09/09/17 第24回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会議事録 第24回 今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(議事録) 1.日時:平成21年9月17日(木) 10:00〜12:30 2.場所:航空会館 大ホール 3.出席構成員:   樋口座長、伊澤構成員、伊藤構成員、上ノ山構成員、大塚構成員、門屋構成員、   佐藤構成員、品川構成員、末安構成員、田尾構成員、寺谷構成員、長尾構成員、   中島構成員、長野構成員、広田構成員、町野構成員、三上構成員、山根構成員、   太田参考人   厚生労働省: 木倉障害保健福祉部長、藤井企画課長、福田精神・障害保健課長、 塚本障害保健対策指導官、林課長補佐、野崎課長補佐、伊藤課長補佐 4.議事  ○ 「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」(報告書案)について 5.議事内容 ○樋口座長  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより第24回の「今後の精 神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を開催したいと思います。  構成員の皆様におかれましては、朝早くから御多忙のところをお集まりいただき まして、ありがとうございます。  それでは、まず、本日の構成員の出欠状況について、事務局の方からお願いいた します。 ○林課長補佐  本日の出欠状況等について御報告をさせていただきます。  本日、小川構成員、坂元構成員、高橋構成員、谷畑構成員、野澤構成員、良田構 成員より、御欠席との御連絡をいただいております。また、寺谷構成員につきまし ては、間もなくお見えになると伺っております。  また、事前に座長に御報告させていただきまして、小川構成員の代理として、社 団法人日本看護協会政策企画部部長代行、太田参考人に御出席をいただいておりま す。  本日の出欠状況等については以上でございます。 ○樋口座長  ありがとうございます。  それでは、早速議事に入りたいと思いますが、本日のテーマは、「精神保健医療 福祉の更なる改革に向けて」(報告書案)でございます。  本日の進行でございますが、この後、資料につきまして事務局の方から、前回議 論を出していただきましたそれを踏まえた修正点等について、説明をしていただき ます。その後、構成員の皆様に御議論をいただきたいと思います。  なお、前回申し上げましたように、できる限り今回の検討会でこの報告書を取り まとめたいと考えておりますので、できるだけそれの方向で皆様に御協力をお願い したいと思います。  それでは、「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて(検討会報告書案)」につ いての説明をお願いしたいと思います。 ○野崎課長補佐  それでは、資料1−1に基づきまして説明を申し上げたいと思います。  中身の説明に入る前に、まず、参考資料で横表を付けておりますけれども、こち らが前回の検討会でいただいた主な意見と、また、先週の金曜日までという形で追 加でいただいた御意見を整理させていただいたものです。個別の修正点については、 どなたの御意見であったと触れませんけれども、基本的には、こういった御意見を 踏まえた修正にさせていただいております。  また、主に大きな変更、言葉の文言の修正のところはさらっといかせていただい て、主に大きな修正を加えた部分を中心に御説明をしたいと思います。  それでは、資料1−1に基づきまして説明を申し上げます。  1ページ目から2ページ目の真ん中ぐらいまでについては、ほかの全体、過去の 経緯を相当長く書いていましたので、少し整理をしているというものでございます。  また、2ページの下、27行目からが、先日の検討会、また、その後の追加の意見 で、総論というか、新たな今後のビジョンを定めるべきではないかということで御 意見をいただきましたので、それを踏まえた修正を加えております。  基本的な考え方は、国民の生活の本拠は住み慣れた地域であって、精神障害者の 方も、当然に、国民・地域住民の一人として、本人が望む生活を安心して送ること ができるような地域社会の構築が求められる。その意味で、さまざまな資源につい ても、住み慣れた地域を拠点として、精神障害者の方同士の支え合いを重視しなが ら、本人の意向に即して、本人が充実した地域生活を送ることを見守り、応援する という理念の下で行われることが必要であると、こういった考え方を「地域を拠点 とする共生社会の実現」というフレーズでまとめさせていただいておりますが、そ の実現に向けて、改革ビジョンにおいて掲げられた「入院医療中心から地域生活中 心へ」という基本理念に基づき、改革を更に加速する、との基本姿勢の下で議論を 行ってきたところであると。  また、3ページ目ですが、その結果、入院患者の地域移行の一層の推進や病床数 の適正化の取組等を通じて、人員の充実とそれに応じた評価の充実を図ること等に より精神医療の質を向上させ、国民がより安心して利用できる医療とする、という 基本的スタンスについては、本検討会として一致したところであった、とさせてい ただいております。  また、4ページでございますけれども、36行目ぐらいからですが、1つは、全体 に表現がもう少し前向きな表現でという指摘を受けた修正と、あと、4ページの最 後の部分ですが、「社会的入院患者を含め依然として多くの長期入院患者が存在し ている」という形で修正をさせていただいております。  また、続きまして、11ページにつきましては、ここは文言の修正でありますので、 省略をさせていただきたいと思います。  14ページ、15ページでございますけれども、こちらも先ほども少し触れましたけ れども、全体として少しネガティブ度が強いというか、もう少し前向きな方向性を という御意見をいただきましたので、それを踏まえまして、若干言葉の整理をさせ ていただいております。  16ページでございますが、16行目で、「行政をはじめ」となっていたものを「行 政、精神保健医療福祉の専門職等の関係者は」という形にさせていただいておりま す。  また、その次の段落ですけれども、ここも「地域を拠点とする共生社会の実現」 に向けて、施策の立案・実施を更に加速する、ということを書かせていただいて、 また、新たな長期入院を生み出さないということの考え方をどこかにという御意見 をいただきました。それを踏まえて、25行目、26行目でそういった考え方を書かせ ていただいております。  また、16ページの残りと17ページの冒頭のあたりは、基本的には文言の修正とい うことです。  大きな修正点で言うと、17ページの25行目、[5]として追加した部分ですが、精神 障害者の方、あるいはその家族の方の視点に立った支援体制の構築ということで、 新たに1つの柱を立てさせていただいております。内容については、後ほど出てま いりますので、省略をしたいと思います。  また、18ページでございますけれども、ここも精神科医療施設が地域の一員とし て地域社会を支えるという機能とか、ほかの医療施設の連携、若干の言葉の整理を させていただいているのと、あと、15行目ですけれども、ここに都道府県の役割が 書いてあったんですが、国の役割をもう少し明記すべきという御意見をいただきま したので、そのような観点から国の役割というのを少し記載をさせていただいてい るということでございます。  また、19ページは文言の整理をしております。  20ページも同様と考えております。  22ページから23ページも同様です。  24ページでございますけれども、18行目から大きく修正を加えております。ここ につきましては、精神保健医療福祉と言いながら、保健の観点が少し欠落している のではないかという御指摘をいただきましたので、ここは現状の説明に当たる部分 ですが、現状の地域における精神保健体制についてということで保健所の役割、あ るいは市町村、精神保健福祉センターの役割ということが24ページから25ページ にかけて書かれておりまして、25ページの2行目からですけれども、地域において、 こうした機関の連携の下で早期治療、地域移行・地域定着のための支援等が行われ ることが求められるが、その一方で、訪問指導や危機介入等のこれまで保健所が主 に担ってきた地域保健活動の機能が低下しているという指摘があると。ここはかな り検討会の中でも御意見をいただいたところでございます。  7行目からですが、「また、近年では」ということで、大規模災害や犯罪被害者 におけるPTSDへの対応、心の健康づくりに関するニーズの多様化等が書かれて いる。また、12行目からは、特に自殺防止対策における視点ということを掲げさせ ていただいております。  また、26ページ、27ページのあたりは、御意見をいただいたことを踏まえて少し 追記をしているということでございます。  また、28ページでございますけれども、冒頭のところですが、障害福祉サービス の拡充を進めるという方向性と、あと、高齢精神障害者の方に対する支援の部分で すが、適切な医療の提供ということを追記をさせていただいております。  7行目、ここについても御意見を踏まえて少し追記をさせていただいていると。 23行目についても同様でございます。  29ページでございますが、19行目から始まるパラグラフですけれども、総合病院 精神科をはじめ、合併症への診療機能等の総合的な機能を有する医療機関というこ とで、機能に着目して書かせていただいております。  また、次のページ、30ページのあたりは、基本的に文言を少し追加をさせていた だいていると。  また、31ページの早期支援体制の部分につきましては、検討会の御意見の中でも、 慎重にというか、反対の意見をいただいている部分もございましたので、モデル的 な実施にまず着手するんだということの趣旨を11行目からのパラグラフで書かせて いただいております。  また、14行目からのパラグラフは、まず、適切な診療支援の提供ができる体制を 確保することが必要だということなので、そういった観点から、医療面での取組を 中心に書かせていただいて、その上で26行目からの○で、そういった医療的な支援 体制の整備にあわせて、こういったその他の取組も進めていくという趣旨をはっき りさせているということでございます。  32ページに移りますけれども、ここは基本的に御意見を踏まえた言葉の整理とい う形にさせていただいております。  33ページですけれども、先ほどの地域における精神保健体制の現状を追加したこ とを踏まえまして、地域における精神保健体制の強化ということで、最初の○は、 前回お示しした案にも、ほかの部分でございますけれども、行政機関における相談 体制という文脈で書かせていただいておりましたが、こちらに移させていただいて 位置付けをさせていただいております。  また、14行目からにつきましては、地域精神保健の機能の底上げを図るという観 点から、地域精神保健を担う行政機関である市町村、保健所、精神保健福祉センタ ーのそれぞれの機能のあり方とその強化等について検討していくべきだと。  また、19行目からは、自殺防止対策の観点も踏まえて、こうした地域精神保健を 担う行政機関と、あるいは各行政分野でさまざまな機関があるわけですが、そうい ったところとの地域レベルでの連携の強化を図るべきである、とさせていただいて おります。  また、34ページの4行目の後段からでございますが、総合病院精神科をはじめ、 特に救急・急性期医療を担う医療機関における従事者の負担軽減の方策等について も検討すべきである。ここも前回の御意見を踏まえた形にさせていただいておりま す。  35ページは言葉の整理。36ページも同様でございます。  37ページでございますが、統合失調症に対する抗精神病薬の多剤・大量投与の部 分でございますけれども、その実態の把握に努めるという御意見をいただきました ので、それを踏まえているのと、あとは、いろいろここは御意見をいただいたとこ ろでございまして、単剤投与、切替え、減量ということを1つの例示として書かせ ていただくという形で全体の言葉の整理をさせていただいていると。  また、37ページの18行目でございますが、ここは、複数の方から臨床心理技術者 というか、心理職の方の位置付けをという御意見をいただきましたので、そういっ た観点からその一層の活用のための方策等についても検討すべきであるという形で 書かせていただいております。  38ページは省略いたしまして、39ページ、こちらも基本的には言葉の整理となっ ております。  40ページでございますけれども、まず、8行目からのデイ・ケアのところ、ここ はいろいろこういう表現等について御意見をいただきましたので、それを踏まえて 修正しています。  また、15行目からのパラグラフでございますけれども、介護といった機能を書く べきだと。あるいは日常生活における集いの場といったような居場所的な機能を明 記すべきだとか、あるいは教育支援、就労の確保といったような支援というか機能、 そういったものをもう少し追記すべきだという御意見がありましたので、そのよう にしております。  41ページでございますが、都道府県の役割をもう少しはっきりと、都道府県の責 任を明記すべきだという御意見がありましたので、そのようにしております。  43ページは、その家族というものも追加すべきだという御意見を踏まえた修正で す。  45ページも、精神保健指定医、16行目から始まるパラグラフですが、指定医のと ころについての御意見を踏まえた修正をしております。  また、45ページの最後から訪問看護が始まるわけですが、ここは、基本的に言葉 を整理するということと、あと、若干の明確化を図っている部分等もございます。  また、17行目からのデイ・ケアの部分ですが、ここもさまざま御意見をいただき ましたので、少し考え方を明確にするような追記をさせていただいてございます。  47ページでございますけれども、17行目から自立支援協議会についてさまざまな 検討の場が自治体にはあるのでという御意見をいただきましたので、市町村の実情 に応じた設置運営方法が可能になるように配慮するということで、そういった機能 を確保していただければいいと、そういう形の書き方にしてございます。  また、48ページ等についても、基本的には言葉の整理と、あと、全体、項目を前 に持っていったり、後ろに持っていったりしていますので、そういったことに伴う 見出し等の整理、構成の整理はしております。  また、50ページでございますが、ショートステイのところについて、御意見を踏 まえた修正と、50ページ26行目ですが、まず、就労先の確保に努めるべきだという 御意見をいただきましたので、そこについて追記をしていると。  また、51ページでございますけれども、地域移行の際の経済負担というか、そう いったことについても御意見をいただきました。まだ関係課と調整とか話をしてい るところでございますが、地域移行の際に必要となる経済的な支援をより円滑に利 用できるよう、一層の周知等を図るべきであるという形で少し書かせていただいて ございます。  18行目からでございますが、精神障害者・家族の視点に立った支援体制の充実と いうことで、まず最初の○でございますけれども、精神障害者御本人の、国及び地 方自治体におけるさまざまな審議会、委員会、協議会等への参画等を一層促すとい うことと、また、23行目からは、ピアサポートの推進ということを書かせていただ いております。御本人の経験、体験から学ぶという視点に立って、精神障害者御本 人の視点を重視した支援を充実する観点や、自らの疾患や症状、病状に対して正し く理解することを促す観点からピアサポートの普及、地域移行支援の取組への参画 をはじめとして、精神障害者同士の支え合いを基盤とする仕組みの普及を進めると。 また、その際、地域の実情に応じて、ピアサポートセンターの設置等による精神障 害者同士の交流の場の確保等の取組を更に普及するという方向性を書かせていただ いております。  また、34行目からは、家族支援の観点から書かせていただいているところでござ います。  続きまして、53ページでございますが、普及啓発の部分で、まず、普及啓発の趣 旨というか、目的、あるいは普及啓発が必要な理由を冒頭に記載すべきだという御 意見をいただきましたので、そのような考え方で、まず精神障害者の方に対する正 しい理解というのは、地域移行を円滑にし、同じ地域住民として精神障害者ととも に暮らす社会としていく上で重要だと。  また、精神疾患に対する正しい理解というのは、国民の皆さんが精神疾患にかか った場合に必要な医療的支援を受けるということを円滑にするという側面を有して いる。こういったことを観点から、冒頭に掲げた地域を拠点とする共生社会の実現 ということを目指していく上で、普及啓発活動の推進は必要だということとしてお ります。  また、ここは若干順番を入れ換えたりしておりますが、まず、地域移行を促進す る観点からの普及啓発について最初に書かせていただいている。若干順番の整理を しているのと、あと、言葉、構成の整理をさせていただいているところでございま す。  54ページでございますが、先ほど申しましたように、まず、ご本人に対する啓発 とあわせて、地域移行を円滑にする観点からの普及啓発方策の具体化を図るという ことを冒頭に掲げた上で、国民一般に対する普及啓発方策についても、従来から記 載はこのとおりでございますが、疾患、年代、対象者といったターゲットを明確に した普及啓発に重点を移すということを書かせていただいていると。  