05/07/26 第4回政策評価に関する有識者会議             第4回政策評価に関する有識者会議 日時:平成17年7月26日(火)10:00〜12:25 場所:富国生命ビル 28階 中会議室 参集者:(五十音順、敬称略)     稲葉 康生、梅田 次郎、篠原 榮一、高橋 紘士、田村 誠、堤 東太郎 ○高橋座長  定刻になりましたので、ただいまから第4回政策評価に関する有識者会議を開催させ ていただきます。大変お足元の悪い中、これからがどうも台風の本番のようでございま すが御出席いただきましてありがとうございます。  事務局から御報告をいただいておりますが、阿部委員、野川委員、堀田委員、森田委 員、渡辺委員が御欠席です。それから梅田委員は途中で御退席の御予定です。また井口 政策統括官も途中退席の御予定ということを承っております。  事前にたくさんの資料が参っているかと思いますが、本日は2つ議事がございます。 1つは、前回の会議でいろいろな指摘を委員の皆様から頂戴いたしました。それに対し てどういう対応しているかという御報告。それからこれが本題となりますが、平成17年 年度における厚生労働省の実績評価書(案)の段階でございますが、これについて御多 用のところ、それぞれの担当の課長さんたちにお越しをいただいております。それにつ いての御議論をいただくというのがきょうのテーマでございます。  それでは、前回政策評価に関する有識者会議において指摘をいただきましたことを、 そして、これについてどう対応してきたかについて、事務局から御説明をお願いいたし ます。 ○政策評価官  おはようございます。政策評価官の岩渕でございます。資料1に基づきまして、御説 明を申し上げます。  第3回政策評価に関する有識者会議における主な指摘事項と対応状況でございます。 先般御指摘をいただきました事項を四角の中に、その後の対応状況をその下に書いてご ざいます。  第1に、御指摘いただいた事項でございますが、『数値目標が少ない。いついつまで に何をするかというマニフェストのようものが必要ではないか』という御指摘を頂戴い たしました。対応状況でございますが、17年度実施の実績評価から、実施対象、全部で 108の施策があるわけでございますが、そのうち数値目標を有する施策を昨年度は15し かなかったのですが、今年度から57に増やしたところでございます。  2つ目の御指摘は、評価結果の分類が『「(1)目標を達成した」「(2)目標をほぼ達成 した」「(3)達成に向けて進展があった」となっているわけでございますが、この評価 結果分類は、最低でも「達成に向けて進展があった」であり、表現が甘いのではないか 』ということを頂戴しました。対応状況といたしましては、平成17年度実施の実績評価 から、評価結果分類を「(1)目標を達成した」「(2)達成に向けて進展があった」、(3) といたしまして、「達成に向けて進展が見られない」と変えまして、新たな3段階とし ました。きょうお配りしております評価書(案)につきましては、この3段階で整理を したものでございます。  それから3つ目の御指摘事項といたしまして、『「公益性がある」=官が行う、とは ならないはずであるなど、事業評価書の官民の役割分担の記述があいまいであり、NP OやPFIの可能性をどこまで真剣に考慮しているか疑問がある。評価書の記述はお手 盛りになっているのではないか』ということでした。対応状況でございますが、平成17 年度実施の事業評価から変更いたしまして、これ事業評価書でございますので、きょう お配りしている実績評価書とは別になるわけでございますが、従来「公益性の有無」欄 というのがあったのですが、そこを「行政関与の必要性」の欄に改めまして、端的に官 民の役割分担の観点から記載することといたしております。事業評価書につきまして は、8月末の概算要求までに作成・公表するということになっておりまして現在作業中 でございます。8月末には新しい様式で公表する予定でございます。  4つ目の御指摘は、『評価書について、第三者や国会のチェックが必要』ということ でした。対応状況といたしましては、平成17年度実施の実績評価から、国民の関心が高 い施策について、公表前に有識者会議の御意見をお伺いすることといたしまして、本日 こういった場を設けさせていただいたわけでございます。なお、国会に対しましては、 各府省における政策評価の実施状況などを総務省がとりまとめて報告しておりまして、 実際に評価書について国会でも質疑などがなされているところでございます。  以上のほか、省内におきまして予算編成と評価の連携の強化というのが、今年度から かなり評価されて進めているところでございます。  2ページにまいりまして、【今後の課題】がございます。今年度の評価書作成には必 ずしも反映できなかったものでございますが、今後引き続き改善してまいりたいと考え ている事項であります。  指摘事項、『厚生労働省の施策は定量的な目標が立てにくいものも多いので、定量化 ・数値化も重要だが、それに代わる明確な定性的な目標も考えるべきではないか』とい う御指摘でした。対応状況といたしましては、数値目標化が困難な目標については、目 標達成のための具体的手段や、より細かい目的を書き加えることによって、より明確な 目標とすることを引き続き検討する。ということで、例えば改善した例ということで2 つ書いてございますが、適正かつ安定的・効率的な医療保険制度を構築することの実績 目標について、従来、「医療保険財政の安定を図ること」と書いてございましたもの を、『保険者の再編・統合や医療費の適正化を通じて、医療保険財政の安定化を図るこ と』に改めています。  年金に関しましては、「公的年金制度の安定的かつ適正な運営を図ること」を、『持 続可能な公的年金制度を構築すると』。「公的年金給付が老後生活に役立つこと」を 『国民年金および厚生年金保険について、給付と負担の均衡を適切に保つとともに、積 立金の適切な管理・運用等を図ること』というようなことでやってみているのですが、 これに関しましては引き続きいろいろ工夫しながら改善してまいりたいと思います。  それから最後になりますが、『評価の実施主体が役所だと、よい情報がなかなか出て こないのではないか』という御指摘でございました。「現在の政策評価制度は、各府省 が「自己評価」を行って、その結果を政策に自ら適切に反映することと、それから評価 書等の公表によりまして国民に対する説明責務を果たそうということを狙ったものでご ざいますので、そこの制度の枠内で、外部からの検証可能性の向上に向けまして引き続 き努力してまいりたいということでございます。以上が、先般の有識者会議で御指摘を いただいた事項に対する対応状況の説明でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。何か御質問等ございましょうか、それぞれ工夫をしていた だいておるようでございますが。稲葉委員どうぞ。 ○稲葉委員  最初の数値目標を増やされたということで、これは大変いいことだと思います。具体 的にはどんなものを数値目標にしたのか、挙げていただけますか。 ○政策評価官  実は、数を増やしたものの相当部分は「前年度を上回る実績」というのを目標にした ということでございます。絶対的な目標水準の設定は難しくて、少なくとも前年より改 善するということは目指さなくてはならないであろうという考え方に立ちまして、そう いった形で記述したというものが大変多ございます。 ○稲葉委員  そういう表記の仕方はわかりにくいと言えば、わかりにくいわけですが、じょじょに 具体的な数値に変えていくというお考えでしょうか。 ○政策評価官  可能な限り、当初から目標の水準が明確になるように引き続き改善してまいりたいと 思いますが、その第一歩として今回はそのような形で数値目標を増やすということにさ せていただきました。 ○堤委員  1ページの下のところです。以上のほか、省内において予算と評価と書いてございま す。もともとこの政策評価を行って、予算とタイトに結びついているということです が、あとの評価の結果のところを見ますと、予算と実績が過不足があったのかないのか 全然書いていないのです。当然予算に対して過不足は生じるわけです。そうするとなぜ 過不足が生じたかということの中に、いろいろな本質的な問題が出てこようかと思うの です。こういうプロセスは省内で、ここに書いてあるようなことはそのことをやろうと いうことなのか、企業でいけば財務会計、管理会計、原価管理いろいろあります。基本 的にここに書かれていることは、そういうことのプロセスをきちっとやってその本質を 追求するということなのかどうかということをお伺いしたいと思います。 ○高橋座長  これは後のことにも関係いたしますが、総論的にお願いします。 ○政策評価官  まず、ここに書いてある連携の強化の現にやっていることでございますが、17年度か ら始めたことでございますが、省庁の予算編成の作業は8月末に財務省に対して予算要 求をします。それに向けた省内の検討が4月、5月の時期から始まります。これは省内 ですと予算の査定課の会計課というところを中心に始まるわけでございますが、関係各 局がそこに新たな今年の予算概要について説明をしていくわけです。その際に、必ず前 年度の実績の評価書を、この中では(案)ですが、これを添付して前年度までどのよう な進捗があったかということを説明するという手続を今年からきちんと行っているとこ ろでございます。御指摘の中には、そのプロセスはプロセスとしても内容で予算との関 連の記述が不足しているのではないかということですので、そこは御指摘のとおりだと 思いますので、きょうこれから評価書の書き方でも具体的に御指摘をいただければ、さ らに変えさせていただきたいと思います。 ○高橋座長  ありがとうございました。これから御報告いただくこととも絡みます。では、どう ぞ。 ○堤委員  2ページ目の最後のところの「自己評価」です。第一線の声が、もちろん実行部隊の 第一線と、それから受益者である国民の声をどうやって吸い上げるかということが書か れていますが、具体的にこれだけのテーマとエリア、期間を使ってやっている事項をど のようにして生の声なり本質の声を吸い上げるかという方法論をよほどうまく考えない と大変なことではないかと思うのですが、このあたりの声を聞くというのですか、今後 どのようなことを考えられているのでしょうか。 ○政策評価官  現在のところ、評価書が出来上がった時点で、まず一つはホームページ上で公表する ということです。当省の記者会の方に資料を配付いたしまして、一部新聞報道にも取り 上げていただいておりますが、そういった形で国民に知っていただくということでござ います。中には、評価書の作成のプロセスについて資料の請求をいただいたりというケ ースも出てきておりますので、今後引き続き工夫していろいろな方々に内容を知ってい ただいて、反応を検討しながら改善につないでいきたいと思います。 ○田村委員  2ページの上、明確な定性的な目標も考えるべきではないかという指摘に対しての対 応でございますが、定量化・数量化難しいものもあるのでということですが、実際に変 えられた例を見ても、明確な定性的な目標と言えるのかどうかやや疑問があると思いま す。  保険者の再編・統合というのは、ある意味で明確かもしれませんが、ほかの「医療費 の適正化を通じて」とか、「持続可能な」というのはあまり明確でないという気がいた します。この会議で指摘されたのは、むしろ実績目標の文言というより、評価指標と言 えるかどうかわかりませんが何かしら具体的な何かをなすことについて、なされたかど うかという定性的な目標という意味ではないかと思います。例えばですが、会議をオー プンにする・議事録を作るといった、そういう数量化はできないけれども具体的なアク ションプランが評価できるというようなものではないかと思います。ということで、実 績目標レベルで変えたもの以外でこういうものはあるのでしょうか。 ○政策評価官  あまりございません。時間的に間に合わなかったという面もございまして、来年度か らもう少し時間をかけたいと思っています。 ○高橋座長  それぞれ、大変な課題を含んでいる御指摘をいただきました。伺っていて、やはり一 歩一歩着実に行くぐらいのところで御努力をいただくということで、一気にはなかなか いかない難しい課題と思いつつ、大変適切な御質問をいただきましてありがとうござい ました。  それではきょうの本題に移らせていただきます。平成17年度におけます実績評価書 (案)が出ておりますので、きょうは幾つかの事業について直接御担当いただいている 部局からお出ましをいただいております。まずは概括的に評価官の方から説明をお願い いたします。 ○政策評価官  今年度から、今申し上げたとおり公表前にこの会議の御意見を伺いまして、収束を残 した上で公表するということにさせていただきたいと思います。ただ、全体で108件と 量的に多ございますので、今回、国民の関心が高い施策という観点から15件に絞らせて いただきました。さらに委員の方々から追加で御希望のありました4件を加えまして、 本日は19件の評価書(案)を用意しております。  大きく衛生分野・労働分野・福祉分野と3グループに分けまして、担当課長がそれぞ れ説明をいたしますので、それにつきまして具体的な御助言を賜ればと考えてございま す。それから会場の関係がございまして、分野別に説明者を入れ替えをさせていただき ますので関係部分の御質問があればそのときにお願いしたいと存じます。 ○高橋座長  大変膨大でございまして、1件4分程度となっております。意を尽くす時間苦しゅう ございますが、時間の制約、多様なプログラムが上がっておりますので一つよろしく御 協力をいただきたいと思います。  まずは、衛生分野から順番によろしくお願いをいたします。資料2、衛生分野の6件 でございます。それでは疾病対策課からということでお願いします。 ○健康局疾病対策課長  では、お手元の実績評価書です。施策目標をエイズの発生・まん延の防止を図ること ということでございます。  