10/02/18 第3回環境自主行動計画フォローアップ会議議事録 第3回 厚生労働省環境自主行動計画フォローアップ会議 日時 平成22年2月18日(木) 10:00〜 場所 経済産業省別館821会議室 ○海野政策企画官 定刻になりましたので、ただいまから第3回「厚生労働省環境自主 行動計画フォローアップ会議」を開催させていただきます。本日は、大変お忙しい中を お集まりいただきまして誠にありがとうございます。会議に先立ち、厚生労働省の酒光 参事官からご挨拶を申し上げます。 ○酒光参事官 おはようございます。本日は雪ということで大変お足元の悪い中、お集 まりいただきましてありがとうございます。本来であれば統括官の中野がご挨拶をする 予定だったのですけれども、急に政務三役関係の仕事で呼ばれて来られなくなりました ので、私から一言ご挨拶を申し上げます。  私どもの所は労働政策ということで、労働関係をメインでやっております。併せて厚 生労働省全体のいろいろな業務をやっていて、その中で非常に大きな役割を占めるのが 温暖化対策です。京都議定書に基づく目標達成計画ということで、各業界に自主的に取 り組んでいただいておりまして、それを政府がフォローアップする仕組みになっており ます。本日はその3回目ということで、各業界の皆様から日ごろの取り組みをご報告い ただきます。  京都議定書の枠組みなのですけれども、鳩山総理は環境問題を非常に重要視されてい るのですが、まだ私どもも詳細に全部を把握はしておりません。25%削減という目標を 掲げて取り組んでおられるということで、一層の取り組みが求められてくる可能性もあ るのではないかと思います。これからも、引き続きよろしくお願いたします。本日は、 お忙しいところをどうもありがとうございます。 ○海野政策企画官 以降の議事進行は森口座長にお願いいたします。 ○森口座長 ただいまから、第3回「厚生労働省環境自主行動計画フォローアップ会 議」を開催させていただきます。座長を仰せつかっております森口です。本日はあらた めましてよろしくお願いいたします。この会議は年に1度ということで、3回目というこ とは3年目ということです。まず、事務局から本日の会議について評価の指針、この会 議を含めた今後のスケジュール等について説明をお願いいたします。 ○海野政策企画官 本日の出欠状況です。佐藤委員と中津委員がご欠席です。村田委員、 江原委員、森口委員、高村委員、吉田委員の5名の方々にご出席いただいておりますの で、先生方から評価をいただくということでよろしくお願いいたします。欠席委員の方 々には、関係資料を送付してコメント等がある場合にはメール等を通じてご連絡をいた だき、評価のほうに反映させていただきたいと考えております。  まず、資料の確認をさせていただきます。議事次第、出席者一覧。資料1、資料2-1、 資料2-2、資料2-3、資料2-4、資料3-1、資料3-2、資料4、資料5。参考1〜4まで用意 させていただきました。  会議の進め方についてご説明させていただきます。本日は生協、製薬、私立病院の3 つの団体にご参加いただいております。これらの団体の方々のフォローアップを行わせ ていただきます。ヒアリングについては、いま私が申し上げた順番で行わさせていただ きますが、説明を15分、質疑応答を15分という流れを想定しております。説明時間は 15分を厳守ということでお願いいたします。フォローアップをさせていただきますが、 その評価の視点ということで簡単にポイントを資料1に書かせていただきました。この ポイントは、昨年私どもで出させていただいたものと同じですが大きく4つあります。 削減対策の検証、目標達成の蓋然性、目標値、目標指標の妥当性、その他の課題という ことで、それぞれ2つないし3つのポイントを挙げております。こちらを参考にしてい ただきながら評価をしていただければと思います。  資料5に基づき、今後のスケジュールを簡単にご説明させていただきます。会議後の スケジュールということで、こちらは過去2回と同じですが、会議については本日1回 の開催のみとさせていただきます。その後に追加の質問、報告書の文案については、主 にメールを使ってやり取りをさせていただきます。追加質問は2度にわたって受け付け をさせていただきたいと考えております。その上で私ども事務局のほうで、報告書原案 を作成させていただき、その報告書原案についてご意見をいただいた上で、非常にタイ トなスケジュールなのですけれども、年度内に厚生労働省のホームページでその報告書 を公開させていただく予定です。本年度は会議の開催が遅れて非常にご迷惑をおかけい たしますが、タイトなスケジュールとはなっておりますけれども、どうかご協力をお願 いいたします。  本日は、ヒアリングが終了した後に全体の議論の時間を15分程度予定しております。 3団体からのヒアリングの結果を踏まえ、委員の皆様方でご議論いただければと思います。 事務局からは以上です。 ○森口座長 本日の進め方、あるいはその後も含めた進め方についてご質問、ご確認等 はありますか。 (特に発言なし) ○森口座長 年度末に向けて非常にタイトなスケジュールです。例年3月30日あるいは 31日ごろに結果を公表されているケースが多いわけです。今年は、特にこの会議の後の スケジュールは大変タイトですので、いずれも時間厳守でお願いいたします。私事で恐 縮ですが、本日はどうしてもこの後の予定があるものですから、なるべく12時ちょうど に終わりたいと思っております。万一議論が長引くようであれば座長代理に進行を代わ っていただくことがあるかもしれませんが、基本的には12時に終わるように、それぞれ 時間厳守でお願いいたします。  早速ヒアリングに入ります。3業界のうち、まずは日本生活協同組合連合会組織推進本 部環境事業推進室長の大沢様、同じく環境事業推進室の高多様よりご説明をお願いいた します。 ○大沢様(日本生活協同組合連合会) 生協の取り組みについてご報告させていただき ます。本日は資料が4つに分かれています。資料2-1のパワーポイントをプリントして いただいたものでご説明いたします。表紙の部分ですが、目標ということで(1)(2)と書い てあります。(1)の2008〜2010年度の商品供給高1億円当たりCO2排出量を、2002年度比 で4%削減するということが、自主行動計画で厚生労働省のフォローアップ会議で目標と してご報告しているところです。(2)については、私ども3年ごとの計画を毎年作ってい るものですから、内部的には2011年度に8%ぐらい削減したいということで、(2)につい てはあくまでもここでの報告の目標ということではなくて、内部の目標ということで見 ていただけたらと思います。  次の頁で2008年度の結果についてご報告いたします。私どもの商品の供給高、いわゆ る売上高1億円当たりのCO2ということですので、分母に供給高が来ます。供給高につい ては前年と同様です。CO2の排出量は、去年のフォローアップ会議でご指摘をいただきま した電力の係数は何を使うかということについて、今回は3種類記載しております。1つ は、これまでどおり2003年の環境省のガイドラインに基づく0.378という係数でずっと 通した場合。2つ目は、電気事業連合会の、電力会社平均の調整前のもの。3つ目は調整 後のものです。例年どおりこれまでずっと継続してきた統一の0.378で通した結果につ いては目標を達成しました。調整前の上がった電気の係数で計算すると目標は達成しな いことになります。調整後の数字で見ると大幅に達成しているということで、ここをど う評価するのかということです。  私どもの経営なり、取り組みの評価を内部できちんとする上では、0.378で評価をして どこまで成果があったかということで見ております。ただ、社会的には係数が変わると いうことでの評価の仕方もあるかと思いますが、なかなか難しいところです。その結果 は次のグラフのとおりです。グラフの点線が、ずっと統一した係数でやった場合です。 上に出ている31.8が調整前です。28.1というのは調整後です。調整後であれば、非常に 簡単に目標を達成できているということです。次の頁では、CO2の総排出量についても同 じようにグラフを作ってみましたが、これでも全く同じことが言えます。調整前と、調 整後では9万t近く差が出てしまいますので、評価をどうするかということになります。  次の頁は、2008年度のフォローアップ会議でのご指摘として3点いただきました。1 点目は、「原単位による目標値に加えて、CO2排出量による目標値の設定についても検討 すべきである」。これについては、各単位生協、日本生協連も含め、原単位だけではな くて、総量の結果、それから目標についても公表して管理するようにしております。  2点目に電気の係数についてです。電気事業連合会公表の係数、又は電力会社別の係数 を使う。それについても算定すべきだということでした。これについてはいま申し上げ ましたとおり、電気事業連合会のは、調整前、調整後を含めて集約をしております。  3点目は、未策定の県の生協など、さらに参加の努力については、去年まで秋田県と新 潟県の生協が、県として見ると空白になっておりましたので、そこで1生協ずつそれぞ れ新たに策定できました。都道府県という単位で見ると、すべての都道府県の生協が策 定をしたということです。  次の頁は、CO2排出量の要因分析です。これについては、3種類の係数でやるとややこ しくなるものですから、これまでどおりの0.378を使っての評価をしております。2002 年度比でCO2の総量では3.4t増えています。増加の要因としては、事業量が増加したこ とと、新店と生鮮品の取扱い増加等、品温管理等があります。減少の理由としては、も ちろん省エネ対策にかなり努力してきたことと合わせて、店舗の閉店部分、生産工場や 物流センターを閉鎖したり委託したりということで減っている部分もあります。結果と して足し引きで3.4万t増えています。  温暖化対策の実施状況という下の表も毎年出させていただいております。今年下線を 引いたところについては、新たに2008年度に取り組んできたところです。冷凍機につい ては以前からありましたけれども、リーチインのショーケースについてはもう少し積極 的に導入していこうという動きになってきております。照明については、LEDが社会的に も普及してきておりますが、そのほかにも1灯管を使っております。