09/11/18 平成21年度第2回肝炎治療戦略会議議事録 ○日時:平成21年11月18日(水) 10:00〜12:00 ○場所:厚生労働省省議室 ○出席委員:林座長、飯沼委員、泉委員、金子委員、熊田委員、脇田委員 ○肝炎医療専門官 定刻でございますので、ただ今より「平成21年度第2回肝炎治 療戦略会議」を開催させていただきます。  委員の皆様方におかれましては、前回に引き続き、お忙しい中お集まりいただきま して誠にありがとうございます。事務局を担当いたします肝炎対策推進室の丸本でご ざいます。  また、本日出席予定でありました山井政務官は公務のため欠席となっておりますの で、ここで御報告させていただきます。  それでは、本日の出席者の方々を御紹介いたします。  座長の林紀夫先生、大阪大学大学院消化器内科教授でございます。  飯沼雅朗先生、日本医師会常任理事でございます。  泉並木先生、武蔵野赤十字病院副院長でございます。  金子周一先生、金沢大学大学院医学系研究科恒常性制御学教授でございます。  熊田博光先生、国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長でございます。  脇田隆字先生、国立感染症研究所ウイルス第二部部長でございます。  なお、済生会吹田病院院長、岡上武先生、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化 器疾患・生活習慣病学教授、坪内博仁先生、国立病院機構長崎医療センター臨床研究 センター治療研究部部長、八橋弘先生は本日御欠席でございます。  次に、事務局の紹介をさせていただきます。  厚生労働省健康局長の上田でございます。  厚生労働省肝炎対策推進室室長の伯野でございます。  私は、肝炎医療専門官の丸本と申します。よろしくお願いいたします。  以上で出席者の紹介を終わらせていただきます。  それでは、議事に入ります前に、配布資料の確認をさせていただきます。  資料として「ウイルス性慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤・インターフェロン 製剤等の有効性・安全性について(案)」。  めくっていただき、参考資料1として「肝炎治療戦略会議開催要領」。  参考資料2として「肝炎治療戦略会議名簿」となっております。  配布資料は以上でございますが、不足等ございましたら、事務局の方へお申し出い ただきたいと存じます。  なお、撮影はここまでとさせていただきます。  本日の議事に入ります前に、肝炎治療戦略会議の座長代理の件でございますが、今 後、林座長の御出席が難しい場合も想定し、参考資料1の開催要領にもありますよう に、選出を行っていただければと思います。  では、ここからの議事の進行は林座長にお願いいたします。 ○林座長 それでは、議事を進行させていただきます。  今、御説明がございましたように、座長代理を決めておく必要があるということで ございますので、決めさせていただきたいと思いますが、どなたか御推薦ございます でしょうか。そうしたら、こちらで指名させていただいてもよろしゅうございますで しょうか。そうしたら、恐れ入りますが、熊田先生、お願いしてもよろしゅうござい ますでしょうか。 ○熊田委員 はい、分かりました。 ○林座長 それでは、座長代理を熊田先生にお願いをさせていただきたいと思います。  それでは、まず、事務局の方から、本日のメインの議題でございます資料の「ウイ ルス性慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤・インターフェロン製剤等の有効性・安 全性について」御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○肝炎対策推進室長 肝炎対策推進室長の伯野でございます。説明が長くなりますの で、座って失礼いたします。  資料を御覧いただければと思います。1ページから説明をさせていただきたいと思 います。タイトルでございますが、「ウイルス性慢性肝疾患に対する核酸アナログ製 剤・インターフェロン製剤等の有効性・安全性について」ということで、前回の御議 論を踏まえて取りまとめたものでございます。  構成としては、「1.はじめに」というところがございまして、今回、医学的知見 を取りまとめていただいたということ。2ページ目以降でございますが、「2.有効 性・安全性」、それぞれ御検討いただいた事項について記載させていただいておりま す。最後に5ページ目で「3.取りまとめ」、6ページに参考文献という形で構成さ せていただいております。  1ページ目に戻っていただきまして「1.はじめに」というところでございますが、 最初に、これまでの戦略会議での成果内容を記載させていただいております。  真ん中のところで、B型慢性肝疾患、C型慢性肝疾患に対する治療に関しては、新 たな知見が今、出てきていることを記載させていただいております。  最後に、今回、新たな知見に基づいて、まず1点目として、B型慢性肝疾患に対す る核酸アナログ製剤の有効性・安全性について、2点目としましては、C型慢性肝疾 患に対するインターフェロンの複数回治療に関する有効性・安全性について、3点目 がインターフェロン少量長期投与の有効性・安全性について、現時点で得られた知見 に基づいて医学的知見を取りまとめたということでございます。  2ページを御覧いただければと思います。「2.有効性・安全性について」の「(1) B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤治療」ということで、まず、先生方から頂 いた論文の主だったものを記載させていただいております。  