10/02/08 第1回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議速記録 第1回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議  日時:平成22年2月8日(月)10:00〜12:00  場所:九段会館 鳳凰の間  出席構成員:五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員、小川構成員、        落合構成員、川西構成員、白幡構成員、友池構成員、樋口構成員、        藤原構成員、堀田構成員、村山構成員、山本構成員、横谷構成員、        吉村構成員 ○事務局  それでは、定刻になりましたので、ただ今より、第1回医療上の必要性の高い未承認 薬・適応外薬検討会議を開催いたします。  本日、事務局を務めさせていただきます医薬食品局審査管理課の中山です。よろしくお 願いいたします。  開催に当たりまして、まず医薬食品局長高井よりご挨拶を申し上げます。 ○医薬食品局長  医薬食品局長の高井でございます。寒い冬の折、先生方には本当にお忙しいところ、こ うして本検討会にご参加いただきました。心より御礼申し上げる次第でございます。  厚生労働省におきましては、平成17年から未承認薬使用問題検討会議、また平成18年か らは小児薬物療法検討会議を開催して、それぞれ国内で必要性が高い未承認薬と小児用薬 について、承認に向けての方策を検討してきているところでございます。  このたび、この両会議を発展的に改組いたしまして、新たに医療上の必要性の高い未承 認薬・適応外薬検討会議を開催させていただく運びになっております。本検討会におきま して、未承認薬と小児用薬を含めた適応外薬について、広くご議論いただきたく存じてお ります。  また、検討会議の開催に先立ちまして、学会、患者会等より未承認薬・適応外薬の開発 に関する多数の意見を賜りました。今後、先生方のお力添えをちょうだいいたしまして、 要望を受けた医薬品につきまして、様々な角度から検討をいただくことで有意義な検討会 議になることを考えております。今後、先生方のご協力をいただきまして、我が国におい て必要性の高い医薬品が、早期に医療現場で使えるように取り組んでまいりたいと考えて おります。  会議の開催に当たりまして、趣旨をお話しさせていただきました。どうぞよろしくお願 いいたします。 ○事務局  どうもありがとうございました。  それでは、カメラの方は退席いただくようお願いいたします。 〔プレス退席〕 ○事務局  それでは、まず本検討会議の構成員の先生方をご紹介させていただきます。お手元に座 席表と資料1というのがついている名簿がありますのでご覧ください。五十音順でご紹介 させていただきます。  まず、東京大学医学部教授、五十嵐隆先生。 ○五十嵐構成員  よろしくお願いします。 ○事務局  香川大学医学部教授、伊藤進先生。 ○伊藤構成員  よろしくお願いいたします。 ○事務局  今日はご欠席ではございますが、国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センタ ー長、井上達先生であります。  さらに、また欠席でございますが、日本医師会治験促進センター長、岩砂和雄先生です。  さらに国立病院機構東京医療センター病院統括診療部長・治験管理室長の岩田敏先生で す。 ○岩田構成員  岩田でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局  今日はご欠席でございますが、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授、大塚頌子先生 です。  国立感染症研究所感染症情報センター長、岡部信彦先生。 ○岡部構成員  どうぞよろしくお願いします。 ○事務局  国際医療福祉大学三田病院病院長、小川聡先生。 ○小川構成員  小川です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局  東京慈恵会医科大学産婦人科教授の落合和徳先生。 ○落合構成員  落合でございます。よろしくお願いします。 ○事務局  国立医薬品食品衛生研究所、川西徹先生。 ○川西構成員  川西でございます。よろしくお願いします。 ○事務局  杏林大学医学部教授、後藤元先生はご欠席であります。  北九州総合病院副院長、白幡聡先生。 ○白幡構成員  白幡です。どうぞよろしくお願いします。 ○事務局  国立循環器病センター病院長の友池仁暢先生。 ○友池構成員  よろしくお願いします。 ○事務局  国立精神・神経センター総長、樋口輝彦先生。 ○樋口構成員  よろしくお願いいたします。 ○事務局  国立がんセンター中央病院臨床試験・治療開発部長、藤原康弘先生。 ○藤原構成員  よろしくお願いします。 ○事務局  独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長、堀田知光先生。 ○堀田構成員  よろしくお願いします。 ○事務局  昭和大学病院薬剤部長、村山純一郎先生。 ○村山構成員  よろしくお願いいたします。 ○事務局  東京大学医学部アレルギーリウマチ内科教授、山本一彦先生。 ○山本構成員  山本でございます。よろしくお願いします。 ○事務局  国立成育医療センター第一専門診療部長、横谷進先生。 ○横谷構成員  横谷でございます。 ○事務局  東京理科大学名誉教授、吉村功先生。 ○吉村構成員  吉村です。よろしくお願いします。 ○事務局  次に、行政側の出席者を紹介いたします。奥の座席中央、医薬食品局長、高井でござい ます。 ○医薬食品局長  高井です。よろしくお願いします。 ○事務局  向かって右の座席ですが、大臣官房審議官医薬担当の岸田でございます。 ○医薬食品局審議官  岸田でございます。 ○事務局  こちら側に移りまして、先生方から向かって私の右隣が、医薬食品局審査管理課長の成 田でございます。 ○審査管理課長  よろしくお願いします。 ○事務局  その向かって右へ、医政局研究開発振興課長の千村でございます。 ○研究開発振興課長  よろしくお願いします。 ○事務局  同課治験推進室長、佐藤でございます。  同課課長補佐井本でございます。  向かって私の左隣が、保険局医療課薬剤管理官、磯部でございます。  本検討会議では、名簿の下にも記載してございますように、検討分野によっては、必要 に応じて、適切な方に適宜参考人としてご出席をお願いするということとしております。  続きまして、座長の選出に進ませていただきたいと思います。お手元の資料2に開催要 綱がございますけれども、この中で、開催要綱の3の2番目の丸にありますように、座長 を選出することとしています。事務局といたしましては、昨年まで本会議の前身である未 承認薬使用問題検討会議において座長もお願いしておりました堀田先生に、本検討会議の 座長を引き続いてお願いしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。 〔拍手〕 ○事務局  ありがとうございます。  それでは、座長は堀田先生にお願いしたいと存じます。  堀田先生、座長席へ移っていただけますでしょうか。  では、堀田先生、以降の議事進行をお願いいたします。 ○堀田座長  昨年まで未承認薬使用問題検討会をやらせていただきました。これが昨年の10月で最終 の会を終えまして発展的に改組するということで、今般、その未承認薬使用問題検討会議 と小児薬物療法検討会議が、双方発展的な改組という形で今日お集まりいただきました。 何名かの先生は引き続きご参加いただいておりますが、新しい先生方もいらっしゃいます。  この会は、今日は傍聴の方もいらっしゃっているように、大変注目度の高い重要な会と 認識しておりますし、我々のこの会のミッションは何であるかということを、最初にきち んと整理した上でスタートしたいと考えております。  いずれにいたしましても、この会の開催に先立ちまして、本年度補正予算という形で大 型のものがついたんですが、途中で見直しになって未承認薬だけついたという形になりま した。しかし、その後いろんな仕掛けが用意されまして、それも中医協のほうからその形 でおりてきているわけでありますが、私どもとしては、特に医療上必要性の高いものを仕 分けて未承認で重要なものを、早く臨床現場に持っていくためのお手伝いができればとい うふうに考えておるところであります。  そんなわけで、今日は、この会にいろんな分野の専門の有識者の先生方お集まりであり ます。その専門分野のご意見もさることながら、この会が全般的に未承認薬のあるいは適 応外薬をどのように具体的に解決していくかという観点に至って、公正、公明にご審議い ただければというふうに考えておるところであります。  以上、挨拶をさせていただきました。  それでは、本日の配布資料の確認を事務局から行ってください。 ○事務局  それでは、配布資料の確認をいたします。お手元資料1が、先ほどご紹介させていただ きました構成員の名簿でございます。  資料2が、本検討会の開催要項(案)であります。  資料3は、検討していただく事項の案をまとめたものであります。  資料4は、未承認・適応外薬の開発の要望の公募を行いましたけれども、それについて まとめたものです。  資料5につきましては、その寄せられた要望を取りまとめたもの、一覧表です。事前に 構成員の方にお送りしたものから表に修正を加えていますので、こちらに差し替えていた だければと思います。  資料6につきましては、本会議における検討の進め方についてであります。  資料7は、新薬創出・適応外薬解消等促進加算についての説明です。  資料8−1、8−2は、この有識者会議の下に置こうと考えております専門作業班、ワ ーキンググループの設置についてであります。  さらに9−1から9−3は、未承認薬開発支援事業についてです。  また、先生方のお席には、資料9−4といたしまして、支援上限額(案)についてを配 布しています。資料9−4につきましては、現時点で開発企業名等を公開できない企業が あること、また各社の経理上のノウハウであることなどから、非公開資料の位置づけとし て構成員の先生の机の上のみに配布させていただいております。会議終了後には回収させ ていただきますので、お席に残しておいていただくようお願いいたします。  それと、参考資料といたしまして1から3、4−1、4−2とありまして、さらに5− 1、5−2、6と配布させていただいております。  資料不足などございましたらお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。  それでは、座長お願いいたします。 ○堀田座長  ありがとうございます。  それでは、資料の落丁等がありましたら今お申出いただきますようにお願いいたします。  議事次第に基づきまして、本日の会合の趣旨を事務局のほうから説明していただきたい と思いますので、お願いします。  たくさんの資料ですから、途中で確認しながら進めてまいりますので、手元の資料をお 目通しいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局  それでは、ご説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料2と資料3とついております開催要項と検討事項ということでまとめさせて いただいたものに基づきまして、ご説明させていただきたいと思います。  これまでもお話には出てきておりますけれども、厚生労働省のほうでは、未承認薬使用 問題検討会議と申しまして、未承認薬についての開発をすべきものを選定し、その開発を 募集するという手続で未承認薬についての解消を図ってきました。さらに、小児の薬物療 法ということで、小児の適応外の問題についてもできるだけ要望の高いものについては解 消していこうという取組も続けてまいりました。  ここに来まして、その両検討会議を発展的に改組するという形で、適応外につきまして も小児だけでなくて全ての分野にわたってということで、まずは要望を取りまとめまして、 その取りまとめた未承認薬と適応外薬の要望について、医療上の必要性を評価した上で開 発を要請するという流れをとっていこうということで、この会議が設置されたという状況 でございます。  会議の目的については、まず開発の要望としてどういう条件をつけたかというところで すけれども、まず欧米の米、英、独では使用が認められているけれども国内では承認され ていないというタイプの医薬品の適応について、その開発の要望があるものをエビデンス もつけていただいた上で出してくださいという形をとりました。そういった要望が集まっ てきているわけですけれども、それについて医療上の必要性、これについても一つの基準 となるものは後で触れさせていただきますが、医療上の必要性を評価する。