10/04/27 第16回高度医療評価会議議事録 第16回高度医療評価会議 (1)日 時: 平成22年4月27日(火)16:30〜 (2)場 所: 厚生労働省18階専用第22会議室 (3)出席者: 猿田座長、山口座長代理、伊藤構成員、金子構成員、        柴田構成員、関原構成員、竹内構成員、田島構成員、        藤原構成員、村上構成員、山中構成員、出口技術委員       (事務局) 医政局研究開発振興課治験推進室長        保険局医療課企画官   他 (4)議 題   1 新規申請技術の評価結果   2 継続審議の評価を受けた技術の評価結果   3 その他 (5)議事録:以下 ○猿田座長  ただいまから第16回高度医療評価会議を始めます。お忙しいところ、また今日は雨の中をお集まり いただきまして、構成員の方にはどうもありがとうございました。  本日の出席状況ですが、川上構成員、佐藤構成員、堀田構成員、山本構成員から、ご欠席との連絡 をいただいております。本日は技術委員として、出口技術委員にお出でいただいております。  議事に入る前に、構成員の追加がありましたことをお知らせします。この度、国立病院機構九州が んセンター臨床研究部腫瘍統計学研究室室長の山中竹春先生に構成員としてご就任いただきました。 ○山中構成員  ただいまご紹介いただきました山中でございます。九州がんセンター国立病院機構の九州がんセン ターに勤務しております生物統計家です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  もう一方、群馬大学医学部保健学科医療基礎学の林邦彦教授にも構成員にご就任いただきましたが、 本日はご欠席です。  本日の配付資料、そのほかに関して、事務局から確認をお願いします。 ○事務局  配付資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員、技術委員名簿 と続きます。そのあとに新規申請技術についての資料1-1、資料1-2と続きます。その次に、第10回 会議にて継続審議の評価を受けた技術の再評価結果についての資料2-1、資料2-2と続きます。その後 ろに、参考資料として1から4まで付けています。なお、今回の審議案件について、ペプチドワクチン の具体的な名称については、開発段階であるため、企業より公表を控えていただきたい旨の申出があ りましたので、ご配慮願います。また、会議資料に個人名が記載されていますが、公開の場ですので、 ご配慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。本日の資料は以上です。過不足等がありまし たら、事務局までお知らせください。  利益相反についての確認です。対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1、資料2- 1に記載している、医薬品・医療機器情報をご覧ください。対象となる企業または競合企業に関して、 事前に確認させていただいております。事前の届出以外に、特別に関与するような事例はございませ んでしょうか。                  (特になし) ○事務局  該当なしということでよろしいでしょうか。以上です。 ○猿田座長  いまお話がありましたように、今日の案件については、まだ開発段階にあるということで、名前の 公表あるいは個人名だけはお気をつけいただきたいということです。ほかに特にご意見がないようで したら、議事に入ります。  議事1の「新規申請技術の評価結果」についてですが、事務局からご説明をいただけますか。 ○事務局  事務局より説明いたします。撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきますので、お 願いします。資料1-1です。新規申請技術の評価結果としまして、整理番号024、高度医療名は「再発 予防を目的とした膀胱癌に対する腫瘍特異的ペプチドワクチン療法」です。適応症は膀胱癌が対象で す。申請医療機関は岩手医科大学附属病院です。審査担当構成員として、主担当に藤原構成員、副担 当として山口構成員、田島構成員、技術委員として出口技術委員に審議に加わっていただいておりま す。以上です。 ○猿田座長  早速整理番号024の評価結果について、藤原構成員からお願いします。 ○藤原構成員  お手元の資料でご説明します。今回の再発予防を目的とした膀胱癌に対するペプチドワクチンの治 療ですが、資料1-2の9頁に、今回の申請に至るまでの経緯をまとめています。これは昨年7月に一旦 第10回の高度医療評価会議にかかりまして、その際は「不適」と判定されたのですが、その後科学の 進歩等に鑑み、再申請がなされたものです。その当時の実施計画書が、今回はバージョンが第3版まで 上がってきていまして、その辺りの経緯は、申請書等の中からは読めなかったので、少し整理させて いただいたのが、前半の記述です。  評価は、山口構成員、田島構成員、出口技術委員に、それぞれの箇所をしていただいていますので、 先生方から一言ずつお願いします。 ○猿田座長  いまお話がありましたように、審査に当たっていただきました構成員から一言ずついただきます。 まず山口構成員からお願いします。 ○山口座長代理  実施責任医師の体制、医療機関の体制については、前回と同じで問題はありません。医療技術の有 用性については、前回も「適」にしましたが、評価がなかなか難しいところがありました。