2009/10/26 「第6回新人看護職員研修に関する検討会」議事録            第6回新人看護職員研修に関する検討会                    日時 平成21年10月26日(月)          17:00〜19:00          場所 厚生労働省5階共用第7会議室 ○島田課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第6回新人看護職員研修に関する 検討会を開催いたします。委員の先生方、本日雨の中ご多用のところ、当検討会にご出席 いただきまして誠にありがとうございます。本日は、北村委員より遅れてご出席とのご連 絡をいただいております。そして上泉委員より欠席という連絡をいただいております。  まず、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の下に座席表を置かせていただ いております。そして資料1-1、「新人看護師研修ガイドライン(案)」、資料1-2、「技術指 導の例」、両方とも綴りになっております。参考資料1、「新人看護師研修に関する主な意 見」。以上です。乱丁・落丁などございましたら途中でも結構ですので、事務局のほうにお 申し付けください。では座長、議事の進行をお願いいたします。 ○石垣座長 本日も活発なご意見、ご議論をよろしくお願いいたします。それから看護課 事務局の皆様、ハローウィンのカード、優しいカードをありがとうございます。  それでは本日は議事次第にありますように、「新人看護師研修ガイドライン(案)」を検 討する予定となっております。まず初めに、事務局から資料1の説明をお願いいたします。 ○島田課長補佐 それでは資料1-1と、資料1-2を説明させていただきます。ボリューム が結構ございますが、いままで先生方にご議論していただいたものを基本的には反映させ て作らせていただいておりますので、少しはしょりながらの説明をさせていただきます。  まず、資料1-1が「新人看護師研修ガイドライン(案)」です。1枚目に目次がございま す。本日は参考資料としてお付けしておりますけれども、先生方にご意見をいただきまし たものをまとめた際には、ガイドラインの枠組みというものをお示しをしてきているとこ ろです。基本的にはそこに含まれる内容については、このガイドラインに含めるような形 にしております。目次の構成につきましては、ご議論が進められている中で少し変えたほ うがいいかなと事務局で考えまして、若干目次構成を変えております。目次の下のほうで すけれども、点線で囲んでいる部分につきましては、これまで検討会に提出された資料を 基に、事務局で追加をしたような形になっておりますので、こういった所も本日ご意見を いただければと思っております。  まず1頁目からお開きいただきまして、2頁に「はじめに」とございますけれども、こ この所は掲載を予定しております内容の項目のみを書かせていただいております。ガイド ライン作成の目的、それからガイドラインの使い方、そしてガイドライン利用に際する留 意事項といったものを記述するということを予定しております。次に3頁です。ここから がガイドラインの中味になってきます。まずIとしまして、ガイドラインの概要です。こ れは大きく1.と2.としておりますけれども、1.基本的考え方、新人看護職員研修において の基本的考え方を(1)から(7)で示しております。  (1)、かいつまんでご説明しますと、2行目以降ですが、「どのような施設においても、看 護師の基本となる実践能力が習得できることを目指す」と。(2)、「医療機関は組織的に全職 員の研修に取り組むことが期待されており、新人看護師研修はその一環として位置付けら れる」といったことを書いております。(3)、新人看護師を支えるためには、全職員が新人 に関心を持ち、みんなで育てるという組織文化の醸成が重要。(4)、新人看護師研修は、看 護基礎教育との連続性をもって実施されるべきものであり、多重課題を抱えながら複数の 患者を受け持ち、看護ケアを適切かつ安全に提供することが必要であることから、看護実 践能力の強化を目指す。(5)、2行目辺りからですけれども、「専門職業人として成長するた めには、新人の時期から生涯にわたり、継続的に自己研鑽を積むことが重要」。「さらに、 新人看護師研修は、基礎教育で学んだことを土台に看護実践能力を高め、生涯にわたって、 経験し獲得したことを蓄積する基本となる研修である」。(6)、運営体制、指導体制などの教 育環境の整備の重要ということも書いております。そして(7)、「医療状況の変化や看護に対 する患者・家族のニーズに柔軟に対応するためにも、新人看護師研修は、常に見直され発 展させていくべき」といったことを基本的考え方としてまとめております。  次が2、研修体制です。ここでは、新人看護師を支える体制の構築をまず1つ目に挙げ ております。病院管理者、看護管理者のあるべき姿、考え方といったこと。それから2つ 目の○ですけれども、医療機関全体で取り組むという、新人看護師研修のあり方を確認を しておりますのと、その2行下ですけれども、組織としては、いわゆる屋根瓦方式を取る ことが望ましいといったことも書いております。  そしてその下ですけれども、新人看護師が臨床現場に順応するためには、職場適応への サポートやメンタルサポート体制作りが重要であるといったことも書いてあります。2)で は、「研修体制における組織と役割」をお示しをしております。まず、研修体制における組 織の例を図にお示しをしております。これはこの図を以前検討会でお出ししたときと、少 しまた議論を踏まえまして変化させている部分もございますけれども、組織の規模によっ ては、研修責任者が教育担当者の役割を担うといったこともあろうと思いますけれども、 いずれにしましても、どんな体制であっても、それぞれの役割を担う者が誰なのかを共通 に認識できるような体制にすることが必要と考えております。  5頁です。研修体制におけるそれぞれ関わる方々の役割を定義しております。まず新人 看護師については、「看護師免許を取得後、初めて看護師として就労する看護師」というふ うにしております。(2)、実地指導者ですが、「新人看護師に対して、臨床実践に関する実地 指導、評価等を行う者」としております。その配置例ですけれども、部署や就職後の時期 によってはエイギョウな組合せがあるのであろうということで、例を示しております。(3)、 教育担当者です。これは前々回でしたでしょうか、検討会の場で研修担当者か教育担当者 かとかといったことをご議論いただきましたけれども、そのご議論を踏まえまして、ここ では教育担当者としております。「教育担当者は、看護部門の新人看護師の教育方針に基づ き、各部署で実施される研修の企画、運営を中心になって行う者。実地指導者への助言及 び指導、また新人看護師への指導、評価を行う」というのが役割となっております。配置 例としましては、各部署に1名以上ということが望ましいということで書かせていただい ております。次に研修責任者です。「研修責任者は、新人研修プログラムの策定、企画に対 する指導及び助言を行う者」ということで、配置の例としましては、「できる限り専任とす ることが望ましい」といったことを書いております。そしてプログラム企画・運営組織で すけれども、これは、新人研修プログラムの策定、企画・運営を行うための委員会などの 組織ということで、研修責任者の元に設置をするといったことが組織の例として考えられ るのではないかと思っております。  めくって6頁です。3)としまして、「研修実施体制の工夫」を示しております。これは今 回の新人看護師研修については、どのような機関であっても実施できるようにということ で、さまざまな工夫についてもご意見をいただきましたので、そういったものを反映させ ていただいております。新人看護師研修を、施設の特性に合った方法で研修を実施するた めに、実現可能な研修を工夫するということで、工夫の仕方などを書かせていただいてお ります。まず、「研修体制の工夫」としては、ローテーション研修では、1つの部署では得 ることのできない実践能力を獲得するために有効であるといったこと。それから多職種と の合同研修ですとか、それから基礎教育を担っている看護教員の活用ですとか、それから 教育機関、学会、医療機器業者ですとか、専門職能団体等で行われているプログラムの活 用。それから講義形式としては、通信教育ですとか、e-ラーニング研修といったものも有 効であるということ。それから技術訓練のモデルですとか、自施設の技術ビデオなど、新 人が実習できる設備を整えること。それから看護師研修の経験が豊かなアドバイザーを招 いて研修体制、計画策定の支援を受けるといったことも有用ではないかといったことで、 ここに書いております。  次に「新人看護師を支える組織体制の工夫」ですけれども、これは検討会の際にプリセ プターシップですとか、チューター、それからさまざまな方法についてのご提案をいただ きましたけれとも、それらにつきまして、これからどういったものがどういうふうに有効 なのかといったことを、少し文章にいたしまして掲載する予定にしております。  7頁です。「外部組織の活用」という所をまとめております。これは規模が小さい、ある いは新人看護師が少ないといったような所でも、実施可能なように外部組織を活用すると いうことをまとめておりますけれども、「各医療施設単独で完結した研修ができない」とき があると、そういった場合には、地域あるいは同規模の施設間、医療連携している施設間 で共同して実施する方法ですとか、研修の実績のある施設と連携するといった方法がある ということで、活用例を(1)(2)で示しております。