さらに、医療 上の必要性の高いものを選ぶことと、その選ばれたものについて、製薬企業に対して開発 の要請を行うわけですけれども、その開発の要請を受けた企業が、その承認を得るに当た って、その承認申請をする方法として、一つのやり方としてはいわゆる公知申請というも のに該当するかどうかということ、また、公知申請に該当しないというものであれば、追 加の何らかの試験を実施した上で承認申請まで行くということを考えた場合に、どういっ た試験を追加する必要があるのかということを検討することとしています。  それがここの検討事項で書いてあるとおりでありまして、医療上の必要性とともに公知 申請への該当性又は追加実施が必要な試験についての評価を行う。ここがこの検討会議で お願いしたい2つの大きな柱であります。  さらに、実際に企業がその開発を進めるという段階になるわけですけれども、そこにつ いてある一定の定期的にということでありますけれども、開発状況についてもこの会議で は確認をお願いしたいというふうに考えています。実際、その後、保険のほうの話が後で 出てくると思いますけれども、保険のほうでの評価というものがまた加わるという形にな ります。  さらに、もう一つ、今の流れとは少し別になりますけれども、この前身の未承認薬使用 問題検討会議において、開発を進めるべきとされながらもなかなか開発が進まなかったと いう14品目がございました。それについて、今年度の補正予算で開発助成という形をとる わけですけれども、その開発助成の是非であるとか、支援額の上限というものについての 検討確認も行っていただきたいということでありまして、これについても後ほど説明がご ざいます。  構成員につきましては、簡単に申し上げますと、今回は広い分野の要望が来ております。 したがって、PMDAには1部から5部までそれぞれの分野に応じて部が分かれておりま す。さらに生物部というのもございます。そういった部ごとの有識者の方々という考え方 で、専門が偏ることなくある程度均等になるようにということで選ばせていただいていま す。さらに、小児の分野についても力を入れてきていますし、これからも力を入れたいと 思っておりますので、小児分野ということでの代表の方にも入っていただく。あと、非臨 床ですとか、治験とか、生物統計とか、そういった分野の方々にも加わっていただいたと いうことで構成員を選ばせていただいているというところでございます。  運営につきましては、2月に始まり、3月から4月に再度お願いしなければいけません し、6月、7月にもということで、この半年の間には3回なり4回といった回数をやらな ければいけないのではないかと思いますけれども、概ね年4回を目途ということで、必要 に応じて随時ということで開催させていただきたいと思います。  あと、検討会議については、知的財産等に係る事項を除き原則公開す。議事録を作成し て公表するということにしております。  さらに、後でご説明しますが、検討会議の下にワーキンググループ、実質の作業を行っ てもらうメンバーの作業班を組織させていただきまして、そこで作業を進め、その結果を 取りまとめた上でこの検討会議に諮りまして、最終的にご討議をいただくという予定とし ています。  この会議につきましては、審査管理課が実質の事務局となりますが、研究開発振興課、 あと保険局の医療課も関係してきますので、随時協力していただくという形で進めたいと 考えているところであります。  まず、この検討会議につきましては、以上でありますが、あとつけ加えますと、今回は まだいいんですけれども、次回以降からは、どうしても個別の医薬品に係る検討というこ とになってまいります。したがいまして、そこで利益相反の関係についても確認させてい ただく予定ということとしておりますので、ご承知おきいただきたいと思います。  以上です。 ○堀田座長  ありがとうございました。  未承認薬・適応外薬のうち医療上の必要性の高いものを取り上げて、これを公知申請が 可能か、もしくは追加の試験が必要かどうかということをここで審議していただくわけで す。未承認薬使用問題検討会については未承認薬だけでしたので、これは当然薬事法の承 認を得るということが大前提になるわけですが、適応外薬については様々な議論が実はい ろいろされているところです。保険上の問題との絡みが当然あるわけで、この辺について は、この会として承認を得るという形での整理をするということに一応なってはいると思 います。この辺について何かご意見いただける先生方ありますか。  はい、藤原先生。 ○藤原構成員  がんセンター病院の藤原でございます。  いただいた資料、私、抗がん剤の治療が専門なんですが、見たんですけれども、適応外 がやはり非常に多いですね。昨今現場では、社会保険診療報酬支払基金という保険の査定 をする部署が、抗がん剤の適応外使用については査定するなというような文書を時々出し ています。この仕組みは適応外の場合、別に薬事法の承認がなくても査定されないという ことで現場にとっては非常にいいんですけれども、今回のリストを見ても既に査定しなく ていいですよと基金に言われている品目もあったりして、基金での判断とここの会議での 判断とのずれとか、多分早目に整理しておいたほうが、我々が報告書を例えば書くときな んかでも助かるかなというふうに思うんですけれども。 ○堀田座長  まさにそのとおりで、要するにこれは薬事法上の承認を得るということと、それから保 険の償還との関係をきちんと整理しておかないと2本立てになってしまうということです。 その辺についてはどうでしょう、保険局のほうから何かご意見ありますか。 ○医療課薬剤管理官  保険局医療課の薬剤管理官でございます。突然の質問でございましたので、なかなかあ れでございますが、これまでも薬事の承認を受けた内容について、それを一言一句守って 保険の審査の査定をするというものではなく、適宜医学的な常識に基づきまして、専門家 の先生方の審査委員会で判断をされてきたところだと思います。  保険のほうの審査においては、確かに今藤原先生がおっしゃったように、特に薬事の承 認内容が非常に厳格に用法用量を決めていることもございまして、かなり厳密な査定を行 ってきたのが正直なところであろうと思います。今の藤原先生のお話で、こういうものは 保険の審査で認めるというような通知、私は承知しておりませんけれども、そういう中で 現実に即して医学的常識判断に基づいて、支払基金のほうでそういった形の対応が図られ ているものと思っております。  ただ、ここの場で、じゃ、個別にこれは保険の審査が認められているかどうかとか、1 個1個整理をしていこうとすると、なかなかそれは現実的には非常に難しいところがある んではないかなというふうには思っておるところでございます。 ○堀田座長  藤原先生、いいですか。 ○藤原構成員  思うところはありますが、いいです。 ○堀田座長  保険のほうで認めるにしても、何らかのエビデンスに基づいて認めなきゃいけないとな ると、ここでするような議論が基本的にはあってしかるべきだと私は思うんです。それは 余りストリクトにどうのこうのではなくて、一定、どういうエビデンスに基づいてそれを 保険として認めていくかということが明確であれば2本立てでもいいのかなというふうに 思っています。ほかの先生方、何かこの辺でご意見ありますでしょうか。  はい、どうぞ。 ○山本構成員  がんのお話が出たので、我々は膠原病、リウマチ性疾患膠原病なんですが、極言すると この病気で認められているのはステロイド薬だけなんです。それを、だけれども重症の患 者さんがいっぱいいらっしゃってそれ以外の薬をたくさん我々は使っております。それは みんな要するにどこの責任かというのがあいまいなまま使っているということなので、そ ういうことも、ここで細かいことは、今は議論したくないですけれども、そういうことも 知っていただきたいと思います。  以上です。 ○堀田座長  この検討会の範囲を越えるような話がどうしてもまじってきてしまうんですね。例えば 中医協での議論だとか、あるいはほかの医薬行政に関する検討会というのもあったりして、 そういうところで本来議論すべきものをここで全部やれるわけではないので、その辺の役 割分担をはっきりさせていかなきゃいけないだろうというふうに思っています。  はい、どうぞ、伊藤先生。 ○伊藤構成員  小児の分野もたくさんの適応外薬があります。それで保険との関係で問題になっている のは、保険上認められたら企業が開発しなくなるのが問題になります。やはり別個に考え ていただかないといけないんじゃないかなと思っております。 ○堀田座長  ありがとうございます。  ほかの先生方、何か。この会のミッションというか、認識を共通させておかないと、後 でその根本に立ち戻るような議論になってしまうと困りますので、よろしくお願いしたい と思います。いかがでしょうか。  はい、藤原先生。 ○藤原構成員  今回のこの資料を見させていただくと、日本以外の国というのは、薬事法の承認と保険 償還の判断って割と分けてというか、両立して診療現場でされていて、要するにアメリカ のFDAとかヨーロッパのEMAが向こうの薬事法上の承認を与えていなくても、いろん なエビデンスが現場で蓄積されてくれば、それを基に保険者、すなわち支払いの側のほう が学術雑誌に公表される臨床試験成績を判断して、保険償還できると判断をしているので、 薬事法上の承認が臨床研究の進歩に追いついていかなくても、現場は困らないという実態 があるんです。  しかし一方で、不適正使用是正あるいは薬害救済の観点から考えると、日本では薬事法 の承認がきちっとあれば、例えば健康被害の補償が受けられたり、安全性のフォローがき っちり企業に義務化されているというメリットもあるので、今後の当会議での審査や、将 来、欧米のような薬事法承認と保険償還を分けて考える仕組みを日本に導入する際には注 意が必要だと思います。 ○堀田座長  事務局のほうから何かこれにコメントありますか。 ○医療課薬剤管理官  余りこの場は私の出番ではないのかなと思いつつも、保険に関するお話がございました。 確かに今、藤原先生がおっしゃるように、諸外国では薬事の承認の範囲と保険の適用の範 囲と異なることがあり、若干保険の適用のほうが広目でやられている国が多いかと思って おります。  我が国の場合は、同じ厚生労働大臣の下で薬事の承認審査も行われ、保険の可否も決め られるということでございます。それで、私ども保険の適用の判断をする上では、その医 薬品が有効で安全なものかどうかというのが判断基準でございまして、有効性、安全性が はっきりしない薬ですと保険ではなかなか認めがたいというところであるわけです。そう 考えていきますと、この判断は、薬事と保険とは限りなく近づいていくはずでございます。 そのため、私ども保険局のほうにおきましては、保険適用の範囲は薬事の判断に従うとい うことを基本としております。  ただ、保険の審査をする上では、その患者さんの状況ですとか、そういったことを踏ま えて個別の判断が保険の査定の段階では行われているということを承知しているというこ とでございまして、私ども、同じ厚生労働省の中でやっている以上、なかなかそういった、 逆に言えば、薬事では認めていないんだけれども保険で認める、それはどういう部分を認 めていくのか、どういうエビデンス、評価基準に基づいて行うのか。また、保険局でそう いった評価を行う体制をどのように構築するのか、大きな話になってまいりますので、現 時点ではいろいろご議論はあろうかと思いますけれども、薬事の判断を基に判断していく と、そういったことが私どもの今の方針であるということをお伝えしたいというふうに思 います。 ○堀田座長  そのほか、五十嵐先生。 ○五十嵐構成員  小児のことで1つだけお話ししたいんですけれども、外国でもそういう傾向が強いかも しれませんけれども、日本では特に小児での適応はない、あるいは小児では経験がないと いう薬剤がほとんどなわけです。ですから、つまり小児のことは全く無視して、使用され る量の多い成人にだけいろんな研究があるいは実際の治験が行われて、それで認められて いるというのが日本の薬事行政の実態だと思うんです。ですから、小児のことについては、 日本で治験をやらない場合も、外国で確固たるものがある場合にはそれを積極的に認めて いくというような、少なくとも例の効能書のところに、外国ではこういうふうに使われて いるとかそういうものを入れていただければ、全ての薬物が子供の治験をやらないと使え ないというふうに必ずしもしなくても結構ですから、確固たるものがある場合には、そう いうものをお認めいただけるような方向でやっていただきたいと、基本的な姿勢としてお 願いしたいと思います。 ○堀田座長  村山先生。 ○村山構成員  昭和大学病院の村山でございますが、小児の薬剤の立場から、実は今日の資料の中にも 未承認薬は14品目というのが結構明確にされておるんですが、小児については、前回の小 児薬物療法検討委員会で相当議論がなされまして、大分煮詰まっているものもございます ので、ぜひそちらのプライオリティをつけて優先的にやっていただきたいなということ。  