05/09/07 厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会第18回議事録


         第18回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会


                   日時:平成17年9月7日(水)15:00~17:00
                   場所:経済産業省別館1028号会議室(10F)


○出席委員
 石井みどり委員、加賀谷淳子委員、加藤陸美委員、北村惣一郎委員、
 木村隆次委員、坂本雅子委員、澁谷いづみ委員、新道幸惠委員、高橋滋委員、
 土屋隆委員、富永民委員、中村丁次委員、久道茂委員、松本和夫委員、
 村田昌子委員、渡邊昌委員(16名)

○厚生労働省出席者
 (健康局)中島健康局長、岡島審議官、梅田参事官、石井総務課長、
      中島参事官、矢島生活習慣病対策室長、北地域保健室長、
      野村保健指導室長

○次第
 I  開会

 II  議題
  (1)今後の生活習慣病対策の推進について(中間とりまとめ(案))
  (2)その他

 III 閉会


 矢島生活習慣病対策室長
 定刻となりましたので、ただいまから第18回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部
会を開催させていただきます。
 まず本日の出欠状況でございますが、委員定員は25名でございますが、現在15名の委
員の御出席を得ており、出席委員は過半数に達しておりますので、会議は成立していま
すことを御報告させていただきます。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、委員名簿、座席表
のほか、資料1-1としまして、「今後の生活習慣病対策の推進について・中間取りま
とめ(案)。これは見え消し修正のものでございます。前回29日の資料をベースに見え
消ししたものが資料1-1。次が、資料1-2としまして、これは修正版でございま
す。資料1-3としまして、これは参考資料でございます。この3点でございますが、
もし不足・落丁等がございましたら事務局までお申しつけいただきますようお願いいた
します。
 それでは、以後の部会運営については部会長にお願いいたします。よろしくお願いい
たします。

 久道部会長
 それでは早速議事を進めたいと思います。きょうは議題は1つですけれども、今後の
生活習慣病対策の推進について・中間取りまとめ(案)について、前回いろいろ議論い
ただきましたけれども、その修正点などを矢島室長より御説明お願いしたいと思いま
す。

 矢島生活習慣病対策室長
 では、お手元の資料1-1、見え消し修正版に基づいて御説明させていただきます。
8月29日の会議にもとの資料を出させていただきまして、先週の土曜日、一部今週にな
った部分もございますが、委員の先生方から御意見をいただきました。それに基づいて
私どもの方で中身について修正させていただきましたので、その修正させていただいた
部分について御説明させていただきます。
 最初は2ページのところですが、これは事務的な話ですが、審議が計10回ということ
になりましたので、ここのところを9から10に修正させていただいております。
 それから7ページをごらんいただきたいと思います。修正した部分にアンダーライ
ン、消した部分は二重線で消してございます。
 まず、最初のところについては、生活習慣病に係る普及啓発なんですが、具体的に
「情報」という言葉を明確にした方がいいのではないかという御意見をいただきました
ので、ここで「情報」という言葉を入れさせていただきました。
 それから、「民間企業等」という言葉がありますが、これはまた後ほど出てくるんで
すが、民間事業者という言葉ですとか、そういうふうなものとの関係が、言葉の使い方
が不明確になっているということで、そういう意味ではここは「産業界」という言葉で
代表することにより説明がつくわけでございますので、言葉の使い方を明確にするとい
う意味で、「産業界を含めた」という形で、「民間企業等の」という言葉を外させてい
ただきました。
 それから、下のところでございますが、いろいろな情報提供の中には信頼性の乏しい
情報もあり、そういうものについての危惧、そういう環境整備が必要だという御意見も
ありまして、上のところ、「商品・サービスの開発」のところについても、中身につい
てちゃんと厳密にやるべきではないだろうかという意見等もございまして、ここのとこ
ろも「商品・サービスの開発」については消させていただきまして、情報についても信
頼性の乏しい情報がはんらんしないよう環境整備を図ると。ここのところは、情報につ
いても用語の整理をさせていただきました。
 次の8ページでございますが、後ほど保健指導のアウトソーシング、民間事業者への
アウトソーシングの話が出てくるんですが、「民間事業者へのアウトソーシング」とい
う言葉と、健康増進法の中で規定しております「健康増進事業実施者」、この中には健
康保健法に定める政府、組合健康保険、市町村などの事業者があるわけですが、その中
に、「労働安全衛生法の規定による健康増進事業を行う事業者」という言葉がここでま
た使われておりまして、これが保健指導をアウトソーシングということで使う民間事業
者というところと言葉の整理をさせていただくときに、意味がなかなか微妙に、どちら
ともとれるような表現が出てきて混乱するという御指摘がございまして、そういう意味
で、ここをわかりやすくさせていただくということで、「労働安全衛生法」という言葉
を入れさせていただきまして、そこにあります事業者ということと、後で出てくるとこ
ろと誤解がないように整理させていただくという作業をさせていただきました。という
ことで、「労働安全衛生法」という言葉と「事業者」という言葉を入れさせていただき
ました。
 9ページのところですが、ここでまた「民間事業者」という言葉が出てまいります
が、アウトソーシングをする場合のものと、実際に健康増進事業を実施する事業者との
誤解が生じることがないようにということで、この部分はそこを整理するために消させ
ていただきました。後で民間事業者へのアウトソーシングのところで整理させていただ
くということで、ここの文言については消させていただいて、誤解が生じないように整
理させていただきました。
 それから、14ページの一番上のところでございますが、ここも先ほどの情報のところ
でございますが、インターネット等による情報提供については信頼性の乏しい情報がは
んらんしないよう、正しい情報がわかりやすく提供される環境整備が必要であるという
御指摘をいただきまして、情報の信頼性についての記述をさせていただきました。
 下のところでございますが、いろいろな取り組みの中で、行政の取り組みだけではな
く、民間企業等のという話をさせていただいたのですが、行政の取り組みが限定的にと
れるのではないか。むしろ、行政が積極的にやるべきだという御指摘もございまして、
誤解を招く恐れがないように、ここのところは2行消させていただきました。
 15ページのところでございますが、ここはメタボリックシンドロームの概念の説明を
させていただいている部分でございますが、この中に40代の男性の喫煙の話ですとか、
やせ過ぎの女性の話が出ていまして、ここのところはどちらかというとこの場所はふさ
わしくないのではないかということで、これは後ほどほかのところに入れさせていただ
くことにいたしました。
 メタボリックシンドロームの呼称でございますが、もう少しわかりやすい言葉が必要
ではないかという御指摘もございましたので、よりわかりやすい呼称も検討していくこ
とが必要であるという記述をこの中に入れさせていただきました。
 17ページのところですが、これは先ほど削った、20歳代女性のやせ過ぎについて、こ
の部分に移動させていただきました。それから真ん中のところ、学校保健との関係の話
が出てまいります。特に子供の肥満予防といった観点から、子供のころから適切な食生
活習慣を身につけることが大切であり、子育て世代への対応ですとか、学校保健とも連
携した取り組みを進めていくべきであるという文言をここに入れさせていただきまし
た。
 18ページでございますが、これも先ほどの「民間事業者」という言葉と、「民間企業
」という言葉がごっちゃになっておりまして、そこのところを整理するという意味で、
「産業界」という言葉が入っていますので、「民間企業等の」という言葉を外させてい
ただきまして、「産業界」という言葉で代表させていただくということで整理させてい
ただきました。「商品開発」ですとか、そういうところも先ほどの理由で外させていた
だきました。
 一番下の行でございますが、フィットネスクラブの話が出てくるんですが、これも後
で出てきますが、アウトソーシングのところとも関係があるんですが、どのような内容
をやるかということについての、民間業者等にアウトソーシングするための基準が後で
言葉で出てくるんですが、そういうところとの関係もありまして、フィットネスクラブ
における内容については今回削除させていただきまして、後の方で、もう少し詳しく表
現させていただきたいと考えております。
 19ページでございますが、40歳未満の若年期からの対応ということですが、これはも
う少し積極的にという意味で、「健診・保健指導の徹底が必要である」という言葉に変
えさせていただいております。
 そらから20ページでございますが、これは前回白紙の部分でございました。もともと
は「(3)健診機会の重層化と保健指導の階層化」ということでございましたが、「重
層化」という言葉を、むしろここは基本的な診査をやって詳細な健診という段階的な仕
組みではないだろうかということで、表現としては「段階化」がふさわしいという御指
摘をいただきまして、ここは「重層化」から「段階化」という表現に直させていただき
ました。ここのところは過去の御議論を踏まえて事務局の方で整理させていただいた文
章でございますので、読み上げさせていただきたいと思います。

