10/05/12 第1回チーム医療推進会議議事録 第1回 チーム医療推進会議 日時 平成22年5月12日(水) 10:30〜12:00 場所 厚生労働省省議室9階 ○石井補佐  ただいまより「第1回チーム医療推進会議」を開催させていただきます。本 日は、皆様におかれましては、ご多忙のところご参集いただきまして誠にあ りがとうございます。本日は第1回目の会合でございますので、まず、委員の 皆様のご紹介をさせていただきます。全国在宅療養支援診療所連絡会事務局 長の太田委員です。全国医学部長病院長会議会長の小川委員です。日本放射 線技師会会長の北村委員です。日本病院会会長の堺委員です。日本看護協会 副会長の坂本委員です。政策研究大学院教授の島崎委員です。東京大学大学 院医学研究科教授の永井委員です。日本看護系大学協議会会長の中山委員で す。日本理学療法士協会会長の半田委員です。日本医師会常任理事の藤川委 員です。NPO法人地域医療を育てる会理事長の藤本委員です。日本歯科医師会 副会長の宮村委員です。日本薬剤師会副会長の山本信夫委員です。東京大学 大学院法学政治学研究科教授の山本隆司委員です。続きまして、事務局の紹 介をさせていただきます。医政局長の阿曽沼です。医政局担当審議官の中尾 です。医政局総務課長の岩渕です。医政局医事課長の杉野です。医政局看護 課看護サービス推進室長の岩澤です。文部科学省高等教育局医学教育課長の 新木です。最後に、申し遅れましたが、私は医政局医事課の石井と申します。 それでは、ここでカメラは一旦退室をお願いいたします。初めに、事務局を 代表いたしまして医政局長から一言ご挨拶を申し上げます。 ○阿曽沼医政局長  本日は、大変ご多忙のところお集まりいただきまして大変ありがとうござ いました。ご案内のように、昨年の8月からチーム医療の推進に関する検討会 を開催していただきまして、本年の3月に永井座長の下でチーム医療を推進す るための具体的な方策ということで報告書をお取りまとめいただきまして、 大変画期的な報告書をいただいたというふうに私どもは認識しております。  今般、その具体的な方策を実現していこうということで、そのための準備 検討を行うための会議ということでこのような会議を設置をして先生方にお 集まりいただいたという次第でございます。委員の先生方には、それぞれ現 場の実情を十分踏まえて、幅広い観点からご議論いただければと思います。 私どもとしては、できれば本年中ぐらいを目途に一定の結論を取りまとめて いただければ大変ありがたいというふうに思っておりまして、忌憚のないご 議論をいただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。 簡単でございますけれども、冒頭のご挨拶に代えさせていただきます。 ○石井補佐  続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。1枚物の議事次第 に続きまして、チーム医療推進会議の配置図、資料1として「開催要綱」、別 紙として委員の名簿、資料2として「報告書の提言に対する厚生労働省の対応 について」という1枚物、資料3として「今後の検討の進め方(案)」、資料4と して「看護業務実態調査について(素案)」、資料5として「モデル事業につい て(素案)」、参考資料として3月にまとめていただいた「チーム医療の推進に ついて」、参考資料の2つ目として、本年4月30日に発出した通知で、「医療ス タッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」というものです。資 料の不足等がありましたらお申し付けください。  続きまして、お手元の資料1、資料2に基づきまして、本会議の趣旨等につ きまして事務局よりご説明させていただきます。お手元の資料1をご覧くださ い。チーム医療推進会議の開催要綱です。こちらの趣旨については先ほど局 長のご挨拶で申し上げましたので省略させていただきますが、本会議におけ る検討課題につきましては報告書でご提言いただいたチーム医療を推進する 医療機関の認定の在り方について、チーム医療を推進するための看護師業務 の在り方について、その他となっております。こちらの詳細につきましては 資料2でもう一度詳しく説明させていただきます。  構成員につきましては、会議の構成員は別紙に掲げる有識者とするという ことで、ただし必要に応じ関係者の出席を求めることができるというもので す。運営につきましては、厚生労働省医政局で庶務を行わせていただきまし て、議事につきましては公開ということで考えております。  続きまして、資料2をご覧ください。報告書の提言に対する厚生労働省の対 応についてという1枚物の紙です。こちらは2列の表になっていまして、左側 の枠の所に報告書の提言ということで、3月に取りまとめていただきました報 告書の提言の内容の主なものについて書いております。その右側の欄につき ましては、厚生労働省の対応ということでありまして、これはすでに通知等 の発出で対応したもの、それから今後対応を検討しているものまで含まれて いますが、こちらを一覧表としてまとめたものです。  こちらについて簡単にご説明させていただきます。左側の報告書の提言の 所に3つ柱がありまして、1.看護師の役割の拡大、2.看護師以外の医療スタッ フ等の役割拡大、3.医療スタッフ間の連携の推進というこの3つの柱からなっ ております。1つ目の看護師の役割の拡大というところから簡単にご説明いた しますが、報告書の提言にはそれについて3つ提言がありました。1つ目は、 包括的指示の積極的な活用ということで、「包括的指示」の成立要件の明確化 ということが提言として書かれております。2つ目として、看護師の実施可能 な行為の拡大・明確化ということでありまして、「診療の補助」として実施す ることができる行為の範囲を拡大する方向で明確化、そのために必要な看護 業務に関する実態調査や試行等を早急に実施ということを提言としていただ いております。3つ目として、行為拡大のための新たな枠組みの構築というこ とでありまして、これにつきましては一定の医学的教育や実務経験を前提に 専門的な臨床実践能力を有する看護師として特定看護師(仮称)ということ で報告書の中ではいただいておりますが、こちらが幅広い医行為、これは報 告書の中では特定の医行為ということでいただいていますが、これを実施で きる新たな枠組みを構築ということです。これにつきまして、特定の医行為 の範囲や特定看護師の要件を決定するため、医療現場や養成現場の関係者等 の協力を得て専門的・実証的な調査・検討を実施ということです。  この課題に対する対応としては、右側の欄の1つ目の○の所ですが、看護業 務の実態調査の実施ということで、こちらは、平成22年度の厚生労働科学研 究費によって実施を予定しているということで、今後実施の予定ということ です。2つ目の○ですが、専門的な臨床実践能力を有する看護師の養成にすで に取り組んでいる大学院修士課程の実態とか実績に関する情報を収集するた め、当該課程の関係者の協力を得てモデル事業を実施ということで、こちら についても今後実施をするということです。この2つの○とも関連する3つ目 の○ですが、看護業務実態調査やモデル事業の結果を踏まえてチーム医療推 進会議、この会議におきまして専門的な検討を今後実施ということです。  続きまして、2.の看護師以外の医療スタッフ等の役割拡大ということです。 こちらの検討会報告書におきましては各職種別に取りまとめていただいてお ります。1つ目の【薬剤師】の所ですが、こちらについては現行制度下で実施 できる業務を明確化ということをいただいております。【助産師】につきまし ては、会陰裂傷の縫合について安全性の確保の観点から試行・検証を実施。 当該結果を踏まえて結論ということでいただいております。【リハビリ関係 職種】につきましては、「喀痰等の吸引」を実施可能な行為として明確化する こと、「作業療法」の内容を明確化ということをいただいております。【管理 栄養士】につきましては、現行制度下で実施できる業務を明確化すべきとい うことでいただいております。【臨床工学技士】につきましては、「喀痰等の 吸引」、「留置カテーテルからの採血」について実施可能な行為として明確化 すること。「臨床工学技士の業務指針」の廃止ということのご提言をいただい ております。【診療放射線技師】につきましては、現行制度下で実施できる業 務を明確化ということです。【臨床検査技師】につきましては、実施可能な生 理学的検査を拡大ということです。