09/05/22 第4回がんに関する普及啓発懇談会議事録 第4回がんに関する普及啓発懇談会議事録  日  時:平成21年5月22日(金)15:00〜17:08  場  所:三田共用会議所1階 講堂  出席委員:中川座長、天野委員、衞藤委員、塩見委員、       関谷委員、永江委員、山田委員、若尾委員、 (開 会)   渡辺厚生労働副大臣あいさつ (第1部)公開シンポジウム  【プレゼンテーション】  ・“BRAVE CIRCLE” 大腸がん撲滅キャンペーンについて    BRAVE CIRCLE 運営委員会 事務局 山岡正雄    (オリンパスメディカルシステムズ(株)統括本部経営企画部経営企画グループ     課長代理)  ・乳がん検診率50%以上達成に向けた戦略的施策の概要について   〜考え方(方向性)と進め方(推進力)〜    富士フィルムメディカル株式会社執行役員・マーケティング部長 岡本昌也  ・酒田市の取組について    山形県酒田市健康課成人保健係主任 荒生佳代  ・マーケティング手法を用いたがん検診受診率向上の取組について    株式会社キャンサースキャン代表取締役 福吉 潤  【懇談会構成員及び傍聴者の質疑応答】   各プレゼンテーション終了後 (第2部)懇談会・・・カメラ撮り不可、会議は公開  1.事例発表に対してのフリーディスカッション  2.平成21年度補正予算案の概要について報告  3.「がん検診50%達成に向けた」受診勧奨事業に係るキャッチフレーズ等の評価  4.がんに関する普及啓発懇談会事例集の作成(案)  5.その他  【資料】   事例1 大腸がん検診受診率50%以上に向けた行政・民間連携による啓発活動   事例2 乳がん検診を中心として受診率50%以上達成に向けた戦略的施策の概要 について   事例3 酒田市におけるがん検診受診率向上にむけての取り組みついて   事例4 マーケティング手法を用いたがん検診受診率向上の系統的な取組について   資料1 がん対策の推進について(平成21年度補正予算案の概要)   資料2 女性特有のがん対策の推進について   資料3   日本語版:韓国の受診勧奨通知について   資料4−1 がん検診受診率50%以上達成に向けたキャッチフレーズ、イメージ     キャラクター及びロゴマークの募集について   資料4−2 キャッチフレーズ応募作品一覧   資料4−3 イメージキャラクター応募作品一覧   資料4−3 ロゴマーク応募作品一覧   資料5   事例集の作成(案)について   参考資料1 広報誌「厚生労働」特集 がん対策について   参考資料2 第3回がんに関する普及啓発懇談会議事録 ○前田がん対策推進室長  それでは、定刻となりましたので、ただ今より第4回がんに関する普及啓発懇談会を開 催いたします。  なお、その前に初めに、三田共用会議所からの注意事項がございます。国内における新 型インフルエンザ発生に伴いまして、発熱、38度以上の発熱をされている方は傍聴ができ ないということとなってございますので、お申し出いただくようご協力をお願いいたしま す。  委員及び参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中お集りいただきまして誠にあり がとうございます。  本日の懇談会も2部構成にて開催をいたします。前半の第1部、公開シンポジウムにお きましては企業における取り組みや普及啓発活動を実施している自治体の取り組み、及び マーケティング手法を用いた事例発表を、参考人の皆様より行っていただきます。各発表 の後には質疑応答の時間を設けてございますが、この質疑応答につきましては時間の許す 限りフロアの皆様からの質問につきましてもお受けいたしたいと存じます。  また、この公開シンポジウムにつきましてはカメラ撮影はオーケーでございますのでよ ろしくお願いいたします。  次に、後半の第2部懇談会におきましては、第1部の発表内容等を踏まえましたフリー ディスカッション、平成21年度補正予算案の概要の報告、前回募集の報告をさせていただ きました全国共通のキャッチフレーズなどの評価、本懇談会の事例集のイメージ案につい て、ご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、第2部の カメラ撮影につきましては頭撮りのみとなってございますので、ご了承願います。  本日は委員として、天野慎介さん、衞藤隆さん、塩見知司さん、関谷亜矢子さん、永江 美保子さん、中川恵一さん、山田邦子さん、若尾文彦さんにご出席をいただいてございま す。なお、兼坂紀治さんにおきましては、本日日程の都合がつかずご欠席でございます。  また、本日参考人といたしまして、山岡正雄さん、岡本昌也さん、荒生佳代さん、福吉 潤さんにお越しいただいてございます。  最初に開催に当たり、渡辺厚生労働副大臣よりご挨拶がございますので、よろしくお願 いいたします。 ○渡辺副大臣  ご紹介いただきました、渡辺孝男でございます。第4回のがんに関する普及啓発懇談会 が開催されるに当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。  委員の皆様方や参考人の皆様におかれましては、ご多用のところお集まりいただきまし て、誠にありがとうございます。  さて、本懇談会は、がんの病態、検診の重要性、がん登録、そして、がんの緩和ケア等 に対する理解の普及・啓発のための方策について、検討及び有効かつ的確な普及・啓発事 業を実施する会議として、昨年の10月に第1回が開催され、本日で第4回目を迎えること になったわけでございます。  この間、がんの検診の受診率向上を初めとする普及啓発の先駆的な取り組み事例の発表 をもとに、有意義な意見交換がなされたと伺っております。厚生労働省といたしましても、 がん対策推進基本計画の全体目標の一つであります「がんによる死亡者の減少」を図るた め、今年度から国、自治体、そして企業、関係団体が一体となったがん検診受診勧奨事業 を全国展開することにしておりまして、平成21年度予算において必要な予算を確保したと ころでございます。  さらに、平成21年度補正予算におきまして、女性特有のがんの検診推進事業としまして、 一定年齢に達した女性に対し、子宮頸がん、乳がんの検診の無料クーポン券の配布、及び 検診手帳を配布する事業に係る予算を計上しているところでございます。  これらの施策を円滑かつ的確に実施するためには、がんに関する正しい知識をわかりや すく国民の皆様に提供することが極めて重要であると、そのように認識しており、また、 本日ご評価をお願いします、がん検診率50%に向けた全国統一のキャッチフレーズ等によ る事業の展開が重要と考えておるわけでございます。  厚生労働省といたしましても、有効かつ的確な普及啓発事業を実施するなど、がん対策 のより一層の推進に向けて努力をしてまいりたいと考えておりますので、皆様方におかれ ましても活発なご議論をいただければ幸いでございます。  どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。(拍手) ○前田がん対策推進室長  なお、渡辺厚生労働副大臣におきましては、午後4時30分ごろに業務のため退席させて いただくことを前もってご連絡差し上げます。 ○中川座長  それでは、座長の中川でございますが、以後、私が進行役をさせていただきます。  副大臣が起立されたんですが、私はこのままやらせていただいてよろしいでしょうか。  恒例なんですが、この懇談会では、通常何々委員、あるいは何々先生、あるいは何々副 大臣、これすべてなしで、すべて「さん」づけで。これは我々医者はなかなか難しいんで、 ついつい先生と言っちゃうんですが、そのようにさせていただきます。  それでは、まず最初に事務局から資料の確認をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  それでは、資料の確認をさせていただきます。  この資料でございますが、クリップ留めてございますが、外しますとちょっとばらばら になってしまいますので、クリップをつけたままのほうでご確認いただければと思います。  1ページ目から事例1の「大腸がん検診受診率50%以上に向けた行政・民間連携による 啓発活動」、そして7ページ目からが、事例2の「乳がん検診を中心として受診率50%以 上達成に向けた戦略的施策の概要について」、そして18ページ目からが、「酒田市におけ るがん検診受診率向上に向けての取り組みについて」、そして32ページ目からが、「マー ケティング手法を用いたがん検診受診率向上の系統的な取り組みについて」、以上を配布 させていただいてございます。  また、第2部懇談会資料といたしまして、資料の38ページでございますが、資料1とい たしまして、「がん対策の推進について」平成21年度補正予算案の概要、そして、資料2 としまして、「女性特有のがん対策の推進について」が40ページからでございます。そし て、42ページからが、日本語版、韓国の受診勧奨通知について、そして、66ページからで ございますが、こちらが「がん検診受診率50%達成に向けたキャッチフレーズ、イメージ キャラクター及びロゴマークの募集について」でございます。そして、次に、資料の70ペ ージからでございますが、「キャッチフレーズ応募作品一覧」でございます。86ページか らが「イメージキャラクター応募作品一覧」、そして、120ページからが「ロゴマークの応 募作品一覧」ということでございます。それから、後ろのほうになりますが、181ページか らが「事例集の作成について(案)」ということでございます。  そして、別冊で参考資料としまして、広報誌『厚生労働』特集に、山田邦子さんを表紙 としました、『厚生労働』の広報誌と、それから「第3回がんに関する普及啓発懇談会議 事録」を配布させていただいてございます。  また、委員の皆様には、別紙としまして、がん検診受診率50%達成に向けたキャッチフ レーズ、イメージキャラクター及びロゴマークの評価表を配布させていただいてございま す。配布資料の不足等がございましたら、お申し出いただきたいと思います。  それでは、中川座長、お願いいたします。 ○中川座長  ありがとうございました。それでは、第1部、公開シンポジウムを始めたいと思います。  まず最初に、「“BRAVE CIRCLE” 大腸がん撲滅キャンペーンについて」、ブレイブサー クル運営委員会事務局の山岡正雄さんからお願いします。山岡さんはオリンパスメディカ ルシステムズの統括本部経営企画部経営企画グループの課長代理という役職も兼ねられて おります。  それでは、山岡さん、よろしくお願いします。 ○山岡参考人  皆さん、よろしくお願いいたします。  では、今、ご紹介いただきましたが、民間行政連携で行っております大腸がん検診受診 率向上に向けた取り組みである、「“BRAVE CIRCLE” 大腸がん撲滅キャンペーンについ て」、ブレイブサークル運営委員会の事務局をしております山岡からご説明いたします。  まず、キャンペーンの背景ですが、大腸がんというのは、この20年間で死亡者数が2倍 以上に増え続けています。将来の予想では、2020年までに男女合わせましたがん罹患数の 中で、大腸がんが1位になっています。そのような状況ですが、大腸がんというのは早期 で発見した場合、早期治療により100%治癒、完治する特性があります。にも関わらず、ほ かのがんと一緒ですが、大腸がんの検診受診率も18%と低いのが現状になっています。  そのような現状というのを何とか変えたいというふうに願いまして、検診対象世代であ る40歳以上の男女というのを主なターゲットとしまして、2007年2月にブレイブサークル という活動を開始しています。やみくもに情報を発信してもなかなか効果というのができ ませんので、表示してあるように、まず、認知・理解・行動と3段階に分けて、情報を発 信しています。  まず、認知につきましては、広く大腸がんについて知っていただく。ポスター掲示であ ったり、マスメディア広告をやっています。次に、理解につきましては、検診対象世代に 深く知っていただくために、ウエブサイトであったり、展示イベントを行っております。 最後に検診を受ける気になったんですけど、まだ躊躇している方の背中を一押しするよう な行動として、公開フォーラムであったり、出前検診受付というのを実施しています。幾 ら情報を発信してもなかなか広がらないので、ムーブメント化をもくろんでいます。キャ ンペーンの最初に勢いを与えるために、マスメディア広告というのを実施していますが、 それ以降は市民参加型のイベントを行いまして、口コミであったり、マスコミによる報道 を促しています。その仕掛けとして、シンボルマークと音楽を活用しています。  キャンペーン名称、シンボルマークですが、ブレイブサークルという意味、大腸がんに 向き合う勇気、ブレイブを持って、そのような勇気を持つ人の輪を広げるサークルですね、 という言葉を合わせた造語です。色は青色を使っていますが、これはアメリカの大腸がん 啓発キャンペーンというのが青色をキャンペーンカラーにしておりますので、それを参考 にブレイブサークルでも取り入れさせていただいています。  あとは、検診対象世代の40歳代から団塊世代、幅広い世代なんですが、その中で、1つ キーワード、音楽というのが皆さん興味を持っていらっしゃるので、このキャンペーンで は音楽の力で振り向いていただいて、大腸がん検診の大切さを訴えています。