(3)健診機会の段階化と保健指導の階層化
 健診受診率は、各都道府県ごとに大きなばらつきがあるとともに、特に被扶養者や自
営業者等については、全国平均で5割程度の受診率にとどまっている。また、被用者本
人を含めた20歳以上の国民全体でも6割程度となっており、健診未受診者の中にはハイ
リスク者も多く含まれていると考えられる。
 網羅的な保健サービスの推進という観点から、問診による生活習慣の把握、腹囲等の
身体計測、血液検査等の基本的な健診により、リスクの度合いを効率的に把握した上
で、基本的な健診でリスクがあると判断された者などに詳細な健診の受診勧奨を徹底す
ることが、予備群の確実な抽出に有効と考えられる。このような形で基本的な健診によ
りリスクがあると判断された者に詳細な健診の受診勧奨を徹底すれば、これまでハイリ
スクでありながら健診を受けようとしなかった者の健診の受診や行動変容の動機づけに
もつながっていくものと考えられる。
 また、生活習慣の改善を支援する上で中心となる保健指導については、詳細な健診の
結果を踏まえ、病態の重複状況や行動変容の困難さの度合い等に応じたサービスを効果
的・効率的に提供するため、保健指導の必要度に応じた対象者の階層化を図ることが重
要である。具体的には、例えば、生活習慣を改善する必要性の高い者、中程度の者、低
い者を階層化し、提供するサービスの内容も、(1)生活習慣病の特性や生活習慣の改善
の基本的理解を支援する情報提供は全員に、(2)生活習慣改善の必要性の高い者及び中
程度の者には、自主的な取り組みを支援するための動機づけの支援を、(3)生活習慣改
善の必要性の高い者には、さらに加えて、医師、保健師、管理栄養士等が直接的に行動
変容を支援する積極的支援を、といった形で、対象者の必要度に応じたサービス提供を
徹底していくことが考えられる。
 こうした健診から保健指導までの一連のサービスについては、国がイニシアティブを
とって、まずは幾つかの都道府県で事業を実施し、その成果を踏まえ、全国的な展開を
進めていくことが望ましい。

 ここは事務局が新たに書き加えさせていただいた部分でございます。
 次の(4)も事務局の方で過去の議論を踏まえてつくらせていただいた文章でござい
ます。

(4)保健指導プログラムの標準化
 基本的な生活習慣のかなりの部分が幼少期に確立されることを考えれば、その後の生
活習慣の改善は簡単ではない。このため、保健指導の実施に当たっては、対象者それぞ
れの健康に対する意識のレベルや、個々のライフスタイル等を理解した上で、それぞれ
の状況等に応じ、必要なときに、的確に、押しつけではない支援を行うことが重要であ
る。
 こうした保健指導については、各実施主体ごとの創意工夫も重要であるが、国として
も、保健指導プログラムを標準化し、その普及を図る必要がある。その際には、メタボ
リックシンドロームの予防は、適度な身体活動・運動と食生活の改善が基本であること
から、運動指導と栄養指導がそれぞればらばらではなく一体的なものとして行われるこ
とが必要である。また、前述した「エクササイズガイド(仮称)」や「食事バランスガ
イド」等を保健指導においても積極的に活用していくべきである。
 また、保健指導を担当する医師、保健師、管理栄養士等の専門家についても、運動指
導や栄養指導を一体的に提供できるよう、特にこれまで必ずしも十分ではなかった運動
指導や動機づけ支援等について、研修の充実等による資質の向上を一層図る必要があ
る。

 次でございますが、がん対策の23ページでございます。これについても御意見がござ
いまして、がん検診についてはがんの部位による差はあるものの、総じて受診率が低い
状況にあることや、都道府県ごとの受診率の格差が非常に大きい状況をどう、「評価」
ではなく、これをどう「改善」すればいいのかということに直すべきであるという御指
摘をいただきました。
 24ページでございますが、ここも先ほどの文言の整理と同じでございまして、民間事
業者と労働安全衛生法の事業者との関係を誤解のないようにするため、ここのところは
「民間事業者」を取らせていただきました。責務のところについては、国民の責務とし
まして、「健康増進法では、国民は健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深
め、生涯にわたってみずからの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなけれ
ばならないとされている」という文言を入れさせていただきました。最後の民間事業者
のところについては削除させていただきました。
 26ページでございますが、各都道府県で行っています保険者協議会でございますが、
8月31日現在で既に35の都道府県で設置されておりましたので、ここの数値を改めさせ
ていただきました。
 それから(4)、前回は「民間事業者へのアウトソーシング」ということで書かせて
いただきまして、ここのところは「民間事業者」という言葉と、労働安全衛生法で言う
ところの「事業者」との関係が、言葉のとり方によっては誤解を招くような形になると
いうこともございましたので、目的とするところである保健指導のアウトソーシングで
あるということを明確にさせていただきまして、タイトルもそのように変えさせていた
だきたいと思います。文言についても事務局の方でつくらせていただきましたが、この
内容にさせていただければと考えております。ここも事務局がつくりましたので読み上
げさせていただきます。

(4)保健指導のアウトソーシング
 今後、生活習慣病の予備軍を中心に、きめ細かく個別のニーズに対応していくために
は、保健事業に係る市町村、医療保険者等の内部の実施体制のみでは十分に対応できな
いことが想定され、民間事業者は、医療機関等との連携により積極的なサービス展開を
行うことが求められる。
 良質な保健サービスを提供できる民間事業者を育成していく際には、医師、保健師、
管理栄養士等のマンパワーや、提供されるサービスの内容等について、一定の基準を設
けることが必要であり、国として、医療保険者等が保健指導を民間事業者にアウトソー
シングする際に考慮すべき基準を示したガイドライン等を策定し、提示することが必要
である。

 という文言で、ここのところをわかりやすくさせていただきました。
 28ページのところですが、そういう関係で、(6)のところ、「民間事業者へのアウ
トソーシングの状況」は削除させていただきました。
 29ページでございますが、「最後に」というところについては、「関係者間の具体的
な役割分担と連携促進」というところをもう少し具体的にということでございまして、
健診・保健指導の重点化・効率化、医療保険者による保健事業の取り組み強化、健康づ
くりに関する都道府県の総合調整機能の発揮と都道府県健康増進計画の内容充実などを
中心に、積極的な取り組みを進めていくことが必要である」ということを、より明確に
させていただきました。
 最後の○でございますが、「健康度のチェック」という表現も、これでは少し簡単な
ものというか、軽いというイメージがあるということで、むしろ、「詳細な健診」に対
する言葉として「基本的な健診」という言葉にするべきだという御指摘がございました
ので、そのような形にさせていただきました。
 (5)のところ、「民間事業者へのアウトソーシング」も、先ほどの関係で「保健指導
のアウトソーシング」という形で修正をさせていただきました。
 以上でございます。

 久道部会長
 はい、どうもありがとうございました。見え消し修正をした上で、かなりわかりやす
く説明をいただきました。それでは皆さんから御質問やら、御意見をいただきたいと思
います。最初に、新道委員から皆さんに資料が配付されていると思いますが、資料配付
の上で御発言したいということでしたので、どうぞ最初に。

 新道委員
 きょうお配りしました資料は、私のところで官学連携研究として、平均寿命アップの
研究を進めているグループがございまして、そのグループの中で出したものでございま
す。こちらに取り上げられている主な疾病で、かなり共通的に問題なのは血圧であると
いうところがございまして、今までいろいろ指導されているのに総コレステロールが問
題だというふうにされているけれども、心疾患等について総コレステロールが低い人で
も問題があるし、高い人が必ずしも問題ではないということで、余りにも総コレステロ
ールに着目するというのは少し考え直した方がいいのではないかという提案と、それか
ら、高血圧というのは大変重要で、そのことの重点化が必要であるということで、高血
圧の防止に対して減塩というのが重点的に行われていますが、今後ともそのことは必要
だと思いますけれども、一番右下の図でございますけれども、高血圧の防止に影響する
ものとして、食塩以上にその値を下げるものとしてそこに掲げた、飲酒・運動・肥満と
いうものがあるというふうなところ、いろいろございますけれども、特にこのことは強
調させていただきたいということでございます。
 きょうの御説明のところにはなかったんですが、数値目標の中に今回高血圧が挙げら
れていないですね。取り上げられた数値目標を挙げて、お送りいただいた資料で拝見し
たんですけれども、そのあたりのところは高血圧の数値目標の中に取り上げられること
が必要ではないかということでございます。
 資料の説明は以上でございますが、きょうの補正の説明の中で1つ追加がございます
けれども、続けてよろしいですか。

 久道部会長
 どうぞ、それもおっしゃってください。

 新道委員
 20ページと21ページでございますけれども、私はそこのところに関係があるんです
が、今回いろいろ問題提起されていますのに運動が大変重要であるということが言われ
ていると思うんです。しかし、専門職として「保健師、管理栄養士等」というふうに、
「等」で置いてありますけれども、運動療法士というふうな専門職の名前も挙げた方が
いいのではないかということと、それから、そのことを含めましたときに、それぞれの
専門家がそれぞれの取り組みをするのではなく、21ページのアンダーラインの下から5
行目、「また」のところですけど、「等の専門家についても、栄養指導を一体的に」と
ありますが、これはチームで取り組むことの必要性もそこに加えた方がいいのではない
かと思っております。運動の必要性、食事・栄養の必要性というのは中間まとめの中で
大変強調されているところでございますが、そういうところでその専門職の名前も挙げ
る方が、保健師だけにかなり負担がかからないで実質的な状態になるのではないかと思
います。以上でございます。

