09/07/02 平成21年7月2日先進医療専門家会議議事録 第39回先進医療専門家会議 議事録 (1)開催日 平成21年7月2日(木) (2)場所  全国都市会館 第1会議室 (3)出席者 猿田座長、吉田座長代理、赤川構成員、飯島構成員、岩砂構成員、加藤構        成員、竹中構成員、田中(憲)構成員、田中(良)構成員、谷川原構成員、        辻構成員、永井構成員、樋口構成員、福井構成員、笹子構成員(電話出席)        事務局:医療課長、医療課企画官、保険医療企画調査室長、歯科医療管理        官、薬剤管理官、医療指導監査室長、医薬食品局医療機器審査管理室長、        佐藤課長補佐、石井課長補佐、梅垣専門官 (4)議題  ○高度医療の科学的評価について        ○先進医療の科学的評価(5月受付分)について        ○先進医療の届出状況(6月受付分)について        ○その他 (5)議事内容 午後 2時00分 開会 ○猿田座長  それでは、時間が参りましたので、第39回の先進医療専門家会議を始めさせていただ きます。委員の先生方におかれましては、雨の中、またお忙しいところを専門家会議に御 出席いただきまして、どうもありがとうございました。  まず、本日の構成員の出席状況でございますけれども、新井構成員、金子構成員、北村 構成員、坪田構成員、戸山構成員、渡邊構成員は御欠席との連絡をいただいております。  それでは、まず事務局のほうから資料の確認をお願いしたいと思います。 ○事務局  事務局でございます。それでは、まず資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第がございまして、座席表、それから、構成員名簿と続きます。先−1と しまして、高度医療評価会議において承認された新規技術に対する事前評価結果等という ことになっております。1枚紙です。別紙1としまして、ホチキスどめの4枚、つづって ございます。続きまして、別紙2ということで、これも4枚になってございます。続きま して、先−2ということで、先進医療の5月受付分についてです。これも1枚紙というこ とになっています。続いて、先−3、これは5月受付分に関する事前評価結果等について という1枚紙です。続きまして、別紙3、これがホチキスどめで2枚組です。次が先−4、 これは6月受付分になっております。次が先−5−1としまして、ホチキスどめ2枚つづ ってございます。次が先−5−2で、これもホチキスどめ2枚です。続きまして、先−5 −3、これは1枚紙でございます。先−5、参考資料として2枚、ホチキスどめのものが ございます。最後、先−6、参考資料として9枚の資料をつけてございます。  資料としては以上です。  それから、今回からですけれども、確認をさせていただきますが、今回検討対象となる 技術等に関しまして、特別に関与されるような事例はございませんでしょうか。  回答なしということでよろしくお願いいたします。  座長、よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  ありがとうございました。  利益相反のことがあるものですから、前もって少し調査をさせていただくということで ございます。資料のほうはよろしいでしょうか。ちょっとたくさん資料がございますけれ ども。  もしよろしければ、それでは早速ですけれども、高度医療の科学的評価につきまして、 まず、最初は高度医療専門家会議のほうで議論を行ってきましたものでございますけれど も、これはまず事務局のほうから説明していただいてからのほうがいいと思います。 ○事務局  資料先−1を御説明いたします。高度医療評価会議において承認された新規技術につい てということで、整理番号003、先進医療名が内視鏡下手術用ロボット支援による冠動 脈バイパス移植術、事前評価担当構成員が笹子先生で、総評は条件付適となっております。  適応症は虚血性心疾患、インテュイティブサージカル社製ダビンチサージカルシステム ということで、未承認医療機器を用いている技術でございます。  先進医療費用としましては、届け出医療機関における典型的な症例に要した費用として 234万4,000円、保険外併用療養費としましては269万2,000円となってお ります。詳細につきましては別紙1となっております。  続きまして、整理番号004番、抗心筋自己抗体の免疫吸着療法(拡張型心筋症に係る ものに限る。)でございます。  事前評価の担当構成員が永井良三先生で、総評は否でございます。  適応症は拡張型心筋症となっております。  使用する医療機器としましては、旭化成クラレメディカル株式会社製イムソーバTR、 これは適応外医療機器でございます。  先進医療費用としましては113万4,000円、これは8回の治療に関する金額でご ざいます。  保険外併用療養費が88万1,000円となっております。  その他詳細につきましては、別紙2を御参照ください。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、高度医療評価会議のほうで承認されたものに関しまして2つ、003と004とが あり、003のほうは、今、お話がありましたように、条件付で適となっております。ま ず、この003のほうから審議に入りたいと思います。この審議に関しましては、この前 の先進医療会議でも議論させていただきましたが、笹子先生が担当されているということ ですが本日、どうしてもお忙しく、お越しになれないということですが、できるだけ早く 進めなければいけないということで、先生には大変なんですけれども、電話で審議に参加 していただくということにまたさせていただきました。よろしいですか。  それでは早速、笹子先生のほうにまず連絡をとっていただいていいですか。 ○事務局  事務局でございますが、笹子先生、よろしいでしょうか。聞こえますでしょうか、笹子 先生。 ○笹子構成員(電話出席)  はい。 ○猿田座長  それでは、よろしくお願いいたします。 ○事務局  では、まず、事務局のほうから資料の説明をさせていただきます。  笹子先生、聞こえますでしょうか。 ○笹子構成員(電話出席)  はい。 ○事務局  ありがとうございます。では続けさせていただきます。  まず、別紙1をごらんください。こちらは前回もお示しいたしました資料ですけれども、 一部加えているところがございますので、まず、それについて御説明いたします。  まず、術式についてです。この別紙1の一番初めの概要についての紙ですけれども、こ の真ん中のあたりの概要というところをごらんくださいませ。この冠動脈バイパス移植術 のこの申請内容というのは3つの術式からなってございまして、それを今回は術式A、術 式B−1、術式B−2ということで呼ばせていただきます。それで、本日の会議につきま しては、先生方も共通してこの名称を使っていただきますようにお願いいたします。  術式Aにつきましては、ロボット支援下冠動脈バイパス手術(MIDCAB)、つまり グラフトを採取してくるというところでございます。  術式B−1につきましては、完全内視鏡下冠動脈1枝吻合です。  術式B−2と申しますのは、完全内視鏡下冠動脈多枝吻合でございます。この術式の呼 び方でよろしくお願いしたいと思います。  それ以外の点につきましては、術式AとBの間に移行の基準を書いてございます。