09/07/31 第2回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録 第2回技能検定職種の統廃合等に関する検討会 日時 平成21年7月31日(金) 10:00〜 場所 厚生労働省専用第16会議室(13階) ○木口主任  本日はお忙しい中、第2回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」にご出席いただき まして、ありがとうございます。本日は、梅津委員と大野委員がご欠席です。八木澤委員が 遅れておられます。お手元の資料の確認をお願いします。議事次第の1枚紙があります。次 に資料1として、前回検討会の議事録、これは本日最終の確認をいただいた上で確定をして、 厚生労働省のホームページに公開したいと思います。資料2は、「技能検定職種のカテゴラ イズ」ですが、青ファイルの間に挟んでいただければと思います。資料3として「平成21 年度統廃合等のスケジュール(改定案)」があります。資料4として「技能検定の社会に果 たす役割の定量評価に関する調査のご協力のお願い」があります。資料5として「社会的便 益に係るヒアリング項目(案)」です。何か不足しているものがありましたら、事務局まで お申し出ください。前回までの資料をファイルに綴じてお手元に置いてあります。これは次 回以降も使いますので、残していだだくようお願いします。  開会にあたりまして、7月24日付で異動してまいりました職業能力開発局能力評価課長 小鹿よりご挨拶申し上げます。 ○小鹿課長  今紹介のありましたとおり、先週の24日付で岩崎課長の後任で参りました小鹿と申しま す。どうぞよろしくお願い申し上げます。技能検定の職種ですが、私どもの能力評価課の中 核的な業務であります。この検定職種のあり方につきまして、平成19年の規制改革会議の 答申におきまして、統廃合を進める上で客観性、公平性、透明性という観点から、それを推 進していくといった答申が出たところです。私どもはその答申を踏まえまして、経済・社会 情勢の変化に適切に対応していくとともに、併せて伝統的な技能の継承を図っていくと、そ ういった観点から基準づくりを当委員会にお願いしているところであります。非常に難しい 基準ですが、行政だけではなかなか前に進まないものですので、是非とも外部の有識者の皆 さま方のお知恵をいただきまして、困難な作業を何とか乗り越えていきたいと考えていると ころであります。本日の議題の統廃合の基準の中で、おそらく一番の難関であろうと思われ ます「社会的便益の評価」というものがあります。是非とも活発にご議論いただきまして、 私ども行政をお導きいただくよう祈念いたしまして、簡単ではすがご挨拶とさせていただき ます。よろしくお願い申し上げます。   ○木口主任  これからの進行は、北浦座長にお願いします。よろしくお願いします。 ○北浦座長  それでは進行役を務めさせていただきます。議題に入る前に、資料1「第1回議事録」に ついて確認をということですが、この内容でよろしいかどうかということです。事務局で何 かご説明はありますか。 ○森岡上席  すでにご連絡をいただいているところですが、これは8月7日(金)にホームページに公 開の手続を取りたいと思っていますので、もしお気づきの点がありましたら、その前日、6 日(木)までにご連絡いただければと思います。よろしくお願いします。 ○北浦座長  ご欠席の方もいらっしゃいますので、その方も含めて、もしご意見がありましたら事務 局のほうにお願いをしたいと思っています。資料1はそのような取扱いにします。  議題ですが、今日は2つ、「社会的便益の評価の問題」「その他」ということですが、まず 「社会的便益の評価」について、この議題1に関するご説明を事務局からお願いします。 ○森岡上席  資料2です。第1回の会議において各カテゴリの定義を明確にしておかないと、その職種 がどこに入るかによって、ウェイト付けが違ってくる、不公平になるのではないかというご 指摘がありました。今回、各カテゴリを定義し分類をした表が資料2です。  建設型としては、主として建設産業において用いられる技能と定義し、これは職種が36 です。製造型のうち製品生産型・労働集約型については、物の製造に必要な技能のうち、技 能者自身による機械等の操作が主体となる技能ということで、これがいちばん多くて47職 種です。同じく製品生産型のうち機械化型ですが、物の製造に必要な技能のうち、生産機械 等のオペレーション業務が主体となる技能ということでして、これは10職種です。段取り とか調整がメインで、一旦調整してしまえば、あとは機械がやっていくというイメージです。  製造型の生産支援型ですが、そのうちの整備型については、製品製造に必要な機械等の調 整・整備、検査に必要な技能と定義しました。8職種です。同じく生産支援型のうちの生産 基盤提供型です。製品製造のベースとなる設計図面や原型等の製作に必要な技能で5職種で す。工芸型が手作業を主体とする工芸品の製造に用いられる技能で6職種、サービス型は上 記のいずれにも該当しないものということで、13職種です。 ○北浦座長  今、資料2についてご説明がありましたが、ご質問、ご意見はありますか。それぞれご専 門の先生もいらっしゃいますので、こういった分類について何かお気づきの点があったらご 指摘をいただければと思います。 ○天野調査員  カテゴリ名の欄で製品生産型が労働集約型と機械化型に分かれています。これらの定義 で「技能者自身による機械等の操作が主体となる」ものが、労働集約型であり、「物の製造 に必要な技能のうち、生産機械等のオペレーション業務が主体となる」ものが機械化型であ るとされています。言葉の使い方の問題ですが、「操作」と「オペレーション」という類似 の言葉の区別はあるのですか。それとも具体的な職種を後の欄で割り当ててあるからそれで 区別しようということですか。 ○木口主任  適切な文言があれば、是非それを。 ○天野調査員  機械化型について言えば、「オペレーション」という言葉の替わりに、例えば調整とか準 備はどうでしょうか。段取りや機械の調整等が機械化型ではいちばん大事なところだと思い ます。 ○北浦座長  私はあまり専門家ではないのですが、「機械等の操作」というのですが、中には畳のよう なものもあったりして、「等」の中に含まれるのでしょうが、作業的なものということで理 解してもいいのですか。「機械等」という所があると、工具もありますし、そういうものの 作業的なことという理解であれば違いが出るかなと思います。 ○天野調査員  対応する具体的な職種を見ればある程度理解できるように思われます。 ○北浦座長  ご指摘は、その辺の、両方とも同じように捉えられるのでということですが、何かこの 点も含めて皆さんほかにどうぞご自由にご意見をいただければと思いますが。松本委員はよ ろしいですか。 ○松本調査員  製造型の中で製品生産型と生産支援型にさらに細かくということの中で、1つ1つの技 能検定の職種、さらにその中に作業といったらいいのですか、例えば機械・プラント製図で したら手書きとCADが分かれているように、結構、1つの検定職種の中にさらに細分化され ているので、例えば細かい作業まで含めると、どこに当てはめていいかという線引きしづら いところがあるのです。