第4回 化学物質のリスク評価に係る企画検討会 日時 平成22年1月21日(木) 14:00〜 場所 経済産業省別館1042号会議室 (担当)厚生労働省労働基準局安全衛生部             化学物質対策課化学物質評価室 井上 〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2             TEL 03-5253-1111(内線5518)             FAX 03-3502-1598 ○長山化学物質評価室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第4回「化学物質のリスク評価に 係る企画検討会」を開催させていただきます。本日は、小泉委員と名古屋委員がご欠席です。以降の 議事進行は櫻井座長にお願いいたします。 ○櫻井座長 本日はがん原性試験(フィージビリティテスト)対象物質の選定がメインですが、2つの 議題を予定しております。最初に事務局から議事予定と資料の確認をお願いいたします。 ○長山化学物質評価室長補佐 本日の議事は(1)「がん原性試験(フィージビリティテスト)の対象物 質の選定について」、(2)「今後のリスクコミュニケーションの進め方について」の2つを用意してお ります。  資料一覧に基づいて資料の確認をさせていただきます。資料1-1「がん原性試験対象物質の選定の考 え方(修正版案)」、資料1-2「がん原性試験優先試験物質リストの作成について」、資料2-1「今後 のリスクコミュニケーションの進め方について(第3回リスク評価に係る企画検討会における主な意 見)」、資料2-2「今後のリスクコミュニケーションの進め方(検討課題)」、資料3、今後の検討予 定を用意しております。以上です。 ○櫻井座長 議事に入ります。最初の議事はがん原性試験対象物質の選定の検討です。事務局から説 明をお願いいたします。 ○長山化学物質評価室長補佐 資料1-1「がん原性試験対象物質の選定の考え方(修正版案)」に基づ いてご説明いたします。前回第3回のときに考え方をお示し、検討いただきまして、その際のご意見等 を踏まえて事務局で修正したものです。修正点のみご説明いたします。  1は、候補物質の母集団を決めるところの真ん中の*のところで、テストガイドラインの関係で、 「用量-反応関係が直線になる範囲において、当該化学物質の濃度において『比活性値』が」と続けて いたのですけれども、ここを事務局修正で「濃度において」という表現は必要ないのではないかとい うことで削除したいと考えております。(2)の下のIARCのところでご指摘のありました、「国際がん研 究センター」ではなくて「機構」ということで修正させていただきました。  2の優先試験物質リストの作成の部分を修正しております。前回ご指摘を受けました(1)において@ ABと番号を付しておりましたけれども、こちらの番号自体には意味がなくて、これをもって優先順 位を意味するものではないということで、並列ということを明確にするために番号を入れないという ことで、「○」という形に変えさせていただこうかと考えております。本文にもありますとおり、 「リスクの大きさに基づいて優先的に試験する物質を考慮することとし、例としては以下のようなも のが挙げられる」ということで、こちらについては例示である旨を本文中にも入れつつ、3つ列挙して いる上に「(例)」ということで例示である旨を記載したいと考えております。  3はさらに絞り込みの部分になります。1行目から「発がん性のおそれのある物質を選定する観点か ら」の次のところで、前回は「構造活性相関の解析の結果」とつなげておりましたけれども、ご指摘 を踏まえて構造活性相関のみならず、エキスパート・ジャッジメントも組み込んではということで、 文章としては「当該分野において専門的知見を有する者の意見(エキスパート・ジャッジメント)及 び」という形で入れさせていただきました。  次のところで「発がん性が高いとされる物質」とありましたが、発がん性が強い弱いというところ まで把握するのはなかなか難しいということで、そういうものは含めない表現ということで「発がん 性があると考えられる物質にあっては」という形に修正を加えております。  後段の「一方」の次のところで「以下のような物質については、物質の性状、特性から良好な試験 の実施が困難な場合には対象物質から除外して差し支えないこととする」とつなげて、下の条件だけ で対象から落ちてしまう可能性があるので、この条件を基に「困難な場合には対象物質から除外して 差し支えない」というような趣旨に捉えられるようにということで修正を加えております。条件とし て前回4つ挙げさせていただきましたけれども、3番目と4番目の部分で、例えば急性毒性については、 そういう急性毒性が現れるレベルよりも低い濃度で試験をすればいいだけの話ではないかということ です。また、刺激性についても同様ではないかということでご指摘をいただきましたので、BとCに ついてはこの条件の中から削除するという修正を行いました。資料1-1の修正のポイントについてのご 説明は以上です。 ○櫻井座長 前回の意見が盛り込まれた修正になっていると思いますが、改めて特に追加のご意見、 お気づきの点がありましたらお願いいたします。 ○吉田委員 2のほうで例示されるということで、@ABをただの「○」にするとおっしゃられたが、 3を見ていて、「一方、以下のような物質については」というのも例示に近いのではないかと聞かせて いただきました。@の爆発性とか、Aの空気・水との反応性というのも上と統一されて「○」だけに されたらどうかと思ったのですが、そういう意図でよろしいでしょうか。 ○長山化学物質評価室長補佐 はい、考え方としては優先順位ではなく並列という形にしたいと思い ます。 ○櫻井座長 おっしゃるとおりだと思いますので、これは修正しますか。 ○長山化学物質評価室長補佐 ここは「○」にさせていただきます。 ○櫻井座長 ほかにお気づきの点はあるでしょうか。 (特に発言なし) ○櫻井座長 特にないようですので先へ進みます。本検討会としてはただいまの修正版をご承認いた だいたことといたします。次に、平成22年度においてフィージビリティテストに着手する2物質の選 定の作業に入ります。事務局から説明をお願いいたします。 ○平川査察官 資料1-2に基づいてご説明いたします。この作成経緯としては、優先試験物質リストは、 試験対象物質を当該リストから選定する目的で作成され、試験対象物質が選定された後も定期的に更 新する性格のリストです。今回のリスト作成については、平成22年1月7日に行いました企画検討会 において検討された「がん原性試験対象物質の選定の考え方(案)」の手順に従って事務局が作成し たものです。本日この考え方がまとまりましたので、この方向性に沿って行ったということです。な お、当該リストについては短時間の作業により作成されたもので、選定に係る情報は表にありますと おり非常に限定的です。また、選定の考え方、3に示された構造活性相関の解析等は今回は未了となっ ておりますのでご承知おきください。  2.は具体的手順です。作成手順は以下のとおり行いました。@試験候補物質の選定です。選定の考 え方にあります1の(1)及び(2)に基づき、強度の変異原性が認められた物質のうち、混合物や共重合物 等を除いた約600物質及び既存化学物質のうち国際機関等で指定の発がん性ランクとされている約300 物質の約900物質を試験候補物質といたしました。その中で優先試験物質のリストを作成することにな ります。@については独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の「化学物質総合情報提供システ ム」等を活用し、製造量・輸入量、取扱事業場数、物質の性状等を確認し、これらの情報を基にして 優先評価物質56物質を選定しております。  具体的な選定作業は以下のとおり行いました。