これはキャ ンペーン開始時からの団塊世代を中心に支持を受けています、元ザ・フォーク・クルセダ ーズの音楽家の加藤和彦さん、盟友のきたやまおさむさんにオリジナルソング、「手と手  手と手」をつくっていただいて、マスメディア広告であったり、イベントで歌っていただ いています。  その他、ブレイブサークルの基本メッセージとしましては4つですね。大腸がんが増え ていますと、早期発見・治療でほぼ完治します、しかし、早期では自覚症状がありません ので、定期的に検診を受けましょうという、このシンプルな4つのメッセージをいろんな 形を変えて、各活動で繰り返し繰り返し述べております。  活動の拡大イメージなんですが、ブレイブサークル自体、民間企業が集まって、がん対 策推進基本計画のがん検診受診率50%以上という目標を、啓発面でサポートしたいという 考えをもって活動を行っています。立ち上げ時の2007年は、まず、民間企業が集まりまし て、あと日本対がん協会のご支援をいただいて、塩見事務局長にもいろいろご指導をいた だきながら活動を開始しています。2008年、昨年度は都道府県と連携しながれ、啓発イベ ントというのを行っています。今年度以降は、地域であったり、医師と連携しまして、い わばがん対策基本法の5つの当事者と連携しながら、活動を展開していきたいというふう に考えております。  幾つかご覧のように、啓発活動を行っているんですが、主なものをこれからご紹介いた します。まず、47都道府県と連携しまして、公共施設に啓発ポスターの掲示を行っていま す。そのほか、東京のJR原宿駅の文化イベントに参加しまして、原宿駅の大型ボード17 面を貸し切っての啓発を行っています。これはスター混声合唱団のメンバーであります原 元美紀さんというアナウンサーですね、この方は早期大腸がんを治療した経験があります ので、そのような立場から大腸がん検診の啓発というのを情報発信していただいています。  そのほかのブレイブサークルの特徴である音楽を活かしたイベントも行っています。こ れは昨年、東京でいわゆるライブイベントを行っていますが、出演したアーティスト一人 一人が自分の言葉で大腸がんについてのメッセージを発信していただいています。その効 果としまして、翌日の民放ですね。テレビ各社の情報番組で各アーティストの大腸がんに 関するメッセージというのが放映されております。  そのほか、音楽イベントで皆さんが気軽に参加できるような、ピンクリボンほかのキャ ンペーンでもやられているんですが、ウォーキングというのも行っております。これは昨 年5月に横浜で行ったんですが、これもコース上の街中に6カ所、チェックポイントを置 きまして、大腸がんに関するクイズを出しています。ゴール後には、トークイベントを行 って、そこで答え合わせをやることによって、参加した皆さんが知らず知らずのうちに大 腸がん検診の大切さを理解していただくような仕組みになっています。このトークイベン トは、関谷亜矢子さんに進行をしていただいております。  次に、理解・行動を含めた活動をしまして、昨年8月に、福井県で「大腸がん撲滅県民 フォーラム」というのを開催しています。これは通常のドクターが大腸がんについて説明 するというフォーラムなんですが、それプラスアルファに福井県内の市町村の大腸がん検 診を行っています、福井県健康管理協会のご協力をいただきまして、そのフォーラムの会 場のエントランスで、大腸がん検診の出前受付というのぼりを立ててやっています。これ はフォーラムを聞きまして、大腸がん検診を受けたいなと思った人にすぐ検診が申し込め るようなトライアルというのもやっております。  そのほか、各新聞社さんと連携しながら、公開シンポジウムというのも全国で行ってお ります。  実際、参加した人の年齢であったり意識について、これは第2回がんに関する普及啓発 懇談会で、関谷亜矢子さんにご指摘いただいたと思うんですが、大体公開シンポジウムと いうとどうしても年齢が高い人、60代から、かなり後半の70代。この図には出ていないん ですが、どちらかというともう既に検診を受けていたり、大腸がん検診のこともよくわか っている方がいらっしゃる傾向がちょっとあるんですね。それ以外の方もぜひ来ていただ きたいなという解決策が、先ほどご説明しましたウォーキングであったり、トークショー です。これは下のほうの左の丸を見ていただくとわかるんですが、きれいに各年齢に分散 しています。  あとはこのような活動に参加して、「大腸がん検診を受ける気になりましたか」という アンケートをとったところ、おもしろいことに、難しい公開シンポジウムと、軽いという 言い方はあれですが、わかりやすいウォーキングトークショーでもほぼ同じように、71% 前後の検診を受ける気になったという結果が出ていました。これは予想外の結果でした。  そのような結果を踏まえまして、今年度も全国都道府県と連携しながら、啓発活動とい うのを展開してまいります。まずは全都道府県から後援いただきまして、検診啓発のポス ターを貼っていきたいと考えております。そのほか、地図に出ています幾つかの都道府県 と今、打ち合わせを進めておりまして、ショッピングモールであったり、複合施設のもと もと人の集まるところに出向いていきまして、日ごろから大腸がん検診に全く関心がない ような人々に、そういう人たちに参加していただいて、大腸がん検診を理解していただい て検診につなげるという活動を行おうと思っております。  内容としましては、幾つか図が出ていますけど、親子連れでしたら、子供が参加できる ような大腸の形をしたトンネルの中を入っていって、病変のようなキャラクターをとって くるという「探検大腸トンネル」という仕組みであったり、あとは「便潜血検査」という のは、皆さん実は、大腸がん検診イコール「便潜血検査」って、知らない方が意外にアン ケートでとると多いということがわかっていますので、「便潜血検査」の仕組みがわかる ような立体的な、ちょっとしたかわいいモデルですね。あとは啓発パネルを展示しても、 皆さんなかなか読んでいただけないんですね。ですので、パネルの中にヒントをちりばめ たような「クイズラリー」というのを行いまして、ゲーム的に内容を理解していただくと いう仕組みを行っています。このような組み合わせで、今年度も全国的に大腸がん検診啓 発をやりたいなと思っております。  最後にですけど、まだキャンペーンを立ち上げまして3年目になっている関係で、市区 町村の皆さんから連携をという話が今来た場合、残念ながらなかなか応じることができな い現状になっています。そのために、今は各47都道府県の福祉保健担当部門の、がん対策 担当の方に調整いただいて、都道府県単位での連携を進めるようにしております。  以上が、大腸がん撲滅キャンペーンの取り組みなんですが、最後にテレビCMで、先ほ どのご紹介したキャンペーンソングも含めて、15秒のCMをつくっておりますので、ご紹 介いたします。 (CM放映) ○山岡参考人 以上で、大腸がん撲滅キャンペーン、ブレイブサークルの説明を終らせて いただきます。どうもご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○中川座長  山岡さん、ありがとうございました。  それでは、時間が限られるんですが、今の発表について、委員の皆さん、遠慮なく、フ ロアの方からでも結構ですよ。  テレビCMだけじゃなくて、草の根の運動をなさっているというところ、非常に大事な んですよね。やっぱりこれから市区町村がやはり検診の主体になるわけですから、そこと の連携をどうつくるのか。また、いろいろお知恵をいただくのと、それと最後に山岡さん、 おっしゃいましたが、便潜血なんですね。要するに、便を本当に大さじ1杯ぐらい、とっ てくるだけでいいんですね。ところが一般の方がその大腸がん検診というと、いろいろ大 変なことをされる。そういう誤解があって、なかなかCMの中でそれはね。でもそこがや っぱり非常に突破口になるのかもしれないですね。  副大臣、何かコメント、ございますか。 ○渡辺副大臣  先ほどのイベント参加者の意識というところで、公開シンポジウムとウォーキングアン ドトークショーが同じような、最終的にいい結果を出しているということは大変興味深い んで、いろいろ学術的なものを含めたようなものばかりではなくて、やっぱりこういう楽 しみながら、キャンペーンをするというのは大変重要なのかなということをよく示してい ただいたなと思っております。 ○中川座長  関谷さん、このキャンペーンに少し参加されて、何かご感想ありますか。 ○関谷委員  私が関係していたころ、確かにさっきおっしゃっていたように、年齢層がちょっと高い ということと、あと実際に検診は受けてみたいんだけど、どこに行ったらいいかわからな いという方が多かったんですけれども、ちょっと私去年、後半忙しくてお手伝いができな かった間に、現場で受付をされているという検診。これはすごく大きいんではないかなと 思いました。新聞のその募集で応じる方というのは、よくご存じの方が多いんだけれども、 それでもどこでどういう検査をしたらいいかわからないという方が意外に多かったんです ね。先生方、いろんな病院からいらしているので、どの病院がいいんですかと詰め寄られ ても、なかなか、いや、自分の病院ぐらいしか言えなかったり、逆に遠慮深い方はそれが 言えなかったりというのもあったりで、ですから、その場で、それは地域の病院と連携し てという形になるわけですよね。 ○山岡参考人  大体検診主体である市町村の検診窓口に出張していただいたりしています。 ○関谷委員  それはすごく大きな、現実的な一歩を踏み出すためにはいい試みだったんではないかな と思います。あと、とてもカジュアルな楽しみながらのクイズショーというか、トークシ ョーの中でクイズをしながらというのも、物すごく盛り上がったんですね。それはタレン トさんがいらして盛り上げてくださって、ルー大柴さんとかもうお得意だったので、ただ 繰り返し繰り返し同じことを、本当にちょっとくどいぐらい繰り返すと、嫌でも皆さんき っと覚えて帰るし、単純な繰り返しなんだけれどもすごく刷り込まれたんではないかなと 思いますね。ですから、こういった試みで、私もこの結果は初めて見たんですけれども、 同じぐらい行こうと思う気持ちにさせてもらえるんだなというのは大きなと思いました。 ○中川座長  ありがとうございます。最後に、これまだ始まったばっかりですけど、受診率がこれで 変ったという実感はありますか。まだそこまではないですか。3年ですよね。 ○山岡参考人  データとしてはないんですが、いろんな医療機関に聞きますと、例えばテレビCMやイ ベントを見て検診を受けに来ましたよというコメントはいただいています。ちょっと数値 データ的にはまだはっきりは出ておりません。 ○中川座長  繰り返しですけど、便潜血で済むんだ、簡単なんだという、そういうメッセージをぜひ 入れていただくのもいいかもしれません。  それでは、次に参ります。  「乳がん検診率50%以上達成に向けた戦略的施策の概要について 〜考え方(方向性) と進め方(推進力)〜」、富士フィルムメディカル株式会社執行役員・マーケティング部 長の岡本昌也さんから、よろしくお願いいたします。 ○岡本参考人  ただ今、ご紹介いただいた富士フィルムメディカルの執行役員をしております岡本でご ざいます。富士フィルムメディカルという会社は、富士フィルムの国内の医療分野の総発 売元でございます。その中で私は今、このマーケティング関係、主に広告広報、それと啓 発活動全般に携わっているというふうにご理解いただければいいかと思います。  きょう、これから限られた時間でお話しさせていただきますのは、乳がん検診を中心と した、要するに大きなテーマになっておりますこの「受診率50%以上達成」に向けて、我 々医療業界に関わっている自社として、どういう一つの考え方でやっているのか。どうい う進め方をしているのかということを、実績をベースにご説明させていただきたいと思い ます。それは何かの参考になればと思っております。  受診率50%達成に向けた戦略的施策の概要という形で、1つ確認しておりますのは、こ の50%を持っていくに際しての進め方の中で、一般企業でよくよく駆使されているマーケ ティング手法を参考にするということは一つの早道じゃないかなというふうに考えており ます。  人の受診率を物の販売とひっかけて語ることは何だという議論もあるかと思いますけれ ど、一つはこういうことをご理解いただければわかりやすいんじゃないかと思います。 「ヒット商品」と、世の中には「ロングセラー商品」でございます。ヒット商品って一気 に売れて、一気に下がる商材です。ロングセラー商品というのはずっと売れ続いているよ うな商品でございます。ヒット商品の、要するに一過性ブームの商材ではなく、ロングセ ラー、これはリピート商材です。検診に行ったら、要するに2年に一度とかっていうふう な形で何度もずっと継続して受診をするという意味でございます。ロングセラー商品のマ ーケティング市場、その中での需要喚起策とか、例えば、シェアアップ策とか、継続策と いうのがこれに流用できるんじゃないかなというふうに考えました。  2番目、類似例、前回のご説明であったと思います。国民運動の「チームマイナス6 %」の参考事例。非常にいろんなノウハウがあそこに集結されているというふうに理解し ております。あれが使えるんじゃないかと。それともう一つは経鼻内視鏡、口から入れる 内視鏡じゃなくて、鼻から入れる内視鏡という新しい検査手法を、当社主導で3年間で一 気に二百数十万症例に持ち上げたという実績がございます。