09/09/10 第41回先進医療専門家会議議事録 第41回先進医療専門家会議 議事録 (1)開催日 平成21年9月10日(水) (2)場所  全国都市会館 第2会議室(3階) (3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、飯島構成員、加藤構成員、竹中構成員、田中        (憲)構成員、田中(良)構成員、辻構成員、福井構成員        事務局:医療課長、医療課企画官、保険医療企画調査室長、薬剤管理官、        石井課長補佐         (4)議題  ○先進医療の科学的評価(7月受付分)について        ○第3項先進医療から第2項先進医療へ継続される技術について        ○先進医療の届出状況(8月受付分)について        ○先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について (5)議事内容 午後 2時58分 開会 ○猿田座長  それでは、時間になりましたので、第41回の先進医療専門会議を始めさせていただき ます。  先生方におかれましては、新学期が始まって、また暑いところ、お忙しいところをお集 まりいただきまして、どうもありがとうございました。新学期の関係でちょっと欠席の方 が多いのでございますけれども、構成員の出欠状況ですけれども、赤川構成員、新井構成 員、岩砂構成員、金子構成員、北村構成員、笹子構成員、谷川原構成員、坪田構成員、戸 山構成員、永井構成員、樋口構成員、渡邊構成員が欠席ということでございます。  それで、人数がやはり半数いなければいけないということで、戸山構成員、渡邊構成員 からは本日の審議案件に関して事前に検証していただき、意見書をいただいておりますの で、いわゆる出席の扱いにしていいということでございますので、本日の会議は成立して いるということにさせていただきます。  それから、事務局のほうで交代がございましたので、事務局のほうから御紹介をお願い いたします。 ○事務局  事務局でございます。  それでは、9月7日付に事務局の人事異動がございましたので、御紹介させていただき ます。  保険局医療課保険医療企画調査室長の渡辺でございます。 ○事務局  7日付で保険医療企画調査室長に就任いたしました渡辺でございます。どうぞよろしく お願いいたします。 ○猿田座長  よろしくお願いいたします。  それでは、続きまして、資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。 ○事務局  資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料でございますけれども、まず議事次第、それから構成員の名簿、それから、 続きまして座席表、続きまして、先−1といたしまして、7月受付分の届出技術について、 それから、先−2といたしまして事前評価結果等について、それから、それに伴います別 紙1という左側をホチキスどめしたもの、それから、添付資料といたしまして、これは加 藤構成員から別に御提出いただいたものでございますけれども、印刷がちょっと間に合わ なかった関係もございまして、机上配布資料とさせていただいております。  続きまして、先−3−1といたしまして、第3項先進医療から第2項先進医療へ継続さ れる技術に対する事前評価結果等について、それから、続きまして、またこれも1枚紙で ございますが、先−3−2、センチネルリンパ節生検に係る技術の概要、それから、ホチ キスどめした資料が続きまして、別紙2、それから、別紙3、別紙4、それから、別紙の 5までが一連の資料となってございます。  続きまして、また1枚紙でございますが、先−4といたしまして、先進医療の新規届出 技術(8月受付分)についてという1枚もの、それから、先−5といたしまして、先進医 療の新規届出技術、これは新規の共同実施に係るものでございますけれども、こちらの8 月の受付分についてというものでございます。  それから、また続きまして、ホチキスどめした資料でございますが、先−6−1、先進 医療保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について、それから、続きまして1 枚もの、先−6−2、先進医療技術の保険導入等に関する評価票(案)ということでござ います。  資料の不足、乱丁等がございましたら事務局までお申しつけください。よろしいでしょ うか。  それから、また、今回検討対象となるような技術等に関しまして、特別に関与するよう な事情はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  では、回答なしということでよろしいかと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。  いろいろな資料がごたごたしていますけれども、大丈夫でしょうか。  もしよろしければ、それでは、早速時間の関係もございますので、先進医療の科学的評 価(7月受付分)に関しまして、まず、事務局のほうから御説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは、資料の先−1、それから、先−2をごらんください。  初めに先−1でございますが、先進医療の新規届出技術ということで、7月にはこの1 79番、180番、181番の3つの技術が届出られております。  179番、小児期悪性腫瘍に対するFDG−PET検査、180番、網羅的迅速解析法 を用いた造血細胞移植等後免疫不全患者に対するウイルスモニタリング、181番、NK T細胞を利用した頭頸部がんに対する免疫療法の3つの技術の届出がございまして、先− 2をごらんいただきますとおり、180番、181番につきましては書類不備のため返戻 となってございます。  今回、179番につきまして、加藤構成員に事前評価をお願いいたしまして、総評とい たしまして適という御評価をいただいております。評価の詳細につきましては別紙1とい うことでおまとめいただいております。  事務局からは以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。  もしよろしければ、それでは早速ですけれども、整理番号の179でございます。事前 評価を加藤構成員にしていただきましたので、加藤先生、よろしくお願いいたします。 ○加藤構成員  よろしくお願いいたします。  小児悪性腫瘍に対するFDG−PET検査でございます。FDGは18フルオロデオキ シグルコースのペット、ペットはポジトロン、エミッション、トモグラフィーということ でございます。このものを投与して、回転断層画像を得るものでございます。  私はこの放射線のほうの専門ではございませんので、当方から専門医を依頼いたしまし て、協議いたしました結論であることをまず述べさせていただきます。  悪性腫瘍では糖代謝が盛んになりますことによりまして、グルコースと核医学物質F− 18(フッ素−18)をラベルしたFDGは悪性腫瘍に取り込まれまして、その検出に有 効とされております。  小児がんの初発時検索として用いられる核医学検査にはガリウム・シンチがございます が、これは原発巣及び転移巣の検索に有用とされております。しかしながら、その検出率、 すなわち感度は60%から70%と言われておりまして、また被ばく量が多く、小児に適 していない検査でございます。  神経芽腫等におきましては、特異的診断としてのMIBGシンチ、すなわちメタ・ヨー ド・ベンジル・グアニジン・シンチがございますが、その放射線被ばく量が少ないのでご ざいます。しかし、画像が極めて明瞭でございまして、神経芽腫等として有効ではござい ますが、薬事承認されていないのが現状でございます。  そこで、小児がん初発検査におきまして、FDG−PETは原発巣及び転移巣の検索に 有用で、検出率、すなわち感度は80%から100%と言われておりまして、神経芽腫等 においては特異的核医学検査であるMIBGシンチと同程度で、放射線被ばく量も低いも のでございます。  治療効果を判定するための手段といたしまして、CT、MRIによる原発巣などの縮小 効果を見ることが行われておりますが、核医学検査としてその意味を認められているもの は、神経芽腫のMIBGシンチ、脳腫瘍ではタリウム・シンチなどしかございません。  しかし、FDGペットは、その治療効果判定に有効でございまして、現在、アメリカの ホジキンリンパ腫治療研究において、治療効果判定に採用されている現状でございます。  他の小児がんにおいても治療効果判定に有効でありまして、再発病変の確定に有効との 論文が多数出されてございます。  しかしながら、小児がんにおいてFDG−PETが適応となってございますのは、先ほ ど申し上げましたとおり悪性リンパ腫のみでございます。放射線被ばくも少なく、核医学 検査の欠点でございます分解能が低い点もPET−CTが採用されてからはCT上に陽性 所見が反映され、陽性所見の部位判定ができるため、初発時検索及び治療効果判定に有効 なFDG−PET検査が先進医療に採用されることは重要でございます。  