09/06/04 第4回医療機器の流通改善に関する懇談会議事録  日  時:平成21年6月4日(木)14:59〜16:54  場  所:厚生労働省17階 専用第18−20会議室 (照会先) 医政局経済課 矢作 03-5253-1111(2536) ○矢作流通指導官  それでは、定刻になりましたので、ただ今から第4回医療機器の流通改善に関する懇談 会を開催いたします。  厚生労働省内はまだ冷房が稼働しておりませんので、会議室内が暑くて申し訳ございま せん。クールビズ期間中でございますので、皆様、上着を脱いでご議論願えればと思いま すので、よろしくお願いいたします。  それでは、初めに委員の交代についてご報告いたします。稲垣委員が辞任され、日本歯 科医師会から中谷讓二様に新たに委員に加わっていただいております。 ○中谷委員  中谷でございます。前任の稲垣常務に代わりまして、今年度より当懇談会の委員を務め させていただくことになりました。どうか皆様よろしくお願いいたします。 ○矢作流通指導官  ありがとうございます。  次に、委員の出欠状況でございますが、本日は東京女子医科大学上塚芳郎様、全日本病 院協会中村康彦様からご欠席の連絡をいただいております。  次に、事務局に異動がございましたのでご紹介いたします。4月より経済課内に医療機 器産業を総合的に振興することを目的として、医療機器政策室を新たに設置し、体制強化 を図ったところでございます。その室長でございます冨澤一郎でございます。 ○冨澤医療機器政策室長  冨澤でございます。よろしくお願いいたします。 ○矢作流通指導官  また、医政局長でございますが、本日、国会業務のため欠席させていただきますことを ご了承ください。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。お手元の資料でございますが、 議事次第、座席図、懇談会名簿。次に、資料1、今後の検討方針について。資料2、医療 機器等におけるコード化の現状と問題点について。資料3、日本の医療機器のコード化の 動向。資料4、医療機器データベースについて。資料5、医療機器における情報化推進状 況調査結果について。資料6、公正競争規約、貸出しに関する基準及び立会いに関する基 準の概要。それと冊子でございますが、「医療機関における医療機器の立会いに関する基 準質疑応答集」をお手元に配布しておりますので、ご確認ください。  それでは、以降の議事進行につきましては嶋口座長にお願いしたいと思います。よろし くお願いいたします。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それでは、本日の議題に早速入りたいと思いますが、今回は第4回目になりますが、第 1回目と第2回目については、医療機器流通全体を俯瞰する作業と、そこに特徴的に見ら れる事項について情報共有を行ってきたわけでございますが、それらを踏まえまして、前 回、第3回目のときに、平成21年度における検討すべき課題についてどんなものがあるだ ろうかということで委員の皆様方からもいろいろご意見をいただいて、そして、ひとまず 座長預かりということで今日に至ったわけでございますが、この点につきましては改めて 事務局と相談させていただきまして、今後の検討方針についてこんなふうな方向でこれか らやっていきたい、その案ができましたので、これを早速事務局のほうからご説明願いた いと思います。  よろしくお願いいたします。 ○五十嵐首席流通指導官  首席流通指導官の五十嵐です。  それでは、資料1に基づきまして、今後の検討方針についてご説明します。  まず、今後の検討方針でございますが、当懇談会において平成21年度に検討すべき課題 については、前回座長預かりとされたところでありますが、各方面の多くの委員から意見 がありました医療機器のコード化について検討を行いたいと思います。  また、同様にご意見が多く出されました預託、立会いなどについては、保険局医療課が 本年7月以降において中医協に報告予定であります「医療材料価格等に係る調査」の結果 を踏まえた上で、次年度において検討したいと思います。  なお、これまでの懇談会においてご指摘いただきました医療機器における保守管理費用 の問題など関心の高い項目においても、適宜弾力的に対応したいと考えております。  2の21年度の検討内容についてでございます。  医療機器のコード化については、平成20年3月28日付厚生労働省医政局経済課長により 「医療機器等への標準コード付与の実施要項」を定めております。当該実施要項に基づき まして、段階的にバーコード表示の普及を進めているところでありますが、当懇談会にお きましても、コードの標準化の推進や、メーカー、卸業、医療機関における利活用の促進 が必要ではないかなどのご意見が出されております。  このため、コード使用による医療機器流通の効率化・高度化、トレーサビリティーの確 保、医療事故の防止、医療事務の効率化などの観点から、コードの普及が進んでいない要 因の分析とともに普及促進のための方策について検討を行ってはどうかと考えております。  次のページをご覧いただきたいと思います。大まかな今後の予定についてでございます。  6月4回第4回、これは本日ですので、次回7月ごろに第5回の開催を考えております。  議題としましては、(1)コード化における国内の先駆的に取り組んでおられる医療機関、 卸、メーカーの方からお話をいただきたいと考えております。  また、2つ目としまして、21年度に検討すべき事項として実施しましたアンケートで寄 せられたご意見の中で、医療機器の保守管理、保守点検、メンテナンス費用についてのご 意見が多く寄せられました。一方、社団法人日本画像医療システム工業会、JIRAにお いて、画像医療システム等の導入状況と安全確保状況の調査を全国の病院に対して実施し ております。その情報が参考になるのではないかと考えております。そのため、日程の調 整がつけば、次回の懇談会で保守管理の現状等についてJIRAの方からお話しいただき たいと考えております。  そして、9月ごろに第6回の開催を予定しております。  ここでは、主に医療機器のコード化について、海外の先駆的な取組状況について、その 国の制度についても少し触れながらご紹介できればというふうに考えております。  その後、コード化についての提言案作成のため、必要に応じまして調査を実施したり、 非公式の作業部会を開催し、翌年、年度内に懇談会としての提言がまとめられればと考え ております。  平成22年度においては、預託、立会い、SPD等の付帯的サービスについての検討を考 えております。  平成23年以降につきましては、それ以外の課題について検討を考えておりますが、いず れにしましても、適宜弾力的に考えていきたいと考えております。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  ということで、今、事務局からご説明いただきましたように、本年度は来年の3月まで でございますが、医療機器のコード化促進についてのテーマをやっていきたいと。また、 来年度、預託、立会い、SPDなどのいろいろな取引慣行についての議論を深めていくと。 そんな形で進めていきたいと思いますが、何かご質問なりご意見ございますでしょうか。 よろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  それでは、当懇談会ではこの方針につきまして進めていきたいと思いますので、よろし くお願いいたします。  そこで、早速でございますが、本日は医療機器のコード化についてその現状と問題点及 びそのデータベース標準化の取組について、早速議論を進めていきたいわけでございます が、この分野について、まず委員の皆様方と一緒に理解を深めるために、本日は3名の有 識者の方をお招きしておりますので、ご紹介いたしたいと思います。  お一方は、財団法人流通システム開発センターより医療機器・医薬品トレーサビリティ ー調査研究委員会の委員長をされています、同時に国際医療福祉大学の大学院長でもあり ます開原成允様でございます。同じく流通システム開発センター国際部次長の黒澤康雄様 でございます。そして、財団法人医療情報システム開発センター標準化推進部長の武隈良 治様でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、このお三方のエキスパートの皆様から、資料に基づきましてそれぞれプレゼン テーションをお願いしたいと思いますので、これによって皆様方ご理解が深まると思いま す。お一人お一人のプレゼンテーションの後に質問を受けていますと、少し時間の制約が ございますので、恒例でございますが、一通りお三方、それからさらに事務局のほうから のご説明をいただいた後、一括して後で議論をしたいと思っています。したがって、委員 の皆様方、ぜひお聞きしたい点などがございましたら、各ご説明の際にメモでもとってお いていただきまして、そして後で一括してディスカッションすると、そういう形で進めさ せていただきたいことをお許し願いたいと思います。  それでは、早速でございますが、最初に医療機器等のコード化における現状と問題点に ついてということで、皆様お手元の資料の2に基づきまして、早速、開原様からご説明を お願いしたいと思います。資料2でございます。じゃ、よろしくお願いいたします。 ○開原氏  本日はこういう機会を与えていただきまして、大変ありがとうございました。ただ今ご 紹介にあずかりました開原でございます。  今日、私がお話をすることは、先ほどの資料1の中の平成21年度の検討内容というとこ ろの下のほうの、「このため」と書いてある、当懇談会において、コード使用による医療 機器流通の効率化・高度化、トレーサビリティーの確保、医療事故の防止、医療事務の効 率化等の観点から、コードの普及が進んでいない要因の分析とともに普及促進のための方 策について検討を行ってはどうかという部分の中の、特に医療事故の防止(患者安全)に ついて多少ご参考になるかということで、私なりの意見を申し上げたいということであり ます。  まず、最初の1の部分では、流通改善の多面性ということが書いてあります。私も流通 の問題を長年見たり触ったりしてきておりますが、つくづく難しいと思っております。そ れは、流通の問題には非常に多くの機関が関わり合いを持つわけでありまして、それぞれ の機関、さらにその1つの機関の中の部門の利害関係が、時には一致したり、時には相反 したり、また、一致したとしてもその関心の度合いが違っていたりします。  流通は、その間をつないでいくということでありますから、ひとりでにみんなの利害関 係が一致して1つの方向へいくということがなかなかなくて、ある部分が進んだかと思う と、ある部分が全く進まないという状況があります。  そこにカラーで絵をかいてございますが、これは私なりに理解した流通ですが、ここは 医療機器の委員会ですが、医療機器の話と医薬品もある意味では似たようなところがござ いますので、それを一緒にして少し考えてみたいということです。流通の問題は、まず製 造メーカーがあって、そこで物をつくります。