それから、もう一つなんですが、小児適応の場合には、成人のミニチュアじゃないとよ く言われるんですが、成人の薬剤を加工して使われる、こういうことが多々あるわけでし て、それが果たして小児にとっていいのかどうか、その辺も含めて製造業者等々のご協力 を得ながら開発のほうにもインセンティブを持っていただいてというようなこともこの会 議で進めていただければと思います。  以上です。 ○堀田座長  ほかの先生、いかがでしょうか。  山本先生。 ○山本構成員  最初なので、幾つかの問題で、いっぱいありますけれども言わせていただきますが、多 くの分野でそうだと思いますが、今、治験は国際共同治験が進んでいるわけです。グロー バルな企業がほとんどそれをコントロールしているんですが、日本は例えば我々の領域で すと、残念ながら先ほど言っているように使える薬が限られておりますので、ベースとな るコントロールになり得ないですね。ですから、アジアの国々が現在ほとんどの国際共同 治験に参加していても、日本だけは参加していないという現実がありますので、今、後れ ているのは事実ですが、ますます後れるということだけは指摘させていただきたいと思い ます。 ○堀田座長  ありがとうございます。  ほかにはいかがでしょうか。  はい、横谷先生。 ○横谷構成員  横谷です。小児のことがちょっと出てきたので、もう一押しお話しさせていただきたい んですけれども、小児のオフラベルの問題は非常に大きな問題で、現場で大きく困ってい るということがあることは皆さんよく認識してくださっていることだと思いますし、その ためにこの小児、特に小児に関係あるというのは、このリストの中で丸がついているとい うことで注意を喚起してくださっているんだと思って感謝しております。  小児の開発において問題なのは、日本の開発というのが、例えば13品目、村山先生おっ しゃいましたけれども、特にそういう形でもってプライオリティを持ってどんどん進めて いただきたいという希望は強く持ちますけれども、その末広がりには物すごくたくさんの 薬剤があり、そしてEMAなどでは非常に早い速度でもって数百を承認しようという方向 で一挙に動いているということも考えて、日本でもそれと似たような大きな力を働かせて いただき、つまりプライオリティはあるんだけれども、その次、その次ということを段階 を踏んだ大きな力を方向づけしていただきたいというのが大きな希望です。 ○堀田座長  まさにそれをここの会で仕分けしていくということだと思います。後で出てまいります けれどもたくさんの要望品目がございまして、特に適応外薬が非常にたくさんあります。 現場ではもちろん切実な要望ばかりだと思うんですが、全部を一気にというわけにはいか ないかもしれませんので、重要度である程度ランキングをしなきゃいけない場面も出てく るかというふうに思っております。  そのほかいかがでしょうか、先生方、よろしいでしょうか。  最初ですので、この辺のところをきちんと皆さんで共有しておいたほうがいいかなと思 いまして、少し時間をとらせていただきました。  それでは、議事の4のほうに移りたいと思います。医療上の必要性の高い未承認薬・適 応外薬検討会議における検討の進め方についてということでございます。事務局のほうか らお願いします。 ○事務局  それでは、資料4をご覧いただきたいと思います。これまでにやってきたことについて 説明させていただきたいと思います。  実は、先ほども申し上げたとおり、まずは欧米で使用が認められているものを対象とす るということで、国内で承認されていない医療上必要な医薬品や適応について、厚生労働 省のホームページで公募する形をとりました。それが昨年の6月18日から8月17日までと いうことだったわけですけれども、真ん中の四角にありますとおり、公募する要望の条件 としましては、繰り返しになりますが、未承認薬については欧米4カ国、米、英、独、仏 のいずれかの国で承認されていることを前提の条件としました。適応外薬については、欧 米での4カ国での承認に加え、公的医療保険制度の適用も含むということで、公募する要 望の前提条件としました。  その次に、今度は医療上の必要性が高いという条件に該当するものを公募の条件とさせ ていただきましたが、まず、大きな1つ目としては、適応疾病の重篤性が次のいずれかの 場合であるということで、アとしまして、生命に重大な影響がある疾患、致死的な疾患、 イとしまして、病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、ウとしま して、その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患といたしました。さらに、大きな2つ目 としまして、医療上の有用性が次のいずれかの場合ということで、アとしまして、既存の 療法が国内にない、イとしまして、欧米の臨床試験において有効性・安全性などが既存の 療法と比べて明らかにすぐれている。ウとしまして、欧米において標準的療法に位置づけ られているということで、この(1)と(2)のいずれにも該当するというものを、原則、 医療上その必要性が高いものとして、開発の要請を行う品目としましょうと考えていると ころであります。  要望の公募の際には、学会等にあっては、科学的なエビデンスに基づく有効性及び安全 性の評価等を添付していただきたいということでお願いいたしました。  その結果、左下でございますけれども、延べですけれども、205の団体・個人から651の 要望が提出され、重複をまとめますと374件の要望がありまして、未承認薬89件、適応外薬 等285件ということであります。  これについて、当時は保険局側の取組みについてはまだ明らかにはなっていなかったと いうこともあって、まず製薬業界に対してその要望についてどのような見解がありますか ということを、11月の時点で出してくれるようお願いをしたんですけれども、その後保険 局側のほうの考え方が明らかになって、製薬業界の側としても保険局側の動きを受けて、 さらにいろいろと意見を述べたいところがあるという状況に変わったということもありま して、再度要望に係る見解を出してくださいということになりました。今まさに追加で例 えば開発上どうしても難しいんだという実態がある場合とか、会社側の事情がある部分が ございます。そこについてもつけ加えた上で、もう少し追加で見解があれば出してくださ いということで、今まさに会社のほうにいろいろ出てきた要望に対しての見解を追加でま とめていただいているという状況があります。それが2月19日までに出してくださいとい うことで、企業の方々にお願いしているという状況であります。  そういった要望の内容も後で簡単に触れさせていただきますけれども、一覧としてまと めたものがございます。これに対して、今度は企業側の見解が出てまいります。そういっ た資料を両方使いまして、実際にはこの本検討会議において検討いただくわけですが、事 実上かなり膨大な量になりますので、実際にはこの下にワーキンググループ、作業グルー プを設置して、そこである程度その案、たたき台を整理したいというふうに考えています。 それについてこの検討会議に上げさせていただきまして、そこで再度審議、討議、ご確認 いただくという手続を踏みたいと考えています。  実際、医療上の必要性を評価した後には、原則として、承認申請、製薬企業に対しては 承認申請に向けた国として開発要請を行うということになりますので、製薬企業さんのほ うは承認申請に向けた開発の実施ということで、有識者会議としては開発支援という形で、 公知申請の該当性の妥当性を評価、確認をするとか、あと承認申請のために追加で必要な 試験について企業が出された見解については確認する作業をこの場あるいはその下のワー キンググループでもしたいと思っています。  その他、希少疾病医薬品指定などにより開発支援ができるようなものも出てき得ると思 いますけれども、それについても国としての支援もできることも検討したいと考えている ところであります。  資料5につきましては、実際に来た要望の一覧表ということで、今回ここの場では細か くは説明申し上げませんけれども、実際に374出てきたうちの資料5の上の表にありますと おり、右のほうにありますが、未承認薬については89、適応外薬285、合計374であります。 これを大きく分野別に分けています。冒頭にも申し上げましたけれども、医薬品医療機器 総合機構の各部に相当する分野で大きく分けるということで、大きく分けていきますと一 覧表のこの後の資料のようになります。念のため、右の欄に小小児に関係する要望という のもかなり多くございまして、それについては一応丸をつけさせていただいています。こ の丸のついているものについて、実際にワーキンググループとしては、小児のワーキング グループも設置するつもりでありますが、分野ごとのワーキンググループと小児のワーキ ンググループで、この丸のついているものについてはどういう役割分担をしながら共同し て進めていくかということは、今後さらに詰めなければいけないところがあるんですが、 いずれにしましてもこの小児の分野についてはご要望もいろいろあるということで、小児 のワーキンググループも設置した上で検討は進めていきたいと思っているところでありま す。  また、実際に医療上の必要性についての考え方ですとか、エビデンスはどういうものが あるのかというのを学会などからは提出していただいておりまして、それを取りまとめた 一覧表もございます。これは後日先生方のほうにはご送付申し上げて一度ご覧いただけれ ばというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  以上であります。 ○堀田座長  よろしかったでしょうか。この資料4を含めて、資料5の一覧表もありますけれども、 個々の品目の検討は今後の課題といたしまして、全体として今の枠組みと申しますか、集 まった資料、要望等につきまして、何かご意見があればいただきたいと思います。  はい、どうぞ、伊藤先生。 ○伊藤構成員  小児の分野ですが、これだけは言ってこいと私の全体班会議で言われたものですから言 いますけれども、募集期間はこれでもう終わりということなんですか。 ○事務局  まずは、とりあえずの区切りとしてはこの募集期間でやるということですが、この後、 また例えばですけれども1年後なのかな、2年後といいますか、ある程度の時期が来た場 合に再度要望を受け付けるということはあり得ると思っています。 ○伊藤構成員  途中でかなり必要なものが出てきても、それは受け付けないということなんですか。 ○事務局  とりあえずの区切りとしては、ここでいったん取りまとめたものをまず検討を進めたい というふうに考えます。要望については、学会の皆様方からも随時また寄せていただいて いる部分もありますし、そこは随時、要望を受け付けないという意味ではないので、一応 未承認薬・適応外の検討会議で進めるものとしては、いったんは区切ってまずは進めたい と思いますし、今後もそういう取組は必要に応じてやっていかなきゃいけないという認識 であるということでご理解をお願いしたいんですけれども。 ○堀田座長  じゃ、友池先生。 ○友池構成員  念のためにお尋ねしたいんですが、未承認薬の場合に、欧米4カ国の承認のあるものと 書いてあるんですが、その承認の中には、通常の薬剤みたいに正規の治験の手続を積んで 承認されたものと、非常にまれな疾患とか難病の場合に、学会レベルでいわゆる合意の上 で承認みたいな薬剤もあるはずなんですけれども、その辺の識別はこの中ではしておられ るんでしょうか。分かるんでしょうか。 ○事務局  ちょっとそこまでの識別というのはできていないと思いますが、具体的にはワーキング のほうで検討かと思います。でもそれ未承認薬ですか。 ○友池構成員  未承認薬ですね。 ○事務局  未承認薬となりますと、エビデンスの内容とかも含め、ちょうど医療上の必要性という もので検討は進めたいとは思いますけれども、その辺の先生おっしゃったようなところの 仕分けはまだできていないです。 ○堀田座長  未承認薬使用問題検討会議でも、非常に希少で、日本で治験ができないというようなも のについての対応というのも結構踏み込んでやってまいりました。たとえば承認申請をし ながら治験という形をとって、患者の安全性と有効性のデータを集積していくという方向 性を出したことがございますので、そういった対応も可能かなとは思います。  山本先生。 ○山本構成員  先ほどの伊藤先生のご発言と一緒なんですけれども、今、去年の8月まで締め切りのや つをやるということについてはいいと思うし、足を引っ張る気は全くないんですが、各学 会とか国民が、今までですよ、今まで余りこれがどんどん通ることを期待していないとい うか、学会の理事会でもこういうことがあったんだけれども、とても進まないだろうから 一部出しておきましょうなんて議論で終わっていたんです。