10/03/04 第6回個人請負型就業者に関する研究会議事録 第6回個人請負型就業者に関する研究会 開催日時:平成22年3月4日(木)14:00〜16:00 開催場所:経済産業省別館1038号会議室 出席者:佐藤博樹座長、奥田香子委員、佐野嘉秀委員、原ひろみ委員 議題 :(1)委託調査研究の結果     (2)報告書(たたき台) ○田尻室長補佐 第6回の研究会を始めたいと思います。皆様お忙しいところ、 ご出席いただきましてありがとうございます。本日の議事についてですが、 議事次第にありますとおり、「委託調査研究の結果」と「報告書(たたき台)」 についてを議事として取り上げたいと思います。  まず資料についてご確認をお願いします。ダブルクリップで入れている資料 は、議事次第にあるように、資料1「委託調査研究の結果」について、1-1、1-2、 1-3の3点あります。資料2「報告書(たたき台)」です。ダブルクリップの資 料以外で、本日の議事のご参考としてお役に立てればということで、在宅ワー クのガイドラインと、今回行った委託調査の質問票、今回の調査結果のクロス 集計をした資料の3点を付けてあります。  本日の時間については、議事が2点ありますので、前半と後半に分けて進め ます。それでは、第1に委託調査の結果ということで、(株)インテージの土 屋様からご説明をお願いします。 ○土屋氏(株式会社インテージ部長代理主任研究員) 早速ですが、資料1-1 「求人調査について」から話を始めます。前回の研究会の際にも求人調査の件 についてはご報告をしており、本資料は、概ねそのときの資料と同様になって おります。変更している部分についてのみ、ご説明いたします。  まず調査概要ですが、前回はサイト名を記載しておりましたが、どちらの運 営会社かという情報も併せて付記しております。こちらのサイトについては、 全国求人情報協会の会員企業から抽出ということになっておりますので、補足 いたします。  2頁、3頁以降ですが、前回は、分析表コメントとグラフが分かれて記載して ありましたが、わかりにくかったと思いますので、そこを揃えて書く形にレイ アウトを変えているだけで、内容は同様ですので省略いたします。  7頁に「考察」ということで1枚書き加えました。改めて今回のデータを見て いただく上での与件を整理しております。こちらのデータはあくまでも「求人」 時点での傾向の分析で、実際の契約条件の実態ではないこと、この求人サイト は、特定の地域の求人に限定されているケースもあるということなどです。前 のほうを見ていただくと、北海道の会社のサイトは、たまたま今回は3つ抽出 しておりますので、そういった地域的な偏りがある可能性があります。また、 職種や業界に特化したサイトもあり得ますので、今回は無作為に抽出したサイ トの特性に影響を受けている可能性があることを予めご了承ください。  加えて、こちらの求人情報分析は、A社からいただいている情報とWEBサイト のものを分析していますが、それ以外の新聞とか、口コミといった求人に関し ての情報は一切含まれておらず、あくまでもWEBサイト上とA社1社の誌面上の 情報についての分析ということになります。こういった前提の上で、625件の求 人情報に関してはご覧いただきたいということです。  この中でも非常に大ざっぱですが、私のほうで拝見する中で大きく3つぐらい のタイプがあるかと感じられました。まずは、出社義務、労働時間の規定もな く、本人の努力次第では非常に高額の収入が可能となるような「営業・販売」 系の業務委託が見られました。こちらは、裁量の幅や自由度が高いのが求人情 報の中からは読み取れます。ただし、どれほど長時間働いても、結果次第では 低収入になるというリスクもあるのではないかと思われます。これらの中に は、大手企業の販売代理店という形で、企業から一定の研修やサポートを受け ながら、独立・起業として業務委託をしているという求人も含まれています。  次に、エステ、理・美容、また講師・インストラクターといった業務委託 で、顧客や生徒の量によって報酬が変動するものの、ある程度一定の単価とい った基準があるような委託があります。こちらは収入、職務場所はある程度一 定になってきます。さらに資格、年齢、学歴といった条件も付いてくるという 傾向があります。ほかには、一定の契約期間はあるものの、福利厚生などは一 切なく、運転免許さえあれば学歴を問わないといった運送系の業務委託が見ら れました。  全般的に「支払方法」「契約の期間」「出社義務」があるかないか、「税・ 社会保険」についての情報の記載がない求人が大半です。また報酬金額につい ては、書かれていても「出来高制」といった記載のみで、実際にどのぐらいの 収入になるのかは書いていない所が多いです。そういう意味で、応募の時点で は契約条件が不明瞭な傾向になっていると言えるのではないかと思います。ま た、多くのサイトでは、業務委託だけを書いているのではなく、「正社員」 「アルバイト」「契約社員」といったものも同時に掲載されていますので、応 募者側が見る段階で誤解や勘違いといったリスクもあるのではないかと思われ ました。今回、検索をしたサイトにおいては、「業務委託とはこういうものを 指しています」という記載はほとんど見られませんでした。以上が求人調査に 関する報告になります。 ○佐藤座長 前回、データの性格をきちんと書いて、とりあえず実態、接近でき る限りということで求人を使って、その限りでということで書いていただきまし たが、いかがでしょうか。 O佐野委員 1行目ですが、実態として「求人」時点での勤務条件と実際に働く 勤務条件が違ってくるということはよくあるのですか。 ○土屋氏 ここにも書きましたように、情報の全部が書かれているわけではない というところはあるかと思います。実際に「出来高制」といったところに関して は中身が見えないということですので。 ○佐野委員 求人情報協会の加盟企業であれば、できるだけ正しいデータで求人 情報をだしていると思います。それでも、結果として実際の雇用条件と大きく変 わることはあり得ますが、それほど多くないのではないかとも思います。ですか ら、条件のちがいについてあえて書かなくてもいいような気もしました。その点 についてはいかがでしょうか。 ○原研究員 印象としては、なくてもいいかなと思うのですが。「求人時点での 傾向分析である」ぐらいでもいのかなと思います。 ○佐野委員 人が集まらなかったから、実際にはもう少し面接か何かで高くしてど うかというのはあるかもしれませんが。 ○佐藤座長 私はあまり気にしなくてもいい、このとおり書いてもいいのではない か、事実ではないかと。普通の雇用でも、そこで話は、もう少し賃金を高くしてと かというのがあるわけですから、読み手が誤解さえしなければいいということで、 嘘がたくさん載っているとか、そういう意味ではなくて、実際上、実態ではなくて、 あくまでも求人時点で、契約時点ではないというのは、ほかのでもみんなそうなの です。 ○酒光参事官 例えば、記載が書いてないから、ないとは限らないというのはある かもしれませね。 ○佐藤座長 あるかもしれないということなので、「実際の契約条件に関する分析 ではない」とかにしましようか。趣旨はそういうことですからね。 ○原研究員 調査の概要の(1)で、誰に対して調査をしたのかというのは、私はすごく 大事なことだと思います。サイト名を挙げてありますが、どういうサイトかよくわから ないので、特殊なものであるのならば、この地域を対象にしたものとか、こういう職種 だけを対象にしたものとか、サイトの特徴を書いたほうが内容が読みやすいと思いま す。地域的なカテゴリーが出ているかもしれないと言われていましたが、これだけだと そういうことがあるのだなということもわからないので、このサイトはどの地域だけ、 このサイトは全国、このサイトはどの職種を対象にしている、全職種を対象にしている、 という分類が一緒に付いていたほうが誤解がないと思います。 ○佐藤座長 特徴がわかればということでしょうか。正社員のみとか、アルバイトの求 人誌などと限定しているものがありますからね。 ○土屋氏 ただ、ここに挙げているのは、全部業務委託が入っているものだけです。 ○佐藤座長 業務委託が入っているというのが、全体が何かということですね。 ○土屋氏 そうです。加筆することがあるとすれば、地域限定という情報ぐらいかなと いう気がします。 ○奥田委員 「考察」でいくつかのタイプということで3つに分けています。3つに分け る際に、何か区別の基準に基づいてタイプ分けがされているのかと思いますが、どうい う基準に依拠してタイプ分けをしているのか、書かれるかどうかは別としてお聞きした いのです。 ○土屋氏 前の6頁に「クロス分析」ということで、各条件をクロスさせたものを載せて いますが、この中で、そもそも募集の種類として多いものとして営業・販売系、講師・ インストラクター系など、一定の母数が集まっているものというのが、まず1つの軸に なっています。同じような形で、講師・インストラクター系と理・美容師系に関して は、似たような傾向にあるのではないかと判断をいたしました。 ○奥田委員 似たような傾向というと、上の項目で似かよった数値が出てきているもの を括っているということなのでしょうか。 ○土屋氏 はい。 ○奥田委員 私はクロス分析を見るのが苦手なのですが、まず左側で職種として多いも のを拾って、上の労働契約期間とか、こういう条件について、数値が高くて傾向として 似かよっているものを括ったという理解でよろしいですか。 ○土屋氏 拾っているのは、5番の営業・販売と10番の講師・インストラクター、15番の 軽貨物運送、16番の美容・理容の4つです。 ○佐藤座長 「多いものの4つの特徴を書いた」というほうがいい。実態はそうですね。 ○土屋氏 そうですね。 ○佐藤座長 「多い職種のそれぞれの特徴を見ると」ぐらいのほうがいいかもしれませ んね。タイプというよりは、「今回の調査で、業務委託ででてきた職種の多いもの4つ の特徴を」のほうがいいかもしれませんね。 ○土屋氏 わかりました。 ○佐藤座長 タイプというと、いま言われたように何かの基準を立てて分けたように誤 解されるから。 ○原委員 7頁の3段落目の「次に」から始まる所ですが、これはクロス分析の6頁の(2)か らだと思いますが、大体50を超えるところから傾向が見られるところを記述したのだと 思いますが、本当にここまで書いてしまって大丈夫かな、とちょっと思いました。ア イディアがあるわけではないのですが、読んでいて不確実な気がするのです。 ○佐藤座長 例えば、講師・インストラクターと一緒にしないほうがいいということで すか。 ○原委員 これを書き出す必要があるのかなと思ったのです。この節をわざわざ立てる 必要があるかなと思ったのです。50ぐらいのサンプルである程度傾向を見るというの は難しいと思います。 ○佐藤座長 それは気にしないでいいのではありませんか。50ぐらいあったら、やっ ても平気だよ。少なくとも皆さんは経済学者ではないから。46ぐらいなら、一応ここ で見る特徴でいいのではないですか。平気です。 ○佐野委員 職種ごとに見た傾向の違いがあるぐらいの感じではどうか。