ うに思っております。当面は、特段体系的な報告書をまとめるということは予定してお りませんので、お気づきの点につきまして、何なりと御意見なり御助言を賜れると思っ ております。  それが今回の趣旨、目的に関することでございますが、進行に関しましてはこういう ざっくばらんな会合でございますので、座長を高橋先生にお願いしてはいかがかと思っ ております。進行役の労をとっていただくのは恐縮でございますけれども、もしもよろ しければそのようにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。               (「異議なし」の声あり) ○水田政策統括官  それでは高橋先生、よろしくお願いいたします。 ○高橋座長  それでは御指名でございますので。もちろん進行役というのは、いろいろな領域の論 客がいらっしゃいますので、これは御意見をいろいろな方に言っていただくための係と いうふうに心得て、それではお引き受けさせていただきます。よろしくお願いいたしま す。  それでは議事に入ります前に、委員の皆様の御紹介を事務局の方からよろしくお願い いたします。 (中略:委員紹介、渡辺委員欠席) ○高橋座長  それでは議事に入りたいと思います。きょう初めて、それこそ厚生労働省の幅の広さ に合わせて、いろいろな領域から委員の皆様に御参加いただいておりますので、後ほど 自己紹介も含めて御発言をいただく時間がとれればなと思っておりますが、初めに事務 局から厚生労働省の政策評価の現状等についての説明をしていただいた上で、自由な意 見交換という、そんな形で進めさせていただければと思っております。  それでは、事務局の方からよろしくお願いいたします。 ○川尻政策評価官  本日お手元に、まず資料一覧という一枚紙を差し上げております。資料1〜4は後で御 説明をいたします。参考資料の1〜8は一応お手元にお配りしておりますけれども、あら かじめ各先生方に、私の前任が委員のお願いをした際にお持ちした資料がほとんどでご ざいますが、一部平成15年版という形に変わっておりますので、もう一回改めてお配り させていただいております。  具体的に申し上げますと、参考資料4あるいは参考資料5が、以前お渡ししたものから 平成15年版に変わっております。それから、参考資料6以降が全く新しい資料というこ とでございまして、参考資料6は8月末に取りまとめて公表いたしました、平成14年度の 実績評価あるいは16年度の新規施策についての事業評価、そういうものの資料がござい ます。そして、実績評価、事業評価の具体例ということで、それぞれ参考資料7、参考 資料8という形で入れさせていただいております。もし何か御質問がありましたら、御 説明させていただくようにいたします。  それでは恐縮でございますが、資料1〜4を簡単に御説明をさせていただきます。  まず資料1でございますが、これはこの有識者会議の趣旨等でございます。趣旨につ きましては、先ほど水田政策統括官から挨拶差し上げましたとおりでございますが、厚 生労働省が行います政策評価の客観性、有効性を高めるという目的で、各専門家の先生 方からの御助言等をいただきたいという趣旨を書いたものでございます。  2の検討事項のところは、これから具体的にお願いするものもあるかと思いますが、 厚生労働行政に係る政策評価手法の関係、あるいは政策評価体制の関係、あるいは特定 のテーマごとの政策評価の手法、こういうことについていろいろと御助言をいただけれ ばということでございます。  それから3の会議の運営ということでございますが、特に(2)をごらんいただきます と、こういう会議についても公開を原則とするということでございますので、マスコミ 等を含めまして希望があれば公開をさせていただきたい。委員の先生方の方で、特にこ れは非公開でというような申し合わせがあれば、そういうふうにいたしますが、特段何 かそういう話がなければ公開という形で進めさせていただきます。  資料1の2ページ目が、先ほど御紹介差し上げましたが、委員全員の名簿ということで ございます。  続きまして資料2でございます。3ページ目でございますが、これは厚生労働省の政策 評価について、どういう対象で、あるいはどういう体制、スケジュールでやっているか ということを簡単にまとめたものでございます。非常に抽象度の高いもので恐縮でござ いますが、一応事前評価の対象といたしましては、主として予算要求を伴うもので、重 点的な施策とするもの、あるいは10億円以上の費用を要するものということで、概算要 求にあわせて取りまとめました関係では、29事業プラス10億円以上の費用を要する研究 開発1事業という形で、30事業を先ほど評価を取りまとめまして公表したところでござ います。  それから実績評価につきましては、参考資料4をごらんいただきますと、かなり細か く政策体系を掲げております。参考資料4の別紙の3ページをごらんいただきますと、基 本目標ということでそこに12の目標を掲げております。1の「安心・信頼してかかれる 医療の確保と国民の健康づくりを推進すること」から12までございますが、この下にま た144の施策目標を掲げておりまして、その具体的な中身が4ページ以下でございます。 そういう政策体系で掲げました144の施策すべてにつきまして実績評価を行うという形 で、計画的に施策評価を実施しているということでございます。  その他、各省統一的でございますが、一定ルールに基づきまして、研究開発あるいは 公共事業も対象とするものでございますし、それからまだ着手をしておりませんが、今 後厚生労働省として独自にやろうとしているものとしましては、終期を設定した補助金 政策につきまして、終期の到来に先立ちまして評価をしたいというようなことを、実績 評価の対象としては考えております。  それから総合評価、これも事後評価ということでございますが、非常に大きな法改正 や何カ年計画の見直し、そういうことがあります場合には、あらかじめ総合的に評価を するという形で、今年度につきましては7施策ほどを考えております。御質問がありま したら、具体的に説明をさせていただこうと思います。  こういう形で事前の評価、事後の評価の対象を定めまして、評価体制というところで ございますが、それぞれの事業・施策の担当部局が評価書の案を作成いたしまして、私 ども政策評価官室の方がいろいろな助言をさせていただくという形で作業を進めており ます。  スケジュールといたしましては、真ん中の欄でございますが、担当部局の方では6月 末をめどに評価書案を作成してもらって、8月上旬までに調整をいたしまして、特に事 前評価という形になりますと概算要求とも絡みますので、8月末を目途に評価書を公表 するといようなスケジュールで進めさせていただいているものでございます。これは事 前評価、実績評価の方の関係でございますが、総合評価という大きな制度改正、計画の 見直しにつきましては、基本的には前年度の末までにそういう作業を実施するというよ うな形でございます。  評価の観点でございますが、そこに幾つか○を入れております。これは評価書を具体 的に作成する場合に、どういう項目に分けて記載をするかでございます。事前評価につ きましては有効性、効率性、必要性ということで欄を分けて、分析をして、記載をする という形にしております。それから事後評価の実績評価、総合評価につきましては、有 効性、効率性という大きな2つの柱に分けて分析をし、記載をするということでござい ます。  政策への反映方法ということでございますが、この行いました結果のものにつきまし ては、その担当部局におきまして、新たな政策の立案でありますとか、あるいは既存政 策の見直しというものにまず反映させるという形で、情報として活用するというのが基 本になっております。あわせまして大臣官房の会計課、あるいは人事が絡むものは人事 課でございますが、そういう査定課におきまして、その評価書を予算、あるいは人事の 関係の政策の採択に情報として活用するというようなことにしております。そしてま た、国民への情報提供ということでございますが、担当部局におきましては毎年度1回、 評価結果の政策への反映状況というものを取りまとめてございまして、私ども政策評価 官室の方で公表をするという手順で進めているものでございます。  資料3に参ります。非常に簡略化した資料でありまして、専門家の先生方には稚拙で はないかというお叱りを受けるのかもしれませんが、私どもの政策評価官室でいろいろ 事務を進めている中で、悩みというようなことで書かせていただいております。  政策評価には、いろいろな目的があるわけでございますが、一番上の欄で、政策への 反映ということに重点を置くのか、それともできるだけ正確な評価結果を国民へ情報提 供していくのか。両方とも目的として達成しなければいけないわけでございますが、ど ちらに重点を置くかによって、重視すべき点等が違ってくるだろうということで並べさ せていただきました。  政策への反映ということを重点に置きますと、やはり政策選択に間に合うように迅速 性が要求されるという形になりますし、評価手法としては、したがってできるだけ事前 に事業評価を行うという形になろうかと。実施主体としては、そういう意味でいいます と、やはり政策立案組織そのもの、全く同じ人がやれということではございませんが、 そういう組織自身でやっていかざるを得ないのではないか。実施時期につきましては、 評価手法と繰り返しになりますが、政策決定に先立って実施をするのであろう。問題点 というのはいろいろあろうかと思いますが、結局政策選択の過程で評価も同時並行的に やるということになりますので、ややもすれば先に結論ありきということで、評価が政 策決定の補強手段という形になりはしないかというのが、私どもなりに考えてみた問題 点でございます。  一方で、情報提供ということに重点を置くことになりますと、重視すべき点としては 正確性・客観性ということになると思いますし、評価手法は事後で実績評価を行う。そ して実施主体としては、政策立案組織だけでやると正確性が欠けるということですの で、できるだけ第三者に関与していただいて評価をするということになろうかと。実施 時期につきましては、政策決定、あるいはその政策を実施した後、速やかに実施をす る。こちらの方の悩みといたしましては、次の政策立案にどうやって反映させるのか。 