54ページ、18行目ですが、まず、御本人が自らの疾患や病状を正しく理解し、本 人の望む地域生活を送ることができるよう、精神障害者の方同士のピアサポートの 推進等を通じた精神障害者本人への啓発を推進すべきだということ、また、21行目 からのパラグラフは、基本的に言葉を整理させていただいているということでござ います。  28行目からのパラグラフも同様でございます。  また、55ページでございますけれども、検討会の中でお示しした調査が新聞記事 を対象にしたものであったので、当時は「報道関係者」と書いてございましたが、 ここは御意見をいただきましたので、「新聞、テレビ、雑誌等の」ということで少 し例示の整理をさせていただいているということでございます。  また、57ページでございますけれども、「今後の目標値について」というところ も少しめりはりがないのではないかという御意見をいただきましたので、少しめり はりを付ける形で、改革ビジョンの後期の中で掲げる目標値と、その中でも特に新 たな目標値として掲げるものを冒頭に持ってきているということと、また、施策の 実施状況のプロセスを評価するというものについては、11行目から別にパラグラフ として整理をさせていただいております。  また、59ページでございますが、精神保健福祉法に関する課題の部分につきまし ても、前回の御意見を踏まえまして、言葉というか、文章の整理をさせていただい ております。  また、大きなところでは60ページでございますが、「改革ビジョンの後期5か年 の重点施策群の策定と改革ビジョンの検証」ということで、まず、今回の検討会、 この報告書を踏まえて、まず、後期改革、改革の歩みを止めないという断固たる姿 勢を持って、改革ビジョンの後期5か年の重点施策群の策定を行うべきだというこ とを19行目からのパラグラフで書かせていただいております。  また、27行目からのパラグラフですけれども、その上のパラグラフで26年をめど として、次の改革ビジョンの後の新たな実施、重点施策群の策定等の対応を図るべ きだと書かれていることを踏まえて、27行目から、新たな重点施策群の策定等を行 う際には、改めて、精神障害者や家族、メディア、法律関係等の幅広い有識者、あ るいは精神保健胃者福祉の関係者等の参画を求め、精神保健医療福祉のあり方に関 する検討を行う場を設けることを強く求めたい、という御意見として書かせていた だいているということです。  また、61ページでございますが、ここもさまざま御意見をいただきましたので、 それを踏まえて追記をさせていただいております。社会経済状況は日々変動してお り、改革についてもその変化に応じたスピードで進める必要があるということと、 あるいは11行目からですが、「地域を拠点とする共生社会の実現」に向けて、ナシ ョナルミニマムを確保する責任と強力なイニシアティブの下で、着実かつ大胆に精 神保健医療福祉の不断の改革を進められたい、という形で整理をさせていただいて いるところでございます。  以上、主な修正点を中心に説明させていただきました。以上で説明を終わりたい と思います。 ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、議論に入らせていただきますけれども、前回もお願いをいたしました ように、今回で恐らく最後になるということで、時間も限られております。御発言 をいただく場合は、今回は特に修正された文言等もございますので、一般的なとい うか、抽象的な御意見ではなくて、具体的に、もっと具体的に申し上げますと、こ の資料の何ページの何行目に関しての御意見ということを明確にしていただいて、 そしてそれに対してどういうふうな修正、あるいは追加をするかというところを明 らかにしていただきたいと思います。  それでは、これから約2時間ぐらいの時間がございますので、よろしくお願いし たいと思います。いかがでしょうか。それでは、末安構成員。 ○末安構成員  非常に丁寧に構成員の発言をとどめていただいてありがとうございます。私の方 からは1点追加をお願いしたいんですけれども、この検討会では余り議論できなか った部分なんですけれども、住宅の確保の問題がどうしても今回の報告書の取りま とめの方向の延長を見ますと重要だと考えているんですけれども、49ページの「住 まいの場の確保について」というところなんですけれども、私が今からお話しする 部分は、国土交通省さんの領域には及ばない範囲でというか、及ぶ部分も重要だと 思うんですけれども、及ばない範囲で追加の御提案をしたいと思います。  4行目の「公営住宅等の活用を通じて、更に整備を促進すべきである」の後に追 加して、加えて、グループホーム、ケアホームからの地域の独立した住居の確保を 推進できるように支援するべきである、ということを足していただきたい。つまり、 グループホームやケアホームは確かに地域にあるんですけれども、そこでも患者さ んたち、精神障害者の方たちの望むべき最後の場所かどうかということは微妙な問 題もございまして、もちろんそういう場所で安心して暮らしていらっしゃる方も大 勢いらっしゃいますけれども、やはり自分の城を構えるといいますか、自分の時間 を大事にしたり、地域のいろんな支えが増えてくれば、自分が気に入った場所とい いますか、必ずしも生まれた場所にみんな帰れるわけじゃありませんけれども、住 んでみたいところを見つけるということを支援していくということが必要ではない かと思って、今のことを付け加えさせていただきたい。  その具体策としては、30行目のところで、イが終わるところなんですけれども、 その後に○を1つ追加して、「自立支援法における住居サポートの運用を強化す る」というような文言が入らないかと思います。御存じのように、今日、企画課長、 おいでになっていませんけれども、住居サポートの方の実施率が低調でして、やっ ていらっしゃるところは極めてよくやっていらっしゃるんですけれども、全くやっ ていないところの方が圧倒的な数だと。私、正確にパーセンテージを把握していな いんですけれども、どうやっていいか分からないとか、あるいは民間不動産業者さ んと熱心に組んでやっていらっしゃる地域は、問題なく移行、その制度をうまく活 用されているんですけれども、なかなかハードルが高いということもあったり、そ れから、モデルになっているのは川崎市の独居老人、外国人、障害者の方たちの住 居支援だと思うんですけれども、あちらも最初に始めるときは相当苦労されて、た だ単に制度ができた、これでオッケーというふうにはならなくて、うまく使うよう な働きかけというのがあったと思いますので、自立支援法における住居サポートの 強化を進めると。  とりわけ、医療観察法で地域での処遇になっていらっしゃる方の数が圧倒的に多 いわけですので、そういう方や、薬物の依存症で回復してきた方が精神科医療のど うしても狭間に入っていて、統合失調症の方の地域支援ももちろん重要ですけれど も、薬物依存症の方が相対的に増えているという事実もありますし、そういう方た ちの生活の安定を図って治療を安心して受けてもらえるような状況を、これは法務 省との協議も必要なのかもしれませんけれども、それから、刑務所からの出所の方 ですね。御存じのように、精神障害者、知的障害者の方の割合が高いということは 明白なわけでして、この方たちと自治体とをうまく結ぶような、障害福祉課の方で 少しやっていらっしゃるようなんですけれども、この検討会の結論の中にもそれを どうしても入れていただきたいなと思います。できれば、社会復帰調整官とか保護 司ということがこの中では全く触れられていないんですけれども、社会復帰調整官 は全国におりますし、保護司さんたちも精神の出所者の方のサポートを非常に丁寧 にやってくださっていますので、そういう方たちとの協力。特に、その人たちが主 戦場としている生活支援の中の根幹である住居の確保というところで、そういう方 たちとの協力ということを明記していただきたいと思います。  以上です。 ○樋口座長  これは新たな議論ということでございまして、今まで余り議論されていない部分 を含んでいるんですけれども、いかがでございましょうか、今の御発言について何 かコメント等。あるいは事務局からは、今、初めて多分出てきたところなんだろう と思いますが、そのあたりについて。 ○野崎課長補佐  いただいた御意見のうち、居住サポートの充実ということについては、47ページ でございますけれども、こちら、昨年末までの御議論の中で、こういった特別対策 事業が担っている地域移行支援であるとか、あるいは居住サポート事業が担ってい るような入居時の支援について充実を図っていくために、例えば個々の支援を評価 する仕組みに改めるなど、充実を図るべきであるという形で、居住サポート事業の 機能を充実させていくという方向はこちらで書かせていただいているという認識で おります。  また、グループホーム、ケアホームの部分につきましては、29行目のところで基 本的にグループホーム、ケアホームという自立支援法のサービスでない民間賃貸住 宅への入居促進ということを少し書かせていただいておりますので、今いただいた 御意見を踏まえて、また多少付け加えるとかいうことはあるかもしれませんが、基 本的にはこちらの民間賃貸住宅というあたりで対応していきたいと思っております。 ○末安構成員  分かりました。 ○林課長補佐  依存症のところについては、30ページに記載をさせていただいておりまして、総 合的な取組を強化すべきであるということで、基本的には末安構成員の御発言にご ざいましたようなことも含めた取組を考えていく必要があるということについては、 私どももそのように思っております。  今日初めて御提案いただいた部分については、他省庁とか他の制度にまたがるこ とがかなり含まれておりますので、どのような表現なら書けるのかということは、 再度考える必要があると思いますけれども、基本的にはこの総合的な取組というと ころで包括して認識をしているところでございます。 ○樋口座長  どうぞ。 ○末安構成員  私もさっき申し上げたように、今まで公営住宅法の改正とか、前段の検討会とか でも熱心にやっていただいて、実際には自立支援法の成立の前にたしか公営住宅法 も改正していただいているので、すごく厚生労働省から働きかけてもらっているの はよく分かっております。ですから、今申し上げたいのは、1点目の方のグループ ホームやケアホームから更にというところを是非明記していただきたい。これは皆 さんの異論の起きない部分じゃないかなと思って付け加えさせていただきました。 ○樋口座長  長尾構成員。 ○長尾構成員  住まいの場の確保ということが出ましたので、その辺で少し別な観点ですが、グ ループホーム、ケアホームが今あるわけですけれども、そこから先の話と、それか ら、今、グループホーム、ケアホームというのは、わりと軽度というか、それなり の状況の人が入れる状況であるということで、ある程度重度の人がもっとサポート を強くしていける場というのがないんですよね。ですから、そこのグループホーム、 ケアホーム移行までの場の人が、行けるような人たちの場というのが本当は確保さ れなければいけない。これが今までもそういう議論を出したり、また、障害者部会 等でも出ていたと思うので、できれば、グループホーム、ケアホームの次の○ぐら いに、より重度な精神障害者の居住支援についても検討すべきであるというような 言葉を、文言をちょっと入れていただければ、グループホームに行ける人ばかりじ ゃないんですよね。ですから、そういう人たちの場というものを確保し、支援して いくということが大事なので、できればそういう文言を入れておいていただいて、 後につなげていただきたいと思います。  それから、先ほど末安委員が言われた医療観察法や刑務所等のことについては、 たしか障害者部会で結構話が出た、報告書に盛り込まれているんじゃないかと思う んですけれどもね。ですから、今あえてここで入れなくても、新たな議論として入 れなくてもいいのかなと、私が答えるのはおかしな話ですけれども。 ○樋口座長  ありがとうございます。  今の、まず、全般の方の長尾構成員の御指摘、より重度な精神障害者の住居に関 して。これに関してはいかがでございましょうか。どうぞ。 ○佐藤構成員  私も基本的にサポートしたいと思いますけれども、私が見聞した範囲では、カナ ダ等でも、援助の必要度に応じて、援助必要性が高い住居と必要性が低い住居とい うふうにいろいろな段階に分かれておりますので、当然、手厚い援助が必要な人に 対する重症な、かなり重いといいましょうか、援助が必要な障害者に対する住居と いうのは、別に考えられるべきだろうと思います。 ○樋口座長  ありがとうございました。  よろしければ、表現や追加する文章の中身は後ほどまた整理していただきますが、 基本的にそういうことを追加するということでよろしゅうございましょうか。  後半の部分の医療観察法あるいは刑務所云々の話でございますが、これに関して は何か。これまで、余りこの点についてこの中ではディスカッションしてきていな い部分だと思うのと、それから、もう一つ、医療観察法については、また医療観察 法の見直しとか、そういうところの議論の場があるので、いかがでしょう、そのあ たりについては。もしかしたら、今回は、ここで言葉をいきなり盛り込むよりは、 そちらの方の検討を踏まえた形にした方がよいのではないかと、これは私の個人的 な考えですが、よろしゅうございますか。どうぞ。 ○門屋構成員  今の医療観察法、あるいは刑務所からという、あるいは少年院の問題もあるんで すが、住居の問題、あるいは支援の体制については、末安構成員が言ったようなこ とに関しても、こちら側の観点からも取り上げるべきというふうには私は基本的に は思います。  もう一点、もうそろそろ出所してくる、あるいは準備をしなければいけない段階 から、実は地域の側の相談体制が関わるというやり方が非常に効率的というか、彼 らにとっていいということが現実には起こっていまして、そこの部分に仕事として できる体制というか、保障はないんですね。そこのところは、今は向こうからアク セスしてくれれば好意でやっているという行動がほとんどなんですが、例えば医療 観察法の中では、ダブルマネジメントという形で社会復帰調整官と地域の相談支援 マネジャーとの連携ということが現実には行われ始めているんですが、そのあたり のこともちょっと加えておいていただきたいという希望であります。 ○樋口座長  分かりました。そうすると、そこは何らかの表現をこの中に加えた方がいいとい う御意見でございますね。よろしゅうございますか。どうぞ。 ○品川構成員  先ほど、重度の方ということが出ていたんですけれども、実際、今、地域では、 グループホーム、ケアホームという、今、1行に並んで名前が載っているんですけ れども、ケアホームの方が介護給付になっていまして、より重度な方をお世話して いる現状です。ですので、ここであえて重度の方、地域側からすれば、重度の方を どうこうというよりも、さっきから出ております新しい医療観察法の方とか、いろ んな難しい、違った側面の方の受け皿的な住居のことを出していただいた方が、今、 私たち、本当に重度の方を地域で引き受けている者としては、ケアホームで人員配 置も世話人のほかに生活支援員といった手厚いものができ上がっておりますので、 それを知っていただきたいと思いますが、その上で、やはり難しい方も出てきてい ますが、ちょっと違ったあれじゃないのかなと思っております。 ○樋口座長  どうぞ。 ○門屋構成員  そのことに関して。外国も、重度の人のグループホームというのもあれば、例え ば日本でも認知症の人のグループホームという、グループホームには実は多様なも のがあると認識しておりまして、そこに何のサービスが付いているかということに よって違うんだろうと私は思っているんですね。ですから、あえて重度の人の住居 を用意するということよりは、グループホームやケアホームの中にどんな機能を加 えるかということなんだろうと思っています。例えば医療観察の方を受け入れると きに、今回は加算が付いていましたよね。そういう形のものが、サービスがどれだ け付けられるかということによってなんであって、特別のものをなるべく排除した 方がいいというのは確かに一貫して考えていることなので、グループホームという 名称の中、あるいはケアホームという名称の中に、そういうものの質の違ったもの も含まれているという認識をなさる方がいいという提案をしたいと思います。 ○樋口座長  末安構成員、今のことに関してはそれで。 ○末安構成員  それでよろしいと思います。 ○樋口座長  大塚構成員。 ○大塚構成員  末安構成員と門屋構成員の発言に賛同してですが、私、参考資料の対応表には少 し入れさせていただきましたが、医療観察法のみならず、刑務所等から出てこられ る障害のある方々を、これまでそういう表現をしてきませんでしたけれども、重度 の方ということで認識をしてきたつもりではおります。そういう方々の地域移行支 援の難しさの1つは、住居の確保の問題だと思っています。そこは是非そういう観 点で加えていただけるといいと思うと同時に、今、門屋構成員がおっしゃいました、 出てこられる方々の相談支援の体制のところで、今、矯正施設等にソーシャルワー ク機能が入り始めてきてはいるんですが、私どももそこのところに関わっている中 で、大変壁を感じているところがあります。多分それは所管省庁が違うということ と、法制度体系がそもそも違うということがあるんだと思います。是非お願いをし たいのは、どこかに具体的に盛り込むことですが、今回、1年半のこの検討会で大 変たくさんの貴重なデータを出していただいたことが、検討を進めるにすごく助か ったというか、よかったなと思っておりまして、そういう重度の障害者の地域移行 支援を進めていくに関して、特に法務省とデータを共有していくということが大事 になると思っていますので、地域移行支援を進めるための共有できるデータを求め ながら、作りながら、そこを進めていくということを是非どこかに加えてほしいと 思います。 ○樋口座長  長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員  先ほど、ケアホームで重度の人を引き受けているからもういいんだというお話で ありましたけれども、確かにケアホームは、介護給付である程度ケアが必要な人を やっているわけですけれども、介護給付の部分は、ケアホームは特に障害程度区分 が絡んできます。今、見直しがこれから行われようとしていますけれども、精神障 害者のこれまでの今度は支援区分ですかね、余り高くない。非常に低く出ていると いうことはもう御存じのとおりで、そういったことも踏まえ、それから、十分な、 ある程度ケアホームでも重度の人がずっとあれば、夜間体制云々ということもあり ますけれども、もう少しそういったことも含めて体制をきちっと強化するというこ とが必要だと私は思いますので、そういったより重度な精神障害者の居住支援につ いては検討すべきであるという文言は入れておくべきだろうと思いますので、今の 体制だけで私はいいと思いませんし、より中身も含めて検討するということで、そ ういった文言は付け加えておくべきだろうと思います。  以上です。 ○樋口座長  必ずしも意見が一本化されていない部分もございますけれども、時間の関係もご ざいますので、今のような御意見を反映した追加修文を事務局と座長の方で取りま とめさせていただいてお示しするという方向でやらせていただいてよろしゅうござ いましょうか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  基本的なところは、今出ておりますように、重度な方に対する、重度な中身はさ まざまいろんなものが含まれて、特に医療観察法であるとか、薬物依存であるとか、 刑務所であるとかというレベルの問題もありましょうし、一般的な、もう少し障害 の程度が重いという意味での重度も含まれるのでありましょうが、そういったもの に対して特に住居の確保というのは重要であるという認識と、それから、それは別 な形で住居のスタイルといいますか、住居のレベルを変えてそういうものを決定す るのか、あるいはグループホームなりケアホームの機能をもう少し分化させて、重 度に対応できるような形のものを設定していくという考え方でいいのか、そこは多 分分かれたところだと思いますけれども、そういうものを含めて少し盛り込ませて いただくということでよろしゅうございましょうか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  ありがとうございました。  それでは、次のご質疑に移りたいと思います。では、山根構成員。 ○山根構成員  具体的な話が進んでいる中で、少し総論的なことで申し訳ないのですが、見え消 し版の方で言えば18ページの現状のところに入るのかもしれません。自立支援法等 では3障害の格差をなくすということで全体で進んでいますが、どうも精神医療の 方は、今まで医療の質の改善ということが大きな問題になっていたため、そちらの 方に手を取られていて、精神疾患によって喪失した、人としてのさまざまな権利と か、そういうものに対する復権という概念が入っていません。心身の機能の改善と いうだけではなく、精神疾患によって喪失したさまざまな権利の復権という概念を どこかに入れていただくと、これからの大きな方向性としてはいいように思います。 わずかな文言ですけれども、今後のことを考えると、総論のところでそういう概念 が必要であると述べていただくか、どこかにそういうことを含めていただけるとい いという気がします。 ○樋口座長  今のことに関連して。 ○田尾構成員  ちょっとだけ。私、前回いろいろ申し上げまして、それを取り入れていただいて ありがとうございました。3点申し上げたうち2点取り入れていただいています。 それは感謝しています。ただ、1点入れていただきたかった点、基準病床をオーバ ーしている地域に対する行政指導については、入れ込むことがなかなか難しいとい うことでした。理由は、既にある病床を削減するということの指導は、憲法違反に なるということなんですね。必要のない病床削減指導が憲法違反で、社会的入院で 患者さんの基本的な人権を侵害しているという点に関しては、現時点では憲法違反 とみなされないという点は非常に不可思議で納得がいかないと思っています。社会 的入院も同時に基本的人権を侵害するもので憲法違反だという認識を、広く行政の 方とか精神福祉関係の者、国民の方に持っていただきたいと思っています。憲法違 反だということを分かってもらうためには裁判を起こさないといけないんでしょう かと思うぐらいなんですけれども、今の山根構成員のお話で関連してということで すと、今の状況自体にそういう問題があるということと、それを復権していくとい うことは、私は、文言として入れるのは難しいかなと思いましたけれども、もし可 能ならば、それは是非していただきたいなと思います。 ○樋口座長  今の山根構成員と田尾構成員のお話で、山根構成員からは、少し具体的に再構築 の項目の中のどこかに、基本的には、特に精神疾患によって喪失した人としての権 利の復権という、文言としてはそういうことだろうと思います。それと、リハビリ テーションということを盛り込めないかという御発言でございました。この点、そ して田尾構成員の追加発言も含めて何かございますでしょうか。どうぞ。 ○門屋構成員  山根さんは18ページとおっしゃったんですけれども、私はむしろ「はじめに」の ところで、この検討会の基本的なスタンスはそこにあると実は思っていまして、復 権、要するに今までの歴史的なことについて、ここでは今までとは違ったものをこ れから目指すんだという合意だけはやられたと私は思っているんですね。それはど ういう方向なのかについてはいろいろと議論があることなんですが、しかし、そこ の今までについては、広田構成員がいつもおっしゃっている、当事者としては謝っ てほしいというぐらいの、基本はそこに置くべき。ですから、復権ということが、 復権のために具体的にはこういうことをするんだという全体にかかるような形にし ていただければとは思っています。今、どこに入れるかを探していたんですけれど も、すぐに見つからないので発言してしまいましたけれども、私は「はじめに」の ところ、ないしは一番最後のまとめのところに、この検討会の目標とすべきところ の根幹に関わることと私は思いますので、山根構成員の意見は是非取り上げていた だきたいと思います。 ○樋口座長  どこに加えるかという問題があろうかと思いますが、内容的には、今のような… …。どうぞ、広田構成員。 ○広田構成員  この間の厚生労働省の事務局の働きに対しては、敬意を表しています。ただ、こ の中身に関しては、来年は2010年になるのに、まだこのありさまかということで、 昨日も説明を受けて、ここから歩いていって、庄やで海鮮サラダを食べて、タクシ ーに乗り、仲間と電話で話していましたら、降りるときに運転手さんが、「実はう ちの女房も統合失調症です」ということで、降りてからまた仲間と盛り上がったん ですけれど、前回発言したように、この場合ですと3ページ目の上から3行目です。 「精神医療の質を向上させるために」と私は言ったんですね。向上させるために国 の隔離収容施策で生み出してしまった社会的入院者を解放し、病状を削減して精神 科特例を廃止し、診療報酬を上げると私は入れた方がいい。その時代に来ていると 思います。まさに、長妻さんがここの大臣になって、私の知っている多くの人が、 「一度はやらせてみようよ民主党」と言っていましたが政権交代した。私はノンセ クト無党派ですけれど、長年の自民党の与党時代には病床削減はできなかった。だ から、政権が交代した今、ここで日本の病床を削減するためにも、隔離収容施策を 謝罪して、社会的入院患者を出さなければ、もうこの国は恐らく未来永劫、三上構 成員と私が常に対立している、認知症の社会的入院を生んでしまう、ベッドを温存 したまま、古い体質の精神医療が続いてしまうと私は危惧しています。  それは、前回も申し上げたけれど、また何十年か先にそういう問題を論議しなけ ればならないという禍根を残すので、私はこの国の精神医療の被害者として、この 瞬間にも35万3,000人が入院し、昨夜、私が海鮮サラダを食べていた時間には寝か されていた多くの社会的入院の患者を解放するためにも、今お話ししたような文言 をこの最初の3ページに入れていただきたいということです。  タクシーにから降りて、ある所に行って新聞を見せてもらい、そして、今日お出 ししている資料を、自費でコンビニで50枚刷って、それから、家に帰って、締切り の原稿を3時まで書いて、それで寝て、8時に起きてやってまいりました。頭がま だボーッとしていますけれど、それもこれも、フィットネスクラブに行っているか ら薬も減ってきて、それで体調が整えられているということなんです。  樋口座長、このまま続けた方がよろしいか、またそのほかのところは後からがい いですか。 ○樋口座長  一つ一ついきましょう。どうぞ。 ○門屋構成員  実は私は後でまとめて私の意見をというふうに思っていたところが、今、1カ所、 広田構成員からも言われた場所でもあったものですから、先ほどの復権、あるいは 広田構成員が言われたことについて、私は全面的に賛成をいたします。基本的には そういう考え方であるということについてですね。  私が入れようと思っていたのは、精神医療の質を向上させ、精神障害者の人権へ の配慮が十分に行われ、かつ、国民がより安心してできる医療とするという、「精 神障害者の人権への配慮が十分に行われ」というこの文言をここに入れてもらいた いと実は思っておりました。ただ、今、広田構成員が言われたことをここに入れる とすれば、それは今後の方向としてはそれを配慮してやってほしいということでは ありますけれども、それも含まさっているかのように思いますので、それはちょっ と御検討いただきたいなと思ったんですね。そういう発言です。 ○樋口座長  ありがとうございました。  どうぞ、三上構成員。 ○三上構成員  病床削減について、今、基準病床の話が出ておりましたけれども、基準病床につ いての認識というのは少し違うと思います。基準病床は、以前は必要病床数と言わ れておりましたが、これは保健医療計画の中で、その地域に必要な医療はどういう ものがあるのか、あるいは保険制度はどういうものがあるのかということで、足ら なければ増やしてやる必要があるんだということで病床数が定められてきたと。で すから、既に必要病床数、基準病床数を超えておれば過剰であるということなんで すが、過剰であれば減らすのかということですが、基本的に基準病床を定めるのは 地方自治体ということになっておりまして、責任を持たされているわけです。です から、削減目標を出すということであれば、自治体が責任を持って減らすというこ とになると思います。ですから、現在は、過剰病床のところも不足病床のところも あるわけですけれども、それは自治体の責任であって、それを法律で現在ある病床 を、基準病床を超えているからといって減らすということを目的に作られたもので はなく、足らなければ、それを作るんだということで目標が設定されていると。こ れを基準病床数制度というものであるということで、その辺の認識が少し違うので はないかと思います。  それと、病床が多いから、社会的入院が増えて、人権が守られていないという発 想だけでなく、また違う観点からも検討する必要があるのではないかと思います。 ○樋口座長  どうぞ。 ○広田構成員  やっと三上さんと本音で対峙できていますけれど、三上さんは精神の方へおいで になって歴史が浅いですが、ずっとやっているんです。精神病床があるからいたん ですよ、入院患者が。私が資料を2冊出して、今日、4枚目を出していますけれど、 私はここでやっていて、出しても皆さん読んでいただけないで、自分の背後にある 立場性を背負って発言しているとずっと思っている。病床があるから患者がいた。 40年前に、ある精神病院のソーシャルワーカーが「入院患者をどんどん出したら、 院長に3カ所に飲みに連れていかれた。なんで新人のワーカーにこんなに院長が飲 みにいかせてくれるのかなと不思議に思っていたら、3カ所目で、『何々君、何々 君、入院患者を確保してから退院させてくれよ』ということで、その人は精神病院 の限界を感じて行政に入った」ということです。これは私の親しい人です。それか ら、ある精神科医も同じことです。「何々先生、余り退院させないで、次の入院患 者を決めてから退院させてください」ということです。この医師も、現在精神医療 の中にいます。そういうふうな精神医療、病床があるから患者を必要としてきた、 昨日も話していましたが、精神医療が安いんですよ。「同じ認知症でも、精神は30 万円、内科に行けば60万円」と、これは、今はどうか知りませんけれど、本当にこ の国の精神医療の被害者となってつぶれてしまった金子晃一先生を、私が横浜に講 演で招いたときの言葉です。そういうふうな薄利多売で安上がりの精神医療の中で、 薬をバッと盛り込んで、韓国のソウルの国立精神病院の患者があんなに元気でいる のに、なぜ日本の精神病院の患者は元気がない。昨日も愛知の専門学校に行ってき ましたが、「精神病院に行ってきました」と言うので、「どうでした」と言ったら、 「皆さんすごく重いですね」と言うから、「重いと思えたのは、病状というよりも 薬なのかもしれないわ」というふうにお話をしたぐらいです。  だから、私は、社会的入院を解放し、ベッドを削減し、精神科特例を廃止し、診 療報酬を上げる。この4点セットが、この精神の世界の中に26年間いて、21年間、 医療ミスの注射の後遺症等で、非常に大変な迷惑を受けながら、命懸けですよ。今 日も私のおじのお葬式なんです。でも、私にとっておじのお葬式よりもこっちが大 事なんですよ。このまま精神病院の中で朽ち果てていかなければならない多くの仲 間がいるんですよ。そういう仲間が退院できていろんな電話がかかってきますよ。 「寝れなかったらどうしよう」とか、いろいろ。だから、「布団を敷いて、明かり を消して寝て」と言う。これは何を意味するか。長年ベッドの上で寝て、布団を敷 く習慣を忘れてしまった。病院が明かりを消すから、自分の部屋の明かりを消す習 慣も忘れた、そういうような、それがADLだとか、DPSEだか、分かりません。 英語で。そういうふうな言葉で片付けられてしまっている。  津久江一郎さんという長尾先生の前の委員です。社保審でやりあった。その先生 のところに行くと、プールがあった。「先生、今度、私、水着を持ってきて、入院 患者と一緒にプールに入るから」と言ったら、来年の4月17日、その機会を作って くれるということを先日聞きました。私は広島用の水着を買ってあるんです。  三上先生は日医を代表して、いわゆる一般療養病床に全部持ち込めないから国民 のニーズに応えて、やれ認知症だというけど、前回言いましたけれど、そういう問 題じゃなくて、きちんと、本当に認知症の精神科医療でしか治せないことをやるの が精神科の入院治療で、それが社会の要請ですと言ったら、この間、ライシャワー 事件が起きて、この国が社会を守るために精神障害者を閉じ込めて、そして人間と して今、人権とおっしゃったけれど、人権だけの騒ぎじゃないですよ。人権だろう し、人道だろうし。そういうような別社会ですよ。太陽も浴びられないで、前回も 言いました。パリは毎日シャワーを浴びれる。日本の精神病院は人手が少ない。週 に2〜3日のお風呂しか入れない。こんな実態をこのまま続けるのか。これをやめ るには、ここにいるすべての人が、だれもが安心して、安心できないんですよ。安 心できないから、今、この瞬間。今日、12時半までだそうですけれど、この瞬間に これを決めることが私は三上さんがあと何十年かしたら、あのときは俺はこう言っ て広田さんに負けたけれど、まあ、いい負け方だったなと。負けるも勝ちだなと思 いますよ。 ○樋口座長  大分議論が分かれているところもあると思いますし、本日まとめていきたいと思 いますので、できるだけまとめられる方向で御検討いただきたいと。どうぞ、三上 構成員。 ○三上構成員  広田さんのおっしゃることに私は別に反対しているわけではなく、今おっしゃる とおりだと思いますが、私は制度のことを申し上げているので、基準病床数制度と いうのは必要な病床を作るために設けているものだと。ですから、基準病床を下げ たからとか、病床基準を撤廃したからどうなるかという話とは全く違うんだという ことを申し上げているのです。ですから、基本的には、自治体が必要な病床を決め て、足らなければ作ってやろうというのが病床数制度であり、それが目標設定を下 げろということであれば、それは基準病床の考え方を変えるということですから、 どれぐらいの重症の方をどのようにして収容するのだということで病床数を決める のか、グレードの問題ですから、今申し上げた話と、病床規制がなければ、必要病 床を守る必要もないわけですから、必要な分だけ病床を作って、必要でなければ病 床を減らすということは自由にできるということで、病床規制を撤廃すれば済む話 です。規制を撤廃すれば病床数が減るかどうかについても、それもよく分かりませ ん。そのときの状況によって変わるのだろうと思いますから、全然議論がかみ合っ ていないと思います。  それと、認知症の問題についての精神科の病床の話を前回させていただきました けれども、あの文言のところは、精神科病床と介護保険施設の必要数をよく検討す るということに書いてあったわけで、私は精神科病床に全員入れろという話をして いるわけじゃなく、先ほど国交省の話も出ました。高齢者の居住スペースを厚生労 働省と国交省が今現在プロジェクトとして作っているわけですから、そういったも のをどういう形で作っていくのか、そして地域でどうやって見るのかということが 本来あるべき姿で、介護保険ができたというのは、介護の社会化ということを目指 していたわけですから、これは別に精神科病床だけの話じゃないわけですから、十 分検討した上でないと、ただ単に減らすんだと。