 久道部会長
 はい。事務局、どうぞ。

 中島参事官
 1点目の、健康日本21の代表目標項目の中に高血圧の改善というのを、特に青森とい
う地域の実状を踏まえて御発言いただいたわけですが、これについては事務局として
は、この代表目標項目21に絞る際には、2回にわたり御議論をいただいたところだと承
知しております。最終報告の段階で新たに高血圧を追加すべきかどうかということは改
めて御審議いただきたい。私ども事務局としては2回にわたって御議論いただいたこと
を踏まえて21に決まったと承知して書いておりますので、追加する場合にはもう一度こ
こで御議論いただければと思っております。それが1点目。
 それから2点目で、運動指導のところですね。実は運動指導のところ、運動療法士と
いうことですが、運動の専門家というのについては、なかなか公的な資格としては存在
していない。

 新道委員
 運動療法士というのはまだ公的ではないんでしょうか。

 中島参事官
 ないです。それで、これもこの部会で加藤委員の方から御報告がありましたが、厚生
労働省として御推奨申し上げている健康運動指導士という資格もございますが、これは
17年度をもって厚生労働省としてのお墨つきを終えるということにもなってございまし
て、いわゆる運動の専門家については、今後は公的な色彩を帯びた資格というのが必ず
しも存在しないということになろうかと思います。そういう観点から、医師、保健師、
管理栄養士の中に並べるのであれば、どのように表現するのか。もし書くのであれば、
「医師、保健師、管理栄養士等」のところに、「運動等の」につないで「運動の専門家
」という形につなげるのか、「医師、保健師、管理栄養士や運動の専門家」というふう
に書くのかというところの具体的な文言修正案としてはあり得るのかなと。そこについ
ては本日また御議論いただければありがたいなと思っています。

 矢島生活習慣病対策室長
 すいません、ちょっと1つだけ説明し忘れたものがございました。修正のところは御
説明させていただいたんですが、神田委員から御指摘をいただいたものがございまし
て、都道府県に総合調整機能を強く求める内容となっているということで、御意見でご
ざいますが、「都道府県や関係者が調整する内容について、関係者が果たすべき役割を
制度上明確にしてほしい」ということ。それから財源確保の御指摘をいただいておりま
す。今回報告の中には入れさせていただけませんでしたが、制度をつくる上でこの辺の
ところは配慮させていただきたいと思っております。そういう意見があったということ
を追加させていただきます。

 久道部会長
 関連して、資料のイメージ図の変更の部分はいいですか。

 矢島生活習慣病対策室長
 これは前回……

 久道部会長
 直したっけ?

 矢島生活習慣病対策室長
 これが今回初めてお出しするものと、それを踏まえて、委員会で出したものを今回出
したということで、初めてということでございますので、そういう意味では特に……、
今回の報告書の内容を踏まえて直させていただいたということでございます。

 新道委員
 もう1つよろしいですか。

 久道部会長
 はい、どうぞ。

 新道委員
 16ページで、もう遅いかと思うんですが、今回中間まとめを拝見させていただきまし
て、健診の重要性というのがいろいろなところで述べられていると思うんですが、確か
に健診の受診率等々からいきますと、年齢層の拡大とかいろいろ努力をしなければなら
ないところだと思うんですが、16ページの具体的な施策プログラムの提示の中に、「1
に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」とあるんですが、「最後にクスリ」
のところを、「まずは健診」というふうに、「健診」という言葉を挙げるというのは今
の段階では難しいんでしょうか。これも私も議論がありましたときには出席しておりま
したので、今ごろこういうふうなことを言うのはというのは思ってはおりますけれど
も。

 中島参事官
 このキャッチフレーズについても、本部会で十分御議論いただいたものだと思ってい
ます。特に中村委員、食生活協会の方からは、「1に食事じゃないの?」という御意見
を複数回にわたっていただいて、このようになったものかと思いますので、どうしても
「最後にクスリ」じゃなくて「健診」だということであれば、またこの部会で改めて御
議論いただければと思います。

 加賀谷委員
 先ほど、「等」のところに「運動」ということで、「1に運動」というふうに今度の
まとめはなると思いますけれども、それなのに項目的には「等」の中でというのはなか
なか難しいなと思いまして、ただ、公的な資格がないので表現が難しいだろうと思いま
すが、「運動の指導者」というような形で、そこがきちんと資格が位置づけられたら名
前を入れたらいいと思うんです。漠然と運動の指導者とか専門家という形で、見える形
で入れていただければありがたいと思います。

 中島参事官
 もし入れるとすると、例えば21ページの(4)のところの最後のパラグラフ。「ま
た、保健指導を担当する医師、保健師、管理栄養士や運動の指導者などの専門家」と、
こう直せばいいということでございます。

 加賀谷委員
 もう1カ所、市町村のところがありますね。そこにも「等」とついたのが……

 久道部会長
 何ページですか。

 加賀谷委員
 ちょっと待ってください。古い資料の方で見たんですけど、今回の目次……

 中島参事官
 28ページですか?

 加賀谷委員
 そうですね、はい。これは最初に見たときに目次に載ってくるところです。(6)で
すね。ここも「運動」が入ると今回の御趣旨には合うなと思ったんですけれども。管理
栄養士と並ぶ資格でないので難しいのかもしれませんが、「運動の専門家」でいいです
かね。

 中島参事官
 実は、事務局としての意見を申し上げれば、21ページのところを「保健指導を担当す
る医師、保健師、管理栄養士や運動の指導者などの専門家」と直すのはそれほど抵抗は
ございません。本部会で御議論いただければと思います。28ページの(6)の部分につ
いては、確かに先生のおっしゃるのはあるんですが、市町村に地方交付税措置で裏打ち
されている市町村保健師、市町村栄養士という、ある意味で制度的にきちっと担保され
ている人たちの業務内容のあり方も考えていくべきではないかという趣旨です。確かに
市町村で運動指導士を雇っておられるパターンもあるわけですが、そういう観点からい
くと、先ほど21ページで直した以上に、ここは書き込むのが難しい。すなわち、保健
師、管理栄養士を市町村に配置するということがそれなりに制度的に担保されていると
いうことを前提の記述でございますので、ここについては、あえて読むとすると「など
」のところになるのかなと、書き分ける必要があるのかなと思っております。

 加賀谷委員
 事情はわかりました。

 久道部会長
 よろしいですか。そういう趣旨のようですので。それから、先ほど新道委員から出さ
れた代表目標項目から外れている高血圧の件なんだけども、あれは代表なんですよね。
たまたま結果的に21になったので、それで非常に喜んだ雰囲気はあるんですが、これは
後から渡邊委員からも一部入れるような意見が出たりして調整をしましたけれども、や
はりこれでいこうということになった経緯がございます。ですから、目標から外したわ
けじゃなくて、代表目標から外したということですので、最終的にはそういう項目も出
ますので、それでどうかなという感じはするんですが。よろしいですかね。ほかの委員
の御意見も聞きたいと思いますけれども。高血圧のことを無視したわけではないんです
けれども、代表から外れると無視されたような雰囲気にもなるということかもしれませ
ん。どうぞ。

 土屋委員
 座長のおっしゃったとおりで、確かに新道委員の御意見ももっともだと思いますが、
メタボリックシンドロームの概念を導入して保健指導をやるというようなことが前面に
押し出されてきていますので、この中には高血圧、高脂血症というものも当然入ります
ので、そういうことでいかがでしょうか。

 久道部会長
 ということですが、よろしいですか、新道委員。

 新道委員
 はい、わかりました。

 久道部会長
 ほかに御意見。どうぞ。

 北村委員
 21ページのアンダーラインのところで書いてあるのは大変ごもっともだと存じます
が、一国民として私も現在健診を受けていますが、紙一枚だけ返ってきまして、高血圧
ぎみですと。専門診療機関を受診してくださいという紙がくるだけなんですが、ここに
書いてあるように、「保健指導を担当する医師、看護師、管理栄養士、運動指導、栄養
指導、一体的に提供する」というのは、一体どういうものになるのか。そして、保健所
がそれをやって、健診を受けた者が保健所に行けばこれだけの人たちがそろって、あな
たは主に運動しなさい、あなたはこうしなさいという指導を受ける形にするのを、都道
府県、市町村にやれと。あるいは民間のアウトソーシングをしてやらせる会社をつくれ
という、厚生労働省としては旗振りだけをやるのかというようなところで、具体的にこ
れだけの人たちがそろっているものというのは医療機関以外であり得るんですかね。ち
ょっと受けてみたいと思うんですが、どこに行けばいいのか。