【医療クラーク等】につきましては、導入 の推進に向けた取組みを実施ということでご提言をいただいております。  これを踏まえました厚生労働省の対応ですが、右側の一番上の○の所です が、薬剤師、リハビリ関係職種、管理栄養士、臨床工学技士、診療放射線技 師につきましては、本日、参考資料として付けていますが、4月30日に局長通 知を発出いたしまして、各職種が実施できる業務というものについて明確化 を行ったところです。助産師につきましては、本年度の厚生労働科学研究費 の補助金事業におきまして試行・検証を実施することとしております。臨床 検査技師につきましては、関係学会等ともご相談させていただいていまして、 実施可能な生理学的検査の拡大の可否について現在検討を行っているところ です。医療クラーク等につきましては、導入の推進のための具体策等につい て現在検討を行っております。  3.の医療スタッフ間の連携の推進ということで、こちらは2つご提言をいた だいております。1つ目は、医療スタッフ間の連携の推進方策ということであ りまして、チーム医療を推進する医療機関等を認定する仕組みを導入するこ とを検討ということでご提言をいただいております。2番目として、公正な第 三者機関ということで、多様な医療スタッフから公平な立場で、臨床現場の 関係者や医療スタッフの関係者、教育・養成現場の関係者、関係学会等が参 画できる検討の場としての第三者機関が必要というご提言をいただいており ます。こちらに対する対応としましては、この会議におきまして専門的な検 討を実施ということで考えております。この会議につきましては、このよう な3月に取りまとめていただいた報告書の提言に対する対応の1つということ で、より専門的具体的な検討をお願いしたいという趣旨でございます。資料1、 資料2の説明については以上でございます。  続きまして、本会議の座長の選出をさせていただきたいと思います。事務 局といたしましては、3月に報告書を取りまとめていただきました検討会でも 座長をお務めいただいた永井委員にお願いしてはどうかと存じますが、いか がでしょうか。 (異議なし) ○石井補佐  異議なしということでございますので、永井委員に座長をお願いしたいと 思います。永井委員におかれましては座長席にお移りいただけますでしょう か。 (永井委員、座長席に移動) ○石井補佐  それでは、今後の議事の進行につきましては永井座長にお願いしたいと存 じます。よろしくお願い申し上げます。 ○座長(永井)  それでは、座長を務めさせていただきますが、非常に社会的な関心を呼ん でいる大きな問題でございます。是非、積極的なご意見をいただきまして建 設的な形で取りまとめを行いたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 本日の議事ですが、初めに、この会議における今後の検討の進め方について 事務局が作成した案についてご議論いただきたいと思います。その次に、今 後議論すべき事項等について、これも事務局が作成いたしました資料を基に して委員の皆様方のご自由なご議論をいただきたいと思います。それでは、 資料3から資料5までにつきまして事務局より簡潔にご説明をお願いいたしま す。 ○石井補佐  お手元の資料3、資料4、資料5をご用意ください。まず、資料3ですが、今 後の検討の進め方(案)というものでありまして、この会議の今後の検討の 進め方につきまして事務局で素案を作成いたしましたのでご説明させていた だきます。1つ目の「検討方針」ですが、先ほど資料1と資料2でご説明いたし ましたように、本会議で検討いただく検討事項の主なものとしましては、チ ーム医療を推進するための医療機関の認定についてというものと、チーム医 療を推進していくための看護業務の在り方ということですので、こちらの議 題2つにつきましてはより詳細な検討、実務的な検討を行うためのWGを設置し てはどうかと考えております。本会議におきまして、各WGからの報告を踏ま えて、さらに詳細な検討を実施していただいてはどうかということを考えて おります。また、(3)に「その他」とありますが、このほかに検討事項があり ましたら、こちらにつきましても今後の検討の仕方を含めてご議論いただけ ればと考えております。(1)のチーム医療認定の検討WGにつきましては、検討 事項として[1]としてチーム医療を推進する医療機関の認定基準、[2]としまし てチーム医療を推進する医療機関の認定主体というものを事務局の素案とし て考えておりますが、「その他」と書いてありますように、このほか検討事項 等のご指摘、ご意見をいただければと考えております。(2)ですが、チーム医 療推進のための看護業務検討WGにおきましては、こちらも事務局が考えまし た議論の内容のたたき台ですが、[1]としては、一般の看護師の業務範囲、[2] としては「特定の医行為」の範囲、[3]としては、特定看護師(仮称)の要件、 [4]としては、特定看護師(仮称)の養成課程の認定基準、[5]として「その他」 となっておりまして、こちらについても内容をご議論いただければと考えて おります。  そして、今後の検討の進め方の2.「当面の検討スケジュール」ということ で、こちらも事務局の素案ですが、早ければ5月の下旬にも(2)のチーム医療 推進のための看護業務の検討のWGを設置いたしまして、6月以降に、これは資 料4で詳細を説明させていただきますが、看護業務実態調査を実施しまして、 8月中に取りまとめを目途としております。それから、これは資料5で説明さ せていただきますが、モデル事業の実施というものを考えております。それ から、「チーム医療の認定検討WG」につきましては、6月中ぐらいの設置とい うことを考えておりまして、両WGにおいて詳細な検討を11月ごろを目途に実 施していただきまして、12月中ぐらいを目途に各WGにおける検討結果を踏ま えて一定の結論を、これは先ほど局長のご挨拶でも申し上げましたが、取り まとめというものを考えております。  続きまして、資料4をご覧ください。先ほどの当面の検討スケジュールの所 に看護業務実態調査ということが書いてありますが、こちらについて事務局 で考えました素案をご説明させていただきます。「看護業務の実態調査につ いて(素案)」というものですが、趣旨としましては、先ほどご説明したとお り、報告書を踏まえまして実施をするというものでありまして、具体的な調 査の内容につきましては2.の調査内容の所ですが、報告書において「特定の 医行為として想定される行為例」として列挙された行為などについて一定の 項目を調査ということを考えております。調査の内容につきましては、例え ば現在看護師が実施しているかどうか、あるいは今後一般の看護師が実施す ることが可能と考えられるかどうか、あるいは特定看護師制度の創設に伴い、 特定看護師(仮称)が実施することが可能と考えられるか否かということに ついて調査をしてはどうかということを考えております。調査対象とする一 定の行為につきましては、WGにおいて詳細を検討していただければと考えて おります。  3.の調査対象・方法につきましては、こちらも事務局の素案ですが、研究 費を活用して以下のとおり調査を実施するということで案を書いております。 [1]として調査の対象ですが、医療機関等に勤務する医師・看護師ということ で、例えばこちらに書いてあるような病院とか診療所、訪問看護ステーショ ン、介護保険の関係施設等に調査を行ってはどうかということを素案として 提示させていただいております。[2]として、各種の団体とか関係学会の代表 者等から聞き取り調査を行ってはどうかということを考えております。  続きまして、資料5をご覧ください。こちらも当面の検討スケジュールで出 てきたモデル事業です。「モデル事業について(素案)」ということですが、 趣旨としましては、繰返しになりますが、特定看護師の要件については専門 的・実証的な検討を行った上で決定する必要があるというふうに報告書に記 載されておりますので、こちらについてはこのモデル事業におきまして、す でに類似の看護師の養成に取り組んでいらっしゃいます大学院修士課程の実 態・実績に関する情報を収集するために、当該課程の関係者等の協力を得て 実施ということを考えております。  具体的な事業の内容ですが、2.の事業内容の所をご覧いただきまして、以 下の条件を満たす修士課程をモデル課程の事業の実施課程として選定しては どうかということを考えております。