10/03/08 第22回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第22回)議事録                   日時:平成22年3月8日(月) 15:00 〜 17:30                   場所:専用第15会議室 ○寺野座長 それではお待たせいたしました。ちょっと定刻を過ぎましたが、ただい まから「第22回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討 委員会」を開催いたします。委員の皆様には、お寒いところ、お忙しい中、御出席い ただきましてありがとうございます。  今日は、山井政務官が可能な限り出席ということらしいので、来られたときに御挨 拶をいただきたいと思います。  まず最初に、開会に当たりまして資料の確認をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。  まず、委員の御出欠ですが、神田委員が御欠席と伺っております。  資料は、机の上に置かせていただいていますが、議事次第、座席表、名簿のほかに、 資料番号として右肩に1から10と振った資料がございます。  このうち資料6−1、6−2は枝番が付けてございます。  6−1には追加が別とじで付いております。今日は、最終提言案に関して御議論い ただくわけですが、これに関する委員の皆様からの御意見を結構直前までいただいた ものですから、それらが別冊でございます。  それから、資料1は、前回お配りしているものと同じ資料でして、時間の関係で前 回、議論いただけなかったものですから、同じものを配らせていただいてございます。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。資料はありますでしょうか。 (「はい」と声あり) ○寺野座長 不足があったらお申し付けください。  今日は、3月、2回だけということになっておるのですけれども、17時半ぐらいま でに堀内研究班からの報告、これは行政・企業関連の検証と、患者実態調査結果の報 告ということでお願いするということ。  それから、最終提言に関する討議、これが時間がかかると思います。  それから、第三者監視評価組織についてのワーキンググループからの報告、そして 今後の進め方という形で進めたいのですが、森嶌委員の御都合もございますので、ワ ーキンググループ、第三者監視評価組織の報告・議論を最終提言に関する討議の前に、 つまり堀内研究班からの報告の次にいたしたい。そして、後半で最終提言に関する討 議をしたいと思います。  できるだけ5時半までに終わりたいと思います。今日は、私は6時に出ますとは言 いませんけれども、できるだけ時間を守っていただきたいと思っています。  それでは、議事に入る前に、前回報告があった職員アンケートに関して、水口委員 から報告があるということですので、よろしくお願いします。 ○水口委員 前回、職員アンケートの結果について報告書の形でまとめたものを配付 させていただきました。それで、その中からピックアップされる論点については、前 回簡単なメモを、これはワーキングチームとしてではなくて、私個人の責任でまとめ たものを提出させていただきましたが、それは今日の素案についての検討の資料とし ても、私の意見書の後ろに付けさせていただきました。  そのほかに実務的なことなのですが、ホームページに全回答をアップするというこ とになりまして、そのアップの際に、回答には非常にさまざまなものがありますので、 その中から何か1つだけをピックアップして、それをコメントに使うことについては、 場合によっては調査の目的に反する場合もありますので、ピックアップに際しまして ワーキングチーム内で協議しまして、引用等をする場合にはホームページ全体のアド レスをきちっと引用することを含め、取り扱いについて全体として一体のものである ということを注意書きに加えて、それをホームページアップ時に明記する形でお願い しました。  その点が前回の会議の配付資料に更に付け加えたところですので、念のために御報 告しておきます。  あと、2月26日までにマスキングした部分について御回答いただいた中で、あく までそれは個人の特定を回避するという目的のものでしたから、その御本人から、い や、これは解除していただいて結構。このマスクがあると言いたいことの趣旨が伝わ らないということがあれば、御連絡いただくようにということで御通知申し上げまし たが、ありませんでした。ですから、マスクはあのままの状態ということで確定させ ていただきます。 ○寺野座長 今の水口委員の補足に関しては、事務局の方はよろしいですね。 ○医薬品副作用被害対策室長 はい。 ○寺野座長 何か質問ありますか。 (「異議なし」と声あり) ○寺野座長 では、そのようにお願いいたします。  では、議題に入りますが、まず堀内研究班からの報告です。まず最初に、医薬品行 政に関する検証ということで、前回準備をしていただきながら、時間がとれないで誠 に申しわけありませんでした。改めて今年度に実施されているヒアリングの状況を交 えまして、まず、資料1並びに2ですが、行政関連の検証並びに企業関連の検証とい うことで、坂田委員、お願いいたします。 ○坂田委員 坂田です。私は、昭和62年8月に患者フィブリノゲン製剤を投与され た被害者です。研究班の一員としてヒアリングを行いましたが、被害者である私にと って、このヒアリングは想像以上につらいものでした。怒りを抑えるのに大変なとき もありました。今日までに10名の関係者にヒアリングを行いましたが、ヒアリング を拒否される旧ミドリ十字の方々もいらっしゃいました。とても残念に思います。  本来、非加熱による集団感染や加熱承認後のフォローが適切に行われていれば、私 はここにいなかったかもしれません。私たちは、国が承認し、国家検定という安全性 の証明を受けたフィブリノゲン製剤や第IX因子製剤によってC型肝炎に感染させら れました。感染によって人生を狂わされた人々の体と心の傷の原因となった過去の事 実にもしっかり向き合い、反省していただきたいと思います。  それでは、国と企業に対して行ったヒアリングの結果を交えて報告させていただき ます。  最初に、薬事行政に関する検証状況です。今年度、行っている、当時の行政担当者 3名のヒアリング結果のみでの報告になりますが、私自身が特に問題意識を持ってい る3点に焦点を当ててみました。  1つ目は、承認審査時の行政対応、2つ目は、1987年の青森集団感染発生時の行政 対応、3つ目として、418リスト入手後の行政対応を取り上げます。時間の制約もあ り、御紹介できるのは1987年の青森集団感染発生時の行政対応のみとなってしまい ますが、その他の研究班の検証結果につきましては、昨年度の中間報告書及び本年度、 とりまとめる報告書をごらんいただければと思います。  それでは、皆様に配付されている資料の3ページ目からですが、1987年の青森集団 感染事件時の行政の対応について見てまいります。  集団感染事件は、1986年に静岡、広島、青森の産婦人科医師がミドリ十字に副作用 報告を行ったことに端を発しています。ところが、厚生省は翌1987年になって、初 めてこの問題を認識しました。この間、集団感染に関する情報は、ミドリ十字から厚 生省には報告されていませんでした。厚生省が集団感染の情報を入手したのは、たま たま青森県三沢市の産婦人科医院からの報告があったからです。  当時の厚生省は、モニター病院からの報告により副作用情報の収集を行っていまし たが、この医院はモニター病院ではありませんでした。この医院からの自発的な報告 がなければ、集団感染の把握自体が更に遅れた可能性がありました。そして、厚生省 が同医院から副作用報告を初めて受けた時期は、今回の調査で明らかになりませんで した。1987年1月に報告を受けたという記録がある一方で、厚生労働省の内部調査で は、同年1月に報告を受けたかどうかは不明確であるという回答でした。当時の厚生 省担当者へのヒアリングでも、その時期は明らかになりませんでした。  ただ、当時の新聞のデーリー東北には、三沢の医師のコメントとして、患者が連続 した段階でこちらから薬に危険があると厚生省に連絡したとの記載があります。1987 年1月の時点では、既に三沢の産婦人科医院では連続して患者が出ていたこと。三沢 の医院に対して副作用を報告するよう伝えた3月24日の時点では、新たな患者が連 続して出るような状況ではなかったことから、1月に報告された可能性は高いと思わ れます。集団感染の疑いのある重大な情報に関して、厚生省がいつ、その一報を受け たのか、どのような対応をとったのかということが明らかにならないこと自体、その 情報管理体制に問題があったと考えます。  その後、厚生省は同医院から、肝炎発症例の副作用報告書8例と集団感染の説明が なされた文書を受け取りました。しかし、ヒアリング調査において、当時の厚生省担 当者は、だれもその内容について記憶がないということを述べられました。このよう な重大な情報であったにもかかわらず、この情報に対して、とられた対応が明らかに なりませんでした。厚生省の情報管理体制に問題があったと考えざるを得ません。  副作用情報を報告した同医院の医師は、その経歴から肝炎が重篤な病であることの 認識がありました。医大卒業後、都内の産婦人科に勤務していた当時、旧厚生省のB 型肝炎、当時のオーストラリア抗原母子感染研究班メンバーの研究実務を手伝ってい たそうです。この経験により、自分の医院で診ている妊産婦に対して、肝炎ウイルス の有無を確認するため、出産の前後に必ず肝機能値を検査していたそうです。だから こそ、集団感染の疑いを認識したときに、いち早く厚生省に対して報告をしました。 報告症例の中には、フィブリノゲン製剤の単独投与例も複数ありました。私は、この 医師の訴えを厚生省がきちんと聞き入れなかったことが残念でなりません。被害拡大 の一因になったと思います。  1987年5月26日になって、血液評価委員会が開催されました。ヒアリングをした 厚生省担当者によると、この委員会はフィブリノゲン製剤による肝炎の集団感染につ いては、通常の副作用とは異なると考えたため、特別に組織されたということでした。 しかし、その開催は、厚生省が第一報を受けてから少なくとも2カ月が経過していま す。第一報が1月であれば4か月の経過です。委員の選定や日程調整に時間を要する ことはわかりますが、問題の重大さをかんがみると、より早期に立ち上げることがで きなかったものかと考えております。  そして、4月17日の集団感染の報道後は、そのスケジュールどおり、4月20日、 ミドリ十字による加熱製剤の承認申請、22日、加熱製剤の治験品の提供開始、30日、 加熱製剤の承認製品がなされてきました。集団感染の対応をめぐっては、肝炎発生の 危険が判明した製剤について、自主回収の措置では不十分だったのではないかという 問題、関連する担当者の連携はできていたかといった問題があります。これらについ ては、引き続きまとめていきたいと考えています。  4ページに入りますが、加熱製剤の販売開始後も事態は鎮静化することなく、厚生 省は1987年11月には、ミドリ十字より加熱製剤投与後の肝炎発症例の報告を受けま す。ちなみにミドリ十字は、社内では11例の報告が上がっているにもかかわらず、 厚生省へは3例のみしか報告していません。その後も加熱製剤による肝炎発症が続き、 厚生省薬務局は翌年5月6日のミドリ十字からの加熱製剤投与後の肝炎発症報告を 受け、5月12日の血液製剤評価委員会にて対応方針の検討を行いました。  そこで検討された、(1)肝炎感染例の数例は、フィブリノゲン−HTミドリが原因と考 えられること。(2)使用例全例の追跡調査が必要であること。(3)NANB肝炎発症情報の医 師への伝達と製品返却促進が必要等の方針が5月20日にミドリ十字に伝達されます。 そして、約2週間後の6月2日、厚生省はミドリ十字に対し、加熱製剤の添付文書改 訂と緊急安全性情報の配布を指示。ミドリ十字はその指示を受け、緊急安全性情報を 配布するとともに、加熱製剤の回収を進め、7月7日までに在庫の41.2%を回収しま した。以上が集団感染事件の大まかな流れです。  5ページに入りますが、この一連の流れの中で、研究班では以下3点について問題 提起を行いました。  1つは、集団感染事件発生から加熱製剤承認前までの行政の対応についてです。  当時の薬事行政で、保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するために必要があ ると認める場合には、製造承認内容の変更、販売の一時停止、回収等の命令、更には ドクターレターの配布や広報機関を利用したPRの指示を行う権限を有していまし たが、実際にとられたのは、ミドリ十字に対する自主回収及び加熱製剤への切りかえ 指示のみでした。承認取消や回収命令を発した際の企業や医療現場に対する影響度を 考慮したとも考えられますが、自らの規制権限の影響度と国民の健康とを比較、考慮 した上で、薬害が懸念される事態が発生した際の規制権限の展開ステップや発動条件 をあらかじめ決めておくべきだったのではないかと考えています。  2つ目は、加熱製剤承認後の行政の対応についてです。  この事件では、承認後、約6か月たって、初めて厚生省が加熱製剤による肝炎発症 例の第一報を受領いたしましたが、その後、添付文書の改訂と緊急安全性情報の配布 指示までに7か月もの時間がかかっています。当時の行政担当者のヒアリングの結果、 厚生省内には、副作用報告に対応して、未知の重篤な副作用情報を入手した際に、2 例目になれば要注意、3例になれば対応するという3例ルールという暗黙のルールが 存在していたとのことですが、明文化された対応指針や症例数の共有ルールは存在し なかったようです。  本件では、ミドリ十字が把握していた症例の一部しか厚生省に報告しなかったこと や、症例把握後にすぐに厚生省に報告しなかったことが明らかになっています。同製 剤の危険性が認識されたことを考慮すると、第一報が入った後、厚生省からミドリ十 字に対し、報告の徹底をより強く指示することもできなかったのでしょうか。  3つ目として、回収された製剤がすべて廃棄処分されたため、後年の調査が困難と なったという点があります。問題発生により回収に至った医薬品については、行政側 がその回収品を検査するとともに、その時点の検知では検査・判断できない場合に備 えて、後年、検査できるように企業に一定量を管理・保存させる取り組みも必要では ないでしょうか。  以上が青森集団感染に関連し、これまで研究班にて整理してきた検証内容です。  お時間の制約上、1つのポイントのみでの御説明となりましたが、以上が薬事行政 に関する研究班での検証状況となります。 ○寺野座長 続いて、企業関連をお願いします。 ○坂田委員 行政関連の検証結果に引き続き、企業関連の検証結果について説明いた します。  本日の資料内では、昨年度の検証結果の中から、特に私自身が問題意識を持ってい る3点を挙げております。  1つ目は、先ほどの行政のときと同様に、1987年の青森集団感染発生時の対応です。  2つ目は、フィブリノゲン製剤の開発・製造段階における問題点です。ここでは、 原材料の問題や製造工程の問題についてまとめています。  3つ目は、第IX因子製剤の開発、製造段階における問題点を整理しています。ミド リ十字のクリスマシンや日本製薬のPPSB−ニチヤクについて、その問題点をまとめて います。  時間の制約もありますので、本日はこの中から更に焦点を絞り込み、1つ目の集団 感染発生時の問題点について説明いたします。製剤の開発、製造段階に関わる残り2 つの論点、及びその他の検証結果につきましては、昨年度の中間報告書及び本年度の 報告書をごらんいただければと思います。それでは、よろしくお願いします。  1ページ目では、まず集団感染に関連したミドリ十字の動きを整理しています。  大まかな経緯は、先ほどの行政関連の報告にて説明しておりますので、細かい説明 は割愛いたしますが、まず1986年の秋口から静岡、青森、広島にて肝炎発症例がミ ドリ十字に報告されている点を御確認ください。また、翌1987年1月には、青森県 三沢市の産婦人科医院からミドリ十字に調査依頼がありました。これを受け、ミドリ 十字は同医院を訪問し、1月20日には、この医院分の副作用報告がミドリ十字内の 医薬安全室で受け付けられ、社内回覧がされています。  しかし、その後目立った動きはなく、2月26日に青森県内のD市立病院から肝炎 発症報告を受けた後、翌27日に学術部長から支店長に対して、同様の事例の有無を 調べるよう伝える緊急業務連絡が出されています。緊急業務連絡を受け、各支店から 肝炎発症報告が届けられる中、4月8日に厚生省安全課から、更に4月16日は厚生 省3課会議から呼び出しを受け、今後の方針、対処などの説明を求められ、最終的に 4月20日のフィブリノゲン−ミドリの全面回収に至ります。この後、非加熱製剤の 納入先医療機関における肝炎発症有無を調査し、5月8日から7月14日の間で4回 にわたって肝炎発症数を厚生省に報告しています。このときには、最終的に74例を 報告しています。  また、加熱製剤の治験品の提供開始後に、加熱製剤を使用した患者における肝炎発 症の有無を調査していますが、その第1回報告である11月5日の報告では、3例の 肝炎発症を報告しています。翌年5月6日には、加熱製剤に関する最終報告として34 例の肝炎発症を報告しており、この結果を踏まえ、厚生省との協議の結果、その1か 月後の6月6日に緊急安全性情報を配布し、医療機関に加熱製剤の返品を依頼するこ ととなりました。  以上が集団感染に関連したミドリ十字の動きです。これに関連した問題点について、 次のページ以降で詳しく述べます。  2ページ目に入りますが、集団感染時のミドリ十字の対応の主な問題点として6点、 当時の状況と考察を加え、本日の配布資料に記載しています。  1番目に、一元的に情報を取り扱う部門が存在しなかったという問題です。集団感 染が起こった当時は、営業、開発、研究の3部門は、それぞれで危険性情報を収集す る組織を持っていたため、危険なロットが流通して全国で集団感染が発生するような 状態に陥ったとき、情報の集約が円滑に行えない危険性が十分ありました。例えば、 肝炎発症報告がクレーム等を記載する「顧客の声」で報告されています。  