そのプロセスをご説明させて いただきます。  それと被験者ニーズが検診事業を変える。要するにインターネットの普及を含めて、相 当知識を皆さんが一般の人が持っていると。従来の検診のパターンだったら、なかなかマ ッチしない。その辺の意識というのを根底に置く必要があるんじゃないかなということを 定義させていただきます。  それと今話題になっております女性のがん検診。乳がん、子宮頸がんの受診率アップを 突破口にする。補正予算が衆議院に通ってから、当社の国内にある営業拠点がございます。 上がってくる日報報告書、そう一気に空気が変わっております。自治体、医療施設、無料 受診の話、クーポンの話と、当社に何か情報を知っているかということを含めまして、い ろんな意味で関心が高いということを実感しております。  それとあと5年間計画のあと3年、1000日間のプログラムというものを策定する必要が あるんじゃないか。  そういうことを含めまして、21年度はがん受診率向上のベストチャンスであって、また ラストチャンスであるというような意味で、ご提言をさせていただきたいと思います。  これはご存じかなと思うんですけれど、富士フィルムのテレビCMで、乳がんと経鼻内 視鏡というものの例でございます。今、5つぐらいのこういうCMを流しております。右 の経鼻内視鏡は、昨年度、日本アドバイザー協会主催、第48回消費者のためになった広告 コンクールで、3,278CMで第2位をとりました。なぜそんなにたくさんあるのかなと思う んですけど、BSがあり、CSがあり、地方があり、スポットがありと言ったらそのぐら いのCMになるんですね。その中でナンバー2になったと。これ出来栄えじゃなくて、ユ ーザーが見て、参考になって、アクションを動かしたという、そういう評価のもとの調査 でございます。それで表彰されたということを一つご説明いたします。  鼻から入れる内視鏡というのは、ご経験なさった方あるかと思いますけど、胃カメラの 苦しみを払拭した新しい手法でございます。技術革新によって口から入れるんじゃなくて、 鼻から入れることによって、咽頭反射がなくなった。やっている最中に医師との会話がで きるとか、副作用のリスクがないとか、車の運転がすぐできるとか、映像をリアルタイム で見ることができるなど、そういう評価でご紹介した、普及を進めている商品でございま す。  これを普及するに際しまして、CCDの技術革新で、細い内視鏡ができて、口から入れ る。この細さだったら、鼻からも入るということがわかっていたんですけれど、発売して 3年間で200施設。その中で鼻から入れる施設は約60施設しかなかったんです。開業医中心 で大手病院では全然人気がなかった。関連学会も推奨もしないし、そのような検査手法な んかというのは認めないよというような雰囲気もあった。それと医療従事者の間では、細 経というのは細い内視鏡というのは画質が劣るという先入観で、検討の土俵にも上がらな かったという過去がございます。  これに関して、我々はいろんな実態調査をしました。約60施設なんですけれど、医者が 自信を持っている。お医者さんが非常に自信を持っている。被験者が喜んでいる。発見率 が極めて高いという数値を、3年後にきちんと把握することができた。そこから仮説をつ くりました。ここにいろいろ絡んでいるんです。3年間で200売った経鼻内視鏡を、3年後 に1,000施設。受診者数を80万人に持っていこうと。早期がんの発見率をコンマ3%にやっ て、発見胃がんにおける早期がんの比率を80%以上に持っていく。これはバリウム検査と いうのは大体皆、0.1%で、がんの比率は大体六十七、八%と言われております。それに勝 る一つの目標値でもっていこうという形で、顧客の顧客戦略。ここで言う顧客というのは 医療機関と被験者に対していろんな普及啓発活動をしていこうという形をしました。  いろんなことを一気に短期間でやりました。サインボード、国内の政令指定都市ならび に中核都市等の主要都市においてこういうサインボードを一気につくりました。車内広告、 JR私鉄の中でのジャックをやりました。デモカーを全国に走らせました。テレビ放映。 これもいろんなタレントが出てくるような、そこに書いてあるようなズームインスーパー とかという、朝のテレビ番組からナインティナインの出るようなバラエティ番組とか、主 治医が見つける診療所とかって、いろんなことをやって、最高のときは23%、約二千数百 万人が見たと、スタジオでそれを実験しているのを一般の人が見たというようなこともあ りました。それとラジオ放映をやったと。検査風景をラジオでやるというような、これも すごい反響がございました。それといろんなメディアに記事を書きました。刊行本を出し ました。ドクター向け、コメディカル向け、一般読者向けもやりました。ホームページを 絶えず変えること。リンクネットワークというものを8,000レベルまで持っていきました。 市民セミナーをしました。携帯電話で検索ができ、受診施設を予約できるような一つの仕 組みも考えました。  そういたしましたら、計画1,000施設が3年後には3,100施設。80万人が約240万人の受診 者になっております。きのう、きょう、あしたという日程で、名古屋で日本消化器内視鏡 学会がございます。きのうの発表で240万人じゃなくて、300万人だという被験者数がある 演者から発表されておりました。私たちは大体二百五、六十万は行っていると思っていま すけど、かたく見て240万人というふうな数字を、今、社内では数値として出しております。  それと被験者が経鼻を指定するケースが激増したと。テレビCMが非常に効果があった ということ。その結果、約年8,000人の人間のQOLに寄与した。延命救命効果をしたとい う確認ができております。  プロセスでの一つの教訓というのは、メディアと口コミでございます。メディア戦略の みだけだったらだめだったと。口コミが同時に働いたということ。それと被験者数、胃が ん発見者数を意識した。率ではなく総数。数を意識したということです。それと全国レベ ルでのドクター、コメディカル向けの研究会を頻度多く開催した。そのほか、機器の開発 を進めたムーブメントを展開しました。これはきょう、来ていただいておられます山田邦 子さんにもご協力をいただいて、ピンクリボンの。これも乳がんで我々やっております。 これはマンモグラフィ、乳がん検診というのは日本が低い。特に大都市マンモグラフィの 受診率というのは極めて低い。大阪に至っては3.4%というような数値というふうに報告さ れております。日本においてマンモグラフィ受診率が低いというのは、特に大都市、政令 都市において、こういう数字であると。  この辺に対して、どういう取り組みをするかという形で、きょう皆様方に一番ご説明し たいフレームはこの図でございます。多分こういうことを考えたらいけるだろうというこ となんです。パワーを3つ考えております。推進力と、押上力と引上力でございます。ど うしてもこういうものを上げていこうと思ったときには、この3つのパワーがなかったら だめだと思います。推進力というのはまさに普及啓発活動でございます。押上力というの はインフラでございます。引上力というのは戦略的な取り組みでございます。この3つが 同時進行しなかったらだめだと。  じゃ、今どうなっているのか。17年のベースラインがあって、19年度からスタートをし て、まだ20年度の数字がきちんと発表されているとは聞いておりませんけれど、我々の実 態経済から、我々の取引から考えまして、19年度を下回っていると。先日の朝日新聞の記 事でも、きょう来られておられます塩見さんの発言でもそういうことが書いてあったと思 います。各都道府県、市町村担当者、病院から来ても落ちているということをおっしゃっ ております。2桁レベルで落ちていると言っているところが結構ある。ですから間違いな く、こういうブルーの数字になっているだろう。しかし、目標50%に達して、軌道修正を しなくちゃならない。これがまさに押上力だと思います。  推進力は、今言いましたようなことです。これはもう中川先生中心に非常に進んでいる。 特に乳がんに関しては、ピンクリボン運動を初め、普及啓発活動というのはまずここまで やっているのがないじゃないかぐらいに進んでいると思います。週刊誌、月刊誌の棚を見 ましたら、必ず1冊はございます。きょう持ってまいりました。女性セブン、乳がん特集 をやっています、今週号、掲載されています。極めて中身的にはセンセーショナルで、セ ンチメンタルな記事ですけれど、非常に訴え力がある内容が進んでいると、こういうのが 推進力。なくてならぬパワーです。  それと引上力です。今回の無料クーポン。まさに戦略的な取り組みです。大規模な署名 運動があったというふうに聞いております。国際比較ランキングして、日本が落ちている というようなことも一つの発奮材料になっているというふうなことも聞き及んでおります。  一番大切なのはここの押上力なんですね。インフラのところでございます。今、まだ詳 細が決まっていないという中で、皆さん方、非常に不安視されているのは検診キャパシテ ィーの問題でございます。いつから始まるのか。乳がんの約450万人というような数字を聞 いております。全体で合わせて850万人。さあ、21年度にこれを受け入れられるのか。受け 入れる施設があるのか。さあ、うちはどうやったらいいのか、極めてポジティブなムード で語られているというふうにも感じております。空気が全く変わってきました、ここ2週 間ぐらいで。この辺を本当に押上力として、インフラの再構築が求められていると思いま す。  それと受診率全般に対してのやり方でございます。これは絶対ご参考になるかと思いま す。口コミによる受診率向上策というのがやはり有効なことじゃないかなと思います。こ こに書いています、「I HAVE A STORY FOR YOU…」というやり方なんです。これは口コミ 伝染病と言いまして、よくよく口コミ効果を期待して売っていくときの手法でございます。 18%の受診率というのを18人の人に例えます。そういたしますと、普通は残り82%に対し てどうしようかということを考えるんですが、それをしたらだめだという発想でございま す。18人に対してサポートをするという発想でございます。下に書いています。「18+ (18×2)=54」と。要するに受診して納得している人間に、あなた2人の人間、お誘い ください。半年に1人でいいから受診勧奨をしてくださいという、そのサポート運動をし たときに、50%は行くというふうに読んでおります。82%、圧倒的数が多いんです。その 層に語りかけるある限界があると。ここに、18%のゾーンに注目したとき、一気に臨界点 に達するということをご報告させて頂きます。  それと今回の乳がんは40以上でございます。アラフォーでございます。40から60の間の 女性にあったメッセージを発していく。おんな(女)って書いてあります。主婦もおられ る。母親もおられる。男女雇用均等法で受けた世代です。その世代の琴線に触れる言葉、 そこの生活心情に訴えたような、そういう言葉から発していくという配慮があってしかる べきじゃないかなと思います。乳がん、子宮頸がんを契機に、大腸がん、胃がん、肺がん に持っていくというステップで、こういう一つの語り方がいいんじゃないかなと思います。  それと我々は調査いたしました。受診がなぜ進まないかという一つの大きなポイントの 中で、受診をしようと思っても、施設がわからない。施設で相当先の日を言われる。決定 ができないというやり方です。これは一般の、要するにクリニック、レディースクリニッ クなんかで我々がよく言う言い方で、成功される例が極めて多いという例がございます。 どういうことかと言いますと、自由に検診日を選択可能なそういう仕組みをウエブ上で与 える。好きな日に与えなさいと。あるところは3年間のタームをやっています。あなたの 誕生日、3年間分予約してオーケーですよと。仮予約にして、1カ月前に本予約に持って いって受診に持っていく。要するに日を選ばしてあげるという配慮がある。それと支払い の場合でもカードを使う。リボを使う。マイレージを使うというような、まさに埋蔵金の 世界ですね。そういう配慮というものがあってしかるべきかなと思っています。  まとめてみますと。日本のがん検診率の向上が実現されないといういろんな項目がある と思います。黄色のところに書いてございます。検診施設の受診者視点でのサービス精神 が不十分じゃないかなと。すべてと思います。この場合はそうです。まず検査ドクター、 検査技師の従事者の待遇の改善です。利便性に偏りがある。受診費用の問題。それと複数 同時受診への対応です。乳がんと子宮頸がんを一緒に受けようと思ったときの環境づくり ができていない。それと発見率の精度管理ができていない。朝日新聞の記事によると地域 差は3.5倍ある。これはどうしても偏っちゃいます。それと最先端機器、施設環境、そうい うものを取り揃えて、検診の質の高さと迅速で快適性というものを求めるというようなこ とも一つの策として必要じゃないかなと思います。  それともう一つ、なぜ日本はがんの検診率向上が実現されないのかという。これは対が ん協会のホームページをコピーさせていただきました。死亡率低下のエビデンスから検診 法の有効性を定義している。しかし、実際に受ける人は、死亡率じゃなくて、早期発見の 率を期待している、発見率を判断基準にしている。ここが非常に別に批判して議論しよう というわけじゃないんですけど、一般の人が期待している内容とどうも実際に行われてい る検査法の実際との差があるんじゃないかと思います。