場合によれば輸入するということもあろう かと思いますが、それが卸売業者のところへ渡って、その卸もいろんな段階があるかと思 いますが、それから、青い色で塗ってあるところが仮に病院だとすると、その病院の中へ それが入ってきます。  病院の中でも、またいろんな部門がありまして、まず購買部門があって、そこが値段の 交渉などをして、それを買います。そうすると、それが倉庫、薬の場合では薬局、医療材 料の場合であれば材料部というようなところへ渡されます。そして、患者さんの診療が行 われると、どういう薬を出せとかどういう注射器を使えとか、そういう指示がお医者さん のほうから出て、病棟とか外来の部門でそれが実施に移されます。実施に移されると、そ れが会計へ行ってお金の精算をされます。こんなぐあいに、赤の線が物の流れだとすると、 物が病院の外から病院の中へ向かって流れていくというのがこの流通であろうかと思いま す。  今日私が一番関心があるのは、私も医療関係の人間でありますので、この病院の外の製 造メーカーから卸のところの部門ではなくて、この青で取り囲んだ病院の中の部門につい て意見を述べさせていただきたいということであります。  病院の外の部門はビジネスの世界でありますので、ビジネスの世界というのはある意味 では利害が一致すればひとりでに改善が行われていくということがあります。しかし、病 院の中はそういうビジネスの世界とは非常に違った世界で、その中でいろんなものが同じ 考えの下に使われていくということは非常に難しいところがあります。そういう意味で、 病院の中のことを少しお話をしてみたいということなのであります。  それから、もう一つ、私が今日この意見を申し上げる理由というのは、ここではコード 化の問題点というふうに書いたのですが、実は問題なのはコード化ではなくて、せっかく つけたコードが利用されることが一番重要なわけだと思います。ですから、いかにコード がついてもそれが利用されなければ何の意味もないわけで、せっかくのコードが無駄にな ってしまいます。  私が大変危惧していることは、病院の外では確かにコード化をすればそれが利用され、 流通が効率化されていきますが、病院の中でもこのコード化は非常に重要な意味を持つは ずなのですが、現在のところではそのようになっていないのではないかということです。 全て医療というものが患者さんの利益のためにあると考えれば、実は一番患者の利益にな るのは、病院の中での流通を効率化し、また、ここに書いてあるように医療事故の防止に までこのコードは使われるはずです。それにもかかわらず、一病院の中の患者安全への利 用が進まないということを、私は心配しているわけです。  せっかく業界の方々が努力してコードを貼付してくださったものが、どうすれば病院の 中で患者の利益のために使えるようになるのか、そこをもっと考えていかなければいけな いのではないかという思いがありまして、今日ここにこういう話をしようということなの であります。  1ページめくっていただきまして、以下は病院の中のことしか考えないということにさ せていただきます。今度は医療機関の中でバーコードがもし使えるとすれば、それはいろ んなところで使えるはずで、まず1つは、購入部門で、そこが発注するときにコードは使 えるはずであります。場合によれば、電子的に発注するということが当然あっていいと思 いますが、今のところはそういうことはほとんど日本では行われておりません。これは外 国と非常に違っているところでありまして、外国ではもう電子的な発注はごく当たり前の ことになっています。  それから、在庫の適正化ということにも当然使えるはずで、在庫管理が、コードがつけ ば非常に楽になるということがあるはずです。在庫管理は今どこの病院でもある程度はや っていると思いますが、せっかくつけたこの標準コードを利用して在庫管理をやることは、 まだ余り普及していません。  ただ、病院の中でコードが使えるのは、その材料部とかそういうところだけではありま せんで、経理的に見てもこれは非常に重要な役割を果たすわけでありまして、病院の中で 医療機器または医薬品がどのようにどこでだれによって使われていたかということは、も しそれにコードがついていれば、コンビニでもって大根1本まで管理できていると同じよ うに、病院の中でもそれが管理できるはずです。しかし、それも今は一部の先進的な病院 を除いては、まだあまりできていません。  そして、また、病棟や、外来の処置室では、注射器が使われ、カテーテルが使われ、医 薬品が使われるわけですが、病院の中で医療事故が起こりやすいのは、実は実施をする部 門で、それは患者さんに直接接しますから当たり前のことです。そこの部門で医薬品の取 り違えが起こったりカテーテルの取り違えが起こったりということが起こるわけで、そう いうことの防止のためにこのバーコードは非常に役に立つと言われています。実際にごく わずかな病院ではそういうふうに使っているところがあるのですが、実際にはそのような 形でそれが実施された例というのは、まだ日本では十指に数えることができるぐらいしか ありません。  患者安全・事故防止のためのバーコードの使い方は、私はバーコードを使う目的として は一番重要なものであると思っていますが、そのような形で使われているところはまだ少 ないということであります。  どうして医療事故が防げるのかということでありますが、そこの丸の4つ目に、「実施 段階での入力の煩雑さがこれまで問題であったが、バーコードはその問題をほぼ解決し た。」と書いてありますが、要するに、もし実施段階でだれがどの患者さんにどのような 材料を使ったかということがコンピューター中に記録できるとすれば、コンピューターの 中にはオーダリングの段階で正しい情報が入っているわけですから、その正しい情報と比 べてそれが誤りであるのか誤りでないのかということを即座に判定することができるわけ です。それは分かっていたわけですが、実施の段階でどの患者にだれが何を使ったかとい うことを入力するということが非常に煩雑で、そんなことはできるはずがないとみんな思 っていたわけであります。  ところが、コンビニやスーパーマーケットではみんなそれが実現している。それはまさ にバーコードがあるからで、それでは患者にバーコードをつければいいということで、机 の上にサンプルが置いてあるように、リストバンドができて、それを患者さんが全部つけ ていれば一瞬のうちにどの患者にというのが把握できる。それから、実施者については首 に名札をつけておいて、この名札の上にバーコードか何かをつけておけば、ピッというこ とで、もうだれがということが分かる。それから、医薬品・医療材料にバーコードがつい ていれば、それも一瞬のうちに入力できる。そうすると、いわばこの3点セットの入力が 一瞬のうちにできるわけですから、実施の段階で、どこでだれにだれが何をやったかとい うことを記録するということが夢ではなくなったわけであります。したがって、これをや れば、実施段階での医療事故は非常に減るということは、実験的におやりになったところ では十分実証されていることなのです。  ですから、私は患者の安全ということが今の医療の中で最も重要なことであるというふ うに考えれば、この部分を普及させることが、私はバーコードの社会的意義を認めてもら う上では最も重要なことであると思うのでありますが、残念ながらそれが今のところはで きていないということであります。  その下にカラーで書いてあるのは、今、申し上げたことを絵でかいたわけでありまして、 現在は医師が処方をしたり医療材料を指示したりするときに、これは今のオーダリングシ ステムと呼ばれる情報システムでは情報を入力しているわけであります。ですから、これ はいわば正しい指示がそこで入力される。もちろん医師が時々間違えることがあるんです が、それは間違えたとしても、コンピューターに入力すれば、そこで警告を発してその間 違いをチェックすることができますから、まあ、お医者さんの入力というのはほぼ正しい ものが入力されているというふうに考えていいわけです。  ところが、いったんお医者さんが入力してしまうと、その後はもう情報システムからは 離れてしまうわけで、その情報は薬剤部や材料部には行きますが、そこで調剤をしたり材 料を調えたりするときはもう情報システムはない。また、それが病棟に運ばれて看護師さ んが患者さんに薬を渡したり注射をしたりするときは、もはや情報システムはそこにはな いということになりますから、ここではチェックのしようがない。  ですから、そこは薬剤師を信頼し、看護師さんを信頼するほかはないわけです、実際に はそこで事故が多く起こる可能性があります。  それで、次のページをめくっていただきますと、例外的には今そういうものをチェック している病院もないわけではないのでありまして、そこにあるのは国立成育医療センター のシステムですが、全てのベッドサイドに、壁からぶら下がっているコンピューターの端 末がありまして、これがふだんはテレビのようにも使えるんですが、ここに電子カルテが 表示できるようになっております。看護師さんが来て、そこで今のバーコードを使って、 それで今からこういう材料を使ってこういう注射をやりますと言うと、合っていれば青い 丸が画面の上に出るし、もし間違っていると赤いバツが出るということで、看護師さんが すぐ気がついてそこで直すということができます。こういうチェックが実施の場面で現実 に動いているという病院もないわけではないわけであります。ですから、やろうと思えば できるということであります。  しかし、その下に3と書いてありますが、メーカーが大きな経済的な犠牲を払ってバー コードを貼付するようになったのに、医療として最も重要な患者安全に使われていないの は誠にもったいない。その理由はどこにあるのかということですが、この安全のためのシ ステムを利用するためには、(1)バーコードが患者安全に役立つという病院関係者の認識が ないといけない。(2)病院のトップマネジメントの初期投資に対する決断がないといけない。 それから、(3)看護部門の協力がないといけない。それから、(4)病院情報システムの改造が 必要です。  いずれもやろうと思えばそんな難しいことではないのですが、一番私が問題なのは、 1)のバーコードが患者安全に役立つという病院関係者の認識というのが意外にないんで はないかというふうに思っています、そこのところが認識をするようになるとやろうとい う病院が随分出てくるんだと思うんですが、ここにお集まりの医療機関の方は別として、 今のところバーコードがそういうふうに使えるんだということを知っている病院関係者と いうのは意外に少ないのであります。  それから、2番目として、初期投資は院内流通の改善によって十分採算がとれるはずな んですが、院内の流通を改善するということの初期投資がちょっとかかるので、みんなそ こで躊躇してしまうと。それから、3番目に、看護部門の仕事は確かに増加をするわけで すが、患者安全が向上することで仕事に対する満足は上昇するはずでありますが、初期の 仕事の増加への抵抗が看護師さんに強い。それから、5番目に、今の病院情報システムは、 流通システムが組み込まれていないために病院の情報化、例えば電子カルテを入れても流 通の情報化は放置されてしまうというのが現状であろうかと思います。  したがって、それを解決するにはどうすればいいのかということなんですが、まず医療 関係者へのバーコード利用に関する知識の普及が必要であると思います。