当然営業であ れば出社とか、そういう管理が少ないとかというのはあると思うので、それほどおかし くはないのではないですか。 ○佐藤座長 あと細かいところで、学齢ではなくて学歴ですね。 ○土屋氏 ごめんなさい。 ○佐藤座長 いちばん最後で、いずれのサイトにおいても業務委託は定義がないという のは、上のほうに持っていってもいいかな。最初に。でも改行するか。最後の1行。別 の話で述べるとね。「全般的に」ということか。今回なぜというか、今回は全国求人 情報協会のサイトなのです。あとで出てくるように、一応ルールを持っているのです が、ルールを持っている所でもこの程度だということなので。一応ということで、協 会加盟ということははっきり書いてもらったのです。 ○佐野委員 1行目のところですが、実際の契約条件はより詳しい可能性があるとか、 そういうことを書いたほうがいいのではないか。求人の情報というのが契約そのもの ではないという趣旨ですよね。2つのことが言えて、1つは求人のときに交渉で変わっ てくる可能性があるということと、もう一つは、求人の際の条件よりももう少し詳し い労働条件を定めて契約を結んでいる可能性があるということですよね。 ○佐藤座長 それは事業所調査で見るしかないので違うとだけ言っておけば、書かな いでいいのではないか。もし書くとすれば、実態がどうかは今回の事業所調査で見 る、どう契約しているかは事業所調査のほうだよね。そこまで触れてしまうかどうか。 ○佐野委員 そうしたら何も書かかないほうが。変に書くと、どう違うのかなと思 いませんかね。 ○佐藤座長 単に分析しているのは、求人の情報の分析で、実態ではないということ は、読み手が誤解しないように言っておく。 ○佐野委員 求人の条件について分析したと書けばいいと。 ○佐藤座長 実際の契約条件についての分析ではないと書けばいいのではないの。 だから、実態という言葉は使わない。 ○佐野委員 実際の契約条件の分析ではないと書くのであれば、いいと思います。 ○佐藤座長 もし書くのなら、実際は、契約条件がどうなっているかは事業所調査の ほうで聞いているので。ですから「実態」という言葉は取ります。あと「タイプ」 というのが「比較的出現数の多かった職種」についての特徴を書いたということで、 そういう意味で原さんが言われるように、46だから、確かに難しい点はあるけれど も、今回は出現数の多い所だけを見たのですね。 ○佐野委員 全体の傾向はどこかに書いてありますよね。 ○佐藤座長 では、次をお願いします。 ○土屋氏 では、引き続き、資料1-2「事業所アンケート調査」について、ご説明を いたします。前回の研究会の際に、回収の中間時点での傾向をひと通りお話してお りますので、そこを繰り返すことは、今回は省略いたします。  改めて全体の概要の設計からお話しますと、今回、求人企業2,000社を対象にして おりますが、先ほど分析した求人情報の分析のデータに加えて、それ以外にもサイト を検索しながら、求人を出している会社を集めました。プラス、それだけでは2,000 件に達しませんでしたので、「帝国データバンク」から職種を指定して企業データ を買っております。その中には現在、業務委託を行っていない会社も含まれていると いう条件がありますので、今回は全体数としては738件で、36.9%の回収がありまし たが、結果的に分析対象にする有効回収数については325件となり、有効回収率は 16.3%です。申し上げましたとおり、最初の配分時点の2,000社の中に、当初から対 象外の所が含まれていることを承知の上で配分しておりますので、回収率の数字にあ まり意味はないかと思っていますし、またこの回収数における有効回収率という構成 に関しても意味はないと思っております。今後の分析に関しては、すべてこの325件 をベースに分析を進めております。 ○佐藤座長 325件のかなりは求人誌報ですか。 ○土屋氏 そうですね。 ○佐藤座長 325件は、帝国データの取とったサンプルか、求人誌のデータかというの はわかるのですか。 ○土屋氏  その観点でデータのチェックをしていませんでした。 ○佐藤座長 数字は残っているのですか、番号か何かでわかるのですか。 ○土屋氏 残っています。 ○佐藤座長 では、それはあとで。 ○土屋氏 調査項目ですが、50問以上のかなりボリュームの多い質問紙になっておりま して、いくつかの企業からは調査票の中に、多すぎるというご意見の記載がありました。 属性に関する質問、どのように活用しているかといった企業における活用実態に関す る質問、実際の委託契約者の年齢、学歴といった条件に関する質問、契約の実態に関 する質問、契約の条件に関する質問、報酬に関する質問、業務の実態に関する質問、 契約の方針について、トラブルについて、といったいくつかの塊がありましたので、 分析に関してはそれぞれの塊ごとに報告をまとめるつくりにしています。  また、本研究会の中で労働者性が高い、低いといいうことが重要な論点になってい ることもあって、ご指導いただいた問の19、27、28、31、34、35、36という7つの質問 に関して、まず報酬を決める要素として時間に応じて報酬が決まっているか、従事す る業務場所について会社の中の事業所内又は会社で指定する場所であるか、出社の必 要性があるか、仕事の進め方として裁量が限定されているか、当初の契約以外の業務 を行わせる頻度があるかどうか、断ることができるか、業務を代行することができな いかという7つのポイントに関して、当てはまるものに1点ずつ付与するという形で点 数化しました。今回は「5点以上」が全体の1割強、「4点」が2割、この2つを合わせて 4点以上の所は労働者性が高いというように括り、分析を進めています。  以下のチャートに関して、3%未満の数字に関しては省略して掲載しております。 また複数回答に関しては、数表で傾向を出していますが、有意差ではなく、トータル に対して10ポイント以上高いか低いかということで○と△が付いています。また、職 種別と労働者性の高い低いという2つの軸でクロスグラフ等を作っていますが、職種に 関しては、先ほど原先生からもご指摘がありましたように、必ずしもそれらの職種が たくさんのデータが集まっているわけではありませんので、30以下の母数の少ない 職種も若干含まれています。そこに関しては参考値として参照いただきたいと思い ます。  4頁からは調査の概要で2頁にわたって、先ほど申し上げた質問の塊ごとに書いて います。内容に関してはあまり大きく変わっておりませんので、省略をさせていた だければと思いますが、(9)の労働者性だけが全体になかった部分ですので、ここだ け読み上げさせていただきます。5頁の(9)です。  労働者性が高いというグループに関しては、「情報・通信サービス業」に多いとい う傾向がありました。また、3年前と比較し、売上げが縮小規模になっている事業所の ほうに拡大や同等の企業よりも縮小のほうに多くなっていました。この労働者性が高 いというグループに関しては、固定給が占める割合が高く、出社回数も多い。また、 顧客とのトラブルが発生した場合は、事業所がすべて対応するという割合が高くな っているという傾向がありました。  6頁以降が調査結果の詳細で、グラフと簡単にグラフから読み取れることを書い ております。こちらを読み上げますと、非常に時間もかかりますので、後ほど議論 の中で、必要なところをご参照いただければと思います。労働者性のところに関し てだけ82〜84頁になりますので、ここだけ説明をいたします。先ほど申し上げまし たとおり、労働者性に関しては7つの項目に当てはまるものを点数付与という形で、 全体のボリュームゾーンとしては「3点」の3割がいちばん多くなっています。「情 報処理技術」に関して、高いという割合が6割を超えているという構成になってい ます。次いで多いのが「講師・インストラクター」で4割強です。いずれの職種に おいても、今回の定義上における労働者性が高いに当てはまるのが3割前後という 構成になっています。  83頁の上のグラフですが、労働者性が高いというグループと低いというグルー プを比較すると、募集方法に関しては、有意差検定で確認をしましたが、「自社の 社員の紹介」の割合が高いほうでは高いという傾向になっています。契約の条件で すが、契約の締結日、期間・納期に関して決めている割合が低い所よりも高いとい う傾向になっていて、これは「情報処理技術」の方が多いという傾向が影響してい るのではないかと思われます。  84頁ですが、報酬の決め方に関しては、一定のルールで決めるよりも、数字がベ ースに業務委託契約者と従業者と話し合って決定するという割合が、相対的に高く なっているという傾向です。「すべて固定給」とか、7割以上、10割未満が固定給 という割合が、労働者性が低いグループよりも高くなっています。一方で、繰り返 し更新してきた契約を更新しなかった経験が「ある」という回答の企業の割合が、 労働者性が高い所のほうが高くて、4割を超えているという結果になっています。 ただし、予告に関しては、「30日以上前に予告している」という割合が、そちらの グループのほうが高いという傾向です。  ひと通りのデータに関してすべてクロスはしていますが、特に大きな差が見られ ないところもたくさんあって、今回ここに載せている所はデータベースを見た中 で差が見られた所をピックアップして掲載しています。 ○佐藤座長 では、ここまでで。いまの基準が総合的判断なので、今回は、特に労 働者性の点が高いのは即「そうだ」とは言えませんが、たぶん点が高いほうは基準 が当てはまるのが多いだろうということで、対応関係が高いということで分析して いることになります。一応、4点と3点で切っていますが、集計表は1点刻みのものも あるので、極端なことをいえば、7点というのはどうか。6点ですか。 ○土屋氏 5が5点以上と。 ○佐藤座長 5点以上か。かなり高い所もとれるようですが、いかがでしょうか。活 用理由が15頁にありましたね。活用理由が高い所。テンポラーな業務に対応という のは低い所で、そのときだけ頼むということですね。 ○土屋氏 正社員が確保できないからというのは、全体的な理由としては1割ぐらい ですが、ここに関しては有意差は出ていたかと思いますね。 ○佐藤座長 専門職とか、能力。ソフト開発関係を考えているのですね。 ○土屋氏 おそらくそこだと思います。社員が足りない分。 ○佐藤座長 あるいは、働く人もそういうのがいいという人が入ってしまったりする 可能性があるね。いかがですか。サンプルの関係で職種と労働者性ってぐらいのはや っていないので。 ○土屋氏 いつかの企業の属性におけるクロスというものもさせてはいただいており まして、先ほどありましたように、今日の資料の分厚いクロス表には、企業の従業員 規模、事業所の設立・時期などのクロスもデータとしては出しております。 ○佐野委員 労働者性の最後の集計の労働者性の高いほうが契約を更新しなくなった ことがあるということですよね。これは、そもそも更新していた人が労働者性が高い という中に多いということなのですか。それとも同じように更新しているのだが、更 新しなくなってしまうということが、労働者性が高いほうが多いのですか。私は前者 のような気もするのですが。