09/11/25 第4回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会議事録 第4回職場における受動喫煙防止対策に関する検討会 議事録 1.日時及び場所   平成21年11月25日(水)9:45〜   中央合同庁舎第7号館(金融庁)共用会議室1(9F)   (東京都千代田区霞が関3−2−1) 2.出席委員(10名)   ◎相澤 好治(座長)、漆原 肇、鍵 直樹、沢田 純一、武田 繁夫、土肥 誠太郎、   内藤 恵、中原 富美子、福島 葉子、望月 友美子(50音順、敬称略)   欠席委員(1名)   三柴 丈典(敬称略) 3.行政機関出席者   平野 良雄(安全衛生部長)、鈴木 幸雄(労働衛生課長)、亀澤 典子(環境改善室長)、   徳田 剛(副主任中央労働衛生専門官)、木村 博承(健康局生活習慣病対策室長) 他 4.議題   1.関係団体等からの意見聴取について    (1)飲食業界      ・全国飲食業生活衛生同業組合連合会 小城 哲郎 専務理事    (2)宿泊業界      ・全国旅館生活衛生同業組合連合会 清沢 正人 理事      ・(社)日本ホテル協会 満野 順一郎 事務局長   2.その他    (1)受動喫煙防止対策進捗表(案)について    (2)その他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 定刻になりましたので、ただいまから「第4回職場におけ る受動喫煙防止対策」に関する検討会を開催いたします。本日はお集まりいただきましてあり がとうございます。本日の検討会は公開で行われ議事録は厚労省のホームページで公開される こととなっております。  福島委員がまだお見えになっておりませんが、御連絡がないのでおそらく遅れてお見えにな るのではないかと思います。また三柴委員からは御欠席の御連絡を頂いております。  続きまして資料の確認をさせていただきます。お手元に資料が配付してございます。まず、 座席表と議事次第です。議事次第の下に資料等を示してございますが、資料の1が受動喫煙防 止対策進捗表(案)です。それが2頁まであります。印刷した資料は以上です。今日ヒヤリン グを行いますが、対象となる団体から提出していただいた資料は2-1、2-2が全飲連さんから 提出を頂いている資料です。それから、資料3が日本ホテル協会さんから提出いただいている 資料です。それぞれ意見聴取の際に御説明いただくことになります。不足の資料等ございまし たら事務局にお知らせください。  それでは座長、お願いいたします。 ○相澤座長 皆さん、おはようございます。朝早くから御苦労様でございます。  それでは議事に入る前に事務局から資料1の説明をお願いいたします。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 先ほど確認していただいた資料1についてです。前回の検 討会で、対策の進捗度がわかるものがあれば対策を進めやすいのではないか、という御指摘が ございまして、事務局案として作成してお送りしていたものでございます。意見聴取後にその 他の(1)で御議論いただきますが、事前に委員から寄せられた御意見を若干ここで紹介させて いただきますと、鍵委員、望月委員から、この表のレベルの3と4の違いがわかりにくいので はないか、という御意見を頂いております。それから、資料の2頁が土肥委員から御提出を頂 いた修正案ですが、事務局案の時間分煙では対策が不十分ではないかということで、その資料 を頂いております。この本資料の位置付けなのですが、事務局としましてはこの後、関係団体 等から意見聴取を行いますが、その意見聴取に際しまして、どの団体がどのレベルに該当する かということを評価するためではなく、現状の受動喫煙防止対策がおよそ、どの程度であるの かと、目安として参考にする資料というふうに考えております。 ○相澤座長 この進捗表につきましては、後ほど時間がありましたらば御議論いただくという ことでよろしいでしょうか。  意見聴取に当たって参考としていきたいということですが、委員の先生方、そういうことで よろしいでしょうか。  ありがとうございます。それでは議題1「関係団体等からの意見聴取について」です。団体 によって簡易にアンケートを実施して全体の状況を把握しているところとか、あるいは日常の 団体の活動について、いくつかの会員事業場の状況等について把握しているところなど、需要 はそれぞれいろいろですので、それらを御理解の上、聴取を進めさせていただきたいと思いま す。  1団体当たり、御説明を10分頂きまして、質疑応答20分というふうに時間が限られており ますので効率的に議論が進むように御協力お願いいたします。  それでは初めに、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、小城哲郎専務理事にお越しいただい ております。今日はどうもありがとうございます。  それでは、小城哲郎専務理事に最初に10分間ぐらい御説明をお願いいたします。 ○小城専務理事(全飲連) ただいま御紹介いただきました、私は全国飲食業生活衛生同業組 合連合会の専務理事をさせていただいている小城哲郎と申します。今日、このような場を与え ていただきまして厚く御礼を申し上げます。また、日頃私ども飲食業界に対しまして格段の御 理解と御支援を頂きましたこと、この場をもって厚く御礼申し上げます。  まず、私どもの業界を少し簡単に御説明させていただきます。全国の飲食店業の集合体でご ざいまして、全国で約10万組合員が所属しております。生活衛生業というのは厚生労働省の 所管の団体でございまして、私ども飲食業を含めて理容業、美容業、あるいはクリーニング業、 お風呂屋さんとか、飲食業につきましても単にもう、中華業、あるいは寿司業とか麺類業など、 全部で16の組織で構成されているわけです。全業種で約200万人の従業者、あるいは経営者の 方がおります。国内の全産業からみて事業所で約123万事業所があります。その内、我が国の 全事業所の内の約21%を占めているような業種、業態でございます。これは全生活衛生業全体 の数字ですが、先ほど申し上げたとおり私ども飲食業としては約10万の組織で推移をいたし ております。  限られた時間ですので私ども組合としても、これまでの受動喫煙防止対策についての取組み を御説明させていただきますが、皆様方に今日、お配りさせていただいておりますハンドブッ ク、あるいはポケットブックにつきまして、平成14年度から取組みをさせていただいており ます。私どもはとにかく、お客さまに対する受動喫煙防止対策をするという当初の観点から進 めてまいりました。一方で、昨年私どもも参画をさせていただきました「職場における受動喫 煙防止対策」の中災防さんの主催でしたが、アンケート調査を実施させていただきました。そ の中で、いわゆる飲食業でいえば就業の場所はもちろん接客のスペースもそうですけど、主た るところは厨房施設、従事者が長く就業する部分ですが、そこでも経営者の認知度を調査いた しました。  まず、その職場の規定に対するためのガイドラインを知っていますか、知ってませんかとい う問いに対しまして、知っているが約18%の方、これは経営者の方の認識ですが18%。ある ことは知っているかという問いに対しては約半数の方、54%の方はあることは知っている、何 となく知っているというような、そういった状況でした。そこで、一昨年のことでしたから私 どもも昨年から1年かけてガイドラインの更なる周知を現在進めているところです。  職場に対するその就業のルールというのはそれぞれ各個店が定めているものでして、前後い たしますが、私ども組織体としては全体で先ほど10万と申し上げましたが、約7割が非常に中 小、いわゆる零細な経営者が多くて、非常に家族経営的な規模の集まりということを申し上げ ておきたいと思います。そういった中で、きちんと就業規則を定めているところは極めて少な くて、こういった今回の議論の対象となる分煙対策、受動喫煙対策についてもまだ非常に出遅 れたところが現状です。  ここでしています審議については、まず、客席面積の部分をきちんと分煙できるかできない かということを、繰り返しですが約6年間ほどで会員に対して周知をいたしているところです。 まだまだ客席部分に対してもきちんとしてないところが現状多くて、お客さまに対して、また 国民の皆様方にも大変日頃から御指摘を頂いているところです。私どもはこの件については更 なる推進を図っていきたいと思っております。  その方法としては、今お配りしているハンドブックの周知、あるいは厚生労働省で私ども業 界に対して振興指針というものが5年ごとに見直しをされている。厚労大臣が指針を定め、そ れに対して各組合、組合員が計画を基に5年間のスパンの中で業界はこうあるべきだという目 標に対して振興事業、振興計画を各都道府県の組合が策定して、その組合員が実行していくと いうような、長いスパンでございますが5年ごとに見直しをされていくというような制度があ ります。その中でもこの受動喫煙防止対策については、特にその分煙対策については大きな項 目に挙げられておりまして、それも並行して現在推進をしていくところです。  一方で、業界はこれが独自で進めております標準営業約款制度といって、今日はちょっと資 料をお配りしていませんが、これも厚生労働大臣が認可したお店に対して認証するという制度 があります。これについては先行して、先ほど申し上げた理容業、美容業、クリーニング業が 25年ほど前から制度を立ち上げて進めている制度なのですが、これも私ども飲食業としては一 昨年から事業の実施をさせていただいております。  この登録に対しては3つの要素がございまして、まず1つは、サービスの部分でお客さまに 対して、特に昨今は安心、安全という観点から、例えば原産地の表示をきちんとしているか、 あるいはカロリー表示をきちんとしているかとか、そういった例えばメニューにきちんとお客 さまに分かるように表示しているかということのサービスの部分の徹底。