10/01/18 第20回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録    薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方    検討委員会(第20回)議事録                  日時:平成22年1月18日(月) 15:00 〜 17:30                  場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 それでは定刻になりましたので、ただいまから「第20回の薬害肝炎事 件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」を開催いたします。  ちょっと遅いですけれど、新年おめでとうございますとごあいさついたします。  この委員会も今年の3月までということになりますので、正式にはあと3回という ことですが、集中的な議論になると思いますので、御協力をよろしくお願いいたしま す。  委員の皆様にはお忙しい中、寒い中、御参加いただきまして、ありがとうございま す。  後で山井政務官が御出席いただけるそうですけれども、来られたら、ごあいさつを いただきます。  最初に、資料の確認と本日の予定を御説明いたします。それでは、資料の確認を事 務局お願いたします。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございます。  まず出欠ですけれども、今日、御欠席の連絡をいただいていますのが大平委員、神 田委員、椿委員、友池委員、4人の委員の方から御欠席の連絡をいただいています。  資料は、議事次第、座席表、名簿のほかに、資料1から14まで、右肩に番号が振 ってある資料がございます。  それから、白い紙で研究班の津谷先生からいただいている紙がございます。  もう一枚、資料ナンバーは振ってございません。右肩に委員から提出のあった資料 ということで、大平委員から、今日御欠席ということでしたので、ペーパーをいただ いております。  これらのうち資料14は、パブリックコメントとして前回お配りした後、出された ものです。  足りないものなどありましたら、お知らせいただければと思います。よろしくお願 いいたします。 ○寺野座長 不足したものはないですね。  本日は17時半ごろまでの予定です。  この間の堀口研究班からの報告がありまして、医薬品行政組織のあり方としてPM DA、厚労省医薬食品局職員という職員アンケート調査結果の報告があります。  第三者機関のワーキンググループからの中間報告があります。  それから、第一次提言を受けた取組・検討状況、前回の宿題等に関する事務局の説 明がありまして、最後に最終提言に関する討議と、また、今後の進め方ということで、 非常に盛りだくさんの内容ですので、2時間半で終わるのかどうか僕は自信がないの ですが、御協力をお願いしたいと思います。  最初に、議題1「研究班からの報告」ということで、これは水口委員から要望があ ったものでしょうか。  前回、薬剤疫学的手法による取組等についてということで、本日は担当の津谷研究 員から、御説明を伺うことになっております。その後、意見交換会を行いたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。 ○津谷研究班員 東京大学の津谷です。  本日の配布資料の一番下の番号のない白っぽい紙が、私の分の配布資料になります。 実は、カラースライドも用意したのですが、プロジェクターが間に合わず、白黒の配 布資料で、いくらかと読みにくいところがあり、また一部修正点もありますが、それ は途中で指摘いたします。  本日は、「ファーマコビジランス−薬剤疫学的手法について−」というタイトルで お話しします。いろんなテクニカルタームがあり混乱しますので、まず定義について お話しします。  ファーマコビジランスというのは、ファーマコとビジランスの2つの要素から成り 立っています。ファーマコは薬の意味。ビジランスはVigilから来ており、もともと、 夜を徹して起きている、お通夜という意味もあります。生き返るかもしれないから目 を覚ましていないといけない。転じて、監視という意味になります。ファーマコビジ ランスにはいくつか日本語訳がありまして、医薬品安全性監視、あるいは医薬品監視 ともいいます。略称はPVです。  ICH-E2EというのはICHのコード番号ですが、ここでpharmacovigilance planningというのが、日米欧の3極で2004年11月に合意されまして、その日本語版 の実装のための通知が2005年9月に「医薬品安全性監視の計画」として出ておりま す。ただし、これを読みますと、最終的なゴールは医薬品のリスクが小さくなるので すが、そのリスク最小化のための方法、アクションは何も書かれていません。  このページの下にある「副作用や他の医薬品関連の問題の、検出、評価、理解、防 止に関係した科学と活動」というのがファーマコビジランスのWHOの定義ですが、 ここには防止というアクションが入っています。すなわち、ICHの定義は、WHO の定義から若干ずれています。  また、今日も来られているかもしれませんが、大阪におられる浜六郎先生が、日本 医薬ビジランスセンター(JIP)というNPOで、大変活動されています。このためも あり、vigilanceというのは活動する、という意味が日本では強いような気がします が、ICHのことばからいうと、基本的にはwatchするという意味になります。  3ページに、ファーマコビジランスの上位概念として、医薬品のリスク・マネジメ ント・プランと書きました。計画の意味のプランです。2つの要素からなっていまし て、一つはファーマコビジランス・プラン、もう一つはリスク最小化プランです。  右側のリスク最小化プランに出てくる言葉は、割と見慣れたものです。一方、左側 の、ファーマコビジランス・プランの方に出てくる言葉は、テクニカルタームが多く、 余り見慣れないものです。上から、「自発報告」「データマイニング」「断面研究」 「症例対照研究」「コホート研究」「ランダム化比較試験」「メタアナリシス」。こ れを一つ一つ説明していくと、時間がかかりますので、配布資料の一番後ろのページ に「研究デザイン用語について」として、簡単な説明が参考としてつけてあります。  ページ3に戻って、左のファーマコビジランス・プランのうち、通常、上の3つが、 シグナルを検出する、あるいはシグナルを探索するものです。下の4つは、探索され たシグナルを検証するもの、と、大きく2つに分けます。  1990年代以降のEBMの流れの中で、エビデンスのレベルあるいはグレードという コンセプトが明確になりました。下へ行くほどエビデンスが強い、とかエビデンスの レベルが高いという言い方をします。  いずれにしろ、こういった研究デザインによって、リスクのエビデンスを「つくる」 わけです。  それに応じて、右側のリスク最小化プラン、「使用上の注意」「患者向け医薬品ガ イド、しおり」「教育プログラム」「緊急安全性情報」、その次の「流通制限」と「資 格のある医師等のみに限定」というのは、同じものだと考えていただいて結構です。 現在のサリドマイドがそうです。またクロザピンという統合失調症の薬では”No blood, no drug”と呼ばれ、つまり「採血して検査をしない限りは薬を渡しません」 とされますが、そういう形です。最後に「市場からの撤退」となります。これらのア クションは、矢印の下へ行くほど「強い」ものになります。  日本では市販後といいますと、市販後調査、使用成績調査、特定使用成績調査、あ るいは再審査制度、再評価制度が、言葉としてはよく知られているのですが、それと このファーマコビジランス・プランとの違いは、研究デザインの方法論が書いてある かどうかということです。  日本での承認時の要件としての「全例調査」は、現在、恐らく世界で一番多い国だ かと思われます。全例調査は、適切にその薬が使用されているかどうかを確認すると いう意味では、リスク最小化の意味もあります。しかし、全例ですから、コントロー ルがない。つまりベースラインのリスクがわからない。そうするとリスクの評価が難 しいという欠点もあります。  ページです。私は1995年から3年間、ICHのM1トピック、MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities,医薬規制用語集)の立ち上げのワーキング グループに厚生省側のメンバーとして関わったことがあります。  MedDRAは主に副作用用語から成り立っており、約5万語ありますが、このスライド は、当時MedDRAの開発に当たって、副作用の情報が、企業や行政当局の中でどのよ うに動いていくかを、日米欧の企業行政機関やを訪問して、説明してもらったときの ものです。これは当時の厚生省の安全課での写真です。  95年というのは、PMDAの前身の一つの審査センターなども、まだ存在していな い時期です。安全課を訪ねましたら、入口の近くに段ボールの箱があり、窓がくり貫 いてあり、ここから書類を入れる。当時の副作用報告は年間約1万5000件、そのう ちの85%が企業報告でした。この右側のノートにだれが届けたかを書く。当時は、フ ァイルシートと称したと思いますが、厚生省へ提出する副作用報告のフォームがあり、 カタカナ、ローマ字、数字で書きこんでそれをOCRで読む形式でした。漢字はまだ処 理できなかった時代です。箱の上にフロッピーも見えますが、やっとフロッピーを使 い始めたという頃です。  つぎのページ5の写真に、担当の女性がもったフロッピーがありますが、最近はも うフロッピーを探すのも大変な時代となってしまいました。こうした情報処理のシス テムは随分進化して、聞くところによりますと、入力の自動化だけでなく、集積した 副作用報告からある程度のシグナルが、今のシステムでも見えてくる。それがさらに システマチックになされるものが、データマイニングということになると思います。  ここまでがイントロですが、今日は2つのお話をいたします。一つ目は、今、写真 で一部お話した「自発報告制度の進展」として「有害事象/副作用報告などのSingle Point of Entry」です。日本語で「単一アクセスポイント」としましたが、これは「単 一報告先」の方がよいかもわかりません。  二つ目は、先の医薬品のリスクマネジメントプランのスライドでも少しお話をした のですが、こうしリスクのエビデンスを「つくる」ための方法を、いくつかの例を挙 げてお話しします。  7ページに、MedWatchのフォームを示します。MedWatchは「医薬品、生物学的製 剤、医療機器、特別栄養製品、化粧品、の有害事象報告に共通フォームを使うシステ ム」です。スライドには「特別栄養サプリ」と書きましたが、原文は”Special nutritional product”で、小児用食品、病者用食品、dietary supplementの3種を 含み「特別栄養製品」が正しくこれにご修正ください。  先ほど日本の安全課にあった箱を紹介しましたが、同じ年にFDAへ行って、 MedWatchのシステムを調査したことがあり、ここにありますのは、95年に入手した MedWatchの報告フォームです。  なお、今日の会議の配布資料全体の中の6は、MedWatchフォームの最近のものです。 裏側に日本語訳もついていて大変よいと思うのですが、若干昔と今で変わっています。  これは後で、森医薬品安全対策課長から説明されるのではないかと思います。  FDAで1993年にMedWatchの共通フォームができるまでは、医薬品や生物学的製剤 などはそれぞれ別の報告書のフォームがあり、別のところに届けていたということで す。これを、下に書いてあります”Single Point of Entry”、この用語そのものは この時代にはまだなかったものですが、いわば報告先の一元化です。またフォームを 共通化して報告しやすくしようということでできたものです。これは当時のFDA長 官のケスラーが行った最大の業績ではないかと、私は思っております。  つぎの8ページをみていただくと、これは最近のMedWatchフォームの一部を拡大 したもので、先の資料6のBに対応しますが、もともとは、Adverse Event日本語だ と有害事象と、Product Problem資料6での日本語訳だと製品問題の、2つしかあり ませんでした。その後、下の2つが付け加えられています。1つは、Product Use Error、 製品使用エラー、つまり「もの」のエラーではなく「使いかた」のエラーです。これ は2000年に米国で、”To Error is Human”つまり「人はだれでも間違える」という 有名な本がInstitute of Medicineから出て、アメリカの医療システムの中でこんな に害が起きているのだと、社会的に大きなインパクトがあったものです。そこでは個 人ではなくシステムが問題だということが論じられています。それを反映して、この Product Use Errorが付け加わったのだと思います。  もう一つ付け加えられたのが、Problem with Different Manufacture of Same Medicine、日本語訳は「異なる製造業者で同一の医薬品の問題」になりますがジェネ リック医薬品のことです。これが何かのイベントがあって追加されたのかどうかは、 現在調査中です。  一方、日本で、現在、どういうことになっているかと言いますと、医薬品の「副作 用」は、医療機関からの直接報告は厚労省に、また企業由来の報告はPMDAに届け らます。医療機器によるものは「不具合」報告として同じく厚生労働省かPMDAへ、 ワクチンによるものは「副反応」として厚生労働省へ、健康食品によるものは「健康 被害」として保健所へ届けられる。  この制度だといくつかの問題が生じます。例として書きましたが、インターネット でやせる漢方薬を、例えば中国から輸入して使って、害が起きた。これはどこへ届け たらいいのでしょうか。また、健康食品と医薬品を双方服用して害が起きた、これは どこへ届けるのでしょうか。パブリックヘルスの立場からは、できましたらこういっ た報告先は一元化して、迷わずにすぐに届けられるようにしていただければと思って います。  10ページに、MedWatch Plusのことを書きました。これは2007年のFDA再生法 に基づき、現在開発中というもので、先ほどのカテゴリーに加えて、食品、ペットフ ード、ワクチンも含むということです。また入力もウェブ上でインタラクティブにで きるというものです。ここでは”Single Point of Entry”という言葉が明確に使わ れています。  自発報告というのは、自分に害が起きたときに、この害がさらに他の人に広がらな いように、これは知らせるべき、としてなされるものです。すなわち利他主義に基づ いてなされるものです。  ところが先ほどのような例で、「これは日本では薬として承認されていないから、 届け出先は、うちではないんですよ」と言われると、ではどこへ届けるのか迷ってし まいます。またそれぞれ報告フォームが違うと混乱してしまいます。こうなる、利他 主義、善意に基づく行動が、動かなくなってしますということになります。  先の4つにはそれぞれ法律がありますので、これを一元化するというのは、困難だ ということは、私も了解しておりますが、アメリカでできるのだから、日本でできな いことはないと思いますので、是非ともこれは一元化の方向へ動いてもらいたいと思 います。  つぎに、ICH-E2E、医薬品安全性監視の計画についてお話しします。12ページに「2007 年に安全性が問題となった医薬品と検証に用いられた研究デザイン」をしめします。  表の左には、3枚目のスライドと同じように「エビデンスレベル」と書いて、低か ら高へと矢印がありますが、これが「自発報告」から「メタアナリシス」までの順に なっています。  下にリジェンドで、白い枠がリスクなし、灰色がシグナル、黒がリスクありでリス クが明確になったというものです。○の中の番号は、各研究デザインをもちいた研究 が発表された経時的な順番です。このスライドは、もともとは左下にありますが、古 閑さんという日本薬剤疫学会の理事、私も理事ですが、外資系の製薬企業におられる 方のスライドをお借りし若干修正したものです。  左から順番に説明をしますと、lumiracoxib、消炎鎮痛剤ですが、自発報告にもと づく分析、これは薬事当局が中心になって行われたものですが、それに基づき市場を 撤退したものです。肝障害というのは通常では起こり得ないものですから、自発報告 という研究デザインは弱いものですが、それでもエビデンスが強いとして、市場撤退 というアクションがとられたものです。  リスクの探索は、通常は自発報告から始まることが多いのですが、そのほかの研究 デザインからまず始まることもあります。  Aprotininは、欧米では術後の出血予防として使われた薬です。ここでのリスクは、 欧米、中東、アジアの69施設で心血管手術を実施した患者を前向きに登録した集団、 すなわちレジストリに組み入れられたコホートを使って、シグナルが浮かび上がった ものです。これが(1)です。ついでカナダで、(2)の、死亡をエンドポイントとしてラン ダム化比較試験、RCTを行ってリスクが確定し、検証され、それによって市場を撤 退したものです。なお、日本では若干効能効果が違い、まだ市販されております。  3番目は、抗パーキンソン剤のペルゴリドとカベルコリンによる、心臓弁膜症です。 (1)は自発報告で、もともと米国のメイヨー・クリニックからの3例の自発報告、症例 集積といいますが、そこからシグナルが見えてきたものです。続いて(2)の断面研究、 ある時点でパーキンソンの診断で、受診した患者に連続的に心エコーを測定し、心臓 弁膜症の有無とこの薬を服用しているかの関連性の分析を行い、シグナルがやや強く なりました。 最後に(3)の、弁膜症が疑われる症状を訴えた患者を対象として、エコ ーで弁膜症を診断し、それとマッチングしたパーキンソン病の患者をコントロールと して、服薬歴を調べてエビデンスが確定し、市場から撤退したというものです。なお 日本では、海外と比べて用量が低いことろから、今でも販売中です。  