実施目標も同様に、HIV感染者・患者報告数の拡大防止ということでございます。 そのための手段として、普及啓発及び早期発見、行動変容のための検査・相談体制の整 備ということでございます。評価指標としては、3点挙げさせていただいております が、いずれも増加しているという状況でございます。  現状分析でありますが、平成16年度、参考資料にも載せておりますが、HIV感染 者、エイズ患者の報告数はいずれも過去最高となっております。とりわけHIV感染 者、新規に発症した方々ですが、平成16年は780名、うち同性間性的接触による方は約 60%ということで、大半を占めております。年代で見ますと、20代から30代の方が72%を 占めているということでございます。したがって行動変容のための水際対策としては、 10代へのアプローチが重要になってくるということでございます。  次に評価結果でございます。政策手段の有効性の評価ということですが、普及啓発活 動等の状況ですが、相談受付やアクセス件数の増加などから見ますと一定の成果があっ たのではないかと判断しております。しかし政策手段の効率性の評価ということでは、 新規感染者の大半が20代以上を占めているということを考えますと、夜間・休日検査や 迅速検査といった利便性を持った対応をし、発見の効率性を高めているということに努 めております。また、20代、30代前の予防対策、10代へのアプローチですが、文科省と 連携いたしまして学校におけるエイズ予防教育の普及等を実施しております。なお、同 性愛者対策につきましては、平成16年当時は施策として打っておりません、平成17年度 から事業化をしています。その間は、研究事業としてどのような手法が妥当かというこ とで検討していたわけです。  総合的な評価でございますが、HIV感染者、エイズ患者の報告数の増加ということ であります。これらについては平成16年度の施策の時点では、必ずしも十分な状況でな かったと考えておりまして、効果的な施策の追加が必要であるということです。したが いまして、特記事項に書いてございますが、現在「後天性免疫不全症候群に関する特定 感染症予防指針見直し検討会」を設置し、エイズ予防対策を総合的に見直しているとい う状況でございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございます。衛生分野について一渡り御報告をいただいてから質疑応答と いうことにさせていただきます。それでは臓器移植対策室長さん、一緒で。 ○健康局疾病対策課長  私の方から。では4ページおめくりください。施策目標は、適正な臓器移植の推進等 を図るということでございます。  実績目標につきましても、臓器移植法に基づく適正な臓器移植の普及・啓発を図ると いうことでございます。その手段でございますが、国・地方公共団体のほか、眼球以外 の臓器については日本臓器移植ネットワーク、眼球についてはアイバンクでして、これ らの関係機関ともども普及・啓発に当たっているということであります。とりわけ平成 16年ですが、全国の中学校の3年生に対して、普及啓発パンフレットを作成し配付した ということでございます。  評価指標として2点掲載しております。いずれも累積数としては増加している状況で す。5ページに移りまして実績目標、造血幹細胞移植の普及・啓発を図るということで ございます。実績目標を達成するための手段でございますが、骨髄移植につきまして は、骨髄移植推進財団。さい帯血移植につきましては、さい帯血バンクという機関がご ざいます。これらと国、県が連携しながら普及啓発に当たっているということでござい ます。評価指標ですが、現在、骨髄提供の登録者数、骨髄移植の実施件数については御 覧のとおりの状況でございまして増加傾向にあるという状況です。  これらにつきましての現状分析は、臓器提供意思表示カードについては累計約1億枚 に達しております。しかしながら臓器移植につきましては、臓器を待つ人に比べて年間 の移植実施件数は少ないものとなっておりまして、これが課題となっております。一 方、骨髄移植につきましては、ドナー登録とそれを受ける患者、レシピエントのHLタ イピングは97.4%となっております。  評価結果でございますが、政策手段の有効性ということについて、臓器移植提供意思 表示カード・シールを所持する方の増加、すなわち臓器移植に関する意思表示を行う方 の増加に繋がるということでございます。現在のカード・シール等の累積数について は、平成16年度においても増加しているという状況でありますし、造血幹細胞移植につ きましても、平成16年度新規骨髄提供希望登録者数についても増加している。また、保 存さい帯血公開個数ということですが、このような提供個数についても、当初目標を2 万個の保存ということでしたが、これについての数値が達成されております。  効率性の評価ですが、やはりこういう事業について関心を持ってもらうということが 重でございますので、カードの備え付け場所等についても警察や郵政公社等身近に入手 できるような体制に気を配っております。造血幹細胞移植につきましては、登録の確度 を高めていく方式が重要だと思っておりまして、この場合は単独でドナーを募る場合あ るいは献血と場所を同じにして、献血並行型で登録会をやることがございます。できる 限り献血と並行して行う方式に変えることによって登録者数を高めていくという状況で ございます。さい帯血につきましては、先ほども御説明いたしましたように目標数が達 成されているということもありまして、現状の水準の維持に努めていくということでご ざいます。  総合的な評価でございますが、これらの普及啓発については一定の効果があったので はないかと考えております。特記事項は、各指摘事項等ございましたがこのような状況 を記載させていただきました。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございます。それでは引き続き、医薬食品局の審査管理課長さん、よろし くお願いいたします。 ○医薬食品局審査管理課長  審査管理課でございます。私からは、医薬品と医療機器の審査の関係につきまして御 説明させていただきます。  私どもの施策目標としましては、品質・有効性・安全性の高い医薬品・医療機器を国 民が適切に利用できるようにするということで、有効性・安全性の高い医薬品・医療機 器の迅速な承認手続きを進めるということです。企業等から提出されましたデータを、 迅速に適切に評価をしていくことが目標ということでございます。  その関連で、政策目標に関する実績の状況で目標としましては、1つは新薬、新医療 機器につきまして、疾病の重篤性とか医療上の有用性に非常にいいものだというものの 場合には、優先審査を進めるということがございます。これは欧米諸国でもプライオリ ティレビューという形でやっておりますが、そういうものを進めるということです。こ れにつきましては、昨年2月に、その取扱い等の明確化・透明性の向上を図るための通 知を出しまして、このあたりを明確化しております。それからそれを処理するための体 制ということで、現在審査の実務の部分は平成9年から外に出ていたわけですが、昨年 4月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構が設立されまして、体制の整備が行われて いるという状況でございます。そこで担当者の増員等も行われている。それから、質の 向上を図るための研修等も行っております。そういう状況でございまして、優先審査承 認件数の割合、新薬等の申請件数等につきましては、かなり年によって波がございます が優先審査の承認件数の割合については一定以上のレベルを確保しているものと考えて います。それから優先審査の適用品目につきましては備考の部分に書いてございます が、事例を挙げますと例えば抗がん剤、肝炎の薬といったものにつきましては優先審査 の対象になるケースが多いということでございます。  実績目標2でございますが、標準事務処理期間内、これタイムクロックと言っており ますが、その期間内に処理をするということで、先ほど申し上げましたように独立行政 法人を設置し、担当者の増員、質の向上を図るとともに事務処理期間を決めておりまし て、新薬につきましては8ページの下に書いてございます。医療機器につきましては9 ページの上の方に書いてございます。  最終的な中期目標の終了後ということで、平成20年度には新薬はここに書いてあるよ うな数字、新医療機器につきましてもここに書いてある数字ということでございます。 もう少し下の方に、(参考)で、現状平成16年、新医薬品の審査期間(中央値)という ことで、平成16年8.6月、新医療機器12.7月といったような形になっております。医療 機器につきましては、若干伸びたという形になっております。  実績目標3でございます。これは医療機器の関係でございます。医療機器につきまし ては審査のリソースの問題、それから欧米での規制の状況等を鑑みまして、リスクの低 いものにつきましては基準を定めてアウトソーシングしていく、第三者の認証にしてい くと決めております。これが今年4月から始まっております。厚生労働大臣の承認を不 要として第三者認証機関による認証基準適合性を審査する制度を始めたということでご ざいます。この認証を実施していくための基準につきましては、昨年度末までに363策 定をしておりまして、第三者認証機関も認定を幾つかしておりますが、まだ始まったば かりということで第三者認証での実際の品目はでていないという状況でございます。  評価につきましては、9ページから10ページに記載がございます。先ほど申し上げた ようなことを中心に書いてございます。ただ、ここで独立行政法人の増員が十分図られ ていないというところがございまして、一部の事務処理に少し時間を要しているところ があるということでございます。  評価結果としましては、10ページにございますが、基本的には平成16年度は新薬につ きまして平均事務処理期間8.6月で49件の承認。この中には、抗がん剤等で注目される ものもあったと考えております。それから政策手段の効率性の評価につきましては、先 ほど申し上げました優先審査の選定の考え方、チーム審査の実施、先ほど申しませんで したが外部の専門家の活用といったようなことも図っております。低リスクの医療機器 については、アウトソーシングといったことも進めてきているということでございま す。  総合的な評価としましては、審査体制につきましては欧米の審査体制を参考としまし て整備を図りつつあるところでございますが、まだ十分な要員が確保されたとはいえな いということで、今後とも独立行政法人医薬品医療機器総合機構の中期計画が達成され るべく努力をしていくということ。それからリソースの制約がございますので、審査担 当者の確保に努める。審査体制の強化を図ると同時に、医療機器の関係でございますが 第三者認証制度の活用の推進等による効率化も図っていくというふうに考えておりま す。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございます。それでは、引き続きまして1−9−II、医政局経済課長さん お願いします。 ○医政局経済課課長  医政局経済課長でございます。経済課は医薬品・医療機器の流通改善を図ることとい う施策目標でございます。施策目標に関する実績目標でございますが、まず取引慣行の 改善による公正な競争を実現することでして、流通改善のための指導や、業界に対して の法令の周知徹底を支援するということでございます。評価指標としましては、不公正 な競争の事案数という数値がございます。年によりまして、大規模な不公正事案があり ますと増えたりしますが、徐々に減ってきているといった状況かと思います。  それから実績目標2でございますが、流通の効率化・合理化を促進することでござい まして、医薬品につきまして、医薬品コードの標準化を図る。医療機器につきまして、 やはりコードを使いまして流通の全過程をそのコードをもって管理をする。そういった ことを進めていこうといことでございます。評価指標といたしましては、平均の流通コ ストの数値がございます。医療機器につきましては、長期の指標がありませんが少しず つ流通コストが下がってきているといったところでございます。  評価の現状分析でございますが、不公正の競争事案は依然として一部にございます。 医薬品の流通につきましては、コードというものの標準化を図りまして受発注システ ム、在庫管理の効率化を図る。それからまたその医薬品がどこの病院に行って、どこで 実際に使われているかトレースアビリティといった観点からコードの標準化を図ってい るわけでございます。医療機器につきましては、医薬品よりも種類がものすごく多ござ いまして、コード化が図られていないといったことがございます。これにつきまして は、きちっとコードをつけて流通管理ができるようにしていくといったことを進めてい るわけでございます。  政策手段の有効性でございますが、流通コードをつけることにより流通が改善をして いくということの評価となると理解しております。  総合的な評価としましては、いずれも医療保険財政の悪化、医薬分業の進展あるいは IT化の進展等いろいろ流通を取り巻く状況の変化がございますので、流通コストが4 年連続で減少しているといったことが、コード化の推進ということにより進んでいるの ではないかと考えております。また、昨年12月、「医療用医薬品の流通改善に関する懇 談会」を私どもで設けておりまして、そこで「中間とりまとめ」がございました。そこ で例えば不公正な取引の例として未妥結・仮納入、要するに価格を決めないままの取引 慣行がございます。そういったものの減少に向けての取組みといったことの提言を受け てございます。そういったことで少しずつ不公正な取引についての改善が進んでいって いるものというふうに理解をしております。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続き2−1−III、食品安全部基準審査課長さんお願 いいたします。 ○食品安全部基準審査課長  食品安全部の基準審査課長でございます。施策目標といたしましては、食品添加物の 規格基準や残留農薬基準の整備等を通じ、食品の安全性の確保を図るということでござ います。そのための実績目標1として、食品添加物の中で化学的な合成品ではなく天然 のもの、これを既存添加物と呼んでおります。それの規格すなわち不純物の限度等を示 したものでございます。その規格を17年度までに120まで増加させるということでござ います。そのための評価指標でございますが、まさしくその規格の数という形になるわ けでして、数年に1度改正をするということで17年度の改正に向けた作業を進めておる ところでございます。実績目標2が、食品に残留する農薬のポジティブリスト化を図る というものでございます。すなわち農薬の基準が定められていないものについては、原 則流通を禁止すると。今まで基準がないものは原則自由の世界でございましたが、これ を180度転換をし、原則禁止をしようということでございます。そのために基準の整備 を図る、あるいは暫定的な基準を制定していくということを評価の指標にしておるとこ ろでございます。このポジティブリスト制度というのはアメリカでは既に導入されてい ますし、EUでも本年3月に導入されることが決められたところでございます。  16ページでございます。評価の項で現状分析でございますが、食品添加物の規格につ いては、15年8月に学識経験者による検討会を設けて本格的作業の開始しております。 現段階で、この検討会はほぼ終了しまして、既存の72にプラスをして約60、合わせて 130程度の規格の追加をするということで、この夏に報告をいただくということにして おります。その報告を受けた後、食品安全委員会あるいは薬事食品衛生審議会での議論 をさせていただいて、この目標どおりに17年度達成をしたいと考えているところでござ います。  一方、農薬でございますが、本年5月現在で246について基準を設定しております。 これ以外にポジティブリストを導入するための暫定的な基準としまして、15年10月に第 1次案を示す。16年8月に第2次案を示し、最終的にこの6月に最終案を示して現在パ ブリックコメント及びWTO通報をしておるところでございます。11月に告示をし、来 年5月には実施をしたいと考えているところでございます。  評価結果、政策手段の有効性でございますが、繰り返しになりますが添加物について は学識経験者の検討会を通じてやっておると。農薬についても今申し上げましたとお り、本格的な基準あるいは暫定的な基準を進めてきているところでございます。  効率性でございますが、現在添加物につきましては、約60追加をすると、合わせて 130程度追加をしたいということで進めているところでございます。  総合的な評価といたしましては、ほぼ達成できるような状況に来ているのではないか というふうに考えている次第でございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは引き続き2−2−Iになります、医薬食品局監視 指導・麻薬対策課長さんお願いいたします。 ○医薬食品局監視指導・麻薬対策課長  監視指導・麻薬対策課長でございます。18ページを御覧いただきたいと思います。施 策目標といたしましては、国民、特に青少年に対し、薬物乱用の危険性を啓発し、薬物 乱用を未然に防止することとなっております。  施策目標に関する実績の状況で実績目標1でございますが、薬物乱用防止キャラバン カーについて稼動実績が前年度を上回るものとし、また、その他マス・メディア等を活 用し、啓発を行うことでございます。  手段の概要でございますが、薬物乱用キャラバンカー全国に8台ほど配備しておりま す。大型バスを改造したものでして、薬物の標本でありますとかコンピューターゲーム 形式で薬物乱用に係るQ&Aを行ったり、あるいは映像コーナー等を設けることにより まして生徒が興味を持って薬物の恐れについて学習できるよう工夫したものでして、こ ういったキャラバンカーを学校等に派遣するとともに『ダメ。ゼッタイ。』普及運動、 これは夏休み前の6月20日から7月19日まで毎年実施いたしております。また、毎年秋 には「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」こういったいろいろな運動を全国的に展開しまし て、この期間中に集中的に啓発活動等を実施することにより、さまざまな啓発を行って いるという状況でございます。  評価指標が幾つかございますが、薬物乱用経験者数で見てまいりますと、これは生涯 経験率と申しまして、生涯1度でも規制薬物を乱用した経験のある者について調べたも のでございますが、平成13年が1.3%、平成15年が0.8%、隔年で調査しておりますが減少 になっています。それから啓発資材の配布についても、かなりの部数を行っているとこ ろでございます。テレビ、ラジオのスポット放送、Jリーグ・プロ野球スタジアムでの メッセージ放送などで実施をいたしているところでございます。  薬物乱用防止キャラバンカーの稼動実績でございますが、稼動実績そのものは非常に 高いわけでございますが、8台で全国をカバーしているといったようなこともございま して、移動に時間がかかるようなところからの派遣要請もかなりふえております。その 結果、平成16年度については、1,342箇所と前年に比べて微減という状況になっており ますが、今後ともこの稼動実績についてはできるだけ引き上げるように努力していきた いと思っています。  次でございますが、中学校、高校など文科省の指導によりまして薬物乱用防止教室と いうものを開催しております。そこへの麻薬取締官0B等の派遣によりまして、支援協力 を行っているところでございます。  評価の現状分析でございます。我が国の薬物事犯の約8割は覚せい剤事犯が占めてい るところでございます。平成16年の未成年の覚せい剤事犯による検挙者数は、前年の 528人から395人ということで大幅に減少しております。しかしながら一方で、大麻事 犯、錠剤型の合成麻薬であるMDMA等の事犯が増加している傾向がございまして、さ らにはいわゆる「脱法ドラッグ」が青少年を中心に乱用拡大しているといわれておりま す。そういう意味で、青少年を取り巻く薬物情勢というのは依然として深刻な状況にあ ると認識をいたしているところでございます。  評価結果といたしまして、政策手段の有効性の評価でございますが、キャラバンカー については、学校等での人気も非常に高くて効果的な啓発活動を学校等で実施展開して いると考えております。それから「ダメ。ゼッタイ。」普及運動における街頭キャンペ ーンですとか、「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」における地区大会等で集中的に啓発活 動を実施することによりまして、一定の効果が上がっていると。さらに平成16年度か ら、未成年の労働者を対象とした啓発活動といったものも実施いたしておりまして、薬 物乱用の危険性等の周知について一定の効果が得られたものというふうに考えておりま す。  政策手段の効率性の評価につきましては、平成15年7月に総理を本部長といたします 「薬物乱用対策推進本部」が策定いたしました「薬物乱用防止新五か年戦略」等に基づ きまして、関係省庁、関係機関との緊密な連携協力体制の下に、効率的にさまざまな啓 発活動を実施しているところでございます。  総合的な評価でございますが、先ほど申し上げましたように平成16年におきまして は、未成年の覚せい剤事犯が大幅に減少するといったようなことで、これまでの青少年 に対する啓発活動については一定の効果があったのではないかと考えております。そう いう意味で、施策目標の達成に向けて進展があったと考えているところでございます が、一方で青少年の大麻やMDMA等の乱用が拡大しているといった傾向もございまし て、今後とも青少年に対する啓発活動の一層の充実が必要であるというふうに認識して いるところでございます。なお、平成17年度におきましては、中学生、高校生向けに新 たに大麻、MDMAに特化したような形での啓発資材を作成し、乱用の防止に努めると いたしているところでございます。以上です。 ○高橋座長  ありがとうございました。これで一通り衛生分野の評価表の発表を、大変短い時間で はございましたがいただきました。何か今の御説明に御意見、御質問等がございました ら御指摘をいただけたら幸いでございます。 ○梅田委員  個別にということでなく、全体的な評価書の書き方について今後検討していただきた いというところを少し申し上げたいと思います。  1つは、実績目標を達成するための手段の概要の欄の書き方です。ある評価表はかな り抽象的に書いておられるし、一部活動量を書かれているところもあります。本来は、 活動量をやはり手段ですので、どういう活動をどれぐらいのボリューム行ったかをかな り具体的に書かないと、国民に公表したときに抽象的な書き方だけではわかりにくいの ではないかと思います。全部書くとなると紙面が足りませんから、そこは要領よくまと めざるを得ないということはわかりますが、活動量を書くということ。  もう1つは、大きな課題ですが、コストについて全然触れていないので、手段の概要 にどれぐらいのお金をかけたかということを書くことを検討していただきたいと思いま す。コストについては、本来この施策が持つトータルコストを書くべき、「べき論」か らいうとこの施策にかかるコストを書くべきだと思います。それが無理であるならば主 なものを書くなど、そこは今後の充実のさせ方だと思います。したがって手段の欄が少 し抽象的かつ概括的であるがために、手段の評価結果の欄のカッコに政策手段の有効性 の評価の欄、それから政策手段の効率性の評価の欄、これが手段の有効性、手段の効率 性の評価という欄になっておりますので、手段をかなり明確にしてその有効性をいかに 分析をしていただくかと、効率性をいかに分析していただくかということになると思う のです。  どの表とは申しませんが、有効性の分析欄と効率性の分析欄、ほぼ同じことを書いて おられる。語尾だけ違うというか、極端に言うとそうなってしまっているきらいもある のではないか。したがって、手段の欄の書き方をもう少し改善していただいて、その手 段の有効性・手段の効率性を年度、年度で分析していただくという今後の検討課題とい うことを申し上げたいと思います。 ○高橋座長  ありがとうございます。大変的確にこれからの改善点をお示しいただきましたが、ほ かにございますか。 ○稲葉委員  まずエイズの発生、まん延についてであります。私も課長さんのところに取材に行き ましてお話を聞きましたが、じわじわとエイズの件数がふえております。これは国民の 関心が最近薄れているという状況があると思います。評価結果が(3)となっておりまし て、これは率直に評価されているなと思うわけです。いずれにしましても若い人たちの エイズに対する感心が非常に鈍いということがありますので、この点について来年度以 降あるいは今年度からも引き続き相当精力的に若い人たちに対するエイズ予防の啓発を やっていただきたい。それから保健所などで検査を無料でできると、これも私ども会社 などでこの話をしますと知らない人がだいぶ多いので、このへんを重点的におやりにな っていただきたいというのが1点です。  それから薬品の審査の件です。これも私は医薬品のメーカー、研究者の方から聞いた 話で間違っていれば訂正します。日本の場合、薬品審査の期間が先ほど短縮されたとい うお話でしたが、まだ比較的長いといわれております。その理由は、審査スタッフの育 成が非常に遅れていると聞くわけです。その結果、日本の薬品メーカーが欧米に行って 審査をとるというようなことがありまして、これは本末転倒の傾向です。この傾向が強 まると非常にまずいことになるのではないかと危惧するわけであります。先ほど審査担 当者の増員、育成がまだ不十分というお話でしたが、これについてもどのようにして育 成していくかという問題がもちろん残りますが、早急に育成して欧米に逃げていかない 体制をつくらないといけません。薬品審査を迅速にやるのは鉄則だと思うのですが、や みくもに審査承認しろと言っているわけではないので、欧米に比べても遜色ないような スピードを確保すべきだと思います。そのためには人材を育成すべきということが必要 です。そういう意味では、評価の結果は両方とも(2)になっていますが、もう少し厳し い目で見たほうがいいのではないかという意見を持っております。以上です。 ○高橋座長  ありがとうございます。与えられた時間がだいぶきつくなっております。衛生関係の ヒアリング、御意見これで終わらせていただきます。本当に御多忙の時間、御出席いた だきましてありがとうございました。  それでは、引き続き次のセッションに移ります。労働分野ということで8つのテーマ で御発表お願いいたします。やや押しておりますので、時間的な配慮を一つよろしくお 願いいたします。それでは3−2−II、安全衛生部安全課の御報告からよろしくお願い いたします。 ○安全衛生部安全課長  22ページを御覧ください。私ども所管しておりますのは、作業現場、労働の現場にお ける墜落災害、クレーン、機械設備にはさまれたり巻き込まれたりする災害、爆発災 害、それに加えまして土砂崩壊、土石流といった自然災害も含めましたトータルな作業 現場での労働災害防止対策を推進しております。その中で今回は実施目標について大き く2つ挙げさせていただいております。1つが、私ども所管しております死亡災害が一 番多い建設業です。実績目標の1でございますが、建設業における労働災害について減 少を図ることということでございます。これは評価指標として休業4日以上という死傷 者数、中程度の怪我以上、もちろん死亡も含む数字でございますが、見ていただければ おわかりになりますが12年から16年まで33,000人から28,000人ということで順調に減っ ております。それから実施目標2としまして、重点分野における災害防止活動の促進と いうことで、具体的にはこういう建設業も含めました重点分野、特に建設業と交通労働 災害を挙げております。