車両のところでは、 外付けのアイドリングストップ装置を付けることも進めております。  昨年も少しご報告いたしましたが、その他京都クレジットとか、グリーン電力も含め て使っていますが、京都クレジットについては、生協のうちコープネット事業連合で、 2008年度は3店舗分について、1,140t分を京都クレジットで賄っております。2009年 度については、同じコープネット事業連合で5店舗と、物流センター1つを含め、いまは 見込みですけれども、約1万2,000tぐらいを京都クレジットで賄おうということで計 画をしています。  次の頁にカラー写真を何枚か載せてありますが、これは2008年度に新たに取り組んだ 対応です。1灯管というのは、普通天井の蛍光灯は必ず2本付いています。それを1本に して、反射板を効率の良いものにすることにより、丸々半分までは減らないのですけれ ども、半分近くまで減るということ。それから、反射率を上げた床にすることで、照明 がはね返って店内が明るく感じるような対策をして、照明を減らしています。棚の照明 も減らすことにも取り組んでおります。  リーチインのショーケースというのは、扉付きの冷凍品の棚です。ただ、お客様が取 り出しにくいというので売上げが減るのではないかという心配がある中で、営業面での やり取りもしながら、可能なところについては対応をしてきています。  取り組みの概要は以上のようなことですけれども、書いてないことを2つ申し上げま す。1点は電力の係数の問題についてはどのように評価するかということで、ご指導いた だければありがたいと思います。併せてこの係数を、私どもは日本経団連にも入ってお りませんし、公式に電気事業連合会の係数を入手するルートを持っておりません。環境 省が公式に発表するのは12月ですので、それだと全然間に合わないのです。ほかの業界 の話を聞いたところでは、経団連を通じてとか、何らかの公式ルートで電気事業連合会 の数値を夏ごろにいただいて、それを基に数値を作っていると伺っています。公式にい ただくルートについてご指導もいただけたらと思います。  2点目は、鳩山首相の25%の問題もありましたが、私ども2012年までの計画に加え、 2020年までにどんな長期計画を温暖化対策で持つのかということについても、いま長期 的な視点から検討をしております。今年の夏ごろにはその結果についてご報告できるか と思います。来年のフォローアップのときにはそれについてのご報告をさせていただけ るようになるかと思います。私からの報告は以上です。 ○森口座長 ありがとうございました。質疑に入りますが、おそらくいまの電力係数問 題は各業界に共通する問題かと思います。ここで事務局に確認なのですが、3業界とも最 後までこの場にいていただいて問題はないでしょうか。つまり、この問題を最後に共通 の議論としてよろしいかどうか。シナリオでは途中で退室していただくようなことも書 かれていたのですが、最後までいていただいて問題はありませんか。 ○海野政策企画官 私どもとしてはいいのですが、業界の方は最後までいていただいて よろしいですか。 ○三業界 はい。 ○森口座長 もし生協さん固有のものがあれば、委員のほうからいまの電力係数問題も 含めてご質問いただいて結構かと思いますが、共通する問題ですので、できましたら最 後に時間を取り、共通の問題として少し議論をさせていただければと思います。ただい まの、日本生活協同組合連合会様からのご説明に関し、ご質問、コメント等がありまし たらお願いいたします。 ○江原委員 経産省のほうでも委員をやっていますので、チェーン協とかコンビニの数 字はいつも拝見しています。生協さんの原単位の平均が、例えばチェーンストア協会の 平均よりちょっと高いです。チェーンストア協会は0.108ぐらいです。資料2-4を拝見 すると、床面積当たり0.12ぐらいあります。原因はいろいろあると思うのですが、少な くともこの分布を見る限り、分散が大きいことが原因ですよね。8番、9番、15番みたい な首都圏に店舗がある所は非常に低く、そうでない所が高くて分布が大きくなっていま す。そういう意味ではいろいろ努力されているのですが、店舗効率が活発でない所が足 を引っ張っている感じがしますので、何か手はないでしょうか。どうしろということは 言えないのですけれども、どういう指導ができるかなという点を質問したいと思います。 ○森口座長 一問一答形式でやらせていただきます。いまの江原委員のご指摘は、資料 2-4で、特に面積当たりの原単位が他の流通に比べてちょっと高めなのではないかという ご指摘だったと思います。まず、その点をお答えいただけますか。 ○大沢様 チェーンストア協会さんの数字は私どもも見させていただいております。チ ェーンストア協会さんは大手の面積の大きい所も含めてあります。例えば、雑貨、衣料 品という所は基本的に照明と空調しか要らないということですが、食品スーパーのほう が冷凍機の割合が圧倒的に占めますので、原単位については高くなることは間違いない と思っております。  チェーンストア協会さんより高いということよりも、店の規模としてどのぐらいにな っているか。チェーンストア協会さんは店の規模別の数字を出していないと思いますの で、そういう点では店の規模として見ることが大事なのだろうと思っております。平均 すると、当然大きな店を抱えているほうが低くなることは間違いないと思っています。 ただ、当然高くなっている店について対策をとらなければいけない、というのはご指摘 のとおりだと思っております。 ○高多様(日本生活協同組合連合会) 若干補足させていただきます。資料2-4のグラ フをご確認いただいたらわかると思うのですが、いちばん上にあるのが200坪未満の非 常に小さなものです。この200坪未満というのもすごく幅がありまして、コンビニエン トストアさんのような店から、ギリギリ200坪と非常に幅が大きいということです。結 果的にこの部分のエネルギー効率がどうしても悪くなっているのは事実です。1枚めくっ ていただいて200坪以上、あるいは標準的なSMといわれている450坪以上の所は、なん とか頑張ってきているのかなとは考えております。  このグラフでいくと、各単位生協に指導と言ったらおこがましいのですけれども、問 題提起させていただいておりますのは赤いラインより上、これは標準偏差×2ということ で設定させていただいているのですが、ここのところは早急になんとか対応していきま しょうということです。こういうグラフを個別に生協ごとに提示させていただきながら やっております。改正省エネ法もいよいよ今年から施行されますので、そこはもうちょ っと動きが活発になるのかと期待も含めてしております。 ○吉田委員 資料2-1の写真の前の頁に、温暖化対策の実施状況、店舗、共同購入施設、 物流・生産施設、車両という形で部門別の取り組みが書かれています。店舗での排出量 は大体どのぐらいのプロポーションなのか、車両の部分の排出量のプロポーションはど のぐらいなのかとか、それぞれの部分での取り組みによる削減効果はどれぐらい出てい て、要はどういう所で削減していくのが今後も影響が大きくなるのか、効果が大きく出 るのかというところが知りたいと思います。その辺の状況はいかがでしょうか。 ○森口座長 店舗と車両の話は、店舗と個配などの配送形態とのシェアということで、 以前にもその辺りの話題があったかと思います。今回の資料の中で付いているかどうか わかりませんが、いまわかる範囲で数量的なところをお答えいただけますか。 ○大沢様 全国の生協でいうと、大体6割ちょっとが宅配部分で、その残りが店舗の供 給高、売上げということになります。資料2-2の4頁を見ますと、生協の店舗や宅配の 合計で2兆6,000億円の売上高があります。そのうちの6割強が宅配で、4割弱が店舗と いうことになります。  私どもが供給高、売上高当たりの原単位で、後ろの物流センターを除いた店舗単体、 配達をするセンターとそのトラックでということで、現場段階だけでこの数字も出して おります。それでいうと、宅配の部分については1億円当たりのCO2は大体7〜8tとい うレベルです。店舗については、大体40〜60tぐらいとかなり差がありますけれども、 それらと物流センター等を含めて30tぐらいになっています。ついでに申し上げますと、 先ほどの店舗の40〜60tというのは、ほかのスーパーさんでも、大体そのぐらいになる のではないかと思っています。 ○森口座長 江原委員のご質問と、吉田委員のご質問と合わせてもう一度事実確認させ ていただきます。店舗の床面積、あるいは営業時間当たりの原単位というのは、全体の 供給高のうちの店舗部分だけに関する原単位ということでよろしいですね。 ○大沢様 はい、そうです。 ○森口座長 それ以外に業界全体としてご報告されている部分には、宅配事業部分があ る。それを含めて供給高当たりのある種の重みを付けた原単位というか、供給高に応じ たもので合計の原単位が決まってくるということで、それぞれの供給高当たりの原単位 については、宅配部門のほうがはるかに低く、店舗のほうが高いということでよろしい ですか。 ○大沢様 はい。宅配部分は当然後ろで商品を詰めるセンターがないと宅配の事業は成 立しないものですから、そこまでは入れてない、先ほどの数字は現場だけを入れた数字 です。 ○森口座長 入れた数字ですか。 ○大沢様 入れていません。物流センターの数字は入れていません。現場の配達をする センターと、トラックの燃料だけです。 ○高村座長代理 吉田委員のご質問にも関わっているのですが、店舗の床面積は、この 間の動向としてどうなっているのかということが1点です。店舗数自身は増えた、場合 によっては統合したという表記がありましたので、その動向を教えていただきたいとい うことです。  2点目は、自動車に関しては走行距離の把握までは全国ではなかなか難しいのかと思っ たりしています。動向といいますか、宅配部分の動向について教えていただければと思 います。  3点目は、いま森口座長が確認された点です。物流部門というのは、全体にカウントは されているけれども、先ほどの個配と店舗部分の単位当たりの排出量にはカウントして いないという理解でよろしいのでしょうか。 ○大沢様 はい。 ○高村座長代理 いまのがテクニカルなご質問です。全体に関してですけれども、昨年 もそうなのですが、今回の店舗面積当たりの非常に詳細な効率の状況といいますか、ど ういう状況にあるかを出していただいております。