10/03/30 第23回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方      検討委員会(第23回)議事録 日時:平成22年3月30日(火) 15:00 〜 18:30 場所:省議室 ○寺野座長 それでは、第23回になりますが、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止 のための医薬品行政のあり方検討委員会」を始めます。  お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。  今日が昨年から続けてきました本委員会の最終回ということになります。本当に皆 さんの御苦労に感謝したいと思うのですが、今日は3時から5時半を予定しておりま すけれども、私は後の時間を空けていますので別に徹夜でもいいんですけれども、で きるだけ定刻に終わることを目指したいというふうに思っておりますので、御協力を お願いします。  長妻大臣並びに山井政務官が出席の予定ですが、途中になるようです。ちょうどま だ国会中なんですね。いらしたらお話をお伺いしたいと思います。  最終回ですから、皆さん、言いたいことがたくさんあると思いますので、忌憚のな い御意見をいただきたいのですけれども、時間の制限ということで御協力をお願いし たいというふうに思います。  それでは、本日の資料の確認ですが、昨日、今日とすごい資料がいったと思います。 今日は、来たばかりで全部読めていない面もございますけれども、皆さん、だいぶ読 んでいただいているのだろうと思います。よろしくお願いします。では、まず資料の 確認を事務局からお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。委員の御出欠ですが、今日は欠 席の委員が4人いらっしゃいます。神田委員、清澤委員、友池委員、それから森嶌委 員、この4人の方が御欠席と伺っています。大熊委員が遅れて来られるようです。  資料ですけれども、机の上に置かせていただいておりますのが、いつものように議 事次第、座席表、名簿のほかに、資料1は、研究班から最終報告書の案としていただ いているものです。このほかに、資料2−1、2−2、資料3−1、3−2とござい ます。資料2−1、2−2は、最終提言の案で、中身は同じですが、資料2−1は一 次提言からの変更部分を見え消しで表記しているもので、資料2−2の方は、見え消 しなく完全に溶け込んだ姿になっているものです。資料3−1、3−2は、前回以降、 委員の方々から意見としてお寄せいただいたものを付けております。前回3月8日以 降、大まかにいって2ラウンド、委員の方々から意見をいただいておりますので、時 系列で見て、1番目のラウンドが資料3−1、第2ラウンドが資料3−2、こういっ た形になっております。  以上でございます。 ○寺野座長 資料はございますね。非常にたくさんございますので、よろしくお願い します。  本日は、先ほど申しましたように、17時半ぐらいに終わりたいと思いますけれども、 その中で堀内研究班からの報告、これは最終報告(案)でございますが、これをまず やっていただいて御意見をいただき、そして最終提言に関する討議をしたいというふ うに思っています。その後の作業については、また最後にお話ししたいと思いますが、 それでは、早速議題1として、研究班からの最終報告ということですが、これは随時 御報告いただいている内容ですけれども、今日は全体の報告を御用意いただいたわけ です。堀内研究班の皆様、長期間にわたって膨大な検討を行っていただいたというこ とで、本当に感謝をしたいというふうに思います。本委員会の非常に重要なポイント だと思います。  それでは、まず堀内委員から最終報告(案)の御説明をお願いいたします。 ○堀内委員 それでは、資料1を御覧いただきたいと思いますけれども、あまり時間 がありませんので大変大ざっぱな説明になると思いますけれども、今年度は、昨年の 文献上のいろいろな調査・分析を踏まえて、昨年度も研究班としての報告書を出して おりますけれども、今年度は、それを踏まえて、最初の1枚めくったところにござい ますが、ここにあるようなテーマについて、各分担研究者に分担をしていただいて分 析を進めてきたところです。  薬務行政の問題、製造会社の責任、それから、従来あまり行われてこなかった医療 現場の問題について中心に行いました。更に、患者被害の実態をきちんと検証してお く必要があるということで、原告団及び弁護団に大変御協力をいただきまして、アン ケート調査を行いました。  薬務行政の責任のところでは、ここにありますように、磯部分担研究者に行政法学、 医事法学の視点から、情報の取扱いを中心に検証をしていただきました。  津谷分担研究者には、米国における血漿分画製剤関連の規制の歴史と有害事象など の報告制度の一元化ということで、どういう問題点があったか、特に薬害疫学の問題 等を中心に、それをもっと発展させなければいけないという観点で研究をしていただ きました。  坂田分担研究者には、特に行政、企業等について、昨年の文献学的な調査から実際 の当時の担当者に具体的に意見を聞くということを行いまして、文献学的だけでなく て、もう少しリアルに実態を明らかにし、問題点を抽出しようということでやってい ただきました。  医療現場の問題ですけれども、特に医療現場については、医師に対するアンケート 調査、それから、当時、実際にフィブリノゲン等を投与していた医師、それから、フ ィブリノゲンを投与した経験はないけれども、現在の医療の進展の中でフィブリノゲ ンをどう位置づけるかというような観点から、ヒアリングを高木均分担研究者が中心 になって行ってまいりました。  薬害肝炎の被害実態について。これは身体的、精神的、経済的、社会的、いろいろ な被害について片平洌彦分担研究者、山本由美子研究協力者が中心になって行ってま いりました。ここでは、薬害が起こると被害者及び家族に、身体的な面だけでなくて、 身体的な面、治療費等の経済的な面、それから社会的にも仕事を辞めるように求めら れるとか、いろいろな被害を受けている。やはりこういう観点から見ますと、薬害を 防ぐということは極めて重要であるということが明確になってきていると思います。 詳細については、個々の回答をしてくださった方が自由に記載をするというようなこ とをしていただきましたので、それも入っておりますので、ぜひ御覧になっていただ きたいと思います。  簡単ですが、このぐらいでよろしいですか。 ○寺野座長 ありがとうございました。これまでの堀内研究班の内容としては極めて 簡単に御説明いただいたのですが、その背景には膨大な作業があったということで、 今日、資料1として出されているものもその一部だとは思うのですけれども、 ヒア リングも含めて、すごい調査をしていただきました。この件に関して、質問と言われ てもあれですが、御意見なり、質問でも結構ですが、ございましたらお願いします。 委員の方の感想でも結構ですし、いかがでしょうか。 ○堀内委員 ちょっとついでに。研究班の報告は、これからの行政、あるいは薬害防 止のために討議をする資料としてお出しをするということで、本当はもっと早くその 時々に出さなければいけなかったわけでありますけれども、なかなか作業が大変であ りまして、遅くなって最後の段階でまとまった形で、 その時々で少しずつお話をし てきましたけれども、遅くなってしまいましたことについてはお詫び申し上げたいと 思います。ただ、この検討会の前後に班会議をやっておりますので、班会議の回数、 それから個々の分担者の作業から言いますと、これでもやっとここまでたどり着いた ということですので、御了承いただければ幸いです。 ○寺野座長 そのとおりだと思います。随時御報告いただいておりまして、それにつ いての御議論をいただいておるわけですけれども、堀内先生はじめ委員の皆様、本当 に大変な作業だったと思いますが、どなたか御意見ございますか。あるいは、この研 究班の委員の方でも結構ですが、どなたか御意見ございましょうか。清水委員。 ○清水委員 今回の研究報告には、昨年出された中間報告の全てが入っているわけで はない、エッセンスも入っているわけではないわけですね。 ○堀内委員 はい。とりあえず続きというか。 ○清水委員 そうですね。でしたら、この報告のところに前回のことにちょっと触れ た前文が。 ○堀内委員 済みません、前文はまだ書いてありませんで、前文は必要だと思います。 ○清水委員 それなら結構だと思いますが、一連のものだということがわかるような 内容にしていただければ結構だと思います。御苦労さまでした。 ○寺野座長 そうですね。これは21年度ということで出されておりますが、その前 に膨大な内容の調査報告がございました。  それで、後で最終提言の中にまた検証部門として入っておりますので、それはそこ で議論していただくとして、どなたか御意見ございませんか。坂田委員、どうぞ。 ○坂田委員 坂田です。 行政のヒアリングのところですけれども、フィブリノゲン だけで、第IX因子製剤の方がまだ抜けた状態です。今まだ途中ですので、最後はきち んと入れますので、よろしくお願いします。 ○寺野座長 そのほかございませんか。思いを語りたい研究班員の方もいらっしゃる んじゃないかと思うのですが、一言ではなかなか言い尽くせないと思うので。 ○片平研究班員 片平ですけれども、自由記述の資料がいろいろとありますが、御本 人様、御遺族様ということでありますけれども、御本人様のところの最後の方で、問 6−2に医師に対してというのが入っているのですが、その後、国と製薬会社に対し て記載していただいている部分が確認不十分でここに入っておりませんので、追って 送っていただくことになると思いますが、その点御了承願います。 ○寺野座長 よろしくお願いします。そのほかございませんか。この件に関しまして は、これは20年度と21年度とそれぞれ冊子として出てくると思いますので、また御 意見がありましたら事務局の方までお寄せいただければと思います。  それでは、次の議題2に移らせていただきますけれども、よろしいですか。  では、最終提言に関する討議ということで、これに時間をかけたいと思いますが、 この最終提言については1月の本委員会からこれまで議論をしてきたところです。十 分な時間はなかったのですけれども、前回3月8日の委員会の後、それまでの議論を 踏まえた修正案を何回かお送りいたしまして、各委員に意見をいただき、そして、そ れを更に再修正してきたわけです。それで、大量の資料、案がお手元に届いたと思い ますし、いろいろな御意見をいただきました。それに基づいて、こちらの判断で採用 ・不採用ということも含めまして、今、資料2−1、2−2というのが一応最終案と して提言するところですが、まず最初に、また堀内委員に御迷惑をおかけしますけれ ども、最終提言(案)の第2の検証部分、この点について御説明をお願いしたいと思 いますが、よろしゅうございますか。資料2−1の13ページです。 ○堀内委員 それでは、簡単に説明させていただきます。  この第2の部分につきましては、昨年度の中間提案のところに入っているものはそ のまま入れてあります。イントロダクションのところを、昨年のイントロダクション と少し変えてございますけれども、今年何をやったかということも書いてあります。 それ以外の(1)から(3)のところについては去年と全く同じでありまして、新し く問題点が第4のところのどこに反映されているかというのが各パラグラフの一番 最後のところにつけ加えているというやり方になっております。それが、24ページの 右側、(3)のところですが、ここまでがそのようになっております。ですから、そ こは省略をさせていただきます。  24ページの(4)「平成21年度における検証作業による整理」というところから が今年やったことでありまして、先ほどもお話ししましたけれども、まず行政担当者 へのヒアリングをやり、その次に企業担当者へのヒアリング、それから医療関係者の 意識調査、医師に対するアンケート、インタビューについて、それから被害者の被害 実態の調査という構成になっております。全体として今年のヒアリングから言えるこ とは、昨年度の資料に基づく調査をほとんど裏づけるような話になっておりますけれ ども、やはり行政における問題点が明確になってきたと思いますし、また、特に企業 においては、やはり医薬品の副作用に対する企業としての認識が不十分であり、また、 その下で実際に働いている人たちは、会社の方針として上層部の決めたことに従って 行動しているということがかなり明確になってきていると思います。したがって、や はり会社の意識の問題、それから方針決定の問題が大変重要だろうと思います。今後 も、副作用が出てきた場合に、会社がどのように行動するか。迅速に方針を決定して 行動するかということが大変重要だろうと思います。  それからもう1つは、企業の情報の伝達の問題、情報収集の問題についても、実際 にやっている実行体制、これが1人か2人でもって全国のものを扱っているというよ うな体制の中でやっているということ。また、副作用、特に感染の問題については、 厚生省は医療事故として報告をするようにという指示を出した。医療事故として迅速 に報告をするようにという指示。ところが、企業が受け取って解釈をしたのは、医療 事故であるから報告の義務はないということで、死亡事故とか、そういうものでない と報告をしなかった。報告しませんでしたよ、報告の義務はないですからという捉え 方になっていたというようなことで、やはり行政と企業とのコミュニケーションを厳 密にやるということが大事なことではないかというようなこと。あまり細かくやって もあれですが。  それから、これまで医療側についての調査はあまりありませんけれども、やはり医 療の中で、例えば専門分野によっても認識がだいぶ違う。産婦人科学会の認識と血液 を主に専門としている分野での認識がだいぶ違うというようなこと。ですから、学会 間でのコミュニケーションが極めて重要だろうと思います。現在も、フィブリノゲン の使用については賛否両論ある。現在でも、医師によって考え方が違うということも 明確になってきただろうと思います。したがって、やはり医療側についても、責任が あるということ。それから、医療の進歩と関わってくると思いますけれども、現在、 当時とは違うというのは当然ですけれども、捉え方については大きな差があるという ことで、そこをどうやって埋めていくかということは現在でも同じことが言えるので はないかと思います。  それから、被害実態については、これも先ほど申し上げましたように、御覧いただ いてわかると思いますけれども、本当にいろいろな面での被害を受けているというこ とは明確になっております。したがって、起こさないということが第一ですけれども、 もし起きた場合にどのように早く被害者を救済するか。これはメンツの問題ではない と思いますので、そういうことをきちんとした体制をとるということが極めて大事だ ということが明確になってきたと思います。  細かいことは、ぜひ一回報告書の厚い方を読んでいただきたいというふうに思いま す。 ○寺野座長 ありがとうございました。先ほどの堀内研究班の報告と検証の最終提言 に盛り込んでいただいた内容について、これも新しいものですから御説明いただきま したけれども、この部分に関してどなたか御意見ございますか。特にないでしょうか。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局からですけれども、委員の意見を御紹介申し上 げますが、今、御紹介いただいた第2の部分について、事前に委員にお送りしたとこ ろ、友池委員から意見が出てきているのですが、今日は友池委員は御欠席ですので念 のため御紹介をさせていただきたいと思うのですが、お手元の資料3−2の23ペー ジから25ページまでが友池委員からいただいている意見です。具体的な中身は24ペ ージと25ページでして、これは、この時点でお送りしたバージョンに対して、友池 委員から手書きで書き込んでいただいているのでちょっと見にくい形になっていま すけれども、 24ページの方は先ほど堀内委員から御紹介があった前文のところです。 前文のところで、このうち上の方のパラグラフは第一次提言の部分ですので、第一次 提言の部分については、そこをもし変えるとなると、これはこの場で御議論が必要か なということで、今日お配りしているものでは変えてございません。第2パラグラフ の方は、特にアンダーラインのところですが、20年度はこれこれをして、21年度は これこれをしたということについては、友池委員の意見を概ね反映した形で今日お配 りした資料には入っております。  ただ、1点、23ページにも書いてございますけれども、友池委員の御意見では、薬 害肝炎事件の「事件」という言葉を「災害」という言葉に変えてはどうでしょうかと。 「薬害肝炎事件」ではなくて、その「事件」を「災害」という言葉に変えてはいかが でしょうかということが盛り込まれていまして、これは今日のバージョンでは反映し ていません。23ページのメモを拝見すると、「警察ではない各種専門家が検証した案 件ですから」とされていますけれども、この言葉自体は、第一次提言からずっとこう いった形で使われているものですので、この委員会にとっては、そこを変えるかどう かというのは、もし変えるのであれば、そういう御指示をいただく必要があると考え ています。  それから、25ページの方は、今まさしく堀内委員から御紹介いただいた21年度の 検証作業に関する御意見ですので、今日お配りしているバージョンでは友池先生の意 見は反映されていませんが、何が書いてあるかというと、右側の手書きのところで、 印象は後にまとめるということで、研究班、あるいはこの委員会から見て、事実関係 のところと評価とか考え方とか意見とか、そういったところを区分した方がわかりや すいのではないだろうかという御意見かなというふうに忖度をしております。こうい う御意見があったということでここで御紹介するということでございます。  以上です。 ○寺野座長 友池委員からの御意見を紹介していただいたのですが、その大部分は盛 り込んであるか、あるいは必要でないと思われる部分は外してありますが、「事件」 と「災害」という言葉は、今まで「事件」と言っているので、何も訴訟のあるのが事 件、警察に捕まるのが事件というわけじゃないので、それは言葉とてしはよろしいん じゃないかと私は思いますけれども。どなたか御意見ございましょうか。  では、この部分に関しては、今の事務局の取り扱いでよろしゅうございますか。あ りがとうございます。  それでは、事務局の方から最終提言の、ただいま堀内委員の方から報告いただいた 検証以外の部分について、これまでの御意見に従った修正に関する説明をお願いした いと思います。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございますが、第2以外の部分について、前 回3月8日以降の変更部分を主に御紹介をしたいと思います。  資料2−1を御覧いただきたいと思いますが、まず6ページから第1「はじめに」 が始まっております。前回の委員会では、第一次提言に書き加えるような形になって おりましたので、20年度にこれこれの議論があって、21年度にこれこれの議論があ ったというかなり長い形になっていまして、これは再構成してわかりやすい形にした 方がいいんじゃないかという御意見が全体に出ておりましたので、それに従って構成 を変えております。