この辺がもう一般の人がインター ネットなんかでわかる時代になってきっちゃった。早期発見率の高い検査手法というのが 何なのかということが、学会のガイドラインなんかいろんなところで出てきています。  そういうふうな意味で、検診の指針の再考が必要ではないかと考えます。  最後に医療というのは平時の国防であり、ライフラインです。どんなに経済がおかしく なってもこれだけは守るべきです。がんの受診率の向上というのはある種、国家戦略だと、 そういうふうな意味で、今年度は極めて大切な事業年度と考えて、我々関係する一ベンダ ーといたしましても、いろんなノウハウを提供していきたいと、そういうふうに考えてお ります。  ありがとうございました。(拍手) ○中川座長  岡本さん、ありがとうございました。  ちょっと時間が超過しておりますので、また、ご質問等は第2部の懇談会の中で少しで きればいいと思いますが、しかしいずれにしても、やっぱりマーケティングの分野で実績 のある方がおっしゃることは、非常に重みがある気がしますね。特に口コミが大事、それ から行った人が大事なんていうのはなかなか、普通我々考えないことなんで、大変勉強に なりました。ありがとうございました。  それでは、引き続きまして、「酒田市の取組について」、山形県酒田市健康課成人保健 係主任の荒生佳代さん、よろしくお願いいたします。 ○荒生参考人  今ご紹介に預かりました酒田市健康課で保健師をしております荒生です。きょうは平成 16年より実施しておりますがん検診受診率向上に向けての取り組みについて、お話しさせ ていただくんですけれども、資料が大変多くて、ちょっと飛ばしてお話しさせていただく ことをご了承願いたいと思います。  酒田市です。山形県北西部に位置する港町です。平成17年に3町と合併しまして、現在 人口が約11万人。世帯数約4万1,000世帯です。映画「おくりびと」の撮影現場として、現 在、若干脚光を浴びております。  市の検診実施状況です。検診は集団と個別の両方を実施しております。がん検診ですけ れども、現在胃がん、大腸がん、肺、前立腺と子宮がん、乳がんを実施しております。ま た、胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんは、集団検診に併設して同じ日に受けられる ような形で実施しております。検診の料金です。(4)のアンダー40健診以外は、数年間 は料金のほうの改定はしておりません。生活保護世帯のみ減免措置をとっております。  次から検診の受診率のほうのお話に入りたいと思います。基本健診・肺がん検診の受診 率の推移です。平成16年度以前をちょっとご覧いただきたいんですけれども、赤が酒田市、 青色が山形県の平均、緑色が全国の平均となっていまして、基本健診・肺がん検診ともに、 酒田市の受診率は高く推移しております。次に、胃がん検診・大腸がん検診の受診率です。 こちらのほうは逆転しまして、酒田市の場合、全国平均よりは若干高く推移しているんで すけども、山形県の平均よりは大幅に下回って推移しております。次に、子宮がん、乳が んの受診率の推移です。こちらのほうも胃がん・大腸がんと同様で受診率は県平均よりも 低く推移しております。  次からはがんの死亡率、粗死亡率ですけれども、そちらの推移のほうの話をしたいと思 います。最初に全がんと肺がん。次に、胃がん・大腸がんということでちょっと見ていた だきたいんですけれども、酒田市の場合は胃がん・大腸がんすべてにおきまして、全国平 均、県平均の死亡率と比べて高く推移しております。きょうは資料として持ってきていま せんが、乳がん・子宮がんの死亡率は逆に低く推移しておりまして、全国平均の約2分の 1以下で推移しております。  山形県での平成16年から17年ごろにかけての取り組みをちょっと紹介したいと思います。 山形県はがん死亡率が高いこともあり、「がん検診一次検診受診率向上事業」を県のほう で展開しまして、市町村に一次検診の実態把握調査を実施しております。調査結果で受診 率の高い市町村は、各世帯に検診申込書を配布し、回収をしているということ。受診率の 低い市町村は、広報等を見て、住民が電話で担当課へ申し込みをしているという結果とな りました。こちらの結果のほうは各医師会、保健所で、老人保健事業評価検討会で検討さ れました。  当時の酒田市の現状と課題です。平成15年の胃がん検診受診率は山形県下最低、大腸が ん検診受診率は山形県下でワースト2ということで、全国平均よりは若干、受診率は上回 っているんですけれども、県平均よりも大きく下回っていて、全然伸びていないというこ とが問題になっていました。また、がんの死亡率が全国県平均よりも比べて高くて、特に 胃がんと大腸がんが県の中でも最悪と言われています。  胃がん・大腸がんの検診の受診率を上げることによって、がん検診の死亡率を下げるこ とができるんじゃないかということで考えられました。胃がん・大腸がん検診の受診率を 上げるために、山形県、県のがんセンター、各医師会よりがん検診受診率向上の具体的な 対策を提言されました。こちらのほうは検診受付申込書を全世帯に送付し、郵便で返送し ていただく方法に変えたほうがよいのではないかと提言され、こちらのほうは市とも協議 を重ねました。  次に、酒田市のがん検診の受診率の目標、このような形で定めております。  次に、胃がん・大腸がん検診受診率の向上対策ということで、3つの対策に取り組みま した。1つ目としては啓発活動の強化、2つ目としては検診案内申込方法の改善、3つ目 としては人間ドック受診者の増大を図りました。いずれも県と地区医師会、委託検診セン ターとの協力が必要でした。  対策の一つとして、啓発活動の強化のほうを行いまして、市民公開講座の開催とか、各 地区のがん予防教室を中心に行いました。対策2として、検診案内申込方法の改善を行っ ています。今までの電話による申込方法から、平成18年実施分より案内書、申込書、返信 用封筒を全世帯に送る受付方法に変更しております。こちらのほうですけれども、申込方 法を変更するに伴い、約900万円ほどの予算が必要だったため、年度途中で補正予算をして おります。こちらのほうがちょっと薄くて申しわけないんですけども、調査表です。申込 書の回収率ですけども、大体18年から20年度にかけて66%から67%を保っております。  あと3つ目の対策としては、人間ドックの受診者を増やすということで行っています。 こちらのほうは委託検診センターの移築に伴い、定員数と日数を拡大したところ、約1,400 人の増加につながっております。  あとそのほかの方法なんですけれども、A地区というちょっと小さい地区なんですけれ ども、集団検診において166名ほどの基本検診を申し込みしてくれた方に、全員の方なんで すけれども、大腸がん検診の検査キットのほうをお送りしております。押し付けというよ うな状態だったんですけれども、検査キットを送ったところ、前年度29人の受診者からい きなり57人にということで、受診の方が増えました。  平成16年以降の対策実施後のがん検診受診率の推移です。平成16年度からがん検診受診 率の向上に取り組み、平成17年度は合併の影響もありましたけれども、平成19年度までは 各がん検診の受診率は向上しました。ただ、平成20年度は先ほどの岡本先生のお話にもあ りましたけれども、申し込みをしてくれた方は増えたんですけれども、国民健康保険加入 者のみによる特定健診の影響を受けまして、同時に受診可能な肺がん、大腸がん、胃がん の受診率は2.4%から10%ほど減少しました。こちらのほうは社会保険加入者本人や被扶養 者の方の受診率が激減したことが原因と考えられております。子宮がんと乳がんの受診率 は現在計算中ですけれども、子宮がんとしては若干の落ち込み、乳がんは落ち込みなく、 昨年と同様な受診率を保つような形で今計算しております。  平成20年度のがん検診受診率の向上の取り組みということで、年度途中から各がん検診 の受診率が伸びていないという状況を把握しておりましたので、啓発活動を強化し、あと また未受診者の方に案内を送付し、人間ドックの拡大も行っております。  こちらのほうは11月1日後の広報に掲載しましたがん検診の特集です。新たな取り組み として、がん検診からがんが見つかった方の体験談を掲載しております。こちらのほうは 同じ11月なんですけれども、がん講演会・市民公開講座のほうを共催しております。こち らのほうは地域がん診療連携拠点病院が主催しておりまして、市のほうも共催というよう な形をとっております。昨年度は乳がん検診と治療をテーマに講演とパネルディスカッシ ョンのほうを行いまして、乳がん検診の受診のPR増を図るために、酒田市健康課健康福 祉部の地域医療調整監、課長になりますけれども、課長がパネリストとして参加しました。  平成21年度の取り組みです。受診率50%の達成どころか、昨年度落ち込んでしまった胃 がん、大腸がん、肺がん検診の受診率をどのように回復させるか、現在検討しております。 ただ、酒田市単独自治体のみの活動では限界を感じておりますので、まず1つ目としては 地区医師会と協力して、がん検診受診率の低い地域へのアプローチのほうを検討していく 予定になっております。あと2つ目、地域職域連携の必要性ということで、こちらのほう は保健所にて、がん検診受診率向上の研究会を立ち上げまして、保健所・市町・検診機関 ・産業保健関係者の関係機関と協議し、受診率向上の方策を検討する予定です。  以上、報告させていただきます。ご清聴、どうもありがとうございました。(拍手) ○中川座長  ありがとうございました。何か特にここは言っておきたい、聞きたいということはあり ますか。もしなければ、ちょっとまた時間があれなので、第2部懇談会の中のディスカッ ションで取り上げたいと思います。  続きまして、「マーケティング手法を用いたがん検診受診率向上の取組について」、株 式会社キャンサースキャン代表取締役の福吉潤さんからお願いします。 ○福吉参考人  それでは、よろしくお願いいたします。私、キャンサースキャンという会社の福吉と申 します。  私どもキャンサースキャンは、どのようにしたらがん検診の受診率が向上できるかとい ったことの調査研究を、国立がんセンターの先生方とさせていただきまして、そこで得た 知見をがん検診実施主体の自治体の皆様方に情報提供をさせていただくというようなこと を主な取り組みの内容としております。本日は、系統的な取り組みについてということと、 マーケティング手法を用いた方法で、いかにがん検診受診率を上げられるかということに 関して、ご報告差し上げたいと思います。  非常に簡単なスライドをご用意しておりますので、前方のスクリーンをご覧になってい ただければと存じます。  最初まず数字を幾つかご紹介したいんですが、これはとある調査なんですが、ピンクリ ボンの認知というものを図ったものがございます。平成17年に図ったときに、ピンクリボ ンというものが乳がん検診を受診しましょうということのシンボルであるということを知 っているかどうかというのを聞いたところ、48.4%。これがたった2年間で69.6%まで上 がっているというような、すばらしい結果かなというふうに思っております。  私自身も昨年のウォークイベントではボランティアで参加させていただきまして、非常 に頼りないボディーガードではあったんですが、山田邦子さんのボディーガードとして、 ウォークイベントを伴走させていただいた。じゃ、そこで受診率どうだったのかというの は当然知りたいところでございますが、受診率をやはり見てみると、16年が19.8%に対し て、19年、3年間たってもほとんど増加が見られないというのは非常に残念なところでご ざいますが、私が申し上げたいのはピンクリボンという活動が無駄だったということを申 し上げているわけではなく、これにプラスして何かが足りないんじゃないかと。この何が 足りないかということを少し系統的に、理論的に何か探っていくことができないとかなり やみくもなアプローチにならざるを得ませんので、非常に効率が悪いだろうと。  我々がそこで行ったことは、受診率を上げるということに対するその実証的な証拠があ るものというのが、世界的にほかにないものだろうかということのリサーチを続けまして、 こういった報告をまとめております。(スライド3枚目)これはアメリカで調査している ことなんですが、いろんな取り組みがされる中で、受診率が向上したという証拠があるも のとないものと並べてみました。その結果、非常に驚いたことにマスメディアが単独でキ ャンペーンを行うときには効果が見られたことというのが世界的にまだないということな んですね。ですから、やはり先ほどの話になりますが、何がじゃ足りないのか。単独じゃ だめだというんであれば、何と何が一緒になったらできるのかということを知りたいわけ でございます。  そこで少し理論的な枠組みをご紹介させていただければと思うんですけれども、こちら (スライド4枚目)が公衆衛生学という学問で用いられるHealth Belief Model というも のでございます。左端にがん検診受診率向上というものを置きまして、ピンクリボンなど の活動を通して、意識が向上するというのが一つの方向なんですが、何が足りないのか。 実はあと2つ足りないという部分がございます。  2つ目が、意識が向上した方がせっかくだから受けに行きたいと思ったときに、例えば、 検診キャパシティーが足りないから、もう今年は受け付けられませんというような自治体 も、実際問題としてございます。