それはそれで、今までのあれ で仕方がないことなんですが、厚労省もこれから積極的にということは公知してというか、 皆さんに知っていただいて、問題点のある薬というのはたくさんあるので、ですから1年 か2年後とは言わずに、なるべく早くもう次の段階のやつを加えていただきたいというこ とをぜひお願いします。 ○堀田座長  審査課長。  じゃ、先にちょっとごめんなさい。  成田さん、どうぞ。 ○審査管理課長  どうもありがとうございます。  未承認問題と適応外のほうについては、とりあえず要望をいただいたものについて対応 させていただくというふうに思っております。それから、いろいろ学会等の要望もござい ますけれども、今回ご要望いただいた中でも、どちらかというとまだここでは示しており ませんけれども承認は受けていないというのも要望で上がっております。まさに、まだ日 本でも外国でも研究段階ではなかろうかというものまで含まれておりまして、そこはここ でのミッションと研究の促進という意味では、そこもちょっと考えながらご検討いただけ ればと。そういう意味で見ていただくと、まだ研究段階で治験段階にも入っていないとい うのもございます。そういうところを踏まえて、ちょっとそのご要望というところを仕分 けていただければというふうに思っております。 ○堀田座長  山本先生、それいいですか。  岩田先生、どうぞ。 ○岩田構成員  小児領域の未承認薬が多いということの一つの理由には、治験を実施するのがなかなか 難しいということもちろんあるんですけれども、開発した場合になかなか投資に見合った 資本が回収しにくいとか、そういったところも当然あると思うんです。そういう意味で、 この最後のほうの開発支援という部分は、結構大事になってくるのかなというように思っ ております。まだ余り具体的にはなっていないかもしれませんけれども、そういった方面 での何か支援みたいなものは考えていらっしゃるんでしょうか。 ○堀田座長  要するに、小児領域で企業としての開発費用の回収が難しいものに対してインセンティ ブはどう働くかという、そういう話ですね。 ○審査管理課長  インセンティブといいますか、後ほどまたご説明させていただきますけれども、保険の ほうで来年度試行的にということで新しい制度も入っておりまして、一つの、後ほど説明 させていただきますけれども、インセンティブになるんではなかろうかなというふうに思 っております。また、希少疾病医薬品という制度もございますし、開発段階という意味で あれば、どういう形で行くのかというのは、これからまたいろいろ研究班も難病なんかで は研究班もございますし、それとどう考えていくのかというのは、ここの会議とは別途あ ろうかというふうに思っております。 ○堀田座長  樋口先生。 ○樋口構成員  この検討会での今後のペース、審議のペースと、それからその分野ごとのことでちょっ と伺いたいんですが、一つはいつごろまでに、先ほどの話だと、ことしの前半に4回とか 5回とかと予定されていると。その辺りでかなり、今までの未承認薬なり適応外薬の絞り 込みというのを1年弱とかそれぐらいで行われる予定であるかどうかというのを一つ伺い たいのと、もう一つは、ワーキンググループが7つほどありますよね。その中で医療上の 必要性の高さというのは、分野ごとの必要性の高さを取り上げていくのか、7つの分野を 総じて、その中で優先順位を決めていくのかという、その辺りもお聞かせいただきたい。 ○堀田座長  どうでしょう、難しいところですが。 ○事務局  難しいですね。検討の進め方については、この後ご説明したいと思っていますけれども、 概ね医療上の必要性の評価については、目標としては、一応予定としては3月末という目 標を置いています。ただ、なかなかやはりそこは難しいかもしれませんので、若干後ろに ずれていく可能性は残っているかと思います。実際、そこでそういった医療上の必要性が あると評価されたものについては、原則として、国からの企業への開発要請、そこが余り 遅くなるのが保険局側からすると望ましくないという状況もあり、ですからどうしてもお 尻が切られてしまうので、目標は3月ですけれども、遅れたとしてもできるだけ早い時期 には、その医療上の必要性の評価を行いたいという予定で進めたいと思っています。  あと、各分野ですけれども、とりあえずまずは各分野で、先ほど申し上げた医療上の必 要性の該当性というものを評価する形をとりたいと思いますが、その分野の中でも順位づ けというのはかなり難しいと思います。先ほどの(1)のア、イ、ウ、(2)のア、イ、 ウがありましたけれども、まずそこのどれにそれぞれが該当すると評価できるかというと ころをたたいていくのかなというふうに思います。その中で、仮に優先順位をつけるとす れば、例えば(1)のア、(2)のアに該当するものはやはりどうしても優先度が高いで しょうという評価になるのかどうかは、またそれは実際はここの検討会議で、全般的な有 識者の方々に見ていただいて、評価をお願いするという形をとらざるを得ないのではない かというふうに今のところ思っています。 ○堀田座長  私が最初に申し上げましたように、ワーキンググループはどうしてもその分野の中の判 断しかできませんので、まずそこから上がってきて、じゃ、どうするかという話はまさに この会議のミッションだろうというふうに思っています。そういう意味でも、自分の専門 領域だけじゃなくて、今の日本のドラッグラグの置かれた状況というところを、公正に判 断していただきたいと思います。  私が気になるのは、これだけたくさんのものが一気に、例えば公知申請にしろ、あるい は追加的な治験にいたしましても、必要だという一方、ある程度お尻が切られているとな ると、審査体制が追いついていくのかどうかというのは、多分非常に心配する向きもある と思うんです。この辺について、何か新しく施策はありますでしょうか。 ○審査管理課長  今、先生からご指摘いただきました件でございますけれども、21年度、今年度の補正予 算及び22年度の予算案の中で、今回の未承認薬・適応外の審査に対応するということで、 医薬品医療機器総合機構に対しまして、審査員の増員についての期限つきでございますけ れども、予算を一定程度確保させていただいておりまして、準備をしていただいていると ころでございます。  それからまた、今回ご検討いただきまして、どのぐらいの数が要請されるかというのは これからでございますけれども、公知申請、それから承認申請、一部変更承認申請という ことで、それが一気に300が全部一回で出てくるということではないんではなかろうかと思 っておりますので、そこら辺は通常の審査に支障がないよう、総合機構のほうと相談させ ていただきながら対応させていただきたいというふうに思っております。 ○堀田座長  現在でも既に審査段階にある薬がたくさんあるかと思いますし、そういったものに支障 を来さないような形でぜひ組んでいただければと思っております。  ほかにいかがでしょうか。  白幡先生。 ○白幡構成員  少し細かいことなんですけれども、有用性のところで、欧米において標準的治療・療法 に位置づけられているという、これは4カ国の間でも標準的治療にかなり温度差がある薬 があると思うんですけれども、これはいずれかの国で標準的療法というふうに解釈してよ ろしいんですかね。 ○堀田座長  基本的にはガイドラインに載っているとかそういうことなんですが、国別でそれは多少 違う可能性がありますね。しかし、4カ国のどこかでガイドラインというのが一つの判断 基準かなというふうに思います。  事務局のほうで何か用意したものがありますか。 ○事務局  すみません。よろしいですか。 ○堀田座長  はい、どうぞ。 ○事務局  一応いずれかの国においても標準的な療法であれば、一つの該当性はあると評価した上 で検討していきたいというふうに思います。 ○堀田座長  小川先生、どうぞ。 ○小川構成員  小川でございます。今の件なんですが、循環器領域では、ご承知のとおりガイドライン づくりがどんどん進んでおりまして、かなり新しい方法、新しい手法でエビデンスも出て きておりますし、実はもう日本のガイドラインに掲載されている薬剤もかなりあるんです ね。ですから、これ、欧米のみではなくて、もう既に日本のガイドラインで実施に使われ ることを、もちろん保険外適用ということにはなるんですけれども、そういう薬剤につい ての扱いはどういうふうになるかをちょっと伺いたいんですが、そういうものもこの医療 上の必要性を認めていただけるかどうかということ。 ○審査管理課長  今回、日本では使用はできないというようなものを対象にしておりますけれども、それ は薬事法上の承認されていないという意味で意見をいただいているところだと思いますの で、それでそういう日本のガイドラインに入っているけれども、承認を明確にはされてい ないというようなもので、今回要望に上がってきたものについてはそういうことも勘案し てご評価いただくということになるんではなかろうかというふうに思っております。 ○堀田座長  既に次の議題のほうに一部入っていますけれども、この資料6の検討会議における検討 の進め方というので説明していただいて、それで引き続き議論したいと思います。  村山先生、どうぞ。 ○村山構成員  具体的な進め方があいまいもことして分からないのでお聞きしたいんですが、要望374件 というのは今既にございまして、実際にこの会議で検討していくのは、その評価というよ うなことだったと思いますけれども、ワーキンググループ等々、あるいは未承認、それか ら小児薬物検討会議で、もう既にあるものについて、あるものといいますか、データがそ ろったものについて逐次ここでその評価をしていくと、そういう具体的な進め方としては そういうイメージでよろしいんでしょうか。 ○堀田座長  これはいかがですかね。 ○事務局  これから検討の進め方というところにもう入ってもいいですかね。  基本的には、先にやりますけれども、基本的に医療上の必要性が高いと評価されたもの について、国として企業に開発要請を行うという形をとって、それが3月末から4月末ぐ らいまでには進めたいというふうに思っていますけれども、その後1カ月程度の期間を置 いて、会社側からそれぞれ要請を受けた企業の側から、公知申請の妥当性とか、あるいは 追加で実施すべき試験の内容についての考え方を述べたレポートを出していただこうと思 っていまして、それについて、その内容についての妥当性をワーキンググループ、さらに はここの有識者会議で評価を加えていただきたいというのが考えであります。 ○村山構成員  ありがとうございました。  ちょっと小児のときのイメージがあったものですから、どうもありがとうございました。 ○事務局  ちょっとつけ加えさせていただきますと、これまで抗がん剤の併用療法とか、小児の薬 物療法のやり方としては、こういった親会議の下にワーキンググループを置いて、そのワ ーキンググループの下で手を動かして公知のレポートを取りまとめて、この上の会議に上 げて評価するというようなやり方をしてきたんですけれども、今回は、その公知申請の妥 当性とか、追加臨床試験の妥当性という部分を企業側に出していただいて、そこの評価を 行うということを考えています。実際は、承認申請に至るまでの公知申請、仮に公知申請 も妥当であると評価していただいたものについて、企業に実際は公知申請の申請資料をま とめ上げていただいて、要請から6カ月以内に申請までたどり着いていただくということ になります。そんな流れ、ちょっと今までのやり方とは違うということでございます。 ○村山構成員  先走ってどうもすみませんでした。 ○堀田座長  いえいえ、もう既に入っていただいて、この検討の進め方というものの資料の説明をお 願いします。 ○事務局  今まで申し上げたことのちょっと復習みたいになりますけれども、資料6です。学会、 患者会等からの要望374件がございましたが、これについて検討会議で、実質の作業は作業 グループ、ワーキンググループで行いながらということになりますけれども、医療上の必 要性の評価を、3月末を目標に、少し遅くなるかもしれませんけれども行っていきたいと いうふうに思っています。  その医療上の必要性があると評価されたものについて、原則として、国が企業へ開発要 請を行います。左の黄色の枠のところに行っていただきたいと思いますが、各企業では開 発工程表の作成、あるいは公知申請への該当性または追加試験に係るエビデンスに基づく 見解の作成をやっていただきたいと思っておりまして、要請から概ね一月ぐらいの間にこ れを出していただければと思っています。この見解を出していただいたものから順次にな ると思いますけれども、この検討会議あるいはその実質のところは作業グループにおいて、 その公知申請の妥当性、該当性、または追加試験に関する妥当性の評価というものを進め、 概ね2カ月ぐらいの間にはある程度の評価結果の提示を企業側にしたいというふうに考え ているところであります。ですから、本当に理想的に順調に進んだとすれば、6月末ぐら いまでにその評価計画を示すことになりますけれども、やはりなかなか難しい問題でもあ りますので、これはあくまで予定ということで、少し後ろにずれていく可能性は大いにあ るというふうに考えています。  