交通労働災害というのは、もちろん一般的な交通事故の中で労 働災害になるもの、すなわち業務上の労働災害ということで、これが死亡災害でいいま すと3割ぐらい占めております。警察・運輸だけに任せておけない事案でございますの で、厚生労働省としても重点的に取り組んでいるものでございます。  評価指標として、建設業につきましては、専門工事業者の安全管理活動。専門工事業 者というのは、建設業の場合、重層下請け構造でございますので、元請けの下で実際に トビ工事とか足場工事、基礎工事といった専門的な工事をやるのが日本の建設業の構造 でございます。そういう専門工事業者のノウハウを高めていこうというもので評価指標 が幾つかならんでございます。教育の実施回数。安全性教育参加数。それから評価指標 の2つ目でございますが、木造家屋等低層住宅建築工事ということでやはり地場の工務 店がやりますので安全管理のノウハウが徹底していないということで、これも事故が多 くモデル事業を進めてございます。それから評価指標の次、真ん中あたりです。中小総 合工事業者指導力向上事業ということで、ゼネコンでも例えば鹿島さん、清水さんとい うのはスーパーファイブ、いわゆる工事量が多いところと比べまして地場の業者です。 都道府県知事の許可をとるような磁場の業者というのは、やはりノウハウが低いという ことで、そこに対しても支援事業をして所長研修、店社の管理者の研修等々を進めてご ざいます。その下に交通労働災害防止対策、2つ目の建設業に続きまして交通労働対策 を重点としてございますが、これにつきましても指導員を都道府県ごとに専任いたしま して、指導員によって問題のある事業所へ指導しているということでございます。3つ 目に、これは別枠でございますが、安全管理水準の改善の状況ということで、特に安全 管理状況が悪いところを指定事業場として安全管理特別指導事業場ということで重点的 な監督指導を進めておりますが、それにつきましての改善状況でございます。いずれも 対前年比でいうと減少しているということでございます。度数率、強度率というのは災 害の発生件数、災害の重篤度を示す指標でございます。  24ページは評価でございます。現状分析でございますが、これにつきましては労働災 害による死傷者数のピークは43年でございますが、その後減少を続けております。下か ら2行目に、平成16年の労働災害による死亡者数は1,620人です。業種別では建設業594 人、30数%でございます。それから事故の型でみますと、交通事故444ということで、 この2つを今回目標に挙げたわけでございます。  評価結果でございますが、建設業につきましては先ほど御説明したように指標として 休業4日以上とりますと、29,000から28,000ということで順調に中長期的に減ってござ います。これは先ほど申し上げましたような下請けの専門工事業者、中小のゼネコン、 木造建築業者への指導への成果だと考えてございます。交通災害につきましても15年は 498人、16年444人ということで順調に減少しているところでございます。重複します が、安全管理を特に求めている事業場に対する特別支援につきましても一定の成果を上 げているということでございます。  政策手段の効率性の評価ですが、いずれにしても建設業者に対しましてはいろいろな 支援措置を有効に図ることにより効率的なものとなっている。25ページでございます が、6行目以降に交通労働災害防止対策につきましても、指導員を専任する交通労働災 害防止対策推進事業につきまして、さまざまな指導をやることにより効率的なものとし ているということでございます。最後でございますが、さらに安全管理が特に必要な事 業場に対する指導につきましても、対象の選定、指導内容について効率的なものとして いるということでございます。  総合的な評価といたしましては、一定の進展。依然として建設業の死亡災害、全事業 の3分の1、交通災害の3分の1を占めておりますが、一定の成果を上げていく中で今 後とも引き続きこの対策を推進していくということでございます。評価結果につきまし ては、いずれも(2)ということでございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございます。引き続き3−2−III、労働衛生課よろしくお願いいたしま す。 ○労働衛生課  労働衛生課でございます。労働衛生対策につきまして御説明申し上げます。労働衛生 課の方では職業性疾病の対策と、健康確保対策の2点が施策目標に関するもので行って おります。  実績目標1でございますが、じん肺、肺がん等の重篤な職業性疾病を予防するもので ございます。これにつきましては、死亡に直結しやすいということで酸素欠乏症、一酸 化炭素中毒等をまず減少させていく。それとともに業務上疾病数を前年度と比較して減 少させていくということを取り上げてございます。手段でございますが、職業性疾病の 予防を推進するためには、まず事業所におけます衛生管理体制の確立をするというコス ト、それと作業環境管理、作業管理、健康管理この3つ、それと安全衛生の教育の徹底 をするということが非常に重要であるということでございます。その関係から、ここに 書いてございます衛生管理特別指導制度等を利用いたしまして、さらに事業所に対して その徹底を図ってまいりたいということでございます。もう一つは化学物質でございま す。化学物質管理支援事業等の実施をいたしまして、化学物質の自主的な管理の推進を 図っていくということでございます。  評価指標でございますが、業務上疾病数につきましては、平成12年8,083から16年、 7,609と減少して行っている。死亡率の非常に高い酸素欠乏症の死亡者数、平成12年、 16名から平成16年、5名となってございます。また一酸化炭素中毒の死亡者につきまし てもほぼ横ばいでございますが、着実に減っていると考えてございます。また、化学物 質関係の研修の受講者数でございますが、こういう形で、予算の関係もございまして若 干増減をしていますが、着実に普及を図っているということでございます。  実績目標の2でございますが、過重労働及び心の健康づくりの対策でございます。健 康確保対策ですが、この中で産業保健に対する支援を行うということで(1)から(4)まで の手段を設定してございます。まず中小規模事業場におけます健康づくり事業によりま して健康づくりの支援をしていく。(2)メンタルヘルス対策ということで、メンタルヘ ルスの指針に関する研修を行っていく。(3)につきましては、各都道府県にございます 産業保健推進センターにおける産業保健スタッフに対する研修等を行っていくというも のでございます。(4)につきましては、過重労働総合対策の普及・定着のための活動を さらに実施をしていくというものでございます。評価指標につきましては、それぞれ健 康づくりの事業、THP事業でございますが、その実施事業所数、平成12年から16年ま で書いてございます。15、16と若干落ちてございますが、これは予算が今非常に厳しい 状況になっているということで予算規模が落ちたということで、この部分について実施 事業場数として減らざるを得なかったという現状でございます。その下が対象者数 34,000名、事業主の体験研修実施回数が81の68。参加数としては476という形になって ございます。  また、メンタルヘルスにつきましての研究事業は平成13年度から始まってございます が、大体70前後で推移をしている。参加者数につきましては5,000名前後で推移をして ございます。産業保健推進センターの利用状況ですが、産業保健スタッフに対する研修 の実施回数は、平成12年は1,600回、平成16年、2,574と増加をしております。また相談 件数につきまして、9,000から10,000件ぐらいの間で推移をしているという状況でござ います。  評価の現状の分析でございますが、業務上疾病につきましては、依然としてじん肺、 酸素欠乏症の職業性疾病が後を絶たないという現状でございます。また定期健康診断結 果につきましても約48%の方々が有所見者であると、そういう形で年々増加をする傾向 にございます。また、ストレス、悩みを感じる労働者が6割を超えている状況でござい ますから、さらに過重労働による健康障害や精神障害の労災認定件数が高い水準で推移 をしているという現状でございます。このような中で、平成15年3月には第10次労働災 害防止計画が策定されておりまして、新たなメンタルヘルス対策及び過重労働対策を重 点分野として追加をされたところでございます。  評価結果でございますが、有効性の評価につきましては衛生管理特別指導制度、対象 事業数170ということでございます。指導によりまして、改善計画が作成されるなど一 定の効果を上げていると考えてございます。また、化学物質の研修ですが平成16年度は 4,035名ということで一定の化学物質に係る人材の育成がなされたと考えてございます。 その他、一酸化炭素の中毒ですとか災害の発生状況を踏まえまして、平成16年度にアー ク溶接における対策、鉄鋼業における定期自主検査等々の徹底を図ったところでござい ます。  以上のように、職業性疾病者数が平成16年度、7,069名に減少し、また一酸化炭素中 毒死亡者数も減少をするということから一定の効果が見られたと、目標達成に向けて有 効であったと考えているところでございます。  実績目標の2でございますが、中小規模事業場健康づくり事業につきましては先ほど 申し上げました予算の削減の影響によりまして、事業規模そのものが縮小をしたところ でございますが1,783事業場に対して指導を実施しておりまして、目標の達成に寄与し ていると考えているところでございます。また、メンタルヘルス指針の研修事業につき ましても、69回、4,536名の参加ということで、実績目標の達成に寄与していると考え てございます。地域産業保健推進センターの研修につきましても、平成16年、2,574回 の実施と増加傾向にありまして、健康管理の一般あるいは作業管理、メンタルヘルスに 関する幅広い相談を行っている、一定の成果が上がっているのではないかと考えてござ います。  効率性の評価でございますが、実績目標1につきましては、衛生管理特別指導事業 場、自らが計画を作成すると、またその実施にあたりまして事業主の自主的な取組みを 促すという手法をとってございます。そういう関係から、非常に効率性の高い手段であ ると考えてございます。また化学物質管理者の研修につきましても、対象を限定し効率 的な事業実施を図っているところでございます。目標2でございますが、目標を達成す べく実施している各手段につきましては、遅れている中小規模事業場を対象とする支援 であるということ、またモデル事業による計画目標の作成であるということで、その中 で労働衛生管理の中核となる産業保健スタッフの能力の向上、あるいは健康確保対策を 推進する上で効率性の高い手段になっているのではないかと考えてございます。健康づ くり事業につきましては、これまでの一定の成果が進んだと特に考えていますのは、再 三申し上げますとおり予算の削減などから事業規模を縮小せざるを得なかったと、その 中で参加企業、アンケートの調査を行うなど本事業に対します評価、意見、要望等を的 確に把握をしまして、その結果を事業に反映させる等、その手段について状況に応じて 効率的に行っているところでございます。  最後に総合的な評価でございます。今まで申し上げましたとおり、職業性疾病者数は 多少の増減はございますが、この20年間、昭和60年、14,000件から、平成16年7,600と いうことで約半減をしてございます。16年度においても前年度より減少しているところ でございます。酸素欠乏症の死亡者あるいは一酸化炭素中毒死亡者数につきましても、 業務上疾病者数と同様の減少傾向にあります。これまで実施してきた労働衛生対策、長 期的に見れば一定の成果を上げてきたものと評価できるのではないだろうかと考えてご ざいます。  第10次防災計画におきまして、新たに重点分野として加わりましたメンタルヘルス対 策あるいは過重労働による健康防止対策につきましては、今後重点対策として着実に実 施をしておりまして、施策目標の達成に向けて進展があったと考えているところでござ います。今後につきましても、過重労働あるいはメンタルヘルス対策は労災認定に高い 水準で推移をしているということから、過重労働対策、メンタルヘルス対策のさらなる 充実を図る必要があるのではないだろうかと考えているところでございます。以上でご ざいます。 ○高橋座長  ありがとうございます。時間が押してきました。労働で時間が終わってしまうという ことを危惧しておりますので一つよろしくお願いします。それでは、引き続き3−3− I、労災管理課長さんお願いします。 ○労災管理課長  労災管理課長でございます。32ページでございます。施策目標、労災保険給付の適正 な処理でございます。  実績目標といたしまして、適正な給付を図るということで達成手段といたしまして労 災保険、労働者の業務上または通勤による負傷、障害、死亡等に対して給付を行う制度 でございますが、必要な保険給付につきまして迅速、適正に支給していくということで ございます。評価指標といたしまして、各保険給付につきまして最近の実績を掲げてご ざいます。長期的には労働災害の減少等に伴いまして、支給件数等は減少傾向にありま すが、この表の中では大きな変化がなく推移しているということでございます。最後の 下の欄、空欄になっていますが二次健康診断等給付ということで、平成13年度から実施 した制度につきましては13、14、15ということで普及を図って実質的には伸びてきてい るという状況でございます。  現状分析といたしまして、新規受給者数、長期的には減少傾向にございますが、平成 15年度依然として59万人といった状況の中で、適正な支給を行うことによって保護を図 るということで努めているわけでございます。  評価結果としまして、政策手段の有効性ということでございますが、やはり支給が必 要な方々に対して丁寧に迅速かつ正確、的確な給付に努めるということでございます。  