これは素 晴らしいものだというところは、もう1つぴんとこないところはありますが、今回まずは評価には値す るのではないかということで、一応「適」とさせていただきました。  先ほど藤原構成員からご指摘がありましたが、前回の計画がかなり不十分だったというか、内容の 問題よりも、形式の問題とか、いろいろなところで問題があって、あとで藤原構成員からもご指摘が あると思いますが、まだいくつか問題がありますので、ここでご討論いただいた上で、認めていいの ではないかと思います。 ○田島構成員  説明文書の内容については、資金源について、「公的研究費」と書かれている部分と、「公的研究 費など」と書かれている部分がありましたので、説明書には「公的研究費など」とするということで、 公的研究費以外の資金源があるように読み取れますので、他に資金源があるのであれば、それも明記 し、また起こり得る利害の衝突についても、記載がもれているので、それを追加していただきたいと いうことが1点です。  それから、予測される利益について、副作用に関する事項については、これまでの臨床研究におけ る具体的事例が引用されていましたので、利益の点についても、具体的事例の効果を書くことが可能 であれば、それを付記すべきであるということを、第2点として指摘しました。  この2点については、本日の会議までの間に事務局のご指摘で、申請者から適切な形に修正された説 明文書が再提出されています。患者相談等の対応は整理されているものと認めました。以上です。 ○猿田座長  田島構成員からのコメントに対する返事がきちんと出てきたということです。技術面に関して出口 技術委員からお願いします。 ○出口技術委員  前回出たときに驚いたのですが、phaseIの膀胱の腫瘍がMRIでかなり縮小している姿を見まして、 このワクチンの効果にものすごく期待をしています。それが第1点です。  第2点は、FDAのガイダンスを見ても、予防効果を見たほうが、ワクチンの性格上いいのではないか ということがありまして、それについても何か後押ししてくれるのではないかと考えています。  実施体制の評価については、全部「適」にしています。よろしくお願いします。 ○猿田座長  それでは藤原構成員お願いします。 ○藤原構成員  資料1-2の9頁の中盤から下で、この全体の評価をご覧ください。私は申請書というよりも、プロト コールの内容をチェックしながら、試験の妥当性の判断を行ってきました。大きな問題点は、1つ目は シングルアームの試験であることです。もう1つは、症例選択基準が通常の臨床試験に比べて、曖昧な 記述になっているというところです。  再発の予防効果を見ますので、再発の定義を行うのが非常に重要になってきます。これは通常の臨 床試験、第III相試験で、Disease free survivalとかProgression free survivalとか、再発のポイン トとか増悪をみるときには、非常に厳密な言葉の定義をしてから試験をスタートしますので、その辺 が曖昧になっているところが、問題点としてありました。これらを含め一つ一つ細かくご説明してい きます。  まずシングルアームの試験であることの問題点です。このワクチンについては、先ほどお話も出て いましたFDAのガイダンス案です。これはガイダンスとしてフィックスしたものではなくて、ガイダン ス案です。実際にフィックスするかどうかは、まだFDAのサイトを見ても出ていませんので、最終版が どのように書き替えられるかはわかりませんが、書いてある中身は至極まっとうなことというか、臨 床試験をやっている先生方には、普通に知っていることが書いてあるだけなので、何も新しいことは 書いていないのですが、この際に、最終的に、このようながんペプチドワクチンにしろ、免疫療法を 評価するためには、既存の治療との比較試験が必要になるのは間違いないことなので、それに向けて、 この試験をどのように活かしていくかという観点から、コメント致しました。  シングルアームの試験で問題点があるというのは、このプロトコールで目標としている再発予防効 果というのが、2年の無再発生存率が、大体50から70ぐらいに改善するような仮説の下に、サンプル サイズの決定が当初にされているのですが、ここに示しますように、例えば日本泌尿器科学会の過去 の学会登録のデータを用いた無再発生存のグラフとか、ほかの大学病院などの国内の大学からの発表 などを見てみますと、BCGを使うだけで、2年の無再発生存は大体ハイリスクで、T1G3などを見ても、 最近のデータでは6割から7割はいっているのです。そうすると、5割の2年後無再発を7割に上げる というのは、BCGだけでも十分に可能な範囲なので、この試験をいくら続けていっても、せっかくのワ クチンの臨床的な意義が検証できないということを危惧しました。  そのために、申請者からのデータなどを聞いていますと、すでに56例の症例登録を終えていますの で、安全性に焦点を絞った検証をいくら積み重ねても仕方がない話なので、もうこの辺で現在蓄積さ れている膀胱癌での試験、今回申請になった試験というのは、高度医療評価に申請される前からずっ と実施している試験なので、その辺をある程度ここで区切って、データを解析していただいて、その 結果を基に、次の薬事承認につながるようなデザインの試験に変えていただければ、非常に有効に世 の中に貢献できるのではないかと考えております。  