昨年も同じことを申し上げましたが、 本来ですとほかのチェーンストアを含めて、学んでいかないといけないところだと思っ ております。そういう意味ではこういうデータを出していただいて、非常にありがたい と思っております。同じ店舗規模でもかなりばらつきがあるわけですが、その原因と、 改善の方向性について教えていただければと思います。特にばらつきがあるのはたぶん 200坪未満だと思います。  全体に関しての2つ目は、2020年に向けて今後長期的な目標を作っていく方向にある とおっしゃっていただいて、非常に心強く思っております。これは要望ですけれども、 生協さんはある意味で都道府県に根付いて組織活動を行っていることも含めますと、都 道府県でもいま2020年とか2030年といったスパンでの計画・目標を立てております。 是非都道府県と協力をして推進をしていただきたいという要望です。 ○森口座長 時間も押しておりますので、高村委員からのご質問に少し加える形で1、2 付け加えさせていただいて、それにまとめてお答えいただければと思います。高村委員 から床面積あるいは走行距離といいますか、ある種事業規模全体の動向がどうかという 話がありました。他業界のフォローアップを担当させていただいておりますが、2008年 は経済情勢の影響で、全体の活動量が下がってきている、したがってエネルギー消費量 が下がっている。ただ、効率が悪くなっているケースが中にはあります。そういう中で、 生協さんの場合には先ほど拝見しますと、原単位的なものは改善している部分がありま したので、そういうところも含めて全体の活動量なり、経済状況の影響としてはどうい うことがあったか。もし触れていただけるようであればお願いいたします。  もう1点は若干テクニカルなことなのですが、冒頭に江原委員からご質問があった件 で、売場面積、営業時間で割り返した原単位なのですが、営業時間に関して言えば、24 時間営業をしている業態もある中で、営業時間を減らしたほうが原単位はどうなるかと いう議論があります。おそらく冷蔵庫、冷凍庫の類は始終動いています。営業時間は24 時間営業の形態が比較的少ないのではないかと思うのですが、そういうことによって、 かえってこういう原単位で見た場合に高くなる可能性があるのかどうか、その辺はどち らになるか私もにわかには分からないのですけれども、そういう業態の違いということ が他の流通業界と比較する上でどのように解釈すべきか、もし何かお考えがありました らその点も合わせてお答えいただければと思います。質問がたくさんになりましたけれ ども手短にお願いいたします。 ○大沢様 店舗については、生協は基本的に食品スーパーを主体に出しております。坪 数でいうと450〜600坪ぐらいのところが出店の中心になっております。1,500〜2,000平 米ぐらいです。小さな店を閉店して、統一的なフォーマットで出店するという方向でい ま進めております。  ばらつきとの関係で、200坪未満ということですけれども、先ほど高多もちょっと触れ ましたとおり、200坪の中に50坪ぐらいの店と、200坪近い店があって、それは業態と して全く別なのですけれども、集計上たまたま一緒にしてしまったものですから、その 数字でばらつきがものすごくあるように見えているので、ここはもう一段階分けないと 正確な評価にならないかと思っております。ただ、ばらつきがある上のほうの比較的古 い店で、改善が遅れているということで、改装なり建て替えなりをしないと下がらない 所があるのだろうと思っております。そういう点で、既存店での対策をとってもらうこ とになろうかと思います。  高村先生の2つ目のご質問の、走行距離の把握については、日本生協連として自主行 動計画に関しては把握しておりませんので、本日は資料を持ち得ておりません。  物流部門は先ほど申し上げましたとおり、全体の原単位には物流や生産工場、直営部 分の数字はもちろん入っておりますけれども、店舗と宅配という業態の数字を現場段階 で出すときには入っていないということです。  2020年に向けては非常に苦労しておりまして、当初の麻生政権時代の目標をにらみな がら作っていたのですが、その後は25%削減の目標を見据えてということでいま苦労し て作っております。都道府県との協力につきましても、いろいろな関係の皆様ともご相 談し、ご協力させていただいてと思っております。  経済状況の影響というのは当然あります。いま消費者の経済状況は厳しくなっていま す。特に商品の点単価が下がっていて、結果として売上高もいかない、予算を前年割れ するということが続いております。そういう点では、2009年度、2010年度については目 標の原単位にいくかどうかというのは非常に心配しています。  営業時間の関係でいうと、生協では24時間営業している店はありません。最長でも24 時までだと思います。営業時間を延ばせば、売場面積×営業時間当たりの原単位は下が るはずです。逆に営業時間を短くするとCO2排出量総量は、少なくとも照明部分はカット できますし、閉店している部分は冷凍機の動きも弱くなりますのでそこは下がるはずで す。ただ、この間経済情勢などもあり、郊外などで営業時間延長の効果があまりない店 については営業時間を短縮してみようという店もいくつかあります。 ○森口座長 高村委員からのご質問の、床面積の動向というのは、店舗規模というご質 問でよかったのですか、あるいは総量のお話をされたのですか。 ○高村座長代理 総量です。 ○森口座長 総面積として伸びているかどうか。 ○高多様 昨今の状況を見ますと、年間の全国の生協の新店の総床面積と、閉店の総床 面積とほぼ大体同じになってきています。今後それは逆転していくのかなと。CO2という 意味でいうと減るので、それはそれでいいのかもしれませんが、そういう状況で動いて います。 ○森口座長 そうすると、トータルではほぼバランスしていて、かつ大規模店舗に集約 していける方向なので、全体として見れば効率は良くなっていく方向であろうというお 答えかと思います。 ○高多様 はい。 ○森口座長 まだご質問があろうかと思いますが、時間がまいりましたので一旦ここで 打ち切らせていただきます。どうもありがとうございました。引き続きまして、日本製 薬団体連合会のヒアリングに入ります。日本製薬団体連合会環境委員会委員長の竹縄様、 同じく調査役の鈴木様からご説明をお願いいたします。 ○竹縄様(日本製薬団体連合会) 製薬業界における2008年度の地球温暖化対策への取 り組み状況について説明をさせていただきます。資料3-1のパワーポイントを印刷した ものをメインに説明させていただきます。1枚めくりまして自主行動計画参加企業数が書 いてあります。日本製薬団体連合会に入っている業界団体は14団体です。自主行動計画 の対象としております団体は、日本製薬工業協会(製薬協)、OTC医薬品協会(OTC薬 協)、ジェネリック製薬協会(GE薬協)の3業界団体です。3業界団体の合計企業数は 196、調査対象企業数は118で、回答企業は101ということですので、回答企業の割合は 85.6%です。14業界団体全体で見ていくと、企業数ではカバー率についてはまだ20〜30 %程度です。  前回報告いたしました参加企業の数、これは有効回答数のところですが、前回は74企 業と報告しましたけれども、今回は67企業になっております。下に書いてありますよう に、他の組織に報告し、今回はこちらに報告していない事例、退会の事例、合併の事例 です。もう1つは外資系を中心に1990年に操業していた、工場があったにも関わらず報 告がされていなかった事例について確認したところ、1990年のデータが把握できていな かったという会社が5社ありました。こういうことを調整し、74社が67社に減少しまし た。  いちばん右にありますように、2007年度、第1回フォローアップ会議まで取り組んで きていた企業が、前年度57社と報告しましたけれども、同じような理由で49社になっ ております。フォローアップとしては、GE薬協などに働きかけて増やした数67社と、そ れ以前から取り組んでいた49社の2点でデータについては報告させていただきます。  スライド3は、こちらの手違いでグラフの数字が間違っていましたので、修正版を本 日配らせていただきました。申し訳ありません。この修正版に基づいて報告をさせてい ただきます。二酸化炭素の排出量は、左側にあるように調整後の炭素排出係数を使用し ておりますが、昨年度よりも1990年度のデータをベースに比較しますと20数%、20% 強削減しております。昨年度は128%ということで、28%のオーバーが、7%のオーバー まで改善してきています。参考までにいちばん右のグラフは、調整前の炭素排出係数を 使用したものですが、これでも10%以上の削減ということで、かなり省エネ意識は根付 いてきたかと捉えております。  右側は、排出原単位の推移ですが、先ほどの企業数とかいろいろなものの調整で、こ ちらも昨年報告した値より少し変わっております。2008年度は調整後の排出係数を使用 すると原単位指数は0.656まで改善、調整前の炭素排出係数では0.712となります。  次の頁はエネルギー別の二酸化炭素の排出量を、調整後と調整前の排出係数の2つで 表しています。大きく電気と液体燃料、気体燃料、その他の4つに分類しております。 左から右のほうへ見ていただきますとわかりますように、二酸化炭素の排出量は電気と ガスが増加傾向。真ん中にある重油、灯油などの液体燃料から出る二酸化炭素の量が減 少しています。燃料転換がここで非常に進んでいることがわかります。調整前の排出係 数では、大体電気と電気以外は半々の二酸化炭素になっております。電気ですと二酸化 炭素の排出係数が非常にいいものですから、エネルギーの使用量でいくと、現時点では 電気が55%ぐらいになります。  スライド5は、この要因分析ですけれども、67社の分析結果がそこにあります。1990 年度比では11.5万tのオーバーということで、括弧にあるのが調整前の炭素排出係数を 使用した場合でまだ26.6万tオーバーしているという状況です。基準年度比では7%の オーバーです。実排出係数では16.1%のオーバーです。2007年度比では34.7万tの削 減、実排出係数でいくと19.6万tの削減です。売上高も参考までに右のほうに挙げてお ります。  スライド6はどのような対策を行ったかです。2006年度から2008年度までを並べて書 いております。