例えば、他医療機関の活用例として は、到達目標に記載されている項目を経験できないというような医療施設があった場合に、 近隣の施設で行っている研修に参加するというようなことができるのではないか。それか ら(2)では、研修・教育機関の活用といたしまして、専門職能団体が行う研修を自施設の 看護師研修に組み込んで行う。例えば、医療安全、感染管理、救急蘇生などの研修につい ては、こういったものの活用が有用ではないかということをまとめております。  続きまして8頁です。新人看護師研修の中身についてのガイドラインです。まず「研修 内容と到達目標」についてです。この到達目標についてですけれども、まず看護実践能力 の構造としては、平成16年3月の新人研修の検討会で出されました報告の中での枠組みを 活用しておりまして、「I看護師として必要な基本姿勢と態度。II技術的側面。III管理的側 面」という構成要素で提示をしております。それがこの図2になっております。下から4 行目あたりですけれども、「これらの要素はそれぞれ独立したものではなく、患者への看護 を通して臨床実践の場で統合されるべきもの」であって、そして「看護基礎教育で学んだ ことを土台にし、新人看護師研修で看護実践能力を積み上げていく」といったようなもの の構造になっているところであります。  下の2)の到達目標の所ですが、これは「到達目標には、施設あるいは配属部署によって は、経験の機会が少ないものもあるため、優先度の高いものから修得する」ように設定を する。そしてその下の項目です。「『看護師として必要な基本姿勢と態度』が16項目、『技 術的側面』が69項目、『管理的側面』が18項目」ございまして、これらを1年以内に経験 し修得を目指す項目の設定と、到達の目安というものを8頁以降に示しております。  9頁です。まず、「看護師として必要な基本姿勢と態度」についてです。表の上の部分に 到達の目安について、IからIVで事務局の案として区切って出していますけれども、それ をまず説明をさせていただきます。到達目安として、IVが知識としてわかる、IIIが演習で 実施できる、II指導のもとで実施できる、I実施できる、という区分にいたしまして、そ れぞれの項目についてIからIVで到達目安をお示ししています。そして★ですけれども、 これが1年以内に経験し、その番号の所までを目指す項目というふうに提案をしておりま す。ただこれは事務局で★をお示ししていますけれども、この★がなくても、経験しなく てもよいという意味ではなく、ガイドラインですので、目標として1年以内にこういった ものを到達するというようなことを示しているものであります。  10頁では、技術的側面につきまして、これは69項目を同じように到達の目安を示して いるものであります。  11頁の上ですけれども、これは管理的側面について、同じように到達の目安を示してい るものであります。11頁の真ん中から下ですけれども、到達目標の設定の手順についてこ こで解説をしています。これは検討会の中でもお示しをしてご議論をいただいた所です。 病院の規模ですとか、機能、理念、そして看護部の理念、看護職員の構成、新人看護師を 支える体制、新人研修にかけられる時間・予算、そして目指す看護師像などを考慮した上 でそれぞれが目標を設定する。到達目標は、項目、詳細さ、難易度、到達時期の順に検討 するというような流れであろうということで、以下順にその設定の仕方を説明しているも のであります。これは検討会の中でもご説明させていただきましたので、説明については 割愛をさせていただきます。  13頁、「看護技術を支える要素」についてです。これは図2を見ていただきますが、8頁 です。8頁の看護実践能力の構造のこの円筒型の部分については、103項目の到達目標とい うことで、先ほどお示しした案をご覧いただきましたけれども、その左側に「看護技術を 支える要素」というものが書かれております。これらについてが13頁に述べられています。 これは看護技術の到達目標に沿って研修内容を組み立てる時には、単に手順に従って実施 するというのではなくて、「看護技術を支える要素」を全て確認した上で実施する必要があ るということで、これを確認しながらの研修内容にするというようなことを書かせていた だいております。  13頁の真ん中から下が研修方法になります。研修方法の適切な組合せの仕方についてを 示しております。○の1つ目です。新人看護師研修に活用可能な教授法や学習法には、下 の表4に示すようなものがあります。現場での集合教育、自己学習を適切な形で組み合わ せるというようなことになろうかと思っております。そしてこの部分ですけれども、例え ば講義ですとか、課題学習と、それぞれがどういった内容の場合に有効なのかというもの をお示ししながら、もう少し記述をしていきたいと考えているところです。  14頁です。2)研修の展開です。「『看護職員として基本的な姿勢と態度』については、早 期に集合教育等において具体的に説明」。そして、「医療の倫理的課題に関する事例検討な どを通して、看護職員としての基本的な考え方を確認する」というようなことがまずあろ うかと考えています。そして技術習得についてですけれども、これは技術研修の原理、原 則といったものについて、こういったものがあるといったことを前回検討会でもご意見を いただきましたが、講義、演習、シミュレーション研修、臨床現場での実践といった順に 行うことが有効であるといったことを書かせていただいております。その下もその手順の ことを書いております。「シミュレーションをして、手技を実際に見せ、実際にやってもら って危なければ手をそえる、一人でやってもらう、といった段階的なOJTが大切」といっ たことを書いております。その下、ステップバイステップというやり方があるといったこ とをご意見をいただきましたけれども、「段階ごとに評価し、できなかった場合は1つ前の 段階に戻るなどひとつずつ確認しながら研修を進める」といったことを書いております。 さらにその下ですけれども、「エビデンスに基づいた看護技術を繰り返し練習する」といっ たこと。それからその下です。五感を用いて患者の状態を判断することの重要性を認識さ せるといったこともここで書かせていただいております。  15頁の上です。指導にあたっては、「新人看護師が自ら、受け持った患者に必要な看護 を考え判断する能力を養う」ように指導する。そしてその下です。精神的支援。「看護実践 の振り返りや日常生活リズムなどの把握などの精神的支援の方策を含んでいること」が必 要であるということで、「適宜、集合研修の後などに、新人看護師が定期的に交流できる場 を設ける」といったような、新人看護師本人へのサポートといったものもこの展開の中に 盛り込んでおります。  次に3番で、研修の評価についてまとめております。評価の考え方ですけれども、「到達 目標の達成度について評価を行う」。そして「習得してきたことの確認をするためにフィー ドバックを行う」ことが重要であるといったことを書いております。評価の時期ですけれ ども、到達目標は1年間で到達するものとしておりますけれども、評価の時期は概ね就職 後1カ月、3カ月、6カ月、1年といったような節目での評価を目安とする。そして(2)です。 「就職後早期の評価は、新人看護師の職場への適用の把握等の観点から重要であり綿密に 行う必要がある」としております。3)、評価方法ですが、評価方法は自己評価に加え、他 者評価、そして「最終評価は、看護部門の教育担当者又は各部署の所属長が行うといった ことを書いております。次に4番の年間研修プログラムですけれども、これは後ほどご紹 介いたします。教育担当者研修のプログラムによって同様のイメージで、年間のプログラ ムの組み方をお示ししようと考えております。  5番が技術指導の例です。これは資料1-2です。1-2をご覧ください。技術指導の例につ きましては、ワーキングの先生方にご議論をいただきまして、検討会のほうでも報告をし、 ご議論をいただいたところですが、そのご議論の中で、具体的に業務を中断した場合につ いてどうするのかといったこと、それから研修方法の中に、シミュレーション研修後の評 価といったものを追加をするといったことで、若干の加筆をしております。1頁が経口薬 の与薬、5頁からが筋肉注射、皮下注射の例。11頁からが点滴静脈注射の例。17頁からが 輸液ボンプ・シリンジポンプを使用した与薬の指導例。25頁からが車椅子による移送の技 術指導の例を示しているところです。資料1-1にお戻りいただきまして、15頁の下の部分 です。6、「研修手帳の例」です。これはどこまで到達したのかといったこと、どういった 経験ができたのかといったことを、手元で記録をして蓄積していくといったものが必要で あるといったご意見をいただきましたので、それを研修手帳の例という形で掲載しようか と考えております。まだこの例は作成できていないところですけれども、内容としまして は、将来目指すものがどういったものか、そして今年度目指すものはどういうところなの か、そのためのプラン、実施したこと・わかったこと・考えたこと・自分がどう成長した のか、そして他者からの評価としてのコメント、到達目標のチェックリストなどを含むと いうことを想定しておりまして、こういった掲載内容についての例を示す予定です。  続きまして16頁です。16頁からは、実地指導者の育成についてのガイドラインです。 実地指導者については、まず1番の「到達目標」。そして2、「新人看護師研修における教 育支援上の役割」。どういう役割があるか。3、「実地指導者に求められる能力」、知識、技 術、態度といった内容を少し細かく書いております。そして4番、「実地指導者研修のプロ グラム」、項目ですけれども、ここに示しております。