 矢島生活習慣病対策室長
 まさにそういうところがございまして、27ページのところでございまして、このよう
な保健指導のアウトソーシングという形で御説明させていただきましたが、医療保険者
等が保健指導を民間事業者にアウトソーシングする際に考慮すべき基準を示したガイド
ライン、これをこれから策定したいと考えておりまして、これはまさにこれからの大事
な議論だと我々は認識しております。そういう意味で、先生の御指摘の観点も踏まえま
して、どういう形でこれを実効あるものにしていくのがいいのか。もちろん医療機関の
役割も重要ですし、保健指導をちゃんとやっていただけるようなところがあるのであれ
ば、そこをこれからどう育てていくのかということも含めて、これから十分議論してい
くことが必要ではないかと思っております。

 久道部会長
 民間事業者的なものは既に幾つかは存在しているんですか。

 矢島生活習慣病対策室長
 幾つかはあるように聞いておりますが、まだ詳しくは承知していないんですが、今後
そういうことも含めて検討させていただく。もちろん医療機関の役割も重要でございま
すし、そういうことも含めてやらせていただければと思っております。

 加賀谷委員
 関連でよろしいでしょうか。今のところですが、ばらばらではなくて一体的にという
のはとても重要だと思います。それは18ページにも、「ばらばらではなく総合的に支援
する体制」というふうに書かれておりまして、これは運動だけやればいいのではなく、
休養も重要だと思いますけれども、食事とともにやらなければいけないと思います。今
の御質問と関係するんですが、12ページに、それが実施できるだけのマニュアルとかガ
イドラインとかそういうものがあるかというと、それぞれについてはあると思いますけ
れども、全体を、例えばこういう運動をする場合は食事はこのようにというような、そ
ういう総合的なガイドラインというのはまだないと思うんですね。そういう意味では12
ページのところに、「新しい科学的知見を不断に集積し」の次くらいのところに、「そ
れらを総合的に関連したエビデンスを出していく」というのを1行入れていただけれ
ば、民間などでもそういうものがサポートされるのではないかと思います。

 矢島生活習慣病対策室長
 まさにこれからの議論だと思っていまして、29ページの最後のところになるんです
が、そういう御議論も踏まえまして、健康日本21の中間評価、医療保険者による保健事
業の取り組み強化などがありまして、その後に、例えば、基本的な健診と詳細な健診の
具体的な中身ですとか、保健指導プログラムの標準化ですとか、保健指導のアウトソー
シングのあり方、こういうものをこれから検討していくということになりますので、そ
ういう中で今御指摘のあった点も含めてやっていきたいと思っております。

 坂本委員
 今回の報告の中では、きょうお出しいただいた部分20ページ、21ページがかなり大き
な意味を持っていると思います。北村委員も質問されましたように、健診と保健指導の
イメージが図としては一体的に説明されているんですが、具体的にはどこでどういうふ
うに行われていくのかというのが、新しい健診体制でもありますので、よくわからない
んですね。そこがわからないと、例えば市町村でありますとか、労働安全衛生法上の事
業主も余りよくわからないんじゃないかなという感じがするんです。これからの検討の
中でその辺が出てくるともっとわかりやすくなるんじゃないかなと思います。
 それと、先回も、健診と保健指導が従来はばらばらになっていたけれども、健診と保
健指導は一体的なものであるという意見を申し上げたんですが、その保健指導が今回の
イメージではきちっとした形で健診についていくということだろうと思うんですね。健
診はすでにアウトソーシングされているんだけれども、保健指導もアウトソーシングさ
れている健診についていくというイメージとして、受け取ってよろしいんでしょうか。

 中島参事官
 まず第1点、確かにイメージがなかなか湧きづらいではないかと。具体的にここで言
っている健診機会の段階化と保健指導を階層化し、標準化した保健指導プログラムを提
供するのだと。その保健指導部分はアウトソーシングだということなんですが、御容赦
いただければということです。すなわち、生活習慣病健診・保健指導のあり方に関する
検討会での御検討、ここでの2度にわたる御検討を踏まえて、こういう方向で今後検討
してはどうなんだろうかという枠組みをまず御提示いただいたものだろうと思います。
ここで言った段階化、階層化、標準化、アウトソーシングといったものの中身をどのよ
うに詰め、どのようなシステムでやっていくのかというのは、今後この部会でも御検討
いただければありがたいと思っておりまして、ここについては大きな方向性を提示して
いただいたものということでとどまるのかなというのが1つであります。
 それから2つ目は、健診については既に民間の医療機関等にアウトソーシングしてい
るけれども、保健指導についてもあわせてアウトソーシングすることになるんですかと
いうことについては、ここも今後の検討課題でありますが、まさに今のいろいろな健診
機関等々がございますが、そこが引き続き保健指導をおやりになる場合については、一
定の質が担保されないといけないということでございますので、今後国がガイドライン
等を示して、質の担保された保健指導をおやりになれるということであれば、当該健診
機関が保健指導も引き続き担いますということでガイドラインに準拠していく。そうい
うことにも取り組まれるということであればそれはそれでいいわけですが、決して自動
的に、今の健診機関が即保健指導という形も合わせてやることになるんだということで
はないと私どもは認識しております。

 土屋委員
 ちょっと今のに関連したことで、健診をアウトソーシングすると。だからそれに追い
かけて保健指導をアウトソーシングするのかという坂本委員からのお話でしたね。これ
については明確に厚労省の担当の方から、健診というのは民間に何らの制約なくアウト
ソーシングできるのではない、法律的にはこうなっているんだということを明確にここ
で御説明いただいておくことが誤解を招かないんじゃないでしょうか。

 中島参事官
 ここで明確に法的な整理をしておく必要があると思います。いわゆる健診については
当然医療機関でやっていただかなければならないですし、いわゆる健診そのものの行為
というのは医師法で言うところの医行為に該当するわけでありまして、そこの部分につ
いては明確に医療機関という形で位置づけられないといけないし、そこにおいては当然
業務独占がかかっているということは言うまでもないことであります。それが文字どお
り医療機関で行われているということは当然であります。ただ、いわゆる健診というの
と保健指導というのは制度的に違う。保健指導については必ずしも業務独占がかかって
いる行為ではないし、必ずしも医療機関で行われなければならないような、医師法、医
療法の縛りがかかる行為ではなかろうと思っています。ただ、そうは申しましても、や
はり健診との連続性、さらには保健指導の質の担保という点ではガイドラインも必要で
しょうし、適宜医療機関と連携した形で体制が組まれることも必要だと思っております
ので、そこは十分認識した上で、あえて「保健指導のアウトソーシング」という形で書
かせていただいておりますし、その前提にあるのは、いわゆる健診そのものは医療法、
医師法よってきっちり縛られている。そこを揺るがせにするようなものではないという
ことは改めて確認させていただきたいと思います。

 新道委員
 21ページですけれども、保健指導というと、ともすると情報提供を主にした指示命令
的なイメージがあるんです。その点からしますと、今回アンダーラインでお書きになり
ました(4)の保健指導プログラムの標準化の中に、「必要なときに的確に、押しつけ
ではない支援を行う」と書いてあるのは大変いいことだと思うんですが、もう一言加え
ていただけたらいいなと思っているんです。「利用者が主体的に行動変容できるような
支援」というのを一言、この前後に加えていただくといいのではないかと思っておりま
す。保健指導のプログラムが標準化されるときに、どういう内容をどういうふうに指導
するプログラムであるかと。結果的に今までと余り変わらずに実効力の薄いものになっ
てしまいます。ですから、標準化のときにぜひ、本人が主体的に行動変容できるように
サポートするということを中心にしたかかわりをしていただく標準化になるようにとい
うことで、そこを一言加えていただければと思っております。

 矢島生活習慣病対策室長
 御趣旨はよく理解できますので、そういう方向で文言について整理をさせていただき
たいと思います。

 村田委員
 29ページなんですが、先ほど来御議論が出ているんですが、これから生活習慣病予備
軍というのは今まで以上に大きなボリュームになっていくのではないかと、今までの何
倍もの人たちが保健指導をしていくということになってきたときの、増加し続けるハイ
リスク者に対しては、メディカルだけでもない、コメディカルだけでもない、その人た
ちが一体となったシステムづくりが重要だということを、この検討課題できちっと、い
ろいろ細かいことは書いているんですが、重要な課題としては残しておいて、その中で
今後検討していくというようなことで入れていかなければいけないのではないかという
ことを思いました。ですので、ここのところは、個別的には中間評価とか医療保険者に
よる云々というのは書いておりますけれども、全体的なものとしてこういうようなもの
に積極的に関与していくためには、いろいろな問題があって、メディカル、コメディカ
ルが一体となったシステムづくりが重要だというようなことは入れていくべきではない
かなと、29ページは思いました。

 中島参事官
 そういう問題意識で書かせていただいているつもりでいるんですが、具体的に29ペー
ジをどのように書き替えるべきだということでしょうか。例えば、そういう観点からポ
ピュレーションアプローチをしっかりしていかなければならない、そしてハイリスク者
に対してはハイリスクアプローチをしなければいけない。例えば13ページ、そういう点
で相乗効果を発揮していかなければならないという形で、今おっしゃったような問題意
識を持って書かせていただいているつもりなんですが、もしそういう問題意識が弱いん
だとすると、例えば29ページの段階でもう一度書き込むとして、具体的にはどういう文
言で直せばよろしいんでしょうか。