まずCAS番号が付されている物質の中から選定を行い ました。CAS番号については、米国のChemical Abstracts Serviceが付している番号です。この番号 が付されているものについては、共通的によく使われているのではないかということがありましたの でそれから選定いたしました。また、農薬・医薬等については、がん原性試験が実施されているとい うことですのでこれも除外しております。既存化学物質については、化学物質排出把握管理促進法 (PRTR)制度に基づいて、事業者から排出量、移動量等が届出されている物質(第1種指定化学物質) はそれに当たるわけですが、その中から選定を行いました。さらに登録事業場数が10以上の物質に絞 り込みをかけたものです。また、有機則、特化則の特別規制対象物質も既に局所排気装置等のばく露 防止対策が講じられているということで除外いたしました。新規化学物質については、PRTR制度の第1 種指定化学物質に該当する物質がなかったことから、関連情報で産業利用が確認された物質を選定し たということです。  先ほど話がありましたエキスパート・ジャッジメントの関係ですけれども、Bにあるように、有害 性評価小検討会の専門家に送付して意見の聴取を行いました。この意見聴取の結果については、優先 試験物質リストに記載しております。このエキスパート・ジャッジメントについては、実際この56物 質の中から2つの物質を選ぶのは非常に難しい面もありますので、円滑に進めることのために、有害性 評価の小検討会の中の専門家であります大前座長と池田先生にご助言を賜ったものです。選定が難し い作業の中で、両先生が経験上認識されております範囲内において、構造式等から発がん性が高いと 推定されるもののご教示をいただいたところです。その結果を備考欄の注のところに○で記載させて いただきました。  A3判の資料に基づいてリストの中身についてご説明させていただきます。このリストの位置づけは、 先ほどご説明のありましたものの補足になりますが、本リストに掲載された物質は化学物質の利用動 向、変異原性試験等のデータから、今後優先的にがん原性試験が必要とされる物質を示したものです。 したがって、現在のところリスト中の化学物質にがん原性の示唆がされているものではないというこ とについてご留意をお願いいたします。  リスト中には新規化学物質といいますか、実際は届出がされて公表された物質が新規になります。 残りはそれ以外の所から集めて来たものということになります。新規のデータについては、変異原性 試験、これは基本的にエームス試験と呼ばれているものですが、その試験結果によって変異原性が認 められた化学物質の取扱いについてという通達が出ます。したがって、その届出に付属して最大比活 性値が評価されて、その通達の対象になっておりますので、今般その最大比活性値を表示させていた だきました。基本的には103を超えたものが新規のリストの中に挙がっております。用途のところにつ いては、独立行政法人製品評価技術基盤機構のほうで持っている情報等を活用して用途の記載を行い ました。  また、新規のものの中に一部気体の化学物質があります。これについては最大比活性値の計算がで きません。例えば11番の微生物を用いる変異原性試験、ガスばく露法による試験を行っております。 気体のものについては、液体とか固体のものとは若干違った方法を採らなければいけないことになっ ています。ここに掲げております23.4%以上、23.0%以上という数字があります。これについては体 積濃度ということになっておりますのでご留意ください。そういうところの結果で、強い変異原性が 認められたものということでリストアップし、さらに用途が一般的な用途として挙がっているものに ついてリストアップさせていただきました。既存化学物質については、いろいろな毒性評価の情報等 が、新規化学物質のほうと異なりますので、こちらについてはそういう情報を事務局で収集して記載 させていただいた、合計56物質のリストとなっております。  この56物質から専門家の意見をいただき、さらに絞り込みを行いました。この絞り込みの考え方の 1つとして、発がん性物質と変異原性物質の関係があろうかと思います。基本的には自身が化学的反応 性が高いか、その代謝物が反応性が高く、容易にDNAと共有結合して遺伝子を傷つける化学物質が変異 原性物質であり、発がん性物質であるということで考えられています。  専門家の先生がおっしゃるところで言いますと、すべての化合物の反応性、潜在的反応性を本来ラ ンクづけすることは難しいということですのでランクづけはしておりません。  そういうことで、基本的には変異原性を示す可能性のある化学構造をベースにしてリストアップし ていただきました。基本的に変異原性を示す可能性のある化学構造ということで言うと、ヒドロキシ 化合物とか、芳香族アミン等が知られております。反応性が高くても、グルタチオン抱合酵素で素早 く解毒代謝されるものも発がん性が劣る。あとはDNAとの反応性として芳香環が2つ以上結合し、平面 構造をとりやすい化合物は発がん性が高いといった知見をご披露いただきました。  物の選定ということで専門家の先生から、おそらくこの会議でも議論が出てくるのではないかとい うことではあるのですけれども、他の信頼できる機関で実験済みの物質や、規制されている物質量の 少ない物質は選択しない方向になるのではないかという話も出ていました。そうしたことで、今回こ こに○で付けられているような化学物質についてはリストアップさせていただきました。  さらに個別物質についても付属的にコメントをいただいている部分がありますので一部ご説明させ ていただきます。1頁の5番の物質は、加水分解で生じるホルムアルデヒドが変異原性の原因ではない かと専門家の先生はおっしゃっておられます。23番の2'3'-ジデオキシアデノシンについては、DNAに 間違えて取り込まれる特性によるものかもしれません。反応性があるとは考えにくい構造だというご 助言をいただいております。48番のアジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)は、加水分解に生ずる2-エチ ルヘキサノールに由来する発がん性であると思います。そうであれば、ラットの肝臓でペルオキシソ ームを増殖誘導した結果起こるものであり、ヒトでは起こらないであろうと考えられているというコ メントをいただきました。50番の物質は、類縁物質のチウダムのジスルフィド結合グルタチオン2な どによって還元されて生じた代謝物になります。ただ、この化学構造に反応性があるとは大変考えに くいです。また、もともと水溶性の高い化合物で、酸化的な代謝で反応性を持つようになるとも考え にくい、といった追加的なコメントをいただきました。  基本的には○を、こちらのほうで専門家の先生のご意見をいただいておりますので、こういったも のを参考に、本日2物質を決めていただきたいということで考えております。私からは以上です。 ○櫻井座長 非常に広範な情報の中から2つを選ぶというのは相当大変な作業になります。専門家であ る大前委員と池田委員から、特に注意すべきものではないかと言われたものが、いちばん右の備考の ところに○の付いている物質ですね。 ○平川査察官 そうです。優先的に試験すべき対象と考えられるとの意見をいただいたということで、 特にお出しいただいたものが備考欄の注に書かれているものです。 ○櫻井座長 いまご紹介いただいたコメントを聞いていたところ、例えば50番はいちばん右に○は付 いているけれども、これは注意すべきというよりは、どちらかというと発がん性は考えにくいという ほうですね。 ○平川査察官 はい、そうです。 ○櫻井座長 48番もそうですね。 ○平川査察官 はい。48番は、ヒトでは起こらないだろうということです。 ○櫻井座長 マウスに特有な現象である可能性が高いということですね。 ○平川査察官 はい、そうです。 ○櫻井座長 48番と50番のいちばん右の○はこの際考えないと。大前委員は、比較的小さい数に絞っ てご意見をいただいたと先日伺いました。 ○平川査察官 大前先生からいただいているものを具体的に申し上げますと21番、25番、35番、38 番、52番、53番です。残りの○は、逆に言いますと池田先生のほうからコメントがあったということ です。 ○櫻井座長 そういうことですね。大前委員が選んだ6物質は、池田先生と一致していたかどうかとい うのはどうですか。 ○平川査察官 実は一致しておりません。 ○櫻井座長 全く一致していないのですか。 ○平川査察官 全く一致していないです。 ○櫻井座長 そういうことも頭に入れてお考えください。基本的な方針として、新規化学物質と既存 化学物質のどちらを優先するのかというところがあると思いますが、これについてご意見はあります か。 ○漆原委員 既に議論されてきたのかもしれないのですけれども、ここに挙がってきた物質で選ばれ なかったものの扱いです。ここで新規化学物質となったとしても、それは数年後にはいろいろなデー タが揃ってくるということもあると思うのです。そこの扱いは毎回精査して、今回と同じだけの数を 揃えて出してくるということでよろしいでしょうか。 ○櫻井座長 これは固定したものではないと最初に申しております。 ○漆原委員 ただ新規のときに。 ○櫻井座長 新規化学物質というのは、既存でないものは全部新規なので、これが分類上既存に変わ ることはないのです。ただし、新規化学物質というのは、比較的新しく一定の業者がその用途を考え て調べたところこういう結果になったというものなので、それが現実に用途があるとしても、比較的 限定された事業者がそれを取り扱うという可能性が高いと私は考えております。山口委員はいかがで しょうか。 ○山口委員 そうです。開発段階から届けているものもありますし、もう少しここから進んでいく部 分もあります。ただ、一般に大量に流通しているものではないです。ばく露という意味では比較的少 ないし、エームス試験に出した段階で陽性が出れば気をつけて取り扱うという形になると思います。 優先順位としては比較的低いかなと。ただし、非常に発がん性が高い可能性があれば別だと思うので す。 ○櫻井座長 私も全く同じように考えております。既存化学物質はどこでどのように使われているか 予測がつかない、これは大部分がそうです。それに比べて比較的限定された、技術開発力のある事業 者が取り扱うという点から、自主的な管理にお任せすることも可能だろうし、あるいは行政的な指導 といいますか、注意喚起ということで対応できる部分もかなりあります。 ○山口委員 新規となると、具体的にユーザーが使う場合にいろいろデータを要求してくることもあ りますので、自然にいろいろなデータが揃ってくる可能性は高いような気がします。国が積極的に、 優先的にやる必要度はあまり高くないかと思います。 ○櫻井座長 その点で追加のご意見はありますか。山口委員もおっしゃったように、新規化学物質の 優先度は低いと思いますが、特に変異原性が極めて強いというようなものがありますか。特にこれは どうだろうと。変異原性試験の情報で103以上と取りますけれども、これは変異原性が極めて強いとい うような。 ○清水委員 非常に強いものに関しては行政のほうで指導していますよね、注意喚起は出しているは ずですね。 ○平川査察官 1から出ておりますリストについては、すべて行政通達の対象になっているものです。 ○清水委員 ですから、取扱いに関しては注意がされていると思います。 ○櫻井座長 この中から、変異原性情報だけでさらに特に注意すべき点というのはちょっと無理です ね。 ○清水委員 そうですね。 ○櫻井座長 大体103、104ぐらいですね。 ○清水委員 新規のほうで気になったのは、28番のガス状物質で非常に低い濃度で陽性になっていま す。 ○櫻井座長 なるほど、ガスですね。 ○清水委員 ほかのガス状物質は相当高い濃度でようやく出てきているのですが、これだけは非常に 低い濃度で出てきています。労働者がこういう低い濃度でばく露して大丈夫かと思います。これは中 間体ですから、ばく露する可能性は低いのでしょうか。 ○櫻井座長 この中間体というのはどういうことですか。 ○平川査察官 この中間体というのが、どこまでの中間体かということになります。自分の会社で作 って、自分の会社でそのまま消費しているのか。ここまで名前が出ていますので、ある程度は外で取 引されている可能性がないこともないかと思うのです。そこのところまでの具体的な情報をここでは まだ得られておりません。 ○櫻井座長 貴重なご意見です。私も、気体というのはばく露しやすいという意味で問題だと思いま す。11番についても気体でとおっしゃいましたけれども、これは元の性状は無色透明の液体なのです ね。 ○平川査察官 そうです。 ○櫻井座長 ただ、変異原性試験はガスでやっている。だから、これは蒸気圧が高いのか。 ○平川査察官 これは、沸点が35℃ということです。 ○櫻井座長 それでは、ほとんど気体ですね。 ○平川査察官 相当蒸気圧が高いので、ほとんど気体ということになっています。 ○清水委員 ガス濃度が20%以上でようやく出てきますから。 ○櫻井座長 高いですから、これはちょっとね。やはり28番と比べると、圧倒的に28番のほうが気に なるということですね。 ○清水委員 ちょっと心配です。 ○櫻井座長 気体というのは、32番のフルオロメタンで50%以上です。36番もパーセンテージとして は高いです。 ○山口委員 私はあまり詳しくないのですけれども、エームス試験の数値の大きさと発がん性はかな り相関はあるのでしょうか。 ○清水委員 ある程度の相関はあります。 ○山口委員 比較的高い相関ですか。 ○清水委員 ええ、少なくとも動物で発がん性がわかっている物質をエームスにかけますと、かなり きれいな相関が出てきます。 ○山口委員 発がん性が高いものはエームス試験が高く出る。ただ、エームス試験で高いからといっ て発がん性があるというわけではない。 ○清水委員 発がん性がみな試験をされているとは限らないのです。ですから、がん原性がわかって いるもので見ていると、エームスとかなりきれいに一致します。 ○山口委員 がん原性とエームスはかなり相関があると。 ○清水委員 そうです。エームスのほうはたくさんやっていますから、がん原性のほうが間に合わな いので、相関がなかなか取れないのです。 ○櫻井座長 だから、特に新規化学物質についてエームスだけ先行している。もし、こういう物質を 実際に事業者のほうで取り扱うとされたら、非常に慎重に取り扱うか、あるいは発がん性はテストを して調べる。状況によっては自分の費用でというものではないかと思うのです。そうでなければ使え ないです、使いたくないです。 ○山口委員 そうですね。新しい化学物質に限っていうと、変異原性情報が選定のキーになるという 形になりますね。用途その他はまだ全然ないことになりますから。 ○櫻井座長 既存に比べれば優先順位は低いけれども、もし既存のほうで特にないのだったらそちら ということになるのかもしれません。次に既存化学物質のほうでは、大前委員は新規のほうで2種類で したか。 ○平川査察官 そうです。21番、25番、35番が新規で、残りの38番、52番、53番が既存のほうで選 んでくれています。 ○櫻井座長 大前委員は小委員会のほうなのですが、本日はこちらにはご出席いただいていないので すが、挙げていた条件として発がん性の情報は既に試験がやられているものは原則としてやらないと いうことですか。 ○平川査察官 考え方としては、この会議の中でもそういう話になるのでしょうけれども、他の信頼 できる機関で実施済みの物質や、規制されている物質量の少ない物質等は選択しないと言っています。 ○櫻井座長 それを強く意識していたと思うのです。38番のアリルアルコールは発がん性情報、2年間 試験が空欄になっています。52番のp-フェニレンジアミンも空欄です。