4番目のrosiglitazoneは、経口糖尿病薬です。これはもともとは一番下の(1)のメ タアナリシスからシグナルが浮かび上がったものです。これは当時、カルシウムブロ ッカーのメタアナリシスの結果が話題になった関係で出てきたものですが、その後、 (2)のランダム化比較試験、(3)のコホート研究がなされ、これはリスクはないであろう、 「白」であることがある程度、確定したものです。  ここでメタアナリシスというのは、複数の1次研究をプールするもので、中には質 のよくないものもあり、また本来の1次研究のエンドポイントが違うというものもあ ります。そこで、大規模の質の良いRCTやコホート研究が判断の中心になることがあ るわけです。  最後に、「スタチン系による筋委縮性側索硬化症」は、日本も参加している、WH Oのモニタリング制度のデータベースVigibaseを用いたものです。 (1)の自発報告か らなるデータベースです。これを(2)のUppsala Monitoring Center(UMC)によるデータ マイニングによって、シグナルが見えてきたことが最初です。その後、(3)の症例対照 研究、(4)のコホート研究、最後に(5)のアメリカのFDAによるメタアナリシスが発表 されてリスクはない。これも「白」が出たというものです。  以上、5つのうち、2番目のaprotinin、4番目のrosiglitazoneは、自発報告で はないところから最初のシグナルが出たものです。その灰色のシグナルから、結果は 黒になったものもあれば、白になったものもあるということで、やはり他の研究デザ インが必要だということになります。  13ページは、そうした研究が、どういったところが主体でなされたかを示したもの です。例えば、lumiracoxibは、基本的には規制当局ですが、企業からの自発報告が 主体になっていることで、ここには企業も入っております。  コホート研究がそれなりの役割を果たしていることがご理解いただけると思いま すが、日本にはこうした研究のためのコホートがほとんどなく研究が難しい状況です。  14枚目は、昨年の研究班の中間報告書からピックアップして書いたものです。「得 られたシグナルについてさらなる検証を行うための最良の方法は、医薬品、適応疾患、 治療対象の集団と取組むべき課題によって異なる。それに応じて企業は最も適切な研 究デザインを使用すべき。」とあります。またいくつかの研究デザインのことが書い てあります。  これはICH-E2Eを読みますと「Safety Specificationに応じてファーマコビ ジランス・プランをつくると」あります。つまり、リスクのスペック、リスクに応じ てテーラーメードで、各医薬品ごとにファーマコビジランスプラン、先の述べた種々 のデザイン使って、リスクのエビデンスをつくっていきましょうという意味です。  15ページは、検証体制で「企業だけがその主体ではなく、時には公正性を期するた めにも、アカデミア、行政自らが観察研究、〜」と書いてあります。  16ページは、「日本でのファーマコビジランスの進展‐中間報告からの提言を実現 するために‐」です。堀内先生の研究班は2年間の計画で動いています。班として、 昨年の中間報告で「対策案」を7つ提示しました。このうち案2の「評価手法の見直 しと薬事行政における安全性体制の強化:ICH-E2Eとの調和と「医薬品リスクマネジ メント」の導入、について、本年度、もう少し具体的に動かすにはどうすればいいか ということを考えまました。  「PMDAで安全性要因・・・」これは「要員」の間違いです。大変申し訳ありま せん。「PMDAで安全性要員を増員しても薬剤疫学の遅れはしばらくは続くであろ う」ということで、具体的な対策案として3つあげさせていただきました。  「1.内外の薬剤疫学などの専門家によるファーマコビジランス・プラン委員会を設 立し、適切な医薬品安全性監視計画、これはファーマコビジランス・プランのことで す、の実施のアドバイスをする。」  「2.透明性と公平性を確保した外部ファーマコビジランス実施機関の設置」。その 主は、薬事行政機関の外部にあってもいいのではないか、これは学会、NPO、また CROということもあり得ると思います。  「3.薬剤疫学教育を6年生薬学教育の大学院教育に取り入れる」。薬学は6年制 教育への転換期にあります。薬学部の学生のすべてが6年制になったわけではありま せんが、6年制の学生は現在4年生の終わりにいます。したがってあと2年で6年制 で卒業する人が出てくるわけです。その大学院教育に取り入れたらどうでしょうか。 医学部、歯学部、獣医学部は6年生教育で、その上に4年のドクターコースがついて いますが、薬学の4年生のドクターコースに薬剤疫学教育を入れるのも、一つの考え ではないかと思います。  17ページは、「RMP実現に向けての全体像」です。リスク・マネジメント・プ ランです。3ページの図にありましたように、RMPは、ファーマコビジランス・プラ ンと、リスク最小化プランの双方をカバーする、より上位の概念です。16ページの 3つの対策案のうちの1番目と2番目を取り入れた図です。  まず企業による治験がすべて終わるころには、先ほど述べたリスクのスペック、リ スクのプロファイルがわかってきます。それにもとづき、ファーマコビジランス・プ ラン、今後さらにどのようにリスクのエビデンスを「つくる」のか、もうひとつ、リ スクの最小化プラン、リスク・ミニマイゼーション・アクションプランでRMAPを作 ります。あわせてリスクマネージメントプラン(RMP)です。それを(1)に示すように、 行政に提出する。それに基づいて新薬としての承認審査をするわけです。  しかし、そういったものを審査することが難しいときには、外部にファーマコビジ ランス・プラン委員会なるものを置き、(2)に示すように、そこの意見を聞き、(3)でフ ィードバックをうける。それを含めて、(4)-1に示すように、企業実施指示を出す。RMP にもとづく実際の実施は(5)に示すように企業が行います。中には外(4)-2に示すよう に外部のファーマコビジランス実施機関によるものもあり得えます。  実際、くすりが世の中に出た後、再審査制度の中で定期報告は、最初の2年間は半 年に一度、その後6年間は1年に1回ということです。また市販後直後調査があるわ けですが、それらの期間中にリスクがある程度見えてきたときに、それに応じた次の ビジランスプランというのが、できてくるわけです。これも企業が自分でやることも ありますし、(7)や(8)に示すように外部の機関が関与することもあります。  このページで、太い枠で囲ったものは、基本的には厚労省なりPMDAの管轄下で 行われることですが、全体のメカニズム、システムをオーディットするものが「第三 者機能を有する機関」、これはこの検証検討委員会でも、議論されていますが、そこ のミッションの一つにもなるのではないかと考えています。  18ページは、2006年の論文にあるものです。「1999−2001年に市場撤退した薬 剤とその副作用」ということで、(1)〜(11)番まであります。  ここで、市場撤退という意思決定が、一体何に基づいてなされたか、どんな研究デ ザインが使われたというものがページ19で、ここには、動物実験から始まり、RCT、 その他まであります。横に前のページの11のケースを並べ、黒い枠がその研究デザ インが使われたということです。  全部で11の市場撤退した薬剤のうち、自発報告だけでなく、下の方にある、断面 研究、症例対照研究、コホート研究、すなわち、自発報告以外の何らかの研究デザイ ンが使われたものが7つです。すなわちこの表は、他の研究デザインがなされなけれ ば、市場撤退されずに、そのままずっと市場に存在してきた可能性があることを意味 します。  このうち、(1)アステミゾールと、(7)トログリタゾン、こちらは日本で開発された薬 ですが、原論文にも黒が付いていません。ただし、勿論、自発報告は存在すると思い ます。  以上、やや長くなりましたがまとめますと、第1に、自発報告制度はファーコビジ ランスの根幹となるものですが、一元化の方向に、是非進んでもらいたいということ と。第2に、その時点でわかっているリスクに応じて、他の多様な研究デザインを用 いて研究を実施する。そのための体制づくりが必要だ、ということです。  以上です。どうもありがとうございました。 ○寺野座長 津谷先生、どうもありがとうございました。  大変勉強になりましたが、今のお話で何か質問、御意見ございますか。 ○水口委員 水口です。どうもありがとうございました。  そもそも私が補足を研究班にお願いしたのは、私どもの第一次提言が出た後に、研 究班の報告書が出まして、おおよそのことは、私どもの第一次提言と重なる提言だっ たんですけれども、ICH−E2E、つまり薬剤疫学的手法をきちんと取り入れた安 全対策という観点と、それから薬剤疫学の研究者の養成という観点については、第一 次提言より、研究班報告書がかなりページ数も内容も充実して書かれていらっしゃる ので、ここのところについて、研究班から少し補足をお願いしたいと。  特にICH−E2Eについては、私どもの検討会できちんと議論をしたこともなく、 またその基礎となる知識も十分持ち合わせていなかったので、お願いしたという次第 です。そういう意味では、今日、御報告をいただいて、大変ありがたかったと思いま す。  1点確認させていただきたいのですが、この提案の私なりの理解としては、それぞ れの薬の危険性の内容、程度に応じて、それにふさわしい薬剤疫学的手法をきちんと 取り入れた安全対策が図られるべきであると。そういう点に主眼があるというふうに 理解しましたが、それでいいのか。  逆に言うと、現状はそれが十分にできていないという理解の上に立って、それを推 し進めるために、厚生労働省やPMDAの自前の疫学研究者だけでは対応が不十分で あるために、外部の専門家も活用していくという趣旨での提案であると理解していい のか。ちょっと難しい話だったので、平たく私なりに理解した内容に間違いないかを 確認させていただきたいというのが、一点です。  もう一点は、第三者を活用した薬剤疫学的手法を取り入れたPVPといわれるもの については、これまでこの委員会で議論していた、いわゆる第三者監視組織の機能と は、また別のものであると理解しましたが、それでよろしいのか。  今、私がお伺いしたところによれば、ご提案は本来は厚生労働省なりPMDAの中 で、薬の特性に応じた、薬剤疫学的手法を取り入れた安全対策の策定まで、きちんと カバーできればいいけれども、そこがちょっと難しいので、それを補足するという趣 旨であるとすれば、この第三者組織というのは、厚生科学の審議会でもいいし、場合 によってはPMDAの中に特別の検討会をつくるとか、そういった形でも可能なので はないかなと思いましたが、その点はいかがなのか。 この点について、少し御説明をいただければありがたいと思います。 ○津谷研究班員 第1点は全くそのとおりです。第2点の方は、システムづくりとい う話に関係し、そういったPVP委員会なり、外部で実際に研究を行う主体がどう位置 付けになるか、そのクォリティアシュアランスをどうしようかという話が出てきます。 現在、第三者機能の議論がなされていますで、そこがオーディット機能を持つのであ れば、それがプランについても、あるいはそのプランに基づくリスク・マネジメント についても、チェック機能があればという気がしました。  17ページの図ですが、再審査制度、再評価制度は、制度として変換期にあるようで す。、承認審査の矢印の右側に再審査制度とありますが、これをすべてリスク・マネ ジメント・プランという形で置き換えてもいいのではないかと考えています。  このリスク・マネジメント・プランは、新薬の承認の時点ですべてについて必要と いうわけではないと思います。どのぐらいの手間になるのかは、私もよくわからない のですが、承認時点である程度リスクが見えてきているものもあるはずですので、そ れについては適切なプランをつくる。  これらの作業は、基本的に主体は企業なのです。今日は高橋さんもおられます。高 橋さんがこの辺は詳しいのではないかと思いますが。 ○高橋委員 このリスクに応じた対策というのは、市販後、製造販売後にやらないと いけないということが、ICH−E2Eの基本にあると思います。それで今の再審査 制度というもの、この後でちょっと質問をしようかなと思っていたところが、17ペー ジの再審査制度をリスク・マネジメント・プランに置き換えるという考え方。それで 今やっていることよりも、もう少しコホート研究なり、薬剤疫学的な手法を使っての 製造販売後の治験なり調査なりというものを、充実していかなければいけないという とこだろうと思います。  そういう中でリスクに応じて、薬剤疫学的検討をどこまでやらないといけないのか、 どういうものについてやらないといけないのかという点についての判断もしっかり していかないと、のべつ幕なしこれを全部やらないといけないというようなことには ならないだろうと思っています。  ですからリスクの評価というんでしょうか、特定というものを、しっかりと申請前 の段階でも企業としても、はっきり検討していかなければいけないということになる と思います。 ○水口委員 私どもの委員会が出した第一次提言の中でも、承認審査の段階から市販 後のリスク管理の重点項目をきちんと見定めて、計画を作成して、その重点課題をオ ープンにしていくという提案をさせていただいています。そこに薬剤疫学的な手法が、 きちんと絡まってうまく機能していけばいいのかなと理解しています。  その意味では、研究班で提案していただいたICHを取り入れた薬剤疫学的な手法 をきちんと位置付けていくという提言については、是非、この委員会の最終提言にも 入れていくべきだと思います。  私自身は、今日この委員会が提案したれたその計画を、客観性を持って適切に立案 するために、外部の意見をきちんと入れていくという発想は、大変いいことではない かと思っておりますので、今日、御提案のあったPVP委員会というようなものも、 具体化に当たっては更にいろいろな形が必要であろうとは思いますけれども、基本的 な方向性として、この委員会最終的な提言に入れることができれば、それはいいのか なと思います。  ただ、この配布資料の17ページの表にもありますが、今、委員会で議論をしてい る第三者監視組織とは、かえって一緒にしない方が、私はいいだろうと。今、議論を している第三者監視組織というのは、あくまでもトータルとしての監視です。これに 対し、こちらのPVPの委員会というのは、個別の薬の承認の際に、あるいはそれぞ れの市販後の安全対策を立てていくときに、恒常的に常にルーチンの仕事できちんと 検討していくべきものだというふうに考えると、それはそれで別途、そこに特化して 委員会を設置した方が、私は双方にとっていいのではないかと思います。 ○寺野座長 そのほか。 ○山口委員 多分機構の安全性をやられている方にお聞きした方がいいと思います。  先日も案を見せていただきましたが、今後、薬剤疫学をやられている方も含めて、 安全性に関わる方も、審査チームの一員として、申請の段階から最初から絡んでいく。 その話がありました。  あとは現在、私も機構の専門委員の一人としてやらせていただいているんですけれ ども、市販後研究の計画なんかは、外部的な形で専門員に評価というか、判断をゆだ ねているようなところも、一部あります。  その辺の話と今、議論があったPVP委員会、外部に改めて別の委員会をつくった 方がいいのかどうかという話ですね。  私は個人的には、薬剤疫学研究をやるようなそういう組織なり何なりというのは、 外部に、あるいはマネジメントをするようなところがあってもいいかと思います。  今、議論があったようなPVP委員会というのを、改めて設けた方がいいのかどう かというのは、今あるいは今後の機構さんの体制として考えた上では、どういうふう に思われますか。ちょっと御意見を聞かせていただければと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○松田安全管理監 そうですね。今でも御案内のとおり、ICH−E2Eのガイドラ インについては、たしか平成17年の通知で、今の製造販売後調査の中で位置付けて やるようにという形にしてあります。  今おっしゃったように、市販後の、いろんなシグナルとかが出て、それからまたい ろんな調査をどういうふうに組んだらいいのかということについて、今の御提案は、 外部の専門家とかもいろいろ、例えば委員会をつくって、少し議論をしながら、例え ばケース・コントロール・スタディを組んだらいいのではないかとか、そんなことを やっていこうという御提案だと思います。  これから基本的に私どもは、審査部門と安全部門が一貫した形で安全対策をやって いくため、リスクマネジャーという人間が実際に承認の段階から製造販売後の安全対 策を担当していって、再審査期間もずっとフォローしていくというふうなことを考え ていますので、そういった業務の中で、外部の人から御意見をいただきながらという のは、検討してもいいのではないかとは、個人的には思いますが。 ○寺野座長 この点は、よろしいですか。  泉委員。 ○泉委員 事務局の方にお願いしたいことがあります。アメリカでは、2007年に連邦 政府議会の決議で、FDAが市販後の臨床研究と安全対策強化を決定して、FDAの 行政当局が、その疫学システムを導入して、保険組合と大きなスタートが始まったと 聞いているんですけれど、アメリカにおけるその後の何かの情報をもらえるのであれ ば、どういうふうになっているのかということ。  日本ではそういうものに追従する形になっているのか。それはもうまだまだ先の話 というか、全然違う話としてとらえているのか。それをもしできたら、次の機会に教 えていただきたいです。 ○寺野座長 どうぞ。 ○安全使用推進室長 事務局でございます。  今の泉委員の御指摘は、2007年のFDA改革法に基づいて、米国で行われたセンチ ネル・イニシアチブ、これは具体的には2008年から実施されていて、今現在、いろ んなFDA及びその外部の機関等で実施可能性について、検討しているようなものだ と思います。  そういう御指摘ということであれば、また次回までに資料を用意させていただこう と思います。 ○寺野座長 それでは、時間も過ぎましたので、この議論はここまでにします。あと は最終提言に向けて、PVP等々をどういうふうに持っていくかということを、改め て最終提言のところで、発言していただければと思います。  それから、研究班全体の進捗状況について、掘内委員から説明をいただけますでし ょうか。 ○堀内委員 それでは簡単に御報告します。  15日に今年度第14回の班会議をやって、大体月に2回のペースでやっております。  今年、特にやらないといけないことは、昨年度報告でできなかったこと。特に医師 に対するヒアリング、行政の当時の担当者等に対するヒアリング。これはかなり進ん でいますが、特に医師に対するヒアリングをやっていく中では、フィブリノーゲン製 剤を肯定的に評価する意見と否定的に評価する意見。  専門性によって、例えば産科と血液内科とでも、大分意見が当時から違っていたと いうようなことが明らかになってきております。この辺をまとめて、次回報告させて いただきたいと思います。  特に産科のDICと内科のDICでは、どうも発生メカニズムが違うというような ことが言われていたようです。  行政に対するヒアリングについても次回、報告をさせていただきたいというように 思います。  それから、被害実態の調査についてでありますけれども、これは片平班員を中心に 行っておりますが、訴訟をされた方々、原告団、弁護団に大変協力をしていただきま した。特に委員の中では、坂田委員と泉委員が回収率を上げるために、大変努力をし てくださいました。本人及び遺族についても、75%ぐらいの回収率ということで、か なり信頼性の高い結果が得られるのではないかと思っております。  これについても、今、単純集計をやっている最中であります。これは22日まで単 純集計をやり、その後、更に集計をやるということでありますので、これについても、 次回報告ができると思います。  したがって、次回は少したくさん報告をさせていただければと思います。大変、議 論をするまでに時間がかかって申し訳ありませんが、精いっぱい今やっている最中で す。  以上です。 ○寺野座長 研究班ではヒアリングを初め、大変な作業を続けていただいております。 まとめるのも大変じゃないかと思いますけれども、引き続き、作業、解析をよろしく お願いいたします。  それでは、次に議題2に移ります。「医薬品行政組織のあり方」ということで、先 般PMDAや厚労省職員へのアンケート調査ということで、中間報告を伺ったのです が、その後、結果取りまとめのために、担当の委員に大いに努力をいただきました。  作業に当たられた委員の皆様、大熊委員、小野委員、椿委員、水口委員、山口委員、 大変御苦労さまでした。ありがとうございます。  では、本日結果概要ということで、お願いいたします。山口委員。 ○山口委員 それでは、代表して私の方から説明させていただきます。  まず最初に、業務とかお忙しい中、真剣に真摯にアンケートに御回答をいただきま した。厚労省あるいはPMDAの職員の方にお礼を申し上げます。本当にどうもあり がとうございました。  本当にいろんな職の方が、いろんな問題意識を持っていらっしゃって、我々の提言 に対しても全然知らないとか、いろいろ幅広い認知の程度もありまして、非常に参考 になるものでした。  時間は限られておりますけれども、今回のアンケート結果を、是非、今後の提言に 反映させていただけるように、努力させていただきたいと思います。  それでは、資料1をもとに説明をさせていただきます。  最初にお断りなんですが、今回、結果の概要という形で書かせていただいておりま すけれども、実は余り時間がなくて、正式な概要報告書というよりは、メモに近いよ うなまとめになってしまったと思っております。その点、ちょっと反省しております。 概要にしてももう少し精査したものを、次回等に提出できればというふうに思ってお りますので、よろしくお願いいたします。  それでは、順に説明をさせていただきます。  今、座長の方から御説明がありましたように、作業チーム5人で共同で以下の作業 を行わせていただきました。  今回の調査対象は、全部で厚労省が158人で、PMDAの方が637人、全部で795 人です。  11月18日に調査票を送らせていただきまして、ウェブ上で回答いただくか、ある いは調査票を直接私の研究室に送っていただくか、いずれかの形で回答していただき ました。  回答期間は約1か月で、当初12月4日までの回答期限ということでしたが、前回 の委員会での話し合いで、1週間延ばさせていただきました。  回答の処理ですけれども、ウェブ上の回答につきましては、ダウンロードを直接さ せていただきまして、郵送による回答につきましては、小野先生と私の方で全部手入 力でエクセルファイルに入力させていただきました。基本的にそのまま、誤字等があ っても、原則として修正せずにそのまま回答については、入力させていただきました。  後でまた少し話が出てきますけれども、回答者の特定につながる可能性がある個所 につきましては、作業チームで確認をして、最小限マスクさせていただくことにして おります。  これも御議論をいただければと思いますけれども、多くの回答者の特定につながる 可能性がありますので、回答者の所属部署と行政経験年数につきましては、公表すべ きではないと、こちらでは判断しております。  これらの情報につきましては、回答者が特定される恐れのない、全体の単純な集計 とか分析のみに用いることとしたいというふうに、考えております。  2番目、結果の概要について、この後、説明をさせていただきます。  単純集計の結果につきまして、5ページに移っていただきまして、5ページ以降、 単純集計の結果でございます。本日御欠席ですけれど、椿先生の方が中心になってや っていただきました。  最終的に430人でして、回答率が5割、54%です。厚労省の方、PMDAの方、い ずれもほとんど回答率については変わりませんでした。  2以降の単純集計の結果について、説明をさせていただきたいと思います。全体の 経験年数の分布が2−1です。全体としては、0〜4年の方がほぼ半分という結果で ございました。  厚労省とPMDAの方と年齢分布については、少し異なっておりまして、厚労省の 方は10〜20年の方が約1/4ぐらいいらっしゃったんですけれども、PMDAは7%、 10%弱ぐらいでして、PMDAはほとんどの方が、勤務されてから4年以内の方が、 6割近くの回答者という形になっていいます。  めくっていただきまして、6ページ目ですが、「2−2 職務・職場に対する満足 度」ですけれども、以下につきましては、厚労省の方とPMDAの方とで傾向の差は ありませんでしたので、まとめて結果を御報告させていただきたいと思います。  1番目の「仕事にやりがいを感じますか」という結果につきましては、14%の方が 「はい」というふうにお答えされています。  2番目の「この職場に勤めたいと考えているか」については、全体としては56%の 方が「はい」というふうに答えられています。これにつきましては、厚労省と機構で 少し傾向が異なっているようです。7ページの一番上を見ていただきたいと思います が、「いいえ」と答えている方が、厚労省の方がPMDAの方より10%ぐらい多かっ たという結果です。全体で「はい」と答えている方も、PMDAの方が厚労省の方よ りも15%ぐらい多かったといった結果です。  3番目ですが、「この職場をあなたの後輩に勧めますか」という質問。全体として は「どちらともいえない」が一番多くて46%、「はい」が36%という形です。これ も厚労省の方とPMDAの方で少し傾向が違っています。「はい」と答えている方は、 PMDAの方が15%ぐらい多い。逆に「いいえ」と答えている方は、厚労省の方が 10%ぐらい多いという結果であります。  最後、我々が示した「一次提言に対する認知」ですけれども、「今回初めて知った」 方が20%ぐらいです。「知っていたが関心がない」が1/4、26%ぐらい。それから、 残りの50%ぐらいが、「知っているし内容も把握している」という結果です。勤務年 数が長いほど関心があり、統計学的に有意な結果であったという結果です。  もう1枚めくっていただいて、8ページ目ですけれど、今、申し上げたとおりで、 勤務年数が10〜20年の方が最も認知度が高く、4年以下ですと、今回初めて知った 方が約30%です。  職場別ですと、厚労省の方がPMDAの方より認知度は高かったみたいですけれど、 ただしこの傾向は、勤務年数がそもそも厚労省の方の方が長いということで、それに よるものではないかというふうに考えられるという、そういう結論です。  最後に、「職務に対する満足は、特に認知に影響を与えているとは考えられない」 という、以上が単純集計の結果であります。  続けてしまっていいですか。最後まで行かせていただきます。  2ページ目に戻っていただきまして、回答の一部の紹介であります。先ほど申し上 げたとおり、限られた時間の中で作成させていただいたものですので、次回にきちん ともうちょっと精査したものを出させていただきたいと思います。  回答全体につきましては、次回の委員会で資料として公表すべく、現在、作業中で ございます。以下に回答内容の一部を紹介いたします。  「本委員会で議論されてきたほとんどの論点に関して、賛否両論、きわめて多様な 回答があった。」我々が考えていた本調査の主たる目的としては、厚労省あるいは総 合機構の方の実際の生の御意見を聞き、紹介するということです。「多数意見とか代 表的意見に注目するだけでなく、少数意見を含めた多様な意見の全容を把握した上で、 今後の議論を進めていく必要がある」と我々としては考えています。  いただいたすべての回答につきまして、一部マスクというか、隠させていただくよ うな情報も出てくるかと思いますけれども、次回委員会において、資料として公開す べく、現在、作業中であります。  以下、回答内容の一部の紹介であります。  「(1)第一次提言について」は厚労省、PMDAの方共通です。そこに挙がって いるとおりですけれども、「恥ずかしながら読んだことがなかった。内容は知らなか った。読む時間がない。」  「重要な提言。納得できる。提言だけで終らぬように活かして」とか、ちょっと全 部読んでいる時間はありませんので、そこに挙がったとおりです。「理念だけではダ メ」とか、「言いたいことが不明」とかです。  あとは「第三者機関の設置に賛成」は、勿論反対意見もございましたけれども、そ こに挙げたようなさまざまな御意見がございました。  2番目の「PMDAの行動理念」につきましては、「行動理念を理事長主導で策定 したことはすばらしい。理念の浸透には時間がかかる。単なる理念でとどまってはい けない。精神論にすぎぬ。具体的な活動に欠く」とか、そういったような御意見がご ざいました。  3番目の「厚労省の仕事」につきましては、「使命感(のみ)に支えられて辛い仕 事をしている。忙しすぎ。職員は疲弊しきっている。ワークライフバランス最悪。職 場環境が悪い。公務員いじめがひどい」とか、マスコミ関係のコメントとか、そうい ったようなものが挙がっておりました。  4番目「PMDAの仕事に」ついては、「責任ある重要な仕事をしている自覚あり。 職員数が足りない。一部の人に仕事が集中しすぎ。製薬企業と比べて、給与・待遇が 悪い。新人が増えても即戦力にはならない。ちゃんとした人事評価制度が必要。教育 プログラムの充実が必要。将来のキャリアパスに不安。外部との人材交流が足りない。 学会参加・勉強が十分できない」とか、そのような御意見がございました。  時間が余りないので次に行きます。「医薬品行政組織のあり方について」は、「海 外と同様に国の組織であるべき。独法の方が有利な面がある」などなどいろいろござ いました。  4ページ目、「厚生労働省と総合機構の関係」ということで、「厚労省から出向で 来ている人々(上司)に問題が多い。機構は本省の植民地。厚労省と機構の人事交流 は必要」といったようなさまざまな御意見がございました。  7番目「承認審査について」は、「承認審査の判断については米国同様に免責して もらわないと、怖くて審査できない。薬食審の部会は役に立っていない」とか、そう いった御意見がございました。  8「アンケートについて」は、「現場の声を聞いてくれてありがとう。役に立つと は思わない。アンケートの目的・意図がわからない。どうせマスコミはアンケート回 答の一部を取り上げて、当局の批判に使うだけ」等々、御意見がございました。  本当に一部の意見でして、先ほど申し上げたとおり、本当にさまざまな御意見がご ざいましたので、次回に、検討して、実際の生の御意見をごらんいただければと思い ます。  最後、4番目で「本調査結果の今後の取扱いについて」は、今まで申し上げてきた とおりで、「次回の委員会の会議資料として、回答者が特定されるおそれのある情報」 やその他、公開するのが不適切な情報につきましては、マスキングを行った上で、公 開させていただければと思います。  「本委員会の最終報告書には調査結果の概要」、ただし、この委員会での議論を踏 まえた上で、結果の書き方については考えていければと思います。「及びそれに基づ き、委員会で行われた議論を適切な形で盛り込む」という形で考えておりますが、実 際ここで御議論をいただければというふうに思っております。  最後に、430人という非常にたくさんの職員の方々から御意見をいただき、本当に どうもありがとうございました。  ちょっと余計な不安かもしれませんけれども、我々が危惧していることの一つは、 この結果をもとに、個人に対して何か上の方から、何ていうんでしょう、直接ものを 言うとか、そんなことはないと思うんですけれども、罰則を与えるとか、そういうこ とだけは絶対に、余計なお世話だと思うんですけれども、我々も責任を持ってアンケ ートやらせていただいた以上、その辺は是非、御勘案いただければと思います。どう ぞよろしくお願いいたします。  以上です。 ○寺野座長 山口委員、どうも御苦労さまでした。膨大なアンケート内容を要領よく まとめていただきました。  これはまた次回にも時間をとりまして、もう一度、詳細にわたってお話をいただく ことになるかと思います。  最後に言われたことは、言わずもがなですが、念のため座長からも、よろしくお願 いします。  これは、次回にも時間をとりますので、次回でもよろしいのですが、今日、是非聞 いておきたい。あるいは意見を言いたいという方は、御意見をお願いします。 ○水口委員 まず、本当に御協力をいただいて、ありがとうございました。本当に一 生懸命読ませていただきました。また、集計に当たられたメンバーの中でも、特に山 口先生と小野先生の御負担は大きかったと思います。ありがとうございます。  次回、全部公表するということで、発言者個人が特定されない、指摘されている方 が特定されないということについて、本当は今日、全部を公開できるようなスケジュ ールを組みたいと思って、非常にタイトなスケジュールの中でチェックをずっとして きたんですけれども、間に合いませんでした。  やってみて、それでも多分、特に立場のある方については、ここで指されているの はこの方でしょうというふうにわかってしまう内容があって、しかしそれをオミット すると、意見を寄せてくださった方の真意が全く生かされないということがあります。 そういうものは残さざるを得ないものもあって、どこをマスクするかというのは、大 変な配慮が必要な作業です。  そういうことも含めまして、このアンケートの結果は、この検証委員会の提言を有 効なものにし、更に今後、厚生労働省やPMDAのあり方を前進させるための議論の 限りで使うということを、改めてこの委員会としてもお願いしたいというふうに思っ ております。  率直に申し上げまして、全部まともに読むと4時間かかるんです。4時間ではちょ っときかないようなんですが、しかし、生の資料の持っている圧倒的な迫力というの がありまして、やはり是非、生資料を見ていただきたいというのが、この作業に当た りましたメンバーの共通した思いです。  そこでお願いですが、今回、委員にはまだ途中の経過のものしか配られていません し、こういう状態ですので、今日は余り踏み込んだ議論はできないんですが、次回議 論をするときに、これは希望として聞いていただきたいのですが、A4で60ページ になっちゃうんです、裏表で30枚、大変な量なんですが、やはり傍聴人の方にも共 有していただけるような資料配布の御配慮を、仕事を増やして恐縮ですが、私どもと しては、是非お願いしたいと思っております。  次回の議論でもいいと思いますが、この指摘の中に、厚労省とPMDAの人事交流 のことについて、本省から非常に短い期間でPMDAに行かれてまた戻るというシス テムを採用されていることについての意見が、幾つもありました。これは私どもとし てはアンケート調査をしなければ、委員会が共有できなかった問題点だなというふう に思っております。  幾つかの点について、次回の委員会で、それなりにそういう制度を採用している理 由があるということなんでしょうから、そういうことも含めてお伺いした上で、議論 をしたいと思っております。いろいろ御説明をいただくというか、厚労省とかPMD Aの責任ある立場の方にもコメントをいただくということを想定して、御準備いただ ければというふうにも思っておりますので、その点、よろしくお願いしたいというふ うに思います。 ○寺野座長 事務局はコメントありますか。皆さんにお配りする資料ができるかどう かという問題。人事交流の問題はなかなか難しい問題ですけれども。 ○医薬品副作用被害対策室長 できる限り用意させていただきたいと思います。 ○寺野座長 要するに個人情報というか、相手の問題もあるんですけれども、そこが 完全にマスクされるということが絶対条件ということになりますね。その上で、差し 支えないものという言い方もあれなんですけれど、できるだけその点を考慮して配布 していただければと思います。  水口先生、後半のは次回でいいですね。 ○水口委員 是非、お立場のある方には、このアンケート全文を見ておいていただき たいと思います。今日のまとめは決して網羅的ではありません。例えばぱっと見ると、 厚生労働省の方はやりがいを全く感じているという答えがなかったようにも読める けれど、そうではなくて、中には誇りとやりがいを持って働いていますとおっしゃっ ているアンケートもあるわけです。  