それから施設の徹底 としては第1に挙げられるのが分煙施設、分煙対策、それからバリアフリーとか、そういった ことは施設の部分。最後の柱としてはお客さまに万が一何かあったときの賠償制度がきちっと 確立されているかどうかという、この3つの視点からきちんと基準に合ったことがクリアでき れば初めて、厚生労働大臣から「安心安全のお店」という認証を受けられる制度です。これも 申し上げたとおり、一昨年からスタートした制度ですので、まだまだ全国の中では約1.000軒 ぐらいしか登録が成り立ってはおりません。これも併せて推進をしてまいりたいと思っており ます。  何れにしても限られた時間ですが、今申し上げたとおりの現状でございます。職場における 分煙対策を今後とも引き続きいろいろな観点から、皆様方から御指導いただきながら、また現 在も行っております全国のブロック会議、あるいは講習会で、その推進に業界としても努力し ていきたいと考えております。一方では、例えばJTさんなどから非常に御協力いただいて、 現在、各個店における分煙のコンサルティングなどもあらゆる場面にいただきながら、組合に 対して周知、または啓蒙を行っているところです。  今後のこの職場における分煙対策についても、私ども、行政並びに皆様方にもお願いですが、 事業努力で今現在進めておりますが、例えば行政からの税制面における一策、税制面における 優遇制度とか、あるいは補助事業などの積極的な推進だとか、そういった面を業界としては非 常にお願いしたいところです。業界を取り巻く今の環境というのは、皆様方御承知のとおり経 営環境がまだまだ厳しい状況でございます。私どもも日頃から政策融資等で、この分煙に対す るものを含めて低利で組合員の方に融資制度を発動しております。この分煙対策についても、 特に低利で長期で組合員の方に使っていただく制度を約3年ほど前から確立しております。今 言ったように経済環境が非常に厳しい中で、これを今お使いになって設備投資をするというこ とも非常に少なくなっております。そういった関係からも、繰り返しですが何らかの制度の確 立、税制面でも御支援とかいただければありがたいなと思っております。  非常に雑駁で簡単ですが、私ども現在までの取組みの状況をただいまのとおり御説明させて いただきました。ありがとうございました。 ○相澤座長 ありがとうございました。大変わかりやすく御説明いただきました。今の御説明 に対して委員の中から御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。 ○漆原委員 今、低利の長期間の融資のお話がございましたが、規模によって、あるいは業種、 業態によって違うのかもしれませんが、平均すると、1カ所当たりどのくらいの金額が必要な のでしょうか。 ○小城専務理事 分煙設備ですね。 ○漆原委員 はい。 ○小城専務理事 御指摘のとおり、規模によって異なるわけですが、最低でもやはり数百万、 200万円から300万円かかると聞いております。また、この制度の上限が1億5,000万円まで の制度になっていますが、具体的に申し上げますと、1,000万円まで無担保無保証でお貸しす るというような制度になっています。 ○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。全飲連の会員は、かなり大きなところから零細なと ころまであって、いわゆる大型チェーン店なども入っているのですか。 ○小城専務理事 ええ、一部加盟しています。今日は御出席ですが、日本フードサービス協会 さんという組織がありまして、そちらは、今お話のとおりチェーン店、いわゆる外食産業、チ ェーン店の集合体です。私どもはその反面、先ほど申し上げましたが、中小零細な、いわゆる 町の飲食店、一般食堂、レストランです。それが約7割を占めています。 ○相澤座長 いかがでしょうか。 ○内藤委員 先ほどの漆原委員の御質問に加えてなのですが、例えば、先ほど財政面での支援 を是非お願いしたいというような御意見を賜りましたが、これは、財政面でのゆとりがないが 故に分煙はできないのでしょうか。それとも、例えば現状では、拝見いたしました資料で、分 煙というものがまだそれほど進んでいない御様子と拝見したのですが、その一番の理由と申し ますのは、残念ながら、財政面で数百万円の規模のお金がないのでできないということなのか、 それとも、何かそれ以外の要素があるのか、その点についてお話を伺えますでしょうか。 ○小城専務理事 財政面については、現在、先ほど申し上げた融資制度で低利でお貸しして、 それぞれが設備投資をするというように確立されていますが、私、言葉があれだったのですが、 税制面での優遇ということを申し上げたつもりです。今業界も、非常に零細な集まりなもので すから税制面で守られているという現状がありまして、今回、この分煙を進めるに当たって、 財政面でも何かそういったことを加えていただきたいという趣旨です。 ○内藤委員 失礼な表現になるかもしれませんが、それを確認させていただきますと、ただ単 にこういった融資等によってその工事費等の支援があるだけではなく、それに加えて何らかの 形での、インセンティブと言いましょうか、それがなければ誘導できないという意味合いだと 理解してよろしいのでしょうか。つまり、税制面でこういった措置をとったならば例えば税制 上の優遇策があるといったような、プラスアルファのインセンティブがないと難しいというこ とでしょうか。 ○小城専務理事 一概にはそうではないのですが、それも1つの引き金になってさらに活性化 するというような、この事業に対する活性化、意識が高まるというか、そういった意味でも。 ○内藤委員 必要ではないかと。 ○小城専務理事 はい、要望ですが。 ○内藤委員 すると、例えば先ほどの話ですと、分煙対策に対して、ある意味で喫煙ガイドラ イン等を御存じの方々が経営者の方々の大体18%のみであるといったようなお話を伺ったか と記憶しておりますが、まず、その数字はよろしいですか。 ○小城専務理事 はい、18%というのは、いわゆる働く側の分煙に対する位置付けということ です。 ○内藤委員 そうしますと、それについて80%の経営者の方々は、さほど興味、御関心をお持 ちでない、と理解してよろしいのでしょうか。 ○小城専務理事 分煙対策については、実施はまださほど高い数字ではないのですが、客席部 分に対する認知度はかなり高いです。一方で事業所に対する施策というか、認知度はまだ低い というような、だいぶギャップがあるというような現状です。 ○内藤委員 ありがとうございました。 ○望月委員 今の内藤委員の御質問にも関係するのですが、組合員に対しての周知というか、 啓発の仕方は、今おっしゃったように、健康増進法に関連しての接客部分と、事業者のという か、就労者に対してのと、例えばセットで講習会をやるとか、具体的にはどんな形で周知して いらっしゃるのですか。 ○小城専務理事 そのとおりでして、約6年間かけて、毎年度、実施させていただいておりま す。 ○望月委員 その内容はどんなことになりますか。例えば、頂いたポケットブックは、とても よく出来ていると思います。これは、接客を提供する側に対してはこれで十分かなと思うので すが、今おっしゃっていたように、従業員の健康を守るという観点から、同じような形でセッ トにして提供していけば認知度がもっと高まるし、対策が進むのではないかと思います。 ○小城専務理事 御指摘のとおりでして、まだまだ周知不足の面もありますので、引き続き、 努力してまいりたいと思っております。専門の講師の方も派遣させていただきながら進めてお ります。これまで私どもも、民間団体を含めて、例えば「世界禁煙デー」に合わせてシンポジ ウムに参加させていただき、それに対しても9名の方を動員して受講していただくと。まず認 識を高めるということを第一に考えております。 ○望月委員 先ほどの税制面での優遇というのは具体的に、例えば分煙を実施したところに対 しての税制面の優遇ですか。それとも、この冊子にもきちんと書いていらっしゃるように、受 動喫煙防止のためには全面禁煙が本当はいいと。また、そこまで進めるためのインセンティブ としては、実施者側からは、例えばどんなことを考えられますか。ステップ・バイ・ステップ で進めていく場合には、インセンティブとして、例えば非常に高い設備投資をするための支援 策が欲しいのか、あるいはそこを乗り越えるためのもう一歩先の支援策が欲しいのかという。 もしその先を望むとしたら、具体的にどんなものがあったら進められるのでしょうか。 ○小城専務理事 分煙と禁煙は、全く別の考え方で私も考えております。設備投資をせずに禁 煙してしまえば、何ら多額の設備投資をせずに済むわけです、それを言ってしまえばあれなの ですが。しかし、サービス業ですから、吸われる方ももちろんお客様ですから、そういった御 意見も大切にしながらというのが1点。一方では、お客様のニーズに反する営業方針を行った 場合、経営ですからお客様が全く来なくなったとか、そういった事例もちょっと聞いておりま すが、それらを若干恐れているという経営者の方もおられます。 ○武田委員 分煙対策をとらない理由の中で資金面以外に、このパンフレットによると、お店 の構造とかスペースがないというようなことがあって、元々分煙がしにくいというような問題 もあるかと思いますが、そういった点はいかがでしょうか。 ○小城専務理事 都市部ですと、やはりテナントで入っている方なども多いわけです、規模も 小さくですね。経営者が例えば分煙施設を整備したくても、そのオーナーの方、家主の方の許 可がないとなかなかできないとか、そういった点もあると思うのです。 ○土肥委員 分煙なりを進める際に、そのお店が分煙をきちんとしているのか、全面禁煙なの か、対策が十分にとられていないのかというようなことが表示されていると、利用者側は選択 ができます。逆に、その選択によって何らかの、分煙側に人口的に動けば、当然、分煙なり禁 煙がさらに進むと思うのですが、この活動の中では、各店舗にどのくらい分煙ができているか ということを表示するような仕組みはあるのでしょうか。 ○小城専務理事 先ほど申し上げました標準約款制度の中で、登録店においてはステッカーを 作って掲示をするようにして。 ○土肥委員 それは非常に厳しい、サービス面でも、現地、原産、カロリーという、すべて統 合したものとして認められると、そのステッカーが貼られるということですか。その一部でも 何か捨てればできるということなのでしょうか。 ○小城専務理事 具体的に申し上げますと、バリアフリーと禁煙、分煙に対しては、独自のス テッカーを作って貼るようにしております。まだまだ、先ほど1,000件ぐらいの登録と申し上 げたのですが、たぶんそういったステッカーを御覧になったことはまだないとは思うのですが。 事前にお配りすればよかったのですが、今日、こういった資料もお持ちしておりますので、ま た、後ほど御覧いただければありがたいと思います。 ○土肥委員 そういうことを進めるのがある意味、分煙なり禁煙を推進する事業者側にも利用 者側にも、もしくはそこで働く労働者にも非常にわかりやすい表現なのかなと思ったものです から、それが進んでいるのであれば非常にいいことだなと思います。失礼いたしました。 ○相澤座長 いかがでしょうか。 ○沢田委員 この資料を見せていただいて、取り組んでいるところは、やはり取り組んでいら っしゃるわけですよね。それで、大型店のほうは先に進んでいるのですが、問題なのは、44% の方々は「知らない」とおっしゃっているわけです。ですから、取り組む前に、まず、認知だ けは100%を目指すということは必要だろうとは思います。知らないとなると、取り組むこと の話でも、なかなか話が進まないのではないかと思います。  あと、始めた理由では「お客様の要望があったから」が一番多い、とここに書いてあります。 そうしますと、やはりお客様の店舗施設と、厨房の従業員側の施設と、取組みについては別々 に対応策をいろいろ考えていかれるような御予定なのでしょうか。例えば、1つの店舗の中で も一緒に考えて、お客様用の店舗と厨房と一緒にやろうとお考えなのか、お客様のほうをまず 優先的に進めていくとか、逆に、厨房のほうがやりやすいというようなこともあるのではない かという気もするのです。従業員ですから「禁煙だよ」と言えば。例えば、「朝の食事の仕込 みのときは禁煙だよ」と。こういう仕事は早いですよね。そうすると、「午前中は禁煙だよ。 その代わり、休憩タイムのときは喫煙タイムを設けるよ」とか、そういう時間分煙みたいなも のの考え方も、考えようによっては利用できるのではないかという気がしないでもないのです。 もちろん、すぐにはあれですが、方向性としてはいかがでしょうか。 ○小城専務理事 御指摘のとおりだと思います。私ども、当初、繰返しですが、5年、6年前 から取り組んだ経緯を。まず客席部分の分煙という、受動喫煙防止対策というところから取り 組んだわけです。当時は、正直言って、従事者に対する対策まではまだ着手していなかったと いうのが現状でした。ここ1、2年の中で、これも繰返しですが、昨年の中災防さんの対策会 議に参画させていただいたと同時ぐらいに、従事者に対してもこれは必要なのだな、というこ とを改めて認識したような次第です。  また、厨房内は、食品衛生上の観点から見ても、作業中に喫煙するという行為は、まずない わけです。おそらく、休憩時間内にそういう方が別の場所で喫煙されるというのが現状ではな いかと思っております。就業中に喫煙されるということは、これは食品衛生上の原点だと思っ ておりますので、それはないと考えております。 ○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。 ○鍵委員 先ほど禁煙と分煙は別だということで、確かにそのとおりだと思ったのですが、ち ょっと聞いたところによりますと、神奈川県のほうではある規模以上のレストランは全面禁煙 にするというような方針だそうです。その辺の動きが何かありましたら教えていただきたいの ですが。 ○小城専務理事 当初、禁煙条例ということで、一昨年ですか、神奈川県議会で議論がだいぶ 進められて、御指摘のように、私ども、県内の団体、飲食業界、あるいは遊技場の団体とか、 知事ともいろいろ数度にわたる議論を重ねて、報道されていますとおり、一応100平方メート ル未満の小さな、まさに私どもの組織の主たるところなのですが、中小の飲食店に対しては、 3年間の猶予をするというような結果になっています。いずれにしても、3年後には、何らか の完全禁煙になるのか、分煙をきちんとしなくてはいけないのかという体制になるかと思いま す。それらも、今後とも注視しながら、推移を見守りたいと思っております。 ○相澤座長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。 ○平野安全衛生部長 2点ほどお伺いしたいのです。1点目は、先ほども議論が出ていました が、お金の面からいくと、たぶん禁煙が一番安くつくのです。ただ、お配りいただいた資料で も、将来的に対策として完全禁煙という割合は非常に少ない。ということは、完全禁煙を既に しているお店もあると思うのですが、そのようにした場合に、やはりお客さんからの苦情など が非常に多いということなのかどうか。それが1点目です。  2点目は、これは従業員のほうですが、分煙したときに、結局、喫煙席にもサービスに行か ないと駄目ですよね。その際に従業員のほうから、そういうところに行くのは嫌だとか、そう いう声が聞こえたりはしていませんか。その2点を教えてください。 ○小城専務理事 1点目について、お客様からの苦情は、私どもの中にも居酒屋の経営者の方 も、特に地方は多くおられます。やはりお酒とタバコというのは非常に、セットと言ったらあ れですが、居酒屋店で完全禁煙または分煙をするということは、お客様からのニーズというか、 苦情も非常にあると聞いております。中には完全禁煙をして成功しているお店もあると聞いて おりますが。  2点目は、確かに喫煙スペースに全く吸わない、例えば未成年の従事者などが入るというこ とは非常に好ましくないことですが、一方で、それを非常に規制してしまうと、新たな人材の 確保というようなことにも非常に影響があるのではないかと思っております。 ○平野安全衛生部長 規制をするかどうかというようなことよりも、まず、タバコを吸ってい る従業員の方はあまり感じないかもしれないですが、特に吸われていないような方が、喫煙席 などにそういうサービスに行くというのは嫌だなとか、そういう声があったりしないだろうか と思って聞いたのですが。 ○小城専務理事 それはあまりないと思います。 ○平野安全衛生部長 どうもありがとうございました。 ○福島委員 今回、アンケートなどでいろいろ、働いている現場の状況なども把握されている ように見受けられますが、連合会の中で労働者の働いている状況であるとか、そういったこと の改善、対策の必要性、そういったことについて、定点的にということはないですが、常に情 報を収集して対策を検討したりしているような、仕組みというか体制というか部署というか、 そういったものはお持ちなのでしょうか。 ○小城専務理事 現状のところは、その部分についての体制はまだ整備されていません。今飲 食店営業を取り巻くいろいろな、法規制と言いますか、ここ数年、さまざまな規制が厳しくな っています。例えば食品で言えば、リサイクルを推進しなくてはいけない、あるいは、先ほど も申し上げたとおり、原産地表示をきちんとしなくてはいけない。それから、昨今、牛肉のト レーサビリティという制度も行われていますが、また、来年から米に対するトレーサビリティ、 飲食店営業者も米の産地をきちんと表示しなくてはいけないという制度がスタートするので す。そのようないろいろな業界を取り巻く法体系は、ここ数年、非常に目まぐるしく変わって きているものですから、それらに対応するということだけでも、繰返しですが、中小零細業者 は今、戸惑っているというか、その法体系に追いついていけないというのが現状です。一方で、 分煙に対しても、現状としては遅れがちですが、体制の整備はまだまだ整っていない。今御指 摘の連絡網ですが、そういったものも、まだ組合としては整備をきちんとしていないというの が現状です。 ○相澤座長 中原先生はいいですか。 ○中原委員 もし分煙をやったとして、効果的な分煙かどうかということを判別するのにいろ いろ測定をしなければいけないということがあるのです。もしやった場合、数多い事業所があ るわけですが、そういったことは可能なのかどうかと言いますか、今実際にやっていらっしゃ る方などは、どのようにして基準を満たされているかということをお調べになっていますでし ょうか。 ○小城専務理事 昨年の中災防さんの調査では、モデル店で粉じん計を使って測定濃度を測っ たというような、たくさんのお店ではなかったのですが、現実に測定して数値を測ったという ような調査をしていただきましたが、まだまだそこまで粉じん濃度を、どのぐらいまでが基準 になるのかということも認識していないというのも、経営者の中では数多くいると思います。 ○望月委員 先ほどおっしゃったように、食品衛生の観点から厨房内の禁煙は当然のこととい うか、原則だということです。今もその業界としてさまざまな規制の下にあるというのは、ま さにその食というものが人の安心、安全に直接関わる業種だからでしょう。それは、おそらく 経営者の方々も従業員の方々もそういう産業で従事しているということを非常によくわかっ ていらっしゃると思います。だからこそ、タバコのことをその認識や価値観、あるいは原則の 上にのせて捉えてみるとタバコの有害性とか、それに対してどう取り組むべきなのかという視 点が生まれてきます。今までの啓発、普及のやり方だと、こうやって分煙しなければいけませ んよということかもしれませんが、では、なぜなのかと。通常、皆さんが仕事をしていらっし ゃるその環境下で当然のことと、受け入れていただけるような教育や啓発の仕方というものが、 逆にポテンシャルとしてすごく高いのではないかと思いました。  ですから、厨房内で食品衛生の観点から禁煙にするならば、出来上がったお料理をそのきれ いなままサービスして味わっていただきたいというものが、ほとんどの経営者の方々や料理人、 サービスをする方々の中にある、実際に禁煙に踏み切った方々のところにあるのではないかと 思います。