53番は、最初の資料では空欄 だったのですが、これは修正していただいたのですか。 ○平川査察官 はい、そうです。これは化学物質評価研究機構の有害性評価書を確認したところ、こ のような形での文献があったということです。 ○櫻井座長 大前委員からお送りいただいた資料を見ましたけれども、あるいは技術的なことで抜け ていたのでしょうか。この欄がすごく狭くて空欄になっていたのです。実際に見てみると、2006年の 有害性評価書でこのように示されている。ただし、ほかのものに比べるとちょっと懸念は残るかなと いう表現ではあります。 ○平川査察官 実際のところでいうと、雌雄で良性の下垂体腫瘍、雄で甲状腺、膀胱、精巣に上皮性 腫瘍及び白血病の発生率の有意な増加というのは出ています。しかし、用量依存性はない。 ○櫻井座長 用量依存性はなかった。ちょっと懸念も残るという意味もあります。その他の既存化学 物質をご覧になっていただくとおわかりいただけると思うのですけれども、比較的明確に発がん性な しという情報のものが圧倒的に多いです。  例えば、既存のいちばん最初の37番のアセトニトリルの上の3行ですが、ばく露に関連した腫瘍の 発生なし。これは発がん性情報2年間試験のところです。これは1996年のNTPです。その下もF344/N ラットで云々、103週、肝細胞線腫が見られたが、発がん性に関して結論づけることはできない。39番 もそうです。Wisterラットに経口で投与しても腫瘍の発生なし。SDラットの経口生涯投与に関連した 腫瘍発生なし。こういうものを改めて付け加えるのは優先順位としては低いですね。40番のグルタル アルデヒドもそうです。42番もそうです。43番もそうです、腫瘍の発生なし。45番もそうです。46番 もそうです。  そのように見てくると、既存のほうでご検討いただきたいものとして残るのは、38番のアリルアル コール、41番のクロロジフルオロメタンはちょっと問題ですけれども、いま発がん性情報の抜けてい るものを挙げております。44番のフタル酸ジ-n-ブチル。50番のビス(N,N-ジメチルジチオカルバミン 酸)亜鉛、ただし池田先生はメカニズム等から考えにくいとおっしゃっていますから外します。52番 のp-フェニレンジアミン。これは抜けていないけれども先ほどちょっと申し上げました53番のアクリ ル酸メチル。これだけになります。もし、いまの段階で既存物質を優先すると。将来新規のほうへ移 るかもしれないけれども、いまの段階で既存を優先するべきであるとするならば、いま残ったものの 中から2つを選ぶことにするのでしょうか、どんなものでしょうか。いま空欄だった中で、6頁の41 番のクロロジフルオロメタンはガスですけれども、変異原性試験陽性でも。 ○清水委員 濃度が高いところでようやく出てきますので、10%以上ですから。 ○櫻井座長 40%とか50%、これは優先度は低いと言ってもよろしいですか。 ○清水委員 はい。 ○櫻井座長 これは外します。フタル酸ジ-n-ブチルというのは、可塑剤として、いろいろな立場から 議論がたくさんやられてきているものだと思います。ですから、発がん性試験が全くやられていない とは思えないです。この資料が比較的短時間で作ったという点から、いまここが空欄だからそれを優 先するというものではない。 ○平川査察官 そうです。引用いたしましたのが、2006年のCERIの有害性評価書ですけれども、そこ に掲げております発がん性について申しますと、USEPAはグループDと評価しているが、他の国際機関 等では現時点で評価していない。また発がん性は評価するに十分な実験動物を用いた試験報告がない と言っています。 ○櫻井座長 わかりました。そうすると優先順位を下げる理由はないですね。復帰突然変異データは どうでしょうか。 ○清水委員 はっきりしていないです。数値が出てこないのでなんとも言いかねるのですが。 ○櫻井座長 あまりはっきりしていないですね。 ○清水委員 はい。 ○櫻井座長 染色体異常試験も擬陽性です。 ○櫻井座長 これは、日本でやったデータです。 ○櫻井座長 そうですね、Ishidate。 ○清水委員 これだと弱いのでしょうね。 ○櫻井座長 弱いのでしょうね。そういうことを頭に残しておいていただきたいと思います。50番の ビス(N,N-ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛は先ほど抜くことにしました。52番のp-フェニレンジ アミンはいかがでしょうか。これは、極めてあちこちで非常に広範に使われている毛染、理美容関係 で。 ○平川査察官 そうです。染料として白毛染料・ゴム加硫促進剤・写真現像薬原料というのが出てい ます。 ○清水委員 変異原性のほうから見ると、微生物のほうで最大比活性値896というのは、どちらかとい えば103に近いところなのです。それから、ほ乳類の培養細胞の染色体異常のD20値が0.0012というの はかなり強いのです。0.001以下は強陽性ということですから、ほとんど強陽性と考えていいと思いま す。ですから、エームスでもある程度の強さはありますし、バイオ細胞でも強いということで大前委 員もチョイスしていますけれども、これは優先順位が高いと見ていいと思います。 ○櫻井座長 わかりました。そうすると、この物質は優先順位が高いですか。あと大前委員は53番を 挙げています。54番、55番、56番辺りはいかがでしょうか。 ○吉田委員 私は専門家でないので教えていただきたいのですけれども、ラットとかマウスの鼻腔に がんができたとしても、ヒトとはかなり構造が違うので簡単に類推してはいけないというようなこと を聞いたことがあります。この辺についてご専門の立場から見て、54番は鼻腔に発がん性のことが書 いてあるのですが、信頼できると考えられるものなのでしょうか。 ○櫻井座長 ホルムアルデヒドとか、アセトアルデヒドなども同じような傾向があります。動物は、 特に鼻腔を通過するときの気流動体的な動きから、ヒトよりも鼻腔で障害が発生する率が高いと言わ れているのはそのとおりです。ただ、全く質的に違うわけではなくて、量的な差ということだと思い ます。ホルムアルデヒドはヒトでも発がん性ありという方向に疫学の情報から判断されておりますの で、否定することはできないと思います。 ○吉田委員 わかりました。 ○山口委員 54番も候補の物質として残ってきているということですか。 ○櫻井座長 残るという感じです。 ○清水委員 変異原性のほうから見ますと、これはエポキシ基がありますので、新規の2番、3番、4 番と同じようにエポキシ基が付くと構造的には大体変異原性陽性になることが多いです。微生物のほ うは強さが出ていません。染色体異常のほうは0.08ですから中等度の強さです。in vivoの小核も一 応は陽性に出ています。 ○櫻井座長 池田委員も○を付けています。p-フェニレンジアミンとか54番は候補として残ります。 ○吉田委員 吸入試験が1つと経口試験が1つということになるのですか。前回のお話では、経口と吸 入を1物質ずつというお話でした。 ○平川査察官 先ほどの説明の中で漏れたのかもしれませんが、吸入試験のフィージビリティテスト の物質を2物質選んでいただくということです。 ○山口委員 吸入試験に移るためのフィージビリティスタディの候補物質ということですね。 ○櫻井座長 そうなのです。 ○山口委員 そうすると、54番の吸入102週間という結果がありますから、やったら同じ結果が出る となると、結局同じ判断が2回繰り返されるだけということですね。 ○櫻井座長 そうなってしまいます。同じ結果が付け加わることによって説得力が増すとしても、そ れほど違わない。既に54番はエポキシドもあるし、こういうデータもあるとするならば、慎重に取り 扱うべき物質とすることはわかっている。そういう意味では優先順位から落ちるのですね。 ○山口委員 はい。 ○櫻井座長 55番もそうですか。