今日のペーパーの字面だけで何かを軽々に語っていただくのは危険かなというふ うに思うわけですが、もう少しその点を踏み込んだ整理を、こちらもしたいと思いま す。  いずれにしても、次回直前か当日になりますので、生資料については、やはり勿論 マスキングした状態でですけれども、責任のある立場の方には見ておいていただきた いと思います。 ○寺野座長 この点はマスキングということで、できるだけ多くの人に知っていただ きたいと同時に、しかし余り妙な形でリークというか、外に出ることの危険性もあり ますので、そこは慎重に皆さんの良心に従って配慮していただきたいというふうに思 っています。  大きな問題もあって、ここの委員会だけで判断できない問題もあると思いますけれ ど、よく読んでいただいて、次回は少し責任者というか、発言をいただくかもしれま せん。 ○森嶌座長代理 大変御努力をいただいて、こういう調査をしていただいているとい うことは評価をするんですけれども、私はいろんな社会調査をしたり、あるいは苦情 処理の委員会なども出ているんですけれども、まず我々のこの委員会が何をしている かということが大事です。  結局、医薬品の安全を確保するために、どういう行政組織をつくればいいのかとい うことです。例えばアンケートをとるんでしたら、来た情報、あるいは製薬会社から 来た申請書などは、本来ならばここに来ないといけないのに、だれか無能な人のとこ へ行って、ちゃんと審査をする人のところへ来ないんじゃないかとか。せっかく自分 がこう言ったのが無能な上司のところへ行って、いや、こういうところでいるんだか ら、あんたがそう言ったってだめだとか、きちんと安全の審査の体制が、たとえです からあれけれど、PMDAの現在の組織ではそういうことができていない。あるいは 外国から来る情報が、きちんと責任者のところへ来ていないとか、そういう組織的な ことをアンケートで現場にいる人たちが、自分たちはせっかくこれだけのことをやっ ているのに、きちんとそれが行っていないのではないか。  あるいはせっかくPMDAがやっているのに、本省に行ったら本省の無能な連中は、 勉強もしないのに、パスしてしまうとか、それをやる、本当に実態がどうなっている かということを調べてそしてきちんとした組織のあり方を議論するのが、この委員会 だろうと思うんです。  そこで私は誠に残念ながら、この報告書を伺っていると、働く場で、どういうふう にみなが考えているかとか、労働環境はどうとか、上司とのあれはうまくいっている かとか、そこはよくわかるんですけれども、それはそれで御議論いただくといいと思 うんですけれども、それは我々がやることなのか。  また、調査で、今、私が申し上げたようなことをちゃんと調査をしてくださってい るのか。  前に最初に調査をやろうじゃないかといったときに、私はその点を指摘したつもり です。もう予算もないし人間もいないし、時間もないのだから、きちんとした調査を していただきたいということを申し上げたつもりですけれど、この間に出てきたので は、調査の目的、何をするのかということが、一般的に現場の人に話を聞くというこ とは、私はこれは非常にいいことをしておられると思うんですけれども、この委員会 との関係での調査として考えた場合に、私は個人の名誉あるいは個人情報のリスクを 侵して、今、マスキングとか何とか言われましたけれども、そういうことまでして、 我々の目的との関係で言えば、意味があることを我々は今やろうとしているのか。そ こまで我々は責任を持てるのかということをお考えいただきたい。  私は問題提起をして、お決めになるのは、調査をしておられる方、あるいは座長は どうか知りませんけれども、ちょっと私は、今伺っていて、話がずれているのではな いかと思いましたので、非常にクリティカルな質問あるいは提言をさせていただきま す。 ○寺野座長 森嶌嶋先生からある意味、厳しい御意見をいただいたんですが、そこら 辺も含めて、このアンケートそのものは非常に御努力をいただいて、それなりに意味 があると私も思います。また、これをまとめるのも大変なんですが、確かにこの委員 会の薬害予防ということに関して、どういう関連。そこのところをある程度、重要な ところを抽出するという作業は、確かに必要だろうと思うんです。そこら辺のことも 意識してまとめていただくということになるかと思うんですけれど、山口委員、御意 見ありますか。 ○山口委員 この場では収拾がつかなくなる、時間。次回以降にしたいと思いますけ れども、先ほど申し上げたとおり、1つは、実際に厚労省あるいは機構で働く方、実 際の調査に携わって審査をやられている方の声を聞く、意見を聞く、それで紹介をす るということが、まず大きな話です。  もともと去年のまた1年以上前の議論に戻ってしまうので、ここではやめますけれ ども、そもそも薬害、こういう現状が起こっている原因の1つとして、やはり組織の 問題があるのではないかと。その辺の情報を得るために、こういったアンケートが必 要なのではないかということで始めたという意味もあります。  今、座長がおっしゃったようなことは、確かにそのとおりかもしれませんけれども、 全くむだでないと、全然むだでないと思っています。  そこのところは、もしそういうふうに副座長の先生がお考えであれば、少し残念か なという気はいたしますけれど。 ○寺野座長 全然むだとかそういうことを言っているのではなくて、これは非常に貴 重な資料であります。しかしこの資料の使い方というのは、ここにあるように、全体 の集計分析にのみ用いるということで、ほかの目的には用いないということなんです けれど、勿論個人情報は重要なので、あえて言っているわけです。  この委員会の薬害予防という、そういう観点から見たときに、それとの関連がある ところを抽出していく必要があるのではないかということだと思うんです。  その辺を今ざっと大急ぎで整理していただいているわけですから、次回なりその次 なりに、報告をいただくときに、そういうことを意識していただくとよろしいのでは ないか。  最終提言では、そこを生かしたいということになりますので、そういうお話だと思 うんです。 ○大熊委員 一言だけですが、まず森嶌先生は、この原データをまだごらんになって いないから、そのような御心配をされるのだと思います。  今日傍聴されている記者の方たちも、この円グラフのところだけを取り出して報道 されないようにお願いしたいと思います。  大切なのは、このように膨大な、私はそこに赤やら黄色やら大事なものについて、 取り出しましたけれども、これはここに坐っていたのでは絶対にわからないことが真 剣に書かれておりまして、こういうものこそ最終報告に必要なデータだというふうに 思います。 ○寺野座長 小野委員。 ○小野委員 森嶌先生の御心配の件は、実際に何重にも御報告書の中に書いてありま すから実際に、4時間ぐらいはかかりますけれども、是非すべて読んでいただければ と思います。 ○森嶌座長代理 私は個人情報なんかと関わるとすれば、ここでやらなければならな い情報をきちんと取り出して、個人情報みたいなものはマスキングではなくて、それ は外して出して、みんなに個人情報も含めて読んでいただきたい。峻別してやらない と。  集められた、大熊さん、水口さん、山口さん、私は冒頭に申しましたように、非常 に多とするんですけれど、こことの関係で出して、しかも公開をするものと、それか らそうでないものとを仕分けをされる。余りいい意味では。  分けられるときにきちんとおやりにならないと、何となく出してしまうと、個人情 報の問題なんかが出てくるということを申し上げたんです。  ですからまずここで何をしなければならないかということを、しっかり認識してい ただきたいということを申し上げたわけです。 ○小野委員 個人情報、個人情報と心配だから、すごく強調していますけれども、私 どもがマスクしたもので、恐らくではなくて、私は99.999%ぐらいは漏れることはあ りません。個人が特定されることはありません。それも是非、一度見ていただけませ んか。  その意味で100%と申し上げないのは、科学的な回答しているからです。その心配 があるようなものを、ふらふら皆さんにまいたりコピーをとったりということは、 我々作業チームはしておりません。  そこは皆さん、何か危ないものをまいているかと思われるかもしれないので、見ら れている方はいますよね。ほかの委員の方はどうですか。これで個人が特定されて、 危ない目に遭いそうだと思うのだったら、是非、御意見をいただきたいのですが。 ○寺野座長 近藤理事長、何か意見はありますか。 ○近藤理事長 特にございませんけれど、とにかくこれだけまじめに答えてくれてい るのは、うれしかったなと思っています。  やはり専門家集団としてのプライドを持った答えなのではないかと、私は非常に喜 んでおります。  以上です。 ○水口委員 本当にただの上司の悪口みたいな回答というのはないのです。そういう 意味では、組織の問題は全部ここの議論に関わります。それから人事システムのこと も関わります。  それから、今日のまとめにはないのですが、例えば国際共同治験の関係でのいろい ろな課題とか、日本人のデータのとり方についての問題点の指摘とか、別の観点から 私たちの提言に直接関係があるような御意見もあります。そういうのは今日のまとめ の中にまだ全部入っていないので、皆さんにはちょっと御理解いただけないのは、私 どもの準備不十分で、そこは申し訳ないのですが。  内容としては、本当に皆さん、真摯にこの委員会に関係あるものをきちんと答えて いただいていると理解しております。  今の副座長がおっしゃる点を、もう一遍私どもも受け止めて、もう一度チェックさ せていただきたいと思います。  実際問題として、3回ぐらいやっているのですが、もう一度検討させていただきま して、十分な配慮して、次回提出したいと思っております。 ○寺野座長 局長はちょっと中座いたします。御承知おきください。 ○堀内委員 こういうふうにアンケートをとった場合は、やはりその中からたくさん の長文の意見が出ているわけなので、トータルとしてその中から何を抽出して生かす かということが問題。  委員が全部読むのは、大変重要なことだと思いますけれども、それをそのまま生の 形で、傍聴人も含めて外に出すというのは、なかなか難しいのではないか。それはや はり使い方というのはいろいろありますので、その中から担当した方々が整理をして、 何が主として言えるか、どういうように生かせるかということを出していただくのが、 いいのではないかというふうに思います。 ○堀委員 委員限りで生のデータを送ってきていただいて、私も夢中になって、全部 読みました。  感想みたいな話で恐縮ですけれど、私はもっと冷めた意見というか、通り一遍の答 えしかいただけないことを一番危惧していたんですけれども、私も元職員だからこそ、 本音が出ているのがわかるのかもしれませんが、本当に皆さん真剣に、いろいろ問題 意識を持って書いてくださっているということで、私は胸を打たれたというか、いか に真剣にやっておられるかというのが、よくわかりました。  資料の出し方、集計の仕方は、いろいろ方法があると思うんですが、ただ、今日の ペーパーの部分だけでは、全体の、皆さん職員の方が一生懸命書いてくださったこと というのが出切れていないというのは、生データを見るとよくわかるんです。  私が危惧しているのは、見る立場によって、アンケートの中から自分に都合のいい ところだけを引っぱり出して解釈してしまうというのは怖いし、生データの危険性と その解釈の仕方の危険性というのは、ワーキングの中でかもしれないけれども、よく 検討して、我々も意見があれば、ワーキングの方に言ってやっていきながら。  私はできれば、これだけの声を生かしたことをするべきだと思います。ちょうど生 のアンケートの声の中に、これだけのものをとって、私たち委員が興味本位で、そう か、そうかで終わるのではなく、ちゃんと厚労省あるいはPMDAの方にもフィード バックしてほしいし、社会の方にも役立つように使ってほしいといった御意見も、幾 つも書かれていますので、そこを私たちはちゃんと真剣に考えて、このデータの扱い は議論すべきだと思います。 ○高橋委員 私も今の堀委員の御意見にかなり近いんですけれども、あの内容を見さ せていただくと、小野先生は99.999%まで特定できないとおっしゃっていたんですけ れども、私が見るとかなりの確率で、言った方がわかるような気がします。  例えば、審査部門のどのくらいの経験の方が話しているのか。上の方の方、課長の 方たちが答えているのか、それともPMDAでも、入ってすぐの人が答えているのか、 そうじゃないのかというのは、かなりの確率で、この方は審査のことをやられている、 新薬をやられているか方の答えだ、これは安全性のことをやられている方の答えだと いうのが、もう歴然とわかってしまうんです。  ですから、私は小野先生が言われる以上に、このまま出せば、このアンケート結果 というのは特定されてしまうのではないかと思います。ですから、マスキングの仕方 によってはかなり変わってきてしまうところもあるので、このデータをどういう形で 公表すべきかという点については、よく吟味した方がいいのではないかというふうに 思います。  私の方で見ると、例えば企業の人間との交流とか人事交流ということも、かなり書 かれているわけなので、私の方としてはそういう面を見てしまいます。ですから、そ ういう面を是非、提言の中に入れてほしいというようなことにもなります。見る人に よってアンケートのとり方が違ってきてしまうと思うんです。やはり十分注意をして 検討して公表すべきでないかというふうに思います。  そうでなければこのままストレートに、余り変なマスキングをしないで、素直に出 すか。どちらかだと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○寺野座長 大変難しい問題で、この議論は切りがないんですが。  ただ、僕が一つ気になるのは、一番最初にアンケートをとったときに、アンケート をした人たちに対してどういう説明をしてしたか。  こういうふうにオープンにするのかどうかということを明確にしているかどうか ということ。 ○小野委員 するのが前提とはっきり書いてあります。 ○寺野座長 全体にオープンすると、書いてあるんですか。 ○堀内委員 そうじゃないでしょう。これはこれらの情報は、回答者が特定される恐 れのない全体の集計分析のみに用いることにしたいと、書いてあるんじゃないですか。 ○小野委員 それはどこの話をされているんですか。 ○堀内委員 アンケートの1ページに。 ○寺野座長 資料1の1ページですね。それはそう書いてありますね。 ○小野委員 これは完全に誤解があるので、完全な誤解だけ解かせてください。  1ページに書いてあるのは、所属部署とか行政経験まで入れていても特定されない だろうという、ちょっとここは甘かったんです。そこまで入れても大丈夫だと思った んですが、そこまであるとさすがにわかるだろうという注意を、これでも私はかなり 特定はされないと思いますが、水口先生ほかからいただきまして、この部分は、もう ばっさりやりましょうということで、これは全体の話ではありません。  アンケートをやる上での前提については、最初にお配りしたアンケートそのものに もはっきり書いてありますけれど、基本的に皆さんの御意見は、個人を特定する情報 等は除いて公開されますという前提で、アンケートはまいてある。これもはっきりア ンケートの表紙に書いてあったと思います。 ○寺野座長 そこは、ちょっと僕も覚えていない。たしかですか。 ○水口委員 明記しました。 ○寺野座長 それがポイントです。 ○小野委員 あのときの話はそうだったですよね。 ○花井委員 これは仮説モデルを実証するための統計ではないから、ある種、質的な データなんですよね。とすれば、そういう形での公開を前提としないのは、ナンセン ス。それだったらもう全く失敗ですよ。  ある仮説があって、その仮説を実証するための統計的処理という話であれば、それ はあり得るけれど、ほぼ質的なデータです。  この中から読み取って仮説形成的推論をするということは、決して実証的な話には なりっこないわけです。このデータだけでは。当然そのような手続き。  これは確認なんですけど、研究班の方はアンケートをするときに、これは個人を特 定する情報を除いて、全部公開しますという同意をとったアンケートになっています ね。 ○小野委員 なっています。ここは誤解をされている方が多いのでちなみに読みます。  「回答は匿名でお願いします。ウェブを用いて御回答をいただく場合でも、アクセ ス元の情報等は受け取らない設定となっており、匿名で御回答いただけます。  送付いただいた回答につきましては、本調査担当委員東京大学山口が厳重に管理い たします。  各回答内容は、本委員会のワーキングチームが整理し、個人が特定される情報を除 く等をした上で、すべて報告書に記載します。報告書は本委員会に提出され、討議の 資料となるとともに、厚生労働省のホームページで公開されます。」 ○花井委員 逆に言えば、それをちゃんと報告書に全部公開しなければアンケートの 同意の内容と異なってしまうので、むしろ公開しないという選択肢は、ないという説 明になっていませんか。 ○小野委員 はい、そう思います。 ○花井委員 そうですね。 ○寺野座長 ホームページまで出ているんですね。  間宮委員。 ○間宮委員 私もアンケートに答えた人のためにも、ちゃんと公開すべきだと思いま す。そういうことを言いたい、こういう意見があるということで答えているわけです から、これは公開すべきものだと思います。 ○寺野座長 それでは、傍聴の方もおられて、変に思われているかもしれませんけれ ど、これは一応この委員とそれから私と事務局と交えて、検討させていただきます。 今の議論は、勿論重視して、そして次回に、どういう形で公表。今の話だと公表せざ るを得ないかなというところは、小野委員が言われたことを見ますと。マスキングと かそういうのも、どの程度、どういう形でやるのかということにもなると思うので、 その辺は、皆さんの意見で随分違うようなところもあるので、これは委員の良心にゆ だねて、私もその議論に参加しますので、お任せいただくということでよろしいです か。  この議論をしていますと、もう切りがないので、これまでにしたいと思います。