3つの柱になっていまして、6ページの頭に委員会の設置目的、 6ページの下にこれまでの経緯、それから8ページの真ん中辺に提言の実現に向けて と、こういった形になっています。中身はほとんどいただいているとおりですが、若 干その後の追加があるのは、7ページの真ん中辺、パラグラフで言うと3つ目のとこ ろですけれども、「『最終提言』は『第一次提言』を基礎に平成21年度の審議結果 を加え、2年間の到達点を全体としてまとめた」ということで、その後の括弧書きの 中に新たにつけ加わった主なものを列挙してあるという形になっています。  何を列挙するのかということについて、これはまたいろいろ御意見のあり得るとこ ろですけれども、ここでは、この最終提言の後ろに別紙ということで一次提言と最終 提言を比較した表を付けることにしております。これは、資料2−2の最後の3ペー ジ分が別紙(2)となっておりますけれども、第一次提言と最終提言の比較表です。別紙 (2)の表の見方は、左側にずっと目次が並んでおりまして、このうち一次提言と比べて、 修正したり新しく加わったところにはアンダーラインをつけております。今回は、一 次提言をベースとして、ずいぶんきめ細かく追加修正を行っておりますので、非常に 多くの部分にアンダーラインがついておりますけれども、特に実質的に新しく追加し たと思われるところについては、右側の内容比較の欄に黒い星印をつけております。 例えば、1ページの下だと、今年度の検証作業で加わった分、それから右の方へいき ますと専門家の育成、薬剤疫学研究等の促進ですとか、一番下のリスクコミュニケー ションですとか、一番最後のページでいくと第三者組織ですとか、こういったところ が大きくつけ加わったところで星印で表記しているわけです。資料2−1の方に戻っ ていただいて恐縮ですが、7ページに追加した例のところも、この星印がついたとこ ろを基本的には並べるという形で整理をしております。  それから、9ページの上の方、2つ目のパラグラフですけれども、「なお、繰り返 しになるが」ということで1つパラグラフが追加されておりまして、これは、この提 言の取りまとめに当たっていろいろな方に協力をいただいたことに関する謝辞とい うことで追加されています。こういった趣旨のことはほかのところにも何カ所か書か れておりますけれども、改めてまとめて追加したということです。  以上が第1です。  第2については、先ほど堀内委員からお話があったとおりです。  第3については、基本的には第一次提言のとおりで、1カ所だけ、37ページの一番 下のところ、これは第一次提言の中で、次の年にこれこれのことをやるというふうに 書いてあったところは削ってございます。  42ページから第4ということになりますが、第4については後でまとめて御説明を します。  第5が70ページからになります。この第5についても、前回は一次提言の議論を 受けて、 更にそれに最終提言の議論をつけるというような形でお出しをしたのです が、これももう一遍再構成した方がいいのではないかという御意見がありましたので、 それに従って2つのパーツで構成される形になっております。70ページから始まる (1)が医薬品行政組織について。それから、2つ目の柱は、76ページ、(2)「第 三者監視・評価組織の創設」というふうに書いております。  70ページから始まる(1)の方ですけれども、[1]が「中間とりまとめまでの議論」、 71ページから始まる(2)が「第一次提言における議論」となっています。ここの部分 は、医薬品行政本体組織のあり方に関する議論ですけれども、一次提言までに非常に 濃密な議論をいただいたということで、その一次提言までの成果はそのまま残してお くことが議論の経過を明らかにする上で必要ではないかという座長からの御指示も ありましたので、そういう形にしております。それが73ページまでです。  73ページの真ん中より下、もともとあった「緊急的な取組について」などは取った 形できまして、74ページ、(3)「アンケート調査について」。これは、去年の暮れの段 階で医薬品機構と厚労省医薬食品局の職員に対するアンケート調査を行っていただ いたわけですけれども、その結果に触れているところです。74ページの(3)の一番下の 行に「調査結果の詳細は本提言に添付する報告書に記載のとおり」ということで、今 日はつけておりませんけれども、2回前のこの委員会でチームからいただいている三 十数ページの報告書がございますけれども、これをそのままつけるというような形に してございます。このアンケート調査の結果を取りまとめるときにはいろいろ御議論 いただきましたけれども、その最後の段階で、前回もそうでしたけれども、つまみ食 いするのはよくないということが1つのポイントになっておりますので、そういう意 味では、全体を俯瞰できるようにということでこういった整理にしておりますけれど も、一方で、委員からの御意見の中には、要約を本文に記載してはどうかという意見 も出されておりますので、そこは1つの論点ということになっております。  それから、74ページの下から(4)「今後の課題について」というのが75、76ページ まで書いてございます。この部分は前回の資料にもありましたけれども、前回以降い ただいた意見の中に、ここを更に膨らませることがいいのではないかという御意見も ありましたので追加しております。具体的には、75ページの、バーが幾つも並んでお りますけれども、その下4つ分が前回以降、新しく追加をされているところです。1 つ目が人員の確保、人事システム、あるいは人員の配置・待遇といったこと。2つ目 は、組織自らが組織のあり方を検証したり評価したりするシステムが必要であるとい うこと。3つ目は、組織に対する社会的批判を踏まえて、業務のあり方を検証するこ とが必要ではないか。そうした観点から、組織のあり方についても見直しに生かして いくべきといった点。4つ目が厚労省と総合機構の役割分担、あるいは人事異動とか 交流、こういったことについて触れられている部分ということになります。  以上が医薬品行政組織の(1)のところでして、76ページからは、(2)として第 三者組織になります。これも前回とはだいぶ変わっておりまして、前回は第三者組織 のワーキンググループからいただいた取りまとめを別添としてつける形にして、本文 にはその要約のようなものをつける形にしておりましたけれども、それはあまりよく ないのではないかと。第三者のワーキンググループの取りまとめそのものを非常に精 緻に議論いただいたので、それをそのまま本文に取り込むべきだろうということで合 意をされましたので、そのまま反映をしております。76ページから80ページの真ん 中あたりまで、ワーキンググループの取りまとめで、それを前回の委員会でも合意を いただきましたので、そのまま記載をしております。  ただ、前回の委員会で1点ありまして、ワーキンググループの取りまとめの中で、 基本法を制定すべきではないかというくだりがございましたけれども、それについて は独立させて出した方がいいんじゃないかということでございましたので、この第三 者組織のパーツから取り出しまして、80ページの第6が「おわりに」ということにな っていますけれども、「おわりに」というのは実質的には非常に小さいパーツですが、 この中に基本法のことが触れられています。第6の2つ目のパラグラフの中で基本法 について挙げられています。  それから、同じ第6のその次のパラグラフですけれども、これは委員から御意見が あって、いわば締め括りのような性格のものですけれども、二度と薬害を起こさない ということとともに、「万が一、薬害が発生した場合であっても、早期解決のために、 速やかに適切な対策を打てるよう、着実に本提言の内容を実現していくべきである。」 というくだりが追加をされています。  それから、82ページから85ページにかけて用語集が付いております。このうちア ンダーラインの付いているところは一次提言に追加したような形で書いているもの でございます。今日の資料では、あいうえお順で並んでおります。  それから、さっき少し御紹介をしましたけれども、更に別紙の(1)と(2)をつけようと いうことで、これは資料2−2の最後についていますけれども、別紙(1)が審議経過の 一覧で、別紙(2)が一次提言と最終提言の比較という形になっております。  以上です。 ○安全使用推進室長 続きまして、第4の部分について御紹介をさせていただきます。 42ページの下の段からが第4になります。ここは「薬害発生防止のための医薬品行政 等の見直し」ということで、いわゆる個々の施策に関する提言という中身の部分でご ざいます。前回、御議論をいただきました部分から、棒線を引いた形で追記をさせて いただいて、第一次提言との差がわかるようにという形でこの資料はプレゼンをされ てございます。  42ページのところが冒頭の見出しでございますけれども、医薬品行政に関する当時 の制度という部分について、その意味という部分について御意見がございまして、こ のような記載を追記をしていたり、不幸な薬害が起きたとしても、患者被害者、厚労 省、総合機構、製薬企業、医療従事者、全ての利害関係者が信頼感を失うことなく問 題解決に当たるという固い決意に基づきといった部分、こういった御意見がございま して、この前文についても訂正をしてございます。  また、一番最後のところですけれども、第一次提言を受けた後に開始されたような いろいろな研究事業がございますけれども、そういったものを本提言の実現の確認を 行う必要があると考えるということも追加をしてございます。  その後、また43ページ、44ページとるる修正をしてございます。医療関係者の部 分の定義について、44ページの上の方を書き直したり、医薬品行政に関わる行政機関 の体制と、これに係る人材の育成といった部分におきまして、44ページから45ペー ジにおいて、その体制の強化、さまざまなアンケートから出てくるような問題点も踏 まえて、追加の御意見をいただいてございます。GMPの部分ですとか、リスクコミ ュニケーションに対する体制の強化ですとか、そういった御意見も45ページに反映 されてございます。  また、46ページの部分では、その人事異動のシステムですとか、職員のモチベーシ ョンの向上維持といった御意見も反映させていただいております。  46ページ以降、「人材の育成・確保の在り方」ということでございまして、教育機 関、企業、医療関係者などを含めて、全ての関係者の医療資質の向上ですとか、使命 感に立った上での人材の活用という部分。  47ページについては、人事交流という部分を取り上げてございますけれども、47 ページの上の部分ですが、そうはいっても、これまでの薬害事件の経緯というものを 踏まえて、特に企業との人材交流については、慎重な検討と対応が必要であるという こと。ここは少し強めの語尾ということで、きちんと認識をしていただくということ で書かせていただいているところでございます。  あと、47ページの下、(3)は「薬害教育・医薬品評価教育」ということで、学習指導 要領に関する御指摘をいただいた部分ですとか、医学部・薬学部・看護学部における コアカリキュラムについての御指摘をいただいた部分等を反映させていただいてお ります。  48ページ、ここは特に強い御意見としていただいている部分でございますけれども、 「薬害研究資料館の設立」ということで、章立てを1つ新たに起こして記載をしてご ざいます。  また、(5)についても、薬剤疫学研究の推進ということで、ここも章を1つ起こして 専門家の育成ですとか、研究推進という中身の内容を追記してございます。  そのあと、49ページ、50ページというところでございます。臨床研究に関する部 分、登録の問題ですとか、ガイドラインの問題というものも書かせていただいており ます。  また、50ページの下、「承認審査」。「安全性、有効性の評価」というあたりから が結構追加が多い部分でございますけれども、承認条件という部分、50ページの下の 方でございますけれども、きちんと指示が明確になるように、その根拠を公表するよ うにといった部分での追記。  51ページにまいりますと、審査手続、審議会の中立性・透明性等々の手続の部分で ございますけれども、50ページ前半の部分は審議会での審議の公開のあり方。それか ら、後段の部分については、一方で審議手続の迅速化という部分と、2つの御提案に ついて記載をさせていただいてございます。  続きまして、52ページのところにおきましては、さまざま利益相反の部分ですとか、 あとは審議会と総合機構の役割、また重複等についての見直しという観点での御指摘 も反映させていただいております。  あと、53ページ、54ページの部分については、添付文書の関係。あと、適応外使 用の関係ということでございまして、特に不適切な適応外使用がないようにと。また、 適応外使用の実態を把握すること。また、収集されたデータはきちんと活用されると いった部分についての御指摘を踏まえた形で現在の案に修正した提示とさせていた だいております。  55ページ、56ページにつきましても、続きということでございますけれども、再 審・再評価における部分での追記。  あと、55ページの(4)「市販後安全対策等」、ここからは少しまたコアな部分に なってきておりますけれども、情報収集体制の強化という部分について、報告データ の標準化交換、このあたりは研究班からも御提言をいただいている部分でございます けれども、そういう諸外国との情報交換を進めるとか、あとは、これも研究班からの 御提案ですけれども、米国のMedwatchのように、一元的に安全性情報を収集 するような仕組みを将来的な課題とすべきといったことも御提言として入れさせて いただいております。  あと、57ページ、58ページ、ここもまたコアな部分でございますけれども、「新 たなリスク管理手法の導入」ということで、前回もリスク最小化計画・管理制度、ま たは医薬品の安全性監視の方法ですとか、薬剤疫学に関する考え方といった部分でこ の場でも御議論いただいたところでございますけれども、そのあたりの考え方を改め てまた整理をし直して、皆さんからいただいた御意見を57ページ、58ページの方に 反映させていただいてございます。  あと、59ページ、60ページの部分でございます。特にここはリスクコミュニケー ションの向上ということで、(3)のサブタイトルも「リスクコミュニケーションの向上 のための」というところを追加させていただきまして、双方向のリスクコミュニケー ション、行政と患者さんといった部分でのさまざまな御提案を盛り込んだ形で記載を 追加させていただいております。  あと、過去の薬害事件の反省ということで、この場所に置くのが適当かどうかとい う部分もありますけれども、特にいろいろな文書の管理の問題とか、こういった部分 も60ページのところに置かせていただいているところでございます。  61ページから62ページは、本人に対する情報伝達の部分ですとか、医薬品の適正 使用における広告ということで、ここはあまり大きな変更はございません。  次は、62ページの(6)GMP調査から63ページにかけて、GMPに関する地方自治 体とのさまざまな体制強化といった部分の追記が63ページの上段の部分になされて おります。  併せて、(7)のGVP、GQPといったところにも御意見をいただいたものを反映し ております。  (8)「個人輸入」。63ページから64ページに続いておりますけれども、特にここは 例外的な使用システムの構築という部分について、委員の皆様からもさまざまな御意 見をいただいておりまして、この部分の記載を少し整合させるような形で変更してご ざいますが、また御議論をいただければというふうに思っております。  あと、65ページ以降の部分が医療機関に関する御提案を反映させた部分。66ペー ジも同様に医療機関での点検体制ということで、各委員からの御意見をできるだけ反 映した形で現在のような案になってございます。適応外使用については、前段の方で 書かせていただいている部分と内容を呼応するような形で66ページは文章を修正し てございます。  あと、67ページ、68ページ、69ページ、このあたりは少し大きな改訂部分になっ てございますけれども、特に68ページの真ん中あたり、ここは学会に期待される取 組ということ、また、その専門的な知見を有効に活用するための方策という部分です けれども、68ページの真ん中あたり、「知見の適切な伝達」というところで、専門職 に関する社会的な信頼を得るという部分での職業倫理上の義務という部分を追記し ております。これは、堀内先生の研究班の方から御提案をいただいたものをここに反 映させていただいております。  あと、これまでの検証の中から抽出されてきている問題としての企業における対応 というところ、特にここは委員からも今回新たに御意見をいただいているところでご ざいまして、69ページ、70ページにかけて、「製薬企業の在り方」、「製薬企業に おける薬害教育等」ということで、新規の御提案として提言部分を追加させていただ いているところでございます。基本的には、行政に対する提言で書かれているものも、 きちんと企業においても予防原則を基本として対応するべきだといった部分、企業に おける人員配置ですとか、リスクに対する捉え方ですとか、記録等の保存の関係、そ してまた教育という部分について、後半に御提言をいただいているところでございま す。  あと、70ページ、企業内部の自主的倫理管理・法令遵守等という部分がございまし て、利益相反の部分もそうですし、企業自らにおいても、倫理委員会を設置する等の さまざまな取組を行うべきといった、自主的な倫理管理の取組についても提案として ここに取り込まさせていただいております。  各委員からいただいている御意見につきましては、オリジナルは資料3−1、3− 2にございます。十分反映され切れていない部分等もあるかと思いますが、またここ で御議論いただければというふうに考えております。  以上でございます。 ○寺野座長 ただいま最終提言について、資料2−1に従って、あるいは2−2でも いいのですが、 御説明をいただきました。全て細部にわたっての説明の時間はござ いませんが、主な点については説明になったと思いますが、それについて今から1時 間半ぐらいかけて議論をしたいと思います。いろいろ各委員から意見もいただいてお りますけれども、その中のものはできるだけ最終提言の中に入れてあるはずです。た だ、もちろん十分に入っていないものもあると思います。 大体、朝の4時ごろに打 ち出したような資料もありまして、真夜中まで仕事をしているんだなと思って本当に 感心しましたけれども、事務局も大変だったと思うのですが、私も十分読めていない 部分もありますが、2−1を中心とした方がわかりやすいかと思いますので、質問さ れる方、2−1のページを指定されて、ここの点に問題があるというふうなことを御 発言いただければありがたいと思います。  ただ、座長として見て感じるところは、まず新しく入ったというか、議論の1つの ポイントかなと思うのが、第4の「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し」で 「製薬企業の在り方」というふうなところと、それからもう1つは、さっきは第5の 「医薬品行政を担う組織の今後の在り方」で、職員アンケート結果というのが比較的 簡単にオーバービューで出ておりましたけれども、これは水口委員からも指摘されて いる点でありますので、その辺をどう扱うかということが優先テーマになると思うん です。  