だから、そもそも更新している人が労働者性が高い所よ り多いということを示せるのであれば示した方がよいと思います。 ○佐藤座長 15頁の活用理由を見ると、そんな感じですね。労働者性が低い人のほうが 反感への対応が多いから、佐野さんが言われるとおり、可能性としてはテンポラリーに 使う人が低いほうには勝っている。そうすると、更新しないなどということはあまり出 てこないから。 ○佐野委員 そもそも更新しない可能性がありますよね。 ○佐藤座長 そういうものが入っている可能性がありますね。 ○佐野委員 これだけはどういうことなのかなという気がしますね。 ○原委員 しつこくて申し訳ないのですが、調査対象は業種を抽出してあるのですが、 どこにどのように配付したか、この業種に何パーセントとか、そのような情報もあった ほうがいいかと思うのです。誰に調査票を配務したのか。2,000社を調査対象にしたの だと思いますが、どの業種に何パーセント、どの業種に何パーセントとか、誰に対して 調べたのかが、この文章を読んでも本当によくわからないのです。独自に認定したのか という工夫というか、サイトから抽出されたり、帝国データバンクから抽出されたり、 そういうことはよくわかるのですが、一体誰に対して調査したのかということを、もう 少しわかるような記述にしたほうがわかりやすいかなと思いました。これが1点お願 いです。  あと、82頁以降の(9)の労働者性についての集計の説明では、差が見られた所を特に 抜き出して書いたということでしたが、例えば、差が観察されなかった所でも、特に興 味のある軸はあると思います。例えば、14頁の問1の業務委託契約従事者数ですよね。 業務委託の活用の多い所が労働者性が高いのか低いのかで、ここにもグラフはあるので すが、軸が逆になっているので、必ずしも差が見られる所だけではなく、論理的にこう いう所はどうなのかと思われる所もいくつかあったほうが面白いと思いました。いま、 バーッと見たので代案をすぐに出せないのですが。 ○佐藤座長 前半のことは、1頁の書き方でWEB上の業種の分類に合わせて帝国データ バンクのを割り付けたのだから、その分布を書いておけば。そうすると、これは求人 企業2,000社は間違いですね。 ○土屋氏 そうですね。 ○佐藤座長 だから、調査対象の選定方法か何かにしてしまって、帝国データのほう は単に求人情報の業種に合わせて取っただけなので、規模はコントロールしていない のね。業種だけですね。 ○土屋氏 はい。 ○佐藤座長 では、もともとの割付けを書き加えておくということで。 ○土屋氏 はい。 ○佐藤座長 あと、325のネットから取ったものと、帝国データの割合を書いておい ていただくと。もしネットで取ったものが高ければ、佐野さんが言われたように、 こちらのものとある程度対応するデータだということになるので。ほかにはいかが ですか。 ○奥田委員 データは、このようにデータとして見ていって、どういう傾向がある かというのを見ていくだけで非常に有益だと思います。15頁で、労働者性の高い低い、 その業務活用理由が、専門的業務、あるいは即戦力とか臨時というのが出てくるので すが、例えば、これと何か別の項目を見ることによって、こういう理由が業務委託を 必要とする理由なのかどうかという辺りもわかる部分はあるのでしょうか。と言いま すのは、専門的業務とか即戦力というのは、業務委託ではなくても通常の雇用の有期 契約でよく取り上げられる理由なのです。だから、雇用ではなくて業務委託でやるこ との理由として、こういうものが挙がってくるというのが、何か別の所を見ればわか るところはあるのでしょうか。そこまではほかの項目と合わせて見ても、なかなか出 てこないのでしょうか。 ○佐藤座長 調査票を作った人の問題ですね。そういう質問が出たかどうかというこ となので。なぜ雇用にしないで、業務委託にしているのかということですよね。 ○奥田委員 おそらく理由としてはこういうものしか出てこないと思うのですが、何 か別の質問と見比べることでわかるのかどうかと思ったのです。 ○佐藤座長 問13はどこにありますか。31頁だと、ここはあまり変わらないのです ね。業務委託は活用できなくなったら。あと、何にするかというのが32頁で、32頁で 見ると、労働者性が高い所は正社員を雇用するということで、やはり雇用で対応とい うのが労働者性が高い所が多いのかな。 ○土屋氏 正社員を新しく雇用するというよりも、いまいる正社員がそのままで頑張 るという感じなのかなという気がします。 ○佐藤座長 直接そのことは聞いていないね。 ○佐野委員 活用理由の選択肢というのは、就業形態多様化調査等から比較できるよ うな感じではなかったでしたっけ。 ○佐藤座長 そうかもしれない。 ○佐野委員 そうですよね。だから、それと比べて活用理由の頻度が違えば推察はで きるかもしれません。 ○佐藤座長 そうですね、揃えたのですね。問2は、作業が増えてかわいそうだけれ ども、就業形態多様化の理由と比較してください。正社員のも聞いていましたね。 正社員は聞いてないか。非正規の活用との違いはわかるね。 ○佐野委員 はい。 ○佐藤座長 確かに、そこは単刀直入に聞くべきだったのかもわかりません。ほか にはいかがですか。  ○佐野委員 82頁以降の労働者性が高いか低いかの比較で、違いが出たというところ を比較しているのですが、どうしてそこに着目するかといのがないと理解しづらいよ うな気がするのです。 ○土屋氏 そこに関しては、私のほうの知見が不十分なところもあって、是非、今 日この場で先生方からご指導いただいて、補足したいと思います。 ○佐藤座長 違いのところは、労働者性の高い人は、一応コントロールしている仕 事以外で、どんな働き方か、分類に使ったのは入れられないでしょうから、どうい う働き方、活用され方をしているのかを、少し横に見てもらって、全体像がわかる ように書いたほうがいいかもしれません。 ○佐野委員 例えば、84頁の上のほうの、労働者性の高いほうが提示額を話し合っ ているというのは、どういう意味を持つのかなとピンとこないですよね。もともと の仮説として労働者性の高いほうが、話し合っているはずだという理屈があれば面 白い結果になっているのですが。結果としてこうでしたということを見ても、どう 捉えていくか、私などはよくわからないのです。 ○佐藤座長 でも、これは我々のほうからは言えない、あるがままにしないと。 ○佐野委員 わかります。だから最終的にはあまり載せなくても。この結果につい て載せる必要はあまりないような気がするのです。 ○土屋氏 前の8までに関しても、ひと通り労働者性に関してクロスをかけていて、 データを見ているのですが、特筆するところはあまりなかったのです。ですから、 労働者性に関して1項目を立てて記載をと思ったときに、正直、どういうストーリ ーで書いたものかなと考えあぐねていたのです。 ○佐野委員 労働者性が最も高い所と、それ以外と比較したら差が出ないでしょう か。ケースが少なくなってしまいますが。7点の所と、最も労働者性が低い所と比 べるとか。ただ、ケースが確保できないから難しいでしょう。 ○奥田委員 報酬等に関しては、例えば労働時間に対応して決まっているかどうか とか、出来高だから、必ずしも労働者性が低いというわけではありませんが、何に 対して報酬が決められているかという要素の分析のほうが適当なのかなと思うの です。 ○佐藤座長 もう少し労働者性をとった設問だけの分布だけを見るかというのはあ るけど。時間で決めていない人もいるわけです。だから、労働者性が高い人につい て、7つの設問の分布だけを書いていくっていうのもあるかもわからない。 ○佐藤座長 例えば、インストラクターなんかだったら、たぶん場所は決まってい るのはその業務で決まってしまっているところもあるから。そういうのがあっても いいかもしれません。難しいね。 ○佐野委員 逆に言うと、労働者性が高くても低くても経験する問題みたいなもの は同じように現れているということですよね。そちらのほうが政策的には大事なの かもしれない。 ○奥田委員 分析の仕方というのは非常に難しいと思います。この点数では、労働 者性が高いものと低いものの特徴という形で分けているのですが、そもそも業務委 託であるのに労働者性が高いということ自体が問題というか、形態としてはおかし い部分がありますので、高い低いの特徴を分けるという方法ではなくてもいいの かもしれません。  逆にどちらに特徴があるかというよりも、業務委託であっても、これだけ労働 性の高いものが存在していることが結果としてわかる、そこの部分のほうが重要な のかと思います。 ○佐藤座長 3頁のように高い人がいるというのも1つですが、それはおかしいわ けです。ということはもちろん書いてもらった上で、でも、高い層はどういう所 で発生しているのかとか、高い層はどんな問題かを一応書いているということな のです。 ○原委員 高い人がどこにいるかというのは貴重な研究だと思うので、あったほ うがいいかもしれません。 ○奥田委員 どういう点で高いかということですね。 ○佐野委員 先ほどのクロス分析ですね。 ○土屋氏 そうですね。 ○佐藤座長 そうしたら、最後の所はどういう企業が高いのか、どこで活用され ているか、だから労働者性の高い人は、どういう業種とか、職種とかで活用して いるか、活用利用とかというのを書いて、あとトラブル対応などね。そして、あ とはクロスしたところを、7点のうちのどの要因が特に効いているのかというぐら いのことを書いてもらえますか。では、そういうことで。 ○土屋氏 ありがとうございます。 ○原委員 別途配付されたクロス表のカテゴリーでよくわからないのですが、労 働者性の高低の次に業務量調整型、人材補充型、経営視点型というのがあるので すが、これはどの設問から作られたのですか。 ○土屋氏 これは前回の研究会の際に、法政大の佐藤委員から、問2の活用理由を 使って、多変量解析でクラスターが作れないかという話がありましたので、一応 それを試行させていただきました。ただ、あまりきれいに出なかったというのが 実情です。  クロス資料の3頁の問2とクロスしている所を見ていただくと、いまの3つのデー タを見るとわかると思いますが、業務量調整型と括った部分に関しては、臨時と か季節的業務量の変化に対応するというところが多く出ていたり、1日や週の中の 仕事などに対応するためといったところが多いグループになっています。2つ目の 人材補充型は正社員が確保できないからというところが多く出てきているグルー プになります。経営視点型は経営状況に応じて雇用量を調整するためとか、人件 費の節約のためといった割合が高く出てきているグループになります。 ○佐藤座長 これは報告書にまとめてありますか。 ○桐石企画第二係長 このクロス集計表ですよね。 ○佐藤座長 これはどこかに印刷されるのですね。 ○桐石企画第二係長 その予定はありません。 ○佐藤座長 どういうクロスかは書いておいたほうがいいだろう。それから報告書 にこれをどうするかはまたあとで。それではあとは面接です。まだ途中段階という ことですね。 ○土屋氏 資料1-3「面接調査」についてです。こちらは事業所を10社、個人で受け ている方20名の予定で、いま面接調査を行っておりまして、先方の都合もあって、ま だ調査実施の途中になっております。  