 村田委員
 医師、保健師、メディカル、そういう人たちだけがそれぞれにやるのではなくて、一
体的となったシステムづくりが非常に重要だというようなことが必要なのかなと思った
ので発言させていただきました。

 渡邊委員
 関連して。私も村田委員の意見に賛成なんですが、ポピュレーションアプローチをや
ろうと思いますと、社会全体の環境づくりというのが非常に重要だと思うんです。その
意味で、産業界とかいろいろなサービスということが重要視されないといけないと思い
ますが、今回の修正では18ページにまとめられているようですけれども、それでも「産
業」という言葉が随分削られておりまして、下から7行目を見ると、その上に、「スー
パーマーケット、コンビニエンスストアやファミリーレストラン等の食品関連産業や、
フィットネス業界」云々とありますね。「健康づくりの観点からの情報提供や商品・サ
ービスの開発」が削られておりますが、ここは生かして、「商品・サービスの開発が必
要である」というふうにして、食品表示の問題とか、全体にカロリー制限しないといけ
ないとか、産業界を挙げて支援していただかないと、なかなかポピュレーションアプロ
ーチの成果につながらないと思うんですね。ですから、その辺を少し強化していただけ
ればと思います。
 それから、14ページの下2行を削られたのですが、ここのタイトルには「都道府県の
役割強化と産業界も含めた」と出ておりますが、下2行を削ってしまいますと、産業界
の話が本文中からはなくなってしまいます。後にまとめてあるからそれでいいというこ
とならそれでいいのかもしれません。
 それから、21ページの中ほどのフレーズに、「こうした保健指導については各実施主
体ごとの創意工夫も」とありますが、ここは「実施主体の創意工夫が」と、実施主体で
頑張っていただきたいと思うのでありますが、いかがなものでしょうか。

 中島参事官
 先ほど矢島室長から説明申し上げましたように、「商品・サービスの開発」というこ
とが消えている。21ページでは「創意工夫も重要である」と、ここが若干弱腰ではない
かという御指摘なんですが、先週いっぱいで各委員の先生から御意見をいただけないか
ということでお願いして、そこで寄せられた意見は、確かに産業界が創意工夫をしてい
ただいているということは大変重要だけれども、そこに安全で正しい情報なりサービス
でなければならないんじゃないかと。最低限、健康づくりについては一定の確かさとい
うものがないといけないので、そういう点からは、産業界は市場の中で大いにやってく
ださいとも言い切れないんじゃないのかと危惧する御意見も寄せられたということもあ
りまして、現実にこの部会で、特に健康食品について御議論いただいたときにそのよう
なお声があったということもあるので、若干そこのトーンを全体として落とさせていた
だいたということで、先ほど説明申し上げたような形になっているということも改めて
確認させていただければと思います。

 久道部会長
 今の件でほかの方から。

 澁谷委員
 例えば7ページのところで大幅に修正がかけられていますけど、企業には、健康の側
面で考えたときに2つの側面があって、1つは自分のところの従業員の健康管理という
面。もう1つの側面として、社会に向かって果たす役割というのがあると思うんです。
その両者はどちらもつながっていると思うんですが、健康づくりに一見関係なさそうな
企業、例えば製造業とか、ここに書かれているようなものでないサービス業とか、そう
いう産業でもそれぞれ自分のところが今の2つの側面から考えて、国民運動としてどう
いう役割が果たせるかということを考えていただくと。そうしないと、社会全体の国民
運動になりにくいのではないかと思うんですね。産業界というのは、食品だとか健康器
具とかそういう話ではなくて、もっと広くとらえて社会への参加を促していくことが必
要じゃないかなと考えています。
 その関連で、15~18ページにかけて、「ポピュレーションアプローチ」、「国民運動
化」という記述があるわけですけれども、国民運動化を図るとか、行動の継続というこ
とがこれまで非常に重要な課題だというふうに出ていたわけですけれども、そうなりま
すと、行動変容のための科学、例えば行動心理学だとか、コミュニティの理論というよ
うな社会学的な視点、そういった保健医療の現場への応用や普及というのも今後の課題
ではないかなと思うんですね。公衆衛生は医学だけではなくて、ほかの分野の科学の進
歩や恩恵にあずかりながら活動しているという部分があるわけですので、立派なエクサ
サイズやバランスガイドというものを専門家がつくっても、実際それを地域で普及して
いくということを考えるときには、広げる方法論ということが非常に重要じゃないかな
と思っておりますので、この辺をどこかに考えていただけたらと思っております。

 久道部会長
 それは何ページですか。

 澁谷委員
 15~18ページの、「国民運動化」というところです。

 久道部会長
 できれば、こういう考えを生かすような文言を考えてほしいということだけですと事
務局もなかなか考えられないんですよ。ですから、例えばこういう文言をここのところ
に入れたらどうでしょうかというふうに言っていただくと、何しろきょうは中間まとめ
のそのまとめなものですから、そういう形で言っていただくとよろしいのかなと思いま
す。18ページでしたっけ。

 澁谷委員
 それと7ページのところですね。

 久道部会長
 そのあたりのところに、具体的にこういう文言を考えたけどどうだというふうに言っ
ていただくと非常にありがたいんです。そうするとみんな理解できますので。いかがで
しょうか。先ほど村田委員からもありましたように、事務局としてはその趣旨でまとめ
てきたとはいいつつも、先生のイメージとちょっと違うということもありますので、29
ページのところに先生の意図するところの何を加えたらいいのか、そういうのを言って
いただくと皆さんで議論しやすいと思いますので。

 澁谷委員
 それからもう1ついいですか。修正のところで出ておりましたけれども、17ページの
ところの「子供の肥満予防」ということで、食育のことが追加されております。食育は
追加されたんですけれども、小中高校などの学校教育との連携とか、今後の期待という
のは栄養だけではなくて、たばことか生活習慣全体に係る話があると思いますので、栄
養のところだけではなくて、6ページのところの「一次予防施策の課題」というところ
にも、学校教育への今後の期待というようなことで少し加筆していただけたらいいかな
と思います。以上です。

 久道部会長
 うん、そういうことを具体的に提案してください。この時間内に。そうすると皆さん
理解して議論できるのではないかと思います。

 松本委員
 地方自治体の立場で申し上げておきたいんですが、これまで部会あるいは議論を聞い
ておりまして、まだ問題があるという感じがいたします。一応バランス的には良くでき
ていると思います。それと同時に、29ページ、これも検討課題があると思いますので、
我々地方自治体の意見も十分に取り入れていただきたいという感じがします。
 なお、我々は財源問題なんです。地方交付税が年々減額されて、我々のところも数年
で5億減らされているんです。地方交付税がどれがどのくらい入っているかさっぱりわ
からないんです。そういうこともございますから、地方自治体としては、医療にして
も、介護にしても、歳出がふえてきているわけでございます。大変厳しい財政状況でご
ざいます。しかしながら、健診にしても保健指導にしても、住民の健康づくりはどうし
てでもやっていかなければならないという感じを持っております。
 そういうことで、我々としては十分な財源措置を、県にしても市町村にしても、その
点の裏づけの確保をよろしくお願いしたいと思います。

 渡邊委員
 ちょっと今村田委員と相談したんですが、食品業界といっても、サプリメントとかそ
ういう健康食品ばかりつくっている人もいますが、もっと緊急に必要とされるのは、エ
ネルギーの低いスナックとか、そういう開発をしてもらわないとほんとは困るんです
ね。それで、29ページの最後にこういう文章を足していただいたらどうか。
 社会全体の環境整備としまして、「ポピュレーションアプローチで成果を上げるた
め、広く食品業界など、産業界や関連分野の協力を得て、国民運動として展開できるよ
うにする」という考えであります。

 久道部会長
 これは○が2つあるけど下の方のところの……

 渡邊委員
 3つ目に足していただければいいと思います。

 久道部会長
 ○をもう1つ足すと。事務局、今のみんなフォローできた?

 中島参事官
 御趣旨は踏まえて書かせていただきます。基本的には、「最後に」は要約としてポピ
ュレーションアプローチの推進とハイリスクアプローチの徹底ということでこれまでの
ところを受けているわけですが、もう一度ポピュレーションアプローチの重要性につい
て○をつけて強調しておくべきだという受け止めでよろしいわけですね?

 渡邊委員
 はい。

 中島参事官
 そういう方向でしたら、今渡邊先生からおっしゃっていただいたのを文章化していき
たいと思います。

 久道部会長
 今のはトレースしてますね?

