09/02/01 第29回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会議事録 第29回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 【日 時】:平成22年2月1日(月) 13:00〜15:00 【場 所】:中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室(5階) 【議 題】 1.前回の開催以降の関連領域での動向等について 2.その他 【議事禄】 ○木村生活習慣病対策室長 ただいまから、第29回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会 を開催させていただきたいと思います。  委員の皆様方には、御多忙の中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  それでは、まず始めに、上田健康局長よりごあいさつを申し上げます。 ○上田健康局長 健康局長の上田でございます。開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げま す。  皆様方におかれましては、本日多忙のところを当部会に御参集くださいまして、誠にありが とうございます。  本日の集まりの委員の皆様方におかれましては、日ごろより私どもの健康行政に対しまして、 格別の御理解と御協力をいただいております。改めて、この場を借りて御礼を申し上げます。  私ども健康局の行政は、申しまでもなく、人が生きていく上で最も重要な健康や疾病、生命 にかかわっておりますことから、国民の健康の保持・増進を支援するとともに、疾病の予防か ら管理までの実に幅広い範囲を受け持っておりまして、国民の皆様方からも常に注目され、期 待をされていると考えております。  こうしたことから、私どもといたしましては、私どもの分野の様々な行政課題に関しまして、 詳細な最新情報を迅速に収集し、科学的根拠と時代を先取りするアイデアによって政策を的確 に組み立て、わかりやすく、そして、説得力ある形で国民に提示をしていくことが何よりも大 事であると考えております。したがいまして、本日このような形で各分野を代表される皆様方 に私どもの施策の現状をお話しさせていただき、御意見を賜る機会を設けていただきましたこ とは、私どもにとりましても、大変貴重な場であると、このように考えております。何卒、忌 憚のない御意見を幅広く賜れば有り難く考えております。  なお、当部会は、前回昨年の5月に開催されておりますことから、本日の部会はそれ以来の 開催となります。したがいまして、本日は、前回の開催以降からの関連分野の施策の動向や今 後の施策の予定などについて幅広く事務局よりその概要を説明させていただきたいと考えてお ります。  いずれにしましても、委員の皆様方の御意見などにつきましては、十分検討をさせていただ き、今後の施策にできるだけ反映をさせていきたいと考えておりますので、今後ともよろしく お力添えのほどをお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、私のごあいさつと御礼 にかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ○木村生活習慣病対策室長 ありがとうございました。  それでは、続きまして、新たに当部会に御就任いただきました2名の委員の方を御紹介させ ていただきたいと思います。  まず始めに、一橋大学大学院法学部研究科教授の高橋滋委員でございます。 ○高橋委員 どうぞよろしくお願いいたします。 ○木村生活習慣病対策室長 もうお一方は、山口県和木町長の古木哲夫委員でございますが、 古木委員は、本日欠席とさせていただいております。  それでは、続きまして、本日の部会の出欠状況について御報告させていただきたいと思いま す。  委員の定数は27名でございます。現在、16名の委員の方々の御出席を賜っておりまして、 出席数は過半数に達しておりますので、本部会は成立しておりますことをここに御報告申し上 げさせていただきたいと思います。  なお、大橋委員、加賀谷委員、神田委員、北村委員、笹月委員、辻委員、寺脇委員、古木委 員、樋口(輝)委員の9名から本日は欠席との御報告をいただいているところでございます。  それでは、会議に先立ちまして、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。  まず、お手元に、議事次第、委員の名簿、そして、座席表があろうかと思います。それ以外 に、資料といたしまして。  資料1 第10回健康日本21全国大会開催概要  資料2 健康日本21の最終評価のための検討会の設置について  資料3 平成20年度国民健康・栄養調査結果から見た現状と今後の取組の方向性  資料4 食事摂取基準(2010年版)の策定と活用について  資料5 たばこ対策としてのたばこ税の税率の引き上げ  資料6 慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会(概要)  資料7 女性の健康支援対策について  資料8 今後の受動喫煙防止対策について  資料9 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見に関する検討会開催要綱(案)  となっております。  さらに、参考資料として1〜6まで、そして、資料4は4−1と4−2に分かれてございま す。それぞれお手元にございますでしょうか。もし不足や落丁等がございましたら、事務局ま でお申し出いただければと思います。   それでは、以後の部会の議事につきましては、部会長にお願い申し上げたいと思います。  部会長、よろしくお願い申し上げます。 ○部会長 では、議事を進めたいと思います。  まず、議題の1でございますが、「前回の開催以降の関連領域での動向等について」テーマが 6題ございます。まず、事務局より一括して御説明をいただき、その後で、委員の皆様方から、 御質問・御意見をいただきたいと思います。  では、事務局より御説明をお願いいたします。 ○木村生活習慣病対策室長 承知いたしました。  それでは、事務局から一括してただいまの議案1についての資料を説明させていただきたい と思います。  まず、お手元の資料1をお開きいただければと思います。  私どもの健康増進に関する啓発活動におきましては、健康増進月間を9月に定めまして、ポ スター等様々な啓発活動を行っております。また、民間団体などの活動に対しても幅広く支援 をさせていただいているところでございます。今般、第10回「健康日本21全国大会」を厚生 労働省等の主催で開催しましたので、その御報告をさせていただきたいと思います。  この全国大会につきましては、生活習慣病予防などの健康づくりに関する情報発信や、様々 な関係者の交流の場とすることを目的としており、第10回目の大会を、富山県で昨年の11月 11日に開催させていただきました。メインテーマとして、「1に運動 2に食事 しっかり禁 煙 みんなで健康 人が輝く元気とやま!」のもとに、厚生労働省や富山県の健康づくり県民 会議などの共催で開催させていただいたところでございます。場所は富山県民会館で行われ、 主催者としての厚生労働大臣の挨拶にて開会され、講演としては、健康大使でありまたトータ ルフィットネスコーディネーターでもある中尾和子さんに御講演をいただき、その後のシンポ ジウムでは私どもの大臣官房参事官の塚原参事官をコーディネーターとして、管理栄養士さん の方、学識経験者の方、地元の食生活改善推進員連絡協議会さん等のパネリストでパネルディ スカッションを行い、有意義な議論をしていただいたところでございます。総勢1,600名の 方々が集まり、また会場には展示ブースなども設置され、この機会をとらえて各種団体の活動 の紹介もさせていただきました。  なお、次回の開催県は愛媛県に決定しております。よろしくお願い申し上げます。  次に、資料2を見ていただければと思います。  2番目のテーマでございます「健康日本21の最終評価のための検討会の設置について」で ございます。「健康日本21」につきましては、平成12年から平成24年までの間の国民の健康 づくり運動という形で展開しているものでありますが、いよいよ最終段階に入ってまいりまし て、その最終的な評価を実施する状況となってまいりました。このため、現時点では新たに 「健康日本21」の最終評価のための検討会を開催させていただき、そこで既存の数値目標に 対して現行の実績値がどういう状況になっており、その理由にどのようなことが考えられるか というようなことを様々な観点から検討をしていきたいと考えております。数値目標の中には、 未成年者の喫煙の禁止に関する法律のために未成年者の喫煙率がゼロというような目標もあれ ば、その他の考え方のものもあるということで、数値目標にもいろいろと質的な差異が見受け られます。そのようなことから、今後、この数値目標等をどのようにしていったらいいのかと いうことにつきましても、およそ2年間ほどの検討をかけ、節目ごとに当部会の大所高所から の御意見を賜りたいと考えているところでございます。  その次に、資料3を見ていただければと思います。  次のテーマでございます「平成20年国民健康・栄養調査結果から見た現状と今後の取組の方 向性」でございます。  御承知のように、当国民健康・栄養調査につきましては、健康増進法に基づきまして、国民 の身体の状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにしまして、国民の健康増進の総合的な 推進を図るための基礎資料を得る目的のもとに毎年行っているものでございます。国民生活基 礎調査より設定された単位区から無作為抽出した300単位の世帯及び当該世帯の1歳以上の世 帯員を対象とし、調査項目として身体状況調査、栄養摂取状況調査、生活習慣調査という3つ の調査項目について調査を行っております。特に今回は重点項目として、「体型」、「身体活動・ 運動」、「たばこ」という3つの重点項目を中心に調査をしたところでございます。  