まず、そちらからいきますか。そのほかに御意見をいただいておりますので、その 点は議論するとして、まず最初に、時間の関係もありますので、「製薬企業の在り方」 ということが69ページからございます。製薬企業そのものは68ページから「製薬企 業に求められる基本精神等」というのがございますけれども、その後いろいろと項目 立てされております。この辺について、特に製薬企業のあり方等に関して、まずそこ の御議論からいきましょうか。どなたからでもどうぞ。水口委員 ○水口委員 水口です。資料3−2に私の意見を出させていただきました。下線つき の資料2−1では69ページからです。ここの「製薬企業の在り方」の(2)の部分につ いては、私の意見を大幅に反映して今日提案していただいているということですので、 これでぜひお願いしたいと思います。  その理由は、ここに書きましたように、前回、坂田委員から製薬企業のあり方につ いて御報告を受け、今日、研究班の方からいただいています資料についても、製薬企 業のあり方との関連でヒアリング等も行われているわけですから、研究班検討結果を きちんと提言につなげるという意味です。ここの記載がないと、何のためにヒアリン グ等研究班で企業に対して調査をしていただいたのかということがわからなくなる だろうということで提案させていただきました。ぜひこの形でお願いしたいと思いま す。 ○寺野座長 この点に関しては、だいぶメールでやりとりもあったようで、そういう 意味での議論はかなり尽くされているかとは思うのですけれども、そのほか、この点 に関して御議論いただきたいと思います。高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 それでは、製薬企業のあり方について、ここに書かれているわけですけ れども、3−2の11ページ目のところに企業のモラル等の記載についての私として のコメントを入れさせていただいています。確かに、坂田委員の方等でやっていただ いたヒアリングの結果で書かれていることですけれども、実際上、例えば企業の安全 部門の充実強化で、当時は人が1人しかいなかった、そういうことではまずいという ような意見もあるわけですけれども、実際上、平成14年の薬事法改正によって、既 にGVPが施行されたときに、安全部門の充実・強化というものがしっかりうたわれ ていて、それだけ人間を入れなければいけないというようなものが薬事法的にそうい うふうに決められてきています。ですから、企業としては、既にこういうことはやら れているという内容ですので、ヒアリング等で問題になった点として、そこに入れる のはいいんですけど、ここに新たに入れる必要が本当にあるのかどうかという点につ いてコメントを入れさせていただいています。第2の「薬害肝炎の経過から抽出され る問題点」というところに入れていただいたらいいのかなというふうに思います。  その中で、もう1つちょっと気になる点は、2−1の70ページの一番上のところ に、一応、当時のフィブリノゲンの記録等について書かれています。記録については、 医療機関では20年、製薬企業の方では30年という期間、記録の保存というものが薬 事法改正で書かれています。ですから、もうその方はやられているわけですけれども、 保存品の相当期間保管すべきだというところが1つあります。確かに、保存品という のは残っている方が後々チェックするときには必要なのかもしれませんけれども、保 存品を30年なり保存しておくのが一体どうなのかというところで、冷凍しておけば いいのかもしれませんけれども、実際上、30年間も保存品をとっておくことが本当に 必要なのかどうかという考えがあります。例えば10年なり、相当期間、ある程度の 期間として保存するのは必要かもしれませんけれども、どの程度保存すべきかという 点についての議論は必要があるのかなというふうに思います。  それから、(4)の「業界内部の自主的倫理管理・法令遵守等」のところで私の方から 意見を出させていただいています。水口委員と坂田委員の方からは、ヨーロッパに似 た管理組織をつくってはどうかというような提言もいただいていますけれども、業界 内では既にこういった倫理委員会等というものを団体でつくっています。そこで十分 チェックをしていくということになると思いますけれども、その組織を更に充実・強 化した上で、各企業はもとより、団体として自主的に企業倫理を守る、法令遵守をす るというところを私たちとしてはしっかり考えていくべきではないかということで、 一応そこのところで業界としての信頼性回復というものに今後努めていきたいとい うふうに思っています。  以上が私のコメントです。 ○寺野座長 今、高橋委員からもありましたが、薬事法改正によって、既に実行して いるものもあるんだと。しかし、これは完全に重複しているので取ってしまわなけれ ばいけないというところは特にないんでしょうか、モラルのところも、総論として考 えれば、それはそれでいいのかなという感じはしますけれども、いかがでしょうか。 あまり私が意見を言ってはいけないのですが、まとめのために言っているので。申し わけありません。大平委員、どうぞ。 ○大平委員 今、保存品のことに触れられましたけれども、確かに20年以上の保存 というのは大変かもしれませんけれども、私たちは、証拠としてだけではなくて、そ の製品がきちんと世に出て、そして、こういうものが使われたという1つのサンプル として、それは企業としてぜひとっておいていただきたいというところがあります。 例えば、たまたま事件が起きたときには、それはそれなりの使い方があるかもしれま せんけれども、ちょっとこの写真が欲しかったという、20年前とか、15年前ぐらい の製剤の歴史とか、そういうものをまとめるときに、そういうものが現品としてない というのも、企業としてもう少し保管しておいてもらったら、そういうことに役立て るのではないか。PRという形でもあるのではないかというふうに思いますので、そ こは生物製剤の特有性とか、そういうのはあるかもしれませんけれども、できればそ ういうものは残しておいていただいて、それは記録としてちゃんと整理しておいてい ただきたいというふうに思います。 ○寺野座長 確かに、フィブリノゲンなどの経過を見ますとおっしゃるとおりですが、 ここの「相当期間」というのをどれぐらいにするかという技術的問題を今、高橋委員 は話されたと思うんです。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 今、高橋委員から御意見をいただきましたが、座長もおっしゃるように、 基本的な考え方として、最初の「製薬企業の在り方」というところに書いてある上か ら3つは、やはりこれは企業としてきちんと書くということに意義があると思うので ぜひ残していただきたい。取る必要まではないとおっしゃっていただいたので、ぜひ お願いしたいということです。  それから、今、既に制度上の改正が行われているという御指摘があった点ですけれ ども、制度がこうなっているということと、現実に行われているかどうかというのは 必ずしもイコールではないのです。重要な論点ですので、記載の中に、そういった改 正が行われているけれども、それをちゃんと実行していく必要が今後もあるんだとい うように記載に一言入れておきたい。記載場所としては、基本的にはこの前のでお願 いできればと思っています。 ○寺野座長 清水委員、どうぞ。 ○清水委員 記録の保存期間の問題は、確かに、今、高橋委員が言われたように30 年と決まっていますので、また更に延びるのかどうか。イギリスなどは四十何年とか という話も聞かされていますので、それはともかくとして。今、高橋委員も言われま したように、既に行われていることを「充実・強化する」という表現に変えられたら どうかというように思います。  それからもう1点、保存品の問題ですけれども、これは確かにとっておくにこした ことはないと思うのですが、保存品の管理が非常に難しいと思うんです。ですから、 既存の大手の製薬企業で、あと100年ぐらいつぶれるおそれがないような企業だった ら、そこに任せて、今もちょっとお話がありましたように、−80℃ぐらいの冷凍保存 をしておけば、品質の変化というようなこともそれほど問題にならずに確保していけ るかと思うのですが、中には、企業がつぶれてしまったと。そうしたら、そのサンプ ルをどうするのかというような問題と、それから、サンプルの保存状況によっては劣 化というような問題が起こったりしまして、本来、問題となっているようなものを検 査しようと思ったけれども、5年なり10年たったら、もうそのものは本来の姿でな くなった形になっているというような化学的変化の問題点もございますので、これは できるにこしたことはないということは私もよくわかりますし、血液センターなどは 献血者の血液を、そろそろ10年になるのですが、−60℃〜80℃で保存しているので すが、毎年毎年 500〜 600万件の検体を保存している。血清だけですけれども、保存 していると、10年たったらもう入れる場所がなくなってしまっているというようなこ ともある。それからまた、私も実は自治医大とか都立駒込病院にいたときに、患者検 体とか日赤から送られた輸血用の血液を全部保存してとっておいた時期があるので すけれども、それも、最初の1〜2年は引っ張り出してよく使うことはあるのですが、 5年、6年となってきますと、保存法をある程度きちんと検討した上でやりませんと、 とっておいてもあまり意味がないというような、質の劣化という問題がやはり考えら れます。ですから、その辺をどう考えるかということになると、保存をするにこした ことはないので、ただ、それを強力に進めるように断定するのはちょっと問題含みも あるかなというような表現ぐらいかなというふうに思うのですけれども。それが5年 とか10年ぐらいだったら何とかいけるかなというような思いはありますけれども、 それ以上になりますと、いろいろ問題があろうかとは思っています。  ただ、アメリカ等では、第二次世界大戦のときに黄熱ワクチンをやって何万人とい う兵士が肝炎にかかったんです。そのときの血清を全部30年、40年保管して、それ を引っ張り出してきまして、あっという間に新しい肝炎の問題を解決したというよう なこともあったりしますので、そういう特殊な場合の事例に限ってやれば、そういう ことも不可能だとは言えませんというのが状況ではないかと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。薬品等とか生物製剤等の保管に関しては難しい んですけど、これはなかなか表現が難しくて、おっしゃることはよくわかるのですが、 「相当期間保存するべきである」というのはちょっと強いかなという意見もありまし たが、どうですか。これは、技術的なもの等々も含めまして、「相当期間」としか言 いようがないんですね。だから、保存品も保管する方がいいことは皆さん当然認めて いらっしゃるんですけど、現実問題として何年と規定するわけにもいきませんので、 たぶん法的にもそれを指定することはできないだろうと思いますので、「相当期間保 管すべきである」という表現そのものは私は妥当かなという感じはしているのですけ れども、どなたか。 ○花井委員 今の大平委員や清水委員の意見に基本的に賛成です。あった方がいいけ れどもということですが、この文章自体が、いわゆる企業の記録は30年と決まって います、医療機関は20年も決まっていますと。この書きぶりだと、医療機関は20年 だから、企業は記録保管のみならずというのは30年と決まっていて、そうすると、 この文章だと医療機関にある20年に合わせて頑張るという流れになっていますよね。 これは、さすがに書きぶりとしてはかなり踏み込んでいると思うので、基本的に記録 については医療機関で20年、企業において30年というふうになっているが、いわゆ るそのモノ自体についても保存できたらいいという書きぶりにした方がいいと思い ます。この文章だと、20年が基礎になっていて、医療機関でも20年は記録があるの だから、モノも、30年は無理だけど、20年ぐらいはというふうになりますので、そ うなると、今、高橋委員がおっしゃったような感じになるのかなと思います。ですか ら、基本的には、ロットもありますから、全ロットかとか、何年たったら、例えば2 0年たったらロットはとか、最初の何年かはロットごとだと。それ以降は1製品の1 本から5本とか、いろいろあると思うので、何か企業で体力のあるところはそういう ことは検討してほしいけれどもという感じのにじませ方で書き直したらどうでしょ うか。だから、基本的には、モノも残す努力というのは期待したいというのは同じで ございます。 ○寺野座長 そうですね。今御指摘いただいた点は、文章としては、確かに製造記録 と保存品と全く同じかなというふうに読める読み方があるので、この点についてはち ょっと文章を変えてください。記録については20年から30年というのがありますけ れども、保存品については別に「相当期間」という表現しかないと思いますけれども、 この文章をちょっと変えていただくということですね。ありがとうございます。  そのほか。今、薬事法の改正で実際実行しているものもあるということですけれど も、水口委員の方からは、更にそれの充実・強化ということで表現したらどうかとい う御意見も出ましたね。だから、今、高橋委員の意見は確かにそのとおりですが、「更 なる充実・強化」という表現の文章が1つあってもいいのかなと全体としては思いま したけれども、いかがでしょうか。 ○高橋委員 基本的なあり方というところですので、そういう考えをしっかりここに 述べるということは必要だろうと思いますけれども、既に今やられていることを、実 際上、GVPの査察とか、そういう形でかなり組織がちゃんとやられているのかどう かというものを、2年とか1年半という形で査察を受けているわけですので、そうい った安全部門の充実というのは既に評価されているわけです。確かに、それだけでは、 いろいろな事件が起きたりということがなくなるので、早計なことは言えないんです けど、実際上は、考え方としては既に薬事法上に盛り込まれていることが、例えば副 作用の報告にしろ、因果関係にしろ、既に企業としてはGVP上でもしっかりそこら 辺がやられて評価、対策、実施というのがちゃんと決められていますので、やられて いるというところがあります。ただ、こういうことをやるべきだということ、更に充 実すべきだという意見であれば、それはそれでいいのかなというふうに思います。 ○寺野座長 ですから、薬事法改正によって、努力しておられるという製薬企業の視 点もちょっと出てもいいかなという点と、それを更に充実・強化するという表現なら ば。水口委員、いいですか。 ○水口委員 記録の関係と安全部門の充実等についてはそれでいいと思うのですが、 副作用、安全性を過大に評価しては、危険性を過小に評価する過ちを犯しやすいとい う点は過去からずっときている教訓なので、ここのところは、副作用の話については もう既にやられているからいいんだという書き方ではなくて、この書き方を維持して いただきたいという感じはしますが、表現上の調整はある程度了解です。ただ、ちょ っと性質が違うというふうには理解していますけれども。 ○寺野座長 その辺は一部文章を変えさせていただくかもしれませんが、 後で相談 します。薬事法の件と充実・強化は若干入れましょう。  そのほかございませんでしょうか。坂田委員、意見ありますか。 ○坂田委員 話は戻りますが、保存品の「相当期間」ということですが、私が今回、 検証をやって、フィブリノゲンが一本もなかったこと。後で、青森の医師がお持ちだ ったから、その中にC型肝炎のウイルスが入っていたということがわかったんですけ ど、最低限やはり問題になった薬というか、回収命令がかかったとか、そういった薬 はやはり後年、検証できるように必ずとっておいていただきたい。それは今回検証し た中でとても強く思いましたので、よろしくお願いします。 ○寺野座長 泉委員、どうぞ。 ○泉委員 坂田さんの意見と同じです。青森の事件があって、このフィブリノゲンに 関しては回収命令が出て、全量廃棄されたと。その中で、しばらくの間、「幻のフィ ブリノゲン」という名前がついたぐらい、どういったものであるかがわからなかった 時期があった。しかし、偶然にも保存している方がいらして、そして結果、この薬が どういう薬かというのがわかったというのは、はっきり言えば、企業にとっては非常 に恥ずべきことだというふうに思うんです。問題があった薬は、回収後、やはり企業 によって、何が問題だったのかをそのとき調べられなくても、その後、調べられるた めに保存しておくということは、企業モラルにも関係しますし、ぜひそれはお願いし たいというふうに思いますので、相当期間がどのぐらいの期間かというのは問いませ んが、しかしながら、問題になって回収したものは、自社でも当然としてそういう研 究機関がどの製薬企業さんもあるはずですから、それは国以外にも、製薬企業は、つ くったもの側としても検証する必要があるということでお願いしたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。なかなか文章としては難しいんですけれども、 議事録としてはその点については残しておくということで。佐藤さん、何かあります か。 ○安全使用推進室長 今御指摘をいただいたところを反映した形でまた修文をさせ ていただいて、委員に確認をいただこうというふうに思っております。今、泉委員と 坂田委員がおっしゃられたように、問題になったものについて、それを廃棄してしま ったということは、今回の事件の中でも非常に問題であっただろうということは検証 の中でも指摘をされている部分でございますので、そういった部分が最終的な提言の 中に盛り込まれるような形で調整をさせていただければと思っております。 ○寺野座長 後で資料館というのも提案しているのですけれども、資料館ではとても じゃないけど保存できるような体制ができるわけがないので、これは各会社でしっか りと保存していただくしかないんですね。もちろん会社がつぶれてしまったらしよう がないと言われればそれまでですけれども、これは、そういう最大の努力をしてほし いということになるかと思います。  そのほか御意見ございませんでしょうか。製薬企業のあり方にフォーカスを絞って いますが。  それでは、その次に、一応優先的なテーマということで、職員アンケートの結果と いうのがございます。これについて先にちょっと議論しておきたいのですが、74ペー ジを御覧ください。「アンケート調査について」ということが6行で書いてあります。 これについては、前にも議論があったのですが、アンケートを12月に急に短期間で やっていただいて、本当にすごい量のアンケートが集まったのですが、これは厚労省 並びにPMDA、両方ですね。それについては、かなり分厚い資料になっています。 それで、それについての要約を出すかどうかということは議論しまして、私はたぶん そのときには、なかなか全体をまとめるだけの時間がないし、悪い言葉で言うと、偏 ってつまみ食い的になっても公平性を欠くだろうということで、基本的にオーバービ ュー的なもので、1つ1つアンケートの内容全てをここに添付する。これはいいとい うことらしいので添付するということでお話ししたのですけれども、水口委員はじめ、 そのときのワーキンググループの委員の方から、やはり要約的なものをこれにつけた 方がよろしいという御提案をいただきました。 