あとはやはり触診なんかをされる場合にはやはり女性の ドクターじゃないと嫌だなということであったり、休日に受けたいよという方がいらっし ゃったり、検診車で裸になるのが嫌だなというような、障害を排除して受けたいと思った 人が受けやすい環境づくりというものが、2つ目に絶対的に必要なわけでございます。  ただ、じゃこれで本当に事足りるのかというと、もう1点、実はありまして、実はこれ が非常に大事なんですが、きっかけの提供という部分がございます。がん検診というのは、 自覚症状がない人を医療機関に引っ張ってくるわけですから、正直言うと、いつか受けよ うと思っていても、いつでもいいやという感覚に非常に近いんですね。ですから、乳がん 検診を受けたくないわけじゃなくて、いつか受けようと思っているんだけど、なかなかず るずるちょっと忙しくてねという方が非常に多いわけですね。この方にせっかくだから今 受けようかなと思わせるようなきっかけの提供というもの、これらを3つそろってやって いかないと、受診率向上に対してインパクトがないということはこういったことからもわ かってきてございます。  これをもう少し別な観点からご紹介差し上げたのはこれ(スライド5枚目)なんですが、 これは行動変容のモデルといいまして、左端に無関心、人が何かに対して無関心である状 態から、関心を持ち、行動に至り、その行動を維持するということが、このがん検診にも 当てはまるわけなんでございますが、無関心期の人を関心期に持っていくために重要なの がこの意識の向上。関心を持った人が受けたいなと思っていくところに対して、障害を排 除していったり、きっかけを提供していったり、異なる要素が段階ごとに絡んでくるとい うことがわかってございます。ですので、ピンクリボンが無駄というわけではなく、ピン クリボン意識の向上の後に障害を排除して、きっかけの提供をしていくということをして いくと、逆にこれはピンクリボンの効果、ブレイブサークルさんの効果によって関心期に 人が現状今どっとたまっているわけですから、障害を排除して、きっかけを提供していけ ば、ふくらんだ風船に穴をあけるように、一気に受診率が上がるという希望はあるわけで ございます。  この意識の向上、障害の排除、きっかけの提供この3つの点に関して、これまでは基本 的には自治体が中心になってやってまいりました。例えば、意識の向上を図るために、広 報紙に記事を載っけたり、障害を排除するために予約方法の簡素化を先ほどの酒田市さん の例でもありましたが、なされたりというようなこと、あとはきっかけの提供ということ では、これも酒田市さんのご事例にありましたけれども、個別の受診勧奨、個別の案内を 送るというようなこと、自治体はこれまで取り組んできたわけでございますが、当然なが ら、企業もしくはNPOといったものの果たせる役割というものも大きいわけでございま す。例えばその企業さんのピンクリボンの活動は意識の向上に役立っておるわけでござい ますが、障害の排除という点に関しましても、職場で検診をするとその検診の受診率は非 常に高いんですね。会社の前まで検診車が来てくれると、せっかくだから受けようかなと いうことで、社員の大体検診受診率は、70%ぐらいに上がったりもするという事例は数多 くございます。こういったのは障害を排除しているというふうにとらえられるわけです。  あとは先ほどブレイブサークルさんの例でもありましたが、大型スーパーでの検診なん かをやっていくというような、企業さんならではの活動ということも可能なのかなと思っ ています。  大事なのはこの2つ、自治体と企業がきちんと連携してやっていくという必要がござい ます。例えばよく聞くのは、ピンクリボンさんの活動が10月です。10月に受けたいな、せ っかくだから受けようかなという方がいらっしゃいます。そういったときに市役所に電話 する。そうすると、「すみません、今年の検診はもう締め切っています」ということが、 実際問題数多く起きています。これはやはり連携をとっていかない限り、せっかく受けた いなと思った方が受けられないという状況になってしまうと、結果的に意味がありません ので、ここの連携というのは非常に大事なポイントになってございます。  これ(スライド7枚目)が今日の1点目の話でございまして、こういった連携というも のが一つのキャンペーンの枠組みの中で語られるかとは思いますが、今日の2点目の話と して、キャンペーンというものが最近非常に難しくなっているという背景をごくごく簡単 にご説明差し上げます。  これは総務省が発表しているデータになるわけなんですが、上のほうにぐっと登ってい る数字が世の中にあふれている情報の量というものを一つの数値化にしてあらわしており ます。その下のほうをはっておりますラインが、これが我々が、消費可能、要するに目に することができて、そしゃく可能な情報の量というものなんです。これは平成11年のイン ターネットの普及を境に一気に情報量に差が出ておりまして、現状、どういうことかとい うと、世の中にあふれている情報の99.7%の情報は、皆さん届いていないという状況があ ります。  人が1日に見る平均のコマーシャルの本数は50本から70本と言われますが、思い起こし ていただいても、きのう見たコマーシャルを挙げてくださいと言うと、恐らく挙げられる のは2本、3本程度。ほかのコマーシャルは見た記憶すらないということが起きているの は、明らかに99.7%の情報は届きにくくなっている。  というのはどういうことかというと、昔は大事な情報であれば、みんな見てくれるであ ろうという時代があったわけなんですが、今やこれだけの情報量がある中で、取捨選択す るという作業がありますので、自分にとって本当に必要な情報しか見ていられないという 状況にあります。  そのときにどうやったキャンペーンをやっていくと、本当に自分に必要な情報として見 てもらえるのかというポイントが非常に困難なわけでございます。  これまではキャンペーンをやるというようなことになった場合に、例えばテレビなのか 新聞なのか、雑誌、インターネット、どういったものを使っていこうか。こういう議論が メインであったわけです。これをいかに届けていくのかということがメインだったわけな んですが、これはスライド8枚目あるマーケティングのフレームワークでいうところのH OWというポイントで、どのように伝えていくのかというポイントなんです。  ただし、現状はやはりこれだけ情報が錯乱している中で一番大事なのは、何を伝えてい くのか、WHATのほうがより大事になっているわけですね。さらに状況を困難にしてい るのは何かというと、このWHATが一人一人違う。いろんな方が世の中いらっしゃるわ けですから、この人にとってはこのWHAT、この人にとっては別なWHATというもの がある。自分にとって本当に必要な情報のみ認識される時代において、1つのWHATを 数多くのHOWで、同一に提供していけばいいという時代は既に終焉を迎えているんでは なかろうかというふうに思っております。  ですから、キャンペーンを考えていくときの順番として、HOWから考えるのではなく、 まず、WHO、どのような方たちが世の中にいらっしゃって、どんな情報を求めているか、 WHAT。そしてそれをどのように伝えていくのか、HOWと。この順番で考えていくと いうのが非常に大事になっているわけでございます。  これを骨粗鬆症のキャンペーンで少し振り返ってみたいんですが(スライド9枚目)、 骨粗鬆症のキャンペーン。私、骨粗鬆症と何度発音してもうまく発音できないわけでござ いますが。WHOを最初考えていたときには、40代以降の男女全員ということで、WHA Tは「早期に検査を受けましょう」というかなりばく然としたメッセージなんですが、こ れだと皆さんにとって、余りぴんと来ない。そこで考えたのは、もう少し50代の女性に絞 って考えてみたときに、彼女たちが本当に関心のあることは骨粗鬆症のことではなく、 「骨粗鬆症にかかって自立を失って家族の負担となってしまうこと」であったわけです。 というんであれば、WHATはかなり変ってくると。「家族に負担をかけない自分になる ために骨粗鬆症を予防しましょう」というメッセージになってくるとより効果的だという ことがわかったわけでございます。  実際のCMがあるんですが、これは割愛させていただきます。  効果的なメッセージを開発して、いろいろな調査をふまえて(スライド10枚目)キャ ンペーンを立ち上げていきましょうという話が今日の二点目でございます。  最後の話ですが、受診率が向上すると、がんの死亡率が低下するということを思われて いらっしゃるわけなんでございますが、実はこれは若干違っておりまして、どういうこと かというと(スライド11枚目)、まずは有効性のあるがん検診を行うということ。有効 性のないがん検診がかなり世の中でまだ行われております。そして有効性の認められたが ん検診をきちんと制度管理した上で行うという状態が整った上で、受診率が向上するとは じめてがんの死亡率が下がるということですので、ホップステップジャンプという役割の 中では、ホップステップをまずきちんとやるというようなことがあって、初めてがん死亡 率が低下すると我々は思っているわけでございます。ですから、この中の皆様におかれま しては、このことも含めまして議論をしていただけると我々としても非常に助かるかなと 思って、最後にまとめさせていただきたいと思っております。  ありがとうございました。(拍手) ○中川座長  福吉さん、ありがとうございました。  私の不手際もあって、ちょっと質問をよろしければ、第2部の中でと思っております。 このまま第2部懇談会のほうに入らせていただきますけれども、よろしいでしょうか。  恐縮ですが、カメラ撮影はここまでということにさせていただきますので、どうぞよろ しくお願いします。  それでは、15分ぐらいしか時間がないんですけれども、まずきょうお話いただいた4つ のプレゼンテーションに対して、自由にコメント、ご質問等ありますでしょうか。  お願いします。 ○若尾委員  どうもいろいろすばらしいお話ありがとうございました。いろいろお聞きしたいことが あるんですが、1つは岡本さんの発表の中で、全体の12ページ、スライド番号10番のとこ ろで、プロセスでの教訓として、率ではなく、数をターゲットとしたということが非常に 有効だったと。それはどのようなことなんでしょうか。数をすることでどういうメリット が、どういう効果があったのかということですが。 ○岡本参考人  1つは、率の、これは例えば会社自体でもそうなんですね、会社自体も。もう率で一喜 一憂しちゃうと。数量的に、これはもう感覚の問題なんですよ。一つ非常に参考になった のは何か言ったら、マリナーズのイチローなんですよ。マリナーズのイチローって、5年 前の打率はってわからないんですって。打数はというとわかるんです。今、打っている率 はわからない。打数はわかると。絶えず、その打数を総数を上げていくということで、関 係者のベクトルを合わせたと。そういうふうなご理解をいただいたほうがいいと思います。 ですから、東京都の1%と鳥取県の1%、全然意味が違いますよね。そういうふうにご理 解いただければと思います。 ○中川座長  逆に発表された方が、もしもう少しここを言いたいというようなことがあれば。山田さ ん、何か難しい顔をしていますけど。 ○山田委員  いや、みんなわかりやすくていい会だったなと思いましたけど、大腸がんはやっぱり中 川先生もおっしゃいましたけども、検便…… ○中川座長  先生じゃないですよ。 ○山田委員  あっ。検便がね、かなり発見で有効だというのは、山岡さんにお会いしてから、私も知 ったことでね。それをもうちょっとすてきなコマーシャルをつくるんであれば、歌ってい らっしゃった方でも検便がいいですよって、一言言うような、雰囲気づくりがいいとか、 そういうのはちょっともったいないなと思いましたね。もっと的確にグロテスクでも、死 なないほうがいいわけですから、そういう時代が来ているんじゃないかなというふうに思 いました。  それから、酒田市がすごい安い検診料なんですよね。それはいいですね。何かうらやま しいなと思いました。  あとは乳がんは、もう私はかかってからずっといろいろ啓蒙活動やら、キャンペーンや らいろいろやってきているのにも関わらず、検診が上がっていないとなると、やっぱり乳 がんにかかって死なないとだめなんだなみたいな気持ちに、何かこう落ち込んでいくよう な感じがとれました。乳がんで、こんなに大丈夫なんですよと言うと、あ、じゃ、大丈夫 なんだから行かなくてもいいのかというふうにとらえている人がいるんじゃないかなと思 って、必ず乳がんでも手遅れならば死にますからね。そこのところをやっぱり死というこ とをきちっと言っておかないといけないんだなというふうに思いました。 ○中川座長  ありがとうございます。本当そうなんですよね。早期がんと進行がん、別な病気。そう いうふうな意識を持ってもらう必要があって。  あとは、酒田市のデータもそうですけれども、あるいは塩見さんも言われていますが、 20年度減っている可能性がかなり大きいと。一方、やっぱり岡本さんの提言などで、下が ったのは最初の1年。ですから、本当に21年が大事ですよね。ですから、ここは本当にも う一丸となって取り組む必要があるし、例えば大阪が低い。東京も1桁以下ですよね。や っぱり案外と検診は地方のほうはやられている傾向がある。検診車なんかしっかり行った り。東京なんかが何となくやっているように思えるんですけれども、集団検診ではなく、 施設に行くときに施設のキャパシティーの問題。