実際、各企業はこういった評価結果の提示を受けて、公知申請に該当するというものに ついては、実際には企業の方々に手を動かしていただいて公知申請まで進めていただくと、 これは後ほど保険局側からの説明に出てきますが、国が要請してから6カ月以内に公知申 請をするということであります。さらに、追加試験を実施する場合には、国の要請から12 カ月以内に治験の着手を行うということであります。この公知申請と治験の着手というの は保険局側の考え方でありまして、こういったものを評価するという形をとるということ であります。  平成23年秋ごろ、ですから今から1年半後ぐらいになりますけれども、それ以降に開発 状況を中医協で評価されるということで、この後詳しく説明があると思いますが、それに よって薬価維持特例の適用についての評価がされるということで、そういった意味で実際 に治験の着手までに1年、開発要請から1年と言っていますので、要請が後ろにずれてい くに従って、着手まで1年というのがまた後ろに下がって、その中医協の評価というのが 1年半後から、来年の秋以降から始まるということもあって、実績をきちっと示すために は、余りその要請が後ろにずれ込んで、治験着手も後ろにずれ込むとなかなかいい評価が できないという事情があって、余り後ろにはずれ込めないのかなという状況で考えている というところであります。  以上です。 ○堀田座長  ただ今の説明に何かご質問、ご意見ございますか。  藤原先生。 ○藤原構成員  先ほど堀田先生もおっしゃったように、PMDAのマンパワーに懸念というか、大変じ ゃないかなと思いまして、審査官を今から増員したとしても、その人が一人前になるまで は大分時間がかかるので、これから半年ぐらいの間に、例えばこの公知申請が出たときに、 それをさらにいわゆる審査報告書という公開されているような文書、最近見てみると物す ごい何十ページというやつになっていますけれども、それをまた一つ一つに書いていると PMDAはパンクするんじゃないかと人ごとながら心配になるので、その辺は審査レポー トは例えば企業が出してきたレポートを、そのままオーケーかオーケーじゃないかぐらい で済ませるとかというアイデアはあるのかというのが一つ質問です。  もう一つは、最近のEMEAのサイトを見てみると、ウィズドローワルアセスメントレ ポートといって、申請されたが不承認とされたり、申請取り下げになった品目について、 その理由が詳細に記載された報告書が公開されています。患者団体の方々が、米国承認の あの薬が日本にはないとおっしゃっていても、実はそれはヨーロッパでは安全性に懸念が あって承認されませんでしたというふうな事例が結構ありまして、企業さんにはワーキン ググループへの情報提供とか公知申請の申請資料を作るときには、例えばFDAのアドバ イザリー・コミッティーで否決されましたとか、EMEAでは不承認と言われましたとか、 そういうデータをきちっと加えていただきたいと思います。 ○堀田座長  ただ今の意見に何かコメントありますか。 ○審査管理課長  PMDAのマンパワーといいますか処理能力の問題でございますけれども、先ほどちょ っとお話がありました小児薬物療法のときは、基本的にワーキンググループで公知申請で いいんじゃないかというようなレポートをつくっていただいておりまして、それをPMD Aに事実上添付資料ということで出していただいて、それを部会に上げるというような手 続を踏んでおりますので、基本的に今、通常の新薬申請で数十ページを新たに審査報告書 をつくるというようなイメージではございませんので、そこは公知申請であればそういう ところの仕様が小児薬事療法並みにできていただければ、そんなに負担にならないのでは なかろうかなというふうには思っております。ただ、どちらにしても数は多くなろうかと 思っておりますので、できるだけほかに支障がないようにしていただこうと思っておりま すし、今回増員はさせていただいておりますけれども、一方で通常の承認審査の審査員の 増強も行っていただいているところでございますので、何とか必要なところでございます ので、PMDAにもご協力いただいて処理をさせていただこうと。もちろん安全性に支障 のないように配慮した上でやっていただこうというふうに思っております。また、そうい うことで、ここでのワーキンググループといいますか、企業から公知申請なりが出てきた ときのデータのチェックといいますか、そこがかなり重要にもなろうかと思いますので、 そこら辺もよろしくお願いしたいというふうに思っております。 ○堀田座長  ぜひよろしくお願いします。今日は、PMDAの方からも出席しておられますけれども、 余り過剰な負担にならないようにはしたいですし、また合理的なやり方で安全性を確保で きるという範囲内で、できるだけ省エネでやれるようにしていただきたいと思います。  ほかにご意見ありますか。  川西先生。 ○川西構成員  ちょっと今の藤原先生のお話とも関連するんですけれども、以前未承認薬の検討委員会 で、私も出ていたんですけれども、自らこれは開発したほうがいいということで、コメン トを出させていただいた上で、実は私どもはPMDAの審査の中で、品質関係でアドバイ ザーになっておりまして、その後それが回ってきて、アドバイザーで見たときに、例えば 特に小児のお薬なんかの場合は非常に供給量も少ないということで、通常の審査と一個一 個物すごく個別の配慮が必要な場合が少なくありません。その辺は、ちょっと今回もそう いうケースが結構たくさん来るんじゃないかと、私自身もここで、これは医療上必要だと いうことに関しては大賛成なんですけれども、意外と審査の場で大変なものがきっとまた 出てくるなという気はしております。ですから、その辺はお含みおきいただいて、決して それはよくないというようなことではなくて、そういう現実があるということもまたコメ ントさせておいていただければと思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。  横谷先生。 ○横谷構成員  PMDAの能力を超えないように、その結果として早く審査が行われるようにという配 慮されているということだったんですが、一つそれを支えるものとしてのワーキンググル ープがよく機能して、ワーキンググループの結論がPMDAの審査の促進を支えるという お話だったと思うんですが、特に小児のことについて言うと、このワーキンググループを 小児のこの人たち、これから案を検討するのですが、パワーについてちょっと懸念がある ので、そこの今の説明については、その次のところでもう一度考えていただきたいと思っ ております。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。  じゃ、またその議論は引き続きやっていくといたしまして、ワーキンググループも追加 もできますし、別にこれで固定したわけではないというふうに思っています。  このスキームでありますと、企業に開発の動きを促進するということになるわけですが、 未承認薬問題検討会のときには、財政的な裏づけなしで企業に開発を依頼しました。優先 審査とか、あるいは希少疾患の適応というのはあったけれども、具体的な支援というのは なかなかできなかったんですが、今回はそれがある程度財政的にも裏づけができたいうこ とです。未承認については一部補正予算がつきましたし、適応外についても何か企業側と して開発するための支援が次の問題になるかと思います。そこで今回、薬価制度の問題が 急に出てきました。ちょっと私も面食らいましたけれども、もともと製薬業界からは、新 薬創出加算をつけてくれということは、ずっと要望としては出ていたかというふうに思っ ております。今回、これがドラッグラグの解消という形で出てきたという経緯とか、その 辺も含めて薬価制度の改革との関係を説明していただけますでしょうか。 ○医療課薬剤管理官  保険局の薬剤管理官でございます。私のほうから、今の座長のほうからお話があった件 についてご説明したいと思います。  資料の7と、あと参考資料の6をお出しいただきたいと思います。今回、平成22年度の 薬価制度改革、つまりこの4月の薬価改定における対応ということでございます。まず、 どういうことを今回やったのかとご説明いたしますと、資料7の頭に書いてございますが、 新たな薬価制度上の加算というものをつくったわけでございます。名称が新薬創出・適応 外薬解消等促進加算というものでございます。これについては、既にもう薬価に収載され ている新薬につきまして、後発品のない新薬であって値引き率の小さいものに一定率の加 算を行うということでございます。これによりまして、言ってみれば値引き率の小さいも のについては薬価が維持されるものがでてくるということになろうかと思っております。  この関係で、実は最後のページをご覧いただきたいと、この4ページです。この資料7 の4ページでございますが、薬価をどのように決めているかということについても、ご存 じなかろうとも思いますので、少しご説明したいと思います。新薬として薬価が収載され た後は、現在ですと診療報酬改定と同じに2年に一度薬価の改定を行ってございます。そ の際に、どのようにやっているかといいますと、実際に卸さんから医療機関、薬局に対し て幾らで販売されているかということを、我々全数調査をいたします。そうしますと改定 前薬価を上限にしまして価格の分布が出てまいりますけれども、その加重平均値に調整幅 ということで、包装単位がいろいろございますので、それの調整分として2%足した金額 を新しい薬価とするということでございます。  そうしますと、現実に何が起こるかというと、薬価より高く買う薬というのはまずほと んどございませんので、またその平均値もこれでいきますと98%を加重平均値に置きませ んと薬価が下がるということでございますので、通常は薬価改定をいたしますと、薬価が 下がっていくという状況になってございます。  これにつきまして、製薬業界のほうは、特に欧州もアメリカもそうでございますが、自 由薬価制度を導入している国が多いこともございまして、このような形で薬価が下がるこ とが非常に少ないと。下がる部分もございますけれども、日本に比べると下がり方が少な いと、こういうご指摘がございまして、こういったことが言ってみれば日本と海外の競争 条件の違いになっているということで、日本でも欧米の制度に準じて、薬価がなるべく下 がらないような、特許期間中は薬価が下がらないような仕組みを導入できないかというこ とで、製薬業界のほうは、1ページにまた戻っていただきたいと思いますけれども、薬価 維持特例といういい方でずっと中医協のほうに提案があった次第でございます。  それにつきまして、中医協のほうでは、これだけで16回ぐらいの審議を行っているんで すけれども、その中で一体この提案が国民・患者に対してメリットがあるのかということ がとの議論がございまして、それに対しまして製薬業界のほうは、やはり医療関係者、患 者が一番困っているのが、ドラッグラグの問題であり、特に緊急性の高いものがこういっ た適応外薬の問題であり、未承認薬の問題であるということから、これをきっちりと直し ていく、解消していくんだということの決意表明がございました。中医協では製薬業界ト ップによります意見陳述を数回やってございますけれども、その場でも未承認薬・適応外 薬の開発・上市にしっかり取り組んでいくと、取り組んでいくので、今回の薬価維持特例 に関する製薬業界の提案をぜひ実現してほしいと陳述があったところでございます。  その結果、その適応外薬等の解消をするということを条件にしまして、名前は維持をす るということから加算という名前に変わりました。結果的には、同じようなことでござい ますが、そういったことを条件に、この製薬業界の要望を認めるということになった次第 でございます。  そういった関係で、実は製薬業界はやると言ったけれども、どういうふうにやっていく のかということで、実はこれの3ページをご覧いただきたいんですけれども、中医協にも 私どものほうからお出しいたしまして、ここでは本検討会議を有識者会議という仮称でお 示ししてございますけれども、学会・患者団体からの要望を受けまして、それについて有 識者会議のほうでいろいろご議論をいただきまして、適応外薬等の開発要請が各企業に行 われるということでございます。要請を受けた品目の状況報告も受けるということでござ います。  その進捗状況を見て、これがきちっと進んでいるのかどうかということを確認して、仮 に、そういうことが業界としてはやるということで力強くお答えになったわけでございま すが、個々の企業を見た場合に、実際どこまでできるのかということもございます。しっ かりやられるメーカーさんとそうでないメーカーさんも出てくる可能性がありますので、 仮にこういった条件でやるということで認めた以上、もしこれが十分に進んでいないんで あれば、次の薬価改定の際には、もうその企業に対しては、その該当品目があっても企業 単位で不適応をしてはどうかと。