しかし、現在は 医療関係者への行政からの通達はないと書いてありますが、少なくともこのバーコードが できましたよという話は、卸売業者とかメーカーとかそういうところには経済課から流れ ていきますが、病院に対してこのたびバーコードがこういうふうになりましたからぜひお 使いくださいというような通達は、私は見たことがないのでありません。  それから、学会の関心も必ずしも高くなくて、卸など病院と接触ある業者は医療の現場 と接触ができない。ですから、通常のMRさんとか卸の方とかは、病院の購買部門とは接 触があるとは思いますが、さらにその奥の院である看護師さんとかそういうところには接 触をしませんから、したがって、そういう意味で情報が伝わっているということもないと いうことであります。  したがって、私はもう少し学会でこういう問題を取り上げて議論していただく必要があ ると思って、今、学会などにシンポジウムをやれということをいろいろ言っています。そ れから、ジャーナリズムなどでも少し成功例をもっと報道してもらうことが必要ではない かと思います。  特に、病院のトップマネジメントの関心を高めるということが必要でありますが、トッ プマネジメントというのはやはりお金のことが大変大事でありますから、そのために院内 流通の改善が病院の経営に大きな利点となるということを目に見えるようにする必要があ ると思います。ただ、現在はなかなかその院内流通の改善というものが経営にプラスにな るということがイメージとして浮かばない。したがって、それがもうちょっと目に見える ようにならないかということです。例えば、多少泥臭い話になりますが、診療報酬点数に もし患者安全加算というものが認められて、病棟での医療行為の実施時に情報を把握して いるような場合には、ごくわずかの点数でもいいから、点数がつくだけでもあっという間 にこの関心は高まるはずです。  それから、市販の医療情報システムに対しては、流通システムを標準的モジュールとし て組み込むように、これは病院情報システムの業者に対してもっともっと働きかけるべき ではないかと思います。そういう意味では、流通業界と病院情報システムをつくっている コンピューター業界との間でもっと意見の交換が必要ではないかというふうに思うわけで あります。  以上のことは、関係者の地道な努力の積み重ねが必要でありますが、行政がわずかであ っても関心を示すことによって世の中の流れは大きく変わると思います。しかし、関係者 の一部への施策では意味がなくて、この問題の、先ほど一番最初に申し上げましたように 複雑であるのは、いろんな機関が関わり合いを持っているということは、逆に言えば、今 度はお役所のほうもいろんな課が関わり合いを持っているということでありまして、そう 申しては失礼でありますが、現在の縦割り行政の中ではなかなか、例えば医政局と医薬食 品局と保険局の間の連携というようなことも難しいのではないかと推察をしているわけで あります。  実際に関わり合いを持つのは、現在この会を主催しておられる経済課であると思います し、また、医政局のコンピューター関係をやっているのが研究開発振興課、また、医薬食 品局の安全対策課、先ほどの点数の問題に反映させようと思えば保険局の医療課です。だ から、この辺がうまく連係プレーをしていただくと、私は世の中はあっという間に変わる と思うんですけれども、それがなかなかできないところが現在の日本の不幸ではないかと、 思っているところであります。  最後のほうは多少失礼なことを申し上げましたかもしれませんが、以上でもって私の話 を終わらせていただきます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  病院側の中でのコードの標準化は非常に重要だというご指摘、ただ、なかなかそれは難 しい幾つかのポイントと、それから、その処方せんのアイデアまでお示しいただきまして、 なるほど、こういうふうになっているのかというのは、よく皆様方ご理解できたと思いま す。本当にありがとうございました。  改めて、またご質問など受けたいと思いますが、続きまして、日本医療機器のコード化 の動向について、同じく財団法人流通システム開発センターの黒澤様から、今度は資料の 3、これをベースにしてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○黒澤氏  ご紹介いただきました流通システム開発センターの黒澤でございます。  それでは、お手元の資料に基づきまして概要を申し上げたいと思います。  もう既に開原先生からご紹介済みでございますが、実は医療機器の業界様、それから医 療材料の業界様は、長らくこのコード化については業界全体で一致団結した取組をされて いらっしゃり、また、卸さんの団体も非常に積極的に卸の物流の中で、自らの物流センタ ーの中でもそういったお仕事をされてきております。  そういった意味では、メーカーさんや卸さんのほうがはるかにこういったシステムに取 り組んでいらっしゃるということが全体の流れでございまして、開原先生のお話のとおり、 むしろ高いところと低いところがあるとしましたら、低いところの部分が医療機関や薬局 の部分でございます。  そういう意味で、メーカーさんのこれまでの取組をざっとご紹介したいと思います。  まず、私どもの資料、こちらのほうですけれども、下のほうのページで(3)でございます けれども、私どもは財団法人としまして医療業界の業界全体の情報化・システム化につい て、長らくいわゆる情報基盤整備という事業をやってきております。  それから、(4)で、私どもの立場では一番身近ではございますけれども、こちらにござい ますようなお茶の、お茶にもしましまバーコードがついておりますけれども、これは企業 の番号と商品の番号が入っております。したがいまして、これサッポロビールさんの企業 番号とお茶の番号が、このしましまの中に2つの要素として入っております。こういう企 業の皆様の番号を日本を代表しまして管理しております。  したがいまして、これが1つの基盤でございまして、医療業界の皆様にいろんなことを ご提案、あるいは委員会活動を通じてやらせていただいております。  それから、次のページです。今申し上げましたように、医療機器、医療材料の業界の皆 様は取組としましては既にメーカー様の、当時、日医機協さんの時代でございますけれど も、1998年の時点で私どもが委員会にオブザーバー参加いたしまして、その翌年にはバー コードについての標準化を、もちろん世界でも非常に早い段階で標準化ガイドラインをお つくりになっていらっしゃって、このときはGS1という、ガソリンスタンドではないん ですけれども、こういった名前の標準を採用されております。業界採用を自主的に業界決 定されていらっしゃいます。  そして、その翌年から、2000年から既にガイドラインができていますので、運用手順と いうか手引書としてこの運用のマニュアルをおつくりになっていらっしゃっております。 当時、そのころから厚労省さんや医療情報システム開発センター様のほうでも、このデー タベースの準備をされてきていらっしゃっているということでございます。  それから、改正薬事法があり、2005年にはマニュアルの第5版。  それから、業界の広がりとしましては、歯科商工協会さんもこの新しい取組に参画され、 また、医療機器のほうに関しては構成器具、ああいったものを含めて2次元シンボルの表 示を進められていくということで、現在の医機連さんの取組としては非常に業界がまとま って一生懸命、卸さんも含めてやってきていらっしゃいます。  右側には、医療用医薬品の取組も書いてございますけれども、こういった状況で全く世 界に比べましても、私ども海外とのやりとりもありますが、日本としては非常に優等生と いいますか、非常に早期の取組をしてこられております。  下に、4ページですね、マニュアルの表紙を載せてございます。こういったものを業界 が自主的につくられてこられております。  このGS1ということでございますが、次のページにございますように、3つの要素か らなっております。GS1というのは3つの要素からなっておりまして、1つがデータ項 目を皆さんが標準的に使おうということでございます。したがいまして、これは国の内外 を問わずでございます。  それから、右側にございますのがいわゆるバーコードだとか2次元バーコード。最近は 電子タグという、PASMOもSuicaも電子タグでございますけれども、そういった ものも情報表示媒体ですね、こういった形で標準化をしてございます。  それから3つ目が、底辺になりますけれども、いわゆるデータコミュニケーションとし てメッセージの交換、ご注文や納品や支払いについてのメッセージをメーカーさん、卸さ ん、病院の間で共通してやりとりをするという取組をしております。  そういうことで、下にございますように、世界の中では108の国と地域でこの標準が使わ れ、世界150カ国をカバーしてございます。そういうことで、薄いブルーの部分が中近東の 一部、アフリカの一部ではやっておりませんけれども、そういった意味で医療機器メーカ ーさん、医療材料メーカーさんは既にもう世界規模のお取引、流通ネットワーク、ご商売 をされていますので、こういったものが非常にメーカーにとりましても卸さんにとりまし ても便利であるということでございます。  次のページです。ここに今同じこと、GS1というのは消費財、製造流通サービスとい うことで、行政分野も含めましてこういった取組をしているベルギー・ブリュッセルに本 部がある団体でございます。もちろん、国際機関でございますから、国連や欧州連合、そ の他アメリカのFDA、GHTF、HL7、それから医療材料業界様とは横のつながりで ございますけれども、真ん中に書いてございます欧州の医機連さん、EUCOMED、そ れから、アメリカのAdvaMed、その他様々な業界団体の皆様と連携して活動してお ります。  今、GS1のお話をしておりますが、9ページにございますように、GS1という組織 も先ほど開原先生が問題の中でご指摘したとおりでございます。まず、4つのテーマに沿 って医療事故防止、それからメーカーさんとしての製品の証明、それからトレーサビリテ ィー、だれがいつどこで何をどうしたということでございます。それをカタカナ英語でト レーサビリティーと言っておりますけれども、こういった取組。それから、作業の手間隙 をできるだけ少なくするということで、作業負荷を減らすということで、全体の効率化と いうことをうたっております。  医機連さんの取組、あるいは卸様の取組でございますけれども、そこに業界がこの標準 を採用した理由を書いてございます。あくまでも国の中の個別対応では、輸入品もある中、 国産品もある中、非常にデータ管理に不都合が生じ、また、コスト負担も大きくなるとい うのが大きな原因でございます。それから、厚生労働省さんもご存じのとおり、GHTF という世界のハーモナイズの組織がございますので、それとの整合を含めて国際標準とい うものを業界が選ばれたということでございます。  それから、11ページ、12ページです。ここでは、厚生労働省さんが2001年12月以降取り 組まれている行政のいろいろ取組、施策を書いてございます。