効率性でございますが、そういった的確な給付を実施していくという観点から、職員 の能力の向上ということで研修を含めた体制に取り組むということと、各署にそれぞれ 請求件数、請求事案の傾向が異なりますので、各署の主体的な能力を勘案して的確な業 務実施体制ということで、トップを中心にして進行管理を図っていくということに努め ているところでございます。  総合的な評価といたしましては、請求事案に対して迅速に処理するという点も含めま して努力しておりまして、そういった意味で目標達成に向けて進展があったと考えてお りますが、評価結果分類、分析分類のところに書いてございますように、具体的な判断 根拠を明確に示す形の評価になっていないという意味では、分析があまり的確でなかっ たということは考えております。  特記事項は特にございませんが、会計検査院の方から、療養給付に要する診療費の支 払いが一部適切ではなかったという指摘を受けてございますので、回収処理を行うのは もちろんでございますが、診療費の審査について適正を徹底するという観点から、職員 に対しては重点的な項目についての審査体制の強化、また医療機関を通じた実地指導と いったことに努めているという状況でございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは引き続き3−4−III、生活部勤労者生活課長さ んお願いします。 ○勤労者生活課長  労働基準局勤労者生活部勤労者生活課長でございます。よろしくお願いいたします。 自由時間の充実等勤労者生活の充実を図ることにつきまして御説明させていただきま す。  この施策目標の中では、実績目標が3つ設定されております。それぞれにつきまして 実績の状況と目的の達成状況を御説明させていただきます。  実績目標1は、勤労者のボランティア活動への参加等自由時間の充実を図ることでご ざいます。この目標のため、勤労者の生活の視野を広げ、地域社会における人と人との ネットワークを通じて、新たな自己実現を図ることとし、勤労者すなわち働いている人 のボランティア活動参加の動機づけとなる事業を実施しております。この事業は1期に つきおおむね10都道府県におきまして3年計画で実施しております。平成16年度は、第 2期の初年度にあたります。そのため、評価指標の一つであります参加者数は15年度に 比べますと減少しております。しかしながら同じ初年度同士を比べますと、第1期の初 年度でございました13年度よりは参加数は増加しているということでございます。  また、もう一つの評価指標でありますアンケート結果を見ますと、参加者のうち「参 加意識が高まった」と答えたものの割合が80%を超えているということでございます。  35ページでございますが、実績目標2、中小企業勤労者の総合的な福祉の充実を図 り、中小企業勤労者福祉サービスセンターの会員数が前年度を上回ることでございま す。市区町村が設立しました中小企業勤労者福祉サービスセンターにおきまして、独力 では福利厚生事業を行うことができない中小企業の勤労者に、共同で福利厚生サービス を提供させまして、国においてもその活動を補助する制度でございます。評価指標は、 サービスセンターの総会員数でありますが、平成16年度は前年度を上回る会員を確保し ております。  実績目標3は、労働金庫の健全性のための施策を推進することでございます。労働金 庫制度は労働組合、消費生活共同組合、その他の労働者関係団体が共同して組織してお りまして、それらの団体が行う福利共済活動のための金融の円滑化を図るためにこの制 度が設けられております。労働金庫が、その本来的な目標を達するためには、金融機関 としての健全性を確保することが重要であることから、評価指標は全労働金庫に対する 検査実施状況、検査実施率としておりますが、平成16年度は46%でございましておおむ ね半数の労働金庫の検査を実施したということでございます。  続きまして評価、現状分析でございます。勤労者のボランティア活動に関しまして は、ボランティア活動に実際に参加したことがある勤労者が約24%、これに対して機会 があれば参加を希望している勤労者が9割に上ることから、希望と実際の行動の乖離が いまだに大きいと判断しております。また中小企業勤労者福祉サービスセンターに関し ましては、中小企業とそれ以外の企業におきまして、福利厚生に格差が存在しており中 小企業勤労者に対する施策は依然として必要性が高いと認識しております。労働金庫の 検査につきましては、金融改革が進められる中で当省としましても金融改革の一端を担 って引き続き労働金庫の健全性確保が求められているという状況でございます。  評価結果の政策手段の有効性に関しましては、いずれの実施目標につきましても評価 指標をほぼ達成していると考えており、政策手段は有効であったと考えております。ま た、政策手段の効率性につきましては、それぞれの実施目標の対象者、地域、事業の政 策の特性等を勘案して民間の団体、地方公共団体、あるいは厚生労働省直轄で事業を実 施しております。  以上を踏まえました総合的な評価としましては、事業の実施により一定の成果を上げ てはいるものの、一部定量的な達成状況の判断が困難であるといったような点も考慮い たしまして評価結果分類は(2)、達成に向けて進展があったと。分析分類につきまして は、分析はおおむね的確に行われているが適当と考えているところでございます。以上 でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続きまして4−1−I、職業安定局よろしくお願いし ます。 ○職業安定局主席職業指導官  職業安定局の主席職業指導官でございます。基本目標が、職業の安定を図ることとい うことでございまして、需給調整機能を強化ということが施策の目標になっておりま す。特にここでは、公共職業安定機関における需給調整の強化ということでございま す。  実績目標が8つございますので、評価についても合わせて簡単に説明したいと思って おります。実績目標1が、セーフティネットとして、職業相談・紹介を実施するという ことで、これは公共職業安定所の就職率を16年度、30%の就職率を上げようという目標 を立てております。公共職業安定機関としては、やはり一番大きなアウトカム事業、成 果としての指標は就職率であろうということで30%以上という目標を掲げさせていただ いております。また、雇用保険受給者については早期に就職していただこうということ で、所定給付日数を3分の2以上残して就職する方の割合、これを12%以上に引き上げ るということを目指しております。結果といたしまして就職率が16年度、30.7%、雇用 保険の早期の数が13.6%ということで、目標は達成したという状況でございます。  続きまして実績目標2でございます。これ以下はアウトカムというより、実績目標1 を達成するためのそれぞれの手段でございます。目標を掲げてやっておるところでござ います。就職を達成するためには、やはり市場に対して情報を提供するということが必 要だということでして、求人情報について自宅でも求人情報が見られるということを開 始しております。これがハローワークインターネットサービスでございます。ここでア クセスされた件数がこれだけの件数になっておりますが、一日平均約21万件程度のアク セスがあるという状況でかなりのアクセスがあると。在宅中でもこうした情報に触れら れるというサービスでございます。  実績目標3でございますが、求人の中でやはり高齢者の求人がかなり少ないという状 況にございます。年齢制限があって均等な機会が与えられないということでございます ので、年齢制限の緩和を図っていこうということで、平成15年1月に17年度で30%まで 年齢の不問求人というものを引き上げようという目標を立てました。その結果が16年度 で40.5%、17年度に掲げた目標を既に達成したという状況でございます。  次が職業訓練の関係でございます。マッチングさせるためには能力開発が必要な方々 がいらっしゃいますので、そういう方々に対して適切な職業訓練の受講指示を行う。ま た、雇用保険受給者、雇用保険につきましては適正な給付をしなければならない。その 一方で雇用保険受給者が再就職できるような形での支援をしていかなければならないと いうことで、集団の形式でセミナーを実施させていただいております。目標としては 110万人と、実績が100万人弱ということで目標達成できませんでしたが、これは受給者 自体がかなりの大幅な減少を示したということで達成できなかったということでござい ます。  実績目標6でございますが、再就職支援について公共職業安定所でも個々の求職者に 応じたきめ細かな支援をしようということで、以下次のページに掲げてございますよう なさまざまな個別の支援をしております。まず43ページの上の方でございますが、再就 職支援プログラムと申しますのは、一人の求職者に対して最初から最後まで支援をして いこうと、マンツーマンで一貫した支援をしていこうというサービスでございます。7 万件を目標にしましたが実績は8万弱ということで実績をクリア。また、施策による就 職率は70%を目標にしましたが、69.2%ということでほぼ達成という状況でございます。  次のキャリア交流事業というのは、特に中高年のホワイトカラーの方々に対しまして 一人で求職活動するのでなく、失業者同士で話し合いをしていただこうというようなこ とが有効だということで、そうしたグループ経験交流会議みたいなものを中心とした事 業を実施しております。その参加者がこうした数でございます。キャリア交流事業につ きましては、市場化テストのモデル事業ということで今年度6月からモデル事業として 実施しているということでございます。キャリア・コンサルティングというのは、安定 所にも自ら就職活動が難しいような精神的な悩みを抱えた方々が来られますので、そう した方々に手厚いコンサルティングサービスをしているというケース。また就職実現プ ランというのは、一番上のナビゲーターで一貫した支援をしている対策よりも、自ら求 職活動の計画さえつくってあげれば自主的に活動できるという方々に対してプランをつ くってあげるということでございます。これは目標が5万件つくろうということでござ いましたが、64,000件ということで目標をクリアしております。  実績目標7でございます。ただいままで御説明したのは求職者に向けたサービスでご ざいますが、この実績目標7は求人者へ向けたサービスというものをしっかりやろうと いうことでございます。求人を受理してから3週間経ってもまだ一度も紹介していない というような事業主さんに対して、きちっとしたフォローをしましょうということで、 フォローした件数が70万件弱という状況でございます。  実績目標8でございますが、長期失業者、公共失業安定所で支援をしていてもなかな かうまく就職できないというような方で、1年以上の長期失業に陥ってしまった方々に 対しましては、民間事業者に包括的にこの事業を委託して就職の支援をしていただくと いうことでございます。1年間の事業ということでございますので、まだ実績は出てい ないという状況でございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続き4−3−II、障害者雇用対策課長さんお願いしま す。 ○障害者雇用対策課長  障害者雇用対策課長でございます。資料の49ページからでございます。私どもの施策 目標は障害者の雇用を促進することでございますが、実績目標は3点掲げてございま す。  1点目が障害者に対するきめ細かな相談、職業紹介等を実施することを通じて障害者 の就職の促進を図ることということでございます。これに対する手段といたしまして は、まずはハローワークでの基本的な業務でございます、きめ細かな職業相談、職業紹 介をやってまいるということにあわせまして、ここに掲げました3つの事業を実際にや っているところでございます。1つ目は(トライアル雇用事業)ということで、企業に 3ヶ月の有期雇用で障害者雇用を試していただくという事業でございます。2つ目は、 (ジョブコーチ)の事業でございまして、特に就職時における職場定着というのは大き な課題でございますので、その時の集中的な支援をやっていく事業でございます。3つ 目は、障害者就業・生活支援センター事業ということで、「地域の社会資源を活用しな がら」ということで、具体的には社会福祉法人やNPO法人という、福祉サイドの施設 などにこのセンターの事業をやっていただいて、就業と生活の両面からの支援を地域の 中でやっていくという事業でございます。こういった事業を組み合わせてやっていると ころです。  評価指標といたしまして掲げておりますのは、職業紹介の面では新規求職申込件数で 御覧いただけますように、かなりの伸びを示しておりまして16年度、93,000人ほどにな っております。こういった状況の中で次のページの冒頭にございますように、就職件数 でございますが、35,871人ということで前年を9%ほど上回る状況になっております。 ここについては、前年を上回るというのを数値目標として掲げて業務の運営をしている ところでございます。トライアル雇用事業につきましては、常用雇用を約束していただ いて始めるものではないのですが、常用雇用移行率8割を超えるようにという数値目標 としてやっておりますところ、16年度におきまして82.8%というような状況で効果が上 がっていると考えております。ジョブコーチの事業につきましては、対象者数・定着率 ・満足度といったあたりを、これは独立行政法人の中期目標の中で数値目標を掲げてや っておりますが、いずれも定着率が例えば6ヶ月後で75%を超えるとか、満足度は70%を 超えるといった数値目標をクリアしながらやっておるところでございます。障害者就業 ・生活支援センターについても、前年の実績を5%程度上回るようにという目標を掲げ ながらやっておるところでございます。  実績目標2は、障害者雇用率制度の厳正な運用を通じた障害者雇用の促進ということ でして、障害雇用の制度のもう一つの柱は雇用率制度でございます。