ただ、トータルでそこの検定職種と見るとこれが妥当かなというと ころで、以前に森岡上席技能検定官に提案したところです。ですので、厳密に必ずこちらと いう分け方が、なかなか職種によっては難しいところはあります。 ○北浦座長  八木澤委員は遅れていらっしゃいましたが、いかがですか。 ○八木澤調査員  言葉が少し気になるぐらいです、「技能者自身による機械等の操作」。手でやる部分を置 き換えているようなものが労働集約型だと思うので、その辺の表現です。 ○北浦座長  表現についてもう少し練るということですね。柴田委員はいかがですか。   ○柴田調査員  ハム・ソーセージ、めっき、鋳造とかとは、何かイメージ的にすごく違う感じがするの で、ここが一緒なのかなという思いが若干あります。  あと製本なども、先ほどおっしゃったようにいろいろな製本がありますよね、何か工芸品 的な製本もあるけれども。そうなってくると、ここが一緒になっているのがよくわからない と思いながら拝見していました。いま八木澤委員がおっしゃったように、手作業が機械に置 き換わって、機械型のほうが手作業ではなくて機械でやる、だから上は機械等の操作が主体 というのだけれども、下が生産機械という機械の種別ですよね。そこの違いがあるのかと、 ただそれだけの話かという気はしますが、何となくあまりよく分からないという感じがしま す。  あとは、それと同じようにサービス型もその他だからサービス型にしているのかもしれま せんが、産業車両整備とフラワー装飾は全然違うなと、何となくそのような感じがしますが、 技能が同じだったらいいのかもしれません。 ○松井調査員  パッと見ていちばん下の所が気になるところで、産業車両整備、建設機械整備、農業機 械整備、自動販売機調整というのがありますね。これはパッと考えると、この上の整備型に 入らないのかなとか、あるいは園芸装飾とかフラワーというのは、これは工芸型に入らない のかなとか、パッと常識的に見ると思うということです。それと全く同じレベルの問題です が、サービス型の定義「上記のいずれも該当しない」というのが、定義になってないですね。 もしこれをどうしてもそうしたいのであれば、サービス型ではなくてここも「その他」とし ないといけないと思います。できるだけこういったカテゴライズの場合は「その他」は少な くして、分類できるものは、できるだけそこに所属させたほうが、きれいな形になりますよ ね。ある意味で、これは上もみんなサービスは広い意味ではサービスと言ってしまうとそう なりますからね。だから、ここはあまり無理しないほうが、「その他」とやったほうが非常 に明解かと。その代わり「整備」が入れられるものであれば、上に入れていくのがいいかと 思います。難しいですね。 ○北浦座長  いろいろご意見をいただきましたが、この検定職種のカテゴライズの趣旨といいますか、 これを分ける実益は、これから議論になる審査基準を当てはめるときに、職種ごとの類型ご とに配点基準を考えていこうという趣旨でありましたので、今回、実益的に該当しないとい うことで、あまり論じてない所もあるかもしれません。そのためにこれだけをここで詰めて というわけにはいかないと思いますので、大枠としてこういうことでとりあえず進めて、後 の具体的な審査の段階で1つ1つの当てはめについて、もう一度そこで吟味するという形に したいと思います。しかし、ご指摘いただいた点は、それぞれ皆さん方は重要な点を突かれ ていたと思いますので、これはもう一度精査いただき、定義の表現の方法とか、あるいはカ テゴライズの中で細分までする必要があるかどうか分かりませんが、右側の職種分類に入っ ているものが、定義との関係でちゃんと表現できるかどうか、その点をもう一度練り直して いただければと思います。  いずれにしてもこの表自体は、これからの作業における1つの目安にするものということ ですので、これだけで完成させるということではないという理解でよろしいですか。 ○木口主任  はい。 ○北浦座長  皆さん方もまだ他にもありましょうし、今日ご出席でない方でご専門の方もいらっしゃ いますので、その目で見て、もう一度事務局にご指摘をいただければと思っています。1つ 1つを見るといろいろなもので違うというご意見もあるかもしれませんので、それはご指摘 をいただきたいと思います。 ○柴田調査員  採点のことで思い出したのですが、この採点が国民の安全とか消費者の信頼とかを評価 するときに、食べ物とかは、前に八木委員がおっしゃったと思うのですが、第一次消費者と 第二次というか、その中間成果物と最終消費者の部分では、信頼をどこに置くかというとこ ろの「○」の付け方が少し違ってくると思うのです。例えば、そうなってくると、洋服とか ハム・ソーセージ・ベーコンとか、最終消費者が本当に消費者というものと、「○」を付け るときに、ここを一緒に労働集約型に点数を付けるときに、途中の中間成果物みたいなもの とは、技能検定でこの人はウインナーマイスターとか何とかという評価をされている人とめ っきの何とかのマイスターという評価をされている人とでは、点数を付けるときにこのカテ ゴライズだと困らないかというのが、いま突然疑問になりました。 ○北浦座長  そこは採点基準の議論をしたときに、またフィードバックするということで、大変重要 なご指摘だと思います。確かに最終消費のものと中間段階のものとが混在していますから、 それによって考え方が違い得るということはあると思います。重要なご指摘だと思いますの で、その点は少し留保しながら、これはまた審査基準をやりながらフィードバックするとい うことで、これ自体がコンクリートということではなくて、仮置きというとあれですが、一 応こういう形で整理をして、また審査基準を見てフィードバックできると、こういう形にし ておきましょう。また付加的なご意見を付け加えていただいて結構ですので、事務局にお寄 せください。次に資料3についてご説明をお願いします。 ○森岡上席  資料3で「平成21年度統廃合等のスケジュール(改正案)」です。第1回検討会で皆さま のご指摘などを踏まえ、職種ごとの社会的便益の評価方法の手直しをしました。標準値設定 のために、サンプル的に職種を選定して点数を付けてみたらどうかというご意見がありまし たが、事務局で検討した結果、全職種に関係する業界団体すべてを対象に、社会的便益に係 るアンケートを実施することとします。時期は8月中に実施を予定しています。このアンケ ート内容については、後ほど説明します。その次ですが、このアンケートを9月中旬ごろま でに集計し、いままで予備としていた、第3回検討会を9月下旬から10月上旬の間に開催 します。この検討会では、アンケート結果を踏まえ、標準点の検討、ヒアリング項目の精査 を行っていただく。次に、統廃合等の対象職種に関係する業界団体に対して、まず事務局で ヒアリングの実施をします。ヒアリングの項目については、また後ほど説明をします。