例えば、1つ目としまして「特定看護師 のモデル養成課程」と称するということとか、あるいは臨床実践の能力を習 得する科目、例えば臨床薬理学等を必修としていることとか、演習・実習科 目を必修にするとともに実修場所、これは病院等になるかと思いますが、を 確保していること。教員・指導者には相当数の医師が含まれていること。実 習科目における安全管理体制を整備していること、というようなことを考え ております。こちらの課程モデル事業におきましては、一般的な「診療の補 助」には含まれないと理解されてきた行為の実習についても実施して差し支 えないということを考えております。  3.は、モデル事業実施課程の報告事項としては以下のものを考えていると いう素案です。1つ目の○ですが、モデル事業の開始当初に、例えば以下の事 項についてWGに報告してもらってはどうかということで考えておりまして、 こちらには5つ書いてありますが、到達目標、カリキュラム、実習施設の概要、 単位認定者・実習指導者の経歴、単位の認定方法・基準等につきまして報告 をしていただいてはどうかということを考えております。2つ目の○ですが、 モデル事業の開始後においてはその実施状況、例えば安全面での課題とか学 生の履修状況とか、実習時のインシデントやアクシデント、あるいは、これ はある程度進んでからになろうかと思いますが、一般の看護師でも実施可能 な行為等についてWGに随時報告をしていただいてはどうかということです。 今後の検討につきまして事務局で作成いたしました素案につきましては以上 でございます。 ○座長  それでは、資料3からご議論いただきたいと思います。今後の検討の進め方 につきまして、どなたかご意見、ご発言、ご質問等はありますか。 ○藤川委員  このチーム医療の認定検討WG並びにチーム医療推進のための看護業務検討 WGを構成するメンバーを選定する場合に、包括的指示をするドクターという 立場がありますので、可能な限り、そういう現場のわかったドクターを両方 に1名ずつ入れていただければと思います。特定看護師(仮称)の業務とか一 般の看護師の業務等に関して、トータル的に責任を持つ医師の立場として国 民、患者さんの安全性を担保するためにWGに医師を入れていただければ国民 の方も納得できるのではないかと思います。 ○座長  これは前の検討会でも議論になりましたが、看護師さんにしてもほかの コ・メディカルにしても、その職種だけの問題ではないという認識は共通し ているのではないかと思います。 ○堺委員  質問ですが、この認定というのは、認定される施設と認定されない施設が 出てくると思うのですが、そういう認識でよろしいのですか。チーム医療と いうのはどこでもやっているような感じがするのですけど。 ○座長  この点についてはいかがでしょうか。前の検討会では全く何らかの教育な り認定なしには難しいだろう、何かは必要だろうと。国家資格とするかどう かはまた今後の議論ということで、チーム医療のさらに踏み込んだ形をどう するかということで何らかの認定が必要ではないか、という話にはなってい ましたが、この辺はどうでしょうか。事務局からご意見いただけますか。 ○杉野医事課長  その点につきましては、参考でお配りしております「チーム医療の推進に ついて」という3月の報告書の11頁をご覧いただければと思います。報告書全 体の構成としましては、前半部分で各職種ごとの実施できる行為の範囲を拡 大するとか、あるいはその内容を高度化するという職種ごとのご提言をいた だいているわけですが、この11頁とその前の10頁からですが、この後半の部 分でそういった各職種ごとに広がる行為の範囲、あるいは高度化された業務 内容を前提として、いかにそのスタッフ間の連携を進めていくのかというそ の推進方策をここでまとめていただいております。  この中で、上から3つ目の○の所の「具体的には」という所で、例えば、そ のチーム医療を行う体制が整えられているかどうか、設備が整備されている かどうか、その他いろいろな基準に基づきまして公正・中立的な第三者機関 においてチーム医療を推進する医療機関等として認定する仕組みを導入する こと等を検討する必要があるとなっているわけですが、その趣旨は何かと言 われれば、その1つ上の○の所ですが、基準を満たしている安全かつ良質な医 療を提供し得る医療機関が社会的に認知・評価されるような新たな枠組みを 構築する必要があるということで、認定の仕組みをつくってはどうかという ご提言をいただいております。そういう意味では、社会的に認知・評価され るような仕組みということであれば認定されるものもあり認定されないもの もあるということなのかもしれないなというふうに事務局としては受けとめ ておりますが、それが具体的にどういった基準で、また、どの程度の範囲で 認定されていくのかということにつきましては、まさにこれからのご検討次 第ではないかというふうに受けとめております。 ○座長  これは少し誤解を招く表現のように思いますね。チーム医療を推進する機 関の認定と読めてしまいますが、意図はそういうことではないわけです。 ○堺委員  だから、この報告書を読ませていただいて非常に素朴な疑問なのですが、 チーム医療というのは昨日今日ではなくて、各医療機関ではずっとやってい るわけなのです。ここで書かれたようなことは、病院というのは専門家集団 ですから、それぞれ質のアップ向上に努めて連携するのは当然なので、医療 機関本来の業務だと思うのですが、ここでチーム医療ということになると、 その誤解というか、なかなか素直に理解できないところがあったのでご質問 しているのですが、趣旨はよくわかりました。 ○座長  検討会でも議論になったのですが、チーム医療というのは当然の基底にな る概念なわけですが、現実にはグレイゾーンというのがあって、その辺を推 進するにはどうしたらいいかという上での認定の話というふうにご理解いた だきたいと思うのです。この趣旨あるいは名前についても少し検討が必要か もしれないですね。ほかにいかがですか。 ○小川委員  いまの議論に関連するところなのですが、そのチーム医療を推進する医療 機関の認定ということになると、例えば先ほどの報告書の11頁の(2)のいちば ん上の所で「チーム医療の実践を全国に普及させるために」ということでこ れがあるのだろうと思いますし、いま堺先生からご質問があったことに関連 するのですが、私の理解では、モデル事業をこれからとりあえずやるのだか ら、モデル事業を実施する医療機関の認定基準をつくって、その認定主体を どうするかということだと私は理解したのですが、そういうことでよろしい のですか。 ○座長  事務局、いかがですか。 ○杉野医事課長  ご質問の趣旨を正確に受けとめていないかもしれませんが、ここでやろう としているモデル事業というのは、まず、特定看護師についての養成課程に ついてモデル事業をするということを報告書でご指摘いただいているので、 これをこなさなければいけないということが1つあります。それとはまた別に、 報告書の10頁から11頁にわたって、チーム医療とはどういったものが具体的 にあるのかということが例示されておりまして、それは必ずしも、例えば病 院という一つの医療機関におけるチーム医療だけではなくて、その医療機関 の枠を超えた地域のさまざまなチーム医療の実践とか、いろいろなパターン があり得るだろうと。そういったチーム医療のさまざまなパターンがあり得 るものを全体として普及させていくことを進めていくための、評価といいま しょうか認定といいましょうか、そういった推進をするための仕組みづくり が必要なのではないかというご指摘をいただいておりまして、必ずしも、今 日の資料でお示ししているモデル事業とは直接関係のない形の認定の仕組み といったものも検討していただく必要があるという形で整理をさせていただ いているものです。 ○藤川委員  これは一般の国民が聞いても我々医療現場をやっている人間においても非 常に理解に苦しむのですね。在宅医療においてもチーム医療をやっています し、我々医療現場、普通の病院でも有床診療所でも大学病院でも全部チーム 医療をきちっとやっているわけですから、例えば厚生労働省の意思として、 特定看護師がいなければ、チーム医療の構成メンバーに入らなければチーム 医療機関として認定をしないとか、そういう意図でやられているのか。専門 看護師とか認定看護師というのは、国民にとってみたら、どういう差がある のかほとんど理解できていない。我々医師会でもほとんど理解できていませ ん。