施設内外で実施される実地指導者育 成のプログラムには、以下の内容を含めることが望ましいということで、17頁の上のほう にお示しをしております。そして実地指導者の年間研修プログラムについて、どのように 組む例があるかといったことを現在作成をしているところであります。   18頁です。「教育担当者の育成」につきましても、実地指導者と枠組みとしては同じよ うになっておりますけれども、「到達目標」、「新人看護師研修における教育支援上の役割」 として3点挙げております。「実地指導者と新人看護師への支援」。「部署および部署に関連 する職員に対し、新人看護師研修体制の伝達・周知」。それから3)、集合研修と部署での 研修の連動促進」。4)、「部署管理者との連携」。5)、「部署における研修の評価」といった ことを役割として挙げております。  そして3番、「教育担当者に求められる能力」をここにいくつか挙げておりまして、これ らを研修する、プログラムにするということが考えられると提案しております。そして「年 間研修プログラムの例」ですけれども、これはめくって、横書きになっておりますけれど も、21頁、22頁に例をお示しをしております。これらは、私どもの看護課で行っておりま す新人研修のモデル事業の実績を基に、坂本先生のほうでの研究班で検討していただいて、 ご提案をいただいたものです。教育担当者研修プログラムの例として、短期集中型の例を 21頁に挙げております。短期間で実施する場合。そしてめくって最後の頁です。定期的に 長期間にわたって開催をすると、1カ月から2カ月に1回定期的に研修を行って、集合研 修で得た知識を現場で確かめながら教育担当者としての能力開発を行うというようなプロ グラムの例を、2パターンお示しをしています。  最後ですけれども、20頁にお戻りいただきまして、Vです。「研修計画、研修体制等の 評価」ということで、全体の評価について記載しております。研修の内容や方法について 見直し、翌年の研修計画に役立てる。まず1つ目、「集合研修、プログラムの研修終了時の 評価」をする。この評価は研修自体の評価として、研修プログラムの妥当性・適切性を確 認をする。研修受講者の学習成果として、プログラムの目標の達成度を判断する。基本的 には、評価には研修に関わる全ての人が評価対象になるというようなことをお示ししてお ります。そして下の2番ですけれども、「研修終了後、実務を通しての追跡評価」について も記載をしております。  簡単ですけれども、ガイドラインの説明は以上です。 ○石垣座長 ありがとうございました。ただいま、このガイドラインの全体像の案につい て説明がありました。本日はこれについて議論を進めていきたいと思います。まず、いま 説明がありました目次に沿って順にご意見をいただきたいと思います。そして最後に、ガ イドラインの構成等について、全体的なご意見をいただきたいと思います。  それでははじめにガイドラインの概要の1と2、基本的な考え方、これは3頁に記して あります。その次に研修体制、4頁から7頁までについてご意見をいただきたいと思いま すが、いかがでしょうか。  この基本的な考え方も研修体制も、平成16年に出された報告書をもとに表されておりま すが、既に委員の皆様にはお目通しいただいていると思いますが、いかがでしょうか。ま ず基本的な考え方について、よろしくお願いします。 ○海辺委員 まず3頁の(2)で、「安全で安心な療養環境を保証するため」と入っているのが、 すごくいいと思いました。次に(3)の「新人看護師を支援し、周りの全職員が共に成長する ことを目指す」というのが、これでもすごくいいと思うのですが、新人看護師及び実地指 導者とか、教育担当者とか、そういう方を支援するという言葉にしてもいいのかなと感じ ました。  あと、7番の「常に見直され発展させていくべきである」、それも当然必要で素晴らしい と思うのですが、まず、必ずこのプログラムを使ってみてどうだったのかということを、 使ってくださった医療機関にアンケートを取るなりして、検証して発展させていくという 感じがいいかと思うので、何かそういうことや見直しの時期みたいなものを具体的に入れ てもいいのかなということを感じました。  私はチーム医療の検討会など、別の検討会に入れていただいていると、またいろいろと 看護職の環境が、近い将来に劇的に変わっていく可能性もあるかもしれないので、このプ ログラムがどうだったのかという検証をきっちりやることが、すごく大切かなと思ったの で、そういう見直しの時期や検証の方法も、少しここに具体的に入れてもいいかなと感じ ました。 ○石垣座長 ありがとうございました。「新人看護師を支援し」という所と、実地指導者、 教育指導者の支援ということも中に盛り込んだほうがいいということと、定期的に見直し をしながら評価をして、バージョンアップしていくという形をもっと整えていく、発展さ せていくほうがいいというご意見でした。 ○西澤委員 中身ではないのですが、今回は新人看護師研修実施ですが、全体の当検討会 の対象は看護職員であり、まず看護師研修でガイドラインを作り、そして看護職員全体で どうかという順序だと思うのですが、この中に一部「看護職員」という言葉が入ってきて、 「看護師」と「看護職員」の使い分けが、なぜこれが違うのかよく見えないので、後でこ れを整理していただければと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。他にございますか。 ○福井委員 来年4月から、いわゆる努力義務での研修が可能になるのですが、その新し い体制の中で、このガイドラインの位置づけについて、一言も言わなくても大丈夫でしょ うか。 ○石垣座長 看護師の研修の努力義務が、もう法制化されていると。 ○福井委員 はい。 ○石垣座長 このガイドラインの位置づけですね。 ○福井委員 ええ。その新しい制度の中で、このガイドラインをどのようにとらえるのか、 何か一言、言ったほうがいいのではないかという気がするのです。 ○石垣座長 これについて事務局から意見はございますか。 ○野村看護課長 このガイドラインの2頁の「はじめに」の所で、ガイドライン作成の目 的などを書く予定としております。おそらくこういった中に、ガイドラインの意味、意義、 使い方、そういう中身が入ってくるのではないかと思っています。ここで書き込むことに なるのではと思います。 ○石垣座長 「はじめに」の所にそれを盛り込むという、福井先生はそれでよろしいです か。他にご意見はありますか。次の2番目に進んでよろしいでしょうか。研修体制につい てですが、これは4頁から7頁まであります。新人看護師を支える研修体制の構築から始 まります。先ほど事務局から説明がありましたが、これについてはいかがでしょうか。た ぶん中身は、これまでご意見をいただいたことをかなり盛り込んでいると思いますが。 ○村上委員 4頁の「屋根瓦方式」という所の文章ですが、ここに少し説明を入れたほう がいいのではないでしょうか。というのは、たぶんこの言葉は結構使われているのでしょ うが、これは直接現場に出ていって、たくさんの人が読むと思うのですが、1年が2年を、 3年が2年をという、そういうのを入れなくていいのかと。前回のときも、この屋根瓦方 式というのを初めて聞く方がいて、今回、これは馴染んでいる言葉なのかどうかというの を。 ○石垣座長 いくえものサポートということを、もう少し具体的に述べたほうがいいとい うご意見ですね。 ○村上委員 入れなくていいでしょうか。 ○石垣座長 いかがでしょうか。「いくえものサポート体制が必要であり」という言葉をも う少し具体的に表現したほうがいいというご意見として伺っておきたいと思います。その 他にございますか。 ○羽生田委員 いまの屋根瓦方式という言葉ですが、たぶん医療機関なり病院で、看護の 指導体制の中で、あまり聞き慣れない言葉だと思います。ですから、もう少し何かわかり やすく説明を入れていただいたほうがいいかと思います。 ○石垣座長 わかりました。いま村上委員がおっしゃったことと共通していますね。あり がとうございます。 ○福井委員 6頁目の「研修体制の工夫」ですが、この中に「研修体制の工夫」ではなく て、「研修の方法の工夫」が入っているように思います。例えば講義形式のもので、通信教 育、e-ラーニング研修というように、例えば13頁のほうに、研修方法のほうに移したほう がいいのではないかと思われるようなところもあるので、研修体制というのと、研修方法 というのを、ちょっと区別して考えられたほうがわかりやすいのではないかと思います。 ○福井委員 6頁目の「研修体制の工夫」ですが、この中に「研修体制の工夫」ではなく て、「研修の方法の工夫」が入っているように思います。例えば講義形式のもので、通信教 育、e-ラーニング研修というように、例えば13頁のほうに、研修方法のほうに移したほう がいいのではないかと思われるようなところもあるので、研修体制と研修方法を区別して 考えられたほうがわかりやすいのではないかと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。確かにそうですね。体制と方法を区別して、整理し たほうがいいというご意見でした。それは考えてみたいと思います。あと、7頁まででご 意見はありませんか。 ○羽生田委員 4頁の2)で、「規模によっては研修責任者が教育担当者の役割も担うことも あり」ということですが、もっと小さい所では、研修責任者がそのまま実地指導者という 所もあり得るわけですね。 ○石垣座長 はい。 ○羽生田委員 ですから、どう書くかは別として、その辺の例を挙げるのであれば、そこ までの例を挙げていただいたほうがいいのかなと思います。 ○石垣座長 新人看護師を支える人がどういう人なのかということをはっきりさせるとい うのが、ここで強調していることですので、ありがとうございます。 ○坂本委員 5頁の(4)ですが、この配置例の中に、「研修の質を保障するために出来る限り 専任とすることが望ましい」と書かれているのですが、このように言い切ってしまうかど うか。専任となっている所も、そう多くないと思うのです。だから「望ましい」とするか どうか。もう少し緩やかに書いたほうがいいのかなという気がします。 ○石垣座長 部署の研修の責任者ですね。 ○坂本委員 はい。この専任というのがどういう意味なのか。 ○石垣座長 研修責任者、(4)ですね。 ○坂本委員 (5)の上の配置例の所です。「研修の質を保障するため出来る限り専任とするこ とが望ましい」、この専任という意味が専らそこだけやっている人なのか、それとも何かを しながらそれをする人なのか。おそらく何かをしながらする人ということが、ほとんどだ と思うのですが。 ○島田課長補佐 専らこの研修プログラムの作成・企画・運営を行う方という意味で、専 任としております。 ○西澤委員 要するにいまの説明だと、専任というのはこの仕事以外はしてはいけないと いうことですね。実は診療報酬上の専従・専任の区別がありまして、いまの説明は専従で す。専任というのは、これの責任者になるけれども、他の仕事もいいというのが専任です。 だから私はその専任ととらえて、専任ならいいと思いました。 ○島田課長補佐 すみません。そちらがそうです。解釈として両方取られて、厳しめにと らえた方は、もしかするとこれだけという考えだとすると、誤解があると思いますので、 ちょっと書き方を。 ○坂本委員 そうですね。書き方を少し考えていただいて。専任という言葉が一人歩きし、 これを専従にしなければいけないのか、とならないようにしていただきたいです。 ○石垣座長 ありがとうございます。専従というのは、現実的ではないという意味ですね。 ○北村委員 5頁の上の(2)「実地指導者」の配置例で1)と2)ですが、「新人看護師に対し 継続的に指導を行う一人の指導者を配置する」というのと、2)であれば「各新人看護師に 対し複数の看護職員を指導者として配置する」というのが、わかりにくいのですが。 ○石垣座長 看護の場ではよく行われることですが、これについて現実になさっている方 からご説明をいただけませんか。お願いします。 ○坂本委員 1人の新人看護師に対して、複数の看護職員というのは、おそらくこういう 意味だと思います。1人の新人看護師に対し、指導者となる何名かの看護師がチームとな って担当している。その時その時、新人看護師に関わる看護師が、そのときに教えるとい う、そういう意味ですよね。 ○石垣座長 1)のほうは、1人の新人看護師に対して1人の人がいて、その人が主に責任 を持って指導するという。それから2)というのは、1人対1人ではなくて、例えばチーム で複数の看護師がAチームに配属された新人に対して、それぞれ指導をするという。だか らAチームに配属された各新人に対して、Aチームの先輩が指導をするという、そういう 配置だと思いますが、事務局はそれでよろしいでしょうか。 ○北村委員 1)は2人でなく1人と読んだのですが、そうするとAチームで、複数で1人 の人を教えるということは、1)と矛盾するのではないかと。 ○石垣座長 これは例で、こういう例もあるし、こういう例もあるということを、ここで 申し上げているのですが。 ○北村委員 なるほど、いろいろな例があるということで。 ○石垣座長 はい。ですから、その状況によってどういう例を取るかというのは、その部 署で考えていく。例えばこういう例も、こういう例もありますよということを例示してい るのですが。 ○北村委員 わかりました。 ○石垣座長 ありがとうございます。今日はたくさん議論していただきたいのですが、だ いぶ時間が過ぎているので、次に進めさせていただきます。次は2の「新人看護師研修」 の所です。8頁です。研修内容と到達目標について、まずご意見をいただきたいと思いま すが、いかがでしょうか。これは、これまでも平成16年にだされた青いパンフレットを用 いて、何回かご意見をいただいたところですが、これに示されている看護実践能力の向上 を、ここで少し具体的に述べているのと、到達目標について述べておりますが、これにつ いてご意見はございますか。 ○福井委員 ドクターのほうでも似たようなことをやっているので、同じ考え方で是非作 ってほしいと思っているのですが、例えば9頁の「組織における役割・心構えの理解と適 切な行動」の(1)「理念を理解し行動する」という箇所ですが、これは「理解し」という知 識の側面と、「行動する」という技能の両方の動詞を使っていて、到達の目安は知識なので すね。知識としてわかるというのが目標であれば、文章もそれに対応した動詞を使ったほ うがいいと思います。例えば理念を説明できるというのが、知識を持っていることの現れ ですので、一貫性を持たせたほうがいいと思います。  似たような点は他にもあって、11頁のいちばん上、安全管理と情報管理の所ですが、安 全管理の(1)、これも「理解する」という動詞を使っていながら、到達の目安は「実施でき る」となっています。これらは整合性を持たせたほうがいいと思います。 ○石垣座長 わかりました、ありがとうございます。もう一度、見直してみます。他にい かがでしょうか。 ○羽生田委員 今回は到達の目安についても、ここでいま議論をするということでよろし いのですか。 ○石垣座長 はい。到達の目安というか、その設定について。 ○羽生田委員 要するにIVかIIIかIIかIかということでもよろしいのですか。 ○石垣座長 そのご意見をいただければありがたいです。 ○羽生田委員 例えば10頁の上から6つ目、「呼吸・循環を整える技術」という中に、人 工呼吸器の管理、これは知識だけでいいのか。それから、その3つ下に救命救急の処置、 これも本当にIIIでいいのか。この辺は、やはり命に直結する話ですから、目標としてこの IV、IIIくらいでいいのかどうか。もう少し上に設定すべきではないかということを、いま パッと見たときに感じました。 ○石垣座長 ありがとうございます。これまでも議論がありましたけれど、侵襲を伴う技 術は段階的に達成度を見ながら段階的に教える。ただ、部署によっては侵襲が強くても、 早めに教えなければいけないという所は当然出てくると思います。ですから、これはあく までも目安で、達成度を見ながらやっていく。 ○羽生田委員 どの程度かという問題もやりますが、ACLSの研修の、一般の方々の研修で も、このレベルを目標にしてやっているわけですよね。ですから、それが看護師という資 格を持ったときに、このIIIでいいのかという疑問を、私はちょっと感じたわけです。 ○石垣座長 ありがとうございます。救命救急処置技術のところですね。 ○坂本委員 私も同感で、やはり研修期間を1年と一応想定しているわけですから、フィ ジカルアセスメントや侵襲性が高い技術に関しては、早くからきちんと教えていくような 形にしたほうがいい気がします。  何段階かに分けて緩やかにで達成しましょう、というものではなくて、最初から最終目 標を決めたほうがわかりやすいと思うのです。それは、各施設でナースの状況にあわせて 対応していく必要があると思いますが、この検討会では、到達目標をひとつのゴールに決 めておいたほうがいい気がします。 ○石垣座長 そうするとIまたはIIの目標が望ましいということですね。 ○坂本委員 はい。最終的には「到達すること」を目標にする、ということです。 ○石垣座長 実施できる、あるいは指導のもとで実施できるという目標にしたほうがいい ということですね。ありがとうございます。たぶんこの中身については、もう少し詰めな ければならない所があると思うのですが、この項目の内容は、こういう項目で進めていく ということでは、よろしいでしょうか。  到達目標のところも、たぶん一つひとつご意見があると思いますので、是非お気づきの ところは後ほどでもよろしいですから、事務局のほうにご提案いただきたいと思いますが、 こういう項目で進めていってよろしいでしょうか。これは、かなり到達目標の指針に沿っ たものですが。 ○庄野委員 それで私もいいと思います。前回の到達目標からずっと踏襲されてきている ので、その流れを崩すことなく、わかりやすいと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。いま、平成16年の報告書は、多くの施設で参考にし ながら研修に使われているので、これに沿ってするのが、きっと現実的だと思いますが、 この項目に沿って進めるということで、ご了解を得たということでよろしいですか。 ○石垣座長 実施できる、あるいは指導のもとで実施できるという目標にしたほうがいい ということですね。ありがとうございます。たぶんこの中身については、もう少し詰めな ければならない所があると思うのですが、この項目の内容というのは、このように進めて いってもよろしいでしょうか。こういう項目で進めていくということでは、よろしいでし ょうか。  到達目標のところも、たぶん一つひとつご意見があると思うので、是非お気づきのとこ ろは後ほどでもよろしいですから、事務局のほうにご提案いただきたいと思いますが、項 目はこういう項目で進めていってよろしいでしょうか。これは、かなり到達目標の指針に 沿ったものですが。 ○庄野委員 それで私もいいと思います。前回の到達目標からずっと踏襲されてきている ので、その流れを崩すことなく、わかりやすいと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。