事業所の調査に関しては、先ほど報告したアンケート調査の中で、最終欄で「ヒア リングに協力していただける方はご連絡先をお書きください」ということで書いてい ただいた事業所を中心に電話でお願いしております。またそのほか厚生労働省から紹 介いただいた会社にもお願いをするという形になっています。  個人に関しては、そのヒアリングに協力してくださった事業所から、実際に委託し ている個人を紹介していただいて、その方に話を伺うという想定です。なかなかそこ も「1人ならいいですよ」とか「ちょっと難しいですよ」というケースもありました ので、特定非営利活動法人のインディペンデント・コントラクター協会にご協力いた だいて、そちらの会員にヒアリング調査の協力依頼をして、そちらからかなりの方が 協力してくださるということで、いま調査を行っております。これは1対1の面接調査、 または委員の先生方にも同席していただいたりというケースもありますので、必ずし も1対1ではありませんが、基本的には、1つの企業とか個人を対象に面接調査を行っ ております。今日はその中から、事業所2つ、個人2人の事例を報告したいと思いま す。  まず事業所でA社です。こちらは先ほどからお話のあるシステム開発系で業務委託を 活用されている所で、情報サービス業の会社です。社員数は5名で、契約社員は時期に よって増減しますが、30人ぐらいいるという会社です。委託している業務内容に関し ては、システムの開発と保守・運用の両方を開発していて、個人どちらかだけではな くて、1つのプロジェクトの中に入って、両方やってもらっているという形でした。  ここの会社に関しては、お客様から個人への業務委託は困るというご意見もあると いうことで、数年前に、その時点で活用していた個人事業主全員に対して、雇用形態 の変更の申入れをしたということです。「正社員にします」、「契約社員にします」 という話をしたところ、本人の希望でそのまま個人の事業主にとどまっているのが半 分ぐらいあったということでした。今後、顧客の要望からすると、会社の見解として は、個人で仕事を受けていくのは厳しくなるのではないかと考えているということ です。  個人がなぜ残っているかということに関しては、正社員としてのしがらみが嫌だ、 仕事を自分で選びたい、副業を持っているから、親の仕事を手伝いながらやってい るからといった個人的ないろいろな事情で社員ではない働き方を本人自らが選んで いるということをおっしゃっていました。今後、人員を増やすことに関しては、業 務委託を増やすというよりも、有期の契約の非正社員を得るという方向になってい くつもりだということでした。  契約条件ですが、最近ですと、契約期間が1カ月とか、3カ月というのが主流にな っているということでした。更新が多いというのは、こういうタイプに関しては、1 つのプロジェクトが終わると、次のために更新するという形になっているのではな いかと思います。それは、そのときに開発するプロジェクトの受託金額によって支 払い額が月単位で決まったりという形で、残業の有無もそのときの契約によって違 うということでした。割合で決めているわけではないという説明でした。  当初の内容よりも仕事量が増えた場合には、その都度、クライアントや個人事業 主と交渉をすることもあるが、会社で負担をすることもあるということで、契約を 打ち切るのは、技術的に未熟で顧客から指摘を受けるケースが大半だということで す。物品の支給に関しては、希にお客さんから持参してほしいと言われた場合には、 個人事業主が個人所有のパソコンを使うこともあるし、会社で無償で提供するケー スもあって、契約書に盛り込んだり盛り込まなかったりは、ケース・バイ・ケース という説明でした。  個人事業主に対する補償は設けてないという説明で、同業他社でもほとんどどこ もやっていないと思いますという説明でした。能力開発については、特に個人事業 主に対する研修は行っていないという説明です。どんな能力を持っているかを定期 的に把握することも特段はしていないが、クライアントから「またあの人に来てく ださい」という要望があれば、当然そのスキルが十分だったと判断するということ でした。  途中の解約に関しては、本人やクライアントから持っていたイメージと違うとい うことで出ることは希にあります。好況の時期は本人からわがままな理由で、本人 から申し出てくるケースもしばしばあったが、最近ではさすがにないということで した。  最初に契約をするときに、契約書にいろいろ盛り込むようにはしているが、正社 員と何が違うかということは、若い人は認識しないまま来ているというケースもあ るので、会社としては丁寧に説明をするようにしているとおっしゃっていました。 ただ、個人事業主とはいっても、自分で営業するというよりも、使ってくれる会社 に依存して「仕事はありませんか」というようなスタンスの方が大半で、主体性が ないという指摘もありました。  B社ですが、こちらは卸や小売系の所です。営業販売職として業務委託契約従事者 を活用している会社です。販売員という形で個人事業主を活用しているということ ですが、特に契約書は取り交わしていないとおっしゃっていました。交通費等に関 しては距離に応じて部分的に負担ということです。  何かあったときの補償ですが、企業グループ全体で共済のようなものに入っている ので、それで補償はする。実際に、仕事に穴が開いた分に関しては、周りの販売員同 士で協力して代理を受け持つという形でやっているという話でした。ここは仕事を始 める前に、新しい人に関しては2週間の研修期間をきっちり設けて、入社3カ月後、半 年後、1年後というフォローの研修等も行っているという話でした。  途中解約ですが、基本的には本人からの申し出がない限り自動更新という形でやっ ています。本人が定年で辞めさせてくださいと言えば、定年になるという感じです。 ただ、年に2回ほど面談して継続意向は確認しているとのことでした。本人が来なく なって自然消滅するという形もあるということで、契約書を取り交わしていないの で、本人がやる気があって、来れば仕事を与えるというスタンスだということでし た。  次に、個人の業務委託従事者に関してです。今回報告する2名は、いま申し上げた 企業から受けている方ではなくて、別途ヒアリングした個人です。2人ともかなり独 立起業精神の高い方で、大学卒業後会社に勤めたあとに、自分で会社を興したいとい うことで個人事業主になっています。  まとめて報告いたしますが、2人とも株式会社の形をとって、ただし従業員は自分 だけというスタンスで、コンサルタント的な仕事をしている方々でした。話を聞いて みると、片方の方は週に3日、大阪の会社に出社して、デスクもあるし、そこの会社 のイントラネットの中に入って、周りの社員から相談を受けたり、プロジェクトを一 緒に動かしたりしてはいるが、決して社員になりたいと思っているわけではないと言 っていました。 ○佐藤座長 まだ途中ということで、ヒアリングはなかなか難しい。協力してくない といけないしね、特に個人のはね。 ○奥田委員 3頁の下から5行目の「ハローワークを通じて」と書いてあるところの 「現状を無視した制限が多くて使い勝手が悪い」というところをもう少し説明して いただけますか。 ○土屋氏 申し訳ありませんが、このヒアリングは私は同席しておりませんでした。 後ほど調べて報告させていただきます。 ○佐藤座長 別にこれは個人事業主の求人というわけではなくて、一般的な求人で すよね。 ○原委員 これは私が同席したものだと思いますけれども、求人を出そうとしたと きに思ったように受け付けてくれなかったということで、曖昧な話がありました。 そんなに着目するような話ではなかったように思います。 ○佐藤座長 具体的な話ではなかったのですね。 ○原委員 具体的な話でなく、何となくいいたいような感じで。業務委託に関して ではなくて、労働行政全般のところで出てきた話です。 ○佐藤座長 非常に限られた範囲内でやるということで難しいですが、今日出たご 意見を少しディバイスしていただくということでやっていただければと思います。 よろしくお願いします。  それでは、今日の本題というか、調査のほうが本題ではないというわけではあり ませんが、そろそろ報告書をまとめなければいけません。一応、たたき台を作って いただいていますので、それについて議論していただいて、最終報告に向けてとり まとめのほうにと思っていますので、よろしくお願いします。 ○桐石企画第二係長 資料2で説明をいたします。作りとして1頁ですが、まず3節 に分けています。最初に個人請負型就業者に関する先行報告及びこの研究会の概要 についてまとめています。2は、個人請負型就業者をとりまく現状について記載し ており、最後にその現状を受けて、個人請負型就業者に対する今後の方向性を記 載しています。それでは、順番に簡単に見ていきたいと思います。  4頁です。先行報告ということで、第1回の研究会の資料でもご紹介しましたが、 国民生活審議会及び今後の労働契約法制の在り方に関する研究会。そして男女共 同参画会議環境影響調査専門調査会で、個人請負型就業者に対して提言がなされ ていますので、それを紹介しています。  その次に、研究会の概要を記載しています。研究会の目的としては、第1回目設 置要綱にもありましたとおり、個人請負型就業者に関する実態を把握し、その実 態を踏まえた施策の方向性を検討ということで記載しています。次に、研究会の 開催状況について記載しております。いままで第1回から第6回までヒアリングを 含めて行ってきておりますので、その簡単な概要について記載しているところで す。次に研究会の範囲として、労働者性の有無に関わらず業務委託・請負いとい った名称の契約に基づいて、人を雇わずに業務を行っているものを個人請負型就 業者として、今回の検討を行ったことを記載しております。その際、これまでの 研究会の議論においてフランチャイズ契約に基づくもの、それと有償ボランティ アについては検討の対象とはしないとなっているところです。  次に委託調査の概要を記載しています。先ほどインテージさんからもご紹介が ありましたように、求人調査、事業所アンケート調査、面接調査を行っておりま すので、それぞれについて、その概要を簡単に記載しています。  9頁に移りますが、面接調査の所です。先ほどお話もありましたように、まだ終 わっておりませんで、何人に対して行ったかはPとしているところです。次に、9 頁の下のほうの2、個人請負型就業者をとりまく現状について記載しております。 働き方の広がりによって、実質的に雇用であるものや、雇用であるとは言えない ものの雇用と自営の中間と言えるものが出現してきているという指摘がありまし た。また、個人請負就業者の広がりなのですが、公的な統計は存在しないのです が、いくつかの論文によって推計されているものがありますので紹介しておりま す。  次に、雇用と請負に関する法制度ということで記述をしております。まず、個 人請負就業者が労働法に該当する労働者であると考えられるときには、各労働法 の適用がありますので、その旨、記載をしております。