それも強制的に減らすんだと言わ れるような意見がここで蔓延しているというのは、私はちょっとおかしいのではな いかということで指摘させていただいたということでございます。 ○広田構成員  私は都道府県のことをここで話していると、また神奈川県の悪口になりますから 言いませんけれど、この国は小さな政府ではないんですよ。いつかなるかもしれま せん。今は厚生労働省というものがこの国の施策や法律とかいろんなことをやって いる。この文言を入れるのは。国の姿勢として、この24人の検討会の構成員の総意 として、私はさっき言った4点セットを入れるべきだと。隔離収容施策によって生 み出された社会的入院者を解放し、病床を削減し、精神科特例を廃止し。厚生労働 省が昭和33年に出した通達ですよ。都道府県じゃないですよ。国の施策ですよ、隔 離収容は。だから、それをやめてもらいたい。都道府県がどうして精神科特例とか 外せますか。そういうふうな国の流れとして私は言っているんです。当然知ってい ます、都道府県のそのことは。でも、国の方向性として、これを今回打ち出さなけ れば、私たちは禍根を残す。 ○樋口座長  少しほかの方々の御意見をいただこうと思います。この点について何かございま すでしょうか。  今、文言として、3ページの上の4行のところの表現ということで出てきている ことだろうと思います。門屋構成員からは、そこの中に人権を十分配慮した医療と いう中身を付け加えるべきであるというのが出ておりまして、広田構成員から4点 セットの話が出てきたと。そのあたりについていかがでございましょう。長尾構成 員。 ○長尾構成員  この問題は、去年の検討会の中でも結構いろいろな意見が出たところだと思いま すし、彼らの現実を踏まえながら、チェック・アンド・バランスという言葉もあり ましたけれども、きちっとした、どういう形でこういうふうにするからこういうふ うにしましょうという話でいくんであれば、私は非常にいいんですけれども、そう いうものがこの中にも見えない。ですから、ただ単に病床削減だ、これだけに勝手 に減らすんだという話は、初めにありきという話ではないというのは、前にもお話 ししたとおりで、ですから、それは、今後の施策として、こういう形で地域という のを居住やサポートをここまでするからこうなりますよというような形が本当は見 えるべきなんだけれども、そこが十分ではない。ですから、ただ単に病床削減があ りき。現実の今後の形として、医師も増え、看護士も増え、さまざまな職種も増え ということで十分できれば、そのように持っていくのは当然のことだろうと思いま すけれども、現実問題として、即それをやってしまうんだという話にはこれはなら ないと。だから、こういう観念論でそれをすべてやってしまうと何もならないので、 これは論議、ここでやればやるだけ、幾らやっても仕方がないというところはある と思いますので、私はそういう意見で、この報告書については、そこまで盛り込む 必要はないかなと思っております。 ○樋口座長  ほかに。大塚構成員。 ○大塚構成員  会議の前半から三上先生の発言を多く聞けて、今、いろいろ頭の中で考えがめぐ っていますが、私たちのこの検討会の報告書の中には、当事者に参画していただく ということを盛り込もうということになったわけですね。ここでお一人いらっしゃ る広田さんが入ればいいということではなくて、いてくださっていて、その中で当 事者としてこれまでの体験も含めて、皆さんの代表も含めて、代弁も含めておっし ゃっていただいていることをここで取り入れていけないというのはおかしいなと思 うところもあるんですね。そういう意味で言うと、これは広田さんもおっしゃいま したように、法律ではなく、法制度の文言ではないので、検討会の報告書として私 たちの思いをかみ合っていないというところも含めてここにきちんと文言として盛 り込んでいくということではないかと思います。広田さんや門屋さんが言われたこ とは文言として入っていっても、そのことがすぐ形になるかどうかというのは、む しろこれからの施策の問題であると思いますし、現場の実践の問題だと思いますの で、それは時間がかかることもあるかもしれませんが、ビジョンとして盛り込んで いくということであれば、そこはその方向でいいのではないかなと私は思います。 ○樋口座長  このあたりは、前回の昨年の末の中間まとめのときにも同じような議論がありま した。では、先にどうぞ。 ○中島構成員  「はじめに」のところへ入れるのは、1つの大きな流れというか、方向を示すと いう意味ですので、入れればいいんじゃないかなと思うんですね。広田さんが言わ れたことを若干変えられても結構だと思いますけれども。  その前に、1ページの29行目、「必要な医療、福祉等の支援を提供する体制の整 備は不十分なままであった」と。ここで即、「このことに関して、構成員一同、深 く悲しみ、謝罪するものである」。これを一発入れておかないと、次が生きてこな いんですよ。構成員が謝罪する。 ○広田構成員  だれに謝罪するの。入院患者に。 ○中島構成員  はい。あとはお任せします。 ○樋口座長  ほかには。  今までの議論というのは、前回の中間まとめでもあった議論でもありますし、こ れ、なかなか一本化できなかったんですよね。前回も。そういう場合には、やむを 得ずと言っては表現はおかしいですけれども、最大公約数をどうやって盛り込んで いくかという話になろうかと思うんです。そういう点について、今出ている3ペー ジの4行の今の表現に、例えば門屋構成員の表現を加えて、更に何か最大公約数的 に共有できるものが取り込めないかというあたりで何か御発言がありますでしょう か。もしそういうことで基本的にそういう格好でよろしいということであれば、あ と、もう少し、今、中島構成員の言われた御提案も含めて少し検討を加えさせてい ただいて、文言等も含めて、それを事務局とこちらの方でまとめさせていただいて 御提示するという方向でよろしゅうございましょうか。 ○広田構成員  傍聴人も見えているから、多くの精神病院の経営者と私は、ばしばしやり合いな がら信頼関係はある。本音は、診療報酬が低いから出せないんですよ。診療報酬を 上げるためにも、きちんとした国民の精神科医療にする、ここでこれを盛り込まな いと、長尾先生も私と大した年は違わないけれど、あの世に行ったときに、社会的 入院の人たちが幽霊で出てきますよ。私はきちんとやった方がいいと思います。歴 史的な日ですよ、今日は。歴史的な日にしたいと思います。 ○樋口座長  一応とりあえずそういう格好でまとめさせていただくということでお預かりして よろしゅうございましょうか。座長の方で。よろしゅうございましょうか。伊澤構 成員。 ○伊澤構成員  今までの話も踏まえてというところで発言をさせていただきたいと思います。 ○樋口座長  今のことに関連ですか。新たな。 ○伊澤構成員  ごめんなさい。新たなです。 ○樋口座長  今のところはとりあえずそういうことで、ここの一つの結論とさせていただいて、 次に進みたいと思います。どうぞ。 ○伊澤構成員  報告書全体を通じて、わりと前向きなというか、勇ましい言葉を含みまして、結 構躍っておりまして、「入院医療中心から生活中心へ」という従来のスローガンに 加えて、地域を拠点とする共生社会の実現という一歩踏み出した、そういう意味で は、非常に勢いを感じるというところであります。  それから、改革の歩みを止めないという姿勢についても非常によろしいと思うん ですけれども、今問題にしたいのは、末尾のところの「おわりに」なんですね。61 ページの一番最後の段落、これの主語というか、主体が明らかでない。12行目を見 ていただくと、「国の」というところに斜線が入ってしまっていて、削除なんです ね。昨日配信された資料では、しっかり「国の」というところが入っていて、そこ は非常に私は大きく評価をして、最後を結ぶに当たって、非常に力強さを感じると ともに、結びとしてとてもよいと思ったんですが、「国の」というところの表現が 消えて、「ナショナルミニマム」と置き換えられていたりしているというあたりは、 どういう経緯なのか、どういう問題意識なのかというところをお聞きしたいという ところが1点ございます。  それと、個別事項のことでちょっとよろしいでしょうか。 ○樋口座長  では、先に今のことから。その辺の説明。 ○野崎課長補佐  済みません、前回というか、御意見をいろいろいただいた中で、「ナショナルミ ニマム」という言葉を是非入れていただきたいという御意見があって、いろんな御 意見をもらう中で、「ナショナルミニマム」ですから「国の」ということと、あと、 これ、もともと検討会として御議論いただいて、こちらに提言をいただくというも のですから、「進められたい」と一番最後に書いてありますから、そういうことで 意味としては通じるかなと、非常に事務的に整理をしたということなので、もし明 記すべきだということであれば、そこはよろしいかと思いますので、済みません、 「国の」という形で入れさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。 ○伊澤構成員  戻すということで進めていただくということですか。 ○野崎課長補佐  そういうことです。 ○伊澤構成員  お願いします。  それと、個別事項でことをお話したいのは、28ページ、認知症のことについてな んですけれども、認知症の○の3つ目の22行目、23行目でしょうか。「介護保険施 設等の生活の場の更なる確保と適切な医療の提供」ということ。「適切な医療の提 供」というところが新たに加筆された部分なんですが、その前に「生活の場の更な る確保」というところの響きというか読み取りが、要するに器作りだけを進めれば いいという、単に数だけを増やせばいいというニュアンスとして受け止められてい て、そういう意味では、環境の充実、生活環境をしっかり充実しながら進めていく という施設整備を併せて持っていかなければならない。つまり、質の確保というと ころも当然のことながら進めていくというところを折り込んでいただきたいと思っ ています。生活の場の環境の充実を踏まえた上での更なる確保、そんな流れで表現 していただけるとよろしいかなと思いました。  以上です。 ○樋口座長  今の点については、事務局、よろしいですか。 ○野崎課長補佐  今のこと、我々事務局としての認識ですけれども、「適切な医療の提供」の後に、 「外来医療及び介護保険サービスの機能の充実について」と。ここは介護保険サー ビスですから、在宅、入所、すべて含んだ介護保険サービスを、在宅機能も、ある いは施設の機能も充実していく方向だということを書かせていただいているという ことと、あと、25行目からの部分も、必要な機能を確保した上で活用を図っていく ということですので、そういう趣旨は我々としては書かせていただいているつもり です。今いただいた御意見を踏まえて、更に少し検討をしたいと思いますが、どこ かに検討していきたいと思います。 ○樋口座長 そのあたりは、もう少し表現として伊澤構成員の指摘された点を盛り 込めるようにということでよろしゅうございましょうか。  ほかには。では、門屋構成員。 ○門屋構成員  私の発言はこれで終わろうというふうには思っておりますけれども、本当に長い 間お世話になりました。ありがとうございました。  前回、先週、発言をしなかったものですから、大変気になっておりまして、私も 申し上げたいことも実はいろいろとあったんですが、今回、資料をいただいて、私 なりにこういうことについてだけ是非お願いしたいということを具体的に座長の言 われるように申し上げたいと思っています。  それで、私が追加で寄せた文、3ページに書いてありますけれども、私はこうい う文がどこかに折り込まれないかと思いながらずっとやってきたものですから、こ れをまとめとして是非入れておいてほしいと思いましたが、そのことはさておき、 少し私が提案をしたいことをページを追って申し上げたいと思います。  先ほど、最初の3ページについては申し上げましたので、次のページは、17ペー ジの12行目になりますけれども、「地域生活を支える支援の充実」という中に「地 域生活を支える救急医療や通院・在宅医療、」で、これは私の立場ですので、「特 に」を入れていただいて「障害福祉サービス・相談支援の充実等により」という文 言を入れてもらいたいというのが1点です。  24ページになりますが、24ページの新たに加えられた「(地域における精神保健 体制について)」の中の、最近は余りこの言葉を使わないというふうに私は認識を していて、上から目線は極力避けるという傾向にあると私は思っていまして、22行 目に「訪問指導等」の「指導」という言葉は、この中に「相談指導」が何箇所か入 っています。27行目、28行目、30行目、31行目と入っているわけですが、この 「指導」を外していただきたいというのが私の希望です。外して特に問題が起こる とは思えない文章なので、「相談」で十分ではないかと思いました。  それから、25ページの34行目になります。これは改革の基本的な方向性というこ となわけですから、ここでいわば一番最初に書かれている共生社会ということも含 めた基本的なものがここにもきちっと入るべきだと思いますので、34行目の○の頭 に、地域を拠点とする共生社会の実現に向けて、「入院医療中心から地域生活中心 へ」という基本理念に基づき、「の実現に向けて」を消していただいて、「に基づ き、精神医療の提供体制についても入院医療を中心とする体制から」、次の「地域 で精神障害者を支える」というのを消していただいて、「本人の意向に応じて精神 障害者の地域生活を支えるという理念に基づく体制への再編を図る」という文言を 入れていただきたいと思います。  それから、次のページ、26ページになります。26ページの上から2行目になりま すが、「精神障害者の地域生活を支える機能を充実させて」というところの中に、 「医療機能を充実させていくことを促すための方策を講ずる」という「医療」とい う言葉を「機能」の前に入れていただきたい。  それから、60ページに、さっき広田構成員から意見があって、座長のとりまとめ が行われていた部分と実は重なるんですけれども、私は60ページの「本検討会は」 という22行目から始まる文章に加えて、実は文章を書いてきました。これも申し上 げておきますが、これを取り上げていただくかどうかは御検討いただければと思い ます。  「求めたい」と26行目は終わっていますが、加えて「我が国の国民がたとえ精神 障害となっても安心して治療が受けられ、障害を持ちながらも、その人なりの人生 が送れることがすべからく保障される精神保健医療福祉のあり方検討会を設けるこ とを望む」なり「求める」なりということを入れていただきたい。  というのは、改革は、前回の検討会にも、私は立場は違いましたけれども、入れ ていただいて、今回も入れていただきました。一貫して今回の検討会も5年先のこ となんですね。何の改革、どこに向かう改革なのかというのは、今現在ある状況を こうすべきだという議論はいろいろと起こってはいるんですけれども、私からすれ ば、希望のあるビジョンみたいなものはいまだきちっと見えていないし、そのため に、こういう方法もあるのではないか、ああいう方法もあるのではないかという、 こういった本音の議論はここの場では十分できなかったと私は思っているんですね。 そういうものが必要なんだと。今ここの22行目から書いてあるまとめは、今回の検 討会で具体的に提案しているものの施策についての検討はなされるかもしれないけ れども、もう少し先にある日本の精神保健福祉の、精神医療福祉のビジョンみたい なものの向かうべき方向性みたいなものを何とか検討してもらえないのかなと思っ て、そんな文言を書き加えていただくことを希望いたします。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。  今、何点か出されておりまして、1つずつ確認といいますか、検討しておく必要 があろうかと思いますが、事務局の方、大体お分かりいただいたでしょうか。17ペ ージからですね。そこの[2]、11行目、12行目のあたりでしょうか。特に障害福祉サ ービス、相談支援の充実ですね。これは特に御異議はございませんか。 ○広田構成員  何ですって。 ○樋口座長  17ページの12行目、「地域生活を支える支援の充実」のところの文章で、「地域 生活を支える救急医療や通院・在宅医療」、その後に「特に障害福祉サービス相談 支援の充実等により」というのを加える。 ○広田構成員  相談支援というのは、福祉サービスのところに入ってくるんじゃないんですか。 私、相談、相談と言うんですけれど、前にも言ったかもしれませんけれど、この業 界の人に相談しなくなったというか、話をしなくなったら、すごく楽にシンプルに 生きられるようになったということで、相談者がいるから相談が必要なので、さっ きの病床じゃないけど。つまり、依存しちゃうんですね。相談、相談と言っている 間は。生活支援センターのピア相談もやっています。国は残念ながら生活支援セン ターをなくしちゃったんですけれど、多くの生活支援センターからいろいろな形で 招かれて行っていますけれど、仲間にとって一番人気は、貧しい人のリーズナブル なお値段で栄養がある食事が摂れて、仲間に出会える。そして、ピアを含めた職員 とかピア相談ですかね。そういうものなんですね。だから、相談、相談と、すごく おっしゃるけれど、皆さんの人生の中でもそんなに年がら年中相談ばかりしていな いと思うんですね。