よ ろしくお願いします。  それでは、ちょっと時間が過ぎましたが、次にワーキンググループからの中間報告 ということで、第三者の監視評価機関に関するワーキンググループが、これまで3回 会合が開かれています。  本日は、これまでの議論の状況につきまして、森嶌主査から中間報告をいただきた く思いますので、よろしくお願いします。 ○森嶌座長代理 資料2と資料3がございます。  資料2に、今までの議論の結果と、委員から出たコメントが出ております。資料2 −2の、私の方から取りまとめたもの、これは全体の取りまとめですので、必ずしも 細かいところまではなりませんけれども。  そこで、今まで3回やりまして、「1 第三者組織の役割」、最初の○ですけれど も、「薬害の未然防止を目的として医薬品行政に対する監視及び表顔行う」というの が、第三者組織の役割。  その中身と申しますか、これも概括的なことですけれど、医薬品行政の全般に対し て監視所と行う。  もう一つは、3つ目の○ですけれど、「『個別』医薬品の安全に対する監視・評価 をおこなう」ということであります。この「個別」医薬品の安全に対して、監視・評 価を行って、これは問題があるというような場合には、「安全規制機関に対して、薬 害発生防止・拡大の措置をとらせる」ようにするということです。  そのような監視・評価を行うためには、4つ目の○ですけれども、第三者組織は独 立性と専門性と機動性を備えるような、そういうものでなければならないということ であります。  そして、そのような役割を果たすため、「2 第三者組織の権限」でありますけれ ども、もう少しやや具体的に、そこで2つ目の○ですが、先ほど申しました監視・評 価を行うために、厚生労働省あるいはPMDAから、医薬品の製造承認とかエトセト ラの医薬品の安全に関する情報について、定期的に報告を受ける。場合によっては、 組織そのものが情報を収集する。自ら情報収集する情報を受け、報告を受け収集する というのが2つ目。  3つ目、問題がありそうだというときには、行政機関に対して資料を提出をさせる ということでありまして、そしてあるいは、これは医薬品会社などに対して、外部の 資料を行政機関に対して収集してこいということを、情報収集させるということです。  それから4つ目ですが、「第三者組織は、収集した情報に基づいて」調査・分析を するということであります。そしてそれを国に対して評価をするということですけれ ども、後で申しますように、膨大な組織を持っているわけではありませんので、それ らを他の研究機関等に委託することができる。自分でやることができるけれども、委 託することもできるということです。  最後に、その結果、安全性等に問題があるということでしたら、一定の措置・施策 を講ずるように関係行政機関に対して、提言・勧告をする。  これに対して提言・勧告を受けた行政機関は、第三者組織に対してこういうことを しましたということをちゃんと返事しなさい。適切な対応を講じた上で、そういうこ とをしたということを通知するということです。  それに対してどういう仕組みを、第三者組織は持つのかということでありますが、 これは複数の委員から構成される合議体であります。複数というのは、3ページで後 で申します。要するに委員から成る合議体というのは、どんな合議体かということで すけれど、政府の機関としては三条機関とか八条機関というのがあるんですが、ここ では細かい点はともかくとしまして、独立の国家意思をあらわすことができる。例え ば公正取引委員会のようなものと、それから、自分で一種の立法意思を持ったりある いは執行したりというほどではないけれども、独立で意思決定をすることはできると いうものとがあります。  それをどういうことにするかということですけれど、これについては、まだ検討中 であります。  一応の考え方としては、医薬品の安全性に関わることですから、厚生労働省の中に 置くというのがありますけれど、やはり独立性ということから考えると、これは内閣 府の中に厚労省と切り離して置くべきだという議論があります。  今まであるような審議会とするのかということですけれども、これは監視・評価を するので、今までの審議会とは、別の形のものにした方がいいのではないかというこ とで、仮に厚生労働省に置くとしても、置くのは通常の審議会とは、別の形で置いた 方がいいのではないか。現在、議論をしております。  ややテクニカルな問題ですので、ここで議論をする場合には、少し細かい点を御紹 介したいと思いますけれども、現時点では、三条委員会なのか、八条委員会なのか、 内閣府に置くのか、厚生労働省に置くのか。  厚生労働省に置くとして、従来の審議会と同じようなものとして置くのか。従来の 審議会とは別のものとして、新たな委員会、審議会として置くのかということが、現 在、議論されております。  それぞれに例えば、おうぎょうなものというと語弊がありますけれども、公正取引 委員会のようなものをつくるとなると、各省と交渉したりなかなかつくるのに大変で すし、そうそう国会で認めてもらえるかという問題もあります。それから置く場所が 内閣府ということになると、機動性に欠けるのではないかとか、いやそんなことはな かろうかという議論があります。  そこで、3(1)(2)については、テクニカルな問題があって、現在検討中とい うことになります。  3ページの(3)委員については、おおむね10名ないしそれ以下ということであ りまして、これが大体合意といいましょうか、そんなところかということになってい ます。  そして、薬害被害者の代表、市民の代表、あるいは消費者代表といいましょうか。 医師、薬剤師、医薬品安全審査専門家、法律家、そういう人たちが挙がっておりまし て、選任者につきましては、内閣府に置くとすると総理大臣になりますし、厚生労働 省に置けば、厚生労働大臣になると思います。  選任基準についても、まだ議論はしておりませんけれども、それぞれどういう人が なるのかということがありますけれども、医薬品の安全性ですから、それぞれの立場 でのそれぞれの知見、見識というものを持っている必要があるだろう。  独立性を持たなければなりませんから、独立性を十分に、しかるべき適切な人材を 置かなければならない。  かなり仕事の量があるであろうということから、通常の審議会のように全員が非常 勤というわけにはいかないでしょう。委員の一部を常勤とするというようなことも考 えるべきだろうということです。  重要なことは、委員が仮に非常勤であるにしても、すべての委員がそれぞれみずか らの責任を負っている。そして審議事項を発議する。こういうことはおかしいのでは ないか。それをみんなで審議すべきだとか、あるいは調査に参加する。勿論、議決に 参加するということは当り前です。みずからが発議をし、そして調査審議を行うとい うことです。  そして、これは原則的には全員が集まる定例会議、臨時会議ということになります が、どれくらいの回数で開くかということについては、まだ十分詰めておりませんけ れども、非常勤の場合ですと、ほかに職も持っておられるでしょうから、そんなに毎 日というわけにはいかないことは確かです。  場合によってはそんなに全員が集まるというのは大変でしょうから、少人数で特定 の問題を扱うというような場合も、あろうかということであります。  事務局にしっかりした独立した人材、場合によっては外部から雇用をするというよ うなこと。  そして、委員の御意見が強いんですけれども、独立したといいましょうか、きちん とした予算の手当、独立した委員の手当等をこの委員会を設立するときにしておくべ きだということです。  現時点では、第三者組織の仕組みで、どのような三条か、八条かとか、設置場所を どういうところにするかという点については、更に形式的な点よりも実質的な、どん なふうにして独立性、専門性、機動性を確保するかという点の議論を、まだ進行中で す。  今日、御意見を伺った上で、更に場合によってはでありますけれども、まだ2回こ の次の検討会までにあと2回ワーキンググループを開くこともあり得べしというこ とになっています。  三条、八条の話というのは、資料3の中にある資料1−1というところにあります ので、ごらんいただければと思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。第三者組織といっていますが、その監視評価 機構について、精力的に議論いただいておりまして、今まで3回ということで、まだ あと2回あるんですね。  そういうことで、どういう形の組織にすべきか、あるいは役割は何か。そして、5 ページにある表がわかりやすいと思うんですけれども、こういう形のものが今、考え られているとことでよろしいでしょうか。 ○森嶌座長代理 はい。 ○寺野座長 そういう御説明でした。  その中でどれがいいかということは、まだ結論が出ていないんですけれども、今か ら検討するということです。  御意見どうぞ、水口委員。 ○水口委員 まず、今のワーキンググループの議論状況の御説明の文章の中に、2ペ ージ目ですけれども、2つ目の○の上から6行目以下に、「しかし」で始まる一文が ありますが、私はちょっとここはワーキンググループの議論状況を正確には反映して いなくて、誤解を与える記述ではないかというふうに思います。 ○寺野座長 真ん中のアスタリスクのあるところですか。 ○水口委員 2ページのアスタリスクの上です。  トータルで読めば、いろいろな意見があるという御趣旨でお書きになられたという のはわかるんですが、「しかし」で始まるこの文章は、「できるだけ速やかに第三者 組織の設置を実現しなければならないという要請を考慮すると、第三者組織を、現行 の薬事・食品衛生審議会の一部に設置する案、及びそれと同等な審議会を厚生労働省 の外部(内閣府)または内部に新たに設置する案、を検討することが現実であり、ワ ーキンググループはこれらの案を中心に審議してきた」というふうにあるのですが、 ワーキンググループでこちらの方が現実的だから、例えば薬食審の一部に設置すると いうようなことを中心に議論したというような認識には、私は立っていないんですね。  5ページをちょっとごらんいただきたいのですが、5ページの表も、今の話でいう と特に第IIのa案というのは、前回のワーキンググループのときにも私は申し上げた んですが、こういう案というのは出なかったのじゃないかと。理念的には考えられる というふうには思いますが、つまり薬食審の中に普通の審議会として置いて、医薬食 品局が事務局を務めるという、これでは普通の審議会かそれの下というふうに読める のですけれども、そういう議論があったというふうには、私は理解していないのです が、この点は少し異議を述べさせていただきたいと思います。 ○森嶌座長代理 異論をお述べになることは自由ですから、ちっとも構いませんけれ ども、事実としては、既にこの案は出ております。  それから、私も早くつくるのだったら、立法するのは大変だから、中心にというか どうか、水口さんが案を出されたことも、たしかですし、ですから下に、こういう案 も出ていて有力に主張されていたと、これは書き直してもいいんですけれども。  ですから、今までそういう案が出たことはないというのは、事実とは異なります。 書き方が悪いということであれば、これを書いたのは私ですので書き直しますけれど も、そういうことやったことはないというのは、事実と反しますので、それについて は、私は撤回するつもりはありません。  また、今までの審議会を前提といいますか、そこと並びで、あるいはそれの書き方 を変えていくということであれば、これは、割合早くにできるということは、何回も 申し上げてきたことです。  この表、別の形でこれと同じ案は出ております。見たことがないとすれば、それは 水口さんが自分の案のみが世の中で唯一…。  ここにあります。12月21日のところの後ろの方の4ページにありますので、資料 2のところにちゃんとこれと同じものが。これはその前に事務局につくってもらった のを、私はこのまとめのところにも入れましたので、書き方が悪いということについ ては、いつでも訂正しますし、水口さんが異議があるということについては、いつで も入れますけれども、こんなのは見たことがないということについては、事実とは違 うでしょうと申し上げます。 ○水口委員 見たことがないと申し上げているのではなくて、「この表は、ワーキン ググループの前回の会議に出たときも、この表の一番上の案というのは、今までの議 論を反映していないのではないかという意見を申し上げました」というふうに申し上 げたんです。  主査の御意見も踏まえて申し上げますと、それでは、「中心に議論をしてきた」と いう点を御修正いただくということで、お願いできればと思います。 ○森嶌座長代理 もしもそういうことであれば、それはちっとも構いません。 ○寺野座長 その点は、一応ここまでということです。  そのほか、御意見はありますか。 ○花井委員 ワーキンググループの皆さん、大変御苦労さまでした。  中身はまた今度取りまとめていただくということなのでいいんですけれども、ちょ っと僕が気になったのは、やはり最終的には、余りこの委員会全体で、組織体制につ いて両論併記とか、そういう話には持っていきたくないところです。a案、b案、c 案とか、最後は取りまとめがそうなるのかもしれないんですが、そういう中で案をシ ェイプアップしていきたいわけですが、やはりワーキンググループの方で、余りテク ニカルに、これは多分行政官が事務局がやるから、今の水口先生と森嶌先生の議論を 聞いて思ったのですが、薬食審を使うというのは、行政の知恵っぽい感じがどうして もしますよね。  全く白紙でつくるのだったら、あえてこういう志向はないわけです。  ですからワーキンググループで、もしよろしければ、もっと理想を踏まえた上で、 つまり薬食審の内部につくったら、独立性は不可能です。  私もも血液事業部会、運営委員会をやってよくわかっていますけれども、薬食審は 薬食審を設置するための法的根拠があって、それの中でやるというのは、今回の委員 会のアジェンダに対応する組織としては無理だから、これはちょっと落としていただ いて、どうしても最終的に薬食審を使わざるを得ないということであれば、そういう 話は、妥協としてはあり得るけれども、ちょっとワーキンググループで余りにも。特 にII?a、II?bですね。薬食審の下の組織とか、官房に事務局を置いても、II案み たいのは、そもそもワーキンググループでこういうことは、頼んでいないと思うんで すけれども。こういう話は…。 ○寺野座長 案として、これが反対であろうと賛成であろうと議論をすればいいので すが。 ○花井委員 これはだれが書いたんですか。事務局がつくったペーパーではなくて、 だれか委員がこの案を…。 ○森嶌座長代理 これはワーキンググループでありますけれども、どういうあれがあ るかということについては、この別紙が事務局で考えられたということです。 ○花井委員 事務局がいかにもつくりそうなんですね。 ○森嶌座長代理 中心にといった意味は、ほかになかったので、実はその意味で、私 は簡単に下げたのは、中心にといった意味は、これをたたき台にしてといった意味で して、実は今、花井さんが言われたようなものも、多少は出たんです。  それで例えば西埜先生なんかも言われたんです。今、花井さんが言われたほど、細 かい点は出なかったんですけれども、これに余りとらわれなくていいのではないかと か、出ているんです。  これはみんなが議論をするとすれば、この案がいい、あの案がいいではなく、考え るとすればこういうことがあり得ますよということで、私の方で事務局に頼んで、ど んなことが考えられるかというのを出してもらった。それで、水口さんは水口さんで 1つのあれを出していただいた。それを出した状態でやったんです。  ですから、確かに中心にというのではなくて、ほかにないから、これを置いといて やった。 ○花井委員 なるべくこの親委員会で規定してこういう機能を持ってください。こう いう条件ですよというのは、ありましたので、それはこの前半に書いてあることです ね。  これにある種厳格に、実現可能性というのを探って、ワーキンググループの方々に はお願いしたいと。つまり、多少理想を実現するために実現可能性という方法論で進 めていただきたい。  今ある権限で可能なのはこれだよねと書きたくなるんですよ。事務局はいつもそう なんですよ。血液事業のときも大臣直下につくるとずっとやっていた。御記憶だと思 いますけれども、あれが大臣直下の運営、安全監視委員会をつくってほしいと、そう いう方法でずっと来て、最後にもう無理で、最後の土壇場で次善の次善の策として、 いわゆる薬食審の血液事業の部会の中に、下につくったけれども、機能としてはちょ っと違うぞみたいな運営委員会というのをつくった。清水先生はよく御存じなんです が、そういう経緯がある。それはそれなりの役割があったんですが、やはり結果とし て、それしかできなかったんです。  そういうところなので、最初からできるもの、最初から血液事業部会のそういうも のができるよみたいなことを示されているようで、ちょっと僕は余り気持ちが、すっ とこないので、理想を追い続けてほしいという感じです。 ○森嶌座長代理 私の方から申すのは、あれですけれど、私はワーキンググループで こういうのもある、こういうのもあると。これで別に両論併記ということではなくて、 これをやってここへ持ってきて、今の花井さんのような議論をしていただいて、それ でこのまとめでやるつもりなんです。  ですからその前に、ここで、極端なことを言えばワーキンググループで実現可能な のはこれだから、薬食審でやるよというやり方とか、実現不可能であっても理想を求 め続けて三条委員会で行けとか、あとは野となれ山となれとか、それでなくて、こう いうのもあっていうのもあってこういう問題があると。さあここで、皆さんでどう行 くか。それで、今の花井さんのも一つの御意見だと思います。  それで今の段階で来て、今日、御意見を伺いたいというのは、そういう趣旨です。  確かに事務局がこれを書いてくださったので、そういう前の血液のあれがあるんだ ろうと思うんです。 ○花井委員 あの記憶がございますので、今回は轍を踏みたくないと。運営委員会が 悪いとは言っていないですよ。