10/03/17 第3回救急救命士の業務のあり方等に関する検討会議事録 第3回救急救命士の業務のあり方等に関する検討会 日時 平成22年3月17日(水) 16:00〜 場所 厚生労働省共用第8会議室(6階) ○中野専門官 定刻になりましたので、ただいまより第3回「救急救命士の業務のあり方 等に関する検討会」を開催いたします。本日はご多忙のところをご参集いただきまして、 誠にありがとうございます。本日の司会は救急医療専門官の中野です。どうぞよろしくお 願いします。本日の出欠状況ですが、樋口委員と葛西委員より、ご欠席との連絡をいただ いております。  続いて、お手元の資料の確認です。1枚目「席次表」、次が「議事次第」、「開催要綱」 です。資料1「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会報告書(案)」。参考資料1は 1枚紙で「救急救命士の処置範囲の拡大に関する実証研究(イメージ)」、参考資料2「病 院前救護における輸液についての文献的考察(野口研究班提出資料)」、参考資料3は郡 山委員提出資料、参考資料4は日本医師会石井委員提出資料、参考資料5「第2回検討会議 事録」。机上配布のみで、ピンクのファイルに第1回と第2回の資料を配布しております。 資料の不足等がありましたら、事務局までお申し付けいただければと思いますが、よろし いでしょうか。  まず初めに、医政局長の阿曽沼より、一言ご挨拶を申し上げます。 ○医政局長(阿曽沼) 医政局長の阿曽沼でございます。本日は年度末でご多忙のところ、 「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」にご出席いただきまして、大変ありがと うございます。  救急救命士制度につきましては、救急医療の中でも、病院前救護の充実ということで、 平成3年に作られ、すでに20年近くが経過いたしました。  救急救命士の資格を有しておられる消防職員も2万人を超えておりますし、その救急救 命士を含めて運用している救急隊の割合も9割を超えており、国民の間に救急救命士制度 も、十分定着してきているのではないかと、私どもは考えております。  また、これまでも救急救命士の教育体制あるいは指導体制などの充実を条件として、気 管挿管の実施、アドレナリンの投与など、救急救命士の処置の範囲の拡大を行ってきてお り、救急救命士の役割はますます重要なものになっていると私どもは考えております。  こうした中で、さらに病院前の救護を強化するという観点・見地から、本検討会におい て、血糖測定と血糖補正の実施など、救急救命士の処置範囲のさらなる拡大についてご議 論いただいているところです。  本日は、報告書のとりまとめのご議論をお願いすることとしておりますが、より良い報 告書となりますよう、忌憚のないご意見をいただければと思っておりますので、よろしく お願い申し上げます。簡単ですが、冒頭のご挨拶に代えさせていただきます。 ○中野専門官 ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思いますので、カ メラはここまでとさせていただきます。  これより後は島崎座長に議事の進行をお願いしたいと思います。島崎先生、よろしくお 願いします。 ○島崎座長 第3回の検討会ということで、医政局長からお話がありましたように、報告 書のとりまとめということにいたしたいと思います。進め方ですが、前回の検討会の議論 を踏まえて、報告書案が提出されておりますので、まず報告書案について、最初に事務局 から説明を受け、さらに前回の検討会での宿題事項を野口宏委員からご説明いただいて、 そのあと報告書案の議論をしていきたいと思っております。  各委員から出されております資料については、報告書案の議論の中で適宜説明していた だければと思います。では、事務局から報告書案についての説明をお願いします。「実証 研究のイメージ」についてもお願いします。 ○中野専門官 それでは、事務局から資料の説明をします。まず検討会の報告書(案)に ついてです。この検討会の報告書(案)については、研究班の報告書を基にして、第1回、 第2回の検討会での議論を踏まえた上で島崎座長とも相談させていただいて、事務局で策 定しております。  基本的な方向性としては、現在検討中の三行為については、救急救命士の処置範囲に追 加する方向で検討することにしておりますが、いざオーケーとなっても、いきなりという ことはできず、体制整備とか、教育体制とか、いろいろな課題がありますので、先回の議 論も踏まえて、三行為といっても、いくつかの地域で実証研究という形で行って、その結 果を基にいろいろ検討する。実証研修を行うに当たっては、予め研究班を中心として研究 のデザインを詳細に決めてやっていくという形にしております。  この報告書(案)の構成は、1.はじめに、2.救急救命士の処置範囲の拡大の検討につい てです。3、4、5が各論で、6.おわりにとなっています。  それでは、最初のほうからご説明をいたします。1.「はじめに」です。この部分は、平 成3年に救急救命士制度が創設されて、現在、救命士の累積免許登録者数が3万7,000人 です。救急隊のうち、救急救命士を運用している隊の割合が91.0%となっており、数的に は増加しています。MC体制の整備等を条件として、救急救命士の処置範囲の拡大を行って きております。  病院前救護の中で救急救命士の役割がますます重要になってきて、4つ目の○の[1][2][3]で、 [1]血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与、[2]重症喘息患者に対する吸入β刺 激薬の使用、[3]心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施の三行為について、現在検討し ています。検討に当たっては、厚生労働科学研究の野口委員の研究グループにおいて、さ まざまな面に対して分析・考察を行って、その結果を踏まえて、この検討会で検討してい るといったことを記載しています。  2.「救急救命士の処置範囲の拡大の検討について」です。これは研究班において総論的 な考え方として、救急救命士の処置範囲の拡大の検討対象として、どういった項目で今後 整理していけばいいのかといったことも総論的な考え方のとりまとめをお願いしておりま した。  2.の1つ目の○で、[1]〜[5]の5つの点について、今後こういったことを考えて検討して いけばいいのではないかといった整理がなされました。こういった5項目の指標を用いて 検討した結果、1頁の下のほうの○の[1]〜[3]の行為についても行ってもいいのではないか、 といった研究班での整理がなされましたが、これらに関しては、今回は詳細に分析が行わ れていないということと、行うに当たっても教育体制とかを勘案する必要があることから、 これらに関しては中長期的な検討課題とすることにしています。  2頁目の上のほうの○では、前回の検討会での議論の内容を記載してあります。前回、い ろいろご議論いただきましたが、救急救命士の処置範囲の拡大の検討に当たっては、mayと mustということもありましたが、救急救命士の処置範囲となった行為については、全国一 律に実施しなければならないものではないと。地域の実情に応じて、その地域の救急医療 体制、患者状況、あと救急救命士の教育体制などを勘案して、必要性があって、なおかつ 実施する体制が確保できるといった地域において実施するものであるということを留意す る必要がある、といったご意見もある一方で、1%でも2%でもやる必要があるということ であれば、実質的に全国一律に実施せざるを得ないのではないか。行うに当たっては体制 整備のいろいろな費用や有効性・必要性等の観点から慎重に検討を行うべきではないか、 といったご意見もありましたので、ここで記載しています。  3番からは各論です。各論の構成としては「研究班での検討の概要」と「基本的な方向性 について」といった項目立てで書いています。3.「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ 糖溶液の投与について」です。(1)の研究班での検討の概要は、研究班の報告書案の概要を まとめております。明らかなエビデンスとか、コンセンサスといったものは、なかなかな いのですが、文献報告からは低血糖遷延時間が6時間以内といった場合に、重度後遺症の 症例の報告があったこともあって、研究班等の結論としては、本来メディカルコントロー ルの医師の具体的な指示の下で、救命士による血糖測定及び低血糖の補正によって、病院 前にそういったことを救命士が行うことは重度の後遺症を回避できる可能性があるのでは ないか。  また、意識障害の傷病者に対して病院前で低血糖の疑いということが判断できれば、脳 卒中等の判別ができて、より適切な搬送先の医療機関を選定できるのではないか、といっ たこともあって、手技自体も特に問題となるものはない、という研究班の結論です。  対象としては、(2)の上の[1]〜[3]の要件に該当する傷病者に対して行うべきではないかと いった研究班での整理になっています。  これを踏まえて2頁の下の(2)の基本的な方向性についてですが、研究班での調査で、世 界的にも極めてエビデンスの高い報告例はありませんでしたが、国内の文献的な報告など を勘案して、3頁の上のほうですが、オンライン・メディカルコントロールの医師の具体的 な指示の下で、必要な教育を受けた救急救命士が血糖測定及び低血糖の補正を実施するこ とについては、救急救命士の処置範囲に追加する方向で検討することが適当であるといっ たことで、事務局では位置づけています。  前回の議論でもありましたが、血糖測定を病院前で行うことについて、果たして必要性 があるのかとか、実際に行うに当たっては教育体制とか、MC体制などが十分に整備された 地域で行うことが条件となる、といったご意見もありましたので一応追加する方向で検討 するのですが、それに当たってはまずは研究班が中心となって医療関係者と消防関係者が 共同で実証研究を行い、その結果を踏まえてまたさらに検討を行うべきであるとしており ます。  