その結果は、「調査結果のポイント」にも記してございますが、ページをおめくりいただき、 グラフをご覧ください。まずは、「体型」についてでございます。平成12年以降、男性では肥 満者の割合の増加傾向が鈍化しております。そしてまた、女性では肥満者の割合が減少してき ております。一方、若い女性のやせの者の割合は横ばい傾向であることが、統計学的な処理の 結果として判明したところでございます。  特に20〜60歳代男性の肥満者の割合については、平成12年以前の増加傾向と、平成12年以 後の増加傾向を比較いたしますと、両者とも増加はしているものの、その増加傾向は平成12 年以降からはそれ以前にと比べて鈍化している、そのような傾向が見てとれるかと思います。  それから、次に「栄養・食生活」についてでございます。食塩摂取量の状況です。これは二 十歳以上の状況です。ごらんのように、一番上の折れ線グラフが男性、一番下の折れ線グラフ が女性ですけれども、平成13年以降、食塩摂取量は、男女とも減少傾向にあることが見てとれ るかと思います。  その次のページをおめくりいただきまして、「朝食欠食の状況」についてでございます。二十 歳の成人男女で、欠食率はいずれも残念ながら増加傾向にあることが、この5か年間の傾向と して明らかとなりました。ただし男性の二十歳代だけは横ばい傾向でございます。  それから、「野菜摂取量の状況」につきましても、二十歳以上でございますけれども、折れ線 グラフにもございますように、平成13年以降、野菜類、緑黄色野菜、その他の野菜のいずれも その摂取量は横ばい傾向にあります。  それから、その上の右にありますように、野菜を1皿70gという換算で5皿以上摂取してい るものの割合ですが、男性で34%弱、女性で30%弱という状況でございます。  それから、身体活動、運動の面ですけれども、下のグラフにありますように、運動習慣のあ るものの割合は、この5年間に男女とも増加傾向にあります。しかしながら、一方、一日の歩 数の平均値は、男女とも逆に減少傾向になっております。  以上が、平成20年国民健康栄養調査結果の概要でございますが、1ページの後半から2ペ ージにより詳細なものを記載してございますので、後刻見ていただければと思います。いずれ にいたしましても私どもとしては、このデータをもとに、各方面において今後の健康増進対策 に真摯に生かしていきたいと考えているところでございます。  次に、資料4をご覧いただきたいと思います。  「食事摂取基準(2010年版)の策定と活用について」でございます。昨年の5月に、日本人 の食事摂取基準に関する策定検討会を開催しまして、その報告書をとりまとめたところでござ います。日本人の食事摂取基準は、5年ごとに改定しておりまして、そのときどきの日本人の 食事の摂取の状況とそれに基づく基準を示しているところでございます。  昨年の5月29日に取りまとめられた検討会報告書内容に基づき、この3月中に健康増進法第 30条の2の規定に基づきまして、「食事による栄養摂取量の基準」の告示を2010年度版という 形で出し、4月1日から施行することを考えているところでございます。またこれに先立ちま して、昨年の秋には全国でブロック別の講習会を開催し、その内容の周知・徹底を図らせてい ただいているところでございます。  また、この摂取基準はデータのみでどのように活用してよいのか、よくわからない面もござ います。そこでより一般の方々にも活用していただけるよう、活用方策の検討会を昨年の夏か ら立ち上げて検討をしておりまして、特に食事の改善と給食管理における適切な活用方法につ いて検討をさせていただいてきたところです。この3月上旬ぐらいには方策をとりまとめ、今 後の2010年版の食事摂取基準の施行に併せてご活用いただくことを目指しております。  なお、来年度につきましては、引き続き科学的根拠の収集・策定体制の整備や関係機関との 連携による食事摂取基準の活用の推進、また科学的な研究の推進などを引き続き推進していく 予定でございます。  それでは、資料5をご覧いただきたいと思います。今度はたばこ税の税率の引上げに関して でございます。  今般の税制調査会に対し、厚生労働省としまして国民の健康の観点から、たばこ税の引上げ を要望させていただいたところでございます。その結果、たばこ1本に付き3.5円の税の引上 げが決まりました。小売価格にしますと、1本につきおおむね5円程度ですから、現在、標準 の1箱300円のたばこが400円程度になるということで、従来から比べると大幅な値上げが予 想されます。その値上げの時期は、今年の10月1日からとなってございます。  私どもの厚生労働科学研究において、たばこの価格と禁煙率の変動に関する研究もしており ますけれども、400円程度に引き上げられた場合の男性の喫煙率の推計が、28.1%から35.3%、 平均して30%強ぐらいの喫煙率になるのではないかと推定され、現在、お手元の資料にござい ますように、国民健康・栄養調査(20年版)の喫煙率では、男性で36.8%となっておりますの で、かなりの喫煙率の低下が見込まれるのではないか、すなわちたばこ対策の観点からは一定 の成果が出てくるものと考えております。  なお申すまでもなく、たばこにつきましては、その左の下に書いてございますように、男性 喫煙者の肺がんによる死亡率は、男性非喫煙者に比べて4.5倍程度高い。あるいは慢性閉塞性 肺疾患(COPD)のほとんどの要因が喫煙であるといったようなことや、40歳時点でのたば こを吸っている男性の平均余命は、たばこを吸わない男性より3.5年ほど短いといった基礎的 なデータがございます。  また、政策面でも、国際的には「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」があり、そ の第6条に、価格及び課税に関する措置が重要な手段として記されており、日本もこの条約を 批准し、その締約国として対応しているところでございます。また、「健康日本21」について も、たばこに対する目標がいくつかございます。いずれにしましても、今後ともたばこの税の 面も含めて厚生労働省として、たばこ対策を多角的に推進していく予定でございます。  次に、資料6をお開きいただきたいと思います。  「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」が昨年の7月〜8月に開催され、提言のとり まとめがなされましたので、その御紹介をさせていただきます。  この検討会では、まず、慢性疾患の中でも、筋・骨格系や結合組織の疾患あるいは慢性閉塞 性肺疾患などについて、今後、施策のあり方を検討していくことがより重要であること。また、 関係機関等との連携の中でも、既存の施策の対象になっている糖尿病や循環器疾患などの慢性 疾患において、関係医療機関などの連携でより一層促進されることが必要であること。さらに、 患者が主体となる慢性疾患対策においては社会全体で取り組む意識の醸成、それらの基盤づく りが必要であるといった、非常に幅広い観点からの御提言をいただいたところであり、これを 受け健康局におきましても、これらについてのより具体的な施策の検討をしているところでご ざいます。慢性閉塞性肺疾患につきましても、今後、新たに検討会を立ち上げたいと思ってお ります。  それから次に、「女性の健康づくり対策」でございます。女性が生涯を通じて、健康で明るく、 充実した日々を過ごすことができるように、女性の様々な健康問題を社会全体で総合的に支援 するということでございます。私どもは、「現状」のところにも記載しておりますように、各年 代ごとに多様な健康課題が存在し、普及啓発や地域の取組についても、まだまだ不十分な面が 多いことがあります。そして、男女には健康の面において様々な差があるわけですけれども、 その科学的な根拠についての解明もしていかなければならない面があります。こういった課題 について総合的に取り組んでいく必要があるということで、まずは普及啓発の推進の観点とし て、3月1日〜8日までを「女性の健康週間」として、国、地方公共団体、関係団体による各 種の啓発事業を展開していただくようにお願い申し上げているところでございます。また、女 性の健康づくり対策の支援ということで、現在、女性の支援対策事業という形で、地方自治体 で取り組んでおります様々な事業や先進的な取組について評価を各自治体にしていただき、有 効な好事例を集めて、今後、国として各地方公共団体に広く広める取組をしていく予定として いるところでございます。  また、一番右に記載してございますように、厚生科学研究においても、大規模なコホート調 査を始めとして、各種の生活習慣病関連の中で研究を行っているところでございます。今後、 これらの研究成果も踏まえた女性の健康づくり対策を推進していく予定でもございます。  次のページをお開きください。今申しました、地方自治体の先進的な取組も含めた事例のま とめについてでございます。今般、行政刷新会議の結果を受けて当初2年予定で取り組んでい た事業が1年という形になってしまいましたので、この事業1年目のもので実績を集めながら、 今年度末に集約し、来年度にはそれを地方自治体に有効な事例の紹介をして、全国各地域で取 り組んでいただけるよう、対応していきたいと思っております。  それから、その次の3ページ目をご覧ください。3月1日〜8日の「女性の健康週間」にお きまして、厚生労働省の主催で「生涯を通じた女性の健康づくりの取り組み」のイベントを開 催する予定にしております。女性の健康づくりの推進について普及啓発を図るという一環から、 各界各層の方々の御講演もいただきたいと考えてございます。女性の健康についての現状と課 題、そして地域における取組の御報告を内容の骨子としたものを御紹介させていただきたいと 思っております。  以上が、議題1に書かれます事務局からの御報告でございます。  以上でございます。 ○部会長 ありがとうございました。  非常に盛りだくさんですが、ただいまの御説明に、御質問・御意見がございましたら、お願 いいたします。 ○澁谷委員 まず、たばこの枠組条約の締約国会議が開かれていると思うのですけれども、そ この中で、日本の進捗状況はどんなふうに評価されているというか、全体の世界の締約国のど んな状況なのかという、今いろいろ施策をお話しいただきましたけれども、その辺の評価のこ とを1つお伺いしたいという点がございます。  それから、もう一つは、特定健診・特定保健指導がスタートしたわけですけれども、これの 評価といいますか、そういうものがどんなふうに今後行われていくのかなという辺りを教えて いただきたいです。 ○森たばこ対策専門官 たばこ対策専門官の森です。  1つ目の締約国会議における日本の進捗状況はどうかということについて御説明させていた だきます。  締約国会議では、締約国となってから5年目に一定のレポートを出すことが求められており、 その期限が今年の2月の末になってございます。そのため、今はそれに向けた作業を行ってい るところです。  一般的に言って、今の日本の状況はどうかということに関しては、いろいろな状況としか言 いようがないと思います。例えば、禁煙支援みたいなものに関して言えば、比較的評価はされ ていますが、一方では評価されていない分野も結構ございます。そういったところも含めて、 今年の2月の末の5年レポートのところで、また、各国並びでどうなのかということが見える ようになると思っております。 ○木村生活習慣病対策室長 後段の特定健診・特定保健指導の件でございますけれども、平成 20年度からこの制度はスタートしておりまして、保険局にデータが最終的には集まる形にはな っているところでございますけれども、完全には保険局にまだ集まっていない状況です。今後 の予定でございますけれども、来年度から、その集まったデータをもとに中身についての評価 をすることを保険局は考えており、私どもも、お手伝いすることについてはさせていただこう と思ってございます。 ○田中委員 2点ほど感想っぽい話ですが、たばこのところの説明で、たばこと平均余命につ いては話題が出ていましたけれども、たばこと健康寿命という視点で、要するに言いたいのは、 長生きと健康で長生きというのは別の話で、かつて私の方で長野の研究をしたときの翌年、要 するに、健康寿命が長い人はどういった人生を送ってきたかということで、かなり多くの指標 で調査したときに、今はたばこをのんでないけど、若いときのんでいたという話は結構多ござ いまして。要するに、元気なお年寄りというものが、たばこはのまないのがいいというふうな ことばかりではないような印象を持っていたわけですね。要は、平均余命も非常に大事なこと ですが、今日、長生きは当然の時代になっていて、いかに元気に生きるかというのと平均寿命 との関係は何かとらえることができないのかなという感じが1つと。  もう一つ、女性の健康づくり対策は非常に大事なことだと思いますけれども、世の中女性の 必要度と男性の必要度はどちらが高いのかとふと思って、男性の健康づくり対策ということは お考えになっておるのかどうなのかということについて、きょうも住民基本台帳の資料で5歳 階級別に男女の数を見ていましたら、女性は5歳階級刻みで見たら80歳以上が一番多いんです ね。男性は極めて少ないのですけれども。極めて健康に長生きできる女性対策と、仕事をした ら早々とあの世に行かなければいかん男性というような感じをふと思って、要は、男性の健康 づくり、女性の健康づくりと言うのは変な話ですけれども、国民の健康づくりでしょうけれど も。要は、女性ということにターゲットを絞って健康づくり対策を打たなければいかん意味合 いがどこにあるのかなというところについてふと思いましたので、ちょっとお話をいただけれ ばと思います。 ○部会長 事務局いかがですか。 ○木村生活習慣病対策室長 それでは、女性の健康づくりの今の話について、私の方から御説 明いたします。  いろいろな疫学的調査がありますが、例えばコホート調査のような調査結果を見ますと、男 女間について、それぞれの世代で大きな違いがある、すなわち性差があることがわかってまい ったわけでございます。特に性差の中でも、女性の方が性差による影響というものが、例えば 更年期による障害とか、男性も勿論更年期障害もあるわけですけれども、いろいろな面で男性 よりもその差異の程度が相対的には大きい面があることから、私どもとしては、まずはそのよ うな観点から「女性の健康づくり対策」という形でやっていこうと。しかし実はその中には、 男性についての配慮といったこともこの施策の中には概念として入っておりまして、要するに 性差に着目したきめ細かな対策をとっていくべきであると考えております。女性の健康づくり ばかりではなくて、男性においても、性差の中で対策をとっていかなければならない個別事案 については、また、個別に検討をさせていただくことを考えております。 ○森たばこ対策専門官 たばこと健康寿命に関して、本来は、きょう辻委員がいらっしゃって いれば、私よりずっとうまく説明してくれるのだと思うのですけれども。確かにたばこを吸う と健康寿命はどうなるかというのが一つの観点としてはあると思っております。そういったこ とについてもやってくださっている研究者の方々がおりますので、そういった経過が出てきま したら、こういうところで御紹介できればと思っております。 ○部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○樋口(進)委員 「健康日本21」の最終評価のことですけれども、ちょっと素朴な質問で すけれども、これは最終評価の年が、当初から比べると少し後ろに下がったと思いますけれど も、これはどういうふうな理由でこういうふうになったのかということをちょっと。  それから、今後検討されることなんでしょうけれども、「健康日本21」のような国民的な健 康運動が、これが終了した後、さらに、形を変えて次のステップとして行くのかどうかという ことについてのお話をいただければと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 まず、「健康日本21」の期間の件でございますけれども、当初は、 10年計画という形でスタートしておりました。しかしながら、計画推進の途中にあって医療制 度改革の流れの中で、医療費適正化計画や介護保険計画、それから、この健康増進計画を一つ の整合性のとれた流れとしていこうという動きの中で、「健康日本21」の期間も延長されまし て、平成24年までという形になったところでございます。このように、医療・福祉・健康の連 携を図っていこうという趣旨でこのようになっているということでございます。  それから、後段の話でございますけれども、その後の国民健康運動につきましてはまた引き 続き、「健康日本21」という運動の名称と中身が変わったとしても、何らかの形でやっていか なければならないということは十分認識してございまして、そのためにも「健康日本21」の 最終的な評価をしっかりやらせていただき、そこから出てくる問題点や課題、そういうものを 踏まえて、新たな健康づくり運動を今後構築していく必要があると考えているところでござい ます。 ○内田委員 2点ございます。1点は、先ほどの特定健診・特定保健指導の評価、見直しにつ いての検討会のお話で、保険局サイドではというお話がありましたが、健康局マターの方でも 結構見直しであるとか、再検討という要望がたくさん出ていると思いますが、健康局の方の対 応は、どういうお考えでいらっしゃるのかと。それが1点ですね。  2点目は、「健康日本21」については、中間評価のところで、「あまり改善していない」あ るいは「悪化している」という評価項目が随分出ました。その中で、今後の取組といいますか、 後半戦についての取組をどう展開するかという検討がなされたと思うんですが、その辺のとこ ろが目に見えた形で動いているという印象を持っていないのですが、その辺についてどうお考 えになっているかと。 ○木村生活習慣病対策室長 まず1点目の特定健診・特定保健指導の健康局サイドの取組状況 でございますけれども、例えば現在、男性の腹囲が85cm、女性が90cmという形になってござ いますけれども、スクリーニング基準が基本的にこのままで今後とも行うことがよいのかどう かといったエビデンスの集積をしておりまして、また昨年の秋には、国際的な関連学会などで、 国際的な新たな基準の考え方も定められつつあります。そのような動向や日本では腹囲を計る ことを必須にしていることとの関連などについても現在、検討しているところです。個別の技 術的なものがどの程度妥当性があるかといった観点から、検討をさせていただいているところ でございます。  それから、2点目の「健康日本21」の中間評価以後のことについてどうなっているのかと いう御質問であったかと思いますけれども、御指摘のとおり、中間評価では、いろいろと課題、 問題点も指摘されました。例えば9分野を対象にスタート時点の目標値を70立て、中間評価時 点のところでは79の目標が設定されているわけでございますけれども、そのような目標値が 多すぎるのではないかという指摘もございました。現在、この中で特に重点事業として、適度 な運動、適切な食生活、禁煙という3つの分野を重点的に推進していく、いわゆる重点プロジ ェクトの形で「すこやか生活習慣国民運動」を展開しております。ただ、その展開につきまし ては、この分野をターゲットとして普及・啓発の手法自体が今までのやり方でいいのかという ことに対する反省を踏まえた検討を行い、全く新しい手法を取り入れることを検討しておりま す。すなわち、広告やコマーシャル理論だとか、あるいは社会心理学といったことを基礎とし て広告を企画する方々が行っている手法を全面的に取り入れた新しいやり方で、国民運動を行 っていく対象を明確化し、それぞれの対象に応じた行動変容を起こしやすい働きかけに資する 手法を現在開発中でございまして、今年度中にはその内容をまとめる段階に来ていることから、 次回の部会におきましては、委員の皆様方にその内容をお示しすることができるのではないか と考えているところでございます。 ○内田委員 特定健診の話ですが、検討が進められているということですが、これはどこで進 められているのかというのが1点。それから、私どもとしましては、今回の特定健診につきま して、メタボに絞った対策ということの妥当性をやはり検討する必要があるだろう。