これ は前回の会議の中で、移行の基準について、プロトコル上、少し不足があるのではないか という御指摘がありました。その点が、変更が分かるような形で、前回の会議の時点での 申請内容に合わせて、術式AとBの間に移行の基準を書いてございます。  読み上げますと、「連続10本成功率100%かつ合計30本成功率90%以上の有効 例あり」という条件を満たせば、術式Bに進むというのが、AからBに移るときの移行基 準ということです。  もう一つ、術式B−1から術式B−2に移るときの移行基準というものも書き加えてご ざいます。術式B−1の行になりますけれども、5症例を完遂すれば術式B−2に進むと いうことが、前回の会議時点での申請内容でございました。  主な変更点につきましては以上でございます。  前回の会議以降の動きについて、続きまして高度医療事務局より説明をいただきたいと 思います。よろしくお願いします。 ○猿田座長  よろしくどうぞお願いします。 ○医政局高度医療専門官  高度医療評価会議事務局でございます。  まず、御説明をさせていただきます前に、お手元の資料をごらんいただきます。高度医 療実施申請書ということで、高度医療技術の名称でロボット支援下心臓外科手術、こちら の申請書がございます。2つ同じようなものがございまして、1つは修正後という赤字で 書かれたもの、それから、全く書かれていないもの、その2つがございます。  すみません、ただいまの資料は机上配付というふうにさせておりまして、委員の先生方 のお手元にございます。そして、ちょっと大変恐縮なんでございますが、ページ数が打っ ていないんですが、双方の資料の7枚目をお開きいただければというふうに存じます。い ずれも7枚目が該当の箇所でございまして、上から3行目のところでございますが、ステ ップアップの基準及び到達目標という項目がございます。ページ数が打っていなくて大変 恐縮なんでございますが、修正後のほうに関しましては、今回修正が加わりました内容に ついて、赤字で記載をさせていただいているところでございます。こちらをごらんいただ いた上で御説明させていただきたいと存じます。  前回の先進医療専門家会議で御指摘のございました各ステップから次のステップへの移 行基準、いわゆるステップアップの基準については、本日は御用意いたしておりませんが、 高度医療の申請時の申請書では、申請者から目標とする有効症例数のみの記載でございま したので、高度医療評価会議の審査の中で構成員より記載が不十分ではないかという御指 摘をいただいておりました。  ステップアップの基準のうち、高度医療評価会議の中で具体的に御議論がありました、 今回新しく定義されております術式A、いわゆるロボット支援下MIDCABから、術式 B−1、つまりロボット支援下完全内視鏡下冠動脈バイパス術の、いわゆるここでは修正 後にはステップ1と書いてございますが、1枝吻合術、こちらへのステップアップの基準 について、まずは初め10例については100%の有効症例率、その後、合計30例を行 い、有効症例率90%以上をB−1への移行基準とするという旨、御修正をいただいてお りました。これが現在ごらんいただいております修正前の記載でございます。  しかしながら、前回、笹子委員から御指摘のいただきました術式B−1から術式B−2 への移行基準につきましては、高度医療評価会議の構成員の御指摘の意図を十分に反映し きれない修正のままで規定になってしまっておりましたことが確認されております。これ は高度医療評価会議の事務局の当時の運用といたしまして、申請者への指摘事項及びそれ に対応した申請者の方からの修正反映状況に関しまして、事前評価担当をいただいた構成 員の先生方のみ御確認をいただくという手続をとっておりましたために、事前評価担当以 外の先生方からの構成員から、会議の中でいただいた当該事項のような御指摘を十分に申 請書の修正に反映させることができていなかったために生じたものと考えております。  今後、このようなことがないように、全構成員の先生方への確認を行うことによりまし て、御指摘の反映漏れがないよう努めてまいりたいというふうに考えております。  そして、今般、この申請に関しましてでございますが、ステップアップの基準について、 高度医療評価会議で御指摘をいただいていた構成員の先生に御指摘の内容について再度こ ちらで確認をさせていただきました。そして、術式B−1からB−2の移行基準を含めた すべての段階のステップアップの基準について、御指摘の趣旨に基づいて、より明確にす る修正を再度申請者のほうに求めさせていただいた上で、高度医療評価会議の全構成員に その内容を御確認いただきまして、お認めをいただいたところでございます。その内容が、 今回修正後ということで出させていただいております内容でございます。  具体的な修正点でございますが、再確認後の赤字で書かれております申請書、ここでは ステップ1からステップ2ということになりますが、術式B−1からB−2への移行基準 としては、予定症例数である5例全例において、有効かつ安全に手技が行われた場合とし、 さらに1例でもこの基準を満たさない症例が生じた時点で試験を中止し、高度医療評価会 議に報告して、その継続の可否の判断を検討するというふうに書きかえられております。  また、これに伴いまして、術式Aから術式B−1への移行基準、ここでは赤字の修正が 入っております申請書では第1ステップというところでございますが、こちらに関しまし ても再度御確認をいただきまして、申請者より術式Aでまず10例を行って、その後デー タ解析を行い、それを踏まえて合計10例の予定症例数とし、全例で有効かつ安全に手技 が行われた場合にのみ1枝吻合術、つまり術式B−1に移行するというふうな形で変更を いただいております。こちらも同様に、1例でもこの基準に満たされない症例が生じた時 点で試験を中止し、高度医療評価会議に報告をしていただき、その継続の可否の判断を検 討するというふうにされております。  ここで、有効の基準と安全の基準に関しましては、修正前の申請書では文中に記載され ていたのみでございますけれども、よりイエス・ノーの判断がつきやすいようにという形 で、赤字の修正後の申請書の2枚おめくりいただきました後のところです。7ポツの有効 性及び安全性の評価というところに、それぞれの術式につきまして有効と判断する基準、 そして安全と判断する基準、こちらをより明確な形で記載をしていただいております。  また、同じ申請書でございます。もう一枚おめくりいただきました、10枚目になりま すが、7−2ポツ、予定の試験期間及び症例数というところがございますが、こちらの中 にもいわゆる予定症例数を明記していただくことによって、これ以上症例数が行われない ということも明記をしていただいているところでございます。  これをもちまして、高度医療評価会議といたしましては、このような厳格な移行基準を もってステップアップをしていただくことによって、いわゆる術式B−2、2枝以上の吻 合術までの安全性と有効性が期待できるものであるという御判断をいただきましたので、 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。  以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、梅垣専門官からお話がありましたように、この間の前の会議のときに笹子先生の御 意見もいただいて、少し修正しなければいけない、それを高度医療のほうに諮りまして、 全員の先生方から一応こういった形で訂正するということで許可をいただきまして、それ で改めて本日出させていただいたということです。