有効性に関しましては、台湾からの報告で、HBs抗原陽性、HBe抗原が陽性で、肝 線維化高度な症例に対して、プライマリエンドポイントを病態進行とした場合に、ラ ミブジン投与群で病態進行率が有意に低く、また発がん率についてもラミブジン投与 群が有意に低いという結果でございました。  また、国内の後ろ向き研究においても、発がん率が有意にラミブジン投与群で低か ったという研究がございました。  また、こちらはレビューの方で記載されていたものでございますが、肝発がんの予 測因子として、B型肝炎ウイルスのDNA量が重要であること、ウイルス量を低くする ことによって肝がんの死亡リスクを軽減したという報告があるということでござい ます。  また、安全性についてでございますが、我が国のラミブジンの治験で耐性出現、あ るいはラミブジン中止による肝炎増悪の経験がございます。一方でエンテカビルに関 しては、核酸アナログ製剤初回投与では耐性が出現しにくいというデータがございま した。更に、ラミブジン耐性例に対してエンテカビルを投与するとエンテカビルの耐 性が出現しやすいという報告が国内外からあったという論文等の取りまとめでござ います。  真ん中より下の方で、以上を踏まえて委員の方々に議論を行っていただいた結果を 書いております。肝線維化抑制、あるいは発がん抑制に関しては、その有効性が国内 外における多くの論文で報告されている。また、我が国においても、B型慢性肝疾患 に対する核酸アナログ製剤はインターフェロンと並んで治療の2本柱となっている 現状があるということでございます。  安全性に関しましては、耐性出現、あるいは薬剤中断による肝炎増悪以外の重篤な 副作用はほとんど見られないということでございますが、投与中止による肝機能増悪、 肝炎の重症化を起こすことがございますので、患者さんが自己の判断で投与中止しな いように、十分に医師が指導すること。また、B型慢性肝炎、肝疾患の治療に十分な 知識と経験を持つ医師の下で使用することが必要であるという御見解をいただきま した。  次のパラグラフでございますが、注意すべき副作用として、今、申し上げたラミブ ジン投与中の耐性出現による肝炎増悪、あるいはラミブジン投与中止による肝炎増悪、 また、アデホビル投与による腎障害というものがございます。  まず、耐性出現による肝炎増悪については、薬剤投与中のウイルス量を測ること、 また、肝機能を慎重にモニタリングすることによって、早期発見・早期対応が可能で あるという御見解をいただきました。  また、腎障害に関しても、クレアチニン値の慎重なモニタリングにより、早期発見 ・早期対応が可能であるという御見解をいただいたところでございます。  また、ラミブジン耐性出現に対するエンテカビル投与でエンテカビル耐性が出現し やすいことから、ラミブジン耐性出現例等に対しては、原則ラミブジン+アデホビル の投与が推奨されているという御見解でございます。  また、エンテカビルに関しては、承認されてから十分な期間がたっていないという ことから、長期投与に関するデータは十分ではないため、今後更なるデータの収集が 必要という御見解をいただいたところでございます。  2点目でございますが、インターフェロンの複数回治療に関してでございます。ま ず、論文のところでございますが、国内からの報告で、初回治療がインターフェロン 単独療法の場合に、再治療でペグインターフェロン+リバビリン併用療法を行うこと によって、SVRが初回治療再燃例で61%、初回治療の結果が無効例で43%と、いずれ も有効であるという報告がございます。  また、ペグインターフェロン+リバビリン48週の併用療法を初回治療で行った場 合で、再燃した事例に対して、ペグインターフェロン+リバビリンを72週間併用療 法を行った米国からの報告では、これもSVRが50%という比較的良好な報告がござい ます。  一方で、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法が初回治療で無効であった症 例に対して、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法を72週、48週、再治療を 行った報告では、SVRは比較的低いという結果でございました。  安全性に関しては、ペグインターフェロン+リバビリンを初回行った事例に対して 再治療を行った場合でも、初回治療と同程度の副作用の発現率であったという結果が ございました。  以上の報告等を踏まえて、委員の皆様に議論を行っていただいた見解が次のとおり でございます。インターフェロンの複数回治療の有効性は、当然ではございますが、 すべての患者さんについて再治療による効果が期待できるわけではないが、初回治療 による結果、あるいは初回治療の方法によって再治療の効果は異なるものである。  初回治療がインターフェロン単独であった場合に、再治療する効果は十分に期待で きる。  また、初回治療による結果が再燃であった場合、この場合の定義は、治療開始後3 6週までにウイルスが消失し、その後、再燃した方については、再治療による効果が 十分期待できるということでございます。  ただ、現在、プロテアーゼインヒビターを用いる併用療法の治験に関する有効性の データが収集されつつあることが熊田委員の御発表からもございますので、後ほど文 言を修正しますが、承認を待ってから、その組合せによる治療法を選択するのか、あ るいは承認を待たずに再治療を行うのかということについては、専門医からの十分な 説明が必要であるという御見解でございました。  一方で、初回治療がペグインターフェロンとリバビリンの併用療法で、その結果が 無効であった場合には、再治療による効果は低いという御見解でございました。  