2番目に、情報取り扱い体制の構築が十分でなかった点です。今回のヒアリングに より、副作用情報の取り扱いを担っていた医薬安全室は、実質的に1人であったとい うことが明らかになりました。片や世の中はバブルの真っ最中であり、企業は売り上 げを追い求める中、安全対策に関してはたったの1人だったというのには、本当に驚 きました。企業自らも、当時の体制の不十分さについて言及しています。  3番目に、安全性の確保に関する意識が欠如していた問題です。例えば1987年1 月20日に青森県三沢市の産婦人科医院における副作用報告書を回覧し、投与8例中 7例で肝炎が発生したという実態を把握していますが、関連ロットによる類似事例の 収集に至るには、同年2月27日の緊急業務連絡の配布まで待たなくてはいけません でした。ほかにも、1987年2月26日に青森県の別の病院における副作用報告書を回 覧し、この4症例に関しては厚生省に報告したいと書かれているにもかかわらず、実 際に報告したのは同年4月8日での口頭報告でした。同じように、静岡、広島の事例 でも直後に報告されていません。このように企業の対応が遅いことは明白であり、製 薬企業として安全性を確保する意識が欠如していたと言わざるを得ません。  ヒアリングでわかったことですが、ミドリ十字社は厚生省からの指導により、厚生 省に肝炎発症事例を報告する際に、事故報告であり、副作用報告でないと認識してい ました。いわゆる副作用報告は30日以内に厚生省に報告義務があり、事故報告であ れば報告する必要がないとする当時の方針でした。一方、厚生省のヒアリングでは、 多分副作用報告より事故報告の方がスピーディーな対応が必要だったのではないか との認識でした。この厚生省と企業との認識の違いにより、各支店から届けられる肝 炎発症報告の重要性を過少報告させ、対応の遅れにつながる原因になっていたと考え られ、問題視すべきであると考えています。  次に、3ページになりますが、4番目として、集団感染発症に関する情報の報告、 提供における問題点を整理します。  まず、国への報告ですが、安全性の追求に関する意識の欠如により、正確な報告が なされなかった問題です。非加熱と加熱製剤の表がありますが、厚生省への報告数が 左で、実際の把握症例数は右です。例えば非加熱製剤については、1987年7月14日 の報告では74例ですが、実際は6月18日の段階で112例ありました。加熱製剤に関 しても、1987年11月5日の報告では3例ですが、実際は11例。418リストによれば 30例になります。1988年5月6日の報告では34例ですが、418リストによれば100 例以上になります。すなわち、ミドリ十字は過少報告をしていたことになります。  輸血併用条例を除外したり、因果関係が疑わしい症例を除外したり、詳細情報が取 得できないなどの事情があったにせよ、自己判断によって不十分なままの報告内容と した点は、被害拡大の防止に努めるという意識が欠如していたと言わざるを得ません。  5番目に、医療機関への情報提供として、添付文書による危険性情報の提供が弱か った問題、加熱製剤の安全性が過度に強調されていた問題です。1987年5月の加熱製 剤添付文書では、「使用の決定に際しては、患者のリスク負担と投与によって受ける 治療上の利益を考慮すること」と記載されています。また、「60℃、96時間加熱によ り――病原ウイルスによる感染の危険性を低減化しました」と、非加熱製剤による肝 炎発生が加熱導入のきっかけであったにもかかわらず、過度に安全性を強調し、不活 化効果のない加熱製剤の使用を促進するかのような記載は、大きな問題だったと考え ます。  なお、この点に関して付け加えるとすれば、非加熱製剤の添付文書に記載されてい る、「本剤の使用により15〜20%の肝炎が起こり得るとの報告がある」という添付文 書の記載をもって、使っていた医師に責任を転嫁するような意識もあった点も、企業 の姿勢としての問題であると言えます。更に、同社内での研究所の発言力の強さも問 題があったという意見があったことも付け加えさせていただきます。  4ページ以降の資料内では、フィブリノゲン製剤や第IX因子製剤の開発・製造段階 における問題点も挙げておりますが、時間の制約もありますので、説明は割愛させて いただきます。  結論として、ミドリ十字、日本製薬、ともに血液製剤の感染症に関するリスクを過 小評価し、安全性確保のための措置を積極的に取り組まなかったことの責任は大きか ったと言えます。以上で、企業に関する研究班での検証状況の報告を終わらせていた だきます。  私たちは、今年1月も仲間を亡くしました。一緒に闘った仲間が一人一人亡くなっ ていくことがどれだけつらいことか、皆様は想像できますでしょうか。私も今、元気 な体であったら勿論ここにいませんが、どんな生活をしていただろうと想像すること があります。たくさんの夢をあきらめ、家族と一緒にどれだけ悲しんできたか。一度 きりのかけがえのない自分の人生に取り返しのつかない薬害という被害を受け、とて も残念です。  今回のヒアリングは、時間が足りず、拒否される方が出るなど、十分に過去の事実 を掘り下げることができたとは思っておりません。特に、記録がないとか、記憶がな いという言葉を発せられる方々が多かったことが残念でした。研究班も、この委員会 も、今月末がタイムリミットですが、過去にこの事件に関係された方々が行ったこと、 そして行わなかったことを十分反省していただき、薬事行政が生まれ変わることを期 待しております。個人的な意見も述べさせていただきましたが、これで私の報告を終 わらせていただきます。 ○寺野座長 坂田委員、どうもありがとうございました。非常に時間が制約されてお りまして、申しわけないんですが、非常に簡潔にまとめていただき、実態がよくわか ると思います。  以上、行政・企業関連の検証ということでヒアリングの結果を御報告いただいたの ですが、どなたか御意見、御質問ございましたら、どうぞ。 ○水口委員 1つ、ヒアリング拒否というのは、どういう理由なのか、差しつかえな ければ伺わせていただけますか。 ○坂田委員 記憶にないということでした。 ○水口委員 今日の後半で、提言の素案についての討議に入ると思うのですが、その ときにまた申し上げますが、今日のヒアリングを踏まえた報告は非常に意味があると 思います。しかし、提言の素案を改めて見ますと、企業に関する部分が物すごく抽象 的で量が少ないというか。ですから、そこの部分は今日の報告を踏まえて、更に具体 的にもう少し踏み込んで書く必要があるのではないかという感想を持ちました。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 坂田委員にお伺いします。企業の方の調査のときに、企業は当時のことを わかっている方が非常に少ないということだったかもしれませんが、この事件の検証 をするつもりがあるかないかという発言はいかがだったでしょうか。企業からすると いう発言は出なかったでしょうか。 ○坂田委員 それは出ませんでした。企業関係者は3名行いましたけど、よく覚えて いらっしゃいました。 ○泉委員 ということは、当時の方は覚えていらっしゃるけれども、会社として、こ の企業として薬害肝炎の事件の背景を調査する、検証するということは、今まで企業 は発言されてきておりませんが、なかったということですか。 ○坂田委員 ありませんし、またそういった質問はヒアリングの中では行っておりま せん。 ○寺野座長 そのほか、御意見、御質問ありませんでしょうか。よろしいですか。非 常にまとめていただいておりますし、ヒアリングの結果がよくわかる資料ですから、 また後で最終提言との関連については、先ほどの水口委員の言われるように検討しま す。よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○寺野座長 それでは、次の議題に移りますが、これも前回できなかったことなので すけれども、患者実態調査結果の報告ということで、12月の委員会で実施予定と伺っ ておりますが、前回準備いただいておりながら時間がとれませんで、申しわけありま せんでした。それで、改めて報告を担当の片平班員から伺いたいと思います。時間の 制約もございますので、できるだけ簡潔にお願いしたいと思いますが、片平委員、よ ろしくお願いします。 ○片平研究班員 分担研究者の片平洌彦です。  この被害者実態調査は、薬害新型肝炎感染被害者の受けた身体的・精神的・経済的・ 社会的被害実態と要望等を明らかにし、今後の薬害肝炎対策に資することを目的とし て、薬害肝炎全国原告団と薬害肝炎全国弁護団の多大な御協力のもとに実施させてい ただきました。この会場にもおられる、そうした御協力者の方々に、まず厚く御礼申 し上げます。  この調査は、2009年10月5日時点で訴訟での和解が成立した1,205名の方々を対 象に、御担当の弁護士を通じての宅送配票調査の形で実施しました。  実施に当たって、2ページのような覚書を交わしました。2009年11月20日に調査 票配布を開始し、2010年1月末の回収締め切りまでに、患者の方が880名、遺族の方 が54名、合計934名の方々から回答をいただき、回収率はともに約78%、8割近く でした。調査に伴う倫理的配慮は、1ページ下に記載のとおりです。  3ページに行かせていただきます。  まず、患者調査の結果ですけれども、表1にその属性を示してありますが、回答者 は性別では約8割が女性で、年齢は平均53歳、40代から60歳代で全体の76%を占 めています。  肝炎感染の原因となった製剤は、フィブリノゲン製剤が91%、第IX因子製剤が7% でした。製造投与理由は、「出産時の出血」が61%、「外科的手術」が28%、「その他」 8%等でした。  4ページです。  第1に、身体的被害ですが、現在の病気の段階、病期は「無症候性キャリア」13%、 「慢性肝炎」48%、「肝硬変」8%、「肝がん」2%で、その他のうち、「インターフ ェロン治療後ウイルス検出されず」が22%、「インターフェロン治療を受けていない がウイルス検出されず」が1%でした。これは、表1に整理してあります。  その下の図1−1、図1−2に示してありますが、調査の結果から、過半数の人が 「疲れやすい」「全身倦怠感」「嘔吐」など、種々の症状を訴えていることが示されま した。  5ページ、第2に、精神的被害については、精神健康状態を示す12国の尺度であ るGHQ−12を用いて尋ねた結果、精神健康状態が良好でない疑いがある人は、回答者 の70%以上に上りました。感染直後と現在の気持ちの比較をしたところ、全部の項目 で前向きの変化が見られましたが、現在もなお回答者の6割が「病気が進行して死ぬ のが恐ろしい」と答えており、常に不安を有していると推察される状態でした。「死 への恐怖を抱えての生活が、いかに大変なものか、言葉では言い表せない」と記して いる人もいました。  以上の身体的精神的健康度を示すQOL(生活の質)の尺度であるしSF−36を用 いて患者のQOLを測定して国民標準値と比較しました。その結果、8項目のうち、 体の痛み以外の項目において国民標準値より有意に低値であり、QOLが低い状態で あることが示されました。図2−1、図2−2に示してあるとおりです。  以上のようなことが結果が示されたことは、肝炎の治療法の研究と普及、医療体制 の確立がまさに急務であるということを示しております。  6ページ、経済的被害です。  第3に、経済的被害については、回答者の3分の1が民間療法を含む医療費を200 万円以上自己負担したと答えており、またクロス集計から、肝炎の進行度・病期が進 んだ人ほど重い医療費の負担を経験していることが示されました。表2のとおりです。 なお、表2の4ですけれども、肝硬変・肝がんの方は83人です。  そうした支出が増えることに加えて、病期を理由にした離職・転職経験「あり」と 答えたのは33%の方で、それらの方々は、就労に影響を受け、収入の減少、中断を余 儀なくされたことが推測されました。転職・離職の理由を図3に示してあります。  現在の暮らし向きですが、約6割が「あまりゆとりがない」、ないし「きつい」と 答えています。意見の欄に、「23年間病気との闘いで、補償金は借金(返済)に消え た」と記している人もおられました。  7ページに行きます。  第4に、社会的被害については、感染後の経験に関する回答から図4にまとめてあ りますが、肝炎の症状を発症した患者は、体調不良を常に経験してきたわけですが、 その症状が「倦怠感」など他者からは認識しがたいものであるために、周囲からの支 援や配慮を受けられない状況にあった可能性が示されました。先ほど申しました「離 職・転職」の理由の中に、「肝炎であることが知られて居づらくなった」「会社に辞め てほしいと言われた」など、感染症に伴う理由も挙げられました。先ほどの図3に書 いてあります。  また、分析によって、感染後に「体調不良に気づいてもらえない」といったネガテ ィブな身体的・社会的経験数が多い人ほど、また、最近数週間に「健康な人がうらや ましい」といった後ろ向きな気持ちが強い人ほど、精神健康状態が悪いという結果が 示されました。  8ページです。  恒久対策の要望に関する12項目の選択の割合は30%ないし85%と幅がありまして、 被害患者の状況による違いが考えられました。そこで、病気が「肝硬変・肝がん」の 人と、「それ以外」の人に区分して差を調べた結果、「肝硬変・肝がん」の人は、「医 療費の自己負担をなくしてほしい」「介護保険給付を受けやすくしてほしい」「障害年 金を支給してほしい」など、6項目について、それ以外の人たちよりも有意に高率に 回答しておりました。この結果は、とりわけ肝硬変・肝がんの人たちの医療・介護・ 福祉に対する極めて切実な要求を反映していると考えられます。治療・医療に関して は、現在、無症状の人も含めて、「意見、感想等」の欄に多数の記載が見られました。  次に、遺族の調査の結果です。  遺族調査の回答者、それから回答者と亡くなられた方(以下「故人」)との関係は 記載のとおりです。  故人の性別ですが、男性65%、女性35%、死亡時年齢の平均は66歳でした。  故人の肝炎感染の原因となった製剤は、フィブリノゲン製剤が94%、第IX因子製剤 が4%でした。製剤投与理由は、「外科的手術」が76%、「出産時の出血」が23%で、 先ほど述べました患者本人調査の結果と大きく逆転していました。これは、遺族調査 の対象となった故人が外科的手術を受けた男性が多かったためと考えられます。  その下、「図6」と書いてありますが、済みません、「表3」に訂正していただきた いと思います。  それから、故人の肝炎感染原因が薬害であったことを知った時期について、図7と 図8に示してありますが、訴訟が準備された2002年以降と回答した人が約6割に及 び、また61%が故人の死亡後であったと回答しています。故人全体の85%が1999年 以前に肝炎と診断されていますが、その時期以前に肝炎原因を知らされたのはわずか 9%にすぎません。これらの数字は、原因告知の遅れを如実に示していると言えます。  10ページですが、故人の50%が「主たる生計担当者」だったこと、76%が何らか の仕事を持って生計を支えていたことなどから、故人は病気を抱えながら就労してい た人が多かったことが示され、それに伴う多くの困難を抱えていたことが推測されま した。  回答者が故人から受けた相談と、行った支援の回答から、故人の闘病中の身体的・ 経済的困難の存在がうかがえました。  故人との死別直後と現在の遺族の気持ちを比較した結果、「生存中もっと支えてあ げたかった」「医療が原因で家族を亡くして無念だ」等、8項目すべてで有意な変化 が見られず、現在も後悔や無念さなどの気持ちが変わらない状態であることが判明し ました。これも済みません、「図8」と書いてありますが、「表4」に訂正をお願いい たします。  その下の9)です。患者本人と同様に、GHQ−12を用いて質問した遺族の精神健康 については、良好でない疑いのある人は57%でした。  故人の肝炎感染判明後に医療現場やふだんの生活の場で差別的態度の「経験あり」 との回答は10%以下でしたが、闘病中に周囲が支援してくれた「経験あり」との回答 は35%で、逆にいえば、半数以上が周囲の支援を受けられない状態であったことを示 しています。これは図9です。  また、親戚・周囲の人に故人の肝炎感染を知らせるべきか「悩んだ」が15%、「病 気のことについて触れないようにした」が24%ありまして、これは図10です。何ら かの差別不安により、支援を求めにくい状況にあった可能性がうかがえました。  12ページです。  遺族の恒久対策への要望でも、「肝炎の専門病院を増やし、医療体制を確立してほ しい」が63%で、「薬害根絶」に続いて第2位であり、治療・医療に関しては、「意見・ 感想等」の欄にも多数の記載が見られました。  まとめですが、以上から、患者本人、遺族ともに、被害の可能な限りの回復を図る ため、それぞれの実態に即した、保健・医療・介護・福祉・生活にわたる恒久対策の 迅速な確立と実施が急がれることが示されています。また、患者・遺族調査ともに、 今後に関して、「薬害を根絶し、今後絶対に薬害が起きない社会にしてほしい」とい う要望が首位を占めたことは、甚大な被害を受けた被害者たちの切なる声として、本 委員会が受けとめるべきであることと思われます。  最後に、冒頭にも申し上げましたが、この全国的な調査に対し、多大な御協力をい ただいた肝炎原告団・弁護団を初めとする多くの方々に厚く御礼申し上げ、中間報告 とさせていただきます。以上です。 ○寺野座長 片平班員、ありがとうございました。肝炎被害者並びに遺族の方の実態 調査の中間報告ということでございますが、どなたか御質問、御意見ございませんで しょうか。非常にたくさんの方に御協力いただいて大変感謝申し上げますが、どなた かお聞きしたいことはございませんか。どうぞ、水口さん。 ○水口委員 遺族調査の中に、故人全体の85%が1999年以前に肝炎と診断されてい るけれども、その時期以前に感染原因を知らされたのはわずか9%というのは、非常 に衝撃を受けたというか、私は薬害AIDS事件で告知の問題が、医療の問題として 被害を拡大する非常に大きな問題としてあったという認識を持っておりまして、肝炎 のこの問題でも、やはりそうなのかと思いました。この医療機関との関係の問題での 提言等にも生かしていく必要があるのではないかと思った次第です。  1つ、これは遺族に聞いているわけですね。