また、一方、骨軟部腫瘍、そして脊髄に転移した悪性腫瘍に対する診断治療効果判定に も重要であると考えました。  そこで、その評価でございますけれども、先進医療の名称といたしましては、小児悪性 腫瘍に対するFDG−PET検査でございます。  適応症は、今お話しいたしましたとおり妥当と考えますので、A、有効性は従来の技術 を用いるよりも大幅に有効と考えましたので、これもA、安全性はほとんど副作用、合併 症なしと考えますので、問題なしのA、技術的成熟度、当該分野を専門とし、経験を積ん だ医師または医師の主導のもとであれば行えると考えましたので、A、社会的妥当性、倫 理的な問題でございますが、倫理的な問題はないと考えますので、A、現時点の普及性で ございますが、罹患率、有病率から勘案いたしまして、ある程度普及していると考えまし たので、B、効率性でございますが、既に保険導入されている医療技術に比較いたしまし て、先ほど申し述べましたように、大幅に効率的であると考えましたので、A、将来の保 険収載の必要性に関しましては、将来的に保険収載を行うことが妥当と考えましたので、 A、総合判定は適といたしました。  引き続きまして、当該技術の医療関係の要件でございます。  診療科は小児科、要でございまして、これは小児科・小児外科、そして先ほど申し述べ ましたように、骨軟部腫瘍及び脊髄に浸潤している場合が勘案されましたので、整形外科 を加えさせていただきます。  資格はこれに準じまして、小児科専門医・小児外科専門医・整形外科専門医でございま す。  当該診療の経験年数は5年以上、これは専門医でございますので、5年以上といたしま した。  当該技術の経験年数は、これは御議論いただきたいところでございますが、一応1年以 上とさせていただきました。  診療機関の要件、診療科は要でございまして、放射線科・小児科・小児外科・整形外科 といたしました。  実施診療科の医師数でございますけれども、これは要といたしまして、具体的には放射 線の専門医が1名以上ということにいたしました。  他科の診療科の医師数は不要でございますので、不要、その他の医療従事者の配置でご ざいますが、これは放射線技師が必要でございますので、要、病床数は、これは特に必要 は、検査でございますので不要、看護配置の不要、当直体制も不要でございます。  また、緊急手術の実施体制も不要、そして院内検査、これも不要、他の医療機関との連 携体制も不要、医療機器の保守管理体制については当然ながら、要、倫理委員会による審 査体制は先ほど申し上げましたとおり不要、そして医療安全管理の委員会の設置は当然な がら要でございます。  また、ここは御議論いただきますが、医療機関としての当該技術の実施症例数は要とい たしまして、これは10症例といたしましたが、ここのところは御議論いただきまして、 10は必要なかろうかとも思っております。  そのほかの項目ですが、FDG製剤を院内にて製造できる体制を整えていることといた しました。  頻回の実績報告は不要といたしました。  以上でございますので、御議論のほどよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  詳細に御説明いただきましたけれども、今の御説明にどなたか御意見はございますでし ょうか。特にこの技術の内容に関しては、今、加藤委員のほうから細かくお話しいただき ましたけれども。 ○加藤構成員  田中先生にちょっと教えていただきたいのですが、この10といたしました理由は、特 に医療機関としての当該技術の実施例数を10といたしましたのですけれども、これは私 個人的には10は必要ないかなと思っておりますが、一般的な慣習に習って10といたし ましたが…… ○猿田座長  どうぞ、お願いいたします。 ○田中(良)構成員  私も実は質問したかったんですけれども、この場合のまず要件のところで、実施責任医 師の要件と、それから、医療機関の要件がございますね。これの当該技術というのは、こ の先進医療に申請されている小児悪性腫瘍に対するFDG−PET検査のことなのか、あ るいはそうではなくて、成人も含めた全体のFDG検査、そういうことを指すのかちょっ とあいまいだったものですから。この小児悪性腫瘍だけで10症例以上というのだと、こ れは大変な数なんですよね。 ○加藤構成員  これはちょっと事務局にお伺いしますが、これはFDG−PETは小児以外では認めら れているところでございますね。したがいまして、これは小児に限るということはそうい うことだというふうに判断いたしましたが、10という数は私個人でお書きいたしまして 大変申しわけないのですが、10はちょっと多過ぎるかなと。1でもよいのではないかと いう議論をしてきたところでございまして、この場でぜひ田中先生に御判断いただきたい というふうに考えて、わざわざ10といたしました。 ○田中(良)構成員  その当該技術というのは今のように先進医療のテーマになっている、小児期悪性腫瘍に 対する適応ということに絞られるんですか。 ○事務局  当該技術ということでございますので、今回の先進医療に係る技術ということでござい ますので、今回の場合であると小児ということになります。 ○田中(良)構成員   そうすると、この検査そのものに関する安全性とか有効性に関しては、成人では別に問 題なく行われていますし、小児期だからといって、例えばそれにプラスアルファの要因が あるかというと、対象患者さんが小児期であるということに対すること以外は今のところ 文献的な報告もございませんので、1例でもあればよろしいのではないかと思うんですけ れども。 ○加藤構成員  ゼロでもよいと思いましたが、ゼロはよろしくないという議論に達しまして、私は1ぐ らいでよろしいのではないかという意見であったのですが、団体協議で行いましたので、 この場で決めていただきたいというのが私の意見でございます。3でも5でも1でも2で もよろしゅうございます。 ○猿田座長  1例ということでもありましたよね。どうですか、事務局のほう。 ○事務局  ゼロはございませんが、1という前例はございます。 ○加藤構成員  それでは、1ということで訂正させていただきます。 ○猿田座長  それから、もう一つ、その下のところのこのFDGの製造を院内で、これは大切なとこ ろでしょう。 ○田中(良)構成員  これはどうなんでしょうか。今、FDGの製剤は製薬メーカーからデリバリーといって 配達されていて、それでPETの撮影装置があればできる施設がけっこう出てきているん ですけれども、院内製剤じゃないといけないという理由は何か加藤先生のほうであったん でしょうか。 ○加藤構成員  私どもはデリバリーと考えておりまして、事務局見解というふうに…… ○事務局  説明が足りず申しわけございません。  こちら、本日御議論いただいておりますものは第2項、こちらのものは第2項の先進医 療として申請が上がってきてございまして、今御指摘のありました院内製剤につきまして は、薬事法上の承認がまだ今回御提案いただいている技術に関するものに対しては得られ ていないということでございまして、今回申請のあった施設は院内製剤を使うので第2項 でお願いしたいということでございますので、院外製剤で行いたいということでございま したら、改めて第3項の先進医療のほうに御申請をいただく必要があろうかと思います。 ○猿田座長  ありがとうございます。  ということだそうですが、よろしいですか。 ○加藤構成員  了解いたしました。 ○猿田座長  ただいま一番重要な点のこの2つが出てきたけれども、ほかはどなたか御意見ございま すでしょうか。今、御説明いただきましたように。  お願いします。 ○田中(良)構成員  実施責任医師の要件で診療科が3つ挙がっておりまして、これはこのFDG−PET検 査を行う実施担当医という意味ではなくて、患者さんの診療を実際に担当している科とい う、そういう理解でよろしいんでしょうか。 ○加藤構成員  実際に先生のおっしゃったとおりでございまして、これはオーダーをするドクターとい うことでございまして、実際に行うのは技師ということになります。 ○田中(良)構成員  技師というか、注射をするのは放射線科医ですけれども、そうすると、それで結構なん ですが、ちょっと医療機関の要件のところで診療科というので、要はこれは4つ並んでい るのはこれを全部満たさなくてはいけないというわけじゃないんですよね。 ○加藤構成員  はい。実際にやる場合には満たさなければいけないというよりも、当然いるであろうと いうことでございます。こういうことをやる施設においては少なくてもこの担当科の者が いるであろうということという意味ととらえました。 ○田中(良)構成員  そうすると、こういう記載方法でよろしいんでしょうか、事務局の方にお尋ねします。 放射線科は私はこのうちでは必須だと思うのですが、それから、多分小児科も必須だと思 いますし、骨軟部腫瘍でなければ、例えば神経芽腫であれば小児科或いは小児外科でよろ しいわけですね。こういうふうに中ボチにしてこういうふうに4つ併記されているという ことの解釈なんですが、いかがでしょうか。現場の事務担当の方が時々細かいことでクレ ームをつけられて困ることがあるものですから…… ○猿田座長  その点、事務局。 ○事務局  すみません、事務局の資料作成方法に若干の問題がございまして、この診療科の中に恐 らく必須で必ずいなければいけない診療科と、恐らく症例によっては必要であろうという こともあろうかと思いますので、必ずいなければいけない診療科と、それから、「または」 でいいものと2種類恐らく重みづけがされるかと思いますので、そちらについて、どこの 科を必ず必須として、「または」で書いていい科はどれかということをこちらでお決めい ただきますのと、それから、申しわけございません、その下の実施診療科の医師数、他診 療科の医師数の整理も、この辺も資料の作成上、ちょっと見づらい点がございますので、 今、こちら必ずいなければいけない診療科というものを指定していただければ、そのよう に最終的に告示を書く際に反映させていただきます。 ○猿田座長  どうぞ。 ○加藤構成員  実際に田中先生がおっしゃったように、これはオーダーをするのは、その病を持ってい る担当医でございますので、小児科、または小児外科、整形外科でございます。  しかし、実際にこの検査をする場面におきまして、その小児科医、外科医、整形外科医 がいる必要は本当はございませんので、そういう関係上、医療機関の要件といたしまして は、今、事務局からお話しになりましたように、必ずいなければならないのは放射線科と いうふうに私は判断いたします。 ○猿田座長  あと、ほかに御意見ございますでしょうか。  よろしいでしょうか。技術的には非常に大切な技術であるし、かなり効率がいいという ことと…… ○田中(良)構成員  また細かいことで申しわけありません。  実施診療科の医師のところで、放射線科と科を入れていただければいいんですが。放射 線科専門医ですね。  それから、その2つ下の医療従事者の配置で、放射線技師の前に診療放射線技師という、 診療という文言があると思いますけれども、それだけお願いします。 ○猿田座長  診療科の医師のところで放射線専門医、それから、その他の医療従事者のところで診療 放射線技師ということですね。  ほかにございますでしょうか。  どうぞ。 ○事務局  確認でございますけれども、そうしましたら、医療機関の要件のところで小児科または 小児外科または整形外科及び放射線科ということで、診療科がもともと必須になろうかと 思いますので、そちらの3つのうちのどれかは必ず必須で、かつ放射線科があるというこ とと、それから、すみません、そうしますと1番の実施責任医師の要件のところに放射線 科はいかがいたしましょうか。 ○加藤構成員  今、田中先生のご見解上に入れていただきたいという御意見です。 ○事務局  わかりました。では、そちらも放射線科を入れるということでよろしいでしょうか。 ○田中(良)構成員  はい。 ○猿田座長  よろしいですか。放射線科がどうしても必須になりますね。  ほかに御意見ございますでしょうか。  いいですか。それでは、今のところを御訂正いただくということで、この案件は認めて いただいたということでよろしいでしょうか。  加藤先生、ありがとうございました。  今日はこの7月のはそれだけということでございまして、その次の第3項の先進医療か ら第2項へ継続される技術の科学的評価ということでございますが、これにつきまして、 まず事務局のほうから御説明いただけますでしょうか。 ○事務局  まず先−3−1の資料をごらんください。  タイトルに「第3項先進医療から第2項先進医療へ継続される技術に対する事前評価結 果等について」ということで、すみません、唐突にこのタイトルをお出しして恐縮なんで すけれども、こちらの表の中の真ん中のところに、薬事法承認予定の医薬品・医療機器情 報というところがございまして、こちら最初の1行目の001の行のところをごらんいた だきますと、そちらに記しておりますジアグノグリーン注射用、それから、インジゴカル ミン注、それから、テクネフチン酸キット、それから、スズコロイドTc−99m調整用 キットという、この4つの製剤につきまして、こちら今、第3項の先進医療で行われてい るようなセンチネルリンパ節生検に使われているものでございますけれども、今月の下旬 に新たな効能効果が承認される見通しとなりました。  新たな効能効果といたしまして、乳がん及び悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の 同定というものが追加される見通しになりましたので、こちらの技術につきまして薬事法 の承認が得られる見込みであるということですので、第3項の先進医療から第2項の先進 医療に継続ということで改めて御評価をいただきたいということでこの4つの技術という ものを出させていただきました。  整理番号001から004までが続いてございまして、先進医療名といたしまして、0 01が腋窩リンパ節郭清術前のセンチネルリンパ節同定及び生検(術前触診及び画像診断 にて腋窩リンパ節転移を認めない乳がんに係るものであって、放射性同位元素及び色素を 用いて行うものに限る)と。  002につきましては、001と途中まで同じでございますけれども、放射性同位元素 というところがとれておりまして、色素を用いて行うものに限ると。  それから、003につきましては、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転 移の検索及び遺伝子診断(画像診断などで遠隔転移を認めず、臨床的に所属リンパ節の腫 大のないものに限る)と。  それから、004につきましては、003から遺伝子診断が抜けたものということでご ざいまして、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索ということとな ってございます。  似たような技術が4つ並びましたので、先−3−2に本日、御審議いただきます4つの 技術につきまして、一覧を事務局で作成をいたしました。技術名のところはちょっと略称 で書かせていただきましたけれども、整理番号001から004までを比較いたしますと、 この表のようになります。  まず上2つが乳がんに対するセンチネルリンパ節生検でございますけれども、こちらに つきましてはリンパ節生検の同定の方法というものが若干異なります。  001につきましては放射性同位元素と色素を併用して行いますが、002につきまし ては色素の単独で行うということで、特徴といたしましては併用療法を行う場合のほうが センチネルリンパ節の部位を術前に同定できるため、小さな皮膚切開で実施することがで きるという特徴がございます。  ただ、その一方で放射性同位元素を用いるための施設の基準を満たしていただくという 必要がございますので、色素単独で行う場合はそういったことができない施設でも実施す ることが可能であり、より普及性が高い技術ということでございます。  それから、003、004が悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検ということで ございますが、こちらにつきましてはセンチネルリンパ節の同定方法は基本的に放射性同 位元素と色素の併用で行うと。こちらの乳がんとの違いについてですけれども、乳がんは センチネルリンパ節が基本的には腋窩のリンパ節ということで見当がつくということでご ざいますが、悪性黒色腫、体のさまざまな部位にできますので、なかなか色素単独では追 っていくのが非常に難しいので同定率が落ちてしまうという問題がございますので、基本 は併用療法を行うと。  こちら、悪性黒色腫の2つにつきましては、診断方法に若干の違いがございまして、0 04番のほうは通常の病理組織診断を行うということでございますが、003番は病理組 織診断にさらにPCR検査、遺伝子診断を追加することによりまして、より感度を高める という工夫を加えたものでございます。  もう一度、先−3−1に戻っていただきまして、以上の4つの技術につきまして、乳が んのセンチネルリンパ節生検に関するものにつきまして、猿田先生、それから、悪性黒色 腫のセンチネルリンパ節生検に関しまして飯島先生に御評価をいただいて、別紙2から5 まで評価をいただいてございます。  どうぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今の御説明でお分かりいただけましたでしょうか。要するにこれまでの第3項から2項 ということは、そういう薬事法のことに関したこと。  それから、今、御説明いただきましたように001から004がありますけれども、少 しずつやり方が違うということで、それで、まず最初に私のほうから001、002もほ とんど同じようなものでございますけれども、説明させていただきます。これは実は乳が んに関しましては、この前の高度先進医療のほうから実は出ていて、その後、それを移項 させるときに適応拡大ということで確認試験をやってということで、実は聖路加病院の中 村先生が責任者となりまして、かなりの例数を集めていただいて、その後どんどんいろい ろな施設からこういったことでやることがふえてきまして、中村先生のほうから立派な本 も出ておりまして、それに沿って、非常に効率的だということでございます。  先進性に関しましては、このお手元の別紙2でございますけれども、要するに今まで乳 がんの手術をやったときには腋窩のリンパ節の郭清が必ずぐらいやられていたんですけれ ども、実際にとってみると、70%ぐらいが陰性であったと。