これが非常に大きいですよね。  ですから、やっぱりその辺は自治体ごとに、一体うちらはどれほどのキャパシティーが あるかということを知る必要があるし、もしないんだったら、その近隣の市町村と連携を とっていく。それが必要ですよね。きっとその受診者から、希望者からここで受けようと 思ったんだけど一杯だ。じゃ、どうするんだという話が、その自治体、市町村の窓口にか なり行く可能性があって、そういうときにどうするかということも少し考えておく必要が あって、これはもう全くの私見ですけれども、例えばそういうことをコントロールする窓 口がどこかにないといけないんじゃないか。かなり殺到すると思うんですよね、電話なん かが。これはやっぱりどういうふうに対応するか。そういう仕組みを含めて考える必要が あるような気がします。  塩見さん、どうぞ。 ○塩見委員  今おっしゃったのと全く同感でして、これは後の話になるかもしれませんが、今度の無 料がん検診は非常に重要なことで、千載一遇のチャンスのように我々思っています。けれ ども、これはやはり受診できるところのキャパシティーが、ちょっと机上の計算を簡単に するだけでもそう多くない。  じゃ、キャパシティーがないからこれで終わるのかと言ったら、非常にもったいない話 になる。当然、今度の無料検診についても、あるいは地方交付税の倍増についても効果が あらわれてくるのは秋以降になりますよね。21年度は非常に正念場の年なんだけれども、 後半期、秋以降にどう検診を実施していくか。この半年でどうやっていくかということが 非常に大事なので、そこは皆さん総力を挙げて、インフラ構築というのをきちっと考えな いといけない。せっかくいい政策ができるのに、それに対応できないというのは怖いです ね。 ○中川座長  山田委員、お願いします。 ○山田委員  ちょうど友達が検診したいって言ったのに、検診できない病院があるというのを、これ、 自分も本当に勉強不足だったんですけど、今月知りまして、私は早期発見、早期治療を力 一杯訴えているのに、ああ、私のところはできないのかとかね。そういうことがよくわか ってがっかりしたんですね。だから、国立がんセンターはできるんですか、検診が。 ○若尾委員  検診やっています。 ○山田委員  できる病院、しかも優秀というのを早急にまとめて、どこに行ったらいいの、今、最後 の福吉さんのお話もそうだったけど、もうほとんど1本釣りみたいな感じでもいいと思う んです。あなた、行きなさい。あなた、行きなさい。じゃ、いつ。今、きょう。そういう 感じで、じゃ、どこって言ったときにちゃんと言える。これ、やっていかないといけない なって思いました。 ○中川座長  そうなんですね。だからやっぱり予想される問題にあらかじめその対策を考えておかな いといけなくて、1つはどこへ行ったらいいのかということ。確かに東京都のある区なん かでも、やっぱりマンモグラフィを持っている医療機関が本当に少ないなんてところある んですよね。 ○山田委員  何で検診しない病院があるんでしょうね。何かね、混んじゃうからなんだって。悪くな った人から診ますっていう。 ○中川座長  検診は医療行為ではないから、そういうやらなきゃいけないわけではないんですけどね。 ○山田委員  それ、何かちょっと考えていかないと、検診しなきゃ病気だって見つけられないんです から、ちょっとおかしいなと思いました。 ○中川座長  そうなんですよ。全体的な、がん対策全体から見たら、進行したものを本当にこう最新 医療で治すよりかは、やっぱり早く見つけたほうが全体的にはその患者さんも楽だし、医 療費だって抑えられるはずなんですよね。 ○山田委員  でも世の中にはたくさん病気で戦ってる大変な人がいるんだから、検診車まで受け付け ていてはドクターももう間に合わないしとか、そういうふうに何か当たり前みたいに答え られたのがちょっとがっかりしましたね。 ○中川座長  そうですね。でもテレビなんかでも、結局、最新鋭の治療とか、あるいは余命何カ月の 何とかとか、そういう進んだ方をどうするかという話はやるんだけども、検診をやって早 く見つかって、そして治療したら確かに早期がん、早期の大腸がんというのは、乳がんも ほとんどそうですけれども、もうほとんど治るんですよね。でもそういうのって余り取り 上げられない。そういうところもありますよね。  そのメディアの問題は一つまた福吉さんが出されたこの33ページの出発点と書いてある。 これもなかなか非常に印象深い。つまり、マスメディア単独だと効果がない。エビデンス がないということですね。これはやっぱり心しなきゃいけなくて、やっぱり今後その企業 と連携したような動きの中で、ただCMやればいいということではないということをやっ ぱり考えておく必要があるんでしょうね。 ○若尾委員  今の関係で、福吉さんがやられるアプローチ、非常に理論的で、聞いていて、ああ、な るほどと思うんですけど、今まで既にこういうアプローチをされているというのは、もう 取り組みとして行われているんですか。それともまだこれからというようなものなんでし ょうか。 ○福吉参考人  幾つかの自治体と共同して、この3つに対して取り組みを同時に進行していくことによ って、受診率を上げていこうという取り組みは既に進めております。幾つかの自治体、実 際に受診率向上に対してのインパクトがあったという事例も持っております。 ○若尾委員  そうすると、それを幾つかの自治体。今はプレスタディみたいな形だと思うんですけど、 そこでとどめるんではなくて、やっぱり全国展開するような形で、全国で効果的な受診勧 奨を進めていただくということがやはり必要になっている。 ○福吉参考人  もちろんでございます。成功事例を数多く、先生方、また厚生労働省にフィードバック させていただいて、それを国のサイドから施策として全国展開していただければ幸いかと 我々進めております。 ○中川座長  天野さん、何かきょうの4つの話を聞かれていて、何かご感想はありますか。 ○天野委員  岡本さんの話の中で、1つ興味深かったのは、幾つかの受診率向上策の一つとして予約 方法、決済方法の検討とか、サービス精神。ウエブでの予約ができたりとか、検診のあき 情報の提供ということで、先ほどそういったキャパシティーや機会が十分でないという中 で、こういったウエブでこういった情報が自由に見れて、かつ予約もできるということで あれば、キャパシティーの不足もある程度は解消に向かうことはできるかなと。それと当 然、利便性も向上するということで、これ、非常に利用者の視点として、これはぜひあっ たらいいなと思うんですが、現時点でこういったものは既にあるんでしょうか、これは。 市区町村も多分、範囲だとか余るようなものがあるかと思うんですが、事務局の方とか何 かそういった。 ○中川座長  恐らくその個別の医療機関、検診機関にはあるはず。ただそこがだめだったら、じゃど こというところがなくて、ですからそれはやっぱりどこまで広げるかともかく、例えば都 道府県の中でそういうサービス、ネット上で、では近く、ほかの病院がここにあるみたい なこと。そこのあきがよくわかるようなことまで、もしできればね。すごく有効かなとい う気はしますけどね。  衞藤先生、言っちゃいました。すみません。衞藤さん。 ○衞藤委員  きょうは、とてもなるほどと思うことがありました。そして、総じて言うと何か理想的 なモデルをつくって、そこに向かって、例えば検診の人々が行動するという、そういうこ とが当てはまらない時代に来ている。やはりこう具体的に、今の予約の問題もそうですけ れども、その人がもう行動に起こせるような、そういうシステムを提供して、その人、そ の人に応じたレディーメイドって言うんでしょうか。そういう医療で検診が受けられるよ うな受け皿をつくっていかないとこれからいけないのかなと、非常によく感じました。  知ってわかって行動する。その行動するその押し上げるところというのは、今のウエブ が発達したとか、それから電話とかいろいろ複数のルートで、人々が最も自分に合った方 法でできるようなことというのは大事かなと思いました。 ○中川座長  そうですね、わかりました。ありがとうございます。  やっぱり今後、実際取り組む市町村との関係というか、そこをどう巻き込んでいくかっ て、これは非常に重要なんだろうと思うんですね。  永江さん、何かそういう自治体との取り組みについて、何かお考えありますか。 ○永江委員  きょう、4名の方のお話伺って、例えば岡本さんや福吉さんからマーケティング観点で いろんな分析とご提案があったと思うんですが、確かに運動だけだと動きにつながってい ない。ピンクリボンの例もあったんですけど、認識は高まっても、じゃ、受けに行きます かというところが難しいですね。その中では山岡さんのお話の中で、福井県の例がありま したよね。啓発をやりながら、気持ちを高めて、その場でもう実行。出張で検診の受付を するということですね。まさに企業的なもの、民と自治体とのうまい連携という形だと思 うんです。  山田さんのお話とかにもありましたけど、実際に受けようと思った方がどこに行けばい いのかとか、どうしたらいいのかわからないんだったら、もうその場でその答えが出てす ぐ実行に動かせるような、出向いていくような動き。それを自治体ができればいいと思い ますし、あとは荒生さんのお話で、興味深かったのは、がん対策の推進計画の中で、都道 府県におりていますよね。県からまた市にいろんなアクションということがおりていくん だと思うんですけど、非常に県がきちんとした意思を持たれていて、市もそれに向かって 独自に活動していらっしゃるというところで、地元にいろんな企業もありますし、今後企 業連携ということも国のほうでも予算をとられていくようですけれども、うまく民の力を 使って連携できたらいい我々も企業としてはそういうことに積極的に参加をしていきたい と思っています。 ○中川座長  ありがとうございます。  じゃ、最後に。 ○岡本参考人  それに関連いたしまして、我々よく市民セミナーをやるんです。市民セミナーをやるた びに、非常にじくじたる思いをするのは何かと言ったら、最大な関心事に対して答えるこ とができないんです。来た方は何を言うかって、どこに行ったらいいんですかと。これは 医療施設を紹介するというのは、医療法69条の患者誘導になるという形。  ですから、講師の先生を連れてきたら、講師の先生のところにみんな行っちゃうんです。 300人、500人規模で啓発活動したら、もうあとたまらないと。インターネットで調べるの は、これは不特定多数じゃなくて、特定多数なんですね。ある意図をもってやるから。だ からそこでたどり着くのはいいんですけど、多くの人はそこで知りたいんです、医療機関 を。何かその辺のこれ…… ○山田委員  言っちゃいけないんですか。 ○岡本参考人  そうです。 ○山田委員  言っちゃいけないの。 ○岡本参考人  そうなんです。 ○山田委員  それはきついですね。行ってくださいって言えないんじゃ。 ○岡本参考人  だから例えばうちの商品が入っているどこどこ病院さん、いかがですかなんかと、問い 合わせはしょっちゅう来ますよ。それを言えないんです。ホームページでこういうふうに お探しされて行かれたらいかがですかと。 ○中川座長  その仕組み、やっぱり考えなきゃいけないんですよ。そうしないとやっぱり本当に、そ れこそどんどん市町村の受付窓口にクレームなんか殺到する可能性もあるし、ちょっとそ こは今後またいろんな取り組みがなされるべきなんですが、時間ですので、次に、事務局 から平成21年度の補正予算案の概要についての報告をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  資料の38ページ目でございます。平成21年度の当初予算237億円でございましたが、一次 補正予算案、現在国会で審議中でございますが、237億円ということで、補正後予算額が 437億円でございます。38ページのこの星がついている3つが、補正予算のがんに関する部 分でございます。  そしてこの39ページでございます。先ほどもきっかけが大事ということでございますが、 女性特有のがん検診に対する支援ということで、子宮頸がんにつきましては、20歳から40 歳までの5歳刻みの年齢の方々。乳がんにつきましては、40歳から60歳までの5歳刻みの 方々。そういった方々に対しまして、検診の無料クーポン券の配布と検診手帳を交付する という事業で、216億円。この補正予算のほとんどがこのがん検診の支援でございます。そ のほか女性の健康支援の拡充、そして、国立がんセンター臨床開発センターの経費、そう いった補正予算が現在審議されているところでございます。  続きまして、その女性特有のがん検診についてでございますが、40ページと41ページに 簡単に現在の考え方、イメージを示してございます。  41ページでございますが、市区町村から検診の対象となった女性の方々に対して、クー ポン券と検診手帳を配って、それを持って検診機関を受診する。そして、検診機関から市 区町村に検診費用の請求が行われるというふうな仕組みになっているところでございます。  それから資料3でございます。前回もございましたけれども、韓国のがん検診の受診勧 奨の資料ということでございまして、それを日本語訳にして用意させていただきました。 