第4 回検討会では、統廃合等対象職種の関係団体の出席を求め、事務局のヒアリング内容を補足 するためのヒアリングを行っていただくということとしています。スケジュールは以上です。 ○北浦座長  これについてご説明がありましたが、ご質問、ご意見がありましたら、どうぞ。重要な 変更点は、すべての職種についての調査を行って、全体の相場観といいますか、平均的な状 況をまず見定めたいと、こういう点ですね。このスケジュールはいかがですか。前回はご指 摘があり、事前に十分な資料を踏まえた上で論議すべきということだったと思いますが、そ れをより徹底した形になったと思いますが、よろしいですか。またご意見がありましたら後 ほど頂戴することとして、肝心の調査内容ですが、次の資料4についてご説明をお願いしま す。 ○森岡上席  資料4になります。これは標準値設定のために、全職種に関係する業界団体すべてを対象 に、社会的便益に係るアンケートです。1枚目は送付状です。ここで統廃合のプロセスを改 めて説明した上で、この調査が社会的便益の標準的な水準の設定、それと個別職種の社会的 便益の評価に用いられること、また、受検者数の少ない職種には、別途、ヒアリングが予定 されていることの説明をしています。  次の頁からは、そのアンケートです。問1ですが、ここで社会的便益12項目のうち、業 界・企業・受検者にとっての便益9項目について、各項目を10点満点で有益性の点数を付 けていただくことにしています。消費者・国民にとっての便益3項目については、業界団体 に採点を求めるものではなくて、国が判断をするものではないかとのご意見もありましたの で、ここには入れないで、後の問4でその有効性について質問することとしています。この 9項目に加えて直接相手にしている顧客への信頼、これを項目として入れてはどうかという ご意見もいただいているところです。その下、問2ですが、これは上記9項目以外で有益性 の高い事項について自由に記載をしていただくものです。問3です。これは問1でそれぞれ 採点をしていただくわけですが、問3からは定量的にどの程度かということを答えていただ くということです。ただ、この説明に対しては、ご意見として、業界団体がそもそも定量的 に把握しているのか、把握していないのではないか。どういう点で最も活用されているのか、 重視しているかについて尋ねたほうがよいというご意見をいただいているところです。問4 ですが、次の頁の下のほうにあります。ここでは我が国の安心・安全と安定した発展を確保 するための観点から、○○職種の技能検定の有効性について、当てはまる数字に「○」を付 けて下さいとして、消費者・国民にとっての便益3項目について質問をしているところです。 ○北浦座長  資料5はヒアリングですが、これは同時並行に行われるのでしたか。 ○木口主任  アンケートを回収した後に、統廃合の検討対象となったものに限ってのみ行う予定です。 ○北浦座長  そうすると、別に議論したほうがよろしいですね。アンケートは全体についてというこ とですが、ご質問、ご意見をどうぞお願いします。 ○天野調査員  これは等級の区別はしてないのですか。 ○木口主任  等級の区別は今のところ考えてはいません。 ○天野調査員  特級と1級、2級ではだいぶ状況が違うようにも思いますが、この点についてはどうです か。 ○北浦座長  等級ごとに調査票を分けて書いたほうがいいということですか。 ○天野調査員  実際には、等級によって目的も対象もだいぶ違うのではないですか。特級はどちらかと いうと、管理の観点から質問する必要もあると思います。分けられるものなら分けていかが ですか。 ○北浦座長  どうですか。ご自由にその辺も含めてどうぞ。今の点は、他の先生方はいかがですか。 級ごとをご専門の見地から見て、分けたほうがよいか。その辺、事務局はどういうお考えで すか。 ○木口主任  実態から申しますと、受検者数の少ない職種では特級が設定されている職種はないとい うことがあります。若年者向けの3級も、同じく設定されているものはありません。逆に、 1、2級、あるいは単一等級について調査するというやり方はあるかとは思いますが、いか がですか。 ○天野調査員  このアンケートは全職種に出すということですよね。 ○木口主任  全職種に出します。 ○天野調査員  そういうことでしたら、等級の影響は多少出てくるかと思いますが。 ○木口主任  ただ、分けて聞くか、ターゲットを絞って聞くかということになると思います。 ○天野調査員  最近の合格者に言及した場合、等級に関してどのような比率になっていますか。 ○木口主任  都道府県方式の職種として機関方式の職種でかなり傾向に違いはあるのですが、都道府 県方式の場合ですと、ここ2、3年、2級、3級はかなり増加傾向が見えています。特級もこ こ3年ぐらいですと、前年比1割増ぐらいで増えるペースが上がってきています。単一等級 は横ばいという感じです。 ○北浦座長  松本委員はいかがですか。そういうご専門の見地から見て、違いはありますか。 ○松本調査員  多少2級とか3級、どちらかというとまだそこの業界、例えば大学でも卒業したばかりと か、あるいはそういうところで、結構若い方が多いですね。ですので、多分そこのところで 多少比率によっては点数の差はあるかと思いますが、それほどにはないと思います。 ○柴田調査員  社会からの信頼を受けるという便益は、国民・消費者にとっての便益ではなくて、雇用 主にもあるのかというので、それを後ろのものを持ってくればいいというのだったら、点数 も一緒にしてないと、一番後ろのほうが有益である。ここは問3、問4は、非常に有効であ る、ある程度有効である、どちらでもない、あまり有効でない、有効でないという尺度にな っているので、一緒にしたときには同じ尺度にならないというのがまず1点疑問に思ったの です。  ところが、そう考えてきたら、ここに点数を付けて、たまたま主観的に高い点ばかり付け る人とそうではない人の点数が独り歩きしたときに、それはどう集計してどう評価するのか、 どういう結果を導き出そうと考えておられるのか、ということが少し頭の中で混乱してしま ったのですが。 ○北浦座長  これ自体は絶対評価ですよね。全て点数は、10点の中の有益性はね。だから、先ほど言 った全部10を付けるとか、9を付けるというのが出てくる場合があるし、低い0点の人も いるし。 ○木口主任  はい、あります。0点が出てくる場合もあります。 ○柴田調査員  そういう職種については、そこの業界しか答えないわけですよね。そうしたら、その業 界のその人がものすごくそういうことを重視している、たまたま回答した人が10点を付け て、隣の職種についてはたまたま性格的なものもあって、全体が2点とか付けられてしまっ たときに、その数字をどう考えるのかと。 ○北浦座長  この趣旨は、それぞれが10点か9点かという問題ではなくて、各項目間のウェイトがあ るという。 ○木口主任  ウェイトとしてどこに重視をしているかという点も見たいと。 ○柴田調査員  例えば、ウェイトを付けるのだったら、ウェイトを付けてもらったほうが、全体が100 になるようにウェイトを付けてくださいというふうにやったほうがいいのかと思います。 ○北浦座長  順位を付けるとか。 ○柴田調査員  この点数の持つ意味が今ひとつ分からないなというのが私の思った点です。 ○北浦座長  そこがいちばんミソなところですから、そこはやり方が悩ましいところで、この間から 議論しているところですので、これは絶対数値で、絶対評価で書いていただいて、それを単 純に集計して、その中でウェイトをつくり出そうという考え方だったのですね。ただ、おっ しゃったように、全部ひいき目にオール10点を出されてしまったらイーブンになってしま いますので、そういうものが果たして評価基準として妥当かというご指摘だと思うので、そ こは無視して、柴田委員の場合はどうしても無理してでも1、2、3、4、5と順位を付けたほ うがよろしいと。 ○柴田調査員  こちらの点数を全部合計20点にするという話であれば、初めから20点という点数をここ の中に加えて、そうなってくると業界にとっての便益と受検者にとっての便益と、雇用主に とっての便益と、この3つはカテゴリをこのように細かく聞く必要もなくて、この4つにつ いて配点をしてもらうという方向でも、書くほうは楽かと思います。 ○北浦座長  いろいろアイディアをいただいたので、他の委員もご意見をどうですか。そこは一番こ れからの作業の肝心なところですから、ご意見をどんどん出していただきたいと思います。 ○松井調査員  これはもらった方の立場に考えると、まず問1があるではないですか。ここで点数を入れ るのは、おそらく記入する人の考え方で、この職種の検定はうちの業界にとってという非常 に理論的な立場で書くと思うのです。その人のレベルが10ばかりとかは分かりませんが、 一応その人が理論的に検定試験をどう捉えるかはここに出てきて、それと対応して、その次 にもう少し具体的に会員企業においてどう活用されているかということになっているので、 例えばそれは技能継承の非常に必要な、これは点数で10だと思っても、こちらでまだ2〜3 割の企業しかできてないということになると、そこである意味が出てきますよね。必要だと 思うけれども、実際はまだ駄目だとか。あるいは社員教育のためにこれは非常に重要だとい うけれども、実際はまだまだ2、3割の企業しかやってないという逆の数字もあると思うの です。そういう意味では、読み方によってはなかなか面白い読みができるという感じもして いるのですがね。だから、これをどう読むかということですね。 ○北浦座長  そうすると、松井委員の場合は、採点法は、今のところはこれでよいということでしょ うか。 ○松井調査員  今のところはこの形である程度いろいろな実態が見えてくる気がすると思います。 ○北浦座長  その出たものについて。あとどう基準化するかで考えればいいと、そういう考え方です ね。 ○松井調査員  そうですね。 ○北浦座長  どうぞ、この辺はいろいろご意見があると思います。あと、柴田委員が言われたように、 これはもともと3つないし4つぐらいのものを例示的な形でそれぞれ1〜9まで出ていたの で、それぞれ細かくしないでもう少し大括りにどうかというご意見もありました。そのよう なことも含めてどうぞご自由に。ただ、これはこのまま基準になるわけではありませんから、 そのためのプロセスというか作業のための調査であるということは、前提に置いてご議論は いただきたいと思います。測定の仕方をもう少し工夫の余地があるということであれば、そ こは皆さん方のご意見を踏まえて修正をしていけばと思いますが、どうぞ。 ○八木澤調査員  点数を付けるという立場で考えた場合は、丸数字1,2,3,4,5,6,7,8,9を塊として何か示し たらいい気もします。業界における便益は丸数字1,2,3、単一企業における便益が丸数字 4,5,6、個人が丸数字7,8,9であると、そういうのを分かり易くしてあげれば書き易いと思 うし、点数を付け易いと思います。括ってもいいし。 ○北浦座長  八木澤委員は、括りをそのように明確にして書き易くしてということで、丸数字1,2,3 はそのままでもよろしいと。それぞれに採点させるべきであると思われているということで しょうか。 ○八木澤調査員  はい。例えば1括りに丸数字1,2,3のウェイト付けというのはやり易いと思うのです。ウ ェイト付け、例えば丸数字1,2,3をAとして、丸数字4,5,6をBとして、丸数字7,8,9をC とすると、うちの業界はCの塊が重要だと。その中でどれが重要かと付けやすいと思います。 ○北浦座長  括りを作っておくことによって、括り間のウェイトというかバランスを考えながら採点 ができる点でよろしいですね。 ○八木澤調査員  はい、その括りの中のウェイトも付けられると思います。 ○北浦座長  まだご意見のある方、どうぞいかがですか、ご専門の立場で、どうぞ。こういう焦点、 天野委員なり松本委員なり、いかがですか。 ○松本調査員  いまの括りというよりご提案は、まさに標準点の所でも付けやすくなるかと。 ○北浦座長  柴田委員、いかがですか、そういう括りを明示するということで。 ○柴田調査員  いいのではないですか。消費者・国民にとっての便益は業界にとってもあるので、後ろ にしないで前に一緒にしてしまったほうがいいという気はしているのです。要するに、うち の会社の商品、あるいはその職種の商品を売るときに、これがあるということによって会社 にとっても便益がありますよね。だから、そこはどうなのかという意味がよく分からないと ころです。 ○北浦座長  おっしゃったような企業にとっても社会的な便益を意識するのは当然だと思うのですが、 現在の書き方が非常に大きな書き方になってしまっているからですね。 ○柴田委員  こちらに点数が出ているのに、こちらは有効性といったときに、並べられないと思った だけなので、どうせ点数でやるのだったら点数にしたほうがいいかと思うのです。 ○松井調査員  そうです、そこのところは。こういうのは駄目ですか、後ろとマッチするためには。例 えば点数は6とか7とかやって、結局、その本人にまた点数を取らせるわけですよね。これ は合計で大変ですよね。だから、むしろ合計などというのはどのぐらい回収で、こちらの作 業が大変になるかわからないけれども、A、B、C、D、Eとやって、Aが10点で、Cを5点で、 Eを0点で、Bは7.5とかね。あとでそれを集計すればいいということと、AとAとかは対応 しやすいではないですか。これが3点とか微妙なところでうーんとなるよりは、ある意味で は非常にわかりやすいし、付ける人も合計の数字をやる手間がなくても済むし、そのような のはできないのかと思うのです。 ○北浦座長  なるほど。松井委員のご指摘は、例えば問4で今は社会的な便益が入っていますが、それ がA、B、C、D、Eになっているので、その尺度を前に持ってくれば、ほかもA、B、C、D、E でやると。 ○松井調査員  統一すればよいと思います。 ○北浦座長  はい。ですから、それぞれ有効であるとか、あるいはそれに活用しているとか、AなりB の意味は少し意味合いが違うのでしょうが。ただ、そういう形で評点を一緒にするというこ とは可能かと、こういうご指摘ですね。