もう少しそういった負担が なく済めば、いわゆる患者さんのQOLの面で非常にいいだろうと。特にリンパろうのい ろいろな問題がございまして、そういったことでできるだけ負担が少ない手術をやろうと いうことで、このセンチネルリンパ節のやり方が行われたということです。  それで、最初は放射性同位元素を使ってやっていて、それから、もう少しそういった放 射線を使わないで済めばということで、色素だけでやって、それから、もちろん両方を使 ってやれば一番いいということで、この最初の別紙2のほうは放射性同位元素と色素、両 方を用いてやるという形でございます。  それで、要は手術していくときにセンチネル、どのくらいこういった放射性の元素と、 それから、色素がいっているかどうか、それによって取り方を決めるという形でございま す。例数は非常に多く行われていまして、この方法を使うことによって非常に患者さんの 負担が少なくて済む。しかも確実にできるという形でございまして、特に効果としてリン パ節陰性の患者に対して、正解率、正しい診断率が95から98%で不要なリンパ節郭清 を回避できるので、患者さんの上肢の合併症を生じることがなく、術後のQOLを保つこ とができる。  また、腋窩のリンパ節の郭清を行わないと、約二、三日入院を短くすることができると いうことでございます。  実際、多くの施設で同じような結果が出ていまして、費用として8万円ということでご ざいます。  それから、次の先進技術としての適格性を見ていただきたいのですけれども、そういっ たことで適応症はAということで妥当であり、有効性もAで、従来の技術を用いるよりも 大幅に有効であると。  安全性も問題がないということ、それから、技術の成熟度でございますけれども、Bで ございまして、当該分野を専門として数多く経験を積んだ医師または医師の指導下であれ ば行えると。  倫理的な問題はなくて、現時点での普及率ですが、罹患率、有病率から勘案して、ある 程度、今普及してきています。  それから、効率性も大幅に効率的と。  それから、将来、これも盛んに保険に認めてはという意見が出ているぐらい保険収載は 将来妥当だろうと思います。  そういったことで、総合判定としては適ということにさせていただいております。  それから、3ページ目でございますけれども、先進医療を実施する保険医療機関の要件 のところでございますけれども、診療科は外科と、それから、乳腺外科、これは分けてい るところと1つにしているところがありますから、外科と乳腺外科ということでございま す。  資格は乳腺の専門医と外科の専門医でございます。  それから、当該診療科の経験年数は5年以上、技術の経験年数は2年以上ということで よろしいのではないかと。  当該技術の経験症例数は5例以上ということで、あと助手とかそういうことのあれは不 要であると。  診療科は外科と乳腺外科、それから、実施診療科の医師数は、これは具体的には常勤が 2名以上いることが必要だろうと。  他の診療科の医師数でございますけれども、これは一応あったほうがいいとここに書い てありますように、病理部門が設置され、病理医が配置されていること、これが非常に重 要なことで、また、麻酔科の標榜医及び放射線科医がそれぞれ1名以上配置されているこ と。  その他の医療従事者の配置は薬剤師と放射線技師の方が必要であると。  病床数は1床で、看護配置は10対1以上の看護ということで、当直体制も一応必要で あろうと。  緊急手術の実施体制も必要であると。  院内検査の24時間実施体制も必要であると。  他の医療機関との連携体制は不要と。  医療機器の保守管理体制は必要であると。  倫理委員会は、これは不要であろうと。  医療安全管理委員会の設置は必要であり、この医療機関としての技術の実施例数は5例 以上というふうにさせていただいております。  それから、あとその他の要件で頻回の実績報告は不要であろうということで、一応、今 申し上げたようなことで御意見をいただければと思いますけれども。  中村先生にまとめていただいて、各施設の状況もよく分かりましたけれども、非常に安 全に行われて、効率的に行われているということで。  どうぞ。 ○福井構成員  確認ですが、先ほどの診療科のところの書き方ですけれども、外科、乳腺外科、これは 「または」なのか「両方」なのか。 ○猿田座長  これは「または」で私はよろしいんだと思います。 ○福井構成員  僕もそう思いますので、そのような明確な書き方をしておいたほうがいいのではないか と。 ○猿田座長  ありがとうございました。  これは先が乳腺外科かもしれない。乳腺外科または外科という形にしておいていただく のがいいかもしれない。  ありがとうございました。  そのほかどなたか御意見ございますでしょうか。これはもうかなり全国的に行われてい る技術ですので。  どうぞ、吉田先生。 ○吉田座長代理  確かにこれはもう十数年以上前からやっているんですけれども、保険をとらないので、 皆さん病院持ちでやっているんでしたよね。それで、最後のこの5症例以上といいますけ れども、これは3例ぐらいいかがですか。ほとんどやっていますので、これ。ただ、検査 なので1例とはいかないでしょうけれども、3例ぐらいでいかがかなと思うんですけれど も、いかがでしょうか。 ○猿田座長  事務局、どうですか。 ○事務局  先生方の御議論を踏まえて、最終的に決めていただければ。 ○猿田座長  ではここは3例ということにさせていただきたいと思います。よろしいですね。  それでは、このまず別紙2のほうを、放射性同位元素及び色素、両方を用いてやるほう は通させていただいたということにさせていただきます。  続きまして、別紙3のほうを見ていただきたいのですが、こちらのほうは色素を用いて 行うものに限るというところが違うところでございます。あとは今申し上げたところがほ とんどでございまして、概要のところで、がん組織の近傍の乳房皮下あるいは皮内に微量 の色素を注射し、これらが最初に到達するリンパ節に関して、着色の有無を判別すること によって部位や個数を確認するという、放射線ではないということですね。それで確認さ れたリンパ節を麻酔下に摘出し、がん転移の有無を病理診断する。センチネルリンパ節に がん転移が認められなければ、腋窩リンパ節の郭清術を行わないということでございます。  効果、そのほかに関してもほとんど同じであると。こちらのほうが値段が少し安くなっ て、4万6,000円ということで、放射線を使わないということでございます。  それで、あと先ほどの、手術技術としての適格性に関しましては、これはもう放射線の ところと同じでございまして、うちでやるときと同じでほとんど問題ないので、全部同じ 形にしてございます。  それから、先ほども問題のありましたこの機関の要件で、まず最初のところを乳腺外科 または外科という形に変更させていただきますことと、それから、やはり一番下というか、 症例のところで先ほどの5症例以上は、やはり3症例という形にさせていただいてよろし いのではないでしょうか。  あとは同じ形でいいのではないかと思うんですけれども、まとめて、あるいは別紙3の ほうだけに関しましても、どなたか御意見ございますか。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  別紙3のほうですが、これの正診率が95から98%と、色素だけでアイソトープと同 じぐらいの精度であれば、アイソトープを使う必要がないのではないかと思うんですが、 その辺の精度はどうなんでしょうか。 ○猿田座長  中村先生方が出していただいたこれを読ませていただくと、もうほとんどそのくらいま で、結局最初はホセンデルをやっていたほうが安全だろうということでやっていて、その 後色素だけに持っていって、やはり同じぐらいの効果が出るということで、もうしばらく やってみて、もう色素だけでいいということになれば……そういうことではないのかなと 私は考えます。どうですか、事務局、何かほかにありますか。 ○事務局  私どもでもちょっと疑問があったものですから、実施している先生方にお聞きしたとこ ろ、若干ですけれども、1%程度差があるということで。  それから、もう一つ先ほど申し上げましたように、RIを用いますと、あらかじめリン パ節の大まかな部位と何個郭清すればいいのかというのが分かりますので、傷を小さくで きて、それから、特に体格のいい方ですと、皮膚切開を大きくして、かなり探さなければ いけないと、色素単独でやった場合ですと。そういうところがやはり手術の操作として侵 襲が少し多くなってしまう傾向があるというふうにお聞きをしております。 ○猿田座長  私の説明がいけなくて。そうなんですね、傷が小さくて済むというところがポイントで ございます。  ほかにございますでしょうか。  福井先生、何か御意見。 ○福井構成員  私は医療経済ということで入っていますので、一言申し上げますと、もし1%だけ上げ るのに3万4,000円という価値があるという費用効果分析が、どこかで必要になるか もしれない。正診率1%以外の、さきほど事務局がおっしゃった、他のメリットがあると いうことであれば、単純なものではなくなりますから、通りがいいように思います。 ○猿田座長  先生がおっしゃっていただいた、今の値段がちょっと違いますことと、もう一つやっぱ り今度は、切開のほうが小さいということがどのくらい患者さんのQOLに対していいか という、この2つの面ですけれども。  ですから、そういう意味では一応この2つを通しておいて、もう少しこれをやっていた だいて、そこで最終的な結論を出されれば、どうでしょうか。  よろしいでしょうか。事務局、それでよろしいですか。  そうしたらばこの今の別紙2、3はそういったところのちょっと変更と、将来の検討課 題を残させていただいて、しかしながら認めるということにさせていただきたいと思いま す。  どうもありがとうございました。  それでは、この2つです。続きまして、003と004ということで、悪性黒色腫に対 するセンチネルリンパ節生検と遺伝子診断、それから、センチネルリンパ節の生検とこの 2つでございますが、飯島先生、よろしくお願いいたします。 ○飯島構成員  それでは、続いて悪性黒色腫、メラノーマのセンチネルリンパ節の御評価をお願いいた します。話の順番からしますと、004の別紙5を先にやっていただいて、4に戻るほう が話がしやすいかと思いますので、5のほうからお願いできますでしょうか。  先ほどの乳がんと異なりまして、メラノーマ、ほくろのがんは、これはセンチネルがど っちに行くか分からないという非常に転移しやすい、なおかつどこに行く、例えばおなか にできますと、これが鼡径部に行くのか腋窩に行くのか、あるいはおへその近辺ですと、 右に行くのか、左側に行くのか、これが非常に分かりにくいものですから、従来から悩ま されてきたところでございます。  センチネルリンパ節以外につきましては、先ほど猿田先生のほうからお話のあったとお りでございまして、その微小な転移を事前に察知する、それから、不必要なリンパ節郭清 を防ぐというところでこの技術が行われてまいりました。  004の技術でございますが、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定と転移の 検索というのは、これはもっと括弧の中を言いますと、病理組織学的検査、この3−2に ありますように、004の技術はこれはセンチネルリンパ節の検索方法はRIと色素を使 うと。それから、検索方法は病理組織学的な探索をするということでございます。  技術の詳細はここに書いてあるとおりでございまして、予防的なリンパ節郭清をどのよ うに行うかというところがこれの技術の特徴でございます。  それから、RIを比較的併用するということが多いのは、メラノーマはほくろのがんの 細胞の特性から言って、どっちへ行くか分からないという特性がございますので、これは 先ほど福井先生の御指摘の経済的価値はこの辺にあるのかなというふうに、これは思って おります。  技術の詳細は先ほどの乳がんとほぼ同じでございますので、先進技術の適格性について の評価から御紹介申し上げたいと思います。  適応症につきましては、妥当である。それから、有効性につきましては従来の技術を用 いるより大幅に有効、それから、安全性につきましては問題なし、ほとんど副作用、合併 症なしということで問題なしでございます。  それから、技術的成熟度は当該分野を専門として、数多くの経験を積んだ医師または医 師の指導下であれば行えるのでBという判定でございます。  それから、社会的妥当性、これについては倫理的問題等はございません。Aでございま す。  現時点での普及性は、罹患率、有病率から勘案して、ある程度普及している。Bという 判定でございます。  有効性に関しては、既に保険導入されている医療技術と比較して、大幅に効率的で、A でございます。  それから、将来の保険収載の必要性については、これは当然Aということを考えており ますので、これは将来的に保険収載を行うことが妥当であると。  それから、総合判定は適といたしました。  続いて施設基準についてでございますけれども、施設要件についてでございますが、こ れにつきましては実は事前に、今日欠席でございますが、金子構成員とお話をさせていた だきまして、この技術が普及しますと、我々のほうの皮膚科でも行われておりますが、形 成外科が行う可能性もあるので、これはorという意味でございますが、皮膚科もしくは形 成外科ということでお話をさせていただきます。診療科は皮膚科並びに形成外科というこ とで、これはorでございます。  それから、資格といたしまして、皮膚科専門医、形成外科専門医、それから、当該診療 科の経験年数は、専門医でございますのでどちらも5年以上でございます。  それから、当該技術の経験年数は2年以上、それから、当該経験症例数は5例以上とい うことにさせていただきました。  それから、医療機関の要件は、診療科は皮膚科、形成外科、放射線科とさせていただき ました。これも皮膚科と形成外科はorでございますが、RIを使えば放射線科はandにな ると思います。  それから、当該診療科の医師数については、ここに書いておりますように、当該技術の 経験年数2年以上の皮膚科専門医または形成外科専門医1名以上ということにさせていた だきました。  他診療科の医師数については要、具体的には病理部門が設置され、病理医が配置されて いること。また、放射線科医が1名以上配置されていること。これを他診療科の医師数の 要件とさせていただきました。  それから、その他医療従事者の配置につきましては、要は薬剤師がございます。原案に はございませんが、私はこれは放射線科の技師さんが要るのではないかと思いますので、 これは追加させていただければと思います。  それから、病床数は要で1床以上ということ、それから、看護配置は10対1、当直体 制は要でございます。  緊急手術の実施体制は要でございます。  それから、院内検査、要でございます。  他の医療機関との連携体制は特に必要ないと思って、不要とさせていただきました。  医療機器の保守管理体制は要でございます。  倫理委員会による審査体制、これは要とさせていただきました。  それから、医療安全管理委員会の設置、要でございます。  それから、医療機関としての当該技術の実施症例数、これは原案は10例でございます が、先ほどからの議論を拝聴しておりますと、3例でもいいのではないかと。というのは、 メラノーマは乳がんに比べまして数が2けたぐらい少のうございますので、1例とはいか ないかもしれませんが、10例の必要はないだろう、できれば3例ぐらいでお願いできれ ばというふうに思っております。  その他の要件は、頻回の実績報告は不要とさせていただきました。  これが別紙5に記しました004の技術でございます。これについてまず先に御議論い ただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○猿田座長  ありがとうございました。  今、御説明いただきましたけれども、少し、例えば皮膚科もしくは形成外科というとこ ろと、それから、やはり3枚目のところですけれども、当該技術の実施症例数を3例でい いのではないかと。乳がんに比べると数が少ないということで、そういったところの御訂 正でございます。ほかに……  どうぞ、竹中先生。 ○竹中構成員  耳鼻科なんですけれども、粘膜の悪性黒色腫も結構ございまして、もしよろしければ表 在性というか、肉眼で見える範囲のところで、耳鼻科なんて頭頚部がん領域は年間で全国 で二、三百は報告があると思いますし、ぼちぼちこういうテクニックも学会の報告で出て きておりますので、この診療科の中に耳鼻咽喉科をお認めいただければと。 ○猿田座長  事務局、そのほうはよろしいでしょうか。  吉田先生。 ○吉田座長代理  いつも医療技術で耳鼻科と口腔外科がけんかするんですけれども、耳鼻科を入れると、 口腔外科も入れろと言いませんか(笑)。大丈夫ですか、歯科のほうは。 ○竹中構成員  これについては平成8年に形成外科が仲立ちをされまして、耳鼻咽喉科と歯科口腔外科 の受け持つ範囲についての申し合わせ事項がございます。口腔内につきましては両方出現 する可能性はありますけれども、主に我々は鼻腔とか副鼻腔にできるもののほうが圧倒的 に悪性黒色腫は多いので、さして審議にはならないのではないかなと。 ○猿田座長  重なる部分がね。ということだそうですが、ほかに御意見ございますか。  確かにどこの病院でももめるんですけれども(笑)、でもちょっと領域が違うというこ とで。 ○吉田座長代理  先ほど乳がんのときに倫理委員会は不要とたしか出ていましたよね。皮膚科の場合には やっぱり必要ですか。 ○飯島構成員  これは開始時に要るかなと考えたんですが、乳がんが不要だったら、私どもも不要で、 倫理的な問題はございませんので、これは不要にさせていただきます。  ありがとうございました。 ○猿田座長  ほかにございますでしょうか。大体よろしいでしょうか。  今、お話がありましたように、確かに転移はしやすいという点での問題が乳がんと少し 違うところですね。  もしよろしければ、それでは、一応今この形でまず5のほうを。  それでは、先生、では4のほうをよろしくお願いいたします。 ○飯島構成員  それでは、引き続き別紙4の資料をごらんください。  