悪くはないんですけれども、頑張ってあそこまでやっ たという話と、最初からこれだったら実現可能だよという話は違う感じがする。是非 そこはワーキンググループの方にお願いしたい。 ○清水委員 今のことで、主査の御意見もあったんですが、今のこの表は、ワーキン ググループの当日にぽんと出てきました。これについて、いろんな議論が出たわけで す。  ですから、この中から選択するという議論までは煮詰まっていないというふうに、 私は理解しています。  ですから、13ページに、私の意見書が出ているんですけれども、半ば下のところの 組織形態というところに書いてございますけれども、内閣府に三条委員会として、公 正取引委員会のような形でするのが、一番望ましいと思うんです。  ですけれども、立法技術的な問題は、森嶌先生がよく御存じだと思いますので、そ の意見を参酌しますと、薬事・食品衛生審議会ではなくて、それと同等の別途の審議 会をつくるのがいいのではないかというような意見を求められたということで、その ことをもってしても、さっき出てきたのは、あくまでも参考の表にすぎないというふ うに、私は理解しています。そういうような観点で、見ておいていただければと思い ます。 ○寺野座長 そういうことでよろしいのではないでしょうか。  この1つの案しかないとか、あくまでの参考のためにということで、これ以外にあ れば勿論出されて、議論をされていると思います。ここは要らないというのなら、外 しちゃえというふうなこと、それも十分可能なので、そういうところでしょうかね。  ですから、まだ結論は出ていない。  間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 私もこの表と同じようなものをワーキンググループの中で見たときに、 今までと同じような審議会とか、そういう組織ではだめなんだということを申し上げ ました。申し上げたんですけれど、ずっとこれが残っているという。案が委員の複数 の方から出て、それに対して議論をしたという話だったら残っていてもいいのではな いかと思いますけれども、こういう表がぽんと出てきて、それに対して私だけでなく 反対意見が、要は薬食審の下に置くとか、そういうものはおかしいのではないかとい うような意見があった中で、まだこれが残っているというような表現の仕方は、どう なのかなというふうに思います。 ○泉委員 外すことはできないんですか。I、II、IIIとありますね。 ○寺野座長 これはあくまでも、多分参考に出てきたものですから、まとめるときに これを外すということは、勿論…。 ○森嶌座長代理 私は役人みたいな答えをするつもりはありませんけれども、これは 12月のときのもので、そこで間宮さんの意見も、みんなこれにファイルしてあります。  中間取りまとめで、そこにみんなの意見を入れろというならあれですけれど、ここ に出すときには皆さんの意見は、さっきマスキングなんてありましたけれども、なま じやるよりは、皆さんの意見は意見として、清水先生や間宮さんの意見も、それはそ れでここにつけておいて、私のは議事録より悪いのかもしれませんけれど、そういう ふうにして出しているわけですから、とったってちっとも構わないんですけれども、 前にはこういうのがありました。それは皆さんにお示ししましたけれども、別紙は事 務局に、どんなようなことがあり得るかということをまとめてもらったということで す。  例えば下に置くという表現がまずいというなら、あれしても。それも前のとき私も 言いましたけれども、下はちょっとまずいよねという話を議論の中ではしました。そ ういうことで、私自身は議論の中で出たりするのは、問題があって変えるというのは、 ちっとも構わないんですけれど、いきさつからすれば、資料としては今までのが残っ ている。それから、皆さんの御意見で出されたものは、そのままファイルしていくと いうことですので、ここでまた皆さんの御意見があって、意見書を出されると、それ はそれで。  最終的にみんなの意見をばさばさとまとめて、それで最後にまで持っていくという つもりはありません。今の議論の過程でそういうふうにしているというだけです。 ○泉委員 続きで済みません。  森嶌先生がおっしゃったように、これは最初のときから、多分あったんですよね。 最初のときにあったときに、こういう案がもうできているのかなというふうに見たけ れども、いや、ちょっと待てよと。これは多分、いわゆる事務方の方から出たのでは ないかということと。  それからちょっと待ってという気持ちがありまして、それはどういうことかという と、ワーキンググループをつくって監視機関をつくろうというのを考えようというの を、この委員会全員一致で決めたときに、再発防止体制に並々ならぬ思いと、それか らもう二度ということと、通常の形ではだめなんだという、そういう意見が各委員か ら出た。  そして、今まではなかったけれども、そういうものをつくらなければいけないとい う、形的に言えば理想が一歩入っておりますけれども、その形で始まったワーキング グループだというふうに思いますので、当然として、最終3月に近くなれば、こうい う方法か、こういう方法かというような形は取りまとめなければいけないかもしれな いけれども、今までの2〜3回の中で、ここのところはちょっとまずいよねという意 見がまずもう出ていること。  それから、どういう組織かというのは、清水先生も間宮さんも水口先生も小野先生 もだったと思うんですけれども、監視がしっかり行き届いてこういうこととこういう ことができるということをおっしゃったことを思うと、通常の審議会でそれができる のかなという思いがあります。  ですから、そこをもう少し何か私もアイディアがちょっと浮かばないんですけれど も、ここがこのまま残ると、ずっとこれは昨年のa案、b案、c案じゃないですけれ ども、反対があることも、余り議論にならずにずっとあるんだなというような思いが、 ほかの方に見えてしまうので、何か工夫が必要かなというふうに思うのですが、いか がでしょうか。 ○寺野座長 時間の関係もありますので、ずっと議論しているわけにはいかないので すが、この表そのものは、わかりやすいと入れたんでしょうけれども、大変誤解を招 く可能性がありますので、表そのものは、まとめに出てくるものではないだろうと、 僕は思うんです。ですから、その点をお願いしたい。  これは、内閣府というのがあって、あとは薬食審の中につくるのか、別につくるの かということ、あと事務局はどこに置くかというそれだけの表なんですね。ですから、 単純といえば単純なんですけれども、その中身というのが、気に入らないという人が かなり多いわけなんですが、それは、ワーキンググループの中で、そういう意見もあ るかもしれないし、ないならばない。ないならば外せばいいし、だれか一人でもある ならば、入れるべきだと思います。そこら辺の整理をしていただく。  この表そのものはかなり抵抗があるので、まとめとしては外していただいた方がい いかなというふうに思います。  小野委員。 ○小野委員 森嶌先生がおっしゃっているのは、この全員の委員がいるところで決め ていただかないと、どうにもならないということですね。ですから、私はこの専門の ワーキンググループの中では、賛成、反対を明確に発言していませんでしたけれども、 今ここで申し上げると、第II−a案、II−b案、薬食審の中にというのはナンセンス で、あり得ないと思います。  ですから、この全体の委員会の委員として反対です。  以上です。 ○寺野座長 はい、西埜委員。 ○西埜委員 第1回目と2回目のワーキンググループの方は、議事要旨が出ているの ですが、第3回の場合は、議事要旨は作成途中なんですか。それとも、これからはつ くらないようにしたのか。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局から申し上げますと、第3回の議事要旨は、今 ワーキンググループのメンバーの方々に確認をいただいているところですので、次の ワーキンググループで、いわば確認したような形で、それから、またこの委員会に報 告する。資料と一緒に出す。いわば1回遅れというようなことです。 ○寺野座長 山口委員。 ○山口委員 時間がないので、手短に。ワーキンググループ以外の人間として一言申 し上げさせていただきますと、せっかく御議論をいただいているので、ワーキンググ ループでどういう議論になっていて、今の話を聞いていると、どう考えても、II−a とII−bは、もうグループの中でも議論の対象から外されているような、そんな印象 しか私は思えないんですけれども。だったらそれで今はそういう経過だということを、 今この場で発言していただいて、更に議論をしていただくとか、そういう形でやって いただかないと、こっちとしては、何が何だかよくわからないようなところもありま す。 ○寺野座長 この表そのものが、全くこの5つが対等に見えるということで誤解を生 んでいるんだと思うんです。その中で、どの意見が多かった、なかった、強かったと いうことは、森嶌主査の判断で、こういうものが出てきているということです。  ですから、薬食審の中にという意見がないということであれば、それを削っていた だいて結構です。そのほかに薬食審とは別に新組織を設置する。あとは事務局の問題 ですから、その新組織とは何なのかということを具体的に出していただかないと、中 身のある議論になっていないんです。形式論だけになっている。だからここの議論は どうなのか。その新組織をどうお考えなのかということを、次回は示していただきた い。  勿論、この中で今意見がある方はどうぞ。  間宮委員。 ○間宮委員 こういう議論になっていること自体、ちょっとワーキンググループのメ ンバーとしては、非常にお恥ずかしいというふうに思うんです。  何でこうなっちゃったのかというと、やはりこの中間取りまとめというのは、今朝 出たものなので、実はワーキンググループのメンバーとしても、今朝見たんです。な ので、どんなものが出るのか知らなかったので、実はこういう議論になっているんで す。こういうのは、ちょっと問題なんじゃないかなと思うんです。 ○寺野座長 問題なんだけれど。それは森嶌先生、すごく忙しいし、なかなか。 ○間宮委員 それは森嶌先生のせいだとは言っていませんよ。こういうのをメンバー も見ていないようなものを、そのまま直接、親委員会に出しちゃうというのが、ちょ っとどうなんだろうなという意見であります。 ○寺野座長 わかりました。それもある意味もっともな話だと思うので、この中間の 取りまとめを主査として出していただいたということで、森嶌私案的な考え方で考え ていただいて、ともかく今からワーキンググループが開かれるわけなので、このまと めを、実は僕も今、言ったように、内容そのものの新しい組織の具体的なものが、全 然まだイメージされないわけですね。 ○森嶌座長代理 実を申しますと、新しい新組織なるものを、議論をしておりません。  いわば、私がちょっとほかの仕事を抱えていまして、実は先週の末に帰ったもので すから、皆さんには、12月21日の議論で出たものを、前回までの中間取りまとめに 足して、少し修正してここへ出しますということをお話ししたものですから、ここに もありますように、そんなに大きく変わっていません。  前回の議論のときも、そんなに大きく変わったことはなくて、これは清水先生なん かにも、後から少し御意見をいただいたんですけれども、具体的に委員会で何をやる のかというイメージを、少しこの中に足してあります。皆さんの御意見をこれに足し てありますので、私としてはそんなに大きく変わっていないのでという、これは弁解 になりますけれども、あったんですが。  いずれにしても、今まで、どちらかといえば、委員が何をするのか、具体的にどん な仕事をするのかという議論をしておりまして、組織そのものはどうなのかというこ とについては、審議会で厚労省の薬食審の上なのか真中なのか下なのか、横なのか。 だとしたら何かということは、実を言うと、ほとんど議論はしていないんです。  ただ、独立性をどうするかというようなことは言っておりますけれども。議論とし ては、三条とか八条という形の議論はしていますけれども。  例えば、今、山口さんの方から御質問のあった、ではこれに当てはめたとして、II のどこにどうだとしたら、どこになるんだ、新組織は何だと言われましたけれども、 皆さんのイメージとしては、新しい形の審議会ということぐらいではないでしょうか。  水口さん、どうですか。 ○寺野座長 どうぞ。その点に絞ってください。 ○水口委員 私は組織の議論はしたという理解でいるのです。それがまさに三条委員 会なのか八条委員会なのか、内閣府に置くのか、厚労省に置くのか。そういう理解で おります。  余り経過を言っても生産的でないので、前に進めるための意見を申し上げさせてい ただきますと、今の取りまとめのペーパーの続きの15、16、17ページに、私の意見 は書かせていただきました。  ワーキンググループの、私の理解している議論状況としては、目的や権限や組織構 成は、先ほど主査から御説明いただいたように、もうおおよそ一応見ている。あとは どういう組織形態にしてどこに置くのかということと、「わかっているようで活動の イメージがちょっと共有できていない部分があるね」ということで、「そのところを 共有できるように意見を出し合おう」ということで、「年末までにそれを出してほし い」ということでお出ししたのが、今日、配っていただいている各委員のペーパーで あると思います。  それで、私が申し上げたいのは、やはり監視するその対象は何かというと、通常、 薬事行政を中心的に担っている厚生労働省であったり、そことの関係でいろいろ審議 していただいている検討会であったり審議会で決めていく中身が、その対象になるわ けですから、そこと同格とか並列とか、その一つと同じような形の委員会であっては、 恐らく埋没してしまって機能を果たせないのではないかというふうに思うのです。  それと、通常の薬食審の中に置くという議論になれば、権限もやはり薬食審の基本 的なルールに束縛されますので、今まで議論してきた強力な調査権限とか勧告権限と いったものは、一体どうなるのかという議論が出てきてしまう。どのみち、これから 私たちがつくろうとしているものは、立法が必要な組織であるというふうに、そのぐ らいのことは覚悟して、私たちの委員会は、提案しているのではないかと思います。  確かに実現の可能性ということからいうと、いろいろなハードルはあるかもしれま せんが、委員会としては、やはり理想的な形はこれであるということを、まずスパッ と出して、そしてそれが難しい場合には、次善の策としてこのスタイルでもいいとい うような感じで提案すればいいのだと思います。この報告書が出た後に、どのみち大 変なロビー活動や、いろいろな対応というのが要求されるわけですから。  先ほど花井さんがおっしゃったことに、かなりニュアンスとしては共通しているわ けですが、まずあるべき姿として、基本的なことを提案して、そこに何か不安がつき まとうのであれば、次善の策を提案するというような形で、まず基本を明確にしてい く。  そういう意味では、私は通常の審議会というスタイル、厚労省に事務局を置くよう な審議会というのは、選択肢の中には、機能の面からいっても入らないというふうに、 思っております。 ○寺野座長 それはそれでよろしいのではないでしょうか。一つのまとめというふう に考えていいのではないかと、僕もそう思います。ですからあの表そのものは、参考 までに出たということで、まとめの中には出てこない。薬食審の中にとか下にという のは、まずなしということ。  ですけれど理想論というものか、そういうものをまず出していただくのは、結構だ と思います。それで実現性がどうなのかということを次に考えていくという、順番は ちょっと変えていただくということは、いいかもしれませんね。  そんなところで、次のワーキンググループで、この点を議論していただきたいと思 います。勿論これは、最終的にはワーキンググループから出される取りまとめを、本 委員会で最終的に議論して決めることですから。しかしそれが余りにばらばらと並列 されていたのでは、最後、本委員会でもまとめようがなくなってくるので、できるだ けワーキンググループの方で、可能な限りまとめていただきたいと思います。  そういうことで、今日の議論を参考にして、次回、次々回のワーキンググループで、 よろしくお願いします。 ○森嶌座長代理 私も理想的なことは理想的なことでいいんですけれど、さっき花井 さんが言われたように、実現性と理想。僕は花井さんに全く賛成なんですけれども、 最初からこれならいけるよというのでやったら、ろくなものにならないということも、 確かです。だからと言って、水口さんは、どうせ立法するんだから、八条であろうと 三条であろうと、どうせ立法だから変わらないと書いておられたけれども、私はそう ではないと思います。例えば三条委員会を立法しろといったって、そうは簡単にいか ないと思うんです。  私が皆さんにお伺いしたいのは、この監視委員会を設立したいということですから、 少しでも理想に近いものを、我々として、これだけの思いをして集まって、被害者の 人もおられて、いろんな証拠といいましょうか、ものを突きつけながら、政治を動か してやるわけですから、頭から問題にならないようなものではなくて、どこが理想か、 そしてこれなれば黙っていてもそうなるというのを越えて、どこまでやるかというこ とで、私は皆さんの意見を伺っておきたいと思うんです。  今日は、さっき言われたように、私の方にもちょっと負い目がありますから、今日 こんなのをぽっと出してみんなに聞けと言われても、それはだめだと言われるかもし れませんけれども、できれば事務局にでも結構ですので、三条とか八条とかいうのは ともかくとして、こういうような、例えば厚労省に事務局を置かないようなのはどう だとか、普通の審議会、薬食審議会みたいなものではないようなものはどうだとか、 せめて消費者委員会ぐらいなものにしろとか、そういうようなことで何かありました ら、ワーキンググループでない委員の方も、是非、御意見をお寄せいただきたいと思 います。 ○寺野座長 大熊委員、簡単に。 ○大熊委員 長い長期政権のもとで、こういうものは事務局が下書きを書いて、収ま るように書くという慣習があったわけですけれども、政権が変わったわけですので、 もう少し今まではだめだったことも実現するかもしれないし。  