これは今後のディスカッションにもよりますが、その際はいきなり大規模なphaseIII、膀胱癌に対し て理想的にやるとすれば、BCG単独群対BCGとペプチドワクチン併用群を、HLAでのtypingで絞った患 者群を対象に行うのが、phaseIIIの王道だと理解しますけれども、それを実施すると膨大なサンプルサ イズが要る、あるいは予算が非常にかかる。それは本来企業が治験でやるべきだという議論も出てく ると思いますので、その前の段階として、もし実施するのであれば、ランダム化比較の第II相試験ぐ らいのレベルでしてみるのが、実現可能性としては高いかなと思います。  次に10頁です。用いられているBCGの投与量が40mgとなっていまして、確かにBCG80mgが日本では わりとよく使われますが、有害事象を気にされる先生もいて、多施設共同研究で実施すると、それが 嫌だという方々も出てくるので、40mgにされたのではないかと思いますが、昨今のいろいろな国内の 大学、医療機関から出ている公表論文などを見ますと、大半がBCGで、日本の場合は東京株かコンノー ト株の2つの製剤があるのですが、これは東京株の製品を使われた試験だとは思いますが、どの他の医 療機関も、大体80mgを使った成績を出しているので、あまり40mgに固執する必要はないのかなと思い ます。ここはそんなに議論をしなくても、みんなのコンセンサスでこのぐらいというものがあればい いのかなと思っています。  次に症例選択基準のところです。症例選択基準は、診療と臨床試験の区別が付かないような内容に なっていますので、もう少しきちんとした症例選択基準にしていただいたほうが、よりきちんとした データが出来ると思います。例えば通常の臨床試験だと、病期分類で例えば膀胱癌であれば、Ta、Tis、 T1でN0M0の膀胱癌として、設定していただいて、尿管癌の重複癌を合併している症例は除くとか、 CISの合併の取扱いについてはどうするか、その辺が明確に記載されているのが通常の膀胱癌の臨床試 験の実施計画書ですので、その辺の記載を追加していただきたいと思います。  それと、臓器機能の基準を見てみますと、いわゆるターミナルに近い患者さんでも入れるようなデ ザインになっていますが、再発予防というのは、本来は元気な方々が普通に入るような試験ですので、 ここに書いてあるように、好中球が1,500とか血小板が10万とか、AST、ALTというのは、正常の2倍 以下とか、クレアチニンは1というのはちょっときついですから、1.5ぐらいで、ビリルビンについて も当初は3とありましたが、そんな人は本来臨床試験に入るべきではないので、1.5とか2ぐらいまで にするのが、世界的に標準的なクライテリアかと思います。  Second look TUR-Btを実施されるので、そのときに肉眼的に確認すると書いてありましたが、本来 は組織学的に残存腫瘍がないことを確認するのが、最近のパターンだといろいろなところから聞きま すので、書きぶりをもう少し考え直してほしいというところがあります。  3番目の再発の定義は、最初に申しましたとおりです。  もう1つは、海外ではよく行われているのですが、Maintenance therapyです。日本では、 『Cancer』に、すでに1995年にMaintenance therapyの意義は日本人にはなかったという比較試験の 成績も出ていますので、今回はおそらくMaintenance therapyは実施されていないのだと思いますが、 無再発生存というところを検証していくのであれば、維持療法に関して、どのようにみんなが臨んだ らいいかというのは、プロトコールの中には書いておくべきだろうと考えます。  その他としては、いちばん気になったのは、効果安全性評価委員会は、本来臨床試験の当事者の施 設からは出さないのが筋なのですが、私がいただいたときの実施計画書には、申請者の施設の方々の 名前が、2人ほど入っていまして、これでは第三者的な評価ができないので、それは変えてほしいと思 っていましたが、4月20日、先週になって、そこは変えるというお答えをいただいておりますので、 問題はないかと考えています。  実際に試験が始まることを想定した場合に、今回は多数の施設が追加されているのですが、いわゆ る大学病院以外の一線の病院の方々が結構入っています。そのときに、改正臨床研究倫理指針でいろ いろな取決めがなされて、特に有害事象の報告基準とか、文書としてSOPを適切に作って対応するよう に病院が準備しておかないと、なかなか大変なところがあるので、そういう臨床研究倫理指針への各 一線の医療機関の準備状況を確認しておかないと、やみくもにOKを出すと、適切な形にて有害事象の 報告が上がってこないことを懸念します。そういうもののdocumentationは確認した上で、試験はスタ ートしたほうがいいのかなと思っています。大きなところはそのぐらいです。 ○猿田座長  いま詳細にお話いただきました。問題点として挙げていただいた1つは、シングルアーム試験である ことの問題点です。実際には56例も実施されていますから、その辺りをもう1回整理して、しっかり BCGとBCG+ワクチンをやるようなことも考えるといいだろうというお話がありました。それから、量と しては40mgなのか80mgでいいのかということで、これは80mgでもいいのではないかということでし た。それから、症例の選択基準をはっきりしなければいけなくて、これも当然ということで、先生か らは好中球とか血小板の数、クレアチニンや肝機能検査の状況も、一応示させていただきます。それ から3番目として、再発の定義が不十分であることも重要な点です。