いま、平成16年に出したこれが、多くの施設で参考 にしながら研修に使われているので、これに沿ってするというのが、きっと現実的だと思 いますが、この項目に沿って進めるということで、ご了解を得たということでよろしいで すか。 ○北村委員 この円というか絵がありますね。中心からIIIIIIの順番であるという理由は、 なぜかわからないのですが、いちばん中心が必要な基本姿勢で、2番目のオレンジ色が3 番の管理的側面で。 ○石垣座長 2番目が技術的側面ですね。 ○北村委員 それが、いちばん外側になっているように見えるのですが。 ○石垣座長 円の図形の中身ですね。 ○北村委員 ええ。その図形の意味と、この順番とが何を表しているか、よくわからない のですが。 ○石垣座長 これは先ほどの説明もありましたが、これが一つひとつ独立してあるもので はなくて、統合してなされることだというのは、先ほども説明がありましたが。 ○北村委員 統合してされることはわかるのですが、この絵であれば、例えば基本姿勢と 技術とは離れていて、間に管理があるという、その構造は、3つが合体しているのとはち ょっと違う気もするのだけれど、それはそれでいいのですが、やはり普通にいったら中心 から順番にIIIIIIとあったほうが読みやすいと思ったのですが。 ○石垣座長 なるほど、そうかもしれません。これについてはいかがでしょうか。最初か らこんなものだと思ってやっていたので、改めてそうだなと、いま私自身も思っていると ころです。 ○北村委員 前の青いのがありますので、それの継続性も大事なので、あえてこだわりは しませんが、もし変えるチャンスがあればということです。 ○石垣座長 そうですね。これは、また報告書を少し細かく読んでみて、その意図を確認 したいと思います。ありがとうございました。もっとご意見をいただきたいところがあり ますので、いまの北村委員のご意見なども含めて、到達目標や中身について、是非また後 ほど事務局のほうに意見を出していただければ、ありがたいと思います。次に2の研修方 法です。これは研修方法、研修評価、技術指導の例の説明が先ほどありましたが、それに ついてご意見をいただけますか。13頁からです。まず研修方法について、これまでいただ いた意見を基に例が示されているのと、研修評価は15頁です。技術指導の例は別紙で示し ていますが、この技術指導の例についても以前にご意見をいただきました。まず研修方法 についてはいかがでしょうか。 ○羽生田委員 初めのところにも出ていたのですが、免許証が来るのが4月末ぐらいでし ょうかね。その間の研修というか、いわゆる講義的で実際に手を出さないものを、その間 にやるといったことは書く必要があるかどうか。 ○石垣座長 国家試験に合格してから、実際に免許証をいただくまでの間のことをおっし ゃっているのですね。そのことについて、ここに記す必要があるかということですね。現 実の場ではいかがでしょうか。 ○熊谷委員 いま国家試験に受かって、すぐ手続をすると登録済証明書がすぐ来ますので、 現実の免許が来るのは遅いのですが、割とかなり早くに、2週間ぐらいで手元に来ている ような気がします。 ○石垣座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。 ○熊谷委員 研修の展開方法のところですが、前回の検討会で展開の仕方のところは北村 先生からもたくさんアドバイスをいただき、段階的にやる中で例えば見せてやっていく。 できなかったときには、1つ前に戻ってもう一度やっていくというところが反映されてい るので、これは今までの議論が集大成されて私はいいと思います。 ○石垣座長 そうですか。ありがとうございます。研修の展開はきっと参考になると思い ます。 ○熊谷委員 もう1点は、14頁のいちばん下ですが、これから議論になると思う指導技術 のマニュアルというか手順の中で、基礎教育でもやっていることをもう一度、この新人看 護師として研修を受けていくわけです。このあたりが学生のときとは違うポイントかなと 思って理解していますが、これを読んでいるとすごく難しいというか、多重課題を抱えな がら複数の患者を受け持ち、決められた時間内で優先度を判断し、安全に焦点を当てて指 導しなさいというのは、そのとおりですけれども、なかなか厳しいと思ったのです。ほか の先生方はどうですか。 ○石垣座長 例えば、どういうふうにやると現実的でしょうか。 ○熊谷委員 ここの中身も段階的に書いたほうがいいと思いました。全部まとめて書くと 全部になってしまうので、これらを段階的に年間の中で進めていくという言葉を追加した ほうが、いいと思いました。 ○石垣座長 そうですね。ありがとうございます。全くそのとおりだと思います。 ○庄野委員 15頁の上の2つの○ですが、「新人看護師自ら、受け持った患者に必要な看 護を考え判断する能力を養う」とある点と、その下の○で、「スタッフの支援体制を整備」、 「適宜、集合研修の後などに、新人看護師が定期的に交流できる場を設ける」とあります。 上のほうの「考え判断する能力」というのは、経験を何回も重ねると技術ができてきます から、「考え判断できる能力」がその次にどう伸びるかが非常に大事で、そこを伸ばしてあ げる指導がすごく大事だと思いますし、この点に言及されているのはすごくいいと思って います。  下の○に関しては、「定期的に交流できる場を設ける」というのが現場にいても実感する ところです。特に現場の先輩やスタッフには馴染めても言えないことがあったりするので、 意図的に同期生との交流の場を設けるのは、ストレスが緩和すると本人たちからもよく聞 きますから、これを盛り込んでくれたことは私は賛成です。 ○石垣座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 ○村上委員 15頁の評価のところですが、この新人への一つ一つの技術指導、評価はすご く重要になると思うのです。もう少しここを分かりやすくというか、新人もわかりやすく 文章化できないかと思います。上のほうの評価の考え方に文章が入っているのでいいかな と考えたのですが、一つ一つに対して直接の指導、観察をして評価する。その評価の順序 としては自己評価、同僚評価、指導者の評価、そしてポジティブフィードバックと、新人 がわかりやすい、教える側もわかりやすい評価の記述の仕方があると、わかりやすいかな と思いました。 ○石垣座長 いま、おっしゃったようなことは、大体含まれていると思います。 ○村上委員 そうですね。(1)(2)(3)ぐらいにして。 ○石垣座長 ただ単に、「できた」「できない」と評価するのではなく、次の行為につなが るポジティブなフィードバックにするのと、段階的にするのと、自己評価、他者評価、こ れは話合いをしながら進めていく。そういうことをもう少し具体的に入れたほうがいいと 思いますか。 ○村上委員 というのは、後ろのほうを全部見たときに、そういうことがどこかにあるの かなと思ったのですが、計画するときにそういう1つの視点というか評価の仕方が書いて あると、実際、現場で導入しやすい。 ○石垣座長 いま、おっしゃったことは、技術ということでしょうか。 ○村上委員 そうです。 ○石垣座長 たぶん、これは技術指導の中でかなり詳しく書いたつもりでいるのですが、 もしまたそこで具体的に、もっとこういうことを加えたほうがいいというご意見がおあり でしたら、是非また出していただければありがたいと思います。 ○福井委員 いまの評価のところで、これを修了したことの修了証を出す、出さないとい うのはあるのですか。どこがスーパーバイズするのかわかりませんが、ある一定の質の研 修を受けたことを証明できれば、やりがいを持てるかもしれません。 ○石垣座長 そうですね。以前にもそういうご意見をいただきましたが、いかがでしょう か。この新人研修の研修そのものがオーソライズされていないというか。 ○福井委員 別に厚生労働省がということではなくて、このプログラムを例えば複数の病 院がやっているかもしれないし、1つの病院がやっているかもしれませんが、そこから何 か出すということは、医師のほうもかつての努力義務のときに、ほとんどの研修病院がし ていました。何かそういうことも。 ○石垣座長 医師の場合は、例えばどういうのを修了証と言う形になっているのですか。 ○福井委員 いまは、2年間の臨床研修についての証明書は、本人には出していません。 それが終わったということを本人が届け出をして医籍に登録しているのです。ですから、 それぞれの病院で研修をちゃんと終わったという証明をしてもらった上で、形としては本 人が厚生局に届け出をして、2つ目の医籍登録をしています。医師免許に加えて2つ目の 登録です。何かあるとやりがいがある。 ○石垣座長 そういうことも盛り込んだほうがいいと。施設で1年目の研修は無事修了し ましたというものを出したほうが、より励みになる。 ○羽生田委員 6.に、まだできていませんけれども研修手帳の例があります。総括的な評 価を行うにあたっては、その部署の所属長あるいは教育担当者等の総合的な評価が、この 手帳の最後にあれば、そういった評価ができる。それはどういう時に使うかというと、病 院を移るときに「あなた、研修しましたか」と面接で出てくるので、その時にそれを出せ ると思います。そういった評価も1つの方法かなと思います。 ○石垣座長 研修手帳の最後に、それを盛り込んだほうがいいという提案でした。 ○北村委員 手帳って、皆さんはどんなイメージですかね。これだけ青色で書いてある内 容をやるのだったら、少なくともこういう手帳ではないですよね。私はこれくらいのもの をイメージするのですが、そうするとポートフォリオと書いたほうが、手帳ではないです から研修ポートフォリオにして、最後の1枚のところに福井先生がおっしゃるような各病 院長名で、研修を修了した修了証をきちんと押える。