そういうメンバーをそろえなければ、大学病院の医療機関としてはチー ム医療をやっていない、いわゆる施設基準といいますか、マンパワーの人員 基準を満たしていなければ認定チーム医療機関とは認めないということにな ってくると、ただでさえ、今、地域医療が崩壊しつつある医師不足、看護師 不足のときに、さらなる資格を与えて、それを基準にして認定をしなければ、 例えば東大病院であっても、その病棟は特定看護師が足らないではないか、 ということになるととんでもないことになります。この医師不足、看護師不 足のときに、そういうモデル事業に関しての認定をするというのはわかりま すが、その後に要件を付けて、この医療機関はチーム医療をやっていない、 この医療機関はやっている、というような認定の基準であるならば、日本医 師会としては賛同できない。 ○座長  この[1]のチーム医療を推進する医療機関の認定というのは、枕詞のところ をもう少し明確に書いたほうがよろしいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○杉野医事課長  いずれにしてもこれからのご検討次第かと思っておりますが、あらかじめ 明確に分けて整理をさせていただかなければいけないと思っていることは、 特定看護師の問題とそのチーム医療全体をどう進めていくのかという話とは、 分かれて議論いただくべきことだろうと思っております。報告書の中身にお きましても、特定看護師は特定看護師として、一般の看護師の方の業務拡大 と併せてそういった検討が必要であるということで、そのためのご検討をこ の会議でWGをつくって検討いただきますが、それとはまた別の観点から、先 ほどもご紹介しましたが、報告書の10頁から11頁にかけては特定看護師とい う言葉は一言も出てきません。特定看護師の問題とは切り離して、一般的に チーム医療というものが進められている所もあると思いますし、その進め方 もさまざまかと思いますが、3月までの検討会でのご認識としましては、さら にチーム医療というものを幅広くさまざまな形で進めていく必要があるだろ うというご認識の下に、そこに掲げているようなさまざまな形でのチーム医 療といったものをどう進めていくのか、そのための枠組みを考えていこうと いうことで、これはまた別の事柄として、今回のこの推進会議でも別のWGの 下でご検討いただくことを考えているものでありまして、藤川委員のご指摘 のように、特定看護師という資格が入らなければチーム医療をやっていると 認定できないといったようなことを想定してご検討いただくというものでは ないということかと思っております。 ○座長  確かに、看護師さんだけの問題ではないというのがまず1点ですね。それか ら、従来からもチーム医療は行われていたわけですが、今度、それをもう少 し踏み込んでさらに発展させるときにグレーゾーンがあるので、その辺をど う整理するかということもこのワーキングで検討しようということです。 ○山本(信)委員  くどいようなのですが、報告書では、現行制度下で可能な業務の範囲とい うものを明確にし、かつ職種間でチーム医療を進めるという観点から、それ ぞれの業種の取り合いではなしに補完しながら一定の業務拡大をしていくべ きだとし、その上で、現行ではこうで将来はこういった方向への拡大が望ま れる、というのが19日の報告書にあった書きぶりだと思うのですが、それで よろしいですね。そうなると、資料2を拝見すると確かにそのような仕組みに なっていますが、事務方としては、では一体報告書にあるそれぞれの項の中 に書かれている「今後拡大していくべきだ」ということについては、議論を どこでするのかというところに少し疑問がありまして、例えばこの資料2の3. 「医療スタッフ間の連携の推進」ということはこの会議で検討するなると、 それがこのチーム医療の認定ワーキングで議論をしていくというお話でよろ しいのでしょうか。例えば、チーム医療を進めるためのどこまでの議論がで きるのかとか、あるいは先ほど出た地域の中では医療機関とは当然異なるわ けですから、チーム医療を推進する医療機関の認定基準と言われても地域の 中ではなかなか理解がしにくいと思うのです。そうした意味で言えば、(1)の チーム医療の認定検討WGというのは極めて幅広な議論をし、業務の拡大から、 どういった人的・施設的なセットであれば、あるいはどうした能力があれば、 チーム医療として認められるのかというところまでの議論をとんでもなく幅 広くやるという理解なのでしょうか。私はそこの点が理解ができないもので すから、看護師さんがどうのということではなしに、他の医療職についても 業務を拡大して質を上げろというのがこの報告書の基本的なコンセプトだと 思いますので、そうした意味からすると、この2つのWGの並びには、看護師と 医師の関係は出てくるのですが、他のスタッフの関係、例えば歯科であった り薬剤師であったりというところがなかなか見えてこないのですが、その辺 りはどんな整理をされるのでしょうか。 ○杉野医事課長  あくまでも推進会議のこの場でご議論いただければと思っておりますが、 一応、事務局としてどう思っているかということを申し上げると、例えば資 料2でご説明すると、今回の推進会議につきましては、3月の報告書のご提言 のうち最も大きな塊として、1つは看護師の役割の拡大、特に特定看護師とい うものについて要件や実際にできる行為、その前提として一般の看護師の業 務拡大もありますが、それぞれ具体的にどこまでのことなのか、どういうふ うに決めるかという具体化の議論をやっていただく必要があるということで、 これをこの推進会議の1つのテーマと据えました。それから、3.「医療スタッ フ間の連携の推進」も、具体的にどのように推進方策を考えるかということ で、この推進会議のテーマとして1つ据えました。ただ、その2つだけでこの 推進会議のミッションはすべてなのかということになると、それは真ん中の 2.の所ですが、一応、3月の報告書では各医療スタッフの役割の拡大について ここまででしょうというご提言をいただきましたが、さらにいろいろなご議 論があり得るだろうと思っておりまして、そういうことも踏まえまして、資 料1は、簡単な開催要綱ですが、2.の検討課題の所で、これは表現が適当かど うかはあれですが、チーム医療を推進する認定の在り方が1つ、看護師業務の 在り方について1つ、それから「その他」というふうに書いておりまして、2 つの論点を議論する中でも、あるいはそれと離れてでも、個別の職種につい てさらなる役割の拡大とか、そういったご議論があればこの推進会議の場で 随時ご提起いただいてご議論いただくということも可能なのではないか、こ のように考えているところです。 ○藤川委員  厚労省が考えられていることはよくわかるのですが、今、地域の医療現場 でいちばん求められているのは、各種の資格を持った人たちの境界領域を明 確にして、どこまでやることが法的に違反ではないのかを明確化することで す。特定看護師もそうでしょうが、拡大したいということは、拡大すること によって医師法に触れないのかとか、そういう法律の問題が出てきますので、 そういうことのグレーゾーンでやっている部分を明確にする。拡大を含めて もいいですが、すべての業種のことをわかりやすく、現場でここまでやって いいですよということで、新人の看護師であれ薬剤師であれ、我々ドクター はさまざまな職種のコメディカルとチーム医療をやるわけですが、そこの明 確化をきちんと示すということがまず大事だと思うのです。その上で、チー ム医療を推進するガイドラインの作成検討WGであれば、現場にとっても、そ のガイドラインの下に新人の看護師の研修とか、さまざまなチーム医療をす るときのガイドラインになって素晴らしくやりやすくなる。しかし、それを 推進する医療機関を認定するとなると、それの基準を満たさないとチーム医 療をやっていない、ここは非認定だ、というようなレッテルを張っても現場 では何ら反映されない、国民にとって良い医療ができないということなので す。だから、この医療機関を認定する意味があまり効果的ではない。それよ りも、チーム医療を推進するガイドラインを策定して、ここまではやってい いんですよ、ということを明確にしてもらったほうが医療現場としては非常 にやりやすいと思います。 ○藤本委員  私も、初めてこちらの資料を拝見させていただいたときに、現場の方々の 勤務体制などを変えるために法律や様々な制度で引っ張っていく方法ではイ メージが湧きませんでした。