実証研究を行うに当たっては、2番目の○の後段ですが、予め研究班が中心となって実証 研究の実施地域や適応となる傷病者及びその確認方法、実施プロトコール、救急救命士の 教育内容、事後検証の方法等を検討する必要があります。実証に当たって、まず研究班を 中心としていろいろ研究のデザインを詳細に決めて行う。低血糖の補正の方法については、 オンライン・メディカルコントロールの医師の具体的な指示により行うものであるとして おります。  また前回、永池委員よりお話がありましたが、糖尿病の治療歴等を周囲の方が迅速に判 断するために開示いただくとか、そういった患者に対する指導・役割が重要である、とい った意見も盛り込んであります。以上が血糖測定です。  次に4.「重症喘息患者に対する吸入β刺激薬の使用について」です。これも(1)で研究 班での検討の概要記載しています。研究班の整理としては、重症喘息発作の傷病者に対し ては、短時間作用性のβ2刺激薬の吸入投与はファーストチョイスであり、心肺機能が維持 されている状態で病院に搬送された場合は、救命率が高まるといったデータがあるという 紹介がありました。  そういったことも勘案して4つ目の○ですが、オンライン・メディカルコントロールの 医師の具体的な指示の下で、重症喘息の疑いの傷病者に対する救急救命士によるSABAの吸 入投与は、重症喘息発作による死亡を減少させる可能性があると期待できるという整理で した。なお、手技に当たっては教育体制などが重要であるということも記載されていまし た。  4頁の1つ目の○で、対象となる傷病者の要件を記載しております。(2)の基本的な方向 性ですが、以上のように研究班での検討の結果、1つ目の○の後段で「オンライン・メディ カルコントロールの医師の具体的な指示の下で、必要な教育を受けた救急救命士が、重症 喘息疑いの傷病者に対してSABAの吸入投与を実施することについては、救急救命士の処置 範囲に追加する方向で検討する」ということにしております。  また、前回の議論にもありましたが、必要性とか、体制の整備とか、いろいろなものが ありますので血糖測定と同様ですが、研究班が中心となって、医療関係者と消防関係者が 共同で実証研究を行って、その結果を踏まえて、また検討することにしております。  (2)の3つ目の○も同様で、研究班が中心となって実証する前に研究のデザインを詳細に 決めてやるべしということになっています。実証研究のイメージについては、後ほどご説 明させていただきます。  5.「心肺機能停止前の静脈路確保と輸液の実施について」です。これも(1)で研究班での 検討の概要となっています。これは前回の議論で出血性ショックの傷病者に対してどうす るべきであるかといった議論がなされたところですが、1つ目の○で、重症傷病者に対して 静脈路確保と輸液を行うことは、一般的に医学的には極めて妥当な処置であるということ です。  どういった対象の傷病者に対して行うかという必要性等については、一概に言えないこ ともあって、個々にその都度判断する必要があるといった研究班での整理になっています。 いずれにしろ、外傷とか、中等量以上の外出血を認めるような重症外傷に関しては、搬送 中に状態が急変する可能性があるということと、搬送中に不可逆的なショックとならない ようにするとともに、万一、CPAになった場合にはすぐ対応できるようにということでオン ライン指示の下で、予め静脈路確保と輸液を実施することは適当であるのではないかとい うことになっています。  5頁です。外傷以外のところで1つ目の○で、明らかな吐下血などでショック状態を呈し ている傷病者に対しては、オンライン指示の下で病院前で静脈路確保と輸液をすることは 可能であろう。あとはアナフィラキシーショックについても、エピテンの筋注がファース トチョイスだと思われますが、それとともに静脈路確保を行うことは有効な措置であると いう整理になっておりまして、これもオンラインの下でアナフィラキシー状態にある傷病 者に対して病院前で行うことは可能である、といった研究班での記載がありました。  5頁の3つ目の○です。搬送時間が長くならざるを得ない地域や災害や交通事故等で救急 に時間を要する症例においては、オンライン・メディカルコントロールの医師の具体的な 指示の下で、救命士が静脈路確保と輸液の実施が望ましいのではないかといった整理にな っています。いずれにしろ、これを行うに当たっては、教育体制の確保が必要ですし、そ ういった研究班での整理がありました。  また、前回の議論を島崎座長とか、杉本先生といろいろご相談したのですが、5頁の(2) の基本的な方向性については、出血性ショックも含めて、実証研究を行うといった整理に させていただきました。(2)の1つ目の○ですが、重症外傷、重度脱水症、吐下血やアナフ ィラキシーショックにおいては、静脈路確保と輸液は極めて妥当な処置である。医療機関 に搬送されれば、直ちに実施されるものであるというものです。  状況によって搬送時間が長くならざるを得ないような地域や状況においては、心肺機能 停止前の重症傷病者に対して、静脈路確保と輸液を実施することは望ましいと考えました。 また、前回のご議論にもありましたが、CPA前の傷病者に対して、病院前で静脈路確保と輸 液を行うことの有効性を示すような明らかなデータがないということ。また出血性ショッ クの傷病者に対しては、末梢血管が収縮しておりますので、救命士が病院前で穿刺をする ことは難しいのではないかと。それによって現場滞在時間が長くなる可能性があるといっ た議論もありましたので、慎重な検討が必要であるといった意見もありました。  このため、血糖や喘息と同様に(2)の上から3番目の○ですが、研究班が中心となって医 療関係者と消防関係者が共同で実証を行って、その結果を踏まえて検討することが適当で あるという記載にしています。  5頁の下のほうの、特に前回議論になった出血性ショックに関してですが、出血性ショッ クの傷病者に対する病院前の静脈路確保と輸液についても、現時点では有効性や安全性に 関するデータは乏しいのですが、一般的に見て傷病者の救命率に大きく関わっており、そ の必要性も高いことを考えますと、実証研究を行って安全性に十分配慮する必要があると いう整理にしております。  6頁の1つ目の○は、他の二行為と同様に実証研究を行うに当たっては、予め研究班が中 心となって、研究のデザインをやって行うことにしております。また、救命士の病院前の 救護体制の充実だけではなく、搬送時間が長くならざるを得ないような地域においては、 ドクターヘリ、ドクターカー等の活用も含めて検討する必要がある、というご意見もあり ました。  6.「おわりに」です。これはまとめですが、本検討会では救急救命士の処置範囲の拡大 について検討を行ってきた。三行為についは、まずは救急救命士の教育体制、医師の具体 的な指示体制等のメディカルコントロールが十分に確保された地域において実証を行うの ですが、研究班が中心となって医療関係者と消防関係者が共同で実証研究を行い、その結 果を踏まえ本検討会においてさらに検討することが適当である、といった結論に至ったこ とを記載しています。  なお厚生労働省においては、総務省、消防庁と連携して、この報告書に基づいて三行為 に関する実証研究が安全性に十分配慮しながら、適切に行われるように必要な対応を行う べきであると。  また、本来であれば、すべての地域において、救命士の全国一律なレベルで行うことが 適当であるのですが、そういった現状ではありませんので、都道府県においては衛生主管 部局と消防部局が協力して、都道府県内全域で適切な病院前救護が確保されるようにMC体 制の一層な充実に取り組むことが期待されるということで終わっています。以上が検討会 報告書(案)のご説明です。  続きまして、参考資料1です。これは「救急救命士の処置範囲の拡大に関する実証研究 (イメージ)」で事務局が作成しています。上の段ですが、[1]〜[3]の三行為について今回 検討しているのですが、実証研究をするに当たってはMC体制が十分確保された地域におい て行うべきである。行うに当たっては厚生労働科学研究の研究班が中心となって、医療と 消防の関係者が共同で行って、救急救命士による実施の有効性や必要性、必要となる体制 等を分析・評価することにしております。  下のほうの図ですが、実証研究を行うに当たっては消防、医療、あとは地域のMCとの連 携が必要です。右側の大きな図ですが、実証研究を行うに当たっては、従来から厚生労働 科学研究の研究班において、救急救命士の処置範囲拡大について、いろいろ研究していた だいておりますので、その研究班を核として、医療関係者、消防関係者、MCの関係者など、 必要なメンバーを追加していろいろ検討していくことにしております。  地域のMC協議会の協力もありますので、消防庁とも相談したのですが、消防庁に救急業 務高度化推進検討会があって、それがMC協議会と深いつながりがありますので、そういう ものを活用して行ってはどうかというご提案もありましたので、ここに記載してあります。  実証研究を行うに当たって、実証前の取組として、まず研究班を中心に事務局において 研究のデザインを決める。その内容としては実証地域の選定基準の策定や実際に実証地域 をどこで行うかといったこと。あるいは教育内容や教育体制の検討や、業務プロトコール の作成、医師の具体的な指示体制の検討、事後検証体制の検討等を予め決めていただいて 行うことにしています。  実際に実証地域において実証を行うのですが、実証後の取組は実証データの分析や評価 について医学的な有効性があるかとか、当該行為を行うことが必要なのか、必要な体制は どのようなものがあるかなどを、実証研究を行う事務局において検討して、さらに検討会 か何かで検討するというイメージ図になっています。以上です。 ○島崎座長 議論は後ほどということで、続いて前回の検討会で宿題となっておりました 事項で野口宏委員から資料とともに説明をお願いします。 ○野口(宏)委員 野口でございます。参考資料2の「病院前救護における輸液について の文献的考察」です。いま座長からお話がありましたように、前回の宿題という形ですが、 このタイトルに挙げましたように、病院前における輸液に関しての文献的考察を、特に愛 知医科大学の中川隆教授に依頼いたしました。