要するに、過去の発がん性情報がはっきりない方向でデータが出て いるのと、割合ちゃんとある方向で出ているのと両方とも優先順位は低いと考えるべきですよね。 ○山口委員 情報がある情報が、新たな情報を増やした。 ○櫻井座長 そうですね、並列した情報が出るだけなのです。ヒトの情報ではなくて、今度やるのも 動物の情報ですから。あえてやるならば経口だけなのに、吸入を追加するぐらいなものです。実際の ところ、こういう発がん性試験の情報が全然ないものがあるならばそれを優先すればいいですね。い まのところ残っているのが、p-フェニレンジアミンと、アリルアルコールです。 ○清水委員 アリルアルコールを変異原性のほうから見ますと、微生物の強さは出ていませんけれど も、50μgという比較的低い濃度以上で陽性になっていることがちょっと気にかかります。それから 培養細胞は、D20値が0.005ですから先ほどのp-フェニレンジアミンと同じようにかなり強いと見てい いと思います。 ○櫻井座長 そうですね。それから構造からいってエポキシドがすぐできる。 ○清水委員 できやすいです。 ○櫻井座長 池田委員もこれを選んでいますし、大前委員も選んでいる。 ○平川査察官 これは、大前先生のみです。 ○櫻井座長 そうか、池田先生はこれを選ばなかったのですか。 ○平川査察官 池田先生は言及しておりません。 ○櫻井座長 これを採らなかった理由は何なのだろうか。もしいらっしゃったら聞いてみたいです。 ○平川査察官 先ほどの私の説明の繰り返しになるのですが、池田先生の観点としては、反応性が高 くてもグルタチオン抱合酵素で素早く解毒代謝されるものは発がん性が劣る。あとはDNAとの反応性と して芳香環が2つ以上結合し、平面構造をとりやすい化合物は発がん性が高い。もう1つは、反応性の 官能基を2つ以上有する化合物はDNA架橋する作用も有するので、他の2倍の反応性があると考えずに リスクが高まっていると考えるべきだというご助言をいただいております。そうした観点から、逆に 38も挙がっていると。 ○櫻井座長 いまの観点からは抜けているということですね。 ○平川査察官 はい。そこの観点からこれが外れているということだろうと思います。 ○櫻井座長 しかし清水先生もご指摘のように、変異原性の情報も気がかりだし、発がん性の情報2年 間試験等はやはりないのでしょうか。これはJETOC、CERI2007年。 ○平川査察官 発がん性に関しての記載ですが、アリルアルコールの発がん性については、ラット、 ハムスターを用いた経口投与試験が行われているが、いずれの試験も用いた動物数が少なく、投与群 が1用量しか設定されていないことから発がん性を評価することはできない。IARCではアリルアルコ ールの発がん性は評価していないということになっています。 ○櫻井座長 ないのと同じようなものですね。これは、優先順位の上位として残しておきたいと思い ます。いまのところp-フェニレンジアミンの2つが強力な候補として残っていると思いますけれども、 そのほかはいかがでしょうか。44番もまだ消していません。あとは53番のアクリル酸メチルですね。 ただし、これは発がん性情報はないわけではなくて、ある。 ○山口委員 ランク付けで3、4、5と、IARC、ACGIH、EPAと一応付いていますね。結局やって同じよ うな結果ですね。 ○櫻井座長 そうですね。アリルアルコールとp-フェニレンジアミンを比べると、優先順位は低いと、 いまの段階では考えてよろしいですか。フィージビリティという点では、例えばp-フェニレンジアミ ンなどは非常に感作性が強くて、実験がやりにくいのではないかなという気はしますが、アリルアル コールも、ほかのものも発がん物質は取扱いが難しいのを実験して。 ○山口委員 吸入試験ということですかね。 ○櫻井座長 吸入です。 ○山口委員 沸点267というと、普通のものでは結晶ですよね。 ○櫻井座長 結晶ですね。 ○山口委員 逆に言うと、吸入試験というのは酸化して。 ○櫻井委員 粉末にして。 ○平川査察官 いまp-フェニレンジアミンが挙がっていますが、実は以前これの異性体、オルトとメ タについては、すでに日本バイオアッセイ研究センターでやられておりまして、その際経口で行って おります。 ○櫻井座長 経口ですか。今回は落としますか。 ○山口委員 異性体では、そういう経口試験の結果があるわけですね。 ○櫻井座長 わかりました。それでは、優先順位を下げましょう。44番なども無色の粘ちょうの液体 ですから、吸入は無理ですね。 ○山口委員 そうですね。ちょっと3番と同じようですね。 ○櫻井座長 蒸気圧は低いですよね。参考のために、バイオの方にご意見を伺ってみてもいいですか。 ○日本バイオアッセイ研究センター たぶん、フタル酸ジ-n-ブチルはほとんど蒸気圧がありません。 粉体ということでしょうけれど、実際としてばく露シナリオとしてどういう格好があるかということ だと思うのですが、もしも粉末での粉体ばく露があるならば、それも意味があると思いますが、そこ がどうかなと思います。 ○櫻井座長 蒸気圧だけの問題だと思ったから伺ったのですが、非常に低いですか。 ○日本バイオアッセイ研究センター 非常に低いです。たぶん、これでしたら数ppmが飽和濃度です。 ○櫻井座長 とすると、当然フィージビリティというか、意味があるかどうかは、吸入ばく露試験と しての意味という点から言って落ちますね。アリルアルコールは液体だけれど、蒸気圧が97度。 ○日本バイオアッセイ研究センター 2.5kPaですから、数100ppmは濃度が出ると思います。 ○櫻井座長 アリルアルコールは大丈夫と。既存化学物質の中で、何かほかに残っているもの、候補 になるものはないですか。なければ、新規のほうから1つ。アリルアルコールが既存のほうからで、結 果としていまこのリストから既存で優先的に調べるべきものはないと言って大丈夫ですか。もしお気 づきだったら、これはまだあるじゃないかというものがあったらおっしゃっていただきたいのですが。  もしなければ、清水先生が先ほどご指摘になった28番「トリフルオロメタンスルホニル=フルオリ ド」。でも、これは全くどこでも使っていないということがあるかもしれないですからね。 ○日本バイオアッセイ研究センター そうですね。 ○櫻井座長 一応、「有機合成中間体(NITE調査)」となっていますが。 ○平川査察官 NITEの調査で公に用途が示されておりますので、そうしたことで言えば届出物質とは いえ、ほかの事業所さんでも使われているのではないかということがありましたので、このような形 でリストアップしております。そうしたことから言うと、全く届出した所だけかということにはなら ないのではないかということがありましたので、このような形で出させていただいております。 ○櫻井座長 ばく露するための、この気体を入手するところが大変なのですよね。 ○平川査察官 28番ですが、届出があったのが平成5年からの製造量が出てきていますので、平成4 年とか5年の届出があったものと考えられます。その際に、大体10tオーダーでの届出がされています。 ○櫻井座長 そうですか。 ○山口委員 そうすると、最近どのぐらい増えているかという情報を見て、増えていればいいですが、 なくなっている場合。 ○櫻井座長 そうですね。今日、是非2物質選んでしまってくれということになっておりまして、3物 質選ぶというわけにはいかないですよね。 ○平川査察官 逆に3物質選んだ場合に、2物質をどういう形で選ぶかということになるかと思います。 ○櫻井座長 優先順位を付けておいて。 ○平川査察官 その中で、3物質選んだ上で。 ○櫻井座長 アリルアルコールが第1位。この28を2番目にして、28が落ちた場合に、落ちたという のはそういう現実的な使用量を元のまま。 ○山口委員 2番目として、もしそういう事情があれば落とすということにしておけば、3物質選んで もいいですよね。 ○櫻井座長 そういう事情があったら落とすということを。 ○平川査察官 2物質あって、2物質ともうまくいったとしても、結局そのあとでがん原性試験に行く のは1物質だけですので。 ○島田化学物質評価室長 我々行政の裁量からすれば、いまのような条件のときにはもう1物質選んで おこうということでやっていただけるのであれば、我々は判断ができますので、3物質選んでいただい て結構です。 ○櫻井座長 そうですか。アリルアルコールでかなりいけてしまうのではないかなという気はしてお りますが。フィージビリティはあまり問題はなさそうだと思うのです。28番を第2候補として、第3 候補として挙げるとしたら、既存のほうで何か1つ選びたいと思うのですが、どうでしょうか。比較的 情報が少ないアクリル酸メチルでも、一応ないことはないのですが。経口のデータしかないものとか ですね。 ○山口委員 吸入試験と書いてあるのですが、アクリル酸メチルぐらいしかかからないですね。あと は沸点が高いものばかり。 ○櫻井座長 そうですね。今回はアクリル酸メチルを第3候補に挙げておきましょうか。次年度にまた その優先でということではなく、次年度は新たに考え直すことにして、今回はアリルアルコール、第2 候補が28番、第3候補が53番のアクリル酸メチルということで、ご異論がなければそうさせていただ きたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし) ○櫻井座長 それでは、今日はそのように決めさせていただきます。ありがとうございました。  次の議題ですが、「今後のリスクコミュニケーションの進め方について」に入ります。事務局から ご説明をお願いします。 ○井上労働衛生専門官 資料2-1と資料2-2に沿って、まとめてご説明します。資料2-1は、7日の第 3回企画検討会における主な意見を取りまとめたものです。資料2-2は、この資料2-1を踏まえた検討 課題を今後のリスクコミュニケーションの進め方として整理したものです。  まず資料2-1についてご説明します。1頁のテーマの選定に関して、1つ目の○ですが、テーマの取 り上げ方に関する主な意見として、テーマの募集はパブリックコメント、意見募集だけではなくて、 それぞれバックボーンが異なるリスク評価に係る各検討会の参集者から募集して、要望の多いテーマ を採用するといったことが取組みの早期の段階には必要ではないか、といったご意見がありました。2 つ目には、テーマを取り上げる際の目的、狙いなどがわかるようにすること、3ポツ目ですが、「個別 のテーマについてはそれに関係する人しか集まってこないということがあるので、個別テーマをリス クコミュニケーションにどういう基準で掲げていくのか、方針を書いてはどうか」というご意見、 「国の行うリスク評価の宣伝を目的とすれば、役目は果たしている。このリスク評価の結果として導 入した規制内容を事業者が遵守できているのかについて意見交換することも有意義である」「意見交 換において出される質問の幅は広い。目的を誤解している質問者もいたけれども、逆に質疑を通して 納得していただくことも意義のあることである」。そのほかには、「参加者の方から作業環境測定に ついて、場の管理だけではなくて個人ばく露管理にすればいいのではと聞かれることがあるけれども、 このような疑問に答えるためのテーマも考慮すべきだ」というご意見、「そもそも健康障害防止措置 については法定事項だから措置するという考え方の方がいらっしゃるけれども、そうではなくて、リ スクがあるから健康障害を防止するということをPRしていくべきだ。こういったことは言い続けてい くことが大事だ」という意見が、テーマの取り上げ方について出されました。  2つ目の○の会社の事例紹介のテーマ設定ですが、第1回の意見交換会ではエクソンモービル社の橋 本さんから発表していただいたわけですが、「先進企業におけるリスクアセスメント手法などの事例 紹介は参考になる」といったご意見、また、「法令上事業者に求めているリスクアセスメントに加え て、事業者が自主的に実質的なリスクアセスメントとして取り組んでいる事例の紹介も有効だ」とい うご意見、「機械のリスクアセスメントと違って、化学物質のそれは効果が見えにくいという声があ るので、事例紹介を通じてその効果を設明していくべき」というご意見などがありました。  2頁ですが、参加者の中から「フィジカルリスク」にかかるテーマ設定があったことを踏まえて意見 交換していただきました。「参加者から要望のあった『フィジカルリスク』については、漏洩時の対 策などを議論することになるので、その検討は別の健康障害防止措置の検討会の場で議論していくべ きかと考えている」ということ、また、火災や爆発への対応のことを「フィジカルリスク」としてお りますので、「この化学物質による労働者の健康障害のリスク評価とは違う。取り上げることは適当 と思われない」というご意見に対して、「MSDS情報には緊急時の対応が記載されていると。MSDSなど にかかるテーマを設定した際には、『フィジカルリスク』というテーマを取り上げることは可能では ないか」。また、「急性毒性の強い物質や大量ばく露については、『フィジカルリスク』として考え ていく余地はある」というご意見がそれぞれありました。  次に意見交換の持ち方です。1つ目の○の意見交換の時間については、「時間を少し長めにといった 意見、少し短いといった意見双方ありましたが、全体として見れば時間配分についてはベストではな いか」というご意見でした。対象者については、「(化学物質の規制の仕組みについて)あまり知ら ない方が勉強目的に参加するというケースと、よく承知していて、目的を絞って参加する方がいる。 これらに分けて進めていくことが厚生労働省として必要なのかもしれないけれども、両方を取り入れ ていくことは大変だ」というご意見がありました。また、「意見交換会には利害関係者、いわゆるい ろいろなステークホルダーの方が参加しているということで、その階層分けが必要と感じる場合もあ るけれども、一方でいろいろな方が集まることで逆にまとまっている可能性もある。多様な者を一堂 に集める機会も残すべきだ」というご意見がありました。  次に、労働者側の参加促進についてです。「リスクコミュニケーションは本来ステークホルダー間 の意見交換であるべきだけれども、会社の安全管理部門の者が情報収集を目的に参加する場となって いる」、また3ポツ目ですが、「労働者側の意見交換会への関心を促すため、パネリストに労働者代表 を加えることも考慮すべきだ」という意見、「第1回目のリスコミにおいては、労働者ではありません でしたが、労働者を保護する場にあるインダストリアル・ハイジニストに参加してもらったというこ ともあります。一言で労働者側といっても、パネリストを選定する場合には一定の知識を有する方で ないといけないのではないか」。その他として、「リスクコミュニケーションは国だけがやるもので はなくて、民間・業界でやっていくことも含めて連携の一文を入れてみてはどうか」というご意見、2 つ目に「PRTRと違って、地域住民を対象とするリスクコミュニケーションの開催は難しいと考える。 逆に化学物質を製造または取り扱う事業者同士がお互いの化学物質管理対策の取組事例という情報を きちんと発信・共有化していくことが大事だ」というご意見。また、「昔はいろいろな問題があって、 会社の中で労働衛生研究会などがあったものだ」というご意見、最後に「一般の方にとっては作業環 境測定手法を含めて、リスク評価は国がやるものだという認識があるし、身近なものとして受け入れ てもらっていない」というご意見などがありました。資料2-1については以上です。  これを踏まえて、資料2の検討課題として整理しております。資料2-2の(1)「テーマの選定」です が、@のテーマの選定手法としては、まず各リスク評価検討会の参集者からテーマを募集する方法、 もう1つ、テーマを設定する場合には当該テーマにおける意見交換の狙いも明確化することが、テーマ の選定として挙げられます。  