 中島参事官
 テープもとっていますし。

 久道部会長
 村田委員は今のでよろしいんですか。

 村田委員
 はい。

 松本委員
 この前もちょっと出たんですが、財源問題で、具体的に対応してもらうようにお願い
したいと思うんですが。

 中島参事官
 健康づくりについては、釈迦に説法で町長さんに申しわけないんですけれど、ヘルス
アッププランとして550億円相当が確保されているはずなんです。総務省の方で地方交
付税措置の中で550億円相当は健康づくりに使うべきだという形でされています。我々
としてはそこを有効活用していただければ大変ありがたいと思っている次第でございま
す。

 北村委員
 それは書けない?

 中島参事官
 どういうふうに書けばよろしいでしょうか。

 北村委員
 「総務省の地方交付税の活用を考えること」とか。

 中島参事官
 ただ、あえて言わせていただくと、総務省さんなんかとお話をすると、550億円の枠
があるけれども、実際に550億円が健康づくりに使われているのかというところの問題
が実はあるようなんです。地方交付税の中に点線を入れて、これは健康づくり相当分で
すよとお配りしているものが、そのとおり健康づくりに使われているのかどうか議論が
ありまして、北村先生がおっしゃったように、550億円が多いのか少ないのかという議
論をここでしっかり書き込むべきだとすると、かなりそこから議論しなければいけな
い。550億円どおり使っていないじゃないかということをもしここで書くにしても、地
方交付税の性格として、そこは基本的には自治体の首長さんの責任でおやりいただくこ
とになるものですから、550億円がきちっと使われていなくてどこかに流れているじゃ
ないかということも一概には言いにくいような気がします。書くことにはやぶさかでは
ないんですが、書くためにはかなり550億円の使い道とか、経緯とかをじっくりこの部
会で御議論いただかないと、簡単には書き切れないなという感が事務局としてはしてお
ります。

 久道部会長
 私も、書いてもその効果がそう見えるわけではないと思います。むしろ、今の各自治
体の首長さんの裁量の問題があるわけですので、ただ、その550億円があるかどうかと
いうことを、あるいは意識しているかどうかという問題もありますよね。それから、松
本委員がおっしゃったように、なんぼきているかわからないというのが実態だと思いま
す。ですから、補助金と違いますので、そういう意味では、この報告書の中に金額も含
めて、交付税措置された財源を活用すべきだというふうな言い方は、余り書く意味もな
いような気はするんですが。どうでしょうか。

 中島参事官
 三位一体改革の中では、補助金、交付金というのを一般財源化していただきたいとい
う、知事会、市長会、町村会としての強い御要請も一方であるというところも時代の流
れとしてはあります。

 久道部会長
 高橋委員、どうぞ解説してください。

 高橋(滋)委員
 今のでもう結構です。

 久道部会長
 どうぞ。

 澁谷委員
 先ほどのですけど、例えば7ページの下のところに、「個人の取り組みを支援する社
会全体としての」というところがあるんですけど、そこのところのフレーズの最後でも
いいんですけど、「関連産業界にとどまらず、産業界全体がその役割を果たすことが国
民運動化には重要である」とか、そういうような文言を入れていただけるといいかなと
思うんですね。
 それからもう1つは、その関連で18ページのところですと、「行動変容のための、科
学の保健医療の現場への応用普及も今後の課題である」というようなことを追加してく
ださい。

 久道部会長
 18ページのどこに入れるんですか?

 澁谷委員
 最後でもいいんですけれども、戦略的展開という中に、文章の流れを壊さないという
ことで、「行動変容のための、科学の保健医療の現場への応用普及も今後の課題である
」というような内容のことを入れていただけるといいかと思います。

 中島参事官
 1つ目のところで、7ページの最後に、「個人の取り組みを支援する社会全体として
の環境整備」のところに、直接健康にかかわるような産業だけじゃない、全体的なとい
うところについては、そういう方向で直す文言があるのかなと。
 それで、18ページの国民運動の戦略展開の最後にということですか?

 澁谷委員
 ここがいいのか、要するに国民戦略としてのポピュレーションアプローチという全体
の話だと思うんですけれども。

 中島参事官
 そこは12ページのところ、11ページから基本的な方向性として四本柱を書かせていた
だいているところの2で、「科学的根拠の不断の集積」というところで、「絶えず新し
い科学的知見を不断に集積し、必要に応じ適宜見直しを図っていくことが重要」なんだ
ということの柱の1つとしては、ここのところでより強調して書かせていただいている
つもりではあるんですが。

 澁谷委員
 ただ、医学という視点だけじゃなくて、社会学的なというか、この科学というのはど
ちらかというと医学的な知見ということに重きを置いた意味かなと思いますので、いろ
いろな科学があると思いますので、広めていくとか続けていくということを考えると、
もう一度必要ではないかなと思います。

 久道部会長
 この「科学的知見」は必ずしも医学という意識はないんじゃないですか。

 中島参事官
 ないです。

 久道部会長
 僕もそう思ってたけど。

 高橋(滋)委員
 前回、アウトソーシングの問題についていろいろ先生から出て、私も申し上げました
が、それについて27ページ等で詳しく書いていただいたことについてはお礼を申し上げ
たいと思います。その上でいろいろと中身について真剣に議論されているところを、や
や浅薄な制度論を申し上げて申しわけないんですが、3点申し上げたいと思います。
 1つは、地方分権の関係で先ほども議論に出ましたが、23ページのところです。確か
にがん検診について交付税化して検診率が下がっているというところは非常にゆゆしき
事態であると思いますので、こういう表示を残すことは必要だと思います。ただ、現行
の制度の中でできることがないのかという話があると思います。例えば自治事務につい
ても、是正の勧告という手段があるわけでありまして、それは地方自治法上は公権力の
行使と位置づけられていて、これについては遵守義務が法的にあるということですの
で、ほんとに腹をくくってやるんだったら是正の勧告という手段も残されているわけ
で、私が申し上げたいのは、こういうことを各がん検診対策本部で検討していただく中
でも、現行制度の中でできる可能性も含めて御検討いただくというところを、文言とし
て加えていただければいいのではないかと思います。
 それから第2点ですが、これは非常に瑣末なんですが、「都道府県の地域健康計画の
見直し」という表現が出ておりますが、見直す主体は都道府県自体でありまして、国の
審議会として「見直す」という表現はいかがなものかと思います。そういう意味では、
「都道府県計画のあり方を見直す」というところにワンクッション置いていただけれ
ば、都道府県の自主性に対する配慮が出てくるのではないかと思います。これは具体的
には26ページあたりにいろいろと「都道府県計画の見直し」という表現が出ております
ので、御検討いただきたいということでございます。
 それから第3点でございますが、きょう御欠席の神田委員からも都道府県代表という
ことでペーパーが出ておりますが、私自身は1の点、「都道府県や関係者間の調整を円
滑に行うことができるよう、制度上明確化してほしい」という話ですが、私自身は、健
康増進法の中でガイドラインをつくれば、これは法的拘束力がありますので、これはそ
れでいいのかなという気もしておりますが、ただ、実際にやらされる側の都道府県代表
の方がこういうことを言っておられますので、例えば、明確に都道府県の権限規程とし
て、調整に関する規程を入れるなどの法的措置もあり得るのかなという気もいたしま
す。この辺は厚生労働省の御判断でございますが、健康増進法の改正措置も含めてとい
ったようなことも、例えば26ページの下から3行目、「国は」の後ろに入れていただく
可能性もあるのかなと思います。ただ、これは厚生労働省の御判断ですので、私が必ず
入れなければいけないという趣旨ではございません。以上、よろしくお願いいたしま
す。

 久道部会長
 どうもありがとうございます。どうぞ。

 中島参事官
 ありがとうございます。23ページのところで、現行制度内での努力も含めてというこ
となんですが、ここはちょっと省内で検討させていただきます。がん検診を担当してい
る局の本音としては、現行制度の中で可能なことは極力やっているという認識もありま
すので、ここはがん検診をやっている部局と相談させていただければと思います。
 2点目、「健康増進計画の見直し」という中に、「あり方」を入れるべきというのは
おっしゃるとおりだと思います。「健康増進計画のあり方の見直し」ということに直さ
せていただきたい。
 3つ目、県が総合調整をする際に、それぞれの関係者が協力してもらうためには、そ
れぞれが果たす役割を制度上明確にしてくださいということについては、完璧ではない
わけですけど、健康増進法上、健康増進事業実施者という概念があって、健康増進事業
実施者等に対しては、健診等を行う際には健診指針というもので一定の行為規範的なも
のを定められるという形になっておりますので、その限りにおいて一定の発言力なり調
整というものはできるのかなと思っておりますし、なおかつ、改めてこの部会で、各推
進体制ということで、24ページ以下で、「国、都道府県、市町村、医療保険者等」とい
った形での役割をもう一度書かせていただいたことも踏まえて、今後健康増進計画のあ
り方の見直しの中で検討させていただければと思います。