また、その加算を受けたものにつきまして、それはもし やらなければ、その次の改定ではその分を返していただくというか、差っ引きますという ことも含めて、このようなことをこの条件の中に入れさせていただいたという次第でござ います。  具体的な条件といたしましては、参考資料の6でございますけれども、中医協で決めた ものでございます。特に、その促進加算の実施方法というものが別紙の5ページから書い てございますので、これをご覧いただきたいと思います。ここに書いてございますような 後発医薬品が上市されていない新薬、それから乖離率が平均を超えないものということで 加算するということでございます。加重平均乖離率は、今年度8.4%でございましたので、 これが8.4から2%引いて6.4、6.4に0.8を掛けますので、最高5.1%加算するという形にな ってございます。これから計算いたしますと、これに伴いまして、この加算の導入で必要 な経費がどのぐらいかということでございますが、薬価換算で年間約700億円の増になって ございます。2年間薬価改定がなく薬価が保持されるとすれば、2年間で合わせまして 1,400億円の、私どものほうから投資になっているということをご承知いただければと思い ます。  そういった関係で、金額が非常に張るということもございまして、中医協で非常にそこ の点、要件を厳しく算定すべきだということのご議論がございまして、5ページの下から ございますが、どういう場合に不適応になるのかという基準についても明確にすべきとい うこともございまして、製薬業界の方とお話もさせていただいて、最終的には製薬業界の 方から、ここに書いてございますような要件を設定するということで申出もございまして、 これを盛り込んだという次第でございます。  また、中医協でも、先ほどのこともございまして、もしうまくいっていない企業につい ては、それについては、次の薬価改定でその分をほかの既収載品で差っ引くというような ことになった次第でございます。  これについては、あくまでどのような効果を生むのかという議論もございますので、7 ページの3番にございますけれども、基本的にはまず22年度試行的に導入するということ でございまして、その財政影響や適応外薬の開発・上市状況を見まして、次々期の薬価制 度改革時に引き続き実施するかどうか判断するということになった次第でございます。  そういう意味で、先ほどご覧いただきましたように、非常に強いインセンティブでもご ざいますし、また逆に言えばディスインセンティブであるというふうに認識もしてござい まして、ですから、そういったことで、各企業のほうにおいても、ここから要請を受けた 品目についてきちっと行っていくということで、今強い気持ちで議論はされているという ふうに思っておるわけでございます。  そのようなことで、保険の適用について先ほど藤原先生のほうからも、薬事のほうの承 認の範囲と保険のほうの承認の範囲のいろいろ議論ございました。私ども、先ほど申し上 げたように、基本は薬事の承認の範囲を保険の適用の範囲にするということでございます。 現場の保険の審査でどこまで認めるかは別といたしましても、そういうこともございます ので、この問題についてきちっと解決していこうとすれば、やはり薬事での承認を進める 仕組みとして、薬価のほうでもきちっとやっていくということで、このような加算を今回 創設したということでございます。  私の説明は以上でございます。 ○堀田座長  説明になかなか迫力がありましたね。今までにない取組と申しますか制度だというふう に思いますけれども、もともとは、これは補正予算で最初についたものが、事業仕分け、 見直しでなくなってあれあれと思っていたら、これにある意味変わったと申しますか、む しろこういう形で構造的にあるいは継続性のある形になったと言えます。補正予算という のは一回きりでそれがなくなったらおしまいという基金の話ですから、そういう意味では、 むしろこちらのほうが企業にとっても安心できるものかなというふうには思っています。  この薬価加算の問題につきましては、中医協でさんざん議論して結論としておりてきて いるものであって、ここでこの制度の是非を問うことはできませんので、その議論はなし にしていただきたい。ただ、いろんな意味で質問がありましたらお受けしたいというふう に思います。いかがでしょう。  対応によってはペナルティもあるみたいな話でしたが、これは企業のほうからも、そう いう意見が出てきたと先ほどの説明ありましたですね。自ら律してやっていくということ でご協力いただけるものと思います。いかがでしょうか。よろしいか。  それでは、この大枠の進め方についてはご了解いただいたと思いますけれども、今後、 要望のありました品目の医療上の必要性というところを一つ一つ見ていくのに当たりまし て、ワーキンググループの役割というのが大変重要になってまいりますけれども、それに つきましてご説明いただけますでしょうか。 ○事務局  それでは、資料8−1、8−2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。  まず、専門作業班と名前をつけておりますけれども、これについては、今の案では一応 7つのグループをつくりたいと思っているところであります。冒頭からも何度か申し上げ ているとおりでありますけれども、PMDAの基本的には1部から5部、さらに生物部相 当に当たるところのワーキンググループに加えて、部横断的に小児ワーキンググループと いう形で7つということを考えているという状況であります。各ワーキンググループには、 5から10名程度ということで考えておりますけれども、これはあくまでコアメンバーとい う位置づけでありまして、必要に応じて随時メンバーについては追加させていただきなが ら進めたいというふうに考えているというところであります。  あと、小児とその他の部の役割分担につきましては、明らかにこれは小児だけでも検討 を進めたほうがよいというようなものについては、小児ワーキンググループで受け持ちな がら、あと小児も関係するけれども、当然成人のほうにも関係してくるというような形で あれば、各ワーキンググループで検討しながら小児ワーキンググループにも意見を求める というか、合い議をするというか、そういった形でうまく進めていきたいというふうに思 っているところであります。  メンバーについては、一応コアになるメンバーという意味で、案としましては8−2に 挙げさせていただいたいる方たちのご協力を得たいというふうに思っています。基本的に は、どうしても承認審査の相場観的なものを分かっておられる方というのがどうしても必 要になるというところもあって、かつてPMDAの前身であります審査センターの時代、 あるいは現在のPMDA、総合機構で医薬品の承認審査の経験がある方ですとか、あるい はこれまでの未承認薬使用問題検討会議とか、小児薬物療法検討会議での報告書の作成に 携わっていただいた方というような方も含めて、まずはコアメンバーとして挙げさていた だいているという状況でありまして、繰り返しになりますけれども、必要に応じて随時追 加ということもあり得るというふうに考えているところであります。  以上であります。 ○堀田座長  ワーキンググループにつきまして、何か先生方にはご意見ございますでしょうか。  どうぞ、吉村先生。 ○吉村構成員  吉村です。どこで発言しようかと思って考えながら、今ここ行っちゃうと、今やらない ともう間に合わなくなるだろうと思って発言するんですが、なぜ未承認であったり適応外 であったかというと、それは従来の評価方法によってエビデンスが不足していたからだと 僕は思うんです。そうすると、それを新たに承認したり、それから適応外を適応外でなく するためには、エビデンスの枠組みを変えること、つまり必要かつ十分なエビデンスの枠 組みを変えることと、それから必要最小限に追加しなければならないエビデンスは何かと いうことをはっきりさせなければいけないと思うんです。  それを、今いきなり個別の薬物に対して、このワーキンググループで作業しろというと、 それぞれのワーキンググループで別々の基準でもって、これだけエビデンスがあれば十分 だ、これはエビデンスが足りないということをばらばらにやってしまう危険があると思う んです。そうすると、やっぱりこういう検討会議で、原則的にこういうエビデンスは追加 しなければいけない。こういうエビデンスは逆に今までの承認審査では使っていなかった けれども、例えば外国のこのデータは使っていいはずであるとか、そういうことをここで 原則をきちっとしなければ、ワーキンググループごとに別々のルールで結果を出すから、 それはまずいんではないかと思うんです。だから、何らかの意味でそういう基準化という か原則みたいなものをここで決定してワーキンググループに投げるということにしていた だけないかと思います。 ○堀田座長  大変重要な指摘だと思います。従来の枠組みだけでやっていれば今までのペースになっ ていってしまうという先生のご指摘だと思いますけれども、安全性がきちっと確保されて 有効性が評価できるminimum requirementは何なのかということをはっきりさせるというこ とですね。特に未承認の場合は、割とその辺は評価しやすいんですが、適応外になると 様々なものがあって一概に言えない部分もありますけれども、やはりそこは従来の枠をあ る程度超えてでも判断できるような仕組みが要るというご指摘かと思います。  これは、引き続きの議題として今後やらせていただきたいと思います。よろしいでしょ うか。  ワーキンググループは、あくまでこれはコアメンバーということですので、随時必要に 応じて追加するということも可能な、あるいは参考意見を聞くこともできるというふうな ことかと思っております。よろしいですか。  白幡先生。 ○白幡構成員  随時必要なメンバーを加えるというそれはどこで決めるんですかね。というのは、詳し い薬のほうを見ていないんですけれども、例えば生物ワーキンググループのところを見る と、ワクチンのほうはいいけれども、血液製剤に詳しい方が全然入っていないだとか、ち ょっと心配なところがあるんですけれども。 ○山本構成員  もちろん、個別の議論を余りしないほうがいいかと思ったんですけれども、例えば抗 菌・抗炎症ワーキンググループでも、抗菌の方たちは結構きちっとされた方たちがいるけ れども、抗炎症のほうはほとんどいらっしゃらないというのはあります。 ○堀田座長  その辺もご意見いただきまして必要な追加をいたします。ただ、余り多くなり過ぎると、 船頭多くしてどこかへ行ってしまうといけませんので、ある程度コアメンバーは決めてお きたいというふうに考えております。  もし、メンバーが追加のご意見等がありましたら、私のほうで一任させていただいて、 指名させていただこうと思っております。よろしいですか。  横谷先生。 ○横谷構成員  先ほど私が発言したことに関係するんですけれども、結局PMDAの作業量が物すごく いっぱいになって、その結果審査が滞るんじゃないかという懸念に対して、ワーキンググ ループの力によってそれが促進されるという説明だとすると、そのワーキンググループが 持っているパワーとは何か、事務能力はどうかということについて非常に深く懸念してお ります。この人たちのメンバーを見ますと、みんなそれぞれの職場で、それぞれの役職を 果たすことで恐らく精いっぱいの仕事をしている方々が、能力は持っているけれども、キ ャパシティはそれほど持っていないということで、事務能力への負担って物すごく大きく なるんじゃないかと思って非常に強く懸念します。その点、厚労省のほうはどうお考えか ということをちょっとお聞きしたいんですけれども。 ○堀田座長  じゃ、事務局のほうでそれについてコメントいただけますか。 ○審査管理課長  先ほどの資料の6で、検討の進め方についてご説明させていただきましたけれども、ま ずはワーキンググループで、ここの医療上の必要性についてご検討いただくというところ でありまして、個別の品目については、企業から出されたデータに基づいてご検討いただ くということでございます。ですので、まずワーキンググループでの最初のミッションと しては、医療上の必要性について仕分けていただくというところでございまして、それか ら、実態的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、最終的に申請が上がってき ますと、PMDAの各審査部に上がってまいりますので、そういうことも配慮して、今P MDAの審査部の担当しております疾患領域ごとに分けさせていただいてワーキンググル ープを作成させていただいているところでございます。  繰り返しになりますけれども、小児薬物療法なんかでの公知の評価報告書をここでまと めるというイメージではございませんので、そこは数が多いということで影響もあるとは、 負担の分はあると思いますけれども、そこは必要な業務でもございますし、相談しながら 支障のないようにやっていただきたいと思っていますし、こちらのほうもそういうふうな 形で、時間的なところも、保険局のほうもございますけれども、相談しながら対応してい きたいと思っております。  