いろんな策定の内容があり ますけれども、下のほうにございますようにピンク色の部分ですね、去年の3月に医療機 器に対する業界の自主的な取組を踏まえた標準コードの付与を、行政通知という形で皆様 と一緒にやっていこうということで通知が出されて、今日に至っているということでござ います。  バーコードのお話になりますけれども、バーコードは13ページにございますようなバー コードでございます。ちょっと横長でございますけれども、この中にはいわゆる商品コー ド、有効期限、日付ですね、それから、ロット番号という3項目が入ってございます。今 日もこういったシリンジキットを持ってきておりますけれども、こういったものにも既に バーコードがこの脇のところに入ってございます。たまたま今バーコードリーダーがござ いますけれども、こういう形で、音がちょっと小さいんですけれども、一瞬にして三十数 けたのデータで管理できるということでございますので、もちろんメーカー様、卸様のメ リットもございますけれども、ぜひ医療機関の中で先入れ先出しとか適正な院内物流のた め、そしてまたロット番号の管理等、こういったものが使われることを期待しているとい うことでございます。  それから、あと、下にGTINというふうに書いてございますけれども、これは世界共 通の商品名称をコード化した内容でございます。こういう言葉がございます。  それから、次の15ページ、16ページですね。この業界で一番パッケージに使われている GS1の内容を書いてございます。ここでは、製造日とか有効期限、ロット番号、さらに はシリアル番号でございますね。医療機器の本体なんかではシリアル番号があります。こ ういったものにもシリアル番号をつけて表示ができるということでございます。  下に、実際の例のラベル見本を載せております。これは輸液ポンプでございますけれど も、イメージとしてはこういうものが本体に表示されたりして使われているということで ございます。  それから、もちろん医療材料、17ページにございますように非常に小さいものもござい ますので、例えば歯科の研磨材料についてもこの世界標準のコードが、京都の歯科材料メ ーカーさんを初め、たくさんのメーカーさんで使われております。下に物差しがございま すように、わずか20ミリ程度のバーコードでございますが、こういった非常に小さなパッ ケージにも入ります。それから、医療用医薬品においてはこういったバイアル容器にも表 示がもちろんされてございますので、両者同じデータ構造、データ項目で両方管理できる ということでございます。ですから、こういったガラス容器のバーコードも読めるし、先 ほどのパッケージ、これは縫合糸のバーコードも読み取れます。さらには、この錠剤シー ト、薬のほうに入っちゃいますけれども、錠剤シートの裏にあるようなバーコードも読み 取れます。それから、こういった1ミリアンプル容器なんかもバーコードがついておりま すので、1ミリアンプル容器も、ちょっと私、手が震えているのでうまくいかないんです けれども、読み取れます。  こういう形で医薬品と医療材料、医療機器と、1つのこういった共通のハードウエアで 読み取りができ、安全に寄与することができるということでございます。  同じく、19ページ、20ページですね。同じようなものが書いてございます。こういうふ うな非常に小さなものにも入って表示ができてくるということでございます。あくまでも 明細は商品コード、有効期限、ロット番号ということでございます。  それで、実際、主だった現在の状況をデジタルカメラで写真を撮ってまいりましたけれ ども、21ページ、22ページでございますね。こういうのが主だったメーカー様の方々の物 流パッケージ、外箱包装、あるいは販売単位、中箱パッケージの例でございます。こうい う形で、もちろんこれだけではございませんで、後ほど経済課さんからアンケート調査結 果のデータがあると思いますけれども、代表的なイメージではこういった形でやられてい らっしゃるということでございます。  それから、23ページには医療機器本体への表示も、例えばこういった小型の透析装置の 側面にも入ってございます。本体側面と書いてありまして、こういった表示ラベルがござ います。ここでは、いわゆる製品コードそのものと、製造されたときのシリアル番号が入 っておりまして、特に有効期限があるという機器でございませんので、シリアル番号で1 台1台、日本じゅうに、世界じゅうに数億台あっても管理ができるようになっております。  こういったシリアル番号も、国立病院を初め、大学病院さんを初め、別途備品管理をさ れたり、別途管理台帳を持って、別に番号シールを貼ったりしております。そういった備 品管理、減価償却のためにも、このメーカーさんがつくられたシリアル番号をそのまま流 用されてお使いになられれば、故障の連絡だとかメンテナンスとか、あるいはそろそろ買 い替えの時期だねということで、機器メーカーのメンテナンスされる修理の方も医療材料 センターも経理部も、大変お役に立てるのではないかなと。これが1つの標準化でござい ます。  それから、あと24ページ以降は、模式的にこういったメーカーさんにとってのメリット を書いてございます。  それから、次のページ、25ページですね。こちらでは卸販売業者さんにとってのメリッ トを書いてございます。非常に模式的で大変申しわけございませんが、医機販協さんの業 界、卸販売業さんの業界では、昨年春の段階で135を超える卸さんの物流センターで、こう いった入荷のバーコードを読んだり、在庫の確認のためのバーコードを読んだり、出荷の ためにバーコードを読んだりするということで、出荷検品や在庫管理で有効にお使いにな っていらっしゃるというふうに聞いております。  そういう意味では、26ページ下にございますような医療機関さんでの活用が、これから の一番大事なところではないかなということでございます。  最後、そういった環境が備えられれば、まさに3点照合ということでございますが、投 与投薬あるいは機器の使用に当たって、その使用の前に看護師さんの職員カードと、それ から材料のバーコード、それからリストバンド、こういった3点を使ってたちどころにチ ェックができるということでございます。  これは実際ではありませんけれども、看護師さんのいわゆる名札カード、職員カードで すね。それから、当然病室で処置処方しますので、患者様のリストバンド、こういったも のも1つのスキャナーで読み取りできております。表示が小さくて大変申しわけございま せんが、読み取りができております。それから、3つ目は、当然でございますけれども、 こういった医療材料や医療機器、あるいはお薬の部分、こういったものも投与投薬の前に、 薬剤が体の中に入ったり医療機器の使用を開始する前に事前にしっかりとデータチェック できて、安心して医療行為が行えるということが理想ではないかなというふうに思ってお ります。  以上でございます。 ○嶋口座長  黒澤様、どうもありがとうございました。  非常に具体的で分かりやすい、いろいろ今後とも応用の広がりがあるなというところま で含めてご説明いただきました。どうもありがとうございました。また、後ほどご質問ご ざいましたら、今メモしておいていただければありがたいと思います。  それでは、続きまして、医療機器データベースについて、財団法人医療情報システム開 発センターの武隈様から、今度は資料4に基づきましてご説明いただきたいと思います。 武隈様、よろしくお願いいたします。 ○武隈氏   今、ご紹介いただきました医療情報システム開発センターの武隈でございます。今日、私 どものほうからは、医療機器データベース、直接私ども財団が医療機器データベースのメ ンテナンス、維持管理をどういう状況で行っているのかをお話し申し上げます。今日のご 説明内容といたしましては、2ページのところに書いてありますように、医療機器データ ベースの今に至るまでの紆余曲折、その経緯背景と、どういうふうな概要になっているの かと言う内容です。で、実際に登録状況、利用状況がどうなっているのか。今後、じゃそ のデータベースをどうしていくつもりなのかということを、今日限られた時間内でご説明 をしたいと思っております。  まず、私どもの3ページを見ていただきたいんですけれども、この医療機器データベー スができた背景ですが、昔は医療材料データベースというふうに言っていました。これは、 厚生労働省が出しました例のグランドデザインに基づいて、その中で医薬品医療材料のこ とがうたわれたことが契機で、医療情報の標準化のうちの1つとして医療材料のデータベ ースを構築するということで、業界と一緒になって医療材料データベースの構築を始めた わけでございます。それが初めてでございます。  それからスタートをしたわけでございますけれども、正直申しまして、このデータベー スはもういったん破綻したような状況になっておりまして、それが17年の薬事法改正の1 つのきっかけがあって、大きく医療材料データベースから医療機器データベースに変わり ました。  これはどういうことかといいますと、12年当時の医療材料データベースというのは、デ ータベース自体の意識が各製造業者の方々は余りなかったと。データベースに登録するこ とは。もともと薬事法では、医療用具という表現で使われていました。平成12年当時は、 やはりどういうことか、薬事法というのは正直申しまして医薬品、医薬品、医薬品という ことで、医療用具はそれほど重要視、というのは語弊がありますけれども、それほど全面 的に出てこなかったと。  ところが、平成17年の薬事法改正でどっと医療機器という名称に変わって、安全対策も しなければいけない、治験もしなければいけないということで、全面的に表に出てきたと いうところで、恐らくメーカーさんも意識が大分変わったんです。平成12年当時では、や はり自分の製品をデータベースに登録するという意識がなかったわけです。  ですから、最初に登録をしていただきました頃は、もう虫食い状態だったわけです。都 合のいいところは入れるけれども、都合の悪いところは入れない。メンテナンスもなかな かできない。確かに、会社の中に、それ専用に人を確保すること自体はなかなか難しい、 といったことで、要はそういうデータベースを私どもとしても公開をして、いろんなとこ ろから苦情が来たわけでございます。  私どもとしても、メーカーとやりとりをしていますけれども、なかなかそのデータがち ゃんと正確性を持って公開できなかったということがありまして、平成17年の薬事法改正 でやはりいろんな問題点の分析をして、要は登録業者の負担を軽減すると、まず。欲しい 項目はたくさんありますけれども、それを全部入れろと言うと登録側の負担になる。その 登録の負担をまず軽減すること。軽減するには、つくる側のほうでそれを軽減する方法、 例えばマスターをつくって、いちいち入れなくても、1つ入れれば3つどっと入るような そういったシステムをつくるとか、そういった負担を軽減する方法。そういったことを考 えておくということで、17年の医療機器のデータベースということを再構築したわけでご ざいます。  ですから、平成12年のときは23万アイテムぐらいだったんですけれども、平成17年のこ の登録、新しいデータベースを構築することによって、要は一気にたしか50万近くまで上 がったんです、データの登録が。現在、後ほどお話しますけれども、今60万アイテム近く の登録をいただいているということがございます。  