 久道部会長
 はい。ほかに。

 石井委員
 先週末までに意見出しというのを忘れていたわけじゃないんですが、2点ほど意見
を、2点ほど御質問があるんですが、細かい話ですが、13ページと15ページのところ、
13ページの一番下の○のところで、「バランスのいい楽しい食事や、日常生活の中での
適度な運動」というのがあるんですが、「バランスのいい食事をよくかんで」というよ
うな、あるいは「よくかんで楽しい食事」というように、ブレスローの健康習慣の中に
もきちんと入っていますので、生活習慣というところでは一番コストのかからない健康
づくりの1つかと思いますので、15ページの真ん中のところにも同様の表現があります
ので、「よくかむ」という表現を入れていただければと思います。
 それともう1つ、17ページのたばこ対策ですが、ここで成人対策ばかりでなくて、未
成年者の喫煙者というところでは、私どもが未成年の喫煙者を把握するということでは
口腔を通して喫煙しますので、私どもの重要な役割だというふうに認識しております。
そういう意味では18ページのところにも、20~30歳代の女性の喫煙値が高いというとこ
ろも含めて、特にこの年代の女性はエステティックデンティストリーという視点から見
ても、歯科から喫煙者に対してのポピュレーションアプローチにおいて、医科との連携
も図りながら、ハイリスクアプローチも視野に入れた効果的なプログラムを提示するこ
とが必要となるという、そういうところが少し入ればいいかなと思います。もし必要で
あれば後で詳しく出させていただきます。
 それから質問なんですが、24ページの「生活習慣病対策の推進体制」のところです
が、保険者による保健事業を強化するということは妥当だと思うんですが、歯科保健事
業については、老健事業の中で市町村が実施するというものはあるんですが、保険者に
よるものとしてはほとんど実績がないという現状がございます。また、職域にあっては
皆無に等しいという現状でございます。こういう中で、生活習慣病対策としての歯科保
健事業の実施体制がどのように担保されるのかということが1点と、少し戻っていただ
いて20ページのところ、「健診機会の段階化と保健指導の階層化」というところです
が、基本的な健診から詳細な健診への流れというのは理解できるんですけれども、この
流れの中に歯科健診が入るのかということ。包括的ということになるのか、また歯周疾
患ということが選択メニューの1つになってしまう危険があると思いますので、その辺
をちょっとお聞かせいただければと思います。

 中島参事官
 御指摘はごもっともなんですが、例えば13、15ページで強調したいのは、運動と食事
というところの飾り文句として入れているわけで、そこに「かむ」ということを入れる
か入れないか、改めて検討させていただきたいと思います。
 それから18ページも、20~30代の女性の自主的な禁煙の試みを積極的に支援するとい
う際に、歯科医療サイドからのアプローチというのも必要だと思いますが、例示を書く
場合に、必ずしも歯科医療のアプローチだけじゃなくて、ふだんの一般的な医療の中か
らとか、栄養指導の中からの、いろんなアプローチの中の一環として禁煙でやっていく
ということもあるので、歯科だけを特出しにして具体的な例示で、禁煙支援というのは
歯科からのアプローチが代表例だということを書くことが果たしていいのかどうか。も
しそれを書くのだとすると、恐らく栄養指導の一環としてもやりたいという話もあれ
ば、運動指導としての一環という話もあるんだろうということもあって、決して歯科の
重要性を否定しているつもりではないわけですが、そういう問題がございます。
 それから、医療保険者による保健事業の強化のあり方、健診機関の段階化の中での歯
科の位置づけについては、これはまさに今後検討させていただくという中で考えさせて
いただきたいと思っておりまして、当然我々としては、これまでの部会で先生から御提
示いただいたようなことはしっかりメモにもとっておりますし、そういうことも反映さ
せながら中身を詰めていきたいと思っております。

 加賀谷委員
 20ページの(3)ですが、第2パラグラフのところです。健診のときに意見を申し上
げましたけれども、動くことができる体を持っているかどうかという、介護につながっ
ていくことでもありますし、生活習慣病予防のための運動ができる体が確保されている
かどうかという、そういうチェックが必要だろうという意見をお出ししたと思います。
もし御理解いただけるならば、第2パラグラフの1行目から始まる「生活習慣病の把握
」の次に、例えば、「生活機能維持に必要な運動機能の把握」というような文言を入れ
ていただければいいんじゃないかと思います。
 それから、「問診による」と、ここに方法を限定しておりますけれども、限定しない
でいいのではないかと。「問診による」を取って、「生活習慣や生活機能維持に必要な
運動機能の把握」というようなことを入れていただければ、85歳までアクティブなとい
う指針には生かせるのではないかと思います。以上です。

 中島参事官
 運動の方はちょっと検討させていただきたいんですが、確かに高齢者で介護予防とい
う点を軸に置くと、運動機能というものは当然出てくるんでしょうけれども、40歳未満
を健診の新たな対象にして、生活習慣病予防の観点からこの文章は書いているので、あ
えて運動機能というのを特出しすることがいいのかどうかというのが1つございます。
いずれにしても、検討させていただきます。
 それから、「問診」という言葉を落とす、これは恐らく生活習慣病の健診・保健指導
のあり方の報告書の趣旨から外れるのかなと。すなわち、問診をやることを通じて個人
がみずからの生活習慣を省み、それが動機づけ支援につながるので問診というものが大
変重要なんだということを強調しておられた中間取りまとめだと思っておりますので、
この「問診」というのはキーワードなのかなと我々事務局は受けとめておりますので、
これは残したいなという感じがしております。

 加賀谷委員
 最初の、介護予防の段階になって運動機能をチェックしたのではもう遅いわけで、そ
ういう意味で今回の健診の中に、年齢はどこからでも構わないですし、どういうやり方
でやるかはいいと思いますが、そういう視点があったらいいなという意見です。

 久道部会長
 それは検討すると。

 北村委員
 大変細かいことなんですが、21ページの(4)の上から5行目に、「押しつけではな
い」と断ってあるのは大変奥ゆかしい書き方ですけど、指導される側にとっては、指導
されることは押しつけられることであって、どういう意味で押しつけではないという言
葉が必要なんですか。

 野村保健指導室長
 今までの保健指導は、ややもすると情報提供や、こういう方向で生活をしていったら
よいというような、専門家にとって必要だと思われることを伝えるというような保健指
導をやってきたのではないかと思っております。それですと生活習慣の改善にはつなが
りにくいので、指導を受ける側が、自分はこうしたいんだというような主体的な判断を
するようなことが生活習慣の改善につながる大事なポイントだと考えられておりますの
で、そういう意味で「押しつけではない」ということを強調して書いたということでご
ざいます。

 北村委員
 これは強調するためにあえて入れていると。

 野村保健指導室長
 今まで多くの保健指導でやられてきたことを変えていくという意味で、こういうポイ
ントを押さえておいた方がよろしいのではないかなと思ったところです。

 北村委員
 押しつけずに指導は難しいかもしれないけどね。わかりました。そういう専門的な感
覚があるんだということはわかりました。

 久道部会長
 木村委員、何かないですか。

 木村委員
 特にありません。

 久道部会長
 加藤委員、いかがですか。あ、坂本委員、どうぞ。

 坂本委員
 今の「保健指導」なんですけれども、今回の報告書の議論にはならないと思っている
んですが、また法律で決まった言葉ですのでなかなか変えるのは難しいと思うんです
が、今回の議論のように保健指導のあり方は変わってきていると思うんです。しかし、
この言葉は「押しつけではなく」という説明をしなきゃいけない言葉になっていると思
うので、これから指導のあり方を考えられるときに、言葉自体も考えていただけるとい
いかなと思います。
 それともう1つは、「健診」と書いてあるんですが、これは「健康診断」が普通じゃ
ないかと思うんですが、あえて「健診」としてあるのは何か……「健康診断」が正式な
名前じゃないですか?

 中島参事官
 ちょっと詰めさせていただかないといけないのですが、「健診」というのは、一般的
な名称で「健診」と使っています。法令上は健康診査と言っている場合もあれば、健康
診断と言っている場合もあるようなので、そういうものを一般的なくくりとして「健診
」と呼ばせていただいているつもりです。

 新道委員
 冒頭に申し上げましたけれども、16ページのプログラムの提示の標語ですが、「最後
にクスリ」のところを、中間取りまとめは健診の重要性ということをとても強調してあ
りますので、「しっかり禁煙、まずは健診」とか、「健診」という言葉を出せないでし
ょうか。もう一度申し上げます。
 それから、「保健指導」という言葉を使うのは大変慎重にしなきゃいけないと思って
おりますので、もし今後そのあたりの見直しがありましたら御検討いただければと思い
ます。以上です。

 中島参事官
 1つ目の、健診の重要性を決して否定しているものではなくて、16ページのスローガ
ンは、本部会での御議論でもポピュレーションアプローチのスローガンとして掲げさせ
ていただいているわけで、そういうことで本部会で御了承をいただいたものだと思って
おります。健診の重要性は否定していないので、19ページ以下、そういう観点から健診
の中身も仕組みも見直すというところで考えておりますので、もしここに「健診」を入
れるとすると、また大きくガラガラになるのかなというのが1つであります。
 それから2つ目は、これは今後の検討ですが、健診と保健指導といったものを一連の
流れとしてとらえていくということが大変重要だということを、この報告書にもそのよ
うな精神で書かせていただいていますから、そういう意味では、健診、保健指導といっ
たものを一連の流れとしてとらえた場合に、どういうワーディングなり、どういう考え
方でそれをとらえていけばいいのかという中で、もし「保健指導」という言葉が余りに
も上下的なものがあるというのであれば、そういう中で今日御提示いただいた御意見を
踏まえて検討していくことになるのかなと思っています。