まず笹子先生の御意見を聞いて、それ から先生方の御意見を伺うということで、笹子先生の御意見を伺っていただけますでしょ うか。笹子先生、よろしくお願いいたします。 ○笹子構成員(電話出席)  はい。前回、各ステップ、ステップAからB、B−1からB−2というステップへの移 行に関する基準があいまいであるということで、安全性の評価、有効性の評価に関して、 今回は明確に一応していただいたということで、よろしいというふうに思います。  ただ、若干ここまで厳しくしてしまって、最初の1例でつまずくとどうなるのかなとい う気もしますが、皆さんが高度医療のほうでこれぐらい厳しくやるということでお決めに なったということであれば、それでよろしいかと思います。  あと、1つだけ問題になるとしたら、これを今回の高度医療で一連の流れとして、こう いう臨床研究というものを1つのプロトコルで進めていくということに容認されて、それ で進めていこうという御議論は全く正しいと思いますが、先進医療で混合診療、研究的医 療と保険医療との併用というのを認めるという立場でいく、先進医療としての立場として は、こういう流れの中で今回の場合、とりあえずB−1までのところで切って、2段階目 に行けるときにもう一度先進医療のほうには出していただいてというほうが、ほかの先進 医療の項目との整合性はとれるのかなという気はいたします。  このプロトコルを拝見しますと、ステップB−2を始めるのは、ステップA、ステップ B−1が終了してからということになっておりますので、その時点でB−2に関する先進 医療としての保険との併用ということに関しては、お出しいただければそれでいいのでは ないかなという気がいたします。  以上です。 ○猿田座長  笹子先生、どうもありがとうございました。非常にクリアになったと思いますけれども、 ちょっと先生方から御質問があるかもしれませんので、ちょっとお待ちいただきたいと思 います。  どうでしょうか、ここまで大体整理されたということで、今、笹子先生の御意見があっ たとおり、一応B−1までのところで1つの区切りとして、B−2のところではもう一回 検討するということです。大切なことは高度医療から先進医療のほうへ行く、先進医療の ところでは特に保険のことも考えながら、検討していただいた上で、これはそのまま先進 医療でいくのか、あるいは、保険のほうにまでいずれ持っていくのかと、そういうことも 議論していくことになると思います。一応流れとしてはこういう状況だということで、先 生方、どなたか御意見ございますか。この間も議論させていただいたので、状況はお分か りいただいたかと思いますが、非常にクリアにしていただけたんじゃないかというふうに 私としては考えておりますけれども。  よろしいでしょうか。  それでは、笹子先生のおっしゃるとおりに適とさせていただきます。先生方から特に御 意見ないようでございますので、先生、どうもたびたびありがとうございました。 ○笹子構成員(電話出席)  すみません、あと1つだけよろしいですか。 ○猿田座長  どうぞ。 ○笹子構成員(電話出席)  一般論としての、今回の高度医療に関しては適切に対応して修正いただきまして、大変 いい方向に行けたと思うんですけれども、今後こういう単施設の、(2施設ですけれども、 同じ研究者が術者でやっておられるということがありますので、)このような研究の場合、 薬物のフェーズ1と同じ程度の危険性に近いという判断で、かなり厳しいルールで、1例 でも何かがあると報告してということでよいかどうか。高度医療として今後いろんなもの を取り上げていくときに、ある程度普及している、あるいは外国ではすごく普及している ものと、それからこのケースのように、外国でも非常に少なくしかやられていないような もので新しいものというようなのは、少し違うニュアンスで取り扱う必要があるだろうと いうことを指摘したいと思います。もう一つは、高度医療でこういう研究を取り扱うとき に、研究内容が本当に正しいかどうかを監査するシステムが必要ではないかということで す。といいますのは、例えば薬物開発の第1相試験ですと、カルテとの照合、査察があり きちっとしたデータ収集がされているかが問題になります。ここまで新しい医療技術を評 価するという場合に、研究者が自分のところで自前のデータを集めてそれだけ報告すると いうやり方でいいか、独立したデータセンターを持つこととか、監査をどういうふうに位 置付けるかといったことも今後課題として検討して制度を確立する必要があるというふう に思いますので、少しお話しさせていただきました。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、先生の御指摘のとおりで、高度医療としての在り方ということで、ありがとうござ いました。大切な意見として承っておいて、こちらでもう少し検討させていただきます。  高度医療のほうで何かございますか。 ○医政局高度医療専門官  ただいまいただきました御意見、持ち帰らせていただいて、今後座長とも御相談させて いただきながら検討をさせていただきたいと存じます。ありがとうございます。  すみません、座長、1点だけちょっと、ただいまの御報告に関して補足をさせていただ ければと存じます。先ほどこの術式AからB−1への移行基準に関しまして、ちょっと若 干御説明が足りなかったかなと存じまして、補足をさせていただきたいんですが、当初こ ちら別紙1にございますように、最初の術式Aの基準は連続10本成功率100%かつ合 計30本成功率90%の有効例ありという条件でしたが、今回の見直しに合わせまして、 こちらのほうも変更をいただいておりまして、修正後の申請書の中の第1ステップという ところにございますように、症例数10例中、有効及び安全をすべて満たした合計10例 を目標とし、目標50例のグラフト採取時間等の傾向を分析した後、合計30例を行い、 本治療法の有効性、安全性を分析するとなっておりまして、基本的に有効率が100%で ないと次には進めないという形に、より厳しい形で変更されているということだけつけ加 えさせていただきます。  失礼いたしました。 ○猿田座長  ありがとうございました。  ということで、さらに厳しく示していますけれども、ではそういうことで、この件をお 認めいただいたことにさせていただきます。笹子先生、どうもありがとうございました。 ○笹子構成員(電話出席)  ありがとうございました。失礼します。 ○猿田座長  それでは、今の案件は決めさせていただきまして、それでは次に行きたいと思います。、 事務局のほうからよろしくお願いいたします。高度医療、整理番号004でございます。 これに関しましては、永井先生のほうから技術の内容及び評価が出ておりますので、それ では、永井先生、よろしくお願いいたします。 ○永井構成員  これは非常に議論がある申請だと思います。私自身もどう判断してよいか分からない点 もございますので、ぜひ委員の先生方の御意見を伺いたいと思います。  この先進医療というのは、私自身の理解では、保険導入前診療ということで、ある程度 評価が定まっているけれども、まだ保険に導入されていないような医療を取り上げると思 っていたのですが、高度医療制度ができてから、若干その辺の位置付けが変わってきてい るようです。これは臨床試験をこの高度医療あるいは先進医療制度の中で行おうという申 請です。