また、374の品目の要請があるわけですけれども、その中では承認されていないものもご ざいますし、それからその中でも非常に必要性の高いというものもあろうかと思いますの で、少なくともその必要性の高いものが損なわないようにはしなくちゃいけないなという ふうに思っておりますし、ワーキンググループの先生方、あるいはこの検討会でも全体を 見ながらまたご指導といいますか、ご検討いただきたいなというふうに思っております。 ○堀田座長  川西先生。 ○川西構成員  未承認薬の使用問題検討会のときに、一番最初に確認したことは、未承認薬使用問題検 討会がこれは開発すべきだという意見と、それからその一つ一つの機構での審査、これは 別に未承認薬検討会が開発すべきだと言っても、審査当局がその実際に出てきた資料を基 に、これはまずいという判断があれば、それはもちろん審査当局の判断としてすべきだと いうことを最初に確認して、たしか未承認薬使用問題検討会もスタートしたと思うんです。 このワーキンググループは、全てのデータ、申請資料を見て決めているわけでもないわけ ですよね、このスキームですと。だから、それは確認した上ということだったと思います。  というのは、先ほど申しましたように、実際に申請資料が出てくると、特に品質のとこ ろというのは、意外と非常にまずい部分が出てくるのがしばしばその当時ありまして、と いうのは、古いものが出てくると古いままに来ますよね、今どきの品質管理の基準でいく とちょっとまずい。ただ、それでいかんというわけにもいかないという部分があって、個 別に非常に細かなやりとりで、この基準だということを個別に決めなくちゃならないとい うことがあるんです。ですから、余りここでのワーキンググループの医療上必要だという 意見は非常に重要であるけれども、総合機構のほうにはその後出てきたことに関しては、 可否に関してはきちんとやってもらうという姿勢でいくべきだということは、私、今の時 点で確認しておきたいと思います。 ○堀田座長  ありがとうございました。  あくまでこれはワーキンググループというのは意見を上げるのであって、承認そのもの に左右するというわけでは基本的にないので、そこの辺りはきちんと役割を分ける必要が あるかと思います。よろしいでしょうか。  伊藤先生。 ○伊藤構成員  小児のほうの確認ですけれども、小児薬物治療検討委員会のワーキングのようなことは しないわけなんですね。実際に、この品目の中で有用性や必要性に応じてある程度仕分け をして、この品目を先にやったほうがいいとか、このようなことをするワーキングなんで すか。具体的に何をするのか私自身わからないので聞いているんですが。 ○堀田座長  基本的には公知申請に持っていくのか、あるいは追加の試験が要るのか、それよりもこ れはもう既に対象外でしょうということも含めて医療上の必要性が判断基準になるという ことですね。…… ○伊藤構成員  小児の場合、品目が物すごく多いものですから、この中で絞らないといけないですよね。 ○事務局  絞るのは、まさに最初の段階の医療上の必要性という部分でどうなるか。ただ、それの 全てが医療上の必要が高いとなれば、それはそれとして残っていくということになると思 いますけれども、絞る判断基準は医療上の必要性です。あとは、どう開発の要請をするか というやり方については、特にまだどうやるかというのは決めていませんが、今のところ は医療上の必要性があると評価されたものについては原則として、開発の要請をするとい うことで、今のところは考えています。 ○堀田座長  岩田先生。 ○岩田構成員  そうすると、各学会からの要望というのは、もちろんその医療上の必要性があるからそ れぞれ要望してきているわけで、ワーキンググループでその辺について、もう一度考えて みて、優先順位をつけるのかどうか分かりませんが、仮に、検討された品目が全て必要だ ということになると、みんな一遍にメーカーのほうに投げられるというような話になって しまう気もするんです。そうなると、開発できそうなのか、できそうもないのかという点 について、メーカーとも相談しながら検討していかないと、先ほどのお話ではメーカー側 が対応できない場合はペナルティもあり得るということですから、調整が難しいのかなと いう気もいたします。ワーキンググループで必要だと判断された品目は、品目数が多くな っても全て企業に開発を要請していくという、そういうイメージでよろしいんですか。 ○審査管理課長  すみません。未承認薬と適応外薬とちょっと取り扱いが違うのかなと思っておりまして、 少なくとも医療上の必要性という評価であって、適応外薬について医療上の必要性が認め られるのであれば、基本的に全部要請するという話になってくると思います。  それから、次は未承認薬の問題ですけれども、未承認薬についても、基本的には医療上 の必要性があれば要請するんですけれども、その中で実際上順位みたいなものがあるかも しれませんし、そこは適応外薬と未承認薬では企業の開発の仕方も大分、負担も大分違っ てまいりますし、時間も大分変わると思いますので、そこは実際には、とりあえず医療上 の必要性の評価を行って要請はするんだけれども、その後どうするかというところは、ま たちょっとまだ開発の仕方もあると思いますので、そこはまた別途検討いただきたいとい うふうに思っております。 ○医療課薬剤管理官  今の岩田先生のお話に関しまして、先ほどペナルティはないんで、ただ、約束したこと をやってくれなかったらその分返してくれと言っているだけなので、ペナルティはその上 に何か上乗せして、重加算税みたいなのをやればペナルティだと思いますが、そこまで言 っているわけではございません。  それで、当然保険局のほうも、私先ほど申し上げましたけれども、別にできもしないこ とを言っている気はございませんで、当然かなり一つの企業に、かなりの数の要請がいく 可能性があるのは我々も承知しております。ですから、大事なことは、医療上の必要性が あるものは、計画を立ててやっていっていただきたいということだと思っております。  当然、一遍に10品目も開発要請を受けて、一遍に治験を走らせても、それをさすがにで きる企業はないと思いますので、ですから、優先順位の中で、ある程度例えば最初はこれ とこれをやっていって、大体どのぐらい後にやっていくかと。本当は常識的な範囲でやる と書ければよかったんですが、そういうのはなかなか基準になりませんので書けませんで したが、皆様方、先生方から見て、このようなスケジュールでやっていけば、常識的には よくやっているじゃないかと。例えば、ある複数やったけれども10品目要請を受けて、例 えば2品目やっていて、あと残りは10年後やりますとかというのはおかしいだろう。でも、 1年後、2年後で計画立ててやっていくんであれば、これはかなりいい線いっているんじ ゃないかとか、そういったこともまた含めていろんなご意見を賜れば、結論的には非常に 常識的な線で、こういった要請とそれから開発の、先ほどの薬価のほうと回っていくんじ ゃないかというふうに思っておりますので、そこら辺またいろいろご議論いただければ幸 いだというふうに思っております。 ○岩田構成員  ありがとうございます。何とかイメージがわいてきました。 ○堀田座長  伊藤先生。 ○伊藤構成員  1点だけ言いますが、結局小児の医薬品は薬価が安いものですから、企業はほとんど小 児の医薬品を開発していただけないということでしたね。だから、そのためこの事業が過 負荷になって、またそれに対応しないとペナルティとかそういう話になって問題になるで はないかと思います。要するに、もともと薬価が安いことが問題であって、これをやって も企業には何にもならないというと、やはり企業はかなり負担になるではないか思うんで すが。 ○堀田座長  保険局。 ○医療課薬剤管理官  今回の制度の今までの制度にない新たな部分といいますのは、これまで我々がずっとや ってきましたのは、いわゆるオーファンですとか、医療上の必要性の高いものについて当 該薬の薬価を上げてあげるかということをやってまいりました。ただ、それをやっても、 結局は患者さんが少ないと、結局企業のほうからいけば、それがどのぐらい数量が出て、 薬価掛ける数量でありますので、数量が少ないものは幾ら薬価を上げてもなかなかできな いということでございます。我々もずっと長年もやってきてそういうことを経験している ものですから、今回の制度の一つの新しい試みというものは、企業単位で見て、言ってみ れば企業が特許期間中新薬をこれから売っていきたいというもののほうを加算するので、 逆に皆さんのほうから要請があるものはやっていただきたいと。それも薬価の、ある程度 それも上げるようなことも必要だと思いますけれども、それにしたって、例えば非常に高 額な薬価をつけることもできませんので、ですから、そういったところがリーズナブルな 薬価で済むように、全体として少しずつそういうもので加算することによって、今先生が おっしゃったようなものの開発が進むような形ということで、今回そういう新たな枠組み というものができているというふうに理解をいただければというふうに思います。 ○堀田座長  ありがとうございます。  はい、藤原先生。 ○藤原構成員  先ほど吉村先生もおっしゃったんですけれども、私、抗がん剤併用療法検討会のときに ワーキンググループのとりまとめをしていて大変苦労したので、ワーキンググループにな った人たちのことを考えて、基準を明示してあげたほうがいいかなと思って幾つか質問す るんですけれども、まず、医療上の必要性の判断のところは、医療上の必要性があるかな いかだけ判断すればよくて、優先順位をつけなくていいのでしょうか。  それから、公知申請の妥当性のところですけれども、今ある公知申請の課長通知という のが出ていますけれども、その基準からいくと、抗がん剤併用療法検討会のときは、フェ ーズ3がないともう駄目でしょうということでばさっと切って、複数のフェーズ2のデー タがあるようなものというのは、それをやり出すと切りがないのでそこには踏み込まなか ったんですけれども、今回複数のフェーズ2のデータがあるような品目について多分踏み 込まなきゃいけなくなるので、従来の公知申請という課長通知、二課長通知ってあります けれども、その解釈を少し変えないといけないので、これは早急に事務局のほうで、どこ まで公知申請の対象を広げるのかというご判断をいただいたほうがいいのかなと思います。  最後に、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ネガティブデータというのは非常 に公表資料を見つけるのが難しいんです。企業さんは、大体それは持っていて人には見せ ないんですけれども、ワーキンググループで優先度とか必要性を判断する場合には、やっ ぱり海外で保険がどういうふうに取り扱っているかとか、海外で申請されたが当局が不承 認あるいは審査中に企業が申請を取り下げたというデータ、私どもワーキンググループが パブメドを検索したり、FDAとかEMEAのサイトに行って、一々小まめに調べたりす ると物すごい手間なので、それは事前に企業のほうから、この品目はどこどこの国で適応 外については保険償還可とされていますとか、薬事法の承認はありますとか、効能・効果 や用法・用量の詳細はこうですとか、その一覧表だけでも作っておいてもらうと大分相場 観がつきやすいと思うので、最後のほうに審査レポートをお示しする前に、ワーキンググ ループの人たちへその辺の情報は企業さんからあげて頂いたらどうかなと思うんです。 ○堀田座長  ありがとうございました。  非常に助かるご意見だと思います。実際、その公知申請のときの議論はいつもあって、 抗がん剤併用問題のときは、誰が見てもこんなの標準的な治療でしょうというものだけす くい上げたんですね。そういう意味でいえば、当時はあのぐらい厳しい基準でよかったけ れども、今回はもう少し踏み込んだ対応でないとすくえないだろうということだろうと思 います。吉村先生がご指摘になったとおりだと思いますので、この辺も事務局のほうで、 どこまでならいいかというところの線を提示していただきたいと思います。  村山先生。 ○村山構成員  よろしいですか。もう時間も迫っているので端的に申し上げたいんですが、先ほど川西 先生からPMDAの承認の作業等々あるということをお聞きしました。それから、吉村先 生から、ワーキンググループの評価項目もすり合わせしたほうがいいんじゃないかという ことなんですね。  特に小児の場合なんですが、成人の場合には大体剤形って決まってきてしまうんですが、 小児の場合には特に外国の場合にはシロップ剤とか、顆粒はほとんどないので、剤形とい う特殊性がどうしても出てくるんですね。