 渡邊委員
 ちょっといいですか。「最後にクスリ」という点ですけど、今はメタボリックシンド
ロームや糖尿病の人はほとんど薬で治そうと思っている人が圧倒的なんですよ。そうい
う概念を変えて、まずは運動、食事でということなので、ここはやはり薬を残さないと
全体の枠組みが崩れてしまうと思います。
 それからもう1点、先ほどの「押しつけではない」というところですね。こういう書
き方をすると、今までは押しつけをしてきたみたいな感じがより強く出てしまうので、
例えば、「本人の行動変容への動機を支援する」とか、要するにイニシエーションした
人を応援するというのが一番大事なわけですよね。その部分がポジティブに出るような
書き方の方がいいかなと思います。

 野村保健指導室長
 ありがとうございます。そのような方向で整理したいと思います。

 久道部会長
 ほかにございませんか。富永委員、何かございませんか。

 富永委員
 特にはないのですが、ちょっと迷っていたことで1つ申し上げますと、たばこ対策、
17ページ、18ページでございまして、最後の6行、これは前回指摘していなくて、今回
もう一度どうするかと迷った点でございます。「なお、平成14年12月25日の」となお書
きで追加されておりまして、その1行上の、「国民全体の喫煙率の低下を目指すべきで
ある」、これに追い打ちをかけているんですけれども、時系列的にいいますとこれが最
初にきまして、特に重要なのは本年2月にたばこ規制枠組み条約が発効した。それでこ
の部会で議論したことを記述していって、最後の6行を冒頭に持っていったとすれば、
最後に「喫煙率の低下についての新たな数値目標の設定の検討も含め、国民全体の喫煙
率の低下を目指すべきである」ということで、重要なのが最後にきていいなと思ったん
ですが、こういうふうになお書きで強調するのもいいなと思って迷った上、これでもい
いかと思ってるんですが。

 中島参事官
 今の富永先生の方向で、「なお」を最初に持ってきて時系列的に直します。

 久道部会長
 その方がいいですね。じゃあそのように。中村委員、何かございませんか。

 中村委員
 先ほどから、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」というスローガ
ンの中に「健診」を入れたらどうかという御意見がありましたが、僕はちょっとそれは
余り的を射た意見ではないのではないかなと思っております。というのは、今回の中間
報告は、健診と保健指導というのをきちっと分けて議論して、健診はやられているが保
健指導は余りやられていないので、保健指導を十分やっていこうというのが趣旨なので
はないかなと思っていまして、このキャッチフレーズは保健指導の具体的内容を表示し
た話であって、この中に概念の違う「健診」をまた入れたら話がおかしくなるのではな
いかなと思っておりますが、いかがなものでしょうか。

 久道部会長
 意見は集約しているような感じはしますけども、新道委員、よろしいですね。

 新道委員
 はい、わかりました。

 久道部会長
 ほかにございませんか。どうぞ。

 富永委員
 全然別のことなんですが、16ページの(3)、「1に運動、2に食事、しっかり禁
煙、最後にクスリ」、これは私は折に触れていろんな機会に既にPRしているんです
が、最初に提案されたのは「5にクスリ」になっておりまして、前回8月29日のポスタ
ーも「5にクスリ」になっていました。3、4がないからという問題になってこういう
ふうに変わったのかなと思ってるんですけど、きょう見直しますとこれでもいいかなと
思うんですが、何かこれは考えがあって「最後にクスリ」に変えられたんでしょうか。

 中島参事官
 ここで決めていただければ大変ありがたいんです。というのは、「1に運動、2に食
事、しっかり禁煙、5にクスリ」という方が語呂はいいんです。3、4がなくて5だか
ら。ところが、このスローガンを言うと、「5にクスリ」だから、1から5がパッケー
ジだろうというふうにとられる方がいるということなんです。要するに、薬はやっぱり
要るんだよねと、1から5がパッケージだよねということなので、パッケージじゃない
んだと。薬というのは最後の最後なんだよという思いが乗り移ってこうなっているとい
うところがありますが、語呂としてはおかしいんです。だから、「5にクスリ」と言う
べきだということで御異論がなければ、ここもきちっと直して、「最後にクスリ」じゃ
なくて、「クスリは最後」というバージョンも実はあるんですけれども、「5にクスリ
」ということで今後周知・啓発は徹底してきたいと思いますので、「5にクスリ」とい
うことでよければそういう形に直させていただきます。

 久道部会長
 「5にクスリ」にすると「禁煙」は何番になるの?

 中島参事官
 「3、4がなくて」に対応するのが「しっかり禁煙」ということになっているんで
す。

 土屋委員
 これはしかし、番号の問題じゃなくて、まず運動が大事なんですよ、次が食事なんで
すよということを強調したくて1、2とつけただけの話であって、順番がどうこうとい
う話じゃないんじゃないですか。番号がつくほどの話じゃないんじゃないでしょうか。

 中島参事官
 原案にするか、「5にクスリ」ということにするか、普通は「5にクスリ」という方
が語呂はいいんですね。1に何とか、2に何とか、3、4がなくて5に何とかなんです
けど。そうすると薬までパッケージだととられると。だから「最後に」としていますけ
ど、そうすると言葉遊びの要素は減ると。

 渡邊委員
 あちらこちらで「5にクスリ」と言っちゃってるんですよ。そうすると3は何ですか
なんて言われるんですけど、そうではなくて、薬の5というのはとても小さいんだとそ
の都度説明しているんですけど、よく何々で3、4がなくて5が何々というフレーズが
あるわけですから、それをそのままこれに当てはめたんだということで解釈した方がい
いのではないでしょうか。語呂もいいと思いますし。

 久道部会長
 そうするとどうなるの?

 中島参事官
 「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、5にクスリ」。

 久道部会長
 ああ、そうですか。いかがですか、皆さん。

 土屋委員
 言葉遊びじゃないんですけど、これは、1にも2にも、3、4がなくて5にもう一
回、言葉的な使い方でいいますと繰り返すわけです、ほんとは。この言い方というのは
本来そうなんですよ。我々の仲間が新しく開業した人に言うのは、「1に在宅、2に在
宅、3、4がなくて5に在宅」と、ひとつのことを強調する場合に言うのであって、別
のものがくるというのはほんとの使い方じゃないんです。ですから繰り返してもう一回
強調するという意味であって、この場合は、国語的には単にもじって使っているだけで
あって、余りそれにならったことじゃなくてもいいんじゃないですか。正しい習慣的日
本語の使い方からしますと、やっぱり運動が最後にくるんでしょうけど。

 久道部会長
 これはここで決めないとだめだね。

 中島参事官
 ぜひともお願いいたします。

 久道部会長
 原案でよろしいという意見の方と、最後を5とする意見で挙手をとりますか。健康日
本の読み方のときみたいにやりますか。それでは、事務局はこれを勝手に直せないとい
うふうに考えていますので、ここでこの部分だけ、大事なキャッチフレーズですので、
きょう出された原案のままでよいという方は挙手をしていただけませんか。

〔挙手多数〕

 久道部会長
 大多数かな。大多数ですね。一応手を挙げてもらいますか。それじゃ、「5にクスリ
」というのに賛成の方はいかがでしょうか。3人ですね。それじゃ、こういうことを多
数決でやることの意味はあるかどうかわかりませんけども、判断するためにはこれしか
ないですので、一応この部会ではこの原案どおりのキャッチフレーズを使わせていただ
くということにいたします。
 きょうは割と時間がありましたのでゆったりと議論させていただきました。全員に発
言を求めましたので多分あとはないのではないかと思いますが、ちょっと忘れてたとい
うことでどなたか発言ございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、皆さんからいただいた御意見はテープにとってありますので、最終的なま
とめを座長に御一任いただければありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。よろ
しいでしょうか。皆さんの意見は十分尊重して修正したいと思いますので、よろしくお
願いします。
 それでは、今回は大分部会の回数をやりましたけれども、中間取りまとめの(案)を
とれそうな段階までまいりました。ありがとうございます。今後のスケジュールを事務
局から説明をお願いいたします。

 矢島生活習慣病対策室長
 今後の日程でございますが、次回第19回は9月26日、月曜日でございますが、15時か
ら17時を予定しております。議題については後日御連絡させていただきたいと思います
ので、よろしくお願い申し上げます。以上でございます。

 久道部会長
 それでは、これで本日の部会は閉会とさせていただきます。どうもありがとうござい
ました。

                                    (了)

○問合せ先
 健康局総務課生活習慣病対策室
 調査総務係 主藤・松浦
 電話 03-5253-1111
    内線2346・2342