こういったことで、今までいろいろ紆余曲折がありましたけれども、やっと医療機器製 造販売業者の方々がデータベースの重要性を理解をされてきたということでございます。  それで、私どもとしては、この医療機器データベースそのものの使命としては、まず網 羅性があること、中身のデータが正確であること、いつもタイムリーに更新されているこ と、この3つを要は基本に、何とかこの3つの原則を確保したいということで、毎日毎日 維持管理をしているわけでございます。  ただ、それぞれ問題がございまして、まず網羅性については、これはなかなか母数が幾 つあるかというのは分からないんです、正直言って。何アイテム集まれば100%になるのか というのは、正直言ってどこに聞いても分かりません。教えていただけないということが ございます。  ましてや、もう皆さんご承知だと思いますけれども、医療機器は特殊なことがございま して、カスタム商品というのがございまして、要はカスタム商品というのは医療機器でも 何々先生用の何々ということがあって、それも一応医療機器なわけでございます。しかし、 それをデータベースに登録する必要性はないという医療機器販売業者の方々が圧倒的に多 いわけでございます。要は、それは先生用の専用の医療機器なんだから、別に医療機器デ ータベースに登録して皆さんに見ていただく必要性はないということを、カスタム商品を 多く持っていらっしゃる方々はおっしゃるわけでございます。  ですから、その入れ方を工夫すればカスタム商品も入れられるわけでございますので、 私どもとしては、業界と一緒になってカスタム商品も入れられる仕組みというのをつくっ ているわけでございます。できたらそのカスタム商品についても登録していただくことに なれば、網羅性はもっと高まるということでございます。  あと、精確性でございます。精確性はやはりこれは登録する、医療機器製造販売業者の 方のやはり登録の中身によるわけでございますから、これはもう他人に頼らざるを得ない、 メーカーさんに頼らざるを得ないと。  あと、迅速性。これについては、待っていたらいつまでたっても前のデータベースのよ うに虫食い状態になる可能性があると。新しいデータに変わらないということで、私ども としては医療機器販売業協会と連携を進めて、実際に物を扱っている流通のところで、デ ータベースと違うよという情報提供をいただく。それで、私どもとしては速やかにメーカ ーに確認をして、もしメーカーに確認しても時間がかかるようであれば、私どもで修正を してそれを確認をしていただいてデータベースでアップするということを、できるだけ早 いうちに正しい最新のデータを提供するということを、今行っている最中でございます。  実際にデータベースの概要でございますけれども、その改正薬事法に対応したデータの 内容を盛り込んで、要はその中には償還価格であるとか、あとは購入の最小単位であると か、最小出荷単位というような項目が入っております。ですから、医療機関にとっては償 還価格も分かる、合計が計算されて出てくるというようなマスターをつくっておりますの で、そういった意味でも利用価値があるだろうと。登録者用には、先ほども言いましたマ スター化をすると。できるだけ省力化し登録する方法をということで、特徴としてはそう いうことが挙げられるんだろうと思います。  それで、実際に医療機器のデータベースとしては4つの分類に分けると。医療機械と医 療機器と体外診断用医薬品、その他と。この体外診断用医薬品というのが入っていますけ れども、これは日本が医薬品として薬事法で規定しておりますけれども、ほかの国では医 療機器の扱いになっています。ましてや、大体取り扱いが医療機器の方向、方向と言って いますので、これについては体外診断用医薬品のほうの業界と確認をして、体外診断用医 薬品についても医療機器データベースに登録をしていただくということで、了解を得て登 録をしていただいているということでございます。  あと、実際に運用面では、登録は医療機器製造販売業者の方々と、維持管理については 私どもMEDIS−DCが行っておりまして、あと、いろいろご協力をいただく上で日本 医療機器産業連合会、また、その中にあります医療機器販売業協会、いろいろ関係機関と 連携を持って、要はこのデータベースの維持管理を進めていくということにしております。  実際に登録状況でございます。9ページでございます。今、5月12日現在ですけれども、 58万4,180アイテムの登録をいただいております。実際に今、6月1日現在ではもう60万に なっておりますけれども、特材等の医療機器としては51万5,000、404社から登録を受けて いると。機械類につきましては9,572アイテムでございまして、体外診断用医薬品は9,485 アイテム、これだけのデータの登録を現在のところいただいているわけでございます。  ですから、このデータをいかにして使っていただくか。コードがつくわけですから、コ ードの基盤になるのはこのデータベースになるわけでございますので、そのデータベース をいかに使ってもらうかということは維持管理する側で考えていくということで、後ほど 申し上げますけれども、いろいろな試みを行っているというところでございます。  あと、大きく1つの動きとして、厚生労働省が昨年の3月28日、これも1つの私どもに とっては利用の大きなきっかけになった通知でございます。この通知によって医療機関が 私どものデータベースのID、パスワードを取得するのが一挙に増えたというのが実情で ございまして、今まで微増だった医療機関からの利用のIDパスワードが、急激にこの通 知以降、年間で150の医療機関からIDパスワードの取得依頼があって、IDパスワードを 交付しているという状況がございます。  この通知は、私どもが解釈するのに、大きな3つの点に集約されるであろうと思います。 従来、医療機器の業界が行ってきた取組を厚生労働省が後押しをしてくれたということで ございます。じゃ、あとはバーコードの表示の時期を決め、いつまでに何については何の 表示をしなさいということです。それは13ページを見ていただくと分かりますけれども、 特定医療材料については、高度管理、医療機器がいつまでという時期を明確に示したこと、 これは画期的なことだと思います。あとはコードのGS1を推奨したこと。この通知につ いてはこの3つが主な要点ではなかろうかというふうに私どもとしては解釈しております。  それで、11ページを見ていただきたいんですけれども、医療機器がその患者さんに使わ れるまでのトレースということで、やはり基本になるのはコードとして物とコードが一緒 につくこと。それが、ずっと動いていくということになると、それぞれ読み取ることにデ ータベースがどうしても必要になるという意味では、やはり1つの基盤であろうというふ うに考えております。ですから、ここのところをいかに充実させるかということでござい ます。  その意味からも、バーコードが製品に表示されるということが一種のトレーサビリティ ーを確保されることになるんだろうと思いますけれども、ここでもう一度医療機器製造販 売業者の方々に認識をしていただきたいのは、バーコードをつけるということはデータベ ースに登録することであるということをセットで考えていただくと言うことです。バーコ ードをつけることとデータベースに登録することは別だよということではなくて、バーコ ードをつけることはデータベースに登録することも併せて行うんだというセットで考えて いただくということがやはり必要なんだと思います。ですから、バーコードを使うことに よってそれぞれのところで利用価値がそれぞれ出てくるということでございます。  私どもとしては正確性、迅速性、網羅性ということを最大の目的として実際に行ってい るわけでございます。  あと、利用状況については、15ページのところを見ていただきますと、実際に今お話し しましたように、私どもダウンロードするのにIDパスワードを交付しております。実際 に今トータルで536機関、医療機関としては362機関、交付しております。これが通知の出 る前は、たしか204の医療機関にIDパスワードは交付していたんですけれども、この通知 以降、150件近くの医療機関がIDパスワードの取得申請を行ってきたということがござい ます。  私どもとしては、登録をしていただいてどういうふうに使われているかということも登 録する側にアナウンスする、情報をフィードバックする必要性があるだろうということで、 1年に1回、定期的に利用者に対してのアンケート調査を実施しているわけでございます。 どういう使われ方をしているのかというようなことのアンケート調査を行っているわけで ございます。  そのアンケート結果、前回行った245施設のうちの106施設から回答がありましたけれど も、16ページのところを見ると、やはり私どものホームページまたはネットのところで知 ったというところがございます。  そして、部署としてはどんなところが関わっているのかというところでございます。情 報部門であるとか、あとは用度部門、統括部門というところが、このデータベースに関与 している部署として報告をされております。  あと、利用目的としては、物品管理に使われていると。あと医事システム、償還価格等 が載っていますので、医事システムに乗っかっているということ。あとは、医療機器のマ スターとして使っているということでご報告をいただいております。  そして、使っている方々全てに対してアンケート調査を行っていますので、医療機器販 売業者の方々には、やはり統括部門と営業部門で利用されていると。利用目的としては、 商品マスターとして使っているのがございます。あとは、社内システム、販売システムと して使っているというご報告をいただいております。  それで、私どもとしてはやはり、使われなければデータベースもよくならないというふ うに認識をしております。いかにして医療機器のデータベースを医療機関、またはその卸 さんでも、メーカーさんでも、この医療機器データベースを使われることによって医療機 器のデータベースの精度が上がっていくというふうに思っておりますので、その意味から も、このデータベースをどのように今後利用されていく可能性があるのかということを常 日ごろから考えているわけでございます。実際に今、医療機器の販売のほうとメーカーの ほうでやっています、生物由来だけに限定したもののデータベース、商取引について、私 どもとしては生物由来製品のデータだけ抜き出して提供している、利用していただいてい るという方法もございます。  あとは、実際に50、60万近くのデータが入っているわけですから、何か調査するときに このデータを使うことによってメーカーが改めてまた同じような内容を調査報告するとい う負担を軽減するような、使えるデータはこのデータベースからいろんな調査に使ってい ただきたい。そうすると、データベースとしても精度がどんどん上がっていくということ が言えるんだろうと思います。  今後の展開といたしましては、先ほども言いましたように基本でございます。網羅性、 精確性、迅速性。これは何としてでも死守しなければならないということでございます。 23ページにありますけれども、あとは定期的な項目の見直し。