それは1つのご意見ですね。点数は、10点法はこ だわるのですか。 ○木口主任  いいえ、そこのこだわりはないです。どういうやり方がいちばん、回答されると集計し 易いかとかを考えまして。 ○北浦座長  採点の立場で10点をきれいに付けるのは、それはなかなか難しいかもしれませんね。A、 B、C、D、Eの5点ぐらいが、評価としては確かにいいのかもしれません。人事評価でも9 分類とかありますが、なかなか難しいですよね。いかがですか、他にご意見はありますか。 今、いろいろご意見が出て、大変有益なご意見が出たと思いますが。 ○柴田調査員  問3について松井先生は、これを問1と照合するというようにおっしゃったのですが、団 体さんがこの自分の傘下の会社において、活用しているか活用していないかというのを、こ ういう7割の会社が活用していますよとか、分かるのですか。  私はちょっとそこら辺が不案内なので、むしろ今日たまたま宮本さんが全国技能士会連合 会からいらしているのですが、例えばこういう職種団体さんは、自分の傘下の会員の企業の 7割から8割がこの検定を利用しているとか、あるいは安定供給のために利用しているとか、 そんなことを聞かれたときに答えられるのかなというのが、ちょっと素朴な疑問としてある のですが。 ○全国技能士会連合会  私もちょっとその辺は十分に理解していないので答えられないのですが、そういう割合 で技能検定を活用しているとか、評価しているとかいうことを、団体として答えられるかど うかというのは、ちょっと難しいと思います。その団体によると思います。 ○柴田調査員  団体によるのですね。  今回は統廃合の検討対象になるのが、受検者があまりいない職種だから、かえって分か るのかもしれませんが、それは本当にどうなのかなと。  先ほどおっしゃったように、問1と問3を照合させながらやればいいというのはそうなの だなと思うのですが、私が団体だったら、あの会社はこれを使っているという固有名詞は分 かっても、何割が活用しているのかというのは答えられない。でも何か方法はないのかなと 言われて、代替策がないからあまり言えないのですが。 ○北浦座長  これはよく使われている、普通に使われているということをやや数量的に書いたという ので、気分の問題ですね。別に定量的なエビデンスを求めているわけではないということで すね。そういった意味では、かなり主観的になってしまうのかなということだろうと思いま す。  ただ数字で書いてあるので、何となくそういう根拠がないといけないのかと思ってしまう かもしれないので、そこをどうするかという問題ですね。  まだ時間がありますので、今日のこれはメインの議論ですから、思いつくままにどうぞ言 ってください。 ○柴田調査員  調査対象の団体さんの傘下企業というのは、大体何社ぐらいずつある感じなのでしょう か。 ○木口主任  調査対象の全部ですので、大きい所ですとかなり大きかったですね。 ○柴田調査員  100とか200とか、そのぐらいですか。 ○木口主任  もっと多いです。 ○柴田調査員  多いと何割というのが、なかなか難しいかもしれない。でも受検者数は、分かるのです ものね。そのときに受検者企業の数なんかも分かるのですよね、その団体としては。 ○木口主任  どこまでフォローしているかは、団体次第だと思います。 ○八木澤調査員  逆に言ってしまえば、業界団体の事務局も勉強にもなるし、会員企業の勉強にもなるし、 かえって啓蒙策としてはいいのではないのかなと思います。 ○北浦座長  なるほどね。この種の調査は、初めてなのですか。前にもやったことはあるのですか、 類似のものは。 ○木口主任  網羅的にやったかどうかは、ちょっと。今回も全部に送ろうとしているのですが。 ○北浦座長  定量的に聞いたことはあるのですか。そこまではやってないでしょうか。 いずれにしても、こんなに大々的にやるのは初めてに近いですか。 ○木口主任  定量的な形でやるのは、今回が初めてです。去年もメリットなんかについての調査は同 じような形でかけていますが、こういう定量的なことは聞いておりません。 ○柴田調査員  勉強になるのだったらいいなと言うのだったら、(何割)、(何割)と聞いてしまったほう が楽ではないかな。どの程度活用されていますか、企業の何割と書いて、(3)だけは違うの ですが、あとはみんな何割と書いてもらったら、やはり調べなければという気になるかなと。 もしそこまでやるならという感じなのですが。 ○松本調査員  調査表が配られて、戻りまでの締め切り期間が短かったら何となく書いてしまうかもし れないですが、この期間がある程度確保できるのだったら、そういったところも期待する形 でいいですかね。 ○木口主任  ただいま8月に調査ということで、夏休みも入ったりしますので、いま期間をどれだけ取 れるかと。できれば8月の早い時期にまいて、9月の早い時期には回収して、一気に集計を したいとは思っています。製造業だと夏季休暇で工場を閉めてしまうとかありますので。 ○北浦座長  いかがですか。項目については大体一通り議論が出ているようですが、何かまだ他にお 気付きの点がありましたらどうぞ。  これは今日ここで決定ということではなくて、ご意見をいただいて、最終的にまた調整し ますか。 ○木口主任  ご意見はまた調整しますが、あとは事務局で座長や委員の先生方とご相談しながら作っ ていかないと、間に合わないと思われます。   ○北浦座長  ということですので、まずポイントとなるところは、ご指摘をいただきたいと思います。 具体的な修正は、事務局と相談してやりますが、まずご指摘があればこの場でいただきたい と思いますが、いかがでしょうか。  大体皆さん方の意見は、いろいろいただいたと考えてよろしいでしょうか。最初に天野委 員からご提起いただいた級別の特徴の違いですが、これはあるべきとかないとか、なかなか やってみないとわからない点はありますが、そのようなご心配、あるいは問題意識もお持ち ですから、何か例えばそういう違いがありますかとか、それを少し付記して、そういう違い があればその点は特記事項的にして、かなり違うのだということであれば、そこは表を分け て調べないといけないので、何かちょっとご意見があればお願いします。 ○天野調査員  高度熟練技能者の中には、今更、技能検定でもないだろうというような方が、かなりベ テランの方で結構いらっしゃるのです。もう2級は過去に、だいぶ前に受けたのですが、高 度熟練技能を受ける過程でも1級を受けないでも、ある程度の社内での位置付けができてい るからと、あるいはリーダーとして。だからそういう意味で、技能検定の級による評価がみ な違うのではないかというような気がします。細かい話なのですが、その辺は例えば中央職 業能力開発協会で統計的にどういう方が受けているかとか、例えばどういう業界を通じて、 そういう分析というのはあるのでしょうか。   ○中央職業能力開発協会  おそらく先ほど技能士会さんからもありましたように、団体によってかなり状況が違う のだろうなと思います。受検者層については、全体的なデータというのはありません。