彼は、私が研究審に務めさせていただいた 厚生科学研究所の今回の3項目にわたる検討委員会のメンバーでしたので、それを中心に この報告書をまとめさせていただきました。  概略を説明いたします。●「はじめに」に書いてありますように、静脈路の確保と輸液 に関してはご承知のとおり、諸外国のパラメディックは、既に日常的に心肺停止に限らず、 非心肺停止症例にも実施されているということです。  前回の厚生科研の報告でもさせていただきましたが、それに加えて今回は病院前の輸液 に関して縷々調べましたが、ほとんどが外傷症例であったということです。なおかつ、今 回問題になる早期輸液と輸液をしないものとのいわゆるRCT(Randomized Controlled Trial)が、さらに2件出てまいりました。その代表的論文の2編が書いてあります。  1つは、1994年のもので、もう1つは2000年のもので、いずれもかなり古いものである ということと、この時点では、前回、杉本教授からもご指摘があったとおり、輸液に対す るエビデンスはないというところで、もっと言えば、かえって出血傾向を助長するという 論文でした。  これはそのままで、なおかつ脱水とか、吐・下血に関する、いわゆる内因性の疾患に関 しては、ほとんど何も論文はないというのが、今回の追加で調べたものです。いわゆる早 期の輸血等の論文もあるにはありましたが、いずれも病院内の治療ということで、今回は 検討から外しています。  1/2のいちばん下に、2009年のSurgery of Traumaに関するガイドラインがあります。 これの基になっているのがCottonの“Journal of Trauma”の2009年のものが中心で、こ のガイドラインが作られています。これを説明させていただきます。  この論文によりますと、2/2の上段ですが、5つのポイントについて評価しています。1 つが病院前で静脈路を確保すべきかどうかということ。2番目は確保するなら適切な部位は ということ。3番目は確保できたら輸液を開始すべきかどうか。輸液を開始するなら、輸液 の種類はということで、今回は輸液に関しては検討しませんので省かせていただきます。 輸液するなら量と速度はということを検討したわけです。結果のところで、病院前の輸液 確保については、積極的に推奨する論文に乏しいというのが、このガイドラインの基にな った論文の結論です。  穿刺部位を論ずる前に、回数は2回までに留めるべきであって、そのあと骨髄内輸液を 考慮すべきであるという意見があるということです。  3番目に、静脈路の確保の輸液の実施については、これから適用ですが、穿通性の外傷で はやらないほうがいいということで、活動性の出血がなければ、むしろ輸液は避けるべき であるということ。橈骨動脈が触知できる程度なら輸液をしてもいいだろう。いずれにし ろ、静脈路の確保に関しては、即座に大量の輸液を行うことは基本的には避けるべきで、 静脈路の閉塞、詰まるのを防ぐ程度の量にすべきであるというのが、この論文の結論です。  輸液の種類に関しては、先ほど申しましたとおり、今回は我々は外します。静脈路が閉 塞しない程度で十分であるとの考えが、多くの論文で支配的であったということで、まし てや我々が院内でよくやる加圧による急速輸液は推奨すべきではないということでした。  まとめです。まとめてくださった中川教授の私見も若干入っておりますが、いわゆる郊 外型の鈍的外傷では搬送時間が長くなるようなものに関しては輸液の効果が期待できるか もしれないが、これに関しても、積極的に支持する論文はないということです。ましてや 搬送時間が短い都市型の穿通性外傷(30分未満)では病院前輸液は行うべきではないとい う論文が多いということでした。現場滞在時間を延ばさないためにも、2回の穿刺をなおか つ走行中に行うことを推奨しています。現在は救急車を止めてやっている所が多いと思い ますが、これは心停止後の静脈路確保ですが、走行中にやりなさいということです。  穿刺に関しては、いずれも90%以上とかなり高いという報告があるということですので、 穿刺そのものはそれほど困難ではないという論文結果でした。しかし、わが国の実情では これほどまでの成功率を期待できるか、甚だ心もとないというのが、中川隆教授の私見で す。一方、点滴ラインの迅速な確保を達成するためには、骨髄内輸液も考慮すべきである とされています。  病院前の救護の輸液について、よい適応となるのは頭部外傷に関して、そういう見解が 出ているようです。収縮期血圧は90mmHgです。これは平均血圧にしますと、60ぐらいで すが、これを目標に輸液による血圧コントロールを行うことで血圧低下を認めると死亡率 は2倍になるということです。これも今後、日本の場合は検討する余地があるというとこ ろで、中川隆教授はこれを加えております。  総括としては、病院前の輸液についての有効性のあるエビデンスのある論文はないとい うことです。以上です。 ○島崎座長 では、いまからディスカッションをしたいと思います。まず、報告書(案) に沿って、1.「はじめに」、2.「救急救命士の処置範囲の拡大の検討について」から6. 「おわりに」まであります。1.「はじめに」と2.「救急救命士の処置範囲の拡大の検討に ついて」を、10分程度ご議論いただきたいと思います。まず「はじめに」で何かご意見が ありますか。まず「はじめに」の2列の文章等を含めて、この中身はこれでよろしいです か。それでは、2.のこういう指標でやることを是とするチェックをしたということですが、 2頁の上までです。 ○郡山委員 2頁のmustとmayの所で、ここで書いていただいたとおりですが、議論の中 で出たことは、この文章だと、全国一律に実施しなければならないものをmust、それぞれ の地域の実情に応じて実施するものをmayという地域の観点から書いているのですが、た ぶん検討の中では全症例にするのではなく、症例によって、いざというときにはできるよ うに事前に許可をしておくという考えであるという話だったと思います。そこが若干読み にくくなっているかと思いました。 ○島崎座長 そうですね。あのときの議論では、ある地域ではやってもよい、あるいはむ しろ全国的にオーケーになっても、「しなければならない」ではなしに、「実施できる」 というような形にしたほうがいいのではないかという意見でしたね。こういう考え方もあ るのですが、議論の中では、ここでは地域と全国一律と両論併記みたいになっていますが、 ちょっと言葉足らずというか、そういう形を足しておいていただいたほうがいいと思いま す。 ○中野専門官 わかりました。 ○永池委員 ただいまのと同じ箇所ですが、下から3行目辺りの「他方」という所から文 言の追加をお願いしたいと思います。「実質的に全国一律に実施せざるを得なくなるた め」のあと、すぐに「費用も勘案し」に直接行っていますが、その前提としては「十分な 教育を前提にすべきであり、かつこうした教育にかかる費用も勘案し」という話の内容だ ったかと思うので、その辺りも加えていただけますでしょうか。 ○島崎座長 教育体制は必要ですから、まずその費用から入っているが、まず教育体制と いうのはそれはそうですね。十分なる教育体制が必要で、そのマンパワーの確保の新設に かかる費用という感じですね。 ○永池委員 そうです。あと教育費用は現在は参加者の負担ではない自治体もあるのかな と思いますので、そうした教育の施設であったり、教育者の費用プラスアルファ、現時点 で国費で行われているところを、どう考えていくのかということも勘案してといった意味 も含まれているのかなと私は思っていましたが、いかがでしょうか。 ○島崎座長 これはいまは救急医療財団のほうでやっていますよね。あれは実費みたいな 形で自己負担しているのですか。 ○中野専門官 あれは都道府県の消防の職員が行きますので、費用に関しては都道府県か ら出ているのだと思いますが、どうでしょうか。 ○島崎座長 各地方自治体が研修先へ研修する救命士に応じて、受入医療機関側へ支払う という格好になっているのですね。 ○中野専門官 そうです。消防本部と医療機関との協定というか、それに基づいてやって いるので、金銭の所もあると思います。 ○島崎座長 今後、もしこれをやるという話になってくれば、当然そこのところはさらに 増えると。 ○石井委員 前回休んでいましたので、議論に入るのは申し訳ないのですが、政策医療の 中で費用の問題があるから慎重に検討しようと書き込むと、やらないと読めてしまうので す。いろいろ書き込むのであれば、スパッと費用の文言は削ってもらったほうがいいので はないかと思います。政策は必要だから行うのであって、費用のことも考えて、例えば何 百億円の機材が必要であるとか、多くの人員を投入しなければいけないことであれば、そ れはそのように書き込む必要があると思います。しかし、いまはそういう議論ではないと 思いますので、いかがでしょうか。 ○島崎座長 そう言われると。 ○杉本委員 この費用というものの中には、決して金銭的な費用だけではなく、人的コス トも含めての議論であって、お金がかかるからどうだというだけの話ではないと思います。 要するに救急救命士というのは、基本的には各都道府県という単位ではなく、市町村単位 の消防本部ですから、小さい所には救急救命士の人数が限られているから、それが実習に 出てしまうとなると、非常に大きな負担が残りの人にかかってくるということがあります から、そういう意味合いでの人的なコストを払うということも含めての議論であったかと 私は思っています。この間は経費だけの話ではなかったと思います。 ○佐々木委員 消防の現場からすると、確かに教育体制確保のための費用というのは考え なければいけないとは思います。前段にある「地域の実情に応じて」という所ですが、地 域の実情に応じてという文言は非常に曖昧な感じがします。  というのは、例えば、私は札幌ですが、札幌の地域はこういうことをやることが必要な のか、それとも必要がないのかという議論になったときに、どこでどのような判断で、う ちの地域は必要ないと言い切れるのか、逆に必要だということになるのか、その辺が地域 と言われても、本当に有効性とか、確実なものが示されていないと、その辺の判断もでき ないのではないかという気がします。  