さっき読んで、水口さんのはすっとよくわかったんです。このくらい思い切ったも のを、なるべく事務局の手は煩わせずに、本当にワーキンググループの委員の皆さん が、書いていただきたいなというふうに思います。 ○森嶌座長代理 ちなみに私のは、私がみんな書いていますけど。 ○寺野座長 この議論は、ワーキンググループ、最初から出てくるべきものであった のかもしれません。それはともかく。  清澤委員。 ○清澤委員 非常に御苦労なことだとは思いますが、私としては、こういったものが どれだけ権限が確保できるのか。そこが一番の問題かなと思うので、各案の長所、短 所を一つずつ列記していただかないと、ちょっと私ども素人には、わからないような ところがあるので、是非この次のときには、そういったことを明記していただければ というように思います。 ○森嶌座長代理 それでここへ別紙5に、もう少し詳細に書くべきでしょうけれど、 そこに書いてあります。  それから、長所といいますか、それが八条委員会とか三条委員会というのは、どう いうものなのか。私は別にここで議論するつもりはありませんが、三条委員会という のは、相当な権限とスタッフを持って、例えば公正取引委員会をお考えいただくとい いと思うんですけれども、相当なものなんです。  政権が変わっても相当な論理を用意しないと、政権が変わったから何でもできるで しょうと思ったら、例えば八ツ場ダムが何の抵抗もなしにぱっととまるかというと、 マニフェストに書いてあってもなかなかあれですから。これをマニフェストに書いて おいてくれれば、それでもどうか知りませんけれども。やはりそう、世の中甘くない ですから、かなりきちんとした論理を立てて、やっていかなければいけないと思うん です。 ○寺野座長 堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 いろいろ御意見を伺いましたけれども、独立した第三者機関ということ を最初から言ってきたわけです。第II案のa、bについては薬食審の中ということは、 薬事分科会と同格ということになると思います。審議をするのに同格ということで。  それから、更に薬事食品審議会の親委員会があるということになるわけですから、 独立していないんです。  例えば医薬安全委員会でこういうことを決めたと。更にもう1回その上の段階で、 議決をするということになるわけなので、余り独立していないということですので、 そこは少なくとも妥当ではないだろう。違うのはまた置いておいて、それだけは申し 上げておきたいと思います。 ○寺野座長 要するに、薬食審の中にというのは、意見としてもうこれはなしという ことですが、水口委員からの意見とこの(1)から(3)までというのは、森嶌主査 から出されているものと基本的に変わらなくて、この内容に関しては若干の意見の相 違があるにしても、かなりワーキンググループの方たちのコンセンサスに近いものが あるのではないかと思うんです。  問題は(4)なわけで、(1)〜(3)までの議論が十分にできたと判断されたと きに、そのときに(4)という組織法上の問題をきちんと議論していただきたい、そ ういうようなのでいいのかなと思います。理想論は(1)から(3)の中にどういう ものがあるのかというのを考えていただければいいのではないか。この点は一致して いるけれども、(4)番の組織法上のものが、先に出てくるところに、一番最初に表 がぽんと出てきたので抵抗があったのではないかと思います。  傍聴の方たちも聞いていて、何だか形式的な議論ばかりしているなと、ちょっと妙 な感じを持たれていると思いますが、その辺は実質的なものを固めた上で、組織法上 の問題を考えていただきたい。  これは次回、次々回のワーキンググループで考えていただいて、本委員会の委員も、 問題点がはっきりしているわけですから、自由に意見を述べていただきたいと思いま す。  この点に関しては、時間の関係もありますので、ここまでにしたいと思います。  また意見がありましたら、後でメールでもファックスでも結構ですので、事務局の 方にお寄せいただければ、我々もそれを見させていただきたいと思います。  では、議題の3に移ります。6時までにはどうしても終わりたいと思っています。 僕も出かけないといけない。個人的なことではないんですけれど、済みません。  「第一次提言を受けた取組・検討状況等」ということです。これは9月以降、第一 次提言を受けた取組みの状況について、いろいろ報告を聞いているんですけれども、 前回、委員から追加質問がありましたので、これらについて、事務局から説明をお聞 きします。  これは資料4〜12までありますが、これを説明していただいて、時間がかかっちゃ うかもしれませんが、この件は、今からの次回以降の議論の中心になると思いますの で、まず事務局の報告を聞いていただきたい。  よろしくお願いいたします。 ○安全対策課長 それでは事務局の方から御説明を順次させていただきます。  まず、資料4「副作用報告の処理・対応」という題のついている資料でございます。  現在の医薬品安全対策業務の中で、一番ある意味、中心的になっている副作用の報 告を中心として安全対策につながっているというそういうプロセスが、今、現時点で どういうふうに動いているのかということを、ある程度整理をして説明をするという ことで、用意したものでございます。ただし、今の安全対策の体制につきましては、 昨年度からこの検討会で御議論をいただいたことなどをもとにして、体制の大幅な強 化に向かって動いている真最中でございますので、常に変化をしているという、その 過程でございます。  この資料を1枚めくっていただきまして1ページ、2ページ、ここで現在検討中の 手順ということでお示ししておりますものでございます。これは昨年の4月以降、今 年度から副作用の報告を扱う安全部門、これはPMDAの安全部門ですが、こちらの 体制を領域別の5つのチームに分けて、それぞれの領域ごとに、年間、大量に報告さ れてくる副作用報告を、それぞれの専門領域ごとに仕分けをして、評価をしていくと いう形にした、その現状を、ある程度見やすく整理をしてお示ししているものでござ います。  それぞれのプロセスについて、できるだけ標準的な流れという形に整理をしようと してやっているところでございますので、個々のケースについては、これと若干違う ようなプロセスになるケースも、個々にはあります。  ただ、全体としてはこういう形で集約化され、標準化されていく流れにあるという ことで、御紹介するということでございます。  ごらんいただきますと、副作用報告というのが、最初にPMDAに送られてまいり ますが、それを各分野ごとに分けて、それぞれのチームの中で、副作用報告として丹 念に読んでいく。その中で一次スクリーニングというふうに、まず最初に報告自体を 見るというところから注目されるものをピックアップする。この過程においては、デ ータマイニングの手法等も活用して、気になるものを見ていく。  これを1つの週の単位でチェックをしていって、その中から課題として検討するも のを絞り込んでいく。その間、本省、私ども安全対策課ですが、こちらと毎週毎週、 この課題となるべき案件について、情報共有をしながら作業をしております。  その案件が絞られていく過程で、個々の製品について、それを販売しております企 業にその照会をし、企業の見解ももらいながら、実際にこれを添付文書の改訂という ような格好で処理をしていく必要があるかどうかという、そういう判断をしていきま す。それが右側になります。  ここで、特に緊急に対処しなければならないものは、緊急の安全性情報という格好 で、すぐさま処理をするというプロセスに行くというところが、右の方に「企業へ照 会と」書いてある部分のすぐ左の方に、こういう格好のプロセスへ行くものも、想定 はしております。この部分は、非常にクィックにやるという格好ですが、これ以外の ものについて、これはまだ情報が十分ではないという場合は、更に継続的にスクリー ニングをかけていくというふうに、左の方に行きます。  それから、この情報で十分に措置をとるということが判断できるなというふうにな っている部分については、その先のプロセスに進んでゆく。  ここでは機構の評価だけでなく外部の専門家の評価もいただいて、それは大体5週 間サイクルぐらいで評価をしていって、そして厚生労働省に、このように処理をする べきだ、対処すべきだとのいうふうな通知をいただいて、本省の方では、添付文書の 改訂の指示をするというような格好のプロセスに流れていく。  こういう格好の一連の流れを、ある程度時間スケール的にも、あるいはプロセスの サイクル、あるいは判別の仕方というものを、こういう格好で整理しつつあるという 状況にあります。  もうちょっと定量的な話のところがありますので、その次に3のところです。全体 の量的な流れについて、「医薬品安全対策業務の流れ」ということで書いてあるとこ ろに若干数値的なものを示しておりますが、副作用報告で特に日本国内で報告された 副作用報告、これは企業が集めたものと医療機関から報告されたものが合わさって、 トータルで3万ぐらいございますが、これを中心とした評価を行っている。このほか に研究報告、あるいは外国で規制当局がやった措置についての報告、こうしたものが 情報として判断材料として入っているわけです。  これをそれぞれ5つのチームが、それぞれの領域ごとに仕分けされた格好で分析を していく。それぞれの5チームが年間に、大体4000〜5000件ぐらいのトータルの数 の案件を分析した上で、最終的に添付文書の改訂という格好でアウトプットになって いくのは、150件ぐらいになります。  ただ、150件というのは最終的に改訂にたどり着いたところの数でございますので、 そこに至るまでに、事前に検討をしているというものの数が、これくらいあるという ことでございます。  それから、それのもとになっている副作用報告というのは、一体どういうものなの か。もう少しイメージをということで、報告の現物そのもののマスキングをした格好 ですが、その後にずらずらとつけてございます。  これは報告としては、情報量の豊富な副作用症例報告の例であります。ものによっ ては、極めて情報量が少ない、中がすかすかなものも、中にはありますが、これはか なりいろいろな情報が書かれている。高血糖と黄紋筋融解症という副作用のケースの 報告ということでございます。  実はこれは、更に1枚めくっていただきまして、7番、8番と書いてあるところに 臨床検査値の数字なんかが載っていますが、実はこの後に11ページぐらいつながっ ていて、一つの症例の報告というのは、かなりの厚みになってしまうケースもあって、 その経過を全体としてちゃんと読み取るために、付随しているデータの量というのは、 ものによっては大変豊富にあって、その中から起きていることを読み取るということ を、一人一人の安全部の担当職員がやっているということでございます。  ちなみに職員の働き方のイメージというのを、今日はアンケートの紹介もされまし たけれども、実際にある一人の職員がどういうふうに1日の業務を、朝から晩までや っているかということを、3つのケースというのを、9、10、11というところで示し てございます。  チーム全体のマネジメント役になりますと、調査役のレベルでの仕事、それから2 年目、1年目、それぞれ少し経験のある人と全くぺーぺーの新人と。こういったとこ ろそれぞれが、1日くるくる仕事をしているという様子をここに御紹介しております が、勤務時間、かなり夜遅い時間になっているということがありますけれども、そこ までやっていることがきっちり詰まっているということが、これでごらんいただける かと思います。  勿論一つ一つのこまの仕事の中身が、更に詳細にどうなっているかというところは、 またあるわけですが、これにつきましても、御興味のある場合は、機会をとらえて御 説明ができるかなというふうに思います。  このような格好でそれぞれの職員が、これだけの量のものをやっているときの働き 方がこんな感じになっているということを、例示に挙げて御紹介をした。こういう資 料でございます。 ○松田安全管理監 済みません。資料の番号はちょっと前後しますけれども。 ○寺野座長 できるだけ簡潔に。 ○松田安全管理監 簡単に。資料の7番ですが、「PMDA情報提供HPの総アクセ スの推移」ということですけれど、これは以前の検討会で、「患者向医薬品ガイドの アクセス回数」のデータを示してくださいということで、宿題があったものです。  これは上の方がホームページ全体のアクセス件数です。これは何人という数ではな くて、閲覧されたページ数であらわしています。  下の2つ目が、患者向医薬品ガイドのアクセス回数でして、全体が6億数千万件と いう割には、実は患者向医薬品ガイドのアクセス回数というのは、平均でいうと数万 件というところでございます。  去年の10月ぐらいにピークがあるのは、タミフルとかリレンザの関係で、アクセ スが多かったので、ちょっと多くなっているという状況です。  以上です。 ○安全使用推進室長 続きまして、残りの資料を簡潔に説明させていただきます。  資料ナンバーの5番でございますけれども、前回、御指摘いただきました英国のイ エローカードについて患者情報を収集しているということを御説明いたしましたが、 それについて、当局の方から、フィードバックがあるかということでございます。  これについては、資料5の真中、下から見て2つ目の○のところに、受領確認を送 るですとか、また詳細な情報が必要な場合には、直接連絡をとる場合があるといった 部分で、確認をしてございます。  資料番号6番につきましては、先ほど津谷先生の方からも、少し御紹介がございま したけれども、米国MedWatchの様式というものでございます。  前回、申し訳ございません。事務局の不手際で、英語版だけお示ししてございまし たが、それの翻訳を、今回御紹介させていただいてございます。  これをごらんいただきますと、最初にBのところで、どういった問題なのかという ところをチェックしていただいて、その次に、どういった製品なのか。医療機器が想 定されるような場合の報告の欄もございますけれども、こういう形で現状は、 MedWatchの方では報告を回収しているという、そういう資料でございます。  続きまして、資料番号8でございます。こちらは、「患者の視点の重視」というこ とで、いわゆる医療機関に受診された際の、診療の明細書の発行についての調査をし た結果がないかという御指摘をいただきました。  ちょうど昨年11月27日の中医協において、実態を調査した結果の統計等も紹介さ れてございましたので、本日はその資料を、資料8として提供させていただいており ます。  1ページ目、2ページ目というふうにページ番号を振っているところが、調査の概 要でございますけれども、「第2 現状と課題」、「1 領収書及び明細書の発行義 務付けについて」というところの(2)番以降に、全体の概要が書かれてございます。  次の2ページのところで、「診療報酬改定結果検証に係る調査」という部分での発 行している施設は、38.9%とかそういった数字が書かれてございます。詳細は後ろに 資料がついてございますので、ごらんいただければと思っております。  続いて資料番号9番ですが、第一次提言の対応の中で、研究班等において現在調査 をしている部分について、より詳細な進捗状況を説明してほしいという御指摘をいた だきまして、用意させていただいた資料でございます。  資料番号9は一覧表形式になってございますが、その中でも特に御指摘があったも のについては、後ろの方に、各研究班から現在の中間取りまとめをつけさせていただ いております。  例えば、ページ番号の6ページをごらんいただきますと、「医療用医薬品の添付文 書の在り方及び記載要領に関する研究」ということで、こちらは千葉大学の上田先生 の研究班でございますけれども、アンケート調査で実際の添付文書に関する活用実態 とか印象とか改善点についての調査を行った結果が、記載されてございます。  8ページ目でございますけれども、これは、前回以来、議論がされております、「患 者からの副作用情報を受ける方策に関する調査研究」ということで、こちらは、慶應 大学の望月先生の研究班ですけれども、ここに記載してございますように、いろんな 様式の案をつくったり、アンケート調査を行ったり、またプロトタイプのシステムを 構築したりということをされております。  こちらの研究班には、本委員会の水口委員も御出席いただいて、御講演をいただい たということが、こちらの方の整理の一覧表にも記載されてございます。  9ページの方でございますけれども、リスクコミュニケーションに関する部分でご ざいまして、大東文化大学の杉森先生の研究班の現在の進捗状況ということでござい ます。  FDAに調査に行かれたり、医薬品の副作用の情報に関する意識調査をフィールド で行うとか、マスメディアに対するインタビューを行うとか、こちらの方も、現在精 力的に研究を進めていただいているというのが、9ページ、10ページでございます。  あと、関連しましてこの研究班等という中の、いわゆる検討会などの状況というこ とで11ページ以降、医療関係データベースの懇談会の実施状況ということでござい まして、こちらはレセプト、電子カルテ等の医療関係のデータを活用して、安全対策 が行われるかといった部分に関しての、専門的な検討をいただいている場でございま す。こちらの勉強会を含めて都合4回開催してございまして、この勉強会の部分にお いては、米国のハーバード大学のアーノルド・チャン先生という、こういった部分を 研究されておられて、先ほど泉委員からも御指摘がございましたような、FDAのセ ンチネル・イニシアチブとも関わりのある先生からも御講演をいただいて、議論を進 めているところでございます。  この後ろに主な議論ということで、いろんな委員から今、出ている議論を整理して いるところでございますけれども、23ページにございますように、こちらの方におい ては、本年7月をめどに取りまとめを行うべく、議論を行っているというところでご ざいます。  あと1点補足でございますが、全体の資料の4ページ目の表の中の8番というとこ ろがございます。