これは水口委員の方から出していた だいているのですけれども、それをちょっと意見を言ってください。 ○水口委員 配付資料の資料3−2の2ページを御覧いただきたいのですけれども、 2ページに具体的に提言に盛り込むとすればどのような文章で要約を記載するかと いうことについての1つの提案をさせていただきました。  下線部分は私が事前に意見として出させていただいたもので、今回の提言にできれ ば入れていただきたい。ここを入れるのであれば、その上に、下線がついていません けれども、パーセンテージ、量的な集計結果についても入れていただくということを お願いしたいと思っています。下線部分は、実は検証委員会にレジュメで、既に2回 にわたって報告させていただいております。それは、アンケートを実施したチームの 一員として報告させていただきました。ワーキングチームそのものの取りまとめ意見 という形はとっておりませんが、できるだけ提言につながる部分をニュートラルに要 約したつもりです。できれば、やはりある程度書いておかないと、後ろについている 分厚いものを全部読まないとだめだということだと、その後に続く提言内容の具体的 な内容との関連性がわからないんですね。ですから、そういう意味でぜひお願いした い。文章について、ここがちょっとおかしいんじゃないかというような御意見があれ ば、それは出していただいて、極力合意をする努力をして提言に入れていただきたい と考えております。 ○寺野座長 水口委員の御意見の2ページから3ページに関して下線が引いてござ いますが、その部分を、このアンケート調査全体をいうわけですよね。それにつけて ということですね。 ○水口委員 そうです。この下線をつけた文章全体です。これは新しいものではなく て、先ほど申し上げたように、今までここの検討会にレジュメの形式で出させていた だいたものを、ちょっと文章の形にしたという範囲のもので、これがその後の具体的 な組織についての提言とリンクするような形で作成させていただいております。 ○寺野座長 いかがですか。内容については検討するとして、今の意見をつけ加える か。これは全体の意見というものを公平に見る意味で、そこの報告書、アンケートの 結果を見ていただきたいということでおさめるか。どちらかを決めていただきたいと 思うのですけれども。大熊委員。 ○大熊委員 本当に見事にまとめてくださっているので、あとは少々の手直しは要る かもしれませんけれども、ぜひお入れいただきたい。理由は、答えてくださった方が それを世の中に伝えたいという気持ちがアンケートに非常に満ち満ちておりました ことと、それから、ワーキングチームはメーリングリストをつくって、これをどうし ようということを話していて、全員一致で入れてほしいということを言っておりまし た。私、時間がなくて意見書は書いていないのですけれども、ぜひ声を反映させてい ただきたいと思います。 ○寺野座長 そのほか御意見ございませんでしょうか。小野委員、どうぞ。 ○小野委員 私も入れていただきたいという方ですが、中での表現が、もし「辞表を 叩きつけて」云々とかいうのがお気に入らないなら、それは適宜修正すれば。それは 水口先生も、そこにこだわるというわけではないでしょうから。それから、座長がお っしゃった公平でなければいけないということで、私は別に公平である必要は全然な いと思います。つまり、これは実態を明らかにする科学調査ではなくて、こうあるべ きだということで最終提言はあるべきだと思うので、こういうふうにあるべきだと委 員の先生方から反論があるようだったり、これは違うというのだったら議論すればい いと思いますけれども、こうあるべきだという意味でつけた意見についてはきちんと リストアップしておくということで、例えば機構の方々の回答がみんな平々凡々うま くやっています、全く問題なしという答えが99.9%の答えだったら、それを公平に書 けば問題がないのかと言われたら、そんなことはもちろんないわけで、もちろん書き 方を更にある程度公平にするという意味合いはあるし、変なバイアスがかかっている と思われるようだったら委員で議論すればいい。あるいは、PMDAの方の御意見を いただけばいいと思いますけれども、こういうものを残すというのは大事なことでは ないかと思います。 ○寺野座長 私が公平性に欠けると困ると言ったのは、 ほかにも意見がたくさんあ るのに、この意見だけ取り上げて私の意見は取り上げていないという人も出るんじゃ ないかというのが1つの公平性の問題と、それから、中には、これは積極的な意味で、 いろいろなものを改革する意味で、役に立つかどうかはともかくとして、やはりPM DAそのものでしっかりやっている面もあるという意見もあるわけですよね。私も全 部詳しくは読んでいないけれども、読んだ中で、そういう御努力もあるんだと。近藤 理事長をはじめとしての努力もあるんだということが少し入るのも公平性というこ との一部かなという感じなんです。そんなものは要らないと言われればそれまでの話 ですけれども。要するに、これは中身の問題ですから、確かに、先ほどの決めたこと をひっくり返す仕組みがないとか、辞表を叩きつけるとか、これは文章そのものを取 られたのでしょうから、この辺はまた修正していただくとして、こういうものをつけ るかどうか。つけるとすると、内容はどうなのかという2つに分けて。大平委員、ど うぞ。 ○大平委員 私も付けていただきたいというふうに思います。それは、ここの自由記 載の回答をうまくまとめられているのですけれども、厚生労働省とPMDAの関係に ついて、国の組織であるか、また国の組織ではないのかとか、そういった問題も職員 の方たちからの指摘というか、そういう意見があるということとか、役割分担が不明 確であるという指摘とか、そういった点について、本来ここで議論すべきだったとい うふうに私は思うのですが、組織のあり方ということについて、それにつながる問題 提起ではないかというふうに思いますので、ぜひ入れていただきたいというふうに思 います。 ○寺野座長 今、大平委員がおっしゃるとおり、この問題は、スタート時点でA案、 B案とずいぶん議論しましたけれども、終わりの方は全然できなかったんですけど、 それに非常につながるような問題点を知りたいということも含めたアンケートだっ たはずですね。ただ、残念ながら時間がなくて十分議論ができなかったということは 本当に忸怩たる思いはあるのですが、これはやむを得ないということでありますので、 この最終提言(案)にあることだけでなくて、何らかの形のまとめというようなアン ケートのまとめをつけるべきであると。委員の方がおっしゃるのはよくわかるのです が、そのときのワーキンググループの委員以外の方はどのようにお考えでしょうか。 清水委員、どうぞ。 ○清水委員 私も、原則的にはやはり入れられた方がいいのではないかと思います。 入れ方としては、なぜこのアンケートをやったかという目的と、それから、これは書 く必要はないと思うのですけれども、この委員会として特に役に立つような形のもの を主にピックアップしたということで、先ほど座長が言われた、俺が言ったのになぜ 載っていないんだということの不公平感というのはあまり問題にならないのではな いかというふうに私は思います。そして、最後のところに、本文にもありますように、 「調査結果の詳細を」というところにつなげ、この部分は残して、「なお、その他の 詳細な結果についてはこの資料を参考にしてほしい」というようなことであれば全然 問題ないと思うのですけれども。 ○寺野座長 堀委員、どうぞ。 ○堀委員 私も記載するべきだと思っていて、全員の意見を羅列するのはもちろん難 しいし、意見が全員一致するところばかりじゃないというのは当然ですけれども、一 致しているのは、よりよい仕事をするためにこういうのが足りない、あるいはこうい うのがよけいだとか、いろいろなそこの意見の違いはあるにしても、根幹としては、 いい仕事をしていくためにこうしたいというところはたぶんアンケートを回答して いただいた方全員共通だったと思うので、そこは全く載せないというのは不自然であ るというふうに思います。それから、今までこれを何バージョンかメールも含めてい ただいているのですけれども、この文章という素案が報告書(案)のところにないの で、意見を出そうにも、委員としては、この文章はやり過ぎじゃないかとか、ちょっ と普通と違うんじゃないかとか、入れるべきだとか、そういう具体的な意見を言うチ ャンスもなかったというのが実際だと思うので、載せるのであれば、ここからどうい うタイムスケジュールかわからないですけれども、ちゃんと議論して載せるべきだと いうふうに思います。 ○寺野座長 これは、 水口委員が苦労して全部読んでこれだけまとめていただいた わけで、その点は大変だったと思うのですが、ワーキンググループの委員の中でのま だほかの意見もあるかもしれないというようなことも含めますと、あまり時間はない けれども、皆さん、載せるべきだというふうな御意見で。椿委員、どうぞ。 ○椿委員 ワーキンググループのメンバーで発言するのは申しわけありませんが。私 自身は、載せるか載せないかということに関しては、サマリーを載せるというのがよ くて、それから、座長がおっしゃるように、これを本来利用するのは厚労省なり、P MDAが利用していただくという方針で基本的に構わないのですけれども、1点だけ 委員会が採用すべきことというのは、厚労省とPMDAの間にコミュニケーションギ ャップに近い話があるという事実で、これは水口先生も既に指摘しているとおりで、 1つは人事の問題ですが、もう1つは、やはり厚労省の方がPMDAの審査のあり方 というのがあまりにも専門的過ぎる、逆に、PMDAの方が厚労省が我々の意見に対 して何かものを言っているというようなことに関して、両者が一緒にやっていくとい う話の中に若干軋轢があるというか、コンフリクトがあるような部分というのは客観 的にも見えたと思うので、お互いの中でやれること以外に、若干調整できるようなも のに関しては、今後いろいろきちんとしたコミュニケーションをしてほしいというよ うなことを委員会として述べたらというのが、今日の3−2の9ページのところにあ る私の部分で、それ以外の部分については、いろいろ内部的な部分で思うように使っ ていただいたらいいのではないかということでございます。 ○寺野座長 ここでPMDAの近藤理事長はどうお考えですか。自分のことを褒めて いないじゃないかと。 ○近藤理事長(PMDA) 私は、どちらかというと受け身の立場でございますから、 積極的には申し上げませんけれども、このアンケートというのは非常に参考になった ことは間違いなく事実です。やはり今御指摘いただいたように、厚生労働省の考え方 とPMDAの考え方の差異というのも初めて感じることでございます。それまではあ まり思ってはいなかったのですけれども、そういう見方もあるのかなと改めて思うと ころでございます。こういうアンケートは、我々にとっては非常に勉強になりました。 では、これを社会に出して、勉強して、これで誰が得をするかという話ですよね。 私たちは厚生労働省とともに、これからの新しい医薬品・医療機器の行政について、 最も国民のためになるようなことをしていきたいと思っているわけでありまして、こ の公表がそれにとって役に立つと皆様方がお考えになるのでしたら私は賛成します。 でも、そうでもないと思われるのだったら、そうでもないのかもしれない。私として は、ニュートラルな立場で、皆様方が必要であると本当にお考えであれば、それはそ のとおりだと思います。以上です。 ○寺野座長 水口委員。 ○水口委員 理事長、もう公表はされているんです。報告書は全文webサイトで公 表するということになっておりますので、公表することがどうなのかという論点とい うのは、私はもうないというふうに理解しております。 ○寺野座長 それはそうですね。 ○水口委員 それで、いろいろ御意見を伺ったところで1つ提案というか、要するに、 ここにも書きましたけれども、国の組織のあり方を検討するためにアンケートをやっ たわけですね。ですから、ちょっと文章を加えさせていただいて、「国の組織のあり 方を検討するために」というふうに書いてありますが、更に国の組織を検討するため にアンケート調査をやり、その回答の中で、特に調査目的との関係で私どもが注目し た回答状況を要約すると、以降のとおりであるというような形で、何もかも全部網羅 するということはできていないということを含んで、そして、あくまでもこれから更 によくするためにどうしたらいいかという観点から特に注目した回答状況をピック アップして、しかし、できるだけニュートラルに整理したつもりだというニュアンス ができる文章をどこか一文加えて、あとは、具体的にここの記載がこうであるという ような御意見をいただいて、それに従って調整すればいいのではないか。そんなに大 きく間違った恣意的なことを書いたつもりはございませんので。いかがでしょうか。 ○寺野座長 もちろん、それはないですよ。このアンケートそのものは、もちろん職 員の方々の思いというか、御意見を知るということですけれども、もっと大きな意味 で言いますと、以前から厚労省とPMDAとの組織をどうするかということに資する ということが1つ大きな目的だったわけですから、そういう観点において、関連した ものをここで要約するという趣旨ですね。そういう形ですれば、そこに取り上げられ なくても、本文を読んでもらえば十分書いてありますということになるかと思います。 清水委員、どうぞ。 ○清水委員 こういう問題は、私の領域としては、日赤と厚生省の血液対策課との関 係というのがあるんですね。次元が多少違いますけれども、対応としては似ているん です。ですから、そういうコンフリクトがあるということを国民が一般に知っていて、 さて、どうするかというきっかけには非常にいいチャンスだと思うんです。ですから、 ぜひ載せてもらって、わかりやすく記載しておく方がいいのではないかというように 私は思います。 ○寺野座長 厚労省の方は何か意見がありますか。このアンケートは厚労省の方もい っているんですけど。 ○総務課長 事務局が最初、皆さんに配付させていただいたような案でどうでしょう かと申し上げた考えは、要は、各人の意見というのは十人十色でさまざまでございま すので、それを非常にうまく抽出するというのはなかなか難しい。代表的な意見が出 ているかなと思って見てみますと、例えば委員の意見の多い順番に上位10の意見で すと、こういう感じならわかりやすかったんですけど、どうもそうじゃないような感 じなので、中立的な捉え方をすべきだというお話もありましたので、そことの整合性 を考えると、本当はこの委員会にもワーキンググループの委員の方から提示された三 十何ページぐらいの要約をベタッと本文の中に入れればいいのですが、ちょっとボリ ュームがあり過ぎるかなということですので、それは後ろに回して、しっかり見てく ださいと記載すればいいかなというふうに思いました。特段意見はございませんので、 お任せいたします。 ○寺野座長 しかし、委員の皆さんの御意見を聞きますと、やはり何らかの要約をつ けた方がいいだろうというワーキンググループの委員の思いもありますので、それは、 厚労省の今の意見で、お任せしますということですので、座長としてはそれをつけさ せていただきたいというふうに思いますが、内容に関しては再考する必要があり、こ れは今、水口委員の言われたような組織上の観点からの意見をここに要約するが、そ のほかのこういうほかの意見も多数あるので、実際の報告書を見ていただきたいとい うことは強調していただきたいということですね。  それから、その中には、私は味方するわけじゃないですけど、PMDAでも一生懸 命やっているということに対する評価もあるので、そこも入れられた方がいいのでは ないか。  それから、人事異動に関しては、確かに私も見たところ、不満というか、そういう ものが多いんですけれども、PMDAができて6年ということだそうで、その中での 管理職云々の問題はなかなか微妙な問題があるので、その辺もやはり考慮した上で記 載していただく必要があるかなと。これは私の全く個人的な見解です。ですから、こ れは箇条書きで書かれた方がわかりやすいかなと思うのですが、水口委員、いかがで すか。 ○水口委員 もとは箇条書きだったんです。 ○寺野座長 溶け込んでしまったんですね。 ○水口委員 結局、文章に入れてほしいと、堀先生だったか、前回の委員会で御要望 があったので苦労して文章にしたので、もとに戻せというならば、それはたやすいこ とですが。 ○堀委員 箇条書きだと、たぶんどれをピックアップしたかという問題にまたなって しまうので、別に水口先生の文章がだめだから議論してという意味ではなくて、委員 自体が、ほかの文章はてにをはまで読んできているんですけど、ここの部分に関して は、入るか入らないのかわからないまま今日来ているので、誰も検討していないこと を私はさっき発言しています。箇条書きというのは、そういう意味で、せっかくの機 会なのでそれは変だと思いますし、あと、アンケートの目的が、さっきどなたかが国 の組織かどうかということが目的とおっしゃいましたけれども、たしかアンケートの 質問はそういう形式ではなかったと思うので、こういうことをアンケートで目的とし て何々を尋ねたらこういう意見があったということを、水口先生が書かれるように、 なるべくニュートラルに事実に基づいて書くということが一番誠実な対応じゃない かというふうに思います。 ○寺野座長 わかりました。では、箇条書きは取り消します。文章で結構ですけれど も、これはワーキンググルームの先生方、皆さんで文章の内容をもう一度議論してい ただいて、そして、それを事務局の方に渡していただいて、そこをつけると。そこは ワーキンググループの方にお任せしてよろしいですね。この点は信頼してお任せしま すので、そこを事務局の方にお渡しください。それを事務局としては、ここの文章の 後に整合性があるようにつけるということにしていただきたいと思います。花井委員、 どうぞ。 ○花井委員 ワーキンググループの方々にお願いですけれども、先ほどちょっと行政 の方から優等生な回答があったのですが、これを読み下して、ある程度関わった人か らいったら、やはりこんな感じだよねと、非常にうまく捉えているんじゃないかとい うふうに私は感じるんです。これは言葉とかデータにはなかなかならないけれども、 やはりこういうところがあるんだなというところがうまく出ていて、基本的には、も しほかに、これは違うよ、これは先鋭化した1人の意見でしかないというところは削 っていただくとして、これはなかなかいい按配じゃないかと思うので、基本的にはこ れを生かしてまとめていただきたいというふうに思います。もしかしたら、行政の方 もそう思っている方がおられるかもしれないんですが、立場上言っていないだけで、 やはりという文章じゃないかなと私は推察するのですけれども、よろしくお願いしま す。 ○寺野座長 では、この問題は、そういうことでまとめたいと思いますが、よろしゅ うございますか。山口委員、どうぞ。 ○山口委員 済みません、1点だけ追加ですが、後で水口先生からコメントがあるか もしれませんけれども、私がもう1つ気にしたいのは、アンケート結果を踏まえた(4) の「今後の課題について」というところとたぶん対応するような形で文章は考えなけ ればいけないと思いますので、そういうことを考えていくと、たぶん方向性というの はある程度決まってくるんじゃないか。