民間の企業には 1.8%という法定雇用率を設定いたしまして、これを超える雇用を確保していただくよう に法的な義務をかけているところでございますが、残念ながら評価指標のところにござ いますように民間企業における実雇用率は直近の数字で1.46%ということで、法定雇用 率をいまだ上回ったことがないという状況になっております。51ページにございますよ うに、法定雇用率が未達成になっている企業は58.3%ということで、これもまた高い水 準で推移をしてしまっているという状況でございます。  こういった中で私どもハローワークの業務といたしまして、雇用率達成指導という形 で法に基づいた指導を行わせていただいているところでございまして、一番厳しい指導 としましては、次の評価指標にございますように雇入れ計画の作成命令をハローワーク から出すという形で、3年間の雇入れ計画を作っていただいて、計画的に取り組んでい ただくと。これを16年度では433件ほど出させていただいております。この実施率が悪 いと次の適正実施勧告というようなことも出させていただいております。さらに、どう しても最終的に御理解をいただけないところは企業名を公表するということで、昨年の 指導に基づいて結果を出せなかった2社につきまして、この6月に企業名を公表させて いただいたところでございます。  実績目標3でございますが、障害者雇用に係る事業主支援・援助の実施を通じて働く 場の整備を図るということでございます。内容的には、障害者雇用納付金制度というこ とで、障害者雇用に伴うさまざまな経済的負担というのは率直なところ大きいものがご ざいますので、その企業間での雇用負担の調整を図るという制度でございます。法定雇 用率未達成の企業から納付金の納付をしていただきまして、これを財源に達成をしてい るところに対して調整金、中小企業に対しても報奨金という形で、達成している企業に 一定の経済的な給付をやっておるところでございます。評価指標として掲げております のは、この調整金、報奨金の支給件数額を掲げてございますが、こういったことと合わ せましても事業主に対するさまざまな助成金制度も行っておりますので、それらを合わ せて事業主の支援をやっておるところでございます。  これらの施策の評価といたしましては、54ページに総合的な評価を書かせていただい ております。障害者の雇用情勢には厳しいものがございますけれども、先ほど申し上げ た就職件数35,000人ほどというのは過去最高の数字となっております。そういった意味 でハローワークでの業務は着実な実績を見ているところではないかというふうに考えて おります。しかしながら一方で、法定雇用率1.8%に対し実雇用率1.46%という事情もご ざいますので、そのあたりをにらみながら、引き続き最大限の努力をしてもらいたいと 思っております。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続きまして6−3−I、職業家庭両立課長さんお願い します。 ○職業家庭両立課長  職業家庭両立課でございます。私ども2つ施策目標について説明を求められておりま す。1点目が、育児・介護休業を取りやすく、職場復帰をしやすい環境を整備すること という目標でございます。これにつきまして2つ実績目標を掲げております。1点目 が、育児・介護休業を取りたい人が全て休業を取得できるようにすること。具体的には 取得率が現状を上回ること、という目標でございます。この実績目標を達成するための 手段でございますが、少し文章の整理が悪くて申し訳ございません。大ざっぱに整理を いたしますと、育児・介護休業法を施行するということ。具体的には、法律の内容の周 知啓発を行うとともに、計画的な事業所訪問をしまして企業に対して指導をいたしてお ります。また、労働者から例えば「育児休業をとりたいのだが取らせてもらえない」と いった相談があった場合には、問題解決のために労働者に対して助言をするとともに、 事業主に対して行政指導を行うということをしております。  育児・介護休業法の施行とともに、平成17年4月から次世代育成支援対策推進法とい う法律ができました。これは企業の子育て支援のための具体的な行動計画をつくるとい う内容でして、行動計画の内容の中に育児休業、介護休業が取りやすいようにするとい うことも含まれておりますので、この法律に基づく周知啓発もしております。これらの 2つの法律の施行に加えまして助成金の支給あるいは意識啓発の事業を行う、こういう ことを手段としているところでございます。  評価指標は育児休業の取得率ということでございますが、男女別に取ってございまし て男性につきましては平成16年で0.56%、女性は70.6%ということでございます。これ比 較可能な統計は平成14年と16年でございます。これを比べますと、取得率は上昇してい る状況にございます。  次、実績目標2は、育児・介護休業制度を定着させることということでございます。 これは、社内に育児・介護休業制度の規定の整備を進めていただくということで、事業 主に対して、事業所訪問等の手法により行政指導を行っているところでございます。  評価指標でございますが、最新の統計が平成14年になってしまいますが、育児休業に ついては規定のある事業所が61.4%、介護休業は55.3%ということでございます。  評価の現状分析でございますが、休業の取得率につきましては男女ともに上昇してい るということでございます。それから規定のある事業所の割合は、少し遠いのですが平 成11年度の統計と比べますと、育児・介護休業ともに増加をしているという状況にござ います。  評価結果でございますが、こういうようなことで目標は達成しておりますといいます か、取得率や規定の整備率は上昇しておりますので、施策の効果は上がっているという ふうに考えております。そういう意味で、政策手段の有効性、効率性ともにあったと考 えているところでございます。  60ページ、総合的な評価でございます。仕事と家庭の両立を図りやすい環境の整備に は、一定の進展があったと思っておりますが、依然として男性も含めて職場の雰囲気の 問題があり、育児休業を取りづらいということも把握をしているところでございますの で、今後一層周知啓発を図る等の施策を進めることが必要であると考えております。以 上が1点目でございます。  2点目の目標、61ページ、先ほどは育児・介護休業は取りやすいということでした が、こちらは育児介護をしながら働き続けやすい環境の整備ということでございます。 実績目標を3点掲げております。1点目は、ファミリーサポートセンターの設置を全年 度と比較し拡大させることでございます。このファミリーサポートセンターと申します のは、市町村単位に地域の助け合いの延長線上で、子供の送迎ですとか預かり、急な残 業、子育て疲れの場合に臨時的な保育ニーズ、介護ニーズに対応して行うという仕組み でございます。これがすなわち手段ということになりますが、こういうファミリーサポ ートセンターの設立、運営をする市町村に対して補助金を交付するという手段をとって きております。  評価指標でございますが、設置箇所数を見ますと着実に増加いたしまして、平成16年 度末で344箇所ということになっております。  次に実績目標2でございます。勤務時間短縮等の措置を普及させることがございま す。勤務時間短縮等の措置というのは、育児・介護休業法上に位置づけがございまし て、子供が小さいという労働者が例えば単時間勤務あるいはフレックスタイム、始業終 業時間の繰り下げ、繰上げができるといった柔軟な働き方ができるような措置でござい まして、事業主は子供が3歳になるまでこのような措置を講ずることが義務づけ、子供 が小学校に上がるまでは努力義務というような位置づけでございます。この普及のため の手段でございますが、基本的には法律の施行、助成金の支給ということでやっており ます。  62ページの評価指標でございます。比較可能な平成14年と平成16年を比べますと9.6% から10.5%に規定整備事業所割合が上昇しているということになっております。  実績目標3は、子供の看護休暇制度の普及ということでございます。子供の看護休暇 制度は、子供が怪我、病気のときに労働者が休みを取れる制度でございます。平成13年 以来、努力義務。そして平成17年からは法改正で義務づけがなされております。これに つきましても、普及の手段といたしましては法律の周知啓発、そして助成金の支給とい うことでやっております。この制度の普及でございますが、規定を持っておる事業所の 割合が平成14年、10.3%から平成16年、26.5%ということで、大幅に上昇をしているとこ ろでございます。  評価の現状分析でございますが、ファミリーサポートセンター、勤務時間短縮措置、 子供の看護休暇制度ともに普及の率が上昇をしているところでございまして、評価の結 果につきましても有効性、効率性ともに合ったものというふうに考えております。  総合的な評価でございますが、目標をほぼ達成したと考えておりまして、こういうよ うな育児・介護をしながら、働き続けやすい環境の整備が着実に進んでいるというふう に認識をしております。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございます。一通り労働関係の実績評価書の報告をいただきましたが、ど うぞ御質問、御意見をお願いいたします。 ○稲葉委員  現在、一番私たちが心配しているのはアスベストの問題です。労働安全行政の中で一 番大きな問題だと思うのです。残念ながら今回は具体的に触れられていません。国会で も西副大臣が旧労働省の決定的な間違いだったと述べておられるわけです。我々が一番 知りたいのはそこの評価がどうなっているかということですが、残念ながら漏れており ます。そういう今起こっているタイムリーな問題について、前年度の評価ということで なかなかしにくいのでしょうが、触れていただければというのが要望であります。  2点目は障害者の雇用率の問題です。1.8%というのがクリアできないというお話で したが、これも参議院で審議されています障害者自立支援法の重要な支えでありまし て、障害者自立支援法というのは、働ける障害者にサービスを提供する場合に一定の負 担をいただくという新しい法律ですが、その前提はやはり障害者が働けるという場を増 やすことだと思いますので、これをは全力で取り組んでいただきたいと思います。  3点目は、少子化の問題です。出生率は1.29まで低下しています。年金制度を設計し た前提は出生率が徐々に上がっていって1.39になるということになっています。しか し、それがすでに崩れていますので我々も大変危惧しています。先ほど育児・介護の施 策の説明では一定の評価が見られるという説明がありましたが、どうでしょうか一般国 民の評価がそういう評価で納得できるのでしょうか。私たちは、もう少し厳しく見てお ります。たとえば育児休業制度がありますがなかなか広がっていません。これを拡充す ることによって少子化対策につなげるという視点を持っていただいて、おやりになって いただきたい。以上です。 ○堤委員  前回の委員の提案の中で公益性の問題、官が行うか民が行うかと。ほかの問題も全部 官ですが、特に労働分野と福祉分野については労働の雇用の問題です。民間サイドから すれば、今人材派遣業とか紹介業、再就職のための教育事業といった民間が動いている わけです。そういう一方に実態があって、官民がこれからどうするかということに関し てこのレポートでは将来的に協力関係が必要と言っているのです。長期的に見て、そろ そろ将来いったいこの業務はどのように分担していくのか、やっていくのかということ を考える時期にきているのではないかと思います。今はまだ過渡期ですが、今後どうし ていくのかということを厚生労働省として考えておかなくてはいけないのではないかと 思います。 ○田村委員  中身の問題というより方法論の話です。労働関係のところは、皆さん目標数値が上が って非常に実績評価があるべきものに近い方法論を取っておられるのが多いように思い ました。特に、職業安定局の主席職業指導官が話されたところは、非常に明快で、一番 上にアウトカムがあって、それに対してどういうものが寄与するか、それの実績目標を 立てているので非常に構造的にできているし素晴らしいと思いましたが、一つだけ主席 職業指導官にお伺いしたいのですが、30%に程度に引き上げると、この30%が妥当なのか どうか全くわかりませんが、こういう数字目標を立てることについて部局では抵抗はあ りませんでしたでしょうか。 ○職業安定局主席職業指導官  目標管理を数年前から始めております。目標管理する時に、まずそれぞれの安定所で どの程度の就職率を上げるかというものを労働局でヒアリングします。労働局である程 度こういう数値目標でいきましょうと。それをまた私どもが全国の労働局からヒアリン グいたしまして数値目標を設定します。数値目標でき上がったものについては、国とし て各局別に目標管理をして、実績のフィードバックをする。局では、また安定所別に実 績を分解してフィードバックする。それを月々繰り返して目標管理をしているというよ うな形でございます。  ですから、当初は生産性運動であるというような話で、かなり抵抗感もあるのではな かろうかと思ってこの施策に臨んだのですが、実際やはり先ほど堤委員からも御指摘ご ざいましたように、官民の役割分担どうするのかというような中で、公共職業安定機関 として皆きっちりと目標を立ててやっていくという意識は職員の中でもかなり強く浸透 してまいりました。特に現在では、抵抗感があるということはなく進んでいるように思 います。 ○高橋座長  ありがとうございます。ナショナルゴールド施策目標の関係、だいぶ大きな議論もご ざいます。たぶん施策目標が労働関係の場合は、情報として非常に整備をされてきたと いう歴史的な蓄積のある領域、また難しそうな領域というのもありそうだという感じが いたしました。