また、労働者性の判断基 準については、昭和60年に基準法研究会報告が出ておりますので、それも簡単に 紹介しております。当報告では傭車運転手、在宅勤務者について、具体的にケー スで記載をされているところです。その後、平成8年に労働基準法研究会労働契約 等法制部会において、建設業の手間請けおよび芸能関係者について、個別に見解 が示されているところです。その他、新聞配達人、大工、バイク便、生命保険の 外務員、芸能タレント、あんま師、はり灸師等について、解釈通達が示されている といった現状になっております。  11頁の(2)ですが、雇用労働者に該当しない者に対する労働関係の制度を紹介し ております。これも第1回研究会の資料で提示したものになりますが、場合によっ ては、家内労働法、労働安全衛生法、労災保険の特別加入制度、在宅ワークのガ イドラインおよび下請法や消費者契約法、特定商取引法などによる保護が受けら れる場合があります。また、今回インテージに行っていただいた調査によって、 そのような制度について周知をしていない、あるいは制度自体を把握していない と回答した事業所が33.2%存在しました。  次に、個人請負という働き方の特徴として、いくつかに項目を分けて紹介をし ております。(1)業種および職種ですが、求人調査によっては、対個人サービス 業、道路貨物運送業、卸・小売業、飲食店などが多く見られました。また、職種 で見ると、「営業・販売」、「理容・美容」、「デザイナー・カメラマン」、 「軽貨物運送」等が多く見られました。このほか、平成19年に厚生労働省委託調 査で行った研究によると、システムエンジニア等の技術者や建設業の一人親方と いった働き方も多く見られます。これらは人づての紹介で求職が行われているこ とが多いので、今回の求人調査からはあまり上がってきていないところなのだろ うと思います。次に、そのほか具体的な求人を見ると、エステティシャンや美容 アドバイザー、講師、宴会等の配膳、調理補助、受付、ゴルフキャディなど、さ まざまな求人が確認されたところです。  13頁に移ります。こうした働き方の広がりの傾向として、「雇用」を通じて労 働力が確保されてきた分野において、請負・業務委託の活用が行われているとい うこと。情報通信環境の整備を受けて、SOHOや在宅ワーク、テレワークといった 働き方も出現・増加していること。最後に、個人に業務の委託が可能な企業が増 加したことによって、就業機会が増えていることなどが指摘できます。  (2)として、企業側の活用理由及び就業者側の選択理由について記載しておりま す。個人請負型就業者を活用する企業のメリットとしては、専門的業務に対応で きる、即戦力・能力のある人材が確保できる、人件費が節約できる、臨時・季節 的業務量の変化に対応できるといったことが挙げられます。デメリットとしては、 雇用とは違い、特定の人材を継続的に囲い込んでおくことが難しいこと、業務の質 を確保することが困難なことなどがあります。平成19年に行った委託調査によると、 就業者の側からは仕事の時間帯を自分で決めることができるから、自分の能力・ス キルを活かすことができるから、自分が望む場所で仕事ができるからといった理由 が多く見られました。この調査のほかに、子供を持つ既婚女性にとっての就業機会 としての可能性も指摘されているところです。他方、平成19年に行った調査では、 半数以上の個人請負型就業者が報酬に不満を持っていることが明らかになっており ます。  次に、専門性の高い個人請負型就業者について、NPO法人インディペンデント・コ ントラクター協会より研究会でヒアリングを行ったところです。そのヒアリングで は、活用理由としては、一時的に集中する業務、ISO取得や新卒採用等で労働力を 確保するために活用するといったプロジェクト型、継続的なパートタイムニーズに 基づいて活用する機能アウトソース型、新規事業の開発や社内業務の見直し等に顧 問的な立場から助言、提案を得るために活用する顧問型などの活用があることが聞 かれました。  次に、募集契約に移ります。募集について見ると、業務に従事する時間・場所が 拘束され、かつ初心者歓迎の記載がある等、専門性があまり高くなく、報酬の在り 方も時給であるもの、雇用と疑わしいケースも存在しました。特に募集が多く見ら れたエステティシャン、講師について、具体例を示しているところです。具体例と しては、事例1から事例6まで、14頁から15頁にかけて掲載しております。  次に、求人情報の掲載項目から見る主な特徴としては、9割の求人で契約期間の 記載がないといった特徴が見られました。また、勤務時間については、半数弱が 具体的な規定を記載している一方で、規定がないということを明記している求人も 2割程度見られました。また、具体的な時間帯を記載しながらも、相談に応じると いう募集も見られ、時間についての記載がない募集は1割にとどまりました。3割の 求人では、福利厚生に関する記載があり、具体的には「保育補助あり」、「寮完 備」、「研修あり」といったものが福利厚生の中身の大半となっています。 また、事業所アンケート調査の結果によると、契約を書面で交わしていないケー スも1割程度存在しました。ヒアリングで伺ったところによると、建設業界の一人 親方については、書面で契約が取り交わされることは少ないといったことも報告さ れております。  16頁に移ります。果たして業務委託を請負で募集することが適切なのか、疑わし い求人も散見されたところです。求人情報会社が求人を掲載するに当たって、何が 「雇用」で何が「業務委託・請負」なのかの基準が曖昧なのではないだろうかとい う現状が指摘できます。また業務委託・請負とはどういう働きかを説明している求 人媒体は少なかった、という実態があります。求人内容を見ると、事例(6)に挙げて いるように、雇用契約に基づく就業と業務委託請負契約に基づく就業が選択できる 場合が、少なからずありました。このような求人について、「兼業が可能なこと」 といった理由で、業務委託・請負に基づいて就業することを自発的に選択する者が いる一方で、雇用契約に基づいて就業したいのに、業務委託・請負契約に誘引され てしまうものも存在するという指摘がありました。  次に、個人請負就業者の就業実態に移ります。報酬の高さについては、非常にば らつきが見られるようです。労働政策研究・研修機構の「日本人の働き方総合調査」 によると、500万円未満が大半であるという研究報告もある一方、専門性の高い個人 請負就業者が、所属しているインディペンデント・コントラクター協会に対して行 ったアンケート調査では、約25%が年収「1,000万〜1,499万円」の間であったとい うことでした。また、事業所アンケート調査によると、雇用保険や労災保険、厚生 年金保険に加入していると回答した事業所が1割〜3割程度存在しました。雇用契約 と業務委託・請負契約の違いが、企業に充分に理解されていない可能性が指摘でき ます。  次に、個人請負型就業者とほとんど同じ業務に従事している正社員がいると回答 した事業所が24.3%存在しています。また、求人情報において、「雇用」と「請 負」の求人において業務内容に差がないケースも存在しました。ただし、そういっ たケースにおいては、道具の費用負担関係や報酬の算定方法が異なっている場合 が多く見られました。また、就業者の企業への経済的依存性を考える際に、1つの 企業から業務を受注しているかどうかといった観点に加えまして、その個人請負型 就業者が持つ専門性や業務遂行能力に着目すべきであるといった意見も聞かれまし た。  17頁に移ります。また、1社に専属している個人請負就業者についてですが、今 回の事業所アンケート調査では、回答事業所とのみ委託契約を交わしている個人請 負型就業者の割合が「9割〜10割程度」であるという回答が45.5%見られ、「7〜8 割程度」という回答が14.2%を占めましたので、1社とのみ、業務委託・請負契約 を結んでいる個人請負型就業者が相当数存在すると推測されます。  次に、専門性が高い個人請負型就業者については、選択の理由としては、特定の 分野のスペシャリストとして働きたいという意思があるからということが主な理由 のようです。また、こうした働き方は地方では認知度が低く、主に都市部において 行われており、ほとんどが人づての紹介によって行われているということでした。  次に、個人請負型就業者をめぐるトラブルについて、記載しております。トラブ ルは大きく分けて、労働者性に関するトラブル、求人に関するトラブル、契約履行 上のトラブルが見られました。(1)労働者性に関するトラブルについては、就業者 が自分の労働者性について予見できないといった声が聞かれました。また、企業 が雇用労働者を委託契約に従事する者として取り扱った悪質な事例も存在している ようです。勤務時間及び勤務場所が指定され、かつ業務の専門性もそれほど高くな いものや、就業者が雇用保険に加入している等、就業条件から見て、業務委託・請 負にふさわしくないのではないかと思える求人も見られました。また、個人請負型 就業者自身が、請負で働くと基本的には労働法の保護が受けられないこと等、基礎 的な知識を持っていないのではという指摘もあったところです。「なお」以下につ いて、記載が間違っておりますので、ここは無視していただければありがたいです。  次に、(2)求人に関するトラブルに移ります。雇用で募集されている求人に応募し たところ、業務委託・請負での就業に誘引されてしまったという事例が報告されま した。また、業務委託・請負での募集と、雇用での募集を併記してあるものの、実 際に応募すると、事実上業務委託・請負での就業しか選択できないといったケース も報告されました。また、業務委託・請負に関する正しい知識を持っていない就業 予定者が、十分な認識なく業務委託・請負の契約を結んだ場合には、後にトラブル に発展する危険性が考えられます。また、求人情報会社からは、業務委託・請負で の募集がふさわしい業務なのか、判断が難しいといった声も聞かれました。また、 活用企業にとっても、雇用での募集がふさわしい業務なのか、業務委託・請負で の 募集がふさわしい業務なのか、判断が難しいといった事情があるようです。ま た、労働組合からのヒアリングでは、「現場は若い人しかいない」という理由で、 就業を断られるといったトラブルも聞かれました。  次に、(3)契約履行上のトラブルについてに移ります。個人請負型就業者の中に は、企業と交渉力の観点から非常に弱い立場の者もおり、対応に苦慮しているケー スが見受けられました。19頁に移ります。具体的にその調査で見られたトラブル については、この上にパーセンテージとともに記載しているところです。  次に、(4)トラブルの相談窓口について。個人請負型就業者が、業務を遂行する 上で、トラブルになった際、どこに相談してよいかわからないといった声も聞か れました。以上のような現状を受けて、III章で個人請負型就業者に対する今後の 方向性について記載しているところです。ここに記載してある内容は、前回、研 究会で提示した論点整理のものと、中身はほぼ同じです。それを少し深掘りした ものになっています。  1から順番に説明します。20頁の「求人情報の明確化」ということで、行政と求 人情報協会とが連携して、ガイドラインを作成することを検討するべきであると 記載させていただいております。