もちろん議論はあるとは思うのでけれども、 アンケート結果の今まで議論したような記述というところだけではなくて、たぶん今 後の結果にアンケート結果をどう反映するかというところの部分も恐らく重要にな ってくると思いますので、その辺も含めて、我々ワーキングチームの方で議論すると いうことでよろしいんですか。 ○寺野座長 そういうことを前提としてまとめましたということをやはり入れてお いていただかないといけないだろうということで、さっき指摘したとおりです。では、 よろしくお願いします。  それでは、今、優先課題として製薬企業のあり方、職員アンケート調査結果の要約 というのをしましたが、そのほか全体的に質問なり御意見がありましたらお願いした いと思います。意見の中でちょっと出てきているのが、小野委員から「薬害」の定義 というものがどうなんだというのがあったんですけど、これは実際、文章にするのは 非常に難しいということですが。 ○小野委員 おっしゃるとおり、だからこそ我々はそれを放ったらかして2年間いる わけですけれども、でも、書くわけですよね。薬事法の中に「薬害の定義を書く」と 明言しているわけですから、当然、今の時点で私たちは何もそれはわからないという わけはないので、恐らく厚生省の今までいろいろなところで公的に使われている定義 は少なくともあると思われるし、その定義を一回ここで聞いておくべきではないか。 というのは、薬事法が今後改正されるのであれば、それを主体的に行われるのは厚生 省の方々ですから、その必要性をここで提案したいので、今ここで聞いておくという ことはいかがでしょうかということですが。持っていないというわけないですよね。 厚労省には定義がないという答えはないですよねということです。 ○寺野座長 これは、その場その場で違うのかなというところもありますが、事務局 の方、意見がありますか。 ○小野委員 ないとここで頭をひねっていると、これは薬事法を立法化するときに、 ちょっと待ってください、こんなものが定義ですかといって、まずここの委員から怒 りの声が起きるのと、あと、これは大きな話でして、実は製薬企業の方々にとっても、 法律に書いてあるということで、例えば外国の方々は、日本の薬事法に「薬害」とい うのはこう定義されていて、こういう対応が必要なんだなと具体的に動く場合にも根 拠になるすごく大きな話ですから、どのぐらいの定義をしようとしているのか、どう いうイメージなのかぐらいは。別に我々は正確に一言一句の定義を聞く必要はないと 思いますけれども、2年間もそれを放ったらかしにしてきた懺悔も込めて、ここで我 々は一回それを聞いておくべきではないか。あるいは、それはおかしいということが もしあるのだったら、委員の方から言っておいていただくべきではないかということ ですが、いかがでしょうか。 ○寺野座長 小野委員としては、「薬害」というものの定義はどういうように考えて おられますか。 ○小野委員 話すと長くなるのでごく短く言うと、健康被害全部というような話では ないわけですよね。何かシステム上の欠陥とか、いろいろな意味での重大な欠陥、そ れは人為的な欠陥、あるいは科学が追いつかない、このあたりは委員によってたぶん 全然意見が違うと思うわけで、私の定義が正しいとは思いませんけれども、今言った ぐらいの定義を聞いておかないと、不安でこれから何年間か夜も眠れない方々が出て くるのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。私の言っていることが、そ うではない、こういうものは秘しておくべきで、文言によって薬事法を見るまで黙っ ておけばいいんだというのだったらそれで結構ですけれども。 ○寺野座長 事務局の方は何か意見ありますか。 放っておいたわけじゃないですけ れども。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局ですけれども、この問題は非常に大きな問題で、 また難しい問題ですので、 まさしくこの場で議論いただくというのが1つです。そ れから、薬事法に盛り込むということになれば、それに向かった検討の中でまた議論 いただくということがたぶん要ると思います。その上で、これはあまりオーソライズ されたものではありませんけれども、議論するときには要素としてどういうものが考 えられるだろうかということだと思うのですけれども、1つは、今、小野委員がおっ しゃったとおり、薬の使用によって出てくる健康被害とか副作用全てを言うものでは たぶんないでしょうということがある。それを「薬害」として捉えるときに必要なフ ァクターとしてどういうものがあるのか。今おっしゃったような人為的な問題があっ たかどうかとか、あるいは科学的な問題があったかどうか。もう1つは、それによっ て起こってきた影響を、本来、もっと小さい、あるいは最小限にとどめることができ たんじゃないかというような、そういったところが議論のファクターになってくるん じゃないかと思います。もっとほかにもあるのかもしれませんから、そういったとこ ろが議論されていくことになるのではないかと思います。 ○清水委員 私は「薬害」の定義について見解があるわけではありませんけれども、 我々が輸血を使っていたときに、「副作用」と「合併症」という言葉を使うんです。 私は、本来、効果が期待される成分によって起こってきた害的なもの、これは副作用 だろうと思うんです。ですから、今回のようなフィブリノゲンによって脳血栓が起こ ったということであれば、フィブリノゲンの副作用ということになると思うのですが、 今回の問題は、フィブリノゲン製剤に混入していた肝炎ウイルスによる被害なんです ね。ですから、ここのところも区別した定義が要るのではないかということで、「薬 害」の定義を考えるときに、その点も念頭に置いて御検討いただければというように 思います。 ○寺野座長 高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 「薬害」は、今、清水委員も言われたように、捉え方によってはそれぞ れの人がこれを薬害と考えるのか、それとも、そうじゃないと考えるのかというのは それぞれ違うと思うんです。やはり定義づけというのはかなり難しいことだろうとい うふうに思います。ですから、いろいろな条件というのを確かに考えて定義づけしな ければいけないんですけど、今の段階で何を「薬害」とするのかということについて の基本的な考え方というのは、定義づけはなかなか難しいのではないかというふうに 思っています。 ○寺野座長 これは別にみんな意識していなかったわけではなくて、意識しながら、 言葉として出てきていなかったのは事実ですね。今指摘されたように、私は非ステロ イド性の消炎剤の胃腸障害とか、そういうのをやっているのですが、ああいうのはま さに薬害なんですよね。薬そのものなんだけど、この場合、C型肝炎ウイルスという ことが1つあって、それが入っているということだから、ちょっと性質が違って、定 義が難しいのは確かですよね。小野先生の御見解をどうぞ。 ○小野委員 非ステの副作用などは薬害とは呼ばないという方が多いんじゃないか という気がするのですが。 ○寺野座長 薬害性障害ですね。堀内先生、どうぞ。 ○堀内委員 我々も医学部の学生に、薬害とか、そういう講義を今、医科大の先生も 手伝ってやっていますけれども、やはり医薬品による副作用の中で重篤な副作用で、 重篤な副作用が特に頻繁に起こることを防ぐことが可能だけれども、人的な要因によ って防げなかったもの、そういうようなニュアンスですよね。それをちゃんと対応す れば防げるものが防げなかった。それで拡大をしたものというようなニュアンスとい うか、そういうものを我々は「薬害」と呼んでいるわけなので、やはり人的な要因が 一番大きいのではないか。きちんとやれば防ぐことができたのに、防ぐことができな かった。ですから、今回やっているのは、それを行政の面とか、企業の面とか、医療 の側も当然関わってくる。今、特に薬剤師が医療の安全の担い手になるべきであると いうような議論をよくやるのですけれども、やはり人的にそういうことを防ぐという ことが大事だと。それが防げなかった今回のものも、ですから、どこに責任があるか ということが問題になってくるのだろうというふうに思います。 ○寺野座長 私が今言ったのは副作用と言っていいのかもしれないですけれども、サ リドマイドなどになってくると、これは薬自体ですから。 それとちょっと性格が違 うのかなと。 ○堀内委員 サリドマイドの場合でも、それを禁止するのが日本は一番遅れているわ けですよね。やはり人的な要因というのがかなり大きいと思います。だから、あれも 薬害になると思います。 ○寺野座長 間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 「薬害」を定義づけするのは実はすごく大事なんですよね。でも、すご く難しいんですよね。ただ、定義づけることによって何が可能になるかというと、教 育がしやすくなりますし、今、教育現場で、高等教育の中でも、薬害というのは何か というのを理解している学生さんが、教員も含めて、どれだけいるかというと非常に 怪しい状態だと思うんです。こういうのは薬害なんですかみたいな、例えばこういう のはと聞かれたりするんですけど、非常にごっちゃになっているというところがある ので、できれば早急に定義づけるということはもしかしたら難しいかもしれませんけ れども、定義づけをするという方向で考えるというのは大事なことじゃないかと思い ます。 ○寺野座長 ありがとうございます。だから、ここで「薬害」の定義をするのはなか なか大変だということは事実ですね。椿委員。 ○椿委員 厳密な定義は大変難しいと思うのですけれども、やはりチェックリスト的 な幾つかの条件というのは、専門家の方々が議論されておくといいと思います。例え ば、当然のことながら、医薬品に起因するということ。それから、患者さん、ないし は医療従事者には基本的な責任というのは非常に少ないということ。それから、やは り事前に予見されているものではないネガティブな効果であるということ。予見され ていれば、今、堀内先生がおっしゃったように、それなりの事前の防護策を張ったか と思うのですけれども、そういうものが事前には見い出されていなかったもので、恐 らく議論になるのは、例えばある種の医薬品メーカーさんとか厚労省が、当時の科学 的な水準でもって、やむを得ず見過ごしてしまった。それによって予見できなかった ということ。でも、その場合も、患者さんや医療従事者にとっては責任がなかったか ら、それを広く「薬害」と捉えて、それなりの防護策をとるかどうか。その辺がいろ いろな過去の経験の中でチェックリストに当たるような幾つかの条件を整備してい くというような話になってくるのだろう、そういうふうに理解しております。 ○堀内委員 今のことで。医療従事者には責任が少ないという話で、それはそうじゃ ないと思います。それを見つけて、それを報告して拡大しないように防ぐという、そ の役割は極めて大きいので。 ○椿委員 それは全くおっしゃるとおりですが、それは起きた後の問題であって、医 療行為が原因だとしたら、それはむしろ医療過誤として議論されるべきではないかと いうことです。起きてからの対策については、もちろん、それを怠ったということが あれば、それは非常に大きな問題だと思います。 ○堀内委員 医薬品には副作用というのはつきものです、どんな薬であっても。だか ら、それで重篤な副作用が起こらないように、それがたくさんの人に起こらないよう に。比較的たくさんの人に起こしてしまう、それが薬害だと思いますので。 ○椿委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。 ○寺野座長 大熊委員、どうぞ。 ○大熊委員 大平さんと私がずっと言い続けてきたことですけれども、これが薬務の 範囲の中で解決しようとすると、実際に起こっている薬に原因する不幸は日本の場合 は防げない。ほかの国だったら、お医者さんとして当然わきまえている常識を、わき まえていないために、数は多い、適用は間違えるで非常にたくさんの被害者が出てい るので、これを薬害Bとか何か名づけて別な命名にしたらいいのかと思うのですけれ ども、堀内先生がおっしゃった人的要因というのがこの国はとても多いということを この際、明記しておいていただきたいと思います。後から出てくる教育の問題は、ど こをどう変えたらそれが防げるのかというのは、いい案が浮かばないままここにいる のですけれども、その日本の特殊性というのをぜひ何かの形で書き込んでもらえたら いいなと思います。 ○寺野座長 その何かの形を具体的に言ってください。 ○大熊委員 具体的に今思いつかずにここにいて恐縮ですが。 ○寺野座長 坂田委員。 ○坂田委員 私が検証をやる中で、「薬害」とは何だろうと自分で考えた中で、一言 で言うと、やはり行政、企業が食い止められたのに、ちゃんとした対応がとれずに被 害が拡大したことかなと。個人的意見ですけれども。 ○寺野座長 西埜委員、どうぞ。 ○西埜委員 私は、「薬害」の定義はそんなに必要じゃないんじゃないかと思います。 これまで最初から暗黙の了解のもとでやってきたわけで、そんなに「薬害」の定義に 引っかかってこなかったわけですから、改めてここで「薬害」とは何であるかという ことの定義をしなければいかんという必要性はあまりないんじゃないかと思います が、もし定義するのであれば、非常に広い定義と狭い定義、中間の定義、それぞれの 場面ごとに「薬害」の定義が違ってくるのではないかと思いますけれども、先ほどか ら御意見で出てきているのは、どちらかといいますと、国その他の組織に法的な責任 があるかどうかという観点から「薬害」を定義づけようとしているのですが、むしろ ここでは、二度と被害者を発生させないというふうな観点から検討してきたわけです から、もし定義するのであれば、法的な責任があるかどうかというふうなことではな くて、非常に広く「薬害」というものを定義していくべきではないかと思います。 ○寺野座長 小野委員。 ○小野委員 まさに今、先生がおっしゃった点がポイントで、今回の報告書の44ペ ージでも書くことは書いてあるんですね。見直しに合わせて、薬事法に「薬害」の定 義を明記するとともに、我々が言葉にできない、小田和正じゃないですが、そういう ようないい気分でいて情緒的に議論してきたところを、薬事法に書くべきだという結 論なので、もし書くのであれば、今、先生がおっしゃったような意図で書くべきであ るということを仮にここに1行加えるとか、そういうことによって、行政の責任論み たいなところでの狭い定義は書かないでくださいということをこの報告書に、この提 言の中に書いておかなければいけないんじゃないかと私は思うのですけれども、いか がでしょうか。 ○寺野座長 「薬害」の定義そのものはまだ書けるわけもないので、それについての 検討が必要であるということですね。間宮委員。 ○間宮委員 「薬害」の定義というのは、そのうち必要になるんじゃないかというふ うに私は言ったんですけれども、被害者からしてみると、今までの被害というもの、 薬害と言われていたものが薬害なわけであって、例えば後から、こういう定義ですか ら、この定義に合わないからこれは薬害じゃないから助けませんとか、裁判をやって も勝てませんとかいう話になってしまうと困りますから。やはり薬害防止をするため には何をするかということを考えると、今まで痛い目に遭ってきた人たちが、なぜ痛 い目に遭ったのか。痛い目に遭った原因をきちんと整理して、それを後世の人たちに 伝える。こんなことをしたらいけないんだ、こういうことをしたら問題なんだという ことを伝えていかなくてはいけないわけであって、それを教育の場で生かすというこ とが大事なわけですから、もちろん定義も大事なのかなというふうには思いつつも、 このたった50〜60年の中で起きた薬害というのをちゃんと伝えていけるシステムを 構築しなくてはいけないというふうに思うんです。  あまり時間もないので私の意見を先に言わせてもらいますけれども、教育のところ で私、意見を出したのですが、あまり反映されていなくてちょっと残念だなと。ほと んど変わっていないので、また意見を出したらよかったんですけれども、やはりこう いう場でちゃんと意見を言った方がいいかなと思いまして申し上げますけれども、資 料の方では、新しくなっているところが45ページですけれども、ほとんど変わって いないんです。薬被連がここ十数年、 教科書に薬害のことについて記載してほしい ということをお願いしてきました。でも、まだ実現していないんです。載せるために は何が必要かというと、やはり学習指導要領に「薬害」という言葉が載るということ が大事なわけであって、それをこの委員会では報告書の提言の方にきちんと載せても らいたいんです、もっと強く。この文章だと、初等教育の後にすぐ消費者教育の観点 からみたいなものが出てきているのですけれども、初等教育において薬害を学ぶこと が必要なんだということで、そのためには学習指導要領に「薬害」というものを載せ られるように働きかけるということを書いてもらいたいというふうに思います。働き かけるというシステムがないのであればちょっと難しいのかもしれませんけれども、 それなりの表現をしていただきたいなと。その後に消費者教育の観点、生涯学習とい うのは書いていただければいいのかなというふうに思います。  それから、2−1の方の58ページの「新たなリスク管理手法の導入」で、真ん中 辺のところで「一元的に管理して評価改善するシステムを構築する。」と書いてある のですけれども、その後で、「ただし、医療現場、患者に無用な負担を強いることが リスク管理の目的ではないことに留意すべきである。」という一文があるのですが、 これは当たり前の話で、無用の負担を強いることがリスク管理の目的なわけないわけ で、なぜこういうのが書かれてしまったのかなというのが非常に残念で、これは取っ てほしいというふうに思います。  以上です。             (長妻大臣、山井政務官入室) ○寺野座長 では、間宮委員、また意見をメールで出してください。それはどのよう にするか、こちらに任せていただくとして。  ただいま長妻大臣に来ていただきました。国会中、大変お忙しいところですが、今、 最終提言について検討しているわけです。今日は最終日なんですけれども、一言御挨 拶いただければと思います。よろしくお願いします。 ○長妻大臣 議論の途中で参りまして済みません。ずっと国会が朝から夕方までござ いまして、途中で割り込んで恐縮でございます。今日が最終日ということで、20年の 5月23日の第1回から今日は23回ということで、2年の長きにわたって御議論いた だきまして、大変感謝を申し上げます。  もとはといえば国の責任があり、薬害肝炎事件等々、いろいろな問題を起こしたと いうことに起因をしたところ、本当に多くの皆様方の真摯な御意見をいただいたとい うふうに改めて深く感謝を申し上げます。基本的には、この最終提言は、医薬品の安 全対策にしっかり取り組む国の基本的な姿勢、そして第三者委員会を位置づけるもの として医薬品行政に関する基本的な指摘をいただいているというふうに考えており まして、これについて実施を速やかにできるものについては、これは速やかに我々と しては実施をしていく。 そして、法律が必要なものについても検討して実施をして いくというようなことで、本当に長年の御議論を我々は真摯に受けとめて、実現に向 けて努力をしていきたいというふうに考えております。