4ページを御覧いただければと思います。一番上に、安全性については、先ほど論 文の方にもございましたが、初回治療と再治療については同程度でございます。当然 ではございますが、初回治療と同様、慎重な対応が望ましいという結論でございまし た。  (3)でございますが、インターフェロンの少量長期投与についてでございます。 まず、論文についてでございますが、米国から、前治療としてペグインターフェロン とリバビリンの併用療法を行って無効であった、線維化が進行した症例に対して、イ ンターフェロンの少量長期投与、これは3.5年間の観察の報告がございますが、線維 化抑制・発がん抑制という効果はなかったという結果でございます。  ヨーロッパの研究においても、発がんのリスクは変えないという結果がございまし た。また、米国のガイドラインにおいても、メンテナンス療法を行うことは推奨され ておりません。  一方で日本の研究では、3〜4年以降に発がん抑制効果があったという研究結果が ございますが、対象症例数が若干少ないという課題がございます。  安全性に関しては、重篤な副作用は報告されていないという論文等の結果でござい ました。  以上踏まえて御議論をいただいております。C型慢性肝疾患に対する少量長期投与 の有効性は、我が国においては、3〜4年以降に発がん抑制効果があったという研究 結果がございますが、一方で欧米等の研究では、肝線維化抑制・発がん抑制効果はな かったという結論がございます。欧米の研究結果をもって我が国におけるインターフ ェロン少量長期投与の有効性が否定されるものではございませんが、今後、対象患者 の設定、あるいは投与期間、エンドポイントの設定等を行った、より精度の高いデー タ収集が必要であるという御結論をいただいております。  最後に5ページでございますが、以上のことを踏まえて「取りまとめ」ということ で記載させていただいております。「(1)B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製 剤治療について」は、有効性・安全性の観点から極めて効果的であるということは、 医学的に適応となるB型慢性肝疾患患者に対して、核酸アナログ製剤投与を推進する ことは、政策的にも有効であると御結論いただいております。  また、留意事項でございますが、耐性出現による肝炎の増悪の発現を早期に発見、 察知する必要がございますので、薬剤投与中のウイルス量を測定する、あるいは肝機 能を慎重にモニタリングすることが必要である。また、アデホビル投与による腎機能 障害の早期発見に努めるために、クレアチニン値を慎重にモニタリングする必要があ るという御見解をいただいております。  3点目でございますが、こちらも先ほど申し上げましたが、安全性の観点から、患 者さんが自己の判断で投与を中止しないように、十分に医師が指導した上で投与する ことが必要である。また、投与に当たっては、B型慢性肝疾患の治療に十分に精通し た医師の下で使用することが必要であるという御見解をいただいております。  2点目の「C型慢性肝疾患に対するインターフェロンの複数回投与について」でご ざいますが、初回治療による結果が再燃であった場合、あるいは初回治療の内容がイ ンターフェロン単独であった場合には、有効性・安全性の観点から、再治療による効 果は十分に期待できて、このことを推進することは政策的にも有効であるという記載 をさせていただいております。  2つ目の○でございますが、一方で、現在治験が進行しているプロテアーゼインヒ ビターを用いる併用療法の有効性の知見が得られつつございますので、その承認を待 って治療するのか、あるいは現在の再治療という選択をするのかは専門医からの十分 な説明が必要であるということでございます。  3点目でございますが、「C型慢性肝疾患に対するインターフェロン少量長期投与 について」は、有効性については、欧米の研究において否定的な結果が出る等、一定 の見解が得られていない。こういったことから、更なるデータ収集が必要であるとい う記載をさせていただいているところでございます。  6ページは参考文献でございます。  事務局からは以上でございます。 ○林座長 どうもありがとうございました。  という原案を御提示してございますが、今から議論を進めさせていただきたいと思 います。前から順次行かせていただきたいと思います。  まず「はじめに」のところは先日の議論を基に作成していただきましたが、特に問 題点、あるいはお気づきの点、ございますでしょうか。これはそのまま書かせていた だきましたので、あまり問題ないような気もいたしますが、よろしゅうございますで しょうか。  続きまして、2番目の「有効性・安全性について」の論文等の評価を前回議論させ ていただきましたが、その部分の記載でございます。最初に「B型慢性肝疾患に対す る核酸アナログ製剤治療」のところが2〜3ページの上に書いてございます。  どうぞ。 ○飯沼委員 B型肝炎のDNAの量が重要であり、105copies未満だと、肝がんによる、 これは死亡でしょうか。論文読んでいないので分かりませんが、これは肝がんの発生 のリスクではないですか。死亡ですか。死亡が減るんですか。 ○林座長 上から何行目でしょうか。 ○飯沼委員 3番目のパラグラフです。 ○肝炎対策推進室長 死亡リスクでございます。 ○飯沼委員 死亡ですか。 ○肝炎対策推進室長 はい。 ○林座長 肝がんによる死亡リスクを軽減したということなので、死亡リスクです。 ○飯沼委員 死亡ですね。論文のタイトルからはそういうふうに読めないんだけれど も。発がんではなくて、死亡なんですね。インターフェロン治療をすると、がんにな った人が死亡率が減ると、こういうことですか。発がんならよく分かるんだけれども。 ○林座長 これは発がんリスクかもわかりませんね。 ○肝炎対策推進室長 確認させていただきます。 ○林座長 もとの論文を確認して決めさせていただきます。  ほかに。  泉先生、どうぞ。 ○泉委員 2ページ目の一番下の段落なんですけれども、「ラミブジン投与中断によ る肝炎増悪」という記載があるんですけれども、確かにこのとおりなんですけれども、 実際にエンテカビルが発売されてから中止する人はいないので、エンテカビル中止に よって増悪することは報告はないんですが、しかし、同じことが考えられると思うの で、ラミブジンだけでは、エンテカビルは中止してもいいのかという誤解を与える可 能性があるので、ここは「核酸アナログ投与」と変えてはどうかと思うんです。 ○林座長 あるいはラミブジンと両方薬剤名を入れるかですね。 ○泉委員 両方入れるかですね。 ○林座長 いかがでしょうか。確かにエンテカを中断した例はほとんどないので、新 しい製剤が出てくることもありますので、核酸アナログ製剤中断としても別に問題な いような気もいたします。ここは「核酸アナログ製剤」とさせていただきましょうか。 また新しい薬剤が認められることも当然のことながらございますので、今のところ、 どの薬剤でも突然中断していただくと問題が起こってまいりますので、下の「ラミブ ジン」は「核酸アナログ製剤」ということで。  ほかはよろしゅうございますでしょうか。  それでは、2番目のC型慢性肝疾患に対するインターフェロンの複数回治療の先日 の議論を記載させていただいております3ページの下3分の2と、4ページの上2行 でございますが、先生方、何かお気づきの点ございますでしょうか。  どうぞ。 ○飯沼委員 不勉強で申し訳ありませんが、3行目の「SVR」のフルネームを教えて ほしいんです。 ○林座長 サステインド・バイオロジカル・リスポンスです。 ○飯沼委員 もしオープンにするなら、一番初めだけはフルネームを書かないと。 ○林座長 おっしゃるとおりです。ここのところ、フルネームを括弧書きで記入いた だいた方が、御指摘のとおりだと思います。 ○肝炎対策推進室長 はい、了解いたしました。 ○林座長 ほかにございますか。先日の議論のまま使わせていただいておりますが、 よろしゅうございますでしょうか。  また元に戻っていただいても結構でございますが、それでは、3番目でございます が、「C型慢性肝疾患に対するインターフェロン少量長期投与」でございます。4ペ ージに記載がございます。よろしいですか。  一番重要なのは5ページの「3.取りまとめ」の文章だと思いますので、ここを少 し御意見いただければと思います。最初が「B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製 剤の治療」ということで、「B型慢性肝疾患に対して核酸アナログ製剤を投与するこ とは、有効性・安全性の観点から、極めて効果的である。このため、医学的に適応と なるB型慢性肝疾患患者に対して、核酸アナログ製剤投与を推奨することは、政策的 にも有効であると考えられる。」となっています。ここの文章が一番重要な文章だと 思っていますが、先生、いかがでございましょうか。 ○熊田委員 いいと思います。今回の目玉には十分なるんではないかと思っています。 ○林座長 ほかにいかがですか。  先生、どうぞ。 ○飯沼委員 この「政策的」というのが必要なんですか。これは非常に引っ掛かりま す。 ○林座長 そうですね。事務局にお聞きすればいいんですが、恐らくこれは後の、患 者さんのいろいろな補助のところを考えて「政策的」という文言を入れられたと思っ ておりますが、この文言は要りますよね。 ○肝炎対策推進室長 当然今後の肝炎対策に役立てる1つと考えておりますので、そ ういう観点から、専門家の方々からの何か御提言のようなものを頂けるか否かという ところで、御意見を頂ければと思います。 ○林座長 ほかの先生、よろしゅうございますか。  どうぞ、泉先生。 ○泉委員 基本的には肝がん死亡を減らしたいということで、やはり核酸アナログ投 与によって肝発がん並びに死亡率が減るだろうということなので、私はこれで問題な いんではないかと思います。 ○林座長 飯沼先生の御指摘も十分よく理解できるんでございますけれども、よろし ゅうございましょうか。  それと、もう一点、この前、あまり議論しなかったところで、医学的適応となると いう、少し抽象的な表現なんですが、ここのところ、これは何とでも取りようのある ところなので、もう少し具体的に書かせていただくのと、対象患者さんのセレクショ ンで、熊田先生の班会議のガイドラインにはかなり詳しく書いてございますが、そこ のところを少し付け加えさせていただくかというところはいかがでございましょう か。医学的適応というのは、何らかのガイドラインを参考とするという文章を入れさ せていただく方がいいのかどうか、いかがでございましょうか。  このままの文章でよろしければ、このままの文章にさせていただきますが、自然経 過で、自然にウイルスが減少する方がおられますので、すべてのガイドラインにその ことは記載されておりますが、そのことを少し文言として入れさせていただくかどう かということになると思います。ガイドラインを見れば書いてあることは書いてござ いますので、専門家の方はおそらくお困りにならないと思いますが、一般の先生方が この文章を読まれたときに、医学的適応となるというのが、当然普通はガイドライン を調べられるとは思いますが、そういう文言を入れさせていただくか、このままいく かということです。  泉先生、いかがですか。 ○泉委員 しばるのであれば、熊田先生の厚生労働省の研究班のガイドラインを参照 して医学的適応となるとか、そういう枕詞を入れた方がいいかもしれません。 ○林座長 熊田先生、いかがですか。 ○熊田委員 1つは、ガイドラインが毎年変わっていきますから、そうなると、やは り総括的になるから、このままでもいいんではないかという気がするんです。 ○林座長 向こうは変わるので、それを入れておけば、最新の判断がここに入ってく るので、逆にガイドラインが変わることの方がいいのかなとちらっと思いました。 ○熊田委員 入れていただくという話は何も問題ないとは思います。 ○林座長 ここのところは少しあやふやな文言で、一般の先生方が御覧いただいたと きに対応はどうかということがあるかも分かりません。その文言だけ入れさせていた だいてもよろしゅうございますか。厚生労働省のガイドライン等を参照して医学的適 応となるというような文章を加えさせていただきます。  自然経過の方はよろしゅうございますか。ガイドラインを御覧いただければ、そこ のところの記載はございますので、それを参照していただくというところでよろしゅ うございますでしょうか。  ほかはいかがでございましょうか。2つ目のパラグラフ、それから、3つ目がござ います。  どうぞ。 ○熊田委員 3つ目で、欧米の論文というのは、実は経過が3年半なんです。日本の 論文は5年、10年なんです。ですから、欧米の研究に否定的というのはちょっと強過 ぎて、欧米の方は若い人が対象になっていて、がん年齢まで達していないし、日本は 今、高齢化していますので、将来のこともちょっと考えて「否定的」という言葉は強 過ぎるので表現を変えるか、あるいはそこに年齢と年数も書くのかですね。 ○林座長 先生、それはB型。 ○熊田委員 B型ではなくて、C型の方です。ごめんなさい、では後で。 ○林座長 B型の方はよろしゅうございましょうか。では、B型のところは、ガイド ラインを参照するというのを付け加えさせていただきます。  2番目でございますが、「C型慢性肝疾患に対するインターフェロンの複数回投与 について」の項目でございます。「初回治療による結果が再燃(36週までにウイルス が消失して、その後再燃した者)の場合」、これは今の72週投与のところにこの適 応が入っていますので、それを加えさせていただいたということです。「また、初回 治療の内容がインターフェロン単独であった場合には、有効性・安全性の観点から、 再治療による効果は十分に期待できる。また、初回治療による効果・初回治療の内容 によって、再治療を推進することは政策的にも有効であると考えられる。」という文 章でございます。いかがでございましょうか。  どうぞ。 ○熊田委員 ここはいいんですけれども、その下の文章の「承認を待って」というの は、承認されるかどうか分かりませんので、「承認」という言葉は避けた方がいいと 思うんです。 ○林座長 おっしゃるとおりですね。 ○熊田委員 予期せぬことが起こって承認されないということもありますから、「知 見が得られつつあり」はいいと思うんですが、「承認」という言葉は避けた方がいい んではないかと思います。 ○林座長 「承認を待って」という言葉だけ削除しても文章は通りますね。 ○熊田委員 そうですね。 ○林座長 「どちらの治療を選択するかは専門医からの十分な説明が必要である。」 というような文章に変えていただいても問題はない。「どちらの治療を選択するかに ついては、専門医からの十分な説明が必要である。」  それから、無効例のことを記載しておりませんが、それはよろしゅうございますで しょうか。再燃例のことは書いて、ちょっと議論がございましたが、そこのところの 記載がないので。 ○熊田委員 入れた方がいいと思います。ペグリバ無効例にもう一度ペグリバという のは欧米のデータもきちっと出ていますから、そこは避けておいた方がいいと思いま す。 ○林座長 だから、ここは入れるとしたら「ペグインターフェロン+リバビリン併用 治療を行い、無効であった症例に対するペグインターフェロン+リバビリン併用治療 による再治療は効果が低く、インターフェロン治療による副作用の観点を踏まえ、政 策的な有効性は低いと考えられる。」というような感じの文章を入れさせていただく というところだと思います。前のところにはその記載があるんですけれども、ここの ところにその記載がないので、その文章を2つ目のパラグラフぐらいに入れさせてい ただいてもいいような気がいたしますが、いかがでございましょうか。  泉先生、いかがですか。 ○泉委員 その場合、ちょっと心配なのは、途中で何らかの理由で中止になってしま って、ウイルスが消えなかったのを無効と判断されないかどうか、そこだけはちょっ と気になります。 ○林座長 そうですね。不十分な治療例のことが少し気になるかも分かりませんね。 ○熊田委員 「十分に投与された症例で」という文章を入れればいいと思います。 ○林座長 それを入れた方がいいですね。 ○熊田委員 ペグリバを十分投与した症例で再治療するにはということでいいと思 います。 ○林座長 先ほどの文章に十分量で治療されたという文言を入れさせていただきま す。  金子先生、いかがですか。 ○金子委員 入っていた方がいいと思いますし、十分量というのは論文にもよく書い てありますので、そういう記載があった方がいいと思います。 ○林座長 では、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法により十分量の薬剤投 与が行われたにもかかわらず無効であった症例に対するというような感じの文章に させていただいたらいいのではないかと思います。  ほかにお気づきの点、ございませんでしょうか。  どうぞ、金子さん。 ○金子委員 初回のときの議論になったかどうか、私は存じないんですけれども、こ のプロテアーゼ阻害剤のところなんですが、これが出てくるから、助成があるうちに 1度してしまうと、これを受けられないと思ってやらない患者さんがいるというのが 問題だと思っていて、その上のところでも、初回の治療の内容によって再治療を推進 することは政策的に有効と書かれれば、確かにペグインターフェロン+リバビリンを やっておいて、そういう内容だったから、今度、プロテアーゼができるんだよと取っ てもらえればいいんですけれども、下にプロテアーゼの一言もあるし、それが出るま で助成を受けることを待っていた方がいいんではないかという人用に、何かいい文言 があればいいなと思うんです。 ○林座長 金子先生がおっしゃるとおりで、私もいろいろなことをお聞きしますので、 これはプロテアーゼインヒビターが承認されれば、それを阻害するものではないんで すけれども、それが文章上分かりにくいというのはおっしゃるとおりだと思います。 ○金子委員 論文レベルでは、プロテアーゼ阻害剤でペグインターフェロン+リバビ リンの無効例にやってもかなり有効だったと出ているわけなんで、そういう誤解を与 えないような文章が欲しいなと思います。 ○林座長 3番目のところで、プロテアーゼ阻害剤のことは少し書かせていただいて いますが、そのニュアンスをどこかに入れさせていただいた方がいいですね。そこだ け事務局の方で検討して入れさせていただくということでよろしゅうございますか。 どこかの文章にそのニュアンスを入れないと、確かにそういうふうに取られる可能性 は私も大いにあると思いますので、最終的な修正のところで、その文章だけ入れさせ ていただきたいと思います。  ほかに何かお気づきの点ございませんでしょうか。  それでは、次に3番目でございますが、「C型慢性肝疾患に対するインターフェロ ン少量長期投与について」でございます。「インターフェロン少量長期投与による有 効性については、欧米の研究において否定的な結果が出る等、一定の見解が得られて いない。」ということで、先ほど、まず、ここのところですね。 ○熊田委員 欧米の今の報告は3年半でやる、日本の報告は10年、15年の報告であ りますから、3年目までは実は日本の報告も有意差が出ないんです。3年目以降に出 てくるわけですから、否定的な結果が出ているというのはあくまでも3年以下ですか ら、むしろ逆に矛盾はしないんです。ですから、そこはやはりきちっと記載しておい て、逆に言うと、欧米の長い結果も十分データが欲しいし、日本も大規模なスタディ が欲しい。年数を入れていただくのと、対象年齢が違いますし、日本は今、高齢者を どうするかという問題が、欧米と違って、そっちの方がむしろ大きな問題ですので、 将来に医療助成をするということをここで完全に否定していかない方がいいと思い ますので、ここの文章を考えていただいた方がいいかもしれない。 ○林座長 金子さん、どうぞ。 ○金子委員 全く同意見でして、この間のアメリカ肝臓学会でこれのサブ解析のデー タが出ていまして、投与例はウイルス量が十分下がっていなかったという報告がござ いましたので、日本国内の状況とちょっと違うかもしれないというのがありますので、 ここで否定的と書くのはちょっと問題だと思います。 ○林座長 そうですね。2番目の「欧米の研究結果をもって」のところを「欧米の研 究とは治療対象、治療期間等が異なっており、我が国におけるインターフェロン少量 長期投与の有効性が否定されるものではない。」というぐらいでよろしゅうございま すか。「欧米の研究とは治療対象、治療期間が異なっており」というのを入れさせて いただく。 ○熊田委員 1番のところの「インターフェロン少量長期投与の有用性については、 欧米の研究では3年半でのインターフェロン少量長期投与の有用性は得られていな い。」ですね。 ○林座長 上のところですね。もう一度言っていただけますか。 ○熊田委員 「欧米のインターフェロン少量長期投与の3年半までの経過では、イン ターフェロン少量長期投与の有用性は得られていない。」 ○林座長 5ページの3番の1番のところですね。「インターフェロン少量長期投与 による有効性については」のところですね。今の文章をどこに入れさせていただいた らいいですか。 ○熊田委員 日本のデータと両方書かないと一定の見解にならないですね。一定の見 解というのは、片方ではいいと言って、片方では悪いということですから、そこで差 をちゃんと出しておいた方が。 ○林座長 上には日本の研究の記載がないからですね。 ○熊田委員 それで、欧米の3年半の研究においては有効性は得られていないという ことで、結果として一定の見解が得られていないということで、今回は待ちましょう という話になるんでしょうけれども、それがわかる文章にちょっと。 ○林座長 「インターフェロン少量長期投与による有効性については、欧米の3年半 の追跡」ですね。 ○熊田委員 「3年半の治療では有用性は認められない。」 ○林座長 「3年半の治療では有用性が明らかでなく」ですか。 ○熊田委員 明らかでないと。ですから、どっちを先に書くかは別ですけれども、日 本での長期の有用性に関しては、少量長期は有用性が認められている論文があるが、 欧米では明らかではないということで一定の見解が得られていない。 ○林座長 日本のことが記載されていない。 ○熊田委員 記載がないですね。 ○林座長 明らかでないが、日本では、その有効性が認められているので、一定の見 解は出ていない、両方書いて、一定の見解は出ていない。 ○熊田委員 両方書いて、一定の見解が得られていないということだと思います。そ れで、欧米は、より長い結果が欲しいし、日本はもうちょっと大規模のRCTが欲しい。 ○林座長 2番目の「我が国におけるインターフェロン少量長期投与の有効性」とい うのを上に入れましょうか。このことですね。 ○熊田委員 そうです。