なかなか制度的な担保に欠けるというような、当たり前の分析結果かもしれません。  実は、特に実績評価、事後評価の点につきましても、政府の政策評価を取りまとめて おります総務省あたりから、厚生労働省はなかなか実績評価が次の政策反映につながっ ていないのではないか、というおしかりを受けているところではあるのですが、どちら の目的を重視するかというのが悩ましいところでありまして、私どもとしてはとりあえ ず政策評価の手法、体制が定着するまでは、正確性とか情報提供とか、こちらに重点を 置いていかざるを得ないのではないかなというような感じを持っております。また後で いろいろと御意見をいただければと思っております。  資料4に参ります。5ページでございます。これも非常に簡略化させていただいた資料 ですが、厚生労働行政について政策評価をやる場合の特殊な事情、多かれ少なかれ各省 とも同じような話があろうかとは思いますけれども、そういうものを少しまとめてみま した。  一番左の方から参りますと、例えば都市公園をふやすというような公共事業に比べま すと、年金、医療保険、労働保険といった社会保険制度につきましては、給付と負担の 両方を見た多面的な評価が必要になる。先ほど都市公園の例を出しましたが、年金額あ るいは失業手当がふえればいいのかどうかということについても、国民の中でも意見が 分かれるような問題だということで、評価の軸が設定しにくいという悩みがございま す。  それから真ん中の箱でございますが、今申し上げましたような厚生労働行政、特に社 会保険関係というのは、非常に大きなお金、あるいはいろいろなビジネスに関係するも のですから、厚生労働行政の外にある経済情勢、財政状態、政治環境というものに大き く左右される。あるいはどういう社会保障政策をとるかということが、政治経済に大き な影響を及ぼすということで相互関係にあるものですから、なかなか難しい面がある。  もう一つの点といたしましては、特に衛生、福祉関係の行政の多くは、地方分権でい いますと自治事務という形で位置づけられておりますので、国として大きな政策目標を 立ててやるといっても、それをどこまで地方にお願いできるかというと難しい問題があ るのではないか。そういった特殊性から幾つか矢印を引いております。  目標設定自体がなかなか困難ということでございまして、その参考資料を一つだけご らんいただきますと、参考資料7は、例えば医療保険の関係でどういう施策目標を立て、 実績評価をしているかということでございます。施策目標としましては、ここに書いて ありますけれども、番号として施策目標11と書いてあります。「全国民に必要な医療を 保障できる安定的・効率的な医療保険制度を構築すること」と書いておるわけでござい ますが、具体的にこの構築するというのは、最終的には法改正という形になりまして、 行政として決められることというのは限界がございます。  したがって、それの実績評価をするということにつきましても、結局はどういう軸で 評価をしているかという形になりますと、例えば2ページをごらんいただきますと、赤 字の保険者がどのくらい出ているか、制度別の収支状況はどうなっているかという、こ ういう数値で評価しようというものはそれなりに問えるわけでございますが、このいろ いろな数値の分析から、安定的・効率的な医療保険制度をどうやって構築するかという と、大分ギャップがあるというところでございます。きっちりと数字をもって評価をし ようという形になりますと、制度を所与のものとして、数字がとれるものを掲げていく というような形になっておりまして、ここら辺から政策立案にどうやってつなげていく かということが難しい。もともと施策目標の立て方がおかしいんだという御意見が恐ら くあるのかもしれませんが、いずれにしても非常にそこら辺のやり方、あるいは目標設 定自体が難しいというようなことでございます。  資料4に戻りまして、今申し上げましたのは下の欄の一番左の箱でございますが、あ とはもう既に申し上げたとおりでございます。いろいろな事情から、政策評価結果を政 策立案に直ちに反映することが困難ですし、それから施策目標自身も厚生労働省という か行政の力だけで、あるいは国の行政だけでなかなか実現しがたい事情があるというよ うなことでございます。  いろいろ悩みのようなことばかり申し上げて恐縮でございますが、こういうものも参 考にしていただきながら、いろいろなアドバイスをいただければと思います。  以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。膨大な評価の事業の中から、今抱えている論点というか、 どんなことをやってきたかということと、問題点も含めまして、資料に即してお話をい ただきました。  今日は第1回ということもありますので、それこそ評価の時代と、評価が少し横行し 過ぎて、あらゆるところで評価、評価と。その割には方法論がどうなっているのかなと いうようなこともございますし、今日は政策評価でございますので、政策評価御専門の 先生もいらっしゃいますし、それぞれのバックグラウンドでいろいろな御意見や、今の 御感想、まずは質問というか、そこら辺を皮切りに少し議論を進めさせていただければ と思います。今日はフリーディスカッションということだそうで、初めての方もいらっ しゃるかと思いますので、少しそれぞれのバックグラウンドを、政策評価というのをど うとらえておられるかということも含めまして、少し自由な議論をというふうに考えて おります。よろしくお願いいたします。  まずはちょっと質問を、今、評価官の方からお話がございましたことについての御感 想も含めまして。あるいは恐らく森田先生あたりは行政学の御専門でいらっしゃいます が、そもそもという話も含めまして、基本的な情報を何か教えていただけるということ もあるのかなとちょっと思ったりして、指名をして恐縮ですが、何か今の話と絡めなが ら、御感想あたりから少しコメントをいただけたら。いかがでございましょうか。 ○森田委員  私自身は専門が行政学ということでございまして、行政の制度一般についていろいろ 研究、教育をしております。その中で、先ほど流行ということがございましたけれど も、最近は行政評価であるとか、政策評価と国も呼んでおりますけれども、施策評価で あるとかそうした呼び方で、評価ということが大変重要な問題になってきていると思い ます。  評価の手法そのものにつきましては、必ずしも私は専門的に研究しているわけではご ざいませんので、もっと専門の方がいらっしゃるかと思いますが、評価そのものが行政 の中に導入されるようになりましたきっかけといいますのは、やはり財政事情が厳しく なってきて、他方で行政に対するニーズが高まってくる中で、今までの形をそのまま踏 襲していったのでは、なかなか行政のニーズにこたえられない。その中で施策を見直し て、不要なものは削り、必要なものはより充実していくという仕組みをきちんと、予算 の判断だけではなしに、仕組みとして入れていこうということです。  これは予算制度の問題もありまして、今まではどちらかというと予算をつけるといい ましょうか、予算をとる段階は非常に熱心だったわけですが、その後何をしているかと いうことについては、必ずしもフォローしてこなかった。その結果、漫然と事業は続い ていくということが間々見られるということで、その辺を何とかしなければいけないと いうので評価ということが始まったわけです。  外国ではそういう例がございましたが、日本の場合は地方公共団体の方で先にありま して、梅田先生がいらっしゃいますけれども、三重県が最初にかなり熱心に始められた と思います。  この評価自身は、国でいいますと、最初に今の経済産業省、かつての通産省でそうい う研究会が始まりまして、そこでかなり大部な報告書も出ております。私も関わってい た関係でいいますと、何のために政策評価をするかというときに、大きく分けまして3 つぐらい目標といいましょうか、機能があり得ると思っています。  1番目はやはり働いている公務員の意識を変えていくというところがあろうかと思い ます。これはそれぞれの人が、自分の仕事は何なのかと、自分のやっている仕事がどう いう意味があるのかということを、体系的な目標と結びつけることによって、そして自 分で目標を設定してそれを達成していくという、一種の啓発的な効果をねらったものだ と思います。  2番目の機能としましては、やはりそれぞれの部局でだんだん財政的にも厳しくなっ てくる中で、さらによりよい政策をつくっていくためには、自分たちでどのような形で 過去の実績について再検討して、それをフィードバックしていくかということあると思 います。  3番目は、先ほどの資料3と重なってくるわけですが、やはり対外的なアカウンタビリ ティの話で、きちんと行政の方が仕事をしていますよと、これだけの実績が上がってい ますと、それに対して批判を受けますという形で、国民に対して自己評価あるいは第三 者評価というものを受けることによって、それを示していく。  その3つのファンクションないし、狙いがあるのかなと思っております。  こちらの資料3の場合には、最初に申し上げました職員の方の啓発をねらったような ものは入っておりませんが、それ以外の政策への反映というのと情報提供ということ で、それが何を重視するか、どういう意味を持つかということにつきましては、大体こ こに書かれておりますし、先ほど御説明があったようなところと思っております。  何のために評価をやるかということによって、評価の中身と重点の置きどころが少し 違ってくる。そういう意味でいいますと、最初にその辺を自覚してやらなければなかな かうまくいかないということで、大体国の政策評価の場合には、対外的なものもありま すが、やはりそれぞれの部局で自らの政策の改善へどうやってコントリビュートさせて いくか、というところに軸足が置かれているのかなと思っております。  ただもう一点、長くなりますが申し上げますと、この評価そのものは、ございました ように民間企業と違いまして、行政の場合には目標がはっきりしませんし、評価基準が はっきりしない。しかも複数の目標のためにやっているものがあって、それがトレード オフの関係にあるとか、そういうものもあるものですから、評価を厳密にしようとすれ ばするほど評価のコストというのが膨大になってまいります。