その地域として本当に必要だという話になれば、いま石井先生が言われたように、費用 の問題ではなくて、是が非でも行政としてやらなければいけないというように持っていか ざるを得ないのかなという感じがします。そうなると、全国一律に実施という話に結果的 になってしまうのかなという感じもしました。 ○島崎座長 私の理解は、まず実証研究で何箇所かの地域でやって、基本的には全国一律 で、そのあとでゴーサインが出る。ゴーサインが出たときにmustではなくてmayですよと いうように理解していました。  もう一方では、それにかかわるメディカルコントロール協議会の中で実証研究などで決 まったプロトコールを各地域でMCで検討していただいて、この部分はまだできないとか、 この部分はできるとか、具体的にいうと、そういうイメージで私は捉えていたのです。そ ういうのだと、ここの文章はちょっと違いますよね。この前の議論ではそういう感じだっ たと思うのですが、どうですか。  いずれにしても、もちろんMCが全く整備できていない所でやれと言っても、実際には無 理には無理ですよね。だから、全国一律でやるのですよという形にしておく。いまでも気 管挿管ができる救命士とできない救命士がいますが、それと同じようなことで行くという 理解をしているのですが。 ○高宮指導課長補佐 ここのなお書きの1文目について、前回樋口委員が何度も念を押し ておっしゃっていた発言を書いているつもりです。樋口委員がおっしゃっていたのは、制 度として全国的にできるような制度にするとしたあとでも、それをすべての地域において やらなければいけないというものではないのだということをおっしゃっていました。実際 にどの行為をやるのかについては、地域地域で判断してもらうことになるのだろうと。そ れがmayだとおっしゃっていました。その内容を書いています。  他方、「他方」以下についてはそれに対して佐々木委員などが制度としてやれるように するということであっても、せざるを得なくなってしまうことになるのだと。それも勘案 して議論を行っていくべきだというご意見がありましたので、それを書いています。 ○島崎座長 ちょっと私の理解とは違っているかな。樋口先生はそうおっしゃったのでは なく、全国一律にゴーサインが出て、いまの気管挿管と同じように考えればいいのではな いかなと。あれはmayですよね。樋口先生は確かにそういうおつもりでおっしゃったよう に私は理解していたのですが。しかし、気管挿管はある地域はやらなくていいですよとい う話ではないですよね。全国的に一律に気管挿管が。 ○高宮指導課長補佐 制度上は気管挿管も行うことができるというもので、気管挿管をや らなければいけないという制度にはなっていませんので、そこは同じです。 ○島崎座長 これだと、ある地域はやらなければmustだけれども、ある地域はmayですよ というようにとられると、皆さんはおっしゃっているのです。これを読んだら、確かにそ のようにとられかねないので。事務局もそういう理解でしょう。 ○高宮指導課長補佐 気管挿管と同じ内容だと思っています。 ○島崎座長 そういう感じなら、別に皆さんも。 ○石井委員 大体いまの話の流れで同感です。あと文言ですが、費用というところは、英 語でいえばメディカルリソースに相当するので、どのように訳すかなと思って考えたので すが、医療資源、などといった表現でしょうか。 ○島崎座長 そうですね、むしろそういう言葉のほうがいいですかね。杉本先生がおっし ゃっているのもそういう意味が入っていると思います。医療資源という言葉がいいかもわ かりませんね。2頁の上をちょっと文章を変えてください。いまの議論に従ったような格好 でね。ほかにいかがでしょうか。こういう形でガイドラインのクラス1、クラス2でやると。 ○野口(宏)委員 医療資源となると、まさに医療の資源ということになりますが、これ はそうではないでしょう。対案がないので申し訳ないのですが。 ○島崎座長 医療資源というと、マン・パワーとか、現場の救命士にかかる経済的費用と か、全部です。 ○野口(宏)委員 いまの話は医療資源で全部括れますかね。ちょっとはみ出る部分があ ると。 ○島崎座長 先生がおっしゃっているのは、医療資源というのはこういうものだと。 ○野口(宏)委員 ここで入れるのは適当ではないと思いますが。例えば、メディカルコ ントロールがきちんとできているかというのは医療だけの問題ではないわけですね。 ○石井委員 医療資源体制とか。 ○島崎座長 皆さん同じようなことを思っていらっしゃる。 ○野口(宏)委員 わかっていて文言がないので申し訳ございません。 ○島崎座長 私は医療資源でみんな括られるように思うのですけれども。 ○石井委員 人的資源体制ではどうですか。 ○島崎座長 人的資源も医療資源の中に含めていいと思っています。これだとお金がかか るという意味にだけ取られかねないので、すべてひっくるめて、そういう教育体制にはそ ういう医療資源が必要になってきますということですからね。医療資源を充実した上での 教育体制の確保が図られるべきであるとか、そんな感じですね。ほかにいかがですか。ま たもし何かありましたら戻ってきて議論いただいても結構です。  では、続いて3番の「血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与について」は いかがでしょうか。 ○杉本委員 これは要するに、輸液路の確保というのは、いままで心肺停止と限定してい たものを輸液路の確保に、あるいは輸液に関しては、その限定を外してしまうという理解 でいいわけですね。 ○島崎座長 ある種の病態に関しては。 ○杉本委員 ということは、いまの議論でいけば、低血糖。 ○島崎座長 低血糖もその中の1つです。 ○杉本委員 低血糖と、いまのショックに関しては輸液路を確保して、輸液をしてよろし いという理解でいいわけですね。 ○島崎座長 そうですね。 ○杉本委員 それは元の特定行為と設定しているときの輸液に関してのところで、縛りは どこかで外しておくという考え方ですか。それは単に行政的な問題になるかもしれません が、どのようにされるのですか。 ○高宮指導課長補佐 具体的な法律上・法令的なやり方については、いくつかのやり方が あると思っています。いま杉本先生がおっしゃったように、救急救命士の施行規則の改正 をして、特定行為の中に血糖測定と低血糖の輸液などを入れるということです。その際に、 今回は実証研究ですので、単純に入れるだけではなくて、対象地域をメディカルコントロ ール体制などが整っていて、厚生労働大臣が指定する地域というように限定をかけておい て、実証研究を実際にやる地域を指定するという方法は1つ考えられます。  あとは今回の実証研究は、実証研究事業という限られた範囲ですので、違法性が阻却さ れるという考え方で整理するというやり方と二通りあろうかと思っています。実際に具体 的なやり方については報告書がまとまってから、厚生科学研究班の先生方とか、内部でも 相談して考えたいと思います。 ○杉本委員 なぜそういうことを言っているかというと、1つは救急救命士にその結果とし て何らかの負担というか、いろいろな法的な問題を含めてということが起こらないように ということは十分配慮してやってほしいということが1点です。  もう1点は、ほかも含めてそうですが、傷病者本人、あるいは家族の同意を得た上でと いうことが前提になっているのでしょうか。そこを整理しておかないと。特に救急救命士 がこれでやったときに、いろいろな合併症というか、そういうのが起こり得ますよね。特 に、いまは採血してもそれで神経に麻痺が起こったというので、医療の現場でも問題が起 こることがありますから、こういう困難な状況下というか、病院外の現場でそういうこと をやる中で、いろいろなことが起こり得ると思うので、そこのところは何らかの担保をす ることを考えておく必要があるだろうと思います。これは全体に通じてのことですが、今 回どうするかは別として、1回、その辺は検討しておいたほうがいいのではないかと思いま す。 ○島崎座長 CPAに関しても、こういうことで気道を確保します。こういうことで静脈路を 確保しますということで、一応、インフォームド・コンセントを現場で取っているのです。 だから、これも先生がおっしゃるようにICは必須条件だと思います。 ○杉本委員 そういう前提での議論だという理解で、確認しておいていただければ、それ でいいのだと思います。 ○島崎座長 それは、どこかに書いておいていただいたほうがいいと思います。ありがと うございます。では今の血糖に関わるところは少なくとも静脈路を確保して、糖を投与す るのだという話になったとしても、いま杉本委員がおっしゃったような5頁の下から2つ 目の○などに、静脈路確保の適応みたいなのがつらつらと書かれていますが、これを実証 研究の中で、これとこれとこれ、と決めるよりも、ここで決めておくべき問題ではないの か。厚労省の研究班で、これとこれとこれにIVをとるのが適当であるというような、ある 種の病態をそこで決めるよりも、ここで、これとこれとこれについて実証研究の中でIVを とるやり方をやってほしいとしたほうが、私はいいと思います。ものすごく細かいところ が出てくるなら別ですが、差し当たって、私はすべてがすべて静脈路確保したほうがいい とは思っていないのです。ここで出てきている、まずは低血糖の糖投与のための静脈路確 保と、5頁の下に書いている重症外傷、重症脱水症、吐下血やアナフィラキシーショック、 クラッシュシンドロームといったところに静脈路を確保するという形で、実証研究をして いただいたほうがいいと思います。  現場で研究班の方は非常にアクティビティが高くて、あれも必要だ、これも必要だとど んどん広げて、それが上がってきたときに、こっちでまたそれを削るということをやるよ りも、そのほうが私はいいような気がしますが、どうですか。 ○高宮指導課長補佐 実証研究のやり方について、こちらの検討会で対象をこれとこれに 限って行うと結論が出れば、そちらのほうをこの報告書に書き込んで、それに従って実証 研究をやってもらうことになろうかと思います。 ○島崎座長 皆さんの意見をお聞きしましょう。どうされますか。実証研究班で静脈路確 保のある種の病態下の救急傷病者に関して静脈路確保を行う。この「ある種の」というの をここである程度決めるのか、その研究班で決めてもらうか、いかがでしょうか。 ○郡山委員 これのことになりますけど、いいですか。 ○島崎座長 そうですね。これはどこで見直すことになっていますか。 ○郡山委員 ちょうどここです。静脈路確保のところなのですが、杉本先生がおっしゃっ たように、ブドウ糖付加というところについては既に静脈路確保しているという大前提に なりますので、ここのところで、いまの座長のお話と併せて説明させていただきたいと思 います。 ○島崎座長 お願いします。 ○郡山委員 参考資料3に基づいてご説明申し上げます。参考資料3の上の段に示してい るスライドは、まさに輸液のことを2つに分けました。静脈路確保と輸液速度の2つのこ とから成っています。現在、静脈路確保+輸液速度について論点は2つあるだろうと思い ます。1つ目の論点は、傷病者に対しショックの患者も含めて、その実技が可能なのかです。 杉本先生が前回おっしゃっていたように、出血性ショックの患者には確保することは非常 に困難であり、論文調査でも確かにそのような状況がありますので、実技が可能であるの かというのが1点です。2つ目の論点は、その行為自体が傷病者に対して有益なのか。この 2つのことをまず分けたいと思います。  上のスライドは、実技は可能なのかということです。これには実施者である救急救命士 の手技の能力と要救護者の状況です。出血性ショックに陥っていて末梢が全く出ていない 状況など、相対的な関係によって決まることになります。実施者の手技については一定の 経験が必要で、おそらく医師でもそうなのです。その経験が乏しいので実施をしないとい うやり方と、ある程度の経験が必要であれば効果的な練習をさせたほうがいいのではない かという、2つの論理に分かれるのだろうと思います。要救護者の状況としては、例えば駆 血帯装着で「うっ血」ありということが条件として入れられるのであれば、ここのところ は実施することについて、手技については可能になり得てくるかもしれないというのが上 のスライドです。  2枚目以降が、まさにいま座長がおっしゃっていたことのすべてを含みますけれども、今 回のこの処置拡大が今までの処置拡大と全く違うところは、杉本委員がおっしゃっている ように、そのすべてが心肺停止ではなく生体に対する処置であるということです。心肺停 止であればある意味、これ以上悪くはならない。しかし今回は、これ以上悪くなるかもし れないということを考えなければいけない処置だということになります。今までとは質の 違う議論をしなければいけないのだと思います。したがって、ここに実証研究というもの が出てきたのだと思います。  その考え方ですが、要するに私たちは漠然とした考え方を持っていて、それの論文調査 をやりました。その結果、やったことが良いこともあれば、やって悪いこともあるという 調査が、少なくともこの輸液のことについては明確に出てきている。おそらくβ-スティミ ュラントにしても、血糖測定にしても同じような状況があるのだと思います。したがって、 この段階に来ている状況で迷うと思います。これを明確にするためには実証研究が必要に なる。実証調査については、これも要救護者にとって医学的に有利なのかということと、 先ほど石井委員、佐々木委員がおっしゃっていたように、現在の救急救命士の教育環境、 地域MC体制で実施が可能なのか。この2つのことを明確にしなければならない。足りるも のと足りないものを明らかにしなければいけないのだろうと思います。  そのための議論ですが、上は例として書いたスライドです。例えば教育項目、教育方法、 MC体制が整っていれば調査をやってみる。しかし、この「整っていれば」というのは実際 に何を検証するのかを事前に決めておかないと、検証する項目は思い付きにすぎなくなる ので、事前にきちんと検証項目を決めた上で、それに応じたMC体制をいま足りないものは 更に作ってやる。その全体を通して科学的なデザインを実施する必要があるだろうと私は 思います。ここのところに厚生労働科学研究の研究班を投入し、高度化推進のところと併 せてやっていくといいのではないか。  最後のスライドですが、まさに座長がおっしゃったところです。例えば検証によって病 院前救護で静脈路を確保した、確保しなかったという状態で、要救護者にとって医学的な 有利性があったのか、なかったのかをやったときに、確保した場合にはいいことがあった、 確保したけど時間がかかってよくなかったというものが出てきて、初めて実は良いことと 悪いことを「定量化」できる。過去の検討会では良いことばかりの議論だけがされてきた ような気がするのです。良いことと悪いことが明確になって、そのことを定量化すること で、初めて実施するか、しないかになるのではないか。  そのことを踏まえて座長がおっしゃったように、最初に対象を決めるというやり方は確 かにあるのだろうと思います。一方、対象を決めずにやった場合に、やってみたけれども 医学的な有効性はなかったということであれば、それは今後、ある意味議論する必要もな く、今回のことで、これについてはきちんと一定の結論が得られるということもあるので はないかと思います。私は、どちらについてやるべきかについては、どちらにも一長一短 があると思いますので、そこのところを併せてご議論いただければと思います。 ○島崎座長 ありがとうございました。ということで先生、ここで決めずに実証研究で、 例えばここに載っている以外のものに輸液路を確保して効果があったという話だと、それ はどんどんやらせるのですか。 ○郡山委員 そうだと思います。 ○島崎座長 それは先生、病院へ行ったらみんな輸液路を取りますから、やったほうがい いという話になったら、対象が救急の病態で、CPA以外の救命的な観点から必要なものに限 っておかないと、やる地域が現場で事前の実証研究をやるのに困るのではないか。 ○郡山委員 私の意見は先生とは全く反対というのではなくて、病院でするから、要する に先にやっておいてよというのは、なしなのです。つまり医学的な有利性があったのか。 病院の医師が手が省けたということは、あってはならないことだと私は思っています。た ぶん、そうなると先生がおっしゃるように、いくつかしかないと思うのです。 ○島崎座長 それは自分の所がやる立場になったとして、例えば野口先生はどうですか。 先生の所でやるかどうかわかりませんが、やるとなったら、これとこれとこれについて輸 液路を確保してくださいというほうがいいですか。それとも現場でもう少し幅を持たせて、 実証研究をその中に入れたほうがよろしいですか。 ○野口(宏)委員 むしろ現場よりも、実証前のプロトコールを作るところで検討してい ただくのが筋かなという気がしているのです。ここで決めてしまうのではなくて。 ○島崎座長 その実証研究をやるところのプロトコールで。 ○野口(宏)委員 そうですね。 ○島崎座長 何カ所かでやってもらおうかという話になっているのですが、ではばらばら ですか。 ○野口(宏)委員 最終的には、これはまさに地域に任せるべきだと思うのです。ただ、 その前提は中川先生が最初に書いていますが、救急隊の活動の基本は適切な医療機関への 迅速な搬送ですから、現状では我々は確認し合わないといけないところだと思います。こ れを頭に入れたところで、実証事業をどのカテゴリーに置くかを考えなければいけないと 思いますから、ここで単発に疾患名あるいは症候名まで挙げて検討しなさいというところ は、少し無理があるという気が私はしています。 ○杉本委員 こういう研究は、スタディデザインをかなりしっかりしておかないと、有効 性などは出てこないのが普通だと思います。例えば搬送時間がどうかでも全然変わってく るだろうし、救急救命士の技能にもよるだろうし、オンライン・メディカルコントロール をやるわけですが、オンライン・メディカルコントロールをやる人の能力にもよるから、 そういうことをかなりきっちり設定して、有意差が出るようなスタディデザインを作って おかないと、普通は有意差がないという結果に終わるのが、こういう研究の一般的な結果 だと思います。  もう1つは、何と言っても症例数をある程度以上やらないと、有効な差が出てくること はないから、どれぐらいの有効率の差があるか推測でもいいから立てておいて、有意差を 出すためには、何例やらなければいけないということを設定しておかないと、おそらく出 ない。結局、わからないという結果になってしまうことが多いです。だから、そういう意 味ではかなり綿密な状態にしておいて、少なくとも最初のところでは、ある限定したもの で症例数を増やしていく。同じもので症例数を増やす形をとったほうがいいと思います。 例えばアナフィラキシーショックと出血性ショックが混ざっていて、それを比較しても全 然話にならないわけですから、そういう意味では、しっかりしておくことが必要だろうと 思います。 ○島崎座長 それは、ここで決めておいたほうがいいと。 ○杉本委員 いや、それはスタディデザインを作る方が決めたらそれでいいと思います。 これはこの研究をやることに対する私の意見です。もう1点は、それをやったときの結果 としてもし有害事象が起こったときの責任は、誰が取るのかも明確にしておかないといけ ないと思います。メディカル・コントロールした医師が、その結果に対して責任を取るの か、救急救命士が取るのかを明らかにしておかないと、実施する上で難しい問題が起こっ てきます。オンライン・メディカルコントロールをやるわけだから、おそらく指示を出し た医師が最終責任を取ることになってくるのだろうと思いますが、その辺のことを整理し ておかないといけないという意味合いでも、これについてこうしなさいと限定したほうが、 私はいいのではないかと思います。 ○野口(英)委員 現実の話として、この実証をやるときに、たぶん外傷に限らざるを得 ないのではないかという気がします。野口先生の論文を読ませていただいても、結果的に は時間との関係の中で、これはやるべきという部分と、それをやったとき、やらないとき という話にならざるを得ないので、たぶん我々現場を預かる者としての日常的感覚からす ると、例えば外傷で交通事故ですね、挟まれていてなかなか病院に運べない状況が明確に 見えるときです。あと重症脱水症などの急病関係です。例えば、やるとなったとしても、 現実的にデータというか、優位性を確保できるようなやり方が、どうしたらできるのかは わからないです。  