遺族が知ったのではなくて、あくまで も故人御本人が知った時期がという理解でよろしいわけですね。 ○片平研究班員 回答者を通じての調査ですので。 ○水口委員 ただ、回答者は自分が知った時期を言っているのではなくて、亡くなら れた患者さん御本人が知った時期が非常に遅かったのだということを言っていらし たという理解でよろしいわけですね。 ○片平研究班員 それで結構だと思います。 ○寺野座長 そのほかございませんか。どうぞ、花井委員。 ○花井委員 私もそこが気になって、言うまいか迷ったのですが、水口先生がおっし ゃったので。つまり、質問のねらいは何かということです。要するに、感染自体を知 った、肝炎の診断、それから89年以降、抗体の陽性がわかるようになったときには、 HIVが感染したというのはそれぞれ違う意味があると思いますけれども、質問はど のような形で。感染原因を知らされたのが9%というのは、感染について知った時点 で聞いたかという母数なのか、質問がないので、混ざっていてわかりにくいのですが、 どんな感じの切り出しですか。この9%の中身です。 ○山本研究協力者 片平先生にかわって、研究協力者の山本が答えます。  これに関して、本日、質問用紙そのものをお持ちしていないので、しっかり説明が できないのですけれども、感染を知った時期というのと、感染原因を知った時期とい うのを別々にデータをとっていまして、今回は時間の制約の関係で、感染原因につい てのみ述べたのですけれども、最終報告では両方とも示したいと思っています。です ので、両方に対するデータをとっています。 ○花井委員 感染を知った時期は結構重要なので、患者さん、遺族の方、両方でデー タを出していただきたいと思います。 ○寺野座長 感染したとき、感染原因、並びに被害者と遺族、それぞれを分析してお いてほしいと思います。  そのほかございませんでしょうか。清澤先生、何かございますか。 ○清澤委員 2点、感想なのですが。  1つは、こういう血漿製剤で感染したというのは、欧米、特に北欧でもあって、北 欧だと結構長い間、ずっと大勢の方を調査しています。意外と肝炎とか肝硬変、肝が んまで行かないのだという報告が向こうは多いのですけれども、日本では結構昔から 進展する例が多いということが言われております。このデータを見て、私は日本のデ ータは、今までそう言ってきたのは間違いではなかったかなという印象を持ちました。  もう一つは、経済的なところなのですが、今回、肝炎の法案が1月から施行されて、 4月から患者さんに対して治療の補助が出るということが決まっているのですが、こ れはいわゆる抗ウイルス療法に補助が出ると聞いているのですが、これの内容を見る と、やはりそればかりではなくて、肝硬変で食道静脈瘤が破裂した治療とか、あるい は肝がんで手術をしたとか、あるいはラジオ波焼灼術とか、そういう肝がんそのもの に対する治療というものに対しても、これは当然補助が出てしかるべきだと私は思い ました。以上2点です。 ○寺野座長 ありがとうございます。そのほかございませんでしょうか。もし御意見 がございませんようでしたら、研究班から検証方法につきまして最終提言に盛り込む たたき台等も用意していただいているということですので、次の議題の中でというこ とは、次の次になります。委員会として整理の仕方について改めて議論をしていただ きたいと思っています。  それでは、最初にお約束しましたように、森嶌先生の御都合もありますので、議題 3に挙げておりますが、第三者組織に関するワーキンググループからの報告をいただ きたいと思います。第三者監視組織に関するワーキンググループから、これまで毎回 報告をいただいてきておりますけれども、2月16日の第5回ワーキンググループに おいてとりまとめをいただいたわけです。本日は、その結果を森嶌主査から伺いたい と思いますので、資料7、8、9になりますでしょうか、よろしくお願いいたします。 ○森嶌座長代理 済みません、私は5時半には出なくてはならないものですから、誠 に申しわけありません、先に御報告させていただきます。  今、座長から御紹介ありましたように、資料7をごらんいただきたいと思います。 2月8日のこの検討会にも、既にほぼ同じものが出ておりますけれども、ワーキング グループでは、昨年11月に発足いたしまして、5回かけまして、このような内容の ものをとりまとめました。基本的には、医薬品の安全について、医薬品行政の全般、 それから個別の医薬品の安全性について監視と評価を行いまして、その評価に基づい て厚生労働省、その他の行政機関に対して必要な提言、勧告、意見具申を行いまして、 しかるべき措置をとらせて、そしてそれに対して報告を受ける。それを行わせるため の合議体としての委員会ということにしているわけです。  これにつきましては、今日、この後議論されます最終報告書の案の38ページ、先 ほど片平先生が報告された後の資料です。 ○寺野座長 資料4。 ○森嶌座長代理 資料4の38ページに第三者組織の設置についてと書いてあります。 事務局の方でこういうふうにまとめられましたが、確かに要領よくまとめてあるけれ ども、資料7の方でワーキンググループでまとめましたのは、語句に至るまで各委員 の御意見を伺って、私たちの方でまとめまして、しかもここへ出して皆さんの御意見 も聞いております。  しかも、延々何10ページにもわたるものではありません。多分、こういうふうに プリントすれば2ページぐらいのものですから、そこで先ほど事務局の方には、よく まとめてもらったけれども、文言についてまでやったので、これは別添などと言わず に、このまま入れたらどうか。何か特別の事情があって、こうなったのか。そういう ことではないということですので、資料7の、私の頭書きはともかくとして、これを ワーキンググループとして入れるということで、その後、検討委員会のこのメンバー にもお送りして、御意見があればということで伺って、メンバーから御意見いただい たものも既に入れ込んであるのが資料7であります。  そして、それについてここで御意見をいただいて、2月8日の後に多少の字句の修 正をしております。これについて、今日特段の御意見がなければこのまま入れる。そ して、これを38ページにはめ込むと言うと語弊がありますけれども、そうさせてい ただければワーキンググループの役割は終わったということになると思いますが、い かがでしょうか。 ○寺野座長 今、森嶌主査の方から、このとりまとめ(案)を後で議論します最終提 言の38ページにまとめてありますけれども、そのかわりにこのまとめをそのまま出 していただいたらどうかという御意見です。まだ、内容の検討はともかくとして、考 え方としてはいいのではないかと思いますけれども、いかがですか。水口さん。 ○水口委員 私も賛成です。事前には届きませんでしたけれども、今日、意見書を出 させていただいた中でも、私も座長代理がおっしゃられたような形で、委員会のメン バーとしては一字一句こだわって検討したものですし、かなり書き込んであるのです。 ですから、提言が出た後に、基本的にこれを基に具体化の作業に入れるということを 目指して、具体的イメージがつかめるように相当程度書き込んであるので、これをそ のまま提言の中に入れ込んでいただくことが実現のためには本当に重要だろうと思 いまして、今の御提案に大賛成です。  1点だけ、最後の4行に基本法に関する「さらに」というくだりがございます。こ この部分は、今日、西埜先生もペーパーを出してくださっているので、それに関する 議論との兼ね合いで、場合によってはもう1項起こして、短くてもいいので、ここで はそういう意見も出たという程度の書き方なのですが、もうちょっと積極的な書き方 で、ここで合意が得られれば、そういうものも目指してその中に位置付けていくべき だとか、その程度の書き方にして、少し独立させるということは検討の余地があるか と思います。 ○森嶌座長代理 これは、ワーキンググループでも申し上げましたし、ここでもたし かお話ししたと思うのですけれども、基本法の話は出たけれども、本来これはワーキ ンググループの話ではなくて検討会の話なので、こういう意見が出たということでこ こに書いたということで、むしろ検討会の方に送りましたので、ここで今、水口委員 の言われたようなことで処理されるということは、もともとワーキンググループでも そういう議論です。  ちょっと先取りして申しわけありませんが、ほかのいろいろな提言は、語句一つひ とつ検討されたとは必ずしも思いませんけれども、かなり具体的なことも、ほかの点 は入っておりますが、ワーキンググループについては語句の一つひとつまできちっと 検討しておりますので、事務局でせっかく要領よくまとめてはいただきましたけれど も、先ほど申しましたように、それほど膨大な文書でもありませんので、ワーキング グループでまとめたものを入れていただく。  ここは検討会次第ということで、最後の数行に入れるのか、それとも今おっしゃっ たように、別のところで項目を起こすのか、頭のイントロのところに入れるのか、こ れはまた御検討いただくということで御了解いただければありがたいと思います。 ○寺野座長 これは、この第三者組織に限らず、特に堀内研究班等におきましていろ いろ検討していただいたヒアリング内容とかアンケートの内容とか、どれだけ本文の 中に入れるのか、あるいは別添の資料というか、その一部ですけれども、そういう形 で分けるのか、いろいろ議論するところがあると思います。このワーキンググループ の結果については、かなり練り上げてもありますし、そう大部のものではないという ことで、まとめのまとめのかわりに、これをそのまま出していいのではないか。内容 については後でちょっと検討させていただくわけですけれども。 ○森嶌座長代理 ただ、番号の振り方等については、ほかとの調整がありますから。 ○寺野座長 そうですね。あと、基本法の問題もちょっと出ておりまして、西埜委員 の方から報告もございますけれども、これに関してももう少し詳しく書いた方がいい のではないか。また、別添の資料としても加えさせていただいて結構だと思いますけ れども、その辺の扱い。 ○森嶌座長代理 これはむしろ、最終報告のところへこの分だけ切り離して持ってい っていただいて、ワーキンググループのものとは離して。 ○寺野座長 このまとめをですね。 ○森嶌座長代理 ええ。 ○寺野座長 資料はまた資料として出すのですが、この文章をそのまま38ページに 入れるという基本的な方針について、よろしゅうございますか。皆さんの御異議がな ければそのようにしたいと思いますが。基本法についても工夫させていただくという ことですね。 (「異議なし」と声あり) ○寺野座長 はい。では、それを前提としてお願いします。 ○森嶌座長代理 それでは、内容的には何回か出しておりますけれども、何か御意見 があれば。後は座長の方にお戻ししますけれども。 ○寺野座長 どうぞ、清水委員。 ○清水委員 ワーキンググループの内容とか云々ではなくて、全体の中での位置付け です。この第三者組織というのは、この委員会のテーマにとって極めて基本的に重要 な事項だと思います。したがいまして、これをどう位置付けたらいいか、いま一つ頭 の中がすっきりと整理されていないのですが、第5の一番最後の、最終提言議論、第 三者組織の設置についてという扱いよりは、もっと重い位置付けの表現にならぬもの かと思っているのです。これから検討していただいて構わないのですけれども、この 位置付けでは余りにも軽いような感じがしまして、もうちょっと明確に位置付けてい ただきたいと思います。 ○寺野座長 いかがでしょうか、泉委員。 ○泉委員 清水先生と同じ意見です。2年度目に入りまして、第三者組織をどうする か、それを検討するか云々という話のときに何回かお話しさせてもらいましたが、委 員の先生の全員のコンセンサスの基に森嶌先生が主査となってやってくださった内 容です。  そして、この内容に関しては、まず清水先生が言われたように、全体の中の位置付 けは非常に重たいものがあると、私はそういう位置付けでお願いしたいと思いますし、 そして森嶌先生がおまとめになったのは、単に5回開かれただけではなくて、かんが んがくがくいろいろあって、こういうふうにまとめてくださったので、これをこのま ま生かしていただきたいと思います。以上です。 ○寺野座長 どうぞ、水口委員。 ○水口委員 今、清水委員の御提案との関係で、私が今日、最終提言素案についての 意見ということで意見書を出させていただいています。委員からの意見の通し番号で 言うと、5ページから始まるのですが、それの14ページ、私の意見書だけでページ 数を見ると10ページになっています。  ずっと意見があって、12 第5章医薬品行政を扱う組織の今後のあり方という項目 の大目次の立て方ですが、これをそこに書いてあるように、(1)主たる行政組織の あり方、(2)第三者監視評価組織の創設、(3)基本法の制定という大きな項目の立 て方にして、ここで第三者監視評価組織のことを述べ、前書きでももう一度触れる形 にしてはどうかということを提案させていただきます。  今の事務局がつくってくださったものは、第一次提言を生かすという趣旨で、その 継ぎ足しでずっと構成されているのですが、余り時的経過に分けて今のような構成を すると、どうしても(5)とか、第三者組織のランクが下がってしまうのですね。ですか ら、ここはこのような項目立てをすると、今、清水委員がおっしゃったような趣旨に 少しは近づくのかなということで提案させていただきます。 ○寺野座長 これは、項目立ての問題というか力点の置き方というか、そういう問題 になると思いますが、確かにこの第三者組織のワーキンググループ、5回、非常に熱 心にやっていただいて、多分皆さんの認識では、このとりまとめというものは既にこ こでの議論を超えて、この委員会の結論的なものとなっているのですね。ですから、 これを最終提言における議論という形で位置付けるのではなくて、別立てでやるべき ではあるかなと、私もそれは思います。  ただ、初めの方が大事か、後の方が大事かというというのは別問題ですので、一番 最後の医薬品行政組織についてという、(2)になっているところは、本委員会として、 特に昨年、非常に重点を置いてやってきたところです。ですから、こういうものが最 後のところに出てきているところを見ていただければわかるように、後ろの方が必ず しも軽い問題ではありませんので、項目立てを独立させていくという方向で重点を置 きたいと思いますけれども、それでよろしいですか。水口委員の意見は、また後でお 聞きしますけれども、事務局もそれで。 ○森嶌座長代理 よろしいですか。 ○寺野座長 はい。 ○森嶌座長代理 これは、最終提言のまとめ方の問題だと思います。私も前に申し上 げましたけれども、第一次提言もちゃんと入れておくべきだというので、私は当時は、 第一次提言というのはあの当時の前提だと。この中にも書いてありますように、まだ 今年度は前のものが入っていたりしますけれども、それをあのときからいろいろ直し ているのですけれども、全く新しい人、外の人が見ると、いつの話をしているのだろ うというのがちょっと混同する書き方をしていますので、最後にまとめるときには、 内容のことというよりもまとめ方の問題ですけれども、第一次提言のときと内容的に 同じ問題と、それからその後に議論して新しく出ているものとあると思いますけれど も、最終的にこのことをやるという場合には、第一次提言で言っていることも場合に よってはもう一回出してきてもいいと思います。  ここで議論された、第一次提言で出てきたことは出てきて、そして第2次提言、2 年目、今年は検証とかヒアリングに時間を割きましたので、そこで提言になってくる と何となく薄くなったような感じがするのですけれども、かなり議論もしていますの で、まとめ方として、例えばヒアリングから何がどこから出てきて、どういう提言を するのかがわかるような形できちっとまとめていただくことが大事なのではないで しょうか。  あと1回しかないわけですから、なかなかこれは大変だとは思いますけれども、基 本的にはこの中にまとまっていますから、そういうまとめ方をしないと、今、清水委 員が言われたり、水口委員も言われたり。私もそのつもりで頑張ったつもりですけれ ども、第三者組織というのが付け足しのように後ろにひょいと載っているという印象 は出てくるのかもしれません。少なくとも、ここでの議論はそうでなかったことはた しかなのですけれども、何となくまとめ方というか、書き方がそういう印象を受けか ねないということです。  これは、私は、書き方、まとめ方だと思いますので、この目次ですと、ちょっとそ ういう感じはどうしても受けるというので、水口委員の言われるようなのでまとめる のがいいのかどうか、私、先ほど伺ったのでまだわかりませんけれども、何らかの形 で、これとは違う、新たに2年目の項を起こす形できちっと書いて、ここで最終的に 言いたいのはこれだというのをきちっと出してこないと、ページ数も最終提言におけ る議論で、これは1ページか2ページですが、余りにも簡単過ぎて。先ほど申しまし たように、第三者組織も提言の方は別添なんて、これでは余りにも薄いのではないか という感じがしております。 ○寺野座長 わかりました。どうぞ。 ○水口委員 この最終提言のまとめ方について、前回は第一次提言と合体させて、し かしどこが加わったかわかるように配慮もするというのが一つの到達点だったと思 います。ただ、物によって違いがあると思います。例えば個別の課題について、一つ の結論としてこうするべきだということを提言として書きました。それに対して、さ らに新たに違う視点から新しい課題について検討したものを加えていったというも のがある場合と、行政組織のあり方とか第三者提言とか、要するに議論の途中で報告 書を出さなければいけなかったので、やむを得ず議論の経過を今までは書いてきたと いう部分とは、少し扱いが違っていいのだろうと。特に、第三者組織などについては、 いろいろ議論はしてきたけれども、一つの結論がはっきり決まったわけですから、こ ういうものについてはばんと到達点を。  しかも、その到達点の文章の中には、議論の経過もある程度意識してまとめてある わけですから、私はこの意見で申し上げましたように、中間とりまとめの議論はこう だった、この議論はこうだったということをずっと読まされて、その後、結論がちょ っと出てくるよりは、この第三者組織については、幸い一つの見解がまとまったわけ ですから、それをすぱっと書けば後は要らないのではないかと思う次第です。 ○寺野座長 第5の「医薬品行政を担う組織の今後の在り方」というのは、最後です けれども、本委員会において一つの目玉で重要な項目です。その中で、一番最後の医 薬品行政組織の根本的な問題というのが議論の途中になってしまって、現在のところ 結論は出ていないわけですけれども、第三者組織については結論は出たと皆さん理解 していただいていると思います。ですから、これは。 ○森嶌座長代理 これでいいかどうか、先ほど座長はこれは後でと。ワーキンググル ープでいいかというのをもう一度念を押しておいてください。 ○寺野座長 ですから、第5の(3)の[1]というのではなくて、別項目で起こして、 そこにこのまとめをそのまま載せるという形であれば、十分重しもききますし、ワー キンググループの先生たちの御苦労も、そこで出てくるということではっきりする。 この委員会の中での具体的な提言というのは比較的十分まとまっていない点が多い のです。でも、この点ははっきりしたわけです。数少ない明確な点ですから、私はこ れをそういう形で出させていただきたいと思います。どうぞ、大平委員。 ○大平委員 この提言は、きちっと最終提言として言明していただきたいというのが、 私、ワーキンググループに入って議論させていただいた一番大きな成果ではないかと 思っています。  目次の中では、「今後の在り方」で、第1提言における議論となっていますけれど も、ここには結論みたいなものがきちっと出ていないので、最終的にこれはワーキン ググループ、そしてまた、ここの検討委員会で全員の賛辞を得てまとまったというこ と。その提言の重みを最終提言としてどういう書き方が一番いいのかというところは、 皆さんで検討していただきたいなと思います。  これは、私などは医薬品庁構想とか、そういうものが最終的には出てくるのかなと 最初は思ったわけですけれども、時間的な制限とかがあって、ここから出発ではない かと思いまして、ここをきちっと確保するということが一番大事ではないかと思って おります。 ○寺野座長 ありがとうございます。そういうことですので、水口委員が言われるよ うに、途中の議論の詳細を書いても、結論が出ているのだからしようがないというの も私は感じる。必要な分はちょっと出させていただきますけれども、これは結論が出 ているものということで、そこを別項目として立てていきたい。よろしいでしょうか。 どうぞ、花井委員。 ○花井委員 構成についての同じ意見ですけれども、もっと言えば、前文に格調高い 「はじめに」が付いているのに、その後に議論が入れられているので、経緯を説明す るのであれば、経緯は外出しにして、この検討会の経緯を出していいのですが、初め に全部経緯が入っているので、抜本的改革に着手する必要がある、国は、政府全体と して、この改革に取り組むべきであるととめているのに、その後にずっと経緯がある ので、外してしまって、なくてもいいと思います。どこか外出しして経緯。  先ほども同様です。経緯、議論した主たる審査する組織については、まとまらない 部分も経緯が全部書いてありますけれども、それは別の扱いにして、勿論ワーキング グループの経緯を説明する必要もなくて、ここに書いてあることが合意されたと位置 付ければ美しくなるのではないかと思います。 ○寺野座長 わかりました。第三者組織に関するとりまとめについては、そういう扱 いをさせていただくということで、全体の構成については後ほど議論したいと思いま す。森嶌先生、何かこれに関してそのほかに。 ○森嶌座長代理 皆さんがワーキンググループの経緯ではなくて、私の段をあけた1 のところから、最後の基本法の手前まで、そこを経緯を入れないで、第三者組織につ いてということでぽんと入れるということで、この文書でよろしいとしていただけれ ば、私の役目のみならず、ワーキンググループの役目はこれで終わりということです。 ○寺野座長 わかりました。基本法については、若干これを詳しくしろということと、 あと、西埜先生の報告がありますので、それを聞いてどういう扱いをするかというこ とを皆さんに検討していただくということで、経緯についてはほとんど削ってしまう ということでよろしいでしょうか。この内容については、もうよろしいのでしょうか。 ワーキンググループでは、かなりじっくり検討されたということなので、皆さんの御 意見がなければ、この形でそのまま出したいと思います。よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○寺野座長 では、そのようにさせていただきます。事務局はいいですね。 ○医薬品副作用被害対策室長 はい。 ○寺野座長 ありがとうございます。では、先生、ワーキンググループの重要なとこ ろは。 ○森嶌座長代理 私はいつ帰ってもいいのですけれども、この後は普通の委員として。 ○寺野座長 5時半までどうぞ。  それでは、議題2、最終提言に関する討議で、約1時間ということになります。  最終提言につきましては、1、2月の本委員会でたたき台に基づいて議論してきた ところでありまして、前回委員会では、事務局において今年度の議論を一次提言とあ わせた形で整理し、素案を用意してもらうことになったわけです。これはかなり議論 したわけですが、そのようになりました。  事前に既に委員にお配りしてあるわけですけれども、意見もいただいているわけで す。今回は、事務局と堀内委員から検証部分に関する説明等をしていただきまして、 事前に御意見をいただいた委員から説明を伺い、討議に入りたいという段取りでいき たいと思います。  まず最初に、事務局の方から最終提言の素案、資料4の御説明をお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。資料4をごらんいただければと 思います。今、座長から御紹介あったとおり、これが1週間前にお送りした形です。  前回の委員会までに2回ほどたたき台という形で、今年度議論していただいた部分 をお出ししていますけれども、今回は一次提言と合体する形で整理しようということ ですので、基本的には一次提言は最小限の変更にして、それに追加する形になってい ます。中で下線が引かれているところが追加で、見え消しの形になっているところが 一次提言から変更したという形になっています。ですから、ここに反映されているの は、主に前回のこの委員会での委員の御意見までということになります。  委員の皆さんにごらんいただいていると思いますけれども、ざっといきますと、は じめにの中では、7ページから8ページまでが今年度分の議論として一次提言に追加 ということになります。この部分のあり方については、先ほどもちょっと御意見があ ったところです。  それから、9ページの一番上に第2として、薬害肝炎事件の経過から抽出される問 題点とあります。これは、一次提言の中で整理いただいていますけれども、これにプ ラスして、今年度の検証作業について書き込んでいただく。そのプラスする部分につ いては、本日の資料5ということで研究班から議論の材料をいただいているところで ございます。  第4については、後から御説明するとして、第5が33ページになりますけれども、 行政組織のあり方。ここも先ほど議論をいただきつつあるところですが、第一次提言 で議論された組織のあり方が前半にずらっと書いてございまして、37ページから、そ れに加えて今年度行われたことと、第三者組織に関する結論のまとめになっています が、これは今のご議論で、そもそも第5の構成をもう一遍整理するとともに、第三者 組織についてはワーキンググループのまとめをそのまま書き入れてはどうかという 整理だと思います。  38ページの一番下のところから医薬品行政組織についてということで、これは前回 の資料で出したもの、ほぼそのままですけれども、整理が書いてございます。  最後に第6、おわりにですけれども、これも一次提言に追加する形で、基本法にも 触れているところですが、ここもこれからの議論で整理いただくところかと思います。  それから、40ページの一番下に参考資料と書いてございます。一次提言のときには、 用語についてというのが参考資料で付いておりましたけれども、それ以外のものもあ り得る。2つ目のところにヒアリング調査と書いてあります。総合機構と厚生省職員 のアンケート調査の概要などを参考資料として付けることがあろうかと思います。以 上です。 ○安全使用推進室長 第4の部分について簡単に御説明いたします。  第4の部分につきましては、前回までに各委員の先生方からいただきました意見、 及びたしか水口委員からの御指摘だったかと思いますけれども、総合機構、厚生労働 省に対するアンケート結果の中で議論すべきポイントとして挙がっていた部分につ きまして、事務局の方でそれをできる限り、新旧対照という形ではなくて、原案の中 に見え消しの形で盛り込ませていただく形での案を御提示させていただいておりま す。これが先週時点でお送りしたものでございます。  したがいまして、本日、資料の6−1以降でいただいている意見につきましては、 この9ページ以降をごらんいただいた上で、更に追加等をいただければということか と思っております。  9ページから10ページでございますけれども、医薬品行政の現状と課題というこ とで、現状における、どこまでができて、どこまでができていないかという部分等に ついて整理するべきという御意見をいただいておりますので、これが13ページぐら いまでずっと続く形になってございます。新規の追加ということでございますので、 下線を付けてございます。  その後は、医薬品行政に係る行政機関の体制と人材の育成ということで、13ページ から14ページで、プロセスの透明化といった部分が追記されてございます。  続きまして、15ページ以降でございますけれども、人材育成のあり方ということで、 医薬品の行政組織のみならず、さまざまな関係者の資質の向上。  あと、15ページから16ページでございますけれども、薬剤疫学を含めた専門教育 の機会についての記載を追記してございます。  17ページ、18ページでございますけれども、臨床研究とか薬剤疫学に関する記載 でございまして、そういった研究を推進するための公的な基金等のお話が追記されて ございます。  19ページ以降は、主に承認審査手続、審議の中立性・透明性でございますけれども、 主に薬事審議会での審議の公開のあり方等、公平性、透明性という部分についての記 載を追加している部分。あと、この辺、PMDAのアンケート結果に基づいて指摘さ れた論点として、学会、患者等の要望の利益相反とか、異議申し立ての問題とか、不 承認処分となった医薬品に対する情報という部分も論点として追加させていただい ているものでございます。  21ページ、22ページでございますけれども、適応外使用の観点とか、また再評価 に関する制度的な部分が追記されております。  22ページの下でございますけれども、情報収集体制の強化ということで、インセン ティブの付与が少しわかりにくい。これは、清澤委員からの意見書に今日書かれてい る部分でございますけれども、この辺りの文言を少し修正させていただいたり、等々 の修正を行っております。  あと、大きなところでは、24ページ以降でございますけれども、新たなリスク管理 手法の導入ということでございます。特に、この辺りにつきましては、前回より前か ら大分いろいろな議論をこの検討会でもいただいているところでございますけれど も、薬剤疫学的な手法とかICH−E2Eガイドライン等々についての記載を充実さ せていただいておりまして、24ページ、25ページ、26ページにかけてが、このよう な薬剤疫学的な技術的な内容についての議論を反映した形で追記させていただいて いるところでございます。  26ページでございますけれども、今回、タイトルを見直しまして、本検討会でも御 議論いただきました「リスクコミュニケーションの向上」と表題を変えまして、それ にあわせて、国民向けの情報提供に関する記載とか、患者・国民からの副作用情報の 提供とか、こういった記載を少し追記させていただいているところでございます。  その他、27ページ、28ページ、いろいろな記載整備をさせていただいております。 特に27ページについては、役所の記録の保管の問題について、いろいろと問題提起 もございまして、長期保管できるような体制を整備するという部分も追記させていた だいております。  28ページは、診療明細、レセプトの課題とか、これまで御指摘いただいたところの 修正をしてございます。  30ページでございますけれども、個人輸入について、インターネットを通じた部分 についての規制の強化ですとか厳格な対応を行う一方で、代替医薬品のない疾患等に 対するシステムを構築すべきといった意見も、この部分で含めてございます。  31ページ、32ページは、医療機関の取組みの強化ということで、チーム医療とし てのスタッフの問題、薬剤師の役割の問題とか、この委員会でこれまで御指摘いただ いていた部分についての記載を追加させていただいております。適応外使用を含めた 形でのEBMガイドラインの作成等についても、こちらに記載させていただいている という状況でございます。少し雑駁になりましたが、第4部分での追加・変更箇所に ついては以上でございます。 ○寺野座長 それでは、資料4に基づいて、最終提言の構成と内容について素案を示 していただきました。  次に、堀内委員から検証部分に関する説明をお願いしたいと思います。 ○堀内委員 これは、「第3 これまでの主な制度改正等の経過」というところに入 るべきものだと思われますが、資料5をごらんいただきたいと思います。  今年度は、薬害肝炎の、特に当時の担当者に対するヒアリング及び医師に対するア ンケート調査、これはeメールによるアンケート調査とヒアリング、それから被害者 の実態調査を中心に行ってまいりました。細かい内容については、研究班の報告書と して詳しいデータを別個に出す予定ですので、それをごらんいただくとして、そこか ら出されてくる問題点を抽出してここに記載する形にしたいと考えております。  この内容については、今日の議論もありましたけれども、問題点を明確にすること が求められておりますので、少し手直しをさせていただきたいと思いますけれども、 できるだけクリアーカットに問題点を指摘することを、おのおのの点、ここにありま す行政、企業、医師、医療関係者について問題点を明らかにし、被害者の実態調査が 5ページにありますけれども、どういうことが言えるか。片平分担研究者から報告を 一部していただきましたが、それを明確にしたいと考えております。そんなところで よろしいでしょうか。 ○寺野座長 はい。第2の項目ですけれども、薬害肝炎事件の経過に関する問題とい うことで、ヒアリング等々を堀内研究班の方で検証されてきた内容についてまとめて いただいておりますが、どなたか御意見ございましょうか。先ほど坂田委員からも詳 細な御報告をいただいています。  これは、文章としてはこういう形になりますけれども、先ほどの坂田委員の報告等 の資料そのものは。 ○堀内委員 全体の報告書に別添として入れるのか、どっちみち研究班としては報告 書をつくって提出しなければいけませんので、そういう形で入れるか、どちらでも。 報告書の中に入れるのであれば、それ用の資料をつくります。 ○寺野座長 いかがですか。先ほどの坂田委員の報告を聞いていて、非常によくまと めてあって、全体がわかりやすい感じを私、受けたのです。ですから、堀内研究班の 別の大部の資料が出ると思いますけれども、これに参考資料としてそれを付けて、第 2の項目の資料とするのもいいのではないか、わかりやすいのではないかと思います。 ○堀内委員 厚労省に提出すべきものは、研究班の報告書をつくるのは、たかだか20 〜30部とか、余り多くありませんので、せっかくやったことですから、こちらの方に も資料を出して付けていただければよろしいかと思います。 ○寺野座長 水口さん。 ○水口委員 構成をちょっと念のために確認させていただきたいのですが、第一次提 言の「第2 薬害肝炎の経過から抽出される問題点ということで、各論点についてか なり詳細な記述をしていただいて、そこにこれを足すということでいいのですか。 ○堀内委員 最初は足すというお話でしたけれども、できるだけコンパクトにするの であれば、今年だけでも。ちょっとわかりにくいという意見もありますので。 ○寺野座長 取りかえる。 ○堀内委員 ええ。ですから、昨年のものを含めて論点を入れるということであれば、 その方がわかりやすいかと思っておりますけれども、全体のボリュームの問題で少し 少な目にいたしました。 ○寺野座長 要するに、第一次提言にあったものにこれを追加するという形か、これ 自身がそれをまとめた形、私もまだ十分検討できていないのですけれども、するのか、 あるいは第一次提言のものをなくして、これに入れかえてしまうということなのか、 どっち。 ○医薬品副作用被害対策室長 ちょっと事務局からもよろしいですか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○医薬品副作用被害対策室長 我々が想定していた形としては、第一次提言の第2に 書いていただいたものはそのままにして、今年作業いただいた分については、それに 追加する形をイメージしていましたので、今日、資料4の中で目次をごらんいただく と、第2の中に資料5としか書いていないのですが、これは済みません、事務局の誤 りで、第一次提言で記載されたことにプラスして資料5のようなものをいただくこと をイメージしておりました。それがいいかどうかというのは、また御議論いただけれ ばと思います。 ○寺野座長 実際、研究班でやられた内容は違うわけですね。去年やられたこと今年 やられたことと。だから、これは追加ではないかと私は認識するのですけれども。ど うぞ。 ○水口委員 私も追加だと思います。構成がちょっと違っていて、第一次提言の方は 時的経過に従って、それぞれまとめられているわけで、そこに更に深めるためのヒア リングが加わったということですから、このヒアリングで更に判明したことも含めて、 中に入れ込んでいただくのか、あるいは第一次提言の文章はそのままにしておいて、 ヒアリングの結果という形で加えられるのか、そこはちょっと工夫はあるとは思うの ですが、差しかえるということは適切ではないのではないか。あれはあれで、かなり 詳細に書き込んでありますし、意味があるので、残していただき、これを更に加えて いただく。