簡単に言えば、お料理の味と香りをそのまま味わっていただきたいという思いが消 費者の方々に伝わっていけば、時間がかかることかもしれないのですが、禁煙は当然のことと して受け入れられていくでしょう。ですからその辺の通念や価値観を醸成していくことが必要 で、相互理解と言いますか、あるいは今までの、その業種として当然のことの上にタバコを乗 っけてみてはどうだろうという視点の変え方も必要だと思いました。 ○小城専務理事 今日、改めてこの場に出させていただいて認識を新たにさせていただきまし て、取組みをまたさらに強めていきたいと思っております。 ○相澤座長 よろしければ、時間になりましたので、何かどうしてもということはございます か。よろしいでしょうか。それでは小城専務理事、今日はどうもありがとうございました。ま た、引き続き、よろしくお願いいたします。 ○小城専務理事 はい。 ○相澤座長 それでは、全国旅館生活衛生同業組合連合会の清沢正人理事においでいただいて います。今日はお忙しいところ、ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたしま す。 ○清沢理事(全旅連) ただいま御紹介を賜りました清沢でございます。私どもは、現在、組 合員が全国で約2万軒ございます。正式には、1万7,000ちょっとです。その中で完全禁煙の 旅館は、本当に数を探すのが大変なぐらいの部分があります。あと、部屋によって禁煙ルーム というものを設けているところが1割あるかないかということです。  私どもとしましては、世の中の流れとして分煙、禁煙の流れは支持をせざるを得ないなとは 思うのですが、旅館では、今、皆様御存じの団体のお客さん、宴会等が多く来ます。そうする と、その中には幹事という方がおられまして、その団体旅行に1人、2人でもタバコを吸う方 がおられますと、ほとんどそのサービスを受けざるを得ない状況になってきます。それでない と、お客様から「じゃ、違う旅館に行くよ」という御指摘を受けますので、その辺は大変つら い部分です。  また、これはつい最近ちょっとあったのですが、お客さんが禁煙ルームの中でタバコを吸っ たらしいのです。ボヤを起こす寸前で消し止めたという例も出ています。そんな中で灰皿等を 片付ける従業員ですが、これは必ず副煙を吸っているわけです。ただ、それもお客様へのサー ビスですので、私どもは、旅館の経営者としては吸うなということは全く言えないわけです。 ですから私どもとしては、現在、受動喫煙から従業員を完全に隔離することはちょっと不可能 ではないかと思っております。オフィスビルでもそうですよね。タバコを掃除する方というの は必ずおられると思うのです、外にあっても。そういう方が副煙を吸っていると思っておりま す。そのような中、灰皿を片付ける、喫煙している部屋に入ることも、これはやはり営業行為 を過剰に制約されるサービス業ですので、それもあえてやらなければ、これは旅館の死活問題 になってきますので、その辺は御理解を賜りたいと思っています。  あと、これは例外ですが、未成年のカラオケのアルバイトがよくありますよね。ああいった ところでもタバコを吸っていて、そういう方などにもちょっと必要ではないかなと。あと、例 えば喫煙者の介護者がいた場合に、介護の補助をする方はどうするのかというような、私ども の意見として、この前出ていました。  法的にプライベート空間とみなされる客室なのですが、今、家族単位の旅行に個人客、そう いった小グループ旅行も徐々に増えつつあるのです。そんな中でも、タバコを吸う父親がいる とすると、ベランダでタバコを吸ったり、旅館のフロントの一部で吸ったり、今、徐々にそう いう傾向に流れつつあるということも聞き及んでいます。ただ、やはり宴会場を禁煙にすると いうことは到底不可能ではないかと、私どもは理解をしております。大体、以上です。ありが とうございます。 ○相澤座長 ありがとうございました。それでは、委員から御質問、よろしくお願いいたした いと思います。 ○漆原委員 わかれば教えていただきたいのです。旅館さんでも禁煙の部屋の数は結構増えて いると思うのですが、その傾向というか、例えば1つの旅館の中で禁煙の部屋の割合は、今ど のくらいでしょうか。 ○清沢理事 申し訳ございません、私どもはそこまでつかんでおりません。 ○相澤座長 ほかにはいかがですか。喫煙室をつくっている旅館の数は1割ぐらいですか。 ○清沢理事 全館。全館というか、部屋でですね。 ○相澤座長 部屋もですね。 ○清沢理事 はい。 ○相澤座長 喫煙室というのはもうほとんどないのですか。旅館の中にあるところだけ。 ○清沢理事 禁煙ですか、喫煙。 ○相澤座長 いわゆる分煙です。 ○清沢理事 それは1割程度だと聞き及んでいます。 ○相澤座長 喫煙するスペースがあるところが1割ぐらいと。 ○清沢理事 ええ、今、ロビー、フロントはほとんど禁煙ですけれども。 ○相澤座長 宴会のときの対応は大変難しいということですね。 ○清沢理事 ええ、これはお客様のリクエストですので、それを受けないと、断ると。「じゃ、 違う旅館に」ということになってしまいますので、本当に死活問題につながってくると思いま す。 ○相澤座長 宴会で皆さんがタバコを吸っているわけですが、そこで従業員の方がいろいろサ ービスをしますね。それについて、健康の問題とか、嫌だとか、そういう従業員などは全然い ないということですか。 ○清沢理事 ええ、そういう声が出ているということは、私どもにはまだ伝わってきていませ ん。 ○相澤座長 そういう配慮はほとんどされていないのですか。 ○清沢理事 配慮と言いますと。 ○相澤座長 そういうのは嫌がるだろう、健康上の問題があるだろう、そういったことを旅館 の経営者があまり考えない。 ○清沢理事 いいえ、考えていますが、仕事ということで。 ○相澤座長 それはもう規制されてしまう。 ○清沢理事 ええ。それでなければ、そのお客さんを断らざるを得ませんので。 ○望月委員 仮に全国一律の法律が出来て、旅館業、ホテル、すべて禁煙になれば、お客さん はどこにも行かないで済む。 ○清沢理事 そうですね、そうなっていただければですね。どこにも行かないというよりも、 それ、行くしかないと、ほかには行きようがないということになってきますので。 ○望月委員 いろいろな国に行きますと、ホテルでは全部禁煙になっているところはだんだん 増えてきています。でも、タバコを吸う人は、どこかで吸ってくるので支障はないという状況 もあるので、そういう法律が出来たらなと思うのですが。 ○清沢理事 ただ、望月先生、それをやられると、今度、私どもは、火災が大変心配です。 ○望月委員 それもよくおっしゃられることですが、職場を禁煙にするときも、まず管理者の 方は、従業員が後ろで吸って火災がということを懸念される場合もあるのですが、心配は心配 であって、それを防止するようにいろいろ努めればいいと。ですから、火災が起きて、一旦禁 煙の法律が出来たけれども、また分煙にしたとか、それを撤廃したというような事例はないと 思います。 ○清沢理事 そうですね。ただ、私ども旅館業は、人の生命までも1泊分は保証しなければい けませんので。そういった意味では、極力、そういった危険因子は少ないほうがいいと存じま す。 ○望月委員 でもホテルの火災とか、旅館の火災でも、その火災の原因で寝タバコが多いとい うのは事実ですよね。 ○清沢理事 はい、あります。 ○望月委員 そういうリスクも抱えながら、タバコを吸うお客様を受け入れざるを得ないよう な状況にいらっしゃるのが現実なのでしょうが。 ○清沢理事 そうです、はい。 ○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。 ○沢田委員 ちょっとイメージなのですが。ホテルに泊りに行ったときに、例えば「このホテ ルは分煙に取り組んでおります。お客様も是非御協力くださいませ」みたいな表示とか。例え ば、フロントのロビーのところに喫煙室のようなものをつくって、禁煙のスペースと喫煙を分 けて、要は「そのようなことに取り組んでおります」みたいな表示を少しずつ広めていくとか。 何か段階的に、今の世の中、分煙というものに対しての見解がどんどん進んできていますので、 いろいろな業種、旅館もさっきの飲食店もそうですが、少しずつレベルアップをしていこうと いう中では事実としてどのように。例えば、何かやっていこうというようなお考えとか、やは り無理だという部分ももちろん理解はできますが、どういうところから取り組んでいこうとい うことが協会としておありなのかどうか。いかがでしょうか。 ○清沢理事 私ども連合会としましては、今表示の件ですが、各部屋ごとには表示しているそ うです、禁煙ルームの場合は。  ただ、ちょっと聞いたところによりますと、禁煙の部屋でフロア、エレベーター前にタバコ の灰皿が置いてあるらしいのです、吸う方のために。そうすると、そこがヤニと、あと、エレ ベーターを降りた方、吸わない方ですね、そういう方が大変迷惑するというようなお話も聞い ています。今沢田先生から啓蒙ですね、これについては、私どもとしては、今後、やらざるを 得ないかなとは思っております。 ○沢田委員 そうですか。 ○清沢理事 ええ。 ○福島委員 今業界として、タバコを吸うような人を受け入れないわけにはいかないとおっし ゃっていて、それは、私どもでもホテルで働いている人からそういう話も聞いています。サー ビスとしては当然だとは思うのですが、一方で、タバコの煙が当然嫌いとか怖いとか、現実の 話もあります。本当に怖くて嫌だということもあります。私どもでも、会議などを設えるとき に、逆に禁煙の部屋を準備したりするようなこともあります。ただ、禁煙の部屋だといっても、 実際に入ってみると、タバコ臭くて部屋を替えてもらったとか、そんなこともあったりするの です。ですから、業界としては、もちろん普通の方の快適さとかもですが、タバコのお嫌いな 方への配慮とかも必要だと思うのです。ですから、そういうことについてどのように考えてい らっしゃいますでしょうか。