そうなってくると、先ほどの参考資料にあるように、総務省の救急業務高度化の中であ る程度のデータを整理してもらい、何が現実的にできるのかを考える。私自身は、心肺停 止前の静脈路確保は業務的に非常に価値があり、患者さんにとっても価値のあることだと 思います。ですから先ほど郡山先生がおっしゃったように、言うならば患者さんにとって、 それが良いことなのか悪いことなのかを明確にすべきなので、現実的にはそういうところ で、まずきちんと決めていただき、それから実証のほうに入っていったほうがよろしいの ではないかと思います。 ○島崎座長 ありがとうございました。スタディデザインあるいはプロトコールを、その 地域の研修で決めてもらうところで、静脈路確保に関わるところの対象は、そこで決めた ほうがいいだろういうお話ですが、例えば数カ所がばらばらの病態についての静脈路確保 をするという話だと具合が悪いので、それは集まってもらって、統一のプロトコールやス タディデザインでやるのですね。 ○高宮指導課長補佐 基本プロトコールなどの研究デザインについては、厚生労働科学研 究班を中心に、すべての実証地域で同じようなものでやってもらうということです。 ○島崎座長 その中でのプロトコールあるいは対象病態を決めるということですね。わか りました。ただ、どうしても数が少ないと思うので、それぞれがばらばらでやるよりは、 まとめてやったほうがいいですかね。 ○石井委員 もう既に議論の中に入っているとは思いますが、郡山先生のこのスタディデ ザインの中に入っていないのは、いま野口先生がおっしゃったように、時間が長くなる場 合にこうではないかという議論だと思います。ですから、それは先ほどのmustとmayの話 と共通させて考えると、結局、このような状態の時だけやりなさいと限定的なのです。残 りはmust not、やってはいけないということなのです。そこのところも検討されるべきだ と私は思います。要するに、行った行為がものすごく益があるかどうか検討の1項目にす る、ということです。例えばメディカルコントロールの中で、そういうのは確保してから 運んでくださいと言ったほうが、益があるかどうか。きれいなコントロールスタディにな るかどうかは別として、それを含んでもらったほうが、この検討は将来的に意味を持つと 思います。 ○郡山委員 全く賛成です。そのことは運ぶ、運ばないという時間のことも含めて、その ことがメディカルコントロール体制のところで、オンラインで指示されるのだろうと思い ます。ですから、私の所はMCが整っているからやらせてくださいということで、やらせる べきではなくて、研究班の中できちんとしたものを作り、それを実施する地域が例えば3 地域あるなら3地域全部同じであれば、いいのではないかと思っています。 ○島崎座長 厚生科研の中で、それも含めて決めてもらうということになります。時間が 押していますので、4の重症喘息患者に対する吸入β刺激薬の使用、これはいかがでしょう か。 ○郡山委員 私の意見はβ-スティミュラントも含めて、全部こういうふうに、きちんとや っていくといいのではないかと、すべてにかかっていますので、よろしくお願いします。 ○島崎座長 そうですね。静脈路確保を除くと、あとみんなそうですね。 ○郡山委員 ということを含めて。 ○島崎座長 3頁の4はいかがですか。 ○野口(英)委員 確認ですが、先ほど杉本先生が言われたように、先ほど先生もおっし ゃっていましたけれども、すべての前提はいわゆる同意とか、そういうものを前提にしつ つ、こういうことをやっていくのだという方向性ですね。 ○島崎座長 そうです。基本的にCPAと同じだと思います。ただ、本人に意識がなくて周 りに関係者がいないときは、CPAなどのときはどうしていましたか。そのままやって連れて 行くということですね。 ○杉本委員 それが一般に治験でも認められていますから、それは問題ないと思います。 ○島崎座長 これも、本人が処方されているSABAを持っているということが大前提ですね。 よろしいですか。ひとつ議論していただくのを忘れていたのですが、血糖に関わるところ で3頁の上から2つ目の○の最後です。「オンライン・メディカルコントロールの医師の 具体的な指示により、経口投与又は経静脈投与を行うものである。」とあります。これは、 これでよろしいですか。 ○杉本委員 私もそのことは少しどうかなと思ったのですが、前のところの意識障害とい うのが定義が設定されていませんから、要するに意識が清明でない状態という理解でいい わけですね。そういう意味合いで経口的に飲むことは、そういう時だったら可能だから、 ディープコーマというか深昏睡の人に「これを飲め」と言っても、それは難しいでしょう けど、これはそういう理解ですね。 ○島崎座長 経口投与が可能な状況の患者に対しては、経口投与も可とするということに なっているのですが、よろしいですね。もし何かありましたら最後におっしゃってくださ い。  5.「心肺停止前の静脈路確保と輸液の実施について」です。これは先ほど少し議論して しまった内容ですが、いかがでしょうか。私からですが、5頁の上から2つ目の○で、「ア ナフィラキシーショックについては、静脈路確保と輸液はアドレナリンの投与と並んで非 常に有効な処置であり」と書いてあります。1つは、アドレナリンの投与というのは従来の エピペンの話のことですよね。静脈路を確保して、そこにエピネフリンを投与するという ことではないですよね。 ○中野専門官 エピペン筋注です。 ○島崎座長 エピペンの筋注のことですね、わかりました。ほかにいかがでしょうか。そ うすると、例えばアナフィラキシーショックの患者に具体的にエピペンを打って、静脈路 を確保するということ。 ○杉本委員 違います。これは1頁のいちばん下の[3]にも書いてあるように、「アナフィ ラキシーショックに対するアドレナリン(エピネフリン)投与については、中長期的な検 討課題とする」となっていますから、今回は。 ○島崎座長 今回外れるわけですか。 ○杉本委員 アナフィラキシーショックに対してはアドレナリンを筋注することが、普通 はファーストチョイスでやられていると思いますが、今回はそれをやらないということで す。静脈路の確保をして輸液するとなっているから、非常に有効な処置であるということ ですが、「非常に有効な」と言われるとちょっと。 ○島崎座長 有効な処置なので、最後の行ですけれども、「アナフィラキシーショック状 態である傷病者に対して、救急救命士が静脈路確保と輸液を行うことは可能であると考え られる。」と書いてある。これはいいのですね。 ○杉本委員 それは知りません。通常、アナフィラキシーショックに対しては、いま言っ たようにファーストチョイスとしては、まずアドレナリンの筋注、あるいは皮下でもいい と思いますが、優先してやって、多くの場合はそれでショックを離脱することが多いと思 います。あるいはアナフィラキシーショックに対して、一般に輸液というのはそんなに効 果はないと昔から考えてきたと思います。 ○島崎座長 そうですね。いくつかのタイプがあるのですが、低血糖になっていて大量輸 液を行うことも中には一部あるので、そのことを言っているのかなと私は思ったのです。 多くはエピネフリン投与でショックも改善されるので、これも研究班の中で決めるのです かね。 ○杉本委員 アナフィラキシーショックに言及しているところは、もう1回、いまの一般 的なガイドラインがどうなっているか調べた上で、必要なら残されたらいいですし、そう でないというのだったら削除するほうが、私はいいのではないかと思います。 ○島崎座長 野口先生、文献的にどうですか。 ○野口(宏)委員 これは大変申し訳なかったのですが、アドレナリンというのはアメリ カではみんな静注なのです。EMTにしかエピペンは使いません。だからこの辺が日本の実情 と合わないところがあるし、我々も現状ではアドレナリンの投与を検討するということで はありませんので、そうなるとアナフィラキシーショックに輸液が有効かどうかという話 になるのですが、ここは輸液というより、むしろ静脈路確保という意味でご理解いただき たいので、その辺の詳細はさせていただいたほうがいいと思います。 ○島崎座長 そうですね。お願いします。それを見てそういう有効性があるというEBMな り論文があれば、この文章は報告書の中で活かすということですか。なければ削除と。 ○高宮指導課長補佐 アナフィラキシーショックのいま議論になっている部分は、現在の 厚生労働科研の報告書の概要を書き込んだ部分で、今年度やっていただいた報告書がこう 書いてあり、それがこちらの検討会の報告書にも載っているという関係です。 ○島崎座長 厚労科研で有効だと書かれているのですか。 ○高宮指導課長補佐 はい。机上配付していますが、前回の検討会資料の厚労科研の報告 書案42頁になります。4の「病院前救護における静脈路確保と輸液の効果の安全性」の2 段落目、一方のところで、「重症外傷などと並んでアナフィラキシーショックのいずれに おいても、輸液路の確保と輸液付加は極めて妥当な処置」とあります。その次の次の段落 で「しかし、輸液については」とあり、「アナフィラキシーショックではアドレナリン投 与は非常に有効な処置であるばかりでなく」という記述があります。ここを今回の報告書 の中にも書き込んでいるという関係です。 ○島崎座長 その後は、下は出血性ショック、そうなのかな、大量輸液がアナフィラキシ ーショックに有効だというのは、私はあまり知らないけれど、そうなのかな。 ○杉本委員 一般的な話ですが、一般的な意味で言えばアナフィラキシーショックに大量 輸液は有効であるというのは、通常はないと思います。だから、ここのところは1回チェ ックされて、私が間違えているかもしれませんから、是非ともチェックは1回やっておい たほうがいいのではないかと思います。 ○島崎座長 ある種のアナフィラキシーショックに、ひょっとしたら有効かもしれないの です。アナフィラキシーになるタイプですね、上気道閉塞型とかいろいろありますよね。 そのうちの一部に有効かもしれないから、それも調べて。 ○杉本委員 一般には気道閉塞や他の合併症も伴うもので、ショックだけではないから、 アドレナリンを使ってやるというのが普通です。