ですから、海外で販売されているその剤形も含 めてワーキングの評価項目等々に評価していただくようになれば、剤形も含めた公知とい うことまで拡大していただけるのかどうかというのも、2回目以降の検討になるかと思い ますが、そうしていただければかなり進みやすいというふうに思いますので、ぜひ検討課 題に上げていただければと思います。 ○堀田座長  ありがとうございました。  大分時間も参っておりますけれども、よろしいでしょうか。ともかくこの検討会は始ま ったばかりで、走りながら考えなきゃいかんところも多々あります。その都度ご意見をい ただきながら、できるだけよい形でこの会のミッションを全うすることができるようにご 協力をお願いしたいと思います。  それでは、議事の6になりますけれども、未承認薬に対する開発支援につきまして、事 務局から説明をお願いします。 ○研究開発振興課長補佐  それでは、資料9−1から資料9−4までを研究開発振興課からご説明させていただき ます。なお、資料9−4につきましては、開発費のかなり詳細にわたるデータが含まれて ございますので、席上の先生のみお配りさせていただいておりまして、会議終了後回収さ せていただきたいと存じます。また、企業名を公表されなくないという企業からのご要望 もございますので、特定の企業名及び詳細な金額のご発言はできるだけお避けいただきた いと存じます。  それでは、まず最初に資料9−1から順次ご説明していきたいと存じます。資料9−1 をご覧ください。未承認薬開発支援事業についてでございます。先ほど来ご紹介がありま したけれども、国内の患者数が少ない希少疾病の治療薬等につきましては、これまでも未 承認薬使用問題検討会議における検討であるとか、あるいは医師主導治験、あるいはオー ファンドラッグの開発支援制度というものをもちまして推進してきたわけでございますけ れども、平成17年から21年までこのような枠組みでやってきたわけですが、昨年の4月1 日現在、未承認薬14品目につきましてまだ開発が進行していないという状況が確認されま して、このためにより一層の開発支援を行うための資金として、平成21年度から23年度の 3カ年の基金として、開発企業等への治験実施費用の助成を行うほか、必要な経費を補助 していく事業として設置いたしました。基金につきましては、管理団体といたしまして、 社団法人の未承認薬等開発支援センターから助成を行う予定になってございます。  具体的な話につきましては、資料9−2をご覧ください。先ほど来話がありましたけれ ども、未承認薬使用問題検討会議で開発するべきとご指示いただいたもののうち、14品目 の開発が進んでいなかった状況にございました。これにつきまして開発者を募って開発者 が見つかった場合には、支援要望書の提出を求め、開発に必要な概算金を見積もっていた だき、その後開発計画についての確認を行った上で、最終的に支援額の上限を決めて支援 をしていくということとしています。  裏面をご覧下さい。カラー刷りのものになってございます。今、冒頭で申し上げました 未承認薬14品目の開発支援の流れになっております。まずは未承認薬品目につきましては、 国内での開発者を募ります。そこで開発者の手が挙がったら支援の要否も含めて支援要望 書を作成いただき、12品目につきましては、昨年10月に開催された未承認薬使用問題検討 会議において支援品目の開発に要する概算経費と想定される申請パッケージ等の確認をし ていただきました。その後、治験相談あるいは社内での検討を詳細に行っていただきまし て、開発計画の修正あるいは見積もり額のより詳細なものを作成いただき、今回、四角囲 いしております詳細な支援上限額の決定をさせていただくというところまで来ておるもの でございます。今後は、支援額の上限が決まりましたら、基金管理団体からその上限額の 範囲内で個別に開発経費の支援を適正に執行していくことになります。ですから、今回上 限を決めていただいてもその全額をそのまま全額支給するのではなく、実際に3カ年にか かった開発経費を実績ベースで確認して執行していく形になります。本事業は3カ年の一 時的な制度でございますし、できるだけ速やかに執行したいと考えております。  表紙に戻っていただきまして、品目の概要でございますけれども、1から14の14品目が 候補品目になっております。そのうち4番と13番につきましては、まだ開発者が確定して ございませんので、昨年10月に開催された未承認薬使用検討会議におきましても、まだ開 発支援が決定されていません。  資料9−3の2を議ご覧下さい。現在、開発支援が決定された12品目ののうち9品目の 詳細な見積もりが提出された状況にあります。残りの3品目、1番、3番、12番につきま しては、まだ詳細な見積もりができないということでございますので、見積もりができ次 第またこの検討会議において、ご確認いただきたいと思っております。  上限額の確定につきましては、今までの経緯も踏まえまして、資料9−3の1のところ で挙げられています手順を踏まえて事務局案を作成してございます。簡単にご説明させて いただきます。昨年9月に支援要望額の概算を提示していただきまして、その額をベース に推計値で予算を確定してございます。基本的には、この概算要求から大幅な増額はでき ないわけでございますけれども、選定時の額を基準にして、合理的な理由があれば増額を 検討する。また、支援上限額の中で申請があったとしても、他の品目との整合性の観点か ら適当でないものについての支出は査定させていただいた結果、査定後の見積もり額が概 算額を超えている場合には、他の品目の影響を及ぼさない範囲内で検討していきたいと考 えてございます。  具体的にご説明させていただきます。資料9−4の頭紙を1枚めくっていただけますで しょうか。今、ご説明させていただきました以上のようなプロセスを経まして、一覧表に 全ての集計値を計上させていただいております。1番から14番まで全て載せさせていただ いておりますが、特に濃い色でグレーアウトしている4番と13番は開発者未定の品目で開 発支援も決まっておりません。薄いグレーアウトした1番、3番、12番につきましては、 例えばライセンス企業が固まらないとか、詳細な見積もりがまだできないので今春になる といったような理由により今回は詳細な見積もりが提出されてございません。白い部分、 2番、5番、6番、7番、8番、9番、10番、11番、14番につきまして今回ご検討いただ きたいと考えております。  概算費用の見積もりについてですが、一番左のカラムをご覧ください。概算見積もり額 平成21年9月と書いているところです。これは、昨年10月に開催された未承認薬使用問題 検討会議において開発計画の内容等をご確認いただいた上で、概算額をご確認いただいて いる額になります。今回、その右隣のカラムであります見積もり額、平成22年1月のカラ ムになりますけれども、ここの部分に改めて積算をし直した要望額が掲載されてございま す。3つ目のカラムが、私ども事務局のほうで。先ほどの考え方に基づいて査定を行った 支援上限額の案になっております。  全体の額の動きでございますが、一番下の太い四角囲いを見てください。見積もり提出 品目数、小計9品目のところでございます。9品目合計のところの額が、一番左のところ がおよそ70億円ちょいとなっております。今般、改めてご提出いただいた見積もり額、支 援上限額の案の順で並んでございます。総額も考慮に入れつつ、先ほども申し上げました ルール案で考えていきますと、昨年9月時点での開発支援予定品目の全ての開発費が当初 の限度の範囲に大体全部がおさまると考えております。  昨年9月から開発必要経費に大幅な変更があった品目についての理由につきまして、右 のカラムに掲載させていただいております。概算見積もりから増額になった主な理由とい たしまして、新たに追加試験、PMDAの相談の後に、追加臨床試験を追加されたという ような場合に大きな増額が見られているところがございます。一方、実際に見積もりを詳 細にしてみたら、そこまで経費がかからないということで減額されているところもござい ます。総計で、今申し上げたとおりで額がおさまるような状況になってございます。  事務局のほうで査定させていただいた内容につきましては、そこの欄に書いてあります 直接的な治験、臨床試験に関与しないCMC関係であるとか、非臨床試験であるとか、そ の他もろもろのところで他の品目との整合性に配慮して査定させていただいているような 状況でございます。以上のような経緯で、上限額の案を提示させていただいているところ でございます。確認、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 ○堀田座長  今、説明していただきましたけれども、未承認薬使用問題検討会で14品目が積み残しに なって、これに対して補正予算でこの部分だけ生き残ったということであります、総額100 億で3年間の基金ということですので、それをどういうふうに上限額を決めていくかとい うのが今の提案であります。この中で、表の白のところですね、9品目についてはもう概 算見積もりが出ていまして、それに対するもう一回やり直しの見積もり額、そして事務局 で精査したものという形で、この左からカラムができておりますが、総枠で70億強という ところでおさまっているので、あともしこの未提出のものが出てきても、一応その中にお さまるぐらいの見積もりですね。 ○研究開発振興課長補佐  はい。簡単に申し上げますと、昨年9月の見積もり段階の9品目の合計額と、最終的な 支援上限額案の上限額はほぼ同一でございますので、残りの5品目につきましては、それ ぞれの見積もりに基づいた推計値の範囲内であれば対応可能であると考えられます。全て の品目の開発必要経費が明らかにならない限り、いつまでたっても残りの品目にかかる開 発経費について十分な補助金額が残っていると言い切ることはできませんが、昨年9月時 点の推計値を基準として、一定の枠内に収まっていることを確認することが、現時点で実 施可能な合理的な評価であると考えております。 ○堀田座長  何かご意見いただけますでしょうか。これは未承認薬使用問題検討会の議論で、そこに 出ておられた先生はご承知だと思うんですが、それ以外のメンバーの方だと、この経緯と いうのはなかなか分かりづらいところかもしれません。いずれにいたしましても、この補 正予算というのは21年度予算としてついていますので、さかのぼって21年4月ですか、5 月ですか、そのときにまだ積み残しになったものが対象になっているということですね。 よろしいでしょうか。藤原先生。 ○藤原構成員  私は6番目のタルクの医師指導治験の治験専門家にタッチしていますので、COIとあ るのはちょっとご承知おきいただいた上で発言します。この査定内容で、CMCが結構削 られているんですけれども、全体に、先ほど川西先生が海外の製品なんかを日本に入れる ときにはCMCで結構苦労するというようなこともおっしゃっておられましたが、このC MCが査定されたというのは、単に予算的にオーバーするからということなんでしょうか。 それとも何かCMCは、こんなの国からは払いませんということなんでしょうか。 ○研究開発振興課長補佐  例えば、申請手数料みたいなものは予算事業の設計上払えないという制約はもともとご ざいました。開発費につきましても、最初冒頭資料9−1でお示しさせていただいたよう に、基本的には治験を実施するものについての支援を中心に予算が組まれていた経緯もご ざいまして、特に治験を実施する上で、前臨床試験がなかったら治験ができない場合につ きましては、臨床試験も含めて検討の範囲内ではないかという議論はございましたが、そ れ以外のものにつきましては、なかなか読み込めることは難しいこともございまして、今 回は一律同じような形で統一させていただいているところでございます。 ○堀田座長  多少でこぼこがありまして、概算と最初の支援の上限というのがずれたところもありま すけれども、これは一応その同じルールで評価しているということなんですか。 ○研究開発振興課長補佐  そのとおりでございます。 ○堀田座長  よろしいでしょうか。もし、特にご異議がなければ、この形で開発支援のほうに回して いただきたいと思います。よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、これで本日予定した議題はここまででありますけれども、事務局のほうから 何かお知らせはありますでしょうか。 ○事務局  ありがとうございました。  この会議でありますけれども、開催要綱では年4回程度となっていますけれども、先ほ どご説明させていただいたとおり、3月から4月にかけて一度またいろいろご議論いただ かなければいけないことが多数出てくることかと思います。ぜひともご協力をお願いした いと思います。日程調整についてはご連絡させていただきたいというふうに思いますので、 ご返信のほどよろしくお願いいたします。  以上です。 ○堀田座長  それでは、これで第1回の検討会議を終了したいと思います。ご協力ありがとうござい ました。 (了) (照会先)  厚生労働省医薬食品局審査管理課  代表:03(5253)1111  内線:4221