加え方は、少し御検討いただくということで、私はいいのではないかと思 います。 ○堀内委員 全体でそれでよろしければ、構成でできるだけ早く委員の方に。 ○寺野座長 事務局も「資料5」を書いていたのでということで、誤解があったとい うことですので、それは基本的にはそうとして、一次提言で言われていることを補足 するなり深める意味との組み合わせをちょっと工夫する必要はあるかもしれません ね。単にこれを付けるというだけでなくて、それはちょっと工夫させていただきたい と思います。どうぞ、小野委員。 ○小野委員 ちょっと中身に踏み込む話なのですが、先ほど坂田委員の方から御説明 いただきました。時間がないので青森辺りの話をされていたのですが、かなりこれは 大変だったろう。いろいろすばらしいことが書いてあると思ったのですが、5ページ で御説明された、例えば規制権限の展開ステップ及び発動条件をあらかじめ定めてお くべきではないか。こういうときはこうやるのだというのが全然決まっていなかった ではないかという話です。  それから、危ないということに関してもっとセンシティブであるべきだったのでは ないかということが幾つか書いてあると思いますが、資料5のまとめを読むと、基本 的にはこれをニュートラルというか、ちょっとぬるいというか、その辺りはスタンス によって違うのでしょうけれども、当時の厚生省担当者は、一定の危機意識を持ち対 応を行っていたことがうかがえた。その下は、手順書はないのだからしようがないね ということなのですか。大分色合いというか、この資料5を入れると、先ほど坂田委 員の御説明とはちょっと違う感じにはなるのですが、これは坂田委員の方でこういう トーンかなと思っておられるかのどうかというのをちょっとお聞きしたいのですが。 ○寺野座長 どうなのでしょう。 ○坂田委員 これは、最終的には資料5はたたき台として出した形になるのですけれ ども、例えば血液製剤評価委員会を特別につくった。結局、委員会判断をしてもらう みたいな感じなのですよ。だから、普通の感染とは違う。8例も一度に来たのだから、 一定の危機管理はあった。そのとき、すぐ動いていただいていればいいのですけれど も、評価委員会を立ち上げるまで待つということで、ここら辺の表現がとても難しか ったのですけれども、この随時内容は変えていくつもりです。 ○寺野座長 ただ、次の委員会までに内容を固めたいと思っていますので。 ○花井委員 今の話なのですけれども、全く主張が違いますね。こちらは副作用報告 ではないからいいのだけれども、頑張ったとなっているし、こちらはずさんだったと、 全く正反対のことをこの文章は主張している。だから、評価だからどちらか。これは 明らかにモニター病院ではなかったにもかかわらず、かつ副作用ではないからそもそ もいいのだけれども、特段にいろいろやって偉いぞと書いてある。それを別に私は評 価する方ではない。 ○堀内委員 そういう認識にはなっていないので。 ○坂田委員 違います。偉いぞではないです。 ○花井委員 一定の認識を持ち対応を行ったと書いてありますね。 ○坂田委員 立ち上げたけれども、私から言わせたら遅過ぎたということです。 ○花井委員 だって、文章が、産婦人科医院から連絡を受けた後、当時の厚生省担当 者が、通常の副作用とは異なるものととらえ、モニター病院ではなかったものの当該 医院に対する報告書の送付依頼や、副作用調査会とは別に、何々を立ち上げるなど、 一定の認識を持ち対応を行ったと書いていますけれども、これは文脈からいえば、通 常の副作用とは異なるものととらえという積極的な表現になっている。そういう趣旨 でなかったら文章を直した方がいいと思います。そう読めます。 ○堀内委員 文章は直しますけれども、全面否定でもないというところがありますの で、先ほどいいましたように、問題点を明確にするような文章にいたします。 ○寺野座長 いろいろ御指摘があると思います。何日ごろまでに御意見をくださいと 後で申し上げますので、気が付いたところがありましたら御遠慮なくどんどん出して いただいて。実を言いますと、あと議論する時間がないのです。ですから、今日は時 間がないですけれども、言いたいことは全部言っていただくというのが、本当は私の 気持ちなのですが、そう言いますとエンドレスになるので余り言わなかったのです。 でも、今日議論していただきませんと。あるいは、勿論後で意見を求めますけれども、 そこで言っていただかないと最終回に間に合わなくなってしまうということですの で、花井委員も気が付かれたところを指摘してください。 ○森嶌座長代理 よろしいですか。 ○寺野座長 はい。 ○森嶌座長代理 私は、先ほど坂田委員がおっしゃったので、非常に感銘を受けたと 言うとあれですけれども、よくおまとめになったと思います。何のためにこういうこ とをやるかというと、結局、薬害再発防止のために医薬品行政等の見直しについて。 ここで最終報告を出すのは、青森、ほかのものも含めて、あのケースでいいかげんだ ったか、やむを得なかったかという評価は人によって違うかもしれませんけれども、 これからどこをどう押さえて、どうやるかということをやるのが我々なわけです。研 究班から出てくるのは、研究班の中で評価は違うかもしれませんけれども、そうでは なくて、これから見直しをするのだったら、ここが問題点だと。だとすると、この点 について、こういう方向で見直さなければいけないということをここへ持ってきてい ただきたい。  ワーキンググループでやるときは、常に何のためにこの議論をするのか。いろいろ おっしゃりたいことはあるだろうけれども、そこへ議論を持ってくるように是非やっ ていただきたい。しかも、あと1回しかありませんので。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○堀内委員 森嶌先生がおっしゃるとおりだと思いますので、そうしたいと思います。 今回出ているのは、大分マイルドになっておりますので、その点については最初にお 話ししましたように、問題点が明確になるようにいたします。 ○寺野座長 坂田委員。 ○坂田委員 今、堀内委員が言われたように、今回の発表は以前やった3名のヒアリ ングに対してだけの評価なのです。先週、残りをやっていますので、それは今回に組 み入れられませんでしたので、最終的には森嶌委員が言われるような形でまとめたい と思っております。 ○寺野座長 清水委員 ○清水委員 今の議論、言わずもがなのことかもしれませんが、事実は事実でこうだ と。だから、こうするのだという事実のところだけは、そこで一度ピリオドを打つよ うな表現で記載していっていただきたい。 ○寺野座長 事実と評価を分けた形でという要請かと思います。これは、後で議論が まだありますけれども、実を言いますと、意見を6人の方からいただいておりまして、 また堀内委員からも1つ意見があるようですので、合計7人の意見が今から述べられ ます。できるだけ簡潔に述べていただきまして、それに基づいて時間の許す限り議論 いただきたいと思います。 ○森嶌座長代理 私も1つだけ追加させてください。 ○寺野座長 はい。先生、まだいいのですか。 ○森嶌座長代理 いいですか。皆さんが出されていて、私は出していない。簡単に。  28ページ、右側のポチの3つ目ですけれども、患者が投薬を含め提供された医療の 内容を知ることができるよう、診療明細を患者に発行することを義務付けるべきだと。 私は、これに賛成なのですが、実は私は随分前にインフォームドコンセントの委員を して、日本医師会は確かにカルテは当時書いていなくて、ちゃんと書くようにするか ら法制化はやめてくれと言って、私は日本医師会を信用して法制化をやらなかったの です。  法制化まではともかくとして、医療法にきちっとした、どういう治療をする、その ためにどういう治療法を行う、あるいはどういう薬を投薬するということを患者に知 らせて、患者が選択するということをまだやっていないと思います。私自身がそうさ れていませんから。患者は診療明細あるいは投薬されたものをもらっても、実は私は 何年か薬を6種類もらっているのですけれども、まだ名前を覚えられないです。  というのは、事故が起きてから、こんなものがあると言っても、訴訟でも起こす段 になると知りませんけれども、多分わからないと思います。日ごろから、あなたはこ ういう病気で、あなたに薬を、これとこれが可能だけれども、副作用がわかっていれ ば、こういう副作用があるけれども、あなたはこれがいいだろうということを医者か ら聞いていれば、何かあったときにこれではないかしらという意識があると思います。 ですから、インフォームドコンセントまでいかなくても、インフォームドされていれ ば、こちらは患者が通告してくるはずだと言いますけれども、そもそも自分が何のた めに何を与えられているかわからない患者は、これはおかしいのではないかと厚生労 働省なり製薬会社に通告してくるはずがない。ですから、その前に予防的に、あるい は発生しないために、早期発見するためには、これは薬だけではありません、治療法 もそうですけれども、インフォームドコンセントというものをもう少し徹底してもら わなければならない。  今回の議論を聞いていても、どうしてもお医者さんには甘いのです。私は、お医者 さんにもう少し職業倫理をきちっと考えてもらわなければならない。企業もそうです けれども、お医者さんがもう少しちゃんとしてもらえれば、添付書類だってちゃんと 読んでもらえるだろう。お医者さんは忙しいと言うけれども、お医者さんはそれで金 をもらっているのでから、それぐらいのことはやらなければならないし、患者の生命 がかかっているわけです。  それを法律で強制するかどうかは別として、私はこの3つ目のポイントのところに、 診療明細を患者に発行するだけではなくて、診療がどういうことをやって、どういう 治療で、どういう薬を投与しているかを患者に十分理解してもらう。これは、左側の ポイント3つ目のところに、患者の安全に資するため、一定の医薬品については、医 師や薬剤師が適切に関与し、患者への説明と同意等が徹底されると書いてありますけ れども、それと関連すると思いますが、適切に関与するのではなくて、まさにそれは 前提だと思います。  それと同じように、右側の上の方に、患者情報の保護や医師と患者との関係にも十 分配慮しつつ、個々の患者がその副作用の発現について知り得るような。これは他人 様の副作用だと思いますけれども、他人様の副作用を知る前提として、自分が何を与 えられて、どんな副作用が起きるかということを知らなければ、他人様の副作用を個 人情報の問題を侵してでも知ろうという前提には、自分が何を与えられて、どんな副 作用の危険性があるかを知らなければそこまで行きませんので、左側の3つ目のポイ ント、それから右側の今のポイントの手前、それから右側の3つ目のポイントを総計 して、最近は厚労省は医師会に強いのかもしれませんが、インフォームドコンセント の中に投薬とか、そういうことも含めて、その一環として診療明細を患者に発行する という仕組みを厚生労働省、あるいは医療法の中できちっとこれからやっていただき たいと思います。それは、ずっと全体を見て余りないと思いますけれども、もうやっ ていますか。 ○堀内委員 やっています。 ○森嶌座長代理 大病院はやっている。 ○堀内委員 先生はよほど変なところにかかっていらっしゃるのではないですか。言 っては悪いですけれども、基本が今、インフォームドコンセントをやること、それか らかなり副作用とか弊害が起こるようなことについても、医師も話をすると思います し、医薬品については、薬剤師が服薬指導、その他をやるのは重点になっていると思 います。それをやらないとお金を取れない。 ○森嶌座長代理 大病院と医師会は違うのです。 ○堀内委員 それから、少なくとも医薬分業がかなり進んでいますけれども、薬剤師 が調剤して薬を渡すときにいろいろな説明をしていると思います。すべて医師にやれ というのはなかなか難しい点がありますので、少なくとも薬に関しては薬剤師が責任 を持つということになりつつあると思います。 ○森嶌座長代理 それも存じた上で申し上げています。 ○大平委員 よろしいですか。 ○寺野座長 大平委員。 ○大平委員 治療方針の問題だろうと思います。治療方針がきちっと語られていない、 ちゃんとインフォームドされていない病院がかなり多いというのは、私自身もかかっ ている病院もそうだと指摘しまして、治療方針をきちっと立てて。慢性疾患ですと、 中間的な治療到達点とか、そういうものをきちっと出す上で、薬の問題というのが出 てくるだろうと思います。ですから、今、森嶌先生の言われたことが基本的になされ ていないというのは、割と多く見受けられます。  ここは医薬の問題で、薬事の問題で、そういう薬の問題が特化されて出てくるので すけれども、ずっと私、言っていますように、薬は医療上の問題なので、医療全体の 中で薬の理解というものが、自分の治療方針とマッチングしているかどうかとか、そ ういうものをきちっと理解した上でないと、本当の薬の副作用の問題とか薬の安全性 の問題については、患者自身も自覚がなかなか出てこないだろうと思います。そこは どういうふうに書き込むかはあれですが、大切な問題点だと思っています。 ○寺野座長 その辺の表現はもっともなところもありますし。 ○森嶌座長代理 私は医者ではないので、そこはむしろ堀内先生にでも書いていただ いた方がいいのかもしれませんけれども。 ○寺野座長 ちょっと表現を考えさせていただくということで。 ○森嶌座長代理 ここでは患者の側から。例えば患者は治療法を選択できないですね。 お医者さんの方で、この薬がいいよと薬のことを言ってくれますけれども、患者から すると、その薬は要らないかもしれないです。私は抵抗したことがあるのですけれど も、死ぬのとこっちとどっちがいいと大病院でしたけれども、言われたら、しようが ないなと思って、今もって薬を飲みながら、これは要らないのではないかと思い続け ながら飲んでいます。まさに大平さんがおっしゃるように、治療の中で本当にその薬 を飲まなければならないのかという選択の問題も含めて、患者の選択性、インフォー ムドコンセントというのは、私はそれほどでない。私のようにうるさいのでさえもそ うですから、まして一般の人に至ってはと思います。 ○寺野座長 その辺、表現の工夫をさせていただくということで、また堀内先生にお 願いするかも。この件に関して。 ○堀委員 ちょっと一言だけ。余りにもひどい言われようなので、反論させてくださ い。そういう医師もいるかもしれないし、自分の飲んでいる薬に関して医師に意見を 言える性格の患者さん、言えない性格の患者さん、いろいろな方がいますけれども、 この会議でいかにも医師が全く説明もしていなくて、薬剤師さんからも説明がないよ うに思われてしまうと、それはちょっと心外で言い過ぎではないかと思っています。  全員がやっているという証明はできないかもしれないけれども、少なくとも今の時 代は、訴訟のリスクなども私たち認識していますし、かなりの労力を患者さんへの説 明だとか薬の説明に割いてやっていく方向になっていると思います。なので、必ずし も今の先生方の御意見だけがすべてではないので、その点は現場の医師の立場として 反論させてください。 ○森嶌座長代理 その点、申し上げますけれども、法律とか企業の側もそうでして、 皆さん一生懸命やっておられるのです。だから、事故が起きるから制度をつくるので す。制度というのは、非常にエクストリームなものをあれして、みんな一生懸命やっ ておられるので、全員がそうだという前提でしているわけではないです。  ですから、私が今、申し上げたのは、堀先生も堀内先生も、ここにおられる先生方 はみんな何も無視しているのではなくて、そういう例外的な方がいるので、それに対 してきちっとした手当てをしておかないと薬害が発生するかもしれない。それに対し て、こういう委員会というのはきちっと考えておかなければいけないということで、 そうだとすれば、見直しをするときにそこまで目を届かせておかなければいけません よということを私は申し上げたので、例えば1,000人のお医者さんがおられたら、999 人はちゃんとやっておられるだろうと私は思っております。決して言われのないいち ゃもんを付けているわけではございませんので、そこは是非とも放屁だとは思わない でいただきたい。 ○清水委員 一言だけ。 ○寺野座長 先生も一言。では、一言でお願いします。 ○清水委員 今は、全部がやっているかどうかはわかりません。だけれども、薬につ いては医療機関によっては、カラーの写真付きのものを出しています。 ○森嶌座長代理 私ももらっています。 ○清水委員 また、検査についても、こういう検査をやりましたという検査データを 出しているところも結構あります。したがって、先生のようにうるさい患者さんがい て、なおかつ何をもらっているかわからない、やめていいかどうかわからないという ことを言ってもらっては困ります。何ですかということをはっきりと医者に説明を求 めるべきです。そういう意味では、今回は余り強調されていませんけれども、患者側 にもある程度勉強してもらって、そういうものを受け入れる。 ○森嶌座長代理 消費者というのはそういうものです。そういう前提で安全というの は考えなければいけない。 ○清水委員 ですけれども、そういう部分も必要なのだということは考えていただく 必要はあるだろう。当然、それは落差のあることは明らかなことですから、ただそれ を何もやっていないと一方的に言うのは、ちょっと異論がある。 ○森嶌座長代理 私、そう言っているのではないです。 ○寺野座長 大丈夫ですよ。うまくそこはまとめるようにしますので。では、その議 論はそこまでにして。  あと、意見を皆さんにいただきたいのですけれども、さっきワーキンググループの ところで、西埜委員の基本法の意見を聞き忘れたのですが、一言お願いできますでし ょうか。 ○西埜委員 資料8になります。  これは最初に書いてありますように、ワーキンググループの委員の方から、最後の 方で基本法という言葉を1つ入れてあるので、これだけぽっと出てきたのでは何のこ とかよくわからないから、共通の認識を持つために、参考のためにワーキンググルー プのメンバーの方に送ってくださいと言われましたから、簡単なメモを書きました。 後は、どういうふうに利用されても一向に差しつかえありません。  基本法についての文献は余りありません。