都道 府県ごとに実施していくということがあります。  ただ以前、東京都内での受検者とかを調査したものがありまして、受検者の年齢や経験年 数とか、その辺は、ある程度わかるものがあります。 ○天野調査員  各都道府県の統計資料と、各都道府県がデータを持っているのですか。 ○中央職業能力開発協会  そうですね。技能検定試験の実施主体が都道府県になりますので、都道府県ごとに受付 をしておりますので、その辺は都道府県ごとに見ないとわからない状況です。  各団体にとっても、団体によって都道府県の状況を把握している所と、そうでない所があ ると思っています。 ○北浦座長  級別の問題を今回論ずることが目的ということではありませんので、あまりそこに立ち 入って今回やりますと、複雑になってしまいます。ただ明らかに書きにくいというご指摘が あった場合には、そこのところを配慮できるかどうか。ちょっとこれは事務局と相談をさせ ていただきます。それでよろしいですか。 ○天野調査員  はい。 ○北浦座長  一番肝心な2頁目の採点表ですが、いろいろご意見があったのですが、共通だったのは、 項目について括りを設けるということでした。これについては皆さん方からご異論はなかっ たと思います。  社会的便益の問題はありますが、1から9の所もそれぞれについて採点するということも、 問題なかったと思います。  あと問題は、点数の付け方ですが、それは後ろのものと統合するか否かと、そのようなご 議論がありましたが、一応事務局の考え方はウェイトの測定ということですので、一応どこ に片寄りが出るかを見たいということですので、それぞれに点数は付けておきたいという考 え方ということですね。ただその場合に10点法でいくのかどうかというのはご議論のある ところで、確かにこんな細かく出るのかというのがあって、5点法ぐらいにするのかどうか とか、ABCDも同じことですが、そこはちょっともし皆さん方でご意見があれば、追加的に 出していただいても結構ですが、そこはまだ検討の余地があると、こういうことだったと思 います。  難しいのは問3の所ですが、問3は比率を聞くことで、これは八木澤委員からもご指摘が ありましたように、こういうことを聞くことがまず啓発的な効果を持つということで、これ は大変意識を喚起する意味でいいのだというご指摘があったので、これはそういう効果は確 かにあると思います。  聞き方として柴田委員が言われるように、定量でズバリと聞くということにするか、この ような書き方ということですね。具体的にはこれは1カ月と期間あっても、事実上はかなり 短い期間でやらざるを得ないということですか。 ○木口主任  実質は、1カ月は取れないと思います。 ○北浦座長  その制約の中で書きやすいものを考えるということと、大きい、小さいがありますから、 すぐに調べられる所と結構大変な所があるということですので、その辺は事情を勘案して、 いかがでしょうか。一応これは間を取ったような形になっているので、定量のような、定性 的なような感じになっていますが、これをベースに考えるということでいかがでしょうか。 ご異論がありましたらどうぞ。  最後の社会的便益の問4について、ここでお聞きしますが、ここに置いておくとほかとの バランス、ウェイト付けが見えにくいのではないかというご指摘があったと思うのですが、 その点は、そういうことでよろしいですか。 ○柴田調査員  企業にとって消費者からの信頼を得やすいという便益は、どこに入れるのかなと。 ○北浦座長  だから問4を前に持ってきて、並べると。ただしその場合はこれが5段階ですから、他の 項目を揃える必要がある感じです。 ○柴田調査員  場所はどちらでも、こちらでも先ほどおっしゃったように。 ○北浦座長  なるほど。足すときに、そういうように考えると。 ○柴田調査員  それでもいいし、あるいは前のほうに持ってくる。これって、消費者にとってというの ですが、自分の企業にとって消費者から信頼を得やすいというのがあるのではないかなと思 って、それを1個ぐらいこちらに入れておいてもいいのかなと、前のほうに。  ただ、それはちょっとよくわからないので、どちらでもいいかという気がします。 ○北浦座長  それはたぶん事務局のほうは、最初の12のカテゴリというのが前回の研究会報告である 程度作られたもので、それを基にしているので、それをなるべく尊重してということで作っ ている。したがって、この表現がそのときの12のカテゴリのときの3つを使ってしまって いるものですから、柴田委員が言われるのとちょっと書き振りが違っているのですね。そこ が悩ましいところです。 ○柴田調査員  そうですね。ただこれは企業にとってのというのと、消費者にとってのというのと、国 民にとってのというのは、それぞれ立場が違います。企業にとって消費者の安心、信頼を得 られるというのは業界にとっての便益になるのかもしれませんが、ここの所は主語をどこに 持って国民の安全・安心かというか明確にしておかないと、点数を付けるのが大変かなと、 若干思ったのです。 ○北浦座長  具体的には採点表は9番までしかありませんから、10項目として、そういうものを作る かどうかという話ですね。 ○柴田調査員  そうですね。前回の資料5で出ていた標準点の例のときの消費者、国民にとっての便益の 数字は企業、業界団体が考える、消費者にとっての便益の点数なのですね。この前話をして いたときには、それはまた別の視点でチェックするときに消費者、国民にとっての便益なの で、主語がいます。それはすごく大きなことです。  例えば先ほどの職種によって違うのですが、最終消費材の製造職種にとっては、消費者か らの信頼はものすごく大きなことになる。だからどうやってこのデータの使い分けをするの かなという感じだけはしています。 ○北浦座長  松井委員、いかがでしょうか。今のように例えば採点表にいま大きい括りでは3つのカテ ゴライズ、それに4番目の所が別物のような形になっているのですが、ご指摘のようにこれ は企業の利益で、あるいは業界の利益でもあるわけなので、そこのカテゴリに入れるかどう かは別にして、いまのように例えば社会消費者への便益に帰するというようなことをもう1 つ追加していくというような考え方は、いかがでしょうか。 ○松井調査員  あまり増やすのも、答えるほうは大変ですよね。だからこの問4というのは、実は非常に 重たいところなのですね。たった3つだけれども、実は中身は本当の本質を突いた重たい所 で、でもこれはきっと予想をすると、非常に永々と出てくるような気もするのですが。でも 私はこれでいいかなと思っています。 ○北浦座長  後の実際の採点基準の作り方のところで、論ずればいいということですね。 ○松井調査員  そうですね。あとは読み方をどう分析していくかというところで。 ○北浦座長  八木澤委員、そこのところはいかがですか。何かあえてもう1つ作るのか、いま言ったよ うに採点基準の所で、またこれは作り方を活用の仕方として考えるわけです。これは調査票 ですから。 ○八木澤調査員  整合性が取れていればいいと思いますがね。 ○北浦座長  これは調査として、一応ご趣旨は大変重要なご指摘があったと思います。  