ある程度、煙という感じがしたほうがいいと思うのですが。 ○清沢理事 まず1点目の、禁煙をリクエストしておいて、タバコの臭いが残っている。これ は、大体、必ず消臭剤で消すようには努めていると聞いております。ですから、例えば、先生 が使われた部屋がたまたまその消臭をしていなかったかなと思われます。 ○福島委員 あと、心配なのは、タバコの本当に嫌いな人が、消臭でその毒が本当に消えるの かしら、みたいな心配を持つ人も中にはいます。ですから、それは私の経験ではなくて、たま たま知った人の経験ですが、ここでテーマになっているのは従業員の話ですが、結局、お客さ んも含めて、そういう感覚を持っている人が多くなってきているというのは間違いないと思う のです。 ○清沢理事 そうですね。 ○福島委員 ですから、従業員への対策ということに特化してではなく、そういった形の人に も配慮をして、できるだけサービスを提供しながら煙を何とか分けていこうとか、そのような 形のことは何か、工夫というか、考える方向にはおありなのでしょうか。 ○清沢理事 やはり会議室を2つ設けるなり、今後、そうしていかなければいけないのかなと は思っております。 ○相澤座長 いかがでしょうか。 ○鍵委員 ホテルと旅館の構造の違いというのはあるような気がしています。例えば分煙対策 ですとか、和室だと何となくタバコを吸いたくなるとか。何かそういうことがあるのかもしれ ないですが、何か構造上ですとかそのような違いによって、例えば次の資料のホテルのほうを 見せていただくと、禁煙の対策は結構な割合でしているなという気がしたわけですが、やはり 旅館という、その特性というか風土というか、何かそういうものも絡めてなかなかそういう現 状が進まないということはあるとお考えでしょうか。 ○清沢理事 今先生がおっしゃられたように、確かにホテルは大体ビジネス客ですとかそうい う方が中心になってくると思います。旅館の場合ですと団体客。これが大きな違いではないか なと。団体で来られますと、どうしても宴会場が伴います。お酒が入ると、どうしてもタバコ を。吸う方は倍ぐらい吸われるらしいのです。そこが大きな違いではないかと思います。 ○鍵委員 もう1点は、建築物衛生法では、ある規模以上の延床面積がある場合には、粉じん 濃度を2カ月以内に1回測ることになっています。規模の大きさによっても、対策が違うのか どうか。 ○清沢理事 それはもう大中小で、旅館ごとで違うと思います。 ○鍵委員 それは基準があるからというわけではなくて、財政面上あるいは構造上、大きさも あるということですか。 ○清沢理事 はい。 ○平野安全衛生部長 アバウトで結構なのですが、宴会の場合を除いて、中居さんが部屋を受 け持ってサービスされますよね。その部屋にはどのくらいの時間を滞留されているのですか。 ○清沢理事 まずお茶出しに5分ぐらい、部屋や非常階段の説明があります。それと部屋出し の場合は夕食ですが、付きっきりは少ないので、料理が刻みできますので、20分くらいでしょ うか。それと翌朝のお茶出しが10分ぐらいだと思います。 ○平野安全衛生部長 布団を敷いたりすることはあるのですか。 ○清沢理事 布団敷きはアルバイトです。 ○平野安全衛生部長 何部屋ぐらいを担当するのですか。 ○清沢理事 大手のいい旅館ですと2部屋です。団体でいくと、3から5部屋ぐらいです。 ○相澤座長 連合会としては、分煙、喫煙対策の気運が盛り上がっていないということでしょ うか。 ○清沢理事 理事会総会というのがあるのですが、正直申し上げてそこでの議論はされていな いです。その前に、お客様が吸うのであれば仕方がないではないかという御意見が多いです。 ○相澤座長 お客さんもだいぶ嫌煙の人が増えていると思うのですが。 ○清沢理事 まだまだのようです。 ○望月委員 旅館に泊まりたいというイメージで、外国人のお客さんもいらっしゃいますよね。 ○清沢理事 今増えています。 ○望月委員 そういう方々は、どのような印象を持って帰られるのでしょうか。 ○清沢理事 タバコを吸うことの印象ですか。 ○望月委員 極端な場合で、布団に臭いが染み付いていると感じたとすると、憧れの日本に来 て、旅館に泊まったけれども、煙たかったというのはマイナスイメージだと思うのです。占め る割合は少ないかもしれませんが、大きく言うと、観光業の一環で、日本の良いイメージを伝 えていただく位置付けだと思うのですが、日本のタバコを吸う宴会客もそうなのですが。 ○清沢理事 外国人の方の意見がこちらに入ってきておりませんので、それは申し訳ございま せん。 ○望月委員 もう1つ声が届かないということで言うと、以前の別の検討会で同じ業界の方が おっしゃっていたことで、中居さんのお話になって、中居さんはタバコの煙を浴びる機会は多 いわけですが、その方々はおもてなしの心で接しているからということで、実は苦痛だという 声を挙げたいかもしれないけれども、挙げにくいのではないでしょうか。それだから届かない ということはありませんか。そこで働く従業員の方々の声を聴く組合か何かがあるのであれば、 そこから生の声が団体に届くのではないかと思っていますが、そのような仕組みはあるのでし ょうか。 ○清沢理事 大手の旅館になると、そういった声が吸い上がるような形になっています。ただ、 私どものほうまでは、なかなかそういう声が挙がってくる気運はないかと思います。 ○望月委員 ほかのいろいろな待遇のことにしても、従業員の方々は声を挙げるとすると、直 接経営者にお話をするしかないのでしょうか。 ○清沢理事 それとか、その部門の長です。今大手の旅館ですと、従業員の方はほとんど分煙 しています。ただ、先生がおっしゃられたように、お客様がタバコを吸っていて、嫌な顔をし て、こういう形では出せません。真心の気持で、煙が嫌であっても、本当に今日はありがとう ございますという形でしないと、お客様に失礼になりますので。 ○内藤委員 先ほどからお話を伺っていると、旅館の業界ではこれに対する取組みが遅れてい る気がします。例えば、今旅館に泊まるお客様の喫煙率が減っていないから、その方々を引き 止めるために、どうしても分煙が難しい、少なくともある程度喫煙を許容しなくてはならない といった方向のお話かと承りました。  今度は個人的なものですが、私の友人たちと話をしていますと、理事のおっしゃった個人客 ですが、私はインターネットで調べて、必ず禁煙ルームのある所にしか泊まらないのです。分 煙等のない所は、最初から私の選択の範囲に入りません。かつ電話をして、分煙の場合でも、 中の消臭対応その他ができているかどうかを確認してからお願いします。そして、空気清浄器 を備えているというところに泊まることにしています。  このように、業界全体で喫煙者の率が現在30数パーセントですので、30数パーセントプラ スアルファの中から顧客を取らねばならない、顧客数がシュリンクしつつあるといったデータ 分析、アンケート調査はしていますか。 ○清沢理事 そういったアンケートはありません。 ○内藤委員 ほかで多少ホテル業界さんにお話を伺うことがあるのですが、個人客を中心にシ フトしつつあるという話を聞きます。そういったことを考えますと、そろそろ何か取組みも必 要なのかと感じたのですが、いかがでしょうか。 ○清沢理事 今先生からあったように、業界として取り組んでいく問題だと思っています。 ○内藤委員 これからの課題であるということでしょうか。 ○清沢理事 はい。 ○鈴木労働衛生課長 お客さんとのサービスの局面ではなくて、さっきの布団を敷くアルバイ トの人たちとか、いろいろな作業をする方はいると思うのですが、従業員やその方の控え室、 着替える場所、休憩所などで、分煙なり禁煙をした場合に、特に問題は起こるでしょうか。例 えばそういうサービスをやれる人だから、喫煙率が高いので相当抵抗があるとか、そのような 事情があるのかどうか。従業員だけのスペースであれば完全禁煙をしても、何も問題は起こら ないと予想できるのか。その辺はいかがでしょうか。 ○清沢理事 今先生がおっしゃられたように、今従業員の控え室は分煙も進んでおりますし、 全く禁煙のところもあると聞いています。 ○相澤座長 ほかにはよろしいですか。旅館業で喫煙対策をできるとすると、どのようなこと がありますか。 ○清沢理事 冒頭に望月先生がおっしゃられたように、法律で全部駄目だということであれば ですね。やはり十人十色で、お酒の臭いの嫌いな人、タバコの臭いの嫌いな方、タバコを吸う 方、お酒を飲む方もいます。旅館業界としては、全部対応するのは厳しいと思いますので、お 客様からリクエストがあれば、サービスという部分でできる限りは。 ○相澤座長 わかりました。どうもありがとうございました。  最後になりますが、社団法人日本ホテル協会の満野順一郎事務局長にお願いします。お忙し いところをありがとうございます。 ○満野事務局長(日本ホテル協会) 日本ホテル協会の満野です。日本中にホテルが約8,000 近くあるのですが、今私どもは230ホテルです。実際に会員として活動しているのは、工事中 が3つありますので、227で、そのデータをお持ちしました。会員ホテルは北海道から沖縄ま で12支部に分かれていまして、その中で227ということです。  禁煙室は何室あるかの調査はしておりませんが、禁煙室を置いているホテル、つまり分煙を しているホテルは227分の194で、85%です。ただ、北海道、東京、京都、沖縄については、 すべてのホテルが禁煙室を設けています。むしろ、今は喫煙室を設けていると言ったほうがい いかもしれません。右側にユニバーサルデザインの部屋の問題がありますが、大体似たような 傾向が出ています。  私どもホテル協会自体は明治にできた協会で、今年で100周年です。もともと私どもホテル 協会のホテルは、外国人を日本に受け入れる、昔でいう、観光立国という言葉がありますが、 実際には外貨獲得を目的にした団体で、もともとは外国人のためのホテルだったというのが実 態です。  現在、1ホテルの平均が、客室数が241室、収容人員は450名、従業員が218名なので、1部 屋に一人当たりの従業員数です。平面にした建築面積は5,300平方メートル、延床面積が3万 平方メートルです。