そのことで、これは厚生労働 省としても国民に奉仕する役所に生まれ変わることができるというふうに考えてお りますし、何よりも医療、薬を受けて治療をされておられる患者さん、あるいは広く 国民の皆様方に資することだというふうに考えておりますので、本当に皆様方の御労 苦をむだにしないように、我々もきちんと取り組んでいきたいと思いますので、今後 とも引き続き皆様方の御意見なども、個別にでも結構でございますので、いただけれ ば幸いでございます。どうもありがとうございました。 ○寺野座長 どうもありがとうございました。  山井政務官、御意見ございますか。 ○山井政務官 遅くなりまして申しわけございません。この薬害肝炎の検証検討委員 会、本当に今日までの御議論に心より敬意を表したいと思います。本当にありがとう ございます。  この薬害肝炎の問題は、やはり厚生労働省の信用を失墜させ、命を守るはずの国が 本当にこれだけ命を粗末に扱っていいのかという、国民の中に強い強い疑念を巻き起 こしたと思っております。そのことを教訓にして、二度と薬害を再発させることがな いようにということで、委員の先生方に今日まで議論をしていただきました。しかし、 今も長妻大臣からお話がありましたように、まさに今、皆さんが最終段階でおまとめ いただきつつある最終提言をいかに厚生労働省がしっかりと受けとめ、それを実行に 移せるか、これこそが本当のポイントだというふうに私たちは思っております。  また、今回、このような貴重な御議論をいただきましたけれども、薬害肝炎の被害 者の方々はまだまだ多くの方々が御病気で苦しまれ、ますますこれからまた御病気が 重篤化される方もおられるわけで、その意味では、薬害の再発防止ということととも に、薬害肝炎の方々がどうやってしっかりとした治療を受けられるのか。また、どう やって差別をなくしていけるのか。そういうことも重要な論点だというふうに思って おります。更に、もっと広く言えば、薬害肝炎の原告団の方々が運動されたのは、薬 害肝炎のみならず、やはりすべての肝炎の方々が適切な治療を早期に受けられて、し っかりと人生を生きることができる、そういう狙いをもって薬害肝炎の原告の方々も 訴訟を闘われたわけでありますので、今回の議論を通じて、薬害の再発防止のみなら ず、私たち肝炎の対策協議会も、肝炎対策基本法に基づいて、新たにこの春からスタ ートさせていただきますが、そこでの治療体制の整備というものもしっかりと取り組 んでまいりたいと思います。これからまた引き続きいろいろなことで御指導をいただ きたいと思います。誠にありがとうございます。 ○寺野座長 どうもありがとうございました。大臣、政務官ともに国会中ですので、 大変お忙しいということで席を外されますが、この最終提言はまた改めてまとめまし て、私の方からお渡しいたします。何といっても、この提言を薬害の再発防止という ことに活かしていただきたいということで、これは我々委員はじめ、みんなでフォロ ーさせていただきますので、そのつもりでお聞きおきいただきたいというふうに思っ ています。  坂田委員。時間がないから簡単にしてください。 ○坂田委員 大臣、済みません、一言お願いします。大臣にお願いです。提言を1つ 1つ具体化していただくということがまず大前提ですが、大臣だったら必ずやってい ただけると心から信頼しております。そこの点じゃなくて、関心はそれよりも、いわ ゆる厚労省内でおさまらない問題というか、そこら辺をぜひ閣議で頑張っていただい て、政府全体として理解していただくよう働きかけていただきたいと思います。その 点、大臣を信頼してよろしいのでしょうか。その点の決意を、一言でいいのでぜひよ ろしくお願いします。 ○長妻大臣 貴重な御指摘、ありがとうございます。この中で、政府全体で取り組む べき課題というのもあると思いますので、これは閣僚懇談会などの場で、そういう必 要があれば積極的に発言をしていきたい。そして、それを政府全体の取組にもしてい きたいと思います。 ○泉委員 大臣と政務官の方にお願いしたいのですが、私たちは後半部で二度と薬害 を起こさないための監視機関についてだいぶ話し合ってきました。これまでの何人か の大臣、そして厚生労働省は、薬害を二度と起こさないように約束しますと言ってき て、そして、今まだ続いている現状があります。その薬害を防止するためには、第三 者機関を設立するという大切な話をここの委員会で決めましたので、その実現に向か って、私たちがどういうふうにやってくださるかを見ていきたいと思いますので、提 言を提言だけでおさめるのではなくて、ぜひ実現をすべき行動を起こしていただきた いと思います。よろしくお願いします。 ○寺野座長 これはみんなの願いですので、よろしくお願いします。  それでは、時間もありませんので、大臣、政務官、本当にありがとうございました。 これが最終でございますので。 ○長妻大臣 長きにわたってどうもありがとうございました。これからもよろしくお 願いします。失礼しました。             (長妻大臣、山井政務官退室) ○寺野座長 そういうことで、その後のフォローの問題は皆さん、しっかり目を光ら せておかなければいかんということですね。一応お約束いただいたということになり ます。  では、議論を続けましょう。教育のことで間宮委員、提案しましたね。その辺に関 しては、今言ったように、また改めて出していただいて、それをまとめていきたいと 思います。できるだけ早くしてください。大平委員。 ○大平委員 今日、意見書で出させていただいたのですけれども、どこに入るのかと いうところがわからないところがあるのですけれども、薬害再発防止に取り組む中で、 やはり人を見ずして薬だけ追っていても、なかなか薬害再発防止につながらないので はないかというのが私の思いでありまして、被害者の救済の問題として、長期フォロ ーの問題などもきちんとしていくことによって、逆に薬害再発防止の意思の確認とい いますか、関係者、行政の方もそうですし、医療機関の方もそうだと思いますけれど も、こんな大変な被害を起こすんだということをきちんと確認していただく。そして また、それについて今後どういうふうに研究調査していくか。薬害を起こした患者さ んの人生、そしてまた、その後の命の保障とか、そういう問題も含めて、トータルで 再発防止の中に入れないと、なかなかそこは国、また規則とか、そういったところだ けでは見えないところがあって、そして、それが何度も何度も再発につながっている というような感じを私たちは受けております。  今日はサリドマイドの被害者のお話もありましたけれども、こういった被害の調査 について恒久的にやっていくということを、できれば薬害資料館の研究のテーマの中 に入れていただくかどうするかというところは、少し事務局の方で検討していただい て、もし差し支えなければお返事をいただきたいというふうに思っております。  それから、HIVの被害者の中から、薬のリスクの被害の情報について、アクセス の仕方について、以前、意見を述べさせていただいたことがあるのですけれども、今 日の堀内研究班の中でも、これは対象が違うのですが、FDAがかなり患者さんのい ろいろな意見を大幅に取り入れる工夫をやっている、そういった報告もありました。 そういった報告を日本ではどういうふうに生かすかというところは、ここの報告書の 中ではなかなか書き切れていないところがありますので、そういったリスク管理と、 それからまた、患者からの声をどういうふうにきちんと拾って、それを安全情報、安 全対策に反映するかということをぜひ盛り込んでいただきたいというふうに思って おります。  以上です。 ○寺野座長 皆さん全員の御意見を述べることができなかったのですが、それもでき るだけ事務局としては読ませていただいて、その中に入れてあるはずですが、足りな いと思われるのは、後で言いますが、最後にまたお配りしますので、それに加えてい ただければ、私の方に任せていただければと思います。  そのほか。水口委員。 ○水口委員 たぶんメールのやりとりでは調整が難しいかと思われる点に絞って。資 料2−1の46ページの一番下の点です。人材活用の点ですけれども、「このため、 同じ目的と使命感に立った上での人材の活用が重要であり」ということで始まる文章 ですけれども、ここは高橋委員と私とがそれぞれ意見を出させていただいている部分 です。もしこの形の文章でやるのであれば、「一方、・・・必要であるとの意見があ る。」というところは、「ただし、・・・対応が必要である。」という形でまとめて いただくか、あるいは、私が意見書で申し上げましたけれども、ここは一般論として はいいのですが、企業出身者の就業制限の論点については、ここでは意見がさまざま あったわけですから、その辺ちょっと配慮した書き方をしていただくという意味で、 むしろ第一次提言のように、こういう意見とこういう意見があったという、あの第一 次提言の文章をむしろ残していただくことで御願いしたい。この文章でいくのであれ ば、「一方、・・・意見がある。」と片方だけが何か付け足しのようになっている点 が若干気になるので、理論的にもちょっと矛盾しますから、「ただし、・・・対応が 必要である。」で止めていただくか、そのどちらかでお願いできればというふうに考 えています。ここは高橋委員も御意見があるところだと思いますし、これはメールで やりとりして事務局が調整できるという問題ではないと思いますので、ちょっとここ で問題提起させていただきます。 ○寺野座長 高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 私の方からは意見を出させていただいていまして、46ページのところの 「なお」書き、もとの形に戻した方がいいんじゃないかというような意見を述べさせ ていただいております。今、新しく書かれたことについても、これはこれで私はいい とは思うのですが、アンケートで人材交流についてはいろいろ意見が出されていまし たので、前の第一次提言の形のものに戻した方がいいと私としては思います。 ○寺野座長 46ページから47ページに関しては、47ページは意見、46ページは第一 次提言は中間報告ですので「引き続き検討する必要がある。」となっていると思うん です。ですから、これを「慎重に対応すべきである。」とか、こういう形で出すので しょうか。水口委員、それでいいんですか。 ○水口委員 ですから、もしこの文章でいくのであれば、「ただし、・・・対応すべ きである。」という形にしていただくというのをお願いしたいと思います。 ○寺野座長 「・・・という意見がある。」というのではなくて、そこも公平にとい うことですね。事務局、その点いいですか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。調整いただきましてありがとうございま す。そうしましたら、ここにつきましては、原文でいくのであれば、「ただし」でス タートしまして、「慎重な検討と対応が必要である。」ということですね。もしこれ を原文に戻すということであれば、現在削除している「なお」書きの46ページのち ょうど真ん中より下ぐらいになりますけれども、「なお、製薬企業出身者の活用や製 薬企業との人材交流」云々というところを「引き続き検討する必要がある。」と、4 行ございますけれども、これを今の「一方」から書いてあるところに置きかえるとい う、そういう御提案というふうに考えればよろしいでしょうか。 ○寺野座長 いいですね。 ○水口委員 結構です。 ○寺野座長 それでは、そういう形でお願いします。 ○安全使用推進室長 はい。 ○寺野座長 間宮委員。 ○間宮委員 提言と直接関係ないんですけれども、 大平委員の意見書が配られてい るので、ちょっと訂正をさせていただきたいのですけれども、サリドマイド被害者の 7割は亡くなっていなくて、一応 309名が認定されて、そのうち 300名は少し切っ ているのですけれども、1割もまだ亡くなってはいません。それから、年間2人以上 というのも、そんなに毎年は亡くなっていません。それと、薬害被害による体の内部 の臓器障害とか、特有の心身障害の負担からきて死んでしまうということではないと いうか、それは言えないんですけど、なぜ原因なのかということはわかっていないの で、むしろそれをちゃんと調べていただきたいという調査をしてやっていただきたい というお願いですが、一応訂正しておきたいので、皆さんも書いておいてください。 よろしくお願いします。 ○大平委員 済みません、一方的なあれで申しわけないです。訂正させていただきま す。 ○寺野座長 花井委員。 ○花井委員 ひっくり返すような話ですが、先ほどの論点で薬事法に「薬害」を定義 すべきという話ですが、私、これは載せるべきではないと思います。後から基本法と の整合があるのであって、「薬害」の定義について話せと言われたら私は1時間ぐら い話したいのですが、そういう場ではないと思いますので。そもそも薬事法に実装で きる定義なのかどうかというものが薬害の問題点として存在していますので、基本法 のステータスもありますから、ここで「薬害」を薬事法に定めろといいつつ、後から 基本法もできればやれとなっていますよね。そうすると、ここで薬事に関してのステ ータスをここまで現実に薬害を定義し、更に1条の項目の変更がここだけ細かく踏み 込んでいるんですよね。これはちょっと不自然なので、もし皆さんの合意があれば、 薬事法に「薬害」を定義するということ自体を外していただいた方がいいので、私は 個人的にはここに定義すべきではないと思います。むしろ「薬害」という問題は薬事 法に定義不可能じゃないかと思うんです。たぶん皆さんも御意見あると思うのですが、 ここまで薬事法の改正について踏み込んで記述する必要があるのかと思うので、今さ らと言われるかもしれませんが、さっきの小野先生の議論が宙吊りになっていました けれども、ここでやはり「薬害」を薬事法に定義するという記述自体を外すというこ とでどうかなというふうに思います。話を戻して申しわけございません。 ○寺野座長 小野委員、どうですか。おっしゃるのはよくわかるけれども。 ○小野委員 私は、書いたらいいというふうに言っていないし、書かない方がいいと も言っているわけではなくて、これはもちろんどなたかの御意見だと思うのですけれ ども、まさにそこが論点ですよね。 ○花井委員 後で基本法が出てくるんです。ここだけ読むといいんですけど、基本法 が出てきて、基本法を薬事法の上に乗せようというのもこの報告書の中に書いてある ので、そことの整合性がちょっと微妙かなという気もしますけれども。 ○小野委員 そこはまさに私も同じ意見で、ここに書くと大変なことになるぞという、 恐らくみんなが共有している意識はあるのですが、ただ、これを翻訳して外人に見せ たときに、定義なしでよく議論したなと言って呆れられるのも、済みません、全部の 方から嫌われる意見を言っていますけれども、真実ではないかと思うので、1つ提案 ですが、この報告書においては、極めて広い意味で、いろいろな観点を踏まえて「薬 害」というのを書いたというようなことを、どこか下に注記でもいいですし、定義の ところでもいいのですか、一言書いておくぐらいのことはしておいていいんじゃない かと思うのですが、それもしない方がいいというのであれば、つまり外人に笑われる のは平気だということなら、それで結構です。私はどちらでもありません。ニュート ラルです。 ○寺野座長 でも、笑われるのは嫌だと。だから、やはりある程度は、薬害そのもの の定義は難しいけれども、広義の意味での「薬害」という形でこの提案では扱うとい うことは確かに文章に1つ入ってもいいですね。 それは、その中で工夫してくださ い。いいですか。「薬害」をすると、花井さんだけじゃなくて、みんな1時間ぐらい 話すので。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局ですが、確認ですけれども、先ほどの御意見で、 定義そのものを書くのではなくて、広義として、こうこうこういう観点からというよ うな御趣旨だったと思うので、それを何らかの形で入れるということと、あと花井委 員の方からは、「薬事法に明記する」というのは落としたらどうかという御意見だっ たと思うので、そこも採用するということでよろしいでしょうか。 ○寺野座長 その点は、今までの議論が足りなかったことは認めますけれども、最終 とはいいながら、そこはこの委員会としては十分に認識しているということだけはや はり示しておく必要があるということですね。それがわかるような形の表現で。ここ はできるでしょう。  議論は確かに宙吊りになって申しわけなかったけれども、そのほかの議論をどうぞ。 水口委員。 ○水口委員 資料2−1の63ページですが、ここの(8)「個人輸入」の2つ目のポチ がある部分ですが、ここはやはり修正する必要があると思います。これは、未承認の 医薬品については、特に高い医薬品について医師の協力を得て云々というふうに書い てあるのですが、積極的に副作用情報を収集して公表という意図で書かれた文章だと いうことはわかるのですが、ちょっと誤解を招くかなと。というのは、今の薬事法上、 医師の副作用報告義務が77条の4の2で記載されていて、これは別に承認薬に限定 されているわけではないんですよね。ですから、ここでこういうふうに書くと、何か 未承認薬品について既にある法律の義務設定になっている部分をかえって緩めるよ うな変な誤解を与えると思うので、ここの記載はちょっと調整する必要があるかなと。 任意の協力の必要の部分と義務の部分、それは薬事法に明確に記載してありますけれ ども、ここは一緒くたになってしまっているので。特にリスクが高い薬品と限定する 必要もないし、義務がある部分もあるので、それを協力だけお願いごとにする必要も ないということで、文章は修正するべきだろうということで、一応私は意見書の方で 提案させていただいていますが、御検討いただければ。その辺は委員の皆さんの御意 見も確認したいと思います。 ○寺野座長 今の水口委員の御意見はいかがでしょうか。どなたかございませんか。 今のとおりでいいかどうかですね。それについてはよろしいですか。大平委員。 ○大平委員 個人輸入については、未承認薬に絞った形の問題提起だけではなかった んじゃなかったというふうに思うんですよね。一般的に個人輸入が未承認薬以外でも 入っている。それから、海外の薬なのかどうかわからないですけれども、きちんとし た医薬品なのかどうかわからないけれども、たくさんいろいろなことが入っている中 で、医薬品がそういう対応の中で埋もれている。そういった問題点をたしか問題提起 されていて、未承認薬でこれがかなり医療機関が関与した未承認薬の話でしか限定さ れていないなというふうに感じるんです。ですから、医療機関以外で個人が、例えば 未承認薬にしてみても、自由に買える問題というのがどういうふうな規制ができるの か。そしてまた、ほかの規制以外のものとして何かできるのかどうか。そういった問 題をたしか提示したというふうに私は認識しているのですけれども。 ○水口委員 具体的な案ですけれども、資料3−2として意見を出させていただいた ところの6ページです。今の大平委員の意見も含むような趣旨になるかなということ で、3−2の6ページの8の(1)のところで、一部削除する部分と加筆する部分を 具体的に提案させていただきました。