肺年齢の 測定とか、クレアチンの測定とか、様々な検査項目が特定健診の中では外されているという状 況に関して、非常に問題意識を持っているのですが、その辺のところの検討はどういう時点で 検討を再開されるのかということをお聞かせいただければと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 検討という言葉は少し誤解があったのかもしれませんけれども、 今は関係する研究治験の集積に努めさせていただいており、それらの研究結果やその検討内容 を見ながら、その断片的な情報について内部で検討している状況でございます。 ○武見委員 国民栄養調査の結果の御報告のことに関連して、ちょっと意見と質問なんですけ れども。男性の肥満者は減少しているといういい方の結果と、朝食欠食とか野菜については、 悪化かもしくは維持という中で、野菜の摂取量については、単なる平均だけではなくて、今回 350gの摂取をしている人、5皿以上の人とか、そういう形の新しいといいますか、今までにな かった分析をされてきたと思うんですね。そういう中で、やれている人とやれてない人みたい なのを国民健康調査のデータを使っても見ることができると思うんです。そういう意味で、例 えば野菜を摂取している人たちは、恐らく朝食欠食もあるだろうし、じゃ、身体活動とか、た ばことか、その辺はどうなっているのかという、その生活習慣全般としての解析のようなこと をこの国の貴重なデータを使ってもっと進めていただくという、そういう予定はないのかとか、 今後の計画はどうなのかということ。  そのことは、先ほど木村室長がおっしゃった、ターゲットを絞った展開のデータにもつなが るでしょうし、それから、今後「健康日本21」の最終評価が行われていくということなんで すけれども、そのときにも、単なる平均値の評価だけではなくて、どういう人たちが何がやれ ているのかという、そういうのを見ていくためにも必要な解析ではないかと思うんですけれど も、その辺について予定なり、計画があれば、伺わせていただきたいと思います。 ○河野栄養・食育指導官 ただいまいただいた御質問に対しまして、例えば野菜の350g以上 を分布でこういった形で出したのは今回初めてということになります。過去のものについても、 平均値という形でこれまでこういった分布ではお出ししておりませんので、その部分について は、随時再集計を加える等の作業をもって公表していきたいと思っています。  また、生活習慣全般とのクロスも含めた解析の深め方という御指摘の部分につきましては、 例えば昨年の11月に行った調査では、朝食の欠食率だけではなくて、朝食を食べるために必要 な支援とはどういったものであるのかということで、例えばそういったものの中に睡眠のこと であるとか、労働環境の問題であるとか、そういったところの項目も含めてございますので、 それが公表される段階では、一部そういった今の御指摘に合ったような結果も公表されるとい うふうに考えております。また、それ以上に、朝食の欠食であるとか、身体活動、あるいはた ばこを含めた生活習慣全体についてのもっと検証が必要ではないかという部分については、研 究レベルでの検証も含め詳細な検討が必要というふうに考えておりますので、これから、その 方法論も含めて検討したいと思います。 ○上谷委員 2つだけお尋ねいたします。  まず、今の引き続き同じお話なんですが、この栄養摂取の状況は何日の聞き取りをやってこ ういう結果が出るのかということなんですね。といいますのは、野菜を5皿以上食べている男 性がこんなに女性から比較するとパーセンテージが高く出るのかということは地域で活動をし ているものからすると、ちょっと重いのですが、これでもう一つ、年代層別にどうだったのだ ろうかということの裏付けがあれば少し見れるかなと。何日聞き取りをなさったのかなという のは、摂取量と習慣を聞くのとは、そこに違いが出てくるのではないか、というような感じが して、この裏付けをちょっと聞きたいなということが1つです。  それから、もう一つ、「健康日本21」昨年聞いた限りでは、「健康日本21」のいろいろな 解析を去年業者に出された記憶があるんですが、その経過が少し出ているのか。そして、2000 年から取りかかられた「健康日本21」のいろいろな地域のデータをこの検討会を立ち上げる 中の専門家がその業者が入るのか、そのデータが入っているかどうかをちょっとお尋ねしたい なと思うんですけれど。 ○河野栄養・食育指導官 まず、前段の部分にお答えさせていただきます。  この調査の食事摂取状況調査は1日ということになっております。ただ、1日になった経過 も、平成7年に世帯から個人単位に変更し年齢階級別の集計を可能にするということで、調査 者の方々の負担も考慮し、調査日が1日ということになってございます。ただ、今御指摘のよ うに、その1日でもってどれだけ習慣を把握できるかどうかということについては確かに疑義 があると思いますので、その点については、今、食事摂取基準の活用検討会においても、習慣 的な摂取量をどう把握していくかというところで御意見もいただいておりますので、そういっ た結果も踏まえまして検討を進めていくことになると考えております。  また、野菜350gが、男性が多いのではないかという御指摘については、恐らく総量、食事 の 全体量とかかわってくると思われます。食事の全体量は圧倒的に男性が多いので、そうすると、 女性については限られた食事量で、どこまで350gをクリアすることができるのかという問題 もございますので、指標の立て方も含めて、食事量としての全体と野菜の摂取量の双方につい て見ていく必要があると考えてございます。 ○渡邊委員 先ほどの武見委員の質問に続きますが、朝食欠食の状況が20歳代から出ているの ですが、目標値は中・高0%と出ていますので、できましたら、15〜20歳とか、その辺りも集 計できるならば追加していただければと思います。  それから、内田委員の質問にちょっと関連したことなのですが、メタボから糖尿病になって、 糖尿病から透析患者に入る人は非常に多いわけですね。この前、学会でちょっと問題になった んですが、腎機能が落ちてきたときに、腎臓専門医に紹介せよというのがガイドラインとして 出ておりますけれども、そうしますと、糖尿病の専門医は全員非専門医になってしまうという ことがわかったんですよ。ですから、これは厚労省としましても、疾病対策課と生活習慣病対 策室と少し管掌が違うのかもしれませんが、是非、疾病予防という観点からはどこかで一本化 して御検討をいただければというように考えております。腎臓の人も60ぐらいになりますと、 だんだん腎機能が落ちてきて、60以下になっていく人もおりますし、そういう人には低蛋白症 がとても多いわけですが、現在の健診では、それこそクレアチニンも測ってないので計算でき ないわけですね。ですから、この辺りは少し御検討をいただければと思っております。 ○部会長 よろしいでしょうか。 ○河野栄養・食育指導官 では、まず朝食の欠食率に関して、国民健康・栄養調査の報告書の 方では、すべてデータの方はお出ししています。ただ、ここにお出ししていませんのは、児 童・生徒に関して言いますと、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」の中に、生活習慣、 朝食の欠食に関するデータはございまして、そちらの方が圧倒的にサンプル数も多く、必ずし も国民健康・栄養調査のデータだけで評価をすることではないということで、ここでは割愛さ せていただいておりますが、全体の報告書の方には掲載する形になります。 ○木村生活習慣病対策室長 渡邊委員の後段の件でございますけれども、先ほども、私どもは 慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会の開催をさせていただきたいということでございま すけれども、まさに、その中でも川上から川下にいかにつなげていくかということが非常に重 要だということが、委員の方々の方の認識でございましたし、私どももまさにそうだと思って ございますので、御指摘の点について、また、事務局の方で検討をさせていただきたいと思い ます。 ○渡邊委員 女性の健康づくりの方は、腎疾患が入っていますので、是非よろしくお願いしま す。 ○部会長 資料6で、今のこととも関係ありますが、循環器疾患、糖尿病等においても、関係 医療機関との連携を促進させていくことが必要とありますけれども、これは何か具体的に方策 を考えていらっしゃるのでしょうか。腎臓だけではないですし、かなりトータルに見ていかな いといけないわけですね。 ○木村生活習慣病対策室長 おっしゃるとおりでございます。特に循環器疾患ですとか、ある いは糖尿病といった疾病になり、また合併症も伴っていくような疾患にあっては、いろいろな 多種職種のかかわりの中で、一人の患者さんを社会の皆でサポートしていく、そのような方策 が必要であると考えておりまして、来年度の予算でもそれに関連するガイドライン作成の予算 要求等もさせていただいているところでございます。 ○部会長 よろしいでしょうか。 ○松田委員 先ほどの朝食の欠食率のデータですけれども、学校系の方でたくさん取っている というのであれば、まず、その学校系のデータとこのデータの整合性のチェックを是非してい ただきたいと思います。  もう一つは、以前、僕たちも自治体でそういう調査をやったことがあるのですけれども、特 に食習慣は家族の一致度が高いんですね。お母さん、お父さんが欠食していると、子どもも欠 食している割合が結構高いので、家族単位の分析ももしできるのであれば、加えていただけた らと思います。 ○河野栄養・食育指導官 1点目の御指摘につきましては、先ほど、対象の話も申し上げたと おり、調査の対象者によってデータも違ってくることと、国民健康・栄養調査では1日の食事 状況調査の結果で評価であり、文科省さんのように習慣で聞いているものという調査方法の違 いがございますので、そういった点も含めて「健康日本21」という枠の中では必ずしも個別 のデータだけではないですので、総合的に評価できるように、データの出し方も工夫をしたい と思います。  