いちばん上にある、エネルギー転換についてはフォローアップ会議でも これを進めていただきたいというご指摘がありましたとおり、2006年度から2007年度、 2008年度と燃料転換による二酸化炭素の排出量削減が非常に大きい割合を占めておりま す。2008年度は2007年度より、さらに1万t程度削減量が増加したことになります。そ のほかの取り組みとして、主なハード対策としては高効率の機器の選定、この中にはヒ ートポンプなどもかなり積極的に導入される傾向にあると思っております。  下のほうにソフト対策があります。これは基準値、設定値を変更するなどですが、製 造現場や研究所などでいろいろな取り組みが行われています。あとは運転制御方法の見 直し、機動、停止、スケジュール等を見直したというソフト対策がありますが、これら の取り組みにより、およそ1万t程度が削減できていることになります。  スライド7は最初に申し上げましたとおり、1997年度時点で参加していた企業を基準 にしたもので、これはほとんどが日本製薬工業協会への加盟企業でありまして大手企業 になります。このデータでいくと、二酸化炭素の排出量は、調整後の炭素排出係数でい くと100.8ということで、ほぼ目標値に近い値になっております。原単位が右のほうに あります。原単位でいくと67社に比べてさらに改善されていて0.625となります。この 49社については売上げでどの程度のカバー率かということですが、49社で大体80%をカ バーしていることになります。67社ですとカバー率は大体83%強になります。  スライド8も同じように要因分析です。49社の例ですと1990年比で1.3万tオーバー しているということで、数値目標はほぼ見えてきたかという状況にあります。昨年度比 では32万tの削減です。  スライド9は、自主行動計画の達成状況です。これはアンケート調査で回答した企業 だけを集計しているもので、実質を把握しているわけではありません。第1約束期間の 目標を既に達成している企業が8社、達成できる見込みであると回答した企業が3社と いうことで、製薬業界全体の数値は大幅に改善しているのですけれども、達成できない と回答した企業が44社あるということで、会社ごとにかなりのばらつきがあるのが現状 です。  スライド10は今後の見込みです。1990年を100とした場合に、2007年度は107.0まで 改善しておりますけれども、その後いろいろな設備投資計画と削減計画等をアンケート で聞いていくと、2009年度にほぼ横ばいで、それ以降は少しずつ増加に転じるという状 況です。これは売上げ増などを見込んだもので、削減計画もかなり盛り込まれているの ですけれども、売上げ増による二酸化炭素増加分を吸収しきれていないという状況です。  スライド11は、今後予定されている温暖化対策の一覧表です。2009年度で3万4,000 tぐらいです。エネルギーの代替が2段目にありまして、9,000tぐらいありますけれど も、いままでエネルギー転換で10万t強削減してきていて、ポテンシャルとしては15 万tぐらいあると把握しておりますので、エネルギーの転換による削減はそろそろ限界 に達してきたのかと思っております。件数は2009年が131件、2012年で55件というこ とで、2012年に増加傾向とありますのは、まだまだ十分計画が立てられていない状況で あるということがこれでおわかりになると思います。  次は部門間の比較のデータです。研究所と工場でどのようにエネルギーが変化してい るかを、1990年、2000年、2008年と分けて書いてあります。これは、全社が1990年か ら2008年までのデータを把握できているわけではありません。67社のうち29社が床面 積からすべてのデータを把握しておりますので、この29社の抽出データです。これは、 スライド14のグラフでご説明させていただきます。29社の抽出データで、左側は売上げ の変化と、研究所の床面積の変化をグラフに表しております。研究所の床面積は、売上 げに応じてほぼパラレルに増加しています。右のほうは、工場と研究所の原単位の変化 で、工場は売上げ当たり、研究所は床面積当たりで原単位がどのように変化したかを書 いております。工場のほうは原単位指数が0.59ということで大幅に改善されております。 研究所のほうは、2007年度までは1990年比よりも悪化しておりましたが、2008年度は 0.887と改善されております。これは、電気の排出係数が改善したことに特に大きな影響 を受けています。特に研究所の場合、電気の使用割合が高いですので、この辺りが改善 の数値として表れていると分析しております。  次は行動計画の対象外ですけれども、フロンの排出量を挙げております。数値目標と しては、当初540tを予測しておりましたが、その後排出量を観察しながら、現在では 数値目標として150tを挙げております。その150tを基準にした場合に、2008年度の 排出量は107.6tということで目標はクリアしています。二酸化炭素に換算すると、お よそ20万tに該当しますので、温室効果ガスとしては無視できない量ではありますが、 喘息患者などに必要なスプレー製剤は供給せざるを得ない状況にあります。この辺りは 今後なるべく抑える方向の努力はしてまいりますけれども、なくなることは難しいと判 断しております。  続きまして本社の取り組みです。いちばん下に二酸化炭素の排出原単位があります。 2006年、2007年、2008年と床面積当たりの二酸化炭素の排出量は改善傾向です。2008 年は、特に電気の係数改善が大きく影響しております。本社の取り組みとしてはいろい ろな取り組みがあります。クールビズ・ウォームビズといろいろなものを一覧表で挙げ ておりますが、いずれの取り組みも年度を追うごとに参加、取り入れている割合が向上 しています。特に、空調温度の設定、クールビズ・ウォームビズ、未使用機器・電灯の 電源をOFFにする。この3つの取り組みについては70%以上とかなり定着をしている状 況にあります。  最後のスライドも参考データですが、営業車両からの二酸化炭素の排出量です。車の 台数は増加傾向にありますが、ハイブリッド車の導入状況として、2008年度は4,281台 ということで、2007年度に比べて大幅に増加しております。こういう影響もあり、いち ばん下のカラムにあるように、1台当たりの二酸化炭素の排出量は、およそ4〜5%程度 改善しているということで、今後も車から排出する二酸化炭素の量については、車の運 転方法もそうですが、車種を選ぶということで、二酸化炭素の排出削減に取り組んでい きたいと思っております。以上、製薬業界の取り組みについて説明させていただきまし た。 ○森口座長 ありがとうございました。委員からのご質問、コメント等をお受けいたし ます。 ○吉田委員 2つあります。1つ目はスライドの11で、2011年度、2012年度ということ で、十分な計画が今後出てくるのではないかということです。東京都等の自治体の排出 量の規制も始まり、そちらのほうで対応するためにも、やはり設備更新を進めなければ いけないところが今後出てくると思うのです。そういう自治体の規制などを受けつつ、 2011年度、2012年度の具体的な計画というものが、省エネのCO2削減のための計画が出 てくるような傾向で皆さんそのように捉えられていらっしゃるのかというところが1つ です。  2つ目は「グリーン電力の活用」で、最後から2番目のスライドに「グリーン電力購 入」があったのですが、そのほか、CRとの排出源とか、国内クレジットの購入状況につ いて知らせていただければと思います。 ○森口座長 2点ありましたが、いかがですか。 ○竹縄様 中期計画につきましてはおっしゃるとおりです。特にオフィスも今後法の規 制の対象になってきますので、中期計画を出す必要がある。そういう面で、昨年度調査 に比べて今年度の調査では、2010年度以降に計画されている削減対策の件数は増加して おり、二酸化炭素の削減計画も昨年度調査時に比べて、少しは改善の方向にはあります。 ただ、まだ予算との関係から我々の調査に報告してこない状況もあると思っておりまし て、頭の中は部門単位ではかなりのことがいろいろ考えられておりますが、5年後という ことで、まだ予算が明確でないことから報告ができない状況にあるのではないかと捉え ております。いままでも同じような傾向はありましたが、年度を踏んでいきますと、着 実に改善がされていっているということで、まだここの調査の段階では現れていない計 画はあるだろうと思っており、その辺りに期待したいと思っております。  もう1つは、グリーン電力や国内のクレジットの問題です。この調査は行っており、 今回の調査ではクレジットの利用はありませんでした。排出量取引の試行的実施のほう に参加している企業もありますので、今後はその辺りの関係でどのように動くか。現時 点ではそれを利用している企業はなかったということです。 ○森口座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。私から2点ほど伺 います。1点目はスライドの5頁から6頁にかけて、要因分析、特にどういう対策によっ て減ったかということを定量的に把握していただいて、これは大変結構かと思います。 エネルギー転換は、あとのデータで見ても、重油からガスへという転換の例が結構ある かと思います。これはたぶんガス会社さんによって相当料金体系は違うので何とも言え ないのですが、コスト増になっているのかどうか。あるいはこれもかなりいろいろなケ ースがあると思います。機器を入れ替えることによって効率が高まる部分もあると思い ます。こういったことがコストの面で特に問題になっていないか。あるいはコストの面 でもメリットがあることになっているのかどうか。あるいはエネルギーの転換というこ とと、その機器の効率向上というのは、結構同時に起こるケースがあるような気がしま すので、11頁の見込みをされているところで、機器導入とエネルギー代替をどういう感 じで割り振って計算しておられるか。ごく簡単で結構ですのでお答えいただければと思 います。  もう1点は、これは参考資料ですので詳しくお聞きするべきところではないかもしれ ませんが、営業車両からのCO2排出量が16万tぐらいということで、非常に多いとは言 えませんが、それでも全体の排出量が200何万tという数字が出ていましたので、それ に比べれば10%近い、そこそこの数字だと思います。