これは全体の御指摘の、もともとの75番に対応するものでありま すけれども、「医薬品副作用被害救済制度の在り方及び運営の改善に関する研究」と いうことでございまして、こちらも本年度から昨年末に事業が採択されて、調査を開 始したところでございますので、これも併せて御紹介をさせていただきます。  続きまして資料10番でございます。こちらは、「第一次提言に関する予算案の状 況」ということで、昨年末にでき上がりました政府予算案の中での、本検討会に関わ る部分での情報を整理したものでございます。  昨年、要求の段階で10月に作成したものをアップデートしたものでございますの で、一応御確認いただければというふうに思っております。  最後、11番でございますけれども、前回19回の委員会におきまして、御指摘をい ただいた部分に関する回答ということでございますので、御確認いただければという ふうに思っております。  あと、12番よろしくお願いします。 ○監視指導・麻薬対策課長 続きまして、資料12でございますけれども、「個人輸 入に係る対応状況」ということで、これは前回の会議で御質問があったことで、次回 整理して御回答するということで回答したものでございます。  まず、2ページをごらんいただきたいと思います。近年、インターネットなどを利 用して国内で承認されていない無承認の医薬品が、海外から個人輸入される事案が多 いということで、それに伴いまして、個人輸入の代行業者が、実際には無承認の医薬 品をみずから輸入し販売したり、あるいは商品リストを不特定多数の人に輸入を募る ということで、広告をするということで、こういった薬事法違反というのが出ている ということで、これらについて監視を行っているという状況でございます。ここ3年 間の広告監視の状況がございます。  内容的には、当方から直接警告メールを発出する。あるいは都道府県へ情報提供を して、指導監督してもらう。3番目としてプロバイダー等の管理者への削除依頼を実 施しているところでございます。  一方、購入する側に対しても、未承認医薬品をインターネットなどで購入して安易 に使用するということが、偽薬であるとか、あるいは有害な物質が含まれているよう なことがある。それから、個人がみずからの判断で使用することで、危険が伴うとい うことで、望ましくないというふうに考えております。3ページから8ページが、厚 生労働省のホームページですけれども、注意をしているところでございます。  また、9〜12ページにも、パンフレットを作成して、国民に対して注意喚起を行っ ているところでございます。  また、医薬品を一定数量以上輸入する場合や、特に注意を要する医薬品を輸入する 場合ということで、特に注意を要する医薬品については、23〜30ページにお示してお りますけれども、こういったものについては、地方厚生局において、他の者への販売 目的でないことの確認を行うなど、安易な個人輸入による健康被害の発生防止に努め ているところでございます。  また、本委員会の一次提言に基づいて、個人輸入される未承認薬品などについては、 22年度予算において、薬監証明時における数量等のデータベース化を行うこととして おり、これにより、使用実態を把握し、副作用情報などの注意喚起などを行うことと しております。  15〜20ページをごらんいただきたいと思います。インターネット関係団体の作成す るガイドラインにおいて、未承認医薬品等の広告等に係る対応の規定を設けてもらう ということで、交渉しております。これについて、本年1月に改訂がなされまして、 3月1日から実施されることになっております。  これによってインターネットの電子掲示板などの管理者などに対して、違法情報に ついて、典型的な事例について、規制根拠となった法令を示した上での考え方が明ら かになると同時に、また警察機関及び厚生労働省の監視指導・麻薬対策課の関連する 機関などからの、送信防止措置の依頼手続きが整備されて、違法情報の送信防止措置 が促進されることとなっております。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございます。  この件に関しては、非常にたくさんあって御意見等も多いかと思いますけれども、 時間の関係がありますので、御質問、御意見に関してはメールなりファックスで事務 局の方に出していただいて、それに対して次回、お答えするという形ですので、よろ しくお願いします。  というのは、もう一つ非常に重要な、本当は今日のメインのディスカッションにな るべきところが、抜けていますというか、最後になっているんです。  山井政務官が来られましたので、ちょうどいいタイミングです。  では、山井政務官にごあいさつをお願いします。 ○山井政務官 皆さんこんにちは。大変遅くなりまして申し訳ございません。  今国会、厚生労働省は10本の法案を抱えておりまして、それの会議を延々やって おりまして、本当に遅くなって申し訳ございません。  本日も、真摯な議論をしていただいたというふうに思っております。  前後いたしますが、昨年末の予算編成において、肝炎対策基本法をもとに、インタ ーフェロン治療の医療費助成、今まで1万、3万、5万であったものを、原則1万、 高額所得者のみ2万、8割ぐらいの方が1万円になるのではないかと思いますが、そ ういうことによって、より多くの方がインターフェロンの治療を受けられるようにと いうことをさせていただきました。  それと、薬害とは関係はないかもしれませんが、B型肝炎の方々に対して効果があ る抗ウイルス剤、核酸アナログ製剤についても、初めて医療費助成をさせていただく ことに、予算としてなりました。これもまさに薬害肝炎の方々の一括救済法が大きな 突破口になって、薬害肝炎のみならず、予防接種を含めたB型肝炎の患者の救済につ ながっているのではないかというふうに思っております。  また、この肝炎対策基本法に基づいた協議会も、今後行われることになると思いま すので、この薬害の検証検討委員会とともに、そちらの肝炎対策基本法の協議会の方 でも、議論を、肝炎患者の方々の支援のために、続けていきたいというふうに思って おります。  それと、今日もう議論が終わったと思いますが、アンケート結果ですね。薬害とか そういうことに関する中身もありましたし、また厚生労働省の働き方に関する厳しい 意見もありました。こういうものを、今後を生かしていきたいと思っております。  これももう議論がなされたのだと思いますが、第三者の組織をどうするか。これに ついても、また皆さん方の意見を聞きながら、議論を進めていきたいと思います。  最後になりますが、実は肝炎のことに関しては、今、B型の予防接種の肝炎の訴訟 が、続いております。これについて週に2回ずつぐらい、今、勉強会をしております けれど、これも薬害肝炎とはまた違ったものではありますけれども、多くの方々が、 被害で苦しんでおられるのではないかということに関しては、深刻さは変わりません ので、このことについて、薬害肝炎の訴訟のことを、一つの教訓あるいは反省材料と しながら、今、取り組んでいるところであります。  そういう意味では、薬害肝炎、予防接種によるB型肝炎、そしてまたそれ以外の一 般の肝炎患者の方々、キャリアの方々、肝硬変の方々、肝臓がんになってしまった方々、 こういう方々を包括的に支援していくということを、進めていきたいと思います。  その大きなポイントの一つが、二度と薬害を起こさないということだというふうに 思っております。  本当でしたら、長妻大臣が御参集させていただいて、ごあいさつをさせていただく べきところですけれど、今も長妻大臣と先ほどまで一緒におったんですけれど、まだ 法案の会議が長引いておりまして、私がごあいさつに来た失礼をお許しいただければ と思います。  この通常国会でも、肝炎のこと、また薬害のこと、全力で取り組んでいきたいと思 います。どうか皆さんよろしくお願いします。  本日は誠に長時間、ありがとうございます。 ○寺野座長 山井政務官、どうもありがとうございます。  またお忙しいと。申し訳ないですが、次回にまた来ていただいて、御質問はそのと きに。  ありがとうございました。  実は先ほど言いましたように、もう6時にほとんどなっているんですが、新年にな って3月までに合計4回の本委員会があるわけですが、最終提言をどういうふうに持 っていくかということが、勿論、最終目標になっているわけです。  それについての議論を実は40分ぐらい予定していたのですけれども、今からさす がに40分する気にはならないので、今日は事務局の方から参考資料と書いてありま すけれども、たたき台といいますか、それを簡単に説明していただいて、勿論これで は不十分であるし、骨格の一つのたたき台ということで御理解いただいた上で、説明 していただいて、次回、できるだけ早い時間に、この討議をしたいと思うんです。  最後の議題だと、どうしても時間がなくなる。これは非常に重要なことですので、 今日はざっと説明していただくというところにとどめて、意見はメールやファックス でいただいて結構ですが、次回の委員会の早い時間帯で、この点をしっかり議論した いと思います。  では、説明してください。 ○医薬品副作用被害対策室長 事務局でございますが、前回、座長から御指示をいた だいて、最終提言の取りまとめを3月にいただくわけですが、それに向けての材料と なる資料を準備するということで、用意させていただいたのが、資料13でございま す。  資料にございますとおり、一次提言に盛り込まれたものはそれとして、それ以外、 あるいはそれで足りなかったことという前提にしております。  それから、第一次提言後の本委員会における議論をベースとしておりますけれども、 すべての御発言をということは、なかなか物理的な問題もありますので、ここは事務 局の方である程度整理をして、主に議論になったと思われるものを入れさせていただ いています。  ここに、これから3月までの議論の中で、追加であるとか、変えていくとか、構成 を吟味するということをしていいただくということを、想定しております。  1枚おめくりいただいて、2ページに目次とございます。昨年の第一次提言を、あ る程度前提とした構成となっています。第一次提言の場合には、第3として制度改正 の経緯がございましたけれども、それはこの中には入っておりません。  そのかわりといっては何ですが、第4として「組織の今後の在り方」。これが第一 次提言では医薬品行政の見直しの中に入っておりましたけれども、今回はこの組織の 在り方が大きな一つの柱になっておりますので、一応独立した形にさせていただいて おります。  今日この資料の中では、このうち第2から第4までについて、書いてございます。  まず、3ページ、4ページが第2のところです。これはいわば事件の検証というパ ーツでございます。  第一次提言の中で、次の年に残された課題として、ヒアリングですとか意識調査を やるんだというふうに整理をしていただいておりますので、研究班における作業をベ ースとして、ここのパーツは構成をしていくことになるというふうに前提としており ますが、まだ研究班からの成果物が、次回、主に実質的な御報告をいただくことにな るのではないかと思いますので、10月の本委員会で報告された内容、医療関係者に対 する調査について御報告をいただきましたけれども、その中から記載させていただい ています。  第3の部分は、安全室長から御説明させていただくとして、第4、7ページ以降の 部分ですけれども、「組織の今後の在り方」というところです。ここについては、ま ずワーキンググループを設置して、第三者監視評価システムを御議論いただいている というところが、非常に大きな点でございます。  職員のアンケート調査は次回と併せて議論いただくと。これも大きな背景になると 思いますので、第4(1)のところは、ワーキンググループ及びこの委員会における、 第三者組織に関する議論が盛り込まれるものというふうに考えています。  (2)は医薬品行政そのものの在り方のところですけれども、これについては、前 回いわばこれまでの本委員会における議論の復習のような形の資料を出させていた だきました。a案、b案という論点を御議論いただいたわけですけれども、どのよう な組織形態をとる場合であっても、大事なことはどういうことかという観点から提示 をさせていただいております。  (2)、(3)、マネジメントですとか人材の育成確保は、まさしくアンケート調査のとこ ろが、大きな材料になろうかと思いますので、今後の議論を盛り込んでいただくよう なことになるのかなと考えております。 ○安全使用推進室長 続きまして、第3に戻ります。5ページでございます。  「第3 薬害再発防止のための医薬品行政の見直し」ということで、主にどういっ た措置を今後とっていくべきかといった中身についてが、この第3の項目になってご ざいます。  昨年の夏以降、本委員会で御議論いただいた御意見等を中心に、それに関するたた き台ということで、用意をさせていただいております。  「(1)基本的な考え方」で、教育ですとか体制という部分で、薬剤疫学に関する 部分等を取り込んだ形。また、いわゆる薬害資料館等についての御意見というものを 盛り込んだ形にしております。  「(2)臨床試験・治験」につきましては、臨床試験登録による公開ですとか、薬 剤疫学的研究を推進するための中立的な資金の確保・配分等の御議論等を踏まえたも のを、書かせていただいています。  「(3)承認審査」の部分でございますけれども、薬食審の承認に係る審議の公開 ですとか、また一方で医療上必要性の高い医薬品の国内外の差の解消の部分、あとは 添付文書のあり方等、研究班の昨年度の中間取りまとめを踏まえた内容についても記 載させていただいております。  また、5ページから6ページに関して、適用外使用に関する御議論の部分の意見を 入れてございます。  あと、6ページの「(4)市販後安全対策等」でございますけれども、ここの柱も 本委員会で御指摘をいただいたリスクコミュニケーションがあり、患者からの情報提 供があり、また、本日、津谷先生から御意見をいただきました。これは研究班の方で も御指摘をいただいておりますような、薬剤疫学的な調査手法の具体的な活用の部分。 また、レセプトデータベース等の個人情報の保護を含めた対応ですとか、こういった 部分を書かせていただいております。  「(5)医療機関における安全対策」としては、清水先生等からも御指摘をいただ きましたような、薬剤師の役割、科学的な根拠に基づく医療の提供といった部分での 対応、意見を入れさせていただいているところでございます。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。  要するに、この最終提言を、勿論最終的につくらなければいけないわけですが、粗々 のこういう構成でどうかということを、前もってお配りしてあると思いますけれども、 今、本当にざっとしたところを説明していただきました。  一次提言と重複しない。一次提言を補う。そしてこの1年間で実際に議論をした、 あるいは調査をした新しい内容をしっかりと盛り込んで、最終提言にしたいと思うん ですけれども、これに関しては御意見が山ほどあると思います。  先ほど言いましたように、次回早い時間帯でこの議案をしたいと思います。是非そ の前に次回までに、意見を。先ほど言いましたけれど、できれば1週間ぐらいだとあ りがたいんですけれど、それを過ぎてもいいんですけれども、構成等についても御意 見があると思うんです。基本的なところがあると思いますので、細部にわたっても結 構です。御意見を提出していただきたいと思うんです。  そういたしますと、それに対する回答とかそういうことも用意ができますので、効 率的に議論ができるのではないかというふうに思います。  今日のところの発言を、どうしてもしたい方もいらっしゃると思いますけれども、 時間の関係でちょっと我慢していただいて、是非その点を、事務局の方に提出してい ただきたいと思います。  それに関しては、私どももそれに対する考え方を、皆さんに提案したいというふう に思いますので、よろしくお願いします。  その後、パブリックコメントも出していただいているんです。資料14を見ていた だければわかります。これは片平先生の朝日新聞の記事も厳しい意見も出ております。 ちょっと時間がないので、すぐにできませんが。  大平委員が来られるということだったんですが、来られないということで、「『最 終提言』の議論に資するための参考資料に対する意見」を出してありますが、これも 先ほど言いましたように、皆さんから今後出していただける意見を含めて、次回時間 をとりまして議論したいというふうに思います。  是非、積極的、しかも前向きな意見をいただきたいというふうに思います。  それでよろしいでしょうか。  今日は、私も、余り物事を言うなと言われながら、何となく言わないと事が進まな いので、ちょっと余計なことも言いましたけれども、皆さん、本当に積極的な御議論 をいただきましたし、またワーキンググループあるいはアンケートの委員の方々に、 大変な御苦労があったということで、感謝をしたいというふうに思います。  それでは、次回の予定等について、事務局からお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回は、2月8日月曜日15時、場所は厚生労働省内 の5階の会議室を予定しておりますので、よろしくお願いします。  その次は、3月8日の同じく15時。  もう一回日程を確保しようという御指示をいただいておりますので、今のところ、 3月30日の15時にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 今、報告がありましたように、あと3回しかないので、最終提言を何と かつくらなくてはいけないわけですけれども、よろしく御協力をお願いします。  また、ワーキンググループの委員の皆様、並びにアンケートをしていただいた委員 の皆様、今からの解析も大変な御努力だと思いますが、よろしくお願いしたいと思い ます。  今日は時間が大分過ぎてしまいまして、申し訳ありませんでしたが、これで第20 回の委員会を終わりたいと思います。  御協力をありがとうございました。                                    (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111(内線2718)