あと、もう一点、家族という視点での解析等につきましても、御指摘のとおりだというふう に考えますので、個別の今の調査設計の中では、すぐにはデータが出にくい部分もありますが、 生活習慣調査という項目の中で工夫することによって、そういった観点からの整理もしていけ るように努めていきたいと思います。ありがとうございました。 ○坂本委員 今回、厚労省の方でも、日本人の貧困の問題をいろいろと発表されたと思うんで す。「健康日本21」などの国民栄養調査なども含めましてですけれども、これに協力していた だいている方々というのは、かなりの所得水準の上の方々の調査に基づいているのではないか ということも含めまして、今後の健康づくりの課題としては、貧困の問題と国民の健康という のは少し視点に入れていくべきではないかというふうに思いました。 ○木村生活習慣病対策室長 国民健康栄養調査につきましては、国民の基礎調査対象者の中か ら無作為に抽出しておりますので、そういう意味での偏りはあまりないのではないかと考えて いるところでございますけれども、先ほど、貧困と関連したデータの分析など他の要素と組み 合わせて今後分析していくことが必要ではないかと思っておりまして、その辺りについても今 後とも考えてまいりたいと思います。 ○多田羅委員 一言だけお願いしたいんですが、1つは「健康日本21」。21とありますよう に、これは21世紀を通じてということで、24年ということが一つの区切りにはなっておりま すけれども、それ以降も、その精神を受けた、まさに国民運動としての国民が自発的に参加す る運動としてのこの「健康日本21」に是非本質的に継続する方向で取り組んでいただきたい ということで御要望をさせていただきたいと思います。  それで、そういう関連で、この最終評価というのは、いかにもこれで終わりそうな感じなの で、どうも言葉尻をとらえて申しわけないのですが、一種の中間評価だと思うんですね。なか なか10年やそこらで長年の国民の健康習慣が改善されていきにくい面もございますので、その 辺も少し意識していただいて、最終最終と言うと、何かそれで終わるような感じを少し生みが ちなところもあるかと思いますので、一種の中間評価であるというような考えも是非国民にも 持っていただきたいし、厚労省の方でもそういう御認識で、できましたら、21世紀を通じてや る国民の運動だというふうな認識を深めていただきたいと思います。それは要望でございます。 よろしくお願いします。 ○大場委員 女性の健康づくりのところですけれども、昨年末に子宮頸がんのワクチンが摂取 できるというふうになったというふうにお伺いいたしました。非常に意味あることかと思うん ですけれども、その点について、何か今後の方向性と検討していらっしゃるようでしたら、教 えていただければと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 このがん対策につきましても、おっしゃるとおり生活習慣病の一 つとして健康局として対応しており、がん対策推進室という室を設けまして、そちらで集中的 にがん対策について推進しております。その室の方で子宮頸がんワクチンの対応についてもさ せていただいているところでございます。今の御指摘につきましては、当該の室にも話をさせ ていただきたいと思います。 ○寺脇委員 ヒトパピローマウイルスの件なんですけれども、薬局は女性が非常にたくさん働 いておりますで、我々薬剤師会は、薬局を中心に啓蒙活動をしていきたいなと今計画を進めて いるところです。 ○部会長 よろしいでしょうか。 ○白川委員 今の女性の健康支援対策も関連するのですけれども、「健康日本21」の実行のと きもそうだったと思うんですけれども、運動を展開するには、最終的には自治体でありますと か、企業でありますとか、そういったところをどのように組織化して、どのように機能してい ただけるかという仕掛けをつくるのが非常に重要だというふうに思うんですけれども、女性の 健康支援対策について、セミナー等も勿論重要ですけれども、そういう仕掛けづくり。例えば ピンクリボンのがん検診の話なんかは、一部の企業がかなり積極的に取り組んだりもしており ますので、そういった面での御検討も是非お願いしたいという、これは意見でございます。 ○田中委員 これは要望というのかな。「健康日本21」の最終評価のことですけれども、この ことは非常に大事なことだと思いますが、市町村現場で生活習慣病予防対策として、今、国策 として国を挙げて取り組んでやるのは、「健康日本21」もそうですけれども、対象はメタボと いうことで絞っていますが、特定健診・保健指導も、市町村現場で今進められていると。要す るに、対象となる住民は、「健康日本21」の施策も受けるし、それから、特定健診・保健指導 も、これは40歳以上ですけれども、個々の被保険者も、それから、扶養者保険の加入者もすべ てその対象になっていると。要は、何を言いたいかというと、「健康日本21」を最終評価され るときに、「健康日本21」だけでの評価というものがどれぐらいできるのか。結局、特定健 診・保険指導という医療保険者の義務化による影響というものがどの程度あるものなのかです ね。国保は大したことはできていませんので、ほとんど発言権がないような話かもしれません けれども、そこら辺りのことについて、要するに、評価をするときに、大きな国の施策として 2つの施策が市町村に流れていて、対象者は両方とも多くの人が受けていると。それを評価す るときの基本的な考え方といいますか、そこら辺りのことはどうですかね。 ○木村生活習慣病対策室長 市町村や都道府県レベルでの地方自治体での健康づくり施策を展 開するに当たっては、ポピュレーション・アプローチとハイリスク・アプローチの両方の手法 で大いにやっていき、そして、それがうまくミックスされてベストな状態になる方向に持って いく。そのような状況を私どもは目指しておりますし、また、個々の地方自治体の方もそのよ うな方向で対応してきていると思っています。  ですから、その中で私どもの今回の評価という中にも、一義的にはポピュレーション・アプ ローチのところを評価していくわけですけれども、一方のハイリスク・アプローチの影響につ いても関連してくるだろうと思います。御指摘のように、そのようなことを今後、ご議論させ ていただければと考えているところでございます。 ○部会長 よろしいでしょうか。  さらに、また、後で御議論をいただくことにして、次に、議題の2「その他」の方にまいり ます。  まず、事務局から御説明いただきまして、後で、御質問・御意見を承りたいと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 それでは、私の方から「その他」については、今回2つのテーマ があり、それらについて資料説明をさせていただきます。  1点目は、「今後の受動喫煙防止対策について」でございます。資料8をご覧いただきたいと 思います。  昨年の3月に私どもの局の「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」が報告書を出しま した。その報告書についてはお手元の参考資料4−1をご覧いただければと思いますけれども、 4−1が概要、参考資料4−2がその報告書の全文でございます。この検討会におきましては、 これまでの受動喫煙を取り巻く環境の変化を考慮し、基本的な方向性として多数の者が利用す る公共的な空間においては原則として全面禁煙であるべきであること。しかしながら一方で、 飲食店経営者や事業者等にとって自発的な受動喫煙防止措置と営業を票率させることが困難な 場合があるなど、全面禁煙が極めて困難である場合には、社会情勢の変化に応じて暫定的に喫 煙可能区域を確保するなどの対策を行うことができること。などの骨子からなる報告書がこの 検討会において取りまとめられたところでございます。  私どもは、平成15年に受動喫煙防止対策に関する厚生労働省の「健康局通知」を出して、そ れに基づいた行政指導を今までしてきたところですが、今回のこの報告書の内容も踏まえ、こ の2月25日に新たな局長通知を出させていただくことも視野に置いた資料8の資料をご披露 させていただいたところでございます。  まず、「1.健康増進法規定の趣旨」ということで、そこに前文に書いておりますけれども、 第25条の規定におきましては、学校、体育館、病院、百貨店等々といった多数の者が利用する 施設を管理する者にありましては、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために 必要な処置を講ずるように努めなければならないということが、この健康増進法の第25条に規 定されていることでございます。この中で、本条における受動喫煙の定義でございますけれど も、室内またはこれに準ずる空間において、他人のたばこの煙を吸わされるということで定義 を引き続きしております。  また、受動喫煙に関する健康への悪影響につきましては、科学的に明らかとなっているとい うことで、その中身の具体的なものを注という形で記載させていただいていこうと考えている ところでございます。  それから、「2.法第25条の規定の対象となる施設」についてですが、これらの施設は先ほ ど申しました学校、体育館、病院、あるいは劇場等々のものが明示されているわけですけれど も、本条における「その他の施設」につきましては、鉄軌道駅、あるいはバスターミナル、ま た、航空旅客ターミナル、旅客船ターミナルといったような交通機関のターミナル、それから、 金融機関や美術館、博物館、社会福祉施設、商店、ホテルといったような宿泊施設、また、野 外競技場、遊技場といったような娯楽施設など、多数の者が利用する施設ということで規定さ せていただきたいと思ってございます。この本条の趣旨にかんがみまして、その中の車両の中、 すなわち鉄軌道車両やバス、タクシー、航空機、旅客船の中にありましても、これ自体を「そ の他の施設」として、その中についての対策を含むという形にしたいと思っております。  今後の基本的な方向性ですけれども、多数の者が利用する公共的な空間につきましては、原 則として全面禁煙でとするということで、しかしながら一方で、全面禁煙が極めて困難な場合 などにありましては、当面、施設の態様、あるいは利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防 止対策を進めていただきたいと思ってございます。