そういった意味で台数やCO2排出 量を把握されているのですが、先ほどの生協さんに対する高村委員からのご質問と関連 するのですが、走行距離などを把握されているか。つまり、燃費ベースでどのぐらい改 善しているのかについての把握がされているかどうか。あるいは今後もそういったこと は可能なのか、そういったことを教えていただけますか。 ○竹縄様 ガスのコスト増の問題ですが、1990年代はガスと重油の値段は大きく違いが あったのですが、そのあと重油そのものの値段が上がってきたので、そのコストの影響 は以前に比べるとかなり小さくなっていると思います。  もう1つは、吸収式の冷凍機をターボ式の冷凍機に替えていくことで、いろいろなも のの組み合わせによる効率面の改善です。  もう1つは製薬業界でいまいろいろ勉強も行っているのですが、二酸化炭素そのもの が有価物であると。税金とか排出量取引も考えていきますと有価物であるという判断を していった場合、ガスに転換することがコスト増という認識はあまりないと捉えており ます。  もう1つは、機器の効率の話は、先ほど見込みは単純に重油をガスに変えたら何tで すという計算で出されておりますが、当社の場合でも同じですが、上記の使用量との関 係、いろいろなもののシステムそのものが変更して効率化していきますので、ここに挙 げている数値以上に効率は改善するだろうとは思っております。その辺りの詳しい計算 はまだできていないであろうと思いますが、その効果は出てくるだろうと思います。営 業車両の面では、製薬業界のMR活動はMRの数が非常に多くて、製薬業界は営業に占め る車の割合が多い業界で、東京都からもいろいろ要請があったようです。営業車両から 出る二酸化炭素量は無視できない状況です。現在、走行距離などについては東京都内を モデルに把握はしております。ただ全国レベルではこれを把握できていませんので、今 後は営業車両については東京都の事例について、情報を全国に広げ啓発していくことは 業界団体の活動としては決定しておりますので、その辺りも含め今後の課題だと考えて おります。 ○森口座長 1点だけ、いまの営業車両のことについて追加でお尋ねします。製薬業界の 営業の形態としては、比較的市街地を走り回るようなことが多いのか、わりに遠方へ出 掛けることが多いのか。何を申し上げたいかと言いますと、市街地を走り回るようなケ ースというのはハイブリット車への転換の効果が出やすい。一方、わりに遠出をするよ うであれば、それほど出ないということがあります。そういったところで何か全体的な 傾向としてほかの業界に比べて、その辺りは何か傾向があるかどうかというのはわかり ますか。 ○竹縄様 企業によって少し違うかもわかりませんが、大体地域営業の形が多いと思い ます。都会と地方ではかなり違いますが、東京の場合は大病院を1個持ちますと、比較 的近場を走る傾向が都会は多くあります。地方は結構遠出をする場合もあり得るという ことで、そういう面ではハイブリット車は都会を中心に広がっており、一部の企業は電 気自動車の導入を決定しています。ただ地方では電気自動車になりますと、インフラ整 備がまだできておりませんので、まだせいぜいハイブリット車までという状況です。 ○森口座長 ありがとうございました。ほかにはよろしいですか。次は3番目の私立病 院ということで、全日本病院協会常任理事の加納様、日本医師会総合政策研究機構主席 研究員の畑中様よりご説明をお願いします。 ○加納様(全日本病院協会) 先に経過を少し簡単に説明させていただきます。我々は 「病院における地球温暖化対策推進協議会」を今年度(2009年度)設けて、現在、座長 を私がさせていただいております。それに先立ちまして、日本医師会におきましては、4 年ほど前から準備をして、3年前から具体的に私立病院を中心に委員会の形で日本医師会 の中で協議をしてきました。そういう経過があります。  現在の協議会は、お手元の資料に名前が出ているかと思いますが、日本医師会、日本 病院協会、全日本病院協会、日本精神科病院協会、日本医療法人協会。実は病院団体と いうのは、まだ1つに団体が統一されておりませんで、4つの大きな団体を中心に4病協 と言いまして、病院団体活動を行っております。  先ほどの協議会におきましては、4病協と東京都医師会をさらに加えてメンバーとして 行っております。顧問に筑波大学大学院の内山教授にお越しいただいております。オブ ザーバーとしては厚生労働省医政局指導課、環境省地球環境局地球温暖化対策課からも 来ていただいております。また電気事業連合会、日本ガス協会からもお越しになってい ただいております。フォローアップの内容等に関しては、日本医師会の畑中主席研究員 からご報告をさせていただきます。 ○畑仲様(日本医師会) お手元の資料に基づいて簡単にご説明いたします。最後に私 から、なかなかこういう機会はないので、この会議に対する要望というか、それについ ても若干話させていただきます。資料の1-3、進捗状況について概略をご説明いたします。 目標については、2012年度まで年率1.0%、エネルギー起源のCO2排出原単位を削減する という目標を設定しております。表1-1、2008年度にありますように、今年度は対前年- 7.9%ということで、かなり大幅に減少しております。その理由はあとで申し上げますが、 エネルギー転換、エネルギー使用量自体が減ったという影響が大きいかと思います。  現状のCO2排出原単位は112.3kg/平方メートルという状況です。トータルの量としては、参考に 2006年度に対してさらに減って、718万tで88%になっております。この背景としては、 中段に延べ床面積で、これは病院の数が50ぐらい減っているのです。ですから、その辺 の影響もあり、延べ床面積が減ったということ。それよりも排出原単位が大きく減って いる影響が大きいのですが、若干なりとも延べ床面積が減っているということで、掛け 算してさらに減ったという形になっております。  エネルギー消費量につきましても、前年度の原単位は対前年度で若干増えたのですが、 それも減っています。これもあとでご説明する病院にいらっしゃる患者さんの数とか病 床の回転率とか、そういったのが全部落ちてきているのです。ですから、そういうよう な背景と石油の価格の高騰とか下落も結構影響があったのかなということで、そういう 結果になっております。  次の頁、カバー率との関連でご説明いたします。去年もご指摘があったのですが、ア ンケートの対象病院のカバー率を上げようということで、表1-2のいちばん右側の列、 アンケート調査の票数を2007年度は3,389であったのを増やして、4,632と票数を配り ました。これは全体の業界団体が7,497あって、それの61%を占めております。回収率 が上がって、回収数が前年度は1,223だったのが、1,513の回収票ありました。先ほどご 説明にあった4病院団体の計画参加病院の5,680に対して、26.6%ということで、最初 の年が17.1、次年度が21.5、26.6という形で上がってきております。それについては電 事連や日本ガス協会などにご協力をいただいて、データの収集について電話での問合せ などをしていただくことのご対応をしていただいており、それもあって上がってきてい るのではないかと思います。  次の頁、若干下がった理由の1つとして、資料1-5頁の図1-1、アンケート対象の数を 増やしました。前年までは、大きな病院についてはほとんど100%抽出してきたのですが、 さらに数を増やすとなると、もう大きな病院はなくて、小さな所が増えるということで、 図1-1の4,000〜7,999の病院のアンケートの回収数が増えています。ですから、この影 響も減っている要因に若干あると思っています。これは協議会でもご指摘があったので すが、これを除いて前年度と同じぐらいの比率でやったらどのぐらいの数字になるのか というのは、今日は持っていないのですが、一応そういったものも出した上で、どうな のかということをやるべきだろうというご指摘もあり、検討する予定です。ただ、これ は除いたとしても、下がっている数字が大きいので、若干は上がるでしょうが、そんな には変わらないと思っています。  いままで属性を調べていなかったので、表1-3に、4病院団体と日本医師会、ご回答を いただいた病院の所属団体を整理してあります。いちばん大きいのは日本医師会に所属 している病院が72.8%です。次が日本病院協会が34%、それから全日本病院協会が28.9 %、日本精神病院協議会が23%ということです。世間では、日本医師会は診療所だけと いう誤解を招くような情報が流れているのですが、私どもの団体には、こういう形で病 院の方々がこれだけ多数参加していただいているということを知っていただければと思 って、この表を付け加えてあります。  診療報酬等につきましては、あとで加納先生からご説明があるかもしれませんので、 これについては割愛させていただきます。大きな理由については、資料1-13頁、「CO2 排出量増減の要因」ということで、増えた要因と減った要因を主要な項目について整理 しました。増加の要因につきましては、表1-3のアンケート調査にもあるのですが、こ れは病院のほうに電気とかガスの使用量にどういう要因が影響していますかとお聞きし ています。増えた要因として、高度な医療・検査機器の導入、情報システムがあります。 これは結構熱が発生しますので、そういったところが増えている要因として挙げられて います。  減少の要因については、先ほど見ていただいたように、エネルギー消費原単位が減っ ているというのがまず1つあります。エネルギー転換工事の実施、これは2006年度に聞 いた過去5年間が11.1に対して、2008年度に聞いたところ19%という形で、聞いた対 象の病院の中の割合が増えております。ですから、経費節減の視点からも取り組んでい らっしゃるのかなと思います。  3番目は、重油・灯油から電力・ガスへのエネルギー転換工事の推進ということで、こ れは転換工事の内容について聞いたものです。やはりいちばん大きいのは重油、ガスか ら電気へというのが比率が高まっている。重油からガスというのは若干落ちているので すが、まだそれなりの高さがあるということです。灯油・重油からガス・電気といった ことも引き続きあるということです。全体的に特に電気への転換工事が進んだのが結構 大きいのではないかと思っています。  