Aの今後、取り上げるべきテーマですが、1つ目が事業者の事例紹介、特に事業者の自主的なリスク アセスメントの取組みです。2つ目は作業環境測定の意義、これは個人ばく露測定と作業環境測定関係 の明確化です。3つ目に、リスク評価に基づく措置の導入の意義、これは法律で押し付けられていると いう意識の転換を図るということです。  (2)の「開催のタイミング」ですが、1つ目はリスク評価の節目において開催するということで、リ スク評価、これは初期評価書と詳細リスク評価書を取りまとめる6、7月ごろの公表段階や、健康障害 防止措置のパブリックコメントの段階、有害物ばく露作業報告対象物質のパブリックコメントの段階、 具体的には秋ごろと考えられますが、こういった時期でどうかということです。リスク評価、措置導 入全般にかかる理解の促進を目的とするようなテーマについては、随時開催していくということがタ イミングとしては考えられます。  (3)「開催方針」ですが、@効率的かつ効果的な持ち方としては、複数開催が可能と考えられる東京 を除けば、基本的に専門家と一般との区分けを行わないこと。リスクアセスメントについては、法令 上のものに加えて各社における実質的な事例も紹介していくこと。この場合には、労働者側も講演者 として参加してもらうこと。事業者・業界におけるリスクコミュニケーション普及促進の観点から、 開催目的、国と事業者等との連携強化を明確化すること。開催地については、地方の事業者の参加が 容易になるよう、東京以外での開催を検討し、事業者のアクセスを考慮すれば、この場合主要地方都 市での開催を考慮すること。地方開催にあたっては、テーマの一般化、開催頻度を鑑みれば、間口の 広いテーマを設定していくことということで整理しております。資料については以上です。 ○櫻井座長 ありがとうございました。資料2-1は前回の主な意見をまとめたものですので、ここはち ょっと違う表現だったり、少し修正、あるいは追加があるかもしれません。それについてのご発言を お願いします。  資料2-2は、そういったことを考慮した検討課題としてまとめになっておりますが、これにさらに追 加すべき点、修正すべき点等がありましたらご発言をお願いします。 ○山口委員 このリスクコミュニケーションの進め方というか、いちばん大事なところに、リスクコ ミュニケーションは何を目的にやるかをある程度明確にして、だからこういうテーマを選ぶ、あるい は時期等を考えていくということで、目的が何かをもう少し明確にしたほうが、この委員会のことか らいくと、リスクベースでの化学物質の管理ということで、それを中心に進めていくほうがいいので はないかと思います。リスクアセスメントを進める上で重要なことは、ハザードの情報であり、ばく 露情報であるということで、目的ということで1項目はっきりさせたほうがよろしいのではないかと思 います。 ○堀口委員 初めてこの資料2-2を見た人が、目的もそうですが、(1)から始まると何を言っているか がいまいちよくわからないので、前段に「はじめに」ではないですが、5、6行説明があって、(1)から 下が続く形になったほうがいいのではないかと思います。なので、前段の5行ぐらいのところに経緯、 ないし目的を入れるかわかりませんが、いきなり(1)から始まると何かがよくわからないので、経緯と 目的の5行ぐらいの文章が必要ではないかと思います。 ○吉田委員 最近、非常にパソコン等が進歩しておりまして、私どもの研究所でもコンピュータ流体 力学といって、室内の空気の流れなどをシミュレーションして、きちん可視化しています。その専門 の方から2、3日前に聞いたのですが、作業環境下でのシミュレーション用のモデルの開発を過去3年 ぐらいやられていて、厚生労働科学研究で成果が公開されているという話を聞きました。そういった 最新のトピックスも、このコミュニケーションの中でわかりやすく研究者の方に解説していただくこ とも、あってもいいかなと思っております。 ○島田化学物質評価室長 たぶん、リスク評価のばく露評価を担当している小嶋委員のお仕事になる のではないかと思いますので、ご相談をしてみることにします。 ○櫻井座長 リスクベースの化学物質管理に関わる、そういった最新の研究情報みたいなものの発信 を。 ○吉田委員 そういうものもあれば、民間の方も興味を持たれるのではないかなと思いました。 ○漆原委員 開催方針なのですが、複数開催とかそういったところを考えていくと、規模をどうして いくかというところが当然出てくるのですが、そこは地方開催も含めて、予算的なところもあるとは 思いますが、何かしら規模を考えると、それから考えていくとテーマにも若干影響してくるのかなと 思うので、規模についても何か言及があるとわかりやすいのかなと思います。 ○山口委員 このコミュニケーションの場の1つの目的として、このテーマにもありましたが、事業者 間のいろいろな情報の交換の場としても活用していけるようになれば、いま交換の場が少なくなって いるので、そういう場にも発展していけばよろしいのかなと思います。 ○櫻井座長 必ずしも業界の中のというよりも、もう少し幅広い情報交換ですね、事業者間の。 ○山口委員 そうですね。特に化学はある程度わかっていますので、専門ではないけれど、ユーザー として化学物質を扱う所にまで化学の産業が持っているノウハウ、安全対策みたいなものが伝われば、 定員が広がると思うのです。化学物質の災害のことも含めて、化学物質がわかっている事業者ではな くて、あまり知らない方が誤って使うとか、あまり意識しないでという問題のほうが多いような気が しますので、そこに化学物質のきちんとしたリスクベースの扱い方を理解してもらうことが非常に重 要なのではないかと思います。 ○漆原委員 そうすると、そういった化学関係以外のところにどう広報するかが併せて出てくると思 うのです。先日ニッケルの話があったように、実際溶接を扱っている所が、それが自分の問題だと認 識していただくような広報というか、それをどううまくやるかという広報戦略がこの中に備わってく ると思うのですが、実はそれが難しいなと思うのです。 ○山口委員 どうしても、これは化学業界の問題とのみ捉えられている部分があるので、いまおっし ゃったような少しでも広い広報が、確かに非常に大事になってくるのではないかと思います。 ○堀口委員 書き方なのですが、いまのお話などを含めると、これは項目のように列挙されています が、そうすると何となくチェックリストみたいな形になってしまって、広報戦略とか全部出していか なければいけなくなるので、最初の資料1-1みたいにもう少し文章で埋めて、山口委員や漆原委員の意 見を反映させていったほうがいいのではないかと思います。先ほどの研究者のというところも文章で 書いていくと、たぶん全部含めてわかりやすく書けるのではないかと思います。 ○島田化学物質評価室長 私ども事務局の提出の趣旨は、「検討課題」とは書いてありますが、どち らかというと検討骨子みたいなつもりで書いたものですから、むしろ先生方のご意見を聞いて肉付け をさせていただければと思います。 ○櫻井座長 この骨子に肉付けして論議するおつもりということですね。 ○島田化学物質評価室長 そうです。 ○堀口委員 先ほど規模の話があったかと思いますが、パネリストがいて、これまでやってきたよう なやり方もあれば、例えばある団体からお申込みをいただいて、そこでやるというやり方も実はあり 得るので、そういう意味ではやり方によって規模も変わってくると思います。その辺を加味して書い てあればいいのではないかと思います。 ○櫻井座長 資料2-1の2頁に、意見交換の時間についても少し具体的に書いてありますね。「参加者 が少し短いと感じるぐらいのほうが適正の場合が多い」と。これはこの前おっしゃったのかもしれま せんが、私はそれに気づかなかったのですが、いまこれを見てみると、実際にそうなのですか。少し 短いぐらいがちょうどいいというのは、何かあるのですか。 ○堀口委員 まずは時間厳守です。