そういう意味で、私はここに相談と入れるのは、さっき私のこ とに賛同していただいたから、日本的な義で言えば、私も門屋さんに異論を唱えち ゃいけないんだろうけれど、私はむしろ相談支援にそんなお金をかけるより、今お 話したような、私の別刷りの方に出ていますけれど、相談支援を残すのであれば、 食事の提供とフリースペース、仲間が出会えることが大事で、ここに相談を入れる ことはない。福祉サービスの中に相談というのは、職員がいれば入ってくるという ことです。近所の人に、「こんにちは、きれいな花ですね、今日は涼しいですね、 9月に入ってもまだ暑いですね」というようなことを言えるようなコミュニケーシ ョン能力をつけるためのトレーニングで、ここにわざわざ相談支援というのを入れ るのは、私は反対です。現状からして。当事者の立場から。そういうものを包括し た福祉のサービスだと思います。 ○樋口座長  どうぞ。 ○門屋構成員  相談は、今言っていただいたように、ピアカウンセリングも含めたものを実は私 はイメージしていて、それは非常に重要だと思っていますので、相談という言葉に はかなり広い幅を持たせているということだけは承知していていただきたいと思い ます。反対するのは全然構いませんけれども。 ○広田構成員  それは、この間も田尾さんと大喧嘩したところで、「広田さんは自分のやってい ることを否定するのね」と言っていたけれど、そういうことも含めて当然ですよ。 ピアカウンセリングが主流ですもの。当然。それでも反対です。ピアカウンセリン グだけで人が集まるのではなくて、私のところに全国から、今度の連休もいっぱい 来ます。交番に来て、一緒にお値段に応じていろんな店に入って御飯を食べたりし ている中で、相談に来た人が何の相談か忘れるようなこともたくさんあるわけです よ。そういうことで、相談だけの事業について私は反対です。 ○樋口座長  それでは末安構成員。 ○末安構成員  広田さんの言うとおりだと思うんですけれども、残念ながら広田さんが全国にい ないんですよ。 ○広田構成員  それがどうしたの。 ○末安構成員  だから、広田さんのように親身になって、患者さんの立場に立ったり、家族が困 っていることを支えていこうとか、あるいは必要だったらここにこういうふうにつ ないだらいいわよというふうに、身近でいろんな患者さんたちが相談できる、広田 さんのように、24時間電話を受けますというような体制がまだないわけですよね。 それに近付けていかなければいけないというのがあるから、そのためには、ある程 度システムというか、形で、広田さんは形じゃなくて中身だと言うかもしれないけ れども、形じゃないと前に進まないこともあるから、と私は思います。 ○広田構成員  私は寝るときはマナーモードで着信履歴を残すだけですけれど、専門家が「広田 さんのような人がいない」というのは、みんな言っています、仲間が。「広田さん のようになりたい」と。「憧れはある」と。「でも、余りにも叩かれ過ぎて大変 だ」と。「国の議事録を見ても、本当によく発言しているね」という意見。でも、 私よりももっとやっている仲間もたくさんいるから、それは失礼なことになると思 いますね。そういうことも含めて、私は相談支援と入れることは反対です。広田さ んがいるとか、いないとか、そんな小さな問題ではなくて。相談事業というと名は 体を表しますから。さっきの話じゃないですけれど、住むところがあって、食べる 物があって、仲間がいればいいという人たちもたくさんいる。ピア相談、ピアカウ ンセリング、そういうことを含めて相談事業という文言をわざわざ入れる必要はな い。そこに含まれている。医療も福祉も。当然のことだから。話ながら、ついでに、 あ、こんなこともあるのよということが相談だったりすると私は思います。単なる 会話なのに毎日、毎日、相談、相談ということでカウントをとってやっているとこ ろをたくさん知っていますが、それはおかしいと私は思います。 ○樋口座長  いかがでしょうか。御提案された門屋構成員。 ○門屋構成員  外して。含まれていると言われれば含まれているのも事実ですから。 ○広田構成員  「3障害一元化した」という言い方を自立支援法の中でしますけれど、目の見え ない人に車椅子を用意してもしようがないんですよ。いろんな人、その障害による 特性があるから、相談は当然含まれている。千葉の救急医療センターなんかではと てもインテークは大事な場面ですけれど、わざわざここに単独で「相談」という言 葉を、私は精神障害では入れる必要はない。むしろ、知的と精神の重複とか、身体 と精神の重複とか、いろんな重複の問題が出てくるけれど、そういうものも幅広く きちんと対応できる職員が必要で、私は精神に限って言えば、ここに特化して相談 事業を入れる必要はないと思います。 ○樋口座長  それでは、ここはあえて入れる必要は、中身に含まれていると理解をしていただ くということでよろしいでしょうか。  それから、24ページでございます。24ページの22行目あたりから何箇所か「相 談指導」という「指導」という言葉が入っているのを除いた方がよろしいのではな いかということですが、このあたりについては、事務局で何かございますか。 ○野崎課長補佐  基本的にそういう形でよろしいと思うんですが、ざっと見ると、ちょっと意味が 通じなくなる部分がありますので、そこは少し考えたいと思いますが、全体として は事務局としてはそういう形の整理でよろしいのではないかと。言葉の整理という ことでよろしいのではないかと思いますが、もちろんその前に御意見を。 ○樋口座長  今のことに関して、どうぞ。 ○長野構成員  関連して、「指導」という言葉を削除するということに賛成なんですけれども、 保健所の問題だけではなくて、施設基準そのほかに全部「指導員」と入ってしまっ ているところがあって、私たちは「支援員」というふうにかたくなに変えたりとか いろいろしているんですが、広田さんがずっと心配されているのは、医療関係者、 福祉関係者の行き過ぎたお節介なんだろうと思うんですね。実際それが起きて、そ れが次のまた何かを起こしてしまうという事実もある。必要なときに使っていただ く立場というふうに専門職がなり切れていないということで文言のやりとりがある んだと思うんですけれども、「指導」という言葉はまさにそこを象徴しているよう な気がして、全般的に見直す必要があると思います。  以上です。 ○樋口座長  ありがとうございました。  ほかにこのことに関してはよろしゅうございますか。  では、ここは今のようなことを踏まえて、言葉を整理するということですね。  その隣のページ、25ページの一番下の34行目からの、少しこれは修文がございま したが、この点につきましては、もう一度言っていただけますか。 ○門屋構成員  修正した文章を読み上げます。「○地域を拠点とする共生社会の実現に向けて、 『入院医療中心から地域生活中心へ』という基本理念に基づき、精神医療の提供体 制についても、入院医療を中心とする体制から本人の意向に応じて、精神障害者の 地域生活を支えるという理念に基づく体制への再編を図る。」です。 ○樋口座長  今の修文に関しては御意見ございませんか。  よろしければ、この点については修文をしていただくと。  それから、26ページの一番上の2行目でございましょうか。「精神障害者の地域 生活を支える機能」と書いてあるところに「医療機能」というふうに「医療」を加 える。この点についてもよろしゅうございましょうか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  それでは、そういうふうにさせていただきます。  それから、最後でございましょうか。60ページのところの、これは門屋構成員、 何行目からというのをもう一回確認していただけますでしょうか。 ○門屋構成員  26行目の終わりたい○の後に続けてと考えておりました。あるいは、○を1つ作 っていただいても構わないです。 ○樋口座長  26行目、この見え消しの、じゃなくて。 ○門屋構成員  ごめんなさい。申し訳ありません。32行目ですね。ないしは、○をもう一つ作っ ていただいて、この最後の○のところは、本検討会では、その使命を終えるが、新 たな重点施策群の策定等というふうに、ある特定のもののように考えてしまうもの ですから、先ほどのようなものを入れてもらいたいと思っておりました。 ○樋口座長  その点についてはいかがでございましょう。 ○長野構成員  大賛成というか、あり方検討会に初めて参加させていただいて、一貫した中で、 各論の積み上げという形で報告書を聞いて、私たちは20年後というのはどういうも のを目指していいかというところは本当にまだできなかったということが現実なん だろうと思っています。  キーセンテンス、キーワードとしては、本当にこの地域を拠点とした共生社会の 実現という、実践の中ではおぼろげながらイメージが私たちつかめているような気 はするんですけれども、これが全国でこれに対する、これを地域を拠点とする共生 社会が実現する具体像というのはこういうものなんだということが全体的に共有さ れていかないと、ばらばらにここに向かっていったのでは、また何も変わらずにい ってしまうということがあると思います。それが公的な場で求められるべきものな のか、現場でどんどん積み上げていくものなのかというのは分かりませんが、精神 医療とはこうあるべきだということを入れる、もう少し具体的なものを盛り込んで いくというのは必ずあった方がいいと思います。  少し思うんですけれども、日本の精神科医療、福祉のあり方というのは、本当に 世界各国から取り残されている部分があると思う。それを追っかけるということで すけれども、逆に言うと、世界の反省点も見ながら、世界最先端のものを作れる可 能性も秘めているんだろうと本当に真剣に思っていまして、地域を拠点とした共生 社会の実現というのを本気でこれの具体像を考える機会を早急に持っていくという ことは大賛成であります。  以上です。 ○樋口座長  ほかには。どうぞ。今のこととは、次の課題ですね。では、ちょっとお待ちくだ さい。  門屋構成員、申し訳ないんですが、今の文章をもう一度読み上げておいていただ けますでしょうか。 ○門屋構成員  「加えて、我が国の国民がたとえ精神障害となっても安心して治療が受けられ、 障害を持ちながらもその人なりの人生が送れることがすべからく保障される精神保 健医療福祉のあり方検討会を設けることを望む。」です。 ○広田構成員  私、この検討会、24回目で1回当たり1万7,000〜8,000円出ていますから、40 万円ぐらいのお金をもらっていて、ここに集まっている人だけで1,000万円以上の 税金を使ってこういう論議をしているんですけれど、今、長野先生もお話しされて、 門屋さんもお話しされて、さっきとても気になったのは、本音で言えなかったと。 私は本音で言ってくださいとずっと言っていた。どういうふうなことだったら本音 で言えるのかしら。また同じことが起こって、また本音で言えないから、また次回 ということで、もしよろしければ、なぜ言えなかったのか。何か言うと私が反論す るから怖かったとか、マスコミが入っているから、本音は言えなかったとか、何な んでしょうか、本音で言えなかったというのは。率直に。 ○門屋構成員  本音で言えなかったというふうには余り認識していませんけれども、そういうビ ジョンを描くような議論がここで余り、長野先生が言われたような意味のことを実 は私も感じていて、たくさん問題点も本当によく拾っていただいて、文章としても 書かれている。このことについてはすごく評価をしているんですが、どこに向かう んだろうということについてのきちっとしたものが、私にはやっぱりどうも見えな いんですね。ここはこうした方がいいという改善は分かるんだけれども、どういう ところに向かうのかというところの議論は、今回は、それをテーマにして議論しな かったということもありますけれども、これはこの検討会の限界だと思うんですね。 残り5年間についてということでしたから。そのことだけです、私が感じているの は。 ○広田構成員  分かりました。私、考え方が全く違っていて、社保審の障害者部会を担って、広 島の大学に招かれたときに教授が、「国の審議会や委員会で出ないことは施策化さ れない。だから、今できなくても、こういうふうにあるべきだということを広田さ んが言うことが、結果的に、何年先になるか、何日先になるか分からないけれど、 大事な役割を担った人です」という紹介を受けたんですね。ですから、今後こうい うふうな国及び地方自治体の委員を引き受ける際には、当局側が出せないからとい って、そこのところに甘んじているのではなくて、いや、目標が少ないだろう。も っとこういうことが大事じゃないかということを言えるのが委員会の構成メンバー であり、審議会の委員だと私は認識しています。是非、行政任せにしないで、もっ とどんどんと引っ張っていくような発言をされた方がいいと思います。 ○樋口座長  今の確認ですが、最後のところに一文、今の門屋構成員の文章、一部、言葉等に ついてはあるかもしれませんが、それは掲載するという方向でお願いしたいと思い ます。よろしいですか。事務局、何かありますか。 ○野崎課長補佐  ないです。 ○樋口座長  それでは、上ノ山構成員。 ○上ノ山構成員  今のこととも関係しますけれども、最後にまとめられて、目標値を書かれて、そ してその後の課題ということで挙げられていますけれども、せっかくこうしてたく さん議論して、これだけまとまった文章を書いていただいたので、その結論が本検 討会はここでこの使命を終わるが、新たな重点施策の策定等を行う際には云々とい うことでは、次また先送りということになってしまいますので、ここに書かれてあ ることに関しては、少なくとも責任を持って実行するということは確認すべきだと 思うんですよね。そして、それをだれの責任においてやるのかということを明らか にすべきではないかと思うんです。私たちも長い時間かけてこうして来て議論して いるわけで、それが活かされてほしいと思いますし、とにかく実行をしていただき たいと。それが責任あるところで行っていただきたいということですね。もし可能 であれば、前回、私、言いましたように、それを検証する機関をきちんと設けて、 それが実行をチェックしていくような形、あるいは今後の精神保健医療福祉に関す るブレインになっていくような機関ができたらいいなと思っています。  今までの議論の中でも、厚労省の範囲でおさまらない議論がたくさんありますし、 医療観察法の問題にすれば、司法との関係とか出てきますし、早期支援との関連で 言えば、文科省との関連とか出てきますし、あるいは認知症等の問題であれば老健 局との。同じ厚労省ですけれども。この課だけではおさまらないところについても 精神保健医療福祉に関する施策を重点的に進めていくと。関係機関が集まって進め ていくブレイン機能を持たせるべきではないかと思います。そのことができたらう れしいなということが1点です。  それから、目標値のところで、治療中断者等への危機介入を行う。多職種チーム の整備ということが残念ながら抜けていますが、これは前段でいろいろ書かれてい るということなので、改めて書かれていないのかもしれませんけれども、このテー マはかなり新しい枠組みを作るということですので、新しい予算措置も含めて検討 しなければならない重要な課題なわけですよね。文言としては、治療中断者とかい うのだけですけれども、本文の方には、未受診者とか、医療中断者とか、あるいは 重症者とかいろいろな言葉が出ていましたけれども、そういう危機介入を行うよう なシステムを具体的に作っていくということは、かなりの制度改正を伴わないとで きないし、少なくとも現在の保健所体制や精神保健福祉センターの機能だけではで きないことだし、それから、今までの民間に丸投げの体制でこの体制ができること もないと思います。だから、そこがうまくミックスして制度として作られていく必 要があるということなので、最後に※印で普及啓発等に関することに関して書いて いますので、もし何か数値目標として挙げられないのであるとするならば、未治療 者、治療中断者等への危機介入を行う多職種チームの整備に関しては今後の課題と して残っている、というような形で※で残していただくとありがたいと思います。  それから、医療の質に関することなんですけれども、本来、学会で議論すべきよ うなことをここで議論していただいてありがたいと言えばありがたい。それだけ学 会が頼りないということになるんですけれども、そういう機会が得られたことは、 逆に喜ばしいんですが、35ページに今回はSSTという言葉が加わっていますので、 こういうものを改めて公的な文書の中に取り入れられたというのは非常にいいこと だなと思うんですけれども、SSTを入れるなら心理教育も入れるべきだなと思い ますよね。  それから、それらの心理社会的療法に加えて、私としては、医療サイドにおける ソーシャルワークに関して入れてほしいなと思います。というのは、36ページなん かで見てもそうなんですけれども、医療の質の向上などの書きぶりは、結局は医療 は薬をやっていればいいというニュアンスなんですね。薬物療法に関するチェック と、根拠のはっきりしない認知行動療法を勧めているということなんですけれども、 精神科医療というのは、医療的な側面と生活を支援していく側面と両方裏表になっ て進めていく必要があると思うんですね。そのことがちゃんとできたら書かれてほ しいと思うんです。つまり、そういうことが学校教育でほとんどなされていません ので、精神科医療というのは、個人に対する薬物の投与と、個人に対する心理的な アプローチというだけということで、そういう教育しか受けてこないお医者さんが 非常に多いわけですね。そうじゃなくて、精神科医療というのは、医療と生活を両 方見ていく裏表の支援を行っていくものが精神科医療であるということをちゃんと 教育していく必要があると、そういう意味で……。 ○樋口座長  先生、具体的にどこに何を加えたいということ。 ○上ノ山構成員  例えば、症状の背景に、生活上の困難や複雑さがある場合には、それを改善する ためのソーシャルワーク機能が望まれるとか、何かそういうようなことを、例えば 35ページの診療の現状の4番目ぐらいの○のところに1つ入れていただいたらどう でしょうか。それが1つ、今の精神科医療に対する現状として言えると思いますし、 そういうことが実際に行われていないことが現状だと思いますし、課題としては、 そういうことが実際に行われるようにしていただきたいと思います。  以上です。 ○樋口座長  3点ほど今御指摘がございましたので、その1つずつ確認とディスカッションを していこうと思いますが、1つは、一番最後の60ページの今後、改革ビジョン後期 5か年のところですね。そこの中で、これを実際、実行に移していくという表現で あるとか、あるいは検証をするといった表現であるとか、あるいは、関係機関が今 後は集まって施策を具体化していくところでブレーン的な機能を果たすべきである といった御意見でございますが、この点については何かございますでしょうか。事 務局としては何かございますか。 ○林課長補佐  まず1点目、実行をするべきだということについては、例えば60ページの22行 目のところに「重点施策の策定を行うべきである」としておりますけれども、ここ に、策定し、実行するべきである、ということを明記してはどうかと考えます。  あと、検証、それから、新たな検討の場ということについては、基本的には御趣 旨のような部分については、24行目、25行目の進捗状況を踏まえて、次の対応をし ていくといったところとか、その次の段落のところに趣旨としてはかなり包括され ているのではないかと考えております。 ○樋口座長  上ノ山構成員、そこの表現では不十分で、もう少し具体的にこういう言葉を入れ なさいということがあれば、御指摘ください。今の「実行」の方はいいですね。 「実行」という言葉をそこの中に加えるということで。 ○上ノ山構成員  具体的に私もどういう言葉を入れたらいいか分からないんですけれども、実行す るということと、責任体制を明確にするということ、そしてそういうための体制で すね。それを担う体制。厚労省の精神保健課が全部やりますと。全部意見を聞きま した。やりますというなら、それはそれでいいんですけれども、だけど、それでは なかなか進まないだろうと思うので、そういう体制を作るべきではないかと。 ○樋口座長  分かりました。おっしゃっている趣旨は分かりました。それをどういう表現で入 れ込むかというのはもう少し。  どうぞ。 ○三上構成員  今の関連で、同じように感じていたのですが、確かに今回のこの中で、さまざま な他の省庁でありますとか、他の部局との関連施策が多いわけですが、それが十分 ここには盛り込まれていない感じがいたします。特に、私からは、ずっと地域包括 支援センターを地域包括支援システム、地域ケア構想の中で完遂すればいいのでは ないかと申し上げていたのですが、ここでも連携の中ではそういう言葉が出てきて いないということなので、せめて最後の60ページのところの一番最後の○、先ほど 門屋さんがおっしゃっていましたけれども、ここでは、重点施策の策定等を行う際 に、精神障害者や家族、メディア、法律関係者など、あるいは社会保健、医療福祉 の関係者等の参画を含めて書いていますが、これだけではなく、関係者だけでなく て、あとの高齢者施策、あるいは住宅施策、あるいは教育関係者等も含めた人たち の参画を求めというような形で書き加えていただければ、今後幅広くできるのでは ないかと思いますので、よろしくお願いします。 ○樋口座長  分かりました。では、その辺は更に追加するということで文章を考えていきたい と思います。  それから、2点目は、58ページのところで御指摘があったのは、「普及啓発施策 に関する目標に関しても別途設定する」と書かれて、ここで未治療者であるとか中 断者への介入について、更に今後検討を加える必要があるということを表現したら どうかということなんですが、このあたりについては。どうぞ。 ○林課長補佐  今回、ここを削除している趣旨をまず御説明させていただきたいと思います。  危機介入を行う他職種チームの整備等については、45ページのところにその内容 が記載されておりまして、45ページの31行目から32行目でございますけれども、 他職種チームによる危機介入等の支援体制について、「モデル的な事業の実施・検 証を経て整備を進めるべきである」という書き方とさせていただいております。こ れについては、今既に整備が始まっていて、数を増やしていく段階というよりは、 モデル的な事業の実施・検証をまずやって、整備を進めるべきという段階でござい まして、その意味で、数値目標として何箇所というような整備ということについて は書き込まないというふうに全体的に見直した上で整理をさせていただいたもので ございます。  したがって、消極的な意味で削除ということではなくて、まだその前段階にある けれども、これから一生懸命これを検証という段階から普及という段階まで延ばし ていくというふうに考えておりますので、目標として、この5年間に何箇所という ところまではさすがにまだいかないのかも分かりませんけれども、私どもも意向と しては上ノ山構成員の御意向と同じだと考えておりまして、予算の確保等をこれか ら一生懸命やっていきたいと思っております。 ○樋口座長  そこはよろしゅうございましょうか。  それから、もう一点が35ページのところで、診療の現状の特に15行目のところ にSSTが加えられているので、そこには心理教育という言葉もあってしかるべき ではないか。それから、ソーシャルワークという言葉も含まれてしかるべきではな いかということでございますが、この点につきましてはいかがでしょうか。心理教 育という言葉。どうぞ。 ○長尾構成員  言っていたらきりがなくて、「等」に入っていると考えたらいいんじゃないです か。みんなそんなことは分かっていますわ。 ○樋口座長  いかがですか。上ノ山構成員。いいですか。 ○上ノ山構成員  いいです。 ○樋口座長  では、そこは「等」という言葉の中に含ませていただくと。  それでは、ほかに。どうぞ。 ○上ノ山構成員  私がだらだらと言ったので分かりにくかったと思いますけれども、35ページ、28 行目の後に、ちょっとごめんなさいね。言葉をはっきりと言えないんですけれども、 病状の背景に生活上の困難等が関連している場合は、それに対するソーシャルワー クなどを強化すべきであるというような内容なんですけれども、そういうことが実 際にほとんど行われていない。つまり、教育の中でも行われていないし、精神科医 療の現状ということをもし書くのであれば、この問題に対する問題提起をどこかに 入れておきたいと。つまり、お薬をやったら治るとか、個人に対しての心理療法を やったら治るかというだけの問題ではなくて、今は、虐待の問題にしたって、ある いは自殺の問題にしたって、社会との関連の中で精神科医療がどのような形で役割 を果たすのかということは非常に従来な問題で、そういう視点を欠いた若い精神科 医が非常に多いわけですよ。それが学会の偉い先生方もとにかくお薬の話しかしな いし、お薬をやっておれば、医者の役割が終わりみたいなところがあるので、そう いう生活に関連した状況も視野に入れた精神医療をやってほしいということを1点 入れてほしい。 ○樋口座長  分かりました。  今のことに関連して、山根構成員。 ○山根構成員  それは、37ページの精神科医をはじめとした医療従事者の資質の向上のところに 関連するかと思うのですが、加えてほしいと思っていまのは、11行目ですね。精神 療法、児童思春期なんとか等になっていますが、これは先ほどの「等」とは違って、 ここのところに精神療法や心理社会的療法を入れていただくと、今のようなリハビ リテーション的なものとか、背景というものが含まれるように思います。確かに今 の精神医学の中では、精神療法についてもですが、心理社会的療法というのは余り 教えられていないので、そういうことが少し入れば、おさまるのかなという感じが します。  それと、文言ですけれども、加えて39ページの。 ○樋口座長  ちょっとお待ちいただけますか。今のところ、上ノ山構成員、そこに加えるので もよろしいんですか。それとも、先ほどの35ページのところで改めて1つ○を付け てという。 ○上ノ山構成員  結構です。 ○樋口座長  御遠慮なくどうぞ。中身としては、先生の御指摘のことをこの中に含ませていく と。それは、今、山根構成員が言われたこととも重なってくることなので、そこは、 場所も含めて、内容としてはそういうものをここの中に盛り込むということでよろ しゅうございましょうか。  それでは、続けてどうぞ。 ○山根構成員  39ページの25行、アセスメントを実施するため、複数名での訪問ということが書 いてありますが、家族会代表も言われていましたように、精神保健福祉とかその他 の医療職が行っていますので、アセスメントということを考えれば、同じ職種が複 数ということじゃないと思いますから、ここを他職種もしくは複数名という形にし ていただくと、訪問看護というところの誤解が解けるのかなという感じがします。 ほかによい表現があれば、それに変えてもらったらいいと思うんです。  それと、もう一点、43ページですが、改革の基本的方向性の中で精神科救急医療 の充実ということがありますけれども、身体障害とか一般の病気の方では、既に早 期リハビリテーションということで、医療と早期のリハビリテーションはセットで 行われますので、精神科についても、「精神科救急医療・早期リハビリテーション の充実や」という形で、もし入れておかしくなければ、それを加えていただければ と思います。 ○樋口座長  ありがとうございました。今の1点は39ページの25行目のところですね。「十 分なケア、アセスメントを実施するため、他職種もしくは複数名での」ということ ですね。これはいかがでしょうか。どうぞ。 ○太田参考人  そこに関連してなんですけれども、同じ○のところで、「複数名での訪問が必要 であるとの意見がある」という記述部分に関し、前回も申し上げたところですけれ ども、これまでも複数名訪問の必要性については、いろいろと多くの研究等でも指 摘されているところでありますし、本検討会の御議論でも有効性というところは複 数の構成員の方から御支持いただいた部分だと思いますので、「意見がある」とい うわりと弱い表現よりは、「必要である」と言い切っていただければ大変ありがた いと思っております。 ○樋口座長  今のところはいかがでしょうか。前段の「他職種もしくは複数名での訪問が必要 である」という表現。どうぞ。 ○広田構成員  やたら訪問したがるというか、訪問される方は迷惑している場合がいっぱいあっ て、その迷惑をだれにどう断れるかというと、主治医と関係性が上下関係になって いる中で、多職種はどういう形で来るんですかね、例えば、六畳一間に住んでいる 家に。この間も、物すごく大変な状態の人のところへ行ってきましたけれど。ホー ムヘルパーさんが入り過ぎていて疲れちゃったり、多職種が来過ぎていて、患者が 疲れちゃうとき。どういう形で来るんでしょうかね。多職種、多職種と言うけれど。 後でお話しさせていただきますけれど、薬を減らしていこうといったときに、「薬 でもうけられなくなったら、今度、多職種訪問でもうけるのかな」と患者たちは話 しているんですけれど、どういうイメージになりますかね。 ○樋口座長  山根構成員。 ○山根構成員  悪い意味でとられるとそういうふうになるのですが、実は、ACT等で関わって いまして、御家族や御本人から、相談をしたいとか、相談ということはまた誤解を 受けてはいけませんけれど、自分の状況を見てもらうとか、援助を受けたいときに、 一職種だけで来られてもというので、今はチームで行っているんですね。無理やり、 必要ないのにチームで行ってたくさんお金を取るという意味ではなくて、必要な適 切な職種が伺ってという意味合いです。何もかもたくさんで押しかけるというので はありません。 ○樋口座長  よろしいでしょうか。 ○広田構成員  患者が疲れている場合があるという実態を是非共通認識として持っていただきた いし、断れない関係にある。私がたまたまここで発言しているのは、末安構成員が、 ピアサポートの効力だとおっしゃっていただいたけれど、それもありますが、民間 会社に行って、一般の人の中で対等に働き、対等に話ができたことが、ここに出て これる最大の要因で、国民の一員としての感じなんですね。そういう私を基準にし て考えたらよくない。こういう私でも20年前、作業所に行っていたとき、断れなか ったわけです。そういうふうなときに、本当にそこはよく慎重にやらないと、来る ことによって疲れちゃう。医療機関はお金になるということですが、そこはくれぐ れも踏み外さないでいただきたいし、狭い住環境に何人来るのか。前にも言いまし たけれど、「ホームヘルパーさんは片付けてくれる人だけれども、訪問看護は見回 している人とか」ということがありますから、そういうところを本当に当事者の立 場に立った多職種というのをね。そこを入れておかないと。  それと、家族が来てほしいとよく言いますけれど、この間もひきこもりの人に電 話して、「あなた、もし親が5,000円置いて、田舎で急病人が出たといったら、餓 死する?」といったら、「それは餓死しない、夜コンビニに行きますよ」というこ とがありますから、親が来てほしいということは、後で家族支援のところで言いま すけれど、家族と本人のどちらのニーズを優先するのか、いろいろ課題があると思 います。 ○山根構成員  親が来てほしいというのは、親が本人を見るために来いというのではなくて、親 自身の困り事があってのこともあります。ただ、本当に訪問看護の場合、処方が出 されてから行きますけれども、あとの場合は、本人の希望からいくものですのでね、 基本的には。 ○樋口座長  それでは、その点はよろしゅうございましょうか。 ○広田構成員  本人の立場に立った。 ○樋口座長  立った。文章表現を少し考えていきます。  それから、43ページの28行目、「精神科救急医療の充実」のところは、「精神科 救急医療・早期リハビリテーションの充実」を加える。これはよろしゅうございま しょうか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  それでは、そこはそういうふうに修文をいたします。  ほかの議論に移りたいと思います。中島構成員。 ○中島構成員  まず、最初にちょっと教えていただきたいんですが、57ページの今後の目標値に ついて、認知症に関する目標値は、平成23年度までに具体化する。23年度までとい うのは、23年度中という意味でしょうか。その前の22年度の最後までという意味で しょうか。24年の3月まで。 ○野崎課長補佐  定義上は、23年度の間にということです。 ○中島構成員  そうしますと、28ページの「認知症」のところ、6行目からのところですけれど も、今後認知症高齢者の増加が予想されることや世帯構造の変化を踏まえ、平成22 年度までのものとして現在行われている、認知症の有病率や認知症に関わる医療・ 介護サービス等の調査を早急に進めると。早急に進めるのであれば、半年ぐらい繰 り上げて、目標の時期を23年度半ばまでに具体化するなどというようにできないも のだろうか。これは事実上無理だというのであれば仕方がないと思います。その結 果に、この調査を、文章が長過ぎるので、「調査を早急に進める」でマル。その結 果に基づき、その後へ、認知症高齢者をできる限り地域で、生活の場で支援する体 制を構築するという観点や、次の認知症の専門医療、明確化、観点も踏まえてとい うように、一言、地域での、生活している場での医療の提供、あるいは介護の提供 ということを明確にしておかないと。調査に基づいていることの枠組みをここで明 らかにしておいてほしいと思います。 ○樋口座長  今の点はいかがでしょうか。年度に関してのこと。 ○林課長補佐  年度のところは、定義上は、24年3月までにはなりますけれども、これは介護保 険の事業計画の関係等と連携を進めていきますし、24年度から動けるようにという 意味で23年度までと書いておりますので、実態上は中島構成員の御意思に沿うよう なものになると考えております。 ○樋口座長  後半の付け加える文言については特に問題はないでしょうか。今の。よろしいで すか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  では、そこはそれで修文をしていただくと。  では、どうぞ、佐藤構成員。 ○佐藤構成員  簡単なことですから、先にやらせていただいて。32ページですね。地域における 精神科医療機関の役割みたいなところで、32ページの22行目で、総合病院精神科の 枕詞ですね。私は「一般救急と連動した」というのを要望したんですけれども、重 症の精神・身体合併症への対応」と変わっているんですね。総合病院精神科のメリ ットは、一般救急、一般医療と連携しているというところが最も今後活かされるん だと思いますので、身体合併症をやらないわけではないですけれども、身体合併症 ばかりやっていると、自分が何科の医者か分からなくなってくるというアイデンテ ィティクライシスに陥ってしまうということもありますし、それから、重症の身体 合併症は、むしろ総合病院精神科病棟じゃなくて一般病棟、ICUとかそういうと ころでやられるということになりますので、一般救急と連動し、「重症」を外して、 精神・身体合併症への対応を行うというふうに書いていただくと結構だと思います ので、よろしくお願いします。 ○樋口座長  今の点は特に問題ないですか。長尾構成員。この点について。 ○長尾構成員  私はできれば重症の精神・身体合併症への対応をしっかりと総合病院でやってい ただきたいと思っていますので。 ○佐藤構成員  重症な身体合併症は一般医療でということですね。