あと効果安全の評価委員会に中か ら入っては評価になりませんので、いま言った形で、外からのメンバーだけで評価するということか と思います。以上、どなたでも結構ですが、この件に関して、ご質問はございますか。 ○山口座長代理  いま藤原構成員にご指摘いただきましたが、いずれもそのとおりです。この中でいちばん大きな問 題は、シングルアームの試験をこのまま認めていいかに尽きると思います。  いままでの報告が、6例中3例の奏効例があったとのことでしたが、その中には必ずしも頷けないも のもあります。やはりご自分の施設だけでやったものについては、なかなか評価は難しいところがあ るのです。もし、いままでやったものについて、十分であると判断するのであれば、シングルアーム ではなくて比較試験をやるべきだと思うのですが、私の感じとしては、もう1つきちんとした計画の下 に検証すべきだと思います。つまりいま藤原構成員がほかに述べた、いろいろな細かいことをきちん とクリアした上で、もう少し症例を評価してから比較試験をやったほうがいいのではないかと思いま す。というのは、いままの時点で、比較試験をやれるかどうかということで、ちょっと疑問に思って います。 ○猿田座長  いくつかの施設でやる場合も、その条件は。 ○山口座長代理  ある程度絞られたほうがいいのではないかと思います。 ○出口技術委員  藤原構成員のご指摘のとおりだと思うのですが、まずシングルアームであることです。80mgのデー タというのはかなり出ています。BCGが80mgで、40mgのものははっきりしていませんので、40mgのコ ントロールが必要ではないかなと思っていました。  それから、症例の選択基準の中のいちばん下に「なお最近は」というところが、藤原構成員のコメ ントでございますが、これはsecond lookのTUR-Btのときに、肉眼的に確認と、「Bt」と書いてあり ますので、おそらくその組織の切除をするものという解釈で、私は読んでおりました。以上です。 ○猿田座長  そのほかにございますか。 ○関原構成員  これは基本的な質問ですが、申請時に56の症例でやりましたとあります。今回は予定で110とあり ますが、110のうちの56は終わっているという意味なのですか。あるいはこの56というのは、今回申 請の岩手医大以外に協力施設として府立医大、高知医大とか相当の大学がありますが、それも全部含 んでの話なのでしょうか。 ○藤原構成員  これは詳細なところまではやり取りをする時間はなかったのですが、110例のうちの56例は最初の プロトコールですでに実施済みらしいのです。そこのところをもう少し詳細を確認したいとは思った のですが、時間的な余裕も考えて。56例は実施しているのですから、同じようなスタイルをさらに50 例やるのは、このデザインではどうかなという感じはします。 ○関原構成員  それは56例をやって、かなり効果があるということを患者に言えば、副作用はそんなにあるような 話ではないと思うし、BCGに付加するだけだといったら、患者はどんどん参加するような気がするので す。そういうことから見ると、症例数ももっと増やして効果が早く測定できるようになりそうな話だ と思うのですが。 ○猿田座長  やはり評価の問題になりますが、どうですか。 ○藤原構成員  BCGだけでも効果があるので。 ○関原構成員  BCGは結構痛く辛いと言いますが、より効果があるというなら、患者プラスアルファとして、副作用 がそれほど多くなくて、値段も大したことがなければ、私はもっとやるのではないかなと思って。 ○藤原構成員  そのためにBCGだけで効果があるのに、さらにペプチドを加えている。いまは無料ですからいいです が、世の中に出てくるときには当然お金を取られますから、それを思うとBCGへの附加効果というのは どこかで適切に見ておかないと、BCGの効果だけを見ているのか、BCGとペプチドワクチンとを足して いる効果を見ているのかというのは、今回のデザインでは全然わからないので、早めにBCG対BCGとペ プチドワクチンを比較するほうが、より診療に近くなるのではないかと思っています。 ○猿田座長  藤原構成員のご指摘のところですね。 ○関原構成員  付加効果が乏しいのにこの治療どんどん増えたとしても、保険適用は、しっかりした効果がないと できない話だと思います。ただ、資料や先生方のお話を聞き、これだけ参加者があって、わりに簡単 な治療のような気がするから、56で非常に効果があるなら全国的に2年間なら2年間でやって、さっ と結論を出すというように進まないものかなというのが、素朴な疑問だったものですから。 ○出口技術委員  56例実施してよかったという結論は全然出ていなくて、いま分かっているのは、いいというのは、6 例やって3例はちょっとよかったような気がするという話だけなのです。 ○関原構成員  残りの50はどうなったのですか。 ○藤原構成員  評価されていません。ただやったというだけです。 ○事務局  事務局です。110例と56例の関連について補足させていただきます。110例予定されていて、まず 56例が終わった段階であると。いまの申請者の予定は、一応110例のところで評価をして、ペプチド ワクチンが効くと予想されるかされないかは、HLAのマーカーが陽性が陰性かを見てなのです。ただ、 そこは110例が全部終わった段階でオープン、そこは明らかにされるということなので、それまではど っちが陽性か陰性かはわからない状態なので、いまの段階では評価はされていないという事実関係で す。 ○猿田座長  いま評価されたのは6例であって、その3例で効果があったということです。それから、安全性には 大きな問題はなかったということです。ほかにございますか。 ○柴田構成員  いまの件について、追加でコメントです。既存のものを続けて110例で評価するとした場合の問題点 としては、現状ではその評価をするために、例えばこれが腫瘍が小さくなることを見る試験であれば、 このようなデザインであっても、そこそこのことは見られますが、この試験はそれを目的としている ものではないです。必要な情報が十分に取られるような計画になっているかというと、これは前回の 会議でも似たようなことを申し上げましたが、いま提出されている計画書の内容とか、CRFの内容を拝 見する限り、そのデータを解析しても結論を導くことは厳しいと思います。  そうであれば、ここのところで1度進み方を考え直して、山口構成員がおっしゃったような方針か、 あるいは藤原構成員がおっしゃったような方針か、あるいはいきなりphaseIIIをやるのかと、いろいろ オプションはあると思うのですが、そこの仕切直しをすることも、1つオプションとしてあるのではな いかと思います。これをこのまま続けたとして、患者さんに仮に早く入っていただいても、次に薬事 承認までつながる道というのは逆に遠のいてしまうのではないかということを危惧いたします。 ○山口座長代理  おっしゃるとおりだと思います。 ○猿田座長  ほかにご意見はございますか。 ○伊藤構成員  同意説明文書の5頁を見ると、「腫瘍細胞または組織に、本ワクチンの腫瘍抗原の2つのうちのどち らかが発現している方」と書かれているのですが、あとの治験とこんがらがりそうなのですが、別に HLAを測らずに、全部入れて、あとで解析をするということではないのですね。初めからわかっている 人を入れているのですか。 ○藤原構成員  患者さんにはわからないです。 ○伊藤構成員  ただ、そうするとこの「臨床試験に参加していただける条件」という、ここはないのでしょう。文 章の整合性が取れていないです。 ○藤原構成員  その辺は実際に臨床試験のスタイルがきちんと決まったところで合わせたほうがいいかなとは思う のですが、細かいところを言い出すと切りがなくなるという内容だったので。 ○猿田座長  大切なことは、これから先に進めるにしても、きっちりとどのようにすればいいのだという方向づ けは、こちらから示してあげないといけないのだろうと思うのです。ですから、そこを山口構成員あ るいは藤原構成員のご意見で、それでないと無駄になりますから。 ○伊藤構成員  というのは、あとで解釈をするというか、2つに分けるというのは、基本的にシングルアームではな いのだと思うので、藤原構成員がシングルアームだとおっしゃるのと、有効な方と有効でない方がも ともと入っていてというのであれば、違うのではないかなと思ったので。 ○藤原構成員  BCGで効果があるので、それに上乗せの効果を出そうとすると、ものすごく大きなサンプルサイズに しないと検証できないです。ここで実施するのだったら、シングルアームでやるにしても、HLAの typingに合わない人たちが、ものすごい数がないとBCGにペプチドワクチンの効果があったことを示 せないので、あまりたくさん実施するよりは、早めに撤収して、いちばん理想はHLAのtypingで絞っ てしまって、その人たちに対してBCG群対BCGとペプチドワクチン併用群の比較を治験でやるというこ とになると思うのです。ただ、それをするとものすごいサンプルサイズになって、1,000例とかになっ て、数百例だけでは済まないと思います。それをこの短期間のうちに高度医療評価で本当にやるのか というと、自分だったら、そこまでいきなり実施するのは怖いので、その前にもうちょっと絞った感 じで実施できればと思いました。 ○伊藤構成員  デザイン的に、例えばあとで解析をして有効か無効か、大腸癌のときと同じようにある程度たくさ ん入っていただいて、あとになって、もしかすると半分の人は無効かもしれませんけれどもというこ とでご了解いただけるのであれば、そういう最後のキーオープンの段階で解析をするほうが、ミスリ ードがないのだろうなと思ったので。オープン試験を実施するよりはですね。 ○柴田構成員  伊藤構成員、これはシングルアームの試験です。シングルアームの試験を2つのサブグループ解析を するというデザインの試験です。  そのときに、伊藤構成員のおっしゃったような解析をするのであれば、現在の計画で取られている だけでは変数が不十分で、予後に影響を与えるデータがきちんと取られていないと、結果の解釈がで きなくなってしまうという状況にあります。 ○事務局  事務局からの追加です。なかなか申請者と構成員の間を取り持っていまして、ある程度は事務局に もいろいろな情報が入ってくるのですが、申請者側としましては、藤原構成員のご指摘についても、 ある程度症例の選択基準が曖昧であるという部分については、直していきたいという話をきいており ます。今回の選択基準に関しては、いわゆるBCGでも難しい症例を選んで実施しているのだと。そうい うところを、今回時間が短くてはっきりと記載されていないのですが、そこも直したいという形で聞 いております。 ○猿田座長  そうすると、この評価会議としては、施設に対しては条件付きにしておいて、もう1回そこをしっか りさせていただくということですかね。 ○藤原構成員  私はいつも言っているのですが、臨床試験でやることがとても大事で、闇に葬るのがいちばんよく ないと思うので、ちゃんといいデザインでやっていただけて、ペプチドワクチンの効果をしっかりと 検証していただいたら、みんなのためになると思うので、そこは条件付きでしっかりと揉んでいくの がいいかなとは思うのですが。 ○猿田座長  藤原構成員には負担がかかりますが、よろしくお願いいたします。きっちりとした結論が出るよう に持っていかないと、やはり無駄にしてはいけないし、患者さんに対することがありますから。 ○山口座長代理  いま伺っていると、結局この56例にまた新たにリバイスしたものを足しても、何もわからないと危 惧されます。だから、ここでストップして、全く新たに藤原構成員のご指摘をすべて受け入れて、シ ングルアームで実施するか、あるいは少し比較試験を行うか、どちらかのデザインのほうがいいので はないかという形で、回答するのがいいのではないでしょうか。それで新たに提案があれば、ここで 検討しますと。 ○藤原構成員  申請者の方は、最後までやらせてほしいということもおっしゃっているのです。その辺は、この56 例の中身を見ていないので、何とも言いようがないところはあるのですが。 ○事務局  その辺に関しても、構成員の方に情報が伝えきれていない部分があるのかもしれませんが、どこか の段階、それが70例なのか80例なのかはわかりませんが、中間解析の時期を設けて、そこの段階でど のようなステップを踏んでいくかについても、柔軟に考えていきたいと聞いております。 ○猿田座長  どうしましょうか。いま山口構成員のおっしゃったことを迅速に行えば、いちばんすぐに。 ○柴田構成員  事務局の方にお伺いしますが、いま進んでいるものはいま進んでいるものとして実施していただい て、高度医療としては、きちんとした新しい計画で、1人目から入っていただくというものを並行して 進めることはできるのでしたか。未承認のものに対する条件の解釈などとか。 ○事務局  そこについては、基本的に高度医療評価制度の中で特に決まった規定があるわけではありませんの で、そこも踏まえて構成員の方で、どういった形がいちばん早く、適切に行えるかを判断していただ きたいと思います。 ○猿田座長  いまの事務局の話があったとおりなのです。無駄にしないで、しかしいかに早く結論を出すかとい うことです。大変ですが、藤原構成員と柴田構成員で練っていただきたく、よろしくお願い致します。 もう1つは高度医療として、新しいやり方になったらどうかという、そのような意見にしますか。それ ともいまのままと、どちらが。 ○藤原構成員  審査を始めるときにいちばん気になったのは、再発予防効果をみる臨床試験を実施してもいいのか については、皆さんのコンセンサスがないと評価しにくいというのを、前回の議事を踏まえて思って いたので、それに関しては今回皆さんは、いいですというお話をいただいているので、あとは中身を 適切な形にしてあげればいいのかなとは理解しておりますけれども。 ○猿田座長  藤原構成員の言った形で、いちばんそれはいいのですが。  では、一応今日のところは、いま藤原構成員からお話がありましたように、条件付きとして、いま の問題のところをもう1回練り直していただいて、申請者のところとも話し合っていただきます。また 柴田構成員のご意見をいただくこともあるかもしれませんが、その点でやらせていただくとします。 それから、今日議論がありましたように、本当に高度医療として実施するようならば、そういう形で こちらも考えているのだということもお伝えしていただいてと思います。ほかにどなたかご意見はご ざいませんか。もしよろしければ、今日のところは024は条件付で適させていただきます。どうもあり がとうございました。 続いて「継続審議の評価を受けた技術の評価結果」ということで、議題の2に 入ります。これに関して事務局からご説明をお願いします。 ○事務局  資料2-1をご覧ください。第10回会議にて継続審議の評価を受けた整理番号011、高度医療名は 「大腸癌に対するペプチドワクチン療法」について、会議での指摘事項を修正いただきまして、再度 提出がありました。適応症は大腸癌が対象となっています。申請医療機関は山口大学医学部附属病院 です。審査担当構成員として、主担当、村上構成員、副担当として山口構成員、田島構成員となって います。議事次第のほうで誤記がありましたので申し訳ありませんでした。資料2-1で、主担当が藤原 構成員となっていますが、こちらは村上構成員の間違いです。申し訳ありません。以上でございます。 ○猿田座長  ありがとうございました。よろしいですか。それでは、この案件に関して、やはり再評価の結果に ついて、村上構成員から、よろしくお願いします。 ○村上構成員  説明いたします。先ほどご紹介がありましたとおり、この申請は、大腸癌を対象としたペプチドワ クチンの使用に関する臨床試験です。ペプチドとして5種類を使用し、アジュバントとカクテルにして 投与するものです。昨年7月の第10回高度医療評価会議で審議いただきました。その結果に関しては、 本日の資料にはありませんが、国内外未承認の薬ということで早期薬事承認取得の観点から治験での 実施を推奨するとしながらも、これを高度医療として実施することを認めるにあたり、これから述べ る4点を満足していただくことを条件に承認されたものです。  その4点とは、いままでのphaseI試験で経験されている進行再発症例で、標準治療の効果が得られ なかったものに対象を絞ること、これが1点目です。