1つ考えたのは、教育の機関、例えば若手の医師・ 薬剤師・看護師たちが現場に出て、チーム医療とはこのようにやっていくも のなのだ、ということを勉強していく教育機関としての施設認定であればイ メージも湧くし、そういった様々なコ・メディカルの方たちの養成にも寄与 するところが大きいのではと思いました。ですので、こちらのWGの議論とは 違ってきてしまうかもしれないのですが、施設認定を考える場合には、教育 とか訓練という視点で考えたらどうかなと思っております。 ○座長  それはこのWGのミッションには含まれていると考えてよろしいのでしょう ね。 ○杉野医事課長  藤川委員のご指摘も含めてだと思いますが、3月の段階での検討会議ではこ こに書いてあるようなご提言をいただいておりますので、それを念頭に置い てこのワーキングを置くということにしてはどうかというご提案を事務局と してさせていただいているということですが、それだけでは足りないと。要 するに、狙いとしてはチーム医療をどうやって広げていくのか、各医療の現 場でのチーム医療の取組みをさらにどう高めていくのか、そのための方策と してさまざまな可能性がまだあるのではないか、というご指摘がもしあると すれば、この推進会議の場でワーキングで幅広くその手法を検討せよという ご指摘があれば、それはまたワーキングでご検討いただくことも可能ではな いかと思っております。 ○宮村委員  実は、そのチーム医療の推進に関する検討会も出ていたわけですが、その ときに私が感じたのは、その特定看護師さん、要するに看護師さんの業務拡 大についてさらに検討していくということと、課長がおっしゃったように、 いわゆるチーム医療をどうするのだという2つのものができると思っていた のです。それで、私も、藤川委員や山本委員がおっしゃっていることと全く 同感なのですが、認定の基準だとか、認定主体というものも、WGを実際にや ってみてそのことが出てくるかもしれないけれども、私は、少なくとも、最 初からチーム医療の認定検討WGと称するのは強烈だなという気がします。だ から、具体的には、チーム医療推進WGと、そのチーム医療推進というのため の看護業務検討WGという名称にしてはどうでしょうか。いきなり「認定検討」 と言われると、大丈夫かと言われるのは無理ないのではないかなという気が 少しいたします。それで、検討する内容が認定基準に触れてしまってはいけ ないとか、そういうことは私は思いませんけれども、ともかく、このチーム 名はきついものがあるなという気がいたします。 ○座長  課題検討WGと。そういう認定の問題も、当然、議論になるだろうとは思い ますが、そういうことでいかがでしょうか。 ○島崎委員  昨年度の検討会の中では、確かに特定看護師の問題を中心に議論されてき たのは事実だと思います。ただ、一方で、チーム医療の推進というのは非常 に重要で、それをやっていくためにいろいろな議論が必要であり、それぞれ の職種の業務の見直しも必要だし、組織体として、つまりチーム医療という のはそれぞれの職種がばらばらにやっているわけではなくて、1つの機関なり、 あるいは在宅との関係で言えば介護との連携まで含めて多面的に行われてい るので、そういうことを含めどのように推進すべきなのかという議論がもう1 つあったと思います。昨年度の議論がこうだったから今回もその延長線上で やるべきだということまで申し上げているわけではないのですが、いずれに しても、この報告書に書かれているような議論があったのはまず間違いない、 そこは確認をしておく必要があるのだろうと思います。  その上で申し上げると、私も、確かに、推進方策として前回の報告書では 認定ということが非常に強く出ている、それが唯一の方策かといえば必ずし もそうではないかもしれない、そこはいろいろなやり方があってしかるべき だというふうに思いますし、認定のWGだと先に認定ありきということで嫌だ というのであれば、推進方策検討会でもWGでも、名称はこだわりませんけれ ども、その中のチーム医療の方策のやり方としてどういうやり方が好ましい のか、もっと言えば、チーム医療のクオリティの担保をどうしていくのかと いった議論は行っておく必要があるのではないかと思います。 ○太田委員  職種間の話は、病院の中ではチームは当然構成されているわけですね。そ のチーム医療を推進する要素として、評価あるいは認定をする上で要素を考 えていく中で、例えば病棟薬剤師と開局薬局の薬剤師がチームがとれている かとか、病棟のナースと訪問ナースの連携がとれているかとか、仮に認定す るとすれば、そういうことをそこに組み入れないと、病院の中だけの話でも ないし在宅だけの話でもない、地域と病院とをどうシームレスにチームが機 能するかという視点を是非忘れないでいただきたいと思います。 ○座長  それは報告書の中でもかなり強調して書いてあると思うのです。これは職 種間の問題だけではなくて、医療機関、地域と中核との関係、あるいは在宅 というそれぞれのかなり大きな領域にまたがった話であるということは、た しか、前文に強調してあるかと思います。 ○小川委員  いままでの議論を聞いているとかなり混乱をしているのではないかと思う のです。というのは、総論的な部分と各論的な部分が混在一体となっている ので議論が進まないのだと思います。各論で言えば、例えば看護師さんの特 定看護師のことだけが強調されて言われているので話がおかしくなってきて いるわけで、資料2の2.の薬剤師、助産師、リハビリ関係職種云々という方々 に関しましても、当然、そういうWGがあって同じような議論がされるべきで ある。そして、資料3の(1)の医療機関の認定云々ということに関しましては、 これは、実は、今までの議論を聞いていると、(2)の特定看護師の養成課程の 認定基準をしたときに養成をする医療機関をどうするかという、そういう養 成をする医療機関の認定という意味と、養成された特定看護師がとりあえず 働いてみて、モデル事業として現場で病院で働いてみるモデルケースとして の特定看護師が働く医療機関のモデル事業の機関認定をどうするかという、 こういう2つだと思うのです。そうすると、この(1)と(2)が合体するわけです。 そのほかにいろいろな職種のものがWGとしてできるはずになりますし、総論 としては、先ほどから皆様の話の中にありましたように、チーム医療という のはすでにやっているのだと。すでにいろいろな所でやられているはずなわ けで、それをこれからどのように進めていくのかという在り方に関するWGを 総論的な形でその上につくるべきなのではないか。そのように整理すれば話 はスッキリするのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○座長  それはすでに検討会でおおよそしていて、次にどうするかということです。 いま先生がご指摘になったようなほかのコ・メディカルをどうするかという 問題と、個人の資格とか養成のあり方と実際の医療機関側の問題は、これは いまの(1)のワーキングの中に全部入ってくると思いますけれども、そういう ことで今まで議論がされてきているのですが、(2)で特定看護師の話が出てく ると思います。事務局、その辺の見解はどうでしょうか。 ○阿曽沼医政局長  私のほうから補足的にご説明しますが、検討会の報告書では大きく分けて2 つあったわけです。1つは、看護師さんの業務拡大と特定看護師の導入問題と は1つの大きなカテゴリーがありました。もう1つは、チーム医療を全体とし てはどう推進するかという大きな流れの話がありました。それで、前者のほ うについては、調査をしたりモデル事業を速やかにやるべきだという議論が ありましたので、少しわかりにくくて恐縮ですが、この(2)の「チーム医療推 進のための看護業務の検討WG」という所で、一般看護師の方の業務拡大と、 特定看護師についてどこまで業務を広げるべきかということについて、実態 調査とモデル事業をやるためのWGをつくってはどうかというご提案なのです。  それから、後者の部分の全体としてチーム医療をどう進めるかという議論 ですが、それについては、座長からお話がありましたように、チーム医療認 定検討、認定というのは確かにどぎつくすぎるので、ある意味ではアプリオ リに矮小的な議論がされるのは私ども事務局としても困るわけでありまして、 もちろん、今後チーム医療をどのように推進していくかというのは推進検討 ワーキングでも結構なのですが、そういう広い形から、別途特定看護師とか 一般看護師の業務拡大の問題だけではなくて、全体としてチーム医療をどう 推進するかということをきちんと検討していただいたほうがいいのではない かという意味で(1)のWGをつくってはどうかというご提案をしております。  