そして羽生田先生がおっしゃるよう に、転職するときはむしろこれをバインダーごと見せて、私はどこで救急を覚えて、どこ で何をやったとか、手術場の経験はここにあるとか、そういうことがバインダーの中でわ かるようなポートフォリオのほうが、手帳よりははるかにいいのではないかと思います。 ○村上委員 助産師の実地指導者研修のときは、修了証はきちんと位置づけられましたの で、例えば最初の基本的な考え方のところに病院全体で取り組むとして、新人の名前、院 長名、看護部長名、教育指導責任者名の3人の印鑑を押して作ったと思います。修了して それをお渡しすると喜んでいたし、励みになったようでしたので、それは可能ではないで しょうか。 ○石垣座長 本人のこれからの成長を考えると、もちろん修得したこともそうですけれど も、個人的に経験した事例を盛り込むと本人の成長に非常に役立つなと、私は常々思って いましたが、そういうことを含めると単純な手帳ではなくて、もっとバインダー方式みた いなものにしたほうが、専門職業人として次に進むものになり得るのではないかというご 意見ですね。ありがとうございます。 ○福井委員 細かいことですが、14頁の上の表で5の個人学習のところのいちばん右側に、 「看護学教育においては、しばしば教育方略」と書いてある。「方略」というのは特殊な言 葉ですから、もし研修方法という言葉で統一するのであれば、方略という言葉がここに入 らないほうがいいのではないか。 ○石垣座長 わかりました。ありがとうございます。そうですね。言葉の整合性とか選び 方について、これからまた吟味していきたいと思います。 ○福井委員 それと、言おうと思って忘れていたのですが、いまの左側の文章ですけれど も、「学習者が手順をうまく実践するために、一つ一つの行動をリストアップし評価する」 というのが、何を言おうとしているのかはっきりとはわからない。 ○石垣座長 これは、一つ一つの技術のことを言っているのだと思いますが、わかりまし た。これも誰にもわかるような表現にしていくべきですね。あと技術指導の例は前回にご 意見をいただきましたので、何かお気付きの点がありましたら改めてまた述べてほしいの ですが、全体的なというか、研修方法、研修評価、技術指導の例については、いかがです か。 ○羽生田委員 先ほど私が申し上げた手帳の後の利用みたいな話で、これが逆に障害にな っては困る。ハードルが高くて「あなた、研修していないから、就業させません」という のでは困る。ですから1年が一応の目標ですけれども、その後もその手帳を見た結果とし て、ここはもう少し研修しましょうとか、そういった取組みを、どう書き込むかわかりま せんけれども、各病院での対応としては、その辺を是非考えていただきたい。していない から就業できませんでは困るわけです。 ○石垣座長 わかりました、その辺は成長につながるような表現でするということですね。 たくさん建設的なご意見をいただきましてありがとうございます。次に進んでよろしいで すか。16頁以降で、実地指導者の育成、教育担当者の育成、研修計画、研修体制の評価に ついてです。このことについては今まであまりご意見をいただいていない部分もあります ので、是非、ご意見をいただきたいと思います。実地指導者は、直接新人にOJTで指導す る人のことを言っています。 ○坂本委員 この「実地指導者」は、きちんと教えられる必要がありますよね。それはど こに入っていますか。例えば、「適応状況を把握できる」という事が入っていますが、「技 術指導ができる能力」というのは、どこに入っていますか。 ○石垣座長 例えば能力のところで、一人ひとりの実践力に合った指導をするとか、そう いう表現ですけれども、もう少し具体的に書いたほうがいいということですね。 ○坂本委員 はい。この指導者がきちんと技術ができなければ新人看護師には教えられま せんので、そこができるかどうかという項目を入れていただきたいと思います。 ○石垣座長 これは実地指導者に求められる能力ではなくて、実地指導者がどういうこと をする人かというところで述べたほうがいいと。 ○村上委員 5頁の実地指導者のところに、「基本的知識、技術、態度を有し」とあって、 それを受けているのだと思います。私もこの辺のところは総合して前後と見たのですが、 教育担当者も「模範となる看護実践力をもち」と書いてあり、その後ろにこの指導者の育 成を受けて書いていると思って読んだのですが、どうでしょうか。 ○石垣座長 ですので、ここの研修体制の組織と役割のところで、どういうことをする人 かを述べていますけれども、いまIIIで、この人たちをどのように育てていくかを言ってい るのですが、もう一度ここで実地指導者は何をする人かを確認した上で、ここに進んでい ったほうがわかりいいかもしれません。 ○福井委員 でも看護師として必要な基本的知識、技術、態度を有しているかどうかまで 勉強してチェックされ、それから実地指導者として教えることについて学んでもらうとな ると、これは大変なことです。ですから、どちらかというとこれは教えることに特化した カリキュラムにしないと、やっていけないのではないでしょうか。 ○石垣座長 新人を指導するところにフォーカスを当てて、その人たちをどのように育成 したらいいか、考えていったほうがいいということですね。 ○福井委員 教えられるだけの基本的な部分、看護師としての基本的な知識、技術、態度 のある人を選んで、教えることについての考え方や、教え方のテクニックを学んでもらう ようにしたほうがいいのではないか。 ○海辺委員 私も全くその考え方に同感です。というのが、指導側にスタッフを回すとき には、いろいろな病院の事情がある中でも、一応、この人は大丈夫だろうという判断のも とに、その方を実地指導者にすることが大前提だと思うので、今度はどうしても教えるこ とがわかっていないと、バーンアウトにつながってしまうと思います。こういうことで新 人とよくトラブルになりがちなので、こういうところは、こういうふうに受けてとか、そ ういう、もっと教える側の立場のマニュアルになっていくべきだと思います。あとは努力 目標でいいところと、最低限やっておいたほうがいいところは、分類したほうがいいと思 いました。 ○猪又委員 実際に、いま行われている実地指導者の研修の多くのものが、いま皆さんが 発言されているように、技術のところはある程度できている人が対象になっていますし、 教育方法や指導の仕方のところをメインにやっていますので、私もそれでいいと思います。 ○福井委員 少しそれにも関わりますけれども、21頁に例として短期集中型のものが出て います。この中で研修項目の5の「新人看護職員研修の理解」は、必要ないのではないで しょうか。現場のことがすでにわかっている人でないと、まずいのではないかと思います。 ○石垣座長 これについては、いかがでしょうか。現場でたまたま起こり得ることは、例 えば新人看護師に対しては集合教育とOJTという形が普通ですが、集合教育でどういうこ とを新人が教わったかを受けて、OJTではどうかというつながりを大事にしなければいけ ない。これは組織の実地指導者を指導する考え方、やっていることにもよるのですが、時 として集合教育とOJTがつながらない。集合教育とOJTをどのようにつなげたらいいかの ご意見も、この検討会では出ていました。そこのところを少し強調したとも考えられます けれども、事務局はどうでしょうか。 ○坂本委員 私が22の施設の報告書から取り出したものですけれども、これは、部署の中 で初めて教育担当者となる人たちに、どのようなことを教えていくかなのです。新人看護 職員研修が、この病院でどのようにやられているかを、新しくなった人たちは初めて経験 するので、これを入れているのだと思います。あとは国の動きとかも入っていると読みま した。だから実地指導者とはちょっと違う話です。 ○石垣座長 教育担当者です。福井先生、いかがですか。 ○福井委員 教育担当者を教育するのに、新人看護師よりも勉強してもらわなければ駄目 みたいに何となく見えてしまう。 ○石垣座長 どうですか。 ○猪又委員 教育担当者は、実地指導者なりを経験してきている人が基本だと思います。 そういう意味では、おそらくこの集合教育のところとか、実際の指導場面の見学を自分で 体験しているところがあるので、あえてプログラムにまでは入れなくていいのかなと、私 はいまのご意見に賛成です。組織の教育システムのところに新人看護職員研修の概要があ りますので、先ほどあった国の動きであったり、実際に自分の施設はこういうものをやっ ていますというところは、ずいぶん話がされると思いますし、実際に教育担当者になった 場合は、自分でそこに関わって指導していくことになると思いますから、あえてこの何日 間の現場を見るというのは、私も必要ないのではないかと思います。 ○石垣座長 5は1の中に含めていいのではないかということ。 ○熊谷委員 私の所では、実際にこれがプログラムに入っています。というのは、自分の 施設だけの教育担当者を養成しているわけではなく、他施設の方も養成しています。です から、先ほどから出ている実地指導者も教育担当者も、全部兼ねなければいけないような 施設の方を養成するには、現場が実際にどうなっているか経験するのは非常に有意義な教 育になっています。これが必須ではなく選択制という方法もあるのではないかと提案した いと思います。 ○石垣座長 西澤先生、どうですか。 ○西澤委員 似たような件ですが、それぞれの実地指導者、教育担当者、さらに上には研 修担当者がいる中で、いま言ったように、同じ施設にいれば1つずつ経験していくから、 ダブらないようにすればいい。