余りそれをやりますと、 大学などはそういう傾向が既になきにしもあらずですが、評価のための評価になってし まって、最終的に評価のために物すごく労力をとられて、実際の評価の対象になる仕事 ができないという状態に、これはちょっと極論ですけれども、なりかねない。そういう 意味でいいますと、できるだけ評価そのものを効率的にやるというのも、重要な視点で はないかと思っています。   ○高橋座長  ありがとうございました。突然振りまして、我々がどういう仕事をするのかというこ とについて、まずパースペクティブを与えていただいたような気がいたしますが、いか がでございましょう、ちょうど三重県の話が出てきましたので、今の厚生労働省の評価 官の話との関係で、少し何かコメント等がございましたら。 ○梅田委員  ちょっと自己紹介させていただきます。昨年の3月まで三重県庁におりまして、北川 知事との下で三重県の行革を最初から構築して、その中で事務事業評価システムという のをずっと手がけてきたものでございます。それ以降その辺の議論を追い続けて、退職 後、結果的にはこういう活動をさせていただいているものでございます。  今、森田先生が整理されたように、まずはやはり役所の中で効力を発揮することに注 目すべきである。私は最初からそういうことを言い続けてきたんですね。森田先生が おっしゃったように、まずは職員の意識改革的な、役所の中なんですね。だから外部評 価的なことを余り意識せずに、この整理された表に右か左かというのがさっきありまし たが、やはり自己評価したものを公表するというところに、まずはすごく大きな意味が あるのであって、たまたま日本の場合は情報公開法と政策評価法がほぼ同時に施行され ているという、自治体の場合は少し違って、情報公開はずっと前からやっていますけれ ども、そういうことでそこにまず重点を置けばいいのではないかと思っています。  あと、この計画を見ていて、実績評価とモニタリングと総合評価が一応配置されてい るんですよね。実は厚生労働省さんの場合は、制度上のものがすごく多いのではないか なと。受益と負担にかかわる制度的なものが非常に多いので、それは結果的にはモニタ リングとか実績評価ではなかなか追えなくて、エポック、エポックでの総合評価でまと めていかないと、単に指標だけではいけないようなことが随分あるのではないかと思い ます。  それと、いわゆる今マネジメントという言葉が随分使われていますが、自治体も含め て先ほどおっしゃったように、医療福祉の部分は自治体の事務になっているわけですか ら、日々のマネジメントに属することをある程度分けて、それを同列に扱うというのも いけないのではないか。実態上は違うのではないかなと。だから自治体も含めて、日々 といいますか月々といいますか、マネジメントに生かしていく部分の評価と、制度上に かかわる評価と分けていかないと、その辺に混乱が起きるということを感じています。 まずはそんなことです。 ○高橋座長  ありがとうございます。インターネットでも厚生労働省の出ているのは膨大で、大体 読む気を喪失する。ということは、あれは誰が読むのかなと。そうするとやはりルーチ ンの業務として行っているものと、それがかなり大きな、特別にそこから取り出さなけ ればいけないという、その辺のメリハリの議論も含めてお話をいただいたような気がい たします。  それからやはり意識改革という話、これは事後評価というものの非常に大きな意義か なと思っておりますが、そこら辺でまたどうぞ少し御自由に。まずは序論的なお話を、 実際に御専門のお立場の委員の皆様から承りました。それぞれのお立場で少し質問も含 めまして御発言をいただけたら。堤先生、どうぞ。 ○堤委員  私は民間から来まして、経団連さんから言われて、この会議に出てくれと話で。どち らかというと、私は財界の中ではビジョンづくりとかそういうことにずっとかかわって いまして、企業の中では企画というのをやっていまして、経営計画、ある意味ではこれ も経営計画をどう展開するかという、企業レベルでいきますとそういうことになろうか と思います。  実際最初に資料をいただいて読んだとき、企業では考えられないぐらい政策がいっぱ いあって、すごく面食らっているわけです。内容については、私は有識者でも何でもご ざいません。ただ経営計画をつくって、それをどう推進するかと。あと私は今新規事業 で、新しい事業を起こすということをやっていまして、それからすると政策のレベルの 問題にしても、どこまで達成すれば誰に満足してもらえるのかということがよくわから ない。企業の場合、割合と株主に対しては業績目標なりいろいろなことがはっきりして いますので、その目標を達成することが。それから中でいけば経営者が、株主他含めて いろいろな評価項目があって評価される。従業員は、その政策達成によって、人事考課 なり給与に反映されるということが割合とすっきりしているのですが、行政さんの話に ついては皆目検討がつかないので、まず少しお話を聞かないと、余りにも民間企業と違 うので面食らっているのが正直な気持ちです。意見ではございませんが、今そんな感想 を持っています。 ○高橋座長  恐らく、これは民間企業だったら何人規模の企業の仕事をしているかというので、当 然補助金を通じて、自治体からそれこそ現場までずっといろいろな形で使っていますか ら、評価といっても群盲象を撫でるようなところもちょっとあって、ということも含め まして、少し御自由にそれぞれどんなことをお感じになったか、あるいはなっているか ということを。それでは田村先生。 ○田村委員  私は保健医療関係の評価を以前から、医療技術の評価などもっとミクロの方の評価を 手がけていまして、最近はシステムとしての政策評価を手がけてきました。今年の厚生 労働省の科学研究費で、この実績評価の評価手法を見直すということで研究費をいただ いておりまして、まさに興味のある、関心のあるところでございます。  資料3で今の厚生労働省さんのお考えと悩みのようなものを言われていて、この悩み はわかると思います。ただ考え方としては、私はこの資料3とは随分違う考えを持って いまして、まず実績評価はやはり政策評価ではまさに中心的な存在で、これがアカウン タビリティ、情報提供だけになってしまいますと、多分従来のものと余り変わらなくな ってしまうのかなと。従来の事業評価とか総合評価とか、事前評価みたいなものをやっ ても、政策が将来どっちに向けばいいかというのはなかなか学問的にはよくわからな い。ということで、企業のマネジメントのように営業数値みたいなものを持たせて、そ の組織の人たちが日夜数字を上げるために悩み苦しむというのが、パフォーマンスメ ジャーメント、実績評価の大きな意義だったと思います。  それは多分重々承知でいらっしゃると思うのですが、ただ先ほど梅田先生が言われた ように、厚生労働省の場合は本庁なので、自分たちが手足で動くというよりは、やはり 全体を動かすので、そこが非常に難しいところなのだろうと思います。  今、我々が研究班で考えているのは、これから具体的に考えていくところなので、ま だはっきりしたことは申し上げられないのですが、一つはやはり実績評価の指標の中に 多分幾つかのレベルがあって、例えば先ほどの赤字保険者数でいうと、かなり高いレベ ルのゴール・指標であって、その赤字保険者数を減らすためにはどういう戦略、計画が あるかというのが明確に書かれていないのが、まず非常に大きな問題だと思います。そ の計画があったら、計画を実行するために、何がいいのか知りませんけれども、例えば 予防するならするというその計画があったらば、その計画の中の予防するという行為が どのくらいなされているかというのがまた新たな指標となって、日々のもっともっと具 体的なレベルもあると思いますが、赤字保険者数を減らすための具体的な計画とその実 行状況、実施状況を指標として持ってくるというのが、まず第一段階ではないかと思い ます。  ただ問題なのは、例えば予防にしても、実施にしても、全然赤字保険者数が減らない ということもあると思うので、その次になされるべきことは、計画を実行して本当に赤 字保険者が減るかどうかというメカニズムを、実績評価を通じて明らかにしていくとい うことで、それによって次の政策改善に生かしていくというような流れが基本なのでは ないかと思います。  ということなので、実績評価が、これだけというわけではないでしょうけれども、資 料3の中で情報提供中心になってしまっているのは、ちょっともったいないなという気 がいたします。  それからもう一つだけ、総合評価というのは先ほど梅田先生が言われたように、やは り制度を抱えている公共の部署も非常に重要だろうと思います。今年のは見ていません が、昨年やられた総合評価は、どこかの審議会の答申そのものを持ってきたようなもの で、大変おもしろくないのですが、これはやはり本当に力を入れてやっていただきたい と思います。総合評価というのはいわゆるプログラム評価だと思いますけれども、プロ グラム評価はさんざん諸外国で、定量的分析を中心に随分一生懸命いろいろなところで やってきましたが、なかなか数字では限界があることがわかってきました。先ほど目標 の設定自体が多様であるということで、なかなかこれは定量的にやると難しいというの が出ていました。総合評価ではいろいろな情報を総合して結論を出すということなので すが、そうすると実施主体を政策立案組織自身だけにすると、そこの問題点で書かれて いるように、ややもすると政策決定の補強手段になりがちというのは、まさにおっしゃ るとおりだと思います。総合評価をやっても、黒か白かはっきり数字で明らかにするよ うなものはなかなかできないので、むしろ総合評価こそ何らかの形で、政策立案組織以 外が関与する方がいいのではないかと思います。  ということで、資料3は非常に考え方が整理されていていいのですが、ちょっと違う 意見を私は持ちました。 ○高橋座長  ありがとうございました。評価とはなんぞやという、根幹にかかわる視点で御発言を いただきました。どうぞ少し御自由に、今の御発言を踏まえながら。 ○堀田委員  私もNPOその他の評価について若干かかわっている立場から、ちょっと時間をちょ うだいして、6点ほど疑問を感じておりますので、問題提起の意味も含めまして。  まず1番目は、資料1の中ほどに「2 検討事項」とあります。この有識者会議のスタ ンスについて、これは私は資料を十分読み込んでおりませんので、間違っていることが あると思いますが、この検討事項の(1)〜(3)まで、いずれも手法や体制について検討を 行うことになっております。