先ほども議論がございましたがん検診についてのイメージということについて、この通し 番号で申し上げますと、54ページからですが、韓国は胃がんと肝臓がんと大腸がん、乳が ん、子宮頸部がんという5つのがんで、対象と検診方法を示していまして、そしてそれぞ れのがんにつきまして、55ページが胃がん検診、56ページが大腸がん検診、57ページが肝 臓がん検診、58ページが乳がん検診、それから子宮頸部がん検診という形で、どういった 方に、どういった検診を行うかということを割と詳しく普及啓発しているという状況でご ざいます。  以上でございます。 ○中川座長  ありがとうございました。今の事務局からの説明について、委員の皆様からご質問、ご 意見ありますか。  216億円というと、がん対策推進室の予算に及ぼうというようなあれですから、これはや っぱり非常にきちっと有効に活用されることがもうぜひとも必要かなという気がします。 ○関谷委員  無料クーポン券で、お金がかからずに受けられるというのは大変すばらしいと思います し、大きな受診率の向上につながるかと思うんですが、プラスぜひいつもいつもこればっ かり言っていて申しわけないような気もしますけれども、私の周りを見ると本当にここが 大事という部分がありまして、やはりちょうど女性の特有のがん、しかも対象年齢に子育 て年齢が入っていて、お金がもったいなくて、子供が預けられないんじゃなくて、預ける 場がないという人たちが特に首都圏は多いんですね。お金なら出します。例えば検診には 費用がかからないんだったら、保育のためのお金出しますというより、お金がないんじゃ なくて、預ける場所がないという人も多くて、そこで本当に大きなきっかけを失ってしま う人が多いので、託児付きの、先ほど岡本さんのお話にも託児という文字を見つけたんで すけれども、ぜひここは幼稚園なのか保育園なのか。連携をするとか、いろんな形で頭の 中に入れて考えていただければと思います。 ○中川座長  大事なことですよね。子宮頸がんはもう二十歳から、乳がんも40からですが、やっぱり そのあたり。それこそアラフォーの方々の生活に合ったシステムをつくらなきゃいけない ですね。ほかにありませんか。  5年に一度というのは、やはりその財政的な問題もあったというふうに伺っていますが、 本来2つのがんは2年に一度やらなきゃいけないんですね。ですから、やっぱりきちっと がん検診をなぜ受けなきゃいけないか。日本のがん全体についての啓蒙を同時に行ってい かないと、ちょっとかえって誤解を与える可能性もあるので、この辺も注意して行く必要 があるんだろうなというふうに思っております。  それでは、続きまして、事務局から「がん検診受診率50%達成に向けた」受診勧奨事業 に係るキャッチフレーズ等の評価についての説明をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  資料の66ページでございます。前回の懇談会におきまして、統一のキャッチフレーズ等 による全国的な受診勧奨事業を実施するために、がん検診受診率50%達成に向けたキャッ チフレーズ、イメージキャラクター及びロゴマークの募集を行い、この懇談会におきまし て、評価をお願いしたい旨、ご報告したところでございます。  募集はこの66ページにございますとおり、ことしの4月1日から5月1日というわずか 1カ月間でございましたが、キャッチフレーズには613作品。イメージキャラクターには65 作品。ロゴマークには119作品の応募が寄せられたところでございます。本日の会議の限ら れた時間で全部の作品を一つ一つ評価することは困難と考えましたので、あらかじめ各委 員の皆様に一次選考をお願いしたところでございます。  本日は、その一次選考されました作品の中から、委員の皆様の採点によりまして、応募 項目ごとに合計点数の高い順に5作品を優秀賞として、最も点数の高い作品を最優秀賞と して後日表彰したいというふうに考えているところでございます。  以上です。 ○中川座長  そうすると、委員の皆様にはここにある紙に、これを見ていただきながら、1位には5、 5位には1ということで、一番いいと思うのは5、一番悪いのが1ということで、これを 数字を入れていただくということになります。じゃ、今、お願いします。今です。 ○永江委員  1つ質問なんですけども、これ、キャッチフレーズとロゴとイメージキャラクターって ありまして、使われ方のところがどうなのか。ちょっと悩ましいんですね。直感的に1個、 1個いいものを選べばいいのか。その使い方によってその組み合わせとかも変ってくるの で。 ○中川座長  そうですね。この使われ方はやっぱり、何とも言えませんね。ですから、そこをぐっと のみこんでどのようにも使えるような感じの。 ○前田がん対策推進室長  じゃ、この71ページからですが、委員の方々から事前に挙げられてきたものを簡単に26 作品、まずキャッチフレーズについて、読み上げましょうか。 ○中川座長  そうしますか。 ○前田がん対策推進室長  それを聞きていきながら点数をつけていただくということでよろしければと思いますが。 ○中川座長  はい。 ○前田がん対策推進室長  まず、71ページでございますが、20番の「恐れない 癌(きみ)とたたかう この私」、 そして、72ページの46番「がん検診 受けない怖さ 受けてる強さ」、65番「自覚ない  がんの芽生えを 見つける検診」、68番「まだいたの 受けなきゃダメよ がん検診」、 73番「がん検診 愛する家族への 贈りもの」、そして73ページ目でございますが、84番 「がん検診 定期に受ける よい習慣」、96番「パパママも 受けて安心 がん検診」、 そして次のページですが、130番「誘いあい 年に一度は がん検診」、133番「検診で  不安を無くそう がん年齢」、170番、75ページですが、「がん検診 みんなで受ければこ わくない」、190番「あなたの健康 あなたが守る がん検診」、191番「がん検診 あな たのために 家族のために」、そして76ページ、207番「自分のために 家族のために が ん検診」、218番「この次と 言わずに検診 がん予防」、77ページ、261番「早ければ  ガンは消えます 治ります」、272番「守りたい 笑顔があるから「がん検診」」、273番 「大切な 命を守る ガン検診」、そして79ページですが、336番「すすめよう 愛する人 に がん検診」、352番「「がん」は見つける病気です」、395番、こちらが80ページにな りますが、「がん検診、誰のために受けますか?」、427番、81ページですが、「私の未来 を診てみよう」、445番「がんは見つけて治すもの」、そして次が82ページですが、453番 「「だいじょうぶ」だから行きます がん検診」、そして、541番、84ページ、「検診がガ ン撲滅の第一歩」、553番「勇気を出して、未来を診よう」、そして最後が、85ページの 576番「記念日に 家族で受けよう がん検診」。  以上、26作品でございます。 ○中川座長  ありがとうございます。 (記  入) ○中川座長  これ、標語みたいな感じが多いので、これはもう改編というのはあり得ないんですかね。 例えばこの標語の五・七調の中の部分だけ使うとか。七と後の五を使うとか。そういうの はだめなんですかね。特に……。 ○前田がん対策推進室長  この66ページ、67ページの応募要項の中で書いていますが、67ページの一番下に、「採 用作品は補作・動画化することがあります。」と記載しております。 ○中川座長  補作というのはそういうことなのかもしれません。 ○前田がん対策推進室長  補作という点でいけば、できれば若干変える可能性があり得るということになります。 ○中川座長  例えば何かイベントなりあったときに、若い方たちが多いときに、何か余り標語的なも のもどうかなというところもありますし、ある程度臨機応変にできたらいいなという気は しております。 ○塩見委員  キャッチフレーズの中に片仮名の「ガン」、それから平仮名の「がん」がありますね。 これはがんセンターさんもそうで、我々もそうなんですけど、片仮名のガンは、昔使って いたんですが、このガンの強さというか、インパクトが強過ぎるので、今、片仮名をやめ て、平仮名「がん」にほとんどのところはもうなっていると思います。もしこの片仮名 「ガン」が採用されるならば、平仮名「がん」に変えていただきたいと思います。 ○中川座長  そうですね。それは補作のレベルかなという気はしますが。 ○永江委員  アフラックも社内では、必ず平仮名なんで、そのほうがありがたいです。 ○中川座長  皆さん、いかがでしょうか。塩見さんと山田さんは終了ですか。関谷さんもですね。全 部終った。すごいですね。天才だな。衞藤先生、いかがですか。もう採点していただけま したか。そこもやっていただいているんですね。なるほど、わかりました。ちょっと私も 理解をしておりませんでした。前田さん、皆さん、イメージキャラクターやロゴもやって いただいているようなんですが。 ○前田がん対策推進室長  今はとりあえずこのキャッチフレーズのほうの点数だけということで、イメージキャラ クターやロゴについては、また時間的余裕がございますので。 ○中川座長  どうしましょう。そうしましたら、ごめんなさい。いやいや、いいんですよ、助かりま す。キャッチフレーズは終了。それじゃ、次、イメージキャラクターですね。前田さん、 いいですか。ご説明いただいて。 ○前田がん対策推進室長  イメージキャラクターにつきましては、委員の方から14の候補を挙げておられます。応 募総数が86ページにございまして、65作品ございました。そして1つ目のものがこの100ペ ージにございますナンバー28番でございます。こちらの大きいほうですね。それから2つ 目が102ページにございます32番、この「がん退治」と書いてあるほうですね。それから3 つ目が103ページにございます33番の、このかにの絵が入っているほうです。それから4つ 目が105ページにございます37番の、この虫めがねみたいなのをつくっているほうですね。 それとこのもう一つ下の38番、「めざせ!がん検診受診率50%」、こちらも候補に残って ございます。それから108ページの44番、こちらの「がん検診へ出陣じゃ」と書いてあるほ うですね。それから109ページの45番、こちらがこの天使のみたいなのがあるものですね。 それから同じく109ページの46番、これも「がん検診へ出陣じゃ」のほうでございます。そ れから111ページの49番ですので、「けんしんくん」と書いてあるほうですね。それから 113ページの52番、これは犬の名前の「犬しんくん」と書いてあるほうです。そして、114 ページの55番「癌 検診」と書いているこの絵ですね。それから115ページの56番、「早討 ちマーキー(仮称)」と書いてあるほうですね。そして、116ページの59番、このハートマ ークの絵を持っているイメージキャラクターでございます。それから、119ページの64番、 この50%というふうな、緑色のキャラクター。この14のイメージキャラクターを一次選考 で選んでいただいたところでございます。 ○中川座長  ありがとうございます。イメージキャラクター、皆さんもうあれですかね。多分全然委 員の皆さんのほうが進んでいるようなので。  次、ロゴにまいりましょう。 ○前田がん対策推進室長  ロゴにつきましては、119作品でございまして、委員の皆さんからは13の候補を挙げてい ただいてございます。  1つ目が121ページ目の1番でございます。そして2つ目が123ページの6番でございま す。それから3つ目が125ページの10番でございます。4つ目が129ページの17番のほうで ございます。5つ目が130ページの20番でございます。そして、6つ目が135ページの30番 でございます。7つ目が137ページの33番でございます。その次が138ページの35番でござ います。次がちょっと飛ぶんですが、166ページで後ろのほうになりますが、91番でござい ます。その次が167ページの93番、そして169ページの98番、それから177ページの112番、 それから同じく117ページの113番でございます。  以上でございます。 ○中川座長  ありがとうございます。すべて終られた方、挙手をお願いします。すばらしい。 ○衞藤委員  言葉づかいに関してなんですけれども、どうもロゴマークというのは正しい言葉ではな いらしくて、こういう図案化したものはシンボルマークと言うらしいです。それから字を 装飾したものをロゴタイプというんだそうでありまして、恐らくそれをちょっと混同して いるんじゃないかなと思いました。 ○中川座長  確かにロゴスですからね。言葉ですね、ロゴはね。これ、今後どうしましょう。ロゴマ ークで行くのか。シンボルマークで行くのか。 ○前田がん対策推進室長  ロゴという形でもいいかと思いますけれども。 ○中川座長  ロゴ。 ○前田がん対策推進室長  はい。 ○中川座長  より外れるような気もするが。衞藤さん、どうしましょうか。とりあえずロゴマークの ほうで。 ○衞藤委員  ええ。図案だとかそちらの世界ではどうもそういう言葉づかいをしているらしいという ことで、別の学会でのこういったマークをつくるときに、私も初めて知ったことでありま す。 ○中川座長  わかりました。許容範囲ということでございます。さて、皆さん、終了ですね。  ありがとうございました。それでは委員の皆様に評価いただいたものを、今、事務局の ほうで集計していただき、これは合算ですかね、点数の合算だと思いますが。後ほど発表 したいと思っております。  続きまして、事務局から懇談会事例集のイメージ案について、説明をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  それではお忙しい中、ご評価いただきまして、ありがとうございました。  