ICUでということになりま すので、軽症、中等症を主に総合病院精神科で担当するということにしていただき たい。 ○樋口座長  よろしいでしょうか。今の長尾構成員が言われたことは、文章としては重症のと いう精神・身体合併症というのを残した方がいい。精神も。 ○長尾構成員  両方の重症という意味の枕詞というふうに私はとらえておるので。 ○樋口座長  精神と身体の両面にわたった重症という意味。 ○長尾構成員  そうです。 ○佐藤構成員  大学の教授なんかには、精神病床で合併症ばかりやるのは反対だという立場の人 がいるんですね。もちろんやりますけれども、そればかりやるのは反対だという立 場の人もいますので、何かで説得が困難になってしまうこともあるので、重症は是 非外していただいて、重症を入れるのであれば、重症の身体合併症は一般医療で行 っていただく体制を作るという形になると思います。それを入れると長くなっちゃ いますから、重症を外していただいて、「一般救急と連動した」ということと、身 体合併症を全くやらないというわけではないので、「精神・身体合併症の対応」を 行うというふうにしていただくといいのではないかと思います。 ○広田構成員  関連して。ここに来ていると、本当に現場をよく御存じでない方がたくさんいら っしゃるんですね。この前、伊藤構成員に、机上の論理だからうちへ来てください、 課長もおいでくださいということ発言したんですけれど、救急隊の現場に行ってい ると、重症とかじゃなくて、ほかのことを併発しながら、「精神科なんて」、本当 にこれなんですね。救急隊員、行く先がなくて、前にも言ったように、菓子折りを 持って挨拶しているわけですよ。そういう中で、さっき教授が嫌がるというのは、 何回も言っていますけれど、医師を16対1にしながら安い診療報酬が問題なんだか ら、これをきちんと上げて、嫌がられないようにする。それから、一般の方がいい と思いますよ。重症なんて入れないで、一般でやった方が、私は総合病院らしいと 思います。 ○樋口座長  長尾構成員、いかがでしょう、そのあたり。 ○長尾構成員  では、結構です。  では、ちょっとついでに、29ページのところで、19行目から総合病院の云々とい うことで、21行目から診療報酬上の評価だけでなく、補助者の拡充等の云々という ことがあるんですが、違うところに救急・急性期についてのところも若干記載はし ていただいておるんですけれども、24行目からの段落で、「精神科病院においても、 身体合併症について」云々というところに、今回、前回の診療報酬上が若干付きま したけれども、そこにもできれば診療報酬上の評価だけでなく、事務補助者の拡充 等の云々という言葉も加えていただければありがたいかなと思いますが、いかがで しょうか。 ○樋口座長  そのあたりはいかがでしょう。上の文の19、20行目で修文したところで一たんそ れが反映されている部分があると考えられたんでしょうか。今のところですが。あ るいは新たに今の24行目以降のところに同じような文章を付け加えるという。 ○林課長補佐  前回、長尾構成員から御指摘をいただいて付け加えた部分は、そこの部分に加え て34ページの4行目以降の「総合病院精神科をはじめ、特に救急・急性期医療を担 う医療機関における」という部分で付け加えさせていただいております。診療報酬 上の評価ということは、また私どもも要望し、また別な場で検討いただきたいと思 っておりますけれども、基本的には、どこもかしこもということではなくて、重点 的に優先順位を付けてということが求められていると思いますので、最も必要なと ころからお願いしていくということになろうかと思っております。そのことも踏ま えて御議論いただければと思います。 ○樋口座長  今の、よろしゅうございますか。何か、長尾構成員。 ○長尾構成員  はい。 ○樋口座長  それでは、大分時間が迫ってまいりましたが、まず、広田構成員が手を挙げて。 ○広田構成員  長いです。 ○樋口座長  30分ぐらいかかりますか。短い方から先に終わらせましょうね。  では、短い方。末安構成員。 ○末安構成員  19ページの16、17、18行目で、従事者数のところ、質の話をさっきしていたんで すけれども、書きぶりを正確にしていただいてありがとうございます。  それで、更に加えて、33ページの29行目以降の4行なんですけれども、「精神病 床における医療の質の向上を図るために、段階的に看護職員等の人員配置の充実 を」ということなんですが、私、できれば「早急に」というふうにしていただきた いんです。その理由は、ここの案件ではないかもしれませんけれども、精神科の病 床は、さっき広田さんも医師の48対1の問題を言われましたけれども、看護職員も 平成24年までは6対1の特例が認められていまして、総数としては増えてきている んですけれども、看護の15対1状態の病床数が3分の2ぐらいを占めているという 実情もあって、なかなか地域のことももちろん重要ですけれども、安心して入院し てもらうという、ほっとできる体制というか、それをどうしても確保したいという 思いが私ども今ありまして、そのようにしていただきたい。  その点では、31行目の終わりから、「最も必要な分野に重点的に医療従事者を確 保する必要がある」という、ここを確保するじゃなくて、配置できるような研究教 育体制を図るべきであると、先ほどお薬の話もありましたけれども、社会から求め られている精神病院の姿というのは刻々変わると思いますし、なかなかそこまで及 ばなかったような処遇困難な方たちとか、いらっしゃるのを受け入れていく病院も、 病院の方も自己変革しなければいけないというふうに、看護士の教育も含めてです けれども、思っておりますので、診療報酬マターだということは理解した上で、 「段階的に」というところを「早急に」。医療従事者を確保するというところを、 必要な重点的な医療従事者を配置できるような教育研修体制を作るというふうにし ていただきたいと思います。 ○樋口座長  今の点についてはいかがでしょうか。長尾構成員。 ○長尾構成員  本当に早急にそうしていただきたいのではありますけれども、前々回の診療報酬 の改定のときに7対1看護というのができまして、このときにどういうことが起こ ったかといいますと、東大病院をはじめ大学病院が全国を津々浦々、看護学校を回 って、是非来てくれというようなことをどんどんやったということがあります。看 護人員が是非日看協、日精看も含めて十分に供給していただけるような形をすべか らくとっていただきたい。一部のところにどんどん流れたがために、看護士を確保 するのが難しくなっている地域も随分あります。うちでも、看護学校の実習を受け ていて、それまでは2〜3人、実習に来た後、希望者があって来ていたんですよね。 あの7対1から出てからパタッと止まりました。これはそこが完全にストップさせ ていますから、そういう状況を是非ともなくしていただきたい。是非とも早急にそ ういう状況を考えていただきたい。 ○樋口座長  ということは。 ○長尾構成員  段階的でいいと思います。 ○樋口座長  今の段階的のまま残すという、これはいかがですか。意味合いとしては当然含ま れますが。  それから、後半の方の「最も必要な分野に重点的に医療従事者を配置できる教育 研修体制を」という表現ですね。この点については。どうぞ。 ○林課長補佐  その点につきましては、1枚おめくりいただいて34ページの方をごらんいただき ますと、再配置、あるいは新たな分野に従事する際の再教育といったことについて も記載をさせていただいておりまして、これに加えて何かということかどうか、御 意見をいただければと考えております。 ○樋口座長  今の点、末安構成員、いかがでしょうか。これは病棟、入院に関してという表現。 ○末安構成員  はい。そうです。それは分かっているんですけれども、こちらはどちらかという と地域医療に必要な医療従事者を配置するというふうに私は理解していまして、33 ページの方は、専門領域が多様化しているという、精神科医療の中の専門領域の多 様化に併せて、そこに必要なという意味です。救急医療に手厚くということが、今 ですとスーパー急性期なんかもその人員配置なんかもその一例だと思うんですけれ ども、それだけではなくて、中に散見しているんですけれども、重点的に配置する べき専門的なところ、私どもですと認定分野をいろいろと設置してやっている認定 分野を、看護士の再教育というのは、専門職能団体としてもやっているんですけれ ども、それだけではなくて、ソーシャルワーカーの方にしても、作業療法士さんに しても、一般的な教育というのはあるわけですけれども、あと現任教育というか、 必要な分野のところに、その時々に併せた必要な分野のときに人員配置していくと いう、治療的に入院治療を短縮化するために必要な専門技術という意味で言ってお ります。 ○樋口座長  ということで、ここの中に今のような表現を書き加えておきたいということでご ざいますが、よろしいですか、そこは。どうぞ。 ○林課長補佐  例えば、2行目の新たな分野のところにそういった趣旨を更に少し加筆するとか、 そういったことで専門分野といったことも読めるようなことを考えてはどうかと思 います。 ○樋口座長  それでは、ほかに。では、簡潔にお願いいたします。 ○太田参考人  それでは、46ページのところなんですが、先ほど、訪問看護のところの複数名訪 問のことを現状のところで発言させていただいたんですが、こちらの改革の具体像 のところの14行目のところでして、12行目からの「特に、訪問看護については」と いうところで、「体制の強化を図るべきである」と書いてあるんですが、これは非 常になんというか、漠然としたというか、「体制の強化」ということになっていま すので、可能であれば、その直前のところに、現状を踏まえまして、「複数名での 訪問看護の実施等」と挿入していただけますとありがたいと思っているのですが。 ○樋口座長  今の点。どうぞ。 ○中島構成員  そういうのは非常に細かい話で、特に看護が次から次、たくさん要るような話は やめてほしいですわ。今、いなくて、いなくて、四苦八苦。院長はそのために死に そうになっていますよ。7対1は必ず病院全体じゃなくて、病棟別で7対1という のをきちっとやってほしい。そのことを言った上で言われるなら納得しますけれど も、そうじゃないんだったら、僕はそれは同意できません。 ○樋口座長  よろしいですか。  それでは、広田構成員。 ○広田構成員  さっきの話は、段階的とか、早急的とか、気持ちは早急にです。目指したいんだ から。目指したいのを段階的では、目指すところは高く。それで、重点的なものを また作るから、そこで言おうと思っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるかも しれないけれど、そうじゃなくて、私はいつでもチャンスとか機会があったら、ベ ストを尽くすことが人間は大事で、後悔しない生き方をしたいと思っています。そ こで、ちょっとお話しさせていただきます。  私、ここに入れ込めなかったんですよ。家に帰って原稿を書き終わったのが3時 で。広田の別刷のところ、広田構成員のところです。認知症の社会的入院を作らな いというのを認知症のところに入れていただきたいと思います。  それから、薬の量を減らしていくというところにお金をかけるような書きぶりだ ったんですけれど、私の誤解ならそれでいいんですが、患者からすれば、薬の量は 時間をかけて減らしていくことがとても重要なので、いきなり多剤から単剤にかえ ることにお金を使うというやり方は患者を無視しているということと、いわゆる抗 精神病薬の依存症も問われている今日、初診から必要最小量の薬にしていただきた い。  それから、どこかに家族と本人がごちゃごちゃになってくるところがあるんです が、51ページ目の「精神障害者・家族の視点に立った支援体制」は、精神障害者と 家族というのは、入院させられる側と入院させる側という非常に厳しい場合もたく さんありますから、ここのところを別立てにして、精神障害者の視点に立った支援 体制と、精神障害者の家族の視点に立ったということで、家族支援を入れた方がす っきりすると思います。その中で、家族支援の中にレスパイトケアを入れていただ きたいということです。  それから、ここにもし出てきたらごめんなさい。「使いやすいショートステイに すべき」にしていただきたい。それは、我が家の駆け込み寺を、今日、傍聴席には 配れませんでしたが、これを読んでいただけると、こんなに簡単に泊めることがで きるんだということで、これをすれば不幸な事件や自殺をも解決する場合がある。  それから、ジョブコーチをやる場合には、精神障害者本人で就職経験者を是非登 用していただきたい。ボランティア活動の推進というのは、精神障害者を含めただ れもがボランティア活動の推進で、精神障害者も社会貢献したいということです。  それから、ここには入っていないと思うんですが、是非、病床が削減した暁には、 ピアサポートのところにこれを入れていただきたい。病床が削減したところにピア サポートができるフリースペースを精神病院から国及び地方自治体が借り上げて、 絶対に病院の関係者は口を出さないということです。  それから、ここも盛り込まれていたらごめんなさい。福祉サービス事業者の情報 発信機能は大反対です。そういう仕事ではなくて、きちんとメンバーと向き合って、 デイ・ケアが随分やり玉に上がっていましたが、いわゆる福祉も働ける人は働ける ようなサポートをすべきですし、その人がもっと充実した生活をできるようにサポ ートすべきで、情報発信基地になる必要は全くない。精神障害者本人も社会に認め られようと思うんですが、ともすると精神障害者の周辺にいる方たちの方がより社 会に認められようとし過ぎるので、一住民の視点としてここがおかしいと日ごろか ら思っています。  それから、退院の際に住宅の確保にお金が必要です、4カ月分がかかる。これを 国の責任か地方自治体が担う。  それから、自立支援協議会は必要なのか、自治体には協議会や委員会などばかり 設置されて、統廃合が必要な状況だと横浜市とか神奈川県を見ていて思います。  それから、「早期発見・早期治療ではなく」は、ここに出てきます。読みますが、 「私はこのシリーズを始めてからいろいろな精神疾患の人と関わってきました。」 これはシルバー産業新聞の記者の言葉です。「一番印象に残っているのは、初めて パニックになったときに精神病院に連れていかれて、大量の薬を飲まされ、それが きっかけで本当の精神疾患になったような気がするという声が多かったということ です。精神科を回るたびに、統合失調症、アスペルガー、発達障害などと診断名が 違うので、自分の病名が分からないという人もいました。また、医師によっては、 心の病気も身体上の病気も、自分で治す、医師や薬は手助けの手段しかないと言わ れた人もいましたと。その人は自己管理に努めて、今では薬も飲んでいるものの、 企業で働いて結婚生活をしています」と、こういうふうなことが出てくるんですね。  私自身も、あの冊子に出ていますが、「精神分裂病、躁うつ病、非定型精神病、 30代後半で米軍基地でディスコを踊っているから思春期症候群、広田さんは病気で はない、人生の危機だというふうに5人の精神科医が意見が分かれた」ぐらいです から、この早期発見をだれがするのかということで、私が研究していただきたいの は、きちんとした診察が付けられるようにしていただきたい。診察がこれだけあい まいな非科学的な精神疾患の中で、早期発見をだれがするのか。前回も言いました けれども、仲間が「明治の精神病者監護法以来、警察官が患者を見張っている体制 をやめてほしい」と。「そんな早期発見・早期治療といったら、今まで近所の人に こんにちはと言っていたのが、みんなが見張っているように思ってしまうんじゃな いか、広田さん」ということで、31ページ目です。「早期支援体制の検討」そこは 反対です。特にここの15行目ぐらいです。「具体的には」の上です。「体制の整備 を早期かつ重点的に」、ここは外していただきたい、絶対に。  それから、だれもが安心して暮らせる環境ですね。国民の精神医療にするため、 これ、精神医療の質のところで入れていただきたい。友人など家族以外の面会を受 け入れること。  それから、ここは別立てでどこかに入れていただきたい。今の児童虐待とかいろ んなことが絡んで大変な問題になっています。精神障害者が子どもを育てること。 憲法や障害者権利条約で保障されているように、精神障害者も結婚したり、子ども を生んだり、親として育てる権利がある。これをきちんと入れていただきたい。  それから、入院、通院、就労など、ピアサポート効果に対するドクター、関係者 の理解を深める。多くの医者が、自分のところに通院している患者に向かって、 「同じ通院仲間と電話番号を教え合わないように」とか、「付き合わないように」 と言っていますから、国民に理解をと言っている方が一番理解がないということで、 これは是非入れていただきたい。  それから、精神科病院は、自前の患者は24時間見る努力に努める。それが否定的 にこの報告書には書かれていますが、私はそれがとてもいいことだと思っています。 これは救急隊の意見でもあります。  それから、自殺など今日的課題にも対応できる救急車によるソフト救急の確立。  それから、これは入りませんでしたけれど、是非私は意見を言わせていただきま す。病床を持たない医療機関精神保健指定医に精神科救急病床を含めた当直を義務 付ける。それから、病床を持たない医療機関精神科医に精神科病床の当直を義務付 ける。  そして、ここです。親亡き後ではなく、親ある今、不幸な事件を防ぐため、また、 本人の自立のため、そして最大の啓発につながる世帯分離。精神障害者の犯罪は少 ないけれども、殺人は断トツに多い。殺されているのは家族です。それを離せば、 わざわざ殺しに行っている人はいません。そういうことです。