6階建てくらいです。敷地面積が約2万6,000平方メートルです。この中 で一番喫煙の問題が出る可能性があるのが、食堂、宴会場です。そちらは建築の中の5%くら いで、食堂が1,400平方メートル、宴会場が1,900平方メートルとなっています。ほとんどが 鉄筋のもので、単体のものは非常に少ないです。最近は、特に都市部では、複合化、高層化、 深層化となっています。つまり、複合建物で、高層ビルの上の部分、真ん中を抜いて下に宴会 場があるという形が増えています。ただし地方にいくと、まだ単体のホテルもあります。また、 日光、雲仙、箱根などに行くと、明治、大正、昭和初期にできた、クラシックなホテルも若干 ありまして、クラシックホテルという形で生き残っています。  先ほど申しましたように、私たちは明治時代にずっと外客誘致をやっていましたが、外国人 客の割合は、京浜地区の2008年と2009年の1月から6月を比べると、非常に落ちています。 京浜の31ホテルの平均で、去年で約4割、今年で約3割、京阪神で2割前後、地方都市で10% から13%前後です。京浜、京阪神、地方都市を全部入れると、大体20から25%、全ホテルで 20%が外国人です。つまり外国人ということは、世界の喫煙を見ると、喫煙の国もかなりあり ますし、いろいろな方がいらっしゃいますので、そういった方を受け入れているのが、私ども のホテルだとお考えください。  収入構成ですが、私ども協会のホテルでいうと、売上げの36%内外がレストランと宴会の収 入です。多いところは5割近くがFB(フード・アンド・ビバレッジ)の収入となっています。 そういった施設が、日本ホテル協会の会員ホテルの概要です。  分煙の問題については、世界中の方がいらっしゃいますので、飲酒の習慣の方、飲酒はしな くてもタバコは認められている国もございます。そういったことで、全面禁煙は難しいという ことで、健康増進法ができた時点から分煙ということでやっています。一番の問題は、分煙を どうやってお客様に知らしめるかです。つまり、座ってみたら受動喫煙だったというのでは困 ります。私どもとしては、健康増進法ができたときから、禁煙なのか喫煙なのかの表示を明確 にしてほしいとしています。  それから、客室の禁煙、喫煙の問題です。今は喫煙の方でも、部屋が臭うと嫌われます。で すから、喫煙室であっても臭いは困るので、相当リノベーションもかけますし、空気清浄機も 入れています。もう1つは、1人30立方メートルという規定もありますが、かなり引きをして いるので、煙が常時滞留することはないです。一般的にはバスルームから引いて、循環ではな く、排気をしながら熱交換をして、外気を入れる形が主です。ただし、古いホテルでは一部で それがなかなかできないところもありますが、新しい改造したホテルでは、熱交換をして熱ロ スをなくす形で、空気交換をしています。バックヤードは一番臭い等が出るので、吸気と排気 を一番強くしており、もしタバコを吸っていても、バックヤードには臭いは滞留しません。少 なくとも臭いは表に出ないということですし、今バックヤードはほとんど分煙していますし、 一部を除いて完全な禁煙のところもあります。先ほど旅館の方からお話があったように、ホテ ルニュージャパン以来、私どもで一番怖いのは火災で、見えない所にタバコが入って火災とい うのが一番怖いのです。最近もそのような事故がありました。今火災報知器がデジタル化して、 蓄積化になり、誤報が出にくくなっているので、いいとは言うのですが、やはり怖いのは火災 です。それですので、バックヤードでもほとんど禁煙です。したがって、分煙ということです。 もちろんロビー周りに喫煙できる所はないです。  宴会場というのは、あくまでも一定の空間を一定の時間で割ってお貸しする、つまり少なく とも公序良俗に反さない限りでお貸しせざるを得ません。ただし、私どもの会議もそうですが、 喫煙の方がいらっしゃっても、会議室の中はほとんど禁煙です。会議場は一般的にほとんど禁 煙です。休憩時間にどこかへ行って吸ってほしいということです。例えばあるホテルでは、3 階にガラス張りの外から見える喫煙室を設けています。レストランも、喫煙か禁煙を聞かれる わけですが、私どもはそのレベルではサービス料を頂けませんので、事前にお伺いして御案内 しています。以上が概略です。 ○相澤座長 御質問させていただきます。 ○漆原委員 ホテルの受動喫煙対策というのは、旅館に比べてかなり進んでいると思いました。 神奈川で分煙する条例ができましたが、旅館ですと、お客さんが神奈川から、静岡、熱海に行 ってしまうということを懸念されているところは多いと思うのですが、ホテルはどうでしょう か。かなり分煙が進んでいるので、そのような意見は会員さんからは出ないのでしょうか。 ○満野事務局長 喫煙ができないからやめたという話は聞きません。というのは、例えばお客 さんが100人いらっしゃって、全員が1時間に5本吸うような方はいらっしゃらないわけです。 ちょっと吸って気分転換ということですから、今おっしゃったような話は聞いたことはないで す。全日本喫煙会議というのは別でしょうけれども、そういうものはないでしょうから。 ○漆原委員 そうすると、神奈川の知事さんの話とか、そういったところで、これはやっても らっては困るという話は、会員さんからは出てこなかったのですか。 ○満野事務局長 旅館さんの場合は宿泊と飲食が伴っていますが、ホテルの場合は、レストラ ン、バー、宿泊、宴会で、全部分かれています。複合的なお客様もいらっしゃいますが、先ほ ど言ったように全日本喫煙会議なども聞いたことがないです。最近は100人いらっしゃっても、 2割から3割ではないでしょうか。そうすると、何とか対応できる範囲です。  それと同時に、お客様自体が、会議室では吸わないというような時代ですから、趣味として はお吸いになっても、公の場では吸わないという、1つのルールができているような気がいた します。ですから、会議室での喫煙について伺うと、禁煙でいいけれども、どこかに1カ所喫 煙の場所をつくってくれということが多いです。私どもでも、会議のときはそうします。  先週の16日に100周年の祝賀会を1,000名規模でやったのですが、そのときも帝国の孔雀の 間は禁煙で、外に1つブースをつくって、そちらで吸っていただくようになっていました。そ れが一般的になっていますし、お客様もそういったことに対しての抵抗はあまりないように聞 いています。問題が出たという話は聞いておりません。 ○沢田委員 先ほどの旅館とのギャップがものすごく大きくて、今のホテルさんですと相当進 んでいます。その事例で、旅館のほうにも参考になるようなものはないものでしょうか。 ○満野事務局長 ホテルと旅館ですと、構造的な問題と、お客様の目的が根本的に違うのです。 ホテルの場合、もちろん観光の方もいらっしゃいますが、特に都市部ですとほとんどがビジネ ス客なのです。つまり、仕事の一環として泊まるのが目的です。ところが旅館の場合は、概ね リゾートです。自分のリラックス、ヒーリングのためにいらっしゃいますから、フィジカルに はまずくても、メンタルの面もありますので、当然そこでは喫煙という声も出てくるわけです。 そういった面もゼロではないのではないかと思います。  問題は、吸った方の問題で、ほかの方に迷惑をかけるかどうかで、そこをどう解決するかで す。旅館さんの場合は、新しい鉄筋の近代的なものもありますが、クラシックな旅館の場合は 日本建築ですから、エアーがすかすかなわけですので、完全分煙は難しいと思います。そうい う建物の特性を踏まえて、分煙をする工夫が必要ではないかと思います。  もう1つは、お客様がこういう風潮ですから、御自身がお酒を召し上がっても若干抑えてい ただくなり、吸うときには、どこかないかということも、我々は言いづらいのですが、社会的 な風潮として、そのような雰囲気はつくっていく必要があると思います。 ○中原委員 ホテルの場合、宿泊の係、フロント、ベッドメイクとか、いろいろな方が仕事を されていて、いろいろな会社が入っていることもあると思います。ここに従業員数218名とあ りますが、その働いている人の中で、直接お客様のタバコの煙を吸うことになる方はいますか。 ○満野事務局長 直接吸う可能性のあるのはバーメンです。チェックアウトのあとに清掃をす るので、客室はないです。常に引いているので、残留の煙がもうもうとした状態は、まずない です。宴会場も引いていますし、天井も高いので、1カ所に煙が滞留して、煙で前が見えない ことはないですし、従業員がいたとしても、そこに立ちっ放しということはなく、ほとんど動 いています。宴会は、お客様が入って退室まで、大体2時間から2時間半ですが、ほとんどグ ルグル歩いています。煙の漂っているところもありますが、半分近くはバックヤードにいます。  そのような状態ですから、本当に煙の中で動き回るのは、シガーバーとか、喫煙とお酒の場 を除くと、機会は少ないと思います。バーといっても、煙がもうもうとして前が見えないよう なバーはないです。お客様自身も、御自身の煙はよくても、人の煙は嫌だという方は多いです。 そうすると、喫煙といっても、煙をかなり引かないといけません。新幹線の喫煙車と禁煙車と 同じです。禁煙車に座って、喫煙車へ行って吸っている方はかなりいらっしゃいました。そう いった方が多いのではないかという感じです。 ○中原委員 あともう1つで、分煙が進んでいるというバックヤードの部分です。ほかの会社 が入ってレストランをやっているとか、そういった集合体のホテルもあると思うのですが、分 煙についてとか、環境をもっとよくしようという話合いなど、衛生委員会などの体制は整って いるのですか。 ○満野事務局長 一般的に、大手のホテルさんは環境衛生という形で持っています。省エネ、 ゴミ、環境問題はパッケージになっていまして、ゴミができなくて禁煙ということはないです し、ユニバーサルデザインの問題もありますが、全体的な責任ということもありまして、全体 的にバランスを取っていないと、いい従業員も集まりません。  それでは、従業員の方に受動喫煙の危険性を説明しているかというと、いくつか大手さんを 調べた限りでは、まだありません。