ガイドラインにおいては、業務委託・請負に係る 求人について報酬、契約期間、就業期間、就業場所、費用負担、違約金など必ず 掲載すべき事項を定めること。また、雇用と業務委託・請負の違いに関する一般的 な情報を掲載すること。雇用か、業務委託・請負かをはっきり示すとともに、両者 を募集する場合は、その条件面等の違いを明記するようにすること等を盛り込むこ とが考えられるところです。現在、全国求人情報協会において、「求人広告倫理綱 領」及び「求人広告掲載基準」といったものがありますので、そういったものをベ ースに不足点の改善と実行の徹底を図ることが現実的方策なのではないかと記載し ているところです。  21頁に移ります。2番目として、「活用企業が守るべきガイドラインについて」 記載しております。そのガイドラインでは、企業が個人請負型就業者を活用する 場合に守るべき事項、注意すべき点等について定めることが考えられます。具体 的には、報酬、契約期間、違約金、契約変更に関する取り決め、個人情報の保護 など、契約の際に明示すべき事項や契約は書面で行うべきこと。当該書面は一定 の期間保存すべきであること。契約内容は遵守すべきであること。継続的な注文の 打切りの場合には、事前予告をすべきであること。契約の適正化に関すること。 年齢や性別による差別は適当でないこと。募集の際には業務委託・請負に基づく 就業であることを明示すべきであること。雇用で募集をしながら、業務委託・請 負で働くことを提示することは適当ではないこと。雇用と業務委託・請負の募集 の両方を行う場合においては、労働法の適用の有無を含め条件について十分説明 するとともに、本人の意向を尊重して応募者が適切に選択できるようにすること 等を定めることが考えられます。また、在宅ワーカーに関して、在宅ワークの適正 な実施のためのガイドラインがありますので、これらを参考にすることも考えられ ます。  3番目として、「業務委託・請負で働くことについての周知・啓発について」記載 しています。働く側、発注側のそれぞれに対し、業務委託・請負で働くことと雇用 されて労働することとの違いについて、周知・啓発が必要であると記載しておりま す。そのためには、ホームページを活用したり、パンフレットを作成すること。キャ リア教育の観点から、労働法教育の場で取り上げることなどが考えられます。  次に、「労働者性の判断基準について」記載しております。労働者性の判断基準 について、就業者にとって、活用する企業にとって、実際に判断する上でわかりに くいとの声が聞かれます。ですので、個人請負型就業者が多く存在する職種、例え ば「営業・販売」や「理容・美容」、「デザイナー・カメラマン」等ごとに、就業 者や活用企業にとって、判断がしやすくなる工夫をすることが有効であると考えら れます。  次に、「トラブルの相談窓口について」。トラブルが起こった際にどこに相談す ればよいかわからない個人請負型就業者が多く存在するようですので、各都道府県 労働局に設置している総合労働相談コーナー、あるいは下請けかけこみ寺といった 制度の周知を図ることを記載しております。  また、「その他意見」として、現在は、労働者性の有無を判断して、それによっ て労働者か否かを二分して労働法を適用しているところですが、これに対して、 中間層のようなものを設けて、既存の労働者に関する制度を部分的に適用させるこ ともできるのではといった意見も、これまで聞かれたところです。以上、簡単では ありますが、資料2の説明を終わらせていただきます。 ○佐藤座長 ブロックごとに、特に現状と政策的な対応というところになると思い ますので、8頁まで経緯を書いてある所で、細かい表現は事務局に渡していただく ことにして、いかがでしょうか。まず9頁の上の所まで。4頁で先行の提言がありま すよね。並んでいるだけだけど、「以下のような報告、提言が行われている」と書 いて、「主要な論点は1、2、3」とかあったほうがよくないかな。一応こういうこと というのは、読めばわかるのだけれども。一応、特に今回のことにつながるような ことを書いておくほうがいいと思うので、細かいことですけれども。 ○奥田委員 7頁のいちばん下で、「研究の範囲」の個人請負型就業者の考え方なの ですが、業務委託・請負といった名称の契約に基づいて、人を雇わずに業務を行っ ている者、もちろん人を雇わずに個人でやっているという意味で、ここでは個人と いう部分が示されていると思うのですが、ここの部分は請負会社などではなくて、 個人でやっているということを示すために、「人を雇わずに」という表現が使われ ているということなのですね。 ○佐藤座長 人を雇っていると、ある程度そこでもう自立性が高くなるということ で、初めから1人で人を雇ってやっていれば、それはかなり自立性が高い。それも 1つの基準になってしまうだろうということで、入れてあった。これは研究会の検 討範囲ですよね。研究の検討範囲かな。議論の範囲、対象範囲か、研究会での検討 範囲かな。個人ということでは、いいですよね。人を雇うだけでも、かなり自立度 が高くなるという考え方ですよね。9頁の上までIの部分はいいですか。  IIのほうの現状分析をブロックごとに、まず12頁の上の法的な説明、何人ぐらい いてという出だしの所と、1の法律の説明。ここは一応、現状、具体的な例示がある のと、雇用者でなくても適用されるものがありますというのは紹介なのです。私が思 ったのは、推計はたぶん雇用者を雇っていない人とか、限定して何人とか、やってい るのでしょう。どういう推計かがちょっとあるほうがいいかと。 ○酒光参事官 わかりました。 ○原委員 9頁の推計の所なのですが、羅列してあるのです。結局、結論としてはよ くわからないということなのですかね。それならそれで書いてしまったほうが読み やすいと思うのですよね。110万人とか125万人とか、数がかなり違う。これは誤差 の範囲ですか。増えているか、減っているか、いまひとつわからないという感じが します。 ○佐野委員 こういう集計だとこういう結果だというように出せばそれなりに。 ○佐藤座長 それぞれがどのようにやったかを示したらどうですか。 ○酒光参事官 わかりました。推計のほうは詳しく書く。JILPTのほうは、脚注に詳 しく書いてあるのですけれども、山田さんのほうは書いていないので調べてみます。 ○佐藤座長 でも、国勢調査を見ればわからないですか。63万人が110万になるところ を見れば大体。 ○酒光参事官 元の論文を見てみます。 ○佐藤座長 元の論文を見ればわかると思うので。これはJIL雑誌に載せていたもの でしょう。雑誌論文でなくて。 ○酒光参事官 そうですね。何かの雑誌だと思います。 ○佐藤座長 日本労働研究雑誌だと思うので、これは日本労働研究雑誌の論文だと 思います。 ○酒光参事官 論文の書き方がいまひとつなので、ちょっとそれは直しておきます。 ○佐藤座長 論文だと思います。ちょっとどうやっているかというのを書いて、そ ういう意味ではよくわからないのですね。いくつかの推計があるということ。 ○佐野委員 あと、推計のあとのシステムエンジニアについては、雇用契約に切り 替わっているというところはあまり根拠がないような気もします。ほかの箇所でも いくつかヒアリングに基づいているところがありますよね。それを載せるかどうか というのは、考えたほうがいいような気もするのですけれども。 ○佐藤座長 書くなら、「ヒアリングによれば」で書けばいい。責任はそっちでや るという。 ○原委員 全体を通じて、どの調査から取ってきた例なのかとか数字なのか、ちょ っと読みづらいところがあるので、そこは明記したほうがいいと思うのですね。ここ のヒアリング調査の所は、実態があるというよりも、そういう例があるぐらいなのでは ないかなと思うのですけれども。 ○佐藤座長 確かに、これは一方の所は逆だと言っている人もいるし、なかなか難しい ところですね。 ○佐野委員 注に落とすとか。 ○酒光参事官 13頁で「最近の広がりの特徴」とか書いて。13頁の上のほうに(1)(2)(3) と書いてありますから、そこら辺のほうがむしろ座りがいいのかもしれません。ちょっ と工夫を。 ○佐藤座長 1の法律の所はいかがですか。 ○佐野委員 12頁の上ぐらいまでの所で。 ○奥田委員 私の手元にあるのとだいぶ違うのでわからなくなってしまったのですが、 細かいところはまたあとでですね。全体としては、特にいまご説明いただいた中での 問題点はないと思うのですけれども。 ○佐藤座長 12頁の2の上の所のアンケートで、業務委託契約従事者に適用され得る 制度というのは、この制度は何と何と何か聞いているのですよね。 ○桐石企画第二係長 そうですね。例示という形で家内労働法等。 ○佐藤座長 それを書いておいたほうがいいですね。この3つなのですか。1から3、4 まで、どれまで挙げているのですか。 ○桐石企画第二係長 例として挙げているのは、家内労働法と下請法、在宅ワークの ガイドラインの3つです。 ○佐藤座長 それを書いておいたほうがいいと思います。 ○桐石企画第二係長 わかりました。 ○佐藤座長 具体的にこれとこれとこれを挙げて言ったら、周知していないのがこれだ けあったと、わかるようにしておく。2.就業実態、活用実態、企業側のほうを書いてあ る17頁の上までの所で、ここは今回のアンケートを主に。14頁の(3)の下の募集につい て、これは求人情報の分析ではなくて、この募集について見ると、というのは何のこと なのだろうと思ったのですけれども。 ○桐石企画第二係長 そうですね。求人情報のことです。 ○佐藤座長 求人情報の分析によればということですね。 ○桐石企画第二係長 そうです。 ○酒光参事官 ここの所で、見ていてちょっと気が付いたのですが、そのあとにすぐに 「特に募集が多く見られたエステティシャン」と書いてあって、ずっと読むと、「雇 用と疑わしいケースが特に多い」と読める のですが、そういう意味で書いているわけではなくて、単に今回、募集が比較的多か ったものについて、具体的に例示したとい うことです。ちょっと誤解を招くので修正したいと思います。 ○佐藤座長 「なお」の前までの所は求人データの分析の話ですよね。ちょっとそれが わかるように書いてください。 ○酒光参事官 わかりました。 ○佐藤座長 この事例は、広告の例ですか。 ○桐石企画第二係長 そうです。これは求人広告の具体的なものを見て。 ○佐藤座長 それもわかるようにしたほうがいいのかな。 ○桐石企画第二係長 はい。 ○原委員 この個人請負は、働き方の特徴なのか、活用の仕方の特徴なのか、ちょっ とよくわからないのです。2.の部分にどこで労働者性の高い働き方をしている人が多 くなっているのか、先ほどのアンケート調査の集計結果も折角なので活用したほうがい いかなという提案なのです。たぶん数量的な増減とか、いまひとつよくわからなく て、ただ13頁の(1)、上から3行目の所で、種類はどうも増えているのではないかという ことなのです。こういったことは経済学的には問題がなくて、問題なのは個人請負なの に労働者性が高いというところが問題で、だからこういう研究報告が出るのだという ことなので、そういった集計の紹介があったほうが当てはまりがいいかと思いました。 (1)の種類が増えているというのは、客観的なデータはどこから持ってきているのです かね。何に基づいているのか、ちょっと教えていただけますか。14頁でJILPTの平成1 6年の調査の記述がある。今回調査と平成16年のJILPT調査の比較などを、(3)の3段目 ぐらいですか、なお書きの所にされているので、この辺りから取ってきたのかなと思 うのですけれども。 ○佐藤座長 どこかに種類があると、何か書いてある。 ○原委員 13頁の上から2行目、「こうした働き方の広がりの傾向としては、(1)」、 この「働き方の広がりの傾向」というのが、種類が増えた、活用業種が増えたとか、 そういう意味かなと読み取ったのです。ここも日本語としてどう読み取っていいかが わからなくて。 ○佐藤座長 種類が多いというのは別にないでしょう。 ○原委員 働き方の広がりの傾向というのは、これはどう読んだらいいのですか。13 頁の上から2行目、「こうした働き方の広がりの傾向」。 ○酒光参事官 広がった背景事情を書いているということですが、ちょっと文章がよく ないかもしれませんね。 ○原委員 でも、(1)で「従来でも『雇用』を通じて労働力が確保されてきた分野におい て請負・業務委託の活用が行われているということ」は、いったい何からこういうこと が言えるのかがちょっとわからないというのがあって、ここまで言っていいのかなという のが。私もヒアリングに同行したと思うのですが、たぶんその1社だけの話なのかなと 思ったのです。 ○桐石企画第二係長 研究会で行ったヒアリングでこのような指摘があったので、書い てあると。 ○原委員 ここまで言い切って大丈夫かなというのが質問の趣旨なのですけれども。こ こまで言い切れるのかな。 ○桐石企画第二係長 書き切れないのであれば、理由までは書かなくてもいいかもしれ ません。 ○佐野委員 現状として、過去と比べて広がっているかどうかも確かなことはいえない ので、「現状として多様な職種に個人請負が活用されていることを示す」で十分な気も します。 ○原委員 働き方の広がりという表現が、数量なのか種類なのか、何なのかなというとこ ろで、いろいろな解釈が生じてしまうので、少し工夫されたほうがいいかなと思います。 ○佐野委員 これは働き方というか、ここで説明されているのは職種ですよね。だから、 職種と書いたほうがいいと思います。 ○佐藤座長 ただ、1つ言えるのは、個人請負に就いているのと同じ仕事の社員がいるか どうか、社員がいると言っているのだから、社員がやっているところに入っているのは 間違いないですよね。代替かどうかはわからないけれども。同じ仕事をやっているとい う答えはあるわけだから。 ○佐野委員 昔もそうかもしれない。 ○佐藤座長 そうかもしれない。そこがわからない。だから、全然別の仕事ではない。 そうすると、直してもらいましょう。あと、先ほどの労働者性をどこに書くかですね。 3の前にしますか。全体として見ると、契約上は個人請負でも、どのぐらいかわからない けれども、一応、4点以上といったら何割ぐらいですか。4、5割。4割ぐらい。 ○桐石企画第二係長 3分の1ぐらいですね。 ○佐藤座長 もちろんすべてがあの基準で当てはめたら、どうなるかわからないけれども、 契約は個人請負だけど、労働者性型雇用契約にすべきものが3分の1程度入っている可能性 が高いということは、どこかに書いたほうがいいだろうな。 ○桐石企画第二係長 わかりました。16頁の就業実態の所とか。 ○佐藤座長 そこは詳しく書いたほうがいいと思うのです。どういう基準でやってやれ ば。もちろん得点の高いこと、イコール判断基準を当てはめたらそうなるわけではない のだけれども、1対1対応ではない。ただ、おそらく、そうなる可能性は高くなるので。 ○酒光参事官 3分の1が必ず労働者性があるとも言い切れないので、書き方はちょっと 考えてみます。 ○佐藤座長 ただ、点が低いほうにいるわけではなくて、高いほうにいるのは間違いない だろうから、かなりあるということを言っておく必要はあるだろうな。そこはたぶん 今回の研究課題の前提なので。 ○酒光参事官 そうすると、括弧を1つ設けるような感じですかね。(4)の前ぐらいか何 かに。 ○佐藤座長 17頁の3.の前に、実態から見た、契約上は委託なのですね。だけど、実態 を見ると、労働者性が高いというか、雇用契約にしたほうがいいものが相当あるような ことを少し書く。 ○佐野委員 先ほどの研究の範囲で、研究の範囲の定義の中に「労働者性」という言葉 が7頁で使われていますが、もしかしたらその前に労働者性ということをどう見るのかと いうような、簡単な説明があったほうが、いいのかもしれません。労働者性というのが ここの大事なキーワードになるはずですから。 ○奥田委員 文章の代案とかがあまり思い浮かばないので、気付いたところだけ指摘さ せていただきたいのですが、まず13頁の(2)の3番目のパラグラフです。3番目のパラグラ フの最後の「他方」の報酬の不満というのは、選択理由などとちょっと違うのかなとい う気がするのです。もしかしたら、別の所のほうがいいのかなと思います。  それと、いろいろな調査があると思うのですが、今回のヒアリングであるとか、調査に 基づいての結果が出てきていると思うのです。子供を持つ既婚女性にとっての就業機会が、 1つの論文に基づいてポンとこれだけが出てくると、そんなにわざわざ書かなければいけな いのかなと思います。だとすれば、もっといろいろな論文もあるでしょうし、何かちょっ と突出しているような感じがしますので、ないほうがいいのかなと。 ○佐藤座長 これは落としてしまってもいいか。これは、この前、佐藤厚さんが言ったん ですよね。 ○原委員 いや、私も申し上げたのですが、こういった論文はそんなに数はないと思うの ですよね。そもそも個人請負についての論文はそんなに数がないので、こういう女性 労働の観点から取り上げた論文というのは珍しいので、紹介という形で入れていただい てもいいのかなと思ったのですが。 ○奥田委員 ただ、今回のアンケートなどの結果と同じように並んでいるとちょっと。 この調査は既婚女性に着目して行った調査ですね。だから、当然こういうのが出て くるので。もちろん読ませていただいたので、こういうのが出てくるのはわかるのです が、この報告書の中に特に入れる必要があるかどうか。 ○佐藤座長 前の平成19年の調査で、既婚で女性でという人はいましたか。それで、 それが割合、自宅で仕事をしやすいとか、そういうのが出ていればいいけれども、ほと んどいないというのであれば、これはいないところをたくさん集めて分析したわけだよ。 だから、そこにだけ焦点を当ててやっているから、全体の話ではない。 ○原委員 でも、視点としては、内職とかいえばもともとある話だというご指摘も前回 あったと思うのですけれども。 ○佐藤座長 あとフランチャイズで家で英語の教室をやるとか、そういうのがあります よね。 ○原委員 でも、こういう視点もありますし、ヒアリング調査の個人調査から何か関連 するところが出てくるのではないかなと思うので、紹介はしていただければなと思って いるのです。 ○佐藤座長 注に落とすか。 ○原委員 注に落とすのでも構わないと思うのです。ただ、この文言を。 ○佐党座長 注に落として、そちらで見てみて。全体でもそういう人がいて、そういう 理由を挙げている人が多ければいいかもわかりません。私もあるとは思うのです。 ○原委員 ヒアリング調査でいくつか上がってくるのではないかなと思うのですね。 だからそこを盛り込む。 ○佐藤座長 それがそんなに多いかというと。 ○原委員 多いと思わないのですが。 ○佐藤座長 可能性はあると思うので、否定はしないのだけれども。ちょっと書き 方で、嘘だというわけではなくて、あまり前面に出していいかどうか。 ○奥田委員 16頁の下の4行辺りからになるのですが、この辺りをあまり言い出すとま とまりがつかなくなるので、ちょっと思ったのですが。ここで従属性を考える際にと いうことで、専門性とか業務遂行能力に着目すべきであると書いてあるのですね。 それは確かにそういう側面が出てくるかと思うのですが、そうなると従属性の判断基準 というのは、先ほど挙げていただいた労基研報告のようにいろいろな要素があって、 専門性とか業務遂行能力を重視するという考え方が必ずしも出ているわけではない ので、このように報告書で出てくると判断基準を見直すようにも見えなくないですね。  この研究会は、私の理解としては、いまどういう実態があるのかということが非常 に重要で、今回も調査で実態というのがものすごく注目すべき点が出たと思うので、 あまりそこまでの評価に踏み込まなくてもいいのかなという気がするのです。また 私も案を考えてみたいと思うのですが、もともとの従属性基準に踏み込んでの記述 というのは、若干誤解を与えるかもしれないなというのがあります。 ○佐藤座長 趣旨はわかりました。 ○奥田委員 もう1点は同じことで、ちょっとどこに入ってくるのかがわからないの ですが、労働者が選択しているとか、労働者の意思がというのが何カ所か出てきたの です。労働者性の判断で、当事者の意思を重視するかどうかというのも大問題で、当 事者意思ではなくて、客観的な働き方で判断するというのがいまの労働者性の判断基 準なのです。だから、これで働きたいと思っているのにこうなった、それは実態として こういう調査が出てきたという部分も必要なのですが、労働者が請負を選べばそれで いいというものでもないので、労働者の選択とか意思というのが、判断基準との関係 で出てくるというのは、表現としてはまずいと思います。 ○佐藤座長 そこだけ、だから実際何で選んでいるかを書くのはいいのですね。判断 基準の中に入るような形にならないように、ちょっと見ていただくように。特に最後 の所は、ご意見があったらいいと思うので。トラブルの所はいかがですか。これは 実態をずっと書いていただいていて。  では、先に行ってしまっていいですか。3で、タイトルがどうかわからないのです が、今後の検討課題とか、何の方向性かわからないから。政策的対応の方向性とか、 そんな話ですね。1は求人情報のことを書かれていない求人情報分析でも、それだけ で個人請負の就業者の方が仕事を探しているわけではないけれども、結構曖昧なとこ ろもあるのではないかということで、そこのことが1つです。企業のほうも、十分理 解していない可能性がある。悪意を持っている所も出るとは言わないけれども、よく 知らないということもあるので、そのことですね。あとはご本人もということ。そう いう企業なり、働く人もわかるように、判断基準について、もう少しわかりやすくと いう話。あと、窓口。  最後の所は、基本的には労働者性の判断基準を動かさないのです。ですから、例え ば今回アンケートでやって、全体を100とすると、3割ぐらいは現行基準でも何か労働 者にしてもいいのではないか。この基準を動かさないで、こっちの7割についても、 例えばということで、1社専属みたいな人にいうと、何割かいるわけですね。ここはもし かしたら何か必要だということを、ちょっと頭出ししているということです。