試験の段階の医療技術ですが、果たしてそういう技術に混合診療制度の適用が果 たして妥当であるかどうかについて御意見いただきたいと思います。  この研究は、抗心筋抗体という、心筋のいろいろな分子に対する抗体を持っている拡張 型心筋症の方がいらして、それをimmunoabsorption、いわゆるアフェレーシスをすること によって取り除けば心機能がよくなるのではないかという考えのもとに行う医療です。ド イツで少し行われているということ、それから、筆者らの自験例でも有効例が見られると いう、そういうことで、これを臨床試験として1週間に3回、もしくは2週間に5回、入 院していただいて、免疫吸着療法を行うという計画です。  私自身が感じた問題は、この心筋抗体が拡張型心筋症の原因であるということはまだ確 立された概念ではないところに問題があると思います。動物モデルではそういう例もあり ますけれども、人の拡張型心筋症では必ずしも確立されておりません。  それを検討しないといけないわけでありますが、申請者らはその考えにかなり基づいて、 1回当たり15万円の負担を患者さんにしていただいて、3回もしくは5回の治療を行っ て、研究を行うということであります。  これは科学的に妥当であるということは高度医療評価委員会で決められたのだと思いま すが、個人的には疑問と思います。これはまだ研究段階であって、できれば研究費で行う 臨床試験ではないかということをまず感じました。特にかなり高額の負担になりますので、 この段階のものに先進医療制度を適用していいのかというところに疑問を感じます。  メーカーがなかなか治験に応じないという事情もあったと聞いておりますが、しかしな がら、つい数日前、私にこのメーカーから、治験を行うので評価委員になってほしいとい う連絡がございました。そういうことであるなるならば、治験をまずしていただいて、そ の上で適応拡大なり、あるいは、それで問題がある場合には高度医療制度のもとでの臨床 試験を行うのが妥当ではないかと思います。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、大体お話のあったことは別紙の2にまとめていただいてあると思います。要するに 拡張型心筋症に対して、これはどうしようもない、治療ができない状況の患者さんに対し て、今お話がありましたように、いわゆる血液透析みたいなそういった透析をやることに よって、要するに免疫吸着をすることで病状が改善するということです。高度医療の方で 議論されまして、一色先生と、それから私も参加させていただいて議論させていただきま した。そのときの議論では抗体陽性例と陰性例とがあって、抗体陽性例の場合にはある程 度の効果が期待できるかもしれないということで、この研究者たちが自費で研究費を使っ て今まで行ってきました。8〜9例やっておられます。どうしても救いようがない患者さ んにある程度の効果があるかもしれないということで、高度医療のほうとしては、4、5 例程度以上を、今、永井先生のお話がありましたように、混合診療の形で検討して、もし 効果があればこの治療をさらに進める。そうでなければそこで中止にするしという形を考 えました。危険性はそんなにないということと、どうしてももう助けようがない患者さん であれば、ある程度効果があるならば高度医療としては一応許可してはと考えた次第です。 以上がその経過でございます。  高度医療の場合は適応外の機器や薬品を使っての技術であり、一方、先進医療の場合は 適応外以外の使用は認めない技術であって、先進医療の方は保険への適用が近いと思いま すが、そのような会議の違いがありますが、是非御議論をお願いします。 ○永井構成員  もう一つはメーカーが治験を実は同時に考えているという事情があります。これは新し い情報で、恐らく高度医療専門委員会では出ていなかった話と思います。 ○猿田座長  そうなんです。そのときも随分議論がありました。私のほうもいろいろな方の意見を聞 かせていただいたり、調べさせていただきました。ドイツで始まった技術で、アメリカで はまだ許可されていないことで、日本循環器学会の発表論文を読ませていただいたりして、 ある程度の効果はあるのかな、と思いました。永井先生からお話があったように、評価を どうするかというところが難しいところです。高度医療の方は効果がある程度あり、安全 な技術であれば、これから臨床試験をやるという考え方で認めてもよいかなと判断したわ けです。  それでは、先生方のほうから御意見を、加藤先生、どうぞ。 ○加藤構成員  永井教授の最後におっしゃったところが少し気になるんですけれども、もしこれはメー カーが治験に参加しないと仮にした場合には、どのような御判断ですか。 ○永井構成員  これは議論になると思います。その有効性あるいは妥当性を十分もう一度吟味して、そ して自己負担してでも進めるかどうかというのは、この委員会で決めることだと思います。 ○猿田座長  今、永井先生がお話しされたように、金額は高いですね。  ほかに御意見ございますでしょうか。今、永井先生が妥当だとおっしゃられたように、 メーカーさんのほうが動きそうになっているということなので、そことの関係を、もし見 て、そっちで行ってもらえれば一番いいわけですね。ただし、症例 の選択が大変で、どれだけ治験としてできるかという問題もあるかもしれませんけれども。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  治験はいつごろからスタートするか御存じですか。もし仮にその間タイムラグがあると すれば、仮に1年後とか、そうであれば、患者さん救済という点からも、その期間だけで も真剣に議論して、検討する価値があるのではないかと思っております。 ○永井構成員  もしこれがかなり画期的であるならば、早めにということもあると思いますが、私自身 はこのプロトコルを拝見して、評価が難しいだろうと思いました。結局、実施してみたけ れども、本当に効いているかどうかということを結論するのは難しいということになるか もしれません。今までのデータもまだ非常に予備的であり、本当に有効性を言えるかどう か分からない段階であるがゆえに議論があるということです。 ○猿田座長  どうぞ、辻先生。 ○辻構成員  専門外なんですけれども、2つほど意見があるんですが、1つは、ここで今お示しにな ったような形の3回とか5回の免疫吸着療法で病態を阻止できるのかというのはちょっと 疑問に感じていて、もしその自己抗体が産生されていて、それが原因となっているという ことであれば、それはかなり継続する状況にあるのではないかなと。免疫吸着というのは そのときにある程度のイムノグロブリンを吸着するだけですから、本来的な免疫グロブリ ンの産生のほうは抑えきれない可能性があって、非常に一時的な治療になるのではないか とか、あるいは逆にリバウンドが出ないとか、そういうことも考えられるので、ちょっと 僕は原理的にこれが病態を本当に改善しきれるかというだけの根拠があるのかどうかとい うのはよく分からないという点が、1点感じました。  それから、もう1点は、メーカーが治験をしていただけるんだったら、それはすばらし いことだと思うんですけれども、そこに至らない例は実際には多くて、それをどういうふ うに対応するかというのは大きな課題だと思うんですね。  