2点目は、治験の計画に活用できる臨床データを 取得する観点から、高度医療実施計画の目的や方法を再検討していただくこと、3点目が、引受企業と 薬事承認を取得する前のロードマップをしっかり明示していただくこと、4点目は、試験物概要書に基 づいて提供される未承認薬等の品質確保等が確認できること、という条件です。  それを受けまして、申請医療機関より変更された実施計画書あるいは申請書をご提出いただいたの がお手元の資料です。こちらで内容を確認して、わかりにくい点がまだ少しありましたので、再度質 問のやりとりをさせていただき今回再評価をしました。お手元の資料の12頁以降にその結果がありま すので、それをご覧いただきながら説明をさせていただきます。  まず、実施体制の評価及び倫理的観点からの評価については、山口構成員、田島構成員より「適」 と評価をいただいています。後ほど両構成員からコメントをいただければと思います。よろしくお願 いします。  次に、13頁目、プロトコールの評価に関してですが、そのページの下に書いてある「総評」のコメ ント欄にまとめて記載していますので、それをご覧ください。  まず1点目です。本医療技術の早期実用化のためには治験での実施をお勧めしたところですが、次の ステップで治験を実施することを前提に、治験を最適に計画するために必要な情報を得る目的で実施 される臨床試験ということが確認されましたので、本試験を高度医療の対象にすることは妥当と考え ます。山口構成員からも、臨床試験として適切に行われるならば高度医療の対象として許容できると 考える、とコメントをいただいています。  2点目は前回の評価のときにも説明しました点です。本研究では5種類のペプチドが使用されますが、 同じ大腸癌を対象とした別の申請では2種類のペプチドを使用するということで、施設によって使用す るペプチドの数が異なっていたという状況がありました。今回の申請は、試験物を5種類のペプチドに 統一して多施設共同試験で実施されることになり、この点に関しても妥当と考えます。  3点目は対象疾患に関することです。対象疾患は化学療法未治療例とすることになっています。この 未治療例を対象にすることは、臨床試験の実績がある対象疾患と同じでなくなり、厳密に言うと、こ の会議で定められた評価の際の要件のI-2の項目を満たさなくなります。しなしながら、免疫療法の 特異性、すなわち免疫システムが維持されている必要があるといった免疫療法の特異性を考慮すれば、 許容できるものと考えます。また、化学療法未治療例の標準治療に関しては、mFOLFOX6を標準治療に するとのことです。これについては、大腸癌の標準治療は日進月歩でどんどん変わっているという状 況であり、現時点での標準療法と見なせるmFOLFOX6にベバシズマム、アバスチンを加えたものに対し て、ワクチンの上乗せ効果を評価するという変更が予定されているという回答をいただきましたので、 この点についても妥当と考えます。これに関連して、実施計画書等の改定をお願いしたいと思います。  4点目は試験薬概要書の件です。試験薬概要書として必要な情報をとりまとめ提出していただきまし た。内容を確認し、妥当と判断いたしました。  5点目のデータの信頼性についてです。「中央モニタリングを実施する」として、中央モニタリング の具体的な実施体制や実施方法を研究計画書に追記するという回答が得られましたので、妥当と考え ます。これに関連して、実施計画への追記をお願いします。  最後の点です。先ほどの膀胱癌でのディスカッションとも深く関連する話ですが、試験の目的、試 験のデザインに関することです。この試験のデザインもHLAのtypingをブラインド化させたシングル アームの試験ですが、この件については、評価の際の要件のII-4に記載されているように、「次に行 われるべき治験の試験計画の設定根拠となるエビデンスを作り出せる設計となっていること」も1つの 条件を満たす根拠として挙げられていますので、この試験の主たる目的を、予後因子や効果予測因子 の探索といったこと、あるいは次の治験のエンドポイント設定のための情報を収集すること、といっ たことに設定されるのであれば、こういった試験は妥当ではないかと考えます。なお、申請者とのや りとりの中でも、そういった趣旨の回答をいただいています。  一方で、当初の実施計画書の主目的は、ペプチドワクチン療法の有効性、安全性を評価するという ことで、プライマリーエンドポイントにおいても抗腫瘍効果を設定しています。もしこのことを主た る目的とされるのであれば、先ほどのディスカッションにありましたように、この試験デザインで得 られる結果の限界や妥当性について生物統計家と相談の上、予め実施計画書に明示していただく必要 があるのではないかと考えます。  再審査の結果です。いままで述べた点につきまして、実施計画書等の関連書類の改定を行っていた だくことを条件として「適」としました。なお、一部、計画書の改定を伴うことになりますので、施 設内倫理委員会での承認をとっていただく必要があることも補足させていただきたいと思います。大 腸癌に対するペプチドワクチンも非常にプロミシングな医療技術ですので、高度医療で試験を実施す ることで、治験につながるエビデンスを適切に、迅速に作っていただいて、少しでも早く治験を開始 していただくことを願っています。説明は以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。いま、問題点と方向性を詳細に示していただきましたが、山口構成員と 田島構成員にも見ていただいています。