これはただ自分たちがどう のこうのというのではなくて、相手が利用しやすい項目なりも考えなくてはいけないとい うことで、要望等、適宜アンケート等、定期的に行っていますけれども、それも継続して 行うと。あと、利用者の利便性向上を図る。私どもとしては年1回ずつ、メーカーに対し ても1回、あと利用者に対しても1回、説明会等を開催をしております。  あと、私どもとしては、当然物に関わる情報ですから、コードもそうですけれども、そ れに関わる情報というのは、例えば添付文書もありますし安全情報もある。それをいかに してこのデータベースとうまく絡ませて提供できるかということも考えていかなくてはい けないと思っております。今IDパスワードを交付している医療機関、卸メーカー等には、 毎月2回、1日と15日に安全情報というものを私どものほうから定期的に配信をしている ということを行っております。  あとは、最後のほうになりますけれども、24ページのところでサプライチェーンという のがございます。医療機器分野のサプライチェーンというのがあります。やはり1つの基 本となるのは基盤という形ですけれども、データベースということになってくると考えて いますので、各関係機関と連携をとりながら個々のデータベース、三原則、網羅性、精確 性、迅速性を保持したデータベースの構築に向けて今後も努力をしていきたいと思ってお りますので、ぜひそこの点はご理解をいただきたいというふうに思います。  簡単ではございますが、以上でございます。ご清聴ありがとうございました。 ○嶋口座長  武隈さん、どうもありがとうございました。  それでは、お三方から詳細なご説明いただきましたが、あと、事務局より医療機器にお ける情報化推進状況調査結果が行われておりますので、その報告をしていただきましてか ら少しディスカッションをオープンしたいと思います。  じゃ、事務局よろしくお願いいたします。 ○安東流通指導官  それでは、医療機器における情報化進捗状況調査について説明させていただきます。  医政局経済課で、日本医療機器産業連合会及び日本臨床検査薬協会のご協力を得て、情 報化推進状況調査を行っています。  平成20年度は規格数、JAN商品コード取得数、MEDIS−DCデータベース登録数、 バーコードの貼付数、この4つに関する調査を行いましたので結果をご報告させていただ きます。情報化推進状況調査は平成20年9月末の時点としています。  資料5の1ページ目の1をご覧ください。全体では689の企業に調査票を送付し、有効回 答数649社で、回収率は94.2%でした。  次に、2と3をご覧ください。医療機器と体外診断用医薬品について規格数、JAN商 品コード取得数、MEDIS−DCデータベース登録数、バーコード貼付数と、それらの 割合についてまとめております。医療機器は、さらに医療材料と医療機械に分けてありま す。ここでの医療機械とはMEDIS−DCデータベース分類上の用語で、特定保守管理 医療機器と修理を要する医療機器を指しております。医療機器全体では、規格数に対する JAN商品コード取得割合は93.1%、MEDIS−DCデータベース登録割合は53.8%、 バーコード貼付割合は81.1%となっております。  そのうち、特定保険医療材料については、JAN商品コード取得割合は99.9%、MED IS−DCデータベース登録割合は74.3%、バーコード貼付割合は91.7%となっています。  それと、体外診断用医薬品では、JAN商品コード取得割合は95%、MEDIS−DC データベース登録割合は39.2%、バーコード貼付割合は78.7%となっています。  医療機器等の流通の効率化、高度化やトレーサビリティーの確保のために、先ほどもあ りましたが、平成20年3月28日に医療機器等へのバーコード表示の実施要項を取りまとめ、 医政局経済課長通知として発出しております。その通知では、特定保健医療材料と体外診 断用医薬品についてはバーコード表示の実施時期は平成21年3月以降とされておりました が、調査時点の20年9月末でも、これらのJAN商品コード取得割合やバーコード貼付割 合は比較的高めになっております。  なお、参考として、同じく平成20年9月末の医薬品の情報化進捗状況調査の結果をつけ ております。4ページの3の2になりますが、単純比較はできませんが、販売包装単位で のJANコードの取得率ですとほぼ100%、MEDIS−DCデータベース登録割合は80% 前後、バーコードの表示割合は、必須表示である特定生物由来製品については75%ほどで すが、その他の医薬品では、任意表示である網かけの部分になりますと、3から10%程度 にとどまっている状況になっております。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それでは、ここまでかなりの情報量になりますが、いろいろご説明をいただきました。 少しこれから今の事務局の調査結果のところまで、お三方並びにこの調査結果、この辺り を含めて質問、あるいはご議論をいただきたいと思います。委員の先生方、どうぞ、ご自 由に挙手いただきたいと思います。  大塚委員、お願いします。 ○大塚委員  説明を聞いたところでは、川上のほうはコード化をきちっとやっているよと。使わない ほうが悪いんだというような話がかなりございました。私どもユーザーからすると、電子 カルテを導入しているところはほとんどリストバンドを使ってきちっと管理していると思 います。  現在、川上がつくっておられるコード化は自分たちの立場で考えられたコード化です。 ユーザーにとっては非常に使いにくい点がいっぱいあります。  例えば薬品について、注射については個別性がきちっとできてバーコードが全部入って います。これはトレーサビリティーもきちっとできるし、医療事故防止に非常に役立って います。入院患者は全てリストバンドをはめています。外来患者はしていませんけれども。 電子カルテで入力しています。リーダーできちっと、個別性できちっとチェックしますか ら、間違うことはありません。  ところが、内服については、例えばPTPについてもまだほとんど入っていません。ヒ ートシールを見たらコードは入っていません。そういう点で、非常に不十分な点がいっぱ いございます。  それから、医療機器。大きい機械に対しては、私たちはさほど利便性を感じておりませ ん。例えばMRIが故障したから、コード化されているから非常に便利だということは余 り感じません。  それよりも、いわゆる償還されない、いわゆる特定医療材料以外のものでたくさん頻繁 に使う。この前、私、資料を出したのはそのためなんです。それで、そういうものはパッ ケージ、箱の中にたくさん詰め込まれて、箱に表紙がしてあるんです。そうすると、1個 1個使うときに非常に、コード化されたけれども中身は有効には作用しておりません。書 いていないからやりません。あるいは特定医療材料費できちっとコード化される場合はい いんですけれども、それも十分に全ては行われておりません。  特に注意していただきたいことは、これからお願いをしたいんですけれども、そういう パッケージの中に入った、いわゆる梱包されたものについては、それぞれやはりコード化、 バーコードをきちっとしていただきたいということでございます。  それから、データベースについては、こういう商品がありますよということをきちっと 五十何万種についてディスクローズしていただいているけれども、それを見る一歩手前の 情報がないから、それを示してもらいたい。そうすれば、こういうものが欲しいんだとい うときに、非常にそれをリサーチできますよね。そういうふうな制度を1つ考えてもらい たいということです。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。貴重な意見いただきました。  川上中心のコードにちょっとなっていて、川下のほうが少しフィットしない部分もある のではないかというご指摘、それから、パッケージのほうにバーコードがついているけれ ども、もうちょっとそこを詳細に個々のほうまでという、そういうご指摘は恐らく黒澤さ んが少しお答えいただいたり、あるいは関連的なご意見があるのではないかと思うので、 よろしくお願いいたします。 ○黒澤氏  黒澤です。  今、ご説明いただいたとおりかと思います。どういうふうに詳細な部分に表示していく かということでございますけれども、経済課さんのこの情報化調査の資料の2ページで見 ていただきたいのでございますが、2ページの中の左上の表の中でございますけれども、 先生ご指摘のとおり、バーコード貼付数の数字がございまして、うち個装に貼付というの が括弧でございまして、ここの割合がむしろ全体の数値より相当低いのではないかと思っ ておりまして、70.3%という数字でございまして、いわゆる先生方や医療現場の方々の中 でお使いになられるとしたらこの個装だとか使用単位だということでございまして、これ も私ども非常に利用面で若干使いにくさがここに出ているということでございまして、こ ちらについては業界の皆様の努力と推進という部分で改善がされるべきだなというふうに は思っております。  以上です。 ○嶋口座長  ついでですが、パッケージのところについて何かございますか。 ○黒澤氏  パッケージについては、やはり実際の、去年からの通知がございました関係から、これ から順次進んでいくということでございますし、また、来年の春、再来年の春ということ で段階別にその表示が行われるので、もう少々お時間が必要かなというふうな状況でござ います。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  少し関連で、開原さんのほうでは実際に相当これ進めておられると思いますが、ただ今 のご指摘のような使いにくいというのは何かございますでしょうか。 ○開原氏  ただ今の、まさに使いにくいというところはまだあると思います。ですけれども、これ は使う側と、それから実際にこういうバーコードをつくっておられる側が、絶えずこうい うのは対話をしながら直していかなきゃいけないんだと思うんですね。片一方が完全にな るまで使わないで待っているというといつまでたってもできないわけですので、ただ、今 はまだそういう場ができるほど、この問題が成熟していないのではないかというふうに私 は思っておりまして、先ほど申しましたように、一部の医療機関で非常によくお使いにな ったり、この問題を考えておられるところがあるのは私も知っているわけでありますが、 まだそれが特殊な例である間というのはなかなかそういう対話が出てこないので、もう少 しいろんなところが使い始めるといろんな意見がもっと出てきて、そうすると、それなら ば直さなきゃいけないなという、そういうことになってくるのではないかと思うので、ま ずはやっぱりもう少し医療機関がこういうものに関心を持って使っていくことを始めない といけないのではないかというのが、私の意見でございます。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それから、もう一つの質問の中で、データベースを使う前の段階がもうちょっと分かり にくいんじゃないかというご指摘がございましたが、武隈さんのほうから、その点いかが でしょう。 ○武隈氏  確かにこの60万件近くのアイテムのデータベースを毎回毎回ダウンロードするというの は非常に大変な話で、時間がかかるばかりですので、だから、私どもとしては、一度最初 は当然ダウンロードしないといけないと思うんですけれども、それ以降は自動的に差分だ け自動配信するようなサービスを提供しているんですね。毎回、毎回60万アイテムを下ろ していたら時間ばっかりかかってどうしようもないので、最初はデータベースとしてダウ ンロードしてもらうけれども、あとそれ以降は差分だけ毎日私どもとしてはお送りします と。ただ、それが必要であるかないかはそちらのほうの判断でお決めくださいということ で、ですから、まずこのデータベースがあるということをまず皆さんに知っていただくと いうことが、ひとつやはりPRすることが必要なんだろうと。だから、医療情報システム 開発センターのところに医療機器データベースがありますよということで、使い方として はこういう使い方ができますよというところのアナウンスをもうちょっと積極的に行って いくということは、今後行いたいと思いますので。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  ほかにございますか。お願いします。 ○崎原委員  日本病院会の崎原でございます。  今、私どもの病院のほうも、非常にコード化とかバーコードについて非常に興味がある んですよね。それで、いろいろ合理的なものでどんどん入れたいというふうに思っており まして、今、私の病院でもSPD、物流に関してはほぼバーコードのシステムも非常に完 備しておりまして、独立してやっているんですけれども、開原先生のご意見では、せっか くつくったバーコードが患者さんの医療安全のところにせっかくつくったものを利用でき ていないというご意見だと思ったんですけれども、その1つのものとして薬の問題を取り 上げられたと思います。  それで、現在普通の病院で今バーコードを利用しているのはSPDから、例えば薬のこ とを考えますと、HPDから薬局に薬をマスというか、患者さん個別というよりは全体的 な薬で一応下ろして、そこで薬局のほうでオーダリングから流れてきたお医者さんの処方 をそこで調剤するというふうな、そういう形でやっておりまして、その調剤も薬剤師の二 重チェックですね、ダブルチェック。それから、現場の看護師さんたちが投与するについ ても一応ダブルチェックということで、事故を防いでいるんですけれども、誤薬というも のがやっぱりあるというのも、これも事実だと思います。  それで、このバーコードをその流れの中でどういうふうに利用するかということになり ますけれども、調剤というのはもちろん薬剤師しかできないのでございますので、SPD という調剤のところで個別に振り分けることは、やっぱりちょっとそれは法律上もできな いんじゃないかなというふうに思っております。  ですから、そういったところの法制上の問題なんかもあるとは思いますけれども、今の 段階では、それから、一番安全なイメージというのは、黒澤先生の27ページのこの図のと ころですか、ここがイメージとして一番安全な形でというあれだと思うんですけれども、 この薬剤については今大塚先生が言われましたように、点滴については多分これチェック していると思いますけれども、個別の薬になりますとどうしても看護師さんたちが、この ぐらいの小さいような薬を個別に出していくということで、そこのところでバーコードを 取りつけにくいというような事情があると思うんですよね。それはまとめてやったとして も、その袋にバーコードをどこでつけるかというような、そして、つけるその手間隙とか そういったようなところが解決されないと、なかなかここに書かれているような理想的な ものにはなってこないんじゃないかなと思いますので、その辺りの工夫というか、それで 病院のほうもこれを入れるためにはやっぱりコストがかかってくることでございますので、 コストの問題なんかを解決していっていただけたらと思っております。  それから、バーコードにつきましては、今、黒澤委員のほうからも出されましたけれど も、今バーコードを使うと保険請求ができる、そのお金までうちの病院は分かるというこ とになっておりますので、非常に便利なものであるというふうに思っておりますので、こ れからも使っていきたいというふうに思っております。  それから、最後のデータベースの問題なんですけれども、やはり病院のほうがそのデー タベースに期待するところは、医療機材が適応というか、何のためにつくられているか。 それから、価格ですね。それから副作用とか、そういったようなものがあればもっともっ と広がると思うんですけれども、今現在そういうものは載せておられるんですか。私はち ょっと見たことがないので、お聞きしたいと思うんですけれども。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  それじゃ、黒澤さんのほうに対する質問はどちらかというとかなり要望のようなご意見 だったと思うんですが、直接のご質問ということで今、武隈さんのほうからお願いいたし ます。 ○武隈氏  実際に、今、現在私どもがデータベース上提供できるのは添付文書情報ということで、 添付文書の情報のところは載せてあります。  しかし、ご承知かと思いますけれども、添付文書というのは医薬品医療機器総合機構に 各メーカーの方が登録はしているんですけれども、まだほとんど登録されていないという 状況ですので、私どもとしてはできるだけPDFにしろ何にしろ添付文書の情報をやはり 医療機器データベースとセットにして提供したい。  先ほども最後のほうに言いましたけれども、プラス安全情報を、例えば不具合情報であ るとか回収情報であるとか、そういった安全情報も併せて提供できないだろうかというこ とを、今検討しております。 ○嶋口座長  何か黒澤さんのほうでお答えすることありますか。 ○黒澤氏  いいえ。 ○嶋口座長  いいですか。ありがとうございました。  それでは、末永先生。 ○末永委員  全国自治体病院協議会の末永でございます。  開原先生のほうから、なぜ患者全体に使われていないかというようなところで、バーコ ードが患者の安全に役立つという病院関係者の認識が乏しいんじゃないか。これは実はあ ると思うんですね。皆さん、お持ちだけれども、実は私どもは先ほどのリストバンドと実 施者のナースのバーコードラベルと、それから点滴だとか何かをリーダーで読み取ってチ ェックするということをやっております。  やっておりますが、つくづく思いますのは、やっぱりこういうシステムまで至るに随分 初期投資がかかっているわけですね。これは、こういうことというのは全てITの、病院 の中でどれぐらいITを広げるかという問題につながっていく問題だと思うんですけれど も、それをより安価に入れるような方法も併せて考えていかないと、ここの部分だけ論議 しましても、利用できるところは限られているということになってしまうようにも思いま すので、ぜひとも電子カルテをより普及させやすくするための方法も併せて論議していた だきたいと思います。あるいはここでは違う場所かもしれませんけれども、その部分抜き では、これ話がなかなか進んでいかないんじゃないかなと思います。  私、ここの丸バツというのも書いてありますが、うちはベッドサイドの端末までは使っ てはおりませんけれども、一応、ノートパソコンでこういうふうなことをやっていまして、 少なくとも人の間違いについては確実にこういう丸バツも出てまいりますので、それは分 かりますので、それなりに使っている側としては、評価できる部分はすごくあると思いま す。  ですから、こういうようなことは病院関係者が認識していないというんじゃなくて、初 期投資に対する決断、それはやっぱり経済事情にもよりますし、そういうところを何がし か改善する方法も併せて考えていく必要があるんじゃないかと思っています。 ○嶋口座長  ありがとうございました。恐らくまた別のご質問が出るかもしれませんが、このコード の統合化の中で、費用対効果というのはありますから、どうしてもなるべく安価にという のは、応用可能性が高まれば結果的に安価になる可能性があると思うんですが、電子カル テとかいろんなところの使う薬のほうとの機器のほうの何かコードの統合化みたいなこと はあり得るんでしょうか。  開原先生。 ○開原氏  今、薬と医療材料のコードはもう標準化されています。全く同じGS1が使われており ますから、そこは余り問題ないんだと思います。  ただ、先ほど病院関係者の認識がないと申し上げましたが、それ以上に、私が一番申し 上げたいことは、私も医療のITに30年以上関わり合ってきて思うことは、IT化のため の費用が全く考えられないで日本のIT化が進んできたということです。それが、日本の IT化のゆがんでいるところで、それであえて患者安全のための点数の加算をつけろという ことも申し上げました。やっぱり全て物事というのは経済性ということの上に動いていか なければいけないので、ビジネスの世界ではそれがあるからいろんなものが自然に動いて いくわけですが、病院という世界では、そういう経済性によっていろんなことが動くとい うことがない世界です。したがって、ある程度外から誘導していかないといけないのでは ないかと私は思っています。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  ほかに。メーカーさん、卸さんのほうから質問が余りないようですが。  じゃ、諸平さん、お願いいたします。 ○諸平委員  販売業の立場で、一言だけ。さっき大塚先生からご指摘があったように、医療現場では 最小単位に貼付することがやっぱり必要なんですよね。ところが、メーカーさんというの はやっぱり大箱というか、箱にコードを付けるというようなことで今のところ整理されて いるというのが現状だと思うんですね。  ちょっと黒澤先生、アンプル出していただけますか。こういう小さなアンプルにまで貼 付しているわけです、薬のほうは。もちろんそれは、薬の場合は1万数千種、こちらは50 万とか60万で一概には言えないんですが、要は医療現場で使えるのにはこうしないと使え ないんですね、材料も。ですから、これをどうするかということになると、現状は我々販 売業が間に入って非常に苦労しているわけです。一時はこれは薬事法違反で、梱包をばら して1本ずつに貼付することはまかりならんみたいなご時勢もあったんですが、今はもち ろん分割販売とか委託とかそういう中で、医療機関の中で仕事をしているわけです。要は、 こういう状態にならないと現実には使えないんですね。材料、これはもう共通なんですよ、 薬と。ですから、こういう状態にするには、製造メーカーさんに考えていただきたいので す。ただし、こういうことをやるのには相当なコストがやはりかかると。ですから、先ほ ど開原先生がおっしゃったように、医療安全を確保するためにはやっぱりコストがかかる んですね、基本的に。  前回、崎原先生もおっしゃったメンテナンスの問題も含めて、要は安全のフィーという ものをどう考えるかということが1つのやっぱりテーマだろうし、どうしても我々として は最小単位、使用単位でもって医療機関のほうへ提供しなければ、これはメーカーさんに 考えて欲しいんですともかく、そうしないと、一番困るのは医療機関なので、結局今、間 へ入って販売業者がこの仕事をやっていると。