「特にリスクが高い医薬品について」云々とか、 「医師の協力を得て」というのをむしろ削って、そういう報告について積極的に対応 するだけじゃなくて、その他の安全対策についても、できるだけ可能な限りやってい くんだという趣旨の、こういう文章にしてはどうかということで提案させていただい ていますので、採用していただければと思います。 ○寺野座長 それはそれでいいですか。その点、事務局、意見がありますか。 ○安全使用推進室長 今の御指摘の部分につきましては、特に御異論がなければ、基 本的に委員の提案を採用させていただくという立場になろうかと思いますが、薬事法 に基づく医療機関からの報告の制度につきましては、これが個人輸入されたものまで 本当に医療現場の方々が隅々まで報告していただけるような認識になっているのか どうかというところも含めて、これは検討しなければならない課題だというふうに思 っています。そういうこともあって、ここでは「医療関係者の協力を得て」という形 を改めて書かせていただいたような趣旨もございましたので、そこは事務局の方から も1点つけ加えさせていただきます。 ○堀内委員 今のことでよろしいですか。 ○寺野座長 堀内委員。 ○堀内委員 特に未承認薬で個人輸入されているものについて、それはやはり輸入を する医師の責任で使うというのが基本だろうと思うんです。だから、それまで全部、 副作用情報を得て使うのが当然であって、それを行政の方から副作用情報を出せとい うのは少し筋が違うのではないかと思いますけれども。医師の責任でやることですか ら。 ○水口委員 それは、堀内先生は入口のところをお話になられているので、医師は、 自分が薬を使って、そこで副作用があったら、基本的に薬事法の規定に従って副作用 報告はする義務があるというふうに書かれていて、一定の場合ですけれども、この場 合の薬事法の医薬品ということの定義は、何も承認薬というふうに書かれているわけ じゃなくて、現にそういう扱い、製薬企業が海外で例えばEAPとか、いろいろな未 承認薬品を人道的に供給するシステムなどを持っているものを、企業が導入して医療 機関に提供する場合もありますし、いろいろな形態があるのですけれども、副作用報 告はやはり医療機関の医師としては、 自分が使ったところで起きたら報告する、こ れは全体にかかるという理解ですよね。厚生労働省は、先ほど認識が十分行き渡って いるかどうか不安があるので「協力」と書いたというふうにおっしゃっていますが、 薬事法の解釈として、そこはいいんですか。報告しなくていいと理解していらっしゃ るんですか。違いますよね。 ○安全使用推進室長 薬事法に書いてあることは、いわゆる健康被害発生を防止する 観点から、医療関係者が必要と認めた場合については報告していただく、そういう努 力義務がかけられているというものでございます。 ○水口委員 ですから、お伺いしたいのは、今の努力義務は承認薬だけに係るという のが厚労省の解釈ですか。違いますよね。 ○安全使用推進室長 これの運用に関しましての通知においては、「一般的に医療で 使われている医薬品」というふうな形で、各医療機関、医療関係者に対して報告を求 めているという仕組みになっております。 ○水口委員 薬事法に「承認薬」という定義はないんじゃないですか。 ○安全使用推進室長 薬事法は「医薬品」という形で使っております。というのも、 もともと医療機関報告においては、この1つ前の条文には、いわゆる企業からの報告 というのがあって、そこは自ら企業が承認を取得している医薬品に対してきちんと報 告義務がありますよと。医療関係者においては、特段、自分が承認を持っているわけ でも何でもありませんので、そこは「医薬品」というものは裸で使わせていただいて いる、そういう条文になってございます。 ○寺野座長 堀委員。 ○堀委員 法的な話はいろいろあるかと思うのですけれども、 逆に現場から質問と すれば、では、医師が別に協力しないと言っているわけじゃないし、ここは個人の責 任を追及する場ではないと思うので、例えば医師が全うに治療のために何か必要で、 個人輸入で使ったときに、それこそさっきの話じゃないですけど、これはもしかした ら、今は報告はあまりされていないけれども、みんなで共有するべき副作用情報かも しれないと仮に思ったときに、どこにどう報告するのかというのは今どうなっている のかというのがまずスタートだと思うのですけれども。 ○寺野座長 今の質問に関しては、当局の方は答えられますか。 ○安全使用推進室長 今の御質問ですけれども、それは先生の方で、その医薬品をお 使いになられて、やはり健康被害の発生とか、危害発生の防止のための必要性から報 告をすべきだというふうに御判断をいただいたものであれば厚生労働省に報告いた だきますし、それを我々は拒んでいるということでは決してございません。 ○水口委員 あまり細かい議論するつもりはないのですが、私、先ほどの説明はおか しいと思うんです。薬事法77条の4の1項は、ただの「医薬品」というふうに書い てある部分と、「又は承認を受けた」という書き方と両方があるんです。企業につい ても、承認された薬だけに限らない書き方をしているし、ましてや医療機関について は、承認の有無にかかわらず、ただ単位に「医薬品」と定義しているわけですから、 そこはそういう理解じゃないとおかしいと思いますし、ここは厚労省とやりとりして いてもしようがないのですが、少なくともこの委員会としては、より積極的な報告を 求めるということを。薬事法の解釈についてひょっとしたら厚生労働省の解釈と少し 違うのかもしれませんが、誤解のないように表現を調整するということにし、その配 慮をしながら、表現を調整するということについて、ここで確認をとっていただくと いうことでどうでしょうか。 ○寺野座長 細部にわたってと言われると、みんな専門的なこと、法的なこと、薬事 法の77条云々と言われてもわからないのは確かですが、これは「未承認」という言 葉を入れるのかどうかということなのかなと思っているんですけれども。その辺は水 口委員の見解と事務局の見解と調整していただきたいんですよね。間宮委員。 ○間宮委員 これはサリドマイドの問題で通過してきた話なんですよね。サリドマイ ド未承認の状態で、ものすごく個人輸入されている、これは問題でしょうということ で、我々サリドマイド被害者から、ちゃんと把握してガイドラインをつくってくれと か、いろいろお願いして、それができたわけですよね。更に、サリドマイドの、今は 承認されましたけれども、まだまだ薬監の問題などで個人輸入する人がいる。その場 合は、個人輸入の薬監証明を出すこときに登録するというシステムをつくろうという ことでやっていますよね。それはできたんですか。 それができたのだから、それと 同じようなものを、私の意見では、特に高いリスクが予想される医薬品とか、がんと か、そういう亡くなってしまう可能性があるような方に使う場合は、使うというのを、 薬監証明を出すときに、当然、どこの某の先生が入れるんだということはわかり切っ ているわけだから、それを登録して、その先生方から情報をもらうとか聞くというこ とをしてくださいとした方が、それで、積極的に情報収集すべきだということを意見 として前回のときに出したのですけれども、それも全然入っていないので、それも含 めて入れてほしいということです。サリドマイドの登録システムについては、今はど うなっているんですか。 ○安全対策課長 間宮委員がおっしゃっている登録のシステムというのは、Safety Management for Unapproved Drugsの略の「SMUD」というシステムのことをおっ しゃっていると思います。これについては、今年度の国の予算で、NPO法人に事業 の委託をして、そして運用を始めるということで進めております。本格稼働をこの月 末にするということで通知もしておりますので、そのようなシステムで、まずサリド マイドは動かすというところまできているわけですけれども、やはりそういうシステ ムがどのぐらいちゃんとうまく運用できるのかというところの実績をもとにして、も う少しほかの薬剤でもできるかどうかというようなところは次の取組というところ かなというふうに思っているのが現状です。  ここで可能な限り承認薬と同様の規制をやっていくというふうにおっしゃられて いることについて、現状はどうかといいますと、まず承認薬について責任を持ってや るというところの体制整備を一生懸命やっているという現状があるところで、更に未 承認薬のところまで手を広げるというところに更なる課題を求められているという ふうな理解もありますし、その一方で、サリドマイドのように非常にリスクの高い薬 が、未承認薬といえども大量に入っているというような事態に対して、手をこまねい ていてはいけないでしょうということもまた当然のことです。ですから、そういう取 組は、特にリスクの高いものからやってきているという現状があるので、それをある 程度体した格好で表現をしていると私は理解をしております。  ただ、特にリスクの高いものだけしかやらないというふうな格好ではまずいですよ というのが水口委員のおっしゃっているお話だというふうにも思いますし、現状から 一気にそれを全部やれという話はかなり大変だなというふうに思うのが正直なとこ ろなので、そこは対応が、今できるキャパというのも考えると、一気に全部そこまで やるのに、一定の準備と検討が必要だというようなところを少し考えていただけると いいのではないかというふうに思うところがございます。 ○間宮委員 未承認で個人輸入というのは何かブームみたいな流れがあると思うん です。これが効くんじゃないかみたいなことが外国で噂になって、それが今はインタ ーネットですぐ情報がくるので、そういうのでワーッと入ってくる。サリドマイドな どでも、最初は15万錠というのが一気に五十何万錠となったわけですよね。そうい う流れがあるわけで、そういう流れもやはり厚生労働省はウォッチして、こういう流 れがあるというのを見て、その上で問題があるんじゃないかというのを薬剤に対して 調査するとか、情報収集するということが大事じゃないかと思いますので、何でもか んでもやれということではない。ただ、特にリスクがありそうだ、もうわかっている というものについては、野放図に使われないように、 お医者さんだったら誰でもレ ベルが一緒かといったら、そうではないわけで、そういうレベルの違いによって患者 さんがリスクを負わなくてはいけないというのは問題ですから、それは、そういう資 格というか、専門医に限るとかということをやって、それで登録して、どれぐらい使 われているのかということ。それから、使ったときに使用実態がどうなのかというの を把握すべきではないかということを言っているわけなので、何でもかんでもやれと いうことではないということで御理解いただきたいのですけれども。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 厚労省の方にちょっとお伺いしたいのですが、電子的なデータベース化を 行うという中に「薬監証明によって使用実態を把握する」と書いてありますが、それ で使用実態が把握できるかどうかをどのようにお考えですか。 ○監視指導・麻薬対策課長 来年度の予算ということで薬監のデータベース化という ことを進めております。もちろん、データベースだけではなくて、実際に入っている ものがどういったものかというのを把握して、先ほど間宮委員がお話しされたように、 一体どういうものが実態として入ってきているのかというのをまず把握した上で、行 政としてどういう対応ができるかということは、もちろんその中の検討の視野として は考えていきたいと思っております。 ○泉委員 その場合ですけれども、輸入ですと財務省の関税局の扱いになりますけれ ども、そことそういうお話はできているのですか。 ○監視指導・麻薬対策課長 関税局は、実際には税関限りで入るものと薬監証明をす るというものがありまして、一定のルールの中で、税関限りのものがございますので、 それを全て薬監証明の形にするというのは非常に不都合も起きますので、まずは、現 状の中でデータベース化を進めていって、それで問題があるようなもの、今現実に問 題になっているようなものについては、例えばサリドマイドの問題ですけれども、1 品目であっても薬監証明するような形にしておりますので、これは現実的な世の中の 通関業務の中であまり混乱が起きないような形で、問題があるものについては税関と 協議をしながら確認するべきものは確認するような形にしております。 ○泉委員 それでは、税関というのは、関税局の現場部隊ですよね。未承認薬は個人 の輸入は厚労省の方から認められている通知を、医薬食品局の局長の名前で、関税局 長あてに出されています。そして、違法というか、違反な薬もズラッと一応は出され ているのですが、現場の税関はそれを見る時間がないから、とりあえず個人の輸入で あって、30日、それは関税法の中にちゃんと入っていますので、それは認めてしまっ ている。つまり、個人の方がどういうふうに使ったかというデータベースは、厚生労 働省の方にも、税関の方にも残らないんです。税関の方に残らないのは、個人の場合 のコード番号がないからです。そこを何とかすべきかなというのは、 実は今、個人 の輸入という話になりましたけれども、個人の輸入の大もとは、日本の国内か海外に ある未承認役の並行輸入を請負いますよという輸入代行会社が個人の名前で入れら れることを、例えば薬監証明であればお医者様の名前にし、そういう形で法人化した 代行会社は入れていないんです。ほとんど入れられませんので。そうすると、個人の 名前で、例えばキショウ症の病気の方はずっと使っていかなければいけないから、そ れをいろいろ頼むと高いから、やはり個人で入れていく。だけど、そういうデータも とるとしたら、先ほどサリドマイドの方はSMUDという形で残すというお話があっ たけれども、やはり税関当局とお話しするときに、もう少しデータが残るような形に しないと、輸入ですから、船の場合はそんなに大量に入ってこないからないでしょう けれども、郵便局でも外郵に税関がいますよね。そして、空港、あと国際宅急便。そ れぞれ全部が税関に係るわけでけれども、税関は統計をとっていない、わからないと。 これは私、東京税関で実際に先日聞きましたけれども、そういうお話であるわけです。 ですから、データベースをつくるのであれば、薬監証明以外に、個人でどういう形で 入れているかを何かの形でデータで残す、それを当局同士でお話になられたらもっと いいデータベース化ができると思うのですが、いかがでしょうか。 ○監視指導・麻薬対策課長 薬事法の今現状の限界というのもございますので、その 中の範囲は理解しながら、やはり今のような問題については、まず現状の中でデータ ベース化していきながら、問題があるものについては、やはり1個ずつでも確認する ような形でできないかということは既に今までも検討していますし、これからもそう いった問題意識を持って考えていきたいと思っております。 ○寺野座長 では、いいですね。個人輸入も重要ですけれども、そのほかにも議論す る点があるかと思いますので。高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 私の方からは何回か意見を出させていただいているのですけれども、 「添付文書の在り方の定期的な見直し」というところについては、以前から、見直し というのは適宜に迅速にという形で話をしているわけなので、ここだと「定期的」と いう言葉がそのまま残っています。後で「迅速性の確保にも留意しながら」と書いて ありますけれども、何かこの言葉でごまかされているようですが、やはり「定期的」 というところについてはぜひ削除をお願いしたいと思います。  それから、55ページ、再評価のところのポツの3つ目のところで、新たに加わった 欧米の制度等を参考にというところです。これについても意見を出させていただいて いますけれども、添付文書については、今、中で話しているように、適宜迅速にとい うところですので、定期的な見直しをするような制度ではない。それは必要ないんじ ゃないかということと、承認に関わる内容についての見直しについては、当然、今、 再評価制度というのが実際行われていることですので、わざわざこの文章について記 載する必要はないと考えています。  以上のことです。 ○寺野座長 これは、これはどうでしょうか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。ちょっと説明をさせていただきます。今、 高橋委員が御指摘の添付文書の定期的という部分につきましては、これは昨年度の研 究班の報告書で御提案をいただいた部分を反映させていただいている部分でござい ます。 これは、決して通常の添付文書の改定を必要に応じてどんどんやっていくと いうことに置きかえるものではなくて、それプラス定期的にもきちんと見ていこうと いうことで研究班から御提案をいただいているものだと思いますので、そういった意 味では、高橋委員の御指摘は誤解をされているのではないかというふうに事務局の方 では思っております。  あと、再評価につきましても、ここは、この研究班の昨年度の報告書の中でも、定 期的に承認内容を確認するような仕組みが必要だということを御提案いただいてい る中で書かせていただいている部分というふうに事務局の方では理解しております。 ○寺野座長 よろしいですか。高橋委員。 ○高橋委員 それは、要するに、例えばやり方としては、それでは定期的な時期がこ ないと添付文書を変えないという変な形をとる可能性もありますので、そういう形よ りは、定期的ということをわざわざもう一回繰り上げてまた同じことをやる必要はな いというふうに思いますので、今ある内容にプラスして定期的な見直しというのをす る必要はないと思います。 ○寺野座長 堀内委員。 ○堀内委員 昨年報告した方ですけれども、必要に応じて迅速に添付文書を改定する、 これは当たり前のことだと思います。しかしながら、なかなか添付文書の見直しとい うのができない、されていないという現状があるだろうと思います。実際に見ていて も、そういうように思います。再審査とか、そういうときに添付文書も出てきますけ れども、十分でないものがたくさんある。したがって、一定の時間ごとにやはり見直 しを行って、添付文書というのは私自身は公文書にすべきだということを申し上げて いますけれども、それは置いておいても、医薬品についての一番基本になる文書は公 的な文書ですので、やはりそれを定期的に見直すというのは極めて重要だというよう に考えて提案をしているところですので、その現状もぜひ御理解をいただきたいとい うように思います。 ○寺野座長 この点は。清水委員、どうぞ。 ○清水委員 とにかく、いろいろな医薬品がたくさんあるわけです。ですから、既に 定期的という対象になっているのか、なっていないのかわからないようなものもある のではないかと思うんです。したがいまして、必要に応じてと同時に、全ての承認さ れている医薬品が定期的に再評価されるということは必要なことではないかと思っ ています。私の領域で今一番頭を悩ませているのは、静注用の免疫グロブリンが本当 に重症感染症に効くものかどうかという問題があります。ところが、重症感染症とは 一体何だと。さっきの定義の話じゃないですが、「重症感染症」という定義は医学的 にないんです。どの分野について見ても、ないんです。医学辞書にもありません。だ けど、IVIgGについては重症感染症という訳のわからないところに使われていて、適 応ありということになっているんです。