例えば2番目の政策評価体制について我々は何を言うかと いうと、もっと政策評価官をふやせばいいのではないかとか、そんなことを言うのか、 我々が言うべきことはそういうことなのか。あるいはもう少し中身の実際の評価もにら みながら、個々具体的に検討するということなのか。そのあたりのスタンスがちょっと よくわからなかったので、これはお教え願いたい。それが第1点であります。  2番目は、事後評価についての疑問であります。これはまず資料2を見ていただきます と、ここに政策評価の現状がありまして、中ほど少し下に評価の観点というところがあ ります。事前評価は有効性、効率性、必要性で、実績評価は有効性と効率性だけで、必 要性というのがない。次の資料3、4ページを見ていただきますと、評価結果の政策への 反映で、その評価手法のところに事前の事業評価、総合評価。それから国民への情報提 供ということで、事後の実績評価という、事後評価ではなくて、こういうふうになって おります。  ところで、国民の視点から見ますと、厚生労働省の例でいうとまずいので、国土交通 省の例をとりまして、どこかのダムをつくった、あるいは道路をつくったと。東京湾の 下をくぐらせたあの橋でも何でもいいのですが、実際に国民が問題にする、あるいはマ スコミで問題になるのは、橋ができあがった、ダムができあがった、それは事前の計算 がおかしいではないかと。例えば交通量の見込みがおかしいではないか。そして金額の 見積もりがおかしいではないか。そこでこんな要らないものができていて、こんなに大 きな負担を生じているじゃないかと。このあたりがやはり国民が一番関心を持つところ なんですね。  ところがそれは実は事前評価が問題になっている。事前評価の中で、特に必要性につ いてしっかり判断しているのかということが問題になっている。そうすると、この構造 で国民に周知させるのは事後評価であり、事後評価の中には必要性の判断が入っていな いということになってしまうと、国民が一番知りたいその必要性についての情報提供 が、この構造では十分になされないのではなかろうかという点に私は疑問を持ちます。 どこかで間違っているのではないかと思うのですが、これが2番目の私の感じた疑問で あります。  3番目の疑問は、これもざっと見た感じで、政策をいろいろ立てられて評価をされる のですが、例えばこれも国民の観点から見ますと、こういうことをしてほしい、しかし 全くなされていないという、そういう実施した政策の当否。効率性の評価ではなしに、 なすべきことをしていないじゃないかという、国民側から見ればそういう問題提起も当 然あるはずで、そういう不作為についての評価はどうなるのかという点が3番目の私の 疑問であります。  4番目の疑問は財政との関係でありまして、もちろん中身の必要性とか有効性から見 れば、やらなければいけないことは山ほどあるけれども、当然財政上の制限があるか ら、優先順位で選択をつけざるを得ない。その優先順位のつけ方に間違いはないのか。 それが適当であるのかという評価はどこでどうするのか。これが4番目の疑問でありま す。  5番目の疑問は、医療保険の例でもお悩みだと、誠にそうだと思うのですが、この政 策評価の政策決定が、いわば評価になじまないというか、国民の選択にゆだねられてお って、それはもう政治の領域で、政治が十分国民の意見を聞いてこの方向だと基本的に 決めるべき事項。それを行政レベルあるいは我々のレベルで扱っていいのか。医療保険 のあり方にしろ、年金のあり方にしろ、基本のところはすべてそういう政治の決定事項 になるはずで、行政として政策評価できる限界が非常に難しいと思いますが、そのあた りについてどのような線引きをされておられるのか。これは伺いたい事項であります。 これが5番目の疑問であります。  6番目は、政策評価された後、国民に公表されると。これは大変大事なことですが、 その際に当然国民からいろいろな反応、評価が出てくるはずでありますけれども、一た んここで検討が終わって、この委員会も検討が終わって、公表した後で出てくる国民の 反応、評価、あるいはマスコミの評価でもいいのですが、そういったものをメカニズム としてどういうふうにこの評価の中に取り入れていくのかということ。これも私の疑問 です。  とりあえずさっと感じた疑問を6点ほど申し上げました。たくさんで申しわけありま せん。 ○高橋座長  今の堀田委員の御質問に答えると、評価原論という本が書けそうな、そういうかなり 本質的な御質問が6つ出されました。とりあえず1については厚生労働省の方にお答えい ただかないと。要するに、この有識者会議をどういう形でそれこそ役に立てたいと思っ ているか、ということかと思いますが、これは評価官及び水田統括官にもちょっとコメ ントいただかないといけない。 ○川尻政策評価官  この有識者会議につきましては、私どもはまさに今日悩みを聞いていただいている、 アドバイスをいただきたいというところからスタートしているわけでございます。私ど もは政策評価の軸でありますとか、施策目標でありますとか、あるいは何を事前評価す るのか、事後評価するのかというのを毎年毎年見直していくものですから、細かいとこ ろは当然事務方としてやるんですけれども、有識者の皆様方からそういう手法なり体制 を見直すためのきっかけといいますか、大所高所からのアドバイスをいただければあり がたいと考えておるということでございます。  ただ、厚生労働省の政策評価の今のやり方というのが、全く根本的に誤っておるとい うようなお話があれば、またそれは大きな問題として取り上げて、中でも議論しなけれ ばいけないと思っています。  それから幾つか他にもお話がありましたので、若干だけコメントをさせていただきま すと、2番目の評価の観点のところで、事前評価は必要性があって、事後評価はなぜ必 要性がないのかということですが、必要性というのは結局は予算、あるいは施策をする かしないか、有効であるかないかという結論を書かなければいけないところがございま して、そういう意味では事前評価は必要か必要でないかということは最低限書くと。と ころが事後評価につきましては、もう既にやった施策ですので、自分で必要ではないと いうことはなかなか書きにくいということがございまして、もし設けてもトートロジー みたいになるのではないかということで、必要性という欄はとりたてて設けていないと いうことだろうと思います。私もまだ政策評価官になりましてから半月ぐらいなので、 推測の域を出ないのですが、そんなことであろうかと思います。  3番目の不作為についての評価をどうするかというのは、皆目見当がつかないので、 私からはコメントを差し控えさせていただきます。  それから財政との関係という4番目、優先順位のつけ方ということでございますが、 確かに予算の編成過程で、結局は会計課が政策評価した結果を参考にしながら優先順位 をつけていくということでございますが、それを点数づけして、政策評価の点数が何点 だから、限られた財政の中でどれを優先順位として持っていくかというようなメカニズ ム的なものは、まだ全くできていないのが現状でございます。  5番目の政治の領域云々というのは、ちょっとまさに難しいところでございます。  最後のどういう形で公表し、国民からの反応にこたえていくのかということでござい ますが、とりあえず私どもの方はホームページに政策評価結果の概要を載せさせていた だく。今年の実施結果は、まだホームページに載せさせていただいていないわけです が、そんな中でいろいろな投書なり、あるいは新聞、テレビ等での反応というのがあり ましたら、まずはそういうことをどういう形で編集するのがいいのかよくわかりません が、それ自身もまた情報提供を私どもの方からもさせていただくという形が、最低限は 必要かなと思っております。いろいろな投書等につきまして、何かこういった形で必ず お答えをします、というようなことは難しいなという感想を持っております。 ○高橋座長  ありがとうございました。 ○水田政策統括官  それにちょっと補足を。まずどこまで何を期待しているのかということであります が、実は私どもは独立行政法人について評価委員会を持っていまして、個別の評価をや り出しますと、これはもう膨大な作業であります。財務諸表を全部見て、このお金は一 体本人の努力によって得られた利益なのか、そうでないのか、これをやり出しますと本 当にすごい作業になりまして、なかなか難しいと思っております。  一方で、ただいま、まさに堀田先生からお話がありましたが、政治で決める、あるい は国会という国権の最高機関で決めるべきことと、デマケをどうするかとか、そういう あたりはやはり事実に即してやっていただくと、私どもとして期待される効果を持って いると思います。  それから梅田先生がおっしゃった、まず職員の意識改革をどうするのかという点で す。つまり新しい仕事を始めたのですが、そのどこに重点を置いて徹底していくかとい う、そこの手がかりのところが私どもも迷っているところでありますので、そういうお 話というのは、きょうのお話だけでも随分、今までの御意見だけでも貴重なことであり まして、そういうどこを手がかりにして見直していけばいいのかというあたりを、ぜひ お聞かせいただきたいと思います。  余りお答えにならないかもしれませんが、そんなことです。 ○高橋座長  ありがとうございました。まさにこれは行政機関が行う政策評価。ということは、も う一方では国民が行う、あるいは利害関係団体が行う、いろいろな政策評価があって、 多分行政が行う場合は、そういう国民が行う政策評価にとって有力な素材を提供すると いうことが、まず非常に大きな機能なんだろうなというのを、伺っていて思いました。  そうすると、それは逆に言うと国民、これはジャーナリズムかもしれませんし、研究 者もある意味ではそういう立場で評価をする。そこら辺とインターフェースみたいなも のはどうとることができるのか。それに対して、事後評価を通じて公正な、正確な評価 を出せるか。これがとても大きいなと、今までのお話を伺って感じます。  それから、もう一つぜひ伺いたいのは、先ほど評価のコストという話がありました し、実はそれぞれの機関が各組織で評価をするということになると、今までは多分予算 がとれたかとれないかがある意味ではその部局の評価だったわけですが、それがこうい う評価が入ることによって、どういうふうになっていっているのか。