販売業者側にも、実際これを仕事にしてい る部分がないとは言いませんけれども、現実そういうことだけはひとつ問題提起をさせて いただきたいと、そんなふうに思います。  ありがとうございました。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。貴重なご意見いただきました。  そのほかに何かございますでしょうか。先ほど大塚委員から。 ○大塚委員  病院のコード化を進めるためには、病院そのものがやはりきちっとIT化されないと無 理です。電子カルテについて当初導入するときに、1ベッド100万円の補助をしますと。そ の次は購入のコストの50%は単年度で償却していいよと。そういう税の恩典があったんで す。今はもうなくなりました。だから、そういう制度をもう一回復活すること。これが非 常に大事なことだと思います。  それから、もう一つはさっき青柳委員から話がありました薬剤についての能書と疾病と のことをちょっと言われましたけれども、これは非常に簡単なことで、病名と能書をきち っとインプットして、それ以外のものを使おうとするとはじき出すと、ペケになるという ことは簡単にできるので、それは非常に簡単だと思います。私どもは既にもう10年前から やっております。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  そのほかに関連的な質問でも議論でも結構でございますが、もしございましたら。お願 いいたします。 ○吉田委員    先ほどメーカーのサービスが悪いというお話がありましたから、一言。  今日のお話をお聞きしていて、医療機関として、やはりコードの標準化というテーマは 非常に重要だと思っておられる。その認識もしているが、ただ、様々な初期投資の問題と 使いやすさ、ユーザーフレンドリーのITシステムとコード化、この問題にまだまだ課題 があるというお話をお聞きして、非常に心強く受け止めました。そのような情報化を進め ていくことが病院にとっても非常に重要なんだというお考えを理解し、私としては今日は 非常にいい方向の確認ができたなと思いました。  実際に10年前にMDネットが立ち上がって、もう既にメーカーと卸の間では標準コード 化の積み重ねをやってきており、また、それに伴ってEDI、電子商取引が着実に進行し ています。既に、昨年度の実績でEDIを使った取引は、MDネットベースでは年間1億 件を超すまでに増加しています。  そのようなトレンドの中で、個包装にコードをつけていくというような流れも、当然な がらコストは上がるかも知れませんが、トータルサプライチェーンのコストダウンをしな がら、ユーザーフレンドリーな実際の使用現場で使いやすい標準コードの付与という問題 も解決していける方向にあるのではないかと思います。全体の効率化、それはメーカーか ら卸から病院まで含めた効率化をそれぞれの負担だけでやるのではなくて、トータルメリ ットを追求しながら、その中でサプライチェーン全体に役に立つ、安全性情報と業務の効 率化、それから国際基準に合った商取引ということが実現できれば、各論に関する問題解 決につながるのではないかと思って聞いておりました。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  大分暑くなってきた中に時間も押し迫ってまいりましたので、ちょっとこの問題につい てまた、いつもそうですが、座長代理の学識経験者ということで三村委員のほうから一言 何かご意見いただきます。 ○三村委員  大変興味深いお話を伺いました。そして、非常によく見えてきましたのは、病院におき ましてもこの問題は避けて通れないし、ぜひ進めたいと思っていらっしゃるということだ と思います。  それから、先ほど言われたように、やはり病院の中で使いやすくするということが一番 でございますし、それから今の話でありますように、トータルのサプライチェーンという 流れの中で、全体のやはり無駄を省くとか、それから安全性を高めながらできるだけ効率 化していくという方向性は確実にあるというふうに思いましたので、とにかくこれについ ては少しずつでも前に進んでいっていいのではないかというふうに感じました。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  どうも今日の議論をいろいろ聞いていますと、コード化を推進するということについて はほとんど皆さん問題ないし、そのメリットを感じていらっしゃるけれども、それに対し て幾つかのややマイナーと言っては申しわけないですけれども、幾らか課題があって、そ の中でさらに国のほうもこういうふうないろいろ推進をやってもらってありがたいと、そ ういうお話があったと思います。いずれにしましても、大分このコード化の問題について は、今日委員の皆様方、理解が深まったのではないかなと、そういう感じがいたします。  そういう意味で、さらにこの議論については、皆様方と共通の認識というものをベース にして1つの形をつくっていけたらいいなと、そういうふうに感じております。  実は、これまではずっと標準コードの問題が中心だったんですが、本日は議題その他と して、ひとつ医療機器業公正取引協議会のほうから、以前当懇談会で説明いただいた立会 い基準、まさに取引慣行の、これは本来は来年度になるんですが、立会い基準、これがこ の業界の中で非常に重要な問題でありますが、それについての補足説明がいただけるとい うことでございますので、当事者の青柳委員のほうからこの資料の6に基づきまして、立 会い基準についてのご説明をいただきたいと思います。  青柳委員、よろしくお願いいたします。 ○青柳委員  それでは、時間をいただきましたものですから、ちょっと説明をさせていただきます。  皆様のお手元に医療機器業公取協より2種類の資料が配布されていると思います。1つ は、こういったコピーで代用しています。それからもう一つは、こういった冊子になって おりまして、この2種類を配布させていただいております。  1つ目が、公正競争規約、貸出しに関する基準及び立会いに関する基準の概要ですけれ ども、この懇談会の場のご議論を聞いていましても、公取協側の説明が悪いと、そう思っ ておりますけれども、そういった形でまだまだ誤解されている面もございますので、改め て今日配布させていただいたというのが趣旨でございます。  特に、立会いに関する基準に関しましては、厚生労働省のご指導もあって十分検討を重 ね、それを明文化して、その後公取委員会に届出をしたものであります。  いろいろと書いてあるんですけれども、ポイントはどういったことかといいますと、関 連法規に抵触しないことを前提として、立会いという行為を全て禁止しているものではな いということです。今までファジーなところで実施していたものを、事業者側でできるこ とと又はできないことを明確にさせていただいたということです。ですから、そこのとこ ろはしっかりと押さえて今後のご議論をしていただければと、そう思っております。  それから、もう一つは、2つ目は、立会いに関する基準の質疑応答集です。これは、も う実施してから1年ぐらいになりますけれども、病院さん側、それから事業者側からいろ んな質問が公取協のほうに寄せられております。  それらの質問をまとめた形で、特に今回は医療機関側の皆様方に軸足を置いた質疑応答 集をつくらせていただきました。それはどういうことかといいますと、この立会いに関す る基準を実施するに当たりましては、医療機関の皆様方のご理解とご協力がないとどうし ても円滑にはスムーズには進まないというのが実情でございます。ですから、そういった 部分においては、ぜひ医療機関のご理解をいただくために、今までいろんな資料を出しま したけれども、改めてQ&Aという形でこれをつくらせていただきました。  そういった意味を含めまして、ぜひ現場でお困りの点ですとか、それから疑問点があり ましたら、これを参考に、また、少し読んでいただいて、また事業者なり公取協に質問し ていただければと、そう思っております。  この入手方法につきましては、事業者側に問い合わせていただければ恐らくいろんな形 でお手元に提供なり何なりができると思います。  概略ですけれども、この2種類の資料を配らせていただいたという趣旨説明を、以上述 べたような形で終わらせていただきたいと思っております。  以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  こういう立会い基準について改めて医療機器業公正取引協議会のほうからそこの情報の 正確性をもう一回理解していただきたいということで出された資料だと思いますが、これ については余り深い議論はここではできませんけれども、何かご質問がございましたら、 青柳委員いらっしゃいますのでいただければと思います。何かございますか。  じゃ、大塚委員。 ○大塚委員  立会いの制限みたいな、その背景は何でしょうか。過度に医療機関が立会いを求めるケ ースがあるためにこういう縛りが必要なのかですね。そこのところの背景がよく分かりま せん。 ○嶋口座長  一言お願いいたします。 ○青柳委員  これは平成5年の中医協の建議書にも書いてありますけれども、付帯的サービスの問題 で不透明な部分があるというところから議論が始まっております。ですから、そういった 形では物とサービスによるところをしっかりと分けなさいというのが背景にあってずっと 来たんですけれども、その中で、今は医療機器も確かに高度化しておりますので、事業者 側のサービスとして結構踏み込んだサービス、あるいは医療関係法規に触れるんじゃない かと思われるようなものもございます。それはユーザーさんから要求される場合と、事業 者側が買って出るという形で、個々の病院で違うと思いますが、今現状はそういう形だと 私は理解しております。  よろしいでしょうか。 ○大塚委員  はい。 ○嶋口座長  今日、中心的な議題であったコード化の問題については、各立場からのコンフリクトは 少ないと思うんですが、立会いのところは少しコンフリクトはあるみたいで、これは来年 度、さらにそこのところを深めていきたいなと思いますが、本日はこういうものが1つ資 料としてあるからというところでぜひ委員の皆様方、それをお読みいただいて確認いただ ければありがたいと思います。  まだまだいろいろ議論があるかもしれませんが、時間がまいりましたので、今後の予定 を含めまして事務局サイドから何かございましたらご説明お願いいたします。 ○矢作流通指導官  それでは、事務局から申し上げます。  本日お示しいたしましたスケジュールに基づきまして、後日日程調整の上、次回は来月、 7月に開催することを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。 ○嶋口座長  それでは、ちょっと今日は暑く、それから次回から、今日皆様方ネクタイをされている 方多いと思いますが、もう全くネクタイも上着も要らないということでよろしゅうござい ますね。今日も要らないよと、私も急いでネクタイだけとったんですが、連絡がまだ周知 していなかったと思いますけれども、次回からは本当に気楽な格好で議論しやすいような 形でご出席いただければとありがたいと思います。  本当に今日は長い間ありがとうございました。以上でございます。 (了)