いま言った外のこともあるのであれば、それぞれのを個々 に考えて、あと組合せでどうやるかをうまく書いていただいたほうがいいと思います。  これを見ていると、実地指導者の中にも、もしかしたら研修責任者のことではないかと 思うものが入っている気がしますので、できればそこら辺を全部まとめて整合性のある、 ダブらないものを1回作っていただいて議論したほうが、わかりやすいと思いました。 ○石垣座長 わかりました。ありがとうございます。 ○北村委員 21頁、22頁を見て質問と意見ですが、この●の集合研修というのは講義のよ うなものをお考えなのでしょうか。というのは、医師の指導者研修は2泊3日が基準のス タイルで行われていて、もちろんそういう講義もありますが、多くの場合はいわゆるワー クショップスタイルで、7〜8人のグループでディスカッションしています。  それと、ここに集まって来る人たちは指導経験があるという前提で、福井先生がおっし ゃったように基礎的なことはむしろ話さずに、安全な看護ができない人を経験した話を持 ち出して、安全な看護をできない看護師はどうするか、困った新人看護師の対応をどうす るか、もっと実地に即したものをする。教科書に書いてある知識ではなく、現実的なもの をディスカッションすることによって得てもらったほうが、いいのではないか。実際の指 導経験がある人ばかりですので、と思ってお聞きしたわけです。 ○石垣座長 ありがとうございます。研修の方法として講義形式だけでなく、もっと参加 型あるいはワークショップ型を取り入れたほうがいいということですね. ○北村委員 むしろ、そっちをメインにやる。 ○石垣座長 わかりました。 ○坂本委員 22施設の中から取り出したものなので、これがいちばんいいと思って出して いるわけではありません。言い訳するみたいですが、この●のどういう講義形式が望まし いとかは、また例として作り上げればいいと私も思います。 ○石垣座長 そうですね、ありがとうございます。 ○羽生田委員 21頁、22頁の両方とも表のいちばん下に、やる施設のこと、研修をどうい った所でと書いてあるのですが、これは実際の育成のどこかの項目の中で、どういう場所 でどういう形でやるか。研修をやる施設なりやり方なり、主に場所とどういう指導者がや るか、その辺のところを是非書き込んでいただきたい。いろいろな形があると思います。 この表の下にあるだけではないだろうと思うので、その辺、どこまで具体的に書けるかわ かりませんが、項目を起こして是非お願いしたい。 ○石垣座長 この項目については、これまであまりご意見をいただかなかったところを、 いま事務局が案として提案していますので、いまいただいたご意見を参考に、少し形を整 えていきたいと思います。ほかにご意見はございますか。 ○北村委員 医師の研修では、いわゆる首にできないのです。困った研修医あるいはかな りデプリシエイティブ(depreciative)な場合であっても、それをうまく指導するというこ とのガイドがないのです。これを見ていると特に教育担当者クラスの人には、例えば安全 な看護ができない看護師の抽出と、それの見極めです。「あなた、臨床をやめたほうがいい よ」というのも、場合によっては言わなければいけないシーンもあるのではないかと思い ます。看護師はそういうことはないのですかね。医師の場合は、ここだけで記録しないで ほしいのですが、本当に困ることもあるのです。そういうところを無理やり修了させてい いのかなという気もするのです。教育担当者クラスですと本当に安全でない人、あるいは レベルがそのレベルになかなか達しない人たちの対応をしっかりできることも、教育目標 に書けたらいいのではないかと思います。 ○石垣座長 1人で責任を負うというか、1人でないかもしれませんが、基本的には1人で 責任を持つ医師と、チームで補い合いながらしていくナースの研修体制は、きっと違うと 思います. ○坂本委員 いま先生がおっしゃったことが、ここの中に表われてこないいちばん大きな 問題だと私は思います。それは課題解決等を実施している中での困難さとして、会議等で 解決していくプログラムを入れたらどうかということで、私はいいと思います。 ○石垣座長 先ほどおっしゃったことですね。ワークショップとか参加型のあれで。 ○坂本委員 この項目の中に、課題解決や問題解決の点で、自分だけで解決できないもの は他から学ぶ、というような項目も入れたらどうかを示し、教育担当者の部分の項目とし て入れてしまう。 ○石垣座長 現実としては、そういうことは非常に大きな課題ですし、悩んでいる所が多 いと思いますので、そういうことも含めるということで。 ○北村委員 一応、医師の研修ですと、ずいぶん時期が遅れて我々が問題を出した後にな って、厚生労働省から研修修了を認めない場合ということでガイドラインが出ています。 複数の病院で研修をする。要するに1つの病院では駄目だというのだったら、必ずその病 院の責任で他の病院を紹介して、そこで研修する。複数の病院で駄目だということであれ ば研修修了を認めないみたいなルールで、正確には言えないというか大体覚えているので すが、その際の基準は、「法律に則った医療ができない」と「安全な医療ができない」で、 かなりハードルは上のほうにあるのです。そういうことも決められてはいます。 ○石垣座長 そうですね。ありがとうございます。 ○村上委員 先ほど管理の側面が、なぜ2のところにあるかというのが、この図を作ると きに、専門職として法律をきちっと把握していることがあった上での基礎的知識というこ とで、真ん中にきたのです。だから、いま北村委員が言われたことはすごく重要なことで、 これができていると思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。いろいろご意見をいただいていますが、熊谷委員、 どうぞ。 ○熊谷委員 先ほどポートフォリオのように、新人のナースには臨床研修が修了したこと を積み重ねていくということで、教育担当者や実地指導者も研修が終わった段階で、修了 証なりが出てくるといいと思っています。 ○石垣座長 教える人にも修了証が出るといいということですね。 ○熊谷委員 こういう研修が終わったという修了証を出すと、いいかと思います。 ○庄野委員 細かいところで申し訳ないのですが、18頁の教育担当者の育成で、2.の2) の(3)に「部署の職員に対して理解や協力を求める説明」、が役割として求められると出て いるのですが、協力を求めてそれを調整するというあたりを文言として入れていただけれ ば、そこはすごく現場では大事なところになります。自分1人で教育担当者、実地指導者 は時間的にもできないというのがありますので、そういうところを入れてもらえたらと思 います。 ○石垣座長 ありがとうございます。そのほかに、このガイドラインの構成や追加する項 目等について、いま、またいろいろご意見が出ていますが、それを含めてご意見がござい ますか。 ○海辺委員 私がこういう活動をしていると、このごろ必ず出てくるのが、いろいろと医 療者の暴言だったり患者の暴言だったり、そういう暴言対策のようなものというか、そう いうリスク管理的な要素もどこかに入れていかないと、いけないのかなという気がちょっ としたのです。どの項目でどのように入れるのか、いま具体的には出てこないのですが、 結局、いま医療現場が過酷な中で、立ち去る第1の要因に暴言が挙がったりしています。 私が患者会活動をしていると、モンスターの親分扱いで「お前、どうにかしろ」みたいに 言われることもあるのです。私の患者会にあまりモンスターはいないので、どうにもしよ うがないなと思うのですが、いま、どこの現場でも、例えばホテルや商店でも全部、クレ ーマーとかモンスターみたいな方の対策が盛り込まれているので、是非、医療現場の方も 過酷な中で燃え尽きないように、そういうモンスター対策をして、お互いに暴言は許さな いよという感じのことが盛り込めると、いろいろなリスクがあると思いますけれども、そ れも1つのリスクかなと感じたものですから、以上です。 ○石垣座長 ありがとうございます。組織の管理事項としては安全管理などが必ず出てい ると思いますが、マニュアルの中にどういうふうに盛り込むか、1つの課題かもしれませ ん。 ○西澤委員 いまの件は看護部門だけの問題ではなく、病院という組織全体の問題で、す べての職種を対象に各病院がそういうことをやっていますから、今回、看護職としての中 にはあえて入れなくてもいいのかなと、もっと大きいところでやるということだと思いま す。ただ、どうしても大事だから少し項目として入れておくぐらいであれば、いいかなと 思います。看護だけでこの責任を負わすとかの問題では決してない。これは私たち経営者 側が、すべての職種を守るためにしなければならないと思います。 ○石垣座長 これは、新人看護師のガイドラインなので、新人看護師がそういう体験をし たときにメンタルサポートや上司に相談するなど、そういう仕組みがあることは望ましい。 このサポートのところでメンタルサポートも書いてありますが、例えばとして、そのよう なことを盛り込むことも可能かもしれません。 ○福井委員 外国では、複数の職種が一緒に研修をしよう、学習をしようという話になっ てきています。私たちの所で必ずしもやっているわけではないのですが、共通項目につい ては病院全体として全部の職種をまたいで、一緒に勉強する機会を持つことが望ましいの ではないかと思います。 ○石垣座長 なるほど。 ○福井委員 最近は、インタープロフェッショナル・ラーニングという名前で、ある1つ の職種だけでの学習を、できるだけ打破しようという動きがあるみたいです。 ○石垣座長 中でどこかに書いてありましたね。それをもう少し具体的に示すこともあっ ていいですね。