普通の出血性ショックのように輸液がそ れでどうというものでなしに、むしろ浮腫を増強させる可能性があるからと普通には考え られているのではないかと思います。 ○島崎座長 これ、ちょっと調べていただいて、いまの話には私も賛成です。もし調べて そういうのがなければ、これは抜きますか。最終的には私に任せていただいて作ったのを 皆さんに回します。それまでの間、野口先生、調べていただけますか。ほか、いかがでし ょうか。 ○永池委員 基本的な方向性のところで、「静脈路確保と輸液の件に関しては、重症外傷、 ほかアナフィラキシーショックにおいては」ということで限定している中に、第3パラグ ラフのほうでは、クラッシュドシンドロームもここで出てきています。クラッシュドシン ドロームの議論も少し前のほうで入れたほうがいいのか、あるいはどこかの言葉でそれが カバーされているのか。なぜここにクラッシュドシンドロームが出てきたのかという文言 の補足は、必要はないのでしょうか。 ○島崎座長 確かに突然、ここに出てくるのです。座長の個人的な意見としては、クラッ シュシンドロームには輸液路を確保して、ある種の輸液をやっておくと有効だとは思いま す。特に圧挫症候群の患者に輸液しておくと、救命してから後、圧挫症候群による心室細 動は予防できます。確かに文章としてはポッと出てくるのですが、そういうことでこれは 入れたのですよね。 ○高宮指導課長補佐 (2)の1つ目の○でクラッシュドシンドロームが出てこないのは、な ぜかというと、2つ目の文章で「また、搬送時間が長くならざるを得ない地域や状況におい ては」とあるように、状況の1つがクラッシュドシンドロームだと思います。それが明示 されていないということですので、明示できるような書き方に直したいと思います。 ○島崎座長 永池さんも事務局も、クラッシュドシンドロームとおっしゃったけど、どっ ちかな。クラッシュシンドロームか「クラッシュド」かな、私たちは普通「クラッシュシ ンドローム」と言っていますね。 ○中野専門官 クラッシュシンドロームです。 ○島崎座長 ではそのようにお願いします。ほか、いかがでしょうか。では6.「おわり に」です。ここはいかがでしょうか。 ○石井委員 これは書き込むかどうかではなくて、コメントとしてもらっても結構ですが、 これまで業務の拡大の話が長い歴史を持っていると思います。番外で出させてもらいます が、そういうことを含め、また今日の議論を踏まえましても、業務の拡大だけの一本調子 で議論を進めるのは、プラトーに達してきているのではないかと感じます。診断や処置な どいろいろな複雑系の中に入ってきていて、是か否かという議論をするとだんだんコント ラバーションになってきて、よく検証しながらという話になっていると思いますが、この 事象そのものが業務の拡大だけでなく質の担保など、別なフェーズについても議論する時 代になってきているのではないかと思います。  そのためには、それだけの医療資源、財源もそうですが、こういうものが必要ですと、 このレベルまで全国的に何とか維持したいという議論もし、業務の中身だけをどんどん先 に進めるのではなく、そういうことも一緒に議論する時期かなと思います。あくまでコメ ントで結構です。 ○島崎座長 皆さん、おっしゃらないですけど、先生がおっしゃったようなことは皆さん もベースで、質の担保であるとか倫理的な側面など、ますます重要になってくると思って います。そういうのは「おわりに」の中に入れておいてもらったほうがいいと思います。 ほかいかがでしょうか。全般を通じていかがでしょう。  私からですが、いま言った「三行為」は差し当たって、厚生科研の中で実証研究すると。 3つともそれぞれ決めた場所でやるということですね。ばらばらにこの地域はこれだけ、こ の地域はこれだけというのでなく、3つともまとめて何カ所かでやる。その期間やメンバー、 どの地域でやるか、地域はいくつぐらいの場所でやるかというのは、どこで決めますか。 ○高宮指導課長補佐 また厚労科研のほうで中心となって、検討したいと思います。 ○島崎座長 期間は、5年かけてやるのか1年でやるのか、その辺のところは大体どんな見 通しを持っておられるのですか。 ○高宮指導課長補佐 そこの期間をどのくらいでやるかというのは、まだ決まってはいな いですが、5年といった長期間よりも1年か2年程度で実証研究をやってもらう話かなと思 います。 ○島崎座長 それをやった段階で、ここへ上がって来るわけですか。 ○高宮指導課長補佐 そうです。今回のような検討会をまた開きまして、ご議論いただく ことになります。 ○島崎座長 わかりました。大体そういう方向でということのようです。 ○郡山委員 厚生労働科研で、こういうやり方で、対象はこれで、期間はこれでというこ とになると、例えば一度、ここで報告をしてもらって。 ○島崎座長 そうですね。 ○郡山委員 そうすると、実効性ということができるのではないかと思います。 ○島崎座長 実証研究の出来上がった段階で、プロトコールなんかも大体のところを決め られるわけでしょう。それを一度そのままダーッといくのではなく、その前にこれでいき たいのですがというのを、この検討会にかけていただいたほうがいいかもしれません。 ○杉本委員 厚労省は一般に、厚労科研をそういう形でやっていますか。ほかも含めて。 ○島崎座長 いや、あまりやっていない。 ○杉本委員 やっていないのは大丈夫なのですか。研究者そのものが、主任研究者あるい は研究者も含めた考え方が当然あると思います。その辺のことを整理しておかないと、研 究に対しての干渉ということになってしまう可能性も十分あり得るから、その辺のことは 慎重にしておかないといけないのではないかと思います。 ○島崎座長 メンバーと主任研究者は省いて、例えば期間とか、こういう地域でやります とか、それならいいのではないか。だけど出てきても大体わかりますから、別に干渉には ならないと思います。でも前もってどういう方向でいくかというのは、一度知りたいです よね。 ○郡山委員 干渉ということを置いて、この議論をいちばんよく知っているのはここに参 加しているメンバーですから、そのメンバーが厚生労働科学研究に加わって、私たちが考 えているのはこういうことです、というのを研究班から上げていただき、それを総合的に この場で検討して持ち帰ってもらうようにすれば、干渉という行為には当たらなくなると 思います。 ○島崎座長 この中から、どなたかは入られるのではないか。 ○総務省消防庁 実効性という言葉が郡山先生からありましたが、非常に重要です。現在、 私どもの中で調査している中でも、例えば脳血管障害を当てようとしても7割しか当たら ない。要するに3割は判断ミスがある。あるいは脳疾患を疑いもしなかったけれども脳疾 患だったというのも、当然出ることを前提にシステムを組まなければいけない。私どもも 実効性の担保という意味でいくと、救急業務という立場からいろいろ検討できることもあ ると思っています。消防庁としてフィージビリティというところにはちゃんと噛んでいく べきだと思っています。  先ほどのクラッシュシンドロームだったらどうだという話は、クラッシュシンドローム が診断できれば、それはそうだというのは理論的には正しいのですが、そもそも診断でき るのかどうなのかという、そのフィージビリティのところから入っていかないと、この郡 山先生の、患者のためになるかどうかの究極的なところは、現場に医師がいくらでもいれ ばいいというのが究極論なので、フィージビリティのところは消防庁としても、こちらの 検討会などで関与させていただければと思っています。 ○石井委員 念のためですが、ここで例えばスタディの中身を見せていただいて判断させ ていただくことは非常に大事だと思います。しかしながら、この検討会はいわゆるヘルシ ンキ宣言における倫理委員会の役割を負わされるべきではないと思いますので、それは、 その地域なり大学なり別にとっていただき、それをスルーした上でこちらに見せていただ くということであれば、何らかのアドバイスができるというメリットはあるのではないか と思います。手続論です。 ○福原指導課長補佐 いま、委員会のお話がありましたので、一般的に厚労科研の場合、 こういう多施設共同研究の場合は、その主たる研究機関で倫理委員会を受けていただき、 それに対する協力機関については簡易的な、それぞれの地域における倫理委員会を通して いただくスタイルをとっています。ですから、この検討会でそれを更に吟味するというよ りは、できれば本日、この場でできるだけ意見を言っていただいて、それを踏まえて我々 のほうで、そういった趣旨で研究が行われるように課題設定等をしていく。そういう趣旨 と理解しています。 ○島崎座長 倫理に関しては、倫理的側面もよくご検討の上ということで、あまり大きく 変わったりしないですね。ほかに各論的なところで是非ともということがあれば、おっし ゃっていただいて、どうぞ。 ○永池委員 お示しいただきました参考資料1と本報告書の関係性ですが、このイメージ の内容も検討会において了承の上でいくものになりますか。 ○高宮指導課長補佐 参考資料1は、今回実証研究をやるというので、イメージをつかん でもらうために事務局で出したものですから、この報告書とはまた別のものになります。 ○永池委員 いま、ここでお出しいただいたイメージに基づき議論されたものが、「おわ りに」の中に含まれていくと考えてよろしいのですか。 ○高宮指導課長補佐 いまの永池委員の意見は、実証研究をこういうイメージでやります というのを、報告書の中に書き込んだほうがいいということですか。 ○永池委員 こういう位置づけになるのかなと思って確認しています。もし議論されたも のが、この実証研究のイメージの中にさらに追加されていくのであれば、文言が追加され て参考資料ということで、報告書と合体されて提出されるのか。 ○島崎座長 報告書の中で、この報告の具体的な執行に関しては、こういう厚生科学研究 班を設けてやるというのが、報告書の中に載るかどうかということ。そうすると、これに つながるということですよね。 ○永池委員 はい。何をどこで検討されるべきなのか。いまのような倫理委員会との関係 のことなど、議論された言葉がこの「おわりに」の中に入るのであれば、もしかしたらこ れは要らないかもしれないと思いました。