それから、最後にもう1点、山本先生からのお話がありました個別のコ・メ ディカル、要するに看護師以外の業務拡大の問題についてどうするかという ことなのですが、それについては、とりあえず検討会で合意されたところに ついては、3月末に医政局長通知を出しまして、一定の業務拡大はするように ということをしました。ただ、それに加えて、さらに個別のコ・メディカル について業務拡大をもっとすべきではないかというご議論があれば、座長ご 指摘のように、(1)のほうのWGの中で広く検討することはあり得るのではない かと思っております。 ○堺委員  いま局長から大変わかりやすくお話いただいたのですが、3月の報告書が非 常に誤解を招いたので、チーム医療と言いながらいきなり最初に看護が来て いたので、今回はそれを改めて1番にチーム医療を持ってこられたというのは 非常に賢明だと思うのです。分けて考えるというのは非常に良いと思うので す。ただ、チーム医療の質の担保というのはなかなか難しいので、チーム医 療だけ取り出して評価できないところがある。だから、いろいろな評価機構 などを考えていらっしゃるのでしょうけれども、第三者機関で総合的に評価 していただくことになると思うのです。  それから、いわゆるコ・メディカル、パラメディカルというところでこれ を見ていると、どうしても国家資格を持った人が念頭にあるような感じがす るのですが、病院の中では、例えばチーム医療、地域連携なども含めていち ばん頑張っているのはメディカルソーシャルワーカーですね。それから、日 本病院会が頑張っている診療情報管理士は、医療の情報を共有化するという 意味では非常に重要な役割なので、是非、そういうところもご考慮いただい て、国家資格にとらわれない、実際の現場の病院は誰が回しているのかとい うこともご検討いただければ非常にありがたいと思います。 ○座長  それは検討会でも議論になっていまして、看護師のことが少し前に出たと いうのは、保助看法の範囲の中で今すぐ法改正しなくてもできるところを主 に議論したということがあってその看護師の問題が前に出ているというふう に理解しております。 ○山本(信)委員  杉野課長と局長の話で先ほどの私の疑問はとりあえず解決したのですが、 そうだとすると、できれば看護の方々については(2)のほうで別途議論されて いますので、(1)のほうで幅広にやるとすれば、認定という用語については、 いろいろお考えもあるのでしょうけれども、医療機関だけではなしに、そこ に働いているそれぞれの専門職の能力や技能、知識というもののレベルをど ういうスタンダードにすればそのチームによる業務が可能なのだ、あるいは ここまでできるのだということで、業務の拡大と噛み合った形にしていただ ければ議論としては非常にうまく進むのではないかと、そもそもの検討会の 報告書にかかわったものとしてはそういう気がします。そうだとすると、認 定検討とか医療機関だけという限定的に受け取られる表現ではなしに、もう 少し柔らかめな言葉にして、わかりやすくしていただければ大変ありがたい と思います。  もう1点、先ほど藤川委員がおっしゃっていましたが、(2)の中でさまざま な議論をする場合に、前の検討会でも繰り返しも言い尽くしたことですが、 チーム医療を考える際に、必ず薬がかかわりますので薬剤師も忘れずに、WG での検討の中に参加させていただきたいということだけ申し上げておきます。 ○座長  (2)についてのご意見はいかがでしょうか。看護業務検討ワーキングです。 ○山本(信)委員  いま申し上げましたように、(2)のほうのチームについては具体的に薬がか かわる部分がありますので、私はこれまでの議論の中で(2)については検討会 の示した報告書の中でも、テストケースといいますか、パイロットスタディ をやるということについては皆さんも合意に達していますし、問題点を把握 する、あるいは掘り出すためのワーキングだということ、つまりテストケー スだということはよくわかっています。その結果として一般の方はもちろん、 特定の方の議論をすることも含めてですが、そこには何時も薬がかかわって いますので、薬のわかる者が参加しない状態での議論というのはいささか問 題があると思いますので、このGWにも必ず薬剤師を参加させていただきたい と思います。 ○北村委員  (2)のほうの看護業務については資料4、資料5で方向性は大体つかめている と思うのです。問題は、チーム医療の認定がいいかどうかというのは今、議 論の中で進められているところですが、昨年、チーム医療推進協議会という ものを13団体で設立して、チーム医療のあり方をどうするかということの提 言を出そうかということで進めているわけです。患者さんがどのような満足 ができるかとか、治療成績をどう上げるかという意味で、チーム医療を推進 するためには何が必要かということを取り上げながらやっているわけです。 やはり、チーム医療を推進するためにはその条件とかがありまして、人手不 足とか、あるいは各専門職の専門性を高めていかなければならないというこ とと、その評価をしてあげなくてはいけない、ということが挙げられます。 それをどう検討していくかということが、チーム医療の検討WGだと思ってい ます。方向性をどのような形で進めていくのかをしっかりしないと、空中分 解すると思っています。 ○座長  このWGのメンバーについては、委員の先生の意見を尊重した上で、座長に 一任いただければと思いますが、よろしいですか。 ○藤川委員  (1)の「チーム医療認定検討WG」の名称を、きちんと今日の会議で「チーム 医療推進検討WG」ぐらいで、もう少し緩やかな幅の広い名称に変えたほうが いろいろな議論ができると思います。 ○座長  いかがでしょうか。「チーム医療推進検討WG」。よろしいでしょうか。 ○宮村委員  それで結構ですが、先ほど私が「推進ワーキング」と言ったのは、推進に 関する検討会をやっていたものだから、「推進検討WG」というのは、またやる のという感じになるものだから、「検討」は外したらどうかなという、検討会 の次は推進のWGのほうがいいかなという気がいたしました。 ○島崎委員  多少役所的かもしれませんが、推進方策WGではどうか。名称はこだわりま せんが、確かに「認定」というのが、先にありきというのが強過ぎるとなれ ば、いくつかの方策の1つとしてどうなるかということだとすれば、推進ワー キングでも推進方策WGでもよろしいのではないかという気がいたします。 ○座長  少し具体化したイメージになると。「チーム医療推進方策WG」。 ○藤本委員  先ほどお話の中にありましたように、推進するためには、医療現場の方々 が働きやすくなることが最も大切だと思いますので、そのためのサポートを 検討することを目的の中に謳っていただきたい。具体的には藤川委員が先ほ どおっしゃったように、ガイドラインを作ったり、法を明確にして現場の方 たちが混乱しないようにとか、具体的な事例を紹介するようなものなど、そ ういったことを検討していただけるWGだと良いと思います。 ○小川委員  先ほどの局長のご説明で、非常に明確に頭が整理されました。そうします と、(1)のほうがもっと総論的なWGだということで、いまのご意見にあったよ うな名前でよろしいと思うのですが。そうしますと、[1][2]の医療機関の認定 に関しては、やはりこれは具合が悪いということになるのだと思いますので、 [1][2]に関しては削除していただいたほうがすっきりはするのではないかと思 います。 ○座長  ただ、その必要性があるかどうかは検討しないといけないわけですので。 ○小川委員  そうすると、先ほどの話に戻るのですが、私がイメージしていたのは、看 護業務検討WGの中でやられている特定看護師の養成課程の認定基準をやると。 その認定基準をやるためには、養成する施設の認定をやらなければいけない。 実際に特定看護師を認定した場合、とりあえずモデル事業として働かせるこ とができる施設の認定をしなければいけないということになりますから、認 定施設というのは、そちらのことだと思ったのです。  ですから、先ほどの局長のご説明では、そういうことではないということ であれば、これはあくまでも(1)のWGは総論的なWGなのだから、医療機関の認 定が入るのはおかしいということだと思います。 ○座長  認定に関する総論的検討は行うということだと思うのです。 ○中山委員  このことと認定の問題と、第三者の機関との関係はどうなるのか、よくわ からないのですが。評価機関みたいなものは、ここでは検討しないと考える のですか。 ○座長  ですから、その必要性については前の検討会でも検討しているので、総論 的な検討は必要だということです。それが前提でこの会が立ち上がっており ますので、すでにそこは前回検討しています。必要であろうと。具体的にど うするかという話ではなくて、そういうふうにご理解をいただきたいのです が。 ○中山委員  はい。 ○座長  よろしいでしょうか。 ○半田委員  (1)のところで、先ほどご提案があった[1][2]は、ワーキングチームにおろす 意味において外しておかないと、ワーキングチームが[1][2]にこだわった論議 をしてしまうと、推進の意味が全くなくなってしまうだろうなと危惧します。  そういう意味において、先ほど1つ提案があったガイドラインを作るとか、 いろいろな選択肢があると思うのです。先ほどの議論の中で、うちはチーム 医療をやっていますよ、当たり前だというご議論があったのですが、やって いると言っているチーム医療は何を指してやっていると言われているのか、 それすらまだ明確でないところがあるわけです。その辺をはっきりした上で 何を推進するのかしないと、最初から認定というのは、あくまでも推進をす るための1つの方法論として提案されていると思うのですが、[1][2]がドンと乗 っかると、ワーキングチームはこれだけをやってしまいそうな気がするので、 ちょっとやわらかに。 ○座長  こういうことも含めて、一般的なガイドライン等、あるいは認定の必要性 についてももちろんご議論をいただくということにして。 ○半田委員  選択肢の1つとして。 ○座長  それはガイドラインを始めるときによく伝達しておきたいと思います。よ ろしいでしょうか。それでは資料4の「看護業務実態調査について(素案)」 及び資料5の「モデル事業について(素案)」のご意見、ご質問をいただきた いと思います。 ○宮村委員  そこに移る前に、少し厚労省にお伺いしたいのですが、これはちょっと恥 ずかしいのですが、歯科医師の立場として申し上げたいのです。実は資料2に、 いままで私はこの検討委員会に出ていて、3月19日の報告書のときに、2.看護 師以外の医療スタッフ等に歯科医師が入っていないということは言われまし た。しかし、私はそのときに、これは傲慢かもしれないけれども、医療スタ ッフというよりも、いま医師、歯科の二元ではありますが、一応、診断をし て人体に対して侵襲を加えるという意味では、医科も歯科も同じだという意 味で、むしろ、この「スタッフ」のところには入っていなくてもいいと申し 上げたわけです。3.チーム医療のところに歯科が入っていれば十分だと申し 上げたのです。  そのとおりに報告書はなっているのですが、実は4月30日の参考資料の全国 の都道府県の知事宛の発出文書を見て、私としてはちょっと辛いと思ったの は、いちばん最後、(1)から(5)までスタッフ以外の職種で、それ以外の職種 の中に歯科医師が括られているのは、これは私が前回検討委員会で発言した ものと全く違うものですから、これはいまさらどうこう言いませんが、何か の機会に少なくとも「それ以外の職種」というところに「歯科医師」は削除 していただきたい。削除しないというならば、薬剤師会さんと同じように、 薬剤師会のほうを先に書くか、後に書くかは別ですが、それはそこに入れて もらわないと立場がないと。それは1つ看過できない。何となく騙されたよう な気がしますので、医政局長も課長もよろしくお願いしたいというのだけ発 言させていただきたいと思います。 ○座長  時間の関係がありますので、資料4と資料5についてご意見をお願いします。 ○坂本委員  資料5でお聞きしたいです。「モデル事業について(素案)」と出されており、 事業内容に関しては、例えば、臨床薬理学等を必修にしているとか、「特定看 護師モデル養成課程」と称することなどが書かれていますが、これらについ ては、今後、議論をされていくわけですよね。これは一応素案として出され ていて、それを議論していくという内容で、例として挙がっていると捉えて よろしいでしょうか。 ○座長  ということですが、よろしいでしょうか。 ○中山委員  いまのところの関連で、事業内容の2のモデル事業実施課程においては、一 般的には「診療の補助」に含まれないと理解されてきた行為の実習を実施し て差し支えないこととするというのは、前回の報告書からすると、包括的指 示の範囲内でという理解でよろしいのでしょうか。ここの意味が読んでわか らなかったので、もう少し詳しく説明していただければと思います。 ○杉野医事課長  少し言葉が足りなかったかもしれませんが、仰せのとおりでございまして、 あくまでも包括的指示を含めた医師の指示の下で行う診療の補助という行為 に、これまで一般的には含まれていなかったと思われていることについても、 診療の補助に含まれるということで実施して差し支えないということで、こ ういう表現をさせていただきました。 ○座長  ほかにいかがでしょうか。 ○藤川委員  このモデル事業をやった結論として、現在の一般の看護師の保助看法に基 づく業務拡大で十分やっていけるということであれば、特定看護師制度その ものは不必要であるという結論になることもあり得るのですか。 ○杉野医事課長  仮定のお話ですので、理屈的にはあり得るということかもしれませんが、 一応、これまでの報告書のまとめに当たっての議論の中では、まず、一般看 護師の業務拡大をどこまで拡大できるかということをはっきりさせようとい うことと、ある意味ではそれを前提にしながら、あるいはそれと並行して、 やはりそれでは十分に応え切れない部分もあるだろうということで、特定看 護師についてもこちらで検討しましょうとなっておりますので、検討として は一応並行してやっていくということになろうかと思います。 ○藤川委員  我々医師の場合は、各科があります。専門科がありますので、医師の中で も科によって、私は整形外科ですが、心臓外科であったり、脳外科であった りする。やはり、まず脳外科であるということの専門性があり、その中で6年 間研修をやって、また専門医を取るわけです。そういうことによって、ある 程度の患者さんに対する能力の担保をして、きちんとした手術をしたり、医 療行為をやったりするわけです。看護師の中でも能力の差は当然ある。経験 の差だけではなくて、能力の差ももちろんある。  例えば、手術場で心臓外科の手術の補助をする看護師と、一般の整形外科 の外来の看護師では到底能力の差はあるのです。そういう点で、専門性を非 常に担保して、心臓外科の手術の専門看護師であるという表現であれば、我々 医療界でも理解できるし、患者さんや家族の方々も理解できる。特定と言う と、頭の中で言葉の位置づけが難しいということで、やはり、この看護師さ んは心臓外科の補助をする専門の看護師さんですよと表現をするとか、国民 にわかりやすい表現に変えていかないと、我々の業界だけで通用するキーワ ードはできるだけ避けていったほうがいいのではないかと思います。専門看 護師というカテゴリーを少しわかりやすくすれば、新たな特定看護師という 表現もいらない。医師会の中では保助看法で十分拡大すればやっていけるの ではないかという意思を持っています。 ○座長  従来の専門看護師との違いをどうするか、という議論も必要になろうと思 います。ただ、一方で法的にどうなのかという議論が、前回の検討会で指摘 がありまして、そういうことをもう少し深く議論する必要があるということ で、法制化の話が出ているわけですが、山本先生はその辺はどうでしょうか。 ○山本(隆)委員  前回の検討会の折に申し上げたことの繰り返しになりますが、ある歯科の 教育を受けたとか、あるいは経験を持っている看護師だけが、ある行為がで きて、それ以外の看護師はできないといったような区別を現在の保助看法の 中で読めるかというと、それは非常に難しいのではないか。もしそういった ことを本格的に行おうとすると、やはり法制化、何らかの法律の改正も考え ないと法制上は無理なのではないかということを申し上げたわけです。  「特定」という表現をどうするかという問題は、それこそ実際どういった ことを看護師に任せることにするかということによって、名前はまた考えれ ばいいことではないか。場合によってはさらに特定看護師の中でも、こうい ったことをする特定看護師、こういったことができる特定看護師というよう な、細かい区別も出てくる可能性もありますので、それは検討後どういうふ うに名前を付け、あるいは制度化を行うかということを考えることになるの ではないかと思います。 ○座長  いかがでしょうか。 ○小川委員 ただいまの話に関しては、例えば厚生省令では無理だというこ とですか。 ○山本(隆)委員  無理だと思います。厚生省令へのはっきりした委任もないのではないかと 思いますので、厚生省令で定めるとすれば、「厚生省令で定めるものとする」 という規定を法律の中に入れなくてはいけないことになると思います。 ○藤川委員  例えば、医療行為を拡大していって、現在の医師法で認められている範囲 内でやっている行為を看護師に特定でやらせるとなると、やはり、医師法の 改正が必要になってくるのではないですか。 ○山本(隆)委員  これは前回もたしか質問が出たところですが、医師法の改正まではしなく てもそれは可能ではないかということです。 ○座長  ご意見をもう1ついただきたいのは、実態調査の項目、モデル事業実施課程 の選定、これについてWGにお任せしていいかどうかということですが。もし よろしければ、モデル事業ということで、調査及びモデル事業実施課程の選 定ということも含めて、WGで検討をしていただきたい。最終的にはお任せす るということでお願いしたいと思います。 ○藤本委員  このWGのメンバーの中に、どういった方が入られるか、個別のお名前では なくて、職種についても。 ○座長  それはこれからです。ご意見があればおっしゃってください。 ○藤本委員  やはり、教育関係の方々には是非入っていただきたいと希望します。 ○座長  医師が当然必要になってきますね。よろしいでしょうか。それではそのよ うに進めさせていただきます。全体的に、こういうことがこれから重要な議 論になるだろうというご意見がありましたらお願いします。いまの法制化の 問題は、検討会では確かに法律家の方と、それ以外の方では捉え方も違って いたのですが、この辺の議論をどういうふうにしていくか。これは法律家に 任せっきりでいいのかどうかということもあるのですが、山本先生はこれを どういうふうに解釈して議論をしていくのか、ご意見がありましたらお願い します。 ○山本(隆)委員  先ほど資料3の1の(1)の「チーム医療認定検討WG」というのは、連携を進め ていくための1つの手段を正面に出したような表現になっているので、検討の 範囲をもう少し広くするような形でという話がありましたので、あるいはそ の中でといいますか、その議論とか調査の様子を見て検討する形になるので はないか。(2)ももちろん関わっていますが、非常に大きな話としては、(1) の様子を見ながら、(2)のほうで調査の結果が出たら、それもさらに含めて検 討することになるのではないかと思います。 ○座長  かなり具体的な問題が出てこないと、解釈もなかなか議論が進まないとい うことでしょうか。 ○山本(隆)委員  そうですね。やはり、具体的なケースを念頭に置かないと、なかなか難し いのではないかと思います。 ○島崎委員  議論が混乱してしまうので、先ほどはあえて申し上げなかったのですが、 昨年度の議論の中で、一般の看護師の業務の拡大や特定看護師の議論をする ときに、特定の看護師であればどのような医療機関でもよいのかという議論 があり、これは確か山本先生もおっしゃったのではないかと思います。何を 申し上げたいかと言うと、チーム医療なり、1つの職能を他と連携して的確に 行うためには、そこの組織体としての責任体制といった要素も重要であるこ とは間違いがないので、チーム医療推進のための看護業務検討WGの中でも、 そのことはやはり意識しておく必要はあるのではないかと思います。  2つ目は、WGを作ることはそれでよろしいと思いますし、人選についても座 長一任で構わないのですが、適当なところで、この会議でフィードバックす る必要はあると思います。資料3を拝見しますと、年内にWGを作って、年末ぐ らいまでに結論がある程度まとまったところで開催というイメージなのかも しれませんが、例えば、看護業務実態調査の結果が仮に8月中ぐらいに取りま とめ予定だとしますと、その後ぐらいには1回本会議を開いておく必要がある のではないかという気がいたします。 ○座長  私も必要だと思うのですが、次のこの会議はいつ開かれて、どういう課題 になるか。 ○杉野医事課長  事務局としては、親会議の開催につきましては、大体年に2、3回というイ メージで思っておりました。これは結論をWGに任せて、出てきたものでここ で了承して終わりというイメージではなくて、WGのほうで具体的な作業をや っていただきながら、その進捗状況や成果物をここでもんでいただくという ことで、年2、3回というイメージで思っておりました。具体的にどのタイミ ングでと思っていたわけではございません。いまご指摘をいただいたような ことも含めて、途中段階で進捗状況をご報告して、それについてさらにいろ いろ指示をいただくという形で、もし開催せよということであれば、そうい う準備をさせていただきたいと思います。 ○中山委員  そうしますと、次に開かれるときはたぶんいろいろな調査が終わっている 段階になると思うのですが、調査項目に盛り込んでいただきたいことを意見 として言う場としては、この場ということになりますか。 ○座長  そうですね。ただ、まだWGのメンバーも決まっていませんので、また事務 局にご要望を上げていただければと思います。 ○中山委員  はい、わかりました。先生のお話から、現場でチーム医療を推進するに当 たって、こういうことが改善されたらうまくいくのになとか、推進するに当 たって障壁となっているものとか、課題も洗い出していただければと思いま すので、お願いします。 ○半田委員  いままで論議はなかったのですが、前回のこの会議ではわりと積極的に言 われた包括的指示が、看護師さんのことだけで言われているのです。チーム 医療の1つの手段として包括的指示というのは、非常に大事な部分なのです。 ところが、あらゆるスタッフが医師から指示をいただいているのです。この 論議が何で看護師さんの包括的指示だけなのか。チームを考えたときに、包 括的指示をどうするのかという問題を看護業務だけではなくて、もっと幅広 く捉えていただかないと、私はチームとしては成立しないと思います。 ○座長  これも前に検討会で議論になったのですが、法律の問題が出てくるのです。 そこも含めて今回WGで検討をいただくということです。 ○半田委員  (1)のところで、その論議をまたお願いします。 ○座長  よろしいでしょうか。 ○宮村委員  先ほどの3月19日の報告書と、全国都道府県知事に対する発出が、歯科に関 して齟齬というか、違いがあったことに対して、本当にこの委員の先生方に 申し訳ないけれども、我々としては大きいことですし、発出文書そのものは 事前に見せられていたわけでもありませんので、座長、一言だけ厚労省のコ メントをいただきたいと思います。 ○杉野医事課 長 誠に行き届かない通知になって申し訳なく存じます。誠に恐縮でござい ますが、事務的には予め関係団体にご照会を申し上げておりますので、私ど もといたしましては、関係団体のご了解はいただいたつもりで出させていた だきました。先生に直接ご照会がいっているかどうかというのは承知してお りませんでした。ご指摘をいただいて、もう一度上げまして、やはり問題が あったということであれば、今後もよく考えていきたいと思っております。 ○宮村委員  はい、了解しました。ただ本当に議事録を見ていただければわかるのです が、あえてここに入れなくても私は了承すると言っているのに、大変親切に 入れていただいて、その他のその他になってしまったというのは、今後はよ ろしくお願いいたします。 ○藤川委員  日本医師会としても、いまの歯科医師の扱い方には、我々も歯科医師が入 っているということは見逃がしていました。私自身は見させてもらっていな いのでわかりませんが、それはきちんと歯科医師の立場というものを担保し ないと歯科医師会が困られると思います。そういう扱い方を厚労省がしてい るということになると、日本医師会と歯科医師会は綿密な協力をしておりま すので、日本医師会として援護射撃をしておきたいと思います。 ○宮村委員  ありがとうございました。 ○座長  よろしいでしょうか。大体、時間になりましたので、今日はこの辺りした いと思います。事務局から連絡事項等をお願いします。 ○石井補佐  次回の開催につきましては、追って日程を調整させていただきますので、 よろしくお願いいたします。 ○座長  今日はどうもありがとうございました。これで終了させていただきます。 以上 (照会先) 厚生労働省医政局医事課 石川義浩 (代表)03−5253−1111(内線25643)