したがって、本当はIVIgGの使用指針という ものをつくりたいのですけれども、 保険で重症感染症に使えるということになって しまっているものですから、なかなか研究を客観的に遂行することができないという ジレンマに陥ってしまっているような問題もありますから、当たり前に思っているこ とであっても、本当にこれでいいのかということを随時のほかに定期的に見直してい くということはやはり必要なことではないかと思っております。 ○寺野座長 どうなんでしょうか、この「定期的に」というのを、そういう形で随時 というのは当然のこととして、「定期的に」を入れる。添付文書の方も改定するとい うふうなことに関しては。 ○清水委員 それで、定期的に見て、これは問題ないといったら、そのままパッパッ とやっても、別にそれは特に問題がない限りにおいてはいいのではないかと思うので すけれども、やはり何かこういう問題が起こってきたということが定期的に見直すこ とによって掘り出されるというところもあるのではないかというふうに思います。 ○寺野座長 高橋委員、どうですか。水口委員。 ○水口委員 文章がちょっとわかりにくいのです。高橋委員の御指摘は、迅速に反映 されるべきだということについて、それが定期的とすることによって、かえって遅く てもいいんだというふうになるといけないということなので、そこは、まず迅速に反 映されるべきだということは当然だということを一応確認した上で、その上でという 書き方にしたらどうなんでしょうか。それプラスは難しいですか。今のほかの委員の 方の御意見だと、迅速に反映させるのは当然のこととして、しかし、現実にはそれが できていないことがあるので、それを定期的に点検できるような仕組みを持つという ことをきちんと書くべきではないかという御意見だと思うのですが。 ○高橋委員 第三者組織もそうですけれども、ないよりはあった方がいいという制度 ですので、実際そこを本当に盛り込む必要があるのかどうか。実際、定期的にやるよ りも、迅速的という話を前からさせていただいていますので、わざわざそういう制度 をまたプラスしてやる必要が本当にあるのかどうかというところが私としては疑問 があります。 確かに、現実そうじゃないものもたくさんあるじゃないかという堀内 委員の御指摘も当然わかってはいますけれども、そういう形で、屋上屋という言い方 はよくないかもしれませんが、また同じような制度をつくったとしても、結局、本当 に生かされるのかどうか。ただ単に制度があって、見過ごされてしまえば全く同じこ とですので、本当にそういう制度が必要なのかどうかというのは疑問はあります。 ○寺野座長 これに関しては、文章の問題になるんですけど、迅速性の確保に留意し ながら定期的にということで、その迅速性の担保的なものとして「定期的」というの を入れているんじゃないかとは思うんですけれども、ちょっと文章の問題で誤解を受 けるのかもしれませんね。この辺の表現を変えれば、定期的そのものは入れさせてい ただいた方が、堀内研究班の方でも主張されておりますので、それは誤解を受けない ような形で入れさせていただきたいというふうに思います。事務局の方、よろしいで すね。 ○安全使用推進室長 結構です。あと1つ事務局から確認をさせていただきたいので すが、たぶん今日議論できるのが最後になってしまうと思いますので。先ほどの個人 輸入のところの文面を確定しておいた方がいいと思うのですけれども。 ○寺野座長 どこですか。 ○安全使用推進室長 個人輸入のところです。先ほど間宮委員から御指摘がございま したように、例えば水口委員の意見書で言いますと資料3−2の6ページでございま す。ここは、間宮委員からの意見書は、この下の部分ですけれども、特にリスクが高 い医薬品について、個人輸入をする医師を登録して副作用報告をきちんと実施してほ しいと。これは、当然、サリドマイドから出てくる話の延長線上としてきちんとやる べきだということでありますので、そこの意図を勘案して、「特にリスクが高い医薬 品については、個人輸入する医師を登録し、副作用報告を積極的に収集する」と。そ の後ろに、水口委員から御提案をいただいているような、「安全対策についても、そ ういった医薬品については可能な限り承認薬と同様に規制を行うべきである」という ように、両方折衷するような形ではありますけれども、間宮委員の意図を尊重すると、 そのような修文になろうかと思いますが、いかがでございましょうか。 ○寺野座長 いいですか。間宮委員、いいですね。では、そのようにしてください。 ○安全使用推進室長 ありがとうございます。 ○寺野座長 この部分は個人輸入をずいぶん議論していただきましたが、これは、コ ンパショネートユースは書いてあるけれども、ドラッグラグのことでクレームがつい てこともあるのですが、それはこの表現で大体いいですか。後で怒られたりすると嫌 だなと思うけれども、皆さんが御覧になって、まあいいだろうということであればそ れで結構だと思います。  時間もまいりましたけれども、そのほか全般的な御意見がありましたらどうぞ。 ○坂田委員 48ページの「薬害研究資料館の設立」ですが、独立記載していただいて 本当にありがとうございました。今後、厚労省としてこの件をどうされようと考えら れているのか。今後の段取りというのはございますでしょうか。 ○寺野座長 どうですか。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございますけれども、ほかのものも全てそう ですが、提言でいただいたものを、予算でやるものとか、制度でやるものとか、事業 でやるものとか、いろいろあるので1つ1つ検討していくということになりますけれ ども、これについては、事務的に考えておりますのは、来年度の予算の中で薬害教育 が1つ柱として立っておりますので、間宮委員からも再三御意見がありますけれども、 薬害教育をどういうふうにやっていくかとか、どういう材料をつくったらいいのかと いうのを議論いただくわけですけれども、集まっていただいて議論するような場をと いうふうに思っていますので、その場で今回御提案いただくようなものについても、 どういうあり方かとか、どういう活用のあり方があるかということを議論いただけた らありがたいというふうに思っています。 ○寺野座長 予算の問題もありますからね。 ○水口委員 私の意見書、資料3−2の7ページの9「第三者組織の創設」のところ ですが、ここは本当に一言ですが、「人選手続について透明性を確保し」という一言 を入れることを提案させていただきたいと思います。 第三者組織については、文言 も十分吟味して、私もチームの一員としてやってきたのですが、この段階で「透明性 を確保し」という一言を加えることを提案させていただくのは、実は、知らなかった のですが、平成21年9月の閣議決定で、例えば独法の役員人事については公募制が 入っているんですね。今回の第三者組織について全員を公募しなければいけないとい うわけではないと思うのですが、それも一応提案はしているのですが、結局、現状既 に行われている公募制の実態はどうかというと、公募はするけれども、選ぶのはその 省庁の誰が選んでいるかわからないし、選んだ最後の結論だけがポンときて、結局、 人選手続が闇の中である。そういう不満が既にいろいろ問題点として指摘されている ということを知りました。例えば国民生活センターの理事長の公募については33人 応募があったけれども、結局、最終的に結論が1人決まったとき、その過程がわから ないというような問題点が消費者団体等から指摘されているということも知りまし たので、もとの文意は、透明性を確保しつつ新しい仕組みをつくるということが文章 の中に入っているというふうに読めるかもしれませんが、そうであれば、わかりやす く一言入れておいた方が、この手続について規定した私たち委員会の趣旨が生きるの ではないかということで、念のためにこれを入れさせていただくということを提案し たいと思います。実質的には新しい提案ということではないだろうけれども、わかり やすくという趣旨で一言だけ加えさせていただくことを提案します。 ○寺野座長 この点は、今日、森嶌委員はご欠席ですが、一応前提としては、このワ ーキンググループのお申入れということは、ワーキンググループの報告書を全ての形 で採用するという形にしておりますので、新しく文章を入れるかどうかということに 関してはちょっと問題はあるかと思いますけれども。透明性ということで、これはど こに入れるんですか。 ○水口委員 「公募制を含め、透明性を確保し、新たな仕組みをつくる必要がある。」 と。 ○寺野座長 それは、透明性がある方がいいに決まっているわけで、一字一句変えな いことを原則にしていますけれども、そこは森嶌委員の了解を得て入れてよろしいか と思います。座長の責任で入れますから。よろしいですか。 ○水口委員 はい。 ○泉委員 薬害資料館のことについて少しお願いがあるのですが、簡単です。予算取 りが非常に難しいこともあり得るかもしれないし、そして、薬害の被害者の話を聞き ますと、幾つかの薬害被害者の中では、 貴重な資料が保管できない状況になりつつ あると聞きます。それで、1つの案としてですが、PMDAの一室などにそういう資 料を集めさせていただいて、どういう資料をどういうふうに使うかというようなこと ができるような場所を少し貸していただければよろしいのではないかというふうに 提案したいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。堀委員。 ○堀委員 蒸し返して大変恐縮ですけれども、個人輸入のところで確認だけですが、 最終的に折衷案で医師及び患者を登録して、あとは副作用報告制度の適用という水口 先生の文章をくっつけるといったことと理解したのですけれども、先ほど厚労省は拒 んでいないというふうにおっしゃっておりましたが、そうなると、登録はするけれど も、間宮さんがおっしゃりたいのは、情報を収集してくるというところまでおっしゃ っていると思うのですが、そこに関して、文章はきれいにつながるのですが、現状と 何が違うということをイメージしているのかがたぶん共有できていないように思う んです。登録だけして、そういう情報は出すけれども、結局、今も自発報告というか、 医師からの今の承認薬にもやっているような報告は拒んでいないのであれば、結局、 今と何が違うということをこの文章で言いたいのかがよくわからないので、これが最 終なのであえて蒸し返させていただいていますけれども、その点は、特に意見を出し ている方々は大丈夫なのかというのもあるんですけれども。 ○寺野座長 間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 もちろん、登録して、ただ単に報告を待っているということではなくて、 登録をしてもらったわけですから、それを使用実態も含めて積極的に厚生労働省の方 からアンケートなり何なり、そういう形でもいいですから、積極的に情報収集という か、使用実態の把握及びその公表をしていくということだと思います。 ○水口委員 先ほど口頭で言われた文章を私は理解が間違っていたのかもしれない のですが、基本的には副作用情報は積極的に収集する。これについては、特にリスク が高いものに限定するとかということはしないということで、そのうえで、特にリス クの高いものについては登録制度も導入して積極的にやっていく、私はこういう理解 で先ほどのお話を受けとめたのですけれども、違うのでしょうか。そういう趣旨の文 章にするということを確認していただければ、今とはだいぶ違って進歩するのではな いか。もちろん、可能な限り云々という点は、現状に合わせて可能な限りということ ですので、先ほど御指摘があった点も私は承知しておりますけれども、少なくとも、 今のような2つの趣旨が入る文章にするということだけ確認していただいて、後は文 字にしたものを確認させていただきたいと思います。 ○寺野座長 そうですね。事務局、いいですか。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。文章をもう一度先ほどのところに戻らせ ていただきますと、「特にリスクが高い医薬品について、個人輸入する医師等を登録 し」ということですね。これは、今現状やっている以上に一段高い形でお願いをする ということです。それに対して、副作用を積極的に医療機関から収集する。これは、 登録をすることによって、より積極的に収集ができるということでもありまして、そ れをまた分析・公表する。それで、可能な限り、承認薬と同様の規制を行うべきであ るというような文章で申し上げているかと思います。 ○水口委員 そうすると、副作用収集は登録した部分だけを想定している文章になる のですか。そうすると、私としてはちょっと承服しかねるというか、登録制度は特に リスクの高いものについて登録制度を設けて、それと、 登録しない、そこに漏れた ものについても、医師が現場で使って副作用があって、それは報告するべき部類に入 っている、薬事法で規定されているものに当たるようなものについては積極的に副作 用報告を集めるということで、登録システムと必ずしもリンクさせなくてもいいし、 それは別の話として2つ書くのかなと思ったのですが、違うのですか。 ○安全使用推進室長 別の話として書くわけではありませんけれども、要するに、リ スクが高いものについては、より積極的にそういう形で収集をさせていただくという ような御提案でいただいているものかと思います。 ○水口委員 違いますよね。 ○間宮委員 さっき言ったこととちょっと違うね。 ○清水委員 これは、個人輸入しているか、していないのか、それから承認薬であろ うが未承認薬であろうが、とにかく薬として使ったものについて副作用が起こったら 全部報告するということが大原則だと思うんです。ただ、個人輸入をやったりしてい ますと、国が承認もしていないのに、こっちが勝手に使ってうるさいことを言ってく るなというようなことは当然、現場の反発としては十分予測できると思うんです。し たがいまして、とにかく個人輸入しようが、承認されていようが未承認であっても、 とにかく副作用が起こったら報告してよこせという通知を全医療機関に一遍流して もらうということで、かなりの部分は解決がつくのではないかと思います。 更に言 うならば、そういうことを踏まえた上で、特にリスクの高いと考えられる医薬品につ いてはというように踏み込むならば、また話はわかるかと思うのですけれども。 ○寺野座長 その前提となるのが、特にリスクの高いものだけでなくて、それ以外の ものもということがその前提となるということの上に、特にリスクの高いものがある ような文章が必要だということですね。それは、佐藤さん、ちょっと工夫して。 ○安全使用推進室長 そうしましたら、個人輸入についても、「副作用報告制度を用 いて広く副作用を収集し」というのを前提としてつけた上で、特にリスクの高い医薬 品については登録というような、今の言い方の文言にするようなイメージでよろしゅ うございますでしょうか。 ○寺野座長 はい。ありがとうございます。では、個人輸入の問題はここで終わりに したいと思いますが、そのほかにどうしても議論しておきたいところを御指摘くださ い。  もしございませんようでしたら、この最終提言(案)を今日の議論に基づいて再検 討させていただきます。一応議論をいただきましたが、修正すべきところについては、 私も参加して、事務局と作業を行った上で、またでき上がったものを委員の皆さんに メールで御確認いただくということにしたいと思います。 ○清水委員 1点だけ。資料の68ページ、「製薬企業のモラル等」の一番下に「コ ンプライアンス」という言葉が出てくるのですが、「コンプライアンス」というのは、 我々の医療現場では、薬をちゃんと飲まない人はコンプライアンスが悪いと言うんで す。 ですから、「コンプライアンス」という言葉はいろいろな意味で使われますの で、ここは、どうしても使いたければ「法令遵守(コンプライアンス)」というよう に表現された方がいいだろうということで、そのほか幾つか言語の解説はあった方が いいかと思いますが、それも程度問題で適宜やっていただければいいと思います。 ○寺野座長 それは御指摘ください。今おっしゃったとおりで、我々医療者は「コン プライアンス」をまた別の意味で使っているので。  それでは、これで皆さんに最終案をまた一定期間後に御確認いただくことになりま す。その前に、字句の問題とか、いろいろございますでしょうから、気がついたこと がございましたら随時事務局の方にお知らせいただきたいというふうに思います。そ の確定できた段階で、できるだけ早急にしたいと思いますけれども、委員会の最終提 言として公表し、また、厚労大臣の方にこれを提出するということで、先ほど泉委員、 坂田委員からも言われましたように、ともかく2年間かけてつくったこの最終提言を 当局として最大実現させていただくということを特に強調したいと思いますけれど も、もちろんこの委員会が終わってしまうわけで、誰がフォローするのかという問題 は当然どの委員会でもあると思うのですけれども、これは、私ももちろん目は光らせ ますが、委員の皆さんもそれぞれの立場から、そういうことが実現されているのかど うかということを、それぞれの場所で、いろいろな委員会なり、会議があると思いま すので、御指摘いただいて、その検討をするようにということを言っていただきたい というふうに思います。  ともかく、2年近く大変精力的な御議論をいただきましてありがとうございました。 私も、第1回が平成20年の5月23日から始まって23回までございますが、最初は 1年だけという約束でなったつもりが、2年やってしまったんですけれども、私自身 も、さっきちょっと恥をかきましたけれども、「薬害」そのものの定義という問題は あるかもしれません。私は消化器の医者ですけれども、胃腸の方が中心で、肝炎はも ちろんやっていますけれども、清澤先生ほど詳しいわけではないですけれども、一応 こういう形でやらせていただきました。本当に至らないところが多くて、ずいぶん恥 もかきましたし、よけいなことも言いましたけれども、最初はしゃべり過ぎと怒られ たんですけど、後の方はできるだけしゃべらないようにということで、あまり自分の 意見を出さないようにやってきたつもりです。  そういうこともありまして、ともかく皆さんの本当に真剣に薬害の再発を絶対に許 してはならないという情熱に動かされまして今日まできたと思います。本当に長い間、 御苦労さまで、1人1人の方にお礼を申し上げたいのですけれども、たくさんの方が いらっしゃいますのでまとめてのお礼といたしますけれども、 本当に御協力ありが とうございました。皆さんで集まって議論する機会というのはこれが最後ということ になります。今後、この提言が実現されていくように強く望みまして、この委員会を 終わらせていただきます。ずっと傍聴していただきました皆様にも心からお礼を申し 上げます。また、委員を中心として、これが実現するように最大限努力します。また、 事務当局の方も真夜中まで大変だったと思うのですけれども、本当にありがとうござ いました。お礼を申し上げまして、この委員会の最終回といたします。どうもありが とうございました。(拍手)  何か事務連絡があれば言ってください。特にないですか。  それでは、先ほど言いましたように、何か御意見があれば、メールなり、ファック スでいただきたいと思います。ありがとうございました。   (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)