ですから、メーカーが対応しない場合であったとしても、本当は臨床研究としてこうい ったものの有効性を検証するシステムというのが、きちんと公的な予算で実施できるとい うのは、僕は大事なことだと思うんですけれども、それが高度医療が適しているのか、あ るいはもっと別の形で制度をつくったほうがいいのかというのは、むしろそういったとこ ろで検証していくべき課題のようにちょっと感じましたんですけれども。 ○猿田座長  その一つは、永井先生と一緒に私もやっているトランスレーショナルリサーチの拠点の ほうで、ある程度臨床研究したものをどこの出口へ持っていくかが問題になります。1つ はこの高度医療へ持ってこようか、あるいはいわゆる企業治験に持っていこうか、それか ら医師主導の治験に持っていくかなど、いろんなやり方があります。先生がおっしゃった ように、非常にまれな疾患の場合には企業はなかなか取り扱わないんですね。それをどう しようかということで、多分、高度医療の方へ出てきていますから、ここへ回ってくると 思うんです。そのときに高度医療からこの先進医療への橋渡しのところというか、そこの ところをよほどしっかりしておかなければいけないなと思っています。  例えばもっと言うと、現在がんのペプチド療法が出てきますね。これが高度医療に来て いますから、今度先進医療へまわってきますが、これを一体どう考えたらいいんだろうか と考えています。そういったこともあるもので、高度医療、先進医療の関係というのは、 よほどしっかりしておかないといけないなという感じは受けています。今、永井先生がお っしゃっていただいたこと、非常に大切なことで、こちらはむしろ保険のことまで見て動 いていかないといけないと思います。  ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。  もしよろしければ、今の永井先生の御意見のとおり、今、企業のほうのことがございま すから、そのほうにもう一回確認していただけて、もし企業のほうで動いてくれれば、そ こへお願いするのが一番妥当かなと。その間にこちらのほうとすれば、もう少ししっかり 地固めしておくことが必要かと思いますけれども、どなたか先生方、御意見ありませんで しょうか。  永井先生、そういう形でよろしいですかね。 ○永井構成員  はい。まず少し見守った上で、もし企業のほうの動きががとまってしまうのであれば、 また考えるということでいかがでしょう。 ○猿田座長  ということで、こちらからも早急にその状況を提出していただいている企業のほうに確 認させていただきます。高度医療にかかったのは随分前ですね。この案件は半年ぐらいに なっちゃっているんですね。この先進医療は3カ月ぐらいで返事するという約束になって いますから、非常に長引いていますので、ともかくここである程度、こちらからこういっ た意見が決まったという形で報告をさせていただいて、企業に当たっていただくのがいい のかもしれないですね。事務局のほうの御意見、何かあれば。 ○事務局  では、今回のこの会議の結論としては、事前評価どおりということでしょうか。 ○猿田座長  はい、ただし保険の関係ということも申し上げなければいけないと思います。 ○事務局  その経緯を明らかにした上でと。 ○猿田座長  はい。それで、今度は先進医療ではこういう面から考えてこういう結果になったという ことをはっきりさせておかないと、高度医療会議と先進医療会議の2つが違いますから、 そういった点も明瞭にしておかなければいけないと思っています。 ○事務局(佐藤課長補佐)  であれば、今回はいったん保留という形にさせていただいて、それで高度医療評価会議 でどのような御議論をしていただいたのかを改めて御報告をすると。 ○猿田座長  どうしましょう。永井先生、今、保留にしておいてという考えが出ているんですけれど も。 ○永井構成員  どうでしょうか。これは、自己負担ではなくて、研究費で行う分には全く問題ないと思 います。 ○猿田座長  今までやっていますからね。 ○永井構成員  ですから、まずは研究費で。 ○猿田座長  もうちょっと続けてもらうと。 ○永井構成員  ええ、御努力いただいて、研究費を獲得していただくのがよいように思います。 ○医療課企画官  そうしますと、形の上では一応否ということにして、治験の状況とかそういうものを確 認するということでございましょうか。その辺を…… ○永井構成員  私はとりあえずここでは否としてよろしいのではないかと思います。 ○猿田座長  ではその形で説明だけをしっかり施設のほうにしていただくということが大切だと思い ます。  ありがとうございました。  それでは、一応そういう形でこの案件は決めさせていただいて、よろしいですね。  では、そういう形で処理をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  どうぞ、田中先生。 ○田中(憲)構成員  今のように議論がある案件を、例えば最初の5例だけやってみて、その後評価をし、も う一度見直すというような、こういう仕組みというのは将来的にあるんでしょうか。 ○猿田座長  どうでしょうか。この施設はたしか数例、もう8〜9例ぐらいやっているんですね。か なりやはりお金がかかる技術で、それで何回透析したらいいかと、それも検討されてきて、 一応ある程度効果があるかなと。しかしながら、それで高度評価のときの議論では、抗体 陰性例と陽性例とを見たら、やっぱり陽性例の人のほうでやや効果があるようですので、 そこだけに限ってどうだろうかなんていうことでした。 ○永井構成員  やはり議論がまだそこはありまして、学会の発表を聞いた人たちの中でも、有効といえ ないのではないかという印象をもたれた方もいました。なにしろ比較対照がないわけです から。この方法は体液量を減らすわけですから、比較が非常に重要になります。心不全で すから、水を引けばそれだけでもよくなるかもしれませんし、そういう意味では臨床研究 のデザインとしても、まだ検討の余地があります。したがって5例で検討しても結論はで ないと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。  よろしいでしょうか。それでは、そういう形で決定させていただきます。永井先生、ど うもありがとうございました。  それでは、次の議題に移りたいと思います。先進医療の科学的評価の5月受付分でござ います。 ○事務局  では事務局より資料を御説明させていただきます。  先−2の資料をごらんください。先進医療の新規届け出技術(5月受付分)についてで ございます。整理番号169番、先進医療名、無拘束型多点感圧シートセンサを用いた簡 易検査(睡眠時無呼吸症候群関連症状及び睡眠時無呼吸症候群を疑わせる臨床所見の両者 を持つ患者に係るものに限る)、という名前になってございます。先進医療費用としまし ては1回3,000円、保険外併用療養費としては16万2,000円となってございま す。  整理番号170番に参ります。最小侵襲人工股関節全置換術におけるコンピューターナ ビゲーション、適応症は表記のとおりでございます。先進医療費用としましては7万6, 000円、保険外併用療養費として194万7,000円となってございます。  続きまして、171番です。不可逆的小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植、 適応症はごらんのとおりです。先進医療費用としまして89万4,000円、保険外併用 療養費としまして792万8,000円となってございます。  