1冊の本になっているものもありません し、あちこちに散らばっておりますから、まとめればこういう内容になるのではない かと思います。法律用語辞典はありますけれども、そこでも基本法でくれば出てくる ことは出てきますが、これもほんのわずかな説明しかありませんので、単なる私のメ モ程度に過ぎませんが、基本法を制定するからには、大体こういう認識が核になって いるのではないかということでまとめました。それだけで結構です。 ○寺野座長 ありがとうございます。さっきもちょっと基本法のところがありました が、少し膨らせという話があったので、参考にしたいと思います。  それでは、意見を出していただいた委員から簡潔にお話しいただきたいと思います。 時計を見ながらお話しいただくと助かるのですけれども、まず清澤委員から出ており ますが、清澤委員、お願いします。資料6−1と6−2と資料6−1の追加もござい ます。 ○清澤委員 これは、既に事務局の方で直したというか、修正していただいたようで すので、特に付け加えることはありませんが、私の言わんとしたことは、例えば1の 「医療関係者等」で「等」というのが入っているのですが、もっと明確にした方がい いのではないかということです。  2は、適応外使用された場合には、その後のアウトカムといいますか、きいたかき かないか、あるいは副作用がどうだったかということをちゃんと評価すべきであると いうことです。  3は、報告者へのインセンティブの付与というのがちょっと私、わからなかったの ですが、今回事務局で括弧していただいてわかりましたので、これについては特にご ざいません。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。  では、高橋委員、お願いします。 ○高橋委員 私の方からは、全般的な事項と個別の意見という形で、2つの意見を出 させていただいています。  全般的な事項としては、提言の中に、第一次提言を基に、その後のものが加わって いるので、かなり重複している記載があるようにとらえます。ですから、重複が多い ので、整理したらどうかと思います。  それから、第一次提言でも言われていましたけれども、幾つか既に実行済みのもの も当然この中に入っています。ですから、実行済みのものとか、今、検討中のもの、 それから未実施のものについての混在というものをどうにか区別して、既に行ってい るものについては実施したということがはっきりわかるようしたらどうかと思いま す。  それ以外の個別のところについては、それぞれ感じた意見、例えばアカデミアの後 に「学会」を入れていただいたらどうかとか、薬学だけではなくて、医学教育の方に も評価とか薬剤疫学を入れていただいたらいいのではないかとか、いろいろ意見を述 べさせていただいています。  その中で、(4)で記載の定義というところですけれども、治験以外の臨床試験と いう言葉が使われています。定義的にも、治験以外の臨床試験とは一体何を指してい るのか、臨床研究との差というものがどうなっているのか、なかなかわかりにくいの で、整理していただいたらいいかと思います。  それから、(5)ですけれども、今回、「定期的に」という言葉が添付文書の見直し というところに加わっています。前回もこちらの方からお話ししていますけれども、 添付文書の改訂というのは、適時、迅速にということが基本だろうと思っています。 ですから、定期的にやるよりは、適時、迅速にやるような改訂が重要だと考えていま す。  その後、(6)の再評価のところに添付文書の改訂のことが書いてありますけれど も、同じように、この定期的な見直しというのが入っていますので、それについての 考え方を述べさせていただいています。  あとは、(8)、先ほど森嶌先生の方からもお話が出ていたのですけれども、患者へ の告知につながるということが考えられるので、一概に義務化ということよりも、「義 務付けを検討すべき」という文書に変えていただいたらいいのではないかと考えてい ます。  最後のところは、医薬品行政のあり方について、関連部門の連携をもう少し記載す る必要があるのではないか。行政組織のあり方について、関連部門の連携が重要なの ではないかと思いますので、それに対する記載というものを入れていただけたらいい のではないかと考えています。私の方からは以上です。 ○寺野座長 それでは、水口委員の御説明の前に山井政務官がいらっしゃいましたの で、お忙しいようですから、一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願い します。○山井政務官 委員の皆さん方、本当に御苦労さまです。今も予算委員会を やっておりまして、長妻大臣も答弁の真っ最中ということで、来られなくて申しわけ ございません。私が抜けて来させていただきました。  今日まで、委員の皆様方におかれましては、本当に積極的な議論をしていただきま して、また研究班の皆さんにもいろいろな研究をしていただき、現場の声、過去の声 を聞いていただきまして本当にありがとうございます。いよいよ次回が最終回という ことで、最終提言とりまとめの詰めに入ったと思っております。薬害肝炎事件の検証、 今日も資料を少し拝見させていただきましたが、こういう現状の中で多くの方々のと うとい命が奪われた、あるいは多くの方々の人生がぶち壊しになってしまった。また、 これからもその被害がどんどん拡大し、母子感染の問題もありますし、そういう意味 では、こういう薬害というのは二度と繰り返されてはならないということを、この資 料を拝見して改めて痛感しております。  また、患者の方々の調査の実態を見れば見るほど、この問題はまだ終わっておらず、 こういう患者の方々をどうやって行政が支えていけるのか。医療費助成も含めて、こ れから大きな議論が必要になってくると思っております。折しも、またB型肝炎の訴 訟もいろいろな地裁で判断が下されるのではないかと思っております。そのようなこ とも含めて、今日も最終提言に向けての議論がなされると思っておりますし、また医 薬品行政に関する第三者監視評価組織についても議論がなされているものと思って おります。  本来でしたら、長妻大臣が来るべきところ、今日も長妻大臣1人で朝から70問の 質問に答えて、9時からずっと予算委員会で今も答弁している最中でございます。ま た、皆さん方に出していただきました提言は、しっかり受けとめて、これからの薬害 の再発防止、二度とこのようなことが起こらないようにしっかりと取組んでまいりた いと思います。  また、先日の話になりましたが、薬害AIDSの問題で取組まれた菅直人さんも今 回、財務大臣になられました。薬害AIDSに取り組まれた枝野さんも、今回、行政 刷新の担当大臣となりました。まさに、こういう薬害の深刻な問題点を本当に身に染 みて知っている議員が今の鳩山政権の中枢になってまいりますので、皆さんの声を聞 きながらしっかりと再発防止のために取組ませていただきたいと思います。これから もよろしくお願いします。 ○寺野座長 どうもありがとうございます。それでは、また予算委員会の方に行かれ ると思いますので。次回、長妻大臣が出てきていただけるかが、本委員会をどう見ら れておられるかの証拠になりますので、この点は強く要求したいと思います。そのと きには、皆さんも要望があれば、それぞれ一言言っていただくといいのではないかと 思います。要するに、提言をした後のフォローというか、実現がどういう形でチェッ クされるのかということを我々も知りたい。そういうことも含めまして、そのつもり で。  次に、水口委員、お願いします。 ○水口委員 進め方なのですが、全部とりあえず言って、それから意見交換。 ○寺野座長 先生のはたくさんあるのですよね。 ○水口委員 例えば、今、高橋委員から御指摘あった点について少しコメントすると か、そういうのは全部終わってからの方がいいですか。 ○寺野座長 終わってからにしたいです。 ○水口委員 わかりました。それでは、私はとても長いので、座長に協力してコンパ クトにやりたいと思います。最終提言についての意見です。  まず、第1のはじめにですが、ずっと継ぎ足しの連続で非常に読みにくいのと、先 ほど花井委員から美しくないという御指摘があって、私も読んでいて、冒頭にこれを 読まされるとちょっとつらいものがあるなと思ったので、修正案を提案させていただ きました。私の意見書の見方なのですが、素案に下線が入っているのは、そのまま下 線付きにしてありますので、1本下線は素案のままです。それで、こう変えた方がい いという意見の部分をゴシック体にしています。それから、2本線で修正は私の修正、 意見ということで見ていただきたいのです。  まず、はじめについて言えば、前半の設置目的については、基本的には全部これを 生かした上で、その後、原案は議論の経過を、時間を追って、それも第何回目にどう だということを物すごく細かく書いていらっしゃるのですが、読んでいると頭が混乱 するので、全体として提言までのとりまとめの経緯を何回やったとか、その間に提言 を中間と第一次提言を出しているということと、事実検証については、検証研究班の 協力を得て行ったということと、今年度については、特にヒアリングやアンケート調 査等、特別こういうことをやりましたということを圧縮して文案を提案させていただ きました。  そして、最後は、提言の実現に向けてということで、特に第三者評価組織の設置の ことにも触れて、このぐらいは書いてはどうか。余りこなれた文章ではないのですが、 文案として提案させていただきましたので、御検討いただければと思います。  あと1つ、検討課題としては、御協力いただいた方への謝辞をどこかに書く必要は ないのかということがあります。  それから、このはじめには、第一次提言と最終提言の主にどこが違うのかというこ とについての簡単な一覧表を報告書の最後に付けることを念頭に書いてございます。 以上がはじめにの点です。  それから、素案の10ページ以下に、今回、検証と提言をつなぐ部分ということで、 大変御苦労されて現状分析と課題ということでまとめて、かなりの部分を足していた だいたのですが、これは検証と提言をつなぐ部分という位置付けなのだと思いますが、 現状分析としては非常に浅くて、しかも課題と書いてある部分は、個別の課題の提言 と非常に重複するのです。しかも内容は圧縮しているので、読んでいて非常に淡白過 ぎてよくわからないということで、ここをしっかり書くのはすごく大変なので、これ から書ければいいのですが、もし難しければ、私はここのところはちょっと中途半端 なので、このぐらい書くのだったら削ってしまった方がよくて、前回提案があった現 状分析が必要ではないかという点は、個別の提言を各場所に意識して加えていった方 が、全体としてはいいのではないかと思います。  それから、人材育成の点についても、次のように加えさせていただきました。  これは、アンケート調査の結果をここの中に盛り込んで問題提起する必要があると いうことで、審査については、ずっと読んでいくと、これで今のあれで人は足りてい るのだと読めそうな文章になっているのですが、そうでもないだろう。特に医師の不 足など、深刻な問題がある点は指摘した方がいいだろうということと。  あと、アンケート調査の中から、厚労省とPMDAの方の労働時間が非常に長いと いった御意見が随分出てきていて、それとの関係で目標設定が適切なのかという問題 提起がありましたので、それを踏まえてここに文書を付け加えさせていただきました。 要するに、審査期間の短縮は結構だけれども、担当職員の長時間労働を前提として成 り立っているという現状を踏まえて、目標設定のあり方をきちっと考えるべきではな いかという趣旨の文章です。  あと、リスクコミュニケーションの問題点。  もう一つは、アンケート調査からこれも出てきているのですが、人事異動のシステ ム、人員配置の問題等、厚生労働省とPMDAの関係も含めて問題提起がありました ので、その点について専門性を損なうことのないようなシステムの見直しが行われる べきだ。本当はもうちょっと書いた方がいいと思うのですが、とりあえずそういうも のを入れさせていただきました。  あとは、人材育成について、ここはちょっと議論が必要だと思います。一次提言が 削除されて、全く新しい文案が提案されているのですが、これを見ると、企業出身者 の人材活用について、今の制限を撤廃していいという意見なのかどうなのかというこ とについて、何かよくわからない。定期的に点検して、企業の人材だけではなくて、 学会等との関係においても見直すべきものは見直すべきだというのは一般論として は結構なのですが、企業出身者の活用の問題については、前回議論になった点もござ いますので、そこの視点は削らないで残しておくべきだろうと思いまして、改めて復 活して、記載順として若干調整させていただきました。  あとは、教育の問題は、医学部、看護学部の話を入れたということと、薬剤疫学研 究の促進ということは非常に重要なことですので、これは1項目起こして、少し書き 込ませていただいたということです。  あと、臨床研究については、登録制度についてより一層の促進が必要であるという 趣旨の記載と、公的基金の設立による支援ということは議論しましたので、それを加 えさせていただいています。  あとは、審査の透明性についての記載。修正が入ったために、かえってわかりにく くなった部分があるかと思って、これは文章上の問題ですが、修正を提案させていた だきました。  あとは、患者からの副作用報告制度なのですが、この制度はこれとして独立して、 薬相談で代替できるものではないので、この関係がぐちゃっと書いてあるので、それ をちゃんと明確にする意味で修正の提案をさせていただきます。  あとは、リスク管理方法については、前回、研究班報告もありましたが、ICH− E2Eを入れるのは勿論重要なのですが、そこの評価をする専門家が不足していると いう現状をかんがみて、この前はファーマコビジランス委員会という言葉で御提案が あったのですが、何か第三者的立場の専門家が関与する委員会の発足ということにつ いて、きちっと触れておいた方がいいだろうということで加えさせていただきました。  あと、リスクコミュニケーションについては、この間、今年随分議論しましたので、 そこについて書き込んでいます。  あと、全体の構成が変わったために、苦情解決部門の話がどこかに消えてしまった ので、それはここに復活させて残しています。  あと、個人輸入の話です。  それから、チェック体制等について、字句の修正等について注意すべき点を足させ ていただきました。  それで大きいところは、主たる行政組織のあり方なのですが、素案は議論が今のと ころまとまっていないということで、議論の経過をすごく長々とA案、B案と書いて きているのですが、今年は幾つかの観点から検討しています。そこの結果を踏まえて、 もうちょっと整理して書いたらどうなのかということで、文案を提案させていただい ていますので、これをごらんいただきたいと思います。分析結果のところに星印があ りますが、今日はもう時間がないのですが、アンケートの結果などもありますから、 これはもう議論はできないのですかね。次回を含めて、A案、B案で終わってしまう のか、少なくともここでもう少し進んだ見解のとりまとめはできないのかということ はあるかな。  いずれにしても、最後、検討結果を書いて、どのような形態をとろうとも、こうい う要素が必要であると一致できるところは書いた上でいくということで、あとは現状 のまま、もし厚生労働省とPMDAに分けていくとする場合にも、こういう問題点が あるよということは、せっかくアンケートをやったわけですから、それを明記したら どうかということで、そういうことを想定した文書構成と文案を提案させていただき ました。書き込むことについては、議論次第ということになると思います。  あと、第三者組織と基本法の話は、既に提案させていただきました。  あと、おわりにが余りにも中途半端なので、場合によっては削っても、むしろ前書 きをしっかり書くということで終わりにしてもいいかなと思いました。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。建設的に意見をいただいて、非常に参考にな る内容だと思いますが、まだ議論するべきところもあるということは当然なのですけ れども、これはまた後ほどまとめて扱いたいと思います。  次に、坂田委員、お願いします。 ○坂田委員 坂田です。意見書に対してですけれども、1番と2番は、水口委員が言 われたのと内容的には同じになります。はじめには、きちんと簡潔にまとめてほしい ということと、2の見直しはもうちょっとわかりやすい形にしていただきたいという ことです。  あと、下の方に入りますけれども、今回、ヒアリングしてとても思ったのですけれ ども、1年、2年で異動というのは私にとってとても問題だったのです。何月からは 自分ですけれども、その前はだれですとか、そんな形で中身が引き継がれていない感 じだったので、欲をいえば、何か問題が起こったら何年かそこにいてもらうとか、5 年に変更してもらうとか、それがとても重要ではないか。多機関での異動は、専門家 が育ちにくいという宿命があるのではないかと思いました。  次は、GMPに関して日本はとても後進国ではないかと感じました。やはり各種ガ イドラインを整備するとか、下の3の方にもつながるのですけれども、安全部に関し ては100名の増員ということですけれども、品質管理部においては、現在28名しか いないということですので、都道府県と連携してやっていく際に、例えば同じ人数ぐ らい増やして、そして各都道府県にPMDA職員が行って、都道府県もGMPの査察 官の専門官を置くという形ができればいいのではないかと思いました。  4番、薬害資料館ですけれども、これは是非設立させていただきたいということ。  5番目ですけれども、救済制度において、国民に広く認知されているとは絶対言え ないと思います。だから、今後も更に積極的にPRする必要があるということです。  6番は、文章の移動です。  それと、おわりにのところに第一次提言を受けてスタートした各種厚生科学研究も 現在進行しています。その結果も受けながら、本提言の実現と確認の見直しを行う必 要があるという文言を入れるべきではないかと思います。  それと、済みません、意見ではないのですけれども、2つ教えていただきたいのは、 今回、厚生省とPMDAにアンケートをとられましたけれども、気になったのですけ れども、PMDAが第一次提言を初めて知ったというのが23.8%。