平たく言うと、余 計な仕事がふえたというふうに。これは少なくとも本音と建前の議論では、今までのい ろいろなプロセスに加えて、また新しい書類をつくらなければいけない。データを集め なければいけない。それに対して事務費は削減しろと言っている。さっきの政策コスト の話は。その中でこういうことをやることによって、やはり何が変わったのかというこ とについての認識をぜひお伝えいただくというのは、ここでの議論をする上の基礎かな とちょっと思ったりいたしましたが、そこら辺も含めてもう少し委員の皆様に御発言を いただけたらありがたく思います。はい、どうぞ。 ○阿部委員  私は労働経済学を専門にやっていまして、ですので厚生労働省の中でも、従来労働省 が取り扱っていた政策には非常に興味を持っているわけです。  その労働行政というところから外れて、少しきょうの話のところを考えますと、政策 評価自体を、例えば民間企業がおやりになっている人事考課、あるいは人事評価といっ たものとダブらせて考えてみたらどうかなと思ったわけです。評価をする際に民間企業 も、例えば売り上げがわかるとか、幾つつくったかがわかるような部門であれば、評価 は簡単ですね。幾つつくってどれぐらいもうかったのかというのがわかれば、それで決 まりなわけですが、今民間企業も、堤さんがよく御存じだと思いますけれども、ホワイ トカラーの生産性というのは全くわからないわけです。この場合何をやっているかとい うと、目標管理制度というのを取り入れて、どういう目標を設定して、それを上が認め て、実際最後に事後的にその目標にどれだけ達成できたかということをやっているわけ です。  例えばこの参考資料7を見ますと、これは実績評価書で、基本目標あるいは実績目標 というふうに書かれていまして、民間企業の目標管理制度でいえば、これが目標管理の 目標に当たるわけですが、これを読んでいても目標が何なのかというのがはっきり見え てこないんですね。大きな目標でしかなくて、個々具体的な目標というのは、読んでみ ればわかるのかもしれませんが、曖昧なままになっている。これを事後的に評価しろと いうのも、かなり難しいのではないかと思います。  したがって、私は事前的な事業評価あるいは目標設定、ここをしっかりやるのがまず 最初かなと思っています。それがあって初めて事後評価がやりやすくなるのではないか なと思います。ですから目標管理をしっかりするというのが一つあるのだろうと思いま す。  その点に関していえば、目標というものをどうやって持ってくるかというと、堀田委 員が言われたことにすべて私は同意をするわけで、とりわけ国民のニーズをえぐり出し てくるということは、その目標を設定する上では重要なものであると思います。  ただ、6点言われた中で一つ、追加させて恐縮ですが言わせていただくと、責任を誰 がとるのかというのが抜けているのではないかと。ですからそれは政策評価が政治事項 なのか、それとも行政の事項なのかということと関連するのですが、責任をとるような ものをきちんと置いておかないと、目標を立てるとか、ちゃんとそれを実行するという のとがうまくいかないのではないか。その責任のとり方というのは、日本の場合には、 私はわかりませんが、例えば政策統括官の首が飛ぶというのはあり得ない話でしょうか ら、じゃ、それをどういうふうにとるのかというのも、そのうちおいおい考えていった らいいのではないかと思いました。 ○高橋座長  ありがとうございました。大変重要な御指摘だったと思います。 ○稲葉委員  毎日新聞の稲葉と申します。日ごろ厚生労働省の政策について報道する立場からいろ いろお話をさせていただきます。いつも我々が考えていますのは、今ごろになります と、夏休みごろから目玉政策について各紙ばらばらに記事が出まして、気づいてみると それが概算要求の中に入っていて、何だ、これは、利用されているのか、という面がな きにしもあらずですが、それを経て予算が国会に通って、ここで大体終わってしまいま す。例えば雇用政策で50万人失業対策を打つということで50億円の予算をかけますと発 表はあっても、その結果についてフォローアップが示されないというのが実情です。  我々は何度も申し上げているんですけれども、予算のフォローアップがなかなか出て こない。それで数年たって見てみると、その政策が重点項目から消えているということ になっていることもある。必ずしも先ほどおっしゃっていたような、国民に対して説明 責任というか、評価がこれまでなされてこなかったというのが実態だと思います。  ですから、国民の側から見てもそれはものすごく不満が多いし、まして厚生労働省、 厚生省と労働省の仕事は、各省庁の中でも予算をたくさん持っているところですね。事 業も膨大にある中で、一体この官庁が何をやって、どういう成果を上げているのかとい うのが非常に見にくい。年度末になりますと、会計検査院が各省庁を1つか2つ取り上げ まして指摘をしますが、全体の本丸のところの問題が出てきたことは今までなかなかな いわけです。  評価制度をやるということは大変結構なことで、先ほどから堀田先生もおっしゃって いますが、これをやることが、やったということでアリバイになって、それで終わりだ ということになると非常に問題がある。幾つか政策評価が難しい理由があります。厚生 省は昔から「局あって省なし」と言われるような、局の権限がものすごく強くて、省全 体として政策がどこで動いているかが分かりにくかった。そういう点があって、役所全 体として、政策についてトータルとしての評価がしにくいというのがあると思います。  それから先ほどからも出てきますけれども、これは予算をつくって国会を通して、そ れも国会の修正を受けてやるわけですから、それについての評価はどうするかと。例え ばこの春も労働基準法が改正になりまして、解雇にかかる規制を、日本経団連さんなど は解雇できる法律にしようということだったのを、野党の反対で解雇はできないという 法律に変えましたけれども、じゃ、このときの政策評価はどうするのかというのも非常 に難しい問題があります。  それから予算についても、単年度主義が国の予算になっていまして、それを行う人事 も2年から3年でくるくる替わっていくところがあります。民間企業ですと、利益という ものが一つの評価のメルクマールになるんでしょうけれども、それが担当者も替わりま すし、それから予算もその年度年度で消化しなければということになりましょうから、 その辺の問題もあるということで、非常に難しいと思います。  先ほどこの資料3にも、評価制度の政策への反映と国民への情報提供とあります。こ れはどちらも必要だと我々は思うわけですが、実施主体について政策立案者、担当者自 身がやるのがいいのか、それとももう少し別のところが監視するようなことがあった方 がいいのか。この辺を今日のこういう会合で、一つの結論みたいなものを出してくれと いうのが、検討事項の中にも入っているのではないかと思うんですけれども、私自身は 政策立案者自身にすべて評価を任せることは、やはりどうしても自分のところが立てた 政策について、終わった段階でこれはよくなかったとは言いにくい面もあるでしょうか ら、この辺は何か工夫が必要ではないかということを、今直感的に思っています。  いずれにしても膨大な予算と、先ほどお話もありましたけれども、本省が政策を立て て、国会で法案が通った後は、地方とかそういうところの現場部局に任せるわけで、そ この連携をどう評価するという面もものすごく難しい。例えば雇用対策でも、非常に政 策はいいけれども、現場のハローワークなどに至った段階で、その職員がその政策を理 解していなくてうまくいかないという場合もあります。そこまで我々が評価するのは非 常に大変だということになるので、その辺のことはどういうふうにお考えになっている かお聞きしたい。  それと一つ質問ですが、ことしの8月に事業報告書が出ているわけですけれども、こ れは新年度予算に何か反映されて生かされているものが、具体的に幾つかあるのでこざ いましょうか。それをお伺いしたいと思います。 ○川尻政策評価官  では、その最後の点だけ。せっかくですからそのものをごらんいただきますと、今、 稲葉委員が御指摘だったのは、参考資料6の関係でございますが、事業評価の概要とい うのが18ページから並んでございます。そこに30の事業が並んでございますけれども、 これはまさに概要でございますが、それぞれ概算要求に先立ちまして細かく分析をした 結果、新しい重点施策として有効であるか、必要であるかという評価をした上で、そう いうことがクリアされたという形で、概算要求をそれぞれ行ったという流れになってお ります。ですから概算要求に先立ってそういうチェックをし、その結果がまさに概算要 求に反映されているということでございます。 ○稲葉委員  例えば前年度予算から予算額を大幅に減らしているとか、そういう評価の仕方もある わけですか。 ○川尻政策評価官  今回評価の対象としましたのは、新しく重点的に取り組む事業として有効かどうか。 有効であれば概算要求として認めるという流れにしたもので、従来やっている政策自身 を事業評価の対象にはしなかったものですから、ここの中には出てまいりません。 ○高橋座長  どんどん御意見、御発言を。 ○野川委員  私も政策評価それ自体については全くの素人で、労働法を専攻しておりますので労働 政策、と申しましても、もちろん労働保険であるとか、障害者雇用であるとか、あるい は女性労働であるとか、当然厚生省マターの問題にも関わってはきますが、主として労 働政策に関して私なりのコミットをしてまいりました。評価に関しては実は2年ほど前 に、日本労働研究機構の事業の一環として、ヨーロッパでの高齢者雇用の政策について 見てまいりまして、そのころから政策評価という観点から、労働政策についても見る機 会が与えられたわけです。  その短い経験と私なりの考えで感想めいたことを申しますが、一つはやはり日本やア メリカ、あるいはヨーロッパ、それぞれ政策評価という言葉に込められている内容が 違っていて、どういう政策評価という概念で事をするのかというのが既に難しいなと思 いました。  まず誰でもわかるのは、政策の選択それ自体は、恐らく評価の対象にはならないので はないかと思います。つまりある政策をとった。