2時間と決まっていたら2時間で終わるのが、皆さん後の予定も組 んでおられますので、絶対時間厳守です。ただ、勉強をしたいと思って来られている方は、プレゼン テーションの時間がないと消化不良の部分があるので、目的によってはプレゼンテーションの時間が もう少しあって、2時間半になったり3時間になったりするのかもしれませんが、4時間とかは絶対あ り得ません。プレゼンは置いておいて、交換の時間としては、ファシリテーションをやるのは2時間が 限界なのです。2時間以上になるとボーッとしてくるので。 ○櫻井座長 そうすると、ここに書いてあるように全体3時間で、意見交換が1.5時間ぐらいがいちば ん良さそうなところですね。 ○堀口委員 そうですね、休み時間なども入れるとそのぐらいですね。 ○櫻井座長 これは長年の経験とかいろいろなことから出てきた貴重なご意見なので、こういうもの はちゃんと書いておいたほうが、あとのために。 ○堀口委員 ハウツー関係の本にも、会議は2時間以内と書いてあったと思うのですが。 ○櫻井座長 時間厳守ということですか。 ○堀口委員 そうです。 ○山口委員 このリスクコミュニケーションは、行政としてはばく露作業報告周知の場でという意味 合いもあるわけですか。 ○島田化学物質評価室長 これはこのリスク評価のいちばん起点となりますので、最後の事業者の方 々がなぜもっと早く教えてくれなかったのかと、規制になる段階でいまごろ言われても、我々は対応 できませんと言われてきたことからすれば、行政が指導したときからその物質が対象になるというの はメッセージとしてお伝えするのが適当ではないかという趣旨で、その時点からと入れたものです。 ○山口委員 ばく露作業報告の制度を説明していくことは普及という意味では大事なのですが、負の 印象にならないように、マイナスのイメージにならないように、報告を出すと何かにらまれて規制さ れるということにならないように、もっと積極的な意味で、例えば小さい所だと自分たちが正確にば く露情報を取れない場合は、場合によっては国が代わりに取ってくれて、やり方が悪ければいろいろ 指導をいただけるというポジティブな形で捉えられるようなイメージにならないと、なるべくプラス のイメージになっていけばと思います。しかもやっていることは化学物質の中のハザードの高い部分 に関することなわけですから、企業の自主的な活動としては、ハザードの高いところだけではなくて、 低いものも場合によってはやらないといけないし、大きい事業所はフィジカルなリスクアセスメント もやっていかないといけませんし、単に国がやってあとはやらなくてもいいというわけではなくて、 自主的な部分としてもやらなければいけないのですよということまで含めて、情報発信していただけ ればと思います。 ○島田化学物質評価室長 前回は櫻井座長にその点のご説明をいただいて、いまはパンフレットを作 成しておりますので、パンフレットについてもできるだけそういう趣旨を入れた形で作ったつもりで すので、次回の会議でご報告させていただきます。 ○堀口委員 パンフレットの文章は結構硬いですよね。上から目線で、行政用語が羅列されていて、 読み解くのに大変かなというイメージがあったので、小さい事業所さんなどはそれを読み解くのに苦 労してしまって、書くときには力が果てているみたいなことになると良くないので、中学校1年生がわ かるように書いていただければ大丈夫かと思います。 ○櫻井座長 小さなことですが、資料2-1の3頁の「その他」の3つ目のポツで、「昔は色々な問題が あって会社の中で」とあります。これは私が言ったのですが、業界を中心としてということで、会社 ではなくて業界ですので、修正しておきます。労働衛生研究会などは随分活発でしたが、いまでもそ ういうものが残っている所はあるとは思いますが、業界中心で共通の労働安全衛生の問題について意 見交換したり情報を共有するというのも、これからもあってほしいなという気持ちでおります。  それは資料2-2でも、1頁の「効率的かつ効果的な持ち方」の3つ目のポツで若干書いてありますね。 これはこれでいいですか。そういう趣旨も若干含めて書いていただいたほうがいいだろうとこの間お っしゃいましたが、そのとおりだと思います。ほかに何かありますか。 ○山口委員 このリスクコミュニケーションというのは、この委員会の内容中心というわけではない のです。化学物質の管理を広く捉えて、化学物質の今後のあり方検討会の議論が始まって、そこから いろいろなテーマなり課題なりが挙がってくれば、そういったことも随時、もし反映できるものがあ れば反映していってもらえればと思います。例えばこの間の議論でも、もう少し中小ができる簡易な アセスメントでないと、なかなか中小ができませんという話がありましたから、簡易なアセスメント のやり方をどう普及していくか、こういった場でそのやり方を説明するとか、そういうこともありま すので、なるべく広く進めてもらえればと思います。 ○堀口委員 リスクコミュニケーションというと、たぶんパブリックコメントもその中に含まれるの です。内容を、もし皆さんが参集した意見交換の場についての紙にするのであれば、「今後のリスク コミュニケーション(意見交換)」と書いておいたほうが無難だと思います。 ○櫻井座長 パブコメは意見交換ではないと。 ○堀口委員 リスクコミュニケーションという概念の中には、パブコメも入ります。 ○島田化学物質評価室長 パブリックコメントの場合には、行政手続法の法定の手続になってしまい ますので、あまり裁量はありません。いま堀口先生にご指摘いただいたように、ここでご議論いただ くのはそちらのリスクコミュニケーションのうちの意見交換とするほうが、確かに適当だと思います。 ○櫻井座長 ほかに何かございますか。それでは、今日のところは出るべき意見は大体お出しいただ いたと思います。今日議論いただいた内容も含めて、次年度のリスク評価方針、今後のリスクコミュ ニケーションの進め方などとして取りまとめていただくことにしたいと思いますので、事務局のほう でご検討をよろしくお願いします。  時間はまだ少しありますが、今日の課題は大体終了しましたので、今後の予定について事務局から 説明をお願いします。 ○長山化学物質評価室長補佐 今後の予定の前に、先ほどの議題の2物質を決めるところで確認したい 事項があります。候補として3つ順番を付けていただきまして、1番目に既存物質のほうで38番のア リルアルコール。2番目に、新規の28番のトリフルオロメタンスルホニル=フルオリド、3番目の候補 として53番のアクリル酸メチル。新規の28番がそれをどれぐらい使っているかとか、産業利用が不明 ということなので、1番の38番はいいとして、新規の28番の部分と、2番目、3番目はどうするかと いうことで大枠の方針を決めていただいたので、28番の部分について事務局で産業利用をどれぐらい しているか調べて、ある程度利用があればそのまま1番、2番で決める、利用が少なくどうしようとい うことになると1番、3番という形で決まるかと思いますので、その辺は事務局で使用量とか産業利用 を調べて、櫻井座長と相談させていただいて、その中で決めていく形でよろしいでしょうか。 ○櫻井座長 それでいいと思います。 ○長山化学物質評価室長補佐 それでは、事務局のほうで調べて、座長と相談して、2番目、3番目の 順位付けは座長一任という形で。 (了解) ○櫻井座長 私にお任せいただくということでご了解いただきましたので、そうさせていただきます。 ○長山化学物質評価室長補佐 よろしくお願いします。  それでは、資料3「今後の予定」についてご説明します。次回は第5回ということで、前回からもお 示ししているとおり3月17日(水)、時間帯は2時から4時です。こちらにつきましては、平成21年 度のリスク評価の実績、平成22年度のリスク評価の方針について等を議題として予定しております。 以上です。 ○櫻井座長 それでは、今日はこれで終わります。どうもありがとうございました。 22 - -