引き続き172番、不可逆的小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸部分移植、適応症 はごらんのとおりでございます。先進医療費用としまして114万3,000円、保険外 併用療養費としまして1,200万2,000円となってございます。  5月の受付分については以上です。  続きまして、先−3の資料をごらんください。  先進医療として届け出のあった新規技術(5月受付分)に対する事前評価結果等につい てでございます。  整理番号169番、無拘束型多点感圧シートセンサを用いた簡易検査につきましては、 事前評価は福井次矢先生にお願いしておりまして、総評は適といただいております。詳細 につきましては、別紙3となっております。  続きまして、170番、最小侵襲人工股関節全置換術におけるコンピューターナビゲー ション、これにつきましては、医療機関より取り下げという状況でございます。  171番、172番につきましては、右にございますとおり、返戻という形になってご ざいます。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  よろしいでしょうか。169、170、171、172ということで、福井先生に見て いただいた169番、適ということで、あとは医療機関の取り下げと、書類不備というこ とで戻されておりますので、それでは、169に関しまして、福井先生のほうから御説明 をお願いいたします。 ○福井構成員  それでは、別紙3をご覧いただきたいと思います。  最初に1枚裏の、4ページを振ってありますけれども、どういうものかといいますと、 これはマットの上に乗っけるシートでして、縦120cm・横55cmです。厚さは4mmから 5mmで、等間隔に162個の高感度圧力センサを設置して、体から受ける圧力を記憶し、 それを専用の解析ソフトで呼吸運動を解析するというものです。  名称は、1ページに戻っていただきまして、無拘束型多点感圧シートセンサを用いた簡 易検査で、適応症が、非常に長いのですけれども、そこに挙げましたような、習慣性いび きとか、臨床症状としては、顎顔面形成異常などの、何らかの睡眠時無呼吸症候群を疑わ せる臨床症状、徴候を持っているものに限るということです。  先進性のところですが、ゴールドスタンダードは、ポリソムノグラフィで、これは一晩 泊まってもらって記録するものですが、簡易検査がございます。これは鼻呼吸、それから、 呼吸運動などを体に直接センサを装着して調べるものでして、簡易検査とはいえ患者さん にとってかなり拘束感が強くて、しかもうまく眠れない。寝ている間にセンサを取り外し て、結局うまく検査できなかったという事例も少なくありません。  これに対し、この新しい無拘束型多点感圧シートセンサを用いた方法では、何ら拘束感 がありません。そういう意味で、患者さんにとっての負担がかなり少なくなります。  提出された資料を読みまして、ゴールドスタンダードのポリソムノグラフィをやるため の一段階前のスクリーニング的な役割ですので、感度が高いかどうかということが非常に 問題になります。これまで発表されている簡易検査の感度に比べて、この方法では患者さ んに対する負担が少なく、しかも感度が高い。それからコストも3,000円程度で済む。 以上の3点により、適としていいのではないかと考えました。  2ページ目をめくっていただきまして、したがって、適応症としては妥当で、有効性は、 従来の技術を用いるよりもやや有効、安全性は問題ないと思います。今までの論文でも、 副作用や合併症は報告されておりません。技術的成熟度では、当該分野を専門とし、経験 を積んだ医師または医師の指導下であれば行える。倫理的問題はない。罹患率、有病率か ら勘案して、普及していない。効率性はやや効率的。今までの簡易検査ですと、感度が0. 7とか0.5とかというところですけれども、この方法では0.93と、かなり感度が高 くなっています。効率性はやや効率的で、将来的には保険収載を行うことが妥当ではない かと考え、結論として、総合的には適ということにいたしました。  3ページ目が要件でございますが、実施責任医師の要件としては、呼吸器内科、循環器 内科、神経内科、または耳鼻咽喉科、資格はそれぞれの専門医の資格を持っている医師、 経験年数は不要で、当該技術の経験年数は1年以上といたしました。経験症例数は術者と して3例以上、医療機関の要件は要で、内科、または耳鼻咽喉科、実施診療科の医師数は、 これも要です。それから、他診療科の医師数は不要、その他の医療従事者の配置は不要、 病床数は1床以上で、これはその下に書いてありますけれども、ポリソムノグラフィを行 える施設でまず始めてもらったほうがいいのではないかという考え方でして、事務局と相 談のうえ、このような案にしました。看護体制は不要、当直体制不要、緊急手術の実施体 制不要、院内検査不要、他の医療機関との連携不要、医療機器の保守管理体制は要、倫理 委員会による審査体制は不要、医療安全管理委員会の設置不要、医療機関としての当該技 術の実施症例数は3例以上、頻回実績報告は不要といたしました。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  ただいま御説明いただきましたけれども、無拘束型の多点感圧シートセンサを用いた簡 易検査ということで、先ほどの先−2の資料にありますように、費用としては3,000 円ということで、ほかの先進医療とは大分値段が違うぐらい安くて、しかし感度も非常に いいということでよろしいのではないだろうかという御説明でございました。  どうぞ。 ○岩砂構成員  質問なんですが、非常に拘束型よりもいいと思うんですが、この4ページ目のときに体 位情報というのがありますね。真っすぐ上を向いて寝ていればいいんでしょうけれども、 横を向いたりしますが、その辺のところはいいんですか。 ○福井構成員  すみません、よく聞こえません。 ○岩砂構成員  寝方です。上を真っすぐ向いて寝ていれば非常に感度はいいと思いますけれども、横に なったりすると思うんですが、4ページのところに体位情報と書いてある。これが恐らく 横を向いているよとかいろいろあると思うんですけれども、その辺はどうですか、実際。 ○福井構成員  私も実はこれを見たことがなくて、知り合いの先生にいろいろ聞いたのですが、誰も使 ったことないということでした。日野原先生がいろんなところでお話していますけれども、 私たちのところでうつ伏せ寝療法を、科学的に評価しようということで、いろいろと体位 を測定する方法がないかということになったのです。背中に取りつけて、動く方向によっ て情報が送られるようなものがあって、それを表につけるのか裏につけるのかによって、 体位の情報が変わってきたりするのですが、おそらくここで言っている体位情報というの はうまく呼吸のパターンが得られないところを言っているのではないかなと、資料を読ん だところではそのように思います。 ○事務局  補足させていただきます。若干情報収集をした範囲内ですけれども、まずシートの上に あおむけに寝ていただいて、10呼吸分、センサのほうに感知させると。それによってセ ンサは、まずベースラインとして、この人のあおむけの状態はこの圧だということをまず 認識するそうです。それで、あとは寝返りを打っても、別にそれはそれで構わないと。そ のまま計測を続けられるそうです。  