それが悪かったか、よかったかという のは、恐らくここでいう政策評価というもので評価すべきものではないので、まさに民 主社会では国民の選択によるものであっただろうと。もう少し細かい、要するに評価の 対象となるような政策、アスペクトがあるものであって、それは例えばこういう政策を 立てたのだったら、当然その政策が目的としていることが十全に実現できたら、それは 高く評価され、そうでなければ低く評価される。こういう側面に限って、恐らく政策評 価というものはあるのだろうと思いますが、果たしてその厚生労働省の関係する政策の 中で、それをどういうツールで実現するのか、そこになるといろいろな考え方があり得 るなということを考えました。  というのは具体的に申しますと、いろいろな評価の体系がありますが、英米系の国々 では数値目標を立てた評価の仕方というのが非常に普及していて、それは大変クリアだ と思うんですね。労働省マターでいえば、例えば失業率が何%下がればこれはよしと。 それから、例えばある管轄のハローワークで、何人ぐらいそのハローワークの紹介で雇 用が創出されたと。これで何点というふうに、そういうことで評価されるのであれば大 変クリアですから、文句のつけようがないところがあると思います。  ところが実際には厚生労働省の主要な目標はそういうところにはなくて、この資料4 の基本目標を拝見しますと、これはすべて量的な内容に解消できないように、できない ようにと書かれているわけです。安心、信頼、快適、自立、生きがい、これらはどうい う数値目標を立てて、それが達成されたら生きがいを持てる内容の雇用が創出されたと いうふうにはならない。これが恐らく各国の政策評価のスタンスに微妙に反映されてい て、例えばイギリスであるとかオランダであるとかいった国を見ますと、それでも何と か非常に透明で簡明な政策評価の手法が必要である。これは恐らくアカウンタビリティ という問題とかかわってくるのだろうと思います。だからなるべく数値目標に解消でき るような形で、評価を立てようとする傾向があったように思います。  ところが、ドイツやフランスなどの大陸ヨーロッパに行くと、社会的政策というのは そもそも数値目標化に余りなじまないものだと。例えば同じくある職安が、もちろんど の国にも職安に該当する行政機関がありますが、その地域で職をどれぐらい創出したか というときに、非常に賃金の低いマニュアルワーク的な職であれば、幾らでも創出でき るという場合もあるわけです。しかしそれでは、人間がつく職としての質の部分をどう いうふうに考えるのか。もしもある予算を与えて、この予算の枠内でどれぐらい職が創 出できるか、各雇用局で、雇用局というふうにドイツはいいます、競争しなさいと。そ ういうことをやったことがあるそうですが、そうすると結局質がどんどん低くなってい く。結局、昔警察で犯罪検挙率のコンクールをやったときみたいなもので、微罪をどん どんしょっぴいて、それで上がったというようになると、その社会的政策というものは そういうような観点からはなかなか評価しにくいものだという、そういう発想からはど うも大陸のドイツやフランスは、そもそも政策評価の持っている基本的な概念になかな かなじまない面があると。  それはもう覚悟の上で、したがって例えばこういう失業者を減らし、あるいは質の高 い雇用をつくるのにこういう予算を投入したけれども、それは数値としては必ずしも出 てこなかったということが、低い評価には結びつかない。もう少し、例えばそれこそそ の地域の人々の満足度であるとか、そういったなかなか数値化しにくいものを反映させ た上で、総合的に、いわば定量的にではなくて定性的に判断していくしかないというこ とになりますので、そういう観点からはこのようなまさに数値化もしにくいし定量化も しにくい基本目標を、具体的な政策評価のツールの中に、どういうふうに生かしていか れるのかなということを大変考えたわけです。  もちろん中には恐らくもっとクリアに数値化できるものもあるし、ある形になったも のによって評価されるということはあると思いますが、そうでないものの方が主要であ るのが厚生労働行政の特徴でないかと思うので、その辺は私も今後この会議の中で勉強 させていただきたいし、取り組んでいきたいなと思っているところです。 ○高橋座長  ありがとうございます。ここで議論をする大変重要なテーマをお出しいただいたよう な気がします。ちょっとここで伺いたいのですが、この基本目標ですが、例えば参考資 料7、これはどういうふうにしてこういうものをつくったのですか。そのつくったプロ セス。むしろ前任者の。 ○川尻政策評価官  経緯は余り詳しくは存じておりませんけれども、相当各局とも協議をした上でつくっ たと思います。  基本目標だけごらんいただいたので、イメージがつかみにくかったと思いますが、参 考資料4で、例えばどういう指標をどういう形にしているかという例として、先生が ちょうど雇用の話をされましたので、基本目標4の関係が34ページからございます。  そこでまさに「経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において 労働者の職業の安定を図ること」と書いていますけれども、ブレークダウンをだんだん していきまして、結局例えば一番細かな話ですと、先ほどまさにお話がありましたよう な、公共職業安定機関における需給調整機能を強化することというので、紹介件数、就 職件数などをきっちりとって、そういうモニタリングをした上で評価をしていくという 形で、それなりにブレークダウンしてどういう数値をとればよいかというところまで は、一応政策体系の中で決めておるところでございます。  でも、もちろん先生がおっしゃったような質の評価をどうするかというところは、恐 らくこういうとり方では難しいですので、アンケートをとるというようなことが必要な のかもしれません。  こういう形で相当細かく決めておりますので、それはそれぞれの各局で、もちろん数 値的にとれるものでないといけませんし、毎年毎年ここら辺を見直しているというよう な経緯でございます。 ○高橋座長  そうするとやはり数値化すればするほど、先ほどの政策評価のコストがどんどん上が っていく。しかしそうしないときちんと定量的な評価はできないし、この辺の往復の運 動があって、そこら辺は少しこういうものをごらんいただきまして、また次の機会に、 それぞれの専門分野の方もいらっしゃいますので、御意見をいただくというようなこと で、コメントもぜひいただきたいと思います。  それでは少し篠原委員から。アカウンティングの御専門でもいらっしゃいますので。 ○篠原委員  公認会計士の篠原と申します。パブリックに関して、公認会計士が関わったというの は、ちょうど4年前の都道府県等の包括外部監査が初めてであり、公認会計士業務とし て準備不足の面があり、努力している最中です。  公認会計士協会には公会計委員会が設置されており、9つ専門部会が設けられパブリ ックの様々な研究や調査をしていますけれども、大きく分けて公会計、公監査及び評価 の分野を対象としています。  政策評価法ができる前に、政策評価に関するガイドラインを出され、それに基づいて 各府省が実施要領をつくりましたが、比較可能性が少なく、各府省の独自性のあるもの となっています。パブリックの分野では、特に市場メカニズムが入らないので、やはり 内部で似たようなものを比較するという構造が必要ではないかと思います。  コスト情報については、考慮して頂きたい。パブリックの分野では、非数値というん ですか、文章情報というのがものすごく重要ですが、一方、数値情報やコスト情報が現 状のシステムですと、いわゆる私どもがいう会計データが作成されませんので、評価に 必要なデータの整備が必要ではないかと思います。  ニュージーランドの業績監査では、評価指標については、政策を評価できるようなも のになっているかどうか、という検討が行われていることから、評価指標の作成部局以 外でそれの妥当性というか、適切にそこのところの評価の指標になり得るかという検討 が、必要じゃないのかと思います。 ○高橋座長  ありがとうございました。これも大変重要な御指摘で、少し議論をする、少し次の機 会にぜひあれでしたら。いかがでしょうか。7時に終わるということでございますので、 まだもう若干時間があろうかと思います。 ○森田委員  ちょっとよろしいですか。最初にいきなりだったもので。堀田先生の御指摘になった ことはすべてすごく重要だと思いますけれども、私が行政学なり何なりでその評価と 言っているときは、やはりこの政策をすべきかどうかという大もとについては、政治的 判断の問題だと思うし、これは政治が責任を負う。日本の場合には政治が無責任で、そ の責任を全部行政官庁がかぶっていらっしゃるから、そういう心配までされているとこ ろがありますが、本来の考え方なら、政治がミッションを与えて、それをいかに達成し ていくかという手段について考えるのが各省庁だとしますと、そしてその予算もつける としますと、その手段がきちっと目的整合性を持っているかどうか、そしてその手段の 選択と、その手段を使った仕事の仕方がエフィシェントであるかどうかというのが評価 の対象になる。  そうしますと比較的わかりやすいと思うんですけれども、日本のようにそもそも政治 の方へ持っていくときには、全部いい政策を一本化して、イエスかノーかというので、 イエスしかないような形で持っていく国ですと、やはり内部で政策決定を全部やってし まいますから、それを評価の対象にした場合には、まさに重要な政治的価値判断の問題 までその評価の対象にしてしまう。これはなかなか負担が重いでしょう。ここも目標設 定自体が困難というのはまさにそういうところで、それだけ日本の行政はしっかりして いるといえばいえるんですけれども、評価というときになりますと、今さらそれを悪い と言われても困るというような形にもなってくるのかなというのが、まず一点目です。  それでいいますと、当然のことながらそこまでの判断は政治にやってもらって、政治 に責任を負ってもらうとしますと、次に与えられた目標なり目的というのはどういうも のかというのがあろうかと思います。これが数値であらわされますと、ニュージーラン ドなどのNPM改革では、できるだけそれを数値化しようというので、その努力はしな ければいけないと思いますけれども、例えば大学のパフォーマンスとか大学教員の業績 を論文数で評価するのがいいことなのかどうか、という問題にもかかわってくるわけで して、先ほどから出ていましたように質の面をどうするかという話です。