山口構成員、もう1回ご意見をいただけますか。 ○山口座長代理  いま村上構成員の申されたとおりですが、実施責任医師の体制、それから機関の体制、これは問題 ないと思います。それから、医療技術の有用性についてもある程度期待ができると考えます。  村上構成員がおっしゃいましたが、mFOLFOX6をコントロールとすることに対して、標準的にはアバ スチンを一緒に投与することが望ましいという記載に大腸癌のガイドラインでもなっていますので、 やはりそのほうがベターであると指摘されて、そのように変えられるのであれば非常によろしいので はないかと思います。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。田島構成員からも何か一言お願いします。 ○田島構成員  説明書の実質的内容を整えていただきましたし、患者相談等の対応も整理されているので「適」と しましたが、形式的な問題として、第2項目の臨床試験の目的中に一部書体の異なる部分があるので、 これは全体の書体を統一していただきたいと思います。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。構成員の先生方からご質問はありませんか。村上構成員からは、指摘し た部分をしっかりして、条件付きでスタートするのがよろしいのではないかということです。どなた かご意見はありませんか。 ○柴田構成員  村上構成員の総評の所に書いてある話にご対応いただいたら、私が申し上げることにも自然とご対 応いただくことになると思いますが、いまのプロトコールには解析方法が詳しく書いてない、解析方 法が書いてないから、どういうデータが必要かが十分検討されずに、CRFとかプロトコールの中にこう いう情報をとる必要があるということが表に出てこないのです。そこの所は、探索的な試験であって も、こういう探索をするというものはあるはずです。ですので、先ほど村上構成員がおっしゃったよ うに、最終的にどのような目的にされるのかはいくつかあると思いますので、目的に合わせた解析方 法を書いていただきます。解析方法を書いていただくと、どういうCRFを作らなければいけないとか、 どういう情報の回収方法をしなければいけないとかが自然と定まってくると思うので、そこの所を追 加でご検討いただければと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。貴重なご意見をいただきました。他にご意見はありませんか。もし特に ご意見がないようでしたら。  それでは、いま村上構成員にお話いただいた、「条件付き適」ということと、それから特に柴田構 成員からの追加にあった、解析方法をしっかり書いていただくということです。あと、何かありませ んか。よろしいですか。  構成員の先生方、これも「条件付き適」という形にしてよろしいですか。 ○山口座長代理  先ほどの膀胱癌よりもずっと評価がしやすいと思います。 ○猿田座長  そうですね。やはり大腸癌に対するペプチドワクチンの効果は非常に期待されていますので、しっ かりと早く結論を出していただくことが大切かと思います。いまご指摘していただいた分を適切に直 していただいて、早くスタートしていただく形にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  事務局のほう、何かありますか。よろしいですか。  では、そういう形で、この011も「条件付き適」とさせていただきます。  こちらで計画されている議題は以上ですが、他に何かありませんか。構成員の先生方、せっかくの 機会ですので、何かご意見はありますか。なかなか難しいものが高度医療に出てくるようになって、 構成員の先生方にはご迷惑をかけますが、できるだけ早く患者さんの下に最先端の医療を届けること が大切ですので、いいものはプロトコールをできるだけしっかり直していただいて進めることにした いと思います。  何かご意見はありますか。 ○関原構成員  いま頃になって言うのも恐縮です。いまの大腸癌の話ですが、これは私みたいに、例えば、大腸か ら肝臓に転移したので手術をしたと、その後に再発をしたら困るから、再発予防のために使うのは対 象にならないのですか。あくまでも手術不能というのは、転移して手術が駄目だという時に実施する という話ですか。 ○猿田座長  今回の臨床研究の対象ではないですね。 ○関原構成員  これはそういう治療ですね。わかりました。 ○猿田座長  いまはどんどん進歩していますから、こういう形で経験を積まれていって、いまおっしゃられたよ うなことにもなっていくと思います。もし特にないようでしたら、こちらとしては審議することは以 上ですべてかと思いますが、よろしいですか。  それでは、少し時間が早いですが、これで第16回の会議は終わりたいと思います。次の予定につい てよろしくお願いします。 ○事務局  次回の日程ですが、5月28日(金)10時30分から12時30分を予定しています。詳細等が決まりま したら追ってご連絡を申し上げます。また、本日の議事録については、作成次第構成員及び技術委員 の皆様にご確認をお願いし、その後に公開させていただきますので、併せてお願いします。以上です。 ○猿田座長  ありがとうございました。これで第16回高度医療評価会議を終わります。ご協力どうもありがとう ございました。 照会先 厚生労働省医政局研究開発振興課 TEL 03−5253−1111 高度医療係 松本 内線2589