以上です。  ただ、うつ伏せ寝のときはちょっと分かりません。すみません。 ○猿田座長  ですから、こういう場合も先ほどお話ありましたように、少し症例数を増やして検討し ていただいて、効果、そのほかを見ていただいた上でまた、皆様と議論することになると 思いますけれども。  どうぞ、竹中先生。 ○竹中構成員  耳鼻科もよくこの検査をする科なんですけれども、これは許可の条件といいますか、入 院なんでしょうか。というのは、今までの簡易型というのは、もう90%、ほとんど10 0%が自宅へ貸し出し型なんですね。それで、多分感度の問題も、入院してやらせていた ときよりは、外来貸し出し型にしたときに落ちたような記憶があるんです。だから、もち ろん無拘束で患者さんにとっては楽なんですけれども、この条件でいくとすると、いずれ 貸し出しということのときにはまた違う観点の評価をされるんでしょうか。  それと、2つ目は、もう既にこの診断学としてガイドラインもそうですけれども、基準 が固まってしまっていますから、これが導入されたときに、それについては変更がないと いうふうなものを決めておかないと、従来のものが全く使えなくなるということになるの で、そこら辺がいかがかなと。 ○福井構成員  おそらくこれは、家でも使えるというのが重要なメリットの一つではないかと思います。 ○竹中構成員  多分、我々専門のところでは、これは家でしか使わないだろうと思います。従来の簡易 型もほとんど貸し出し型で、家へ持って帰っておられるんですね。 ○福井構成員  私が判断したところでは、貸し出してこれをやるということだと思いますけれども。 ○竹中構成員  これはそうすると、少なくとも医療機関の質、基準はなくなるんですか。 ○福井構成員  当面は、ポリソムノグラフィもできるところで。 ○竹中構成員  であればいいと。 ○福井構成員  ええ。確かめるという意味で、それができるところでやってもらったらどうかというの が案です。 ○竹中構成員  分かりました。当該施設は限局されているんでしょうけれども、多分数千の医療機関が 貸し出しをしているのではないかなというふうに思います。 ○福井構成員  そんなにあるんですか、このセンサを貸し出しているところが。 ○竹中構成員  いや、そうじゃなくて、簡易型の、従来型のものです。 ○猿田座長  従来型のものですね。この場合には、しばらくはそういう施設でやってということにな りますかね。それで早く、どのくらい普及して、どのくらい効率がいいかということを早 く評価して、結論を出すことかもしれませんね。  どうぞ、樋口先生。 ○樋口構成員  今の診療科のところですが、睡眠に関して、精神科もかなりやっておりまして、睡眠時 無呼吸になりますと、最近では耳鼻科での症例が増加しておりますが、精神科ではポリソ ムノグラフィをやっていて、鑑別診断をやっておりますので、これはぜひ精神科を加えて いただいて、資格のところも精神科医としていただければと思います。 ○猿田座長  事務局、よろしいですね。どうでしょうか。 ○事務局  すみません、お尋ねいたしますけれども、今の御指摘で資格、実施責任医師の要件の診 療科のところに精神科を加えて、資格のところには精神保健指定医ということになります でしょうか。 ○樋口構成員  これは、ほかのものと横並びで結構だと思います。精神科は専門医がまだできておりま せんのが、そのかわりに指定医を入れてはいなかったと思うんですね。指定医というのは 別な要件で、法的な資格なものですから、右に倣えで結構でございます。今までのものと。 ○猿田座長  精神科医としてですね。 ○樋口構成員  多分、精神科医でくくっていたと思ったんですが、指定医ではなかったような気がする。 調べていただいて。 ○事務局  分かりました。では、事務局のほうで確認いたしまして、既評価の技術で例のあるもの を加えたいと思います。詳細につきましては、では座長とまた御相談をさせていただくと いうことで、あと医療機関の要件として診療科というものがございますけれども、こちら にも精神科ということを標榜として出すようにいたします。よろしいでしょうか、今の3 カ所の訂正ということになりますので、よろしくお願いします。 ○猿田座長  ほかに、委員の先生方、御意見ございませんでしょうか。かなり普及しているようでご ざいますけれども、この形でやっていただくのでよいですね。  どうぞ、田中先生。 ○田中(良)構成員  同じく医療機関の要件で、その他の医療従事者ですけれども、このセンサ、いろいろメ ンテナンスだとか品質を管理するのに、例えば臨床検査技師とか、そういう職制の人は要 らないんでしょうか。 ○猿田座長  その点、どうでしょうか、福井先生。 ○福井構成員  正直なところ、よく分かりません。 ○猿田座長  事務局のほう、こういう場合…… ○事務局  現在の施設の要件といたしまして、医療機器の保守管理体制を要という形にしておりま すが、それにさらに加えて臨床検査技師を求めたほうがいいかどうかということになるか と思います。  竹中先生、もし御意見を伺えればと思うんですが。 ○竹中構成員  これだと要らないと思います。ただ、従来のものとか、精密検査のようなものは工学技 士がいないと、とてもできません。これだけですと、要らないと思います。 ○猿田座長  よろしいですか。 ○事務局  では、よろしいでしょうか。 ○猿田座長  ほかに御意見、もしないようでしたら、それでは、これはお認めいただいたということ にさせていただきます。どうもありがとうございます。  どうぞ。 ○飯島構成員  申請書を見ますと、この幼小児もけっこうあるんだということが書いてあるんですけれ ども、小児科はこれはよろしいんでしょうか。 ○加藤構成員  小児科医としてお答えいたしますが、余りないのではなかろうかなと思いますけれども。 ただ、失礼しました、非常に肥満体の方等は、決してないとは申しませんが、このような センサ的なものを使用したという経験はございません。 ○猿田座長  それもいずれ含めて検討していただく。 ○竹中構成員  ただ、適応症に、ちょっと字が間違っているんですけれども、小顎・下顎後退等の顎顔 面形成異常と、これは対象がほとんど小児なんですね。少なくとも顎の切り出しをしなけ ればならない年齢までが対象ですので、十二、三までに、歯科でもおやりだと思います。 形成でもおやりだと思います。ここを入れられるのであれば、小児は要るかもしれません。 ○猿田座長  ありがとうございました。  どうぞ、辻先生。 ○辻構成員  神経内科ですけれども、この睡眠時無呼吸に関しては、閉塞性の無呼吸もあり得るし、 それから、中枢性の無呼吸というのもあり得るんですね。原理的にはどちらにも適応でき るのかというふうにも考えるんですけれども、名称のところに書かれているものは、これ は閉塞性の無呼吸症候群を想定した形になっていると思うんですけれども、ちょっと少し 限定的すぎるかなというところを少し感じましたんですけれども。 ○猿田座長  ありがとうございました。  どうでしょうか、そのあたりは。実はそういうこともあって、神経を入れたんですけれ どもね。 ○辻構成員  神経内科としては、むしろその中枢性も含めて評価できたほうがいいですし、理想を言 えば、閉塞性なのか中枢性なのかの鑑別も役立つと、さらにいいとは思うんですけれども。 ○猿田座長  そうしますと、この適応のところですね。ちょっと待ってください。事務局、何か先に ありますか。 ○福井構成員  そうしますと、ここの書き方ですね。