全然論文の数 で評価しないというと、何もしない人がいいことになりますが、数が多ければいいとい うとまた粗製乱造が始まってしまうことになりますし、それでは、引用数といったらお 互いに引用し始めるだけの話で、要するに裏をかくような形で出てきますから、そうい う意味でいいますと目標の設定の仕方が難しい。  もう一つは、多分政治からおりてくる目標とか目的は、トレードオフの関係になって いますね。社会福祉とか医療関係は特にそうだと思いますが、社会のニーズに応じたで きるだけ濃厚なサービスを、しかも少ない予算でやれという無理な目標を設定されたと き、そのトレードオフの関係をどう考えるか。ニュージーランド等で改革したところの 場合には、やはり効率性を重んじたために、採算性の低い部門のサービスを切り捨て る。それでパフォーマンスを上げるというようなことも行われているわけです。この辺 はベストな方法はなかなかないわけですが、少なくともどういう目標があって、その間 でどういうトレードオフの関係にあるかということは、評価の場合に認識しておかなけ ればいけないところではないかと思います。  それともう一つは、まさにこの資料4にもかかわりますが、いわゆる政策、制度その ものがいいものかどうかということですね。パフォーマンスがどうなるかという話とは ちょっとまた違うと思います。と申しますのは、いわゆるパフォーマンスの方の評価の 場合には、厚生労働省でいいますと、厚生労働省がコントロールできるファクターしか 働きかけようがないわけです。要するに因果関係でもって、いわゆる政策の評価でいい ますと、アウトプットという行政の活動のレベルと、それから社会に与えたインパクト のレベルとはちょっと距離があるわけでして、そのインパクトが発生するまでの間に、 様々な要素がかかわってきているわけです。  ですから、例えば先ほど失業率の話もありましたけれども、失業に対して打った政策 とその努力が失業率の低下に反映してくるかというと、必ずしもそうではなくて、途中 の経済情勢であるとか、いろいろな労働者の方の意識などによって変わってくる。その 部分をどう考えるかということです。特に厚生労働省の場合を見ますと、先ほどから出 ていますように、政策を立てて制度の枠組みは組むわけですが、実施を地方公共団体に 委ねているわけでして、そちらの方がきちっとやってくださるかどうかということは、 私は別のところで地方分権にかかわっていますけれども、やらせる仕組みをつくると分 権に反することになる。そこのところの問題があるものですから、最終的にトータルな 結果としてまずいじゃないかと言われても、これを厚生労働省の少なくともパフォーマ ンスの評価が低いというふうに判断するのは、ちょっとまずいのではないかということ になるわけですが、制度そのものがどうしようもないのではないかという因果関係の問 題があると思います。  最後の点でいいますと、もう一つは、評価をするときの基準の問題がありまして、や はりほどほど満足するところに達しているというように考えるのか。あるいは100%達 成しなくてはいかんというように理想像で考えるのか。あるいはいろいろな因果関係の 他のファクターもあるんですけれども、これくらいならほどほどよくやっているという ように評価するのかという、その評価の置きどころによっても大分違うという気がしま す。何を申し上げたいかといいますと、いろいろな実際の行政の仕事のメカニズムを因 数分解してみますと、その間でいろいろな評価ポイントがあるし、その評価基準もある だろうと。その辺をもうちょっと体系的にやっていく、分けていく必要があるのではな いかと思っております。  もう一点だけつけ加えさせていただきますと、自分で評価をすると、要するにお手盛 り評価になるのではないかというのはそのとおりでして、前に通産省で研究会をやった ときもそれが随分議論になって、やはり第三者評価、外部評価が必要であるというの は、それはそのとおりなんですけれども、今の行政の実態を第三者の方が、本当に細か いところまで理解した上で適正な評価をするというのは、これは容易ならざることです よね。ですから、ある意味でいいますと、一番よく御存じの方が自ら改善をしていくた めに、自ら評価をして、ただしお手盛りにしていないように、きちっとそれをある程度 の専門家に対して説明できるという形で、第三者なり外部の人が関わるというのが望ま しいのではないか。これが今の政策評価法の考え方でもあるかと思います。  したがって、その第三者制の問題をどう絡めていくかというのが非常に難しい話にな っていまして、第三者がよくわからない場合で、同じような仕事をしている場合には、 よく使われる方法というのは、例えばベンチマーキングみたいな方法で、どこよりこっ ちの方がいいでしょうという話をやって、なるべく効率化する。大学の評価でいいます と、A大学はこれくらいのコストでもってこれだけのパフォーマンスがあるのだから、 他のところもできるはずだという、それでもって評価をするというやり方で第三者に示 す。それも数字の問題があるんですけれども、それをやるとカルテルを組んでみんな下 げるか、あるいは余り一生懸命やると自分の首を絞めることになってくるという。  取りとめのない話で申しわけありませんが、ちょっとそうした因数分解をして、その 構造というものをそれぞれのところで少し把握して、できればそういうものを見せてい ただいた上でここがこうだと言う方が、議論が前へ進むのではないかという気がいたし ます。 ○高橋座長  ありがとうございました。はい、どうぞ。 ○堤委員  もう一つわからないことがあったのですが、政策は最終的には実現するということが 大事なことであって、これは誰が実現するのかといったときに、中央なり地方なり企 業、労使の問題ですとか、個人とか家族とか、すべての人がこれをやらなければいけな いわけですね。だけどこれを全部しょってしまって、全部厚生労働省さんの評価対象に なってしまったら、これは大変になるのではないかなと。その辺は誰がやるのか、実行 するのかというのがはっきりしないままバーッと書かれているから、これは大変だなと いう感じを持っています。 ○高橋座長  だから逆に言うとすばらしい言葉が続く。そういうこと。はい、どうぞ。 ○梅田委員  今の御発言と先ほどの森田先生の御発言とダブるんですけれども、今後の議論に少し 影響するのでぜひ申し上げておきたい。要するに政策評価法は先ほど座長さんがおっ しゃったように、行政機関が行うという限定つきの法律で、日本でまず始まったばかり です。だからその発展過程というものも今後当然あるということと、何もこの政策評価 法でやる評価がすべてではなくて、日本全体としてはもっと違う評価、もちろん先ほど 政治の話もありましたし、専門機関が行う評価などがあります。私は多元的ということ で昔から言っているんですけれども、当然多元的にいろいろなものが絡まってできあが っていくべきで、もともとそういう性格のものなんですね。  ところがそれが余り今まで行われていなくて、やっと行政機関がまずはやりなさいと いうことで法律をつくってやり始めたということですから、そこは峻別しないと議論が 混乱します。だけど峻別しながらも、この行政機関が行う評価というのは、ある部分は もっと第三者的評価を入れるべきという議論は当然あり得る。だけど、行政機関が行う ということですから、まずは自己評価が基本であるということは、もうその法律をつく るときに一応議論は終結しているというか、その基本的スタンスは押さえて議論しない と混乱するということがあります。  だから総合評価というのはまだこれからのテーマで、いろいろな形があるということ で皆さん各省研究されているわけですが、日本全体としてはもっといろいろな評価体系 が出てきて、それは政治が絡んだり、さっきから国民の意見とかいろいろ言われていま すけれども、そういうものは何もこの法律だけで背負いきれるものではもともとないと いう大前提に立っているものなので、といって期待すべきことは期待すべきだし、そこ は微妙な関係がありますが。だけど、そもそもがこの法律だけのものではないというと ころは、少し申し上げておきたいなと思います。 ○高橋座長  とりわけ厚生行政というのは国民生活に絡みますから、余計そこら辺の整理が。どう ぞ、堀田委員。 ○堀田委員  今の梅田さんの発言を前提とした上で、いろいろな御発言を聞きながら感じましたこ とを3点ほど簡潔に。  まず1番目は、これは私が申しました、やはり必要性の判断を事後評価、実績評価で もすべきではないかということで、稲葉さんも工夫したらという御発言がありました が、そういうことを行政としてはしにくいことは非常によくわかりますけれども、やは りある政策についてある段階で中止するということもあり得るわけです。そういうこと も国民の強い声になってきておりますから、実績評価の中に事前の必要性の判断は正し かったかというようなことを、一律に常にやれとは言いませんが、何か問題になってい るようなものについては、そういうことも実績評価の中でし得るような形にするのはい かがであろうか。これは私の1番目の提言であります。  2番目に、阿部さんから責任のとり方もということで、それは非常によくわかるので すが、どういう形で落とし込んでこなすのかなといろいろ考えておりました。何しろ官 僚の仕組みの中でこれは非常に難しいですけれども、私は結局官僚の責任が問われる一 つの形は、その政策についての国会の質問だと思います。政策の途中、あるいは政策の 初めの段階でいろいろな意見が国会で出てくる。国会議員の言うことが全部正しいとは 全然思いませんけれども、やはり国会でその政策について、こういう問題があったとか こういう主張があったというようなことを、実績書の中の特記事項に書かれるという形 によって、少しは国民に対する責任のとり方みたいなことも資料に出てくるのかと感じ ました。それが2番目であります。  3番目に、野川さんの質の御発言を聞いていて、これは難しい、どうするのかなと思 っていましたが、企業などからいうと今の評価で顧客満足度というのが最終の目標で、 この顧客満足度の調査、評価みたいなものがあります。