なお、屋外であっても、子どもの利用が想 定される公共的な空間においては、受動喫煙防止のための配慮が必要であろうと考えていると ころでございます。  そして、受動喫煙防止措置の具体的な方法といたしましては、多数の者が利用する公共的な 空間における受動喫煙の防止対策ということで、全面禁煙を行っている場所におきましては、 その旨を表示、そして周知を図る。そして来客などにも理解と協力を求めるなどの対応をとっ ていただきたいと思っています。少なくとも官公庁や医療施設におきましては、全面禁煙とす ることが望ましいという旨も記載させていただいております。  それから、全面禁煙が極めて困難である施設・区域がある場合もございますので、その場合 の受動喫煙防止対策でございますけれども、この場合には、施設管理者や事業者に対しまして、 当面の間、喫煙可能区域を設定するなどの受動喫煙防止対策を求めることにしております。し かしながらこのような場合にあっても、将来的には全面禁煙を目指すことを求めていくことに したいと思ってございます。  そして、この全面禁煙が極めて困難である場合、平成14年6月にそのような状況に対応した 分煙効果判定基準に関する報告書が出ておりますので参考にしていただきたいと思います。す なわち、喫煙場所から非喫煙場所にたばこの煙が流れないようにといったことや、適切な受動 喫煙防止措置を講ずるように努めていく必要があるといったこと。また、喫煙可能区域を設定 した場合においては、禁煙区域と喫煙可能区域と明確に表示をすることや、その旨の周知を図 り理解と協力を求めるといったこと。さらに、禁煙可能区域に未成年者や妊婦が立ち入ること がないように処置を講ずる必要があるといったことなどを記載させていただいております。  また、「5 職場における受動喫煙防止対策との連携と調和」のところに記載されております ように、平成15年に「職場における喫煙対策のためのガイドライン」として、労働者のための 受動喫煙防止の観点で労働基準局長通達が出されておりますので、こうしたものにも即して対 策を講じられていくことが望ましいと考えております。また、都道府県の労働局におきまして も、職場における受動喫煙防止対策を推進していることから、法第25条に基づく施策の実施に つきましては、管内労働局との連携も図っていく必要があると考えてございます。  そしてまた、受動喫煙対策推進のための教育につきましても、平成16年の「職場における喫 煙対策推進のための教育の実施について」という労働基準局長通達により推進していくことが 望ましいと考えてございます。  そして、その他としましては、平成15年度より日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の 生活衛生資金貸付の対象として、受動喫煙防止施設が追加されてございますので、こういうも のをご紹介しながら、大いに活用していただくということを考えております。  そして、実効性をもって継続的に推進するためには、社会全体で受動喫煙という対策に取り 組むという気運の醸成も必要ですし、次の4ページにまいりまして、(3)にも記載してござい ますように、エビデンスに基づいた情報の発信ということで、今後とも客観的な受動喫煙に関 する健康影響についての研究を協力させていただき、その成果を活用してエビデンスに基づい た情報を引き続き発信していく必要があります。そしてまた、その一環として、ニコチン代替 製剤とか、内服薬等の禁煙補助薬による禁煙方法などの禁煙を促すというような情報も提供し ていく必要があると考えております。最後に、健康教育の一環として、地域、職域、家庭等に おける関係者の対応や連携の一層の促進、特に健康被害を受けやすい乳幼児の家庭内の受動喫 煙防止、それからまた、妊婦検診や両親教室など、様々な機会をとらえて禁煙とその継続を図 るといったことに対する引き続きの啓発活動を進めていく。このような内容のものを今後、委 員の皆様の大所高所の御意見もいただきながら通知の形で出させていただければと考えている ところでございます。  なお、前回の平成15年のものに比べまして、文言や内容はあまり変わってないところが多い わけですけれども、一番大きく変わっているところは、前回の局長通知が禁煙か分煙かという、 それらを対等にとらえていたわけでしたが、今回の内容につきましては、原則、公共施設にあ っては禁煙というものを全面に打ち出し、どうしてもそれが適わないところにあっては分煙処 置という流れ・内容になっているのが特徴でございます。  以上が、資料8の「今後の受動喫煙防止対策について」の説明でございます。  もう一つ、お手元に資料を出させていただいております。資料9をお開きいただきたいと思 います。「慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見に関する検討会」についてでござい ます。  先ほど、「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」というところで、新たな疾患という中 に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が出てきておりましたけれども、私どもは、その検討会の 提言を検討した結果、今般、新たに慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防と早期発見に関する 旨の検討会を立ち上げたいと思っております。慢性閉塞性肺疾患は、主に喫煙によって肺に慢 性の炎症が生じ、これにより肺気腫あるいは慢性気管支炎などの混じり合った病状を呈するよ うになった疾患でございます。学会の推測によりますと、患者は全国に約500万人、年間に死 亡者が約15,000人程度いるとされているところでございます。そして、この慢性疾患の主な原 因が喫煙であることから、禁煙によりその予防が比較的可能であることから、生活習慣病とし ての性格も少なからずあると考えておりまして、また早期発見あるいは早期治療をすることで そのリスクと負担を大幅に軽減することも可能な疾患であるということにかんがみまして、今 般、特にその予防や早期発見に主眼を置いた具体的な対策について、健康局長の下、有識者の 御参画を図って、所要の検討を行っていきたいと考えているところでございます。  検討会は、この2月ぐらいからでもできれば開催させていただきまして、今年の6月ぐらい をめどに数回にわたって開催をして、対策等をまとめさせていただければと考えているところ でございます。  事務局からの説明は以上でございます。 ○部会長 ありがとうございました。  それでは、御質問・御意見をお願いいたします。 ○渡邊委員 喫煙の原則全面禁止があるべき姿であるということが明確に出たのは、とてもい いことだと思うんですね。今まで、例えば地域において問題があるときは、保健所長が対応す るとか、そんなことになっていたと思いますが、例えばJRみたいな全国的な組織はどうなっ ているんですか。例えば長野新幹線は全車禁煙ということになっておりますが、JR東海は、 新しい列車は全車禁煙で、ちょっと古い「のぞみ」などは1〜2両喫煙車があるわけですね。 そうしますと、そこは100mg/平方メートル以上の猛烈な煙になっていましてね。中を販売員が通過した だけで、禁煙車両までたばこの臭いがもうもうと入ってきてしまうのですが、そういうのはま ずいのではないかと思うんですね。JRとか、NHKとか、喫煙人口にも常に配慮して、その 割合で喫煙部分を決めるというような根本原則を持っているような気がするのですが、その辺 は改善したのでしょうか。森専門官でも結構ですが。 ○森たばこ対策専門官 改善したかどうかに関しては、私はちょっとお答えを持っていないの ですけれども、JRにしろ、そういった鉄道というものはすべからく公共の交通機関であると いうことで、健康増進法25条によって、施設の管理者に受動喫煙を受けないようにする努力義 務があると。その受け取り方に応じて、例えばJR東海さんはこうである、JR東日本さんは こうであるという状況になっています。また、それが乗客の方だけではなくて、例えばそこで 働いている方がどうという意見もございまして、今ちょうど労働部局の方でそういった検討会 をやっていて、ちょうどJR東海さんがヒアリングにも来ておりましたので、その辺がどうな るかというのをちょっと見守っている状態というところです。 ○内田委員 たばこ対策について、今回、今後の受動喫煙防止対策についての各種通知等で周 知徹底を図ることと、COPDの検討会をおつくりになるということで、大変結構だと思いま すが、この審議会の地域保健健康増進栄養部会としましては、もう一つ踏み込んだ提言みたい なものが必要なのではないかというふうに思っています。1つは、禁煙教育の徹底ということ で、これまではともすれば縦割りの中で、文科省の部分には入り込めないということがあった わけですけれども、そういう提言は、特に子どもたちへの禁煙教育は非常に重要なウエートを 占めると。ほかの年代でいくらやるよりも一番大きな効果もあるし、また、経済的にもそんな に金かけないでも済む話ですから、是非、その辺の提言をもっとやるということ。  それから、もう一つは、たばこ事業法について、この部会の中で何か提言をするようなこと ができればというふうにも思っています。  それから、もう一つ、3点目は、たばこの価格の継続的な値上げということに関しての提言。 これも是非入れていただければというふうに思いますので、その辺についてのお考えを聞かせ ていただければと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 まず、子どもの件でございますけれども、御指摘の点はもっとも でございます。所管が文科省というところもございますので、いただいた御提言を事務局の方 でもよく検討をさせていただきたいと思います。  