そのため、住宅の確 保にかかる敷金等4カ月分の家賃を生活保護又は国及び地方自治体が出せるように すること。  それから、ここです。医療従事者及び福祉従事者の精神的自立です。私、この検 討会に全回来ていますけれど、検討会終了後、「広田さんは来ないで」と言って、 専門職が集まっています。そういうふうな共依存をしているのではなくて、私自身 当事者として一人でここで立って来れるように、一人ひとりが精神的な自立をして 臨んでいただきたい。共依存をやめていただきたい。そういうふうな姿勢が、精神 障害者と向き合ったときに、やたらとネットワークだ、連携だという形のもたれ合 いになっているというふうに、ここに来てとても感じました。  それから、ここは入っていますね。  行政、医療従事者、福祉従事者、問題を抱えている人ときちんと向き合い、自力 でやっていけるときは見守りにとどめる。本当に大変な人をみんなでやらないで放 っておいて、どうでもなりたつ人をみんなでサポートだとやっていますから。ただ 冒頭でグループホームは大変な人を入れてほしいという意見が今日出ていましたが、 本来、大変な人ほどグループホームでしょうから、この意見は大賛成です。  それから、ここですね。坂元委員が今日来なくて、いつも大事なときに来ないん ですけれど、精神科救急の移送のところだったかと思います。多くの精神障害者が 感じています。行政職員とか関係者に。「精神障害者を嫌がったり怖がって」警察 官に頼り過ぎたり、押し付けず、行政はやるべきことをやる。そのために、慣れて いないとか言っていないで、行政関係者のスキルアップをする。そして、24条から ダッカイをしてほしいし、24条を減らす努力をしてほしい。24条は申し上げること もなく、精神保健福祉法24条ですが。もし相談支援が、さっきなくなりましたが、 また後で復活して残るとしたら、食事やフリースペースの提供などをきちんと盛り 込む。  それから、ここは、自立支援法が廃止になるのであれば、自立支援協議会を盛り 込まない方がいいと思いますが、入れるなら、既に障害者のための委員会がいっぱ いできすぎていますから、地方自治体においては設置しないでもいいと盛り込むべ き。  それから、これもとてももう一つ柱立てとして入れていただきたい。自殺の今日 的な対応。精神障害者の対応のため、将来、消防、警察以外、保健所等行政の24時 間化、これがとても大事だと思っています。  それから、すべての関係者は、精神障害当事者から学ぶ視点を持つこと。これが とても欠けていると思います。いろんなところに行って、「当事者から学ぶ視点が 大事ですね」と言うと、「いや、専門性」と。専門性というのは、いつも申し上げ ているように、医師の診たてに基づいた病状とか症状です。  それから、マスコミ報道は、事件発生時の精神科入通院歴報道をやめてもらいた い、報道機関に。地域間で大きな格差と出ていましたが、変わっていたらごめんな さい。地域間の格差は当然で、北海道と沖縄のようないっぱい島があるところと神 奈川とは全然違うから、こういう言葉は不適切だったということと、これで私の今 回の最後になりますが、本当に全回、24回、お葬式にも出ないでいろんなことがあ ったけれど、ここに命をかけて出てきました。次の検討会に持ち込むような形の死 に体の検討会の報告書ではなくて、1,000万以上かかったこの検討会のここでみんな が述べた、本音を言えなかった門屋さんもいらっしゃった、いろんな方がいらっし ゃったけれども、きちんとこれが国の施策として反映され、そして地方自治体がこ ういうことをやろうと。精神障害者の復権を果たそうと。注射の副作用であんな廃 人のような姿で21年前に精神科病院に入院した広田和子が、まさか後年、総理大臣 である小泉純一郎さんに、「アメリカのケネディ大統領が精神病院を閉鎖したとき に、予算を付け切れずにホームレスを生んでしまった。だから、総理、日本はそう なってはならないのです。お金を付けていただきたいと言ったことをだれもが予測 できなかった。ですから、皆さんの目の前にいる、これからまたあらわれる精神障 害者本人が、だれもが広田和子などより物すごい可能性を秘めた本人であるという ことを認識しつつ、こういうふうなところで発言する際には、また、立案する当局 側も含め、いつ、だれもが精神障害者になるかもしれない。なったらこんな施策が いいな、なったらこんな国がいいな、なったらこんな街がいいなという視点を持っ て、これからも私たちは生きていきたいし、作った一員として責任を持って関わっ ていきたいということで、皆さんより時間も長く取らせていただきましたし、個人 的にやり合った人もいますけれど、やり合えるというのはすべて信頼関係が土壌に あることですから、こういうことで私はお話を終えさせていただこうと思います。 どうもありがとうございました。 ○樋口座長  ありがとうございました。  今、かなり多くの項目、コメント、あるいは修正、追加等の指摘を受けておりま す。この中で、一つ一つというふうにいかないだろうと思うんですが、読んでいた だいて、ここについては違った意見があるとか、あるいは、この点についてはこう すべきであるとか、そういったコメントがございましたら、いただきたいと思いま す。事務局も含めて何かございますでしょうか。どうぞ。 ○中島構成員  最初に広田さんが書いておられる、認知症の社会的入院を作らないと。これは結 局、統合失調症等の社会的入院を作ってしまってきた歴史を踏まえて、認知症につ いては社会的入院を決して作らないんだという決意がどこかへきちんと書き込まれ ている必要があると思います。 ○樋口座長  ありがとうございました。  ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。 ○田尾構成員  先ほど、広田さん、早期のところで、31ページの体制の整備を早期かつ重点的に 進めるべきであるというところはやめてほしいとおっしゃいましたけれども、その 中身というのは、実際には効果の検証を行うとか、モデル事業を行うとか、医療従 事者の研修の質を向上するということなので、まだ本事業としてすぐにやるという ことを言っているわけではなくて、モデル的な実施ということなので、それは早急 に始めて検証をすべきだなと思いますので、この文面は残してもいいのではないか と思います。 ○広田構成員  この早期発見、早期支援の中にこれを盛り込むということは、私はそういうふう に思わないんですね。私自身診断が5つ分かれて、そして被害を受けている。12歳 で不登校で「脅迫神経症」と言われて、我が家に泊まって治った少年がいましたけ れど、11年たっています。今、東海大学の大学院へ行っていますが、彼も最初から こういうふうに言われていたんです。神奈川県の子ども医療センターに親が相談し た。たぶん急性期状態だと判断した子ども医療センターが、「縄でくくっても連れ てきてください」、そして、「かぎ等があるところに入れますから。」親が「とん でもない」と。「自分のかわいい一人息子をそんなことをできない」ということを 言って、「もう一回彼はほかの医者に精神分裂病」という形で付けられているんで すけれど、どうしても親が納得いかない形で、「もしそのとき、縄にくくられて子 ども医療センターに行っていたら、今のあなたはなかったわね」と私は話をしたん ですけれど、要するに、早期発見・早期支援というのは、きちんとした病名が分か りやすく付くということですか。 ○樋口座長  どうぞ。 ○田尾構成員  病名が付くということではない。先ほど広田さんがおっしゃったように、きちん とした医療機関できちんと見るということが必要なんだと思いますし、それはここ にも書かれていると思うんですね。医療機関でちゃんと見るということがまず必要 なことで、私が見ている人たちの中でも、10代で見たときは恐らく誤診であったん だろうと。そのために家庭内暴力が5年も10年も続き、家族が疲弊し、結局、精神 病院に何年も入院し、私たちのところへ来たという人たちもいます。だから、それ は、逆に言うと、そこが間違っていなければ、きちんとした治療なりというか、手 当てができていれば、そうはならなかっただろうと思う人もいますし、早いうちに 私たちが出会うことによって、学校を卒業させるだとか、いろんな職業訓練を行う だとかということによって、今は全く普通の主婦になっているような人たちもいま す。ですから、私は私の経験の中から、それが非常に、要するに、そういう被害者 を出さないような早期の支援を作りたいということです。 ○広田構成員  平行線だから、私は反対しておきますが…。要するに、田尾さんの経験と、私は 精神医療の被害者の視点ですから、全然違います。私は前回も言ったように、6カ 月間妄想が物すごい人を泊めていて、ほかの医者に聞いたら、「あれだけの妄想を 消すにはよだれを流すことを含めた、物すごい副作用を伴うから、いい環境が必要 ですよ」と言ったんですね。私は、前回も言ったように、アメリカでは治療を受け る権利がある、説明を受ける権利がある、治療を拒否する権利があると医療機関に 掲げてあった。そういう中で、私は日本の、どこの、あそこがいいとか、ここがい いじゃないですよ。長尾先生はここで見ているとブスッとしたおじさんですけれど も、これが病院に行くと物すごく患者に人気があって、本当に驚くぐらいなんです よ。例えば、私がすごく感謝している先生がいますけれど、その先生を訴えたいと いう患者もいるわけ。だから、どこがいいとか、だれが悪いとかという問題は違う と思うんです。私は、多分、事務局もここを盛っているということは入れたいんで しょうけれど、私は反対です。そういうことを言っているわけです。だから、みん ながそれでも行くよと言うんだったら、また何十年かたったときに、広田さんが言 ってたけど、結局そんなうまくいかないでというふうになって、自分の子どもが、 自分の友達が、自分の身内が、精神医療サバイバーのような悲惨なことにならなけ れば分からないんだと私は思います。だから、力関係では負けるでしょうけれど、 私は反対です。 ○樋口座長  分かりました。そのあたりは、ここはディスカッションを重ねて一致するという ところまで多分いかないんだろうと思うので、表現として、例えばの話ですが、こ のような早期支援ということの取組については、当事者からは懸念も表明されてい るところもあり、というようなことを加えて、より慎重な今後の対応を検討してい くのである、というような表現を。 ○広田構成員  そうですね。とにかく、今現存患者の303万人を治す。そして、303万人のうちの 15万人とも20万人とも言われている社会的入院者を出すとか、そういうところに総 力を上げて。それと、正しい診察、診断、そして適切な医療、必要最小限の薬、そ して環境ですよ。安心して暮らせる。そういうものが大事で、こういうところに一 見先を行っているようだけど、ここは違うと。絶対に違うと私は確信を持って、そ の言葉を入れて、「慎重」と入れていただきたい。 ○樋口座長  分かりました。  それでは、ここのところはまた少し文章をこちらの方で検討をさせていただいて ということにさせていただきます。  そのほかのところではよろしいでしょうか。今の広田構成員の多く指摘されたと ころについて。もしよろしければ、これは盛り込むことで修文をしていきたいと思 います。  どうぞ。 ○上ノ山構成員  我々に関連することで言えば、病床を持たない精神科指定医に何らかの当直を義 務付けるとか、いろいろアイデア、ありがとうございます。実際は、こういうこと はやりたくてもできない、そういう疲弊した状況であるということも御理解くださ い。  以上です。 ○広田構成員  やめようと思ったけれど、上ノ山先生、これは、いわゆる精神科救急の現場に精 神保健医というのは少なくて、疲弊し過ぎちゃって過労死でダウン、いわゆるくも 膜下出血の人もいるわけですよ。これはただ単に精神科救急の医者の確保だけでは なくて、私は、いろんな危機介入のところへいっぱい行きます、また困っている本 人や家族からいろいろな話がいっぱい来るけれども、本当にクリニックや診療所が いろんな形で引き延ばしちゃって、それでとんでもないことも起こっているという ことを感じていると救急救命士も言っているんですね。クリニックや診療所のすば らしい医者もいっぱい知っています。でも、精神科救急を底上げする意味でも、ほ かのコメディカルが病院で研修した方がいいと思うのと同様、そういう意味で、精 神科医の質の向上のためにもということを含まれていることを御理解ください。 ○上ノ山構成員  広田さんのおっしゃっていることは底上げになりません。地域医療の破壊につな がります。 ○樋口座長  どうぞ。 ○野崎課長補佐  全体にすごい多くの意見をいただきました。報告書の中にも、例えば行政のあり 方とか、そういうことをまた検討すべきだとか、そういう形で書かせていただいた ところもあります。ですから、このまますべてということ、既に記載としてある部 分もありますし、その中でよりもう少し検討が必要な部分もあると思いますので、 そこは全体を少し整理させていただいて、また全体の整理の中で座長とも御相談を と思いますけれども、そういう形でよろしいでしょうか。 ○樋口座長  そのように御理解いただき。 ○広田構成員  どういうこと。全体の何。 ○野崎課長補佐  全体の報告書の中のほかの記載とか、そういうものを見ながら、いただいた御意 見をなるべく反映するようにさせていただきたいと思います。 ○樋口座長  よろしいでしょうか。 ○広田構成員  特に柱立てを入れてください。さっき言った、結婚とか、憲法とか、障害者権利 条約とか家族支援とか。 ○野崎課長補佐  家族支援は。ほかのところも全体、先ほど復権とか、そういう言葉を追加すべき だという意見もいただいているので、済みません、たくさんいただいているので、 その中で少し整理をさせていただきたいと思います。 ○樋口座長  それでは、時間を大分超過いたしました。まだまだ議論の尽きないところでござ いますが、取りまとめの文章の修正等につきましては、先ほどもお願いいたしまし たが、本日いただいた御意見で既に決着が付いているものもありますし、二、三、 もう少し座長、事務局預かりで文章を練ってというところもあったと思います。そ ういう部分については座長である私の方に一任をしていただきまして、検討会の取 りまとめとしてさせていただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。 (「はい」と声あり) ○樋口座長  ありがとうございます。  それでは、報告書につきましては事務局と調整してまいります。改めて構成員の 皆様方にその中身をお送りさせていただきたいと思います。  それでは、最後に事務局の方から、今後の予定等について説明をいただきたいと 思います。 ○林課長補佐  24回にわたる御議論ありがとうございました。  まず、報告書についてでございますけれども、本日の検討会での御意見を踏まえ まして、座長に預かっていただいた部分がございますので、座長の御指示の下で取 りまとめを行いまして、構成員の皆様にも御送付させていただき、そして、来週を めどに公表させていただきたいと考えております。  また、本報告書を踏まえ、長妻厚生労働大臣にも御報告させていただいた上で、 厚生労働省としてビジョンの後期5か年の重点施策群の策定に向けて、必要な手続 を進めてまいりたいと考えております。  最後に、事務局の障害保健福祉部長の木倉より一言ごあいさつをさせていただき たいと思います。 ○木倉障害保健福祉部長  御審議いただかなければいけない点を改めまして御礼を申し上げます。まだ意見 調整を座長の下でいただき、委員の皆様のご確認も残しておりますけれども、とり あえずの、ということで御礼を申し上げます。昨年の4月からでございます。大変 長い期間、しかも24回、毎回毎回、このように大変時間を延長いただきまして、真 剣な御議論をいただいたことを心より感謝申し上げるとともに、敬意を表させてい ただきたいと思います。  これは、10年ビジョンの中間での評価ということでございますが、課題、更なる 目標値、その進め方、それから、今日は更にそのビジョンを超えて、将来的に向け ての希望を持てる姿をみんなで描いていく、そういう場をまた持って、みんなで議 論をできたという御指摘をいただきました。まさにまだまだ我が国の精神保健医療、 過去の反省に立って進めなければいけないこと、多々あるのだろうと思っておりま す。そこの点につきましては、今後とも御指導いただきながら、我々行政の立場か ら最大限の努力をすべきものだろうと思っております。  目の前でも診療報酬の改定、この5か年のうちにも介護報酬、障害の方の報酬、 あるいは新たな法体系の枠組みという検討課題も多々ございます。その点におきま してもまた御指摘をいただきたいと思っております。  今申し上げましたように、新しい大臣を今日から迎えておりますけれども、大臣、 あるいは内閣府にも、現場の皆さん、これだけの意見をいただいたことをきちんと 伝えまして、協力支援をしていけるような最大限努力を進めていくように努力をし ていこうと思っております。どうもありがとうございます。今後ともよろしくお願 いいたします。 (拍手) ○樋口座長  ありがとうございました。  本当に長時間にわたって大変貴重な御意見をたくさん賜りましたこと、厚く御礼 申し上げたいと思います。  これをもちまして、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を終 了させていただきます。どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。   【照会先】  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部  精神・障害保健課企画法令係  電話:03-5253-1111(内線3055、2297)