これは直接顧客といいますか、 関係者に聞くという評価方法で、これもすべての政策にとる必要は全くありませんが、 その辺が微妙な問題になるものについては、時としてアンケートを、それも全国にとい うのはナンセンスですので、一部限定してモデル的にとってみる。また、まずいときに はいろいろ苦情が出ます。苦情処理機関が、処理方式がまた大分発達していますから、 そういう苦情処理のデータみたいなものを、これも特記事項に書く方法もあると思いま す。このように、時にアンケートを実施したりしながら、顧客満足度のデータを出して いいような政策も、10か20のうちに1つか2つはあるかなと思いました。  以上3点です。 ○高橋座長  ありがとうございました。次の議論への宿題を出していただいたような気もいたしま すが、いかがいたしましょうか。ちょっとこの委員会のこれからの見通しを含めて、ど んなことを考えておられるのかということを、事務局の方からお話しいただいて、それ に少し委員の皆様からレスポンスしていただくということで。 ○川尻政策評価官  先ほど申し上げたことの繰り返しになるのかもしれませんが、今日また相当アドバイ スいただいたところがありますので、具体的には参考資料4で相当緻密につくっておる わけでございますが、ここら辺で今いただいた御意見をどういうふうに反映できるかと いうことを、検討させていただきたいと思っております。  それで、毎年毎年この参考資料4の基本計画を見直しておりますので、今日いただい た御意見をもとに、どういうふうに工夫をしてみたいという提案をさせていただいて、 御議論をいただくような機会をつくらせていただけないかなと。そのためには時間もか かると思いますので、1カ月、2カ月後ということではなかろうかと思いますが、いただ いた御意見の反映を、こういう形でやりたいというような御提案を、させていただきた いなと思っています。 ○高橋座長  ありがとうございました。次の議論はそういうことで御準備をいただくようですか ら、そういうことについてちょっと注文というか、いろいろもう既にお出しいただいて いるのですが、何かお気づきのことがあれば少し。はい、どうぞ。 ○田村委員  質問ですが、今施策目標を拝見していますと、基本的には部局単位ですべて縦割りで できている。それは多分それなりの事情がおありだと思いますが、目標を立てる上でも 本当にその部局ごとでいいのかどうかという問題もありますし、それからこれは施策目 標を見ても、いかんせん膨大過ぎて皆さんよくわからないのだと思います。なので、も う少し統合されたものが必要なのかなと思います。「週刊社会保障」に連載されていた のを拝見しますと、この15年度に見直しをするに当たって、施策目標の統合を何か検討 されているという話がありましたが、それがどんなふうに進むのか。あるいはそれは2 つ3つの施策目標がくっつくのか。それかもうちょっとくみ上がったような目標ができ るのか。そのあたりを伺いたいというのが一つ。  もう一つは、先ほどの森田先生の話に関して伺いたいのですが、地方分権と中央省庁 との関係ですけれども、アメリカのGPRAではこういう施策目標の中で、中央省庁が やっていることについて、何州が取り組んでいるかというのを指標にしているのがあり ます。例えば幾つの都道府県、あるいは幾つの市町村が厚生労働省の施策に乗っている かというものを指標にするのは、先ほどの話で地方分権と相反するというようなことに なるのかどうか。お教えいただければと思います。 ○森田委員  アメリカのはよく知りませんが、アメリカでよくやるのは、補助金を配付するときの ベースとして、どれくらい連邦の政策に貢献しているか。というのはアメリカは、今、 日本でもなくなりましたけれども、機関委任事務制度だとか、地方に対して、特に州に 対して連邦政府が何かを法的にさせるという仕組みは余り使えませんので、そういう意 味でいいますと、いろいろな誘導手段で、ベンチマークの高いところに優先的に補助金 をやりますよというので、各州に頑張らせるというようなことはあり得るかと思いま す。日本の場合には、むしろそれよりも直接法律でもって「しなさい」ということをか なり言っているところがあるわけでして、ちょっとそこはよく調べてみないとわかりま せんが、制度が違うのかなと。  アメリカの場合はそういう意味でいいますと、そもそも地方が自由なわけです。日本 の場合には、かつてはかなり事細かいことまで通達レベルで縛っていたのはいかがなも のかというのが地方分権ですが、これはまたそうしますと、地域間で差が出てきたとき にどうするかという話になる。そういうことです。 ○田村委員  今、日本でも誘導のようなものは結構しているのだと思いますが。 ○森田委員  もちろんございます。 ○高橋座長  やはり厚生労働省がトータルなアクターになってやるべき行政領域と、それこそ誘導 型というか、何かメリハリがかなり。それかあるいは労働行政のかなりの部分はハロー ワークという、そういう手段というか、厚生労働省の各機関で、あれで全部包括してや ろうとか、何かいろいろありそうで、そこら辺の整理をちょっとしていただかないと何 かわかりにくいなと。 ○森田委員  その辺の制度的なことを申し上げますと、厚生労働省は昭和30年から40年ぐらいまで は、公衆衛生とか一番権力的な行政ばかりをおやりになっていて、それがその後圧倒的 にサービス官庁になったのですけれども、やはりサービスになりますと地域に根差して きめ細かいということになるわけですが、労働省と御一緒になるまでは自前の出先機関 をお持ちでなかったんですよね。検疫とかああいうのは別ですが、地域に対しては。そ ういう意味でいいますと、ほとんど地方公共団体を出先機関として利用されてきた。  それが地方分権の動きの中に入ってきて、非常にうまく地域に密着した形で仕事がで きるのですが、他方でいいますと、厚生労働省の意を体した形でうまくやっているとこ ろと、そうでないところとあるわけで、そうでないところに対してコントロールがきか せにくくなっている。それでそのパフォーマンスに差が出てきて、それをどう評価する かというのがなかなか難しいところだと思います。 ○高橋座長  それこそ三位一体改革が進めば進むほど、補助金はどんどん消えていくわけだから、 それだけに政策評価をどうしたらいいかというのは、かなり切実な問題。 ○森田委員  そうですね。その補助金の問題もありますけれども、例えば国保にしましても、やは り地域であれだけ差があるとどうなのかとか、生活保護などは相当強いコントロールを していますが、それでもやはり差が出るし、差が出て憲法違反で裁判所に訴えられると 困るという、そういう問題なんですよね。 ○高橋座長  介護保険はベンチマークみたいな仕掛けを、今何かいろいろ老健局でやっていますけ れども、それとこの評価がどういうふうに絡むのかというのも、なかなか考えどころだ なとちょっと伺っていて思います。 ○稲葉委員  最初に申し上げればよかったんですけれども、先ほどの制度、パフォーマンスの話 で、パフォーマンスが悪いのを全部厚生労働省に押しつけるのはどうかという話もござ いました。そういう気持ちはわかるんですが、来年度予算もそうですけれども、現在一 般会計予算のうち半分が借金ですよね。私たちの会社にも、厚生労働関係のいろいろな 問題提起のはがきや手紙が多いです。それはつまり国民生活に直結していて、雇用問題 もそうですし、年金も介護も、ですから相当に注目度が高いわけです。しかも国の予算 の半分は借金でやっていると。それが後世代の負担になっていく。  ですから、確かに制度の問題とパフォーマンスが悪いという問題は、全部が全部ここ に集約して評価するのはなかなか酷な面もあると思いますが、先ほど堀田先生もおっ しゃられたように、何らかの工夫をして、国民に見える形で評価制度を、例えば外部の 声が生きているみたいなものが必要だと思います。これはパフォーマンスと言われても しようがないですけれども、そういうことをしないと国民の納得が得られない。つまり 納税者がいかに自分が税金を払って、それのパフォーマンスとか自分に対して利益があ るかというのを、今真剣になって見ているところです。年金も特にそうですけれども、 そういう中で確かに難しい問題がいろいろありますが、国民の声とか第三者の声とか、 もちろん担当者の声も入れながら、何か工夫をして各省庁にはないそれこそユニークな ものをやっていかないといけない。やはり厚生労働省はそれだけ国民の中に根づいてい るので、国民の目があるということは十分承知しながら、我々もそうですが、やらなけ ればいけないなという感想を持ちました。 ○高橋座長  ありがとうございます。今日は第1回でもございましたので、ちょっと無手勝流みた いなところがあったのですが、多少こんなことを議論したいということを事前に少し、 場合によっては、それぞれの御専門、お立場等を踏まえて、ブリーフィング等をお願い するとか、工夫をして、次回ぜひやっていただければと思いました。  多分、これをきちんと整理すると大変重要な情報量がたくさんある。しかもいろいろ な視点が、政策評価論というかそういうことを含めて、ヒントがたくさんちりばめられ た御発言をいただいたような気がいたしますので、少し整理の方はよろしくお願いいた します。  それでは次回の予定を、大体いつごろということで。 ○事務局  いろいろとお時間もちょっとちょうだいすることになりますので、恐らく年明けぐら いになろうかと思いますけれども、また具体的な日程につきましては別途調整をさせて いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○高橋座長  また整理の段階で少し委員の皆様に、お知恵を個別に伺っていただくとか。 ○川尻政策評価官  こういう形でお集まりいただく前に、いろいろとお知恵を個別に拝借に行くこともあ るかと思います。 ○高橋座長  そんなことで、またそうすると年明けということになりそうですが、ひとつよろしく お願いいたします。 ○水田政策統括官  いずれにしろ試行錯誤の過程にございますので、思う存分にお気軽に。  以上です。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。                                      以上 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03−5253−1111(内線7780)