同時にエネルギーの使用量自体が、(4)電気-11.5、重油24.9、ガス27.3ということで 減っております。電力係数については、我々は2006年度から固定しておりますので変わ っておりません。ですから、電力係数を入れればさらに減る可能性はあるということだ と思います。  エネルギー使用面で見たエネルギー転換の結果、電気の比率が非常に高くなり68.6%。 重油・灯油が減ってきて14.1%、ガスも若干減って17.4%の結果になっております。  (6)様々な省エネ活動につきましては、資料1-19頁、2008年度と2007年度を併せて掲 載してあります。病院のスタッフの方は患者さんの命を預かる一方で、こういうような ことについてもやっていただいているということで、地道にこういったことをやってい きたい。先ほどのアンケートに際して数字だけですが、データをアンケートにするに際 しては、これも去年ご説明いたしましたが、病院のほうにフィードバックして、全体の 比率はこうですよと。あなたの病院で去年回答をいただいたのは、ここがやっていると いうことで、ここはやっていないという回答がありますよというのを、病院別にデータ を作って、ただ単に調査をするのではなく、実行に移すのがいちばん重要だと思ってお ります。ですから、フィードバックをすることは非常に重要だということで、2009年度 もデータの中にこれを入れてお返ししています。  (7)組織の有無に関わらない省エネルギーへの取り組み割合の増加ということで、前年 は60.1%が61.3%ということで、組織を作る、あるいは組織を作らないで、こういう対 応を図ってますよという病院の割合は若干増えております。  延べ床面積については、先ほど見たように減っていることも影響している。もう1つ は、資料1-22頁、患者さんの数は在院の患者さんの数や外来の患者さんの数、病床利用 率は全体的に減っています。こういうことも、これが良いのか悪いのかという話があっ て、我々としては何らかの阻外要因があるのではないかということで、本来病院という のは、国民の健康をいかに守るかということの機能ですから、こういうことでいいのか どうかというところは、ここでは触れていませんが問題意識としては持っております。  新たに付け加えた視点として、資料1-23頁、環境省でも出していることかと思います が「暖房デグリーデーと冷房デグリーデー」を今回付記しました。いずれも対前年減っ ています。いわゆる暖房負荷が発生する日にち、冷房負荷が発生する日にちが減ってま すので、これも影響したのかなということです。  資料1-25頁、これは規模別に見たところで、我々の1つの発見もあるのかなというこ とです。見ておわかりのように、横に見てU字型を取っているのです。ですから、必ず しも規模の小さい病院が発生原単位が少ないというわけではなくて、やはり、病院とし てある固定発生量みたいなものはあるのではないか。規模的には1万平方メートル前後の所で、底 になっているのですが、特に大きい所は当然大きいわけですが、小さい所も平米単位に 直すと結構上がっている。これは1つの発見だと我々は思っております。ですから、あ る固定の発生、これ以上割けないというか、そういったものがあるのではないかと思っ ております。  今後の見込みは、目標については達成するだろう。計画の数字については、取りあえ ず現行のままで、2008年度については石油などの高騰と暴落、それに伴う経済的な冷え 込みといったものも病院に影響がありまして、先ほど見たように患者さんの数に影響し ていると思っています。ですから、そういうような外部要因の変化が結構激しかったの で、取りあえずは冷静に見守っていきたいと考えております。  エネルギー源に伴うCO2ではないですが、医療用の一酸化仁窒素については順調にもの すごい勢いで、これは構造自体が変わっていますので、減っています。  昨年度のご質問について、若干お答えさせていただきます。アンケートを実施してい ない病院も含めて、5,680病院すべて自主行動計画に参加していると言うのは無理がある のではないかというご質問がありました。それについては、我々は長期にこの問題につ いては取り組んでいきたい。必ずしも問題意識が高い病院だけとは限らないので、これ を1つの機会と捉えて、このように先行的にやっていらっしゃる病院もあるし、あなた の所は必ずしも平均水準に達していないとか、そういったこともお知らせしながら、啓 発しながら全体的に取り組んでいきたいと考えております。  国内クレジット制度との関連で、国内クレジットの自主行動計画参加企業というのは、 計画を作ったところが大企業だという定義があります。これはこの会議の最後の結論で 是非触れていただきたいのですが、いわゆる行動計画を作ったところが大企業だという のは明らかにおかしい。もう1つは、今後は病院だけではなくて、法人が経営する施設 についてトータルのCO2排出量が省エネ法の改正で規制の対象になってくるわけです。で すから、必ずしも病院だけではなくて、病院に付随するいろいろな施設なども含めて検 討していかなければいけない状況になるわけです。ですから、自主行動計画の枠組み自 体については将来的にたぶん変わってくるでしょう。そういう状況の中で、果たしてい まの段階で絞り込むのはいいのかどうかというのは、そういう点からも全体を皆さんは 認識していただいて、関連する施設全体で取り組むことが大きな流れとして出てくると 思いますので、そういうところも展望しておきたいと考えております。  「アンケート実施対象を今後も広げていくための具体的な計画はありますか」という ことについては、エネルギー供給主体、いわゆる電力会社、都市ガス会社、この辺とも より以上に協力も得ながら、例えば電力の使用量にはスマートメーターみたいなものを1 つ付ければ、こんなのはすぐ集まる話であって、それを紙ベースで我々が一生懸命作ら なければいけないというのは明らかにおかしい。それも含めてこの会議では議論してほ しいわけです。もっと大きな枠組みとして議論してほしい。いま国がやっている25%の ことだけではなくて、もっと大きな枠組みで議論してほしい。というようなことを、今 後予定されている会議のレポートの中に入れてほしいと思います。  3番目は「今後はどのような削減対策や削減の余地があるのでしょうか」につきまして は、結構外部要因が動いているのと、自主行動計画の枠組みについても、たぶんこのま まいくとは考えられないのです。ですから、その辺の推移を見守りながら、我々は着実 にできることをやっていきたいと考えております。こちらからお願いしたいことも併せ て、若干触れさせていただきました。  病院の場合は、収入が公定価格なのです。来年度後の診療報酬についてもまとまりま したが、上がった数字が微々たるものなのです。なおかつ、薬の600億円という部分が 取り上げられました。いわゆる厚労省としてこういうことを進めるのであれば、財源的 なものも併せて検討しなければ話にならないわけです。我々から話を吸い上げるだけで はなくて、やる側に対してもこの会議の意見として、お金を手当しなければいけない。 去年、100億円が省エネ対策の予算が付いたという話ですが、100億というのはこれだけ に使えるのではなくて、いろいろなメニューで100億という数字です。  本当に取り組むのであれば、財源的なものも併せて国の担当省、いまの地球環境の環 境基本計画は経産省の大臣が言っているわけです。だから、厚労省もこういうことをや るのであれば、これに対する財源をどうするのか。そういったことも言っていかないと、 法律が先に決まってからキャップをかけられて、それが達成できなかったらそれを買わ なければいけない。病院は中国へ行って作ることはできないわけです。商社は作ること はできますが、病院は絶対に作ることができないわけです。その辺も併せて、厚労省に ついてはご検討をいただきたい。以上です。 ○森口座長 ありがとうございました。最後の点は特に病院に強く関わるところかと思 います。おそらく温暖化対策も全体的に言える部分もありますので、これも少し総合討 論的なところで是非取り上げさせていただきたいと思います。いまのご説明に対するご 質問、コメント等をお受けしたいと思います。 ○江原委員 図3-4、規模が大きい病院で、横U字型で原単位が増えているとお聞きしま したが、エネルギー増量型の設備は想像がつかないので、原因をおわかりになる範囲で 教えていただければと思います。 ○畑仲様 これについても委員会でご指摘があって、何で大きいほうが増えているのか ということで、我々も推測の域は出ないのですが、先ほど全体の病院の患者さんの数が ずっと減っている中で、大病院に患者さんの集中があると推測しています。これは加納 先生からお答えをいただいたほうがいいかもわかりません。そういう中で、稼働率みた いなものも大きな所は外部要因の影響は受けていないのかなと。これは推測でしかあり ません。 ○加納様 患者さんの数の問題ももちろんあると思うのですが、民間病院と公的病院と ありまして、この中には公的病院の数字は入っていないのですが、公的病院に匹敵する ような大きな病院をつくりますと、いま公的病院というのは非常に無駄な構造をしてお り、大きな吹き抜けのゾーンを作ったり、ホテル以上にゴージャスにする傾向がありま す。それに匹敵するような大きな病院になりますと、民間であろうが、それに近い構造 になる。私は構造的な無駄があるのではないかと思います。ガラス張りにしたらそれだ けエネルギーはいるわけです。変に大きな公的病院の展開の在り方、それそのものがエ ネルギー的には無駄な建物になっているのではないかと懸念しています。 ○森口座長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。 ○高村座長代理 昨年来、非常に丁寧に大小の規模のさまざまな条件の病院を抱えてい る中で努力をしていただいていることは、改めて感謝を申し上げます。いくつかの質問 があります。1つは、電力の係数はどういうふうに。 ○畑仲様 高めに固定しています。ですから、前年度と同じ数値です。 ○高村座長代理 もう1つは、1-8のところで、昨年、私がうまく趣旨をお伝えできたか わからないですが、非常に多彩な規模の病院を抱えているという意味で、包括的に取り 組みを恒常的にさせていくのは非常に大事だと思う一方で、他方、例えば省エネ法の対 象になるような、一定の大規模な病院に取り組みの重点を置いてもよいのではないかと 思っております。