書き方をどうすれば中枢性のものが入るようにな るのか。 ○辻構成員  シンプルに睡眠時無呼吸症候群というだけでもいいように思います。限定をつけなくて、 激しいいびきとか、そういったものがなくても。 ○福井構成員  睡眠時無呼吸症候群関連症状ぐらいにしておいたほうがよい。 ○辻構成員  ええ、よろしいかなという気がします。  それから、あと「及び」とあるので、これはアンドなんですか、その2つの条件が。ア ンドだとかなり限定的に、ある特定のことのみを限定しているように見えてしまうんです。 後ろの部分というのはなくてもいいように思いますけれども。 ○猿田座長  今、お話がありました「及び」、この症状、臨床所見のここのところがなくてもいいん じゃないだろうかという御意見、どうですか。 ○福井構成員  このようにした理由は、最初の睡眠時無呼吸症候群関連症状だけですと、非常に適応が 広くなるのではということが心配で、このような縛りをつけたらどうかと思ったのです。 ある程度広げる方向、または、完全に広げてしまうと、「及び」のところを「あるいは」 としてしまえば、おそらくほとんどのケースは入るとは思うのですが、施設のところでの 縛りがある程度入りますので、症状を少し広げても、それなりの制限はかかるかと思いま す。 ○猿田座長  ぱっと広げたときに、一般のところで一斉にやり出すとか、ちょっと不安だということ なので、少しまず検討してみて、それからということであればと思っています。辻先生。  ではそこは事務局と福井先生のところにお任せして……  加藤先生、どうぞ。 ○加藤構成員  先ほど小児科医として発言いたしましたが、竹中先生の御発言どおりで、例えば小顎症 でありますとか、巨舌とか顔面形成異常、これはまさにかなり小さい方の御病気ですが、 この申請をされた方はそのような御経験をお持ちなのかどうかということと、果たしてそ の小さい方々にこのセンサそのものが使え得るかどうかということだけだと思うんですね。 ですから、それが可能かどうかをちょっとお確かめいただきたいなと。これは成育医療セ ンターとしての意見でございます。 ○猿田座長  要するに適応症のところをちょっと整理していただくことが大切だと思うんです。それ と、余り広めすぎてやられても困るということかと思います。  では、今の意見を聞かせていただいて、福井先生、事務局、私で相談させていただいて、 妥当なところで決めさせていただければと思います。よろしいでしょうか。  それでは、そういったことでお認めいただいたということで、どうもありがとうござい ました。  それでは、続きまして、先進医療の届け出状況、今度は6月分になりますね。よろしく お願いします。 ○事務局  先−4の資料をごらんください。先進医療の新規届け出技術、6月受付分についてでご ざいます。  整理番号173番、先進医療名が足漕ぎ車椅子療法です。適応症は脳卒中片麻痺による 歩行障害等々となってございます。先進医療費用は3万6,000円、20回の金額でご ざいます。保険外併用療養費は607万3,000円となっております。  続きまして、174番、輸入角膜による角膜移植術、角膜混濁等々、その他の角膜疾患 となってございます。先進医療費用は43万2,000円、保険外併用療養費が60万9, 000円となっております。  続きまして、175番、第V因子欠乏症の遺伝子診断、適応症は第V因子欠損症となっ ております。先進医療費用が発端者1万6,000円、家族4,000円ということで、 計2万円となっております。保険外併用療養費はゼロということで出されております。  176番、血液透析併用バルーン塞栓動脈内抗がん剤投与法(BOAI)、膀胱がんに 対する適応です。先進医療費用といたしましては、19万2,000円となっております。 保険外併用療養費としましては、35万9,000円となっております。  続きまして、177番、Real Time PCRを用いた単純疱疹ウイルス、水痘 帯状疱疹ウイルス感染症の迅速診断。適応症は水疱やびらん、潰瘍性病変のうちで単純疱 疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスが関与していると思われるものとなっております。先 進医療費用は2万2,000円、保険外併用療養費が568万5,000円となっており ます。  最後になりますが、178番、子宮全摘術後の膣断端脱に対する腹腔鏡下膣仙骨固定術。 適応症は、膣断端脱でございます。先進医療費用としましては18万8,000円、保険 外併用療養費としては53万1,000円となっております。  以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、お話がありましたように、大分新しい、いろんな技術が出てきているようでござい ます。これに関して何か御意見ございますでしょうか。また先生方には御迷惑かけるかも しれませんけれども、よろしくお願いいたします。  もしよろしければ、それでは、そういう受付状況だということを知っておいていただい て、その他の事項ということで、先進医療専門家会議における今後の評価体制について、 これは事務局のほうからお願いできますでしょうか。 ○事務局  先−5−1の資料をごらんくださいませ。先進医療専門家会議における今後の評価体制 につきましてということで、前回の専門家会議におきまして御議論いただき、利益相反の あった場合、どのように取り扱うかということについて御承認をいただきました。それに ついて、確定版という形でお示しをしております。  一部変更がございました点について御報告いたしますが、前回御議論の際に、2ページ 目の冒頭2の(1)というところでございますけれども、前回はオブザーバーという仮称 を用いて記載しておったのですけれども、これについて当方で再検討しまして、参考人と いう名称にさせていただきましたので、御報告いたします。  続きまして、先−5−3をごらんくださいませ。先進医療専門家会議の運営細則でござ います。これについても前回の会議の中で御承認いただいたものでして、2ページ目、裏 側になりますが、最後のところ、附則ということで、平成21年6月17日から施行する ということで、前回の会議の日程をこちらに記させていただきました。  御報告は以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。  今、その他の事項として報告いただきましたけれども、この前もちょっと議論したこと ですが、どなたか御質問ございますでしょうか。もし、特に御意見がなければこういう形 で進めていくということで御理解いただければと思います。  もし、特に御意見がなければ、これで本日審議していただくことはすべてでございます けれども、何か委員の先生方から御質問あるいは御意見ございますでしょうか。  もし、ないようでしたら、それでは次の予定をお願いします。 ○事務局  次回、8月を予定してございますが、詳細な日時につきましては確定次第、御連絡させ ていただきます。よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  もしよろしければ、それでは、これで専門家会議を終わりたいと思います。どうも御協 力ありがとうございました。 午後 3時13分 閉会 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)