そこらあたり、後で総括的な議論の中でお願いするということで、少し 押せ押せでございまして、短い時間にお話をいただきまして恐縮でございましたが、あ りがとうございました。それでは、次の福祉分野のセッションに行きたいと思います。  福祉分野については5つの分野に渡って実績評価書の御説明をお願いいたします。6 −4−I、雇用均等・児童家庭局の保育課からよろしくお願いします。 ○雇用均等・児童家庭局保育課  それでは、必要な人が利用できる保育サービスを確保することということで、私、雇 用均等・児童家庭局の保育課の企画官をしておりますヤガミと申します。よろしくお願 いいたします。  実績目標でございます。低年齢児受入枠を平成16年度までに68万人に拡大することで ございます。実績目標を達成するための手段でございますが、低年齢児0から2歳の保 育需要に対応するため、受入数の増加、保育所の施設整備、定員の弾力化等に係る必要 な経費を助成する。評価指標、低年齢児受入枠の拡大ということですが、平成12年度以 降の実績の数値を出しております。593,000人、624,000人、646,000人、671,000人と順 調に増加、拡大をしてまいりまして、平成16年度は正式には集計中でございますが、仮 集計では693,000人程度に拡大しておるところでございます。低年齢児受入枠の拡大、 この実績の数値は年度の月の平均を出しておりますので、低年齢児ですと4月から年度 末に向けて数字が拡大をしてまいります。例えば平成16年度で申しますと、年度当初は 60万人程度ですが、年度末には74万人程度までふえているということでございます。  評価の現状分析でございますが、平成11年12月の新エンゼルプラン6大臣の合意事項 でございますが、これに基づきまして需要の多い低年齢児(0〜2歳)の受入枠を58万 人から68万人に拡大という目標の設定いたしました。16年度には、70.4万人の受入が可 能なところまで予算上は確保しておりました。実績は先ほど申し上げたように69万人を 超すという数字が出てきております。  評価結果の政策手段の有効性の評価ですが、3行目以降でございますが、保育所の整 備の推進、それから定員の弾力化。弾力化と申しますのは、保育所の人の配置で申しま すと、例えば0歳の子供であれば、子供が3人に保育士さん1人。1歳、2歳であれば 子供6人に保育士さんが1人。これを「最低基準」と我々申しています。これを満たす 限りで定員を超えても受け入れられるだけ受け入れてもらいたいと、これ定員の弾力化 という方法でございます。この推進をいたしまして、平成16年度4月に待機児童の数を 見ましたら5年ぶりに減少いたしました。平成15年4月は26,000人、平成16年4月、若 干ですが24,000人まで減少しました。うち、低年齢児も18,000人から16,000人に待機児 童が減少したということでございます。  66ページですが、しかし依然として都会を中心に待機児童の問題がございます。昨年 度で申しますと50人以上の待機児童がいる市町村が全国で95ございました。この市町村 につきましては、改めて保育計画というものをつくっていただき待機児童の解消に向け て努力をしていただいているというところでございます。  次に政策手段の効率性の評価です。保育所の受入枠、特に需要の多い低年齢児の受入 枠を計画的に図ってまいりました。先ほど申しましたように、定員の弾力化ということ も積極的に推進をいたしまして、需要に対して効率的な対応を行ってきたと考えており ます。  総合的な評価では、数字から申しましても政策目標に向けて着実に進展があったと考 えております。また、昨年末に「子ども・子育て応援プラン」を、政府を挙げて策定い たしました。この中で、やはり保育所受入児童数を、現在定員全体で203万人でござい ますが、平成21年までに215万人まで拡大すると、さらなる目標を掲げているところで ございます。  評価結果の分類では、最終的な集計値がまだ確定しておりませんので(2)、達成に向 けた進展。分析分類につきましては、分析は的確だったと判断をさせていただいており ます。特記事項は特にございません。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続いて家庭福祉課、お願いいたします。 ○雇用均等・児童家庭局家庭福祉課  雇用均等・児童家庭局家庭福祉課でございます。67ページでございます。母子家庭の 母等の自立のための就業支援を図ることという施策目標でございます。  実績目標でございますが、母子家庭の母等に対しまして就業による自立を促進するた めに、母子家庭等就業・自立支援センター、簡単に言いますと母子家庭のお母さん向け のハローワークのようなイメージを持っていただければと思います。ここにおきまして 就業相談・就業支援講習会・就業情報の提供などという一貫した就業サービスを提供す ることによりまして、その事業を実施しているところでございます。  評価指標でございますが、この母子家庭等就業・自立支援センターにおけます講習会 の受講者数延べ人員。2番目の指標といたしまして就業相談の件数。3番目としまして 就業者数の延べ人員ということで挙げさせていただいております。この事業につきまし ては、平成15年から開始された事業でございまして現在のところ2年間の実績という形 で上げさせていただいております。就業支援センター事業につきましては、おおむね順 調に15、16比較して伸びてきているという状況でございます。67ページの一番下の欄に なりますが、評価指標といたしまして、高等技能訓練促進費事業による資格取得者数と いう形で挙げさせていただいております。具体的に申しますと、保育士あるいは看護師 等の一定の資格の取得の促進に努めるという形の事業でして、15、16大体横ばいで推移 してきているところでございます。  68ページの現状の分析でございます。母子家庭につきましては、母子家庭の母、約83 %は就業しておりますが、その内容は常用雇用者数が39.2%という低い状態でございま す。これは私どもがおおむね5年を期に調査をしております「全国母子世帯等調査」と いうものの結果でございます。5年前の同様の調査結果と比較いたしましても、その数 値は下がってきているという状況でございます。母子家庭の母の雇用関係は非常に厳し いものとなっております。また、こうようなことも反映しまして、母子世帯の平均年収 につきましては212万、一般世帯の589万と比較してこれまた低い水準になっておるとい うことを踏まえまして、母子家庭に対する就業自立支援を図っていく必要があると考え ています。  こういう状況を踏まえまして、平成14年に母子家庭の自立促進、生活の安定を図るた めの、母子及び寡婦福祉法、それから児童扶養手当法等の改正を行いまして、生活支 援、就業支援、養育費の確保、経済的支援策などの総合的な母子家庭対策を推進してい るところでございます。15年7月には、母子家庭の母の就業が進むように、「母子家庭 の母の就業の支援に関する特別措置法」というものも制定されまして、母子家庭の母の 就業を一層進めているというところでございます。  評価結果、政策手段の有効性の評価でございます。母子家庭等の就業支援センター事 業につきましては、公共職業安定所における就業情報の提供とは別に、母子家庭の母に 対しての就業相談、就業支援講習会といった個々の家庭の事情に応じた一貫した就業支 援サービスを提供してきておりまして、就業の促進に結びついていると考えておりま す。初年度の15年度は1,484人の就業実績を上げておりまして、16年度は4,335人という 形でございます。実績も伸びておりますし、母子家庭の母の就業の促進につながってい ると考えております。  高等技能訓練促進事業につきましても、介護福祉士、保育士等の就職に結びつきやす い資格の取得を促進する事業でして、母子家庭の就業支援対策に対して有効である。そ れから事業開始から同水準の資格取得者が維持されている状況で活用されていると認識 しております。  政策手段でございます。都道府県、指定都市、中核市が実施主体となっておりまし て、就業情報の提供につきまして就業支援サービスのワンストップサービスとして実施 しておりまして、身近なところで実施されているということでございます。  総合的な評価につきましては、個々の家庭の事情に応じた一貫的な就業サービスの提 供が図られており、一定の実績も上げておりますので安定した就業環境を維持するのに 効果があり、目標達成に向けて進展があったと考えております。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは地域福祉課お願いいたします。 ○社会・援護局地域福祉課長  社会・援護局の地域福祉課長でございます。よろしくお願い申し上げます。それでは 70ページ、7−2−Iにつきまして御説明させていただきます。  施策目標としては、ボランティア活動など住民参加による地域福祉活動を促進し、地 域福祉を推進することを掲げております。  実績目標としましては、地域福祉活動に参加する住民を前年度より着実に増やすこと としております。  評価指標としましては、ボランティアセンターにおいて把握しているボランティア数 を掲げ、その達成状況などをもとに施策目標の評価を行っているところでございます。  手段ですが、中段に3つのポツで記載しております。上から全国レベル、都道府県レ ベル、市区町村レベルとなっております。全国レベルでございますが、全国社会福祉協 議会におきまして記載しておりますように、経済団体あるいはマスコミなど各界の御協 力も賜りまして、全国規模の広報啓発活動あるいは情報提供などの各種事業を行ってお ります。都道府県レベルでは、都道府県社会福祉協議会でボランティア活動を推進する リーダーあるいはコーディネーターの養成、研修などをはじめとする、ボランティア振 興事業を実施しております。市区町村レベルでは、市区町村社会福祉協議会ではボラン ティア活動の相談・登録・あっせんなどをはじめとする、ボランティア養成等事業を実 施しているところでございます。  以上を踏まえました評価の現状分析でございます。ボランティア数につきましては、 平成16年度の現時点での暫定値は前年に比べて少ない数字となっておりますが、確定値 が出ている15年度までは年々増加しております。16年度につきましては、現時点では集 計途上でございます。本評価書におきましては、70ページ下段にありますように現時点 での暫定値を記載させていただいているところでございます。  ボランティア数以外の数字で見ましても、例えばNPOあるいは住民参加型サービス 団体につきましても、12年度から15年度まで増加してきております。社会福祉協議会の ボランティア活動を支援するための各種事業におきましては、ボランティア活動を幅広 くとらえておりまして、NPOや住民参加型サービス団体あるいは職域のグループなど をはじめ、地域における課題の解決に向けた自発的意思に基づく社会貢献活動を積極的 に支援するような活動を行っているところでございます。こういった意味で見まして も、ボランティアに対する関心は高まってきているものと分析をしております。  評価結果の関係でございます。現状分析で申し上げましたとおり、ボランティア数は 増加傾向にございます。その背景としまして、ボランティア活動の振興のため、手段で 申し上げましたように全国レベルと、都道府県レベル、市区町村レベルの各レベルに応 じましてきめ細かく積極的な働きかけを行うことにより、ボランティア活動を支援する ための環境、基盤づくりを行ってきております。この結果、ボランティア活動への関心 を高めてあるいは理解を深め、参加意欲を高めるといった効果につながり、それがボラ ンティア数の増加につながってきているものと考えております。また、効率性につきま してもそれぞれの事業におきまして、例えば地域の実情において事業の実施ができるよ うにメニュー事業にするといったことをしております。それぞれの各段階におきまし て、社会福祉協議会が事業内容に係る情報交換を例えば都道府県レベルと市区町村レベ ルでやる、あるいは全国レベル、都道府県レベルでやるといったような形で相互に連携 して事業を実施するということにも努めておりますので、効率的な事業展開が図られて いると考えております。  このように施策目標のために行っております各種事業は、その実施によりましてボラ ンティア数あるいは住民参加型サービス団体などに見られますように、一定の増加を示 していることから、地域福祉の推進に寄与しているものと総合的に評価しております。 以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続き援護企画お願いいたします。 ○社会・援護局援護企画課外事室長  外事室から御説明をさせていただきます。73ページでございます。私ども、戦没者の 遺骨の収集等を行うことにより、戦没者遺族を慰藉することを施策目標に掲げてござい ます。  実績目標1として、戦没者の遺骨の収集及びDNA鑑定による身元確認を迅速かつ適切 に行うこと。実績目標2は、旧主要戦域等において、慰霊巡拝、慰霊碑の建立等を適切 に行うということを掲げてございます。  手段でございますが、海外戦没者の遺骨収集につきましては昭和27年から、特に南方 から始めておるところでございます。旧ソ連地域につきましては、平成3年からそれぞ れ鋭意計画的に実施しているというところでございます。ソ連地域につきましては、お よそ14年までにロシア政府から提供された埋葬図に基づく調査、収集が終わりまして、 現在は新たに収集可能となった埋葬地を収集しているということでございます。南方地 域につきましては数々の制限がございますが、残存する遺骨に関する情報を収集して、 収集団を派遣し遺骨収集を迅速に実施しているということでございます。評価指標とし ては、収集した遺骨数からDNA鑑定により遺族への遺骨返還数それぞれ実績を記載させ ていただいております。  実績目標の2でございますが、慰霊巡拝なかなか聞きなれないお言葉だと思います が、旧戦域となった地域において戦没者を慰霊するため、遺族をお連れして慰霊をする という事業でして、51年から計画的に実施しておるということでございます。