そして、大体半分 の方が答えられていないから、かなり方がもしかして第一次提言を御存じでないので はないかと思って、PMDAの教育に現場主義という形からいくに当たって、第一次 提言を知らない人がなぜこんなに多いのかということと。あと、最終提言書について、 どのようにやってPMDAで活用されていくのかを知りたいのがまず1点。  それと、提言書の素案の25ページぐらいからレセプトデータベースというのがあ るのですけれども、それに関していろいろ調べていたら、去年11月9日に山口委員 が意見書を出されているのですけれども、現在、厚生労働省のレセプトデータベース とPMDAの副作用報告がリンクされていないという問題点。諸外国では、1970年代 ぐらいからデータの利用がある。あと、データをどういう形で使うかということで、 役所以外の人たちとか研究者や企業が今後どのように使っていくのか。2011年度に大 規模なデータベースの構築が進められるということで、最終提言にもそれらしきこと が書いてあるのですけれども、そこら辺の説明をよかったら山口委員にしていただけ たらと思います。  よかったら、PMDAの教育に最終提言をどのように使おうと考えられているのか、 松田安全管理監にお答えいただけたらと思います。 ○寺野座長 山口委員、ちょっと整理しておいていただいて、後に回してくれますか。  委員の意見を先に述べていただくお約束ですので、6−1の追加がありまして、ま ず堀内委員の方からの意見があります。 ○堀内委員 これは、31ページから32ページの部分ですけれども、医療機関の取組 みの強化ということです。  内容については、例えばチーム医療を取り巻く概念のところが、患者あるいは家族 中心にと書き換えたということがありまして、文章上の問題でウエートの置き方とか、 その辺を書いた。  それから、医療情報のところで添付文書が出ていまして、添付文書だけではなくて、 インタビューフォームというものが添付文書を補完する情報で、製薬企業と薬剤師が ディスカッションしながら、どういう項目について記入するかという情報をさらに補 完する意味で重要な役割を持っておりますので、これを入れさせていただいたという こと。  それから、特に2ページ、チーム医療の中で患者、家族を中心に医師、看護師、薬 剤師、看護スタッフが連携して治療に取り組むチーム医療を推進して、安全対策を講 じる必要があるということ。  それから、医療安全確保に関する情報伝達の、ちょっとがちゃがちゃしていたので 整理したという意味での推進及びチーム医療により、医薬品による副作用の早期発見 及び発生防止のため、医療機関における薬剤師の人員を増員。これは、日本における 薬剤師というのは欧米の数分の1しかいない。とりわけ、病棟に質の高い薬剤師を常 駐配置する努力を推進する必要がある。これは、最近の中医協の議論の中でも、病棟 に薬剤師を配置するというのが評価されているということもありますので、ベッドサ イドに薬剤師がいないとコミュニケーションが、先ほど森嶌先生、いろいろお話があ りましたけれども、なかなかできないということもありますので、こういう文書を入 れていただきたいということです。大体、そんなところです。 ○寺野座長 ありがとうございます。  では、堀委員、お願いします。 ○堀委員 私の意見書は、一見長いのですけれども、去年ちょうど今ぐらいの時期に 出した意見書を再度掲載している部分もあるので長くなっています。  1点目は、適応外使用についてということで、上のP.11が削除の理由なのですけ れども、これを全般に議論するに当たって、全くの未承認薬の個人輸入の問題とか、 未承認薬をどうやって早く承認していくかという話と、適応外使用の話を混在して一 つの文書の中に入れていくと、議論がかなり混乱するので、ここは前後から考えると、 未承認薬の話であろうし、この2つを混在したまま議論するのはやめた方がいいとい う趣旨で削っています。  それから、P.21に適応外使用と書いてあるところですけれども、下線部が追加にな っていて、線を引いていないところは現在の素案の文章をそのまま写しています。前 半の方で言いたいこととしては、これは薬害防止の意味とは直接は関係ないかもしれ ないのですけれども、適応外使用の問題、去年かなりいろいろ議論したと思いますが、 研究段階のものから、そうではなくて、一定のエビデンスが備わっていて、現在の医 療行為としてむしろ行うべきであるものまで、かなり幅広くある。その後者の部分に ついては、既に一次提言で書かれているように、保険診療上認められるシステムを整 備するということが、まず私の考えでは先決だろうということがあります。最終的に は承認できるようにというところには、特に異論はないわけです。  ただ、2ポツ目のところで、いろいろな先生方の意見を踏まえて事務局の方で書い てくれた文章だと思うのですが、「医療上の必要性の高いものについては、承認に向 けた臨床試験の実施に関し、必要な経済的支援を行うべきである。」と切れていたの ですけれども、こういった医療上の必要性の高いものに関して、形式的に臨床試験を 実施するということであれば、それはむしろ患者さんにとって倫理的に問題であるし、 またそういった試験のために患者の保険診療が可能となるまでに時間が延びるとい うことであれば、余り意味はないので、ここの文章の工夫かもしれませんが、すべて こういった経済的支援を行うべきであると本委員会として言うのは、ちょっと違うの ではないかと思いました。  3つ目のところが薬害と関係するところなのですけれども、先ほど坂田さんの企業 の検証の中にも書いていましたが、適応外であるからデータが集まらないという仕組 みでは、今後困難だろうと思います。適応外の問題で大事なのは、明らかに不適切な 適応外をどうやって防ぐかということと、安全性上の問題を拾い上げる仕組みだと思 うのですが、これに当たって、混乗論でばらばらな届け出を整備していったとしても、 多分それはワークしないし、絶対に漏れが出るということがあるので、今さんざん議 論されているデータベースとか、今後行っていく安全対策のところと一体して、適応 外のところも拾い上げていくことをしなければいけないのではないかと思います。  それから、通しページの8ページは、たしか水口先生が項目をおっしゃっていたと ころだと思いますが、不承認となった医薬品に関する情報が明らかとなるような方策 も検討すべきであるということが書かれている。ただ、これは不承認となったものだ けだと、多分その本意は反映されなくて、実際には審査中に企業が何らかの理由があ って申請を取り下げたという整理になっているものは不承認から外れてしまうので す。これは、勿論関係企業の協力を得ながら徐々に検討すべきことかもしれませんが、 特に安全性上の問題で企業が取り下げている場合もあると思いますので、ここの情報 公開が必要だろうと思います。  3点目が通しページ9ページ、審議会です。ここは、アンケートの中でも、審議会 の形態とか必要性の有無についても出ていましたけれども、審議会に関しては、その 公開の仕方とか、あるいは今の方法という今のスタイルありきの議論ではなくて、定 期開催の必要性の意味も含めての見直しが必要と去年言ったと思うのですが、そこの 意見は全く今、反映されていないので、しつこいですが、また書いています。  それから、安全対策のところは今までの意見と重複するので簡単にしますけれども、 通しページ10ページのところは、人員の確保というのは単に数だけの問題ではなく て、質を確保する上で、多様性と人事の流動性とか教育が必要であるということ。  それから、添付文書の適時適切な更新の仕組みの強化は当然重要なのですが、加え てどなたかもおっしゃっていましたけれども、添付文書以外のいろいろな情報ツール の提供というのも、今後の電子化とあわせてやっていくべきだと思います。  それから、通しページ11ページのアンケートのところは、今回は4行ぐらいしか 触れていないのですけれども、アンケート結果を踏まえての議論内容は当然記載すべ きと思いますので、これはだれがひな形を書くのかはあると思いますけれども、はっ きり書いた方がいいと思います。  そのほかは、長くなってしまうので省略しますけれども、ここに書いてあるとおり です。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。  それでは、もう一つ、資料6−2に堀内委員の方から、研究班としての意見という ものがございますので、御説明お願いします。 ○堀内委員 これは、特に医療時の倫理の問題と薬剤疫学関連のところが中心ですの で、研究班の班員である津谷先生に簡単に説明していただきたいと思います。 ○寺野座長 それでは、よろしくお願いします。 ○津谷研究班員 班員は5人いるのですけれども、そのうちの磯部班員と私とでまと めたドキュメントです。  全部で10項目あって、(1)「情報の適正な取扱いを担保するための自己規律」につ いて、ちょっとわかりにくいですが、自己規律というのは専門家自律、最近はプロフ ェッショナルオートノミーと言うと思いますけれども、先ほど森嶌先生が職業倫理と もおっしゃいました。2ページ目の四角の枠の2番目に、医師・薬剤師などの医薬品 を取り扱うプロフェッションであれば、添付文書の記載内容を含む医薬品に関する正 確な情報の取得と確認、安全に係る情報は適切かつ積極的に公開ということを、プロ フェッショナルオートノミーとしてやるべきだということを書いていただく。  書く場所は、33ページに「学会に期待する取組」というのがありますけれども、プ ロフェッションというのは学会の会員ということもあれば、医師会とか薬剤師会のメ ンバーということもありますので、独立した項目にしていただきたいと思っています。  (2)は適応外ですが、今の案に「必要な経済的支援を行うこと」とあるわけですけれ ども、経済的支援が無限にあるわけではありませんので、この真ん中辺りに書きまし たが、「適応外使用をするためのエビデンスをつくるための何らかのインセンティブ 付与のメカニズムが考慮されるべきである」。マーケットにないから適応外使用が起 きるわけですけれども、具体的に世界的には、例えばオーファンドラッグを開発する とバウチャー、クーポンを与えて、そのクーポンを持っていると、ほかの新薬の迅速 審査に使えるとか、幾つかの手法が開発されています。そこに参考文献を書いており ますけれども、こういったものを参考にして、単に経済的支援だけではなくて、エビ デンス、インセンティブを与えるような方法。  (3)は情報収集体制の強化ということで、次のページの上から3行目の提言案にはと いうところです。「WHOにおける国際的な副作用情報の収集とその有効活用」、原案 には「報告システムの互換化の促進が前提」と書いてありますが、これはテクニカル な問題だと思いますが、意味が不明なものですから、PMDAをもう一度訪問させて いただいて明確にしたいと思っております。  3)は、1月18日に私が報告させていただいたMedWatchを紹介しながら提案した ことですけれども、有害事象の報告制度の一元化について、今、全く触れられており ませんので、是非触れていただきたい。ただし、これには複数の法律を変えないとい けないということで、下から5〜6行目に書いてありますけれども、少し時間がかか るでしょう。ただし、アメリカのMedWatchは1993年にできておりますので、2013 年で20年になってしまいますので、困難な作業だとわかっておりますが、なるべく 早くということです。  (4)は「体制の強化と予防原則に伴う措置5」ということで、これも1月18日に報 告させていただいたICH−E2Eに関係することですが、4ページの真ん中辺りで、 現在の提言案の問題は以下である。「リスク最小化策」「医薬品安全性監視計画」、フ ァーマコビジランス、ここでは漢字に直しておりますが、あるいはこれは薬剤疫学と 同じと思ってよろしいですが、この2つを含んでの医薬品リスクマネジメント、医薬 品リスク管理と言ってもいいと思いますが、この3つのコンセプトと用語に混乱があ りますので、ここを明確に分ける。先ほど水口委員が、このウとエは重複していると 書いてありましたけれども、全くそのとおりで、ここをきちんと明確に分けて書く。  5ページには細かいことが書いてありますけれども、これも水口委員が言われたフ ァーマコビジランス委員会をつくって具体的な実装化を進めていただきたいという ことです。  6ページ、リスクコミュニケーション、ここは細かいことです。個人輸入か書いて ありますが、原案では慎重にと書いてあるわけですけれども、いつまでも慎重にと言 うと動きませんので、7ページの下の方に参考文献とあります。寺岡さんというのは、 京都大学のマスターの学生です。米国、欧州、韓国でもこういったコンパッショネー トユース制度があるものですから、それを調べて、40ページほどの論文なのですけれ ども、具体的な問題点と制度設計に当たっての課題、論点を、例えば患者のアクセス 権という考えもありますけれども、ここではアクセスの保証、2番目に安全管理・患 者保護、3番目は比較臨床試験の遂行を妨げない。これは、企業の治験だけではなく て、エビデンスができればいいわけですので、この3つのバランスをとることが原則 になります。是非ともこういうことを考えた上で、このコンパッショネートユースに ついての制度設計に対して、よりポジティブな書き方をしていただきたい。  8ページに、学会に期待されるということで、ここでは「よい雑誌はよい研究を作 る」と書いてあります。今、日本医学雑誌編集者会議というものが、よいというのは、 倫理的にいいということと、質的にいいということがあるわけです。例えば、先ほど の臨床試験の登録制度もそうですし、パブリケーションバイオレンスを避けるという ことなのですけれども、ランダム化比較試験など、いろいろな研究論文の書き方の質 が悪いのです。薬剤疫学研究もそうなのですけれども、そういったものの質を高める。 それによってよい研究をつくって、エビデンスをつくってもらう。  最後に、知見の適切な伝達のところで、今の原案には診療ガイドラインについて余 り触れられておりませんので、先ほどのよい研究を基にガイドラインを、プロフェッ ションオートミーに基づいて知るべきというのは、添付文書から始めましたけれども、 診療ガイドラインについてもよく理解する。診療ガイドラインは、プロフェッション オートノミーに基づいてつくるものですので、こういったものの質が高まって、1次 研究の質が高まって、それがきちんと反映された診療ガイドラインに反映されて、使 いやすくなって、より適切な医療行動へ結び付くことが望まれることにいたしました。 以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。研究班からの御報告ですが、どうぞ。 ○泉委員 先生の資料の6ページに個人輸入について書かれていまして、7ページに、 更にそれについてコンパッショネート使用は、EUの法体系でも上位にあるレギュレ ーションに位置付けられている。また、その下に、韓国でも1999年に政府がオーフ ァンドラッグセンターをつくって、こういう制度を開始しているという、どちらかと いうと個人輸入をもうちょっと進めるべく審議が必要だと書かれていますが、これは 同じく先生の資料の6ページの下に、2007年7月に、厚生労働省が有効で安全な医薬 品を迅速に供給するための検討会ということで、今後として、この導入に向けて検討 を開始すべきという提言をされているのですね。  そうすると、今回の提言のとりまとめで、今まで大平委員、堀先生、そして水口先 生、それぞれが慎重にすべきというコメントを出していますし、場合によっては、欧 米で制度化されているこの制度は、人道的な医薬品の使用手続の国内導入を検討する ことが提案されているが、安易な導入によりというものを、この委員会では二本線で 消そうとしています。そうすると、研究班の津谷先生と、この報告書とはどうやって 同一化して見たらいいのかわからないのです。 ○津谷研究班員 ここには、提言に入れる文章そのものを書いていないものですから、 骨子だけ7ページで7項目書きましたけれども、例えば3つ目、外国からの輸入の場 合の取り扱い業者を資格制にするとか、勿論安易であってはいけませんので、きちん と法体系の中にそういったものを取り込んで、保証の話とか有害事象の報告とか、保 証というのは経済的な支援ですけれども、そういったことをきちんとした上での話で す。ですから、これはたまたま個人輸入のところにコンパッショネートユースを入れ たのですけれども、個人輸入を推し進めるという意味ではありません。 ○泉委員 そうであれば、この委員会では、今、堀先生が説明してくださった中にも、 慎重にやる方向がここに書かれていて、それから混同するなという提言もありました し、大平委員は、これがひとり歩きしないように、今はそれを注意すべきという話も あるわけですから、私は津谷先生の御意見は御意見としても、ここの委員会では話し 合われていないものを、そのまま取り込み、入れるということに関して、研究班でそ れを報告書で出すべきなのかどうか一考を聞きたいのですが。 ○寺野座長 研究班、意見はありますか。 ○堀内委員 ここのコンパッショネートユース云々ということについては、まだ十分 に研究班としての議論は終わってはいませんので、全体が合意に達しているわけでは ありませんけれども、問題提起ということで、班員の問題をこの場に反映させていた だいたということです。 ○寺野座長 ドラッグラグの問題とか、そういうことも期待しているのです。この委 員会で安全性に力を入れ過ぎて、我々、早く使えないのはどうしてくれるのだという 意見もあったりして、そこら辺で、多分慎重な制度設計、検討が必要であるという表 現になっているのだと思います。どうぞ。 ○泉委員 であれば、2007年に厚生労働省で検討会が開かれているわけですから、そ れを更に進めるべきであって、これと一緒にすべきではないのではないか。勿論、そ こで提言され、話し合われ、より使いやすくするために、医薬で困っている方もたく さんいらっしゃいますから、そういう意味でここの中に無理やり入れるということは、 私としては反対です。 ○寺野座長 個人輸入自体。 ○泉委員 個人輸入が反対ではなくて、ここの津谷先生の書き方をそのまま入れると いうことは。 ○堀内委員 よろしいですか。 ○寺野座長 はい。 ○堀内委員 ここで議論するのは、医薬品の使い方、例えば個人輸入した薬をどのよ うに使うかという安全性のことを問題にすべきなので、個人輸入がいけない云々とい う議論ではないと思います。 ○寺野座長 大平委員、先にどうぞ。 ○大平委員 今、泉委員の私の見解についての認識の違いがあるのかもしれないです が、私は個人輸入が問題であって、コンパッショネートユースとか、そういうものを 制度上きちっとして、そして安全管理とか制度設計をきちっとすることが大切なので あって、それは個人輸入については慎重にやっていってもらいたいという私の見解だ ったのが、そこはちょっと誤解を招いているのかもしれません。言い足りなかった部 分があったかもしれないですが、私自身は迅速導入とか、そういうものについて患者 の意向反映というのはかなり強いものですから、それについてはどういう制度設計が きちっとできるかどうか。諸外国では、そういう方法があって。  個人輸入は、保証の問題とか、そういうものがない。そして、やはり原則的には、 私自身は個人輸入というのは反対のところがありますので、その問題とコンパッショ ネートユースの話とはちょっと切り離していただきたいと思います。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 理解していたつもりでした。ですから、個人輸入と迅速なる製薬の使い方 に対しては、個別に考えるべきで、急に今までの提言の中になかったものというより も、EUの例とか韓国の例を書かれると、さっさと使えという意味合いにとられても しようがないと思うので、私は急に出てきた話。しかも、これは研究班では余りまだ 話し合われていないと認識していますので、もう一回研究班で差し戻して、検討した 上でどのように入れるかを堀内先生に考えていただきたいと思います。 ○寺野座長 堀内先生、どうですか。 ○堀内委員 コンパッショネートユースと個人輸入とは、先ほど堀委員も話がありま したけれども、分けて考えないといけない問題。特に、ここでどっちにしろ、承認さ れていない薬が現場でたくさん使われている。ですから、それをどうやって安全性を 担保しながら使うかということが問題なので、その辺に重点を置いて整理したいと思 います。 ○寺野座長 どうぞ、堀委員。 ○堀委員 泉委員の御指摘は、この検討会でコンパッショネートユース制度とか、そ ういう制度の問題を十分論じたわけではないので、ある意味入れないでほしいという ことだと思いますが、医薬品の新薬、未承認薬の患者のアクセスをどう確保するかと いうときに、個人輸入という制度、現状そこしかないわけですが、そこで行くのか、 それともコンパッショネートユース制度というもので行くのかというところは、確か にこの場で余り議論はしていないと思うので、泉委員おっしゃることはわかります。  ただ、私、せっかくの機会でというのもあれですけれども、名前を出されたのでつ いでに言えば、今ある現状をこのまま放置することは危なくて、それは個人輸入がい いか、あるいはけしからぬかという善悪の問題ではなくて、今使っている人たちが既 存の安全性の仕組みの中から出てしまっているということが問題なので、私は将来あ るべき制度の話とは別に、既存のシステムで漏れているところを今からカバーしてい かないと、またここも薬害が起きてしまう俎上にはなるのではないかという趣旨で意 見書の方は書かせていただいております。 ○寺野座長 いいですね。この辺の表現について意見があれば、今度、研究班でも提 案していただきたいです。間宮委員、ちょっと待ってください。それで、ディスカッ ションを今から始めますよと言おうと思ったら、もう泉委員から出てきたので、迫力 に負けて許してしまったのですが、時間がそれほどないので誠に申しわけないのです けれども、できるだけコンパクトに、幾つかあると思うので、お願いしたいと思いま す。時間が大分過ぎてしまいました。  ただ、次が最終になりますので、どういうようにこれを構成していくかという議論 が中心に次はなると思います。ですから、内容についての議論、今のような議論をし ているような時間はないと思いますから、どうしてもここで出しておかなければいけ ないという議論を出していただきたい。そして、勿論、後で言いますように、インタ ーネットでもファクスでも意見は時間を決めて出していただきますので、そのことを 前提として議論してください。  間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 私も幾つか意見があります。  まず、16ページの薬害教育のところですけれども、3つ目のポツで医師、薬剤師、 歯科医師、看護師ということで、薬害事件や健康被害の防止のために医薬品の適正使 用に関すると書いてあるのですけれども、薬害事件とか健康被害を防止するためには、 医薬品の適正使用のことを勉強するのではなくて、薬害の歴史とか健康被害、医薬品 による副作用被害とか救済制度について勉強する必要があると思うので、ここのとこ ろを変えてほしいと思います。  それから、「初等中等教育において学ぶことで、医薬品との関わり方を教育する」 となっているのですけれども、これは単当直入に学習指導要領に盛り込まれれば勉強 するのです。なので、これは「初等中等教育において学ぶことができるように、学習 指導要領に盛り込まれるよう働きかけるべきである」としていただきたいと思います。  それから、24ページの新たなリスク管理手法の導入というところで、一番下のポツ、 1つ上です。「例えばサリドマイドのように、厳格なリスク管理が必要とされる医薬 品については」というところですけれども、「当該医薬品を投与される患者」だけが 書いてあるのですけれども、これは患者だけではなくて、医師とか医療機関、それか ら薬剤管理者についても登録する必要がありますので、それも厳密に書いていただき たいと思います。  それと、29ページと30ページで、個人輸入のところです。「個人輸入された未承認 薬に係る副作用情報に関して」というところがありますけれども、現在は個人輸入さ れて使われた未承認薬に対する副作用情報の収集というのがきちっとされていない ので、これは特に高いリスクが予想される未承認薬とか患者自身にリスクがある。例 えばがんの患者さんとか本当に命に関わるような疾病の患者さんに使う場合は、未承 認薬であっても患者さんとお医者さんを登録して、その副作用情報とか、もしかした ら有効性情報もありなのかもしれませんけれども、特に副作用情報について積極的に 厚生労働省が収集すべきではないかと考えます。  意見は以上なのですけれども、先ほど高橋委員から出た、明細書の発行について義 務付けを検討すべきとした方がいいのではないかという話だったのですけれども、こ れはやはり義務付けすべきと思います。以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。またいろいろな意見、今、間宮委員のような 意見があると思いますけれども、さっき言いましたように、メールなりファクスなり で具体的に出していただいて結構かと思います。今どうしてもここで議論しておかな ければいけない面をお願いします。  山口委員。 ○山口委員 細かいところは出しますけれども、1点だけ。  先ほど研究班の津谷先生の方から、リスク管理の話で用語に混乱が見られるという 話があったかと思います。多分、私が出したところだと思います。実際、2月のとき に津谷先生がおっしゃるような形で区別して意見の方は出させていただいたのです けれども、結局、こういう形でいろいろな先生方が御意見を出されて、まとまると混 乱が見られたり、あるいはまとまりがつかなくなってしまう。事務局の先生方も、か なり御苦労されていると思いますけれども、その辺、最終的にどなたがチェックする のかわかりませんけれども、そういうところである程度統一した認識で文章が書かれ ているというところを委員の先生方は留意して確認された方がいいのではないかと 思います。 ○寺野座長 どうぞ、椿委員。 ○椿委員 非常に情緒的な意見で大変申しわけないですけれども、今回の一番最後の 40ページのおわりにですけれども、二度と薬害を起こさない、これは勿論のことです けれども、第三者機関等々をつくった目的の1つは、万が一、仮に薬害が起きたとし ても、その上で被害者の方と国、厚生労働省やいろいろな関係者の方々が紛争という 形でそれを解決しない。いわゆる訴訟という形で解決しないという、その種の関係性 を悪くするようなことがもう二度と起きないということが、むしろ非常に大きなポイ ントではないかと理解しています。  基本的に、この2年間の中では、薬害が起きて、その後訴訟という形で国と患者さ んたちの信頼関係がこじれるような話を経験してきたという事実を、どう回避するか という話が別途根底にあったのではないかと思いますので、もう薬害を起こさないこ とは勿論なのですけれども、まかり間違えてそういうことが起きても、今後は第三者 が見た中で解決というものが極めてきちんとした形でいく、そのようなことが最後の おわりにのところにあると私としては大変望ましいのではないかということでござ います。 ○寺野座長 ありがとうございました。なかなか表現が難しいです。 ○椿委員 恐縮です。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 その後の話になって恐縮ですが、もしそうであれば、提言がまとめられた ときに、座長は大臣にお渡しになると思うのですけれども、そのお渡しになった後に、 具体的な内容も話し合われると思うので、記者会見でそれを世の中に是非お話しくだ さればありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○寺野座長 その点は、事務局ともちょっと話したのですけれども、記者会見という のをこっちから積極的にするか。実際メディア、プレスの方がどれだけ関心を持つか ということの問題もあると思いますが、これは皆さんの御意見でそうあるべきだとい うことであれば、私はやるべきだろうと思います。ですから、こっちの方から前もっ て資料を渡して、それを読んでおいてもらって、その質問等々についてお答えし、こ っちの見解を述べるということで、それは整理して考えていきたいと思います。 ○泉委員 お願いします。 ○寺野座長 あとは大臣にお渡ししますけれども、ちゃんと実行するかどうかという ことです。  山口さん。 ○山口委員 先ほど坂田先生、御質問されていたので、済みません、すっかり忘れて いたのですけれども、次回ですか、今。 ○寺野座長 今、でいいですよ。 ○山口委員 たしか2つ、私とどなたかにだったと思います。済みません、手短に。  坂田先生から御指摘いただいたのは、去年の第7回のときに意見書としてレセプト データベースに関しての安全性対策に対する利用というか、促進といいますか、積極 的に使っていったらいいのではないかという趣旨の意見書を出させていただきまし た。今、PMDAさんの方に自発報告のデータベースということで、一応データベー スがありますけれども、この会議でも何回か出ていている、自発報告ですのでいろい ろ限界があるということで、レセプトのデータベース、先ほど坂田先生から、2011 年にナショナルデータベース化されるという話ですけれども、それを有効利用してい くのがいいのではないかということで意見書を出させていただきました。  幾つかポイントがありましたので、後でもし御興味があれば意見書を見ていただけ ればと思いますけれども、その後、どういう形で国の方が今、取組んでいらっしゃる かというのは、むしろ安対課の方かPMDAの方に状況を教えていただく方がよろし いかと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。坂田委員から御質問いただきましたレセ プトデータベース、その他のデータベース関係ですけれども、こちらの検討会には、 第20回のときでございますが、医療関係データベース懇談会の現状についてという 形で資料を提供いたしました。残念ながら、そのときはお時間が余りなくて、資料を 出しましたよというアナウンスだけここでさせていただきましたので、ちょっとお読 みいただければということですけれども、こちらの提言を受けまして、実際そういっ た医療関係データベースを安全対策に活用する場合にどういった課題があるのかと か、個人情報を含めてどういうところをクリアーしなければいけないかというところ について、今、医療関係者とか患者の立場がわかる専門家の方を含めた形で議論を進 めているところでございます。  ここも坂田さんから御指摘いただいていますように、いろいろな研究班が並行して 走っておりますので、その成果を生かせるような形で対応していきたいということで ございますので、よろしくお願いいたします。  あと、レセプトデータベースもPMDAに来る副作用報告も、いずれも個人情報が ない形で参りますので、そういったことを結合するということは現状ではなかなか難 しい部分がございまして、その個人情報の取り扱いという部分も含めて、また引き続 きこういった検討の場で検討させていただきたいと思っております。 ○寺野座長 大分時間が過ぎてしまいまして、まだ議論したいところはいっぱいある し、先ほど水口委員の方から出されたのでいっぱい。 ○松田安全管理監 一言。 ○寺野座長 どうぞ。 ○松田安全管理監 先ほど報告書のPMDA内での周知の件、坂田委員の方から話が ありましたけれども、具体的な方法はともかく、いずれにしても、これは大事な提言 ですので、すべての職員に周知されるように組織を挙げて取組みたいと思います。よ ろしくお願いします。 ○寺野座長 よろしくお願いします。  今日、まだ十分な意見は出ていないかと思うのですけれども、提言は既に出してあ りまして、これをまた今日の御意見に従って修正していくわけですが、なかなか難し いところもございます。例えばさっきの個人輸入の問題もそうですけれども、皆さん のコンセンサスが果たして得られたのかどうかと思うところもありますので、一応そ このところも踏まえながら提言を整理していきたいと思っています。  最初のお約束どおり、3月30日が最終ということになります。それまでに、まだ 言い足りない、あるいはここを修正すべきだという意見も勿論あると思いますので、 これは今日の御意見を踏まえて、一応事務局案、座長案として提示いたします。それ を大体15日の週の前半ぐらいにお送りしたいということで、その後、22日の週の前 半までに委員からそれに対する御意見をいただきたいと思います。そして、29日まで に調整いたします。そういうことで、30日の最終委員会に持ち込みたいと思っている わけです。  その際には、できるだけ早く御意見をいただきたいと思います。今回も余り意見が 出ないなと言っていたら、週末になってどっと来て、皆さんお忙しいのはよくわかっ ているのですけれども、なかなかそれを取り込むことが難しいということもあります ので、是非早目に出していただきたいということであります。その中で議論されてい ない部分について入れることは、それはできませんので、その辺のことを御認識いた だきたいと思います。  そして、30日、いろいろ意見がまだ出てくるかと思いますけれども、新しい、全く 基本的なところを出されると大変困ってしまいますので、そのときは構成とか提言書 のあり方というものを御議論いただくことに集中したいと思います。そして、30日に すべて完成することができませんので、私の責任で、事務局あるいは委員の中にも御 協力いただく方が出るかと思いますけれども、表現等々については調整させていただ いて、またそれをお示しいたしますので、御意見をいただくことになるかと思います。  最終的には、結局、さっき泉委員も言われましたように、本委員会の提言として大 臣の方にこれを提出するということ。そして、プレスとの会見ということも必要にな ってくるかと思いますので、その辺もまた御協力いただきたいと思います。これをも っと続けろという意見が今日出てくるのではないかと思ったのですけれども、これは 無理なのです。そういうことで、また必要になったら、更に別の委員会をつくるとい うことはあり得るかもしれませんが、この委員会は次の3月30日をもって最終とし ますので、よろしく御協力をお願いします。  時間を大分過ぎましたけれども、今日、私は6時に出ますと言わなかったから長く なるなと思って、ちょっと長くなって申しわけありません。それでは、最後に次回予 定等々について事務局から御説明をお願いいたします。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回は、3月30日の15時から省内の会議室で予定し ておりますので、よろしくお願いします。 ○寺野座長 それだけですか。ですから、さっき言った意見の締め切りとか、もう一 回確認しておいてください。 ○医薬品副作用被害対策室長 今、座長から伺ったことを私の理解で確認しますと、 座長の方で今日の御議論を踏まえた形の修正案を15日の週の前半にお示しする。そ れに対して委員の方々から意見を、その次の週の前半にいただいて、それらを反映さ せたものを30日にお出しというか、我々の方で作業するということだと思います。  事務局から申し上げると、今日、紙なり御発言いただいたものは我々の方である程 度把握できましたが、今日言い足りないという方がおられるかもしれないので、そう いう意見は今週中のなるべく早いところで事務局の方にいただければと思います。以 上です。 ○寺野座長 そういうことでして、私も余り十分にタッチできない面もありまして、 事務局に大分お世話になるわけです。実は、今、卒業式、入学式のシーズンに入りま して、私もそれぞれ6つぐらいずつ持っています。それも大変でありまして、でも、 できるだけ時間をつくってやりたいと思いますけれども、御理解をお願いします。余 り理由になりませんけれども。  そういうことで、今日の委員会、時間を大分オーバーしましたけれども、これで終 わりにさせていただきます。では、次回、最終として気合を入れていきたいと思いま す。よろしく御協力をお願いします。どうもありがとうございました。                                     (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)