1-8を拝見すると、ほぼ1万平方メートル以上の所が大体省エネ法の特定事業者と 対応しているような形かと思います。1万平方メートル以上の所を見たときに、アンケート等で取り 組みが把握できていない病院はどれぐらいありますか。  3つ目は、むしろ希望ということになるかと思いますが、私も自治体で病院も含めて事 業者の取り組みを拝見していますと、やはり改修修繕時の省エネの取り組みが非常に大 きく削減効果があると感じております。そういう意味で、特に改修・建替え等のときに こうした取り組みが可能だといった具体的な例示、モデルといった形で出すことが可能 かどうか。以上です。 ○森口座長 1点目はお答えいただいたということで、2点目から。 ○畑仲様 規模との関係で言うと、これは平方メートルでなくて申し訳ないのですが、300、400、 500と大体分けているのですが、500床以上が55%、400〜499床が54%、300〜399床が 41%ということで、平均で32%の回収率になっております。ですから、大きな所につい ては半分前後です。ただ、全数は返っていない状況です。改修等につきましては、病院 の経営の状況というのは皆さんにはなかなかご理解いただけなくて。 ○加納様 少し力が入って言うかと思いますが。例えば、病院の利益率はいわゆる再生 産するためには最低10%以上の利益がないといけない。どの企業でもそうだと思うので す。いま民間病院の利益率で急性期の病院は実はマイナスで、この前の実態調査では- 1.2%です。ということは、再生産する力がないのです。ない中でどういうふうになるか というと、今回診療報酬の改定がありまして、実際に点々の延長線上ですが、表向きは 0.19%上がったと言われていますが、先ほど600億の財務省への実は裏納入がありまし て、それが0.16%ですから、引くと0.027%というのが今回の診療報酬アップです。30 何兆円の中で、100億円に満たないようなアップしかもらっていなくて、それが全国の診 療所から、病院からすべての医療機関で分けるわけですから、本当は実質的に上がって いないのです。  そういう状況下で今回の環境問題に取り組むということは、ある意味で我々は頑張っ ているのと、実態的には患者さんとか、そういった減少も多少影響していることも、い まの数字に結び付いています。いちばん問題なのは、経営的にはギリギリの中で私たち はどうしたらいいのだろうということです。実はもう1つ大きなことがありまして、民 間病院も含めて、病院の病床規制が昭和55年当時からあり、その当時に駆け込みで作っ た病院が老朽化して、それこそ電気関係からすべてある程度寿命がきている段階に入っ ています。いつクーラー設備が止まるかどうか、そういうことを心配しながらやってい る病院も多々あるのが現状です。本当は再生産したいのですが、先立ってそういった環 境等を考えながら建替え、また器材を替えることができない状況になっています。これ は物理的に私たちはできないのにどうしたらいいのかということでは、1つは税制面や診 療報酬とかいろいろな形があるのですが、やはりそういった金銭的なものをやってもら えないのだろうか。  もう1つは、国内クレジットは私たちは販売できないだろうかと。自主行動計画を作 ってしまうと駄目だとか、そういう話も出てますが、大きく利益を上げられている例え ば製薬メーカーさんに買ってもらうとか、アステラスさんに買ってもらうのも1つの案 かもしれませんし、大きなガス会社、電気会社に買ってもらうのもありかと思います。 特に中小の病院にとっては、そういった採算性は限界にきていますので、クレジットの 販売を病院ができないだろうかという意見が出ています。これはまた逆にそういったも のを検討していただけたらありがたいと思います。 ○畑仲様 補足で、国内クレジットのハードルが低いから、売れないかという話がよく 出るのです。もう一方、慎重であるべきだというのはハードルが高くなったときに、本 当にそこが達成できるのかという話が、逆に今度出てくる。この議論については、先生 のいまの見解と25%を設定されたときにクリアできない話になったときは、これを買わ なければいけない。そういうような状況もあるわけです。ですから、そこのところはか なり慎重に病院としては判断しなければいけない話なのかなということです。  厚労省もその辺の25%について、環境省に対してどういうふうにそれを言っていくの か。それについては慎重に検討しなければいけない話ではないかと思います。 ○森口座長 いまご指摘をいただいたことは、私もかなりいろいろな制度に関わってお りますので、是非最後のところで先ほどの電力排出係数問題も含めて議論をさせていた だきたいのですが、その前にもし病院に関わるところについて、各論でほかにご質問、 コメントがありましたらお受けしたいと思います。よろしいですか。  引き続き、畑仲様のご意見について確認させていただきたいのですが、国内クレジッ トに関して加納様からご発言がある前に、どちらの文脈でおっしゃったのかよくわから なかったのです。つまり、自主行動策定業種であっても、国内クレジットに参加できる ようにしたほうがいいとおっしゃったのか、逆だったのか、もう1回そこを明確にして いただきたいのです。例えば、大病院であれば自主行動計画策定ですが、例えばアンケ ートにも答えてこられないような所に関しては、自主行動計画策定業種とはみなさずに、 国内クレジットに参加させたほうがいいとおっしゃったのか、その逆だったのか、もう1 回お願いできますか。 ○畑仲様 まず国内クレジットが病院に対してどういうスタンスであるのか分からない のです。それを冷静にお話を聞きたいというのがいまの段階です。その上で判断したい と思います。どうも実態が先にどんどん動いてしまっている。というのは、医師会病院 の中でさえも売れないかみたいな。売れるのだったら、いまお金が入るのなら売りたい。 ところが、そのために自主行動計画から脱退するというか、自主行動計画に入っていま せんという紙にサインをしないと外へ出られない状況です。そうすると、これは非常に 矛盾した政策がいま動いているわけです。自主行動計画でちゃんと目標を設定して削減 しなさいという政策と、それを脱退しないと売れないよという政策がパラレルで動いて いる。そういうことについて、まずどういうことをおやりになろうとしているのですか ということを冷静に聞きたい。特にこれをおやりになっている所に対してです。まだそ ういう段階です。その上で我々としてどういう判断をしたらいいのか。25%の絡みでど うしたらいいのか。病院だけではなくて、ほかの施設も含めた規制が今後たぶん出てく るでしょうから、それとの絡みでどうしたらいいのか。そういう総合的な判断はこれか らしたいというのが私の意見です。 ○森口座長 ありがとうございました。それでは総合的なところに入らせていただきた いと思います。まず、厚労省さんの事務局にお尋ねしたいのですが、最初に座長から確 認しておくべきだったのですが、今回のこの会議への参加要請はどこまでされています か。つまり、環境省なり、経済産業省に対しても参加要請はされましたか。 ○海野政策企画官 いまのところでまとめて答えさせていただきます。いろいろ業界に よって国内クレジットの参加、不参加についてのご意向はおありになるかと思います。 それにつきましては、私どもとしてもできるだけ所管の局や課を通じて、お考えはよく 聞いていきたいと思っております。  これまでどうなっていたかと申しますと、実はクレジット制度自体は自民党政権下で、 環境省などを通じていろいろ情報提供はいただいていたのですが、政権が新しくなって からは、政府全体の取り組みとしてこれをどうするかという情報提供はいただいており ません。ですから、私どもとしてはいまの段階ではこれをどうするのかというお答えは なかなか難しいのです。これまではご存じのとおり、自主的に進める中で参加を募りな がら、私どもとしても業界等に情報を流させていただきながら、その都度取り組みはさ せていただいてきたと思っております。ですから、いまのお話のように、もし積極的に 関わっていきたいということであれば、私どもの関係の省庁に、そのような話を関係の 場で報告をしていきたいと思っておりますので、是非お聞かせいただきたいと思います。 今日のこの場でおっしゃっていただければ、私どもとしてもできる限りのことはしてい きたいと思っております。 ○畑仲様 いまの関係で経産省のほうで、一応説明していただいたのですが、資料をよ く読んだらどうも問題があるということと、先ほどご説明した実態が出てきたので、再 度、これについて経産省のほうに説明してくださいという段階でオファーはしています。 ○森口座長 私も国内クレジット認証委員会の委員をしているものですから、ある程度 関わっております。実態が出てきたというのは公立病院ではなくて、私立病院の中で自 主行動計画から抜けたことを確認された上で、国内クレジットの実施の事業者になられ た事業者が実際におられる、その計画をすでに立てられていることがあるということで しょうか。 ○畑仲様 そうですね。具体的に言うと、社団法人益田市医師会立益田地域医療センタ ー医師会病院というのがあって、ここがコンサルタントみたいな所から持ちかけられて、 「先生、こういうふうにやればお金が入りますよ」ということで申請して、認証番号も もらっているという状況があります。 ○森口座長 私もその委員会に出ている中で、厚労省さんのフォローアップに関わらせ ていただいていたので、早い段階で、例えば公立大学の附属病院等からの案件等が出て きました。そういったものについては病院の団体側でどういうふうに捉えているのかわ からないのですが、これについては国、あるいは自治体の部分については自主行動計画 が別の枠組みであるということで、そういう解釈をお聞きしておりました。いずれにし ても自主行動計画の策定業種、あるいは策定事業者はどこまで含むのかというのは、国 内クレジットの制度側にとってもいろいろ微妙な問題を含んでいると思います。何より もそれ以前に畑仲様からご指摘がありましたように、大きな対策をどう進めていくのか ということで、もっと大きな議論をすべきだろうというご指摘は、私個人的には同感で ございます。ちょうど明日も経済産業省内で国内クレジットの委員会が開かれますので、 その事前説明等を私は受けています。