ほかの職種と共同に学び合い、育ち合うことが望ましいということですね。 ありがとうございます。 ○坂本委員 9頁の「看護師として必要な基本姿と態度」の表2にある、看護職員として の自覚と責任ある行動は、看護職だけのことではないと思います。そういう意味では、こ の到達度はこのように書かれているけれども、研修の方法としては病院全体で医療職と一 緒におこなう、というようなコメントを入れておくことのがいいと思います。さらに、い ま海辺さんが言われたように、患者さんの言葉がきついときなどに怖がる新人看護師がい るのです。そのときに組織における役割・心構えの理解と適切な行動の、(3)「チーム医療 の構成員としての役割を理解し協働する」の中に、医師、看護師といった職種だけでなく、 例えば患者さん自身の中に入ってくださる、メディエイターみたいな方たちもいることを 理解するとか、その人たちに何かお願いができるとか、そういう内容も入れたらよろしい のではないですか。 ○石垣座長 ということは、基本姿勢と態度のところを、もう少し具体的に書くというこ とですね。そのほかも入れるということですね。 ○坂本委員 はい。これを研修する方法としてです ○石垣座長 これはダイジェストですけれども、実際の報告書の中にはかなり詳しく説明 が入っています。今回も、もう少しこの中身について具体的にしないと、一つ一つの項目 がわかりづらいし、いろいろな解釈ができるので、そのことは、いま坂本委員がおっしゃ ったような工夫が必要かと思います。 ○西澤委員 いま議論しているような視点で見ると、どうしても看護部という中でのこと しか書かれていない。ところが実際は先ほど言った9頁でも、病院の理念、組織、機能に ついて、全新人職員まとめて組織でやっているのです。それを改めて看護師だけ対象に病 院の理念はこうだというのは、おそらくどこもしていないと思います。今回は看護部だけ ですけれども、それを超えた組織の中でやる役割をどこかに書き込んで、それをうまく取 り入れた目標という書き方も、できるかなと思います。 ○石垣座長 そうですね。4頁の「新人看護師を支える体制の構築」で、医療機関全体で 取り組むものを強調していますが、これをもう少し具体的に含めると、先生がおっしゃっ たようなことが盛り込まれるかもしれません。看護部だけではない、新人を育てるのは病 院全体の人たちが育てていくのだということ。ありがとうございます。このガイドライン の構成としては、こういう構成で進めていってもよろしいですか。今日も具体的なところ で建設的なご意見をいただいて、これからまたそれを整理していかなければいけないので すが、全体構成としては、こういうことで進めていくことでご了解をしていただけますか。 ○坂本委員 6頁のいちばん下の表ですが、プリセプター、チューター、エルダー、メン ターシップというのは、例として出すのですか。 ○石垣座長 さまざまなところで呼び方が違うので、これは前回もご意見をいただきまし たけれども、どういうふうにしたらいいと思いますか。 ○坂本委員 私は、これは要らないのではないかと思います。あまり多くの片仮名が載せ てあると、みんなが言葉に振り回されるような気がするのです。ただ、用語解説として、 こういう言葉がいろいろなところで使われていますよ、という意味で、巻末の参考につけ て、参考程度にという事だったらいいと思います。 ○石垣座長 そうですね。いまのご意見、いかがですか。確かに場によっては馴染まない 言葉もあるかもしれませんし、またその言葉が独り歩きしても困りますね。これは参考と いった位置づけのほうがいいということですね。そのほかにございますか。 ○庄野委員 5頁の役割のところは(1)(2)(3)(4)(5)で、(4)の研修責任者のところまで役割につ いて触れてはいるのですが、最後の育成のところは実地指導者と教育担当者の育成という ところまでで、例えば研修責任者というのは施設によっては教育担当者と一緒の役割を持 っている所もある。教育担当者と言えば、そこの部署の中で全体を調整したりいろいろな 支援をしたり、研修責任者は図にあるようにもう1つ上の段階で、病院の中全体で上から 見て調整する高い能力が必要だと思います。育成の後ろに実地指導者と教育担当者を書い ていますけれども、研修責任者に関しては後ろのほうは今回入っていませんけれども、役 割の中で一緒に見ていくということでしょうか。 ○石垣座長 施設の研修責任者の教育に関しては,たぶん施設の中でというよりは、むし ろ国や地方公共団体,職能団体等でするのが適切で、施設の中でというのは、プログラム として難しい。そういう意味を込めてここに。 ○庄野委員 わかりました。 ○福井委員 20頁の研修計画、計画体制等の評価で、上から4行目でしょうか、2行目も そうですね。「集合研修、プログラムの研修終了時の」と別個のもののように書いてありま すし、そこからさらに4行ぐらい下の1)のところは、「集合研修プログラムにおける」と 書いてあります。集合研修というのはあくまでも学習方法の1つだと思いますので、これ はプログラム全体なのか、研修修了時という言葉で統一するなり、何か言葉を考えるなり していただいたほうがよいと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。そのほか、お気づ きのところはございますか。今日は大変建設的な意見をいただきましたので、これから具 体的に詰めて、また皆様方のご意見をいただきながら進めていきたいと思います。 ○羽生田委員 研修のガイドラインですが、今日もお出での委員の方々は、自分の所でも 十分できる体制の中にいらっしゃる方々がいらしているので、一つ一つが現実に即して作 られていく。それは非常にいいことで理想的だと思いますが、現実にはこれに対応できな い所のほうが多くて、9割以上の所ができないわけです。そういったときに、先ほどから 場所とか誰がやるかにこだわっているのは、できない所がどうやったら研修ができるか、 そこら辺を十分考えていただかないと、そういう所は特に重荷になってきます。時間的に も人員の少ない所は、研修時間を作るのは必要ですけれども、なかなか作れない現状があ って、実際にできなければ意味がないわけですから、その辺を十分考慮した形で、こうい う所でもできるということを示していただきたい。それを是非、ガイドラインの中に盛り 込んでいただきたいと思います。 ○石垣座長 ありがとうございます。このガイドラインを作る大きな目的の1つに、いま 羽生田委員のおっしゃったようなことがありますし、規模にかかわらず新人の採用が1人 とか2人いう所も結構あるわけです。そういう所ではこういう工夫があるということも含 めて、このガイドラインには是非盛り込んでいきたいと思います。ありがとうございます。 ○熊谷委員 いまの先生のお話の中で、こういうことのアナウンスをこれからしていくと 思いますが、そういう所にまでこの事がきちっと届いていくように、どう広めていくかだ と思います。例えば何らかの手立てをして、そこまで出向いて行って実態がどうか説明し、 1人で抱え込まなくても大丈夫だという紹介を、今後は考えていく必要があると、それは 私も同感です。 ○石垣座長 このガイドラインのできた後の普及と定着についても必要な部分で、作れば いいというのではなく、それが本当にほしいところに手が届くように考えていくというこ とですね。ありがとうございます。大体、よろしいでしょうか。全体的なことと、具体的 なところでもたくさんご意見をいただきました。まだまだお気付きのところが出てくるか もしれません。具体的なところでも全体のことでもいいですから、できれば一度お持ち帰 りいただいて、可能なら11月6日までに是非、事務局のほうにご意見をいただければ大変 ありがたいと思います。よろしくお願いします。 ○羽生田委員 もともとの新人看護師研修というのが、なぜ必要かという話は、看護基礎 教育の中で実習が十分できないというところから、教育を終わって看護師の免許を取った 後に病院に行ったら、非常に乖離があるというところから、これが出てきたわけですから、 その辺のことは「はじめに」の目的にきちっと書いて、卒業後にこういう実践の場で活か されるために、この研修をするのだということを、是非、きちっと書いていただきたい。 ○石垣座長 いま新人看護師を取り巻く状況として、どういう背景があるかということは 必ず盛り込まなければいけないと思います。ありがとうございます。 ○海辺委員 いまのお話は現状把握で、目的のところに入るのかもしれませんが、現状を 書くのであれば、理念みたいなものは絶対書かなければいけないと思いました。 ○石垣座長 このガイドラインの基本的な考え方のところで、先ほど事務局からも説明が ありましたが、そういう背景を踏まえ、現状を踏まえて、新人がどこに就職してもある程 度の指導が受けられるために、これが作られているということは、ガイドラインの中にし っかり盛り込みたいと思います。そろそろ時間がきましたので、もし何かご意見がござい ましたら、直接事務局のほうにしていただくことにして、今日はこれで終わらせていただ いてもよろしいですか。では次回以降の日程について事務局からお願いします。 ○島田課長補佐 次回は12月7日(月)、17時からを予定しています。場所につきまして は別途、ご案内をさせていただきます。よろしくお願いします。 ○石垣座長 今日は本当に建設的なご意見をたくさんいただきました。是非、いいガイド ラインを作っていきたいと思っています。お忙しい中をお集まりいただきまして、ありが とうございました。今日はこれで閉会させていただきます。ありがとうございました。 照会先:厚生労働省看護課 島田(4167) 杉田(2595)