2つ目 は、日本遺族会の方に委託している事業がございます。3つ目、旧戦域ごとに慰霊碑を 建立する事業の一環として、旧ソ連地域におきまして平成12年から順次計画的にそれぞ れ小規模の慰霊碑を建立するという事業を展開しております。評価指標につきまして は、それぞれの実績を記載させていただいております。  次に現状分析でございます。先ほど申し上げたとおり、遺骨収集事業につきましては 昭和27年以降計画的に進めておりまして、海外戦没者約240万おられるわけでございま す。これまで124万柱の御遺骨を本国に送還をしているところでございます。戦後59年 が経過し、高齢化している戦没者遺族を慰藉するための各施策を迅速かつ着実に実施す ることが求められているという状況になってございます。  評価結果につきまして、一つは戦没者の遺骨収集でございますが16年度は沿海地域等 5地域、南方地域につきましてはビスマルク諸島等7地域において遺骨収集を迅速に実 施することができたということでございます。慰霊巡拝、慰霊碑の建立につきまして、 それぞれ多くの遺族の参加を得て実施しておるところでございます。小規模慰霊碑の建 立につきましては、平成12年から計画的に実施しておるところで相手方政府との交渉が 中断しておりましたが、先般交渉の再開が行われたところでございます。17年度以降は 着実に建立されるという展望に立っておるところでございます。  総合的な評価でございますが、戦没者の遺骨収集の迅速かつ適切な実施や慰霊巡拝、 慰霊碑の建立等の着実な実施または前進により、戦没者遺族の慰藉の達成に向けて進展 があったと判断をしているところでございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。引き続き障害福祉課お願いをいたします。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課企画官  障害保健福祉部の企画官をしておりますイハラでございます。手短に説明させていた だきます。障害保健福祉に関しましては、障害者プランというところで実績目標が定め られておりまして、19年度末までにホームヘルパーを約6万人、デイサービスセンター を約1,600箇所、ショートステイを約5,600人分確保することとなっております。その下 に評価指標がございますが、平成15年段階でいずれもその目標をすでに達成しておりま す。特に、この達成に大きく寄与した部分は、支援費制度の導入に伴いまして在宅サー ビスの部分が急速に伸びたことと考えております。  77ページに評価結果がございますが、総合的に評価結果分類及び分析分類ともに達成 したと考えております。しかしながらすでに目標値を達成しておりますが、地域のニー ズは非常に大きくありますものですから、先ほどお話にありましたように今回自立支援 法案を国会に提出しております。こういう在宅サービスに関しては、今は裁量的補助金 という形で国の補助が非常に不確実な仕組みになっておりますのを、義務的な経費にす るとか、あるいは地方ごとに目標値を定める障害福祉計画を策定するといった内容の改 正案を合わせて提出しているところでございます。以上でございます。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは時間がございませんので、全体のことも含めまし て御意見、御質問をいただけたらと思います。 ○堤委員  この政策以外に、最後のところにITの活用というのがありました。先般、渡辺委員 からお話がありましたが、あの政策は基本的にエンドユーザー、受益者がいかにアクセ スしやすいかという便利性を図るためにインターネットを使うという話であったのです が、基本的に事務事業というのですか、要するに内部管理ですね。経営管理、マネジメ ントにこれだけの膨大なデータ、情報を必要として全国に散らばっていて、全国に機関 があって、これはインターネットを使って第一線と合流しないと、これだけの情報を管 理するというのは大変だと思うのです。そういう意味では事務事業のインターネット化 というのか、IT化というのかわかりませんが、効率化をよほど図っていかないと大変 なことになると思います。  もう1点は、座長にお願いすることでしょうが、こういう政策を実行するときにイン センティブがすごくいるわけです。実行する人なり政策を立てる人です。民間の場合 は、それが昇進なり昇格なり給与で競争原理を働かせてなんとかやると。使命感とやる 気だけで全部持つかということがあろうと思います。今後この政策を本当に展開するに あたり、行政の皆さんの使命感とやる気だけに頼ってやっていけるのだろうかというこ とがあります。  もう1点、仕組みの中で特に上級管理職の方は2年ほどで代わってしまうのです。民 間の場合経営者や部長は1、2年で代わりません。政策を立てた人が、2年ほど経つと 代わって違う人が立てるという、全体の仕組みとして行政のあり方を考えないと政策が 進行していかないのではないかと思います。これは座長さんから総務省に言うことだと 思いますが、お願いします。 ○高橋座長  わかりました。篠原委員お願いします。 ○篠原委員  何点か言わせていただきます。まず、実績評価書のやることですが、担当がやること と担当課がいろいろなところに指示して外郭団体いわゆる地方公共団体など、最後の部 分の統計を出しているのです。これはやはり担当課がやることをもう少し明確にすべき だという気がします。今後、このあたりが出てきますのは、今執行機関というのは独法 化されています。いわゆる担当課がどういう政策目標を出して、独立行政法人がそれに 対してどう執行したかという評価は独立行政法人でしていますので、あくまでこちらの 評価は政策目標がどうであったという部分の評価がすごく大事になってくると思うので す。当面、独法のあたりにそれが出てくるので、全部が恐らく同じようにでてくるのだ と思います。  それと例えば22ページの建設業における労働災害で、目標としては産業安全水準の一 層の向上を図るということですが、実績目標は労働災害が減っているということで、広 報の普及活動と実績と離れすぎているのがいくつかあります。もっと自分の課のことを 書くべきということです。もう少し話を展開しますと、政策体系の中で少子化対策、エ イズといった大きな部分があってほんの一部を担当課としてはやっています。そういう 意味では、全体の有効性をどこでやっているのかと、今回は実績で細かい説明をしてい ただきましたが、全体の評価というのですか、この評価がこの施策をより有効なものか どうかといった全体的に評価する。ここの評価を見ていますと、「効率的である」と書 いてありますが、全体から見たらこれはやらない方がいいという部分か、あるいはこの 程度でいいというか、より有効なのはこっちでやっていくといった、今回予算のこと書 いていませんが、将来行財政が緊迫してくるとより重点的にやるという意味では、個々 では一生懸命にやっていますが、全体の調整がより今後重要になってくるのではないか という感じがしています。今回は、少し目的が違いますからあれです。  それと、総合評価を見ると評価と同時に今後の対応が書いてあります。評価がありま すとつい書きたくなります。今後の対応を見ますと、もう少し具体的に書いてもらいた い。これを分けるか、あるいはその中できちっと細目としてやったほうがいいのではな いか。これを国民に公表したときには、確かに今後の対応を書いていただいた方が、現 状がこうだという安心感があるから担当課としても書きたいですし、国民からしても非 常に必要な情報であるとすれば、もう少し対応の部分をより具体的に書いていただいた 方がいいかと思います。  それからコスト情報です。これは第1回目の時に梅田委員も言っていましたが、会計 上の情報というのは今の予算体系では出てこないです。これは政府全体というか各省庁 でも早く取り組んでもらいたい気がします。情報体系でより効率化するために、会計情 報も自動的に早くでてくるようにやって、そこに投資するものは無駄にならないのでは ないかという気がしているのです。そういう方にもっと金をかけてください。  それと政策評価で先ほども言ったように労力がかかっています。地方公共団体もかか っているのです。そういう意味では、よりこういう部分をシステム化して関係情報が自 動的に集まるような体系を取って、その中でも会計データをそういう体系で組めるはず ですのでできるだけ努力していただきたいと思います。 ○田村委員  今篠原委員が言われた、部局ごとでなく少し大局的に見るというのは私も賛成です。 ただ、実質的に今の実績評価からしてはなかなか難しいと思います。一つ申し上げたい のは、最後に障害福祉課の方が言われましたが、新障害者プランの評価項目があってそ れとリンクしている。これは割と幅が広い方で、こういうプランがたぶんいろいろある と思うのです。例えば、最初に言い損ねたのですが、医薬品、医療機器のことも医薬品 産業ビジョンとか医療機器産業ビジョンといったものがあって、それのフォローアップ も評価もしているので、そういうほかのもう少し幅広い評価をすでにされているものが あるので、それと実績評価なり総合評価になるのかもしれませんが、どうリンクさせる かと。あまり同じようなことを幾つもやっても仕方がないので、その方が視野も広くな るのでいいのではないかと思います。 ○稲葉委員  各課それぞれに縦割りでやっていますので、どうしてもそうなるのでしょうが、例え ば一番国民の関心事は少子化対策でして、育児休業の問題もあるし、福祉の問題もあ り、家庭の問題もある。しかしそれが総合的にどうつながっているのかではどうなのか ということになると、国民に見えないということもありますので、これは工夫したほう がいいのではないかと思うのです。今は、新エンゼルプランが終わりまして新々エンゼ ルプランになっていますが、かつて新エンゼルプランを毎年約1兆円ずつかけて5年ぐ らいやってきました。それによって少子化対策が進んだのか進まないのかということを 聞いたことがあるのですが、それに対する評価は厚生労働省の中には聞かれなくて、総 務省がそれの評価をしていまして、まあまあそこそこやっているのではないかという評 価でした。省として、国民の一番関心のあるものについては、この課は良かった、あの 課も良かった、でもトータルするとそんなに進んでいない、ということもありますの で、そこは総合的な評価を行う必要があると思います。  もう1点は、きょうも評価について(1)(2)(3)とついていますが、大体(2)が多いで す。「達成に向けて進展があった」と言うことですが、予算をつけているわけですから 進展があるのは当たり前です。ここの3段階の評価の項目、今度お変えになって、一歩 前進だということですが、ここはさらに工夫する余地があると思います。つまり3段階 でなく、もう少し細かく分けた方がいいのではないかという思いもしております。以上 です。 ○高橋座長  司会の不手際で時間が延びてしまいましたが、改めて厚生労働行政の膨大さというの をサンプル数15ではありますが、実感をいたしました。そういう意味で、先ほどからで ておりますがそれぞれの施策領域で個々の施策事業と仮にいいますと、それの課題への 支配力といいましょうか、それが相当違うのでしょう。少子化ということであれば、保 育というのはごく一つのパートでしかない、そういう意味では全体との関係で個々のも のがどう寄与しているかという話と、一つ一つの事業がどうパフォーマンスをはっきり しているかという話が二重にあって、そこらへん国民に御理解をいただく場合なかなか 難しいなということを改めて感じました。  それからやはり政策情報が整備されている領域とされていない領域がどうもあるらし いということ等々を含めまして、それぞれの施策のタイプがあるような気がします。そ こらへんに合わせた政策評価の着実な前進をお願いするということが最終的なといいま しょうか、とりあえず終わりに言わなければならないことかなと思いました。  なにせ、着手始めたばかりということで、評価官室もこれから工夫をしなければいけ ないし、一方で評価をするために時間的コストがかかってもまた問題ですから、ある種 のバランスの中でしかもはっきりしていることは、こういう形で国民に公開されるとい うことは厚生労働省の仕事が一つの標準的フォーマットで整理されて出されるという、 明らかに大変な前進だと思います。それが今度は実質化するためにはどうしたらいいか という、膨大な分野を抱えているだけに難しいなと思いつつ、きょうはこんなところで す。  それでは、次回のことも含めまして事務局お願いします。 ○政策評価官  準備不十分で時間が延びてしまい申し訳ございませんでした。本日は、評価書を初め て実際に具体的に見ていただきまして、御助言をたくさんいただきありがとうございま した。7月末に実績評価書公表ということになっていまして、すぐに直せる部分は直し まして公表したいと思います。きょういただいた中には、じっくり腰を据えて来年に向 けてきちんと検討しなおして書き直しをしなければならない部分が多いと思いますの で、そういった部分はまた時間をかけて改善したいと存じます。  本日は、まことにありがとうございました。また、次回の開催につきましては改めて 御連絡を差し上げたいと存じます。 ○篠原委員  よろしいですか、だいぶ具体的に言いたいことがありますので、後で書いて提出して よろしいでしょうか。 ○高橋座長  きょうの御欠席の委員も含めまして、お目通しいただいてご感想、コメント等があれ ば事務局にお寄せいただくということにさせていただきます。 ○政策評価官  ぜひ、よろしくお願いいたします。 ○高橋座長  それでは本当に、どうもありがとうございました。                                     (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 政策評価第二係 電話 :03-5253-1111(内線7780)