ただし、そういう配慮は必要だということはおっしゃって いました。ただ、それだけを取り出して採用試験のときにということはないということです。 ホテルによっても違いますが、環境という全般的な問題として、質問が来ることはあるようで す。私どもは、その一環だと考えています。 ○望月委員 ホテル協会は8,000のホテルの200数十社ということで、これを拝見してもファ イブスター級のホテルばかりです。そうすると、一般のホテルの状況はかなり遅れているので すか。 ○満野事務局長 いえ、これは建物の築年などの問題がありまして、やりたくてもできないと ころもあれば、改装のときにやってしまうところもあります。つまり先ほど申しましたように、 煙が染み込んだような部屋ですと、お客様は泊まってくれないわけです。  そういった状況ですので、建物の更新、特に室内のリノベーションはある程度短くしなけれ ばいけません。それから、湿度の管理です。そういった問題があるので、皆さん努めておられ ます。100%禁煙というのはあまり聞いたことはないのですが、ほとんど分煙化のはずです。 むしろ喫煙室がありますよとなっていくのではないかと思います。 ○望月委員 新しくオープンしたビジネスホテルのようなところで、喫煙室のほうが値段が高 かったりするのですが、メンテのコストの関係ですか。 ○満野事務局長 そうです。喫煙室はコストがかかるので、それだけ便宜を図るのですから、 それだけ頂戴してもいいのではないか。喫煙ビジネスではないですが、1つのそういった場を 提供することも、ある意味では必要かもしれません。逆に言うと、それが分煙を進めていく。 自分の空間なのですから、喫煙の方にも堂々と吸っていただいて結構ですと。 ○望月委員 でもお金をよけいに払うと。 ○満野事務局長 はい。私どもがシアトルに視察を出したときに、JALさんはハワイ経由、ロ スはまだ吸えたのですが、ユナイテッド航空は禁煙だったのです。ある方は、そちら経由でビ ジネスクラスでいらっしゃいました。そのようにお金を払ってでもという方もあるくらいです から、喫煙がどうこうということではなくて、そのような側面もあると捉えることも、どこか に置いておいていいのではないかと思います。つまり、将来は全面禁煙だと思いますが、きっ ちりと分けて、お互いに迷惑のないやり方をつくっていくということです。ただしタバコの販 売が世界中で認められている以上は、世界中からお客様がいらっしゃる以上、ある国の大統領 が愛煙家だったときに、私どもとしては駄目ですとは言えませんから、そのような動きをして いく。日本に来たら、禁煙しようかという気持になるように持っていくようなことではないで しょうか。 ○相澤座長 レストラン等の分煙の仕方ですが、スペースは分かれていても、どのように。 ○満野事務局長 一部はガラスで区切っている所があります。それから引きの問題で、風下が ありますので、そちらに置いています。今はレストランの喫煙室は本当に小さくなって、帝国 さんでも区切ってあったと思います。  もうマジョリティが喫煙ではないのです。喫煙の方でも、家族といらっしゃったときは禁煙 席にお掛けになるわけです。シチュエーションによって違いますが、そのような状況があるの で、きちんと分けて差し上げることのできる設備なり、教育をしておくことが大事だと思いま す。さあ、どこでしょうではまずいので、喫煙はこちらですと。お客様が嫌だと思わないよう な接遇をしながら、そちらに誘導していくということではないかと思います。 ○相澤座長 宴会やパーティーの場合は、喫煙スペースに行って吸うということですね。 ○満野事務局長 そうです。今はほとんどそのような御案内です。 ○相澤座長 それは同じ会場の中のスペースですか。 ○満野事務局長 会場の一番隅で、一番引きの強い所とか、外に出た一部が多いです。喫煙室 があれば、そこへ行っていただきたいという御案内もしています。 ○相澤座長 空港のようなタバコを吸う部屋とか。 ○満野事務局長 それを持っているホテルもあります。 ○望月委員 今喫煙の方でも家族連れだと禁煙を選ぶ風潮もあるという話でしたが、先ほどの 旅館のほうは、家族でもお父さんがタバコを吸う場合には喫煙を選ぶということでした。これ は客層の違いがあるのでしょうか。 ○満野事務局長 レストランを選ぶ場合と、宿泊は少し違うのです。レストランはせいぜい2 時間かそこらですが、宿泊となりますと、例えばチェックインが午後3時、チェックアウトが 午前10時ですと、延べ17時間は一緒になるわけですので、それがあると思います。  もう1つは、タバコを吸われるお父様が、どのようなシチュエーションで吸われるのかはわ かりませんが、猛烈な愛煙家ですと、そういう可能性はあると思いますが、今は禁煙を選んで 喫煙所で吸われるほうが多いと聞いています。 ○望月委員 タバコを吸う方が吸える場所に行って吸うのが格好いいと、だいぶ前にカリフォ ルニアなどが禁煙にしたときに、社会通念として、喫煙者側の行動が当たり前のようなスタイ ルが見えてきたのです。タバコを吸うのは肩身が狭いということをおっしゃる方もいるかもし れませんが、さり気なく、パブリックな空間ではタバコを吸わないことも受け入れた上で、自 分のライフスタイルはほかで満たすという風潮、ホテル業界はサービスだけではなく、文化や 価値観を社会に提供するといった意味で、トレンドをつくっていただけるとよいと思います。 ○満野事務局長 そうですね。それで、いいお客様にたくさんお金を落としていただきたいで す。  私どもとしては分煙を進めて、なるべくお互いが迷惑をしないように持っていく。それから、 レストランにしてもスマートに使ってほしいのです。タバコを吸うには、スマートに、格好よ く吸ってほしいということもあります。確かに健康的にはよくないかもしれませんが、それが 認められている以上は犯罪ではないわけですから。それでしたら周りから見て迷惑しないよう に、格好よく吸ってほしいと思います。タバコを吸う方がいらっしゃる以上は、よくわかって いるなというような動きも大事ではないでしょうか。100%駄目ということでしたら別ですが、 そういったものがある以上はお互いがお互いを立てながら、きちんと分けていく。そのうちだ んだん縮小するとは思いますが、そういう禁煙をして、喫煙所で吸うことは格好いいのだとい う風潮は、ホテルではあります。今喫煙はこちらですと御案内をしても、文句を言う方は全然 いらっしゃいません。また、そのトラブルも聞いたことがありません。そういうことが1つの 流れになっているので、私どももお客様に抵抗がないように御案内していくと同時に、従業員 の受動喫煙の機会を減らしていく。それは1カ所にまとめて、なるべくそこへの出入りをしな いことだと思います。 ○鍵委員 禁煙室の設け方ですが、階ごとに喫煙の部屋がある、禁煙の部屋があるというのが 主流なのでしょうか。それとも、階によって喫煙の部屋があって、禁煙の部屋があるのでしょ うか。 ○満野事務局長 ホテルによって違いますが、一般的にはフロアごとにしないと意味がないの です。 ○鍵委員 先ほど換気の話がありましたが、空調を通って喫煙室から禁煙室に移流することも 考えるかなと思ったのですが、それはどうですか。 ○満野事務局長 空調は引きがあるからないのですが、臭いは自然と滲み出るのです。そうす ると、例えば1号室から5号室までが喫煙、6号室から10号室まで禁煙だとしますと、嫌でも 臭いが出てきます。そのフロア自体が臭うので、禁煙の方にとっては、何という臭いだとなり ます。  それから、防災面でも、なるべくタバコの可能性のある所は、まとめておいたほうがいいと いうことで、可能ならばフロアということが多いと思います。それからブロックで、例えばエ レベータホールを中心に右側という分け方です。つまり、リノベーションの問題もあるので、 部屋がクロスして、禁煙、喫煙ということはないです。なるべく効率的に、空気の吸排気も効 率的にしたいということです。 ○相澤座長 旅館業の連合会とホテル業で、会って相談することはあるのですか。 ○満野事務局長 お客様を扱うという意味で全部一緒ですが、たまたまお客様に対する取組み 方、構造が違うということで、お客様に安全、快適ということで、全体としては同じです。 ○相澤座長 交流とか、集まって会を開くことはあるのですか。 ○満野事務局長 お会いしてお話をすることは多いのですが、経営の体系、形態が違うので、 その部分になるとなかなか難しいです。ただし、同じような問題もたくさんありますから、一 緒にいろいろとお話しているのは事実です。 ○相澤座長 わかりました。ありがとうございました。  3団体に対する意見聴取が終わりました。全体を通じて、何か御意見がありましたらお願い します。よろしいでしょうか。  議題2「その他(1)受動喫煙防止対策進捗表(案)について」です。御意見を頂いた委員もお られますが、1頁が原案で、2頁が土肥委員からの修正案です。土肥先生から付け加えること はありますか。 ○土肥委員 せっかくレベルを表示するのであれば、一般職場の時間分煙などは分煙に入らな いという考え方をしたほうがいいのではないかと思いましたので、そこは思い切って削除しま した。  顧客が喫煙する場所についても、あまり複雑にしないほうがいいかと思って、シンプルなほ うがいいということで作りました。ただ、ここでは時間分煙をなくしてしまうと、それはそれ でいいのかなとも思うのですが、実際に中小の非常に小さな飲食店さんでは、最低限はそこは やってほしいというレベルかなと思ったので、入れておきました。委員の先生方の御意見を反 映させていただいて、変更されればと思います。  今の話を聞きながら思ったのですが、空間分煙という基準と、従業員が受動喫煙してしまう ことを分けないと、この中で一緒くたにするのは難しい気がします。空間分煙という基準を定 めて、さらに従業員が受動喫煙しないための対策のレベルが別にあったほうがいいのかもしれ ないという気がしました。 ○相澤座長 いかがでしょうか。 ○望月委員 事務局にお伺いします。どのような場面で進捗表が利用されることを想定して、 これを提供していただいたのでしょうか。 ○亀澤環境改善室長 いろいろな使い方があると思っています。例えば1つの業界で対策を進 めるときに、会員企業が自分のところの対策をチェックして、それがその業界の中でどのよう な位置にあるのかを確認します。それから、業界全体としてこのくらいのレベルにあるのでは ないかということで、この業界全体を、全産業で見て進んでいるところに持っていこうという ことにも使えると思っています。あるいはお客さんの視点でチェックして、事業所の中で話し 合うときの参考にもできるのかと思っています。もっといろいろと御指摘いただいて、いいも のにしていきたいと思っています。 ○沢田委員 この間も申し上げたのですが、進んでいる会社はそんなに問題にはならないと思 うのですが、先ほどの旅館の方のお話でも、取り組んでいないところが50%もあるわけです。 そうすると、そういう方々に、レベルとしてどのような段階で取り組んでいくかを認知してい ただくことは必要だと思います。これをガイドラインとして今後、法定化していくのであれば、 推進していかないといけないので、何もない中でガイドラインだけを決めて、努力目標でやれ という話になっても、推進していくには会社それぞれでは目標が持てないのではないかと思う のです。  ホテルでも旅館でも、レベル4のところもあれば、レベル2のところもあるわけで、それぞ れ自社がどのようなレベルで取り組んでいるのかを、まずは理解していただいて、その会社の 中で、安全衛生委員会などもやられるでしょうけれども、そういう委員会の中で、今後どのよ うなことに取り組んでいって、レベルを進めていこうかと。  進めていくこと自体が、この受動喫煙防止対策の目的ですから、進んでいけるような材料と して提供していかれればいいのではないかと思います。ですから、ガイドラインの中にこうい ったものを入れて、表示をして、自社で判断していくことではないかと思います。 ○相澤座長 自己点検に使うことも可能性としてはあると思います。ほかに御意見を頂いた中 では、望月先生から「レベル3とレベル4があまりはっきりしない」というものがありました。 レベル3とレベル4の違いは、判定基準を満たしているかいないかの違いですね。 ○鍵委員 満たすか満たさないかのチェックもあると思うのですが、喫煙室の形態という、そ の辺を示してあげると、自分のところがレベル3なのか、レベル4なのかははっきりすると思 いました。 ○相澤座長 レベル4というのは、かなり閉鎖されているというか。 ○鍵委員 分煙としては、すべてを満たしているというイメージかと思いました。 ○相澤座長 レベル3はどのようなイメージなのでしょうか。 ○土肥委員 部屋はあるけれども換気されていると。 ○相澤座長 レベル2はスペースですね。換気装置のない喫煙スペースというのは、どうなの ですかね。 ○武田委員 一部の場所を喫煙場所としているということだと思います。 ○相澤座長 例えばホテルのある部屋は喫煙してもいいとか、そういうことですかね。 ○武田委員 レベルでいうと、レベル3とレベル2ですが、禁煙区域に煙が流入していなけれ ば、分煙判定基準を満たしていない場所よりもいいかもしれないですね。だから、レベルを決 めることは難しいですね。 ○鍵委員 難しいです。例えば境界風速も満たしていないけれども、漏れてはきていないのは どちらに入るかというと、中の環境はいいけれども、レベルは3という話にもなるかもしれま せん。 ○武田委員 作業環境測定でいえば、管理区分で分けていきます。 ○鍵委員 ああいう分け方だとすっきりしますね。設備そのものと能力がリンクしていない基 準だと、わかりにくいかもしれません。 ○相澤座長 そうすると、原案のレベル2の中で2つに分かれていますが、そういう感じのほ うがいいでしょうか。完全に分離はされているけれども、中の空気の性能が低いのと、完全に 満たしていると。分煙という意味では、完全にレベル3とレベル4で分けるほどのことはない ですかね。 ○武田委員 分類だったらいいかもしれませんが、レベルという名称ですと、どちらかのほう がいい状態と思われるかもしれません。 ○相澤座長 レベル3とレベル4の区別が付かないという意見の方はもう1人おられましたね。 ○沢田委員 はい。個室を喫煙室にして、換気扇はないけれども、窓を開けて吸う。その代わ り換気としてはできているようなもので、こちら側には流れてこない。これは分煙としては徹 底できているという形で取れます。そうすると、ここでいうとレベル4に入ってきます。 ○相澤座長 そうですね。徹底しないといけないですかね。 ○沢田委員 ただ、個室という意味では分煙は徹底できています。本来は、窓、換気扇、空気 清浄機もあるのが一番いいのでしょうけれども、窓をオープンにできるような場所であれば、 分煙が徹底できていると判断してもいいのではないかという気がします。 ○相澤座長 レベル3とレベル4は、分煙という意味では同じレベルだけれども、機能的には 違うということですね。ほかにはいかがでしょうか。土肥先生の時間分煙は削除したと。 ○武田委員 土肥先生の書き方ですと、レベル1になるには禁煙区域を設定することは、どう してもやらなければいけないですね。 ○土肥委員 そういうことです。一般職場の場合に、それは分煙としては最低限必要なことで あろうと。 ○武田委員 これは顧客が喫煙する場所ですね。 ○土肥委員 そこのレベル1には、括弧で「時間分煙の併用を含む」とありますので、併用な のか併用という意味をどう捉えるかは別ですが。正しくは「または時間分煙」ということです。 一般職場の場合は、時間分煙というのは概念としては分煙ではないということです。 ○相澤座長 これは一般的に浸透していますよね。 ○土肥委員 十分に浸透していると考えていいのではないでしょうか。 ○相澤座長 これは逆戻りする効果ということですね。わかりました。 ○武田委員 レベル1とレベル0の間に、例えば表示をして、ここは喫煙できる飲食店とか、 喫煙できない飲食店と区分するような方法は考えられますか。 ○望月委員 世論調査などで、表示をしてほしいという要望があったとしても、本当の受動喫 煙対策を進めることになるのかというと、それだけでは私はやや疑問です。実際に受動喫煙対 策をすることが肝心なのであって、表示はこの対策の目的ではないのではないかと思います。  例えば表示をしていなくても、完全禁煙を全うしている職場もレストランもあるわけです。 そうすると、表示をここに入れてしまうと、それが落ちてしまい、対策を取っていないという ことになります。ですから、表示はあくまで広報の手段かと思っています。  先ほどの議論に戻りますが、レベル3とレベル4のところで、分煙効果判定基準を満たして いる満たしていないのところで、換気も有効な受動喫煙ばく露低減対策です。それが、今の現 行の基準にはきっちりと入っていないことが問題だとしたら、例えばここでディスカッション をして固めるということではなしに、レベル3なりレベル4なりの仕分けをするか、しないに しても、少なくとも下の状態から上を目指すときに、今後どのような基準が必要なのかという、 今の基準を改善していくような議論のところで置いていただき、これは概念整理のペーパーだ と思うので、1つ問題点も出てきたので、そういう扱いにしたらいかがでしょうか。 ○相澤座長 基準というのは空気の気流とか。 ○望月委員 分煙効果判定基準というもので、今の現行の基準のいろいろな問題点もあること は前回の検討会でも認識しているわけなので、あまりその基準に引きずられずに、上のレベル を満たすための新たな基準が必要だとしたら、どのようなものにすべきかというディスカッシ ョンで押さえておかれたらと思います。それとも、今日どうしてもどちらかを採択をしなけれ ばならないのですか。 ○相澤座長 今日でなくてもいいです。御議論いただいて、それを参考にまた新たに作って、 最終的に作ればいいのではないかと思います。 ○土肥委員 こういうものを作るに当たって、利用目的に合わない基準になってしまうとよく ないので、利用法をきちんと考えた上で作らないといけません。こういうものを作った場合に、 何を利用目的にするのか。1つは事業主なり職場が、禁煙を推進するレベルを示すものだとす るのか、逆に利用者から見て分煙状況がわかりやすいものだという認識で作るのか。いろいろ な観点があると思うので、それは整理をした上で、どのようなシチュエーションを考えて基準 を作るかについては、ある程度方向性を出しておいたほうが、基準を作るとしてもやりやすい と思います。 ○相澤座長 おっしゃるとおりです。沢田さんから提案があったのは、事業主ですね。 ○沢田委員 私のイメージとしては利用者ではなくて、事業主の判断基準です。利用者が推進 するわけではないと思うので、事業主がそれを判断することで、次のレベルアップを図ること かと思っています。 ○相澤座長 これは利用者だと難解ですよね。事業主の自己評価の目的ということでよろしい でしょうか。 (異議なし) ○望月委員 少し前に戻るのですが、レベル5の真下、禁煙区域に煙が流入しないことを目指 すのが分煙の目標だとすると、レベル2の書きぶりではその辺は混乱すると思います。それを 評価するために、現行の分煙基準という目安があるので、書きぶりが混乱しているのだと思い ます。目的がどの程度達成されているのかが、進捗表の一番の目的だと思います。もう一度こ の書きぶりを整理していただいて、目的と手段を明確にして、誰の目にも明らかで、チェック できるようなものになると、いいのではないかと思います。 ○相澤座長 望月先生の御意見も入れていただいて、事務局に改正案を作っていただいて、次 回に御議論いただければと思います。事務局から連絡事項はありますか。 ○徳田副主任中央労働衛生専門官 次回の検討会の予定です。12月14日(月)の午前10時か ら開催させていただきます。場所等については調整中ですので、また御連絡させていただきま す。 ○相澤座長 本日の議題は以上です。長時間にわたってありがとうございました。終了します。 ( 了 ) (照会先)  厚生労働省労働基準局安全衛生部  労働衛生課環境改善室  03−5253−1111(内線5506)