逆に問4のこの部分というのは大変重いわけで、だからあえてカテゴリを別にして聞いて いるということもありますので、他のとはまたちょっと違うということなので、最終的な配 点基準を作るときに、少しそこは加味をする、勘案するということで、調査票としては、逆 の形で進めることにさせていただければと思います。あと、何かご指摘がありましたでしょ うか。 ○松井調査員  これはこれでいいのですが、少しタイトルが堅すぎると思います。「技能検定の社会的役 割の評価に関する」とか、そこをちょっと定量化では、何かちょっと堅いので。社会的役割、 評価とか、役割の評価に関するぐらいでいいのではないですか。 ○北浦座長  そうですね。これは調査される人の名称の問題は、結構重要ですから。 ○八木澤調査員  問3の(3)ですが、貴団体の会員企業において、業界内の統一的な技能評価として云々と あるのですが、Aが全国規模になっていて、Bがブロック単位で、Cが都道府県で、Dが市町 村の範囲で、Dがグループ企業内、これはこの分け方の意味が、全然わからないのです。 ○北浦座長  問3の(3)ですね。 ○八木澤調査員  はい。当然Aが、評価が高いということですよね。市町村単位ではありますか。 ○北浦座長  この考え方は、どういうことで決められたのでしょうか。 ○森岡上席  これは単純にエリアで分けておりまして、現実にあるかどうか、そこは調べてみないと 分からないというところですね。 ○八木澤調査員  多分これは、あるとしてもAかEしかないと思う。 ○北浦座長  だからちょっと5つ作っているのは、無理なのかもしれませんね。これはほかでも2つだ けのものがあったりしていますから、何か無理して5つ作ってしまっているところがありま すので、これはちょっと確かに、定量的に見ている部分はありませんから、検討の余地があ ります。これはご指摘を受けて、直してみてください。あとは数字でみんな一応示してある のですね。ある程度はっきり調べられるところと、そうではなくて大体この程度というよう に判断するところとありますが、一応表現としては、この数字を出した形にしておくという ことでしたね。よろしいでしょうか。  それでは、まだご議論はあると思いますが、かなりいろいろな観点で重要なご示唆をいた だいたと思いますので、これを踏まえて調査票を最終的に整理していくということで、今日 のところの議論としては、ここまでにしたいと思います。ただ、皆さん方はまだお気付きの 点もあると思いますので、まだ間に合う限りでどんどんご意見がいただければというのと、 ご欠席の先生からもご意見を頂戴していただきたいと思います。  ただ、先ほどの事務局の説明にもありましたように、調査を急いでやらないといけないと いう制約がありますので、最終的には私と事務局との間で整理をさせていただきたい。今日 いただいたご議論で少し整理をしたものを、早急にまた皆さん方にお送りいたしますので、 それでまたお気付きの点があればフィードバックをいただきたいと思っています。この作業 は、かなり急いでやらないといけないですね。 ○木口主任  はい。 ○北浦座長  では最後のときに今後のスケジュールでご説明いただきたいと思います。大変いろいろ なご意見をいただきまして、ありがとうございました。  最後の議題ですが、資料5のご説明をお願いしたいと思います。 ○森岡上席  「社会的便益に係るヒアリング項目(案)」です。これは資料4のアンケートの不足調査 として、統廃合等の対象職種の関係団体に対して、事務局がヒアリングを行う際に用いるも のです。内容は、第1回検討会の資料3の社会的便益に係る調査票(案)をベースに、ご指 摘を踏まえて、整理をしております。  一通りこの項目について、直接お尋ねすることにより、アンケートやヒアリングの必要性 を理解していただいているのかとか、状況とか、技能士の活用等に対するデータをお持ちか どうかとか、それらを踏まえて回答をされているのかどうか、そういったことの確認をしな がら、より具体的に状況把握ができるのではないかと思っています。  内容ですが、大きくはIとIIの2つに分けております。Iとしては「○○職種技能検定に 係る活用の現状について」、IIとして「○○職種技能検定の今後の需要及びそれを見込んだ 対策について」です。IIは、前回のときには2つに分かれておりまして、「今後の需要につ いて」と「受検職の増加に向けた対策について」としておりましたが、これは内容がオーバ ーラップしているというご指摘がありましたので、1つの項目として整理をしました。Iに ついては項目としては変わっておりません。  IIですが、ここは7、9、10が追加になっております。2頁目ですが、7として、受検者を 増やす方策が実施された場合、どの程度の技能検定受検者の増加が見込まれるとお考えです かということで、9としては、キーポイントとなる単位技能は何かと。統合のための資料が 必要とのご指摘もありまして、新たに加えたものです。10は、2、3年後に実施した場合の 受検者の増加見込みを聞いております。このヒアリング項目についてのご意見をいただいて おります。アンケートと同様に頭の所で、企業にとって消費者からの信頼が得やすいという 項目を入れたらどうかというご意見です。これらについて、ご検討いただきたいと思います。 ○北浦座長  ありがとうございました。まずこの資料の取扱いですが、これは検討対象となる職種に 限定して行うものですね。 ○木口主任  はい。 ○北浦座長  したがって、これについては先ほどのスケジュールによりますと、調査票のとりまとめ を踏まえて、最終的にヒアリング項目を第3回検討会で行うことになりますから、そのとき に最終的に決定するということでよろしいのでしょうか。 ○木口主任  はい、そうです。 ○北浦座長  今日この場で決定しておくということでしょうか。 ○木口主任  アンケートの結果を見て、もっと質問しなければという点があったら修正を加えていき たいと考えております。 ○北浦座長  アンケート結果によって、これは変わり得るということですね。ですが、この段階で、 ある程度ご議論をいただければということですね。そういうことで、どうぞご質問、ご意見 をいただきたいと思います。事前にあった意見としては、消費者の便益について、活かした ほうがいいということです。 ○松本調査員  1つ、統合に関するところの意見を引き出すような質問項目が、あるといいのかなと。つ まり他の所と組んでとか、そういう所の設問があるといいと思います。ちょっと項番として どこがいいのかは検討が必要なのですが。 ○木口主任  9番が、一応それを意識して作ったつもりなのですが、これは単位技能というのを捉えて、 ここが共通だからくっつき得るのではないかということを言っております。 ○北浦座長  これはこういう表現で、統合を意識しているということですね。これで分かるかどうか ということですね。 ○木口主任  ちょっと分かり難いですね。 ○天野調査員  私も同意見です。単位技能が、どういう意味か少し説明してください。 ○木口主任  私どもがイメージしていましたのは、いわゆる検定職種というのはパッケージで、その 中でキーになるような技能というのは、いくつかあるのではないかと。そこがある程度共通 する職種であれば、統合する道が開けるのではないかということで、キーになるところを単 位技能という表現をしたのですが、何か適切な表現がありましたらお願いします。 ○天野調査員  例えば金型、あるいは木型や模型などは共通点が多いが、それらの共通部分を単位技能 というように考えていらっしゃるのですか。具体例を示すと、理解しやすいかもしれません。   ○八木澤調査員  統合は難しいと思います。例えば焼成と言ったらセラミックも焼成だし、パンだって焼 成ではないですか。窯の温度調整だから、それは難しいよね。統合意識している表現として は、ちょっと難しいと思います。 ○北浦座長  これは専門用語というわけではないのですね。別に確立している単位技能でということ でしょうか。 ○木口主任  単位技能ではなくて、「キーポイントになる技能として考えるものは何ですか。」という 質問だったら、まだお答えをいただけるでしょうか。 ○北浦座長  ただ、別にこれは職種を分析するようなことというのは、なかなか難しいかもしれませ んので。 ○天野調査員  共通性の高い技能要素と表現する方が、理解しやすいかもしれません。 ○八木澤調査員  ですから、発酵と言っても味噌も発酵だし、酒も発酵でしょう、これは。一緒にできる かといったら、醸造というところでは一緒か。 ○柴田調査員  でもこれは、要するに違う分野でも同じような手の技が使えるとかという、何かそうい うもので一緒にできないかという話ですよね。  だから質問、ヒアリングだからより分かり易い話をするのが良いのではないのでしょう かかと、実は離れているけども技能としては一緒だというか、手の技があるとか、そういう ものを探しましょうというときに、その職種の人たちの技能の中で最も重要なものというの はどういう動作か、どういう技術ですかと聞いて、具体的に何ですかというように聞けば、 いろいろな技術をご存じの方は、ひょっとしたらこれとあれと同じだというのをくっつける ことができるかもしれない。だから具体的にどういう技術なのかというのを。  例えばこれをやったときに、ここをこういうようにきちんとできる技であるとか、鍵の開 錠とかいろいろなものをやったときに、あれは細かいネジを回せる力とか、よく分かりませ んが、ちゃんと計って穴を開ける力とか、何かそういうのをきちんと具体的に聞かないと、 マッチングできないのかなと素人は思うのですが、全然違いますか。 ○天野調査員  例えば金型は現在多くの業種で使用される共通性の高い工具です。これに関連し、鋳造 用の木型を製作している企業の現況を調査したときの話です。「伝統的な木型製作だけだは 経営的に成り立たない。CAD/CAM技術も活用して、広く各種の金型用模型製作を行っている。 技能検定等においても、そのような広範囲の内容を含めたもので対応してもらえば、非常に 役立つと思う。」とある経営者は言われました。この時、私は業界も最新の技術・技能を取 り入れた質の変化した検定を望んでいるのではないかと思いました。このような意味から、 検定等の対応は若干遅れているのではないでしょうか。 ○八木澤調査員  木型は鋳造のために作るのだから、鋳造の片割れといえば鋳造なのですね。そういう見 方で見るのか、テクニカル面で見るのか、難しいところなのですね。 ○天野調査員  前述の模型企業の例に見られるように、需要の変化とともに業務内容も拡大し、中心的技 能も広範囲となって来たため、例えば従来からの「木型」職種のみの検定ではカバーしきれ ないため、受検者が減ることは十分考えられます。他にもそのような傾向の職種や業種はあ るのではないでしょうか。 ○八木澤調査員  あと鋳造のために木型の技術を残しているといった、そういう意味もあるし。アプロー チの仕方は、難しいですね。 ○松井調査員  だから一般的な聞き方として、9の所を、現行の○○職種の技能検定に関して、例えばA 技能とB技能とを統合したほうがよいなど、既存の技能検定職種における改善策として考え られるものは何かありますかとか、そういう聞き方だと、これとこれという何かイメージが わくかもしれませんね。 ○八木澤調査員  これは気楽に聞いたほうがわかりやすいかもしれませんね。 ○北浦座長  狙いは統合です。だからおっしゃったような形で、ズバッと聞く。ヒアリングだから、 そんな感じでもいいかもしれないですね。ただ、いまご指摘があったような実態も、少し念 頭に置いて整理をいただくということで、よろしいでしょうか。 ○八木澤調査員  相手方から提案を出させてしまったほうが、早いと思いますね。 ○北浦座長  いずれにしてもIIの6から10は、そういったように一緒に考えましょうというような感 じの質問項目ですよね。ですから、ここで「頑張ります。」ということになると、当分何も ないので、もう「頑張ります。」の答えになっていってしまうわけですね。だから全部に答 えるかどうかというのはあるわけで、その思いがそこで出るわけで、おっしゃったようにこ ういう投げかけをすることによって、どうするのだという問題意識を啓発するというのが、 この趣旨にあるところですね。それであればもっとはっきりと、松井委員の言われたような 形で書いたほうが、いいのかもしれませんね。  さて、よろしいでしょうか。先ほど申し上げたように、調査結果を踏まえまして項目を増 やさなければいけないということもあると思いますので、もう一度議論する機会があります。  ただ、この段階である程度準備をしておきたいということがあるようですので、これは またご意見がありましたら、どうぞ事務局へお寄せいただきたいと思います。  それでは、今日は調査票関係が主体になりましたが、一応本日の議論はここまでにしたい と思いますが、何か皆さん方まだ言ってなかったことで、ご質問でも結構ですが、よろしゅ うございますか。  よろしければ、とりあえず本日の議論は、ここまでにしたいと思います。それでは、事務 局から次回の日程、今後の進め方について、ご説明をお願いします。 ○木口主任  次回につきましては、資料3でご説明したとおり、調査票を回収して取りまとめて、ある 程度結果が出ましてからということで、9月下旬から10月上旬を考えております。調査票 がいつ発信できるかということも見極めた上で、また日程調整をさせていただければと思い ますので、よろしくお願いします。  今日の資料に関して、ご欠席の委員の皆さんにもご意見をいただきますが、本日ご出席 の委員の皆様も何かお気付きの点がありましたら、来週できるだけ早いうちに、事務局にお 知らせいただければと思います。調査票の手直しをしたものを来週中に出来次第、委員の先 生方にもう一度お送りして、ご確認をいただくという形で進めていきたいと思っています。 ○北浦座長  それでは、本日の専門調査会は、これで終わりにします。どうもご協力ありがとうござ いました。 (照会先) 職業能力開発局能力評価課技能検定班 TEL:03−5253−1111(内線5944) FAX:03−3502−8932