現時点では一定の見解は得られていない、それは事実だから いいと思うんです。 ○林座長 どうぞ。 ○健康局長 そこの基になった4ページのところと若干言葉のそごが出てきそうな んです。例えば、4ページの下から5行目「より質の高い欧米の研究報告」と書いて あるんで、この辺も少し調整をしないといけないんで、全体を見て、ここは直してい ただければと思います。 ○林座長 欧米の方は日本のRCTではなくて、欧米は治療期間が短くて、日本は治療 期間が長いという差がありますので、全体的に両方文章を付け加えないとだめなので、 ここのところは文章を変えさせていただくということでよろしゅうございますか。 ○熊田委員 はい。 ○林座長 そこを変えさせていただいて、2つの文章を付け加えさせていただいて、 実はここだけ先ほど議論になった政策的なことの言及をしておりませんが、「現時点 での政策的な有効性は低いと考えられる。」という文章を付け加えさせていただいて いいですか。欧米の成績と日本の成績を付け加えさせていただいて、「現時点では政 策的な有効性は低いと考えられる。」と付け加えたら、両方併せたことになります。  「インターフェロン少量長期投与による有効性については、欧米の3年5か月の経 過を見たRCTでは有効性が明らかではないが、我が国におけるインターフェロン少量 長期投与の有効性を否定するものではない。」でいいですか。今後、対象患者の設定、 投与期間やエンドポイントの設定等、更なるデータの収集が必要だと書かせていただ いていいと思うんです。 ○熊田委員 我が国の少量長期投与の有効性と矛盾するものではないんでしょうね。 ○林座長 矛盾するものではない。 ○熊田委員 向こうは3年半までで、日本は長いですから。が、政策的にこれを進め ていく上では、両方とも十分ではないということですね。 ○林座長 もう一遍言います。「インターフェロン少量長期投与による有効性につい ては、欧米のRCT(3年半)の研究においては有効性が明らかでないが、我が国に おけるインターフェロン少量長期投与の有効性を否定するものではない。」でいいで すか。 ○熊田委員 「矛盾するものではない。3年半以上の少量長期投与の有用性を」。 ○林座長 「と矛盾するものではないが、現時点での政策的な有効性は低いと考えら れる。」 ○熊田委員 やはり「否定するものではない。」ですか。「3年半以上のインターフ ェロン少量長期投与の有用性を否定するものではない。」ですね。 ○林座長 「否定するものではない。」でもいいですね。 ○熊田委員 そうですね。 ○林座長 もう一遍いきます。「インターフェロン少量長期投与による有効性につい ては、欧米のRCT(3年半)の研究において有効性は明らかでないが、我が国におけ るインターフェロン少量長期投与の有効性を否定するものではなく、現時点での政策 的な有効性は低いと考えられる。今後、対象患者の設定、投与期間やエンドポイント の設定等、更なるデータ収集が必要である」という感じでいかがでございましょうか。 事務局で文章を考えていただきますけれども、欧米は一応、RCTのレベルが高いんだ ということと、治療期間が違うんだというニュアンスを入れさせていただくというと ころだと思いますが、よろしゅうございますか。事務局、それでよろしゅうございま すか。 ○肝炎対策推進室長 はい。 ○林座長 ほかに全体を通じまして何か問題点ございませんでしょうか。  どうぞ。 ○飯沼委員 これはオフィシャルになることを前提に申し上げますが、6ページは、 学問的ではないとおっしゃれば別だけれども、普通の論文は著者が先です。論文名で はないです。それが1点。  それから、「等々(et al.)」とありますが、これは点が打ってあるのとないとの あります。  それから、2人目までは「and」で書くのが普通です。「et al.」では書きません。  それから、「Journal」を「J.」と書いたり、「Journal」とフルネームで書いた り、「Hepatology」を「Hepatol」と書いたり、いろいろありますので、これを何と かしてもらわないと恥ずかしくて出せません。 ○林座長 おっしゃるとおりでございますので、私も全部チェックさせていただきま す。これは論文の記載の方法が決まっておりますので、その方法に変えさせていただ きます。それは飯沼先生の御指摘のとおりだと思います。  ほかはよろしゅうございますでしょうか。ございませんでしたら、いろいろ御指摘 いただきましたので、そういう字句の修正を事務局にお願いをさせていただきまして、 私がもう一度拝見させていただくということで御了解いただけますでしょうか。今の 御指摘の点すべて訂正をさせていただきたいと思っております。よろしいでしょうか。  どうぞ。 ○肝炎対策推進室長 今のところなんですが、一応、事務局の方で御意見いただいた ものを修正させていただいて、座長と御相談させていただいてということでよろしい ということですか。 ○林座長 よろしゅうございますでしょうか。それでは、それで進めさせていただき ます。  事務局、「その他」が何かございますでしょうか。 ○肝炎対策推進室長 特にございません。 ○林座長 どうぞ。 ○飯沼委員 肝炎の検査の話ですが、厚労省が無料の検査といいますか、S抗原陽性 のB型の人と、C抗体陽性のC型肝炎の人の精密検査までを無償でやってくださると いう、来年の3月30日までの時限立法がある。それは1年延ばしてもらって来年ま でになったんですけれども、これの受診率が非常に少ないです。なぜかといいますと、 都道府県でめちゃくちゃに差がありまして、都道府県もかなりの負担をしなければな らないということがネックになっていると思うんです。たとえネックになっていても、 来年で切られてしまうとまずいんで、何とか残してくださる方法をここの会で言って いただくとよろしいかなと思いますので、継続してやるようにひとつお願いをしたい。 ○林座長 おそらく皆さん同じお考えをお持ちだと思うんですけれども、この文章で はそれは入れられませんね。 ○肝炎対策推進室長 そうですね。今回、治療のことでやらせていただいております ので。 ○林座長 議事録でそういうことがあったというのは記載できますね。 ○肝炎対策推進室長 議事録の中では記載は残るかと思います。 ○林座長 なぜ低いかというのはいつも議論になるところでございますけれども、確 かに都道府県ごとにかなり制度が異なっているところがございますので、そういう制 度があるということが十分周知されていないという点もございますし、我々が調べま すと、普通の患者さんは、そういう制度があるといっても、自分は輸血等を受けてい ないので肝炎でないと思っているので検査に行かないとか、いろんなファクターが絡 んでいて受診率が低くて、我々も非常に困っていることでございます。アンケート等 調べますと、普通の方は輸血とか血液製剤のことがどうしても頭にありますので、手 術等を受けていなければ自分は感染していないので検査に行かないということで、す べての方に一度検査を受けていただきたいと、いつもいろんな機会では申し上げてい るんでございますが、そういうことがおそらく受診率の低さに寄与しているのではな いかと思っています。議事録にそれを入れていただくのはよろしゅうございますでし ょうか。  熊田さん、いかがですか。 ○熊田委員 これは治療戦略会議ですから、どうなんですかね。 ○飯沼委員 先生、発見しなければ治療できないんです。 ○熊田委員 実際には別の会議がありますね。 ○飯沼委員 肝炎に関して、予算について議論する会議などはありませんよ。これが 一番大きい会議ではないですか。 ○林座長 伯野さん、いかがですか。 ○肝炎対策推進室長 今、法案の関係とか、いろいろ動いていて、今後、我々も見え ないところはございます。この会議以外には、正式名称は忘れてしまいましたが、肝 炎の懇談会というものがございます。そういうところで検診のことも取り上げてとい うことは考えられることかと思います。 ○林座長 今年1回、会議がございましたね。 ○肝炎対策推進室長 1回、6月ごろに開催していたかと思います。 ○林座長 議事録に飯沼先生からそういう御発言があったことを残すことは全然問 題ないですね。 ○肝炎対策推進室長 速記で取っている議事録がございます。 ○林座長 元の文章に入れるのは難しいかもわからない。 ○肝炎対策推進室長 そうですね。報告書というか、ここの中では、検査のこととな ると、またちょっと別の、もう少しじっくり議論をという必要が当然あるかと思いま すので、この報告書というか、本日のとりまとめの中に入れるというのはちょっと難 しいかと思っておりますが、また別途検査のところについては、当然別の機会、ある いは既存の懇談会等で議論に出すとか、実施状況について御報告するとかについて対 応してまいりたいと思います。 ○林座長 今日は上田局長も御出席いただいておりますので、御検討を。 ○健康局長 よろしいですか。まさに御指摘の点はそのとおりでありまして、私ども、 肝炎対策を進めていく上に当たって、研究、こういう治療の問題、そういう中では都 道府県の役割は非常に大きいわけでございまして、現場の先生方のお力も大変重要で ございます。今の予算はある程度時限的にはなっているわけですけれども、ことの本 質にかんがみて、多くの方を発見して正しく治療につなげていただくことが最終目標 でございますので、その観点から、今、飯沼先生から御指摘のあった点はよく幹部に も、大臣等にもお伝えをして、この予算の継続について我々も真剣に取り組んでいき たいと考えておりますので、そういうことで今日は受け止めさせていただきますので、 よろしくお願いいたします。 ○林座長 ありがとうございました。  それでよろしゅうございましょうか。 ○飯沼委員 はい。 ○林座長 ほかには何かございますか。なければ、事務局の「その他」のところはご ざいますでしょうか。 ○肝炎対策推進室長 特にございません。ありがとうございます。 ○林座長 局長のごあいさつはよろしいですか。 ○健康局長 ありがとうございます。実は、山井政務官が来られて皆さんに御礼を申 し上げるところだったんですが、国会用務のために今日は欠席でございます。代わり に私の方で御礼を申し上げたいと思います。  今、議論をまとめていただきました。少し付け加える、修正するところについては、 後ほどまた座長とも御相談の上、対応させていただきまして、私ども、これを大臣、 あるいは政務三役にきちっとお伝えをして、今後の政策に反映をしていきたいと考え ております。現在、私ども、来年度予算におきましては、民主党のマニフェストを踏 まえまして、インターフェロン医療費助成を含む肝炎対策の拡充ができるよう、更に 全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。先ほど申し上げましたように、 今後とも1人でも多くの肝炎患者の方々が適切な医療を受けられるように取り組ん でまいりたいと考えておりますので、引き続き様々な面で御指導、御協力をいただく ようにお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、本日の御礼に代えさせて いただきます。どうもありがとうございました。 ○林座長 それでは、ほかにございませんでしたら、これで本日の会議を終了させて いただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 (了) ○照会先 健康局疾病対策課肝炎対策推進室             丸本(2944)