それから、2点目のたばこ事業法のあり方につきましては、今般の「平成22年度税制改正大 綱」の中で、たばこ事業法について見直す旨の記述になってございますので、まずは、その所 管である財務省の方での検討が待たれるのではないかと考えてございますけれども、財務省か ら私どもへの働きかけ等がございましたら、私どもとしても、積極的に対応していきたいと考 えているところでございます。 ○部会長 ほかにいかがですか。  たばこの自販機の前に灰皿が置いてありますね。路上とか、あるいは飲食店の前の灰皿とか、 ああいうのは何か規制できないのでしょうか。駅の近くですと、かなりたくさん集まって、そ こで朝喫煙していますよね。 ○森たばこ対策専門官 現状は、それを全くいけないと言うのはなかなか難しいんですね。健 康増進法25条というのは、あくまでも施設の管理者にかかっている法律ですし、例えば労働の 方は職場の環境ということでかかっていますので、そういったところから外れるようなところ であると、今までは何もかかっていなかったというのが正直なところだと思います。  今回の通知では、健康増進法は、あくまで施設の管理者に物を言うものではあるのですけれ ども、この局長通知の中では、そういった例えば自動販売機の前とかで、子どもが通ったりす るような場所であれば、そういったところに一定の配慮をしてほしいという内容を盛り込んだ というところです。 ○部会長 でも、灰皿を置くということについては規制できるのではないですか。誰が置いた かわからないような灰皿があるわけですね。 ○森たばこ対策専門官 本当に誰が置いたかわからないような灰皿であれば、路上に関する規 制などで撤去できると思うんですけれども、恐らくそういうふうにはなっていなくて、誰かが 置いていて、場合によってはいろいろな許可を取って置いていたりすることが多いと思います ので、その辺は、詳しいことが今はわからないので、また、次回にでも、何かそういったコメ ントができればお返ししたいと思います。 ○渡邊委員 ついでに、駅は今ほとんど禁煙になっていますが、たばこの自販機が結構大きな スペースを占めて置いてあるところがあるんですね。これは明らかち矛盾することなので、駅 の中からはたばこの自販機を撤去するとか、学校の周りからは撤去するとか、そういうのも気 分的には是非やっていただきたいことだと思いますが。 ○高橋委員 きょう初めて入ったということなんです。実は前に何回かこの部会にも所属させ ていただいて、そのときに多分申し上げたことでもあると思うんですが、この通知が先ほどの 御説明だと、施設の管理者に対して向けられているものだというお話だったと思うんですが、 それ以外にも、例えば都道府県の労働局とか、いろいろな主体に対してこういうことをやって ほしいということがかなり区別なく書かれているような感じがちょっと受け取れるところがあ りまして。そういう意味では通知であるということで行政指導、要するに、施設の管理者に対 しては行政指導だと思いますが、都道府県に対しては,例えば自律的な助言という性格も持つ わけですし、その辺、誰に対してどういうことを言っているのかというところをめりはりちょ っとつけた形で今後こういう御通知については考えていただいた方がいいのかなと思います。 急にすべてを組み換えろというふうには申すつもりはありませんが、今後、めりはりついた連 携のあり方を考える上には、誰に対してどういう立場から物を言っているのかというところを きちんと明確に書き分けていただくことが有り難いかなと思います。  以上です。 ○部会長 いかがですか。これは宛て先とかは特にないわけですか。どういう書式になるんで すか。 ○木村生活習慣病対策室長 平成15年のときにも、私どもの厚生労働省健康局長から各都道府 県の知事、政令市長、特別区長宛てに、このような形で通知を出させていただいてございます ので、同様の内容レベルでやるということになりましたら、同様の形になるというふうに考え ております。 ○高橋委員 そうすると、宛て先はそういう人宛てのような書き方を、是非、都道府県におか れてはこういう形で指導をしてほしいとか、国の機関であれば、厚生労働省の傘下の機関です から、これに対しては指揮監督上の権限があるわけですから、そこは明確に書き分けていただ くことが重要かと思います。 ○樋口(進)委員 自分のことを考えたときに、自分が受動喫煙でどこで一番暴露されている かというようなことを考えると、今一番重いのは、食事に行ったときに、あるいはこの言葉が いいかどうかわからないけれども、飲み屋に行ったときに、隣でたばこを吸っているのが嫌な のに注意できないというのが多分一番だと思うんですね。  これを見てみると、経済的な事情とかいろいろなもので全面禁煙が難しい場合には、喫煙可 能区域を設定して、そして、受動喫煙にならないように努力するということが書いてあるので すけれども、今の日本の状況を考えると、その辺りに対する指導みたいなものが一番受動喫煙 を防いでいく上ではとても大事なのではないかと思うのですけれども、実際、どうやって小さ な店の中で喫煙区域をつくって、受動喫煙のないそういうふうなものをやっていくんだと考え たときに、かなり大変なのではないかと思うのですけど、その辺りについて、今後の指導のあ り方とか、あるいは政策をどうしていくかとか、何かありましたら、よろしくお願いします。 ○森たばこ対策専門官 具体的に、例えばどうしてもできないところをどうさせていくべきか、 ということに関しては、これからの検討課題だと思っています。ただし、具体的には、例えば 時間を分けてという方法も一つの方法でしょうし、先ほどお昼の話が出ておりましたが、今は、 お昼時間だけでも禁煙にするようなお店は増えております。そういったやり方も一つのお金の かからない方策だと思っています。何をどういうふうに進めていくべきかということに関して は、今後また議論をしていく必要があるというふうに考えております。 ○部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○内田委員 ちょっとよけいな話で申しわけないのですけれども、昨日地方へ行ったときに、 自販機の横にタスポを持ったおばさんが立っていて、たばこを買いに来た人に渡しているとい う話があったんですけど、こういうのは罰則規程はあるんですか。ちょっと教えてください。 ○森たばこ対策専門官 それは私が答える立場にないのですけれども、基本的に年齢確認をす るという事項が大切になっております。ですので、そのおばさんが年齢確認をした上でタスポ を貸しているのであれば問題はないことになっているのではないかと思いますけれども、すみ ません、そういう感じだったと思うという程度です。 ○松田委員 自販機の件なんですけれども、かつてから、WHO等から日本の自販機は再三改 善勧告を出されていると思うんですけど、それはタスポを導入したということで、国際的には 承認されるようなものなんでしょうか。 ○森たばこ対策専門官 自動販売機についてどうであるかというのも、財務省の方で今検討を されるべき事項だというふうに思っております。国際的にはどうかということを見たときに、 少なくともたばこ枠組条約を原文そのまま取った場合に、今の自動販売機が明らかな違反であ るというのは言えない状況になっていると理解しております。 ○武見委員 先ほどの飲食店における受動喫煙防止対策ということに関して言えば、恐らく多 くの自治体が健康づくり協力店事業のような形で、飲食店に対する様々な健康づくりの施策を 展開していると思います。その中の1つに栄養成分表示という形で、いわゆる栄養成分表示を していくようなことも入っていると思うんですが、たばこ対策とそういう食生活面を同時にや っているところもあれば、必ずしもそういうふうに生活習慣全般を含めて、なお、健康づくり 協力店というか、そういう対策になってないところももしかするとあるんじゃないかと思うん ですね。そういう意味では環境整備的なところも、是非、食生活とかたばことか、そういうこ とが有機的に関連するようにして、もっと推進できるような仕組みを考えていただくと、各自 治体とか市町村でももっと進んでいくんじゃないかと思いますので、是非、その辺も御検討を いただければと思います。 ○部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○松田委員 COPDのことについてですけれども、多分この検討会で話すようなことではな いと思うんですが、検診というのは、基本的にはそれが見つかった患者さんに対して有効な治 療があるということがスクリーニングの基本になってくると思うんですけれども、そう考えた ときに、実際にCOPDの患者さんはかなり見つかってくると思うのですけれども、実は介護 現場はCOPDの患者さんのケアに関して今かなり悩んでおります。方法論があまり確立して いないので、そういう意味では、サンジュウゴ的なところも含めてどこかで検討していただけ たらと思います。 ○木村生活習慣病対策室長 最終的には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の検討会は、川上か ら川下まで全般的に本来はやるべきものでありますけれども、まずはこのたびはその予防と早 期発見、例えば検診のレベルでいかに早く発見して、そこから進行を止めるかといった部分に 着目してやっていこうと思っております。今後、これらの点が済みましたら、今後の方向性と して、今、委員御指摘のようなことも考えていきたいと思います。 ○部会長 ほかにいかがでしょうか。 ○渡邊委員 時間があるようなので追加させていただきたいのですが、多田羅先生が先ほど最 終報告とするのは望ましくないとおっしゃったのは、まさにそのとおりだと私も思っておりま して。健康づくりは、10年、20年、30年という蓄積が効いてくるわけですから、10年目解析 とか、20年目解析とか、そういうような名称もちょっと御検討いただけるといいのではないか と思っております。 ○多田羅委員 その意見でちょっと私も追加したいと思ったんですけれども、最終報告とつけ られると、最終報告で例えばデータがどんどんいい成果が出ていれば、堂々と最終報告と言っ ても続けていくと思うんだけれども、見ても、なかなか必ずしもいいデータが出てない現状も あるわけですね。そのときに最終報告だと言うと、「だから、やめよう」というそのフレーズに 使われそうなんですね。