それでは、資料5、181ページでございます。  本懇談会におけるこの事例について、それを集めて、それをきちんと発信していく必要 があろうということで、まずがんに対する正しい理解の普及啓発のために、実際に行われ ておりますさまざまな取り組みですとか、活動の報告。そして、その取り組みや活動事例 をこの懇談会で集めていただいたもの、発表されたもの、それを事例集という形で作成し、 そして各自治体、または企業、そしてがん関係団体で情報の共有化を行っていくことを考 えております。そして、目標としましては、がん検診の受診率の向上、並びにがんに対す る理解の普及というものを進めていく必要があろうということで考えてございます。  そしてその事例集の形式としては、一つの事例を1ページにまとめた概要版。そしてよ り詳しく図や表などを盛り込んだ詳細版。その2種類が必要かと思っております。それを 分冊にするか、1冊にするか、そういう点はまたいろいろと検討をしていきたいと思って ございます。  182ページのほうが概要版のイメージでございまして、ある普及活動について、サブタイ トルと、発表者の所属と名前、そして報告書の紹介がある場合、100文字以内の紹介。そし て大体1,200字程度の事例の概要版を書いていただくということ。そして、183ページが詳 細版でございますが、先ほどの概要版に図表、写真などを入れて、大体1事例、4,000字、 原稿用紙10枚程度、そういったものにまとめていこうかというふうに現在考えているとこ ろでございます。  この第2回、第3回、第4回とかなり有益な、そして貴重ながん検診の受診率の向上に 向けた事例が発表されたところでございますので、まずそのがん検診についての事例とし てはこういった形でまとめていこうかというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ○中川座長  それでは、今の事例集のまとめ方などについて、ご意見。そんな難しい顔をしないで。 ○山田委員  何の。 ○中川座長  これね、山田さんね、僕ね、これ大事だと思うんですよ。というのは、結局、均てん化 というのはそうだと思うんですけど、検診受診率って、やっぱりかなり岡本さんに見せて いただいたように、本当に違うんですよ、市町村によって。山形県の中でもやっぱり違う んですよね。ですからこういうふうなことをしているということを、みんなが知って、例 えば検診担当者の方がどうやったら本当はいいのか。草の根でやるにはこういうことをや ったらいいというのを、データベース的にしておくのは悪いことじゃないですよ。そんな 怖い顔しないでください。 ○山田委員  だれが。 ○中川座長  これは事務局のほうでまとめてくれる。 ○若尾委員  印象なんですけど、概要版が1ページで、詳細版が2ページというのは余り差がないの かな。もっと思い切って差別化して、概要版は半ページぐらいで、ばあっと全部が見えて、 そこで興味を持ったのを詳細版で見られるぐらいの感じでもいいんじゃないかなと思いま した。 ○中川座長  後で、多分問い合わせたい人がたくさんいるはずなんですよ。ですから、肩書き、お名 前だけじゃなくて、連絡先とか、あるいはできれば許可を得た上でですけど、Eメールア ドレスも公開できる方についてはあったらいいんじゃないかな。特に地方の取り組みとい うのがこうやって輪ができていく。例えばこの間来られた富山の加納紅代さんなんかも、 やっぱりそういうことを検診担当者が全国でいろんなディスカッションをしたい。私は頑 張っているけども、もっといいアイデアがないか。そういう声ってあるんですよ。ですか らこういう事例集なんかをきっかけをそういう検診担当者の方が相談できるような、そう いう仕組みをつくっていきたいと思っておりますので、ぜひともご理解をいただきたい。 きょう、全然笑いをとっていないですよね。きょうはね。 ○山田委員  笑いのために来ているわけじゃないんです。がんのために来ているんです。 ○中川座長  ええ。いつもはもう何かちょっとやってくださるじゃないですか。  特にこのことに関しては。これはあれですか。ネット上でも公開できるようなものにな るわけですか。 ○前田がん対策推進室長  この懇談会の議事録と資料は、両方ともネット上公開してございますので、こちらの事 例集についても公開をしていくということと、あと配布していくということ。いろんな情 報提供の仕方はあると思いますが、少なくともネットでの公開というのは必要かと思って おります。 ○中川座長  そうですね。事例集という言葉、これはもうこれでずっと統一してきているんで構わな いんですけど、何かこうもう少しわかりやすいサブタイトルをつけたらいいんじゃないか なという気がしますね。その辺は山田さんにもオーケーと言われるような、ちょっとかわ いらしい、みんなで頑張ろうということなんですよ。先へ行っている人も、少し遅れてい る人もいるんです、この検診は。それがみんなでまとまっていく、そういうイメージなん ですよね。ちょっと事例集というのはあれなんですけど、そのサブタイトルを少し考えて いただいたらいいんじゃないかなというふうに思います。  もうちょっとかかりますかね。今、ちょっと時間があるので、全体に何かこれを言って おきたいというようなこと、ありますでしょうか。いつも懇談会なのに、懇談する時間が ないというふうに、座長のお前がいけないんだと言われるので、きょうはあえてこういう タイミングで、何か。きょうの…… ○山田委員  何かねらい撃ちをして、やっぱりここってターゲットを決めて、そこの例えば県、ある いは町でもいいんですけど、そこで一気にマスコミも使い、何かデータもとりというのを やるのはいいなというふうに思いますね。 ○中川座長  そうですね。それも実際やっているんですよね。 ○山田委員  がん検診とかの低そうなところとかで、例えば県知事が超有名であるとか、そういうと ころを利用するとか、そういう手はあるなと思いますね。 ○中川座長  何か事務局のほうでそういうお考えなり、あるいはそういう実際、事例も全くないわけ じゃないですよね。福吉さん、何かご存じのケースありますか。 ○福吉参考人  本決まりではございませんので、ちょっと県、市のお名前はここでは申し上げることが できないんですが、そういった取り組みを今年度スタートしようということで、自治体と も話を進めておるところでございますので、またご報告ができることがあるかと思います。 ○中川座長  そういったというのは、もうちょっと詳しく言っていただけますか。 ○福吉参考人  先ほど、山田さんもおっしゃいましたように、メディアを使ってまず認知を上げていく ということがまず1点と、もう一つはそれと連動した形で、自治体からの個別の受診案内 がきちんと届くということ。あとは予約の簡素化を含めて行った上で、それをきちっと効 果検証すると。本当にそれで効果があったのかどうかというのを、受診率をポイントにし て、効果をきちんと図っていくというような、このすべてをセットで取り組んでいくとい うことを一つのモデル事業として成功させて、それを全国に広げていくというようなこと を、我々取り組みを始めておるところでございます。 ○中川座長  非常に大事ですね。ともかく、これはこの懇談会が始まって、きょうで4回目ですけど、 始まった当初は予算的な裏づけがそうあったわけではなく、ところが大変幸運なことにも 地方交付税が倍増になったということもさらにあるんですが、それよりも何よりも、その 216億円ですか、今ご説明があった具体的な補助金が市町村に行く。そこで女性のがんに対 しての無料クーポンと、あるいはその検診を勧奨するような手帳なども配られる。これは たまたま、本当にどういうめぐり合わせか、いい流れになっているので、しかし、ここか らがやっぱり勝負なんですよね。ここでだめだったら、ここで21年度で上がらなかったら、 本当に困るんで、これは私などが言ってもあれですが、やはり日本国を挙げた運動にして いただく必要がある。だから、できれば厚生労働大臣、本当を言えば、総理大臣が、「私 も受けましたよ。皆さんも受けてください」というふうに言わなきゃいけない。 ○山田委員  何で、一言でいいのにね、言わないんでしょうね。受けていないからですよ。 ○中川座長  それは山田さんが言ったらいいですよ。あなたが手紙でも書くとかね。 ○山田委員  わかりました。 ○中川座長  そうですよ。ぜひ必ずお手紙書いていただいて。 ○山田委員  はい。 ○中川座長  あとは特にありませんか。もうそろそろ結果が出ちゃいますよ。この時間はもうすぐ。 結果が出ました。 ○前田がん対策推進室長  それでは、今、集計させていただいたものでございます。キャッチフレーズにつきまし ては、1位のものが73番、「がん検診 愛する家族への 贈りもの」でございます。2位 が445番、81ページ、「がんは見つけて治すもの」、3位が96番の「パパママも 受けて安 心 がん検診」、4位が190番の「あなたの健康 あなたが守る がん検診」、5位が65番 の「自覚ない がんの芽生えを 見つける検診」でございます。  続いて、イメージキャラクターにつきましては、1位が46番ですので、109ページでござ います。この109ページのこの50%の旗を持っている「がん検診へ出陣じゃ」ですね。2位 が28番ですので、100ページでございます。こちらのこのかわいいキャラクターのほうです ね。それから3位が111ページの49番のほうでございます。4位が45番ですので、109ペー ジの45番。5位が44番ですので、108ページの44番でございます。  それから、ロゴマークでございます。こちらについての1位ですけれども、166ページ、 大分後ろのほうになりますが、166ページの91番でございます。2位が135ページの30番で ございます。それから3位が177ページの112番でございます。そして4位が129ページにご ざいます17番でございます。そして、5位が121ページにある6番でございます。 ○山田委員  6番は入ってますよね。 ○前田がん対策推進室長  6番は123ページの6番です。これですね。この丸く矢印のあるほうですね。  なお、現在発表いたしました順位により各部門とも類似の商標登録などされたものがな いか、そういったものを事務局のほうで確認をさせていただきまして、問題がなければ、 順位の順番で最優秀作品、優秀作品を決定いたしたいと思います。そしてまた、その最優 秀作品につきましては、後日、厚生労働省におきまして発表をする予定でございますので、 その際には委員の皆様に結果をご報告させていただきます。  以上でございます。 ○中川座長  ありがとうございました。このキャッチフレーズはともかく、ロゴマークとイメージキ ャラクラターが、かなりこう乖離しているというか、乖離というか、色合いが違うんです ね。これはあくまでも最優秀が使われるということになるんでしょうかね。 ○前田がん対策推進室長  もちろん商標登録とかされて、ほかのもので使われているもののまねとか、模倣とかで なければ、今採点していただいた点数に沿ってということで考えてございます。 ○中川座長  そうですね。例えばロゴの30なんていうのが、比較的顔つきがキャラクターの91に近い なんていう気もしますけど、まあ……言っても。ちょっとまたそれは、一応これで決まり ということ。あとはチェックをしていただくということですね。  それでは、ちょっと時間が押しておりますが、きょうの懇談会の議題は以上ということ でございます。  最後に、どうぞ。 ○若尾委員  69ページのこの表彰で、最優秀が1点で、優秀が5点であれば、6位まで選ばないとい けないということはないですか。 ○山田委員  細かい。 ○前田がん対策推進室長  この最優秀作品の1点というのは、優秀作品も兼ねるということでございます。申しわ けございません。 ○中川座長  それでは、最後に事務局のほうから連絡事項等があれば。 ○前田がん対策推進室長  本日、お配りしております資料の参考資料1といたしまして、広報誌『厚生労働』の特 集のがん対策第2弾といたしまして、4月号に山田邦子さんにインタビューをお願いした 記事が掲載されましたので、ご報告させていただきます。  委員の皆様には製本したものをお配りしておりますし、傍聴者の方々にはその写しを配 布させていただいております。また、本日ご議論いただきました内容につきましては、議 事録を作成いたしまして、厚生労働省のホームページにて公開することとなりますが、議 事録の案ができましたら、委員の皆様にご確認をお願いいたしたいと存じますので、どう ぞよろしくお願いいたします。  なお、ホームページに掲載いたしました第3回がんに関する普及啓発懇談会の議事録を 参考資料2として出させていただいてございます。  以上でございます。 ○中川座長  ありがとうございました。次回の開催については、がん検診受診率向上に向けた受診勧 奨事業の動きや、国内での新型インフルエンザの発生の動向などを踏まえて開催時期を決 めたいと思います。開催に当っては、また事務局から別途日程調整のお願いを皆様にいた しますので、どうぞよろしくお願いします。  きょうは座長の不手際で少し時間が延びてしまいました。それから、慢性の睡眠不足と はいえ、皆さんのご氏名や自治体の名称を誤ってお呼びしたことを深くお詫び申し上げま す。どうもすみませんでした。  ありがとうございました。 (了) 照会先 厚生労働省健康局総務課がん対策推進室                末政(内線2946) −1−