今度は悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の、これは同定は同定と転移の有無の検 索が、先ほどの病理組織学的検索に比べまして、免疫組織学的及びRT−PCRを用いた 遺伝子診断ということになると。これのセンチネルリンパ節を探すところまでは、同定す るところまでは同じでございますけれども、転移の有無の検索方法に感受性を増している と、鋭敏性を増していると、RT−PCR等を用いて、検出率を上げているというところ がみそでございます。  したがいまして、基本的には004の技術に準ずるわけでございますけれども、違って まいりますのが、RT−PCRを用いるところで少しお値段が、先ほどの8万6,000 円が9万2,000円になるというところが少し違ってくるところでございます。  そうしまして、技術の説明は先ほどのとおりでございますので、検査法が、検出方法が 違うというところが先ほどの技術とは違うところでございます。  そして、技術の評価につきましても、これは先進技術としては適応症はA、有効性はA、 安全性もA、技術的成熟度はBとさせていただきました。  それから、倫理的、社会的妥当性についてはAでございます。  それから、普及性につきましてもBの、ある程度普及しているというところでございま す。  それから、効率性は大幅に効率的、それから、将来、保険収載の必要性につきましては、 これは当然将来的に保険収載を行うことが妥当であると判定いたしまして、この技術につ きまして、総合判定を適と判定いたしました。  引き続きまして、これにつきましても今度は実施責任医師の要件と医療機関の要件につ いても同じくこれにつきましても金子構成員と事前打ち合わせをさせていただきますと、 これは皮膚科オア形成外科オア耳鼻科ということになるんでございましょうか。それに放 射線科が、こちらが落ちておりますので、RIを使いますので放射線科を加えていただき たい。こちらは必須のほうで、アンドで加えていただければ。  それから、資格は、今の皮膚科専門医、形成外科専門医、耳鼻科専門医でよろしいかと。  それから、5年以上の経験年数で、当該技術については2年以上と。それから、技術の 経験症例数は5例以上、これは同じだと思います。  それから、医療機関の要件につきましては、要でございまして、皮膚科、形成外科、耳 鼻咽喉科がorでつながって、放射線科がandでつながるという形になっております。  それから、医師数につきましては要でございまして、当該技術の経験年数2年以上、こ れは皮膚科専門医または形成外科専門医、もしくは耳鼻咽喉科専門医1名以上ということ でお願いしたいと思います。  それから、診療科の医師数も同じくこれが要でございまして、他診療科の医師数はこれ に引き続きましては具体的には病理部門が設置され病理が配置されていること、また、放 射線科医が1名以上配置されていること、これは他診療科の医師数として必須でございま す。  それから、その他の医療従事者の配置につきましては、薬剤師並びに、先ほど放射線技 師と……これは田中先生、診療放射線技師でよろしいですね。診療放射線技師だと思いま す。  それから、病床数は1床以上、看護配置は10対1以上、当直体制は要でございます。  それから、緊急手術は要でございます。  院内検査も要でございます。  他の医療機関との連携体制は不要、それから、医療機器の保守管理体制は必要でござい ます。  それから、倫理委員会はこれは原案、要でございますけれども、先ほど言いましたが、 これは不要ということになると思います。  それから、安全管理委員会の設置は要でございます。  それから、先ほどから議題になっています、これは10例ではなくて、3だと思います が、3でお願いしたいと思います。  それから、その他の要件で頻回の実績報告が不要と判定させていただきました。  RT−PCRの技術につきましては以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、御説明いただきましたけれども、どなたか御質問ございますでしょうか。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  この別紙4のRT−PCRを行うことによる精度はどれくらい上がるのかということを お教え願いたいと思います。  というのは、別紙4も5も効果のところで、文言が全く同じですよね。ですから、これ を見てどんなふうに精度が上がるかということをもう少しお教えいただければと思います が。 ○飯島構成員  RT−PCRは、私は自分で経験ないものですから、これをやっておりますのは九大の 皮膚科がやっておりますが、かなり小さな、病理組織で見えないというか、何か分からな いような。というのは、メラノーマという細胞自身が、あれはザルコーマの細胞でござい ますので、どちらかというと間葉系の顔つきをしております。リンパ節に入り込むと、か なりまぎらわしいというので、非常に微小のものも見えるということを聞いておりますが、 具体的なEBMは、私は数字ではちょっとお示しできませんけれども、メラノーマという 細胞の特性上、どうやら間葉系に似てしまうものですから、病理組織では見にくいという ことを言っておりました。 ○猿田座長  事務局のほう。 ○事務局  申しわけございません、資料のほうにおつけしていたしておりませんで。感度について 参考文献を申請者からいただいておりまして、免疫染色を最終的な診断で使う際に、特異 度は免疫染色100%なんですが、感度は52%程度と、それに対してPCRを使います と、感度が90%近くになるということでいただいてございます。 ○飯島構成員  ありがとうございました。 ○猿田座長  よろしいですか。  ほかに御意見ございませんでしょうか。  どうぞ、吉田先生。 ○吉田座長代理  従来から遺伝子診断の場合、遺伝カウンセリングか何かを明記するということに決まっ ていませんでしたか、たしか。飯島先生。 ○飯島構成員  これは遺伝子診断と言いますけれども、結局メラノーマの遺伝子を見ているので、どう でしょうか、これは…… ○吉田座長代理  必要ないですかね。 ○事務局  恐らくちょっと遺伝子診断という言葉が、従来カウンセリングに関して言ったものは、 先天性疾患のものがあったかと思いますので、これは今のほかの技術と並べて言うと、P CR検査と書いたほうが分かりやすかったかもしれませんが、もともとの3項の名前が遺 伝子診断となっておりましたので、今回はそのままにしておりましたが、もし誤解を招く とか、そういうことでの御指摘でありましたら、PCRで名前を変更いたしましょうか。 ○猿田座長  辻先生、何か。 ○辻構成員  専門外ですけれども、RT−PCRを行って発現解析をするんですか、これは。配列を 調べるのか、それとも何か発現レベルを調べるのか、あるいは体細胞性に変化したものを 調べるのか、何になりますでしょうか。 ○飯島構成員  これはメラノーマの腫瘍特異性のたしか、遺伝子配列を見ているんだと思いますけれど も。 ○辻構成員  一般的にはジャームラインの配列を調べるのであれば、一応カウンセリングなども必要 だと思うんですけれども、体細胞性の変化が…… ○飯島構成員  ないと思いますので。 ○辻構成員  ジャームラインでなければ、直接遺伝カウンセリングが必要ということにはならないん だと思いますけれども。 ○飯島構成員  ありがとうございました。 ○猿田座長  ありがとうございました。  では、そういった形で御意見を。  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○福井構成員  先ほどの竹中先生のお話で、口腔外科と耳鼻咽喉科、少し役割分担になっているという ことで、ここに口腔外科を入れないという意味は、口腔内で悪性黒色腫は起こらないとい うことなのでしょうか。 ○飯島構成員  私どものほうから言いますと、口腔内は起こり得ますが、むしろこの鼻粘膜のほうとか ……ちょっと先生のほうが御専門でしょうから、お願いします。 ○竹中構成員  頻度から言うと、こういう鼻腔から発生するのが圧倒的に多いと思います。口腔内とい うよりもむしろ唇とか、そういう表在性のところは多分形成がおやりになる頻度は圧倒的 に高いんだろうと思います。 ○福井構成員  そうですか。微妙なところで(笑)。 ○竹中構成員  決して口腔外科ではなくて、歯科口腔外科が正式呼称だと思いますので、耳鼻科のほう から申し上げますと、そこの部分の踏み分けをどうされるかというのはまた違う意味での 論議が必要かと思いますが、圧倒的に扱う症例数は違うと思いますが。 ○猿田座長  歯科口腔外科と、それから、形成外科が入っていますね。そこのところでしょうね…… ○福井構成員  マネージする立場では耳鼻咽喉科だけ入れて、ほかのところを入れていないと、何か火 種にならないかなと、心配するんですけれども(笑)。 ○猿田座長  どうぞ。 ○事務局  本日は赤川構成員が御欠席でございますので、御意見をお伺いするということでよろし いでしょうか。 ○飯島構成員  ありがとうございます。 ○猿田座長  ありがとうございました。それを忘れていました。 ○事務局  それから、すみません、事務局から1つ御確認なんですが、今、皮膚のほう、黒色腫の ほうで、飯島先生から実施責任医師の要件のところにも放射線科を入れるべきという御意 見をちょうだいしたのですが、先ほど乳がんのほうで、実施責任医師は外科、乳腺外科に して、医療機関の要件のところに他科の診療、他診療科として放射線科を入れるというこ とで、どちらにいたしましょうか。 ○飯島構成員  他科の医師の診療科が必須に入っておりますので、田中先生、もしそれでよろしければ、 当該診療科の要件のところの診療科をではなくて、オーダーするのは僕らなものですから、 先生のほうでやっていただくということになりますので、他診療科の医師数のところの要 件のところに放射線科が入っております。それでよろしゅうございますかということで… … ○田中(良)構成員  そうですね。ですから、上のほうの実施責任医師のほうには。 ○飯島構成員  省いて。 ○田中(良)構成員  必要ないと思います。 ○飯島構成員  ありがとうございました。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。ほかございますでしょうか。  こちらのほうは費用とすれば、そんなに先ほどの乳がんほどは差がないですね。  よろしければ、今お話がありました、赤川先生のほうの御意見を聞いて、診療科のとこ ろがちょっと変わるかもしれないですけれども、あとは今、御訂正いただいた形で決めさ せて、症例数は3例ということです。それではこの別紙4、別紙5の形、メラノーマのを お認めいただいたということにさせていただきます。  どうもありがとうございました。  どうぞ。 ○吉田座長代理  先ほど、9月下旬の認可ですよね。そうすると、実際に今日通っても、実際に使えるの はいつごろからなんですか。10月…… ○事務局  こちらの第2項の告示が10月からになりますし、それから、ただ、直ちに3項のほう を認めないということではございませんので、患者さんについては、今までと特に変わり なく治療を受けられるということを配慮したいと思っております。 ○猿田座長  結局、ここへ上がってくると、その次に保険に近くなるということですよね、そういう ことですね。ですから、随分これは保険にという御意見があるものですから、一歩早めた という形になると思います。  どうもありがとうございました。  それでは、これで今日の評価のところは終わって、次の先進医療の届出状況の8月分の ほうを御説明いただけますか。 ○事務局  まず、8月の受付分でございますが、先−4をごらんください。  「先進医療の新規届出技術(8月受付分)について」でございます。整理番号182番 から185番までの4つの技術が上がってきておりまして、先進医療名といたしましては、 人工膵臓による周術期血糖管理、網膜芽細胞腫の遺伝子診断、培養骨膜シートによる歯周 組織再生方法、それから、第V因子欠乏症の遺伝子診断の5つの技術が上がってきており ます。  それから、先−5といたしまして、こちらは既に評価されている技術を共同実施をした いという届出が来ておりまして、まだ共同実施の基準ができていない技術について、新規 の共同実施について申請がございました。  整理番号001、002の2題が来てございまして、先進医療名といたしましては、先 天性難聴の遺伝子診断、それから、HDRA法またはCD−DST法による抗悪性腫瘍感 受性試験という、この2つについて上がってきております。  また次回以降の会議で御審議いただくことになろうかと思いますので、どうぞよろしく お願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、お話がありました8月分と、それから、新規共同実施というこの8月のほうでもや はり2件。これらに関しまして、どなたか御意見がございますでしょうか。  いろいろな点で書類不備がなければいいんですけれども。もしよろしければ、そういう 形で今8月の受付が行われているということを知っていただきたいと思います。  よろしいでしょうか。  それでは、続きまして、先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法。 これは前からもおかけしていますけれども、今日もう一回ここで事務局のほうから御説明 いただきます。お願いいたします。 ○事務局  それでは、資料の先6−1、それから、先6−2、これは1枚紙でございますけれども、 この2つをごらんください。  先6−1は前回の会議で御議論いただきまして、お認めいただきました「先進医療の保 険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法について」でございます。これは前回案と して出していただいたものを案を取って出したものでございます。  こちら、1枚おめくりいただきまして、別紙をごらんください。これが概要でございま すけれども、現在行われている先進医療につきまして、一次評価を書面で行っていただき まして、二次評価を進めて、最終的に結論を出すということでございますけれども、この 一時評価の書面審査につきまして、前回の検討会で様式を検討するということになってご ざいましたので、様式につきまして、先6−2でありますが、事務局で作成をいたしまし たので、こちらについて御意見をいただければと思います。こちらでお認めいただきまし た評価の方法につきまして、こちらの様式に反映をしてございます。  基本的に前回お使いいただきました評価法を少し見やすくということで枠で囲うといっ たようなことをしてございます。こちらについて、御意見等をいただければと思います。  どうぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  ありがとうございました。  この前からもちょっと議論していただいておりましたけれども、かなり具体的に評価表 を今度はつくっていただいたということで、先6−1とともに、先6−2を見ていただい て、こういう形でやっていったらどうかと。  基本的には高度先進医療のときに保険医療へもっていくときの議論のときと、少し内容 は違いますけれども、似た形をとっているということでございまして、有効性、安全性、 それから、技術的な成熟度、社会的妥当性、普及性、効率性といったことがポイントにな ると思いますけれども、それをA、B、Cの形でとっていくと……  それから、前にも議論していただきましたが、これは結局3人でやるんでしたね、3人 の方に見ていただいてという形ですが、どなたか御質問があれば。  もしないようでしたらば、この形で今年の末ごろのスタートになると思いますけれども。  どうぞ、福井先生。 ○福井構成員  今も使っている評価とも関わる点で、細かいことで申し訳ないのですが、(5)の普及性の ところの文章なんですけれども、先−6−2の(5)、その「罹患率、有病率から勘案して」 という部分は、これは病気についての話ですね。病気の罹患率、有病率。病気の罹患率、 有病率は低いんだけれども、この技術はかなり普及しているというものもあるし、罹患率、 有病率が非常に高いんだけれども、この新しい技術についてはどうという、何か2つのこ とが一度に書かれているような気がして、評価を迷った気がします。 ○猿田座長  ありがとうございます。  おっしゃるとおりだと思います。このあたりどうですか、御意見ございますか。 ○事務局  実はこちらの評価項目につきましては、現在、新規の技術を御提案いただく際に御評価 をいただきます評価用紙と基本的に同じ文言を使っておりまして、評価をいただくのがこ ちらの先生方でございますので、分かりづらいという点等ございましたら、御意見をいた だきまして、改良したいと思いますので、ぜひ御議論いただければと思います。 ○猿田座長  福井先生、うまく直し方はありますか、これを見て。 ○福井構成員  結局、例えば悪性黒色腫みたいに、決して罹病率、罹患率は糖尿病のようには高くはな いんですけれども、悪性黒色腫の病気の人についてはかなり普及しているということを知 りたいのであれば、ここに罹患率、有病率自体を入れなくてもいいのではないかと思った のですが。 ○猿田座長  どうぞ。 ○事務局  この辺は前回改定の前にもたしか議論になったと思うんですが、まさに今福士先生がお っしゃったように、そもそも病気自体が少ないものについて考えたときに、まさに今の悪 性黒色腫のように、そういう少ないものの治療の中では普及しているというものをむしろ 拾うというような意味ですよね。ですから、罹患率、有病率から勘案してと。これを取っ てしまってかなり普及しているとかとやってしまうと、まさにそういう有病率とかそうい うのが関係なく、非常に広く使われているというイメージになるので、むしろ実情の、罹 患率というのがいいのか、実際の実数に対してかなり普及しているという、そういうイメ ージで考えているというふうにとらえていただいていいと思うんですが。 ○猿田座長  どうぞ、加藤先生。 ○加藤構成員  福井先生のおっしゃっている意味も理解できますが、これは大きい、小さいという問題 ではなくて、たとえ小さくても、それが普及しているかどうかということなので、僕はこ の案で別におかしくはないというふうに考えますけれども。 ○猿田座長  逆に言うと、委員の先生がそういうふうにお考えいただいてやっていただくことかと思 います。 ○福井構成員  もしそうであればいいですけれども。 ○猿田座長  そのあたりは今日欠席の先生方にも意見を聞いていただければと思います ○飯島構成員  ですから、有病率、罹患率という意味は、これが患者数が少ないんだけれども、その適 応となる疾患の中でどのくらい普及しているかという理解の文言ならよろしいわけですね。 何か日本語でうまい言い回しがあればと思いますけれども。 ○福井構成員  私もそのことがこれだけで通じるかなと思って、何かもう一工夫できればありがたいと 思いました。 ○猿田座長  ありがとうございます。  では、そこのところはちょっと言葉を考えて。今日出席している先生方もお考えいただ いたと思うんですけれども、ほかの先生方にも。  ほかに御意見ございませんでしょうか。  どうぞ、辻先生。 ○辻構成員  別紙のこのチャートを見ながらだと分かりやすいと思うんですけれども、先進医療専門 家会議の範囲を超えると思うんですが、保険導入になった場合に、その保険点数をどうい うふうに設定するかというところは、これは中医協のほうに任せるということになります よね。例えば遺伝子診断関係ですと、全部で2,000点ということで一律統一されてし まっているわけですけれども、先進医療で出てきているものというのは中にはかなり先進 的にやっているものもあるわけで、コスト的にも必ずしもそれに合うということではない ものもあろうかと思うんですね。そういうところは先進医療から保険に導入するというと きに何か余り先進医療の積算の根拠になったいろいろな要素はすべて無視される形で何か ばさっと決まっているという印象を僕は持つんですけれども、そこが中医協で全部積算し ていって、ボトムアップで上げていって、決めるときにはそれでいいのかもしれないんだ けれども、先進医療から流れていくときに関してはその点数のつけ方については少し工夫 があったほうが私はいいのではないかなというふうに感じるんですが。 ○猿田座長  このあたり、課長さん、御意見ございますか。 ○事務局  おっしゃること、もっともでございまして、それは遺伝子診断に限らず、ほかの技術に ついてもやはり先進医療で出しているときとかなり点数が実情を反映しないのではないか とか、いろいろそういう御議論はございます。  もちろんそれにつきましては、実際、例えば非常に難しいのは先進医療で出してきてい るときに例えばそれを行う方の人件費とか、そういうのも含めて出している場合がかなり 多くて、それが医療機関の中でやるときには人件費分というのはすべての、例えば基本診 療料とかそういう中で飲み込まれるとか、その辺の兼ね合いもございますので、全体の中 でどういうふうにとらえていくかというところを議論いただくことになるのかなと。  確かにこういう特に遺伝子検査のようなものを一律ではなくて、もう少しそれぞれによ って幅をつけてという、そういうお考えについては、これはこちらのほうからそういう御 意見があったということで、中医協のほうにお伝えして、そちらのほうでまた御議論とい うことでよろしいのではないかと思いますけれども。  あとはまた実際の改定率がどうなるかとか、そういう中でそれぞれの技術なり、そうい うものをどういうふうに評価していくかということもございますので、その辺のところは またそちらの御議論を待つしかないのかなと思います。 ○猿田座長  辻先生がおっしゃったように、確かに高度医療から行った、ちょっと特殊な形なんです ね。そこのところが生かされるように、これまたこちらからも今度上げるときに、先進医 療としてやったのが今度初めてで、そこでもう一回新しい意見として加えてもらえればと 思います。 ○辻構成員  普及してすごく成果が上がって、もう通常の流れで十分だというものもあるでしょうし、 だけれども、そうではなくて、やはりそれだけの費用がかかるというものもあるだろうと 思うんです。だから、そこはやはり個別にきちっと評価して、その点数を反映することが できるような制度をつくらないと、特にこういう希少性疾患なんかの場合には、何か全体 のそういう経済的な観点だけで決められたのでは非常にふぐあいが起こるのではないかと 私は思いますけれども。  極端に言ったら、保険収載されてもどこもやらないということも起こり得ますよね。 ○猿田座長  ありがとうございます。  そこの点はこれからちょっと検討していただいて、特に出し方ですね。それはまた検討 していただくということでお願いしたいと思います。  ほかに。  どうぞ、竹中先生。 ○竹中構成員  安全性の個別の評価項目の(2)なんですけれども、この申請のときにはここに出ているほ どの毒作用、合併症なしでいいと思うんですけれども、ある程度例数が重なってきた場合 には、例えば副損傷であるとか、合併症であるとか、医療安全の基準でもう概念が決まっ た言葉が出てきていると思うんですけれども、特段、問題にしなくてもいいのか、それと も合併症のほうに入れるんですよとか、何かそういうふうな基準というのは要らないのか なと…… ○猿田座長  この副作用、それから、合併症の扱いですね。難しいところかもしれません。 ○事務局  すみません、例えば合併症がどのぐらいの頻度で起こったら、どういう評価にするとか、 そういう意味ですか。 ○竹中構成員  そういう意味ではなくて、その技術で最初は予想はされなかったけれども、技術に伴う 副損傷というのが起こった場合に、それは副作用ではないですよね。合併症に入れるのか、 そういう境界というか、副損傷とかいう言葉については医療安全上の一定の基準がみんな 持ってきていると思うんですね、医療施設は。ここで言う合併症というのとは少し、技術 に伴う特有のものがもし出てきた場合はどうするんですかという。 ○猿田座長  いろいろな技術があるものですから、今、竹中先生がおっしゃったように、ある技術に おいてはそういった副損傷というのも重要ですね。  この中に、項目に1つ立てますか。 ○竹中構成員  立てる必要はないと思うんですけれども、そういうデータが実際に報告書として上がっ てきたときにどういうふうにするのかという、出てきてからでもいいんだろうと思うんで すけれども。 ○猿田座長  ただ、そういうことが余り多ければ問題に…… ○竹中構成員  評価のところに上がるのか上がらないのかということも含めての問題だろうと思います。 ○猿田座長  まずそこをちょっと検討させてもらえますかね。おっしゃることよく分かります。  あとは実際にこれを先生方で評価していただいて、この委員会でまた検討しますので、 そのときにどういう形で扱うかとか、そういうふうにもっていくと少し変わってくるかも しれませんので、実際にどういう状態で出てくるかということですね。やっていくといろ いろなことが分かって来ると思うんです。そこで少し修正していかなければいけないかと 思うんですけれども、大切なことは、保険へもっていくものはできるだけ早くもっていき たいということですね。これが一番重要なことですけれども。  どうぞ。 ○飯島構成員  確認事項でよろしいですか、学会に帰って御報告する都合、立場上。  今日、乳がんとメラノーマについてはこの第3項から第2項に移していただきまして、 このフローチャートを見ますと、平成21年度の実績報告のある先進医療はこうスムーズ に流れて、報告のないものはそのまま持ち越しになるように書いてありますけれども、こ のことは第3項自体の実績がそれに反映されて、保険導入のところにもっていけるという ふうな理解でよろしいのでしょうか、乳がんとメラノーマについては。 ○事務局  実は第3項から第2項にこうして移ってきた最初の例ということでございまして、実は 第3項の実績の報告はいただいておりますので、この本日お認めいただきました技術につ きましては、この普及性等も考えまして、この評価の流れに乗っていただくのが妥当かと 事務局では考えておったんですけれども、改めて先生から御確認をいただきましたので、 そういうことでよろしいでしょうか。 ○飯島構成員  ありがとうございます。 ○猿田座長  ほかにございますでしょうか。センチネル、ほかのところもありますからね。  では、保険に関しますことは評価のこと、そのほか、先ほどちょっと御質問いただいた ことは検討させていただくこととし、大体こういう形でやっていくということで、先へ進 めていったときに問題があったときはちょっとずつ訂正していくという形でしっかりした ものをつくり上げていくということになるかと思います。  ほかに御意見ございますでしょうか。もしなければ、今日はこれだけでしたか。  では、事務局のほうで先の予定で何かありますでしょうか。 ○事務局  次回の開催についてでございますけれども、10月を考えておりますが、また追って連 絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  先生方の予定を聞いていただいて、少しでも多くの方が出られるように。  それでは、まだ時間が早いですけれども、これで終わりたいと思います。どうも御協力 ありがとうございました。 午後 4時21分 閉会 【照会先】 厚生労働省保険局医療課医療係 代表 03−5253−1111(内線3276)