あるいは国内クレジットの委員会の場でも申し上 げておりますが、細かい積み上げも非常に重要である。ただ国全体としてどういう制度 で、どこの部分をどうしていこうかという全体像がなかなか見えにくいことは私も感じ ておりますので、今日の結果を踏まえて、こういうことがありましたということは明日 の国内クレジットの委員会でも発言はさせていただきたいと思います。それを1つの今 日のお答えとさせていただきたいと思います。 ○畑仲様 厚労省さんのほうに参考までにお聞きいただきたいのですが、これは我々の 去年のレポートをフォローアップでも書かせていただいておりますが、5、6%であれば かなり簡単な省エネチューニングで対応できるのです。ところが25%となった場合には プラント自体を変えないと絶対に対応はできません。そうなると、いまはハードルが低 いからいいですが、高くなったときに本当に病院が売れるのかと言ったら、売れない病 院がゴロゴロ出てきてしまいます。先ほどの加納先生のお話に付記すれば、病院の経営 はキャッシュフロー自体に苦しんでいる所が本当に多いわけです。来月払うお金がない みたいな状況の中で、どうしてそういう設備投資をエスコを使っても限界はある。そう いうような実態も踏まえて、25%というのは病院を管轄している厚労省が、25%にどう いうスタンスを取るのかということをやっていかなければいけない。そのためには財源 を取ることも併せて行政としてはやらなければいけないと思います。 ○加納様 もう1点、認識を是非ともやっていただきたいのは、病院の数のうち公的病 院と言われているのは2割です。2、3、4、8、7、6の法則があって、病院数でいくと公 的病院は2割、ベッド数は3割、30%です。救急車の搬入を受けている数は4割です。 そうなると民間病院はどうなのかというと逆なのです。日本のすべての病院の中で8割 が民間病院で、ベッド数は7割、救急車の搬入を受けているのは6割ということで、非 常に民間病院は大きな役割を皆さん方のイメージ以上にしています。それが窮地に立た されている状況です。絶滅に瀕している状態で、どうしてというところです。これは本 当に社会的に大きな問題と認識していただきたいと思います。 ○森口座長 ありがとうございました。これも座長としては踏み込み過ぎた発言になる かもしれませんが、いろいろな自主行動計画、フォローアップに関わっていて、経産省 のいちばん元のところ、あるいは環境省所管業種もやっておりますし、ここにも参加さ せていただいているのですが、どうしても各省の所管業種であるからということで、各 々の省でやられる。正直申し上げて、ご担当のほうでも当然人事異動等もありますし、 こういったことに関しては専門に所管しておられるわけでもない。こういったことの中 で、各省の、所管省だけでできる部分というのはなかなか難しいところがあるのだと思 います。一方で所管省であるからこそできる部分もある。予算要求等に関しては、まさ にそういったところかと思います。これは年に1回だけこういう場でということですと、 まさにおっしゃったとおりで、そのあとのフォローアップができない。  1回だけフォローアップをして報告書を出すと、それっきりになってしまうことにもな りかねないので、厚労省さんの中で今回のものを踏まえて、今後の厚労省さんとしての 所管業者に対する措置といったものを何らかの形でお考えいただくことはあり得るのか どうか。各省所管ということで言えば、それがいいかどうかは別として、エコポイント であれば通信事業をやっている総務省さんも深く関わっておられる。あるいは住宅のエ コポイントであれば国交省さんも出ておられる。病院の場合エコポイントが成り立つの かどうかはわかりませんが、施設整備も含めて、厚労省さんのほうでいまの所管業から のご要望に対して何らかの形でご検討をいただけるものかどうか。これは委員のほうに もご意見を伺いたいとは思うのですが、そのことで特にご発言がありましたので受け止 めていただければと思います。  今日は電力の話がありましたが、電力排出係数問題にも私はかなり関わってきまして、 三業種三社三様の対応であったかと思います。生協さんについては固定と現在のクレジ ット反映前と反映後と3つ並べてお示しいただきました。製薬さんについては、現状の クレジット反映後を基本としつつ、クレジット反映前についてもお示しいただきました。 病院さんについては固定の数字でやられている。それぞれ意義があって、全体的な目標 値の関係で言えば、原子力が止まったことによる排出係数増の分を、クレジットで埋め 合わせておられる電気事業の努力は評価すべきだという議論になると思います。  一方でユーザーさん側の省エネ努力ということで見れば、固定係数みたいなもので見 ていかないとなかなか見えにくい。特に前年度との比較においてどうなったのかという ことで、やはりクレジット反映後の数字だけでは非常に見づらいことはあるかと思いま す。そういったことについても、この場だけではなくて全業種に共通する問題ですので、 そういったことも別の場でも申し上げていきたいと思います。  私ばかりしゃべり過ぎましたが、全体を通じて、今日は各業種から取り組みのご紹介、 あるいはご要望的なものもございましたが、それにつきまして各委員から何かありまし たらご意見を頂戴したいと思います。特に病院からはかなり強いご要望といいますか、 この委員会を通じて、厚労省さんのほうに対して何か委員会の意見としてもしっかり言 ってほしいというご意見だったと思いますが、いかがですか。 ○高村座長代理 もう森口座長がまとめてくださっている点ですので、若干繰り返しに なるかと思いますが、基本的には各団体から出された全体に対する要望というのは何ら かの形で報告書に記載したほうがいいのではないかと思っております。書く書き方と言 いましょうか、どこに書くかというのはありますが、例えば先ほどの国内CDMの問題と いいますか、自主行動計画の参加者にはアクセスはできないという点は、おそらく制度 自身の不公平感の問題だと思うのです。例えば生協さんに対しても同じようなことは起 こり得ると思うのです。自主行動計画で努力を真面目にしているけれども、逆に、自主 行動計画に入っていないチェーンストア業界のある団体のところはCDMができるといっ たように、制度の公平性の問題をご指摘になっていると思うのです。書き振りについて はご相談をするとしても、指摘をきちんと受け止める必要があるのではないかと思って います。  もう1つの係数の問題も、今回生協さんや製薬会社さんは非常に丁寧に出していただ いておりますが、同じように係数問題をトータルでどうするかということは、とりわけ 国内の排出枠取引制度の議論が入ってきますと、必ず議論になる点だと思いますので、 この点についてもやはり報告書に付記していただくほうがいいのではないかと思います。 以上です。 ○森口座長 ほかにはいかがでしょうか。各委員から追加で何かご発言はありますか。 よろしいですか。あるいは最後に病院からご要望といいますか、言及があったクレジッ ト制度等々につきましても、生協さん、あるいは製薬業界さんからございましたらお願 いします。よろしいですか。たまたま先ほど病院から、例えば製薬さんとの間で何かと いう話がありましたが、これが国内クレジット制度になりますと、全体の排出削減枠を 括ってしまうことになりますので、場合によってはオフセットクレジットのようなもの で、製薬さんで何かオフセットをしていただいて、それを病院さんに回していただくこ ともあるかと思います。これは全く公式発言ではございませんので、全く思いつきです。  折角同じ厚労省さんの所管でありますし、先ほど営業車の話もありましたが、いろい ろな意味で関わりの深い業界かと思います。基本的に非常に経済情勢が厳しい中で、そ れを克服することと温暖化対策を両立させる。あちらを立てればこちらが立たずになっ てはいけないと思います。是非、そういったものを両立する解を見つけていかないとい けないだろう。  そういったところが、あえて霞ヶ関で、こういう場で申し上げますが、やはり国が示 してほしいということは何度も言うわけですが、なかなか難しい。むしろボトムアップ でそれぞれの所がやっていくほうが現実的かなというところがあります。もちろんトッ プダウンでやれるものも多々あると思いますが、それを期待するとともに、関わりの深 いところからやれることについて、知恵を出していただければ進むのではないかと思い ます。いろいろフォローアップということで仰せ付かったことからは、やや出過ぎたこ とをいろいろ申し上げましたが、そのことも含めて引き続きよろしくお願いします。  特に追加のご意見がないようでしたら、いままでいただいた意見をもとに、まず事務 局で報告書案を作成した上で委員の皆様に報告書案を送付し、ご確認をいただくことに したいと思います。なお、冒頭で事務局からご紹介がありましたように、資料5として 会議後のスケジュールとして追加質問の受付があります。今日は重要な質問については ほぼしていただいたかと思いますが、資料を改めて読み直して追加の質問をしたいこと がありましたら、非常にタイトなスケジュールですが是非期限厳守でお願いしたいと思 いますが、追加質問をお送りいただき、それに対する回答等の手続を踏んだ上で、最終 的な報告書の取りまとめにさせていただきたいと思います。今後の予定等について、再 度事務局から確認をお願いします。 ○海野政策企画官 いま座長からもおっしゃっていただきましたが、いちばん最初に申 し上げたとおり、資料5の会議後のスケジュールで進めさせていただきます。非常に今 年度はタイトなスケジュールで、いま団体からご要望等が出ましたので、そちらのほう もできるだけ踏まえて関係局・課とも相談させていただいて、なるべく早く報告書案を 作成してご協議をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 ○森口座長 本日は大変お忙しい中をありがとうございました。これで閉会とさせてい ただきます。                      【照会先】                       厚生労働省 政策統括官                        労働政策担当参事官室                         (代表)03-5253-1111                         (内線)7718