これは 動かすわけではなくて、つまり従来の基準であれば個人事業主なのだが、例えば、 その中にただ1社専属みたいな人がいるとすれば、1つの基準として切り出して、何らか 対応というのが最後の6の書き方です。これについてご意見を伺えればと思います。 19頁から最後です。  20頁の(1)のガイドラインで、就業時間と書いてしまうと、変な感じがするのです。 就業時間であってはいけないのではないかという気もしたのですが、どうなのですか。 つまり、就業時間を書くというのは変だよなという気がしたのだけれども。 ○桐石企画第二係長 そうなのですか。講師とかだったら。 ○佐藤座長 つまり、何時間働いていくらという時間でだから、時間はおかしいので はないかなと思うのですが、どうなの。業務委託で何時間。 ○酒光参事官 そぐわないほうが多い。 ○佐藤座長 そぐわないほうが多いから、私は書かないほうがいいのではないかと思 ったのですが、そういうところをちょっとチェックしてください。ここは、現行も一応 ルールはあるのだけれども、どうも徹底されていないというのが1つと、もう少しわか りやすいようにというのが1のところですね。 ○田尻室長補佐 いまのお話を伺って補足ですが、在宅ワークの適正な実施のガイド ラインの中で、時間について直接というわけではないのですが、納期ということで、 納期について、「在宅ワーカーの作業時間が長時間に及ばないように設定すること」 というように書いてあるものはあります。そういった発注の仕方に絡めて言う、とい うやり方はあるのかなと。 ○佐藤座長 難しいね。だから、契約したときに、このぐらいの業務量でというのは、 あまり過重でないようにというのはあるかもわからないけれども、それはご検討く ださい。あまり細かく言い出すと、今度雇用になる。ただ、報酬の決め方がどうだ とか、どこで働くとか、これは私はいいと思うのですね。あくまでも業務委託を前提 にした中身ということで、ちょっと検討していただければと思います。でも、真ん中 の(2)は賃金と書いてあるのは何でなのだ。賃金・報酬、賃金というのは普通は。 ○酒光参事官 いまの求人情報誌協会の基準がこう書いてあるというのを紹介して、 こういうものも参考にして作ったらどうかということで書いているのですね。ちょ っとわかりにくいかもしれません。 ○佐藤座長 賃金というのは変な感じ。 ○酒光参事官 だから、求人情報誌協会なので、普通の雇用も念頭に置いて書いてあ る。そのうち、業務請負はもうちょっと取り出してとか、別な書き方をするとか。 ちょっと書き方がわかりにくいかもしれません。 ○奥田委員 19頁辺りの所で、労働法規の保護というところで、交渉力の差を補うと いうのが何度も出てきて、ちょっとこれが気になるのです。適切な言葉はまた考えて みたいと思います。もちろん交渉力の差はあるのですが、それをあまり限定されると いうのが。それと、佐藤先生が最後におっしゃった6の所で、最後の3行ぐらいは、現 在の基準を前提として、労働者に該当し得るものも一部あるし、それを前提としても 労働者に該当しない可能性のものもあるけれども、その中で、というご説明だったと 思います。この報告書としては、もうそれでいいのかなと思うのですが、労働法の領 域では、契約労働かは別として、中間層の働き方、二分の基準であれば労働者に当て はまらないけれども自営者にも当てはまらなくて、そういう中間層の人にどのような 労働法規を適用するのか、しないのかという議論がやはり一方であります。だから、 もし、触れるとすれば、そういう議論もあることくらいは指摘があってもよいと思い ます。 ○佐藤座長 これは非常に単純で、もしかしたら絵があったかもしれない。100人こ ういて、従来の基準で労働者性を判断すると、ここに労働者というのが3割ぐらい 混ざっているという話です。これを動かして、この基準は動かさない。だけど、もう 1つ別の基準を立てると、この辺に1社専属みたいなのがいるから、ここを何とか。 もう1つは、この基準自体を変えてしまうと、3つぐらいに分かれるのではないかと いう話で、いまのだったら、この基準も別の基準を作っていくという話になると思 うのです。ここを動かさないで、これを動かすと言っているわけではないの。 ○奥田委員 そうではなくて、動かさないけれども、こちらが労働者で、あちらが 自営者だとすれば、どちらにも入りにくいような、いまの二分基準に当てはまらな いような中間層という働き方があるということです。 ○佐藤座長 二分基準は、これは正しいとしているのですよね。 ○奥田委員 一応置いておいて。 ○佐藤座長 1つそうしておいて、もう1つ、でも自立性はあるけれども、1社でずっ と働いていて、そこだけの仕事だと、例えば均衡みたいなことが大事だというよう にやるのです。でも、そういうのでいいのですか。それともこの基準に合わないのが 出てきている。 ○奥田委員 合わないのが出てきているという面もあります。でも、この研究会の報 告書で、基準自体のところまで踏み込むというのは、やはり無理だと思います。現在 の基準にまでは言及しないのだけれども、そういう現在の基準を前提としても、もう 既に中間層が出てきていてというのが一方であって、今回の研究会で明らかになった ものと、それとの関係がどうなるかということです。 ○佐藤座長 だから、2つの議論があって、こういう議論と、もう1つはあちらの基準 自体が新しく出てきている個人業者の区分では適合しないという言い方は、もちろん あると思うのです。それをどこかに書いて。今回、十分検証していないのですよ。そ の可能性もあることはあるかもしれない。新しい働き方と書いてあるわけだから。 ○奥田委員 そうですね。 ○佐藤座長 だから、実態把握も含めてなのですね。実態でそういう実態が出てきた わけではないので。 ○奥田委員 たぶんその辺りは、この研究会との関係でいうと、判例分析ぐらいでし かやっていませんので、調査とか実態からは出てきていないと思います。 ○佐藤座長 ちょっと書き加えて。あとこっちのほうも、注の所の半数というのが、 いまのは46というのは、これなんかは46。できれば、ここの中での1社専属の比率を 書いてほしいのですけれども。できれば、ここからこっちの比率を。基準を当てはめ て、労働者性のある3割を取ってしまった残りの中で、1社専属の人がどのぐらいという ほうがいいかなと思うので。もう1つの基準は、たぶんこういうように切り返す。 こっちは横ずりしたでしょう。いままでの労働者性も含めて、何か全然新しい基準み たいな考え方なのです。 ○奥田委員 そうですね。 ○佐藤座長 もう1つの区分けの仕方というのは。いかがでしょうか。 ○佐野委員 細かい点なのですが、14頁の例として挙げられているのがエステティ シャンと講師だけなので、もっとバラエティをもたせたほうがよいと思います。 ○佐藤座長 曖昧だというものを少し挙げるというのはあるかもしれない。4つか5 つ、多かった職種については1つずつ挙げるというのでもいいかもわからない。 ○酒光参事官 情報通信とか、多かったですね。 ○佐野委員 例えば、16頁の就業実態の上の所で、雇用契約で応募したのだけれど も、請負契約に誘引されてしまうなどというのも、たぶんヒアリングを根拠としてい ると思うのですが、根拠を書いたほうがよい。トラブル事例はヒアリングのほうから 引き出すしかないと思いますが、それゆえに根拠を書いたほうがいいと思います。  それから、18頁のいちばん下の(2)の求人に関するトラブルで、労働組合からの情報 で、若い人しかいないという理由で断られたというのは、必ずしも個人請負だけのこ とではないと思うのですが、それはあえて書く必要があるのですか。例えば、一般の 雇用の募集であっても、うちは若い人がほしいということで、断られることがありえ ますよね。だから、あえて書く必要があるのかどうか。個人請負の場合、特に多い理 由だったら書く必要があるかもしれませんが、ほかの就業形態の募集でもよくあるこ とであれば、あえて書かなくても。 ○佐藤座長 ただ、逆に言えば、業務委託でもあるという言い方。そういうことでも 意味がある。 ○酒光参事官 一応、雇用であれば、雇用対策法とかでやってはいけないことになっ ていますので。 ○佐藤座長 そういう議論はあるのだけれども。 ○佐野委員 そうであれば、そういう趣旨を明示で書いたほうがいいのではないか なと思います。 ○佐藤座長 本来サービスの提供を受けるのだから、余計、雇用よりもなくてもい いはずにもかかわらず、という感じなのですね。 ○佐野委員 業務請負であっても属性で判断されるということはある。 ○酒光参事官 書いている気分はそういう気分で書いている。 ○佐藤座長 本来なら、そういう契約ではないわけですよね。 ○佐野委員 あと、先ほどの議論は、参加していてもなかなかわかりづらいので、 どこか説明したほうが。 ○佐藤座長 最後のところですね。 ○佐野委員 基準自体をどうするかという問題に加えて、基準を前提として労働者 性が低いと判断された場合でも、新しい保護の対象にする、何らかのルールを適用 することは大事なのではないかなという議論ですよね。その議論を少し説明する形に したほうがよいでしょう。 ○酒光参事官 両方指摘する形で、ちょっと書いてみますけれども、またよく見て いただいて。 ○佐藤座長 ちょっとこれがないと、たぶんまた基準を動かすように誤解されてしま うから、前半のほうの議論も。 ○酒光参事官 そうですね。両方書いておいたほうがはっきりしますね。 ○佐藤座長 細かい点は、メモをお渡しいただくことにして、今回のを直していただ いて、研究会をもう一度やるということのようですので、今後の進め方について、お 願いします。 ○田尻室長補佐 その前に、先ほど議論になりました仕事と家庭の両立の関係で、平成 19年の調査で10項目ほど選択肢があって、複数回答になっていたのです。その中で、育 児との両立とか介護との両立という選択肢があったのですが、10項目中、下から1番目、 2番目ということで、いちばん多かったのは仕事で、時間帯を自分で決められるとか、好 きな場所でできるとか、スキルが活かせるといったものです。育児・介護というのは、 このときの調査では、それを挙げた方は少なかったということでした。 ○佐藤座長 もしかして、既婚女性だけ取り上げると高いかもしれないのですね。 ○田尻室長補佐 そうですね。対象者によっては。 ○佐藤座長 それはそうなのかもわからないので、注に落として、そっちも引用するよ うにする手はあるね。だから、特定数にすると多いのかもしれない。全体とすると、ま だそんなに多くはないのかもしれない。 ○田尻室長補佐 今後についてですが、事前に連絡を差し上げておりましたとおり、 お忙しいところ申し訳ございませんが、もう1回、日程は3月25日ということでお願い いたします。こちらのほうで、本日の修正等を適宜行いたいと思いますが、そのあと でまたお気付きの点等ありましたら、事務局までご連絡をいただければと存じます。 ○佐藤座長 それでは、インテージにも厚生労働省にも、いろいろお願いしています が、できるだけ良いものにしたいということもありますので、すみませんがもう1回、 検討させていただくということで、よろしくお願いいたします。どうもありがとうご ざいました。 (照会先)政策統括官付労働政策担当参事官室企画第2係(内線7992)