でも報告書の中で添付されるのであれば、イメ ージ的にわかりやすいかなという思いもあります。 ○島崎座長 この報告書(案)は確かに、こういう中身を皆さんいま共通のコンセンサを 持つ感じでディスカッションしましたね。だから報告書の中に、こういうこともこれから やりますというのを書くかどうかですが、どうなのですか。 ○永池委員 いまのように議論されていて、どのくらいかけてやるのか、ここで検討会と 実証研究との関係性はどういうものなのかも、報告書の中に示すべきではないかとも思い ます。 ○島崎座長 入れておいたらどうですか。 ○高宮指導課長補佐 本日のご意見を踏まえ、実証研究がどういうイメージなのかを報告 書の中に書き込んで、即刻、委員にご相談したいと思います。 ○島崎座長 事務局と話合いをして、その結果を、いずれにしても今日の報告書の最終 (案)が取れたものを皆さんにお送りするということです。 ○永池委員 そうなりますと、もしこの参考資料1を使う場合には、安全性というものの 文言がちょっと欠けていると思いますので、上の囲みの中の分析評価の視点を、実施の有 効性、必要性、安全性ということで、「安全」の言葉も入れていただくとよろしいかと思 います。 ○島崎座長 よろしくお願いします。検討会の報告書は、そういう形で事務局と私のほう で差し当たって任せていただいて、それを皆さんに回します。続いて2.「その他」に移り たいと思います。 ○郡山委員 先ほど石井先生がおっしゃったことと関係するのですが、参考資料3の最後 に示していることについて、少しだけお願いをさせていただきたいと思います。処置拡大 ということを検討しているのですが、現在、救急救命士の量と質についてあくまでも私ど もの主観ですけれども、横軸に量をとって縦軸に質をとったときに、数的には一定の充足 のところにきたわけです。その後、これを引き上げるということで新規研修を私どもはや っています。「求められるべきレベル」は「充足のためのレベル」ではなく、新規研修に 対応できるような再研修による引き上げを、過去の救命士に対しては行わなければいけな いというのが、あるべき姿だと私は思うわけです。  しかしながら現状として、一定の充足に達した後、残念ながら私どもの研修所に来る救 命士のレベルは下がってきているのが、正直な感想です。これでは処置拡大の議論をいく らここでやっても、現実的には世の中のためにならない。私どもの研修所では、この充足 のためのレベルよりも下がった者を何とか通すことを、研修所の生き残りを賭けてやらな ければいけないというのは、私は本末転倒ではないかと思っています。医学的にこの研修 生では駄目だという者については、今後、しっかりと対応を図っていきたいと医者のほう は思っています。  ここから先はお願いになりますが、是非、各消防にあっては研修所に送るときに、自ら 救急救命士になりたい人、その中できちんと勉強を自ら進んで行う人で、能力に達しない 場合には残念ということもあり得ることを、私どもは今度文書として出すのですが、是非 何かの折がありましたら、総務省などからもそういうことを言っていただければありがた いと思います。私どもが最低保障する場だと思っていますので、そこについて落としたと きに「なぜ落とすんだ、お前の所は通すのが役目だろう」と、各消防本部から言われたり するのですが、そういうことは申し訳ないけれども、日本の病院前救護の向上を私どもは 本質的に考えていますので、是非ご理解をお願いします。 ○島崎座長 そのとおりです。これは全国救急隊シンポジウムなどでも、プロフェッショ ナル・オートノミーという中で一括してなっていますが、先生がおっしゃるのは現場とし て当然のことで、私のほうにもいろいろ漏れ聞こえてきます。その辺のところは質の担保 を含めて、いちばんの基本ですからね。 ○野口(英)委員 いまの郡山先生のお話ですが、おっしゃるとおりだと私は思います。 別に言い訳をするつもりはないのですが、ある程度、いま救命士が充足しつつある中で、 従前のように例えば都民や住民の期待の中で、我々は高度救急隊という名称で言っていま すが、救命士を必ず乗務させるという、ある面でノルマ的な部分があって各消防本部では 研修に送り出している。そういう中で、せっかく送り出した研修生が資格を取れないとか、 ふさわしくないといったことがないように、消防本部では事前に本人の意思を含めてやっ ていたのです。  しかしながら、たぶん郡山先生がおっしゃっているのは、そういう時期が過ぎた後に、 先ほど石井先生もおっしゃったように、結果的に質が求められる時代になったのだろうと 思います。その質を求める中で我々消防本部が、どういう姿勢で救命士と向き合っていく か。また救急業務を引き上げていくかという問題だと思いますので、そういう観点では私 は理解させていただきました。しかし、一生懸命やっている消防本部もあるということだ け言わせていただきます。 ○島崎座長 当然、一生懸命やってもらわないと駄目なわけです。石井先生、参考資料4 をお出しですが、説明していただけますか。 ○石井委員 限られた時間で手短に申し上げます。いまの議論を見ましても、日本の救急 医療は、全国一律の質を担保するために皆で走ってきて、ある種のレベルに達していると 思いますが、日本医師会の中の救急災害医療対策委員会でも、先駆けて議論いたしました。 それは救急救命士の業務の場所の拡大についてです。なぜこういうものを提案し、一緒に 考えましょうと言い出したかといいますと、2頁の<参考1>、<参考2>を見ていただく と、救命士の方々は養成を受け、救急隊に就職した方は業として仕事を行っていただいて いる。ところが、そこに至らなかった方々をカウントして、<参考1>の自衛隊員、経過措 置等の看護師、外国免許保持等々を引いてみると、例えばA-B=18,613人、それからCを引 いても8,717人となります。これは現役かどうかはわからない数字ですから、つかみの数 字ではありますが、こういう方々がスリーピングの状態で、せっかく資格を取っても社会 に埋もれているのではないか、と思います。  いま救急の現場は医療側から見ても、非常にタイトな中で動いていることはご承知のと おりです。しかも研修場所としては、例えば医療機関内の業務の中で研修を行ったりして いるわけです。ところが、実際に業として行うことが可能かというと、いまの枠組みの中 ではそれはできない。したがって、研修を行っている所では、例えば血管確保なり挿管と いうことがされても、搬送に付き添って来たときには処置できない。しかも厳密に言えば ドアの中と外で全く扱いが変わる。しかし、それは救急の現場ではあまり好ましいことで はないのではないか、実際に受ける患者さん側から見ても、そういうことが言えるのでは ないかということです。それを考えるには、(2)の[1]〜[4]を前提として考える必要がありま す。  (3)の「場所」というのは具体的にどこかと言うと、例えば医療機関のどこかになるので はないかと考えています。(4)で、そうすると救急隊の方が医療機関の中で、搬送業務の中 で、継続してその業務が行われることが1つあり、もう1つは、例えば医療機関に就業す るということがあります。特にスリーピング状態の方々の中で、その意思のある方が救命 処置を行うことになれば、それはいずれにしても場の拡大という議論になるという括りで す。  3頁をご覧ください。医師会の中で議論をいたしました。(1)共通テーマとして、法の改 正が必要になるのかもしれません。どの行為が拡大されるのかという今日の議論も含め、 整理されなければなりません。医療機関の中の業務の場所についても議論が必要です。(2) の救急隊の救命士による処置も法改正、管理責任の整理が必要になります。(3)の医療機関 に席を置いた状態で、こういうことを行うのであれば、医療職としての教育研修がされて いるかどうか、質の担保がされているかどうか、議論いたしました。その異論として、看 護職員の養成が優先されるべきではないかという議論も、この中でありました。  4頁をご覧ください。あくまでざっとですが考えてみると、病院又は診療所に搬送される までの間に省令で定めるものという括りですから、この辺でいろいろな考え方ができるか どうか。[2]の1)ですが、現行の規定を見ると「業務を行ってはならない」とあり、先ほど も言いましたが、救急に関わる中にあるmust notという言葉を、どういうふうに次のフェ ーズで考えていくか。2)にありますように罰則もありますので、考えていく必要がありま す。  その下の箱は、医行為という中で保助看法の「診療の補助行為」の中で、おそらく救命 処置というのは、その中の実践の範囲で行われるように検討されると思います。[4]は蛇足 ですが、こういう議論がなされたということで、これは中で議論しただけでなく、せっか くの機会ですので、こういう場で一度お話させていただいたことは非常にありがたいと思 っています。今日結論が出る話ではありませんので、また参考にしていただければと思い ます。 ○島崎座長 ありがとうございました。中長期的な立場で救命士の今後のあり方のような ものですね、ある種、職域拡大ですか。 ○石井委員 それも含めた検討ということです。 ○島崎座長 今回のこの報告とは直接関係はありませんが、そういう形での救急救命士の 今後のあり方ということで、いま石井先生からお話を伺いました。時間がきていますが、 全般を通して特に何かご意見はございませんか。よろしいでしょうか。では事務局から何 かありますか。 ○中野専門官 活発なご議論、ありがとうございました。報告書につきましては座長もお っしゃったように本年度中に取りまとめるように、島崎座長と相談の上、予め各委員の先 生方にもメール等でご相談させていただきますので、よろしくお願いします。ありがとう ございました。 ○島崎座長 お疲れさまでした。実証研究については厚生労働科学研究班が中心になって 検討していただき、ある程度まとまったら動き出す前に一度、会を持つか持ち回りにする か、どちらでも結構ですから決めていただきます。これでこの検討会を終わりにしたいと 思います。ありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省医政局指導課 救急・周産期医療等対策室 救急医療専門官 中野 (代)03-5253-1111(内線2559)