だから、これは最終報告ではなくて、今、渡邊先生もおっしゃったよ うに、10年報告、20年報告というような、21世紀全体を通じて推進するものだという認識を 国民は持つ必要があると思うので、その辺、最終報告というのは、ちょっと言葉として間違っ た理解を生んでしまって、こういう結果だから、最終報告でこうなんだから、もうやっても仕 方ないじゃないかみたいな言葉に使われてもつらいと思うんですね。だから、その辺、是非御 理解いただきたいと思います。 ○渡邊委員 すみません、もう1点。この部会が健康増進というのを掲げている以上、予防医 学をもっと強調していいと思うんですね。きょうは上谷先生は一言もおっしゃっていませんが、 例えば食生活協会の方などは地域で食育を通じた健康づくりに物すごく貢献しているわけです が、あっさりと全額仕分けされたりしてしまっているわけですね。ですから、こういうのは、 本日は政務官もいらっしゃってないようなんですが、政策的な問題もあると思いますけれども、 部会としては、それなりの意見をきちっと答申するのは大事だと思っております。 ○木村生活習慣病対策室長 「健康日本21」の件でございますけれども、先ほども、私ども 事務局の方から御説明させていただきましたように、「健康日本21」は、期間と目標を定めて やるアクションプランという位置づけで、健康増進法の理念に基づいて対応させていただいて いるものでございますけれども、以前に中間評価をさせていただいたということもございます ので、今回の評価については、中間に対して最終という言葉を使ったところでございます。健 康づくりについては今後とも必要でございますし、まだまだその課題が解消されているわけで もございませんので、新たな課題がどこにあって、どういう形でどういうやり方でやっていっ たらいいのか。それをしっかり今回評価をさせていただき、次の健康づくり運動につなげてい きたいと思います。そのようなことから最終評価という形で表現させていただいたところでご ざいますので、その点は御了承をいただければと思います。 ○部会長 ほかにございませんでしょうか。 ○田中委員 全くつまらんことを言いますけれども、喫煙の話ですけどね。吸わない方がいい ということは、ほとんどの人がそういった認識を持っているようですけれども、世の中やめら れない人もいるようでございまして。要するに、やめさせよう、やめさせようという議論をし てしまうと、結局、たばこを吸う人は日本のどこかに地域に住んで、喫煙党か喫煙地区かつく ってしまって住まなければいかんような、そういう雰囲気が出ないとも限らんわけですけれど も。要するに、吸えない場所をどんどんつくっていく。それはそれで結構なんですけれども、 吸える場所をどんどんつくってやったらどうですかね。そういう発想はないんですかね。要す るに、僕が言いたいのは、やめろと言うのは全部やめればいい。役人で、公的なところの採用 基準としては、たばこを吸う人は絶対だめだとか、学校とかね。僕は「健康日本21」の基準 をつくるときに、たばこについてもそういう発言をしたのですけれども、要するに、たばこそ のものの存在を認めている中で、では、吸う場所はどこなんだと。例えばペットもありますよ ね。今、レストランとか、旅館とか、いろいろペットも「いいですよ」とか、たばこを吸う人 もペット並みになってきているかどうかは知りませんけれども、何となく議論がそこら辺りで、 吸う人にとってどういった場所を提供したらいいのかということも考えてもいいんじゃないか とふっと思ったんですけれども。 ○渡邊委員 それはJTが一生懸命あちらこちらにバスみたいな喫煙箇所をつくっているので、 向こうが考えるべき話だと思っております。それよりも、むしろ、まだまだたばこが社会に許 容されているのが問題でしてね。例えば健康増進法の最初には、国民の健康づくりは国民の責 務であると書いてありますが、そこまで気配りする人はあまりいませんね。  先日も、少年野球チームを小学校の校庭で、多分ボランティアだと思いますけど、4、5人 の大人の人が指導していたんですね。そういう人たちが全員たばこを吸っているわけですよ。 ですから、たばこを吸いながら少年野球を指導するような指導者がいるという方がまだ大きな 問題ではないかと思っております。 ○内田委員 今のことに関してですが、私は吸いたい人がいるのは、これはなくならないだろ うと多分思いますので、吸う人に対して、もっと禁煙グッズが手に入りやすいようにして、い ろいろなところでパッチやガムが簡単に手に入るという状況になれば、ここでは吸っちゃいけ ないんだという状況のときに、パッとそれを取り出して使うという対応ができれば、そういう 文化が根づけば、結構受動喫煙の問題も簡単に解決するのではないかと思っています。 ○部会長 事務局は何かあります。 ○森たばこ対策専門官 両先生が言われたとおりなんですけれども、今回の通知案というか、 資料8に関しては、昨年度の検討会で、おっしゃるように、たばこを吸う場所をもっとちゃん と明確に設けるべきではないか、そういったいろいろな意見が出た結果を受けてこの報告書の ようにさせていただいております。禁煙補助薬みたいなものをもっとアナウンスした方がいい んじゃないかとか、一定の完全禁煙ではなくて、暫定的にそういう吸えるところを設けた方が いいんじゃないかとか、そういった議論の中からこういうふうな形が出てきたというふうに承 知しております。 ○上谷委員 すみません、先ほど渡邊委員から御指摘受けましてあれなんですが。私たち地域 に行って、たばこの問題にしても、地域の会員さんたちでたばこを販売していらっしゃる方た ちに、販売機の撤去はできないかというような運動もしているんですが、その中で、そこの町 で落ちるたばこ税の問題とかが入ってきますと、なかなか一遍に解決できない問題も出てくる のではないかというようなことを私どもは協会の中で一応話しているんですけれど。  それとは別個に、「健康日本21」の目標達成のために、いろいろな形で私どものできる範囲 でやっているところなんですが、その中で、「健康づくり支援者事業」というのを私ども国の方 から託されてずっと2000年の事業の中から「健康日本21」の事業を実行してまいったのです が、24年まで延長になった中で、残念ながら私どもの予算が今年でなくなるということで、 「健康づくり支援者」というのを5万人ぐらい今立ち上げているんですね。その協力体制の市 町村も500市町村ぐらいようやく立ち上げたんですけれど、これをどのように今後持っていく かという問題も含めて考えて、ポピュレーション・アプローチの中でこの人たちを上手に使っ ていく方法はないかなと今考えているところでございます。先生、そういうことでよろしくお 願いします。 ○部会長 事務局から、今の御意見に対して何かございますか。 ○木村生活習慣病対策室長 日本食生活協会におかれては、全国に現在、18万人とも言われる 食生活改善推進員さんの非常に活発な御活躍の中で、私どもの「健康日本21」の一翼を担っ ていただいていると考えてございます。今般、私どもの助成をしていた事業が、残念ながら、 行政刷新会議の中の判定の中で「廃止」という形になったわけですけれども、新たに全く違う 新規事業をお願いさせていただいております。特に、メタボ対策等に寄与する重点的な対策の 一翼をお願いしているところでございますので、その点についてはよろしくお願い申し上げま す。 ○中村委員 「健康日本21」に関して、ちょっとコメントをさせていただきたいと思います。 今回の最終報告だというふうなことなんですが、肥満者の増加が抑制できたとか、ある意味で は肥満の割合が減り始めているのはとても重要なことだろうと私は思うんです。肥満の発生率 を予防した国は今まであまりないので、これは、もし、本当にそうだったら、ある意味で世界 に向けて、是非報告された方が私はいいと思います。  それと、今回の「健康日本21」が、成功した事項とあまり成果が上がらなかった事項があ るんですが、その要因の検討は詳細にしていただければ有り難いと思います。なぜかといいま すと、もし、この運動をこれからも継続するということであったら、今度は2020年の目標値を 掲げなければいけないんですが、その2021年の目標値を掲げるときの数値の論拠を議論しなけ ればいけなくなりますから、今回のこの運動を詳細に分析する仕組みをどこかでつくった方が 私はいいのではないかなと思っています。 ○部会長 いかがでしょうか。 ○木村生活習慣病対策室長 おっしゃるとおりでございまして。今回のこのような肥満の20〜 60歳までの男性の増加率が落ちてきているというようなデータが出たのは、他の国では聞いて ございません。例えばアメリカでは、「ヘルシーピープル」という健康増進計画が実施されてお り、今度2010が終わり、新たに2020として10年計画を策定することになっていますが、なか なかアメリカではあまりいいデータはないと聞いております。また、EUの諸国の中でも、特 にイギリスにおいても、目標を定めた計画もございますが、そこでもデータとしてはあまり芳 しくないという中にあって、このようなデータが出てきているのは1つの大きな成果であると も考えてございます。  健康日本21の評価をする以外にも、その中身について様々な角度から検討をしていかなけ ればなりませんので、必要に応じて、検討会等を立ち上げていくことも考えてございますので、 その節には、また、御協力のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。 ○部会長 よろしいでしょうか。  もし、ございませんでしたら、きょうはここまでとして、次回の日程について事務局からお 知らせいただきます。 ○木村生活習慣病対策室長 次回の部会につきましては、また、後日、委員の皆様方の日程を 調整させていただきました上で、改めまして御連絡をさせていただきたいと思います。  事務局の方からは、以上でございます。 ○部会長 それでは、きょうの部会はこれで終わりとさせていただきます。  どうも、お忙しいところをありがとうございました。 【問い合わせ先】  健康局総務課生活習慣病対策室  調査総務係    電話 03−5253−1111(内線2342)